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448 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 21:57:06 gIHIUKQ6 413/667

第9話 心をさらけ出して

~結界内部~
魔法使い「白夜だというのに、結界の中は本当に夜みたいです」

僧侶「結界で光が侵入できないのか、光がどこかに集められているから暗いのか」

魔法使い「どっちなんでしょうね。照明魔法……あれ?」

僧侶「もしかして、この中は魔法が使えないの?」

魔法使い「いえ、一瞬で消えたみたいです」

僧侶「つまり、光がどこかに集められているということね」

勇者「案外、極北の地に集められていたりしてな」

元スレ
勇者「ドーナツの世界?!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1380458466/

449 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:10:42 gIHIUKQ6 414/667

僧侶「極北に光がですか?」

勇者「南が白夜なら、北は極夜だ。ここが闇ならば、向こうは光と考えても良いと思うけどな」

僧侶「そうかもしれないですね」

勇者「そうだろ。みんな闇を恐れて、南側の調査ばかりしてきた。北側のことは、まだ何も分かってないしな」

僧侶「でもそれが正しいなら、何のためでしょうか」

勇者「光を集めて、世界に穴を開けるつもりかもしれない。ほら、ドーナツ世界と世界の終末が、両方同時に達成できるじゃないか」

僧侶「なるほど……。それならば、ハノイの塔の手数は調べておきたいですね」

勇者「そのためにも、極南の村の調査は心してかかろう」

僧侶・魔法使い「はい」

450 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:23:09 gIHIUKQ6 415/667


~極南の村~
魔法使い「人の気配はないですね。闇に包まれるまでは、ここも賑わっていたのでしょうか?」

僧侶「そうだね。賑わっていたら、カンガルーやエミューの料理が美味しい場所だったんだろうな。香草をたっぷり使って、焼いて食べるんです」

魔法使い「あぁ、美味しそう」

僧侶「この間は魔女さんがいたから、食べやすいお鍋にしたけど、焼いても最高だよ」

勇者「僧侶さん、今度みんなでバーベキューをしたいね」

僧侶「そうですね。帰ったら魔女さんを呼んで、四人で楽しみましょう!」

451 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:28:10 gIHIUKQ6 416/667

魔法使い「あっ、勇者さま!」

勇者「どうしたの?」

魔法使い「あそこの建物だけ、明かりが点いています!」

勇者「光属性の魔法が使えない場所なのに、明かりが灯っているのは怪しいな……」

魔法使い「どうしますか? 調べに行くんですよねえ」

勇者「どう考えてもワナだから、油断だけはしないようにしよう」

魔法使い「はい」

452 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:40:50 gIHIUKQ6 417/667

勇者「そういえば、二人とも精神感応の影響を受けてないよね」

魔法使い「言われてみれば、そんな気がしないです」

勇者「そこまで心配する必要はなかったのか?」

僧侶「魔女さんは、『中に入ると影響が強くなる』と言っていました。それは村の中ではなくて、建物の中なのかもしれませんよ」

勇者「となると、安直だけどあれだよな」

魔法使い「……ですよね」

453 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:46:10 gIHIUKQ6 418/667

僧侶「あの、勇者さま。光が届かない深海の話ですけど、光で獲物をおびき寄せて捕食する魚類がいるそうです」

勇者「えっ、そんな魚がいるの?」

僧侶「はい。あの光を見てしまった瞬間から、私たちはもう影響を受けているかもしれません」

魔法使い「あそこに向かっていることも、精神感応の影響ということですか?」

僧侶「勇者さまには、そんな覚悟もしておいてほしいです。私たちには女神の加護がないので、不審な行動をしないか注意しておいてください」

勇者「そうだな……」

454 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:51:02 gIHIUKQ6 419/667


魔法使い「どうやら、この旅館の一室から光が漏れているみたいですね」

勇者「そこに来いって意味なんだろうな」

魔法使い「行きます……よね?」

僧侶「きっとこの中に、賢者さんの遺体もあると思います」

勇者「この中に入ると、精神感応の影響が強くなるかもしれない。お互いに信じる気持ちを大切にしよう」

僧侶・魔法使い「はい」

455 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 22:56:15 gIHIUKQ6 420/667

ガラララッ


勇者「受付には誰もいないみたいだな」

魔法使い「でも、どこからか魔力を感じますよ」

僧侶「光が漏れていたのは、上の階ですよね」

勇者「行ってみよう」

魔法使い「何だか緊張してきました……」

勇者「どうやら、この部屋みたいだな。準備は良いか?」シャキッ

僧侶「はい……」

魔法使い「大丈夫です」

勇者「開けるぞっ!」

456 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 23:18:24 gIHIUKQ6 421/667

バタンッ!!


勇者「誰もいない」

僧侶「……ですね。寝具も何もないです」

魔法使い「僧侶さん、あの壁際にある物は何でしょうか?」

僧侶「迷路とソリティア……、神の遺産がどうしてこんな所に」

勇者「神の遺産?」

457 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 23:21:14 gIHIUKQ6 422/667

僧侶「はい。迷路は、世界でもっとも古いパズルなんです」

勇者「ありふれていて、そんな気がしないけどな……」

僧侶「入り組んだ洞窟などは、自然が作り出した迷路ですよね。それらは人類が誕生する前から、この世界に存在していました。だから迷路は、神の遺産として扱われているのです」

勇者「なるほど。じゃあ、迷路の意味は?」

僧侶「迷路は死を象徴していて、抜け出すことで復活を表しています」

勇者「死と復活か。入り組んだダンジョンなら、そうかもしれないな」

458 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 23:31:59 gIHIUKQ6 423/667

勇者「じゃあ、ソリティアというパズルは?」

僧侶「ソリティアは、一人で遊ぶパズルの総称です」

勇者「でも確か、ソリティアって、トランプじゃなかったっけ?」

僧侶「最近はトランプ遊戯のクロンダイクを、ソリティアとして認識している人が多いみたいです」
勇者「そうなのか……」

僧侶「これはペグ・ソリティアという由緒あるソリティアで、配置された駒を飛び越しながら取り除いていき、最後に一つだけ駒を残すことが出来れば成功となる盤上パズルです」

勇者「一つだけ残すと成功か……」

459 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/09 23:47:21 gIHIUKQ6 424/667

勇者「つまりこの部屋から出ることが出来るのは、最後に残った一人だけと言いたいのか」

僧侶「これらのパズルを解くと、そういう意味になりますよね」

勇者「じゃあ、解かなければ良いということか……」

僧侶「魔力が込められているので、そういう訳でもなさそうです」

勇者「それにしても、ここに神の遺産があるということは、この闇を作り出しているのは魔王ではなくて女神なのかもしれないな」

僧侶「女神……ですか?」

460 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 00:22:32 dyvHSL9. 425/667

勇者「極南の地にあるハノイの塔も、神の遺産なんだろ」

僧侶「はい」

勇者「そして結界に入れるのは、女神の加護がある者とそれに選ばれた者だけだ。女神が首謀者だと考えるのが、理にかなっていると思わないか?」

僧侶「だとしたら、世界を破壊しようとしているのは女神という事に……」


魔法使い「Envy」


僧侶「えっ?」

魔法使い「その迷路の答えです」

僧侶「これを解くと、文字が出るの?」

魔法使い「私はやっぱり諦められません! どうしても、勇者さまが好きなんです!」

勇者「その話はもう終わったはず。まさか、これが精神感応?!」

462 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 22:12:51 dyvHSL9. 426/667


魔法使い「風精霊召喚!」

僧侶「うぐぅ……」ドスッ


突風を引き起こし、僧侶さんを吹き飛ばす。
そして風の力で勇者さまを床に押さえつけた。


魔法使い「土精霊召喚!」


土精霊で壁を変形させ、僧侶さんを壁に磔にする。
そして、手首と足首に杭を打ち込んだ。

463 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 22:18:45 dyvHSL9. 427/667

僧侶「ぃやあぁぁっ!! 治癒魔法……」

魔法使い「刺さったままだと、治癒することは出来ませんよ」

勇者「ぐっ……、僧侶さんっ!」

魔法使い「魔力が尽きるまで、頑張ってくださいね。次は勇者さまです」


床を『∩字』に変形させ、仰向けに倒した勇者さまの手足を拘束する。
これで二人の自由を奪うことが出来た。
もう思うがままだ。

464 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 22:29:17 dyvHSL9. 428/667

