1 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:11:53.77 toJ8+cxl0 1/623


あたしの名前は美樹さやか

見滝原中学の3年1組所属で魔法少女やってます

春休みが明けて受験だなんだと騒がしい中で、ちょっだけ良いことがありました!


~~
4月某日 マミの部屋

始業式を終えたあたし達はいつものようにマミさんの部屋に集まっていた

マミ「へえ、じゃあ4人とも同じクラスになったのね」トポトポ

杏子「まあ最初からそうなる気はしてたよ……」

ワルプルを倒してからマミさんの家にゆまちゃんと転がり込んだ杏子は

表向きはマミさんの保護者の養子ということで見滝原中に転入してきた

つまるところの居候という意味だ



さやか「もう!素直に嬉しいって言いなさいよ!」ダキッ

杏子「うぜぇ……」グイッ

ほむら「これも腐れ縁よ、我慢しなさい……それを10年近く我慢してる人だって居るのよ」ズズズ

さやか「それ真っ向から言われると結構キツいんだけど……」

まどか「あはは……」





元スレ
杏子「体育祭ねぇ……」ほむら「当然、勝つわよ」さやか「おう!」まどか「」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367435513/

2 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:14:33.71 toJ8+cxl0 2/623


杏子「まあ、学校生活なんて久しぶりだし……なんかあったらさやかに聞いてやるよ」

さやか「うんうん!なんでも聞いてくれたまえ!」

ほむら「仁美に聞けばすべて解決よ、勉強まで含めてね」ファサ

返す言葉がない

杏子「あ……そう……」

ほむら「そんなものより私は学校行事が楽しみよ」

まどか「人生で初めてだもんね、ほむらちゃんは」

そういえばずっと入院してたからまともに参加したことがないのだと前に行っていたっけ

マミ「ふふふ……そんな暁美さんの初めては体育祭ね」

さやか「あー……」

まどか「」

紅茶をすする途中で凍っている

3 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:18:03.18 toJ8+cxl0 3/623


杏子「たいくさい?何それ?」

心底不思議そうな顔で杏子が尋ねてくる

QB「運動会のことだよ杏子」ヒョコッ

どこから出やがったインなんとか

杏子「最初からそう言えよめんどくせえ」

ほむら「ふん……おあつらえ向きね、圧勝を決め込むわ」ファサ

マミ「魔法を使ってズルとかしちゃ駄目よ?」

ほむら「私の力で勝つわ……当然でしょう」

ほむらは体力以外は割と壊滅的なので心配だ

杏子「つーか運動会で魔法使わなきゃ勝てねぇって何事だよ」

まどか「それが……今年は白組が……」

さやか「あーうん……悔しいことに……」

ほむら「なによ、何故弱気なの?」



4 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:20:19.96 toJ8+cxl0 4/623


まどか「今年は3年2組がちょっと強すぎるかなって」

杏子「へー、そんなに?」

さやか「うん、超不公平」

杏子「ふーん」

ほむら「関係ない……私とまどかの思い出は全てを白星で飾る」

残念ながら二人とも話をあまり理解している様子はない

マミ「まあクラス替えばかりは仕方のないことよ」

さやか「でもあたしとまどか3年連続で赤組ですよ?」

QB「マミがそうだったけどいつも白組が勝つんだよね、何者かの意志が介入してるんじゃないかな」

さすがにそこまではしてないと思いたい……

杏子「へえ……ゆとり教育ってそういうことすんの?」

まどか「でもわたしたち音楽祭は勝てそうなメンバーだし、しょうがないんじゃないかなって」

さやか「……」

マミ「多分だけど、多少は調整してるんでしょうね……去年もそんな感じだったもの」



5 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:24:37.36 toJ8+cxl0 5/623


杏子「ゆとってんだな……」モシャモシャ

あたしが小学生のころはーって言いたげだ

あたし達が小学校高学年のころには週休二日だったはずだけど

QB「そんな回りくどいことをするなら整列徒競走で良いんじゃないのかな?」

冗談でもやめてくれ

まどか「でもこればっかりはしょうがないよ」

ほむら「冗談言わないで、私は勝ちたい」

まどか「あ…と……」

瞳に炎を宿しながら言ったその台詞はとても心臓病で転校してきた人間のものには聞こえない

まどか「あの……」

マミ「……無謀ね」

鋭くも重い口調でマミさんが言った

まどか「ですよn」

マミ「けど、決して悪いことでは無いわ……落ちそうだからって下を向いたら空は見えないもの」

まどか「」

競争嫌いが凍っている

杏子「今年はゆまが見に来てくれるんだ、かっこ悪いとこ見せたくないよな」

まどか「あ……あのね……」

さやか「まどか!」ポン

まどか「さやかちゃん!なんとか言ってよ!」

さやか「卵を割らなきゃオムレツは作れないよ!」ドヤァ!

まどか「オムレツを食べなければ良いじゃない!」バン!


6 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:26:37.03 toJ8+cxl0 6/623


どうにもふてくされている

まあ、あたしの親友はそういう子だ

さやか「あたしはまどかとオムレツ食べたいの!」

まどか「こんなの絶対おかしいよ……」

まるで恋人に訴えかけるような目をしている……苦手なの知ってるでしょ?って感じの

そんなまどかをあたしはいつも引っ張ってきた

さやか「それに杏子とほむらが頑張るって言うならさ、あたしたちが頑張らないわけにはいかないじゃん!」

まどか「でも……」

マミ「鹿目さん……偉大な一歩はいつだって誰かの無茶から始まるのよ?」

個人的にマミさんのそういう言い回しは格好良くて好きだ

さやか「無茶なんかじゃありません!あたしたちは絶対に勝ちます!」

ほむら「当然ね……魔法が無くても奇跡が起こせることを証明するわ」

マミ「その意気よ!……美樹さん達にとっては小さな一歩かもしれないけど
それでも未来への影響は大きすぎるほどよ」

まどか「……」

杏子「ほら、なんか今風が変わったの気付いたか?」

杏子は茶化しているのか真剣なのか判断しかねる口調で言う

マミ「それにこういうことに関しては強力な助っ人が私たちにはいるのよ?」

白い生物を見つめながらマミさんが続ける


7 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 04:32:59.67 toJ8+cxl0 7/623


QB「やれやれ、僕に手伝えって言うのかい?」

キュウべぇはいつもの口調で淡々と答えている

ほむら「邪魔さえしなければスペアを失うことは無いから安心しなさい」

さやか「おいおい……」

杏子「つーかこいつがどう役立つの?」

QB「とりあえずは短期的なトレーニングの指導でいいかいマミ?」

マミ「知ってることがあったらちゃんと積極的にアドバイスするのよ?
聞かれなかった、なんて言ったら怒るからね?」

QB「それは競技に対して個別に効率の良い方法を提案しろって意味かい?」

マミ「歩み寄る努力をしろ言っているの」

QB「了解だよ」

まどか「……はぁ」

まどかはまだまどまどしている

マミ「まあとにかく」

一人を除いて話はまとまったようだ

杏子「体育祭ねぇ…」

ほむら「当然、勝つわよ」

さやか「おう!」

まどか「」

いまいちしまらない


18 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 08:56:08.88 JcbC9FQ60 8/623


翌日、入学式が終わり普通の生徒はお昼前下校の見滝原中学

本来ならば誰もいないはずのグランドに立つ生徒が4人

「早乙女先生、あの子たちは一体なにを……」

和子「体育祭に向けて特訓するそうよ」

「へぇ、青春してるんですね」

和子「ええ、佐倉さんも暁美さんも溶け込めているみたいだし良いことよ」

和子(それしてもまどかちゃんが居るのって珍しい……後で詢子に写メしよっと)


さやか「さあ!張り切って行くよー!」

お弁当を食べて放課後のグランドを占領する

部活動の自主トレみたいな空気だ

部活動をやったことは無いが

杏子「おし!やるぜ!」

まどか「はぁ……」

ほむら「問題ない……始めましょう」

QB「で、何から始めるんだい?」

四者四様の反応

あー……何するかは考えて無かった……

さやか「えーと……取り敢えず50m計ってみる?」

聞き返すように提案する

ほむら「そうね、魔法無しでどれくらい走れるのか試したことが無いし……」

QB「妥当だね……現状把握しないとやりようもない」

この二人に肯定して貰えたのは正解って事だろうか……?


19 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:03:49.98 JcbC9FQ60 9/623

まどか「じゃあ私タイマーを」

QB「その必要はないよ、僕が居るんだから」

まどか「あ…そう?」

QB「君たちは僕の目の前を通ってあっちにいる僕のとこまで走ってくれ

計測は勝手にするからタイミングは好きにしていいよ」


~~

自慢だけど足の速さには自信がある

……少なくともクラスの女子で一位は取れる

QB「6,4秒……随分速いね」

さやか「まあね!」

その後なんとも乱暴な走りで杏子が

QB「8,2秒」

とてとてと可愛い走りでまどかが

QB「11,6秒」

テレビで見るような美しい走りでほむらが

QB「7,5秒……一応一通りのアドバイスはするね」

こいつ電波時計として使えるんじゃないかな

QB「まずはさやかからだね」



20 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:05:20.64 JcbC9FQ60 10/623


QB「君の走りは割ときれいだね。もう少し上半身を倒すこと、それと手は軽く握るのが正解だ。
今度ライターを握って走ってみるといい」

さやか「うん分かった」

QB「杏子は両手を雑に扱いすぎだよ、槍を持って走ってるわけじゃないんだからちゃんと振って」

杏子「はいよ」

QB「まどか、君はフォームを気にしすぎているのかな?格好は良いからとにかく足を速く動かすことを意識するんだ」

まどか「……うん……」

QB「ほむらは一歩一歩を疎かにしすぎだ、長距離走はそれでいいけど……
足の指で地面を掴んで蹴るイメージで走ること」

ほむら「……」イラッ

QB「それじゃ、今日はフォームの修正に尽力するとしようか」


21 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:08:36.81 JcbC9FQ60 11/623


QB「駄目だよ、もっと上半身の力を抜いて……力むと体力を消耗するし緊張しやすくなるよ」

さやか「分かった!次気をつける!」

QB「ほむらは大きく前に跳躍するつもりで走るんだ」

ほむら「分かってるわよ!余計な事は言わなくて良い!」

QB「杏子、両手で手すりを掴んで進むイメージだ……なれないうちは大袈裟に振って慣れる事からだ」

杏子「へえ……結構変わるもんだなぁ……」

QB「まどか、緊張しているのかい?フォームとかいいから足を早く動かすんだそれだけで10秒は狙えるよ」

まどか「わ…分かった……頑張るね……」

結局あたしたちは夕方のチャイムが鳴るまで校庭を走り回っていた



22 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:10:03.69 JcbC9FQ60 12/623


さやか「あー疲れたぁ……」

杏子「本当、走るだけであんなに疲れんだな……」

解散する前にマミさんに報告しようと寄ったは良いが

折角出してくれた紅茶を飲むのも億劫になるほどあたしは疲れていた

もうこのまま寝よっかな……

マミ「お疲れ様……キュウべぇは役に立った?」

ほむら「本当に遺憾ではあるけどね」

QB「だからこれも僕の仕事なんだってば」

さやか「あんた営業やめてトレーナーやりなよ、才能あるよ」

多分ね

QB「訳が分からないよ」

他愛のない話が続く

マミ「ふふ、頑張ってね……でも転校生が二人で良かったじゃない、七頭舞は二人一組でやるものだし……」

さやか「あー……それがあったか……」

杏子「はぁ?」

ほむら「七頭舞?」

さやか「そこからか……」


23 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:13:21.39 JcbC9FQ60 13/623

マミ「簡単に言うなら伝統芸能の一つ。うちの学校には地元出身の先生がいて、その人の希望で生徒に教えて居るわ……2年生と3年生が合同でやる体育祭の名物なのよ?」

杏子「はぁ……?」

さやか「なんか難しい踊りってことだよ」

QB「それで理解するのは無理だよ」

マミ「まあまあ……もう少し具体的に説明するわ

七頭舞にはその名の通り七つの舞と七つの武器があるの

武器取り、よこがけ、ちらし、決闘、ツットウツ、みあし、武器収め」

さやか「武器は先打ち、谷地はらい、薙刀、太刀、杵、小鳥、ささらすりの七つだよ……基本の型は太刀でやるから二人
がやるとしたら太刀ね」

ちなみにまどかは小鳥であたしは薙刀

ほむら「大丈夫よ、まどかのためなら2日で習得して見せるから」

さやか「いや、もう全員ペアが決まってるんだけど……」

杏子「!?」ガタッ

マミ「しかたないわ、これは本来一年生の後期から習い始めるものだし……」

ほむら「そんな……それじゃ私は……何の為に……」

さやか「とりあえずまどかと七頭舞をするためでは無かったよね?」


24 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:14:31.45 JcbC9FQ60 14/623


さやか「あー、でも今から武器作って間に合うのかな……」

ほむら「さやか、貴女の剣を寄越しなさい」

さやか「真剣でやんの!?」

マミ「ちゃんと自分で木を削って作るのよ」

ほむら「大丈夫よ、30分で作り上げるわ」

さやか「いやいや……」

マミ「ふふ!冗談よ……去年私とパートナーが使っていた太刀をあげるわ」

まどか「……」ウツラウツラ

……先ほどから一言も発言しないので何事かと思ったら、今にもティーカップにヘッドバットしそうになっていた

ほむら「まどか……大丈夫?」

まどか「うん……」

杏子「そんなんでこの先大丈夫かよ……」

マミ「辛いなら無理せず横になって……大丈夫、帰るときには起こすわよ」

まどか「うん……すいません……」



25 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:15:45.90 JcbC9FQ60 15/623


さやか「ほら、こっちおいでよ」

右手でまどかの頭を抱き寄せて自分のスカートをたくし上げ、膝にハンカチを置いておく

膝枕をする時はこうしないとよだれで汚されるから

ほむら「美樹さやか……貴女は……!」

ほむらがこちらを睨んでいる

あたしが何をしたというのか

杏子「……」

杏子が物欲しそうな目でこちらを見ている

あたしは無言で右隣りのケーキを差し出した

杏子「ああ……ありがとう……」

満足したようだ、良かった

マミ「それじゃ、あとは体育祭の基本的なルールの説明をしないとね」



26 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:20:19.07 JcbC9FQ60 16/623


マミ「まず1年と3年の1組、2年の2組が赤組」

ほむら「なら逆が白組ね」

杏子「……あれ?1年3組は?」

さやか「3組は半分に分かれるよ」

マミ「まあ、あとはどこの体育祭でもそうだと思うけどクラス対抗で点数を競うわ」

ほむら「競技はどうなっているの?」

マミ「競技は毎年似たようなものよ?団体競技はリレー、大縄跳び、綱引きと騎馬戦」

さやか「騎馬戦はチームの代表で男女それぞれ10組だよ」


ちなみに普段後輩から恨みを買っていると一斉に襲われる


マミ「個人競技は走るものばっかり」

さやか「100m走と障害物競争、それから長距離走」

ほむら「個人競技に出れる回数は?」

さやか「最低一人一回でフル出場OKだよ」

QB「つまり強い人間はいっぱい出た方が良いって訳だ」

杏子「なるほど……強い人間が盛りだくさんの敵さんにはぴったりのルールなわけだ?」

さやか「敵って……」

マミ「ちなみに障害物の中身は毎回入れ替わってるから予想の立てようがないわ」

さやか「マシュマロ探しは絶対あるけどね……」

ほむら「なにかしらそれ?」

さやか「小麦粉の入ったバットに隠したマシュマロを口だけで探すの……」

ほむら「え……」


ほむらが心底嫌そうな顔をしている


マミ「顔は汚れるし口の中は小麦粉で埋まるしで最悪の障害よ……」

QB「どのクラスも運動の不得意な人間は障害物競争に出る傾向にあるね」

杏子「まあ……単純な足の速さだけじゃ決まらないだろうからな……」


流石の杏子も引き気味だ


27 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:24:11.13 JcbC9FQ60 17/623


マミ「これに保護者競技と午後のレクリエーションで加点競技は全部ね」

QB「保護者競技とレクリエーションは毎年お楽しみさ」

さやか「保護者競技は玉入れか綱引きだけどね」


レクリエーションは素っ頓狂な行事が出てくるから困る


杏子「なるほどね……まあ大体は理解できたよ」

マミ「どういたしまして……さて時間も時間だし、杏子は児童館にゆまちゃんを迎えに行ってきて」

杏子「はいよ、今日の晩飯は?」

マミ「ハンバーグよ」

杏子「お!じゃあとっとと行ってくるかな!」

さやか「まどか起きて!あたし達も行こう?」ユサユサ

まどか「……ふに?」


ハンカチは程よく湿っていた



28 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:26:40.22 JcbC9FQ60 18/623



非常に眠そうなまどかの手を引いて帰路につく

ほむらがまどかの少し後ろでオロオロしてるのが面白い


まどか「大丈夫だよほむらちゃん……」ネムー


目を見開いてから言ってね


ほむら「ほ……本当に?」アワアワ

さやか「あたしがいるから大丈夫だって!」

ほむら「だから不安なのよ!」


失礼な奴だ、やり返そう


さやか「ほほう……さてはあたし達の仲に嫉妬してるな?」

まどか「ちょ……さやかちゃん……」


まどかの左手を引き背中から抱き寄せて頬を摺り合わせる

気分はスパイ映画の男優だ


ほむら「……っ」ジャコッ


無言で銃を向けられた


29 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:29:00.72 JcbC9FQ60 19/623


まどか「あはは……じゃあね、ほむらちゃん」

さやか「じゃあね!」

ほむら「ええ、また明日ねまどか」


あたしには?


