ちょっと変り種 上条×神裂
これの五和ルートも書いてみたい気はするがそれはまた別のお話。
上条(ったく、建宮の野郎…。わけわからないこと言いやがって…)
あてがわれた部屋に戻り、ベッドサイドに腰を下ろしてそのまま後ろに身体を倒して天井を見上げながら、建宮の言葉を思い出してため息をついた。
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建宮「はいはい。ここまでなのよ」
神裂「なっ、まだ話は終わってません!」
五和「そうですよ!何で止めるんですか!」
建宮「そんなこと言っても、時間も時間だし、客人だって疲れてると思うのよ」
そう言って親指で上条当麻を指差し、二人を手招きして小声で囁く。
建宮「そこで提案なのよ。あとは客人に決めてもらえばいいと思うのよ」ニヤリ
神裂「決めるってなにをですか?」
五和「女教皇様、勝負です!」
神裂「い、五和!?何を言っているのですか?貴女は?」
建宮「まあまあ。五和も落ち着くのよ。このあと、客人を部屋に案内するときに女教皇様か五和を選ぶように伝えとくのよ」
神裂「!だから、そもそも私たちはそういう関係じゃありません!」
五和「が、がんばります!」
神裂「何で乗り気なの?五和は!」
建宮「あれ、知りませんでしたか。五和は客人にご執心なのよ」ニヤニヤ
神裂「なっ!?」
五和「…」///
建宮「そんなわけで、とりあえず二人とも部屋に戻るのよ。俺は客人に伝えてくるのよ」ニヤニヤ
神裂「ちょ、ちょっと建宮!!」
五和「たとえ女教皇様に究極兵器の堕天使エロメイドがあるとしても…私にだって最終兵器大精霊チラメイドがありますから…」ブツブツ
神裂「!!」ビクッ
五和「負けません」
神裂に小さくお辞儀をして、五和は自分の部屋へと小走りで戻っていく。おそらく、彼女の部屋にはほどなく大精霊チラメイドが光臨することだろう。
神裂(な、なんなの?この状態)
半ば呆然と五和を見送ってから、上条の背中を押して歩いている建宮の後姿に視線をやって、それから大きなため息をひとつ付くと、神裂火織は自分の部屋に戻るため歩き出した。
建宮「で、客人。先ほどの件なのよ」
上条「ああ?神裂と五和がなんかもめてたよな?」
建宮「その前に、話は変わりますが、女教皇様の堕天使エロメイド姿ってのは、どうだったのよ?」ニヤニヤ
上条「ぶふぅ!?な、なんでそんなこと天草式の人が知ってるんですか!?はっ!やっぱりあれは天草式術式の最終兵装だったのか!」
建宮「まー、ある意味正しいのよ(性的な意味で)。まあ、それでですね、女教皇様と五和、どっちを選ぶのよ?」
上条「…おっしゃっている意味がわかりませんが」
建宮「巨乳チラリズムエロお姉様と、隠れ巨乳しっかり者童顔娘のどっちが好みかって聞いているのよ」
上条「なんでそうなる!?」
建宮「二人とも器量良しなのに選べる立場にいるなんて羨ましいのよ」
上条「だから、何でそんな話になるんだよ!」
建宮「客人…。ここまで鈍感なのも罪なのよ…。あのふたりは客人に好意を寄せているのよ」
上条「は、はあ?」
建宮「そんなライバル関係のふたりが、客人を巡って言い争ってたのよ」
上条「…」
建宮「ちなみに女教皇様が●号室で、五和が■号室なのよ。じゃあそういうことでよろしくなのよ」
上条「ちょっ!?どうしろって言うんだぁ!?」
-----
上条(あのテンションにはついていけねえ…。よくわからねえな、天草式って)
天井を眺めながら先ほどのやりとりを思い出す。だが、これといった打開策が浮かんでくることは無かった。
上条(…天草式っていえば、神裂がトップに戻ったんだよな…)
困ったときはその組織のトップに聞くのが手っ取り早い。上条当麻がそう考えたのは当然といえば当然だった。
神裂火織とはそこそこ付き合いもあるし、多少は友情のような絆ができていると上条当麻は考えていた。
上条「…ま、神裂に聞けばなんとかなるだろ」
面倒くさそうに呟くと、上条当麻は部屋を出た。
神裂(まったく、馬鹿げています)
建宮のニヤケ面と、やけに挑戦的だった五和のまなざしを思い起こしながら、神裂火織は寝巻きに着替えていた。
シャツを脱ぎ、ブラを外しながら壁際に置かれたスーツケースに目をやる。その中には着替えの他、隠しとなっている場所に『堕天使エロメイド』の衣装が封印されている。
神裂(いや、それは無いですね)ブンブン
少し頬を赤らめ、片方の袖の切り取られたジーンズを脱ぎ、ショーツに手を掛ける。
そのとき、何の前触れも無く入口の扉が開かれた。
上条「神裂、ちょっといいかー…!?」
神裂「…」
ショーツに手を掛けたままの格好で固まっている神裂火織のあられもない姿を見て、上条当麻はなるべく紳士的に、いかにしてダメージ無く部屋を出るかを考え、早々に降参した。
上条「あー、神裂…。ゴメン」パタン
当たり障りの無いことを言って扉を閉める。
神裂「上条当麻ぁ!!な、なぜ貴方はノックもせずに部屋に入ってくるのですか!!」///
上条「ごめんなさい!」ドゲザ
神裂の部屋の前ですばやく土下座をして、上条当麻は部屋の主が出てくるのを待った。大丈夫。神裂ならインデックスのように噛み付いてはこない。
神裂「…入ってよいですよ」
上条「お邪魔いたします…姫」
神裂「…」ジロリ
上条(噛み付きは無いだろうけど、斬られるってことはあるかもしれない…)
神裂「まったく。女性の部屋に入る前に、まずノックをするのは最低限の礼儀ではありませんか?」
上条「おっしゃるとおりでございます…姫」
神裂「貴方は、私を馬鹿にしているのですか?」
上条「滅相もございません。姫」
神裂「…その「姫」というのは人を馬鹿にしているようにしか聞こえないのですが?」
上条「…ごめんなさい」
神裂「べ、別に次から気を付けてくださればよいのです」
上条「…」
神裂「で、その、…何の用でしょうか…って、いや、用事があるのはわかっているのですが…その、いざとなると、ですね…なんて言っていいかわかりませんね」///
上条「ああ、そうそう、さっきの…」
神裂「だからわかっています!…すみません、大声を出してしまって…。でも、こういうことには慣れていませんので…」
上条「ええと、神裂さん?」
神裂「その、できれば名前で呼んでくださると嬉しいのですが…」///
上条「ええと…」
神裂「…やっぱり年上は嫌ですか?実は五和にしたいけれども、今までの交友を尊んで謝罪のために訪問してくれたとかですか?」
上条「…ええと」
神裂「そうですよね。私みたいな戦うことしか能の無い女より、家庭的な五和のような子の方がいいに決まってますよね」ショボン
上条「神裂さん?なぜそのような話になっているのですか?」
神裂「だって、貴方は私より五和の方が好みなのでしょう!」グスン
上条「好みもなにも…そもそも、なぜそのような話になるのか、上条さんはわからないのですよ神裂さん」
神裂「じゃ、じゃあ、その…私を選んでくれたのですか?」ウルウル
上条「あーその…」(その上目遣いは反則です)
神裂「と、とりあえず、其方へ…」
上条「ぶふぅ!?これは堕天使エロメイドを上回る破壊力!」
神裂「ああああ!ごめんなさい!!見苦しいものをお見せしまして!!」///
神裂火織は真っ赤になって、ベッドの上に置いてあったシャツやジーンズ、下着類を丸めて部屋の奥に持っていき、風呂敷のような布で覆い隠した。
そんな後姿を見ていた上条当麻の目に、太腿の辺りの白い肌がめくれ上がった着物の隙間から一瞬だけ飛び込んでくる。
上条「あー…神裂。その、風呂にでも入る予定だったか?」
神裂「いえ、寝巻きに着替えただけですけれど?」
上条「…着けないの?その、下着」///
神裂「着物とはそういうものです」///
上条「そ、そうなんだ」///
神裂「それに、閨を共にするとなれば、そんなもの、不要ですので」///
上条「え、ええと…」
困惑する上条当麻の前で、神裂火織は床に膝をついて座る。
上条「神裂?」
神裂「不束者ですが…よろしくお願いします」オジギ
上条「ぶふぅ!?」///
お辞儀をした際にのぞく胸元に、上条当麻は思わず目を背けた。
神裂「私だって恥ずかしいのですけど…。こういったことは…その、初めてですし」///
上条「そ、そうなんだ」
神裂「…やはり、義理で私の部屋に来たのですか?」ショボン
上条「義理とかじゃなくて…俺はただ、どうすればいいか天草式のトップである神裂に聞こうと思って来たんだけどな」
神裂「天草式のトップ?」
上条「うん。もしかしたら天草式の儀式みたいなものだったりとか、教団ぐるみのドッキリだったりとか思ったりして」ハハハ
神裂「…貴方は天草式十字凄教を何だと思っているのですか」ムッ
上条「えー、エロコスチューム集団?」
神裂「!!」ズーン
上条「神裂さん?」モシモシ
神裂「くっ…咄嗟に反論できない自分が悲しい」ワナワナ
上条「…」デスヨネー
そのとき、神裂火織が無意識のうちにつかんだ帯が解け、着物の前が肌蹴る。
上条「見えちゃいけないものが見えてしまう駄目!絶対!」ズザ-
神裂「え?ちょ、ちょっと!?」
咄嗟に着物の裾を掴んで肌蹴ないように押さえる。なんとか露出を止めることに成功したものの、気が付けば神裂火織を押し倒すように床の上に倒れこんでしまった。
神裂「え?ちょ、ちょっと!?」
咄嗟に着物の裾を掴んで肌蹴ないように押さえる。なんとか露出を止めることに成功したものの、気が付けば神裂火織を押し倒すように床の上に倒れこんでしまった。
上条「す、スマン、神裂!?でえええええ!!」ムニュ
神裂「ひゃ、ひゃぁっ!どこを触っているのですか!上条当麻!」
上条「え?ど、どこだこれ」ムニュムニュ
神裂「だ、駄目です!強く揉まないでください!!」///
上条「揉む…ってことは、その、つまり、アレですか?」ムニュムニュ
神裂「わかっているのでしょう?っん!だから、手を止めなさい」///
上条「なあ、神裂。これって魔術か?手が、止められない」ムニュムニュ
神裂「ふ、ふざけたことを言わないでくださいっ!…んっ、だめですっ」///
上条「…考えたら、閨とか不束者とか言ってたし、いいんだよな?」ムニュムニュ
神裂「そ、それは…そう、かもしれませんが…、せめて、その、優しくしてください…」グスン
上条「!!」トビノキ
神裂「…上条当麻?」
上条「あー、すみません!自我を失いかけました」ドゲザ
神裂「え?」
上条「なんていうか、その、神裂が可愛くって、気がついたらこう、手が勝手に…」
神裂(可愛いって私が)///
上条「いや、あそこで帯が解けるなんて事故が起きなければ、上条さんも何とか自制できたんですけど」
神裂「…それは、私に魅力を感じないということでしょうか?」
上条「いやいやいや、神裂さんは大変魅力的ですよ!?だからこそ事故の後で暴走したわけですし!」
神裂「暴走…ですか」
上条「そうです、決してやましい気持ちがあって…いや、少しはあったかもしれないけどですね…」
神裂「…」クスッ
上条「神裂さん?」
神裂「貴方が私を訪ねてきてくれて、私は、その、嬉しかったのですよ」
上条「え…」
神裂「でも、貴方は天草式十字凄教のトップとしての私に相談に来ただけなんですよね」ジワッ
上条「ちょ、ちょっと待って、神裂さん!?」
神裂「貴方は、ずるいです。でも、私から言わないとわからないのでしょう?」
上条「な、なにが?」
神裂「…私は、貴方が好きです。上条当麻」カァッ
上条「!!」
神裂「ほら、ね。貴方はずるいですよ。上条当麻」ニコッ
上条「神裂…」
神裂「この期に及んで、私の言葉の意味がわからないとは言わせませんよ?」
上条「神裂さん…その戦いを前にしたような眼差しはなんなのでしょうか?」
神裂「!!…わ、私だって聖人である前に一人の女です。…真面目な顔を戦闘前の顔だなんて…好きな人に言われると…堪えます」グスン
上条「あー、ゴメン」
神裂「本当にそう思っているのですか?」ウワメヅカイ
上条「ああ。本当に悪かった」
神裂「…じゃあ、貴方の気持ちを聞かせてくれますか?」カァッ
上条「…神裂」
神裂「はい」ドキドキ
上条「俺でいいのか?」
神裂「…はい」///
上条「ありがとう。神裂」
神裂「上条当麻…」ウルウル
上条「俺もお前が好きだ」
神裂「!!」ウルウル
上条「だが、好きだからこそ、とりあえず今は退かせてくれ!この通り!」ドゲザ
神裂「ど、どうしてですか!?」
上条「告白されていきなり最後までっていうのは、上条さんの中のちっぽけな良心が許さないんだ!」
神裂「…そういうもの、なのですか?」
上条「ともかくそういうものなんだ!」
神裂「そう…ですか」ショボン
上条「…なぜそこでうなだれちゃうんでしょう?」
神裂「私は、一刻も早く添い遂げたいと思ってしまう方ですので」///
上条「なんですか!その爆弾発言は!」カァッ
神裂「だって、貴方の周りは女性ばかりですし…、貴方は気づいていないかもしれませんが、結構狙っている方が多いように思うのです」ムス
上条「それは神裂さんの気のせいですよ!」
神裂「少なくとも五和は貴方に好意を寄せていますよ」ジッ
上条「そうなんですか!?」
神裂「インデックスも貴方のことを話すときは頬を赤くしますし、オルソラやアニェーゼも貴方を気にしている節があります」ジッ
上条「上条さん絶賛好評中!?」
神裂「ですから…」スッ
上条「えっと、神裂さん?いきなり近づいてきてどうしたのですか?」
神裂「上条当麻。貴方は私の告白を受け入れてくださいましたね」
上条「…ああ」
神裂「貴方のポリシーも尊重します。ですが、とりあえずは証をたてさせていただきたいのです」
上条「証?」
神裂「目を閉じてください」///
上条「!ま、待て、神裂」
神裂「いやです」
上条「神裂。そういうのは男からするものだ」
神裂「…え?」
上条「神裂…。目を閉じてくれ」
神裂「っ!!」スッ
上条「ありがとう。…好きだよ。…火織」チュッ
神裂「んっ…」ポロポロ
上条「泣くなよ」
神裂「すみません…」ポロポロ
上条「ああ、謝らなくていいから」ナデナデ
神裂「…」///
上条「…」ギュッ
神裂「…接吻も証と言えますけど、違うのですよ」
上条「さ、最後までは上条さんの心の準備が…」
慌てる上条の首筋に唇を押し付け、神裂は囁いた。
神裂「ここに、私の証を付けさせていただきます」チュウウウ
上条「っ!」
神裂「貴方も私に証を…ください」
上条「…」チュウウウウ
神裂「んっ…」///
上条「…火織」
神裂「…はい」
上条「…」チュッ
神裂「ん…」チュッ
おしまい
24 : 以下、三... - 2010/11/22 01:23:46.16 F8CZcuE0 138/277この後の上条さんとねーちんがどうなったかは脳内補完してくださいw
今日はここまで。お休みなさい~。
1的には上条さんは主人公なのでメインに来ることが多いですけど、二股とかはないつもりw
全部別世界ってことでよろしくなのですw
ちと書き溜めがなくなったので(ぇ)VIPで落ちた奴の修正版で穴埋め投下(ぁ)
まあ、中途半端なんですけどねorz
上条「…」
海底に沈んだベツレヘムの星。
ロシアの寂れた田舎町の海岸に打ち上げられた、元は自分のものと同じストラップを握り締めながら途方にくれる御坂美琴。
行方不明の上条当麻。
奪われた遠隔操作装置から開放され、意識を取り戻したインデックスが呼ぶ声に応える者は現れるのか?
第三次世界大戦の傷跡の残る世界でそれぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!
上条「…」
目が覚めると、やけに薄暗い部屋の茶色の天井が目に入った。
ここはどこだ?
ゆっくりと身体を起こそうとして、思うように身体が動かせないことに気づく。どうやら右腕は木か何かで固定されているらしい。
まあ、無理もないか。
あれだけの大立ち回りをしたんだから、むしろこの程度で済んでよかった。そう上条当麻は考えた。
上条「…それにしても、ここはどこだ?」
手当てをされているところを見ると病院かとも思ったが、板張りの上に敷かれた布団(羽毛布団らしく軽くて暖かい)というのは、どう考えても病院とは思えない。
そこは不思議な場所だった。周りを木で囲われた長細い部屋。窓は無いし、光源となるものが無いにもかかわらず、仄かな光が室内全体を照らし出している。
これも、魔術の一種なんだろうな。しかし、魔術って言うのは凄いものだなあ。
ゆっくりと身体を起こしてみる。多少痛みはあるものの、上体を起こすことに成功する。ほぼ同時に、後ろから声をかけられた。
上条「…!」
思わず身構えた上条当麻の前に現れたのは、ショートカットの少女だった。
五和「上条さん!良かった。お目覚めになられたのですね」
上条「…」
五和「無茶しすぎですよ。もう駄目かと思っちゃいました。…けど、その、無事でよかったです」ニコッ
上条「あー…その」ポリポリ
五和「はいっ。なんでしょう?お食事ですか?と言ってもその右手じゃお箸は持てないでしょうから…その、私が食べさせてあげますね」カァゥ
上条「そ、それは魅力的なお言葉ですが…じゃなくてですね。あの…どちらさまでしょうか?」
五和「え…?」
目の前のツンツン頭の男-上条当麻-は何を言っているのだろう?
