1 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:05:32 IUs 1/24

第一話
巫女「口裂け女がやって来た」
http://ayamevip.com/archives/41951446.html

第二話
巫女「花子さんに会いに来た」
http://ayamevip.com/archives/42412368.html

第三話
口裂け女「閻魔様に会いに来た」
http://ayamevip.com/archives/42439205.html

の続編です

元スレ
巫女「口裂け女と花子さん」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1421895932/

2 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:05:39 IUs 2/24

巫女「あー眠い、死にそうなぐらい超眠い」

花子「何なの君は、会って早々寝不足とか……管理者の仕事が忙しいのかい?」

巫女「いやね、オンラインゲームで夜更かしと言うか徹夜多くて流石の巫女さんもグロッキーなの、今なら昼間の砂漠でもぐっすり眠れるくらいだわ」

花子「自由過ぎるね……管理者って皆そんななの?」

巫女「私は特別。適度に適当に手を抜きながら、天の道を行き全てを司る巫女、それが私よ」

花子「馬鹿なのかい?」

3 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:05:59 IUs 3/24

巫女「それ以上私に楯突くと酷いトイレに飛ばすわよ。主に臭いが酷いトイレ」

花子「ごめんなさいやめて」

巫女「ボットン便所ある場所あったかしら……そういや農場とか良さそうね」

花子「本当にごめんなさいやめてくださいマジでお願いします巫女様」

巫女「分かれば宜しい。んで、とりあえず今日来たのは分かってると思うけど……」

花子「ルームシェアの日だね、うん。大丈夫」

巫女「何が?」

花子「……僕、あんまり他の妖怪に会った事が無いから。相手がどんな妖怪なのか少し怖いんだ」

巫女「引きこもりタイプっすか、ウェルカムオンラインゲーム。私と一緒に未来を繋ぐRPGをしよう」

花子「嫌だよ、それどう考えても戻って来れないじゃ無いか」

巫女「あー、ゲームの世界で過ごしたい」

花子「ダメだこの巫女……」

4 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:06:21 IUs 4/24

口裂け女「おはようございますー」

巫女「お、来た来た」

花子「わっ……」

口裂け女「巫女さん、この方がルームシェアする花子さん?」

巫女「そそ、んでこっちがアンタのルームシェア相手の口裂け女……って、何で震えてんの花子さん」

花子「い、いや……その……僕、緊張して……」

口裂け女「僕!? 男の子!?」

巫女「いや僕っ娘、男の子っぽい女の子、ボーイッシュクール系花子さん」

口裂け女「と言うかスーツ!?」

巫女「それ以上いけない」

花子「ぼ、僕の職場……今はオフィスビルで……」

口裂け女「まさか閻魔ビルディング!?」

巫女「落ち着け、ここは現世」

花子「閻魔ビルディング……?」

巫女「あーもうめんどくせぇ、とりあえず立ち話もアレだからそこの喫茶店に入りましょ。奢ってあげるから」

5 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:06:42 IUs 5/24

喫茶店にて

口裂け女「へぇ~、花子さんも大変なんですねぇ」

花子「うん、でも君も色々と大変そうだね。主にこの巫女のせいで」

巫女「しばくぞコラ」

口裂け女「この間の地獄へ行ったのは大変でしたよ~、帰りは寝ちゃってたんですけどねぇ」

巫女「あー重かったわー」

口裂け女「はい、ご迷惑お掛けしました……」

花子「ねちっこいよね巫女って」

口裂け女「ねー、もうちょいこう、何とかならないのかなぁ?」

巫女「お前ら本人の前で良くそんな事言えるな、クソが」

口裂け女「元凶は」

花子「貴女だし」

巫女「んだよ息ピッタリじゃねぇか、もう帰って良いかなぁ」

6 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:07:03 IUs 6/24

口裂け女「と言うか何で立会いなんて来たんです?」

花子「僕もそれ思った、ルームシェアくらいなら別に立ち会う必要無いんじゃないの?」

巫女「これがさー、妖怪が同居したりする場合ってさー、居住リスト作る時に少し違う書き方しないとならなくてさー」

巫女「妖怪にも相性ってあるじゃない、性格じゃなくて能力的にさ。それで危険な組み合わせだったら処理が面倒だからこうやって立ち会って様子見してるのよー。めんどくさっ」