~~


知久「お帰りまどか、さやかちゃんもありがとう」

まどか「ただいまー!」

さやか「これくらいなんてこと無いですって!」


カレーの殺人的に良い香りがあたしの残り少ない集中力をガリガリと削っているのを感じる


詢子「おや二人とも……特訓は随分とハードだったみたいだね」


スーツ姿なので丁度帰って来たのかもしれない


さやか「そりゃもう!今年は赤組が優勝しちゃいますからね!」

まどか「テンション高すぎるよ…」


それはこの香りのせいだよ


知久「ははは!お腹空いただろ?さやかちゃんも食べて行くかい?」

さやか「頂いて行きます!」

QB「さやか、まどか、ちょっといいかい?」

さやか『何よ!これから晩御飯なんだから邪魔しないでよ』


30 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:39:37.52 JcbC9FQ60 20/623


QB「だからこそさ、いいかい?食事はあらゆるトレーニングの基礎となるものだ……だから今日のトレーニングの効率を最大のものとするためにもとにかく大量のエネルギーが必要なんだ」

まどか『ご飯をいっぱい食べれば良いの?』

QB「まあそうなるね」

さやか『そんなに大事なの?』

QB「筋肉を増やすっていうのはっていうのは脂肪を変換する作業だと思ってくれ、だから太っている子は全体的に力も強いし筋肉質な子は太りやすい……君たちの中で目立った脂肪なんて月匈位しかないじゃないか」

まどか『……しぼんだりするの?』

QB「君たちぐらいの年の子で実例もあるよ」

さやか『いっぱい食べりゃ平気なんでしょ?大丈夫大丈夫!』スタスタ

まどか(ほむらちゃんはどうなるんだろ……)スタスタ

QB「そのとおり、だいたい4杯を目安に……僕は説明しようとしたからね、マミとの約束は破ってないよ」キュップイ



鹿目家のカレーはスパイスの香りからは考えられないほど甘めに味付けされている

たっくんが食べるからかも知れない

10年前からこの味だったと思うけど


詢子「帰る前に和子からメール来てさ……」

さやか「やっぱ先生からかぁ……」

知久「まさかまどかがお代わりするなんてね」

まどか「は、恥ずかしいから言わないで!」

さやか「知久さん!あたしもお願い!」


3杯目は流石に太るかも知れない


詢子「いつにも増して食べるねぇ……おばさんはすぐ太っちゃうから羨ましいよ」


そう言いつつ食べてるのは2杯目のはずだ


さやか「ごちそうさまでしたー!」

まどか「ごちそうさま」

タツヤ「ごちそうさまー!」

詢子「うん、ごちそうさま」

知久「ははは……もっと作っておくべきだったかな?」


そう零す知久さんはこれを洗うのが生き甲斐だと言わんばかりの笑顔でカレーの入っていた鍋を洗っている


31 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:44:04.47 JcbC9FQ60 21/623


QB「いつもよりは多めに食べたんだね、けど足りないよ」


どこから現れたんだこいつ


まどか『でもこれ以上食べるのは辛いよ……』

QB「本当はタンパク質を大量に摂取して欲しいんだけど……」

さやか『肉食えって事?』

QB「まあこればっかりは保護者に頼るしかないね」

まどか「お肉かぁ……」

詢子「ん?まどかが肉を食べたいなんて珍しい」

まどか「あ……いやえっと……」

さやか「あははは!今度焼き肉行こうって話しをですね……」

詢子「まあ運動した後だもんな、それなら今度と言わず明日行くかい?」

まどか「あ……明日!?」

さやか「良いんですか!」

詢子「たまにはで良いじゃんか、良いだろパパ?」

知久「僕は良いよ」

タツヤ「焼肉キター!」

32 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:46:32.63 JcbC9FQ60 22/623


和子「それじゃ、各委員会は来週所定の場所に集まってくださいね~」


一限目のクラス役員決めを終えた
この僅かな時間も使って放課後と朝の自主トレにクラスメートを誘って行く


ほむら「あの……その……放課後のことなのだけれど……」

「うーん……ごめんね暁美さん、あたし達放課後はやりたいことがあって……」

「それに、体育祭に備えてって……競技のメンバーが決まってからでも良いんじゃない?」

ほむら「そ……そうよね……」

「なんかごめんね?」

「それとこれとは話が別よ、夏にはコンテストだってあるのよ?」

「分かってるよ、今年も目指せ優勝だね!……じゃあね暁美さん!」

ほむら「……頑張って」


まどか「うーん……どうしても駄目?」

「いやー参加したいのは山々っしゅけど……」

「駄目です!今からでもちゃんと勉強して下さい!」

「あっはっはっは……体育祭前の朝練にはちゃんと出るからさ!」

まどか「うん……勉強、頑張ってね……」

「まどっちもほどほどにねー」ヒラヒラ

「すみませんけど……」


杏子「なんだよ、みんな根性ねえのな」

さやか「いやいやいや」


想像通りと言うのか、この時期はこれが普通だよね……


33 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/02 09:48:53.08 JcbC9FQ60 23/623


杏子「まあいいや、あたしとほむらはそろそろ行ってくるよ」

さやか「まさか放課後を七頭舞の練習で持って行かれるとはね……」


これは本当に計算外だ


杏子「まったく点数も入んないってのにさ……えーっと、ほむらのはこっちだな」

ほむら「ありがとう……ところでマミのパートナーって誰なの?」

杏子「呉キリカ」

ほむら「あの二人が作った太刀って色々やばいんじゃ……」


二人には頑張ってほしい……切実に


杏子「止めてくれよ、考えないようにしてたんだからさ……」

まどか「大変そうだね」

さやか「二人とも頑張って!」


心からのエールを送る


44 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:05:47.86 /N2TkFVS0 24/623



明日までは部活が無い

つまり校庭はやる気にたぎるあたし達二人のものだ


QB「それじゃ、しばらくは体力作りに励もうか」

さやか「違った、あんたがいたか……」

QB「?」

まどか「何をするの?」

QB「トラックは一周200mか……まずはトラックを走ろう、後で失速しても良いからとにかく全速力で」

さやか「それを繰り返すだけ?」


隣のまどかは非常に嫌そうな顔をしている


QB「そうだよ。二人ともゴールしたら30秒の休憩をとる、そしたらまた全速力で走る……この繰り返しだ」


それってまどかがかなりキツいんじゃ……


さやか「グダグダ言ってもしょうがないし、取り敢えずがんばろ!」

まどか「うん……」


45 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:08:20.28 /N2TkFVS0 25/623


QB「取り敢えず走った感想はどうだい?」

さやか「意外と辛い」フゥー

まどか「こ…ハァ…これ……ハァ…ずっとやるの……」


まどかは一周で死にそうだ


QB「体力強化は辛いものだよ、仕方ない」


心配してると言うよりは頑張ってと言ってるように聞こえる

部活動に行く男子を背中で見送りながら言う感じの


QB「それから次から走ったあとは止まらないでゆっくりと歩くこと」

さやか「なんでよ?」

QB「今は良いけどこれから疲労が溜まった時、急に動きを止めるとショックで心肺停止の恐れがあるからね」

まどか「え……?」

さやか「ちょ」

QB「時間だ、二人とも配置について」


あたしは考えるのを止めることにした


46 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:15:14.41 /N2TkFVS0 26/623


まどか「う……ゲホッ」ゼェゼェ

さやか「きっつ……」ハァハァ

QB「さやかはまだ余裕じゃないか」

さやか「なわけないでしょ……」

QB「まどか、吐くとこのあとが余計に辛いよ?」

まどか「……ぁぅ」

さやか「あんたねぇ……」

QB「体力強化といったろう?それにちゃんと君たちの限界は見極めてるよ?」

さやか「……ったく……」

QB「時間だよ、配置について」


47 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:19:56.81 /N2TkFVS0 27/623


QB「ちゃんとこまめに水分は取らないとね」

まどか「」コヒュー…コヒュー…

QB「さやかが昨日買った粉ポカリはここで最大の力を発揮するのさ」

さやか「……薄いね……」ゴク

QB「濃いと飲みづらいし体の吸収が追い付かないからね……モル濃度とか計算するんでなければ表示の半分位で充分さ」

まどか「……ぃぃ」ウプ…

QB「喉が渇いて無くても飲まなきゃ駄目だ、身体が神経を麻痺させてるからね」

さやか「……そういうもんなの?」

QB「そう言うものさ、時間だよ」


48 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:25:02.81 /N2TkFVS0 28/623


QB「両手を頭の後ろで組んでのびをすると肺が広がって酸素を取り込みやすくなるよ」

さやか「……ぉぅ」ゼェ ハァ


なる程、少しだけ楽になったかも


まどか「……グズ」


もう泣いている……ただ、今のあたしに言葉を投げかける元気はない


QB「なるべくなら上を向くことをおすすめするよ、楽になるからね」

まどか「……」

QB「肺機能が強化されれば苦しさは軽減されてくるさ、それはどんな競技においてもアドバンテージ足りうるだろう?」

さやか「……」


こいつの言うことは正論なんだけど……


QB「さ、時間だよ」


49 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:27:43.28 /N2TkFVS0 29/623


QB「お疲れ様、もう4時半だし丁度良いよね」


結局約3時間、ひたすら走りつづけてしまった……


QB「少し休憩してストレッチをしようか」

さやか「……」ゼェゼェ


頷くのも辛い……


QB「しゃがむのはもう少し待った方が良いよ?まさか死にたい訳じゃないだろ?」

まどか「……ぁぅ……」


まどかの顔に流れてるのは汗なのか涙なのか……


QB「明日からは6時間授業になるからやる時間が短くなるね……」


どうするか……呟きながら思案を巡らすキュウべぇは中々にレアな画だとは思う

ただし一切嬉しくない



50 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:44:28.20 /N2TkFVS0 30/623


さやか「つっかれたぁー!!」ウーン!
まどか「本当だよ……」ハァー


結局たっぷり30分もかけて休憩をしてあたしたちはようやく帰るだけの気力を確保して帰路についた

ほむらと杏子は置いてきた


さやか「ほーんーとっ じーんせい 参る時もある~♪」

QB「汗も大量にかいたわけだし、出かける前にシャワーを浴びた方が良いと思うよ」

まどか「下着とか凄かったもんね……」

さやか「そんな時こそ♪やっきにくが……」


……ん?


さやか(今だけは本当に正直スルーしたい……)

QB「この反応は魔女だね」

まどか「え?」

さやか「大丈夫だよ、なんか反応も弱いし!」


本当は今すぐ帰りたい

お腹空いたし足はガクガクだし


QB「使い魔からなりたてなんだろうね」

まどか「ひとりで大丈夫なの?」

さやか「楽勝楽勝!サクッとやっちゃうよ!」


あ、でもこいつグリーフシード持ってないかも


QB「さやか、君の体はもう限界なんだからマミを待つべきだよ」

さやか「だからって放っておけないでしょうに」カエリタイケド


キュウべぇをスルーしてグリーフシードのストックを数える


さやか(携帯のストラップ代わりに新品が一つでしょ……机の中に二つはあったかなぁ……)

まどか「でも限界って言ったって走り回っただけでしょ?大袈裟じゃないかな?」

さやか「そうそう、きつい時は感覚遮断すればいいんだし」

QB「そうかい?でも……」

さやか「大丈夫大丈夫!何とかなるなる!」タッタッタッ

QB「いやいやだから……」

まどか「待ってよさやかちゃーん!」トテトテ マドカー!ハヤクー!

QB「僕は伝えようとはしたからね!」キュップイ!  マッテクレヨフタリトモー!

51 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 01:56:05.02 /N2TkFVS0 31/623


まどか「広い野原だね~」

さやか「良い天気だね~」

さやか(正直眠くなってきた……)


公園で結界を発見して、草むらにバッグを隠して

意を決して結界に入ったはいいが緊張感がまるでない


まどか「こういうところでピクニックしたいよね」

さやか「賛成だけどしばしのハイキングで我慢してよ」

QB「ここは一応魔女の結界なんだけどな」

まどか「こんな素敵なところなのにね……」

さやか(どんな願い事をした子なんだろう……)


本当に緊張感がない


さやか「気配はあっちか……ん?あれが魔女?」


そこには熊のように大きな、真っ白のうさぎがこちらを睨んでいる

目が異様に大きくて、輪っかのような形をした手が生えている……体もところどころ凹んだりしわが寄ったりしていて、なんていうかグロい……

魔女でさえなければ、怪我をしたウサギと勘違いしてあげれたかも知れないのに……



52 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 02:02:42.68 /N2TkFVS0 32/623


まどか「ちょっと気持ち悪い……かな?」

さやか「大丈夫だよ、任せて!」ヘンシン!


まどかの周りに剣を4本突き立て、最近杏子に教わった結界を展開する

……少なくともほむらのよりは堅い


まどか「無茶はしないでね」

さやか「りょーかい!……ん?」


ウサギの胸の中から高速回転する円盤が4つ飛んできた

その軌道はジグザグだったり大きな曲線だったりと個性的だ

……ただしのろいので非常に狙いやすい


さやか「えい!」バシュッ


試しに一つを撃ち落としてみた


まどか「亀さん?」

QB「使い魔だね」

さやか「兎の魔女の使い魔が亀って……」


正体さえ分かれば恐くない

手際良く亀を落とし兎に斬りかかる

兎はこちらを確認すると脱兎のごとく逃げ出した


まどか「あ、逃げた」


見れば分かるよ


QB「にげあしが速いね、結界も広いし見失うと大変だよ?」

さやか「……一応聞くんだけどあれどうやって倒せば良いの?」

QB「追い掛けて近づいて斬れば良いじゃないか、君の全速力なら追いつけるよギリギリでね」

さやか「……」

まどか「……」

QB「……」

さやか「……足限界なんだけど」

QB「だからマミを待てと言ったんだ」

さやか「ちっくしょー!!」ダッ


両足の全神経を遮断ついでに思考回路もシャット

苦しいので呼吸器系も遮断

腹痛も悪寒も全部遮断して一心不乱に追いかける

53 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/05 02:20:15.68 /N2TkFVS0 33/623


まどか「お疲れ様!さやかちゃん」ニコッ


約10分程兎との全力走を楽しんできたあたしは、精も魂も尽きてその場でどさりと座り込む

同時に変身も解けたのは疲れ切っているからだろう


QB「さやか、急に止まったら駄目だと言ったろう?」


……汗を凄いかいているのに寒い?


さやか「あぁ……そんなこといってたね……」ガクガクブルブル


取り繕ってはいるが腹痛と吐き気がヤバい……あとなぜか満足に息も吸えないせいで息苦しい


まどか「さやかちゃん?」フリフリ


目の奥が痺れて眩暈がする、上と下が解らなくなってきた……


さやか「はあっ!はあっ!う゛っ……」


本当に吐きそう……ついでにおしっこ漏れそう……


まどか「え?大丈夫?ねえ!ねえったら!!」ガシッ


空を飛んでるような気がする……世界が揺れてるだけ?ていうかあたし頭から落っこちてない?


QB「だから言ったのに」

まどか「すごい熱…なんで!?ねえどうなってるの!?」

QB「ふむ……脱水症状とかショック症状とかいろいろあるけど……医者には熱中症って言われるんじゃないかな?」


あー……これあれだ……インフルエンザに罹ったときみたいなあれだ、良く似てるし

前に引っ張られてるんだけど地面はこっちなのかな?


まどか「ねえ返事してよっ!さやかちゃん!!」ユサユサ

さやか「はえ……?」

QB「早くさやかを支えて!頭を打ったら面倒だ!」


QB「まどか!頭を揺らしたりしたら まどか「ちょっと!さやかちゃん!?さや(


62 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 02:48:45.80 jHs7llPf0 34/623



ピー……ピー……


さやか「……?」

「さやかちゃん!?」

「美樹さん!」


あれ?あたし何してる?

……布団で寝てる

視界はぼやけて周りの状況がほとんどわからない……

それにしても酷い頭痛と吐き気だ


「ねえ、私の声分かる?」


誰かに話しかけられた

ただ、頭の中に深い霧のようなものが広がっていて意味は拾えなかった


さやか「 」


いま自分で何を言ったのかが分からない有様だ


「何言ってるか分かんないよ……」

『美樹さんごめんなさい、うなされてるようにしか聞こえないからこっちで会話しましょう?』


何かを言ってるのかは分かるのに異国の言葉のように意味がさっぱり分からない


さやか『~~?』

『君は魔女を倒した際に体力を使い果たし熱中症を引き起こした、これで理解できるかい?』

さやか『?』

「ふむ、まだ言語中枢が不安定で言葉を理解してないんだね」


いつまでも寝てる場合じゃない、何かすることがあったはず

とても大事な約束がこの後……

……なんだったっけ?



63 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 02:50:48.41 jHs7llPf0 35/623



ええっと、確か魔女を倒してそれから……


さやか「そうだ!焼肉だ!!」

まどか「馬鹿ぁっ!!」

さやか「うおっ!」

マミ「あらあら」

まどか「どうして第一声が焼肉なの?心配してた私たちが馬鹿なの?愚かなん?」

さやか「まどか落ち着いt(ん?」グッ


手が動かない、そして足も動かない

何かに押さえつけられているような、そんな感じ


まどか「ねえなんなの?」

さやか「いや待って、なんで?体が動かない!?」グゥゥゥ

QB「やっぱり覚えてなかったね」

まどか「あれだけ暴れといて!?」ギュゥゥゥゥ

QB「僕にあたってもしょうがないとは思わないかい?」

マミ「落ち着いて聞いてね、美樹さん」

さやか「あ、はい」

マミ「貴女は今からドクターギルモアの手によって新たな00シリーズのサイボーグとして生まれ変わるわ」

さやか「え?」

マミ「すでに人間をやめてしまってはいるけれどもう一度やめてもらうことになる……覚悟は良い?」

さやか「あの?え?」

マミ「なんて……冗談よ」フフッ

さやか「あの……?」

マミ「じゃあ私、お医者様を呼んで来るわ。キュウべぇは杏子とゆまちゃんに遅くなるからって伝えておいてね」スッ

まどか「お願いします」

QB「君は僕を伝言役か何かだと思ってないかい?」ピョン

マミ「そんなことないわよ」クス

QB「まったく……」スタスタ


64 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 02:55:47.04 jHs7llPf0 36/623


さやか「……」

まどか「……」


沈黙が痛いとはこのことであろう


さやか「あの……」

まどか「何?」

さやか「怒ってる?」

まどか「せめてこっち見ながら言ってよ」

さやか「ごめん視界がぼやけててよく見えないよ……」

まどか「はい」グイッ

さやか「あら?こっちだった?」


あの大変に目立つピンク色が見えないのだからよっぽど来ているようだ


まどか「もう良いよ、どうでも」


諦めすら通り越して悟ったような口調で語る


さやか「……」

まどか「……」

さやか(気まずい……)

さやか「あの……」

まどか「……」


沈黙は痛い


さやか「なんかごめん」

まどか「覚えてないなら無理に謝らなくても良いよ」


あたしが何をした


さやか「うん……」

まどか「……」

さやか「……」

さやか(絶対なんか怒ってるよね?)

65 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 02:57:23.64 jHs7llPf0 37/623


さやか(……ヤバい)


沈黙の重さになれてくると襲ってくるのは強烈な眠気だった

例えるならば運動会が終わった後のような


まどか「あのね私……」


眠りの前に御伽話でもしてくれるらしい


まどか「さやかちゃんがそんなに一生懸命だって気が付かなかったの」

さやか「……」

まどか「考えてみれば当たり前だよね……ほむらちゃんにとっては初めてだし、杏子ちゃんだってさやかちゃんと体育祭なんて楽しみでしたかないはずだもん」

さやか(ああ無理だなこれ……)

まどか「それに、こんなことを本気でやれるなんてきっと最後……高校生になっちゃったらバイトとか塾とかで皆が一緒にやれる時間なんてそうそう取れないよ……」

さやか「……z」

まどか「だからね、私……」

さやか「zzz」

まどか「~~」プルプル



67 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 03:01:39.00 jHs7llPf0 38/623


マミ「お待たせ、先生を呼んできたわ!」ドヤァ

さやか「zzz」

まどか「ウェヒヒヒ……ウェヒ……ウェヒヒヒヒィッ!!この落とし前は高いからねさやかちゃん!!ゴルゴムの仕業とか言っても許さないからね!」ガタッ

マミ「あの?鹿目さん?」

まどか「もう知らないっ!帰ります!!」タッタッタッタ

マミ「気を付けて、暗い夜道と魔女の罠(キス)キリッ……って聞いてる様子が無いわね」

マミ(それにかなり泣きそうだった……というより泣き顔見られたくなくて逃げ帰った感じねあれは)

医者「あのぅ……」

マミ(強がってただけでやっぱり美樹さんに攻撃されたことがショックだったのでしょうね……申し訳ないけど、こっそり後ろからつけましょうか)

マミ「それじゃ私も、お先に失礼します!」

医者「意識不明で一日は目覚めないと言われた患者が目覚めたと聞いて来てみればこれだよ……直感料理教室見て寝よう、うん」

さやか「うへへ……タン塩を炭酸でで流すのはたまらんよ……」

医者「同意だな」


68 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 03:09:53.55 jHs7llPf0 39/623

ガチャ

「あら、まだ起きないのね」

「そろそろ落書きでもしようかと思ってさ」キュポ

「油性を使えば良いのに」

「いやあたしそこまで鬼畜じゃないし……」

「取り敢えずは定番の額に肉ね」

「いや愚者とでも書いておこうぜ」

「なかなかの鬼畜ね」


さやか「……誰かいるの?」

杏子「ちっ目覚めたか……」クルクル

ほむら「どうせ動けないのだから強行しましょう」ズイッ

まどか「zzz……」

さやか「え」

杏子「まあいいや、勘弁してやるよ」キュポ

ほむら「存外優しいのね」

杏子「医者になんか言われたら面倒くせえし……」

ほむら「そう」

さやか「えーと……ここどこ?」

杏子「えー……」

ほむら「……」

まどか「zzz」

さやか「そんな顔しないでよ」

ほむら「貴女ってどこまでも愚かよね」ハァ…





69 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/19 03:33:37.89 jHs7llPf0 40/623


さやか「……なるほど、んであたしは熱中症で今ここに入院してると」

杏子「又聞きした身で言うのもなんだけど本当に何も覚えてないのな」

さやか「で、なんであたしは全身痣とか擦り傷だらけなわけ?」

杏子「聞いてねえな……魔女に襲われたとか?」

さやか「いや……魔女は倒したような……」

ほむら「そういえばまどかも怪我してたわね……理由は教えてくれなかったけど」

さやか「まあいっか!さらっと魔法で治しちゃうからさ!」

ほむら「周囲の人間に化けもの扱いされたいなら止めないわよ」

さやか「されたくないですすいません」

杏子「それにしても随分元気じゃん……顔色とかゾンビみたいって聞いてたけど」

さやか「そんなこと言われても……」

杏子「いや元気ならそれに越したことはないんだけどさ……あとこれがお見舞いの定番!果物盛り合わせだよ!」

さやか「あんたが食べてるじゃない……」

杏子「良いじゃん減るもんだけどさ!あとこの花はまどかからな」

さやか「あ、百合の花だ!」

ほむら(時期も早いし一生懸命探したんだわ……ただ意味が分かってなかったのでしょうね……そんなドジッ子もたまらなく可愛いのだけども!)