魔法使い「勇者さま、もう離しませんよ♪ 勇者さまが大好きなんです、私の気持ちに応えてほしいんです!」

勇者「魔法使いちゃん……、僧侶さんに何てことを!」

魔法使い「どうして……。どうして、僧侶さんの心配をするの?」

勇者「魔法使いちゃん、精神感応に負けないでくれ! 僧侶さんを解放してくれ!」

魔法使い「私の気持ちだけに応えて! どうして、いつもいつも僧侶さんばかり見てるの!」

465 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 22:55:18 dyvHSL9. 429/667

魔法使い「勇者さまを射精に導いてあげたのは、私のほうが先なのに……。どうして、私じゃないんですか!」

勇者「あれはあくまでも学問として頼まれただけだし、僕は僧侶さんが好きだから!」

魔法使い「では、私のことは嫌いですか?」

勇者「そんなことはない。魔法使いちゃんのことは、大切な仲間だと思ってる」

魔法使い「嫌いじゃないなら、問題ありません。勇者さまを、いっぱい射精させてあげます! そうしたら、私の気持ちに応えてくれますよね//」

勇者「それは違うだろ。もっと自分を大切にしてほしい――」

466 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 22:58:39 dyvHSL9. 430/667

魔法使い「私を子供扱いしないで! 私だって、一人の女なんです。それを証明して、僧侶さんから奪い返してみせます!」チュッ

勇者「くっ、止めるんだ」

魔法使い「勇者さまぁ// ちゅっ、んっ、んんっ……」

僧侶「うぅっ……、魔法使いちゃん、そんなことはしないで!」

魔法使い「あぁ、私に興奮しているんだ。こんなに硬くなって、私の中に出したいんだ」さわさわ

勇者「僧侶さん……」

魔法使い「ふふっ、私が忘れさせてあげますよ」カチャカチャ

467 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 23:13:33 dyvHSL9. 431/667

勇者「魔法使いちゃん、止めるんだ。そんなの間違ってる!」

魔法使い「間違ってると言うなら、どうしてこんなに勃起しているんですか? 本当は早くしたいんですよね?」シコシコ

勇者「大地斬!」

魔法使い「ふふっ。剣がなければ、私が使役している土精霊は壊せませんよ」ヌギヌギ

魔法使い「ほらっ、勇者さまぁ。入れたいですか」


ショーツだけを脱ぎ、勇者さまの腰に跨がった。

468 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 23:27:17 dyvHSL9. 432/667

濡れた陰唇が、ぬるりと陰茎を包み込む。


魔法使い「あんっ……はぁっ、いぃ。僧侶さん、見てますか~?」クチュクチュ

僧侶「もう止めて! 今なら許してあげるから」

魔法使い「許してあげる? ふふっ、まだまだ元気ですね」

勇者「止めるんだ。そんなことをしても、魔法使いちゃんが傷付くだけだ」

魔法使い「そんな事ないです。あぁ……、好きぃ。勇者さま、勇者さまぁ//」ハァハァ

469 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 23:31:04 dyvHSL9. 433/667

勇者「頼むから、もう止めてくれ。これ以上は……」

魔法使い「射精しちゃうの? いいよ、出して。全部受け入れるから」

勇者「!!」

魔法使い「いっぱい気持ち良くなって、中にたくさん出してくださいね//」チュッ


腰を浮かせて、陰茎を手で直立させる。
そして、ゆっくりと腰を下ろした。
膣前庭に亀頭が触れ、嬌声が漏れる。


魔法使い「あぅん、もうすぐ一つになれる。勇者さまぁ、好きだよ//」

470 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 23:38:08 dyvHSL9. 434/667

僧侶「破壊魔法!」

魔法使い「いやあ゛ぁっ……」


両脚に激痛が走って、体勢を崩した。
すかさず、回復魔法で回復する。


魔法使い「痛いわねぇ! 邪魔をしないでよ!!」


顔を上げると、磔にしたはずの僧侶さんが自由の身になっていた。
どうやったのか分からないが、すべての杭が足元に落ちていた。

471 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/10 23:57:18 dyvHSL9. 435/667

勇者「破壊魔法って、まさか僧侶さんまで……」

魔法使い「どうやって、磔刑から逃れたの!?」

僧侶「さあ、どうやったのかしらね? これ以上は、魔法使いちゃんでも許しません。もう絶対に許さない!」

魔法使い「また私から、勇者さまを奪うの?」

僧侶「魔法使いちゃんには、勇者さまを渡しません!」

魔法使い「私もあなたを、勇者さまと二人きりになんて絶対にさせない!」


だからあの日、私は僧侶さんを二人きりにさせなかった。
告白するチャンスを与えなかった。

見つけられない、だまし絵のイルカ。
どんなに納得させようとしても、この気持ちはもう抑えきれない。

472 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 00:02:53 rjoHEwwQ 436/667

転移の羽を取り出し、天にかざした。

これを使えば、僧侶さんをエルグの村に飛ばすことが出来る。
そうすれば邪魔者がいなくなる。
勇者さまと思う存分、気持ちを確かめ合うことが出来る。


僧侶「転移魔法!」パッ

魔法使い「えっ……、しまった!」

473 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 00:17:18 rjoHEwwQ 437/667

僧侶「帰るのはあなたよ、魔法使いちゃん。もう役目は終わったの」

魔法使い「役目?」

僧侶「そう……、私があなたの同行を許したのは、勇者さまが私の身体目当てだったからよ」

勇者「冗談だろ……」

僧侶「だから優しく接して、いつも味方をしてあげて、あなたが帰らないようにしていたの。子供を連れて歩くことで、その気を起こさせないためにね」

魔法使い「じゃあやっぱり、私のほうが勇者さまに相応しいです!」

僧侶「いいえ、私は勇者さまを本気で好きになったの! その気持ちは、絶対に誰にも負けない!」

474 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 00:25:36 rjoHEwwQ 438/667

魔法使い「あなたは相応しくないです!」

僧侶「転移の羽はここにあるんだから、村に帰るのは魔法使いちゃんだよ」

魔法使い「いやだっ、風精霊召喚っ!」


空気の刃を転移の羽に放つ。
僧侶さんの右腕を切り裂きながら、転移の羽は舞い散った。
そして、込められていた魔力が霧散する。


魔法使い「転移の羽がなければ、私を村に帰すことは出来ないわ!」

僧侶「だったら、死ぬ覚悟が出来ているということだよね。即死魔法!」

475 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 21:51:09 rjoHEwwQ 439/667

勇者「僧侶さん、やめろっ! そんなことをしたら取り返しがつかなくなる!」

魔法使い「いやああぁぁあっっ……」


ブレスレットに加工されている賢者の石が、一つ砕けた。
契約者である私の修復を行い、新しい命を吹き込む。

そして、また一つ砕ける。
次々と命が消えていく。

476 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 21:54:35 rjoHEwwQ 440/667

魔法使い「……治癒魔法!」


エメラルドの魔力と賢者の石を活用して、必死に治癒魔法を詠唱した。

まだ傷を治すことは出来ない。
だけど生体エネルギーを増幅させれば、即死魔法を防御することが出来るかもしれない。

効果があったのか、少し身体が楽になった。

477 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:07:45 rjoHEwwQ 441/667

僧侶「そんなことをしても無駄よ。絶対に勇者さまは渡さないから!」

魔法使い「土精霊……召喚!」


建物の壁から土を集め、太めの石槍をイメージした。
そして、それを床から突き上げる。

脚と脚の間。
僧侶さんの女性器めがけて、石槍を突き上げる。


僧侶「あ゛あ゛あああぁぁっ!!」


膣口を強引に破り、濡れていない膣を血塗れにしながら突き進む。
さらに子宮口を切り開き、子宮を押し広げた。

478 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 22:40:59 rjoHEwwQ 442/667

激痛に絶えられず、僧侶さんがもがく。
しかし、もがけばもがくほど石槍は子宮を傷付ける。

集中力を失ったのか、即死魔法が止まった。


魔法使い「ゼェゼェ……、僧侶さんにはそれがお似合いよ」

僧侶「……治癒魔法」

魔法使い「そんなことをしても無駄ですよ。それに今度は、重くて転移魔法でも動かせないですよね」


僧侶さんの生体エネルギーを読み取る。
出血は止まっているが、内性器は傷付いたままだ。
激痛は消えず、未だにもだえている。

479 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 23:17:14 rjoHEwwQ 443/667

僧侶「う゛う゛うっ!!」


脚が振るえ、膝が折れた。
それにより腰が下がって、石槍が子宮を貫く。
そしてそのまま、僧侶さんはズブズブとへたり込んだ。


僧侶「いやあ゛あ゛あああぁぁっ!!」


石槍の先端に、体重が圧し掛かる。
そして、体内を斬り裂きながら進んでいく。

消化管を斬って押しのけ、突き破る。
動脈を斬り、肉を斬り、体腔を血で満たす。
最後に心臓と肺に穴を開け、石槍は背骨で止まった。

480 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/11 23:57:46 rjoHEwwQ 444/667

