:少年「悪魔の娘?」 少女「人殺しの化物?」
138 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/12/24 18:08:47 c3sivgKM 1/54少年「したい?」 少女「されたい?」
それまでのお話:少年「悪魔の娘?」 少女「人殺しの化物?」
(本作品は、アダルトシーンをメインとします。フェチ要素を多分に含みますので、閲覧の際はご注意ください)
元スレ
少年「悪魔の娘?」 少女「人殺しの化物?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1387703349/
彼と旅に出て、五日が経ちました。
その中で私は、彼について多くを知りました。
例えば、彼は食事を必要としないこと。
少女「えっ、何も、食べないの……!?」
少年「うん。一応は、食べられるけどね。それと、お水は必要」
少女「……貴方、何で動いてるの?」ジト
少年「僕はね、これ」
少女「……お店で買ったクッキーじゃない」キョトン
少年「見てて」
サラサラ...
少女「え……っ!? クッキーが、砂に……!?」
サラサラサラサラ...
サァァ...
少女「……なくなっちゃった。……何したの?」
少年「マナを食べたんだ」
少女「マナ……」
少年「大気や大地、植物、さっきのクッキーにも。全ての物にはマナが宿っている。僕は、それを色んな所からちょっぴりずつ分けて貰って生きているんだ」
少女「何だか、不思議な光景……」
少年「さっき、食べることは出来るって言ったけど、実はお腹の中で同じことをやってるだけなんだよ」
少女「ふぅーん……」
少年「さっきみたいに、物が消えてなくなる程マナを取っちゃうのは、ほとんどしないけどね」ハハ
少女「へぇー……」
私は、自分の身体がマナに依る障害に侵されていることを思い出します。
それを騙したのが司祭様。そして、それを正してくれたのが彼。
合点がいきました。だから、彼はこんなにも詳しいのでしょう。
例えば、彼のご主人様のこと。
少年「……主は、とても恐い人だったよ」
少女「そう……」
少年「だけど、何だか寂しそうな人だった」
少女「……そう…………」
少年「…………」
少女「…………」
少年「だ、だけどねっ。主は、あまり僕を殴ったり、傷付けたりはしなかったんだっ」
少女「そうなの?」
少年「うんっ。僕は、半分は戦う為に作られたからね。傷付いていたら、戦えないでしょ?」
少女「……そうだね」ハァ
少女(その気遣いは、あまり嬉しくない)
少女「……ん? 半分?」
少年「えっ? ぁ……」
少女「もう半分は?」
少年「えぇと……」
少年「えへへ、秘密」
少女「……笑って誤魔化す気?」ジト
少年「……お願い、誤魔化されて」カァ
少女「むぅ」
頬を朱色に染めた彼に、私は何も言えなくなってしまいました。
そう言えば、彼が何かを恥ずかしがるのは、初めてな気がします。
また一つ、彼の新しい表情が見れた。それは嬉しいです。
でも、やっぱり何だか悔しいです。むぅ。
例えば、やっぱり彼は無神経だと言うこと。
少女「えぇと。ねぇ、少年」
少年「え?」
少女「ちょっと、そこで待っててくれる?」
少年「良いけど……。どうしたの?」
少女「ちょっと……。そこの、茂みに……」カァ
少年「え?」
少女「…………」ジト
少年「…………」キョトン
少年「ぁ、トイレ」
少女「言わないでっ!!」ガーッ
少年「そ、そんな怒鳴らなくても……」
少女「恥ずかしいでしょっ!?」カァ
少年「だ、大丈夫だよ……っ。旅してたら、外でトイレするのだって当然だし」
少女「言わないでって言ってるでしょ!!?」ガーッ
少年「ご、ごめん……」
少年「大丈夫? 着いて行かなくても」
少女「絶っ対に、着いて来ないでよねッ!!?」マッカッカ
彼は、やっぱりどこかズレている部分があるようです。
全てが新しい。教会に居た日々からは、まるで想像が出来ない体験ばかり。
そして、彼とお話する度に、私は彼のことを沢山知ることが出来る。
きっと、私はまだ、彼の多くを知ってはいない。
だからこそ、私はまだまだ、彼のことを知ることが出来る。
彼との日々は、とても楽しい。そして、愛おしい。
『人間』って、とても良いです。
だけど、今、私はとても困っていることがあります。
旅を初めてたった五日目にして、私はあの日々の呪縛を実感しているのです。
とても、困っています。
<潮風香る宵の港町>
少年「ふぅ……。すっかり、夜になっちゃったね」
少女「……そうね」
少年「今日はもう、宿に泊まろうか」
少女「……えぇ」
少年「この町は、世界中から色々な物が集まってる町だから。明日、買い物に行ってみようねっ」
少女「……うん。そう、だね……っ」
少年「……少女?」ポン
少女「わひゃっ!?」ビクッ
少年「どこか、具合でも悪い?」
少女「えっ!? そ、そんなことないよっ!」
少年「……本当?」ジー
少女「えぇ、本当っ。だから、早く宿に行こう」スタスタスタ
少年「あ、ちょ、ちょっと! 待ってよぉ!」スタスタスタ
少女「…………」スタスタスタ
少女「……はぁ……っ、はぁ……!」スタスタスタ
少女(身体が、凄く熱い……)
少女(頭がぼうっとして、歩くのが辛い……)
少女(……服が擦れて、ぞくぞくする…………)
少女(……儀式……)ギリッ
少女(毎晩毎晩、司祭様に媚薬を塗り付けられて、犯されて……)
少女(凄く嫌だった。終わって清々した)
少女(それなのに、それなのに……)
少女(身体が、覚えてしまっている……っ)ギュッ...
