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≪あらすじ≫
「童貞くん、君の肉親を私ぁどんどんおみまいしてくぞぉ。実家か? それとも共和国か? スポンジが腐らないうちにいくぞ私ぁ」
元スレ
女騎士「ありがたく思え。絶滅タイムだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387555249/
女騎士「貴様は私にとって大変迷惑な存在なのだ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389631243/
妹「んちゃーwwwwwwwwwww」
司教「コンチャーwwwwwwwwwwwwwいつもフランクアナタのお傍の正教会でございまーすwwwwww」
ティタニア「考え直してはくれないのかしらぁ……ケツに火が点いたどころか、このままじゃあちこち飛び火してしまうわぁ」
ジークリューネ「何も、あなた方に反旗を翻すと言っているわけではございません。ただ……ちょっぴり協力を自粛したいと申しているのです」
トール「女どもがくたばった件についても、依然として不明瞭だしなぁー。何かね? そんなに我々北部神族が疎ましいかね」
将軍丙「なにもそんな事は……!」
ジークリューネ「教皇領……そこの坊主達とも、拝火を筆頭に最近は懇ろになっていると聞きますわ。
その博愛を少しはこちらに分けて頂きたいくらいでございます。羨ましい限りです」
司教「(空気わりいwwwwwwwwwwwwww)」
妹「(仲間割れとかダッサwwwwwwwwwざっこwwwwwwwwwwwww)」
トール「アジ=ダハーカとかいう女との追いかけっこもいいがなぁー、腐れ縁の親父殿の顔を立ててやってもいいんじゃあねーのか?
魔王「……」
ティタニア「あの女が大陸の毒の源である事は、再三にわたって警戒して来た筈。氏族内で足踏みをしている場合では……」
ジークリューネ「それで……今すぐに反連合感情を片づけろと?」
将軍丙「西帝領復興には止むを得ない事……それに、怨恨をこのまま引きずっていくおつもり!?」
ジークリューネ「私怨とあなた方は常々仰いますが……実に不愉快です。
さすが、自ら一神教に改宗して清廉潔白を謳う拝火神族の皆々様は清い御心の持ち主ですね」
トール「6年前ならいざ知らず、何だね今のこのざまは。あっちこっちに尻尾を振って、今や連合に教皇領の使い走りじゃねえか」
ジークリューネ「無論、ダダをこねるつもりではありませんが……我々も共同体も逼迫しております。
東方からの圧迫は未だ変わらず、先の災厄で受けた被害も少なくはない。それは当然、散々虐めつくされてきましたもので」
司教「(知るかばーかwwwwwwwwおめえらなんか悪魔も同然だカスwwwwww)」
妹「(争いは同じレベルの者同士でしか発生しないwwwwwwwwwwwwwwww)」
トール「慈善と共和じゃあハラは膨れねえんだよお。
極東の僻地なんか見てみろ、周りは修好条約だとかで連日カツアゲされてるなあ」
ジークリューネ「東西が割れている最中、連合と隣接としている我らがどっちつかずでいるわけにはいきません……
もっとも、東に着くのはごめんだというのが我々の総意。これ以上癒着を強めるのなら……」
魔王「……わかった。苦労を掛けたな」
トール「……」
魔王「認めるよ、主要リネージに要らぬ負担を強いていた事は」
ティタニア「ちょ……ちょっと……?」
ハデス「……さすがに、そこまでいやがる相手に同意を強いる事はできんしなぁー」
トール「珍しく物わかりがいいじゃねぇか。意見を汲んでくれて助かる」
魔王「今の我々の意向を強制するつもりはないし、あなた達の考えを黙殺するつもりもない。これだけは信じてほしい」
将軍丙「……」
魔王「こちらで預かっている人材もお返しする。それでいいかな?
