1 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:37:15.38 mMToe56f0 1/112

お昼休み

「ねえ、唯先輩のどこがいいの?」

「え? どこって……全部、かな」

「具体的には?」

「まずあの天使みたいな顔だよね。幻想的で、思い出すたび胸がほわゎぁってなるの」

「あの肉つきのいい体! 将来絶対良いお母さんになれるし」

「ひたむきで、前向きで、明るくて、何より綺麗で」

「――私の憧れなんだよ」

元スレ
純「ねぇ、手繋がない?」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1284179835/

2 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:38:25.63 mMToe56f0 2/112

「……ふーん」

「あれ? どうしたの? 純ちゃん」

「あ、いや、何でも」

(憧れ、かぁ……)

(私も憂に、そう思われたいな……)

4 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:39:24.20 mMToe56f0 3/112

「何の話してるの?」

「あ、梓。購買で何買って来たの?」

「チョコロールパンと、イチゴジャムパン」

「チョコの方、一口分けてー」

「えぇー、やだよー」

5 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:40:15.40 mMToe56f0 4/112

「ぶーぶー、けちー」

「はいはい、一口だけね……。それで、何の話してたの?」

「純ちゃんが、お姉ちゃんのどこがいいかって聞いてきたんだよ」

「憂は何て答えたの?」

「全部」

「憂らしいわ……」

7 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:41:25.24 mMToe56f0 5/112

「純ちゃんったら、変な質問してくるからびっくりしたよー」

「い、いいでしょ、別に」

「あれ? もしかして、唯先輩に嫉妬してるの?」

「え?」

「憂に慕われてる唯先輩が、うらやましいなーって、思ってるんじゃないの?」

「ま、まさか!」

8 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:42:28.02 mMToe56f0 6/112

「そんなわけないじゃん!」

「だよねー」

「……なんか、遠まわしに嫌味を言われた気がするよ」

「気のせい、気のせい」

「そういえばさ、唯先輩以外に好きになった人っているの?」

「私? 私は……うーん、お姉ちゃんしかいないなぁ」

9 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:44:23.41 mMToe56f0 7/112

「もう、ぞっこんなんだねー」

「えへへ」

「でもさ、何でそんなに唯先輩が好きなの?」

「うーんと、やっぱ、生まれてから今の今までずーっと一緒だったからかな」

「ずっと、一緒かぁ」

10 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:45:14.41 mMToe56f0 8/112

(いいなぁ。憂と一緒にいられるなんて)

(憂のお姉ちゃんに産まれたかったなぁ)

(もしかしたら……)

(……私も憂と、一緒にいたら、憂は振り向いてくれるかな)

(……実践してみよう)

11 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:45:55.37 mMToe56f0 9/112

放課後!

「憂ー、一緒に帰ろー」

「うん、いいよ。でも部活は?」

「たまにはサボってもいいかなーって」

「えー、出た方がいいんじゃない?」

「でもなー、たまには息抜きみたいな日も欲しいわけですよ、私は」

「ふぅん。まあいいや。一緒に帰るよ」

「ありがと、憂」

12 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:46:44.93 mMToe56f0 10/112

街中!

「あー、やっと学校終わったー」

「うん。疲れたね」

「まぁ、テストはこの前終わったばっかだから、多少は楽なんだろうけど」

「あ、テストといえばさ、化学Ⅱ何点だった?」

「化学Ⅱ? 50点そこら」

13 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:47:18.71 mMToe56f0 11/112

「え? 平均点以下じゃない?」

「私の答案用紙は大体が平均以下だよ。憂は何点?」

「うーん、83点」

「へぇ! すごいじゃん!」

「えへへ」

「憂って理系の大学を志望してたっけ?」

14 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:48:01.15 mMToe56f0 12/112

「私? 私はN女だよー。お姉ちゃんが理系学科いくから、理系になろうとしてるんだ」

「へぇー。お姉ちゃんラブなんだね」

「うん。お姉ちゃんのためなら、命を落としても惜しくないんだ」

「それは、ちょっとどうかと思うけど……」

(でも、いいな……)

(憂にこんなに思われて、唯先輩が羨ましい)

