垣根「みんなー! メルヘンていと君のメルヘンダンスが始まるよー!」
パチパチパチ…
垣根「メールヘン♪ メールヘン♪ て・いーと君♪ メールヘン♪ メールヘン♪ て・いーと君♪」
垣根「朝起きるーのはちょっときつい♪ でも、起きなーきゃ学校遅刻ーする♪」
垣根「そんな時はー♪ メルヘンダンスをしよーうよ♪ メルヘンパワーがみなぎーるよ♪」
垣根「メルヘンパワーでみ・んーな♪ 元気ーにな・ろーうよーーーーーーー♪」
垣根「メールヘン♪ メールヘン♪ て・いーと君♪ メールヘン♪ メールヘン♪ て・いーと君♪」
垣根「メルヘンパワーで今日も元気♪ メルメルメルヘンヘンヘンていーと君♪」
パチパチパチ…
垣根「みんなー! 拍手ありがとう!」
垣根(……今日もイマイチだ)
元スレ
垣根「皆の笑顔が見たいんだ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328171261/
一年前
垣根「その土下座は何だ? 俺を復活させたのと関係があるのか?」
アレイスター「見ての通り謝罪だ」
垣根「何の冗談だ?」
アレイスター「冗談じゃない。私は幻想殺しの拳によって自分の間違いにやっと気がついたんだ」
垣根「……お前、まさか」
アレイスター「私はもう二度と同じ過ちを繰り返したくない。」
アレイスター「学園都市を生まれ変わらせたい。これからは世界中の不幸な人達を助ける事が出来る様な都市にしてみせる」
垣根「……」
現在
垣根(それから学園都市は生まれ変わった)
垣根(膿は出すだけ出した。非道な実験・計画は全て廃止。暗部の完全消滅。素養格付-パラメータリスト-の暴露。それに伴うカリキュラムの大幅変更)
垣根(スキルアウトも徐々に減ってる。いや、もう消滅してるかもな)
垣根(当然だが、今の俺はもう暗部の仕事はしていない。まあ、それで俺の汚れた手がキレイになるわけじゃないけどな)
垣根「そういやあいつ今何してるんだろう」
垣根「久々に電話してみるか」ピッピッ
プルルルルル…ガチャ
『はい、もしもし』
垣根「よお、久しぶりだな」
心理定規『何か用?』
垣根「いや、今何してるんだろうなーって」
心理定規『あなたも暇なのね。私は今テレビ観てるけど』
垣根「そうか。ってか悪かったな。暇人で」
心理定規『何だか元カレが未練たらたらで電話してきた感じね』
垣根「ば、バカ! 誰が元カレだ!」
心理定規『まあ私はあなたの事はただの同業者としか思ってなかったけど』
垣根「……今は?」
心理定規『腐れ縁、に近いわね』
垣根「……うん」
心理定規『もしもし? 聞こえてる?』
垣根「ああ…。で、今お前は何してるんだ?」
心理定規『もう忘れたの? テレビ観てるのよ』
垣根「そっちじゃねえよ。仕事だよ仕事」
心理定規『普通に学生やってるわ』
垣根「へー」
心理定規『何?』
垣根「いや、精神科とかで患者の面倒みてんのかなーって」
心理定規『私の能力じゃ無理に決まってるじゃない』
垣根「まあそうなんだけどさ、意外な使い道とかあったりすんのかなって思っただけだよ」
心理定規『ないわよ。でも、ホステスとかだったら使い道あるわね。相手が普通の人間に限るけど』
垣根「ハハハ、それは言えてるな」
心理定規『あなたの方こそどうなの? お笑い、相変わらずイマイチなんでしょ?』
垣根「まあな」
心理定規『あなたも物好きよね。顔は良いんだからアイドルでも目指せば良いのに』
垣根「確かに。でもそれじゃああまりにも普通過ぎる。それに俺の様な暗部にいた人間が黄色い声援を浴びるのもちょっとな」
心理定規『お笑いはやってるのに?』
垣根「お笑いはまた別だ。相手を笑わせて嫌な気分を忘れさせるからな。アイドルと違ってお笑いは対象が年齢も性別も関係ない」
心理定規『ふぅん…でもどうしてお笑いをやろうと思ったの?』
垣根「……俺らの様な人間でも、誰かを心の底から笑顔にさせる事が出来んのかなって思ったんだよ」
心理定規『それでお笑いに?』
垣根「それが一番手っ取り早いからな。どんな下らない事でも良い。心の闇を持った人間が、一瞬でも良いから笑ってそれから解放されて欲しいって思ったんだよ」
心理定規『そう。あなたも随分丸くなったね。というか変わりすぎ』
垣根「まあアレイスターがやられて色々っ吹っ切れた部分も大きいけどな」