行ってもらうのは、引き続きの啓蒙活動だけで構わない」
ジークリューネ「保守を切り捨てると分かった途端、言動が素早くなりますのね」
魔王「切って捨てる気などない。来たるべき時を迎えれば、再び我らと同じ鞘に戻ってもらいたい」
司教「(私ら嫌われすぎィwwwwwwwwwwwwwwww)」
妹「(魔王軍これダメですわwwwwwwwwwwwww)」
妹「あー愉快ですわ愉快ですわ!! 流れが私の側にキテますわ!! 新年は私の時代ですわこれ!!」
ウルスラグナ「今日はスキップのキレも良いようで」
妹「いやぁ、もう連合の勝ちは確定したようなもんでしょーがwwwwwwww雷帝閣下ばんじゃいっばんじゃいばんじゃい!!」
ウルスラグナ「全ては西欧会議での結果次第ではありますが……バルムンクの確保に加え、魔王軍への対応を違わねば心証も更に良くなりましょう」
妹「すべてのカギは聖剣使いにかかっている……つまぁーり、この私の存在は大陸にとってヒッジョーに大きなものという事ですわねぇー!!」
ウルスラグナ「左様で」
妹「……ったくぅ、勇者のガキもマヌケですわねぇ。小姉様なんかにデュランダル盗られちゃうなんて」
ウルスラグナ「アジ=ダハーカには聖滅……ロンギヌスの加護があるとの事ですが」
妹「まさか正面切って殴り合ったわけでもないでしょ? 案外、あの勇者……小姉様と繋がっているとも考えられましてよお?」
ウルスラグナ「はあ」
妹「昨日はそのネタでテキトーに言いふらしてきましたけれどもぉ……こりゃこりゃビックリ、ガリアの勇者はなかなか人望があるんですのね、
魔王様のお気に入りって事で、思ったように浸透しませんの。デュランダルを明け渡したクソタレって事で、荒れてると言えば荒れてるんですがねぇ」
ウルスラグナ「また貴女はある事ない事を……」
妹「聖剣のマスターらしからぬ振る舞いが目立ちますからぁ……北部神族の言う通り、魔族のケガレに毒されているんですのねぇ」
ウルスラグナ「……」
妹「ここは聖剣の持ち主としてぇ……クズの小姉様の手先に成り下がった小物のクソ勇者に、この私が天誅をくだしてやるべきだと思うんですのぉ」
戦士「ん、あんたは……確か、帝国の……」
妹「ごっきげんようこんにちわぁー。お見舞いに来てやりましたわぁ、この私が!」
賢者「(ウザッ)」
戦士「(ウザい)」
僧侶「……」
妹「何でもしぶとく……いえいえ、幸運にも一命を取り留めたとか。輪切りにされたと聞いておりますのに、何よりですわぁ」
僧侶「び、病室……あちらですので」
妹「あらぁ、どうもぉ」
妹「……どうしましたあ? みなさん、こわいお顔しないでくださいまし」
戦士「……」
妹「私、何かしましたあ?」
賢者「……」
妹「何か私に言いたい事でもありましてぇ?」
僧侶「……」
妹「……おい、おいおいおいおい。鬱陶しいですわねえ、無罪の他人をブタ箱にぶちこんだカスどものくせに生意気ですわ」
戦士「別に、アンタに手を出す気はないですよ。ないですが……」
賢者「一応、勇者くんも若いとはいえ重役なの。それなりに警戒する必要があるんですよね」
妹「はあ? 私を疑ってますのお? ブッ殺しますわよ? 聖剣をみすみすくれてやった裏切り者に慈悲をくれてやろうと言ってるんですのよ?」
戦士「(このカス……!!)」
妹「あーあ……もう、もういいですわよもう。めんどくさい、あんたがたも勇者とおんなじ変態体質なんですってね?
キモチわる……ジンガイのくっさいくっさい吐息を肺に吸い込みながら会話してやってる私の身になってくださいましよ、ねーえ」
僧侶「……ふっ、二人とも……退がっ……!」
妹「コッロースwwwwwwwwwwwwコッロースwwwwwwwwwwwwwwうははははは、魔物は消毒ですわぁwwwwwwwwwww」
戦士「ちゅぴ」
賢者「はぼ」
妹「ははははは、雑魚雑魚雑魚! みーんな雑魚!! うはははは、聖剣に敵う訳ねぇーだろぉーがよぉー!!」
僧侶「(う、そ……こ、ここ、この人が……聖剣を持ってる……? なんで……嘘でしょ……!?)」
妹「おらぁ!! ははは、無様ですわぁ!! ツラ構えはそこまで悪くない野郎ですけれどもぉ、
か弱いか弱い美少女の私を相手に真っ向からのケンカで負けてたらぁ、白兵として生きてる価値ありませんわよぉー?」
戦士「」
妹「いやーつれえですわぁー、つれえですわぁー!! 秘められた力を持って生きるのはつれえですわぁー!!」
賢者「」
妹「ヘーイ魔術師さぁーん、お得意の手品を見せてくださいましよぉー!!
そうやってお腹からウンコやらモツやらぶちまけるのが手品なんですかぁー? もしもしもしもしぃー?」
僧侶「ひ……ひやあああああああああぅ、ひゃああああああぅ」
妹「ははは、逃げやがりましたわ!! 勇者サマサマを見捨てて!! 逃げッ返りやがりましたわあ!! あはははは!!」
僧侶「たしゅっ、たしゅけてええええ!! いやああああっ、いやっ!!」
妹「んはぁぁぁぁ、は、は、は、排卵するぅぅぅぅぅ……ははは、ドンドンドンガチャガチャ!! 勇者すわぁぁーん、三女でぇーーす!!
あーけーてーwwwwwwwwwwwwドンドンドンwwwwwwwwwwwあーけーろーよーwwwwwwww」
妹「お見舞いでぇーす、勇者サマぁぁ、ごきげんよぉぉぉ!」
ウルスラグナ「失礼いたしますぅ……」
勇者「……」
妹「あらー、まだお休みでいらっしゃいますわねぇー!! 殺しの現行犯でパクられたのに、いいご身分ですこと!!」
勇者「……」
妹「(聖剣使いはぁ……聖人ってのはぁ、私一人で十分ですのよお。聖剣がそうホイホイ扱えてたまるものですか!
