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【第一章】
百合子「お兄様…」一方通行「……へ?」(1スレ目)
一方通行「百合子、コーヒー淹れてくれ」百合子「はいっお兄様♪」(2スレ目)
百合子「お兄様、ただいま戻りました♪」(3スレ目)
【前編】
【後編】
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(4スレ目)
【第二章】
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(第二章・クリスマス編)
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(第二章・手のひら百合子編)
百合子「お兄様、妹萌えってなんですか?」一方通行「!?」(5スレ目)
元スレ
百合子「おにいさまといっしょ!」一方通行「…いっしょ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302528752/
百合子「おっにぃー、さまっ!!」バサッ
一方通行「ンゥー…」モゾモゾ
百合子「今日はお花見ですよ!!お花見!!ほら、支度してください!」
一方通行「あと5分…」
百合子「ダァメ!ほら、打ち止めさんもちゃんと起きてますよ!」
一方通行「あいつはァ、…寝起きいいから…。俺無理。あと5分…」
百合子「ダメーっ!今日の百合子に「あと5分」攻撃は効きませんよ!えいっ、反射ーっ!はい、杖です!ウェイクアーップ!」グイグイ
一方通行「あー…もォー…」
百合子「今日は頑張ってたーくさんお弁当作りましたから、楽しみにしててくださいねっ」グイグイ
一方通行「はァあーい…」ノソノソ
百合子「打ち止めさん、お兄様よろしくお願いしまーす」
打ち止め「りょうかーい!お寝坊さん、洗面所はこっちですよーってミサカはミサカはあなたの手を引いて洗面所に誘導してみる」
芳川「春と言ってもまだまだ寒いから、少しは厚着した方がいいわよ」
百合子「はい。それじゃ、こっちのカーディガンにしよっかなぁ…」イソイソ
黄泉川「桜が咲くと新学期!って感じじゃんね。今日は新学期の準備準備♪」
百合子「お昼ご飯は冷蔵庫にチャーハンが入ってるので温めて下さい。あとスープと、サラダも…」
芳川「ありがとうね。お昼が楽しみだわ」
黄泉川「百合子たちもお花見楽しんでくるじゃん」
百合子「はいっ!」
一方通行「あー…、まだ眠ィ…」ノタノタ
打ち止め「あなたって本当に寝起きは悪いよね。ユリコは寝起きが悪いのにいつも頑張って早起きしてみんなのご飯を作ってくれてるんだよ?
ってミサカはミサカは呆れながら寝ぼけ眼なあなたをぺしぺししてみる」ペシペシ
一方通行「眠ィのは仕方ねェの。日中の脳の負荷が大きいの。あと、寝る子は育つの」フワァ
打ち止め「寝る子は…って、だんだんヒーローさんと身長差出て来、あうっ」ペシッ
百合子「私、早起きは好きでやっているので大丈夫ですよ。お兄様も家事、お手伝いしてくれますし。コーヒーどうぞ」
一方通行「ン」コクコク
打ち止め「ユリコもたまにお寝坊さんしてもいいのになぁってミサカはミサカは思ってみたり。ミサカもお料理頑張って覚えてユリコの負担減らす!
ってミサカはミサカは意気込んでみる!」
百合子「打ち止めさんもいーっぱいお手伝いしてくれるから私はそれだけで十分ですよー」
打ち止め「だって、早く終わればユリコともいーっぱい遊べるようになるよね?ってミサカはミサカはユリコに腰に抱き着いてユリコの顔を見てみる」
百合子「………えへへ~///」ホニャ
打ち止め「えへ~///」
百合子「打ち止めさん大好きですー///」ムギュ
打ち止め「ミサカもユリコ大好きーってミサカはミサカは相思相愛のラブラブっぷりをあなたに見せつけてみたり!」ムギュギュ
一方通行「はいはい」ゴクゴク
百合子「はわわ!お兄様も大好きですよ!!」アセアセ
打ち止め「ミサカもあなたのことだーい好き!ってミサカはミサカはちょっぴりそっけないあなたの態度は仲間はずれが寂しいんだって推測してみる!」
一方通行「まだ眠ィンだよ…」フワァ・・・
黄泉川「なにさ。目が覚めるようにばしっと一発背中叩こうかぁ?」ニヤニヤ
一方通行「あー、いい朝だなァ。頭もさっぱりして来たぜー」
***
百合子「えっと、御坂さんが先に行っているんですよね?」トコトコ
打ち止め「うん。10032号と一緒に行ってて、いい場所を見つけたから確保してるって。ってミサカはミサカは10032号に場所を教えてもらってたり」
一方通行「来ンのはいつものメンバーでいいンだよな?」
百合子「たぶん…」
打ち止め「うぇ?…10032号が「サプライズゲストがいますよ。くふふ、お楽しみに」だって。…誰かな?ってミサカはミサカは考えてみる」
百合子「サプライズ?」
一方通行「あいつが言うサプライズなンか大したことねェだろ。行ってみたら妹達が全員いたとかだろ」
打ち止め「それってあなたにはかなり酷な環境じゃない?ってミサカはミサカは苦笑いしながらまだまだ考えてみる…」ムムム
百合子「サプライズ…」ムムム
一方通行「ここで考え込んだって仕方ねェだろ。さっさと行こうぜ。この先の公園だろ?」
打ち止め「うん。あまり人が来ない穴場の場所があったんだって。ってミサカはミサカは妹達のお花見調査の結果を胸を張って誇ってみる」エッヘン
百合子「妹達さんお散歩好きですもんね。それで見つけたんですよね?」
打ち止め「うん。病院で検査をする以外は結構暇だからね。ってミサカはミサカは最近のミサカ事情を教えてみる」
百合子「お庭もそろそろお花が咲くころですかね。えへへ、早くお茶会したいなぁ~」
一方通行「おい、どっちの道だ?」
打ち止め「右ー!ってミサカはミサカはいつの間にか先頭にいるあなたを追い越して道案内再開してみる!」トタタタ
一方通行「食いもン入ってンだから振り回すなっ!」
百合子「大丈夫ですよ。崩れて困るようなのは私が持っているので」
打ち止め「あっ、あれお姉様かな? お姉様ー!ってミサカはミサカは走って………おろ?」
百合子・一方通行「「??」」
美琴「打ち止め…!」
御坂妹「上位個体。遅かったですね。とミサカは振り返ります」クルッ
打ち止め「サプライズゲストって、もしかして…ってミサカはミサカは本当にサプライズでびっくりしてみる」
一方通行「おい、どォした………!!?」
美鈴「ふにゃぁ~…、みーちゃんお酒を注いで~。ママにお酒ぷりぃーず!///」
御坂妹「はい、ママ。とミサカはべろんべろんの酔っ払いを止めることもなくお酒を注ぎます」
美琴「こらー!これ以上飲ませたら帰り大変じゃない!何、ニヤニヤしながら飲ませてんのよ!!」アタフタ
打ち止め「もしかして…、お姉様の…」
美鈴「んー…、あー…。ちっちゃい美琴ちゃんだぁー!!かっわいぃー!」ガバッ
ギュム!
