【前編】 の続きです。
205 : りゅーがくせいなの!(1/4) ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/02 19:04:26.20 RTyhhAoo 52/325

~柵川中学の教室~


ワイワイ ガヤガヤ


初春「留学生? このクラスに、ですか?」

佐天「うん。しかもうちの学校の中でここだけみたいだよ。私らつくづく編入に縁があるねぇ」

初春「そういや春上さんに続いて二人目って事になりますね」

春上「なんだか楽しみなの!」ワクワク

佐天「だねー。でもちょっぴり不安でもあったり」

初春「そうなんですか?」

佐天「だって、なんか経歴が怪しいって、初春たちが言ってたじゃん」

春上「怪しい人なの?」

初春「いや、まだそれは分かりませんよ。疑わしい所はありますけど……」

春上「実際に話してみないと分からないと思うの!」フンス

佐天「……そっか、そうだよね。うん、実際に会って、話してみてからでも遅くないよ!」

初春「春上さんの言うとおりですね。会ってもない人疑うのは失礼ですし」

春上「みんな仲良く、なの」ニコニコ

 ガラッ

大吾「はーい、みんな静かに」

佐天「あ、先生来た。んじゃ席戻るわ」

初春「はい、また後で」

春上「またなの!」

206 : りゅーがくせいなの!(2/4) ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/02 19:07:19.18 RTyhhAoo 53/325

大吾「うん、皆席に着いたな。えー、コホン」

大吾「既に知ってる人も多いだろうが、今日このクラスに留学生が編入してくる」


オー ザワザワザワ


大吾「こらー、静かにしろ。んじゃ早速紹介するぞ。はい、入ってきてー」


ガラガラ テクテク


レッサー「や、どうもー」

佐天初春「!?」

春上「わぁっ、しっぽなの!」

レッサー「今日からお世話になります、レッサーといいます。以後、お見知りおきをっ!」ビッ

春上「すごいの、日本語ぺらぺらなの」

佐天「いや、それも凄いけどなんかそれ以外にも突っ込み所満載なような! ってか尻尾? なんかウネウネ動いてるけど何アレ本物?」

レッサー「あ、これですか? これはですね……って説明しちゃ駄目なんでした! えっと、ただのチャームポイントです!」

佐天初春「「…………」」ジー

春上「わあ、チャームポイント! とっても可愛いのなの!」

レッサー「で、でしょう?」フリフリ

佐天(なんていうか……)

初春(とてつもなく怪しいですっ!)

レッサー(やっべー、他のに知られたら間違いなく懲罰もんですね、これ)ダラダラ

春上「私もしっぽ、欲しいの!」ニコニコ

207 : りゅーがくせいなの!(3/4) ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/02 19:11:29.54 RTyhhAoo 54/325

~放課後 例のファミレス~


美琴「で」

黒子「なんで」

美琴黒子「仲良く一緒にお茶してるのよ(ですの)!?」

佐天「え? えーっと、なんででしょう?」

レッサー「細かい事気にしてたら長生きできませんよ。あ、黒ゴマ白玉クリーム追加お願いします!」

春上「マンゴープリンパフェも追加なの!」

初春「あ、じゃあ私はデラックスミックスフルーツパフェを」

黒子「う~~い~~は~~る~~?」グリグリグリ

初春「いたた、痛い痛いです白井さん!」ジタバタ

黒子「他の二人はともかく貴方は風紀委員でしょう? もっと危機感って物を持ちなさいな」グリグリグリグリ

初春「だ、だって! 春上さんがあっさり打ち解けちゃって、巻き込まれて話してみるに別に悪い人じゃないんじゃないかなーって思えてきたんですもん!」ジタバタ

佐天「そ、そうですよ! それになんだか御坂さんとも知り合いだって言う話ですし!」

黒子「お姉様と? そ、それは本当ですの?」

美琴「あー、うん。ちょっち、ね」

レッサー「ちょっちとは何ですか冷たいですね。あの極寒の地で吹雪にも負けない熱い熱い友情を温めあった仲じゃないですか」

レッサー(ぶっちゃけ、疑われた相手が御坂美琴の関係者で助かったんですけどね)

美琴「そんな事したっけ……?」

レッサー「ひどい! 美琴ってばあれだけ私の身体を弄んでおきながら!」

美琴「人聞きの悪い事を言うなぁ!」ビリビリ

レッサー「あぁん、美琴の電撃久々です! もっと激しいの下さい!」シビビビ

美琴「誰がやるか! ってつい勢いで浴びせてしまった……こいつには逆効果だというのに」

佐天「うわぁ……」ドンビキ

初春「ないわー……」ドンビキ

208 : りゅーがくせいなの!(4/4) ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/02 19:13:16.30 RTyhhAoo 55/325

レッサー「うふぅん……美琴のいけず……」ポッ

美琴「……やめてよね、そういうの」ゾワァ

春上「御坂さんの電撃、気持ちいいのなの?」キョトン

初春「は、春上さん駄目です! 春上さんまで白井さん方面(そっち)に目覚めないで下さい!」

佐天「白井さん方面って……。あ、そういえば白井さんがさっきから静かなような」

黒子「フフ、フフフ、フフフフ……」ゴゴゴゴゴ

佐天「!?」

春上「あ、マンゴープリンパフェ来たの!」パァァ

黒子「最近、風紀委員の仕事が忙しかったからといって……黒子、油断しておりましたの。まさかお姉様を狙う伏兵(ライバル)がこんな所にもいらっしゃるとは……」

美琴「え? えーと、黒子?」

黒子「お姉様! 黒子は反省しましたの! いつまで経っても振り返ってくれないお姉様に対して黒子の積極性はイマイチ足りてませんでした! これからは心を入れ替えて私の想いを全力投球でぶつけtあbbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「いきなり獣の目をして飛び掛ってくるなぁ! ってか今でも充分ウザったいからこれ以上積極的にならんでいい!」

レッサー「おっ、この私に勝負を挑もうって事ですね。いいでしょう受けて立ちます。こっちとしても学園都市の外と中という厚い壁を越えた今、美琴との障害は最早ほとんど無くなり最大のチャンスです。というわけで美琴、あの時のように二人の肌と肌で温めあいまsあbbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「どの時の事よ、どの時の!? っていうかアンタはあの馬鹿狙いじゃなかったの!?」

レッサー「いやー、この際自分としてはどっちもゲットしたい所ですね」プスプス

美琴「だ、駄目よ! アイツはわたs……! ……あ、えっと、その」ゴニョゴニョ

レッサー「……んー? どうしました途中ですよ? ホラホラ続き続き」

春上「いただきまーす」パク

美琴「あ……だ、だから、その……。な、なんでもいいでしょ!」カァァ

レッサー「カァーッ、かーわいいな美琴ちゃんってば! これじゃあ諦める気にはなれません!」

佐天「え、何? 何のことです?」クイツキ

初春「御坂さん真っ赤になってる。可愛い……」ドキドキ

黒子「お……姉さま……。は、肌と肌で温めあう、とは……どういう……?」ワナワナ

美琴「だあああああ! 何なのよこの状況!? 収拾つかないじゃない!」

春上「とっても美味しいの!」パクパク

224 : 留学生・上条サイド ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 00:59:40.91 0o1KG5.o 56/325

~時間ちょっと戻して 上条さんの学校~


上条「留学生……嫌な予感しかしねぇ……」

土御門「同感だにゃー」

青ピ「おいおい二人とも、夢がないんやなー。一年に二回も転入生イベントがあるという幸運にもっと感動すべきやと思うで?」

上条「いや、なんていうか……なあ?」

土御門「青ピ、多分だけど今度もカミやんの知り合いだと思うぜよ」

青ピ「なんやて! 男か女かが判明する前から既に絶望的とかどういう事や!」

上条「何の話だよ! 俺の知り合いだと絶望的とか失礼極まりないぞ!」

青ピ「せやかて、男やったらどうでもいいけど女やったら既にカミやん病感染済みって事やろ? 夢も希望もあらへんやんか!」

上条「だからその何とか病ってなんだよ……。ていうか土御門は誰が来るのか知らないのか?」

土御門「それが、俺にも全く情報が伏せられてるぜよ。どういうつもりかは分からんがな」

上条「ますます嫌な予感しかしないぜ……」

ガラッ

小萌「はいはーい、みんなさっさと席ついてくださいねー。ホームルーム前にちゃっちゃと済ませたい事がありますので♪」

土御門「じゃあ、カミやんまた後でな」スタスタ

上条「おう」

小萌「さてさて。みんなも既に知ってるでしょうが、先ごろ学園都市と外部組織とで交換留学を行うとの発表がありました。そしてその栄えある交換留学先としてこのクラスが選ばれた事も先日お知らせしたと思います!」ニコニコ

上条(? なんか小萌先生の機嫌がヤケにいいような……)

小萌「というわけで何と今日、その留学生が我がクラスに編入してきます! しかも……男女一人ずつの一気に二人!」

上条「二人ッ!?」

土御門「そんな無茶なッ!?」

エーッ ドヨドヨドヨ

小萌「事情はよくわからないのですが、本人達の強い希望からだそうです! ではご紹介します、どうぞー!」

上条(だ、誰が入ってくるんだ……!?)

229 : 留学生・上条サイド ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 02:11:19.78 0o1KG5.o 57/325


ローラ「皆様、初めてお目にかかりけるのよ! わらわはローラ・スチュアートと申したるのよー!」

上条土御門「よりによってアンタかあああああああ!!!」ガターン!

青ピ「おおっ! なんかヤケに大人っぽい金髪碧眼の美人さんキタああああああ!!」

上条「いやいやいやいや幾らなんでもアンタが高校生は無理があり過ぎるだろそりゃ確かに年齢不詳だけど!?」

土御門「俺にも情報伏せてた理由ってこれかにゃー……」

ローラ「ふふふ、何のことか分かりかねるのよ。ローラはピッチピチの女子高生なりたるのよ!」

上条「ピッチピチとかいう表現が既に古い! 何世代も遥かに乗り越えるくらい古いから!」

ローラ「そ、そんな馬鹿な事がありて!? 成りすましける為に改めて日本語を勉学しなおしにつき、万全たると思いたるのに!」

小萌「えーと、よくわかりませんが上条ちゃんの知り合いだったのですねー。上条ちゃんは後で職員室に来てくださいー」

上条「何たる理不尽!?」

ローラ「我を傷つけたる輩ならば、当然たることなりけるのよ」

上条「不幸だ……」

??「やれやれ、相変わらず冴えない男だな、上条当麻」

上条「む!? その声は……」

230 : 留学生・上条サイド ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 02:13:47.87 0o1KG5.o 58/325


ガラッ スタスタ

ステイル「まったく、こんな事ではあの子を安心して任せておけないじゃないか」

上条「やはりお前かステイル! つーかお前確か14じゃなかったのか?」

ステイル「む、そうだが。いわゆる飛び級という奴でだな……」

土御門「恐らくそこの寂しい女の面倒を見る為だにゃー」

上条「あ、なるほど」

ステイル「いや……まあ、そうなんだけど」

ローラ「寂しい女とは誰の事を言いけるのよ!?」

上条土御門ステイル「「「…………」」」ジー

ローラ「さ、三人がかり!? 高貴なる我に対してその態度は失礼極まりたるのよ! もっと敬意を払いたるべし!」

上条「高貴、ね……」

土御門「どの口が言ってるのかにゃー」

ステイル「まったくだね」

ローラ「我は寂しい女なりける……」シクシクシクシク


231 : 留学生・上条サイド ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 02:15:13.24 0o1KG5.o 59/325


小萌「はいはーい、漫才はその辺にしてちゃっちゃとホームルーム始めますよー」

ローラ「初対面の子供にまでこの扱い!?」

小萌「子供じゃないですー! ちゃんと大人なのですよー!」プンスカ

ローラ「またまた、我をからかうのもいい加減にしたるのよー。いやー、しかし学園都市たるは、子供であっても優秀であれば高校教師になれるたるは見習うべき実力主義と思いにつき
――え、ステイル? なにゆえ我の肩を叩きける? え? 彼女の免許証を、見ろ?」

小萌「…………」ズイッ

ローラ「…………おお、これはこれは」

ステイル「まあ、そういう事ですよ。最大主教」

ローラ「あー、えー。し、失礼な事を申して、申し訳ないにつきたるのよ」

小萌「いえ、分かってくれればいいのですー」プイ

ローラ(う、上には上がいたるのね……。科学の力、恐るべきなりけるのよ!)

ステイル「すいません、うちの身内が迷惑かけます」

小萌「い、いえっ! 慣れてますから平気なのですよー!」

ローラ(……ん?)

小萌「で、ではっ、ホームルームを始めたいと思います!」

ステイル「…………」

ローラ(…………!)ピーン

ローラ(これはこれは……予想以上に面白い事になりそうでありけるのよ)ニヤニヤ

土御門(また何かめんどくさい事考えてやがるぜよ、あの女……)

上条(よく分からないけどすげー不幸の予感……!)ブルッ


244 : 上条サイド・放課後 ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 14:09:32.09 0o1KG5.o 60/325

~放課後~


上条「『上条ちゃんは馬鹿だから観光案内担当で~す』」

上条「と、小萌先生の笑顔の一言により、私上条当麻は寂しい女を案内する事となりました」

ローラ「だから寂しい女って呼ぶべからじよ!?」ムキー

上条「はいはいローラ様ローラ様」

土御門「しかし、色々情報操作は施してあるみたいだが、最大主教が本拠ほったらかしてこんな所来てていいのかにゃー?」

ステイル「本当は良くないんだが……本国に残された者達が何とかしてるみたいだよ」

土御門「それはなんつーか、ご愁傷様だぜよ」

ステイル「まったくだね」

ローラ「おおっ、ステイル! あそこに売っていたるは何でありけるのよ!?」

ステイル「あれは……クレープ、ですね。というかこの街の事は住人である上条当麻か土御門に聞いて下さいよ」

ローラ「ステイル、ステイル! あそこのテントに似たる物体は何でありける!?」

ステイル「えっと……確か”ヤタイ”という仮設の店舗ですね。あそこでは”タコヤキ”という物を売っているようです」

ローラ「”タコヤキ”? あの丸っこくてホカホカで中にデビルフィッシュの欠片が入りたると噂に聞きし食物! ステイル、早速一つ購入しけるのよー!」

ステイル「最大主教、これから昼食ですのでそういった間食は……って最大主教? 最大主教!」

土御門「……こちらの担当もご愁傷様だぜよ」

上条「まったくだな」


245 : 上条サイド・放課後 ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 14:12:31.08 0o1KG5.o 61/325


~某ファミレス~


ローラ「おおー、ここがジャパニーズファミリーレストランという奴なりけるのね」キョロキョロ

ステイル「最大主教、目立つからあまりキョロキョロしないで下さい」

ローラ「分かりたるのよ。それよりステイル、我を最大主教と呼びたるのも目立つ原因になりけるので、止めるべしなのよ」

ステイル「はぁ……。その外見で今更何をと思いますが、何とお呼びすれば良いので?」

ローラ「ローラちゃん、と呼びたるべし!」

ステイル「ローラ=チャン?」

ローラ「誰が中国産グラビアアイドルなりけるのよ!?」

上条「……誰?」

土御門「芸能人。別に知らなくても損はしないにゃー」

ステイル「とにかく、以後ローラ様とお呼びします。よろしいですね?」

ローラ「ローラちゃんがよしにつきなのに……」ブツブツ

土御門「馬鹿やってないでさっさと注文しようにゃー。いい加減腹減ったぜよ」

上条「そうだな。ってか、最大主……ローラさんを連れての昼食に、こんな普通のファミレス選んで良かったのか……?」

土御門「中途半端に高い飯屋に行ってもこの女の普段の生活からすりゃハナクソみたいなもんぜよ。逆に庶民的な方が新鮮で面白いそうだにゃ―」

上条「なるほど、そういうもんか」


スキアリー ミコトノカワイイオッパイゲットデス!

ギャー ナニスンノヨアンタ!

オネエサマ! ワタクシニモオッパアbbbbb


上条「……ん? どっかで聞いたような声が」


246 : 上条サイド・放課後 ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 14:17:09.95 0o1KG5.o 62/325


美琴「……え? あっ、アンタ!」

上条「うわっ! み、御坂じゃねぇか何してんだ!」

美琴「あ、あああアンタこそ、こんな所で何してんのよ!」

上条「いや、俺は知り合いを案内して飯をだな……」

美琴「わわ、私だって初春さんとこの留学生とお昼を……」

レッサー「美琴ー、何してるんですか? ……って、あ!」

上条「げげっ、レッサー!? 何でこんな所に!?」

レッサー「うわーお、今日はラッキーデイですね! お久しぶりです上条当麻!」ガバッ

上条「だああああっ! まとわりつくな鬱陶しい!」ジタバタ

レッサー「あぁん♪ 当麻さんったらいけずですぅ」マトワリツキ

美琴「あっ、ちょ、ちょっと何してんのよアンタたち!」

土御門「まったく、またカミやん病患者のご登場かにゃー?」

美琴「って、あれ。土御門さん?」

土御門「だにゃー」

美琴「あら、お久しぶりですね。……その節は大変お世話になりました」ニコォ

土御門「え? べ、別に大した事はしてないぜよ……」

美琴「いえいえ。後でたーっぷりお礼をしたいのでお時間下さいねぇ……?」ゴゴゴゴゴゴ

土御門(何この迫力。ひょっとして面白がってあちこち吹聴したのバレたかにゃー?)ダラダラ

美琴「うふふ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

土御門「あ、あはは……」ダラダラダラダラ


247 : 上条サイド・放課後 ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 14:20:48.36 0o1KG5.o 63/325


黒子「何やってるんですかお姉様……おや」

佐天「お知り合いですかー……って、あわ、こっちにも留学生さん?」

初春「あ……(この人は……資料で見た怪しいバーコード魔人!?)」

春上「わぁーっ、まっかっかなの! 綺麗なの!」

ステイル「おや、お嬢さん方。この冴えないツンツン頭のお知り合いかい」

佐天「あ、はい。御坂さん経由ですけど、一応そうです。佐天涙子と言います」ペコ

ステイル「ステイル=マグヌスだ。こっちのツンツン頭とは認めたくはないが一応知り合いだ、よろしく」

黒子「あら、奇遇ですわね、私もこの類人猿の知り合いとは認めたくありませんの」

ステイル「ほう、君とは気が合いそうだな」

黒子「白井黒子ですの、以後お見知りおきを」ペコ

初春「あ、初春飾利です」ペコ

ステイル「うん、よろしく(花……?)」

初春(上条さんの知り合いだったんですね……)

春上「春上衿衣なの!」

ステイル「よろしく(ほっぺにクリームついてる……)」

レッサー「レッサーです!」ビシッ

ステイル「よろしk……って君は既に知ってるよ!」

レッサー「えへへー、ばれましたか」

ステイル「相変わらずのようだね、君は」


248 : 上条サイド・放課後 ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 14:26:42.98 0o1KG5.o 64/325


上条「やっと離れてくれた……。さっきさり気に馬鹿にされた気がするんだが」

ステイル「気のせいだよ」シレッ

黒子「ですわね」シレッ

上条「何このコンビネーション!?」

ローラ「ちょっと! 我を放置したるは失礼なりけるのよ!」

佐天「おわ、金髪美人! ってか髪長!」

ローラ「ローラ=スチュアートよ。ピッチピチの女子高生なりける!」フンス

美琴「え……女子高生?」

黒子「には、ちょっと見えませんわね……」

初春「制服着てますけど、ぶっちゃけ年増のコスプレにしか見えませんね」

上条土御門ステイル「「「ぶっwww」」」

ローラ「ちょ、ちょっと! 失礼極まりたるのよ!」

美琴「え、いやー……でも、何と言うか」

レッサー「流石の私でもこれは引きますね」

春上「大丈夫なの! 大人の人が制服着てる姿、Q様とかで良く見るの!」

上条土御門美琴黒子佐天初春「「「「「ぶほっwwwwwww」」」」」

ステイル「……キューサマ?」

レッサー「何の事でしょう?」

ローラ「むきーッ! 何だか分からじけれど無性に馬鹿にされたる気がしたるのよ!」ジダンダ



店員A(そろそろ追い出そうか、あいつら……)

店員B(そうしたいけど、なんか近付きたくねぇ……)



251 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] - 2010/09/03 19:01:47.57 xJ3W94wo 65/325

追加で一方さん妹達アイテムも頼む

254 : >>251こうですか?わかりません! ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 19:34:03.40 0o1KG5.o 66/325

上条「え? 風呂?」

ローラ「学園都市に来たる理由の一つが、豊富たるスパ施設を体験したる事なりけるのよ!」

美琴「わ、私も行っていいの?」

黒子「お姉様! 類人猿と一緒に混浴などと!」

レッサー「混浴ですか! このイベントに参加しない手はないですね!」

禁書「おっふろ♪ おっふろ♪ おっふっろ~♪」

――寂しい女の一声に振り回される上条当麻一行

打ち止め「楽しみだなーっ、ってミサカはミサカはそわそわしてみたりっ」

一方通行「何で俺がこンな事に付き合わなきゃいけねェンだよ……」

黄泉川「つべこべ言わずに一緒に楽しもうじゃん」

芳川「ねえ、夕飯はこの店がいいんじゃない?」

番外個体「なんでミサカも巻き込まれてるのかな? まあ楽しそうだからいいけど」

御坂妹「たまにはこういう集まりもいい物ですね、とミサカは上位個体の誘いにちょっとだけ感謝してやります」

――温もりに戸惑う白き少年と、その”家族”達

浜面「お前ら、俺の事体のいいアッシー君だと思ってないか?」

麦野「思ってるけど?」

絹旗「超思ってます」

フレンダ「結局、浜面の価値ってばそれくらいな訳よ」

滝壺「大丈夫、そんなはまづらを私は応援してる」

――平和を満喫する『アイテム』+一名

――三者三様の思惑が、偶然にも重なる学園都市の夜。三つ巴の入浴が交錯する時、物語は始まる!(?)



10395号「むむ、西南西からお姉様の気配がします、とミサカは謎の電波を受信しました」ピコーン

店長「いいから働け」


~coming soon?

264 : お風呂に行こう!~その1~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 22:57:26.96 0o1KG5.o 67/325

~第23学区 第三階層~

○上条一行:上条、イン(ry、ローラ、美琴、黒子、レッサー


ローラ「上条当麻~! 後どれくらいなりけるのよ!」

上条「あ、突き当たるまでまっすぐですよー!」

禁書「はしゃぎ過ぎなんだよ。流石の私でもちょっと引くかも」

上条「くそ、土御門とステイルの野郎……まんまと押し付けて逃げやがった」

禁書「折角のお風呂なのに来ないなんて損してるんだよ」

上条「土御門は舞夏でも来るからだろうけど……ステイルは何の用事だ? インデックスもいるのに」

禁書「さあ?」

ローラ「小萌の所に行かせたるのよ」

禁書「こもえの?」

上条「なんだって先生のところに……」

ローラ「ふふ、気の多い男なりけるな。二兎を追う者、なんとやらとならなければよしにつきと思いしけれど」

上条「???」

禁書「おっふろ♪ おっふろ♪ おっふっろ~♪」ルンルン


265 : お風呂に行こう!~その2~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 23:02:00.28 0o1KG5.o 68/325


美琴「くっそー、土御門さんにまんまと逃げられた……」ブツブツ

黒子「何をブツブツ呟いておりますの、お姉様?」

美琴「まあでも、ここ、コイツと一緒にお風呂行けるのは、ちょっと嬉しい……いやいや、混浴は無いわよね、混浴は」ブツブツブツ

黒子「お姉様!」ズイッ

美琴「ひゃいっ!? な、なんだ黒子か、おどかさないでよ」ドキドキ

黒子「先ほどから話しかけているのに聞こえてないお姉様が悪いんですの」

美琴「あー、ごめんごめん」

黒子「誠意がこもってませんの」プンスカ

レッサー「で、さっきから何を上の空だったんです? やっぱり上条当麻との混浴を想像して?」

美琴「ぶっ!? ち、ちちち違うわよ! だだだ誰がアイツなんかと……」

レッサー「チッチッチ、相変わらず美琴は素直じゃないですねー。上条当麻程の朴念仁を落とすにはそんな事じゃあいけませんよ?」

美琴「え、そ、そうかな……」

黒子「貴方は無駄にお姉様を焚き付けないで下さいまし! お姉様も混浴なんて破廉恥な事などやめて、黒子と一緒に裸の身体と裸の身体を密着させめくるめく夢のせkあbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「気色悪い事言うな! っていうか黒子とだけはああいった所に行きたくなかったのに……早まったかしら」

レッサー「大丈夫ですよ、美琴の事は不肖私、レッサーがお守りしますから!」エッヘン

美琴「……具体的にはどうやって?」

レッサー「黒子さんが触れないよう、私が身体を密着させてガーdあbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「あんたら絶対に私の半径5メートル以内に近付かないでよ!?」

黒子レッサー「「あふぅん……」」シビシビ


266 : お風呂に行こう!~その3~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 23:05:19.19 0o1KG5.o 69/325


ワイワイ ギャーギャー


上条(何だか楽しそうだ……)ジー

ローラ「ほらほら上条当麻! 目的の施設までは後どれくらいになりけるのよ!」

上条「あ、はい。えっと、一つ先の角を右折してすぐですね」

禁書「こないだ行ったばかりだから流石のとうまでも道を覚えてるんだね。感心かも!」

上条「ていうか完全記憶能力持ちのお前が案内した方が早いじゃねぇか……」

禁書「とうまは女の子の扱いがなってないんだよ」

上条「へいへい、悪うございましたっと」

ローラ「上条当麻! ここを左折でよしにつき?」

上条「だああああ! 逆です逆! ていうか勝手に先行くなよこの脳天気教主! 略して脳教!」

ローラ「人を第一次産業の互助組合みたいに呼びたるのやめて!?」

美琴(何だか楽しそうね……)ジー


~上条サイド 一旦つづく


267 : お風呂に行こう!~その4~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 23:13:07.90 0o1KG5.o 70/325


~第23学区 階層間スロープ~

○一方一行:一方通行、打ち止め、黄泉川、芳川、番外個体、御坂妹(※10032号)


打ち止め「ぐるぐるぐるー、この螺旋状の道路はどこまで続くの? ってミサカはミサカは目が回りそうぇっぷ」

黄泉川「んー、もう10分くらいは続くじゃん」ウンテンチュウ

打ち止め「ううー、後10分も回り続けるのはちょっと辛いかも、ってミサカはミサカは既に目が回ってうぇっぷ」

番外個体「ちょっとー、この程度で吐いたりしないでよね上位個体」

御坂妹「この席順だと真っ先に被害をこうむるのは自分になりそうです、とミサカも目を回しつつうぇっぷ」

芳川「大丈夫よ、汚れてもこれからお風呂に入るんだから」

一方通行「馬鹿ですかァ!? 服や身体は洗えても、帰りもこの車に乗るンですよォ!?」

芳川「あら、言われてみればそうね」

黄泉川「まあまあ、もうちょっとで第三階層着くじゃん。だからそれまでの辛抱じゃん」

打ち止め「うう、何とか頑張る! ってミサカはミサカは横Gに引っ張られてうわぁ~」ドスッ

御坂妹「うぐっ! じょ、上位個体。この場面でボディに頭突きをされると……と、ミサカは今正に決壊の瀬戸際に――」

番外個体「げげ! ミサカも乗ってるんだからやめてよね!」

芳川「こんな事もあろうかとエチケット袋は準備済みよ」サッ

御坂妹「あ、ありがとうございます、とミサカは間一髪の所をおぼろろろろろろ」

番外個体「あー、もう。しょうがないなぁ」サスサス


268 : お風呂に行こう!~その5~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 23:16:03.67 0o1KG5.o 71/325


