関連
男「まさか女さんがあんなにデレるとはな」幼「はぁ・・・」【前編】


295 : VIPに... - 2014/11/21 22:22:27.12 AimzZ7Q70 118/254

「サンドイッチしか残ってなかったな」

フラ「私は全然かまいません」

「米が食いたいぜ」

フラ「じゃあ、お夕食は和食にします」

「ああ、サンキューな」

「って俺のところ卵サンド入ってなかったか。半分くれよ。カツサンド分けてやるから」

フラ「はい、どうぞ」

「おう。そこ置いとい・・・もがぁ!」

「せめて、はいあーんぐらいの前置きはしろよ!」

フラ「あら、だって男さんいつも嫌がるじゃないですか」

「そうだけどよ。それにお前、日に日に距離が近くなってるよな」

フラ「昨日あれだけの事やったのに、そんな事気にするんですか?」

「うわ、昨日の事は言うな」

フラ「うふふ、顔赤いですよ」

フラ(うーんっ幸せ。男さんがギターをまた始めておじさまのグループにもう一度入るって事は、これからもずっと一緒に居られるって事ですよね)

フラ「男さん。昔みたいにもう一度、私とペアを組んでくれませんか?」

「そうだな。向こうではお前とのセットでの知名度もあるし、ギターを再開するならそうなるだろうな」

フラ「そうなりますね。うふふ」

フラ(なんだ。男さんも私と一緒に居たかったんですね)

フラ「えいえいっ」

「やめなさい。乳首押すのは、やめなさい」

296 : VIPに... - 2014/11/21 22:24:18.10 AimzZ7Q70 119/254

「次の授業なんだったかなぁ」

先輩A「やぁ」

「せ、先輩!この前はしゃあせんっしたぁ!」

先輩A「いいよ、僕だって君のアドバイスを活かせなかった」

「いや、俺が適当な事言ったせいで・・・」

先輩A「別に怒りに来た訳じゃないんだ。協力してくれたお礼だよ。ありがとう後輩」

「先輩マジいい人っす!」

先輩A「でも残念だね。素敵な外国人の彼女が出来ると思ったんだけど」

「先輩ならいつか出来ますよ」

先輩A「外国の女性はなんて言うのかな、堂々としてる所がいいよね。もうこの学校にはそんな人」

ボブ子「それマジうけるわ」

先輩A「素敵だ!!」

ボブ子「な、何こいつキモ!」

「フラと比べると結構肌が黒いけど、外国人なら誰でもいいのか」

297 : VIPに... - 2014/11/21 22:26:26.55 AimzZ7Q70 120/254

フラ「男さん帰りますよ」

「お前さすがに道覚えただろ。一人で帰れ」

フラ「嫌です。道に迷ってしまいます」

「もういいや。帰るか」

フラ「あら、夕日が奇麗ですね。東京の空が汚いって誰が言ったんでしょう」

「この季節は葉っぱも枯れて来てるし、全体的に赤いな」

フラ「ところで男さん、お風呂ではどの部分から洗いますか?」

「お前それ絶対興味ないだろ。適当な話題振るなよ・・・って、興味津々じゃねぇか!そんな目で見ても教えないぞ」

フラ「じゃあ私から言いますね。最初は頭を洗うんですけど」

「いらんいらん。その情報マジでいらないから」

フラ「あ、そうでした」

「どうした?変な事言うなよ」

フラ「いえ、少し買い忘れた物がありました。スーパーに寄ってから帰ります。男さんも来ます?」

「いや、俺は先帰るよ」

フラ「・・・そうですか。ではここで」

「じゃあな」

298 : VIPに... - 2014/11/21 22:29:14.39 AimzZ7Q70 121/254

「男、下校中?」

「・・・」

(幼か、心が痛むがここは黙って乗り切ろう)

「隣歩くくらいだったらいいよね」

「・・・」

「そっか、良いんだ」

「二人で下校するのが、こんなに貴重になる日が来るなんてね。男はずっと何も教えてくれないし」

「・・・っ」

「今だって・・・黙ったままで」

「う、胃が・・・やっぱり無視は効くわね」

「ちょっと近づいちゃえ」

「ふーん。寄りかかるのもいいんだ。どこまでして良いのかな」

フラ「何をするつもりなんですか?」

「っ!なんで」

フラ「スーパーに行く途中幼さんの姿が見えたので、もしやと思ったのですが」

フラ「男から目を離しちゃいけないと言う事でしょうか」

「あんた、また男に迷惑かけてないでしょうね」

フラ「迷惑?私は男さんのお夕食を作る為に、買い物をしようとしていただけですよ」

フラ「むしろあなたが、男さんに無視される程迷惑な存在だと思うのですが」

(違うって言ってやりたいけど、それじゃあ幼を突き放した事にはならない)

「ち、違う!事情があるんだから!」

フラ「ならその事情を解決してからいらっしゃい」

「う・・・」

フラ「男さん行きましょう。今日は味噌なし味噌汁になってしまいました」

「・・・スープって知ってるか?」

303 : VIPに... - 2014/11/21 23:33:03.79 AimzZ7Q70 122/254

(悔しいけど、フラの言う通りだよね)

(ちゃんと解決しないと)

(思えば私、男に自分の意見押し付けてばっかりだったな。明日学校が終わったらちゃんと話そう。ううん、男の話をしっかりと聞こう)

(明日は金曜日で次の日は学校休みだから、きっとゆっくり話せるよね)


フラ「男さんは美味しそうに食べてくれるので、作りがいがあります」

「うん。うまいんだけどさ」

「お前最近あんまり食べなくなったよな」

フラ「いえ、それどころではないので」

「なに忙しいみたいに言ってんだよ。俺の顔見てるだけじゃねぇか」

フラ「・・・」

「ひぃ、真顔やめて!ほら口開けろ」

フラ「え?はい」

パク

フラ「うーん。美味しい」

「自画自賛かよ」

フラ「こんなに美味しく感じるなら、もう男さんからあーんしてもらった物しか食べたくありませんね」

「もう嫌だ!この子おかしいよ!」

304 : VIPに... - 2014/11/21 23:37:07.70 AimzZ7Q70 123/254

シャー キュッキュッ

(とりあえず昨日みたいな事は避ける為に、風呂に入ったら直に24時間営業のファーストフード店に逃げ込もう)

(ちゃんとした鍵が部屋に付くまでの辛抱だ)

(そう言えば昔は風呂にも突入してきたなフラ。うわ大丈夫か?早めに上がるか)

シャー

フラ(男さんがシャワーを浴びてます・・・。でも我慢しないと、昨日みたいに外で寒い思いをさせる訳にはいきません)


「よし、ファーストフード店に寝に行くか」

「そういやフラは・・・そっかコンビニに行ったんだっけ」

(あれ?フラの部屋が開いてる。そう言えばフラの部屋って見た事ないな)

「ちょっとだけ、ちょーっとだけだぞ」

キー

「・・・うわっ!」

(俺の写真が壁いっぱいに!?これ俺がフラを案内した時に撮った写真か?いやなんか盗撮っぽいのもあるぞ)

「あ、ヤバい見なかった事に」

ドン

「え?」

ガチャ

フラ「昨日みたいに寒い思いをさせるのもかわいそうですものね」

ガチャガチャ

「・・・なにを」

フラ「私もね、男さんの部屋と同じで鍵をつけてみたんです。番号式の」

「う、嘘だろ。出られねぇ!」

フラ「こ、今夜は、この部屋で寝て下さい・・・はぁはぁ」

「あらやだ・・・終わったわ」

307 : VIPに... - 2014/11/22 00:59:32.12 Ohhtt2GR0 124/254

「よし、寝るか」

フラ「まだ早いですよ」

フラ「そ、それより昨日の続きを・・・昨日からずっとお預けをさせられているので、そろそろ限界なのですが」

「お預けなんてしてねぇだろ!って昨日のところからロードするのか?前戯しないとな」

(そう永遠の前戯を・・・いやマジで)

フラ「必要ないと思います。こ、こうやって男さんと話してるだけでも・・・はぁはぁ、私の陰部はしっかりと濡れていますから」

フラ「お陰で換えの下着を持ち歩かなくてはならなくなっていますが」

「それ日常生活に支障出てるぞ」

フラ「そうなんです。大変なんですよ?男さんしか解決出来ないのでお願いします」

「クッションガード!これでお前は俺に触れる事すら」

バシ

「ああ!クッションさんが!」

フラ「はぁ、しょうがないですね。話し合いをしましょう」

「そ、そうだな!」

(交渉でなんとか切り抜けてやる)

フラ「男さんってオナニーしますか?」

「な、なんだよ。するよ男だからな」

フラ「オナニーが終わった後ティッシュで拭くんですよね」

「そりゃあな。汚れるしな」

フラ「女性を想像しながら右手で陰部をこすりティッシュに出す」

「まぁ、そうだな」

フラ「もったいないですよ!全部代用じゃないですか。求めている女性が居るのなら、代用でする必要はありません」

「?」

フラ「つまり男さんの場合はティッシュではなく私に出すべきです」

「その理屈はなんか嫌だな」

(しかもこれは話し合いじゃない。フラの一方的な説得だ。そして)

フラ「さぁ、始めましょう」

(状況が何一つ変わってねぇ)

308 : VIPに... - 2014/11/22 01:03:02.34 Ohhtt2GR0 125/254

フラ「ほらほら」

カチャカチャ

「あっ、やめて!ってパンツ脱がされるの早えぇ」

「くそっ、返せ俺のズボンとパンツ」

フラ「駄目ですよ」

ポイ

「窓から投げ捨てた・・・だと?」

フラ「家の敷地内に投げたので、幼さんに拾われる心配はありません」

「そうか。なら良かった。って良くねぇ」

フラ「私も脱ぎますので見ていて下さい」

「俺の股間静まれ、静まれ」

フラ「ん、ちょっと恥ずかしいですね。女性の下半身を見るのは初めてですか?」

「そうだよ!だから別にお前に興奮した訳じゃない。お前だって濡れまくりじゃねぇか」

フラ「うふふ、昨日より反応してますね。お互い」

フラ「きっとすぐにでも入れて欲しいんですよ」

(逃げ場がないっす)

フラ「入れますよ?」

「う、うわ」

(挿れる瞬間フラの肌に押された後、少し押し広げる感じがしてすぐに吸盤みたいに引っ付きやがった。これは想像以上にやべぇ気持ち・・・いやいや静まれ)

フラ「ん、んん・・・」

「・・・っん」

「・・・」

フラ「う」

「入らないな」

フラ「き、きついです」

「初めてだからしょうがないな。よし、無理って事で今日は」

フラ「ゆ、指でほぐして下さい」

(やっぱ逃げられねぇか。そもそも出口ないし)

310 : VIPに... - 2014/11/22 01:46:25.73 Ohhtt2GR0 126/254

フラ「男さんの指、使わせてもらいますね」

クチュ

「こら、勝手に使うなって」

フラ「んあぁっ・・・へ、変なふうに動かさないで下さい」

「わ、悪い」

フラ(男さんの指が、入ってる・・・。自分でやるのなんて話になりません。き、気持ちいいっ)

「お、おい大丈夫か」

フラ「大丈夫、です・・・くぅ、ん」

フラ「はぁはぁ、もうほぐれたと思います。もう一度挑戦しましょう」

「いや、もう」

フラ「行きます!・・・えいっ」

「うわ」

クチュ ブツン

フラ「んん・・・思ったより痛くないんですね。うふふ」

「ああ、ああああああ!」

(俺の初体験が!フラのレイプだと)

フラ「動かします」ニッコリ

ズチュ クチュ

「うく・・・っ」

フラ「あんっ・・・あっ、良いです。ん、ずっと、服が邪魔だなって思ってました・・・こういう事だったん、ですね」

(い、意味が分からねぇ。助けて)

グチュ ズチュ

フラ「んふ・・・あは、うふふ・・・イク、イってしまいます」ブルブル

「お、俺もイク。ってか出る出る!早く抜け!」

フラ「わ、わかりました。続きは手でしますね」

クチュ クチュ ドピュ ドピュ

「・・・」

フラ「男さん。いっぱい出しましたね」ペロ

(すっげぇ眩しい笑顔だ。ちょっと怖いけどな)

フラ「うーんっ、幸せ。次はおっぱいを使って・・・」


チュン チュン

「全く寝かせてもらえなかった・・・」ゲッソリ

320 : VIPに... - 2014/11/22 22:49:37.06 Ohhtt2GR0 127/254

「う、うぃーっす」

「お前、大丈夫かよ。やつれてんなぁ」

モブ子B「あれ?フラさん超元気じゃん」

フラ「ええ。とても良い事があったので」キラキラ

「あ」

(幼と女には黙っておくか)


モブ子A「あんた最近機嫌悪くない?」

「そんな事ないって」

モブ子A「昨日なんて、隣のクラスの友って人の胸ぐら掴んでたって噂だし」

「それは誤解だよ」

モブ子A「幼とも全然会話してないじゃん」

「まぁそれはね」

モブ子A「私、あんたの彼氏にバシッと言ってやろうか?」

「それはやめて。本当に大丈夫だから」

モブ子A「だったら良いけど・・・」

321 : VIPに... - 2014/11/22 22:52:04.81 Ohhtt2GR0 128/254

キーン コーン カーン コーン

「よし、授業中眠かったが乗り切ったぞ」

「男、お昼の時間だよ」

「おう、行くか」

「なんか眠そうだよ?しゃきっとしなさい」

クラスメートA「お、仲直りしたのか」

「うるせぇ」

クラスメートB「照れんなって」

「フラさんは?」

「寝てる」

「そっか。ちょっと安心」

「そうだな。着いてこられても困るし」

「じゃあ行こうか」

(本当は女とも距離を置かなくちゃいけないんだけど、幼と女が喧嘩した今二人の仲直りが最優先だよな)

「幼と仲直りする方法は考えたのか?」

「まだだよ。今日の放課後、ちゃんと考えようね。あ、はいお弁当」

「いや弁当は、まぁいいか」

「そうだ、一回家に帰ってから着替えて来る事」

「なんでだよ。帰りにそのままお前んち行けばいいだろ」

「あのねぇ。幼と仲直りしようとしてるのに、逆に怪しまれる事してどうすんのよ」

「確かにな」

「ちょっとお買い物ーみたいな感じで家を出ればいいの」

「分かったよ。ああ弁当ありがとな、うまかったぞ」

「うん。残さず食べたね」

「ふぁーあ」

「本当に眠そうだよ?昨日夜更かししたんでしょ」

「まぁな」

「もう。授業中寝ちゃ駄目だからね」

「分かってるって。じゃあな」

「うん。また放課後にね」

322 : VIPに... - 2014/11/22 22:56:50.17 Ohhtt2GR0 129/254

「着替えたし、ちょうどフラも買い物行ってるから出るか」

ピンポーン

「はいはーい」

「うっす。入るぞ」

「うん。どうぞどうぞ」

「男がここに来るのも久しぶりだね」

「・・・そうかもな」

「確か帰りにキス、したんだよね。あの時初めてだったから凄いドキドキしたっけ」

「やめろ。今日はそんな話をしに来たんじゃないぞ」

「そうだね」

「お前と幼は親友だったんだろ?ちゃんと仲直りしないと」

「のど乾かない?飲み物持ってくるけど」

「じゃあコーヒーで」

「無理だよ。うちはお父さんしかいれられない。ジュースでいいよね」

「いいよ。それで」

「じゃあ持ってくるね」

(女の部屋で二人きりか。早いとこ終わらせて帰らないとな。俺だって、女の事を好きな気持ちは変わってないんだから)

(あれ、随分でかいバッグがあるな。土日に旅行にでも行くのか?)

「おまたせ。どうしたの?」

「お前土日に旅行でもいくのか?」

「うん。家族で軽井沢に行くの」

「そうか。準備もあるだろうしさっさと話終わらせるか」

「そうだね」

323 : VIPに... - 2014/11/22 22:57:52.34 Ohhtt2GR0 130/254

「お前、幼と最近話したか?」

「全然」

「まず話すきっかけを作らないとな」

「うーん。そうかな」

「ちゃんと仲直りしたいって言えば、幼だって分かってくれるだろ」

「どうかな」

「・・・」

「・・・」

「お前真面目に考えてないだろ」

「考えてるよ」

「だったら・・・う」

「どうしたの?・・・眠いの?」

「だ、大丈夫だ」

「昨日夜更かししたからだよ。ちょっと横になれば?」

「こ、これは確かに駄目だな。・・・ちょっと横に」

バタ

「コーヒーじゃ、薬の効果が薄れちゃうよ」

「でも本当に眠そうだったから、必要なかったかも」


女父「帰ったぞ。荷物、車に」

「しっー」

女父「なんだ男くん寝ちゃってるじゃないか」

「今日は疲れてるみたい」

女母「ごめんなさいね。私たちの旅行の計画が、今日の夜出発だったから」

「大丈夫。男は寝てるけど、着く頃には起きると思う」

女父「じゃあ、荷物つみなさい」

女母「あれ?男くんの荷物は?」

「現地で買うって言ってたよ。ちょうど下着とか新しく欲しかったらしいから」

女母「?そうなの」

330 : VIPに... - 2014/11/22 23:57:25.65 Ohhtt2GR0 131/254

「今日こそちゃんと男と話すぞー。おー」

「・・・」

(ちゃんと話して、どんな形でもまた一緒に居られるようにしないと)

(フラさんが居たって大丈夫。私は負けないんだから)

ピンポーン

フラ「はーい。はぁ、あなたですか」

「男と話があるの。会わせて」

フラ「犯人はあなたじゃなかったんですか・・・男さんは居ません。帰ってません」

「本当?本当は隠してるんじゃ。・・・!」

「分かった。今日は居ないんだ。何処に行ったとかは」

フラ「知りません」

「そう。失礼したわね」

バタン

フラ「本当に男さん、何処に行ったのかしら」

フラ「あら?お夕食が床にちらかっていますね。なぜでしょう」

フラ「男さんが帰ってくるまでに作り直さないと」

フラ「男さん・・・」


「・・・おかしいよ」

(窓から見てるけど、男が全然帰って来ない)

(もう夜の3時だよ。フラさんも事情を知らなかったみたいだし。男、何処に行っちゃったの?)

340 : VIPに... - 2014/11/24 01:09:47.95 QCZ+f6co0 132/254

女父「着いたぞ。まだ男君は起きないのか」

「そうみたい。起こすのも可愛そうだし、旅館に運んじゃおうよ」

女父「まぁこんな時間だし、旅館の人も気にしないだろ」

「うん。ありがとう」

女母「じゃあ私たちは、私たちで予約した旅館に行くから。二人で仲良くやるのよ」

「うん。楽しんで来てね」

女父「日曜の昼に駅で合流だからな」

「おっけー」

341 : VIPに... - 2014/11/24 01:15:32.98 QCZ+f6co0 133/254

「ん・・・どこだ?ここ」

(確か女の家に行った後、眠くなって)

(どこかの旅館か?)

「あ、男起きてる」

(そしてなんで女が土下座してるんだ)

「ごめんなさーい!」

「まず説明しなさい」

「えっと、男が寝てる間に軽井沢に連れて来ちゃった」

「え?じゃあここ長野?マジで?」

「うん」

「なんでこんな事したんだよ」

「だって男すぐ逃げちゃうから、じっくり話せないし」

「二人で旅行に行けば話す機会もあるかなって」

「よし帰るか。ってそんな金ねぇよ」

「日曜日の昼にはお父さんの車で帰る事になってるから、その時までお願い」

「それまで帰れないのかよ」

「ごめんってぱ。でも男が逃げ回らなければこんなことしなかったんだよ?」

「いやここまでする奴いねぇから。服とかどうすんだよ」

「下着なら私が買ったのがあるから。軽いプレゼントだと思ってもらって」

「結構いいブランドのトランクスじゃんか。いいのかよ」

「いいのいいの」

「・・・おい、なんかこのトランクス、3Dメガネ付属されてるぞ」

「あ、それ私が使う奴だから」

「待てーい!これ彼氏に履いてもらって、3Dメガネで見ると絵柄が飛び出すやつじゃねぇか」

「一度やってみたかったの!お願い、履いてみてよ」

「何でお前に下着姿見られる事が前提なんだよ!せっかくだから履くけどよ。見せねぇからな」

「ちぇ、つまんない」

342 : VIPに... - 2014/11/24 01:17:43.79 QCZ+f6co0 134/254

「お前、絶対反省してないだろ」

「反省はしてるけど、後悔はしてないよ」

「なお悪いぞ」

「男、お願いだから話そうよ。幼との事だって、言っちゃ悪いけど男がほとんど悪いと思うし」

「・・・」

「そうやってすぐ黙るな!男が解決するつもりが無い限り、ずっとこのままだよ」

「まぁそんな寝ぼけた顔されてても気が抜けるし、6階に温泉あるみたいだから行っておいでよ」

「分かったよ。ちょっくら温泉に浸かってくるわ」

(はぁ。まさか女がこんな事するとはな。話すったって何話せばいいんだよ?女も好きだが幼も好きですってか?)