打ち止め「わっ、わっ!!?はじ、はじはじ初めまして!ってミサカはミサカは突然の熱い抱擁に動揺してあわわわ!!」
美鈴「あなたがちっちゃい美琴ちゃんの打ち止めちゃんねー!うふふー!私がママですよー!!」ギューッ
一方通行「……………俺、帰る」クルッ
美鈴「そうはさせるかっ!!」足掴む
一方通行「ぎゃふ!!」ビターン
百合子「お兄様っ!!?」
美琴「あー…ごめんね。これ、うちのママ。ちょっと文献探しのついでに遊びに来てくれてね。昨日帰るつもりだったんだけど…」
美鈴「お花見っていいよねー!えっへへー!昨日美琴ちゃんがお花見するって言ってたから付いて来ちゃった~!」
美琴「と、いうわけ…」ハァ
百合子「そうでしたか。お昼ご飯いっぱい作って来たのでみんなで食べましょう!」
美琴「ママ。一応、そいつの足離してやって。紹介するからさ」
美鈴「りょーかーい!」
一方通行「ふっざけンなァァ!!お前、一度ならず二度までもこの俺を地面に叩きつけてンじゃねェェ!!!」
美鈴「むー……。どっかで見たこと…」
一方通行(ヤベッ)ハッ
美鈴「あ!白いのだ!!あの時タクシー拾ってくれた白いのだー!白いのお久しぶりー!」ガバッ
一方通行「ぎゃあああああああああ!!!!!」
美琴「………え?……知り、合い…?」
美鈴「前に、道に迷った美鈴さんのためにタクシー拾ってくれた優しい白いのだよね~!うふふー!この感触は間違いないわー!」スリスリスリ
御坂妹「あなたは御坂磁石ですか、一方通行。とミサカはまさかの展開に驚きを隠せません」
打ち止め「えー、あなたってお母様と知り合いだったの!?なんで教えてくれなかったのぉ!ってミサカはミサカはぷっくり膨れてみる!」プクッ
一方通行「つーか、ちょっと待て!!なンでお前の母親がこいつらのこと知ってンだよ!!?」
美琴「隠しても仕方ないでしょ。この子たちは私の妹なんだから、紹介したわ」
美鈴「紹介されましたー!へっへー!この年でまさか一万人近く娘がいるとは思えまい!」エッヘン
美琴(あんたのことはちゃんと伏せて紹介してるから)コソコソ
一方通行(あァ…、そォ…)
美鈴「んで!打ち止めちゃんっ」
打ち止め「にゃっはい!?ってミサカはミサカは正座してみるっ!!」
美鈴「私のことは遠慮なく「ママ」って呼んでね♪」ニパッ
打ち止め「え、…ひゃ、は、はい!」ドキドキ
美鈴「美琴ちゃんも、みーちゃんも、他のみーちゃんも、打ち止めちゃんも、みーんな私の娘であることには変わりないんだからねっ♪」
美琴「喜ぶから、呼んであげて」
打ち止め「……ま…ママ…。ってミサカはミサカはもじもじしながら、…ママを見てみる…///」
美鈴「かっわいぃー!!!」ギューッ!!
御坂妹「上位個体だけはずるいです。とミサカもママの服をそれとなく引っ張ります」
美鈴「ふふ、みーちゃんももちろん大好きよー!美琴ちゃんも!」
百合子「わぁぁ、すっごく素敵ですね!良かったですね、打ち止めさんっ!」ハフハフ
打ち止め「えへへーっ、ママー!ってミサカはミサカはママをぎゅーっとしてみるっ」
美琴「紹介、うまくいって良かった。正直、自分が悩んでた時期があったから心配だったの…。良かった…」フッ
一方通行「…………」
美鈴「んで、白いの」
一方通行「白いの言うな」
美鈴「お隣の可愛い白いのは妹ちゃん?」
百合子「あわわ、ご、ごめんなさい!自己紹介が遅れました!!み、御坂さんたちにいつも遊んでもらってます!百合子と申しますっ!」ペコッ
美鈴「私は御坂美鈴。うちの子たちがいつもお世話になってます」ペコッ
百合子「そ、そそそそんなことないですっ!!わ、私がむしろにお世話になっているというか…!!打ち止めさんもいつもお手伝いしてくれるし…!」
美鈴「んふふー、百合子ちゃんだっけ?」ニマ
百合子「はいっ!百合子です!」
美鈴「じゃぁ、ゆりりん!!」ビシッ
一方通行「そォいや、酔ってンだな。このダメな大人は」
美琴「10032号にママって言われたらハイになって飲み始めたのよ…」
百合子「ゆり、りん…」パチクリ
美琴「もう、ママ!私の友達にまであんま絡まないでよ。ほら、百合子ですらちょっと引いて…」
百合子「ゆりりん…///」テレテレ
御坂妹「気に入ったみたいですね。とミサカは嬉しそうに頬を抑える百合子さんを眺めます」
美鈴「んじゃー、白いのは名前何ー?百合太?」
一方通行「ンなワケあるかよ。一方通行だ」
美鈴「なんじゃそりゃ。そっちの方がんなワケあるかだぞー?」ベシベシ
美琴「あー…、こいつは色々事情があるのよ…」
美鈴「んじゃ、…れーたん!」アハハハハ
一方通行「おい、この酔っぱらい学園都市からつまみ出せ」
打ち止め「ママいじめちゃダメってミサカはミサカはれーたんにめっ!ってしてみる!」プンプン
御坂妹「そうですよ。今日はミサカはママと一緒に過ごすことを何より楽しみにしているんですから!とミサカは空気の読めないれーたんを叱咤します」
美琴「れーたん…。どう見てもれーたんって顔じゃないのにれーたん…」プクク
一方通行「お前ら…」ヒクヒク
百合子「れっ、れーたんとゆりりんってすっごく可愛いと思いませんか!?」キラキラ
一方通行「あァ、もうなンでもいいわ…」ハァァー
美鈴「ねー、れーたんれーたん。あんたなんでそんなお肌すべすべなのよ。何してるのよ教えてよー。ねー、れーたーん♪」グイグイ
一方通行「つーか他の連中早く来いよォォ!!こンなに三下に会いてェと思ったの初めてだァァ!!」
百合子「お肌…、特に何もしてないですよね。たぶん、能力で外部刺激が少ないからかと…」
