37 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 13:28:45.15 O15vRk7DO 1/86

朝倉「キョン君ってば!」

キョン「……お? 朝倉か、おはよう」

朝倉「あ……。お、おはよう」

キョン「何か、朝倉がこんな時間に登校なんて、イメージに合わないな」

朝倉「そ、そうなのよ。ちょっと、遅めに家を出てね」

キョン「そうか」

元スレ
朝倉「キョン君!キョン君!キョン君!キョン君!」キョン「・・・」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1261445272/

38 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 13:36:25.59 O15vRk7DO 2/86

キョン「それより、早く行かないと遅刻だ。こんな時間に来といてなんだが、今日日直だからな、悪いが、先行くぞ」

朝倉「あー。う、うん。わかった」

キョン「じゃな、朝倉も急げよ。いくらお前でも、遅刻したら誤魔化してやんないからな」

朝倉「うん、気を付ける。じゃあね」

39 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 13:41:38.52 O15vRk7DO 3/86

ーーー―――

朝倉「はぁー……」

長門「どうだった?」

朝倉「あ、長門さん……。うん、今日もかわされちゃった」

長門「そう」

朝倉「うーん。喜緑さんのアドバイス通りにやってみてるんだけどなー」

長門「『押して駄目なら引け、とは言いますけれど、押しきってしまえばイケるものですよ』と言っていた」

朝倉「そうよね。でも……」

長門「そう。しかし、彼はその『押す』をさせてくれない」

40 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 13:45:11.71 O15vRk7DO 4/86

朝倉「なんか、段々凹んできちゃったわ……」

長門「大丈夫、元気を出して。貴女は十分、魅力的」

朝倉「長門さん……。うん、ありがとう」

長門「……むしろおかしいのは彼の方」

朝倉「え?」

長門「朝倉涼子が、あんなに話しかけているというのに、あのそっけない態度がそもそも有り得ない」

42 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 13:51:59.69 O15vRk7DO 5/86

朝倉「長門さん……?」

長門「朝の挨拶を交わす位置やタイミング、その後のさりげない歩幅の調整まで、朝倉涼子はほぼ完璧だった。なのに日直などを優先させるとは、許しがたいこと」

朝倉「な、長門さーん?」

長門「朝倉涼子の遅刻の心配は良かったものの、一緒に遅刻するくらいがむしろベストだったのに、彼は全く、何もわかっていない」

朝倉「えーっと……」

43 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 14:05:36.51 O15vRk7DO 6/86

長門「そろそろ男性として、むしろ人類として、まともなコミュニケーションを営む気があるのかを問い詰める段階まできている」

朝倉「いや、なにもそこまで……」

長門「甘やかすからいけない」

朝倉「でもあたしとしては、あんな事までしたのに彼が話してくれてるってだけで十分感謝すべきなんじゃ……」

長門「そんな考えでは、押す前から引いているようなもの」

朝倉「なんか今日の長門さん、キツい……」

44 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 14:11:32.15 O15vRk7DO 7/86

長門「でも、貴女の言うことも十分あり得る」

朝倉「って言うと?」

長門「彼は貴女に壁を感じている可能性がある」

朝倉「そうよね。っていうか、それが普通なんじゃないかしら、有機生命体としては」

長門「もしそうだった場合、まずはそれを払拭しなければならない」

朝倉「でもそれって、あんまり簡単な事じゃないわよね……」

50 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 14:57:25.65 O15vRk7DO 8/86

長門「大丈夫。私に考えがある」

朝倉「本当?」

長門「任せておいて、悪いようにはならない」

朝倉「長門さん」

長門「……と思う。多分」

朝倉「え」

51 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 15:05:54.55 O15vRk7DO 9/86

ーーー―――

キョン「さて、と。日誌もつけたし、ようやく日直仕事から解放か……。あとは、と」

長門「……」

キョン「ん、長門じゃないか。ウチの教室に何か用事か?」

長門「そう」

キョン「そか。朝倉辺りか? でも、見ての通り、もう教室には俺だけだし」

長門「違う。用があるのは貴方に」

キョン「え、俺?」

長門「そう。ちょっと、ツラを貸して」

52 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 15:09:20.49 O15vRk7DO 10/86

キョン「……ん? 長門さん?」

長門「齟齬。正しくは、一緒に来てほしい」

キョン「ああ、そうだよな。びっくりした」

長門「そう」

キョン「うん。しかし、一緒に行くのは構わんが、今日の団活は」

長門「中止。もとい、全員既に帰った」

キョン「そうなのか。日誌に時間かけすぎちまったな」

53 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 15:20:12.35 O15vRk7DO 11/86

