1 : 以下、名... - 2014/11/01 21:40:33 CYhM2yQA 1/104

「えっ。」

「今なんて?」

「そっちこそ。」

「死にたいなって。」

「殺人したいなって。」

「……」

「うぇーいっ!」パチンッ

元スレ
男「死にたいな…」女「殺人してみたい…」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1414845633/

2 : 以下、名... - 2014/11/01 21:52:54 CYhM2yQA 2/104

「いやービックリだよっ!」

「まさか同じクラスの天才である
  女さんが殺人をしたがってたなんて!」

「私もびっくりだよ。いつもニコニコ男君が
  自殺しようとしてたなんてー。」

「じゃあ?」

「早速?」

「やっちゃいましょー!」

3 : 刺殺 - 2014/11/01 22:03:42 CYhM2yQA 3/104

「とりあえず刺す?」つ包丁

「刺身包丁だよー。100均だから切れ味悪いけど。」

「切れ味悪いってことは、痛いのかあ…」

「やめる?」

「いーや、試してみようっ!」

「そうこなくっちゃ!」ブスッ!

「いだあっ!?」バッ!

「あれ?そんなに?」

「結構痛い。というよりいきなり刺されてびっくり。」ズキズキ

「んー、力加減わかんないな。」ズブブ…

「いたいいたいいたいいたいいたいいたっいだあ”あ”あ”あ”っ!!」ジタバタ

「ん?一回抜こうか?」ズプッ

「はあ…すごく痛かったよ。」ダラー…

「出血ひどいね。」

「絆創膏貼っとこう。」ペタペタ

4 : 以下、名... - 2014/11/01 22:06:33 CYhM2yQA 4/104

「刺すのはやだ。死ぬまでの痛みが長いもん。」

「うーん、じゃあ……首絞め!」

「あ!いいねそれ!」

「でしょ?」

5 : 以下、名... - 2014/11/01 22:14:22 CYhM2yQA 5/104

「じゃーロープの片方を柱にくくりつけて…」

「あ、僕がやるやる。」ギュッギュッ

「あ、ありがとー。」

「で、これを男君の首に巻く。」グルッ

「すでに圧迫感があるよ!」

「そして私が…綱引きの要領でもう片方を引っ張る!」

「ぐっ…ぅえ……!」ギュウッ!

6 : 首絞 - 2014/11/01 22:19:30 CYhM2yQA 6/104

「むぐぐ……」グイイ…

「…が……あ……」ギチギチギチ…

「ぐむうう……」グイイイ…

「……ぁ…………」ギチギチギチ…

「………」グイイイ…

「…………」ギチギチギチ…

「……っはあ…疲れたー。」パッ

「うえっ。」ドサッ

「あ、生きてた。」

「ごほごほっ…苦しいだけで死ねなさそう。」

「うーん残念。」

7 : 以下、名... - 2014/11/01 22:22:59 CYhM2yQA 7/104

「他にも何かある?」

「うーん…」

「ハンマーとか?」つハンマー

「よさげだね。」

8 : 撲殺 - 2014/11/01 22:26:28 CYhM2yQA 8/104

「じゃあ行くよ。」

「うん、いいy」ガゴンッ!!

「っづあ…いだ」バキィッ!!

「がふっ……」ズガンッ!!

「」ドサッ

「どうかな?」バキッ!ドガッ!ゴスッ!

「」

9 : 撲殺 - 2014/11/01 22:36:43 CYhM2yQA 9/104

~30分後~
「…んん……ぅあ、頭いたい…」

「あれ?起きた…」

「うーん…駄目だ。気絶はできるけど死ねないや。」

「なかなか手強いね。」

12 : 以下、名... - 2014/11/02 08:27:37 MwQM2bHQ 10/104

「じゃあ焼く?」

「?」

「オイルかけてー、炎でボワーって。」

「うん!やってみよう!」

13 : 焼死 - 2014/11/02 08:34:45 MwQM2bHQ 11/104

「チンケな油しかないけど、えい。」バシャッ

「うえ、ベタベタだね。」

「で、着火。」ボワッ

「……あ、目の前が真っ赤だ。」メラメラ…

「熱くないの?」

「そんな熱くn…あつづづづあ”づい”い”い”っ!!」メラメラ…

「やっぱ熱いんだ。」

「うわあ”あ”ぁあ!!あづっ!あづい”い”い”い”!!」メラメラ…

「どう?逝けそう?」

「逆に目が冴えてきたああ”あ”あ”ぁあ”!」メラメラ…

「駄目か。…消そっか?」

「おねがぃい”い”い”いい”!!!」メラメラ…

バシャッ!!

