関連
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート1】
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート2】
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート3】
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート4】
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート5】


元スレ
垣根「アンタが好きだよ、固法」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320833059/

10 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:04:42.80 i1EeBlcm0 602/694

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  同日  14:17 ショッピングモール一階・メインストリート

固法「あなた……」

心理「『どうして垣根さんのことを知ってるの?』って顔ね。
   そうね…………昔の知り合い、とだけ言っておこうかしら」クスクス



―――おかしい。何もかもが。

――何故この子は私の名前を知ってるの?

――――そしてどうしてこのタイミングで垣根さんの名前が出てくるの?

少女が垣根の名前を口にした瞬間、固法は自分の中の警戒レベルをMAXまで引き上げる。

心理「あぁ、安心してちょうだい。あなたが考えてるような関係ではないから」

固法「………………」

心理「まぁ、あの人も全てをあなたに話しているワケじゃなさそうね」

そう言ってドレスの少女は一呼吸置いたのち、





心理「…………だけど、それはあなたも同じでしょう?」

固法「……っ!!!」


予想もしない一言を放った。



11 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:05:37.81 i1EeBlcm0 603/694


固法「なっ……何を言ってるの?」


――怖い。

心理「あら、誤魔化しても無駄よ。私にはわかるの。それが私の“能力”だから」

―――何なの、この子?

一枚ずつ服をはがされていくような錯覚に陥る。
固法の中で、彼女に対する「警戒」は、「恐怖」へとその名前を変えつつあった。


固法(彼女は「能力」と言った……精神感応系……それともサイコメトラー?)


違う。

固法の推理が間違っている、という意味ではない。
冷静に分析してみたところで何の意味もないということだ。
そんなことをしなくても、固法の感覚が、本能が囁いている。

自分は、彼女に絶対に勝てない、と。


―――そうだ、私にはわかる。

心理「へぇ………ステキなひとね」

―――彼女が次に口にする人の名前が。

――そして、彼女は知っている。





心理「…………黒妻綿流さん、っていうのね?」

固法「!!!!!」



―――――かつて、私が隣にいたいと願った人の名前を。




12 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:06:26.25 i1EeBlcm0 604/694

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  同時刻  アクセサリー『Lord Lancelot』

垣根「アンタは……」

初春「……私の顔、覚えていますか」

垣根「………………ああ」

『テメエが最終信号と一緒にいた事は分かってんだよ、クソボケ』

『ただな、オレは自分の敵には容赦しない』

『頼むぜーお嬢さん。このオレにお前を殺させるんじゃねえ』

『いいだろう』

『ここでお別れだ』



垣根「……忘れるかよ」

あの時と同じ制服、そして頭に載せた花飾り。
見間違えるはずもない。
垣根の目の前に立つその少女は、確かにかつて垣根が蹂躙した少女だった。

垣根「今日は腕章着けてねえんだな」

初春「…………非番だったので。ってそんなことはどうでもいいんです」

垣根「だろうな。で、要件は何だ?
   オレを殺しにでもきたか?」

本気でそう思っているわけではない。
しかし、この少女は自分を殺そうとした相手にわざわざ話しかけてきたのだ。
それなりの覚悟をもってこの場に立っていると思ってしかるべきだろう。

垣根「……いいぜ。アンタにはその資格がある。
   ただ、やるならひと思いに頼むぜ。狙うならここだ」トントン

13 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:07:08.55 i1EeBlcm0 605/694


そう言って垣根は自分の左胸――心臓の位置を指差した。
が。

初春「ふざけないでください」

彼女ににべもなく一蹴されてしまった。


垣根(割と本気だったんだがな)


さっき言ったことは垣根の本心だ。
仮に自分を殺しに来る人間がいるとしたら、それは彼女だろうと垣根は思っていた。
垣根が発作的な衝動ではなく、冷静で冷徹な理性をもって『殺す』と決めた人間で、
なおかつ今も生きている人間は一方通行を除けば彼女だけだったからだ。

しかし、彼女にその気はないようだった。

初春「……あの時のことは、もういいんです。
   あなたも、『罰』を受けたみたいですから」

垣根「…………その一件じゃねえとしたら、オレとアンタに接点はないはずだが?」

初春「固法先輩のことです」

垣根「っ!」

彼女が口にしたのは、思いもよらない名前だった。

垣根「アイツの名前が出てきたってことは、オレの顔を見てとっさに出てきたってワケじゃねぇよな。
   いつから見てた?」

初春「あなたと先輩が、一階のレストラン街を歩いていたところから」

垣根「……ったく、中学生に尾行されて気が付かねえとは、オレの感覚も鈍ったモンだな」ハァ

そう言って肩をすくめるそぶりをする垣根。


14 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:07:54.77 i1EeBlcm0 606/694

初春「先輩にみられるワケにはいかないので、先輩がいなくなったのを見計らって出てきました」

垣根「さっきから先輩センパイって…………っ!そうか、固法が言って風紀委員の後輩ってアンタのことか」

垣根は、『初デート』の時にこのショッピングモールで固法に聞いた話を思い出していた。

初春「…………一体何をたくらんでるんですか?」

垣根「は?」

素っ頓狂な質問に思わず間抜けな声をだしてしまった。

初春「固法先輩を誑かして……今度は先輩を壊すつもりなんですか?」

垣根「なぁ、そのくっだらねぇ質問には答えなきゃダメか?」

初春「答えてください」

垣根「……黙秘権を行使するぜ」

初春「答えてくださいっ!!!」

少女は、のらりくらりとごまかす垣根に耐えかねたように大声で叫んだ。

垣根「…………」

初春「……私のことは、本当にもういいんです。だけど」

そこで少女は言葉を切り、毅然とした態度で垣根をにらみつけた。

初春「固法先輩を傷付けるつもりなら、私はあなたを絶対に許さない……!」

それは、あの日と同じ目だった。




15 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:08:28.90 i1EeBlcm0 607/694




―――心配はいらねえみてえだな、固法。

―――アンタの後輩は、


――――もうすでに立派な風紀委員だよ。


さっきの彼女の質問は決して的外れでも、見当違いでもなかった。
この少女なりに尊敬する先輩を、いや、無辜の学生を脅威から守ろうとする強い意志の表れだったのだ。
もっとも、それは垣根がこの少女にまったく信用されていないことの裏返しでもあったのだが。


垣根「ずいぶん尊敬してるんだな、アイツを」

初春「当たり前です」

垣根「じゃあその尊敬するセンパイに免じて、さっきの質問に特別に答えてやろう」

初春「さっきの質問……?」

垣根「ああ。オレの計画……アンタの言う『企み』を教えてやるよ」ニヤッ

初春「っ!!やっぱり……!!」

垣根の言葉に、初春はますます顔をこわばらせた。
垣根は薄笑いを崩さずに続ける。

垣根「この『計画』を知ってるのは、オレを除けばこの街にあと二人だけだ。
   そんなシークレット中のシークレットを話してやるんだ。アンタにも相応のリスクを背負ってもらうぜ?」

初春「……わかりました」

垣根「…………オッケ。一度しか言わねえからよく聞け」

垣根の口から、果たしてどんな怖ろしい『計画』が飛び出すのか。
初春は地獄の番犬と対峙したかのような気分で身構えていた。
しかし、次に垣根が口を開いた瞬間。

16 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:09:25.79 i1EeBlcm0 608/694











垣根「……待ち合わせは午後3時、第7学区の噴水公園だ」



今までとは違う意味で、彼女の時間が止まった。








17 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:09:58.92 i1EeBlcm0 609/694

初春「………………は?」

垣根「まず繚乱家政女学院出身のパティシエがいる喫茶店でケーキ食って、
   その次はプラネタリウムで天体ショー見て……」

初春「ちょ、ちょっと……」

垣根「それからちょっと早めの晩メシだな。
   アイツ高いトコ嫌がるからよぉ、店探すのに苦労したんだぜ?」

初春「あの……」

垣根「最後に外がいい感じに暗くなったら第10学区のイルミネーションを見に行って……」

初春「まっ、待ってください!!」

垣根が話した内容は、完全に初春の理解を超えていた。
いや、言っている意味は分かるのだが理解したくない、といった方が正確だ。

垣根「あん?」

初春「えっと、その……それがあなたの計画ですか?」

垣根「そうだけど」

初春「うそ……え?だって、どう考えても……」





垣根「もちろん『デートプランinクリスマスイブ』だ」ドヤァ

目の前のチャラついたホスト崩れは、ドヤ顔でそう言い放った。



初春「は…………?ふ、ふざけないでください!!」

垣根「こっちは大真面目だ」

初春「信じられるわけないじゃないですか!」

18 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:10:35.91 i1EeBlcm0 610/694


垣根「……ま、アンタが信じてくれるかどうかは関係ねえ。っつーことで今度はオレのお願いを聞いてもらうぜ」

初春「は!?」

垣根「先に言っただろ。オレの秘密を喋るからにはアンタにもリスクを負ってもらうって」

初春「確かに聞きましたけど、でも……」

垣根「何だ?風紀委員が学生に嘘つくのかよ?」アーン?

初春「うっ!!」

思わぬ反撃に言い返すことが出来ず、初春は言葉を詰まらせた。


垣根(やっぱ固法の後輩だな。ヘンなところでマジメだ)


初春「……わかりました。それで、私は何をすれば?」

垣根「なあに、簡単なことさ」スッ

初春「っ!!」バッ

垣根がコートに突っ込んでいた右手を動かす。
初春は反射的に両手で自分の顔をかばった。
しかし、その手が初春に触れることはなかった。



垣根「アイツに……固法には内緒にしててくれるか?」

初春「………………は?」

目を開けた初春の目に映ったのは、
人差し指を口に当てた―――いわゆる『しーっ』のポーズをとりながら、
いたずらっぽく微笑む垣根だった。


19 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:11:07.34 i1EeBlcm0 611/694

垣根「ダチに知恵借りながら一生懸命考えたプランだからよ、やっぱり驚かせてやりてぇだろ?
   アンタ、固法と顔合わせる機会多そうだし、今話した内容は当日までオフレコってことにしてくれっと助かるんだが」

初春「……それが、リスク……?」

垣根「そうだな。『お願い』とも言うな」

初春「…………」

初春は、ここにきて垣根のことをつかみあぐねていた。
会ったのは一度きりだが、初春の知っている垣根と、今目の前にいる青年がどうしても重ならなかった。

垣根「ま、イキナリオレを信用してくれってのも無理な注文か」

初春「……だって、ありえないですよ。固法先輩が、そんな……よりによってあなたみたいな人を」

垣根「…………わかった。じゃあこうしようぜ。
   オレのことは別に信じてくれなくていい」

初春「!!」

垣根「オレのことが気に入らねえのはわかる。だから、さっきのプランをアイツにバラそうが当日オレ達の邪魔をしようが、
オレは一切文句は言わねえ。好きにしな」


20 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:11:58.27 i1EeBlcm0 612/694


初春は、ますます目の前の青年が分からなくなった。
垣根のもちかけた提案は、いわば自分の手の内を全てさらした上で、決断を相手にゆだねるようなものだ。
しかも、垣根自身には全くメリットがない。


初春(いったい何を……?)


