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345 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 15:36:18.02 29+oOgja0 209/274

第11話「二枚の縞柄下着(ジョーカー)」



~12月24日(日)クリスマスイブ~


恭介「お待たせ、仁美さん」

仁美「きょ、恭介さん・・・///」



仁美「それでは参りましょうか」




恭介「まずは、オーケストラコンサートに行こう」



~見滝原中学~


和子「・・・」ゴゴゴ・・・


女子生徒「うわぁ・・・早乙女先生すごい剣幕・・・」


女子生徒「今年はイブが休日だから仕事に逃げられなかったからね・・・」



和子「毎年の恒例行事にさせないためにも・・・今年で終わらせるつもりで盛り上がっていきましょう!」

クラス別クリスマス会、まどか達のクラスの場合



和子「じゅんこ~、もっと飲みなさいよ~」

詢子「相当焦ってるみたいだね・・・あんた」




まどか「今年はお父さん、お母さん達も参加するんだよね。にぎやかで嬉しいな」

さやか「そうだね・・・」




まどか「・・・」

まどか「さやかちゃん・・・やっぱり杏子ちゃんの事・・・」


まどか「大丈夫だよ・・・きっとなんとかなる、ううん、なんとかする」

まどか(待ってて杏子ちゃん・・・絶対力を取り戻して・・・あなたを救ってみせるから!)



まどか「だから今日くらいは・・・ちょっと息抜きしても良いんじゃないかな・・・」

まどか「氷室君だって・・・本当はさやかちゃんと出かけたかったと思うし・・・」



さやか「まどか・・・」

さやか「確かに・・・デートに誘われたんだけどね・・・」


さやか「杏子が大変な時に・・・あたしだけはしゃぐわけにはいかないからって・・・断っちゃった・・・」

まどか「さやかちゃん・・・」

346 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 15:53:56.42 29+oOgja0 210/274

中沢「今年は・・・生徒側の参加者が去年より少ないな」

男子生徒「うん。アレだ。カップルになった生徒が何組かいるからな」


男子生徒「上条と志筑さんとか」


中沢「あれ?あそこにいるのは上条と志筑さんの両親じゃないか?」



とある生徒の母「あら?そういえば上条さんと志筑さんとこのお子様は・・・?」

上条父「若いもの同士ふたりきりにさせたほうが良いと思いましてね」


仁美母「私達がこちらにお邪魔することで水入らずで過ごせるようにと・・・」




中沢「な・・・!?」


中沢「おい上条・・・お前・・・まさか今夜・・・」




~コンサート終了~


恭介「どうかな・・・?気に入ってもらえたかな?」

仁美「ええ、とっても・・・ですが、
恭介さんは今回どちらのコンクールにも参加されないで良かったのですか?」




恭介「確かにクリスマスはコンサートやコンクールが増えるから・・・参加しようと思えば出来たけどね」

恭介「僕は・・・春休みのコンクール一本に精一杯がんばるって決めたから・・・」



恭介「それに・・・」

恭介「今日この日は・・・初めから一番大切な人のために使うって決めてたから・・・」



仁美「きょきょきょ・・・恭介さん!?///」

仁美「あ・・・あぁう・・・そ、そんなもったいないお言葉を・・・」しゅうぅ



恭介「可愛いな仁美さんは・・・焦るとなんだかさやかみたいだよ」

仁美「え・・・えっと・・・」



恭介「あ、ごめん。さやかの名前を出したのは無神経だったかな」

仁美「い、いえ・・・構いませんわ」



仁美「春のコンクール・・・さやかさん達も来てくれるでしょうか・・・」

恭介「来てくれるさ。きっと」


仁美「でしたら・・・その時こそ氷室君にご挨拶を・・・」

恭介「そうだね・・・アイツも呼んで・・・Wデートを成立させるのも悪くないね・・・」

347 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 16:12:16.36 29+oOgja0 211/274

恭介「僕の願いは・・・お世話になった人たちに演奏を聴いてもらう事なんだ」

仁美「・・・?恭介さん?」


恭介「仁美さんや・・・さやかはもちろん・・・
巴さん、なぎさちゃん、鹿目さん、佐倉さん・・・暁美さんも」


恭介「皆に演奏を聴いてもらう事・・・それは何に変えても叶えたい願いなんだ」

仁美「大げさですわ恭介さん・・・さやかさんはきっと来てくれますわ」



恭介「そうだね・・・きっと」ぽろぽろ


仁美「きょ・・・恭介さん!?」



恭介「叶うといいな・・・僕の願い・・・」ぷるぷる

恭介「また・・・昔みたいにさやかは喜んでくれるかな・・・?」



恭介「う・・・うぁああああ!!!」ぎゅっ

仁美「・・・!?」



恭介「さやかと・・・さやかと離れ離れにならなくちゃいけないんだ・・・もうすぐ!!」

恭介「今までずっと・・・僕を支えてくれた友達だったのに・・・僕が何も恩返しできないままさやかは・・・!!」




仁美「さやかさんが・・・?」


仁美「大丈夫・・・大丈夫ですわ。恭介さん」ぎゅっ

恭介「・・・う・・・うっ」ポロポロ




仁美「さやかさんに何があっても・・・私だけはあなたの傍にいます」

仁美「これからもずっと・・・」



恭介「仁美さん・・・」




~暁美ほむらのクリスマス~

ドールズ「ケケケ!!」


ぐしゃあっ


ドールズ「・・・」



ほむら「人形一人潰すのに・・・これだけ手こずるなんて・・・」

ほむら「悪魔の力が弱まっている・・・円環の理を掌握しつつあるというインキュベーターの
言葉は本当のようね・・・」

ほむら「だとすれば・・・ワルプルギスの夜を倒せば・・・まどかから奪った力も元に・・・」

348 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 16:34:31.04 29+oOgja0 212/274

~マミ、なぎさのクリスマス~


マミ「クリスマス仕様、特製チーズケーキよ」

なぎさ「わーい!」



マミ「・・・」

なぎさ「マミ?」



なぎさ「やっぱり・・・浮かれてる場合じゃないのです・・・なぎさは・・・悪い子なのです」

なぎさ「なぎさも円環の力を取り戻して・・・杏子をワルプルギスから救い出してみせるのです!
だから・・・マミには元気になってほしいのです!」



マミ「その後・・・あなたはどうなるの?」

なぎさ「マ・・・マミ!?」



マミ「佐倉さんもあなたも・・・美樹さんも鹿目さんも・・・」

マミ「天秤に掛けられる仲間なんて・・・誰もいないのよ!
佐倉さんが戻ってきても・・・あなた達が消えたら・・・私・・・」



なぎさ「・・・」

なぎさ「それでもなぎさもさやかもまどかも・・・正しい道を選択するのです」


なぎさ「それが・・・魔法少女達の救済の力・・・「円環の理」の使者の役目なのですから・・・」



なぎさ「正しい理を取り戻せば・・・いつかマミを迎えに行くのです」

なぎさ「だから・・・なぎさは精一杯思い出を作るのです」


マミ「本当なの・・・!?本当に・・・もう一度あなたに会えるの!?」



なぎさ「楽しければ楽しいほど・・・別れの時が辛くなるのです。でも再会のときはきっと、もっと嬉しいのです」




なぎさ「おばあちゃんになるまで・・・なぎさはマミを迎えになんて行かないのです」

マミ「そんな・・・」



なぎさ「だからマミには長生きして欲しいのです・・・なぎさとの約束なのです」

なぎさ「マミが大好きなのです。お母さんと同じくらい」



なぎさ「なぎさは親不孝で・・・「おばあちゃんになりたい」というお母さんの願いを叶える前に導かれちゃったのです。
マミはお母さんの代わりに・・・その願いを叶えて欲しいのです」


なぎさ「きっとマミの旦那になる人は・・・毎晩マミを・・・ですから子供なんてすぐに」

マミ「ストーップ!!ストップ!!それ以上は駄目!」


マミ「なぎさちゃんが猥談を話すほうがお母さん悲しむわよ!」

349 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 16:50:34.48 29+oOgja0 213/274

なぎさ「そして・・・円環の記憶が訴えているのです・・・」

なぎさ「なぎさが円環の力を取り戻すために必要なこと・・・それはマミのおっぱい」

マミ「え・・・?」


なぎさ「マミ、なぎさの事をベベと呼んで・・・そして授乳させて欲しいのです!」

マミ「え、ええええええええ!?」




なぎさ「お願いなのです!なぎさは力を取り戻したいのです!」

マミ「・・・」



マミ「わ・・・わかったわ・・・」

マミ「なぎさちゃんになら・・・何されてもいいかもって・・・心のどこかで思っていた気がするの」



マミ「さぁ・・・来なさい、ベベ・・・」


ぽろり

なぎさ「おおっ!!」



なぎさ「・・・」

ちゅぱちゅぱ・・・


マミ「んっ・・・」


マミ「あ・・ああっ・・・」


マミ「ベベ・・・駄目・・・もうすこしゆっくり・・・う・・・んっ・・・///」



キュゥべえ「何やってるんだ・・・この子たちは・・・」




~仁美の家、仁美の部屋~


仁美「落ち着きましたか・・・?恭介さん」



恭介「うん・・・ありがとう仁美さん・・・」

恭介「ところで・・・仁美さんのご両親は?」


仁美「・・・」

仁美「恭介さんのご両親と一緒に・・・学校の方のクリスマス会へ」

恭介「・・・!?」

仁美「つまり・・・パーティが終わる22時・・・それまではふ・・・ふたりきりですわ!」


仁美「10時以降出歩いているわけでは無いですから・・・ちゅ、中学生として健全なデートですわ!」


恭介「え・・・えええええ!?」ドキドキ

351 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 17:03:26.26 29+oOgja0 214/274

恭介(ま・・・まさか・・・!?いや有り得ない!!)

恭介(いたってマジメな・・・お嬢様である仁美さんの方から・・・そんな事・・・)


恭介(・・・!?なんだ・・・僕のこの感情は!?さっきまで悲壮感にひたっていたくせに!)

恭介(だ、だからこそなのか・・・僕の寂しさをやわらげてくれる・・・
仁美さんの・・・と・・・一つになりたいと思っている・・・!!)




仁美「恭介さん・・・」

仁美「いつだった恭介さん・・・強引に私を自分の部屋へと・・・お誘いになりましたよね?」


はらり

恭介(ひ・・・仁美さんが・・・服を・・・!!)ドキドキ


仁美「あの時の続き・・・私はいつでも宜しかったのですよ?」



パサッ(スカート)

恭介「・・・!!」


恭介「し・・・しししし・・・縞パン!!」


恭介「仁美さんの・・・縞パン!!」ドキドキ


仁美「やはり・・・お好きでしたのね・・・」




仁美「ここからは・・・恭介さんの番ですわ」

仁美「本能のままに・・・私の縞パンを・・・」



恭介「ほほほ・・・本当に良いのかい!?」

仁美「ええ・・・は、早く来て・・・」




恭介(僕は・・・僕は・・・)


恭介(一つに・・・仁美さんの・・・と一つになりたい!!)




恭介(仁美さんの・・・・仁美さんの・・・・!!)

スルッ(ぱんつ脱がし)

仁美(・・・つ、ついにこの時が・・・!!)




恭介(仁美さんの縞パンと・・・!!一つになりたい!!)

がばっ

仁美「え」

恭介「フォオオオオオオオオオッ!!!」ピカーッ

352 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/05 17:16:10.76 29+oOgja0 215/274