14 : 焼死 - 2014/11/02 08:37:05 MwQM2bHQ 12/104

「ふぅ……」

「皮膚がただれてるよ。」

「冷却スプレーかけて…」シュー…

「絆創膏貼れば大丈夫だよ。」ペタペタ

「髪の毛燃えなくてよかったね。」

「ハゲは辛いよ。」

15 : 以下、名... - 2014/11/02 08:51:56 MwQM2bHQ 13/104

「うーん、どうしよう。」

「なかなかしぶといね。」

「痛くて挫折しちゃうんだ。」

「痛くないやつかー。」

「何かある?」

「薬物投与?」つ注射

「おおー。」パチパチ

16 : 薬物死 - 2014/11/02 08:56:59 MwQM2bHQ 14/104

「どんなの注射するの?」

「科学室から、くすねてきたコレ。」つクロロホルム

「なんかすごそう。」

「じゃーいくよ。」

「うわあ…僕注射痛いから嫌いなんだ。あっち向いてよ。」プイッ

「そーれ、ぷすっとな。」プスッ

「…あれ?痛くない。女さん注射うまいねー!」

「看護士目指してたからねー。」

「目指して『た』?」

「今は殺人鬼になりたい。」

「応援してるよ!」

「ありがとう。」

17 : 薬物死 - 2014/11/02 11:01:10 MwQM2bHQ 15/104

「さ、どうなるかな。」

「成功かな。」

「わくわく。」

「わくわく。」

「わくわk……うぇ……」ヨロッ…

「お?」

「……ちょっとトイレ……」ヨタヨタ…

「ここで吐けば?」

「処理めんどい…」ヨタヨタ…

18 : 薬物死 - 2014/11/02 11:04:20 MwQM2bHQ 16/104





「全部出しちゃったみたい。」

「残念。」

「一瞬で死ぬと思ったのに。」

「そこまで強い薬品じゃないしねー。」

19 : 以下、名... - 2014/11/02 11:06:45 MwQM2bHQ 17/104

「よし、屋上いこう。」

「え?立ち入り禁止じゃなかったっけ?」

「殺人行為してる私に恐いものはないっ!」

「確かにー。」パチパチ

20 : 以下、名... - 2014/11/02 11:08:40 MwQM2bHQ 18/104

<屋上>

「眺めいいね。」

「もうこんなに暗くなってたんだ。」

「9:00だって。」

「生徒は帰る時間だね。」

「私達帰ってないけどね。」

「あはははは!」

21 : 飛び降り - 2014/11/02 11:10:52 MwQM2bHQ 19/104

「じゃ、そこに立って。」

「はい。」

「えーい。」ドンッ

「わー。」ヒュー




ドサッ




「どうかな?」

22 : 飛び降り - 2014/11/02 11:14:08 MwQM2bHQ 20/104








「ただいまぁ……」ヨロヨロ…

「失敗しちゃったかー。」

「全身が痛いよ。」ヨロヨロ…

「4Fからじゃ後頭部直撃でも死ねないか。」

「湿布と絆創膏を身体中に貼り付けとかなきゃ…」ペタペタ…

「もう遅いし続きは明日で。」

「そうだね。じゃあまた明日。」ノシ

「うん、またねー。」ノシ

25 : 以下、名... - 2014/11/02 16:16:42 MwQM2bHQ 21/104




「じゃあね、って言ったけどさ。」テクテク

「道同じなんだね。」テクテク

「ここら辺?」

「ここら辺。」

「もしかして△▽中学出身?」

「そうだったかも。」

「わあ!一緒だ!」

「全然気がつかなかったー。」

「なんか嬉しいね。」

「だねー。」

26 : 衝突死 - 2014/11/02 16:20:27 MwQM2bHQ 22/104

「あ、信号赤だね。」ピタッ

「信号は面倒くさいね。渡っちゃう?」

「車きてるよ?」

「じゃあ、えいっ。」ドンッ

「わわっ…」ヨロッ

ププーーー!!ガンッ!!




「や、やべえ!人ひいちまった!!」

「はあっ!?ど…どーすんだよおい!!」

「……さてさて?」

27 : 衝突死 - 2014/11/02 16:24:41 MwQM2bHQ 23/104

「…に、逃げよう!」

「し、正気かよ!逃げるって……」

「ここら辺人気ねーし大丈夫だろ!逃げるぞ!!」

ブルルッ……パキッ…ブーーンッ!!キュルルルルッ!!



「最低だね。人ひいて逃げたよ。」

「」

「…あれ?今回はもしかして…」



「…いたい…」

「デスヨネー。」

28 : 衝突死 - 2014/11/02 16:36:18 MwQM2bHQ 24/104

「ねえねえ…何が痛かったか聞いてくれる?」

「どうぞどうぞ。」

「あの人たち急発進したでしょ?」

「うんうん。」

「逃げるときにも僕の右腕と右脚ひいていったんだ。」

「骨折れたよ…」

「あ、パキッてその音だったんだ。」

29 : 以下、名... - 2014/11/02 17:22:11 MwQM2bHQ 25/104

「湿布貼っとこう。」ペタペタ

「もしかして湿布とか絆創膏に魔力宿ってる?」

「100均だよ?」

「なるほど。」

「…あ、家ここだから。また明日。」ノシ

「あ、そーなんだ!またね!」ノシ

32 : 以下、名... - 2014/11/02 20:58:46 MwQM2bHQ 26/104

~次の日~
「じゃあ行ってくるね!」

男父「うるせえな…喋らないでくれよ……」

男母「ほんとジャマ。帰ってこなくていいから…そのまま死んで。」

「うん!行ってきまーす!」ガチャ…バタン!




「父さんと母さんは優しいよね。」テクテク

「僕のこと嫌いなのに、僕の言葉に反応してくれるからね。」テクテク

「僕には真似できないよ。」テクテク

33 : 以下、名... - 2014/11/02 21:02:57 MwQM2bHQ 27/104

「……パンかたい…」モグモグ

女母「……」

「…あ、そーいえばパパは?」モグモグ

女母「最近はずっと忙しくて、こっちには帰ってこれないらしいわ。」

「へー。」モグモグ

女母「じゃ、これ今日のお昼代ね。勝手に食べてて。」つ1万円

「ん。」パシッ

「あ、そういえば昨日ねー、テストで…」

女母「じゃ、会社行くから。」スタスタ

「…うん、いってらーしゃーい。」

34 : 以下、名... - 2014/11/02 21:06:27 MwQM2bHQ 28/104

<学校>

ワイワイ

「それでねー!こんなでっかい毛虫がさー!」

男子たち「なんだよそれ気持ちわりいwww」アハハハハ!!




