8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:15:05.67 AM2iy3kR0 1/68

―――――休日・市街地

佐天「うーいーはーるぅーー!パンツはいてるかぁ~?」

初春「きゃぁぁ!!やめてください!佐天さん!///」

黒子「全くあなた方は・・・じゃあ、お姉さま私達も・・・」

黒子「おねぇええさまぁぁ!!今日もパンツh・・・」

美琴「履いとるわぁぁ!!!」ビリビリ

美琴「まったく・・・じゃあ、行きましょうか」

元スレ
佐天「万物を捻じ曲げる能力・・・?」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1292331966/

9 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:23:23.30 AM2iy3kR0 2/68

黒子「全く、お姉さまはいつもいつもこのような可愛い服ばかりをお選びになって・・・」

美琴「べ、別にいいじゃない!?」

佐天「私はこの服がいいかなぁ・・」

初春「似合ってますよ!、佐天さん」


―――――喫茶店
美琴「疲れたわ・・・」

佐天「甘いものが身にしみますね」パクパク

黒子「ジャッジメントの仕事に比べればまだまだですわ」

初春「白井さんは肉体派ですからね」

黒子「初春、私がバカみたいな言い方やめてくださいまし」

佐天「(白井さんも、御坂さんもすごい能力者だし・・・)」

佐天「(初春もLEVELは1だけど、ハッカーの才能はずば抜けてすごいし・・・)」

佐天「(私って、ほんと・・・)」

御坂「どうしたの?佐天さん、考え事?」

佐天「え?いやっ!なんでもないですよ・・・」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:28:23.68 AM2iy3kR0 3/68

初春「じゃあ、また学校で」

佐天「うん、またね!御坂さんも、また遊びましょうね!」

美琴「そうね、また遊びましょ」

黒子「では、私達もここで・・・」


佐天「私って・・・、生きてる価値があるのかな・・・」トコトコ

佐天「何の役にも立たない、能力もない、才能もない・・・」

佐天「ははっ」

佐天「はははっ・・・・」ボロボロ

佐天「うっ・・・う・・うっ・・・」


上条「今日は200gの牛肉200円でゲット!」

上条「うーん、いい収穫だ」

上条「ん・・・?あの女の子・・・」

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:36:52.97 AM2iy3kR0 4/68

上条「佐天さん、だっけか?」

佐天「ふぇ?」

上条「あー、俺ビリビリの友達の上条当麻っていうんだけど・・・覚えてる・・・?」

佐天「(あ、御坂さんの好きな人だ・・・)」

佐天「覚えてますよ、上条さん」

上条「それより、どうしたんだ?こんな人通りの多いところで泣いて・・・」

佐天「え・・・いや・・・その・・・」

上条「もし、俺でよければ聞くよ?」

佐天「そんな、大してことじゃないですし・・・」

上条「いや、佐天さんみたいな、泣くってことはやっぱりそれなりのことだと思うし、上条さんだって年上だから少しは頼ってくれてもいいんだぜ?」

佐天「(上条さんのこういうところに御坂さんは惚れたんだろうなぁ・・・)」

佐天「じゃあ、少しだけ話を聞いてくれますか?」

上条「じゃあ、立ち話もなんだし、ファミレスにでもいこうか」トコトコ

ギュッ

佐天「(会ってそうそう、いきなり手をつながれた!?・・・けど、悪い気は・・・しないな・・・)」トコトコ

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:45:14.85 AM2iy3kR0 5/68


イラッシャイマセー
佐天「私は、LEVEL0なんです」

佐天「そして私の周りにはLEVEL5の御坂さん、LEVEL4の白井さん、LEVEL1だけども才能に恵まれている初春がいます・・・」

佐天「どうしても引け目というか、私はだめなんだな、やっぱり無能力者ってだめなんだなって生きてる価値があるのかなって、考えちゃうんです」

佐天「どうして・・・私は能力者になれないんでしょうね・・・」

上条「そんなLEVEL0とかLEVEL5とか関係ないんじゃないかな・・・」

上条「俺だってLEVEL0だし、才能に恵まれているどころか不幸の連続だ」

上条「それでも俺は自分がLEVEL0だということを引け目に感じない」

上条「それに、LEVEL0って言ってもまだ、発現してない可能性だってあるんだ」

上条「佐天さんにはきっと能力があると思うんだ」

佐天「上条さん・・・」

佐天「そうですよね!私にだって何か能力ありますよね!」

佐天「暗い話してごめんなさい。でも、なんか上条さんに話したらスッてしました!」

佐天「ありがとうございました!」ペコ

上条「いや、俺はそんな・・・」

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:49:18.43 AM2iy3kR0 6/68

佐天「じゃあ、私行きますね」

佐天「えーっと、お金お金・・・」

上条「いや、ここは俺が払うからいいよ」

佐天「でも、お話させてもらって、その上おごってもらうなんて」

上条「上条さんは今月余裕があるからぜんぜんいいのですよ」

佐天「そうですか・・・じゃあお言葉に甘えて」

アリガトウゴザイマシタ、マタノゴライテンオマチシテマス

佐天「ほんとにありがとうございました!じゃあ、私はこれで!」タッタッタッ

上条「うん、またな」



上条「ふぅ・・・今月も懐はピンチのさらにピンチに・・・」

上条「まぁあんな笑顔が見れたらそれだけで十分か・・・」トコトコ

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:53:45.38 AM2iy3kR0 7/68

―――――学校
佐天「初春、おっはよーー!」バサッ

初春「きゃぁぁ!!佐天さん!もう!他の生徒さんに見られちゃじゃありませんか!///」

佐天「もうこれが私なりの挨拶だから変えようがないんだよねー」

初春「変えてください!」

初春「それよりも早く着替えに行きましょう」

佐天「え?次の授業は倫理の授業じゃないっけ?」

初春「何言ってるんでうすか。今日は能力判定テストの日じゃないですか」

佐天「あ・・・」

佐天「(いつも関係ないことだと思ってたから、つい、忘れちゃうんだよね・・・)」

佐天「おぉ!そうだったそうだった!じゃあ更衣室いこうか!」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 22:58:43.53 AM2iy3kR0 8/68

