1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 00:52:56.29 DVDbuCu/0 1/45

<ニートの家>

ニート「七つの大罪……?」

天使「はい、あなたは七人のうちの一人に選ばれたのです」

ニート「ふうん……」

ニート「七つの大罪っていったら、あれだろ……?」

ニート「『このマンガがすごい!』で五位になった漫画だよな?」

天使「漫画の話ではありません」

ニート「もちろん、毎週読んでるよ」

ニート「ネットで無料ダウンロードしてね」ニッ

天使(クズ野郎が……)

元スレ
ニート「七つの大罪……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1389887576/

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 00:57:25.85 DVDbuCu/0 2/45

ニート「七つの大罪っていったら──」

ニート「怠惰、傲慢、嫉妬、色欲、強欲、憤怒、暴食、だっけ?」

天使「はい」

天使(よく知ってたな……。どうせ、漫画やアニメで得た知識だろうが)

ニート「で、俺はどれなわけ?」

天使「“怠惰”です」

ニート「あ~、やっぱり」ニヤニヤ…

天使(やっぱり、じゃねえよ)

ニート「なにしろ、生まれて二十数年、一銭も稼いでないからね」

ニート「つうか、家のことすらやってないし」

ニート「もちろん、これからも記録更新するつもりだ」

天使「…………」

天使「まぁ、それはともかく、話を続けます」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:00:37.94 DVDbuCu/0 3/45

天使「実は……今、人間界で八人の“能力者”が悪事を働いているのです」

ニート「能力者?」

天使「彼らはいずれも、自分に敗れた人間の魂を奪い取る能力を持っています」

ニート「ふうん」

天使「こんなことができるのは、魔界に巣食う悪魔しか考えられません」

天使「黒幕である悪魔は、能力者に魂を奪わせることで」

天使「それを糧として力をつけ、人間界や天界を支配しようと企んでいるのです!」

ニート「へぇ~」

天使(もう少し、真剣に反応しろよな……)

天使「八人の能力者は、それぞれAからHまでの文字を持つ能力を持っています」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:03:14.81 DVDbuCu/0 4/45

── B BLADE(刃)

ザシュッ!

警官「ぐはァ……!」ズォォ…

剣士「吾輩に斬られた者は……この刃に魂を吸い取られるのだ」



── C COOKING(料理)

美食家「く、悔しいが……うまいっ! ──うっ!?」

ズォォォォォ……

料理人「ワタシの料理に感銘を受けたら、魂はワタシのモノさァ!」



── D DISCUSSION(議論)

インテリ「もう反論できないようですね……では魂をいただきましょう」

評論家「うっ、うわぁぁぁっ!」ズォォ…

インテリ「フフフ、だいぶ魂が溜まりましたね」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:06:21.00 DVDbuCu/0 5/45

── E ENDURANCE(忍耐)

坊主「この我慢比べ、おぬしの負けじゃ」

修行僧「うぐわぁぁぁっ!」ズォォ…



── F FLASH(光)

ズォォォォ……

占い師「私の光を浴びてしまったら……魂が抜け出てしまうのよ」



── G GAME(ゲーム)

棋士「ま、参った……!」

ゲーマー「ボクの勝ちだね、魂はいただくよ」



── H HELL(地獄)

霊能力者「さあ、亡者たちよ。魂を奪ってしまいなさい! ホ~ッホッホッホ!」

亡者「ウオォォォォン……」

12 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:09:43.85 DVDbuCu/0 6/45

天使「──と、このような能力者です」

天使「しかも彼らを倒すには、彼らのルールに従った上で彼らを超えねばなりません」

天使「従わねば、たとえ核ミサイルでも彼らを倒すことはできないのです」

ニート「へぇ……。あ、ところで、“A”の能力者は?」

天使「表舞台に出てきていないので、まだ分かっていません」

天使「おそらく彼ら七人を倒すと、出てくると思われます」

天使「もしかすると、“A”の能力者こそが悪魔なのかもしれませんが……」

ニート「なんだよそれ……ちゃんと働けよな」

天使「(ぐっ……!)す、すみません」

ニート「てかさ、そもそもなんでお前がこいつらを何とかしないわけ?」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:15:27.44 DVDbuCu/0 7/45

