1 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします - 2014/06/26 23:15:45.25 Bajjmggx0 1/20

綾乃「あ、あの! 歳納京子……」

京子「もう、『京子』って呼んでよ。綾乃」

綾乃「き、京……子」

京子「ふふ。どしたの、綾乃?」

綾乃「手、つないでも……?」

京子「当たり前じゃん、恋人同士だよ? 私たち」ギュッ

綾乃「な――き、京子。いきなりそんな……」

京子「綾乃、いい匂いだね」

綾乃「き、き、き京子! 私、あなたのこと――」


ジリリリリリリリリリ

綾乃「!!」



元スレ
京子「好きな人に尽くすのって幸せ!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403792145/

3 : VIPに... - 2014/06/26 23:20:52.95 Bajjmggx0 2/20

京子「お、時間か」

綾乃「えっ、あ、えっと延長……」

京子「ゴメン! 今日は予定あるから無理なんだ」

綾乃「あぁ、そうなのね……じゃあ、また今度」

京子「うん、いつもありがとね」

綾乃「……ううん。こちらこそ」

京子「じゃあ最後に写メ撮ろうか。綾乃、笑って」

綾乃(ハァ……私、いい機会だからちょっと自粛したほうがいいのかしら)

京子「はい、チーズ」

チュッ

綾乃「!?」

京子「おお、よく撮れてる。メールで送っとくよー」

綾乃「い、今あなた……キキキキスを!?」

京子「綾乃はお得意様だからね。特別だよ」

綾乃「ひ、ひ、暇があったらまた頼んであげてもゴニョゴニョ」

4 : VIPに... - 2014/06/26 23:25:19.04 Bajjmggx0 3/20

千歳「ハァハァ 今日も堪能させてもらったでぇ……」

京子「千歳、待った?」

千歳「全然よ。止血にちょうどいい時間やったわー」

京子「じゃあいつも通り、ダビングは3枚でいい?」

千歳「よろしく頼むわ~」

京子「それと、これはご愛用サービス」

千歳「こ、これは――綾乃ちゃんと歳納さんのちゅー画像!?」

京子「携帯だから画像ちっちゃくてゴメンね」

千歳「いやいや、これで十分よ。むしろ、これ以上大きかったらうちが危ないわ」

京子「じゃあ、私はもう行くね。ありがとな!」

千歳「ありがとな、歳納さん。また綾乃ちゃんから指名あったらよろしゅう頼むわ~」

5 : VIPに... - 2014/06/26 23:29:26.61 Bajjmggx0 4/20

京子(ふむ、まぁいつも通りの収穫か)