美鈴「んふぅ///」ニヤァ
百合子「?」ニパ
美鈴「ゆりりんはいい子だー!」ガバッ スリスリ
百合子「あわわ!?」
美鈴「うーん、ゆりりんもお肌すべすべで気持ちいいー。ずっとすりすりしていたーい!そうすれば私もこのすべすべお肌ゲットだぁー!」
百合子「しゅ、しゅべしゅべににゃるでしょぉかぁぁー?」
美鈴「なれるー!そして!!美鈴さんには最終奥義があるのだー!!」
百合子「おーぎ?」
美琴「まっ、ママ!!?まさか!!」
美鈴「ゆりりんっ、こっちむーいてっ♪」
百合子「はい?」
むちゅ。
百合子「むっ」パチクリ
一方通行「…………は?」ポカン
美琴「まっ、ママぁぁぁぁぁ!!!あんた百合子に何してんのよぉぉぉぉ!!!!」バッ
美鈴「若さをお口から吸収ーぅ。うえっへっへっへ、まだ足りないぞー!」
百合子「そんな美容法があるんですね!!」
打ち止め「ユッ、ユリコっ!!問題の論点が全然違うとこに不時着しちゃってるよ!!ってミサカはミサカは手を叩いて感心してるユリコに戸惑ってみる!!」
一方通行「な…な…」ワナワナ
御坂妹「ミサカも酔い始めのころにやられました。とミサカはミサカの初めてをあっさり奪ったママに喜んでいいのか悲しんでいいのか解らない心中を吐露します」
美琴「ママっ!!その変な癖もうやめてよぉ!!他の人には絶対しちゃダメよっ!!?」
美鈴「えー…」
ガシッ
美鈴「ほへ?」
一方通行「お前、何し…、…百合子に…!!」ガタガタガタガタ
美琴「あぁー…。お母さん、私もう擁護しないわよ…」ハァ
美鈴「どうしたーれーたんー?」アハハハ
一方通行「百合子になにしてンだよォォォ!!」ユサユサユサユサ
美鈴「おうっふ、やめ、揺らさないで!」
百合子「あっ、家族以外とちゅうしちゃったから…」ハッ
御坂妹「いえ、そういう問題でも…とミサカは重大なことに気付いたという顔をする百合子さんに「ちゃうちゃう」と手を振るジェスチャーをします」
百合子「でも…、美鈴さんは打ち止めさんのお母様ですから、ある意味家族ですし…。それとも……、あ!今日はお兄様にちゅうしてなかったから!?」
美鈴「……………ふむ」ガシッ
一方通行「なっ!?」
むちゅう。
美琴「」
御坂妹「」
打ち止め「」
一方通行「…………………………………」思考停止
美鈴「ぷはぁ!!今日は大量大量ぉー!!」
一方通行「………………?」
一方通行「………?」キョロ・・・
美琴(ごめん。本当にごめん…)(-人-)
一方通行「……?」チラッ・・・
御坂妹(ご愁傷さまです)(-人-)
一方通行「…?」キョトン・・・
打ち止め(まぁ、そんな日もあるよね)(-人-)
一方通行「つーか、唐突過ぎて…意味が解らないンですけど…」
百合子「お兄様、お兄様。家族はお口でちゅうしてもいいんですか?」クイクイ
一方通行「………あれは例外だ。ノーカンだ。だから、お前も今のは忘れろ」
美鈴「またまたー。ゆりりんと間接キッスだよー?」
一方通行「……間接……!!?///」ボッ
美鈴「あ!上条くんだ!」ブンブン
上条「」
禁書「」
一方通行「………………」
上条「すまん、一方通行」(-人-)
禁書「見ちゃったんだよ…」(-人-)
一方通行「…………」
美鈴「上条くーん!こっちこっち!美琴ちゃんの隣に座りなさぁい!ほら、ママ命令でーす!」
美琴「ふにゃ!?」ビクッ
上条「あ、あぁ…はい。御坂さん、なんか出来上がってるけど平気?」
美鈴「どこがー?全然平気よぉー?」ケタケタ
上条「はぁ…」
上条(お疲れさんです、一方通行)
一方通行「うっせェ…、忘れろ」
百合子「インデックスさん。今日はいーっぱい作って来たのでたくさん食べてくださいね!」
禁書「いいの!? やったぁ!とうま、ゆりこの手作りたくさん食べていいんだって!!」キラキラ
上条「とは言ってもきちんと加減してくださいよ~?」
禁書「うん!」
美琴「んじゃ、始めましょうか!」
打ち止め「おー!ってミサカはミサカは拳を挙げてみる!」
美鈴「おー!」
百合子「では、お料理出しますね」イソイソ
一方通行「ン。手伝う」イソイソ
禁書「わぁ、サンドイッチとおにぎり両方ある!おいしそー!」
百合子「色んなものあるといいかな、と思って…。おかずも何種類かあるのでこのお皿使ってください」
御坂妹「ミサカもお手伝いします。とミサカはランチマットを広げる百合子さんをサポートします」
打ち止め「それじゃ、ミサカはジュース入れる係!ってミサカはミサカはペットボトルのキャップを開けてみる!」
上条「今日はなんだか御坂家大集合って感じだな」アハハ
美琴「そーね。あとは一癖あるあいつだけだけど、今はまだ研究所から出れてないからね」
上条「みんな、楽しく過ごせる日が来るといいな」
美琴「…そーね」ニコッ
百合子「御坂さん、当麻さん。よろしければどうぞ。サンドイッチとおにぎりです。あ、こっちが鮭でこっちがツナマヨ、あとたらこと高菜です」
上条「ありがとう。俺、高菜のおにぎりもらっていいか?」
美琴「私、サンドイッチ。これはタマゴ?」
百合子「はい。タマゴはオススメですよっ♪」
美琴「ありがとう!いっただっきまーす」モグモグ
御坂妹「色んなバリエーションがありますが…、作るの大変だったのでは?とミサカは百合子さんに尋ねます」
百合子「前日からある程度用意してたので、今朝の作業といえば、サンドイッチ作ったり、おにぎり握ったり、っていうくらいですよ」
一方通行「この量だから時間かかったンじゃねェの…?」モグモグ
