*
雛苺「今日もジュン登りなの」ヨジヨジ
JUM「飽きないのか?」
雛苺「うん。飽きないよ。ジュン登りは楽しいのよ」
JUM「ふーん、じゃあたまには刺激的なのも体験してみるか? そうだな、ジュンダッシュがいいな」
雛苺「ジュンダッシュ?」
JUM「僕がお前を乗せて走るのさ」
雛苺「わー、面白そーう」
JUM「僕にしっかり掴まってろよ」
雛苺「うん!」ギュ
JUM「桜田ジュン、行きます!」タタタッ!
雛苺「わーい! 速い速ーい! 凄いのー!」キャッキャッ!
元スレ
雛苺「ヒナは毎日が幸せなの」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1315131350/
JUM「キーーーーーーン!!!」シュタタ!
雛苺「GO!GO! なのー!」
真紅「あら? 何をしているの?」
雛苺「ジュンダッシュなのー!」
JUM「桜田ジュン、雛苺を乗せて疾走中であります!」シュタタタ!
雛苺「かっ飛ばせなのー!」
真紅「そう。ジュン、壁とかにぶつからない様に気をつけて走りなさい。それと雛苺、落ちない様にちゃんとジュンの頭を掴んでなさい」
雛苺「うぃ!」
ジュン「ギュオンギュオン! ドーン!!」シュタタタ!
雛苺「わーい!」キャッキャッ!
真紅「……」
ジュン「急旋回! ギュオオオオオオ!!」
雛苺「Gが凄いのよー!」キャッキャッ!
真紅「……」ウズ
ジュン「風呂場に行くのであります!」
雛苺「GOなのよー!」
真紅「……」ウズウズ
ブォーン、キキッー! キャッキャッ!
真紅「……」ウズウズウズ
JUM「次は二階に行くのであります!」
雛苺「エンジン全開なのよー!」
真紅「ジュン」
JUM「ん? 何だ真紅?」
真紅「私も……ジュンダッシュがしたい(加わりたい?)のだわ」
JUM「えっ、でも頭は雛苺が」
真紅「抱っこで」
JUM「あー、わかった」ヒョイ
JUM「これで良いか?」
真紅「まあまあね」
JUM「でも抱っこでジュンダッシュは危ないぞ?」
真紅「大丈夫よ。ちゃんと貴方の腕を掴んでるから。もちろん貴方もちゃんと抱えてなきゃ駄目よ」ギュッ
JUM「お、おお(ちょっとドキッとしたな)」
真紅「準備OK。下僕一号、桜田ジュン、発進!」
雛苺「発進なのー」
JUM「下僕一号は余計だけど発進であります!」
翠星石「あぁあああああああ!!! 真紅とチビ苺何やってるんです!?」
JUM「ああ、翠星石」
真紅「あら、蒼星石の所に遊びに行ってたんじゃないの?」
翠星石「nのフィールドを通って今戻った所ですぅ! それよりも二人揃って何チビ人間に乗ってるんですか!」
雛苺「ジュンダッシュを楽しんでるのー」
翠星石「ジュンダッシュ?」
真紅「ジュンが私達を乗せて走るのよ」
翠星石「ほ、ほー」
雛苺「翠星石も乗る? すっごいスリルがあるのよ」
翠星石「べ、別にいいですよ。そんな子供っぽい遊びなんか興味ねーですから」
JUM「怖いんだな?」
翠星石「な、なんですとぉ?」
JUM「お前、ジュンダッシュに乗るのが怖いんだな? 本当は乗りたいけど怖くて乗れないんだな?」
翠星石「そ、そんな事ないです!」
JUM「じゃあ乗るか?」
翠星石「う…」タジッ
JUM「ほらやっぱり。でも怖いんなら仕方がないな。じゃあ僕は真紅と雛苺を乗せて発進するよ」
翠星石「キッーーーーーーー!! そこまで言うなら乗ってやるですよ! 大体真紅と雛苺がチビ人間に乗って翠星石が乗らないのは変です! ほら、とっとと乗せろです!」
JUM「はいはい。ほら、右腕に乗れ」
翠星石「全く……」ヒョイ
翠星石「ほら、乗ってやったですよ」
真紅「翠星石、ジュンの二の腕を掴んでいなさい」
翠星石「ん、わかったです」ギュッ
真紅「じゃあ、改めて、桜田ジュン、発進せよ!」
JUM「桜田ジュン、行きまーす!」シュタタタタ!
翠星石「ひ、ひああああああああああああああ!!!!!!?」
真紅「お、おおお……」
雛苺「速いのー!」キャッキャッ!