(嫌われるためにはそれもいいかもな。フラみたいにいきなり襲って来たりはしないだろうし)

344 : VIPに... - 2014/11/24 01:20:33.69 QCZ+f6co0 135/254

「風呂上がったぞ」

「遅い。朝ご飯の時間過ぎちゃうよ。行こう」

「マジか。急がないとな」

(いやいや正気に戻れ俺。強制的に連れて来られたんだから少しは抵抗しないと)

「腹減ったからいいや」


「以外と美味しかったね」

「ちょっと食い過ぎたな」

「もう、バイキングだからって食べ過ぎ」

「そんな所に座ってないでこっちきて」

「・・・」

「じゃあ話してよ。私を避ける理由」

「だからもう好きじゃないって」

「それは嘘。本当の事を言ってほしいの。じゃないとまたさらっちゃうよ?」

「・・・」

「俺は・・・幼の事も好きなんだよ」

「・・・そうなんだ。それで?」

「驚かないのか」

「いや、びっくり。男は私に告白するくらいだから、私にだけぞっこんなのかと思ってた」

「でもまぁ、幼かわいいし仕方ないかな。それよりなんでそれが私を避ける理由になるのよ」

「今の俺はどっちかを選ぶったって無理だし、もう遅いけどどっちかを選ぶ事で幼と女の関係が崩れるのが怖かったんだよ」

「で?」

「こんな奴がお前らと一緒に居る資格なんてないだろ」

「・・・こんの」

「馬鹿たれっ!」

バシ

「痛って!叩くなよ!・・・叩かれて当然だけどさ」

346 : VIPに... - 2014/11/24 01:24:06.89 QCZ+f6co0 136/254

「男が一人でうじうじ考えたいなら、勝手にすればいい」

「でも、私たちをそれに巻き込まないで!」

「巻き込まない為に距離を置いて」

「違うの。私はただ男と一緒に居たい。多分それは幼も同じ」

「でも男がどっちと一種に居たいか決めてくれれば、男が決めた事なら誰も文句は言わないよ」

「俺は・・・」

「またそんな苦しそうな顔して。男がはっきりしないから、私も幼も男だって辛いんだよ?」

「俺はどっちかなんて決められないんだ。頼むよ。もうほっといてくれよ!」

「どっちか決められないなら、私は男に振り向いてもらう為の努力しかできないんだよ」

「お願い。その為のチャンスを下さい!私頑張るから」

「それと幼にも私と同じようにチャンスをあげて。あの子もずっと辛そうで、見てて辛いんだよ」

「女・・・」

「お願いします。・・・お願い、します。・・・もう私たちから逃げないで下さい」

(くそっ、何やってんだ俺は。女にここまでさせて、俺はずっと逃げてただけじゃねぇか)

(二人から距離を取る?距離を取ってたのは、二人のどちらかを決められない自分自身からじゃないか)

「まだ二人のどっちか決められないような奴だぞ。それでも良いのかよ」

「いい。男がどっちか決めるまで、振られちゃうかもしれないけど」

「希望がある内は一緒に居たい」

「分かった。俺はもうお前からも幼からも逃げないよ」

(俺は最初から二股かけてた様なくそ野郎だ。もうこれ以上酷くなる事はないだろ。だったら幼や女が望む事をしよう)

(その間にどっちかに愛想つかされるかもしれないからな)

347 : VIPに... - 2014/11/24 01:26:18.27 QCZ+f6co0 137/254

「せっかくだから観光でもするか」

「やった。行こう行こうっ」

ギュ

「まったく。誘拐犯のくせによ」

「でも良かった。一服盛ってでも連れて来た甲斐があったね」

「・・・ちょっと待て」

「ん?」

「一服盛った?」

「あ」

「お前何してんだよ!どおりでおかしいと思ったわ。マジで誘拐じゃねぇか!」

「昔お父さんがストレスが原因の十円ハゲになった事があってね。良く寝れる様に睡眠薬使ってて」

「その余りをジュースに混ぜてみたんだ」

「お前なぁ」

「ごめんってば。まさかこんなに効くとは思わなかったの」

「俺も前の日は徹夜だったしなぁ。まぁ今更言ってもしょうがないか」

「そうそう」

「もうやっちゃ駄目だからな。誘拐ダメ!絶対!」

350 : VIPに... - 2014/11/24 02:18:00.36 QCZ+f6co0 138/254

「温泉巡りしよっか」

「年寄りくさいなぁ。他になさそうだしいいか。ほら温泉ガイドあるぞ」

「どれどれ。・・・な、ない」

「どうした?」

「混浴がないよ!?どうしよう。せっかく男と来たのに」

「ある訳ないだろそんなの。ってか一緒に風呂入るのはちょっとな」

「じゃあ近そうなこの辺りから攻めていこう」

「って寒っ!」

「そう言えば男は準備してなかったもんね。マフラーとかないの?」

「あったけど、幼に貸したら返ってこねぇんだよ」

「それはそのマフラー御愁傷様だね。使い道が多過ぎるもん」

「マフラーの使い方なんて首に巻くくらいしかないだろ」

「男はそうかもね。それはそうと、男が凍えちゃうから買い物先にしようか」


「どうだこの長野県コーディネート」

「うわだっさー。長野の人に謝った方がいいよ。ふふっ」

「お土産屋さんで買ったのが悪かったよな」

「他に無いから仕方ないよ。安いし良いじゃん」

「私も寒いなー」

ギュ

「お前、あったかいな」

「男もあったかい。ずっとこうしていたいくらい」

「・・・」

(幸せだな。この幸せは、他の人には絶対に渡したくない)

(今頃幼は大変だろうな。男が帰ってから話をしても間に合うかな?ふふっ)


「男まだ帰ってない。昨日からずっと」

「まだ、1日目だし大丈夫だよね」

(お母さんが呼んでる。ご飯かな?どうでもいいや。ご飯食べてる間とか、寝てる間に男が帰って来ちゃうかもしれないもん)

「男どこなの・・・」

354 : VIPに... - 2014/11/25 22:59:52.83 Ssxgng0r0 139/254

「温泉広かったー。男湯も広かった?」

「んー、そんな気にしてなかったけど、広かったんじゃないか?」

「適当だなぁ男は。感想とか無いの?」

「そうだな。なんかじいさんばっかだったな」

「酷い感想だね。でもこっちもそんな感じだった」

「高齢社会って奴か?ここ見回しても老夫婦ばっかだな。世知辛い」

「そうだね。でもこの人達って何年間も一緒にいて、多分人生の最後まで一緒に居る人達なんだろうな」

「そうだな。あの年齢だと、もう別れるとか無いだろうしな。そう考えると凄いな」

「私はね、男とそうなれたら良いなって思ってる」

「・・・そうか」

「って、男がさっきから座ってるのってマッサージ機?いいなー」

「お前もやるか?」

「うん。帰ったら男にマッサージしてあげる」

「そっちっすか」

「次何処行こっか。ねぇ、ここいいじゃん。クリスマスのイベントやってるって」

「イルミネーションか。もうそんな時期なんだな。そこ行こうぜ」

355 : VIPに... - 2014/11/25 23:03:00.74 Ssxgng0r0 140/254

「見て見て。すっごい奇麗だよ」

「そうだな。都会のイルミネーションより地味なはずだけど、自然とマッチしてるっつーか」

「そういう冷静な分析はいらないの。奇麗だね~でいいでしょ」

「へいへい」

「いっぱいお店あるよ」

「まずは飯だな」

「だよね」



「んー、楽しかった」

「結構いろいろあったな」

「何も買わなかったけどね。本当良かった。ご飯以外は」

「まぁ、雰囲気だけの所で味は期待しちゃ駄目だな」

「さっきより暗くなってる」

「ちょっと寒いけど。こういう雰囲気は好きだぞ」

「ふふっ、ちょっといい感じになってきちゃった。どうする?」

「どうするって言われてもな」

「久しぶりにキスしようよ」

「久しぶりだったか?」

「あんまりしてないよ。私たち」

「さっきの事、幼と話した後じゃないとそういうのはやめた方が良いんじゃないか?」

「駄目。今は私の事だけ考えて。他の子の名前は出して欲しくないの」

「分かったよ」

チュ

「ん・・・もっと」

「・・・!」

「どうした?」

「男・・・キス上手くなってない?」

「・・・気のせいだろ」

「そうだよね。ごめんね。変な事聞いちゃって」

「流石に寒いね。戻ろっか」

356 : VIPに... - 2014/11/25 23:05:47.54 Ssxgng0r0 141/254

「おう上がったか」

「うん。今日何回お風呂入ったんだろうって感じ」

(旅館の浴衣か。ちょっと緩いのか?なんかすっげぇ色っぽいぞ)

「もう寝るか」

「もう布団敷いてあるね。あー、一枚でいいのに」

「良くないから。寝れねぇからそれ」

「何で寝れないのかなぁ。ふふっ」

「ねぇ、マッサージしてあげる」

「今日はお前も疲れてるだろ。無理すんな」

「ううん。私がしたいだけ」

「分かった。じゃあ頼む」

「うん。任せて」

「んっ、男あんまり凝ってない」

(女が力を入れるたびに、髪の毛や息が首筋に触れる。やべ、かなりいやらしい気分になってきた)

「男、結構背中大きいんだ」

「もう終わりか?ならもう寝ようぜ」

「ううん。まだまだこれから」

「今度は仰向けになって」

「分かった」

(って、マッサージで仰向け?)

「そういう事かよ」

(上に乗られちまった)

「うん、そう言う事」

「男、キスしよう。さっきとは違うやつだよ」

「・・・」

「もっと激しいの」

チュ ンチュ

「ん・・・」

「ちゅ・・・ぅん・・・」

「ぷはぁっ、お前いきなりだな」

「ねぇ男、しちゃおうよ」

「・・・それは」

374 : VIPに... - 2014/11/26 02:37:13.04 kF0U7Pau0 142/254

「ここ誰も居ないよ?二人きりだよ?このまま寝ちゃうの?私には無理だよ」

(ゆ、浴衣の襟の隙間からむ、胸が。こいつ下着つけてねぇぞ)

「お、お前また薬盛ったりしてないだろうな」

「なにそれ。してないよそんな事。あ、もしかして興奮してますよって事?OKって事でいいの?」

「違うって」

「女性側からここまでしてるのに逃げるんだ」

「う・・・だってよ」

「幼には言わないから、二人の内緒だから」

(流石にここまでさせちまって断ったら男として駄目だろうな)

「分かった」

「帯は外すけど、ちょっと恥ずかしいから浴衣は羽織ったままでいいよね」

シュル

(開いた浴衣から胸の谷間が見える。そこからへそ、陰部までぎりぎり見える。余計にエロいぞ)

「女、奇麗だ」

「うん、嬉しい。男・・・やさしくしてね」

「いいんだな」

ガバッ

「きゃっ」

(仕返しだ。今度は俺が上に乗ったぜ)

「俺からさせてくれよ」

「急におとこらしくしないでよ。ずるい」

「胸触るぞ」

「ん・・・、あ・・・いたっ。ちょっと強いかも」

「ああ、悪い」

(このサイズの胸だとフラと同じ力で揉んじゃ痛いのか)

「このくらいか?」

「んん・・・いい、かも」

チュ

「きゃっ・・・んんっ」

(やだ。乳首吸われてる。ん、なんか変な感じっ)

「はぁ、ん」

「ちゅ・・・ってお前涙目だな」

「いいから。もっと、お願い」

「わかった」

チュ

「んああぁっ・・・はぁはぁ」

(女胸弱いんだな。なんか可愛いぞ)

「はぁはぁ、女の胸柔らかいな」

「やぁ、だめ」

375 : VIPに... - 2014/11/26 02:40:22.70 kF0U7Pau0 143/254

「さっきから胸ばっかり。そろそろ・・・ね?」

(なんかもじもじしてて可愛い)

「いや、もっと胸を楽しみたい」

「もう、焦らさないでよ。ん・・・もう我慢できないから」

「分かったよ」

「じゃあ下、触るからな。ちょっと足開いてくれ」

「う、うん」

「もうびしょ濡れだな」

クチュ

「ひゃっ!」

(ちょっと感じ過ぎじゃないか?)

「だ、大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫だから」

(びっくりした。自分で触っても別にそこまで感じなかったから、油断してた)

(きっと男が触ったからなんだろうな。体も男を求めてるの。私の全部が男の事を好きなんだ。嬉しいな)

「じゃあもう少し」

クチュ クチュ

「あ・・・んっ」

「もうほぐれたか?」

「うん。お願い」

「挿れてもいいのか?」

「うん。・・・男、好きだよ。告白された後すぐ好きになって、それからどんどん好きになった」

「俺もだ。今も女の事好きになり続けてる」

「男・・・私の初めてを男にあげる」

(ぐはっ、この笑顔は反則だ!)

「怖くないのか?痛いかもしれないぞ?」

「それより、男と繋がる方が楽しみだから」

「分かった。挿れるぞ。力抜け」

「う、うん」

クチュ

「んんっ」

「痛いか?一気に挿れるからな」

「ひぅぅ・・・あっ」

「は、入ったぞ・・・はぁはぁ」

(お、男のが入った。やだ、私こんな時に泣くなんて)

「・・・泣いてるのか?」

「うん。嬉しくって・・・色々あったし・・・ひっく」

「そうか。・・・ゆっくり動かすからな」

376 : VIPに... - 2014/11/26 02:44:06.75 kF0U7Pau0 144/254

ヌチュ ンチュ

「ん・・・はぅ・・・男、男っ」

「ん、き、気持ちいいぞ女」

「うん・・・ん、あっ・・・嬉しい。嬉しいよ男っ」

グッ クチュ

(女、シーツを思いっきりつかんでる。初めてなのにこんなに感じてくれるなんてな)

「んんっ・・・あはっ」

クチュ クチュ

「う・・・ん、女・・・はぁはぁ」

「も、もっと・・・呼んでっ」

「女っ、女っ・・・」

ヌチュ ズチュ

「ひゃぁ!い、いいのっ!・・・ん」

「・・・い、イキそう」

「お、俺もだ」

「いいよ。はぁはぁ・・・中に、出して」

ギュ

「・・・え?」

(抱きつかれた!?や、やべぇ!)

「男ぉ・・・好きっ、好きっ!」

「ちょっ!まずいって!外に出すから」

「やだ・・・ん、中が・・・いいっ」

「悪い!無理矢理はがすわ」

「きゃぅ」

ピュ ピュルッ

「はぁはぁ・・・ふぅ」

「はぁ、んっ・・・胸がべたべたになっちゃった」

「わ、悪い。胸にかけちまったか」

「いいよ別に」

ペロ

「うーん。思ったより苦いかな」

「やめろ。そういう行動するとまた勃っちまう」

「第二ラウンド行っちゃう?って言いたいけどちょっと疲れたかも」

「それにお前、中で出すとかマジでやめろよ」

「ごめん。どうかしてた」

「じゃあ寝るか。電気消すからな」

「うん。ねぇ、このまま一緒に寝たいな」

「・・・いいよ。おやすみ」

「うん。おやすみ」

(私どうしちゃったんだろう。中に出してなんて。安全日でもないのに、子供が出来たらどするの。それとも・・・)

377 : VIPに... - 2014/11/26 02:51:12.91 kF0U7Pau0 145/254




チュン チュン

(朝か)

「ん・・・おとこぉ・・・」

(そうか。こいつの隣で寝たんだっけ)

「幸せそうに寝てやがる」

(お互い初めてだったもんな、疲れたんだろ。・・・フラのはレイプだったからノーカンだ)

(女と幼のどちらかを選ぶ・・・か)

「・・・」

「ってこんな時間かよ」

「女、起きろ朝だぞ」

「んん、そっか朝か」

「うーん、昨日は男としたんだね」

「何処見て確認してんだよ」

「ほら、ここ血が出てる」

「わー!見せんな!」

389 : VIPに... - 2014/11/26 21:28:14.24 kF0U7Pau0 146/254




(昨日は観光がメインだったけど、今日はお土産を買う事がメインだな)

「お土産何にしたの?」

「ん、漬け物」

「なんか渋いね」

「長野って言ったらこれだろ」

「私は変なキーホルダー」

「これ一番いれねぇやつだよな」

「いいじゃん。ねぇねぇ、私にも何かプレゼントしてよ」

「つってもな。なにが欲しいんだよ」

「そこにアクセサリーあるよ。それがいいな」

「アクセサリー買うなら、もっとちゃんとした店の方がいいだろ」

「ううん。ここがいいな。大事なのは思い出だよ」

「そうか。じゃあなんか買ってやるよ」

「うん。ありがと」

「このチョーカーとかどうだ?」

「うーん。チョーカーか。指輪が欲しいかも」

「じゃあ、これとか似合いそうじゃないか?」

「うん。シンプルで使いやすそう」

「ちょっとはめてみろよ」

「そうだね。あれ?ちょっときついかな」

「サイズが合わないか。じゃあ」

「あ、こっちならぴったりだよ」

(げ、左手の薬指じゃねぇか)

「他のにしようぜ」

「嫌だ。これ気に入っちゃったから」

「仕方ねぇな。これ買ってやるよ」

「やった。凄く嬉しい。キスしちゃいたいくらい」

「ここではやめろ」

「あ、お父さん達との待ち合わせの時間近いよ」

「さっさと買って移動するか」

390 : VIPに... - 2014/11/26 21:30:45.27 kF0U7Pau0 147/254




(買い物も終わって、駅で女の両親を待つ事になったが早く来すぎたか?)

「来ないね」

「まだ早いしな」

「座って待ってよ」

「だな」

「・・・」

「ねぇ、私たち、しちゃったんだよね」

「ぶはっ!昼にする話かよ」

「ふふっ、そうだね」

「幼よりちょっとはリード出来たかな」

(女が肩によっかかってきた。女って凄いいいにおいがするんだな)

「・・・お前いいにおいがするな」

(やべ、口に出ちまった)

「え、香水と付けてないよ」

「そうなのか」

「相性のいい異性って匂いで判断出来るんだって。良いにおいがしたって事は私たちは相性が良いの」

「そうか、俺たちは相性が良いのか」

「今頃気付いたの?だから一緒に居れば居るほど、お互い引かれ合うんだよ」

「そうか。・・・あ、あの車じゃないか?」

バタン

女父「お前達・・・外では控えたほうか良いぞ」

「え?きゃっ」

「わ、悪い」

男父「抱き合うのもいいが、早く車に乗れ」

「はーい」

「すみません」

バタン

391 : VIPに... - 2014/11/26 21:33:33.48 kF0U7Pau0 148/254




(無理矢理連れて来られた旅行だったが、結構楽しかった。行きもこの車で運んでもらったんだな)

「すみません。乗せてもらっちゃって」

女父「別にかまわないぞ。高速道路代は変わらないからな」

女母「二人とも楽しかった?」

「はい」

「うん。凄く楽しかった」

女母「そう。良かったわね」

「ほら、お母さん見て。男に買ってもらったの」

「おい、やめろって」

女母「あら、薬指に指輪なんて。本当に旅行はお楽しみだったみたいね」

「ふふっ、そうなの」

「あ、あははは・・・」

「ふぁ~あ。まだ着かないだろうしちょっと寝るね」

「おう、お休み」

「・・・」

「・・・」

「ぐっすり寝てやがる」

女父「君も行きはぐっすり寝ていたんだぞ。何をしても起きなかったな」

「すみません。前の日徹夜だったので」

女母「女のこんなに安心した顔久しぶりだわ」

女父「最近少し落ち込んでいたからな。男君、君絡みなんだろ?」

「・・・それは」

女父「若いうちは色々あるからな。それでも親としては女に幸せになってほしいものだ」

「・・・はい」

女母「ちょっとあなた」

女父「悪い悪い。決めるのは君だからな男君。どんな結果でも口出しはしないよ」

「ありがとうございます」

(本当に良い両親だな。この二人の娘である女は、きっと暖かい家庭を作るんだろうな)

392 : VIPに... - 2014/11/26 21:36:16.72 kF0U7Pau0 149/254




(結構早く帰って来れたな。長野はそんなに遠くないからな)

「男、ありがとうね」

「おう、明日学校でな」

「・・・」

「いや、手離してくれないと帰れないぞ」

「あ、ごめん。じゃあね」

「おう」



(旅行特有の大荷物がないって、帰りも楽で良いな)

(あーそうだ。フラになんて言おうかな。そう考えたら足が重くなってきた)

プルルル プルルル

「知らない番号だな。誰だ?」

「はい。男ですけど」

「ああ、おばさん?お久しぶりです」

「え!幼が倒れた?」

「はい・・・はい。すぐ行きます」

(幼。俺が居ない間、なにも食べずに水分すら取らなかったって。何があったんだ)

「とにかく、幼が入院してる病院に行かないと」

393 : VIPに... - 2014/11/26 21:38:37.27 kF0U7Pau0 150/254




(幼の病室はここか。個室って事は重病なのか?)

