目が覚め、病院のベットから起きる
メガネの場所は知っている
何度も繰り返したこの光景
すべてはここから始まる
今度こそ
元スレ
まどか「負けないよ。みんながいる限り!」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1303302597/
ーー翌日 教室
先生「今日は転校生を紹介します」
ガラッ
先生「暁美ほむらさんです自己紹介お願いします」
ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
パチパチパチ
先生「暁美さんの席は・・・」
ーー休み時間
「暁美さんって前の学校はどこだったのー?」
「暁美さんの黒髪ってキレイねーシャンプーは何使ってるの?」
「ほむほむって呼んでいい?」
さやか「あちゃー質問攻めだね」
まどか「うんそうだね」
まどか(なんだろう、この感じ)
「ほむほむって心臓病だったんだって?」
「運動は大丈夫なのー?」
「学校案内してあげよっか?」
ガタッ
「あ、どこ行くのほむほむー」
トテトテ
さやか「あれ?転校生がこっちに来るぞ」
ほむら「・・・鹿目まどか」
まどか「は、はい」
ほむら「保健室へ連れて行ってほしい」
まどか「うんいいよ」
まどか(私保健委員だって言ったかな?)
スタスタ
まどか「あのね、保健室の場所は」
ほむら「いい。知ってる」
まどか「・・・」
ほむら「まどか」
まどか「な、何かな?」
ほむら「あなたは自分の命が尊いと思う?」
まどか「え?」
ほむら「近々あなたに不思議な出来事が起こる」
ほむら「でも流れに身を任せてはダメ、自分の意思をしっかりもつこと」
ほむら「それさえ約束してくれればあなたは私が守るわ」
ほむら「今はそれだけ。もうついてこなくていいわ、保健室の場所は分かるから」
まどか「・・・わけがわからないよ」
さやか「おかえりまどか。転校生と何話したのさ」
まどか「それが命が尊いとか守るとか」
さやか「なんだそりゃ、心臓病のことか?」
まどか「ううん、よくわかんない」
ーー放課後
さやか「まどかー今日もいい?」
まどか「またCDショップ屋?いいよ、ホント上條君のこと好きだね」
さやか「ごめんごめん」
ーーCDショップ
さやか「あったこれだ」 ~♪
まどか「私はこれにしよっと」 ~♪
(まどか)
まどか「ふぇ?何?」
(助けて!まどか)
まどか「誰?誰なの?」
さやか「あ、おいまどかどこ行くんだ」
(ここだよまどか、早く)
まどか「!?」
QB「ハァハァ」
まどか「大丈夫?ひどい怪我・・・」
さやか「なんだこいつキツネ?」
まどか「誰か人を呼ばないと・・・ってあれ?ここどこ」
さやか「あれっ後ろにドアがあったはずなのにどういうことだよ!」
魔女の結界の中に入ってしまった2人はその異常な空間に次第に恐怖を抱いた
クケケケケケケケケケケ
キヒヒヒヒヒヒヒ
使い魔が2人を襲おうとしたその時
バンバンバン
大きな音とともに使い魔は倒れ1人の少女が立っていた
マミ「危ないところだったわね」
マミ「でも大丈夫。ちょっとそこで待っいてね」
マミ「あんな敵すぐに倒しちゃうから」
ジャキ バンバン
あっという間に使い魔を倒していく少女の姿に2人はただ茫然と立ち尽くしていた
そして現れた赤く巨大な十字架の魔女
見ているだけで不気味な十字架にもマミは臆することなく銃を撃つ
マミ「これで終わりよティロ・フィナーレ!」
カラン カラン
グリーフシードの落ちる音が廊下に反響する
マミ「ふぅ・・・2人とももう大丈夫よ」
まどか「え、は・・・はい」
さやか「すげー・・・」
マミ「自己紹介がまだだったわね」
マミ「私の名前は巴マミ」
マミ「そして、あなたが抱えている白い生き物がキュウベえ」
QB「やぁまどか!はじめまして。僕、キュウベえ!」
まどか「喋った!?」
QB「さっそくだけどまどか」
QB「僕と契約して魔法少女になってよ」
マミ「あらあらキュウベえったら、その子が気にいったみたいね」
マミ「あなた達、その制服からすると私と同じ見滝原中学校ね」
マミ「よかったら名前を教えてくれないかしら?」
まどか「鹿目まどかです」
さやか「美樹さやかです」
マミ「ありがとう、よかったらウチでお茶でもどうかしら?さっきのことも合わせて話がしたいの」
・・・・・・
まどか「おじゃましました」
さやか「紅茶とケーキまでありがとうございました」
マミ「いいのよ。またいつでもいらっしゃい」
マミ「あら?キュウベえ、まどかさんについていくの?」
QB「まどかとはぜひ契約したいからね」
まどか「あはは、まだ魔法少女になるって決めたわけじゃないけどね」
QB「焦らずゆっくり考えていいからね」
さやか「・・・」
さやか「キュウベえちょっといいか」
QB「なんだいさやか」
さやか「その・・・願いってのは自分が関与しない他人のことでもいいのかな?」
QB「もちろん大丈夫だよ」
さやか「えっと・・・じゃあその・・・恭介の腕を治したりなんかは・・・」
QB「・・・」
QB「契約完了だね!」
ーー朝 教室
ほむら(昨日はまどかに会えなかった)
ほむら(今までの統計だともうキュウベえはまどかと接触しているはず)
ほむら(だとしたらキュウベえはまどかについて来るはず)
ほむら(まどかが来た。キュウベえもいる予想通り・・・って!?)