JUM「シュゴゴゴゴゴーーー!!!」
翠星石「落ちる落ちるーーーー!!!!」
雛苺「どんどん進めなのーーーー!!」
*
雛苺「フンフンフフーン♪」オエカキオエカキ
雛苺「フフフフーン♪」オエカキオエカキ
雛苺「フーンフーンフッフフーン♪」オエカキオエカキ
雛苺「フンフンフンフンフンフンフッフフーンフッフフーン♪」オエカキオエカキ
雛苺「うにゅ~うにゅにゅ~うにゅ~うにゅにゅ~♪」オエカキオエカキ
雛苺「うにゅ~なの~♪」オエカキオエカキ
雛苺「うにゅうにゅうにゅうにゅうにゅうにゅうにゅうにゅ~なの~♪」オエカキオエカキ
雛苺「フッフフーン♪ うにゅ~なの~♪」オエカキオエカキ
雛苺「出来た!」
雛苺「早くジュンにこの絵を見せたいのー」
JUM「今日も(図書館での)勉強がはかどったな。ただいまー」ガチャ
のり「お帰りなさい」
雛苺「ジュンお帰りー!」テテテッ
JUM「ただいま」
雛苺「ねえねえジュン、見てほしいのがあるの。来て!」グイグイ
JUM「おい何だよ?」
雛苺「早く早くー!」
JUM「わ、わかったからそんなに引っ張るな」
タタタタッ、ガチャ
雛苺「ジュン見てー!」
JUM「(僕の部屋?)何があるん……!!?」
雛苺「モナリザなのー!」
グチャア……
JUM「床が……」
雛苺「凄いでしょ! ヒナ、頑張ったの!」
JUM(モナリザ? グチャグチャで似てないな。いや、それよりも)
JUM「ハァ、駄目だろ雛苺。床に絵を描いちゃ。しかも床一面に描いて」
雛苺「え、でも」
JUM「絵を描く時は紙に描けって言ってるじゃないか」
雛苺「ご、ごめんなさい。でも大きな絵を描くには紙だけじゃ足りなかったの。
だから、床ならいっぱいいっぱい描けると思って……」
雛苺「紙を重ねて描くのもやりづらかったから……」ショボン
JUM「うーん」ポリポリ
雛苺「……」ションボリ
JUM「ごめん。僕も言い過ぎたよ」
雛苺「え?」
JUM「絵、頑張ったな。僕の為にありがとう」ナデナデ
雛苺「うん!」パアアア
JUM「でもこれからは床には描くなよ」
雛苺「うん! ヒナ気をつける」
JUM(さて、床掃除が大変になるな)
*
くんくん『もう逃げても無駄ですよ。ライオン伯爵』
ライオン伯爵『くっくっく、はたしてそうかな?』
くんくん『何?』
ライオン伯爵『来い! 伯爵ロボ!』パチン
ゴゴゴゴゴッ!
くんくん『これは!?』
ライオン伯爵『私の自慢の息子、伯爵ロボだ!』
伯爵ロボ『ハクシャーク』
ライオン伯爵『伯爵ロボよ、くんくんを踏み潰してしまえ!』
くんくん『そうはさせない! 出ろぉおおおおおおおおお!!!! ジャイアントくんくぅううううううううん!!!!』
キラン、シュゴオオオオオオオ!! ズシィイイイイイイイイン!!!
ジャイアントくんくん『クンクーン』
ライオン伯爵『な、何ィ!? 貴様もロボを持ってるだとォ!?』
くんくん『貴方がロボットを持っている事は知っていました。だから、僕もチンチン博士に頼んで造ってもらったのさ!』
ライオン伯爵『おのーれ!
伯爵ロボよ、自慢の虹色の鬣(たてがみ)で奴らを葬り去ってしまえ!』
くんくん『ジャイアントくんくん!