心理定規『アレイスターかあ……あの人、随分学園都市を変えてくれたわよね』
垣根「ああ。超能力だけじゃなく、アイドル、俳優、声優、お笑い芸人も養成するようにしたしな。てか、それって芸能プロダクションじゃねえか。何が世界中の不幸な人達を助けるだよ」
心理定規『あら? じゃああなたはどうしてお笑いをやってるの?』
垣根「まあそうなんだけどよ、目指す方向が違うじゃねえか」
垣根「そういやあの野郎、自分も散々悪事働いたくせに今も普通に理事長続けてるんだぜ?」
心理定規『下の人間が悪事働かないように監視してるのよ。多分』
心理定規『それと、別に擁護するつもりは全くないけど、実際にちゃんと人助けもしてるじゃない』
心理定規『学園都市の医療技術を各国のパワーバランスが崩れない程度に提供。
まあ学園都市が一番パワーバランス崩れてるんだけど。それと世界中のワクチンが必要な子供達にワクチンを与えてる。
あと外部の人間でも学園都市の病院を使えるようにした(手術の依頼など)』
心理定規『後、能力者を世界中に派遣して人命救助(主にテレポート、透視、テレキネシスの能力者)。
患者のカウンセリング(主に精神系の能力者。ただし学園都市に限る。カウンセリングに役立つ精神系能力者が少ない為)。他にも色々あるけど』
心理定規『あなたも色んな所から連絡来てるんじゃないの。ほら、あなたレベル5だし。能力も色々使い道ありそうだし』
垣根「そういうのは時々あるけど、今は乗り気がしねえ」
心理定規『そっか』
垣根「でも能力者か……減ったよな。新規」
心理定規『でしょうね。今まで騙してきたんだし。しかも自分の限界が分かっちゃう』
垣根「素養格付-パラメータリスト-は努力を完全否定する。才能こそ全て。努力して高位能力者になれたと思ってる奴も、結局は才能があったからだ」
垣根「だからレベル5どころか能力者にすらなれないって分かった奴らは暴動起こしたよな。スキルアウト異常に増えたし」
心理定規『学校辞めた(転校した)人も多かったわよね』
垣根「あれは酷かった」
心理定規『ええ。酷かったわ。アンチスキルも真っ青になるくらいに。一ヶ月くらい続いたわよね』
垣根「ああ。寧ろよく一ヶ月で済んだなって話だよ」
心理定規『ホントよね。でも、それ以来能力者自体は前よりも増えたわよね』
垣根「カリキュラムを根本から変えたからだろ。今までのカリキュラムは超能力者(レベル5)育成の為のモノだったんだし」
心理定規『でもそれでも新規は減ったわよね』
垣根「そりゃあ危ない事してた組織だからだろ」
心理定規『アイドル育成とかも、それがあるのかも』
垣根「かもな」
心理定規『そういえば随分長く話してるわね』
垣根「そうだな」
心理定規『そろそろ切ってもいい?』
垣根「ん、ああ…」
心理定規『それじゃ』ピッ
垣根「……」
垣根「お笑い、もっと頑張らないとな」
俺に常識は通用しない。お笑いの常識なんか俺には通用しない。
垣根「ワハハハハハハ! 俺は冷蔵庫マン。通称ていとうこだ!」
クスクス…
垣根「悪党共め、俺の未元物質冷蔵庫(ダークマター・リフリジェレーター)で懲らしめてやる!」
垣根「バタン! ま、前が見えない!? くそったれ! どこだ悪党共!!」
クスクス…
ただ、通用しなさすぎて――
垣根「これが家電の力だ! メルヘンエンジェルアタッーーーーーク!!!」
クスクス…
垣根「今日も家電量販店の平和は守ったぜ! 皆、またな!」
パチパチ……
客にはイマイチだけどな。
精一杯やってるつもりだ。
垣根「改変、長編、俺メルヘン! どうもー! No.2ホストの垣根帝督でーす!」
垣根「お客さん初めて? そっか初めてなんだ。緊張しちゃうよねー。じゃあNo.2の俺がエスコートしちゃうよー」
精一杯やってる奴が言うと矛盾するかもしれないが、俺は努力と言う言葉が今でも嫌いだ。素養格付の存在を知ってしまったからだ。
垣根「ドンペリ? ドンペリいっちゃう? オッケーーーーイ!!」
でも希望はそこまで嫌いじゃない。
超能力と違ってお笑いのセンスは素養格付では正確には判断出来ないらしい。
垣根「おーい、子分(こっぶーん)! 子分(こっぶーん)!」
だから俺は自分のお笑いセンスに賭ける。
普通の人間だったら挫折しそうな状況でも俺は諦めない。俺に常識は通用しねえ!