長門「それじゃあ、こっち。来て」

キョン「ああ、わかった」

---―――

キョン「で、だ」

朝倉「う、うん」

キョン「これは一体、どーゆー事だ」

54 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 15:25:03.80 O15vRk7DO 12/86

長門「諦めるべき。どうせ結果は同じ」

キョン「いやいや、文芸部室に入った瞬間にす巻きとか、おかしいだろ」

長門「こうでもしないと、また逃げる」

キョン「またってなんだ、またって。そんなに言われるほど何かから逃げた覚えもないぞ」

長門「自覚なし。最早、処置無し」

キョン「何か怖いぞ、長門」

55 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 15:34:10.26 O15vRk7DO 13/86

キョン「朝倉も、なんか言ってくれ。その狼狽えっぷりを見ると、お前も連れてこられたみたいだし」

朝倉「うん、そうなんだけど。長門さん、そろそろ何か教えてくれない?」

キョン「あと、せめて手はほどいてくれないか。痺れてきた」

長門「その要求に答えるのも、やぶさかではない」

キョン「じゃあ」

58 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 16:30:35.62 O15vRk7DO 14/86

長門「ただし」

キョン「なんかあんのか」

長門「簡単な事。朝倉涼子に関する、貴方の評価を聞かせてほしい」

朝倉「な、長門さん!?」

キョン「評価?」

長門「そこまで大袈裟なものでなくて構わない。個人的にどんな印象を抱いているか程度で」

59 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 16:48:31.36 O15vRk7DO 15/86

キョン「印象、ねぇ……」

長門「そう」

朝倉「……」

キョン「じゃあまず……ウチのクラス委員長だよな」

長門「そう」

キョン「だから、って訳でもないだろうけど、面倒見はいいし。まぁ、残念ながらハルヒにはあまりウケがよくないみたいだけど、まぁ、それはそれだ」

60 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 16:59:20.25 O15vRk7DO 16/86

長門「続けて」

キョン「理由はどうあれ、大体笑顔だよな、イヤミでなし。気配りも大分……って、これは面倒見と同じか」

朝倉「キョン君……」

キョン「で、ナイフが似合う、と」

朝倉「」

61 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 17:03:09.85 O15vRk7DO 17/86

長門「……」

キョン「な、何だよ。極力素直に言ったつもりだぞ」

朝倉「」

キョン「そ、それでも、あれだ。そこまで悪い印象じゃないから。な?」

朝倉「……え」

長門「……概ね、好印象ということ?」

65 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 17:13:41.67 O15vRk7DO 18/86

キョン「そんな悪し様には言ってないつもりだったが。ナイフで襲われたのは事実だが、歩みよってくれる以上、拒否する理由もないからな」

朝倉「キョン君……」

キョン「それになんか、キョン、って呼び始めたのもその辺の意気込みみたいなもんだろ? 確かに、あなた、じゃ距離感じるもんな」

朝倉「……いきなりあだ名で呼び始めたから、嫌がられてるかと思ってた」

キョン「それだったら、そう言うさ。まぁ正直、朝倉が俺をあだ名で呼ばない最後の砦みたいなところもあったんだけど、事情が事情だしな」

66 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 17:24:50.00 O15vRk7DO 19/86

朝倉「……長門さん」

キョン「そんな訳だ、長門。何か心配してくれたっぽいが、俺は朝倉を嫌ってなんかいないぞ」

朝倉「長門さんのお陰で、なんだかスッキリしたわ。そうよね、喜緑さんや、長門さんの言う通り、及び腰で無闇に怖がってちゃ、お互いの本音なんか見えないわよね」

キョン「さて、長門。それじゃあ、さっさとこの拘束を解いて……」

長門「……」

67 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 17:25:55.05 O15vRk7DO 20/86

朝倉「……長門さん?」

キョン「……長門?」

長門「……い」

朝倉キョン「へ?」



長門「薄い」

68 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 17:41:07.12 O15vRk7DO 21/86

朝倉「長門さん? 何を言って……きゃあっ!?」

キョン「朝倉っ!?」

朝倉「ちょっ、長門さん!? なに、なんなのっ!?」

長門「薄い、薄すぎる」

朝倉「だから、なんの事を……逃げないから、後ろから羽交い締めるのはやめてよっ!」

70 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 18:07:08.05 O15vRk7DO 22/86

キョン「落ち着け、長門、どういう意味だ。てか、いいからこれ、解いてくれ」

朝倉「そうよ、話しは聞けたんだから、拘束を」

長門「まだダメ。彼はまだ朝倉涼子の事を十分わかっていない」

朝倉「へ?」

長門「朝倉涼子を甘く見ないで。彼女はまだまだ、そんなものじゃない」

71 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 18:14:42.54 O15vRk7DO 23/86