こっちもシャイニングノーズで対抗だ!』
真紅「今回のくんくんはロボバトルがあるからwktkが止まらないのだわ」
蒼星石「ロボバトル、燃えるね」
翠星石「ジャイアントくんくん! 頭、頭を狙うんです!」
雛苺「ジャイアントくんくんカッコイイのー」
雛苺(くんくんいいなぁ。ヒナもジャイアントくんくんみたいなロボットが欲しいの)
雛苺「ねえねえジュン、お願いがあるのー」
JUM「お願い?」
雛苺「あのね、ヒナにロボット造ってほしいの」
JUM「ロボットォ!? どうして急に?」
雛苺「あのねあのね、今日のくんくんでロボットバトルがあったの。それでね、大きなくんくんのロボットが出てきたの」
雛苺「ガショーン! ガシーン! ピカッ! メキメキドゴーン! ってかっこよかったの。だから、ヒナもヒナだけのおっきなロボットが欲しいの」
雛苺「だからジュン、ヒナだけのロボットを造ってほしいの。大きさは人間サイズでもいいの」
JUM「そんな事言われてもなあ、僕の腕じゃきついよ」
雛苺「そっか……」シュン……
JUM(あー、どうしよう)
金糸雀「そんな時はカナの出番かしら!」
JUM「うおっ!? いつの間に?」
金糸雀「ふふん! 今日は珍しく侵入が成功したかしら」
JUM「そりゃあ空k」
金糸雀「それ以上は言わないで」
JUM「はい」
金糸雀「雛苺、ロボットが欲しいならカナに任せて欲しいかしら」
雛苺「本当?」
金糸雀「ええ。カナが造ってあげるかしら。人間サイズじゃなくてもっと大きなロボットを造っちゃうかしら」
雛苺「やったー! ありがとうなの金糸雀ー!」ピョーンピョーン
JUM「お前本当に造れるのか?」
金糸雀「もちろんかしら。頭脳派のカナを甘く見ないで欲しいかしら」
金糸雀「雛苺、楽しみにしてな! かしら。なんちゃって」
雛苺「うん!」
テテテ……
金糸雀「ねえ、ジュン」
JUM「ん?」
金糸雀「どうしよう……大口叩いちゃったかしら」
JUM「造れねえのかよ!」
金糸雀「だって、たまには姉として良いところ見せたかったから」
金糸雀「で、でもロボットを造れるのは本当かしら。メカ沢βくらいなら造れるかしら」
JUM「地味にすごいなお前」
JUM「でもどうするんだよ? さっきの話はなかった事にするか?」
金糸雀「だ、大丈夫かしら。カナに不可能はないかしら。いっぱい研究すればガンダムくらいは造れる筈かしら」
JUM「"くらい"って言っちゃったよ。ガンダムを"くらい"って言っちゃったよこの娘」
金糸雀「とにかく、カナはやり遂げて見せるかしら」ピューン
JUM「ったく、心配だなぁ……」
JUM「でも自分だけのロボットかぁ。確かに憧れるよなぁ」
JUM「よし、僕もあいつの為に作ってやるか」
数分後
ガサゴソガサゴソ
蒼星石「ジュン君、何やってるの?」
JUM「ダンボール集めてる」
蒼星石「何かに使うの?」
JUM「かくかくしかじか」
蒼星石「へえー、男のロマンだね」
真紅「何してるの?」
JUM「かくかくしかじか」
真紅「そう。雛苺がそんなお願いをしたの」
JUM「雛苺には内緒にしてくれないか」
真紅「わかったわ」
翠星石「何してるんです?」
JUM「かくかくしかじか」
翠星石「ほー、わざわざ(ちょっとうらやましいです)」
蒼星石「内緒にしといて欲しいんだ。それと作ってる所も雛苺にも見せないように」
翠星石「わかったです」
雛苺「ねえねえ、ジュンはどこー?」
蒼星石「ジュン君は今ちょっと立て込んでいるんだ」
雛苺「何やってるの?」
真紅「とても大変な作業をしているのよ。邪魔をしちゃいけないからまたくんくんでも見ましょう」
雛苺「うん!」
数時間後
JUM「雛苺ー」テクテク
雛苺「あっ、ジュン!」
真紅「終わったの?」
JUM「ああ。完成した」
雛苺「かんせい?」
JUM「雛苺、見せたいものがあるからちょっと来てくれないか?」
雛苺「うん、行くー!」
雛苺「ジュン、ヒナに何を見せてくれるの?」
JUM「これだ」ドン!
雛苺「!」
JUM「雛苺専用ロボ、ジャイアント雛苺だ!」
雛苺「わー!」キラキラ
真紅「あら、よく出来てるわね」
翠星石「ダンボールロボですね」
蒼星石「いいね。これは記念に」カシャ
JUM「ただ、動く事はないけどな」
雛苺「わーい! ジュンありがとうなのー!」ピョーンピョーン
雛苺「ジュン大好きー!」ギュウウウ
翠星石「こ、こら、チビ人間に抱き着くなです!」
雛苺「ジュン本当にありがとうなの! ヒナはとっても嬉しいの!」ギュー
ジュン(ここまで喜んでくれるとは思わなかったな。でも作ったかいがあったよ)
ジュン(そういえば何か忘れてるような気がするな。何だっけ?)