15 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:48:45.56 mMToe56f0 13/112

(憂とは中学のころから一緒だったのに……)

(私のことなんか、一度も見てくれない……)

(憂らしいって言えば、それまでなんだけどね)

「? 純ちゃん、どうしたの? だまりこくっちゃって」

「うぅん! なんでもない。あ――そうだ、何か食べてかない?」

16 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:49:58.26 mMToe56f0 14/112

「え? 寄り道?」

「うん。あ、あそこの喫茶店なんかどうかな」

「『ラ・クールパレット』……変わった店名」

「ま、店名は置いといてさ、何か食べようよ。いや、軽くお茶するくらいでいいしさ」

「うん。たまにはいいかも」

「よし、じゃあ決まりだね。行こう!」

17 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:51:20.90 mMToe56f0 15/112

ラ・クールパレット店内

「あの窓側の席に座らない?」

「うん。そうしよっか」

二人は席に向かう。窓からは街路樹をはじめ、バス停やコンビ二やビルが見えた。

店員「ご注文はお決まりでしょうか」

「何にするー?」

18 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:52:06.87 mMToe56f0 16/112

「うーんと、私はレモンティーで」

「じゃ、私もそれで」

店員「かしこまりました」

「ねえ、憂」

「んー?」

「唯先輩と私、どっちが好き?」

19 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:52:49.27 mMToe56f0 17/112

「もちろん、お姉ちゃんだよ!」

「………………」

「ま、そうだよね」

「あ、純ちゃんも好きだよ。でもね、お姉ちゃんは特別って言うか……」

「恋人になって欲しいなって思える人なの」

「そっか」

20 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:53:40.06 mMToe56f0 18/112

(…………どうやったら)

(どうやったら、憂は私のことを見てくれるかな)

「ねぇ、純ちゃんは好きな人いるの?」

「え? 私は――いるよ」

「へぇ? どんな人?」

憂のその問いに、若干戸惑った。

22 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:54:22.97 mMToe56f0 19/112

(憂だよ)

(とは言えないなぁ)

「とーっても優しくてね。綺麗で、ぎゅーって抱きしめたくなるの」

「ふぅん」

「結構昔から、知り合いなんだけどね」

「ずっと、気づいてもらえないんだ?」

23 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:55:00.72 mMToe56f0 20/112

「うん」

「鈍感なんだよね」

憂が大変だね、と言うと同時。

店員「お待たせしました」

二人の前に、レモンティーが置かれた。

「久々に紅茶なんて飲むなぁ」

24 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:55:43.98 mMToe56f0 21/112

「家とかであまり飲まないの?」

「うん。私はコーラとかの方が好きだし」

「え? じゃあコーラ頼めばよかったんじゃ?」

「やだよー。憂が紅茶なのに、私がコーラって、なんか子供っぽさがにじみでるじゃん」

「そうかな?」

「そうだよ」

25 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:56:23.60 mMToe56f0 22/112

憂は紅茶を飲む。

「美味しい。私、レモンティーが一番好きなんだ」

「どして?」

「甘酸っぱさっていうの? それが体に染み渡るんだよね」

「ふーん」

純は試しに飲んでみる。

すこし熱い。

27 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:57:15.31 mMToe56f0 23/112

「うーん、よくわからないや」

「残念。でも、何回か飲んでるとわかるようになるよ」

「じゃあ、今度から積極的に飲んでみよっと」

「なんか、他人と好きなものを共有できるってうれしいな」

「え? そう?」

「うん」

28 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:57:56.73 mMToe56f0 24/112

「そういうものかぁ」

純はふと、窓から外を眺める。12月の街の景色はどこかあわただしく見える。

「もう、冬だね」

「うん。早いよね、来年は三年生だよ」

「また、一緒のクラスになれるかな?」

「うん。きっと」

30 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:58:27.19 mMToe56f0 25/112

「梓とも、一緒になりたいなー。同じ班で、修学旅行行くの」

「いいね! それ」

「でしょ。あ、でもなー、受験生になっちゃうのか」

「……それに、お姉ちゃんも大学行っちゃうしなぁ」

「唯先輩って、大学行ったら一人暮らしするの?」

「うん。本人はそう言ってるよ」

31 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 13:59:10.30 mMToe56f0 26/112