垣根「どうも、ありがとうございましたー!」
パチパチ…
垣根(……新しいネタ考えないとな)
垣根(舞台裏)「ふう……」
ワハハハハハハ!
垣根「ん?」
軍覇「根性! 根性! 凄い笑ーーーい!」ドォーン!
垣根「……あいつは良いよな。何故か人気があって」
垣根「俺も早く人気に……いや、人が心の底から笑わってくれるくらい力付けねえとな」
食蜂(テレビ)『ラブリー電波送信!みんな洗脳されちゃえー!』
食蜂『今日も人気アイドルの
MI☆SA☆KIちゃんの笑顔でハッピーな一日にしちゃってネ☆』
ピッ!
垣根「さて、学校に行くか」
垣根「学校が終わったらすぐにネタ作りだ」
ネタはいつも考えてる。
垣根「ドッ、ドッ、ドッ! 俺はペリー。ペリー・テイトくん」
けどそれに比例して実力が付くとは決して限らない。
垣根「ダークマターエンジンで、普通のペリーよりも馬力があるぞ!」
垣根「悪天候もへっちゃらだ!」
垣根「ドッ、ドッ、ドッ! ペリー・テイトくん。 本当は、ドッ、ドッ、ドッ! 元ネタがよく分からない。ドッ、ドッ、ドッ! ペリー・テイトくん」
シーン……
垣根(……今日は酷いな)
舞台裏
垣根「誰かと組もうかな…」
テーンシノヨーウナー♪ アークマノエーガオー♪ ピッ
垣根「もしもし。何の用だ?」
心理定規『実はさっきあなたのお笑いを見たの』
垣根「え?」
心理定規『イマイチなのは聞いてたけど、実物を見たらもっと酷かったわ』
垣根「ほ、ほっとけ」
心理定規『正直に言うわ。あなたのお笑いのセンスはレベル0よ』
垣根「」
心理定規『修業し直すか別の道探したら? じゃあね』ピッ
プッー、プッー
垣根「……ピンはやめようかな」
トボトボ
垣根「ハハハ…少し傷ついたぜ」
「ア、アクセラレータ」
垣根「あん?」
一方通行「誰かと思えばメルヘン野郎じゃねェか? あン?」
垣根「一方通行か。お前あの時はよくもやってくれたな」
打ち止め「うう……」タジタジ
一方通行「ガキ、下がってろ」
垣根「待て待て。俺はもう足は洗った。お前も知ってるだろ? 暗部の完全消滅」
一方通行「でもこいつにとってはトラウマなンでなァ。また性的イタズラとかされたら堪ったもンじゃねェだろ?」
垣根「何が性的イタズラだ。俺はロリコンじゃねえぞ」
一方通行「それともアレですか? 仕返しにでもしに来たンですかァ?」
垣根「んな訳ねえだろ。偶然会ったのに。別にお前に何かしようとは思わねえよ」
一方通行「そうかよ。行くぞ打ち止め」
打ち止め「う、うん」
垣根「……ちょっと待った」
一方通行「あァ?」
垣根「話がある。付き合え。奢ってやるからよ」
ファミレス
打ち止め「ねえねえ、何でも頼んでも良いの?」
垣根「あの時の詫びだ。一番高いのでも良いぞ」
打ち止め「やったー! ってミサカはミサカは久々に子供の様にはしゃいでみたり」
一方通行「今でもガキだろ。で、なンだよ話って?」
垣根「お前、最近何してる?」
一方通行「何って、普通にカタギやってますゥ」
垣根「真面目に答えろ。何か入ってるのか? 俳優とかお笑いとか」
一方通行「別にィ。ただの学生だよ」
垣根「へぇ」
一方通行「オメェは?」
垣根「お笑いやってる」
一方通行「カッ! オメェが!? 信じられねえな」
垣根「うるせえ」
一方通行「つうかよォ、今更だけど生きてたンだなお前」
打ち止め「ドリンクバー♪ ランラン♪」
垣根「奇跡の復活! と言いたいところだが、内臓の大半はドナーの人間がいないから人工のモン使ってる。でも飯はちゃんと食えるぜ」
打ち止め「ステーキ♪ 和風ハンバーグ♪ カレー♪ スパゲティー♪」
一方通行「頼みすぎだろ」
打ち止め「ワーイ! いっぱい来たー!」キラキラ
