1 : VIPに... - 2010/04/19 09:11:50.44 n5doHk2o 1/72

打ち止め「眠れないから昔話を読んで欲しいなぁってミサカはミサカは絵本を渡してみる」

一方通行「あン? いきなりなンでそンな面倒な事をしなきゃならないンですかァ?」

打ち止め「読んでくれないの? ってミサカはミサカは上目使いで涙ぐんでみる」ウルウル

一方通行(ッ…! か、かわいィじゃねェか…!)

一方通行「しょうがねェな で、どれを読めばいいンだ?」

打ち止め(下位個体とこっそり感覚共有してと…)

打ち止め「これがいいなぁ ってミサカはミサカは『シンデレラ』を差し出してみる!」

一方通行(ハァ… 結局読むハメになっちまった…)

一方通行「ンじゃァ 読むぞォ?」

打ち止め「とってもワクワクするんだよ! ってミサカはミサカはお布団に潜り込む!」



MNWスレ一覧
1:【昔話】一方通行の昔話朗読(1) NEW!!

元スレ
一方通行「むかァし、むかし あるところにィ…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1271635910/


2 : VIPに... - 2010/04/19 09:18:28.59 n5doHk2o 2/72

一方通行(ただ読むのも面白くねェしなァ… 登場人物を妹達あたりと互換してみるかァ…)ニヤニヤ

打ち止め(何だか怖いんだよ ってミサカはミサカは思っても声に出さない大人になるよ)

一方通行「むかァし、むかし、 あるところにィ…」



---
むかしむかし、とても美しくて、とてもやさしい娘がいました。
でも悲しい事に、娘のお母さんは早くになくなってしまいました。
そこでお父さんが二度目の結婚をしたので、娘には新しいお母さんと二人のお姉さんが出来ました。
ところがこの人たちは、そろいもそろって大変な意地悪だったのです。
新しいお母さんは、自分の二人の娘よりもきれいな娘が気に入りません。

美琴「ほらほら、休んでないで! 床掃除の次はトイレ掃除よ!」
10032「シンデレラ? 私たちの服の洗濯は終わっているの とミサカは怒り気味に聞いてみます」

打ち止め「ごめんなさい… まだです… ってミサカはミサカは落ち込みます…」ズーン

10032「謝る暇があったらさっさとやりなさい! とミサカは叱咤します」

打ち止め「は、ハイ! ってミサカはミサカはいつも以上にテキパキと作業をこなす!」

お母さんと二人のお姉さんは、つらい仕事をみんな娘に押しつけました。
それに娘の寝るふとんは、そまつなわらぶとんで、娘の着る服はボロボロのつぎ当てだらけです。
お風呂に入る事も許してもらえず、娘の頭にはいつもかまどの灰が付いていました。
そこで三人は娘の事を、『灰をかぶっている』と言う意味のシンデレラと呼んだのです。
可愛そうなシンデレラでしたが、それでもシンデレラの美しさは、お姉さんたちの何倍も何倍も上でした。

3 : VIPに... - 2010/04/19 09:24:02.65 n5doHk2o 3/72

打ち止め「ちょっと、ストップストップ ってミサカはミサカは止めてみる!!」

一方通行「あァ? ちゃンと読んでますよねェ?」

打ち止め「でもでもだって、これじゃ私が悲劇のヒロインじゃない ってミサカはミサカは落ち込んでみる」ズーン

一方通行「嫌ならここで止めちまうぞ? どうすンだ?」ニヤニヤ

打ち止め「ゔー… ってミサカはミサカは葛藤を繰り返す…」

一方通行(ちょっとやりすぎたかァ…?)

打ち止め「ううん! せっかく読んでくれるんだから最後まで読んで! ってミサカはミサカは目に涙を溜めつつもお願いしてみる!」

一方通行(誰ですかァこンな事を教えやがったのはァ!!)「お、おう…」



---
そんな辛い日々が続いたある日のこと…

バァーン!!

14510「こんな招待状が届いていました とミサカはテーブルの真ん中に叩きつけます」
美琴「なによこれ…?『お嫁さん選びの大舞踏会』?」
10032「たしか王子様はかなりのお金持ちですね とミサカは推測します」
美琴「ってことは、結婚までいけるかも知れないってこと!?」
14510「先程ネットワークで予想スレを立てましたが、100レス中99レスが上条当麻でした」
10032(時代風景なんて無視ですかと ミサカは心の中でツッコミを入れます)
美琴(アイツと… アイツのお嫁さん…)プシュー
10032「あわわ、お母様が…」

ワーワーキャーキャー

打ち止め「みんな、なんの話をしてるんだろう… 舞踏会… 楽しそうだな…」キュッキュッ


美琴「シンデレラ! シンデレラはいる?」

打ち止め「は、はい! ってミサカはミサカはビクビクしながらも返事してみる」

美琴「これから私達はお城に舞踏会に行ってくるわ その間に家事を全部片付けておきなさい!!」

打ち止め「………はい」ショボーン

4 : VIPに... - 2010/04/19 09:28:27.30 n5doHk2o 4/72

~数十分後~

14510「それでは行ってきます とミサカは手を振ります」
打ち止め「いってらっしゃーい! とミサカはミサカは手を振り返す!」

それからシンデレラは悲しくなって、シクシクと泣き出しました。

打ち止め「うっ… ひぐっ… どうして私は… うえええぇぇぇぇん…!」
打ち止め「私も… グスッ… 舞踏会に… っ… 行きたいよぉ…」

でも、シンデレラのボロボロの服では、舞踏会どころかお城に入る事も許されません。
その時、どこからか声がしました。

???「泣くのはおよし… シンデレラ」

打ち止め「だ、誰!? ってミサカはミサカは声を出してみる」

するとシンデレラの目の前に、魔法使いのおばあさんが現れました。

木山(私は魔法使いでもなければおばあさんでもないのだがな…)
木山「シンデレラ、お前はいつも仕事を頑張っている… とても良い子だな…」
木山「そのご褒美に、わたしが舞踏会へ連れて行ってあげよう…」

打ち止め「本当に!? ってミサカはミサカは驚きを隠せない!!」パアァッ

木山「あぁ… 本当だとも… まずは乗り物が必要だね… 畑からカボチャを持っておいで」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは畑にダァーッシュ!!」

木山「ふふふ… やっぱり子供に泣き顔は似合わないな…」

5 : VIPに... - 2010/04/19 09:38:30.56 n5doHk2o 5/72

打ち止め「持って来たよー! ってミサカはミサカは一番大きなカボチャを見せる!」

木山「確かに… これは大きいな… よし、ちょっと待ってなさい」

シンデレラが畑からカボチャを取ってくると、魔法使いはそのカボチャを魔法のつえで叩きました。
するとそのカボチャがどんどん大きくなり、何と車になったではありませんか。

打ち止め「うわぁ!! すごいすごい!! ってミサカはミサカは大はしゃぎ!!!」

木山(しまった… 馬車にするつもりが… ガヤルドに…)
木山「準備はこれでいいな…」

打ち止め「うん、でも… ってミサカはミサカは自分の服を見てみる…」

木山「しまった… 服も問題だったか… だがそこまで用意していないし…」
木山「…よし、じゃあ私の服を着なさい (脱ぎ脱ぎ)」

打ち止め「」

打ち止め「あわわわわ!? 何をしてるの!! ってミサカはミサカはびっくり仰天」
打ち止め「布切れを持ってくるから! ってミサカはミサカは家に猛ダァーッシュ!!!」

~数分後~

木山「これだけの布があれば… ドレスの1着や2着すぐに出来る…」
木山「えいっ!」

魔法使いが魔法の杖を一振りすると、みすぼらしい布は、たちまち輝く様な純白の美しいドレスに変わりました。

木山「そして… これはほんのお詫びだ」

そして妖精は、小さくて素敵なガラスのクツもくれました。

打ち止め「うわぁ… 素敵なドレス!! ってミサカはミサカは開いた口が塞がらない」

8 : VIPに... - 2010/04/19 09:49:57.55 n5doHk2o 6/72

木山「着替えは終わったかい? 準備が出来たなら車に乗り込みなさい」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは助手席に乗り込む!」

ブロロロロロ…

木山「よく聞いてシンデレラ 私の魔法は夜中の12時までしか効果がないから… 気をつけて」

打ち止め「うん! それだけ時間があれば十分だよ! ってミサカはミサカは幸せいっぱい!」

キキッ

木山「さぁ着いたよ… 楽しんでおいで」

打ち止め「うん! 行ってきます!! ってミサカはミサカは満面の笑顔!」

10 : VIPに... - 2010/04/19 09:55:47.49 n5doHk2o 7/72

さて、お城の大広間にシンデレラが現れると、そのあまりの美しさに、あたりはシーンと静まりました。

打ち止め(なんだか踊っている人たちが皆同じ顔に見えるよ ってミサカはミサカは怯えてみる)
打ち止め(あ、お母様達もいるんだ… そうだよね…)

オロオロするシンデレラ。
着ているドレスがとても素晴らしいので目立たないはずがありません。
それに気づいた王子さまが、シンデレラの前に進み出ました。

王子様「オレと、踊っていただけませンか?」

打ち止め(あれ、この声どこかで… ってミサカはミサカは思い出す)
打ち止め(ア、アクセラレーター!?)