「寂しい?」

「……すこし」

「じゃあさ、唯先輩がいない間、私が憂の家に泊まりこんであげようか?」

「え、いいの?」

「いいよ。憂のためだもの」

「ありがとう、うれしいよ」

32 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:00:07.61 mMToe56f0 27/112

「それに、私もね」

「え、何?」

「私も、憂のためなら命を投げ出したってかまわないんだ」

「――へ?」

「なんでもない。忘れて」

「う、うん」

33 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:01:02.43 mMToe56f0 28/112

「そろそろ、出よっか」

「え、うん。そうしよう」

純は領収書を手に取る。

「じゃ、私がおごるよ」

「え? いいの?」

「いいって。気にしないで」

34 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:01:37.96 mMToe56f0 29/112

それに、と純は続ける。

「私が誘ったんだし」

「……ありがと、純ちゃん」

純はレモンティーを飲み干した。

甘酸っぱさを感じた。

35 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:02:24.05 mMToe56f0 30/112

街中!

「今何時?」

「うーんと、5時かな」

「あ、お姉ちゃんのご飯作らないと」

「そっかー、じゃあ、明日また学校でー」

「うん。ばいばい」

「ばいばいー」

37 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:03:24.46 mMToe56f0 31/112

やがて憂の後姿が、群衆にまぎれて見えなくなる。

(私も帰ろうかな)

(あーあ、もう少し遊びたかったな)

(…………いいなぁ、唯先輩。憂にあんなに、惚れられて)

(私もいつか、あんなふうに……)

純の頬を撫でる木枯らしは、いやに冷たかった。

38 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:04:17.04 mMToe56f0 32/112

翌日、朝

学校

「お早う、梓」

「お早うー純」

「憂は?」

「まだ来てないみたい」

39 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:05:00.92 mMToe56f0 33/112

「そっか」

「昨日憂と一緒に帰ったんだって?」

「うん。憂から聞いたの?」

「そう。夜、憂からメール来たんだ」

「楽しかったって書いてたよ」

40 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:06:05.74 mMToe56f0 34/112

「そっか」

純の顔が綻ぶ。

「ラブラブですなぁ」

冷やかすように、梓が茶々を入れる。

「ま、まだそんなんじゃないし!」

41 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:07:17.12 mMToe56f0 35/112

「まだってことは、いつかは付き合いたいって思ってるのね」

「うぐ」

「図星か」

「ま、まぁね。憂とは中学校のころから一緒だったんだし」

「……仲良くなって、それ以上の感情を抱くのも、当然だと思うけど」

「ふーん」

42 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:07:50.91 mMToe56f0 36/112

「それに、あんな可愛い子に恋しないほうがおかしいわ」

「じゃあ、私はかなり異端ね」

「え? 好きじゃないの?」

「もちろん。友達としか感じられないし」

(私も、憂からは友達としか感じられてないんだろうな……)

(…………はぁ)

43 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:08:27.71 mMToe56f0 37/112

「おはよー」

「あ、憂。お早う」

「おはよう」

「うん。あ、梓ちゃん、昨日の宿題やってきた?」

「え、やってきたよ。憂やってないの?」

「ないの。だから写させて」

44 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:09:09.55 mMToe56f0 38/112

「いいけど……珍しいね、憂が忘れるなんて」

「忘れたって言うか……お姉ちゃんと一緒に映画見てたんだ」

「へぇ。なんていう映画?」

「ターミネーター」

「あ、それ知ってる。かっこいいよね!」

45 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:09:47.23 mMToe56f0 39/112

「うーん、お姉ちゃんは好きだったみたいだけど、私はあまり……」

「えー、そっかー」

「ごめんね」

「いいよ別に。個人の感覚だし」

(趣味、完全に一致してないなぁ)

(なのに何で、ずっと仲良かったんだろ)

46 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:10:23.42 mMToe56f0 40/112

「梓ちゃん? あのー、宿題……」

「あ、ごめんごめん。待ってて」

梓はカバンから、宿題を取出す。

「はい、これ」

「ありがと、梓ちゃん」

「へへへ、いやー」

47 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:11:03.93 mMToe56f0 41/112

