1 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします - 2014/08/08 17:49:26.65 mVtrBCR/0 1/54


チャラ男「おいおい、見てわかんねえの? お前の女とセックスしてんだよ」

「そんな」

「ああんっ、ご、ごめんなさい……でも、この人が」

チャラ男「ちょっと誘ったら、ほいほいまたがってくれたぜ。お前のちんこじゃ満足できないってな!」

「満足、できない……」

「ん、ん、ダメ、今は突かないでぇ! 大き過ぎるのぉ!」

チャラ男「だってよ。ほら、いつまで見てるんだ? それとも、これをオカズにますかくか!」

「くそ……くそっ!」

ダッ ガチャ

チャラ男「根性の無い奴! おら、出すぞっ」

「出して、種づけしてぇ!」


元スレ
男「な、なにをしてるんだよ……!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407487756/

2 : VIPに... - 2014/08/08 17:49:59.05 mVtrBCR/0 2/54



「うう、俺はなんて惨めなんだ……」

「円満だと思ってたのに、たかがセックスで、あんな男に!」

「俺は悪くない、あの女が悪いんだ。セックスが上手くいかないからって、浮気する、あの女が!」

「本当にそうかな?」

「なんだと!?」

「確かに、浮気は悪だ。それをする彼女さんが悪いんだろう」

「しかし、その彼女さんがもし善人だとすれば、お前さんはきちんとフラれて、結局、今の状況と変わらんだろうなぁ」

「う、確かに……くそっ、俺はやっぱり惨めだ……!」


3 : VIPに... - 2014/08/08 17:50:28.42 mVtrBCR/0 3/54



「どうせ、ちんこも小さく、それを補う努力もしなかったんだろう」

「さっきからなんだ!? お前に説教される筋合いはないぞ!」

「その筋合いを、今から作ってやる」

「なに?」

「見返したいとは思わないか、その彼女を、寝取った男を」

「見返す……」

「見返したいなら、私について来い。お前を生まれ変わらせてやる」

「……分かった。あいつらを見返せるなら、俺はなんでもやるよ!」

「いいだろう、すぐに出発だ」

「分かった、えっと」

「そうか、まだ名乗ってなかったな」

師匠「――私のことは、師匠と呼べ」


4 : VIPに... - 2014/08/08 17:50:54.85 mVtrBCR/0 4/54



「師匠、ここはいったい……?」

師匠「お前が生まれ変わるには、三つの条件を満たす必要がある」

師匠「その三つをクリアするための、そう、修行場とでも言うかな」

「近くの山の奥に、こんな場所があったなんて」

師匠「ふっふっふ、都合の良い場所だよ。私はいつも、ここにいる」

「師匠、俺はなにをすれば?」

師匠「それを知る前に、まず三つの条件を説明しよう」


5 : VIPに... - 2014/08/08 17:51:22.44 mVtrBCR/0 5/54



師匠「三つの条件とは、心、技、体、この三つだ」

「格闘技で、よく聞く話だ」

師匠「ある種、的を突いているよ。セックスは格闘技だ。人と人、誰しもが行う戦いだ」

師匠「まずは心。これは様々な性的嗜好、プレイ、相手自信を受け入れる器を表している!」

師匠「次に技。これは器に込められたものを満足させる、技術のことだ!」

師匠「最後に体。これは学んだ技術を完全に行うための基盤、己の肉体を指している!」

「な、なるほど!」

師匠「お前には、そのどれもが足りていない。ゆえに、修行で身に着けるしかない」

「分かった。どんな修行でも、耐えてみせるよ!」

師匠「よく言ったっ! まずは心の修行『異常嗜好の滝』だ」


6 : VIPに... - 2014/08/08 17:51:49.89 mVtrBCR/0 6/54



「なんだ、この滝は……流れる水の色が、桃色をしている!」

師匠「その滝は特別な滝でな。どんな効果かは、うたれれば分かる」

師匠「なに、身体に害はない。さあ、修行開始だ!」

「はい!」

師匠「――害はない。身体にはな」


7 : VIPに... - 2014/08/08 17:52:18.29 mVtrBCR/0 7/54



「すごい勢いの水だ。痛そうだな……」

「くっ、ひるむな。あいつらを見返すんだっ」

ザッー!

