真紅「チビ人間?」
蒼星石「ほら、200年前に日本で翠星石や真紅達が契約した男の子だよ」
真紅「ああ、ジュンの事ね」
雛苺「ジュンはもういないの・・・」
蒼星石「翠星石最近昔の事と今の事の記憶があやふやになってきてるんだ」
真紅「そう・・・、翠星石が帰ってきたらみんなうんと優しくしてあげましょう」
元スレ
翠星石「チビ人間とお出かけしてくるです」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1260350087/
~~~
翠「という夢を見たんです」
紅「…不吉な夢ね、ラプラスの魔のイタズラではないの?」
翠「他の事ならともかく、夢のことに関して翠星石に悪さ出来るとは思えねぇですけど…」
雛「うゆ、ドールズも痴ほう症になるの?」
紅「…聞いたことは無いわね、全く無いとは言い切れないけれど」
JUM「なんの話だ?」
雛「あっ、JUM!実は翠星石が…」
かくかくシカジカ
JUM「ふ、ふうん…僕の夢を?」
紅「えぇ、貴方は心当たりはない?例えば夢で翠星石と出会ったり…」
JUM「いや…けど性悪人形の夢とは言え悪い気はしないな」
翠「え?なんでですか?」
JUM「いや、だって夢にまで出てくるって事はそれなりに好かれてるってことだろ?まぁ僕だって…
翠「いや、別に…」
JUM「…え?そ、そうか?」
紅「JUM、そういう勘違いは若い内はよくあることだけれどなるべく控えた方がいいのだわ」
雛「少しそれっぽいフラグが立ったと思っても実際はなんでもないことだったりするのよ、ちなみに巴もJUMの事はそれほど好きじゃないの」
JUM「…し、知ってるよ?……うん」
翠「別に嫌いじゃねぇですよ、興味がないだけで…だから夢に出てくるなんておかしいですねって話をしてたんです」
JUM「…そっか」
紅「ドールが人間に特別以上の好意を抱くなんて事はほぼ無いのだわ」
JUM「……そっか」
雛「も、もちろんJUMの事はミーディアムとしては尊敬してるのよ?」
紅「そうね、私達はJUMの事は好きよ、ただ恋や愛と言うものはないというだけで」
JUM「………うん」
翠「な、なんでそんなにショックを受けてるんですか…まさかドールと恋愛出来るなんて考えちゃねぇでしょう?」
JUM「………」
紅「愛されると言うことは私達にとってこれ以上ない幸せなことなのだわ、けれど人生の伴侶となるべき人はJUMが本当に愛せる人を選びなさい」
雛「JUMならきっとこれからモテモテなのよ!」
JUM「…僕は」
JUM「僕は翠星石が好きになっちゃったんだよ!」
翠「…はぁ?」
JUM「だからさ!翠星石がいつも口が悪いのも天の邪鬼な所も、本当は僕の事が好きなんじゃないかと思って」
JUM「意識し始めたら日がな1日翠星石の事ばっかり見るようになって、翠星石も実はツンデレで相思相愛なんだと思ってたんだよ!」
翠「ひぃ…」
紅「翠星石、引かないであげて…JUM?蒼星石の事を話す翠星石を思い出してちょうだい」
紅「この子は基本的に好きな相手にはデレデレなのだわ」
JUM「そっか…はは、そうだよな…僕1人盛り上がっちゃって馬鹿みたいだな」ショボン
翠「き、嫌いな訳じゃないんですよ?けど人間は人間と付き合った方が幸せなんですよ」
雛「偶々近くに手頃な相手がいたから好きだと錯覚しただけなのよ、もっといい相手がいるの」
JUM「僕のこの気持ちは錯覚とか気の迷いなんかじゃない!なんだったら一生翠星石だけでオナニー出来る!!」
翠「…ひぃぃ!」
紅「引かないであげてちょうだい」
JUM「やっぱり諦めたくない!もう僕は百万回は翠星石と脳内結婚してるんだ、今更他になんか乗り換えられないよ!」
翠「こ、困りましたねぇ…」
紅「あのねJUM、人間とドールが恋仲になると言うことは人間以上にドールが不幸になるの」
紅「アリスゲームをしなければならない薔薇乙女にとってそれがどれだけの重荷になるかは分かるでしょう?」
紅「優しい貴方ならあまり無理を言って私達を困らせないわよね?」
JUM「構うもんか!それで僕は幸せになれるんだからいいんだよ!」
雛「じ、自分勝手過ぎるの…」
JUM「せめてデートだけでも、デートだけでもしてくれよ!」
紅「はぁ、仕方ないわね…翠星石?JUMはこう言ってるけれど?」
翠「そうですねぇ…まぁここまで言ってくれたのはJUMが初めてですし、嬉しいっちゃ嬉しいですからお出掛け位ならいいですけど…」
翠「このドレスで外出なんかしたなら目立ちますし、球体間接を見られたら大騒ぎになっちまうです」
JUM「それなら大丈夫!翠星石のサイズなら球体間接の隠れる洋服からなんにも隠れない水着まで何着でも作ってあるから!」
紅「………」
雛「引いちゃ駄目、引いちゃ駄目なのよ」
翠「まったく、仕方のねぇ野郎ですねぇ…分かりました、お出掛けぐらいなら付き合いますよ」
JUM「ヒィィィィイィヤァァァハァァァッ!!」
翠「けど、さっき真紅が言っていた通り、それ以上はねぇですからね?ちゃんと人間のツガイを見つけるんですよ?」
JUM「オーケィ!マイワイフ!」
JUM「そうと決ればこうしちゃいられない!早速デートの準備だ!」
翠「え、えぇっ!?今から行くんですか?べ、別に興味なんかねぇですけどこれからくんくんが…」
JUM「それなら映画館で劇場版くんくんを見に行こう!その後にホテルだ!」
紅(ピク「劇場版くんくん?」
雛「くす、少し方向が違うとは言えこんなに愛されてる翠星石は幸せ者なの…ね?真紅」
紅「くんくん…」
雛「真紅?」
・・・
JUM「いやぁ、可愛いよ翠星石!自分で作っといてなんだけどその服がよく似合ってる!」
翠「うるせぇですねぇ…ま、服自体は流石ですね、動きやすいです」
JUM「まぁそこらへんは任せといてくれよ、伊達に主人公補正掛かってないから」
翠「けどこのワンピースも翠星石のドレスと比べるとヒラヒラして心もとねぇですね」
JUM「大丈夫だよ、可愛いよ」
翠「にしても劇場版くんくんなんて真紅が嫉妬しちゃいますねぇ」ニヤニヤ
JUM「あぁ、だけどあいつには紅茶だのDVDだの金がかかってるからな、文句は言わないだろ」
~~~
紅(コソッ「これは仕方のないことなの、JUMと翠星石が心配だから後をついていくだけで、その結果たまたまくんくんを見ることになるだけなのよ」
雛(コソッ「…その言い訳、普通は逆だと思うの」
JUM「さて、映画までまだ時間あるけどどうする?なにかするか?」
翠「そうですね…翠星石は木々が見たいです。たまには心の樹以外の植物を見ねぇと庭師の名折れですからね」
JUM「じゃあ植物園でいいか…あああのさ、手を繋いででもいいかな?」
翠「え、嫌ですよ」
JUM「そっ…か」シュン
翠「あぁもう、いちいち凹むなです!面倒くせぇ奴ですね!」
~植物園~
翠「ほわぁ、思ってたよりデケェですねぇ!こんなところがあったんですか」
JUM「まぁな、僕もここにはよく来るんだよ」
翠「へぇ、チビ人間の癖にそんな崇高な趣味があったんですか?」
JUM「うん、ここなら中学生でも入れるし、学校であった嫌なことも忘れられるからな」
翠「そうですか、まぁ植物を見て心を休めるのは良いことですよ」
JUM「ここはハーブコーナーか、って随分地味だな」
翠「まぁ今は冬ですしね、寒さに強い子もいれば弱い子もいますよ」
JUM「…お前は大丈夫か?寒くないか?」
翠「あれ、JUMにしてはそんな気が回るなんて珍しいですね」
JUM「失礼な奴だな、いつも暴れまわる呪い人形共を相手に僕がどれだけ気を使ってるのかしらないのか?」
翠「はぁ、照れ隠しで憎まれ口を聞くようじゃまだまだですね」
JUM「………」
翠「いいですか?そういう時は嘘でもいいから『いつも君のことを考えているから』とか言っておくもんですよ」
JUM「そ、そんなこと恥ずかしくて言えるわけないだろ!」
翠「ま、そこまでチビ人間には期待してないですよ…っと、そんなこと話してたら本当に寒くなってきましたね、温室コーナーに行くです」
JUM「………」スッ
フサッ
翠「?」
JUM「さ、ささ寒いだろ?僕のジャケット貸してやるよ」カァ
JUM(ガタガタ
翠「いいですよ、チビ人間だって震えてるじゃねぇですか」
JUM「い、いつも翠星石の事を心配してるから…大丈夫」ズルズル
翠(ポカーン
翠「…くっ、ぷくく…あはははは!か、可愛いですねぇJUM!」ケラケラ
JUM「な、なんだよ!お前がそう言えって言ったんだろ?」
翠「くふふふ…無理はしないでいいんですよ、そんな寒そうにしてるのに上着を借りたら翠星石が悪者じゃねぇですか」クスクス
翠「だからですね…」キュッ
翠「その可愛さに免じて手ぐらいは握ってやるですよ」ニコッ
JUM「あ、あぁ…うん」ドキドキ