<星浮かぶ海を見下ろす宿の一室>
少女「ごめん……。私、もう寝るね……っ」バサッ
少年「う、うん……」
少女「…………」ゴソゴソ
少女(どうしよう……っ)
少女(こんな状態で、眠れる訳ないよ……)
少女(……自分で、する……?)
少女(嫌。私、なんてはしたない……っ)
少女(……でも、もう、無理ぃ…………)
少女(どこかで、どこかでしなくちゃ……っ)
少年「少女」
少女「え……? ぇ、ぁ、えぇっ!!?」
少年「具合、悪い?」ギュッ
少女(しょ!? しょしょ少年が!? 毛布越しに私の身体を抱きしめ……!!?)
少年「僕に黙って無理されるのは、その……」
少女「ぇ……?」
少年「少し、辛いよ……」
少女「…………」
少女「……ごめん、なさい」
少女(あぁ。貴方って、本当に優しい人)
少女「って!? ど、どうして貴方! 突然抱きついて……っ!!?」マッカッカ
少女(だけど無神経っ!)
少年「少女、何かあったら、よくくっつくでしょ? それで、落ち着くかなぁって」キョトン
少女「んなっ!? た、確かに……、教会でも、貴方に抱きついてたけどぉ……!」
少年「……?」
少女「とっ! とにかく離れ……っ!?」
少女(今は状況が違うのぉっ!!?)
少女(落ち着く所か、むしろ、それは逆効果――)
少年「――あれ? 脚に何か当たって」
少女(あ、もうだめだ)
少年「…………」ジー
少女「…………」マッサオ
少年「…………」ジーー
少女「…………」マッサオ
少年「……ぁー」カァ
少女「…………」マッサオ
少年「そうゆう、ことだったんだね」
少女「…………」コクリ
少年「……そっか」
少女「…………」
少年「……ごめんね。気付かなくて」スッ
少女「……? 貴方、何を――ひゃぁあぁぁんっ!!?」ビックゥッ
突然の悲鳴が、小さな部屋を響かせる。少女の顔が、また真っ赤に染まってゆく。
甲高い声を上げてしまったことに、恥ずかしさはあった。それでも、彼女はそれに身体を熱くした訳ではない。悲鳴を上げてしまったその原因にこそ、彼女は悲鳴を上げたのだった。
「ひゃっ! うぅっ!? あ、貴方……! 何を……!?」
「じっとしてて」
「そ、そんなぁ……っ。ひゃっ、くぅ……っ!? だめ……っ、変に……!」
少年が、少女の男性器を優しく撫で姦している。
毛布越しに感じるむず痒い快感に、彼女は思わず腰を引いてしまう。しかし少年は、彼女を強く抱き締めて離そうとはしなかった。
「大丈夫だよ。こうゆうのは、慣れてるから」
「慣れて……っ? 貴方、前もそうっ、んぅっ! ちょっ、入っちゃ、だめぇ……っ!?」
少女の抗議の言葉が、毛布の中に入り込んで来た手によって無理やり遮られた。
『大丈夫だよ、僕、そうゆうの慣れて――』
少女が教会で司祭に犯されていた頃、少年がそれを助けた際に言った言葉だった。
彼女には、それが不可解でならなかった。
どうして、こんな小さな子供がこんなことを知っている。確かに、彼には惨憺たる過去がある。しかし、それは『人殺しの化物』としての過去だ。
どうして、そんな彼がここまで。
「ひゃぁぁんっ!?」
「大丈夫。力抜いて」
「そっ、そんな……っ!? ことっ、言われ……っ! てもぉ……!?」
しかし、少女の言葉を遮った手が、今度は少女の思考までも遮り始める。
小さく細い指が服の中にまで入り込み、少女の男性器に直接触れた。
「っ! はぁ……っ! ぁっ、あぁ……っ! ひゃぁぁ……っ!?」
少年の手は、すべすべと手触りがよく、とても柔らかい。
何より、その手付きが甘過ぎた。
まるで赤子を撫でるかのような優しい手付きは、少女の思考を蕩かせる。少年が少し頬を染めながら、それでも慈しむような表情で、彼女の顔をじっと見つめ続けている。
初めての経験だった。
教会で犯されていた時だって、こんなことはなかった。背筋が凍るような司祭の表情、汚い声、気持ちの悪い手付き。痛みの混じった快感を無理やりぶつけられ、崖から突き落とすような絶頂を何度も味わわせられ。
それに対して、今はあまりに心地が良過ぎる。
優しく、甘く、そして不思議と幸福感に満たされる責め。
少女はいつしか、抵抗することを止めていた。
「ぁっ、ぁぁ……っ! そ、そこぉ……! ぞくぞく、しひゃぅ……!?」
男性器と女性器の間を、人差し指でこそこそとくすぐられる。
少女の男性器には、睾丸が存在しなかった。そこは、陰茎の根本でありながら、陰核のすぐ上。男性器と女性器を同時に焦らされるような刺激に、少女の背筋がぷるぷると震え出す。