佐天「(はぁ・・・やだなぁ・・・)」

じゃあ次の人ー

佐天「はーい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

――――翌日

初春「佐天さん、昨日の判定テストどうでした?」

佐天「あぁ・・・初春は?」

初春「ふふふ・・・聞いてください!ついに私もLEVEL2になりました!」

佐天「(!・・・)そう・・・それはよかったわね!」

初春「で、佐天さんはどうだったんですか?」

佐天「それがね・・・」ピラ

初春「これは昨日の判定結果の・・・え?」

佐天「うん、ERRORだって」

初春「こんなの初めて見ました」

佐天「先生達も能力はあるみたいなんだけど、どうも機械がERRORばっかりになっちゃうんだって」

初春「でも、能力はあるってことなんですよね!?おめでとうございます、佐天さん!」

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 23:03:03.88 AM2iy3kR0 9/68

佐天「へへっ・・・ありがと///」

初春「で、どんな能力かは自分でわかってるんですか?」

佐天「実はそれは私にもわからないんだよねー」

初春「謎の能力ですか・・・すごくミステリアスですね!」

佐天「まぁ、早く知りたいね」




――――――佐天・部屋
佐天「うーん、今日もつかれたぁ!」

佐天「ふぅ・・・今日はもう寝ようかなぁ・・・」

佐天「! 痛っ・・・」

佐天「両目が痛い・・・」

佐天「うっ・・・あ・・・痛い・・・」ドサッ

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 23:06:16.73 AM2iy3kR0 10/68

―――――朝
佐天「っ!はぁ・・・はぁ・・・」

佐天「昨日・・・私・・・目が痛くなってそれで・・・」

佐天「まだ頭がふらふらする・・・」

佐天「でも、もう目は痛くないや」

佐天「なんだったんだろう・・・?」



佐天「初春、今日帰りにクレープ食べに行かない?」

初春「あぁー、ごめんなさい。今日はジャッジメントの仕事があって・・・」

佐天「そうかぁ・・・わかった。初春はジャッジメントの仕事がんばるんだよ!」

初春「また今度行きましょうね!」

佐天「うん」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 23:11:11.56 AM2iy3kR0 11/68

佐天「まぁ一人で行けばいいっか」トコトコ

スキルアウトA「よぉ・・・おねぇちゃん、一人?」

アウトB「俺達今暇なんだよねぇ~、一緒に遊ばない?」

佐天「い、いや、私この後用事あるんで・・・」

アウトC「逃げんなよ・・・」グッ

佐天「(腕つかまれたっ・・・!)」

アウトA「こっちこいよ・・・」

ズザザザ

佐天「い、いやっ・・」

―――――裏路地
アウトA「へへっ・・・こいつ発育よくね?うひひひ」

アウトB「それじゃあ・・・」

アウトC「いっただっきまーすww」

佐天「いや・・・いやぁあああああああああああああああ」

アウトA「ちっ・・騒ぐんじゃねぇ・・・!?」

アウトA「あれ?う、腕が・・・」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 23:20:32.43 AM2iy3kR0 12/68

凶がれ・・・・

凶がれ・・・・・・・

佐天「凶がれぇえええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

アウトA「ぐあぁあああああ!!」

みるみるうちにスキルアウトの一人の腕が捩れ・・・そしてボトリと落ちた

アウトA「腕がぁ・・・・」

アウトB「て、てめぇ!何しやがった!」

アウトC「あんまりなめてるとただじゃおかねえぞ!」

私はもう一度言葉を口にした

佐天「凶がれ・・・」

アウトB「あ、首g・・・」ブチン

アウトC「足!あしっ・・・ははははははっ!」ボトリ

私の不良は壊れていた、、いや、壊れていたのは私かもしれない

佐天「・・・」バタッ


※注・・・凶がれ=まがれ

44 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/12/14(火) 23:29:24.81 AM2iy3kR0 13/68

――――こっちです!!

―――――これは・・・ひどいじゃん・・・

―――――こちら黄泉川、被害者は4人、うち3人は死亡が確認、1人は女子生徒で無傷の模様、救急車をお願いするじゃん




佐天「・・・あ・・・」

 見知らぬ天井に薬品の香り

初春「佐天さん!」ダキッ

佐天「初春・・・?」

初春「ホントに心配したんですよっ!?」

初春「3人ものスキルアウトが殺されて、そのなかで佐天さんが倒れてて・・・」

佐天「心配かけてごめんね。初春・・・」

 ごめんね、初春・・・私が、殺したんだ・・・

 夢のような悪夢だった・・・心の中から自分を見ているかんじ・・・

―――でも、それは夢でも、空想でもなく、現実だった

83 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 00:43:18.29 ZbnFf6jb0 14/68

ガチャ
美琴「あ、佐天さん!大丈夫?」

黒子「災難でしたわね」

佐天「いや、大丈夫です・・・」

 自分が殺したといえるだろうか。事件の表側では私は「被害者」なのだから

美琴「犯人の顔は見てないの?」

佐天「え・・・いや・・・」

黒子「お姉さま!佐天さんは被害者なのですよ!あの状況をぶり返すのは少々ひどいですわ」

美琴「そ、そうよね・・・ごめんなさい」

佐天「そんなことないですよ!気にしないでください」

 