一方通行「どォしました? 一緒に踊っていただけませンか?」

打ち止め「う、うん! ってミサカはミサカは王子様の手を握り返す!!」

ザワザワ

10032「アレが王子様なんて何かの間違いでは とミサカは落胆します」
美琴「え、でも、アレ、アイツじゃ…」キュー
14510「ああ、お母様!」


シンデレラは、ダンスがとても上手でした。
王子はひとときも、シンデレラの手を離しません。
楽しい時間は、あっという間に過ぎて、ハッと気がつくと十二時十五分前です。

11 : VIPに... - 2010/04/19 10:07:03.65 n5doHk2o 8/72

打ち止め「あっ! もうこんな時間!? ってミサカはミサカは時計を見てビックリ!」
打ち止め「ごめんなさい王子様、私もう帰らなきゃ」ダッ

シンデレラはていねいにおじぎをすると、急いで大広間を出て行きました。

一方通行「一体なンなンですかァ…」

急いで階段を駆け下りるシンデレラ。
ですが普段着慣れていない服を着ているため足がもつれてしまいます。

打ち止め「キャア! ってミサカはミサカはー!!」

あわてたひょうしにガラスのクツが階段にひっかかって、ガラスのクツがぬげてしまいました。
十二時まで、あと五分です。
カラスのクツを、取りに戻る時間がありません。

打ち止め「うー… もう裸足でいいや ってミサカはミサカはガラスの靴を諦める!」

シンデレラは待っていた車に飛び乗ると、急いで家へ帰りました。
シンデレラの後を追ってきた王子さまは、落ちていたガラスのクツを拾うと王様に言いました。


一方通行「…オレは、このガラスのクツの持ち主と結婚する…」

12 : VIPに... - 2010/04/19 10:16:38.78 n5doHk2o 9/72

王様「寝言は寝てから言うじゃん」

一方通行「うるせェ! オレは一目で決めたンだ!」

黄泉川「そこまでの覚悟ならしょうがないじゃん… おい」

???「ハイハイ… なんですの?」

黄泉川「ハイは1回でいいじゃん? 今から言う物を作って町中に貼ってくるじゃん」

黒子「了解しましたの」

こうして一晩で町中に『ガラスの靴を履くことが出来た女性と結婚する』と言った内容の張り紙が貼られたそうな。

13 : VIPに... - 2010/04/19 10:27:57.05 n5doHk2o 10/72

「王子様が嫁を見つけるために町中を探し回っている」
この噂はシンデレラの家族たちにも伝わりました。

美琴「王子様は見た目はちょっとアレだけどお金持ちには変りないわ!」
10032「そうですね とミサカはまだ見ぬバラ色の未来に胸をときめかせます」
14510「シンデレラ! いつお城の人が来てもいいように玄関を掃除なさい とミサカは急かします」

打ち止め(昨日幸せだった分、今日はちょっと辛いなぁ ってミサカはミサカは軽く凹む…)

14510「シンデレラ!」

打ち止め「は、はひっ!! すぐに!!」


しばらくしてお城の使いは、シンデレラの家にもやって来ました。
美琴「さあ娘たち。このクツが足に入れば、あなたたちは王子様のお嫁さんよ」
1003214510「「はい。お母さま とミサカは綺麗にハモリます」」

二人のお姉さんたちは小さなガラスのクツに足をギュウギュウと押し込みましたが、
どう頑張ってもガラスのクツは入りません。

1003214510「「む、無念です… と再びミサカはハモリつつも落胆します」」ズズーン


黒子「…残念ですが、この家には昨日の娘はいないようですわね」

そう言って、お城の使いが帰ろうとした時、シンデレラが現れて言いました。

打ち止め「ハイハイ! ってミサカもミサカもそのクツに立候補!!」

14 : VIPに... - 2010/04/19 10:37:43.76 n5doHk2o 11/72

黒子「んまぁ… これは綺麗なお嬢さん 性別の壁を乗り越えてわたくしの所へヘブッ」

一方通行「全く… 行く所行く所そう言いやがって、なンなンですか」

打ち止め(あれは昨日の王子様だよね ってミサカはミサカは思い出してみる)

それを見ていた2人の姉は大笑い。
10032「舞踏会にも行っていないのにどうしてそう無駄なことをするのですか とミサカは笑います」
14510「お城の人たちも迷惑じゃないのかしら とミサカはお城の方々を心配します」

一方通行(あァ? ウゼェババァ共だ)

しかし、シンデレラがはいてみると、ガラスのクツはピッタリです。

美琴1003214510「「「!!!!!」」」

みんなは驚きのあまり、口もきけません。
するとそこへ、あの魔法使いが現れました。

15 : VIPに... - 2010/04/19 10:43:33.78 n5doHk2o 12/72

木山「おやおや… 再び出番があるとは嬉しいね…」
木山「では、最後にもう一度プレゼントをあげよう」

魔法使いが魔法の杖を一振りすると、シンデレラはたちまち
まぶしいほど美しいお姫さまになっていました。

美琴「これは… 昨日の… まさか!?」
10032「昨日の王子様と踊っていたのがシンデレラなの? とミサカは驚きを隠せません」
14510「嘘だ嘘だ嘘だ、これは夢これは夢これは夢… とミサカは現実逃避をします」

お母さんと二人のお姉さんたちは、ヘナヘナと腰を抜かしてしまいました。
それからシンデレラは王子様と結婚して、いつまでも幸せに暮らしました。


おしまい

16 : VIPに... - 2010/04/19 10:46:59.80 n5doHk2o 13/72

クレジット

シンデレラ/打ち止め
王子様/一方通行

シンデレラの母親/御坂美琴
シンデレラの姉/妹達シリアルナンバー10032・14510

魔法使い/木山春生
王様/黄泉川愛穂
お城の使い/白井黒子

舞踏会に招待された方達/妹達

17 : VIPに... - 2010/04/19 10:51:13.15 n5doHk2o 14/72

打ち止め「スー… スー…」

一方通行「やっと寝たかァ… でも朗読も案外悪くないなァ…」
一方通行「三下に頼んで色々と話しでも聞いてみるかァ…」ニヤリ

こうして夜は更けていった…


MNWスレ一覧
1:【昔話】一方通行の昔話朗読(874)
2:【おい】シンデレラ大反省会【王子様テメェ】(5)

20 : VIPに... - 2010/04/19 11:04:00.52 n5doHk2o 15/72

大事なことを書き忘れておりました。

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]http://hukumusume.com/douwa/index.html

32 : VIPに... - 2010/04/19 17:28:54.98 n5doHk2o 16/72



打ち止め「うーん… いい朝だねー ってミサカはミサカは朝のご挨拶!」ビシッ

一方通行「(へそチラッ!?) おゥ、やっと起きたか、朝飯食ったら出かけンぞ」

打ち止め「え、お出かけ? やったー! ってミサカはミサカははしゃいでみたり」


朝食中

打ち止め「れ? ろほいいふよへーらろ?」モグモグ

一方通行「食べながら喋ンな… 三下ンとこだよ」

打ち止め「(ゴクン)また珍しいね ってミサカはミサカはその行き先に驚いてみたり」

一方通行「あァ… アイツなら童話とか昔話とか結構知ってそうだしな…」
一方通行「それにアイツと一緒にいるシスターの10万3000冊の中にも幾つかあるかも知れねェからなァ」