花子「ならルームシェアしなきゃ良いじゃん」

巫女「うっせ、こっちにも事情があんのよ」

口裂け女「中間管理職は大変ですねー」

巫女「何度目だこの話題、もう巫女さん飽きた」

7 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:07:39 IUs 7/24

花子「所で、本当に僕はルームシェアして良いの?」

口裂け女「私は構わないですよー、花子さん可愛いし」

花子「えっ!?」

口裂け女「え?」

巫女「はぁーん、成る程成る程……それじゃあお邪魔虫はこれで……」

口裂け女「……あっ! 待って、そういう意味じゃ無いから。待ってってば」

花子「ぼ、僕……可愛い……?」

巫女「いやいや、そんな趣味だったのねー、意外だわー。前は嫌がってたのに意外だわー」

8 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:07:58 IUs 8/24

口裂け女「だから違うっての!!」

巫女「きゃーレズが移るー」

口裂け女「謝れ、色々と各所の人に謝れ!」

花子「……」




















巫女「ひと段落したし口裂け女の家に移動中~」

9 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:08:24 IUs 9/24

口裂け女「は、花子さん……違うからね、私女の人に興味ある訳じゃ無いからね、本当だからね?」

花子「は、はぁ……」

口裂け女「待ってよ、露骨に遠ざからないで、違うってば」

巫女「可哀想に、ルームシェア相手は妖怪レズビアン……毎夜咲き乱れる二人の蕾……」

口裂け女「口縫うぞクソ巫女」

花子「ぼ、僕は……他の人の趣味とか、そう言うの気にしないから……」

口裂け女「ねぇ本当違うからね花子さん、あの巫女が勝手にそう思ってるだけで私にも恋してる相手が居るんだからね、待って、貴女じゃ無いからそうやってまた距離置こうとしないで」

10 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:08:41 IUs 10/24

巫女「ま、何だかんだ仲良く出来そうね」

口裂け女「正面からそこに亀裂作ったの誰だオイ」

巫女「私は何も言ってない~、私は何も言ってな~い~」

口裂け女「なんで私の周りってこんなのばっか何だろう」

花子「そこに僕を勘定に入れるのはやめてよ」

口裂け女「貴女はまともだから、ただ誤解を解いて欲しいだけだから」

巫女「なんかまともじゃないって言われた気がする、巫女さんカチンと来ちゃった」

花子「はぁ……それにしても随分と上り坂なんだね……はぁ、はぁ……」

11 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:08:57 IUs 11/24

口裂け女「待ち合わせ場所が巫女さんの神社でしたからねぇ、バスとか通ってますしそれ乗った方が良かったんですけど……」

巫女「だらしない二人に喝を入れる為、歩く事に決めました」

口裂け女「お金無いって言ったの誰でしたっけ」

巫女「知らんなぁ、と言うか花子さんにはこの辺の立地も覚えておいて貰いたいし」

花子「な、何で?」

巫女「ほら彼処のアパート、あの部屋がもうすぐ空くから。一ヶ月後は花子さんが彼処に住む予定なのよ」

口裂け女「え、本当に決まってたんだ」

花子「彼処が……なんか良い雰囲気だね……はぁ、はぁ……」

12 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:09:16 IUs 12/24

口裂け女「花子さん大丈夫ですか、荷物少し持ちますよ」

花子「はぁ、はぁ……ありがとう、口裂け女さん……はぁ」

巫女「女の友情って素晴らしいわね」

口裂け女「お前も手伝えよ」

巫女「いやーん、巫女さん重いの持てない~」

口裂け女「張っ倒すぞ」

巫女「冗談よ、スーツケース貸しなさい。体力も無いのね花子さんって」

花子「ひぃ、はぁ……僕、は……基本的に屋内の、仕事だし……ふぅ、ふぅ」

口裂け女「そっかー、あんまり外に行く事が無いから仕方ないのかー。私なんて外に出歩く事が多いから、これぐらいなら散歩程度ですけどねぇ」

巫女「アンタ早いしね、走ると」

13 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:09:39 IUs 13/24

口裂け女「そういう仕事ですからねー、怖がらせる為にはこの辺の地理も把握したり、抜け道探したり大変ですよー」

花子「な、なんで……?」

口裂け女「ほら、私キレイ?って驚かせた後に大抵は走って逃げるんですよ。んで、もっと怖がらせる為には裏道とか抜け道とか走ってその人に先回りしておかないとならなくて……そういや塀を伝って必死に移動した事もあったなぁ……」