86 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 00:53:33.68 ZbnFf6jb0 15/68

美琴「さて、そろそろ私達いくわね」

黒子「お大事に」

ガチャ

初春「佐天さん、お腹減りませんか?私何かコンビ二で買ってきますよ」

佐天「今はまだお腹すいてないかな・・・」

初春「そうですか・・・」

 沈黙が襲う・・・

初春「・・・」

佐天「、、、」

初春「・・・あの、私n」

佐天「初春」

初春「え?」

佐天「私達は・・・友達だよね・・・?」

初春「そうですよ。私達は一生、何があっても友達です」ニコッ

 初春の笑顔はどうしてここまで人を癒すのだろう
      どうして私をここまで傷つけるのだろう

87 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 01:00:10.44 ZbnFf6jb0 16/68

初春「じゃあ、私もジャッジメントの仕事なのでいきますね」

佐天「うん、ありがとうね」

初春「また明日きますね」ガチャ

―――――凶がれ

横に置かれた花瓶が、ぐにゃりと曲がり割れた
 これが私の能力なのかな

佐天「ははっ・・・」

 人殺しに能力を使ってしまった

 何のための能力なのだろう

佐天「っ・・・」

 また眼が痛い
 
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 


 能力なんてなくなっちゃえ

88 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 01:07:00.54 ZbnFf6jb0 17/68

‐‐‐‐‐街

スタスタスタ

 次の日私は退院をした
 
 アンチスキルの事情聴取もすぐに終わった

 それはそうだろう、何せ私は「加害者」ではない

 かわいそうな「被害者」なのだから

??「・・・天さん・・・」

 この眼が悪いのだろうか・・・

 この眼が――――

上条「佐天さん!」

佐天「え?」

 そこに上条さんがいた

上条「だ、大丈夫だったか?ニュースで事件みてすごく心配したんだぞ!」

 この人は私が「カガイシャ」だと知ったらどうするのだろう

 驚愕するだろうか、恐れるだろうか、怒るだろうか、泣くだろうか・・・
――――――それとも、それでもなお私を心配してくれるだろうか

92 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 01:12:50.33 ZbnFf6jb0 18/68

上条「あっ、わりぃ・・・嫌なこと思い出させちまったようだな」

 違う、あってるけど、、、、、違う

佐天「いや、心配させてしまってすいませんでした」ペコリ

上条「いやいや、本当に無事でよかった!」

上条「って、やべ!もうタイムセール始まるじかんだ!」

上条「そろそろ俺行くな!っと、その前に、佐天さん、携帯貸してくれない?」

佐天「いいですけど・・・?はい、どうぞ」

上条「ありがとう・・・っとこれでよし」ピピ

上条「これ、俺のアドレス。なんかあったら連絡してくれよ」

上条「じゃ」スッタッタッタッ

佐天「あっ・・・」

 行ってしまった

 あの人のお人よしは、どこまで行っても尽きない気がする

 こんなカガイシャの私でも受け入れてくれる気がする

 でも、そんなことはないと言う気もしていた

93 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 01:17:49.05 ZbnFf6jb0 19/68

 夜

 私はお腹が減った獣のように裏路地の人通りが少ないところに、吸い込まれるように入っていった


アンチ1「よぉ、ねえちゃん」

アンチ2「胸大きいネェww」

 すぐに声を掛けられた

 私はこの状況を怖いと思うとともに、自分に大しても恐怖を感じていた

アンチ1「何しかとしてんだy」

――――凶がれ

ブチブチブチ

 体が上半身と下半身で半分に捻りきり取られた

アンチ2「え・・?」

 今の状況が理解できていないのだろう

――――凶がれ

ブチブチ

アンチ2「あぁがぁっあああああ!!」

98 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 01:24:00.00 ZbnFf6jb0 20/68

 すぐに手と足と体で5つに分解された男を見下ろした

アンチ2「あ・・・・・あ・・・・」

 こんな状態でも人間は生きていけるものなんだなと何もおもわず、恐怖も起きず、ただ単に思った

――――凶がれ

アンチ2「あ」

 首と胴体が捻じれ落ちた


佐天「は・・・はははっ・・・」

佐天「ははっ・・・う・・うっ・・・」ボロボロ

 何をやっているのだろう

 私はこんなことをしたくない
 
 のに、こんなに捻るごとに、凶がることに快楽を覚えているのだろうか・・・


ザッ

一方「こりゃ、ひでェな、おい。この一方通行サマより、ひでェぜ」


―――――私の前には新たな獲物が放たれた

163 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 23:51:47.09 ZbnFf6jb0 21/68

 白い髪のやせ細った少年がそこにいた

 そして

 ―――――私と同じ血の匂いがした

一方「実験でつかれたからよォ、早くコーヒー飲みてェから裏道通ったら、こんな化けモンに出会っちまうとは思ってもみなかったぜェ」

佐天「誰・・・?」

一方「俺は学園都市第一位の一方通行サマだよォ」

佐天「・・・」

一方「お、おいてめェ!何シカトこいてんだァ!?」

 疲れた・・・

 私は何で人を殺しているのかわからない・・・自分でもわからない・・・

 
一方「はァ・・・ビビッてるってわけでもねェよなァ・・・」

一方「ここまでコケにされたらやるしかねェなァ・・・」

一方「おイ!!」キュイーーーーーーーーン

 一方通行を中心としてまるで波のように地面が割れていく

佐天「っ!」

165 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 23:56:43.61 ZbnFf6jb0 22/68