打ち止め「じゃあ善は急げだねっ! ってミサカはミサカは準備してくるー」パタパタ

33 : VIPに... - 2010/04/19 17:37:43.87 n5doHk2o 17/72

打ち止め「わぁ!日差しが眩しいね! 麦わら帽子かぶってきて正解だったよ ってミサカはミサカは自分の用意周到さに驚いてみる」

一方通行「あンまりはしゃぐンじゃありませンよォ」

打ち止め「むー! 子供扱いしないで欲しいな ってミサカはミサカは怒ってみる」プンプン


???「とうまー のどがかわいたー」
???「ハイハイ… それじゃそこの公園で一休みしますよー」


一方通行「ほォ… いいタイミングじゃねェか」
打ち止め「あのシスターさんも一緒みたいだね ってミサカはミサカは2人の姿を確認!」



上条「あっ、一方通行に打ち止めじゃないか どうしたってこんな所に?」

一方通行「オマエに会いたかったんだよォ」

上条「」

34 : VIPに... - 2010/04/19 17:48:52.12 n5doHk2o 18/72

打ち止め「相変わらずボキャ貧なんだね ってミサカはミサカは呆れてみる」

一方通行「グッ…」

インデックス「じゃあ とーまに会いたい理由って?」

打ち止め「かくかくしかじか…」

インデックス「まるまるうまうまなんだね とーま!アクセラレータは昔話が知りたいみたいだよ!」

上条「うん? あぁ… そうなのか… でもまたどうして?」

一方通行「…… な… なンとなくゥ?」
打ち止め「昨日の夜、私にシンデレラを読んでくれたの」
打ち止め「そしたらそういう童話の朗読を気に入っちゃったの ってミサカはミサカは事情説明」

上条「へぇ~… 学園都市第一位ともあろうお方が意外ですねぇ…」

一方通行「悪ィかよォ…」イジイジ

上条「いやいや、そんなことはありませんよ? 上条さんもそういう物語は大好きなんですから」

一方通行「三下ァ…」パアァッ

36 : VIPに... - 2010/04/19 17:57:33.03 n5doHk2o 19/72

上条「んじゃあ立ち話するのもアレですし 公園にでも入りましょうか」

インデックス打ち止め「「おー!」」

上条「なるべく日陰席がいいですよね?」

一方通行「あったりまえだろォ? こんなに暑いと打ち止めが倒れちまう」


インデックス「ラストオーダーも愛されてるねぇ」ニヤニヤ

打ち止め「えへへ… ってミサカはミサカは微笑んでみる」



上条「ここだな、ココだといい具合に日照時間が短いから休憩には最適なんですよ」

インデックス「とっても涼しいんだよー」グデー

打ち止め「風が気持ちいいんだねー ってミサかもミサカもリラックスー」グデー

上条「えーと、一歩通行さんは昔話が聞きたいのですよね?」

一方通行「そォだが?」

上条「それじゃ、上条さんが一発、吉四六(きっちょむ)さんの物語を披露します!」エヘン

インデックス打ち止め「「わー」」パチパチ

一方通行「見せてもらおうかァ… 三下の幻想ってやつをよォ!」

39 : VIPに... - 2010/04/19 18:05:43.57 n5doHk2o 20/72

『杉の木 百本』

むかしむかし、吉四六さんと言うとても愉快な人がいました。

ある日のこと、吉四六さんの住む学園都市でお寺を建て直す事になり、
世話人が寄付を集めに来ました。

打ち止め「あなたが沢山寄付してくれたら嬉しいなぁ ってミサカはミサカは満面の笑みを浮かべてみる」
打ち止め「そうすれば他の皆だって負けずに色々と出してくれるだろうから!」

上条「よし、この上条さんに任せなさい! …えっと?この紙に書けばいいのかな」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは書く場所を教えてみる!」

上条「サラサラサラー っと」

吉四六さんは世話人の持ってきた帳面に、【杉の木 百本】と書きました。

40 : VIPに... - 2010/04/19 18:11:31.47 n5doHk2o 21/72

打ち止め「うわぁ!! 杉の木を百本も!? ってミサカはミサカはびっくり仰天」

上条「上条さんに不可能はないのですよ」エヘン


世話人は大喜びで、庄屋さんの家に行きました。

庄屋「なァにィ!? あンの三下が杉の木を百本も寄付するってンですかァ!?」

庄屋さんはびっくりして、椅子ごと倒れましたがベクトルの操作で怪我一つしていません。

一方通行(むむむ、庄屋のこのオレが三下より少ないと恥ずかしいよなァ…)

と、思い仕方なく【缶コーヒーブラック 千本】と、書きました。

打ち止め(数では勝ってるけど負けてるよね ってミサカはミサカはあなたに幻滅…)

それからも吉四六さんのおかげで、村のみんなは無理をして、
たくさんのお金や持ち物を寄付する事になりました。

41 : VIPに... - 2010/04/19 18:18:09.47 n5doHk2o 22/72

さて、いよいよ寄付すると書いた物を、集める日がやって来ました。
吉四六が杉の木を百本も寄付すると言うので、大勢の人が車をひいて吉四六さんの家へやって来ました。

一方通行「三下ァ!! 杉の木を取りに来たンですが?」
打ち止め「でもここには無いよね? どこへ取りに行ったらいいの? ってミサカはミサカはあなたに訪ねる!」

すると吉四六さんは、

上条「いやいや、どこへも行かなくていいんですよ? ここで渡しますんで」

と言って、杉の木のお箸を百本渡したそうです。

一方通行「納得いかねえええェェェ!!!」



おしまい

42 : VIPに... - 2010/04/19 18:18:45.14 n5doHk2o 23/72

クレジット

吉四六さん/上条当麻
庄屋さん/一方通行
世話人/打ち止め

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]http://hukumusume.com/douwa/index.html

43 : VIPに... - 2010/04/19 18:37:05.06 LzBlwxgo 24/72

上条「はい、これでおしまいですよ」

打ち止め「うわぁ!!面白い話だったね!! ってミサカはミサカは感動!」

一方通行「いや、でも杉の木を100本だろォ? ちょっと無理やりじゃねェかァ?」
一方通行「でもオチは面白かったぜェ」

上条「そう言ってもらえると上条さんも頑張った甲斐ってもんがありますねぇ」

インデックス「私の出番がないんだよ! とーま!(ガブッ)」

上条「あだだだだだだ! 次のお話はインデックスさんがメインですから! 離して! 痛い!」

インデックス「そーなの? それじゃ楽しみにしてるんだよ!」

上条「コホン えー、では続きまして『聞き間違い』です」

イン 通行 止め「「「わーーー!!」」」パチパチ

46 : VIPに... - 2010/04/19 19:46:02.72 8xhbInUo 25/72

『聞き間違い』
むかしむかし、お医者さんの家で働いているシスターがいました。
いつも言われた事を忘れたり、聞き違えたりするので、みんなからおろか者と言われていました。
ある時、魚屋が魚を売りにきました。

魚屋「おいしいお魚はいりませんか~? ってミサカはミサカは営業スマイル!」

おろか者は、お医者さんのところへ行って、

インデックス「とーまー? 魚屋さんが魚を売りに来たんだよー?」

と、言いました。

上条(久しぶりの魚料理か… よし、今夜は魚料理にしようか)
上条「それじゃあ 一匹もらってきなさい」

インデックス「分かったんだよ! 魚屋さんこの活きがいいのを1匹貰うんだよ!」

打ち止め「毎度あり~ ってミサカはミサカはちょ、ちょっと苦戦しつつも大きな魚をあなたに渡すよ」

インデックス「ありがとうなんだよ!」
インデックス(でもこの魚… どうやって料理しよう…)

おろか者は、またお医者さんのところへ行きました。

47 : VIPに... - 2010/04/19 19:50:14.32 8xhbInUo 26/72

インデックス「とーまー! 魚はどう料理するの?」

すると、お医者さんが言いました。
上条「うーん… 煮るのも焼くのも上条さんは大好きですよー」


インデックス「よし、じゃあ頑張るんだよ!」

スフィンクス「ニャー」

インデックス「わっ、わっ、スフィンクス あっちへ行くんだよ!」

スフィンクス「ニャー」

追い出そうとしても、ますます鳴くばかりです。
おろか者はすっかり困ってしまい、お医者さんのところへ行きました。

インデックス「スフィンクスがニャーニャーうるさいんだよ!」

上条「頭でも食らわせてやればいいんじゃないでせうか? あ、優しくな?」

お医者さんは、猫の頭を叩けと言ったのに、おろか者は聞きちがいをして、

インデックス(そうか、頭を食らわせればいいんだね!)