仁美「・・・?」



しーん・・・


仁美「きょ・・・恭介さん!?」

仁美「恭介さん!?ど・・・どこに行ってしまったの・・・」




~外~

バイオリン仮面「・・・!!」


バイオリン仮面「力が・・・かつてない程の力がみなぎっている!!」

バイオリン仮面「杏子の縞パンもすごかったが・・・仁美さんの縞パンはそれ以上だ!!」



バイオリン仮面「今の私なら・・・魔女や魔獣が何体いたとしても・・・」





バイオリン仮面「!!」



モブ魔女「KYOAAAAAA!!」


モブ魔獣「UOOOOOOO!!」

モブルシファー「「HYAHAHAHAHAHA!!」」



一般人「うわ・・・うわああああああ!!」




バイオリン仮面「やめろ!!その人たちに手を出すな!!」


バイオリン仮面「私の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



しゅわああああ・・・・




~~~

キュゥべえ「!?」

ほむら「!?」



ほむら「大きな魔力が複数現れて・・・より多くの魔力がそれらを一瞬にして消した!?」

キュゥべえ「上条恭介・・・君は・・・」




355 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/06 19:12:18.19 2cpsunsl0 216/274

バイオリン仮面「ハッ!」

バイオリン仮面「仁美さんを置いてきてしまった・・・」


(変身解除)



恭介「な、なんて言い訳すれば・・・とりあえずメールだけでも打っておこう・・・」


恭介「・・・」



恭介「私のほうこそ・・・焦っていたみたいでごめんなさい・・・
中学生らしく健全なお付き合いから進めていきましょう、おやすみなさい・・・」



恭介「ガッカリしてるのかな?僕は・・・?」


恭介「・・・今度は氷室の携帯からさやかに連絡を取ってみよう」





~クリスマス会~


和子「なかざわくぅ~ん」ぎゅっ


中沢「う、うわ先生!?な、何してるんですか!?」



和子「彼女にするなら年下ですか?年上ですか?はい!」

中沢「相当酔ってますね・・・」


和子「私は真剣えすよぉ」



和子「おへんじ・・・聞かせてくださいね・・・大人のお姉さんと・・・思い出作りしてみない?」



中沢「・・・」

中沢(しょ・・・正直アリかも知れない・・・先生可愛い)


中沢(いや・・・でも俺にもこの先若い子達との出会いも・・・)



中沢(あああああ!どうすんの俺!先生と同い年ならOKするのに!)

詢子「おい和子・・・マジなら免職モノだぞ・・・」



和子「だめなら・・・しんせきのおにいさんとか紹介して~」

詢子「相当追いこまれてるなコレは・・・」


さやか「・・・」



♪(着信音)
さやか「!杏介君!?」

356 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/08 01:35:48.58 ZsjhMTcM0 217/274

さやか「・・・」

まどか「さやかちゃん、出なよ」



さやか「あたしは・・・」


ピッ

氷室「さやか・・・やっぱり今からでも会えないかな?」



さやか「杏介君・・・」


まどか「行ってきたら?さやかちゃん」


まどか「わたし達は・・・もしかしたら明日にでも円環の世界に還らなくちゃいけない存在だから・・・」

まどか「楽しめる時に楽しまないと損だよ・・・お別れの時後悔するより、ずっと良いよ」

まどか「だからわたし・・・さやかちゃんをクリスマス会に誘ったの。
ここの所ずっと元気が無かったから・・・」


さやか「違うの・・・」

さやか「杏子がここにいないのに・・・あたしだけ・・・あたしだけがそれを忘れるわけには・・・」



まどか「杏子ちゃんが消えて悲しいのは氷室君も同じだよ」

まどか「だからこそ・・・さやかちゃんが傍にいるべきだと思う」



さやか「まどか・・・」


まどか「信じようよ・・・わたし達はきっと、ワルプルギスの夜を倒して・・・
杏子ちゃんを取り戻せるって」

まどか「杏子ちゃんを忘れるわけじゃない。絶対助かるって信じているからこそ、
わたし達は今出来ることを一生懸命するの」



さやか「・・・」


さやか「まどかゴメン、あたしやっぱり行くね・・・」



まどか「うん。頑張って」



さやか「なにをだよ!夜も遅いしちょっと会うだけだよ!」




中沢「あっ!早乙女先生にちょっと傾いていたら美樹がいつのまにかいない!?」

男子生徒「彼氏に呼び出されたらしいぜ」


男子生徒「や、やっぱり本当にいたのか・・・上条似の新しい彼氏・・・!」


~外~
さやか「杏介君・・・!」

氷室「やあさやか・・・来てくれたんだね」

357 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/08 01:57:18.71 ZsjhMTcM0 218/274

さやか「・・・」

さやか「と、とりあえず・・・うちに来て話さない?親もうすぐ帰ってきちゃうけど・・・」

氷室「う、うん」



~さやかの家~


氷室(さやかの家で二人きりになるのは初めてな気がする)ドキドキ

氷室(だけど・・・今度こそ仁美さんの時の様なハプニングは無いだろう。
親がすぐ帰ってくるって言ってるし・・・)



さやか「この写真・・・見てくれるかな」

氷室(ロッキー・・・)



さやか「あたしが昔飼ってた犬でね・・・ロッキーって言うんだけどさ・・・」


さやか「あたしが辛い時・・・こっちに来るなってヒスを起こしても・・・
それでもただ黙ってあたしの傍にいてくれたんだ」

さやか「不思議だけどさ・・・そうしたらいつの間にか・・・
辛い気持ちが和らいたんだ・・・」


さやか「誰かが傍にいてくれるだけの事が・・・こんなにも安らぐ事なんだって・・・その時思った」

さやか「だから・・・あたし達に必要なのも・・・何も言わずにただ傍に寄り添うことなのかもって」


さやか「杏介君は・・・無意識のうちに杏子を傷つけていたことを後悔してる・・・
あたしは・・・杏子を見てなかった事を・・・直接手をかけた事を・・・」

さやか「今は・・・ただお互いに傍にいるだけでいいんじゃないかなって・・・」



氷室「さやか・・・」


♪(着信音)

さやか「ん、お母さんからだ」


さやか「もしもし」

さやか「は?」




さやか「ええええええ!?友達と話し込んでたら盛り上がって泊まる事になったって!?お父さんも!?」

氷室「な・・・!?」



さやか「・・・」

さやか「と、いう事です・・・」


氷室「えっと・・・状況がつかめないんだけど・・・」


さやか「杏介君が望むなら・・・その・・・朝まで二人きりって事に・・・///」

氷室「・・・!!」

氷室「そ、そこまで迷惑かけられないよ!帰る!ちゃんと帰るから!!」

358 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/08 14:49:01.68 ZsjhMTcM0 219/274

さやか「本当にそれでいいの?」

氷室「・・・!!」

氷室「さ・・・さやか!?何故服を脱ぐんだい!?僕・・・そんなつもりじゃ・・・」


さやか「あたしね・・・初めては恭介にって思ってたけど・・・」

さやか「あたしの事・・・本気で心配してくれた杏介君が・・・今は一番だから・・・」



さやか「あたし・・・消えちゃうかもしれないんだよ・・・だから・・・」

さやか「杏介君のわがまま・・・なんでも言って良いよ・・・今日は・・・全部叶えてあげる」



氷室「さ・・・さやか!!」ドキドキ


さやか(わああああああ!!言っちゃった!勢いでとんでも無い事言っちゃったよ!)

さやか(で・・・でも間違ってないよね!?クリスマスイブってそういう物よね!!)バックンバックン




さやか(お、落ち着けさやかちゃん!杏子が大変な目にあったっていうのに・・・
こんな気持ちでどうする!!)

さやか(あ・・・あたしはあくまで・・・杏介君の期待に応えるために・・・)



氷室「し・・・縞パン!?」

さやか「そんなにジロジロみないでよ・・・早く脱がせて・・・」



氷室(ど・・・どういう事だ!?杏子、仁美さん、さやかと・・・
続けて縞パンを身につけて僕の前に現れるなんて・・・!?)


氷室(ま・・・まるで僕の趣味を見透かしたかのように・・・
い、いや違う!元々僕が縞パン好きだったわけじゃない!)

氷室(あ、あくまで魅力的な女の子がそれを身につけているから・・・より魅力的に感じるのであって・・・
あ・・・ああ駄目だ・・・本能に逆らえない・・・!!)



氷室「そ・・・それじゃあ僕のお願い・・・聞いてくれるかな?」

さやか「う・・・うん///」





氷室「君のパンティを、僕にくれ!!」するっ

さやか「え?」



バイオリン仮面「フォオオオオオオオオオッ!!」ピカッ



バイオリン仮面「素晴らしい・・・なんて素晴らしい力なのだ!縞パンによる変身は!!」

さやか「ちょ・・・ちょっと杏介君!?」





359 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/09 22:48:21.76 Ec53qEs30 220/274

バイオリン仮面「ありがとうさやか・・・」

バイオリン仮面(二枚の縞柄下着(ジョーカー)を手に入れた・・・この力なら、きっと
ワルプルギスの夜にも・・・)



さやか「杏介君のバカーッ!!」

ぱちーん



バイオリン仮面「おんぷぅッ♪」



さやか「あああああああああ信じられない!」

さやか「あたしが一生懸命勇気を出したのに!!バカバカバカ!!」



氷室「だ・・・だって縞パンだよ!さやかの縞パンだよ!」

氷室「ま、まずは被ってみたいと思うじゃないか!僕が新しい力を使えるようになるかもしれないんだし!」



氷室「さやかの縞パンを被りたいという紳士な気持ち!そして、新しい変身形態を試してみたいという
特撮ヒーロー的な男子心がくすぐられて・・・」



さやか「もおおお!!説明しなくていいの!!バカバカバカ!!」



さやか「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」


さやか「・・・」



さやか「ま・・・いっか・・・まだ、中学生だもんね・・・あたし達」


さやか「いいよ・・・それ、あげる」




さやか「やっぱり縞パン好きだったんだね・・・杏介君」

氷室「あ・・・うん」


氷室「縞パンが好きな気持ちが先か・・・さやか達が着ているから好きになったかはわからない」

氷室「かつてない力を・・・縞パンは僕に与えてくれるんだ・・・」



さやか「・・・」

さやか「とりあえず泊まっていってよ・・・」


氷室「さやか・・・いやそのだから僕は・・・」

さやか「言ったでしょ・・・傍にいてくれるだけで良いって・・・」


さやか「あたしが本当に消えるしか無いのなら・・・最後のその時まで、もっと杏介君の事・・・知りたいし」

さやか「何か話そうよ。朝まで」




360 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/09 23:13:20.41 Ec53qEs30 221/274

~朝~


さやか「やばっ!お母さん達もうすぐ帰ってくる!」

氷室「ど、どうしよう!?」


さやか「とりあえず、窓から逃げて!ご、ごめんね・・・無理に引き止めちゃって」


氷室「さやか・・・」

さやか「何?」



氷室「僕が望む本当のわがまま・・・今は言わずにとっておくよ」

さやか「そっか・・・あたしはその・・・」


さやか「いつでも・・・準備は出来てるから・・・///」


さやか「ワルプルギス、そしてほむらとの決着をつける時までには・・・決心してほしいな」

氷室「・・・わかってる」





氷室「・・・」


(氷室解除)


恭介「・・・」



恭介「さやか・・・」





~~~卒業式直前、「ワルプルギスの夜」数日前、マミの家~~~



氷室「僕が前回のループで見たこいつは「何の前触れも無く」突然姿を現した」

氷室「恐らく「卒業式」というイベントが関係あるんだと思う。
卒業式を延期させて生徒を避難させたとしても・・・その別の日に顕現するだけ」


まどか「わたしが・・・みんなとお別れしたくないって思ってるから・・・だよね」


氷室「鹿目さんが気にする事は無いよ。今のワルプルギスの夜は・・・
鹿目さんの精神が変化したモノじゃなく、インキュベーターの最終兵器だ」

氷室「倒すのに・・・何の躊躇も持たなくていいんだ」



マミ「事前に見滝原の生徒を避難させてくても信じてもらえないでしょうね・・・
巨大な魔女が学校を襲うなんて」

なぎさ「やるとしたら・・・当日なのです・・・ワルプルギスの夜を確認させてから
わたし達が全校生徒を誘導するのです!」


さやか「避難経路はこの5箇所。それぞれの担当箇所を覚えてね」


♪:ピンポーン(チャイム)

361 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/09 23:42:37.97 Ec53qEs30 222/274

マミ「はーい、今開けます」

マミ「!!あ、あなたは・・・!!」



ほむら「開ける必要は無いわ・・・わたしが用があるのは・・・」

さやか「あ、暁美ほむら!!」



ほむら「まどかと話がしたいの・・・お願いできないかしら」

まどか「ほむらちゃん!?」




なぎさ「まどか!行っちゃ駄目なのです!そいつは・・・そいつは!」

まどか「・・・」



まどか「良いよほむらちゃん・・・外、行こっか・・・」

さやか「まどか!?」




~~~

まどか「調子・・・戻らないみたいだね」

ほむら「それはお互い様よ・・・」




ほむら「インキュベーターが・・・円環の理を掌握して・・・悪魔の力の大半を
ワルプルギスの夜に閉じ込めてしまったのだから・・・」


ほむら「まどかはどう?記憶と力・・・すこしずつ戻ってきているのでしょう?」

まどか「まだ完全にじゃないよ・・・」



まどか「もし力が戻ってるのなら・・・円環の理からキュゥべえ達を追い出して・・・
ワルプルギスの夜なんて来ないようにするし」



ほむら「それもそうね・・・」

まどか「・・・」

ほむら「・・・」



ほむら「ねぇまどか・・・」

ほむら「あなたは本当に・・・正しさのために自分が消える事を望むの?」

ほむら「この世界は・・・概念になったあなたを受け入れてくれるわ」


ほむら「あなたも楽しんでいたはずよ・・・家族や友達との何気ない日常を・・・」

ほむら「本当に・・・みんなとお別れしても構わないって言うの?」


ほむら「私が作り変えたこの世界なら・・・みんな大人になる事も無く・・・
まどかにとって一番楽しい一年を・・・繰り返して・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」

363 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/10 20:14:12.25 cvM/GsZy0 223/274


まどか「わたしが・・・あの時皆とお別れしたくないって言ったから・・・
ほむらちゃんは今の世界を望んだんだよね・・・」

ほむら(もうそこまで記憶が・・・)


まどか「ワルプルギスの夜も・・・わたしの心の弱さが実体化した物」

まどか「だけど・・・もうわたし逃げないよ・・・」



まどか「わたしは・・・やるべき事をやり遂げて、円環の理へと還るよ」

ほむら「そう・・・」




まどか「だけど・・・それはほむらちゃんの作った世界を否定することじゃない」

まどか「もう一度・・・皆と会えて嬉しかった。それだけは本当だから」



まどか「ほむらちゃんがやった事も・・・自分の存在も否定しない答えを・・・わたし考えたんだ」





ほむら「なら・・・私ももう逃げないわ」



ぎゅっ

まどか「ほむらちゃん・・・!?」



ほむら「私が奪った記憶・・・それをまどかに返すわ」

ほむら「私の答えはもう決まってるわ・・・私はあなたをために悪になる」



ほむら「決着の日・・・正々堂々と戦いましょう。敵として」



まどか「なら・・・その日にわたしが考えた答え・・・教えるね」




ほむら「ええ。必ず力を取り戻すわ・・・あなたも記憶が戻ったのだから・・・あとはきっかけよ」

ほむら「お互い全力で・・・完全決着よ」

まどか「うん」




さやか「まどか!」


さやか「暁美ほむらは!?」

まどか「もう行っちゃった」


なぎさ「何の話をしていたのです?」

まどか「ないしょ」

364 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/12 20:24:11.18 i8lnrO+y0 224/274

氷室「さやか・・・それと、鹿目さんとなぎさちゃん」


氷室「縞パンで変身した僕の演奏なら・・・円環の理の使者としての記憶を取り戻すことが出来る」

氷室「今まで試そうとしなかったのは・・・僕にとっても君たちにとっても・・・そしてとり残される人たちにとっても」


氷室「自身が消滅するその選択を・・・本当に正しいと思えるかどうか・・・わからなかったから・・・
僕は今でも・・・さやかを失いたくない」



氷室「さやかは杏子との戦いから・・・なぎさちゃんは巴さんからの授乳、鹿目さんも・・・暁美さんから
何かを受け取ったみたいだし・・・」

氷室「君達が力を取り戻すための基盤は完成した・・・
後は僕の演奏が君達の精神を刺激し・・・きっかけになれば・・・」

氷室「君達3人は・・・円環の力を取り戻せる!」



さやかまどかなぎさ「!!」キリッ(決意した表情)



マミ(・・・)

マミ(彼はなぎさちゃんと私の授乳行為をいつ知ったの!?というか・・・縞パンって言葉も出てきたわよね!?)


マミ(ああ、もう!いつの間にか慣れてる!下着で変身形態するこの少年のペースに飲まれている!
なんで誰も突っ込まないの!?)



氷室「だけど・・・それはどうしようも無くなったときの最終手段だ」




氷室「円環の力を使わず・・・ワルプルギスと暁美さんに勝つ方法・・・
生きて帰る努力をしてほしい」

さやか「一個忘れてるよ!それと杏子を、ワルプルギスの夜から救い出さないとね!」



氷室「魔力演奏による精神への干渉は・・・危険でもあるんだ」

氷室「その気になれば・・・演奏で君達全員を思うがままに・・・そして動けなくする事も出来るからね・・・」



さやか「・・・?今更何言ってるのよ?あたし達の身体を操作して氷室君になんの得が・・・」

なぎさ「氷室・・・もしかしてなぎさ達とハーレムプレイをするつもりですか!?」



さやか「な・・・なんですとー!?」サヤガーン

氷室「そ、そうじゃない!そういう意味で言ったんじゃない!」



氷室「悪の演奏仮面がいたら・・・付け込まれる危険性だってあるって事・・・
もしくは、インキュベーターが僕の演奏を再現して利用するかもって事」


氷室「君達は何度も僕の演奏を聴いて・・・そして感動して同調した・・・
僕の演奏一つでどうにでも自由が奪われるんだ」


氷室「演奏を悪用して・・・君達を操ろうとする奴が出てきたら・・・躊躇無く倒してほしい」


さやか「わざわざ言うまでもないよ。そんなの、当たり前じゃん、それに・・・
現れてもいない敵の事を考えてもどうしようも無いよ」

366 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/12 20:41:44.08 i8lnrO+y0 225/274

さやか「杏介君の曲を悪用しようとする奴がいたら・・・同じ奏者として恭介だって
絶対許せないって思うはずだし・・・」


さやか「あたしは・・・戦えるよ・・・たとえ、悪の魔法使いが現れたとしても!」

氷室「ありがとうさやか・・・それでこそさやかだよ」



氷室「卒業式の日は・・・僕も風見野の学校を休んで見滝原の生徒として潜り込む」

氷室「以降連絡は全てテレパシーを使う。お互いの姿が見えなくても焦らないように」



さやか「わかった」

マミ「ええ」

なぎさ「なのです!」


まどか「うん!」



~~~


さやか(ってか・・・卒業式まで・・・あと一週間も無いんじゃ・・・)

さやか(ならもう・・・今夜こそ!)