「お、重い。しかし、耐えられる!」

「……おかしい、水の温度を感じない。寒くも暖かくもない」

「それに、なんだか頭に靄がかかって――う、うわぁあああ!」

「頭の中に、なんだ!? 幼女、スカトロ、デブ、坊主、なんだ、なんなんだ!?」

「死体、達磨、信じられない嗜好が、ぐぉおおおお!」


8 : VIPに... - 2014/08/08 17:52:51.58 mVtrBCR/0 8/54



師匠「その滝にうたれる者は、淫猥な妄想に悩まされる」

師匠「しかし、そのどれもが、本人には受け入れられぬ嗜好」

師匠「それゆえに、異常嗜好の滝!」

師匠「身体ではなく、精神を蝕む嗜好の数々……」

師匠「男、耐えられるか!」

9 : VIPに... - 2014/08/08 17:53:19.20 mVtrBCR/0 9/54



「だ、ダメだ。吐きそう、いや、もう喉まで胃液が昇ってきている」

「うぐ、ごぼぇ!」

「吐いても、またすぐに嫌悪感が胃液を押し上げてきやがるっ」

「な、なんでこんな思いをしなきゃ……」

「……そうだ、見返すんだ」

「デブがなんだ、スカトロがなんだ。幼女がどうした、死体がどうした」

「――俺は彼女を、寝取られたんだぞぉ!」


10 : VIPに... - 2014/08/08 17:53:49.00 mVtrBCR/0 10/54



「おえっ、げほ、げほっ」

師匠「私が見込んだだけある。あの滝にうたれ、音をあげないとはな」

「あげないさ、見返すんだ、奴らを」

師匠「ふっ、いいだろう。次は技の修行『木人愛撫』だ!」


11 : VIPに... - 2014/08/08 17:54:19.99 mVtrBCR/0 11/54



木人「……」

「師匠、この人形はいったい?」

師匠「お前の性技の相手だ」

「に、人形相手にするのか!」

師匠「これからお前の愛撫を受け止める相手だ。軽んじるなよ」

師匠「お前はこの木人を、愛撫によって満足させなければならない!」

「人形を満足!? 無茶苦茶だ!」

師匠「そう思うなら、やめてもかまわんぞ」

「……わかった。やるよ」


12 : VIPに... - 2014/08/08 17:54:51.41 mVtrBCR/0 12/54



「人形を愛撫といったって、どうすれば」

「くっ、こうか、それともこう?」

木人「……」

「くそ、やってる自分が馬鹿みたいだ」

「彼女みたく、表情で分かれば」

「――本当に、分かってたのか。演技をしてくれていた、だけじゃないのか」

木人「……」

「そうか、お前は演技をしてくれないんだな」

「やってやるさ。お前を満足させてやる!」

14 : VIPに... - 2014/08/08 17:55:21.93 mVtrBCR/0 13/54



師匠「ダメだったようだな」

木人「……」

「はぁ、はぁ……絶対、満足させてみせるさ」

師匠「その意気や良し! 次の修行は『岩石突き』だ」


15 : VIPに... - 2014/08/08 17:55:54.13 mVtrBCR/0 14/54



師匠「これを見よ」

「なんて大きな岩だ。俺の身長の三倍はあるぞ」

師匠「お前はこれを、一メートル押し進めるのだ!」

「……もう三度目だ。驚いたりしない。やってやる!」

師匠「そうか。ではやると良い」


16 : VIPに... - 2014/08/08 17:56:24.36 mVtrBCR/0 15/54



「うぉおおおお!」

「――ダメだ、びくともしない」

「これを動かすには、それこそ重機を使わなくちゃ……」

「重機のような筋肉をつけろ、ということか」

「なんて先の長い話だ!」


17 : VIPに... - 2014/08/08 17:56:51.51 mVtrBCR/0 16/54