美鈴「おいしい!ゆりりんは料理得意なのね。いいお嫁さんになれるね~。性格もいいし、お婿さん候補いっぱいでゆりりんを賭けた闘いが始まるわ」
禁書「むぐ、もぐもぐ。すっごくおいしいんだよ、ゆりこ。私はゆりこをお嫁さんにしたいかも…!」モグモグ
御坂妹「百合子さんをお嫁さんにすればもれなくこのれーたんも付いてきますよ。とミサカは通販番組の司会のようにおまけ要素を付け加えます」
一方通行「俺は特典かよ」
打ち止め「それじゃあさらにこのミサカも初回限定特典としてお付けします!ってミサカはミサカは10032号に便乗してみる!」
百合子「あわわわ。わっ私はそんなにお得感ないので…!」アワワ
美鈴「そうだー!ゆりりんは一人で充分万能だぞー!おまけがなくても大丈夫だぞー!なー、れーたーん!」バシバシ
一方通行「だれかこの酔っぱらい黙らせろォォォォォ!!!!」
美琴「ママは、相手してもらうのが楽しいからあんたがそうやって騒げば騒ぐほどはしゃぐわよ」
一方通行「チッ、だから酒も酔っぱらいも嫌いなンだよ…」
上条「一方通行って酒弱そうだもんなぁ」
打ち止め「実際この人、めちゃくちゃ弱いよってミサカはミサカはいつぞやの一方通行泥酔事件を思い出してちょっぴりほっぺを染めてみたり///」ポッ
美琴「えー、なになに? 突然脱ぎだすようになるとか?」ニヤニヤ
一方通行「黙れクソガキ!喋ったらどォなるか解ってンだろォが!」ガバッ
打ち止め「むー!むー!」ジタバタ
百合子「いつもよりいっぱいニコニコしてて、いっぱい頭なでなでしてくれて、…えへへっ。それで、「可愛いよ」って言ってくれました///」テレテレ
一方通行「百合子ォォォォ!!!!!」ガバッ
百合子「むーぅぅ!!」バタバタ
打ち止め「むーむ!むむー!」バタバタ
一方通行「……………」ダラダラ
上条「ほほぅ…」
美琴「んで、あんたも知ってるんでしょ?もっと詳細聞かせてくれない?」ニヤニヤ
御坂妹「バッチコイ。とミサカはお姉様に耳打ちします」
一方通行「やめろォォォォォ!!!!」
御坂妹「とてつもない優男になりますよ。超饒舌で口説き始めます。とミサカはニヤニヤしたままお姉様に大音量で報告します」
上条「うわぁ…」
禁書「ちょっと信じられないかも…」
美琴「えー…。とりあえずママのお酒飲んでみてよ」ウリウリ
一方通行「ああああああァァァァ!!!!///」グヌヌヌヌヌ
百合子「お兄様、すっごく素敵だったのにどうして教えちゃダメなんですか?」
打ち止め「そうだよー。あなたの意外な一面アピールでもっとこう、フレンドリーさというか親しみやすさアップアップってミサカはミサカは
あなたのイメージ向上計画を考えてみたりっ」
一方通行「意外性ありすぎて引くわ!!俺ですら引いたぞ!自分で!!」
禁書「でも、つまり…あくせられーたって酔うとゆりこみたいになるってこと?」
美琴「…………言われてみれば…」
上条「百合子ちゃんっぽい一方通行…。ってそれは普通に百合子ちゃんだな」
百合子「そ、そうですか?…わ、私なんかより…お兄様の方が優しくて…えへへ///」
美鈴「ねーねー。それじゃーゆりりんは酔うとれーたんみたいになるのぉー?」ニヘラ
一方通行「………………」
百合子『なんだなんだよなんなんですかぁ!お兄様は私の作ったピーマンの炒め物が食べれないとか言うんですかぁ!』
百合子『コーヒーの時間だぞぉ!コーヒー中毒野郎がぁあああっ!』バンッ ←コーヒー出した音
一方通行「……頭痛くなってきた…」ガクッ
百合子「えっ、えっ? もしかして朝無理やり起こしちゃったから!?」アワワワ
一方通行「……………」ナデナデ
百合子「?」
一方通行「お前、絶対酒飲むなよ」
百合子「はっ、はいっ」
ブワッ
打ち止め「わっ、風で桜の花びらが舞ってる~!ってミサカはミサカは思わず立ち上がってはしゃいでみる!」
上条「おー、すっげー…綺麗だなぁ…」
禁書「こうやって、季節の花を親しい人と愛でられる時間があるっていうのは素晴らしいんだよ」
百合子「綺麗ですね…。散ってしまうのは勿体ないですけれど…こうやって思い出にはしっかり残るから…。あ、写真撮ろうっと!」
美琴「あっ、そうだ!百合子のアルバム見せてよ!今日持ってきたんでしょ?」
上条「おぉ!噂のアルバムか!俺も見せてくれよ」
打ち止め「ミサカも作ったページあるんだよってミサカはミサカはゆりこのバックからアルバムを取り出してみたり!これ、見せてもいい?」
百合子「もちろんです!えへへ・・・、まだあんまり上手に出来てないのですが…///」ニヘ
美鈴「あ、これスクラップブッキングって言うんでしょー? 私も見せて見せて」
禁書「アルバム…かぁ…。やっぱりこうやって写真があるとみんなと思い出を共有出来て楽しいよね…」
上条「上条さん的には、インデックスが楽しそうにその時の光景を言葉で表現してくれるから景色が頭に浮かぶぜ」ポンポン
禁書「…えっへへ…///」ニパ
百合子「そういえば、黒子さんもそろそろ風紀委員の見回り終わってこっちに来るんですよね?」
美琴「うん。さっきメール来たからもう着くと思うわ」
百合子「それなら、私お迎えしてきます。入口からここまで離れてるし、途中の桜並木を写真に撮りたいのでお散歩しながら行ってきます」
一方通行「ンじゃ俺も付いて行ってやる。一回、このゴミ袋も捨てて来てェしな」
百合子「はい。お願いします!」
打ち止め「じゃーミサカはアルバムの説明係やるー!ってミサカはミサカはゆりこのアルバムを厳かに開いてみる!」ババーン
美琴「わー、可愛い!」