垣根「つーかよ、学園都市って芸能プロダクションみたいになったけどさ、必ず落ちこぼれとか生まれると思うんだよ」モグモグ
一方通行「そういや俺の知り合いのショタコンの女、声優やっててよ、
そいつ今エロゲ声優やってるンだ」モグモグ
垣根「エロゲーか……」
一方通行「前そいつに会ったら『おねショタはやっぱり最高ね!』って発狂してた」モグモグ
垣根「幸せそうだな」モグモグ
垣根「まあそいつはまだしも、他の奴らはどんな気持ちなんだろうな? 自分が育たないって。アレイスターの奴、ちゃんと考えてんのか? そのうちまた暗部みたいなのが出来るぞ」
一方通行「半分は部活みたいなモンだから、入るのもやめるのも自由だ。卒業したら普通に就職すりゃあ良いし、そのままその道に進めば良い。自己責任だ」
一方通行「それによォ擁護するつもりはねェが、アレイスターの野郎は業界の闇みてェな疚しい事が起きねェように常に監視してると思うぜ」
一方通行「なンてったって、俺のヒーローに半殺しにされたからなァ。真人間になってるはずだぜ」モグモグ
垣根「アレか? 幻想殺しとかって奴?」
一方通行「ああ。さすが俺のヒーローだ。パネェぜ」
打ち止め「ちょっとお腹がきつくなってきた……って、ミサカはミサカは調子に乗っていっぱい頼んだ事を後悔したり」
一方通行「そういや話ってなンだ?」
垣根「やべ、世間話に夢中ですっかり本題を忘れてた」
垣根「お前、今はただの学生なんだろ?」
一方通行「おう」
垣根「お笑いは好きか?」
一方通行「……人並みにはな」
垣根「じゃあ俺と組まないか?」
一方通行「ア?」
垣根「俺と一緒に『ツインエンジェル』って言うコンビ名で組まn」
一方通行「またミンチにするぞゴラァ?」
公園
垣根「誘えなかった」
垣根「お笑いの道は険しいな」
垣根「……お笑いのセンスレベル0、か」
垣根「凹むよなー」
垣根「どうする? やっぱりしばらくはピンを続けるか?」
垣根「いや、お笑いはしばらくやめて自分探しの旅でもするか? いや、人命救助とかも悪くないな」
垣根「……何やってるんだろう、俺」
垣根「向いてないのか、お笑い」
垣根「今なら分かるような気がする。無能力者の気持ち」ツー
垣根「くそ、涙が出てきやがった」ゴシゴシ
垣根「俺は、笑いの神様には愛されてないのか……?」
佐天「次は誰にしようかなー」
初春「佐天さん、もうやめましょうよー」
佐天「お願い! あと一回だけ」
初春「もう、あと一回だけですよ」
佐天「ありがと! よーし、誰かいるかなー」
佐天「! 次はあのベンチに座ってる人にしよう」
初春「誰ですか……!!!!!!???」
垣根「」ズーン
佐天「ふふん、次は一体どんn」
初春「さ、佐天さん、あの人はやめましょうよ」
佐天「どうして?」
初春「どうしてもです!!」
垣根「ん?」
初春「ひっ!?」
佐天「あ、気付いた」
垣根「あいつは確か……」
佐天「ねえねえそこのお兄さーん」
初春「佐天さん駄目!」グイッ
佐天「え、な、何?」
垣根「お、おい待て」
タタタタッ!
垣根「待ってくれ!」
佐天「何? 何で逃げるの? 初春あの人の事知ってるの?」
初春「あの人殺人鬼です!!」
佐天「ええ!?」
垣根「おい、誰が殺人鬼だ! いや、あながち間違っちゃいないけど」タタタッ
初春「女の子をいたぶって笑いながら殺すんですよあの人は!」タタタッ
佐天「えええええええええ!!!!!?」
垣根「しねえよ! いくら暗部でもしねえよ! 俺そんな風に見えてたの? だからそうじゃねえよ!」タタタタッ
垣根「だから待てよ!」タタタッ
佐天「う、ううう初春、追い付かれちゃうよ」タタタッ
初春「風紀委員に連絡して…」ピッピッ
佐天「!? 初春、前!」
初春「え?」
トラック『ブロロロ!』
垣根「チッ!」バサッ
ガシャーーーン!!
