―――とある保育園
浜面「どうもー」ガチャ
神裂「おはようございます、浜面君」
浜面「あ、先輩。おはようございます。……、」キョロキョロ
神裂「? どうかしましたか?」
浜面「え!? あ、ああいや、なんでも!」
神裂「……ああ、成程。 あの先生なら、まだ出勤なさっていませんよ」
浜面「!? ―――ななっ、何を言ってるんすか、先輩!!」マッカッカー
神裂「いえいえ」クスクス
元スレ
浜面「仕上はお母さん」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1296913819/
浜面「そ、それより。かがく組の子で、誰かもう登校してますか?」
神裂「ああ、一人だけ……確か、垣根君が」
浜面「相変わらず早い奴だな……」
浜面「うっし……それじゃ、行ってきます」
神裂「はい、行ってらっしゃい」
―――かがく組 教室
垣根「……」
垣根「おれに、『ジョウシキ』はつうようしない」
垣根「だから、『ダークマター』を出せるし」ウニョーン
垣根「カッコイイ羽をばさーっとさせられるし」バササー
垣根「すきなおもちゃとか、つくれる」モニョモニョ
垣根「……よし、できた」ドヤァ
浜面「おーい、帝督くん」
垣根「はまづら、おはよー」
浜面「浜面言うなし。先生と……、ん?」
垣根「ふふん、きづいたか」
浜面「……お前、何作ってんの?」
垣根「冷蔵庫」
浜面「……部屋の中央に……」
浜面「……これ、消すとかできない?」
垣根「できない!」
浜面「……とりあえず、隅に寄せておいた」ゼーハー
浜面「朝から仕事増やすなっての!」
垣根「おれの『ダークマター』に『ジョウシキ』は」
浜面「決め台詞言うな!」
浜面「ったく……やたらめったに、未元物質生成するなよ」
垣根「はまづらのくせにうるせー」ンベー
浜面「……」ムカッ
浜面(っと、駄目だ駄目だ……ここで頭ごなしに怒るのは……)グヌヌ
浜面「……帝督君、だから」
垣根「ちょいや」バサバサツバサー
浜面「言ってる傍からあああああああああああッ!」
垣根「えい」轟!
浜面「ひでぶッ!!」ドンガラガッシャーン
浜面「……こ、この……翼で……殴るな……!」プルプル
垣根「やーい!うまづらー!」
浜面「黙れイケメン園児がああああああああああああッ!」
ギャーギャー
ドッカンドッカン
ヌルヌル
神裂「……かがく組からの音ですね」
神裂「……今日も平和です」
禁書「かおりー!おはようなんだよー!」
神裂「あら、おはようございます」
神裂「―――さて。今日も一日、頑張りましょう」
―――かがく組教室
オハヨーゴザイマース
ガヤガヤ
浜面「……」ボロッ
垣根「♪」
浜面(……くそぅ、楽しそうに笑いやがって……)
チョイチョイ
浜面「……ん?」
フレンダ「……結局、はまづらはきずだらけってわけよ」
浜面「ああ、フレンダちゃんか。おはよう」
フレンダ「んー。結局、はまづらは、だいじょうぶ?」
浜面「ああ、大丈夫大丈夫。あと、できれば先生と……」
フレンダ「じゃあ、わたしとあそんでも、いいってわけ!」
浜面「ん?どうしてそうなるのかな?」
フレンダ「おうまさん!」
浜面「はひぃッ!?」
フレンダ「はまづら、おうまさんやろう!」
浜面「い、いや、フレンダさん。俺立ってるだけで精一杯で……」
フレンダ「ほら、よつんばいになる!」
浜面「できねーんだってば!」
フレンダ「えー!?」Boo!!Boo!!