師匠「修行の意味を、理解できていないな」

師匠「心、技ともに素質があったが、体に関してはどうにも、時間がかかりそうだ」

師匠「男……岩石突き、その意味が分かるかな?」


18 : VIPに... - 2014/08/08 17:57:24.70 mVtrBCR/0 17/54



「情けない、一ミリも動かせないなんて」

師匠「ふっ、修行はまだ始まったばかりだ。慢心するな」

「ああ、そうだな」

師匠「明日も、今日の三つの修行を繰り返す。来るか」

「もちろんだ! ……ただ、大学が終わってからになるんだけど」

師匠「学業をおろそかにさせるつもりはない。しっかりやるといい」

「わかった。明日も頼むぜ!」


19 : VIPに... - 2014/08/08 17:57:55.01 mVtrBCR/0 18/54



後輩「先輩、サークルやめるって、本当ですか」

「今日言ったばかりなのに、よく知ってるなぁ」

後輩「なんで先輩がやめるんです? あんなに楽しそうだったのに」

「色々あったんだよ。それに、今は別のことに夢中なんだ」

後輩「でも、突然過ぎます」

「悪いな。けど、もう決めちゃったからな」

後輩「そうですか……何をしてるかはしりませんが、頑張ってくださいね」

「おう、ありがとう」

タッタッタ

後輩「ちぇ……いなくなっちゃうのか、先輩」

後輩「サークルにいる意味、なくなっちゃった」


20 : VIPに... - 2014/08/08 17:58:25.35 mVtrBCR/0 19/54



師匠「来たか」

「師匠、今日もよろしくお願いします!」

師匠「ん? なんだ、改まって」

「礼儀はしっかりしようと思いまして」

師匠「そうか。まあ、良い心掛けだ。さっそく始めよう」

「はい!」


21 : VIPに... - 2014/08/08 17:59:06.67 mVtrBCR/0 20/54



「ぐぉおおおお! デブもいける、いけるぞぉおおおお!」

「腐りかけが一番気持ち良いぃいいいい!」

「幼女だって、女だぁああああ!」


22 : VIPに... - 2014/08/08 17:59:35.04 mVtrBCR/0 21/54



「ここか、ここが気持ちいいのか」

「それとも、ここ? いや、こっちか」

木人「……っ」

「ん、お前、反応した……!?」

「よし、ここか、ここがいいのか!」


23 : VIPに... - 2014/08/08 18:00:05.49 mVtrBCR/0 22/54



「鍛えるんだ、限界まで」

「この大岩を難なく動かせるまで、鍛える!」

「……本当に、そうか。そんな単純なことを、師匠が修行させるのか」

「もう一度、考えなおそう」


24 : VIPに... - 2014/08/08 18:00:39.27 mVtrBCR/0 23/54



「今日もありがとうございました!」

師匠「私は機会を与えているだけだ。そう頭を下げるな」

「その機会が、大事ですから」

師匠「殊勝なことを言う奴だ」

師匠「……お前は、私が見てきた中で、一番覚えが早い」

師匠「体の修行も、なにか気づいたようだしな」

「ありがとうございます。精進します!」


25 : VIPに... - 2014/08/08 18:01:08.99 mVtrBCR/0 24/54



後輩「先輩、私もサークルをやめました」

「え、なんで!?」

後輩「それは置いておきましょう。それより、先輩がやめた理由は、彼女さんでしょう?」

「あー……まあ、それもある」

後輩「ずうずうしい人です。浮気したくせに、自分がやめないなんて」

「え、なんでそれを!」

後輩「――やっぱりそうだったんですか」


26 : VIPに... - 2014/08/08 18:01:41.35 mVtrBCR/0 25/54