初春「……あれ?」
佐天「生きてる……羽?」
ギギギ…
垣根「だから待てって行ったんだよ」
カシャン
垣根「ほら、お前の分(缶ジュース)」
佐天「ありがとうございます」
初春「本当にすみませんでした」
垣根「俺も悪いんだけどな。運転手は?」
初春「たいしたケガじゃなかったみたいです」
垣根「そうか」
佐天「でも二人共知り合いだったんだ。知らなかったー」
初春「まあ知り合いと言うか、顔見知り程度と言うか……」
垣根「こいつには色々と迷惑をかけた」
佐天「へー」
垣根「状況が状況だったとは言え、あの時は本当に悪かった。謝る」バッ
佐天「え、土下座? 何したの?」
初春「……もうあの子の事狙ってませんよね?」ヒソヒソ
垣根「あの子……ああ、狙ってねえよ。もう狙ってねえし疚しい事もしてねえ。真っ当な人生を送ってる。誓うよ」
佐天「ねー、何話してるのー?」
初春「そうですか。じゃあ立ってください。いつまでも土下座されてたら私達が困るんです」
垣根「分かった」ムクッ
垣根「そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名前は垣根帝督だ」
初春「初春飾利です。風紀委員をやってます」
佐天「佐天涙子でーす。能力者で中学生やってまーす」
垣根「能力者?」
佐天「はい。それと私レベル1です。あ、初春も能力者で今はレベル2なんですよ」
垣根「へえ…」
佐天「そういえば垣根さん、さっき私達を助けた時、見たこともない凄そうな能力だったけど、もしかして高位能力者とか?」
垣根「……レベル5だった。今もだが」
佐天「ええ!? 七人しかいないあのレベル5? 凄ーい!」
垣根「ああ…」
佐天「うわー! 私達を助けてくれた人がレベル5だなんて凄い偶然。ラッキー」
佐天「私なんてどんなに頑張ってもそこまで行けないよー」
垣根「……」
初春「あ、あの…」
佐天「どうかしたんですか?」
垣根「一応聞くが、お前、新規の学生か?」
佐天「いえ、前から学園都市にいますよ。それが何です?」
垣根「じゃあお前も知ってるだろ?素養格付」
垣根「自分の限界が分かる。努力を完全否定だ。それが公になった時、かなりの数の学生が学園都市から去った」
垣根「お前だって絶望したんじゃないのか? 素養格付を知った時。決して上には行けないって事実に」
垣根「なのに何でそんなに平気な顔でいられるんだ? 強がりにしてはあまりにも明るすぎるだろ?」
初春「え、あ…」
佐天「うーん、私も最初はショックでしたよ。ちょっと泣きましたもん」
佐天「レベル5どころか能力者にすらなれないなんて、今までの私の人生無意味だったんだー!って」
垣根「……」
佐天「でもそのあと、今までのカリキュラムはレベル5になりそうな子を優先で作られてるって知った時は少し希望が出来ました」
垣根「何?」
佐天「だって、今までは平等なカリキュラムじゃなかったから。可能性の低い子は適当に扱えばいいって感じのカリキュラムだったから」
佐天「でも今は違う。今は皆平等のカリキュラム。その人に合うカリキュラムになってる」
佐天「そのカリキュラムになってから私は改めて自分の可能性に賭けました。次こそ能力者になってやるって」
垣根「……!」
佐天「それで私最近、ついにレベル1になったんです!」
佐天「嬉しかったなー。あの時は」
垣根「なあ、こんな時に悪いんだが、レベル5になれる可能性は?」
佐天「あ、それはほぼ0です」
垣根「……悪い。でもカリキュラムが変わったとはいえ、よくやめなかったな。学校」
佐天「能力者になる事が夢でしたから。それに私、頑張ればレベル3は行けるらしいですし」
垣根「そうか」
佐天「でも、学校をやめなかった一番の理由は、能力者になりたいとかじゃないんです」
垣根「じゃあ何だ?」
佐天「友達と離れたくなかったからですよ!」ギュッ
初春「きゃっ!? 佐天さん!」
垣根「……ハハ」
初春「佐天さん離して下さい! この人笑ってますし」
佐天「ごめんごめん」
垣根「他人事や上から目線になっちまうかもしれねえが、お前はレベル5にならなくて良かった」
佐天「えー! それひどーい!」
垣根「今はともかく、カリキュラム改善前の時になってたらまずかった」
垣根「能力次第だろうが、レベル5になった瞬間、世界が変わっちまう。特に悪い意味でな」