体内に一本の串が通り、僧侶さんは苦悶の表情を浮かべながら脱力した。


その瞬間、装身具が二つ壊れたのを感じた。
修復魔法と蘇生魔法の装身具だ。

そしてまた、何かの魔法が発動して一つ壊れた。
どうやら、神経系の魔法のようだ。

481 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 00:00:23 7T8/Xw3w 445/667

僧侶「げほっげほっ、ううっ……」

勇者「僧侶さん!! 魔法使いちゃん、もう止めてくれ! 止めてくれ……」

魔法使い「勇者さまは、そこで待っていてください。終わったら、続きを楽しみましょ♪」

魔法使い「さてと、僧侶さん。奥の奥まで、入っちゃいましたよ。すごくエッチです//」

僧侶「…魔法使いちゃん……」

魔法使い「ゆっくり動かしてあげますから、たくさん気持ち良くなってくださいね♪」

482 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 00:36:42 7T8/Xw3w 446/667

魔法使い「土精霊!」

僧侶「あ゛あぁっ……んんっ。蘇生修復魔法」


石槍に笠状の刃を増やし、伸縮を繰り返した。

内臓を引き千切り、
卵巣と子宮に刃を刺して、そのまま押し潰す。
さらに血液と腸の内容物を、ぐちゃぐちゃにかき混ぜる。

しかし、それらは修復魔法で正常な位置で再生する。
腸内環境も、適正に管理されているようだ。

483 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 00:40:55 7T8/Xw3w 447/667

それを私は、再び破壊する。
肺と心臓に石槍を刺し、
卵巣と子宮を壊すために、石槍を引いて押し潰す。


僧侶「はうっ……」

魔法使い「あはは。身体の中、いっぱい濡れてきたね」

僧侶「もう…やめ……」

魔法使い「あなたが妊娠するなんて、絶対に認めない! 勇者さまと愛し合うのは、絶対に私なんだから!」

487 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 18:47:05 7T8/Xw3w 448/667

やがて赤黒い汚物が、膣から掻き出されるようになった。
ついに、体内の再生が間に合わなくなったのだ。


僧侶「うぐっ……、んっ」

魔法使い「もう逝きそう? いつでも逝っていいよ」グチャグチャ

僧侶「魔法使いちゃん……」


もうすぐだ。
もうすぐ、僧侶さんを殺せる。
勇者さまと二人きりになれる。

488 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 19:21:56 7T8/Xw3w 449/667

魔法使い「早く逝っちゃえ、逝っちゃえっ!」


膣から、子宮や卵巣の肉片がはみ出る。
そして掻き出された汚物が、床を汚していく。
力無く、僧侶さんが笑みを浮かべた。


僧侶「…魔法使いちゃん……、もう気が……済んだ?」

ぐちゃぐちゃ.....

僧侶「私の背中を……押したこと、ずっと後悔していた……んでしょ。だから、こん……な殺し方をするんでしょ?」

魔法使い「何を言いたいの?」

ぐちゅ....

僧侶「本当は、もっと簡単に私を殺せるのに――」

489 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 20:15:58 7T8/Xw3w 450/667

魔法使い「私は本当は、二人の愛を受け入れるつもりでした。だけど、違ったんです。魔女さんが言ってましたよね」


『呪術的な影響じゃないか』って――。

魔法使い「それで分かったんです」

僧侶「……分かった?」ゼェゼェ

魔法使い「僧侶さんが告白した日、私が寝た振りをしている可能性に気付いていましたよね。それなのに、勇者さまと何度も何度も激しく交わりました」

魔法使い「それは、私に見せ付けたかったからじゃないんですか!」

僧侶「それは……」

490 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 20:24:32 7T8/Xw3w 451/667

魔法使い「僧侶さんの愛は偽りです! あなたは、私から勇者さまを奪いたかっただけなんです。見せ付けたかっただけなんです!」

僧侶「奪ったことは認めるわ……。一線を越えようとしている魔法使いちゃんに、私は我慢することができなかったの」

魔法使い「それが呪術の影響、偽りの愛の証拠じゃないんですか? あなたは交わる姿を見せつけたかっただけなんです」

僧侶「違う、違うっ……。睡眠魔法は負担が大きくて――」

魔法使い「同じことよ! 絶対に許せない。だから、淫らなあなたに相応しい殺し方をするんです!」

491 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 20:40:14 7T8/Xw3w 452/667

僧侶「魔法使いちゃん……。どうしても許せないなら、本気で私を殺せば良いわ。修復魔法の装身具は、これが最後だから……」

僧侶「魔法使いちゃんの気持ちを知っていたのに、勇者さまを奪ってごめんなさい」


そう言うと、僧侶さんの装身具が砕け散った。
修復魔法が解放され、石槍をよけて臓器が再生していく。

それと同時、何かの魔法が発動して装身具が砕け散った。


僧侶「……でもね、私は勇者さまを本気で愛してるの!」

魔法使い「それは偽り!」

僧侶「いいえ! その気持ちだけは、誰に何と言われても絶対に譲れない! だから、魔法使いちゃんに許してほしいのっ!」

魔法使い「それなら、私はあなたを殺します! そして、勇者さまを返してもらいます!」

492 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/12 20:52:44 7T8/Xw3w 453/667

魔法使い「土精霊、もう逝っちゃえ!!」

僧侶「ふふっ……」

魔法使い「えっ?!」


なぜか、土精霊の使役が出来ない。
まさか……、この違和感は封印魔法?!


僧侶「精神感応対策で、沈静魔法と修復魔法の装身具を使い切ったときに、魔法使いちゃんに対して封印魔法が発動するようにしていたの。だからもう……」

魔法使い「あはは、そんなことをすると石槍は抜けませんよ! だから、内臓を正常に修復することは出来ない。僧侶さんは必ず死にます!」

僧侶「そうかなぁ……」

魔法使い「そうです!」

僧侶「魔法使いちゃん、ごめんね。私を許してくれないなら、殺すしかないよね。即死魔法!!」

495 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 21:43:14 Kk0FG4jk 454/667

魔法使い「!! いやあぁぁっっ……」


生体エネルギーと魂が削り取られ、もだえながら崩れ落ちた。
魔法を封じられているので、治癒魔法を使えない。

命が尽きて、賢者の石が一つ砕けた。
そして、また一つ砕ける。
絶望的な速さで、賢者の石が砕けていく。

これがすべて砕けたら、本当に死んでしまうのかな……。

そうなる前に、僧侶さんを殺さないと!


魔法使い「殺す! 殺す、殺す、殺す……」

496 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 21:49:41 Kk0FG4jk 455/667

魔法が使えなくなったときのために、装身具に四大精霊を宿している。
水精霊と土精霊を解放すれば、僧侶さんを確実に殺せるはずだ。

全身の血液や細胞を凍結させれば、瞬時に生命活動を奪うことが出来る。
そして体内の石槍で、身体を粉々に砕いてしまえばいい。
そうすれば、どんな魔法でも蘇生することは出来ない。

顔を上げ、攻撃目標を見定めた。
すると、僧侶さんは泣いていた――。

497 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 22:07:39 Kk0FG4jk 456/667

魔法使い「どう……して…………」


目が合うと同時、僧侶さんが微笑した。
即死魔法の勢いが衰え、少し身体が楽になる。
もしかして、魔力が尽きてきた?!


僧侶「……いいよ。しな……ないで」

魔法使い「……えっ」

498 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 22:16:09 Kk0FG4jk 457/667

死なないで――。
その言葉と涙に戸惑った。


僧侶さんは、精神感応に支配されているのに謝ってくれた。
殺そうとしている私を、気遣ってくれた。

こんなときでも、
僧侶さんは私を想ってくれている。

それなのに、
私は何をしているのだろう――。

499 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 22:36:17 Kk0FG4jk 458/667

・・・
・・・・・・

天使『どんな理由があろうとも、命を奪うことは未来を奪うことだ。魔法使いちゃん、ただの村娘に過ぎないキミに、その犠牲を背負う覚悟があるのかい?』

魔法使い『無益な殺生で命を奪うことは、絶対にするべきではないです。だけど身を守るために、やむを得ない場合もあると思います。私は、命を無価値なものにするつもりはありません!』

500 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 22:42:04 Kk0FG4jk 459/667

・・・
・・・・・・

天使『魔法使いちゃん、苦しい思いをさせてごめんね。命が命で繋がっていることは、絶対的な真実だ。だからこそ命を奪う重さ、奪われる苦しみを知っておいてほしかったんだ』

魔法使い『は、はい……』

僧侶『魔法使いちゃんを殺しておいて、「命を奪われる苦しみを知っておいてほしかった」とか、勝手なことを言わないでください!』

・・・
・・・・・・

僧侶『欠損した身体の修復はさらに高度な魔法だし、蘇生魔法があっても人の命は一つしかないということは忘れないでね』

501 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 22:56:17 Kk0FG4jk 460/667

殺さなければ、殺される。
だけど、本当にそれでいいの?
私は、僧侶さんを殺してもいいの?