まどか「さやかちゃんキュウベえと契約したんだ」
さやか「まぁね、背に腹は代えられないってやつ?どうしても恭介のこと助けたかったんだ」
ほむら(なぜ?なぜ美樹さやかがもう契約しているの?)
ほむら(早いっ早すぎる)
ほむら(歪んでいる、おかしい)
(特訓中)
マミ「さやかさんだいぶ上手くなったわね」
スッ ドンドンドン
さやか「私だっていつまでも守られてばかりじゃ情けないんでね!」
ザク ザシュッ
マミ「とどめよ ティロ・フィナーレ」
ドドーン
まどか「やった!2人ともお疲れ様!」
マミ「ありがとうまどかさん」
まどか「やっぱり魔法少女ってかっこいいなあ」
さやか「なっちゃえば?魔法少女」
まどか「う、うん。なっちゃおうかな」
QB「それなら願いを言ってね。何でもいいよ」
ほむら「それには及ばないわ」
さやか「転校生!」
まどか「ほむらちゃん」
マミ「誰かしら」
ほむら「言ったはずよ流れに身を任せてはダメと」
ほむら「ただの憧れで魔法少女になるべきではない」
ほむら「魔法少女はあまりにも代償が大きい」
さやか「何であたし達が魔法少女だってこと知ってんだ」
マミ「もしかしてあなたも?」
コクッ
ほむら「これで分かってもらえたかしら」
マミ「まぁ!」
さやか「お前も魔法少女だったんだな」
ほむら「話を戻すわ。まどかそいつの言うことを聞いちゃダメ。そいつは悪魔よ」
QB「なぜ君が僕のことを嫌っているのかは知らないけど」
QB「僕がまどかと契約することで君になんのデメリットがあるんだい?」
まどか「そ、そうだよ。私2人の力になりたくて」
ほむら「何度も言わせないで!」
ほむら「あなたはいつもそうやって私を困らせる」
ほむら「私はまどかが幸せになってくれればそれでいいのっ!」
ほむら「あなたが魔法少女にならなくてもこの世界は回っていく・・・」
さやか「おいっ!!」
ほむら「あっ・・・」
まどか「ほむらちゃんひどいよ」
ほむら「い、今のは言いすぎたわごめんなさい」アセアセ
さやか「消えろよ」
ほむら「うっ」
さやか「・・・」
ほむら「ごめんなさいまどか」タッ
まどか「ほむらちゃん」
マミ「今の子はまどかさんのクラスメイトなの?」
まどか「はい」
さやか「・・・まさかあいつもだったなんてな」
数日が経ち、さやかはマミと共に魔女を倒していた
さやかは特訓として、マミは可愛い後輩のためと嬉々として魔女狩りに臨んだ
その甲斐もありさやかの腕はずいぶん上達した
マミ「これも私のおかげね」マミン!
得意げなマミにさやかはひたすら感謝の意を伝え、その後ろでまどかも喜んでいた
というのは半分嘘で、まどかの心は複雑な心境にあった
2人が戦っている間後ろで見ているだけの自分が悔しくて腹立たしかったからである
まどかは美樹さやかを巴マミに取られた気がして少しだけ寂しい気持ちになった
ーー学校 屋上
まどか「ねえやっぱりやめようよ」
マミ「・・・」
制止しようとするまどかの声は強く吹く風に流されて消えてしまう
これは美樹さやかの提案で暁美ほむらの実力を見極めようとする勝負を申し込んだ
もちろん巴マミの了承を得て
彼女もまた暁美ほむらの実力が気になっていたからである
さやか「来たね」
ほむら「・・・何の用」
さやか「お前は強いのか?」
ほむら「・・・」
ほむら「ええ強いわ。あなたより」
さやか「なら・・・勝負してよ」
ほむら「・・・わかったわ。でも一瞬で決まるわよ」
お互い戦闘態勢に入り向かい合う
マミ「じゃあ始めるわよ。スタート!」
さやか「おらあああああああああっ
さやかはスタートと同時にほむらに襲いかかる
しかしほむらには予想済みであった
・・・・・・・・・・カチッ・・・・・・・・・・・
ほむら「全く、世話が焼けるわね。美樹さやか」
時を止め、ほむらはさやかの持つ剣を取りさやかの背後に立った
時止めを解除しようとしたほむらだったが何か思い立ったのかまどかのほうへと歩いて行った
ほむら(これくらいなら許されるはずよね)
チュッ
まどかの頬に軽いキスをしてからさやかの背後に立ちようやく時止めを解除した
・・・カチッ・・・
さやか「ああああっ」
さやか「あれ」
ほむら「後ろよ」
さやか「いつの間に後ろに・・・それと剣まで」
マミ「すごいわねあの子」
マミ「まどかさん?」
まどかは頬に何か柔らかいものがあたったのに気づき頬をかいている
ほむら「まだやる?」
さやか「分かったあたしの負けだ認めるよ」
まどか「そう、じゃあ剣は返すわ」
マミ「ほむらさん、あなたすごいわね」
マミ「よかったらあなたの能力を教えてくれないかしら」
ほむら「・・・」
マミ「言いたくないのね?」
ほむら「いずれ話す・・・」
ほむら「今はまだ話せない」
ほむら「それじゃ」
さやか「ああーもう何なんだよ」