垣根「かなり高い確率で闇に引きずり込まれる。もう二度とそこのお友達と気軽に抱き合う事も出来なかっただろうし、そんな明るい笑顔も出来なくなってただろうな」
佐天「え……」
初春「垣根さん……」
垣根「だから良かった。レベル5にならなくて」
佐天「何か複雑ー」
垣根「ハハハ、悪い悪い」
佐天「そういえば垣根さんは何やってるんですか? ホスト?」
垣根「そういや言ってなかったな。お笑いだ」
佐天「お笑いやってるんですか?」
垣根「ああ。ただ、最近…お笑いがイマイチでよ。ちょっと悩んでたんだ」
初春「そうなんですか…」
佐天「ならちょうどいいや」
垣根「ん?」
佐天「私の能力、
『お笑いのネタが思いつく能力』なんですよ」
垣根「君が笑いの神か」
垣根「待て、その言い方だともしかして自分にしか効果がないんじゃ…」
佐天「あ、他人にも効きますよ。ほら」ピッ
初春「お・は・な・ば・た・け、ポヨヨヨ~ン! ポヨヨヨ~ン!」
佐天「ネタが思いつくと言うよりネタをやらせるに近いですけど」
初春「ハッ! さ、佐天さーん!! 恥ずかしいですよーー」ポカポカポカ
佐天「痛い痛い。さっきも……」
ほわほわほわ~ん
黒子「ごきげんよーーーーーーーーう!! ハードレズですのフォーーーー!!」
黒子「皆さぁん、ハードレズのここ見てくださいまし。ほぉら、グチュグチュに濡れてますのーーー!!」
黒子「フォーーーーーーー!!」
初春「し、白井さん?」
黒子「セイ! そこのお花畑! ハードレズのおつゆでそのお花を育てちゃいますよ」
固法「ちょっと、急に何を――」
黒子「セイセイセイ! そこのお乳、一体何をどうすればそんなけしからんオパーイになるんですの? 全く、搾乳フォーーーーーー!!」
佐天「携帯で記念に」カシャ
黒子「皆さん、ハードレズの指使い見てくださいまし。どうです? 速いでしょう?」クチュクチュ
黒子「何? 遅い? いいえ、これはあまりにも速すぎてスローモーションのように見えてるだけでしてよ?」
黒子「超速慰めフォーーーー!!」
黒子「続いてのネタに行きますフォー!」
黒子「YO! YO! ですの! YO! YO! ですの!」
黒子「ですのの最近はー、変態な事ばっかー!」
黒子「ですの最近、お姉様がいないお部屋であるイケない事をしてますの。
そ・れ・は、SO!お姉様の下着を履いてひとりエッチしてますのーーーーー!」
黒子「あーい、とぅいまてぇーーん!」
初春・固法「……」
佐天「うわぁ……」
黒子「別バージョン!
NO! NO! ですの! NO! NO! ですの!」
美琴「へえ、そうなんだ」
黒子「ハッ!? わたくしは一体何を……」
美琴「おかしいと思ったのよ。時々履いてないパンツが染みてたから。アンタだったのね。黒子」バチバチ
黒子「お、お姉様……」ガタガタ
美琴「黒子ォオオオオオオオオオ!!!!!!!!」バチバチィイイイイイイ!!!!
黒子「あーい、とぅいまてぇえええええええええん!!!!!」
佐天「他にも」
ほわほわほわ~ん
フレンダ「無乳!」
絹旗「貧乳!!」
麦野「巨乳!!!」
滝壺「隠れ巨乳」
フレンダ・絹旗・麦野「四人合わせて、アイテムでーーーす!!!」
滝壺「でーす」
絹旗「最近彼氏が超いないです」
麦野「彼氏いないのは昔からじゃん私達」
滝壺「私は前からいる」
麦野「うらやましいなー」
フレンダ「しかも時々私の妹と遊んでるの見てるとまるで家族みたい」
絹旗「私達超負け組です。貧乳ー(ひんにゅー)!」
麦野「負け組とか言わないでよ」
フレンダ「でも私達これからも彼氏出来ないどころか一生独身!?」
絹旗「貧乳ー!」
麦野「独身なんか恐くないわ! 見て、私ゴリラの物真似だって平気で出来るのよ」
絹旗「貧乳ー!」
麦野「ほら! ウッホッホ、ウッホッホ、ウホウッホッホ!」
フレンダ「痛い! 痛いよ麦野!」
絹旗「超痛いです!!」
滝壺「ドン引き」
絹旗「でも独身なんて超何とかなると思いますよ! 貧乳ー!」
フレンダ「そうだよ! 私なんて一度麦野に殺されて墓まで作ってもらったのになんやかんやで生き返ったし!」
滝壺「ナンクルナイサー」
麦野「そうよね。大丈夫よね」
フレンダ「でもゴリラの物真似を平気でする人を彼女や嫁にするのは無理かも」
絹旗「貧にゅ、ちょおま!」
麦野「無理?」ゴゴゴゴ
フレンダ「あ…」ガタガタ
麦野「フレンダ、またお墓に行こっか?」ニコニコ