ほむら「そんなことよりさっさと医者を呼びましょう」

さやか「うん、お願い」

ほむら「貴女はどこまで愚かなの?何故ナースコールを使わないの?」

さやか「え?どれ?」

ほむら「これよ」カチッ

杏子「おい起きろー!」バン!

まどか「はぅ!」



75 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 00:56:17.44 0k3Lc+oG0 41/623


杏子「しかしまあ、笑える位に重装備だよなぁ」ケラケラ

さやか「点滴に吸入器に手首の謎クリップに胸と腹にこれまた謎のパッドにあと……」マタニモナンカハサマッテル…

ほむら「心電図なんて下手したら本物を見る機会はこの先無いわよ」

杏子「へぇ写真撮ろっかな」つipod

ほむら「いい土産話ね」

さやか「あたしをなんだと思ってるの……」

まどか「ん、ん~~!」ノビ~

さやか「ああまどかおはよう……って顔どうしたの!凄い怪我!」

まどか「まあ、顔だけじゃないんだけどね」

さやか「腕や足まで……」

まどか(お腹にも背中にも……)

ほむら「まさかとは思うけど魔女の攻撃から守りきれなかったとかじゃないでしょうね」ジャコ

さやか「院内で銃器出さないで!?」

ほむら「まあ魔女にやられたわけではないらしいけど」スッ

さやか「じゃあ何故疑ったし」

杏子「キュウべぇも口止めされてるらしくて教えてくんないんだよな」

さやか「ねえまどか、あんたまさか……」


コンコン  

「美樹さん、入りますよー?」

76 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 00:58:48.71 0k3Lc+oG0 42/623


ほむら「医者が来たようね」

杏子「んじゃ一旦出るぜ」

さやか「うん、あとでね」

まどか「あ、ちょっと用事済ませに行ってきてもいい?」

ほむら「ご一緒するわ」

まどか「さやかちゃんの荷物取りに行くだけだよ?」

杏子「なおさらご一緒するぜ、もう6時だし」

ほむら「気を付けよう 暗い夜道と 魔女のキス ってマミも言っていたでしょう?」

まどか「うーん……じゃあお願い!」ギュ

ほむら「どんとこいこい太陽風、よ」ホムッ

杏子「幸せオーラ隠れてねえぞ」

まどか「じゃ、後でねー」ニコ

さやか「あ……うん、行ってらっしゃい」


77 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:02:24.21 0k3Lc+oG0 43/623



そして約一時間

コンコン

杏子「入るぞいいかー良いなー入るぞ」ガチャ

まどか「ただいま!お医者様はなんて言ってた?」

さやか「ごめん……あたし二人に大分迷惑かけたんだね……」

ほむら「?」

杏子(すっげー沈んでる……)

まどか「マミさんも私も怒って無いよ……ちょっと怪我しちゃったけど」

杏子(マミもバイト帰りに偶然見かけたって言うしやっぱそういうあれなのか……)

さやか「本当にごめんねまどか……マミさんにもなんて言えばいいのか……」

ほむら(やっぱ魔女にやられたんじゃないのかしら……ああでもマミがいてそれは考えにくいし……)

まどか「んー……じゃあ、今度バケツパフェ奢りね!」

さやか「……オッケー!!じゃあ、さっさと治さないとね!」

ほむら「良く分からないけど立ち直りが早いわね」

さやか「ほら、病は気からって言うし!」ドヤァ

ほむら「ドヤのとこ悪いけどそれは病識をちゃんと持った方が治りが早いって意味で、根性云々の話ではないわ」


78 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:06:43.48 0k3Lc+oG0 44/623


杏子「そういや心電図外しちゃったのか、さっき写真撮っときゃ良かった」

さやか「あたしをなんだと思ってんのさ」

杏子「冗談だよ、冗談……で、病状は?」

さやか「とりあえず一週間は入院だってさ、飲食も移動も禁止……トイレも行くなってんだから大げさだよねー」

まどか「熱失神は30パー近い確率で死ぬらしいけどね」

さやか「すいません気を付けます……」

杏子「つーかさやかが倒れたの一昨日の水曜だろ?その日の最高気温って10度ちょいじゃなかったっけ?」

まどか「湿度は高かったから熱中症になっちゃうんだって」

ほむら「その程度で丸一日昏睡する羽目になるのね……」

まどか「しかもしばらく後遺症残るんだって」

さやか「もう色々嫌になってきた……」

ほむら「その嫌になるような常識を理解することが病識よ、特にあなたは自業自得なんだから身に刻みなさい」

さやか「はい……」



79 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:10:14.73 0k3Lc+oG0 45/623


まどか「あ、そうそうさやかちゃんの家からお土産持ってきたよ」

さやか「あはは……わざわざありがと」

まどか「とりあえず下着の替えとグリーフシードにPSPと……後仁美ちゃんから小説、それと昨日はお見舞いに来てたけどさやかちゃんのお母さんから手紙だよ」

さやか「お、ありがとー!どれどれまずは手紙から……」

杏子(部屋を漁られたことにはツッコミ無しかよ……)

ほむら(管理人さんも顔パスだったし……)

さやか「ああうんどうせ来れないと思ってたよ知ってた……その言い訳にお小遣いが入ってるのもね」

ほむら「典型的な放置家庭ね」

さやか「でなきゃ魔法少女続けらんないって」

まどか「さやかちゃんの家はお父さんもお母さんも仕事が忙しいから仕方ないよ」

杏子「フォローになってねえぞ」


80 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:12:43.97 0k3Lc+oG0 46/623


さやか「んで仁美から差し入れの小説は……4冊も?」

ほむら「あら、三色姉妹じゃない」

杏子「有名なのか?」

ほむら「何言ってるのよ、最近出て来たベストセラーじゃない!」

杏子「はぁ……?」

さやか(知ってる?)ボソ

まどか(いや……知らない)ボソ

ほむら「もうすぐ五巻が出るのよ、病院の個室は本を読むには最適な環境と言えるし……流石仁美ね、気が利くわ」

さやか「あんたが言うと説得力あるよ、うん」


81 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:27:48.75 0k3Lc+oG0 47/623


さやか「……で、みんなが帰った後仁美の小説を読んでる内に消灯時間というね」パタン

看護婦「ゆっくり休んでくださいね~」ヒラヒラ

さやか「おやすみなさーい」

さやか「……」

さやか「……」シーン

さやか「……部屋寒いのかな?」

さやか「何て言うのかこう……上半身は寒いのに下半身は暑いって訴えてるんだよね……」

さやか「すっごい寒いと思ってるのに汗かきまくっちゃってるし……悪寒っていうの?」

さやか「……」ブルブル…

さやか「強がらずに睡眠薬貰うんだった……震えるのが止まらない……」

さやか「それに……それ以上に……」

QB「やあさやか」

さやか「!」



82 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:43:29.91 0k3Lc+oG0 48/623


QB「入っていいかい?」

さやか「……駄目って言っても入るんでしょ?」

QB「マミがここにいろって言うからね」

さやか「ふーん」ジトー

QB「よっと」スト

さやか「……」

QB「体の調子はどうだい?」

さやか「お陰様で万遍なく悪いわよ」

QB「それは残念だね」

さやか「つーか熱中症位ぱぱっと魔法で治せないわけ?」

QB「病気を治す魔法と体を直す魔法は全くの別物だ、それに魔法でごまかすにしてもすぐに限界が見えるんじゃないかな」

さやか「確かにいつもよりソウルジェムが穢れるのが早いかも……」

さやか「……」

QB「なんかしらの病気になると何故かみんな弱気になってあっという間に濁るんだよね、待ってれば治るんだからおとなしく待ってればいいの(ギュ に?」

さやか「マミさんの気持ち……ちょっと分かるかな」

QB「マミの気持ち?」

さやか「あんたみたいな異星人を未だに友達とか言っちゃう気持ちだよ」ギュゥゥゥ

QB「痛い痛い痛い!痛いって!個体を駄目にする気なのかい君は?」ギリギリ




83 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:50:45.41 0k3Lc+oG0 49/623

さやか「……ちょっと寒いから」

QB「寒い?この部屋の気温は20℃、湿度は50%前後だ……君たちが最も快適に過ごせるとされる環境じゃないか」

さやか「でも寒い……」

QB「……まあ、熱中症の後遺症の一つに核心温度が上手くコントロール出来なくなるっていうのはあるからね」

さやか「なによそれ?」

QB「核心温度っていうのは1℃変わるだけでも体に大きな変化をもたらすんだ、それこそ体の芯の温度だからね」

QB「例えば風呂に入ってのぼせたり体が火照ったままになるのはこの核心温度が上がるからなんだ、逆に言うと冷え性なんかもこの核心温度との関連性があるわけさ」

QB「それに海外では一家でそれぞれ個人用の体温計があるのは普通のことなんだ、核心温度を測るのにもっとも効率的なのは直腸で測定することだからね」

さやか「zzz」

QB「しかしこの国では――君たちは自分たちの体について説明しても割と聞いてくれないよね、いくら外付けのハードウェアだからって……」

さやか「zzz……えへへ……」

QB「……結局離してはくれないんだね、キュップイ」

84 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 01:58:44.72 0k3Lc+oG0 50/623


次の日



ガチャ

QB「やあ杏子、こんにちは」

杏子「ようさやか!調子はどうだい?」

さやか「……日光の手前」カチカチ

杏子「ははは、そりゃそうか……」

QB「鮮やかなスルーだね」

杏子「つーかあれだな、吸入器も外れたみたいだしもう起き上がっても大丈夫なの?」

さやか「昨日は起き上がれなかっただけ……」チレ!ギンガノハテマデ!

杏子「あ……そう……」

さやか「っ……」ナンテコッタ… バカヤロウ!ハヤクモドレ!

杏子「あー……なにやってんの?」

さやか「マクロスエースフロンティア」アツクナルナヨ スカル4シュツゲキスル!

杏子「えっと……フレンドリー・ファイア?」

さやか「……SS取れないの、悪い?」ゴメンナ、クラン…

杏子「いや……そうじゃなくてさ……」


杏子『おいキュウベえ、なんだよこの空気!』
QB『もう三日も何も食べてない上に風呂にも入れない、プライバシーも半分無いような生活にストレスがたまってるんじゃないかな』
杏子『まあ空腹ってんならしょうがないな』
QB『それで納得するあたりが流石だね』


85 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:01:07.07 0k3Lc+oG0 51/623


杏子「……あ、そうだ!なんか飲み物買って来てやろうか?」

さやか「……あたしも行く」

杏子「って、おい大丈夫かよ」

さやか「ベッドの上よりずっと良い」

杏子「まあ良いけどさ、倒れたら引き摺ってくからな」

さやか「その時はよろしく」ガラガラ

杏子「それ杖じゃないだろ」

さやか「まだまだ体が重くってね、年取ったらこんな感じになるんじゃない?」ガラガラ

杏子「はは、笑えないねそりゃ」ガチャ

バタン 

QB「……僕は置いていくんだね、訳が分からないよ」コンコン

ガチャ

マミ「こんにちは美樹さんお見舞いに……あら?」

QB「マミはなんだか間が悪いね」



86 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:05:17.99 0k3Lc+oG0 52/623


杏子「自販機まで階段はさんで100m無い距離でバテバテってあんた……」

さやか「もうだめ……頭痛いしクラクラする……」ヨロヨロ

杏子「ったく……」ヨット

さやか「悪いね肩借りちゃって……」カラカラ

杏子「別に良いけどさこれくらい……っと、着いたぞ」ガチャ

マミ「……」ニコッ

さやか「……」

杏子「……」

マミ「美樹さん、チャオ」ヒラヒラ

さやか「マミさん!その節は大変迷惑を掛けたようですいませんでした!!」ビシッ

杏子「落ち着けさやか!そんなアグレッシブに礼儀正しく謝ってるとまた……」

さやか「あ……」クラァ バタッ

杏子「ってさやかぁぁぁぁぁっ!!」

QB「病院でぐらい静かに(ドムッ マミ、僕今悪いこと言ったのかい?」

マミ「落ち着いて杏子、とりあえずベッドに運びましょう」

QB「僕最近スルーされてばっかりだよね」



87 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:07:10.99 0k3Lc+oG0 53/623


マミ「――と言う訳なのよ」 

杏子「つまり救急車呼んだって教えたらパニックを起こして暴れたって訳だ」

QB「あの時まどかがソウルジェムを奪ったのは正解だよ、いくら弱ってても魔法少女が相手では死んでしまうだろうからね」

さやか「記憶にさっぱりないのがまた申しわけないところで……」

マミ「あたしは平気だーとか、なんてことねーってーとか……私に聞こえたんだからきっといろんな人に聞こえてたわよあれ」

QB「むしろあれだけ攻撃されても君を離さなかったまどかはよく頑張ったよ」

マミ「最初は取っ組み合いかと思ったんだけどね……鹿目さんが頭から出血してるから違うって思ったの」

杏子「どんだけ攻撃したんだよ……」

まどか「本当だよ……」


88 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:09:52.86 0k3Lc+oG0 54/623


さやか「本当にすいませんでした……」

マミ「あんまりにも馬鹿力だったから仕舞にはリボンで首を絞めて落としてしまったわ……暴力的な解決でごめんなさい」

さやか「いえ、もうティロってくれてよかったです……」

杏子「んでなんであいつの怪我治ってないのさ?苦手じゃないだろ?」

マミ「生き物を治すのと魔法少女やキュウべぇを直すのは勝手が違うの、救急車が来ちゃって二人の怪我をどうにかする時間なんてなかったし……」

まどか「それと野次馬が多かったせいですよね」

マミ「そうなの!おかげであまり派手に魔法が使えなかったていうのはあるわ……あれさえなければ鹿目さんの怪我ももう少し減らせたのに……誰も助けようとかしなかったし、あまつさえ写真とったり電話で話し出す始末よ……全員ティロッちゃえば良かったわ」

さやか「マミさんもまどかも……そんな中であたしのことなんか助けてくれたんですね……ありがとうございます」

杏子「で、なんでその話が秘密なのさ?」

マミ「暁美さんが聞いたら美樹さんが殺されるんじゃないかって」

杏子「ああなるほど、それで……」

まどか「クラスの皆には、内緒だよっ☆」ウィンク!

マミ「って言われたの」

杏子「ってのわああああああああああっ!!!」ガタッ ドシャ ゴンッ

さやか「杏子っ!?」

まどか「そこまで素で驚かれるとわたし泣くよ?」

QB「途中からさりげなく紛れてたんだけどね」


89 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:22:00.52 0k3Lc+oG0 55/623


マミ「あら、もう5時ね……バイトに行かなきゃ、じゃあね美樹さんお大事に」ヒラヒラ

さやか「ありがとうございました」フリフリ

まどか「頑張ってくださーい!」

杏子「……んで、なんであんたがここにいるんだよ?今日はほむらと七頭舞の練習するんだろ?」ヒリヒリ

さやか「あんた太刀覚えてるの?小鳥って相当独特じゃなかった?」

まどか「ティヒヒヒ……全然覚えてなくて自分でもびっくりしちゃったよ」

杏子(まあでも幸せだったろうなあいつも……)


コンコン ガチャ 


恭介「やあさやか、具合はどうだい?」

さやか「って恭介!」

杏子(ちっ……うざい奴がうざい時に……)

QB「杏子、顔が怖いよ」


90 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 02:37:57.18 0k3Lc+oG0 56/623


恭介「おや?僕はお邪魔だったのかな?」

さやか「そんなことは無いけどさ……」

まどか「そうだよ!さやかちゃんだってみんなが来た方が嬉しいよ!」

杏子「まあな」

恭介「ははは、ありがとう……でも今日は手短に帰るよ」ドウゾ

さやか「なにこれ?……って、あんたのウォークマンじゃない!」

恭介「なるべくさやかの好みに合わせたプレイリストにしたつもりだよ、退院した時返してね」

さやか「あ……ありがと」

杏子 ガタッ

まどか「あれ?杏子ちゃんどこに……」

杏子「トイレ」

恭介「あはは……やっぱ流石だよね、さやかも鹿目さんも」

まどか「へ……?何が?」

恭介「もう佐倉さんと友達になってるあたりが、さ」

さやか「はあ?」

恭介「暁美さんもそうなんだけど割と君たちにしか心を開いてない節があるから、見ててちょっと不安になる時とかあってさ」

さやか『そうなの?』

まどか『うーんまあ……さやかちゃんが入院してからは割と杏子ちゃんのフォローは大変かな……』


91 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 03:08:38.48 0k3Lc+oG0 57/623


恭介「友達になれたら良いんだけど、どうも僕は二人に嫌われてるみたいで……」

QB「それはしょうがないんじゃないかな」

まどか『黙って』グリグリ

QB「どうせ彼には聞こえないよ?」メリメリ

まどか『でも黙って』

さやか「恭介……」

恭介「まあこんな愚痴をさやかに言ってもしょうがないよね……それじゃ、今日は……」

まどか「あ、わたしちょっとお手洗い行ってくるから!帰ってくるまで上条君に居て欲しいなって!」

恭介「え?うん別にいいけど……」ガチャ

さやか「まどか……」バタン


92 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/28 03:10:33.99 0k3Lc+oG0 58/623



廊下


ほむら「……」

まどか「ってあれ……ほむらちゃん?何をしてるの?」

ほむら「さやかの見舞いに来たけど興が削がれて帰ろうかと思ってたところよ」

まどか「そう……なんだ……」

ほむら「杏子ならあっちよ、彼女はさっきの話を聞いてない」

まどか「……ほむらちゃんはいつから居たの?」

ほむら「杏子とほぼ入れ違いね、彼女は私に気付いてない」

まどか「あのね、さっきの話は……」

ほむら「私からは杏子に言わないわ」

まどか「それだけじゃないよ……」

ほむら「努力はする……卵を割らなきゃオムレツは作れない、そうでしょ?」ニコッ

まどか「うん!」

ほむら「それじゃ……」スタスタ

まどか「わたしも美味しいオムレツを作るって、そう決めたから!」

ほむら「当然よ……それこそ宇宙の法則に縛られないくらいに美味しいのをね」クル

まどか「杏子ちゃんも、皆も一緒にね!」

ほむら「ええ」スタスタ

まどか「またね!」ヒラヒラ

まどか「……って杏子ちゃん探さなきゃ!」クル

杏子「誰を探すって?」

まどか「ひゃあ!」

杏子「今の誰?」

まどか「えっと……通りすがりの迷子さん……」

杏子「はあ……?」



104 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:27:00.33 +8XySiyI0 59/623


さやか「んで、なんか3人ともさっさと帰ってしまったと」

QB「なにか急用でも出来たんじゃないかな」

さやか「なんだとー!このあたしを差し置くような用事なんて許さーん!」

QB「君は随分と元気になったね」

さやか「あんた冗談言うようになったわけ?さやかちゃん自慢の技「からげんき」だよ」

QB「僕には見分けが付かないよ」


~ドアの外~


医者「あの子、独り言多いよなぁ……」

看護士「ほら、前に入院してた上條君のお見舞いに来てた子ですよ」

医者「それは分かってるけどさぁ……やっぱあの子ちょっとキてないか?」

看護士「女の子にはストレスの貯まる環境ですからね」

医者「そう言うもんかね……」

看護士「そういうもんです」


コンコン


看護士「美樹さん入りますよー?」


105 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:30:29.37 +8XySiyI0 60/623


さやか「~♪」

QB「音楽を聞きながら楽しそうに小説を読んでるね……今朝は仏頂面だったのに」

さやか「だってやっとご飯食べれたんだよ~?テンションも上がるってもんですよ!」

QB「お水に米が数えれる程度に浮かんでただけじゃないか」

さやか「それでも嬉しかったの!」

QB「戦時中でももう少しまともに取ってる人の方が多かったよ」

さやか「もう食べ物を粗末にしたりしません!」

QB「当然のことなんだけどね」

さやか「あ、そうだ!消灯の前にお手洗い行っとかないとね」グッ

QB「辛いんだから大人しく尿瓶を使えば良いじゃないか」ピョン

さやか「嫌だ」カラカラ

QB「今朝はそれで不機嫌だったけど何が不満なんだい?」

さやか「誰が使ったかも分からないものを使うってのはちょっとね……それに、その……臭いが……」

QB「苦しい思いをして歩くより良いと思うけど」

さやか「あんたにこの話はするだけ無駄だったね……」

QB「?」


106 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:38:48.53 +8XySiyI0 61/623


次の日


さやか「お!ほむら~なんで昨日来てくれなかったのさ~」

ほむら「毎日来てやる程暇じゃ無いの、今日だって昼には出るわよ」

さやか「なんだよ連れないなぁ、もう!」

ほむら「昨日は帰りに魔女と戦ってグロッキーだったのよ」

さやか「ほほう、まどか先生の特訓が厳しかったと!」

ほむら「隠さないわ、理由の半分がそれね」

さやか「うんうん!気合い入ってますなー!」ズイッ

ほむら(いつにもましてウザい……)ススス

さやか「そんなことより聞いてよほむらー!あたし遂にお粥が食べれたんだよ!」ダキッ!