さやか「杏介君!あ、あたしの家今日親が帰って来な-」

さやか「って・・・もういないし!!」




恭介「仁美さん・・・!!」


~~~仁美の家~~~

仁美「きゅ、急にいらして・・・今宵はどのようなご用で・・・」ドキドキ



恭介「仁美さん・・・」

恭介「卒業式の日・・・嵐が来るんだ」


仁美「え?でも・・・予報ではそんな事・・・」


恭介「とてつもなく大きく・・・全てを飲み込む嵐・・・」

恭介「出来れば仁美さんは・・・遠くへ逃げてほしいけど・・・今のままじゃ信じてもらえないと思う」



恭介「卒業式の日全てをあなたに話す・・・僕の正体も」

恭介「その時・・・落ち着いて僕の言うとおりに逃げてほしいんだ」ぎゅっ

仁美「きょ・・・きょうすけさん!!///」


恭介「目の前で八つ裂きにされた君を・・・僕はもう二度と失いたく無い・・・!!」





367 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/15 18:35:51.72 0ehOMMWm0 226/274

~そして・・・卒業式当日(体育館)~


さやか(杏介君・・・姿が見えないけど、本当にここにいるの?)

恭介(ああ、とある生徒の姿を借りてるけど、ちゃんといるよ)



さやか(へぇ・・・変装魔法って便利だね。杏子から教えてもらったの?)

恭介(「変装」か・・・)



恭介(本当の自分がどっちか・・・もうわからない・・・)



アナウンス「在校生による生演奏です。上条恭介君、どうぞ」


恭介「・・・」



仁美「恭介さん・・・頑張って!」



♪~♪~♪


三年生「すごい・・・」うっとり

マミ「さすがね・・・上条君」


さやか「・・・?」

さやか「恭介の演奏にしては・・・何か違和感が・・・」



さやか「ま、まさか杏介君が入れ替わった生徒って・・・」


恭介(体育館の生徒達は・・・「僕の演奏を聞かせた」状態になった・・・)

恭介(これで避難指示を受け入れるための軽い精神操作なら可能になるはず・・・)




ピキーン

マミ「・・・!!」


まどかさやか「!!」

体育館外、


なぎさ「あれは・・・!!」



恭介「ついに・・・現れたな」


ワルプルギスの夜「ウフフ・・・アハハハ!!」


生徒達「み、みんな外を見ろ!」

教師達「!?な、なんだアレは!?」

368 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/15 18:50:16.65 0ehOMMWm0 227/274

ドドド・・・


生徒「竜巻!?さっきまで何もなかったのに!」


生徒「校舎を破壊しながら突き進んで・・・!こっちに来る!!」



わーわーぎゃーぎゃー


仁美「恭介さん!!」

恭介「仁美さん、早く逃げて!!」



仁美「竜巻もそうですけど・・・あの大きな歯車と人形のようなモノは一体なんですの!?」

恭介「・・・!?」


恭介「ひ・・・仁美さん!?あ、アレが見えているのかい!?」



仁美「・・・?」


恭介(何故だ!?前回のループでは仁美さんに見えていなかったワルプルギスが何故!?)


恭介「詳しい説明は後だ・・・とにかく、避難してくれ」

仁美「逃げるなら恭介さんと一緒です!」



恭介「僕は・・・アレを止めなくちゃいけないんだ」

仁美「な・・・何を言ってるんですか!?」



恭介「ずっと・・・嘘を吐いて来た・・・」

恭介「僕の中に・・・仁美さんと同じくらい大切な人がいる」


スッ

仁美「さ・・・さやかさんのパンティ!?」



恭介「その子が選ぶべき道を・・・僕は全力で後押ししたい」

恭介「かつてその子が・・・僕をそうしてくれたように・・・今度は僕が」



恭介「さやかへの気持ちに決着をつけたら・・・今度こそ上条恭介の・・・
たった一人の一番大切な人になってくれるかな?」


仁美「え・・・?」



ガバッ

恭介「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」ピカッ



仁美「きょう・・・すけさん・・・?」

バイオリン仮面「もう一つの理由は・・・今度こそ君を守るために!」バッ

370 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/15 19:10:24.86 0ehOMMWm0 228/274

わーわー、きゃーきゃー


バイオリン仮面「僕の演奏を聴いて、落ち着くのだ!!」


♪~♪~♪

生徒、教師「・・・?」



さやか「!!皆が冷静さを取り戻した!今よ!!」



ピカッ(さやか、まどか、なぎさ、マミの変身の光)


三年生「巴・・・さん!?」


中沢「美樹!?鹿目さん!?こ・・・これは!?」




さやか「みんな落ち着いた?あたし達の指示通りに避難して!!」


まどか「5箇所に分かれて避難します!前の人に合わせてゆっくり移動してください!!」





~~~


さやか「どうやら全員、避難出来たようだね・・・」


仁美「さやかさん・・・?その姿は・・・」

さやか「・・・まだいたの?早く逃げなよ」



さやか「・・・この格好は恭介の腕を治すために・・・ちょっとね」


仁美「え・・・!?」



さやか「この戦いであたし・・・今度こそ消えるかもしれないんだ」

さやか「だから・・・恭介の事・・・お願いね」



仁美「さ・・・さやかさん!?」

さやか「あたしは・・・魔法少女さやかちゃん・・・」



さやか「仁美を・・・恭介を・・・大切な人達を守るために・・・あたしは戦う!!そんだけ!」バッ


仁美「さやかさぁあああん!!」




ワルプルギスの夜「ウフフフ・・・アハハハ!!」

さやか「最終決戦だね・・・」

ほむら(物陰)「・・・」

372 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/15 19:32:27.35 0ehOMMWm0 229/274

バイオリン仮面「さやか!!」


さやか「杏介君!って・・・まだ縞パン装備じゃ無いんだ」

バイオリン仮面「言っただろ?縞パンは最終兵器だとね」


バイオリン仮面「風で裂けるかもしれないし・・・暁美ほむらとの連戦も想定して温存する」



マミ(・・・)

マミ(やっぱりパンティを被ることに違和感を感じなくなってるわ・・・)




さやか「杏介君・・・それじゃあまずは打ち合わせ通りに」


バイオリン仮面「ワルプルギスの「中」で耐えられる時間は少ない・・・逆に取り込まれないように注意してくれ」



バイオリン仮面「ワルプルギスの夜!!僕の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



ワルプルギス「ウフフ・・・アハッ・・・!?」ピタッ


ほむら「・・・!?ワルプルギスの夜の動きが・・・!?」



ほむら「そうね・・・ワルプルギスの夜は・・・私とまどかの精神の融合体」

ほむら「インキュベーターの支配下に落ちたとしてもそれは変わらない・・・
私やまどかが・・・上条恭介の演奏を聴いていたことでワルプルギスもまた・・・それに「同調」しているのね」




くぱぁ(ワルプルギスの中への扉)

バイオリン仮面「動きを止めていられる時間は短い!さやか!早く!!」



さやか「必ず助ける!!6人でこいつに勝つんだ!!」

(扉に飛び込むさやか)



キュゥべえ「なんだ・・・!?何をするつもりなんだ・・・」

キュゥべえ「6人・・・?まさか・・・佐倉杏子のサルベージ!?諦めていなかったのか・・・」



~ワルプルギスの中~
さやか「杏子!!」



キュゥべえ「無駄だよ。美樹さやか」

キュゥべえ「すでにワルプルギスは数千人の魔法少女の魂を吸って成長している」


キュゥべえ「その中から、佐倉杏子だけを見つけ出すなんて・・・そんなの不可能だ」


さやか「必ず・・・必ず見つけ出す!!」

374 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 21:04:21.22 DxTdzg6q0 230/274

ワルプルギスの中、大量にうごめくソウルジェム
その中でひときわ輝く赤いソウルジェム


さやか「見つけた!」


キュゥべえ「!?」




バイオリン仮面「インキュベーター・・・君は言ったよね・・・僕を魔法使いにして良かったって」

バイオリン仮面「僕の無意識のハーレムの素質が・・・さやかや仁美さんだけでなく・・・杏子達も巻き込むと」



バイオリン仮面「だけど・・・こうして僕の音楽に「同調」して杏子のソウルジェムを発見できたのもまた・・・
僕が魔法使いになったおかげでもあるんだ」



バイオリン仮面「お前からもらったこの力で・・・僕達はお前の企みを全て打ち砕く!!」



さやか「あたしにもう一度・・・円環の力を・・・」

さやか「杏子・・・!!絶対あんたを戻して見せる!!」



ピカッ


さやか「うあああああっ!!」

まどか「さやかちゃん!」


なぎさ「さやかが・・・ワルプルギスからはじきだされたのです!!」


マミ「佐倉さんは・・・!?」


バイオリン仮面「・・・む、無理なのか・・・!?」




ワルプルギス「・・・」

バイオリン仮面「まずい!ワルプルギスの夜が再び動き出す!」



ワルプルギス「アハハハ!!」



魔力波で四方に吹っ飛ばされる魔法少女達


さやか「うあああっ」

バイオリン仮面「あっ・・・ぐっ!!」


ドサッ ドサッ



バイオリン仮面「さ・・・やか・・・」


さやか「ごめん杏介君・・・やっぱ、限界みたい」

375 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 21:17:28.78 DxTdzg6q0 231/274

さやか「演奏・・・してよ。あたしの円環の力を・・・完全に取り戻す演奏を」

バイオリン仮面「・・・」



さやか「それしか無いよ・・・このままだと・・・」


ワルプルギス「アハハ・・・!!」


キュイイイイイ(溜め)



ゴウッ(口からの火炎放射)


さやか「・・・!!」


バイオリン仮面「さやか!!」




パキィン!!


さやか「・・・」

バイオリン仮面「・・・」



バイオリン仮面「これは・・・」


さやか「編みこみ結界・・・まさか・・・」



杏子「でっけー目覚ましだなさやか・・・おかげでまだ本調子になれねー・・・」

さやか「杏子・・・!!」


杏子「おっす」




まどか「杏子ちゃん!」

なぎさ「杏子!」

マミ「さ・・・佐倉さん!!」




さやか「杏子!!ば・・・バカ!!あたしの声が届いたんなら・・・もっと早く来なさいよ!!」

杏子「ハァ!?これでも全力で走ってきたっつーの・・・」



杏子「あたしの体・・・風見野の教会に安置してたろ?」

さやか「あ」



杏子「おかげでここに来るまでにちょっと消耗しちまったし・・・
特殊な結界で保存してくれてたみたいだけど・・・今まで何も食ってなかったし・・・」

さやか「杏子・・・」

杏子「ラーメンおごってもらうぜ、さやか!!」バッ

376 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 21:30:03.65 DxTdzg6q0 232/274

さやか「・・・!!」

さやか「いいよ・・・何でもおごってあげるよ!杏子!!」



マミ「待って!佐倉さん!!」


杏子「わ、なんだよマミ・・・これから反撃って時に・・・」

マミ「合体技・・・考えてみたの・・・この日のために皆で練習してきて・・・」



杏子「ハァ!?」

まどか「・・・///」


なぎさ「なのです」

さやか「・・・あー・・・アレか・・・」



杏子「それならあんた達でやってろよ・・・あたしずっといなかったし・・・ワザワザチームワークを乱してまで・・・」

マミ「5人揃わないと出来ない必殺技なの」



杏子「は!?」

杏子「どういう事だよそれ!5人揃わないとって・・・あたしが元に戻らなかったら無駄骨じゃねーか!!」



さやか「戻ってくる・・・そう信じてたからこそ・・・ですよね?マミさん」

マミ「ええ!だからお願い・・・佐倉さんも!!」ワクワク



杏子「・・・」


杏子「仕方ねーな・・・ぶっつけ本番だけどやってやる・・・やり方を教えろ」

マミ「あ、ありがとう佐倉さん!」


マミ「必殺技の名前はね・・・」

杏子「そこから!?」





ワルプルギス「ウフフ・・・」


杏子「うわぁ・・・」

マミ「佐倉さん・・・叫んでくれないの?」



杏子「・・・」

杏子「わかったよ・・・やってやるって!」


杏子「お前らも絶対叫べよ・・・あたしだけ叫ばせて笑いを取ろうってのなら後でぶっ飛ばすからな!!」

さやか「え」


まどか「えー↓」

377 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 21:44:36.48 DxTdzg6q0 233/274

バイオリン仮面「話はまとまったようだな・・・魔法少女たちよ!」

バイオリン仮面「私の演奏と同調することで・・・君達の魔力は何倍にも増大する!」



♪~♪~♪


マミ「みんな、行くわよ!」

なぎさ「なのです!!」



杏子「くそ・・・」

まどか「ふふっ・・・」


さやか「いっせーのー!!」



5人「セイクリッド・ペンタグラム!!!」




ピカーッ!!


ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・キョアアアアアアア!!!」



しゅわしゅわ・・・



キュゥべえ「な・・・!?」


ワルプルギス「ア・・・ハハ・・・」



キュゥべえ「ワルプルギスが・・・ワルプルギスが吸収したはずの魔法少女達の魂が・・・浄化されていく!?」


キュゥべえ「・・・!!」




キュゥべえ「馬鹿な・・・!!さらに「魔女化」が適応されている町の理が・・・元の法則へと・・・
円環の理へ戻っている!?」

キュゥべえ「今の一撃に・・・そんな都合のいい効果が・・・!!」



まどか「いつかキュゥべえは言ったよね・・・わたしの精神と・・・円環の理はつながってるって・・・」

まどか「なら・・・わたしが強い心を持つことで・・・円環の理もまた・・・本来の機能を取り戻せるって」


キュゥべえ「・・・!!」


まどか「二度とあなたに・・・円環の理を触らせない・・・!!」

ゴゴゴ・・・(半女神化)


キュゥべえ「・・・!!」

まどか「円環の理から・・・消え去れ!インキュベーター!!」

ピカッ(アルティメット矢)

378 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 21:58:06.99 DxTdzg6q0 234/274

~円環世界(ルミナスのあの風景)~


そこの風景にそぐわぬ機械類(インキュベーターの技術)を持ち込んで
円環の理を解析、侵食しているインキュベーター達


シュパシュパシュパアッ(まどかの矢)


インキュベーター達「・・・!!」



インキュベーター達「「わけがわからないよ」」



ちゅどーん(一匹残らずまどかの矢に射抜かれるインキュベーター達)




~現実世界~



さやか「や・・・やったの・・・?」

まどか「うん・・・これで・・・とりあえずはインキュベーターの侵攻を防げたはずだよ・・・」




杏子「それなら・・・後は・・・」

ワルプルギス「ア・・・アハハ・・・」ボロボロ・・・



なぎさ「ワルプルギスの夜に・・・とどめを・・・!!」


バッ!(地に伏したワルプルギスの前に現れた人影)

ほむら「・・・」



マミ「あ、暁美さん!?」



ほむら「この子を・・・やらせないわ」

ほむら「言ったでしょ・・・この子は・・・まどかと私の娘でもあるのよ・・・」



ほむら「何より・・・悪魔の力は今・・・この子の奥に閉じ込められているのだから・・・」



さやか「ワルプルギスと同化して力を取り戻すつもり!?させるか!!」


まどか「さやかちゃん!」

さやか「・・・!?まどか!?なんで止めるの?」


まどか「・・・」

まどか「それが・・・ほむらちゃんとわたしとの約束だからだよ・・・」



ほむら「「何度繰り返すことになっても・・・あなたを救って見せる」」

ほむら「それが・・・私がまどかと交わした約束・・・そして今も変わらない誓い」

379 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 22:20:48.87 DxTdzg6q0 235/274

ほむら「だから私は・・・あなたにどう思われようと・・・」


ほむら「この世界で永遠に繰り返すこの世界に・・・あなたを傷つけないこの優しい世界に・・・」

ほむら「あなたを閉じ込めておく・・・それだけよ」


ズボッ(ワルプルギスの体内へと同化するほむら)



まどか「もしもわたしが・・・ほむらちゃんと違う道を選ぶのなら・・・」


ほむら「敵になる・・・その時は・・・」



まどか「全力で・・・相手しなくちゃいけないって・・・そう思ったから・・・」


まどか「ほむらちゃんが使える悪魔の力・・・全部わたしが受け止めるよ!!」




ワルプルギスの欠けた顔半分から悪魔ほむらの上半身が出現し、羽を広げる
(イメージ的にはデビルガンダム)





ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・!!」



悪魔ほむらと一つになった事により、再び浮上するワルプルギス。


Homupurgisnacht

デェン!!(魔女文字)



ほむら「来なさいまどか・・・!!」(1stテイクボイス)


ほむら「あなた達の勇気が勝つか・・・私の愛が勝つか・・・」



ほむら「二つに一つでしか決着はつかないわ・・・!!」




ゴゴゴ・・・



さやか「これが本当の最終決戦・・・!!」

なぎさ「もう・・・チーズが食べられそうに無いのです!」


マミ「完全に迷いを吹っ切ってるわ・・・!!」

杏子「ああ・・・今のアイツはもう・・・まどかを閉じ込めておく事しか頭に無い・・・!」


バイオリン仮面「勇気か・・・愛・・・」

バイオリン仮面(それなら僕は・・・さやかを・・・)


【続く】

380 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/18 22:30:01.58 DxTdzg6q0 236/274

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード最終話!!」



♪~♪~♪(コンクール、大衆の前でバイオリンを弾く恭介)

恭介「さやか・・・」


仁美「おめでとうございます。恭介さん」

恭介「仁美さん・・・僕と一緒に来てくれないか」



恭介「さやか・・・これでお別れだね・・・」

恭介「今まで・・・ありがとう・・・」



最終話

恭介「僕の願いは叶ったよ」



銀河万丈「その時、ハーレムは完成する!」

383 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/21 11:15:24.08 7EPUc6Cx0 237/274

最終話「僕の願いは叶ったよ」


ほむら「・・・」ゴゴゴ・・・



まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「これが愛の究極形態・・・」



ほむら「まどかのいるべき世界も・・・そこにある命も・・・時間も・・・全て私が管理・支配する」

ほむら「恐れる必要は無いわ・・・だって次の世界で・・・また会えるのだから」



ほむら「その時には・・・あなた達は全てを忘れているでしょうけどね・・・」



キュイン!


カッ(爆発波)


さやか「うわああああ!!」


バイオリン仮面「さやか!!」




杏子「あの野郎!!」

杏子「!!」



ボトッ ボトッ ボトッ


クララドールズ(ドイツ語)「僕達の親がまた姿を変えたよ!」


クララドールズ「でも、まだ魔法少女っぽいよね?」


クララドールズ「笑っちゃうよね、滑稽だよね」



クララドールズ「だから・・・破滅していく姿を見ていたいよね」

クララドールズ「君達に邪魔はさせないよ!」



ゾロゾロゾロ・・・(数千人)


マミ「この数は・・・」

まどか「みんな!来るよ!!」



クララドールズ「HYAHHAAAAA!!」

なだれ込むドールズ達
数の暴力で一人ひとり孤立させられる魔法少女達


385 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/24 19:36:07.95 BqPH1JPt0 238/274

杏子「分身なら負けねー!ロッソ・ファンタズマ!!」ズラッ


質量を持った分身、ロッソ・ファンタズマがクララドールズ達をなぎ払い、
空間を作る


杏子「みんなバラバラになるな!あたしの傍にいろ!」

さやか「杏子、やるじゃん!」



杏子を中心に円陣を組みながら人形の相手をする5人の魔法少女+バイオリン仮面


マミ「きゃっ!?」


なぎさ「マミ!」

人形数人に抱えられるマミ


クララドールズ(ドイツ語)「貢物だ!」



クララドールズ「あたし達の親への貢物!」

クララドールズ「こいつを取り込めば、きっとあいつの胸も!」



ほむら「・・・」



ぐわっ(ワルプルギス部分の口が開く)


ぽいっ

ドールズによって口に投げこまれるマミ


マミ「いやあああああ!!」


ごっくん・・・

まどか「マ、マミさああああああああん!!」


なぎさ「マミが・・・マミがワルプルギスに取り込まれてしまったのです!」




ほむら「捕まえてあげるわ・・・まどか」


シュルシュルシュルシュル!!
(ワルプルギスの腕部分から黒いリボンを展開)


さやか「・・・!!こ、これは・・・!!」


杏子「マミのリボン!?」


バイオリン仮面「巴さんを体内に取り込み、使えるようになったのか!」


ぷちっ ぷちっ ぷちっ(人形を潰しながらまどかに向かってくる数百本のリボン)


まどか「・・・!」
さやか「まどか!!」バッ

386 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/24 20:14:26.98 BqPH1JPt0 239/274

ギュルギュルギュル・・・!!


まどかをかばい、黒いリボンに拘束されるさやか

さやか「あ・・・うっ!」


まどか「さやかちゃん!」

バイオリン仮面「さやか!!」



ほむら「順番が狂ってしまったわね・・・まぁいいわ」


拘束したさやかを自分の傍(ワルプルギス頭部)へと移動させるほむら


杏子「あいつ・・・!!」



ほむら「動かないで」

杏子「・・・!」



ほむら「あなた達・・・本当にこの世界を元に戻しても構わないの?」

杏子「な、何言ってんだ今更・・・!」



ほむら「あなた達が求める正しさは・・・まどかはもちろんあなた達の日常も奪ってしまうものなのよ」

ほむら「円環の理であるまどか・・・美樹さやか、百江なぎさ」


ほむら「この子達は・・・私の世界だけで存在できる・・・
世界を元に戻せば・・・間違いなくこの子達は消えるわ」



ほむら「佐倉杏子・・・あなたは・・・美樹さやかを失っても構わないの・・・?」


杏子「・・・!!」



さやか「杏子!こいつの言葉に耳を貸すな!!あたしは構わず今のうちに!!」



ほむら「巴マミ・・・」


ワルプルギス頭部から取り込まれたマミの体が浮き出る。

両手、両足は拘束されたまま


ほむら「あなたを取り込んだ時に記憶が流れてきたわ・・・
「天秤にかけられる仲間なんていない」・・・それがあなたの言葉だったわね・・・」


マミ「誰も失いたくない気持ちは今でもあるわ・・・だけど、それが魔法少女の務めだから・・・!」


ほむら「あなたは進んで苦難を選んでるわけじゃない・・・世話を焼きたいだけよ」

ほむら「一度に作るケーキやお茶の量が減って・・・寂しい思いをするのはあなたよ」


マミ「・・・!!」

ほむら「ほらね、もっともっと誰かの世話をしていたいってそんな顔してるわよ」

387 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/24 20:40:01.24 BqPH1JPt0 240/274

ほむら「あなた・・・皆には黙っているけど芸能界にスカウトされて、都会の高校を受験したそうね」

マミ「そ、それは・・・!」

なぎさ「え・・・?」

まどか「マ・・・マミさん?」


ほむら「このままだと・・・世界が元に戻ってもあなたは皆と離れ離れになるわ」

ほむら「その点・・・私の造る世界なら安心よ」



ほむら「ここでリセットされた生命は新しく生まれ変わる。もう一度同じ形で・・・
もう一度一番楽しい一年を繰り返すために」


ほむら「あなたも高校にあがる事無く、同じ時間を繰り返す・・・ずっと皆のいいお母さんでいられるのよ?」



マミ「・・・それでも・・・私は・・・」



さやか「違う!!マミさん違うよ!!今悩むことはそこじゃない!!」


マミ「・・・!!美樹さん!?」



さやか「もう一度同じ形に生まれ変われば・・・ってね・・・結局あんたがやってる事は・・・ただの大量虐殺よ!」



ほむら「なんですって・・・」


さやか「あんたが作ったこの世界が正しいかどうかは解らない・・・でも、
生き返らせるから殺しても構わない・・・諦めても構わないなんて・・・そんな理屈だけは絶対間違ってる!」



さやか「あんたが殺した・・・そしてもう一度殺そうとしている命には・・・
まどかが守ろうとした家族や学校の皆だっているんだ!!」


まどか「さやかちゃん・・・」

さやか「確かにあんただけのせいじゃないよ・・・ワルプルギスはまどかの心にほんの少しあった
「皆と同じ時間を繰り返していたい」って願望が実体化したモノ・・・あんたはそう言った・・・」




さやか「でも、そんなの誰だって思ってる!!
それをあんたは・・・頼まれもしていないのに・・・こんな形で実現させて!!」


さやか「結局あんたは・・・駄目だったら別の時間軸に逃げ込むあの時のままなんだ!
自分も他人も傷つけて・・・まどかを悲しませて!!」



ほむら「少し口がすぎるわよ・・・美樹さやか!」

ギリギリ・・・(拘束が強くなる黒いリボン)


さやか「あ・・・うぐぅっ・・・!!」

ほむら「相手の気持ちも顧みず
頼まれもしない願いを叶える・・・その点ではあなたも私と同一だと思うのだけれども?」

ほむら「上条恭介・・・彼はあなたと引き換えにしてでもバイオリンを弾きたいと望んだのかしら・・・?」

バイオリン仮面「・・・!!」

388 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/27 21:23:58.78 H8efOSlu0 241/274

ほむら「あなたが戦いの運命を受け入れて叶えた願いが・・・バイオリンだと知ったら・・・
彼はとても悲しむと思うわ」

チラッ(氷室を見るほむら)


ほむら「僕のせいでさやかは消滅し、そしてもう一度同じ運命を選ぼうとしているとね」チラッチラッ


バイオリン仮面「・・・」



ほむら「私はまどかを愛する・・・だけど私はまどかに愛されなくても構わない」

ほむら「彼からの見返りを諦め、吹っ切ったあなたなら・・・わかると思ったのだけれど・・・」



さやか「見返りなら・・・もらったよ・・・」


バイオリン仮面「!!」




さやか「だって恭介は・・・バイオリンを弾いてくれているから・・・」

さやか「あたしが願った奇跡で・・・これからも・・・」



さやか「恭介が・・・バイオリンを弾き続けて・・・仁美と幸せになる未来・・・それがあたしの願いだから・・・」

ほむら「それは嘘よ・・・あなたは彼をまだ・・・」



さやか「うん。あたしは恭介が好き・・・それは友達として、今も変わらない」


さやか「あいつをずっと見守っていたい・・・あいつの未来を守りたい」

さやか「「人魚姫の物語」の続きの様に・・・あたし自身がたとえ何に変わったとしても」


さやか「恭介のためにも・・・同じ時間を繰り返すだけのこの世界は、変えなくちゃいけないんだ!」


バイオリン仮面「さやか・・・!」



さやか「あたしは・・・恭介からも逃げない!」

さやか「この戦いが終わったら全部恭介に伝える。好きだった事も・・・叶えた奇跡も!!」



さやか「それが恭介にとって余計な事だったとしても・・・あたしは・・・自分が叶えた願いから・・・
その願いをほんの少し後悔した事からも絶対逃げない!!」



さやか「そんなあたしだからこそ言えるんだ・・・まどかの意志を一方的に無視して
その力を引き裂いたあんたを・・・絶対許しちゃいけないって!」

ほむら「私がああしなければ、まどかは自分を犠牲にして正しい事を選ぶに決まってた!
あなたは・・・まどかがこのまま人間である事を辞めても構わないと言うの!?」



さやか「一人で背負い込むなって言ってんだよ!!」


ほむら「!!」


389 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/27 21:45:18.72 H8efOSlu0 242/274