上条「えーっと、イギリス清教の人?」
五和「あの…五和です…けど」
上条「イギリス清教の五和さん?」
五和「天草式十字凄教の五和ですよ、上条さん!」
上条「天草式十字凄教の五和さんですか。ええと、イギリス清教とは関係が?」
これじゃあ押し問答だ。これまでの上条当麻の言葉を総合して、五和の頭の中でひとつの結論が導き出される。
そんな、まさか。
信じたくない気持ちを懸命に隠したつもりでも、言葉の端に想いが滲み出てしまう。
五和「…忘れちゃったんですか!?」
上条「忘れた…って、ええと、もしかして俺の知り合い?」
五和「そうですよ!私です!五和です、上条さん!」
まっすぐに上条を見つめ、懸命に笑顔を向ける。
上条「…不幸だ」
五和「え?」
上条「天使と戦って、目が覚めたら窓の無い部屋に監禁されて、見ず知らずの女の子に知り合いだって迫られるなんて」
五和「ちょっ。私たちは知り合いですし、監禁でもありません!」
上条「そ、そう…。じゃあひとつ聞くけど、インデックスはどうなった?」
五和「神の右席に奪われた遠隔装置は上条さんがベツレヘムの星で破壊したと聞いてますけど…」
上条「ベツレヘムの星?」
五和「上条さん…。一体いつの話をしているのですか?」
上条「いつ…って、今、八月の頭ですよね?」
八月の頭ということは、上条と五和は出会ってはいないことになる。
五和「そんな…。私の水に濡れて見えた透け下着も、お部屋で作らせていただいた手料理も忘れてしまったのですね」ガーン
上条「…なんか今、なにげなく凄いことを聞いたような気がするのですが気のせいでしょうか?」
逆に言えばこの三ヶ月の間、上条当麻と自分の間にかけがえのない絆が築かれたことにしても問題は無いはず。
五和「…ううん。駄目。そんな弱みに付け込むようなことをしたら自分が許せなくなる」
それ以前に、上条当麻の周りにいた人たちがそれを許すはずはない。純白のシスター、女教皇、元ローマ聖教のシスター達…。なぜか女性ばかりが頭に思い浮かんでは消えていく。
上条さんって、実はかなり女性に縁がある?
上条「えーっと、五和さん?」
五和「は、はいっ、なんでしょうか?」
幾分他人行儀に声をかけられて、内心落ち込みながらも、勤めて明るく返事をする。
上条「ええと、上条さんはいわゆる『記憶喪失』なのでありますか?」
五和「そ、そうなるかもしれません…」ショボン
上条「ちなみに今日は何月何日?」
五和「えっと、今日は十一月一日です」
上条「…そっか」
五和「…」
沈黙が訪れる。なんともいえない雰囲気の中、その静寂を破るように少女の腰の辺りから電子的な呼び出し音が聴こえてきた。携帯電話だ。
科学的にではなく魔術的に会話が可能となっているのだが、そのようなことは上条当麻に知る由も無かった。
五和「はい、五和です」
建宮「お、繋がったのよ。で、五和、お前どこにいるのよ?」
五和「建宮さん、緊急事態です!」
建宮「は?」
五和「上条さんが記憶喪失になっちゃいました!!」
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建宮「しかし、五和の行動力には参ったのよ」
牛深「まあ、状況が状況だけに仕方ないんじゃないでしょうか」
諫早「しっかし、よく見つけ出したよなあ。イギリス清教、ローマ正教、ロシア正教、学園都市が探して見つからなかったんだろ?」
野母崎「まったくです。まさに奇跡と言うしか」
建宮「しかし、問題の方が大きいのよ」
諫早「ですな。彼のしたことは世界にとって大きなことばかりですからな」
建宮「その当の本人が自分のしたことを覚えていないってのが大問題なのよ」
野母崎「女教皇様は?」
建宮「じき来られるのよ。イギリス清教の魔術師と一緒に」
野母崎「その前に、五和に発見時の状況を詳しく聞いておく必要があるな」
建宮「やれやれ、忙しくなりそうなのよ」
建宮から連絡を受けた神裂は、上条当麻発見の報を最大主教の元に報告。
すぐに神裂は日本へ向かおうとしたが、喰らい付くような勢いで白い修道服の少女に飛びつかれて身動きが取れなくなる。
それを見た最大主教は笑いながらその少女と背の高い赤毛の魔術師共に連れて行くように指示を出した。
神裂はもちろん、少女にも魔術師にも異論はなく、二時間後には学園都市の誇る超音速旅客機で日本へとたどり着いたのである。
神裂「話には聞いていましたが…結構辛いものでしたね」フラフラ
ステイル「…ああ」フラフラ
神裂「インデックスは堪えてないみたいですね」フラフラ
ステイル「あの子はあの中で食事を注文するくらいだからな」フラフラ
神裂「しかも器用に食べていましたね」フラフラ
ステイル「ああ」フラフラ
インデックス「かおり、ステイル!急ぐんだよ!」
一〇七七七号「お姉様」
美琴「なによ?」
一〇七七七号「上条当麻の同居人が学園都市に入ったとミサカはお姉様に報告します」
美琴「アイツの同居人?」
一〇七七七号「白い修道服を着た銀髪の女性で、一〇〇三二号のことをクールビューティと呼びますと、ミサカはちょっと不機嫌に言います」
美琴「な、なんですってぇ!?アイツとあの子が同居してるの?だって、アイツの住んでるところって学生寮でしょ!?」
一〇七七七号「確かに、彼は学生寮に住んでいらっしゃいます。とミサカは彼の部屋を知っていることをお姉様にひそかに自慢してみます」
美琴「ぐっ、アンタねえ…。ともかく、アイツに近い人間が学園都市に現れたってことは、アイツがいる可能性が高いのね?」
一〇七七七号「そうだと思います。とミサカは一〇〇三二号が彼から貰ったネックレスの類似品を弄りながら頬を染めてみます」
美琴「な、なんですってぇ!?アンタ!それよこしなさい!」
一〇七七七号「たとえお姉様が相手でも、ミサカはこれを死守します」
美琴「くっ、まあ今はこんなことしている場合じゃないわ。ともかく!戦闘機でもなんでもかっぱらって、日本に戻るわよ!」
一〇七七七号「それに関しては異論ありません。とミサカは基地の方を見ながらお姉様に同調します」
神裂「上条当麻はどこですか?」
インデックス「とうま!とうま!」
ステイル「ちょっとは落ち着け。いなくなるわけじゃないんだ」
神裂「いや、しかし…」
インデックス「ステイルは冷たいんだよ!とうまは命がけでがんばったんだよ!」
ステイル「…」チッ
建宮「まあまあ、ちょっといろいろありまして、今は術を使ってちょっと眠ってもらっているのよ」
神裂「どういうことですか?」
建宮「…とりあえず、上条当麻の身の安全は保障するのよ。ただ、合わせる前にいくつか話しておかなきゃいけないことがでてきたのよ。おい、五和。説明するのよ」
五和「女教皇様。上条さんが…上条さんが…」
神裂「上条当麻がどうしたんですか?」
五和「記憶喪失なんです!」
神・ス「!」
インデックス「そんなの、ベツレヘムの星でとうまと話したんだよ。問題ないんだよ」
神裂「どういうことです?インデックス」
インデックス「私を助けてくれたとき、記憶を失って隠していたって言っていたよ」
ステイル「あの馬鹿!」
神裂「じゃあ、私と戦った記憶が無いと言うのですか?」
インデックス「かおりととうまが戦ったかなんてわからないんだよ」
神裂「…」
五和「あの、よくわからないのですけど、上条さんには八月頭までの記憶しかないみたいなんです」
神裂「八月…頭?」
ステイル「この子を救ったのはそのくらいだったな」
五和「はい。目覚めてから上条さんは『インデックスはどうなった?』って聞いてきました」
インデックス「ということは、ベツレヘムの星で言っていたことと違うんだよ!どういうことなの?」
ステイル「…おそらく、天使との戦いで、今までの上条当麻は…消えた」
神・イ・五・建「!」
ステイル「だが、あの幻想殺しにはそれ以上の力を感じることがあった。これは僕の推測だが、あの幻想殺しは天使を凌駕する力の一部であって、それが上条当麻に帰するものだとしたら」
神・イ・五・建「…」
ステイル「上条当麻を、その力が復活させる」
神・イ・五・建「!」
ステイル「ただし、その復活も完璧ではなくて、Aが消滅すればBが復活するといったような感じで、以前、禁書目録を助けたときはAが消えてBに、そして今回はBが消えてAになった」
インデックス「同位性異体を実現させているってこと?」
ステイル「うん。神の側に在る天使の力の一端だね。それこそが彼の幻想殺しの大本にあるんじゃないかと僕は考えている。また、そう考えればいろいろと辻褄が合うんじゃないかな」
神裂「つまり、上条当麻は天使なんですか?」
ステイル「上条当麻は器に過ぎないと思うよ。本人が自覚していれば天使と呼ばなきゃいけなくなるんだろうけどね」
神・イ・五・建「…」
神裂「しかし、仮にそうだとして、何故彼にそんな力が宿っているんですか?」
ステイル「さあ?たまたまかもしれないし、なにか神との繋がりがあるのかもしれない」
神裂「どういうことですか?」
ステイル「じゃあ聞くが、お前は何で聖人なんだ?答えられるか?」
神裂「そ、それは…」
ステイル「それと同じさ。理由なんてそれこそ誰にもわからない」
神裂「…」
建宮「…なんだか、大変な話になってるのよ」
五和「壮大すぎてよくわからないです」
建宮「まあでも、ある意味チャンスなのよ」
五和「?」
建宮「空白の三ヶ月の間に、実は彼女してましたとか言って、側に入り込んじゃうのよ」
五和「なななななっ!?何を言ってるんですか!建宮さん!!」カァァ
神裂「建宮。お前は何を言っているのですか?」
建宮「女教皇様も借りを返すチャンスなのよ」ニヤニヤ
神裂「な、なに!?」
建宮「上条当麻には借りを作ってばかりじゃないの。ここは一気に借りを返すチャンスなのよ。なんならイギリスにある堕天使エロメイドを取り寄せてもっ!ふぐっ!」ドサッ
神裂「おやおや、建宮は気分が悪くなってしまったようですね」ニコッ
五和「あ、あはは…」ビクビク
建宮「…まあ、冗談は置いといて、この後上条当麻をどうするのよ?」オーイテー
神裂「どうする、とは?」
建宮「彼は世界を救ったけど本人には記憶が無い。しかし、それを知っている者が彼を放っておくはずもないのよ」
神裂「イギリス清教が彼を守るのではいけないのですか?」
建宮「彼は学園都市の人間なのよ。もちろん、我々にも浅からぬ縁があるにしても、あの中で彼を守るには限界があるのよ」
神裂「それなら、このまま学園都市の外で保護すれば…」
建宮「女教皇様。本人がそれを望むとは思えないのよ」
神裂「…」
建宮「まあ、幸いイギリス清教と学園都市は友好関係にあるから、あまり気にしなくてもよさそうなのよ。でも、学園都市が彼をどうするかはわからないのよ」
神裂「…五和。学園都市に交渉します。彼の学校に潜入してくれますか?」
五和「え?…あの?」
神裂「上条当麻を守ってくれませんか?」
五和「は、はいっ!がんばります!」
建宮「五和の制服姿、写真送るのよ。あ、体操服姿も忘れないようにな」
五和「知りません!」
インデックス「とうま」
上条「…」スースー
インデックス「なんかお布団で眠っているとうまを見るのは久しぶりなんだよ」
上条「…」スースー
インデックス「とうま」
上条「…」スースー
インデックス「いっぱい、守ってもらったね。いっぱい、一緒に遊んだよね」
上条「…」スースー
インデックス「とうまが覚えていなくても、私、忘れないよ」
上条「…」スースー
インデックス「とうまとの思い出は、大切な宝物なんだよ」
上条「…」スースー
インデックス「とうま」
上条「…」スースー
インデックス「大好きだよ」
上条「…ん。インデックス?」
インデックス「!!」ビクッ
上条「顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」
インデックス「な、な、なんでもないんだよ!」カァァ
上条「そうか。なんか、ゴメンな」
インデックス「なんで謝るの?」
上条「なんか、三ヶ月の間にいろいろあったんだろ?覚えてなくてさ…ゴメンな」
インデックス「とうまのせいじゃないから、謝る必要ないんだよ」
上条「いや、でもさあ。それなりに思い出とかあるだろ?」
インデックス「テントでお風呂覗かれたり、公園で着替え覗かれたり、イタリアで裸見られたりしたけど気にしてないんだよ!」
上条「ちょっと待て!!なんでそんなシチュエーションばかりなんだよ!」
インデックス「とうまはえっちなんだよ!」
上条「人の話を聞きなさいインデックスさん!」
インデックス「女の子に恥ずかしいことばかり言わせるのは駄目なんだよとうま!」
上条「確かに、ちょっと膨らんだ胸とか。下の方も髪の毛と同じ色だっていうのは感動したけどっ!」
インデックス「ちらっとしか見ていないって言ってたくせにしっかり見ているんだよ!馬鹿とうま!」シャキーン
上条「ふ、不幸だぁぁぁぁっ!!」
上条当麻の絶叫が響く部屋の扉の前で、神裂火織は小刻みに身を震わせながら固まっていた。
神裂「…」
…上条当麻はあの子のことが好きなのですか?
お風呂や着替えを覗いたり、は、裸を見たり!?
で、でも、私も裸を見られたり、恥ずかしい格好(堕天使エロメイド)を見られたりしているわけですし、もしかしたら彼にはそういった場面に出くわす運命みたいなものがあるのかもしれません。
上条「インデックスさん!上条さん病み上がりなんですけど!っていうか、そんなに噛まれたらもっと記憶が無くなっちゃいますよ~?」
インデックス「いつもより優しく噛み付いてるからぜんぜん大丈夫だよ!」ガブガブ
上条「これで!?いつの間に上条さんには噛み付き耐性ができたのでしょうか?」
インデックス「そんなの知らないよ!」ガブガブ
神裂「…」
あれは、いったいなんなのでしょう?上条当麻の頭にインデックスが噛み付いています。
その割に離れないですし…。
まさか、上条当麻はMというやつなのでしょうか?