キョン「いや、甘くもなにも、そもそも見くびった覚えがないんだが」

長門「それが甘い。いいから、聞くべき。私が彼女の持つポテンシャルを余す所なく伝える」

朝倉「や、長門さん? だから腰にしがみつくの、やめてくれないかな」

長門「まず」

朝倉「無視ですか」

72 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 18:26:12.41 O15vRk7DO 24/86

長門「まず、一般女子高生の平均に比べ、若干高いこの身長」

キョン「ふむ」

長門「しかし主張しすぎることもなく、ギリギリのところで収まった高さは、相対する誰にも劣等感や圧迫感を与えることもない、実にベストな高さと言える」

キョン「まぁ、確かに男子の平均身長よりは少しだけ低いしな」

長門「個人的見解を述べさせてもらえば、何より彼女のスッキリとした性格をよく表している高さだと思う」

朝倉「長門さん。ホントに逃げないから、そろそろ離して……」

長門「余談だけれど、平均より少し低めの私がしがみつくには、実に丁度良い高さ」

朝倉「聞こえてるんなら、離してよ……」

75 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 19:02:28.61 O15vRk7DO 25/86

長門「次に造作」

キョン「造作に関しちゃわかってるつもりだが。ぶっちゃけ、間違いなく美人のカテゴリーに入るよな」

朝倉「えっと、そう本人を前にストレートに言われると流石に……」

キョン「……あー、なんだ、その。他意はないんだ。俺は率直な感想をだな」

朝倉「えっと、うん。わかってる。うん、わかってる」

キョン「……」

朝倉「……」

76 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 19:05:41.19 O15vRk7DO 26/86

長門「ストロベリってないで聞くべき。美人、なんて一言で片付けることは、語彙の少ない統合情報思念体ですら許さない」

朝倉「別に、そんな、あたしはっ。っていうか、ホントにそろそろ離して」

キョン「何より、そもそも思念体はお前らの上役じゃ」

長門「二人共に黙るべき。優先事項を間違うべきではない」

朝倉キョン「いや、でも」

長門「黙るべき」

朝倉キョン「……はい」

77 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 19:19:40.29 O15vRk7DO 27/86

長門「安心して。ヒューマノイドインターフェースの威信にかけて、情報の伝達に齟齬など発生させない」

朝倉「なんか、今日の長門さん……」

キョン「ああ。なんか怖いな。正座せざるを得ない雰囲気と言うか……まぁ、す巻きにされてんだけど」

朝倉「ごめんね。なんか、解いてあげられない雰囲気」

キョン「いや、いいさ。寝転がってる方が楽だし」

長門「話を元に戻す。聞いて」

キョン「あいよ」

80 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 20:25:23.42 O15vRk7DO 28/86

長門「まず、髪から」

キョン「綺麗だよな、長いし」

長門「そう。彼女の最たる魅力の一つ。わかっていてくれて嬉しい」

キョン「個人的な好みで申し訳が、ポニーテールも似合うし」

長門「ポニーテールが似合うのと、髪の長さはまた別問題」

キョン「あれ、そうか?」

長門「そう。しかし、貴方にとって結わえる長さの髪というのが加点対象であるなら、それはそれで喜ばしいこと」

82 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 20:38:22.14 O15vRk7DO 29/86

長門「なによりこの髪、長いだけではない。こんな風に掬うと」

朝倉「ひゃっ!?」

長門「零れるように落ちる艶やかさ。手で鋤いても、ほとんど引っ掛かる事もない。これもまた、彼女のマメさをよく表しているとも言える」

キョン「長門が推すだけある、手間のかかってる部分って訳だ」

長門「そう。繰り返すけれども、最たる魅力の一つ。私が最も好感を持つ部位、と言い換えても良い」

83 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 20:41:54.67 O15vRk7DO 30/86

長門「更には、どんどん寒くなるこの時期にあって、静電気とも無縁。化粧品の広告塔にすらなりえる」

朝倉「長門さんの髪だって十分に綺麗じゃ」

長門「そして時折、このように混じる枝毛も、またチャームポイント」

朝倉「え、うそうそ、どこっ!?」

長門「ここ。ハサミはここに。使って」

朝倉「あ、ありがと」

84 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 20:49:40.94 O15vRk7DO 31/86

キョン「いや、枝毛の一本や二本、そんなに慌てて切らなくてもいいだろ。誰にだってあるもんだろうし」

朝倉「放っておくと時々、長門さんが裂いて遊ぶのよ。だから、気付いた時には切っておくようにしてるの」

キョン「長門……」

長門「色々余ると憎くなる時だって、ある」

朝倉「あんまり無くすとつまらなそうだから、時々は残すんだけど。わかってくれた?」

キョン「ああ、大いに納得した」

87 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 21:05:42.96 O15vRk7DO 32/86

