1 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:07:05.16 CLQbBnGt0 1/14

千棘(楽と桐崎千棘って人が恋人になった…)







千棘「って、私じゃん!!!!!」

千棘「ふわあああああああ、一体どうするのよーーー//」ゴロゴロゴロゴロ

千棘「って、そもそもあいつが告白してきたせいで…」

千棘「いや、私も好きだったからいいんだけど…」

千棘「…」

千棘「告白してきた時の楽…かっこよかったな…」

千棘「えへへ//」


千棘「って、ちがーーーーーう!!!」

千棘「ああっ!もうっ!私は明日からどんな顔してあいつに会えばーーーーー」

千棘「あぁぁぁぁぁぁーーーーーー//」


■関連SS(話の繋がりは無し)
千棘「楽と小咲ちゃんが恋人同士になっちゃった」
http://ayamevip.com/archives/38169536.html

千棘「楽と万里花が恋人同士になった…」
http://ayamevip.com/archives/38169543.html

小咲「一条君と春が恋人関係に…」
http://ayamevip.com/archives/38191823.html

つぐみ「私と一条楽が恋人同士になった」
http://ayamevip.com/archives/38246656.html

「オレとるりちゃんが恋人関係に」るり「なるわけがない」
http://ayamevip.com/archives/38395523.html


元スレ
千棘「楽と桐崎千棘って人が恋人同士になった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401458825/

3 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:13:13.05 CLQbBnGt0 2/14

■次の日 朝

千棘「え、えーと…どこもおかしくないわよね?」

千棘「髪もオッケー。リボンもオッケー。制服も大丈夫ね」

千棘「…」

千棘「可愛いとか言ってくれるかな…」

千棘「って、彼氏よ!彼氏!言ってくれるに決まってるわよね!」

千棘「私が読んだ本だと、毎日がラブラブだし!」

千棘「…」



千棘「どうしよう…会うのが凄く楽しみなのに、凄く恥ずかしい…」

千棘「うぅ//」

4 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:19:22.64 CLQbBnGt0 3/14

■朝の登校


千棘「おはよう」

「おう」


千棘「…」

「…」


千棘(って、なんなのよ!『おう』って何!?『おう』って!)

千棘(もうちょっとなんか、ほら、気のきいた挨拶は無いわけ!?)

千棘(…)

千棘(でも、なんか今日の楽…すっごくカッコよく見える気がする…)


「…」

(くそ…)

(本当の恋人になったと考えれば考えるほど、意識しちまって…)

(なにか気のきいた事を言わねーと…)

(…)

(ああっもう!なんか今日の千棘…すっげー可愛く見える気がする)


千棘(恋人になったからって意識しすぎなのかな…)

(恋人になったからって意識しすぎなんだろうか…)


………


千棘(結局、一言もしゃべらなかった…)

千棘(でもなんでだろう…)

千棘「」チラッ

「…」

千棘「ふふっ♪」

「?」

千棘(ちょっとだけ幸せかも♪)

5 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:24:42.16 CLQbBnGt0 4/14

■数時間後

万里花「楽様~♪」

ギュウウウ

「って、おい!やめろ!」

万里花「楽様楽様楽様楽様」スリスリスリスリ

千棘「…」ゴゴゴゴゴゴゴ

「おい!本気でやめろ!やめてください!」

万里花「あらあら?桐崎さん?なにか文句でも?」


千棘「恋人の前でくっつきすぎじゃありませんことー?」ゴゴゴゴゴ

(ひぃっ!千棘がスーパー○イヤ人みたいに!)