さやか「あんたが円環の力を奪ってした事にしても、もっと違うやり方だってあったはずだ!」

さやか「世界改変できる程の力なら・・・あんたもまどかも・・・
その両方が幸せになれた方法だってあるかもしれないのに・・・!!」


さやか「まどかの意見はガン無視して・・・「まどかの幸せ」を一方的に決め付けてそれを実行している!」

さやか「あんたは結局・・・
まどかから逃げ続けているだけなんだ!!まどかはいつでも救いの手を差し伸べていたのに!」



さやか「だからあたしは・・・一人で背負い込んでまどかを・・・自分を傷つけるあんたを許さない!」

さやか「ぶっ飛ばして・・・目を覚まさせて円環の理に連れて帰る!!
皆と・・・まどかにごめんなさいしてもらった上でね!」



さやか「あんたの時間も・・・恭介の時間も・・・そしてこの世界を平和に生きる人たちの時間を
・・・もう一度進めるために・・・」




さやか「あたしは信じている!この先辛い事や親しい人との別れがあったとしても・・・」


さやか「皆それを乗り越えて・・・希望を持って未来を生きてくれる・・・!」




さやか「あんたが止めている時計の針を・・・あんたが奪った人々の、あんた自身の未来を取り戻す!
それが・・・円環の使者!!」

さやか「ううん、魔法少女としての使命そして・・・」




さやか「あたしが憧れてきた・・・正義の味方のあり方なんだあああああああああああああ!!」


ギリギリギリ・・・


(引き裂かれそうになる黒リボン)



ほむら「な・・・!?」

さやか「正義の魔法少女・・・さやかちゃんは勝ああああああああつ!!!」



杏子「さやか・・・!!」

まどか「さやかちゃん!!」

なぎさ「さやか!!」




マミ「美樹さん・・・」

マミ「そうね・・・私も・・・大事な事を忘れていたわ」



ほむら「まさかあなたに・・・その言葉を二度言われるとは思って無かったわ」

ギュッ!(再び締めが強くなる黒リボン)



さやか「ぐはっ!!さやかちゃんのパワーアップシーンが!!余力があったんかい!!」

390 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/27 22:16:02.74 H8efOSlu0 243/274

ほむら「やっぱり、あなたと私の行動理念は似ているようでまるっきり違う道を歩むようね・・・」

ほむら「魔法少女時代・・・あなたと友達になれた時間軸の方が少なかったのですもの」

さやか「眼鏡のほむらは素直で可愛かったなー」しみじみ



ほむら「ほむぅっ!?もうそんな所まで記憶が!?」

ほむら「ええい!忘れなさい!!忘れなさいと言ってるのよ!!」


ぎゅうううう


さやか「痛い痛い痛い!!ち、違います~わ、私はかぼちゃ~♪」

ほむら「黙れラズベリー」



ほむら「恥ずかしい記憶と共にあなたを取り込んであげるわ」


ズズズ・・・

再びワルプルギスの体内に取り込まれるマミと
新たに取り込まれるさやか




さやか「マ、マミさん!」

マミ「美樹さん・・・!」



ほむら「私は私の道を行く・・・あなたと考えが交わる事は絶対に無い」

さやか「あたしも絶対に考えを変えたりしない!杏子達なら・・・きっとあたし達を助けてくれるって信じてる!」



ほむら「あなた達の意志は無視してその能力を奪い取る・・・これこそ悪魔の生業よね」


さやか「一人じゃ寂しいだけなんじゃ・・・
あ、ちょ・・・やめて!!外の様子を見ていたいの!!顔は取り込まないで!!」



ズズズ・・・



ズポン・・・



まどか「さやかちゃん!マミさん!!」


なぎさ「二人とも・・・完全に取り込まれてしまったのです!!」



ほむら「そして奪った能力と私の能力を融合させ・・・新しい魔法を打ち出す・・・これが悪魔の力!」


ほむら「名づけてオーラ・ストッパーレ・ティロ・スパーダ!!」どばーん


ほむら(・・・!?///口が勝手に!?)

バイオリン仮面「え!?」

杏子「な・・・なんだって!?」

391 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/27 22:49:00.89 H8efOSlu0 244/274

カッ!(必殺技発動)


杏子「」

なぎさ「」

まどか「」


バイオリン仮面「・・・」



停止した時間。
4人の周りはマミの大砲が囲んでいる



ボシュボシュボシュゥッ


マミの大砲から大量の剣が打ち出され、標的の直前で再び停止する


ほむら「時間(オーラ)停止(ストッパーレ)からの大量の剣(スパーダ)の一斉射撃(ティロ)・・・!!
さぁどうかわすのかしら・・・?」


ワルプルギス部分の腕がまどかだけを避ける



ほむら「まどか以外の3人にはご退場してもらうわ・・・」



ほむら「停止解除3秒前・・・2、・・・1・・・」



バイオリン仮面「なぎさちゃん!杏子!」バッ!!

ほむら「・・・!?」



シュパシュパシュパシュパシュパアッ




バイオリン仮面「あっ・・・ぐうっ!!」



降り注ぐ剣から二人を庇ったバイオリン仮面。
左手の甲を剣がかすめ、負傷する



なぎさ「氷室!!」

杏子「恭介!?い、一体今、なにがどうなったんだ!?」



まどか「え・・・!?え・・・!?」


ほむら「・・・」


ほむら「そうね・・・そう言えば氷室恭介・・・あなたも時の止まった世界へと入門していたわね・・・」


ほむら「停止解除直前に二人の前に割り込んだのはいいけど・・・その左手じゃもう演奏は・・・」


バイオリン仮面「いや・・・僕は弾く!!」

394 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 12:09:24.98 weVQ9qDy0 245/274

杏子「無茶だ!そんな事したら・・・お前の腕はまた!」

バイオリン仮面「杏子・・・」


バイオリン仮面「さやかの決意・・・伝わったよね・・・君も今の僕と同じ気持ちのはずだよ」

杏子「・・・さやかが信じる道を・・・って事か?」



バイオリン仮面「もう僕に迷いは無い!たとえさやかを失う事になっても・・・!」

バイオリン仮面「さやかが出した答えに!精一杯応える!」

バイオリン仮面「最後に選ぶのはさやかだ!僕はさやかが信じる正義なら・・・!」



バイオリン仮面「皆!僕の演奏に続け!悪魔と同じように合体技で対抗する!!」



♪~♪~♪



まどか「力が・・・」

なぎさ「みなぎってくるのです!!」




ほむら「これは・・・」




クララドールズ(ドイツ語)「巨乳勢を二人もとりこんだのに、アイツ変化しないよ!」

クララドールズ「本当だ!ちっぱいままだ!」



ほむら「・・・」



ぐしゃあっ(ワルプルギスに潰されるドールズ)



クララドールズ「おっぱいが足りないのなら、もっと連れてこようよ!」

クララドールズ「志筑仁美はどうかな?あの子もなかなかのモノを持って・・・」





バイオリン仮面「!!」ピキーン



バイオリン仮面「仁美さんに・・・手をだすなああああっ!!」



まどか「いくよ、杏子ちゃん、なぎさちゃん!」


まどか 杏子 なぎさ「「「ウルティモ・ドルチェリーア・ファンタズマ!!」」」



カッ!(必殺技発動)

395 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 12:37:11.56 weVQ9qDy0 246/274

女神まどかの姿をした幻影が数人ドールズに立ちふさがる


女神まどか達「「はぁっ!!」」


一斉射撃した矢の一つ一つが光り輝くお菓子の魔女の巨大形態に変化していく


お菓子の魔女の幻影「モジュベベ~!!」



クララドールズ「・・・!!」



バクンバクンバクンバクン!!!


一匹残らず捕食されるドールズ






ほむら「子供達が・・・!!」


バイオリン仮面「今こそ・・・円環の力を取り戻す!!」



バイオリン仮面「もう一度だけ聞く・・・杏子・・・さやかを失っても・・・後悔は無いかい?」

杏子「さっきも言っただろ?あいつが選んだ道を・・・あんたと同じさ」


バイオリン仮面「鹿目さん・・・なぎさちゃん・・・」

バイオリン仮面「現世にもう二度と戻れなくても・・・それでもやるのかい?」



なぎさ「ここには・・・なぎさが守りたい人たちがいるのです!
この世界が壊されてしまったら元も子もないのです!」


まどか「・・・」

まどか「わたしはちょっとだけ・・・違う答えを見つけたけどね・・・」



まどか「それをほむらちゃんに伝えるためにも・・・良いよ氷室君、演って!!」



バイオリン仮面「鹿目さん・・・上条の言いつけ通り・・・彼から貰ったCDは毎日聞いているかい?」

まどか「・・・!?なんで氷室君がその事を!?・・・聞いてはいるけど・・・なんで・・・?」



バイオリン仮面「演歌としてアレンジしているけど・・・あの曲には元となった曲が存在するんだ」


バイオリン仮面「結婚式をイメージして作った曲・・・それを今、弾くことで!!」


バッ!(さやかノーマルパンティの変身解除)

まどか「・・・!!」


なぎさ「え・・・!?」

恭介「今、君達に円環の力を届ける!」

396 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 12:55:32.22 weVQ9qDy0 247/274

まどか「かかかか・・・上条君!?」

なぎさ「きょきょきょ・・・恭介!?」


杏子「・・・」



恭介「さやか・・・約束したのに・・・
何度も何度も・・・君以外のパンティも身に着ける僕を・・・許してくれ!!」


スッ(仁美の縞パン)

杏子「あれは!!」



ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・




がばっ



恭介「フ・・・」










恭介「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


ピカーッ(顔と股間から強烈な光を放ちながら、再び変身形態する恭介)


ゴゴゴ・・・



金色の装飾とダイヤモンドを模したアーマーの新バイオリン仮面が現れる



バイオリン仮面「バイオリン仮面サバイブ・インフィニティ(無限)!!」バァーン!!



バイオリン仮面「僕の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



まどか「・・・!!」


なぎさ「・・・!!」



杏子「まどか!なぎさ!」



ほむら「・・・うっ!?」




397 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 13:08:51.82 weVQ9qDy0 248/274

~ワルプルギスの胎内~


魔女の内臓と思わしきものに敷き詰められながら、抱き合わせているさやかとマミ


マミ「窮屈ね・・・痛くない?美樹さん」

さやか「マミさんのおっぱいクッションなら全然平気です!」


さやか「むしろ・・・このままでもいいかなって・・・///」

さやか「憧れのマミさんと一緒か・・・ま、こんな最後も悪くないよねって・・・思ってきちゃったり?」



マミ「もう!ちゃんとなさい、あなたには未来を守りたい男の子が二人はいるでしょう?」

さやか「恭介と杏介君・・・」




さやか「ん?マミさん!なんか聞こえてきませんか?」


マミ「これは・・・バイオリンの演奏!?」




さやか「この曲は・・・」

さやか「そっか・・・あいつの・・・」




ピカッ

光りだすさやか



マミ「美樹さん!?」


さやか「マミさん、脱出するよ!ここからはあたし達の反撃だよ!!」




スパァン!!

魔女の内臓に切り込みを入れ、流血させるさやか


さやか「出て来い!あたしの絶望!!そして・・・あたし自身!!」


血を媒介にそれは実体化する

人魚の魔女「KUOOOOOOOOOOO!!!」



マミ「これは!!」


苦しみ出すワルプルギス



ほむら「う・・・うあああああああ!!」


ベリベリベリ・・・バギィン!!
ワルプルギスの下腹部を手で引き裂き、出現する人魚の魔女

398 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 13:24:10.29 weVQ9qDy0 249/274

人魚の魔女「UOOOOOOOOOO!!」


杏子「あれは・・・さやか!!」



さやか「皆!!」

マミをお姫様抱っこして地上に降り立つさやか


まどか「さやかちゃん!」

なぎさ「マミ!!」




杏子「さやか・・・その体の光は・・・」

さやか「ごめん杏子・・・あたし・・・もう、ラーメン奢ってやれないみたいだわ・・・」



バイオリン仮面「さやか・・・!」



さやか「・・・そのパンティ・・・」


さやか「そっか・・・やっぱりそうだったんだ・・・」




さやか「ずっとずっと・・・あたしを守ってくれたんだね・・・嬉しいよ・・・「恭介」」




バイオリン仮面「さやか・・・!!」


バイオリン仮面「ごめん・・・ごめんよさやか・・・!!」



杏子「・・・」

杏子「早く済ませちまえよ・・・余計に悲しくなる・・・」



さやか「まどか・・・なぎさ・・・手を出して」



がしっ

それぞれの手を取り合う3人



さやか「あたしとなぎさが預かってた円環の力・・・それを今まどかに戻すよ・・・」


なぎさ「わたし達は・・・!!」

まどか「魔法少女の希望・・・!」



さやか「「「円環の理!!」」」


ピカッ


399 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 13:45:16.43 weVQ9qDy0 250/274

ゴゴゴ・・・

まどかの力が完全復活し、女神まどかの姿となる




杏子「これが・・・!!」


マミ「鹿目さんの・・・円環の理の真の姿・・・!!」

さやか「やったねまどか!元に戻れたよ!!」



女神まどか「皆・・・お願いがあるの」


女神まどか「ほむらちゃんに伝えなくちゃいけない事・・・それをわたしは・・・
たった一撃に全て込めたいの・・・全力全開の一撃に全てを・・・」



なぎさ「時間稼ぎなのですね?」

さやか「オッケー任せて!!」



バイオリン仮面「さやか!!」



さやか「何やってるの恭介!置いてくよ!!」


バイオリン仮面「さやか・・・!!君を騙し続けていたこの僕を許してくれるのかい!?
また・・・一緒に戦ってくれるのかい!?」



さやか「何言ってるの恭介!!あたしが今まで恭介に本気で怒ったことなんてある?」


さやか「いつだって「ありがとう」だよ!恭介のおかげでまどかは力を取り戻せたんだ!」



さやか「それに・・・氷室君としてあたしといてくれた時間・・・とても楽しかった・・・
すっごい嬉しかった・・・それがあたしへの気遣いだったとしても」



さやか「だから改めて言うよ!!あたしは・・・世界の誰よりも恭介が好きだよ!!」



ちゅっ(ほっぺへのキス)