打ち止め「あらら? 案外面倒見良いんだね、ってミサカはミサカは番外個体の意外な一面に驚いてみたり」

番外個体「まあ、こんなんでもミサカの姉妹なわけだしね」サスサス

御坂妹「ありがとうございます番外個体、とミサカは落ち着いた所で御礼の言葉を述べます」

打ち止め「気をつけてよね10032号、ってミサカはミサカは偉ぶってみrいたたたたた! 何するのー!」

御坂妹「元はといえばお前がミサカのボディにパチキかましたからだろう、とミサカは上位個体に反撃をします」グリグリグリ

打ち止め「いたたたた! わ、わざとじゃないのにー! ってミサカはミサカは弁解してみるっ!」ジタバタ

一方通行「うるせェぞお前ら。車内なンだから音が響くじゃねェか」

御坂妹「おっと、これは失礼。とミサカは気が済んだので上位個体を開放します」

打ち止め「ううー、目が回ったり頭が痛かったり散々だよー、ってミサカはミサカは自らの境遇を嘆いてみたり」ズキズキ

芳川「ふふ、仲が良い事で何よりだわ」

番外個体「……そうだね」

芳川「? どうしたの、寂しそうな顔しちゃって」

番外個体「ううん、なんでも。ミサカは充分楽しいよ?」

芳川「そう。無理して溜め込まないで、何かあったら気軽に言いなさいね?」

番外個体「うん、大丈夫。正直、ミサカにもまだ良く分からないの」

芳川「そうなのね。まあ、何か分かった時、必要だったら相談に乗るわ」

番外個体「ありがと、芳川」


269 : お風呂に行こう!~その6~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/03 23:18:15.00 0o1KG5.o 72/325


黄泉川「よーし、ようやくついたじゃん! 皆降りるじゃんよ!」

打ち止め「わーい! ってミサカはミサカは一番乗りー!」ガチャッ トテテテ

一方通行「オイクソガキ! はぐれるから先行くんじゃねェ!」ガチャッ

御坂妹「上位個体に先を越されるわけには行きません、とミサカはダッシュ」スタタタ

一方通行「お前もかよ! クソ、待ちやがれェ!」ダッ

黄泉川「おーおー、微笑ましいじゃん」バタン

芳川「まったくね。じゃあ私達も行きましょう?」

番外個体「うん。ミサカ、こういう場所初めてだなー」ワクワク

芳川「ふふ、思う存分楽しむといいわ」

番外個体「うん、折角だからそうする!」

黄泉川「はは、その調子じゃん!」



番外個体(正直、まだ戸惑ってる)

番外個体(ミサカが作られた理由。あの人にした事)

番外個体(今、こうして”家族”達と、平和な日々を送れる事)

番外個体(…………)

番外個体(今は、まだ、答えが出せない。けど……)


~一方サイド 一旦つづく

276 : お風呂に行こう!~その7~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:32:23.53 C.DAY/oo 73/325


~第23学区 第三階層~


○『アイテム』組:麦野、フレンダ、絹旗、滝壺、浜面


絹旗「しかし、この四人で出かけるのって超久々ですよね」

麦野「そうね。ここんとこ通院とか学校の手続きとかでドタバタしてたしね」

フレンダ「結局、この四人で遊ぶのが一番楽しいって訳よ!」

絹旗「そうですね! これからは超もう少し時間が出来るし、またちょくちょく超集まりましょう!」

麦野「ふふふ、しばらくぶりの筈なのになんかそんな気がしないね。やっぱ馴染んだ空気ってのはいいなぁ」

浜面「……あの」

麦野「なに? 運転役のアンタは静かに運転に集中してて欲しいんだけど」

浜面「ちょっと話す程度いいじゃねぇかよ! っていうかさっきから四人って言ってますけど、もしかして」

滝壺「…………」ボー


277 : お風呂に行こう!~その8~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:33:06.58 C.DAY/oo 74/325


絹旗「? 四人は超四人ですが、何か?」

浜面「いや、その四人の内訳は……」

フレンダ「麦野、私、絹旗、滝壺の四人だけど?」

浜面「やっぱり! 私めは人数に数えられてない!?」

麦野「ああ、ごめん。四人と一匹だっけ?」

浜面「数えてもらったはいいけど人間扱いされずっ!?」

フレンダ「結局、浜面は家畜以下って訳よ」

浜面「しくしくしくしく……」

滝壺「大丈夫、はまづら」

浜面「! 滝壺、お前だけは俺を……!」

滝壺「はまづらが動物でも、私は大好きだよ」

浜面「ひゃあ! 喜んでいいのか悲しんでいいのか微妙な励ましありがとう滝壺!」ウワーイ

絹旗「浜面超キモいです……」

麦野「全面的に同意するわ」

滝壺「?」キョトン


278 : お風呂に行こう!~その9~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:34:31.77 C.DAY/oo 75/325


絹旗「ところで、超思うんですけど」

麦野「ん? 何?」

絹旗「麦野は分かるんですけど、フレンダはなんで生きてるんですか?」

フレンダ「え。それは、そのー……い、色々ある訳よ!」

麦野「ていうか、フレンダを殺したのは私なんだけど、いいのかなこれ」

絹旗「いやー、まあそれは……」

滝壺「>>1は設定厨だから。そこを掘り下げるとまた風呂敷広がるし収拾つかなくなるから、勘弁してあげて欲しい」

絹旗「……超何の話です?」

滝壺「ちょっと、神奈川方面から来た電波を受信したの」

麦野「うん。この話これ以上広がらないからこの辺にしようね」

フレンダ「なんだか、扱いがぞんざいな訳よ……」


279 : お風呂に行こう!~その10~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:39:30.70 C.DAY/oo 76/325


浜面「おし、着いたぞ」

絹旗「おおっ、初めて来ましたが超立派な施設ですね!」

滝壺「楽しそう」ワクワク

フレンダ「よーし、誰が一番乗りか競争よー!」イチニツイテー

麦野「こら、あんまりはしゃぐな。真っ二つにするよ?」

フレンダ「……なーんて子供みたいな事したら駄目だからねー」ダラダラ

滝壺「ふれんだ、凄い汗」

絹旗「冗談にしても超洒落になってません……」

麦野「ごめん、私もつい調子乗ったわ」ハンセイ

浜面「みんなー、持つもん持ったかー。チケット失くすなよー」

滝壺「はまづら、引率の先生みたい」

浜面「仕方ないだろ、麦野以外はどこかしら心配だし、子供みたいなもんだ」

麦野「あァん? 誰がババァだって?」

浜面「違ぇよ! 麦野だけがしっかりした大人って意味で……」

滝壺「…………」チョイチョイ

浜面「ん? なんだ滝壺」

滝壺「はまづら、私子供なのかな?」ウルウル

浜面「」


280 : お風呂に行こう!~その11~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:42:06.90 C.DAY/oo 77/325


絹旗「おっとぉ、これは超修羅場の予感ですねフレンダさん!」

フレンダ「そうですな絹旗さん! こういう時こそ学園都市最新鋭のデジタルビデオの出番って訳よ!」●REC

麦野「お、気が利くわねフレンダ。面白い絵取れたら後でデータ頂戴ね」

フレンダ「おっけー!」●REC

浜面「だああああ!! 撮らんでいいそんなの!」アタフタ

滝壺「はまづら」ウルウル

浜面「うっ。いや、その、別に滝壺を子供扱いしたって訳じゃなくな……」アセアセ

滝壺「…………?」ウルッ

浜面「はぅっ!」ズキューン

麦野「あ、堕ちたな」

絹旗「ですね」

フレンダ「わくわく」●REC

浜面「…………ぇよ」

滝壺「え?」

浜面「子供扱いなんかしてねぇよ! ただ、いつだって滝壺の事が心配なだけで……!」

滝壺「はま、づら?」ドキッ

浜面「その、だって俺は、滝壺の事が……」ドキドキ

滝壺「…………」ドキドキ


281 : お風呂に行こう!~その12~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/04 14:45:28.06 C.DAY/oo 78/325


麦野「…………」ドキドキ

絹旗「…………」ドキドキ

フレンダ「…………」ドキドキ ●REC

浜面「……………………」

麦野「…………」ドキドキ

絹旗「…………」ドキドキ

フレンダ「…………」ドキドキ ●REC

浜面「…………………………………………」

滝壺「はまづら、どうしたの?」キョトン

浜面「いや……その、言わせんな恥ずかしい///」

麦野「えーっ!」ガクーン

絹旗「そこでそれですか!? 浜面超ヘタレです!」ガーン

フレンダ「結局、浜面にはこれが限界って訳!? フィルム代返せー!」ウガー ●REC

浜面「どう考えてもフィルム使ってないし!? っていうかそもそもお前らがいるからだろうがあああああ!!!」ブチーン

麦野「キャー! 最強の無能力者様がキレたー!」

絹旗「キャー! 超こわいですー!」

浜面「お前ら人をおちょくるのもいい加減にしなさいよ!?」

フレンダ「あ、そこもうちょい俯き気味に。ああはいそんな感じ、とっても可愛いねー。ついでにちょっと胸元はだけてみようかー?」●REC

滝壺「ん、こう?」モノウゲナポーズ

浜面「そこ! どさくさに紛れて変な撮影会しない!」

フレンダ「てへ♪」ペロッ


~アイテムサイド 一旦つづく


294 : スパリゾート・カラオケ編 ~その1~ ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/06 01:30:30.09 9wdP1bko 79/325


~22学区 『スパリゾート安泰泉』~


ローラ「おおー、ショッピングモールにアミューズメントスペース、スポーツ設備にフードコーナーと……設備がげに多けると、目移りしたるなぁ」

レッサー「ボーリング場にビリヤードやダーツにカラオケ、バッティングセンターやミニサッカーコート、パターゴルフに打ちっぱなしにサイクリングに釣り堀にゴーカート……何でもありですねこの施設」

美琴「そうね。一応メインは各階層に別れて数十も設置されている入浴設備なんだけど、それだけじゃ学園都市のメイン客層である学生を呼び込めないからってんで、色々工夫しなきゃならないみたいよ」

黒子「それにしても多過ぎですわ。設備一覧を見てるだけで疲れてしまいますの」

禁書「それよりお腹がすいたんだよ!」モグモグ

上条「それタコ焼きと鯛焼きと焼きそばとフランクフルトとソフトクリームをむさぼりながら言う台詞じゃないですよね!? つーか風呂入りに来たんじゃなかったのかよ……」

ローラ「ちっちっち、確かにメインは豊富にある風呂でありけるが、楽しみは後に取っておくのが通たるのよ」

上条「得意げに言ってるけど単に遊び倒したいだけだろこの道楽大主教。略して道教」

ローラ「人を中国の伝統宗教みたいに呼びたるのやめて!?」

美琴「まあでも、折角時間に余裕あるんだし、色々遊んでみるのもいいんじゃない?」

レッサー「私は楽しけりゃ何でもOKですよ。で、何からやっつけますかね?」

ローラ「ふっふっふ、まずはここから攻略したるのよ!」


295 : スパリゾート・カラオケ編 ~その2~ ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/06 01:33:16.41 9wdP1bko 80/325


~フロア3 カラオケハウス『ヘヴングラス』~


ローラ「なんと、今の空き部屋はD●Mしか選べぬと?」

受付「はい、大部屋であれば複合機種対応なのですが、そこは15人以上のお客様のみご利用可能なので……」

ローラ「構わぬからその部屋に入れるべし!」

受付「そうは申しましても、他のお客様もおりますので。申し訳ありませんが、ご了承下さいとしか……」

ローラ「むむう、日本という国はかような時に融通が利かず、不便なりけるのよ」

上条「まあ機種程度で目くじら立てないで下さいよローラさん」

黒子「そうですわよ。カラオケくらい、また別の日に改めてくればいいじゃありませんか」

ローラ「……D●Mだと一部キャラソンやア●マス曲のラインナップが物足りなしけれど、仕方なしね」

美琴「なんでイギリス清教の最大主教がキャラソンやアイ●ス曲を歌いたがるのよ……」


ウィーン ワイワイ


黄泉川「よーし、まずは景気付けにカラオケじゃん!」

芳川「ふふ、あなたはここに来ると必ずカラオケスタートなのね。私も好きだからいいけど」

打ち止め「わーい、カラオケ初めて! ってミサカはミサカは未知の体験に胸をわくわくさせてみる!」

一方通行「チッ、なンで俺がこンな事に付き合わなきゃならねェンだ……」ブツブツ


絹旗「よーし、まずは超カラオケからですね。フレンダ、いつものアレ、デュエットしましょう!」

フレンダ「ふふふ、結局カラオケといえばアレしかない訳よ!」

浜面「このメンツでカラオケかぁ。くそ、何歌えばいいのか思いつかねぇ……」


上条「あ」

一方通行「ン?」

浜面「お?」


296 : スパリゾート・カラオケ編 ~その3~ ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/06 01:36:04.67 9wdP1bko 81/325


~同カラオケハウス 大部屋~


打ち止め「ねぇねぇ、あなたは何を歌うの? ってミサカはミサカは歌本を広げてみたりっ」

番外個体「きっと厨二病丸出しの痛々しい歌を歌うんでしょ? ミサカ、腹筋がもつか今から心配だなぁ」

美琴「あっ、麦野さん、ハンガーにかけたげるから、コート渡してくれていいよ」

麦野「ありがと、わざわざ悪いね御坂」

フレンダ「麦野、いつの間にか超電磁砲と仲良くなってるんだね。ちょっぴり意外な訳よ」

黒子(むむむ、お姉様ったらいつの間にこのような美しい方とお知り合いに……?)ジー

黄泉川「おーい浜面ぁ。こんな美人さんや可愛い子たちに囲まれてるなんて知らなかったじゃん! お前も隅に置けないじゃん?」ガッシ

浜面「うっ、うるせぇそんなんじゃねぇよ! ていうか腕掴むな! 胸当たってるし!」

滝壺「はまづら…………」ゴゴゴゴゴ

絹旗「た、滝壺さんから超ドス黒いオーラが出てます! 超怖いですよ!」

御坂妹「しまった、ミサカは最近の歌を全くチェックしていません、とミサカは自らの不覚を悔やみます」

芳川「大丈夫よ、これだけ人数が居る時は無理に空気を読んだ曲を入れなくても誰かしらついてくる物だし、無理に歌わず雰囲気を楽しむだけでも充分楽しめるものなのよ」

レッサー「なるほどー、勉強になりますね。よっし、そういう事なら一発目は不肖私レッサーが真っ向から空気をぶち壊す曲でスタートを切らせて頂きます!」ピッピッピ

禁書「フロントさん! とりあえずお食事メニューの端っこから端っこまで各5人前ずつ持って来るんだよ!」

上条「てめぇインデックス、カラオケ屋の割高な飯をお前が満足するほど喰ったらどんだけになると思ってやがるんだ畜生!」

ローラ「フロントー! とりあえずスコッチウイスキーのロックを人数分!」

上条「だあああああ! それ飲めるの2~3人しかいねぇからやめろ! っていうかお前一応高校生設定で来てるんじゃなかったのかよこの放蕩大主教! 略して放教!」

ローラ「人を身体の一部分を大きくする施術みたいに呼びたるのやめて!?」

一方通行(うるせェ……)


297 : スパリゾート・カラオケ編 ~その4~ ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/06 01:37:59.55 9wdP1bko 82/325


ワーワー ギャーギャー


上条「ああもう、お前らもうちょい静かにしろー!」


コンコン シツレイシマース


上条「あ、店員さん。すいません、なんか騒がしくって」

五和「いえいえ、平気ですよ。はい、おしぼりどーz……」

上条「」

五和「」

禁書「あれ、いつわなんだよ? 何してるの?」

五和「え、あの、バイトを……」


~つづく~

313 : 順番はてきとー ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/09/06 23:15:29.14 9wdP1bko 83/325


○これまでの登場人物整理

・上条さん
 基本的には原作通り。開始時期より21巻までの設定は内包してるつもりだけど>>1のいい加減な知識によりどこかしら改変されている可能性大。(←はこれ以降他全てに当てはまりますけども
 美琴の事が少し気になっていて空いた時間はついつい探し歩いているらしいが、自分が何故そんな行動をとるかはまだ良く分かっていない。

・美琴さん
 基本敵には原作通りだが、ややデレ気味? 最近ヤケに異性同姓関係なしに色々な人と仲良くなりつつある。
 上条さん以外に対して無自覚に思わせぶりな行動や言動をやや取りがちで、上条さん同様にフラグメーカーとしての道を歩み始めているとかいないとか。

・禁書さん
 上琴SSでは大抵扱いが酷い原作ヒロインの一人。くいしんぼうばんざい。
 原作でも話によっては空気化する事が多く、例によってこのSSでも空気化している傾向にある、か?

・一方さん
 悪ぶってる割にイイ人、というキャラクターから人気を博している原作第二の主人公。このSSではやや空気?
 このSSではロリコン設定は無いようで、打ち止めに対しては保護者的な気分。空気なのは多分そのせい。

・打ち止めさん
 美琴の20001番目のクローンにして妹達の管理権限を持つロリっ子。一方さんに救われた事もあり非常に懐いている。
 このSSだと相方の一方さんが空気なせいか釣られて一緒に空気化。今回の再登場を機に今後物語に絡んでいけるか。

・御坂妹さん
 美琴のクローンである妹達の一人、検体番号10032号。上条さんに直接救われた個体なので若干上条ラブ?
 このSSでの出番は極小、だったのだが今回勢いで再登場。今後の展開に絡んでいけるのかはやはり不明。

・番外個体さん
 美琴のクローンは打ち止めさんで文字通り打ち止めと思いきや追加生産が来ちゃいましたの新型。通称ミサワさん。
 ヤンデレ属性装備という事で登場して間もないのにSSでは割りと人気が高いようで。
 このSSにも今回勢いで初登場。何やら思わせぶりなモノローグ付きだが一体この始末どうつけてくれるんでしょうか。

・土御門さん
 原作序盤ではアレイスターと直接やり取りしてて物凄い裏側の深い所行ってると思いきや『グループ』ではまるで暗部の下っ端みたいな事やってらっしゃる不思議な二重スパイさん。(←は飽く迄>>1の感想です
 このSSでは美琴の恋心を吹聴しているようで、おかげでスレタイぶち壊しにしちゃってるんじゃないかと今さっき気付いた。

海原(エツァリ)さん
 美琴ストーカー。SSでの改変の被害に良く遭う気がする。このSSではどうなんだろう。
 不覚にも美琴と上条の距離が縮まるよう背中を押す失態を犯す。でも原作でも似たような事やっちゃってるし別にいっか。

・結標さん
 先輩系巨乳女子高生。って原作に書いてあった。あとショタコン。
 彼女の能力は万能過ぎてバトル物やトリック物やスポーツ物に出てくると大抵場をぶっ壊すか扱いに困る存在。

・垣根さん
 学園都市の超能力者第二位。原作でのかませっぷりとか冷蔵庫とかメルヘンっぷりにSSでの扱いは散々な事が多い。
 このSSではちょい役で出てきたっきり。美琴を泣かせて上条さんにボコられたらしい。

314 : 順番はてきとー ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/09/06 23:17:29.28 9wdP1bko 84/325


・麦野さん
 学園都市の超能力者第四位。原作や超電磁砲5巻で知名度が上がり、名作SS達により人気も上昇?
 このSSではちょい役で終わると思いきや再登場。今後空気と化すか何かしでかすかは不明。

・削板さん
 学園都市の超能力者第七位。解析不明の能力を持つ世界最大の原石。根性で全てを解決する完全にギャグ要員。
 このSSだと一回登場したっきり音沙汰なし。今後の出番はあるのでしょうか。

・冥土帰しさん
 通称カエル顔の医者。どんな大怪我でも彼の元に運ばれれば何となく物語の都合の良いように治される便利キャラ。
 ナース好きの変態という属性も持ち、SSでの使い勝手も良いようです。

・黒子さん
 美琴ラブな変態女子中学生。空間移動能力者で風紀委員と色々と美味しい肩書きを持ち、その異常性癖やアニメでのババァ声で人気も高い。
 このSSでは登場も遅く不遇気味だったが登場したらしたで勝手に動き回って大変。

・初春さん
 黒子の風紀委員での同僚。凄腕ハッカーにしてお花畑。天然系。アニメではほんわか癒し系だが原作だと割りと黒い。
 このSSでは出番少なく、お風呂編でも退場済み。退場の理由は風紀委員のお仕事という事になっています。黒子はたまたま非番ですの。

・佐天さん
 初春さんのクラスメイトにして親友。無能力者でややコンプレックス持ち。超電磁砲で出たゲストキャラだったのが人気を博してアニメ版ではメインキャラにまで昇格した禁書界随一の出世キャラ。
 このSSでは大量人員に押しやられ出番少ない。お風呂編でも初春に釣られ退場済み。理由は春上さんの付き添いらしい。

・春上さん
 初春や佐天さんのクラスに編入してきたアニメ版超電磁砲オリジナルキャラ。アホの子。
 このSSではなんで出たのかって位ちょい役でしかもすぐ退場した。理由は絆理ちゃんのお見舞いだそうです。
 何気にレッサーを佐天初春→黒子美琴と経由して遭遇させるのに一役買ってるGJな子でもある。

・青髪ピアスさん
 通称青ピ。上条さん土御門さんのクラスメイト。本名素性能力全て不明で、ただひたすら守備範囲の広い変態だという事のみ分かっている。
 このSSでは完全にモブ。今後出番はあるのだろうか。

・月詠小萌さん
 上条ちゃんのクラスの担任。合法ロリ。
 このSSでは今の所完全にモブだが……。今頃ステイルさんとよろしくやってる事だろう。

・レッサーさん
 ポッと出の癖に20巻で上条さんの隣をゲットし表紙にまで登場した尻尾娘。上条さんを誘惑しようとしてはかわされたり説教食らったりする。
 このSSでは何故か美琴にもロシアで出会ってる事になっておりしかも美琴ラブ化している。上条も好きのようなので両刀使いという事になりますね。


315 : 順番はてきとー ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/09/06 23:26:42.06 9wdP1bko 85/325


・ローラさん
 インなんとかさん達所属のイギリス清教の最大教主にして魔術勢力の黒幕的存在。年齢不詳の金髪美人だが性格や言葉遣いが残念な人。
 このSSではまさかの上条クラス転入にて一気に物語をぶち壊しにしてくれた元凶。脳天気教主、略してJA。

・ステイルさん
 イギリス清教所属の炎を操る魔術師。かませ担当。髪を赤く染めたり目の下にバーコードの刺青してたり2mの長身だったりヘビースモーカーだったりするけど14歳という設定に突っ込み所だらけの子。
 このSSではローラさんのお世話係として上条クラスに編入してくるが、その役をあっさり上条さんに押し付けて他の女とよろしくやってる様子。死ねばいいのに。

・浜面さん
 元スキルアウト集団リーダーの無能力者にして第三の主人公。滝壺さんとらぶらぶ。死ねばいいのに。
 このSSだと元『アイテム』メンバーの4人が再集結した事でパシリの立場に逆戻りした様子。

・絹旗さん
 超超言ってるチビっ子系大能力者。SSでの人気は高めのようだが何となく幸せになりそうな気がしないのは俺だけか。
 このSSでは勢いで出てきただけで未知数。

・フレンダさん
 元『アイテム』メンバーの一人である金髪帽子系の娘。爆弾魔。原作で唯一(?)『アイテム』の中での死亡メンバーで、能力や物語に対する重要度からも復活の望みが薄い可愛そうな子。
 このSSでは勢いと>>1の趣味で出てきただけで未知数。

・黄泉川さん
 じゃんじゃん言ってる巨乳美人ジャージ系警備員。一方通行や打ち止めの保護者役を買って出てる人情系の人。
 このSSでは通行止め及び番外個体の保護者役として登場したはいいが多分モブ。

・芳川さん
 元妹達計画の研究員にして現在ニートの残念美人。黄泉川や打ち止め達と一緒に暮らしている。
 このSSでは黄泉川同様に保護者役で出てきたが、黄泉川と違って何か妙に保護者ぶった台詞を吐いている。どうなるのこれ。

・五和さん
 イギリス清教系天草十字凄教所属の地味系隠れ巨乳美少女。おしぼり。原作途中からメインで活躍するエピソードが頻出し追い上げ激しいヒロイン候補の有力対抗馬。聖人崩しかっけーっす。
 このSSではカラオケ屋のバイトとして脈絡無く登場。どうすんのこれ。

・10395号さん
 美琴クローン妹達の一人、検体番号10395号。通称倒錯娘(トウサクコ)。無謀な事にこのSSオリジナルキャラ。
 美琴ラブの属性を持ち、ミサカネットワーク内にもその事実を隠しているとの事だが、本人の前で堂々とボロを出してる辺り本当に隠せてるのかは怪しい所。

・アレイスターさん
 学園都市の統括理事にして黒幕的存在。原作ラスボス候補最有力。ビーカー内で逆さまに浮いてる変態っぽい人。
 このSSでは上条さんと美琴さん周辺をカオスにする為に交換留学を実行する等暗躍。ってかお前のせいか許るせん!