天使「それは……天界の神様や我々天使は、人間に干渉できないからです」

天使「ですから、こうやって見込みのある人間に啓示をして」

天使「八人の能力者を倒してもらうしかない、というわけです」

ニート「ふうん……。で、選ばれたのが、俺を含めた“七つの大罪”ってわけか」

天使「はい」

天使「今頃、他の天使もあなた以外の六人に啓示をしているハズです」

ニート「ハァ~……」

天使「(ため息……)たしかに急にこんな話をされても、困るでしょうが──」

ニート「いや、そうじゃなくてさ」

ニート「七つの大罪もそうだけど、能力者とか、魂抜き取るとか、ありきたりじゃん」

ニート「ありきたりなだけならいいけど、展開も唐突だし……色々と強引だし……」

ニート「もし、これがアニメだったら、一話で切るね」

天使(できることなら、今すぐお前を切り裂きたいよ)

17 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:17:15.15 DVDbuCu/0 8/45

ニート「ところで、ちゃんと見返りはあるんだよな?」

天使「はい」

天使「この紙に、あなたの願いを書いて下さい」スッ…

天使「そうすれば、八人の能力者打倒後にどんな願いも叶えられます」

ニート「絶対?」

天使「はい、あなた自身が権利を放棄しない限り、絶対です」

ニート「マジで? よっしゃ、じゃあ──」カリカリ…



『一切働かず、幸せに天寿をまっとうできるようにして欲しい』



天使(なんつう願いだ……。さすが、“怠惰”なだけのことはある)

天使「では……あなたを天界までお連れします。行きますよ!」

ビュオッ!

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:20:30.69 DVDbuCu/0 9/45

<天界>

ニート「ここが天界か……ふうん」

天使「人間がここに足を踏み入れるなど、めったにないことですよ」

ニート「俺の場合、部屋を出ることすらめったにないしな」

ニート「最近じゃ、トイレもペットボトルで済ませるようになったし」

天使「…………」

天使(そのうち呼吸するのもめんどくさいとかいって、死ぬんじゃないかコイツ)

天使「あの建物が、神様がいらっしゃる神殿です」

天使「さ、どうぞ!」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:23:54.75 DVDbuCu/0 10/45

<神殿>

「我が神殿へようこそ……」

「悪魔が生み出した“能力者”に対抗しうる力を持つ」

「“七つの大罪”たちよ……」



“怠惰” ニート

“傲慢” ブラック社長

“強欲” セレブ

“嫉妬” ヤンデレ女

“憤怒” DQN

“色欲” ビッチ

“暴食” デブ



天使(この七人が……“七つの大罪”か……)ゴクッ…

天使(さすがに七人が七人とも、いやぁ~な空気を放ってるな……)

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:27:24.01 DVDbuCu/0 11/45

「君たちに“能力者”を倒してもらわねば、人類に未来はない……」

「どうか──」



ニート「めんどくせえ……」

ブラック社長「なにが神だ! 神様はお客様だ! 身を粉にしてサービスしろ!」

セレブ「神殿というわりには、ずいぶん質素で貧相ですのねぇ~」

ヤンデレ女「フゥ~……フゥ~……」

DQN「なに偉そうにしてやがんだ! クソジジイ!」

ビッチ「神様とかァ~、チョ~ウケるんだけどォ~」

デブ「腹減ったぁ~」



「…………」ピクピクッ

25 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:30:35.84 DVDbuCu/0 12/45