お昼休み

「私、トイレに行ってくるね」

「いってらー」

憂は教室を出て行く。

「ねぇ、純」

「なに?」

「何で憂と仲良くなったの?」

48 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:12:19.81 mMToe56f0 42/112

「え? うーん……自然と、いつも一緒にいるようになったんだよなぁ」

「自然に?」

「うん。最初は当たり前だけど、そんなに仲良くなかったんだ」

「へえ」

「何か意外だなぁ。憂と純って、ずっと仲よさそうだったから」

49 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:13:18.60 mMToe56f0 43/112

「そう? それでね中一の文化祭でさ、一緒の係りになったんだよね」

「うん」

「そのときに会話するようになってさ、それ以来仲良くなって……って感じ」

「ロマンティックな出会い、みたいのはなかったんだ?」

「うん、そういうのは漫画だけだよ」

「かもね」

50 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:13:51.56 mMToe56f0 44/112

「ただいまー」

「何の話してたの?」

「憂とじゅnモガモガ   純「何でもないよ、さ、お昼ご飯食べよ」   梓「モガーモガー!」

「う、うん……何か聞いちゃいけないこと話してたんだね」

「う、まぁそんなところ」      

「モガー!」

51 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:14:59.55 mMToe56f0 45/112

「あ、ごめんごめん」

「ぷふっ。いきなり口押さえないでよー」

「無意識のうちに手が動いたのよ」

「もう」

「いいから食べよ。お昼休み終わっちゃうよ」

52 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:15:47.37 mMToe56f0 46/112

放課後

「一緒に帰らない? 憂」

「ごめん。お姉ちゃん、部活ないみたいでさ。早く帰らないと」

「そっかー、残念」

「じゃあね」

「うん」

53 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:16:54.76 mMToe56f0 47/112

(じゃあ、梓と一緒に帰ろうかな)

「純、残念だったね」

「へ?」

「一緒に帰りたかったんでしょ、憂と」

「まぁ、ね」

「私が憂の代わりになってあげようか?」

54 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:17:33.92 mMToe56f0 48/112

「うん、そうして。一人で帰るの、寂しいしね」

「正直だね、純は」

「そ、そうかな?」

「うん。――すこし、羨ましい」

「え?」

「私さ、誰に対しても素直になれないから。そうやって真っ直ぐな純を見てると、なんだか嫉妬しちゃうんだよね」

55 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:18:18.41 mMToe56f0 49/112

「褒め言葉?」

「のつもりだよ」

「ありがとう、とだけ言っておくよ」

「ま、いいや。帰ろう」

「うん」

梓と純は学校を出た。

57 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:19:10.95 mMToe56f0 50/112

街中

「もうすぐ、クリスマスだね」

「うん。もう一年終わっちゃうよ」

「中学生になったころからさ。年々、時間が経つのが早くなってる気がするよ」

「わかる。御婆ちゃんになったころには、もっと早くなるんだろうね。一年なんて、あっという間に過ぎてさ」

「かもね」

58 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:20:02.66 mMToe56f0 51/112

「ねえ、梓はどこの大学行くの?」

「音大のつもり」

「へえ」

「純は?」

「私は――N女かな」

60 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:20:49.61 mMToe56f0 52/112

「へえ。意外」

「え? 何で?」

「純は、まだ未定とかいいそうだったから」

「昨日までは未定だったんだけどね」

「今日決まったの?」

「そんなところ」

61 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:21:37.58 mMToe56f0 53/112

「何でN女?」

(憂と一緒がいいから!)