 私はとっさに後ずさりをする

一方「休んでんじゃねェぞォ!」

 速い・・・

一方「おらッ!!」ボゴッ

ズザザザザザ

 思いっきり顔を殴られた・・・

 それでも私に殺意は沸かない

 怒りも起きない

佐天「・・・」

 この人が私を殺してくれたら、楽なのに・・・

167 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/15(水) 23:59:46.65 ZbnFf6jb0 23/68

一方「俺の能力は“ベクトル操作”」スタスタスタ

 白髪男が近づいてきた・・・

一方「あらゆるもののベクトルを操作することができる」

一方「誰一人俺に攻撃することはできねェ。ベクトル操作で触ることさえできねェ」

一方「でよォ、お前の殺し方なんだけどよォ・・・」」

一方「血流逆流してやるよォ」ニヤリ

佐天「・・・」

 白髪男が私の前に立つ

一方「ビビッちまったかァ?」

佐天「・・・」

一方「ちッ・・・最後までしかとかよ・・・」

一方「まァいい、じゃ、さっさと死にやがれェ!!」

 白髪男の手がゆっくりと私に近づいて、そして――――

170 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:07:12.85 i+VYG+qq0 24/68

一方「な、なんだァ!?」

 あぁ、、、また私は・・・

 とっさに白髪男が私と距離をとろうとする

一方「くそっ!な、なんなんだよこりゃよォ!?」

 凶がれ・・・

 私は白髪男の右腕を雑巾を絞るようにそう念じながらその言葉を口にした

佐天「凶がれぇぇぇぇ!!!!」

一方「グアァァ!!」

一方「こんな能力にオレサマガァァ!」

 私の捻じ曲げようとする力に自らの腕のにベクトル操作をかけ必死に捻り落とされないようとしていた

一方「クソ・・・がァ・・・!」

佐天「凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ凶がれ」

ボトリ

175 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:15:10.92 i+VYG+qq0 25/68

一方「ぐあァァァァァァァ!!!」

一方「腕ガァァァ!!!」

佐天「はぁ・・・はぁ・・・」

一方「てめェの能力は何だ・・・」

一方「この・・・第一位サマのベクトル操作に勝てる能力なんて・・・」

一方「っ!何笑ってやがる・・・っ・・・」

 私が笑っている?

 口元に手を持っていくと、指は唇のきれいな湾曲を知った

 私は殺しを楽しんでいるのか

 自分では笑ってるつもりはなかったのに・・・

一方「この、悪魔がァ・・・」

 そうだ、、、私は悪魔だ、、、

 もう私は悪魔になってしまったのだ

176 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:18:36.11 i+VYG+qq0 26/68

 ――――――悪魔なんだ

 みんなみんな

   私もみんな

     しんじゃえ

佐天「―――凶がれ」

一方「クソッ!グアァ!・・・」

 雑巾を絞るように

 捻り取るように

 彼の首を凶げようとした

一方「首がァ・・・オラァァァァ!」

佐天「っ!」

 私の能力がはじき返された

181 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:36:13.88 i+VYG+qq0 27/68

一方「なんとか・・・解析できたぜェ・・・ハァ・・ハァ・・・」

一方「(つっても力の相殺が精一杯だがな・・・怪我もかなりやべェ)」

佐天「凶がれ・・・」

一方「無駄無駄ァ!!」キュイーーーン

佐天「!」

 能力が効かない・・・!?

一方「もうてめェの技は見切ったぜ・・・」

一方「大人しく俺に殺されるか、それとも無様に逃げるか・・・どっちか選ばせてやるよォ」

 能力が使えなきゃこんな奴に勝てない・・・

 ―――――死にたくない

佐天「っ!」タッタッタッ

一方「逃げたか・・・」

一方「助かったぜ・・・」

一方「まずは応急処置しねェと、腕が元にもどんねェ・・・」

一方「今度あったときはぶっ殺してやるよォ・・・」スタ スタ スタ・・・

182 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:40:44.15 i+VYG+qq0 28/68

『今日もまたスキルアウトの殺害事件が発生しました』

佐天「・・・」もぐもぐ

 昨日の事件がもう朝のニュースで流れている

 昨日私はシャワーも浴びず、着替えもせず、ベットに倒れこんだ

 死が急に身近な生活になり、精神がボロボロになっていた

 普通の生活に戻りたい

 戻れない

 戻りたい

 戻れない

 戻れない

 私はもう普通に戻れないんだ・・・

184 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:47:30.43 i+VYG+qq0 29/68

 今日は祝日

 初春と白井さんはここのところの“凶悪犯”による殺害事件の捜査で遊べないだろう

 かといって御坂さんと2人で遊ぶ気が起きない

 でも一人でいたら気が狂いそうだ

  街に行こう


・・・・・・・・・・・・街

 一人街を歩く、何かに恐れるように・・・

 誰かに助けを求めるように

 こんなどん底に堕ちた身でさえ、誰かに助けてもらいたいと思っている

「・・・さん、・・・天さん!」

     
 誰か、助け―――

上条「佐天さん!」

佐天「え?上条・・・さん?」

185 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:52:45.07 i+VYG+qq0 30/68

上条「どうしたんだ佐天さん、そんな死にそうな顔をして」

佐天「そ、そんな顔してましたか?」

上条「もう、助けて~って感じだったな」

 この人は・・・私を助けてくれるのではないだろうか

 一瞬そんな淡い希望が生まれた

――――悪魔のくせに

上条「佐天さんは可愛いいんだから笑ってたほうがいいよ」

佐天「え?」

上条「あっ・・・いや、その・・・///」

 本当にかわいい人だ、この人のそばにいたい

佐天「上条さん、今日暇ですか?」

上条「ん?まぁ、俺もフラフラしてただけだし・・・」

佐天「じゃあデートしませんか?」

上条「で、デート?」

佐天「私も暇なんです。遊びましょうよ」

186 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 00:54:40.43 i+VYG+qq0 31/68

