姫「はい……オークのみならず、数多くの魔族達がその店で働いていると……」
女騎士「申し訳ありませぬ……私が守るべき王国が内部から毒されていたとは……!」
姫「それに、話によると、王国中の女性達がその店に魅入られ足繁く通って居ると……!」
女騎士「なんと……許すまじ、オーク……!か弱き女性達を毒牙にかけるとは……!」
姫「はい……これは憂慮すべき事態です……」
女騎士「ご安心を!すぐにでも騎士団を挙げて店を潰して参ります!」
姫「……いえ、それは辞めた方がいいでしょう」
姫「店には四六時中人の出入りがあると聞いています……もしも国民達の血が流れる事があらば私は……!」
女騎士「ああ、姫様……なんと慈悲に満ちたお言葉なのでしょう……」
姫「ですから、今回女騎士に頼みたい事は……」ゴニョゴニョ
女騎士「……は……偵察……?」
元スレ
女騎士「オーク達が良からぬ店を経営してるだと?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1417591556/
女騎士「ここがオーク達の経営する店……」
女騎士「なるほど……女性達の出入りが激しい……くっ、魔族にかどわかされるとは、情けない」
女騎士「だが私は違うぞ……!この眼で魔族どもの悪行をしっかりと見届け、しかるのち……殲滅だ!」
女騎士「すー、はー……よし、入るぞっ……」ギィッ
スケルトン「っしゃーせー」
女騎士「なっ!?」ビクッ
スケルトン「……?」
女騎士(い、いきなりスケルトンのお出迎えだとっ!?いくら打ち倒してもしぶとく蘇る不死の戦士ッ……丸腰だと分が悪いッ!!)
スケルトン「あの、お客様ー?」
女騎士(どうするっ……やれるかっ?今からでも遅くない、城に戻り装備を整えて……)ソワソワ
スケルトン「あっ、なるほど!」カシャン
女騎士「ひっ!」ビクッ
スケルトン「いやー、わかりますわかります!初めてのお店、初めての店員!勝手が分からなくて困っちゃう事ありますよねぇ」ペラペラ
女騎士「えっ……なっ……?」
スケルトン「そうですね、私どもは初めてご来店されたお客様にはまず体験コースを経験してもらう事になっておりまして、お値段もとてもお得!今お待ちのお客様は1人も居ないのですぐにご案内出来ますよー」ペラペラ
女騎士(なっ、なんだっ!?呪文か!?呪文を唱えられたのかっ!?なんて言ったのだ!?)
スケルトン「……あの、お客様ー?」
女騎士「……あ、ああ、良きようにしてくれ」
スケルトン「はーい!一名様ご案内ー!」カシャンカシャン
スケルトン「~♪」スタスタ
女騎士(ふう……なんとか場を乗り切ったようだ……呪文の効力も今の所感じられぬ……)スタスタ
スケルトン「はい、じゃあここに座っててくださーい」
女騎士「む……椅子か……では失礼して」ギシッ
スケルトン「らくーにしててくださいねー、すぐに係の者が参りますー」
女騎士「あ、ああ……大義であった」
スケルトン「失礼しまーす」
女騎士「……ふぅ、これで一息付ける……」
女騎士「魔物め……私に何をするつもりだ……?」
コンコン
女騎士「むっ?何者かっ!」
「失礼しまぁす」ニュルリン
女騎士「なっ!?」ガバッ
ラミア「あらぁ、初めての方かしらぁ?ってことは体験コースねぇ」
女騎士(ラッ、ラミアッ!?熱帯に棲むリザードマンと対を為す狂暴な種族ッ!!獲物の身体を締め付け骨を折り文字通り柔らかくしてから嚥下する第一種接近禁止蛮族ッ!!)ビクッ
ラミア「……?」
女騎士(ぬかったッ!!やはり剣を置いてくるべきではなかったのだっ!!この場所は密室ッ!!よく手入れされているが正に屠殺場じゃないかっ……)ガタガタ
ラミア「あっ、なるほどぉ!」
女騎士「ひぃっ!?」
ラミア「そんなに震えて、お寒いのでしたらあのホネに言えば宜しかったのにぃ~!空調、入れますネ♪」
女騎士「はっ……えっ……?」
ラミア「いやーねぇ、私も地下は寒くて眠っちゃいそうだから嫌って言ったのにオーナーが場所の都合でって言って……」ペチャクチャ
女騎士(な……なんだ……?何かおかしいぞこの魔物達はっ!?油断するなッ私ッ!!)