巫女「それ家の中から見たら恐怖でしか無いわよ、こえぇよ口裂け女が塀伝いに歩いてるとか」

口裂け女「まぁ見られて怖がられれば妖力回復出来ますし、ノルマも達成出来ますからねー」

花子「ノルマ制、なんだ……はぁ、はぁ……少し楽になってきた」

口裂け女「花子さんは違うんですか?」

花子「僕の場合は時間制、ついでに驚かせたら妖力とボーナスが付くんだ」

巫女「人を驚かせたり恐怖させたりすると妖力が回復するってのも面倒よねー」

花子「そうだね、僕の場合は今需要も少なくなってる職業だし……お金はともかく、妖力は殆ど無かったりするね」

14 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:10:03 IUs 14/24

口裂け女「そっか、私も言える立場じゃ無いけどトイレの花子さんって学校のトイレが定番だから、それ以外ではあんまり需要ないのか……」

花子「最近のトイレって凄いキレイな場所多いし、明るいし、良い匂いしてるから……あんまり驚かせられないんだ」

巫女「あのオフィスビルだとトイレ休憩中にしか見えないしね」

口裂け女「前はどんなトイレに居たんですか?」

花子「前は工場のトイレだったよ、作業着に着替えて紛れ込んでトイレでいつも花子さんの格好してた」

巫女「あるじゃん花子さんの服」

花子「そ、それがね……一回警備員呼ばれて窓から逃げようとした時に破れちゃって……あの服って案外高くて、特注じゃないと作ってくれないんだ」

口裂け女「と言うか工場って……男性用トイレ?」

花子「……」

巫女「あーあ、なんか触れちゃ行けない部分触れちゃったー、いーけないんだーいけないんだー」

口裂け女「黙ってて、本当黙ってて。ごめんなさい花子さん、悪気があった訳じゃ無くてね……!」

花子「……僕、見た目が男の人っぽいから……最初は男性用トイレに配属されたんだ……後から聞かされたよ、女性なら女性専用のトイレに配属されるって……」

口裂け女「ん? それだと男の花子さんも居るの?」

巫女「トイレの太郎さんね」

口裂け女「えっ、居るのマジで」

15 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:11:03 IUs 15/24

花子「うん、最近は僕達花子さんより見かけなくなったね。太郎さん」

口裂け女「ほ、本当に居るんだ……」

巫女「口裂け男とかは居ないけどね」

口裂け女「居てもあんまり嬉しくないですけどね」

巫女「あら、同業の異性は嫌い?」

口裂け女「そうじゃ無いですよ、ギャップが無いじゃないですか、口裂け男って」

巫女「どんなギャップよ」

口裂け女「ほら、女性の口がここまで裂けてると恐ろしいけど……男性だと、ね?」

巫女「そういや漫画でそんなキャラ居たわね、妖怪じゃなくてヤクザだったけど」

花子「なんで知ってるのさ」

巫女「漫画喫茶行った時に見かけて読んだわ、変態による変態の純愛漫画だったわね」

口裂け女「読むチョイスが巫女とは思えない、と言うかなんで漫画喫茶に」

16 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:11:21 IUs 16/24

巫女「オンラインゲームのネカフェポイント欲しさに、あとネカフェ限定レアドロップデーだったから」

花子「君はどこまで廃人なんだい」

口裂け女「本当飽きないよね、そんなに楽しい?」

巫女「いやクソゲー、めっちゃクソゲー」

花子「辞めれば良いのに」

巫女「ばーか、褒め言葉よ」

口裂け女「頭のネジでも飛んでるのかしら……あ、あの角曲がったらうちですよ~」

花子「ようやく着いた……疲れたよ僕」

巫女「本当だらしないわね」

17 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:11:40 IUs 17/24

口裂け女・自宅

口裂け女「ようこそ我が家へ!」

花子「へぇ~……3LDKなんだ」

巫女「何これ私より良い生活してるとか死ねば良いのに」

口裂け女「トイレとお風呂も別個ですし、日当たりも良いですよここ」

巫女「お前妖怪なのに人間の私より良い場所住みやがって。こちとら神社横のボロ家だぞ。変われ」

口裂け女「いや、あれボロ家じゃなくて古風な感じじゃないですか。と言うか内装は悪くなかったですし」

巫女「日当たりが絶望的なのよ、洗濯物も乾きにくいし。普段は神社の裏手に干してるけど」

花子「それはどうかと思うよ」

18 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:12:19 IUs 18/24

口裂け女「右の部屋が物置なので、自由に使って良いですよ~。とりあえずは片付けておいたので住むには充分かと。ただ布団が無いんで買いに行かないとならないんですけどね」