上条「俺となんかと一緒でいいのか?」

佐天「上条さんと一緒がいいんです」ニコッ

上条「な、なら遊ぼうか、佐天さん」

佐天「あ、私のことは涙子で呼び捨てでいいですよ」

上条「る、涙子」

佐天「はい」ニコッ

――――悪魔の私でも少しはこんな淡い気持ちを抱いてもいいだろうか

231 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 23:29:37.71 wdrEfJwn0 32/68

上条「で、どこいくんだ?」

佐天「んー、とりあえず服を見に行きたいです」

上条「じゃあ、セブンスミストに行くか」

佐天「そうですね」


佐天「この服どう思います?」

上条「ん?かわいいね」

佐天「じゃあ試着してきますね!」タッタッタッ

上条「わかった」

 私はこんなことをしてていいのだろうか

 こんな幸福な場所にい続けていいのだろうか

 わからない

 けど・・・

       ここ 
 今はまだ幸福にいたい

233 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 23:35:08.36 wdrEfJwn0 33/68

佐天「上条さーん、どうですか?」

上条「お、おう・・・」

佐天「似合いませんか・・・?」

上条「いや、やっぱり涙子はかわいいなと思いまして・・・」

佐天「っ・・・///そんなお世辞別に・・・」

上条「いやっ、お世辞なんかじゃねーよ」

上条「本当に涙子はかわいいとおもうよ」

上条「って言ってるこっちが恥ずかしいな・・・///」

佐天「ありがとうございます///」

 この人は本当に自分自身から目を背けさせてくれる

 悪魔である自分を隠してくれる

上条「次どこ行くか」

佐天「じゃあクレープ食べに行きましょう!」

235 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 23:41:09.95 wdrEfJwn0 34/68

・・・・・・・・・・・・・クレープ屋

上条「何食べたい?」

佐天「じゃあこの“みかんお味噌汁味”で」

上条「んー、俺は無難に“いちごカレー味”にしようかな」


アリガッシター

上条「んー、うまい!」

佐天「私のもおいしいですよ!食べますか?」

上条「一口もらうな」パク

佐天「あっ・・・(食べかけのところ・・・)」

上条「じゃあ俺のも一口どうぞ」スッ

佐天「(っ・・・食べかけのところを・・・いやいや・・・でも・・・)えいっ!」パクッ

上条「どう?」

佐天「おいしい・・・です・・・(た、ただの食べさせあいっこ!間接キスとかぜんぜん・・・)」

上条「・・・」

236 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 23:48:18.84 wdrEfJwn0 35/68

上条「ちょっとここに座ってて」

佐天「どうしたんですか?」

上条「ん?あー、トイレ。じゃちょっと待ってて」タッタッタッ



上条「――――――ひそひそつけて」

上条「なんの用ですか?」

上条「黄泉川先生」

黄泉川「はぁ・・・まったくよく気がついたじゃん」

上条「そんなことよりどうして尾行なんてするんですか?」

黄泉川「お前はあの娘の彼氏か?」

上条「いや、ただの友達ですよ」

黄泉川「友達、か・・・」

黄泉川「お前にはいろいろ世話になってるからな・・・」

黄泉川「絶対にあの娘にいうな。これは私のただの憶測で動いてることなんだが・・・」

238 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/16(木) 23:58:06.93 wdrEfJwn0 36/68

黄泉川「最近スキルアウトの殺害事件を知ってるか?」

上条「あぁ、あの変死事件のやつですよね」

黄泉川「そのとおり。その事件でな、あの佐天涙子がすべての件でつながってるのを昨日報告書をみてて気づいてな・・・」

黄泉川「それで少し尾けたというわけじゃん」

上条「・・・つまり涙子を犯人扱いしているわけですか?」

黄泉川「いや、そういうわけじゃないじゃん。あの子の周りで事件が起きる、たとえあの子が犯人でないとしても、
、しかも本人も気づいてないところでつながってるとしたら彼女を守るという意味でも尾行してるじゃん」

上条「・・・そうですか」

黄泉川「私だってあんな素直な子があんな事件の犯人だとは思ってないじゃん」

黄泉川「あんたもあの子を守ってやるじゃん」

黄泉川「今日は私は帰るから、あとはあんたにまかせるじゃん。じゃ」スタスタ



上条「涙子が犯人なわけないよな・・・」

 青く晴れた空は上条当麻に何も答えず、不幸な少年と悪魔の少女をじっと見ていた

241 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/17(金) 00:09:28.56 aHC84hYS0 37/68

上条「あぁ・・・ごめんごめん」

佐天「大丈夫ですか?」

上条「いや、大丈夫だよ。次どこ行こうか?」

佐天「じゃあ、私の家に来ませんか?」

上条「家?そんな男の俺が行ってもいいのか?」

佐天「別にいいですけど・・・上条さん何かいやらしいこと考えてますか?」

上条「い、いや!そんな、こと、滅相もございません・・・」

佐天「じゃぁ、行きましょう!」

 この人といる空間は本当に心地よい

――――死にたくなるぐらい

 幸せを逃したくないと手を伸ばす限り、あまりにもその幸せは私の身を焦がす

 それでも私は求めずにはいられない

287 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/17(金) 23:56:06.93 aHC84hYS0 38/68

・・・・・・・・・・・佐天・部屋

上条「やっぱ女の子の部屋だけあってきれいだな」

佐天「そうですか?」

佐天「とりあえずベットにでも腰掛けてください」

上条「あぁ・・・」

上条「(女の子のいいにおいがする・・・)」クンカクンカ

佐天「コーヒーでいいですか?」

上条「ん?全然いいぜ」

佐天「はい、どうぞ」コトッ

上条「・・・」ゴクゴク

佐天「・・・」ゴクゴク

289 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/17(金) 23:59:59.24 aHC84hYS0 39/68