金糸雀「……ふふふ、やっと、やっとロボの右腕が完成したかしら!」
金糸雀「苦労したかしら。でもまだまだこれから。早く全てのパーツを作って人口知能も開発して弾丸をも弾く無敵のロボを完成させるかしら」
金糸雀「待っててかしら雛苺!」
*
雛苺「うわーーーーーーーん!!!」
JUM「どうしたんだよ雛苺?」
雛苺「翠星石にウヴァわれたのー!
ヒナが後で食べるつもりだったうにゅ~がまたウヴァわれたのー!」
JUM「おい翠星石、あんまり雛苺虐めんなよ」
翠星石「ちょっとイタズラしたかっただけです。すぐに返すつもりだったですよ」
翠星石「ほら、返すですよ」
雛苺「ううう、いつも翠星石はひどいの。ヒナの事ばっかり虐めて」
翠星石「だから悪かったですよ。ほら」スッ
雛苺「いらない! 翠星石なんてうにゅ~の器になって暴走しちゃえばいいんだ!」ダッ!
JUM「おい、雛苺!」
JUM「ほら翠星石、お前が虐めたりするから雛苺いじけちゃったじゃないか」
翠星石「悪かったですよぅ……」
雛苺「……」ツーン
翠星石「チビ苺、さっきの事は本当に謝るですよ」
雛苺「……」プイ
翠星石「むっ、もういつまでもいじけるなです。イジイジしたって得する事はないですよ」
翠星石「さもないとさっきの苺大福食べちゃうですよー」
雛苺「ムシャムシャ食べて肥えちゃえば良いのよ」ボソッ
翠星石「ぬもっ!? 姉に向かって何て口の聞き方をするんですかオメーは!」
雛苺「妹に対して陰湿なイジメなんかする姉なんて最悪なの!」
翠星石「そーですか! 翠星石もオメーみたいなイジイジしてる妹なんか欝陶しくてしょうがないです!」
雛苺「翠星石なんて嫌い!」プイ
翠星石「翠星石もオメーなんか嫌いです!」プイ
JUM「オイー、何やってるんだよお前は」
翠星石「知るかです」
蒼星石「翠星石、雛苺にあんな言い方したら怒るに決まってるじゃないか」
翠星石「だって、チビ苺がいつまでもイジイジしてるから……」
蒼星石「そりゃあ毎度同じ事されてたらいじけたくもなるよ」
JUM「もう一度謝って来いよ」
翠星石「も、もう知らんです」スタスタ
JUM「意地っ張りな奴だなぁ」
夕食
モグモグモグ
雛苺・翠星石「……」
真紅「空気が重いわね」
JUM「ああ」
のり「み、みんなー、おかわりならまだあるわよ」
翠星石「ごちそうさまです」
雛苺「ごちそうさまなのよ」
スタスタスタスタ
のり「ジュ、ジュンくーん」
JUM「こっちを見ないでくれ」
JUMの部屋
翠星石「オメーが出てけです!」
雛苺「翠星石が出てってよ!」
JUM「やめろよ二人とも」
翠星石「翠星石はこんなチビな妹と同じ部屋で寝たくないです!」
雛苺「ヒナだってやなの!」
翠星石「だったらさっさと出てけです!」
雛苺「嫌! 翠星石が出てって!」
真紅「全く、貴女達は」ハァ
JUM「いい加減仲直りしろよ」
雛苺・翠星石「だって……」
真紅「雛苺、今日はのりの部屋で寝なさい」
雛苺「ええ!?」
真紅「不満はあると思うけど、今日は我慢しなさい」
雛苺「うぅ、わかった」トボトボ
翠星石「はー、やっと行ってくれたです」
真紅「翠星石、貴女も貴女よ」
翠星石「です!?」ビクッ!