五和「女教皇様?」
神裂「きゃぁっ!」ビクッ
五和「ご、ごめんなさい。脅かしてしまいましたか?」
神裂「い、いや、すみません。少し彼らの様子を見て驚いてしまって」ドキドキ
五和「…あの二人、仲がいいですよね」ハァ
神裂「そうですね。…あの子は上条当麻によって救われたのだから、仲良くなって当然かもしれませんね」
五和「女教皇様、私、がんばります」
神裂「うん?」
五和「上条さんと同じクラスに入れるように学園都市に伝えてくださいね」
神裂「…じゅ、十六歳ということするのですか?」
五和「幸い、童顔ですから大丈夫です!」
神裂「そ、そう…」
五和「がんばりますっ!」
神裂「…」
小萌「えーっと。今日は皆さんにお知らせがありま~す。上条ちゃん」
上条「はい」
青ピ「なんだカミやん。久しぶりに出てきたと思えば留年確定?」
土御門「いや、案外転校するかもしれないにゃ~」
吹寄「二人とも、静かに!」
小萌「そうですよ。それに上条ちゃんは留年したり転校したりしません。ただ、ちょっとだけ残念なお知らせがあります」
クラスメイト「…」
小萌「上条ちゃん、しばらく学校に来ませんでしたね~。実はご両親のところに行って交通事故にあって入院していたんですよ~」
クラスメイト「!!」
小萌「それでですね。残念なことに、八月からの記憶が無くなっちゃったそうです」
クラスメイト「えええええええっ!?」
吹寄「そ、そんな。あの熱い戦いを忘れたというのか上条当麻!!」ガーン
青ピ「大星覇祭のカミやんは男の俺でも惚れそうなくらい格好良かったのに!」
土御門(俺がスパイっていうのも忘れたってことだにゃー)ニヤリ
小萌「というわけでぇ、ちょ~っと上条ちゃんとお話が合わないことがあると思いますけど、みんな温かい目で見守ってあげてくださいね~」
上条「いやー、なんかそういうことなんで。ひとつよろしく」ペコリ
小萌「はい、じゃあもうひとつお知らせです。入ってください」
教室の扉が開くと同時に土御門は我が目を疑う。
土御門「ブッ!?ごほっごほっ!」
小萌「土御門君?どうしましたか?」
土御門「な、なんでもないにゃー。ちょっと咽ただけにゃー」
小萌「気をつけてくださいね。はい、じゃあ時期的に珍しいですけど、転校生を紹介します~。五和さんと神裂さんで~す」
五和「は、はじめまして。よろしくお願いします」ペコリ
神裂「よろしくお願いいたします」ペコリ
クラスメイト男「うおおおおおおおおおおっ」ムネデケー
土御門(何の冗談だにゃ~、これは)
小萌「皆さん、仲良くしてくださいね~」
クラスメイト「はーい」
上条「あれ?ビリビリ…か?」
御坂妹「ミサカはミサカでありますと、貴方から頂いたネックレスを見せて頬を染めてみます」
上条「御坂美琴さんじゃない?」
御坂妹「ミサカは、ミサカであってお姉様じゃありません。と上目遣いで文句を言ってみます」
上条「それは、なんていうか反則だぞ」
御坂妹「おかしいです。いつもならここでこっそりとミサカのパンツを確認するはずなのに。とミサカは首を傾げてみます」
上条「うげっ!?上条さんはそんなことしていたんですか!?」ドゲザ
御坂妹「地面に伏せてまでミサカのパンツを見たいなんて…。とミサカは少し身体を捩じらせてみます」チラ
上条「だ、断じて見ない、見ないぞ!って、隠さずにむしろ近づいてくるのは女の子としてどうかと上条さんは思うのですが!」
美琴「アンタねえ…。何パンツ見せて喜んでるのよ」
御坂妹「それならお姉様も見せてあげればきっと彼も喜ぶ。とミサカはそっと進言します」
美琴「この変態!」ビリビリ
上条「なんで私めは迫害を受けなくてはいけないんですか御坂先生!」
美琴「御坂妹のパンツを見て喜んでるからに決まってるでしょう!」
上条「妹ってことは、やっぱ姉妹か何かなのか?」
美琴「は?アンタなに言ってるの?」
上条「いやー。実はですね…」カクカクシカジカ
御坂妹「私たちの素敵な想い出がすべて記憶に無いなんて…。と、ミサカはショックで倒れそうになりながら項垂れます」
美琴「ふ、ふ、ふ…ふざけるなぁぁぁぁっっ!!」ビリビリ
上条「な、何をそんなに怒っているのですか!?御坂先生!!」
美琴「私とのデートも、間接キスも、ツーショット写真も、ペア契約も全部忘れたなんて許せるわけ無いでしょうがああ!!」ビリビリ
上条「上条さんとデート!?ツーショット?ペア契約!?それって恋人!?」
美琴「し、し、知らないっ!!馬鹿っ!!」
御坂妹「お姉様の問題発言に驚きながら、ミサカはお姉様を追いかけます」
上条「御坂と…」
神裂「…」ワナワナ
五和「まさか中学生にまで!?」ワナワナ
神裂「上条当麻ぁ!」
五和「あっ、女教皇様!?」
上条「か、神裂さん?何をそんなに怒っていらっしゃるのですか?」
神裂「貴方という人は、一体どれだけの女性に手を出せば気が済むのですか!?」
上条「いきなりなんなんです!?」
神裂「くっ、私の恥ずかしい姿を見た唯一の男がこんな節操無しだったなんて!認められません!」
五和「!」
上条「は、恥ずかしい姿って、戦う時のあの格好のことか?それならステイルの奴も見ているだろうが!」
神裂「あ、あれは普通…」
上条「いいや、アレは誰がどう見てもエロい格好ですよ?もしかして気がついていない?」
五和「上条さん!ストップ!女教皇様の格好について突っ込んではいけません」
神裂「五和…。あの、私の普段の格好は、彼の言うとおりなのですか?」
五和「あ、あの…ですね……」アセアセ
上条「片方はパンツが見えそうなズボンに、へそ出しピチTで胸の形を強調してるなんて痴女か露出狂以外考えられないと、上条さんは神裂さんの第一印象を暴露する!」
神裂「!」ガーン
五和「上条さん!そんな身も蓋もない言い方しちゃ駄目です!」
神裂「はは…ははは」ガックリ
五和「女教皇様!しっかりしてください!」
神裂「五和…。私は間違っていたのですか?いえ…私が間違っていることを知っていて黙っていたのですか?」
五和「あ、あの…教皇代理とかがですね…あはは、目の保養とかなんとか言ってたりなんかして…」
神裂「建宮…殺す!」
五和「ああっ!女教皇様!落ち着いてください~」
上条「…なんだか知らないが助かったのか?」
インデックス「とうま。お帰りなさい」ニコ
上条「ただいま。インデックス」
姫神「…お邪魔してます」ペコ
上条「あ、どうも」ペコ
姫神「上条当麻。本当に記憶喪失?」
上条「いきなりそんなことを聞くということは、上条さんの関係者でしょうか?」
姫神「クラスメイト」
上条「教室で巫女さんを見た覚えは無いけど?」
姫神「当たり前。学校には指定の制服があるもの」
上条「そりゃもっとも」
姫神「本当に覚えてないのね」ハァ
上条「面目ない」
姫神「私のために戦ったことも、教室で私のブラのホックを外したことも覚えていないのね」
インデックス「あいさを脱がせたの!?とうま!」
上条「なんでそういうことばかり言ってくるんですか!?女の子たちは!」
姫神「女の子『たち』?」
インデックス「とうま?女の子『たち』ってどういうことなんだよ?」カチカチ
上条「インデックスとあなたで女の子たちになるじゃないですか!落ち着いてインデックスさん!駄目、噛まないで!」
姫神「姫神秋沙」
上条「え?」
姫神「名前。姫神秋沙」
上条「あ、ああ」
姫神「それと、これには絶対に右手で触らないでね。壊れちゃうから」チラリ
上条「なんでそこで胸元を露にっ!?って、十字架?」
姫神「貴方と私の絆。これのおかげで今の私がある」
インデックス「あいさはとうまが助けたんだよ」
上条「じゃあ、それは霊装ってやつなんだな?インデックスの修道服みたいな」
インデックス「とうまはえっちなんだよ!」カチカチ
上条「何故そうなるのですか!?インデックスさん!!うぎゃあああああああっ!」
姫神「一言多かったから、そうなる」
上条「な、なるほど」
姫神「呼んで」
上条「はい?」
姫神「名前」
上条「え、ええと、姫神さん?」
姫神「…呼び捨てでいい。というか、さん付けなんて今更気持ち悪い」
上条「…姫神」
姫神「…」ニコ
インデックス「なんか二人でいい雰囲気なんだよ?」ムー
姫神「そ、そんなことない。ね、上条君」カァッ
上条「お、おう」
ピンポーン
上条「ん?お客さんか。はーい」ガチャ
神裂「…失礼します」
五和「お邪魔します」
インデックス「あれ、かおりにいつわ」
上条「え?転校生の挨拶回り?それにしては大きな荷物を持っているのはどういうことでしょうか?」
舞夏「あーーーーっ!!アンタは!!」
五和「え?ああ。上条さんのお隣さん?」
舞夏「ま、まさかまた超絶和食を見せびらかしに来たのか!?」
五和「な、なんのことか良くわかりません!!とりあえずお料理はしようと思っていますけど…」
舞夏「何を作る気だ!?返り討ちにしてくれる!」
五和「何って、普通にご飯とお味噌汁と煮物なんかですけど…」
舞夏「くっ!負けられない!私も同じメニューで勝負する!」ダダダダ
五和「…なんなのでしょう?」
上条「…何か知らないけど、アイツの闘争心に火を点けたみたいだな」
五和「普通にお料理するだけなんですけどね」
上条「というか、もしかして、ご飯を作りに来てくださったのですか?」
インデックス「いつわのご飯は美味しいんだよっ!」キラキラ
五和「あ、確かにご飯も作りますけど、それよりもまずはこの子をですね…」
そう言って差し出された籠を、インデックスがすばやく受け取る。
インデックス「スフィンクス!」
上条「スフィンクス?」
インデックス「うん。ここで飼っているペットだよ。とうま」
上条「いつの間に!?」
インデックス「夏休みにとうまが拾ってきたんだよ」
上条「…そうか」
スフィンクス「にゃあ?」
上条「ゴメンなあ。上条さん、お前のこと覚えてないんだよ」ナデナデ
スフィンクス「…」ゴロゴロ
五和「え、ええと、とりあえずお台所お借りします」
上条「あ、ああ」
神裂「上条当麻。…暫くの間、天草式十字凄教が貴方を護衛いたします。とりあえずは、五和と私が泊り込みで護衛させていただきます」ペコリ
上条「は?」
姫神「!」
インデックス「かおりといつわ、ここに泊まるの?」
神裂「よろしくお願いします。インデックス」ニコ
インデックス「よろしくなんだよ!かおり」ニコ
上条「ええと、神裂さん。ここ、男子寮なんですけど?」
神裂「インデックスは女の子ですけれど?」
上条「うっ、それを言われると…」
神裂「それに先ほど、女性がいらっしゃったと思いますけれども」
上条「あれは、隣の部屋の奴の妹さんでして、住んではいらっしゃらないのですよ」
神裂「そうなのですか」
上条「そうなのです」
姫神「上条君」
上条「なんでしょうか?」
姫神「小萌先生に連絡する?転入生二人が上条君の家に住むみたいだって」
神裂「これには深い事情があるのですよ」
姫神「でも、男子生徒の部屋に女生徒が泊まるのは問題」
神裂「イ、インデックスはどうなんですか?」
姫神「そこのシスターは小萌先生も公認で、上条君が保護者。なぜかは知らないけど」
神裂「そ、そうなのですか…」
上条「姫神…俺にも良くわからないんだが、見逃してくれないか?」
姫神「…巨乳天国に浸りたいと?」
上条「何故そうなるんですか!?姫神さん!?」
姫神「転入生は二人ともかなりの巨乳。両脇に侍らせて眠ればまさに巨乳天国」
インデックス「とうまはえっちなんだよ!」
神裂「添い寝なんてしませんよっ!?上条当麻」カァッ
上条「俺は何も言ってねえっ!!姫神、俺を陥れようとしている!?」
姫神「上条当麻の76%はエロスで構成されている?」
上条「その具体的な数字はなに!?っていうか、パーセンテージ高くない?ていうか疑問形なのをもっと強調して!」
神裂「む、無理やり襲うのは死を招くことになりますよ?上条当麻」ニコ
上条「か、神裂さん…目が笑ってねえ!怖い!」
姫神「…転入生の貞操を護るために私も泊まれば全て解決」
上条「は?」
インデックス「あいさもお泊りするの?」
姫神「淫獣上条当麻から皆を護るために私は命をかける」
上条「なんなのその上条さんの酷い扱われ方!ふ、不幸だああああああっ!」
姫神(これだけの女性に囲まれていながら、不幸と叫ぶ貴方の気持ちがわからない)
インデックス「いい匂いがしてきたんだよ!こうしてはいられないんだよ!台所に突撃なんだよ!」
五和「あ、あの、インデックスさん!?つまみ食いはいけません!」
インデックス「いつわの料理が美味しいからいけないんだよ!悠長に待っていられないんだよ!」
五和「だ、駄目ですってばぁ!」
上条「神裂…インデックスを止めてくれ。このままだと俺達の夕飯が無くなってしまう」
神裂「わかりました」
インデックス「うぬっ?かおり!?なにをするんだよ?離すんだよ!」
神裂「これも私達の糧を守るため。インデックス。おとなしくしてください」
インデックス「う、動けないんだよ?かおりは馬鹿力なんだよ!?」
神裂「…」
こうして、慌しい上条当麻の一日は暮れていくのであった。
おしまい?
以外と長かったかもしれないし、スレタイに関係ないかもしれないとミサカはミサカは思ったことを口にしてみる!
とりあえず投下中にできた 上条×インデックス
インデックス「とうま、とうま」
上条「今日の夕飯は、寒くなってきたからお鍋」
インデックス「ふぐ?すっぽん?しゃぶしゃぶ?」キラキラ
上条「…貧乏な上条さんにそんな高級食材を用意できるわけないだろうが!」
インデックス「むう。残念なんだよ」
上条「だが、あきらめるのはまだ早いぞインデックス。今日は鶏肉がいっぱいだ!水炊き用の鶏肉が安かったし、白菜や葱なんかもタイムセールでお安く手に入れてきた」
インデックス「す、すごいんだよ、とうま」キラキラ
上条「はっはっは。というわけで上条さんはこれから準備にとりかかるから、インデックスはスフィンクスと遊んでいなさい」
インデックス「夕ご飯が楽しみなんだよ。…と、そうだ。とうま、とうま」
上条「ここで引き止めると夕ご飯が遅くなるぞインデックス」
インデックス「大丈夫。私の話はすぐ終わるんだよ」
上条「で、どうしたんですか?インデックスさん」
インデックス「とうま。寒くなってきたから、今日から一緒にお部屋で寝るんだよ」
本格的な冬の到来を感じさせる今日この頃。とある学園都市の男子寮の居候は無邪気な微笑を浮かべてそう告げた。
上条「…はい?」
目の前にいる少女は何を言っているのだろう?上条当麻の頭の中は目の前の少女が身に纏っている修道服のように真っ白になった。
おそらくは間抜けな顔をしているのだろう。そんな上条当麻の顔を見て、少女はぷぅっと頬を膨らませた。
インデックス「とうまはいつもそうなんだよ。大事なことを話すとそんな風に誤魔化そうとするんだから」
上条「いや、その…」
インデックス「最近、寒くなってきたから心配なんだよ。とうま」
上条「あ、ああ。ありがとう」
インデックス「どういたしまして。じゃあ、今日からとうまもお部屋で寝るんだよ」ニコッ
上条「いやいや、それはいろいろとまずいんじゃないですか?インデックスさん」
インデックス「私はいつもとうまが眠ってもいいように端っこで寝ているから大丈夫なんだよ」
上条「あー、そうじゃなくってだな」
インデックス「寝相はいいんだよ」
上条「床に布団を敷いて上条さんが眠るっていうのは全然構わないんだけど、お前、必ず寝ぼけてもぐりこんでくるじゃないか」
インデックス「私はそんなことしないんだよ、とうま」
上条「いや、するの!だから俺は鍵のついたお風呂場で眠るようにしたのですから!」
インデックス「え!?とうまがお風呂場で眠るのってそういうことだったの!」
上条「そうですよ」
インデックス「とうま。一緒のお布団で眠るのは迷惑?」
上条「迷惑っていうよりも、色々問題があると思うのですよ」
インデックス「問題?」
上条「上条さんは健全な高校生男子で、インデックスさんは女の子なわけでして…」
インデックス「…一緒のお布団で眠ると温かいんだよ?とうま」
上条「いや、それはそうかもしれないけど」
インデックス「…とうまは、私と一緒に眠るのが嫌なの?」クビカシゲ
上条「い、嫌じゃないですけどね、それはいろんな問題があると上条さんは思うのですよ」
インデックス「私はとうまと眠るの嫌じゃないんだよ」ニコ
上条「そ、それは光栄ですインデックスさん」///
インデックス「じゃあ決まりだね!今日はとうまと一緒に眠るんだよ!」
上条「だからそれはまずいって言ってるんだ!」
インデックス「!!」ビクッ
上条「…」
インデックス「…どうしてなんだよ。どうして怒るんだよとうま!」
上条「あー、その、悪い」
インデックス「場合によっちゃ許さないんだよ」プンプン
上条「もしかして男の子なのか?」ナンチャッテ
インデックス「私の裸を見たことがあるのにそんなこと言うなんて信じられないんだよ!」カチカチ
上条「確かに女の子でした!すみませんでした」ドゲザ
インデックス「しっかり見てるんだよ!ひどいんだよ!とうま!」ガブガブ
上条「ぎゃああああああああっ!!」
インデックス「…馬鹿」ウシロカラ ダキシメル
上条「!!…インデックス?」
インデックス「女の子として見てくれているから、お風呂で眠っていたって、本当はわかってるんだよ」
上条「…」
インデックス「夏の間は良かったかも。でも、最近は寒くなってきたし、そろそろ限界だと思うんだよ」
上条「…」
インデックス「…とうまのこと、信じてるから、大丈夫なんだよ」ニコ
上条「インデックス…」
インデックス「病院で言ったこと、本当だよ。とうま」
上条「病院…?」
インデックス「とうまが嘘ついたとき、言ったことだよ」
上条「…」
禁書目録との戦いの後、記憶を失ったことを隠すために、咄嗟についた嘘。彼女はそのことを言っているのだろうか?
