417 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/05/16 22:39:53.73 ruD3FeLCo 241/336遅くなり申し訳ない
これから投下します
かなり蛇足っていうか再構成みたいなノリかも?
7月20日
絹旗「お兄ちゃん、携帯が超鳴ってますよ」
一方「クソ野郎がタイミング悪ィな……」
絹旗「占い始まっちゃいますよ」
一方「俺のも確認しといてくれェ」
絹旗「超了解です…………お、水瓶座が有り得ないくらい良いですね」
一方「ン……三下か……こンな朝っぱらから何の用だァ?」ピッ
一方『おゥ』
上条『もしもし、一方通行か?』
一方『俺の携帯にかけたンなら俺だろうよ』
上条『そりゃそうだ』
一方『で、朝っぱらから何の用だ』
上条『いやー、夏休みだしな!開放的な気分になるじゃないか!だからね!』
一方『うぜェ』ピッ
携帯<PiPiPiPiPi
一方『ンだよ』ピッ
上条『本当にごめんなさい、用件あるんで聞いて頂けないでしょうか』
一方『ッチ……』
上条『実はさ、朝起きたら…………ベランダに女の子がぶら下ってた』
一方『ァっそォ……良い病院知ってるからよォ』
上条『違ぇよマジだよ!シスターがいるんだって!』
一方『うン、そうだな、いるな……』
上条『そんな優しい声で言わないで!俺病んでないから!』
一方『お前が正常だとしても状況が異常だわ』
上条『それは俺も理解している』
一方『で、俺に電話してきて……どうしろってンだ』
上条『今その子とお前の家の前にる、飯食わせてくれ』
一方『』
一方「………………」スタスタ
絹旗「あれ、どこか行くんですか?」
一方「いや……三下が家の前にいるとかほざきやがった」
絹旗「は?」
一方「出て来るわ」
絹旗「え、あ、はい」
数分後
上条「いやー、お邪魔しま~す」
禁書「お邪魔するんだよ!」
一方「……チッ」
絹旗「本当に家の前にいたんですね……っていうかその女の子は?」
上条「電話しながら歩いてたからな、でこいつは」
禁書「おなかへった」
一方「ァ?」
禁書「おなかへったおなかへった、おなかへったって言ってるんだよ?」
一方「おい」
上条「いやぁ、これしか言わなくてさ……しかも上条さん家の食料全滅で」
一方「たかりに来たってかァ?…………俺たちも朝飯まだだし……食い行くぞ」
絹旗「超了解です!」
上条「さすが一方通行!」
ファミレス
一方「この体のどこに……」
絹旗「信じられないくらい食べましたね……」
上条「いくらになるんだ、これ……」
禁書「ごちそうさま!みんな、いい人たちだね?」
一方「別に……」
絹旗「お兄ちゃんは超いい人ですよ」
一方「ンな事はどうでもいいンだよ……このガキの話だろ」
上条「そうだった……」
禁書「私の名前はね、インデックスって言うんだよ?」
上条「誰がどう聞いても偽名じゃねーか!大体何だインデックスって!『目次』かお前は!」
禁書「見ての通り教会の者です、ここ重要。あ、バチカンの方じゃなくてイギリス清教の方だね」
上条「意味分かんねーしこっちの質問は無視かよ!?」
禁書「うーん、禁書目録の事なんだけど。あ、魔法名ならDedicatus545だね」
一方(外部の人間か…………?)
絹旗(む、このマウンテンパフェって超気になりますね……いやしかし食べきれないかも)
上条「でさー、何だってお前はベランダに干してあった訳?」
禁書「干してあった訳じゃないんだよ?」
上条「じゃあ何なんだよ? 風に流されて引っかかってたんかお前」
禁書「……、似たようなモノかも」
上条(冗談のつもりだったんだが……)
禁書「落ちたんだよ、ホントは屋上から屋上へ飛び移るつもりだったんだけど」
上条「でも、八階だぜ? 一歩間違えば地獄行きじゃねーか」
禁書「うん、自殺者にはお墓も立てられないもんね」
禁書「けど、仕方なかったんだよ!あの時はああする他に逃げ道がなかったんだし」
一方「逃げ道だァ?」
禁書「うん、追われてたからね」
禁書「ホントはちゃんと飛び移れるはずだったんだけど、飛んでる最中に背中を撃たれてね」
上条「は?」
禁書「ゴメンね。落っこちて途中で引っかかっちやったみたい」
絹旗「う、撃たれたって……」
禁書「ああ、傷なら心配ないよ。この服、一応『防御結界』の役割もあるからね」
一方(防御結界…………聞いたことねェな防御に特化した能力か?)
絹旗(いける、食べきれるはずっ!頼んじゃいましょう)ピッ
一方「で、一体何に追われてンだ」
禁書「何だろうね?闇魔法結社か光魔法結社か。その手の集団だとは思うんだけど、名前までは分からないかも。……連中、名前に意味を見出すような人達じゃないから」
上条「連中?」
禁書「魔術結社だよ」
上条「はぁ。まじゅつって……、はぁ なんじゃそりゃあ!! …ありえねえっ!!」
禁書「は、え、アレ?あ、日本語がおかしかった、かな?魔術だよ、魔術結社」
一方「得体の知れない新興宗教が『おならぷうは神の言葉でこンにちわじゃ』とか言ってお薬飲ませて洗脳したりする危ない機関の事ですかァ?いや色ンな意味で危険だが」
禁書「……そこはかとなく馬鹿にしてるね?」
上条「ゴメン、無理だ。魔術は無理だよ。俺も一方通行とか窒素装甲とか色々『異能の力』は知ってるけど、魔術は無理だ」
禁書「……?」
一方(俺からすりゃテメェの右手も魔法みてェなモンだがなァ)
絹旗「マウンテンパフェ超一つ追加で、はい、以上です」
上条「とにかく、魔術はないの!」
禁書「魔術はあるもん」
絹旗「なら、使ってくれれば超はっきりするんじゃないでしょうか」
一方「まァ実際見たら信じるしかねェわな」
禁書「魔力がないから、私には使えないの」
「「「…………」」」
禁書「……魔術はあるもん」
上条「じゃあ、仮に魔術なんてモノがあるとして」
上条「お前がそんな連中に狙われてる理由ってのは何なんだよ?その服装となんか関係あったりすんの?」
絹旗(超豪華な修道服ですからね、ちょっと着てみたい気も……)
一方(宗教がらみだとメンドくせェなァ)
禁書「私の持ってる、一〇万三〇〇〇冊の魔道書、それが連中の狙いだと思う」
店員「マウンテンパフェでーす」
絹旗(え、これ超大きすぎないですか?食べきれ無そうなんですが……)
上条「……まーたまた、良く分からない話になってきたんですが」
禁書「だから、何で説明していくたびにやる気が死んでくの?もしかして飽きっぽい人?」
上条「えっと、整理するけど。その『魔道害』ってのが何なのか良く分からないけど、とにかくそれって『本』なんだよな?国語辞典みたいな」
禁書「うん。エイボンの書、黒い魔術書、グルグルの教典、食人祭祀書、死者の書。代表的なのはこういうのだけど。死霊術書は有名すぎるから亜流、偽書が多くてアテにならないかも」
一方「いや、本の中身はどうでも良いだろ」
絹旗「で、一〇万冊ってどこにあるんですか?」
上条「なに、どっかの倉庫のカギでも持ってるって意味なのか?」
禁書「ううん」
禁書「ちゃんと一〇万三〇〇〇冊、一冊残らず持ってきてるよ?」
上条「……バカには見えない本とか言うんじゃねーだろーな?」
一方「ならテメェには見えねェな」
上条「ひどくないですか!?」
禁書「バカじゃなくても見えないよ。勝手に見られると意味がないもの」
上条「皆してひどい……」
絹旗(やばいです、これは食べきれない……)
一方「頼ンだ分は残すなよ」
絹旗「も、もちろんですよ!超常識です!」アセアセ
禁書「……超能力は信じるのに、魔術は信じないなんて変な話」
上条「…………」
禁書「そんなに超能力って素晴らしいの?ちょっと特別な力を持ってるからって、人を小馬鹿にして良いはずがないんだよ」
一方「そりゃそうだ。テメェの言う通りだ。こンな一発芸を持ってる程度で、誰かの上に立てるだなンて考え方は間違ってる」
一方「この街に住ンでる人間ってな能力持ってる事が一個の心の支えになってンだ、その辺は理解すンだな……ってか、俺も能力者の一人だが」
禁書「そうだよバカ、ふん。頭の中いじくり回さなくったってスプーンぐらい手で曲げられるもん」
絹旗「……」
禁書「天然素材を捨てた合成着色男のどこが偉いってーのさー、ふん」
絹旗「…………ナメたプライドごと口を超封じて構いませンよね?」
禁書「て、テロには屈しないもん!だ、大体、超能力だなんて言って、君達には一体何ができるって言うの?」
一方(割と何でもできますゥ)
絹旗(私の能力なんかじゃ……このパフェは食べきれないですね…………)
上条「えっとな、この右手。あ、ちなみに俺のは生まれた時からなんだけど」
禁書「うん」
上条「この右手で触ると……それが異能の力なら、原爆級のトカゲの尻尾だろうが戦略級の魔法剣だろうが、神の奇跡だって打ち消せます、はい」
禁書「えー?」
上条「……つかテメェ何だその幸運を呼ぶミラクルストーンの通販見てるみてーな反応は?」
禁書「だってー、神様の名前も知らない人にー、神様の奇跡だって打ち消せますとか言われてもー」
上条「……くっ。む、ムカつく。こんな、魔法はあるけどアナタには見せられませんなんて言うインチキ魔法少女に小馬鹿にされた事がここまでムカつくとは……」
禁書「い、インチキじゃないもん! ちゃんと魔術はあるんだもん!」
上条「じゃあなんか見せてみろやハロウィン野郎! ソイツを右手でぶち抜きゃ俺の幻想殺しも信じるしかねーんだろ、このファンタジー頭!」
禁書「いいもん、見せる!」