・・・
・・・・・・

僧侶『殿方と愛し合い、そして結ばれて、私たち女性は新しい命を授かります。だから……』

僧侶『これを矢に見立てれば、ほらっ♪ ハートに矢が刺さって、とても素敵ではないですかぁ//』

502 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 23:00:35 Kk0FG4jk 461/667

・・・
・・・・・・

勇者『今まで魔法使いちゃんを逃がす方法を考えていたけど、それだけじゃ駄目なんだよ。彼女の未来のためにも、三人で一緒に帰ろうな』

僧侶『はいっ。魔法使いちゃんと話したいことが、これからいっぱい増えそうですしね』

僧侶『魔法使いちゃん、こんな私だけど応援してくれますか? 魔法使いちゃん、本当にありがとう。これからも一緒に旅をしようね』

503 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 23:02:23 Kk0FG4jk 462/667

・・・
・・・・・・

僧侶『魔法使いちゃん。新しい命を宿すのは素敵なことだし、私たちも愛し合える殿方と出会って授かりたいものですね』

魔法使い『はいっ』

504 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 23:10:39 Kk0FG4jk 463/667

私は勇者さまが好きだ!

それでも、私は……僧侶さんを選ぶ。
僧侶さんが幸せだと、私もうれしいから。
僧侶さんはこの旅で、愛し合える殿方に出逢えたのだ――。

二人の幸せを、
ううん、私たち三人の幸せを壊したくないっ!

505 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 23:18:17 Kk0FG4jk 464/667

魔法使い「……土精霊、解放します!」


その言葉と同時、土精霊を宿していた装身具が崩れ落ちた。

勇者さまの拘束を解き、僧侶さんの石槍を取り除く。
ちらりと視線を交わすと勇者さまは頷き、僧侶さんの元へと駆け出した。

506 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/13 23:24:48 Kk0FG4jk 465/667

あぁ、やっぱり……。
やっぱり私と勇者さまは、心が繋がっている。

愛や恋ではないけれど、私のことを信じて想ってくれている。
それだけで十分だったはずなのに――。

勇者さまが、僧侶さんを抱きしめた。
僧侶さんは艶やかに微笑み、背中に腕を回す。

その瞬間、最後の賢者の石が砕け散った。
そしてそのまま、私の意識は遠退いていった。

511 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 20:10:42 HTPSCM1k 466/667


僧侶「う……うぅん」

勇者「僧侶さん、気がついた?」

僧侶「ま、魔法使いちゃんは?!」

勇者「大丈夫、気を失っているだけだから」

僧侶「大丈夫って……、昏睡状態じゃないっ!」

勇者「昏睡?!」

僧侶「そ、蘇生魔法! お願いだから、死なないで。死なないで……」

512 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 20:19:32 HTPSCM1k 467/667

僧侶「!!」


魔法使い「……、僧侶…さん」

僧侶「良かった、目が覚めてくれて……」

魔法使い「私、助かったんだ……」

僧侶「魔法使いちゃん、賢者の石は?!」

513 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 20:27:55 HTPSCM1k 468/667

魔法使い「あ……、ゴム紐だけになっちゃいましたね」

僧侶「そんな……、うそでしょ。賢者の石が全部砕けるなんて、私は何回殺してしまったの!?」

魔法使い「僧侶さん、私は死んでないから。大丈夫ですから……」

僧侶「大丈夫って、石の数だけ殺されたってことなのよ!」

魔法使い「賢者の石は砕けてしまったけど、私は生きています。もう、それだけで十分です」

514 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 21:02:42 HTPSCM1k 469/667

僧侶「また、そうやって我慢するの? 私のこと、本当は憎いはずでしょ」

魔法使い「我慢なんてしていません。僧侶さんは精神感応の影響を受けていても、私のことを想ってくれていました。そんな人を、どうして憎むことが出来るんですか?」

僧侶「私は魔法使いちゃんを殺したのよ」

魔法使い「私のほうこそ、取り返しの付かないことをしてしまいました。どんなに償っても、償いきれないです……」

515 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 21:08:26 HTPSCM1k 470/667

僧侶「好きな人を奪われて、さらに見せ付けられて……。ずっと辛かったんでしょ」

魔法使い「私は本当に、二人の愛を受け入れるつもりでした。それなのに、私はあんなに残酷なことを――」

僧侶「魔法使いちゃん……」

魔法使い「私は僧侶さんを許します。私は、私を想ってくれている僧侶さんが好きなんです。だから、幸せになってほしいんです!」

516 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 22:04:23 HTPSCM1k 471/667

僧侶「勇者さまは、私を嫌いになりましたよね。醜悪で愚かな姿を見せてしまったから……」

勇者「僧侶さんは、精神感応に支配されていたんだろ。僕は僧侶さんを、絶対に大切にするから」

僧侶「私は、魔法使いちゃんを殺しました。勇者さまに相応しくないです」

勇者「僧侶さんは魔法使いちゃんのこと、精神感応で引き出された歪んだ狂気と、さっきの本心から出た言葉、どっちを信じるんだ?」

僧侶「それは……」

勇者「自分ばかり責めるんじゃなくて、もっと魔法使いちゃんの気持ちと向き合えよ!」

517 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 22:10:21 HTPSCM1k 472/667

勇者「正直言って、殺し合う二人の姿を見ていることがつらかった。だけど二人は、それ以上の信頼関係を築いていたんだなと感じた。だから、精神感応に打ち勝てたんだろ」

勇者「ありのままの姿をも受け止めることが出来たなら、それだけ僕たちの絆は固く繋がることになるんじゃないかな」

魔法使い「私もそう思います。お互いに本音をさらけ出して、それでもまた向かい合うことが出来たのだから、賢者の石を消費しただけの価値があると思います。それで良いじゃないですか」

僧侶「……」

518 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 22:41:54 HTPSCM1k 473/667

勇者「魔法使いちゃん……。今回のことで、僕は魔法使いちゃんの気持ちを軽んじていたと思い知らされた。普段通りに接することが、正しいと思っていたんだ」

魔法使い「私は勇者さまが好きです。だから以前は、愛し合う二人を見て嫉妬していました」

魔法使い「でも今は、温かい気持ちになれるんです。幸せそうだなって」

勇者「幸せそう……」

魔法使い「だから私は、今まで通りに接してほしいです。気持ちの整理を、ちゃんとしますから。さっきの事は、すみませんでした」

勇者「そっか……、分かったよ。これからも、よろしくね」

魔法使い「はいっ//」

519 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 22:49:21 HTPSCM1k 474/667

魔法使い「僧侶さん。私がしたことを許してくれるなら、私は私たち三人の幸せを大切にしたいです」

魔法使い「これからも仲間として、大切な友人として一緒にいてほしいです。本当にごめんなさい!」


僧侶「いつの間にか、こんなに大きく成長していたんだね……」

僧侶「魔法使いちゃん、本当にごめんなさい。そして、ありがとう。ありがとう……」

魔法使い「ふふっ♪」

520 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 22:51:19 HTPSCM1k 475/667

僧侶「勇者さま、こんな私でも好きでいてくれますか?」

勇者「言っただろ、僕は僧侶さんを絶対に大切にするって。二人で一緒に、幸せな未来を築いていこうな」

僧侶「はいっ、勇者さまのことが大好きです!」チュッ

魔法使い「いつか私も、愛し合える殿方に出逢いたいな//」

僧侶「魔法使いちゃんなら、素敵な人が見つかるよ」

魔法使い「そうかなぁ」

僧侶「うん、絶対に大丈夫だよ」

521 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/14 23:17:47 HTPSCM1k 476/667

勇者「ところで、魔法使いちゃん……」

魔法使い「何ですか?」

勇者「そろそろ、何か着てほしいんだけど……」

魔法使い「わわっ// 脱いだままなの忘れてたぁ!」

勇者「いつ気付くのかなと思っていたけど、忘れてたんだ……」

魔法使い「もう、いつまで見てるんですか! さっきの続きは、僧侶さんとして下さいね//」

勇者「はは……」

524 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 19:40:15 mOOSMWJY 477/667