「ひっ!? ぁっ! ひゃっ、ひゃぁあぁぁぁぁぁ……っ!!? そえ、やぇてぇ……っ!!?」
そして、少年の指が、徐々に男性器へと上ってゆく。
指先が、陰茎の裏でこちょこちょと小さく蠢く。その蠢きが素早いにも関わらず、陰茎を上る動きはとても遅い。陰茎の裏で、少年の小さな指先が何度も何度も往復する。
ぞくりぞくりとした刺激が、少女の背筋にまで上ってくる。両腕を縮こませてぷるぷると悶えていた彼女も、いつしか少年の首に手を回し、彼にぎゅっと抱き付いていたのだった。
「ひゃっ、ふぁあぁぁぁぁぁぁっ!!?」
少年の指先が、とうとう男性器の裏筋を引っ掻く。ぴりぴりとした快感に、少女の背中がぴんと反って硬直した。
少女の口から、一筋の涎が垂れる。幸福と快楽をふんだんに含んだそれは、まるで煮詰めた砂糖のように濃厚で、熱かった。
「ここ、気持ち良いんだね?」
少年が、少女の耳元で囁く。
歳相応の高く可愛らしい声が紡ぐ淫靡な言葉に、少女は耳すら犯されているような気がした。鈴口から、透明な液体が滲み出してゆく。
「ひひゃっ!? さひっぽっ、ばかぃっ!? さわっひゃっ、ぁあぁっ、ひゃぁあぁぁっ!!?」
少年の手が、少女の男性器を犯す。
人差し指でくりくりと裏筋をこね姦す。親指と人差し指で、亀頭を優しく揉みほぐす。五本の指をすぼめて、まるで膝小僧にでもするかのように、少女の亀頭をぞわぞわとくすぐり姦す。鈴口から漏れ出る体液を手に取り、手のひらを使って満遍なく塗りたくる。
その動きは、優しくも、甘くも、技巧的が過ぎるもの。
幼くから媚薬に漬け込まれて来た少女には、あまりに気持ちが良過ぎた。
故に、彼女が絶頂を迎えるのは、そう遠い話ではなかった。
「も、もぉ……っ!? らぇ……、でひゃ……っ!!? ぁ、あぁ……っ!!」
彼女の声が震え出す。腰がぴくぴくと跳ね、少年に抱き付く力がぐいと強くなる。
それでも、少年の動きは止まらない。変わらず、少女を犯し続けた。
そして。
「ぁ、あぁぁぁ……っ!!? ――――ぁあぁぁぁっ!!? ――ッ!! ――――!!! ――ッ!!!?」
声にならない悲鳴を共に、少女の男性器からは止め処なく精液が吹き出すのだった。
壊れた水路のように氾濫する体液が、少年の手を、自らの服を汚してゆく。性の匂いが、部屋の中を充満する。濃厚な匂いに、少女は自らがむせてしまいそうになる程だった。
「ゃめ――っ!! もぉ、変にぃ!!? ぅぁ――ッ!!! ――ッ!!! ――――!!!?」
その間であっても、少年の動きは止まらない。まるで、最後の一滴まで絞り出すかのように、ずっとずっと、少女を犯し続けた。
「ぁ……っ、はぁ……っ!? っ!! ひゃ……っ!!?」
数秒にも渡る、長い射精。
その後、少女はその場でくたりと力を失ってしまう。
少年は、服の中に差し込んだ手を引き抜くと、白く染まった手をまじまじと見つめながら呟いた。
「本当に、我慢してたんだね。凄く多いし、早い」
何とも邪気のない表情で、酷い言葉が紡がれる。
少女は、ぐったりと力を失う中、恨めしげな表情でじとりと彼を見つめ続けるのだった。
(……貴方はやっぱり、デリカシーがない)
少年「落ち着いた?」
少女「えぇ、お陰様で」プンプン
少年「えぇと、怒ってる?」
少女「怒ってるというか、恥ずかしいじゃないっ!」ガーッ
少年「だ、大丈夫だよ……っ。そもそも、性欲は三大欲求の一つとしても扱われるし」
少女「言わないっ!!」ガーッ
少年「ご、ごめん……」
少年「か、身体、拭こうか?」
少女「結構ッ!!」
少女「まったく……」
少女(もう、怒れば良いのか、お礼を言えば良いのかも分からないよ……)ハァ
少女「ねぇ」
少年「な、何……?」オズオズ
少女「教えて」
少年「う、うん……」
少女「”慣れてる”って、どうゆうこと?」
少年「あっ、ぁー……」
少女「私の裸を見てもあっけらかんとしてたし、私にそ、そうゆうことも平気でしてたしっ。それに、子供の癖に少し上手過……とにかくっ!」ズイッ
少年「わっ」
少女「教えてよ。貴方のこと」
少年「……う、うん」
少年「この前、半分は戦う為に作られて来たってお話したよね」
少女「したね。もう半分は教えてくれなかったけど」
少年「……実は、もう半分が、そうゆうことなんだ…………」
少女「え? それって……」