浜面「イナメリカっぽいブーイングをやめなさい!」
フレンダ「うー……じゃあ、ヌイグルミ」
浜面「……ヌイグルミ? ああ、ままごとか? それなら……」
フレンダ「ちがう、はまづらがヌイグルミになる」
浜面「……はい?」
フレンダ「そんでね!結局、はまづらに『かやく』をいれて、ドッカンさせるってわけ!」
浜面「待って」
浜面「待て待て待てぇぇぇいッ!!」
浜面「笑顔で末恐ろしい事言わんでくださいフレンダさん!」
フレ「えーと、爆弾は……」ゴソゴソ
浜面「俺の命が燃え尽きる五秒前!」ダッシュ
フレ「わっ! あーん、まってよはまづらー!」
浜面「待ったら死ぬんだっつの!」
―――ヒュ、ゴ
浜面「ッ!?」
浜面(せ、閃光!)サッ
ギューン ドカアアァア
浜面(……あ、危なかった)ドキドキ
「……せんせいのくせに、きょうしつ、はしらないでよ」
「あさっぱらから。うるさいわよ、はーまづらぁ」
浜面「……し、沈利、ちゃん……」ビクビク
麦野「きやすく、したのなまえでよぶなっつーの」チッ
フレ「あ、むぎのー!」
麦野「おはよー、フレンダ」
麦野「ほら。そろそろ『あさのかい』のじかんだから、すわりなさい」
フレ「わかった!」テッテー
麦野「……、まったく」
麦野「せわがやけるわね、はまづら」
浜面「あー、ありがとう。しず……麦野ちゃん」
麦野「……これぐらいやらないと、フレンダはずっとおいかけるもの」
麦野「じかんにきをつけることを、おしえなきゃ。もっときびしくしかりなさいよ、はまづら」
浜面「……はは」
麦野「なによ、きもちわるい」
浜面「……麦野ちゃん、優しいな。感謝してるぜ」
麦野「!」
麦野「な、なにいってんのよ、はまづら」
麦野「わわわたしはただ、『あさのかい』を、はやくはじめたくて、その」
浜面「はいはい、分かったって」ニヤニヤ
麦野「ニヤニヤすんな!」バシューッ
浜面「焦げたッ」
麦野「とにかく!あんたも、とっととはじめなさい!」プンスコ
浜面「お、おう……」ヨロヨロ
麦野「もう、……」
麦野「……」
『……麦野ちゃん、優しいな。感謝してるぜ』
麦野「……」ニヘ
「―――はまづら」
麦野「」ピクッ
浜面「……、あ、えっと……お、おう」ドキドキ
浜面「おはよう、……た……滝壺、先生」
滝壺「おはよ。ボロボロだけど、大丈夫?」
浜面「おおおう!え、えーと……い、いまから出席取るとこなんだ!」カオマッカマッカ
滝壺「そうなんだ。さっき、きぬはたのお母さんから、電話があった」
浜面「あ、休み?」
滝壺「風邪引いちゃったんだって」
浜面「あちゃ……分かった」
エート、サイアイチャンケッセキ……ト
麦野「……」ムカムカ
浜面「えーと。何はともあれ、出席取るぞ」
浜面「皆、名前が呼ばれたら、返事しろよー」
垣根「おいおい。はまづら、かおまっかじゃねーか」
ヒューヒュー
浜面「お黙り!」
滝壺「?」
浜面「えーと……じゃあ一番、一方通行君」
一方通行「……せんせェ」
浜面「返事をしなさい。……ん、どうした?」
一方通行「……かきねくンが、こっちをジロジロみてきてうざい」
浜面「良いから。視線を反射しなさい」
一方通行「でもうざい……笑ってる」
垣根 ニヤニヤ
浜面「初春飾利ちゃーん」
初春「せんせー!」
浜面「だから返事をしなさいね。どうしたの?」
初春「……さてんさんが、スカートめくるんですー!」ウワアアァ
佐天「見えた!白!」バッサバババッサアアァァァァ
浜面「初春さんパンモロ状態じゃないほわいとぱんてぃ。やめなさい涙子ちゃん」
組内の女子「……」
滝壺「……」
浜面「」
浜面「……えーと」
垣根「」ソワソワ
浜面「垣根帝督君」
垣根 ガタッ
垣根「はーい!っはいはいはーい!ねえねえはまづらー!」
浜面「……何?」
垣根「アクセラレータと!ここでガチでバトっちゃっても良い系ですかー!」
浜面「白井黒子ちゃーん」
ハイデスノー
垣根「良い系ですかー!」
浜面「黒子ちゃん、美琴ちゃん嫌がってるから離れなさい」
ゴメンナサイデスノー
一方通行「……」
カクニンオワタヨー
浜面「……さて、最愛ちゃん以外の子は、全員居るみたいだな」
浜面「それじゃ、皆。ピアノの前に並んでー」
ハーイ
浜面「……」チラリ
麦野 イライライライラゴゴゴゴゴゴゴ
浜面(……さっき、呼んでも返事しなかったなぁ)
浜面(なんか、怒りのオーラも感じるし……沈利ちゃん、どうしちゃったんだ?)
浜面(……っは! まさか……心の闇を抱えているとか……!?)
