ほむら「突然どうしたの?」
さやか「いやさ、よく考えてみたらあしたとあんたって同じクラスで魔法少女って以外に接点がなかったじゃん?」
ほむら「そうね。客観的に見てそれ以上の関係ではないわね」
さやか「それがやれ色々あって今ではライバル同士ぐらいの関係にまで発展したわけですよ」
ほむら「ライバルの定義に若干違和感はあるけれど。まあまどかをめぐってという意味ならば概ね間違ってはいないのかしら」
さやか「そそ。でも正直あんたが敵かと言われれば素直に頷けないし、かといって味方でもない」
さやか「お互いの立ち位置をはっきりさせないと気持ち悪いじゃん?てなわけで率直に」
さやか「あんたの気持ちが知りたい!あんたのことを全部あたしに教えて欲しい」
ほむら(…まるで告白ね)
元スレ
さやか「実際あんたとあたしってどうなの?」ほむら「?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1384878193/
ほむら「私の気持ちはいつだってまどかのもの。それ以上でもそれ以下でもないわ」
さやか「…それは本音か?」
ほむら「バカにしないで。この気持ちだけが私の本当よ。悪魔になったとしてもこの気持ちだけは絶対に変わることがない」
さやか「……」
ほむら「とにかく、あなたと私の関係はこれまでもこれからもただの魔法少女とクラスメイト。不用意に近づこうとしなければこちらからはなにもしないわ」
さやか「…そう」
ほむら(なぜそこで残念そうな顔をするのかしら)
さやか「ならやっぱりあんたとあたしは敵同士になるしかないね!」
ほむら「…聞こえていなかったのかしら美樹さやか。あなたが関わらない限り私は手をだす気はないと」
さやか「あんたの気持ちはよーくわかった!そのストーカーじみた狂気にはいっそ惚れ惚れするね!」
ほむら「ありがとう。誉め言葉として受け取っておくわ」
さやか「確かにあんたの気持ちはよくわかった。でもまどかはあたしの大切な友人なんだよね!むざむざ悪魔にやるわけにはいかないのよ!」
ほむら「…」
さやか「だから…」
ほむら「だから?」
さやか「あたしで手を打たないか?」
ほむら「…」
ほむら(…世界の作り方を間違えたかしら)
ほむら「つまり美樹さやかは私のものになりたいと?」
さやか「言い方に若干語弊があるなー。あたしがなるのは、友達さ」
ほむら「…友達」
さやか「そそ。あんた元の世界にしてもこの世界にしても浮いてるっぽいじゃん?まともに友達なんてできたことないでしょ」
ほむら「っ!余計なお世話よ!そういう話なら巴マミにしてあげなさい」
さやか「マミさんはあれが持ち味だからいいの」アハハ
ほむら「なら私もほっといて。私には友達なんていらない。ただ側にまどかさえいてくれれば他の人はいらない」
さやか「んーそうやって友達を無下にするのはよくないなー」
ほむら「だからいつ友達になったのよ」
さやか「たった今からだよ」ニシシ
ほむら「あ、あなたねえ!人の話は聞きなさいと教わらなかったのかしら」
さやか「残念ながらあたしの周りには多少強引じゃないと振り向いてくれない人が多いもんで。良くも悪くもね」
ほむら(美樹さやかのほんとの気持ちなんてわからない。
昔から彼女のことはよくわからない。
弱いくせに人一倍強い人。素直に感情を現すくせに、それでいて手を伸ばすことにいつも躊躇してる人。怖がってるのに、それでも前に進むことを選択する人。
私には届かない眩しい場所にいる人…。
彼女の真意なんて知らないし知りたくもない。ここまできてしまった私にはもはや関係がない。
けれど、遠い昔、まだ私がただの少女だったときのように、
もう一度あの人を友達と呼べたらどんなに…)
ほむら「…お断りよ美樹さやか」
さやか「おいおい断らないでよ!あたしがすげー恥ずかしい奴みたいじゃん!」
ほむら「あなたとの関係はこれまでもこれからもただのクラスメイト。それ以上でもそれ以下でもないわ」
さやか「ふーん」
ほむら「あなたの知ってる私はもういない。私の気持ちは私だけのもの。誰に理解してもらうつもりもない」
ほむら「ただし、私とまどかの間に立ちふさがるなら話は別。そのときはあなたの望む通り、あなたが倒すべき敵になってあげる」クスクス
ほむら「さぁ、理解したのなら二度と私に近づかないで…「面白いじゃん」
さやか「なら勝負するっきゃないねー!」
ほむら(また変なことをいい始めた。さすがに面倒くさくなってきたわ)