少年「その……。主の、そうゆうこと……」カァ
少女「……そう、だったんだ…………」
少女(私は、思った)
少女(あぁ、本当に、私たちはよく似ている)
少女(私が毎晩司祭様に犯されて生きて来たように)
少女(彼も、毎晩彼のご主人様に犯されて生きて来たんだ)
少年「主は、僕のことをあまり傷付けたりはしない」
少女「……うん」
少年「だけど、その分だけ、僕のことを犯した」
少女「……そう」
少年「傷が付かない範囲で、僕は色々なことをされた」
少女「……ねぇ」
少年「何?」
少女「……嫌だった、でしょ?」
少年「…………」
少年「僕を作ったのは、主だから」ニコッ
少女「…………」
少女(私は、また二つ、彼のことを知った)
少女(一つは、彼が毎晩そうされて生きて来たこと)
少女(もう一つは、彼が嘘が下手だということ)
少女(私の中で、感じたことのない衝動が沸き上がる)
少女(そんな、困ったような微笑みをされたら)
少女(どうしてだろう。思ってしまうじゃない)
少女(――彼を、満たしてあげたい)
168 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/12/25 21:16:25 B4Yvk0.M 28/54作者です。改めて警告申し上げます。
以降のアダルトシーンは、相当人を選ぶものとなりました。
既に前座のアダルトシーンを終えた後ではありますが、それよりもずっと濃ゆいです。
ふたなりが掘ります、ショタは掘られます。大分ヤっちゃいました。
以降の物語は、以上を十分留意の上ご覧ください。
今後はアダルトシーン一直線ですので、これ以上の警告は致しません。
それでは、今後の物語をお楽しみください。
もう少し経ちましたら投稿致します。
「んむぅ……っ!?」
少女が少年の口を自らの唇で塞いだのは、彼にとって本当に突然のことだった。
小さなうめき声が、鼻から抜けてゆく。彼はくりくりとした目を見開いたまま、ただぼうっと、目を瞑っている少女を見つめ続けていた。
きゅっと可愛らしく眉間に皺を寄せている少女の眼は、その中に紅い宝石のような瞳を包み込む。形の整った鼻の先から僅かに漏れ出る熱い息が、少年の口元を湿らせていた。
「んぅ……っ!? んむっ、むぅぅっ!?」
そして、少年は口の中で篭った悲鳴を上げ出した。
少女の温かな舌が、彼の口の中に潜り込んで来たから。
「は、ぁ……っ! ちゅっ……、んむ……っ! はぁ……っ」
少女は、一心不乱に少年の口の中を舐め姦してゆく。
やり方なんて、分からなかった。
彼女はとうの昔に、司祭に何度も唇を奪われている。だけど、そのどれもが、胃の中の物を全て吐き出してしまうような心地のものだった。幾度となく唇を交わしたことのある彼女も、気持ちの良い口付けの仕方など分からない。
それでも、彼女は一生懸命に口付けする。
唇をふにふにとついばみ、歯を優しくなぞる。舌を絡ませ、上顎をくすぐる。
目をぎゅっと瞑っている彼女は、少年の顔を覗くことなど出来ない。とにかく気持ち良くなって欲しい、その一心で、彼女は呼吸を忘れてしまう程、彼の口内を犯し続けた。
「は……っ! はぁ……、はぁ……!」
それは、ほんの数十秒の出来事。
やがて、息苦しさに頬の赤みを増していった彼女は、その場から飛び退くように少年から口を放す。
――気持ち良くなってくれたかな――
目を伏せてぜいぜいと荒く呼吸を繰り返した後、少女はおずおずと、その場に座り込んでいる少年を見上げた。
「……だめだよぉ」
少女の鼓膜をくすぐるのは、少年の蕩けるような声。
いつもの幼い声音でもない、時折見せる格好良い口調でもない、先程のように優しくも官能的な言葉でもない。
蜜のように甘い声音は少女の官能を沸き上がらせ、どこか困ったような言葉は彼女のささやかな嗜虐心を掻き立てる。
「ぼく、そうゆう風につくられてるからぁ……。そうゆうの、らえ……っ」
「気持ち良いの、弱いんだ?」
「よわいかあ……、やえて……っ」
「そう……っ」
激しい口付けに呂律が回らなくなった少年の言葉に、少女の身体は更に熱くなっていった。
――もっともっと、彼を気持ち良くしてあげたい――
身を振り回していた衝動が、明確な意志に変わり始める。
「んむ……っ!」
少女は、彼にもう一度だけ軽く口付けをする。
互いの唇を伝う絹のように煌めく糸を手で拭うと、彼の首に両手を回して、ありったけの官能を込めて囁くのだった。