百合子「入口近くのコンビニで何か買ってきましょうか? 足りないものあります?」
御坂妹「今のところ平気です。何かあったらメールしますね。とミサカは百合子さんにケータイをちらりと見せます」
百合子「よろしくお願いします。では、いってきます」
上条「おう、任せてごめんな。気を付けて」
百合子「はぁい♪」
***
トコトコ
百合子「こっちの道に池があるって看板にあったじゃないですか。黒子さんが着くまであと20分くらいあるので…寄り道したかったんです」
一方通行「なンか暗いな、この道」
百合子「あまり、人が入ってなさそうですよね。看板も寂れてて…、だからみんなで行くのは忍びないかなぁ…って」
一方通行「案外いい景色だったりするンじゃね? 下見ってことで、良かった他の奴らにも教えてやればいいさ」
百合子「えぇ…。あ、可愛いお花!白くてちっちゃくて…」しゃがみ
一方通行「そんな隅っこの花、よく見つけるな」
百合子「えへへ、いつもきょろきょろしてるからそれが役に立ちましたね」パシャ
一方通行「お前、普段どういう写真撮ってンだ?」
百合子「家族や、風景とか…、見てみます?」
一方通行「ン」ピッピピッ
一方通行「なんだこれ?カーペット?」
百合子「猫ちゃんの背中のアップです。この模様がハート型に見えません?」
一方通行「言われてみれば…。…この大量の空き缶が入ったゴミ箱は?」
百合子「なんとなく。こんなにあふれそうなくらいたくさん入ってるのは見たこと無かったので…」
一方通行「路地裏入口…」
百合子「上の布からこぼれる光が綺麗だったんですよ。ほら、ここの部分…」
一方通行「このビル群は?」
百合子「ふふふー。これはお気に入りです!ほら、下のとこ、ビルの影が重なってて模様みたいに見えませんか?」
一方通行「あー…確かに。…なンかお前の写真面白ェな」
百合子「えっ、え!? 面白いですか!? あ、あれ…?」キョトン
一方通行「あー…、愉快だとかそうじゃなくてだな…。なンつーか、独特っつーか、個性的っつーか…」
百合子「そう、ですか?」
一方通行「俺もあンまよく解らねェけど、人物写真とかよォ…そういうのが普通なンじゃね?」
百合子「人物……。…あ、この前撮ったお兄様の写真!」パッ
一方通行「…………いつ、撮った?」
百合子「4日前です。ほら、お昼寝してたじゃないですか。その時に、クッション抱いてて可愛かったので」エヘヘ
一方通行「………」
百合子「あと、打ち止めさんと黄泉川さんがお喋りしてた時の写真とか、この間芳川さんとお買い物行った時に撮った写真とか…」
一方通行「…楽しそうに、撮ってンのな」
百合子「はいっ!」ニパ
百合子「で、でも…やっぱり人物写真が多い方がいいですかね?」アワアワ
一方通行「そういう意味じゃねェよ。お前の好きなものを好きなように撮れ。それがお前の感性なンだろ。俺は全部受け入れるぜ?」
百合子「えへへー///」
一方通行「お、あの木漏れ日の影とか面白ェンじゃねェの。ほら、あれが池だろ? うまい具合に光が反射してて良さそうだぜ?」
百合子「わぉ、本当ですね!あの、影とかコウモリの形に見えません?」
一方通行「そォか? 俺には猫に見えるぞ?」
百合子「どういう感じですか?」
一方通行「ここが顔で、ここが身体で…こう、寝そべってる感じ」
百合子「あ、言われてみれば!私はナナメの角度で羽を広げてるコウモリに見えました」パシャ
一方通行「あー…それもありだな…。つーか、ロールシャッハやってるみたいだな」クケケ
百合子「そうですね。人それぞれに見えるものが違うと、やっぱりみんなひとつではないんだなぁ…と思います」
一方通行「俺はお前と同じ答えになると思ったけどな。でもやっぱり俺とお前は感性が少し違うのかもな」
百合子「えへへ、培養器から出て一年で色んな事経験しましたから…感性にも差が出ているんですね」
一方通行「いいことじゃねェの。お前はお前なンだからな」
百合子「はい。お兄様と一緒ではないのはちょっと寂しい気もしますが、違う答えが出るから1度で2度おいしいって思います!」
一方通行「なンだ、その発想。…く、はは…やっぱお前面白ェわ…、く、ふふ…!」プルプル
百合子「えぇー…、やっ、やぁ…もう…。そ、そんな笑わないでくださいぃーっ」アブブ
一方通行「悪ィ悪ィ…。ほら、写真撮っておけ」
百合子「そ、そうですね。この池って結構大きいですね。ちょっと鬱蒼とし過ぎかな…。ほったらかしで木の葉が池を覆っちゃってますね…」パシャ
一方通行「だなァ…」
百合子「でも、なんだかファンタジックですよね。泉の妖精とかいそうな感じで!」パシャ
一方通行「妖精………。……百合子、あそこの光が射してるとこに立ってみろ。あと、カメラ貸せ」
百合子「え? は、はい…」パス トコトコ
百合子「……ここら辺かな?」トコ
一方通行「はいチーズゥ」
百合子「あわわ、い、いきなり!?」クルッ
パシャ
百合子「やんっ、絶対ぽかんとした顔しちゃいましたぁ…」ショボーン
一方通行「ンなことないだろ」パシャ
百合子「あわわ、しょんぼりしてるとこも撮っちゃやですぅ!」トタタタ
一方通行「こォいうのは自然体が一番だろォが?」ニヤニヤ
百合子「そ、それもそうですけど…」
一方通行「ンじゃ、そろそろ行くか。ほらよ、カメラ」ヒョイ
百合子「は、はいっ!」トテテ
一方通行「…………」トコトコ
百合子「…………」トコトコ ピッピピッ(カメラの写真確認)
百合子(はぅ、やっぱりしょんぼりしてる…)ピッ
ピッ
百合子「ふぇ?」ピタ
百合子(これ、お兄様の撮ってくれた…私?)