と、思いました。

49 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/19 19:56:09.23 8xhbInUo 27/72

インデックス「ほーら スフィンクス 魚の頭だよー」

そこで魚の頭を切って、猫に投げました。
猫は喜んで、魚の頭を食べました。
ところが食べ終わると…

スフィンクス「ニャー」

インデックス「よくばりさんなんだよ… 一体誰に似たんだよ…」

おろか者が猫を追い出そうとしても、足もとにまとわりついてきます。
おろか者は、お医者さんのところへ走って行きました。

インデックス「とぉーまぁー!! 頭を食らわせたのにまだ鳴くんだよぉ」

上条「まん中のところを思いきり食らわせてやりなさい」

インデックス(いいのかなぁ? まん中のところなんか食らわせて…)
おろか者は不思議そうに首をふりながらもどってくると、魚のまん中を切って猫に投げました。

スフィンクス「ニャーニャー」ガツガツ

もう残っているのは、しっぽだけです。

スフィンクス「ニャー ウニャー」スリスリ

50 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/19 19:59:22.91 8xhbInUo 28/72

インデックス「うぅー… 本当に欲張りさんなんだよ…」

おろか者は、またまたお医者さんのところへ行きました。

インデックス「とーーまーー!! 頭も真ん中も食らわせたのに逃げないんだよ…」

お医者さんはとうとう腹を立て、大声で言いました。

上条「さすがに上条さんも怒りますよ! 頭もまん中も食らわせて逃げないなら、しっぽでもつかんで遠くへおいておきなさい」

インデックス(なるほど。遠くへ投げとばせばいいんだね)

おろか者はもどってくると、残っている魚のしっぽをつかんで庭へ出て、思いっきり遠くへ投げました。
猫はそれを見てかけだし、魚のしっぽをくわえたかと思うと、そのまま逃げていってしまいました。

インデックス「やれやれ、これでやっと静かになったんだよ…」

おろか者は、ほっとしました。

51 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/19 20:02:03.70 8xhbInUo 29/72

さて、しばらくすると、お医者さんがやってきて、

上条「インデックスー、魚の料理は出来ましたか?」

と、言いました。
すると、おろか者はにこにこして、

インデックス「うん、だんなさんの言う通り、スフィンクスに頭を食らわせ、まん中を食らわせ、しっぽを遠くへ投げたら、やっといなくなったんだよ!!」エヘン

と、言いました。

上条「なんだって、猫に魚を食らわせただと! わしが食らわせろと言ったのは、叩けという事だ。しっぽをつかんでおいておくのは猫の方だ!」

インデックス「…それならそうと、先に言えばいいんだよ」

上条「」

お医者さんはあきれて、それ以上は何も言えなくなってしまいました。



おしまい

52 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/19 20:04:59.28 8xhbInUo 30/72

クレジット

お医者さん/上条当麻
おろか者/インデックス

魚屋/打ち止め
猫/スフィンクス

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]http://hukumusume.com/douwa/index.html


本来は猫ではなく犬で、暴力的表現も少々ありましたが、色々とごっそり変えました。

63 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 18:31:13.93 i5lfyxoo 31/72

インデックス「(ワナワナ)とーおーまー?」

上条「はひっ!? なんでせうか!? インデックスさん?」

インデックス「私のあの扱いには納得行かないんだよ!!(ガブ)」

上条「ぎゃあああああああああああああ!!」


コラ!ニゲルナンテヒキョウダヨ! フコウダー


打ち止め「そろそろお腹が空いたなー ってミサカはミサカはお腹をさすってみたり」

一方通行「あァ… そォいや、もうお昼じゃねェか」

上条「あたたたた… じゃあ一旦帰ってまたここに集合にしますか?」

一方通行「いや、オレが適当にコンビニで買ってきてやるよォ」
一方通行「喉が乾いたからコーヒー買ってくるついでだァ 食いてェもンいいやがれ」

打ち止め「コーヒー1000本? ってミサカはミサカは昔話を思い出しながら聞いてみる」

一方通行「あれはオレじゃねェェェ!! ってオレはオレはクソガキの真似をしながらブーたれてみる」

打ち止め「あわわわわ… 私のあいでんてぃてぃーが…」


MNWスレ一覧
1:【パクリ?】オレはオレはクソガキの真似をしながら【オマージュ?】(22) NEW!!
2:【昔話】上条当麻の昔話朗読実況 ★3(107)



64 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 18:35:05.81 i5lfyxoo 32/72

一方通行「で? 何が食いたいンですかァ?」

打ち止め「わたしはサンドイッチがいいなぁ ってミサカはミサカは所望する!」

上条「上条さんもインデックスも菓子パンでいいですよー」

インデックス「とーま! 私にも意見を言わせてよ! 別に美味しいものなら何でもいいんだよ!」


一方通行「よォし それじゃァ行ってくる クソガキの面倒しっかり見とけよ三下ァ」
一方通行「もしも何かあったってンならァ…」

上条(ゴクリ)

一方通行「頭と胴体がさよォならァ だからなァ」ニヤリ

上条「はははははい!! 分かりました!!」

打ち止め「そんな言い方しくてもいいのに… ってミサカはミサカは心の中で悲しんでみる」

インデックス「声に出てるんだよ」

65 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 18:39:00.69 i5lfyxoo 33/72

一方通行「あァ… あっちィなオイ…」

ウィーン ラッシャーセー

・・・

ウィーン アリヤシター

一方通行「買いすぎちまったかァ? …少しコーヒーでも飲むかァ…」

御坂妹「やぁ、これは王子様ではありませんか とミサカはたまたま見かけた一方通行に挨拶をします」

一方通行「ブゥーーーーーーーーーッ!!」
一方通行「ななな、なンで知ってンですかァ!! 三下にも言ってないのにィ!? ってーか言いいませン!!」

御坂妹「ネットワークで大反響でしたよ とミサカは手にかかったコーヒーを拭きつつも説明します」フキフキ

一方通行「」


一方通行「で? 何か用でもあるんですかァ?」

御坂妹「あれ?オレはオレはって言わないのですか? とミサカはあなたの行動に疑問を持ちます」

一方通行「」
一方通行(あンのクソガキャァァァァ!!!)

67 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 18:43:35.38 i5lfyxoo 34/72

御坂妹(ちょっとイジめすぎたでしょうか とミサカは反省します)

一方通行「そういやお前、昔話とか童話とか知ってるかァ?」グスッ

御坂妹(おや、目に涙が… スレッドでも立てましょう… とミサカはこっそり有言実行)
御坂妹「ええ、特に何もやることがないときは図書館で色々と読んでいますね とミサカはプライベートを暴露します」

一方通行「そォか… よしお前も暇なンだろォ? 公園で聞かせてくれ」

御坂妹「上位個体と王子様以外に誰かいるのですか? とミサカは訪ねます」

一方通行(もう王子様でいいもン…)
一方通行「あァ、三下と大食らいシスターも一緒だな」

御坂妹「なるほど分かりました、ではすぐ行きましょうそれ行きましょうやれ行きましょう」

一方通行(ゴミ箱はどこだァ? …おォ あったあった)カラーン
一方通行「お、おいコラァ 待てェ」


打ち止め(うん…? MNWに新スレが… この画像… おしおきなんだよ あとはスレッドも削除ね)
上条「どした打ち止め?」

打ち止め「ううん、なんでもないよー ってミサカはミサカは黙秘権を行使する」

インデックス(お腹すいたんだよ…)

68 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 18:47:07.17 i5lfyxoo 35/72

御坂妹「あbbbbbbbb」クラッ

一方通行「っておい! どうしたンですかァ!?」ガシッ

???「ちょっとアンタ! 私の妹になにしてんのよ!?」
???「え? お姉様の妹ですの!?」

一方通行「誤解だァ第3位!! コイツがいきなり倒れてきたから支えてやったンだ!!」

御坂妹「もう大丈夫です王子様 とミサカは本当にあなたが王子様に見えました」

美琴 黒子「「お、王子様ぁ(ですの)?」」

御坂妹「ああ、失礼しました 実はかくかくしかじかなのです とミサカは説明します」

美琴「へぇ~? 学園都市第1位ともあろうお方がねぇプププ」

一方通行(デジャヴ!?)