「もっと、気持ち良くしてあげる……っ」
「んくぅっ!?」
少女の指先が、少年の首筋を撫でる。たったそれだけのことで、彼の口からは熱い吐息が漏れ、空色の瞳が涙で滲んでいった。
「ねぇ、脱がせるよ」
「ぇう……っ!? そんあぁ……っ。んぅっ、ひゃぁぁ……っ!?」
少年の言葉を待たず、少女は彼が着ている服に手を掛け始める。
もこもことした厚手のハンターローブは、少し脱がせ難い。布を引っ張る度に、めくれ返った服の中から『んうぅ』やら『ぐむぅ』やら可愛らしいうめき声が聞こえてくるのが、彼女には何だかおかしくて仕方なかった。
「んむぅ~っ。……はぁ」
そして、ようやく少女は彼の服を脱がせ終わる。
小さく細い、まるで女性のような身体が外気に晒される。脚の付け根にある、まだ包皮の剥けていない小さな男性器に、少女は自分の頬がどんどん熱さを増してゆくのを感じた。
「私も……っ」
――とにかく、早く彼を気持ち良くしてあげたい――
少女は自らが着ている麻の服に手を掛け、乱暴に床に脱ぎ落としてゆく。
彼女は、細くも柔らかそうなお腹を、まだまだ成長の余地を残している小さな乳房を、少年の前に勢い良く晒し始める。
少年はベッドの上に座り込んだまま、涙の滲む瞳でその様子をぼうっと見つめていた。彼が考えてみれば、綺麗なままの女性の裸体を見るのは、彼女が初めてだということに気付く。外を歩くことのなかった彼女の白い肌を見つめていると、彼の身体もまた、とても熱くなってゆくのだった。
そして、ついに少女は下半身をも曝け出す。
白く、細く、長い脚の付け根には、既に勃起している男性器。少年のものよりも大きなそれの根本は、女性器から溢れる愛液で濡れて煌めいていた。
「ふふっ、あまり見ないでよ……。私だって、恥ずかしいんだから」
頬を染めながら微笑む少女の表情が、少年には驚く程に淫靡で美しいものに見えた。
「わっ」
少女が、少年に覆い被さる。
少年は一度、座り込んだまま彼女を受け止めようとした。しかし、彼女は微笑みながら彼の胸元に手を当てる。押し当てられる手のひら促されるように、二人は一緒にベッドの上に倒れ込んでいった。
「っ……。はぁ……っ、はぁ……!」
「んくぅっ!? しょ、しょうひょぉ……っ! そぇっ、へん……っ!? なんらか、ぞくぞくすぅっ!?」
少女が、少年の身体に擦り付き始める。
それは、まるで自身の全身を以って少年の全身を愛するかのように熱く、そして自身に染み込んだ媚薬を塗り付けるかのように情欲的。
少年は、身体の芯にまでぞくぞくと響いてくる甘い刺激に、全身が蕩けてしまったような心地がした。
彼もまた、初めての経験だった。
主との情事は、いつも嗜虐的で、暴力的で。主の性欲を満たす為の道具として扱われてきた中では、味うことなど到底叶わない快楽。
もじもじと身体を蠢かせていた彼も、やがてその抵抗すら止めていた。
「んっ、くふ……っ! ねぇ、これ、どぉ……っ?」
「ひゃっ、ふゃぁあぁ……っ!? なっ、なんひゃっ、ぴりぴりしひゃ……っ!? ぁあぁぁぁっ!」
「ふふ……。私も、凄く良ぃ……っ! ぁ、あぁ……っ!」
互いの胸を擦り合わせ、その頂を犯し合う。
先が優しく触れるようにこそこそと蠢かせると、甘い刺激にお腹の筋肉がぴくぴくと震えた。固くなったそこを弾くように擦り合わせると、背筋に走るぞくぞくとした刺激に二人は同時に嬌声を上げた。背中に手を回してぎゅっと強く押し潰すと、二人は言葉にし難い幸福感に包まれた。
少女は、少年の口の端から垂れていた一筋の涎に口を付ける。
決してそれに味がある訳ではない。それなのに、少女にはそれが蜂蜜のように甘く、そして媚薬のように淫靡で少し背徳的なものに感じた。
「ほぉら、もっとくっついてぇ……」
「んぅっ、らぇ……っ。いま、びんかんになっえうからぁ……っ」
「逃げちゃだぁめ……っ」
少女の脚が、少年の脚に絡み付く。
たったそれだけのことでも、少年にとっては未知で、そして甘い快感だった。柔らかな太ももに挟まれ、ふくらはぎが擦れ合い、時折指先で足の甲をくすぐられる。
もともと敏感に創られた上に、初めての快楽に更に感じ易くなった身体。
戸惑う少年は、身体をもじもじとさせて少女から離れようとする。しかし、少女はそれを許しはしない。脚を強く絡ませ、首の後ろに手を回し、彼を固く繋ぎ止めていた。
「ひゃっ!? ぁあぁぁっ!? くひっ、ひひゃあぁっ!?」