バイオリン仮面「ささささ、さやか!?」


さやか「でも、これからは友達だからここまで!続きは仁美に教えてもらうんだぞ!!」


ワルプルギスの下腹部を押さえながらうずくまるほむら

ほむら「させない!!やらせない!!まどかを・・・まどかを神様なんかにしちゃいけない!!」



ほむら「まどか!!打たせないわ!!私は・・・私はあなたを・・・人間としてのあなたを守るのよ!!」



バッ!(ほむらの前に立ちふさがる4人+バイオリン仮面)


さやか「まどかの所に行きたければ、先にあたし達を倒しなさい!!」

400 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 14:11:23.51 weVQ9qDy0 251/274

ほむら「邪魔しないで!!まどか!!まどかぁ!!」


「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい」
ほむらはまどかがその言葉を口にした時の光景をフラッシュバックしていた




マミ「ドレッドノート・ティロ・フィナーレ!!」



列車大砲から繰り出されたティロ・フィナーレはほむらが同化しているワルプルギスの右腕を吹き飛ばした



ほむら「まどか!」

右腕を失いつつもまどかに直進するほむら。周りの魔法少女達などおかまいなしに。



杏子「ディーエス・イーレ!!(最後の審判の日)」



巨大槍がワルプルギスめがけて突進する。
衝突の瞬間、ワルプルギスは体勢を崩し、今度は左腕を吹き飛ばされる



ほむら「まどか・・・!!」フラフラ・・・



さやか「スクワルタトーレ!!」


さやかの斬撃が左下半身を捉える




なぎさ「ボッラ・エスプリズィオーネ!!」


なぎさが繰り出したシャボン玉はワルプルギスの右下半身に触れると同時に
爆発する



四肢を損傷し、ついに歯車だけになったワルプルギス。
それでもほむらはワルプルギスとの融合を解除せず、這うようにまどかに直進する

ほむら「まどか・・・まどか・・・まどか・・・!!」カサカサカサ!!

這うスピードが異常に速くなり、まどかの目の前まで近づく



さやか「!!な、なんていう執念!!」



ほむら「まどか・・・!!」


バイオリン仮面「鹿目さん!!危ない!!」



がしっ

ほむら「つ・か・ま・え・た♪」(1stテイク)


まどか「ううん、捕まえたのはわたしだよ」
ほむら「・・・!?」

401 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 14:30:25.88 weVQ9qDy0 252/274

ぎゅっ(ほむらをそっと抱き寄せるまどか)


ほむら「まどか・・・?」



まどか「わたしね・・・ずっと考えてた」

まどか「ほむらちゃんが作ってくれたこの世界の事・・・ずっと考えてたんだ・・・」



しゅうう・・・

まどかに抱かれ、悪魔化とワルプルギスとの同化を解除させられるほむら

ほむら「・・・」


ほむらから離れ、
歯車だけとなったワルプルギスが世界中から呪いを吸収し、再びその体を形成しようとする


杏子「ま、まずい!!」




まどか「もう一度皆と会えて思ったんだ・・・やっぱり皆と・・・お別れしたく無いって・・・」


まどか「そう気付かせてくれたほむらちゃんに・・・その願いを叶えてくれたほむらちゃんに・・・
今では「ありがとう」って思うよ」


まどか「ほむらちゃんが作ってくれたこの世界のこと・・・愛おしいって思ったんだ」




さやか「まどか!早くワルプルギスにとどめを!!」


まどか「わたしのために・・・こんなに傷つきながら・・・
ありがとねほむらちゃん・・・大好きだよ」



ほむら「駄目・・・!!」

ほむら「私は・・・あなたに愛されてはいけない存在なの!その証拠に・・・
あなたは口ではそう言っても・・・また神様になろうとしている!!私の決意を・・・
私の作ったこの世界を否定しようとしている!!」




まどか「それは違うよ・・・私・・・自分の願いも・・・ほむらちゃんの願いも
無駄にしない「答え」を考えたんだ・・・」




ワルプルギス「ウフフフ・・・!!」

口が再生され笑えるようになったワルプルギス、その巨体を再び宙に浮かせる



まどか「あともう一度だけ・・・もう一度だけ世界を書き換えよう」



まどか「でもその場所には・・・わたしもほむらちゃんも・・・さやかちゃんもマミさんも
杏子ちゃんもなぎさちゃんも・・・上条君や仁美ちゃん・・・パパママ、タツヤ、学校の皆・・・
世界の皆もちゃんといるよ・・・」



ほむら「・・・!?ど、どういう事なの!?」

402 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 14:50:38.72 weVQ9qDy0 253/274

まどか「ほむらちゃんが叶えてくれた「鹿目まどかの平凡な日常」・・・
そこに決定的な意見の食い違いがあるとしたら・・・それは「時間」」


まどか「たしかに皆とお別れしたくないけど・・・学校も卒業出来ずに「延々と同じ時間を繰り返す」のだけは
ちょっと違うかなって・・・」


女神まどかが弓を再生中のワルプルギスに向ける



まどか「ほんの少しだけ・・・「皆との別れ」を恐れたからこそ・・・あの子が生まれた・・・!」


まどか「認めるよ・・・あの子はわたしの心の弱さ。わたしとほむらちゃんの心の弱さが生み出した
実の「娘」だって事を!!」



ギリギリギリ・・・

力いっぱい弓を引っ張るまどか



まどか「でもだからこそ・・・あの子を導いてあげなくちゃ!!」



ほむら「まどか・・・!!あなたの・・・あなたの出した答えって!?」


まどか「女神の仕事・・・ほんのちょっとだけお休みをもらえばいいんだよ」



ほむら「え・・・?」



まどか「今度は・・・時間の流れを繰り返さない世界で・・・わたしは・・・わたしは・・・!!」



まどか「わたしは皆と一緒に・・・鹿目まどかとしての!人間としての人生を全うする!!」




まどか「それがわたしの・・・悪魔になってまでわたしを人間に戻してくれたほむらちゃんへの!」



まどか「「応え」だから!!」


シュパアッ




女神まどかの放った矢が歯車を射止める


ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・!?」



ワルプルギス「アハ・・・アハハ・・・ヒャアアアアア!!」




崩壊していく歯車。雨雲がすこしずつ晴れていく


ほむら「まどか・・・!!」

403 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 15:09:52.31 weVQ9qDy0 254/274

さやか「まどか!!」

杏子「まどか!」


なぎさ「まどか!」

マミ「鹿目さん!」


バイオリン仮面「鹿目さん!!」




杏子「やったのか・・・?」


まどか「ううん、呪いの量があまりにも多いから・・・今でもまだ導いてる途中なんだ」

ピキピキ・・・パリィン!!

ワルプルギスの歯車が割れ、中から光の玉が出てくる




まどか「そしてあれが・・・ほむらちゃんが奪った私の力・・・」

まどか「主に世界改変を行うための力だよ」



さやか「あれを手に入れれば・・・全部終わるんだね・・・」




なぎさ「仕事を休むって・・・ほんとにそんな事許されるのですか?」

まどか「多分大丈夫だと思う・・・元々わたしが作ったシステムだし・・・
長生きしても人間の場合100年として計算しても・・・」



まどか「人類が誕生してから万年単位で導いてきたし・・・
そしてこれから何億年って続く仕事だからそれくらいは・・・」



まどか「平行世界の数も考えれば・・・もうすでに1000万年は仕事してきた事になってるのかな?」


まどか「引継ぎは・・・ジャンヌちゃんあたりが適役かな?100年だけだし引き受けてくれるよね?」


さやか「まどか・・・あんた仕事のこなし方がママに似てたわよ・・・
ジャンヌは意外にそそっかしい所あるけど大丈夫か?任せて」


杏子「おいそこ・・・歴史上の偉人で友達トークすんな」




さやか「それはそれで片がつくとしても・・・本当にあたしとなぎさも復活できるの?
そんな何もかも都合が良くなる結末が?」


まどか「間違いなく復活するよ・・・ただ・・・」



さやか「ただ・・・?」



まどか「ほむらちゃんとわたしの記憶を元に・・・もう一度世界を構成するから・・・
運命的な事は変えられないんだ・・・」

404 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 15:28:06.41 weVQ9qDy0 255/274

ほむら「私とまどかの記憶・・・?つまりはあの日・・・まどかが私を迎えに来たあの日までに確定した事実は・・・」

まどか「変わらない・・・変えられないんだ・・・」



まどか「だから・・・もう一度命をもらっても、さやかちゃんは上条君のために契約して・・・
そして中学を卒業する前に・・・導かれるのは変わらないんだ・・・」



バイオリン仮面「・・・!!」


さやか「そっか・・・」



さやか「ま、それは仕方ないよね。んまぁ、もう一度生まれ変われるだけ幸せだよ!」



まどか「それとね・・・皆・・・特に上条君にとって大事な話なんだけど・・・」



まどか「世界改変すれば・・・この世界で起きた出来事は・・・皆忘れちゃうんだ・・・
この戦いの記憶も・・・何もかも」


マミ「え!?上条君!?上条君がどこにいるって!?」キョロキョロ




まどか「上条君は本来・・・魔法少女になるはずのなかった存在だから・・・
改変すれば・・・もう二度と魔法少女に関わる事は無いの」




まどか「さやかちゃんが願った奇跡も・・・その理由も知らないままになっちゃうの・・・」

バイオリン仮面「・・・」




さやか「・・・」

さやか「でもまぁ、バイオリンに集中するって考えればむしろそれって都合のいい事なんじゃないの?」



バイオリン仮面「さやか・・・」



さやか「あたしの気持ちを知っちゃうと・・・仁美ともイチャイチャできないっしょ?だからそれで良いよ」



さやか「今のこの記憶が無くなるとしても・・・
ちゃんと伝え合えたこの世界であたしと恭介が分かり合えた。それだけであたしは幸せだから」




まどか「ごめんねさやかちゃん・・・一回目の女神化の時も・・・さやかちゃんの望む未来を無くしたのに・・・」

さやか「いいのいいの!あたしはもう吹っ切ってるから!!」



さやか「あたしのじゃなくて・・・恭介は仁美の縞パンを選んだ・・・つまりはそういう事でしょ?」


バイオリン仮面「さやか・・・これは・・・」


405 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 15:42:33.68 weVQ9qDy0 256/274

マミ「えっ!?えええええ!?ウィザードが上条君だったの!?」

なぎさ「マミ・・・少し黙ってて欲しいのです」




まどか「さて・・・そろそろ世界改変、始めなきゃ」


さやか「いったん皆とはお別れだね・・・」

杏子「復活してもまたすぐいなくなるもんな・・・さやかのバカ・・・」



ほむら「・・・」

ほむら「いいわまどか・・・好きになさい」ドサッ



ほむら(これで良かったのよね・・・まどかは・・・私の願い通り・・・
「人間としての幸せ」をこれから生きていくわけだし・・・)



ほむら(この答えが最善かどうかわからない・・・だけど・・・私はもう
スッキリしてしまっている・・・)


ほむら「私はこれで報われたのかしら・・・?」



バイオリン仮面「さやか・・・!!」



さやか「恭介・・・」




まどか「上条君・・・これが最後だよ・・・」

まどか「ここまで心が通い合った二人は・・・今のこの世界だけだから・・・」




まどか「さやかちゃんのために・・・弾いてあげて・・・!」



バイオリン仮面「・・・」


スッ(バイオリン)



♪~♪~♪



魔法少女達「・・・」うっとり



さやか「ありがとう恭介・・・やっぱり・・・大好き」


さやか「ねえ知ってる?あたしが幼稚園の時泣き出した「人魚姫の物語」・・・実は続きがあるんだって事」




バイオリン仮面「王子様との恋に破れ、身投げした後の事かい?」

406 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 16:03:48.31 weVQ9qDy0 257/274

さやか「その後が肝心なんだよね・・・人魚姫は・・・風の精霊シルフィードに転生するんだ」


さやか「世界中の人々に・・・幸せの春風を送り届ける精霊・・・それに変化した人魚姫が
最初に祝福したのは・・・王子様とお姫様だって・・・」



さやか「だからあたしも・・・そうありたいって思ったんだ・・・」

さやか「だから恭介・・・仁美と・・・仁美と絶対幸せになってよね!」


さやか「恭介と仁美を一番に祝福できる風の精霊に・・・さやかちゃんは生まれ変わるんだ!
二人に祝福の風を送り届けるんだってね・・・」




バイオリン仮面「ああ・・・良く知ってるさ・・・!」

泣きながら演奏するバイオリン仮面



さやか「恭介の未来・・・そして・・・」







さやか「恭介の「願い」が・・・今度こそ叶うんだね・・・!!」






バイオリン仮面「・・・!!」





♪~♪~♪~♪



まどか「え、え、ええ!?」




マミ「曲調が・・・曲調が突然恐ろしいものに変わった・・・!?」




さやか「そんな・・・この曲は・・・この曲はシューベルトの・・・!!」



ほむら「・・・!?上条恭介!?あなた一体何を・・・!?」




バイオリン仮面「良く知ってるよ・・・人魚姫の物語は・・・!」

バイオリン仮面「あの日泣き出したさやかのために・・・僕は人魚姫の想いが報われる話を書いたんだ」


バイオリン仮面「その時書いた物語こそ・・・「バイオリン仮面ウィザード」の原型だったのかもしれないね・・・」

バイオリン仮面「だけど・・・これから僕が奏でるのは・・・その結末とも違う・・・別の「物語」さ・・・!!」

さやか「この曲は・・・!!」ゴゴゴゴ・・・

407 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 16:18:22.24 weVQ9qDy0 258/274

バイオリン仮面「人魚姫は身投げする前にある選択を迫られる」

バイオリン仮面「王子の心臓を刺して、
その血を持って元の姿に戻るか、人間に恋した呪いで消え去るかの選択をね・・・」



バイオリン仮面「さやか・・・君は僕の命で人間としての人生を取り戻すのさ」

さやか「何言ってるの恭介・・・!!?こ・・・これは・・・!?」


♪~♪~♪



杏子「・・・!!か、体が動かねー!!」



なぎさ「恭介!!何をするつもりなのです!!」



バイオリン仮面「今・・・演奏による精神操作で君達の動きを全て止めさせてもらった・・・」


バイオリン仮面「そして・・・」


演奏しながらまどかの力の一部に触れようとする恭介



まどか「待って上条君!やめて!!」



さやか「恭介!?何をしているの!?早く拘束を解いて!!」



バイオリン仮面「僕は結局・・・さやかか仁美さんか・・・決められなかったよ・・・」


さやか「え・・・!?」



バイオリン仮面「だから僕は・・・こうするんだ・・・この力があれば・・・
僕の「願い」は叶うんだ・・・!!」



さやか「嘘よ!恭介が愛してるのはあたしじゃなくて仁美だよ!その証拠に・・・その証拠にあんたは
仁美の縞パンを・・・!!」




バイオリン仮面「・・・」ジーッ↓

社会の窓を開ける恭介


さやか「・・・!!」


まどか「そ、そんな・・・」


杏子「し・・・下にもう一枚!!」


マミ「み・・・美樹さんの縞パンを!!」


バァーン!!