フレンダ「ま、待って麦野。それ私には本当に洒落にならないからやめて。冗談に聞こえないよ」
絹旗「超馬鹿です」
フレンダ「ふえええ」
滝壺「大丈夫だよ、私はそんな学習しないフレンダを応援してるから」
麦野「フレェンダァアアアアアアアアアアアア!!!!!」
フレンダ「ひええええええええ!!!!」
フレンダ・絹旗・麦野「はい! アイアイアイアイアーイテム!!!」
滝壺「テム」
佐天「他には」
ほわほわほわ~ん
土御門・青ピ「デンデンデンデンデンデデンデンデン! デッデッデン!」
上条(効かない)「土御門ー? 青ピー?」
土御門「デルタフォースの」
青ピ「武勇伝の時間やでー」
青ピ「なあつっちー、つっちーは何でいつもサングラスを掛けてるん?」
土御門「そいつは言えないぜよ」
青ピ「もしかして、サングラス外すと目が可愛かったりするんかー?」
土御門「いや違うな。それにサングラスが透けた時に俺の目が見えるだろ?」チラチラ
青ピ「確かに見えるけどー、やっぱり外した時の顔も見たいやん? なっ、だから外してーなー」
土御門「馬鹿野郎!」バキィ(殴ったふり)
青ピ「ぐはぁ!?」バタン
青ピ「な、何すんのつっちー?」
土御門「男ってのはな、謎の一つや二つあった方が、ハードボイルドなんだぜ?」キラン
青ピ「つっちーかっこえー!」
土御門・青ピ「武勇伝武勇伝! デンデンデンデンデデンデン!」
上条「いや、武勇伝じゃないじゃん」
土御門「上やん、お前もやるぞ」
青ピ「そうやでー。デルタフォースなんやから三人いないと意味がないやん?」
上条「えー、俺もー?」
土御門「デルタフォースの」
青ピ「武勇伝の」
上条「時間でーす…」
土御門「上やん、お前は最近またかなりの数の女の子とフラグを立てたようだな」
青ピ「またなの?キャー!?無限ハーレムよー!上条君って不潔ー!!」
上条「いやいや、何言ってんだよお前ら。俺はそんな覚え全然ねえぞ。第一、上条さんみたいなモテない王に彼女が出来るわけがない。勘違いしすぎだろ」
土御門・青ピ「あ?」
上条「いやだってそうだろ。もし俺が本当に魅力のある男ならとっくの昔に彼女の一人や二人くらい出来てるっつーの!」
土御門・青ピ「あぁああああああん!?」
上条「な、何だよ?」
土御門「上やぁん! お前はまだそれを言うか!? いい加減自覚しろぉ!」
青ピ「そうや! まだ自慢してもらった方がマシや!」
上条「そんな事言われても分かんねえんだから仕方がねえだろ!」
青ピ「上やん、最近MI☆SA☆KIちゃんとデートしてキスまでしたっての本当なん?」
土御門「何!? 上やん、ついにレベル5の女子を全員…」ワナワナ
上条「食蜂か? ちげーよ! 買い物に無理矢理付き合わされただけだ。そりゃ確かに頬っぺにキスはされたヤベッ!」
土御門・青ピ「あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」ガシガシガシ(頭を掻きむしる)
青ピ「MI☆SA☆KIちゃん……僕のみさきちゃんがあああああああああああああああ!!!!!!!!」
土御門「禁書目録、姫神、吹寄、小萌先生、ねーちん、五和、ローラ、結標、一方通行……どうして俺の周りの人間は皆、上やんとフラグが立つんだ……」ポロポロ
土御門「せめて舞夏だけは、俺の舞夏だけは絶対に守ってやる! NTRなんかさせてたまるかにゃー!」
青ピ「歯ぁ食いしばれ! 上やぁあああああああああああああん!!!!」
土御門「非リア充達の怨念、たっぷり味わえ上やん!!」
上条「うるせえ!」バキィ
土御門・青ピ「そげふ!?」グチャア!
上条「もうこういうのはうんざりなんだよ…」
土御門・青ピ「」ビクンビクン
上条「……以上、デルタフォースでしたー」ペコリ
佐天「ってな感じです」
垣根「お前すげぇよ! すげぇ能力だよ!」
佐天「垣根さんもやってみます?」
垣根「ああ! いやでも、自分で考えたんじゃなくて能力で生まれるネタだからな。お笑い芸人として反則のような気がするな…」
佐天「助けてくれたお礼ですよ。それに能力使って生まれるネタって言っても、結局はその人の潜在能力を引き出すようなモノですから」
垣根「そうか…ならいいか。じゃあ俺にその能力を使ってくれ!」
一分後
佐天「どうですか?」
垣根「……コイツはいけるぞ。確実にいけるぞ!」
垣根「二人共ありがとな!」アクシュ!