・婚后さん
 常盤台所属の頭のゆるいお嬢様。基本敵にギャグ要員。アニメでは大活躍。
 >>1の悪乗りによるおまけコーナーでイギリスに左遷された可愛そうな人。

○蛇足
・とある原始の碑文石盤(ロゼッタストーン)
 科学が衰退し過ぎた都市、通称『原始都市』における少年少女達のサバイバル生活を描いた青空ジャンピングコメディ。
 不幸少年ウジョミカや謎の黒ずくめ少女ロゼッタ、ツンデレ少女のトコミカサミが出てくるらしいがどんな内容なのか>>1も知りたいくらいです。

320 : スパリゾート・カラオケ編 ~その5~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/07 14:01:46.80 pc9IwMYo 86/325


~カラオケハウス『ヘヴングラス』 スタッフルーム~


牛深「建宮さん、作戦通り五和が目標の部屋に入室したようです」

建宮「よし、引き続き目標の監視を継続するのよ」

牛深「了解!」

香焼「……いいんすかね、こんな事してて」

建宮「馬鹿言ってるんじゃねえのよな。こんなに面白い事、見逃す手があるかってのよ!」

香焼「……はぁ、そんなもんすか」

対馬「まったく、この馬鹿男どもは……」


321 : スパリゾート・カラオケ編 ~その6~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/07 14:06:00.88 pc9IwMYo 87/325


~同カラオケハウス 大部屋~


レッサー「それは しっぽ しっぽ しっぽよ♪ あなたの しっぽよ♪」

フレンダ「うわ、開幕にいきなりなんて可愛らしい歌を……これは負けていられない訳よ!」

絹旗「これは作戦を超見直す必要がありますね……!」

フレンダ「じゃあ、プランBでいくわよ! プランBは何だっけ?」

絹旗「あぁん? 超ねぇよんなもん」


美琴「なんなのこの子達……」

麦野「気にしないで御坂。馬鹿が伝染るだけだから」

美琴「う、うん。そうするわ」


レッサー「すきという かわりに しっぽがゆれるの♪」ウインク


麦野「ねえ御坂。あの尻尾の子、アンタに熱~い視線を送りながら歌ってる気がするんだけど」

美琴「見ないフリしてるんで言わないで……」

麦野「そう。何だか知らないけど大変ね」

美琴「なんでこういう妙なモテ方するのかしらね……。私も麦野さんみたいに女らしく綺麗になりたいなぁ」

麦野「……褒めたって何もでないわよ。それにアンタだって綺麗で可愛いじゃない」

美琴「むー、正直自分でもそこそこって自信はあったんだけどさ。なんか女の子ばっかにモテるし、肝心のアイツには……ごにょごにょ///」

麦野(ころころ表情変わって可愛いわねコイツ……)

美琴「だからさ、私ってどっちかっつーと男っぽいっつーか、麦野さんみたいに女としての魅力に欠けるのかなぁ、って……」

麦野「こんな事いうのもなんだけど、アンタは女の子としての魅力も充分よ。ただ、まだちょっと子供から抜け出せてないだけでさ」

美琴「その子供から抜け出したいんだけどね……」


322 : スパリゾート・カラオケ編 ~その7~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/07 14:10:59.78 pc9IwMYo 88/325


フレンダ「よーし、次は私達の出番って訳よ!」

絹旗「超負けませんよ!」


麦野「無理して抜け出さなくていいよ。そういうのは時間と共に勝手に無くなるもんだし、背伸びした分みっともなくなるのがオチね」

美琴「流石麦野さんは余裕ある感じね……。ほんと、憧れちゃうわ」

麦野「馬鹿な事言うんじゃないわよ。私だってアンタと同じく同性に妙に好かれたりしてうんざりなんだから。まさかアンタもそっちのケがあるってんじゃないでしょうね?」

美琴「え、ええっ? な、ななないわよそんなの! そりゃあ、麦野さんみたいな素敵な人相手だと、同性ながら多少はドキドキしちゃうけど、さ……///」

麦野「だっ、だからそういう台詞吐くとそっちのケがあるように聞こえるじゃない。やめてよね」

美琴「ご、ごめん。でもホントに思ってるよ、麦野さん素敵過ぎるもん」

麦野「いい加減にしろっつってんだよ。その口に電子線ブチ込んで二度と野郎のチ○ポしゃぶれないようにしてやろうか?」

美琴「……そういう台詞が平気で出て来なきゃ、ホント理想的な美人なのにねアンタ」

麦野「うっさいよ。これが私だ、文句あるか」

美琴「はいはい、照れ隠し乙」

麦野「本気で死にたいらしいなテメェ」


絹旗「好き好きっす キスをくだぁさーい♪」

フレンダ「好き好きっす キスをむげんだいー♪」チラ


美琴「ねぇ、あの子アンタに熱視線を送ってるわよ」

麦野「見ないフリしてるんだから言わないで」

美琴「美人になったらなったで結局ああいうのがついてくるのね……」

麦野「あの子は特別変だけど……まあ、そんなもんよ」ハァ…


323 : スパリゾート・カラオケ編 ~その8~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/07 14:16:01.58 pc9IwMYo 89/325


レッサー「美琴ー! 私の歌どうでしたー?」ガバー

美琴「うわっ、まとわりつくな暑苦しい!」ジタバタ

黒子「この尻尾女! お姉様から離れなさい!」ガバー

美琴「にょわっ!? お前も離れろ鬱陶しい!」ムギュー

麦野「お邪魔みたいだから席移るわ。じゃあね、御坂」

美琴「ああああ麦野さん見捨てないでぇ~……」ジタバタ

麦野(あんなのの近くに居たらフレンダが対抗心燃やしかねないしねぇ……)

レッサー「あぁ~ん、みことたんちゅっちゅ」ベタベタ

黒子「お姉様、お姉様! 私もちゅっちゅちゅっちゅ、ですの!」ベタベタ

美琴「ぎゃーやめろアンタたちー!」ジタバタジタバタ


ワーワー ドタバタ


上条「…………」チラッ チラッ

禁書(とうまがさっきから落ち着きないんだよ……)モグモグ


324 : スパリゾート・カラオケ編 ~その9~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/07 14:19:35.48 pc9IwMYo 90/325


フレ絹「しゃばららんらんらんらんらーら♪ しゃばららんらんらんらんらーら♪ ろぼろぼ♪」


ローラ「むう、げに可愛し歌なるなぁ。これは負けてられじ!」ウーイ ヒック

上条「負けていいよこのアル中大主教。略してアル狂」

ローラ「それ、字違いたる気がするのよ!?」

五和「あの……おしぼり、どうぞ」スッ

上条「あ、どうも。って五和、お前この部屋いてもいいの? 仕事は?」

五和「な、なんかスタッフルーム戻ったら『戻ってくんなよな!? お前はあの部屋にずっといるべきなのよ!』とか言われて追い返されました……」オドオド

上条「なんなんだこのカラオケ屋……」

禁書「とうま! ロシアンカステラ天草風3人前追加なんだよ!」モグモグ

上条「だからテメェはカラオケ屋の割高飯をいつものペースで消化するなっつってんだろ! ていうかロシアンカステラ天草風って一体何がしたいメニューなんだよ!?」

禁書「時々辛い味付けのカステラがあって、いい舌休めになるんだよ!」

上条「どう考えたってそういう意図で作られたメニューじゃありませんよね!?」

ローラ「この状況なら……この曲にしたるべきなのよ!」ピッピッピッ


~まだまだつづく~

355 : スパリゾート・カラオケ編 ~その10~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:09:54.18 Lxk1HWIo 91/325


打ち止め「うーん、何歌おうかなぁってミサカはミサカは歌本を眺めながら悩んでみるっ」

一方通行「…………」ピッピッピッ トケンサクチュウ

打ち止め「あれ? 随分真剣な目でタッチパネルを弄ってるけど、何してるの? ってミサカはミサカは覗き込んでみる」

一方通行「……ここは空気を読んで有名なビジュアル系……いやいやこのメンツ相手だとJ●Mプロジェクト……? それとも空気なんか読まずにメタルを……」ブツブツ

打ち止め「……うわぁ。ってミサカはミサカは絶句してみたり」

番外個体「どんだけ長考してるのよコイツは……」

御坂妹「チッ、このメンツだと一緒にテ●ミュ歌ってくれる奴がいないッ!? とミサカは非情な現実に苦しみます」

番外個体「あんな長ったらしい曲この大人数で歌おうとすんなよ」

御坂妹「なんだって!? じゃあ『ア●メがなんだ』もNGですか! とミサカは自らの持ち歌が二つも封じられた事に驚愕します」

番外個体「アレはマジで周り置いてけぼりになるからよっぽど仲良い友達の前以外ではやめようね……」

一方通行「いやここはやはりPOPS……待て、洋楽でもメジャーバンドならイケるか? いやいやそれとも」ブツブツブツ

番外個体(なにこいつキモい)


356 : スパリゾート・カラオケ編 ~その11~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:17:41.50 Lxk1HWIo 92/325


ローラ「キラメキラリ きっとキュンッと♪(キュンキュン!) 鏡を見れば超ラブリー♪(ウッフン)」


上条「何歌ってんだあのイカレ大主教……」

五和(こ、これは負けてられません……!)ググッ

上条「で、なんでこの子は妙に対抗意識燃やしちゃってるんでしょうかね!?」

禁書「とうま! メガ長崎ちゃんぽん対馬先生の手作り風味♪を追加なんだよ!」

上条「何そのメニュー!? 気のせいか聞き覚えのある個人名まで付いてるけど!」

禁書「『「しょ、しょうがないわね。作ればいいんでしょ作れば!」と表面上は言いながらも心を込めて作って貰えるその筋の人垂涎の逸品! 今なら対馬先生の脚線美生写真が抽選で3名様に当たる!』って書いてあるんだよ!」

上条「何そのマニアックな宣伝文句!? 何なのこのカラオケ屋!」

浜面「ほい、上条。次お前入れる番だぞ」リモコンワタス

上条「お、サンキュ。ってか順番なんかもうどうでもいい気がするけどな……」

浜面「まあそう言うなって。歌いたくないわけじゃないんだろ?」

上条「まあそうだけど……。浜面は何入れたんだ?」

浜面「それが何入れていいか思いつかなくてさぁ……。あ、そうだ上条、いっその事こうしないか?」

上条「?」


357 : スパリゾート・カラオケ編 ~その12~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:22:01.43 Lxk1HWIo 93/325


一方通行「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


黒子「ヒィッ! な、なんですの!?」ビクッ

黄泉川「ぎゃははは! なんつー歌歌うじゃん一方通行の奴!」ケラケラ

芳川「すっかり酔っ払っちゃったわね、愛穂」

黄泉川「なにー? まだまだぜーんぜん酔ってないじゃん!」ケラケラケラ

芳川「はいはい、そうねそうだね良かったわね」


一方通行「HEYHEY! 人間賛歌 愛逃げ 人間不安か? HEYHEY! 人間賛歌 愛逃げ 人間不安か?」


番外個体「あんだけ迷いながら決めたくせにホルモンかよ……」

打ち止め「な、何歌ってるか全然分からない! 英語? ってミサカはミサカは混乱してみる!」

番外個体「一応ほとんど日本語なんだけどね……このバンドの歌は大抵こうだからなぁ」

御坂妹「やるじゃねぇか白モヤシ、とミサカは対抗意識をメラメラと燃やします」

番外個体「いいからやめとけ」


黒子(大きいお姉様に小さいお姉様、お姉様そっくりの妹……パラダイスですわ)ポワァ

美琴「アンタ、あの子達に手を出したらタダじゃおかないからね」ギロ

黒子「と、当然ですの! 黒子はお姉様一筋ですのよ!?」ビクビク

美琴「ふーん、あっそ」

黒子「扱いがひどいですの……」クスン


359 : スパリゾート・カラオケ編 ~その13~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:27:56.07 Lxk1HWIo 94/325


レッサー「それにしてもカオスですね……。こんなにノンジャンルなカラオケ、正直初めてです」

美琴「その先頭バッターたるアンタが何言ってんのよって感じだけど」

黒子「黒子も負けてられませんの!」フンス

美琴「いいから負けとけ」

黒子「やっぱり扱いが酷いですの……。でもそれが段々とカイカンに!」ポッ

美琴「やめてよねそういうの……」ゾワァ


上条「お、次五和の歌う番か。ほい、マイク」

五和「あ、はいどうもです。と、当麻さん、私頑張りますから!」グッ

上条「え? お、おう。頑張、れ?」

五和「はいっ!」

ローラ「上条~、我の事ももっと構うべしよ~」バフッ

上条「ふごっ!? い、息が苦し……ってかなんかふにょふにょしたものが顔にっ!?」ムギュー

禁書「あーっ! とーま何いやらしい事してるんだよ!」フンガー

上条(この場合上条さんは被害者だと思うのですがッ!?)フゴーフゴー


美琴「…………」イラッ イラッ

黒子(お姉様がさっきから落ち着きないですの……)ジー


360 : スパリゾート・カラオケ編 ~その14~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:32:14.47 Lxk1HWIo 95/325


五和「でもそんなんじゃだーめ もうそんなんじゃほーら こころーはしんかーするーよ もーっともっと♪」


浜面「ごふぅっ!」ハナヂブシュー

滝壺「はまづら……?」ジー

浜面「ま、待て! これは幾らなんでも破壊力高過ぎるだろ! 男として仕方ないよな? な、上条!」

上条「」←窒息で気絶中

浜面「」

絹旗「せんせー、浜面が超キモいでーす」

フレンダ「結局、浜面だしキモいのは当然な訳よ!」

浜面「上条起きて! 今の俺が頼れるのはお前だけなんだよ!」ユサユサ

上条「」ガクンガクン


五和「ふわふわり ふわふわる あなたが笑っている それだけで笑顔になーる♪」ニコッ


浜面「はうぁっ! 追加攻撃きたぁ!」ブシュー

滝壺「…………」ゴゴゴゴゴゴ

絹旗「浜面超キモいそして滝壺さん超怖いです」ブルブル

フレンダ「結局、浜面には修羅場がお似合いって訳なのよ」

美琴「ていうかなんで魔術サイドはアニソンオタソン系詳しいのよ……」

ローラ「我が教育の賜物なりけるのよ」フンス

美琴「なんという駄目主教。略して駄教」

ローラ「教義そのものを馬鹿にされたるように聞こえるからやめて!」


363 : スパリゾート・カラオケ編 ~その15~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:39:17.25 Lxk1HWIo 96/325


ハーマヅラァ…

ヒッ タキツボガムギノニナッタ!?

ソレ ドウイウイミカナァ? ハーマヅラァ

ホンモノマデキタ!?


五和「…………」ズーン

禁書「いつわがすごく沈んでるけどなんでなのかな……」

芳川「恥ずかしさを乗り越えてまで可愛い歌でアピールしようとしたら肝心のアピール相手が失神してて空振り、って所かしらね」

黄泉川「イイじゃんイイじゃん! 若いってイイじゃんイイじゃん!」ケーラケラケラ

打ち止め「ヨミカワが完全に酔っ払いのおっさんじゃん! ってミサカはミサカは口調が伝染ってみたり!」

一方通行「よォし掴みは完璧だァ……。次は逆にしっとり系……いやいやさっきので皆の期待感があるだろォし、ここは……」ブツブツ

番外個体「ねえ、なんかミサカ、不本意にもさっきからツッコミ担当しなきゃいけない空気なんだけど」

御坂妹「新参はいつだって先輩の尻拭いをやらされる物ですよ、とミサカは未だに曲を決めあぐねています」ピッピッピ

黄泉川「お、次私らの番じゃん。行ってくるじゃん!」


364 : スパリゾート・カラオケ編 ~その16~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:43:55.90 Lxk1HWIo 97/325


黄泉川「Stop ほしくっずで~え 髪をかざ~り~♪」

芳川「Non-stop 優し~い瞳を~ 待~つわプールサ~イド♪」


ローラ「Wink……だと……!?」

レッサー「こwwれwwわwwwwwwww」

黒子「レッサーさんwwwウケ過ぎですわよwwwwwwww」

打ち止め「世代的に微妙なラインなのはともかく、イメージ的には大幅に乖離してるかもってミサカはミサカはこっそり呟いてみる……」

御坂妹「後でシメられても知りませんよ上位個体、と言いつつミサカは懐メロという手もあったか、と開眼します」

美琴「おっすー、変態どもから逃げてきたんでこっち入れてくれる?」

番外個体「あ、お姉様だ。ミサカは別に構わないよ?」

美琴「アンタにお姉様って言われると微妙に違和感なのよねぇ……」

番外個体「肉体年齢はともかく、実年齢は末っ子だよ?」ニヤニヤ

美琴「そりゃ分かってるけど、やっぱね……」

打ち止め「わー、お姉様だー! ってミサカはミサカはダイブ!」ガバー

美琴「おっと。ふふ、同じ抱き着かれるならこういう無邪気なのがいいわよねー」ナデナデ

打ち止め「えへへー、ごろごろにゃんにゃん」ナデラレ

一方通行「…………」チラッ チラッ

番外通行「だからツッコまないからね? めんどくさいしね?」



365 : スパリゾート・カラオケ編 ~その17~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:47:32.90 Lxk1HWIo 98/325


黒子「愛~とゆうな~らば そうで~すの~♪ うん~めいのレベ~ルは 最高~♪」


フレンダ「? 何この歌?」

絹旗「さあ……。超知りません」

麦野(自分のキャラソン歌いやがったコイツ)


美琴「あはは、黒子よりによってあんな歌を……」

御坂妹「…………」ジー

美琴「? どうかした?」

御坂妹「お姉様」

美琴「なに?」

御坂妹「……あまり楽しそうではないですね、とミサカは鋭い指摘をします」

美琴「……え、ちゃんと楽しいわよ? そりゃー変態どもにもみくちゃにされてちょっとうんざりだけど」

御坂妹「そうではありません。はっきり言いますと、あの少年の傍に行かなくていいのですか? とミサカはど真ん中に直球を投げ込んでみました」

美琴「ぶっ!? そ、そそそそそれは……!」カァァ


367 : スパリゾート・カラオケ編 ~その18~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/10 23:51:46.12 Lxk1HWIo 99/325


麦野「新宿は豪雨 あなた何処へやら 今日が 蒼く冷えてゆく東京~♪」


フレンダ「キャー! 麦野カッコイー!」

レッサー「林檎……だと……? しかも超上手いんですけど!」


御坂妹「そもそもお姉様が一緒に行動していたメンツから推測するに、あの少年と一緒になりたいからこの場についてきたのではないですか? とミサカは自らの名推理にちょっぴり酔いしれてみます」

美琴「あ、アンタこそ、あまり普段とは違う連中とつるんでたじゃない。第一、アンタだってアイツの事が……」

御坂妹「誤魔化さないで下さい。確かにミサカ達の中で、私自身も含め、幾つかの個体は個人的感情であの少年を好いているのは事実です」

御坂妹「しかし、それとお姉様があの少年をどう思っているかは全くの別問題です、とミサカは切り捨てます」

美琴「わ、私は別に、あんな奴のこと……。あんな、奴の、こと……」

御坂妹「お姉様」

美琴「な、何よ……」

御坂妹「私たちは、そこまで信頼されてないのですか?」

美琴「え?」

御坂妹「私たちは、あの少年達への感情とは別に……お姉様の事もとても大切なのです。と、ミサカは訴えます。お姉様の力になりたい、それも本心なのです」

美琴「あ……」


368 : スパリゾート・カラオケ編 ~その19~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/11 00:02:48.86 PHfI.b6o 100/325


滝壺「部屋とYシャツと私~ 愛すあなたのため まいにち~ みがいて~ いたいから~♪」ニコッ


絹旗「ブッ! 滝壺さんその歌、超洒落になってませんよ!?」ガタガタ

浜面「滝壺ー! 俺が悪かった許してくれー!!」ブルブル



打ち止め「ミサカも同じ気持ちだよ! ってミサカはミサカはお姉様をぎゅーってしてみたり! あ、私の場合はあの人じゃなくてアクs」

御坂妹「それは今はどうでもいいです、とミサカは上位個体の発言を遮ります」

打ち止め「ぶー」ッテミサカハミサカハー

美琴「…………ごめん」

御坂妹「……いえ」

番外個体「あーあー、やだねー辛気臭くて。折角のドンチャン騒ぎに水を差された気分」

美琴「それも、ごめん。なんていうか、妙に気後れしてたっていうかさ、その……」

御坂妹「…………」

美琴「アイツへの気持ちって、まだ私にも良く分からないんだ。だからどんどん進んでいくべきなのか、慎重に道を選ぶべきなのか、みたいに考えるばっかりで……要するにウジウジしちゃって足が踏み出せないのよ。私らしくないよね、こんなの」

番外個体「……らしいかどうかは知らないけどさ、まあ怖くて足すくんじゃうのは皆同じだと思うよ」

美琴「え……?」

番外個体「そんな状態でも、ここだっ、って場面では自然と踏み出してたりするものじゃないかな。お姉様だって、そうやって何度も躊躇ってきて、でも踏み出してもきて。妹達を助けたり、ロシアまであの人を助けに行ったりしたわけだし」

美琴「…………」


369 : スパリゾート・カラオケ編 ~その20~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/11 00:10:31.54 PHfI.b6o 101/325


御坂妹「…………」

番外個体「だから……あー。っていうかミサカ、自分でも何言ってるのか分からないや」ポリポリ

美琴「……ううん、ありがと」

番外個体「え……?」

美琴「アンタ達が私の妹で……本当に良かったよ」グス

番外個体「……ちょ、や、やめてよ、そういうの///」

御坂妹「……お姉様、あの少年が歌うようですよ。なんかもう一人おまけがいるようですが」

美琴「えっ、ホント!?」クイツキ

番打妹(分かりやすいなぁ……)ッテミサカハミサカハ


デケデーン デケデデンデデーン デケデーン デケデデンデデーン


御坂妹(って、この曲はまさか……!)


372 : スパリゾート・カラオケ編 ~その21~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/11 00:14:11.29 PHfI.b6o 102/325


上条「カッコつけてるつもりで得意になってえええ!」

浜面「大事な事は全部置き去りにしちゃってええええ!」


御坂妹「英雄きたあああああああ!!!」

フレンダ「何これやだカッコイイ」

美琴「…………///」ポォー

一方通行「ナンだとォ! オイコラ俺も混ざるぞ三下ァ!!」

上条「よし来い一方通行!」


上条「自分で自分を苦しめているシュウジィィィン!」

上条浜面一方「「「そんな僕にサヨナラさTransfomation!」」」


絹旗「おお、本当に超混ざりましたよこの人」

ローラ「何だか超テンション上がってきたるのよー!」キャッホー

五和「こっ、この曲は反則過ぎますよぉ~!」ポォー

レッサー「ヤバイ、惚れ直すわ」

麦野「……フン」


374 : スパリゾート・カラオケ編 ~その22~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/11 00:21:44.69 PHfI.b6o 103/325


上条浜面一方「「「男ならあああああああああああ!!!」」」

浜面「 誰 か の 為 に 強 く な れ !」


滝壺「はまづら……」


上条浜面一方「「「歯を食いしばってえええええええ!!!」」」

一方「 思 い っ き り 守 り 抜 け ェ !」


打ち止め「…………!!」カァァ


上条浜面一方「「「転んでもいいよおおおおお!!!」」」

上条「 ま た 立 ち 上 が れ ば い い !」


美琴「…………」


上条「たぁだ それだけぇ 出来ればぁ!」


上条浜面一方「「「 英 雄 さああああああああああああ!!!!」」」


女性陣「「「「「 All Right !!!!!」」」」」


375 : スパリゾート・カラオケ編 ~その23(終)~ ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/11 00:29:38.95 PHfI.b6o 104/325



美琴(弱気になってどうする――)

美琴(見てるだけじゃ始まらない――か)

美琴「…………」


その後、ミサカシスターズが三人で”Puppy Love”を歌って美琴を赤面させたり、
インデックスが”Hail Holy Queen”をガチで歌い切って全員が涙したりしたりしたけど
その辺でお時間が来たのでカラオケパーティは終幕

番打妹「ぶーぶー」ッテミサカハミサカハー

禁書「カットするなんてひどいんだよ!」プンスカ


ちなみに美琴さんが何を歌ったのか、それとも結局歌わなかったのかは――
皆さんのご想像にお任せします



~スパリゾート・カラオケ編 終わり~


382 : ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/11 01:07:40.07 PHfI.b6o 105/325

ところで……
曲ネタ分からない人の為にようつべとかのを貼ろうかとか考えたが、マズイかな?

383 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] - 2010/09/11 01:19:02.82 ska7Sgko 106/325

つべはちょっとまずいような気がする
曲名を書いておいて、知りたい人はググってもらえばいいんじゃないのかな?

384 : ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/11 01:47:37.54 PHfI.b6o 107/325

にゃるほど、そうですね
んじゃ曲名だけ列記しときます
---

レッサー:しっぽのきもち 谷山浩子

絹旗&フレンダ:ロボキッス ダブルユー

ローラ:キラメキラリ 高槻やよい

一方通行:What's Up, People?! マキシマム・ザ・ホルモン

五和:恋愛サーキュレーション 千石撫子

黄泉川&芳川:淋しい熱帯魚 Wink

黒子:ですのっ! White & Black 白井黒子

麦野:群青日和 東京事変

滝壺:部屋とYシャツと私 平松愛理

上条&浜面&一方:英雄 doa


御坂妹&打ち止め&番外個体:puppy love purfume

インデックス:Hail Holy Queen 映画「天使にラブソングを」挿入歌

---

以上です
なんか抜けて無いよな……?
とりあえず英雄と主人公ズのシンクロ具合は異常

388 : ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/12 19:15:48.14 wQp6XtEo 108/325

~幕間~


ローラ「さて、次はどこで戯れりかな」キョロキョロ

上条「いや、もういい時間だし風呂行くべきだろ……」

ローラ「お、この”massage&esthe”なる場所など如何に?」

上条「マッサージ&エステ『神の水場』……いや、これこそ風呂上りに行く場所だろ?」

上条「……ん?」

アックア「いらっしゃーいなのである」

上条「」

アックア「愛を込めてマッサージするのである」カポーンカポーン

上条「……おい、こんな所で何やってるアッk」

アックア「アックアなどではない。私はしがない傭兵崩れのごろつき崩れのマッサージ師見習いなのである」

上条「…………」


浜面「ゲッ、アンタこんな所で何やってるんだヒーr」

アックア「ヒーローなどではない。私はただの傭兵崩れのごろつき崩れのマッサージ師見習いなのである」

浜面「あ、そ、そうですか」

アックア「うむ」


上条「まさかアックアまでこっちに来てるなんてな……」

上条「ん? そうなると他の神の右席……も?」

テッラ「いらっしゃーい、神の祝福を受けた新鮮な小麦粉たっぷりのパンが販売中なんですねー」

上条「」


401 : スパリゾート・お風呂編 ~その1~  ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/13 20:16:25.09 zk4fl9Eo 109/325


○女湯サイド


 かぽ~ん

美琴「…………」ブクブク


ローラ「ふぃ~、極楽なり極楽なり」ボイーン

麦野「ふ~ん、結構広々してて綺麗な所ね」バイーン

五和「け、結局そのままついてきてしまいました……」ポヨーン

芳川「まあいいじゃない、お店の人も行けって言ってたんだし」タユーン

黄泉川「うー、飲み過ぎた身体に染み渡るじゃん!」デデーン


美琴「…………」プニプニ

美琴「……まだ、成長期なんだもん」グスン

黒子「……ふぅ。そうですわ。そんなに悲観する事はありませんのよ」

美琴「く、黒子!」ビクッ

黒子「……ふぅ。何をそんなに驚いておられるですの、お姉様?」

美琴「い、いや。アンタの事だから『お姉様~!』とか言って襲い掛かってくるかと思って」

黒子「……ふぅ。何をおっしゃいますのお姉様。黒子は公衆の面前でそんなはしたない事いたしませんの」

美琴「……アンタ、さっきからその『ふぅ』っての何よ」

黒子「……ふぅ。何でもありませんのよ。ただ、お姉様とお姉様そっくりの妹様と、……ふぅ。小さいお姉様と大きいお姉様がいるこの空間が天国過ぎて、ちょっぴり幸せすぎるだけですの。……ふぅ」

美琴「アンタ今すぐ湯船から出なさい! っていうか出ろこの変態! ド変態!! der変態!!!」バキィ

黒子「ひでぶ!」ズシャー

御坂妹「見事な一撃ですお姉様、とミサカはお湯の成分表に謎の黒子汁を追記します」カキカキ


402 : スパリゾート・お風呂編 ~その2~  ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/13 20:22:49.78 zk4fl9Eo 110/325


美琴「ていうか、あの5人の攻撃的な大きさは何なのよ。不公平よ」

御坂妹「まったくです、とミサカは自らのオリジナルのせいで貧相な胸を見下ろします」

美琴「うるっさい、だから私はまだまだ成長するっつってんでしょ!」

フレンダ「麦野のおっぱいは張り・ツヤ・触り心地どれを取っても一級品な訳よ!」ボタボタボタ

滝壺「ふれんだ、鼻血でてる」

御坂妹「白濁の湯がピンク色になりましたね、とミサカはお湯の成分表にヘモグロビンを追記します」カキカキ

絹旗「滝壺さんは……巨、って程じゃないですけど、超ほどよい大きさで超綺麗な形の超理想おっぱいですねぇ」ツンツン

滝壺「きぬはた、くすぐったいよ///」

絹旗「むう、この身体があの馬鹿面に超弄ばれてるかと思うと超ムカつきます」フニフニ

滝壺「/// ……えっと、まだそこまでは行ってないよ?」

絹旗「え」

フレンダ「マジで?」

滝壺「……///」コクン

番外個体「えー? ラブラブだって話なのにまだヤッてないの? もしかしてあの浜面って男、不能なの?」

滝壺「違うよ。ただ、私がそういうのは怖いからまだ、って……」フルフル

絹旗「……アホ面の癖に、その辺は紳士なんですね。超ちょっとですけど見直しました」


403 : スパリゾート・お風呂編 ~その3~  ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/13 20:25:14.96 zk4fl9Eo 111/325


番外個体「ふーん、まだ処女と童貞なのね。好き同士なら早くヤッちゃえばいいのに」

美琴「ちょっ! あ、アンタはさっきから人の顔でそんな下品な台詞を吐くなぁ!」

番外個体「ふふ、やーだよ。クローンだからってオリジナルの都合のいい振る舞いをしなきゃいけないなんてルールは無いんだし」

美琴「そ、そりゃそうだけどっ!」

黒子「下品で奔放なお姉様……これはこれでアリですのっ!」ググッ

美琴「うるさい変態は黙ってろ!」バキィ

黒子「あべし!」

レッサー「あは~ん、その程度の言葉で真っ赤になって照れてる美琴か~わいい♪」ツツー

美琴「ひゃんっ!? 尻尾で背筋撫でるのやめいっ! ていうか風呂の中でまで尻尾つけてくんな!」

レッサー「この尻尾は天然で生えてるからいーんですよ」フリフリ

美琴「そんな分かり易い嘘ついてんじゃないわよ! っていうかアンタがそれ外してるとこ見た事あるし!」

レッサー「見たんですか? や~ん、美琴のえっち!」

美琴「何がよ!?」

御坂妹「まさかお二人の仲がそこまで進展していたとは、とミサカは驚愕しながらもお湯の成分表にしっぽのダシ汁を追記します」カキカキ


404 : スパリゾート・お風呂編 ~その4~  ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/13 20:28:14.14 zk4fl9Eo 112/325


滝壺「……しっぽ、いいな」ジー

絹旗「滝壺さんにしっぽ……やば、超想像しちゃいました」

フレンダ「滝壺に生やすなら、結局うさぎがいいのかな?」

滝壺「……なんで?」

フレンダ「浜面、バニー好きだった訳だし」

滝壺「……///」カァァ

フレンダ「うわ、自分でネタ振っておきながらなんだけど、滝壺真っ赤になり過ぎ」

絹旗「滝壺さんはしっぽなんか生えてなくても超可愛いです……!」

レッサー「なんですとー、しっぽ馬鹿にしないでください!」ツンツン

絹旗「ひゃんっ! ど、どこ超つついてるんですか! 超セクハラですよ!」


禁書「なんだか入っていけないんだよ……」

打ち止め「ミサカ、あの輪に近付くとツインテのお姉ちゃんに襲われるの、ってミサカはミサカはぶるぶる震えてみる」

黄泉川「打ち止め~、そんな隅っこにいないでこっち来るじゃん!」

打ち止め「ひゃっ、ヨミカワ! いやー、でもそっちに行くと四面楚歌というか枯れ木も山の賑わいというか……ってミサカはミサカは自らの大平原をむなしく撫で回してみたり」ペタペタ

黄泉川「打ち止めくらいの年齢で胸のサイズなんか気にしなくていいじゃん!」

打ち止め「う、う~ん……じゃあ気にしないでミサカも混ざる! で、貴方はどうする? ってミサカはミサカはシスターさんに尋ねてみたり!」

禁書「え、えっと、私は別に一人でもいいんだよ」

黄泉川「インデックスも来るじゃん!」ガッシ

禁書「え、ちょ、ちょっと!」

黄泉川「いいからいいから、お前はもっと輪の中に入って友達を作るじゃん!」

禁書「あ……うん。分かったんだよ」


405 : スパリゾート・お風呂編 ~その5~  ◆MDOfmX8bYE[ageんの忘れてた] - 2010/09/13 20:30:05.73 zk4fl9Eo 113/325


禁書打ち止め「「…………」」


ローラ「おお、禁書目録。ここはげに快適でありけるなぁ」ボイーン

麦野「あら、可愛いのが二人も。いらっしゃい」バイーン

五和「インデックスさん、ちょっと顔が赤いですが大丈夫ですか?」ポヨーン

芳川「無理はしないようにね。小まめに水分を取るのよ」タユーン

黄泉川「しばらくしたら他の風呂にもいこうじゃん! サウナもいいじゃんねぇ」デデーン


禁書(ああ言われたから来たけど……)


五対の巨峰「」ドドーン


打ち止め(これは、正直……拷問に近いものがー!)