ほむら「そう、良かったわね……あと昨日のグリーフシードはあげるわ」イマカライッキニニゴルカラ

さやか「ありがとう!ご飯が食べれるってこんなに幸せなことだったんだね!」ギュゥゥゥゥ!

ほむら「それとさやか、事情が分かってるだけに言い辛いことなのだけど」グイッ

さやか「なんだいなんだい?このさやかちゃんに言ってみなさい!」ニコー

ほむら「あんまり寄らないで、臭うわ」

さやか「あたしってほんとバカ……」ジワァァァ



107 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:40:20.29 +8XySiyI0 62/623



~~


さやか「って事が昨日あったんだよ!酷くない?」

仁美「さやかさん」スンスン

さやか「なによ」

仁美「今度は香水を持ってきますね」

さやか「……」


~~


さやか「呪ってやる!あたしはこの世界の全てを呪ってやる!!」

杏子「あいつがやる気出してるのにあんたが絶望してどうすんだよ……」

さやか「ん?まどかは最初からそこそこやる気あったじゃん」

杏子「皆で美味しいオムレツ作るんだーって張り切ってたぜ?」

さやか「はぁ?オムレツ?何言ってんの?」

杏子「割とマジで殴るぞ」


108 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:42:22.63 +8XySiyI0 63/623




~~


さやか「って昨日杏子が言ってたよ!」

まどか「ふーん」モグモグ

さやか「聞いてないでしょ」

まどか「うん、全然聞いてなかった」ングング

さやか「むー……ところで何食べてんの?」

まどか「コンビニで買ったイチゴリゾット」カッカッカ

さやか「一口ちょーだい!」

まどか「まだ病院食だけでしょ?だーめ!」ホムホム

さやか「ケチー!つーか晩飯早くない?」

まどか「ん?これは間食だよ?」チウー プハーッ

さやか「え?あ……ああ甘いもんねイチゴリゾット!うん、別腹だよねー!」

まどか「イチゴとお米って意外とあうんだね!知らなかったよ」ケフッ 

さやか(どう見ても一食分だよね?ていうか米だよね?1,2まど食分はあると思ったけど)


~~


さやか「ってことがあったんですけど」

マミ「あら、イチゴリゾットは意外と美味しいのよ」

QB「米に合うものは食パンにも合うの法則を逆から当て嵌めてみたんだろうね」

さやか「それで納豆が食パンに合うとか言わないでよね」

マミ「合うわよ」

さやか「え?」




~そして~


109 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:47:56.65 +8XySiyI0 64/623



教室



ほむら「あら?さやかは今日から復帰でしょう?一緒に来なかったの?」

まどか「家が近いから上条君が付き添ってくれるみたい」

仁美「まあこういう時は仕方ありませんものね」

杏子「へぇー……っと、先生来たぜ」

ザワ ザワ

キャハハハ!

ガラガラ 

ア、キタキタ!  ガタガタ


ピシャン!



コツ コツ コツ コツ……

カタン

和子「こほん!えー――今日は大事な話があります。皆さん心して聞くように」

ほむら『なんの話だと思う?』

まどか『ほむらちゃんの時は卵の焼き加減で、杏子ちゃんの時はシュークリームの食べ方だったよね?』

QB「それ予想の仕様がないじゃないか」

杏子『つか毎回やってんのかよこれ……』

和子「はい!佐倉さん!」

杏子「げ……」ガタ

まどか『頑張って!』


110 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:50:33.59 +8XySiyI0 65/623


和子「入院患者のお見舞いに持っていくものはメロンですか?それともモモですか?」ピッ

杏子「え?えっと……も、モモd(バンッ!! うぇ!?」

和子「シャァァラァァァァップ!!」ゴゴゴゴ

ほむら『まだまだね』

杏子『おいなんだよこれ!?』

和子「確かにモモの旬は6月頃からですし今の時期少しずつ入手しやすくなっていく時期です」カツ カツ

杏子「はあ……」オズ

和子「で・す・が!」ズビシッ

杏子「は、はいぃ……」



111 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/05/29 02:53:24.26 +8XySiyI0 66/623


和子「今のご時世ならビニールハウス栽培でどんな果物だろうと年中栽培されているのです!ならばここはどちらも持っていくという懐の深さを示すのが男性の心を掴む秘訣です!よろしいですかっ!!」

杏子「お、おおう……」

和子「返事ははい!」

杏子「はい!」

和子「もっとお淑やかに!」ズン!

杏子(はあー!?)

杏子「えっと……」

和子「……」ジー

杏子「……はぃ……」ウルウル…

中沢「ぶほぁっ!?」ボンッ

恭介(あてられたか……)

仁美(あ、今落ちたな……って瞬間を見てしまいましたわ)

和子「そうそう、貴女は素直な方が素敵よ」ボソ

杏子「な///」カァァァ

「杏子も順調に馴染めてきていい感じだねー!」

「いや、あれは洗脳だと思います……」

和子「あ、それと今日から美樹さんが復帰しますからねー」

さやか「こっちが後回しかよ!」ガラッ

和子「お医者様から運動は自粛するよう固く言いつけられております……が、 く れ ぐ れ も 放課後や朝の練習に誘ったりしないように!」

さやか「あはははは、みなさんよろしく……――って朝練!?もう始めてんの!?まだ4月だよ!?本番6月だよ!?」

仁美「うちのクラスだけみんなが体操服着てるあたりで気付いてください」

さやか「あたしってほんとバカ……」

126 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 00:44:22.81 EmRtrxUt0 67/623


「ねえねえ!まどっちと共に襲い来る不良をクシャポイしまくったって本当?」

さやか「なにそれこわい」

「ええー?私は鹿目さんとのガチバトルの結果地に伏したって聞いたよ?」

「ほら、最近鹿目さんめっちゃ筋トレしてるじゃん?」

さやか「どんな噂よ……」

杏子「あたしは魔女とかいう化け物との死闘の末って聞いたけど?」

さやか「おい」


ワイワイガヤガヤ


まどか「皆ごめんねー!さやかちゃん、休み時間は保健室いって体温計らないと行けないんだ」

「あ、そうなんですかごめんなさい!」

さやか『さんきゅ』

まどか「へへ、私保健委員だし」

杏子「これ以上質問ある奴はあたしを倒してからにしな!」

「杏子はまたそーやって煙に巻くー!」

杏子「あたしはちゃんと答えてるんだけどな……」

仁美「まあまあ、あんだけがっつりトレーニングしてれば倒れもしますわ」

中沢「でも怪我の理由とか気になるじゃんかよ」

杏子「だからあたしを倒せたら教えてやるよ」

中沢「……押し倒すのはOK?」

恭介「中沢……」

「中沢君…」

杏子「はん!やれるもんならやって見な!あたしh まどか「大変っ!!今日の三時間目は合同体育だから体育委員の杏子ちゃんは早く行かなきゃ!!」

杏子「へ?」

中沢「それはつまりこの場d さやか「早く行きなって!」

ほむら「こっちよ杏子」

杏子「へ?」ズルズル

さやか「あと中沢屋上」

中沢「おいなんだそのまるで俺が悪いみたいな空気は」

「死ね!」

「キモイ!セクハラ!」

仁美「ようこそ、志筑仁美のナイトメアへ」パキパキ

中沢「ちょっと待て!俺の中のペテン師が天使を言いくるめた、それだけじゃないか!」

恭介「中沢」

中沢「おい上条!なんとかしてくれよ……」

恭介「君は一回死んだ方が良い」



127 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 00:54:12.83 EmRtrxUt0 68/623



3時間目~校庭~


まどか「皆!リレー頑張ろうね!」

「昨日練習したから楽勝っしょ!」

「むしろ昨日一昨日のトレーニングで筋肉痛なんですけど……」

中沢「俺、蹴られた尻が痛いんですが……」

まどか「自業自得だよね」

杏子「さやかは見学だけど……ま、頑張るか!」

ほむら「ところで男女のアンカーは……?」

恭介「男子は中沢として、女子は志筑さんかな?」

仁美「あら?長距離ならほむらさんの方が速いのでは?」

ほむら「いや、その……」

「んー?声が小さくて聞こえな~い!」

ほむら「えと……」

「そう言う言い方しちゃいけません!」

杏子「なんだよ?煮え切らないな……」

ほむら「その……」

仁美(内弁慶ですわ……)

まどか「んー……?」

仁美(何言おうとしてるのか考えてますね)

まどか「あ、分かった!ほむらちゃんバトン持ったこと無いんでしょ!」

ほむら「……」

「え……それまじきー?」

ほむら「はい……」

まどか「じゃあほむらちゃんが最初で男子に渡す役だね!」

「暁美さんのスタートダッシュで一位をゲットだね!」

「精一杯頑張って」

ほむら「これを手渡しすれば良いのよね?」

杏子「相手より早く、上条にな」

まどか「あ……始まるみたい、整列しなきゃ」


128 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:05:28.04 EmRtrxUt0 69/623



~~


さやか「保健室で見学とか何も見えないんですが……」
「外に出せるわけ無いでしょ、今日は暖かいし日も出てるのに」

さやか「いや、あたし今寒い位なんで大丈夫ですよ!」

「より一層駄目じゃない……いい?熱中症と言うのは云々」



「それじゃあいちについて、よーい……」パン!

仁美「流石ほむらさん!速い……のですが……」

二組女1「ぷ……右手で持ってるw」

二組女2「東京で流行ってるんじゃないw」

二組女3「まあうち負けてるんだけどね」

二組女1「あ……うん……」

二組女2「いや……うん……」

まどか(七頭舞の練習とか断らせて一回練習させるべきだったなぁ……)ムムム…

仁美(まどかさんはさやかさんが入院してから考えることが増えましたね……)シラガフエマスヨ



ほむら(よし、ここでバトンを……)

恭介(よし、そろそろ走り始めて……)

ほむら「ちょ?え?」

ほむら(な……なんで逃げるの?)

ほむら(渡す相手が違う……?いや、上條恭介だと確認して……え?)

杏子「馬鹿!全速力で上條を追って渡すんだよ!」

ほむら「あぁ……そう言 杏子「速くしろ!追い付かれるぞ!」

ほむら「えと……はい」

恭介「よし来t……早く離してぇぇぇえ!!」

ほむら「ご、ごめんなさいっ!」

二組男「悪いな上條!お先!」

恭介「あ!この、待てー!」

ほむら「あ……」


129 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:08:45.24 EmRtrxUt0 70/623


~~

さやか「あ、ほむらバトン渡しでやらかしたな」

~~

まどか「ってのがこっから見ても分かるや……」

二組女1「何あれwww」

二組女2「馬鹿w東京ではあれがトレンドなのwww 」

二組女1「ナウいわ―www」

二組女3「愚か過ぎて目も当てられない」

仁美「……何も言いませんわ」

まどか「次はちゃんと練習させるから……うん」


~~

さやか「……」

QB「リレーが終わったね」

さやか「ねえキュウべぇ……」

QB「なんだい?」

さやか「もしもあたしが万全の体調で参加できていれば結果は違ったのかな……」

QB「今回のリレーはおおよそ一周、タイムで言ったら30秒近い差がついていた……1組の子はここ数日トレーニングが続いていたことによる筋肉痛でパフォーマンスは下がっていることを考慮しても勝ち目は無いだろうね」

さやか「途中からあいつら遊んでたもんね……」

QB「ま、圧倒的な体力の差だね」

さやか「……」

QB「悲観する必要はないよ、他の競技で差を付ければ良い」

さやか「うん……そうだね……」

「美樹さん?誰とお話ししてるんですか?」

さやか「いえ別に……」

「あなたはかなりどぎつい夏バテと言える状態です、無理があればすぐに伝えてね」

さやか「はーい……」

130 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:21:25.41 EmRtrxUt0 71/623


まどか「ドンマイだよほむらちゃん!」

仁美「そうですわ!次はちゃんと練習して目にもの見せて差し上げましょう!」

ほむら「ほむぅ……」

二組女1「都民乙www」

二組女2「一組特訓の成果はよwww」

ほむら「……」

まどか「ちょっと、そんな言い方は ガッ(ヒャア!」

杏子「まあまあ、そう言うなよお姫様」スッ

二組女3(佐倉杏子……!)

仁美(あなた、素質が……!)

中沢「羨ましいぞ鹿目さん!」

恭介「そこじゃないだろ」

杏子「あんなのいちいち相手にすんなよ、疲れるだけだぜ?」

まどか「えーっと……うん……」

杏子「ほむらもだぞ、気にすんなよ」

ほむら「貴女がまどかを抱きながらだと殺意を覚えるわ」

仁美(来てますわぁ……)

二組女3(捗るわぁ……)

131 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:33:15.67 EmRtrxUt0 72/623


お昼休み 教室

まどか「ってことがあったんだよ!もう信じらんない!」ガツガツ

さやか「あんたが何に怒ってるのかちょっと分かりかねるよ」

まどか「どっちにもだよ!」ムグムグ

仁美「まあまあとても良いものが……じゃなくて、そこで喧嘩になるよりはよほどいいではありませんか」

まどか「ん~……」モシャモシャ

仁美「杏子さんはその辺は大人ですよね」

さやか(罵倒され慣れてるんだろうな……)

まどか「あの子たち絶対ぎゃふんって言わせるからね」ヒョイッパク

さやか「あのさ……突っ込むのは野暮かなって思ったんだけど」

仁美「なんですか?」

まどか「何かあったの?」モクモク

さやか「まどかはいつからそんな食べるようになったわけ?」

仁美「お弁当が重箱3つですね」

まどか「でもこのうち一つは放課後のお弁当用だよ?」シャクシャク

さやか「今食べてる二つのうち一つは全部米じゃない……って待って今何言った!?」

まどか「最近お腹が空いて……ズズズズ……ふう、なんかトレーニングの体になったんだって!」

仁美「あ!そういえばあれ、持ってきましたよ」

まどか「本当!」

さやか「あれって?」

仁美「やはり初心者に安定なのはザバスのホエイプロテインですね」テッテレー

さやか「ぇー……」

仁美「味もサンプルをいくつか持ってきましたわ」

まどか「これが噂のプロテイン専用のタンブラー……!」パァァ

さやか「あたしまどかが分からなくなってきた……」

まどか「勝つための手段なんて選ばないんだから!」


132 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:48:02.93 EmRtrxUt0 73/623



お手洗い前


仁美「まずこの……初心者にもやさしいココア味とグレープフルーツ味をボトルに空けて」サラサラ

まどか「お水を線までだね!」トポトポ

仁美「本物は付属のスプーンを使ってくださいね」シャカシャカ

さやか「あとはシェイクっと」

まどか「パパが昔好きだったんだって~♪」シャカシャカ

仁美「それではグイッとどうぞ」

まどか「まずは香りのいいココアから」スンスン

さやか「うぇ……グロい泡……」

仁美「どうですか?」

まどか「……ココアっていうより……外国製の安いチョコ?」ハイドウゾ

さやか「分かりづらい例えで来たなぁ」アタシモノムノ?

仁美「それでも本当にましな方ですよ」

さやか「うげ……小麦粉の混ざったココア……まあ飲めなくはない……」

仁美「こっちはグレープフルーツ味です」

まどか「見た目は濁ってて泡立ったポカリだね……匂いも近い……かな?」

さやか「ちょっと煙っぽいね」

まどか グイッ

まどか「後味が最悪なアクエリアスみたい……結構濃くて舌にヒリヒリくる……」ハイ

さやか「ん……でもあたしはこっちのがいいかな……甘さ酸っぱくてさわやか系な分一気飲みしやすいし」

仁美「ほかにもバニラ、イチゴ、アセロラ、バナナ……あとは漢のプレーン味とか……」

さやか「漢のって……」

まどか「うーん……とりあえずココア味貰っても良いかな?」

仁美「分かりました、明日大きいのを持って来ますわ……そして実は私もココア派なんです!」

まどか「良かった!やっぱりココアだよね!」

仁美「ザバスのベストセラーですから!」

さやか「なんで女子中学生が学校でナチュラルにプロテインの話なんかしてるかな」

杏子「あれ、なにやってんの?」

まどか「あ、七頭舞の練習終わったんだ?」

杏子「あたしはともかくほむらがなぁ……」

ほむら「……放課後も頑張るわ」

仁美「杏子さんは放課後の練習も免除されてこっちに参加してくれてるんですよ?」

さやか「へー……もう覚えたんだ」

杏子「あれくらい楽勝さ」

ほむら「ほむぅ……」

杏子「今日は助っ人が来るらしいぜ?頑張れよ!」

ほむら「助っ人?……ってそんなことより何の話をしていたの?」



133 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 01:58:29.03 EmRtrxUt0 74/623



5、6時間目~家庭科~ 


杏子「プロテインねぇ……」

ほむら「飲んでるだけで筋肉付くって言うなら皆飲めばいいじゃない」

仁美「ほむらさん、プロテインは薬じゃなくて食品なんです」

ほむら「……?」

仁美「その人の1日のトレーニングの効果を十全に引き出すのは食事です!プロテインはその食事の補助食品でしかないんです!」

さやか「飲み物じゃないんだ……はい、小麦粉ふるったよ」

杏子「つまりまともにトレーニングと食事をしないやつが飲むものじゃないと……さやかこれBP入れた?」

まどか「そういう人が飲むとスッゴく太るってパパが言ってたよ……さっき入れてた」

恭介「じゃあ僕は止めといた方が良さげだね……えっと…そしたらこっちのバターも砂糖を混ぜていこうかな」

中沢「志筑ー!バター終わった?」

仁美「えぇ、あとは黄身を混ぜるだけですわ」

ほむら「じゃメレンゲを作っておくわ」

さやか「仁美の班早いなぁ……」

まどか「うちの班までお喋りに来てるのにね」

仁美「ま、そんなわけでプロテインを飲むのは運動の直後がベストですわ」

まどか「分かったよ!」

さやか「さーてこっちも気合い入れてメレンゲを」

杏子「さやかは駄目」

さやか「なんでよ!」

杏子「もう一回倒れたければご自由に」

さやか「ナマ言ってすいませんでした……」

まどか「こんなことにも気を使わなきゃいけないんだね」

QB「例によって前例があるからね」

134 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 02:07:21.66 EmRtrxUt0 75/623



そして放課後


杏子「じゃ、今日も4時半集合6時解散だな?」

まどか「うん!後でね!」

さやか「部活始まって校庭が使いにくいから近くの森林公園のグランド乗っ取って使ってるんだね……」

まどか「近所でトラックがあそこしか無かったし、」

QB「なんだかんだと12、3人は集まるようになったからね」

まどか「校庭を占拠するのは良くないと思ったの」

「っしゃー!今日も気合い入れてくよー!」

「授業中にも入れてくださーい!」

まどか「でも朝は皆来てくれるんだよ!だから大縄跳びしてるの!」

仁美「放課後は走り込みばっかりですけど」

QB「基礎体力をつけなきゃ勝負にすらならないからね」

まどか「ウェヒヒヒ……他のメニューはその内考えるね」

さやか(素でキュウべぇをスルーしてんなぁ……)