真紅「貴女も雛苺に毎回ちょっかいするのはもうやめなさい。そもそも事の発端は貴女なのよ」
翠星石「う……」
真紅「それに、レディたるもの自分より弱い者を無意味に虐めるのは良くないのだわ。そんな事をしてたらアリスに遠のくし、
お父様が失望するわ。第一、貴女は以下略」クドクドクドクド
翠星石「ううう……」
JUM(説教タイムだ)
翌日
JUM「ふああ、よく寝た」テクテク
のり「おはようジュン君、ご飯もうすぐ出来るから」
JUM「おお」
雛苺「おはよウヴァなの。ジュン」
JUM「ああ、おはよう」
真紅「おはようジュン」
JUM「おはよう」
翠星石「……」ズーン
JUM「(説教されて落ち込んで寝不足か)翠星石、おはよう」
翠星石「! おはようですぅ!」
JUM(急に元気になった)
モグモグモグ
雛苺・翠星石「……」
JUM(昨日と変わらずか)
雛苺「ごちそうさまなの」
翠星石「ごちそうさまです」
スタスタスタスタ
JUM(これも)
昼
蒼星石「二人ともまだ仲直りしてないんだね」
JUM「ああ。相変わらずだ」
雛苺「……」チラッ
蒼星石「翠星石の事見てるね」
翠星石「ん?」チラッ
雛苺「!」プイッ
JUM「あ、目を逸らした」
翠星石「……」プイ
JUM「いつまで続くんやら」
JUMの部屋
JUM「さぁて、勉強だ」
ガチャ
雛苺「ジュン」
JUM「雛苺? 遊んで欲しいのか? 悪いけどこれから勉強するから出来ない」
雛苺「違うの。ジュンの部屋でたくさんのうにゅ~を食べたいだけ。ここで食べてもいい?」
JUM「別にいいけど」
雛苺「ありがとうなの」
数十分後
雛苺「……」モグモグ
JUM「……」カリカリカリカリ
雛苺「……ジュン、相談があるの」
JUM「何だ?」
雛苺「どうしたら翠星石と仲直り出来るかな?」
JUM「仲直り?」クルッ
雛苺「うん。昨日からずっと喧嘩してるから全然仲直り出来ないの」
雛苺「昨日、翠星石が謝ってくれたのに、ヒナ……意地張っちゃった」
JUM「んー、でもあれは翠星石も誠意が込もってなかったしな」
雛苺「でも、ヒナがあそこで仲直りしてたらいつもの『毎日』になってたのに。ヒナが素直になってたらこんな事にはならなかったのに」ウルッ
雛苺「今日も翠星石とお話出来てないし、仲直りしよって言いたくても中々ヒナから言い出せないの」ウルウル
雛苺「このままじゃずっと仲が悪いままかもしれないの。ヒナ、アリスゲーム以外で仲が悪いのはやだよぉ」ポロポロ
JUM「……」
雛苺「ヒック……ジュン、ヒナは一体どうしたらいいの?」
JUM「大丈夫だよ。普通に仲直りしようって言えば翠星石と仲直り出来るさ」
雛苺「本当?」
JUM「本当さ。僕も一緒についていってやるから仲直りしに行こう」
雛苺「……うん」グスッ
一階
JUM「翠星石、雛苺がお前に用があるってさ」
蒼星石「ジュン君? ちょうど良かった。実は翠星石も雛苺に用があるんだって」
雛苺「え?」
蒼星石「ほら、翠星石」
翠星石「……」テクテク
雛苺「翠星石……?」
スッ
雛苺「これって……」
翠星石「スコーンです。いつまでもチビ苺と仲が悪いのは……気分が悪いです。だから、その、これは仲…直りの印です!」
翠星石「昨日は本当に悪かったです」
雛苺「あ、ありがとウヴァなのー!」パァァ
雛苺「ヒナも仲直りの印としてうにゅ~あげる」
翠星石「せ、せっかくだから貰ってやるです」
JUM「なあ、これどういう事だ?」ヒソヒソ
蒼星石「実は、翠星石も雛苺と仲直りがしたかったんだ」ヒソヒソ
JUM「あいつも?」
蒼星石「うん。それで僕にどうしたら良いのか聞いてきたんだ。だから、仲直りの印としてスコーンを作るのはどうかな? って、僕が提案したんだ」
JUM「そっか。あいつもなんだかんだ言ってたけど仲直りしたかったんだな」
真紅「一件落着ね」
翠星石「中々美味いですね」モグモグ
雛苺「翠星石が作ってくれたスコーンとっても美味しいのー!」
*
テカテカ
雛苺「お外でひなたぼっこは気持ち良いのよ」
ネコ「……」スッー
雛苺「ねこさんも気持ち良さそうにしてるの」
金糸雀「今日も桜田家に侵入……あら、雛苺、何をしてるのかしら?」
雛苺「ひなたぼっこなのー」ポケー
金糸雀「気持ち良い?」
雛苺「とっても気持ち良いのー。金糸雀もひなたぼっこしようよ」
金糸雀「そうね。たまには侵入とかは忘れてのんびりするのも良いかしら」
ゴロン