 私はあえて何も言わない

 部屋に充実した何かが詰まっていく


佐天「!?っ・・・」ガタッ

 マグカップが私の手から離れ、カーペットにコーヒーの茶色い染みをつくった

上条「ど、どうした?」

 心配そうに上条さんが私を見つめる

 両目が、、、痛い

上条「涙子!?」

佐天「だ・・・いじょうぶです・・・」

 私は落ちてしまったマグカップを拾おうとし、そして

―――――パリン

291 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:01:53.77 cfQs2A7w0 40/68



佐天「!?」

 マグカップが歪んで、割れた

 ・・・私はまだ、その言葉を願っても口にしてもいないのに

上条「あぁ、マグカップ割れてるな」

上条「俺が片付けるからそこに横になってろよ」

佐天「いや・・・私が」

上条「いいって。それより顔色悪いけど大丈夫か?」

佐天「ちょっと、、、ふらつきます」

上条「少し横になってろよ、な」

佐天「・・・すいません」

292 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:03:11.20 cfQs2A7w0 41/68

 私はベットに横になった

 戸惑いを隠せない

 どうして能力が発動したのか

 せっせとマグカップを片付けてくれる上条さんを尻目に私はいつしか安心感と絶望

感の入り混じった複雑な心情の中、眠りについた

293 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:05:33.04 cfQs2A7w0 42/68

グツグツ

佐天「・・・」

 ここは、、、病院じゃない・・・

 キッチンの方を見ると料理をしている上条さんの姿が目に入ってきた

上条「あ、目を覚ましたか」

上条「そのまま寝ちまったようだし、起こすのもなんだったからな寝かしとかせてん

だが・・・まずかったか?」

佐天「いや、ありがとうございます・・・」

上条「あと、勝手に冷蔵庫をあけさせてもらって、お粥つくっておいたぞ」

上条「体調の方は大丈夫か?」

佐天「さっきよりもずいぶん楽になりました。なにから何まで、すいません」

上条「困ったときはお互い様だよ」

294 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:08:41.65 cfQs2A7w0 43/68

上条「はい、どうぞ」

 暖かそうな卵粥を出された

佐天「・・・美味しい」モグモグ

上条「そりゃよかった」

上条「じゃあ、俺そろそろ帰るな」

佐天「はい、本当にありがとうございました」

上条「そんな、いいって。またな」ガチャ

295 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:13:14.68 cfQs2A7w0 44/68



上条「ここからなら出て行くのがわかるな」

 上条当麻は佐天涙子の寮近くの公園にいた

上条「今日一日見張って涙子が外に出ていないのに事件が起きたら晴れて涙子は無実

だ」

 少年は少女のために一夜を野外で過ごす決心を決めた




佐天「」モグモグ

佐天「おいしい・・・」

 一人私はお粥を食べていた

 暖かい、お粥を

296 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:15:17.12 cfQs2A7w0 45/68

・・・・・・AM1:00

 夜も更けて、外の通りも誰も歩かなくなった

 私は私服に着替え外にでた

ガチャ

 いつものように凶げるモノを見つけに出かけた

・・・・・・・・・
上条「やっぱり外にずっといるってのは・・・」

上条「!」





上条「涙子・・・」

 上条当麻の少し先を佐天涙子が夜の街に歩いていった

297 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:17:06.26 cfQs2A7w0 46/68

・・・・・・・・・・・
 夜の街と言ってもまだ表の明るい通りのは大人が何人かはいる

 その欲望と快楽に溺れた大人をフラフラとすり抜ける

佐天「っ・・・!」

 また、、、目が痛くなった

佐天「痛い・・・」ヘタリ

男A「大丈夫かい?」

 誰だろうか、親切で声を掛けてるのだろうか

 まぁ、ただの一般人だ。私のエモノでは無い

佐天「すいません、ありがとうごz・・」

男A「え?」


 男の差し出した右手が可笑しな方向に曲がりはじめた

 否、凶がり始めていた

298 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:20:13.01 cfQs2A7w0 47/68

佐天「な、、、んで、、、」

 とまれ!!止まれ!!

 必死に念じるが・・・

男A「ぐあぁああああああ!!」ボトリ

佐天「いやぁぁぁぁ!!」ダッ

 私は右腕をなくした青年を離れ、闇に溶けこんだ

299 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:22:51.82 cfQs2A7w0 48/68

・・・・・・・・
 上条当麻は自分の目の前の出来事を信じられずにいた

 いきなり男の腕が曲がり始めたのだ

 そして捻れ落ちた

 佐天涙子は叫び、そのまま走っていった

上条「待て、涙子!・・・っ」

上条「大丈夫ですか!?」

 男の傷口はあまりにも生々しく、まさしく「ちぎれた」と思わせた

上条「取り合えず脇の下を左手で抑えてください!」

「ぐっ・・あぁっ・・・」ボタボタ

上条「血が、止まらないっ」

上条「誰か!何か布類を!」

 真っ暗な夜が少し、騒然とした

301 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 00:26:18.26 cfQs2A7w0 49/68

冥土帰し「おつかれさま」

上条「あの男の人は・・・」

冥土「一命は取りとめたよ」

冥土「けど、事件のショックがきつかったのだろうか、記憶が吹っ飛んでるね」

冥土「丸ごと事件の分」

冥土「事件の真相を知っていたほうが幸せか、はたまた事件の真相を知らずに、目が

覚めたら右腕が無くなっていた」

冥土「天秤に掛けるにはちと難しい問題だね」

上条「・・・」

冥土「君は犯人を見たのかい?」

上条「・・・見て、ません」

冥土「そうか・・・」

上条「ありがとうございました」

上条「それでは」スタスタ

362 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:43:28.65 cfQs2A7w0 50/68