百合子(すごい…、光がきらきらしてて…私が振り返った背中から、葉っぱが羽みたいに伸びてて…、妖精みたい…///)
百合子「………」
一方通行「………」トコトコ
百合子「えへへ///」ニパ
百合子「お兄ー様っ♪」ギュッ
一方通行「ン…」
***
百合子「黒子さーん!」ノシノシ
黒子「ま、ぁ…。わざわざそんな…お迎えに来ていただけるなんて…ありがとうございますの!」ペコッ
百合子「いえ、気にしないでください。私も少し歩きたくて…あと、ゴミを一度捨てようと思って…ね?」
一方通行「そォいうことだ。ンじゃ行くぞ」トコトコ
黒子「…ありがとうございます、百合子さん、一方通行さん」
百合子「おにぎりとかサンドイッチにから揚げとかサラダとか、色々作ったのでいっぱい食べてくださいね!」トコトコ
黒子「えぇ、ありがとうございます。先ほどちょうど、警邏中にひったくり犯と追いかけっこしていたのでお腹ぺこぺこですの」トコトコ
百合子「風紀委員、大変そうですね」
黒子「我々の活動で学園都市の皆さんが安心して日々過ごしてくれるなら、本望ですの」
一方通行「そのために自分は怪我してもいいのか?」
黒子「あら、その程度で信念は折れてしまいますか? あなたもそうではないはずですのに…」クスクス
百合子「?」
黒子「守りたいものというのは、人に寄って違いますのよ」
一方通行「そりゃまァ大層な包容力でェ」
黒子「それでしたらあなたは黒子よりももっと包容力あるじゃないですか。謙遜なさらないでくださいまし」
一方通行「はァァ!?」
黒子「さ、百合子さん。早く行きましょう。お姉様たちが待っておりますの!」
百合子「はいっ」
一方通行「………チッ」
黒子「美鈴さんもいらっしゃるんですよね」
百合子「あ、ご存知でしたか?」
黒子「えぇ、昨日お会いしましたからね」
百合子「とっても気さくで優しい方ですよね」
一方通行「単純に酒癖悪いだけだろォが」
黒子「やはりお姉様の母上様ですの。芯が強くて頼もしく、そして愛らしい!!」グッ
一方通行「はいはい」
一方通行(つーか俺、素面ン時のなンか知らねェし)
百合子「黒子さん黒子さん」
黒子「はい?」
百合子「風紀委員って具体的にどんなことしているんですか?」ワクワク
一方通行「なンだ、風紀委員に興味あンのか?」
百合子「だって、学園都市を守って下さっている人たちですよ。私は学生じゃないですけれど…、やっぱり守ってくださっている方たちのことは知りたいなぁって」
黒子「そうですわね…。まぁ、治安維持活動なのですが…実は所属する校内での治安維持がメインですの…」
百合子「そう、なんですか? 黒子さんってあちこちで人助けをしたり、悪いことした人を捕まえたりしてる気がしたのですが…」
黒子「あれって実は管轄外なんですの。……ふふふ、もう何枚始末書を書いたことやら…ふふふ…」カタカタ
百合子「ほぇあ…、黒子さんはやっぱり素敵な人なんですね」
一方通行「始末書まみれがか?」
百合子「ち、違いますよぅ!……えへへ、黒子さんが手を広げた時、学園都市全部を抱いてるみたいだなって…。
さっきの包容力のお話と同じなのですが…、いい人も悪い人も救っているんだなぁ…って」
黒子「そ、そんな大それた人間じゃありませんのよ…///」テレテレ
百合子「黄泉川さんも警備員で時々怪我をしたりするのですが、それでもいつも目は透き通っていて…。黒子さんも同じ目をしてます」
黒子「……なんだか、照れてしまいますの…///」
百合子「私、何かお手伝い出来ることあったら言って下さいね!私もこの街が大好きなので!」
黒子「………では…」
百合子「…!」ワクワクキラキラ
黒子「いつも、笑っていてください。平和で明るい世界にいてください」
百合子「……それで、いいんですか?」キョトン
黒子「百合子さんが…生まれたのはたぶん…、学園都市の最も暗いところに近いと思いますの…。でも、あなたはこんなにも眩しい。
黒子はそんな眩しい世界をずっと見ていたくて守っていますの。みんなが幸せそうに笑っているこの街が、大好きですの」
百合子「………えへへ///」
一方通行「俺らがお前に求めてるもンはそれなンだよ」ポンポン
百合子「でも…皆さん守るために色々しているのに…何かを守ってるのに…私、それだけでいいんですか? なんだか、ちょっぴり歯がゆくて…」
一方通行「何言ってンだ」
百合子「ふぇ?」
一方通行「お前だって、俺らを守ってるだろ? 落ち着く場所とか、帰る場所っていうか、なンつーか…精神的に安らぐっての?
俺らにとってお前がそうなンだよ。それって俺らの心を守ってるってことにならねェか?」ナデナデ
百合子「なんだか、すごそうですね…。私、そんなポジションにいていいんですか?」
一方通行「いてくれなきゃ、むしろ困るな。なァ?」
黒子「そうですわね。百合子さんを見てるとわたくしもすっごく心が落ち着きますの。そういう人って大事なんですのよ」
百合子「ほぇあ…///」テレッ・・・
一方通行「つーか、お前は素直だから助かるわ…。クソガキはあれで、俺なンかより強かったりするからな…本心を言いやしねェ…」ハァ
百合子「打ち止めさんはいつもお兄様のためを想っていますよ?」
一方通行「あいつ時々妙に悟った目でいるンだよな…。一生敵わねェと思う…」
百合子「お兄様は打ち止めさんを、打ち止めさんはそんなお兄様の全てを守っているんです」
黒子「さすが打ち止めさんですの。女は少しミステリアスな方が魅力的ですのよ?」クスクス
一方通行「ミステリアスとは違うだろォが」
百合子「あ、黒子さん、あそこです。みなさーん!黒子さん到着ですよー!」
美琴「お疲れ様、黒子」
打ち止め「お姉ちゃん、久しぶりーってミサカはミサカはお姉ちゃんに駆け寄ってみる」
御坂妹「こんにちは、とミサカは頭を下げます」ペコ
美鈴「黒子ちゃんやっほー!」
黒子「あぁ…、ここは最後の楽園…。黒子はもう何もいりません…この御坂天国があれば!!」
百合子「えへへ、私もおにぎり食べようっと。…黒子さんは何がいいですか? サンドイッチもありますよ」
黒子「わたくしもおにぎりがいいですの。鮭はあります?」
百合子「はい、これです。どうぞ、召し上がれ」ニパ
一方通行「俺ももう一個。ツナマヨ」
百合子「はい、どうぞ」
禁書「ゆりこ、ゆりこ!一通り味見したんだけどどれもすっごくおいしかったんだよ!!あのね、特にから揚げのさくっとした感じがね!」
上条「どうせ上条さんの作ったから揚げは冷えたらしんなりですよー…。てゆーか、あの量の一通りでまだ味見レベルか!このブラックホールさんめ!」