垣根「そのかわり」

初春「……?」








垣根「アイツのことは、信じてやってくれ」

初春「!!!」









21 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:12:31.02 i1EeBlcm0 613/694

垣根「なぁ、アイツは――――固法は今日どんな顔してた?」

初春「それは…………」

垣根「アンタの目から見て固法は、笑ってくれてたか?」

初春「………………」

初春は、何も答えることができない。

だって、初春から見ても、今日の固法はとても幸せそうだったから。

垣根「もしそう思うならさ、その笑顔の分だけ、アイツを信じてやってくれるか?」

初春「…………」

垣根「考えてもみろよ。固法はこんなチャラついてる男の口八丁に引っかかるような女か?」

初春「!」

垣根「こんなクズ野郎にコロッと騙されるような女か?」

初春「先輩はそんな人じゃありませんっ!!!」

垣根「オレもそう思うぜ」

初春「!」


22 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:13:08.33 i1EeBlcm0 614/694

垣根「…………アイツは知ってるよ。オレがどんな人間か。
   ―――オレがどれほどのクズかを、な」

初春「…………」

垣根「でも……それでも、アイツはオレに笑ってくれたよ」

それは、今までの飄々とした態度からは想像もできないほど真摯で、
そして重い言葉に聞こえた。

初春「…………あなたは」

垣根「あ?」








初春「あなたは、先輩のことをどう思ってるんですか?」

垣根「好きだよ」

即答だった。



垣根「あんなイイ女ほかにいねぇよ。アイツはオレの世界を変えてくれた。
   オレにもう一度翼をくれた女だ。もうアイツ以外考えられねえよ」

その目に、『あの日』にはなかった輝きのようなものを、初春は感じ取った。


23 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:13:58.97 i1EeBlcm0 615/694

初春「…………お話はよく分かりました」

垣根「そーかい」

初春「勘違いしないでください。私はまだ、あなたを完全に信用したわけではありませんから」

垣根「それでかまわねえさ。自分を殺そうとした相手を信じることはできねえだろうし、その方がいいに決まってるからな
   そう簡単に信用されちゃ、コッチがアンタの頭の出来を疑わなくちゃならねえしよ」

初春「………………失礼しました」クルッ

吐き捨てるかのように、初春はそう言って踵を返した。
これ以上、この男の顔を見たくなかった。
しかし、










垣根「すまなかった」

思いもしない言葉が聞こえてきた


24 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:16:08.66 i1EeBlcm0 616/694


初春「………………!?」

初春が恐る恐る振り返ると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。



垣根「ごめん」

さっきまで会話していた青年が頭を下げていた。

垣根「許してもらえるとは思っちゃいねえ。これはオレの自己満足だ」

プライドが服を着て歩いてるような男が、
一介の女子中学生に頭を下げている。
知らない人間からしてみれば、それはそれは奇妙な絵面だろう。



垣根「でも、オレにはこれしかできねぇから。
   こんなことしか、できねえから」

初春「…………」





垣根「本当に、本当にすまなかった」






25 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:16:43.16 i1EeBlcm0 617/694

初春「…………相手の気持ちを無視した謝罪って、一種の恫喝ですよね」

垣根「好きに解釈してくれ」

初春「…………今日のことは、みんな聞かなかったことにします」

垣根「!!」

初春「私はあなたに何も聞いていないし、あなたも私に会ってなんかいない。
   聞いてないことは話せませんから」

垣根「…………感謝する」

初春「身に覚えのないことで感謝されても困ります。
   ………………それじゃ」スタスタ







佐天「もう、いいの?」

初春「ええ」

佐天「あの男の人は……?」

初春「知らない人ですよ」





初春「知らない、人です」






26 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/14 01:19:10.24 i1EeBlcm0 618/694

ここまでです。読んでくださってありがとうございます。





佐天「あれ、私の出番最後だけ……?」

ああもう、うるさいうるさい。メタネタは人を選ぶから出てくるんじゃない。
いや、ホントすみません。

35 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:35:54.15 r4fQQnmt0 619/694


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  同時刻  ショッピングモール一階・メインストリート

固法「どうして……先輩の名前を……」

心理「さっき言ったでしょう?それが私の“能力”。
   『心理定規(メジャーハート)』って呼ばれてるんだけどね」

ドレスの少女は余裕の表情を崩さない。

心理「その名の通り、私が司るのは人と人の『心の距離』。
   具体的に言うと、私には『あなたが他人をどのくらい近しい存在だと思っているのか』が分かるの
   ・・・・・・・・・・・・・
   もちろん、その相手の名前もね」

固法「そんな能力が…………」

心理「すごいでしょ?私も気に入ってるの。
   だからね、私には分かるわ。今のあなたがいかに中途半端な位置に居るかってことがね」

固法「!!!」

少女はそう言って唐突に『本題』を切りだした。


36 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:36:28.49 r4fQQnmt0 620/694


固法「な、何を言って……」

心理「ここまで言っても分からないの?
   あの人はちゃんと自分の過去に向きあった。だけど肝心なあなたの方はどうなのかしら?」

コツッ、と一歩。

固法「わ、私は……何も」

心理「嘘」

コツッ、とまた一歩。
少女はゆっくりと、しかし確実に固法に近づいてくる。

心理「私に誤魔化しは通用しないわ。あなたの心は他の人と違って興味深くて、
   ―――そして醜い軌跡を描いてる」

既に固法の目の前まで迫った少女は、固法の胸を指差してそう言い放った。

固法「みに、くい……?」

心理「そう。たいていの人はね、自分を中心にして同心円状に他人が位置しているの。ちょうど恒星と惑星みたいにね。
   そしてその『円』の半径が心の距離ってワケ。
   つまりその人と自分の心の距離――距離単位が縮まればその人の『円』は小さくなり、逆に遠くなれば大きくなる」

固法「…………」

心理「ここで覚えておいてほしいのは、どんなに他人との距離単位が変動しようと、
   『自分が中心である』という一点は揺るがないってこと。
   それもそうよね?だれだって自分が一番かわいいに決まってるもの」クスクス

長々と自分の能力を説明する少女。
一方、固法には彼女が何を言いたいのかが未だに見えてこない。
が、それもつかの間のことであった。

心理「だけどあなたは違う」

固法「!」ビクッ


37 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:37:18.03 r4fQQnmt0 621/694

心理「あなたの心的地図において、中心からあの人―――垣根帝督までの距離単位は13。
   数字で言っても分かりにくいでしょうから、そうね……、
   あなたのルームメイトとの距離単位が15って言えば分かるかしら?」


固法(……碧美のことだわ)


心理「随分近いでしょう?普通ここまで距離単位の近い他人は一人居るか居ないかなの。
   …………でもあなたは違う」
固法「っ!……まさか」

心理「そう。あなたの心的地図には同じ距離単位上にもう一人いる……
   それが黒妻綿流よ」

固法「いい加減なこと言わないでっ!!」

心理「嘘じゃないわ」

少女から突き付けられた「事実」に声を荒げる固法。
だが彼女は意に介した様子もなく続けた。

心理「すごいわねぇ。二人の人間を同時にここまで想えるひとなんて見たことないわ。
   しかも男の人を、ね」クスクス

そう言って少女はまた笑った。
彼女がその顔に笑みを浮かべるたびに、固法の感情は加速する。
たとえば、やり場のない怒りが。
たとえば、言葉にしがたい恐怖が。
だがその場に足を縫い止められたかのように、固法は一歩も動くことができなかった。

心理「だけど、私が『醜い』と言ったのはそこじゃないの」

固法「…………」

心理「結論から言うわ。あなたはその二人の間で大きく揺れている」

固法「!」


38 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:37:48.09 r4fQQnmt0 622/694


心理「さっきは便宜上『同心円』って表現したけど、あなたの場合その中心が定まってないの。
   まるで振り子みたいに、二人の間をいつまでもフラフラフラフラしてる」

固法「……嘘……」

心理「嘘じゃない」

固法「違うっ!!」

心理「違わない」

いつの間にか、少女の顔から笑みが消えていた。
そして、少女は俯いた固法の顔を覗き込み、その頬を艶めかしい手つきで撫でながらこう言った。

心理「あなたはあの人を黒妻さんに重ねてる。
   いいえ、叶わなかった恋の代用品にしてるだけよ」

この一言で、固法の堪忍袋の緒が切れた。
思い切り右手を振りかぶる固法。
…………しかし。

心理「――――殴れないでしょ?」

その手が振り下ろされることはなかった。


39 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:38:27.64 r4fQQnmt0 623/694


固法「どう、して……」

心理「これが私のもう一つの能力。私の能力のもう一つの側面、と言った方がより正確かしら」クスクス

固法「側面……?」

心理「そうよ。私は人と人の距離単位を見透かすだけじゃなく、
   自分と他人の距離単位を自在に操作できるの。
   たとえば、今の私とあなたの距離単位は15。あなたのルームメイトさんと同じ距離にある」

固法「そんな……」

心理「面白いでしょう?あなたが時間をかけて築いてきた関係なんてこんなものよ。
   私の能力で塗り替えられる程度の、ね」

固法「…………っ!」

心理「理解していただけたかしら?
   あなたの感情は私が作った嘘だけど、私の能力は嘘じゃない
   もちろん、私の言うこともぜーんぶホントのこと」

固法「は……あ……」

心理「……ぐうの音も出ない、と言ったところかしら」クスッ

少女はこの状況を心底楽しんでいるようだった。
そして固法には、最早彼女に反論する気力も残っていなかった。

心理「どこまで話したかしら?……ああ、あなたの想いは取り換えの利く代用品ってトコロね」

固法「…………っ」

足元がグラつく。
今まで立っていた場所が、まるで泥の底なし沼になってしまったように。

心理「まぁ、しょうがないことだと思うわ。『女の恋は上書き保存』って言うし。
   だけどあなたの場合は二つのウィンドウを使って複数のファイルを同時に開き続けているような状態ね」

固法「…………やめて……」

心理「保存して決着をつけもせず、上書きして前を向こうともせず、
あなたはいつまでもダラダラと二つのドキュメントを弄り続けている」

固法「……イヤ…………」

心理「勿論、あなたの心のありようはあなたが決めることだから私は口出しはしないわ。
   だけど…………」


40 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:38:53.80 r4fQQnmt0 624/694









心理「かわいそうね、あの人が」ボソッ

固法「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」








41 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:39:26.47 r4fQQnmt0 625/694

心理「あなたがあの人に向ける笑顔は、本当は黒妻さんに見せたかったもので、」

その言葉は硝子の破片のように、

心理「彼に向ける優しさは、黒妻さんに必要とされたかったことの裏返しなのよね?」

固法を突き刺し、傷つける。

固法「お願い……もう、やめて…………」ポロポロ

心理「あら、どうしてあなたが泣くの?一番傷ついてるのはあの人なのに」

固法「っ!」

心理「そうでしょう?あなたの本当の気持ちは、あの人に向いていないんですもの。
   あの人もとんだ道化師《ピエロ》よねぇ」クスクス

心理「あなた達は互いに依存し合っているだけ。その上あなたは彼自身ではなくて、
   彼の『優しさ』によりかかってるだけなのよ」

固法「……っく、うぅ……」

少女は容赦なく固法を打ちのめす。
そして、

心理「もう分かったでしょう?」

心理「あなたはあの人の隣にふさわしくない。
   いいえ、あなたには人を愛する資格なんてないのよ」

固法「っ!!!!」

呪詛にも似たその言葉は、固法を絶望の淵に叩き落とした。


42 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:40:25.06 r4fQQnmt0 626/694


固法「…………っ」ダッ!