初春「え、ええ」
佐天「いえいえ」
垣根「今度会ったら奢るぜ。じゃあな!」シュタ
佐天「あの人のネタ面白かったね」
初春「はっちゃけてましたね」
それから…
一方通行「ガキィ、いつまで起きてンだ? 早く寝ろ」
打ち止め「エッー!?
まだ『エンタの魔神様』見終わってないよー! ってミサカはミサカは楽しみを奪われたくないので抵抗する」
一方通行「もう十時半だ。朝起きれねェぞ?」
番外個体「今時の子供はこのくらいの時間帯でも起きてるのは普通だってば。いつの時代の頑固親父よ? キモいんですけどー!」
一方通行「チッ、それ見たら寝ろよ」
打ち止め「ハーイ!」
ナレーション1『続いてのお笑い芸人は?』
ナレーション2『はい。次のお笑い芸人は学園都市からやって来たお笑い界のダークホース』
一方通行「あン?」ピクッ
ナレーション2「超能力者でお笑い芸人、垣根帝督さんです!」
一方通行「ぶふォ!?」
観客『キァアアアアアアアア!!!!』
垣根「ダァクダァクマァタ~。ダァクダァクマァタ~」ヒョコヒョコ
垣根「皆さんこんにちは、メルヘン党代表の垣根帝督です。今日は僕の演説に来てくれて本当にありがとう」
垣根「! 何だ? 支持者の様子が変だぞ!? どうしたんだ?」
垣根「!? やっべぇ、スーツで来たつもりが、海パン一丁で来ちまった!!」
垣根「チクショー! しくじった~」ガックリ
デデンデンデデンデンデデンデンデデンデン♪ デデンデンデデンデンデデンデンデデンデン♪
垣根「2(ツー)!」ピョーン!
垣根「イエーーーーーーーーーーーー!!! フルルルルルルル!!! アヒョオオオオオオオオオオオオオ!!!」
垣根「あっそれ! あっそれ! あっそれそれそれそれ!」
垣根「俺にー常識は通用しねえ。俺にー常識は通用しねえ」
垣根「通用しねえ」
垣根「女が色気で俺を落とそうとしてきた」
垣根「でもそんなの通用しねえ! そんなの通用しねえ!! そんなの通用しねえ!!!」
垣根「はい、てっとっぴー!」
垣根「敵が死の呪文を使ってきた」
垣根「でもそんなの通用しねえ! そんなの通用しねえ!! そんなの通用しねえ!!!」
垣根「はい、てっとっぴー!」
垣根「かんきんてんとんくーん! かんきんてんとんくーん!」
垣根「……左の翼より、イエーイ」バサッ
垣根「右の翼の方が~、敏感だよーーー! くすぐりとかされたら俺無理ー!」バサッ
垣根「でも、でも、でもでもでもでも」
垣根「そんなの通用しねえ! そんなの通用しねえ!! そんなの通用しねえ!!!」
垣根「はい、てっとっぴー!」
垣根「白髪のライバルがチート技使ってきた」
垣根「でもそんなの通用しねえ! そんなの通用しねえ!! そんなの通用しねえ!!!」
垣根「はい、てっとっぴー!」
垣根「終わり!」
一方通行「……」
打ち止め「えっと…あの人ってこの前会った……」
番外個体「アッハハハハハハ!」バンバン
一方通行「俺もう寝るわァ」
風の噂で聞いたンだが、あのメルヘン野郎はあの番組に出た後、すげェ人気者になったらしい。
けどすぐに視聴者に飽きられたらしい。そりゃあアイツの芸はどこからどう見ても一発屋だからな。
けど消えたわけじゃねェみてェだ。
今もしぶとくテレビに出て他の芸人に弄られてンだとよ。想像したら笑っちまう。
くか…くかき、くかきけこかかきくけききこくけきこきかかかーーーーーーーーーーーー!!!! ……ふゥ。
ま、あいつがこれからどういう人生を歩もうが俺には関係ねェ事だ。勝手にやってろ。
さて、今日は学校の帰りに夕食の材料を買わねェとな。黄泉川達がいるって言っても学生兼召し使いはつらいぜ。
垣根「はい、てっとっぴー!」
105 : 以下、名... - 2012/02/02(木) 20:13:45.62 DqzB3i/K0 56/56どうしてアレイスターが理事長を辞めてないのか。どうして食蜂がアイドルをやってるのか、などの理由は考えてない。
ただてっとっぴーが書きたかった。
てっとっぴーさえ書ければストーリーは何でも良かった。