「大切な話をしておるのだ! マジメに話を聞かんかァ!」



ニート「うるせえな……」

ブラック社長「何様のつもりだ! 会社で一番偉いのはこの俺だぞ!」

セレブ「あらやだ、お下品ですこと」

ヤンデレ女「フゥ~……フゥ~……」

DQN「あァ!? うざってえんだよ! 今すぐケンカすっか、コラァ!?」

ビッチ「え、なんでいきなりキレてんの? アハハ、ウケる~!」

デブ「腹減ったぁ~」



「ぐぬぅ……なんなんだこいつらは……!」

天使「我慢ですよ、神様。なにしろ、“七つの大罪”なんですから」

27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:33:42.53 DVDbuCu/0 13/45

「すでに天使から話は聞いているだろうが……」

「君たちの使命は、八人の能力者を倒すことだ」

「しかし、八人目の能力者の正体はまだ分かっていない」

「ゆえに、まずは配下である七人の能力者を倒してもらうことになる」

「“B”から“H”までの能力者を倒せば──」

「きっと“A”の能力者が姿をあらわすだろうからな」

「というわけで、さっそく各々の対戦相手を選んでもらう!」

「そして、選んだ相手のもとに、このワシがワープさせてやろう」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:37:33.22 DVDbuCu/0 14/45

ブラック社長「俺は、この苦労を知らなさそうな奴にしよう」

セレブ「では、わたくしはこの方にしますわ」

ヤンデレ女「ウフフッ、ワイルドでかっこいい彼にする……!」

DQN「お、コイツいけ好かねえツラしてんな。コイツにしとくかァ!」

ビッチ「この人でいっかな」

デブ「オレはもちろんこの人にするよぉ!」

ニート「…………」

「どうした、ニート」

ニート「やっぱり……行かなきゃダメ? なんか、めんどくさくなってきて……」

「天界まで来ておいて、なにをいってるんだ!」

天使(さすが“怠惰”……とことん動きたくないらしい)

「他の六人はもう対戦相手を選んだから……お前は残る一人の相手だ!」

「とっとと行けっ!」

バビューン!

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:39:21.61 DVDbuCu/0 15/45

天使「全員……飛んでいきましたね」

天使「どうでしょうか……神様」

天使「“七つの大罪”は“能力者”たちに勝てるでしょうか?」

「なんともいえぬ」

「しかし、並みの人間では能力者には到底及ばぬし……」

「彼らが勝てなければ、人類も天界も、未曾有の危機を迎えることになろう」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:45:22.40 DVDbuCu/0 16/45

ヤンデレ女「うっふっふ……一目惚れしちゃったの」

剣士「吾輩になにか用か」



デブ「腹減ったぁ~」

料理人「むむ、ワタシの料理を食べにきたのかい?」



DQN「このヤロウ、ブッ倒してやるよォ!」

インテリ「やれやれ、私と勝負するつもりですか?」



坊主「なるほど、おぬしがワシの相手というわけじゃな」

ニート「だるい……」

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:48:01.31 DVDbuCu/0 17/45

占い師「なによあなた?」

セレブ「庶民に、真の光というものを教えてあげなくてはね」



ブラック社長「こんな茶番……とっとと終わらせてやる。俺は忙しいんだ」

ゲーマー「フフフ、ボクに勝てるかな?」



霊能力者「ホ~ッホッホッホッホ! さあ始めるわよ!」

ビッチ「やだ~、超キモイんだけど」



七つの大罪 VS 能力者 バトル開始!

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:53:13.28 DVDbuCu/0 18/45

剣士「女性を手にかけるのは本意ではないが……覚悟!」ギュアッ

ガキンッ!

剣士「む!? 我が剣を受け止めただと!?」

ヤンデレ女「ウフフ……愛してるわ」ギラッ

剣士(包丁!? この女、包丁を常備しているとは……料理好きか)

ヤンデレ女「だからこそ……動けないようにしてたっぷり愛してあげる!」

剣士「ふむ……我が“刃”の獲物に相応しい」



デブ「ご飯、ご飯~!」チンチン

料理人「ずいぶん、せっかちなお客さんだなァ!」

料理人「じゃあ……さっそく“料理”を作ってあげよう!」

デブ「早く、早く~!」

料理人(これが君の最後の食事になるとも知らずにねェ……)ニヤ…

44 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 01:57:02.19 DVDbuCu/0 19/45