浜面「」ウーンウーン
滝壺「はまづら」
浜面「でも……いや、本当だったら……」モンモン
滝壺「はまづら」カオズイッ
浜面「―――ん、んなっ! ど、どうしましたか滝壺先生!」ドキドキ
滝壺「ぼんやりして、どうしたの? 朝のうた、うたわないと」
浜面「え、あ。そ、そそそそう、だなっ!うん!」
ジャ、ジャア、オウタノジカンデスヨー
ヒャッハー
麦野「……」
麦野(……ふんだ。かお、ちかづけるなってのよ)
麦野「……ばか」グス
おまけ:かきねくンとアクセラレータ
垣根「そんなわけで、なぜか、うやむやにされたけど!」
一方通行「……」
垣根「おまえと、たいけつだ!」
一方通行「……なァ」
垣根「ん?」
一方通行「さンしたは、なンで、きんぱつなンだ?」
垣根「えっ……い、いや、これはかっこいいから……」
一方通行「じぶンで?」
垣根「おう!じぶんでやったんだよ!」
一方通行「……ちっちゃいころから、『かみ』そめてると」
一方通行「おばかになるって、きいたンだけどな」
垣根「!?」
垣根「い、いや!そんなはずは……ない!」
垣根「だって、おれは……かがくぐみで、ナンバー2のつよさを……!」
垣根「だいたい!おまえだって、『かみ』とか……まっしろじゃねーか!」
一方通行「……これは、『ノウリョク』でこうなったから」
垣根「むっきー!」ドドスコ
一方通行「ともかく、さンしたは、おばかさンってことでFA?」フフン
垣根「ちげーし!ばかじゃねーし!」ウワアアアァ
一方通行「ンじゃ。おれは、このへンで」スタコラサッサ
垣根「うわああああああああああ!」サメザメ
浜面(……さり気なく話を逸らして、戦闘を避けた……)
浜面(そして、すぐに離れる……)
浜面「もしかして、垣根の相手めんどいの?」
一方通行「うン」
おまけ:おわり
―――おえかきの時間
浜面「クレヨンで好きな絵を描いてくれよー」
浜面「友達と一緒になって描いても良いぞ」
ヒーハー
フレンダ「むーぎの!」
麦野「……あ、ああ。フレンダ」
フレンダ「ぼーっとしちゃって、どうしたの?」
麦野「……なんでもない」
フレンダ「結局むぎのは、わたしといっしょになって、かくべきってわけ!」
麦野「そう、ね。……いっしょに、かきましょう」
垣根「アクセラレータ!おえかきたいけつだ!」ズババーン
一方通行(じゃま……)マユシカメ
垣根「うまくかけたほうが、ゆーしょーな!」
一方通行「……」
垣根「テーマとかきめようぜ!そうだな、『うつくしいじぶん』とか」
一方通行(ラストオーダー、かこう)トテトテ
垣根「ガンスルー」
心理定規「ほら、いっしょにかいてあげるから」
心理定規「なかないでよ、みっともない」
垣根「う……」グスグス
浜面(既に混沌が始まっているな……)
滝壺「はまづら、皆の絵、見に行こう」
浜面「おう……」
浜面「黒子ちゃんは美琴ちゃんの絵かー」
ソウデスノー
美琴「……」グリグリ
滝壺「みさかは……この男の子、誰?」
美琴「ほ、ほふぁッ!? み、みないでよ!」カオマッカー
浜面「……ん? このツンツン髪、どっかで……」ハテ
美琴「ッ!! ちぇいさー!」コカンキーック
浜面「ルクセンブルクッ!!」
美琴「……っは! せ、せんせい! だいじょうぶ!?」
浜面「う、ぅ……なんとか……」
滝壺「……?」
初春「さてんさんー!やめてくださいー!」テテテ
佐天「ういはるのパンツかくのー!」テテテ
浜面「おい!飾利ちゃんいじめんなよ!」
一方通行「……」カキカキ
打ち止め「ぁ、うー♪」(※2歳児)
滝壺「上手だよ、あくせられーた」
一方通行「……そうかァ?」ニヘヘ
浜面「ったく、涙子ちゃんは……」
浜面「……、」
浜面(……あいつは、何の絵、描いてんのかな)
麦野「……」グリグリ
フレンダ「♪」カキカキ
浜面「よーっす、しず、……麦野ちゃんと、フレンダちゃん」
フレンダ「はまづらー!」
麦野「……」ピクッ
浜面「何描いてんだ?」
フレンダ「結局、パトリオットミサイルと射撃管制装置!」
浜面「はは、精巧に描かれているなー」
麦野「……」
浜面「この赤い線は?」
フレンダ「爆風!」
フレンダ「はまづら! おひる、あそぼうね!」
浜面「おう、約束だぞー」
フレンダ「ん!」
浜面「……、麦野ちゃんは?」
麦野「……何も」
浜面「ん?」
麦野「何も描いてないわよ、馬鹿」
浜面「……」
麦野「……トイレ、行って来る」テテテ
浜面「……おう」