「か、かまをかけたな!?」

後輩「なら話は早いです。先輩、戻ってきてください。先輩がやめることないです」

後輩「一緒に戻って、それで」

「……すまない。今は、自分を変えてる途中なんだ」

「戻るにしても、それを終えてからかな」

後輩「自分を、変える。……そうですか」

「ああ、気持ちは嬉しい。ありがとな」

後輩「いいですよ。よくわかりませんけど、頑張ってください」


27 : VIPに... - 2014/08/08 18:02:16.52 mVtrBCR/0 26/54



師匠「お前もずいぶん上達した。しかし、これから本当の修行だ」

「い、今までは偽物だったんですか!」

師匠「はっはっは、そういうことじゃない。だが、偽物だった、と思えるかもしれんな」

師匠「内容は変わらん。今まで通り、修行を続けるといい」

「は、はあ」


28 : VIPに... - 2014/08/08 18:02:45.70 mVtrBCR/0 27/54



「なんだ、今までの滝が見せてきた妄想とは、違う……」

「こ、これは、俺が今、もっとも受け入れがたい、性、なのか!」

『あぁん、太い、太いのぉ!』

チャラ男『お前の彼女、締りだけは逸品だぜ? 入れてたもんが、小さいからな!』

「お、おおおお、ぐぉおおおおおお!」


29 : VIPに... - 2014/08/08 18:03:15.02 mVtrBCR/0 28/54



「く、くっ、分からない」

木人「……」

「どうしてだ? ここがよかったんじゃないのか!」

「なぜ反応してくれない!?」

木人「……」

「くそぉ!」


30 : VIPに... - 2014/08/08 18:03:51.04 mVtrBCR/0 29/54



「この岩、どうすれば動くんだ……!」

「心、技の修行も滞っているのに。体もずっと進まない」

「岩、岩、岩! 動け、動けよっ、ちきしょお!」

「ちきしょぉおおおお!」


31 : VIPに... - 2014/08/08 18:04:20.83 mVtrBCR/0 30/54



「師匠、俺は、どうすれば」

師匠「もう一度、修行の意味を考えろ」

「修行の、意味」

師匠「俺はお前を鍛えているんだ。できないことは、絶対にさせない」

「できる……そうは思えませんよ!」

師匠「なら、やめろ。これ以上続けても、意味はない」

「――なんだよ。それが師匠の言葉か! やめてやるさ!」

タッタッタ

師匠「……よくあることだ。嘆くことじゃない」


32 : VIPに... - 2014/08/08 18:04:56.64 mVtrBCR/0 31/54



「どうせ俺は、彼女を寝取られた男だ。このまま、一人で生きてやる」

後輩「先輩」

「わ、な、なんだ、後輩か! どうした、こんな所で?」

後輩「失礼ながら、大学が終わってから、先輩をつけていました」

「なに!? ということは、修行していることを」

後輩「……先輩、あんな馬鹿なことはやめて、私とサークルに戻りましょう」

「ば、馬鹿なこと?」

後輩「はい。あんなことしても、何もなりませんよ。それよりも、その」

後輩「――私と、付き合ってくれませんか」

「え」

33 : VIPに... - 2014/08/08 18:05:35.38 mVtrBCR/0 32/54



後輩「ずっと、好きだったんです。今なら、言えます」

後輩「あんな人は忘れて、私と恋人になりましょう? その方がきっと、楽しいですよ」

「そう、かな」

後輩「そうですよ」

(確かに、いつまでも見返すために行動するより、忘れた方がいいかもしれない)

(見返したって、それは自己満足だ。なにも解決したりしない)

(それより、後輩と付き合って、前向きに生きた方が建設的だ)