さやか「マミさんどうでした?あいつ」
マミ「わからない、でも相当強いと思う」
さやか「まだまだだね私って」
マミ「あなたは弱くないわ。あの子が特別なだけ」
マミ「頼もしい仲間になりそうね」
まどか(あ、マミさん今仲間って・・・)
ーー夜
赤い髪の毛の少女が街を見下ろしながら立っていた
その手にはお菓子を持ち、時折へへっと八重歯を覗かせながら笑う
佐倉杏子 彼女もまた魔法少女である
杏子「あいつだろ?新しい魔法少女ってのは」
杏子「なるほど確かに強そうだ」
QB「もしかすると杏子より強いかもしれないよ」
杏子「はっおもしれえ!」
杏子「待ってろよ暁美ほむら」
ザッ、と踏み出し杏子は街の雑踏に紛れ込んでいった
さやか「そういえばマミさんって休みの日は何してるんですか?」
マミ「えっ?」
マミ「炊事洗濯掃除とか・・・あとはいろいろ」
さやか「どこか遊びに行ったりしないんですか?」
マミ「・・・」
さやか「友達と出かけたりとか」
マミ「・・・」
マミ(やめたげてよぉ)
ーー病院
さやか(今日は恭介の退院の日)
さやか(プレゼントも買ったしきっと喜んでくれるよね)
ガラッ
さやか「恭介ー退院おめでとー・・・」
さやか「誰もいない」
さやか「ベットの上に何かある」
さやか「さやかへ、屋上で待っている」
さやか「何だろ」
ーー屋上
そこには車イスで夕陽を眺める恭介がいた
さやか「恭介」
さやかが近づく
恭介は無言のままさやかに振り向いた
しかし夕陽が逆光になりさやかの位置からは恭介の表情が見えなかった
・・・
しばらく続いた沈黙が恭介の一言によって破られた
恭介「僕は」
恭介「さやかが」
・・・
言い終わるとさやかは泣いて喜んだ
その後、上條恭介は足のリハビリのためしばらくは病院に残ると伝えられた
また同時にリハビリが順調にいけば1週間で学校へ復帰できると聞いてさやかはまた喜んだ
こうしてさやかと恭介は正式に付き合い、苦楽を共にし、人生の伴侶となるのはまた別のお話
暁美ほむらの実力を知ったマミとさやかは少しづつ打ち解けやがて和解するまでに至った
マミ「あの時は、ほむらさんを試していたの。ごめんなさい」
ほむら「それについてはもう気にしていないわ」
さやか「そんじゃ、今日も行きますかー」
今では3人で魔女狩りする関係になりグリーフシードも共同で使うことを約束した
といってもほむらが戦いに参加することはなく、危なくなったら助けにいくという役割に徹し実質戦闘はさやかとマミだけが行った
そしていつもより強い魔女・・・シャルロッテのことについても話した
油断するとマミが死んでしまうこと、魔女の強さについて口をすっぱくして2人に伝えた
マミはまだ信じられなさそうな表情で聞いていたがほむらの気迫に圧倒され根負けした
ほむらの言った場所の通りに魔女の結界が現れる
中はお菓子模様の部屋
怖いというより可愛らしい雰囲気の部屋であった
マミ「ここね」
ほむら「くれぐれも油断しないで。あなたがここで死ぬ確率は87%」
マミ「わかってるわよ」
マミとほむらは魔女の結界の奥へと入っていった
マミ「え?あれが魔女・・・」
使い魔を倒し魔女の姿を見たマミは拍子抜けした
ほむらが散々言ってきた強い魔女があんなにも小さく可愛らしかったとは予想だにしなかったからである
とはいえ油断するなと言われてきたマミはその可愛らしい魔女に一切手加減をしなかった
マミ「終わりよっ!ティロ・フィナーレ」
巨大な弾が小さな魔女に当たり魔女が倒れた
ピクピクとかすかに動くだけの魔女を見てマミは勝利を確信し、ほむらに向かって自慢げな顔をした
ほむらは分かっていた。この瞬間が一番危ないと
ほむら「まだよ!」
小刻みに動く魔女の口から黒くうごめいた塊が出てくる
黒い塊は目と鼻、口のあるものに変わっていきその口にはするどい牙が見え隠れしていた
そして次の瞬間、ほむらの声に反応したマミ目がけて一気に急降下した 大きな口を開いて
このときマミは思った
「死んだ」
そう思った時には黒の塊は既に大きな口を開けてマミの顔のすぐそばにいた
ガブッ
口を閉じムシャムシャとする魔女はすぐに違和感に気がついた
ほむら「だからあれほど油断するなと」
マミはほむらの時止めによって救い出され抱きかかえられていた
マミは動かず言葉も発することはなかった
ただ目を丸くしてガタガタ震えていた
その間もほむらはマミの代わりに魔女と戦っている
魔女がほむらを食べようとするたびに時を止め、その口に爆弾を入れる
作業とも言うべき行為を数回繰り返しついに魔女は倒れグリーフシードを落とした
結界が閉じ、夕方の日常に戻ってもなおマミは動けずにいた
ほむら「巴マミ」
優しく声をかける
ほむら「もう終わったわ」
マミは震えて声にならない嗚咽をはいていた
マミ「ごめん・・・なさい・・・」