翠「これで少しは寒さも紛れます。お姉さんの言うことを素直に聞いたご褒美ですよ」
JUM「お姉さんってなんだよ、のりの真似か?」
翠「実際にお姉さんですよ、翠星石がおめぇの何倍生きてると思ってるんですか」
JUM「そっか…なんだか実感が湧かないけどな」
翠「翠星石は見た目が可愛いですからねぇ、今までもお馬鹿なミーディアムはすぐ保護者ぶりたがってました」ニヤ
JUM「そ、そういう事を言うのかよ…ただお前が心配だったんだろ」
翠「ま、お人形相手には真剣に好きだなんだ言ったのはおめぇが初めてですけどね」
翠「期待には答えられねぇですけど、気持ちは嬉しかったです」
JUM「…期待するようなことって?」
翠「恋仲にはなれねぇって事ですよ、ドールには子供も産めねぇですし、多くの人には内緒にしなければなりません」
JUM「そのぐらい構わないよ、僕は翠星石と一緒になれるなら子供なんかいらないし」
翠「あんまり翠星石を困らせないで下さい、その代わりに今日だけは付き合ってあげてるんですから」
JUM「…でも僕は諦めないからな」
翠「どうせすぐに気持ちも冷めますよ、おめぇ位の年頃の雄がしたがるようなえっちな事も出来ないんですから」
JUM「え?えっちな事出来ないの?」
翠「…子供を産めないんだから当たり前じゃねぇですか、がっかりしましたでしょう?」
JUM「まぁいいや!ちんちん擦り付けるだけで満足だし」
翠「……やっぱり手を離しましょうか、あと離れて歩いて下さい」
JUM「ほ、ほら温室に着いたぞ!」
翠「そうですか」
JUM「わぁ~バナナの樹だ、大きいなぁ!」
翠「そうですね」
JUM「やっぱり温室の中は蒸すなぁ、植物の匂いが充満してるよ!」
翠「そうですね」
JUM「急にビグザム並みの心の装甲を感じる…(´・ω・)」
翠「卑猥な事を言う人間には近寄りません、口も聞きたくないです」
JUM「わ、悪かったよ…もう言わないから許してくれよ」
翠「煩いです、おめぇなんか嫌いですよっ!」
JUM「!!」ダダダダッ
翠「………走りさっちまいましたね、少し言い過ぎましたか?」
翠「せっかく翠星石を好きだって言ってくれたのに、傷つけちまいました…」
翠「もしかしたら男子中学生特有のコミュニケーション手段だったのかもしれなかったですもんね…大人気無かったです」
翠「はぁ、素直になれなかったり素直過ぎたり、翠星石も成長しないですね…帰ったら謝りますか」
JUM「翠星石!」
翠「あ、あれJUM!?帰ったんじゃなかったんですか?」
JUM「?買えるわけ無いだろ、それよりお菓子買って来たんだ!一緒に食べよう!」
翠「…分かりました、じゃああっちのベンチに行きましょう」
JUM「うん!!なにか飲むか?自販機で良ければ紅茶もあったはずだけど…」
翠「そうですね、ならコーヒーを買ってきてください、JUMの分も」
JUM「僕の分も?いや僕はあんまりコーヒーは…」
翠「いいから!さっさと行くです」
JUM「わっ、はいはい…」
翠「翠星石の分はお砂糖とミルクたっぷりの奴で頼むですぅ」
JUM「ほら、カフェオレで良かったか?」
翠「さすがJUM、上出来ですね…ほら、さっさと座るです」ポスポス
JUM「で、なんだって急にコーヒーなんだよ?本当は紅茶嫌いだったのか?」
翠「そんなことねぇですよ、ただほら、あの木が見えますか?」
JUM「あぁ、それがどうしたんだ?」
翠「あれがコーヒーの木です。眺めながらコーヒーを飲むってのも乙でしょう?」ニコッ
JUM「なるほど、羊を見ながらジンギスカンを食べるみたいなものか」
翠「そ、その例えはちょっと…」
JUM「それにしても不思議だなぁ、コーヒーって木から出来るんだ」
翠「正確にはその種子でですけどね、あの実から種を取って、乾燥させてから炒ればコーヒー豆の完成ですぅ」
JUM「へぇ…物知りなんだな」
JUM「コーヒーってタバコの吸殻を水に浸して出来るものだと思ってたけど、作り方を聞くと体に良さそうだな」
翠「実際胃の働きを活発化させたり、体にもいいですよ。ただ刺激の強いものですから調子に乗って飲みすぎると毒になりますけどね」
翠「さて、それで何か言うことはねぇですか?」
JUM「え?す、翠星石は物知りだなぁ…?」
翠「それはさっきも聞きました。そんなことじゃなくて、JUMはとっても失礼な事を言ってますよね?」
JUM「あ…その、さっきはちんちん擦り付けてごめんなさい」
翠「擦り付けられちゃねぇですよ!まぁ、翠星石も少し怒りすぎましたからお互い様ですね」
翠「ただ、あんまり露骨に物で釣ろうとすんなです。今回はいいですけど普通は怒られますよ?」
JUM「あ…バレてたのか?」
翠「…もしかしてバレてねぇと思ってたんですか?」
翠「ま、いいです…それよりそろそろ映画の時間じゃねぇですか?」
JUM「あ、本当だ!それじゃあ行くか」
クンクン!クンクン!
シズカニスルノ!ミツカッチャウノヨ!
JUM「ところであいつらはあんな所でなにやってるんだ?」
翠「…大方くんくんが見たいがためにつけているつもりなんじゃねぇですか?」
JUM「真紅もなぁ、普段はあんなに大人ぶってるのにくんくんの事となると、途端に冷静さを失うからな…」
翠「クスクス…それがあの娘のいいところですよ、よっぽど見たかったんじゃねぇですか?」
JUM「ま、あいつらは地理感もないからな、自力じゃいけないんだろうけど…素直に頼めば連れて行ってやるのに」
翠「雛苺も大変ですねぇ」
JUM「ははは、世話が焼けるよな」
翠「くふふ…世話が焼けるのはおめぇも同じですよ」
JUM「そ、そんなことないだろ!?お前たちが失敗した料理とかイタズラを片付けてるのは僕なんだし…」
翠「誰だって初めてすることは失敗しますよ、今じゃもう一通りの事は出来ます」
~映画館~
JUM「さてと、ちょうど始まるな…どこの席で座る?」
翠「真ん中ぐらいで良いですよ、そういえば真紅達はどこですか?」
JUM「躊躇いもなく一番前の席に座ったな…見辛くないのか?」
翠「お金はどうやって払ったんですかねぇ…」
JUM「僕が払っても良かったけど、のりの財布からちょろまかしたんじゃないか?」
ブーーー
ドン!2010年我々を未知の感動が襲う!…
紅「予告なんかいらないのだわ!くんくんを、くんくんを映しなさいッ!!」
JUM「お、おいなんか叫び始めたぞ?」ボソボソ
翠「もう翠星石達のことはすっかり忘れてますね…興奮しすぎです」ボソボソ
紅「くんくん!あぁくんくんっ!!くんくぅ~んッ!!」
雛「し、真紅…落ち着くのよ」
ザワザワザワ
『御来館のお客様、大変申し訳ありませんが館内ではお静かにお願い致します』
紅「煩いのだわっ!くんくんを!くんくんに逢わせて!!」
ザワザワザワザワ
JUM「おい、どうする?外に連れ出すか?」
翠「あぁ…あの娘はまだ若いですからねぇ、仕方ないです翠星石に任せて下さい!」
翠「スィドリーム」ボソ
紅「くんぐん!くんく~~…クピィ」スヤスヤ
紅「くぅ…くぅ…」
雛「し、真紅…?あ、そっか翠星石!」
翠(シィ ニコッ
雛(ありがとうなのよ~!)ペコリ
JUM「流石だな、そんな使い方もあるのか」
翠「だって…せっかくのデートなのに台無しにされたらたまらんですぅ」プイッ
JUM「す、翠星石ぃ…!」ジーン
翠「…っくぷぷ!嘘ですよ、本当にJUMはからかいがいがありますねぇ」ニヤニヤ
翠「チビの癖に期待しちやったんですか?くすくす」
JUM「な…そ、そんな…こと…ないよ」ガックリ
JUM(シューン
翠(ふぅ、これでJUMもしばらくは静かにしてるでしょうし映画に集中出来ますね)
紅「すぴ…すぴ…」
・・・
『それじゃあみんな、これからも…よろし~くんくんっ!!』
バビョーン
翠「はふぅ、面白かったですねぇ!まさかカピパラお姉さんにワンショットキルスキルがあったとは…」
JUM「………」シーン
翠「JUM?お~い、まさかスタッフロールまできちんと見る派なんですか?お~い!」
JUM「…え?あ、もう終わったのか…?」ズーン
翠「ま、まさかずっと落ち込んでたんですか!?」
JUM「いや、大丈夫…ちゃんと見てたよ、うん」
翠「本当ですか?なら犯人は誰でしたか?」
JUM「えっと…その、クマ吉君?」
翠「違いますよ、結局全部くんくんの自作自演だったんです」
翠(これは…やりすぎちまいましたね…)
翠「……JUM?帰る前にもうちょっとだけ付き合ってくれませんか?」
JUM「あ、あぁ!もちろん良いよ、どこに行くんだ?」
翠「そうですね…この間のりが言っていた大きな池のある公園が良いです」
JUM「公園か…なら駅の西口の梅岡公園だな!(ホ、ホテル街の近くじゃないか…)」ムクムク
翠(あれ?やっぱり元気ですかね?)