「あー、この問題?この公式を応用するだけだよ。」カキカキ

女子たち「あっ!なるほどー!やっぱ頭いいねー。」カンシン

「逆に勉強しか取り柄ないけどね。」

35 : 以下、名... - 2014/11/02 21:24:24 MwQM2bHQ 29/104

-放課後-

「じゃーねー。」ノシ

男子たち「あれ?男はかえんねーの?」

「家だと宿題さぼっちゃうから、ここでやってから帰るー!」

男子たち「そっか、頑張れよー!」ノシ



女子たち「女さん帰ろー。」

「あー、ごめんね。復習するの癖になっちゃってるからー。」カキカキ

女子たち「すごいねー…じゃあ仕方ないね。また明日ー!」ノシ

「ばいばーい。」ノシ

36 : 以下、名... - 2014/11/02 21:51:18 MwQM2bHQ 30/104




「さて、今日は何しよっか!」

「まずは感電とか?」

「いいかもね!」

「やっちゃいましょー!」

38 : 感電死 - 2014/11/02 22:27:30 MwQM2bHQ 31/104

「コードの端を剥いて?」

「はいはい。」ベリベリ

「それを心臓近くに貼り付けてー。」ペタッ

「なるべく多く貼り付ける?」ペタペタ

「うんうん。そんな感じ。」

「これって、いたくないn」

「えい。」カチッ

「」ピクッ

「……どう?」

「……体のコリがほぐれたよ!」

「それは良かった。」

40 : 以下、名... - 2014/11/02 22:38:34 MwQM2bHQ 32/104

「さ、元気になったからどんどんいこー!」

「じゃー、ちょっと手荒な方法で。」

「?」

「…爆弾。」つばくだん

「おおー。」パチパチ

41 : 爆死 - 2014/11/02 22:41:52 MwQM2bHQ 33/104

「学校だとばれるからー、どっかいこう。」

「だね。」



<ひとけの無いとこ>

「うん、よさげ。」

「楽しみだよ!」

42 : 爆死 - 2014/11/02 22:51:33 MwQM2bHQ 34/104

「これを取り付けて…」カチッ

「結構重いね。」

「5こぐらいでいいかな?」カチカチ

「1こでも足りるんじゃない?」

「うーん、無理そう。」

「そっか。」

「……」タッタッタッ…ポチッ

「あれ?どこいk」ボンッ…ドガガンッ!!

男の姿は、一瞬で炎に隠された。

こちらまで熱風が伝わってくる。





「……あんま期待できないねー。」

43 : 爆死 - 2014/11/02 23:09:23 MwQM2bHQ 35/104





「ごほっ!かはっ……喉熱い…」

「凄まじい生命力だねー。」

「……最初の爆音で耳がやられたんだ。」

「ふむふむ。」

「それで、気づいたら燃えてて、体が宙を舞っててー…」

「うんうん。」

「あれ、これお腹えぐれてない?なんか違和感あるよ。」

「え?あー、どれどれ?…爆弾の破片めりこんでるね。」

「あー、やっぱり。」

44 : 爆死 - 2014/11/02 23:12:29 MwQM2bHQ 36/104

「抜く?」

「おねg」

「でいっ。」ズボッ

「あぐう”っ…」

「抜けたよ。」

「いつも行動が早いね。」

「せっかちなのです。」

「絆創膏&冷却スプレー&湿布ー。」シュー…ペタペタ

「フルコースだね。」

45 : 以下、名... - 2014/11/02 23:25:38 MwQM2bHQ 37/104

「次どーしよ。」

「ネタ切れ?」

「爆弾でいけると思ったんだけどね。」

「逝けなかったね。」

47 : 以下、名... - 2014/11/03 09:21:15 rJEbQHfY 38/104

「あ、じゃあこれは?」つ銃

「うわあ!どうやって手に入れたの?」

「企業秘密。」

「だよね。」

48 : 銃殺 - 2014/11/03 09:29:57 rJEbQHfY 39/104

「ちなみにショットガンだよ。」

「ショットガン?」

「弾がいっぱいでる。」

「致死率高そうだね!」

「そうだね。」バキュンッ!

「ぐふうっ!……ごぽっ………」ブシャッ!!

「……」バキュンッ!バキュンッ!

「……かはっ……ぐぶうっ!?」グヂュウッ!ブシュッ!

「……」バキュンッ!バキュンッ!