135 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/11 02:23:39.57 EmRtrxUt0 76/623



放課後 美樹家 


さやか「結局帰りも恭介に付き添われてしまった」カチャカチャ

さやか「別に平気だって言ってるんだけどなー」コト

さやか「そんなことより!水分をとても効率的に摂取できる代表的な飲み物に味噌汁があるんだって!」パカッ

さやか「日本のおかんたちは偉大ですなー!」

さやか「そ・し・て!ふふふ……朝のうちにちゃんと昆布をお水につけといたもんね」ズズ

さやか「やっぱ味噌汁は昆布と鰹節に限るね」パチッ

さやか「さーて鰹節は……」ガサゴソ

さやか「切らしている……だと……?」

さやか「今はちょうど4時半……」

さやか「体調は……若干寒いと感じているけど、眩暈と吐き気に頭痛は無し」

さやか「……」

さやか「ま、まあちょっとそこのスーパーに鰹節買いに行くだけだし!」

さやか「一人でも大丈夫……だよね?」

さやか「日差しもそんなに強くないし……」ガタッ

さやか「水分を摂って……」トポトポトポ……

さやか「ん……肌の露出を抑えれば大丈夫!……きっと!」ガタッ

さやか「行ってきまーす!」ガチャッ 

さやか「……」バタン

さやか「はぁ……誰に何言ってんだか……」カチャッ



142 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 00:55:58.11 0HlG81ZG0 77/623


さやか「憎らーしーくて手の甲に♪つ~めを立ててみる!タターンタン、キラッ☆」

さやか「ん、ゆまちゃんだ!なにしてんだろ?おーい!」

ゆま「さやかお姉ちゃん!入院してたんじゃなかったの?」

さやか「もうばっちり退院したよ、ずーっと寝てたから体力が有り余ってるくらい!」

ゆま「へー」

さやか「そういうゆまちゃんは何してたの?」

ゆま「魔女を見つけたから追いかけてるの……でもさっきからマークが見つかるばかりで……」

さやか「魔女?……本当だ、しかも大物」

ゆま「うん……あ、またマークだけだ」

さやか「何個目?」

ゆま「もう20個目だよ……」

さやか「そんなに見つけたの?」

ゆま「まだ反応は7つ位残ってるの、嫌になってきちゃった……」

さやか「あーちょっと待ってね、ん~……」

ゆま「分かるの?」

さやか「乙女の勘だけど、多分……こっち!」ビシッ

ゆま「町はずれの工業地帯の方?」

さやか「多分だけどね……行ってみよう?」

ゆま「うん!」



143 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:02:08.38 0HlG81ZG0 78/623



工業地帯


さやか「当たり……だね」

ゆま「さやかお姉ちゃんすごーい!」

さやか「マミさんは今日バイトだから、杏子とほむらにメールして……あーでもほむらメール気づかないんだよなぁ……」

ゆま「杏子は携帯うちに置きっぱなしだったよ?」

さやか「あいつは……まどかにメールしとこう……」カチカチ

ゆま「あ!女の子が二人結界に取り込まれた!」

さやか「……って!やらせない!行くよゆまちゃん!」ギュルン!

ゆま「よーし、キバっていくよ!」パァァ

さやか「戦えない全ての人達の代わりに、あたしが戦う!」バサァ!

ゆま「二人っきりって初めてだね」

さやか「え?あー……確かに、いつも杏子かマミさんがいるかも」

ゆま「がんばろうね!」

さやか「え?うん……」

さやか(こういう時に限って本調子じゃないんだよなぁ……)

144 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:18:06.81 0HlG81ZG0 79/623


さやか「出たよ、こう言う探し回らなきゃならんタイプの結界……」

ゆま「嫌になるよね」


魔女の結界は木で出来た天井の高い廊下、ところどころシャンデリアがぶら下がっており自分たちのような小市民は場違いであるような心持になってくる

壁には扉が大量に並んでおりそのどれか一つに魔女が潜んでいるようだ


ゆま「あの子達はもうどれかの扉に連れて行かれちゃったのかな?」

さやか「とりあえずあたしは右側、ゆまちゃんは左側を順番に見ていこう」

ゆま「うん」

さやか「さて、と」


扉の向こうはまるでテレビや雑誌に出てくるような豪華な一室ばかりだった

大きな姿見のあるお風呂場、バーカウンターのついた台所、暖炉のある静かな書斎、8人分の座席が用意された客間……

さやか「金持ちだなぁ……」

ゆま『さやかお姉ちゃん、女の子たちいたよ!襲われてる!』


壁一面がガラス張りのシックな色合いで統一された応接室を調べていたらゆまちゃんから通信が来た


さやか『OK!すぐ行く!』



145 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:19:48.90 0HlG81ZG0 80/623



部屋を出てすぐ正面の扉に入る

その中は青い床に赤や黄色で彩られたバスケットコートになっていてここが魔女の結界であることを再認識させられる


さやか(目に悪い……)


部屋の隅で女の子達とゆまちゃんは身の丈ほどのボール達に追い詰められていた


さやか「ゆまちゃん!」

ゆま「!」


あたしに気付いたゆまちゃんは地面を叩き衝撃波で使い魔の気を逸らす


さやか「ラップルザセイバーー」


一瞬の隙をつき2体の使い魔を刻む


さやか「アレグロ・コン・モート!」

使い魔「ギャアアア!」


正面の使い魔にサーベルを突き立て


使い魔「ボールをゴールにっ!シュゥゥゥウ(

さやか「やぁっ!」

ゆま「飛んでけ!」


後ろの使い魔を蹴り飛ばしたところにゆまちゃんのフルスイングが入ってライナー様に吹き飛んでいった


ゆま「ねえさっきの何?」

さやか「カッコいいでしょ?」

ゆま「う……うん……」



146 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:26:38.79 0HlG81ZG0 81/623


さやか「大丈夫?」

「……ママァ……」

「ふぇぇ……」

ゆま「口付けは無いから偶然巻き込まれちゃったみたい……」

さやか「そっか……取り敢えず二人を連れて一旦――」


突如として部屋が崩れて下へと落ちる


ゆま「見つかっちゃった!」

さやか「っ!」


女の子を抱えて数メートル下の白くて柔らかいビニールで出来た床に着地する

部屋の壁も全面真っ白で距離感が掴みにくいが、かなり広い上障害物はもとより出口が見当たらない


さやか「嵌められた!?」



147 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:42:44.36 0HlG81ZG0 82/623

~森林公園~

まどか「おつかれさま~!」

杏子「じゃあなー!」

「じゃあねー!」

仁美「お先に失礼しますわ」

まどか「よいしょっと……」ペリ

杏子「ん?なにそれ?」

まどか「清缶剤だよ」ゴシゴシ

杏子「別に臭いなんて……つーかこれはこれでキツいぞ……」

まどか「終わって30分位してからすごく匂うんだよ?」グシグシ

QB「それで弟に言われたからまどかは結構気にしてるみたいなんだ」

まどか「帰って早々おねえちゃん臭いとか言われたら気にするよ!」

杏子「あ、そ……」

まどか「杏子ちゃんもいる?ゆまちゃんに言われたらショックで濁っちゃうかもよ?」ウェヒヒヒ

杏子「……」パシ

QB「気にはするんだね」

まどか「女の子だもん……ん?メールだ……さやかちゃんから……20分位前?」

杏子「うぇ……これすっげぇ冷える……」スースー

まどか「ちょっと!!杏子ちゃん!!」

杏子「んだようっせーなぁ」ポリポリ

まどか「運動直後によく食べれるよね……じゃなくて!!」

QB「魔女だねしかも稀に見る大物だ(ギュプッ!」

杏子「先に言えよそう言う事をさ……」グリグリ

QB「これだけ大きな呪いに気が付かないってどういうことだい?」ギリギリ

杏子「場所は!?」

まどか「工業地帯だって!」

杏子「……えっと、どこ?」

まどか「……」

148 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:52:40.53 on8jiV3p0 83/623


~魔女の結界にて~


部屋の中心と思われる場所には灰色のボディに青いペンキを塗りたくって顔の付いた汽車としか形容出来ない魔女がいた
穴の空いてるように見える瞳は微笑みを携えている

ゆま「大丈夫だよ、泣かないで」

「うぁぁぁん!」

「やだよ!恐いよ!!」

さやか「ん?床になにか浮かび上がって……青いレール?」


青いレールは伸び続け遂にあたし達の足元まで辿り着いた


魔女「レッツ・ゴー!」

ゆま「来る!」

さやか「二人をお願い!」

ゆま「どうするの?」

さやか「なんとかする!アルスノーバ・セイバー!」


高い汽笛の後で汽車の魔女が迫る

ゆまちゃんが二人を抱えて下がったのを見てマントから8本のサーベルを召還


さやか「逃がさない!マルカート・ジャムスセッション!!」


2本を手に取り残りを魔女に突撃させる


魔女「アハハ、アーッハッハッハー!」

さやか「弾かれた……けど!」


魔女に向かって飛びかかった


ゆま「こっちにレールが!」

さやか「でも、貰った!」


そして魔女の頭上から新しく取り出した剣を突き立て――


さやか(堅い……!)

ゆま「そんな!」

さやか「戦況を建て直す、二人をしっかり抱いてて!」


魔法陣を蹴ってゆまちゃんのもとへ駆け付け、全員がレールから離脱し一安心……


魔女「ハッハー!」


汽車の上部が展開し、何かが打ちあがった


ゆま「……乾電池?」

さやか「……違うよ、ミサイルだ!こっちに飛んでくる!」


149 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 01:59:55.00 on8jiV3p0 84/623


さやか「けど二発なら……」


両手のサーベルを向け照準を合わせる


さやか(手が震える……?)

さやか「っ!……当たれ!」

さやか(もう限界?嘘でしょ……)


金属のぶつかる音と共に乾電池が爆発を起こす


ゆま「一発外れた!?」

さやか(だめだよく見えない……でも、一発落としたなら!)


頭痛と眩暈のする体を鞭打ちゆまちゃんとミサイルの射線に割り込ませ


さやか「きゃあっ!」


衝撃波と熱気を身で受け背中から無様に叩きつけられた


ゆま「大丈夫!?」

さやか「平気、平気!あたしの魔法は……?」


体に力が入らなくて立ち上がれない

あまりに言うことを聞かないので手足が無くなったのかと錯覚した程だ


ゆま「え?」

さやか(視界もぼやけてきた……もう限界)

ゆま「ねえ、どこか悪いなら……」

さやか「……二人は?」

ゆま「気絶してるよ」

さやか「そっか……」

魔女「やぁっちまいなぁあ!!」ガパッ ドドドド

使い魔「あいあいさぁー!!」

ゆま「またミサイルが……それに使い魔が何匹も!」

さやか(とどめに来たか……)


150 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:04:48.93 on8jiV3p0 85/623


使い魔「ボールをゴールにッ!!」

使い魔「シュゥゥゥゥッッッ!!」

さやか「あの子達をお願い……どっか壁を壊せば多分、大丈夫」

ゆま「さやかお姉ちゃん……」

さやか「あいつはあたしが引き受ける……」

ゆま「そんなの駄目だよ!」

さやか「心配しないで、ちゃんと時間は稼ぐから」

ゆま「絶対やだよ!」

さやか「っ……先輩の言うことは聞きなさい!」

ゆま「でも!!」

ほむら「それ、あなたが言うの?」

さやか「え?」

使い魔「キャァァァァシャベッタァァァァァァ!!」

「ステッピングファング!」

さやか「ミサイルが撃ち落とされてく……それに……」

ゆま「使い魔の動きが鈍く……?」

ほむら「ちゃお」

さやか「ほむら!」

使い魔「超ッ!!エキサイティンッッッ!!」

ほむら「鹿目流繰杖術参乃型……」フンフンフン

ドカッ バキッ グシャッ ベチィッ

使い魔「最っこk(ブベラァァッ!!」

ほむら「トゥィンクルスタッフ」ファサァ

ゆま「えぇぇ……」

さやか「かっこいい……」

ゆま「……」

使い魔「調子に乗るのも大概に――」

「よそ見良くない!ヴァンパイア・ファング!!」ジャラララ

ズバァッ!!


151 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:14:48.06 on8jiV3p0 86/623


キリカ「っと参上!」

さやか「キリカさん!」

キリカ「病み上がりのくせにまた随分な大物を拾ったねぇ……」

さやか「アハハ……」

ゆま「えへへ……」

ほむら「さやか、体は?」

さやか「どうにもオーバーヒートっぽい……」

ほむら「なら剣だけ5、6本寄越してとっとと引っ込みなさい」

キリカ「突撃するよ、二人とも良いかい?」ヒュンヒュンヒュン

ゆま「バッチコイ!」グッ!

ほむら「早く……あと4本」

さやか「そんなポンポン出ないってば!」

ほむら「あら、意外だわ……いつもポンポン投げてるのに」

さやか「んもう!」

ゆま キリカ「「せーの!」」ガキン!

魔女「んなのが効くわけねーだろぉっ!!」

ゆま「ひゃ!かったい……」ジンジン

キリカ「爪が折れるなんて……」ボロッ

ほむら「この……」ガキン

魔女「情けない突きだなぁ!!……ん?」ピカ

ほむら「ちゃお」 ボン!!

さやか「いつ仕掛けてんのよ……」


モクモク ブワッ


ほむら「はあ……」

魔女「良いね君、やりこみ感じるよ!ところが」

キリカ「ギッチョン! ヴァンパイア・ファング!!」ジャラァ


バチィン!!


魔女「はっはっは!!物足りないなぁ!!」

キリカ「嘘だろっ!?」バッ

ほむら「硬い!」サッ

ゆま「こんなのって酷いよ!」タッ



152 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:26:01.39 on8jiV3p0 87/623

~工業地帯~

杏子「ここか!」

まどか「 」

QB「道案内の為とはいえ一般人であるまどかを背負って全速力で移動するなんてどうかしてるよ、気絶してるじゃないか」

杏子「うるせぇ起きろ!」

まどか「は!ここはだれ?私はどこ?」

杏子「着いたぞ、そこで寝てろ!行って……」

まどか「ってそうだ!さやかちゃーん!」バシュン

杏子「来る……から……」

QB「さて、魔女に狙われる女の子ということは契約のチャンスg(ムギュゥ!」

杏子「さて」ズボォッ!

QB「待って!チャックを閉じないで!」ジー

杏子の鞄(QB)「出して!出してよ杏子!」

杏子「お転婆なお姫様だよなぁ……」



153 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:31:44.80 on8jiV3p0 88/623


キリカ「仕方ない、速度低下出木無くなるから使いたくないんだけど……」ジャコッ

キリカ「斬って駄目、殴って駄目、突いて駄目、爆破してもダメとなりゃあ……」ヴィィィイイン!!

さやか「金色の爪?……てか音うるさい!」

キリカ「後はもう、ぶっ壊すしかないよねぇっ!?」

ほむら「ゆま!」ダッ

ゆま「うん!」ポッポッポ…

キリカ「ヴァイブレーション・ネイル!!」ギィィイイイイイイッ!!

ゆま「えーいっ!!」パーッ!

ドンッ!! ガラガラヒガラガラ゚シピシピシピシパキ……

ゆま「もう一回!!」ダァンッ!!

ゴゴゴゴゴ……ボゴンッ!! 

魔女「ちょ」グラァ

さやか「クレーター……下手な爆弾より強いでしょあれ……」

ほむら「どんな機関車だって宙にいれば動けない……」スッ

キリカ「さあお前の罪を数えろ!!」ガリガリガリガリ

魔女「なにぃ~~っ!削れるってのかい!!」

ほむら「表面装甲さえ削れれば上等よ……」チャッ

ゆま「とどめだ!落ちろ!」ブンブン

キリカ「これぞ連携必殺、サクセサー・オブ・デルタ!!」


ザクッ ズバッ ドンッ!


さやか「ん?」

ほむら「は?」スタッ

ゆま「えぇ……」ヒキッ

キリカ「なんだよその反応、とくにゆまちゃん」ムッ

さやか「でもこれで……」

魔女「と、思うじゃん?」ヌッ

ゆま「え……?」

杏子「喋る魔女とか初めて見たよ、じゃあ死ね」ブワッ

魔女「あひん」ガンッ


154 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:35:06.46 on8jiV3p0 89/623


杏子「っ~~」

まどか「杏子ちゃん……大丈夫?」

ほむら(表情豊かな顔なら軟らかいだろうと思って)

キリカ(取りあえず蹴ったは良いが)

ゆま(思ったより堅かったんだね……)

まどか「さやかちゃん、はいスポーツドリンク!美味しくないけど飲んで、美味しくないけど楽になるから」

さやか「ちょ、まどかなんでここに……ってか強調しないでよ、飲みにくいなぁ……ゲロマズ」

まどか「でも元気になるでしょ?」

さやか「……本当だ、体が軽い!もう何も怖くない!まさに神のアクア!」

まどか「さすがザバスのピットイン!でも少し安静だからね」

さやか「いやなんであんたが居るのよ」

杏子「言っとくけどそいつが勝手に入ったんだからな」ヒリヒリ

まどか「ティヒヒヒ」

ほむら「問題ない、私が守るわ」ザッ

杏子「それにしても随分とやり放題してくれたみたいじゃんお前!――ぶっ殺す!!」ダッ!

まどか「女の子としてそれはどうかと思うよ……」

杏子「抜けること言うなよ……じゃあ、ぶっ生き返す!!」

キリカ「それ女の子が知ってるってどうよ?」

ほむら「あなたも大概よロッキンポ野郎」

さやか「なんの言い争いよ……」

魔女「あったまったのでちょっと本気出しますね」

ゆま「ねえ魔女来ちゃうよ?ていうかレール出てきたよ?」

ほむら「まどかは下がって、さやか達をおねがい」

さやか「逆でしょ!」


155 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:37:31.93 on8jiV3p0 90/623

杏子「んで、あいつ超堅いけどどうすんの?」

ゆま「接近しても重装甲」

ほむら「離れればミサイルの雨霰」

まどか「なにその超弩級装甲列車……」

キリカ「じゃあいつの名前はグスタフだね」

杏子「で?対グスタフの作戦は?無いなら前から殴りまくるけど」

キリカ「私の攻撃なら奴の装甲を削れる……だから作戦は杏子がここから最短距離で接近、ほむらが前から、ゆまちゃんは真っ正面から一斉攻撃だ」

ほむら「良い作戦ね、天才的だわ」

杏子「センスを感じるぜ、そう言うの」

ゆま「ごり押しって言うんだよね!知ってるよ!」

さやか「あたしは……」

キリカ「そこで人間シールドビット」

さやか「あんまりだ!」



156 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:54:22.87 on8jiV3p0 91/623


グスタフ「フルハッチ・オープン!」

さやか「げ……なんつーミサイル……」

まどか「板野サーカスじゃすまないよ……」

グスタフ「ターゲットマルチロック!」

杏子「させねえ!」グッ

ゆま「杏子のロッソ・ファンタズマ!」

杏子「「「それ言うな!」」」

グスタフ「乱れ撃つぜぇっ!!」ドドドドドドド!

ほむら「ここはよろしく」

キリカ「速度低下!からの、ステッピングファング!」

ゆま「やあ!」バン!

杏子「一発だって」チャキッ

杏子「抜かせない!」ジャ

さやか「スプラッシュ・スティンガー!」ズガガガ

まどか「黄金中華三昧……」ボソ

さやか「やめて」







157 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 02:57:51.35 on8jiV3p0 92/623


ブワッ

ほむら「ファーストアタック……」キィィィ

まどか「盾が光ってる……でもほむらちゃんの魔法って……」

ほむら「魔法じゃないわ」スッ


バゴォッ!!


まどか「裏拳……」

さやか「でも軽く打ち上げた!」

ゆま「やあ!」ゴン!