「幼、入るぞ」

「男!?ちょ、ちょっと待って」

ガサガサ

「なにしてんだよ」

「いいよ。入って」

ガラガラ

「うーっす。ってお前痩せたな」

「もうガリガリだよ」

「割と元気そうじゃないか」

「でも点滴でしか食事が出来なくて。原因が分からないから、こんな個室までもらっちゃった」

「おばさんは?」

「帰った。っていうか男、もう面会時間過ぎてるよ?どうやって入ったの?」

「まぁ適当な理由つけてな」

(彼氏ですって言って入ったんだけどな。兄って言ってもカルテでバレるだろうし)

(幼が倒れた時、うわごとでずっと俺の名前を呟いてたって幼母が言ってた。だから絶対に来いって事も)

394 : VIPに... - 2014/11/27 02:31:39.36 MEGEseVR0 151/254

(男が来てくれた。今まで何処に行ってたんだろう。まぁいいや、今ここに居てくれればそれで)

「もうすぐ食事の時間じゃないか?」

「そうだけど、食べられないよ。食事がのどを通らないの。変だよね」

「まぁ試しに食ってみようぜ」

ガラガラ

看護婦「幼さん食事ですよ」

「あ、どうも」

看護婦「幼ちゃんにこんな彼氏居たなんてねぇ。うふふ」

「か、彼氏っ?」

看護婦「そんな顔赤くしちゃって。青春だねぇ」

看護婦「そうだ幼ちゃん、食べられなかったらちゃんと先生に言うのよ」

「はい」

看護婦「お邪魔虫は退散しようかな」

「そんな、お邪魔虫だなんて」

看護婦「じゃあ何かあったらナースコール押してね」

「彼氏だって。男が面会時間外に入れたのはそう言う事なんだ」

「いや、そんな嬉しそうにされてもな」

「嘘でもうれしい・・・嘘でも」

「なんか随分フレンドリーな人だったな」

「多分そう言う人なんだよ」

「とりあえず食ってみろよ」

「う、駄目かも」

「ほら、俺が食わせてやるから」

「うん」

「はい、あーん」

「あーん」

パク

「あれ?食べれた」

「なんだよ食えるじゃねぇか。明日には退院だな」

「そうだね。なんだ、治っちゃった」

「じゃあさっさと食って元気になれ。ほれ、あーん」

「うん」

「ところで男、今まで何処行ってたの?」

「・・・なんつーかなぁ」

「・・・女と一緒にいたの?」

(隠してもしょうがないよな)

「そうだよ」

「っ!?ごほっ!ごほっ!」

「どうした!」

「あれ?なんで?食事がのどを通らない!なんで!?」

395 : VIPに... - 2014/11/27 02:35:30.71 MEGEseVR0 152/254

(まさか幼は)

「お前倒れる前何してた?」

「・・・男の家を見てたの」

「何で」

「私ね、男に自分の意見押し付けてばっかりだったから、男の話をちゃんと聞こうと思って」

「金曜日に行ったら男居なくて。ずっとずっと窓から男の家を見てたの」

「いつか帰ってくんじゃないかって思って、ずっと・・・ずっと、ずっと・・・」

(やっぱりだ。幼は多分、ストレス性の病気なんだ)

(そしてその原因は俺・・・だよな)

「ごめんよ。今夜は側に居てやるから。どこにも行かないから」

「男・・・嬉しい。ねぇ、ぎゅってして」

「男の居ない事なんて私の人生に無かったから、最近は寒くて。心が寒くて」ガタガタ

「分かった。分かったから」

ギュ

「温かいよ男。男のマフラーだけじゃ、やっぱり駄目だよ」

「大丈夫だから。ちゃんとお前と向き合う事にしたから」

「今日はもう休め」

「うん。・・・そうするね」

ガラガラ

看護婦「あれ?幼ちゃんもう寝ちゃったの?・・・でも少し食べてるね。彼氏君が何かしたの?」

「いえ、何も。でもこの調子ならすぐに治りそうですね」

看護婦「そうだよね。じゃあ私、先生に報告してくるわね」

「はい。お願いします」

「あ、そうだ。今夜は一緒に居てやりたいんですけど」

看護婦「あー、大丈夫大丈夫」

「いやでも・・・って行っちまった。軽いなー、あの人」

(とにかく、ちゃんと幼と向き合えば病気も良くなるはずだ)

「幼、少し泣いてた。不安にさせてごめんな」

396 : VIPに... - 2014/11/27 03:18:47.45 MEGEseVR0 153/254




「ん・・・今何時だろ」

「夜中じゃん」

(そうだ。私あのまま寝ちゃって)

「お、男は!」

(あ、ベットの横で寝てる)

「一緒に居てくれるって本当だったんだ」

(バレないよね)

チュ

(あぁ駄目だよ。こんな気持ちになっちゃ。寝よ寝よ)

「・・・」

(寝れない)

「もうちょっと」

チュ チュ

「起きない。何しても起きないのかな」ドキドキ

(だ、駄目!こんな事してるとまた逃げられちゃう)

ガバッ

(布団かぶってやり過ごす。う、興奮して寝れない)

(今夜は寝れるかな。はぁ)

397 : VIPに... - 2014/11/27 03:23:55.67 MEGEseVR0 154/254




フラ「男さん、帰って来ませんね」

フラ(金曜日から帰ってこなくて、もう日曜日の深夜ですよ)

フラ(こんな所でうずくまっていても仕方ないのに)

フラ「う・・・何か」

フラ(何かこの感覚・・・昔も・・・)


娘は忘れられるんですか彼の事?

ええ。彼を直接忘れさせる事は出来ませんが、大丈夫ですよ。

流石に、催眠術はやり過ぎじゃないのか?

あなたは黙ってて!この子はフルート奏者として将来活躍するんだから。


フラ(何・・・この記憶。い、嫌!)


彼の事を直接忘れるさせる事は出来ませんが、通路を塞ぐ事は出来ます。

どういう事ですか?

彼女の脳は、恐らく特急列車のような物です。

必要のない駅は通り過ぎる。

この子の場合はフルートと、この男の子にしか列車は止まらない。

じゃあどうすれば。


フラ(う・・・駄目!思い出しちゃ駄目!)


そこに繋がる線路を塞いであげれば良いんですよ。

この子の場合は恋心。

それであの子は普通に戻るんですね?

ええ。さぁ、催眠術を始めますよ。

さぁ、この揺れるコインを見てご覧。

ゆっくりと目を閉じて。


フラ「う。うぅぅぅっ・・・、思い出しちゃ駄目なのに。思い出しちゃ駄目!駄目!」


成功したんですか!?揺れたコイン以外は普通の説得に見えましたが。

ええ。ほとんどは。しかし、最後に。

フラさん、絶対に思い出してはいけません。思い出してはいけませんよ。

・・・催眠術は成功です。


フラ「うっ・・・ふふっ、ふふふふふ」

フラ(男さんが居なくなる気持ち)

フラ(絶望的で!苦しくて!他の全ての物が無意味だと気がついたあの気持ち!)

フラ「思い出しましたよ。・・・うふふふ、ふふふ」

フラ「あああぁぁあぁぁ!!男さん!!またこんな!!」

フラ「苦しい!嫌!帰って来てください」

フラ「これじゃあ、これじゃあ4年前と同じじゃないですか!」

407 : VIPに... - 2014/11/28 01:03:03.50 rbjy9i1O0 155/254




(昨日は病院で一夜を過ごした。学校は今日はいいや。幼についててやりたいし)

「もしもし女?」

「どうしたの?こんな朝から」

「今日学校に行けそうにないわ」

「風邪ひいちゃった?」

「いや、幼が入院してさ」

「えー。分かった。お見舞いは・・・辞めた方がいいね」

「そうかもな。まぁ、重い病気じゃなさそうだから心配はいらないだろ」

「分かった。朝から男の声聞けて嬉しかったよ」

「俺もだよ。じゃあな」

「うん」

ピッ

(幼は今風呂だったな。俺はコンビニでも行ってくるか)

408 : VIPに... - 2014/11/28 01:07:17.56 rbjy9i1O0 156/254




ガチャ

男母「ただいまー、って誰もいないわよね。学校に行ってる時間だし」

男母(男父がフラの事心配してたから、私だけ帰って来たけどね。私は最初からフラと男を二人にするのは反対だったのよ)

男母「ってリビング電気付いてるじゃない。もう、電化代とか」

フラ「・・・」

男母「あんた何やってんの」

フラ「男さんが帰って来ないんです」

フラ「帰って来なくて・・・うぅ」

男母「その割には玄関開けた時反応無かったわね」

フラ「鍵を回す音が、歩くテンポが、靴を脱ぐ動作が、全部男さんじゃなかったので」

男母「あんた・・・昔に戻ってるじゃない。早めに帰って来て良かったわね」

男母「携帯は?」

フラ「こっちに来たばかりなので、持ってないです」

男母「はぁ、私から連絡とるから」

フラ「番号知ってるんですか!わ、私が電話します!」

男母「ダーメ、あんたそこに居なさい」

バタン

フラ「・・・」

プルル プルル

男母「もしもし、男?あんた何処に居んのよ。・・・え?病院?」

男母「そう・・・わかったわ」

男母「私、今家に居るから。そう、帰って来たの。あんた帰る時は連絡しなさいね」

ピッ

男母「男、今日中に帰ってくるってさ」

フラ「ど、何処に居るんですか?行かないと」

男母「行ってどうするのよ。ほっときなしよ。あの子も良い年齢なんだし」

フラ「駄目なんです。4年間も無意味だった時間があったんですよ?ずっと一緒にいないと」

409 : VIPに... - 2014/11/28 01:09:54.70 rbjy9i1O0 157/254

男母「はぁ、男父はあんたの事娘みたいに思ってるみたいだけど、私はそんなに甘くないわよ」

フラ「・・・」

男母「あんまり男に変な事したらおっ返すから」

フラ「・・・」

男母「聞いてないし」

男母「それに、あの子には幼って子だって居るんだからね。いい子よ、あんたと違って普通だし」

フラ「幼さん・・・ですか?」

フラ「ふふ、うふふふ。私と男さんは体を重ねた仲なんですよ?誰にも入り込む余地なんてないです」

男母「遅かったかぁ。ってか強姦した事、被害者の親に報告する?普通」

男母「とにかく、あんたも男ももう子供じゃないのよ。前と違って赤ちゃんだって作れちゃう年齢なんだからね」

フラ「赤ちゃんですか?いつかは作りますけど、何か問題があるのでしょうか」

男母「今のあんたはただの獣よ。お互いの気持ちってものが考えられないの?・・・はぁ、この年齢の娘を縛るのは億劫だわ」

男母「ちょっとロープ買ってくるわね」

フラ「ロープ?」

414 : VIPに... - 2014/12/01 19:00:54.71 5IZSg7+F0 158/254




(学校を休んで幼に付き添う事にした。朝食も完食し、しっかりと回復に向かっている様だ)

「と、思いたいんだけどな」

「あーん。はーやーくー」

「へいへい」

パク

「うん。食事って楽しいね男」

「もう自分で食えよ。なんか介護みたいだぞ」

「介護って・・・もう、自分で食べますよーだっ」

「でも、食べさせてくれなくてもいいから男は近くに居てね」

「わかったよ」

(どうやら俺が外で昼飯を取っている間に、幼にも病院食が運ばれたらしい。だが幼は、俺が帰ってくるまで全くそれに手をつけなかった)

「ごちそうさま」

「よし、全部食ったな」

ガラガラ

看護婦「幼ちゃん。具合どうですかー?って全部食べてるね」

「はい。調子は良いです」

看護婦「一晩中付いててくれるなんて、良い彼氏さんだね。逃しちゃダメだよ」

「・・・はい」

看護婦「あちゃー、訳ありか」

看護婦「じゃあ、私はこれ片付けてさっさと出て行くわね。せっかく今は彼氏と二人きりなんだから、色々話せるチャンスだよー」

看護婦「じゃあねー」

ガラガラ

「なんか言いたい事だけ言って出てったな」

「そうだね。でも、ずっと男とは話さないとって思ってたから」

「私たちの事、男がどう思ってるのか知りたい」

415 : VIPに... - 2014/12/01 19:04:25.77 5IZSg7+F0 159/254

「お前はなんか俺に言う事ないのか?」

「ないよ。今までずっと言ってきたもん」

「そうか。そうだな」

「俺はずっとお前達から逃げてた」

「でも女と話して、それじゃ駄目だって気がついたんだ」

(そう。女と話して気がついた。俺がいつまでも逃げてるから、こんなにもつれたんだ)

(女は俺の選んだ道なら幼だって分かってくれると言っていた)

「・・・女?」

「どうした?」

「ううんなんでも。大丈夫、ちゃんと聞く」

「俺がずっとお前を避けていた理由は、女のお陰で俺がギターを再開する切っ掛けになったあの日」

「女の事を好きになっちまったからなんだ」

「・・・は?」

(なんか女の時と反応違くないか?とにかく全部伝えないとな)

「でも、幼の事も好きな気持ちは変わってなかった」

「だからそんな自分が嫌で、お前らと会う資格なんてないと思って、距離を取ろうとしたんだ」

「・・・」

「でも今は違うんだ」

「今は・・・違う?」

「女が言ってたんだよ。曖昧なままだからいけないんだって。俺が決めた事なら、受け入れてくれるって」

「どういう事?」

「なんつーかな、あれだ。幼か女のどっちも選べない俺が居るんだ」

「でも最後は必ずどっちかを選ぶつもりだ」

416 : VIPに... - 2014/12/01 19:09:22.05 5IZSg7+F0 160/254

「待つのが嫌だったり、こんな優柔不断な俺なんかの事は嫌になったならそれでもいい」

「もう逃げないから。それまで待っててくれないか?」

「お、俺の話はこんな感じだ」

「・・・」

「一ついい?」

「何だ?」

「女の事が好き?」

「・・・え、そうだけど」

「・・・は?どういう事?女とは別れたんでしょ?」

「男は私の事を昔から好きだったんでしょ!?」

「・・・そ、そうだ」

「どっちかを選ぶ?嫌だよそんなの。今すぐ私を選んでよ!」

(あれ?幼なら分かってくれるんじゃなかったのか?)

「それは出来ないんだ」

「なんで?私と付き合う約束してたでしょ?女と別れるって言ってたのに!」

「それに女が言ってたって何?」

「休日女とどこ行ってたの?無理矢理どかに連れて行かれたんじゃないの?」

「ちゃんと話す機会があっただけだ」

「3日間も?ちゃんと答えてよ」

「・・・長野まで旅行に行って来たんだよ。女の両親が行くついでに」

「そうなんだ。でもフラさんそれ知らなかったよ!やっぱり無理矢理連れて行かれたんだ!」

「女に何吹き込まれたのよ!」

「お願いだから・・・私の事を選んで!好きって言ってよ」

「・・・」

「顔を背けないで。逃げないって言ったじゃん」

「私だけを好きって言ってよ。私嫌だよ、男が居ないと辛いよ。女なら大丈夫でしょ?男とそんなに長く居ないよ?私は男が居ないと生きていけないよ!」

「と、とにかく、俺はどっちかを選ぶから。そもそも、それ以外に無いだろ」

419 : VIPに... - 2014/12/01 19:25:58.63 5IZSg7+F0 161/254

「じゃあさ、選ばれなかった方はどうなるの?」

「え?」

「選ばれなかった方は男とキスとか出来るの?・・・こんな風に」

チュ

「・・・ぅ、ん!」

「ん、ちゅ・・・ずっと一緒に居られる?結婚出来る?」

「いや、それは無理だろ」

「そもそも選ぶ基準ってなんだろうね。今から無理矢理男を襲って、妊娠でもすればいいの?」

「そんな強引な事はするなよ。頼むよ幼。これ以外ないだろう」

「うぅ・・・。もう、もう嫌だよ。なんでこんな思いしなきゃいけないのよ」ボロボロ

「ただ男と一緒に居たいだけなのに」

「・・・」

「ねぇ、抱きしめてよ。私の事好きなんでしょ?好きって言ってよ」

ギュ

「・・・辛い思いさせてごめん。でも俺はお前が好きだ。それは変わってない」

「うぅ・・・私もだよ。私も好き」

「・・・女に同じ事言われても、同じ事するの?」

「・・・そうかもな」

「う、うぅぅぅっ!うああああああああああ!ひ、酷いよ!」ボロボロ

「こ、こんなの!いつまで耐えろって言うのよ!」

(全然話し合いにならないじゃないか。女は簡単に受け入れてくれた話だったけど、よく考えたら幼も同じだとは限らないよな)

(とにかく今は幼が泣き止むのを待とう)

420 : VIPに... - 2014/12/01 20:41:49.09 5IZSg7+F0 162/254




「うう・・・」

ギュ

(幼と抱き合って、かなり時間が経った。全然離れてくれる様子がないな)

「・・・もう大丈夫か?」

ガシ

(もっと強く掴まれた)

「・・・」

「な、何か言えよ」

「男の話なんてもういい。・・・今はこうしてたいの」

「俺もそろそろ帰らなきゃいけないからな」

「やだ!」

「ここにずっとは居られないぞ。流石に明日も学校休む訳にはいかないだろ」

「・・・やだよ」

「俺が居なくても、ちゃんと飯食えよ。しっかり治して、退院したら学校で会おうな」

「・・・」

「じゃあ俺帰るから。じゃあな。絶対治せよ」

「・・・男ぉ」

(男と私・・・これからどうなっちゃうの?男はちゃんと私を選んでくれるの?こ、怖いよぉ)

(あれ?男と女って2晩くらい一緒に過ごしたんだよね。二人の間に何もなかったのかな?)

(・・・無い訳ないよね。無い訳・・・無いよ)

(幼大丈夫かな。やっぱり夜まで一緒に居た方がよかったか?)

(そういや帰る時、お袋に電話しろって言われてたな。連絡いれとくか)

423 : VIPに... - 2014/12/01 23:36:38.94 5IZSg7+F0 163/254




(久しぶりの家だぜ。フラに黙って3日も空けちまったけど、お袋に事情話したし心配はしてないよな)

ガチャ

「ただいまー」

男母「あら、おかえり」

「あれ、フラは?」

男母「あれよ」

「へ?」

(なんかフラが柱にロープで縛られてるんだが)

フラ「あ!男さん。男さん!」ギシギシ

「お、お前なにしたんだよ」

フラ「何もしてませんよ。だからこれほどいて下さい」

男母「男駄目よ、ほどいちゃ」

フラ「なんでですか?これじゃあ男さんに触れないじゃないですか。男さん、一緒に私の部屋行きましょう」

フラ「3日も一緒にいられなくて寂しくて。は、早く。早くっ!」

「あー、大体分かったわ」

(この光景も懐かしいなぁ。ってかフラが完全に昔に戻ってる。何があったんだ)

男母「もうすぐご飯出来るから、適当に時間潰してなさい」

フラ「男さんのご飯なら私が作ります」

男母「今のあんだじゃ変なもん入れるでしょ。4年前に前科があるんだからね」

「なんだそれ?俺知らねぇぞ!」

男母「それは未然に防いだから大丈夫よ。ほら、ご飯が出来るまで適当に時間潰してなさい」

424 : VIPに... - 2014/12/01 23:40:30.92 5IZSg7+F0 164/254




(リビングでテレビを見てたら、飯が出来たとお袋に言われた。テレビを見ている間はすっげぇフラに話しかけられて内容が全く入って来なかったわ)

「お袋の飯も久しぶりだな」

男母「さっさと食いなさい」

「いただきまーす」

パクパク

「・・・」

男母「・・・」

「・・・縛られてるフラとすげぇ目が合うんだけど!?」

フラ「食事の時くらいは解放してくれてもいいんじゃないですか?」

男母「駄目よ。そもそもあんた、食事の時も前科があるでしょ」

フラ「?」

(確かに口移しはもう勘弁だな)

男母「後で食べさせて上げるから。って言っても多分食べないわよね。男、後で食べさせてあげなさい」

「いいけどさ。俺も食い終わったところだし」

「ほら食えよ」

フラ「男さん。もっと近くに来てくださいよぉ」ギシギシ

(なんか怖えぇ)

「あーんしろって」

フラ「あーんっ」

パク

フラ「縛られながら食べさせてもらうなんて、なんかそう言うプレイみたいで興奮しますね」

「もうやだこの子。怖い」

フラ「焦らさないでもっと食べさせてください。もしかして誘ってるんですか?あ、口移しでもいいですよ」ギシギシ

(すごいナイスバディなフラの体にロープが食い込んでる。なんて目に毒なんだ!この縄のギシギシ音も夢に出て来そうだ)

男母「はぁ、こんな猛獣うちで飼えるのかしら」

428 : VIPに... - 2014/12/02 00:32:14.86 gead+B8x0 165/254




男母「ちょっと、飲み物切らしてるから買ってくるわね」

「うーっす」

(寝るまで適当にテレビでも見てようかな)

「はははっ、この芸人面白いな」

フラ「男さーん」

「どうした?」

フラ「ちょっと縄がきつくって」

「どれどれ、って手から血が出てるじゃねぇか」

フラ「一旦外してもらえませんか?」

「おう、待ってろ」

「よし、これで大丈夫・・・!」

ギュ

フラ「うふっ、うふふ」

「おい、どうした?は、離れろよ」

フラ「久しぶりの男さんの感触、男さんんの匂い、男さんの・・・首筋の味」ペロ

「ひぃっ」

フラ「はぁはぁ、あぁ、男さんに触れているだけで気持ちいい!」

「ちょっと!やめろって」

フラ「3日も置き去りにして酷いです。お陰で男さんの居ない4年間を思い出してしましました」

(それで昔のフラに戻ってるのか)

「それは・・・悪かったよ」

フラ「もう、前みたいに突然どこかへ行ったりしませんよね?あんな思いはしたくありません」

「そうだな。親父のチームにもう一度参加するって決めたんだ」

「フランスだってちゃんと行くし、突然いなくなる事はないだろ」

フラ「そうですか。一緒に居てくれるんですね!」

「だから離れて」

フラ「素晴らしい返答だったので、これは男さんにご褒美をあげないといけませんね」

「・・・え?」

429 : VIPに... - 2014/12/02 00:35:05.53 gead+B8x0 166/254

フラ「まずは・・・ちゅ」

「ん・・・っう」

フラ「んちゅ、んはっ・・・はぁはぁ、ご褒美ですから何でもしてあげますよ」

「頼む!何もしないをしてくれ!」

フラ「どうしましょう。とりあえずズボンを脱がさないと」

ガチャガチャ

「マジで?駄目だやめろ」

ガチャ

男母「ただいまー」

男母「スーパーまで行くの面倒臭いから近くの自動販売機で飲み物買っちゃった・・・って、男ぉーーーー!!」

男母「ほら!離れなさいって!」

フラ「い、嫌です。まだ終わってません」

「た、助かった・・・」

男母「これでよしっと」

(またフラが縛られた。これマジでほどいちゃ駄目だわ)

男母「あんた、フラのロープに触れるの禁止だから」

「はい」

男母「こりゃあ、寝てる時も縛っとかないと駄目かしらね」

「いや、流石にそれは可哀想だろ」

男母「じゃあ男を守るものが無くなるわよ?そうだ、私と寝れば守ってあげられるわね」

「やったー!久々にマミーと一緒に寝れるぜ!・・・フラはずっと縛っとけ」

430 : VIPに... - 2014/12/02 00:44:57.95 gead+B8x0 167/254




看護婦「幼ちゃん、夕ご飯も全部食べたし大丈夫そうね」

「はい。もう明日には退院出来ますよね」

看護婦「そうねぇ、検査も問題なかったし。先生がどう言うか変わらないけど」

「大丈夫ですって。ほら」

ブチ

看護婦「な・・・なにをしてるの!?」

看護婦(点滴の長い針を、強引に抜いた・・・?)