浜面(……何も描いてない、か)
浜面(でも……画用紙の)
浜面(この―――金髪で、馬面は)
フレンダ「あー! はまづら! 結局、むぎののやつ、みちゃだめってわけ!」
浜面「お、おう、悪い」
―――女子トイレ
麦野「……、はあ」
麦野「もう、ムカムカも……だいぶ、おさまってきたのに」
麦野(なんで、あんなに……かおをみたら、イラつくんだろ)
麦野「……ガキねぇ、じぶん」ハー
麦野「……そして、はまづらはどんかん」プンスカ
浜面「……うーむ」
浜面「……沈利ちゃんが帰って来たら、何で怒ってるのか聞こう」
フレンダ「?」
おまけ:インデックスさんのお迎え風景
インデックス「かおりー!」
神裂「ん?」
インデックス「さようなら、なんだよ!」
神裂「ああ……お迎え、来たんですか?」
インデックス「うん!」
上条「先生!こんちはー!」
神裂「こんにちは、上条君。いつもありがとうございます」
神裂「上条君、まだ小学生なのに……インデックスちゃんのお迎え、大変じゃないですか?」
上条「だってオレ、こいつのお兄さんだから……です!」キリッ
インデックス「とうま、かっこいい!」
神裂「……ふふ、偉いですね」
上条「それじゃ、さよ……」
インデックス「……、む!?」
上条「? どうした、インデックス?」
インデックス「……たんぱつのにおい!」ムー!
上条「短髪? 短髪って……」
―――壁に隠れている、誰か
美琴「あ、あわわわわ」ドキドキ
美琴「きてる、あいつが……あわわ……」ドキドキ
美琴(さ、さりげなく……さりげなく、こえを、かけて)バクバク
美琴(そう、あくまで、しぜんに……!)ドキンチャン
美琴「ええい、ままよ!」カベカラデルヨー
美琴「こここんにちh」
コツゼーン
美琴「―――い、いない!?」
美琴「ど、どこへ!?」キョロキョロ
上条「あ、やっぱりビリビリちゃん」ハイゴカラ
美琴「」
美琴「……。……ふ」
上条「久しぶりだなー、……ん? どうした? 熱でもあるの?」
美琴「ふにゃー!」バチバチ
上条「うわぁァアア電気ッ!!」ミギテガード
ド、ドウシタンダヨー!?
ウルサイウルサイ!フニャー!
ビリビリ
インデックス「……とうま、おんなたらし!」ムッスー
神裂「どこで覚えたのですか、その言葉」
インデックスの近所のお兄さん、上条君
小学二年生にして、フラグ建築済みです
おまけ:終わり
短編:一方通行さンのお迎え風景
―――かがく組教室、放課後
一方通行「……」オンブオーダー
打ち止め「?」キョト
浜面「……一方通行君、重くないか?」
一方通行「もンだいない」オンブホコウ
打ち止め「ぁー、……あなた」
一方通行「なンだ」
打ち止め「ゆぇる……」(訳:揺れる)
一方通行「がまンしろォ」スタスタ
―――玄関
ダレモイマセン
一方通行「……きはらくンは?」
浜面「え、あ、……あれ? さっき来てた筈……」
一方通行「……きはらくン、きはらくーン?」
打ち止め「おとしゃーん?」
浜面「おかしいな、一体どこへ……」
木原「呼んだかい!」(天井から降りて来る)
浜面「」
テンジョウニ アナガ
木原「いや、あの、天井穴開けてすいませんでした」ボロッ
ローラ「今度やったら警察呼びけるわよ」ニコニコ
木原「本当すいません、塞ぎます」
一方通行「……」
打ち止め「……」
木原「ああ!そんな荒んだ目で見ないで我が子達!」ビクビク
トンテンカン
浜面「天井直るまで、何かして遊ぶか?」
一方通行「おやつ」
浜面「ん?」
一方通行「ラストオーダーに、おやつやってくれ」
一方通行「そろそろ、はらをすかせるじかンだから」
打ち止め グギュー
打ち止め「……」
一方通行「よこせ、はまづら」
浜面「へいへい」
バナーナ
浜面「バナナで良いかー?」
打ち止め「……」モラウ
一方通行「ありがとォは」
打ち止め「ありがと、せんせー」
打ち止め「♪」モムモム
一方通行「ンまいか?」
打ち止め「おいしいって、みさかはみさかは、わらうー」ニヘー
一方通行「ふふン……」ニヤニヤ
浜面(将来有望なキモイ笑顔)
木原「終わったぞオオォォォォォッ!!帰るぞォォォォォォォ!!」ウッヒョー
木原「打ち止めペロペロ!」ペロッペロペロペロリズム
打ち止め「やー!」ジタバタ
一方通行「マジでやめろ糞親父!」
木原「一方通行ペロペ」オソイカカール
一方通行「ぬわー!は、はんしゃがきかねー!」オソイカカラレータ
キハラシンケン ダカラサ!