「……」ビクンッ……ビクンッ…

「…あ、弾切れ。」カチッカチッ

「……ぅあ…」

「…やっとマシな反応したね。」

「…いたい……ごぽっ…げほ……」

「本当は痛いじゃすまないんだけどね。」

49 : 銃殺 - 2014/11/03 09:34:26 rJEbQHfY 40/104

「死ねそう?」

「…出血死で死ねるかな?それが無理なら駄目そう…かはっ…」

「…ほとんど出血止まってるよ……」

「…あー…残念だね。」

「脳とか心臓に当たらなかった?」

「当たったような気もするけど、わかんない。」

「そっか。」

「処置しとこ。」ペタペタ

「弾、体に埋まってないの?」

「多分いつか溶けるよ。」

「そっか。」

50 : 以下、名... - 2014/11/03 09:38:31 rJEbQHfY 41/104

「もう大分暗いし…帰ろっか?」

「そうだね。」

「…あ、その前に聞きたいことがあるんだー。」

「あ、奇遇だね!僕もなんだ。」

「あ、そうなの?先にいいよ。」

「いや、女さんからでいいよ。」

「じゃあ聞かせてもらうね?」

「なんで死にたいの?」

「……やっぱそれかー。」

51 : 理由 - 2014/11/03 10:07:28 rJEbQHfY 42/104

「うーん…改めて聞かれると……」

「『何となく』かなあ……」

「…ほんとに?」

「……」

「……なんかね?つまんないんだ。この世界。」

「……」

「起きて、食べて、歩いて、笑って、帰って、寝て。」

「おなじことの繰り返しなんだ。」

「今日より辛い明日がくるわけでもないけど…」

「かといって今日より楽しい明日もこない。」

「…ね?この世界つまんないでしよ?」

「……」

52 : 理由 - 2014/11/03 10:14:52 rJEbQHfY 43/104

「しょうがないから子育て。」

「表面上の笑顔。」

「つまんない。どれもつまんないものばっかりなんだ。」

「だから思ったんだ。」

「『死んだあとの世界は面白いかな?』って。」

「それ考えてたらなんだかワクワクしてきて。」

「死んだら別の世界に行けるかもしれない。」

「早く逝きたいなぁ……別の世界に。」

「…それが理由だったんだ。」

「うん。…あ、僕の質問m」

「『殺人したい理由』でしょ?」

「うん!」

53 : 理由 - 2014/11/03 10:19:22 rJEbQHfY 44/104

「簡単だよ。」

「注目してもらいたかったの。」

「ニュースとかでも、こーゆーこと言ってる人よくみるでしょ?」

「悪い意味でいいから、注目してほしかった。」

「女さんは女子の皆から注目されてるよ?」

「ううん、親に注目されたかったの。」

「必要最低限の関わり。」

「その壁を破りたかったんだー。」

54 : 理由 - 2014/11/03 10:26:16 rJEbQHfY 45/104

「私は昔から頭が良かったみたいで…」

「テストは90~100が当たり前だった。」

「手も器用だった。苦手な事が全然無かった。」

「だから『凄い』のが『当たり前』になった。」

「一回100点とると、次95じゃ誉められない。」

「同じ100でも誉められない。」

「じゃあ誉められるには?」

「…わからなかった。」

「そのうち、誉められるどころか見向きもされなくなった。」

「そのとき思った。」

「『見向きされるだけでいいや』って。」

「誉められなくてもいいから。」

「私の方を見てほしかった。」

「私の事を見てほしかった。」

「……」

55 : 殺人願望 - 2014/11/03 10:32:34 rJEbQHfY 46/104




「……じゃあさ?殺そうよ!僕のこと!」

「?既に何度も失敗してる…」

「あれは女さんが途中でやめてくれたからだよ。」

「僕が痛いって騒いでもやりつづければ殺せるよ!」

「そうだね…そのノコギリで
  僕の首を切り落とす?さすがに死ぬと思うよ?」

「…なるほど。」

「さっそく開始だね!」

56 : 殺人願望 - 2014/11/03 10:36:40 rJEbQHfY 47/104




一瞬にも永遠にも感じられる時間の中

私はただ、ノコギリを前後に動かしつづけていた。



何が起きたかあまり覚えていない。

目の前には、人のようなものが転がっていた。

少し違うのは、首から上が無いこと。

57 : 殺人願望 - 2014/11/03 10:43:04 rJEbQHfY 48/104

「…もしもし?警察ですか?」

「人を殺しました。」

「住所…どこだろ。○○駅の近くの森林です。」

「…え?名前?女です…」

「……そうですか。わかりました。」

「……」ピッ

「…隠蔽…かー。」

「お父さん…警察署長だったんだね。」

「…怒られるかなあ?」ワクワク…

58 : 殺人願望 - 2014/11/03 10:47:45 rJEbQHfY 49/104

そのあとどうなったか?