~公園~
翠「さてと、JUMはちょっとここで待っていて下さい」
JUM「あ、あぁ分かった…どこに行くんだ?」
翠「それは後でのお楽しみですよ~!」ニコ
翠(パタパタ
JUM「?」
~30分後~
翠「済まねぇです!少し手間取って遅くなっちまいました!」
JUM「あ、良かった…映画をちゃんと見てなかったから置いてけぼりの刑をくらったのかと思ったよ…」ガチガチ
翠「わっ、すっかり体が冷えちまったみてぇですね…しょうがない、特別ですよ?」
ぽすっ
翠「こうやって翠星石がお膝の上に座ってれば暖かいでしょう?特別ですからね」
JUM(あぁ、暖かいよ、ありがとう翠星石)
JUM「やっ、柔らかい!いい匂いだなぁ!!」
翠「………」
JUM「で、なにをしてたんだ?」
翠「池の方を見ていてください、そろそろ始まる筈ですから」
JUM「?」
チカッ チカカカカカ
JUM「わっ!?なんだあれ?花火か!?」
キラキラ
翠「ふふ、綺麗でしょう?多分翠星石しか知らない秘密の光景ですよ」
~~~
銀「貴女、この私にアリスゲームを挑むなんて本当にお馬鹿さんねぇ」
蒼「なにを言っているんだい?ちょっかいを掛けてきたのは君の方だろう?僕の大切な姉を泣かした罪は償って貰うよ!」
銀「ふふ、強がってるみたいだけれど貴女の弱点は割れてるのよ?私の火のついた羽根が苦手らしいわねぇ」クスクス
蒼(?そんなことないけど)
蒼「弱点なら君のだって分かってるんだ、僕の鋏で光を反射させて目眩ましされるのが余程嫌いならいしね?」
銀(?なに言ってるのこの娘?)
銀「っメイメイ!」
蒼「ピチカート!じゃない間違えたレンピカ!」
シュバババ
チカチカ キラキラキラキラ
・・・
JUM「わぁ~…綺麗だなぁ」
翠「くふふぅ、決着が着かないように色々工夫しましたから暫くは見られる筈ですよ」
JUM「決着?それにしてもこんなに大きな花火なのに音が出ないんだな?」
翠「そうですね…JUMは音があった方が好きですか?」
JUM「…そうだな、これはこれで幻想的だけど迫力はないな」
翠「…そうですか」
翠「………」
翠「ひゅ~、どか~ん」
JUM「?」
翠「ひゅるるる、どか~ん!」
JUM「!はは、ひゅぅぅぅ…」
JUM翠「どか~んっ!!」
JUM「あははは!」
翠「くすくす」
ひゅ~どか~ん、ひゅるるるどーん
キャッキャッ
・・・
銀「殺す!殺してやるわぁ!」
蒼「それはこっちのセリフだよ!水銀燈!」
ジャキジャギ
シュバババ
キャーキャー
JUM「…花火ももう終わりかな?」
翠「そうですね…流石に全力出して一時間もやってればよくやった方ですよ」
JUM「じゃあそろそろ帰るか…あのさ、えっと…」
翠「くすっ、JUM!寒いですから手を繋いで帰りませんか?」ニコッ
JUM「あっ、あぁ!」パァッ
・・・
蒼「ふぅ…ふぅ…な、中々、やるじゃないか」
銀「ヒュウ…ヒュウ…あ、貴女も意外と…しぶといわねぇ」
蒼「とりあえずしばらく戦うのはよそうよ…なぜかお互い致命傷を与えられないみたいだし」
銀「そ、そうね…無駄な力を使う必要はないわね」
銀蒼(なんで翠星石に教えてもらった弱点が効かなかった(のかしらぁ)(んだろう)
JUM「ただいまぁ~!」
翠「ですぅ!」
のり「おかえりなさぁい、夕御飯の準備出来てるわよぅ」
JUM「あれ?真紅と雛苺は帰ってきてないのか?」
のり「うん…雛ちゃんから電話があって今日はお泊まりするって…」
・・・
紅「ああぁ!!私としたことがくんくん上映中に寝てしまうなんて!?ごめんなさいくんくん、代わりに今晩はずっと貴方だけを観ているわ!くんくんっ!」
雛「も、もう三回目なのよ真紅…本当に帰らないの?」
紅「当たり前でしょうっ!?私の目の前に死神が現れる限界まで、何回でも時間のゼンマイを巻き戻すわ!!」
従業員「ひ、ひぃぃ…もう電源は落としてる筈なのにどうしてこの映画だけ何度も繰り返し上映されてるんだ…」ガタガタ
・・・
JUM「うっぷ…食べた食べた!お腹一杯だ」
翠「JUMにしては随分食べてましたね?お腹減ってたんですか?」
JUM「いや、今日はほら…嬉しかったからさ、ついついテンションあがっちゃっただけだよ」ニコニコ
翠「…ふぅん、まぁ翠星石が付き合うのは今日限りですよ?」
JUM「あぁ、初めからそういう約束だったしな」
翠「そういう事です…あれ?」
JUM「ん?どうした?」
翠「い、いや…なんでもねぇですよ、気のせいです」
JUM「?そうか?ならいいけど」
翠「翠星石はちょっと確認したいことがあるのでもう寝ます。お休みなさいです」
JUM「あぁ、おやすみ!今日はありがとうな」ニコッ
翠「え、えぇ…おやすみです…スィドリーム」パタリ
JUM(いつもわざわざ人工精霊を呼んでまで一緒に寝てたかな?まぁいいか…)
JUM「それより今日は翠星石の感触を思い出してオナニー祭りだ!ヒャッハァ!!」
・・・
翠「っと、着きましたね…JUMの心の樹は…ありましたありました!」
翠「ふふっ、本当に喜んでくれたんですねぇ…翠星石が水をあげなくても元気一杯です」クス
翠「?でもなんか脈打ってますね?こんな夜中に運動でもしてるんでしょうか…」
翠「…それより、アレを探さないと…あ!」
翠「……気のせいじゃなかったんですね…こんなに近くに…」
・・・
巴「1ッ!2ッ!3っ!」シュッシュッ
巴「ふぅ、早素振り1000本終わり…早朝の稽古っていいな」
紅「ふふふふ、素晴らしかったのだわ!劇場版くんくん~病院食をゲロ呼ばわりする女~!まさかカピパラお姉さんが純潔を守っていたなんて…」
雛「…雛はもう一生分のくんくんは見たの…もう嫌なの」
巴「あれは…雛苺?」
紅「あら、巴?奇遇ねこんなところで…」
巴「うん、朝稽古…梅岡武道館は多少うるさくしても苦情が来ないから…」
雛「巴!巴っ!あぁ…癒されるの~!」
紅「いいところで会ったわね、ちょうどくんくんの素晴らしさについて語っていたところよ」
巴「雛苺、少し痩せた?」
雛「うゆぅ…昨日1日で体重が半分以上落ちた気がするのよ」
紅「まず今回のくんくんの特筆すべき所は複雑な心情表現ね、くんくんが注目を集めるために子供を誘拐するシーンは間違いなく涙を誘うのだわ」
巴「…じゃあ、これから一緒に朝御飯食べに行く?」
雛「うん!巴大好きなの~!」
紅「意外だったのは最後の最後で謎の寄生虫や謎の機関が出てきた事ね、あれは近年稀に見る急展開だったのだわ」
巴「よし、それじゃあ吉牛に行こうか。ネギダク玉盛りで頼もう」
雛「と、巴?」
・・・
JUM「ハァハァ…もう、朝か…」
カパッ
翠「あ、あれ?JUMが翠星石より早く起きるなんて珍しいですね?」
JUM「……あぁ、今ならなぜイエスキリストが弟子の足を洗い、ユダの裏切りを赦されたのか分かる気がします」コォォ
翠「ど、どうしたんですか?カサカサになっちまって…」
JUM「なんでもないよ、それより今日は1日寝てるから」
翠「そうですか…」ジィ
JUM「ど、どうしたんだよ朝からそんなに見つめて…」テレ
翠「いや、JUMの悪いところを探してるんですけどね…」
JUM「え?…え?どうして?」
翠「ちょっとJUMを嫌いたくて…」
JUM「な、なんでだよ!?僕がなにか嫌われるようなことをしたのか!?」
翠「はい」
JUM「なっ!?昨日はあんなに仲良く出来たのに…」
翠「気のせいですよ、翠星石はJUMの事大っ嫌いです」
JUM「あ……ぅ……」クワンクワン
翠「とにかく、もう二度とJUMには近寄りませんので、JUMも翠星石の事は諦めてください」