長門「話を続ける」

朝倉「それもいい、っていうか、あんまり良くもないのが本音なんだけど、なによりの要求はそろそろ離して欲しかったり……」

長門「拒否する。ぬくい」

朝倉「そーですか……」

キョン「諦めよう、朝倉。俺のす巻きも解かれないし、話を進める方が建設的だ。長門、次は?」

長門「髪の次といったら、もちろん、目鼻立ち。顔全体」

90 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:00:58.27 O15vRk7DO 33/86

長門「貴方が言っていたポニーテール。髪ももちろんの事、輪郭もまた、外せない要素の一つ」

キョン「髪をたくしあげるからか。その辺りが露になるんだな」

長門「その通り。真に極めようとすれば、頭蓋の形からの努力が望ましい」

キョン「なるほどな」

朝倉「や、どーしろと」

長門「貴女は問題ない。安心して」

朝倉「うん。ありがと……?」

92 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:11:34.49 O15vRk7DO 34/86

長門「では、本番」

朝倉「骨組みすら解説されて、本番もなにも……」

長門「まず、目」

朝倉「聞いてよ……。ついでに離してよ」

長門「少し吊り気味の雰囲気が、何より朝倉涼子のブレない芯の強さを表していると言える」

キョン「ウィンクも上手いよな、朝倉」

長門「そう。あのように綺麗に片目だけ瞑るのは、実に難しい」

93 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:16:44.97 O15vRk7DO 35/86

長門「そして、スッと通った鼻、あの髪から覗く耳、慎ましく収まった唇。そして……」

キョン「そして? なんだ長門、いやに溜めるんだな」

朝倉「うう……」

キョン「朝倉?」

長門「そう、そして」



長門「少し特徴的な眉毛」

96 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:20:55.70 O15vRk7DO 36/86

朝倉「ああぁぁぁぁー! やっぱりぃぃぃぃーーっ!」

キョン「わっ、あ、朝倉っ!?」

朝倉「やっぱり、やっぱりぃ! 長門さん、やっぱり言ったぁ!」

キョン「落ち着けっ、落ち着け、朝倉っ!」

朝倉「もう! 離せ、離せぇ、長門さんめ! 嫌な予感はしてたのよ、言うんじゃないかって!」

長門「落ち着いてほしい、朝倉涼子」

100 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:29:44.98 O15vRk7DO 37/86

朝倉「落ち着いていられますか! 何よ、長門さんってば、人の嫌な事はするなって教わったでしょう!?」

長門「落ち着いて。その認識が間違っている」

朝倉「どーゆー事よ」

長門「それはマイナスなどではない」

キョン「っつーと? まぁ、俺もとりたてて変だと思ったこともないが」

102 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:40:37.05 O15vRk7DO 38/86

長門「考えてもみてほしい。朝倉涼子は、ただでさえスッキリとした外見。そして、先程も言ったように顔を形作るパーツからはシャープな印象を受ける」

キョン「まぁ、確かに」

長門「何より、それ等にそった性格をしている」

キョン「委員長気質だよな」

長門「さもすれば、冷たい、まではいかないまでも、尖った雰囲気くらいは感じる場合もあるかもしれない」

103 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:50:22.15 O15vRk7DO 39/86

朝倉「……そんな風に見える?」

長門「ものの例え。少なくとも私にはそんなイメージはない」

キョン「俺は昔からの事なかれ主義だからか知らんけど、委員長って言葉には、確かにカッチリしたイメージはあるな」

長門「そう。しかし、貴女にそんな第一印象を抱く人間は少ないと思われる」

朝倉「……それが?」

105 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 22:59:07.55 O15vRk7DO 40/86

キョン「なるほど」

長門「嫌がるようだからあまり口にはしないけれど、貴女のそれは貴女のそのイメージを柔らかいものにするのに一役かっていると言える」

朝倉「……そうかしら?」

長門「そう。凛々しい見た目を調整する、絶好のバランサーと言ってもいい。とても愛嬌があると、私は思う」

朝倉「むぅ……。丸め込まれた気がするんだけれど」

長門「そんな事はない。貴女の感情表現をわかりやすくしている。とても良いこと」

108 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:08:34.15 O15vRk7DO 41/86

朝倉「それにしても、詳しく解説されてもそれはそれで……」

長門「何故」

朝倉「……長門さんの本気の目が、また尚更」

キョン「腰に巻き付いてる状態だから、また一段となんだな」

109 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:09:47.84 O15vRk7DO 42/86