禁書「これっ! この服! これは『歩く教会』っていう極上の防御結界なんだからっ!」
上条「何だよ『歩く教会』って、もう意味分かんねーよ! さっきっから聞いてりゃ禁書目録だの防御結界だの訳の分からない専門用語をぶち込みやがって、この不親切野郎!『説明』ってな何も分からない人に向かって噛み砕いて教えるモノなんだ、そこんトコ分かってんのか!」
禁書「なっ……ちっとも理解しようと思わない人が言う台詞?」
禁書「だったら論より証拠! ほら、キッチンにある包丁で私のお腹を刺してみる!!」
上条「じゃあ刺してみる!……って何だよそれ!?きっかけは此細な事でしたってオチか?」
禁書「あ、信じてないね」
絹旗「っていうかそれこの店に超迷惑ですから、あとこのパフェどうぞ、おいしいですよ」
一方(押し付けやがった……)
禁書「これは『教会』として必要最低限な要素だけ詰め込んだ『服のカタチをした教会』なんだから。布地の織り方、糸の縫い方、刺繍の飾り方まで……全てが計算されてるの。包丁ぐらいじゃ傷一つつかないんだよ?」モグモグ
上条「つかないんだよって……あのな、じゃあハイぐっさり刺してみますなんて言う馬鹿いるか!あと食いながら喋るな」
禁書「とことん馬鹿にして……物理・魔術を問わず全ての攻撃を受け流し、吸収しちゃうんだから…………さっき、背中を撃たれてベランダに引っかかったって言ったけど、『歩く教会』がなかったら風穴が空いてたところだったんだよ」
上条「……てか、つまりアレだ。それが本当に異能の力だってんなら、俺の右手が触れただけで木っ端微塵、って訳だな」
禁書「君のチカラが本っっっ当な・ら・ね? うっふっふーん」
一方(てか公衆の面前で服が木っ端微塵てヤバくねェか…………ま、いいか)
上条「じゃぁいいんだな、試すぞ」
禁書「やってみればいいよ!」
その後、学園都市に露出幼女の噂が広まったのは言うまでも無い
一方通行家
上条「まことに申し訳ございませんでした……」ボロッ
禁書「……」
絹旗「超可愛そうに……」ヨシヨシ
禁書「さいあいはやさしいんだね……」
一方「よし、縫い終わったぞ」
禁書「ありがとう!早速着替えるんだよ」
絹旗「その服あげますよ?超似合ってますし」
禁書「ありがとう、でもやっぱりシスターだからね」
絹旗「そうですか、じゃぁ仕方ないですね」
上条「って……あー!!」
一方「うっせェ黙れ変態」
上条「いや本当に勘弁して下さいって違う!俺補習があるんだよ!」
一方「夏休みとか言ってたじゃねェか……」
絹旗「もう超いい時間ですけど」
上条「俺は学校行かなくちゃ!お前はどうする?」
絹旗「何ならウチに居ても良いですけど、良いですよね?お兄ちゃん」
一方「おォ……」
禁書「ありがとう、でもダメだよ」
絹旗「え?」
禁書「大丈夫。英国式の教会を見つけるまでの勝負だから」
一方「おい」
絹旗「行っちゃいましたね」
上条「俺も補習行かねぇと!」
一方「ン」
~5分後~
一方「ってシスター帰ってきたぞ」
絹旗「どうかしたんですかね」
禁書「私のヴェール知らないかな?」
絹旗「ヴェール?」
一方「シスター用の帽子みてェなもンだったよな……」
禁書「うん!大事なものなんだよ!」
一方「大事なモンならなくすな」
絹旗「っていうか、朝会った時そんなのしてましたっけ?」
一方「してなかったな……三下の家なンじゃねェの」
禁書「えぇ!?そっか、さっき暴れたときにここで落としたかと思ったんだけどな……ありがとね!」
絹旗「また行っちゃしましたね」
一方「騒がしいやつだなァ」
上条さん家
ステイル「あれ……ここにいると思ったんだけどな……ルーンの貼り損かな、これは」
神裂「あなたは……人探しも満足にできないんですか」
ステイル「いや、確かに今朝の段階ではここにいたはずだ……」
神裂「では、最後に魔力を探知した場所は?」
ステイル「さっきも言ったじゃないか、ただのファミリー向けのレストランだったよ」
神裂「念のため、私はそこに向かいます」
ステイル「あぁ、僕はもう一度探知してみよう」
神裂(ファミレス……鯛茶漬けあったらいいですね)
ステイル「あくまで可能性だが、歩く教会が破壊されてしまったのかもしれない、気をつけてくれ」
神裂(梅干もいいですね、本場日本の梅干……)
ステイル「あの、聞いてるか?」
~数時間後~
ステイル「で、何で?」
神裂「偶然見かけたので思わず全力で切りつけたんですが……まさか歩く教会が破壊されているとは…………」
ステイル「いや言ったよね!?破壊されたかもって教えたよね!?」
神裂「聞いていません」キリッ
ステイル「思い出せ!今日のことだ!この脳筋!」
神裂「そんなことよりインデックスのことです」
ステイル「ぐっ……」
神裂「とりあえず切ってしまって驚いたので逃がしてしまいましたが」
ステイル「何やってんのぉ!?」
神裂「ステイル、保護してきてください」
ステイル「君っていうヤツは……」
同時刻、一方通行家
一方「ン?」
絹旗「どうかしましたか?」
一方「これ三下の携帯じゃねェか」ヒョイ
絹旗「あ、本当ですね……インデックスに噛まれたり私たちに超ボコボコにされてる時に落としたんでしょうか」
一方「ったく……不幸ってよりドジなンじゃねェのか」ピッ
上条携帯<PiPiPiPiPiPiPiPi
絹旗「電話しても超ここで鳴りますよ」
一方「…………本当に三下のか確かめただけだしィ」
絹旗「届けにいきましょうね」
一方「へいへい」
上条さん家の前
一方「ン?やけに清掃ロボが多くねェか?」
絹旗「何かあったんでしょうか……って!あそこで倒れてるの超インデックスじゃないですか」
一方「…………テメェはここで待ってろ」スッ
絹旗「え?………………超了解です」
一方「クソったれが!誰がやりやがった……」
ステイル「うん?僕達『魔術師』だけど?」カツカツ
一方「ァ?」
ステイル「うん?うんうんうん、これはまた随分と派手にやっちゃって……かんzそげぶっ」
一方「うっせェ」
絹旗「格好つけて現れたのに台詞すら最後まで言えないなんて……」
ステイル「口上を述べている間に攻撃とはね……いいだろう、そっちがその気ならこっちもね……」
ステイル「ふふ……できればこっちの名前は名乗りたくはなかったんだけどね……Fortis931!」
一方「ンだァ?」
ステイル「魔法名だよ、聞き慣れないかな?僕達魔術師って生き物は、何でも魔術を使う時には真名を名乗ってはいけないそうだ。古い因習だから僕には理解ができないんだけどね」
絹旗(魔法……本当にあったんですか)
ステイル「Fortis、日本語では強者と言った所か。ま、語源はどうだって良い。重要なのはこの名を名乗りあげた事でね、僕達の問では、魔術を使う魔法名というよりも、むしろ……」
ステイル「…………殺し名、かな」
ステイル「すみませんでした……」
ステイル「彼女には完全記憶能力っていうものが、はい、そうです」
ステイル「いや、学園都市の能力者くらいなら軽く倒せるかなって……」
ステイル「Fortis931です、殺し名……いえ、魔法名です、魔術を使うときの名前で……はい、意味は……我が名が最強である理由をここに証明する、です」
ステイル「これはは魔女狩りの王(イノケンティウス)です……はい、切り札です……ルーンっていうのを剥せば消えます、僕が剥します」
ステイル「意味ですか?えっとあの…………はい、必ず殺す、です……いえ殺せてないです」
ステイル「僕は……十四です……嘘じゃないです、あ……二十歳からです……副流煙は……本当に申し訳ありません」
絹旗「もう気絶していいですよ」ドゴォ
一方「とりあえず傷をどうにかしねェと……俺じゃ止血ぐらいしかできねぇぞ」
絹旗「でも、IDがないんじゃ病院も…………」
一方「IDがなくたって治療はできるところもあるが……」
禁書「病院は……ダメ……」
絹旗「……そうだ!例の魔術の中に治療する魔術はないんですか?」
禁書「あるけど……学園都市の人には使えない…………回路が違うの……」
一方(能力開発で開かれた回路が邪魔になるって事か…………?)
一方「なら……魔術ってのは能力者以外、一般人なら誰でも使えるって事か?」
禁書「……え? うん」
一方「さらに魔術の才能がないとダメなンてオチはつかねェだろうな」
禁書「大丈夫、だけど……。方法と準備さえできれば……。あの程度、中学生だってできると思う」
一方「なら……」
木原「で、俺のところに来たって訳か」
一方「うるせェ御託はいいからさっさと準備しろボケ」
木原「魔術ねぇ…………まぁしょうがねぇかやっぱ父親ってのはいつになっても頼れる存在って訳だ」
黒夜「おいおい!魔術なんてもんマジで信じてるわけぇ?学園都市だぜ?テメェ第一位だろが!」
一方「目の前で見ちまったからなァ」
木原「ハッ、頭ごなしに否定するのは三流だぜぇ」
黒夜「けっ……第一位だけじゃなくて科学者までイカレちまって……学園都市も終わったな」
絹旗「信じてくれないんですか?」
黒夜「私が絹旗ちゃんを疑うわけないだろ」キリッ
禁書「これより自動書記がうんたらかんたら」
禁書「失敗するとあなたの脳神経は破壊され死に至ります、お気をつけ下さい」
木原「ちょ」
一方「あァ、問題ねェ」
木原「大問題だ!」
何だかんだで回復魔術中
禁書「思い浮かべなさい!」
木原「何をだ」
禁書「金色の天使、体格は子供、二枚の羽を持つ美しい天使の姿!」
木原(天使………………)
絹旗(何か超出て来てますね)
一方(ってあれ俺じゃね?)