JUM「そんなこと出来るわけないだろっ!!」
翠「うっ…そ、それでもどうしようも無いことなんです。契約は破棄させてください」
JUM「やだ…嫌に決まってるだろ!?」
翠「す……す、翠星石を悲しませないで下さい。JUMは良くても翠星石は、困るんです」
JUM「嫌だって言ってるだろ!?僕は本気で翠星石の事が好きなんだ!!」
翠「はぁ…困りましたね、そんなこと言ってもお互いに不幸になるって言ってるじゃねぇですか…」
JUM「それでも構わないよ、どうして急にそんなことを言うんだよ?」
翠「それは…近くなっちまいましたから…」ボソボソ
JUM「近く?なにがだよ?」
翠「それは…」
蒼(スゥ「心の樹が…だね?」
JUM翠「蒼星石っ?」
蒼「おはようJUM君、今日は翠星石に聞きたいことがあって別口で来たんだけどね…?」
翠「………」
蒼「来る途中で翠星石の心の樹を見て驚いたよ、あまりに変わってしまってね」
JUM「変わっ…て?」
翠「……翠星石とJUMの樹が近付きすぎてしまったんです。これ以上は危険なくらいに」
蒼「そう、もしこれ以上お互いの樹が癒着してしまったら…確実にどちらの樹も傷着いてしまうよ」
JUM「お互いの心の樹が近づくって…もしかして翠星石も僕の事を好きだって事か?」
翠「………」
蒼「調子に乗らないでよJUM君、君がどれだけ翠星石を幸せに出来るんだい?出来っこないよ、たかが引きこもりの人間に…」
翠「そうです、JUMがどれだけ頑張ったってどうしようもないことですよ」
JUM「…翠星石」
翠「けど、それでも翠星石を大切にしてくれるなら、翠星石はJUMの側にずっといてもいいって思ってます」
蒼「なっ!?なにを言ってるんだい!?JUM君が君を幸せに出来るわけがないじゃないか!?」
翠「そう、なんです。翠星石も昨日お互いの心の樹の距離を見てJUMとはもう話さない、こんな変態ニートどうでもいいって思いました…」
蒼「だろう?…なら」
翠「けど駄目です。今分かりました…大切な蒼星石でも、JUMの事を否定されると心が、ささくれだって、しまいます」
翠「JUMが翠星石の事を大切に想ってくれていることを知ってしまいました。そして、翠星石もJUMの事を…」
蒼「ダメだッ!!それ以上言っちゃダメだよ翠星石ッッ!!」
翠「翠星石も、JUMの事が、好きですっ!!」
JUM「~~っ」
蒼「翠星石!それは間違いだよ、それは分かってるんだろう?」
翠「……翠星石も一杯一杯ですよ、けど…例え間違いでも、翠星石はJUMともう少しお話したいんです」
JUM「そうだ、僕だって翠星石が好きなんだ!僕が生きてる限り絶対に翠星石に寂しい思いはさせない。誓うよ!!」
蒼(ギリ「…僕は認めないよ、絶対に、認めない…!」
翠「本当…本当にすまんですね蒼星石、翠星石は駄目な姉ですぅ」ニコッ
蒼「…っ!そんな嬉しそうな顔で言わないでよ…」グッ
蒼「いいよ、どうせすぐに気も変わるだろうし…今日は帰るよ」
翠「蒼星石、ありがとうですぅ」
蒼「…………」スゥ
JUM「……」
翠「…さて、JUM?そこに正座してください」
JUM「え?…あ、うん」スッ
翠「翠星石の気持ちは今聞いた通りです。けど、ドールの愛は人間にはちっと重いです」
翠「だから、無理なら遠慮しないで言ってください。翠星石の事だけを、生涯、愛せますか?」
JUM「当たり前だろ!!」ニカッ
翠「ッ………」ウル
翠「これから…よろしく頼むです」グスッ
JUM「こちらこそ、よろしくな」
・・・
JUM「…にしてもさ」
翠「はい?」
JUM「付き合うったってどうすればいいんだ?」
翠「ん~…翠星石も初めての事ですしよく分からんですねぇ、とりあえず呼び方でも変えてみますか?」
JUM「呼び方って?」
翠「た、例えばですけど…その、ダァリン…とか」
JUM「……じ、じゃあ…ハニィ?」
翠「………」
JUM「………」
JUM翠「//////」ジタバタ
JUM「む、無理することはないと思うぞ///」
翠「そ、そうですね…呼び方は今まで通りでいいですね…」
JUM「後は…そうだな、僕も映画で見た知識なんだけど…」
翠「?」
JUM「こうやって彼女を膝の上に乗せて…」ポスッ
JUM「頭を撫でながら…」ナデナデ
JUM『愛してるよ、翠星石』ナデナデ
翠「………」
JUM「………」
JUM翠「//////」ジタバタ
翠「ひぃぃ…!無理!無理ですよ、翠星石にはちっとばかり刺激が強いです///」
JUM「だ、だよな!いつも通りでいいよな!?///」
翠「……はぁ、どうしてJUMなんかに緊張しなきゃならないんですか…」
JUM「むっ…なんかとか言うなよ、愛しのハ・ニ・ィ?」
JUM翠「ヒィィィィィッッ//////」
翠「健全に!!け・ん・ぜ・ん・に!行きましょう!?」
JUM「うん、うん!だよな!?そうだよな!!」
JUM「ふぅ、はぁ~…でも幸せだなぁ」
翠「ほんの24時間前には考えられませんよ、こんなの//」
JUM「ちょっと頭を冷やしがてら散歩しに行かないか?」
翠「そうですね、賛成ですぅ」
・・・
JUM「はぁ、もう冬だなぁ…」
翠「吐く息が白いですねぇ、手が悴んじまいます」
JUM「…また手、繋いでもいいかな?」
翠「そうですね、それぐらいなら昨日もしてますし…あ、けど」キュ
JUM「?」
翠「こうやって、小指と小指を絡めて歩くのは…恋人、だけですよね?」
JUM翠「//////」
JUM「なんか、暑いな////」
翠「そうですね、今年は暖冬です///」
JUM「あ、公園だ…少し座って行くか?」
翠(コクリ
JUM翠「………」
翠「す、座ってる時ぐらい手を離して下さいよぅ///」
JUM「お、お前が離せよ…?」
翠「や~ぁ、です。JUMが離して下さい」
JUM「いや、翠星石が…///」
翠「JUMが…///」
JUM「不思議だよ、妄想の中ならこんなことも何度もしてるのに、実際にすると恥ずかしくて死にそうだ///」
翠「す、翠星石も…こんなこと大した事ないと思ってましたけど、顔から火が出そうです///」
JUM「……///」
翠「……///」
JUM翠「//////」
雛(フラフラ
JUM「あ、あれ…雛苺じゃないか?」
翠「あ!本当ですね…行ってみましょう!!」
JUM翠「…………」
JUM「は、早く立てよ…///」
翠「ジュ、JUMが先に立って下さい///」
~五分後~
JUM「おい!雛苺!」
雛「……ぅ、ゆ?」
翠「どうしたんですか?フラフラじゃねぇですか…」
雛「…一晩中くんくんを見せられて、さっきまで牛丼の玉ねぎのみを三杯も食べさせられたの…二人はなにしてるの?」
翠「な、なにって…ただお散歩してただけですよ?」
雛「……小指を絡めて?」
翠「そっ、それは…///」
JUM「実はな…僕と翠星石は」
雛「いい、話さなくていいの、聞きたくないの…これ以上なにかあったら雛もう爆発しちゃうの…」
翠「そ、そうですか?それなら今日は大人しく帰りましょうか」
JUM「そうだな、雛苺をこのまま一人で帰すのも危なっかしいし、帰って一緒に昼寝するか?」
翠「一緒って//辞めてくださいよぅ、もぉ///」
雛「………」
テクテク
JUM「翠星石、寒くないか?抱っこしよっか?」
翠「抱っこって///なに言ってるんですか!雛苺に聞こえるから辞めるです///」
雛「………」
テクテク
JUM「おい///くっつきすぎだよ、歩きづらいだろ?///」
翠「…くふふふぅ///」
雛(………ぁ…ぁ、ぁぁあああああっ!!!!)