あのとき、少女が言っていた言葉。
今にも泣き出しそうな表情で、懸命に搾り出すような声で紡いでいた言葉。
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インデックス「インデックスは、とうまのことが大好きだったんだよ?」
-----
上条「…そうか。ありがとう。インデックス」
インデックス「お礼を言うのは私の方なんだよ。とうま」
上条「…あれ、なんかおかしくない?」
インデックス「なにが?」
上条「上条さんはインデックスさんの告白に感謝の意を示したのですけど?どうしてお礼を言われないといけないのでしょうか?」
インデックス「こ、告白ってなんなんだよ!?とうま!?」カァァ
上条「病院って言ったら『とうまのことが大好きだったんだよ?』じゃないのかよ!?」
インデックス「!!」///
上条「病院で他に何か言われたっけ?」
インデックス「い、いじわるなんだよ!とうま!!」シャキーン
上条「どうしてそうなるんですかインデックスさん!ちょっと待って、ほら、このとおり!」リョウテ アワセテ カオウゴカス
インデックス「あ」ハムッ
上条「んむ!?」
インデックス「…」
上条「…」
インデックス「キスしちゃったんだよ?」カァァァ
上条「お、おう」カァァ
インデックス「…それだけ?」
上条「あー、今のは事故だからノーカウント」
インデックス「私のファーストキスなんだよっ!とうま!」
上条「上条さんだってファーストキスですよ」
インデックス「そ、そうなんだ…」
上条「…インデックス」
インデックス「なに?」
上条「知っていた?上条当麻はインデックスのことが大好きなんだよ?」
インデックス「ふぇ!?」///
上条「だから、事故じゃないファーストキスをしたいんだよ?」
インデックス「なんでこんなときまで私の真似してふざけるんだよ?」
上条「照れくさいからに決まってるだろうが馬鹿」カァッ
インデックス「それでも、とうまの言葉で聞きたいんだよ!」ウルウル
上条「インデックス…」
インデックス「とうま…」
上条「…好きだ」
インデックス「…私も好きなんだよ、とうま」ニコ
上条「…」チュッ
インデックス「ん…」チュッ
おしまい
今日はこれまで。お休みなさいませ。
1に短編をちまちま投下するって書いてあるから『上条「…」』もスレタイ違いなんて思わなくていいのか。などと思いつつ投下をしてみる。
浜面×滝壺なんだけど浜面×麦野なめちゃくちゃなSS 麦野「…見ぃ~つけたぁ」ニヤリ
浜面「ぐふっ!」ドカッ
麦野「おじゃましま~す。てね」ニヤニヤ
滝壺「っ!はまづら!はまづら!」ユサユサ
麦野「ちょっと気ぃ失ってるだけ。それよりもさ、滝壺ぉ?」ニヤニヤ
滝壺「…」
麦野「ヤったの?」ニヤニヤ
滝壺「!!」カァァ
麦野「あ~。そうなんだ。じゃあ、身体検査」ガバッ
滝壺「や、やめて…」
麦野「黙ってろ」
滝壺の服を脱がせ、滝壺のシャツで滝壺の両手を右手と、自身の能力によって発現させた光る腕を使って器用にベッドのフレームに縛り付ける。
滝壺「…」
麦野「ご開帳~。どれどれ?」ツプッ
滝壺「いやぁ」
麦野「ヤることヤってんだねえ滝壺ぉ?見事に処女膜ないし」クチュクチュ
滝壺「…はまづらぁ…はまづらぁ…」
麦野「そんな滝壺にぃ、愛しの浜面の携帯をプレゼントっ、と」ズブゥッ
滝壺「!!はっ!!ぐっ!」ガクガク
麦野「んで、滝壺の携帯で浜面にコールと。もちろんバイヴモードにしてあるから楽しめよ、滝壺ぉ。あははははははっ!」
ヴーヴー ヴーヴー …
滝壺「!!んっ…ぅ」ビクン
麦野「うわっ、滝壺。もしかして機械でも開発済み?すげえエロい顔してる」
滝壺「!!」///ビクン
麦野「さぁ~って、滝壺は滝壺で愉しんでもらってぇ~。私は私の目的を遂行っと」ニヤニヤ
倒れている浜面のシャツを脱がせ、先ほどと同じように器用に浜面の両手を縛り上げると、口元を歪めて笑いながら浜面の上に馬乗りになる。
麦野「さぁて、お目覚めの時間だよ?はまづらぁ?」ユサユサ
浜面「…ん」
滝壺「…ん…はぁん」ヴーヴー ヴーヴー
浜面「たき…つぼ?」
麦野「ざぁんねん。麦野サンでしたぁ」ニヤニヤ
浜面「!!麦野!?って、これは?」
麦野「はまづらぁ。私をこんな化け物にした責任とってもらうよ」ニヤニヤ
浜面「責任って?おい、何をする気だ?ってか、滝壺は?滝壺はどうした?」
麦野「滝壺は、ベッドの上でオ・タ・ノ・シ・ミ中」ニヤニヤ
浜面「何だと!?」
麦野「愛しの浜面の携帯で一人エッチ中だからほっといても大丈夫」ニヤニヤ
浜面「なっ!?」カァァ
麦野「滝壺に先を越されたのはむかつくけど、はまづらは最初から滝壺命っぽかったからまあ、許す」ヌギヌギ
浜面「うおいっ!なに脱いでんだ麦野」
麦野「あ?言っただろ?私をこんな化け物にした責任とれって」ヌギヌギ
浜面「それって…」
麦野「光栄に思えよはまづらぁ。私の初めてをお前にあげる」ニヤニヤ
浜面「…」
麦野「もっとも、化け物になっちゃったから、女として機能するかどうかはわかんないけど」
浜面「麦野…」
麦野「まあ、でも、滝壺の前で浜面を犯すってのは、復讐としては最高じゃないか?なあ、滝壺ぉ?」ニヤニヤ
滝壺「…やめて…んっ、はまづら…んっ…はまづらぁ…」ヴーヴー ヴーヴー
浜面「滝壺ぉぉぉっ!!」
麦野「あはははは。愛しの滝壺のエロ声聞いて勃ったみたいだねぇ?はまづらぁ?」カチャカチャ
浜面「麦野…やめろ」ポロン
麦野「おおぅ。意外と大きい。ま、なんとかなるか?」ニヤニヤ
浜面「麦野…やめてく…」ムグッ
麦野「んっ、ふっ…」チュッ
浜面「!!」
麦野「檸檬の味って嘘だねえ。浜面臭しかしない。まあ、現実はそんなもんなんだろうけど」チロチロ
浜面「麦野…」
麦野「んふふふ。滝壺にもこんなことされてんのかなぁ?こんなに固くしちゃって」ペロペロ
浜面「う…」カァ
麦野「男でも乳首って気持ちいいんだ?浜面?」チュッ
浜面「やめろ…」
麦野「こんな○○○勃たせといて、何言ってるんだ」ニギッ
滝壺「いやぁっ!はまづら、はまづらぁ!!」ヴーヴー ヴーヴー
浜面「滝壺!」
麦野「おいおい、浜面、滝壺はひとりで愉しんでるんだから、お前は目の前にいる私を愉しませろ」ニヤニヤ
浜面「なあ、麦野!お前どうしちまったんだよ?」
麦野「アンタにヤラれて、いかれちまったかもねえ」ニヤニヤ
浜面「お、俺が悪いならいくらでも謝る。だからよ、滝壺は許してやってくれないか?」
麦野「許すも何も、滝壺は滝壺で愉しんでいるんだから問題ないだろう?」
浜面「滝壺は病気なんだ!あまり長い間刺激を与え続けちゃ駄目なんだ!」
麦野「それでも、ヤることヤッてるんだろ?どうせ私とヤる時間だって変わらないんだから大丈夫だろ」
浜面「くっ!滝壺おおおお!」
滝壺「はまづら!はまづらぁ!」ヴーヴー ヴーヴー
麦野「…」ピッ
滝壺「んっ…はぁはぁ…」クタリ
浜面「滝壺?」
麦野「落ち着けよ浜面。呼び出し解除しただけだから」
浜面「麦野?わかってくれたのか?」
麦野「あ?違うよ。滝壺にじっくり見てもらうために決まってるだろ?浜面」ニヤ
浜面「!」
麦野「でも、肝心の滝壺はイっちまったみたいだねえ?あんな濡らして、ありゃあもうエロ壷だな。失神してやがるし」ニヤニヤ
浜面「てめぇ」
麦野「さぁてと、始めるか?はまづらぁ」スルッ
浜面「っ!?麦野!?」
麦野「まずは口でしてもらおうかなぁ?」ムギュ
浜面「むぐっ」
麦野「なあ、まだ女してるか?私の○○○」
浜面「…」
麦野「一応は女してるみたいだなあ。こんな固くしてくれてんだし」サスサス
浜面「くっ、くそ」
麦野「なんだ?スカトロ好みか?黄金出した方がいいのか?」ニヤニヤ
浜面「ちげーよ!なんでこんなことしてるんだ畜生って言いたいんだ!」
麦野「アイテムでただ一人の男が浜面って時点でわかってると思ったんだけど?」サスサス
浜面「は?」
麦野「アイテムのリーダーは誰だったけ?」サスサス
浜面「…」
麦野「女だらけのチームになんでわざわざお前を入れたと思ってるんだ?」サスサス
浜面「雑用係だろ?」
麦野「おかしいと思わなかったか?」サスサス
浜面「別に」
麦野「以外と鈍感なんだな」サスサス
浜面「意味がわからねえ」
麦野「雑用係だけなら暗部にいくらでも用意してもらえるって言えばわかるか?」サスサス
浜面「は?」
麦野「スカウトした時点で、お前に気があったってことだ」サスサス
浜面「なんだよそれ」
麦野「うるさい!いい加減に舐めろ!」ギュッ
浜面「なんでそうなるんだよ!てか、握るな!」
麦野「…ひとめぼれだ。馬鹿」カァッ
浜面「は?」
麦野「クソが。少しは濡らしといた方がいいと思ったのに全然舐めようとしない」ギリ
浜面「いや、ちょっと待て麦野」
麦野「お前が悪いんだぞ、はまづらぁ」ヨイショ
浜面「いやいやいや!ちょっと待て、落ち着け麦野!」
麦野「あ?血が出りゃ潤滑剤になるだろ?…と、結構熱いな、これ」ギュッ
浜面「おい、麦野!」
麦野「ん…と、いくよ、はまづら」ネライヲ サダメテ
浜面「麦野!」
麦野「んっ!んんっ!!!」ミチミチミチ
浜面「あ…あ…」
麦野「くっ!!がっ!はああああああああっっ!」ズブゥゥゥゥ
浜面「!!」
麦野「はぁっ、はぁっ。痛えぞ、はまづらぁ」
浜面「無茶するからだろうが!」
麦野「うるせえ!…んっ…くっ」ギチッ、ヌチッ
浜面「お、おい!?」グチッ、ニチッ
麦野「どぉだ?はまづらぁ?私は…女してるか?」ヌチッ、グチッ
浜面「何でそんな無茶するんだよ」ギチッ、グチッ
麦野「私には、んっ、時間が無いんだ。はまづらぁ」グチュッ、グチュッ
浜面「どういう、ことだ?」グチュッ、グチュッ
麦野「中途半端な再生のせいで、んっ、ボロボロなんだよ、はぁまずらぁ…んっ」グチャ、グチュ
浜面「なんだよそれ、麦野!?」ヌチャッ、ヌチャッ、
麦野「なあ、はまづら…んっ、私は、私は、女してるのか?んぅっ、教えてくれ、はまづらぁっ」ヌチャッ、ヌチッ
浜面「お前こそ教えろよ!中途半端な再生ってどういうことだ?」ヌチャッ、ヌチャッ
麦野「ピロートークには向かないな、んっ、はまづらぁ、後で教えてやるから…んぅっ、私に、女であることを感じさせてくれ…」ヌチャッ、ヌプッ
浜面「麦野…」ヌチュッ、ヌチャッ
麦野「なあ、浜面…。んっ、私は、女しているか?」ヌチャッ、ヌチャッ
浜面「…ああ」ヌチャッ、ヌチャッ
麦野「そうか。よかったぁ…ん」ヌチャッ、ヌプッ
浜面「麦野…」ヌチャッ、ヌチッ
麦野「こんな化け物でも、んっ、はまづらを、悦ばせてやれた…んっ」ヌチ…
浜面「…麦野?」
麦野「クソッ、イかせてやりたかった…な」クタリ
浜面「おい、どうした?麦野?」
麦野「はは…、ゲームオーバーだ。思ったより早かった…浜面…」
浜面「どうしたんだよ!?」
麦野「タイムリミットだ。再生の…な」
浜面「お、おい、しっかりしろ」
麦野「ロープは…手前に引けば解ける…はまづら…」
浜面「んっ!と、よし取れた。おい、麦野!」
麦野「…はまづらぁ…好きだったよ…」ニコ
浜面「!」
麦野「はまづらぁ…」ポロポロ
浜面「麦野…」
麦野「はまづらぁ…、滝壺…ごめんね」ポロポロ
浜面「…」
麦野「はまづらぁ…好き…」ガクリ
浜面「む…ぎ…の?」
麦野「…」
浜面「麦野おおおおおおおおおおおお!!」
麦野「…」
浜面「おい、嘘だろ?最後までこんな人を騙すようなことしやがって、なあ、麦野!おい!」
麦野「…」
浜面「む…ぎ…の」
麦野「…」
滝壺「…はまづら?」
浜面「滝壺…」
滝壺「麦野は?」
浜面「…死んじまった」
滝壺「…」
浜面「…悪ぃ。今、解く」
滝壺「もう、解いた」
浜面「そうか」
滝壺「…はまづら」
浜面「ん?」
滝壺「麦野…」
浜面「…」
滝壺「麦野、死んでない」
浜面「は?」
滝壺「麦野」
麦野「…」///
滝壺「浜面が私を助けるのに乗じて消えようとしたんだろうけど、無駄」
麦野「…ちっ」ムクリ
浜面「ちょ!?麦野?」
麦野「うるせえ!不完全だろうがなんだろうが、学園都市がそう簡単に超能力者を死なせるわけないだろうが」ヨウフク ヒロイ アツメ
浜面「…」
麦野「今日はもう時間がないから言っとく。滝壺にしたことは嫉妬!浜面には好きだったから奪ってもらっただけ!思ったより痛くて最後までできなかったけど」///
浜面「今日はってどういうことだよオイ。ていうかさらっと凄い告白してねえか!おい!?」
麦野「うるせえ!仕事終わったらまた可愛がってもらいに来るから覚えとけ!こんな身体でも、一応は女として機能してるみたいだからなぁ」キガエ キガエ
浜面「はぁ?何言ってるんだ麦野ぉ?」
麦野「逃げても無駄。学園都市が見張ってるからな」ニィ
浜面「…」
麦野「私たちの行動の自由のため、取引したって言っとけばわかるか?滝壺?」
滝壺「超能力者の力を学園都市のために使う代わりに私たち『アイテム』の再結成をしたってこと?」
麦野「話が早いねえ。私が学園都市のために動いているかぎり、『アイテム』は安全ってこと」
滝壺「そんな麦野を私は応援する。でも、浜面は渡さない」
麦野「浜面は滝壺命だから奪えないのはわかってる。でもたまには愛玩道具(おもちゃ)として貸してもらうくらいはいいだろ?」
そう言うと麦野は滝壺の耳元で何かを囁いた。
滝壺「私の前ではやめて。それなら、譲歩する」
麦野「OK」
浜面「なに取引してるんだぁ!滝壺おおおおおお!?」
滝壺「大丈夫。はまづらも損しないから。がんばって。私も応援している」
浜面「何をだよ!?」
麦野「じゃ、またな」ヒラヒラ
滝壺「ばいばい」ヒラヒラ
浜面「なんでお前ら普通に別れられるんだああ!?」ガビーン
おしまい
上条×美琴は人気ありますね。また考えてみます。
とりあえず「とある天草式十字凄教の禁書目録 五和編」を投下。
自棄酒を飲んで酔っ払ったテンションの五和を主体にしているのでほのぼのしてませんw
部屋に案内されるまでは「とある天草式十字凄教の禁書目録」と同じ。
-----
上条(あのテンションにはついていけねえ…。よくわからねえな、天草式って)
天井を眺めながら先ほどのやりとりを思い出す。だが、これといった打開策が浮かんでくることは無かった。
上条(さて、どうしようか。神裂はここのトップだから頼めばなんとかなりそうだけど、ちょっと話し辛いな…。そうすると、五和に相談するのがベストか?)
五和には夕飯を作ってもらったこともあるし、それなりの信頼関係を築いていると思っている。
上条「とりあえず、面倒なことになる前にとっとと済ますか」
軽い気持ちで呟きながら、上条当麻は部屋を出た。
五和「…」
開かれたスーツケースの前で、下着姿のまま悩むこと数分。五和は意を決したかのように一枚の衣装を手に取った。
すばやく袖を通し、対になるスカートに足を通してそれぞれの着心地を確かめる。悔しいことにオーダーメイドのようなフィット感だった。
五和(寸分違わないなんて…)ハァ
イギリスで建宮に貰った最終兵器『大精霊チラメイド』を身に纏い、大きなため息をつきながらトランクを閉じる。
五和「いちおう、鏡、鏡と」
変な場所が無いかを確認するためバスルームへと向かい鏡を覗き込む。そこに映る自分の姿は、まるで漫画の世界の住人のような格好をしていた。
五和「うわぁ…」///
はっきりと見えるおへそ、ぎざぎざにカットされたスカートの裾からは太もものかなり上の方が覗いている。
五和「…上条さん、こういうの好きかな?」チラ
鏡に向かい、人差し指を唇にあてて首を傾げ、ウインクをしてみる。
五和「…結構いい感じ…かな」///
その場でくるんと一回転して微笑んでみる。そして、何の前触れも無く扉は開かれた。
ガチャッ
上条「おーい、五和…」
五和「だ、大精霊におまかせよ♪」ウインク
上条「は?」キョトン
五和「か、か、か、か、か、か、上条さんっ!?」ビクッ
上条「…あー、ゴメン」ガチャ パタン
五和「いやっ!?あの、帰らないでください!上条さん!」ガチャッ
上条「いや、人に見られたくないこともあるだろうし」コソコソ
五和「ち、違います!とりあえず中に入ってください!」
上条「…じゃ、じゃあ、お邪魔します」
五和「とりあえずそこ(ベッド)にでも座ってください。お茶を入れますから」
上条「…」ポスン
五和「えっと、コーヒーの方がいいですか?」
上条「あ、なんでもいいよ」
五和「はい。じゃあお茶を入れますね」
上条(…反応が普通だ。もしかして五和って…私服が痛い子なのか!?)
五和(ど、ど、ど、ど、どうしようっ!!心の準備する前に上条さん来ちゃいましたっ!)ドキドキ
上条(いや、神裂の格好からしてもそうだし、天草式にとっては意味のある格好なのかもしれない…)
五和(あれ?でも、上条さんが来たってことは、私が選ばれたってこと?)///
上条(でも、あの格好で外歩いていたら、ひくなあ)
五和「…あ、あのっ、上条さん!」
上条「なんでしょうか?」
五和「こ、こ、このたびは、わ、わ、私を選んでくださってありがとうございます」ペコリ
上条「いやいやいやいや、ちょっと待ってください五和さん!」
五和「え?」
上条「俺はただ話を聞きに来ただけだけだから」
五和「私を選んでくださったのではないのですか?」
上条「そもそも、選ぶっていうのが上条さんにはなんだかわからないのですけど」
五和「教皇代理に説明を聞いたのではないのですか?」
上条「あー、神裂か五和かどちらか選べみたいなことは言われたなあ」
五和「それで私を選んでくださったのではないのですか?」
上条「そもそもなんでそういうことになったか上条さんはわからないので、五和に説明してもらおうかと思ったんだ」
延々と繰り返される堂々巡りの中で、上条当麻の言葉を聞いた瞬間、五和の中で何かが切れた。
五和「えーと、それはつまり…」
人差し指を唇に当てて首を傾げる。それが先ほど鏡を見て練習していた子悪魔ポーズであることを上条当麻は知らなかったので一瞬ドキッとしてしまったのは仕方のないことだろう。
五和「女の子に恥をかかせるためにここに来たということですか」ニコリ
上条「な、なんでそうなるんですか!?五和さん」
五和「女教皇様かこの私、どちらかを選ぶということでしたよね?」
上条「だ、だからそれは建宮が勝手に…」
五和「話を聞きに来たという割にはノックもしないで部屋に入ってきましたよね?」
上条「あ、いや。それは悪かった」
五和「そして、私が大精霊チラメイドのキメゼリフを練習していたのを直に見てしまいましたよね?」
上条「…」
五和「そもそも、なんでノックしないんですか!私を女の子として見てくれていないのですか?」
上条「いやいやいや、それはない!」
五和「じゃあ、女の子として見てくださっているんですね?」キラキラ
上条「そ、そりゃあ五和は女の子だから」
五和「それなら、女教皇様ではなく私を選んで下さったってことでいいんですよね?」キラキラ
上条「なんなの?その強引な関連付けは!?」
五和「だって五和をご指名なんですよね?」
上条「天草式十字凄教って実はキャバクラ!?」
五和「違いますっ!」
上条「だって、ご指名とか言っちゃってるし、何か凄い格好してるし!」
五和「こ、これは私の最終兵器です!」カァッ
上条「!!やっぱり魔術的な何かなんだ!」
五和「はい?」
上条「神裂の格好といい、五和の今の格好といい、天草式十字凄教の魔術って露出高いよなあ」ウンウン
五和「あー、…そうですね」カチリ
上条「!なぜ鍵を閉めるのです?五和さん?」
五和「魔術を使うのに密室が必要だからとでも言っておきましょうか?」
上条「一体どんな魔術を使うつもりなのでしょうか?」
五和「そうですね…。とりあえず、えい!」ボスン
上条「うおっ!?」
五和「捕まえました」ニコ
上条「…なに自然に上条さんの上に座っているんですか?五和さん!?」
五和「上条さん、結構ガッチリしてるんですね」サワサワ
上条「い、い、い、い、五和さ~ん!?なんで上条さんの胸をなでまわしているんですか!?」
五和「上条さんがいけないんですよ?素直にならないから」サワサワ
上条「い、いったいなにを言ってるんで…むぐっ!?」
五和「…んっ」チュッ
上条「キ、キ、キ、キス、キス、キス」///
五和「うふふ。いただきました」ニコッ
上条「…」///
五和「教皇代理の説明をきちんと理解していればわかるはずです。女教皇様と私で上条さんをかけて勝負していたって」サワサワ
上条「いや、でも」アセアセ
五和「私は、上条さんが好きです」ヌガセ ヌガセ
上条「五和…」
五和「多分、女教皇様も気に留めています。それだけじゃなくて、貴方の周りにはたくさんの女の人がいて…」サワサワ
上条「…」
五和「だから私は、今日のような千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかないのです」チュッ
上条「い…つわ」ビクッ
五和「女教皇様の『堕天使エロメイド』は、どうだったんですか?ご主人様」ペロッ
上条「少なくとも、今の五和よりはエロくなかったです!!神裂は脱がせたり舐めたりなんてしてこなかったし!!」ビクッ
五和「でも、これだと、露出は負けてますよね?」
上条「!!待って、なんで裾に手をかけてるんですか!?五和さん!」
五和「大精霊チラメイドが大精霊モロメイドに進化するんです」ニコッ
上条「いやいやいや!!落ち着いて五和さん!とりあえず、一回、話し合おう!!」
五和「上条さん」ニコ
上条「うんうん、まずは話し合おう!な?」
五和「私、このチャンスを逃がすつもりないですから」ヌギヌギ
上条「ふ、不幸だあああああああっ!!」
おしまい
130 : 以下、三... - 2010/11/27 23:19:26.60 mN.9O4Ao 197/277つ、続きは……?