黒子「この殿方が第1位… お姉様、本当ですの?」

美琴「ええ、そうよ黒子」

黒子「王子様… 第1位が王子様って…」プルプル

一方通行(三下の不幸体質が伝染っちまったのかァ…?)

69 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 19:00:05.81 i5lfyxoo 36/72

美琴「で? これからアンタらはどこに行くわけ?」

御坂妹「公園ですよ とミサカは簡潔に答えます」

黒子「公園? 今日は何か催し物でもありましたっけ?」

御坂妹「いえいえ、じつはこの王j…
一方通行(ギロッ)
御坂妹「コホン、一方通行が昔話に興味を持ったようです とミサカは説明します」

御坂「なるほどねぇ…」



打ち止め「あ! おーい! ってミサカはミサカは一方通行達に手を振ってみる!」

上条「え? 達…?」

上条 美琴「「あ!!」」

上条「なんでビリビリに黒井が…」

美琴「み!さ!か!み!こ!と!!  ビリビリじゃない!」
黒子「白井ですの… ってアナタ達も一緒でしたのね」

打ち止め「あれ? そっちの下位個体は初めて見るね ってミサカはミサカは気になってみる」

70 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 19:06:43.80 i5lfyxoo 37/72

御坂妹「初めまして上位個体。私はシリアルナンバー10404です とミサカは簡潔に自己紹介をします」

一方通行「なンでも昔話に詳しいみてェだから連れてきたが構わねェよな?」

打ち止め「うん! でもおイタはだめだよ! ってミサカはミサカはあなたと握手ー」
10404「その件についてはすみませんでした とミサカは謝りつつ上位個体の手を握り返します」

上条 美琴 黒子 イン 一方(((((???)))))

上条「…まぁ 取り敢えずそちらはどうしてココに?」

黒子(こまけぇこたぁいいんですの)
黒子「ジャッジメントの仕事が今日は非番なのでお姉様とのんびり歩いていたら偶然…」

インデックス(なんだかちょっと悔しそうに見えるんだよ…)

一方通行「ほれ飯だぞォ」ドサッ

上条(あぁ! 乱暴に扱っちゃだめぇ!)

一方通行「ついでにお前らも食っとけ」

美琴「せっかくだし貰いましょうよ」

黒子「…そうですわね」

10404「私は一方通行と出会う前に食べました とミサカは説明します」

71 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 19:10:58.83 i5lfyxoo 38/72

一方通行「そォか… ンじゃ早速ですがお話を聞かせていただけませンかァ?」

上条「いや、どうみても皆さんランチ中でしょうよ」

10404「いえ、気になさらず食べながらお聞き下さい とミサカ余裕ぶってみせます」


美琴「ほーいえあ ふおお…」

黒子「ちゃんと飲み込んでからどうぞ?」
一方通行(やっぱアイツもオリジナルに似やがったンかなァ…)

美琴「(ゴクン)ジャッジメントの仕事はお休みなんだよね? 初春さんや佐天さん達にも連絡出来ない?」

黒子「ええ、少しお待ちくださいな  (ピッピッ)もしもし?初春ですの? 実は~~」

・・・

黒子「(ピッ)セブンスミストで買い物をしてから荷物を一旦寮において、それから2人で来るそうですの」

美琴「そう、それはよかった」

打ち止め「わぁー! まだまだ増えるんだね ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」

10404「では、いいですかね? まずは皆さんも知っているだろう昔話『桃太郎』です とミサカは声高らかに宣言します」


「わーーー!!」モグモグパチパチ

77 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:31:20.48 i5lfyxoo 39/72

『ももたろう』

むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おじいさん「それでは、おね… おばあさま、行って参りますの」
おばあさん「ハイハイ… それじゃ私も行きますか!」

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。

「うわーん! 暗いよ狭いよ怖いんだよー!!」
美琴「うわっ! 何アレ!? キモッ!」

美琴「うーん… まぁ食べられるよね? 持って帰りますか」
「うわっ なんか持ち上げられてる?」

おばあさんは大きな桃を拾いあげて、家に持ち帰りました。

黒子「ただいま帰りましたの って、えひぇ!? なんですのコレは?」

美琴「コレ? 拾った」

黒子「」

78 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:36:54.65 i5lfyxoo 40/72

美琴「んじゃ 早速頂きましょうか」バジジジ
黒子(いくら包丁がないからって砂鉄ブレードとは…)

そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、
なんと、中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。

赤ちゃん「危うく真っ二つになる所だったんだよ!?」ポーン

美琴 黒子「「!?」」
黒子「中から… 赤ん坊が…」

美琴「これはきっと、神様が下さったに違いないわね」

子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
桃から生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、やがて強い男の子になりました。

79 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:39:50.85 i5lfyxoo 41/72

そしてある日、桃太郎が言いました。

インデックス「わたしが鬼ヶ島へ行って、悪い鬼を退治するんだよ!」

美琴「気をつけるんだよ?」
黒子「おばあさまと作ったキビダンゴですの コレをもって行きなさいな」

インデックス「おじいさんおばあさん ありがとうなんだよ!」
インデックス「それじゃいってきまーす」

そして、おばあさんにきび団子をもらうと、鬼ヶ島へ出かけました。


旅の途中で、イヌに出会いました。
「これはこれは桃太郎さん、どこへ行くのですか?」

インデックス「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだよ!」

冥土帰し「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ頂けませんかな? おともしますよ」

インデックス(非常食なのに… いや、迷える子羊にも祝福を与えるんだよ!)
インデックス「はい、キビダンゴなんだよ!」

冥土帰し「ありがとう。もしも怪我をしたら言ってくれ。すぐに治すよ」


犬が仲間になった。桃太郎の攻撃力が15、守備力が5上がった。
インデックス「って、これは違う桃太郎なんだよ!?」

80 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:43:22.50 i5lfyxoo 42/72

そして今度は、サルに出会いました。

「桃太郎さん、どこへ行くのでせうか?」

インデックス「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだよ!」

上条「それでは、お腰に付けたキビダンゴを1つ下さいな。上条さんもおともしますよ」

インデックス(うー… また非常食が…)
インデックス「はい、キビダンゴなんだよ!」

上条「ありがとう桃太郎さん! 上条さんも全力で頑張りますよ!!」

猿が仲間になった。

81 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:44:58.22 i5lfyxoo 43/72

最後に、キジに出会いました。

「これはこれは桃太郎さン、どこへ行くンですかァ?」

インデックス「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだよ!」

一方通行「ならキビダンゴを1つ寄越せ。オレもおともするぜェ?」

インデックス(うぅー… 最後の1個…)
インデックス「はい、キビダンゴなんだよ!」

一方通行「はっはァ! ありがてェ! 鳥類界最強のオレが仲間になってやるぜェ!」
インデックス(もうキビダンゴがないんだよ…)グスン

冥土帰し「桃太郎さん、どうかしましたか?」

インデックス「なんでもないんだよ」


こうして、イヌ、サル、キジの仲間を手に入れた桃太郎は、ついに鬼ヶ島へやってきました。

82 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:46:59.77 i5lfyxoo 44/72

鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村から盗んだ宝物やご馳走を並べて、酒盛りの真っ最中です。

鬼の王「みんなー! 今日は無礼講だよ ってミサカはミサカは乾杯の音頭をとるよ!」
「わー! さすが上位個体様! 太っ腹! とミサカもテンションたっぷりで応答します」

ワーワー ワーワー  ワイワイガヤガヤ

大広間前
インデックス((チラッ)うー… とても美味しそうなんだよ…)
インデックス「みんな、頑張ってね。それ、かかれ!」

一方通行「行くぜ三下ァ! 足を引っ張るなよォ?」
上条「いよっしゃー! 行くぜ行くぜ行くぜー!!」


インデックス「犬さんは行かないの?」
冥土帰し「ここであの2匹が怪我した時のために待機しておくよ」
インデックス「ふーん… あ、ここにお饅頭が落ちてるんだよ!」
冥土帰し「ふむ… こっちにはお茶もあるね」

サルとキジが大広間へ飛び込みます。

83 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:53:01.57 i5lfyxoo 45/72

一方通行「オラオラオラァ!! やる気あンのかてめェらァ!!」

インデックス「凄いんだよ!」パクパク
冥土帰し「すごいねぇ…」ズズー

御坂妹「こうなったら… 『いなづまの術』いなづまーーーーーーーーーん!」バリバリ

上条「危ない!!」

パキイィン!