・・・
紅「つまり、くんくんとは人生。くんくんとは人の持ちうる感情の全てなのだわ」
巴「そう、でも確かに吉野家は量も味も減ったし、安いとは言えない…けれど吉牛の味は吉野家でしか食べられないの」
紅「固執するのも分かるけれど、なにをしてもくんくんに勝るものはないのだわ、貴女もくんくんを観れば分かる筈よ」
巴「いいえ、味噌汁なんていらないの、豚丼のなくなったすき家も論外…愚直と言われても私は吉牛を支持するわ」
紅「…貴女も分からない人ね」
・・・
JUM「ただい」
翠「ま~ですぅ」
雛「………」
のり「お帰りなさい、雛ちゃんも…お疲れかな?おねんねしようか?」
雛「の、のり…雛の味方はもうのりだけなの…」
のり「?」
JUM「あ…」フラ
翠「ど、どうしたんですか?大丈夫ですかJUM!?」
JUM「あ、大丈夫…ただの寝不足だよ、心配してくれてありがとうな?」ナデナデ
翠「ぁ、ぁぅ…///無理しちゃ駄目です、すぐに寝るですよ」
のり「…あれぇ?気のせいかなんだか二人とも仲良しさんねぇ?」
雛「………ペッ」
JUM「じゃあ、お休み…夕方には起きるからな」ナデナデ
翠「分かりました、翠星石の事は気にしないでゆっくり寝てください」
JUM「うん…やっぱり一緒に寝るか?」
翠「ばっ、バカなこと言うなですぅ!…でも」
翠「JUMが寝るまでは側にいてやりますよ///」
JUM「………Zzz」
翠「JUM…寝ましたか?」
JUM「Zzz…Zzz…」
翠「ふふ、可愛い寝顔です…まさかコイツが翠星石の彼氏になるとは思わなかったですけどね…」
おっぱい揉みたい
翠「そういえば、もうすぐクリスマスですねぇ…」
翠「毎年クリスマスはミーディアムと祝ったり…置いていかれたり…ただイベントに乗っかるだけでしたけど、今年は…翠星石も主役になれるんでしょうか?」
翠「…ふふ、そんな訳ねぇですね…あんまり期待してもガッカリするだけです」
JUM「むにゃむにゃ…」
翠「ただ、今年はJUMと一緒に過ごせたら…良いですねぇ」
・・・
金「ふわぁぁ…よく寝たかしら~!」
みつ「あ、おはようカナ!よく眠れた?」
金「ちょっと寝過ぎたかしら…やっぱりおこたの魅力は魔性の如しかしら~」
みつ「そうよね~、みっちゃんもコタツから抜けられなくて会社クビになっちゃった」
金「カナとみっちゃんは似た者同士かしら、なんだか嬉しいかしら~♪」
みつ「でもコタツから出られない余りに食事も出来ないのは困ったわね…」
金「仕方ないかしら、お料理をしてる間に凍死しちゃったら元も子もないわ」
みつ「出前を取るにしても玄関まで出なきゃならないしね…」
金「もう1週間もなにも食べてないけど、おこたの魔力には逆らえないかしら」
・・・
翠「……くぅ、くぅ…ハッ!?」
JUM「おはよう、翠星石」ニコ
翠「あ…寝ちまったんですか…起こしてくれても良かったですのに」
JUM「いや、翠星石の寝顔が見れたからさ、起こすのが勿体無くって」
翠「もう、恥ずかしいですよぅ///」
翠「ん…んん~!はぁ、もうお外が真っ暗ですね…」
JUM「あぁ、のりに夕飯持ってこさせたからさ、一緒に食べよう」
翠「お行儀が悪いです…けど、たまには良いですね」ニヘ
JUM「今日はおでんだよ、なにが食べたい?」
翠「それはもちろん大根ですね、あとこの世の餅巾着は全て翠星石のものです」
JUM「そんなに好きだったのか…じゃあちくわぶはもらった!」
翠「ちくわ…ぶ?なんですかそれ?」
JUM「ま、まさかちくわぶを知らないのか?それはおでん人生の50割は損してるぞ?」
翠「そ、そんなにですか?…それならちょっと食べてみるです」モニュモニュ
JUM「どうだ?美味しいだろ?」
翠「…微妙です」
JUM「なっ!?そ、それなら僕が全部食べるよ!翠星石にはあげないからな?」パクッ
翠「あ、それは翠星石の…」
JUM「なんだ?今更惜しくなっても遅いぞ?」
翠「いえ…いいんですけど…その、間接…キスです///」
JUM「あっ///」
JUM翠「//////」
翠「べ、別にいいんですけど…照れますね///」
JUM「う、うん…ごめん…」
翠「もう、謝らなくていいですよ!その、翠星石が食べたわけじゃないですし…」
JUM「そっか…///」
翠「…はい///」
JUM「その、食べてみるか?」
翠「はぇっ!?」
翠「た、食べるって…なにを言って…///」
JUM「…駄目かな?」ジッ
翠「うぅっ…上目遣いで見上げていいのは女の子だけですよぅ///」
JUM「僕のもあげるからさ、翠星石のと交換しようよ?」
翠「こ、交換って…なにとなにをですか?」
JUM「…唇」
チュッ
翠「んむっ!?」
翠「~~~っ!?//////」
JUM「…///ごめん、我慢できなかった」
翠「ん…んむむむ…!なにしやがるですか急に!び、び、ビックリしたです!!」
JUM「嫌ではなかった?」
翠「い、嫌じゃ…なかったですけど…心の準備が///」
翠「…お口のキスは初めてでしたのにぃ」
JUM「なんだ、昨日は自分の事をお姉さんとか言ってたのに」
翠「そこは!まず!謝るところですぅ!!」ポカッ
JUM「あてっ!」
翠「もう!もぉ~!許さんですよぅ!!」ポカポカ
JUM「あいたたた!だ、だってさ、翠星石…」
JUM「こっちが恥ずかしくなるほど笑顔だからさ…///」
翠「なっ!?ひぇっ!?」ニヘニヘ
翠「こ、これは違います!怒ってるんです!翠星石は怒ってるんですよぉ!!」デレデレ
・・・
翠「ジュ~ン!朝ごはんですよぅ!」
JUM「ありがとう翠星石、今日も可愛いよ」チュッ
翠「くふ!ジュンもカッコいいですよ!」チュッチュッ
のり「あらぁ、もぅすっかりラブラブさんねぇ…」
雛「………チッ」
雛「JUMだけ別メニューなんて、いいご身分なの」
JUM「あ、ごめんな雛苺…けどさ、これも翠星石の愛情だから残すわけにはいかないんだ」キリッ
翠「もう///翠星石の愛情を全部食事にしてたらお相撲とりさんになっちまいますよぅ///」
雛「ウッザビャアアアアアアーンッ!!」
のり「あらあら、ごちそうさまねぇ」
雛「うっざうざうざうざうさぴょーんっ!!」
翠「ほら、JUMが本当のこと言うから雛苺が妬いてますよぅ///」
雛「ちっげぇよ!あ、違った違うのよ!二人きりの空間は二人きりの時に作りやがれなの!!」
JUM「…どうしたんだ雛苺?そんな乱暴な言葉を使う奴じゃなかっただろ?」
翠「きっと疲れてるんですよ、真紅のせいです」
雛「GYARIOOOON!!(訳:確かにそれもあるけれど、そのほとんどの原因です。あなた達は)」
のり「雛ちゃん、落ち着いて?」トスッ
雛「ふぐっ!?」ガクリ
のり「それじゃあお姉ちゃんは学校に行ってくるわね、日付が変わる前には帰って来るから!」
JUM「ほら、翠星石が作ってくれたサラダ、こっちから見るとハート型だろ?」イチャイチャ
翠「本当ですねぇ!きっと無意識の内にJUMへの想いが現れちまったんですね」イチャイチャ
のり「行ってきまーす!」
・・・
紅「……結局、そこに行き着くわね」
巴「……えぇ、私たちはおにゃんこクラブの解散に断固反対しなければならないわ」