心理「アハハハハハっ!そう、逃げだすの!私からも。そしてあの人からも!
   あなたにはお似合いね!アハハハハハハハ!」

居たたまれなくなった固法はその場から駆け出した。
その背中に、追いうちをかけるかのように高笑いを浴びせる少女。
だが、雑踏の中に彼女たちを振り返る者はいない。
そうして、ドレスの少女は人ごみの中で笑い続けていた。







心理「――――さぁ、お膳立てはしてあげたわよ、王子様」

心理「今度はあなたがお姫様を救ってみせなさい。
   わるーい魔法使いの『悪意』と『欺瞞』から、ね」



43 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:41:10.90 r4fQQnmt0 627/694

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  15:30  固法・柳迫の学生寮

固法「……あぁ…………っく、うぅ……」グスグス

帰り道の記憶はなかった。
気が付いたら、自分のベッドにうずくまって泣いていた。


固法(……悔しい……)

固法(何も言い返せなかった……)

固法(結局私は、垣根さんをスケープゴートにしてただけなの……?
   先輩の代わりがほしかっただけなの…………?)


固法「もう、何も、分からない……」


ネムリニーツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメーヲサシテーヨー♪


その時、机の上に放置していた携帯が鳴った。
固法は起き上がって手を伸ばす。

固法(メール……?)

ピッ


受信メール
=======================
【from】 垣根帝督
【sub】  来週の予定
―――――――――――――――――――――――
    当日の集合時間は
    午後2時で大丈夫か?

=======================


固法(…………っ!)

固法(垣根さん…………)


44 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:41:38.06 r4fQQnmt0 628/694



心理『あの人もとんだ道化師よねぇ』


固法「!」


心理『あなたは彼自身ではなくて、彼の「優しさ」によりかかってるだけ』


固法「…………」

モールで出会った彼女の言葉がフラッシュバックする。
全てを見透かしたような彼女の言葉は、楔の如く深々と突き刺さっていた。

自分は何て愚かだったのだろう。
結局自分は何も乗り越えてなどいなかった。
決着などつけていなかったのだ。
自分はあの頃から、
黒妻に縋っていた頃と何も変わっていなかった。


固法「ごめんなさい、垣根さん…………」

固法「…………ごめん、なさい………………」



固法の懺悔は、同居人が帰ってきても止むことはなかった。




------------------------------------------------------------------------------------------

垣根「……返事遅ぇな」ゴロゴロ

45 : ◆r4vICyDKLo - 2011/11/18 01:45:33.33 r4fQQnmt0 629/694

ここまでです。
読んでくださってありがとうございます。

乙女な心理ちゃんは他の神スレにいらっしゃるので
このSSではドSキャラで押すことにしました。
こんな心理定規さんもありでしょ?
ではまたー。


尚、『心理定規』という能力については>>1の独自解釈と
意図的なウソが混ざっております。

78 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:33:24.09 6xH89On00 630/694

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  クリスマス・イブ 13:45 第7学区 噴水公園

Prrrrrrrrrr

タダイマオカケニナッタバンゴーハ、デンゲンガハイッテイナイカデンパノトドカナイ……

ピッ

垣根「…………ダメだ。やっぱり繋がらねえ」

垣根(先週も結局メールの返事帰ってこなかったし……どうしたっつーんだ?)

垣根(一応向こうにはちゃんと届いちゃいるみたいだが……)



垣根「…………ま、とりあえずアイツの方から連絡がねぇ限り待つしかない、か」

垣根「念のための準備もしてきたし……ん?あれは――」



……………………

禁書「のうみっそーつねにふるわせてー あらあらとうんめいにそむーく♪」ルンルン

禁書「もういっそーおれにうまーれたならー♪」

上条「きみをーぶっいきかえーす」テクテク



「「きみをーぶっいきかえーす♪♪」」



79 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:34:15.58 6xH89On00 631/694


禁書「ねぇねぇとうま、どうだった?かんぺきだったでしょ?」

上条「そうだな、ナヲ姉のパートだけな」

禁書「これでわたしも『からおけ』ってところに連れてってくれる?」

上条「…………」ウーン

禁書「ねぇ、とうま」キラキラ

上条「……今度な」

禁書「やったぁ!とうま、ありがとなんだよ!」

上条「そのかわりワンドリンクだけだからな。食い物は絶対に頼まないからな!!」

禁書「うんっ!」



垣根「おーい、上条ぉー」フリフリ

禁書「あっ、ていとくだ!」トテトテ

垣根「よぉシスターちゃん。また思いがけねえところで会ったな。
   今日は上条とお出かけか?」

禁書「うん。今からこもえのうちに行くんだよ。あわきとごはん作るの!」

垣根「そういやそんなこと言ってたっけな。上条もそのクチか?」

上条「俺はインデックスを送り届けたら出来上がるまで外でフラフラしてろってさ。
   何ができるかはお楽しみなんだと」

垣根「なるほどな」

上条「垣根は固法さんと待ち合わせか」

垣根「まあな」

上条「…………がっつきすぎてしくじるなよ」ボソッ

垣根「今更そんなヘマするかよ」ヒソッ

80 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:34:57.35 6xH89On00 632/694


禁書「とうま、早く行かないと、こもえとあわきが待ってるかも」

上条「ん、そうだな。んじゃな、垣根。がんばれよ」ニヤニヤ

垣根「うっせ!」

禁書「またね、ていとく!」ブンブン

垣根「ああ、またな」



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  14:22  第7学区・路上

佐天「いやーまだケーキ残ってて良かったねー」

初春「本当ですねー。売り子のお兄さんもすごくいい人でしたし」

佐天「何かこっちが申し訳なくなるくらいまけてくれたよね……」

初春「でも何で関西弁だったんでしょうね?」

佐天「関西出身なんじゃない?
   それより、御坂さんと白井さんが来るのってもうすぐだよね?」

初春「そうですね。3時前にはこっちに着くって言ってました」

佐天「そっか、じゃあちょっと急いだ方がいいかもね。
   あっ、白井さんで思い出した」

初春「はい?」

佐天「よく二人とも休みもらえたよね、初春と白井さん。
   この時期ってさ、普通風紀委員が一番忙しいころなんじゃないの?」

初春「あーそのことですか。通達があったんです。統括理事会から」

佐天「とっ、統括理事会!?」ギョッ

81 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:35:43.36 6xH89On00 633/694


初春「はい。それが『12月23日から25日までの三日間に限り、風紀委員活動の一切を免除する』、
   っていう内容で。そのかわり警備員の先生方は大忙しみたいですけど」

佐天「ほえー……それはまた、何というか、粋なはからい?」

初春「クリスマス休暇なんて欧米みたいですよねー」

佐天「確かに!でもなんで今年からいきなりそんなのやりだしたのかな?」ハテ

初春「大方『クリスマスくらいパァーっと遊んで景気回復に貢献しやがれガキどもー』ってところじゃないですかね?
   海外じゃクリスマス商戦ってかなり大事らしいですし」

佐天「なるほど」フムフム

初春「……まぁ、せっかくもらったお休みですし、細かいことは抜きにして存分に羽を伸ばしましょう」

佐天「そうだね!…………あっ」

初春「佐天さん、どうしました?」

佐天「あの人、この間の人じゃない?」アレ

初春「…………っ!」





垣根「………………天気悪っ」

垣根(相変わらずクソ寒いし、雪でも降るんじゃねぇのかコレ)






82 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:36:48.10 6xH89On00 634/694


佐天「この寒い中、誰か待ってるのかな。たとえば固法さんとか!」

初春「…………行きましょう」

佐天「やっぱり見れば見るほどイケメンだなぁ……」

初春「佐天さん」

佐天「じょ、冗談だって!」アセアセ

初春「もうっ、早くしないと御坂さんと白井さん来ちゃいますよ」

佐天「そ、そうだね。じゃあ、行こっか」スタスタ

初春「はい」テクテク



初春(もうすぐ2時半…………あの人は『待ち合わせは2時』って言ってましたよね)

初春(固法先輩が時間を破るとは思えないんですけど……)

初春(……どうでもいいや、あんな人のこと)フイ



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  16:25  固法・柳迫の学生寮

柳迫「美偉!ホントに行かなくていいの!?」

固法「…………」

柳迫「待ち合わせの時間過ぎてるんでしょ?垣根さんきっと待ってるよ!」

固法「…………行けない」

柳迫「美偉っ!」


83 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:38:11.54 6xH89On00 635/694


固法「……今の私じゃ、垣根さんに会えない……」

柳迫「そんな何処の誰かも分からないような子の言うことなんて真に受けることないって言ってるじゃん!」

固法「……違う」

柳迫「何が!?」

固法「自分が、信じられないの……」

柳迫「…………?」

固法「私、何も言い返せなかった」

柳迫「だけどそれは――」

固法「分かってる。……だけど、一瞬でもあの子言葉を信じてしまったら、
   私はずっと疑ってしまう。
   ――――私は黒妻先輩の代わりがほしいだけなんじゃないか、ってそうしたらもう……」



固法「……私は、もう私自身を信じられない……」



柳迫「美偉…………」


84 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:39:30.64 6xH89On00 636/694


固法「……垣根さんに偉そうなこと言っておいて、私自身があの頃と何も変わってない。
   何も、乗り越えられてない…………」

柳迫「そんなこと――」

固法「こんなんじゃ、垣根さんに、合わせる顔がない…………
   ……情けなくて、消えてしまいたい…………」


柳迫(これは……思ったよりも重症ね)

柳迫「何とかしないと……」



ピンポーン

一方「準備出来たかァ?ガキども待ってンぞォ」

柳迫「!」ピコーン



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  16:45  第7学区・路上

初春「うぅ~さぶい~~~~」テクテク

初春(買出しくらい白井さんが遠隔移動でササッと行ってきてくれればいいのに)

初春(……まぁ私が桃鉄で負けたのが悪いんですけど)

初春(まさか最終年でキング○ンビーをなすりつけられるとは思いませんでした……)


ヒュゥ~~~~~~ウ


初春「っ~~~~~~」ブルッ

初春「さ、寒すぎます……!」

85 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:40:21.39 6xH89On00 637/694


初春「雪も降りそうだし、買い物済ませて早く帰りたい…………アレ?」





垣根「…………寒ぃ」ブルブル





初春(…………ウソ、ですよね……?)

初春(だって今……もうすぐ5時じゃないですか!)