櫻子「歳納京子――先輩!」

京子「ん? おお、さくっちゃん」

櫻子「実はお願いがありまして」

京子「(まだ少しは時間あるな、よし) 何でも言ってみなさい」

櫻子「えーっと、その、向日葵とケンカしちゃって……」

京子「――なるほど。仲直りしたいと」

櫻子「な、仲直りじゃないです! ただ、きまずいからどうにかならないかなぁって」

6 : VIPに... - 2014/06/26 23:34:09.78 Bajjmggx0 5/20

京子「よしよし、簡単だよ。ときにさくっちゃん」

櫻子「はい」

京子「好きな食べ物はあるかい」

櫻子「竹輪の磯辺あげです」

京子「じゃあ、どれぐらい好きかを紙に書いてみてくれ」

櫻子「竹輪の磯辺あげに手紙を書くんですか?」

京子「まぁ、そんな感じ。でも『竹輪の磯辺あげ』じゃよそよそしいから『お前』にしてね」

櫻子「りょーかいです! え~っと、『私はお前がいないと生きていけない』っと」カキカキ

7 : VIPに... - 2014/06/26 23:37:14.42 Bajjmggx0 6/20

櫻子「できました! ノーベル賞ものです!!」

京子「よし、じゃあ最初に『さっきはゴメンね』と書いて出来上がりだ」

櫻子「これをどうするんですか?」

京子「ひまっちゃんに読んでもらうんだ。感動のあまり、ケンカなんて忘れちゃうさ」

櫻子「なるほど! じゃあさっそく行ってきます!!」

京子「人助けは気持ちがいいなぁ。っと、時間、時間」

8 : VIPに... - 2014/06/26 23:42:35.94 Bajjmggx0 7/20

ピンポーン
京子「京子ちゃんです」

結衣「間に合ってます」

京子「おい」

結衣「冗談だよ。ほら、入って」

京子「ただいま」

結衣「自宅か」

京子「将来的には」

結衣「じゃあ引っ越すか」

京子「最近、ツッコミに愛がないぞ」

結衣「アイシテルヨ、じゃあな」

京子「なにが不満なんだよ!」

9 : VIPに... - 2014/06/26 23:48:25.13 Bajjmggx0 8/20

京子「結衣、なにかしてた?」

結衣「ん? 買い物でも行こうかと。夕飯時だしな」

京子「そっか……」

結衣「どうした?」

京子「結衣はさ、偉いよね。独り暮らしでもしっかりして」

結衣「な、なんだよ。気持ち悪いな」

京子「これ、よかったら生活の足しにでも……」

結衣「なっ!? いいよ、そんな気を使わないで! お前が稼いだお金だろ、お前が使えよ」

京子「じゃあ結衣がつかって! それが私が決めた使い道なの!!」

結衣「……」

京子「出したお金を引っ込めさせる。これって紳士のやることかい?」

結衣「紳士ちゃうわ……ありがとな、いつも」

京子「ううん。私はこんなことしか出来な――」

結衣「京子、一緒に買い物に付き合ってくれよ」

京子(私、必要とされてる!!)