万里花「ふふふっ。自分から楽様に、くっつく事ができないからって、ひがまないで欲しいですわ」

千棘「なっ!わ、私だって、ギュッくらいできるし!」

万里花「またまたお冗談をー」


千棘「楽っ!」ギロッ

「え?」

万里花「え?」


ギュウウウウウウウウウウ


千棘「//」ボンッ

「っ~//」カァー

万里花「え?らく…さま?」

つぐみ「」

小咲「」

るり「小咲!?」

6 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:31:19.09 CLQbBnGt0 5/14

■お昼の時間

千棘「え?私の為にお弁当を?」

「ああ。恋人同士なんだから当たり前だろ」


千棘(嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい)

千棘(こいつが私の為になんて…嬉しい)

千棘(嬉しいなぁ~)

千棘(えへっえへっ)






千棘(でも、どうしよう)

千棘(私、弁当持ってきてるのに…しかも、今日は超多めに…)

千棘(ったく!作ってくれるなら作ってくれるって、ちゃんと言いなさいよ!バカもやし!)


千棘「…」

「?」


「…」

「……」

「あっ」

「えーと…わりぃ…千棘っていつも弁当持ってきてたよな…」

千棘「え?ま、まぁ、持ってきてない事もないけど」

「その…すまんな。この弁当はオレが食べるからさ…」シュン

千棘「…」

千棘(楽のそんな顔、見たくない!)


………


千棘「美味しかったわ。ごちそうさま」

「おっおぉ!すげーな!あの量を食べるやつ、初めて見たぜ!」

千棘「あははははは」

千棘(喜んでくれたけど、なにかを捨てたような気がする…)

7 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:36:35.15 CLQbBnGt0 6/14

■放課後


スッ

千棘「えっ?」

「その…手…繋いで帰ろうぜ」

千棘「う、うん。そ、そうようね。恋人同士だし不思議じゃないよね」


ギュッ


「いや、こうじゃなくて…」

千棘「え?」


ギュッッ


千棘「こ、これって」

「その…恋人繋ぎってやつだよ。偽物の恋人の時はやらなかったしな」

千棘「…ぁ」

「ん?千棘?」

千棘「ああああああぁぁぁぁ//」

「え?」


ドカーン

千棘「無理ーーーーーー!ごめんなさーーーーい!!」ダダダダダダ

「」チーン

9 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:42:45.58 CLQbBnGt0 7/14

■帰宅後

千棘「うわあああああああ。私のバカ!私のバカ!!!」

千棘「せっかくあいつから手を繋いでくれたのに!繋いでくれたのに!!!」

千棘「…」


『その…手…繋いで帰ろうぜ』

『その…恋人繋ぎってやつだよ。偽物の恋人の時はやらなかったしな』


千棘「わ…わーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

千棘「あいつの手のぬくもりが感触が今でも鮮明に!?」ゴロゴロゴロゴロ

千棘「きゃあああああああああああーーーーーーー//」

つぐみ「お嬢…?ニヤニヤしながらゴロゴロ転がって…何をしてるんですか?」

千棘「きゃーーーーーーーーーー!!!!」

10 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:50:03.65 CLQbBnGt0 8/14

■次の日 朝

千棘「昨日は楽と恋人繋ぎをしたのが嬉しくて嬉しくて…すっかり忘れていたわ」

千棘「私…あいつの事…ボコボコにしちゃった…」

千棘「どうしよう。あいつ絶対に怒ってるよね…」

千棘「どうしよう。もし、別れようと言ってきたら…」

千棘「私のバカ!バカ!バカ!バカーーーーー!」ポカポカポカ


「自分の頭を叩いて……何やってるんだお前?」

千棘「ら、楽!?」

「ったく、ケガしたらどうするんだよ?」

千棘「いや、その…」

千棘(昨日の事を謝らなきゃ!ごめんなさいって!)