ペロペロ
天井 アナガ フサガレタ
浜面「大工レベルの完璧な穴塞ぎ……木原さん凄いな」
ローラ「本当に大工呼んでやらせていたりけるからね、木原さんが」
浜面「結局丸投げしたのかあの人」
木原君は親バカなようです、ローラ先生は魔術組のもう一人の先生です
天井ってずっと打ってると、天井さんを思い出します
おわり
―――昼休み
ワー、キャー
浜面「しず……麦野ー」
麦野 ムシ
フレンダ「結局、むぎのは、はまづらによばれてるわけよ?」
浜面「麦野ちゃーん」
麦野「……フレンダ、いこ」
フレンダ「えー?」
浜面「……」ショボーン
浜面「ああ、ぐぅ……」グッタリ
浜面(いざ話を聞こうと思っても、無視ラレータされるんじゃ……)
滝壺「はまづら、どうしたの?」
浜面「いや、何でも……」モンモン
滝壺「……あー。もしや、むぎののこと?」
浜面「な、なぜばれたし」
滝壺「分かるよ。今日のむぎの、いつにも増して怒ってるから」
浜面「やっぱり、そうなのか……」
浜面「……ていうか、あの子はいつも怒ってる訳じゃ無いって……」アハハ
滝壺「……まあ、むぎのが怒ってることの、心当たりはある」
浜面「え゛っ!?」
浜面「お、教えてくれよ!何で、沈利ちゃんはあんなに……!」
滝壺「うーん……」
滝壺 ……チラリ
麦野 ギロッ!
フレンダ「!?」
滝壺「……イヤ。言わないほうが良いことだから」フー……
浜面「そんなぁ……」
滝壺(……むぎのの気持ちは、もうわたしは気づいている)
滝壺(ていうか、今怒ってるのも、多分わたしの性だと思うし)ハー
滝壺(……ややこしい)
麦野(……あいつ、なんでこっち見たわけ?)イライラ
フレンダ(何事!?)ガクブル
―――職員室
滝壺「とにかく。女の子は大切に」
浜面「いや、自分的には、結構丁重に扱ってるつもりで……」
滝壺「本当に?」
浜面「……うーん……」
滝壺「……小さな女の子は、大人びた精神の、おませな子も多いから」
滝壺「こういう不機嫌な時は、いつもより優しく接するか」
滝壺「最悪構わないで、機嫌が直るのを待つか」
浜面「そ、それは酷くないか?」
滝壺「難しいんだよ。特に、このぐらいの年の子は」
滝壺「まあ、いつか気づくよ。むぎのが、何で怒ってるのかも」キリッ
浜面「ドヤ顔……」
御坂「くーろこ」
ハーイ
御坂「ジャングルジムいこう」
リョウカイ デスノ
―――ジングルジャム
御坂「……ん?」
垣根「ハーッハハ!」ゴゴゴゴ
垣根「おれのダークマターに、じょうしきとかない!」バッサー
土御門「にゃー、どくせんされちったぜぃ……」
舞夏「だぞー」
御坂(アイツ、ジムのてっぺんで、ひとりじめしてる……ゆるせない)
御坂(はまづら先生は……今、どこにいるか分からないし……)
御坂(さがしてたら、休みじかんおわっちゃうか)
御坂(しょうがない……わたしが、やるしか)
ミサカノ カタニ ポン
御坂「?」クルッ
御坂(……きかいのうで……の、さきに、ビーカー?)
御坂(……なかで、だれか、うかんでる)
御坂「……だれ?」
☆「あの子、独り占めしてるのかい?」
御坂「う、うん」
☆「そうか……よし」
御坂(なんか、培養液っぽいものの中で逆さまになってる)
☆「ハイヨー、クロウリー号」
ウィーガシャン
御坂(ビーカーっぽいものの下から足が!)
