248 : VIPに... - 2011/01/07 21:19:14.29 nvSx5Gc0 1/10

前に書いた
上条「あの日、もしかして、お前は俺以上に」
http://ayamevip.com/archives/36006972.html
の最後に書いたパラレルおまけの続きです

簡単に説明すると
上琴で、父子家庭になった上条さんと娘のもとに、アンドロイドになった美琴が帰ってくる話でした

5,6レスほどもらいます

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-21冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294925147/



【 君は君 】


249 : 君は君 1/5 - 2011/01/07 21:20:31.52 nvSx5Gc0 3/10

夜、娘の寝顔を
『また』眺められようになったのは
幸福な事だと思う

食卓で今日、保育園であった事を聞いたりとか
風呂上がりに娘の髪の毛を乾かしたり
そして、寝付くまで絵本を読んで聞かせる

そんな当たり前の事が『美琴』にとって
何よりも大切な事だと実感し続けている

上条「ただいまー」

その隣に、もう一人の愛する人がいる事も含めて

美琴『お帰りなさい。遅かったわね』

上条「垣根のヤツが、見回りの後もぐだぐだと愚痴りやがったからなぁ」

美琴『警備員も大変ね』

上条「まあな。あ、俺は明日の授業の準備があるから先に寝ててくれ」

美琴『別に気にしたくてもいいのに』

そもそも今の『美琴』は「御坂美琴」の人格と記憶をもったアンドロイドなのだ
睡眠自体、本来は必要ない。でも、

上条「いいから、休んどけよ」

美琴『……うん』

上条は人間として扱おうとする
それが、嬉しいが、申し訳なくもある

上条だけではなく、「御坂美琴」にも
「御坂美琴」でいようと思ってはいても……

250 : 君は君 2/5 - 2011/01/07 21:21:09.83 nvSx5Gc0 4/10

美琴『よっと』

上条と娘が寝静まった後
こっそりと寝室を出る

美琴『さてと……』

ソファに座り
机に工具を広げて
予備の部品を用意する

美琴『右腕からにしよっか』

呟きながら、右腕の模造皮膚カヴァーをはずして
ハッチを開けて内部のパーツを露出させる

美琴『うん、問題無いわね』

特別に問題が無くても、毎日のメンテナンスは欠かせない
この体は試作品であり、開発に携わっていた記憶があっても
急にどんな問題が起こるかわからない
ある日、急に動作不良で動かなくなる事もあるのかもしれない

そんな事態を防ぐためにも毎日、点検する必要がある
もし、『美琴』が急に停止したら
二人がどんな顔をするのか
簡単に想像できてしまうから

美琴『そろそろ右足のセンサーは換えどきかな』

センサー類は絶対に必要な機能では無い
しかし、あの子のぬくもりを感じるには
無くてはならないものだ

抱きしめた時、暖かさも柔らかさもわからない
そんなのはごめんだ

美琴『よっと、外れた』

251 : 君は君 3/5 - 2011/01/07 21:21:50.38 nvSx5Gc0 5/10

上条「美琴、起きてたのか」

右足のセンサーを外した時
後ろから声をかけられる

美琴『ア、アンタ! 何してんのよ!』

言いながら、センサーを上条の視界から隠す
ただ、ソファの隙間に押し込んだだけの雑な隠し方だ
でも、仕方ない。急に出てくるから

上条「何って、のど渇いたから水を取りに来たんだけど」

そういう上条の手にはミネラルウォーターの
ペットボトルが握られている

252 : 君は君 4/5 - 2011/01/07 21:22:35.07 nvSx5Gc0 6/10

美琴『なら、とっと飲んじゃいなさいよ!』

上条「何、驚いてんだよ」

美琴『そりゃ驚くわよ。アンタの右手で触られると消えちゃうわけだし』

上条「……そうだったな」

あの「御坂美琴」の記憶と人格が残ったのは
彼女が最後に能力を使ってwebに侵入したからだ
だから、今の『美琴』は彼女の能力そのものであり
上条の右手で触れられれば、消えてしまうかもしれない

美琴『気をつけなさいよ』

後ろ手で、センサーをより深く押し込みながら言う
できる限り、上条と娘には見て欲しくない
こういうところは

上条「わかったよ。よっと」

美琴『なっ』

上条が美琴の右隣に腰を下ろす
間隔はほとんどあけていない
右足以外のセンサーから体温が伝わってくる

253 : 君は君 5/6 - 2011/01/07 21:23:08.20 nvSx5Gc0 7/10

上条「別にいいだろ。隣に座るくらい」

美琴『し、仕方ないわね』

ずっと昔、付き合い始めた時の感覚がよみがえってくる
それは『美琴』の記憶と断言する自信は無いけど
でも、大切だとおもえる思い出の中にあって

上条「ふぅ」

美琴『なっ』

上条が体をずらしながら『美琴』によりかかってきて
そのままソファに寝転がる
……『美琴』の膝を枕にして

上条「良いだろ別に」

美琴『な、な、な』

右足のセンサーは取り外しているため
何も伝わってこないはずなのに
なぜか、胸がどきどきする

254 : 君は君 6/6 - 2011/01/07 21:23:40.47 nvSx5Gc0 8/10

上条「ああ、この柔らかいな」

美琴『柔らかいわけないでしょ』

模造皮膚は麦野とともに開発した自信作だが
枕にして、柔らかいというほどではない

上条「やわけぇよ」

美琴『だから……』

上条「懐かしい柔らかさだな」

上条が『美琴』の瞳を見上げながら
微笑んで言う

美琴『……そう』

上条「ああ」

これから先も
この人がいれば
自分は「美琴」でいられる

そう改めて、思う



255 : VIPに... - 2011/01/07 21:26:13.10 nvSx5Gc0 9/10

以上です

火星年代記を読んだら、つい書きたくなってレスをお借りしました

お目汚し失礼しました

257 : VIPに... - 2011/01/07 21:28:10.80 ebvp8r6o 10/10

大好きなあのスレの続きがよもや読めようとは
ありがてえありがてえ

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