初春(あの人一体……)





垣根「さすがに堪えるな…………」

「…………何、してるんですか?」

垣根「あん?……何だアンタか」

初春「……まさかこんな寒い中、まだ先輩のこと待ってるんですか?」

垣根「何だよ、この間のことは聞かなかったことにするんじゃなかったのか?」

86 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:41:14.32 6xH89On00 638/694


初春「おかしいですよ。もうすぐ約束の2時から3時間じゃないですか。
   そんなに待たされてまだ待つなんて普通じゃないですよ。ありえません」

垣根「このオレに常識は通用しねえからな」フフン





初春「来るワケないじゃないですか!!!」





垣根「………………」

初春「今まで何の連絡もないんですよね?普通だったらもう来ませんよ」

垣根「何か事情でもあるのかも知れねえじゃん」

初春「もし仮に事故にでも遭ってるんなら益々待つ意味ないですよ。
   どっちにしたって来れないんですから」

垣根「………………」

初春「今ごろ柳迫さん辺りと楽しくやって――」

垣根「…………フーン、なるほどね。そうかそうか」

初春「…………何ですか、急に」

垣根「アンタの知ってる固法は、誰かを平気で3時間も待たせるような女なんだ?」

初春「!!!」

垣根「それでヘラヘラ笑ってるような女なんだな?」

初春「先輩は……っ!!」

垣根「そんなヤツじゃない、だろ?」ニッ

初春「っ……!!!」

87 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:43:08.96 6xH89On00 639/694


垣根「……ま、さすがにこの寒さはクるけどな。芯まで冷えちまったぜ……
   あ、アンタヒマならちょっとそこのコンビニで缶コーヒーでも――」



ナンカチガウヨナンカチガウナンカ イマサッキチョットオモッタンダ♪
キミヲナカセル セカイノーホウガオカシイヨー♪



垣根「……あん?誰だよ……モヤシ?」

ピッ

垣根「オレだ。…………泣いてねえよ死ね。…………ハァ??」

初春「…………?」

垣根「あぁ…………あぁ……ンだよそういうことか……あ?うるせーよ死ね」

垣根「………………わかった。すぐ行く。……死ね!!」

ピッ

垣根「ちょっと行くところが出来た」ドッコイショ

初春「先輩はもう待たなくていいんですか」

垣根「そのセンパイのところだよ」ツカツカ

初春「は…………?」

垣根「何かあのお姫様、ひきこもっちまったみたいでよ。家で泣いてんだってさ。
   そりゃいくら待っても来ねえわけだぜ」

初春「先輩が?……あなたが何かしたんじゃないんですか?」

垣根「してねーよ失礼なガキだな。
   ……とにかく、そんなワケで、ちょっと天の岩戸こじ開けに行ってくる」


88 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:43:55.12 6xH89On00 640/694


初春「……怒らないんですか?」

垣根「何で?」

初春「結局、あなたは無駄に寒い思いをしただけじゃないですか」

垣根「別に。オレが好きで待ってただけだし
   まぁクソ寒かったのは事実だけどな」ククッ

初春「…………どうして」

垣根「は?」

初春「どうして、そんな一生懸命になれるんですか?」

垣根「…………」

初春「どうして、先輩のことをそんなに信じられるんですか?」

垣根「好きだからだっつってんだろ、二度も言わせんな恥ずかしい」

初春「だからって……」

垣根「……んじゃ、オレはそろそろ行くぜ。
   あばよお嬢さん。風邪引くなよ」ツカツカ

初春「待ってください!」

垣根「あ?」

初春「………………先輩のこと、悲しませたら許しませんから」

垣根「…………言われるまでもねえよ」


バッサァ!


89 : ◆r4vICyDKLo - 2011/12/09 03:44:28.68 6xH89On00 641/694









垣根「オレはただ突っ走るだけだ。アイツの涙が止まるまでな」


ヒュバッ!!!





初春「…………ゆるしたわけじゃ、ありませんから」

109 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 04:58:22.54 CX5gqg5h0 642/694


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  16:28  第7学区・路上(固法・柳迫の学生寮前)

柳迫「……美偉……」シュン

一方「情けねェ声だすンじゃねェ」

柳迫「だって……」

一方「オマエが気ィ揉ンだって仕方ねェだろ。なるよォにしかならねェよ」

柳迫「ちょっ、その言い方はあんまりじゃない?」

一方「ヒトの話は最後まで聞きやがれ。『なるよォにしかならねェ』ってのはつまり――」



バッサァッ!



一方「『何とかなる』ってことだ」ニヤッ

柳迫「あっ……!」

一方「もう一つ言っとくぜ。
……あのバカはどォしよォもねェヘタレでバカだが、腰抜けじゃねェ」



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  同時刻  固法・柳迫の部屋

固法(…………垣根さん、今頃怒ってるかな……)

固法(当然よね。あれから一度も連絡しないままで……)

固法(……嫌われた、よね。きっと)

固法(でも、その方がいいわ)

固法(垣根さんを傷つけるくらいなら、いっそ……)



ピンポーン



固法「…………誰?碧美?」

固法(忘れ物かしら……でも、何でチャイムを?)



ピンポーン



固法(……どうやら違うみたいね)

固法「はい、どなた――」

垣根『……オレだ、固法。垣根だ』

固法「!!!!!」ドキッ

110 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 04:58:54.03 CX5gqg5h0 643/694


垣根『居るんだろ?』

固法「…………垣根さん……」

垣根『頼むから携帯の電源くらい入れとけよ。
   電話つながらねえし、アンタからも連絡来ねえし。
   おかげでスゲェ心配したんだけど』

固法「…………心配、してくれたの?」

垣根『たりめーだろ』

固法「………………」

垣根『どうした?何かあったのか?』

固法「それは……」

垣根『――オレ、今度ばっかりはアンタに嫌われるようなことした覚えがねえんだけど?』

固法「!……ちっ、違うの!!垣根さんは全然悪くなくて……、
   悪いのは、全部私で…………」

垣根『ふーん……?』

固法「……連絡をしなかったことは謝ります。
   でも、どうしても自分の中で整理がつかなくて……
   色んな事考えてたら、垣根さんの顔を見るのがこわくなって…………」

垣根『…………』

固法「だから、垣根さんが気に病むことでは全然――」

垣根『そうやって内にため込むのやめろつっただろ』

固法「!!!」

111 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 04:59:26.34 CX5gqg5h0 644/694


垣根『アンタだって言ったじゃねえか。人はしんどい時誰かを頼っていいんだ、ってよ。
   なのにアンタは、オレに頼ってくれねえのか?』

固法「それは……」


固法(どうしてこの人は……)


垣根『それに、さっきはああ言ってたがオレも無関係ってわけじゃねえんだろ?
   じゃなきゃ玄関くらい開けてくれるよな?』

固法「ごっ、ごめんなさい私ったら……今開けますから」

垣根『いーっていーって、冗談だ。それが出来たら苦労はねえもんな。
   オレの顔見るのが辛いんだったら、このままでいい』


固法(どうしてこの人は、こんなに優しいんだろう……)


固法「…………ごめん、なさい……」

垣根『あんたの「ゴメン」は聞き飽きたよ。
   ……そのかわり、何があったか話してくれるな?』

固法「………………わかったわ」




固法(――――私は、その優しさを返せないのに)



------------------------------------------------------------------------------------------

垣根『…………あのクソ女(アマ)……』

固法「私、あの子に何も言い返せなかった…………」

垣根『…………』

112 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:01:01.26 CX5gqg5h0 645/694

固法「あの子の言ったことと垣根さんの顔が頭の中でグチャグチャになって、
   もう、どうすればいいのか自分でも分からないの……」

垣根『……固法』

固法「あの子が言ってたの。あなたに彼の隣はふさわしくない、あなたにはその資格がないって。
   そう言われてわたし…………」

垣根『固法』

固法「……っ」

垣根『あんまり自分を追い込むなよ』

固法「でも……」

垣根『――ま、言いてぇことは山ほどあるけどよ。コレだけは最初に言っとくぜ』

固法「…………?」





垣根『あのバカが言ったことは一旦全部忘れろ』





固法「……え……?」

113 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:01:37.71 CX5gqg5h0 646/694


垣根『あの女は他人の精神に土足で踏み込むことを生きがいにしてるようなヤツだ。
   そんなヤツのハナシをいちいち真に受けてたら何回精神崩壊しても足りねぇよ
   だからあんな女の言うことなんざキレイさっぱり忘れちまいな』

固法「そんな……」

垣根『――なぁ、固法。ここには――――ドア一枚はさんだこの空間にはオレとアンタしかいねえ。
   そこに他の誰かが言ったことが必要なのか?』

固法「!!」

垣根『違うだろ。必要なのは俺の言葉だ。アンタの気持ちだけだ。
   それだけで十分なんだよ。



   そこに、だれかの常識(ことば)は必要ねぇだろ』

固法「…………そんなの、反則よ」

垣根『……知らねえのか?』

固法「…………?」

垣根『この垣根帝督に、常識は通用しねえ』

固法「……っ!」




114 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:02:33.15 CX5gqg5h0 647/694

垣根『教えてくれ。アンタはどうしたい?オレにどうしてほしい?
   体面とか建前とか全部とっぱらった、アンタの本音が聞きてぇんだ』

固法「わ、わたしは…………だけど……」

垣根『――オレは、アンタの力になりたい』

固法「!!!」

垣根『考えてみればよぉ、初めて会ったときからオレたちは、事あるごとにやれ『借り』だの『礼』だの、そんなことばっかり言ってたんだよな』

固法「……」

垣根『オレも最初はどうかと思ったけど、でも別にそれでもいいんじゃね、って。そう思ってたんだ。



   だけどそうじゃなかった』

垣根『オレはいつの間にか、アンタから色んなモンをもらってたんだよ。
   『あの日』だけじゃねえ。そのずっと前から、一生かかっても返しきれねぇくらいたくさんのものをアンタはくれてたんだ』

固法「……ぅ……」ポロッ

垣根『だから決めたんだよ。今度はオレが、アンタの涙を拭いてやろうって。
   アンタが、オレをすくい取ってくれたときみたいにさ』

固法「……ひっく……ぇぅ……」ポロポロ

垣根『…………いや、違うな。もっと単純で自分本意なことだ。
   オレは、アンタがオレの知らねえところで泣いてほしくねぇんだ』



垣根『アンタの抱えてる問題は、全部オレがなんとかしてやりてぇ』



垣根『逆にアンタの笑った顔は、一番近くで見ていたい。ただそれだけのことなんだ』



垣根『それだけのことだけどよ、オレはそれくらい―――――』






115 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:02:59.36 CX5gqg5h0 648/694






垣根「アンタが好きだよ、固法」






116 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:03:34.22 CX5gqg5h0 649/694

固法「!!!!!」ブワッ

垣根「……っだー、これだけはちゃんと顔見て言いたかったんだけどなぁ。シミュレーションまでバッチリだったのによ。
   まぁしかし、こうなったら背に腹は……」

ガチャンッ

垣根「あん?」

バタンッ!

固法「……っ!」ガバッ

垣根「ちょっ……!」グラッ

バッターン!