黒夜「ブフゥ!」
一方「笑ってンじゃねェ!」
黒夜「いやアレは無理だろ!吹くって!天使な一方通行は吹く!しかもショタ!」
木原(一方通行マジ天使!)
禁書「よかった、これで終わり……」バタッ
一方「おい!」
絹旗「寝てるだけみたいですね、傷は治ってるみたいですし……」
一方「なら寝かしとくか」
黒夜「いやー、魔術が実際にあったことよりも天使の方がインパクトあったわ」
木原「けっ……たまたまだよ」
一方「たまたまで天使化されたらたまらねェよ!」
上条さん家の前
上条「自宅の前で見知らぬ外人がボロボロになってる」
上条「不幸だぁあああああ!」
ステイル「僕のほうが不幸だ!」
つづく
回復魔術から数日後
木原「魔術なんてよく分からんもんだから心配だったが……」
絹旗「もう超回復したみたいですね!」
禁書「ありがとう、さいあい!」
黒夜「何にせよ、無事でよかったじゃねぇの」
禁書「皆のおかげなんだよ!」
一方「別に…………」
木原「素直じゃねぇな」
黒夜「インデックス、あいつは肌が真っ白だからよく見ると照れてるのがわかるぜ」
禁書「あ!ちょっと赤いんだよ!」
一方「っせェ!」
禁書「髪も肌もすごいよね、真っ白できれいなんだよ!」
一方「テメェだって銀色だろ」
絹旗「でも向こうの人は超そうなんじゃないですか?」
禁書「んー? ……その辺は良く分かんないかも」
一方「ンでだよ」
禁書「私、気がついたら日本にいたからね。向こうの事はちょっと分からないんだよ」
一方「どうりで日本語ぺらぺらなはずだぜ。ガキの頃からこっちにいたンじゃ、ほとンど日本人じゃねェか」
禁書「あ、ううん。そういう意味じゃないんだよ」
絹旗「は?」
禁書「私、生まれはロンドンで育ってきたらしいんだよ。どうも、こっちにきたのは一年ぐらい前から、らしいんだね」
一方「らしい?」
禁書「うん。一年ぐらい前から、記憶がなくなっちゃってるからね」
一方「…………」
禁書「最初に路地裏で目を覚ました時は、自分の事も分からなかった。だけど、とにかく逃げなきゃって思った。昨日の晩ご飯も思い出せないのに、魔術師とか禁書目録とか、そんな知識ばっかりぐるぐる回ってて、本当に怖かった……」
絹旗「どうして記憶をなくしちゃったかも分からないって訳ですか」
一方「くそったれが……」ガタッ
絹旗「あ、どこいくんですか?」
一方「三下ンとこだ……このチビシスターが無事だった事も話さないといけねェしな」
木原「電話すりゃいいじゃん」
一方「携帯は俺が持ってンだよ」
絹旗「前はごたごたしてて結局返してなかったんですね」
一方「つーわけで出かけてくる」
絹旗「超ついていきます!」
禁書「怒っちゃったのかな?」
木原「お前に怒ったわけじゃねぇから安心しな」
禁書「そうなの?」
黒夜「あぁ、心配はいらねぇよ」
木原「っていうかよ、記憶がないってことは……身内もいねぇのか?」
禁書「うん…………」
木原「よし、決めた」
禁書「?」
木原「今日から俺のことはパパと呼べ!」キリッ
黒夜「出たよ…………」
禁書「え?パパ?お父さんのことだよね?」
木原「おう、家族がいねぇなら作っちまえばいいんだよ!コイツも含めて家族だ!」
禁書「え、でも」
黒夜「ひっはは、無駄無駄、何言っても無駄だよ、このおっさんには」
木原「一方通行の事も兄貴だと思って甘えな!」
黒夜「一つだけ注意な、絹旗ちゃんはブラコンを拗らせてるから。一方通行の事はお兄ちゃんとか呼ばないほうが無難だぜ」
禁書「おぉ……独占欲ってヤツだね!」
木原「ガキ二人は妹ってトコかぁ?」
黒夜「って何で人を妹にしてんだよ!姉だろ!」
木原「お前ガキだしなぁ……」
黒夜「んだとコラ!」
禁書「二人とも、やさしいんだね!本当にありがとね!」
黒夜「別に……」
木原「素直じゃねぇよなぁ」
学園都市某所
上条「いや、だからインデックスの居場所なんて知らないっすよ!」
神裂「嘘を言わないでください」
上条「嘘じゃないって!マジで知らないから!」
神裂「うーそ!嘘ついても無駄ですよ!ステイルがあなたの部屋の前で彼女を見てるんですよ!」
上条「ステイルって誰だよ!あの外人か!?」
神裂「いいから居場所を教えなさい!」
上条「不幸だぁああ!」
一方「随分楽しそうな事やってンじゃねェか、オィ」
神裂「…………ステイルが人払いのルーンを刻んでいたはずですが……」
絹旗「あの負け犬の超知り合いみたいですね」
上条「一方通行に絹旗!?」
一方「くっはっ!三下ァ、ボロボロじゃねェかァ……」
上条「あいつ……インデックスを狙ってるんだ!」
絹旗「またまじゅちゅしですか」
一方「…………………………」
上条「…………………………」
絹旗「…………………………」
神裂「……魔術師です」
ステイル「くっそぉ!せっかく刻んだルーンが水で滲んでる!?…………ラミネート加工でもするか……」
一方「で、その魔術師さンが何の用だよ」
上条(さすがお兄さん、話を逸らした……)
神裂「彼女を、保護したいのですが」
絹旗「保護?」
一方「はっ……保護だァ?どの口でほざきやがる……三下の傷をみりゃわかる……あのガキをヤったのはテメェだろ」
神裂「私だって!本当は彼女の背中を斬るつもりはなかった。あれは彼女の歩く教会の結界が生きていると思ったから……絶対傷つくはずがないから斬っただけ、なのに……」
神裂「私だって……好きでこんな事をしている訳ではありません」
神裂「けど、こうしないと彼女は生きていけないんです。……死んで、しまうんですよ」
神裂「私の所属する組織の名前は、あの子と同じ、イギリス教会の中にある…………必要悪の教会」
上条(この流れなら言えるっ!魔術師って本当にいたんだ……)
神裂「彼女は、私の同僚にして…………大切な親友、なんですよ」
神裂「完全記憶能力、という言葉に聞き覚えはありますか?」
一方「あァ、10万3000冊の正体、だろ」
神裂「……、あなた達には、彼女がどんな風に見えますか?」
上条「ただの、女の子だ」
神裂「ただの女の子が、一年間も私達の追撃から逃れ続ける事ができると思えますか?」
上条「……」
神裂「ステイルの炎に、私の七閃と唯閃、魔法名を名乗る魔術師達を相手に、あなたのように異能に頼る事なく、私のように魔術にすがる事なく、ただ自分の手と足だけで逃げる事が」
神裂「たった二人を相手にするだけで、これです。必要悪の教会という『組織』そのものを敵に回せば、私だって一ヶ月も保ちませんよ」
神裂「アレは、紛れもなく天才です、扱い方を間違えれば天災となるレベルの。教会が彼女をまともに扱わない理由は明白です。怖いんですよ、誰もが」
絹旗「それでも…………人間ですよ。道具なんかじゃないんです、そんな呼び名が……許されるはずないんですよ……ッ!」
神裂「そうですね…………その一方で、現在の彼女の性能は凡人とほぼ変わりません」
上条「……?」
神裂「彼女の脳の85%以上は、禁書目録の10万3000冊に埋め尽くされてしまっているんですよ。……残る15%をかろうじて動かしている状態でさえ、凡人とほぼ変わらないんです」
一方(日本語でおk)
上条「……だから、何だよ。アンタ達は何やってんだよ?必要悪の教会って、インデックスの所属してる教会なんだろ。何で必要悪の教会がインデックスを追い回してる?何でアンタ達はインデックスに魔術結社の悪い魔術師だなんて呼ばれてんだよ」
上条「……それとも何か。インデックスの方が俺を騙してたって言いたいのか、アンタ」
神裂「…………彼女は、ウソをついてはいませんよ」
神裂「何も、覚えていないんです」
神裂「私達が同じ必要悪の教会の人間だという事も、自分が追われている本当の理由も。覚えていないから、自分の中の知識から判断するしかなくなった。禁書目録を追う魔術師は、一〇万三〇〇〇冊を狙う魔術結社の人間だと思うのが妥当だ、と」
上条「待ってくれ。なんかおかしいだろ、インデックスには完金記憶能力があるんだろ?だったら何で忘れてんだ、そもそもアイツは何で記憶を失っちまってんだ?」
神裂「失ったのではありません…………正確には、私が消しました」
上条「……どうして…………どうして!アンタはインデックスの仲間だったんだろ!それはインデックスからの一方通行じゃねえ、アンタの顔見てりゃ分かるよ!アンタにしたってインデックスは大切な仲間なんだろ!だったら、どうして!?」
一方(呼ンだ?)