10 : VIPに... - 2014/06/26 23:51:25.49 Bajjmggx0 9/20

京子「なにつくるの?」

結衣「好きなメニューは?」

京子「結衣のカレー」

結衣「じゃあそれにしよう」

京子「結衣……」キュン

結衣「ウインナー買わなきゃな」

京子「でも、これで数日間は結衣はカレー三昧か」

結衣「何言ってんだ、お前」

京子「だってさ、カレーって一人じゃなかなか減らない――」

結衣「選んだからには責任もって食べに来いよ。明日も明後日も。待ってるぞ」

京子「毎日行きます」キュン

11 : VIPに... - 2014/06/26 23:55:18.92 Bajjmggx0 10/20

結衣「京子、ニンジン持ってきて」

京子「ほい来た」


京子「あ、さくっちゃん達だ。仲直り成功か」

櫻子「!! 歳納先輩、こんちはー」

向日葵「すいません、先ほどは櫻子がお世話になったそうで」

京子「いやいや。仲直りできてよかったじゃん」

向日葵「おかげさまで。あ、これお口にあえばいいのですが」

京子「おぉ、クッキー! ひまっちゃん、ありがとう」

櫻子「え!? 私の分は!?」

向日葵「ちゃんとありますわ。そ、それにあなたはもっと食べたいものがあるんじゃなくて?」

櫻子「?? なにが」

向日葵「さ、さっきの手紙に……『早くお前を味わいたい』って……」

櫻子「?? あれは――」

京子「おおっと、二人とも仲良くて結構だね。私も結衣を待たせてるんで失礼するよ、ありがとね」

向日葵「あ、はい。お世話様です」

櫻子「ありがとーございましたー」

12 : VIPに... - 2014/06/27 00:01:54.00 qZ/FxQOz0 11/20

京子「今この具材を食べたら、おなかの中でカレーになるのかな」

結衣「どうぞ」

京子「相変わらず愛がないな」

結衣「あーんしてやろうか」

京子「そうじゃねぇよ。あ、食べるといえば、ほれクッキー」

結衣「どこで拾った?」

京子「ちげぇよ」

結衣「まさか……」

京子「どんだけ信用ないの、私。もらったんだよ!!」

結衣「知らない人に物をもらうなと」

京子「違うよ、ひまっちゃんだよ」

結衣「なにかしたの?」

京子「かくかくしかじか」

結衣「実はケンカもお前が仕組んだ、とかないよな?」

京子「ちゅめたーい」

13 : VIPに... - 2014/06/27 00:05:18.56 qZ/FxQOz0 12/20

京子「もういい、結衣にはやらん。んっ! これ、うまい」

結衣「お菓子作り得意らしいからなぁ」

京子「ほひいなぁ、『ぼへんははい』っへいへ」

結衣「めっちゃ食べかすとんでるんだけど」

京子「ほしいなら、『ごめんなさい』っていえ」

結衣「別にいいよ」

京子「えっ? いや、すごくおいしいんだよ? 食べたくないの?」

結衣「どうしてほしいんだよ」

京子「泣きながらむさぼってほしい」

結衣「路上で何をさせる気だ」

14 : VIPに... - 2014/06/27 00:10:47.02 qZ/FxQOz0 13/20

京子「ラスト1個だよ? 本当にいいの?」

結衣「じゃあ貰うよ」

京子「よっしゃ、半分こな」

結衣「まだ食べたりないのか? あ、割らなくていいよ」

京子「ん? わー! 全部食べるな――おい」

結衣「どうぞ」

京子「結衣さん……なぜクッキーをくわえてるのです?」

結衣「半分こだろ、どうぞ」

京子「そのままだと唇が触れてしまいますが」

結衣「噛んでからのほうがいい?」

京子「……『キスは有料です』とかないよね」

結衣「何言ってんだ、お前。しゃべりづらいから早く」

京子「……あほ」チュッ

15 : VIPに... - 2014/06/27 00:14:14.53 qZ/FxQOz0 14/20

京子「腹ン中がパンパンだぜ」

結衣「クッキー食べて、カレー食べてだからな」

京子「デザートとメインが入れ替わる食事。名づけるなら――」

結衣「デブ御用達」

京子「……もう食べない」

結衣「そうか、残念だな。せっかくラムレーズン買っといたのに」

京子「!? いつの間に」

結衣「京子が目を離してる隙に」

京子「今日から毎日拝むわ。でも私が言うとあれだけど、無駄遣いは控えろよ」

結衣「まぁ今日は臨時収入があったからな」

京子(臨時収入? 今日なんかあったっけ?)

16 : VIPに... - 2014/06/27 00:21:49.87 qZ/FxQOz0 15/20

結衣「じゃあ、おやすみ京子」

京子「おやすみ」


京子(!! そっか、結衣のやつ。きっと私のあげたお金で買ったんだな)

京子(もう、好きに使っていいって言ったのに。やさしいんだから……)


京子(ん? 待てよ)

京子(私が稼いだお金は結衣に行った。もしや、そのお金でラムレーズンを買ってくれた?)


京子(これ……私がアイス買ってるのと変わらなくない?)

18 : まちがえたーよ - 2014/06/27 00:28:13.39 qZ/FxQOz0 16/20

京子「結衣! 起きろ、この野郎!」

結衣「な、なんだよ夜中だぞ!?」

京子「やかましい! 乙女の純情をもてあそびやがって!!」

結衣「?? なんの話だ」

京子「お前にとって、私はなんだ!?」

結衣「いや、いきなり」

京子「友達か? 恋人か?」

結衣「……京子?」

京子「それとも――ATMか?」

結衣「……」

京子「ねぇ、答えてよ……」

結衣「わかった」

19 : VIPに... - 2014/06/27 00:35:02.31 qZ/FxQOz0 17/20

結衣「この封筒、見覚えがあるだろ?」

京子「それ――私が結衣にあげたお金」

結衣「そう。で、これは今から丸ごとここに入ります」

京子「え、これ」

【京子との結婚資金BOX】

結衣「……本当はさ、貯まるまで秘密にしておきたかったんだ」

京子「結衣……ゴメン」

結衣「まぁ遅かれ早かれバレてたさ」

20 : VIPに... - 2014/06/27 00:40:15.65 qZ/FxQOz0 18/20

京子「じゃあ……臨時収入って?」

結衣「京子にニンジン持ってきてもらったときに、偶然ちなつちゃんに逢ったんだ」

京子「ちなつちゃんに?」

結衣「本当にまじめだよな、『結衣先輩、これ今月分です』だってよ。別にいつだっていいのに」

京子「そうなんだ。疑ったりしてごめんね。私、私……」

結衣「いいんだよ。こっちこそゴメンな、ほら」ギュッ

京子「あ……待って。まだ布団が」

結衣「どうせぐちゃぐちゃになるんだ。いいよ、あとで」

京子「あ。んっ……電、気……」

21 : VIPに... - 2014/06/27 00:47:59.23 qZ/FxQOz0 19/20

京子「ねぇ結衣」

結衣「ん?」

京子「あの貯金箱、あとどれくらいでいっぱい?」

結衣「ふふ、秘密だよ」

京子「えー、ケチー!!」

結衣「だって言ったらドキドキが薄れるだろ?」

京子「ロマンチストだなぁ、結衣にゃん」

結衣「うっさいわ」

京子「よーし、私も頑張って稼ぐぞー!!」

結衣「はは。あ、そういえばさっきの『プロレス』だけどさ」

京子「ちょ、言うな! 恥ずかしい!!」

結衣「三回分で、一万五千円ね」

京子「えっ」

22 : VIPに... - 2014/06/27 00:55:11.00 qZ/FxQOz0 20/20

京子(通常の半額!!)キュン

結衣「京子だからね、特別割引だよ」



おわり

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