垣根「痛ってえ!オイ固法……」

固法「」ギュッ

垣根「!」ギクッ

固法「」ギューッ

垣根「……よぉ、久しぶりのシャバの空気はどうだ、姫」

固法「……こんなに」グスッ

垣根「あ?」

固法「かきねさんの体、こんなに、冷たくなって……
   私なんかの、ために……」グスグス

垣根「…………」ギュッ

固法「!?」

117 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:04:05.19 CX5gqg5h0 650/694


垣根「『なんか』じゃねぇよ」

固法「……え?」

垣根「アンタみてぇなスゲェ女見たことねぇよ。だからそうやって自分を卑下すんな。
   ――――オレが惚れた女を、アンタが否定しないでくれ」

固法「…………っ!」カァァ

垣根「……ま、寒くて死にそうだったのはホントだけどな。でもホラ、こうすりゃ暖けぇだろ?」ギュッ

固法「あぅ……」



垣根「……で?」

固法「え?」

垣根「え、じゃねぇよ。返事。オレの一世一代の告白の返事、まだ聞いてねぇんだけど?」

固法「……ゎ、」

垣根「わ?」

118 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:04:43.36 CX5gqg5h0 651/694




固法「私も、垣根さんのことが…………すき、です」




119 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:05:21.40 CX5gqg5h0 652/694

垣根「…………」

固法「あの、垣根さん……?」

垣根「」ギュッ

固法「ひぁっ」

垣根「……」ギューッ

固法「あの……垣根さ……」

垣根「悪ぃ、うまく言葉が出てこねぇ」

固法「!」

垣根「うわー何だコレ。ヤバイ、嬉しすぎて死にそう」

固法「………………私も」

垣根「あん?」

固法「私も、今すごくうれしい」ギュッ

垣根「」

垣根(コイツ、オレを萌え殺す気か……!)




120 : ◆r4vICyDKLo - 2012/01/25 05:06:05.47 CX5gqg5h0 653/694




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垣根「…………もういいか?」ナデナデ

固法「ええ…………ありがと」

垣根「よし、じゃあ行こうぜ」

固法「……どこに?」

垣根「決まってるだろ。仕切り直しだ」

固法「仕切り直し?」

垣根「ああ。最初の予定とは違っちまったが、
   オレとアンタで、クリスマスのやり直しだ」ニッ

134 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:14:30.52 3Z9xAPe20 654/694


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  18:43 垣根のマンション

ガチャッ

垣根「どうぞ」

固法「……お、お邪魔します」

垣根「ん」

固法「相変わらず広い……」

垣根「広すぎて落ち着かねえか?」

固法「落ち着かないというか……」

垣根「あん?」

固法「……少し、ドキドキする」

垣根「」

固法「!……やだ、私ったら何言ってるのかしら……!
   じゃあ、すぐ準備するから、少し待っててね」

垣根「あ、ああ。オレは自分の部屋に居るからよ、分かんねえことがあったらすぐ呼んでくれ」

固法「ええ、わかったわ」

垣根「じゃあ、あとでな」ツカツカツカツカ

ガラガラッ
ピシャッ



垣根「(………………どうしてこうなったあああああああああああああああああああああああ!!!!!)」ヒソオオオオオオオオオオオオオオ



垣根(おかしい可笑しいオカシイ!なんでアイツがウチに来てんだ!?
   何がどうなってんだ!?わけがわからないよ!!!)

垣根(確かに告白は成功したし?アイツもオレのこと好きって言ってくれたし?かなりいい雰囲気だったさ。
   けど展開が早い!早すぎてついていけねえ!! )

垣根(上条たちが来た時のままだから散らかってるし……あ!リビングにる○ぶ広げっぱなしだった!)

垣根(ああもう物理的にも精神的にも全然準備できてねえ!)

垣根「どうしてこんなことになったんだっけか……?」

135 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:15:08.76 3Z9xAPe20 655/694






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遡ること30分前

第8学区 プラネタリウム『白銀の星屑(ニュイ・エトワーレ)』

固法「キレイだったわね」

垣根「ああ。ここのマシンはホログラム技術をつかった全く新しい原理の投影機でな。
   フツーのプラネタリウムとは迫力とリアリティが違っただろ?」

固法「ええ。とっても素敵だったわ」ニコッ

垣根「……!
   そっ、そういやもう5時半か。ちっと早いけどメシにするか」

固法「え?」

垣根「多分だけど、アンタ朝から何も食ってねえだろ?」

固法「!」ギクッ

垣根「やっぱりな。俺も昼飯食いそこねてハラペコなんだ」

固法「…………」

垣根「第7学区にオレらがいつも使ってるファミレスがあるからそこでクリスマスディナー(笑)ってことで……」

固法「」ギュッ

垣根「……!」

固法「…………」ギューッ

垣根「あのー、固法さん。どうしてオレの上着の裾をつかんでいらっしゃるのでしょうか……?」



垣根(ものすごいデジャヴなんだが)




136 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:15:33.97 3Z9xAPe20 656/694

固法「……ゎ」

垣根「は?」





固法「私が作りに行きましょうか……?」





垣根「…………えっ」

固法「も、元はと言えば私のせいなんだし、その……責任というか、せめてものお詫びというか……」

垣根「………………」



固法「ダメ、かしら……?」



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垣根(断れるわきゃねーだろうがよぉぉぉぉぉぉぉ!!!)

垣根(あそこであの顔は反則だろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)



垣根(……この際こうなっちまったもんは仕方ねえ)

垣根(だけどこっからどうすりゃいいんだ!?)

垣根(……いや、まてまて、落ち着け垣根帝督。
   こういう時こそ今の状況を 冷 静 に 整理してみろ)

垣根(①今日はクリスマスイブです)

垣根(②告白は無事成功しました)

垣根(③そして今、自分の部屋でアイツと二人きりです)

垣根(…………)

垣根(エロいことしか思いつかねええええええええ!!)

垣根(クソッ、自分の童貞脳が憎い……!)


137 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:16:15.41 3Z9xAPe20 657/694


垣根(だけどここでヘタは打てねえ。万が一本能にまかせて暴走しちまったら今度こそ嫌われる!!)

垣根(ダメだ。一人で考えてもラチがあかねえ……!)


『がっつきすぎてしくじるなよ』


垣根(そうだ、一人で考えるからダメなんだよ)

垣根(だったら……)



------------------------------------------------------------------------------------------
  同時刻  小萌のアパート

上条「結局まともに作れるようになったのはカレーだけか……」

結標「何よ。文句があるなら食べなくても結構よ」

小萌「そうですよー。0が1になったのは大変な進歩なのです」

??「あの……」

上条「ん?」

風斬「私もお邪魔して大丈夫だったのでしょうか?」

小萌「当り前じゃないですか!ごはんはたくさんの人と食べる方がおいしいに決まってるのですよー」

禁書「そうだよ。ひょうかにたべてもらえて私もうれしいんだよ」

上条「そうそう、遠慮なんかすんなって」

結標「……それはあなたが言うセリフじゃないでしょ?」

上条「うるせー!」

風斬「……ありがとう、ございます」



フリーザフリーザフリーザフリーザ♪
ムロンオワランタマシイ I don't have a power! Shit! ♪
フリーザフリーザフリーザフリーザ♪
クライマックス ヨゲンナキイミ……♪



上条「あ、俺の電話だ」


138 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:17:07.60 3Z9xAPe20 658/694

結標「空気読んで電源くらい切っときなさいよ」

上条「無茶言うな!……って垣根から?」


ピッ


上条「はい、もしも……」

垣根『上条!後生だ、助けてくれ!!』

上条「ど、どうしたんだ一体?固法さんと一緒じゃないのか」

垣根「その固法のことだよ!!」

上条「だから落ち着けって!」


カクカクシカジカ!
マルマルウマウマ!


垣根『……って感じで今アイツとオレん家で二人きりなんだが……』

上条「切るぞ」

垣根『待って待って待ってください!後生の頼みだって言ってんだろ!?』

上条「いきなりかけてきたかと思ったら自慢とか……
   さすが第二位、常識が通用しませんねー」

垣根『これが自慢に聞こえんのか!声のトーンで必死さが伝わんねえのかよ!?』

上条「知りませんねー。上条さん筋金入りのKY(死語)なんで。じゃ」

139 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:17:51.68 3Z9xAPe20 659/694

垣根『ホントに頼む!せめてアドバイスだけでも!!』

上条「……しょうがねえなぁ」ハァ

垣根『おお、それでこそヒーローだぜ!!』


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同時刻 垣根のマンション

上条『それで、今どこからかけてんだ?』

垣根「オレの寝室からだけど……」

上条『本棚のある部屋か?』

垣根「ああ」

上条『じゃあ上の方にしまってある『HELL○ING』の7,8巻を見ろ。ちょっと出っ張ってるだろ?』

垣根「あ?……マジだ。何だコレ?」

上条『そこに必ず役に立つ、というか今の垣根に必要なものが入ってる。
   まぁオレからのクリスマスプレゼントだとでも思ってくれ』

垣根「マジで!?いつの間に!!?」

上条『こんなこともあろうかとこの間遊びに行ったとき、その奥に「あるモノ」を隠しておいたのさ!』

垣根「上条……お前ってやつはどこまで……」ジーン

上条『まぁどんなもんか見てみてくれよ』

垣根「おう!さて、一体どんなモンが……」ゴソゴソ



ごく薄0.01mm!ジャストフィットMk-X



垣根「…………」


140 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:18:36.20 3Z9xAPe20 660/694

上条『高かったんだぜーソレ。やっぱり避妊はしっかりしないとまずいだろ。』

垣根「」

上条『んじゃ、あとはがんばれよ。……色んな意味で』

垣根「…………」ワナワナ

上条『じゃあなー』ピッ



垣根「……何考えてんだアイツは!!」ビターンッ!