「早く退院しないと・・・ふふ」

看護婦「体は回復したかもしれないけど、あなた・・・心が」

441 : VIPに... - 2014/12/03 02:40:59.91 5tauI/6v0 168/254




(昨日はフラを縛りつけたお陰で、危険が一切無い驚きの安眠だったぜ)

「あれ?フラは?」

男母「布団に縛ったままだけど?」

「学校どうすんだよ」

男母「今のフラが学校行ったら、あんたの学園生活が終わるわよ」

「え?じゃあ行かせないのか」

男母「そうね。学校は休ませるわ。日本公演も近いし、あの子には練習してもらわないといけないのよ」

「分かったよ。でもちょっと可哀想だな」

男母「解放したら昨日の二の舞よ。あんたは気にしないでさっさと学校行きなさい」

「はーい。行って来まーす」

男母「・・・さて」

フラ「・・・」

男母「ほどいてあげるから練習するわよ」

フラ「男さんが居ない時に自由になっても意味ありません」

男母「一日中そうしてたいの?」

フラ「うぅ、練習しましょうか」



~~♪

フラ「なんか今日は良い音が出ますね。調子が良いみたいです」

男母「・・・驚いたわね」

男母(この4年間のフラの演奏はこの年齢の子が演奏出来るレベルではなかったにしても、幼い頃の強烈な才能が薄れかけていた)

男母(言ってしまえば長いスランプ。このまま普通に上手い演奏家になって終わりかもしれないとも思ったわ)

男母(でも今のこの子は違う。普段、狂っていると思える異常な行動をするフラ。でもフルートの演奏も常人の出来るものではなくなっているのね)

男母「ねぇ、あんた」

フラ「・・・」~~♪

男母「聞いちゃいないわね」

442 : VIPに... - 2014/12/03 02:45:57.71 5tauI/6v0 169/254




キーン コーン カーン コーン

「男、来たよ」

「おう、弁当か」

「うん、早く行こう。昼休みは短いんだから」

「そうだな」

クラスメートA「おい見たか?女さん、左手の薬指に指輪してたぜ」

クラスメートB「マジかよ。休日に何かあったのか」

クラスメートC「なにより仲直り出来たんだね。やっぱりラブラブカップルの喧嘩とか見たくないよね」



「おお、枝豆ご飯か。作るの大変だっただろ」

「そうなのっ。すっごい地味な作業で、ひたすら枝豆出してる姿とか誰にも見られたくないって思って作ってた」

「ははは、想像したらウケるな」

「もう、想像しないでよ」

「でもいつか男と同居するって事になったら、いろんな所見られちゃうんだろうな」

「そんなのお互い様だろ」

「私は男のいろんな所見たいな。いろんな事知りたいし、多分知ればその部分も好きになる」

「どうかなぁ、それはやってみないと分からないな」

「そうだね。やってみたいね」

「あ、そうだ。これ見て」

「指輪学校でも付けてるのか」

「当たり前だよ。お風呂の時以外はずっと付けてるんだから」

「寝る時は外せよ」

「外さないよ。宝物だもん。多分一生の宝物」

(多分じゃなくて本当に一生の宝物にしたいから、私は頑張るの)

443 : VIPに... - 2014/12/03 02:48:49.32 5tauI/6v0 170/254

「そう言えば、幼に話したぞ」

「どうだった?」

「断られちまった」

「そっか。でも男がやる事は変わらないんでしょ?」

「そうだよ。幼かお前のどっちかを必ず選ぶ」

「その気持ちが変わってないなら幼も私も、やる事は一緒。男に今より好きになってもらう様にするだけだから」

「なんかごめんな」

「気にしないの。そんな優柔不断な男でも、好きになっちゃったのは私たちなんだから」

「そうだ。今日うち来ない?お父さんとお母さん居ないの。・・・この意味、分かるでしょ?」

(前回中出しさせられそうになったからな。正直ちょっと時間を置きたい)

「今日は駄目だな」

「ちぇ、つまんなーい」

「あ、幼からLINEが来てるぞ」

「『今日退院出来るよ。明日から学校に来るね』だってさ」

「そうなんだ。元気になったんだね。良かった」

「もう昼休み終わるし弁当箱返すわ」

「うん」

444 : VIPに... - 2014/12/03 03:24:07.45 5tauI/6v0 171/254




(今日の放課後は珍しくゆっくり過ごせた。休日は旅行で次の日は幼の病室に泊まったせいか、疲労が溜まっていたらしく夕飯の時間まで昼寝をしていた)

「やっぱり今日もフラの餌やりはきつかったな。あれマジて精神に来るわ」

「・・・ってこんな時間か。風呂入らないと」

「寒いしさっさと入ろう」

ガラガラ

「・・・あ」

フラ「あら・・・あらあら」ニッコリ

(風呂上がりのフラが、体拭いてらっしゃるー!)

フラ「・・・」

ガシ

「待ちなさい!ひ、引きずり込まないで!」

フラ「男さん。覗くくらいだったら堂々と私の所に来てください」

「ち、違う!ってか、全裸で抱きつくのやめてくれ!」

フラ「そうですね。私だけ全裸って言うのは不公平ですよね」

「話聞いてたか?とにかく服を着なさい」

フラ「はぁはぁ・・・そう言っても男さんの陰部が反応してしまっていますよ?これ治めるないと可哀想です」

「あーあー!触るなって!」

ガラッ

男母「・・・あんたねぇ」

445 : VIPに... - 2014/12/03 03:25:58.83 5tauI/6v0 172/254

男母「ほら男、部屋戻りなさい」

「また救われてしまった・・・」

フラ「あ、男さんの部屋私も行きま」

パシーン

フラ「・・・」

男母「いい加減にしなさい。次やったら追い出すからね」

フラ「出て行きません。男さんの側からは絶対に離れませんから!」

男母「・・・ったく、誰の家だと思ってるんだか」

男母(とは言っても、あの演奏を聞いちゃうとねぇ。男がギターの道を進むとなると、フラは絶対に必要になる)

男母(簡単には追い出せないわ。本当に困ったわね)



コンコン

「お袋か?なんだよ」

男母「フラの事よ。あんたの方でもフラをどうにかする方法考えてよね」

「どうにかなるか分からないけど、やってみるよ」

男母「お願いね。私もそろそろ命が惜しいのよ」

453 : VIPに... - 2014/12/04 01:47:28.92 xK0YEWoT0 173/254




キーン コーン カーン コーン

(英語の授業すっげぇ眠かったな)

(フラは今日も縛られてて学校来れずか。このままってのもフラが可哀想だよな。なんか方法考えないと)

(そういや女と幼が、同じ隣のクラスなんだよな。大丈夫なのか?)

(なんか色々考えちまって、休み時間もあんまり休めないなぁ)



モブ子A「あんたそれ眺めてる時間長過ぎ」

「そう?うーん、そうかも」

モブ子A「彼氏からの指輪かぁ。あたしみたいに、彼氏すら出来た事ない系女子には現実味ないわ」

「貰ってみると、すっごい嬉しいよ」

モブ子A「そういうもんかねぇ・・・って、幼があんたの事凄い顔で見てるわよ」

「・・・・・・」

「あー、どうしようね」

モブ子A「ちょっと大丈夫なの?教室で殴り合いとかやめてよ」

「私はしないけど、あの子次第かな」

モブ子A「ほ、本当にやめてよ?」

454 : VIPに... - 2014/12/04 01:49:34.93 xK0YEWoT0 174/254




(放課後やる事もないし帰るかな)

「あれ幼じゃねぇか。待ってたのか?」

「うん。せっかく退院して学校来たのに、男と会う機会って以外と無いなーって。だから一緒に帰ろうよ」

「別にいいぜ」

「いいぜついでに、放課後デートしてほしいな」

「デートか」

「デートって言っても、ただのお買い物だから」

「欲しいもんでもあるのか?」

「うん」

「じゃあ退院祝いに買ってやるよ」

「本当?さすが私の男ね」

「う、あんまり高い物は駄目だぞ」

「大丈夫大丈夫。高くないって」

「じゃあさっさと行くか。病み上がりなんだから無理はするなよ」

(まぁ、幼が楽しそうだし良いか)

455 : VIPに... - 2014/12/04 01:53:45.56 xK0YEWoT0 175/254




「って買い物ってここかよ」

「うん。下着そろそろ買わなきゃって」

「・・・ちょ、ちょっと待てよ。凄い内装がパステルだぞ?男子いないぞ?」

「大丈夫だよ。私も居るんだから」

「早く決めろよな」

「えー、どうしようかな」

「あ、これ可愛いかも。似合うと思う?」

「わぁ!こっち向けんな」

「そんなにおろおろしてると逆に目立つんだけど」

「・・・そ、そうだな」

「これどう?」

「うーん、微妙」

「う、正直ね」

「隣のはどうだ?ってなに真剣に選んでんだよ俺」

「こういうのが良いんだ。これにしようかな」

「いや、幼の好きな物でいいんだぞ?」

「あはは、おっかしい。私の好きな物買ってどうするの」

「服って他人が見た時にどう思うかって考えて買うものでしょ?下着は男にしか見せないんだから、男の好みで買うの」

「は?どのタイミングで見るんだよ。別に俺の部屋からお前の部屋の中見れないぞ」

「・・・」

「ってかプレゼントってそれでいいのか?なら買いに行くけど」

「違うよ。これは自分で買う。男に買って欲しいのは他にあるから」

「そうか。じゃあそれ買ってこいよ。俺外で待ってるから」

(これじゃなくて良かったー!これ持ってレジに並ぶ勇気はねぇぞ)

456 : VIPに... - 2014/12/04 01:58:37.31 xK0YEWoT0 176/254




「あ、ここにしよっと」

「ん、露天のアクセサリーショップか」

「うん。ここで買ってほしい」

「どれが良いんだ?そういやお前アクセサリーなんて付けてたっけ」

「まぁいいや。このネックレスはどうだ」

「いらない」

「・・・即答かよ」

「指輪がいいの」

「指輪かよ」

「男が選んでね」

「・・・」

「どうしたの?・・・女には渡したのに、私には駄目なの?」

「学校で見たのか」

「どっちかを選ぶとか言っておいて、女の薬指にはもう指輪がはまってるじゃん。ちょっと不公平だよ」

「分かった。俺が選ぶよ」

「・・・これはどうだ?」

「私の手にはめてみてよ」

(幼が左手を出して来た。俺に付けて欲しいらしい)

「ちゃんと合えばいいけどな」

「そっちじゃないでしょ。ちゃんと薬指にはめて」

「・・・うーん、これは人差し指の方がサイズが合ってるだろ」

「じゃあいらない。他のが良いよ」

「あっさり諦めるな。こっちはどうだ?」

「・・・うん。ぴったり」

「あ、でもちょっと高いね」

「いや、大丈夫だ。これ買うよ」

「ありがとう男」

「これ下さい・・・よし、買ったぞ」

「さっそく付けちゃおっと。・・・本当に嬉しい。女の言う通りだ。凄いなぁこれ」

「お前、泣く程喜ばなくてもいいだろ」

「ううん。感動的なくらい嬉しいから」

459 : VIPに... - 2014/12/04 02:18:24.69 xK0YEWoT0 177/254




(買い物も終わって、幼の家の前まで帰って来た)

「じゃあな。大分寒くなってるから気をつけろよ」

「ねぇ男、今日うちに来ない?」

「いや、悪いだろ。今日はやめとくよ」

「指輪買うだけじゃ駄目だよ。女と旅行した時、夜一緒に過ごしたんでしょ」

(な、なんか幼少し震えてないか?まだ体調が悪いのかもしれないな)

「おい、どうした?」

「・・・何したんだろうね・・・やってよ、私にも同じ事・・・一晩一緒に・・・」

「幼どうしたんだ。ちょっと変だぞ。病み上がりて疲れたんだろ。今日は帰って休め」

「・・・」

「じゃあな」

(・・・男、逃げないって言ったのに)

464 : VIPに... - 2014/12/04 22:22:44.37 xK0YEWoT0 178/254




「ただいま」

フラ「男さん?お帰りなさい」

「あれ、お袋は?」

フラ「お買い物だそうですよ」

「そうか」

「お前さ、縛られてるのやっぱ嫌だろ」

フラ「はい。嫌ですよ」

フラ「でも縛られている事よりも、男さんにお料理やお洗濯で役に立てないのが辛いです」

(やっぱりこのままってのも可哀想だよな。フラが俺に執着するのは、やっぱ俺の事が好きだからなんだろうな)

「フラ。お前俺の事好きか?」

フラ「はい。好きですよ。愛してます」

「そうか」

(だったらちゃんと言わないといけないな。俺は幼と女のどちらかを選ぶ。その中にフラは入ってない)

(俺の事を諦めてくれれば、フラだって俺から離れてこんな風に縛られる事はなくなる)

「フラ、ちょっと隣座っていいか」

フラ「はい。でも少し寒いのでくっついてくれると嬉しいのですが」

「こうか?」

フラ「ん、男さんの感触・・・。でももう少し包み込む様にしてくれると更に嬉しいです」

「それは出来ないな」

465 : VIPに... - 2014/12/04 22:25:27.91 xK0YEWoT0 179/254

「フラ、俺さ・・・お前に言わなきゃいけない事があるんだわ」

フラ「なんでしょう」

「俺には好きな人が居るんだよ」

フラ(男さん、真剣な顔です。男さん駄目ですよ。その話をするには少しロマンが足りません)

フラ「男さん、その話をする前にこのロープをほどいてください。素敵な時間にこれはふさわしくありません」

「いや、とにかく聞いてくれ」

「俺は・・・幼と女の事が好きなんだよ」

フラ「え?・・・な、なにを」

「でも二人共って訳にはいかないだろ?だから女か幼、どちらかを選ぼうと思う」

フラ「だ、ダメっ!」

「その中に・・・お前は居ないんだ」

フラ「う、嘘ですよね?そんな、そんな事!」

「・・・」

フラ「嫌っ!ほ、ほどいて下さい!こんな所でこんな事してる暇なんて無いんです!」

フラ「お、男さんがまたどこかに行っちゃう!」ボロボロ

「俺はお前を選ばないよ。それだけは分かってくれ」

フラ「・・・」

「じゃあ、それだけだから」

(なんか駄目そうだったな。他の方法考えた方が良いのか?)

フラ「・・・こんなロープがあるから・・・こんな所に居る間に、どんどん男さんが離れていきます」

フラ(こんな邪魔なものがなければ・・・邪魔な・・・)

フラ(そういえば、私をこれで縛り付けた人が居ましたね・・・)

466 : VIPに... - 2014/12/04 22:26:57.26 xK0YEWoT0 180/254




(昨日は結局、フラの機嫌治らなかったな)

男母「朝ご飯出来たから早く食べなさい」

「はいよー」

男母「そういえばフラの様子がおかしいんだけど、あんた何かしたの?」

「俺の方からもフラをどうにか出来ないかなって思ってよ」

男母「で?」

「ちょっとミスったっぽい」

男母「あんたねぇ・・・」

「あ、時間やベぇ。行ってきまーす」

男母「はぁ、どうすんのよこれ」

フラ「・・・」

468 : VIPに... - 2014/12/04 22:40:57.12 xK0YEWoT0 181/254




「おはよー」

クラスメートA「おい聞いたか男」

「何がだ?」

クラスメートB「隣のクラスの幼って女子居るだろ?ってかお前の幼馴染の」

「居るな」

クラスメートA「彼氏が出来たらしいぞ」

「え?」

クラスメートB「左手の薬指に指輪はめてたらしい」

(あいつ学校に付けて来たのか)

クラスメートA「ショックだなぁ。幼さんと女さん。うちの学年のトップ2が、もう誰かに手をつけられてるって言う事実」

クラスメートA「その中の一人である女さんは、俺たちの友人の彼女だからまだいいけどさ」

「お、おう。幼ってそんなに人気あったのか?」

クラスメートA「当たり前だろ。そもそも可愛い子は可愛い子とつるむんだよ。じゃないと女さんの隣で比較されまくって友達なんて勤まらないよ」

「なるほど」

クラスメートB「幼さんは誰と付き合ってるんだろうな」

クラスメートB「男何か知らないか」

「さ、さぁな」



(幼が付けてるのって・・・。男に買ってもらったんだ。学校に付けてくるなんて何考えてるのよ)

モブ子A「ちょっと女、幼が指輪つけてるんだけど」

「分かってる。昼休みに聞いてみる」

(どっちかを選ぶチャンスを幼にも与えてとは言ったけど、学校では私が付き合ってるの。男に噂が流れたらどうするつもりなんだろう)

「・・・あはは」

(奇麗な指輪、男と私を繋ぐ大切なプレゼントだよね)

469 : VIPに... - 2014/12/04 23:27:01.17 xK0YEWoT0 182/254




キーン コーン カーン コーン

「・・・」

「ちょっと来なさい幼」

ガシ

「なに?」

「いいから!」

(そろそろ女が来る頃か?)