後輩「私は、あの人みたく、浮気なんてしませんよ?」

「浮気」

後輩「そうです。先輩を被害者になんか、絶対にしません」

「――違う」

後輩「はい?」


34 : VIPに... - 2014/08/08 18:06:07.35 mVtrBCR/0 33/54



「俺は彼女の性質で被害者になっただけだ」

「悪いのは彼女だけど、原因は俺だ」

「俺は見返すためだけじゃなく、俺が生まれ変わるために修行をしていたんだ!」

後輩「あ、あの」

「すまない、後輩の気持ちには、今は答えられない」

後輩「そんな……」

「そして、後輩のおかげで、自分を見つめ直せたよ。ありがとう」

後輩「……礼なんて、やめてください。今、失恋したんですから」

「あ、え、うん、すまん」

後輩「修行でもなんでも、行けばいいんです。先輩の馬鹿!」

タッタッタ

「自分勝手な奴で、ごめんな。後輩」


35 : VIPに... - 2014/08/08 18:06:51.83 mVtrBCR/0 34/54



「師匠、すみませんでした。俺にもう一度、チャンスをください!」

師匠「ふっ」

「師匠?」

師匠「できないと思うならやめろ、私はそう言っただけだ」

師匠「できると思うなら、いくらでも面倒はみるさ」

「し、師匠!」

師匠「さあ、修行を始めるぞ!」

「はい、師匠っ!」


36 : VIPに... - 2014/08/08 18:07:20.25 mVtrBCR/0 35/54



彼女『ダメぇ、見ないで!』

チャラ男『何言ってんだ? いつもより濡らしてるくせによぉ!』

彼女『そんな、言わないで』

チャラ男『言ってやるさ、その方が気持ちいいしな』

「うぐ……受け入れるんだ」

「許せない気持ちと、性の嗜好は別物だ。それを自覚しろ!」


37 : VIPに... - 2014/08/08 18:07:52.42 mVtrBCR/0 36/54



「お前は人形だが、木で出来ている」

木人「……」

「木は生きている。つまり、お前もまた生き物だ」

「お前は俺の下手くそな愛撫を受け入れてくれる。それに報いる!」

木人「……っ」

「これが、お前の性感帯か」


38 : VIPに... - 2014/08/08 18:08:27.12 mVtrBCR/0 37/54



「俺は今まで、岩を押し進めることを考えていた」

「しかし、そうじゃない。これは『岩突き』だ。押すんじゃない、突くんだ!」

「腰を引き、渾身の一突きを……上半身から岩に伝えるっ」

「うぉおおおお!」

ガラッ

「動いたぁ!」


39 : VIPに... - 2014/08/08 18:09:02.86 mVtrBCR/0 38/54



師匠「どうだ、お嬢さん。あいつは必死だろう」

後輩「なんで、あんな馬鹿みたいなことを」

師匠「そう見えるか。あいつは自分を変えようとしている」

師匠「責任転嫁をしようと思えばできただろう。開き直ることもできただろう」

師匠「それをせずに、あいつは自分を変えると決意した」

師匠「それを馬鹿みたいとは、私は思わないよ」

後輩「……すみませんでした。馬鹿にして」

師匠「言うなら、私じゃないな」

後輩「先輩に、謝ってきます」

タッタッタ

「先輩!」

「え、なんで後輩が!?」


40 : VIPに... - 2014/08/08 18:09:34.40 mVtrBCR/0 39/54



ザッー!

「何も、浮かばない」

「ようやく分かった。性を受け入れることは、相手を受け入れること」

「それは――揺り籠から墓場まで添い遂げる、その心!」


41 : VIPに... - 2014/08/08 18:10:04.20 mVtrBCR/0 40/54



木人「……っ」

「今ならわかる、お前の鼓動、生の動き」

「生を知ること、それは相手の性を知ること」

「相手の生を真に感じれば、己の手で性を掴める!」

木人「――っ!」

バキッ

(木人が、砕けた)

「今までありがとう……最高の相手だったよ」


42 : VIPに... - 2014/08/08 18:10:34.39 mVtrBCR/0 41/54



「一突きだけじゃない、何度も、何度も」

「相手を満足させるまで突き続ける、強靭な腰!」

「今の俺には、それがある。たかが石ころ一つ、俺の腰で押し通してやる!」

ゴロッ ゴロロロロッ!