禁書「…………」チラッ

打ち止め「…………」チラッ

禁書「次移動する時に抜けて、あっちに混ざるべきかも?」ヒソヒソ

打ち止め「そうだね、身の危険は防げるけど、精神攻撃は無理、ってミサカはミサカは同意してみる」ヒソヒソ


黄泉川「んー? お前らなにコソコソしてるじゃん?」

禁書打止「「なっ、なんでもないよ(んだよ)!」」ッテミサカハミサカハー

黄泉川「?」


      かぽ~ん


406 : スパリゾート・お風呂編 ~その6~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/13 20:34:05.34 zk4fl9Eo 114/325


○男湯サイド


 かぽ~ん

上条「…………」

一方「…………」

浜面「…………」

上条「いや、こっち側描写する必要無くね?」

一方「……確かになァ」

浜面「ばっか、ここはアレだよ、こっちで行動起こして美味しいイベント作れって事だよ!」

上条「えー……」

一方「俺パス」

浜面「なんでだよ! ノリ悪いなお前ら!」

上条「お前こそ、彼女いるくせになんでそんなにノリノリなんだよ」

浜面「そっ、そりゃそうだけど、なんていうかお約束イベントみたいなもんじゃんか、こういうの!」

一方「アホらしィ。余所でやってろ」ザバー

浜面「あ、くそっ。なんて友達がいの無い奴だ……」


407 : スパリゾート・お風呂編 ~その7~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/13 20:38:27.58 zk4fl9Eo 115/325


上条「お前さぁ、さっきも滝壺の事悲しませてただろ? そういうの止めとけって」

浜面「ぐっ、それを言われると弱いが……ええいっ、期待してる皆のためにも俺は行かねばならんのだ!」

上条「誰だよその皆って」

浜面「分かったもういい! 俺は一人でも行くからな! 止めたって無駄だぞ!?」

上条「…………」

浜面「じゃあ行くからな! 生きていたらまた会おう!」ダッ

上条「…………はぁ」

上条「旅館や露天風呂ならいざ知らず、この学園都市で覗きとか」


ビーッ ビーッ ビーッ

浜面「わー! なんだなんだ!?」

ドドドドドド ワーオタスケー


上条「出来るわけないだろうが、と」ザバー

上条「……さて」

上条「…………」テクテク

上条「こういうのは、合法的に行くに限る」

上条「えーっと、確か水着着用義務だったよな。お、レンタル用自販機があるのね」

上条「これでよし、んじゃフロア7ね」

上条「上条さん、なんだかわくわくしてきましたよ」イソイソ


408 : スパリゾート・お風呂編 ~その8~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/13 20:40:54.23 zk4fl9Eo 116/325


~フロア7 大浴場5(混浴)~


上条「よしよし、ここだな」ガラッ

上条「あ」

一方「お」

上条「…………」

一方「…………」

上条「や、やー、奇遇デスネ」ギクシャク

一方「お、おォ。そうだなァ……」ギクシャク

上条「…………」

一方「…………」

上条「と、とにかく入ろうか!」ドキドキ

一方「お、おォ。風邪ひいちまうしなァ!」ワクワク


           かぽ~ん


~つづく~

427 : スパリゾート・お風呂編 ~その9~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:06:55.29 LNajEEgo 117/325


○女サイド(非巨乳グループ)


 かぽ~ん


禁書「ひどいめにあったんだよ……」

打ち止め「うう、もうヨミカワ達とはお風呂入らない、ってミサカはミサカは軽いトラウマを覚えてみたり」

フレンダ「結局、いつだって弱者は強者の食い物にされる訳よ」

黒子「安心してくださいな小さいお姉様。黒子が愛情を持って揉みしだけばその可愛らしいお胸もたちまち成長しますのよ?」

打ち止め「え、ホント?」

黒子「本当ですとも! さあ、遠慮なさらずこの黒子の前にその青き未成熟フルーツボディを……!」ワキワキ

美琴「その前にアンタを青アザだらけの未元物質フルボッコボディにしてやりましょうか?」ピキピキ

黒子「……い、今のは軽い黒子ジョークですの」ダラダラ

美琴「まったく……」

打ち止め「???」


428 : スパリゾート・お風呂編 ~その10~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:08:36.32 LNajEEgo 118/325


絹旗「さて、次は超どこのお風呂に行きましょうか?」

御坂妹「調べによると巨乳組、通称SBPはフロア8の大展望・夜景が楽しめる露天風浴場コーナーに向かった模様です、とミサカは調査結果を報告します」

滝壺「えすびーぴー?」

御坂妹「Stupid Bust Peopleの略です。とミサカは自らのネーミングを誇らしげにアピールします」

滝壺「どういう意味だろ?」

レッサー「……別に分からなくていいと思いますよ」

番外個体「あーあー、やだね女の嫉妬は醜くて。ぎゃはっ」

御坂妹「ぐっ、このSBP予備軍どもめ……とミサカは悔しさに歯ぎしりします」ギリギリ

フレンダ「ま、まあそれはともかく、結局どこのフロアにいく訳よ?」

禁書「おなかすいたからお風呂は終わりにしてごはん!」

絹旗「超却下です」

禁書「ぶー」

美琴「まだお風呂に来てから10分も経ってないのよ? それに折角だから夕食もみんなで、ってんで黄泉川先生が予約入れてくれたお店の時間にはまだまだ間があるんだし」

禁書「むー、分かったんだよ。お風呂で充分お腹を空かせておけば、その分ごはんも美味しく食べられるって作戦だね」

美琴「別にお風呂ってそういう場所じゃないんだけど……まあ納得してくれたならいいか」


429 : スパリゾート・お風呂編 ~その11~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:14:09.62 LNajEEgo 119/325


レッサー「美琴、美琴! フロア7行きましょうよ、フロア7!」

美琴「え? フロア7って何があんの?」

レッサー「こ・ん・よ・く♪」

美琴「こんッ!? むっ、無理に決まってんでしょそんなの!!」

番外個体「おー、いいねいいねなんか面白そう」

絹旗「混浴ですかぁ。私は超ちょっと遠慮したいような……」

打ち止め「あ、フロア7の一角にミニシアターコーナーがあるって書いてあるよ、ってミサカはミサカは発見してみる!」

黒子「『ぬるめのお風呂にゆったり半身浴のついでにショート映画は如何?』……確かに健康の為にはぬるめのお湯に長くつかるのがいいと言われておりますが、また面白い事思いつきますのねぇ」

御坂妹「ふむふむ、今の上映作は『死霊の阿波踊り』と『裸の超電磁砲を持つ女』、『学園都市以外全部沈没』……これは酷い、とミサカはB級映画臭しかしないラインナップにドン引きします」

絹旗「超混浴行きましょう超今すぐ超ハリーアップ!」

フレンダ「結局、絹旗のついちゃいけない所に火がついたわけよ……。あ、滝壺はどうする?」

滝壺「ここのお風呂、ちょっと気に入ったから。もうちょっとつかっていこうと思う」

フレンダ「ふーん。一人で大丈夫?」

滝壺「うん」コクリ

絹旗「滝壺さん、ここの何が超気に入ったんでしょう……」

滝壺(さっき、後から追加された成分が、妙に身体に馴染む……)シミジミ


430 : スパリゾート・お風呂編 ~その12~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:16:31.40 LNajEEgo 120/325


レッサー「じゃ、フロア7に出発しましょー」

美琴「え、ほんとに行くの? わた、私はちょっと遠慮したいなー、なんて」

レッサー「いいからいいから!」ガッシ

黒子「こういうのはノリと勢いですのよ、お姉様!」ガッシ

美琴「わ、ちょ、ちょっとアンタら離せ! こらー!」ジタバタ

打ち止め「じゃあ改めてしゅっぱーつ! ってミサカはミサカは号令役を代わってみる!」


431 : スパリゾート・お風呂編 ~その13~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:18:21.57 LNajEEgo 121/325


~フロア7 大浴場5(混浴)~


美琴(水着着用義務のルールは正直助かったわ……)

美琴(けど……)

美琴(どうしてワンピース水着が品切れしててツーピースタイプのしかないのよ!?)

美琴(心なしかデザインも大胆だし……うう、恥ずかし過ぎるからバスタオルも羽織ってこう……)マキマキ

番外個体「恥ずかしがり屋なのは別にいいんだけど、その格好、余計に目立って注目浴びるよ?」

美琴「う、うるさいわね! 仕方ないじゃない恥ずかしいんだし!」

フレンダ「あれ、超電磁砲って実は結構可愛い?」

レッサー「美琴は超可愛いですよ。普段男の子っぽかったりカッコ良かったりするから余計にそのギャップが溜まらないんですよ」

絹旗「なるほど、超ギャップ萌え、という奴ですね。超侮れません!」

黒子「貴方がた、お姉様は黒子の物だから渡しませんのよ! ね、お姉様?」

美琴「はぁ? 誰が、いつ、アンタの物になったのよ?」

黒子「それはもう、黒子の脳内ではお姉様と幾度となく結ばれてますので、言わば脳内既成事実という奴ですの!」

美琴「ワケが分からなすぎてツッコむ気も失せるわね……」

黒子「黒子にならいつツッコんで頂いても結構ですのよ? それはもう穴という穴全てに! さあ遠慮なさらずに!」

美琴「気色悪い事いうなこの変態!」バキィ

黒子「たわば!」ズシャアー


432 : スパリゾート・お風呂編 ~その14~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/15 15:19:32.20 LNajEEgo 122/325


打ち止め「おー、どこまでも滑っていくねぇ~、ってミサカはミサカは行き先を眺めてみるっ」

御坂妹「お、フロアの端に並べてあった予備の風呂桶が全部倒れました。ストライクですよお姉様、とミサカはナイス投球をしたお姉様に報告します」

美琴「そんな報告いらないからっ!」



上条「うおっ! 入った途端に謎の物体が目の前を通り過ぎて行った!?」
                    パラダイス
一方「くそォ、俺らをそう簡単には 混 浴 に侵入させまいとするトラップかァ。だがこンな事で怖気づく俺らじゃァねェ。そうだよな三下ァ!」

上条「ああ、そうだな一方通行!」

上条一方「「友情パワー!!」」ガッシ

美琴「…………」バチバチ

打ち止め「何やってるの二人とも? ってミサカはミサカはジト目で見つめてみたり」

上条「」

一方「」

          かぽ~ん


~つづく~


445 : スパリゾート・お風呂編 ~その15~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:01:12.33 wbTNvzco 123/325


~フロア3 休憩ルーム~


滝壺「…………」ポォー

滝壺(……のぼせた)ポォー


???「どうも、迷惑かけましたじゃん! ほらお前も頭下げろ!」

??「どうもすいませんっしたー!」


滝壺「……?」


黄泉川「まったく、人様に迷惑かけるのもいい加減にするじゃん」

浜面「まことに申し訳ない……今回ばかりは本当に助かったぜ」

滝壺「……はまづら?」

浜面「うおっ!? たたた滝壺さん!?」ビックゥ

滝壺「どうしたの?」

浜面「い、いやぁ、その……」ゴニョゴニョ

黄泉川「それがこいつ、女湯覗こうとして捕まっtむぐ」ムギュ

浜面「だーっ! ストップストップ! 頼むからその先は言うなぁ!」

黄泉川「っぷは、いきなり何するじゃん!」

浜面「いや、ホント滝壺の前ではあの事は……この通り頼む! いや頼みます!」ドゲザ

黄泉川「……まったく、本当にしょうがない奴じゃん。まあ今回だけ特別サービスじゃん」

浜面「ありがとうございますありがとうございます」ペコペコ

滝壺「えと……私からもありがとうございます」ペコ

浜面「って、なんで滝壺さんが謝ってるんですか!?」

滝壺「なんとなく……はまづらを助けてくれたみたいだし?」クビカシゲ


446 : スパリゾート・お風呂編 ~その16~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:02:54.09 wbTNvzco 124/325


黄泉川「ぷっ、あはははは! おい浜面、いい彼女持ったじゃん!」

浜面「え? え? あ、おお? 滝壺はそりゃ最高の彼女だぜ?」コンランチュウ

滝壺「……///」カァァ

黄泉川「こんな彼女いるんだから、あんな事しようとか二度と考えるなじゃん?」ヒソヒソ

浜面「……ああ。ホント俺が馬鹿だった。もう二度としねぇ」ボソボソ

滝壺「……はまづら?」キョトン

黄泉川「んじゃ、私はまだ行きたいフロアあるから、後は若い二人に任せたじゃん!」ポン

浜面「おまっ! それお見合いの台詞じゃねぇか! っておーい!」

黄泉川「じゃあまた後でじゃーん!」ブンブン

滝壺「…………」コクリ フリフリ

滝壺「……お見合い」ポソ

滝壺「……///」カァァ

浜面「ああ、あっという間に行っちまった……って滝壺顔真っ赤だけどどうした? 湯あたりか?」

滝壺「……大丈夫」フルフル

浜面「そうか、ならいいんだけどよ」

滝壺「……はまづら」ギュ

浜面「ん? なんだ滝壺」

滝壺「…………」

浜面「…………?」


447 : スパリゾート・お風呂編 ~その17~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:03:35.87 wbTNvzco 125/325


滝壺「ごめん、なんでもない」キュ

浜面「…………」

浜面「……なあ、滝壺」

滝壺「……?」キョトン

浜面「そういやさ。俺達、ロシアから戻った後、色々あってここの所あんまし二人でゆっくり出来なかったよな。ごめん」

滝壺「…………」フルフル

浜面「そんでさ、多分ちょっと俺滝壺の事、かまってやれなかった……いや」

浜面「違うな。俺が滝壺に構ってもらえなかったんだ」

滝壺「はまづら?」

浜面「で、さ。なんかこう、ちょうど今二人きりじゃん? だからちょっと俺としては滝壺に構って欲しいんだ。いいか?」

滝壺「…………」ギュ

浜面「滝壺……」ギュ


448 : スパリゾート・お風呂編 ~その18~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:04:33.74 wbTNvzco 126/325


滝壺「はまづら。私、はまづらが行きたい所、どこにでもついていくよ?」

浜面「……ああ、うん。じゃあ、さ……」

滝壺「……うん」

浜面「……あそこ、行こうか」ユビサシ

滝壺「…………?」


・フロア4 個室コーナー(※カップル限定のプライベートルームもあります!)


滝壺「……///」カァァ

浜面「……えっと。駄目、か?」

滝壺「…………」

滝壺「……恥ずかしいけど。駄目、じゃない///」カァァ

浜面「う、うん……じゃあ行くか!」ボタボタ

滝壺「はまづら、鼻血」フキフキ



麦野「…………っくし! ああもう畜生!」ムカムカ

五和「ど、どうしました麦野さん」

麦野「あー、気のせいかなんか今スゲェイラッと来る出来事があった気がする……」イライラ

五和「???」


449 : スパリゾート・お風呂編 ~その19~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:05:46.79 wbTNvzco 127/325


~フロア7 大浴場5(混浴)~


打ち止め「…………」ジトメ

御坂妹「…………」9393

禁書「…………」ウエタケモノノメ

番外個体「…………」クサッタモノヲミルヨウナメ

上条(上条当麻ですが、風呂の中の空気が最悪です)

一方「……あのォ」

打妹番禁「「「「」」」」ギロッ

一方「」

上条(無謀な……)

上条(ちなみに上条さんたちは現在、余ったシャワーホースで手足を縛られ、水風呂の中にぶち込まれてます)

上条(これ死ぬ。拷問だとか罰ゲームだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……)

上条(不幸だ……)

一方「」ガチガチブルブルガチガチブルブル


450 : スパリゾート・お風呂編 ~その20~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:07:30.83 wbTNvzco 128/325


美琴「…………」ブクブクブク

レッサー「美琴さーん? あっちに加わらなくていいんですかー?」

美琴「……いい。ほっといて」ツーン

レッサー「はぁ。まったく素直じゃないですねー、美琴ちゃんは」

美琴「何の話よっ。べ、別にアイツが鼻の下伸ばして他の女追いかけてようが私には関係ないじゃない」ブクブクブク

レッサー「ふーん。じゃあ上条当麻は私が頂いちゃいましょうか?」

美琴「……好きに、しなさいよ……」ブクブクブクブク

レッサー「…………」

美琴「…………」ブクブクブクブク

レッサー「ああもうっ! 可愛いですね美琴はっ!」ガバー

美琴「きゃんっ! いいいきなり抱きつくなびっくりするでしょ!」ジタバタジャバジャバ

レッサー「だってぇ~。美琴が可愛過ぎるのがいけないんですっ!」ギュー

美琴「うぐぅ~。何がよぉ~。私なんか全然可愛くないんだから……」ブクブクブク

レッサー「まあまあ。そんな事より、本当にいいんですか?」

美琴「……だから、何の話よっ」

レッサー「上条さんのところに行かなくって、ですよ」

美琴「…………」ブクブクブクブク


451 : スパリゾート・お風呂編 ~その21~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:09:59.16 wbTNvzco 129/325


レッサー「んー? どうしたのかな美琴ちゃーん?」スリスリ

美琴「だぁっ! 頬ずりするな鬱陶しいっ! っていうか何でアンタがそんな事気にするのよっ! あ、アンタもアイツが……その、アレなんじゃないのっ?」

レッサー「んー? そりゃあ私も上条当麻ラブですけどぉ」

美琴「だ、だったら何でよっ」

レッサー「それと同じくらい美琴もラブなんですもん」シレッ

美琴「なっ……」

レッサー「それよりぃ? 今言いましたよねー? アンタ”も”って。つまり、やっぱり美琴も上条当麻が好きなんだと認めるんですね! いやっほぅ!」

美琴「えぇぇっ!? いやそれはちちちちちが」

黒子「なぁんですってぇ!?」ザバァァ!

美琴「ヒィッ!? 風呂怪人!?」ビクゥ

黒子「怪人じゃありませんの黒子ですの! それよりお姉様! お姉様があんの類人猿を好きとは一体どういう事ですの!」ガバー

美琴「ぎゃー! どさくさに紛れて抱きつくな! くっ、お風呂の中だから電撃が使えないし!」ジタバタ

レッサー「おっ、そうと聞いたら今がチャンスですね! げーっへっへっへ美琴ちゃん覚悟ですよー!」

黒子「お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様」ハァハァ

美琴「ぎゃー! 何をするお前らやめろおおおお!!!」


上条「…………!」チラッ チラッ

一方「…………!」ガンミ

禁書「とーまぁ?」ギラ

打ち止め「あなたぁ?」ビリ

上条一方「「は、はいぃっ!」」ビックゥ


オシオキカクテイー バリバリ

ヤメテー


452 : スパリゾート・お風呂編 ~その22~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:11:41.15 wbTNvzco 130/325


絹旗「やれやれ、超騒がしいですね。こんなんじゃ落ち着いて映画鑑賞を超楽しめません」ポリポリ

フレンダ「結局、つき合わされてる私なわけよ……。それはともかく絹旗は何食べてんの?」

絹旗「超ポップコーンです。映画のお供には超欠かせませんよ」ポリポリポリポリ

フレンダ「風呂に浸かりながらポップコーンってどうなのよ……」

絹旗「この際、ロケーションがどうあれ超素敵な映画を見れるのであれば構いません」ポリポリポリポリポリ

フレンダ「そんなもんかしらね……」

絹旗「あっ、超始まりますよ! 次は『アタック・オブ・ザ・キラーポテト』ですよ! 超名駄作です!」ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ

フレンダ「超名駄作って何? ってかポップコーン食うの早っ!」

絹旗「上映中は音を立てないのが超基本ですので。この程度の技は超修得済みです」ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ

フレンダ「そ、そう……良かったね」ウルセェ…

絹旗「もっとも、客が他に超いない状態で超堂々と上映中に食べるのも超乙なものですけどね」ケプ


453 : スパリゾート・お風呂編 ~その23~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:14:59.70 wbTNvzco 131/325


美琴「酷い目にあった……」ゼェゼェ

真っ黒子「…………」プスプス

炙りレッサーモン「…………」プスプス

美琴「黒子の方、ちょっとやり過ぎたかしらね……」

レッサー「いやー、結構耐性あるみたいだし丁度いいくらいじゃないですか?」プスプス

美琴「復活はやっ! アンタも充分耐性あるじゃない!」

レッサー「いやいやそれほどでも。しかしまとわり付く私らを無理矢理風呂から引き上げての電撃とはパワフルな反撃でした。流石は美琴ですね」

美琴「そんな事で褒められても嬉しくないんだけど……」

レッサー「いやー、時には強引なのも必要だって事ですよ。それこそ恋のか・け・ひ・き☆ にもとっても重要な事です!」

美琴「どうしてそこからそれに繋がるのかさっぱり分からないんですけどっ」

レッサー「だからぁ、上条当麻ほどのにぶちん相手ならトコトンまで押せ押せって事ですよ! これまでだって何度か踏み込もうとしたんじゃないですか? 抱き着いたり手握ったり押し倒したりした事はないのかよーっ!」

美琴「なっ! そそそそんな事は……!」ハッ

レッサー「…………ん? あるんですね? ガバーッと行っちゃった事あるんですねっ?」

美琴「ちちちちちち違うわよ! ああああれはなんていうか押し倒したというより全力タックルで……」アウアウアウ

レッサー「は? タックル?」

美琴「えーと、その……はぅぅ」ゴニョゴニョ


454 : スパリゾート・お風呂編 ~その24~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/17 14:17:34.31 wbTNvzco 132/325


レッサー「なるほど、そんな事が……」フムフム

美琴「うう、全部白状させられてしまった……」ドヨーン

レッサー「うーむ、前から思ってましたが相当なにぶちんですね上条当麻も」ウンウン

美琴「で、でもっ、その時は別にアイツの事はそんなに意識して無かったよーな……」ゴニョゴニョ

レッサー「その時は? じゃあ今はばっちりくっきりはっきり意識しちゃってるんですね? そうなんだろ美琴ちゃんよおーっ!」

美琴「うぐっ! そ、それは……」

レッサー「まあそんな事はどうでもいいんですよ。問題はどうやってあの朴念仁を撃墜するかです」

美琴「そんな事!? アンタ今私の純情乙女心をそんな事扱いでかなぐり捨てましたよね!?」

レッサー「純情乙女心(笑)」

美琴「チンするわよ」ビリッ

レッサー「失礼しました。まあとにかく今は上条当麻攻略法ですよ。最重要課題です」

美琴「攻略法ねぇ……。胡散臭さしか感じないわね」

レッサー「これでもロシアではしばらく二人っきりで行動しましたからね。幾つか試してみた方法があります」

美琴「ふ、ふふふ二人っきり?」

レッサー「安心してください。私から散々アプローチはしましたがそれらは全て失敗に終わってます。もっとも、敵地へ潜入してる所でしたし、彼もそんなのに構ってる余裕が無かったとも言えますがね」

美琴「じゃ、じゃあそういう状況じゃなかったら、引っ掛かってたかも、って事?」

レッサー「どうでしょうねぇ。まあそれらのデータを元に戦略を立てて行けば、さしものあの朴念仁もコロッと行っちゃうかもですねコロッと」

美琴「へ、へぇ~。べ、別に興味は無いけど? 面白そうだし聞いてみようかなぁ~」

レッサー「この期に及んでまだツンを貫き通しますかね美琴は。まあそこがまた可愛いんですけど」

美琴「う、うっさい! いいから早く話しなさいよ!」

レッサー「はいはい。まずはですね……」ポソポソ

美琴「……ふんふん。ほぉ……」コソコソ


~またまたつづく~

465 : スパリゾート・お風呂編 ~その25~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:41:59.78 Ye2EzLEo 133/325

~フロア4 個室コーナー~


浜面(父さん、母さん。お元気ですか。俺は元気です)

浜面(仕上は今晩、ついに……ついに……)

浜面(大人への階段を上る事になりそうです!)ザッパーン

浜面(父さん母さん俺を産んでくれてありがとう!)グググッ

浜面(そういや俺の両親の設定ってどうなってるんだろうな?)

滝壺「はまづら、どうしたの」クイクイ

浜面「うひょっ! ななななんでもないぜ滝壺さん!」ビックゥ

滝壺「? 変なはまづら」

浜面「そんな事より滝壺っ!」ガシッ

滝壺「っ! な、なに?」

浜面「俺……俺……!」

滝壺「……///」ドキドキ

浜面「俺、滝壺の事……!」

滝壺「……!」ドキッ

浜面「お前の事、一生大j」

芳川「あら、浜面くんに滝壺さん? こんな所で何してるのかしら?」

浜面「じにッ……はボラギノールッ!」

滝壺「っ!」ビクッ

芳川「……? どうしたの二人とも?」

浜面「……げほっ、げほっ! な、なんでもねぇ! なんでもねぇよ!」ビクビク

滝壺「…………」コクコク


466 : スパリゾート・お風呂編 ~その26~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:43:54.08 Ye2EzLEo 134/325


芳川「…………」ジー

浜面「な、なんだよ……」

芳川「…………そう、なるほどね。そういう事ね」ウンウン

浜面「だから、何がだよ!」

芳川「いえ、悪かったわね。お邪魔だったみたいね、私」ポン

浜面「ぶっ! ななななんの事でございましょうか!」

芳川「そうそう、大丈夫だとは思うけど一応コレ渡しておくわね」スッ

滝壺「……? ありがとうございます」ウケトリ

芳川「じゃ、二人ともしっかりね? 特に浜面くん、女の子に恥かかせるんじゃないわよ?」

浜面「何を一人納得しちゃってるの!? ていうか止める立場だったりしないの貴方!?」

芳川「まさかぁ。愛し合いどこまでも突き進む二人を止める権利なんて私には無いのよ」

浜面「アンタ今物凄い恥ずかしい台詞吐いてるからね!?」

芳川「じゃあまた後でねー。報告楽しみにしてるからねー」ヒラヒラ

浜面「何があってもアンタにだけは報告しねぇからな!」

滝壺「……また」フリフリ


467 : スパリゾート・お風呂編 ~その27~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:46:16.03 Ye2EzLEo 135/325


浜面「っくそ、散々引っ掻き回していきやがって……」

滝壺「はまづら」

浜面「ん? なんだ滝壺」

滝壺「これ、何に使うの?」

浜面「ああ、さっき芳川さんが渡してった奴か。ん、この小箱はだな……」


――『明るい家族計画~うすうすタイプ~』


浜面(おまっ! まだキスも数えるほどしかしてない俺らにこれは流石に早過ぎっ!?)