(って女が幼の腕をひっぱってどこかに連れて行こうとしてるぞ)

「あ・・・やべぇ。俺も行かないと」



(ここはいつも俺と女が飯食ってる人の居ない場所か。仲直り?・・・って雰囲気でもなさそうだな)

「ちょっと幼、どういうつもり」

「なにが?」

「指輪だよ」

「男から貰ったの。もしかして自分だけが特別だと思った?」

「違うでしょ。これから男がどっちを選ぶか分からないけど、学校では私の彼氏でしょ」

「男に変な噂が立ったらどうするの?少しは男の事考えて行動してよ」

「そう思うなら男と別れればいいでしょ」

「そう言う話じゃないの。いいからそれ外しなさい!」

ガシ

「い、嫌!男から貰った大切な物なの!い、痛いっ」

(あ、やばい)

「おい。何やってんだ!」

「・・・男」

「・・・っ!男、なんでここに」

「男からも言ってあげてよ」

「うるさい!何度も男にふられてるくせに!男につきまとって!」

「それは幼も一緒だよ」

470 : VIPに... - 2014/12/04 23:32:29.94 xK0YEWoT0 183/254

「待て待て」

「男は女の味方なの?」

「違うって。でも指輪のせいでクラスの連中が噂してるのも確かだし、幼に変な噂が立っても心配だ」

「それを外せば解決するなら簡単じゃないのか?」

「男もそう言ってるんだしさ」

「っ!!・・・い、い」

「嫌なんだよ!!」

「!?」

「・・・」

「男の一つ一つが、女に取られちゃうみたいで!指輪だってそうだよ!どんどん私が男に求める物を、女が持って行っちゃう!」

「持って行っちゃうって・・・男は幼の物じゃないよ」

「うるさい!男を無理矢理どこか連れ去って!三日間も何してたの!?」

「それは幼には関係のない事でしょ」

「夜一緒に過ごして何してたのよ!抱き合って寝たりしたの?キスしたの?それとも、それとも!」

「そっかそっか。幼は男とそこまでしかしてないんだ」

「っ!?」

「男と私はね、あの夜・・・ふふっ」

「女、待て!」

「セックスしたんだよ」

474 : VIPに... - 2014/12/05 00:43:05.46 yqLs3p1f0 184/254

「ぅ、ぅぅっ・・・。な、何でよぉ。もう嫌だよ」

「男、なんだかんだ言って女とヤってたんだ!こんなの全然平等じゃない!」

「そう言えばここ誰も居ないよね。ここでしようよ男」

「正気?こんな所でセックスなんて」

「邪魔よ!」

ガスッ

「うっ!?・・・がっ」

(おい今幼が女の腹殴ったぞ)

「おい!それはやり過ぎだ・・・ん!」

「ちゅ・・・んんっ」

「・・・ん、幼どうし・・・んん」

「あ・・・あぁぁ」

(これが男と他の人がするキスなの?や、やだ!もう見たくない)

「やめて・・・やめなさい!私の男に!」

「んちゅ・・・んはぁっ。やっぱり女も、男を独り占めしたいんだ」

「男が選んだなら、ちゃんと受け入れるみたいな事言ったんでしょ?」

「ほら男、女も認めてくれるよ。今すぐ私を選んでよ」

「このっ!」

「やめろ二人とも!」

「どいてよ男!」

「そもそも、後から来たくせに偉そうなのよ」

「は!?男と最初に付き合ってたのは私でしょ!?」

「後から来たくせに!・・・後から来たくせに!」

475 : VIPに... - 2014/12/05 00:46:00.44 yqLs3p1f0 185/254

「だから!最初に私と男がっ」

「後から来たくせにっ!男と私の間に後から割り込んで来たくせに」

「え?な、なんの事よ・・・!」

「あれ?男、女に言ってないの?私と男が小さい頃から両思いって事」

「・・・え?」

「・・・言ってないんだ」

「男!!」

「・・・あれ?言ってなかったか?」

「な、何の事?ねぇ、何の話をしてるの?」

「ちゃんと話したんじゃなかったの?初めからちゃんと!」

「初めからって・・・」

「女に嘘の告白をした所からよ」

「・・・え」

「それはしてない・・・かもな」

「ちょっとぉ、意味ないじゃんそれじゃあ!ちゃんと説明してあげてよ」

「適当にしないで!」

「・・・ごめん。分かった、今ここで最初から話すよ」

「・・・」

480 : VIPに... - 2014/12/05 01:30:49.35 yqLs3p1f0 186/254

「最初、俺は幼の事が好きで告白しようと考えていた」

「・・・うそ」

「でも幼に告白する勇気が無かったんだ。それで・・・当時告白が絶対に成功しないって言われていた女に、どうせ断られると思って告白したんだ」

「な、なんで」

「練習のためだよ」

「・・・あ」

「その後幼の親友だって事を知って、女と別れた後すぐに幼と付き合ったら友情が壊れるって幼に言われて」

「幼と二人で、女の方から俺を嫌いになる方法を考えたりしてたんだ」

「そして、女が始めて俺の家に来たあの日、俺は本当に女を好きになった」

「その後は前話した通り、二人を好きになった事でどう接すればいいのかわからず逃げ回ってた」

「その後は分かるよね。これが全部よ」

「・・・」

「・・・」

「・・・私、後から来たんだ」

「うぅ・・・私馬鹿みたい」ボロボロ

「男の事勝手に好きになって・・・勝手に・・・」

「・・・女」

「幼・・・ごめんね。ごめん」

「私が後から来たんだよ。私が・・・」

「もういいから。そんなに謝られるとこっちが申し訳なくなっちゃうよ」

「でもどうしよう。私・・・もう男の事好きだよぉ。今更そんな話されてもどうしたらいいの・・・」ボロボロ

「本当にどうしようね」

481 : VIPに... - 2014/12/05 01:33:37.24 yqLs3p1f0 187/254

「・・・あと男」

「な、なんだ?」

「最ッ低ッ!!」

パシーン

「いってー!・・・まぁ、最低だけどさ」

「本当に最低だよね」

「・・・ねぇ幼」

「後から来て厚かましいと思うかもしれないけど」

「何?言ってみて」

「どっちかを選んでもらうんじゃなくて、二人とも選んでもらうのはどう?」

「え?」

「だから、二人とも男の恋人になるの」

「いや、それじゃあ幼は」

「男黙って!」

「女はそれで良いの」

「うん。私は男と居られればそれでいいし、幼とまた・・・勝手かもしれないけど親友に戻りたい」

「・・・それいい」

「それいいよ!私か女、どっちかが選ばれるなんて嫌だよ。恋愛と友情をどっちか捨てるのも嫌」

「え、マジで!?」

「決定ね」

「あ、後男には拒否する権利ないからね」

「そうだよね。さんざんかき乱してくれたし、責任とってもらわないと」

「わ、わかったよ。俺はお前らが良いならそれでいいぞ」

「・・・それでいい?」

「それがいいです!」

「よろしい」

483 : VIPに... - 2014/12/05 01:51:23.87 yqLs3p1f0 188/254




(あの後昼休みが終わって、どうせ授業には間に合わないと言う事で次の授業は諦めていた)

「5時間目、終わっちゃいそうだね」

「すっぽかしちまったな」

「そういえばさ。学校では私と男が恋人って事になってるでしょ?」

「う・・・そうね。浮気してるなんて噂になったら、私たちのイメージ最悪だよね」

「だから、お昼はここで3人て食べるとして」

「放課後のデートみたいな目立つやつは、私に譲って欲しいんだけど」

「夜は私が貰うわね。家近いし」

「あれ?俺の休む時間は」

「ない」

「ある訳ないよ」

「・・・はい」

「でもそう言う事だったら、学校ではこの指輪外さないとね・・・」

キーン コーン カーン コーン

「あ、授業終わった」

「教室戻らないとな」

「そうだね。明日から三人で頑張ろうね」

「3Pがんばろー」

「それはやめろ!」

498 : VIPに... - 2014/12/06 02:53:16.89 edSxT7h20 189/254




男母「もうすぐ男が帰ってくる時間ね」

フラ「あの」

男母「なによ」

フラ「寒さで手がつってしまって、一回ロープを外してもらえますか?」

男母「それは痛そうね。ちょっと待ってて」

男母「ちょっと力抜きなさいよ」

フラ「つってしまって力が入ってしまいます。ハサミで切って下さい」

男母「そうね、ロープ切らないと無理かもね」

フラ「・・・」

男母「はい、切ったわよ」

フラ「ありがとうございま・・・すっ!」

ガシ

男母(ハサミ取られた!?)

クッ

男母「・・・ぅ」

男母(な、なんで?ハサミを喉に突き立てられてるわ)

フラ「あなたのせいですよ。・・・あなたが邪魔ばかりするから!」

男母「ど、どうしたのよ」

フラ「男さんと私は!一緒にいないと駄目なんです!」

男母(男・・・いったいフラに何言ったのよ)

フラ「うぅっ・・・!男さんがまた遠くへ行っちゃう・・・!絶対許しませんから!」

男母(はぁ、少し縛り付けすぎたかしらね)

男母「ま、待って。待ちなさい」

フラ「・・・」

男母「あなただって大人なのよね。少し制限をかけすぎたわ」

男母(そう普通じゃないからって、無理矢理常識の縄で縛る必要なんてないのよね)

男母「あなたの男への思いは、ここ数日で痛いほど伝わったわ」

フラ「じゃあ」

男母「もう自由にしていいわ。今までごめんなさいね」

男母(少し変だけど、この子はこう言う子なんだわ。フルートの演奏だって、常識を意識していた頃よりずっと彼女らしいもの)

男母「だからもう他人を傷つける様な事はしないで」

男母「もういっそ、その必要がないくらい自由に生きなさい。他人に何を言われても自分を通しちゃえばいいのよ」

フラ「はい。それとごめんなさい。おばさま」

男母「よしよし。もうすぐ男が帰ってくるんだからお夕御飯の支度しなさい」

フラ「はい!」

男母(男は少しこれから大変でしょうけど、きっと大丈夫よね)

男母(それに何より、私の命が大事だもの)

499 : VIPに... - 2014/12/06 02:55:17.31 edSxT7h20 190/254




「ただいまー」

フラ「男さーん!」

ギュ

「どわぁ!なんでフラが解放されてるんだ!?」

男母「可哀想だから解放してあげたのよ。学校も明日から一緒に行ってあげるのよ」

「う、嘘だろ?なんの解決にもなってないぞ」

(女と幼にどう説明すんだよ。この状態のフラを)

フラ「今日から男さんのお夕食は私が作りますから」

男母「って事で、邪魔しちゃ悪いから私はどこかで食べてくるわね」

「え、これ本当にヤバいんだけど?待ってくれお袋!」

男母「あと私、明後日フランス戻るから。あの人も心配だし」

「おーい!糞マミー!シャレになんねーぞ!」

バタン

「行ってしまわれた」

フラ「また二人っきりの生活が始まるんですね」

「わーうれしー。どの神様に祈ろうかな」

フラ「ご飯出来るまで少しだけ待っていてください」

「いや俺も作るの手伝うよ」

(なんか変なもん入れられそうだしな)

フラ「はい。お願いします」

500 : VIPに... - 2014/12/06 02:57:45.98 edSxT7h20 191/254




(と言う事で、一緒に料理を作り始めたのはいいが)

フラ「あれ?お出汁ありませんでしたっけ」

「確かこの辺に・・・」

ピト

フラ「きゃっ」

「ひぃ」

(やべぇ手と手が触れただけなのに、恐怖心しか湧かねぇ)

フラ「うふふ。二人してうぶな反応しちゃいましたね」

ガシ

フラ「こうやって手を掴んでも平気なんですけどね」

「やめろっ」

フラ「今更そんなに照れなくても・・・あ、もしかして誘ってます?」

フラ「駄目ですよ。料理が全然進まないじゃないですか。・・・はぁはぁ」

「誘ってねぇ!早く料理しようぜ!は、離せ!」

フラ「そうですね。二人で台所に立っていると夫婦みたいで嬉しくて。ついテンションが上がってしまいます」

「おい、煮えてるぞ」

フラ「本当ですね。味付けをしないと・・・えっと後は」

フラ「愛情を少々」

「え?愛情どこから入れようとしてるんだ!?もう十分入ってるから愛情!いらないぞ、頼むこれで完成にしてくれ!」

フラ「・・・わかりました」

501 : VIPに... - 2014/12/06 03:25:32.81 edSxT7h20 192/254




(夕飯を食べ始めたが、作る過程を見張っていたから安心して食べれた)

「うん。おいしいぞ」

フラ「二人で作りましたから当然です」

「てかさ、お前も食えよ」

フラ「後で食べます。・・・食べてる男さんの顔可愛いです」

(う、これ辛いぞ)

「ほ、ほら、またあーんしてやるから」

「あーん」

フラ「あーん・・・ぱく」

「お前それ俺の唾液とか付いてるんだぞ。よく嫌じゃないよな・・・あ」

フラ(男さんの唾液・・・そう言えばこのお箸、男さんが何年も使ってた物なんですよね)

フラ「・・・」

(箸がフラの口から抜けなくなってしまった)

「もうそれやるよ。・・・はぁ、新しい箸出すか」

502 : VIPに... - 2014/12/06 03:27:43.47 edSxT7h20 193/254




チャポン

「はぁー、やっと解放された」

(風呂に入ってる時間は一人で落ち着くわ)

「ん?何か失念しているような」

ガラガラ

フラ「男さん。私も入りますね」

「え?・・・嘘ぉ!ちょっ、エッチ!」

フラ「お風呂でも一緒に居たいんです」

(そうだ。こいつ躊躇無く入ってくるんだった)

「た、タオル巻けよ」

フラ「要りませんよそんなの」

フラ「そもそも普段から男さんと接する度に、服が邪魔だなって思ってるんですよ?」

「なんだそれ。怖いんだけど」

フラ「そうだ!この家に居る時は裸で過ごす事にするのはどうでしょう」

「やめろ!それだけは嫌だ!」

(やっぱ狂ってるぞこいつ)

フラ「ほら男さん、洗いっこしましょう・・・はぁはぁ」

「や、やめろ。来るな」

「いやだあぁぁぁーーーー!!」

(そして今夜はお楽しみでした。フラだけがな)

503 : VIPに... - 2014/12/06 03:35:03.81 edSxT7h20 194/254




「えへへ。明日から男と恋人か」

「・・・女もだけど」

(私どうしてあの時簡単にOKしたんだろう。体を壊しちゃうくらい、男が女と一緒に居るのが嫌だったのに)

(それにあの時、女が不利な状況だったような・・・)

「考え過ぎだよね」

(女はまた、私と友達に戻ってくれるって言ってるし)

「明日は男と何しようかなぁ」

520 : VIPに... - 2014/12/07 23:15:31.98 n5XyOKHU0 195/254




(登校中もそうだが、教室の前まで来たってのにフラが全然離れてくれない)

ガラガラ

「お、おはよう」

クラスメート達「!?」

クラスメートA「フラさんが男に抱きついてる・・・」

「やめろ。見るな」

フラ「皆の前だからって照れないでくださいよ」

クラスメートA「文化の違いってやつか?外国では普通なのか?」

クラスメートB「お前彼女居るのになにやってんだ」

「た、助けてくれ」

フラ「そんなに嫌がらなくても良いじゃないですか。私は皆の前でも、キスくらいなら出来ますよ?」

「ぎゃー!やめろー!!」

クラスメートC「やばい!男を助け出せ!」

モブ子B「フラさんの方は私達が止めるわ!」

フラ「あら?ちょっと、引き剥がさないでください!」

クラスメートA「大丈夫か」

「ああ、サンキューな。マジで助かった」

クラスメートA「なにがあったんだよ男」

「俺にもさっぱり分かんねぇけど、むしろ今までが大人し過ぎたんだ・・・」

クラスメートB「意味が分からないぞ」

「とにかく助かった。ありがとう」

521 : VIPに... - 2014/12/07 23:17:24.43 n5XyOKHU0 196/254




モブ子A「あんたら仲直りしたんだ」

「うん」

モブ子A「男の事はどうなったのよ」

「あれ?知ってたの?」

モブ子A「知ってたわよ。本当にはらはらしたんだからぁ」

モブ子A「で、結局どうなったの?」

「それが」

「二人で男と付き合う事になりました」

モブ子A「えぇ!!?」

「しーっ、静かに」

モブ子A「ごめん・・・。じゃあ幼の左手に付いてた指輪って・・・」

「うん男からのプレゼントだよ」

モブ子A「うひゃー。あんたら美人二人で何やってんのよ・・・」

「まぁいいじゃん」

モブ子A「表向きは女と付き合ってる事になってるのよね?」

モブ子A「じゃあ変な噂が流れない様に、幼がこの前してた指輪はなんかの罰ゲームだったって事でそれとなく広めとくから」

「ありがと」

「あ、ホームルーム始まっちゃう」

「席戻ろっか」

522 : VIPに... - 2014/12/07 23:20:23.36 n5XyOKHU0 197/254




(授業中ずっとフラに凝視されてる。めっちゃ怖いぞ)

キーン コーン カーン コーン

(よっしゃ終わった。昼休みだ)

フラ「男さーん!お昼ですよ」

ギュ

「いや真っ先にこっちこなくていいから」

フラ「朝出来なかったので」

「なんかあったっけ?」

フラ「ちゅーですよ。ちゅーっ」

「うわ。それ本当にやるつもりだったのかよって待て待・・・んん!」

フラ「んふっ・・・ん」

クラスメート達「!!」

クラスメートA「あ、やべ」

ガラガラ

「男ー、お弁当・・・」

クラスメート達「!?」

「んんんんんん!!」

フラ「んちゅ・・・んふっ・・・」

「あんた・・・人の彼氏に、やってくれたわね」

フラ「んはぁ・・・うふふ、なんの事でしょう」

「待て女、フラに掴みかかろうとするな」

「男どいて!人の彼氏にちょっかい出したのよ?黙ってられない」

フラ「どうでもいいですけど、邪魔しないでくれます?」

モブ子B「フラさんストップストップ!」

クラスメートA「男、今のうちだ」

「よし女、早く飯行くぞ!」

「ちょっとっ、まだ終わってない」

「と、とにかく腹減ったから!」

ガラガラ バタン

523 : VIPに... - 2014/12/07 23:23:55.76 n5XyOKHU0 198/254




モブ子B「それにしてもホームステイ先の男の子に恋しちゃうなんて、フラさんアグレッシブすぎ」

フラ「いえ、男さんの事は10年近く前からずっと好きでしたよ?」

モブ子B「えぇ、初耳だよそれ。知り合いだったんだ」

フラ「ええ、そうなんです」

モブ子B「でも彼女持ちだよ?」

フラ「知った事ではありません」

モブ子B「彼女さんと一緒に居る男を見るのが嫌だなとか、身を引こうかなとか思わない?」

フラ「そうですねぇ。男にまとわり付いてる女性を、蹴り飛ばした事はありましたけど」

モブ子B「ええ・・・」

フラ「例えばですよ?朝ニュースで、仕事のし過ぎで過労死した人が出てたんです」

モブ子B「あー居たね」

フラ「ちゃんと寝れたのかとか、ちゃんと食事が出来ていたのか、会社は何をしていたのかって死んだ人の親族が言ってました」

フラ「でもそれって変ですよね」

モブ子B「何が?」

フラ「寝ればいいじゃないですか。食事は取ればいいじゃないですか。それが無理な会社なら辞めればいいじゃないですか」

モブ子B「いや現実はそんなに」

フラ「なぜです?」

モブ子B「・・・そう言えばなんでだろ」

フラ「常識にとらわれた結果、死んでしまったらどうしようもありません」

フラ「だから私も、男さんに彼女が居ても関係ないんです」

モブ子B「いや、死にはしないでしょ」

フラ「いえ、男さんと居られなければ死にます。・・・私の事、変だと思いますか」

モブ子B「ううん。むしろ格好いいよ。そういう生き方、普通は出来ないもん」

フラ「肯定されると少し嬉しいですね」

モブ子B「私たち以外と気が合うかも。あそうだ、メアド交換しようよ」

フラ「いえ、携帯電話を持っていないので」

524 : VIPに... - 2014/12/08 00:19:51.84 dhqWBW/D0 199/254




(昨日と同じで、誰も居ない屋上の前の階段。俺を真ん中にして3人並んで座っている)

(ただ、雰囲気が昨日と違うぞ)

「幼聞いてよ。男の教室入ったら男とフラがキスしてたんだよ」

「あ、あれはあっちが無理矢理」

「・・・とうとう本性を表したわね」

「男、ちょっとこっち向いて。・・・口に少し口紅付いてる!何してくれてるのよ!」

「ねぇ男」

「な、なんだ?」

「私達二人で上書きしてあげるね」

「上書きってどういう・・・んっ」

「ちゅ・・・んふ・・・」

「ずるい。私も男とキスしたい」

「んちゅ・・・じゃあ私は男の首筋にするから」

「ごめんね。唇は私がもらうね」

「んっ・・・れろっ」

「んん!ちょっと待・・・んぐ」

「じゅるっ・・・ちゅっ・・・」

「・・・あれ男、下半身が反応してるよね。これ」

「ぷはぁ・・・本当だね」

「おい・・・まさか」

「私達二人の手で、おさめてあげるよ」

「そうだね。びんびんで教室戻ったらドン引きだしね」

「いや誰か来たらどうすんだよ」

「膝にお弁当箱置いて隠せば大丈夫だって」

「チャック開けるから」

「ベルト外してっと・・・」

カチャカチャ

525 : VIPに... - 2014/12/08 00:23:10.96 dhqWBW/D0 200/254

「ちょっと待ってくれ。学校でそういうのするのかなり怖い。・・・まんざらでも無いけど」

「ちょっと黙ってて」

「パンツ下げるね」

ボロン

「うわ・・・すごいねこれ」

「幼は男のを見るの始めて?」

「何度か見てるけど、直接触るのは初めて・・・」ゴクリ

「男、触るね」

ツンツン

「んっ・・・」

「私に触られて感じたの?どうしよう・・・男可愛い!」

「私はこうやって下の方刺激するから、幼は先端よろしく」

「分かった。滑りが悪いと痛そうだから唾液つけてあげるね」

「それは助かる」

トロ

「こ、こんな感じかな?手動かすね」

ギュ

「んぅっ」

クチュクチュ

「私達に手コキされて男感じまくってるよ。ねぇ見て幼」

「うん。男の気持ち良さそうな表情かわいいかも」

「ぅ・・・あ、あんま・・・見るなって」

「ほら男、私の胸をワイシャツの隙間からさわって・・・いいよ」

「んっ・・・分かった」

「あっ、いい・・・かも」

「男こっち向いて・・・キスしようよ」

「ん・・・ちゅ」

「んぅ・・・んちゅ」

クチュクチュ

526 : VIPに... - 2014/12/08 00:25:00.50 dhqWBW/D0 201/254

「ん・・・い、イキそうだ」

「え、どうしたらいいの?」

「分かった。最後は私の口でイかせてあげる・・・ん」アム

「んん!い、イくぞ!」

ピュ ピュルッ

「ん・・・んくっ・・・ごくん」

「・・・ふぅ」

「ふふっ、ごちそうさま」

「あーあ、なんかずるい」

「じゃあ明日は幼に飲ませてあげる」

「明日もやるのか!?」

「うーん。どうしよ」

「またフラに何かされてたらもっと凄い事しようかな」

「マジかよ・・・。って飯食う時間が」

「あ、本当だ急がないと」

「男の精液の味でご飯食べよっかな」

「そういうのマジやめろって!」

「冗談冗談♪」

536 : VIPに... - 2014/12/09 22:59:09.78 tQQKvSp40 202/254




(放課後は女とデートの約束をしている)