「はぁ、はぁ……」

師匠「よくやった。男よ」

「師匠!」


43 : VIPに... - 2014/08/08 18:11:02.53 mVtrBCR/0 42/54



師匠「三つの条件を、こうも早く満たすとはな」

「俺なんて、まだまだです」

師匠「謙遜はいい。お前は生まれ変わる条件を満たしたんだ」

「生まれ変わる、そうえば、そうでしたね」

師匠「修行の締めくくりだ。もちろん、受けるかどうかは、お前次第だ」

「受けますよ。もう迷うことはありません」

師匠「ふっ、いいだろう。ついて来い!」


44 : VIPに... - 2014/08/08 18:11:35.00 mVtrBCR/0 43/54



師匠「男よ、お前は粗チンだ」

「……は、はい」

師匠「それを克服するには、一度死ぬしかない」

「え」

師匠「この先になる洞窟、そこを抜けろ。そうすれば、お前は生まれ変わる」

「あの、本当に死ぬってことじゃ」

師匠「さあな」

「師匠」

師匠「行けば分かる。それに言っただろう。お前次第、だと」

「――わかりました。行ってきます!」


45 : VIPに... - 2014/08/08 18:12:03.09 mVtrBCR/0 44/54



後輩「あれ、師匠さん。先輩はいないんですか」

師匠「あいつなら、最後の修行だ」

後輩「そうですか。どれくらいで戻るんでしょう?」

師匠「分からん。半日はかかるかもしれん」

後輩「今からだと、もう夜になりますよ?」

師匠「私はずっとここにいる。心配はいらん」

後輩「なら、私もいます」

師匠「好きにするといい」


46 : VIPに... - 2014/08/08 18:12:32.57 mVtrBCR/0 45/54



「暗い……自分の姿が見えないくらいだ」

「それなのに、普通に歩ける。不思議な洞窟だ」

「いや、俺は歩いてるのか。それに、今俺は話しているのか」

「なにも見えない。あれ、俺はどこにいる? どこを歩いている?」

(俺はどこだ、どこにいる。それに、これは考えているのか)