私が慣らした道を、雷帝閣下が歩んでいくのですわあ……小姉様も何もかも、バルムンクを持った閣下に敵うはずがない……!!)」
ウルスラグナ「(……)」
妹「(そぉ、そおですわ!! とりあえず、私は連合や雷帝閣下のおこぼれで優雅に暮らせればいいのです!!
その為には……私と同じポストになり得るような聖剣使いは……一人ずつ処理していくほかありませんわ……!!)」
ウルスラグナ「(……)」
妹「(う、ううう……手指の傷が疼きますわあ……グズグズグズグズ疼きますわあ……んはぁぁぁぁ……閣下ァ、閣下ァ、閣下ァ、
雷帝閣下ァァ……よくもやりやがってぇぇ……ひゃ、ひゃひゃ、百倍返しだぁぁ……指だけじゃない、腿から二の腕から叩き斬ってやるう……)」
ウルスラグナ「……」
妹「……死ぃねッ、くそ勇者サマッ!! 勇者は、大陸の勇者はこの私一人で十分なのですわぁぁぁ!!」
728 : 以下、2013年にかわりまして2... - 2014/01/05 21:17:33.76 i2P6uvY8o 8/29何 を し た
729 : 以下、2013年にかわりまして2... - 2014/01/05 21:17:56.36 nIA/2y1V0 9/29よく見ろ爆発にじゃねぇw
顔だwwwww
妹「おっ、お、お、オギャアアアアア」
ウルスラグナ「マスター……マスター!?」
妹「痛っ、痛っ、痛ったあああああッ、う、う、うおおおおおっ!! 何、何、何なんだよォォォ!!」
ウルスラグナ「お、お気を確かにお持ちください……」
妹「あぎぎぎぃぃぃ、ああああうぅぅぅぅっ……何、何しやがったぁぁぁぁ、クソ勇者ぁぁぁぁ、うおお痛ぇぇぇぇ!!」
ウルスラグナ「(この残光……受動術……罠……?)」
妹「ちっ、ちぎじょう……ぢぎしょうがぁ……誰だぁ、さっきの逃げた女かあ……? 誰だあ、タダじゃあおかねぇぞお!! 」
金長狸「かかった……地雷にかかった! あいつ、帝国のヤな女! 何で勇者さんを狙って……」
おかっぱ「ともあれ、成功だ……ネキリの指向発動……! ぶち当ててやったぜ」
金長狸「あ、あああ、大丈夫? 頭、起きてるう?」
おかっぱ「……根斬太刀が媒介でなくとも、聖剣使いにダメージは与えられる……早々と収穫が得られたな……!」
妹「おぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」
金長狸「(剣を取り落としたっ……勇者さんとこのお仲間まとめて始末できるほどの名剣……、あれが恐らく聖剣のうちの一本!)
おかっぱ「この……裏切り者がよぉー……トチ狂ったか、どういうつもりかわからんが……!!」
妹「なっ、何っ、何なんだァァ、おいッ、おいナマクラ、返事しろお!! おいっ、わた、私を、私を助けろお!!」
金長狸「う、うう、動かないでえ! 撃ちます、撃っちゃいますよ! ほんとに撃ちますよお!」
おかっぱ「……」
妹「ネッ、ネキリにも耐えうるとかっ……言ってたじゃあねーかぁッ!! マスターの私がピンチなんだぞッ、おいぃぃ!!」
金長狸「……ね、ね、ね、ほんとに……立ってられる?」
おかっぱ「頭が重い……身体が熱い、だるい、しんどい……が、引っ込んでもいられまいよ……!」
妹「ウルス……ウルスなんちゃらぁぁ……せ、聖剣なんだろぉがッ……!!」
おかっぱ「……おい、売奴。タダで済むと思うなよ」
妹「は、はぁ……!? テメェ、何様のつもりだぁぁー!? このあたしを誰だと思ってやがるッ、いいから、いいから医者を呼べェェ―ッ!!」
おかっぱ「こいつ……」
妹「由緒正しき貴族のこのあたしによぉー、白目が真っ黒で瞳がキンキンなデカ女の知り合いなんかいねェーんだよッ、きめぇから消えやがれッ!!」
おかっぱ「」
金長狸「(そういえば鏡見せてなかったかー、そりゃフリーズしますわー)」
おかっぱ「わけのわからん世迷言は十八番のようだな……クズめ……!!」
妹「わけわかんねぇーのはテメェらの方なんだよぉー、魔物の分際でよぉー……!! 何しやがった、この野郎がぁぁぁ!!」
おかっぱ「私にすれば……貴様ら一族の方が、よっぽど悪魔に見えるがな……!!」
金長狸「(両方悪魔に見えますねぇー)」
おかっぱ「……金長、確保しろ。口さえ利ければもはや構わん」
金長狸「は、はあい……」