消え入りそうな声で振り絞って言った言葉はしかしほむらに聞こえることはなかった
さやか「うそ」
まどか「じゃあマミさんは・・・」
ほむら「しばらく自宅待機ね」
さやか「あのマミさんがこんなことになるなんて」
さやか「くそっあたしがいれば・・・」
ほむら「仕方ないことね。さやか、今度から2人で魔女を倒すわよ」
さやか「そうだな」
まどか「放課後マミさんの家に行ってもいいかな?」
さやか「あ、それあたしも思った」
まどか「ええ私も一緒に行くわ」
コンコン
巴マミの家に着くとマミはやつれた顔で3人を迎えた
マミ「情けない先輩でごめんなさいね」
さやか「いえ、今はゆっくり休んでください」
まどか「無理しないでください」
マミ「それと・・・ほむらさんごめんなさい。あれほど忠告してくれたのに」
ほむら「・・・今後はどうするの」
マミ「しばらくは無理ね、戦えないわ」
マミ「見て、震えてるの。手が。何もしてないのに」
マミの手は痙攣でも起こしたかのように小さく震えている
さっきから呼吸もおかしい そのせいで声が上ずっている
長くいたら逆に迷惑になると感じたまどかの言葉によって3人はマミの家から退出した
帰り道、今後のことやマミのことなどを話し合って今日は解散とした矢先
ただでは帰れなさそう、と思うほむらがいた
何故なら一人の赤い髪の毛の少女が道の真ん中で仁王立ちになり、3人の行く手を塞いでいたからである
まどか「・・・すみません。急いでいるので通してくれませんか?」
恐る恐るまどかは言った
杏子「嫌だ・・・って言ったらどうする?」
その少女はへへっ、と八重歯を覗かせながら得意気に笑った
杏子「暁美ほむら、お前強いんだって?」
ほむら「・・・」
杏子「キュウベえから聞いたよ。素性のわからないやつがいるって」
杏子「それでどんなもんか見に来たってわけだ」
杏子「さあ、ヤろうぜ」
ほむらが言葉を発しようとしたとき、後ろのさやかが前に出てきた
さやか「さっきから何なんだよお前は」
杏子「あぁ?」
さやか「何で魔法少女同士戦わなきゃいけないんだよ」
さやか「あたし達は魔法少女同士仲間だろ?」
真剣なさやかに対しそれをあざ笑うかのようにケラケラと笑いだす杏子
杏子「仲間だって?そんなものないさ!」
杏子「信じるのは常に自分のみさ、そうやってあたしは生きてきた」
杏子「だいたいお前はお呼びじゃねーんだよ。あたしは暁美ほむらとやりにきたんだ雑魚はすっこんでろ」
この言葉はさやかの自尊心を傷つけた
巴マミの代わりに自分は強くなるんだと固く誓った矢先のことだったからである
さやか「じゃあ・・・まずはあたしを倒してからにしな」
売り言葉に買い言葉
杏子「いいだろうすぐに後悔させてやろうじゃんか」
2人の間にピリピリした緊張感が走る
まどか「2人ともやめて!ほむらちゃんも何とか言ってよ!」
ほむら「いざとなったら私が止めるわ」
まどか「そんな・・・」
お互い魔法少女に変身し最初の一撃が重なり合った
さやかは剣、杏子は槍の真剣勝負
ガキッ、とさやかの剣は―――槍の刃先で簡単に受け止められてしまい
杏子「なんだ。大したことないじゃん」
ガッ
次の瞬間、さやかの腹部に強烈な痛み
杏子の拳がさやかの腹部にめり込んでいた
さやか「くっ・・・」
杏子「痛いだろ?あんたはもっと人の痛みを知りな」
結局さやかはその場で倒れこんでしまった
まどか「さ、さやかちゃん?」
杏子「こいつなら大丈夫さ。少し気を失ってるだけ」
杏子「さてと、なんだか白けちまったね。今日はここでおさらばするよ、腹減ったし」
数時間後
辺りが真っ暗になった頃、美樹さやかは自宅のベットで目覚めた
随分長い間気を失っていたようだ
さすがにまどか、ほむら、そしてあの赤い髪の少女はいなかった
赤い髪の少女・・・佐倉杏子・・・
美樹さやかにとって一生忘れることはないだろう・・・
そして数日が経ち
ほむらはそろそろワルプルギスの夜についてみんなに話そうと決めていた
昼休みになりまどかをはじめマミ、さやかをつれて屋上へ誘った
ーー屋上
まどか「マミさん、もう学校へ来て大丈夫なんですか?」
マミ「ええ、心配かけたわね。もう大丈夫よ」
さやか「よかったーあたしなんてまだまだ弱いからマミさんが戻ってきて嬉しいです」
コホンとほむらが咳払いをする
今日は大事な話をする、といつもの口調で言う
ほむら「あと2週間でワルプルギスの夜が来る」
ワルプルギスの夜とは、今まで戦った魔女とは比べ物にならないくらい強く
魔法少女になったまどかやマミでさえも勝てず、まどかは私を守って死んだこと
そこでキュウベえにまどかとの出会いをやり直したいという契約のもと魔法少女になったこと
時止めやタイムリープの能力のことなどすべてを洗いざらい話した