冥土帰し「稲妻が消えた!?」モグモグ
インデックス「あれがイマジンブレイカーなんだよ!」ズズー
インデックス「って、だから別の桃太郎なんだよ!」


一方通行「くっ… 数が多くてやンなっちまうぜェ…」ゼェゼェ
上条「さすがの上条さんでもこの数はきついですね…」ハァハァ


インデックス「いいことを思いついたんだよ!」
冥土帰し「なんですかな?」
インデックス「ゴニョゴニョゴニョ… するんだよ!」
冥土帰し「なるほど、それは効果的かも知れませんねぇ…」

86 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 21:57:40.81 i5lfyxoo 46/72

冥土帰し「サルさん、キジさん 桃太郎さんが必勝法を思いついたそうだ こっちに来れるかい?」

一方通行「三下ァ! 俺が行く! なンとか踏ン張れ!!」
上条「なるべく急いで下さいよー 上条さんも頑張りますからー」

御坂妹「行かせません! とミサカは再び電撃を放ちます」バジィッ

上条「おらぁ!」パキィン

・・・

一方通行「で、必勝法ってのはなンだァ?」
冥土帰し「あの鬼達にゴニョゴニョ…」

一方通行「マジで?」
冥土帰し「マジですが」


御坂妹「くっ、ここは一旦引きます とミサカは疲れつつ下がります」

上条「ふぃー… でなんだったんだ?」
一方通行「あの鬼達にゴニョゴニョ… って叫ぶンだ」

上条「」

87 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 22:00:21.54 i5lfyxoo 47/72

打ち止め「みんな! しっかり頑張れー!! ってミサカはミサカは応援する!!」

御坂妹「準備完了です! これからは全力で行きますよ とミサカは隠された力を発揮します」

一方通行「チャンスは一発だァ… スカるなよ三下ァ!」
上条「上条さんに任せなさい」

御坂妹「うおーーー!」




一方通行「よォく聞けェ 鬼どもォ!!!」
上条「俺らは鬼達のことがーーーー!!」








一方 上条「「だァい好きだああああああああああああ!!!!!!」」

御坂妹「…ッ!!」

88 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 22:02:22.99 i5lfyxoo 48/72

御坂妹「………」プシュー

打ち止め「あわわわ、皆フリーズしちゃったよぉ ってミサカはミサカは絶望的」

インデックス「食べ物の恨みは恐ろしいんだよ! 盗んだ食べ物や財宝を返すんだよ!」ムスッ

一方通行「やったな三下!」
上条「おう!」
冥土帰し「まさかここまでとは… いやはや…」

とうとう鬼の王が、

打ち止め「うわぁ参ったぁ。降参だ、助けてくれぇ ってミサカはミサカは許しを乞うてみる」

と、手をついて謝りました。
桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼から取り上げた宝物を車に積んで、元気よく家に帰りました。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎の無事な姿を見て大喜びです。
そして三人は、宝物のおかげで幸せにくらしましたとさ。



おしまい

89 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 22:03:53.04 i5lfyxoo 49/72

クレジット

おばあさん/御坂美琴
おじいさん/白井黒子

犬/冥土帰し
猿/上条当麻
雉/一方通行

鬼の王/打ち止め
鬼達/妹達

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]http://hukumusume.com/douwa/index.html

90 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/20 22:04:33.47 i5lfyxoo 50/72

桃太郎/インデックス

主役忘れるとかもうね… 本当にごめんなさい。

104 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/23 19:36:31.34 TRIaRKoo 51/72

10404「以上で『桃太郎』はおしまいです とミサカはお辞儀します」ペコ

一方通行「おォー…」パチパチ

上条「いやぁ… 定番の桃太郎でもこういうのもイイもんですねぇ」パチパチ

打ち止め「今回は悪い役だったけれどもどの役でもいいもんだねぇ ってミサカはミサカはぼんやりする」ポケー

インデックス「わたしはここにいない誰かに怒りをぶつけたい気分なんだよ!」プンスカ

美琴「?  まぁ、出番は少なかったけど楽しかったわ」

黒子「おね… おね… お姉様と同棲 あびゃああああああああああ」プシュー

美琴「もう寮ではルームメイトじゃない…」



???「あ! いたいた!  おーい!」
???「ちょっと佐天さーん! 待って下さいよー!」

105 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/23 19:42:05.10 TRIaRKoo 52/72

ちょっと時間をさかのぼってセブンスミスト

佐天「初春ー 新作のワンピースなんだけど、どっちが似合うかなー?」

初春「えー? 佐天さんならどっちも似合うんじゃないんですかー?」

佐天「んもぅ!! 初春ったら嬉しいこと言ってくれるじゃないの!(ガバッ)」

初春「わっ、わっ、佐天さん放して下さいよ! 危ないですって!」

ヒビキアウ ネガイガイマ メザメテク♪

初春「(ピッ)はいもしもし?」

黒子《もしもし?初春ですの? 実は今かくかくしかじかで…》

初春「なるほど、まるまるうまうまなんですね 分かりました また後で」(ピッ)

佐天「白井さん? なんだって?」

初春「あぁ、それがですね、公園で色々と物語の朗読をしているのですよ」

佐天「へぇ~ 白井さんがいるってことは御坂さんもいるのかな?」

初春「だと思いますよ? 昨日は今日が非番と知ってスケジュール帳にあれこれ書いていたみたいですし」

佐天(白井さんらしいなぁ…)
佐天「そんじゃ、さっさと買い物を済ませて公園へレッツゴー!」グッ

初春「おー!」グッ

106 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/23 19:48:11.01 TRIaRKoo 53/72

初春「佐天さん… まだですかねぇ…」

佐天「うーいーはーるー」(バサッ)

初春「え…? はわー!?」

佐天「おっ、今日は[ピーーー]のパンツだね うんうん」

初春「もぉー… 佐天さんってば、いい加減怒りますよ?」

佐天「あっはっはー そんなもん怖くないぞー」エヘン

佐天「んじゃ初春! 公園へゴーですよ!」タッタッタ

初春「あっ、ちょ、ちょっと佐天さん!? 待って下さいよ!」


タッタッタ
ドテッ アウッ
モー ショウガナイナー

107 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/23 19:51:42.39 TRIaRKoo 54/72