紅「それが…くんくんの為になるのね?」
巴「そぅ、それが全ての吉野家の総意よ」
・・・
蒼「こんにちは翠星石、もう目は覚めたかい?人形と人間の恋なんて過ち…」
JUM「さて、今日はどうしようか?」
翠「翠星石はJUMと一緒にいられればなんでもいいですよぅ///」イチャイチャ
JUM「僕もだよ///お前といられれば幸せだよ!」イチャイチャ
チュッチュッ
蒼「………あれ?JUM君のお宅間違えたかな?」
JUM「おみゃえは可愛いな、ほんと~に可愛いなぁ」デレデレ
翠「うにゃぁ~///にひひ、嬉しいですぅ」デレデレ
蒼「ちょっとその気持ち悪いやり取り辞めて、辞めないと切るよ?」ジャキッ
JUM「よ~しよしよしよし、お腹撫でてやろうなぁ」ナデナデ
翠「くふぅ!くふふぅ!!もっと撫でてくださいぃ」トロン
蒼「なっ!?僕は眼中にすら入ってないのかい?」
蒼「お~い!僕だよ、蒼星石だよ!!」
翠「JUM…あのですね?あのですね?」
JUM「ん~?なんだ~?」
蒼「翠星石!JUM君!蒼!星!石!だよ!?」
翠「翠星石はJUMの事、好きぃですよぅ」ニヘニヘ
JUM「な~んだ、それなら充分、分・かっ・て・る・よ!」ツンッ
翠「くふ、くふぅ…バレてましたかぁ」
蒼「…………」
雛「……」ムクッ
蒼雛「なんじゃこりゃあ!!」ビョーンッ
雛「オボボオボボボボ!(それはとてもウザいです。おかしなことです)」
蒼「うぱーうっぱざんうざりんこりん(私は分からない。吐き気を催すのはこの感覚です)」
翠(ギュウウ「すんすん…JUMの匂いがします…しゃ~わせですぅ~」デレデレ
JUM(クンクン「翠星石もいい匂いだよ、僕だけの翠星石…」
翠「ちゅ~?」クリッ
JUM「…ん」
チュッチュッパ
雛「分かった、分かったこうしよう」
蒼「なんだい?」
雛「もう付き合ってられねぇよこいつら、お熱が冷めるまで旅行にでも行こう」
翠「んん~!そ、そこは駄目ですよぅ!」ビクビク
蒼「いいアイディアだね、どこにいこうか?」
JUM「ふふっ、悶えてる翠星石も可愛いよ…」ニヤニヤ
雛「どこでもいいよ、温泉地にでも行こうや」
・・・
~四万温泉~
雛「ふぅ~!清々しい空気なの、緑が多いのが忌々しいけど心は晴れやかなのよ!」キラキラ
蒼「晴れて良かったね雛苺、お空が真っ青だぁ」キラキラ
バス「ブロロロ、プシュー」
ぽてぽて
翠「さすがJUM!温泉なんて最高の感性ですぅ」イチャイチャ
JUM「そんなことないよ、僕はただ翠星石に喜んでもらいたかっただけさ!」イチャイチャ
雛蒼「…………」
雛「なっ………んでこいつらも一緒に来てんだよォッ!?」コブーン
雛「なについてきてんだよ!?そんなに見せつけたいのかコニャア!?」
蒼「落ち着いて雛苺…見てみなよ、あの二人を」
雛「嫌って言うほど見てます!嫌でも視界に入ってくるんです!」
JUM「ほらほら、抱き締めちゃうぞ☆」
翠「ううん!翠星石だって抱き締めちゃいますよぅ☆」
蒼「そう、けれど向こうからは?全くこちらが見えてないよ…?」
雛「…ということは?」
蒼「偶然…だろうね」
雛「神様殺すわ」
蒼「落ち着いて、落ち着いてよ、僕だって溢れ出る殺意を抑えるのに大変なんだから」
蒼「それにさすがに旅館は違うだろうしさ、お部屋でのんびりしようよ」
雛「そ、そうね…まったり、まったりするの…」
~旅館~
『お茶飲みますか?JUM』
『翠星石が淹れてくれたお茶を飲まないわけがないだろ?』
雛「……どうして『隣の部屋』なのよォォォォォッ!?!?」
蒼「お約束、って奴かな」ブルブル
雛「しかも壁がウスィーの!声モロ聞こえなんですのー!!」
『お茶…口移しで飲みたいな?』
『もう、甘えん坊さんですねぇ…んんっ』
蒼「神様…神様…いらっしゃるんでしたらあの二人に死の鉄槌を与えて下さい」シクシク
雛「…もういいの、もはや無我の境地に至ったのよ」
コンコン
雪「失礼します、女将の雪華綺晶でございます…」スッ
蒼「えっ?」
雪「えっ?」
蒼「なにしてるんだい?こんなところで…アリスゲームなら先に隣の部屋の牝豚に挑みなよ」
雪「違います…今の私はこの旅館の女将、アリスゲームをするつもりはありません」
雪「なにか不都合が御座いましたらこの私、雪華綺晶か…」
薔薇(スッ「女将そのに…薔薇水晶の…」
雪「ダブル女将ーズにお任せ下さい!!」
雪薔薇(シャキーン
薔薇「…しゃきーん」
蒼「不都合ならあるよ、でっかい不都合がね」
雛「隣のバカップルの声が筒抜けで脳の血管が切れそうなの」
雪「隣の…?」
『ああぁ!翠星石!翠星石ぃ!!』
『JUMJUM、ジュウ~ン!!』
雪「なるほど、確かにこれはご迷惑ですね…お話してまいります」
薔薇「…しゃきーん」
雛「それ気に入ったの?」
薔薇「………」コクリ
コンコン
『…失礼します、女将の雪華綺晶です』
『JUMのお膝の上は翠星石だけの特等席ですぅ』
『全く、翠星石は僕にベタ惚れだなぁ』
『あの…女将の…』
『え~、JUMの方が翠星石にメロメロじゃねぇですかぁ』
『い~や、翠星石の方が惚れてるね~』
『………』モミモミ
『んんっ…そんな、露骨におっぱいばっかり揉まないでください…』
『え?僕は今は揉んでないぞ?』
『…どうも、女将の雪華綺晶です』
『『ワアァァァッ(ですぅ)!?』』
『い、いつの間にここにいたんですか!?』
『先ほどから…あの、申し訳ありませんがお声が響くとの苦情が出ていますので、お静かにお願い致します』
『えっ?ほら~、JUMが調子に乗るからですよ~?』イチャイチャ
『え~?翠星石だってノリノリだったじゃないかぁ?』イチャコラ
『…よろしくお願いします。失礼します』スッ
薔薇「問題…解決です!」シャキーン
蒼「君はなにもしてなかったけどね」
薔薇(ガーン
・・・
翠「はぁ~、ビックリしましたねぇ」
JUM「まさか注意されるとはなぁ…翠星石が可愛いからいけないんダゾ?」
『お~い、さっきの話を聞いてなかったのかい?黙れって言ってるんだよ~?』
翠「んもう、それを言うならJUMがカッコよすぎるのが悪いんですよ?」
『あ、駄目だこいつら反省する気さらさらないよ』
『あ゛あ゛あ゛あ゛!!うっぜぇのーッッ!!』ドンドン
JUM「…それにしても雪華綺晶って初めて見たよ、さすが翠星石の妹だな…可愛いじゃないか」
翠「え?」
JUM「あんな妹なら欲しいな、毎朝起こしてくれそうだよな」
翠「……それなら翠星石が毎日起こしてるじゃねぇですか」ムゥ
JUM「あ!勘違いするなよ?あくまでも大切な翠星石の妹だから…」アセアセ
『おっ!ケンカ?ケンカ?ケンカ別れフラグ来ましたコレ?』
『ヒャッハー!別れちまえ別れちまえなのー!!』
翠「ふ~んです、そんなに妹が欲しいなら勝手にすればいいんじゃねぇですか?」プイッ
翠(プク~
JUM「………悪かったよ、大好きだよ翠星石」ナデナデ
翠「やぁ、頭撫でんなです」プク
ナデナデナデナデ
翠「……にひひぃ///えへ、えへへへ」デレデレ
『あれ?』
『なに笑ってやがるのぶち殺すのよ?』
JUM「機嫌治った?」
翠「もうっ!JUMは仕方ないですねぇ、もう知らんですっ///」ギュッ