 体がないみたいだ。まるで自分が、生そのもになったような――


47 : VIPに... - 2014/08/08 18:13:05.23 mVtrBCR/0 46/54



後輩「先輩、まだ帰ってこないんですか」

師匠「見ての通りだ。まだ帰ってこない」

後輩「先輩、先輩……」

師匠「お嬢さん、もう暗くなる。ここは山だ。もう帰った方がいい」

後輩「でも、先輩が」

師匠「あいつも、君が怪我なんかしたら、悲しむだろう」

後輩「……はい。わかりました」


48 : VIPに... - 2014/08/08 18:13:38.08 mVtrBCR/0 47/54



後輩「明日になったら、会えますよね……先輩」

チャラ男「あれ、君一人? こんな夜中に危ないよぉ?」

後輩「はい?」

チャラ男「俺の家近くにあるんだけど、泊まっていく?」

後輩「やめてくれますか。急いでるので」

チャラ男「あ、なら送っていくよ。一人じゃ危ないしさぁ!」

後輩「……私、彼氏がいるので」

チャラ男「彼氏がいるんだ! それならさ、なおさら遊んでいかない?」

後輩「は?」


49 : VIPに... - 2014/08/08 18:14:10.98 mVtrBCR/0 48/54



チャラ男「別の男とすると、すごいんだぜ!? 一回くらい、試してみようよ」

チャラ男「本当、ちょっと前にもしたんだけどさ、彼氏の前で喘ぎまくったんだから」

後輩「あなた、最低ですね」

チャラ男「ん?」

後輩「背徳感がなきゃ、女性に手を出せないんでしょう? 相手にされないでしょう?」

後輩「まともな人からは、付き合いもされない、可哀想な人です」

チャラ男「……はぁ、仕方ないか。じゃあさ」

チャラ男「一回、味わってみよっか」


50 : VIPに... - 2014/08/08 18:14:44.32 mVtrBCR/0 49/54



後輩「離して、離して!」

チャラ男「すぐ終わるからさぁ。あ、いや、そっちが終わらせたくなくなるかも?」

後輩「嫌です、気持ち悪い、離せ!」

チャラ男「はい、はい。もうさ、こっちは準備できてるから」

後輩「嫌、嫌、嫌!」

「後輩!」

ドガッ

チャラ男「ぎゃ」


51 : VIPに... - 2014/08/08 18:15:39.60 mVtrBCR/0 50/54



後輩「先輩……?」

「おう、大丈夫か!」

後輩「――先輩ぃ!」

「お、おう……怖かったな」

チャラ男「ちっ、なんだよ、なんでお前がでてくんだ?」

「俺の台詞だよ」

チャラ男「お前の女も、急に拒否りだすしよぉ。本当、ついてないわ」

「ああ?」

チャラ男「だからさ、そいつくれよ。どうせお前の短小じゃ、満足させれないだろ?」

「短小、ね……俺は生まれ変わったんだよ」

チャラ男「は? なんでもいいよ。あ、そうだ、なら前の女、返してやるよ。そいつと交換な」

「セックスの相手を、物みたく言うんじゃない!」

「これを見ろぉ!」

デロンッ


52 : VIPに... - 2014/08/08 18:16:15.43 mVtrBCR/0 51/54



チャラ男「ズボン下ろして、みっともないもん見せるんじゃ」

チャラ男「――な、なんだそのでかいの!?」

「言っただろう。生まれ変わった、と」

「これでもまだ、短小だの言えるか」

チャラ男「く、くそ、もういいよ。お前の彼女以外にも、軽い奴なんて山ほどいるんだからな!」

タッタッタ

「ごめんな、後輩。俺を待ってたせいで、怖い目に合わせて」

後輩「いいんです。私が勝手にしたことですから」

後輩「……それより、その、それを」

「え、あ、す、すまん。すぐしまう!」


53 : VIPに... - 2014/08/08 18:16:55.26 mVtrBCR/0 52/54



チャラ男「ちっ、新しく穴を探すか」

師匠「穴なら、お前にも空いている」

チャラ男「え、だ、誰だよ?」

師匠「私はね、どんな嗜好も受け入れる。それこそ」

師匠「――同性愛もだ」

デロロンッ

チャラ男「ひっ、なんで下を脱いで!? というか、でかすぎ」

「うわぁあああああ!」


54 : VIPに... - 2014/08/08 18:17:37.78 mVtrBCR/0 53/54



「後輩の家って、近くだっけ? 送るよ」

後輩「ありがとうございます。あの、先輩」

「ん?」

後輩「もう、返事をもらっても、良いですよね?」

「あ、ああ」

後輩「お願いします」

「その、なんだ……ずっと大事にします。俺と、付き合ってください!」

後輩「はい。嬉しいです」

「はっはっは、いやぁ、照れるな」

後輩「あの、それで、ですね。私たちは、もう恋人ですから……」

「こ、後輩?」

後輩「さっきの、先輩のを見て、我慢できなくて……」

後輩「今日、家に両親がいないんです。だから……どうですか」

「えっと……ああ、優しくする」

後輩「ふふっ、お願いしますね。先輩っ」


55 : VIPに... - 2014/08/08 18:18:30.65 mVtrBCR/0 54/54



師匠「――なんだ、二人一緒にくるとは、珍しい」

「修行のお礼を言いに来たんです。師匠、ありがとうございました!」

師匠「ふっ、いいさ。私は道を示しただけだ」

「それで、ですね……もう一つ、用が」

師匠「なに?」

「ほら、後輩」

後輩「……先輩が凄すぎるんです」

師匠「は?」

後輩「先輩が、上手すぎるんです! 私も修行させてください!」

師匠「あー……」

「その、どうでしょう?」

師匠「まあ、来る物拒まずだ。さあ、修行を始めるぞ!」



                            おしまい



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