花子「それは大丈夫。僕、寝袋で寝るから」

口裂け女「何で!?」

花子「……工場に配属された時は家が無くて、工場に寝泊まりする事もあったんだ……閉められちゃうと内側から開けられない場所もあって、これでしか寝れなくなったんだ」

巫女「何その工場怖い」

口裂け女「ま、まぁ寝袋でも良いですけど……もし必要になったら言って下さいね。家具とか寝具とか安い場所知ってますし」

巫女「安定のニトリクオリティ」

口裂け女「ははっ、残念でしたリサイクルショップです」

巫女「それはそれでなんか嫌」

19 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:12:36 IUs 19/24

花子「うん、機会があれば是非」

巫女「さてと、とりあえずは完了かしら。最終確認だけどルームシェアは一ヶ月だからね、何かあったら連絡しなさいよ」

口裂け女「分かってますよ、まぁよろしく花子さん」

花子「う、うん……よろしく、口裂け女さん」

巫女「あ、書類忘れてた。これにサインしといて」

口裂け女「書類多いですね」

巫女「まぁねー」

20 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:12:58 IUs 20/24

花子「……ルームシェア、初めてだからどうすれば良いか分からないんだけど」

口裂け女「冷蔵庫の中身は勝手に使って良いですよ、私も勝手に使っちゃいますし。家事とか分担します?」

花子「うん、それが良いね。僕もここに住まわせて貰うから出来る事はやるよ」

巫女「あ、ルームシェア中の家賃の半分は私が管理者として出すから」

口裂け女「えっ、何か太っ腹じゃないですか!」

巫女「花子さんの会社経由での出費よ、花子さんの給料に変わりは無いから安心しなさい。出張手当として処理させるから」

花子「待遇良いんだね」

巫女「今回こんな事があったしね、向こうの落ち度もあるからそこに漬け込んでがっぽり貰います」

口裂け女「あ、自分の懐にも入れる気だ」

巫女「こんだけやってるんだから少しくらいお小遣い貰っても神様に怒られないわよ。それに、口裂け女の出費も少しは抑えられるでしょ」

口裂け女「まぁ、確かに」

21 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:13:20 IUs 21/24

花子「食費とか光熱費は割り勘するよ、そこまで僕もケチじゃないし」

口裂け女「そうですねー、その辺は後で決めましょう。明日は休みなんですか?」

花子「うん、土日は僕休みなんだ。たまに休日出勤あるけど」

口裂け女「私も今月分のノルマは達成してるんで、明日一日で色々決めましょう。今日はパーっとお祝いでも!」

巫女「楽しそうで何より。それじゃあ書類も貰ったし私は行くわ」

花子「あれ、一緒にパーティしないの?」

口裂け女「そうですよ、何だかんだお世話になったし今日くらいは」

巫女「嬉しいんだけどちょっと別件がねー、そっちに行かないとならないのよ~」

花子「仕事沢山あるんだ、やっぱ大変だね」

口裂け女「そっか、残念ですけどまた次の機会にパーティしましょうよ」

巫女「そうね、美味しいお酒を沢山用意しときなさい。私全部飲んでやるから」

口裂け女「そこは少し自重して」

巫女「ま、何はともあれ一件落着。一ヶ月楽しく過ごしてね、じゃあね~」

22 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:13:39 IUs 22/24

花子「……なんか僕、ここに来て良かったかも」

口裂け女「あの人、普段はおちゃらけてたりウザかったりしますけど、何だかんだしっかりしてますからね~。私も初めてここに来た時は巫女さんにお世話になりましたよ」

花子「……その話、少し聞きたいな」

口裂け女「じゃ、ちょっと早いけど飲みに行きますか。お酒飲めます?」

花子「うん、焼酎はちょっと無理だけどワインなら……」

23 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:13:59 IUs 23/24

口裂け女「良いワインバーがあるんですよ~、妖力もまだタップリあるし口の裂け目も隠せるから行きましょう!」

花子「……うん!」


















巫女「ふぅ、これでひとまず安心かな」

24 : 名無しさ... - 2015/01/22 12:14:21 IUs 24/24

巫女「仲良く出来そうで良かった良かった、こっちも仕事終わらせて今日は軽く飲もうかしら」

巫女「……うわ、面倒な奴の所に行くの忘れてたわ」

巫女「メリーさん……あの子苦手なのよねぇ……」



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