まだ見向きしてくれなかったから…





殺しちゃった。






殺人鬼END




59 : 新しい世界へ - 2014/11/03 10:59:40 rJEbQHfY 51/104

>>54から

「…じゃあさ…僕と一緒に違う世界にいかない?」

「…違う世界…か。」

「きっと楽しいよ。」

「……」

「ほら!この崖見てよ!凄く深いし下が岩だから…」

「絶対に助からないよ?」

「……」

「こわい?大丈夫だよ。別の世界への入り口なんだ。」

「そ、ここに立って。下は見ない方がいいかもね。」

「じゃ、せーの。」


タンッ






グシャッ

60 : 新しい世界へ - 2014/11/03 11:08:56 rJEbQHfY 52/104

『速報です。○○市の森林から男女の死体が発見されました。』

『調べたところ、△▽高校の
 男さんと女さんであることがわかりました。』

『現場の状況から、自殺の可能性が高いです。』

『またのちほど、詳しい報告を…』

男父「…こんなニュースでとりあげられやがって…」

男母「…っはあ!メンドクサイ!死んでまで迷惑…」



女母「…自殺?何が不満だったのかしら…」

女父「飯は食わして、金もやってたんだろ?」

女父「私達は何も悪くないだろ。」




別世界END




68 : 以下、名... - 2014/11/07 20:36:26 UHJu8sDk 54/104

>>54から

「……」キュルルル…

「おなかすいたね。」

「よくこの雰囲気で言えたね。」

「KYって言うんだっけ?」

「空気読めない。だね。」

「空気読める。とも言えるね!」

「確かに。」

70 : 以下、名... - 2014/11/07 20:47:44 UHJu8sDk 55/104

「それにしても暗いよね。」

「森だしね。真っ暗だよ。」

「…あ!その変わりに星がキレイだよ!ほらっ!」

「…」チラッ…

夜空を見上げると、確かに星が綺麗だった。
今の季節(冬)の方が星は綺麗に見えるんだって。

「…はー……」ゴロンッ

夜空を見上げたまま寝転がる。

「よいしょっ。」ゴロンッ

「自然って美しいね。」

「周りには森、空には星、近くには底無し崖!自然だね!」

「崖いらないね。」

71 : 以下、名... - 2014/11/07 20:52:10 UHJu8sDk 56/104

「このまんま寝ちゃおー。」

「帰らなくていいの?」

「うーん…今の気持ちのまま帰りたくないかな。」

「ふむふむ……」

「まあ…私も気持ちは同じだけど。」

「女さんも野宿すれば?きっと楽しいよ!」

「そうだねー。楽しくはなさそうだけど。」

「やった!一人より二人のが楽しいはずだしね!」

「ぼっちは辛いね。」

72 : 以下、名... - 2014/11/07 20:59:56 UHJu8sDk 57/104




「寒くないの?」

「なんで?」

「半袖だから。」

「よくわかんない。半袖しか持ってないし。」

「なるほど。」

「女さん寒いの?」

「凍りそう。」

「これ使う?」つ学生服

「持ってたんだ。」

「持ってるよ?」

「着てたとこ一回も見てないからね。」

「暑いしね。」

「異常だねー。」

73 : 以下、名... - 2014/11/07 21:05:03 UHJu8sDk 58/104

とりあえず学生服を布団変わりにする。

「おー、暖かいね。」

「役に立ててよかったよ!」

「じゃー寝るね。おやすみ。」

「うん!おやすみっ!」

まぶたをとじる……






『……じゃあさ?殺そうよ!僕のこと!』

74 : 以下、名... - 2014/11/07 21:07:35 UHJu8sDk 59/104

…なんだろう?


『そのノコギリで僕の首を……』


夢……か。


『さっそく開始だね!』


どうやら夢でも、私は男君を殺そうとしているらしい。

75 : 以下、名... - 2014/11/07 21:09:01 UHJu8sDk 60/104

…あ、死んじゃった?


夢では簡単だけどねー……


このあと私はどうなるんだろう?


……………………

76 : 以下、名... - 2014/11/07 23:04:38 UHJu8sDk 61/104




目を開ける。多分朝だ。

「……」

横を向くと、座りながら空を眺める男君がいた。

「……」

今までに見たことないくらい、真剣な顔をしてる。

「…どーしたの?」

「…あ、おはよ!」パッ

すぐさま、いつもの顔に戻った。

77 : 以下、名... - 2014/11/07 23:08:46 UHJu8sDk 62/104

「…あれ?なんで泣いてるの?」

「…え?泣いてる…?」ポロ…

涙が一粒こぼれ落ちる。

「…本当だ。……なんで…」ポロポロ…

泣いてる事に気づいたら、更に涙が溢れてきた。

「うぅ……ひっぐ………なんで…」ポタポタ…

「悪い夢でも見たの?」

「…わるい…ゆめ………」ポタポタ…

78 : 以下、名... - 2014/11/07 23:25:34 UHJu8sDk 63/104

「…そうかもね……ぐすっ…」ポタポタ…

「どんな夢見たの?話すと楽になるって聞いたことあるよ。」

「…殺しても無駄だった……」

「見向きも…されなかった……」

「虚しさ…悲しさ…怒り…罪悪感…悔しさ………」

「そういうのが…一気に押し寄せてきて……それで…」

「……私は…両親も……殺した…」

79 : 以下、名... - 2014/11/07 23:40:18 UHJu8sDk 64/104

「…夢で良かったね!」

「……?」

「?何で意外そうな顔してるの?」

「……『みんな別の世界に行けたんだ!やったね!』」

「…とか言うのかと思ってた。」

「昨日までの僕なら言ってたかもね。」

「…もしかして、男君も何か夢見たの?」

「わ、鋭いね!」

「でしょ?」

80 : 以下、名... - 2014/11/07 23:51:37 UHJu8sDk 65/104

「そっちはどんな夢?」

「んーとね……飛んだよ。」

「なるほど。わかったよ。」

「ほんとに?」

「そこの崖とか?」

「うん、大正解。」

「私に殺されずに自殺したんだ。」

「二人で飛んだよ。」

「なるほど。」

81 : 以下、名... - 2014/11/08 00:07:12 V95UFvjU 66/104

「…それで、そのあとどうなったの?」

「わかんない。」

「そっか。」

「…で、尚更死にたいと思ったんじゃないの?」

「うーん…逆だね。」

「なんで?」

「…つまんなかった。全然面白くなかった。」

「…それにね、死ぬよりもっと面白いことみつけちゃったから。」

「もっと面白いこと?」

82 : 以下、名... - 2014/11/08 00:14:33 V95UFvjU 67/104

「うん。それはね?女さんにずっと…」

「……え?」











「殺されつづけることっ!」

「…あ、正確にいうと、殺されそうになること!かな?」

「……まあ、君らしいといえば君らしいね。」

…?私は何を期待してたんだろう?