妹「くっ、くく、来るなッ、来るんじゃあねえッ……あ、あたしだって銃くらい持ってるんだッ、
勇者の奴が人質ってのは……い、依然として変わってねぇーんだぞッ!!」
おかっぱ「やってみろ、ゲスめ……!! お前を代わりの勇者に使ってやるから構わん……五体満足でいられるかはわからんがな」
妹「くひぃ……」
金長狸「……」
おかっぱ「ゴミムシやノミ程度の脳ミソくらいしかなくても……想像できるだろうが……ただでは殺さんぞ」
妹「……い、ひ、ひゃだなぁー……ち、ち、ちぎゃうんですよぉ、こりゃ、こりゃあねえ……わ、わたくひが」
おかっぱ「撃て」
金長狸「ひゃあ」パンッ
妹「ぎゃっ!!」
金長狸「えっ、えええッ!?」
おかっぱ「なに……!」
金長狸「に、逃げたあ……マドから……こ、ここ城塞の4階ですよお……!!」
おかっぱ「鴉と木っ葉を向かわせろ……!! 足首から先を叩き斬れ、手段を選ばせるな……!!」
金長狸「は、はぃぃ!!」
おかっぱ「……しかし、窓から逃げるか? そこまで頭が膿んでいたというのか……? 聖剣を放って……」
クシャスラー「何て事を……判断力と教養は、人生という旅路で培われてゆくものなのです。どう他人を貶すのはおやめなさい」
金長狸「ひ……? ど、どど、どなた様……」
おかっぱ「……」
クシャスラー「はじめまして、極東から遥々ご苦労さまでございます。歓迎いたしますわ」
おかっぱ「……アンタが……天使か……? 見てたんだったら助けなよ、魔王軍と懇ろの関係なんだろ?」
クシャスラー「我らは特定の陣営への肩入れなどいたしません。
この大地に生きとし生ける全ての生命、その尊き信仰に等しく加護を与えるのが我らの使命」
おかっぱ「……」
クシャスラー「すべては天にまします我らが主の為に……これから共に祈りましょう、極東の人……
では、失礼いたしますね……彼女、放ってはおけませんので……」
金長狸「あ、ちょ、ちょっとお……ちょ、ちょちょちょちょっと!! あ、貴女も窓からダイブ……なんですね、逞しいですね」
おかっぱ「……」
妹「」
クシャスラー「あらー……もしもし、もしもし。おはようございまぁす」
おっちゃん「うおぉ……!! ネーちゃんどっから……!!」
にいちゃん「まずいぜ兄ィ……こんな所見られたら……」
クシャスラー「あら、あらあら……起っきしてくださいね、起っき起っき」
妹「」
クシャスラー「あら、あらあら。お取込み中……おふた方の方が起っき起っきしてますねぇ」
おっちゃん「お、おい……アンタ、何してんだよォ」
にいちゃん「もぉ動かねェよ、見りゃわかんだろ。死んでんだからしょっぴかれるイワレはねぇ。消えねえとおめえもブッ殺すぞ」
妹「」
クシャスラー「まあ……いけません。子種を砂漠に撒くような事は、褒められたことではありませんね……」
にいちゃん「てめぇ……ネクロフィリアの権利を侵害する気かァ!?」
おっちゃん「おっちゃんの嗜好をバカにしないでおくれ!! こんな美女が空から落ちて来るなんて思わなくてだね!」
クシャスラー「ふむ……一方的に責めるのもフェアじゃありませんね。仕方ありません、少し待ちましょう。早くしてくださいましね」
にいちゃん「おい兄ィ!! 速ェとこ頼むぜ、冷えちまったらもったいねぇからな!!」
おっちゃん「うーむ、帝国では遅漏で知られたオレがそんな敏速にできるものかなあ」
妹「」
妹「ごっ、あっ、え゛ぇッ……ごぇっ……!!」
ウルスラグナ「こんにちはぁ、おはようございますぅ……」
妹「えげゃぁぁ……痛……痛……寒……ひぃ……」
ウルスラグナ「この場合は、おかえりなさいの方が正しいでしょうか……」
妹「がらだじゅう……いたい……いたい……ちぐしょ…・・・・」
ウルスラグナ「しかし……失敗してしまいましたねえ、これからどういたしましょうか。
これでは連合にも戻れませんしねぇ……」
妹「あん……たがァ……賛成……したんじゃねぇかよォ……!! あたしのせいじゃあ……痛……」
ウルスラグナ「賛成といいますか……もっとも多くの信仰が報われるであろう選択をお奨めしているだけですよ」
妹「ざげ……んなぁ……なぁにがよぉ……勝利の……聖ェ剣……だよ……インチキ……インチキ、インチキ、インチキぃ……!!」
ウルスラグナ「とんでもございません。貴女が聖霊に満たされる事ができるよう、