絹旗(超活字ネタですね…………)
神裂「…………そうしなければ、ならなかったからです」
上条「何で!?」
神裂「そうしなければ、インデックスが死んでしまうからですよ」
神裂「言ったでしょう、彼女の脳の85%は103000冊の記憶のために使われている、と」
神裂「ただでさえ、彼女は常人の15%しか脳を使えません。並みの人間と同じように『記憶』していけば、すぐに脳がパンクしてしまうんですよ」
上条「そ、んな…………だって、だって、おかしい。お前、だって、残る15%でも、俺達と同じだって……」
神裂「はい。ですが、彼女には私達とは違うモノがあります。完全記憶能力です……そもそも、完全記憶能力とは何ですか?」
上条「……一度見たモノを、絶対に忘れない、能力。だろ?」
神裂「では、『忘れる』という行動は、そんなに悪い事ですか?」
上条「………………」
神裂「人間の脳の容量は、意外に小さい。人間がそれでも100年も脳を動かしていられるのは、を忘れる事で脳を整理しているからです。あなただって、一週間前の晩ご飯なんて覚えていないでしょう?誰だって、知らない内に脳を整理させる。そうしなければ、生きていけないからです………………彼女には、それができない」
上条「…………………………」
神裂「街路樹の葉っぱの数から、ラッシュアワーで溢れる一人一人の顔、空から降ってくる雨粒の一滴一滴の形まで……『忘れる』事のできない彼女の頭は、そんなどうでも良い記憶であっという間に埋め尽くされる」
神裂「……元々、残る15%しか脳を使えない彼女にとって、それは致命的なんです。自分で『忘れる』事のできない彼女が生きていくには、誰かの力を借りて『忘れる』以外に道はないんです」
一方(…………………………………………え?)
上条「……、いつまで、だ?アイツの脳がパンクするまで、あとどれぐらい保つんだ?」
神裂「記憶の消去は、きっかり一年周期に行います……あと三日が限界です。早すぎても遅すぎても話になりません。ちょうどその時でなければ記憶を消す事はできないんです……あの子の方も、予兆となる、強烈な頭痛が現れていなければ良いのですが……分かって、いただけましたか?」
神裂「私達に、彼女を傷つける意思はありません。むしろ、私達でなければ彼女を救う事はできない。引き渡してくれませんか、私が魔法名を名乗る前に」
上条「……っ」
神裂「それに、記憶を消してしまえば彼女はあなたの事も覚えていませんよ。今の私達を射抜く日を見れば分かるでしょう? あなたがどれだけ彼女を|想《おも》った所で、目覚めた後の彼女には、あなたの事は『一〇万三〇〇〇冊を追う天敵』にしか映らないはずです」
上条「……っ」
神裂「そんな彼女を助けた所で、あなたにとって何の益にもなりませんよ」
上条「何だよそりゃ、ふざけんな!アイツが覚えてるか覚えてないかなんて関係あるか!いいか、分っかんねえようなら一つだけ教えてやる。俺はインデックスの仲間なんだ、今までもこれからもアイツの味方であり続けるって決めたんだ! テメェらお得意の聖書に書かれてなくたって、これだけは絶対なんだよ!!」
上条「なんか変だと思ったぜ、単にアイツが『忘れてる』だけなら、全部説明して誤解を解きゃ良いだけの話だろ? 何で誤解のままにしてんだよ、何で敵として追い回してんだよ! テメェら、なに勝手に見限ってんだよ! アイツの気持ちを何だと」
神裂「―――うるっせえんだよ、ド素人が!!」
神裂「知ったような口を利くな!私達が今までどんな気持ちであの子の記憶を奪っていったと思ってるんですか!?分かるんですか、あなたなんかに一体何が!あなたはステイルが一体どんな気持ちであの子とあなたを見てたと思ってるんですか!?一体どれほど苦しんで!どれほどの決意の下に敵を名乗っているのか!大切な仲間のために泥を被り続けるステイルの気持ちが、あなたなんかに分かるんですか!!」
上条「なっ」
一方「…………」
神裂「私達だって頑張ったよ、頑張ったんですよ!春を過ごし夏を過ごし秋を過ごし冬を過ごし!思い出を作って忘れないようにたった一つの約束をして日記や写真を胸に抱かせて!」
神裂「……、それでも、ダメだったんですよ」
神裂「日記を見ても、アルバムの写真を眺めても……あの子はね、ゴメンなさいって言うんですよ。それでも、一から思い出を作り直しても、何度繰り返しても、家族も、親友も、恋人も、無て……ゼロに還る」
神裂「私達は……もう耐えられません。これ以上、彼女の笑顔を見続けるなんて、不可能です」
絹旗「それだけ、ですか」
神裂「え」
絹旗「言いたいことはそれだけですかって聞いてンですよ」
一方「………………」
神裂「………………」
絹旗「さっきから黙って聞いてればグダグダグダグダクソつまンないことばっかり……」
神裂「なっ」
絹旗「結局、あの娘の記憶を消したのはテメェ等じゃないンですか」
神裂「そうですよ!彼女に生きていて欲しかったから!この手で…………彼女の記憶を消したんですよ」
絹旗「なァに悲劇のヒロイン気取っちゃってンですか、加害者の癖に」
神裂「っ!」
神裂「あなたに何がっ!何がわかるんですか!あんな彼女を見るくらいだったら……」
一方「最初から敵として憎まれたほうがマシだってのか?」
絹旗「超お可哀そォに……そンなのテメェらの勝手な都合じゃねェですか」
上条「インデックスの事なんざ一瞬も考えてねえじゃねえか!笑わせんじゃねえ、テメェの臆病のツケをインデックスに押し付けてんじゃねえぞ!!」
上条「一年の記憶を失うのが怖かったら、次の一年にもっと幸せな記憶を与えてやれば!記憶を失うのが怖くないぐらいの幸せが待ってるって分かっていれば、もう誰も逃げ出す必要なんざねえんだから!たったそれだけの事だろうが!!」
神裂「うるさい!うるさいうるさい!!」
絹旗「もし、私が同じ立場だったら……もっと考えますよ」
神裂「は?」
絹旗「どンな可能性でも、すがって、絶対に救って見せます」
神裂「何を言ってるんですか」
絹旗「たとえ自分を忘れられても、超大切ならそばにいますよ」
神裂「貴女はっ!知らないからそんな事が言える!」
絹旗「自分がどれほど辛くても、どンな理由を並べても、それであの娘が傷ついていい事になンかならねェンですよ!」
神裂「……っ……もうあなた方に何を言っても無駄みたいですね…………」
絹旗「………………ァ?」
神裂「この名前は名乗りたくありませんでしたが…………」スッ
絹旗「……被害者ぶってヒロイン気取るしか能のねェ超クソ野郎が、私に勝てるとでも思ってンですか」
神裂「私はまだ魔術名を名乗っていません」
絹旗「名乗れば良いンじゃないですか、その刀は飾りですかァ?」
一方「ガキ、落ち着け………………」
絹旗「…………でもっ……」
一方「……………………」ギュッ
絹旗「はい…………」
一方「神裂つったっけかァ?テメェに一つだけ教えてやる」
神裂「………………何ですか」
一方「確かに完全記憶能力はどンなゴミ記憶……去年のスーパーの特売チラシとか……も忘れる事はでねェ、だが別にそれで脳がパンクする事なンざ絶対に有り得ねェ。ソイツは一〇〇年の記憶を墓まで抱えて持ってくだけだ、人間の脳は元々140年分の記憶が可能だからな」
神裂「け、けど。ものすごい勢いでモノを覚えていたら?10万冊の魔術書を全部記憶したら、そうなったら脳はパンクしてしまうのでは」
一方「はァ……これだから脳筋は…………」
神裂「…………」
一方「いいですかァ、そもそも人の『記憶』とは一つだけじゃねェ。言葉や知識を司どる『意味記憶』、運動の慣れなンかを司る『手続記憶』、そして思い出を司る『エピソード記憶』ってな具合にな、色々あンだよ」
神裂「………………?」
一方「……はァ……つまりだ、それぞれの記憶は、容れ物が違う。燃えるゴミと燃えないゴミ、みてェなもンだ、例えば頭を打って記憶喪失になったって、ばぶばぶ言ってそこら辺をハイハイする訳じゃないンでちゅよォ?」
神裂「…………という事は……」
一方「あァ、どれだけ図書館の本を覚えて『意味記憶』を増やした所で、思い出を司る『エピソード記憶』が圧迫されるなンて事ァ、脳医学上絶対に有り得ねェ」
絹旗「さっきは熱くなってて気づきませんでしたが、冷静に考えればそうですよね」
一方「学園都市なら中学生でも分かることだ……外でも大学生くらいなら普通に知ってンじゃねェの?」
上条(知らなくてごめんなさい)
神裂「じゃぁ、私たちがやって来たことはなんだったんですか!」
一方「無駄だったンだよ」
神裂「そんな……教会にだまされてたんですか…………」
一方「おいおい、被害者ぶるなよ……ロクに調べもしねェでアイツの記憶を消したのはテメェらだろ?」
神裂「なんて……なんてことを……」
絹旗「それに、それがわかったところで貴女に何かできるんですか」
神裂「っそれでも!一年の周期で彼女は頭痛に悩まされて……」
一方「テメェらの話じゃアイツの頭ン中にはヤベェモンが詰ってンだろ…………野放しにするわけねェだろ」
神裂「まさか……」
一方「首輪付けられてたンだろ」
神裂「そんな…………」
上条「今はそんなことどうでもいいだろ!」
神裂「……!」
上条「インデックスを救えるかもしれないんだろ!?だったら……救ってやるしかねぇだろ!」
絹旗「…………まったく、超相変わらずですね」
一方「さっすがヒーロー……ってとこか」
上条「時間も少ないんだろ?行こうぜ!インデックスのところに!」
神裂「っ…………はい!」
ステイル「むぅ、神裂のヤツ遅いな…………」
つづく
一方「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!」
木原「おう、どうした…………ってどちらさん?」
上条「おじゃましまぁす」
神裂「失礼します」
黒夜「おいおい、だれだよこの二人」
絹旗「インデックスの超知り合いですよ」
黒夜「インデックスの?」
~説明中~
木原「はぁ~、そんなメンドくせぇことになってた訳か」
一方「あァ……で、ガキはどこだ」
木原「向こうで寝てる…………その頭痛ってヤツのせいかもな」
一方「チッ…………」
神裂「ところで…………仮にインデックスに何らかの魔術的な束縛がされていたとして……科学側の貴方達に打つ手はあるんですか」
一方「あァ……コイツだ」
上条「俺の右手……か」
一方「あのガキを救える可能性があるのはテメェだ」
上条「…………」
一方「俺たちの科学の知識じゃ何かがおかしいってのはわかっても…………対応まではできねェ」
神裂「お願いします…………彼女を、インデックスを助けてください!」
絹旗「私からもお願いします!」
神裂「貴女は……」
絹旗「アナタのためじゃありませんよ、インデックスのためです、友人として超当然ですけどね」
神裂「インデックスの…………友達でいてくれてるんですね」
絹旗「……別に…………」プイッ
黒夜(なんだあの女!絹旗ちゃんとちょっといい感じじゃね!?)