「っ……! はぁ……っ!! これ、すごひ……っ!? ぬるぬる、して……!!」
「ひっ!? ぁっ、ぁあぁぁ!! あぁぁっ、あぁぁぁぁぁっ!?」
やがて、少女は自らの男性器を少年の男性器に擦り付け始める。
陰茎を押し付け、裏筋を擦り合い、露出した鈴口同士でキスをする。
少年の男性器は、少女のものよりも一回り小さい。その二つの交わりは、仲の良い兄弟姉妹か、はたまた親子を彷彿させる。もっとも、それを行っている二人の交わりは、そんなほのぼのとしたものからは遠く掛け離れているのだが。
互いの先から、透明な液体が溢れ出してゆく。そして、それらは絡み合い、部屋に淫靡な水音を響かせる。
少年は、下半身が溶けてしまったような、そしてそのまま少女と同化してしまったような錯覚すらした。もはや、その口からは意味のある言葉など出ない。ただただ、少女の腰の動きと共に、鈴の音のような嬌声を上げ続けるだけだった。
「ぁぅっ!? ぅうぅ……!? ねぇ、もぉ、らえ……っ!? でひゃっ、でひゃう……っ!!?」
少年が、真っ赤な顔で声を絞り出す。少年は、未だかつてない絶頂感の訪れに、半ば怯えるように少女のことを見つめ続けていた。
「んっ、はぁ……っ! もぉ、出ちゃうの……っ?」
「えちゃうからぁ……っ!? も、もぉ……!! やめ……!?」
「……そう。じゃあ、出して……っ!」
「っひぃぁあぁぁっ!!? ぁっ!!? ぁあぁぁぁ!!」
しかし、少女は今更情事を止めようとは思っていない。
それどころか、もっと早く、もっと強く、そしてもっと熱く、少年の身体を犯し始めるのだ。
少年は、少女の背中に両手を回し強く抱き付いた。
「あぁぁぁっ!!? ひっ!? ぁっ! ぁあ!? ふあぁぁぁっ!!?」
胸がこねくり姦される。脚が絡み付く。性器が擦り付けられる。
そして、少年の身体が、一際大きく跳ね上がった。
「――っ!!? ――ぁあ!! あぁぁあぁぁぁっ!!? ――っ!! ――――!!!」
絶頂の瞬間、少女は少年を強く抱き締めた。
強い幸福感に、彼は声にならない悲鳴を上げ、全身を大きく痙攣させた。
二人の身体の隙間から、少年の体液が溢れ出す。
少女は、少年の絶頂をうっとりとした表情で見つめていた。
しかし、情事はこれで終わらなかった。
部屋に充満していた性の匂い。そこに、別のものが混じり出した。
今まで嗅いだことのない香りに、少女は思わず息を大きく吸い込んだ。
「……何、これ……? 甘い……」
それは、不思議な香りだった。
まるで焼き菓子のように甘い香り。むせ返るような強さでありながら、思わず肺の中に溜め込んでしまいたくなるような。
――嗅いでいると、身体が熱くなってくるような――
「……ぼく、の」
ベッドにくたりと身を預けている少年が、ぽつりと呟いた。
「元々、こどもを産むきのうなんて、いらないから……。ぼくの、それは……」
「……そう」
その後の言葉は恥ずかしいのだろうか。尻すぼみになってゆく言葉は、少女の耳には届かなかった。
「そうゆう、こと……っ。なん、だね……っ!」
それでも、少女には理解出来た。
彼は、本当に『そう言うこと』の為に創られたのだということ。
彼の精液は、媚薬そのもの。そのことを、少女は自らの身体で実感した。
身体が燃えるように熱い。息がひとりでに荒くなる。
……凄く、したくなる。
(これは、本当に……。どうしよう、かなぁ……っ)
少女は、身体を襲う欲求に苛まれながら、頭を抱えた。
彼女は、あくまで彼を満たしてあげたかった、気持ち良くしてあげたかった。本当に、その一心だった。現に、彼が射精に辿り着いた時点で、彼女は自らが射精せずとも、もう情事を止めようとしていたのだ。
だけど彼女は今、新たな欲望を抱いてしまう。
ねっとりとした欲望は、彼女に行動を躊躇わせる。果たして、その行為は彼が喜ぶものだろうか。自分の欲望が、彼を傷付けはしないだろうか。
熱を帯びた頭の中で、いくつもの思考がぐるりぐるりと動き回る。
「……ねぇ」
しかし、その思考を止めたのは、少年だった。
彼は、うつ伏せに寝、真っ赤な顔を彼女から逸らせる。
そして、少しだけ、ほんの少しだけ、小さなお尻を突き出して言うのだった。
「したい?」
「えっ……?」
「ぼくは、そうゆう風に創られてるから……。その、排泄をしないから、お尻も、そう……」
そこまで言って、また尻すぼみになってゆく言葉は途切れた。