美鈴「でも、インデックスちゃんはおいしそうに食べてるから見てて楽しいわよねー。作ってる側からしたらすごく嬉しいわ」
禁書「えっへん!」
上条「御坂さんはこいつの本当の食欲を知らないから…はぁ…」
百合子「そうだ。インデックスさん今度お菓子作り練習しませんか? とっても簡単なクッキーの作り方教えますので、それならお家ででも出来るかも」
禁書「当麻のお手伝いは去年の旅行から継続してるんだけど…、お菓子は作ったことないんだよ…。料理も当麻がいないと作れないし…」ムムム
百合子「学校から疲れて帰って来た当麻さんにあげたら喜んでくれるかもしれませんよ。お腹ぺこぺこだと思うので、お夕飯までちょっと小腹を満たす感じで」
上条「あはは、インデックスはカット専門だしなぁ。包丁さばきだけは一人前ですよ」ケラケラ
禁書「お、お菓子くらいなら私だってきっと作れるんだよ!そしたら当麻に食べてもらうもん!!」
上条「解った解りました。期待しないで待ってまぁす」ケラケラ
禁書「む~!!!」ポカポカ
美琴「………お菓子、かぁ…」
美鈴「美琴ちゃん、チャンスじゃない。作って持って行けば上条くんゲットよ!」グッ
美琴「ばっ、ばかなこと言わないでよママ!!わ、私は別にたまには自分で作って食べようかなぁ~とか思っただけだもん!!」
美鈴「男は胃袋を掴むって言うじゃない~。ほらほら、ゆりりんに先越されちゃうぞ~?」ウリウリ
美琴「ゆっ、百合子は一方通行一筋だし!!みんなそれ解ってるからそれは、ない…わよ…うん。…もし、万が一があっても百合子だったらあいつフるし…」
御坂妹「百合子さんは絶対ライバルになりません。それは確定しています。とミサカはママに百合子さんは一方通行ラヴであることを教えます」
打ち止め「ユリコはミサカラヴでもあるもんっ!ってミサカはミサカは10032号に反論してみる!」
御坂妹「はいはい。とミサカは適当にあしらいます。今はそんな話いいから。上条のことが一番だから」
美鈴「あらら、みーちゃんも上条くんが好きなの?」
御坂妹「はい、他の妹達も大半が上条派です。とミサカはママにリークします」
美鈴「ママはみんな応援するわよー!打ち止めちゃんは好きな子いないの? れーたん?」
打ち止め「うーん…。あの人のことは大好きだけど、お姉様や妹達とは違う好きだよ。家族だもん。ってミサカはミサカは複雑なミサカ心情を簡潔にまとめてみる」
美鈴「打ち止めちゃんは大人ねー。さっすがママの娘!」ナデナデ
打ち止め「えへへー///」
黒子「…………素晴らしい…」ハァハァハァハァハァハハァハァハ
一方通行「おい、帰って来い」
百合子「黒子さんは、御坂さん大好きですもんね。すっごく幸せそうな顔です」
禁書「あ、私のコップの中に桜の花びらが入ってるんだよ。ゆりこ、見てみて!」
百合子「風流ですね、桜が本当に綺麗で…青空で…こうやって皆さんと楽しくご飯が食べれて…えへへ、幸せ///」
禁書「日本の様式美なんだよ。季節ひとつひとつを美しく切り取って楽しんで…」
上条「ホント、こうした花見は久しぶりだなぁ…」
美琴「ね。学校の庭とかで少し眺めることはあるけど、こんな風に友達とお花見なんて何年ぶりだろ」
百合子「去年は、まだお花見したいとか…そういう発想が自分になかったのですが…、今年は出来て良かったです。また、来年も出来ますように」
打ち止め「桜前線情報いつも見てたもんね。ってミサカはミサカは桜情報を常に仕入れていたユリコを思い出してみたり!」
一方通行「ここ最近の桜ブームだもンなァ…。昨日は桜のメロンパンとか買って来てたよな…。あと、最近は桜のシャンプーとか…」
百合子「あわわわわ!!は、恥ずかしいから言っちゃやですよぉー!!///」
黒子「そういえば、お姉様も桜の入浴剤を買っていましたの」
美琴「うん、百合子がお花見するって言ってたから私もなんか桜意識しちゃってね」
御坂妹「そういえば、先日桜そばを食べたミサカがいましたね。とミサカは報告します」
禁書「日本人はみんな桜が大好きって聞くけど本当なんだねー…」ホァァ
上条「DNAレベルで滲みこんでるんだろうな」アハハ
***
夕方
美鈴「それじゃ、今日は打ち止めちゃん借りていくねー!」
打ち止め「借りられまーす!ってミサカはミサカはママと手を繋いでみたりっ」
一方通行「あンま迷惑かけンじゃねェぞ」
百合子「泊まるのは第3学区のホテルですよね? 明日打ち止めさんのお迎えとお見送りに行きますね」
美鈴「うん、ありがとうね。今日は美琴ちゃんとみーちゃんと打ち止めちゃんとみんなで家族でお泊りよ。パパがいないのが残念だけどね。それはまた近いうちに…」
御坂妹「まずは、第4学区への電車のルート調べました。とミサカはママに出来る娘をアピールします」エッヘン
美琴「第4学区のオススメのお店、予約入れたわよ」
美鈴「よーっし!飲むわよー!!」
打ち止め「ミサカもジュース飲むー!ってミサカはミサカはママと一緒に拳を振り上げてみる!」
美琴「それじゃ、黒子もあとよろしくね。一応、今朝のうちに外泊の申請書は出してるから」
黒子「えぇ、楽しんで来て下さいまし」
上条「いいよな、こういうのって…」クスクス
禁書「短髪、すっごく嬉しそう」
美鈴「それじゃ、みんなまったねー!」
上条「俺たちは明日見送りできないけど、御坂さんも元気で。またいつでも遊びに来て下さいよ」
美鈴「上条くんもインデックスちゃんもありがとう。これからも美琴ちゃん、みーちゃん、打ち止めちゃんと仲良くしてあげてね」
禁書「もちろんなんだよ!」
御坂妹「そろそろ移動した方がいいですよ。とミサカは電車の時間を考慮します」
打ち止め「いってきまーす!ってミサカはミサカはあなたとユリコにご挨拶しながら手を振ってみる!」
百合子「楽しんで来て下さいね~」
一方通行「ン」
黒子「では、わたくしたちも帰りましょうか」
上条「それにしてもまさか御坂さんが来てるとは思わなかったなぁー」
百合子「とっても楽しかったですね!」
禁書「そういえば、あくせられーたが…その、思い切り…キ、キスされてたけど…」
一方通行「忘れろ」
百合子「そういえば、ほんわりと桜の味がしましたね」
黒子「まぁ、そんなことがありましたの?…羨ま…、ごほん」
禁書「ユリコもキスされてたんだ?」
百合子「はい。お兄様は、間接キスというのをしたみたいです」
上条「…………」
一方通行「おい、その目はなンだ? 的にしてほしいのか? あァ?」