上条「っても……どうすんだ?」
一方「前に魔術師とヤった時だが……ルーンとかいうのがあった」
上条「ルーン?」
一方「あァ……まァそれをぶっ壊すと魔術が壊れるって仕組みだったンだが」
上条「インデックスにそれが刻まれていたら、俺の右手で触れば…………」
一方「あァ、ぶっ壊せるハズだ」
上条「よし、急ぐぞ!」
一方「あァ!」
神裂「って待ってください!」
一方「ンだよ!」
神裂「インデックスの服を脱がす気ですか?」
一方「別に変なことしねェよ!」
神裂「いやそれでも……」
一方「今は緊急事態だろォが」
神裂「しかしですね」
絹旗「っていうか、アナタが見ればいいじゃないですか」
神裂「………………それもそうですね」
一方「ですよねー」
~数分後~
神裂「どこにも……ありませんでしたよ」
絹旗「逆に、隠すとしたらどこにしますかね」
木原「滅多に人に見られず、それ以上に人に触れさせない部分………………だろうな」
一方(どこだ……どこに隠す………………まさか!)
上条「なぁ、もしかしてさ」
一方「テメェも気づいたか」
上条「あぁ、でも…………いいのかな、俺が触ることになっちゃうけど……」
黒夜「おいおい、このウニ頭は一体どこを想像しちゃってんですかぁ?」
上条「いや、だって条件に当てはまる場所といったら……アソコ位しか……」
神裂「緊急時でなければ斬っていましたね……」
一方「………………口だ……喉の奥を見てみろ」
神裂「あります!紋章が……刻まれています!」
上条「なら……っ!我慢してくれよ……インデックス!」スッ
上条「がっ…………!?」
一方「三下ァ!?」
禁書「―――警告、第三章第二節。Index-Librorum-Prohibitorum―――禁書目録の『首輪』第一から第三まで全結界の貫通を確認。再生準備……失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
一方「……そういやァ一つ聞いてなかったっけか……能力者でもないクソガキが、一体どうして魔力がないのかって理由」
禁書「『書庫』内の10万3000冊により、防壁に傷をつけた魔術の術式を逆算……失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術を組み上げます」
禁書「―――侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」
上条「うわっ!危ねぇ!右手で消せる魔法でよかった…………って消しきれない!なんだこの光の柱は!」
一方「消したそばから……新しいのが来てンだろォな」
上条「わぁお」
神裂「……ど、竜王の殺息って、そんな。そもそも何であの子が魔術なんて使えるんですか!」
上条「おいコイツが何だか知ってんのか!コイツの名前は?正体は!?弱点は!?俺はどうすれば良い、一つ残らず全部まとめて片っ端から説明しやがれ!!」
神裂「まさか……いや……でも…………」
上条「冷静になれよ、冷静に考えてみろ!禁書目録なんて残酷なシステム作りやがった連中が、テメェら下っ端に心優しく真実を全部話すとか思ってんのか!目の前にある現実を見ろ、何ならインデックス本人に聞いてみりゃ良いだろうが!!」
禁書「聖ジョージの聖域は侵入者に対して効果が見られません。他の術式へ切り替え、引き続き『首輪』保護のため侵入者の破壊を継続します」
一方「全部…………どっかのクソ野郎が仕組ンだ……クソみてェなシナリオだったって訳かよ」
上条「分かりやすくていいじゃねぇか!後はこの右手でインデックスに触れば…………ハッピーエンドだ!」
一方「なら…………オラァ!」ドンッ
神裂「なっ!?インデックスの立っていたベットが…………」
絹旗「光の柱が、逸れました!」
黒夜「すっげぇ威力だなマジで」
木原(天井が………………これ俺が弁償すんのかねぇ……)
一方「三下ァ!」
上条「分かってらぁ!」
地の文有りで詳しい描写を楽しみたい方は>>491へ
地の文とか読むのダルいという方は>>496へ
光の柱がぶつかる直前、上条は一方通行の叫び声を聞いた。
それはただの叫び声ではない、事前に打ち合わせをした訳ではない。けれど、何故かそれが示す意味がわかった、自分のすべき行動がわかった。
一方通行が床を踏む、能力を使用して強化した一撃。しかし床への衝撃は彼の能力によって音を引き裂くような速度でインデックスの元へと襲いかかる。
だが、それはインデックスの体を狙うものではない。
インデックスの足元―――質素なベットに襲い掛かる。突然に下から打ち上げられバランスを崩した彼女はそのまま後ろへ倒れ込む。インデックスの『眼球』と連動していた魔法陣が動き、上条を狙っていたはずの光の柱が大きく狙いを外す。
まるで巨大な剣を振り回すように、マンションの壁から天井までが一気に引き裂かれた。夜空に漂う漆黒の雲までもが引き裂かれる。……いや、ひょっとすると大気圏の外にある人工衛星まで引き裂かれたかもしれない。
引き裂かれた壁や天井は、塵すら残さない。
代わりに、破壊された部分が光の柱と同じく純白の光の羽となった。
はらはら、と。どんな効果があるかも分からない光の羽が何十枚と、夏の夜に冬の雪のように舞い散る。
「それは竜王の吐息!伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同義です!いかな力があるとはいえ、人の身でまともに取り合おうと考えないでください!」
神裂の言葉を聞きながら『光の柱』の束縛から逃れた上条は、床に倒れ込んだインデックスの元へ一気に走ろうとする。
だが、それより先にインデックスが首を巡らせた。
巨大な剣を振り回すように、夜空を引き裂いていた『光の柱』が再び振り下ろされる。
また、捕まる!
「もォ一回!ってなァ!」
光の柱がぶつかる直前、上条は一方通行の叫び声を聞いた。
一方通行が床を踏む、能力を使用して強化した一撃。しかし床への衝撃は彼の能力によって音を引き裂くような速度でインデックスの元へと襲いかかる。
だが、それはインデックスの体を狙うものではない。
インデックスの足元―――質素なベットに襲い掛かる。突然に下から打ち上げられバランスを崩した彼女はそのまま後ろへ倒れ込む。インデックスの『眼球』と連動していた魔法陣が動き、上条を狙っていたはずの光の柱が大きく狙いを外す。
まるで巨大な剣を振り回すように、マンションの壁から天井までが一気に引き裂かれた。
「さすがお兄ちゃん!ハメ技ってすごい!」
「―――警告、第六章第十三節。新たな敵兵を確認。戦闘思考を変更、戦場の検索を開始……完了。現状、最も難度の高い敵兵『一方通行』の破壊を最優先します」
光の柱ごとインデックスは首を振り回す。
光が一方通行に激突するか否かと言ったその時、この場にいないはずの人間の叫び声が響き渡る。
「――― Fortis931」
その漆黒の服の内側から、何万枚というカードが飛び出した。
炎のルーンを刻んだカードは台風のように渦を巻き、あっという聞に壁や天井や床を隙間なく埋めていく。
「魔女狩りの王!」
と、身構える一方通行の前で炎が渦を巻いた。
人のカタチを取る巨大な火炎は、両手を広げて真正面から『光の柱』の盾となる。
まるで、罪から人を守る十字架の意味そのままに。
「言い訳は聞かない、いけ!能力者!」
ヒーローは遅れてやってくる、そう我等が英雄ステイル=マグヌスが駆けつけてきたのだ!