『機嫌治るの早すぎだろこのビッチドールッ!!』
『こいつらバカップルじゃないの、馬鹿カップルなのよ!!』
翠「えへへ、JUMと翠星石が彼氏と彼女になってから、初めてケンカしちゃいましたねぇ」
『付き合ってから、で良いじゃん回りくどいよ言い方が』
『それよりさっきの小芝居をケンカにカウントするの?どれだけおめでたい脳ミソなのよ』
JUM「そうだな、今日は僕と翠星石のケンカ記念日だな☆」
『はいケンカ記念日入りましたー!』
『意っ味不明なの、意っ味不明なのよ!!』
翠「それなら今日は他にも旅行記念日にJUM大好き記念日…ですね///」
『はい、旅行記念日にJUM大好き記念日追加で入りました~』
『いつまでも懇切丁寧に突っ込んでもらえると思ったら大間違いなの、死ね!』
薔薇「じゃ~ん…漂う疎外感、キュアばらしーちゃん…参上です」
薔薇「うるさい…です」
JUM「そんなこというなら毎日が翠星石可愛い記念日になっちゃいだろ~?///」
薔薇「………」
薔薇「話を…聞いてください」サクッ
JUM「あ…れ?なんで急に脇腹に水晶が…刺さってるんだ?」サァ
『マジで!?薔薇水晶グッジョーブッ!!!!』
『貴女こそアリスに相応しいの!抱いてなのー!!』
薔薇「えっへん」
翠「……キ、ィ…ァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!キャアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!!!!」
パリーンッ
翠「JUM!JUMぅ!!死んじゃ嫌です!JUM!」
『あれ?急に音が聞こえなくなったけど…』
『もしかしてこれ、鼓膜が破れて…』
翠「JUM~!JUM~!死んだら嫌ですよぅ」ベソベソ
JUM「だ、大丈夫だよ翠星石、脇腹の傷は浅いみたいだし…鼓膜は破れたみたいだけど」
薔薇(ガタガタ
・・・
蒼「ふう…一時はどうなるかと思ったけど治って良かったね、耳」
雛「あまりに大きな声だったから聴覚が麻痺したのね…ギリギリセーフだったの」
蒼「で、あの酢豚共は?」
雛「多分散歩にでも行ったの…束の間の休息なのゆ~」ホッ
蒼「それじゃあ今の内に羽を伸ばそうか…水銀燈じゃないけどw」
・・・
翠「JUM、大丈夫ですか?傷は痛みますか?」
JUM「大丈夫だよ、翠星石が側にいてくれるだけで幸せ過ぎて痛みなんか感じないから」ニカ
翠「…JUM」キュン
JUM「それに傷口も、沢山舐めてくれただろ?もう塞がったよ…愛の力だな」
翠「それじゃあせっかくだし温泉に入りますか?貸しきり風呂がいいですねぇ」
JUM「そうだな、流石に風呂場でまで球体関節は隠せないしな」
翠「………」
JUM「くす、なんちゃってな、それもあるけど翠星石と一秒でも離れたくないから…だよな?」
翠「…っ、驚かせないで下さいよぅ…JUMは翠星石と別れるのが辛くないのかと思っちゃいました…」
JUM「辛いに決まってるだろ?もう僕は翠星石無しじゃ生きていけないよ」
翠「JUM……翠星石もなんです、翠星石も、もうJUM無しじゃ生きていけないですよぅ」ウル
JUM「あっ、貸しきり風呂あったぞ!」
翠「くふ、じゃあ一緒に入りますか…あれ?一緒に?」
・・・
翠「わ、わぁ~!綺麗だし気持ち良さそうです!」
JUM「そ、そうだな…翠星石?」
翠「は、はい!?」
JUM「その…服を脱がなきゃ入れないわけだけど…」
翠「…はい、でもイザとなると緊張しちゃって…」
JUM「ぬ、脱がせても…いい、かな?」
翠「//////」コクリ
JUM「//////じゃあ…」
スルッ
翠「て、手付きがなんだか…慣れてねぇですか?」
JUM「そ、そりゃあ自分で作った服だし…この服は気に入ってくれたか?」
翠「それは…当たり前じゃねぇですか、JUMから貰ったものなんだし…」
スルリ
JUM「はぁ…始めてみたよ、翠星石の裸…」
翠「あああんまり見るなです!…変じゃないですか?ドールの身体、気持ち悪かったりしないですか?」
JUM「そんなことない、芸術と言っていいくらいに…綺麗だよ!」
翠「ジュ、JUMもさっさと脱いで早く入るです!風邪を引かせるつもりですか!?」
JUM「ん、すぐ脱ぐな…」ヌギッ
翠「ひゃっ!?もっとガリガリかと思ってましたけど…意外と引き締まってますね…」ピトッ
JUM「そっかな?…あ、でも」ギュウ
JUM「服越しじゃなくて、直接抱き合うのってこんなに気持ちいいんだ…」スリスリ
翠「ん…本当ですね、スベスベして…暖かいです」スリスリ
翠「ぁ、こうやって足を絡ませて、内ももをスリスリするの…きもちぃです…」ウットリ
JUM「翠星石、こっち向いて?」チュッ
翠「んむ…んむぅ!っぷは、んちゅ…れむ、ん…」
チュ…チュッチュパッ…
・・・
~30分後~
翠「はふぅ…結局、温泉には入れなかったですねぇ」
JUM「裸で抱き合ってるだけで時間が過ぎちゃったなぁ…」
翠「幸せですけど、勿体ねぇことしましたね…」
JUM「まぁまぁ、もうすぐ夕飯の時間だから、切り替えて食堂に行こう!」
ワイワイガヤガヤ
翠「わぁ、賑やかですねぇ!ご飯も豪華で美味しそうです!」
蒼「うわ、来たよ面白変態馬鹿カップルが」
雛「部屋が隣だから食事の席も隣なのね…あの気の利かない女将共消し炭にしてやるの」
JUM「あれ?お前たち蒼星石と雛苺じゃないか!?こんなところでどうしたんだ?」
翠「ほっ、本当ですか!?蒼星石、JUMと付き合い始めた日以来ですねぇ」
蒼「おやおや、出ましたよ?素で気が付いていませんでしたアッピールが…」チッ
雛「ウゼェの、ウザすぎるのよ~!」ペッ
JUM「ど、どうしたんだそんなに荒れて…なにか嫌なことでもあったのか?」
雛「うん、今現在もあってるの!!」
翠「あ、もしかしてこの間真紅に付き合わされた事ですか?あの時はもっと早く助けてあげればよかったですね…」
雛「た、確かに映画館では助けられたけど…それとこれとは話が違うの!」
蒼「そうだよ、人の忠告も聞かずにイチャイチャイチャイチャ…上手く行くわけないって言ってるだろう?」
翠「くす、蒼星石も心配してくれてたんですね?…でも大丈夫です、翠星石はとっても幸せですよ?」ニコ
蒼「あ、あう…なんだ、まともな会話だって出来るんじゃないか?」
翠「よしよし、蒼星石も雛苺も、翠星石にとっては大切な妹なんですから、悩み事があるならお姉さんに言うんですよ?」ニコッ
JUM「もちろん僕だって力になれることがあったら言ってくれよな?出来る限りのことはするからさ!」
雛「お、おかしいの…こいつら本当にさっきまでの変態つがいなの…?」
蒼「も、もしかしたら僕たちの目の方が、嫉妬の余りに歪んでたのかも…しれないね」
雛「そうなの、雛も元々は二人のことを応援してたのよ…けど、真紅のくんくんに付き合ってから全てはおかしくなったの…」
蒼「もしかしたら…僕たちが疲れてただけなのかもしれないね」
雛「JUMも翠星石もまともなままだったのね?良かったの…そうと分かれば楽しいご飯タイムなのよ~♪」
JUM翠蒼雛「いただきま~す!」