浜面(…………)

浜面(ま、まあでも、そ、その内役に立つかもだし。うん、いい物くれるじゃないか、芳川センセイは)ウンウン

滝壺「……はまづら?」

浜面「あ、ああ。まあその、多分まだ出番は来ない……と思うから、大事にしまっておこうな」ボタボタ

滝壺「はまづら、鼻血」フキフキ



麦野「ぃっきし! くそ、さっきからなんなんだもう!」ムカムカ

五和「」ビクビク


468 : スパリゾート・お風呂編 ~その28~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:48:03.54 Ye2EzLEo 136/325


~再びフロア7 大浴場5(混浴)~


上条「酷い目にあった……」ゼェゼェ

上条「…………」チラ

一方「」プカー

上条「…………」

上条「一方通行……お前の犠牲は忘れないぞ……」グスン


ナンカシロモヤシガウイテルー ツンツン

コラ! サワルンジャアリマセン!


上条「と、とりあえず冷え切った身体を湯船で温めよう……」ヨイショ

美琴「あ、あああああのっ!」

上条「うおっ! 熱っ! 身体冷え過ぎててスゲェ熱いっ!」

美琴「ね、ねぇ、ちょっと!」

上条「こりゃーシャワーでぬるま湯から慣らして行った方がいいな……」クイッ ジャー

美琴「……あの。ねえ、聞いてよ……」

上条「ふぅ~、生き返るぜぇ……」シャワー

美琴「…………」


469 : スパリゾート・お風呂編 ~その29~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:49:37.12 Ye2EzLEo 137/325


美琴「うぅ~、無視されたぁ~」グスン

レッサー「ええぇっ!? なんで泣いて帰ってきますか!? いつもなら無視すんなーとか言って電撃浴びせるパターンだと思うんですけど!?」

美琴「……そういえばそうね。なんでだろ」グスン

レッサー「……ひょっとして相当テンパってないですか?」

美琴「だってぇ……あんな事、恥ずかしいし」グスン

レッサー「えぇぃっ! ぐじぐじしてないでさっさともう一回行ってきて下さい! こういうのは勢いです勢い!」

美琴「う、うん。行って来る」トテトテ


レッサー「まったく、いつもは強気なくせにこういう事にはてんでからきしなんですから、美琴は」ヤレヤレ

黒子「まったくですわ。その辺はいつまで経ってもお子様のままですの」ヤレヤレ



470 : スパリゾート・お風呂編 ~その30~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:51:57.24 Ye2EzLEo 138/325


レッサー「……おや? 黒子さんはあの二人がくっつくのを許していいんですか?」

黒子「失礼な、私をそんな狭量と思っておりましたのね。私はお姉様の幸せを一番に思っておりますのよ?」

黒子「そういう貴方もあのお二人を積極的にくっつけようだなんて酔狂な事しますのね」

レッサー「やー、私は上条当麻も御坂美琴もラブですからねぇ。大好きな二人がくっつくのはむしろ喜ばしい事ですよ?」

黒子「それはそれは、健気な事ですわね」

レッサー「黒子さんほどじゃあないですよ」

黒子「うふふふ、ホント面白いですわねレッサーさんは」

レッサー「うふふふ、そっちこそ」

黒子レッサー「「うふふふふふふふふふ」」

黒子(ふふ、どうせあの朴念仁の事、お姉様のアタックなどスルーするに決まってますわ。そして傷付いたお姉様を慰める黒子。黒子の慈愛に感動するお姉様。そして惹かれる二人、結ばれる二人、ああお姉様と黒子の幸せを祝福する鐘の音が聞こえるようですわうふふふふふふふふふふ!)

レッサー(>>457には何故かバレてるみたいでしたけど、二人がくっつけばまとめて頂きます出来る大チャンスですよ! 姉妹丼や親子丼はもう古い! これからはカップル丼、これです! 上条当麻と美琴、合わせて上条美琴丼! ああもうっ、想像するだにフランス料理のフルコースも残飯に見えるほどです! 畜生、早くくっついちまえよ二人とも! そしてベッドインしちまえ! その時こそそのベッドに追加でダイブしてまるごと頂いてやるからよおーっ!!)

黒子「」チラッ

レッサー「」チラッ

黒子レッサー「「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」」


ママー アノオネーチャンタチコワーイ

シッ ミチャイケマセン!


471 : スパリゾート・お風呂編 ~その31~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:55:27.36 Ye2EzLEo 139/325


上条(ふぅ~~、ようやく湯船に浸かれた。染み渡りますねぇ……)ホッコリ

上条(ん? 誰かこっち来るな。って、アレは……)

美琴「…………え、えっと」ソワソワ

上条「ん? あ、ああ御坂か。ど、どうした?」

美琴「良かった、今度は無視されなかった」ホッ

上条「ん? な、なにか言ったか?」

美琴「なななななんでもないっ!」

上条「そ、そっか……。で、何か用なのか?」」

美琴「う、うん。用ってほどじゃないんだけど……」ゴニョゴニョ

上条「? 良くわかんないけど突っ立ってる位なら湯船に浸かるくらいしたらどうだ? その巻いてるバスタオルも濡れてるし、そのままだとまた風邪引くぞ」(注:美琴さんは相変わらずバスタオルでガード中です)

美琴「う、うん。あ、あの、それでさ。私思うのよね」モジモジ

上条「うん? 何をだ?」

美琴「前にインデックスに言われた事があるんだけど……。ゆ、湯船にバスタオルを入れるのはマナー違反だって」

上条「あー、確かにそういう話も聞いた事あるなぁ。でもここ、デフォルトで水着着用だし、その位どうでm」

美琴「マ、マナーは守らなきゃ駄目よね! だ、だからバスタオル外すからね! いいわよね!」

上条「え、え? べ、別に上条さんはそれで構いませんけども……」キョトン


472 : スパリゾート・お風呂編 ~その32~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/19 23:57:40.66 Ye2EzLEo 140/325


美琴「あー、分かったわよそこまで外せってんなら仕方ないわね! あ、アンタがそこまで言うなら従うわよ! ほ、ほらっ、これでいいんでしょ!?」ハラッ

上条「何その俺が強要したかのような言い草!? べ、べつに俺はそこまで……は……」

美琴「…………///」ドキドキ

上条「…………え、えーと」

美琴「…………何よ」ドキドキ

上条「いや、その……何をその、そんなに真っ赤になって目をつぶってらっしゃるのでせうか……」ドギマギ

美琴「ゆ、湯気が目に染みるのよ……」ドキドキ

上条「そ、そうですか……。で、そういう事されると、俺すっげぇ悪い事してる気分になるのですが……」

美琴「わ、悪かったわねっ! そ、そんな事より……何か言ったらどうなのよっ」ドキドキ

上条「…………はい? な、何かって?」

美琴「…………」ドキドキ

上条「…………あのー、御坂さーん?」

美琴「だ、だからっ! この格好見て、何か思わないのっつってんの!」ドキドキ

上条「え、その格好? いや、その、普通の水着に見えるんですけど、何かあるのでせうか……?」

美琴「……っ!」

上条(む、むむ? 確かに御坂さんにしてはちょびーっと大胆かなーって思わないでもないけど、客観的に見たら別にごくごく普通の水着だよな……? んー? さっぱりわかr――)

美琴「ひ、ひ……」プルプル

上条「え? ”ひ”?」キョトン


473 : スパリゾート・お風呂編 ~その33~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/20 00:00:25.40 G5iskoco 141/325


美琴「ひ、人が折角恥ずかしいの我慢して見せてんのに、このぉっ!!」ゲシッ

上条「どわっ、なにs、がぼほぉっ!」バッシャーン ブクブクブク

美琴「このっ、このっ!」ゲシゲシ

上条「ごぶぉっ! がぼぼげぼごぼがぼっ!?」ブクブクバシャバシャ

美琴「死ねこのっ! えいっ!」ゲシゲシゲシ

レッサー「ストーップ! 何やってんですか美琴! やめてくださいっ!」ガバッ

美琴「うーっ! うぐーっ!」ジタバタ

レッサー「ああもうホントに世話が焼けますねこの子は! ていっ!」ビシッ

美琴「はぅっ!? あ、あれ? レッサー何してんの?」

レッサー「美琴が錯乱して上条当麻を殺害しかけたから止めに来たんです! いいからやり直しますよ? さあ深呼吸して!」

美琴「え? あ、うん。……すぅ~っ、……はぁ~っ」

レッサー「いいですか? 『ど、どうかな……この水着(ハニカミ)』からやり直しですからね? じゃあ上条当麻起こすんで準備してください! ほら、バスタオルを肩にかけて! うんそうそのポーズです! いいですか?」

美琴「え、ああ、うん……だ、大丈夫。だと、思う」ドキドキ

レッサー「おっけー女は度胸ですじゃあ行きますよー! 3、2……ハッ!」アテミ!

上条「……ハッ! げ、げへごほげへごほ! な、なんだ? 何が起こった?」

レッサー(……じゃあ後は段取りどおりですよ、美琴! アデュー!)ピュッ

美琴「う、うんっ!」


474 : スパリゾート・お風呂編 ~その34~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/20 00:02:40.12 G5iskoco 142/325


上条「げほっ、げほっ。う、うーん」クラクラ

美琴「あ、あああああの、あ、アンタ!」ドキドキ

上条「あれ、御坂? 俺今何してた?」キョトン

美琴「え、えっと……それより、その」ドキドキ

上条「ん? アレ? なんかさっきもそのポーズを見たような……」ウーン

美琴「……え、えっと! その、ど、どうかな……この、水着///」カァァ

上条「え、水着? え、えーと別に普通――」ハッ

上条(いや待て、なんでか分からんがここで『普通』って言ったらなんかマズイ事になりそうな予感がする!)ゾワッ

上条(で、でも特にこれといって特徴のない水着だよな? え? じゃ、じゃあ何が不味いんだ?)

上条(か、考えろ上条当麻……! 考えるんだ、何でもいい、何か違う返答を!!)

上条「あー、えーっと……」

上条(こういう時、どう言えばいいんだっけ、何て言えばいいんだっけ……)アタマノナカ グルグル

美琴「う、う、うん……」ドキドキ

上条「その、か……」グルグル

美琴「…………」ドキドキ

上条「か、か……」グルグルグルグル

美琴「な、何よ……」ドキドキ




上条「か、可愛いと、思うぞ?」デ、イインダッケ?

美琴「…………!!!」



~しつこくつづく~


485 : スパリゾート・お風呂編 ~その35~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:39:20.51 LAbyBv.o 143/325

~またまたフロア7 大浴場5(混浴)~


美琴「…………///」プシュー

上条「え、えーと。み、御坂さん?」

美琴「…………///」プシュー

上条「まいったな……一体どうしちまったんだ」


 上条『可愛いと、思うぞ?』キリッ

 上条『 可 愛 い と 思 う ぞ 』キリッ

 上条『  か  わ  い  い  と  お  も  う  』キリッ


美琴(かわいいかわいいかわいいかわいいとおもうとおもうとおもうとおもうかわいいかわいい――)ノウナイ リフレインチュウ

美琴(…………)ノウナイ カクハンチュウ


 上条『美琴、なんて可愛いんだ 結婚してくれ』 ←言ってない


美琴「///」ボンッ!

上条(さっきから表情が愉快に百面相だが一体何が起こっているんだろう……)

美琴「ふ、ふ……」

上条「……ふ?」

美琴「ふ、ふ、ふ、ふ……!///」プシュルルルル

上条「な、なんか前にも似たような光景があったような……まさか、電撃!?」サッ

美琴「ふふふふふふふふふふふふ」ボシュルルルル

上条「くっ、来るっ!?」




美琴「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いします!///」

上条「」

488 : スパリゾート・お風呂編 ~その36~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:42:17.02 LAbyBv.o 144/325



打ち止め「つんつん~。ねえ、生きてる? ってミサカはミサカは白もy じゃない、あなたをつついてみる」ツンツン

一方「」

打ち止め「うわ、これはガチでヤバイかも、どうしよう? ってミサカはミサカはオロオロしてみるっ」オロオロ

打ち止め「…………」

打ち止め「こ、ここはいざという時の伝説の蘇生術、じ、『じんこうこきゅう』をやるしかない! ってミサカはミサカは拳を握り締めてみたりっ!」グググッ

打ち止め「…………」キョロキョロ

打ち止め「じゃ、じゃあ……い、いただきまーすっ」ッテミサカハミサカハチュー…

一方「やめろ」チョップ

打ち止め「あいたっ!」ゲシッ

打ち止め「いきなり何するのっ!? ってミサカはミサカは憤慨してみる!」ムキー

一方「それはこっちの台詞だっつゥの! っていうかお前は人が弱ってる隙に何しようとしてますかァ?」グリグリ

打ち止め「いたたたたた! いたいいたいひどいよー! ミサカはただ蘇生しようとしただけなのにー!」ジタバタ


489 : スパリゾート・お風呂編 ~その37~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:44:18.98 LAbyBv.o 145/325


一方「あーあーありがとさン。でもこちとら凍りかけてた全身をなけなしの演算で正常化してたンだよ。余計なお世話って奴なンですー」パチン ←スイッチ戻した

打ち止め「ううー、それならそうだと一言いってくれれば……ってミサカはミサカは痛む頭を抑えてみる」ズキズキ

一方「はいはい、俺が悪ゥございました」ポンポン

打ち止め「うー! その謝り方、ちっとも誠意が感じられないよっ、ってミサカはミサカは抗議してみる!」プンスカ

一方「……悪かったよ。いいから機嫌直せ」ポン

打ち止め「むう。じゃあ、喉が渇いたからジュース奢って! ってミサカはミサカは妥協案を提示してみる」

一方「ジュース? もう風呂上がっちまうンか?」

打ち止め「えへへー、このフロアにはミニシアターコーナーがあって、そこに売店も併設されてるの、ってミサカはミサカはさっき知ったばかりの事実を自慢げに教えてみたり」

一方「ほォ……。酔狂な事してやがンなァ」

打ち止め「こっちだよ、ってミサカはミサカはあなたの手を引いてみる!」ウキウキ

一方(もう機嫌直ってる気がするが……まァ、いいか)

打ち止め「ミサカはレインボートマトジュースがいいなぁ~ってミサカはミサカは要求してみる!」

一方「なンだそのけったいなジュース……」


490 : スパリゾート・お風呂編 ~その38~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:46:47.21 LAbyBv.o 146/325


打ち止め「ええーっ、売り切れなの? ってミサカはミサカはがっかりしてみる!」

店員「申し訳ありません、さきほど全て完売してしまいまして……」

一方「全てだとォ? どういう事だ?」

店員「それが……あちらのお客様が『全部だ、全部持って来いって言ってるんだよ!』と申されまして……」


禁書「これっぽっちしか在庫が無いなんてシケた店なんだよ! 食前の腹ごなしにもならないかも!」


一方「」

打ち止め「」

御坂妹「あのバキューム胃袋の前に食べ物屋を設置するとか、無謀にも程がある。と、ミサカは寒くなった懐を嘆きます」ホロリ

番外個体「なんでミサカまで勢いで巻き込まれなきゃならないの……」ホロリ


打ち止め「うう、ミサカのジュース……」グスン

一方「……分かった、外出たら買ってやっから。こんな所で泣くンじゃありませン」ポンポン

打ち止め「う、うん……」グジグジ


禁書「おなかすいたんだよー!」


一方(…………)

一方(三下が抑えてないとこいつの暴走は止められないって事かァ……?)


491 : スパリゾート・お風呂編 ~その39~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:54:03.17 LAbyBv.o 147/325


上条「…………」

美琴「…………///」

上条(えっと……なんて? 今、なんて言ったのこの子?)
    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
上条(不束者ですが宜しくお願いします)

上条(そう、聞こえたんだけど。え? 何が? 何の話?)

上条(き、聞き間違いだよな! そうだよなうん、風呂の中だし音反響しやすいしな!)

上条(ってー事は、ふつつ……ふつう? ふたつ? ふつか? えーっと)

上条(『二日もので、酢が美味しく俺が胃、死にます』)

上条(そうかぁ! 多分酢を使った後出しっぱなしになって二日放置されて、なんか熟成されて美味しくなったけどやっぱり腐ってたからお腹壊したのかー!)

上条(…………)

上条「いや、流石の上条さんでも今のは苦しいと思いましたけどね!? この状況で言う意味分からないしね!?」

上条「はぁ……なんなんだ畜生」ハァ

美琴「あ、ああああアンタ! そ、そそそそその!」コンランチュウ


492 : スパリゾート・お風呂編 ~その40~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 00:58:47.97 LAbyBv.o 148/325


上条「え? な、なんだ御坂?」オナジク コンランチュウ

美琴「こ、ここここの水着だけど、横は紐で結んでるだけなのよ!」

上条「そ、そそそそうか! ってそんな事を今俺に教えてどうすんの!?」

美琴「そ、そりゃ……その」モジモジ

上条「う、うん……」ドキドキ

美琴「…………え、えーっと」ドキドキドキドキ

美琴「ほ、ほら! ぐーっと引っ張っていいのよ! っていうか引っ張れ! 引っ張ってもうどうにでもしちゃいなさいよーっ!」サクランチュウ

上条「だからお前は何がしたいんだよーっ?!?」オナジク

美琴「私だって良くわかんないわよっ! でもレッサーが! ここはもうなりふり構わずガバーッて行けって! ガバーッの意味正直良くわかんないけど、けど、と、とにかくだからアンタ!」

上条「レッサー!? アイツの仕業かよ! どうりでなんか展開というか流れというかがおかしいと思ったよ!!」

美琴「そんな事はどうでもいいのよ! いいからホラ引っ張って! 下が駄目なら上もここ引っ張ればイケるから! ね!?」

上条「”ね!?”じゃあねぇよふざけんな! ていうかなんでお前はあんなノリと勢いだらけの愉快犯娘の言う事を聞いちゃうんですかね!? いいか、そもそも女の子もっと自分を大切にだねくどくどくどくど……」

美琴「うえーん! とうまの説教はじまったー!」

上条「くどくどくどくどくどくど……!」

美琴「うえーん! 長いよーっ! くどいよーっ!」


493 : スパリゾート・お風呂編 ~その41~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 01:00:50.83 LAbyBv.o 149/325


レッサー「くっ、失敗です! アレだけ動揺させた後でも上条当麻の謎の倫理観は揺るがなかったとは!」

黒子「というよりアレはお姉様がテンパり過ぎですの。ギャグっぽいノリになって漫才状態になっては雰囲気もクソもありませんわ」ヤレヤレ

レッサー「こ、こうなったらもう一回上条当麻の意識を飛ばして途中からやり直しを……!」


黄泉川「おーい、そろそろ時間じゃーん。皆さっさとあがるじゃーん!」


黒子「……どうやら、時間切れのようですわね」

レッサー「むう、無念です」ガックリ

レッサー「まあでも、まだ私たちの戦いは始まったばかりです! 上り続けるしかないんです、この女坂をよおーっ!!」ババーン!

黒子「どこぞの打ち切りラストみたいな台詞はやめてくださいまし!?」


495 : スパリゾート・お風呂編 ~その42~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/21 01:03:05.93 LAbyBv.o 150/325


~フロア4 個室コーナー とある個室~


浜面「…………」

滝壺「…………zzz」グゥグゥ

浜面「いや、何というかね。色々邪魔が入った時点でちょっとイヤ~な予感はしてましたけどね?」

滝壺「…………zzz」ムニャムニャ

浜面「そりゃ滝壺さんもお疲れだし、お風呂気持ちよくって眠くなるもんね? 理解できてますけどね?」

滝壺「…………zzz」スヤスヤ

浜面「こんな、こんな生殺しってアリかよおおおおおおおお!!!」ズガーン

滝壺「……はまづら、うるさい」ウトウト

浜面「ハイ、すいません」

滝壺「…………zzz」ムニャムニャ

浜面「…………」シクシクサメザメ



麦野「ん、なんだか知らないけどムカつきが収まったわ」スッキリー

五和「よ、良かったですね」ホッ


~スパリゾート・お風呂編 終わり~


510 : スパリゾート・お食事編 ~その1~  ◆MDOfmX8bYE[sage] - 2010/09/23 00:06:07.00 04S4iX6o 151/325


~フロア9 レストラン街~


黄泉川「よーし、はぐれてる奴はいないじゃん?」

みんな「「「いませーん!」」」

黄泉川「んじゃ、予約した店に行くじゃん!」

禁書「もうおなかぺこぺこなんだよ!」

上条「さっき売店の食材食い尽くした奴が言う台詞じゃないだろ……」

御坂妹「すごいや! ブラックホール胃袋って本当にあるんだね! という感動にも似た何を感じました、とミサカは遠い目をしながら呟きます」

上条「マジですいませんお金は後で少しずつお返ししますんで……」

番外個体「いや、ミサカも正直払って欲しい気持ちでいっぱいだけど。一方で何故あなたがあのシスターさんの食費を支払わなきゃいけないのか純粋に疑問だわ」

上条「え、えーと、何と言うか因果な事に私上条当麻はあのシスターのかいぬs……保護者的な立場なわけでして」

禁書「んー? とうま今なんて言おうとしたのかなー?」ギラ

上条「な、なんでもないですよ?」

禁書「むー……」ジー

上条「あ、あはは……これから行く店どんな店なんだろうなぁ~。楽しみだな~」


511 : スパリゾート・お食事編 ~その2~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/23 00:07:29.70 04S4iX6o 152/325


美琴「…………」ズーン

レッサー「み、美琴。どんまいですよ! ぶっちゃけ惜しい所まで行きましたってアレ!」

黒子「お姉様、やはり殿方ではお姉様の魅力が分かりませんの! その点、私でしたらばお姉様の頭の先から足の裏のウオノメまで余す事無く愛する事があbbbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「く~ろ~こぉ~? 誰の足の裏にウオノメがあるってのよ!?」

黒子「も、物の例えという奴です、の……」パタリコ

美琴「まったく……。人聞きの悪い事大声で言わないでよね」

レッサー「そうですよ。可愛い美琴の足の裏にウオノメがあるわけないじゃない。美琴の足の裏にあるのは水むsあbbbbbbbbb」ビリビリ

美琴「だからそんなのもねぇっつの!!」

レッサー「あふぅん、軽いブリティッシュジョークって奴です、よ……」パタリコ

美琴「……それほかのイギリス人が聞いたら怒ると思うわよ?」


512 : スパリゾート・お食事編 ~その3~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/23 00:08:58.86 04S4iX6o 153/325


黄泉川「よーし、着いたじゃん!」

美琴「っと、この店かぁ……」

一方(やれやれ、やっと着いたか……)

上条(やっと着いた、これでインデックスの機嫌も……)

上条美琴一方「「「……ん?」」」


 居酒屋「未元物質」 ~あの学園都市第二位・垣根帝督プロデュースのお店!~


上条美琴一方「「「…………」」」

黄泉川「いやー、ここ一度来てみたかったじゃん! ちょっと奇抜な外観だけどきっといい店じゃん!」

上条美琴一方「「「…………」」」


上条美琴一方((( イ ヤ な 予 感 し か し な い ! )))


514 : スパリゾート・お食事編 ~その4~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/23 00:11:36.44 04S4iX6o 154/325


黄泉川「ささ、いいから、早く入ろうじゃん!」

一方「その前に店主を呼べ店主をォ!」

上条「そ、それだ一方通行! 垣根の奴を呼べ!」

美琴「珍しくいいアイデアじゃない! さあ、キリキリ出てきなさい!」

黄泉川「え? え? お前ら知り合いじゃん?」

一方「違いますゥ! あンな奴と知り合いなンかじゃありませン!」

上条「右に同じ! 上条さんの知り合いにあんなメルヘン野郎は居ません!」

美琴「その通りよ! あんな最低ホスト野郎と知り合いだなんて願い下げよ!」

黄泉川「お、おう???」


垣根「おう、お前ら人の店の前で何騒いでやがる? 営業妨害なら帰ってくれ」ガラッ

上条「うわ、マジで店長が垣根だよ……」

一方「オイお前、客に何食わせる気だァ?」

垣根「あん? なんだ上条に一方通行かよ。ふ、俺が客に何を食わせようとお前らに何の関係があるってんだ?」

美琴「大有りよ! っていうか今この店に客として入ろうとしてるところなんだから!」

垣根「お、超電磁砲まで居やがる。客として来たんなら歓迎するぜ。この俺の常識が通用しない料理の数々に腰抜かすんじゃねぇぞ?」


515 : スパリゾート・お食事編 ~その5~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/23 00:15:40.50 04S4iX6o 155/325


上条「え? 料理もお前作ってんの? 普通プロデュースって企画だけ練って後は料理人とかに丸投げじゃないの?」

垣根「ふ、この俺にプロデュースの常識は通用しねぇ! 俺がプロデュースするからには店の業務全てに細心の注意を払い、料理・接客・内装・その他サービス全てに妥協を許すことは無い!」

垣根「食材は吟味に吟味を重ね、美味いだけじゃなく安全で信頼の置けるものを! 仕入れルートや業者にも拘り、リーズナブルなお値段でお届けする事をモットーに!」

一方「お、おォ?」

美琴「……あれ? 思ったよりも常識的だ」

上条「え、お前の事だから未元物質でそれっぽい怪しい物を作って出してんのかと」

垣根「ばっかおめえ、そんな物客が好んで食いに来ると思うか? たとえ物珍しさで来店したとしても一回喰ったら懲りて来なくなるだろうし、そもそも俺はそんな下らない客の為に店を開いたんじゃねぇんだよ」

上条「……え? 違うの?」

垣根「くっくっく、この俺に常識は通用しねぇっつってんだろ。食材だけじゃねぇぜ? 内装は見た目は雰囲気作りに気を使いつつあまりに奇抜にしたり無駄な投資を避け、利用するお客様の利便性と快適さを優先! 飽く迄内装ってのはおまけだからな。無駄に主張してメインである料理を邪魔する必要は全く無ぇってわけだ」

上条「……常識的だ」

美琴「……常識的ね」

一方「……メルヘン野郎にしては随分常識的だなァ」

垣根「ふふ、それだけじゃねぇ、俺の店員教育にも常識は通用しねぇ! 客に快適に食事を楽しんでもらう為にも店員の接客術の向上は重要な課題だ。全ての店員はこの俺自らが面接し信頼できる人員だけを雇っている! 教育にも手を抜くことは無くマニュアルも充実! 但しマニュアルに頼るような甘ちゃんは作り出さないようにトレーナーの配置やチームを作っての連携・分担の制度も構築! それでもヒューマンエラーは起きうるがその場合は店長である俺に細かな情報がいきわたる様にシステムも完備、即時の柔軟対応が可能! 但し店長の俺ばかりが出張る事は無いよう、各店員には一定以上の権限を与え、自らの判断で動く自由を与えている。そして例え独断であろうとも客の要望に柔軟に応えた店員を非難する事は決してしねぇ! これぞ俺様が掲げた常識の通用しない接客j――」


一方「やべェ、なんかおかしなスイッチ入れちまったようだなァ……」

上条「そ、そのようだな……」

美琴「ね、ねぇ。なんか話長くなりそうだし放っといて入らない? 話聞いた限りは相当真面目に取り組んでるお店みたいだし」

上条「そ、そうしますかね」

一方(……本当に大丈夫だろうなこの店?)


~つづく~

527 : スパリゾート・お食事編 ~その6~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:33:04.66 wcELsVgo 156/325


~居酒屋「未元物質」 店内~


黄泉川「では堅っ苦しいのはナシにして、みんなお疲れじゃーん!」

みんな「「「かんぱ~い!!!」」」

黄泉川「みんな遠慮せずにじゃんじゃん飲むじゃん!」

芳川「もっとも、ほとんど未成年なんでほとんどウーロン茶やジュースだけどね」

ローラ「酒持ってくるべし酒ー!」ガァー

黄泉川「……なんかいきなり荒れてる奴がいるじゃん」

ローラ「お風呂の所で全く出番が無かりき! 折角のレアキャラにつき、もっと優遇すべし!」

黄泉川「何を言っているのかさっぱりじゃん?」

芳川「ひとえに作者の力量不足ね」

黄泉川「???」


528 : スパリゾート・お食事編 ~その7~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:35:37.69 wcELsVgo 157/325


垣根「お待たせしましたーっと、海鮮サラダと真鯛のカルパッチョ、ローストビーフと春野菜の天ぷら持って来たぜ!」ドンドン

芳川「あら、早い。それに随分と持ってきたのね」

垣根「俺の店に常識は通用しねぇからな。お客様を無駄に待たせる事無くストレスを感じさせないように素早い対応を心がけている。しかし何も無計画に沢山持ってきたんじゃねぇぞ。この人数とそれぞれの表情からその空腹具合を見極め、次の料理を持ってくるまでの間隔も測り、それに充分と言えるだけの量をまz」

心理定規「はいはい、講釈はいいからさっさと引っ込みましょうね」ガシッ

垣根「何しろお前ら一行には暴食シスターがいるからな、それを考えるとこの量でもまだまだと言えるがそこは――」ズルズル

黄泉川「……不思議な店じゃん」

ローラ「我の話を聞くべしよー!」ジタバタ

麦野「はいはい、後でじっくり聞いてあげるから。さっさと食べないとシスターちゃんに全部取られちゃうわよ?」

ローラ「くそー! 料理げに美味しなのよー!」パクパクガツガツ


529 : スパリゾート・お食事編 ~その8~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:38:11.95 wcELsVgo 158/325


禁書「いち早く料理が来るのはとっても嬉しい事なんだけど」

五和「? どうしましたインデックスさん?」

禁書「なんで私の目の前にだけ土鍋サイズのサラダがあったり切り分けられてない丸のままのローストビーフがあったりするのかな!」

五和「……えーと、サービスじゃないですか?」

禁書「いくら私でもいきなりこんなには食べないんだよ!」ウガー

五和「ぇー……」

禁書「む! いつわのその表情はなんなんだよ! 私の事馬鹿にしてる目かも!」

五和「! い、いえ、そんな事ないですよ!」ブンブン

禁書「むう~、なんだか釈然としないかも……」ブツブツパクパクモグモグムキュムキュガブガブゴッキュン

五和「は、はは……(とかいいつつ物凄い勢いで料理減って行ってるんですけど)」

五和「…………」

五和(っていうか何で私こんな所まで着いてきてるんだろう?)