長門「とにかく、これで朝倉涼子の造作に隙がないのはわかってもらえたと思う」

キョン「随分なご高説だったし、長門の熱意も十分に伝わったぞ」

長門「そう。なにより」

朝倉「それじゃあ、そろそろ……」

長門「では、次は体型」

朝倉「まだやるのぉ!?」

112 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:18:15.45 O15vRk7DO 43/86

長門「無論。止める理由が見つからない」

朝倉「うぅぅ……」

キョン「す巻きでなければ、慰めてもやれたがな」

長門「さて、改めて。次は体型。朝倉涼子のそれを称するに、あえて、スタイル、と言わせてもらう」

キョン「まぁ、それはどっちでもいいんじゃないか」

長門「そうかもしれない。でもこれは私なりの敬意」

114 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:24:32.62 O15vRk7DO 44/86

キョン「敬意ときたか」

長門「そう。さて、朝倉涼子」

朝倉「……なに」

長門「貴女はこれから四回、『離して』と言っていい」

116 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:26:43.19 O15vRk7DO 45/86

朝倉「え?」

長門「『四回』。覚えておいて。『四回』、『離して』と言っていい」

朝倉「よくわからないけど、四回なのね?」

長門「そう。大事なこと。では始める」

朝倉「始め? そんなに気合いを入れること――んゃあっ!?」

キョン「!?」

117 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:37:46.56 O15vRk7DO 46/86

長門「先程からの例に乗っ取り、上から順に説明していく。まずはバスト」

朝倉「ちょっ、長門さんっ!? やっ、やだっ!」

キョン「長門……お前、まさか」

長門「そう。ずっとしがみついていたのは、この為もある。戦況とは常に、先を読むべきもの」

118 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:44:17.02 O15vRk7DO 47/86

キョン「異常な執着だなと思ったら……」

長門「勘違いしないでほしい。個人的欲求も、多分に含まれている」

キョン「威張って言う事なのか、それは」

朝倉「その辺の話はどうでもいいから、とりあえず服の下から手を抜いてよ、長門さんっ! 『離して』っ!」

長門「『一回』」

119 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:51:26.63 O15vRk7DO 48/86

長門「続ける」

朝倉「長門さ、んっ! ちょっと、怒るわよっ!」

キョン「……今だけは縛られててよかったと思う。心底」

朝倉「キョン君もっ!」

キョン「や、すまん、朝倉。俺は暫くこのままにしといてくれないか、マジで」

120 : 以下、名... - 2009/12/22(火) 23:55:34.76 O15vRk7DO 49/86

朝倉「もうっ! ぃ、やあっ!」

長門「さて、朝倉涼子には健康的な色気が備わっている、という点で異論は?」

キョン「今現在が恐ろしく艶かしい時点で、異議を唱えようもないが」

朝倉「だ、からぁっ! んくぅっ!」

長門「そう。なにより、朝倉涼子は着痩せするタイプ……っ!?」

122 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:01:33.80 z+8Zfww6O 50/86

長門「……!」

朝倉「はぁっ……。な、長門さんっ……?」

キョン「……長門?」

長門「……増えている」

キョン「……はぁ?」

朝倉「!」

長門「明らかに、以前より増している……!」

123 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:06:39.86 z+8Zfww6O 51/86

朝倉「気のせいじゃないかな……?」

長門「私が間違えるとは思わない。確信を持って言える」

朝倉「や、あのね? えっと、今日はちょっと厚めの生地のを着けてきてるから、それのせいじゃないかなって……」

長門「それは計算済み。私にはわかる」

キョン「それ以前に、なんで長門は朝倉の以前のサイズを知ってんだ」

125 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:14:38.44 z+8Zfww6O 52/86

長門「主流派は、やはりどこかおかしい……」

キョン「な、長門……?」

朝倉「長門さん?」

長門「こんなもの、一部の嗜好しか、得をしないのに……っ!」

朝倉「そんな。長門さんには、長門さんの良さが」

長門「……」

朝倉「長門さ……んっ!?」

長門「ともあれ、今は朝倉涼子のPR。続ける」

朝倉「もー! 『離して』よっ!」

長門「『二回』」

126 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:21:09.02 z+8Zfww6O 53/86

長門「ススッと降りて、ウェスト」

朝倉「長門さんっ! 離して、離して! ほら、これで四回よ! もういいでしょ!?」

長門「ダメ、連続は認められない。今のは一回としかカウントしない」

キョン「流石に哀れになってきたな」

朝倉「だったら!」

キョン「ボンレスハム一歩手前に何をしろと」

朝倉「もうーっ!」

長門「やはり、見事に引き締まっている。練磨された技術による、陶芸を思わせる曲線」

129 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:27:40.87 z+8Zfww6O 54/86