グスタフ「あ、ちょ!待って!」

杏子「ナイス!」ガシ

さやか「手伝うよ杏子!」ガッ!ググググ

グスタフ「引っ繰り返ったら立てないから!一人じゃ立てないから待って!!」

ほむら「重い……」グググ

キリカ「良いことを教えてあげよう!人間物を押すときは背中で押したほうが力が入る!」

杏子「良いこと聞いた!」クルッ

キリカ「中学生の女の子があぜ道にはまった車を4人で押し出したなんて話もあるよ」

さやか「それグンマー人じゃない?」グゥゥゥ

キリカ「ご名答!ちなみに綱引きの時も体に紐を巻くことで応用できるから覚えておくように!」

ほむら「いっせーの……」

杏さやほむ「「「せっ!!」」」

グスタフ「あ!ちょ!あー!!」グラァ

バタン!

キリカ「ヴァイブレーション・ネイル……ちょっと解体に手間取りそうだけどね……」ヴィィィィィ!

グスタフ「待て!話し合えば分かる!いたたたた……せめて一思いに……」

キリカ「悲鳴合唱団最っ高!!」ウットリ

グスタフ「てめぇわざとかコラァァ!!」

まどか(あっち見てよ……)

さやか(知ーらない)

杏子(うるせぇ……)

ほむら(夕飯何にしよう……)


158 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 03:04:00.38 on8jiV3p0 93/623


しゅうう……

杏子「……ったく」

さやか「あはは……ありがと」

ほむら「……」

まどか「……」

杏子「……」

杏子の鞄「終わったなら出してくれないかい?」

さやか「ごめんなさい」

ゆま「えっと……」

ほむら「気にしないで、どうせ一回はやらかすと思ってたから」

キリカ「それにしたって見事な大物を釣り上げたよね」

杏子「ほむらとキリカが来てなかったらあたしは間に合わなかったな」

まどか「でもなんでキリカさんが……」

キリカ「なんでって……それはほら、マミの頼みでほむらに七頭舞を教えに来たんだよ」

ほむら「それが終わって晩御飯でも食べようって話をしてる時にこれよ」

ゆま「いつからそんなに仲良くなったの?」

ほむら「それは彼女が強引に誘ってきて……」

キリカ「だって織理子がたまには先輩っぽいことしないとなめられるわよって……お金も渡されて、後輩に食事位奢ってやれって……」

ほむら「何にしようか迷って携帯で検索しようとした時メールに気付いたわ」

さやか(色々と織理子さんに読まれてるなぁ……)

まどか(ほむらちゃんがメールに気付くのは次の日とかだからなぁ……)

杏子の鞄「ねえちょっと誰か助けてよ」

159 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/18 03:10:35.73 on8jiV3p0 94/623


キリカ「で、どこにする?」

ほむら「……ハンバーグで良いわ」

杏子「ゆまはそれで良いか?」

ゆま「私はなんでも良いよ」

まどか「あ、私汗の臭い平気かな?」

さやか「んー……あたしは気にならないけど」

キリカ「OK!豚の尻尾って言う美味しい洋食屋さんがあるんだ」

ほむら「……待って、皆で行くの?」

キリカ「違ったの?」

さやか「いまからごはん作るとか正直萎えるんだけど」

杏子「二人っきりが良かったとか?」

ほむら「断じて否よ」

まどか「駄目……かな?」

ほむら「大勢で食べるご飯はまた格別よね」ファサ

さやか「おい!……ってか女の子たちは……まあここに置いていけば平気か……」

まどか「早く行こうよ!」

さやか「待ってよ今行くから!」

杏子の鞄「君たちわざと無視してないかい?」

キリカ「今更?」

杏子の鞄「この扱いは理不尽だよ……」

キリカ「あ、お金はいっぱい貰ったからどんだけ食べても大丈夫だよほむら」ペラ

ゆま「諭吉がロッソ・ファンタズマ……」

ほむら「そう……」

さやか(まどかの目が輝きだした……)

杏子(読まれてるんだな)


166 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 02:38:28.45 Xl5sAOBl0 95/623


QB「そして、GWが明けて」


~学校~


さやか「よーし!さやかちゃん復活記念の合体だー!」

杏子「今日は七頭舞通してみるんだってさ」

まどか「2人のデビューだね!頑張って!」

ほむら「まだちょっとぎこちないのだけど……」

まどか「そんなの気にしないよ」

杏子「つーかそれが小鳥ってやつ?」

ほむら「小さな弓矢と扇ね……どうやって踊るの?」

さやか「完全に別物だから全然参考にならないよマジで」

まどか「でも基本は一緒だよぉ」

さやか「いやいやいやそうは見えないって」

二組女1「あれ?都民七頭舞覚えたの?」

二組女2「練習のテンポさげたりしないでねー!」

杏子「さて!練習の成果を見せてやるよ!」


167 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 02:45:30.31 Xl5sAOBl0 96/623


さやか「ねえ……突っ込んでいいのかな……刀身が真っ赤なこと……」

仁美「ど……独特ですね……」

杏子「え?」

ほむら「ほむ?」

まどか「こっちは黒い刀身に紫の刃……」

さやか「そこまでする勇気は無かったなぁ……」

二組女1「やべぇwwwガチ厨二www」

二組女2「やる気有りすぎwww」

杏子「待て!これはマミとキリカが……!」

ほむら「それにこれくらい派手なのは結構居るって……」

さやか「いやそりゃ小鳥とか槌は結構派手に装飾してる子居るけどさ……」

仁美「太刀でそこまで派手なのは……」

杏子「お願いだからやめてくれよ……あたしに幸せな夢を見させて……」

二組女1「かっこいいわーw」

二組女2「憧れるわぁw」

ほむら「……」

さやか「黒は……まあちょっとあれだけど……」

まどか「赤はあれだよね、もうMVSにしか見えないよね」

杏子「やめろよ、あたしカレンが好きなんだよ……」

まどか「大丈夫だよピンクでビームサーベルとか言ってる子もいるし!」

中沢「誰だよそいつ」

さやか「緑でGNソードとか言ってるあんたは同格だから」

ほむら「濁るわ……」

二組女1「……」

二組女3「ぷっ……くっwww!」プルプル

二組女2「笑うなし!」


168 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:01:43.14 Xl5sAOBl0 97/623


~校庭~


先生「よしそれじゃ去年の並びで円作って見ろ!」

「あれー、あたしこっちだっけー?」キョロキョロ

さやか「あんたあたしのとなりでしょ!」

まどか「えっと、わたしは中沢君の隣だったはずだけど……」

中沢「佐倉さーん!こっち空いてるよ!」ブンブン

まどか「ヘヘ……見っけ!」トトト

「ちょっと男子!真面目にやってよー!」

二組女1「ごめーんどこか覚えてないやー☆」テヘヘ

二組女3「年考えてやれゴミ」

二組女1「同い年だしwww」


ワイワイガヤガヤ キャッキャウフフ……


先生「出来たようだな、じゃあ暁美と佐倉は……上条と美樹!そこ空けろー」

恭介「はーい」

中沢「死ね上条!」

恭介「訳が分からないよ」

二組女1「やべぇ隣に都民来たwww」

二組女3「ちっ」

杏子「お邪魔しまーす」

ほむら「……」

二組女3(……)

169 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:05:44.13 Xl5sAOBl0 98/623


ほむら(まどかは反対側ね……)

「これ……とうとう来ちゃったかな……あたしの時代……」クイッ

さやか「なに言っちゃってんのよこのちんちくりん!」ムニムニ

「あたしこれでもまどっちよりスタイル良いもーん!」ツーン

ほむら(彼女達が杏子の隣に居ても……いや、いないよりよほど心強いんだけど……)

杏子「何しけた面してんだよ?」ブンブン

ほむら「……別に」ファサ

杏子「太刀のカラーリングならもう気にすんなよ」スッ

さやか「そうそう」モミモミ

「個性があって良いじゃん!」グイグイ

ほむら「全員に笑われた後にそう言われると、元気が出るわ」

杏子「違いないな」

先生「じゃあ取り敢えず武器取りと横がけ、んでちらしに入って決闘の手前までやるぞ」



170 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:12:03.44 Xl5sAOBl0 99/623


~~

ほむら(個人技の武器取りは問題なし、次の位置取りのための移動を兼ねた横がけは周りをよく見て……)ドン!

ほむら「きゃ!」ドサ

杏子「ほむら!?」

ほむら「大丈夫……後ろの子に追いつかれちゃっただけ……」ムク

二組女3「はぁ……」コキコキ

二組女1「やりよったwww」

ほむら「速度を見誤った葉わ……ごめんなさい……」

二組女3「こっちも見てなかった、ごめん」

二組女1「まじめにやってよねwww」

ほむら「ええ……気を付けるわ……」

杏子「まあ……ドンマイだろ」

さやか「はじめてなんだからしゃーないって」

ほむら「ありがとう……」

二組女3「 」スゥ

ほむら「?」

二組女3「佐倉さんは邪魔しない程度に出来てるけどね」ボソ

ほむら「……」

二組女1「早く構えろよww始まんないだろwww」

二組女3「皆が待ってるよ?早くしないと」

さやか「ほらほらプレッシャー掛けないの!」

二組女3「これは失礼」

杏子「がんばって行こうぜ」

ほむら「……もう大丈夫よ」スッ

二組女3(へー、逃げたりはしないんだ)



171 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:25:19.75 Xl5sAOBl0 100/623


~~

ほむら(何事も無く決闘の手前まできたわ……決闘とツットウツは難所であり修羅場《みせば》でもあるってマミが言っていたわね)

さやか「どうでも良いけどあんた中腰甘くない?」

杏子「そうかぁ?」

さやか「この辺までちゃんと下げなきゃダメだって習わなかった?」グッ

杏子「まじかよ、辛ぇ……」プルプル

さやか「ん?意外と良い尻……」モミモミ

杏子「てめこのやろ」スパン

さやか「痛い!酷い!」

「さやかセクハラはんたーい!」

さやか「あんたが言うか!」

杏子「あたしからしたらどっちも変わんないからな……」

「そういやほむらもちらしの時微妙に違ったよね」

ほむら「え?」

さやか「ほむらも杏子もあたしたちの後ろにいたのによく見てたねあんた……」

「ねぇ?ちょっと違ったよね?」

二組女1「いや見てないしwww」

二組女3「そうだね、暁美さんは手の動きがちょっと違う」

「ほらあってた!」

ほむら「そうなの?」

二組女3「正確にはこう、暁美さんのはちょっと遠慮がち」クイッ

ほむら「わざわz」

二組女3「一回やってみなよ」

ほむら「あ、えっと……こう?」クイッ

二組女3「ふーん……一回で出来るようになるとは思ってなかった、流石だね」パチパチパチ

ほむら「ありがとう、コツを掴めた気がするわ」

二組女3「じゃあ次ミスってたら蹴りいれるから」

ほむら「……」ビク



172 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:33:58.05 Xl5sAOBl0 101/623


さやか「こらこらこら」ズイッ

ほむら(ほ……)

杏子「おーこわいこわい……」ヘラヘラ

二組女1「ちゃんとやれよwww」

さやか「だから変にプレッシャー掛けないの!」

二組女3「はいはい」

ほむら「私は大丈夫だから……」

先生「じゃあ続きやるぞー!」

二組女3 チョンチョン

ほむら「なn( 二組女3「マジで蹴るから死ぬ気でやれよ」ボソ

ほむら「 」ゾク

杏子「ん……どした?早く構えろよ、決闘だぜ?」

ほむら「……なんでもないわ」

ほむら(たとえリアルファイトになったとしても負ける要素なんてない……)

ほむら(怖がる必要なんてないのに……)

杏子「そう?ちゃんと練習の成果、見せてくれよな!」

ほむら「善処するわ」

杏子「なんだそりゃ」ケラケラ

二組女3(ふーん……)



173 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:38:54.34 Xl5sAOBl0 102/623


~授業を終えて森林公園~

さやか「それでは恒例の放課後筋トレクラブ!」

まどか「はっじまるよ~!」

「イエーイ!」

「ドーンドーン!パフパフ!」

「ちょ……ちょっと……恥ずかしいですよぅ」

「子供ね」

杏子「うぜぇ……」

「上条!お前の嫁だろ?何とかしろよ!」

恭介「仕方ないじゃないか、志筑さんにも用事があるんだよ」

「死ね!」

「もう一回事故って今度こそ死ね!」

恭介「酷い言われようだなぁ……」

さやか「と言うわけで今回は……ちょっと男子!聞いてる?」

QB「君たちは魔女退治と体育祭のどっちが大切なんだい?」

杏子『体育祭』

QB「キュップイ……」



174 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/06/20 03:45:20.90 Xl5sAOBl0 103/623



同刻、見滝原中多目的室


ほむら(結局あの子の言葉が引っかかって集中出来ずに凡ミスを連発してしまったわ……)

ほむら(放課後のこの時間まで引きずるなんてね……)

ほむら「……」ハァ

マミ「どうしたの暁美さん?」

ほむら「何故貴女が居るのかなんて聞かないわ……」

マミ「んー……でも呉さんからは結構上手になったって聞いてたから……その……」

ほむら「別に……ちょっと調子が悪いだけよ……」

マミ「それだけなら良いんだけど……例えば私とじゃ緊張しちゃうとかだったら……」

ほむら「そんなんじゃないわ」

マミ「と言うことは他の理由があるのね?」

ほむら(なんであなたは……)

マミ「皆に迷惑かけてるのかもって気にしてるのなら……」

ほむら「貴女は関係ない」

マミ「……え?じゃあ」

ほむら「体調が悪いだけよ、今日は帰らせてもらうわ」

マミ「待って!風邪気味なら……」

ほむら「離して!」

マミ「ひゃ!」

ほむら「っ!」

マミ「あ……」

マミ「……ハァ……今のは離しちゃ駄目でしょ私……」

マミ「……」

和子「あら?巴さん?」

マミ「早乙女先生……ごめんなさい、ちょっと急用が出来て今日は早めに解散にします」

和子「あら、そう?まあ今日は金曜日だし、早く帰ったほうが正解よね」

マミ「失礼します!」

和子「呉さんもそうだけど、いつもありがとうね!」

マミ「どういたしまして!さようなら」

マミ「さて……杏子に相談するのが一番かしら?」

マミ「ふふっ後輩のことは杏子に頼りっきりよね、私って……」

マミ「とりあえず今日の夕飯から考えましょうか……」

183 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 17:59:09.28 tVUxYQLd0 104/623



次の日 ~喫茶店にて~


さやか「つーかあんた……これ本当に食べるの?」

仁美「本物のバケツに入ってますね」

まどか「一人は流石に厳しいかなって」ツンツン

仁美「雑誌の特集ではおおよそ6kgって書いてあるんですが……」ペラ

さやか「5000円でそれって考えたらお得かも知れないけどさ……」

さやかの携帯<ユメゴゴチノアサイチバンニ~♪

さやか「およ、電話だ」

まどか「杏子ちゃんから?」

さやか「良く分かるね……もしもし?」ピッ

仁美「あら、でもこれ美味しい」パク

まどか「ね!」



184 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:01:12.86 tVUxYQLd0 105/623


さやか「今?仁美とまどかと喫茶店だよ?」

まどか「クリームとか甘さ控えめで良い感じだよね」

仁美「ちゃんと動物性ですわ……原価結構キツいんじゃ無いでしょうか」

さやか「ん~?あ、OKこっちでも見つけた」

まどか「スポンジケーキ美味しい~!」フリフリ

仁美「これはシフォンケーキですよ、でもアールグレイの良い香り……バニラアイスも良いアクセントですわぁ」

さやか「じゃあほむらとあんたの三人……え?ほむら調子悪いの?代わりにマミさんが来る?あたし要らないんじゃ……いや行くけどさ」

仁美「やはりミルクティーはアッサム茶葉であるべきですわ」

まどか「そうなの?わたし気にしたことないや……あ、すいませーん!アッサムのミルクティー2つで!」

さやか「ごめーんちょっと急用!10分位で帰って来るから!」ガタッ

まどか「行ってらっしゃーい」

仁美「お待ちしていますわ」



185 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:08:37.37 tVUxYQLd0 106/623


杏子「あー来た来た」

マミ「こんにちは」

さやか「待たせたね、うわぁ……前の魔女と比べてしょぼ過ぎ……」

杏子「あれが強すぎただけだろ」

マミ「さぁ……ショータイムよ!」シャバドゥビダッチヘンシーン!

さやか「今の歌……何……?」

杏子「歌は気にするな」キリッ

QB「君たち遊びに来てないかい?」



186 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:10:45.84 tVUxYQLd0 107/623


~魔女の結界内~

マミ「そうそう、昨日暁美さんの様子がね……」

QB「最近魔女と戦うのに緊張感が欠けてないかい?」

マミ「そんなこと無いわよ」

杏子「つーかそれ昨日も聞いた」

マミ「美樹さんにはまだ話して無いじゃない」

さやか「ほむらのゴシップ?聞きたい聞きたい!」

マミ「ゴシップ……かしら?」

杏子「魔女が来た!」チャ

マミ「でね、昨日暁美さんの様子がね……」

QB「もうマミとさやかは戦う気が無いじゃないか」

さやか「へぇ~……そういや今日もほむらを誘ったら……」

QB「仮にも命がけなんd マミ「女子の会話に口をはさむなっていつも言ってるでしょう?」

QB「キュップイ」


187 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:14:47.98 tVUxYQLd0 108/623


マミ「でも本当にそれだけかしら?」

さやか「まあ、あいつなんか悩んでても周りに相談しなさそう……」

マミ「そうなの、だから不安なのよ……」

魔女「ワアアアアア!」

杏子「本人が言わないんだからほっとけよ……」ガキン!

マミ「周りに知られたくないとか?」

杏子「案外本当に風邪ひいただけとかかもな」ガン! バキィ!

魔女「ゲェエエ」

マミ「そうね、魔法少女だって熱中症になるんだもの」

さやか「あははは……じゃあ明日お見舞いに行ってきますよ」

マミ「それは良いわね!杏子も行ってきなさいよ」

杏子「え~」バチィン!

さやか「いいじゃん暇でしょ!」ギュ

杏子「くっつくな馬鹿!分かったから!」ジタバタ

魔女「アハッハハ!」

さやか「さっすが杏子!」グルン!バキッ!

杏子「振り回すな馬鹿!」

魔女「チョ」

杏子「取り敢えず離れろよ!」

さやか(あたしくらいある……?)モミモミ


188 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:21:47.25 tVUxYQLd0 109/623


マミ「ナイスキックよ美樹さん、じゃあ終わりにしましょうか」ギュルン! ジャコ!

さやか「杏子はこの後どうすんの?」

杏子「今日は服を買いに……おっと」ドコォ!

さやか「うわっと!振り回すなら言ってよ!」

杏子「離れないほうが悪い」バキッ!

魔女「ギャアアア!」ズウン!

さやか「それよりマミさんと買い物ぉ?」ニヤニヤ

杏子「うっせ!」カァァ

マミ「ティロ・フィナーレ!」ドン!