まどか「そっかぁ・・・私死んじゃったんだ」
ほむら「あなたは私を守ってくれた」
ほむら「だから今度は私がまどかを守るの!」ホム
ほむら「あとは杏子を仲間にする」
さやか「え・・・あいつを?」
ほむら「彼女は魔法少女としてはとても優秀」
ほむら「ワルプルギスの夜を倒すには必要不可欠な存在よ」
さやか「それってあいつにまた会うってこと・・・だよな」
さやかはあははっと笑って言葉を濁した
ほむら「嫌なら無理についてこなくていいわ」
さやか「いや、行くよ」
杏子「また会ったね。しかも今度はそっちから」
杏子は手に持っているお菓子を食べながら喋る
杏子「何の用だい?」
ほむら「単刀直入に言う」
ほむら「私達の仲間になりなさい」
一瞬キョトンとしたあと杏子は大きく笑いだした
杏子「何を言い出すかと思えば仲間だって?」
杏子「仲間なんていらねえ。あたしはいつも1人で生きてきた」
杏子「そんなことより昨日の続きだ。ヤろうぜ、暁美ほむら」
ほむら「・・・しかたないわね」
魔法少女に変身し両者にらみ合う
杏子「いくぞ」
先に動いたのは杏子だった
両手で槍を持ちほむらに襲いかかる
ほむら「・・・」
しかし魔力で強化したほむらの体に杏子の槍は空を切るばかりであった
杏子「おらおらおらあ!」
大振りする杏子に対し必要最低限の動きでかわすほむら
ほむらが頭の中でいつ時を止めるか考えていたその時
杏子「スキありっ!」
ガスッ
杏子の回し蹴りがほむらの下腹部に強烈にヒットした
ほむら「ぐっ・・・」
片膝をついて痛そうにするほむらを見て杏子は笑った
杏子「こんなもんか?」
ほむら「うっ」
ゆっくりと立ち上がるほむらに向かって杏子が尋ねる
杏子「ところで何であたしを仲間にするんだ?理由だけは聞いてやるよ」
ほむら「・・・2週間後にワルプルギスの夜という非常に強い魔女が現れるの」
ほむら「そのためにもあなたの力が必要」
杏子「どうしてそんなことが分かる」
ほむら「・・・」
杏子「言えないのか」
杏子「見たところ後ろの2人は仲間に見えるが?」
ほむら「それでも・・・勝てない」
杏子「そんなに強いのか?」
ほむら「あなたの思ってる以上に」
ほむら「でもあなたがいれば勝てると思うの」
ほむら「ほら、あなた強いから」
杏子「そ、そうか・・・?」
ほむら(ちょろいわね)
ほむら「あなただけが頼りなの」
杏子「・・・」
杏子は少し考えた
杏子「で、見返りは?」
ほむら「えっ?」
杏子「仲間になってやる」
杏子「でもさ、あたしにもなんか見返りが欲しいかなぁーって・・・」ゴニョゴニョ
ほむら「それなら心配いらないわ」
ほむら「あそこにいる青い子をあげる」
そう言ってほむらは美樹さやかを指差した
さやか「ちょっ何言ってるの、ほむら」
杏子「好きにしていいんだな?」
さやか「えっ」
スタスタとさやかに向かって歩き出す杏子と同時に戸惑うさやか
杏子「その、昨日はごめんな」
さやか「あー・・・うん」
さやか「ってどうしたのよ急に!」
杏子「よく見ると・・・いやよく見なくても可愛いな」
さやか「ちょ、ちょっと!顔近い・・・」
杏子「ん。膝から血が出てんぞ」
さやか「それは・・・昨日の戦いで・・・」
赤い髪の少女はポケットから絆創膏を取り出し、それを青い髪の少女の膝に貼ってあげるのでした
(ポッ・・・)
青い髪の少女は、自分の顔が熱くなっているのに気付きました。
胸がドキドキと高鳴ります。
この女の子・・・強いし、カッコいいし・・・それに優しい・・・
杏子「これでよし。んじゃあたしは帰るよ。腹減ったし」
さやか「あ・・・ま、待って!私、美樹さやかっていうの!あの、良かったらお礼に・・・」
杏子「佐倉杏子だ」
杏子「あ、それと・・・あたしのことは呼び捨てでいいよ」
さやか「杏子・・・」
杏子「またな、さやか!」
杏子は再び街の雑踏に呑まれていきました
まどか「ほむらちゃん。どうしてあんなこと言ったの?」
ほむら「佐倉杏子、彼女はずっと独りで寂しい思いをしていた」
ほむら「それには誰かを寄り添わせることが必要だったからよ」
まどか「でもなんでさやかちゃんなの?」
ほむら「当然よ」
ほむら「まどかは私のものだもの!」ホムッ
それからというものさやかちゃんは上條君と杏子ちゃんにモテモテで両手に花状態です
ほむらちゃんとマミさんは魔女倒しを続けています
ワルプルギスの夜を相手にするからたくさんのグリーフシードが必要みたい
時々私もついていっては2人の活躍を見ています
そして私に関しては相変わらずキュウベえの契約を断り続ける毎日です
キュウベえは私と朝から晩まで一緒にいる大切な話し相手
私生活から勉強の悩み、もちろん魔法少女についても
そのおかげで魔法少女についてたくさん知ることができました
多分ほむらちゃんも知らないことがあるかも?