美琴「初春さん、佐天さん! こっちこっちー!」
黒子「常盤台のお嬢様ともあろう方がはしたない…」

佐天「え? 御坂さんと… ゴーグルつけた御坂さんと… 小さい御坂さん?」
初春「一体どうなっているのですか?」

一方通行「こまけェこたァいいンだよォ」

10404「元も子もないですね… とミサカは呆れます」

美琴「話せば長いんだけどね? 実は…」

~~~

美琴「という訳よ?」

初春「そうだったのですか、知らなかったとはいえ…」

美琴「あー… いいのよいいのよ? 気にしないで」

一方通行「ハーイ、そちらのお話は終わりましたかァ?」ウズウズ

佐天「えっと… こちらは?」

インデックス「あくせられーた なんだよ!」
上条「答えになってませんよインデックスさん」

上条「彼は一方通行。学園都市のナンバーワンなんだぜ?」

初春 佐天「「えっ!? 本当ですか!?」」

一方通行「照れるぜェ」
上条(褒めてないッス)

上条「ちなみに俺は上条当麻、こっちはインデックス よろしくな!」イケメンAA
インデックス「よろしくなんだよ!」
打ち止め「私は打ち止めだよ! よろしくね! ってミサカはミサカは自己紹介」

初春(かわいい!?)ズギューン

108 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/23 19:56:29.69 TRIaRKoo 55/72

佐天「あ、はい(ヤダ、カッコイイ) 佐天涙子です。よろしく」
初春「初春飾利です(この子 可愛い!)、よろしくお願いします」

美琴「なんでなんであの2人に笑顔で私には」ブツブツ
黒子(本当にこの朴念仁は…)

打ち止め「む! なにやら嫌な予感! 下位個体!早く早く ってミサカはミサカは物語のおかわり!」

10404「分かりました、それではお次は『さるかに合戦』です とミサカは紹介します」

一方通行「待ってましたァ!」

佐天(あの、白井さん? これは私達はどうしてれば?)ヒソヒソ
黒子(昔話では私たちがそのキャラクターたちを演じるみたいですの)ヒソヒソ
初春(フムフム、ではそれを楽しむわけですね!)ヒソヒソ

こうして、本当に長い1日が始まったのであった…

111 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 14:44:54.66 PV0nQ.co 56/72

『さるかに合戦』


カニ「んっふっふー♪ オニギリを拾うなんて上条さんは幸せ者ですねー♪」フンフーン

サル「ちょっとちょっと! そこのアンタ」

むかしむかし、柿の種をひろったサルが、美味しそうなオニギリを持ったカニに、ばったりと出会いました。
サルはカニのオニギリが欲しくなり、カニにずるいことを言いました。

美琴「ねぇアンタ 私の持ってる柿の種と交換しない?」

上条「いやでも、柿の種じゃお腹は膨れないですよ?」

美琴「違うわよ 今はお腹は膨れないかも知れないけど土に埋めて生長すれば食べ放題よ?」

上条「それもそうか! では喜んで交換しますよ!」

美琴「交渉成立ね」

カニは大喜びで家に帰り、さっそくカキの種を蒔きました。
そして、せっせと水をやりながら、

上条「芽を出せ、芽を出せ柿の種♪ 出ないとハサミでちょん切るぞ♪」

と、歌っています。

112 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 14:48:34.05 PV0nQ.co 57/72

子蟹A「お母さーん? 何やってるのー?」
子蟹B「のー?」

上条「んっふっふ よくぞ聞いてくれました子供たち!」
上条「この柿が育てば皆で柿が食べ放題になるのです!」

初春「わーすごーい!」
佐天「すごーい!」

上条「それじゃあ 早く育つように皆で歌おう!」
初春 佐天「「おー!!」」


上条 初春 佐天「「「芽を出せ、芽を出せ柿の種♪ 出ないとハサミでちょん切るぞ♪」」」


すると、どうでしょう。
さっき蒔いたカキの種から芽が出てきて、ぐんぐん大きくなりました。

113 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 14:52:37.34 PV0nQ.co 58/72

初春「うわー! うわー! うわー!」
佐天「凄い! あっという間におっきくなった!?」

上条「俺たち家族に不可能はないのです! 次もいきますよ!」
初春 佐天「「おー」」

上条 初春 佐天「「「実がなれ、実がなれ柿の木よ♪ ならねばハサミで、ちょん切るぞ♪」」」

こんどは柿の木に、たくさんの柿が実りました。

上条「これだけ実れば上出来だな 今日は日も暮れてきたし明日まとめて採ってくるよ」

初春「うん! 美味しそうだねぇ」
佐天「ママー 帰ろー!」
上条「ほらほらそんなに急ぐと怪我しますよー」



美琴「ウソ… あんな一瞬で柿の木が…」

116 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 14:56:42.19 PV0nQ.co 59/72

次の日

上条「うーん、今日もいい朝ですねぇ それじゃ柿を採ってくるから家で大人しくしててね」
初春 佐天「「いってらっしゃーい」」


上条「よしよし、これだけ実っていれば一週間はもちますね」
上条「では早速」

上条「フン!(ツルッ) このっ!(ツルッ) うおぉ!(ツルッ)」
上条(登れん!)ズーン

困っていると、さっきのサルがやってきて言いました。

美琴「やぁやぁカニさん? なにやらお困りのようで?」ニヤニヤ

上条「柿が採れないんです サルさんは木登りが得意なので俺の代わりに採ってきて下さい」

美琴「お安い御用よ!」(ヒョイ ヒョイ)

美琴(ん~… 中々美味しそうじゃない?)
美琴「少しくらい貰ってもいいわよねぇ?」

上条「どうぞどうぞ! でもこっちにも落として下さいねー?」

美琴「わぁーってるわよ それっ!」(モギッ ポイッ)

上条「サルさん! こんなに青いのは食べられませんよ?」

117 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:01:29.14 PV0nQ.co 60/72

美琴「チッ コレでも喰らいなさい!!」(バシュン)

サルはまだ青くて硬い柿をカニに投げつけます。

上条「てめぇ! いい加減に…」
ゴシュッ
上条「そげぶっ!?」(ドサッ)

美琴(やっちゃった… 今のうちに逃げちゃおう…)

大怪我をしたカニは、泣きながら家に帰りました。


冥土帰し「うーん… 全治一週間ってところだね お大事に」

上条「はい…」(ボロッ)

初春「あんのクソザル お母さんになんてことを…!」
佐天(キャラが変わってるよ…)

118 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:05:48.28 PV0nQ.co 61/72

「よォカニさン 見舞いに来たぜェ?」
「ケガは大丈夫? ってミサカはミサカは心配して見る」
「事の経緯を説明して頂けませんか? とミサカは訪ねます」

佐天「あぁ、説明は私が。 実はですね?」

そして、お見舞いに来た友達の臼と蜂と栗にその事を話しました。
話しを聞いたみんなは、カンカンに怒りました。

佐天「………という訳なんですよ」

一方通行「許せねェ…」
打ち止め「流石にちょっとそれは酷いかも ってミサカはミサカはサルを許せない」

17600「それではカニの弔い合戦といきましょう とミサカは燃えに燃えます」

全員「「「「「おーーー!!」」」」」

上条「あの… 生きてます…」

119 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:11:09.18 PV0nQ.co 62/72

17600「あそこがサルの家ですよ とミサカは説明します」

打ち止め「なんでそんな事知ってるの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

17600「[禁則事項です]」


初春「では私が居るか見てきますね」

………

佐天「どうだった?」

初春「出掛けているのでしょうか 家には誰もいませんでした」

一方通行「よゥし… ンじゃァ 乗り込むぜ? 作戦会議だ」

メンバー一のブレーン、蜂の提案した作戦はこうです。
囲炉裏で暖を取るであろう猿に向かって栗が飛び出し火傷させる。
水を欲しがるだろうからそこに潜む蜂が刺す。
家から逃げ出そうとしたところで屋根に潜む臼が猿を押しつぶす。
動けなくなったところで子蟹がはさむ。

一方通行「まぁ、子供に無茶はさせらンねェからな…」

一方通行「よし、そンじゃァ ミッションスタートだ!! 抜かるなよ」

120 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:15:41.08 PV0nQ.co 63/72

美琴「うー… 寒い寒い… 春だってのになんなのよもう…」

震えながら帰ってきたサルが、囲炉裏に当たろうとした途端、囲炉裏に隠れていた栗がパチーンとはじけて、
サルのお尻にぶつかりました。

17600「いまこそ親友の恨みを晴らす時!覚悟! とミサカは全身全霊で体当たりします」(ガツン)
美琴「キャァッ!? 熱い熱い熱い!! み、水!!」

お尻を冷やそうと水がめのところへ来ると、水がめに隠れていた蜂にチクチクと刺されました。

一方通行「ヒャッハァ!! ここに来るのはお見通しだぜェ!? 覚悟しな!」(プスッ)