85 : 以下、名... - 2014/11/10 16:05:37 Gl5Bpb0o 68/104

「それで、女さんはこのあとどうするの?」

「このあと?」

「殺人しても無駄だったんでしょ?」

「夢だけどね。…でも、現実でもそうなる気はする。」

「まだ僕を殺す?」

「…どうしようかな。」

「なんかね…私夢で男君を殺したときに…」

「もちろん、罪悪感はあった。
  …でも、それとは別のなにかが…内側からこみあげてきて…」

「その『何か』がなんなのかは…わからないけど…」

「…とにかく…死んでほしくない……」

「…それって……死んだ僕の顔が
  予想以上に気持ち悪かったから…とか?」

「すごい被害妄想だね。」

「それほどでも!」

86 : 以下、名... - 2014/11/10 16:09:26 Gl5Bpb0o 69/104

…ちらり。

腕時計を見ると、その短針は9を指している。

「学校遅刻だねー」

「あ、そっか!平日だったね!」

「まあいいや。今日は休む。」

「僕も休もうと思ってたんだ!気が合うね!」

「いぇーいっ!」パチンッ

87 : 以下、名... - 2014/11/10 16:16:03 Gl5Bpb0o 70/104




「学校サボったことで、怒ってもらえるかなあ。」

「そうなるといいね!応援するよ!」

「男君は怒られる?」

「学校から連絡の電話が入ったら
  『面倒かけやがって…死んでくれよ』って言われるかな。」

「ふむふむ。」

88 : 以下、名... - 2014/11/10 16:23:58 Gl5Bpb0o 71/104

「親と仲良くしたい?」

「仲良く?」

「家族全員笑顔になりたい?」

「うん!」

「じゃあさ、うまくいく確率のほうが低いけど……」

「……!」




「すごいね!面白そうだよ!」

「じゃあ、早速行こっか。」

89 : 以下、名... - 2014/11/10 16:40:05 Gl5Bpb0o 72/104

ピンポーン…

男母「…誰?」ガチャ

「はじめまして。男君の友達の女って言います。」

男母「……あなた、学校は?」

「男君の事が気になったので、休んできました。…男君いますか?」

男母「…?あいつに何があったの?」

「…今週ずっと元気無くて……昨日は特に酷かったんです。」

「いつも一緒に帰ってるのに、昨日はとっくに帰っていたし…」

「それで、今日の朝学校に行ってみたら…いなくて…」

「それで、様子を見に来たんですけど…」

男母「……」

90 : 以下、名... - 2014/11/10 23:15:53 Gl5Bpb0o 73/104

男母「大丈夫。男はさっき夫が病院に連れていったから。」

「…本当ですか?」

男母「…なに?」

「私、さっき嘘つきました。」

「昨日の帰り…本当は男君を追ってたんです…」

「男君が思い詰めた様子で学校から帰るのを見かけたので…」

「そしたら、男君は森に入っていきました。」

「見失っちゃって……それで、次に見つけたときには…もう…」

男母「……え?」

「……」

91 : 以下、名... - 2014/11/10 23:23:22 Gl5Bpb0o 74/104

男母「…それ、本当なの?」

「……」コクリ…

男母「…ふ……ふふ…ねぇ、本当なのよねえ?」

男母「生きてましたとか言わないわよね?」

「…え?はい……」

男母「そう!ふふ、ふふふふ……」

「何で笑ってるんですか?」

男母「…機嫌が良いから教えてあげる。」

男母「あの子はね…もともと産むつもりじゃなかった。」

男母「あの子のせいで高校も中退して…私の人生は狂った…」

男母「いらなかった…いらなかったのよあいつは!」

「…だってさ。」

「ね?僕の予想通りだったでしょ?」

「うん。心配しなかったね。」

男母「!?な…生きてるじゃないの!!騙したのね…!」

92 : 以下、名... - 2014/11/10 23:28:43 Gl5Bpb0o 75/104

「でも、死んでほしいみたいなので…」

「男君には死んでもらおうと思います。」

男母「……?」

「今日はこれです。」つマシンガン

男母「なっ…なんでそんな物を!」

「はい、こう持ってくださいね。」

男母 「!?」

「そして、男君に向けて、ここを押す。」

男母「…はっ!?」カチッ

ダダダダダダダダダダダンッッ!!

「…ぐっ……が…はぁっ…」ポタポタ…

血まみれのまま、立ち尽くす男…

男母「は…ああ…?ええ?な、何が、私が殺し…?」

94 : 以下、名... - 2014/11/18 21:47:59 naAq..YY 76/104

「…」

男母「な……」

「な?」

男母「何てことしてくれたの!私は悪くない…
   あなたよ!あなたが殺したの!
   そう…私は何も悪くない……!」

(ここまでして自分の心配かー)


そのとき、不意に男が口を開く……

「…ぅ…おかあ……さ…」

男母「…!」

95 : 以下、名... - 2014/11/18 21:53:17 naAq..YY 77/104

「…今まで…僕の……こと…」

「嫌い…なのに……育ててくれて…ありが……と…」ニコッ

「……」ドサッ…

男母「……っ…」ズキッ…

「…男君、多分死んじゃいましたね。」

男母「……」

「良かったですね。望み通りになって。」

男母「……ぁ…」

「?」

96 : 以下、名... - 2014/11/18 21:58:42 naAq..YY 78/104

男母「ぁ…ああ…う”あ”あ”あ”あぁぁぁあああ”あ”あっっっ!!!」

頭を押さえ込みながら、
奇声を上げてうずくまる母…

「どうしたんです?」

男母「…ちがう……ちがう…」

男母「…私は…本当は……そう…最初は……」

「……」

男母「なんで……こんな酷い…違うのに……私…」


そのとき


「さてっ、もういいかな!?」ガバッ!!