朝倉「このっ! だからそろそろ『離して』って……にゃあぅっ!」

長門「『三回』。更に降りてヒップ」

キョン「長門」

長門「なに」

キョン「……俺はひょっとして、お前が朝倉にセクハラしたいだけなんじゃないかと思い始めたんだが」

長門「ヒップ」

キョン「わざとらしいな、オイ」

133 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:39:10.58 z+8Zfww6O 55/86

長門「さて、先程のウェストとは対象的な、それでいて共通項も多く見いだせる曲線の、理想的な安産型。出るところは出て、引っ込むところは引っ込む。正直なところ、軽い嫉妬を禁じ得ない」

キョン「上役への不満からたっぷり嫉妬が滲んだようだったが、気のせいか」

長門「それでいて健康的である朝倉涼子のこの体の誘惑を前に、健全な男子高校生がそれを振り切るのは何か異常があるとしか思えない」

キョン「全く、そうだな」

長門「……としか思えない」

キョン「ん? いや、全くその通りだと思うが。す巻きにしておいてもらって、良かったと思ってるぞ」

長門「……そう」

朝倉「いいから『離して』ーっ!」

135 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:45:46.10 z+8Zfww6O 56/86

キョン「お」

朝倉「ほら、長門さん! 『離して』よ! 四回言ったってば、離してよぉ!」

長門「イヤ」

朝倉「……え?」

長門「イヤ。拒否する。従わない」

朝倉「だ、だって、長門さん。四回言ったらって……」

137 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 00:53:18.70 z+8Zfww6O 57/86

長門「四回言ったらどうするとは一言も言っていない。確かなのは、私が朝倉涼子のスタイルに敬意を払っているということだけ」

キョン「……良いように遊ばれてるなぁ……」

朝倉「ちょっとっ! それはズルいんじゃ……きゃあぅっ!?」

長門「どちらにせよ、これで最後。更に下った大腿部」

138 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:03:38.94 z+8Zfww6O 58/86

長門「健康的な色気、という語彙を使う場合、絶対外せないのが大腿部と言える」

朝倉「ふっ……くぅ。な、んか、もう、諦めたわ。早く、終わらせてよね……?」

長門「善処する。……さて、逆説的に健康でありさえすれば、この部位にある程度の艶が出るのは必然とも言える。現に私も、大腿部にはいささかの自信がある」

キョン「確かに長門のも見事だな」

長門「……」

キョン「ん、なんだ?」

長門「そんな相槌は打たないと思っていた」

142 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:07:39.28 z+8Zfww6O 59/86

キョン「宇宙パワーによるす巻きをされてるからな。人畜無害の体現みたいなもんだから、忌憚のない意見を述べただけだ」

長門「誉められて悪い気はしない。……感謝する」

キョン「いやいや。……でも時々いるよな。風が吹いたら折れんじゃないか、ってくらい細いの」

長門「あの努力も認めない事はない。彼女らには彼女らなりの苦労があるのもわかる」

キョン「ほう」

長門「しかし、生きていく上で、健康である、ということはとても大切な事。そういった意味で、私という個体は、彼女らに魅力を見いだす事は難しいと思わざるをえない」

144 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:19:36.16 z+8Zfww6O 60/86

キョン「長門……」

朝倉「長門さん……」

キョン「それで、朝倉の太も――もとい、大腿部に手を這わせてなきゃあ、もっと様になったし、納得もしたんだがなぁ」

長門「その通り。その点、朝倉涼子の大腿部は、そのサイズ、反発力、瑞々しさ、キメ、寝心地。どれを挙げても頭一つ抜けた評価を与えるに余りある――」

朝倉「どの通りよ! ってか、結局それかぁっ! いやぁぁあーーっっ!」

キョン「……寝心地?」

146 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:27:54.59 z+8Zfww6O 61/86

ーーー―――

朝倉「うっ……ううう……」

長門「……堪能した」

朝倉「……どういたしまして……ぐすっ」

キョン「最終的には完全にセクハラの手付きだったな。長門のそれは」

長門「やはり、朝倉涼子のボディの産みの親たる情報統合思念体急進派、及び、それの更なるアップグレードを今もって怠らない朝倉涼子本人は、とても優秀」

キョン「今、このタイミングで、長門がボディとかいうと、作為的にしか感じられないんだが」

147 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:34:31.26 z+8Zfww6O 62/86