QB「君たちは魔女と戦うより友達とのじゃれあいが大事なのかい?」

マミ「どっちも同じくらい大事に決まってるでしょ」コト

QB(最近皆真面目に戦ってくれないんだよなぁ)コレジャケガレナイ

さやか「じゃあたし二人を待たせてるから、お疲れ様!」パッ

杏子「……じゃあ明日な」

マミ「鹿目さん達によろしくねー!」


189 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:34:07.14 tVUxYQLd0 110/623



~ほむホーム~


ほむら「寝付けないから家事でもしてれば気が紛れるかと思ったらそんなこと無いわね……」フゥ

ほむら「一通りやることが終わったら布団にくるまってにゴロゴロしてるだけ……」ゴロゴロ

ほむら「まどかの誘いは体調不良だと言って断っちゃったし」

ほむら「ネットサーフィンでもする?いえ、ノーチャンね」

ほむら「……正直ろくに寝てないからこうしてれば眠くなると思ってたのに」

ほむら「マミに罪悪感を覚えて寝つけないなんてね」

ほむら「まあ女子中学生らしくていい悩みだわ」

ほむら「うふふ……もうお昼過ぎだしご飯食べなきゃ、三食とも抜いた所で萎むものもないけど」

ほむら「……家にこもってるのが失敗かしらね」ムク

ほむら「どっか行きましょうか……」バサ



190 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:36:11.11 tVUxYQLd0 111/623


~喫茶店~


さやか「ただいまー!」

まどか「zzz……」

仁美「お帰りなさい……」

さやか「あれ全部食べたんだ……」

仁美「結局7割位まどかさんが食べましたわ……私も大食いには結構自信あったんですが……」

さやか「いや、充分に誇って良いと思うよ……」

まどか「ん?……あ、お帰り……あとご馳走様」

さやか「ははは……奢ったかいがあるよ……」

まどか「さ、カラオケ行こうよ!」

仁美「まだ動けませんわ……」

まどか「え?じゃあ待つね」

さやか「あんたの胃はどうなってるの……」

仁美「最近のまどかさんはアグレッシブすぎます……」

まどか「そうかなぁ……」

さやか「脳味噌が筋肉になりつつあるんじゃない?」

仁美「さもありなんですわ……」

まどか「そんなんじゃないもん!」


191 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:38:53.12 tVUxYQLd0 112/623



~近所のスーパー~


ほむら「さて晩御飯でも買うか……とスーパーに来たら」

「ねーちゃん後は何買うのー?」

二組女3「てめぇで考えろよ話かけんな」

「だけどさ~」

ほむら「悪運に感謝だわ……弟と買い物に来たのね」

二組女3「食えりゃ何でも良いだろ」

「俺昆布嫌いだしスルーしよ」

ほむら「弟は一年の教室で見かけたわね……ともかく、彼女の視界に入らないようにしましょう」

「はい大根ゲット~!」

二組女3「大根の目利きも出来ないとか無能だな」

「そんなの分かんないよ……」

ほむら「あの子っていつでも誰にでもああいう態度なのかしら」

二組女3「じゃ、私は茶しばいて帰るから先行ってろ」

「え!?」

二組女3「喋んな死ね」

「いや俺h…」

二組女3「口答えすんなさっさと行け」ゲシッ

「ちょ」

ほむら「姉としてどうなのあれ」


192 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:42:25.25 tVUxYQLd0 113/623


ほむら「弟と別れてパン売り場に行ったわね」

二組女3「……」

ほむら「私も食パン買っておこうかしら」

二組女3「……」スタスタ

ほむら「見失っちゃ……って追いかけたところで意味なんてないか……」

二組女3「おい」ヌ

ほむら「ひゃ!」ビク!

二組女3「どんな変態かと思ったらお前かよ」

ほむら(気付かれてた!?)

二組女3「昨日の事の復讐で付け回してるとか?ならいっそのこと包丁で刺すとかにしてくれる?」

ほむら「……そんなのじゃないわ」

二組女3「じゃあ何だよ」

ほむら「いやえっと……だから……晩御飯を買いに来て、それで……」

二組女3「ああお前一人暮らしとか言ってたもんな……お惣菜なら商店街のお肉屋さんの揚げ物がおすすめ」


193 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/01 18:47:52.13 tVUxYQLd0 114/623


ほむら「あの……その……」

二組女3「つーかもうそれ聞きに来たって事にしてくれる?つけられてたとか思うときしょいから」

ほむら「そんなつもりじゃ」

二組女3「あんたが何考えてるかなんて知らないから、あんたもそうでしょ」

ほむら「それでも……」

二組女3「それでもと言い続けろ!……なんてアニメじゃないんだからやめてよね」

ほむら「……」

二組女3「あーあ一組の皆さんが可哀そう、放課後一生懸命頑張ってるのに誰かさんが足引っ張って一生の思い出に泥塗っちゃうもんね」

ほむら「七頭舞のことならこれかr 二組女3「はいはいこれからこれから、そういって3週間後本番ですけど」

ほむら「……」

二組女3「内心じゃ皆イラついてんじゃないの?お前の《大好きな》まどかなんて昔から溜め込むタイプだし」

ほむら「ぅ……」グス

二組女3「お手洗いそこ、じゃーね明後日学校で」スタスタ

ほむら「――っ!」ダッ

二組女3(駈け込んじゃった)プッ



店員「お客様!店内で走り回るのはごえ (ブッ!」ビターン!

二組女3「わり手が滑った」

通行人(足ひっかけたのに!?つーか顔から言ったよ……)


199 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 03:48:51.13 8+67gxEG0 115/623



~後日~


まどか「ほーむらちゃーん!」コンコン

さやか「留守かな?」

杏子「さあ……ただ電気のメーター的には居ると思うんだよな」

まどか「でも鍵開いてないし……」

杏子「しゃーない……ヘアピン借りるぞ」ブチィ

さやか「痛っ!言う前に取んな!」

まどか「何に使うの?」

杏子「アロホモラ」カチカチ 

さやか「ちょ」カチャ

杏子「あら?ロックか?」ガッ

まどか「電気ついてるね、ほむらちゃーん居るー?」グー

杏子「待ってな、今手鏡で中を見るから」

さやか「そう言うスキルって何に使うの?ねえ?」

まどか「布団にくるまってる……寝てるのかな?」

杏子「まあいいや、こういうドアロックはハンガーを使って……」ガチガチ グイッ バチン

まどか「杏子ちゃんはなんでも知ってるね!凄いなぁ!」

さやか「ツッコミはよ」


200 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 03:53:16.20 8+67gxEG0 116/623


ドタドタ

まどか「起っきろー!」バサァ

ほむら「……ん?」

まどか「ほむらちゃんおはよう!」グイ

ほむら「……おはよう……って、え?」

杏子「鍵開いてたから勝手に入っちゃった」ニコ

さやか「おい」

ほむら「そう……ごめんなさい今日はちょっと体調がわr まどか「うん!マミさんから聞いたよ!だからお見舞いと看病に来たんだ!」

ほむら「そうなの……けd まどか「迷惑……かな?」ウルウル

ほむら「そんなことないわ、大歓迎よ」ファサァ

さやか「顔色激悪いけど取り敢えず元気そうだね、うん」

杏子「つーか寝るなら寝るでせめて電気消してパジャマに着替えろよな……」

ほむら「いろいろあったのよ……いろいろ……」

まどか「さ!カーテン開けてお日様浴びよう!日溜まりポッカポカ!だよ」ジャー!

ほむら「そうね……太陽の光こそが私達魔法少女の力の源……」

さやか「それマジ?」

ほむら「……だったら良いなーって」

さやか「おい」



201 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:04:20.14 8+67gxEG0 117/623


まどか「健全な肉体に健全な魔力は宿る!きっとそうだよ!うん!」

ほむら「ふ……」

まどか「あ、笑った!」

ほむら「思い出し笑いよ、ごめんなさい」

さやか「何を思い出すんだよ……」

ほむら「黒歴史」

まどか「ほむらちゃんはぁ……!金縛りにするぅぅうっ!!」ギュゥゥゥゥ!

ほむら「ちょっ!ちょっと!さやか止めて」スリスリスリスリ

さやか「あんたの笑顔が眩しすぎて無理」

まどか「さやかがそんなに好きかぁぁあ!」グイグイ

ドッタンバッタン  キャッキャッウェヒヒヒ


杏子『なあこいつこういうキャラだっけ?』

さやか『ついに脳味噌が筋肉になったんだと思うな』

ほむら「待って、私昨日もお風呂入って無いから……」

まどか「じゃあ銭湯行こ!」

さやか「何故そうなる」



「なんか隣うるさくない?」

「大丈夫だ、問題ない……君は感じないのか?」

「なにが?」

「百合だ」

「百合か……じゃあしょうがないね」

「ああ、百合は全てにおいて優先されるからな」

「そうだね、じゃあ別れようか」


202 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:26:27.15 8+67gxEG0 118/623



~近所の銭湯~

ほむら「……ということがあったのよ」

ほむら(流石に何を言われたか伝える勇気はなかったわ……私ってほんと)

杏子「それはストーカー行為を働いたあんたが悪い」ビシ

ほむら「ほむぅ……」ブクブク

まどか「まあまあ、いつもからかってくる子達だって言ってたじゃない」

さやか「それで正当化出来るものじゃないけど……ちなみにどの子?」

ほむら「えっと……ポニーテールで口の悪い子よ」

さやか「なんだ杏子か」

杏子「ぶっとばすぞ」ザバァ

まどか「あの子かぁ……」

ほむら「知ってるの?」

さやか「見滝原中の子ってほとんど小学校から一緒だからね」

まどか「うん、意地悪で口が悪くてちょっと変な子だけど頭も良いし運動も出来るんだよ」

さやか「ちょっとどころかすごく変な子だけどね、その上で超お金持ちがつくよ」

ほむら(性格の悪い仁美って考えていいのかしら……?)

さやか「仁美とは気が合うみたいだね」

ほむら(読まれた!?)


203 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:30:43.13 8+67gxEG0 119/623


まどか「あの子の家凄いの!日本刀とか置いてあってずらずらーっと家系図が貼ってあって何代目家長とかあるんだよ!」

さやか「庭にも噴水とかあるし普通に使用人とかいるからね」

杏子「マジもんのヤクザかよ……」

ほむら「ごめんなさい、仁美や上条の家と何が違うのか分からないわ……」

まどか「実はわたしも分からないよ」

さやか「どっちも財力天元突破してるからなぁ……」

杏子「生きるのが嫌になってきた……」

さやか「あの辺は桁外れだから気にしたら負けだよ」

杏子「けどさぁ……」

さやか「ほほう……杏子はマミさんの家に不満が有ると?」ズイ

杏子「そんな訳じゃないけど……」ムゥ…

さやか「マミさんの手料理が食べれるってだけで羨ましいのにぃ!こいつめ!」ギュウ!

杏子「馬鹿やめろって!」バシャァ!

さやか「ほかにお客さんいないし!良いではないかー!」ザブン

杏子「へぇ~そういう事いっちゃっていいんだぁ?」ガシッ

さやか「あ、ちょ!痛い!」ギュウゥゥ

杏子「そういやあたしら、最初は殺しあう仲ったっけねぇ!?」ギリギリ

さやか「このっ!負けるかぁ!!」ググググ

まどか「なんかはじめちゃったよ……」

204 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:33:38.74 8+67gxEG0 120/623


ほむら「でもそれって、私結構アレな人に喧嘩売っちゃったんじゃ……」

まどか「あの子はおっても意地悪だけど、本当は優しくていい子だから大丈夫だよ!」

ほむら「そうかしら……」

まどか「そうだよ!卵を割らなきゃオムレツは作れないんだよ!」

ほむら「そうね……」

まどか「それにこの機会だから二組にもほむらちゃんの友達コミュニティ広げようよ!」

ほむら「ほむ?」

まどか「だってほむらちゃん、二組に知り合いの子ほとんどいないでしょ?」

ほむら「そうだけど……」

杏子「先出るぞー!」ザバァ

まどか「早くない?……ってさやかちゃん!!」

さやか「きゅ~」

杏子「ちょっと冷ましてくるよ」ズルズル

ほむら「お風呂ですら気を使わなきゃならないのね……」

まどか「ほんとにね……」

ほむら「……」ジー

まどか「どうしたの?」

ほむら「まどかは、なんていうかこう……体系が少し変わったわね」

まどか「あ!分かる?ちゃんと家で上半身も鍛えてるんだよ!」



205 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:36:16.73 8+67gxEG0 121/623


ほむら「随分とやる気なのね……本当に」

まどか「本当はそんなに乗り気じゃなかったんだ」

ほむら「そう……」

まどか「でもね、さやかちゃんやほむらちゃんに置いてかれるのが嫌でね……だから最初はけっこう手抜いてたんだよ?」

ほむら「……」

まどか「だって絶対勝てないって思ったもん……そしたらさやかちゃんが思ってたよりやる気でね……」

ほむら「そうね……」

まどか「倒れるまで走る位熱くなってみたいからって……本当に倒れちゃしょうがないよね」

ほむら「選んだ自由に傷つく方が良いって彼女なら言うわ……」

ほむら(わたしの知るさやかはいつもそうだったから……)



206 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/02 04:42:54.16 8+67gxEG0 122/623


まどか「まあそれで自分が悔しかったって言うか、罪悪感が芽生えたって言うか……嫌な子だね私」

ほむら「けど、一人っきりでもめげなかったのは貴女の強さよ」

まどか「そうかなぁ……けど、こんな私でも頑張れるって思ったら自信はついたよ?」

ほむら(さやかがまどかを引っ張って、まどかがさやかの無茶を支えて……そんな二人を応援する私の知らない人が居て……)

まどか「だからほむらちゃんも友達作り、頑張ろうね!」

ほむら「……そうね」

まどか「葉月さん」

ほむら「え?」

まどか「あの子の名字!」


―あんたが何考えてるなんてあたし知らないし―

―内心じゃ皆イラついてんじゃないの?―


ほむら(東京者……ね……)

ほむら「……明日、話しかけてみるわ」

まどか「うん!応援するからね!」


―まどかなんて昔から溜め込むタイプだし―


ほむら(わたしの知らない人……私の知らない――)


212 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:35:01.47 hayzGR/O0 123/623



次の日  教室


まどか「隣のクラスに行って直接話しかけるのは難しいだろうから」

さやか「七頭舞の練習と化した一時間目の総合の時間を使って接触だね!」

仁美「この先生が来る前のガヤガヤしてるのを利用しましょう」

ほむら「頑張るわ」

まどか「あの子が一人でいる今がチャンスだよ!ほむらちゃん!」

ほむら「行くわ」ファサァ

仁美(駄目なパターンですねこれ)



213 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:38:08.22 hayzGR/O0 124/623



ほむら「あ……あの……葉月さん……」モジモジ

二組女3「……何?」

ほむら「えと……良い天気ね……」

二組女3「そうだね」ツーン

ほむら「……それで……えと……きn」

二組女1「あゆー!ちょっと来てー!」

二組女3「やだ」

二組女2「そんなこと言わずに来てよー!」

二組女3「死ね」グイグイ

二組女4「ええから!ええから!すまんの、ちょっと借りんで~!」

ほむら「ええ……」

二組女3「下らなかったら殺すぞ」

二組女5「大丈夫、見たらきっと笑っちゃうから!」



仁美(まず一敗目……と)

ほむら「……」

さやか「ま、まあ……練習始まったら隣同士だし話す機会はいくらでもあるよ!大丈夫!うん、オフコース!」

まどか「遠くから見守ってるよ!」

ほむら「ありがとう……」



214 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:41:03.50 hayzGR/O0 125/623



二組女1「それで私言っちゃったのよ!四の五の言わずに勝負しろって」

二組女3「お前さ」

二組女1「うん?」

二組女3「馬鹿だろ」

二組女1「うん……」

ほむら(話しかける機会とか無かった)

杏子(ま、あそこに入るのは厳しいよな)

さやか(次がある、うん)


先生「よーし、授業終わり!片付けろー!」

杏子「チャンスだ!行って来い!」

ほむら「あの……」

二組女3「……何?」

ほむら「昨日のこと、なんだけど……」

二組女3「あぁ……」

二組女1「何々ー?都民とあゆが秘密の逢瀬!?」

二組女3「ッ」

二組女1「舌打ち!……ってことは図星ぃ?」

さやか「アヤカはいちいち煽らないで!」

二組女3「別に……昨日たまたま会ったからお肉屋さんのお惣菜が美味しいよって教えただけ」

二組女1「それだけー?つまんなーい!」

ほむら「そうじゃなくて私は……」

二組女3「はぁ……つーかさ」

ほむら「!」


215 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:43:45.46 hayzGR/O0 126/623


二組女3「まじ邪魔にならない程度に合わせてくれる?それともケツ蹴っ飛ばして欲しい?」

二組女1「都民プギャーwww」

ほむら「……いや……あの」

さやか「まあまあまあまあ、ほむらだって努力してるんだからちょっと位大目に見てくれたっていいんじゃない?」

二組女3「そういう努力すればなんでもOKみたいなの嫌いなんだけど」

さやか「いやほらね、もうちょっと優しい言い方ってものが……」

二組女3「気取ってんな、そういうの悪平等っていうんだよ」

杏子「ノットイk」

二組女3「一組ってオタクばっかでホントキショいな、なんなの?」

杏子「ちょっとふざけただけじゃん……」ブー

二組女3「つーかお前等がちょっと練習頑張った位であたしらに勝てるとか素で言ってる訳?」

さやか「何よ!無意味だっての!?」

二組女3「なんだ分かってんじゃん」

さやか「っ!あんたねぇ……!」

二組女1「顔真っ赤www」

ほむら「さやか……」


216 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:48:19.01 hayzGR/O0 127/623


二組女3「だってねぇ?結果出ない努力とか意味あるの?七頭舞で方だけ覚えても立ち回り方がど下手じゃね」

ほむら「……」

杏子「いい加減にしろよな」

ほむら「杏子……」

杏子「確かにほむらはちょっとこれについては向いてないみたいだけどさ、だからってほむらの頑張りが無意味で終わる訳無いだろ」

二組女3「本番で上手く行かなきゃあたし的には何の意味もないんだけど」

さやか「ほむらは萎縮して上手く動けないの!あんたたちが散々煽るから!」

二組女1「お豆腐wwwメンタルwww」

二組女3「煽られる前からできてなかった気がしまーす」

さやか「っ!減らず口ばっかり……」グッ

ほむら「――さやか!?」

杏子(間に合わねぇ!いや……)

パァン!

二組女3「口で勝てなきゃ暴力かい?おっそろしい……」グググ

ほむら「止めた!?」

二組女1「やっちゃえあゆ!」


217 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 03:56:59.89 hayzGR/O0 128/623


杏子(今のは僅かだったけど魔力が乗った一撃だった)

さやか「あ……」

ほむら(無意識に魔力が漏れていたってことね……)

さやか「あの……ごめ」グイ

二組女1「手を引いて体勢を崩してからの……」

ほむら「さやか!」

さやか「グゥッ!!」ドスゥッ!

二組女1「レッグバズーカ!入りましたー!!」

恭介「うわ!ってさやか!?」

「喧嘩?」「口論が殴り合いになってもうたんや!」「親都会VS半都会?」「キャットファイトって興奮するなぁ……」

二組女2「やりすぎだよー、軽く3m飛んだよ?」

二組女3「やめてよね、あたしとあんたが本気で喧嘩したらあんたがあたしに勝てるわけないじゃん」パンパン

恭介「さやか!大丈夫かい?」

さやか「~~っんの……!」ムク

ほむら「さやか!抑えて!」

杏子『やるにしたって魔法は押さえろ』

ほむら「杏子!?」

さやか「本っ当頭来た!!持ってて!」グイ

ほむら「ちょっと……ってこれソウルジェムじゃない!」



218 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:00:12.11 hayzGR/O0 129/623



二組女3「あれ?正中線に叩き込んだはずだけど……なんで立ってんの?ゾンビかよ、きしょ……」コキコキ

杏子(頭に血が上ると魔法の管理適当になるから……けど)

さやか「やぁぁ!!」ダッ!

恭介「さやか!どうしたんだい!?」

二組女3「はぁ……」パシン

さやか「ちょ……いったぁ!!」ドテン

恭介「弱っ!?」

中沢「喧嘩だ喧嘩!全員邪魔すんなぁ!」

「美樹ー!ファイト―!!」「負けんなよー!」

さやか「よいじゃないよ……」ムク

杏子(勝てないよなぁ……)

ほむら「すごい人ごみ……あっという間に押し出されたわ……」

二組女4「ええぞ葉月!一組のアホンダラどもに目にもん見したれや!」

二組女5「不意打ちなんて筋が通ってないよ美樹!」

「あ、あたし先生呼んで来る!」



219 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:06:00.89 hayzGR/O0 130/623



仁美「何故だか盛り上がってしまいましたわ……」

杏子「もともと冷戦って感じだったし……お互い何かしら気に入らないんだろ」

まどか「ちょっと!なんで喧嘩になっちゃったの!?」

ほむら「これは、その……私が……」

杏子「色々あった、色々と」

まどか「適当すぎるよ!!止めなきゃ!」

杏子「先に仕掛けたのはさやかだぜ?……それにさやかはともかくあっちの御嬢さんは本気って訳じゃなさそうだし」

まどか「だからって暴力はダメだよ!」ギュゥゥゥ

杏子「いでででで」ギリギリギリ

まどか「私たちは!分かりあうことで!未来を!築くの!!」ブンブン

杏子「分かった!分かったから!止めてくる!止めてくる!」

仁美(ツッコんだら負けですよね)



220 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:10:29.71 hayzGR/O0 131/623


ザワザワ…… 

「やっぱこうなるかー」「小学生の時も勝負になってなかったしねー」

二組女3「所詮馬鹿力だけが取り柄だな」ポキポキ

さやか「ぐっ……!」ボロッ

二組女3「長い休暇が取れそうだね、お疲れ様」シュッ

バチィンッ!