そして教皇庁の皆々様の尽力が大陸の平安に繋がるよう……このウルスラグナ、勝利に向かって邁進している最中です」
妹「……は?」
ウルスラグナ「先に西帝で起こった昇華もまた、人々の意思統一へ向かう為の布石……すべては滞りなく進んでおりますの」
妹「西……帝……ネキリのアレ……何だってんですのぉ……?」
ウルスラグナ「このウルスラグナにかかれば、変貌の業など容易い事。
龍脈を操るネキリとやらに指向性を持たせる事など、造作もございません」
妹「……」
ウルスラグナ「数万数十万の犠牲は、きっと地上の原罪を少なからず抱えていってくれた事でしょう……
彼らに報いる為にも、我々は歩みをやめるわけにはいかないのです。がんばりましょ、マスター?」
妹「」
妹「あの……あの事故ッ……あ、あ、アンタがやったって言うんですのッ……!?」
ウルスラグナ「事故……? ネキリ起動を利用させていただいたのは確かです、お気づきかと思っておりましたが」
妹「あ、あ、あれっ……何やったか、何やらかしたか分かってるんですの!?」
ウルスラグナ「ですから、彼らの死はけして無駄なものではないと」
妹「イ、イカレてる!! どうかしてる、おかしいですわ!! 何考えてるんですの……!?」
ウルスラグナ「マスター……落ち着いて、お気を確かに。まだお体が本調子ではないのですね、おかわいそうに」
妹「ざけ、ざっけんな……ららら、雷帝……閣下に殺される……み、見捨て……捨てられるぅ……!!」
ウルスラグナ「しかしマスター。貴女は既に選ばれし勇者として、教皇庁から一目置かれている筈です。
大丈夫……このウルスラグナとマスターならば……きっと正教は勝利へと向かえますわ」
妹「(こいつ……わかってねぇッ……マジでおかしい……!! こ、ここ、こんなヤツと一緒にいたら……!!)」
敵兵「」
ブラウニー「」
ピクシー「」
おかっぱ「すまんな、逃がした……だが、虎の子の勇者だけは無傷の筈……」
金長狸「あううあうあうあー」
ピクシー「どちら様でしょう」
ブラウニー「わたし、こんなおっぱい女に心当たりないんですけど」
敵兵「……もしかして……しょ、正気に……」
おかっぱ「不調を押して罠を起動してやったんだ、大目に見ろ……」
ピクシー「……えっと、どういう事でしょうかね?」
ブラウニー「詳しい説明が欲しいですねェ……ねえ童貞さん」
敵兵「オレだって、専門じゃないですもの……鬼に呪いをかけかけられ、だなんて」
金長狸「ま、まあ……紆余曲折あったのです。エクスキャリバーがどうとか、だとか……
『人外の混沌』で毒された身体に、エクスキャリバーで『叡智の秩序』を与えて中和……」
おかっぱ「……数十時間前までは、胎の中が虫のサナギがごとくグチャドロだったとの事だ。
我が身のことながら、いささか気分が悪いな……」
金長狸「ディナダン卿さまさまですねー、北西には頭が上がりません……」
敵兵「そいつは良かった、本当に……しばらくはゆっくり休養を」
おかっぱ「忌々しい人外ども……大陸人のような無駄にでかい図体に仕立てやがって……ふざけろ……殺す……
私の手で八つ裂きにしてやる……殺すぅ……許さんぞ……」
ブラウニー「おっぱい! ふっきん! けつ!!」
ピクシー「あなた、ほんとにあのちっちゃい人ですかあ?」
敵兵「……」
おかっぱ「貴様らにわかるか!! ち、乳首が増え……増えてたんだぞ!! 目が覚めたら乳房が二対以上あったんだぞ!!」
敵兵「」
ピクシー「まじかよ」
ブラウニー「ああ、そのサラシってそういう……」
おかっぱ「終いには、目が奇妙な事になっていると言うが……これもすべてあの女のせいだ……ああ、もうやってられねぇ」
敵兵「もはや髪型からオカッパじゃないもんな……」
局員「長官閣下、例の……守銭奴より電報が入っております」
雷帝「あーはいはいなんざんしょ」
局員「先の勇者襲撃に関する情報開示の請求です、白の城塞側からも同じものが」
雷帝「……」
局員「閣下……?」
雷帝「あのタンカス女が……脳にゴキブリの卵でも産みつけられてるのか……? 誰がそんなふざけたマネをしろと言ったのだ」
局員「やはり、帝国のアバズレが一枚噛んだ事件と考えられましょう」
雷帝「どこまで頭が悪い……いや、そんな次元の問題ではないな。理性のない動植物でさえ、
自然に適応した本能で子孫繁栄をこれまで世代をまたいで培ってきた……が、あのカスは何だ?