垣根「あのクソウニ野郎マジ役に立たねえ!っていうかバカじゃねーのか!」

垣根「……どんな顔して買ってきたんだよコレ。アイツも童貞だろ……」ハァ


コンコン


固法「垣根さん?」

垣根「!!」ビクゥ

固法「どうかしたの?大きな音がしたけど……」

垣根「あっ、ああ!ちょっと本棚からマンガ取ろうとしたら落としちまってな!」アセアセ

固法「そう……?
   あ、もうすぐ出来るから、リビングで待ってて」

垣根「お、おう分かった!すぐそっち行くから!」

固法「わかったわ」



垣根「…………はぁ」

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   19:11 垣根のマンション・ダイニング

固法「おまちどうさま」コトコトッ

垣根「おお来たきた……おお」

固法「今日はマカロニグラタンにしてみました」

垣根「……すげえな」

固法「ぜ、全然すごくなんかないわ。ミルクと混ぜて焼くだけのタイプだから」アセアセ

垣根「いや、十分すげえだろ。
   ……ありがとな、固法」

固法「!」///

垣根「じゃ、冷めないうちに食おうぜ」

固法「……そうね」



『いただきます』




141 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:19:42.00 3Z9xAPe20 661/694

垣根「……うまい」モグモグ

固法「本当?」

垣根「前にも言ったろ。世辞は言わない主義なんだ」

固法「よかったぁ」ニコニコ



垣根(ゴチャゴチャ考えてもしょうがねえ。焦ってもどうにもなんねえし)

垣根(今はコイツと――固法と一緒にいれるだけで十分だ)



固法「どうしたの?」

垣根「いや、幸せだなあって思ってよ」

固法「?」

垣根「アンタがオレのそばにいることがさ」

固法「…………ばか」///



垣根(まぁ上条は後でシメるけど)

垣根(アレも早々に処分しねえとな、コイツに見つかる前に)



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   19:46  垣根のマンション・ダイニング

垣根「……おっと、もうこんな時間か。固法」

固法「何?」

垣根「いや、遅くなる前にそろそろ帰った方がいいんじゃねえか?」

固法「…………えっ」


142 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:20:18.47 3Z9xAPe20 662/694

垣根「ほら、寮の門限とかあるだろ?同居人……碧美ちゃん、だったか?あの子も心配するだろうし。送っていくからよ」

固法「そう、ね」ショボン

垣根「そ、そんな顔すんなって!またいつでも来りゃいいし!」

固法「……来ても、いいの?」

垣根「あったり前だろ?またメシとか作ってくれよ。その……」

固法「?」

垣根「…………恋人、なんだし?オレら」カァァ

固法「!!!」

垣根「だから、いつでも来ていいし、何だったら明日来てもいいし!焦ることはないっつーか時間はたくさんあるっつーか……」


固法(はわわわわ)カァァァァ


垣根「だから今日は帰ろう!なっ!!」

固法「……わかっ」


フリソッソグカガヤキハ カギリッナクキミーヘートートドクー♪
ユメガ テラスアノバーショーヘー♪


固法「あっごめんなさい……碧美から?」


ピッ


固法「はいもしも……えっ!?」

垣根「」


143 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:20:58.88 3Z9xAPe20 663/694

固法「そんな急に……わ、私のことは今関係ないでしょ!?」

垣根「…………」ダラダラ

固法「!……どうしてそれを、ってちょっと碧美!待ちなさ……切れちゃった」


垣根(どうしよう、いやな予感しかしない……!!)


固法「あっ、あのね、垣根さん……」

垣根「あぁ、何となく察しはつくが言ってみろ」



固法「碧美が、今日は外泊するから帰らないって……」



垣根「さってと、ちょっと電話かけてくるわ」スクッ

固法「でんわ?」

垣根「ああ。あのバカに文句言ってやらねえとなあ……!!」



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  19:13  第7学区・黄泉川のマンション

番外「ウワッ、何このモヤシ強すぎ!つかキモッ!動きキモッ!」ガチャガチャッ

一方「ハッ、この程度でオレに挑戦するなンざ百年早ェンだよ」カタカタカタカタッ!

番外「早っ!コントロールパッド叩く音じゃないし!!」ガチャガチャガチャッ!

ドーシタッテカーナワナイ エッソラーゴトダロウガー♪
ムネヲモヤスヒハダレニモケセーハシナイー♪
ソラカラフルクロイアメガコノミーヌラシ フリーヤマナクトモー♪
マダケサセハシナイコノムネノヒ ソレガープライドー♪
ヨホウドオリニフリダーシタアメー……

打止「あなた、電話鳴ってるよ!ってミサカはミサカは差し出してみる!」

一方「あァ、ソイツは出なくてイイ電話だから」

打止「でも着信『メルヘン』って出てるよ?」

一方「だからだ」

柳迫「垣根さん折り返すの早いなー。美偉も今頃テンパってるだろうなー……」wktk

ピッ

芳川「はい、こちら一方通行の携帯です」

一方「出なくてイイっつっただろォがナニ当り前のように他人のケータイに出てンだクソニート!」

144 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:21:54.14 3Z9xAPe20 664/694

<…………!!!……!!!!!

芳川「ええ、…………ええ、分かったわ。今代わるから」ハイ

一方「……チッ。もしもォし」

垣根『……どういうつもりだ』

一方「なァンのことですかァ?」

垣根『すっとぼけてんじゃねえぞゴラァ!!!お宅の彼女さん外泊だそうじゃないスか!!?』

一方「へェーそォ。知らなかったなァ」

垣根『腹の立つとぼけ方すんなや!!どうせ泊まるのはテメエんとこだろ!!!!』

一方「キャーメルヘンヤラシィーサイテェー」

垣根『マジで殺すぞ!!テメエのおかげでなあ、こちとら鉄の自制心を以て立てた予定が台無しだよ!!』

一方「ヘェー……ホイ、ここでパルマっと」カタタタタ

番外「ギニャー!ミサカのガイアがー!!」マケター

垣根『連ザしながら電話してんじゃねえよ!!!つか何で今更連ザ!?』

一方「番外個体がガイアの出ないガンダムゲーなンざ認めねェっつーからよォ」

柳迫「」チョイチョイ

一方「あン?」

柳迫「」カワッテカワッテ

一方「……じゃ、ちょっとアイツに代わるわァ」

垣根『あっ、ちょっと待て。まだ話は……』

柳迫「やっほー、お電話代わりましたー」

垣根『その声……アンタやっぱりそこにいたのか!』

145 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:22:32.25 3Z9xAPe20 665/694

柳迫「まぁまぁ。だいたいのことは美偉から聞いてるんでしょ?そんなわけだから、今夜は美偉のことお・ね・が・い・ね?(はぁと」

垣根『アンタそのフレーズ好きだな!』

柳迫「……まさか、誰もいない部屋に送り帰すようなことはしないわよね?」

垣根『ウグッ!』

柳迫「さっきまで泣いてた女の子を、誰も待ってない、明かりも点いてない、暗くてさむーい部屋に置き去りにするんだー……
   へー、垣根さんってそういう人だったんだー……」

垣根『くっ!!……いや、でも』

柳迫「……おねがい」

垣根『あ?』

柳迫「今日だけ、今夜だけは、あの子のそばにいてあげて」

垣根『…………』

柳迫「その役はきっと、美偉をあの部屋から連れ出してくれた垣根さんにしかできないことだから」

垣根『………………』

柳迫「じゃ、あとはよろしくねー」

垣根『あっ、オイ!』

柳迫「エロいことはしてもいいけど、美偉を泣かしたら殺すからね♪」

垣根『えっ、殺……えぇっ!?』

柳迫「じゃねー!」

ブツッ




146 : ◆r4vICyDKLo - 2012/02/25 06:22:58.24 3Z9xAPe20 666/694

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   19:21  垣根のマンション・寝室

垣根「……えー……」


垣根(マジかよ……どうすんのマジで)


固法「あの……垣根さん」

垣根「」

固法「その、私……」モジモジ

垣根「……わかったよ」ハァ

固法「え?」

垣根「気が済むまで、ウチにいろ」

固法「……うん、ありがとう」



垣根「あーその……着替えとかどうする?」

固法「そうね……あとでコンビニに行ってくるわ」

垣根「マジで?最近のコンビニって何でも売ってんだな」

固法「確かに、近くに一軒あれば生活には困らないわね」

垣根「だなー…………」

『………………』

垣根「…………え、映画でもみるか?ヒマだし」

固法「そ、そうね。どんなのがあるの?」

垣根「あー……すぐ出せるところにあるのは『X-MEN』、『アイアンマン』、『スパイダーマン2』だな」

固法「何でアメコミ原作ばっかり……」

垣根「スパイダーマンでいいか?」ガチャコ

固法「えっ、ええ。任せるわ」

垣根「おっけ。再生……っと。ふぅ」ボスッ

固法「…………」

垣根「何してんの?アンタも座れよ」

固法「う、うん……」

ポスッ

垣根「……固法さん」

固法「……なに?」

垣根「なんか……近くない?」

固法「…………いや?」

垣根「……んなこと言ってねえだろ」

固法「よかった」ギュッ

垣根「」

固法「」ニコニコ



垣根(一晩もつかな、オレの理性)

171 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:23:16.62 rbiICj/R0 667/694

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   19:57  垣根のマンション・リビング

垣根「考えてみるとアレだな。クモに刺されたくらいでこんな安定した能力手に入ったら世話ねえって話だよな」

固法「…………」

垣根「身体検査(システムスキャン)で言ったら何て能力になるんだ、コレ?あっ、『暗中蜘糸(ウェブオブナイト)』とかどうよ?」ドヤァ

固法「…………」

垣根「……オイ、何か言えよ。さすがにノーリアクションは悲しい……」

固法「」コテン

垣根「!」



垣根(右半身に謎の重み……!そして本日二度目のデジャヴ……!!)



垣根「…………」チラッ

固法「」スウスウ

垣根「……やっぱりな」ハァ



垣根「ったくコイツは他人の気も知らねえで……」

垣根(……今になって緊張の糸が切れたんだろうな、多分)



固法「……ン……」モゾ



垣根「!!!」

垣根(ヤベェ、やっぱりコイツ寝顔カワイイ……つか寝息が!寝息が顔に当たって……!)


172 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:23:58.55 rbiICj/R0 668/694


垣根(今更ながらこの状況はかなり危うい!主にオレの自制心的な意味で!)

固法「…………かきねさん」

垣根「ウグッ!!」ビクッ

固法「…………スゥ」

垣根「寝言かよ……」

垣根(これはアレか?据え膳食わぬは何とやらってヤツか?……いや、さすがにそれは……)



固法「…………ぅん」モゾモゾ



垣根「!!!!」

垣根(…………きっ、)

垣根(キス位なら……してもバチは当たらねえよな……?)

固法「」スゥスゥ

垣根「……」ドキドキ

固法「」スウスウ

垣根「…………」ドキドキドキドキ

固法「」スウスウ

垣根「………………」ドッドッドッドッ!



コエテユケヨ、ソラ ドダイフーセンミタイナプライド♪
トマラナイデヨ、イマ ワレテナクナッチャウマエニ♪



垣根「……誰だよよりによってこんな時に!!!」


     【非通知】


垣根「非通知だと?」

垣根(非通知は拒否る設定にしてたはずだが……)

Pi

垣根「ハイ、もしも……」

心理『ハァイ、こんばんは。誰だか分かるかしら?』

173 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:24:42.96 rbiICj/R0 669/694


垣根「!!!心理定規……!」

心理『ぴんぽーん♪』

垣根「テメェどうやってこの番号を……いや、ンなことはどうでもいい。
   今どこにいる?」

心理『教えるわけないじゃない。言ったら貴方、私を殺しに来るでしょ?』

垣根「よくわかってるじゃねえか」

心理『物騒ね。こっちは感謝してもらいたいくらいなのに』

垣根「はぁ?」イラッ

心理『障害が多いほど愛は盛り上がるって、よく言うでしょう?』クスクス

垣根「テメェいい加減に……」

心理『……離しちゃだめよ』

垣根「あ?」

心理『何でもないわ。じゃあね、王子様。お姫様によろしく♪』

垣根「おいちょっと待て……!」



心理『――――サヨナラ』

ブツンッ

垣根「……切れやがった」

垣根「………………」チラッ

固法「…………ン……」

垣根「…………誰が離すかよ」



174 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:25:29.59 rbiICj/R0 670/694

------------------------------------------------------------------------------------------
   同時刻 路上

パタンッ

心理「……ふう。これでようやく御役御免ね。せいせいするわ」

心理(そう、これで……おわり)

心理(ハッピーエンドの先に、魔法使いの居場所なんてないんだから)