ラミア「それでねそれでね……あ、あら、私ったらオホホ、やーねぇ、話こんじゃって!」
女騎士「あ、はい……そうですね……」
ラミア「ごめんなさいね、じゃあ始めまーす」シュルシュルッ
女騎士「なっ!?」
ラミア「あらぁ~、女性なのに逞しい足をなさって♪これは巻きがいがありますわぁ~♪」シュルシュル
女騎士(ふ、不覚ッ!!馴れ馴れしく話すラミアに思わず緊張を解いて接近を許してしまった!!)
ラミア「よーし、準備完了!すっぽり巻けましたわよ~!」
女騎士(あ、脚だけを巻かれたっ……このラミア、下半身からじょじょに苦しめるつもりかっ……)
ラミア「そう緊張なさらないで、椅子にもたれて、ゆっくり寝ててくださいね~?」スッ
女騎士「ぐっ……うぅっ……」ギシィ
女騎士「うぅ……う……」
ラミア「それじゃ加圧していきますわよ~っ……」
ギュ……ギュギュ……ギュ……
女騎士「うぅあ……」
ユルッ……
女騎士「ぷはぁっ……」
女騎士(な、なんだ……?じょじょに締め付けを強くして苦しめる算段……)
ギュ……ギュギュ……ギュ……
女騎士「お……おおっ……」
ユルユルユルッ……
女騎士「おおっ……おー……」
ギュ……ギュギュ……ギュ……
ラミア「ふふ、お若いのに随分足が張って……」
女騎士(な、なんなのだっ……締め付けられる度に足の血が押し上げられ、緩められるとまた足に流れ……)
女騎士(き、気持ちいい……)
ギュギュ……ユルユル……ギュギュ……
女騎士「ふぁあ……」
女騎士(だ、ダメだ、足が心地良い……)
女騎士「……ふぁあ」
女騎士(眠くなって来た……)
ラミア「はいっ、おしまいっ!」シュルシュルッ
女騎士「ふぁえっ!?お、おしまい!?」
ラミア「はい♪それはもう体験コースですから♪」
女騎士「なっ……う、うむ、承知した」
ラミア「ふふ♪じゃあ、次の係が来るまでお待ちくださ~い♪」
女騎士(くっ……危うく、魔族の技に絡め取られる所だった……ふん、魔族めっ!)
女騎士(……確かに、とても心地よい時間であったし、足がとても軽くはなった)
女騎士(だが私は騙されないぞ!奴らは魔族だっ!どんな魂胆かは知らないが、私にこんな軽い足を与えた事を後悔するがいいっ!)
「失礼します」コンコン
女騎士「うむ、入れ!」
ダークエルフ「あの~、体験コースの方ですよね?」
女騎士「むっ……そ、そうだっ」
ダークエルフ「あぁ、良かったぁ~、私、方向音痴でして~、ここって意外と入り組んだ道が多くて~……」
女騎士(あの耳と肌の色……彼女はダークエルフだな……人と混じり合い世俗で魂を黒く染めたエルフの末裔……この者ならこの私の軽い足でコテンパンにやっつけられる……)
ダークエルフ「あ、その、さっそくですがぁ……施術しても良いですかぁ?」
女騎士「……うむ、なんなりと」
ダークエルフ「あ、ええと、じゃあ、服、脱いで貰えますかぁ?」
女騎士「……服をだと?何故だ?」
ダークエルフ「はい、じゃないと施術の際に汚れちゃいますよ?」
女騎士「なっ!汚れ……!ぬぬぬ脱ぐ!脱ぐから待て!」バッババッ
女騎士(この服は潜入用にと姫様が見繕ってくれた大事な服っ!汚す訳にはいかぬ!!)
女騎士「ぬ、脱いだぞ……」
ダークエルフ「わー、お客様、肌しろーい!羨ましいですぅ~」
女騎士「む、そ、そうか?」
ダークエルフ「はい~、でも、ちょっと手入れが足りませんねぇ……あ、それじゃ垂らしていきますね……初めはヒンヤリするかも知れませんが、すぐに馴染みますので」タプン
女騎士「ふむ、垂らす……その瓶の中の物をか?中には何が入っているのだ?」
ダークエルフ「スライムです」
女騎士「」
女騎士「すすすすスライムだとぉっ!?」
女騎士(スライムッ!!低級魔物だがその生態はシンプルにして最悪ッ!!身体全てを消化器官として触れる物全てを喰らい尽くすッ!!)
ダークエルフ「……?」
女騎士(ぬかったッ!!甘かったッ!!ラミアに食われなかった事で油断をしていたのだッ!!奴らの目的は恐らくこれッ!スライムの増産だっ!!)