さやか「お、疲れたって顔してますねー♪まあまああとちょっとだけさやかちゃんの話をお聞きなさいって」
ほむら「はやくしないと上条恭介にホモ属性をつけるわ」イラ
さやか「それはそれで仁美の困った顔が見られるからぜひともお願いしてみたくはある」
ほむら(なんかこの子Sっ気が増してる)
さやか「でもホモが初恋ってのは嫌だから話を戻すと、
あたしとあんたでまどか争奪戦をやるのよ!!」ビシッ
ほむら「…え」
さやか「ルールは単純。あたしはまどかに円環の記憶を取り戻させる。あんたはそれを阻止する。単純で明快で公平なゲームってわけさ。おわかりかね?」
ほむら「ちょっ、ちょっと待っ…」
さやか「いや待たない!このさやかちゃんを振るからにはそれ相応の覚悟が必要ってもんだよ」
まどか「あれ、あれはほむらちゃんに…えと、さやかちゃん?」
ほむら「あ、まど…
さやか「お、噂をすれば飛んで入る火になんとら~まどかーこっちこっち」
まどか「えと、なにかな」トコトコ
さやか「これも超絶美少女さやかちゃんの日頃の行いってやつですか」
まどか「ハハハ」
さやか「もしくは円環のお導きかね~♪」
ほむら「っ!美樹さやか!」
まどか「円環…?」ピクッ
さやか「そうだよーそうだよー円環だよー」ティロティロ
ほむら「逃げて!まどか!この悪魔から逃げて!」
まどか「エンカン…円カン…円環の、理…」
ほむら「まどか!ダメ!」ダキッ
まどか「そうだ…わたしは…魔法少女の…」ゴゴゴ
ほむら(いけないこのままじゃ!)
ほむら「よく聞いてまどか!私はあなたを…!」
さやか「愛してるよまどか」ポソッ
まどか「…!ほえっ!さ、さやかちゃん!急にどうしたのっ!」シュウウ
さやか「お、戻った戻った~」アハハ
ほむら「」パクパク
さやか「冗談だよじょーだん」アハハ
まどか「も、もう!からかわないでよ」カアア
さやか「でも半分は本気かなー。まどかは可愛いし、仲良くなりたいしね」ニコッ
まどか「…///」
さやか「ははは、照れおってこいつめー初いやつ初いやつ」
まどか「も、モウ!」
さやか「あはは、牛みたいになってるぞまどか!」
ほむら「…………ま、まどかぁ」
まどか「きゃっ!ほむらちゃんいつから抱きついてたの!?」
まどか「あ、ごめんね二人とも。今日は家のお手伝いしないといけないんだ。また明日」バイバイ
さやか「おーぅ。また明日なー」
ほむら「まどかぁ~」
…
ほむら「さてどういうつもりかしら美樹さやか」
さやか「お、立ち直り早いねー」
ほむら「とぼけないで。まどかの覚醒を早める勝負をふっておきながら自分でフイにするなんて」
ほむら「あなたはいったい」
さやか「そう焦りなさんなって。まだ勝負は始まったばかりじゃん?」
さやか「そういえばまだ勝負の景品を決めてなかったか」
さやか「こんなのはどう?あたしが勝ったらまどかはあたしがもらう」
ほむら「私が勝てばまどかは私のもの?」
さやか「そういうこと」
ほむら「やはりよくわからない。美樹さやか、あなたは何を考えてるの?」
さやか「教えてもいいけど、その前に一つだけ条件」
ほむら「何かしら」イラ
さやか「あたしを『さやか』って呼ぶこと」
ほむら「なにをっ」
さやか「なんだかさーこそばゆいんだよねーいちいちフルネームで呼ばれるの」タハハ
さやか「だからあたしのことは『さやか』って呼んで。そうすりゃあたしも気兼ねなくあんたを呼び捨てにできるから。ね、ほむら」
ほむら「…そんなのあなたは勝手に呼べばいいじゃない」
さやか「ダーメ、これは交換条件なのだー」
さやか「…あたし一人がやっても意味がないんだ。あんたと一緒じゃなきゃ」
ほむら「…」
ほむら「…仕方ないわね」
さやか「お、物分かりのいい娘は好きだよー。物分かりがよくて三つ編みでメガネならとくにね!」
ほむら「…。それであなたの目的は?」
さやか「『さやか』」
ほむら「目的は?」
さやか「『さやか』」
ほむら「…サヤカ」ポソッ
さやか「いやー照れますなー///」ウヒヒ
…
さやか「あ!やめて!謝るからそれはやめて!」マテマテ
ほむら「なら、さっさと、吐きなさい!」ハァーハァー
…
さやか「まあ前フリが長くなっちゃったけどそんな御大層な理由はなかったり」
さやか「これはあんたとあたしの勝負」
さやか「つまり、一部とはいえ円環の理であるあたし、そして秩序を乱す悪魔である『ほむら』」
さやか「そんなお伽噺に出てくるような存在同士の決着がこんな簡単についちゃ夢も希望もないじゃない?」