「なにしてるの?」



心理「!」バッ

「そんなかっこうで、さむくない?」

心理「あなた……能力追跡(AIMストーカー)?」

滝壺「……たきつぼ」

心理「え?」

滝壺「わたしの名前は、たきつぼりこう。能力追跡じゃないよ」

心理「そ、そう……それで?私に何か用かしら?」

滝壺「……うん?」ハテ

175 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:26:17.90 rbiICj/R0 671/694

心理「……自分を殺そうとした相手にどういう意図で声をかけたのか、という意味で訊いたんだけど」

滝壺「べつに理由はないけど……ただ」

心理「ただ……何?」

滝壺「泣いてるように、見えたから」

心理「泣いてる……?私が?面白い冗談ね」クスクス

滝壺「…………」

心理「話はそれで終わり?悪いけどもう行くわね」

滝壺「まって」トコトコ

心理「まだ何か……」



ギュッ



心理「!?ちょっと、ヤダ離し……」

滝壺「泣かないで」ヨシヨシ

心理「だから泣いてないって……!」

滝壺「泣いてるよ。



   あなたのAIM(こころ)は、ずっと泣いてる」

心理「!!!」

176 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:27:05.76 rbiICj/R0 672/694

滝壺「わたしが声をかける前から、いたいよ、くるしいよ、って。あなたのAIMから伝わってきてたよ」

心理「わっ、わたしは……」

滝壺「がまんしないで」ナデナデ

心理「え……?」

滝壺「こうすれば、だれからも見えないから」ギューッ

心理「…………!!」ポロッ



心理「……った」ポロポロ



心理「…………すきだった。……ずっと好きだったの!」ボロボロ



滝壺「………………」ナデナデ

心理「初めて会ったときから……『スクール』にいたときもずっと!!」

心理「だけど、言えなかった……言えるわけがなかった。
   この街の暗がりは、そんな馴れ合いが通用するような優しい世界じゃなかった…………それに、」

心理「あの人は、一度も私のことなんて見てくれなかった!!!」

177 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:28:12.94 rbiICj/R0 673/694




心理「暗部が壊滅して、やっと見つけたあの人の隣には……もう彼女がいた」

心理「能力なんて使うまでもなく分かった。あの子は、私が届かなかった距離(ところ)にいるんだ、って」

心理「あの人も…………同じ気持ちだって」

滝壺「……だから、『まほうつかい』になったの?」

心理「っ………………そうよ」

心理「だって、私はお姫様じゃないから。誰も私に、ハッピーエンドを届けてはくれないから」

心理「だから私は魔法使いに……、いえ、わるい魔女になることにしたの」

心理「とらわれのお姫様を王子様が救い出す、なんてハッピーエンドのお膳立てをするわるーい魔女にね」

心理「そうでもしなきゃ、あの人の物語に私の居場所なんてなかった!」



滝壺「……おわらせたかったんだね」

滝壺「ふたりの物語と一緒に、じぶんの気持ちもおわらせたかったんだよね」

心理「……あなたに、隠し事はできないみたいね」

滝壺「おわらせられた?」

心理「…………!」

滝壺「あなたの気持ちは、本当におわらせられたの?
   おはなしみたいに、きれいにおわらせられたの?」



心理「……そんなの、無理よ……!」



滝壺「…………」

心理「痛いわよ……!苦しいわよ…………!!辛くて胸がはり裂けそうよ!!
   でも、しょうがないじゃない!!もう終わったんだから!もうこの物語に私は必要ないんだから……!」

ギュッ

滝壺「おわらせなくていいんだよ」ギュー

心理「…………え……?」


179 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:28:55.65 rbiICj/R0 674/694


滝壺「あなたの気持ちは、あなただけのものなんだから。
それは、だれかのおはなしのために無理やりおわらせる必要なんてないんだよ」

心理「じゃあ私はどうすれば……!」

滝壺「……しらないんだね」

心理「どういう、意味……?」





滝壺「失恋したときはね、思いっきり泣けばいいんだよ」ニコッ





心理「!!!」

心理「…………」

心理「………………ぅ」ポロッ







心理「うああああああああああああああああああああああああああん!!!
   っく、ああああああああああああああああああああああああ…………!!」ボロボロ

滝壺「……よしよし」ナデナデ




………………

…………………………

……………………………………

滝壺「」ナデナデ

心理「……ありがとう。もういいわ」スクッ

滝壺「?」キョトン

心理「……いつまでも泣いていられないもの。自分の足で立って、自分の足で歩かないとね」

180 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:30:02.51 rbiICj/R0 675/694


滝壺「……どこに行くの?」

心理「どこかしらねぇ……今はまだ「どこか」としか言えないわね。あてはないけど」

滝壺「ねえ」

心理「……何かしら?」

滝壺「もしよかったら、わたし達といっしょにこない?」

心理「……え?」

滝壺「ひとりじゃ見えなくても、みんなでいれば見えてくるかもしれないよ、行き先」

心理「……無理よ」

滝壺「どうして?」

心理「だって……私は『スクール』で……貴方達『アイテム』の敵で……」

滝壺「そんなの関係ないよ」

心理「あるわよ」

滝壺「ないよ」

心理「…………」

滝壺「仲直りなんて今からいくらでもできるよ」

心理「仲直りってあなたねぇ…………」

滝壺「それに」

心理「?」

滝壺「今日はクリスマスイブだから。ひとりよりみんなで居る方がたのしいよ」

心理「……そういう、ものかしら」

滝壺「そうだよ。さ、いこ」ギュッ

心理「ちょ、ちょっと!」タタタ……

181 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:30:44.82 rbiICj/R0 676/694

「ほんとはね、はまづらたちとはぐれて、みんなを探してる途中だったんだよ」

「……迷子だったの?」

「うん。いっしょだね」

「!」カァァ



「あっ滝壺!お前今までどこに……ってソイツは!」

「…………ひさしぶりね」

「『スクール』のドレス女!!何で愛しの滝壺ちゃんとお前が手ェつないで俺の目の前にいるワケ!?」

「すかうとしてきた」

「はぁぁぁぁぁ!?」

「行くところないっていうから」

「そんな野良猫感覚で…………」

「そうだ。ねえ」

「なっ、何?」

「滝壺サン俺のハナシ聞いてます!?」

「なまえ、おしえて」

「……『心理定規』。ずっとそう呼ばれてたわ」

「能力のじゃなくて」

「っ…………」

「あなたのなまえがききたいな」

「私の……」



「私の、名前は―――――――」





182 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:31:38.13 rbiICj/R0 677/694


------------------------------------------------------------------------------------------
   20:22  垣根のマンション・リビング


固法「…………ぅ……ん?」ムクッ

I hear a voice inside me again……♪
It’s telling me to surrender to the fight……♪
A shadow land far beyond the light……♪

固法「あれ、私……そうだ、あの後寝ちゃって……あれ?」

固法(垣根さん……どこ?)キョロキョロ

固法「……いた」



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     ベランダ

垣根「……寒ぃ」

ガララララッ

固法「垣根さん、ここにいたのね」

垣根「おお固法。起きたのか」

固法「こんなところで何してるの?」

垣根「いや、別に。ただこの街の灯りを眺めてたんだ」

固法「うわぁ……すごい夜景」

垣根「だろ?この景色は結構気に入ってんだ。なんつーか、『人間ってスゲエな』って実感できるっつーか」

固法「えっ?」

垣根「……正直、オレはこのクソみてぇな街が大っ嫌いだった。
   この学園都市は、東京の3分の1なんてとんでもねえ規模をもった科学の都だ。
   ――――が、その実態は、ある一人の野郎がテメエの『実験』とやらのために作り上げた箱庭……
   そしてオレら能力者は、その箱庭で閉じ込められた哀れな子羊ってワケだ」

固法「…………」

垣根「…………だけど、そんなクソみてえな街でも、人は生きてる。
   ここから見える灯りは、そこに人がいる証拠だ。
   ――――確かに、人が生きてる何よりの証明だ」


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………………………
……………
……

183 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:32:07.00 rbiICj/R0 678/694


上条「……ケーキって、どうやって五等分すんだ?」

結標「うーん…………」

禁書「わかった!まずわたしが半分たべて、のこりを四つにわければいいかも!」

上条「ふざけんな!…………いや、それが一番現実的かもな。半分や四等分だったら簡単だし、そもそも四人のつもりで買ってきたからな……」

風斬「わ、わたし帰ります!」

禁書「やだー!ひょうかもいっしょじゃなきゃイヤなんだよ!!」

上条「あっ!違う違う!そういうつもりで言ったんじゃないんだ、ゴメン風斬!!」アワアワ

結標「そうよ。ったくホントにデリカシーのかけらもない男ね。代わりにアンタが帰りなさいよ」

上条「このケーキ用意したの俺なんだけど!?」

小萌「どうしたんですかー?」

結標「あっ、そうだ小萌。よけいなナイフか包丁ない?五本同時にケーキに座標移動させればキレイに分けられるかも知れないわ」

上条「怖っ!!」

小萌「我が家にそんな数の刃物はありませんし、余計な洗い物が増えるので却下でーす。
   それに五等分くらいなら一本だけで楽勝なのです」

上条「ホントですか?」

小萌「幾何学の簡単な応用なのですよ、上条ちゃん。
   まず円周上に任意の定点を取って――――」



184 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:33:47.31 rbiICj/R0 679/694

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………………………
……………
……

番外「あ゛ぁぁーーーーーーーっ!!!また負けたぁぁぁぁ!!!」

一方「もォ諦めたらどォだァ?」

番外「ちょっ、勝ち逃げとかありえないから!」

一方「あァーそォいうセリフはせめて一勝してから言ってもらえますゥ?」

番外「ムカツク……!このモヤシ超ムカツク!!」



柳迫「ホントに仲いいなあ、あの二人」

芳川「うらやましい?」

柳迫「……すこし」///

打止「お姉ちゃん、顔真っ赤ー!ってミサカはミサカは初々しい反応にニヤニヤしてみたり!」

ガチャッ

タダイマジャーン

打止「あっ!ヨミカワ帰ってきた!ってミサカはミサカは玄関へダッシュしてみたりー!」トテテテ

黄泉川「ふいー、疲れたじゃん」ヨッコイセ

打止「ヨミカワおかえりー!ってミサカはミサカは母性の塊にダーイブ!!」モフッ

黄泉川「おーただいまじゃん、打ち止め」

芳川「おかえりなさい。意外に早かったわね。もう準備万端よ」

黄泉川「鉄装が気をきかせてくれたじゃんよ。本当ならまだ見回りの真っ最中じゃん」

打止「ねぇねぇヨミカワ、それなぁに?ってミサカはミサカは期待をこめつつ後ろの大きな紙袋を指差してみる」ソワソワ

黄泉川「おっ、さすがにめざといじゃん。……メリークリスマス、打ち止め」ハイ

打止「~~~~~~~~!!!ありがとーヨミカワ!!ってミサカはミサカは全身全霊でワーイ!!
   ねえ、開けてもいい?ってミサカはミサカは返事より早く包装紙に手を伸ばしてみたり!」ゴソゴソ


185 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:35:44.34 rbiICj/R0 680/694