少女は、ほんの僅かに浮き上がったお尻を、思わずじっと見つめてしまう。
白くむにむにと柔らかそうなお尻は、小さく可愛らしい。そんなお尻が、『そう言うこと』の為にあると考えると、酷く背徳的で妖艶なものに思えた。
『したい?』
そんなこと、彼女には明白だった。
「ねぇ……」
「……何?」
「貴方は……」
彼女は一度ごくりと喉を鳴らす。
そして、今にも決壊してしまいそうな欲望を抑え付けて、絞り出すように、小さく呟くのだった。
「されたい?」
「っ……」
「……されたい」
真っ赤な頬、涙で滲む瞳、小さくか細い声。
その全てが、少年の全てが、少女の興奮を爆発させた。
「ひッ!? ぁ、あ、ぁあ……ッ!!?」
最早、これ以上の前戯はなかった。
少女は、欲望のままに自らの男性器を少年のお尻に突き立てた。
ずぷり、ずぷりと彼のお尻が広がってゆく。ぞくぞくと背筋を駆け上がってゆく快感に、少年は口の奥がかたかたと震える心地がした。
「な……っ!? なに……、これぇ……ッ!? すご、すひ……!!?」
そして、今までを遥かに超える快楽に打ち震えているのは、少女も一緒だった。
本当に『そう言うこと』の為に創られたそれは、生身の身体とは訳が違う。中はぬるぬるとした潤滑液に満たされていて、蕩けてしまう程に熱い。彼が感じる快楽に合わせて、うねうねと不規則に蠢き、どくどくと脈打ちながら性器を揉み解してくる。
「すご……っ、ひ……っ、ひっ、ひゃ、ぁあ、ぁぁ……ッ!!?」
「あなた、だめ……っ!? そんな、動いひゃ……ッ!!」
奥に挿れれば挿れる程、その強さは増してゆく。
二人は嬌声を抑えることなく、快楽の海に沈んでゆくのだった。
「あぎ……っ、ぃ゛……!?」
「ぁ……大丈夫……? いたかった……?」
「だいじょうぅ……、ちょっとびっくぃし……ひゃぁっ!? ちょっ、らぇ……っ! うごかにゃぃへ……ッ!!?」
少女の男性器が、少年の中に根本まで入り込む。
少しばかり勢い良く突き立てられたことに、少年は一瞬だけ苦悶の声を上げる。しかし、その後少女が腰をもぞもぞと蠢かせると、また呂律の回らない声で喘ぎ続けた。
中が小刻みに擦れ合う。二人の繋ぎ目からは、体液がズプズプと音を立てて溢れ出していた。
少女が、少年の背中に倒れ込む。
熱くも優しい彼の体温と、確かに感じる鼓動に、彼女は目を細めて笑った。
気持ち良くしてあげたいから、気持ち良くなりたいから。そんなことを言っていても結局、彼と交わることが一番嬉しいことだったのだと感じた。
少女が腰を上げて少しずつ男性器を引き抜いてゆくと、今度は彼女が激しく喘ぎ始める。
「ぁうっ! 何、これぇ……ッ!? ゃあっ、らめっ、はむはむしにゃいへぇ……ッ!!?」
「そんなこと、いわれへもぉ……!?」
「ひゃぅんっ!!? わかっひゃからぁっ!? うごかっ、にゃひでぇっ!!?」
少女の男性器が、先だけすっぽりと彼の中に収まる。
すると、肉壁がひくひくと痙攣し出す。飲み込まれた亀頭が、まるで肉に咀嚼されるかのように、むにむにと優しく揉み解され、くちくちといやらしく擦り姦される。
射精をするには、あまりにも局所的過ぎる快感。射精出来ないからこそ、少女の男性器には甘い快楽が溜まり続けてしまう。いつしか、少女の腰はがくがくと震え、下の女性器からは愛液が溢れて垂れ落ちていた。
「も、もぉ……!? が、我慢でき、にゃ……ッ!!?」
「ふぇ……っ!? しょう、じょぉ……! なに、ひゃッ、ぁあぁぁぁッ!!?」
そして、肌と肌とがぶつかり合う音が、部屋を響かせ始めた。
「ひッ!? ぁ!! ぁあッ!! ぁあぁぁぁッ!!?」
「はぁ……ッ! ぁあ……! あ、ぁあぁぁッ!!」
少女が激しく注挿を始める。二人の繋ぎ目が激しく擦れ合う。
自らが起こす暴力的な快楽に、もう彼女たちは互いに意思疎通することも出来ない。ただ、大きな喘ぎ声を上げ続けるだけだった。
やがて、少女はほとんど衝動的に、少年の浮き上がった腰に手を回す。そして、彼の男性器を手に取り、腰の動きに合わせて激しく扱き始めた。
「あひぃッ!!? にゃに!? しへ……ッ!! ぁ、ぁぁあッ!!?」
「はぁ……ぁ、ぁああッ!! ぁあ……、ぁあぁぁッ!!?」
突然襲い掛かる快感に、少年の腰が独りでに動き始める。そして、その腰の動きが、今度は少女の男性器を責め立てる。そして、快楽に苛まれた少女が、更に激しく少年の男性器を扱き始める。