御坂「ほいくえんの先生、なのかな……?」
オネエサマ アノヒト コワイデスノー
御坂「と、とにかく……ようすを見てみましょう」
☆「そこの君」ウィーガシャウィーガシャ
垣根「あぁん?」
☆「皆が困っているから、独り占めは止めなさい」
垣根「うるっせーなー……」チッ
☆「さもないと、最終兵器を出すよ」
垣根「さいしゅうへいき?」
☆「はい」バシャッ
垣根「培養液っぽいなにかが!なんかしょっぱい!」ビショッ
☆「お茶漬」
☆「これに懲りたら、独り占めは止めなさい」
垣根「はい……」ショッパイショボーン
☆「よろしい」
御坂「ありがとー、逆さまの人!」
☆「なあに、私は悪い子を注意しただけさ」
☆「そして私のことは、正義の年齢不詳、スターマンとでも呼んでくれ」
御坂「スターマン!」
スターマンサマ!
☆「では、去らば」ズゴゴゴゴゴゴ
御坂「飛んで行った……」
スターマンサマ……
―――職員室
☆「ふぅ……」ウィーガッシャ
浜面「うーんうーん……あ、理事長。お帰りなさい」
☆「ああ、ただいま。……悩んでいる様子だが、どうしたんだね?」
浜面「あー、ちょっと、生徒のことで」
☆「何があった?」
浜面「なんか、怒らせてしまった様で……相当怒っていて、無視されたり……」
浜面「どうすれば良いか」
☆「ふむ」
☆「私も、そういう事があったね」
浜面「?」
☆「ああ……今私がするのは独り言だから、聞き飛ばしても良い」
浜面「え? あ、はい」
☆「子供たちは、活動する瞬間、みずからを個性化するという言葉があって」
☆「と言っても、一番個性が強いのは、幼い内が多い。だからその期間は、特に問題も起きやすいんじゃないか、と、私は思う」
浜面「はぁ……」
☆「つまり、子供の教師ならば、一度はその系統の問題にもに当たる」
☆「だから、えーと……その……うん……」
☆「頑張れ」
浜面「グダグダじゃないですか!」
☆「ごめん、名言言いたかっただけ」
浜面「名言以外のアンタの言葉は物凄い薄っぺらいぞ!」
☆「私も昔、そんな事があった。生徒を怒らせて」
浜面「理事長は、どうやって解決したんですか?」
☆「そうだな……」
☆「……」
浜面「……」
☆「……」
☆「忘れたな……」
浜面「長々と語っておいてそりゃ無いですよ」
☆「まあ、あやつらは感情の塊なのさ」
浜面「あやつらって」
☆「先生なんだし、頑張りなさい」
浜面「無理矢理〆ないで下さい」
浜面(……全く)
浜面(……まあ)
浜面(後で、もう一度、沈利ちゃんに声かけてみるか……)
浜面「……ところで、理事長」
☆「ん?」
浜面「いい加減、そのビーカーに入るの止めて頂けませんか」
☆「あ、飛行機雲」
ピンポロパロ
ヤスミジカンガ オワリマスヨー
浜面「麦野」
麦野「何よ」
浜面「本当、ごめん!」ドゲザ
麦野「うるさいわね……」
浜面「俺、馬鹿だから、何で麦野が怒ってるか分からなくて」
麦野「……」
浜面「だから、その……畜生上手く言えねぇ!とにかくごめん!」ヒタイ グリグリ
麦野(……あー、もう)
麦野(……しょうがない。言うか)
麦野「わたしさ」
浜面「うん?」
麦野「ほんとは、おこってない」
浜面「え?」
麦野「だれにも、おこっていないの。じぶんに、おこってるだけ」
麦野「それで、へんにイライラがつづいてた」
浜面「……マジで?」
麦野「あやまるのは、こっちなの。……ごめんなさい」
浜面「い、いや。誰にでもそういう時はあるし……気にするなって」
麦野「はまづら」
浜面「ん?」
麦野「ほうかご、ちょっとはなそう」
浜面「お、おう……分かった」
麦野「……それじゃ、また」
浜面「おう。教室、戻ろうぜ」
麦野「うん」
滝壺「……」カベカラ ニョキ
フレンダ「……」サラニ ニョキ
滝壺「見た?」
フレンダ「うん……たきつぼの言ったとおり、むぎのは、はまづらを……」
滝壺「……むぎの、遂に言うのかな」
フレンダ「と、とにかく、みのがせないてんかいってわけ!」フンスー
滝壺「鼻息荒いよ」
フレンダ「ところで、なんでわたしに、このこと言ったわけ?」
滝壺「面白そうな展開だから、ギャラリーを増やしたくて」
フレンダ「結局、滝壺は最低って訳よ」
そんな訳で、次回最終回です
結標淡希。
結標「……おはようございます」
若くして、保育園の送迎バス運転手の少女。独身。
まだ免許が取れる歳には見えないが、あまり、深く突っ込まないで欲しい。
結標「……っと……時間かしら」
結標「ふんふふーん」カーテン アケル
彼女の朝は、まず。
オハヨウゴザイマース!