例えインデックスの一大事にハブられていたとしても彼女にとってのヒーローはステイルしかいないのだ。
上条は無防備となったインデックスの元へと、一直線に走り寄る。
「ダメです――――――上!!」
全てを引き裂くような脳筋の叫び声。もう手を伸ばせばインデックスの顔の前にある魔法陣に触れられる、と思った矢先だった。上条は足を止めず、そのまま上を、天井を見る。
光の羽。
インデックスの『光の柱』が壁や天井を破壊した後に生まれた、何十枚もの光り輝く羽。まるで粉雪のようにゆっくりと舞い降りてきたそれが、今まさに上条の頭上へ降りかかろうとしていた。
魔術を知らない上条でも何となく分かる。それが、たった一枚でも触れてしまえば大変な事になる事ぐらい。
そして、何十枚もの羽は、やはり上条の右手を使えば簡単に打ち消す事ができる事も。
だが
「―――警告、第二二章第一節。炎の魔術の術式を逆算に成功しました。曲解した十字教の教義をルーンにより記述したものと判明。対十字教用の術式を組み込み中……第一式、第二式、第三式。命名、『神よ、何故私を見捨てたのですか』完全発動まで十二秒」
『光の柱』の色が純白から血のように赤い真紅へと変化していく。
イノケンテイウスの再生スピードがみるみる弱まっていき、『光の柱』へと押されていく。
何十枚もの光の羽を一枚一枚右手で撃ち落としていたら、おそらく時間がかかりすぎる。インデックスに体勢を立て直される恐れもあるし、何より負け犬の王がそれまで保たないと思う。
頭上には何十枚と舞う光の羽
足元にはたった一つの想いすら利用され、糸で操られる一人の少女。
どちらかを救えば、どちらかが倒れるという、たったそれだけのお話。
もちろん、答えなんて決まっていた。
この戦いの中、能力者達は自分の身を守るために右手を振るっていた訳ではない。
大衆の面前で全裸にしてしまった事への贖罪でもない。
ただ、たった一人の女の子を助けるために、魔術師と戦っていたのだから。
(この物語が、神様の作った奇跡の通りに動いてるってんなら―――――)
上条は握った拳の五本の指を思い切り開く。
まるで掌底でも浴びせるように、
「―――――まずは、その幻想をぶち殺す!!」
そして、決め台詞すら規制の対象にされてしまった不幸な少年は右手を振り下ろした。
そこにある黒い亀裂、さらにその先にある亀裂を生み出す魔法陣。
上条の右手が、それらをあっさりと引き裂いた。
本当、今まで何でこんなものに苦しめられていたのか笑いたくなるほどに。
「――――警、こく。最終……章。第、零――……。『首輪、』致命的な、破壊……再生、不可……消」
ブツン、とインデックスの口から全ての声が消えた。
光の柱も消え、魔法陣もなくなり、部屋中に走った亀裂が消しゴムで消すように消えていき、
その時、上条当麻の頭の上に、一枚の光の羽が舞い降りた。
上条はその瞬間、誰かの叫び声を聞いたような気がした。
それがステイルか、神裂か、あるいは超可愛い絹旗の声なのか、目を覚ました(かもしれない)インデックスの声だったのか、
それすらも上条には分からなかった。
「………………なンとか解析できたみてェだな……」
光の羽が上条に直撃するはずだった。
確かに当たるはずだった。
しかしそれまでとはまったく違う軌道を描き、消えていった。
誰にも触れることなく、何も壊すことなく。
まるで他者にベクトルを操作されたかの如く。
「凱旋だ、クソ野郎」
※>>491~>>495のあらすじ
一方通行のベクトル操作でベットがガタンゴトン
おいしいところでステイル登場
上条さんそげぶ
絹旗可愛い
光の羽は一方通行さんのベクトル操作が間に合いました
部屋が壊滅で木原くン涙目
木原家
木原「別にここで暮らしてもいいんだぜ」
禁書「ありがとう、でもね、とうまは体中がボロボロでしばらく寝たきりになっちゃうんだって」
黒夜「それで看病を買って出たわけか」
禁書「うん、私のせいだしね」
木原「おいおい、お前は悪くねぇってんだろ」
禁書「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……」
黒夜「まぁいいじゃねぇの、無事終わったんだろ」
木原「…………そうだな」
禁書「ありがとね、二人も」
木原「俺たちは何もしてねぇよ……」
黒夜(割と本気で何にもしてないな)
木原「ま、いつでも帰ってこいよ、たまには顔見せろや」
禁書「……っうん!」
上条家
神裂「本当にありがとうございました」
絹旗「やっぱりお兄ちゃんは最強ですね!超かっこよく救っちゃいましたよ」
上条「上条さんはしばらく動けない程度にボロボロですけどね……」
一方「だからこうして面倒見てやってンだろ…………」
神裂「一つだけ、聞いてもいいですか」
一方「あァ?」
神裂「なぜ貴方達は、彼女を救ってくれたんですか……」
上条「理由なんかねぇよ、目の前で助けを求めてるヤツがいたら助けるだろ、普通」
絹旗「それは超普通じゃないですよ……」
一方「あァ、お人好しにもほどがある」
上条「まさかの大否定!」
神裂「なら、貴方達は何故……」
絹旗「私は、インデックスの友達だからですよ」
神裂「友達…………」
絹旗「もう彼女の記憶を消させませんし、これからは超楽しい記憶ばっかりにするんですよ」
一方(第一位だが妹がいい子過ぎてヤバイ)
絹旗「今まで楽しめなかった分、忘れちゃった分、全部取り返すんです!」
上条「そうだな……」
神裂「本当に……何と言ったらいいか……」
ステイル(ステイルですが空気です)
上条「一方通行はどうなんだよ?」
一方「ァ?」
上条「お前だってかなり真剣だったじゃないか」
一方「はァ……これだから三下は…………いいかァ?」
上条「何かすっごいバカにされてる気がする」
一方「一流の兄貴ってのはなァ、妹の為なら何でも出来ンだよ」
おしり
後日談
一方「…………」ムスッ
黒夜「アイツは何であんな不機嫌そうにコーヒー飲んでるんだ?」
絹旗「そりゃぁコーヒー好きだからに決まってるじゃないですか……分かって下さいよそれくらい」
黒夜「いや、不機嫌そうな理由を知りたかった」
絹旗「あぁ、それなら最近超入り浸ってる神裂とマグヌスがお兄ちゃんのお気に入り映画のデータを消したからです」
木原「あーあ……あいつそういうのうるせぇからなぁ……」
絹旗「意外と幼い所ありますからね」
木原「そうだな、あ、ところで、俺の筋肉見る?」
絹旗「そういう超意味の分からないボケはやめたほうが…………」
木原「あぁ、言ってから失敗したなって思った」
黒夜「で、絹旗ちゃんは何やってる訳?」
絹旗「見てわかりませんか?」
木原「見ただけだとしかめっ面で珈琲飲んでるドMだな」
絹旗「ふぅ…………これだからダメオヤジなんて研究者の間で超有名になるんですよ」
木原「いや事実を言っただkって待って!?俺そんなので有名なの!?」
絹旗「これはブラックコーヒーを飲む訓練ですよ」
木原「え…………」
絹旗「お兄ちゃんが好きなものなのに苦手って超嫌じゃないですか」
黒夜「いや、味覚はしょうがないんじゃね」
絹旗「ダメです、超認められません………………が、この苦味はどうにも超慣れませんね」
木原「まぁ、まだ若いしな」
絹旗「でもお兄ちゃんと一緒がいいんですよ」
黒夜(あー、やっぱりこの子かわいいわぁ)
木原「そんなもんかねぇ」
絹旗「自分が飲めるからって……超余裕ですね」
木原「お前らみてぇなガキとは違ぇんですぅ」
黒夜「っていうか俺別にブラック飲めるし」
絹旗「え」
黒夜「えって……むしろ甘いものあんまり得意じゃねぇし」
絹旗「ズルイズルイ!なんですかそれ!超ズルイです!」
黒夜「いや、ズルイって意味分かんないから!」
絹旗「むぅ…………」
木原「ったく…………朝っぱらから喧嘩してんじゃねぇっての」
絹旗「お兄ちゃん!黒夜が超酷いんですよ」
一方「あァ?」
黒夜「いや違うんだよ絹旗ちゃんよぉ!」
一方「………………ったくゥ……おちおち考え事もさせてくれないンですかァ?」
木原「いいじゃねぇの、たまにはよぉ」
一方「たまにじゃねェだろ…………別に良いけどよォ」
木原「珈琲おかわり入れるけどいるか」
一方「ン」
黒夜「いる!」
絹旗「砂糖とミルク超マシマシでなら飲まないこともないですよ」
木原「へいへい、ガキども、大人しく待ってろよ」
おしり
幼い頃に提供したDNAマップ
完全なる善意で提供したはずのそれは
御坂美琴の想いとは異なる結果を生み出した
そして妹達の一人と出会う御坂
「アンタ……何者?」
「……ZXC741ASD852QWE963'とミサカはパスの確認を取ります」
彼女は妹達、そして絶対能力進化の実態を知ることになる
「……何よ……これ…………」
場所は学園都市にある飲食店
この店は特に変わった店ではなく、普通のチェーン店だが
御坂美琴はそこで因縁の相手を見つけることになる
被験者一方通行と中枢を担う妹達、そして彼女に実験の事を示唆した布束である
御坂「やっと見つけたわよ……あんた達!」
御坂妹「はい、珈琲です、とミサカはお二人に飲み物を提供します」
一方「おゥ」
布束「ありがとう」
御坂「って何でそんな仲良くしてんのよ!」
一方「あァ?別に仲良くねェし……」
御坂妹「全く、一方通行は素直じゃないですね……とミサカは仲良くないと言われた寂しさを紛らわせながら嘆息します」
布束「仲良くする事はいい事だと思うのだけれど……」