キョン「あぁ……それにしても肩がこった……」

長門「申し訳なかったと思っている」

キョン「いや、構わん。逃げる云々はよくわからんが、す巻きで助かった面があることも確かだ」

朝倉「うぇぇ……キョン君~……」

キョン「ああ、朝倉。もう拘束もないし、慰めてやれるからな。よしよし、可哀想に」

朝倉「ひーん……ぐすっ」

長門「……」

キョン「よしよし、よく頑張ったな……ん、長門?」

148 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:39:10.19 z+8Zfww6O 63/86

長門「……私の胸は、朝倉涼子の為ならばいつでも空いている」

朝倉「……少なくとも、今はイヤ」

キョン「……からかってやるんじゃありません」

長門「ジョーク」

キョン「ならいいが」

長門「ところで……」

キョン「ん?」

長門「そうやって、朝倉涼子を抱きすくめて、何か感じ入ることは無い?」

150 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:44:23.45 z+8Zfww6O 64/86

キョン「……流石に何が言いたいかはわかるがな、今の状態の朝倉をどうこうするほど、俺は人でなしでも常識はずれでもないつもりだぞ」

長門「仮に、どうこうできたとしても?」

キョン「しても」

長門「さっきまでの話を聞いていても?」

キョン「聞いていても、だ」

長門「……そう」

152 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:49:27.89 z+8Zfww6O 65/86

朝倉「キョン君……」

キョン「全く。時々、ブッ飛んだ事を考えやがるんだから……」

長門「……貴方にもう一つだけ聞きたいことが」

キョン「なんだ?」

長門「貴方は、女性に対してきちんと魅力を感じる?」

キョン「んなっ!?」

154 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 01:58:30.98 z+8Zfww6O 66/86

キョン「長門、いきなり何を……」

長門「喜緑江美里が言っていた。『押して駄目なら引け、とは言うけれど、押しきってしまえばイケるもの』と」

朝倉「な、長門さんっ!?」

長門「確かに、貴方は易々と押させてはくれない。しかしこれまで朝倉涼子は、様々なベクトルからアプローチを試みたはず。ならば、それは貴方の嗜好に何か、一般と解離があるとしか……」

キョン「……アプローチ? なんの事だ?」

161 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:06:58.89 z+8Zfww6O 67/86

長門「気付いていないとは言わせない。確かに、朝の挨拶程度ならともかく、他にも……」

キョン「いや、本当に。なんの事か、さっぱりなんだが……」

長門「それを言い訳にするつもりならば、いくら貴方と言えど看過できない。放課後のクラス委員の手伝い、下校時に朝倉涼子と鉢合わせた回数、etc.etc...。ここ一月ほどの間、それらが増えているのは、明らかにわかる事……」

キョン「……?」

163 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:10:10.94 z+8Zfww6O 68/86

長門「……」

キョン「……」

長門「……朝倉涼子」

朝倉「はいぃっ!?」

長門「簡潔な説明を求める」

朝倉「いや、えっと。だって……」

165 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:20:14.07 z+8Zfww6O 69/86

長門「……喜緑江美里に頼んで、委員の仕事を多少増やしてもらったはず」

朝倉「いざ、手伝ってって言おうとしたら、慌ただしく出ていっちゃうことがほとんどで。授業後だったし。何より、やってみたらあたし一人で出来ちゃったし」

長門「私が放課後、彼を引き留めて、時間を調整した後に送り出した時は?」

朝倉「……校門の陰から出るタイミングを逸しまして……」

長門「……刺しに呼び出す事は出来るのに、声をかけるのを躊躇う、というのは、一体どういう事……?」

朝倉「……ごめんなさぁいっ!」

166 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:24:07.86 z+8Zfww6O 70/86

キョン「あー……えーっと?」

長門「完全にこちらの落ち度。許してほしい」

キョン「うん。いや、なんだかよくわからんのだが、とにかくあんまり朝倉をいじめてやるなよ?」

長門「善処したいと思う。出来る限り。努力の出来る範囲では」

キョン「そこはかとなく、不安ではあるが。まぁ、いい……のか?」

長門「いい」

167 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:27:38.99 z+8Zfww6O 71/86

キョン「で、ともかく、俺は帰ってかまわないんだな?」

長門「手間をとらせてしまって、本当に申し訳ない。ただ、貴方にしがみついたままの朝倉涼子は、置いていってもらう形になる」

朝倉「……うぅっ」

キョン「いや、もとより持ち帰る気はないが……」

168 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:30:59.58 z+8Zfww6O 72/86

---―――

キョン「じゃあな。朝倉、長門」

長門「じゃあ」

朝倉「うぅぅ……じゃあね」

キョン「……それにしても、何だな」

長門「なに?」

キョン「いや、お前らがそうやって仲が良いと安心するな、ってな」

169 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:34:49.11 z+8Zfww6O 73/86