僧侶「勇者さま、着替え終わりました」

勇者「身体は大丈夫?」

僧侶「はい、もう大丈夫です。心配してくれてありがとうございます//」

勇者「そっか、良かったよ」

僧侶「欠損した卵胞も回収して本気で治癒したし、私は天使にその実力が認められた女僧侶ですから。だから、その……」

525 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 19:48:40 mOOSMWJY 478/667

勇者「んっ?」

僧侶「私と勇者さまの、元気な赤ちゃんを産めますから//」

勇者「そっか、子供かぁ」

僧侶「はい。だから、安心してください」

勇者「今度、二人で落ち着いて話をしような」

僧侶「はい、勇者さま♪」

526 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 19:58:36 mOOSMWJY 479/667

勇者「じゃあ、精神感応の被害状況を確認しておこうか」

魔法使い「私は、転移の羽と賢者の石を失いました。もう逃げられません。それと、土精霊の装身具を解放しました」

僧侶「私は魔法使いちゃんからネックレスを借りて、魔力の回復中です。用意した装身具も残り少ないです」

勇者「やっぱり、魔法使いちゃんが一番の問題だよな」

僧侶「そうですよね……。こんな形で転移の羽を失うとは、全然考えていなかったです」

魔法使い「すみません」

527 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 20:09:38 mOOSMWJY 480/667

勇者「そのおかげで、みんなで帰れる訳だし。ポジティブに考えようよ」

魔法使い「はいっ」

勇者「とりあえず今回のことは、かなり重要な情報となるはずだ。それを持ち帰ることを優先させたい」

僧侶「という事は、もう帰るのですか?」

勇者「精神感応の原因は、神の遺産だろ。その魔力を解放してハノイの塔を確認したら、結界内から離脱しようと思う」

僧侶「そうですね。一度戻って、態勢を整えましょう。では、パズルを解きますね」

528 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 20:32:40 mOOSMWJY 481/667

僧侶「この迷路を解くと、『Envy』という文字が浮かび上がるみたいです」

勇者「固有言語みたいだけど、意味は分かる?」

僧侶「はい。七つの大罪の一つで、これは『嫉妬』です。何だか、作為的なものを感じます」

魔法使い「つまりその迷路は、私の嫉妬心を煽るために用意されたということですか?」

僧侶「そうかもしれないわね。それが私たちに対して有効な攻撃手段として、精神感応の媒体になっていたのだと思う」カチャカチャ

魔法使い「私たちが来ることを知っていて、神の遺産を用意出来るのは……」

勇者「女神しかいないだろうな」

529 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 22:08:08 mOOSMWJY 482/667

僧侶「そうなると、精神感応はなくならないことになりますよね」

魔法使い「あっ! この迷路が私たちに対して用意されたのなら、魔女さんたちが来たときも、魔女さんたちに対して迷路が用意されたことになります!」

勇者「つまり、このパズルの魔力を解放しても、次の部隊が来たら、それに対して新しい迷路が用意されるということか」

僧侶「……はい。精神感応はなくなりません」

勇者「そうか……。精神感応が消えないと分かっただけでも、部隊編成に有効な情報だよ」

530 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 22:13:48 mOOSMWJY 483/667

僧侶「そもそも、女神は何をしたいのでしょうか? 精神感応の目的が不明です。あっ、ソリティアが完成しました♪」

勇者「精神感応で殺し合わせる目的か。何がしたいんだろ」

魔法使い「そういえば、天使さんが私たちのことを『試される者』と言ってましたよね」

勇者「精神感応で、何かを試しているのかな」

531 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 22:24:00 mOOSMWJY 484/667

??「あらあら、駄目じゃない。ここで生き残れるのは一人だけなんだよ。さあ、裁きの続きを始めましょうか!」


声がした場所を見ると、魔法使いちゃんが立っていた。
いや、魔法使いちゃんと同じ服を着た何者かだ。


勇者「お前は何者だ!」

??「私はここを管理する者です。変身魔法、洗脳魔法!」

魔法使い「えっ……。いやっ、いやあ!」


魔法使いちゃんの悲鳴と同時、障壁魔法で闇のカーテンが作られる。
次の瞬間、魔法使いちゃんが消失した。

そして闇のカーテンが外されると、そこには二人の魔法使いちゃんが立っていた。

533 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 22:42:07 mOOSMWJY 485/667

魔法使い『勇者さま御一行の絆をあまく見ていたわ。まさか、精神支配を乗り越えてしまうなんてね』

勇者「お前たちの目的は何なんだ!」

魔法使い『君たちと問答するつもりはない』

僧侶「魔法使いちゃん!」

魔法使い『君たちにとって、この子は特別な存在だよね。何があっても死なせられない。だから、そこに弱点が生まれる』

魔法使い『さあ、私だけを選んで殺すことが出来るかしら? 見せてもらうわ!』

僧侶「そんな、やっと心から分かり合えたのに……」

勇者「精神感応といい、なんて卑劣なんだ」

534 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 22:54:46 mOOSMWJY 486/667

いつの間にか用意されていたナイフを抜き、二人が勇者さまに切りかかった。

接近戦を選ぶのは、剣で殺されることが出来る間合いに入るためかもしれない。
そして、本物の魔法使いちゃんが殺されることを期待しているのだろう。

突き出される二本のナイフを、勇者さまが両手でいなす。


勇者「魔法使いちゃん、止めるんだ!」

魔法使い『あはは、あははははは』

勇者「ぐっ!」


魔法使いちゃんのナイフが、勇者さまの腕を掠めた。
さらにもう一方が、鎧の隙間を的確に狙って刺し込んだ。

535 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 23:05:53 mOOSMWJY 487/667

魔法使いちゃんは、体術全般が苦手だ。
だから、鎧を狙ったほうが偽者かもしれない。

しかし両者とも、勇者さまにナイフを当てることが出来ている。
やはり、ナイフ術で特定することは困難だ。


僧侶「勇者さま! 防御魔法、回復魔法!」

勇者「僧侶さん、ありがとう」

536 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/15 23:14:58 mOOSMWJY 488/667

魔法使い『ほらほら、殺さないと殺されるよ。勇者さまに、仲間を斬る覚悟はあるのかな?』

勇者「くっ……」


シュンッ
しかし、剣は空を斬る。


魔法使い『しっかり狙わないと、私は倒せないよ』

勇者「無理だ……。魔法使いちゃんを斬れるわけがない」

539 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 16:26:15 rETjP0.6 489/667

勇者「僧侶さん! どっちが魔法使いちゃんか、魔法で分からないか?」

僧侶「そんな都合の良い魔法は――」

勇者「人以外に治癒魔法を使えないなら、それで識別が出来るだろ」


魔法で識別する。
どうして、そんな簡単なことを思い付かなかったのだろう。

精神を集中させ、二人の生体エネルギーを読み取った。

540 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 16:32:27 rETjP0.6 490/667

左手側を攻めているのは、人間。
生体エネルギーの分布は、魔法使いちゃんだ。

という事は、
右手側を攻めているのが偽物だ。


……えっ?!


僧侶「勇者さま、無理です……」

勇者「無理?」

541 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 16:38:33 rETjP0.6 491/667

僧侶「はい……、どっちも本物なんです。正真正銘、本物の魔法使いちゃんなんです!」

勇者「そんなバカな!」

魔法使い『ふふっ、遺伝子レベルで同じ身体に変身する魔法。服は有り合わせだけど、まるっきり同じだから見分ける術はない!』

僧侶「でも人と同じ状態なら、私の魔法が届きます!」

魔法使い『また私を殺すの? もう賢者の石がないのに……』

僧侶「あぁっ……」

魔法使い『あはは、君たちは私を殺せない。精神支配を乗り越えるほどの絆のせいで、私に殺されるのよ。いいわ、いいわぁ』

542 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 16:59:02 rETjP0.6 492/667

勇者「そうだ、僧侶さん! 二人に魔法が効くなら、眠らせれば良いじゃないか」

僧侶「でも……」

魔法使い『ほらほら、よそ見をするなんて余裕だね』

勇者「くっ……」



精神感応系の魔法は、身体への負担が大きい。
だけど、今は非常事態だ。


僧侶「……、分かりました。睡眠魔法!」


しかし、睡眠魔法は効かなかった。

543 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 17:10:02 rETjP0.6 493/667

僧侶「どうして?!」

魔法使い『あはは。確かに君は、人間の域を超えているわ。だけど、所詮は人間なのよね。私の精神支配には勝てない』

勇者「だったら、僕が取り押さえるまでだ!」

魔法使い『捌くだけで手一杯のあなたが、二人同時に? 仮にそれが出来たとして、どうやって私だけを拘束するの?』

勇者「それは後で考える!」

魔法使い『分かってないのね。洗脳魔法は、身体や脳への負担が大きいの。だから私を殺さないと、この子は死ぬ』

544 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 17:14:44 rETjP0.6 494/667