JUM「ほら翠星石、あ~ん」
蒼(ピク
翠「んむっ、JUMに食べさせてもらうご飯は美味しいです…はいJUMも、あ~ん♪」
雛(ピクピク
蒼「あ、あの君たち?も、もう少し大人しく食べたらいいんじゃないかなぁ?」ヒクヒク
JUM「ほら、膝に座れよ~?僕が全部二人羽織で食べさせてア・ゲ・ル・よ☆」
翠「いやぁん♪そんなの翠星石、幸せ過ぎて死んじゃいますよぅ///」
雛「あ、駄目だこいつらもう雛達のことフェードアウトしやがったのよ!?」
蒼「お姉さーん?可愛い妹が今、目の前の馬鹿カップルのせいで悩んでるよー?」
翠「JUMの分は翠星石が口移しで食べさせてあげますよぅ///」
JUM「美味しい///お料理なんかより僕の翠星石の方が全然美味しいよぉ///」
雛「やっぱダメなのこいつら殴り殺すNOOOO!!」
翠「んむ…んん、またJUMと裸でスリスリしたいですよぅ」
雛(ブハッ
蒼「また?またって言ったのこの売女!?薔薇乙女の気高さなんて欠片も残ってなぁぁぁい!」
JUM「うん、僕もだよ翠星石…君の目を見つめると胸が一杯になって食事も喉を通らないよ…」
雛「オメェェは昭和のドラマかよォォッ!?臭っせぇんだよダボがぁ!クソッ、クソッ!!」ガッガッ
翠「ん、JUM…ちゅう」
ちゅっ
JUM「ふふ、翠星石の唇柔らかいよ…」チュッチュッ
翠「んふ、JUMだけのための唇ですよぅ」チュッチュッ
蒼「回りに沢山人がいるんですけどォ!?公衆の面前でなにやってるんだァァ!?」
JUM「翠星石…」スッ
翠「あぁ…JUM、服の中に手を入れて…おっぱい触ったらダメですよぅ///」
雛「おっぱおぱおぱおっ始めやがったのコイツラァァァッ!?」
雛「あぁぁ、いつかは雛にも白馬の王子さまが来てくれるのかな?雛、ひ雛も人前でラブラブチュッチュッ…」クワーンクワーン
蒼「ダメだ!?戻ってくるんだ雛苺!そっちは修羅の道だよ!!」
雛「雛…雛も休日には王子さまと原っぱに行って、雛の作ったお弁当を…」クワーンクワーン
蒼「ダ…メ、だ…よ…うふふ」
蒼「僕の王子さまは筋肉ガッシリのマッチョマンで毎日二人で鋏のお手入れをするんだ…うふふふ」クワーンクワーン
雛蒼「うふふふうふふふ」クワーンクワーン
『ダメですよぅ、こんな素敵な恋人がいて幸せ過ぎますぅ///』
蒼雛(ピク
JUM「ふふふ、こうやってイチャイチャ出来るのも恋人がいる人の特権だよな、独り身には縁のない幸せだよ///」
蒼雛(プチッ
JUM「独り身は寂しいよな、孤独だよな、哀れだよな、本っ当に僕は翠星石がいてくれて良かったよ」
翠「もぅ、JUMったら///」
蒼「ウッワァァァァアアアッッン!!殺す殺す殺す殺殺殺コロコロコロコロコロロットォ!!」
蒼「庭師の鋏ッ!!」ジャキッ
ダダダダッ
雛「あっ!!そ、それはダメなの!ストップなの蒼星石!」
蒼「うりゃぁああ!!」ザクッ
JUM「あ、あれ?なんで脇腹に鋏が刺さって…?」
翠「…………スゥ」
来るッ!この時雛苺は次の瞬間に襲い来るであろう大音量に対する覚悟を終えた
そしてそれは想像通りに…!想像以上に…ッッ!!
雛「~~~~ッ!!」
翠「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!」
パリーンッ
・・・
TV『速報です。群馬県四万温泉にある梅岡旅館で今日未明、宿泊客従業員を含める計84人の鼓膜が突然弾け飛ぶと言う事件が発生しました』
JUM「ふぅ、もう大丈夫だよ」
翠「本当ですか?1日に二回も脇腹に何かが刺さるなんて、きっとこの宿は呪われてやがるんですぅ!」
『この旅館の女将は「ワタシニポンゴワカリマセン、セキニン、オエナイ」と供述しており…』
JUM「ははは、そうかもな…でもほら、翠星石が丁寧に舐めてくれたから、もう傷跡もないよ」
翠「本当に大丈夫なんですか?…まったく、絶対にこの宿には勝手に動いたり髪が伸びたりする呪い人形があるに違いありません!!」
『専門家の意見によりますと「くんくんを敬わないから事故が起こった。これは天誅なのだわ」との事で…』
蒼雛「 」ビクンビクン
JUM「でも、このぐらいの不幸があった方が丁度いいのかもな」
翠「な、どうしてですか?」
JUM「だってほら、今の僕は翠星石のお陰で世界一幸せなんだから」
JUM「代わりにちょっと怪我でもしないとバランスが悪いだろ?」ニコ
翠「………JUM…けど、もうこれ以上の怪我は勘弁です」
JUM「あぁ、そうだな!…あ!外見てみろよ翠星石!?」
翠「え?…あ」
翠「雪…です…」
翠「綺麗ですねぇ…」
JUM「うん…なぁ、翠星石?」
翠「なんですか?」
JUM「僕は一生翠星石だけを見て生きていくよ、そして翠星石にも…僕だけを見て生きてほしい」
翠「…はい、もちろん…そのつもりですよ」
JUM「だから…さ、き、急かもしれないけど…」
JUM「今度のクリスマスに、結婚しよう!!」
翠「は」
翠「…はいっ!」ポロポロ
そこからはしばらく…翠星石にとって、それまで以上に幸せな、夢のような記憶が続きます
結婚式を…しました
あまりに急だったので水銀燈の廃教会を借りて、丁寧に手作りで式場を作りました
いっぱいの祝福を受けました
なぜか蒼星石と雛苺は複雑そうな顔をしてましたけど、最後には笑って花束をくれました
新婚生活を…しました
JUMの実家を離れて小さなアパートを借りました。けど、幸せが沢山詰まった最高の場所でした
JUMのやる気に満ちた表情が、とても嬉しかったです
お仕事を…しました
最初は草笛みつに色々教えてもらいながら、JUMのオリジナルブランドを作りました
翠星石達のことを知ってか知らずか、『第二のローゼン』なんて呼ばれて誇らしかったです
たくさんたくさん、旅行をしました
たくさんたくさん、一緒の時間を過ごしました
そして
お別れを…しました
最後の5、6年はJUMの物忘れが徐々に多くなっていって
自分の名前も、わからなくなってしまいました
蒼星石に、そういう病気なのだと教えられました
ですけど、最後の最後の瞬間に
翠星石に向かって、笑いかけてくれました
翠星石の名前を、呼んでくれました
翠星石のことを…好き、だと、言ってくれました
そして、翠星石は
一人になりました
初めから分かっていた事でした
これが人間と人形の違い
いくら望んでも人間は成長し、変わり、いなくなってしまいます
人間を愛したドールは、己が朽ち果てるまでの長い長い時間を、痛みと共に過ごさなければなりません
JUM…
翠星石は、寂しいですよぅ
パンッパンッ
ラプラスの魔「どうも、皆々様…初めまして?お久しぶり?」
ラ「一人の少年の為にただ、ただ真っ直ぐに愛した少女のお話はこれにて閉幕」
ラ「さてさて、この後のアリスゲームはどのような展開を迎えるのか?それは兎風情の私には分かりません…」
ラ「アリスとは何か?お父様とは誰か?アリスとなった少女は何を見るのか?」
ラ「…そして、残された少女に強さはあるのか?」
ラ「真実は貴方のカケラの海でお探しください…では、またどこかの狭間で」
『JUM!!久しぶりにお出かけするですよ!!』
………fin