金糸雀「ふわぁ。気持ち良いかしらー」ポケー
雛苺・金糸雀「ふやぁ」ポケー
真紅「あら、金糸雀来てたの?」
金糸雀「ええ。今ひなたぼっこしてるかしら」
雛苺「気持ち良いのー。真紅もやろうよー」
真紅「さすがに横になるのは抵抗があるけど、何も考えずに自然の温もりを感じるのも悪くひぃいいいいい!? ネコ!?」
ネコ「……」チラッ
真紅「や、やっぱり遠慮しとくのだわ!」サササッ
雛苺「行っちゃった」
金糸雀「真紅の事はほっといて、ひなたぼっこの続きかしら」ポケー
雛苺「うん」
雛苺・金糸雀「ふやぁ」ポケー
JUM「ん? 何やってんだお前ら?」
雛苺「ひなたぼっこなのー」ポケー
金糸雀「体がとろけるかしらー」ポケー
JUM「へー」
雛苺「ジュンもする?」
JUM「んー、どうしようかなー」
金糸雀「たまには何も考えずに外の空気を吸うのも良いかしら。部屋にずっといるよりは良いかしら」
JUM「はいはい僕はどうせヒッキーですよ。でも、悪くないかもな」ゴロン
JUM「ん……中々気持ち良いな」
金糸雀「自然と一体化した気分かしら」
JUM「あー、何だかボッーとしてきた。体の力が抜けていく」ポケー
雛苺「お日様気持ち良いなー。風も気持ち良いなー」
JUM「眠くなってきた」ポケー
金糸雀「カナもかしらー」ポケー
雛苺「もうこのまま寝ちゃおー」ポケー
雛苺・金糸雀・JUM「ふやぁ」ポケー
ネコ「……」スッ、トコトコトコ……
のり「ただいまー、あら?」
雛苺・金糸雀・JUM「……」スッー、スッー
のり「あらあら、三人ともお外で寝ちゃって。よっぽどお外が気持ち良かったのね」
のり「起こすのも何か悪いわ。体にかける物持ってこなくちゃ」タタタッ
テクテクテク、ファサ
雛苺・金糸雀・JUM「……」スッー、スッー
のり「ふふ、かわいい寝顔」
雛苺「えへへ、うにゅ~がいっぱーい……」ムニャムニャ
*
雛苺「ねえねえ、マッサージしてあげる」
JUM「どうした突然」
雛苺「ジュン、いつも椅子に座ってるからあまり体動かしてないでしょ? だからヒナがほぐしてあげるね」
JUM「マッサージ出来るのか?」
雛苺「出来るよ! もう、ヒナを馬鹿にしないで!」
JUM「ハハ、悪い悪い」
雛苺「じゃあジュン、ベッドにうつ伏せになって」
JUM「ああ」スッ
雛苺「じゃあマッサージするの」
グイグイ
JUM「ん、意外と上手いな」
雛苺「えへへ。ジュンがエコノミー症候郡にならないようにいっぱい足をマッサージするの」モミモミ
雛苺「次は背中行くね」モミモミ
JUM「はぁ、疲れが取れるなぁ」
雛苺「ねえねえジュン」
JUM「何だ?」
雛苺「ヒナね、ちょっとシチュエーションも入れてみたいの」
JUM「シチュエーション?」
雛苺「うん。テレビで女の子がおじいちゃんにマッサージをしてたり恋人がお互いにマッサージしてたりマッサージのプロがお客様にマッサージしてるの見てたら、
ヒナも何かになりきってマッサージしてみたいなあって思ったの」
JUM「なりきりマッサージか。お前本当はそれが目的だったのか」
雛苺「それもあるけどジュンの疲れを取ってあげたいのは本当なのよ」モミモミ
雛苺「ジュン、どんなシチュエーションにする? マッサージ師? 恋人? 孫?」
JUM「そうだな……兄妹がいいな」
JUM「僕がお兄ちゃんで雛苺が妹な」
雛苺「うん」
JUM「じゃあ僕の事はジュンお兄ちゃんと呼んでくれ」
雛苺「わかったの。ジュンお兄ちゃん!」
モミモミモミ
JUM「そこそこ、こってんだよなー」
雛苺「ヒナ、ジュンお兄ちゃんの為にいっぱい頑張るのー!」
真紅「ジュンの部屋に行って新しい本を取りに行くのだわ」テクテク
イイヨー。ヒナイチゴ
真紅「ジュンの声?」
雛苺「ジュンお兄ちゃん、気持ち良い?」
真紅「雛苺? いえ、それよりもジュンお兄ちゃん?」
JUM「すごく気持ち良いよ。骨抜きにされそうだ」
真紅「だわ?」
雛苺「良かったぁ。次はちょっと激しいからジュンお兄ちゃん覚悟なの!」
真紅「だわわ?」
ジュン「ん、く、お、うお!」
真紅「だわわわわ!?」
雛苺「ん、ん、ジュンお兄ちゃん、大丈夫?」
ジュン「大丈夫だ。このままどんどん続けてくれ。ぬはぁ! こいつは堪らないぞ」
真紅「だわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」ガタガタガタ
ガチャ、バン!