勇者「死ぬって、冗談だろ……」

僧侶「恐らく、本当だと思います」


拘束しただけでは、魔法使いちゃんを特定できない。

特定して殺さなければ、魔法使いちゃんが人の力を超えた魔法で死んでしまう。

そもそも、精神感応を作り出しているのは、この偽物かもしれない。
ならば、今後の戦略のために倒す必要がある。

545 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 17:27:17 rETjP0.6 495/667

僧侶「勇者さま……。私は覚悟を決めました」

勇者「覚悟って……」

僧侶「魔法使いちゃんなら、私を信じてくれるはずです」

魔法使い『ふふっ、なんて身勝手なの? 殺そうとしてくる仲間なんて、信じられるわけがないじゃない!』


二人の魔法使いちゃんが、私に切りかかってきた。
やはり、どちらが偽者か分からない。

だけどそんなことは、今は関係ない。
出来ることをするだけだ。

魔法使いちゃんを特定するために――。

546 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:07:26 rETjP0.6 496/667

右と左から、ナイフが突き出された。
だけど私には、ナイフをいなす技術がない。

転移魔法も、激しく動いている物体は難しくて、まだ使いこなせない。

だから、ナイフを破壊する。


僧侶「金属破壊っ!」


左手側から突き出されたナイフの刃が触れた瞬間、魔力で金属を特定して刃を破壊した。

それに戸惑い、魔法使いちゃんたちは動きを止めた。


解毒魔法を行使するためには、毒物の構造を理解して無害なものに分解する必要がある。
その応用として覚えた魔法が、金属製の拘束具を破壊する錬金術だ。

547 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:15:03 rETjP0.6 497/667

魔法使い『錬金術も使えるの?!』

僧侶「魔法使いちゃんには、話したことがあるはずですけど」


そう言うと、私は刺してきた魔法使いちゃんに、拳を突き出した。


僧侶「転移魔法!」
魔法使い「えっ?!」


腰に下げているナイフを転移させて、握り締める。
そして、そのまま突き刺した。

548 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:18:16 rETjP0.6 498/667

魔法使い「うああぁぁっ! そ、僧侶さん、痛いよ……痛いよぉ」

僧侶「破壊魔法!」
彼女の呻き声を気にせず、ツインテールの右側を破壊する。

勇者「そ、僧侶さん! もし本当の魔法使いちゃんだったら、どうするつもりだ!」

僧侶「大丈夫です。これくらいなら、魔法使いちゃんは回復できます」

549 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:40:30 rETjP0.6 499/667

ツインテール一本の魔法使いちゃんが、刺したままにした私のナイフを抜いて回復した。
そして、そのナイフを構える。

やはり偽者は、精神感応に特化しているようだ。
だから、攻撃魔法を使わないのだろう。

毎日のように見てきた、魔法使いちゃんの精霊魔法。
その魔力の流れで見抜く方法は、諦めるしかないようだ。

550 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:44:29 rETjP0.6 500/667

魔法使い1「僧侶さん、本気で私を殺そうとするなんて酷いです!」

魔法使い2「正気でそんなことが出来るなんて、もうあなたのことは信じられないです!」

僧侶「よく聞いて、偽者さん。魔法使いちゃんを見分けられるように、ツインテールの本数で区別することにしました」

魔法使い『ツインテールの本数?』

僧侶「私は絶対に、魔法使いちゃんを特定して助けます!」

551 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/17 19:47:07 rETjP0.6 501/667

魔法使い2「髪を切ったくらいで、私を特定できるわけないでしょ」

魔法使い1「あなたは魔法を封印すれば、もう簡単に死ぬよね」

魔法使い『それに、転移魔法は厄介だし』

僧侶「封印魔法って、やっぱりあなたは天使なの?!」

魔法使い『さぁ、どうかしら。封印魔法!』

僧侶「!!」

554 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 18:49:16 LJqVxN96 502/667

魔法使い2「あははは、一気に行くわよ! 障壁魔法!」


闇の障壁が視界を隠す。
次の瞬間、首を切り裂かれた。

頚動脈から血液が噴出し、切り裂かれた気管から呼気が漏れる。
治癒魔法が自動で発動し、装身具が一つ砕け散った。
これで治癒魔法を宿した装身具は、残り二つだ。


魔法使い2「あれっ、死なないんだ。僧侶さんは、あと何回殺せば死ぬのかなぁ」

僧侶「げほっげほっ……ぜぇぜぇ。すぅはぁ……」

勇者「やめろっ!」

555 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 19:00:27 LJqVxN96 503/667

勇者さまが私たちの間に割って入り、
ツインテール一本の魔法使いちゃんに剣を振り下ろした。

しかし迷いがあるからか、動きに切れがない。
あっさりかわされ、逆に魔法使いちゃんたちに切られた。


僧侶「治癒魔法!!」

魔法使い1「あはは、勇者さまぁ。勇者さまのことが大好きだよ。私の処女を、その大きなモノで貫いてほしいな」

勇者「魔法使いちゃん……」

魔法使い1「そんなものが入ってきたら、すぐに逝っちゃいそう。ねえ、私の愛を受け止めて」

勇者「くそっ、どうすればいいんだよ……」

556 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 19:23:10 LJqVxN96 504/667

僧侶「勇者さま、今から私が偽物の正体を暴きます」

勇者「そんなことが出来るのか?!」

僧侶「上手くいけば……。だから勇者さまは、その偽物を斬ってほしいです」

勇者「上手くいけばって、失敗する可能性があるのか?」

僧侶「そのときは、魔法使いちゃんを生き返らせます」

勇者「生き返らせる?!」

557 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 19:39:48 LJqVxN96 505/667

僧侶「はい。失敗したら、もう一方も斬ればいいだけなんです」

勇者「それ、本気で言っているのか……」

僧侶「もちろんです。破壊魔法と蘇生魔法、治癒魔法の装身具が一つずつ残っています。だから、絶対に成功します」

勇者「生き返るから殺してもいい。だから、二人とも殺せばいい。そんな理屈が通るわけないだろ!」

558 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 19:41:03 LJqVxN96 506/667

僧侶「私たちには、もう後がないことも分かってください! 勇者さま、私を信じてください」

勇者「……、分かった」

僧侶「実はさっきの攻撃で、どちらが偽者か確信できました。ツインテール一本が偽者なんです」

勇者「ツインテール一本が偽者?」

僧侶「はい、間違いありません」

559 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 20:19:28 LJqVxN96 507/667

魔法使い1「へぇ、興味深い作戦だね。根拠はあるの?」

僧侶「二人の魔法使いちゃんは、それぞれ攻撃に移るときの体運びが微妙に違います。それは、熟練者と洗脳魔法の差だと思います」

魔法使い2「ふうん……。筋肉量に相応しい動きしか、させていないはずだけどねぇ」

僧侶「そして私は、今までずっと魔法使いちゃんと過ごしてきました。その時間を、私は信じます」

僧侶「だから偽者は、ツインテール一本のほうなんです!」

魔法使い『ええっ?!』

560 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 20:25:26 LJqVxN96 508/667

魔法使い1「そんな理由で、私を偽者呼ばわりするの?!」

魔法使い2「というか、その三段論法は何なの?!」

僧侶「私は論理的だと思いますけど」

魔法使い1「勇者さまは、こんな主観だけで私を殺すの?」

魔法使い2「一度でも間違えたら、絶対に後悔するわよ!」

勇者「くっ……」

魔法使い『もういいわ。それが君たちの答えなのね』

僧侶「はい」

魔法使い『もう終わらせます。障壁魔法!!』

561 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 21:40:19 LJqVxN96 509/667

闇の障壁で視界を塞がれ、ナイフが突き出された。
激痛と同時に治癒魔法が発動して、最後の装身具が壊れる。
さらに、腕を切られた。
だけど、痛みで呻いている暇はない。


闇のカーテンから抜け出すと、魔法使いちゃんの『ローブ』を確認した。
それは明らかに異変が起きていた。

562 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 21:46:16 LJqVxN96 510/667

私がナイフで刺したのは、ツインテール一本の魔法使いちゃんだ。
それなのに、今はツインテール二本の魔法使いちゃんが『破れたローブ』を着ている。

障壁魔法で見えなくなっていたのは一瞬だ。
その間に、攻撃をしながら着替えることは困難だ。
つまり、二人の髪型が入れ替わったことになる。


魔法使いちゃん……。
今、助けてあげるからね!