「待たせたか?」

「ちょっとね。この季節は校門で待ち合わせは駄目かも。寒いもん」

「次からは別の所にするか」

「そうだね。でも手繋ぐとあったかい」

「だな。今日はどこか行きたい所でもあるのか?」

「うーん。実はあんまりないんだ。男と一緒に居たいだけだし・・・。あ、そうだ。カラオケはどう?」

(個室は色々されそうだから嫌だな。昼に搾り取られたばっかりだし)

「のんびり町歩くってのもありだな。クレープ屋とか最近出来たし」

「面白そうだね。そっちにしよう」

「あそうだ。お前フラに喧嘩売るなよ」

「売ってきたのはあっちなんだけど」

「でも体格的に女が不利だろ」

「大丈夫だって。私これでも、中学の時陸上部で全国大会2位だったんだし」

「まぁリレーだった上に、私は遅い方だったけど」

「普通に凄いな。ってそれでもフラはスルーが一番良い」

「じゃあ男もフラさんちゃんとスルーする事。彼女的には男が心配なんだから」

「が、頑張る」

537 : VIPに... - 2014/12/09 23:03:05.05 tQQKvSp40 203/254




「クレープ美味しかったね」

「ああ、二人で半分にしたのは正解だったな」

「ちょっと大きかったね。男なんて最初に思いっきりかぶりついて、ほっぺにいっぱいクリーム付けてたし」

「だからって人前で俺の頬を舐めるのは、もう駄目だからな」

「えー恥ずかしがらなくていいのに。あそうだ、欲しい本があるんだった。本屋さん寄って良い?」

「おう、いいけぜ」



「よし、買ったよ」

「何買ったんだよ」

「ん、ファッション誌。ほら」

「本当だ。どれどれ・・・あ、このモデル少しお前に似てるな」

「似合う服を買う時は、自分に似てるモデルを探すのが一番だって誰かが言ってたよ」

「いや誰の言葉だよ。まぁでもこのモデルより、お前の方が可愛いな」

「そ、そうかな。よし!予定変更で今からホテルに」

「いや待て、一般論で言っただけだから。褒めた訳じゃないぞ。ホテルは無しだ」

「えー、もう興奮してきちゃったから駄目だよ」

「待てって。ほ、ほら、ここのページ見てみろ」

(やべ。適当にページ開いたけど、これウエディングドレス特集だ)

「・・・ウエディングドレスか」

「そ、そうだな」

「私と幼。今は男と3人で一緒に居るけど、結婚となるとそうはいかないね」

「その間にどちらかが離れて行くかもしれないぞ」

「甘いよ。少なくとも私は、無理矢理にでも男と結婚するつもりだから」

「無理矢理ってなんだよ、怖いな」

「とにかく、早いうちから色々考えておけば大丈夫だと思うよ」

「色々か・・・」

「生まれたばかりの女王蜂みたいになるのは嫌だからね」

「は?意味わかんねぇ」

538 : VIPに... - 2014/12/09 23:05:27.83 tQQKvSp40 204/254




「結婚の話なんてしてたら、ちいさな教会見つけちゃったね」

「こんな所にあったんだな。普段気にしてなかったから気がつかなかった」

「入ってみようよ」

「いや俺達別に信者じゃないだろ」

「一般の人OKみたいな事書いてあるよ」

「ならいいか」

ギィ バタン

「中こうなってるんだ」

「入った事ないからかなり新鮮だな」

「でも私と男と幼で、かなり罪な事してるんだけど大丈夫かな」

「・・・う」

「あ、シスターさんだ。ちょっと話してこようかな」

「おい、ちょっと・・・って行っちまった。凄い行動力だな」

(ちょっと暇だな。って幼からLENE来てる)

(夜に幼の家に来いって内容だな。了解っと)



「ただいま」

「長かったな」

「ちょっとした懺悔と、お話してたんだ」

「なに話したんだ?」

「うーん、内緒。男も懺悔したら?」

「浮気してますってか?」

「ふふっ、リアル過ぎて駄目だね」

「そういやもう結構な時間だな。帰るか」

「うん。そうしようか」

540 : VIPに... - 2014/12/09 23:09:15.64 tQQKvSp40 205/254




(女とのデートの後飯も食ったし、幼の家に行くかな)

ピンポーン

「男?」

「よっす」

「早く入って」

「おう、邪魔するぜ」

「は、早くしてよ」

「どうした?なんか辛そうだぞ」

「いいから、私の部屋に行くよ」

「分かった。今日ご両親居ないんだな」

ガチャ

「相変わらず部屋奇麗にして・・・!」

ギュ

「ごめん。お昼休みに男のイクくところ見ちゃって、ずっと私の体が反応しちゃって」

「もう彼女だから我慢する事無いんだよ。・・・とにかく服脱いで」

「ああ、ヤる気満々でしたか」

(でも、流石の俺もこれは予想出来たからな)

「待て、コンドームを」

「もしかして、それ着けてするつもり?いらないよね、それ。ゴミ箱そこにあるよ捨てたら?2度と使わないだろうし」

「いや避妊はとっても大事な事なんだ」

「ねぇ、早くして!が、我慢出来ないよ。焦らさないで」

「わ、わかったよ」ヌギヌギ

541 : VIPに... - 2014/12/09 23:43:17.17 tQQKvSp40 206/254

「男の裸をこんなに間近で見れるなんて・・・夢みたい。今日は男になにしても良いんだよね・・・はぁはぁ」

「いや何でもって訳じゃないぞ。ってか俺だけ脱いでもシュールなだけだな」

「ごめん。私も脱ぐね」

「ど、どうかな」

(どうかなって言われても、そんなに手で隠されると・・・逆に興奮するな!)

「・・・言わなくても下半身が返事してるね」

「仕方ないだろ。・・・俺だってお前の事ずっと好きだったんだから」

「・・・あ、ごめん聞いてなかった。とにかく触るね。後いろんな所舐めていいよね」

「駄目だこりゃ。勢い余りまくってる」

ペロ

「んっ・・・男の乳首、こんな味なんだ。次はどこにしようかなぁ」

(さっきからちらちら見えてる、幼の決して大きくは無いが形の良い胸が気になって仕方がない)

「俺にもお前の乳首の味教えてくれよ」

「え?」

チュ

「ひぅっ!?」

「ちゅ・・・ん、お前の胸柔らかいな」

「くぅ・・・だ、駄目かも」

「どうした?」

「先に男を堪能しようと思ったけど、か、体が反応しちゃって・・・」

「早く繋がりたいって、うぅ・・・下半身がきゅってなって」

「分かった。いいんだな?」

「うん。・・・お願い」

(一ヶ月以内に3人の処女膜を破るのか。なんか申し訳なくなってきた)

「は、早くっ」

「お、おう。じゃあ挿れるぞ」

クチュ

「んんっ」

「・・・はぁはぁ」

ミチ ブツッ

「んくっ!」

「痛いか?」

「だ、大丈夫・・・だと思う」

「じゃあ動かすからな。辛かったら言えよ」

542 : VIPに... - 2014/12/09 23:45:37.29 tQQKvSp40 207/254

チュ クチュ クチュ

「んっ、あっ・・・き、気持ちいいっ!」

(俺の首の後ろに手を回して、顔を赤くしながら必死で耐えてる幼の姿は可愛いな)

「ん、はぁはぁ・・・幼、可愛いぞ」

「んくぅっ・・・そ、そう言う事、言うと・・・余計感じちゃってっ・・・んんっ」

ヌチュ クチュ

(すげぇ息切れしてる。キスで口塞いだらどうなるんだような)

「幼、キスするからな」

チュ レロ

「んんんんっ!!」ビクン

「んっ!」

(幼の体がすっげぇ反応した後に、膣にぎゅっと締め付けられる感覚がっ)

「んん・・・駄目っ・・・今キスは」

(せ、セックスってこんなに凄いの?・・・そんな訳ないよね。きっと男としてるからなんだ)

(だって男の声を聞く度に、男にキスされる度に・・・気絶しそうなくらい気持ちいいんだもん)

「幼・・・!い、イキそう」

「わ、私もイキそうだよ」

「とにかく抜くからな」

ジュポ

「え?」

「後は手でするぞ」

「ま、待って。まだ私イってないよ。抜いちゃ駄目!」

クチュ

(また挿れやがった!)

「おい、早く抜けって」

ヌチュ ズチュ

「そ、そんなに動かしたら・・・」

「ああ!い、イクっ!んん・・・」

ドピュ ドピュ ドロ

「んー・・・いい!入ってくる」

「あ・・・あああああああああ!」

543 : VIPに... - 2014/12/10 00:00:17.77 z3jYrH3R0 208/254

(くそっ!なんで俺の周りには中出しを簡単に考えてる奴ばっかりなんだ!)

「おい!風呂行くぞ」

「ま、待って。今は立てない・・・」

「駄目だ。精子洗い落とすぞ」

「ええ・・・もったいないよ」

「いいから!」



ジャー

「シャワーの温度は大丈夫だな。ほら洗うぞ」

バシャバシャ

「ああ!駄目っ!イったばっかで、敏感になってるから!」

「駄目だ」

ジュプ ジュプ

「ひぃぅ!・・・く、嫌、激しい」

「いや、急いで洗い流さないと」

ジャバジャバプチュ ジュップ

「うっ!・・・あ、あああああ!」

ブシャー!

「・・・え?」

「・・・」

「あ、失禁した」

「と、とにかくベットに寝かせて・・・」

(明日どう言い訳しよう)

「全然起きない。か、帰るか」

ガチャ

「お、お邪魔しましたー・・・」



「ただいまー」

フラ「あら、男さん帰ってきましたね!さぁ、私の部屋に行きますよ!」

「う、嘘だろ」

「もうイキたくない!イキたくない!・・・あああああさああ!」

(あ、この生活はヤバいわ)

544 : VIPに... - 2014/12/10 00:50:49.14 z3jYrH3R0 209/254




(男と私、そして女の3人で付き合い始めてから、1週間とちょっとが経った)

(最後はどうなったか良く覚えてないし男も教えてくれないけど、無事に私は処女を卒業して男との肉体的な関係を続けている)

(今だって隣で、裸の男が休んでる。簡単に言うと事後なのだ)

「今日も男の新しい性感帯見つけちゃった」

「お前どんどん上手くなるな」

「ずっと男の事だけ考えてるからね。イメージの力ってやつかも」

「怖えーよそれ」

(最初の約束通り、デートとかの目立つ事は女で、夜は私の番)

(この関係はこの一週間いたって順調。男は学校で女と手を繋ぎ、放課後はデート。夜は私の部屋のドアからやってきて、そのドアから帰って行く)

(それでいて、私と女は親友で)

「俺もう帰るわ」

「もう?」

「ああ、疲れてるんだ」

「・・・うん。分かった。また明日ね」

(でも何でだろう。男と女を見るのが眩しい。まるで暗い井戸の中から二人を見上げているみたいに、手を伸ばしても光ばかりをすくうだけで全然届かない)

「あれ?なんで私泣いてるんだろう」

545 : VIPに... - 2014/12/10 00:53:57.82 z3jYrH3R0 210/254

ピロロ ピロロ

(あれ?友からだ)

ピッ

「も、もしもし?」

「よっす。・・・ってどうした?」

「ん?分かんない。男と上手く行き過ぎで逆に不安になったのかも」

「そうか。付き合う事にしたのか」

「うん。友は帰って来たんだ。テレビで見たよ?凄かったね」

「いや、周りが凄かっただけだ。帰って来ても、明日も学校には行けそうにないけどな」

「大変だね」

「でも良かったわ。無事に男と付き合えたんだな」

「うん。まぁ、女も一緒だけどね」

「・・・なんだって?」

「女と私と男で付き合ってるの。変でしょ?」

「何があった?」

「えっとね・・・」

かくかくしかじか

「って感じなの。ね?変な関係でしょ?」

「・・・」

「でも、なんか寂しいって言うのかな。一緒に居られるのに、最初に女に隠しながら男と会ってた時より男が遠い様に感じて・・・」ボロボロ

「幼・・・泣いてるのか」

「夜はちゃんと男に会えるのに」

「夜だけの関係。それじゃあまるで・・・」

「本当・・・変だよね」

「男には、女に絶対に事情を話したり相談はするなって釘を刺しておいたんだけどな」

「・・・どういう事?」

「もしかして、気付いてないのか?」

「え?」

「幼・・・お前」

「負けたんだよ」

553 : VIPに... - 2014/12/11 02:39:14.75 xEiWq6Ir0 211/254

「な、なんで?私まだ男に嫌われてない・・・多分だけど」

「悪い。確かに負けって言うのは言い過ぎかもしれない。でも、限りなくそれに近い状態だ」

「一番最初はお前が男との関係を隠す側だったから、かなり有利だった」

「でも今は、お前と男の関係を皆から隠してるのは女だ。全く逆の立場になってしまった」

「ぅ・・・」

「それに今の男と女の関係ならデートでも何でも出来る。このまま続くなら結婚だって出来るだろうな」

「・・・私と男は体だけの関係だから、これからも隠れて会う事しか出来ないね」

「そうだ。女に決定権を与えてしまうと、関わった人皆にとって良い様に進むが、かなり女にとって有利な方に傾く」

「だから男にも女には相談するなって言ったんだ」

「なんでそんな事分かるの?」

「うーん。なんて言うのかな。俺は世代別代表として今回も呼ばれただろ?」

「で、日本代表で選手が何人か集まると、居るんだよ。女みたいなタイプの人間が」

554 : VIPに... - 2014/12/11 02:43:28.65 xEiWq6Ir0 212/254

「男がギターを再開した時も、全員にとって良い方に転んだ様に見えて、結果的に男は女の事を好きになり、幼にはかなり不利になった」

「他にも女が解決した事は同じで、皆がうまくいったかに見えて実はかなり女に有利な状態になっている」

「女が中学時代、陸上部の部長をやっていたのは知ってるか?」

「知ってる。友は何で知ってるの?」

「体育会系の連中の中では有名だからな。弱小校で全国大会2位に導いた部長」

「しかも顔が良いときたもんだから、雑誌でも取り上げられていた」

「そうだったんだ。それで?」

「でも、女って全然足速くなかったらしいぞ」

「それは聞いたかも。だから高校では陸上部に入らなかったみたい」

「じゃあ本来有名にならなきゃいけなかった足の速い選手が居たはずだ」

「そっか、女が部長になった事で、皆のコンディションが良い状態で大会に挑めて良い結果を残せた」

「でもこれも、最終的にちょっとだけ女に有利に事が進んでたんだね」

「そうだな。凄く適当な説明になってしまうが、カリスマって奴なんだろうな」

「その時の知名度で、体育会系の男子からモテモテだったんだ」

「それで男が女の判断に頼り過ぎた結果、この状況になってしまった」

「でも、私がこの関係から抜ければ・・・」

「そうだな。でもそれだと女は男の彼女。お前は前みたいに男との秘密の関係ですらない、だたの幼馴染みに戻る」

「それは駄目だよね」

「だろうな。差がつき過ぎる」

「じゃあ、女を突き離して」

「出来るのか?親友に戻ったんだろ?それに女は、今の状態を意図的に作った訳じゃないんだぞ」

「そうだね。多分女は本気で、3人で幸せになる道を探したんだと思う」

555 : VIPに... - 2014/12/11 02:45:16.43 xEiWq6Ir0 213/254

「お前これからどうするんだ」

「どうしようかな」

「なんか思ったより冷静だな」

「うん。私に出来る事をしようかなって」

「待て。自殺とかは辞めてくれよ」

「なにそれ。そんな事したら男に会えないじゃん」

「女に何かするのも駄目だからな」

「それも男に会えなくなっちゃう」

「だったら」

「大丈夫だから。心配しないで」

「心配するなって言っても」

「もう遅いし切るね。相談に乗ってくれてありがとう」

「待て。お前」

ピッ

(今まで男や女の判断に頼り過ぎちゃったかな)

「このままじゃ駄目だよね」

556 : VIPに... - 2014/12/11 02:52:31.75 xEiWq6Ir0 214/254




「ただいまー」

フラ「男さん。今日も遅かったんですね」

「悪いな。あ、湯船入ってるか?」

フラ「はい。1時間以上前から」

「じゃあ入るわ。今日はさっさと寝るかな」

フラ「・・・」

フラ(最近男さんの帰りが遅くなってきました。ギターの練習も疎かになっていますし)

フラ(男さんくらいになると、ペットの1匹や2匹居てもしょうがないと思っていましたが)

フラ(流石に許容の範囲を超えてきましたね)

569 : VIPに... - 2014/12/12 02:49:58.98 WZbD/RrW0 215/254




(朝男と登校しようと思ったけど、フラががっちり付いていて近づけない)

フラ「男さん。寒いですね。男さんのコートの中暖かそう」

「入るスペースないからな?絶対にやめろよ?」

フラ「じゃあ、手だけでも」

「おい。ボタンの間からコートの中に手を入れるな。どこ触ってんだ。ほ、本当にやめてください」

フラ「・・・うふふ」

「あ、フラのヤバいスイッチ入ったわ。もう何言っても駄目だもんなこれ」

(自分の事でいっぱいいっぱいだったから、あんまり気が付かなかったけど)

(ここまでフラに自由にさせてるんだ。これじゃあ何回か犯されてるかも)

「・・・ぅっ!」

(想像するんじゃなかった!これ以上見るのはやめよう。変になりそう)

「とにかく私は、私のやる事をやらないと」

570 : VIPに... - 2014/12/12 02:52:47.98 WZbD/RrW0 216/254




(昼休み、いつもの場所に来たけどまだ女も幼も居ないな)

「あ、もう男来てたんだね」

「ああ、女はどうした?」

「事情があって、ちょっと遅くなるって」

「弁当は女が来るまで待つか」

「学校で二人っきりになるのも久しぶりだよね」

「そういやそうだな」

「こっそりいちゃついちゃおっか」

「はは、いいなそれ」

「隣座るね」

ギュ

「幸せだなぁ。本当はずっと二人っきりでこうしてたかった」

「ごめんな」

「ううん。もうそれは無理だって、分かってるから」

「女だって、本気で3人で幸せになろうと思ってる。それはそれでいいの」

「・・・そうか」

「でも学校や外ではあんまり一緒に居られないのは辛いかな」

「それは」

「それも分かってるよ。こそこそしてデートしたって楽しくないし。誰かに見られたら皆から酷い言われようだもんね」

「俺はもうそれだけの事をしたから、色々言われてもしょうがないけどな」

「そう言う所は変に優しいよね。でも皆が平等に幸せにって言うのは難しいのかも」

571 : VIPに... - 2014/12/12 02:54:42.33 WZbD/RrW0 217/254

「・・・男、好きだよ」

「いきなりだな」

「男は?」

「何度も言ってるぞ」

「もう一回、言って」

「・・・俺も好きだ」

「うん。それだけ聞ければ満足」

(階段を登る音だ、女が来たんだ)

「ごめん遅くなった。って、あ!二人でいちゃいちゃしてずるい」

「そうなの。男ったら甘えん坊で」

「おい!いちゃつこうって言ったのお前だろ」

「そうだったかな」

「ふふっ、じゃあ早く食べちゃおっか」

「・・・ごめん」

「どうしたの?」

「今日は私教室で食べるね」

「おい、どうしたんだ」

「あと、私」

「この3人の関係から抜ける事にしたんだ」

「・・・じゃあね」

スタスタ

572 : VIPに... - 2014/12/12 03:05:50.20 WZbD/RrW0 218/254

「・・・!」

「私ちょっと幼追いかけてくる!」

「俺もっ」

「男はそこで待ってて。すぐ戻るから」

「おいっ・・・って行っちまった」

(皆が平等に幸せになるのは難しい・・・か)