530 : スパリゾート・お食事編 ~その9~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:42:20.44 wcELsVgo 159/325


美琴「…………」

フレンダ「絹旗、そこのカルパッチョ取って欲しい訳よ!」

絹旗「はいはい、超ちょっと待ってくださいねー」ヒョイヒョイ

浜面「滝壺、サラダばかり食べてるけど肉も食べろよ」

滝壺「……ん、ありがと」

美琴(……あれ、なんで私こんな所にいるんだろ?)

フレンダ「んー。結局、真鯛も中々だけど鯖缶にはちょっと負ける訳ね」

絹旗「……これだけ超美味しいのにまだ鯖缶の方が超評価上なんですね。超不思議な味覚です」

浜面「こら滝壺、折角天ぷら取り分けてやったのにこっそり御坂の皿に移すんじゃありません」

滝壺「うー。はまづら、いじわる」

浜面「意地悪で言ってるんじゃなくってだな……」

美琴(アイツとは顔合わせづらいし、黒子やレッサーとも離れたいし、インデックスの傍だと落ち着いて食べれないし……)

美琴(とか選り好みしてたら、いつの間に……か)

美琴「我ながらやれやれ、ね」ハフゥ


531 : スパリゾート・お食事編 ~その10~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:43:21.89 wcELsVgo 160/325


フレンダ「絹旗は結局、鯖缶の素晴らしさが分かってない訳よ! 今度私オススメの一品を食べさせてあげようか?」フフン

絹旗「それは超遠慮しておきます。それよりほら、今ある料理を超食べましょう!」

滝壺「はまづら、どうしても食べなきゃ駄目?」

浜面「いや、別に無理強いしてる訳じゃないけどさ、行儀悪いだろ? それに、滝壺には栄養のあるもの食べてもらって元気でいて欲しい、っつーかなんつーか……」

滝壺「はまづら……」

美琴「…………」

美琴「ま、いっか」

滝壺「みこと、何がいいの?」

美琴「え? ああいやいや、こっちの話! さーてガツガツ食べるわよー!」ガッ

絹旗「ああっ、超御坂! それは私が超狙ってたローストビーフの一番おっきいところです!」

美琴「へっへーん、さっさと食べないのが悪いのよ!」ヒョイパク

絹旗「くうっ、これだから超レベル5は! 超理不尽です!」

美琴「な、何よ! レベルは関係ないでしょレベルは!」


532 : スパリゾート・お食事編 ~その11~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:44:58.31 wcELsVgo 161/325


打ち止め「ねえあなた、このぐるぐるした奴はなーに? ってミサカはミサカは尋ねてみる!」

一方「そりゃァせんまいだな」モグモグ

打ち止め「じゃあじゃあ、この緑のお花みたいのは? ってミサカはミサカはー」

一方「ふきのとう。っていうかイチイチ聞いて来るなよ鬱陶しィ」

打ち止め「えっとえっと、じゃあこの葉っぱはー?」

一方「しその葉! いいから黙って食わせろクソガキィ」イライラ

打ち止め「えへへー、美味しいね!」パクパク

一方「チッ……」

番外個体「おやおや、何だかんだできちんと答えてあげる辺りお優しいね。ミサカ、見てるだけでお腹いっぱい」ニヤニヤ

一方「…………」イラッ


533 : スパリゾート・お食事編 ~その12~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:45:36.91 wcELsVgo 162/325


番外個体「ねえねえ、ところでこれは何?」

一方「アスパラガス。ってかそれくらい分かってるだろうが。嫌がらせかァ?」

番外個体「えー、ミサカは妹達の中で最年少だよ? 知らない事だらけでも不思議じゃないじゃん」ニヤニヤ

一方「ならそのイラつくニヤニヤ笑いを引っ込めろってンだよ」

番外個体「ミサカ、元々こういう顔だもーん」ニヤニヤ

一方「このメスガキがァ……」

打ち止め「ケンカしちゃ駄目! ってミサカはミサカは仲裁に入ってみる!」

一方「クソガキは黙って飯食ってろ」

番外個体「ケンカなんてしてないよ? ミサカが一方的にこの白もやしに因縁つけられてるだけだし」

一方「あァン?」ギロ

番外個体「おお、怖い怖い」

打ち止め「だから駄目ーっ! ってミサカはミサカはー」


534 : スパリゾート・お食事編 ~その13~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:47:21.47 wcELsVgo 163/325


黒子「お姉様には逃げられましたがお姉様そっくりの妹様をげっといたしましたの!」

御坂妹「ミサカはゲットされたのですか。と、ミサカは自らの境遇に驚きを隠せません」

レッサー「そんな事してると後で美琴にきっついお仕置き受けますよー。ねー、上条当麻?」

上条「あのー、手、離してくれません? 料理を食べたいんですけど」

レッサー「駄目ですよ。今日はあんまり一緒になれなかったんで、上条成分が不足してます。それより料理を食べるなら私が「あ~ん」してあげますよ「あ~ん」を」

上条「やめいっ! そういう如何わしい事を無闇に人にするもんじゃありません!」

レッサー「何であなたはそう堅苦しい事いうかなぁ~」スリスリ

上条「だぁっ! 擦り寄るな鬱陶しい!」

御坂妹「…………。と、ミサカは少々物欲しそうな目をします」

黒子「黒子でよろしければ擦り寄らせて頂きますわ!」ガバー

御坂妹「てい、とミサカは絶妙な角度でチョップをかまします」ビシッ

黒子「ペップ! ひ、ひた噛みまひたわー!」ゴロゴロゴロ

御坂妹「おおう、思わぬクリティカルヒット。と、ミサカは少々ビビりつつもちょっとした達成感を覚えます」

黒子「ひろいれふの~」ピクピク


535 : スパリゾート・お食事編 ~その14~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/25 00:49:18.41 wcELsVgo 164/325


麦野「……こうしてみると何ともカオスね」

黄泉川「まあ、楽しけりゃなんでもいいじゃん!」ケラケラケラ

麦野「まあ、そういう物かもね」

ローラ「もっと酒持ってくるべしよー!」

芳川「あらあら、貴方設定上高校生なんじゃなかったの?」

ローラ「やかましき! 細けぇ事ぁどうでもよきなりよ!」

麦野「いいの、これ?」

黄泉川「うーん、難しい所だけどまぁいいじゃん!」

麦野「ああそう、じゃあ私も梅酒を頼もうかしら」チラ

黄泉川「あっはは! 中々したたかな子じゃんよ。面白くて結構じゃん!」ケラケラ

麦野「ふふっ。私もアンタみたいな教師、嫌いじゃないよ」


~またもつづく~

548 : スパリゾート・お食事編 ~その15~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/29 14:22:40.34 p.ngwZEo 165/325



垣根「ほい、旬の刺身盛り合わせ、ピリ辛麻婆豆腐、鶏肉と根菜の煮っ転がし、串焼きセットお待ちどう!」ドンドンッ

黄泉川「おっ、待ってましたじゃん!」

フレンダ「鯖缶は無いの、鯖缶は!」

麦野「私は鮭がいいわ。焼き鮭ね」

垣根「そんなのが欲しいのかよ……。まあ、どんな常識外れの注文が来ても答えるのが居酒屋「未元物質」だがなぁ!」バサァ

心理定規「はいはい羽根邪魔だからしまいましょうねー」ガシッ

垣根「お客様の要望には全て応対、それこそが俺の未元物質のモットー! 例えば無茶な注文やクレームであっても――」ズルズル

ローラ「日本の居酒屋とは、をかしき所なりねぇ」

芳川「アレを普通と思わないで欲しいけど……まあ、面倒だしそれでいいわね」

麦野「焼き鮭っ、焼き鮭っ♪」ウキウキ

芳川「あらこの子可愛い」

ローラ「我も可愛いきよ?」

芳川「はいはい可愛い可愛い」ナデナデ

ローラ「♪」ゴロゴロ


549 : スパリゾート・お食事編 ~その16~  ◆MDOfmX8bYE[] - 2010/09/29 14:24:59.18 p.ngwZEo 166/325


禁書「で、なんで私の前には刺身というよりは柵のような塊とか串焼きというよりは丸焼きが置いてあるのかな……?」

五和「さ、サービスですよ、サービス!」

禁書「それと、なんでいつわは包丁を持ってるの?」

五和「え、なんかこれで好きな大きさに切り分けろって言われて渡されました」

禁書「それじゃ、サービスはサービスでもセルフサービスじゃないかと思うんだよ」

五和「あ、あはは……あ、どうぞお刺身切れましたよ?」

禁書「まったく……」ブツブツパクパクモグモグムキュムキュガブガブゴッキュン


550 : スパリゾート・お食事編 ~その17~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:26:37.48 p.ngwZEo 167/325


打ち止め「にんじん、きらーい! ってミサカはミサカはこっそりあなたの皿に移してみたり」

一方「……そンなンじゃいつまで経ってもチンチクリンのままだぞ」ボソ

打ち止め「……と、見せかけてしっかり食べるミサカはいい子っ!」パクッ ウルウル

番外個体「あ、じゃあ既に充分育ったミサカはしいたけを一方通行に押し付けてあげるね」ヒョイヒョイ

一方「て、てめェ! いい年こいてガキみてェな事してンじゃねェぞ!」

番外個体「ミサカ、妹達では末っ娘だもーん。あ、あとミサカ別にしいたけ苦手じゃないけど、一方通行がさっき苦手そうに食べてたからプレゼントだよ♪」

打ち止め「え? あなたってばしいたけ苦手なのー? 駄目だよ、好き嫌いしちゃガリガリ君治らないよ! ってミサカはミサカはニヤニヤしてみたり」ニヤニヤ

一方(ブッ殺す! こいつら絶対ェブッ殺す!)プルプル


551 : スパリゾート・お食事編 ~その18~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:27:13.95 p.ngwZEo 168/325


滝壺「はまづら、ピーマン……」

浜面「…………」ジー

滝壺「……がまんして、食べる」パクッ ウルウル

浜面「うん、頑張ったな」ポン

滝壺「///」


美琴「なんなのこのピンク空間」

絹旗「御坂、見ない方が超精神衛生上いいと思いますよ」

フレンダ「鯖缶っ、鯖缶っ♪」ウキウキ

美琴「……あー、焼き鳥美味しいわねー」

絹旗「超そうですねー」

美琴「…………」モギュモギュ

絹旗「…………」ムギュムギュ

美琴「……………………」モギュモギュ


552 : スパリゾート・お食事編 ~その19~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:28:00.68 p.ngwZEo 169/325


絹旗「……御坂、超黙ってないで何か喋って下さいよ」ムギュムギュ

美琴「何かって、何よ。別にいいじゃないご飯美味しいんだし」モギュモギュ

絹旗「何かは超何かですよ。こういう超賑やかな場でここだけ無言ってなんか超寂しい人たちみたいで嫌じゃないですか」ムギュムギュ

美琴「そんな事言われてもねぇ……。そもそもアンタ達と共通の話題って何かあったっけ?」

絹旗「……うーん。特に無いですがこういう時は超定番な話をするってのはどうでしょう」

美琴「定番?」

絹旗「はい。女の子の超定番話といえば、超” 恋 バ ナ ”です!」

美琴「ぶーっ!? げほごほげほごほっ!!」

絹旗「うわわっ! 御坂っ、超大丈夫ですか!?」サスサス

美琴「げふ……っ。な、なんとか……」ゼェゼェ

絹旗「で、超恋バナなんですが」

美琴「げほっ!? ごほげほがほっ!」

絹旗「うわわわっ! どうしました超御坂!」

美琴「い、いや、なんでも……無いです」ゼェゼェ

絹旗「……んー? まあいいです。とりあえず超恋バナをしましょう!」

美琴「それ、ホントにやんなきゃ駄目……?」

絹旗「ええ。超決定です」

美琴「ぇー……なんか他の話題にしない?」


553 : スパリゾート・お食事編 ~その20~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:29:25.28 p.ngwZEo 170/325


フレンダ「恋バナと聞いて来ました!」シュタッ

美琴「にょわっ!?」

絹旗「おおっ、超良く来てくれましたフレンダ! これで超百人力です!」

フレンダ「んっふー、良く分からないけど私に任せなさいって訳よ!」フンス

美琴「不安しか湧き起こらないわ……」

絹旗「それじゃあフレンダ、早速ですが」

フレンダ「ふふ、了解! というわけでまずは御坂の番って訳よ!」

美琴「え、ちょ、ええっ! 何で!?」

絹旗「こういうのは普通年長者順……だと実は超同年代くさいので、超レベル順がいいと思います!」

フレンダ「結局、レベル5の御坂が一番最初に相応しい訳。あんだすたん?」

美琴「アンタ、見た目は外人っぽいのに今の発音完全に日本人ね……」


554 : スパリゾート・お食事編 ~その21~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:29:59.97 p.ngwZEo 171/325


フレンダ「うるさいっ、こちとら日本生まれの日本育ちよ! 見た目金髪だからって外人扱いすんな!」

絹旗「そうだったんですか……私は超てっきり留学生か何かかと」

フレンダ「むきー! 今はそんな話をしてる場合じゃない訳よ!」

絹旗「あ、超そうでした。というわけで美琴! キリキリと超白状して下さい!」

美琴「ちっ、逸らしきれなかったか……!」

絹旗「あ、ちなみにお相手が超上条当麻である事は把握済みです」

美琴「ぶほぉっ!? な、なななななな……!」カァァ

絹旗「なんでそれを? ですかね。そんなの超簡単です」

フレンダ「ぶっちゃけ、麦野から笑い話で聞かされた訳よ」

美琴「もうなんていうか、あちこちに広まり過ぎてて逆に笑えて来るわね……ハハハ」トオイメ

絹旗「で、で? 超上条当麻とは超どういう馴れ初めですか?」

フレンダ「」ワクワクテカテカ


555 : スパリゾート・お食事編 ~その22~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:31:11.48 p.ngwZEo 172/325


美琴「えーっと……確か、不良どもに絡まれてた時にアイツが助けようと割り込んできたのが出会った最初かしらね」

フレンダ「おおっ、どらまちっく! 颯爽と現れるヒーローって訳ね!」

美琴「んで、余計なお世話って思って不良ごと電撃で薙ぎ払ったのよ」

フレンダ「oh...」

絹旗「あ、そこだけは超ネイティブっぽいんですね」

フレンダ「結局、御坂から最初のフラグへし折ってるって訳?」

美琴「うぐっ! そ、それは……だって、そん時アイツ、『こんなガキ相手に』とか『ガサツで反抗期も抜けてねぇじゃん』とか散々言うもんだから、ついカッっとなっちゃって……」

フレンダ「あー」

絹旗「超言いそうですね。あの男、超デリカシー無さそうですし」

美琴「そしたらぶっ倒れてる不良どもの中で一人だけ無傷でピンピンしてるからさ。ビックリするわ余計ムカムカ来るわで……」

フレンダ「ほほー……」

美琴「一応これでも当時は学園都市第三位だーって自信っつーか自負っつーか持ってたし? それを良く分からないけど完璧に防がれたわけだから結構ショックでさ。何者だーって聞いたら『俺はただの無能力者(レベル0)だよ』とか言われて益々ワケ分かんなくなって」

フレンダ「え、あの男って無能力者なの?」

絹旗「そうみたいですね。右手に”幻想殺し”って言う能力全部を超無効化する反則技持ってるんですけど、何か能力とも超違うみたいで、身体検査(システムスキャン)にも超引っ掛からないらしいです」

フレンダ「ははぁ……そりゃまた」

美琴「そうなのよね……でも当時の私はそんなカラクリも一切知らないから、必死で築き上げた能力がなんでこんな冴えない男に通じないんだろーって思って」


556 : スパリゾート・お食事編 ~その23~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:32:30.56 p.ngwZEo 173/325


美琴「んで何度も挑みかかったんだけど、毎回のらりくらりとかわされ相手にされなくってさ。余計にムキになって挑みかかってる内に、気が付けばアイツとドタバタやるのが日常になってた」

絹旗「いわゆる、超ケンカ友達って奴ですかね……」

フレンダ「絹旗と浜面みたいだよね」

絹旗「なっ、何言ってるんですか! 超違いますよ超そんなの!」

美琴「え、何? アンタらってそういう関係なの?」

絹旗「超誤解です! あんな超チンピラなんで超どうでもいいです!」

浜面「ん? 何か呼んだか?」

絹旗「超呼んでません!!!」バキィ

浜面「あわびゅ!?」ドグシャー

美琴「うわぁ……」

絹旗「超浜面の事はいいですから、超続きを! 続きを話して下さい!」

美琴「う、うん……」

フレンダ(ちょっとからかうだけのつもりだったんだけど……ごめんね、浜面)

美琴「えっと、それで――」


557 : スパリゾート・お食事編 ~その24~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:33:47.11 p.ngwZEo 174/325


美琴「あの事は……あー、でもアンタらなら知ってるしいいのか」

絹旗「へ?」

美琴「『絶対能力進化(レベル6シフト)』実験よ」

フレンダ「あー、その。あの時は、なんというか……」

美琴「過ぎた事だし、私もアンタを痛めつけたんだから気にしないで。それと、あんましアレの事は話したくないからはしょるわね」

絹旗「あ、はい。超了解です」

美琴「で、まあ……アンタ達の妨害はともかく、どんだけ潰そうと必死で走り回っても実験を止める事が出来なくて、そうやって時間を消費すればするほど、妹達は何人も何人も死んでいって。何度も挫けて這いつくばって、最後に馬鹿みたいな自殺というか玉砕というかで決着をつけようと思う位にテンパってた時に、アイツが現れたのよ」

フレンダ「じ、自殺って……」

絹旗「今の御坂からは超考えられませんね」

美琴「そうね。それくらい当時の私は思考が狂ってたのよね」

美琴「でも、そんな私をアイツは止めてくれた。文字通り、体を張ってね」

フレンダ「…………」

美琴「そして、本当に実験を止めちゃった。止めてくれやがったのよ、アイツは」

絹旗「ほへー……」

フレンダ「そりゃまた……」


558 : スパリゾート・お食事編 ~その25~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:36:19.45 p.ngwZEo 175/325


フレンダ(確か、当時から暗部でも噂になっていた)

美琴「その時からアイツは私のヒーローなの。ううん、いつだってアイツは私のヒーローよ」

フレンダ(学園都市の第一位、一方通行を倒した、無能力者……それがあの男、上条当麻で――)

美琴「自分がヒーローじゃなきゃって意地張ってた可愛くない女が、実は自分はただの……ガサツで、年上に敬意も払わない女の子(ガキ)なんだって思い知らされてしまうくらい、完全無欠なヒーローなのよ」

フレンダ(――学園都市で一番強い女子、御坂美琴の想い人)

フレンダ「……って、訳ね。なるほど」

美琴「? 何よ」

フレンダ「うんにゃ。御坂ってば恋する乙女って感じで可愛いなーって思っただけよ」

美琴「な、何よ。からかわないでよねっ」

美琴「ていうか、あーもー! なんでこんなこっぱずかしい事言っちゃってんだろ! 私の馬鹿ぁー!」

絹旗「やっば、他人の超恋バナがこんなにも面白いと思ったのは超初めてです! ニヤニヤが超止まりません!」

美琴「うがー! 忘れて忘れろ忘れなさいー!」バシバシ

絹旗「へっへーん! 私の窒素装甲に物理攻撃は超無駄ですよ!」ヘーゼン

美琴「んじゃ、えい」ビリッ

絹旗「あbbbbbbb い、いきなり電撃とか超卑怯です!」


ドタバタ ワーギャー

コラー! オマエラシズカニスルジャン!


559 : スパリゾート・お食事編 ~その26~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/09/29 14:38:21.59 p.ngwZEo 176/325


上条「…………」ボーッ

レッサー「…………」

上条「…………」ハァ

レッサー「……美琴ってば、誰とでもすぐ仲良くなっちゃいますよねー」

上条「え? あ、ああ。アイツは気さくでいい奴だし、な」

レッサー「そのせいで最近あんまし構ってくれなくて寂しい、ですか?」

上条「は、はぁ? 何を言ってるのかねキミは」

レッサー「ふーん……」ニヤニヤ

上条「何よっ! 言いたい事があるならはっきり言いなさいよッ!」

レッサー「なーんでーもなーいでーすよー?」ニヤニヤ

上条「ムキーッ! 何この子ムカつくーっ!」


黒子「…………」ハァ

御坂妹「どうしましたか、溜め息なんかついて。と、ミサカは襲われないよう若干距離を取りながら尋ねます」

黒子「何でもないですわよ、何でも」

御坂妹「そうですか麻婆豆腐うめぇ、とミサカはあっさり意識が明後日の方向に逸れました」パクパク

黒子「…………」ハァ

黒子(まったく、お姉様はともかく。上条さんは上条さんで見てるとイラ付きますわね)

黒子(……黒子は、一体どう振舞うべきなんでしょうね。自分でも、正直分かりませんわ)


~しつこくつづく~

571 : スパリゾート・お食事編 ~その27~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:21:03.65 TlSv55Yo 177/325


垣根「はいよー! 牛サイコロステーキとのどぐろの塩焼き、 あと焼き鮭と鯖缶な」ドンドンドン

麦野「焼き鮭キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η *・゜(n‘∀)゚・*( n‘) :*・゜ (  ) *・゜(‘n ) ゚・* (∀‘n) ゚・*η(‘∀‘n) ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!」

芳川「あらまあ、目キラキラさせちゃって」ウフフ

ローラ「焼き鮭とはさるに美味しいきものなるや?」

麦野「ん、食べてみる?」

ローラ「よきの? 貴方が食べたくて頼んだ物なるのに」

麦野「追加で頼めばいいのよ、こんなの。その前に一口……ん、おいしー!」キラキラ

ローラ「……ほー」

麦野「これは素材、調理法共に最高……垣根の奴、やるわね。で、食べる?」

ローラ「で、では一口のみ……」

麦野「っていうかローラってばイギリス人よね? サーモンくらい珍しくないんじゃないの?」

ローラ「生活したる所が特殊で、サーモン自体は有り難がらざれど、焼き鮭って食べ方は初めてなりよ」パク

麦野「ふーん……で、どう?」

ローラ「こ、こ、これは……!」パァァ

ローラ「脂の乗り具合と塩加減、焼き色の付きし表面のパリパリ感、その中から染み出てくる汁の旨み……いづれをして、いと絶品なり!」

麦野「おっ、分かってくれる? 焼き鮭最高よね!」

ローラ「これ、早く追加で焼き鮭を持ちて来て! 今すぐなり!」

麦野「思わぬ所に同志あり、ね。ローラ、アンタとは仲良くなれそうだわ」

ローラ「ふふ、私とのコネは誰もが欲しがる物なるのよ。貴方、よき買い物をしけりね」

「ここに、科学と魔術のババァ同盟がせいりt」ジュッ

麦野「ブチ殺されてぇのか、あぁン?」ジジジジ

「うひwwwwすいませんっしたwwwww」


572 : スパリゾート・お食事編 ~その28~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:22:04.84 TlSv55Yo 178/325


禁書「…………」

五和「…………ふわぁ」

禁書「…………」

五和「凄いですねー、漫画でしか見れ無そうな巨大な骨付き肉ですよこれ。モ●ハンみたいな肉焼き器具のセット付きです」

禁書「だからなんで、私の前にはこういう(ry」

五和「そうはいいつつ今までの全部完食してるんですよねー」クルクル ヤキヤキ

禁書「そ、そりゃだって美味しいんだもん……」

五和「じゃあ、別にいいじゃないですか」ジョウズニヤケマシター!

禁書「うーん、良く分からないけど。幸せだし、いっか」イタダキマース

五和「ふふ、召し上がれ」


573 : スパリゾート・お食事編 ~その29~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:23:29.03 TlSv55Yo 179/325


一方「ヒャッハー!!! 肉肉肉に苦肉に苦肉ニク肉ニクにくNIKUゥゥゥゥゥ!!!」シャキーン!

番外個体「はっ、独り占めさせるかッ! このニクはミサカのもんだぁッッッッッッ!!!」ガキーン!

一方「くっ、右手のナイフを左手のフォークで受け止めるとは……やるじゃねェか番外個体ォ」ギリギリ

番外個体「ふ、この隙にミサカはこの肉を右手のナイフでッ!」ギラ

一方「ふ、甘ェ!」ガキーン!

番外個体「なっ、こっちのナイフもフォークで!? こ、この形はまさか千日戦争(サウザンドウォーズ)!」

打ち止め「あ、おいしー! ってミサカはミサカは漁夫の利を得てみるっ」パクパク

一方「あっ、このクソガキィッ!」

番外個体「あーっ! 汚いぞ上位個体!」

打ち止め「ならそのナイフとフォークでつばぜり合いするのやめたら? ってミサカはミサカはもう一ついただきまーす」ヒョイパク

一方「くそっ! おい、お前からそのフォーク離せよォ」

番外個体「やだよ。そうやって先に肉手に入れようって魂胆でしょ? 一方通行こそそっちのフォーク離しなよ」

一方「馬鹿言うンじゃありませンー! そっちこそそうやって俺を出し抜くつもりだろォが!」

一方番外「「く……ッ!」」ギリギリ

打ち止め「なんだかなぁ……」


574 : スパリゾート・お食事編 ~その30~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:25:06.15 TlSv55Yo 180/325


フレンダ「鯖缶Umeeeeeeeeeeeee!!!!」ムシャムシャパクパク

絹旗「フレンダ、超落ち着いてください」

フレンダ「おや、失敬(笑)」

美琴「……あー、もう、なんでノせられて話しちゃったんだろ私……」

フレンダ「いやいや、初々しいですなぁ絹旗さんや」ニヤニヤ

絹旗「ふっふっふ、若いおなごはこれだから超溜まりませんなぁフレンダさんや」ニヤニヤ

美琴「アンタらだって同年代でしょうが! ていうかホラ! 次はアンタ達の番でしょ!」

絹旗「え? 何がですか?」

フレンダ「フレンダ、ニポンゴヨクワカラナーイ」

美琴「あ・ん・た・ら・ねぇ~!!」バチバチバチ

絹旗「うわわわわっ! 御坂、ここ超店内ですから!」

フレンダ「ゴーメンナサイヨwwwwwゴーメンナサイヨwwwwww」

美琴「フーッ! フーッ!」ガルルルルル

滝壺「……みさか、落ち着いて」ポン

美琴「フ?」ガル?

滝壺「よしよし……」イイコイイコ

美琴「フー……ごろごろ」ニャーン

絹旗「お、おお……あの超肉食獣モードを超あっさりと……」

フレンダ「サースガタキツボォーゥ、ッテワケナノヨ!」

絹旗「フレンダ、口調戻って無いですよ」

フレンダ「Ouch!」テヘペロ


575 : スパリゾート・お食事編 ~その31~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:25:57.18 TlSv55Yo 181/325


滝壺「みさか、機嫌なおった?」

美琴「うう……まあ、なんとか。納得は出来ないけど」

滝壺「わかった。じゃあ、二人の代わりにはまづらが恋ばな、するね?」ポン

浜面「おう! って、ええええええっ!? なんで俺が!?」ガビーン!