563 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:02:07 LJqVxN96 511/667

僧侶「偽者はツインテール二本のほうね!」

魔法使い『えっ?!』

勇者「僧侶さん、話が違う!」


僧侶「破壊魔法を解放します!!」

魔法使い2「いやっ、いやああぁぁっ!」

魔法使い1「……!」

魔法使い2「僧侶さん、どうして私なの?! やめて、やめてええぇぇっ!!」

564 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:05:18 LJqVxN96 512/667

魔法使いちゃんは、まだ治癒魔法を使いこなせない。
だから内臓を破壊すれば、彼女はなすすべなく死んでしまう。

もし偽者ならば、死んでしまう前に本来の姿に戻るはずだ。
本来の姿に戻れば、破壊魔法を無効化できるからだ。

そしてもし治癒が出来るならば、
やはり偽物を特定出来ることになる。

もだえ苦しむ魔法使いちゃん。
私は間違えていない、間違えていない……。

565 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:22:57 LJqVxN96 513/667

僧侶「勇者さま! 覚悟を決めてください!」

勇者「分かった。僧侶さんを信じるよ!」


ツインテール二本の魔法使いちゃんに、勇者さまが剣を向ける。
そして小さな身体を、大きな剣が貫いた。


魔法使い2「ゆ、勇者さま……ごほっ。私、私は……」


魔法使いちゃんは涙を流し、苦しそうに呻いている。
大量の血があふれ出し、ローブが赤く染まっていく。

その間、ツインテール一本の魔法使いちゃんは沈黙していた。

566 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:23:40 LJqVxN96 514/667

勇者「もう元の姿に戻れ。これ以上、魔法使いちゃんの苦しむ姿を見せないでくれっ」


勇者さまの声は震えていた。
魔法使いちゃんを斬る。
私は、なんという残酷なことをさせているのだろう。


僧侶「戻らないと死にますよ。私は確信していますから」

魔法使い2「……」


魔法使いちゃんの生気が消えていく。
やがて変身魔法が解け、その正体を現した。

567 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:42:12 LJqVxN96 515/667

偽者「どうして分かった……」

僧侶「私が魔法使いちゃんを刺したのは、ローブを切り裂くためです」

偽物「ローブを切り裂くため?」

僧侶「はい。もし変身魔法で二人が入れ替われば、ローブの破れと髪型が一致しないことになります」

僧侶「そして私のナイフを持たせたのも、ナイフの交換に注意を向けさせて着替えさせないためです」

偽者「そういうこと……か。あの三段論法は、ミスリードだった訳か」

僧侶「このことから、ツインテール一本を殺すと宣言しているので、入れ替わりがあれば二本が偽者」

僧侶「もし入れ替わりがなければ、ツインテール一本は殺されてもいいわけだから、ツインテール二本が偽者だと分かります」

568 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:45:27 LJqVxN96 516/667

勇者「そういうことは、事前に打ち合わせをしてくれないと困るんだけど」

僧侶「敵の前で打ち合わせなんて出来ないですよ」

勇者「……、そうだね」

偽者「まさか、この私が初歩的な論理パズルに引っかかるとは……」

僧侶「それでは偽者さん、魔法使いちゃんを返してください!」

偽者「どうやら、返さない訳にはいかないみたいね」

569 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:51:55 LJqVxN96 517/667

勇者「最後に、いくつか聞きたいことがある。お前の主は女神なのか? 一体ここで何をするつもりなんだ!」

偽者「ここの目的は、試される者たちの罪を裁くことよ。そのために精神を解放させて、理性を取り払う」

僧侶「罪って、嫉妬ですか……」

偽物「そうね。だけど、その罪は赦されました。仲間を想う信頼と知恵、特別にそれを汲んであげましょう」

勇者「つまり女神は、僕たちに殺し合いをさせるために神託を下して、加護を与えるのか?!」

偽物「それは、私の役目を超えている。赦された者よ、最後の試練を乗り越えてくれることを期待しています」


そう言うと、偽物は光に包まれて転移した。

570 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 22:57:59 LJqVxN96 518/667


魔法使い「そ、僧侶さん……私」

僧侶「もう大丈夫だよ。勇者さまが勝ったから」

魔法使い「勇者さま、ありがとうございます。ずっと信じていました」

勇者「天使を見破ったのは僧侶さんだから、お礼なら僧侶さんに」

魔法使い「はい、ありがとうございます」

僧侶「私こそ、精霊魔法を使わないでいてくれて、本当にありがとう」

571 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 23:00:05 LJqVxN96 519/667

魔法使い「……あれっ。私のツインテール、片方だけになっちゃってる。勇者さまが可愛いって、褒めてくれたのに……」ショボン

僧侶「あっ、ごめんね。天使を特定するために、それ以外に思いつかなくて……」

魔法使い「そっか……、勇者さまが守ってくれたんだ」

僧侶「うん、きっとそうだね」

魔法使い「あの、もう片方の髪を勇者さまに切ってもらってもいいですか?」

僧侶「魔法使いちゃんがそれで納得できるなら、それでもいいよ」

572 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 23:04:21 LJqVxN96 520/667

魔法使い「じゃあ、この僧侶さんのナイフでお願いします」

勇者「分かった。じゃあ切るよ」

パサッ・・・

魔法使い「ショートボブになりました。似合いますか?」

勇者「アクティブな印象で可愛いよ」

魔法使い「ふふっ、また勇者さまに褒められました♪」

573 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/18 23:06:39 LJqVxN96 521/667

魔法使い「それでは、賢者さんを探しに行きませんか?」

僧侶「そうだね」

勇者「天使が引き返して光が消えたけど、次の試練があると言っていた。精神感応の危険はなくなったけど、結界の中にいることは忘れないようにしよう」

僧侶・魔法使い「はいっ」

576 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:09:12 rKhMjef. 522/667


魔法使い「この部屋から魔力を感じますね」

僧侶「入ってみましょうか」

勇者「そうだな」


バタンッ・・・。

扉を開けてすぐ、異様な光景が目に飛び込んできた。


僧侶「!!」

魔法使い「ああっ、むごい……」

577 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:13:45 rKhMjef. 523/667

裸の男性二人の遺体が、四肢と胴体を八つ裂きにされて床に転がっていた。
流れ出た血液が固まり、こぼれ出た内臓がぐちゃぐちゃに潰されている。
切断された男性器が奇妙に膨らみ、何だか気味が悪い。

異臭と嫌悪感で、吐き気が込み上げてくる。

578 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:15:46 rKhMjef. 524/667

そしてベッドの上には、全裸の女性の遺体があった。
脚を広げ、臀部だけにされた殿方と繋がっている。

さらに何ヶ所も刺された痕があり、喉元にはナイフが突き立てられたままになっていた。
抵抗する彼女を魔力が尽きるまで、執拗に刺し続けたのだろう。
シーツは赤黒く染まり、張りがあっただろう皮膚も網状に変色していた。

死に逝く中、賢者さんは何を思っていたのだろう。
二人を殺した魔女さんを、誰が責めることが出来るだろう。

混沌とした恐怖をまざまざと感じさせられる。

579 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:19:13 rKhMjef. 525/667

僧侶「腐敗が進んでますね……。魔法使いちゃん、大丈夫?」

魔法使い「うぅっ、だ……大丈夫です」

勇者「僕たちでもつらいんだ。無理はしなくていいからね」

魔法使い「はい……」

勇者「ここにも神の遺産があるな」

僧侶「迷路とペグ・ソリティアですね。この迷路、少し形が違いますよ」

勇者「僕たちとは違うパズルということか」

僧侶「そうみたいですね。迷路の答えは『Lust』。七つの大罪の一つで『色欲』です」

581 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:41:21 rKhMjef. 526/667

勇者「色欲か……」

僧侶「精神感応の影響があったとはいえ、ここで何が起きたのか想像すると恐ろしいです」

勇者「そう……だな」

僧侶「賢者さんへの仕打ちは、あまりにも惨いです。それに、魔女さんがしたことも……」

魔法使い「殿方は女性と交わるために、ここまで残酷になれるのですね」

勇者「それは、一部の人だけだから」

魔法使い「分かっています。でも人は、ここまで残忍になれるのですね……」

僧侶「私たちも、ついさっき経験した通りだよ」

582 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 19:49:53 rKhMjef. 527/667

魔法使い「そう……ですよね。命は一つしかない大切なものなのに、とても悲しいです」

僧侶「だからこそ、命の尊さを理解しないといけないの。私も魔法使いちゃんも、今以上に――」

魔法使い「……はい。あのっ、賢者さんのお墓を作ってあげたいです。殿方と一緒なのはあんまりなので、丘があればそちらに」

僧侶「そうだね。賢者さんの魂が安らかに眠れるよう、改めて祈りましょう。そのナイフは、遺品として預かっておきますか?」

魔法使い「はい、そうします。風精霊さん……、近くの丘までお願いします」

583 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 20:18:33 rKhMjef. 528/667