(なんて言えないなぁ)

「秘密」

「えー、教えてよー」

「今度ね」

「うう、気になる」

62 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:22:14.86 mMToe56f0 54/112

「まぁまぁ。あ、そうだ、あのゲーセンよってかない?」

「ゲーセンかぁ。あまり行ったことないなぁ」

「もったいないなー。人生損するよ」

「楽しいの? ゲーセン」

「結構」

「ふぅん。じゃあ、行ってみようかなぁ」

二人はゲーセンへ向かった。

63 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:22:44.15 mMToe56f0 55/112

三時間後

「お金使いすぎた……」

「私も。もうすっからかんだよ、財布」

「でも、まぁ楽しかったからいいかな」

「でしょ?」

純の手には、人形が二体。

64 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:23:14.97 mMToe56f0 56/112

「何千円もかけて、ゲットしたやつがその人形二体だけだと、何か損した気にならない?」

「梓は一体じゃん」

「私のはキティだから、何か格が違うと思わない?」

「どっちも同じようなものだと思うよ」

「そうかなぁ」

「うん」

65 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:23:52.45 mMToe56f0 57/112

「でもさ、その人形どうするの? 純の家に人形が飾ってあるの、想像できないんだけど」

「うーん。そうだね……」

「それ、なんて人形なの?」

「『おちょなんたん』って人形だよ」

「おちょなんたん?」

66 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:25:13.04 mMToe56f0 58/112

「名前は可愛いね」

「まあね」

「でもなー。確かに、私の部屋楽器だらけで人形なんて置いてないからなー」

「あ、じゃあさ、憂にあげれば?」

「あ、それいいかも!」

「でしょ!」

(憂、喜んでくれるかな……)

(何か、人形渡すだけなのに、今からどきどきしてる)

純は人形を、強く握った。

67 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:25:47.30 mMToe56f0 59/112

翌日

学校

「憂、いる? この人形」

「いいの? うわー、可愛い」

「うん、あげるよ」

「えへ、ありがとう。純ちゃん」

68 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:26:41.01 mMToe56f0 60/112

憂は笑みを見せる。

「二つあるからさ、唯先輩にでも上げてよ」

「うん。そうするよ」

(よかった、受け取ってもらえて)

「おはー、純」

「お早う、梓」

69 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:27:16.64 mMToe56f0 61/112

「お、憂。人形もらったんだ」

「え? うん」

「その人形ね、純が憂のために、ゲーセンで何千円もはたいてとったんだよ」

「な、何言ってるの! 梓」

と、梓は純の耳元に口を寄せた。

「いいじゃん、こういった方が憂も喜ぶよ」ヒソヒソ

70 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:28:04.66 mMToe56f0 62/112

「そ、そうかもしれないけど」

「本当なの?」

「う、うん。昨日の帰り、暇だったからゲーセン寄ってね」

嘘をついた。

「ふぅん、何だか悪いなぁ」

71 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:29:42.15 mMToe56f0 63/112

「き、気にしないでよ。私の、えーと、あ、気まぐれだしさ」

「気まぐれ?」

(アドリブ下手だなぁ)

「それに、憂にプレゼントしようと思ったんだよ。ほら、早めのクリスマスプレゼント? ってやつ」

「へぇ。じゃあ、私も今度なんかプレゼントするね」

「え? 本当?」

72 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:30:25.05 mMToe56f0 64/112

「うん。もらいっぱなしじゃ悪いからね」

「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」

(プレゼントかぁ、なんだろう)

「よかったねー、純」

「ま、まぁね」

今から、プレゼントがどんなものか、気になっていた。

73 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:31:10.55 mMToe56f0 65/112

****************************************

翌日

(憂のプレゼントかぁ)

翌々日

(プレゼント……キスとかかな)

(きっと、クリスマスプレゼントとして渡してくるんだろうなぁ)

翌々翌日

(まだかなぁ、クリスマスプレゼント……)

75 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:31:50.76 mMToe56f0 66/112

翌々翌々日

(クリスマスイヴと終業式って同じだからなぁ。そのときもらえるんだろうなぁ)

翌々翌々翌日

(その日まで、もう少しだなぁ)

(楽しみすぎて、今からわくわくしてるし)

そして――クリスマス・イヴ当日。

****************************************


76 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:32:27.11 mMToe56f0 67/112

12月24日  ……終業式当日

「明日から冬休みだねー」

「うん。心置きなく羽を伸ばせる」

「でもさ、クリスマスイヴに学校って、ひどくない?」

「ま、いいじゃん。正月に学校とかよりはましだよ」

「それはそうだけど……」

78 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:33:32.65 mMToe56f0 68/112

「クリスマスに、こうやって皆で顔を合わせられるんだよ! 何かうれしくない?」

「まぁ、確かにね」

(プレゼント、いつくれるのかな?)