何が自分の身を危険に晒すかもわかっていないのか? 火中の栗を素手で拾うほど愚かなのか? なぜそこまで馬鹿なのだ」
局員「魔王軍にいらぬ刺激を与え、余計な反発をさせる材料ができただけ……」
雷帝「魔物どもなど所詮は取るに足らんチンカスに過ぎん。過ぎんが……これ以上調子に乗られるのも癪というものだ。
加えて、教皇領の身の程知らずもな。大体、ウルスラグナの不手際は教皇庁の坊主の不手際も同然だろ、何様のつもりかね」
局員「ただちに抗議の書面を作成いたします」
雷帝「宜しく頼む。ああ、まったく……せっかくの船旅が台無しじゃないか」
局員「……その、閣下。差し出がましい希望なのですが」
雷帝「ん……ああー、わかっていますよぉ。今夜は貴女の番でしたねえ、たっぷり愛してさしあげますから、待っててくださいましねぇ」
局員「はい……」
雷帝「(急に周囲の虫どもがサカり始めたな……それも雌雄問わずにざわざわと。
彼女の実娘たる私の美貌に凡百の庶民どもが惹かれるのは無理もないが、それにしては何かがおかしい……
実に滑稽な状況だが……もしかすると、これがバルムンクの天恵というやつなのかな? クックク……)」
騎士ほ「お姉様の容体は……!?」
ポニテ「は……先ごろ脈拍が安定しました、発熱も治まってきまして」
騎士ほ「お姉様……ああ、おいたわしや……」
エルフ三男「一体何が……? 彼女、てんかんの持病を持っていたという話も聞きません、この島特有の疾病か何かか……」
騎士ほ「後者だとすれば、早々に停泊させていた空母に撤収した事は果たして吉と出るか凶と出るか……
ここまできて伝染病で死ぬなど、この私でも御免こうむりたいところですわ……! お姉様と同じ死病で果てるという点では喜ばしいですが……」
エルフ三男「しかし、同じ症状を訴える人間は他に誰一人いない。現地民も、騎士様の容体に驚いていた……」
騎士ほ「あのアルバスとかいうエルダーも……?」
エルフ三男「ええ。ブリューナクに関しては最も深い知識を有しているとの事ですがね」
騎士ほ「そう……そう、あのブリューナク! あれは一体なんだと言うのか……!」
エルフ三男「僕も先ほど目にしたのですが……これまで見た事のないほどに純度の高いヴォーパルで形作られています。
恐らく、組成には鉄鋼など1%も含有されていないでしょう。そんな、異形とも形容できる鉱物といえます」
騎士ほ「そんな奇妙な鉱物……だとすれば……このエリン、火山島なのではなくて? そう考えれば、毒ガスが噴出している可能性だって」
エルフ三男「それも想定したのですが、現地民が居住している区域内に、有毒ガスをもたらす噴出孔は確認できていません、
北西の側でもそんな岩脈は確認していないでしょう? 海底火山ならば、あるいは活火山がぽつぽつ存在していましょうが……」
騎士ほ「ちっ……クソッタレが……ちんけな田舎のくせに……ガリアと同じ目に遭わせてやろうか……」
エルフ三男「まだ314連隊のダークエルフ達が調査にあたっています、実効支配に移るのは後回しにいたしましょう」
騎士ほ「……」
騎士ほ「その実効支配、名目上はディナダン卿のクーデターで生じたものとなる予定……そう言いましたわよね」
エルフ三男「ええ。今頃、手筈通りならばキャメロットで女王派を押さえているでしょうが」
騎士ほ「……察しの良いあなたなら、あのババアの真意は一体どこにあるとお思いです?」
エルフ三男「真意……円卓の事情に関しては、そちらの方がお詳しいのではないのですか」
騎士ほ「生憎、何かと疎まれていまして。片方に着けば、もう半分には敵視されるという有様なのです」
エルフ三男「そうですね、真意……」
騎士ほ「……」
エルフ三男「聞く限りによれば、古来より北西王室の背後に存在しているフィクサーであるエルダーという勢力の排除。
そこから推察すると、恐らくは儀典局側の手際に不満を抱いていると考えるのが普通では?」
騎士ほ「確かに、反女王派は儀典局……国教会側とイコールで結ぶ事はできます。そこから細分化しているとはいえね」
エルフ三男「そこに僕らを向かわせた理由……ドラグーン隊の維持で釣り上げた丁度いい手駒、それ以上の存在には……」
騎士ほ「……そう、そうですわよね。ジョワユーズという存在が、あのディナダン卿の下心を喚起させた……そう考えるのが妥当」
エルフ三男「何か思うところがおありなので?」
騎士ほ「正直言えば、少し引っかかっているのです。気に入りませんが、あのババア……
みずからの下心を開け広げにしてまわるほどに愚かな気質の持ち主でもない……どうしても、何かがあるような気がして」
エルフ三男「……警戒しすぎるに越したことはありませんが、こちらはエルダーを人質にする事も可能です。油断を促す気はありませんが」
騎士ほ「……本当、癇に障るババアですわ……!!」