オハヨウ、カミジョウクン
結標「はああああああああん!上条君ペロペロしたいよおおおおおおおおおお!」ハアハア
近所の男子小学生ウォッチから始まる。
結標「……ふぅ」
結標「さて、お着替え」
結標「準備完了」
結標「最終点検、鏡チェックー」
結標「ふむ」
結標「もっと大きくならないかな」ユサッ
結標「いや、角度的に、こう?」
結標「……っは!もうこんな時間?!」
結標「お……おはようございまーす……」コソコソ
神裂「あ、おはようございます」
ローラ「ちょっと、結標!遅れたりけるわよ!」
結標「ごめんなさい……」
ローラ「十分も遅刻なんだから、飛ばして行きたりなさい!」
結標「は、はいッ!」
イテキマース!
―――絹旗家。
ターノシーイーナーカマーガー♪
絹旗「ちょう、ぽぽぽぽーん!」
絹旗「……むー」
絹旗「おかあさん、おとうさん、しごといっちゃいました」
絹旗「ちょう、つまんないです」
絹旗「……ちょう……」
絹旗「……バス、ちょうおそいですねー」
ブロロロロ
結標「ヤバイ、ヤバイヤバイ」
結標「ロスタイム……取り戻さないと……!」
プップー!
結標「うああ!すみません!すみません!」
結標(あんまりスピード出すと、事故っちゃうし……)
結標(……格なる上は……!)
バス キエタ
乗用車「!?」
結標「うわあ!私が道路に放り出されることになるじゃん!」ホドウニ スラコラサッサ
乗用車「!?」
キヌハタ ゲンカンニ デル
絹旗「……ほんとにおそいです」
絹旗「もしや、きょうは、ほいくえん。ちょう、おやすみなんですか?」
絹旗「それは、……いやです」
絹旗「……」
絹旗「……ちょう、おうちはい『ドガァッ!』
メノマエニ バス アラワレ-タ
絹旗
結標「遅れてごめりんこ」タッタッタ
絹旗
ブロロロロ
結標「ほんとに、遅れてごめんねー」
絹旗「……いえ。ちょう、きにしてませんから」
絹旗「それより。バスをテレポートさせたこと、せんせいたちにばれたら」
絹旗「ちょう、おこられないですか?」
結標「……いや。知られないように、頑張る……」ダラダラ
絹旗「わたしからは、ちょう、くちチャックしておきますよ」
結標「ありがとー……」
結標「……、ん?」
上条「や、やばい!遅刻する!」ダッシュ
結標
ギュインッ!ギ、ガガッ、ギュオオッ!
絹旗「う、うええ!?」
絹旗「いきなり、ほうこうてんかんって、ちょうどうし」
絹旗(―――まさか)
上条「はー、まにあうかな……」ダッダッ
ブロロロロロ
上条「……?」バス?
結標「ちょっと!そこの上条君!」
上条「え、あ、はいッ!?」
結標「送るわよ!」
上条「!?」
絹旗(やっぱり……)
ガッコウマエ
上条「……えっと……ありがとうございました……」
結標「なになに、良いってことよー」
絹旗(もう、ちょうしりませんから……)
結標「また遅刻しそうになったら、声掛けなさい!じゃあね!」
上条「あ、はい……」
上条「……あのお姉さん……なんで、俺の名前、知ってたんだろう……」
ブロロロロ
結標「やー、良いことした後は、気持ちが良いわねー」
結標「最近、目をつけてた、上条君を乗せられるなんて、ラッキー」
絹旗「……これ、ちょう、まいあさのこうけいじゃないですか」
結標「え、だって。昨日は、青髪でピアスの男の子だったじゃない」
絹旗「ていせいします。まいあさ、ちがうおとこのこを、バスにのっけてるじゃないですか」
結標「悪いこと?」
絹旗「そうきかれると、ちょう、かいとうにこまりますが」
絹旗「ところで」
結標「はい」
絹旗「いつもは、じかんによゆうがあるから、いいとして」
絹旗「きょうは、ちょう、おくれているんじゃ、なかったのでは?」です
結標
ニャーッ! ケ、ケイタイニ、センセイカラノ リレキガー!
マズハ ノコリノ ヒトタチモ チョウ ムカエニ イキマショウヨ!
ウアアー!