「ねぇ、憂。クリスマスって何か用事あるの?」

「え? 今年はお姉ちゃん達、紬さんの家でクリスマスパーティするからね」

「私は特にないよ」

79 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:35:31.53 mMToe56f0 69/112

「私もそこに行くんだー」

「ああ、軽音部だからね」

「そう!」

(いいなぁ、軽音部)

「そうだ、純ちゃん」

「何?」

80 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:36:24.90 mMToe56f0 70/112

「今日、私の家に来ない?」

「え?」

「私一人っての、ちょっと寂しいからさ」

「あ、もしかして、用事あった?」

「う、うぅん! ないない!」

「じゃあ、一緒にクリスマスパーティしない?」

81 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:37:23.05 mMToe56f0 71/112

「私でいいの?」

「うん」

「大歓迎だよ」

「……ありがと、行かせてもらうよ」

「じゃあ、今日の6:00からね」

82 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:38:13.12 mMToe56f0 72/112

「了解。それまでに憂の家行けばいいのね」

「うん」

「OK」

(よし! 二人だけでクリスマスを迎えるなんて、ロマンティック!)

(私、最高に幸せ!)

純は小さく、ガッツポーズをした。

84 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:39:05.45 mMToe56f0 73/112

同日 PM 5:30

「こんばんわー」

「あ、純ちゃん。早いね」

「えへへ。楽しみでね」

「ま、いいや。入ってー」

「うん。お邪魔しまーす」


85 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:39:54.90 mMToe56f0 74/112

純は憂のあとを追って、リビングに入る。

「綺麗だね、部屋」

「そうかな?」

「そうだよ。うちよりずっと綺麗」

「毎日掃除してるから、かな」

「へー、だからか……」

86 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:41:03.41 mMToe56f0 75/112

「あ、美味しそうな匂い」

「ケーキやいてるんだ」

「え! 作れるんだ!」

「うん。作れるよ。三人分だから、ちょっと大きいけどね」

「大きくてもいいよ。憂の作ったものなら、何でも食べれちゃう」

「そう言ってもらえるとうれしいよ」

87 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:41:46.93 mMToe56f0 76/112

数十分後

「お待たせー」

そう言いながら憂が運んできたのは、すこし小さめのホールケーキだった。

「お、美味しそう!」

「ちょっと手間取っちゃった」

「ううん。充分だよ」

88 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:42:17.35 mMToe56f0 77/112

「食べていい?」

「うん。どうぞ」

「いただきまーす!」

「あ、ごめん。切り分けるね」

「あ、うん」

憂はナイフを持ってきて、ケーキを切り分ける。切り取ったそれを、皿に乗せていく。

89 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:42:58.51 mMToe56f0 78/112

「はい、どうぞ」

皿に乗せられたホールケーキの半分が、純の前に出される。

「では改めて、いただきまーす」

「召し上がれ」

パクパク  「んー! 甘くて美味しい!」  パクパク

「そう? ありがとう」

90 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:43:34.97 mMToe56f0 79/112

「すごいねー、憂って。こんなのも作れちゃうんだから」

「お姉ちゃんのために作ってたら、得意になったんだ」

「ふぅん」ムグムグ

(いいなぁ、こんな美味しいもの食べられるなんて)

(唯先輩、超羨ましいよ)

「じゃ、私も食べよ」

91 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:44:07.53 mMToe56f0 80/112

モグモグ モグモグ

「うーん、ちょっと砂糖入れすぎちゃったかな」

「えー? このくらいが丁度いいよ」

「そうかな?」

「うん。そうだよ」

「私もこんな風に、料理うまくなりたいなー」

92 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:44:38.15 mMToe56f0 81/112

「料理、作ってあげたいんだ?」

「うん」

「やっぱ、その……いつか言ってた、好きな人に?」

「……うん」

「頑張ってね、応援してるよ」

「ありがと」

純はすこし、悲しくなった。

93 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:45:15.83 mMToe56f0 82/112