女騎士「……ん……んん、んん」
息子「かっ、母様っ!」
娘「お母様っ、気が付いた!?」
「あー、良かったぁ! 目が覚めたんだね!」
女騎士「ねむい……きもちわるい……のどかわいた……ハチミツ……チョコ……」
息子「ぼ、僕、お水を汲んできます!」
娘「お母様、どこか痛くない? 大丈夫?」
「無理しないでね、あなた一人の身体じゃないんだよ」
女騎士「……」
娘「お母様……?」
女騎士「あー、うん……問題ない、起きてる起きてる……まだ本調子じゃないだけだから……」
娘「本当?」
女騎士「大丈夫、大丈夫だから……ちょっと部屋の外に出てなさいな」
娘「……はあい」
女騎士「……」
女騎士「誰だてめえ」
「ファッ!?」
女騎士「三流ポルノ女優みてぇなカッコしやがって……どっから入りやがった、変な事してねぇだろうな」
「ああ、どうしちゃったのお……本当に大丈夫なのお? 頭打った? 独り言?」
女騎士「独り言は他人に聞こえねえようにするのが基本だ、なめてんじゃねーぞ乳袋がよぉー。ケンカ売ってんのか」
「……ふぇ、あたしが……あたしがみえる? あたしのこえ、聞こえるの?」
女騎士「ハッ、嫌でもその自己主張が無駄に強くて脂っこぉいだらしねー体は目に入るっての」
「きゃあー! きゃあー、うれしい!! ウソでしょう? みえる!! みえるのね!? やった、やったぁ!!」
女騎士「おぎゃああああああああああああああああ」
息子「母様!!」
娘「どうしたのっ、お母様!!」
ポニテ「騎士様、いかがいたしましたか!!」
女騎士「賊だっ、賊が部屋に入ってきた!! この野郎ふてぶてしくも……」
息子「海賊か……外装に騙されて侵入してきたか、生皮剥いで潮水に生きたまま漬け込んでやる……!!」
娘「お母様を襲うだなんて……何考えて生きてンですかねェーッ、目ン玉抜いて脳ミソをナマコの住処にしてやる……!!」
ポニテ「して騎士様っ、賊はどこに!」
女騎士「バカタレッ、目の前にいるだろうが!! どこに目ェ付けてんだアンポンタンども!!」
息子「……?」
娘「そいつ……お部屋にいるの? お母様」
女騎士「そこでおっぱいボローンしてる絶世の美女がいるだろ!! 目鼻立ちは私に似て端正に整っている淑女が……」
ポニテ「……」
息子「母……様……」
娘「や、やっぱり……まだ起きちゃだめ、もう少しお休みになって……おねがい、お母様」
女騎士「」
女騎士「ちきしょうめが!! ラリパッパ扱いされっちまったぞ、こちとら体のどこもクスリでヨゴレてない健康体だっての!!」
「あたしもみんなにご挨拶したいんだけどねぇ……あなたのおともだち、いっぱいいるのね!」
女騎士「てめえ、どこのどいつだ。魔王軍の三下ミソッカスか? だったら好都合、この私の聖剣のサビに……」
「ふぇぇ、こわい声出さないでよお……仲良くしてよお……」
女騎士「ちっとは……いや、ツラだけはかなり……いや、相当……いや、私と同じくらい上等らしいが、魔物野郎には容赦しねぇぞオラ」
「まものとか、まおうぐんとか、難しい事よくわかんない……」
女騎士「……目的は何だ。金か?」
「あなたといっしょにいたいだけ!」
女騎士「話にならねえ……いいか、私以外には見えもしねえ触れもしねえってんじゃどうしようもねえ、加えてそんなわけのわからん事を……」
「だ、だってぇ……ずぅーっと、ずぅーっと一人だったあたしを起こしてくれたんだもの……あたし、あなたの事大好きだよ」
女騎士「起こし……依然として意味がわからん、私は鏡の前でしかそのツラ見た事ねえんだよ。もう一度聞くぞ、テメェは何者だ」
「……んーっと、んーっと……なんていえばいい?」
女騎士「は?」
「むかし、みんなにいっぱい色んな名前で呼ばれたの。イルルヤンカシュとか、ヨルムガンドルに、サマエル……」
女騎士「何でも構わねえよ……一番多く呼ばれた名前は何だ」
「んっと、んっと……いちばんはねー、ウロヴォロス! あたしの事、ウロヴォロスってみんな呼んでた!」
女騎士「……で、そのウロ公が何だってんだ。私に何の用だ」
ウロヴォロス「だからぁ、用ってほどの事でもなくってぇ……あなたと一緒に居たいなあって。あたし、あなたに逢えてほんとに……」
女騎士「私ゃお前みたいな女は知らんぞ。大体なんなんだ、私がお前を起こしただぁ?」
ウロヴォロス「うん、そだよぉ。カルバリーで、パパや大勢の人たちに、えいやってされちゃってぇ、ずうっと一人だったの」
女騎士「……は?」
ウロヴォロス「みんなに楽しい事とかキモチイイ事、ちょっと教えてあげただけなの……だって、みんなみんなくらーい顔してたんだもん」
女騎士「お、おう」
ウロヴォロス「でもね、元気な子もいたよ! 前にあたしを起こしてくれた子はね、すーっごくまじめだったの。