とにかく今は毎日が楽しいです
ずっとこんな日が続けばいいのになぁーって思います
でもワルプルギスの夜を倒した後は一体どうなるのだろう
あと1週間
あと1週間でいよいよ決戦です
ほむら「ワルプルギスの夜はだいたいこのあたりに出るわ」
マミ「ここからそう遠くはないわね」
まどか「え・・・でもそこって発電所があるところじゃ・・・」
まどか「ねえキュウベえ、ワルプルギスの夜が暴れたら現実世界ではどうなっちゃうの?」
QB「・・・そのワルプルギスの夜というのが本当に現れる・・・と仮定すると」
QB「現実世界では大災害として認識されるよ」
まどか「それじゃやっぱり・・・」
ほむら「大丈夫よまどか、そうならないように私たちが頑張るの」
マミ「必ず勝つから心配しないで!」
まどか「うん!」
ほむら「ところで」
ほむら「あの2人をなんとかしてくれないかしら」
さやか&杏子「イチャイチャ」
まどか「あはは・・・」
マミ「はぁ・・・羨ましい・・・」ボソッ
QB「・・・」
まどかの枕からそっと起きるキュウベえ
まどか「スゥスゥ」
QB「・・・」
感情のない表情でまどかを見つめそっと部屋から出ていった
暁美ほむらがなぜワルプルギスの夜のことを知っているのか
ワルプルギスの夜が倒されたらどうするか
このままではマズい
キュウベえは夜の街を走った
ほむら「残り3日よ。今日は連携の最終確認をするわ」」
ほむら「まずマミにはできるだけ多くの銃を出して引き金を引いてもらう」
ほむら「その間に私が時を止め銃弾が使い魔に命中するよう調整する」
ほむら「私とマミが使い魔を倒してさやかと杏子に道を作るから2人はその後攻撃よ」
ほむら「さやかは右、杏子は左から、マミは2人のサポートをしてあげて」
ほむら「危なくなったら私が助けに行くわ、だから思い切り攻撃してちょうだい」
ほむら「以上よ。質問ある?」
ほむら「ないなら解散よ。今後も体調管理には十分気をつけて」
ほむら「それとまどか」
まどか「なに?ほむらちゃん」
ほむら「あなたはついて来るな、といってもついてくるのでしょう」
ほむら「くれぐれも危険なとこには行かないで。約束よ」
まどか「うん!ありがとうほむらちゃん。約束する!」
ほむら「じゃあ解散よ、みんな気をつけて帰ってね」
ーー夜 鹿目家
知久「もう11時だってのにまどか遅いなぁ」
知久「変な事件に巻き込まれてなければいいけど」
知久「さやかちゃんの家に電話してみよう」
知久「もしもし、まどかはそちらにお邪魔していませんか?はい・・・そうですか、失礼します」
QB「・・・」
ーー教室
先生「おはようございます」
先生「ホームルームを始める前にみなさんに聞きたいことがあります」
先生「鹿目さんが昨日から家に戻っていないとの連絡がありました」
先生「何か知っていることがあったらすぐに先生に教えてください」
・・・
ほむら「どういうこと」
さやか「まどかが昨日から家に帰ってないって」
マミ「昨日別れてから何かあったというわけね」
杏子「でも、昨日は魔女の気配しなかったよな」
マミ「確かにしなかったわね」
ほむら「ギリッ」
ほむら「まどかは私が守るって言ったのに・・・」
ほむら「何もできない自分が悔しい」
ーー翌日
先生「昨日言った鹿目まどかさんの件についてですが」
先生「近所の人が連絡をくれました。鹿目さん・・・らしき人を見た、と・・・」
先生「公園の近くの森で、その鹿目さんらしき人が不良少年達に弄ばれていた・・・と」
「弄ばれてるって・・・」ガヤガヤ
先生「その・・・体を・・・」
先生「うう・・・これ以上は言いたくありません・・・」
ほむら「先生が言っていたのは、この辺りね」
マミ「そうよ」
マミ「あ・・・ほむらさん、あそこに」
ほむら「ん・・・」
少し先に小屋があった
ほむら「森の奥の小屋」
マミ「条件はピッタリね」
ほむらは小屋に向かって走り出した
マミ「私たちも行くわよ」
さやか「は、はい」
ほむら「うっ・・・」
???「あっははははは・・・」
扉前に来たほむらの耳に少年の笑い声が聞こえた
ほむら「っ・・・」
???「おいおい動けよ。まだ出してないぞー」
???「お前そんなに出るのかよー」
???「俺、結構飛ぶようになったんだぜ。見てろよ」
???「っ・・・っ・・・うっ・・・」
???「ほら、さっさと舐めろって」
???「・・・・・・うっ・・・うっぁ・・・」
ほむら「っ・・・・・・!」
少年「んっ・・・んん、ん!!」
少年は自分の陰茎を一所懸命に摩っている
少年「んっ・・・・・・出るっ・・・んっ・・・んっ・・・・・・!!」
少年「きゃっははは!!やっぱ出ないじゃん!」
少年「そんな事ないって、ほら、こっち見ろよ!」
少年はまどかの髪をきつく引っ張った
まどか「っ・・・・・・あっ・・・・・・」
少年「ほら、口開けろよ。また飲ませてやるからさー」
まどか「っ・・・・・・っ・・・・・・」
まどかはゆっくり、首を反対側に向けようとした
少年「まだ抵抗すんのかよ!」
少年はきつくまどかの髪を引っ張った
まどか「うっ・・・!」
少年「すげぇ、まだ抵抗するんだ。あんだけされたのにー」
少年「くそっ・・・なんか萎えてきた。こら、舐めろ!」
少年はまどかの口に無理矢理、陰茎をねじこもうとした
まどか「くっ・・・うっ・・・・・・」
まどかはそれまで無茶苦茶に受けた扱いの為、ガタガタになった顎を、
それでもなんとか閉じようとした
少年「くっこのぉぉ!!」
少年はまどかの唇に亀頭を擦りつけた
