女騎士「早く!一思いに!!」
オーク「いけません。粗末にしてはいけないのです」
女騎士「貴様あああ!!」
元スレ
女騎士「くっ…殺せ!」オーク「命を粗末にしてはいけませんよ」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1421617043/
オーク「粗末にしてはいけない。粗末にした時からその命は輝きを失ってしまう」
女騎士「貴様...さっきから何を言っているのだ」
オーク「命はもがくときこそ輝いている」
オーク「私はもがく命が見たい」
女騎士「.....」
女騎士「つまり貴様は私にもがけと言ってるのか」
オーク「その通りです。もがいてこそ命。もがいてこそヒトだと思うのです。」
女騎士「...ここまで堕ちた私に何を言う」
女騎士「私にはもうもがく権利なんてない」
オーク「何故?」
女騎士「私は貶された。堕とされた。なぁ分かるか?不気味なオークよ」
オーク「.....」
女騎士「私は騎士道のために女まで捨てた。私にとって騎士道とは私そのもの、だ」
女騎士「それなのに。それなのにここまで堕ちた」
女騎士「なぁ分かるか?不気味なオークよ」
女騎士「分からないだろう...?」
オーク「いえ、分かりますよ」
女騎士「なに....?」
オーク「あなたは私に理解して欲しいんですよね」
女騎士「そっそんなことっ!!」
オーク「あるんですよ」
オーク「あなたは戦いに全てを捧げた。それなのに敗北した。貶された。堕とされた」
オーク「欲望を抑えつけ全てを捧げたのでしょう。騎士道に」
オーク「常人なら気が狂うような思いで捧げたのでしょう。女も。友情も。家族も。愛も」
オーク「それなのに、そこまでしたのに報われなかった私を理解して欲しい。そう思ってるんじゃないですか?」
女騎士「そんなこと....そんなこと.....」
オーク「いいんですよ。身を委ねても」
女騎士「.....そんなこと....」
オーク「しかし、身を委ねるのなら一つ条件があります」
オーク「どうです?知りたいですか?」
女騎士「...そんな...こと...」
オーク「でもあなたには帰る場所もないでしょう?」
女騎士「....くっ...!!!!」
女騎士「殺せ!!私を殺してくれ!!!」
オーク「それはいけません。私はもがく命が見たいのです」
女騎士「ううっ....」
オーク「だから私に身を委ねるのです。あなたはまだ若い。全てを諦めるには早い」
女騎士「諦めてなんか....」
オーク「でも、諦めている。しかし、諦めている自分を認められない」
女騎士「それは違ーーー」
オーク「自分を認めずに誰が自分を認めるんですか?」
女騎士「.....わかった...貴様に委ねよう...」
オーク「そうですか」
女騎士「それで...条件とはなんなのだ」
オーク「はい。それは私にもがく命を見せつけることです」
オーク「何回も申してる通り私はもがく命が見たい」
女騎士「どうして貴様をそこまでそれに拘る....?」
オーク「綺麗じゃないですか。単純に」
女騎士「......」
オーク「何かに向けて頑張っている...ひたすら悩んでいる...もがいている...」
オーク「私は綺麗な物が好きなんです」
オーク「きっと私は私の外見のコンプレックスからそう思っているんでしょう」
オーク「だから精一杯もがいてください」
オーク「一度挫折したっていいじゃないですか。恥の多い人生でもいいじゃないですか」
オーク「あなたは何度でも立ち上がれる。もがくことができる」
オーク「だから、私にもがいてる命を見せつけて欲しい」
女騎士「........」
オーク「さぁ。そうと決まればこの薄暗い牢獄から脱出しましょう」
オーク「枷を外してあげますね」カチャカチャ
女騎士「...いいのか?勝手にそんなことして」
オーク「勿論いけませんよ。ばれたら打ち首どころじゃ済まないでしょうね」
女騎士「なぜ...そこまで」
オーク「さっきから何回も言ってるじゃないですか。もがく命が見たいって」
女騎士「......そうか」
オーク「じゃあとりあえず私の家に行きましょう。細かい話はそこでしますかね」
女騎士「あぁ...そうだな」フッ
オーク「あ。今ちょっと笑いましたね」
女騎士「わわわ笑ってなんかないっ!!」アセアセ
オーク「はいはい。分かりましたよ」フッ
女騎士「くっ...殺せ!」
オーク「命を粗末にしてはいけませんよ」
おしまい