パパの言いつけを守って、周りの皆をいっぱい元気にしてね、すっごかったの!」
女騎士「(話半分に聞くのが一番だなこりゃ)」
ウロヴォロス「……でもね、その子もね、いつしかくらーい顔になっちゃった。なんでかな、なんでかなって思ってたらね、
くやしいくやしいつらいつらいって言ってたの。その子も、ほかのみんなと同じくらーい顔になっちゃったの」
女騎士「ざまあ」
ウロヴォロス「そんなのってないよね、ひどいよねっておもってね、あたしすっごくがんばったの。
みんなのくやしいくやしいって気持ちを、どうにかしてあげたいとおもったの。みんなが産まれてずーっとかさなってきたつらーい気持ち」
女騎士「……」
ウロヴォロス「それでね、その子のお願いっていうか……ていあんっていうのを、いっこだけかなえてあげられたの! すごいでしょ」
女騎士「それってよぉー……」
ウロヴォロス「えっとねー、えっとねー」
女騎士「『未来永劫、末代に渡り、この勇者の血の穢れと呪いとが、三千世界の人の世に災厄としてもたらされん事を願う』……か?」
ウロヴォロス「それ! そんなこといってた!」
女騎士「(さっきのは……ただの夢じゃあなかったってのか? アタマの中に雪崩れ込んできたイメージの一つだが……気持ち悪っ!)」
女騎士「おい痴女。ブリューナクとかいうあのでっけーカタマリ、お前と関係あんのか」
ウロヴォロス「ぶゆー」
女騎士「いつから私にくっついてきたかは知らんが……私がブッ倒れるきっかけになった、あのきもちわりー石だよ」
ウロヴォロス「いし、地面から生えてたあれ? あれ、ロンギヌスだよお。ぶゆーなくって、なに?」
女騎士「……あー、じゃあそのロンギヌスだ。どんな関わりがある」
ウロヴォロス「んとね、んとね、ロンギヌスはね……ジャバウォッキーを連れてくるステークなの。
パパがつくったこのせかいを支える杭なの。ジャバウォッキーのもってる、じょうしきのかたまり」
女騎士「そういうサイコでポップなランチキワードを出すのはマジでやめろ、ただでさえ頭いてえんだから」
ウロヴォロス「だいじょぶ、あたしもよくわかんないもん。パパのお友達が話してた事を聞いただけだもん」
女騎士「……」
ウロヴォロス「そもそもね、ロンギヌスなんて名前は、パパのお友達が付けただけなのね。
たまたま、こわーいおばけやこわーいどうぶつさんを追っ払うちからがあったから、みんなでおまつりしただけなの」
女騎士「(眠くなってきたな)」
ウロヴォロス「でもね、おばけもどうぶつさんもね、人間さんを襲いたくて襲ってるわけじゃないのね。
きっと、お話すれば分かりあえるものね、だからね、そのこたちにもね、楽しい事とかキモチイイ事教えてあげたの。
……でもね、やっぱりくらーい、つらーい顔は減らないの。なんでかな、なんでかな」
女騎士「知らね。オバケや動物と対等に話ができるかってんだ」
ウロヴォロス「ふぇぇ、あなたがそう言うなら、そうなのかなぁ」
女騎士「……ふん、やけに殊勝だな」
ウロヴォロス「だ、だってぇ……あなたはすっごくあたまがいいんだよ?
くやしいくやしい、つらいつらいって言って死んじゃった、むかしのみんなのお願いが詰まった……
あたしのかけらが入った中で、いっちばんすごくて、誰にも負けないおんなのこなんだよ?」
女騎士「お願いだぁ……?」
ウロヴォロス「痛い痛い、助けて助けてって、パパの教えを守ってみんな死んじゃった。
楽しい事を我慢して、くやしい事に押し負けて、嫌な事を受け入れて、それで死んじゃった子がいっぱいいるの。
あたしね、その子たちがやりたかった事をどうしてもかなえてあげたくて……それでね、託したの。ジャバウォッキーの子孫に」
女騎士「……」
ウロヴォロス「それでね、芽が出て膨らんで、花が咲いて……ほーら満開!
あなただよ、おっきなお花! 今まででいっちばんおっきくて綺麗なお花!」
女騎士「は、はぁ……?」
ウロヴォロス「やっと産まれてくれた……ガリアで眠ってたあたしを起こしてくれる為の王子様……
やっと会えた……あたしのかわいい子……ジョワユーズの、マスター……!」
女騎士「ジョワユーズ……マジモンの聖剣……って事ぁ、お前の言ってる事……」
ウロヴォロス「えへへぇ……」
女騎士「わ、私もジャバウォッキーって事……かぁ……?」
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11 : 以下、2013年にかわりまして2... - 2014/01/14 03:08:22.58 uaJFdXZSo 28/29まるで意味がわからんぞ!
12 : 以下、2013年にかわりまして2... - 2014/01/14 03:08:44.09 cy0AE36/o 29/29まさかの世界崩壊のための結実だった