杏子「よっ!」スタッ

さやか「杏子!?」

二組女3(今上から降りてきたような?)

杏子「颯爽登場!ビシッ ぎn(ガシィッ!――台詞ぐらい言わせろよ!」

中沢「さすが佐倉さん!しっかり止めた!」

二組女3「アニメじゃない」

杏子「そう言うの、実に……」グッ

二組女3(っ!)バッ

杏子「ハーフボイルドだぜ!」ドス!

中沢「ミドルフック!鮮やかだぜ!」

「はわわわ……胸に入ってしまいました……」

二組女3「仮面ライダーの……」

恭介「いや、決まってない……」

杏子(割とやるな)

さやか「杏子!」

二組女3「見過ぎなんだよ」ブン!

杏子「っぶね!」バッ

中沢「あのアマ!一筋縄じゃいかないぜ佐倉さん!」

恭介「君いったいなんなんだい」



221 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:13:41.55 hayzGR/O0 132/623



二組女3(見た感じ武道をやってたわけじゃない……けど)

杏子(蹴りを基本に持ってきたスタイル……キックボクシングでもジークンドーでも無いみたいだけど)

((こいつ、強い……!!))



まどか「ちょっと!止めるって言ってたのになんでヒートアップしてるの!?こんなの、絶対おかしいよ!」ドン!

「なんだよ!押すなよ!」

まどか「どいってったら!もう!!」グイグイ

ほむら「まどか……やっぱり行くのね……」

仁美「あら?ほむらさんは行かないんですか?」

ほむら「私は……」

仁美「でも、下手に刺激すると乱戦になりそうですしね」

ほむら「……」

222 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:19:58.39 hayzGR/O0 133/623


杏子「いくら蹴りに自信があったって懐に入れば……!」ダッ

二組女3「そこはあたしの距離」パッ グイ

杏子(内股!?柔道か!)グルン

ドタンッ!

杏子「グ……」

中沢「佐倉さん!」

杏子「……そらよ!」ブン

二組女3「っ!」ドシャッ!

さやか「おぉ……足払いで倒した!」

二組女3「この!」ドン!

杏子「怖いって!」クルリ

中沢「そんな倒れたまま繰り出す踵落としが佐倉さんにあたるもんか!」

杏子「いってぇ!」バキ!

二組女4「左肩持ってった!!」

中沢「佐倉さーんっ!!」

杏子「心配どーも!けど鍛え方が違うんでね!」ガシ

二組女5「もろに喰らった左手で捕まえた!?」

さやか(凄い……杏子って魔法なしでもこんなに強いんだ)

二組女3「嘘だろ!?」

杏子「どりゃあ!!」バキィ!

二組女3「ッ痛ぅ!」ドンッ!

中沢「回し蹴り!ガードの上から顔いったぁ!!」

二組女1「野蛮人!顔狙うなんて信じられない!」

杏子(今のガードされるとかマジかよ!?)ゴロン バッ

二組女3(肩口に思いっきり叩き込んだのにあの動き……)ゴロゴロ ダッ!



223 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:25:39.91 hayzGR/O0 134/623



ドヤドヤ  ガヤガヤ


「おお!」「どっちもすげぇ……!」中沢「佐倉さん、戦う君は美しい……!」

まどか「やっと抜けれた……」

二組女2「あれ?まどかじゃん」

二組女1「つか佐倉さん強すぎくね?」

まどか「ちょっと!なんでヒートエンドしそうな勢いになってるの!」

恭介「次の一撃で……?」

中沢「ああ……どちらかが死ぬ……!まあ佐倉さんが勝つけど」

さやか「これそんなバトルだったの!?」


まどか「 止 め て よ ! 」





224 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/07/30 04:27:03.79 hayzGR/O0 135/623

杏子「あんた……やるじゃないの」

二組女3「はぁ?」

杏子「あたしとサシでやりあうなんて半端じゃないぜ」

二組女3「そういう運命でしょ」

杏子「運命は変えられるさ、支えてくれる誰かがそばにいてくれるなら」

二組女3「だから仮面ライダーの見過ぎだってば……」

杏子「行くぜ!」ダッ!

二組女3「っ!」

杏子(そんないかにも柔道って構えで誘って……本命はあの蹴りだろ?)

二組女3(……と思われてるだろうから、ギリギリで一発すかして当身で決める)

まどか「もうやめようよ!!」バッ

二組女3「馬鹿!」

まどか「あ……」

フワッ……

ほむら「……!」バシィッ

まどか「ありがとう!ほむらちゃん!」

二組女3(また上から降ってきたような……)

さやか「杏子ストーップ!!」

杏子「馬鹿!急に出てくんな!!」

どしゃあっ!!

恭介「あいやまぁ……」

二組女3(そのまま絡み合っててくれたほうが捗るかな)


228 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 02:38:41.77 EzagoP+v0 136/623


ほむら「お願いもうやめて……あなたも怪我をしている」

二組女3「ふーん……ん?」ビチャ

二組女2「ちょっと!額から血が出てるって!」

二組女3「あら」ドクドク

ほむら「……」スッ

二組女3「気遣いどうも、自分の持ってるよ」ゴソゴソ

ほむら「一枚で抑え切れるわけない」

二組女3「……そだね、ありがとう」パッ ギュ

まどか「ねえ、葉月さんはどうしてほむらちゃんに意地悪ばっかり言うの?」

二組女3「暁美さんが可愛いので泣かせたい」

ほむら「!?」

まどか「えーっと……?」

二組女1(なにそれうらやましい)

さやか「ふざけないでよ!!」

まどか「暴力はやめて!」パッ

二組女4「やるか?」グッグッ

さやか「けどそんな意味不明な理由で馬鹿にされて……」

まどか「だからって暴力はダメ!!」

さやか「ウググ……分かった……」

二組女3(これは妄想が捗るな)ムラムラ

二組女1(楽しそうで何より)



229 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 02:46:18.63 EzagoP+v0 137/623



まどか「葉月さんもほむらちゃん一生懸命頑張ってるから、意地悪言わないであげてくれたら……って」

二組女3「そう言う努力さえしてれば何でもオーケーみたいの大っ嫌いなんだけど」

ほむら「……」

二組女3「例えば頑張れば体育祭で勝てるとか妄言吐いてる人とか?」クル

さやか「あたしのこと!?」

仁美「待ってください、その理屈はちゃんちゃら可笑しなことですわ」

さやか「仁美……」

二組女1「えぇ~……お互いのメンバー見て言ってるぅ?」

二組女5「あたしはスポ根結構好きだけど……」

二組女4「うちも2ヶ月ちょい頑張った位で埋まる程度の差とはちーと思えへんて」ヘラヘラ

杏子「中沢!言ってやれ!」ビシッ

中沢「どんな冷たい氷でも、燃える心に勝てはせぬ!……嵐にも消えぬ火……人、それを……『情熱』と言う!!」バーン!

二組女2「誰だあんた」

中沢「貴様に名乗る……」

二組女2「そう言う話じゃねーよ、キモいっての!」

「待って下さい!今のは最後まで……」

二組女3「ははっ!危機感の足りない連中!」

中沢「それは褒め言葉さ!」

杏子「芸人だもんな」



230 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 02:58:37.46 EzagoP+v0 138/623



二組女3「そんなんだから全員さやかの妄想に踊らされて無意味な事に打ち込むんでしょ?」

恭介「僕達は自分達の意思でやってるよ、それにまだ本番前なのに無駄と決めつけるのはどうなんだい?」

二組男1「とか言われても俺ら基本的に負けようなくね?」

二組女4「せやかて全く無駄……とまでは言わへんけどな」

二組女3「まどかがさやかにぴったりくっついてるのはいつもどおりだしあたしは捗るから良いけどね……勝てなきゃ無駄だけど」

さやか「……あんたは一々逆撫でしなきゃ気が済まないの?」

二組女3(そうだ!)

二組女1(あの顔はろくでもない事を思い付いたときの顔だ)

二組女3「じゃあ勝負しようか?」ニヤニヤ

杏子「オーケー!第二ラウンドな」

二組女3「英雄って言葉知ってる?」グイ

杏子「はい、知ってます……」

中沢「……ところで俺は絆が好きなんだけど佐倉さんは?」

杏子「ん?あたしは……」



231 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:02:43.96 EzagoP+v0 139/623


仁美「それで勝負と言いますと?」

二組女3「単純に体育祭で勝った方が負けた方に1日だけ何でも命令出来るってどう?暁美さん」

二組女1「何それマジキチwwwつか漫画かよwww」

ほむら「……ようは一日奴隷ね」

二組女3「そう、奴隷!良い響きでしょ?」

二組女3(暁美さんの奴隷とか捗るし)ムラムラ

まどか「奴隷って……」

さやか「なんでほむらに振るのよ!?」

二組女3「個人的な小競り合いは当事者間で解決すべきじゃない?」

さやか「こんな勝負受ける必要無いからね!」

二組女1「そこ逃げるの~?特訓の成果どこ行ったのw」

恭介「暁美さん個人を意図的に狙うのはイジメってやつじゃないのかい?」

二組女5「今まで見てみぬ振りだった人が言うのは筋が通ってないと思う」

仁美「あら、クラスメートの擁護ですか?」

二組女4「口減らんな、ああっ!?」


二組男子1「なあ、脱衣あると思うか?」ボソ

二組男子2「その場合負けた方が目の保養になるっていう矛盾が……!」グッ

二組男子1「ないわ」

二組男子3「脱衣あるなら勝つ一択だわ」


杏子「量産型エヴァンゲリオンに回天の説教をしたのはヤバかったな」

中沢「あれは燃える展開だったよなぁ……」

二組女2「この空気で何の話してんの!?」

杏子「提案が突飛すぎてなんか冷めた」


まどか「ちょっと、みんな落ち着いてよ!!もうやめようよ!!」

「いや、もうみんな結構落ち着いてるって言うか……」


232 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:05:42.94 EzagoP+v0 140/623



二組女3(この賭け……基本的にリスクリターンが釣り合っていない)

ほむら(けど杏子と葉月さんで決着がつかなかった以上ここでは……)

二組女3(一組連中からすれば、自分たちのクラスメートが苛められてたんだから引き下がりたくない)

ほむら(二組の子達からすれば先に手を出したのは私たち)

二組女3(け~ど、このまま放っておくと後々クラス間で戦争になりかねないよね?)

ほむら(私が……)

二組女3「さやかが茶々入れっから……」ボソ

ほむら「……?」

二組女3「どうすんの暁美さん?」

ほむら「……受けるわ、その勝負」

まどか「……!」

さやか「ほむら!?」

二組女3「そうこないとね」

二組女2「まああたし達が負けることとか無いし!」

二組女3「負けてもあたし得っていう」

二組女4「せや!負けるわけ……今なんつった?」

二組女3「圧倒的な力の差に絶望しなよ」

二組女5「あたし達悪役みたいだね」

二組女1(変態さんだ)



233 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:07:52.83 EzagoP+v0 141/623


さやか「ほむら……」

ほむら「ごめんんさい、他にこの場を収める方法が思いつかなかったの……」

まどか「大丈夫だよ、私たちは負けないから……」

仁美「そうですね、勝てばいいんですこの場合」

ガラガラガラ!

和子「皆さん!静粛にっ!!暴力事件があったと話を聞いています!!心当たりがある生徒は前に出なさーいっ!!そして他の生徒は次の授業に行きなさーい!!」


~教室~

ほむら(この騒ぎで決まった勝負は一組に大きな波紋を呼んだ)

「あんな勝負受けちゃって本当に良かったんですか?」

「あたしらも出来る限り協力するけど、勝てるかって言われると……」

ほむら(早乙女先生が指導のため、二時間目の英語は自習に切り替わり、クラス内の話題は事件の事で持ちきりだった)


仁美「私、今後二週間は習い事をおさぼりします!そして体育祭に勝利し暁美さんの貞操を守ってみせます!」

「さすが仁美~!かっこいい!」


「葉月どんな命令すっかなぁ……」

「単純に脱げとかだったらつまんねぇな」

「どうせなら美樹が佐倉か志筑が良かったな、あるし」

「その三人はいずれも役割を持てませんなwwwここはやはりまどか殿を脱がすべきですぞwww」

「種族値足んねえよ馬鹿」

恭介「君達には葉月さんを脱がすって発想は無いのかい?さやかには劣るだろうけど彼女も種族値的には充分だろ?」



ほむら(私の事を心配してくれる人も居るし、そうでない人も居る……)

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「……気分が悪いわ、保健室行ってくる」ガタ

まどか「あの……」ガラガラ

ほむら「一人で平気よ、それじゃ」ピシャン



234 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:13:32.42 EzagoP+v0 142/623



ほむら「失礼します」

さやか「やっほ」

杏子「よう……」

ほむら「貴女達……」

先生「あら?体調不良?」

ほむら「はい……」

先生「薬大丈夫?ベッドは奥のを使って良いわよ」

ほむら「ありがとうございます」

さやか「本当に大丈夫?凄い顔になってるよ?」

ほむら「……」

さやか「ごめん……」

ほむら「ううん、ありがとう……怪我大丈夫?」

さやか「あたし?ちょっと待ってね……ほら見てよ!お腹に凄い痣が一つ出来ちゃってね、包帯がサラシになっちゃってるの!」

ほむら(最初の一発ね……ん?)

さやか「で、内蔵にダメージあるかもしれないから後で医者に見てもらうんだってさ……大袈裟だよねぇ」

先生「先生としては今すぐ救急車を呼びたいけどなぁ~」

さやか「鍛え方違うから大丈夫ですって」

ほむら「……」


235 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:20:45.67 EzagoP+v0 143/623



杏子「いってぇ……あの野郎、本気で肩口に踵落とししやがって……」グルグル

先生「佐倉さんも一緒に病院。大丈夫かなーとは思うけど何日か吊っといてね」ギュッ

杏子「ぐっ……片手じゃブラも付けらんねぇ……さやか~魔法で直してくれ!」ワナワナ

さやか「馬鹿!」

先生「はいはいケアルガ!車で行くし病院でまた外すんだから下着なんて脱いだままで良いの!……暁美さんは誰か先生呼ぼうか?」

ほむら「大丈夫です……」

先生「じゃあごめんね、ちょっと行ってくるから」ガタ

杏子「あーあ、さやかが不甲斐ないから……」

さやか「だってさぁ……」

ほむら「……ごめんなさい」ボソ

さやか「ん?なんか言った?」

ほむら「…………行ってらっしゃい」

杏子「おー、行ってくる」ヒラヒラ

ほむら「……」

ほむら「謝るのって……難しいのね……」



236 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:25:23.64 EzagoP+v0 144/623



放課後 ~教室~


「まどっちー!今日は中止かなこれ?」

まどか「うん……今日は無理だね」

仁美「丁度良いですわ、皆さん考えたりする時間が必要だと思いますもの」

恭介「さやかは大丈夫なのかい?」

さやか「だいじょばない、反省文だよ反省文……」

杏子「ぶっちゃけ何書きゃ良いわけ?」

中沢「佐倉さん、大丈夫?何かあったら万事俺に頼ってくれよな!」

杏子「ん?あぁこれ吊ってるからアレだけど大したこと無いんだよ、ほら」ブンブン

中沢「おお!良かったぁ……」

杏子「いってぇ!!」ズキィ

中沢「佐倉さぁん!?」

恭介「元気そうで良かった……じゃ、お先に!」

さやか「じゃーね!」

ほむら「ごめんなさい……私のせいで……」

さやか「ん?あー良いって良いって!結局悪いのは最初に仕掛けたあたしだしね」

杏子「それよりあんただよほむら……どうすんのさ、あんな約束しちゃって」



237 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:43:49.19 EzagoP+v0 145/623



ほむら「私は別に……あのままだともっと酷い事になると思って」

杏子「だからって何でも背負う事無いだろ?こちとらアレだし、いざって時はトランザムすれば何とかなるんだからさ」 

まどか「トランザムって……」

ほむら「学校生活で魔法は使いたくない……」

さやか(止めた時のアレ、素なの!?)

杏子「……そこまで言うなら良いけどさ」

まどか「大丈夫だよ!勝てば良いんだから!」

さやか「流石あたしの嫁!テストは三点!笑顔は満点!」

まどか「ドキドキワクワクは年中無休だもん!テストは30点くらい取れるけどね!」

ほむら「少し気楽になったわ……それじゃお先に……」ファサァ

まどか「うん、今日は早く帰った方が良いよ……また明日ね!」

さやか「やっぱ、気にしてるよね……」

杏子「受けたのはほむらだ、あたしらは支えてやるだけさ」

まどか「こんな時、ほむらちゃんもほげーって出来たら一番なんだけどね……」

さやか「まどか」

まどか「ごめん、ちょっと愚痴……」グス

杏子「ま、天地替えっても無理な話してないでさっさと反省文終わらせようぜ!濁りそうだし!」

さやか「はぁ……」

まどか「……」

杏子(冗談抜きとは言えないな)

238 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 03:52:17.23 EzagoP+v0 146/623


玄関口


ほむら「……あれは?」

二組女3「……」

ほむら「あの……」

二組女3「……何?」

ほむら「反省文、終わったの?」

二組女3「反省文書かずに帰った反省文を明日書きゃ良いんでしょ?」

ほむら「貴女……!」

二組女3「いちいち真に受けんてなよ死ね……ほれ」パッ

ほむら「右手が……怪我してたの?」

二組女3「人差し指と中指の爪が剥がれてたんだよ、最後の回し蹴りでさ」

ほむら「頭の包帯は……」

二組女3「額バッサリイってた……先に連れてかれたのに病院の検査が長引いて今に至る」

ほむら「そう……」

二組女3「そういや昨日の事って何?」

ほむら「昨日は不快な思いをさせてごめんなさい」

二組女3「本当だよガチレズ変態ストーカー、マジキショいわ死ねよバーカ」

ほむら「……」



239 : ◆3ZuTGqoEz.[sag... - 2013/08/03 04:06:21.40 EzagoP+v0 147/623



二組女3「で、そんな気色悪い暁美さんの本日の御予定は?」

ほむら「……七頭舞の練習をしたかったけれど、教えてくれてる先輩がもう充分だって」

二組女3「……ふーん、雨降るし今日はさっさと帰るのが正解でしょ」

ほむら「天気予報では晴れって言ってたけど……」

二組女3「あんなのあてになるわけ無いじゃん」

ほむら「……?」

二組女3「ま、数年この町にいりゃ分かるようになるよ」ポイ

ほむら「!」パシ

二組女3「あげる……奴隷のケアはご主人様の仕事だしな」

ほむら「あの……」

二組女3「逃げるなら今のうちだよ?」

ほむら「そんなことしないわ……大丈夫よ」

二組女3「根性だけは座ってるもんな、江戸っ子だから?」

ほむら「なにがあってもそばにいたい人がいるの」

二組女3「……妬けるね」

ほむら「貴女はどうするの?」

二組女3「ああ、あたし今日車で帰るし」


キキーッ


ほむら「……」

「お嬢様、お迎えに上がりました」

ほむら「黒塗りのクラウン……まるでギャグ漫画ね」

二組女3「うちギャグみたいなお金持ちだし、あたしのお部屋で一日可愛がられたら奴隷やめたくなくなっちゃうよ?」

ゆま「ほむらおねーちゃーん!」トテトテ

二組女3「……じゃーね」スタスタ

ゆま「今の人だれ?」

ほむら「誰かしらね」

ゆま「話しかけたら黒服の人が出てきて誘拐されそうだったね」

ほむら「そうね」

ゆま「あ、杏子知らない?もうすぐ雨降ると思って傘持ってきたんだけど……」

ほむら「杏子なら3階の教室よ」

ゆま「ありがとう!またね!」トットット

ほむら「えぇ……」

ほむら「……天気予報では、雨なんて」


ポツ ポツ 


ほむら「ふふ……奇跡のようなタイミングね……」バサッ



パート【2】に続きます。

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