>>130 これ以上いくと五和さんがエロ魔人になってしまいそうなのであとはご想像にお任せみたいなw
いちおうリクエストがありましたので、上条×吹寄SSを投下。
吹寄「白黒はっきりつけようじゃないの!」
吹寄「は?だからなんでそうなるのよ?」
上条「なんでって、常識じゃないか?」
吹寄「ほう。貴様は胸の大きい女性は盛っているというのが常識と言い張るの?」
上条「普通そうだろ?胸が大きいんだからそのぶん、持っていてもおかしくないだろうが!」
吹寄「まったく、話にならないな。そもそも貴様はあたしの胸を見たことがあるでしょう?それなのになぜ、そんなことを言うの?」
上条「た、確かに見てしまったけども!だからこそ俺は、吹寄は絶対に持っていると確信しているんだ!」
吹寄「上条当麻…貴様という奴は…。いいわ。白黒はっきり付けようじゃないの!」
上条「望むところだ」
吹寄「じゃあ、場所を変えましょう。ついてきなさい」
上条「どこに行くんだ?」
吹寄「ここじゃ確かめさせられないでしょう?」
上条「まあ吹寄がそう思うなら、いいぜ。お前が望む場所でけりをつけよう」
吹寄「なにカッコつけてるのよ」
上条「いや、なんか雰囲気って大切だろ?」
吹寄「…」ハァ
上条「思いっきり鼻で笑うこと無いだろ!?」
吹寄「貴様と話していると頭が痛くなってくるわ」ハァ
上条「悪かったな」
吹寄「そう思うなら少しは黙ってなさい」
上条「へいへい。わかりました」
吹寄「…」
上条「…」
教室のある棟を出て、特殊教室のある棟へと入り階段を上り廊下を歩く。家庭科室という男子生徒にはなじみの無い教室の横の部屋の前で吹寄制理は足を止めた。
吹寄「ここなら、邪魔は入らないわね」ガラッ
上条「おお、なんか食器だらけだな」キョロキョロ
吹寄「家庭科準備室だからね」
上条「上条さんも調理実習したいなあ。そうすれば一食分浮くのに」ハァ
上条「あ、ああ」ガラッ カチリ
吹寄「…そのままそっちを向いてなさい。いいと言うまで振り向かないでよ」
上条「あ、なんでだよ」
吹寄「白黒はっきり付けるって言ったでしょ!」
上条「ああ、着替えるのか?」
吹寄「ま、まあそういうことになるわね」プチプチ
上条「なら俺は外で待ってて、着替えたら呼んでもらった方がいいんじゃないか?」
吹寄「それはそれで問題あるでしょう!」パサ
上条「そ、そうか…」(あれ?吹寄の奴、体操着なんて持ってたか?)
吹寄「…いいわよ」
上条「おう」クルリ
振り向いた上条当麻の前には、想定外の格好をした吹寄制理がいた。上半身は裸で、両手でその豊満な胸を覆い隠すようにして立っている。
上条「な、何て格好してるんですか?吹寄さん!?」カァァ
吹寄「貴様は馬鹿なの?盛ってないって証明するには見せるしかないでしょ?」カァッ
上条「なんでそうなる!?揉ませればすむことだろうが!!」
吹寄「見るだけでわかるじゃない!」
上条「いや、見ただけじゃわからないだろ!」
吹寄「なんでよ!?」
上条「触れないと持ってるかわからないだろ?」
吹寄(な、なんなのよその理由。…まさか人工物と思われてるの?)ハッ
上条「そんなに俺に触られるのが嫌か?」
吹寄「…わかったわよ」ボソ
上条「え?」
吹寄「わかったわよこのど畜生!盛ってないことを証明してあげるから私の後ろに来なさい!」
上条「お、おう」スタスタ
吹寄「覗き込んだりしたらぶん殴るわよ!」
上条「いや、覗かねえよ!って、なんで腕を下ろすんですか吹寄さん!隠して!隠して!」カァァッ
吹寄「下ろさないと揉めないでしょう?」
上条「ああ、もう!!じゃあ揉むからな!」
吹寄「きなさい!」カァッ
上条「…」モミモミ
吹寄「…え?」
上条「うわはははは。やっぱり持ってるじゃねえか!」モミモミ
吹寄「え?なに?」
上条「とぼけるなよ!こんなに張ってるんだ。言い逃れはできないぜ吹寄」モミモミ
吹寄「さっきからなにを言っている上条当麻!」
上条「おいおい負け惜しみか委員長。確かに俺達の歳で肩こり持ちなんて格好悪いって言うのはわかるけどな」モミモミ
吹寄「肩こり…持ち」カァァァッ
上条「まあそれに見合うだけのモノ持ってるんだし、仕方ないじゃねえか」モミモミ
吹寄「…きゃああああっ!!」バッ!
上条「っ!!」
上条当麻の言葉の意味に気がつくと、吹寄制理は自分の過ちを悟った。途端に激しい羞恥心が彼女の心を満たし、叫び声を上げながら胸を隠してその場にしゃがみ込む。
上条「お、おい、吹寄」
吹寄「よ、寄るな!上条当麻!」カァッ
上条「どうしたんだよ急に!?」
吹寄「あ、あたしはてっきり『胸を盛っている』と思われているって思ってた」カァッ
上条「胸を持っている?確かに大きいけど?」
吹寄「荷物を持つの『持っている』じゃなくて、ご飯を盛るの『盛っている』だと思ってたのよ!」カァッ
上条「…あ、あー!そういうことか」
吹寄「偽乳かどうか疑われてると思うと納得できなかったのよ…」
上条「あー。なんかゴメン」
吹寄「…あたしが勘違いしていたのになんで貴様が謝るの?」
上条「いや、考えたら俺も勘違いさせるような言い方してたかもしれないから」
吹寄「確かに、いきなり『揉ませろ』って言われれば胸かと思うわ」
上条「いや、上条さんちゃんと肩もみのリアクションしてましたよね?」ワキワキ
吹寄「あ、ごめん。リアクションまで見てないわ」
上条「ひっでーな。…ん、でもさ、吹寄。そうなるとお前、ここに来たのは俺に胸を揉ませるため!?」カァァ
吹寄「!!そ、そうなる…かな」カァッ
上条「そうか…。じゃあ揉んでいい?」
吹寄「貴様!なにを言っているのかわかっているのか?」カァッ
上条「せっかくのチャンスを棒に振るほど上条さんは人間ができてないのですよ」
吹寄「…」
上条「俺に肩を揉まれるまで胸を揉まれると思ってたんなら大丈夫ですよね?吹寄さん?」
吹寄「~っ!!」ワナワナ
上条「それとも、怖気づいたと?」
吹寄「き、貴様!」ワナワナ
上条「…なんて冗談冗談。じゃあ俺は先に帰るから」
吹寄「え?」
上条「悪かったな。吹寄」トビラニ テヲ ノバス
吹寄「…待ちなさいよ」
上条「なんだよ?」
吹寄「揉みたいの?あたしの胸」
上条「まあ、YESかNOで言えばYESになる…な」
吹寄「そう…じゃあ、いいわよ」カァッ
そう言うと彼女は立ち上がり、上条当麻に背を向けて両手を下ろす。
上条「吹寄?」
吹寄「…」
上条「マジで?」
吹寄「くどい」
上条「じゃあ、その。失礼します…」
吹寄「…」
上条「…」モミンッ
吹寄「あ…んっ」ビクッ
上条「うわ、柔らかっ」モミモミ
吹寄「余計なことは…あっ、口にしない…んっ」ビクッ
上条(これ、乳首かな?)クリクリ
吹寄「ひゃぁんっ!!」ビクッ
上条(円を描くように…だっけ)モミモミ
吹寄「か、上条当麻っ!も、もう…」ビクッ
上条「…」ギュッ
吹寄「なっ…なんで抱きつくのよっ!?」カァァァッ
上条「いや、可愛いなって思って」サワサワ
吹寄「ば、ば、馬鹿にしてる!?って、腋の下くすぐらない!」ビクッ
上条「吹寄」フッ
吹寄「ひゃぁぁっ!」ビクッ
上条「敏感なんだな…」ハム
吹寄「き、き…さま…なにを…っ!!」カァァッ
上条「目の前に真っ赤な耳たぶがあったので思わず噛んでしまいました」ハムハム
吹寄「っ!!」カァッ
上条「で、吹寄さんはどうして胸を揉ませる気になったのですか?」モミン
吹寄「っ!!」カァッ
上条「誰でも良かったのかな?」モミモミ
吹寄「き、貴様…。言っていいことと悪いことがあるわよ!」ビクン
上条「だって上条さん、嫌われていると思ってましたし」モミモミ
吹寄「んっ…。馬鹿っ、馬鹿のくせに…気になるんだから仕方ないでしょうっ」ビクン
上条「吹寄…」
吹寄「ええそうよ!あたしはなんだかんだ言っても、結局は貴様が好きなのよ。だから堂々巡りを終わらせるために胸を見せてもいいと思ったのよ」カァッ
上条「嬉しいよ。吹寄」ギュッ
吹寄「上条当麻…」カァッ
上条「しかし、なんかすっ飛ばしちまってるよな?俺達」モミン
吹寄「ひゃんっ!いきなり揉むな馬鹿っ!」カァッ
上条「スマン、つい」ポリポリ
吹寄「…」カァ
上条「吹寄。こっち向いて」ササヤキ
吹寄「っ!くすぐったいから耳元で喋る…!?」
上条「…」チュッ
吹寄「~っ!!」
上条「とりあえず、すっ飛ばしたのを一つ埋めてみました」
吹寄「き、貴様…」///
上条「好きだ。制理」カァ
吹寄「っ!!あ…、あたしも…好き…よ」///
上条「…」チュッ
吹寄「ん…」チュッ
上条「さて、この状況は上条さん的にもういっぱいいっぱいですので、いったん離れます。制理さんは速やかに着替えてください」
吹寄「え?」
上条「制理さんが露出狂なら止めませんけどね」ニヤニヤ
吹寄「~っ!!」///
上条「あー、でも、着替える前にしっかりと目に焼き付けておこうかな」
吹寄「ば、馬鹿っ!!エロ条当麻!」カァァッ
上条「冗談、冗談だって!ほら、後ろ向くから!!」
吹寄「…馬鹿」キガエ キガエ
上条「なあ、これからは名前で呼んでいいか?」
吹寄「…いいわよ。あたしも、そうするから」///
上条「よろしくな…制理」
吹寄「うん。よろしくね。当麻」ニコ
おしまい
上条×アニェーゼ アニェーゼの部下が暗躍しそうな展開が浮かんだかもw
上条×オルソラ オルソラが攻めな感じになってしまう…orz
五和編の続き うーん。大精霊モロメイドかぁ…。
五和「私、そんなに魅力ありませんか?」
上条「いや、そんなことありませんけれどもっ!?見えてる、見えてるから!」///
五和「見せてるんです!…触っても、いいんですよ?」ムギュッ
上条「なんでこんな幸運なことに!?上条さん的にありえない!!」///
五和「うふふ。私で感じてくれているんですね」サワサワ
上条「そ、そんなところ触っちゃいけません五和さん!!」カァッ
五和「…好きにして、いいんですよ?上条さん」ハムッ
上条「!!」(耳たぶ噛まれた)///
…むう。なにか違うかもなんだよっ!
とりあえず 上条×オルソラ 強引な展開でお送りしますw
オルソライズム
そろそろ夕飯の準備をしようかなと思った頃、唐突にピンポーンとインターホンが鳴った。
上条「はいはい。どちらさまですか?」ガチャ
オルソラ「こんばんはでございます」ニコ
上条「オルソラ!?」
オルソラ「こちら、上条当麻様のお家で間違いございませんか?」
上条「俺を見ればわかるだろう!」
オルソラ「はい、オルソラでございますよ」
上条「うわっ。相変わらず話しづらいな!」
オルソラ「確かに、あなた様を見た時点で気が付いていたのですけれども」
上条「うん。お前がオルソラだってことはまったくもって一筋も疑う余地が無いことはわかった。で、いったいどうしたんだ?」
オルソラ「そうでございますか?」
上条(オルソラの返事がワンテンポ遅れてくるのならば、ここはひとつ様子を見れば!)
オルソラ「…あのう?どうかしましたか?急にお黙りになって」
上条「なんでそうなる!?」
オルソラ「はい。あなた様に会いに参りました」
上条「へ?」
オルソラ「あのう…。大変申しにくいのでございますが、いつまで玄関先でお話すればよろしいのでしょうか?」
上条「あ、悪い。じゃあとりあえず上がってくれ。靴は玄関で脱いでくれな」
オルソラ「はい、お邪魔いたします。あら、靴は脱がなくてはいけないのですか?」
上条「ああ。頼む」
オルソラ「では、お邪魔いたしますね」ガチャ
上条「とりあえず、お茶入れるからその辺に座っててくれ」
オルソラ「はい」
部屋の主は台所へと姿を消した。一人残されたオルソラは、物珍しそうに部屋を一望してから、のんびりとした口調で尋ねる。
オルソラ「インデックスさんはいらっしゃらないのですか?」
上条「ん?インデックスに用事があったのか?」
オルソラ「以外と狭いお部屋にお二人で住んでいらっしゃるのですねえ」
上条「いやっ、確かに同居はしていますけれどもっ!そういう言い方されると一線を越えたふたりっぽく聞こえるからやめて!」
お茶を入れたマグカップを両手に持って部屋へと戻ってきた上条を真っ直ぐに見つめながら、オルソラは小さく首を傾げる。
オルソラ「私はあなた様に会いに来たと言いましたが?」
上条「…イギリスでなにかあったのか?」コトン
オルソラ「いえ、特に何も」
上条「…あー、インデックスは今日、知り合いのところにお泊りなんだわ」
白い修道服の同居人は小萌先生主催の女の子だけのお鍋パーティーそしてお泊り会に参加するため、学校から俺と一緒に来た姫神に連れられて小萌先生の家に去っていった。
オルソラ「左様でございますか」
上条「インデックスに用事があるのなら呼び戻すけど、どうする?」
オルソラ「インデックスさんに用事はないのですよ」
上条「うーん。イギリス清教絡みじゃないとすると、いったい?」
オルソラ「キオッジアでの約束を履行していただこうかと思いまして」
上条「は?」
オルソラ「観光ついでにあなた様のご招待を受けさせていただこうかと」
上条「…招待?」
そんな約束したっけ?
オルソラ「結局、あなた様がロンドンにいらした時は、私のお部屋にご招待するどころではありませんでしたので、日本に来てしまいました」ニコ
上条「ああ、そう言えば、それどころじゃなかったなあ」
オルソラ「そうそう、日本ではお部屋の中で帽子などを被っていてはいけないのでしたね」ゴソゴソ
言いながらオルソラは頭に被っていたフードを外してきちんと畳んでから床の上に置き、乱れた髪を手櫛で整える。
オルソラ「失礼いたしました」
上条「フードは別に被っていてもいいんじゃないか?インデックスは被りっぱなしだし」
オルソラ「あなた様はそういったのがお好みなのですか?」
上条「…はい?」
オルソラ「あまり汚すのもどうかと思うのですけれども…」
上条「なんのことですか?オルソラさん?」
オルソラ「あの、お願いがあるのですが」
上条「なんでしょうか?」
オルソラ「あなた様の右手をお貸しいただけますか?」
上条「幻想殺しを?」
オルソラ「いえ、あなた様の右手を」
上条「だから、幻想殺し…」
オルソラ「そうではなくてですね、私にあなた様の右手を触らせてくださいますか?」
上条「あ、そういうことね。はいはい」ミギテ サシダス
オルソラ「こちらにお越しいただけますでしょうか」ポンポン
オルソラは自分の左側の床を軽く叩く。上条は軽く頷いて、彼女の左隣へと歩いていき、目の前に右手を差し出した。
オルソラ「ありがとうございます」
彼女は差し出された右手を下から包むようにして両手で持つと、そのままゆっくりと自分の胸に押し付ける。
上条「な、な、な、な、なにをするのですか!?オルソラさん!?」カァッ
オルソラ「はい。実はですね、呪いをかけられたみたいでして。あなた様の幻想殺しが効くかどうか試しているのですよ」ススス
上条「…なんで左側に手を動かすのですか?オルソラさん」
オルソラ「ちょっと掴んでみてもらえますか?優しくですよ?」
上条(…うわっ、なんだこれ、柔らかっ)モミン
オルソラ「…ぁん。これではっきりしましたわ」
上条「なにが?」
オルソラ「私に呪いをかけたのがあなた様だってことが」
上条「なっ!?俺、そんなことしてませんよ!?」
オルソラ「あら、往生際が悪いですわね。えいっ、でございます」ドサッ
上条「なにをっ!?むぐっ!?」
オルソラ「…まあまあ、これはなかなかいいものでございます」チュッ
上条(お、俺、襲われてる!?)