長門「そう?」

キョン「ああ、そうともさ。同郷、ってのとはちょっと違うかもしれないけど、何となく、な」

長門「……私にも」

キョン「ん?」

長門「私にも、その感覚はわかる気がする」

キョン「そうか」

171 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:39:39.78 z+8Zfww6O 74/86

長門「だからこそ、朝倉涼子と貴方にも、もっと仲良くなってもらいたい」

朝倉「それは、あたしからもお願いしたいんだけど……」

キョン「あー、拒否する理由は一つも無いんだが……だからといって、また今日みたいなやり方は勘弁してやってほしいと言うか……流石に朝倉が哀れだし」

長門「……本心?」

キョン「や、色々と眼福があった、ってのは否定しませんけどね」

174 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:46:00.18 z+8Zfww6O 75/86

キョン「ただ、また巻かれるのもイヤだしな。うん、一応、拒否させといてもらうかな」

長門「そう。……まだ伝えきれていない事はたくさんあるのだけれど」

朝倉「だから、長門さん……!」

キョン「ほらほら。朝倉が身構えてるから、また今度な」

175 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 02:59:14.56 z+8Zfww6O 76/86

キョン「さて、それじゃあ改めて」

長門「そう、改めて。……あとは、わかいひとどうしで、ということで」

朝倉「え、長門さん?」

キョン「長門?」

長門「覚えておいて。今日の事はいささか失敗と言わざるを得ないけれども、いずれ朝倉涼子による、第二、第三のアプローチが」

キョン「いやいや、何言ってんだ、長門」

176 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:04:32.76 z+8Zfww6O 77/86

キョン「お前は一緒に帰らないでいいのか?」

長門「私も、ヒューマノイドインターフェース。仕事は、特に自ら課した仕事は、実行しなければ気が済まない」

キョン「また、堅苦しい言い方を」

長門「本来の目的はあまり果たせなかったと言え、それに対するリカバリーは試みたい。……それに、話し合うのは帰ってからでも出来る」

朝倉「あ、あはは……」

177 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:08:17.15 z+8Zfww6O 78/86

長門「だから、今日は二人で帰ってほしい。私は先に帰っている。……だから、朝倉涼子」

朝倉「……なぁに?」

長門「多少帰りは遅くなっても構わない。夕飯も、今日は一人分しか作らないかも知れな」

朝倉「長門さんっ!」

長門「それじゃあ、先に帰っている。……彼女を、そして、彼をよろしく」

178 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:09:56.81 z+8Zfww6O 79/86

長門「くれぐれも、二人仲良く」

---―――

朝倉「全く、長門さんめぇ……」

キョン「好き勝手、言っていったな……」

朝倉「そうね」

179 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:11:25.41 z+8Zfww6O 80/86

キョン「えーっと……」

朝倉「……うん」

キョン「……」

朝倉「……」

キョン「……第二、第三のアプローチが、あるのか?」

朝倉「……あるらしいわね」

180 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:13:56.69 z+8Zfww6O 81/86

キョン「……具体的に、どんなのかわかってると、心の準備もしやすいんだが」

朝倉「……うん。えーと、ね」



キョン「……まぁ、何だな。とりあえず、だ」

朝倉「……なに?」

181 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:14:56.69 z+8Zfww6O 82/86






キョン「一緒に、帰るか?」

朝倉「――ええ、喜んで」


187 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:49:03.02 z+8Zfww6O 83/86


【ちょっとおまけ】



長門「……迂闊」

喜緑「どうしました?」

長門「彼に、朝倉涼子の家事能力の高さをアピールし忘れた」

喜緑「あらあら、それはなんとも。長門さんらしくありませんね」

長門「迂闊」


188 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 03:52:14.42 z+8Zfww6O 84/86


長門「朝倉涼子の料理は、特におでんは実に美味しい」

喜緑「同感ですね」

長門「私の性別設定が男性なら、長門涼子、あるいは朝倉有希として高校に通っているレベル」

喜緑「あらあら。でも、まだその設定年齢では婚姻はいささか難しいのでは?」

長門「拐う。もしくは、婿入りする」


189 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 04:00:01.69 z+8Zfww6O 85/86


喜緑「あら。あ、長門さん、お茶のおかわりはいかがですか?」

長門「喜緑江美里、話の腰を折るべきではない。……いただく」

喜緑「はい、どうぞ」

長門「感謝する。……それでは」

喜緑「はい、改めまして、次のプランをですね。まずはこんなのを……」

長門「とても良い。しかし、これはこの様に……」

喜緑「……、……」

長門「……。…………」


190 : 以下、名... - 2009/12/23(水) 04:02:32.43 z+8Zfww6O 86/86


今度こそ、おやすみなさい。


記事をツイートする 記事をはてブする