~極南の村・丘~ 
魔法使い「……土精霊! これで良しっ」

僧侶「賢者さんの魂が安らかに眠れるよう、ご冥福をお祈りします」

魔法使い「ご冥福をお祈りします」

勇者「あの……」

僧侶「何ですか?」

勇者「こういう結果になってしまったから女性には言いづらいんだけど、バトマスたちはどうしようか。あいつらは友人だから、最低限、弔ってやりたいんだ」

584 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 20:22:03 rKhMjef. 529/667

僧侶「……そうですね」

勇者「それにあの建物には、まだ多くの遺体があると思う。出来れば彼らも……」

魔法使い「いくら何でも、あの建物にいる全員となると、私の魔力では困難です」

勇者「やっぱり無理か……。実は気になることがあるんだ」

僧侶「気になることですか?」

勇者「魔女さんがここに来たのは、十日ほど前だろ。建物を管理する天使がいるのに、遺体が放置されているのはおかしいと思わないか?」

585 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 20:36:18 rKhMjef. 530/667

僧侶「言われてみれば、気になりますね」

勇者「恐らく仲間同士で殺し合わせるために、そのまま放置されているんだ」

僧侶「遺体と殺し合うのですか?!」

勇者「砂漠にいた時、生きる屍を作り出していただろ。それと同じで、死んだ仲間と向き合って、どのように乗り越えるか試すつもりなんだと思う」

僧侶「私たちは第一陣だから、遺体ではなくて魔法使いちゃんが操られたわけですね」

勇者「そう考えると、やっぱり放っておけないだろ。何か手はないかな……」

586 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 20:54:09 rKhMjef. 531/667

??「おやおや、素敵な相談をしているようだね」

勇者「!! お前は、いつぞやの天使!」

天使「やあ、久しぶり。まさか精神支配を突破するとは思わなかったよ」

勇者「僕たちの絆は、簡単には壊せない!」

天使「それは良いことだ。魔法使いちゃんも、しっかり頑張っているようだね」

魔法使い「は、はいっ」

587 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 20:56:06 rKhMjef. 532/667

勇者「そんなことより、お前が次の相手なのか?」

天使「物騒だねえ。敵対するつもりはないから、剣を納めなよ」

勇者「では、何が目的だ!」

天使「キミたちは、あの建物をどうするって?」

魔法使い「亡くなった方を弔いたいのですが、私では魔力が足りないのです」

天使「なるほど、それは困ったね。じゃあ、弔ってあげるよ」

魔法使い「えっ、本当ですか」

天使「もう必要ないからね。隕石召喚、土精霊!」

588 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 21:43:13 rKhMjef. 533/667

まばゆい光を放ちながら、巨大な岩石が降ってきた。
頭の上を通り過ぎて、村に落下する。


ズドオオオォォンッ!


建物に直撃し、強烈な空震が発生して周囲を吹き飛ばす。

やがて衝撃が治まると、村がきれいに無くなっていた。


天使「整地完了! こんな感じでどうだい?」

589 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:02:24 rKhMjef. 534/667

僧侶「な、何てことを……。あの建物には、たくさんの亡くなった方々が――」

天使「手伝ってあげたのに、ひどい言い草だね」

僧侶「ひどいって、村が一つなくなったのですよ!」

天使「天使の恩寵があって、今頃は喜んでいる頃だと思うけどなあ。どうせ人間は、適当に埋葬するだけだろ」

勇者「結界内だし、そうなるかもしれないな……。天使が弔ったわけだし、これでみんなの魂が安らかに眠れることを祈るばかりだよ」

590 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:03:38 rKhMjef. 535/667

僧侶「そう……ですね。相談したのは私たちですし、あなたに感謝します。皆さんの魂が、安らかに眠れますように」

魔法使い「安らかに眠れますように……」

天使「僕たちとしても残念だよ」

魔法使い「天使さん、ありがとうございました。魔法の使い方も勉強になりました」

天使「土精霊でこれくらい出来るようにならないと、人間の域は超えられないよ」

魔法使い「はいっ!」

591 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:30:05 rKhMjef. 536/667

10
勇者「ところで、神の使いに聞きたいことがある」

天使「手短に頼むよ」

勇者「天使の恩寵と言うが、もともとは女神が殺した者たちだろ。この闇は、女神が作り出しているんじゃないのか?」

天使「ははっ、驚きの推理だね。女神さまが闇を作り出しているなら、人間に加護を与える必要なんてないじゃないか」

勇者「それは罪を裁いて、人を試すためだろ」

592 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:33:13 rKhMjef. 537/667

天使「この間のメッセージは、受け取ってくれたかい?」

勇者「世界への侵入者を排除してほしい、という意味で良いのか?」

天使「その表現が正しいとは思えないけど、そう思ってくれても差し支えない」

天使「キミたちには、この闇を取り払ってほしい。それが、女神さまから加護を受けた者たちの役目だ」

勇者「闇を取り払う?! じゃあ、女神が闇を作っている訳ではなかったのか」

天使「無礼にも程があるよ。そのために、生きる価値があることを期限までに示してほしい」

593 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:40:01 rKhMjef. 538/667

勇者「生きる価値?」

天使「ああ、そうだ。犠牲になった命を無価値なものにしないために、それらを未来に繋げてほしい」

魔法使い「分かりました!」

勇者「そうだな……。当初の目的通りか」

僧侶「ところで期限とは、ハノイの塔のことですか?」

天使「そう、もうすぐハノイが完成する。対象が仕掛けた精神支配を乗り越えたキミたちなら、それが出来ると信じているよ」

僧侶「やるしかないみたいですね……」

天使「僧侶さん、闇に打ち勝てたキミに我々からのプレゼントだ」

594 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:42:47 rKhMjef. 539/667

僧侶「これは……?」

天使「正十二面体は宇宙を表している。これは、その広大な宇宙を模したパズルだよ」

僧侶「これが宇宙なんですか?!」

天使「面が回転するものは特に難しいけど、すべての色を揃えてほしい。気分転換にでも、気軽に遊んでくれたまえ」

僧侶「ありがとうございます!」

魔法使い「いいなぁ。バラバラの状態も、カラフルできれいなパズルですね」

僧侶「対角線が星型で、デザインが良いよね。ここを回して揃えていくみたいだよ」

魔法使い「どの面も回るんだ。これは難しそうですね」

595 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 22:57:14 rKhMjef. 540/667

天使「魔法使いちゃん」

魔法使い「はいっ」

天使「キミには、僕の羽根をあげよう。祝福された未来が訪れ、天使の恩寵があるように」

魔法使い「わわっ、天使の羽根だなんて……。絶対に大切にします!」

天使「まあ、僕の翼を吹き飛ばしてくれたこともあったけどねぇ」

魔法使い「それはその……ごめんなさい」アセアセ

天使「いいよ、楽しかったから。キミたちが闇を取り払ってくれること、期待しているよ」

魔法使い「はいっ、頑張ります!」

596 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 23:10:56 rKhMjef. 541/667

勇者「で、僕には?」

天使「えっ? ないよ」

勇者「ま、マジか! 攻略アイテムとか、そういうものは……」

天使「女神さまの加護があるのに、天使に出来ることなんて何もないだろ。それくらい、察してほしいんだけどなぁ」

勇者「すみません……」

魔法使い「勇者さまには僧侶さんがいるし、私もいます。それで良いじゃないですか」

僧侶「そうですよ、勇者さま。私たちがいるじゃないですか」

勇者「ああ、そうだったな。二人が居てくれたら心強いよ」

僧侶「もちろんです//」

勇者「それじゃあ、僕たちの最後の目的地、極南の地に向かおうか」

僧侶・魔法使い「はいっ、勇者さま!」

597 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 23:14:21 rKhMjef. 542/667

第9話 おわり

・迷路
・ソリティア

・論理パズル

・正十二面体パズル

598 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/11/19 23:29:50 rKhMjef. 543/667

ようやく終わりました。
レスを下さる方、
いつも読んでくださっている方、ありがとうございます。


今回の話で、三角関係がついに決着です。
魔法使いちゃんの処女は、無事に死守できました!

二人の魔法使いちゃんは、
オマージュですが、パズルSSらしい内容になったと思います。
個人的には、修羅場に気合いを入れましたが。。(笑)

という訳で、
いよいよ最後の目的地。
パズルSSとして、
勇者SSとして、ついに最終決戦です。

ちなみに、
正十二面体パズルは『Starminx 2』です。
かなり難しいパズルです。

【第10話】に続きます,/p>

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