409 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 16:39:26.46 weVQ9qDy0 259/274

バイオリン仮面「さやかか仁美さん・・・
どちらか一枚だけの縞パンを身につけてもここまでの力は得られなかった・・・」



バイオリン仮面「僕が「その存在」になれたのは・・・
さやかと仁美さん・・・その両方の縞パンを見につけたからこそなんだ・・・!!」


さやか「恭介!目を覚まして!!あんたの願いは・・・バイオリンを弾き続ける事でしょ!!」



バイオリン仮面「違うよさやか」

さやか「え・・・!?」



バイオリン仮面「君の言うとおり・・・僕は・・・僕の「願い」を叶えるために「その存在」になるんだ・・・」


さやか「だから・・・恭介の願いは!!」

バイオリン仮面「「さやかにコンクールに来て欲しい」だよ」


さやか「・・・!!」



バイオリン仮面「一番初めに・・・キュゥべえに告げた願いが・・・それだった・・・」

♪~♪~♪



ほむら「「その存在」・・・!?上条恭介!あ、あなた一体何者になろうとしているの・・・!!」


ほむら「私とまどかを・・・悪魔と女神・・・その両方を出し抜いて・・・一体どこに行き着こうと・・・!!」




♪~♪~♪


さやか「そうだよ・・・この曲は・・・シューベルトの・・・」



バイオリン仮面「さやかや仁美さんだけで無く・・・君達の身体を操れるほどに僕の演奏は
君達の心を侵してしまった・・・」



バイオリン仮面「そして今・・・その能力を悪用し・・・君達を思うがままに囲おうとしている」

バイオリン仮面「君達全員を幸せにする結末を・・・」


バイオリン仮面「ハーレムは誰にも崩させない!!」



バイオリン仮面「「そんな存在」はもう・・・」


さやか「「魔王」・・・!」




バイオリン仮面「と、でも呼ぶしか無いんじゃないかな?」ゴゴゴ・・・


バイオリン仮面「だけど・・・僕は暁美さんとは違う・・・さやかの意志を無視するわけじゃない」
パチン!(指)

411 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 16:59:32.34 weVQ9qDy0 260/274

さやか「・・・!?」ガタッ



さやか「体が・・・動く!?」

バイオリン仮面「さやかだけ動けるようにしておいたよ」



再びまどかの力に歩み寄る恭介


さやか「恭介!待って!!」


シュッ!(恭介に剣を突きつけるさやか)


さやか「動かないで恭介・・・それ以上それに近づいたら・・・恭介でも斬るよ!」



バイオリン仮面「そうださやか・・・それで良いんだ・・・」


がしっ

さやか「・・・!?」



さやかの剣を掴んで自らの心臓の位置を差し出す恭介



バイオリン仮面「わかっていたさ・・・僕のわがままは失敗に終わるって・・・」

バイオリン仮面「正義の味方のさやかなら・・・きっと僕を止めてくれるって・・・」



さやか「な・・・何言ってるの恭介?は、早く冗談はやめて、みんなにかけた演奏魔法を解いてよ!」



バイオリン仮面「駄目だよさやか・・・約束したじゃないか・・・」


バイオリン仮面「悪い奴相手なら・・・たとえ演奏仮面でも戦うと・・・!!」


さやか「・・・!!」




バイオリン仮面「さやかに殺されるのなら・・・それで良い・・・
さやかがそれを選ぶのなら・・・僕は自分のわがままを諦めきれるから・・・」


バイオリン仮面「そういう意味で僕は・・・「さやかの選ぶ道を信じる」って言ったんだ・・・」



バイオリン仮面「正義の味方に憧れてるんだろう!!
僕を殺して・・・本物のヒーローになるんださやか!!」



さやか「う・・・う・・・うああああああ!!」ガタガタガタ

泣きながら剣で威嚇するさやか。震えが止まらない。



さやか「勝手なことばかり言って・・・仁美は!仁美はどうなるのよ!!
あんたが死んだら・・・仁美は!!」

バイオリン仮面「音楽のため海外留学にでも行ったと伝えてくれないかな?」

412 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 17:19:46.73 weVQ9qDy0 261/274

バイオリン仮面「僕を一度殺して世界改変の際生き返らせようだなんて甘い考えは捨てたほうが良いよ・・・
世界改変の際生き返りを拒否するくらいの力なら今の僕にだってあるからね・・・」


バイオリン仮面「僕を殺して正義の味方になるか・・・それとも偽りだとしても人間としての幸せに浸るか・・・」



バイオリン仮面「奇しくも人魚姫が迫られた二択と同じさ」



さやか「なんで・・・!?なんでなのよ・・・!!」ガタガタガタ



仁美(丸一日だけお待ちしますわ)


さやか「なんで仁美も恭介も・・・!!あたしにこんな大事な選択を迫るの!?なんで!?」


さやか「そんな大事なこと・・・答える準備をしてない時に限って・・・なんで・・・!!」




バイオリン仮面「いつだって迫られているよさやか・・・」

さやか「・・・!!」



バイオリン仮面「最初から君が僕に伝えてくれれば・・・僕は君の物になったんだ・・・」



バイオリン仮面「もっと言うなら・・・バイオリンを弾けなくても・・・さやかと一緒に
「普通の人間として」歩む道が・・・」


バイオリン仮面「そうなっていたのなら・・・僕だって君が消える事を受け入れられずに
こんな事をするなんて考えもしなかったさ」



さやか「あたしの・・・」


さやか「あたしのせいなの!?あ・・・あたしが恭介に告白出来なかったから・・・
あたしが・・・勝手に恭介の腕を治しちゃったから・・・!!」


さやか「あたしの弱さが・・・恭介を魔王に変えちゃったって言うの・・・!?」




まどか「違うよさやかちゃん!それは弱さじゃない!!」



杏子「やれさやか!!そいつはもう恭介じゃない!
世界をわがままに支配したいだけの「魔王」だ!!」



さやか「う・・・うわあああああああああああ!!」


勢いをつけて恭介の心臓を突こうとするさやか



ピタッ

しかし、やはり止まる剣先

カラァーン
さやかは剣を落とす

413 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 17:33:34.48 weVQ9qDy0 262/274

さやか「出来るわけ無い・・・出来るわけ無いよ・・・」


さやか「たとえ悪い奴でも・・・あたしが・・・あたしが恭介を殺すなんて・・・出来るわけない!!」


さやか「う・・・うあああああ!!」

さやか「うわあああああああああああああああ!!」

泣き崩れるさやか



まどか「さやかちゃん・・・」


ゴゴゴ・・・



悪魔の力が恭介に吸収される



バイオリン仮面「僕の勝ちだねさやか・・・」


バイオリン仮面「だけど信じているよ・・・
君は必ず自分の使命を思い出して・・・いつか僕を殺してくれるって・・・」



バイオリン仮面「その時こそ君は・・・本当の意味で正義の味方になれるのさ・・・」


ゴゴゴゴ・・・


地上が黒い瘴気を覆い、そして恭介の姿を隠す

まどか「上条君!!」




地球全体がバイオリンの形をした瘴気に包まれ、再び世界改変が始まろうとしている

~~~


ほむら「・・・」




ほむら「世界が書き換えられていく・・・だけど何故・・・私にこの光景が見えるの!?」



恭介「暁美さん・・・」

ほむら「上条恭介!?あなたが私を呼んだの!?一体何故!?」



恭介「口ではああ言ったけどね・・・僕は君より上位の「悪魔」になる気は無いんだ・・・」



恭介「君でなくては出来ないことがあるんだ・・・だから僕は・・・君の上に立つ気は無い」

ほむら「・・・!?どういう意味!?何を考えてるの!?」




恭介「この身体の全てを・・・君に差し出す。そう言っているんだ」

ほむら「・・・!?」

414 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 17:54:56.69 weVQ9qDy0 263/274

恭介「そして改心しかけた所悪いけど・・・やはり君には悪魔の仕事を続けてもらいたいからね」



ほむら「・・・!!」

ほむら「やはりあなたは・・・魔王と呼ぶのにふさわしいわ・・・」



恭介「それはありえないね・・・何故なら今から僕は・・・君の・・・「悪魔の」眷属になるのだから・・・」


ひざまずいてほむらの手の甲にキスをする恭介。




~~~~~




世界改変後、ワルプルギスが来ること無く平和に卒業式を終える見滝原中学の風景。


そして春休み




わいわいがやがや・・・

~ジャニー北側主催、バイオリン・コンクール~



まどか、ほむら、なぎさ、マミ、杏子、さやか、そしてさやかの隣に男性と思わしき人物がそれぞれ招待された
指定席に座る



恭介「25番、上条恭介・・・」


♪~♪~♪

ステージのカーテン裏で恭介を見守る仁美




~~~

コンクールが終わり、恭介と仁美がいる控え室へとむかう魔法少女6人と一人の男性



仁美「皆様・・・今日は恭介さんのコンクールにお越しいただいて・・・まことにありがとうございます」


さやか「おおっ!仁美すっかり恭介のお嫁さんっぽさが身についてきたね!!」


仁美「も・・・もうさやかさん!からかわないでください!!」


さやか「あれ?そういえば恭介は?」

仁美「主催者のジャニー氏に呼ばれたとかで・・・まだ帰ってきてませんわ」



仁美「さやかさんのお隣の方・・・あなたが・・・」


氷室「初めまして。氷室杏介です」


さやか「へへーんどうだ!恭介よりかっこいいだろー!でも仁美にはあげないよ!!」

415 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 18:08:34.85 weVQ9qDy0 264/274

恭介「・・・」ガチャッ


仁美「あ、恭介さん、お帰りなさい」


恭介「さやか・・・それに皆さん・・・来てくれたんだね・・・」

恭介「それと・・・氷室・・・」



氷室「本当は客としてじゃなくて・・・奏者として君と再会したかったけどね、上条・・・」

恭介「・・・」



恭介「左手の傷さえ無ければ・・・残念だったね・・・」




氷室「僕なら大丈夫・・・何年かかっても復帰してみせるさ・・・」

さやか「そうだよ恭介!なんたったって杏介君には、あたしがついてるんだからね!!」



さやか「ところで・・・ジャニーさんの用って何だったの?」



恭介「・・・」




恭介「アメリカに留学する気は無いかと・・・誘われたよ」



仁美「・・・!」

さやか「やったじゃん恭介!あのジャニーさんに誘われるなんて、本当にすごい事だよ!!」



仁美「お・・・おめでとうございます」震える仁美


マミなぎさまどか「おめでとう!!」

杏子「おめでとさん」

ほむら「おめでとう・・・」


恭介「決め手は今回のコンクールだったらしいけど・・・実は以前から何度も誘われていたんだ・・・」


仁美「そ・・・それでお返事は・・・」





恭介「・・・OKを出したよ」



仁美「そう・・・ですか・・・出発はいつ・・・」


恭介「春休みが終わってすぐ・・・だから僕は・・・見滝原中学の三年には進級しないつもりなんだ・・・」

仁美「・・・」


さやか「ちょ・・・!?ちょっと恭介!?いくらなんでも急すぎるでしょ!仁美になんの相談も無しに!?」

416 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 18:23:17.66 weVQ9qDy0 265/274

仁美「以前・・・恭介さんが言っていたのはこの事だったのですね・・・
「さやかさんと離れ離れにならなくちゃいけない」と言っていたのは・・・」


恭介「仁美さん・・・」


仁美「はい・・・」



恭介「僕と一緒に・・・アメリカに来てくれないか?」

仁美「・・・!!」



さやか「うおおおおおおおおお!?」

氷室「・・・!?」




恭介「いきなりでこんな事無茶なのはわかってる・・・だけど・・・だけど
ジャニーさんは許可してくれたんだ!」


恭介「仁美さんはどこまでも僕についてきてくれるって言ったよね?だから・・・だから・・・」




仁美「・・・」


仁美「嬉しい・・・」


恭介「えっ・・・?」



仁美「すごく嬉しくて・・・涙が止まりませんわ・・・」ぽろぽろ・・・



仁美「もちろん・・・もちろん喜んでお供させて頂きますわ!私の両親は・・・私が説得します!」



恭介「ありがとう・・・仁美さん・・・」



さやか「うーん、じゃあさ!送別会やろうよ!恭介と仁美が日本にいるうちに盛大にさ!」


恭介「うん、だからそのつもりで・・・僕も準備をしてきたんだ」



恭介「佐倉さん、以前から頼んでいたあの件、了承してくれるかい?」

杏子「ああ、あたしの教会を借りるってアレか。ボロボロでよければ別に構わないぜ」




恭介「鹿目さん、以前あげた演歌のCD、いつでも歌えるように準備しておいて!」

まどか「ウェッ!?あ、あのプレゼントってそういう意図があったの!?」



仁美「きょ、教会で歌で送り出されるって・・・送別会と言うよりはその・・・」

仁美「結婚式・・・みたいですわね・・・///」ぽっ

恭介「僕はそのつもりだけど?」どばーん

417 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 18:36:46.67 weVQ9qDy0 266/274

さやか「・・・!!」

氷室「・・・!!」


マミ「え、えええ!?ええええええ!?///」

なぎさ「きょ、恭介!だ、大胆!!」



さやか 氷室「「せーのっ」」





氷室 さやか「「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」




恭介「なんだそのリアクション!?というか息ピッタリじゃないか!!あわせてきたのか君達は!!」



仁美「・・・///」ぽー



仁美「」ぷしゃああああ


鼻血を出して卒倒する仁美



恭介「ひ、仁美さん!?」


さやか「まどか!保険委員!はやくなんとかして!!」



ほむら「焦りすぎよ・・・鼻血くらいで・・・こういうときはまず気道を確保して・・・」

まどか「ほむらちゃん、それ人工呼吸」



ほむら「ほむっ!?」



杏子「お、仁美とほむらがキスすんのか?二人ともその気がありそうだからなー」



ほむら「杏子!!」


~~~

送別会



さやか「仁美?どうしたの?」

仁美「い、いえ・・・珍しい猫が紛れ込んでいると思ったのですが・・・どうやら見間違いのようですわ」




さやか「それじゃあ盛大に!」

さやか「恭介、仁美、留学アンド結婚おめでとー!!」パァン!パァン!!