滝壺「だから、機嫌なおして、みさか」

美琴「うー。そういう事なら……そんかわし、つまんなかったら罰ゲームだからね!」ビシッ

浜面「おおおおおいっ! だからなんでそういう事本人そっちのけで勝手に決めちゃいますかね!? ていうか滝壺さん! 俺の恋バナって要するに貴方様の事でもあるんですけどっ!」

滝壺「わたしは、構わないよ?」キョトン

浜面「いやっ、そりゃそうだろうけどさっ! でもさっ!」

滝壺「…………だめ?」ウル

浜面「」

滝壺「じゃあ、私ちょっとお手洗い行ってくるから。はまづら、お願いね?」

浜面「お、おう。まかせとけー」ギクシャク


576 : スパリゾート・お食事編 ~その32~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:27:20.30 TlSv55Yo 182/325


上条「いーんですよー。どーせ上条さんは上条さんですよー」モグモグパクパク

レッサー「あー。いじける上条当麻も中々かわいくていいですねー」ニヤニヤ

御坂妹「確かにこれは中々。と、ミサカはサイコロステーキの肉の柔らかさに舌鼓を打ちます」ウメェ

レッサー「お、このお魚も凄く美味しいですね、なんてお魚なんでしょう。のどぐろ?」ンマー

御坂妹「正式名はアカムツ、島根県浜田市での俗称みたいですね。淡白かつ脂がのっていて、一部では高級魚として扱われているお魚のようです、とミサカはミサペディアからの引用文を読み上げます」

レッサー「便利ですねー、そのネットワーク」

上条「……寂しくなんかないもん」パクパクモグモグ ウメェ…


577 : スパリゾート・お食事編 ~その33~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:29:37.39 TlSv55Yo 183/325


浜面「……とまあ、付き合うまでの経緯はそんな感じだ。言いたくない部分も多いんで色々はしょったけどな」

美琴「へぇぇ……。命をかけて庇い合うとか、な、なんだかドラマちっく……」ドキドキ

浜面「そ、そんなんじゃねぇよ。なんか、あのまま逃げ出したりしたら、自分で自分が許せなくなりそうで。んで、カーッとなって考えなしにツッコんじまっただけ。要するにただの考えなしの馬鹿なんだよ」

美琴「……ううん。馬鹿じゃないよ」

浜面「……ん?」

美琴「いや、もしかしたら馬鹿なのかもしれないけど、私は馬鹿にしない。すっごく、滝壺さんが羨ましいよ」

浜面「…………そっか。あんがとな」

美琴「…………う、うん」

浜面「でもさ、御坂。俺がそういう風に思えるようになったのも、そういうなけなしの勇気を振り絞れるようになったのも、アイツ……上条のおかげなんだ」

美琴「え? あ、アイツの?」

浜面「ああ。俺はあの時アイツに殴られなきゃ、ロクでなしのチンピラのままゴミクズみたいに処分されてたかも知れないぜ」

美琴「……アイツに、殴られたの?」

浜面「ほら、丁度こんな風に」グイ

美琴「あっ、ちょ……」ミギテ ツカマレテ

浜面「右手でこの辺にバキーってな」ピト

美琴「あ、うん……///」カァァ

浜面「効いたぜぇー。パンチ自体も強烈だったけど、それ以上に、な」



上条「!」ガタンッ

レッサー「わっ、ちょ、どうしました?」アセッ

上条「い、いや。別に……何でもねぇよ」ストン

上条(アイツが、浜面が御坂の手を握ってる)

上条(……だから、なんだってんだよ。クソ)


578 : スパリゾート・お食事編 ~その34~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:31:28.13 TlSv55Yo 184/325


上条(…………)イライラ

上条「…………あー、肉うめぇ」モグモグ

滝壺「かみじょう」ポン

上条「うひぃっ! な、なんだ滝壺か。びっくりしたぁー」ドキドキ

滝壺「ごめん。驚かせるつもりは無かったよ」ペコリ

上条「い、いやいいんだ、別に」

滝壺「かみじょう、みさかの事、気になる?」

上条「……え、な、何が? はっはーん、まさか滝壺まで上条さんの事をからかいに来ましたねー? そうと知っては意地でも――」

滝壺「かみじょう、真面目に聞いて」ジッ

上条「え……」

滝壺「……かみじょうが、今日ずっとみさかの事ばかり見てたのは、何となく気付いてる。だから、答えて」

滝壺「ううん、答えなくていい。ただもうちょっと、まっすぐに見つめてみて」

上条「え、見る、って。何をだ?」

滝壺「見て欲しいのは……かみじょうの、気持ち」

上条「俺の……?」

滝壺「」コクリ


レッサー「…………おや、これは」

御坂妹「…………入り込もうにも、無粋な気がして入れません。と、ミサカは遠巻きに二人の様子を見守ります」

黒子(…………上条さんの、気持ち?)


579 : スパリゾート・お食事編 ~その35~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:32:36.36 TlSv55Yo 185/325


美琴「…………あ、滝壺さ、ん……?」

浜面「ん。どうした、御坂?」

美琴「あ、あの。滝壺さんがアイツに」

浜面「ああ。いいんだ。しばらく放っとけ」

美琴「え? え? だ、だって滝壺さんはアンタと」

浜面「いいから。放っておいてくれ。悪いようにはならない筈だから、さ」

美琴「え? な、何の事よ……」


580 : スパリゾート・お食事編 ~その36~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:34:16.21 TlSv55Yo 186/325


上条「そんな事言われても、上条さんには何の事だかさっぱりですよ……?」

滝壺「かみじょう。今日一日、気が付くとみさかの事を目で追ってた。違う?」

上条「……ッ! それ、は……」

滝壺「でも。みさかを見ていたかみじょうは、なんだか悲しそうな……ううん、寂しそうだった。それは、何故?」

上条「……それ、は……。そんな事は……」

滝壺「かみじょう。自分の気持ちから目を逸らさないで。しっかりと見つめて」

上条「…………」

滝壺「余計なお節介だって、分かってる。だけど」

滝壺「みさかも、かみじょうを見てた。かみじょうがみさかを見てるのと、同じ目で」

上条「……御坂、が?」

滝壺「…………」コクリ

上条「…………」

滝壺「本当に同じかどうかは、分からない。私の思い込みかもしれないから、忘れて」

滝壺「それより、かみじょうは、どんな気持ちでみさかを見ていたの? それをしっかり考えて欲しい」

上条「…………」

滝壺「…………」

上条「……そんなの」

滝壺「…………うん」

上条「そんなの、わっかんねぇよ。わかんねぇんだよ……」

滝壺「かみじょう」

上条「そうだよ、全然分かんねぇんだよ。何なんだよ、これ」


581 : スパリゾート・お食事編 ~その37~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:35:20.30 TlSv55Yo 187/325


滝壺「……何かは、教えられない。けど」

滝壺「かみじょうは、今までみさかと会った時、話した時、どんな気持ちになったの?」

上条「え……」

滝壺「それで、近くにいるけど、話せない今と比べて、どう思う?」

上条「そ、れは……」

滝壺「本当は、こんな事を言うのもいけない事かも知れないけど」

滝壺「今のかみじょうは、少し、見てられない顔していたから」

滝壺「だから、ルール破りの、お節介」

上条「……そっか」

滝壺「お節介ついでに、かみじょう」

上条「うん? なんだ、滝壺」

滝壺「じっくり考えた後、何も分からなくてもいいから。次、みさかと話した時に、どういう気持ちになるのかだけは、その気持ちとだけは」

滝壺「まっすぐに、向き合って」

上条「…………」

上条「……分かった」

滝壺「…………」コクリ

滝壺「…………じゃあ」フリフリ

上条「ああ、良く分からないけど。考えてみる。サンキュ」

滝壺「……うん」ニコッ


582 : スパリゾート・お食事編 ~その38~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:36:58.17 TlSv55Yo 188/325


美琴「…………」

浜面「あのさ、御坂」

美琴「え、何?」

浜面「滝壺の前だと照れくさいから言えないから、今の内言うけど」

浜面「さっき、御坂は自分の事「ヒーローじゃなきゃって意地張ってた」、って言ってたけどよ」

美琴「う、うん」

浜面「いいんじゃないかな、ヒーローのままで」

美琴「え?」

浜面「俺もさ、カッコ付けるわけじゃないけど、アイツの……滝壺の為ならって思って。覚悟決めたら、自分でも信じられない事が出来たりしたんだ。それこそ、ヒーローみたいに」

浜面「別に、ヒーローって完全無欠じゃなくてもいいと思うんだよ、俺は」

美琴「…………」

浜面「多分、上条だって完全無欠なんかじゃあ無いんだよ。ただ、アイツは御坂の事放っておけなくて、それで意地はって覚悟決めて頑張ったんだと思う」

浜面「アイツだって頭のてっぺんから爪先までヒーローって訳じゃなくって」

美琴「…………」

浜面「だからさ、御坂もヒーローでいいんじゃないかなって。少なくとも慕ってる御坂の後輩達にとっちゃ、お前は今でもヒーローなんだと思うぜ」


583 : スパリゾート・お食事編 ~その39~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:37:49.43 TlSv55Yo 189/325


美琴「……何それ、クッサいわよ」

浜面「ハハ、自覚してる」

美琴「……クス。なぁによそれ」

浜面「ちっくしょ、たまにはカッコ付けさせてくれよなー」

美琴「それは彼女の前だけにしときなさいよ。聞きようによっちゃそれナンパよナンパ」クスクス

浜面「ばっ、お、俺はだな!」

美琴「はいはーい、のろけ話は聞きたくなーい」アーアー キコエナーイ

浜面「この……っ!」

美琴「あは、わー怒ったこわーい! あははっ!」クスクス

浜面「…………御坂」フッ

美琴「……ん、何?」

浜面「頑張れよ、ヒーロー」スッ

美琴「……ん、あんがと」スッ

浜面美琴 ゴッ

滝壺「あ。こぶし、合わせてる」チョット ウラヤマシイ

浜面「お、お帰り滝壺。ごくろーさん」

美琴「お帰りなさいー。ねーねーアイツと何話してたの?」

滝壺「……私からは、内緒。後でかみじょうから聞いて?」

美琴「えー、そんなー」


584 : スパリゾート・お食事編 ~その40~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/01 14:40:24.72 TlSv55Yo 190/325


レッサー「はぁー。なんといっていいか、これは……」

御坂妹「今の話、ミサカには良く分かりませんでした。と、ミサカは少々しょげかえります」

レッサー「いやいや、私だって正直良く分かりませんでしたよ。でも、なんか大先輩の助言、って感じを受けました」

御坂妹「それには何となく同意です。と、ミサカは少し気を取り直します」

レッサー「あはは、その調子ですよ。んじゃ、料理冷めちゃいますし食べちゃいましょうか!」

御坂妹「望む所です、とミサカは一番大きい肉の塊を狙って……ああっ、それはミサカのですよ!」

レッサー「へっへーん、早い者勝ちですよー」

御坂妹「てい。とミサカはのどぐろの一番美味しそうな所をごっそり奪って(゜д゜)ウマー」

レッサー「ああっ、しまった不覚です!」


黒子(……自分の心と、まっすぐに……ですか)

黒子(それが出来れば苦労はしませんわね)ハフゥ

黒子(でも……)


上条「…………」


黒子(上条さんは、クソが付くほどこう言う事には真面目ですのね)

黒子(黒子も、見習いたい所ですわ)

黒子(…………)

黒子(ま、上条さんの気持ちがどうあれ、お姉様の気持ちははっきりしてますわね)

黒子(正直、恨みますわよ、滝壺さん)ハァ…



596 : スパリゾート・エピローグ ~その1~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/04 02:31:40.07 XuqH6Igo 191/325


――ちょろっとー。自販機の前でボケっと突っ立ってんじゃないわよ。

 記憶の中の最初の彼女は、出会うなり馴れ馴れしく人の体を押しのけてきた。

――待ったー? って言ってんでしょうが無視すんなやこらーっ!!

 夏休みの最終日、いきなり強烈なタックルを食らわしてきた彼女に、無理矢理恋人役をやらされたりもした。

――いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!

 九月の末、罰ゲームと称して街中を連れ回され、やらされた事といえばツーショット写真と携帯のペア契約。その時のカエルストラップは今でもポケットの端からぶら下がっている。

――ちょ、アンタ何やってんのよ!?

 ボロボロの体を引きずり、神の右席の一人との戦いに向かう時に彼女に出会ったのは、奇しくも今いるこの第二十二学区。自らの記憶喪失を知られている事を知り、それでも彼女を振り切って戦場へと足を進めた。


 会えば冗談を言い合って。ケンカして。追いかけっこ(?)をして。共闘したり電子ロックの解除法を教えて貰ったり、危険な戦いに巻き込んだり巻き込まれたりもした。

 腐れ縁。友人。戦友。
 どれとも言えるし、どれとも違うとも言える、曖昧な関係。


597 : スパリゾート・エピローグ ~その2~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:32:13.52 XuqH6Igo 192/325


「俺は、御坂をどう思ってるんだろうな」

「俺は、御坂とどうなりたいんだろうな」

――かみじょうは、今までみさかと会った時、話した時、どんな気持ちになったの?

「御坂と……話した時」

「よくわかんねえ……けど、少なくとも嫌な気分じゃあなかった」

――それで、近くにいるけど、話せない今と比べて、どう思う?

「話せない時……離れて見ているしか無かった時」

「これもよくわかんねえ……けど、なんかイライラして、嫌な気分だった」

「なんでそんな気分になんのか……それがわかんなくて余計にイライラした」

「だから、その後に久々に話せた時は」

「…………」

「何だか知らないけど……妙にホッとしたんだ」

――じっくり考えた後、何も分からなくてもいいから。次、みさかと話した時に、どういう気持ちになるのかだけは、その気持ちとだけは

――まっすぐに、向き合って

「次に、御坂と話した時……」

 物静かな少女の、お節介なアドバイスに頷き、心の中で咀嚼する。

 次に彼女と話す時、その時を一瞬単位で刻み付ける為に。

 彼女への、自分の気持ちを、確かめる為に。


598 : スパリゾート・エピローグ ~その3~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:34:18.97 XuqH6Igo 193/325


黄泉川「皆、お疲れ様、気をつけて帰るじゃん!」

一同「「「はーい!!!」」」


麦野「じゃあね、美琴。また時間が合えば遊びましょう?」

絹旗「超御坂! また恋バナ、超聞かせてくださいね!」

フレンダ「結局、その時は私も絶対呼んで欲しい訳よ!」

浜面「もっと普通の話題にしてやれよ……まあいい、またな御坂!」

滝壺「頑張って、みさか。私はそんなみさかを応援してる」

美琴「あ、あはは……ありがと、またね!」


打ち止め「お姉様、また遊んでね! ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませてみる!」

御坂妹「今度はボーリングという物に挑戦してみたいです、とミサカは未知なる遊びに興味を抑え切れません」

番外個体「今日はあまり喋れなかったけど、今度はミサカの事ももっと構って欲しいな」

美琴「はいはい。まったく、手間のかかる妹を沢山持つと大変だわ」

一方「おィ、さっさと行くぞ。モタモタすンな」

打ち止め「はーい! じゃあお休みなさいお姉様!」

美琴「おやすみー!」

一方「……ン。またな、超電磁砲」

美琴「うん、またね。一方通行。妹達のエスコート、任せたわよ」

一方「……チッ、分かったよ」


599 : スパリゾート・エピローグ ~その4~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:36:47.12 XuqH6Igo 194/325


上条「御坂、お別れは終わったのか」

美琴「あ、うん。終わったわよ、待っててくれてサンキュ」

上条「気にすんな。じゃあ行こうぜ」

美琴「アンタは、いいの? 五和さんとか」

上条「ん? ああ、もうそれは済ませた。仕事があるからって先に帰ったよ」

上条「つか、仕事なのになんで風呂や飯にまで付いて来たんだろうなぁ」

美琴「ふーん……」

上条「? なんだよ?」

美琴「べ、つ、にー? ちょろっと五和さんが可哀想だなーって思っただけよ」

上条「ああ、なんか飯の時はインデックスの世話を甲斐甲斐しくやってたらしいしな。ホント悪い事をしちまった」

美琴「そういう意味じゃないんだけどね……」

上条「え? じゃあどういう意味だよ?」

美琴「そんなもん自分で考えなさいよ! 鈍感もそこまで行くとホント犯罪よ犯罪!」

上条「ぐぬぬ……理不尽なのに何故だか言い返せない自分がもどかしいっ!」

美琴「ほんっとアンタって最低よねー。あーあ、なんだって私ってばこんな奴の事好きなん――」

上条「……え?」

美琴「……ん?」


601 : スパリゾート・エピローグ ~その5~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:37:59.37 XuqH6Igo 195/325


上条「…………」

美琴「…………あれ? 今、えっと。あれ?」

上条「み、御坂。えっとだな……」

美琴「あ、ちょ、今のちょっとタンm


禁書「とうまーっ!! みことーっ!! 早くしないと追いてっちゃうんだよー!!!」

上条美琴「「!!!」」


禁書「どうしたの? そんな所で立ち止まっちゃって!」

上条「い、いやなんでもないっ! 今行く!」

美琴「…………あ、えっと」

上条「ほら御坂、シャトルバスの最終便来てるぞ。急ごう!」

美琴「え、あ、うん。ま、待って!」


602 : スパリゾート・エピローグ ~その6~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:38:42.22 XuqH6Igo 196/325


レッサー「あちゃー、時間切れって奴ですかね。あと一歩だったんですが」

黒子「……どうでしょうかね」

レッサー「ん? 何がです?」

黒子「さあ、何でもないですわよ」

レッサー「んー?? 怪しい……」

黒子「さ、グズグズしてると置いていきますわよ、レッサーさん?」シュン

レッサー「あ、空間転移? ず、ずるいですよ一人だけっ!」

黒子「緊急時に付きやむをえない措置ですの」

レッサー「なら私も一緒に連れてってくれてもいいじゃないですかーっ!」


603 : スパリゾート・エピローグ ~その7~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:40:32.32 XuqH6Igo 197/325


上条(…………)

上条(御坂と話した時)

上条(何だか分からないけどホッとした)

上条(良く分からないのは相変わらずだけど……)

上条(記憶を失ってからこっち、事件続き、騒動続きの毎日だったけど)

上条(それらが終わった後には必ず日常があって)

上条(それは間違いなく学園都市(ここ)での生活であって)

上条(世話のかかる居候や、馬鹿な悪友や、賑やかなクラスメイトとのやり取りであって)

上条(そして、その日常の中には、もちろん御坂も含まれていて)

上条(御坂とドタバタするのも、かけがえの無い日常なんだって。そう思った)

上条(それと……。それらとはまた違う、もう一つの偽りの無い気持ち)

上条(それは、多分まだ分からないけど)

上条(今は、もう少し時間が欲しい。じっくり向き合うだけの時間が)

上条(…………)



上条(…………あれ、そういえば誰か忘れてるような?)


604 : スパリゾート・エピローグ ~その8~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 02:43:57.86 XuqH6Igo 198/325


ローラ「おや? ここはいづこ私は誰なるの?」

ローラ「…………」

ローラ「上条ーっ! インデックスーっ! 最大教主たる私を置きて行くなんていみじき奴めーっ!」

ローラ「誰か助けたまへーっ! 哀れなる私に帰り道を教えたまへーっ!!」


その後、彼女の行方を知るものは誰もいなかった。


ローラ「待ちて! 私いまだ死にてなければ! よければ助けたまへーっ!!」



 ~スパリゾート編・おわり~


613 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その1~ ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/04 22:35:58.15 XuqH6Igo 199/325

~第七学区・商店街~


小萌「しかし、ステイルちゃんがうちに転校してくるとは思わなかったのですよー」

ステイル「正直僕も思いませんでしたよ。それもこれもあのクソ教主が強権発動したからで……」ブツブツ

小萌「? 良く分かりませんが、先生はまたステイルちゃんに会えて嬉しいのです!」ニコー

ステイル「ッ!! そ、そうですか」

小萌「ステイルちゃんは嬉しくないのですかー?」

ステイル「ゴッ、ゴホゲホゴホ……ッ! な、ななな何をッ!?」

小萌「んー?」

ステイル「…………ッ!」

小萌「嬉しく、無いですか?」ウル

ステイル「がふっ!? そ、それは……!」

小萌「なんです?」

ステイル「…………です」

小萌「聞こえませんですよー」

ステイル「ッ! 嬉しいです! 小萌とまた会えて、小萌の生徒になれて……また一緒の時間を過ごせる事が!」

小萌「すっ、ステイルちゃん!? こ、こんな人の多い所で……///」カァァ

ステイル「言わせたのは貴方でしょう!? 僕だってこんな恥ずかしい事言いたくありませんでしたよ!」

小萌「うっ、そ、それは……ごめんなさいです」シュン

ステイル「い、いや。いいんですよ。僕が意地になってたのも悪いんですし」


615 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その2~ ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 22:37:21.62 XuqH6Igo 200/325


小萌「…………」

ステイル「…………」

小萌「ステイルちゃんは、ローラちゃん達の方に行かなくて良かったんですか?」

ステイル「…………。あの迷惑教主の世話を逃れられたんだ、いいに決まってます」

小萌「あっちにはシスターちゃんがいるのにですか?」

ステイル「……いいんですよ。あの子の傍には上条当麻がいる」

小萌「……上条ちゃんは、シスターちゃんの事をそういう目では見ていないとしても、ですか?」

ステイル「……それでもです」

小萌「…………そうですかー」

ステイル「…………」

小萌「……ステイルちゃん、ちょっとそこのベンチに座りませんか?」

ステイル「歩き疲れましたか? 気が付かずに申し訳ない」

小萌「そうではないです。いいから座るですよー」

ステイル「…………? 座りましたよ」ストン

小萌「これでも届かないですね……ちょっと頭を下げてください」

ステイル「こうですか?」ヒョイ

小萌「よ……っと。はい、よしよーし」ナデナデ

ステイル「なッ!?」


616 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その3~ ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 22:39:58.77 XuqH6Igo 201/325


小萌「おっと、逃がしませんよー」ガシッ

ステイル「な、何をするんだ小萌ッ!」

小萌「可愛い生徒を慰めてるだけですよー」ヨシヨーシ

ステイル「こ、子供扱いはやめて下さいっ!」

小萌「ステイルちゃんは先生にとっては子供ですよー。ちょっとくらい背が大きいからって大人ぶらないで下さいー」

ステイル「……べ、別に僕は大人ぶってなど」

小萌「そうですか。でも先生はもうちょっと年相応に振舞って欲しいです。せめて、先生の前でくらいは」

ステイル「…………」

小萌「ステイルちゃんは、もう少し自分の感情に素直になるべきですよ。我慢ばかりしてちゃ、体に悪いです」ヨシヨシ

ステイル「は、はは……、まったく、小萌には、敵わない、な……」

小萌「当然です! 先生はステイルちゃんよりずーっと大人なんですから!」フンス

ステイル「ふふ、ホント敵わないな……」


617 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その4~ ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 22:42:37.12 XuqH6Igo 202/325


ステイル「小萌、僕は汚い男だ」

小萌「……そうなのですか?」

ステイル「あの男の気持ちが既に別の女性にある事を察しておきながら。あの子を……インデックスをわざとあの男と一緒にいさせている」

ステイル「あの男があの子を選ばない事を予測しながら、僕は……」

小萌「それでもシスターちゃんが上条ちゃんと一緒に居たいと思う事が分かってて、何も出来ない自分を責めちゃってるですね?」

ステイル「え……っ」

小萌「自分を無駄に傷つける事は無いですよ。ステイルちゃんは優しいですねー」

ステイル「……僕、は……」

小萌「恋愛なんて、大人でも持て余してワケ分からなくなっちゃうものです」

小萌「ステイルちゃんは、汚い面ばかりに目が行って、くよくよしちゃってるかも知れませんが……」

小萌「人間の心は、汚い面も、そうでない面も全部ひっくるめて、全部が全部本当なのですよ」

小萌「だから、必要以上に自分を責めちゃわないで下さい。そういう物なんだと、受け入れるですよ」

小萌「それでも納得出来ない事、苦しい事があれば」

小萌「私が全部聞いてあげます。私は、先生ですからねー」

ステイル「…………はい」

ステイル「ありがとう、ございます……」

小萌「ふふふ、落ち着いてくれたみたいで、良かったですー」


618 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その5~ ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 22:44:50.83 XuqH6Igo 203/325


ステイル「そう言えば、小萌」

小萌「なんですー?」

ステイル「この後、僕の泊まっているホテルに来てくれないかな」

小萌「…………ッ!?」ボン

ステイル「……どうした、小萌?」

小萌「え、ええ? ホ、ホテルで何するするするですか?」

ステイル「そりゃあ、二人っきりで食事でも、と」

小萌「そ、そうですか……」

ステイル「?」

小萌「ひょ、ひょっとしてその後……ステイルちゃんの部屋に」

ステイル「ん? 食事の後も時間があればしばらく話相手になって欲しいとは思ってますが。時間は大丈夫ですか?」

小萌「じ、じじじじ時間なら全然大丈夫です! ですが、先生は、ステイルちゃんにそういうのはちょっと早いかなー、と……」

ステイル「? 何がです?」

小萌「いや、先生は別に嫌って訳じゃないですよ!? それどころか、えっと、嬉しいっていうかその。うゆぅぅぅぅ///」カァァ

ステイル「…………」

ステイル「ッ!?」ピーン


619 : 幕間・ステイル&小萌編 ~その6~ ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/04 22:46:48.17 XuqH6Igo 204/325


小萌「よ、良く考えたら先生とステイルちゃんは先生と生徒という関係です! や、やはりそれは色々とイケないのでは……。ああ、でも先生、ちょっぴり位なら目をつぶっても……いやいやいや! やっぱり駄目ですー!」

ステイル「ちょ、待ってくれ小萌! そういう意味じゃなくて、だな! 元々は僕と最大教主が仮住まいとしてホテルを取っていてだな、その、二人分の夕食も出るんだが、あのイカレ教主が勝手に遊びに行ってしまって夕食も他で取るっていうから無駄になってしまって勿体無いからって思って……!」

小萌「…………え?」

ステイル「だ、だから他意はないので……。その後も暇だし、折角久々に会ったから積もる話もあるかなーって思った程度で、そ、そういうアッチの意味で言ったわけでは……無い、です」

小萌「………………」

小萌「う、うひゃああああっ! は、恥ずかしいですぅーっ!!」ボンッ

ステイル「こ、こっちだって恥ずかしいよ! か、勘弁してくれ……」

小萌「う、うう~。ごめんなさいぃ~……」カァァ

ステイル「…………い、いやこちらこそ説明不足で申し訳ない……」

小萌ステイル「…………///」


通行人A「なんだあの二人組? 真っ赤になって」

通行人B「さあ? っていうか大男と幼女? 誘拐?」

通行人俺「通w報wしwまwすwたwwwwww」


ステイル「うるさいっ! 見世物じゃないぞ失せろっ!」

小萌「私は幼女じゃなくて大人ですーっ!!」


通行人AB「うわあああっ! 逃げろーっ!」

通行人俺「幼w女wにw叱wらwれwたwwwwwwもっとwwwwwもっと叱ってwwwwww」



~幕間・終わり~


635 : (1/11) ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/06 15:04:18.25 uMEAUGQo 205/325


~とある高校~


ローラ「こら上条! 最大教……”くらすめいと”なる私を置きて勝手に帰りぬとは薄情者ー!」

上条「あーっ! お前昨日勝手にどっか行っちゃうから探したんだぞ! 連絡の一つくらい寄越せよな!」

ローラ「ええっ、何ゆえ置いていかれし私の方が悪しき事になりたる!?」

上条「物珍しい所に行けてはしゃいでいたのは分かるけどさ、曲がりなりにも高校生なんだしもう少し分別というものを身に着けるべきだと上条さんは思いますよ」

ローラ「あれ? なんでそのまま説教されたるの私? 自然と高校生扱いされたるは嬉しけれど、この状況純粋に理不尽なりよね?」

土御門「日頃の行いが行いだから仕方ないぜよ」

ローラ「おかしき。普段の私は敬虔なる十字教徒に、部下想いで優しき理想の上司の筈ならざるや……」

土御門「どの口が言うかにゃー……」


636 : (2/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:06:08.72 uMEAUGQo 206/325


ステイル「やれやれ、貴様はこんな寂しいちゃらんぽらん女一人の世話も任せて置けないのかい。使えない奴だ」

上条「あっ、てめえステイル! 俺にこの寂しいあんぽんたん女の世話押し付けてどこ行ってやがった!」

ステイル「べ、別にどこだって良いだろう! 僕だって日本に来るまでの間、この寂しいすっとこどっこい女の面倒をずっと見させられててうんざりしてたんだ! 少しくらい羽根を伸ばしても罰は当たるまい!」

ローラ「……先程より本人そっちのけで言われなき悪口雑言の嵐なるのだけれど」

土御門「言われは充分にあると思うにゃー」

小萌「はいはーい、ホームルームの時間なので皆さん席に戻っちゃってくださいねー」ガラガラ

上条「チッ、小萌先生も来たしこの話はまた後でだ」

ステイル「何を言っているんだい。この事でこれ以上君と話すこと等ない」

上条「なんだとこの不良神父」

ステイル「うん? やる気かい?」

小萌「こらーっ! 上条ちゃんもステイルちゃんもさっさと席につきなさいー!」

ステイル「っと、すまない、小萌――」

小萌「むむっ」

ステイル「――先生」

小萌「はい、よろしい」ニコニコ

ステイル(…………やれやれ)

ローラ「…………」


637 : (3/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:07:20.33 uMEAUGQo 207/325


ローラ「ステイル、教科書忘れしので見せるべし!」ガタガタ

ステイル「机をくっつけるな! っていうか今はホームルームだから教科書なんか使わないよ!?」

ローラ「ステイルのけちー」ブー

ステイル「けちとかそういう問題じゃないですよね今の!」

小萌「ローラちゃんにステイルちゃん、はしゃいじゃうのは分かりますけどお静かにお願いしますねー」

ローラ「はーい!」

ステイル「今の僕は悪くないと思うんだが……」

ローラ「ステイル君、怒られて恥ずかしきー(笑)」

ステイル「怒られたのは貴方のせいだからね!?」

小萌「もうっ! ステイルちゃんいい加減にして欲しいです!」

ステイル「あ、す、すまない小萌……」

小萌「…………」ジー

ステイル「……先生」

小萌「♪」ニコー

ステイル「…………はぁ」


638 : (4/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:08:39.63 uMEAUGQo 208/325


ローラ「ふーん。もうすっかり骨抜きにされたるのね」

ステイル「ほっといてくれ。頼むから」

ローラ「禁書目録の事はもうよきに?」

ステイル「……何のことだか分からないね」

ローラ「ほほぉ……」ニヤニヤ

ステイル(無視無視……)


小萌「あ、そうそう、上条ちゃんは昨日の分の補習を今日やりますからねー」

上条「うぐ、分かりましたー……」

小萌「ついでにローラちゃんのエスコートを途中でほっぽり出したらしいので罰として補習3割増しです☆」

上条「マジでっ!?」

小萌「マジですよー。与えられた責務を果たせなかったんですから当然です!」フンス

上条「不幸だ……」

ローラ「当然の報いなりけるのよ♪」


639 : (5/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:10:18.08 uMEAUGQo 209/325


~常盤台中学~


美琴(昨日の疲れがまだ残ってる……)ハァ

美琴(色々と濃い一日だったもんなぁ……)

美琴(…………)イロイロトオモイダシチュウ

美琴(…………!)ボンッ ←思い出してはいけない何かを思い出した

美琴(……! ……!)ブンブン ←忘れようと必死

美琴(…………)オチツイタ

美琴(結局、昨日はそのまま何事も無かったかのように別れたけど)


 美琴「あーあ、なんだって私ってばこんな奴の事好きなん――」

 上条「……え?」


美琴(アレ、聞こえてたのかな……)カァァ

美琴(…………)

美琴「ああっ! 気になるぅっ!!」ガターン!