これが、あわきんの、毎朝の光景。
終われ。
―――放課後、中庭
カベカラニョキッ
滝壺「……」
フレンダ「たきつぼー」
滝壺「何?」
フレンダ「結局、たきつぼは」
フレンダ「はまづらのこと、好きだったわけよ?」
滝壺「……かもね」
滝壺「面白くて、優しい人だと思う」
滝壺「……もしかしたら、……」
フレンダ「……むぎののこと、くやしい?」
滝壺「……ううん」
滝壺「だって、歳の差有りすぎるし。告白が成功しないかm」
フレンダ「わー!わーっ!」
滝壺「嘘。嘘だって」
フレンダ「ひどいこと、言わないで欲しいわけよッ!」
滝壺「……まだ、……ちょっと、諦めない」
滝壺「諦めが、悪いだけかもしれないけど」
フレンダ「……うん」
滝壺「……そういうフレンダは、浜面のこと、好きだったんじゃないの?」
フレンダ「」ギクッ
フレンダ「そ、そんなことないってわけよ!」マッカー
滝壺「……ふふ」
滝壺「……何だか、長い一日だったね」
フレンダ「……そーねー」
滝壺「いつも、長く感じるけどね」
フレンダ「あはっ!」
滝壺「ねえ」
フレンダ「ん?」
滝壺「今は、見守ってあげようか」
フレンダ「……ん!」
―――同時刻、中庭
麦野「……」
浜面「よす。来たぜ」
麦野「……おっす」
浜面「それで、どうしたよ?」
麦野「……」
浜面「まさか、誰かにイジめられてるとか……」
麦野「浜面」
浜面「……何だ?」
麦野「アンタは」
麦野「どうしようもなく馬鹿で」
浜面「!?」グサッ
麦野「ドジだし、場の空気しらけさせるし」
浜面「ぬ、ぬおお」グサグサ
麦野「いつも突っ走るけど」
浜面「な、何だよ!」グサグサ
麦野「わたしを、初めて怒ってくれた」
浜面「……」
麦野「入園した時」
麦野「おなじクラスの子を、怪我させて」
麦野「それでも、謝らないわたしに」
麦野「叱られることを、知らなかったわたしに」
麦野「本気で怒って。クズでわがままだったわたしを、少し変えてくれた」
麦野「アンタは、」
麦野「優しかった」
浜面「……」
麦野「アンタを」
麦野「一番初めに、好きになった」
浜面「……」
麦野「……わたしは、アンタの答え、分かってる」
浜面「……、ああ」
浜面「……オレは」
浜面「お前らの……お母さんっつーか、お父さんつーか」
浜面「お前らが、大人になるまで。見守る存在で居たいんだ」
麦野「……うん」
浜面「だから、オレは」
浜面「お前の気持ちは、嬉しいけど」
浜面「お前を、そういう風には見れない」
浜面「酷なことかも、しれないけど」
麦野「……分かってる」
麦野「仕上はお母さん、でしょ」
浜面「まあ、そういうこった」
麦野「……ん」
浜面「……ごめんな」
麦野「良いの。すっきりした」
浜面「……俺のこと、嫌いになっただろ」
麦野「それは、ありえないよ」
麦野「……わたしが大人になった時、後悔させてやるから!」
浜面「おー?」
麦野「ボンキュッボンのからだで、モデルみたいに、おしゃれなコート着て」
麦野「それで、また、アンタと会って」
麦野「アンタを、好きになるかもしれない」
浜面「……そん時、オレのこと覚えてるかー?」
麦野「もちろん!」
浜面「……ハハ!」
浜面(……ったく)
浜面(俺にお前は、勿体無さ過ぎるだろ)
浜面「麦野」
麦野「しずりね」
浜面「はいはい、しずりちゃん」
麦野「じゃあね、浜面」
浜面「おう、じゃあな」
浜面「また明日、遊ぼうぜ」
浜面「……」
浜面「おい、そこの奴」
ビクッ
浜面「……なんつって。他に誰も居ないよな」
浜面「……行くか」
フレンダ「ま、まぎらわしいわけよー!」ヒョコッ
滝壺「……危なかった」
フレンダ「……むぎの、泣かないかな?」
滝壺「泣かないよ、きっと」
フレンダ「そっかー……」
フレンダ「それじゃ、わたしたちも、帰るわけよ?」
滝壺「うん。バイバイ、フレンダ」
フレンダ「ばいばい、たきつぼ」
フレンダ「また明日」
浜面「……再来月は、入園式だな」
浜面「新顔が入って」
浜面「それで、来年が来たら……」
浜面「……」
浜面「……別れたって、生徒だしなー」
浜面「そういう臭い事、言い続けたいし」
浜面「教師生活、頑張りますか」
浜面「仕上はお母さん」
END