ダークエルフ「あっ、そっか~!」ポンッ
女騎士「ひぃ!な、何!?」
ダークエルフ「お客様、スライムに対してアレルギーとか持ってますぅ?」
女騎士「あ、あれ……?い、いや、別に」
ダークエルフ「ですよねー、安心しました」ドロォ
女騎士「ひぃー!!」
女騎士「うあああっ……あっ……」ドロドロォ
ダークエルフ「じゃあ塗り込んでいきますね~」ヌチョヌチョ
女騎士「ひっ……ひぃぃぃ……」
ダークエルフ「どうですかぁ?どんな感じですかぁ?」ヌルッヌルッ
女騎士「なっ……なんだかだんだん暖かく……そ、それに少しピリピリ……」
ダークエルフ「あ、それねぇ……」
ダークエルフ「食 べ て る ん で す よ」ニコッ
女騎士「ひぃーっ!?」
ダークエルフ「角 質 を」ニコニコッ
女騎士「ひぃっ、ひぃっ……はぁ……?」
ダークエルフ「もう美肌効果凄いんですよー?施術後はつるっつるで卵肌!うちの店でも人気のコースなんですぅ」
女騎士「あ、はぁ……」
ダークエルフ「うふふ、全身に満遍なーく塗り込んじゃいました♪」
女騎士「あ、あー、凄い……ピリピリが強い所が汚れの溜まってる所なんですね」
ダークエルフ「はい、その通りです♪でも、このスライムの凄い所はそれだけじゃないんですよー♪」
女騎士「あ、はぁ……?」
ダークエルフ「このスライムはですね、魔法をよく通してくれるんです」
女騎士「……魔法……だと?」
ダークエルフ「はい、私の得意技です♪」
女騎士(そ、そうかっ、これが奴らの真の狙いッ?魔法への耐性を極端に下げて一撃ッ!?……なのか?)
ダークエルフ「まずは……肩に向かって雷魔法ッ!」ピシャーン
女騎士「おっ、ああっ!?な、なにこれっ!か、肩が、肩がピクピクするッ!?」ピクピク
ダークエルフ「あー、肩凝ってるみたいですね~♪凝りが解れるまで続けますね~」
女騎士「あっ、なっ、何か変ッ、だ、だけどっ」
女騎士(き、気持ちいい……!)
女騎士「お、おー……おー……」ピクッ…ピクッ…
ダークエルフ「さてさて、どうですか?凝り、解れましたか?」
女騎士「っ、じゅるりっ!う、うむ、良い感じだっ」
ダークエルフ「あー良かったですー!」
女騎士「つ、次は何処だっ?わ、私は最近腰が……」
ダークエルフ「あ、ごめんなさーい!体験コースの雷施術は肩だけが対象でして~」
女騎士「なッ!?」
ダークエルフ「その代わりと言ってはなんですが……えいっ、氷魔法っ!」ピキーン
女騎士「えっ!?ス、スライムが凍った!?」カキーン
ダークエルフ「えへへ、ちょっと痛いけど我慢してくださいね~……えいっ!」バリッ
女騎士「うきゃっ!?な、何を!?」
ダークエルフ「あー、ほら!うぶげがこんなに!せっかくかわいいんですから無駄毛チェックは丹念にしないとー!じゃ、どんどんはがしていきますね~♪」
女騎士「ま、まってくれ、ちょっと衝撃が強くて……きゃんっ!」バリッ ビリッ パリパリッ
女騎士「はぁ……はぁ……」グテーン
ダークエルフ「お疲れ様でした~!じゃあ、次の係が来るまでそのままでお待ちくださいね~」
女騎士「う……うむ……」
女騎士「くっ……私としたことが……魔族の甘い誘いに乗る所であった……」
女騎士「確かにあんなに重かった肩がとても楽になったし、身体も……うむ、腕を触るだけでもわかるくらいにスベスベになったが……」
女騎士「だが私のこの毎晩手で揉みほぐしても全然凝りが取れぬ腰があの雷魔法で解れるとはっ……!」
女騎士「全然残念なんかじゃないぞっ……!」
女騎士「私は魔族なんかに屈さないっ!次に来るのは誰だっ!!」
コンコン
女騎士「誰だっ!入るが良い!そして存分に私に何かを行うが良い!私はそんなのに屈さないが、それでもまあ経験くらいはしてやってもいいぞ!」
オーク「失礼します」
女騎士「ぴゃっ!?」
オーク「……ぴゃ?」
女騎士「な……あ……!」
女騎士(な、なるほどっ……そういう事かっ……今までの行為はっ……この者へのお膳立てッ……!)