まどか「むぅっ・・・・・・うっ・・・!」
カサカサになってもなお、柔らかなまどかの唇に、少年の陰茎が反応した
少年「ほおっ・・・きたっ・・・あ、くっっ・・・!」
少年「お・・・すげえ!こんな方法でも勃つんだ!」
少年「きゃははは!!」
まどか「んぷっ・・・んっ・・・ん!!」
少年「早くしろよ。でないとまた、まんこに痛くなるように入れるぞ!」
少年「あ、次、俺俺ー」
<ばきんっっっ>
ほむらはさやかの足でドアを蹴破った
少年「えっ・・・・・・」
少年「わっ!」
少年「んっ・・・んんっ・・・!!」ビュルルル
少年「なんだよ、お前!」
少年「うっ・・・くそ・・・びっくりして出ちゃった・・・」
ザクーッ
少年「ぎゃあああああ!!」
ほむらはまどかの顔に射精した少年を問答無用で斬り殺した
少年「わっ・・・わぁぁぁ!!」
そして、もう一人の少年に向き直る
少年「ひっ!!」
マミ「すとっぷ、ストーップ!こいつにどうしてこんな事したか、聞かないと!」
ほむら「そ、そうね」
ほむら「おい、なんでこんな事した!というか、なんでまどかがここにいるの!!」
少年「し、知らないよぉ!俺達、ここの事教えてもらったんだ・・・!」
ほむら「誰に?」
少年「し、白い変な生き物だよ!」
ほむら「キュウベえっ・・・」
少年「そ、そいつが・・・この子を毎日犯せって・・・友達を使って毎日犯せって・・・休んじゃだめだって・・・」
少年「あ、あと・・・殺すなって・・・できる限り苦しめろって・・・」
ほむら「・・・・・・」
少年「ほ、ほんとだよ!俺、嘘ついてないよ!」
ほむら「他には?」
少年「知らない・・・ほんと・・・知らないっ・・・」
少年「ね、ねえ・・・俺、ちゃんと言ったよ・・・だ、だから・・・殺さないで・・・」
ほむら「この子もそうやってやめてくれと懇願したんでしょ?」
少年「う、うん・・・最初は泣いていやがってた。でもだんだんこんな風にぼんやりして・・・」
グサッ
少年「ぎゃあああ!!」
ほむらはその少年も斬り殺した
ほむら「誰が生かすか」
マミ「暁美さん!」
ほむら「わかってるわ」
杏子「ほむら・・・まどかの、意識が・・・」
ほむら「まどか・・・まどか、わかる!?」
まどか「うっ・・・・・・」
まどかは震える手を伸ばし・・・
ほむらの指を力なく掴んだ
まどか「・・・・・・待っ・・・てた・・・よ・・・・・・」
ほむら「まどか・・・」
まどか「きっと・・・ほむらちゃ・・・ん・・・来てく・・・れるって・・・」
ほむら「そうよ、私はまどかの英雄なのだから」
まどか「・・・っ・・・・・・」
まどかはほむらに向かって薄く笑うとそのまま目を閉じた
ほむら「まどか・・・まどか!!」
マミ「気絶しただけよ。さっさと帰りましょう」
ほむら「ええ」
杏子「痛いの痛いの 飛んでけ・・・飛んでけーーっ!!」
ーー翌日
4人はまどかの家のリビングにいた
まどかは2階で眠っている
全員学校を休み事情を知った知久は4人を家にあげたのだった
ほむら「マミのモノマネなんて簡単よ」
ほむら「得意げに使い魔を倒してから魔女に立ち向かう」
ほむら「そして最後に必ずこういうの」
ほむら「とどめよっ風呂・フィナーレ!」
・・・
沈黙
さやか「ねえこんな時に何言ってんだよ」
ほむら「私達が暗くなってもしょうがないでしょう」
ほむら「そんなんじゃまどかが話しかけづらいじゃない」
まどか「そうだよ・・・みんな」
!!
タンタンと手すりを使ってまどかはゆっくりと2階から降りてきた
ほむら「もう・・・大丈夫なの?」
まどか「うん」
ほむら「そう、強いわね」
まどか「それより明日はワルプルギスの夜か来るんだよね」
まどか「みんなで頑張って倒さなきゃ!」
ニコッと笑うまどか
そんな気丈に振る舞うまどかを見て各自が言う
さやか「そ、そうだよな!」
杏子「やってやろうってんだ!」
マミ「絶対に倒すと約束するわ!」
まどか「うん!」
まどか「・・・でも、私・・・明日は一緒に行けないみたい・・・」
さっきの声とは対照的に泣き入りそうな声で言った
ほむら「大丈夫よ、あなたはここでゆっくり休んでなさい」
ほむら「あなたがいるだけで・・・力に・・・なる・・・のっ」
こらえきれずに涙を流した後、全員で泣いた
涙が枯れるほどに
まどかはそのたびに言った
『私は大丈夫だから・・・大丈夫だから・・・』
ーー夜 見滝原町
町を一望できるビルの屋上に4人は集まっていた
ほむら「ワルプルギスの夜は本当に強い」
ほむら「でも私達の力はもっと強い」
ほむら「まどかのためにも頑張りましょう!」
気合をいれ、最悪最強の魔女もとへ向かう
杏子「こ、こいつが・・・」
さやか「でけえ・・・」
結界の中で見たものはあまりにも巨大で今まで見たものとは比べ物にならないほど禍々しかった
ほむら「怯まないで!作戦通りにするの!」
ほむら「巴マミ!」
マミ「ええ」
マミが出した何十もの銃が一斉に使い魔に向けられる
ほむらは時を止め銃口を直しつつ時を動かす
ドン
ここまでは予定通り
ほむら「今よ!行って!」
さやか「おうっ」
杏子「いっくぜー」
2人は勢いよく飛び出し魔女に刃を向ける
ガキンッ
しかし力いっぱい当てた一撃に手ごたえはなかった
さやか「うっ」
杏子「堅いっ!」
ほむら「攻撃を続けなさい!遠慮はいらないわ」
杏子「遠慮してるつもりはないんだけどなあ」
さやか「この堅さ・・・剣がもってくれればいいんだけど」
無数にも伸びた鞭のようにしなる枝をよけながらひたすら殴り続ける