(幼、いったい何を考えてるんだ)



「居た」

「どうしたの?そんなに焦って」

「幼こそどうしたのよ」

「・・・ちょっと、この関係に嫌気がさしちゃった」

「ごめん。不満があるなんて気が付かなかった。だったら相談にのるのに」

「ううん。大丈夫だから」

(幼、笑ってる)

「信じていいの?」

「うん。私の事は私が決めるから」

「分かった」

577 : VIPに... - 2014/12/14 01:16:53.12 QYsL0AF80 219/254




(休日なのに俺何やってんだろ。なんにもする気が起きない)

(幼にはLINEを送ったり、電話をしたりもしたが返事は無かった)

(もうすぐクリスマスだってのに何やってんだあいつ)

「こんな事、今まであったかな」

「そう言えば、前に1回あったかもな」

(確か中1くらいの時だったか。俺と友と幼の3人でお祭りに行った時だっけ)

(幼がお祭り用の浴衣を着て来て、それがあまりに似合っていたから俺は緊張してたんだ)

(それで照れてちまって、あんまり幼と話せなかった。なんだか気まずくて偶然クラスメート達と会った時に、友と一緒にそいつらと喋っていたら)

(幼が怒って家に帰っちまった。そしてその後・・・)

578 : VIPに... - 2014/12/14 01:19:20.78 QYsL0AF80 220/254




ー中学1年生の頃ー

「幼、ごめんってば」トントン

(ドアをノックしても、全然部屋から出て来ない)

「・・・」

「ほったらかしにしてごめんって」

「・・・」

「正直に言うとだな・・・。幼の浴衣がかなり似合ってて・・・なんつーか、可愛かったっつーか」

「それでどう話して良いか分からなかったんだよ」

「・・・あ、いやだから。って俺なに言ってんだろ」

ギー

「入って」

(幼の部屋、久しぶりに入った。なんか夜に二人っきりだし凄く緊張する)

「・・・私もこめんなさい。なんか男や友に無視されてると思って」

「特に男は・・・顔すら合わせてくれなくて」ボロボロ

(暗い部屋。月明りか街頭か分からない微かな光の中で、幼の涙だけが光って見えた)

「もう、あんな事は絶対しないから」

「本当?もう私を一人にしない?」

「絶対にしない。何があってもずっとだ」

「男・・・ありがとう」

(そのとびっきりの笑顔に、幼を強く抱きしめたくなる。でも、そんな勇気はない。もしかしたら幼も同じ事を思ってるのかもしれないな)

579 : VIPに... - 2014/12/14 01:22:10.83 QYsL0AF80 221/254

「ねぇ男、今日はね。一緒に居て欲しい」

「もう夜だけど」

「一緒に居てくれるってさっき言ったよね」

「分かったよ。でもここベット一つしかないぞ」

「一緒に寝れば良いじゃん」

「・・・そうするか」

(凄く緊張するけど、幼の事はずっと好きだったから飛び跳ねたいくらいに嬉しい誘いだ)

「隣来て」

「・・・うん」

ギュ

「お祭りでも、こうやって手を繋いでたら、今日みたいな事にはならなかったかもね」

「そそそそそ、そうだなっ」

「えへへ、男緊張し過ぎ」

(そう言う幼も、顔が真っ赤だ)

「ねぇ、男ってどんなタイプの女の子が好きなの?」

「どうって・・・」

「髪の長い子は好き?」

「長過ぎない方がいい」

「身長は?」

「普通」

「明るい子?暗い子?」

「どっちも持ってる子」

「じゃあ・・・」

ー回想終了ー



(確かその質問は二人が寝るまで続いたな。俺は一生懸命、幼の特徴の言い続けた)

「今思うと初々しいな」

(・・・ずっと、一緒に居るって約束したのにな俺。何やってんだ)

「幼に会いてぇな」

580 : VIPに... - 2014/12/14 01:30:13.37 QYsL0AF80 222/254




(学校ダルいな。でも休む訳にはいかないよな)

ガラガラ

クラスメートA「おはよー男」

「・・・おう」

クラスメートA「おい元気ないな」

「・・・ちょっとな」

クラスメートA「大丈夫かよ」



キーンコーンカーンコーン

(もう昼か。授業が頭に入って来ない)

ガラガラ

「男、お昼食べるよ」

「・・・おう」

「腐ってるねぇ。フラさんは?」

「演奏会が近いから家で練習してる」

「そっか。じゃあさっさとご飯食べに行こ」

「それもそう・・・」

ガラガラ! バタン!

クラスメート達「!?」

「男!」

「な、何だ!?よ、幼か・・・?」

(クラスメートから凄い注目浴びてるぞ。何してんだ)

「あ、あの!女にも聞いて欲しいんだけど!」

「私も?」

「うん」

「・・・」

「・・・!」

「男!私と!浮気してください!!」

581 : VIPに... - 2014/12/14 01:31:02.92 QYsL0AF80 223/254

クラスメート達「ええええぇぇぇぇぇぇっ!!」

(すっげぇ心配したのに・・・こいつこんなアホな事考えてたのかよ)

(ふふっ。そっかそっか。幼が批判を背負う事にしたんだ)

(ここまで派手にやればもう学校では有名になっちゃうし、堂々と男と一緒に居られるんだね)

「うん。こちらこそよろしくね」ニッコリ

クラスメート達「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」

「ほら、男。これが幼の出した答えだよ?早く返事しないと」

「お、おう」

「そうだな。浮気するか」

クラスメート達「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

「じゃあ、ご飯食べに行こう」

「おう。幼も行くぞ」ギュ

「男・・・」

「こうやってちゃんと手を繋いで一種に居てやるよ。ずっとな」

(男・・・あの時の事、覚えてたんだ)

「うん。ずっと一緒だよ」

クラスメートA「凄いものを見てしまった」

モブ子B「何て言うか。男の周りって我が道を行く人が多いね」

クラスメートB「じゃあ、この前幼さんが着けてた指輪って男からの」

クラスメートC「これもうわかんねぇな」

582 : VIPに... - 2014/12/14 01:31:49.26 QYsL0AF80 224/254




(そんなこんなでクリスマスがやってきた)

(今日は幼と女と3人でデートだ)

「うっす、かなり早く来たんだけどもう居たか」

「男は早く来るって知ってるもん。女はまだ来てないけどね」

「そうか」

「そう言えばさ。お前なんでしばらく連絡しても出なかったんだ?」

「スマホ無くしちゃって。スマホはすぐ電池切れるから、鳴らして探せないのが不便だよね」

「マジでそれだけなのか?あれだけ思わせぶりな態度とったのにかあれだけだったのか?すっげぇ心配したのにアホらしくなって来た」

「えー、思わせぶりな態度なんてとったかなぁ。でも、心配してくれてたんだ」

「当たり前だろ」

「えへへ、素直に嬉しいや。あ、女が来たよ」

「二人ともはやーい。私遅刻したみたいになってる」

「普通に5分前だろ」

「それよりイヴの日に学校とか何考えてるんだろうね」

「着替えてから出て来たけど、もう真っ暗だしね」

「くそ寒いよなこの時間」

「男寒いんだ。二人で暖めてあげるよ」

「そうだね。えいっ」

(左右から二人で腕を組んできたぞ)

「おい、歩きにくいし・・・人の視線が」

「もう学校の人に見られても大丈夫だよ」

「いや通行人が」

「男照れ過ぎ。今日は雰囲気的に大丈夫だって」

「分かったよ。さっさとカラオケだっけ?行くぞ」

583 : VIPに... - 2014/12/14 01:34:31.99 QYsL0AF80 225/254




「町は完全にクリスマスムードだね」

「イルミネーションも凄い。前に男と見たイルミネーションとはまた違う感じ」

「あっちはもっと森っぽくて自然な感じだったもんな」

「・・・私それ知らないんだけど」

「ごめんごめん。幼、顔怖いって」

「あ、ごめん」

「そういやプレゼントとか買ってないな。なにか欲しい物とかないか?」

「あ、それは大丈夫」

「うんうん」

「・・・?まぁいいけど」

「あ・・・雪だね」

「・・・本当だ。今年は寒かったからまさかとは思ったけど、ホワイトクリスマスだな」

「奇麗」

(輝くイルミネーションの間を縫う様に、雪がひらひらと降りて来た)

(幼が絡めた腕の力を少し強める。反対の腕は今まで通りの感覚で、でも女の顔を見ると少し涙ぐんでいる)

「本当に奇麗だな」

584 : VIPに... - 2014/12/14 01:36:04.00 QYsL0AF80 226/254




「で?カラオケって聞いたんだけど」

「ごめん。あれ嘘」

「・・・まさかこのホテル予約したのか?」

「うん」

「だって男嫌がりそうだし」

「だからってな」

「まぁ、いいじゃん」

「そう言えばさっきクリスマスプレゼントの話してたでしょ?」

「今それお願いしちゃおっかな」

(嫌な予感。プレゼント買っときゃよかったか?)

「私達に、男をちょうだい」

「指輪はもうもらったし、他のプレゼントはどうでもいいから。お願い」

「・・・まぁ、いいよ」

「これで男は完全に私たちのものだね」

「え?そういう流れ?」

「口答えしないの。早くホテル入ろう」

「・・・はい」

(そうしてクリスマスの思い出と言えば、完全に俺を私物化した幼と女が、ホテルの中で俺を・・・うっ、頭が)

585 : VIPに... - 2014/12/14 01:38:34.96 QYsL0AF80 227/254




フラ「今日はクリスマスイヴなのですが」

フラ(今日も男さんは帰って来ませんか・・・)

フラ「今日だけは帰ってくると思ったんですけどね。・・・こんな時間まで。流石に酷いです」

ガチャ

「ただいまー。って流石に寝てるか」

フラ「いえ、起きてますよ」

「そうか」

フラ「それより男さん。私からクリスマスプレゼントがあるんです」

「おう。悪いな」

フラ「びっくりさせたいので、少し目をつぶっていてください」

「こうか?」

フラ「はい」

ギュ ギシ

「あれ?プレゼント・・・って」

フラ「ふふっ、私のお下がりですみません」

(ロープで縛られた!?)

「ま、待て!しゃれになんねぇ!いつ解放してくれんだよ!」

フラ「うーん。気が向いたらでしょうか」

「・・・学校は?」

フラ「何を言っているんですか。毎日毎日遊び回って。ギターの練習だって最近疎かじゃないですか」

フラ「それにすぐ冬休みが来ますよ?」

「う・・・。そ、そうだ!トイレだ!トイレに行きたい!」

フラ「立ち会います」ニッコリ

「・・・」

フラ「は、早くトイレ行きましょう・・・はぁはぁ」

「ごめん、引っ込んだ」

593 : VIPに... - 2014/12/16 02:31:18.65 BcQQHQHc0 228/254




(今日は終業式。でも男の姿が見当たらない)

「男のクラスに行って聞いてみたんだけど、男今日休みなんだってさ」

「流石に二日も居ないのは変だよね」

「フラは?」

「休みだよ。でもフラさんは結構休んでるから、居なくてもそんなに不自然じゃないみたい」

「そうなんだ。電話はしてみた?」

「一通り連絡はしてみたけど、出ないね」

「分かった。放課後男の家に行ってみるから」

「ちょっと心配だね。何もなければいいけど」

594 : VIPに... - 2014/12/16 02:34:53.31 BcQQHQHc0 229/254




(まったく・・・俺をこんな所に縛り付けて。フラの異常行動も困ったものだぜ)

「・・・」

(って、これ監禁じゃねぇか!)

フラ「男さん、あーん」

「・・・」

フラ「はい、全部食べましたね。偉いです」ナデナデ

「おい、俺はいつ解放されるんだ?」

フラ「解放だなんて。別にそこまで強制はしてませんよ?演奏の時は片手のロープはほどきますし」

「いや、外に出れないと不安で仕方ねぇんだよ」

フラ「そうですね。後、うーん、3日くらい?ですかね」

「み、3日だな!絶対だな」

フラ「多分・・・そうかもしれませんね」

「曖昧だな」

フラ(外に出したら、また男さんは遊び回ってしまいます。少し反省してもらわないと)

フラ「あ、ほっぺにジャムが付いてます」ペロ

「・・・早く終われぇ」

フラ「朝食も食べましたし、歯を磨きますよ」

「自分で磨くってば」

フラ「駄目です。歯ブラシ持って来ますね」

フラ「持って来ましたよ。はい、あーんして下さい。うふふ」

(これ本当になにが楽しいんだよ)

フラ「しゃかしゃか♪奥歯も磨きますね」

フラ「男さんの犬歯ちょっと尖ってるんですね。知ってました?笑うと尖った犬歯が少し見えて、とっても可愛いんですよ」

(自分の可愛さなんて知らねぇよ・・・)

フラ(男さんに歯磨きしてあげると少し恥ずかしそうにしていて、なんだかとっても興奮します)

フラ「はい、終わりましたよ」

「濯ぐコップをくれよ」

フラ「はい。あ、私も磨かないと」

シャカシャカ

(フラが今磨いてる歯ブラシ、今俺の歯を磨いてたやつなんだよなぁ)

595 : VIPに... - 2014/12/16 02:37:06.22 BcQQHQHc0 230/254




「それにしても、まさかフラにあんな趣味があったなんてな」

フラ「なんの事でしょう?」

「昨日、俺のトイレをガン見だったじゃねか」

フラ「うーん。そんな趣味は無いですよ?」

フラ「ですが男さんの行動には、基本全てに興味があるんです。そして普段隠されているお手洗いは貴重ですから」

「お前何言ってんだ・・・」

フラ「お手洗いのドアの向こうで、男さんがどんな顔してるのかなって思っていたので、今回初めてちゃんと見れたので」

フラ「なんと言いますか・・・はぁはぁ・・・トイレの鍵もういらないですよね?」

「いるだろ!」

フラ「そんな。離ればなれの時間は少ない方がいいですよ!」

(な、なんか本当にこの人怖いんだけど)

596 : VIPに... - 2014/12/16 02:39:31.54 BcQQHQHc0 231/254




フラ「男さんとこんなに長く一緒に居るのなんて初めてですよね」

「そういやそうだな。って、普通は他人と一日中くっついたりしねぇよ」

フラ「でも家族って長く一緒にいますよね・・・。男さんと家族になれば一日中・・・」

「へ、変な気起こすなよ?」



フラ「・・・」ギュ

フラ「・・・」チュ

フラ「・・・」ペロペロ

「フラ」

フラ「はい?」

「お前俺に一日中くっついてるけど、そろそろ飽きてもいいんだぞ」

フラ「え?ちょっと意味がわからないです」

フラ「さっきも言いましたが、こんなに長く一緒に居るのは初めてなので、幸せすぎて」

フラ「・・・もう一生このままでも良いかもしれませんね」ボソッ

「ちょちょちょっと!?本当に解放する気あるんだろうな!」

フラ「だ、大丈夫ですよ~」

(ヤバいぞ・・・割とマジな監禁だった)

597 : VIPに... - 2014/12/16 02:41:47.57 BcQQHQHc0 232/254




(男の家・・・明り付いてるって事は誰か居るんだよね)

ピンポーン

「誰も出ない」

(中を覗ける窓探そうかな)

「フラ?誰か来たぞ・・・って演奏に集中してるフラが気付く訳ないか」

(あ、この窓からリビングが見える・・・)

(あ、少しだけど男も見える!座って何やってんだろう)

「男・・・。会いたいよ。何で返事してくれないの・・・」

「あれ?カーテンの隙間から誰か覗いてるぞ?・・・あ、幼だ!」

(って言ってもうち防音だし、助けを求めてもどうしようもないよな)

598 : VIPに... - 2014/12/16 02:46:24.66 BcQQHQHc0 233/254




(・・・ああもう11時か。夕飯食った後寝ちまったのか)

「なんて不毛な一日なんだ」

(フラは今お風呂かな?そう言えば・・・)

「うわぁっ!!!」

(真っ暗なカーテンの隙間を見たら、何かと目が合ったぞ!?)

「まさか幼・・・か?」

(何時間そこに居るんだよ・・・)

フラ「どうかしましたか?」

「いや別に・・・っておい、風呂上がりなのは分かったから服を着ろ」

フラ「え?これからはお楽しみの時間じゃないですか」

「あ、待て」

フラ「待ちませんよ」

(幼が見てるんだって!)



「・・・男」

(ここだと少ししか見れないけど、全く見れないよりましだよね)

「フラ・・・また男に近寄って!」

「・・・!!な、何を始めるの?」

「・・・」

(男を・・・犯してるの?)

「・・・あれ?」

(涙でぼやけてるはずなのに、カーテンでほとんど隠れてるのに・・・何をやってるかはっきり分かっちゃう)

「ぐっ・・・ぅ!私たちの男に何してるの!」ボロボロ

(本当は、女と二人で男を分け合うのも凄く我慢してるのに!あの女ァ!!)

「そっか。フラに監禁かれてたのね」

「・・・」

「・・・許さないから・・・絶対に」

604 : VIPに... - 2014/12/18 03:15:43.08 FTkQaObP0 234/254




ピロロ ピロロ ピッ

「・・・もしもし」

「もしもし?私だけど」

「男は家に居た?」

「うん。でもね、フラに・・・監禁されてるの」

「あちゃ、そこまでする人だったかフラさん」

「ね?許せないでしょ?私たちの男なのに・・・許せない」

「幼?」

「二人であの女に酷い目会わせてやろうよ。二人だったら大丈夫だよ」

「幼・・・今どこに居るの?」

「家だけど?」

「じゃあ今からそっち行くから。動いちゃ駄目だからね」

「・・・?分かったけど」

「うん、また後で」

ピッ

(私たちの男にあんな事・・・女だって許せないと思ってるはず。私たち二人で、フラを・・・)



ピンポーン

「入って」

「うん」

「で?幼はどうするつもりなの?」

「うーん、まずは窓ガラスを割ってでも何でもいいから強引に侵入しないと」

「それで?」

「男を取り返して、フラにはもう二度と男に近づけない様に・・・始末しちゃお・・・」

パシーンッ!

「っ!」

「やっぱりそんな事考えてたか」

「女は嫌じゃないの!?フラが居る限り、今後の私たちの事にまで影響が出るかもしれないんだよ」

「あの子は・・・邪魔でしかないでしょ」

「私も悔しいよ。今もフラに男が犯されてるかもしれないと思うと吐き気すらするわ。でも駄目なの」

605 : VIPに... - 2014/12/18 03:17:18.22 FTkQaObP0 235/254

「幼が考えてる事は男の為にならないよ。なんだかんだ言っても、フラさんは男にとって大事な存在だと思う」

「じゃあどうするのよ・・・」

「それは今から考えるの。私達だけじゃなくて、男にとっても一番良い結果になる事を」

「でも、これからも何度もフラに振り回されるかもしれないよ?その時は?」

「それはその時考えるの」

「いい?私たちの関係はとっても不安定なんだ。そしてその生命線は私達じゃないの。男なんだよ」

「あ・・・。男に嫌われたら、私・・・」

「分かったらどうするか決めて、早いうちに動かないと」

「う、うん。そうだね。ごめんね。私変な事言ってたみたい」

「いいよ。少ない付き合いだけど、幼の事は良く知ってる」

「うん。ありがと」

606 : VIPに... - 2014/12/18 03:19:19.90 FTkQaObP0 236/254




(暗いリビングで、フラが俺の隣に座って俺の腕に抱きついている。何をするでもなくじっと黙ったまま)

(段々フラが俺の近くに居る時間が長くなっている気がする)

フラ「・・・」

「フラ、ちょっといいか?」

フラ(男さんが話しかけて来てます。返事をしないと。男さんの声を聞きながら、男さんとこうやってずっと一緒に居る)

フラ(これはまずいですね。世の中にこんなに幸せな事があるなんて・・・知ってしまったらもう元には戻れないじゃないですか)

「おいフラ。聞いてるのか」

フラ「はい。聞いてますよ」

「ならいいけどよ。本当に解放する気あるんだろうな」

フラ「男さん次第でしょうか」

「俺次第って言われてもな」

フラ「解放しても、今と同じくらい一緒に居てくれますか?」

「いや、普通に考えて無理だろ」

フラ「・・・そうですか」

「え?それ条件?嘘だろ?」

フラ「・・・」

ピンポーン

「お、誰か来たぞ」

607 : VIPに... - 2014/12/18 03:21:20.77 FTkQaObP0 237/254

ピンポーン ピンポーン ピンポーン

フラ「うるさいですね。インターフォンを壊してしまいましょうか」

「待て待て!郵便屋さんかもしれないだろ?運転手の人もう一回来なきゃいけなくなるんだぜ?可哀想だろ」

フラ「仕方ないですね・・・」

ガチャ

「こんばんわ」

フラ「あら、こんばんは」

「男居るんでしょ?」

フラ「居ますけど、あなたには関係ないですよ」

「入るから」

ガチャガチャ

フラ「あら、強引ですね。でもチェーンをかけているので・・・きゃっ!」

バチンッ!