男母「!?」

「…あーあ。」

97 : 以下、名... - 2014/11/18 22:03:59 naAq..YY 79/104

(計画ぶち壊しだね。)

「…あれ?早かったかな?」

男母「…お、男!生きてるの!?」

「え?うん、多分生きてるよ!」

男母「本当に!?無事なの!?」

そう言って、男を抱き締める母…

「…!?わ、わっ……え?どうしたの?
  もしかして……熱とかある…?」

男母「違うの……ごめんね…今まで本当にごめんなさい……」ポロ…

「…泣いてるの?僕のことで?」

男母「そうよ……本当に良かった…生きててくれて…」

(…状況が飲み込めない。)

98 : 以下、名... - 2014/11/18 22:16:27 naAq..YY 80/104

落ち着いたお母さんは、
男君を嫌っていた理由を話してくれた。

高校生で妊娠してしまい、
家族に相談したときにはもう中絶もできなくなっていて…

親からは縁を切られ、夫(男父)からは何故中絶しなかったと責められた。

それでも、男の事はずっと守っていこうと決めていた…


が、夫からの暴言・暴力が毎日続き……

矛先を男に向けさせて、自分は逃げてしまったのだという。

99 : 以下、名... - 2014/11/18 22:20:11 naAq..YY 81/104

男母「謝って済むことじゃないけれど…本当にごめんなさい…」

男母「私はあなたが大好きだった…なのに、夫が怖くて…夫に賛同してあなたを嫌うフリをしていたら…本当にわからなくなってしまって……」

「……」

「…あはは!僕は幸せ者だね!お母さんに好かれてたなんて!」

男母「男…」

(……)

100 : 以下、名... - 2014/11/18 22:24:14 naAq..YY 82/104

そのあと、銃と血は偽物だとちゃんと説明しておきました。

まあ、本物だったけどねー。



「私が予想してたより、ずっとハッピーエンドだったよ。」

「女さんのおかげだね!ありがとう!」

「それで、このあとどうする?」

「もう決まってるよ!」

「?」

「女さんの家!」

「……え?」

105 : 以下、名... - 2014/11/26 22:47:57 DG87LH0s 83/104

ガチャ

「ただいま。」

女母「あら、お帰りなさい女。」

「…あ、お父さんもいたんだ。珍しいね。」

女父「今日は仕事が早く終わってな。」

「…」


『僕に考えがあるんだ!あのね…』


(本当に大丈夫なのかな…)

106 : 以下、名... - 2014/11/26 22:52:08 DG87LH0s 84/104

「お父さん、お母さん。」

父・母「…?」

「私って…嫌われてる?興味ない…?」

女父「…どうしたんだ?誰にだ?」

女母「学校で何かあったの?」

「…違う……私は…」

「……あなたたちに嫌われてるって…思って…」

女父「…なんでだ?私たちが暴力でもふるったか?」

女母「ご飯だって…つくれないときはお金置いてるじゃないの。」

「……」

107 : 以下、名... - 2014/11/26 23:03:07 DG87LH0s 85/104

「…3回。何の数字だと思う?」

父・母「……?」

「……」

「私が誉められた回数。だよ。」

「転んで泣かなくなったとき。」

「初めて100点取ったとき。」

「一人で留守番できるようになったとき。」

父・母「……」

「全部小学生にもなってないときの記憶。」

「小学生の私は…そんなこと出来て当たり前だったもんね?」

108 : 以下、名... - 2014/11/26 23:07:41 DG87LH0s 86/104

「どんなに良いことをしても…どんなに成績をあげても…」

「何をしても……二人はこっちを見てくれなかった。」

「でも……」





「死ぬ瞬間なら心配してくれる?」ザクッ

父・母「!!」

109 : 以下、名... - 2014/11/26 23:12:04 DG87LH0s 87/104

隠していたナイフを取りだし、手首に深く突き刺す。

「……っ」ズキッ…

そのまま手前にひく…突き刺す…ひく…



パシッ!