・・・・・・・・・・・・
 私は部屋に戻り、明かりも付けずに部屋の隅で丸まっていた

 明かりを付けたら、見えたものすべてが凶がりそうで、壊れてしまいそうで・・・

――――自分も壊れてしまいそうで

佐天「うっ・・・うぅ・・・」

佐天「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」

 能力なんていらない

 もう普段の生活に帰りたい

 しかし、願うものは離れていった

 離れていったのは私の方かもしれないが

365 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:47:21.46 cfQs2A7w0 51/68

・・・・・・・・・
 上条当麻は学校に向かっていた

上条「・・・」

タッタッタ

青ピ「かみやん!おはよう、どないしたん?そんな顔して・・・」

上条「あ、青ピおはよう・・・いや、悩みごとだ」

青ピ「なんや上やん、恋の病かぁ~?」

上条「断じて違うから安心しろ」

青ピ「そんなことゆーても、上やんはすぐにフラグを立てるから信じられへんよ」

上条「そうか、まぁお前よりは女の子と会う機会は多いと思うが」

青ピ「ひ、ひどい上やん・・・」

上条「(今日、涙子のところに行こう・・・)」

上条「(そして、・・・そしてどうするんだ・・・?)」

上条「(俺に何ができるんだろう・・・)」

366 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:50:19.62 cfQs2A7w0 52/68

・・・・・・・・・・
佐天「・・・はい、はい体調悪くて」

佐天「すいません、あ、はいありがとうございます。明日には直ると思うんで」

佐天「それじゃあ・・・」ガチャ

 学校を休んだ

 まだ朝起きてから能力は発動していない

 だが、学校で能力が発動してしまったら

 私は大切な友達を・・・殺してしまうかも知れない

佐天「・・・」

 未だ出口は見えない

368 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:51:33.32 cfQs2A7w0 53/68

・・・・・・・・・
小萌「はーい今日の補習は終わりでーす」

小萌「ちゃんと家に帰って復習するのですよー」ガラガラ バタン

上条「ふぅー・・・疲れたぁ・・・」

青ピ「上やん、これから遊びに行かへん?」

土御門「俺も今日は月刊妹☆萌を買いたいから街にでたいにゃー」

上条「すまねー、今日はちょっと用事あるわ」

土御門「まさか上やん、女なわけないぜよね?」ハハハ

上条「まぁ、そんなところだ。じゃな」タッタッタ

青ピ「・・・」

土御門「・・・」

371 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:53:31.30 cfQs2A7w0 54/68

・・・・・・・・・
 目が痛くなったりすることはあったが、何も凶がることは無かった

佐天「ふぅー」

ピンポーン

佐天「!?」

佐天「だ、誰ですかー?」

上条『おれだよ』

佐天「上条さん?」

上条『ちょっと話がしたくて』

 ここで扉を開けて上条さんに能力が発動したら

上条『その・・・昨日の夜の話だ」

佐天「!?」

 昨日のことを・・・知ってる

372 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:54:19.60 cfQs2A7w0 55/68

上条『別にアンチスキルに突き出すとかそういうものじゃない、ただ話しがしたいんだ』

佐天「・・・」ガチャ

上条「涙子・・・」

佐天「中にはいってください・・・」

上条「・・・おう」

 私は目を瞑ったまま

 上条さんを中に招きいれた

375 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:56:51.58 cfQs2A7w0 56/68

上条「昨日のは・・・涙子の仕業か?

上条「・・・はい」

上条「わざと・・・か?」

佐天「ちがいますっ!」ガタッ

佐天「別にあの男の人の腕を凶げるつもりは無かったんです!」

上条「凶げる?」

佐天「・・・私の能力は見たものを捻る能力なんです」

上条「なるほど・・・でも、なんで捻るつもりも無かったのにあの男の人の腕が?・・・?」

376 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 21:57:56.64 cfQs2A7w0 57/68

佐天「最近・・・能力が私の意志に反してものが凶がるようになって」

上条「能力の暴走ってやつか」

佐天「はい・・・」

上条「だから目を瞑ってたのか・・・」

佐天「私・・・どうすれば・・・」

上条「そうだな・・・」
                         ヘブン・キャンセラー
上条「(木山先生に頼んだらどうにかなるか・・・それても先生に頼むか・・・?)」

佐天「このまm・・・あっ!痛っ・・・」

上条「涙子!だいじょうぶk」

378 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:00:21.67 cfQs2A7w0 58/68

佐天「近づかないで!」

 そして

 私は思わず上条さんを見てしまった

上条「っ!?」

上条「左手が・・・」

上条「畜生!」キュイイイイイン

上条「ハァ・・・ハァ・・・」

佐天「涙子・・・俺は大丈夫だから」

382 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:03:27.35 cfQs2A7w0 59/68

私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした

佐天「い、いやぁぁぁぁ!!!!!!!!」

上条「涙子!外にでるな!」

佐天「いやぁああああ!」

 ドアが凶がり、履こうとした靴が凶がった

 そのまま私は外に飛び出した

385 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:05:16.11 cfQs2A7w0 60/68

上条「くそっ!やっちまった」ダッ


―――――河川敷
上条「ハァ・・・ハァ・・・涙子!」

 私と上条さんは河川敷にいた

上条「俺の右手は異能の能力を打ち消す!俺には安心して近づいてもかまわないんだぞ!」

私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした
私が上条さんを殺そうとした私が上条さんを殺そうとした