DQN「かかってこいや、オラァッ!」

インテリ「おっと、“議論”でなくば、私にダメージを与えられませんよ」

インテリ「ところで、議題はどうしましょうか?」

DQN「ギダイだァ!? んじゃ、タバコだ、オラァ!?」

インテリ「よろしい……では、喫煙を本格的に規制するか否かで議論しましょう」

インテリ「私が喫煙規制派、あなたは喫煙容認派で、よろしいですね?」

DQN「来いやァ!!!」



ニート「なんだここ? なにもない空間だ……」

坊主「ここはワシが作り出した異空間である」

坊主「勝負がつくまでこの空間からは出られず、ワシとおぬしは互いに干渉できん」

坊主「この“忍耐”力の勝負……先に声を出した方が負けだ」

ニート「分かった、それでいいや」

坊主「では……勝負開始!」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:00:36.97 DVDbuCu/0 20/45

占い師「私の水晶から放たれる光に耐えきれば、あなたの勝利」

占い師「あなたが少しでもまぶしいと感じてしまえば、私の勝利よ。いいわね?」

セレブ「よろしくてよ」



ゲーマー「このボードゲームで勝負しよう! 駒を動かし合って戦争するんだ!」

ブラック社長「ボードゲーム……? ようするに、チェスのようなものか」

ゲーマー「そのとおり! ただし──」

ゲーマー「このゲームの駒は、本当に生きているんだよ」ニヤッ

ブラック社長「ほう……」



霊能力者「さあ、地獄から亡者が集まってきたわよ~!」ウォォォン…

霊能力者「あなたの魂も奪い取って、地獄の亡者にしてあげるわ~!」ウォォォン…

ビッチ「キャハハ、地獄だってぇ~!? 超ウケるんだけどぉ~!」

52 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:04:27.71 DVDbuCu/0 21/45

天使「…………」ゴクッ…

天使「いよいよ始まりましたね……」

「うむ……」

天使「相手のルールに従わなきゃならないというのは不利ですが……」

天使「“七つの大罪”ならきっと勝ってくれるハズです……!」

「…………」

天使「どうしました?」

「できれば、共倒れが理想だ……」

天使「もちろん、私も本音はそうです」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:09:01.96 DVDbuCu/0 22/45

“強欲”セレブ VS “F”占い師

占い師「さあ、いくわよ」

占い師「この水晶玉からあふれ出る、閃光を受けてごらんなさい!」

ピカァァァ……!

占い師(決まったわ……)

占い師「やはり占い通り、この勝負は私の勝ち──」

セレブ「あ~ら、この程度ですの?」

占い師「!?」

占い師「な、なんで!? なんで私の光が通じないのよ!」

セレブ「オホホ、決まっているでしょう」

セレブ「ご覧あそばせ! わたくしの服を!」バサッ

占い師「!?」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:12:36.21 DVDbuCu/0 23/45

キラキラキラキラキラ……

占い師「な、なにこれ……」

占い師(上着を脱いだら……全身にダイヤやルビーをはじめとした宝石が……)

占い師(これじゃ光が乱反射して、威力が弱まってしまう!)

セレブ「この太陽のような輝きに比べれば」キラキラ…

セレブ「アナタの光なんて、月の光も同然ですことよ」キラキラ…

占い師「くっ……!」

セレブ「しかも、この時価数百億円の宝石たちを使えば──」

セレブ「あなたが放った光を、まとめてお返しすることも可能ですのよぉ~」

占い師「な、なんですって!?」

セレブ「光を集積して……お返しいたしますわ!」ピカッ

バシュゥッ!

ズガァァァンッ!!!

占い師「あ、あがが……」プスプス…

“傲慢”セレブ ○ ─ × “F”占い師

60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:16:30.95 DVDbuCu/0 24/45

“暴食”デブ VS “C”料理人

料理人「お待たせェ!」

デブ「うん、うまい!」ガツガツ…

デブ「おかわりィ~!」

料理人(よく食う奴だ……しかも早い! たった五分で二十人前は食べている……)

料理人(しかし、なぜだ……?)