手を掴まれた。降り下ろせない……

女父「やめなさいっ!!」

「……!」

110 : 以下、名... - 2014/11/26 23:15:57 DG87LH0s 88/104

今、この瞬間。

対等な立場で私は見られてる。

私に怒ってくれてる。

私を見てくれてる。

私という一人の人間に対して、話しかけてくれている。



価値観がおかしいのは分かってる。

嬉しい。

111 : 以下、名... - 2014/11/26 23:20:32 DG87LH0s 89/104

女父「私たちは……お前にこんなことをさせるまで…追い込んでいたのか…」

女母「お願いだから…自分の身は傷つけないで…」

「……?」

思ってたのと違う反応。

『何馬鹿なことしてるんだ!』みたいな感じで
叩かれて怒られるのかと思った。

114 : 以下、名... - 2014/12/01 00:14:41 QhcjUj8o 90/104

女母「私たちはアナタを嫌ってなんかいないの……」

お母さんの目からは涙がこぼれていた。

「じゃあ…なんで私に無関心なの?私のことが嫌いだから…興味ないからじゃないの?」

女父「無関心……確かに私がしていたのはそう呼ぶべき行為だったな……すまない…」

女父「でもな、女…私たちはお前を嫌っていないし、興味がない訳じゃないんだ。」

女父「…言い訳でしかないが…私たちはどちらも忙しい身だということは女も分かってると思う…」

女父「仕事は早く始まり、遅く終わる……疲れて自分の事で精一杯になってしまっていた……」

女父「もちろん、そんな境遇で子供をしっかり育てている親はいくらでもいる…だからこれは言い訳にしかならない。すまなかった、女…」

「……」

女母「あなたは昔から物覚えが良かったから…なんでも任せられて…」

女母「確かに、『できて当たり前』だと思ってしまっていた…全然誉めてあげてなかったわね…本当にごめんなさい…」

115 : 以下、名... - 2014/12/01 00:25:01 QhcjUj8o 91/104

「…もう…いいよ。私の方こそごめんなさい。急に変なことして…二人に心配かけて…」

女父「女が謝る必要はない…」

女母「…ほら、手首みせて?」

お母さんが小さめの包帯やキズ薬を持ってきた。

「あ、いいよ、自分でやるから…」

女母「…ふふ、子供の頃なんでも女自身にやらさせてた分、今から少しずつ返していきたいのよ。」

お母さんはそう言いながら私の手首に、薬を塗ってくれた。
……よかった、染みないやつだ。

女父「私にできることは……」

女母「…何もないかしらね?」

女父「……」

「……ふふっ。」

こんなに簡単だったなんて……

心の声を表にだすだけで…変わってたんだ。

116 : 以下、名... - 2014/12/01 18:25:04 4ovbA1Go 92/104




「…あ!女さん、どうだった?」

「ばっちり…なのかな?よく分かんないけど…仲直りできたよ。」

「そっか!おめでとう!」

「うん、ありがとう男君。」

「…それで、これからどうするの?」

「これから?」

「もう殺人しないの?」

「んー…殺人が趣味な訳じゃないしなー。」

「そっか…」

117 : 以下、名... - 2014/12/01 18:27:58 4ovbA1Go 93/104

「…?どうしたの?珍しく落ち込んでるね。」

「え?よく分かったね!?」

「顔に全部でてるよ。」

「僕ポーカーフェイスは一番苦手なんだっ!」

「ふむふむ。…それで、何で落ち込んでるの?」

「……」

少しうつむいて考えた後…

118 : 以下、名... - 2014/12/01 18:32:54 4ovbA1Go 94/104

「僕は死にたかった。」

「?」

「女さんは殺人したかった。」

「うん?…うん。」

「そんな奇跡が起こって、僕たちは一緒に行動するようになった。」

「ギブ&テイク…かな?」

「でも、もうその繋がりがなくなっちゃったね。」

「……」

「正直言って僕も死ぬ理由は無くなったしね。」

「お母さんを守っていかないと。」

「繋がり……か。」

121 : 以下、名... - 2014/12/04 20:41:20 CK39BWKY 95/104

「……」

「確かにそういう関係は無くなったけど…」

「私は…あなたとの繋がりが無くなったとは思ってないよ?」

「…え?」

「別に、殺す・殺されるの関係じゃ無くなっても…私は男君と会話するし、なんなら家に遊びに行ったりもする。」

「女さん…」

「まだ色々と知りたいしね。男君のことについて。」

「…僕も女さんと、もっと色々な話がしたい。」

「人と話してて『楽しい』って思えたのは初めてだったから。」

「これが『友達』っていうのかな?」

「ううん!違うよ!」

「?」

「友達以上……『親友』とかかな!」

「親友……」

122 : 以下、名... - 2014/12/04 20:48:22 CK39BWKY 96/104

「…すごいや!今日一日だけで一気に世界が変わっちゃった!」

「つまらなかった世界に色がついて…僕なんかが愛されてて…親友までできた!」

「私も…本当にこんな未来が訪れるなんて思ってなかった。」

「私達には奇跡が起こりすぎてるみたいだね。」

「いつか一気に反動がくるのかもね!」

「ありそうだね。」

123 : 以下、名... - 2014/12/04 20:53:39 CK39BWKY 97/104

そのあとも、くだらない会話を延々と交わす。


どうでもいい話。


…なのに楽しい。矛盾だね。


時間はあっという間に過ぎていく…

124 : 以下、名... - 2014/12/04 20:55:49 CK39BWKY 98/104

「夕日が眩しいね。」

「今の時間帯が、車の事故発生率が一番高いらしいよ。」

「本当に!?気を付けないとね!」

「昨日までなら飛び込みたがってたのにね。」

「死にたくないからね!」

125 : 以下、名... - 2014/12/04 21:00:10 CK39BWKY 99/104

「最初に言った言葉覚えてる?」

「?」

「…あ!思い出したよ!」

「死にたいな…だよね?」

「そう。それ。」

「今じゃ180度逆のこと言ってるよね。」


「生きたいな。」

「人を助けてみたい。」


「……なんてね。」アハハ

「上手い言葉が思いつかなかったなー。」

126 : 以下、名... - 2014/12/04 21:02:56 CK39BWKY 100/104

「…ねー男君。」

「え?何?」

「このあと時間ある?」

「僕はいつでも暇だよ!」

「じゃ…散歩でもしない?」

「…?もちろんいいよ!」

「…」スッ…

「……?」

127 : 以下、名... - 2014/12/04 21:07:42 CK39BWKY 101/104

「死にたくないんでしょ?死なないように守ってあげる。」

「手を繋ぐのと守るのって関係あるn」グイッ


言い終わる前に、私は男君の手を引っ張り歩き出す。


はー…あんな言い回しじゃなくて、正直に言えたらなぁ…


「おっとと…相変わらず早いね!」

「せっかちなのです…ふふっ。」


ま、これから言えるようになっていけばいーよね。




To be continued……

128 : 以下、名... - 2014/12/04 21:12:28 CK39BWKY 102/104

『To be continued』は、
二人の人生はまだ始まったばかり…
的な意味合いだと思ってくだされ。別に続編は書きません。

132 : 以下、名... - 2014/12/04 22:50:30 uq4H9.ls 103/104

おつ
面白かったしいい話だった

134 : 以下、名... - 2014/12/04 23:14:03 oHP99ux2 104/104

二人の未来はこれからも続くって考えると幸せな気持ちになるね

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