「そうだ! この前憂、レモンティー好きって言ってたでしょ?」

「うん」

「紅茶、うまく淹れれるように頑張ったんだ。飲んでみて欲しいな」

「え! 飲ませて!」

「うん、淹れてくるね。あ、ケーキ美味しかったよ」

「あ、うん。ありがとう」

95 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:45:50.44 mMToe56f0 83/112

「いやいや、お礼を言うのはこっちだよ」

純はキッチンに向かう。

数分して、純がレモンティーの入ったカップを二つ、持ってきた。

「香りがいいねー」

「えへへ」

「飲んでみていい?」

96 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:46:30.84 mMToe56f0 84/112

「もちろん! あ、熱いから気をつけてね」

「私、猫舌じゃないから平気なんだ」

こくこく、とレモンティーを飲む。

「美味しい。すごいね、たった数日で、ここまで美味しく淹れられるなんて」

「頑張ったんだ」

97 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:47:04.38 mMToe56f0 85/112

「純ちゃん、絶対いいお嫁さんになれるよ」

「紅茶と関係がないと思うけど」

純は照れを隠すように鼻を掻いた。

「そう言われると、何かうれしいな」

「あ、そうだ。今日渡せるように頑張って作ったんだ」

憂はそういいながら、自室へ向かった。

98 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:47:40.12 mMToe56f0 86/112

(作った……つまり、手作り!)

(手作りって、なんだろ……何でもいいけど、楽しみだなぁ)

憂がやってくる。

「はい。クリスマスプレゼント」

「――マフラー?」

99 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:49:45.86 mMToe56f0 87/112

「うん」

「あれ? これ長くない?」

「二人用のマフラーなんだ」

「好きな人と一緒に使って欲しいなって」

「……そっか」

「ねぇ、これ首に巻いて、二人で外散歩しない?」

100 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:50:25.08 mMToe56f0 88/112

「え? でも……」

「初めては憂とがいいな」

「うーん、わかったよ」

「……私でよければ」

「よかった。断られたらどうしようかと」

「そんなこと、しないよ」

101 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:51:02.15 mMToe56f0 89/112

「あ、そうそう、言い忘れてた」

「? 何?」

「プレゼントありがとう、憂」

「…………えへへ」

憂は嬉しそうに笑った。

それを見て純も笑った。

102 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:51:40.55 mMToe56f0 90/112



夜空は星空、そして半月が浮かんでいた。

やわらかな光を身に浴びて、同じマフラーを共有した二人は外を歩く。

「綺麗だね、空」

空気はきん、と冷えている。けれど憂といるから、気にならなかった。

「うん。綺麗」

103 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:52:25.60 mMToe56f0 91/112

「今年も終わっちゃうね」

「すこし寂しいなー」

「うん。私も」

「ねぇ、この前聞きそびれたんだけどさ」

「ん?」

104 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:53:00.73 mMToe56f0 92/112

「純ちゃん、大学どこ行くの?」

「私は――」

「うん」

「私は……N女だよ」

「私と一緒かぁ」

「うん。お互い頑張ろうね」

105 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:54:34.02 mMToe56f0 93/112

「でも、何でN女?」

「それは」

一瞬、言葉に詰まった。

「……憂と一緒がいいからだよ」

「え?」

106 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:55:37.62 mMToe56f0 94/112

もう後には退けない。言ってしまえ。

「憂とずっと、一緒にいたいんだ。私」

「……そ、それは、告白みたいな?」

「告白とかじゃなくてね。私は単に、憂と一緒にいたいんだ」

「そう、なんだ」

「うん。…………もちろん、親友としてね」

107 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:56:14.37 mMToe56f0 95/112

(それでいい。まだ、親友のままでいい)

(とにかく、憂と一緒にいよう。まだ、恋人にならなくてもかまわない)

(恋人になりたいけど、今は、親友でいい)

(まだ、時間はあるんだし)

(いつか、必ず、私に振り向かせてやるんだから!)