料理人(ワタシの料理に感銘を受けた者は、魂を奪われるはずなのに……)

料理人(なんで、コイツの魂は奪えないんだァ!?)

デブ「うん、うまい!」ガツガツ…

デブ「おかわりィ~!」

料理人「……ちょ、ちょっと待て!」

デブ「なに~?」

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:19:49.47 DVDbuCu/0 25/45

料理人「なぜだ! なぜ魂を奪われない!?」

料理人「キミは、ワタシの料理がおいしくないのかァ!?」

デブ「えぇ~、おいしいよぉ」ゲップ…

デブ「でも、オレの場合、ある程度の味なら何でもおいしく食べられるからね」

デブ「レトルト食品も、あなたの料理も、みぃ~んな美味しい!」

料理人「!」ガーン

料理人(レトルトと……ワタシの料理が……同レベル!?)ピシッ…

料理人(ワタシの……料理人としてのプライドが……崩れていくゥ……)ピシピシ…

パリィンッ!

ドサッ……

デブ「あれ、倒れちゃった! どうしたんだろう?」

デブ「ま、いっか。キッチンにある食べ物、全部食べちゃお~っと」

“暴食”デブ ○ ─ × “C”料理人

67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:23:31.03 DVDbuCu/0 26/45

“嫉妬”ヤンデレ女 VS “B”剣士

キィンッ! ガキンッ! キンッ!

ヤンデレ女「ウフフ……やるじゃない……。私が見込んだ通りの男性だわ……」

剣士「吾輩と互角とは……なぜお前、ここまでの剣の腕が!?」

ヤンデレ女「あれは大変だったわぁ……」

剣士「?」

ヤンデレ女「剣道の有段者だった彼が、もう別れようっていった時は……」

ヤンデレ女「常に木刀を持っている彼を包丁で刺すため、猛特訓したもの……」

ヤンデレ女「死闘の末、脇腹を刺して病院送りにすることに成功したわ……」

剣士(こ、こいつ……)

剣士(剣道経験者を刺すためだけに、これほどの腕に!? どんな執念だ!?)

剣士(イ、イカれている……!)

剣士「お前はイカれている! お前などになびく男がいるものか!」

ヤンデレ女「!」ピクッ

69 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:26:26.26 DVDbuCu/0 27/45

ヤンデレ女「なんですって……?」

ヤンデレ女「なんですってえええええええええええ!!?」

ヤンデレ女「許さない……許さないィィィィィッ!」

ヤンデレ女「きえええええええええええええッッッ!!!」

ギュオッ!

剣士(消えた!? ──ど、どこにっ!?)

ドスッ……!

剣士(背中……!)グラッ…

剣士「む、無念……」ドサッ…

ヤンデレ女「あなたがいけないのよ……」フゥフゥ…

ヤンデレ女「あなたが浮気なんてするから……!」フゥフゥ…

“嫉妬”ヤンデレ女 ○ ─ × “B”剣士

72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:30:36.50 DVDbuCu/0 28/45

“色欲”ビッチ VS “H”霊能力者

霊能力者「オ~ッホッホッホ!」

ウォォォン……

霊能力者「霊感のないあなたにも、この地獄の亡者のうめき声が、聞こえるでしょう?」

ウォォォン……

霊能力者「今すぐ、あなたも地獄に──」

ビッチ「えぇ~? よくわかんなぁ~い?」

霊能力者「は?」

ビッチ「ジゴクとかモージャとかいわれても」

ビッチ「アタシ、生きてる男にしかキョーミないしぃ~」

ビッチ「もち、イケメンで金持ってるヤツ限定ね」

霊能力者(な、なんなの……この娘……)

霊能力者「!」ハッ

74 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:33:25.35 DVDbuCu/0 29/45

オォォ……

霊能力者(聞こえる……)

ウォォォォ……

霊能力者(この娘に弄ばれ、捨てられた、哀れな男たちのうめき声!)

ウオオォォォ……

霊能力者(私の能力が“地獄”なら、この娘の力はまさに“生き地獄”!)

ウウオォォォォォォォ……!