さやか「あたし達は魔法少女」
さやか「そして子供に夢を見させるのもまた魔法少女としての立派な仕事だと思ったわけさ。そんだけ」
ほむら「……」
ほむら「…………」
ほむら「……そんなくだらない理由で、あの子を、まどかを、賭けたとでもいうの?」
さやか「…」
ほむら「やはり私たちは相容れない存在ね、『美樹さやか』」
さやか「…」
ほむら「私はまどかを汚すものは何一つ許さない!私以外の何者の彼女に触れるのを許さない!彼女を汚すものは私がすべて払い落とす!」
さやか「…」
ほむら「時間を無駄にしたわ。これ以上あなたに関わる気はない。さよなら」クルッ
さやか「…へー怖いんだ、ほむら」ポソッ
次の日の朝
ほむら(怖い…私が…?)トコトコ
ほむら(神の一部を掠め取った今の私に怖いものなんて…)トコトコ
まどか「おはよーほむらちゃん!」
ほむら「!? おはよう!まど…か」
さやか「おいーっすほむら」ニヒヒ
ほむら「…おはよう。美樹さん」
さやか「『さやか』」
ほむら「…」ギリッ
杏子「あんたらいつの間に仲良くなったんだ?」
さやか「んー昨日からだよなー『ほむら』」ニヒヒ
ほむら「…ええ、そうね」
まどか「みんなで登校するのって楽しいねー」ウェヒヒ
さやか「だなー、それで昨日のテレビでさー…」ワイワイ
…
意識飛んでた
…
お昼休み
ほむら「まどか。お昼を一緒に…」
まどか「あ、ほむらちゃん!お昼一緒に食べよう!」
ほむら「ええ、もちろん!」パアア
まどか「みんな、ほむらちゃんも一緒に行くって!」
さやか「そいつはよかった。んじゃ一緒に行くかね、ほむら」
ほむら「…またあなたは」
さやか「んーなにか言った?♪」
ほむら「別に」
さやか「んじゃ屋上にでも行きますか」
まどか「ウェヒヒ」
杏子「どうなってんだか」
…
放課後
まどか「ほーむらちゃん!」
ほむら「な、なにかしら、まどか」
まどか「一緒に帰ろうと思ってさ」テヘヘ
ほむら「ええ、もちろん。さぁすぐ帰りましょう。邪魔が入らないうちに」
まどか「あ、待って待って。すぐにさやかちゃん達もくるから」
ほむら「…そう」
さやか「おっ待たせー!」
杏子「とりあえず飯食えるとこいこーぜ」
帰宅中
ほむら「なんのつもり美樹さやか」
さやか「『さやか』」
ほむら「…いい加減にして。あなたの本当の目的はなに?」
さやか「本当の目的なんて言われても昨日お話した通りですがね?」
ほむら「ならこれ以上私たちに関わらないで」
ほむら「私たちは…!」
さやか「それはまどかの気持ちも入ってるの?」
ほむら「…」
ほむら「…そんなのあなたには関係ない」
さやか「あたしもその道の経験があるからわかるけどさー。一方通行なのはきついよね」
さやか「よかれと思ってやったことが相手の心を傷つけてることもあるんだからつらいよね」アハハ
ほむら「そんなのあなたに言われるまでもないわ」
さやか「…そうだったね」
ゴメンネ
さやか「でもさーそういうの見てるとやっぱほっとけないじゃん?友達なんだし」
ほむら「…」
さやか「昨日のは全部本音だよ」ポツリ
ほむら「?」
さやか「あたしじゃダメかな?」
さやか「あたしがあの子の分までほむらを幸せにする」
ほむら「…それはいわゆる愛の告白というやつかしら」
さやか「ち、ちがう!あくまで友達として!友達としてだから!」
さやか「私のファースト告白を悪魔なんかに取られてたまるか!!」
ほむら「あらそうなの。それは残念」クス
さやか「」ドキッ
ほむら「…でも、それは無理」
さやか「…」
ほむら「あなたの言葉が本当なら私の言葉も全て本当。私はこの心も体もすべてあの子に捧げたの。他の誰もいらない。ただまどかさえいてくれればそれでいい」
ほむら「そう願ったの」
ほむら「だから、あなたの想いと希望には応えられない」
さやか「…そっか」
ほむら「でも、ひとつだけあなたの望みは叶ったわ」
さやか「望み?」
まどか「二人ともー先いっちゃうよー!」
杏子「おせーぞー!こっちは腹へってんだよ!」
さやか「へいへい。んじゃ置いてけぼりくらわないようささっと追いつきますかねー」
ほむら「ええ、そうね」
ほむら「さやか」
さやか「……!?今なんてっ」
ほむら「ほら早く行きましょう。まどかの隣を歩くのは私の特権よ」
さやか「ちょ、ちょっと待ってってば、もう一回!もう一回だけ!」
ほむら「いやよ」
さやか「ったく、結局あんたとあたしの関係ってなんなのさ」
終わり
流石に今更※荒れないよね…