教師「ひっ! な、なにが気になるの!?」ビクッ

美琴「……あ」ジュギョウチュウ


640 : (6/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:11:26.14 uMEAUGQo 210/325


美琴「い、いやその。ちょ、ちょっと分からない所がありまして……」

教師「そ、そうですか。どこですか?」

美琴「え、えっとぉ……ここなんですけど……」

生徒A(御坂様でも分からない事があるんですね……)ヒソヒソ

生徒B(意外ですわ。でもちょっぴり親近感が湧きますの!)ヒソヒソ

生徒C(そうですわ、御坂さんが分からない所一生懸命勉強してお近付きに……!)

生徒俺(JwCwだwらwけwwwwww天国wwwwwwww)

美琴「……………………」バチバチ


~~しばらくお待ち下さい~~


教師「あれ? 今見覚えの無い生徒がいたような気が……」

美琴「気のせいです。ささ、授業を進めて下さい」


641 : (7/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:12:21.63 uMEAUGQo 211/325


~放課後~


美琴(そうよ、気になるのなら確かめればいいのよ!)

美琴(って、事で)

美琴「まずは物資の準備よね……」イソイソ


642 : (8/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:13:26.54 uMEAUGQo 212/325


~某男子学生寮~


 ピンポーン

禁書「はーい! 今出るんだよ!」トテテテ

禁書「よいしょ」ガチャ

美琴「……やほ、こんにちはー」ヒラヒラ

禁書「あれ、みこと?」

美琴「えーっと、アイツ、居る?」ドキドキ

禁書「とうま? とうまならまだ帰ってないんだよ。多分まだ補習かも!」

美琴「そっか……。えっと、上がってもいいかな?」

禁書「別に構わないんだよ。それより、その荷物は……」ジー

美琴「あ、うん。お腹すかせてるかなって思って食材の準備はばっちりよ」ガサ

禁書「これだからみことは大好きなんだよ!」ガバー!

美琴「あ、こらインデックス! 危ないから離しなさいってば!」ジタバタ

禁書「みことの料理、とうまと違ってお肉たっぷりで最高なんだよ! あ、とうまの料理も大好きだけどね。もやしとかもやしとかもやしとか」

美琴「栄養失調かビタミン不足とかで死なないかしらねアンタ達……」ハァ


643 : (9/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:14:30.79 uMEAUGQo 213/325


禁書「なら、美琴が毎日やってきて料理作るといいんだよ!」

美琴「え? 毎、日ッ!?」ボンッ

禁書「みことなら大歓迎だよ!」ニコッ

美琴「あ、あはは……ありがとね」

美琴(そのつもりは無いんだけど……何だかすっかりこの子に餌付け出来ちゃったみたい)

美琴(まあ、大事の前の小事よ、ね?)タハハ…


禁書「ぷはぁ、おなかいっぱいなんだよ! ごちそうさま、みこと!」

美琴「ホント、アンタの食べっぷりったら見事の一言に尽きるわよねぇ……」

禁書「みことの料理が美味しいのが悪いんだよ! みことは罪作りなおんなかも!」

美琴「ぶっ!? 人聞きの悪い事言わないでよ!」

禁書「でも、本当の事だと思うよ?」

美琴「何がよ……」

禁書「んーん、なーんでもないんだよ」


644 : (10/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:15:23.99 uMEAUGQo 214/325


美琴「……はぁ。それにしてもアイツ、遅いわねー」

禁書「とうまが補習の時はいつもこんなもんなんだよ。補習が終わった後も色々不幸に巻き込まれてる事がほとんどだし」

美琴「そういえばそうね……」

美琴(メールの一つでも送ってみようかしら……いやでも、なんて送ればいいの?)ウーン

禁書「みこと、ちょっといい?」

美琴「え? 何、インデックス」

禁書「あのね……」モジモジ

美琴(? 何でこの子上目遣いで頬を染めてるのかしら?)

禁書「だ、大事な話が……あるんだよ」モジモジ

美琴「な、何……?」ドキドキ


645 : (11/11) ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/06 15:17:04.86 uMEAUGQo 215/325


上条「補習は根性で速攻終わらせた! 上条さん流石!」

上条「って自分で言ってて空しい……」ヒュルリラ

上条「…………」

上条(あっ、あの常盤台の制服は……!)

上条「違う、か……」

上条「…………」ハァ

上条(御坂、いないなー……)


 ミライメガケテー マッスグニトバソウー ハジケルオモイー


上条(ん? メール?)ピッ

上条「! 御坂からだ……!」


~つづく~


670 : ~1~  ◆MDOfmX8bYE[saga] - 2010/10/09 23:36:56.81 ky9sW6Mo 216/325


~とある男子学生寮~


上条「…………」

上条「御坂を探しうろついてたら、その御坂からメールが来て」

上条「何故か俺の部屋にいるってんで慌てて帰宅したわけですが」

上条「何故だろう、いつもの我が家が、妙に入りづらい……」

上条「」スーハー スーハー

上条「……よしっ、開k」

美琴「アンタそんなとこでなにやってんのよ」ガチャ

上条「」


671 : ~2~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:38:06.28 ky9sW6Mo 217/325


~上条ルーム~


美琴「まったく、着いたのならさっさと入ってきなさいよね」

上条「な、なんで俺が着いてる事分かったんだよ」

美琴「そりゃ、ドアの前で延々とブツブツ独り言言ってる怪しい人物がいれば嫌でも気付くわよ……」

上条「…………」ズーン

美琴(本当はドアに引っ付いてずっと来るの見張ってたとか言えない……!)

上条「あれ? インデックスは?」

美琴「あ、うん。い、インデックスならなんか散歩に行ってくるって猫連れて出てったわよ」

上条「へ? 確かこの時間ってアイツがいつも見てるカナミンだかの放送時間じゃなかったっけ?」

美琴「そ、そうだっけ? でも本当に散歩行っちゃったし……」


禁書「といいつつ実は隣の部屋に潜んでいるんだよ!」

土御門「急に尋ねて来たと思ったらインデックスも出刃亀かにゃー」

禁書「とうま安心して! カナミンはつちみかどに頼んで録画してもらってるから!」

土御門「俺も毎週見てるから問題ないぜよ! それより録画すれば見れるアニメよりも今聞けるこの2828展開優先だにゃー」ニヤニヤ

禁書「そのとおりなんだよ! 流石つちみかどかも!」ニヤニヤ


672 : ~3~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:38:36.11 ky9sW6Mo 218/325


美琴「何か悪寒が……」ブルッ

上条「奇遇だな、俺もそれを感じた所だ」ブルッ


上条「で、なんだ話って。わざわざ人んちに乗り込んできたからにはよっぽど重要な用なのか?」

美琴「え、あ……うん。とっても大事な事、なの」

上条「本当か? また何か事件に……」

美琴「話ってのはアンタの……当麻の事について」

上条「俺の……?」


673 : ~4~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:39:32.89 ky9sW6Mo 219/325


 つけっぱなしのテレビの音が騒がしく響く中。

 ゴクリ、と。目の前の少女が唾を飲み込む音が聞こえた。

 いや、それは錯覚だったかもしれない。少女の顔から胸元にかけてを注視していたから、喉が動いたのが目に入ったのだ。

 顔を真っ赤に染め、目元を潤ませ、唇をふるわせながら、少女が言葉をつむぐ。

「あ、あの……私は、アンタの、事が……」

 上気した頬が、焦点の合わない瞳が、濡れた唇が、目に入る。
 愛らしく、艶かしく、そして――


「――御坂」

「……え? あ……ッ!」


――何よりも、いとおしい。


674 : ~5~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:41:43.49 ky9sW6Mo 220/325


「御坂……悪い、その話の前に、俺の話を聞いてくれ」

「…………っ! ふぅ、う、うん……」


 細く、温かく、柔らかい少女の両肩を掴み、まっすぐとその茶色がかった目を見つめた。
 大きく息を吸い、なけなしの落ち着きを取り戻す。そして、噛み締めるように、言葉を紡いだ。

「御坂には、いつも怒られてばかりだった」

 電撃を撃たれたり、追い掛け回されたり。理不尽な事も多かったけど、今思えばそれさえ楽しかった。

「御坂には、いつも迷惑をかけてた」

 課題を手伝ってもらったり、突然電話越しにお願いをしたり。インデックスの面倒を頼んだ時も、文句を言いつつ最後まで付き合ってくれた。

「御坂となら、いつも笑えた」

 からかったりからかわれたり、下らない事で一緒に笑ったり。たとえ引き摺り回されるだけの買い物も、彼女となら楽しかった。

「それもこれも、全部感謝してるんだ。御坂には、どれだけ助けてもらったか」

 出会ってからのこれまでを思い起こしつつ、それが短い時間にどれだけ多く彼女との思い出があるか、改めて気付く。

「……って、違うな。こんな事を言いたいんじゃなくって、だから、その、俺は御坂を――」


675 : ~6~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:42:41.02 ky9sW6Mo 221/325


 言葉を重ねる前に、そっと細い指が唇に触れるのを感じた。少女を見ると、そっと首を横に振り、目を細めて言った。

「ありがと。アンタからそんな事言ってくれたの初めてだね。嬉しい」

 瞳の端から透明な雫が溢れ、少女の白くなめらかな頬をつたう。

「でもね、そっから先は、言わせて。他でもないあの子にああまで言われたんだもの」

 流れる涙を拭いもせず、まっすぐとこちらを見つめてくる。

「だから……」

 綺麗だな、と場違いな感想が浮かんだ。

「だから、私から言わせて」


676 : ~7~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:43:49.58 ky9sW6Mo 222/325


 窓の外で、遠くから飛行機の轟音が響いてくるのが聞こえる。

 それは、段々と近付いてきて、辺りの虫の音も、つけっぱなしだったテレビの音も掻き消し、そして。



「                    」



 少女の唇から紡がれた言葉は、しかし轟音の中でも少年に伝わった。

 対する少年の返答も、目の前の少女にしか伝わらない。

 そして、少年と少女はクスリと笑みを浮かべながら、そっと――


677 : ~8~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:44:26.29 ky9sW6Mo 223/325


 壁を隔てた隣では、上空の飛行機ががなり立てた轟音のせいで肝心の部分が聞き取れなかった二名が夜空に向かって中指を立てていた。
 轟音が通り過ぎた後、隣の部屋からは彼女らが聞きたいような内容の会話も音も一切聞こえて来ない。
 業を煮やした二人が無理矢理な口実を付けてその部屋に乗り込んだ時、そこには目的の二人のうち一人しかおらず、もう一人の目的である少女は、既に自らの寮へ帰還済みと聞き、落胆。
 さりとて、隣で盗み聞きしてましたとも言えず、遠回しに事実を聞き出そうにも、鈍感な少年からは何の証言も得られず仕舞い。

 そうして、出刃亀二人は煙に巻かれたまま、悶々とした夜を過ごすハメとなったのだった。


678 : ~9~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:45:34.42 ky9sW6Mo 224/325


「ただいま」

 部屋に帰るなり、ボフッとベッドに倒れこんだ。

「あら、お帰りなさいませ、お姉様」

 そんな美琴を、ルームメイトである黒子が笑顔で出迎える。そこにいつもと違う空気がまとわれている事に、彼女は気付かない。

「はー、疲れたぁ」

 大して、黒子は美琴の雰囲気がいつもと違う事を鋭く感づいていた。そしてその違和感の正体についてもおおよその見当をつけている。

「あらあら、お疲れでしたらお風呂先に使われますか? もう少しで湧く所ですのよ」

「ん。ありがとー。でももーちょっと後でいいわ」

「そうですか。ではお先に失礼させて頂きますわ」

 言って、黒子は着替えとタオルを抱え、バスルームのドアへ向かう。

「そうそう、その前に一つお聞きしたいことがありますの」

「ん? なによ」

 背を向けたまま、肩越しに振り返る。


「あの殿方へは、きちんと伝えられましたの?」


679 : ~10~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:46:41.35 ky9sW6Mo 225/325


 ピクリ、と肩を震わせ、美琴が反応する。ようやく黒子の雰囲気が常と違うことに気付き、怪訝な目線を向けてきた。

「黒子、それをアンタが聞いてどうするつもりよ?」

「あら、黒子が聞いてはいけない事でしたか?」

「……何か引っ掛かる言い方ね。何が不満なの?」

「不満だなんてとんでもないですわ」

 と、黒子が向き直り、真剣な表情を向けた。意外な反応に美琴も虚を突かれ、言葉を失う。その間隙を縫うように黒子が口を開いた。

「黒子は受け入れる事に致しましたの」

「受け入れる……?」

「はい」

 一つ、息を吸い、告げる。

「お姉様が、あの殿方を好きだという事を。そして、それこそがお姉様の幸せに繋がるという事を」

「黒子、アンタ……」

「黒子は、お姉様を愛しております。心より」

「…………」

「ですから……黒子は自らの気持ちを押し付けるのではなく、お姉様の幸せを全力でサポートする道を選びますの!」


680 : ~11~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:47:35.89 ky9sW6Mo 226/325


「黒子……!」

 じわ、と美琴の目に涙がにじむ。それを見て満足そうに黒子は微笑んだ。

(何も泣く事はありませんの! 黒子はお姉様のベストパートナーとして当然の事を宣言しただけですの!)

「こうしてお姉様の信頼を勝ち取っておけば、恋人は無理でも愛人くらいにはしてもらえますのグヘヘヘヘヘヘ!!」

「…………」


 常盤台女子寮に雷鳴が轟き、どこか喜色の混じった少女の悲鳴が響き渡った。


681 : ~12~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:49:42.31 ky9sW6Mo 227/325


「……じょ、冗談はどもかく、ですの」プスプス

「どこが冗談よ。真っ向から本気だったじゃない!」

「ともかく、ですの!」

 コホン、と咳払いで誤魔化した事にして、黒子がピッ、と美琴に指を突きつけた。

「それで、殿方さんとの決着は付きましたの?」

「うっ、や、やっぱり言わなきゃ、駄目?」

「当然ですの!」

「うぅ……」

 といいつつ、顔を真っ赤に染めて(しかもどことなく嬉しそうにニヤけて)いるのを見れば一目瞭然なのだが。

「で? 上条さんにはどこまで伝えましたの?」

「え、えと……」

「…………」ジー

「あ、あの……その……」

「……………………」ジーーー

「だ、だから……」



「明日、デートして下さいっ! って」



「……………………は?」

682 : ~13~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:50:38.32 ky9sW6Mo 228/325


「…………」

「…………今、何と?」

「う、うん。明日デートして下さいっ! って、伝えたの」

「で、でーと。だけ、ですの?」

「…………う、うん」

「…………そ、それで? 他には何か伝えましたの?」

「い、いや。そしたら、当麻が「いいぜ」って言ってくれて」

「…………」

「やっと、自分から素直に誘えたのよ! これってすっごい進歩じゃない!?」

「…………あ、あ」

「えへへへ、当麻とデート! 何をして遊ぼうかな? ショッピングとか、映画とか? 遊園地……はまだ早いかな、うーん」

「…………あ、あ、あ」



「アホですのおおおおぉぉぉぉっ!?」


 黒子の絶叫が再度響き、直後、二人の部屋のドアがバターンと勢い良く開いた。

 恐る恐る二人がドアに目を向けると、そこには眼鏡のフレームを鈍く光らせる化物が居て。


「白井。こんな夜中に騒ぐとはいい度胸だな……」

 冷え込むような笑みを浮かべていた。


 ゴキリ、と鈍い音と共に、今夜三度目の少女の絶叫。


684 : ~14~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:55:38.74 ky9sW6Mo 229/325


 痛む首根っこを抑えつつ、うんうん唸りながら眠りに付く後輩をそっと見つめ、美琴は布団を頭まで被って思考を沈ませる。
 そっと忍ばせた携帯電話を開き、暗闇に光るディスプレイを見つめながら、今日の出来事を振り返る。

 真剣な眼差しで、まっすぐ自分を見てくれる少年。
 その理由は、事件や事故に合った人を助ける時の彼の目に似ているが、それともちょっと違う、今日初めて見た彼の一面。
 その顔を、少女の為だけに向けてくれた事、その事が美琴の胸をいっぱいにし、ニヤけそうになる顔をぐにぐにと捻ってほぐす。


 あの後、少年から届いた、明日のデートについて話し合った数件のメール。
 もう頭の隅々まで焼き付いて、一言一句も全て覚えてるのに、何度も見返し続けても飽きない。
 少年が、少女の為に一生懸命考え、言葉を選んでいるのが伝わってくる、彼らしい不器用な文面。

 それを眺めながら、自然と左手は唇を撫でていた。
 まるで、まだそこに心地よい感触が残り、その余韻に浸っているかのように。

「ごめんね、黒子。本当の事話せなくて……」

 ポツリと漏らす呟きはか細く、同室の後輩にも届かないボリュームで。

「だってアレは、私と当麻、二人だけの……」

 ブブブ、とバイブレーションモードで携帯電話がメールの着信を知らせる。
 メール本文を開き、少女はまた幸せそうに微笑んだ。


685 : ~14+1~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:57:48.87 ky9sW6Mo 230/325


~某駅前 ポチ公広場~



美琴「…………」ソワソワ

美琴(アイツ、じゃない当麻は……まだ、来ないよね)ソワソワ

美琴(っていうか、いくら楽しみだからって1時間以上前に着くとかどうなのよ私!)ズガーン!

美琴(…………ま、いいか)

美琴(当麻は……どうせ不幸とかに巻き込まれて、遅れるのよねきっと)

美琴(どうやって時間潰そう……!)ウーン

美琴「…………」チラッ

美琴「……ん? アレは、もしかして……!」


686 : ~14+2~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:58:41.91 ky9sW6Mo 231/325


介旅「な、なんだよお前達!」

不良1「なんだは無いだろ介旅クン?」

不良2「そうだよぉ、俺達と君の仲じゃないかぁ。うーん?」

不良3「分かったらさっさと金貸してくれよ。お前がしばらく入院してたせいで生活苦しくってさ~」

不良俺「お前幼女とか初春さんとか巻き込もうとしたろwwwww死刑wwwwwwwwww」

不良1「…………」

不良2「……お前、誰?」

不良俺「えっ」

不良3「えっ」

不良俺「なにそれこわい」

不良1「……やっちまうか、コイツ」

不良俺「うはwwwww暴w力w反w対wなんだよwwwwwww」


687 : ~14+3~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/09 23:59:53.84 ky9sW6Mo 232/325


※TAKE2


不良1「いいから金出せっつってんだよ! オラァ!」ブンッ

介旅「ぐあっ!」バキッ

不良2「おーおー、イタソぉー」

不良3「ほら~、素直に出さないから痛い目にあっちゃうんだよ~。バッカだね~」

介旅「…………い」

不良1「あ?」

介旅「お前らなんかに、出す金は無いっつってんだ!」

不良2「ンだとぉ?」

不良3「ふざけんなよ~? んな生意気通じると思ってんの~?」ドガッ

介旅「うぐっ! な、殴りたけりゃ殴れよ! そんな事されたって絶対出さないからな!」ヨロヨロ

不良1「てめぇ……いつからそんないっちょ前の口効くようになりやがった!」バキッ

不良2「能力も腕力もよわっちい癖によぉ。いきがっちゃってほんとムカつくわお前ぇ」ガシッ

介旅「ッ! うるさいな、関係ないだろ! ただ、能力の強弱とか腕力のあるなしとか、そういうのに依存するのは間違ってるって、ある人に教わったんだ!」

介旅「だからっ! お前らみたいに力にだけ頼って物事を思うようにしようとする奴には、絶対屈しない!」

不良3「てめぇ、相当死にたいらしいね~?」

不良1「分かったよ、それがお望みなら、叶えてやろうじゃねぇn」


美琴「おいっすー。楽しそうなことやってんじゃん、私も混ぜてよ?」

介旅「ッ!? あ、貴方は!」


688 : ~14+4~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:00:44.82 QMuJQOYo 233/325


不良1「あ? なんだお嬢ちゃん。舐めてんのか?」

不良2「おぉ、良く見ると可愛いツラしてるねぇ。何々、俺らと遊んでくれんのぉ?」

美琴「そうねー、遊んであげてもいいけど。一瞬で終わっちゃうからつまんないと思うわよ?」

不良3「ハッ! 面白いこという子だね~。出来るもんならやってみれば~?」

美琴「……丁度時間持て余した所よ。お望みとあらば……ね!」バリバリバリバリ

不良123「「「え?」」」


689 : ~14+5~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:02:02.72 QMuJQOYo 234/325


上条「…………」ソワソワ

上条(美琴は、まだ来てないよな……?)ソワソワ

上条(っていうか、楽しみ過ぎて1時間近く前に着くとかどうなんだ俺ー!)ズガーン!

上条(うーん、どうやって時間潰そう……)

上条「ん? アレは……?」


 ビリビリ ドカーン!


上条「…………」

上条「えー……」


690 : ~14+6~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:03:22.51 QMuJQOYo 235/325


不良123「」プスプスプス…

美琴「あ~あ、やっぱり一瞬で終わっちゃったわね。手加減したげたのにつまんない奴らねぇ」バチッ

美琴「んで、大丈夫?」

介旅「あ、は、はいっ! 全然へいきです!」ドキドキ

美琴「そう、良かった」ニコ

介旅「!!」ドキッ!

介旅(ま、まさかまた会えるなんて……御坂美琴さん!)

介旅(でも、僕の事なんて、おぼえて無いよな……)

介旅「あ、あの。僕なんかの為に、ありがとうございました!」ペコッ

美琴「んー、”なんか”の為とか卑下しないでいいんじゃない?」

美琴「……介旅初矢さん、だっけ?」

介旅「!!? ぼ、ぼくの、事……覚えて?」

美琴「あ、あはは、なんか偉そうに説教ぶっこいてブン殴っちゃった相手だからね。覚えてるわよ」


691 : ~14+7~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:04:39.28 QMuJQOYo 236/325


介旅「そ、そんな! 僕は貴方のあの言葉で、反省することが出来て……!」

美琴「そんな事ないよ。反省出来たって事は、元々アンタがそういう心根だったってだけ。私は余計なお節介をしただけよ」

介旅「でも、僕は風紀委員の人達や、下手したら一般人達を……」

美琴「……そうね。しでかした事は許せなかったし、だから私はあん時貴方をブン殴った」

介旅「…………はい」

美琴「だけどね。今のアンタは、カッコ良かったよ」ニコッ

介旅「!!!」ドキッ

美琴「不良どもを相手に、かないっこ無いって分かって、それでも屈しないで啖呵きって。今のアンタは、そういうカッコイイ奴になれたんでしょ」

介旅「そ、んな事……ない、です///」カァァ

美琴「過去は過去で背負ってかなきゃならないけどさ、今の立派なアンタをしつこく責め立てる必要は無いでしょ」

美琴「だからこの話はおしまい。今は今の話をしましょう?」

介旅「は、はい! ありがとうございます!」

美琴「だから、そんな畏まらないでよ……」

介旅「で、でも。御坂美琴さんは僕の心の恩人なんです!」

美琴「い、いや。そんな事そんなまっすぐな目で言われると……まいったな、照れちゃうよ……」

 ヒュゥゥ~

美琴「う、寒っ?」ブルッ


692 : ~14+8~  ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:05:11.12 QMuJQOYo 237/325



上条「……まーた、アイツは余計な事に首突っ込んでやがる」

上条「相手の男、誰だ? 良く知らんが美琴のファンみたいだな」

上条「あーあ、完全に心酔しちゃってるっつーか惚れ込んじゃってる目だな、アレは」

上条「まったく……」




上条「この天然フラグメーカー娘が……」


美琴「……くしゅんっ!」




~おわり~


694 : ◆MDOfmX8bYE[saga sage] - 2010/10/10 00:12:19.94 QMuJQOYo 238/325

という訳で、長々長々とお付き合い頂きました、
自分の妄想物語、これにて〆とさせて頂きます

思い付きと勢いで立てたこのスレ、当時はまさかこんなにも多くの反応を頂けるとは思ってもいませんでした
おかげでgdgdしつつ迷走しつつの拙いお話ながらも、こんなに膨れ上がりまして
ここまで読んでくださった方、レスを下さった方、皆さんのおかげです
徹頭徹尾独り善がり自分勝手なお話を続けていたにもかかわらず本当に感謝しても仕切れない……

以降、このスレをどうしようかというのは、ぶっちゃけ何も考えてません
とりあえずのとこ、質問とか疑問とか、ツッコミとか駄目出しとかあれば、出来るだけお答えしたく思います
何しろ>>1は構ってちゃんだからな!wwwwww

アイデアくれた方、ホントにありがとー!
全部を活かし切れなかったのは完全に自分の力量不足だよごめん!

【番外編】(後日談)に続きます。

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