美琴「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! もう!! なんなのよ!!」

たまらず外へ逃げ出すと、屋根の上から大きな臼が落ちてきました。

打ち止め「えーい! これでも食らえー!! ってミサカはミサカは地上にダァーイブ!!」(ボスン)
美琴「グエッ」

初春「エイエイ! ママの敵!」(ガッシ)
佐天「よくも私たちのママを! 許さない!」(ボカッ)


美琴「あぁもう! 降参よ! 降参! もう二度とひどい事はしないわ!」

めでたしめでたし

121 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:17:39.13 PV0nQ.co 64/72

上条「あの… サルさん?」
美琴「…何よ ホラ、あーん」

上条「自分で食べられますが…」
美琴「うるさい! 病人の分際で偉そうにしないで! さっさと口を開ける」

上条「はひっ」(アーン)
美琴「はい、良く出来ました」

美琴「こうなったのはアタシに責任があるし完治まで面倒をみるわ!」

ゲッ
ゲッ ッテナニヨ! アーモウ! ニゲナイデ!


冥土帰し「やれやれ… 妬けるねぇ…」

おしまい

122 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:18:43.03 PV0nQ.co 65/72

クレジット
カニ/上条当麻
子蟹A/初春飾利
子蟹B/佐天涙子

猿/御坂美琴

栗/御坂妹シリアルナンバー17600
蜂/一方通行
臼/打ち止め

お医者さん/冥土帰し

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]ttp://hukumusume.com/douwa/index.html

126 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/24 15:47:07.82 PV0nQ.co 66/72

10404「以上で『さるかに合戦』は終了です」ペコリ


上条「んー? 俺が知ってる話だと牛の[ピーーー]が出てくるなぁ」

インデックス「とーま… ばっちぃんだよ…」

美琴「今回は悪役だったわね でも最後のワンシーンでチャラにしてあげるわ」

黒子「なんだか物語とはいえ釈然としませんわね…」

一方通行「メンバー一のブレーン…」パアァッ

打ち止め「うわー 皆いい連携だったね ってミサカはミサカは感動!」

初春「なるほど… こうやってのんびりするのも懐かしいものですね」

佐天「昔話なんて聞いたの何年ぶりだろー」


10404「ではお次の物語は『しあわせの王子』です とミサカは一礼します」ペコリ

134 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:01:34.66 w/Zcr3oo 67/72

むかしむかし、ある町には、美しい『しあわせの王子』の像がありました。
その『しあわせの王子』の体には、ピカピカと金色に輝く金箔が貼ってあります。
青い瞳は、サファイアです。
そして腰の剣には、大きいルビーがついています。
町の人たちは、この素晴らしい王子のように、しあわせになりたいと願いました。
さて、冬が近づいてきたある寒いタ方のことです。
町に、一羽のツバメが飛んできました。

ツバメ「ふうっ。ずいぶんと遅れちゃったんだよ。みんなはもうイギリスに着いたのかなあ。わたしも明日、旅に出るんだよ」

ツバメは王子の足元にとまり、そこで眠ろうとしました。
すると、ポツポツと、しずくが落ちてきます。

インデックス「あれれ雨かな? 雲もないのに…。あっ、王子さまが泣いているんだよ。もしもし、どうしたのですか?」

驚いたツバメが尋ねると、王子は答えました。

王子「こうして高い所にいますと、町中の悲しい出来事が目に入ってきますの」
黒子「でもわたくしには、どうする事も出来ませんの。だから泣いているんですの」

インデックス「悲しい出来事?」

黒子「あそこに小さな家がありますの。子供が病気でオレンジが欲しいと泣いていて、お母さんは一生懸命働いていますのに、貧しくて買えないようですの」

135 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:04:52.23 w/Zcr3oo 68/72

インデックス「それは可哀想なんだよ…」

黒子「お願いです、ツバメさん。わたくしの剣のルビーをあそこへ運んで下さらない?」

インデックス「…うん。わかったんだよ」

ツバメはしぶしぶ、王子の腰の剣のルビーをはずして、運んでいきました。
そして、熱で苦しんでいる男の子の枕元にルビーを置くと、

インデックス「頑張るんだよ!」

と、男の子をツバサで、そっとあおいで帰ってきました。
帰ってきたツバメはあることに気づきました。


インデックス「不思議なんだよ王子さま、こんなに寒いのになんだか体がポカポカするんだよ」

黒子「それはアナタがいい事をしたからですのよ? ツバメさん」


次の日、王子はまたツバメに頼みました。

136 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:06:37.02 w/Zcr3oo 69/72

黒子「わたくしの目のサファイアを一つ、才能のある貧しい若者に運んでほしいんですの」

インデックス「でも… そろそろ出発しなくちゃなんだよ…」

黒子「お願いですの。今日一日だけ…」

インデックス「…うん」

ツバメの運んできたサファイアを見た若者は、目を輝かせて喜びました。

木山「これで費用が足りる…! あの子達を助けてあげられるんだ!」

次の日ツバメは、今日こそ旅に出る決心をしました。
そして王子に、お別れを言いに行きました。

インデックス「王子さま、これからわたしは仲間のいるイギリスに行くんだよ」

けれど王子は、また頼むのでした。

黒子「どうか、もう一晩だけ、もう一晩だけいて欲しいんですの。あそこでマッチ売りの女の子が泣いていますの」
黒子「お金を稼がないとお父さんにぶたれるのに、マッチを全部落としてしまいましたの…」
黒子「だから、残ったサファイアをあげてほしいんですの」

インデックス「でもそれだと、王子さまの目が見えなくなっちゃうんだよ…」

黒子「構いませんの。あの子が幸せになれるのなら。目が見えなくとも」

インデックス「王子さま…」

137 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:09:47.73 w/Zcr3oo 70/72

人のしあわせの為に自分の目を無くした王子を見て、ツバメは決心しました。

インデックス「王子さま、私はもう旅に出ないんだよ… ずっとお側にいます」
インデックス「そして、王子さまの目の代わりをするんだよ!」エヘン

黒子「ツバメさん。本当に感謝しますの…」

それからツバメは町中を飛び回り、貧しい人たちの暮らしを見ては、それを王子に話して聞かせました。

黒子「それでは、わたくしの体に付いている金を全部剥がして、貧しい人達に分けてあげてほしいんですの」

インデックス「合点承知なんだよ!!」

ツバメは王子の言いつけ通りにしました。

やがて、空から雪が舞い落ちてきました。
とうとう、冬が来たのです。
寒さに弱いツバメは、凍えて動けなくなりました。

インデックス「も、もうだめなんだよ… さようなら王子さま。いい事をして… わたしは… しあわせ… だった… んだよ…」


―――チュッ


ツバメは最後の力で王子にキスをすると、そのまま力尽きて死んでしまいました。

パチン!

その時、王子の心臓が悲しみに耐えかねて、弾けてしまいました。

138 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:12:01.37 w/Zcr3oo 71/72

次の朝、町の人達はしあわせの王子の像がすっかり汚くなっているのに気づきました。

テレスティーナ「美しくねぇ王子なんか必要ねぇんだよぉ!! 溶かしちまえやぁ!!」

ところが不思議なことに、王子の心臓は、どんなにしても溶けません。
しかたがないので心臓だけは、側で死んでいたツバメと一緒に捨てられました。
そのころ、神さまと天使(てんし)が、この町へやってきました。

神様「おい天使よ この町で一番美しいもンを、持ってこい」
天使「うーん… と、これだね ってミサカはミサカは差し出してみる」

神様にいいつけられて天使が持ってきたのは、王子の心臓とツバメでした。
それを見て、神様は頷きました。

一方通行「よくできましたァ(ナデナデ) これこそが、この町で一番美しいもンだな」
一方通行「王子とツバメはたいへン良いことをしたぜ?」
一方通行「この二人を天国に住まわせる。きっとしあわせに暮らすことだろォよ」
打ち止め「そうだね ってミサカはミサカは顔で笑って心で泣くよ」

そして、王子とツバメは、天国でしあわせに暮したのです。



おしまい

140 : ◆s/5SkDd.Uc - 2010/04/25 23:14:21.40 w/Zcr3oo 72/72

クレジット
王子様/白井黒子
ツバメ/インデックス

才能のある貧しい若者/木山春生
町の人/テレスティーナ・木原・ライフライン

神様/一方通行
天使/打ち止め

地の文についてはこちらのサイトを参考にしました。
[福娘童話集]ttp://hukumusume.com/douwa/index.html

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