109 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:56:50.62 mMToe56f0 96/112

そのために――――…………

「ねぇ、手繋がない?」

ちょっとばかし深呼吸して、純は言った。

言っただけなのに、とても心臓がばくばくと鼓動する。

(思ったより、恥ずかしいなぁ。手繋ごうって言うの)

110 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:57:51.85 mMToe56f0 97/112

「え?」

「いや、ちょっと寒くなってきたじゃん」

(うまい理由言えて良かった……)

「ああ、確かに……」

「ね?」

111 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:58:28.11 mMToe56f0 98/112

純は憂の手を握る。

冬の寒さすら忘れてしまいそうなほど、暖かい。

「純ちゃん、すこし手冷たいね」

「え? そう?」

「手の冷たい人は心が暖かいんだって。お姉ちゃんが言ってた」

「ふぅん」

112 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:59:02.30 mMToe56f0 99/112

「純ちゃんが優しいのは、心が暖かいからかな」

「……だったらいいな」

憂と二人。

繋いでいる手の暖かさを感じながら、純は空を仰ぎ見る。

「あ……流れ星」

「え? どこ?」

113 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 14:59:45.10 mMToe56f0 100/112

「もう消えちゃったよ」

「えー。でも、この時期に流れ星って、何だか珍しいね」

「そうかな?」

「うん。流れ星って、夏のイメージなんだよね」

「ふぅん」

114 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:00:21.05 mMToe56f0 101/112

「今何時かわかる?」

「ごめん、わかんないや」

「そっか」

純は空を見つめ続ける。

すると、また流れ星を見つけた。

(ずっと憂と一緒に入れますように、憂といっしょn……あぅ、消えちゃった)

115 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:01:29.66 mMToe56f0 102/112

「どうしたの? 純ちゃん?」

「あ、ううん。ちょっと流れ星にお願いしてたの」

「なんてお願い?」

「それは――――」

「憂と一緒にいられますようにって」

116 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:02:40.00 mMToe56f0 103/112

「……大丈夫だよ」

「え?」

「私たちは、ずっと一緒にいられるよ」

「何で?」

「もう、親友でしょ?」

「――うん」

117 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:03:45.65 mMToe56f0 104/112

(もう、親友かぁ)

(私にしたら、『まだ』親友なんだよなぁ)

(いつか絶対、私に惚れさせてやる!)

純はまた、空に目を向けた。

憂の手を、すこし強く握った。
                               終わり

118 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:04:25.38 mMToe56f0 105/112

番外編    お正月

神社

「あけましておめでとう、純」

「梓。久しぶり」

「うん。久しぶり」

「誰と来たの?」

119 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:05:14.53 mMToe56f0 106/112

「一人。純は?」

「私も一人」

「じゃあ、一緒におみくじとか引かない?」

「うん。いいよ」

梓と純はおみくじ売り場へと向かった。

120 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:05:57.34 mMToe56f0 107/112

おみくじ売り場

「やったぁ! 私大吉!」

「私も。ていうか、こういうところって、みんな大吉しかないんじゃないの?」

「まさか。私は去年、平だったよ」

「ふーん」

(平なんてあるのかな?)

122 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:06:29.59 mMToe56f0 108/112

「私は……恋愛成就だって」

「あ、私は学業」

「へえ! 受験生になるんだから幸先がいいね」

「まぁ、確かに」

「あ、絵馬あるね。書いてこうか」

「うん」

123 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:07:10.45 mMToe56f0 109/112

絵馬売り場

「純ー、なんて書くの?」

「うーん、なんて書こうかな……」

「あ、憂と一緒に……的なこと書いたら?」

「えー、憂に見られたら恥ずかしいよ」

「じゃあ、大学現役合格、とか?」

「うーん、来年でいいよなー、そういうの」

124 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:07:48.65 mMToe56f0 110/112

「梓は何て書いたの?」

「軽音部に新入生が来ますように、だよ」

「ああ、梓はそうだもんね」

「じゃあ、私は――――」

純は絵馬に文字を書く。

「何て書いたの?」

125 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:08:26.22 mMToe56f0 111/112

「何だと思う?」

「ジャズ研のこと?」

「ううん」

「えー。じゃあ何?」

「えっと、それはね――」

「『三年生になっても、憂や梓と一緒のクラスになれますように』、だよ」         
                                          終わり

126 : 以下、名... - 2010/09/11(土) 15:08:56.27 mMToe56f0 112/112

おしまい。

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