マミはさやかと杏子に襲いかかる枝を銃で撃ち、ほむらは時を止め魔女の口に爆弾を入れる
1時間は経っただろうか、4人の体力は最初ほどなく次第に疲れを見せていた
杏子「まだか?ほむら」
さやか「こいつ・・・全然弱ってない」
スピードが落ちる2人に対し魔女の攻撃は少しも衰えていない
それをサポートするマミやほむらの負担も大きくなり状況はじりじりと不利になっていくのがわかる
ほむら「くっ」
ほむらは困惑していた
わずかなダメージではワルプルギスの夜に致命傷を与えられない
少なくともマミの必殺技ティロ・フィナーレほどの魔力をぶつけなければ・・・・
しかし今マミがそれをしたところで意味がない・・・一瞬の間動きを止めるだけにすぎない
どうすれば・・・倒せるのか
そう考えていた矢先
さやか「きゃあっ・・・」
さやかの悲鳴でほむらは我に戻った
杏子「さやか!」
マミ「さやかさんっ!」
さやかは地面に叩きつけられその表情はとても苦しそうだった
杏子「よくもさやかをおおおおおお」
上空から勢いをつけ渾身の力でワルプルギスの夜に槍を当てる
ガキイイイン
大きな音が響くもやはりダメージは小さいのかさやかに向けられていた鞭までが杏子を襲う
マミ「だめっ・・・多すぎる・・・」
ほむら「間に合って!」
ほむらが時を止めようとした瞬間に
杏子「うわああ」
ビシッと鋭い音がして杏子は弾き飛ばされた
ほむら「くっ・・・」
ほむらはさやかを見た
体は動いているものの地面にめり込んだままだ。額からは血が流れている
杏子はというと槍を手放し仰向けになって倒れていた
ほむらは悟った
また今回もダメだったと
茫然と立ち尽くすほむらに1つの鞭が迫ってくる
バシッ
無防備なほむらの頭に直撃する。重い一撃。
ザザーっと倒れるほむら
マミが駆け寄り大丈夫かと促すが返事はない
そしてマミの背後からゆっくりと枝が忍び寄る
その枝はマミの体を締め上げ、結界の中はマミの苦痛の叫びでいっぱいになった
マミ「あっ・・・・・・ぁっ・・・・・・」
徐々に言葉もなくなり枝から解放されたマミに意識はなかった
ウオオオオオオオオオオオオオオン
魔法少女が全員倒れたこともあってワルプルギスの夜は力強く雄たけびを上げた
がその時
ヒュン
一本の矢がワルプルギスの夜に刺さる
ウオオオオオオオオオオオオオオン
今度は雄たけびとは違う叫びがこだました
出どころのわからない矢にあたりを見回す魔女を見つめ少女は再び矢を放つ
そして飛んだ。仲間のもとへと
「ほむらちゃん、今助けるね」
ポウっと自分の魔力と引き換えにほむらの傷を治していく
ほむら「あなた・・・まさか・・・」
ニコッと笑って少女は走っていった
「次は、さやかちゃん」
「杏子ちゃん」
「マミさんも」
全員の回復を待ってほむらは言った
ほむら「まさか・・・あなた」
まどか「えへへ、助けに来たよ」
舌を少しだけ出して恥ずかしそうに笑うまどか
まどか以外の4人の魔法少女は唖然としている
ウウウウ・・・・ウウ・・・ウウウウウウ
ワルプルギスの夜がうなり始めた
まどか「っと、そろそろ動くみたいだね。」
一層黒味を増した魔女を見て言う
まどか「お説教なら後だよ。今はこいつを倒そう!」
戦闘態勢に入り矢を構えるまどか
それを見て4人も配置に戻り攻撃を再開した
しかしさっきまでと違うのは鹿目まどかの存在であった
まどかの放つ矢は確実にワルプルギスの夜を弱らせていく
ほむらは隣で弓を構えるまどかを見て、その圧倒的な力に驚嘆していた
ウオオオオオオオン
まどか「さやかちゃん、杏子ちゃん下がって!」
まどか「マミさんお願いします!」
マミ「了解」
マミは今までの銃を捨て、その何倍もの銃を取り出した
マミ「ティロ・フィナーレ!」
マミが叫ぶと同時にまどかも叫んだ
まどか「アルティマ・シュート!」
まどかは3本の矢を放ち、その1本1本が光に包まれていく
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
矢と弾が当たりワルプルギスの夜は倒れた
マミ「ハァハァ」
さやか「勝った・・・のか?」
オオオオオオオオオオオオオン
ほむら「勝っ・・・た」
オオオオオオ・・・
ほむら「嘘・・・夢みたい」
ほむら「やっと・・・この日が」
ワルプルギスの夜が消え結界が閉じていく
いつもの見滝原町には静か雨が降っていた
まどか「やった!やったよみんな!」
ピョンピョン跳ねるまどか
杏子「やったあああああああ」
さやか「すげえよまどか」
マミ「まどかさんが来てからあっという間だったわ」
ほむら「まどかの強さは相変わらずね」
まどか「えへへー」
マミ「喋っているとこ申し訳ないけど」
マミ「今からウチで祝勝会しない?」
「ワル夜の撃退を祝してー」
「乾杯ー」
それぞれの手にジュースを持ちテーブルにはいろんなお菓子が並べられている
杏子「ああーそれあたしのだぞ」
さやか「へへーっいただきー」
マミ「それでね、ほむらさんが倒れた時はもうどうしようかと思ったわ」
まどか「そうだったんですかー」
さやか「やっぱたけのこの里はうめえわー」
杏子「あたしは断然きのこの山だけどなー」
ほむら「でも一歩間違えば私達死んでたわよ」
まどか「えへへ、ヒーローは遅れてやってくるものなんだよ」
マミ「そういえば肝心なことを忘れていたわ」
ほむら「まどかの契約の際の願いを聞いてなかったわね」
まどか「えーとね私の願いはね」
まどか「みんなとずっと、ずーっと一緒にいられることだよ!」
おわり