女騎士(オーク……!全ての人類の、いや、全ての女性の敵ッ!!説明するのもおぞましい、世にあまねくあらゆる変態どももこいつらには道を譲るッ!!キングオブ変態蛮族ッ!!)
オーク「……どうした、お客様」
女騎士「ちち、近寄るなッ!!ここここの変態めっ!!」
オーク「変態……?」
女騎士(グウッ!?な、なんという威圧感ッ……へ、下手に逆らうと首をねじ切られそうだっ……)
オーク「……いいから座れ、うつ伏せになるのだ」ゴワッ
女騎士(う、うつ伏せに……な、何をする気だこの変態はっ!!)カーッ
オーク「ふむ……ふむふむ……」ジーッ
女騎士(クッ……うつ伏せでも変態オークが舐めるように私の身体を見ているのがわかるっ……)
オーク「なるほど……良い身体をしている……これは料理し甲斐がある……」
女騎士(な、何を言っているのだっ……し、正直、怖い!怖すぎるぞ!これがオーク!)
オーク「さて、始めるとするか」スッ
女騎士「あっ……!あっ!痛い痛い痛いいいい!!」
オーク「我慢しろっ……すぐに良くなるっ……!」ギュッギュッ
女騎士「あっ……!そこ、そこだめっ!!入っちゃいけない所入ってるっ!!」
オーク「ここがツボだ!指が沈み込む感覚がわかるか!」ギュッギュッ
女騎士「あーっ、おっ、おーっ……い、痛い、痛いぃぃ気持ちいいぃぃ!!」
オーク「酒の飲み過ぎで内臓が弱ってる証拠だ!!節制を心掛けろ!!」ギュウウ
女騎士「うっ!うむっ!あいたたた!」
オーク「……ふぅ、こんなもんかな」トントントン
女騎士「あっ、おっ、おー……あっ、叩くのっ、気持ちいい……」
オーク「終わりだ」パッ
女騎士「えっ……ま、まだ肩しか……」
オーク「お試しコース」
女騎士「……はい」
オーク「さあ、これで体験コースは終わりだ」
女騎士「なっ……ふ、ふん、そうか」
オーク「この部屋を出て右手が浴場だ。中にはサウナもある」
女騎士「よっ、浴場にサウナだと?」
オーク「ああ、今日の湯は世界樹の葉と人魚の涙をブレンドした薬湯だ。存分に浸かっていけ」
オーク「左手に向かえば売店がある。風呂の後のミルクは最高だぞ」
女騎士「ふ、ふん、こう見えても私は忙しくてな!そんな物にかまけている余裕はないわ!」
オーク「そうか、勝手にしろ。じゃあな」
女騎士「ふいー……」ホカホカ
スケルトン「あ、お疲れ様でっす!どうでした?体験コース!」
女騎士「うむ?ま、まあ、良いのではないか?」
スケルトン「本会員になられますと体験していただいたコースに加え、ケンタウロスの乗馬エクササイズコースや、吸血ビルの瀉血コースなど、他にも色んなコースがございますよ!」
女騎士「ほ、ほう?」
スケルトン「かくいう私も施術師でして……さっきからお客様の骨格のズレが気になってましてね~、私にお任せ頂きますと、姿勢が矯正されて凝りにくい身体になれますよ!」
スケルトン「最近増築してレストランを併設する予定もありましてね、本会員なら割引やワンドリンクのサービスも予定しております!」
スケルトン「どうしますか?本会員になられますか?」
女騎士「……」
姫「女騎士はまだでしょうか……ああ、やきもきする……」
姫「まさか、魔族達の手練手管にかかって……」ゾッ
「ただいま戻りましたー!」
姫「あ、ああっ、女騎士!お待ちして……お……り……?」
女騎士「申し訳ありません!会員登録に時間がかかりまして!」ツヤツヤ
姫「」
おわり
女騎士「はぁ……はぁ……」グテーン
ダークエルフ「お疲れ様でした~!じゃあ、次の係が来るまでそのままでお待ちくださいね~」
女騎士「う……うむ……」
女騎士「くっ……私としたことが……魔族の甘い誘いに乗る所であった……」
女騎士「確かにあんなに重かった肩がとても楽になったし、身体も……うむ、腕を触るだけでもわかるくらいにスベスベになったが……」
女騎士「だが私のこの毎晩手で揉みほぐしても全然凝りが取れぬ腰があの雷魔法で解れるとは思えぬっ……!」
女騎士「全然肩だけで終わって残念なんかじゃないぞっ……!」
女騎士「私は魔族なんかに屈さないっ!次に来るのは誰だっ!!」