それはまるで螺旋階段、二人の快楽が駆け上るように一気に上がってゆく。もはや、当の本人たちも、何が何だか分からなくなっているのだろう。ただただ感じるのは、ひたすらに気持ちが良くて、幸せだということ。
「しょぉ、ょお……ッ!? もぅ、らぇっ、ぼく……!!? ぁ、ぁあぁぁっ!!」
「わたひ、もぉ……っ! いっしょにぃっ! いっしょに、いこぅ……!?」
そして、加速度的に上り詰めていった二人の情事は、あっという間に終わりを迎える。
「ッ!! ぁぁああッ!!? ――ッ!! ――――ッ!!!?」
「は、あぁぁぁ……ッ!!? ひぁあッ!? あぁぁぁぁッ!!? ~~~~!!?」
同時に上がる嬌声、真っ赤な顔、それでも幸せそうな表情。
少女が吐き出す精液は少年のお尻を汚し、少年が吐き出す精液はベッドのシーツを汚す。
少女は絶頂の最中、少年にぎゅっとしがみついて放さなかった。
熱い体温が、激しい鼓動が、甘い快楽すらもが共有される。本当に一つになったような心地に、二人はかつてない幸福感に包まれるのだった。
長い長い絶頂の末、二人はその場にぐったりと倒れ込む。
「はぁ……っ、はぁ……! す、すご……かっひゃ……っ」
絶頂の余韻は、まだ抜けきってはいない。少女は、自分の呂律が回っていないことに、頬をかぁっと熱くさせる。
「しょぉ、ひょぉ……っ! ぼく、ひゅごひ、ひもひよひゃ……っ」
「……くすっ」
けれど、もうほとんど聞き取れない少年の言葉に、彼女は思わず吹き出してしまう。
彼女は、口を開くことを止める。その代わりに、少年の首に手を回し、また強く抱き付く。そして、今もなおもごもごと何かを喋っている少年の口を、自らの唇でそっと塞ぐのだった。
少年「…………」
少女「…………」ギュー
少年「…………」
少女「…………」ギュー
少年「……その」
少女「なぁに?」
少年「この部屋、ベッド二つあって良かったね……」
少女「そうだね。あっちのベッド、もう凄くべたべただもんね」
少年「う、うん」
少女「…………」ギュー
少年「…………」
少女「…………」ギュー
少年「……その、あまり、くっつかれるのは」
少女「嫌?」ジッ
少年「嫌じゃないけど……」
少女「けど?」クスッ
少年「……恥ずかしい」カァ
少女「くすくす……」
少年「何だか少女、大胆になった」ムゥ
少女「違うよ。貴方がシャイになっちゃったんだよ」クスッ
少年「むぅ……」フイッ
少女「ふふっ……」ニヘラ
少女「ねえ」
少年「……何?」
少女「……ありがとう」
少年「え……?」
少女「悩んでるの、助けてくれて」ニコッ
少年「……うん」カァ
少女「私ね、思ったの」
少年「何を……?」
少女「最初はね、『貴方を気持ち良くしてあげたい』って思ってした。……でも、何だか違うなぁって、途中から気付いたんだ」
少女「私は、貴方とただ純粋に『したい』んだなって」
少年「したい?」
少女「うん、とても」ニコッ
少女「貴方は?」
少年「えっ、ぼ、僕?」
少女「そう、貴方は、私と『したい』?」
少年「……僕は…………」
少女「……うふふふっ、それともー?」
少女「されたい?」ニヤー
少年「な、なぁ……っ!?」カァッ
少女「あぁー、本当に貴方可愛かったなぁ。もうどんどん可愛がりたくなっちゃう」クスクス
少年「ぼ、僕はぁ……っ!?」マッカッカ
少女「なぁに?」ニヤニヤ
少年「あ、あまりからかわないでよっ!」
少女「ごめんごめん」ギュー
少年「っんぅ……」ムゥ
全てが新しく変わってゆく。
教会に居た日々からは、戦い続けてきた日々からは、まるで想像が出来ない風に。
二人で一緒に過ごす度に、私たちはどんどん変わってゆくことが出来る。
私はちょっぴり大胆に、彼はちょっぴりシャイになった。
そして、私たちは、まだまだこれからも変わってゆく。
彼との日々は、とても楽しい。そして、愛おしい。
『人間』って、とても良いです。
少年「したい?」 少女「されたい?」
おしまい
194 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/12/25 21:54:00 B4Yvk0.M 54/54以上、終わります。
やはり蛇足、『少年「したい?」 少女「されたい?」』は、あくまでおまけとしてお考えください。
クリスマスの最中、濃ゆいものにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。