霊能力者(イヤ、やめて! 聞きたくない!)

ウオオオォォォォォォォォン……!!!

霊能力者「イヤァァァァァッ!!!」

ドサッ……

ビッチ「アハハッ、よく分からないけど勝っちゃった」

“色欲”ビッチ ○ ─ × “H”霊能力者

76 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:36:43.81 DVDbuCu/0 30/45

天使「す、すごい……すごいですよ!」

天使「あの手強い能力者たちを、すでに四人も倒しました!」

「うむ……予想以上の強さだ」

「これならば、きっと残る三人も勝ってくれることであろう」

天使「はいっ!」

「ところで、今のうちにあの七人の願いを確認しておきたい」

「七人が書いた“願い”を見せてくれるか」

天使「かしこまりました!」

78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:39:34.27 DVDbuCu/0 31/45

“怠惰” ニート
『一切働かず、幸せに天寿をまっとうできるようにして欲しい』

“傲慢” ブラック社長
『経営者は社員をどのように扱ってもよい世界にして欲しい』

“強欲” セレブ
『100兆円欲しい』

“嫉妬” ヤンデレ女
『私の恋路をジャマした人間は惨死するようにして欲しい』

“憤怒” DQN
『いくら人を傷つけても、罪に問われないようにして欲しい』

“色欲” ビッチ
『イケメンとお金持ち以外の男は消えて欲しい』

“暴食” デブ
『世界中の食べ物を自分のものにしたい』



(なんだこりゃ……)

82 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:41:43.54 DVDbuCu/0 32/45

「なんだこれは!?」

「もし、この七つの願いが全て成就してしまったら──」

「世界はとんでもないことになる!」

「はっきりいって、悪魔に支配された方がまだマシかもしれん!」

天使「し、しかし……もう取り消すことはできませんよ!」

天使「彼らがこの戦いに勝利してしまったら」

天使「これらの願いは叶ってしまうのです!」

「なんてことだ……!」

「くそっ……残り三人、誰でもいいから負けてくれ! 頼むっ!」

84 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:45:01.78 DVDbuCu/0 33/45

“傲慢”ブラック社長 VS “G”ゲーマー

ゲーマー(このボードゲームは駒が本当に生きている)

ゲーマー(だから……駒がやられると悲痛な叫び声をあげて、死ぬ……)

   \ ギャー /   \ タスケテー /   \ オカーサーン /

ゲーマー(プレイヤーは罪悪感から、たとえ最善手であっても)

ゲーマー(駒を犠牲にするような手を打てなくなり、ボクに敗れていった……)

ゲーマー(一流のチェスプレイヤーや棋士でさえ、そうだった……)

ゲーマー(なのに……)

ゲーマー(目の前のこの男は、平然とゲームをプレイし続けている!)

ゲーマー(ボクでさえためらうような手を、眉一つ動かさず選んでくる!)パチッ

   \ ウゲェー /

ブラック社長「また一人死んだか。役立たずが」パチッ

ゲーマー(なんでだ!?)

88 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:48:35.48 DVDbuCu/0 34/45

ゲーマー「おかしいよ、アンタ!」

ゲーマー「駒は生きているっていっただろう!?」

ゲーマー「なんでそんな残酷な手を打てるんだよ! それでも人間か!?」

ブラック社長「なにをいっている」

ブラック社長「駒が主人のために死ぬのは当然だろう」

ブラック社長「社員が社長のために過労死するのは当然なように、な」

ゲーマー「!」ガーン

   \ ウギャッ /   \ ギエー /   \ ムネン… /

   \ グフッ /   \ シニタクナーイ /   \ ヒデブッ /

   \ グエエエッ /   \ ヒイッ /   \ イヤダー /

ブラック社長「俺の勝ちだな」

ゲーマー「負け……ました……」ガクッ

“傲慢”ブラック社長 ○ ─ × “G”ゲーマー

91 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:52:21.60 DVDbuCu/0 35/45