真紅「貴方達何をしてるの!? 通報されるのだわ!」
ジュン「ん?」
雛苺「え?」
真紅「え? 一体何を……?」
ジュン「何って、マッサージしてもらってんだよ」
真紅「マッサージ?」
雛苺「ヒナ、ジュンの為にマッサージしてるの」
真紅「そう。びっくりしたわ」
ジュン「びっくり?」
真紅「ハッ! そうだったわ。雛苺、貴女さっきジュンの事お兄ちゃんって言ってたわよね? どういう事?」
雛苺「なりきりマッサージなの」
真紅「なりきりマッサージ?」
JUM「かくかくしかじか」
真紅「ああ、そういう事ね。全く、ややこしいのだわ」
JUM「……お前何かやらしい事考えてただろ?」
真紅「! か、考えてないのだわ!」
JUM「そうか? 顔が真っ赤だぞ」
真紅「ほ、ほっといて。それに誤解させる様な声を出す貴方もいけないのよ」
JUM「やっぱり考えてた」
真紅「ヒウッ!? レ、レディに恥をかかせないで!」パチン
JUM「ぶっ!」
真紅「もう! 後で罰として私をマッサージしなさい! シチュエーションは主人と下僕よ!」スタスタスタ
JUM「それ普段と変わらないじゃん」ヒリヒリ
雛苺「ジュン、大丈夫?」ナデナデ
JUM「ああ。大丈夫だ」
雛苺「ごめんね。ヒナがなりきりマッサージしたいって言ったから」
JUM「いや、真紅をからかった僕も悪い」
JUM「雛苺、マッサージお疲れ。次は僕がマッサージしてあげるよ」
雛苺「ホント? ありがとうなのー」
モミモミモミ
雛苺「肩が気持ち良いのー」
JUM(つうかよく考えてみたら仮にも女の子相手にマッサージするって、肩以外やりづらいな。色んな意味で)
JUM(まずいな。命令されるならともかく、下手に聞く事が出来ない。肩以外だと緊張してしまいそうだ。色んな意味で)
パッ
JUM「はい。オシマイ(ごめん。雛苺)」
雛苺「ありがとうなのー!」ニパァ
JUM(ああ、笑顔が眩しい)
雛苺「ヒナ、ジュンにマッサージする事が出来て良かったの」
雛苺「ジュン、また疲れたらヒナがマッサージしてあげるね」
JUM「うん。その時は頼むよ」
JUM(でもマッサージ返しは出来るだけ控えるか。色んな意味で)
*
雛苺「今日、トモエが家に来るの?」
JUM「ああ。勉強会みたいなモンだな」
雛苺「わーい! トモエが家に来るー」
雛苺(! そうだ、せっかくトモエが家に来るならちょっと驚かせちゃおう)
―――
――
―
JUM「あれ? 雛苺は?」
真紅「そういえば見かけないわね」
翠星石「どっか遊びに行ったんじゃないですか?」
柏葉宅
雛苺「トゥモエー!」
巴「雛苺!? どうしたの?」
雛苺「えへへ。今日、トモエ、ジュンのお家に行くんだよね?」
巴「ええ」
雛苺「だからヒナ、トモエがジュンのお家に行く前にヒナがトモエの家に行ってトモエを驚かせたかったの」
巴「そうだったの。雛苺、一人で家に来たのよね? 大変だったでしょ?」
雛苺「大丈夫! お外はちょっと怖かったけどトモエに会いたいと思ったら平気だったの」
巴「……」
雛苺「? トモエ、どうしたの?」
巴「あ、ううん。何でもない。(あの雛苺が一人でお家に。しかも私を驚かすために。手紙の時より成長したなぁ)」
巴「そういえば雛苺、実は桜田君の家に着いたら渡そうと思ってたんだけどね」
巴「これ、ジャンボ苺大福」スッ
雛苺「わぁーーーー!! ジャンボうにゅ~なのー!!!」キラキラ
雛苺「トゥモエ、食べてもいい?」
巴「ええ」
雛苺「やったー! いただきまーす!」モグモグ
巴「……」クスッ
巴「ねえ、雛苺」
雛苺「ふぁに(なぁに)?」