「その…さ。お前は可愛いんだから、ケガしたら…ダメだろ?」

千棘「ごめんなさ………ふぇっ//」カァー

「あのさ…今日こそは手繋がないか?」

千棘「う、うん//」








ドカーン

「やっぱり、無理ーーーーーーーー!!!」

11 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:53:25.43 CLQbBnGt0 9/14

■放課後 屋上

千棘「死にたい…」

千棘「嬉しいはずなのに…嬉しいはずなのに…嬉しいはずなのに…」

千棘「どうしてこうなっちゃうのよ…」

「背伸びしすぎじゃないのかな?」

千棘「え?」

「ごめん。聞いちゃったからさ」

るり「ちょっと!舞子君!」


千棘「え?なんで二人がここに?」

るり「散歩してただけよ。散歩を」

「え~。るりちゃんは桐崎さんが心配になって、探しに来たんだよね~?」

るり「ふんっ」

ガスッ

「」チーン

12 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:55:56.90 CLQbBnGt0 10/14

るり「まぁ、このバカの言うとおりだと思うわ」

千棘「え、えーと、なんの話だったっけ?」

るり「『背伸びしすぎ』だと思うわ」

千棘「え?なにが?」


るり「恋人になったからって、すぐに変化を求めるのは間違いだと思うわ」

千棘「え?で、でも、せっかく本物の恋人関係になったわけだし」

るり「今度は期間限定の恋人じゃなく、無期限の本物の恋人なんでしょ?」

千棘「…ぁ」

るり「期限はたくさんあるのに、慌てる理由が私にはわからないわ」

千棘「あ」

るり「まぁ、そもそも恋をした事がない私の意見なんて、参考にならないかもしれないけどね」

千棘「あーーーーーー!!!」

るり「え?なに?」

千棘「そうだ!そうだよ!るりちゃんの言うとおり!」

13 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:56:23.15 CLQbBnGt0 11/14

 
ギュウウウ


るり「え?え?」

千棘「ありがとう!るりちゃん!私、なにかわかったかも!」

るり「千棘ちゃん…抱きついて来て…苦しい…」

千棘「慌てなくていいんだよ。私達は私達なんだから、無理しなくても!」


千棘「私、楽のところに行ってくる!!」


ダダダダダダ


るり「苦しかった…」

「ほんと、あの真っ直ぐは見習うべきかもね」

るり「ええ、あなたがね」

「アハハハ。るりちゃんはきっついなぁー」

るり「…」



るり(ごめんね。小咲)

るり(私…もう一人の親友も応援したかったの…)

るり(だから、ごめんね…)

14 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/30 23:56:53.92 CLQbBnGt0 12/14

 
………


千棘「楽!帰りましょう!」

「おう!今度こそ手を繋いで帰ろうぜ!」

千棘「…」





千棘「それは無理♪」ニコッ

15 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/31 00:04:23.23 Hxta2btC0 13/14

「…え?」

千棘「楽。私ね、手を繋がなくても、楽と一緒に帰られるだけで幸せなんだ…」

千棘「そう、すっごく、すっごく幸せなんだよ」

「…」

千棘「楽はどう?幸せじゃない?」

「え?あっ、う~ん。幸せ…じゃないな」

千棘「………………え?」

「でもさ、お前と一緒だと…なんつーか。ドキドキ。…あー、嬉しくはなるかもな」

16 : ◆xW69XHZIXl2A - 2014/05/31 00:05:29.46 Hxta2btC0 14/14

千棘「そっかー。楽は嬉しいのかー。えへへっ♪」ニコッ

「な、なんだよ」

千棘「ううん。私達ね。今のままでも幸せだし、嬉しいんだと思うんだ」

「ま、まぁ…そうだけどさ…」

千棘「だからね。もうちょっとこのままでいようよ」

「…え?」

千棘「せっかくだから、少しずつ少しずつ、一緒に一歩ずつ進んで幸せに嬉しくなっていこうっ」

「…」


「あー、確かに一度に階段を進めたら、楽しくないな」

千棘「うん♪だから、まだ恥ずかしくて手は握れないけど…」

「ああ。少しずつもっともっと幸せになっていこうぜ」


千棘「私達のペースでね♪」
「オレ達のペースでなっ」



千棘「今度は高校三年間のニセモノじゃなくて、これから一生付き合って貰うんだから!」

「ったく、当たり前だ。一生よろしくな千棘」

千棘「うん。一生よろしくね楽♪」









       終わり

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