“憤怒”DQN VS “D”インテリ

インテリ「──以上が、タバコによって当事者及び周囲の人間に想定される害だ」

インテリ「よって、喫煙は規制されるべきである」

DQN「ハァ~!?」

DQN「意味わかんねーんだけど、意味わかんねーんだけど!?」

インテリ「だから……」

DQN「だから、じゃねえよ!」バンッ

インテリ「机を叩くな!」

インテリ「議論する気があるのかい!? 君は!?」

DQN「してんじゃねえかよォ~!? あぁ~~~~~ん!!?」

92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:55:22.54 DVDbuCu/0 36/45

インテリ「一度話を戻そう……」

DQN「何を戻すんだよ!」

DQN「ハァ?」

DQN「ハァ~!?」

DQN「ハァ~~~~~!!?」

DQN「お? お? お? やんのか、コラ! あ? あ? あ?」

インテリ「叫んでちゃ議論にならない。一度落ちついて……」

DQN「ざっけんなよ! 落ちついてんだろうがよッ!!!」

インテリ(もういやだ……)

インテリ(これ以上、こいつと話したくない……関わりたくない……)

インテリ(アメーバを相手に議論する方が、よっぽど有意義だ……)ドサッ…

DQN「あ!? ブッ倒れやがった!」

“憤怒”DQN ○ ─ × “D”インテリ

96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 02:59:22.92 DVDbuCu/0 37/45

“怠惰”ニート VS “E”坊主

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主(こんな軟弱そうな男が、なぜこうも“喋らない”ということに耐えられる!?)

ニート(いやぁ~喋らずにいるだけの勝負なんて、楽でいいや)

ニート(そういや、あの天使と会話するまで、俺二年間ぐらい喋ってなかったもんな)

ニート(このまま、ゴロゴロしながら妄想してよっと)

坊主(うぬぬ……)

98 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:01:33.48 DVDbuCu/0 38/45

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主「…………」

ニート「…………」ゴロゴロ…

坊主「…………」プルプル…

坊主「なんかしゃべらんかァ!」

ニート(うるせぇな、妄想がいいとこだったのに)

坊主「!」ハッ

坊主「うおおおおおお……ワシの負けぇ……」ドサッ…

ニート(お、勝った)

“怠惰”ニート ○ ─ × “E”坊主

99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:06:33.97 DVDbuCu/0 39/45

??『ほう……』

??『あの七人では歯が立たなかったか……神め、生きのいい人間を集めたようだな』

??『ならば、次は私が相手だ!』

??『七人全員、私の城に招待してやろう!』パチンッ



ニート「ん?」シュンッ

ブラック社長「なんだこの声は」シュンッ

セレブ「あら?」シュンッ

ヤンデレ女「なによ」シュンッ

DQN「あぁ!?」シュンッ

ビッチ「え、なんなの~?」シュンッ

デブ「腹減ったぁ~」シュンッ

105 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:13:10.09 DVDbuCu/0 40/45

天使「神様」

天使「敗れた七人の能力者及び、奪われていた魂は全て回収いたしました」

天使「能力者は力と記憶を消してから人間界に戻し、魂は元の肉体に戻します」

天使「このぐらいの干渉であれば、我々でも可能ですから」

「うむ、ご苦労」

天使「それと……“七つの大罪”全員が……人間界から消えました」

天使「おそらく、黒幕によって呼び出されたのでしょうね」

天使「つまり、いよいよ最後の戦いというわけです」

「…………」

「“七つの大罪”が負けてくれ……! 頼むっ……!」

天使「もう、我々でも彼らの戦いを見ることはできません」

天使「彼らが負けてくれることをここで祈りましょう……」

天使(まぁ……無理だろうけど……)

107 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:16:34.29 DVDbuCu/0 41/45