佐天「私が・・・上条さんを殺そうとした・・・」

上条「違うっ!涙子はただ能力の被害者だし、そんなことをしない奴だって俺が一番わかってる!」

 この人はどこまでお人よしなのだろうか

 こんな、気持ちの悪い能力で、

 自分を殺そうとした私をそれでも受け入れようとしてくれている

387 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:08:30.70 cfQs2A7w0 61/68

佐天「上条さんは・・・優しいですね・・・」

佐天「私はそんな上条さんが大好きです」

佐天「私は・・・上条さんが大好きだから、もう、上条さんに迷惑を掛けたくないから・・・」

佐天「もう近寄らないで・・・」

佐天「痛・・・っ!!」ツーーー

上条「お前・・・目から血が・・・」

佐天「じきに私は常に能力発動状態になるだろうと、思います。目の痛みの間隔が日に日に狭まってますから・・・」

佐天「そしたら、私、もう上条さんを見ることができません」

佐天「最後に、上条さんを見てもいいですか・・・?」

上条「そんなことを言うな!俺には右手がある!だから俺の傍にいればずっと苦しまずに暮らせるから、すぐに俺が右手でねじれそうなの触るから!だから・・・」

391 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:11:00.90 cfQs2A7w0 62/68

佐天「上条さん・・・」

上条「っ!」

 上条さんの顔を見るとすぐに能力が発動したのだろうか、上条さんが苦しそうにする

上条「おらぁ!」キュイイイイン

上条「ハァ・・・ハァ・・・」

上条「な?大丈夫だろ・・・?」ハァハァ

佐天「上条さん・・・そんな苦しそうに言われても説得力ないですよ」クスッ

佐天「もう上条さんが私から離れてくれないなら私が離れるしか無いですね」

佐天「私、学園都市を出ます」

佐天「そうすれば・・・」

佐天「さよなら・・・上条さん」

上条「待て!」

392 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:12:35.20 cfQs2A7w0 63/68

―――――凶がれ

上条「足が!?」

上条「くそっ!」キュイイイイン

佐天「上条さんがどうしても私を連れ戻そうとするなら」

佐天「私は上条さんの足を凶げます」

佐天「まぁ、足を折る程度ですが」

佐天「だから、追いかけてk・・・」

上条「追いかけてやる!」

上条「たとえ涙子が俺を殺そうとしても」

上条「学園都市を離れても」

上条「俺にとって涙子は大切な人だ!」

上条「涙子の罪だって背負ってやる!!」

上条「涙子が俺を信じられねぇって言うのなら――――

     

            ――――――その幻想をぶち殺す!!          

396 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:15:38.48 cfQs2A7w0 64/68

上条「うおぉおおおおおおおおお!!!」

 上条さんは私に向かって走ってきた

 無防備に

 そして

 全力で私を止めるために

佐天「っ・・・凶がれ!!」

上条「おらぁ!!」キュイイイイイン

佐天「凶がれェェェ!!」

上条「おらぁぁぁ!!」キュイイイイイン

 私の能力を打ち消して上条さんはやって来た

佐天「ならばっ・・・」

 私は上条さんの左手と左足に軸を置き、そして

佐天「凶がれっっっっ!!」

400 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:18:16.94 cfQs2A7w0 65/68

上条「なっ・・・足と腕両方が・・・」

佐天「それ、以上近づくと本当に捻りとっちゃいますよっ!」

佐天「私は一人で生きていけるんですっ!」

佐天「だから・・・」

上条「おらぁぁあぁぁ!!」タッタッタ

佐天「走って・・・」

上条「たとえ、腕の一本や二本、涙子のためだったらいくらでもくれてやるよぉおおおお!!!!」タッタッタ

上条「それにそんな泣きながら言われてもなぁ!!!見逃すわけにはいかねぇーんだ!!!!」

 上条さんが私に右手を伸ばしてきた



佐天「ま・・・凶がれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




上条「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

402 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:22:20.00 cfQs2A7w0 66/68

看護士「じゃあ、包帯取りますね」

佐天「はい・・・」

スルスル

上条「よっ・・・どうだ?」

佐天「上条さんのほうはどうですか?」

上条「ん?最初は不便だったが一日二日経てば意外に慣れるもんだよ」

佐天「そうですか?」

佐天「まぁ―――――

         



          ――――片目だけでも上条さんを見れるだけで私は幸せですよ」ニコ

405 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:28:04.67 cfQs2A7w0 67/68


 あの日の夜、私は上条さんに目隠しをするように私のまぶたに右手を当てた

 そしてあの日私の意識は途切れた

 一方、上条さんは私に左手を捻り取られそうになったが、骨折ですんだ

 骨折といっても、180°捻じれたいたが

 目を覚ますと、すでに私は暗闇の中だった

 これは罰なんだと思った

 それに、目が見えなくて安心した

 これで能力が暴走することは無くなった

 視力と引き換えに

 だが、

上条「佐天、俺の左目をやるよ」

406 : 1 ◆sG3B.9IIqNG6 - 2010/12/18(土) 22:33:08.58 cfQs2A7w0 68/68


 上条さん曰く、結局視力を失わせた原因は自分にあるというのだ

 私は一生懸命にいらないと言ったが

 もしもらわないのなら俺も目を潰して視力を無くすといわれ

 断りきれなくなった私は、左目を移植することになった

 そして今私は今までの人生の半分しか視界が無いけれども

 その半分には今までの人生の何倍もの幸せが詰まっていた

上条「俺達2人で一つだな」

佐天「ずっと一緒にいてくださいね」

上条「わかってるよ、俺は一生――――――


                     はな    
         ―――――涙子を許さない

                         Fin

記事をツイートする 記事をはてブする