御坂「そうじゃなくて!絶対能力進化は!?わたし知ってるのよ!?なのに何で普通にファミレスで仲良くお喋りしてんの!?」
布束「私たちのほうが年上なんだけど……」
御坂「……絶対能力進化について何かご存知なら教えていただけないでしょうか……」
御坂妹「お皿でチョップとは……ミサカは見てるこっちが痛いです」
一方「あァ…………そンなのもあったな」
布束「何を言い出すかと思えば……rgrettable 計画を知ってしまったのね」
御坂「ってことはやっぱり!」
御坂妹「えぇ、その計画は実在しますよ……とミサカはお姉さまの情報収集能力の高さを認めます」
御坂「だったら……何でコイツと一緒にいるのよっ……コイツが!コイツが一方通行なんでしょ!?」
一方「コイツとか言うンじゃねェ、後指差すな」ビシッ
御坂「あぅっ」
御坂妹「見事なデコピンですね」
一方「学園都市最高の頭脳で計算しつくされたデコピンだ」
布束「すばらしいわね」
御坂「って人の話を聞きなさいよ!」
布束「敬語を……ってもうアナタには言ってもしょうがないみたいね」
一方「確かに俺が一方通行だ」
御坂「だったら……アンタがこの子達を殺してるんでしょ……?」
一方「はァ?」
布束「oh...」
御坂妹「ちょっと引いたわーと言いながらもミサカはお姉さまの物騒な発言のフォr……いややっぱ引きますね」
一方「あァ…………途中までの資料見て、先走ったってとこか」
御坂「え?途中までって?」
御坂妹「というよりも、この関係を見てそんな物騒な実験が行われてると思えるお姉さまはいささか……なんでもありませんとミサカは白を切ります」
御坂「え?」
布束「見てのとおり、私たちの関係は良好ね」
御坂「どうなってるのよぉ!?」
布束「この子達を傷つけるなんて、私が許すはずないじゃない bacause 大事な娘なんだから」
御坂妹「お母さん…………」
御坂「え、お母さんて?え?」
布束「あら……私が開発した洗脳装置が実験に関わっているのだけど……それは調べられなかったのかしら」
御坂「いやそれは知ってるけど……お母さんて」
布束「妹達は全て洗脳装置で基本的な脳内情報を入力しているわ」
御坂妹「つまりミサカの育ての親、お母さんであるとミサカは後に続きます」
布束「ねー」
御坂妹「ねー」
御坂「ねー、じゃないわよ!え、何そんなに平和なわけ!?」
御坂妹「だって実験は開始されてませんし……」
御坂「そうよなんで実験始まってないわけ!?」
御坂妹「まるで実験が始まって欲しそうな言い分ですね、とミサカは割りとショックを受けました」
御坂「ごめん、そういうわけじゃ……」
一方「凍結した理由はコイツラが嫌がったからだ」
御坂「は?」
一方「いや、だからコイツラが嫌がったから凍結したンだよ」
御坂「意味わかんないんだけど……」
布束「まず実験を開始する前に一方通行と妹達の一人で顔合わせをしたのよ」
布束「そして、一方通行は妹達に問いかけたの、こんな実験に付き合って死んでもいいのか、ってね」
一方「そンな事もあったかねェ」
御坂妹「そしてミサカは素直に嫌だと自分の感情を吐露しました」
布束「じゃぁ実験はやれないね、凍結だ!めでたしめでたし」
御坂「待てやごるぁあああああ!!」
一方「騒ぐな、他の客の迷惑になンだろ……」
御坂「あ、ごめん」
一方「ったく……」
御坂「じゃなくって!そんな簡単に実験ってやめられるものなの!?」
一方「俺を誰だと思ってやがる……」
御坂(第一位の力があれば実験をやめる位はできる……じゃぁコイツが言ってるのは全部本当?)
御坂妹「あ、これおいしいですよ、とミサカはお母さんにあーんを要求します」
布束「あーん」
御坂妹「どうでしょうか」
布束「おいしいわ、貴女がくれたものだから余計に」
御坂妹「それはよかったです」
御坂「今シリアスだったから!もうちょっとシリアスを持続させて!」
一方(言うほどシリアスでもねェだろ……)
御坂「…………はぁ」
布束「どうかしたかしら」
御坂「アンタ達見てたら真面目にやってんのがバカみたいに思えてきたわ」
一方「…………」
御坂「実験もしてないみたいだし……怒る事もないかなって」
御坂妹「その通りです、せっかくお姉様に会えたんですから仲良くしたいですとミサカは心中を晒します」
御坂「……もう……毒気なんて抜かれちゃったわね……」
御坂「それにしても……やっぱりそっくりよね」
御坂妹「そうですね、ミサカの体はお姉様を元にしていますから」
一方「こうして見るとまるで双子だなァ」
御坂「入れ替わったりしたらどっちがどっちかわかんなくなるわね」
布束「そうでもないわ」
御坂「え?」
布束「確かに貴女のDNAマップを元にしているから基本的な遺伝子構造は酷似しているわ」
布束「however この娘は室内研究所で育った為に紫外線の影響を殆ど受けていないの、だから肌はきめ細かく、色も白く美しいわ」
御坂「う……」
布束「更に、光化学スモッグの影響も受けていないし定期的に私がしっかりとトリートメントしてるから髪も痛みがなくサラッサラよ!」
御坂「ぐっ……」
布束「オリジナルも確かに優れた素材を持っているわ、butうちの娘と比較をすれば其の差は瞭然ね」キリッ
御坂「ぐぬぬ…………」
研究所
御坂妹「と言うことで今日はお姉様にも会っちゃいましたよ、とミサカは自慢気に報告します」
打ち止め「えー、ずるいずるい!私も会ってみたかったってミサカはミサカは異議申し立てを申請する!」
番外個体「もう、上位固体はうるさいなぁ……いいじゃん別にお姉様なんてまた会えるだろうし」
打ち止め「むぅ、番外個体はお母さんにしか興味がないから余裕でいられるんだよ、ってミサカはミサカは意地悪を言ってみる!」
番外個体「べ、別にミサカはお母さんに興味なんてないけど!?なぁに言っちゃってんのかなぁこのガキンチョは!」
打ち止め「ならなら、今日はミサカがお母さんと一緒に寝てもいいよね!ってミサカはミサカは大チャンス!」
番外個体「はぁ!?アンタは昨日寝たじゃん!」
打ち止め「でも番外個体は興味ないんでしょってミサカはミサカはニヤっとしてみる」
番外個体「た、確かにミサカは別に興味ないけどさぁ!!ないけどさぁ!」
布束「ほらほら、そこまでよ」
打ち止め「お母さんだぁ!ってミサカはミサカはジャンプ!」
布束「いい子にしてたかしら」
御坂妹「えぇ、もちろんです……お仕事はおしまいですか?」
布束「えぇ、まぁ大したことではないのだけど」
番外個体「全く、休みの日なのに仕事とかありえないよね」
布束「ふふ、そうね」
布束「待たせちゃったかしら……ご飯にしましょうか」
「「「はーい」」」
おしり
番外個体「ふわぁ…………ねむっ」
番外個体「でも今日はミサカが朝食当番だから起きないと……」
番外個体「よっしゃ!ふとんからでるぞ!」
番外個体「でるぞ!」
御坂妹「うるせーよさっさと出て下さいとミサカは口だけの番外個体を非難します」
番外個体「起きてたの!?」
御坂妹「あれだけ騒いでれば起きますよ」
番外個体「あはは、だって布団気持ち良いんだもん……」
御坂妹「早く朝食を作ってください、とミサカは聞く耳を持ちません」
番外個体「はいはい……起きますよっと」
番外個体「あー、今日は目玉焼きな気分」
番外個体「やっぱ塩コショウだよねー」
御坂妹「そろそろ準備できそうですね、とミサカはタイミングよく現れます」
番外個体「本当にタイミングいいね~、じゃぁ皆を起こして来るんだ」
御坂妹「やれやれ……もう少しゆっくりしてくるべきでした……と言いながらもミサカは部屋を出ます」
番外個体「よし、準備できた~」
御坂妹「よっしゃさっさと持ってきなさい、とミサカは空腹をアピールします」
打ち止め「ご飯ごは~ん」
布束「良い匂いね……」
打ち止め「目玉焼きだぁってミサカはミサカはしょうゆを求めてみたり!」
番外個体「やれやれ、塩コショウの良さがわからないなんてお子ちゃまだなぁ」
御坂妹「ふぅ、ソースの万能性を知らないんですか?とミサカは最も経験豊富な自分こそ至高だと主張します」
布束「喧嘩しないの、どれもおいしいわ」
打ち止め「たまには塩コショウもいいよね!ってミサカはミサカはパッパッパッ!」
番外個体「いやぁ、今日はソースをかけてみたいと思ってたんだ、借りるねぇ」
御坂妹「女は黙ってしょうゆ、とミサカは大和撫子らしく醤油をたらします」
布束「ふふ、いい子達ね」
天井「良い匂いさせやがってこんちきしょう!研究所で一家団欒するなよ!」
布束「おいしかったわよ」
打ち止め「食後の休憩中なのってミサカはミサカはお母さんにべったり!」
番外個体「ぐぬぬ……」
御坂妹「おや、悔しそうな顔してどうしたんですか、と言いながらもミサカは反対側の隣をゲットします」
天井「何だよこれここ研究所だぞリビングじゃねぇんだよ!」
布束「いいじゃない……仕事はしっかりとしているのだから」
天井「ぐぐ……」
天井「と言うわけでなんとかしてくれ」
一方「俺の頭脳を持ってしても意味がわからねェよ」
上条「っていうか何で俺まで……」
天井「この店の代金は私が支払う、好きなものを頼んでくれ」
上条「さぁ何でも仰って下さい」キリッ
一方「ただのファミレスだぞ…………」
上条「いいからいいから、あ、続きどうぞ」
天井「続きと言ってもな……何だ……私もあいつ等の輪に加わりたいと言うか……」
上条「加わればいいじゃないっすか」
天井「なんていうか向こうは家族って感じで……入りにくいんだよな」