その他「おめでとう!!」パァーン!

418 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/09/28 18:49:11.76 weVQ9qDy0 267/274

さやか「これ、あたしからのプレゼント!」スッ


仁美「絵本?」

恭介「人魚姫じゃないか・・・懐かしい」



仁美「でもなんで・・・絵本?私たちなら活字の原作でもよろしかったのに・・・」


さやか「ああ、違う違う。あんた達の子供に読み聞かせてやれって意味だよ」


仁美「なななな・・・!?///」


恭介「さやか!?い、一体何を言ってるんだ!!」



さやか「次に会うときはガキの一人や二人こさえとけよ!って・・・別れの時の台詞の定番じゃなかったっけ?」

恭介「どんな定番だよ!一年そこいらで帰ってくるのに作るわけないじゃないか!!」



さやか「ん?じゃあ子作り自体は興味あるんだ?」

恭介「な・・・!?///」



仁美「さやかさん!!///」




さやか「嘘嘘。じゃあ次に会うときはオトナになってるんだぞ!って事で許してあげるよ!!」

恭介「さやかと氷室もね!!」


さやか「ななななななな!!///あたし等の事は関係ないでしょ!ほうっておいてよ!!」





さやか「でもこの本懐かしいな・・・あたし、小さい頃泣き出したんだっけ?」

氷室「怖くて泣いたのかい?」



さやか「怖くてって・・・そんなんじゃないよ・・・どっちかっていうと悲しい系のお話・・・
ってアレ?」


ペラペラ・・・


氷室「どうかしたの?」



さやか「うん・・・いや、まぁ・・・怖い話だったけどさ・・・」


さやか「人魚姫って・・・こんな話だったっけ?って思ってね・・・」



氷室「そりゃあ何百年も前の作品だからね・・・出版社によって解釈が違うよ」


さやか「そうかな?うーん・・・なんかおかしいんだよなー・・・」

419 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/01 19:14:12.51 +x+Lj3mE0 268/274

~見滝原空港~


恭介と仁美を見送る一同


恭介「これで・・・ひとまずお別れだね・・・さやか」

さやか「うん・・・」



恭介「今までありがとう・・・」


ツー(涙)



さやか「恭介!?」


恭介「君がいてくれたからこそなんだ・・・」

恭介「コンクールに来てくれたとき・・・すごい嬉しかった・・・」



恭介「今まで当たり前だった事が・・・何故か叶わない願いのような気がしていた・・・」

恭介「だけど・・・わかったんだ・・・」



恭介「僕の願いは・・・叶ったよ・・・」



さやか「きょ、恭介!?大げさだなぁもう!」

さやか「あたしはいつだって、恭介の事応援しているから!これからも・・・ずっとね!」



恭介「さやか・・・!」

さやか「それともなに?まさかアンタ、仁美の事ほっぽりだしてあたしに未練が沸いてきたとか
そんな事じゃないでしょうね!!」



恭介「い、いやそういうつもりじゃ・・・」


さやか「あたしはいつまでも大好きだよ恭介・・・」

さやか「だけどその気持ちが・・・今は友情に変わったってだけの事」




さやか「これからは・・・あたしに感じていた友情の分まで・・・仁美の事・・・幸せにしてあげてほしいな」


恭介「さやか・・・」




氷室「上条・・・さやかは大丈夫だ・・・」

氷室「僕が必ずさやかを守る・・・君は飛び立つんだ」


恭介「氷室・・・」


氷室「いつか僕も・・・怪我を治して君に追いついてみせる・・・だから今はひたすらに前を見るんだ」


420 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/01 19:31:34.04 +x+Lj3mE0 269/274

~飛び立つ飛行機を見守る一同~


さやか「行っちゃったね恭介・・・」

氷室「そうだね・・・」



さやか「ねぇ、杏介君!」

氷室「なんだい?」


さやか「あたしにはきっと・・・少なくても二通りの未来があったと思うんだ」

さやか「恭介の腕を治す道と・・・魔法少女にならずに・・・それでも恭介を一生支え続ける未来」



さやか「あの時選ばなかった未来を・・・きっとあたしは試されてるんだと思うんだ・・・」


ぎゅっ

さやかが氷室の左手を握る


さやか「少しずつだけど・・・あたしの回復魔法で・・・治り始めてる」


さやか「これからも一緒だよ杏介君。あたしが杏介君の腕になってあげるんだから!」



氷室「うん。さやかと一緒なら・・・どんな困難もきっと受け入れられるよ」




~~さらに流れていく月日~~



~ほむらのアジト~



ほむら「・・・」



ほむら「これで良かったの?恭介」


恭介「うん・・・これで良いんだ」



特殊な結界に遺体となって安置されている恭介
ほむらに発した声はテレパシーによるものだ




ほむら「「美樹さやかと志筑仁美、そのどちらをも選べない」・・・」

ほむら「確かに・・・ルシファー化の条件を満たしていた・・・そしてあなたはあの時・・・」



恭介「再び悪魔となった君の・・・ルシファーシードを受け入れた・・・」



恭介「結果・・・本物の上条恭介の肉体は抜け殻となり・・・その意志は2つに別れた」

421 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/01 19:53:30.58 +x+Lj3mE0 270/274

恭介「すなわち・・・仁美さんを愛した恭介「上条」と・・・さやかを愛した恭介「氷室」にね・・・」

恭介「この世界では・・・「上条」も「氷室」も実在する人物としての過去が存在する」


恭介「今ほむらさんと共にいる
この僕は・・・そのどちらの意志でも無い・・・上条恭介の思念を媒介に生まれた・・・いわば」

ほむら「魔王・・・」



魔王恭介「あの時さやかは・・・僕を殺せなかった・・・」

魔王恭介「だけどさやかは必ず立ち上がる・・・僕を倒すためにね・・・」



魔王恭介「たとえ氷室を・・・愛する人を失うとしても・・・必ず・・・」

魔王恭介「その時・・・あの肉体には「上条」の意志が再び戻されるだろうね・・・」



ほむら「生き残るのが「上条」とは限らないわ」

ほむら「あの時・・・美樹さやかがあなたへの剣を納めたのは・・・
あなたを殺せなかったからだけでは無いかもしれない」



魔王恭介「つまり・・・「氷室」と自分が暮らす幸せを・・・って事かい?
さやかが人間としての幸せを諦め切れなかったから・・・とでも?」



魔王恭介「だとしても・・・さやかが仁美さんの気持ちを踏みにじって・・・「上条」を見捨てて
「氷室」を選ぶとは思えないけどね・・・」



ほむら「さやかが選ぶかどうかの問題では無いわ」

ほむら「いつか敵として立ちはだかるのは・・・あの魔法少女達だけじゃない・・・と言う事よ」



~~アメリカ~~


キュゥべえ「キュウ?」


仁美「あら、あなた確か・・・日本でも見かけましたわね・・・珍しい種類の猫ちゃんでは無かったのかしら・・」



キュゥべえ「キュ!キュゥキュゥ!!」じたばた

仁美「何か私に訴えたいことがあるのでしょうか・・・?でも解りませんわ・・・」



恭介「仁美さん、おまたせ。さぁ、寮に帰ろう」

仁美「ええ」


~~~
ほむら「それにしても・・・随分と細かい所まで世界改変していたみたいだけど・・・一体何を改ざんしていたの?」

魔王恭介「人魚姫の物語・・・」



魔王恭介「その話の元となった魔法少女の結末を操作した」

魔王恭介「そして物語は終わっていない・・・今まさに「人魚姫の物語」は続いているんだ・・・」

422 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/01 20:10:54.13 +x+Lj3mE0 271/274

魔王恭介「僕の心臓を抉り出して・・・さやかが真の正義の味方になるという結末に向けてね・・・」


ほむら「あの子達にとって・・・さらに辛い戦いになるわね」




~中沢と和子先生~


中沢「先生、俺やっぱり・・・若い子達との出会いを諦めきれない・・・」

中沢「だから・・・親戚のおじさんを紹介するよ!!」



バッ


和子「・・・!!」(タ・・・タイプだわ!)どきゅーん



布袋「初めまして。中沢のおじの、布袋です」




中沢:魔王恭介の世界改変の際、気まぐれでルシファーシードを埋め込まれる。
その際和子先生を愛する青年形態「布袋」と若い子を諦めきれない「中沢」とに分離する



~マミが引っ越した都会のスタジオ~


講師「マミ!もっとおなかから声を出して!そう、そうよ!!」

マミ「がんばらなくっちゃ!」




巴マミ:卒業後、芸能プロダクションに所属。レッスンに集中するため
都会の高校へと進学する。アイドルになるため、日夜レッスンに励む



さやか「え?杏子、杏介君のご両親に引き取られて・・・一緒に住むことになったの?」

杏子「そういう事になった・・・くそぅ・・・さやかと一緒が良いのに・・・」



さやか「赤の他人より親戚の方がいいでしょ!これなら高校からは幻術使わず堂々と通えるじゃん!」

杏子「お前はそれでいいのかさやか?一緒に暮らすって事は・・・あたしが杏介とひとつ屋根の下って事だぞ?」



さやか「な・・・!?し、親戚同士でそんな事許されるわけ無いじゃん!」

杏子「親戚同士なら結婚できるって教えてくれたのはさやかだぞー!ざまぁ見ろ!」



杏子:「氷室」が実在する人物と世界改変された事で身元引受人として氷室の両親が名乗り出る。
恭介に抱いていた淡い恋心は氷室への気持ちと変換されている。



~まどかの家、タツヤと遊ぶなぎさ~

なぎさはマミが離れて以降、まどかの家へと遊びに行くことが多くなった様子

423 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/01 20:24:04.71 +x+Lj3mE0 272/274

~再びアメリカ~


さやかが仁美に送った「にんぎょひめ」の絵本がひとりでに開く




「にんぎょひめ」


にんぎょひめは あらしのよる ふねからなげだされ、おぼれるおうじさまのたすけ、そしてこいをしました


にんぎょひめは のろいをもったにんげんのあしをてにいれ おうじさまにあいにいきました



おうじさまはすでに となりのくにのおひめさまと けっこんしていました



のろいをとくには おうじさまのしんぞうがひつようだったのです


しかしにんぎょひめは おうじさまをころせず あわとなってきえたのです


そのご おうじさまは にんぎょひめの ほんとうのきもちにきづきました



おうじさまはあくまに からだをうりわたし そのこころをふたつにわけました


そのうちひとつは おひめさまのもとへ そのうちひとつは にんぎょひめのもとへと 



まおうになってにんぎょひめを いきかえらせたおうじさまは まちつづけているのです



じぶんのしんぞうを にんぎょひめにさしだす そのひを





バイオリン仮面ウィザード


【人魚姫の物語】













【完】

430 : ◆Q9mKomrfWbxO - 2014/10/03 09:33:37.83 QP5j5xyh0 273/274

あとがき及び補足説明


氷室:ワルプルギスの夜との戦いで負った傷が原因でしばらくはバイオリンを弾けない。という設定

キュゥべえ:今後言葉巧みに何かしらの企みを実行させないために
人語および文字、イメージ映像投影等の意思伝達能力を失う。

彼と契約するには第三者の魔法少女からの仲介がなければならない


ワルプルギスの夜:
導かれる途中で世界改変されたため、魔女が存在する別の時間軸に投げ出された。
人格が存在しないため、中核を形成する魔法少女を探しながら魔女軸の並行世界をさまよう。

まどかとほむらの力を受け継いでいるため、円環の理の力を負に傾けた
「世界中の呪いを集め、際限なく成長する」という性質になっている



叛逆以降「ワルプルギス=ほむら説」が再燃してきたみたいなので
私は少し捻って「ワルプルギス=ほむらとまどかの能力の合成体説(要するに二人の娘)」を提唱してみます。


前作のバイオリン仮面に出てきたワルプルギスの夜も
こちらと同一個体ではありますが、「中核となった魔法少女がまどかともほむらとも関係の無い人物」
と言う事にして下さい。




これでひとまず物語は終わりです。


続編があるとしたら、「仁美も魔法少女になる」
「二人の恭介が自身の正体に苦悩する」展開になると思いますが、
ルシファー、魔法使い以上にオリジナル設定を盛り込みすぎて「まどマギ」のモチーフから
大きく外れてしまう恐れがあるため、今のところ執筆の予定はございません。

「ハーメルンのバイオリン弾き」「ダイの大冒険」に似た物になると思います



虚淵大先生の最近の作品の出来映えを見させて頂き、
「モチーフはなるべく統一させた方がいい」と勉強させて頂いてますので。


氷室×さやか

恭介×仁美


魔王恭介×悪魔ほむら



全て書き切り、出し尽くしたと思います。



前バイオリン仮面で設定した「時空管理局」の介入が無いのは
「時空犯罪者が絡んでるわけでは無いから」という事にしてください。

あっちの時間軸のバイオリン仮面達が助けに来るという事も多分無いです。


もしもまとめて下さる方がいるならこの地味なタイトルに「バイオリン仮面」を付け加えて編集して頂いても構いません。


本家「叛逆の物語」が一部で「ほむらの悪魔化が唐突すぎる」と評されているので
恭介がああいう手段をとらざるを得なかった過程をじっくり書き切れたかな。と思います。


さやかが氷室を好きになる過程はもうすこし詰めるべきでしたけど。


それでは依頼を出して来ます。

関連作品

美樹さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」
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さやか「終曲!!バイオリン仮面!」
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さやか「バイオリン仮面・・・一体何者なの?」【前編】タキシードの物語 (リメイク)
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さやか「休息!!バイオリン仮面」(おまけシナリオ)
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