番外「……チッ、ハシャいじゃってまぁ。やっぱり上位個体っつってもガキはガキ……」ウズウズ

芳川「ハイ、番外個体には私からよ」

番外「えっ、ホントに……っ!?」パァァ

一方「」ニヤニヤ

番外「っ……フ、フン!まっ、まあくれるんならもらってあげてもいいかな!
   ……開けてもいい?」

芳川「フフッ、どうぞ」クスッ




186 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:36:36.72 rbiICj/R0 681/694

打止「……お洋服だ!あなた、碧美お姉ちゃん、ニットのワンピースだよ!ってミサカはミサカはさっそく見せびらかしてみたり!!」

一方「あァーハイハイカワイイカワイイ」

打止「むぅー、心がこもってない!ってミサカはミサカはもう一回ちゃんと見せてみる!」ホラホラ

柳迫「ほんと、すっごくかわいいよ、打ち止めちゃん」

打止「ありがとー、お姉ちゃん!」ニパーッ

黄泉川「こないだ街で打ち止めくらいの女の子がそんな感じの恰好してて、きっと打ち止めにも似合うとおもったじゃん」

打止「もこもこー!」ギューッ


番外「おっ、チャイナドレスだ!」

芳川「いいかげんアオザイも飽きたかと思って。通販でそれっぽいのを見つくろってみたの」

番外「うはーカッケー!!」キラキラ

芳川「完全受注生産の別注よ。サイズも最初から貴方に合わせて作ってあるわ」

一方「…………そンなモン買う予算どこにあったンだよ」ヒソヒソ

芳川「……私知らなかったわ」

一方「ハァ?」

芳川「株って儲かるのねぇ」シミジミ

一方「コイツいつの間にかネオニートに進化してやがる……」

番外 止め「「着てくるーーーーーーー!!」」キャー

ドタドタドタ……




187 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:37:08.43 rbiICj/R0 682/694


柳迫「あははっ、二人ともかわいいなぁもう」クスクス

一方「ケッ」

柳迫「あなたは用意してないの?」

一方「何を?」

柳迫「プレゼント。あの二人に」

一方「ハァ?なァンでオレがそンなモン用意しないといけねェンだァ?」

柳迫「またそんなこと言って」

一方「…………ま、アレだな」

柳迫「?」

一方「オレの知ったことじゃねェが、あンなクソガキどもにプレゼントくれてやろォって奇特なサンタならいるかもしれねェなァ」

黄泉川「」ニヤニヤ

芳川「」クスクス

一方「そこの二人ィ!ニヤニヤするンじゃねェ!!」

柳迫「ふふっ、あはは!」

一方「それと……ホラよォ」ズイッ

柳迫「えっ?」

一方「…………オマエにだ」

柳迫「!」カァァァッ

一方「……そこの二人ィ!!!だからニヤニヤすンなっつってンだろォがァ!!!!」




188 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:38:04.13 rbiICj/R0 683/694

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………………………
……………
……

御坂「おりゃりゃりゃりゃ!!」カタカタカタ

初春「ふぬうううううううう!」カタカタカタカタ

佐天「初春ー、御坂さーん、早くケーキたべようよー!」

御坂「もう……ちょっと待ってて!!」カタカタカタカタッ!

初春「次で、次でマッチポイントラウンドですから!」カタカタッ!

御坂「甘いわ!このラウンドで決着よ!」ジオダイーン!



佐天「もぉー」

黒子「それにしてもずいぶん立派なケーキですわね」

佐天「そうでしょ?でもビックリするくらい安かったんですよ」

黒子「……それはそれでどうなんですの?」

佐天「いえいえ。初春とさっき買ってきたんですけど、
   売り子のお兄さんが『お嬢ちゃん達めっさカワイイからサービスやでぇ!』って言ってマケてくれたんです」

黒子「その短いセリフからもう既にその殿方のキャラクターがにじみ出ていますわね……」

佐天「しかもホラ、
   『クリスマスと言えばこれやろ。もって行きー』って言ってコレ、シャンメリーまでくれて」

黒子「それどこのケーキ屋さんですの?」

佐天「いえ、ケーキ屋さんじゃなくてそこの――――」




189 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:38:59.67 rbiICj/R0 684/694

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………………………
……………
……

青髪「おっかみさーん!ただ今帰りましたー!生クリーム15ホール、生チョコ10ホール完売でーっす!!」

「お疲れ様!寒かっただろう?今温かいもの淹れるからね」

青髪「うはー!おおきにおおきにおかみさん!あっ、誘波ちゃんもお疲れさん!」ニコニコ

「………………」

青髪「うん?どないしたん?」ニコニコ

「アンタ、何でそんなにうれしそうなの?」

青髪「何でて、決まってるやないの。おかみさんと誘波ちゃんの作ったケーキがぎょうさん売れて嬉しないわけないやん!」

「…………」

青髪「それに予約の方は結局サッパリやったからなぁ。挽回する意味でも当日張り切らんでどないすんねん。
   ってなわけで、誘波ちゃんもガンガン作ってな!僕がバンバン売りまくってくるさかい」

「いやよ。売れ残ったら廃棄がもったいないじゃない」

青髪「大丈夫大丈夫。それは絶対ない。余ったら僕がぜーんぶ食べるから」

「はぁ!?」

青髪「だって誘波ちゃんさっき言うたやろ?もったいないやん」

青髪「それに誘波ちゃんが作ったケーキなら、いくらでも食べられるでぇ、僕は!」



「…………バカだバカだと思ってたけど」

「ほんっっとにバカね、アンタ」ニコッ

青髪「!!!!!
   誘波ちゃん、今……!」

「わっ、笑ってない!!」

青髪「いや、僕まだ何も言うてないけど」

「しまっ……、いいから、今見たことは忘れなさい!!今すぐ!!!」

青髪「僕の思うた通りや!やっぱり笑った誘波ちゃんめっちゃカワイ」

「しっ、しね!!」ドカバキッ!

青髪「ぐへぇ!」




190 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:40:17.19 rbiICj/R0 685/694

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垣根「…………そう考えたらよ、この街も案外捨てたモンじゃないんじゃねえかって。そう思うんだ」

固法「……素敵ね」

垣根「ああ。夜だってのにまぶしいくらいだ」

固法「………………私も」

垣根「ん?」

固法「私も、そこに含まれてるのかしら?垣根さんが好きな、この景色の一部に」

垣根「!!」ドキッ

固法「どう?」ジッ

垣根「……一部じゃ、ねえ」

固法「え?」

垣根「…………ああもう!こういうことだよ!」グイッ

ギュッ

固法「!!」

垣根「夜景の一部になんてさせねえよ。オレはアンタと、同じ灯りを囲んでいたい。
   同じ灯りの下で笑っていたいって、そう思ってるんだからよ」

固法「っ~~~~~~~~!!」カァァァ

垣根「……うわっ、オレ今スゲエ恥ずかしいこと言った?」

固法「…………反則級の」////

垣根「じゃ、反則ついでにもうひとつ。後ろ向いて目ぇつぶれ」

固法「?こう……?」クルッ

垣根「そうそう……あ、ちょっと顎上げてくれ。そうそう」

固法「…………??」

チャリッ

固法(何の音……?)

垣根「もういいぜ」

固法「一体何が…………これっ!!!」



垣根「…………メリークリスマス」ニヤッ




191 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:41:04.77 rbiICj/R0 686/694

固法「このネックレス……あのお店の!?」

垣根「ああ。あの後こっそり確保しておいたんだ」

固法「でもこれ、すごく高くて……」

垣根「超能力者の財力ナメんな」

固法「だって、私の方は何も用意してないのに」

垣根「そんなん気にすんなよ」

固法「それに……似合ってないし……」

垣根「んなことねえよ







   似合ってるぜ、美偉」ヒソッ

固法「!!!」

固法(今、名前で……!!)/////

垣根「どした?顔がゆでダコみたいだぜ?」ニヤニヤ

固法「…………いじわる」

垣根「今更だな」

固法「て……」

垣根「あん?」




固法「帝督さんの、いじわる」

垣根「ぅぐっ!!!…………キタ。今のはキタぜ。」

固法「やられっぱなしは趣味じゃないの」

垣根「上等じゃねえか……」

固法「ふふふっ」


192 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:42:43.97 rbiICj/R0 687/694


垣根「……来年も」

固法「?」

垣根「来年のイブも、オレと一緒にいろ。それでネックレスの件は勘弁してやる」

固法「…………来年だけ?」

垣根「……いや。
   来年も、再来年も、その次の年も、その先も」


193 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:43:10.81 rbiICj/R0 688/694








垣根「ずっと、一緒だ」




194 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:43:50.23 rbiICj/R0 689/694


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「ふふふふふーん、ふふふふふーん♪」ヌリヌリ

「美可?何してるの?お絵かき?」

「うん!」

「これは……美可とパパとママ?」

「そう!にてる?」

「ええ。とっても上手よ」

「ありがとー!」

「じゃあもうすぐパパが帰ってくるから、手を洗ってごはんの準備しようか。お絵かきの続きは、ごはんの後で。分かった人ー?」

「はーい!!」

ガチャガチャ

「ただいまー」

「ぱぱだーーーーーっ!!」ドタドタ

「おぉ美可ー。パパ帰ったぞー」

「ぱぱおかえりー!」ギュッ

「ただいま。今日の晩ご飯は何だ?」

「あのねー、ぱぱの好きな『かぼなーら』だよ」

「カルボナーラな。言ってみ、『かるぼなーら』」

「『かるぼなーら』?」

「そうそう。美可は物覚えがいいなー!さすがオレの娘だ!」ワシワシ

「きゃー!」

「おかえりなさい、あなた。今日は少し早かったのね」

「ああ。今はハゲチーフに付き合って工場とかスタジオとかの外回りだったからな。抱えてるカットもないし」

「じゃあ夕飯まであと少しかかるから、美可の相手しててくれる?」

「ぱぱー、あそぼー」グイグイ

「わかったわかった。引っぱるなって」

「その前に」

「あん?」

「妻に『ただいま』は?」

「……そうだったな」


195 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:44:16.77 rbiICj/R0 690/694





「ただいま、美偉」

「おかえりなさい、帝督さん」



Fin





196 : ◆r4vICyDKLo - 2012/03/22 00:50:31.66 rbiICj/R0 691/694

以上で、第三部「成就編」および本編のストーリーは完結になります。

最初は「一番好きな男性キャラと女性キャラをくっつけたら最高に萌えるんじゃね?wwww」
という最高に安易な発想から始まったSSでしたが、
読んでくださった皆さんの支援の御蔭でようやく完結させることができました。


ここまで読んでくださって本当に、
本当にありがとうございました。












『ココデオワルハズガナイノニ』?

197 : VIPに... - 2012/03/22 00:57:24.80 67Avsyt7o 692/694

乙だーーー
面白かたよ

198 : VIPに... - 2012/03/22 01:16:53.92 lxrKMUrR0 693/694

乙!
すげえニヤニヤした
もちろん番外編も期待してる

207 : VIPに... - 2012/03/24 12:05:31.22 bu3uVX2fo 694/694

乙!
毎回ニヤニヤの止まらないスレだったww
番外編期待してまってる

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