オルソラ「あなた様は着衣のままがお好きなようですから、このまま失礼します」ヌガシ ヌガシ
上条「そんなこと言ってないし!ってかなに脱がしてるんだコラ!やめろ、やめてくださいオルソラさん!!」ジタバタ
オルソラ「あら?あなた様は先ほど、着ていた方がいいと仰ってましたよね」ヌガシ ヌガシ
上条「あれってそういうことだったの!?私めが言ったのは修道女は室内でフード被っていても問題はないってことなんですけどもって…駄目、それ以上脱がさないで!」ジタバタ
オルソラ「あら?そうでしたの。では、失礼して私も…」ヌギヌギ プルン
上条「オルソラさんには恥じらいと言うものはないのですか!!」カァッ
オルソラ「あら。先ほどから凄いドキドキしておりますけれども?触ったときに気付きませんでしたか?」
上条「まったくわかりませんでした!」
オルソラ「では、これなら、どうでしょうか?」ムギュッ
そう言うと、オルソラは自らの胸の中に上条の頭を埋めさせた。
上条(く、苦しい!!なんかいい匂いはするんだけれども!)ジタバタ
オルソラ「あらあら、こうしてるとなにもすることができませんね。ドキドキしているのわかりました?」
上条「わ、わかったけど、なんでこんなことするんだよ!?」///
オルソラ「あなた様にかけられた呪いを解くためでございますよ」
上条「だから、俺は呪いをかけた覚えが無いんですけど!?」
オルソラ「おかしいですね?こんなにわかりやすく言っておりますのに」クビカシゲ
上条「いや、まったくわからないから!」
オルソラ「あなた様を想うだけで胸が苦しくなって、心が寂しくなって身体が疼いてしまうのでありますよ」
上条「いきなり何をカミングアウトしてるんですか!?敬虔であるべきシスターが!?」
オルソラ「あら。シスターといえど、ただの女ですわよ?」
上条「普通、男の前で口にしちゃいけない言葉だと思うんですけど!?」
オルソラ「あなた様の好きにしていいのですよ?」
上条「な、なにを言い出すんですかオルソラさん!?」
オルソラ「あなた様に抱かれることで、呪いが祝福に変わるのでございますよ」
上条「だ、だ、だ、抱く、抱く!?」カァァッ
オルソラ「はい。抱いてくださいませ」
上条「いや、あの、オルソラさん?上条さん突然すぎて良くわからないのですけども!?」///
オルソラ「なにがでございますか?」
上条「もしかして、私め、オルソラさんに告白されてます?」
オルソラ「…」チュッ
上条「っ!?」///
オルソラ「こんなこと、あなた様としかしたくありませんですわよ?」チュッ
上条「オルソラ…」カァッ
オルソラ「呪いを、解いてくださいませ」カァッ
上条「オル…ソラ…」ギュッ
オルソラ「…」ギュッ
上条「…」ギュッ
オルソラ「…」ギュッ
上条「…」ギュッ
オルソラ「あのう…。抱くってそういう意味ではないのですけれども…」
上条「言わないで!上条さん耐えられなくなるからっ!!」
オルソラ「耐えなくてもよろしいのでございますのよ?」
上条「上条さん的にそういうのは駄目なんです!」
オルソラ「…女に恥をかかせるおつもりなのですか?」
上条「そんな恥ならいくらでもかいてください!お願いします!!」
オルソラ「…私、明日にはロンドンへ戻らねばならないのですけれども…」
上条「…」
オルソラ「あなた様と既成事実というものを作っておきたいのですけれども」
上条「なんでそうなるんですか!?」
オルソラ「…だって、あなた様は…あなた様の周りにはインデックスさんを始めとして女性が大変多くおられますので、私など普通なら相手にしてもらえないと思いますので…」
上条「だからって、そんな捨てるように貰うのは嫌だ!」
オルソラ「…え?」
上条「良くわからないけど、恋人ってこんな急になるようなものじゃないだろ?もっとこう、お互いを知ってからそういうことするようになるっていうか」
オルソラ「…私は、あなた様のことをお慕い申しておりますよ」
上条「うん。それは正直嬉しい。オルソラは美人で、優しいし、料理も上手いし」
オルソラ「なら、よろしいじゃありませんか」
上条「だからこそ、だからこそだ。オルソラ」
オルソラ「意味がわかりらないのですが?」
上条「なんていうか、男のプライドってものがあってですね…」
オルソラ「まあ。差別でございますか?」
上条「何でそうなるの!?」
オルソラ「だって、恋愛には男も女も関係ないじゃありませんか」
上条「いや、そりゃそうだけど」
オルソラ「…あなた様が手を出してくださるように我慢してきましたけども…」
上条「オ、オルソラさん!?」
オルソラ「どうやら、襲わないと駄目みたいですね」ニコ
上条「ちょっと待って、落ち着いて、オルソラさん!?」
オルソラ「とりあえず脱いでしまうのでありますよ」ヌギヌギ
上条「ちょっ!?」カァッ
オルソラ「えいっ、でございますのよ」ダキッ
上条「う、うわっ!?」
オルソラ「…ん。ふふ…」チュッ チュパ
上条「んっ!?」///
オルソラ「まあ、以外と鍛えていらっしゃるのですね」ヌガシ ヌガシ
上条「オルソラっ!?」
オルソラ「我慢なさらなくてよろしいのでございますよ?」ナデナデ
上条「あっ!!そこは…!!」ビクン
オルソラ「こうすればよろしいのですか?」ナデナデ
上条「あああ…あ…!!!」ビクン
オルソラ「…私にも、触れてくださいませ…」スッ
そう囁くと、オルソラは上条の右手に自分の手を添え、自らの秘所へと導いた。
上条(…熱い)///
オルソラ「…私が恥ずかしくないと思っているのでしたら、それは間違いですのよ」カァッ
上条「オルソラ…?」
オルソラ「こうでもしないと、あなた様はきっと私のことなど見向きもしてくださいませんから…、あなた様に可愛がっていただこうと誘っているのでございますよ」カァッ
上条「俺のために…?」
オルソラ「ええ。あなた様のために…」チュッ
そう言ってからオルソラが軽くキスをしたとき、上条当麻の中で何かが弾け飛んだ。
上条「オルソラっ!!」ガバッ
オルソラ「ああっ…!!」
上条「…ん」ムニュ
柔らかな何かが肩に当たる。甘い香りが鼻腔をくすぐる。
上条「…あ」
目の前で眠る女性。布団の下から覗く白い肌がなんとも艶かしい。
上条(俺、オルソラと…)カァッ
昨夜のことを思い出して顔が熱くなる。
上条(偉そうなこと言って、結局やっちゃったからなあ…。何回も)ハァ
甘い声、艶やかな肢体。
オルソラ『あなた様を愛しています…』
情事の後、彼女はそう囁いてから儚げに微笑んだ。
上条(俺は…)
オルソラ「…ん」モゾモゾ
上条「!!」
オルソラ「おはようございます」ニコ
上条「あ、ああ、おはよう」ドキドキ
オルソラ「…身体が痛いでございますのよ」
上条「大丈夫か?」
オルソラ「予想していたよりも激しいものでございました」
上条「…あー、その、すまん」
オルソラ「いいえ、あなた様のせいではございません」
上条「オルソラ…」
オルソラ「そのような顔をなさらなくてもよろしいのでございますよ」
上条「え?」
オルソラ「私はこれ以上のことは望みませんから」ニコ
昨夜と同じ、儚げな微笑み。
上条「…どういうことだ?」
オルソラ「あなた様を縛る気はないということでございますよ」
上条「は?」
オルソラ「一夜限りの過ちと考えていただければ、あなた様にもご迷惑ではないでございましょう?」
上条「…ふざけるなよ」
オルソラ「ふざけてなどおりませんが」
上条「そんな泣きそうな顔してなに言ってるんだよ?」
オルソラ「泣きそうになど…」
上条「まったく。嘘が下手だな。オルソラ」
オルソラ「…修道女は嘘などつきませんのでございますよ」
上条「…布団の中で向き合って言うことじゃないと思うけど」
そう言って言葉を切ると、上条当麻は真っ直ぐにオルソラを見つめた。
上条「俺の彼女になってくれ」
オルソラ「…あ」ウルウル
上条「好きだ。オルソラ」
オルソラ「…これは夢でございますか?」ウルウル
上条「夢じゃない」
オルソラ「私、ロンドンに戻らなくてはいけません」ウルウル
上条「インデックスを行かせればいい。ステイルや神裂がなんとかしてくれるさ。と言うか…」チュッ
オルソラ「!?」
上条「オルソラを離したくないから」ギュッ
オルソラ「上条さん…」ウルウル
上条「やっと名前を呼んでくれたかと思えば、苗字?」
オルソラ「…意地悪でございますのよ…。当麻さん」カァッ
上条「…昨日の返事」
オルソラ「え?」
そう言うと上条は顔を赤くしながら腕の中のオルソラの耳元にそっと囁いた。
上条「愛してる」
おしまい
姫神と青髪ピアスのほのぼの系?「とある一年七組の放課後」
放課後の教室。鞄に教科書やノートなどを詰め込んでいた少女の耳にボソッと呟く低い声が聞こえてきた。
青ピ「…暇や」
背の高い青髪ピアスの学級委員(男)が机の上に突っ伏している。
青ピ「なんでカミやんも土御門君も休みなんや…」ハァ
仲のいい友人の不在が思いのほか堪えているようだ。
姫神(上条君はきっとまた、人助けしてるんだろうな。『不幸だ~!』なんて言いながら)クス
その場にいないツンツン頭の少年を思い出して、少女は小さく笑う。
青ピ「…なんや姫神ちゃん、そない僕がへこんでるのがおもろいんか?」
姫神「あ、別に青ピ君のこと笑ったわけじゃないから」
青ピ「ほんまに?」
姫神「うん。ちょっと思い出し笑い」
そう答えてから、姫神秋沙は青髪ピアスの方へ身体を向けた。
青ピ「ふーん。…あー、思い出すって言やあ、姫神ちゃんの家って神社かなんか?」
姫神「別に神社ではないけど、どうして?」
青ピ「どうして…って、最初会ったとき、姫神ちゃん、巫女さんの格好してたやろ?」
姫神「そうだっけ?」
青ピ「こっちはカミやん他一名と一緒に見てるんやから、言い逃れはできないんやで、姫神ちゃん」
そういえば、一緒にいたツンツン頭の少年も、西洋の巫女さん(注:青髪ピアスの勘違い、修道女)の格好をした銀髪少女を連れていたので、巫女さんフェスティバルでもあったのかもしれない。そんなイベントがあるならばの話だが。
姫神「んー、バイト」
青ピ「は?」
姫神「神社の売店の制服」
本当はそんなことないのだが、何か適当な言い訳をしておかないと後々厄介なことになりそうだと思ってそう答える。
青ピ「まだそのバイトはやってるんか?」
姫神「もう辞めた」
青ピ「ほな、もう姫神ちゃんの巫女姿は拝めへんのか?もったいない」
姫神「もったいない?」
青ピ「まさに理想の巫女さんやったでえ。姫神ちゃんの巫女姿」グッ
姫神「その割に、上条君たちと誰が声をかけるかで揉めていたみたいだけど?」
青ピ「あはは、よう見てたんやなあ姫神ちゃん。でも、あれはしゃあないと思うで」
姫神「どうして?」
青ピ「巫女さんがバーガーの山を前にしてテーブルに突っ伏しているなんて、なんかの儀式にしか見えへんし」
姫神「そうかなあ」
青ピ「そうやで。いや、もしかしたら学園都市の都市伝説になってるかもしれへんで?『すすり泣く巫女』とかなんとか」
姫神「泣いてないし」
青ピ「いやいや、そんだけインパクトあるシチュエーションだったってこと」
姫神「もう。なにそれ」クスクス
青ピ「!!」(姫神ちゃん。笑うとホンマ可愛すぎるやろ)カァッ
姫神「…どうしたの?青ピ君?」
赤くなった顔を隠すために視線を逸らすと、黒髪の少女は訝しげにこちらへと視線を向ける。
青ピ「…あー、なんや。姫神ちゃん、もしかして暇?」
姫神「うーん。どうだろ?」クビカシゲ
青ピ「そこで悩むってことは、…もしかして、この後、彼氏とデートとかあるん?」
姫神「彼氏とか…いればいいんだけど」ハァ
青ピ「あれ?もしかして絶賛募集中!?はいはい!僕、立候補します!!」
姫神「え?青ピ君。小萌先生みたいな人が好きじゃなかったの?」
青ピ「小萌先生はアイドルみたいなもんやで。姫神ちゃん」チッチッチ
姫神「そうなんだ」
青ピ(あれ?これってもしかしてチャンス?)
小さく微笑む黒髪の少女の目を見ながら、青髪ピアスはかねてから言ってみたかった言葉を口にした。
青ピ「今は、姫神ちゃんのことしか見えてへんで」キリッ
姫神「その言い方だと、すぐ浮気されそう」
青ピ「なんでや!?」
姫神「『今は』ってことは、その場だけの雰囲気で言ってるように聞こえるから」
青ピ「…じゃあ、今も、これから先もずっと姫神ちゃんのことしか見いへんって約束する!」
姫神「え…?青ピ君?」
青ピ「ホンマやで?僕、好きになったら一途やし」
姫神「え?え?」カァッ
青ピ「それとも、他に好きな奴、居たりするん?だったら諦めるけど」
姫神(好きな人…)
ふとツンツン頭の少年が脳裏に浮かんでから消えた。
姫神(違う。彼は私のことなんて見ていないもの。恩人であることに間違いはないけれど)
じっと目の前の少年を見る。
姫神「んー。どうかな?」
青ピ「なんやそれ!?」
姫神「そんな急に言われてもわかんないよ」
青ピ「そ、そう?」
姫神「それに、青ピ君のこと良く知らないし」
青ピ「僕のこと知りたいんやったら、なんでも聞いてや。大歓迎やで」
人懐こい笑顔を浮かべながらそう言う少年を見て、姫神秋沙はそっと胸元の十字架に触れ、質問した。
姫神「…吸血鬼っていると思う?」
青ピ「吸血鬼ぃ?」
姫神「うん。ドラキュラとか」
青ピ(なんや、姫神ちゃん。いきなりそんなこと言って。…はっ、もしかしてボケて欲しいんか?)
青髪ピアスは、関西テイストの思考回路で黒髪の少女の質問を真意を勝手に解釈して取った。
青ピ「吸血鬼って言えばドラキュラって王道やないかい。そんなんじゃあかんで、姫神ちゃん。インパクトが無い」チッチッチ
姫神「別にインパクトとか狙ってないんだけど」
青ピ「…実はな、僕が吸血鬼なんや…って、インパクト狙ってないんかい!」
姫神「…え!?」
青髪ピアスの『吸血鬼』宣言を聞いて、姫神秋沙はシャツの上から十字架をぎゅっと握り締めた。その表情は硬く強張っている。
青ピ「姫神ちゃん?どないした?そない青くなって…」
姫神「青ピ君…吸血鬼って…」
青ピ(姫神ちゃん演技派やな。…ここはのってみるか)「…内緒やで?」
姫神「わけ、わかんないよ…。いきなり私にそんなこと言うなんて」
青ピ「姫神ちゃんに、嘘はつけないから」
姫神「青ピ君…」ウルウル
青ピ(あれ、これどういうオチになるんや?)
姫神「…浄化、したいの?」
青ピ「できるんかい!?」
姫神「…うん」
寂しそうに答えると、黒髪の少女はシャツのボタンを一つ外し、銀色の鎖に手をかける。
青ピ(…ど、どんなオチなんだ!?)ドキドキ
姫神「…」
ネックレスを外したときの鎖が揺れる音がやけに大きく聞こえた。
黒髪の少女は両手を胸の前に組み、まっすぐに青髪ピアスを見つめる。
姫神「…せめて安らかな眠りを」
青ピ「姫神ちゃ…ん!?」
不意に、姫神秋沙は両手で青髪ピアスの頭を掴み、自らの首筋へと引き寄せた。
姫神「はやく…噛んで」
青ピ「えええええええ!?ええの!?」
姫神「…」コクリ
青ピ「じゃ、じゃあ…いくで?」カプ
姫神「んっ…?」
青ピ(なんかええ匂いするわあ)カァッ
姫神「青ピ君の嘘つき!」ドゴッ!
姫神秋沙渾身の至近距離からのボディーブローに耐えられるはずもなく、青髪ピアスは派手に吹っ飛んだ。
青ピ「うぐわああああああああっ!!なんでやねーーん!!」ドンガラガッシャーン
姫神「吸血鬼じゃないじゃない!馬鹿!」カァッ
真っ赤になって慌てながらネックレスをかけなおして、黒髪の少女はそう叫んだ。
青ピ「…もしかして、吸血鬼を信じてた?」イテテ
姫神「うん」
青ピ「てか、それやったら逆効果やないか?吸血鬼って処女(おとめ)の血が好物やで?」
姫神「しらない!」(良く考えれば封印を解いた時点で襲い掛かってこないってこと自体、吸血鬼を否定しているのに…私、なにしてるんだろう)カァッ
青ピ「姫神ちゃん、怒ってる?」
姫神「…自分自身の馬鹿さ加減に呆れているかも」
青ピ「なんか、すまんかったなあ」
姫神「青ピ君が謝ること、無いよ」
『吸血殺し』である自分。だが、その能力を魔装で封印している今、ただの無能力者の転校生としてここにいるのだからそれをクラスメイトに言うわけにはいかない。
青ピ「でも…」
姫神「でも、なに?」
青ピ「僕、姫神ちゃん傷物にしちゃったわけやん?」
姫神「傷物って!?違うよ!?」カァッ
青ピ「噛んじゃったわけやし」
姫神「傍から聞くと誤解するような言い方はやめて!ただ単に首を噛んだだけだから!」
青ピ「単にってもんやないやろ?首やで?キスマークとか付けるいわば愛の通過点なんやで!?」
姫神「なにその詩的表現!?ともかく、気にしてないから、ね?」
青ピ「僕が気にするわ!」
姫神「噛まれた本人が気にしてないのに…。じゃあ、そうね…」ウーン
青ピ「気にしないってのもある意味凄いけど」
姫神「ハンバーガー奢って!」
青ピ「は?」
姫神「これからハンバーガーショップへ連れて行って、ハンバーガー奢ってくれればそれでご破算」
青ピ「姫神ちゃん…あの山のような数は無理やで?」
姫神「普通のセットでいいわよ。と言うか、あのことは忘れて」
青ピ「わかった。姫神ちゃんがそう言うならそうするわ」
姫神「決まりね。じゃあ行きましょう」
青ピ「姫神ちゃん」
姫神「なに?」
青ピ「これって、デートって思ってもええ?」カァッ
頬を赤く染めてそう言った少年に、黒髪の少女は小さく微笑んでこう言った。
姫神「んー。どうかな。青ピ君次第…かな?」ニコ
おしまい
姫神×青ピ、以外と好評で胸をなでおろしてますw
クリスマスプレゼントをテーマにオムニバス形式でいくつか短いのを書いてみようかなとw
以外と難しいかもしれないけど、いろんなカップリングが可能だと思うのですよw
とりあえず Present for you ~case1 上条→インデックス~
12月24日。
学園都市にクリスマスがやってきた。
それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!