上条「これから家族みたいになっていけばいいんじゃ?」
天井「っていうかさ、妹達を色々と助けたのは私なんだぞ!?最終信号や番外個体が製造中止にならなかったのも私が上訴したからで」
一方「あァ、なにィ、なンですかァ?その義理と人情に溢れたセリフ、もしかして恩返しとか期待しちゃってる訳ェ?」
天井「恩返しって訳ではないのだが…………こう……お父さん、って呼んで欲しいというか」
一方「うわキメェ」
天井「キモくない」
一方「いやキメェよ」
天井「お父さんはキモくない」
一方「お父さンじゃなくてテメェがキメェンだよ」
天井「………………マジ?」
一方「マジ」
天井「ヘコムわぁ」
一方「何で微妙に若者っぽく喋ンの、うぜェンだよ」
上条「若々しくていいじゃないか、ステーキとかマジで久しぶりで……うめぇ……」
天井「一方通行は兄貴的なポジションで妹のハートをがっしり掴んでる訳じゃないか」
一方「まァな」
天井「上条君は女の子全般のハートを掴んでる訳だ」
上条「いやそんな事ないっすよ、全然モテないんですよ」
天井「戯言は置いておいて……君達なら私がお父さんと慕われるためのいい案を出してくれるんじゃないかと思ってね」
一方「………………やっぱ頼れるところを見せるしかねェだろ」
上条「父親ってなンか頼れるもンなぁ」
一方(木原くンみたいになったら……………………コイツには無理だな)
天井「頼りになるところか……科学者としてはかなり頼りになると思うんだが……」
一方「伝わりにくいだろ」
上条「女の子にはやりにくい仕事を率先するとか」
天井「たとえば?」
上条「新しい家具の設置とか、電気の取替え、荷物もちとか?」
天井「妹達が分担して仲良くやってるからなぁ……他の人がやると怒るんだよ」
一方「マジで仲良いンだな……」
天井「マジで混ざりたい、仕事の合間に仲良くお喋りとかしてるのが羨ましい」
数時間後
天井「くそっ!まだ具体案が出ない」
一方「やっぱ地道にいくしかねェって……」
上条「パフェも案外良いもんだな、うまい」
御坂妹「こんなところにいたんですか、とミサカはようやく対象を見つけ安堵します」
天井「む?」
番外個体「ったく、迷惑かけないでよね~」
天井「どうしてここに?」
番外個体「ありゃりゃ、覚えてないみたいだよ……どうする?」
御坂妹「どうするもなにも……ミサカの任務は研究所まで運ぶことですので、とミサカは自身の意見を述べます」
番外個体「だよね~、ほら、お母さんと約束あったでしょ、早くいくよ」
天井「あ、やばい!忘れてた…………」
御坂妹「やはり忘れていたんですね…………もう老化ですか、とミサカはダメオヤジを罵ります」
天井「え?」
番外個体「ったく、迷惑かけないでよね、クソオヤジは……能無しなんだから、あはっぎゃはっ」
天井「あぁ、すぐに行くけど……オヤジって、え?」
番外個体「ほら、さっさといくよ、二人ともごめんね、コイツはちょっと用事があるからつれてっちゃうね~」
御坂妹「騒がしくして申し訳ありません、残念ですが今日のところはこれにて失礼します……とミサカは折角会えたのに悔しさを噛締めます」
一方「ンだよ……慕われてンじゃねェか」
上条「だな…………まぁアイツ等も素直になれないみたいだったけどな」
一方「違ェねェわ」
上条「ところで一方通行さん」
一方「あァ?」
上条「天井さんはお会計をせずに行っちゃったみたいなんですが……」
一方「そンな目で見ンな……俺が払うから」
上条「ありがとうございます!おごってもらえるからすっげぇ食ってたみたいで、財布の中全部出しても足らない金額になってた」
一方「食いすぎなのか財布の中身が少ないのか微妙にわかンねェわ」
おしり
最初の出会いは、大したことではなかった。
いつものスーパーでよく顔を会わせる相手。
特に特売の日に会う事が多かった。
ただ、普通の学生にしては買うものが安かろうものばかりだな、と少しだけ印象に残ってた。
あと、スーパーの近くで卵を落としてたりするのを割とよく見かけた。
そんな時に決まって『不幸だ』なんて言ってるのをよく覚えている。
そいつが、目の前で
「はぁ……不幸だ…………」
なんて言いながら路地裏に向かっていた。
一方(独り言が多いヤツだな……路地裏で何しようってンだ…………)
一方(あァ…………スキルアウトが……誰かに絡ンで………………)
一方「……ちっ…………おい、テメェ」
上条「え、上条さんでせうか?」
一方「テメェの名前なンざ知らねェけどよ」
上条「あ、そうですよね」
一方「テメェ、もしかしてあのクズ共ンとこに行く気か?」
上条「え、あぁ」
一方「やめとけやめとけ、他人事だろうが」
上条「………………いや、行くよ」
一方「あァ?」
上条「例え他人事でも、あんな小さい女の子が絡まれてるんだ……助けるべきだろ!」
一方「ふゥン…………」
上条(やっべぇ……こんな怖そうな人に啖呵切っちゃった!やっべつい…………怒ったかな……)
一方「お人好しなンですねェ」
上条「別にそういうわけじゃないさ、俺がやりたいからやるだけだ」
一方「でもま……今回は必要ねェよ」
上条「え?」
一方「俺達結構無駄話をしてたが……」
上条「あ、そうだ!あの娘は…………」
スキルアウト達「」チーン
絹旗「全く…………超愚か者でしたね……」
上条「あれ……スキルアウトがもう全滅してらっしゃる」
一方「だから言ったろ、必要ねェって」
上条「あの子の事知ってたんでせうか?」
一方「まァな」
上条「なるほどね……でも、知り合いなら助けたほうが良かったんじゃ……いや実力的に不要だったのは分かったけどさ」
一方「ガキ扱いされるの嫌がンだよ」
上条「あー、難しい年頃ってヤツだな、俺の知り合いにもいるよ……」
一方「多感な時期だからな……」
絹旗「あれ、お兄ちゃんじゃないですか、超奇遇ですね」
一方「おゥ」
上条「ってまさかの兄妹!?」
絹旗「どちら様でしょうか」
一方「ただの三下だ」
上条「上条ですぅ!」
絹旗「三下さんですね、超了解しました」
上条「了解しないで!」
上条「しかし妹さん、強いんだなぁ」
絹旗「まぁ、レベル4ですからね、スキルアウト風情には超負けませんよ」
上条「すげぇなぁ、それじゃぁ助けなんていらないわけだ」
一方「もっと褒めていいぞ」
上条(結構嬉しそうだな、意外とシスコン!?)
絹旗「でも、お兄ちゃんの方が超強いんですよ」
上条「え、だって妹さんレベル4だろ?」
絹旗「お兄ちゃんはレベル5です」
上条「マジかよ、すっげぇなぁ」
一方「別に…………」
上条(自分の時は全然嬉しそうじゃないのね)
一方「つーかたまにスーパーで会うよな」
上条「そういえば……目立ってますよね」
一方「目立ってるかァ?」
上条「はい、見た目やらオーラやら威圧感やらで……」
絹旗「超初耳ですね」
一方「あァ、気が付かなかった」
上条「マジか、結構目立ってたんだぞ……」
数日後
一方「おィ三下ァ……」
上条「あァ、俺も確認したよ……」
一方「明日の特売は……はずせねェなァ」
上条「あァ、学校が終わったら即効でダッシュ、そして奪取だ」
一方「くはは!卵がお一人様2パック限定で15円!いいねェいいねェさいっこうだねェ!」
上条「だが惜しむらくは1000円以上の会計限定だな……何を買うか迷うぜ、無駄な物を買うと元の木阿弥だしな」
一方「なら、ウチの会計品をいくかテメェに回すかァ?」
上条「いいのか?」
一方「あァ、知らねェ仲じゃねェしな」
上条「悪いな……一方通行」
一方「構わねェよ」
翌日
上条「くっそぉ……こんな日に先生にお説教を食らうとは……」
上条「くそ……不幸過ぎるぜ……一方通行になんて言ったらいいんだ!」
上条「つーか喋りながらの全力疾走はキツイものがあるな…………」
上条「時間的に特売には間に合わないよなぁ…………」
上条「くっそぉ!卵料理いっぱい考えたりレシピ見たのになぁ!」
上条「普通の安売り品でなんとかするしか…………ってあれは!」
一方「よォ、遅かったなァ……」
上条「これは……卵!?俺の分まで……」
絹旗「私が持ってましたから、マナー違反ではありませんよ」
上条「もう特売品なんか残ってないのに……他の人はレジを終えて帰ってるのに……それでも、待っていてくれたのか?」
一方「絶対来るって……信じてたンだ…………テメェは……絶対来るってよ」
上条「ありがとう、信じてくれて……でも、遅くなってごめんな、お前は……俺の本当の友達だ!」
上条「俺はお前の友情を……無駄にはしない!」ダッ
一方「行って来い!戦友!」
そして、上条当麻はレジを済ませるっ!
上条「二人とも、ありがとう、二人のおかげで卵が買えたよ」
一方「たいしたことじゃねェよ」
絹旗「そうですね、別にお礼を言われるほどのことでも」
上条「いや、礼をさせてくれ、今日はこの卵でフルコースを作るよ!」
一方「良いのか、貴重な栄養だろォが」
上条「良いんだ、お前等に、何かお礼をしたいんだ、させてくれ!」
絹旗「なら、超お言葉に甘えますよ」
一方「期待してるからな、三下ァ」
上条「おう、腕によりをかけて作るぜ」
おしり
581 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/05/30 22:38:47.61 L9D5/TBoo 336/336以上で本日の投下を終了します
見てくださった方ありがとうございます
ちなみに
「特売は戦場だァ、俺が負けるハズねェだろォが!」
って感じで一方さんは特売に拘ってます