フラ(大きなペンチの様な物でチェーンを切られた・・・!?)

「お父さんの工具箱にあったんだ。これ使い道あったんだね」

「じゃあ入るわね」

ズカズカ

フラ「勝手に入って来ないください!帰って!」

「邪魔よ!」

「男。見つけた」

「お、女!幼!」

「ロープで縛られて・・・酷いね。幼が正気を失った気持ちが分かるかも」

「男!」

ギュ

「ここ何日もずっとこんな状態だったの!?」

「まぁ、そんな感じだな」

「今ほどいてあげるから」

フラ「辞めなさい。これはあなた達には関係のない事です」

608 : VIPに... - 2014/12/18 03:24:27.20 FTkQaObP0 238/254

フラ「あなた達の恋愛ごっこに男を付き合わせている事は知っていますし、別にそれはどうでもいいと思っています」

フラ「ですが、私と男さんの邪魔をすると言うのであれば、こちらにも考えがありますが」

「あんたね!男にここまでして、よくもそんな事が」

「幼、駄目だよ。喧嘩しに来たんじゃないの」

「っ!・・・分かった」

「フラさん。私は友くんの話を聞いた限り、フラさんは男に必要な人だと思ってる」

フラ「そう思うのなら、放っておいてください」

「だからこそ今回は見逃せない。フラさんは男の事が好きなんでしょ?」

フラ「当たり前です」

「じゃあ男が誰かと結婚したらどうするの?」

フラ「関係ありません。それでも一緒に居ますし、子供だって作ります」

「そっか。それならそれで良いと思う。でも今回みたいなやり方を続けるなら、フラさんはきっと一人で傷ついていくよ」

フラ「どう言うことでしょう。意味が分からないのですが」

「フラさんはこの三日間、男に抱きしめてもらった?キスしてもらった?」

フラ「そんなの縛られてるのですから無理に決まって・・・」

「だよね。男は生きてるのにね。それっていつか悲しくなっちゃうよ」

フラ「・・・っ」

609 : VIPに... - 2014/12/18 03:27:10.62 FTkQaObP0 239/254

フラ「うるさいですね・・・そちらの言い分は分かりました。それでも私は男さんと一緒に居ますから。帰って下さい」

「男のお父さんとお母さんに連絡を入れたの。明後日フラさんを連れ帰る為に、一旦日本に帰って来るって」

フラ「それは嘘です。今は忙しいと聞いています」

「いえ。あなたは今回それだけの事をしたの。私は男の為を思ってご両親に連絡した」

「でも私達が警察に電話してたら、こんなに穏便には行かなかった」

フラ「・・・」

フラ「男さん。今回の事、かなり嫌でした?」

「うん。トラウマが増えた」

フラ「私・・・もしかしてやりすぎちゃいました?」

「だから最初からそう言ってるでしょ!」

「とにかく、ご両親が来るまでの二日間、男は幼の家と私の家で保護する事にするから」

フラ「そんな!」

「少しは反省しなさい!」

「二人ともマジでサンキューな。かなりヤバい状況だったわ」

「いいのいいの」

「じゃあ今夜と明日の午前中は、私の家で男を預かるから」

「うん。その後でうちで引き取るね」

「悪いな。助かるわ」

610 : VIPに... - 2014/12/18 03:29:31.70 FTkQaObP0 240/254




「ささ、入って入って」

「うーんっ!久しぶりにまともに身動きがとれるわ」

「大変だったね」

「ベットだー。自由に動けるぞー」

「もう、男ったら」

「私も一緒にベットに入っちゃお」

「お前と会うのも何故か久しぶりな気がするわ」

「そんなに経ってないんだけどね」

「男が監禁されてる時、男がどんな状況か分からなくて凄く寂しかったんだから」

「心配かけたな」

ギュ

「えへへ、男の匂いだ。明日は一日ベットで重なっててもいいかもね」

「いや、俺久しぶりの自由なんだけど」

「駄目。凄く寂しかったから、明日は男と離れたくない」

「多分女も同じ心境だと思う」

「え?じゃあ明日の午後から女の所に行っても、こんな感じなのか?」

「うん。多分ね」

「それ監禁されてた時と変わらないぞ。保護はどこ行ったんだよ。俺の自由は・・・んっ!」

チュ

「んちゅ・・・えへへ、男。久しぶりだから・・・ちょっと激しくしちゃうかも。今夜は覚悟してね」

「・・・嘘だろ。ちゃんと寝れるんだろうな」

611 : VIPに... - 2014/12/18 03:32:02.46 FTkQaObP0 241/254




(そんなこんなで、親父とお袋がフラを迎えに来る日が来た)

「親父達来たぞ」

フラ「男さん。やっぱり私離れたくありません!」

ギュ

「馬鹿やめろ!」

「離れなさいって!」

男母「あんたら何してるのよ・・・」

「あ、男のお母さんですか?あの時は突然お電話してしまってごめんなさい」

男母「あなたが女ちゃんね。もしかして男と同い年?」

「はい」

男母「うっそ。こんなにしっかりした高校1年生が居ていいの?まぁ、フラもいろんな意味でそうだけど」

男父「フラ帰るぞ。1月の日本公演までこっちで練習だ」

フラ「・・・はい」

男母「女ちゃんと男の関係については色々聞きいけど、あんまり時間ないわね」

男母「幼ちゃんはいつもありがとうね」

「あ、はい!」

男母「じゃあ、私達はもう行くからね」

「おう、演奏会は見に行くからな」

フラ「それまで男さんに会えないんですか!?そんなぁ!」

男母「ほら、さっさと行く!」



「行っちゃったね。あれが男のご両親か。時間があったらちゃんと話してみたいな」

「ちょっと急いでたもんな」

「あ!」

「どうした?」

「・・・ん?な、なんでも~」

「あ、幼隠そうとしてる!」

「な、なんだよ」

「私分かってるよ。この家はこれから男しか居ないって事」

「げ!」

「バレたか。独り占めしようと思ったのに・・・」

「ふふっ。駄目だよ。しばらく二人でここに通っちゃおっか」

「そうだね。冬休みはずっと男と一緒だね」

「え?マジかよ!俺の自由は!自由はどこですか!?」

612 : VIPに... - 2014/12/18 03:35:30.69 FTkQaObP0 242/254




男母「そんなにムスっとしないの」

フラ「・・・」

男父「私はフラの事は男に必要だと考えているよ」

フラ「仕事として・・・ですか?」

男父「いや。そうだな、お前と初めて会った時は驚いたものだ。あの年齢でこれだけ譜面通りに弾ける子が、この世に居るとは思わなかった」

男母「そうよね。機械みたいに完璧に演奏してたわね」

フラ「あの時は、他にやる事がなかったのでフルートを演奏していた程度だったので」

男父「逆に男は有名な譜面とは関わらずに、私がアレンジした曲を自分流に楽しんで弾いていた」

男父「お前達はその後出会い、お互いにとても良い影響を与え合った。それはこれからも同じだと考えている」

男父「男と初めて会った時の事など、お前は覚えてないかもしれないがな」

フラ「いえ、鮮明に覚えています」

フラ(ただ無機質に譜面を追っていただけの私。もちろん楽しさなんてありませんでした)

フラ(コンテストに参加していた同い年の子も皆同じ。きつい練習をして、緊張の中コンクールでただ譜面通りに弾く)

フラ(それが当たり前なのだと思っていました。男さんを初めて見るまでは)

フラ(コンテストに出る訳でも無いのに、ずっとギターに触れていて・・・何よりとても楽しそうでした)

フラ(ひまわりみたいに笑いながら、知らない曲を家族と一緒に奏でる男さん)

フラ(私には眩しくて、少しでも近づきたくて・・・)

フラ(次の演奏会、男さんは来てくれると言ってました)

フラ(そもそも楽器から始まって生まれたこの気持ち、体だけじゃなくて・・・言葉じゃなくって)

フラ(演奏会で・・・気持ちを伝えないと)

626 : VIPに... - 2014/12/19 20:59:33.10 UQsaKuwU0 243/254




(今日は元旦だ。今は神社で女と幼と待ち合わせをしているところだ)

「おまたせー。それとあけおめ」

「あけおめ。おお着物か」

「うん。二人でレンタルしたんだ。どう?」

「二人ともすげぇ似合ってるよ。幼はかわいいし、女は奇麗だよ」

「ふふっ、ありがと」

「あーあ。男もそういうコメント上手くなっちゃってさ」

「なんだよ。思った事口にしただけだぞ」

「ごめん、分かってるよ。ねぇ、お参りしようよ」

「そうだね。まずはそれからだね」

「うわ、凄い列だな」

「並んでるって思ったけど、流れ早いかも」

「これならすぐに順番が回って来そう」

「そう言えば、新聞部のベストカップルランキングの1位私と男だったね」

「待て、その話はやめろ」

「ワーストカップル1位は、私と男だったけどね・・・」

「浮気だししょうがないって」

「浮気じゃないっ!」

「ごめんごめん」

「おい騒ぐな。もう順番来るぞ」

「はーい」

627 : VIPに... - 2014/12/19 21:02:10.18 UQsaKuwU0 244/254




パン パン

「よし。お参り終わったな。二人は何お願いしたんだ?」

「ん?3人で幸せになれますようにって」

「私は男と幸せになれますようにってお願いした」

「性格出てるなぁ」

「男は?」

「俺は女と同じ様な感じだな」

「そっか」

「でも、やっぱり3人でってのは難しいよね」

「そうかもな」

「結婚なんて事になったらどうするんだろ」

「まず3人でやってくれる式場がないよな」

「そこからかー」

「それは大丈夫だよ」

「え?」

「男とデートした時に、小さな教会に行ったでしょ?」

「そこのシスターさんに懺悔した時、3人で結婚式する状況になったらうちでしなさいって言われたんだ」

「お前あの時そんな話してたのか」

「なんか女が居ると、本当に実現しちゃいそうだよね」

「それでも、俺達に何もなければの話だからな」

「大丈夫。私達ならずっとこのまま幸せになれるよ」

「そうだよ」

ギュ

「そうだな。俺たちはずっと一緒だ」

628 : VIPに... - 2014/12/19 21:04:53.89 UQsaKuwU0 245/254




「結構屋台あるね」

「なんか食うか」

クラスメートA「おーい!男達も来てたのか」

「おう、随分大人数だな」

クラスメートB「隣のクラスの奴らにも声掛けたら、結構集まったんだよな」

モブ子A「あんたら相変わらずね」

「うん。相変わらずだよ」

モブ子A「あんた達のせいで学校で3人のカップル増えたんだからね」

「それ嫌なトレンドだね」

モブ子A「でも、不純じゃないのはあんた達だけだと思うよ。本当」

クラスメートA「お前、美女二人もはべらせやがって~」

「やめろって!」

クラスメートB「フラさんが居るから3人だぞ!この野郎!」

「あーあ。男連れて行かれちゃった」

「ああやって友達と騒いでる男を見ると、本当子供みたいね」

「そうだね。ちょっと周りに流され易いけど、男はずっとこのままがいいね」

「私達もきっと変わらないよ。いつまで経っても、このままだと思う」

629 : VIPに... - 2014/12/19 21:06:48.74 UQsaKuwU0 246/254




(冬休みも終わり、日本公演の日がやってきた)

「会場大きい。なんかリムジンとか止まってるんだけど」

「今回は、海外でこれから公開する映画の曲を担当してたからな。業界人ってやつが結構居るんだろ」

「まぁ有名な演奏家も結構参加してるみたいだし、いつもこんな感じだから慣れちゃった」

「ちなみにチケットも結構高いからな」

「フラさんはこんな環境で、いつも演奏してるんだ。凄いね」

「そうだな。ってか立ち止まっててもしょうがないから、とにかく中入ろうぜ」

630 : VIPに... - 2014/12/19 21:08:36.88 UQsaKuwU0 247/254




「会場が暗くなって来た。もうすぐ始まるよ」

「そうだな」

(この演奏前の緊張感と静けさは懐かしいな。開演ブザーと共に幕が開く)

「ちなみにフラの出番は結構後だからな」

「そうなの?」

「親父がしばらく挨拶してから。その後演奏が始まるんだ。フラはその後2、3曲目からの参加になる」

「楽しみだね」

「ああ」



パチパチパチパチ

(一つ曲が終わって静かに拍手が起こる。次はとうとうフラも参加しての演奏だ)

「あ、あれフラさんだ」

「昔はあそこに男も居たんだよ」

「はたから見ると凄い事なんだな」

「うん。男はいつも凄かった」

「それは見てみたいね」

「そろそろ始まるぞ。まずは親父の独奏からだ」

631 : VIPに... - 2014/12/19 21:11:39.78 UQsaKuwU0 248/254




フラ(なんだか久しぶりに舞台に立った気分です。男さんが居る中での演奏。今回男さんは観客席からですが)

フラ「頑張らないと」

フラ(まぶしい照明の向こうの、暗い席に居る男さん。それでもはっきり見えます)

フラ(この距離なら十分伝わります。音が聞こえる範囲なら十分です)

フラ(男さんと一緒にいたい。これからもずっと。一生。魂だけになったとしてもずっと・・・)

フラ(さあ私、演奏を始めますよ)

~~~~♪

「・・・!?」

「・・・凄い。音楽の事は分からないけど、それでも」

(いや、ここには音楽関係の人も結構居る。それでも皆、女と同じ反応をしているだろう。俺も同じだ)

「本当にあいつは・・・」

(練習の時は、ここまでのものを感じなかった。小さい頃から才能があると言われていたフラ)

(そして今日。理由は分からないが、その才能が本当の意味で開花した。それもたったの16歳で)

(フラ・・・今日の主人公はお前だ)

「本当に奇麗だ」

「うん。フルートを演奏しているフラさんは本当に奇麗」

「前から思ってたけど、なんだかんだ言って男は結構フラさんの事好きだよね」

「ああ、そうだな。あいつは本当に凄い奴なんだ。ずっとあいつの隣で演奏するのが楽しかった」

(遠くなっちまったな。今から追いつくかな。フラ・・・俺はお前の隣で演奏したいんだ)

「俺も頑張らないと」

632 : VIPに... - 2014/12/19 21:15:11.72 UQsaKuwU0 249/254




(日本公演。その全てが終わり、フラは挨拶や取材の後でぐったりしている)

「よう、フラ大丈夫か?」

フラ「男さん!」

「お、おう。元気じゃねぇか」

フラ「ええ、今元気になりました」

「演奏、凄かったな・・・本当に」

フラ「ありがとうございます。そう言われる為だけに演奏しましたから」

「そうか」

「俺もいつかまた、お前の隣に立てるかな」

フラ「え?」

「俺はお前と一緒に演奏したいんだよ。これからも。だから今よりも頑張らないとな」

フラ「男さん・・・。一緒に居てくれるんですか?」

(こっちからお願いしたいくらいだよ)

「ああ。今日のお前は本当に凄かった」

ギュ

フラ「あ・・・」

「今日だけだからな」

フラ「うぅ・・・男さん・・・私も男さんの隣でずっと・・・ずっと」ボロボロ

フラ(思いが、通じた・・・。男さん暖かいです。いつもよりもずっと暖かい)



「男とフラさん、良い雰囲気になっちゃってるね。幼いいの?」

「今日は・・・しょうがないよ」

「でもフラさんの武器が、あそこまでの物だなんて思わなかったな。私ちょっと焦ってるかも」

「私はあれを小さい頃から見せられてた。だからフラが日本に来るって聞いて本当に焦ってたの」

「そっかそっか。でもここで、こそこそ覗いてるのも虚しいから、男の両親に挨拶しに行こう」

「それもそうだね」



(この日、フラは大きく羽ばたいた。俺は本格的にギターの活動を再開する切っ掛けになり、女や幼も会える時間が減ると分かっていても、俺の事を応援してくれた)

633 : VIPに... - 2014/12/19 21:18:13.90 UQsaKuwU0 250/254




ー8年後ー



「女さんを下さい!」

「女さんを下さい!」

女母「・・・え?」

女母「男くんはまぁ分かるんだけど。あなた幼ちゃんよね。え?幼ちゃんも女の事好きだったの?」

「えっとね。なんて言うか・・・幼も男の事好きだから、3人で結婚しようかなーって」

女母「はぁ!?」

女父「お前達なんか変だと思ったら、そんな事考えてたのか」

「駄目・・・かな?」

女母「はぁ、娘が良い人連れて来たと思ったらこんな」

「違うの。男はどっちか選ぼうとしたんだけど、私達は二人共男から離れたくなかったから無理矢理こうしてもらったの」

女母「あんたって子は・・・」

女父「・・・女、お前がしたい事なら俺は構わないぞ」

女母「あなた」

女父「逆に女がずっと頑張っていた理由は、これだったのかと納得がいったくらいだ」

「流石お父さん!」

女父「男君、だがこれだけはお願いだ。世間とは違う生き方をするからこそ、娘を悲しませる事だけはしないでくれ」

「分かりました。約束します」

女父「よし!そうと決まれば今日は二人共うちで食べて行きなさい。そしてこれからどうするつもりなのか、しっかり聞かせてくれないか?」

「うん」

女母(まったく・・・でも、女が一番幸せそうにしてるのは、男くんと居る時なのよね)

女母「分かったわよ。今日はごちそう作ってあげるわ」

634 : VIPに... - 2014/12/19 21:22:00.76 UQsaKuwU0 251/254




(俺は今、ギターの演奏家として親父のチームで働いている)

(あの日本公演から、日本での仕事も増えた。逆輸入って奴だ)

(フラはビジュアルも相まって絶大な人気を誇り、今ではチームで一番の稼ぎ頭だ)

(そして昔と変わらず、俺の隣で演奏している)

(一番驚いたのは女だ。高校時代に趣味程度で立ち上げたブランドが、インーネットで話題を呼び会社を立ち上げてしまった)

(社長をやりながらファッション係の短大を卒業し、もはや俺やフラより遥かに稼いでいる)

(幼は思っていたより体が弱かったらしく、それが原因であまり仕事が続かなかった。だから今後の事を考えて、形式上俺は幼と結婚する事になっている)

(そんな状況だから、家事をほとんどを幼に任せているので少し申し訳ないくらいだ)

(そんな俺達にも、とうとう結婚式の日がやってきた)

635 : VIPに... - 2014/12/19 21:23:45.02 UQsaKuwU0 252/254




「ウェディングドレス着るのって、こんなに大変なんだ」

「うぅ。すっごい重い」

「そう?私はそうでもないけど」

「和服だともっと重いらしいから、いいけどね」

「一生の相手を決めるんだもん。多少は重くないと」

「その割には、私と女の両親は簡単にオッケーしたよね。3人で結婚とか普通じゃないのにさ」

「以外と世の中って簡単かも。なんてね」

「まぁ親戚だけのひっそりとした結婚式になっちゃったけど」

キィ バタン

「あ、男」

「おう、ドレス着たのか。凄いな。これがウェディングドレスか」

「うん。男のタキシードも格好良いよ」

「うんうん・・・って」

「なんでフラが居るのよ」

636 : VIPに... - 2014/12/19 21:25:46.47 UQsaKuwU0 253/254

フラ「私も参加する事にしました」

「はぁ!?」

「フラさん結婚とか形式ばったものは、興味ないって言ってなかったっけ」

フラ「でもやっぱり、男さんの花嫁さんって言うのも捨てがたいですよね」

「そもそも、あんた一ヶ月前に男に何したか忘れてないでしょうね!」

フラ「ええ、覚えてますよ鮮明に。結婚式の参加は男さんもOKしてくれましたし」

「はぁ?男、どういう事?」

「えっと・・・だな」

フラ「あなたがさっき言った一ヶ月前に、私妊娠したので」

「・・・へぇ、やってくれたわね」

「このくそ女!」

「今お腹殴れば無かった事になるんじゃないかしら」

フラ「それは正当防衛が成り立ちそうです」

「や、やめろよ。怖いぞ」

「でも、フラが参加するならお父さんやお母さんにどうやって説明するのよぉ・・・」

「なんかごめん」

「男は悪くないよ」

「はぁ、やっぱり人生って大変かも」

637 : VIPに... - 2014/12/19 21:30:07.78 UQsaKuwU0 254/254




ゴーン ゴーン ゴーン

鐘の音が鳴り響く。

人通りの少ない場所にひっそりとたたずむ小さな教会。

そこで行われた静かな結婚式で、3人の花嫁が立っていた。

薄暗い教会の中で、小さな窓から少ない光が注がれる。

それを集めたかの様にそれぞれのウエディングドレスは白く輝き、

ドレスの動きに合わせてその木漏れ日がきらきらと揺れていた。

一人は小柄で小鳥のように可愛らしく、

一人は本当に幸せそうな奇麗な笑顔をしていた。

そして一人は自信に満ちあふれ、何一つとして恐れずに堂々と立っている姿が美しかった。

それぞれ違う個性を持った花束は、

祝いの為に送られたどの花束よりも美しく、色鮮やかだった。



おしまい

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