<悪魔城>

悪魔「よくぞ来た! 私こそが、八人目の能力者にして黒幕……悪魔だ!」

ニート「あぁ、お前が“A”か。すっかり忘れてた」

ブラック社長「悪魔だと? 下らん」

セレブ「あらいやだ、さっきの神殿以上に貧相なご自宅ですこと」

ヤンデレ女「ブサイクね、私の好みじゃないわ……」フゥフゥ…

DQN「悪魔だかなんだか知らねえが、とっととブッ殺してやるよォ!」

ビッチ「えぇ~!? なにここ、どこよぉ~!? 超ウケるんだけどォ~!」

デブ「腹減ったぁ~」

悪魔「数の上で有利ということで、粋がっているのだろうが……」

悪魔「私の“A”の能力があれば、貴様らなどいくらいても恐れはしない!」

悪魔「貴様らを倒し、再び能力者を作り、人間界と天界を征服してやる!」

悪魔「私の能力は──」

108 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:20:40.93 DVDbuCu/0 42/45

── A ANTITHESIS(正反対)

悪魔「神に逆らう者に相応しい、あらゆる力を正反対にする能力!」

ニート「なんか聞いたことあるような能力だなぁ……期待ハズレだよ」

悪魔「ほざけ!」

悪魔「私にかかれば、勇敢なる者をどうしようもない臆病者にすることも容易い!」

悪魔「貴様らがあの七人を倒した力を、今すぐ逆転してくれるわ!」ババッ



ズアッ!!!



シュゥゥゥゥゥ……

悪魔「フフフ、これで貴様らは無能なただの人間に過ぎん!」

悪魔「……む、なんだこれは!?」

111 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:24:42.83 DVDbuCu/0 43/45

働き者「ようし、人々のために働くぞぉっ!」キリッ

若社長「我が社の社員の安全のため、この俺が悪魔を倒してみせる!」キリッ

主婦「とっととアナタを倒して、家に帰って晩ご飯作らないと!」キリッ

サッパリ女「失恋は恋愛につきもの! たっぷり泣いてスッキリしましょ!」キリッ

若者「よっしゃ、青春するぞ!」キリッ

大和撫子「私なんかでお役に立てますでしょうか……」シトッ

スマート「体が軽いや……」キリッ



悪魔(え!? 同一人物のハズなのに、雰囲気がガラリと変わった!?)

悪魔(むしろ……さっきよりパワーアップしてないか!? なんで!?)

働き者「みんな、いくぞぉっ!」ダッ

六人「オオオォ~ッ!」ドドドッ

悪魔「わぁっ!? ま、待て──」

ズドゴォォォォォンッ!!!

“七つの大罪” ○ ─ × “A”悪魔

116 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:29:17.49 DVDbuCu/0 44/45

<神殿>

(八人目を倒し、“七つの大罪”が戻ってきたが──)

(みんな雰囲気が変わっている……なにがあったのだ?)

「よくやった。ところで、お前たちの願いなのだが──」

働き者「それについてなのですが、この七人で相談しました。辞退します」

「え?」

働き者「俺は一生懸命働いて、自力で願いを叶えてみせます」

若社長「気に入った! ぜひ我が社に入ってくれ!」

主婦「主人は資産家だけど、それに頼らず節約しなくっちゃね」

サッパリ女「いっぱい恋しよっと! 包丁でお料理も頑張ろう!」

若者「勉強に恋にスポーツに……自分を高めるぞ!」

大和撫子「これからはおしとやかに生きていきます……」

スマート「食事は少食に限るね!」

(なにがあったんだ!? ……まぁ、いいけど)

天使(価値観が変わっちゃうぐらいの、よほどすごい死闘だったんだろうなぁ……)

120 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2014/01/17(金) 03:34:27.12 DVDbuCu/0 45/45

働き者「よぉ~し、バリバリ働くぞ!」

若社長「これからは社員のために尽くす社長になる!」

主婦「こんな宝石はさっさと売り払って、家計の足しにしなくちゃ」

サッパリ女「ねえ、私と付き合ってくれない?」

若者「いいぜ!」

大和撫子「おほほ……茶道や華道でも習おうかしら」

スマート「あぁ~、体が軽いっていいなぁ~」ピョンピョン



(頑張れ、人間たちよ……!)



この後、元“七つの大罪”が人間界で大いに活躍したことはいうまでもない──





                                     <完>

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