巴「雛苺は桜田君の所にいて何か困った事はない?」
雛苺「ないの。あったとしてもくんくんの様にすぐに解決しちゃうの」
雛苺「ヒナは毎日が幸せなの」
雛苺「ヒナはジュン達と一緒にいれて楽しいの。姉妹仲良くくんくんを見る事が出来て嬉しいの。こうやってトモエと一緒にいるのも嬉しいの」
雛苺「ヒナはみんなの事が大好きなの!」
巴「そう。良かった」ニコッ
巴「そういえば雛苺、雛苺が私の家に来てる事は桜田君は知ってるの?」
雛苺「ううん。ジュン達には内緒で」
巴「じゃあ今桜田君の家に電話するからちょっと待ってて」スタスタ
雛苺「うん」
スタスタスタスタ……
雛苺「プハァ、ジャンボうにゅ~食べ切ったの。でも、ジャンボうにゅ~を食べたから…何だか眠くなって来たの……」
雛苺「……」スッー
――
――
……イチゴ、ヒナイチゴ
雛苺「うゆ……?」
JUM「起きたな」
雛苺「あれ……? ジュン?」
JUM「ったく、どこに行ってたと思ったら柏葉の家にいたなんて」
巴「ごめんね。わざわざ家に来てもらって。雛苺があまりにも気持ち良さそうに寝てたから起こしづらくて」
JUM「いいよ別に」
雛苺「どうしてジュンがトモエの家にいるの?」
JUM「お前が寝ちゃったから柏葉が出かけづらくなったんだよ」
巴「寝てる間に連れてくのもちょっと気が引けて……(雛苺のかわいい寝顔を見ていたかったのが一番の理由だけど)」
JUM「それで、僕がお前を起こす為に柏葉の家にやって来た訳だ」
巴「ごめんね。桜田君が家に来るよりも私が雛苺を起こせば変に時間を費やす事もなかったのに(だって雛苺のかわいい寝顔ずっと見ていたかったし)」
JUM「まあ、色々時間のロスはあったけどもういいよ」
雛苺「ジュン、皆に内緒で家を出てごめんね」
JUM「全く、心配したんだぞ」コツン
雛苺「うゆ」
JUM「じゃあ雛苺も起きた事だし、僕の家に行くか」
巴「ええ」
雛苺「ねえねえ、ヒナ、トモエとジュンの手を繋いで家に行きたいのー」
JUM・巴「繋いで?」
テクテクテク
雛苺「ジュンの手(左手)とトモエの手(右手)温かいなー」
巴「雛苺、大丈夫?」
JUM「ほとんどぶら下がり状態だな」
雛苺「大丈夫。ヒナの腕は何時間でもぶら下がりが出来るくらいの腕力があるの!」
JUM「何か黒服の連中がエイリアンを連れてく見たいな形になってるな」
巴「その例えはちょっと微妙ね」
雛苺「今のヒナ達、まるで親子見たいだね」
JUM・巴「親子……!?」
雛苺「? どうしたの?」
巴「……」カアア
JUM「こ、こら変な事言うな」
雛苺「?」
JUM「家に着いた」
巴「そう、だね」
ガチャ
JUM「ただいまー」
巴「お邪魔します」
雛苺「ただいまなのー」
翠星石「チビチビ、やっと帰って来たですぅ!」
真紅「お帰りなさい」
JUM「あれ?」
水銀燈「お邪魔してるわぁ。ちょっかいしに来たの」
蒼星石「やあ。お邪魔してるよ」
金糸雀「今日も桜田家に侵入したかしらー」
雪華綺晶「お邪魔します」
薔薇水晶「こんにちは……」
雛苺「皆来てるのー!」
のり「ふふ。今日は賑やかね」
数時間後
JUM「今日は付き合ってくれてありがとう」
巴「うん。またね桜田君」
雛苺「またね。トモエ!」
巴「うん。またね雛苺」ガチャ
JUM「ふう、今日は頭も体も動かしたな」
雛苺「ジュン、今日はお疲れ様なの」
JUM「ああ。ありがとう」
のり「ジュンくーん。夕食が出来たわよー」
JUM「今行く。雛苺、行くか」
雛苺「うぃ!」
テクテクテク
雛苺(毎日が、毎日が幸せなの)
雛苺「ヒナは幸せなお人形さんなの」
終わり