上条家のテーブルに、普段はなかなかお目にかかれないようなご馳走が並んでいた。
上条(年に一回のクリスマスだからな)
ローストチキン、ポテトフライ、エビフライ、サラダ、クリームシチュー、パンの山、そして1ホールのショートケーキ。
猫用に、ささみ肉を茹でてほぐしたものがちゃんと用意されており、スフィンクスはそのお皿の前で神妙な面持ちで座っている。
インデックス「ご、ごちそうなんだよ!」ジュルリ
上条「クリスマスなので奮発しました」
インデックス「すごいんだよ!とうま」キラキラ
上条「シチューは自信作ですよ」
インデックス「いただきますなんだよ!」
スフィンクス「ニャー」
居候の一人と一匹はほぼ同時に声を上げ、ご馳走を攻略しにかかる。
インデックス「美味しいんだよ!!」ガツガツ
スフィンクス「ニャー」ゴロゴロ
上条「そりゃ良かった」ゴソゴソ
料理を食べる少女を眺めながら、上条当麻はポケットの中に手を入れる。
上条「インデックス」
インデックス「ほぇ?」モグモグ
上条「あー、なんだ。その、メリークリスマス」
少年は少し照れくさそうに、ポケットから小さな紙袋を取り出すと、少女の目の前に差し出した。
インデックス「え?」キョトン
上条「プレゼント。安物だけど…な」
インデックス「あ、開けていい?」
上条「ああ」
インデックス「!十字架なんだよ」
上条「その、宗派とかわからないけど、大丈夫か?」
インデックス「大切にするんだよ」ニコ
上条「お、おう」
少女は、大切そうにネックレスを取り出すと、左手で軽く握り締める。
インデックス「とうま。お願いがあるんだよ?」
少し恥ずかしそうに、少女は左手にネックレスを載せて少年の前に差し出す。
上条「ん?なんだ?」
インデックス「…左手を載せて欲しいんだよ」カァッ
上条「ん?こうか?」ソット ヒダリテ カサネル
インデックス「…Engagement」カァッ
上条「?」クビカシゲ
インデックス「えへへ。おまじないだよ」ニコ
上条「そうか」
インデックス「うん。…後は首にかけてもらえばいいんだよ」ニコ
上条「へ?」
インデックス「お願いするんだよ。とうま」ニコ
屈託の無い笑みを浮かべると、少女は少年にネックレスを渡してから立ち上がり、少年の傍に近づいて背を向ける。
それから、両手でフードと一緒に後ろ髪を上に持ち上げ、白い首筋が露になる。
上条「!!」ドキドキ
インデックス「とうま?」
上条「え、ええと、かければいいんだな?」ドキドキ
インデックス「うん。お願いなんだよ」
少女の胸元に触れないよう注意しながら手を回し、首の後ろでネックレスを留める。
上条「留めたぞ?」
インデックス「ありがとうなんだよ」
髪とフードを整え、少女は胸元のネックレスにそっと触れる。
インデックス「えへへ。大切にするね」ニコ
上条「あ、ありがとう」
インデックス「お礼を言うのは私の方なんだよ。それよりも、…ごめんなさいなんだよ」シュン
上条「なんで謝る?」
インデックス「とうまはプレゼントを用意してくれたのに、私はなにも用意しなかった…っていうか、できなかったんだよ」シュン
上条「インデックスさんらしからぬ殊勝なお言葉!」
インデックス「失礼なんだよ!とうま」カチカチ
上条「ほ、ほんのお茶目な冗談じゃないですか!?歯を噛み合せないで!」ビクビク
インデックス「お礼に頭を齧ってあげるんだよ。とうま」カチカチ
上条「な、なんでそうなるんでしょうか!?落ち着いてインデックスさん!」
上条当麻は歯を鳴らしながら後ろに回ろうとするインデックスを牽制する。
インデックス「まったく、ムードもなにもあったもんじゃないんだよ。…でも、とうまがいけないんだよ」ボソッ
上条「え?!お前なに言ってるん…!?」
インデックス「…」チュッ
上条「キ、キ、キ、キ…!!」カァッ
インデックス「キス、したんだよ」カァッ
上条「お、おう」カァッ
恥ずかしそうに上条当麻を見て、それからインデックスは頭を彼の胸に押し付ける。
上条「イ、インデックス!?」
インデックス「好き、なんだよ。とうま」カァッ
上条「…インデックス」
インデックス「さっきのは契約の真似事なんだよ」カァッ
上条「契約?」
インデックス「お互いの左手の薬指の力をペンダントに込めたんだよ」
上条「左手の薬指って…もしかして結婚指輪とかのアレ!?」カァッ
インデックス「真似事だって言ってるんだよ!」カァッ
上条「いやいや、でもでも、それっていわゆる『プロポーズ』ってやつでしょうか?インデックスさん」
インデックス「ぐむ!それはとうまからして欲しいんだよ!」カァッ
上条「なにげに凄いことをさらりと言わないでください!」
お互い真っ赤になった顔を見合わせて、ギャアギャアと言い合う。部屋の中で冷静なのは自分の取り分を綺麗に平らげて毛づくろいをしながら我関せずを決め込んでいる三毛猫だけだった。
インデックス「とうまは、私のこと嫌い?」ウワメヅカイ
上条「なんでそうなる!?」
インデックス「だって、返事くれないんだよ」ムー
上条「あー…」カァッ
インデックス「…」グスッ
上条「わー、泣くな泣くな!俺も、その、…好きだぞ」カァッ
インデックス「とうま…」ウルウル
上条「インデックス…」
インデックス「…」メヲトジル
上条「…」チュッ
インデックス「大好きなんだよ。とうま」ニコ
おしまい
年末は色々忙しいですねw
時期を逃した感が否めませんがちびちび投下。
Present for you 上条→美琴
12月24日。
学園都市にクリスマスがやってきた。
それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!
上条(…うーむ)ムー
自動販売機の前で携帯電話の液晶画面を見つめながら唸っているツンツン頭の少年がいた。
上条「…よう、御坂。元気か?…これが無難か?」ウーム
ダイヤルをしようとして思い止まる。
上条「…いや、ここは目的を言った方がいいのか?」ウーム
冬物の服を買いに行ったときに目に入った毛糸の帽子。
上条(…なんか、見た瞬間、アイツに似合うと思ったんだよな)
同じ色の手袋と一緒にプレゼント包装してもらって、鞄の中に入れてある。
上条(あー、でも、アイツお嬢様なんだよなあ…。こんな安物、受け取ってくれるだろうか?)
そんな不安が脳裏を過ぎる。
上条「…うーん。どうしようか…」ウーム
美琴「…なに唸ってるのよアンタ」
上条「ぬおっ!?御坂!!」ビクッ
美琴「なによ?そのリアクション」
上条「な、なんでもありませんことよ?」ドキドキ
美琴「あからさまに怪しいんだけど?携帯とにらめっこなんかして楽しい?」
上条「!!」ドキドキ
美琴「…あー。もしかして、誰かと待ち合わせ?」
上条「あー…待ち合わせというかなんていうか…」
まさか電話をかけようとしていた相手が目の前にいるとは言えずに、少年は言葉を濁した。
美琴「そうなんだ…。じゃあ、わたしがいると邪魔よね」
上条「!!いや、いてくれて全然問題ないぞ!?」
美琴「…でも、アンタ困るでしょ?」
上条「そんなことない」
美琴「…見せびらかしたいの?」
上条「は?なにを?」
美琴「彼女…とか?」
上条「は?」
美琴「電話で呼び出してたんじゃないの?」
上条「あー。呼び出す前っていいましょうか…」
美琴「じゃあさっさと呼んであげれば?わたしは帰るから」
上条「いや、帰られると困るんだけど」
美琴「そんな見せびらかしたいの?」
上条「見せびらかすもなにも、そもそもなんでそういうことになるんだ?」
美琴「…クリスマスだし」ボソ
俯いて小さく呟くと、少女は少年に背中を向ける。
美琴「そういうもんじゃないかなって、思っただけ」
上条「…そんなこと言われるとさ、期待するぞ?」ボソ
美琴「え?」
少年の言葉に少女は振り返る。視線を送ると、少年は少し考えるような素振りをしてから携帯電話の発信ボタンを押した。
そのとき、ポケットに入れてあった携帯の振動を感じて、取り出してみる。
美琴「!」
画面に表示されたのは、目の前の少年の名前だった。
美琴「…どういうこと?」
上条「俺は、お前に電話しようと思ってたんだよ」
美琴「わたしに?」
上条「ああ」
美琴「どうして?」
上条「あー、なんていうか、お前にさ、似合うかと思って…」ゴソゴソ
美琴「え?」
少年が鞄からなにかを取り出して、それから少女の方へと近づいていく。
上条「…メリークリスマス。御坂」
美琴「え?え?」
上条「…プレゼント。気に入るかわからないけど」カァッ
赤いリボンでラッピングされている緑色の紙袋。
美琴「あ、ありがとう…。開けてみて、いい?」
上条「ああ」
リボンを解き、袋を開ける。中には淡い黄色の毛糸の帽子とお揃いの手袋が入っていた。
袋から帽子と手袋を取り出し、袋の中にリボンを入れて袋を畳んで鞄に入れると、帽子を被って手袋を着けてみる。
美琴「えへ。似合う、かな?」ニコ
上条「うん。思ったとおり似合ってるな」
美琴「え?」
上条「いや、なんかさ、その帽子を見たときに『御坂に似合いそうだな』なんて思ったわけでして」ポリポリ
美琴「そう、なんだ」カァッ
上条「さっそく着けてくれて嬉しい。あ、でも、校則とかでそういったもの着けちゃいけないとかあったりする?」
美琴「ううん。防寒具だし大丈夫」ニコ
上条「そっか」
美琴「えへへ。あったかい」ニコ
上条「!!」(やべ。可愛い)カァッ
美琴「…アンタ、自分のは買ってないの?」
上条「ん?ああ。いいの無くってさ」
美琴「…そっか」
上条(本当は、御坂の買ったら予算がなくなっちゃったんですけどね)
美琴「じゃあ、お礼に私がアンタの買ってあげる!」
上条「え?」
美琴「じゃ、行くわよ!」ギュッ
上条「えぇ!?御坂センセー?」カァッ
美琴「アンタは何色が似合うかしらね~?」
上条「女の子に手を引かれてるのって凄い恥ずかしいんですけど!?御坂センセー?」カァッ
美琴「…じゃあアンタがエスコートして」カァッ
上条「うぇ!?また無理難題を!?」
美琴「郷に入らば郷に従え、よ。…クリスマスだし、カ、カップルっぽくしてれば目立たないでしょ?」カァッ
上条「!!」
美琴「それとも、わたしとじゃ嫌?」クビカシゲ
上条「…嫌じゃない」カァッ
美琴「そ、そう」カァッ
上条「ああ」
美琴「…」
上条「…よし、じゃあ行くか!」ギュッ
美琴「うん!」ギュッ
上条「はは。なんかこういうのもいいな」カァッ
美琴「…アンタがいいなら、これからもずっとこうしててもいいわよ…」ゴニョゴニョ
上条「なんか言ったか?」
美琴「べ、別に大したことじゃない」カァッ
上条「そっか」
美琴「うん」(今はまだ、こんな関係の方がいいと思うし、ね)
おしまい
Present for you 黒子→美琴
12月24日。
学園都市にクリスマスがやってきた。
それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!
とある学生寮の208号室。白井黒子はルームメイトであり、尊敬(と言うよりは偏愛)する先輩でもある御坂美琴に上品なラッピングを施された包みを差し出した。
黒子「お姉様。クリスマスプレゼントですの」
美琴「へ?」キョトン
差し出された箱を見てびっくりしたような表情を浮かべたまま、美琴は固まっていた。
美琴(クリスマス?あれ?それって…)
携帯電話を取り出し、日付を確認する。
美琴「…クリスマスって25日じゃなかったっけ?」
黒子「暦の上ではそうですけれども、普通は24日のイヴにお祝いをするですの」(聖夜とも性夜ともいうのですの)グフフフフ…
美琴「あー、わたしの家じゃ25日だったからなあ…。去年は特になにもしなかったし」
黒子「ずいぶんと寂しいクリスマスをお過ごしだったのですね、お姉様」ヨヨヨ
美琴「こら!どさくさに紛れて抱きつこうとしない!」
黒子「ああん。つれないですの!」
美琴「…あれ?ということは…」ハッ
黒子「お姉様、顔色が悪いですの」
美琴「せ、世間一般ではクリスマスって今日!?」
黒子「そうですの!実はお姉様と一緒に食べようとケーキも買ってきましたの!」
そう言うと黒子は自分の机の下から箱を取り出す。この日のために学校で話題に上っていたケーキ屋に予約しておいたのだ。
美琴(アイツも今日がクリスマスって思っているわよね!?)ソワソワ
美琴はそっとベッド脇に置いた自分の鞄に視線を向ける。
黒子「もしよろしければ、食べさせあったりなんかして…」(お姉様と間接キッスですわ)グフフフ
美琴「あー…。ちょっと出かけてきていい…かな?」
黒子「はい?」
美琴「ちょろっと、野暮用を思い出しちゃったのよね~」
黒子「それはクリスマスに関係あることですの?」
美琴「…一応」カァッ
黒子「どうして赤くなるのです?お姉様」
美琴「うぇ!?ちょっと暖房が効きすぎてるからとか?」カァッ
黒子「…お姉様」ハァ
美琴「な、なによ?溜息なんかついて」
黒子「殿方に会いに行くのでしたら、わたくしのプレゼントを身に着けていかれた方がよろしいですわよ」
美琴「べ、別にアイツに会いに行くわけじゃ!!」カァッ
黒子「わたくしは別に、どなたに会いに行くのかなんて一言も言ってませんですの」
美琴「…」カァッ
頬を赤く染めて俯く美琴を見て、黒子はもう一度小さく溜息をついた。
黒子(まあ、今に始まったことではないのですけど、こんなにお姉様が恋する乙女しているのに、あの殿方は…)ギリギリ
美琴「…黒子?」
黒子「とりあえず、わたくしのプレゼントをどうぞ」
美琴「あ、うん。ありがとう…」ガサガサ
リボンを解き、包装紙を剥いで箱を開ける。箱の中に入っていたのは布面積の少ない黒レースの下着。
美琴「…」カァッ
黒子「わたくしとお揃いですの」ウフフ
美琴「これは…ちょっと着けれないな~」カァッ
黒子(お姉様がそう言うのは想定内ですの)「お姉様。殿方はこういったセクシーなものがお好きですの」ボソッ
美琴「!!」
黒子「こう言ってはなんですけど、キャラクタープリントのおパンツでは、殿方もひくと思いますの」ボソッ
美琴「な、な、な、なにを言ってるのよアンタ!別にわたしとアイツはパ、パ、パンツを見せるようなことはしてないんだから!!」カァッ
黒子「見せなくても、身に着けることで醸し出す色気が殿方をメロメロにするのですわ。お姉様」ボソッ
美琴「い、い、色気って」カァッ
黒子「常にこういった下着を身に着けることによって、わたくしの様に自分を優雅で美しく見せることができるのですわ」ウフフ
美琴(うーん。黒子が色っぽく見えたことなんて無いんだけど…)
黒子「さあ、お姉様も淑女として相応しい下着を!!」ハアハア
美琴「わ、わたしにはこういうのは着けられないわ」カァッ
黒子「絶対お似合いですの」
美琴「無理無理無理!絶対無理!」ブンブン
黒子「…お子様ですの」ハァ
美琴「お子様で結構!」
真っ赤になって叫ぶと、美琴は鞄を取って扉の方へと向かう。
黒子「お姉様、お送りしましょうか?」
美琴「んー。大丈夫。すぐ戻るから」
黒子「そうですか…」
美琴「戻ったらソレ、付き合うから」ニコ
そう言ってケーキの箱を指差す。
美琴「メリークリスマス。黒子」
黒子「メリークリスマスですの。お姉様」
美琴「じゃ、ちょろっと行って来る」
黒子「いってらっしゃいませ」
遠ざかる足音を聞きながら黒子は小さく呟いた。
黒子「やっぱり、優しすぎるですの」
おしまい
Present for you 美琴→上条
12月24日。
学園都市にクリスマスがやってきた。
それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!
美琴「…」
公園の自動販売機によりかかりながら、御坂美琴は街灯に照らされた風力発電用の風車沿いの道を見つめていた。
美琴(うーん。ちょっと遅かったかな)ハァ
溜息が白い。
美琴(もう少しだけ待ってみて、来なかったら電話してみよう…)
携帯電話を取り出して時計を見る。いつも外で相手に遭遇する時間よりも遅い時間になっていた。
美琴(もしかしてクリスマスだし、誰かとデートとかしちゃってるのかな…)ハァ
足元に視線を落とし、大きな溜息をつく。
美琴(わたしは、そういう対象じゃないんだよね…。連絡くれなかったし)ハァ
ぎゅっと右手を握り締めて胸元に押し付ける。
美琴(結構、堪えるなあ)ハァ
上条「あれ?御坂。なにしてるんだ?こんなところで」
美琴「!!」ビクッ
不意に声をかけられて、慌てて顔を上げる。
美琴(あ、会えちゃった)パァッ
上条「おーい?御坂センセー?」
美琴「な、なによ!?」
上条「こんな時間にこんなところでなにをしているのか聞いているんですけど?」
美琴「な、なんだっていいじゃない!」
上条「あ…。もしかして…誰かと待ち合わせか?」ハッ
美琴「!!」
上条「悪い。待ち合わせだったら俺が声かけちゃまずいよな」ポリポリ
美琴「べ、別に悪くないし、っていうか、帰ろうとしない!」
上条「いや、でもさ…」
美琴「と、とりあえずなにか飲む?缶ジュースだけど」
慌てて財布を取り出し、小銭を自動販売機に入れて尋ねる。
上条「お、奢ってくださるのでしょうか?」
美琴「ジュースぐらいでなに感激してるのよ?早くボタン押しなさい」
上条「では、遠慮なくいただきます」ピッ
取り出し口に手を入れ、ツンツン頭の少年は缶を取り出す。
上条「な、なんでホット苺ミルク!?上条さん缶コーヒーのボタン押したのに!?ふ、不幸だ~!!」ガクッ
美琴「じゃあそれはわたしが貰うから。コーヒーってこれ?」チャリン
上条「あー、うん」
美琴「アンタ、ホントにこのボタン押したの?」ピッ
上条「もちろんですよ」
美琴「はい、缶コーヒー」
上条「な、なんでだ~!?」
美琴「さあね。とりあえず、そこのベンチに座ろっか?」
上条「ん?ああ」
上条当麻は促されるままにベンチに腰を下ろすと、その隣に御坂美琴が腰を下ろした。
上条「!!」
美琴「なによ?」
上条「いや、なんか隣に座るとは思わなかったから」ドキドキ
美琴「アンタでも風除けぐらいにはなるでしょ?」
上条「風は御坂センセーの方から吹いているんですけど!?」
美琴「細かいこと言わない!」
上条「逆切れ!?」
美琴「う、うるさい!」カァッ
赤くなりながら少年の手からホット苺ミルクを奪い取り、缶コーヒーを押し付けると、プルタブを引き上げてホット苺ミルクを飲む。
美琴「は~。温まるわね~」
上条「甘そうだな。それ」
美琴「そうでもないわよ。それだって結構甘いでしょ?」
上条「それよりは甘くないと思うけどな」パキ
美琴「まあ温まればいいじゃない」
上条「まあな。じゃあ、いただきます」ゴク
美琴「ふふ」
上条「で、御坂センセーはなんでこんなところにいたんですか?」
美琴「アンタ、まだそれ聞くの?」
上条「こんな時間に女の子がひとりで立っているのって結構インパクトあるわけでして」
美琴「し、心配してくれたの?」ドキドキ
上条「んー。まあそうだな」カァッ
美琴「そうなんだ」パァァッ
上条「で、なんでこんなところに?」
美琴「…わかんないかな?」ウワメヅカイ
美琴はそう言うと、真っ直ぐに少年を見上げた。
上条「御坂?」ドキッ
美琴「ここなら、アンタに会えると思ったから」
上条「え?」
美琴「結構ここでアンタと会ってるから、ここで待っていればアンタに会えると思ったのよ」カァッ
上条「そ、そうか」カァッ
美琴「今日は、その、アレだから、アンタも用事があるかなって思ったけど、そうでもなかったわね」
上条「上条さん、今日も補習ですよ」トホホ
美琴「そ、そうなんだ」
上条「で、アレって?」
美琴「アレよアレ!クリスマス!」
上条「あー。帰る途中でコンビニのケーキでも買って一人寂しく食べようかなと思っていたんですけどね。お金も無いし」
美琴「うわっ。寂しいっ!」
上条「言わないで!余計虚しくなるから!」
美琴「はいはい」クスクス
小さく笑いながら美琴は鞄からはがきぐらいの大きさの箱を取り出す。
美琴「はい、メリークリスマス」
上条「え?」
美琴「プレゼント。アンタにはなんだかんだでお世話になってるから」カァッ
上条「え?ええっ!?」
美琴「そんなに驚かなくても…」
上条「いや、上条さんまったく予想していなかったから…」
美琴「とりあえず、受け取ってくれると嬉しいんだけど?」
上条「あ、ああ。ありがとう。御坂」ニコ
美琴「気に入ってくれるといいんだけど、ね」
上条「あ、開けていいか?」
美琴「うん」
包装紙を剥いで箱を開けると、そこには折りたたみ式の紳士用財布が入っていた。
上条「うわ。これって本皮じゃないか?」
美琴「アンタのお財布ってそんな感じだったと思ったから、似たようなの選んだんだけど」
上条「いや、俺の合成皮の安物と比べちゃ失礼になるような…」
美琴「あー、形とかそういうのじゃなかった?」
上条「ん?まあ形はこんなだけど」
美琴「じゃあ使ってくれる?」
上条「…ありがとうな」
美琴「どういたしまして」ニコ
上条「なんか、悪いな」
美琴「なんで?」
上条「俺、補習で頭一杯で、クリスマスとか頭に無かったから…」
美琴「わたしはてっきり、アンタは誰かと楽しいディナーを過ごしてるんじゃないかって考えちゃったわよ」ボソッ
上条「は?それって?」
美琴「!!な、なんでもない!!」カァッ
上条「御坂」
美琴「な、なによ?」ドキドキ
上条「あー。その、メリークリスマス」カァッ
美琴「う、うん」
上条「ほら、上」
美琴「え?」
促されて空を見上げると、白い雪が静かに降ってくるのが見えた。
美琴「わあ…」
上条「ホワイトクリスマスだな」
美琴「うん」
上条「来年も一緒に見れるといいな」ボソッ
美琴「え?」
上条「!!な、なんでもないぞ!!」カァッ
美琴「ふぅん」ニヤニヤ
上条「な、なんでしょうか?その微笑みは!?」
美琴「別に。ちょろっとね~」ニヤニヤ
上条「…」
美琴「さて、渡すものは渡したし、門限もあるから帰るね」
そう言うと、少女は立ち上がって空き缶をゴミ箱に放り込む。少年も立ち上がり、同じように空き缶を捨てながら言った。
上条「寮まで送っていく」
美琴「じゃあ、お願いしちゃおうかな」ニコ
上条「お、おい!!」カァッ
美琴「どうせカップルだらけだから、雰囲気だけでも、ね」ニコ
上条「お、おう」///
美琴「じゃあ、しゅっぱーつ!」ギュッ
上条(や、柔らかいんですけどっ!!)ドキドキ
美琴「ちょっと、ちゃんとエスコートしてよね」
上条「お、おう。任せとけ!」
美琴「ふふふ。メリークリスマス」ギュッ
上条「…メリークリスマス」
おしまい
青ピ&姫神かぁ。クリスマスに絡めてみるかな…
↓とりあえず、ほぼセリフのみで書いてみた実験作(失敗といえるかもしれない)
電撃にゃんこ
公園の自動販売機の傍のベンチに、見たことのある白い修道服の少女が座っていた。
美琴「あれ?アンタ…」
インデックス「あ、短髪なんだよ」
美琴「…その呼び方なんとかならない?」
インデックス「短髪は短髪なんだよ」
美琴「まあ、別にいいけどね」ハァ
目の前の少女がなにを基準に自分のことを短髪と呼ぶのかわからないが、気にしないでおこう。
インデックス「あ、そうだ短髪」
美琴「なによ?」
インデックス「ビーフオアフィッシュ?」
美琴「へ?」
インデックス「ビーフオアフィッシュ?なんだよ」
美琴「あー、ゴメン。なにを聞きたいのかわからない」
インデックス「ビーフとフィッシュ、どっちが好きなのか聞いているんだよ」
美琴「あー、そういうこと。そうねえ…。ビーフかなあ」
インデックス「とうまと同じなんだよ」
美琴「!!べ、別にいいじゃないの!」
インデックス「うん。別に問題ないんだよ」
美琴(えへ。アイツと同じかぁ)ニヘラー
インデックス「なんでニヤニヤしてるんだよ?」
美琴「うぇ!?してないしてない!」ブンブン
インデックス「してたんだよ」
美琴「う…。いいじゃない別に!」カァッ
インデックス「もしかしてとうまと同じで嬉しかったとか?」
美琴「な、な、な、なにを言ってるのよ!アンタ!!」カァッ
インデックス「どうして怒鳴るんだよ?」
美琴「ア、アンタが変なこと言うからよ!」
インデックス「じゃあ、なんでニヤニヤしたの?」
美琴「な、なんだっていいじゃない!!」カァッ
インデックス「うーん。私の聞き方が悪かったんだよ。…じゃあ、ビーフオアとうま?」
美琴「は?はあああああ!?」
インデックス「ビーフオアとうま、なんだよ」
美琴「な、な、な、なんでアイツとお肉が選択肢なのよ!?」
インデックス「どっちが好きかってことなんだよ」
美琴「す、す、好き!?」カァッ
インデックス「どっちが好き?」
美琴「な、な、な、なんでそんなこと聞くのよ!?」カァッ
インデックス「短髪の答えで私の夕御飯が決まるんだよ!」
美琴「…は?」キョトン
夕御飯?この子の?
美琴「なんでわたしの答えでアンタのご飯が決まるのよ?」
インデックス「こもえの家ですき焼きを食べるか、とうまと一緒にご飯を食べるかなんだよ」
美琴「!!なんなの?その二者択一は!?」
インデックス「そういうものなんだよ」
美琴「いやいやいや、ちょっと待って。わたしの答えがすき焼きとアイツに対応しているとして、わたしの答えがどういう結果をもたらすのよ?」
インデックス「短髪の選ばなかった方に行くんだよ!」(短髪は間違いなくとうまを選ぶんだよ!すきやき!すきやき!)
美琴「なんなのよそれ」
インデックス「いいから、どっち?ビーフオアとうま?」
美琴「す、少しだけ考えさせて!」カァッ
すき焼きも好きだけど、アイツをす、す、好きっていうのとは違う好きだし…。
ううん、この子は『すき焼き』と『アイツとご飯を食べる』のとどっちが好きかってことを聞いているわけで、決してアイツがす、好きとかそういうことを聞いているわけじゃないわけで…。
美琴(でも、アイツとご飯かぁ…)ニヘラー
インデックス「なにニヤニヤしてるんだよ短髪」
美琴「ニ、ニ、ニヤニヤなんてしてにゃい!!」カァッ
インデックス「なんか変なんだよ?」
美琴「ちょっと言い間違えただけじゃない!」
インデックス「で、どっち?」
美琴「ア、アイツかな~…なんて」カァッ
インデックス「あいつなんて選択肢はないんだよ!ビーフオアとうま!」
美琴「う、うにゃ~!!」カァッ
インデックス「うにゃ~ってなんなんだよ!ふざけないで欲しいんだよ短髪!」
美琴「ふ、ふ、ふざけてなんていにゃい!!」カァッ
インデックス「じゃあ、どっち!!」
美琴「…と、とうま」カァッ
インデックス「じゃあ私はこもえの家ですき焼き食べて来るんだよ!とうま!!」ダッ
美琴「え?」
上条「小萌先生に迷惑かけるなよ~」
美琴「ふにゃあああああああっっ!?」ビクッ
上条「うおおおおおおおおおおおっ!?」ビクッ
美琴「ア、ア、ア、アンタ!!いつからいたのよ!!」カァッ
上条「いつからって、上条さん最初からそこにいましたけど?」
そう言ってアイツは自動販売機の反対側を指差す。勢い良く走って行ったあの子に気を取られて自動販売機の陰なんて見ていなかった。
美琴「ア、ア、ア、ア、アンタ」カァッ
上条「あー、落ち着け御坂」
美琴「落ち着いていられるかああああああっ!!」ギャアアアア
上条「いいから落ち着け御坂!」
美琴「アンタどうしてそんな冷静なのよ!!」ギャアアアア
上条「インデックスがご飯を食べないってことはですね、貧乏な上条さんにはとっても助かるんですよ。御坂センセー」
美琴「え?あの子、そんなに食べるの?」
上条「底なしっていうのはああいうのを言うんだと学びました」
美琴「そ、そうなんだ…じゃなくって!アンタ聞いていたんでしょ!?何でそんな冷静なのよ!!」カァッ
上条「なにをだよ?」
美琴「ア、ア、ア、アンタのこと、呼び捨てにしてさ…」ゴニョゴニョ
上条「え?御坂、そんなの気にしてたのか」
美琴「そ、そんなの!?」
上条「俺、お前のことたまに名前で呼んでたりしてるけど」ポリポリ
美琴「うにゃ!?」
わたしのことを呼び捨てにしてた!?いつ?どこで!?
上条「あー、本人の前じゃ名前で呼んでない…か?」ウーム
美琴「よ、呼ばれたこと無い…かも?」
上条「白井とかと一緒のときに呼んだりしなかったっけ?美琴って」
美琴「みにゃあっ!?」カァッ
上条「もしもし、猫っぽくなってますよ。御坂センセー?」
美琴「そ、そ、そんなことないにゃ!」
上条「…いや、そんなことあるだろ」
美琴「う、う、うるさいっ!!」ギャアアアア
呼ばれた。名前で呼ばれた。
美琴「よ、呼び捨てにされた…。呼び捨てに…」///
上条「…」
美琴「呼び捨て…」ニヘラー
上条「なあ、御坂。名前で呼ばれたいのか?」
美琴「うにゃああっ!?な、な、な、名前??」
上条「うん。美琴」
美琴「うにゃああああっ!!」カァッ
上条「やっぱり猫っぽい。これは、…美琴にゃん?」ハッ
美琴「にゃ、にゃ、にゃんですって!?」
上条「だから、猫っぽいから美琴にゃん」
美琴「にゃ、にゃん…」///
上条「なんだその可愛いキャラは」
美琴「うにゃっ!?…み、美琴にゃんじゃないの?」(可愛いって言った?言ったよね?)ニヘラー
上条「う、うん。まあそうなんだけど…。なんか調子狂うな」
美琴「え?」
上条「なんていうか、御坂はさ…」
美琴「やだ!」
上条「え?」
美琴「名前で呼んでくれなきゃ、やだ」ウワメヅカイ
上条「え?あの、御坂さ…」
美琴「やだ!」
上条「み、美琴?」
美琴「にゃん♪」
上条(か、可愛いぞ)カァッ
美琴「…」ジー
上条「ど、どうした?」
美琴「今、赤くなった」ニヤ
上条「!」
美琴「どうしてかな~?」
上条「お、お前だって、さんざん赤くなってただろ!どうしてなんだ?」
美琴「女の子にそういうこと聞く?聞いちゃう?アンタってやつは!」ギャアアアアア
上条「いつも喧嘩ふっかけてきた人が言うセリフですかそれ!?」グギャアアアアア
美琴「なんでそんな古いこと持ち出してくるかな!?時効よ時効!」
上条「時効って、まだ一年もたってないんですけど!?」
美琴「う、うるさい!」
上条「逆切れ!?」
美琴「で、アンタはなんで赤くなったわけ?さっさと答えなさい!」
上条「あーあー!わかりましたよ。言えばいいんでしょう言えば!」
美琴「…」ドキドキ
上条「お前の『にゃん♪』が可愛かったんだよ!」カァッ
美琴「ふにゃっ!?か、可愛かった?」カァッ
上条「もともと素材がいいからそーゆーキャラは反則的に可愛く見えるんだよ」
美琴(そ、素材がいい…ってことは…、わたしのこと可愛いって思ってくれてるんだ)ニヘラー
上条「よし、俺は答えたからな!今度はお前の番だ!何で赤くなったんだ?」
美琴「ふにゃ!?わ、わたし!?」
上条「そう。お前」
美琴「…こ、答える前に一つ聞かせてくれる?」
上条「なんだよ?」
美琴「アンタ、わたしのこと、『可愛い』って思ってくれてるの?」
上条「ま、まあな」カァッ
美琴「そ、そっか」カァッ
上条「あーもう!!恥ずかしいこと言わせるな!!」
美琴「…アンタに、さ、名前で呼ばれたり、褒められたりしたから、赤くなったの」カァッ
上条「へ?」
美琴「だから!わたしが赤くなったのはアンタのせいだって言ってるのよ!!」
上条「俺、そんな恥ずかしいこと言った!?」
美琴「す、好きな相手に名前呼ばれたり褒められたりしたら、そりゃあ赤くなるわよ!」カァッ
上条「え?」(今、好きな相手って言ったか?)
美琴「あ…」カァァッ
上条「あの…御坂さん?」
美琴「…」カァッ
上条「そこで黙られると、どうしていいかわからなくなるんですけど?」
美琴「…アンタはどうなのよ」ボソッ
上条「え?」
美琴「アンタは、わたしのことなんて…女としては見てくれていないんでしょ」ボソッ
上条「なっ!?」カァッ
美琴「それとも…。少しは気にしてくれている?」ウワメヅカイ
上条「…あのな、御坂。可愛いと思ってる時点で異性として意識しているってことぐらいわかるだろ?」
美琴「え?」
上条「たまに名前で呼んじまうのも、心の中でそう呼んでるから出ちまうってこと」
美琴「それって…」
上条「あーもー!!わたくし上条当麻は御坂美琴が好きだってことですよ!」カァッ
美琴「!!」カァッ
上条「こうなったらもう、名前で呼ぶからな」///
美琴「わ、わたしも…、名前で呼んで、いい?」ウワメヅカイ
上条「お、おう」
美琴「…当麻」///
上条「美琴」///
美琴「ねえ、もう一回、ちゃんと聞かせて?」
上条「なにをだよ?」
美琴「『好き』ってやつ」
上条「な、な、なんですと!?」カァッ
美琴「駄目?」ウワメヅカイ
上条「う…。その…」カァッ
美琴「…」ドキドキ
上条「わたくし、上条当麻は、御坂美琴のことが好き、です」カァッ
はっきりと言ってもらっちゃった。名指しで好きって。嘘みたい。えへへ。
美琴「…ふにゃあ」
上条「な、なんで倒れるの!?美琴!?ふ、不幸だあああああ!!」
おしまい