上条「いや、なんかお前たちってどんどんステップアップしていってる気がして…」
一方通行「あァァァ!!?///」
百合子「えへへ、今日は素敵な写真がいっぱい撮れたし、お家に帰ったらプリントアウトしてアルバム作ろうっと♪」
以上、お花見編おしまい。
【百合子の一日】
AM6:00
ピピピピピピピピ
カチッ
百合子「むー…、ぅ………」ムニャムニャ
百合子「……………………………………」コクコク
百合子「ふぇあ…寝てない…二度寝してない…もん……」
百合子「……………」ウツロウツロ
百合子「お、起きるもん…いちー…にー…の…」
百合子「……………」ウツロウツロ
百合子「お布団から…出るもん…」ノソノソノソ ズルズルズル ドテッ
百合子「朝、強くなりたい…なぁ…」フワァァ
百合子「よぉし、今日も頑張るぞー…」
AM6:45
黄泉川「おはよう百合子。いつもご苦労さまじゃん」
百合子「おはようございます、黄泉川さん。今日のお弁当は和風ハンバーグです。こっちにポン酢と大根おろし入ってるので食べるときにかけてくださいね」
黄泉川「いつ見ても百合子のお弁当はおいしそうじゃんね。この間生徒にも羨ましそうに見られたよ!」
百合子「えへへ、それではもっともっと気合入れないと。あ、デザートは昨日作っておいたフルーツゼリーです」
黄泉川「ん。このみかんがいっぱい入ってるの持って行っていい?」
百合子「えぇ、大丈夫です。あ、朝食もすぐ用意しますね。今日はジャムはどれにしますか?」
黄泉川「ブルーベリーがいいじゃん」
打ち止め「おはよーってミサカはミサカはヨミカワとユリコに挨拶してみる」
百合子「打ち止めさん、おはようございます。今日は早起きさんですね」
打ち止め「昨日早めに寝たからちょっぴり早く目が覚めたみたい。あ、朝ごはん? ミサカいちごジャムがいい!ってミサカはミサカは両手を挙げてみたり」
黄泉川「パン焼いといてあげるから先に歯を磨くじゃんね」
打ち止め「りょうかーい!ってミサカはミサカは洗面台に向かってみる!」
黄泉川「ついでに桔梗も起こしてほしいじゃん!」
百合子「よーし。お弁当完成ー! つっぎは朝ごはんのサラダぁ♪」テキパキ
黄泉川「本当に百合子は働き者じゃんね。百合子が来てから仕事に専念出来るようになったから助かるじゃん。家のことは百合子に任せておけば安心だ」
百合子「そ、そそそそんなことないですよぅ…。わ、私は居候させていただいてる身ですし…少しでも皆さんのお役に立てれば…///」テレテレ
黄泉川「あー、もう!百合子は本当に可愛いじゃん!」ギュー ワシャワシャ
百合子「えへへへへー///」ニパニパ
AM7:30
黄泉川「それじゃーいってきまーす!」
打ち止め「いってらっしゃーい!ってミサカはミサカはヨミカワに手を振ってお見送りしてみる!」
芳川「いってらっしゃい」
百合子「いってらっしゃいませ」
黄泉川「ばいばーい!」
打ち止め「ユリコ、ユリコお片付け手伝うよ!ってミサカはミサカはリビングに向かってみる」
百合子「ありがとうございます。では、半分こで運びましょう」
芳川「それじゃ、テーブル拭くわね」
打ち止め「ミサカは今日病院だよ。他の妹達とMNWの調整もするから夕方ごろに帰れると思う。ってミサカはミサカは今日の予定を報告してみたり」
百合子「お昼はどうしますか? お弁当作りましょうか?」
打ち止め「ううん。今日はお外で食べるの。ってミサカはミサカは他のミサカと約束済みだったことを教えてみる」
百合子「あ、この間13577号が行ってた定食屋さんですか?」
打ち止め「そこー!エビフライがすっごくおいしいんだって!ってミサカはミサカはエビフライ定食を注文することを先週から決めていたり!!」
芳川「あぁ、あの定食屋さんね。私は親子丼が好きよ。味付けが昔ながらって感じで」
打ち止め「今度ユリコも一緒に行こう!来週はユリコも病院行くんだよね?ってミサカはミサカはユリコの服の裾を引っ張ってみる!」グイグイ
百合子「そうですね。私も行ってみたいです」
AM9:30
打ち止め「それじゃミサカもいってきまーす!ってミサカはミサカはユリコに手を振ってエレベーターに乗ってみる」トン
百合子「いってらっしゃい。芳川さんはお昼過ぎに帰られるんですよね?」
芳川「私は午前でおしまいだからね。お昼食べに戻って来てから今度は本屋巡りに行くわ。じゃ、いってきます」
百合子「はい、お気をつけて」
百合子「お洗濯物は干したし…掃除機はお兄様が起きてからかけたほうがいいかな。…よし、お兄様にお出しするコーヒーの用意しよーっと♪」
百合子「時間もあるし、今日はローストしてみようかな」
百合子「えへへー、高い豆だから今日は失敗しないようにしないと!この間はちょっと渋みが残ってたっていうし…」
ザラザラ
百合子「あ、お昼ご飯は何にしようかなぁ……」
百合子「冷凍のおうどんがちょうど3人前残ってたし……、焼うどんにしようかな」
百合子「鰹節いっぱい乗っけてほわほわ~って…」ニマニマ
百合子「おとと、ぼんやりしてたら焦がしちゃう!」アセアセ
AM10:00
カチャ
百合子「お兄様ー、おはようございますー」ユサユサ
一方通行「………もォ、じゅーじ?」
百合子「はい、10時ですよ。おはようですよー」
一方通行「ンっ、う………」モソモソ
百合子「コーヒー、煎りたての作りましたので頑張って起きてくださぁい」
一方通行「マジか…」
百合子「今日は上手にロースト出来たと思うんですよ。さぁ、あと5秒でカーテン開けちゃいますよー」ヨジヨジ ギシッ
一方通行「待て…あと少しで、起きる…から…」
百合子「さーん…にぃー…いーち…ばさぁ!」バサッ
一方通行「ゥぐァァァ…」モソモソモソ
百合子「かくれんぼはダメですよー!」バッ
一方通行「うォォ、眩し…!」
百合子「えへへ、ちゃんと起きてくださいね。コーヒー淹れますから」トタタタ
AM10:30
百合子「お兄様、お昼前に軽く食べますか?」
一方通行「そォだな…」
百合子「スクランブルエッグとサラダでいいですかね?」
一方通行「軽くでいいぜ」
百合子「ラジャーです!」テキパキ
一方通行「……………ふァ…」アクビ
百合子「昨日、本を読んでましたが…もしかして夜更かしさんしちゃいました?」クスクス
一方通行「あァ…全部読んじまった…」
百合子「私が海原さんから借りてた推理小説ですか?」
一方通行「それ」
百合子「結構厚みありましたよね。どのくらいかかりました?」
一方通行「3時前には寝れたわ…」
百合子「そっかぁ…。あ、私まだ途中までだから犯人とか言っちゃやですよ?」
一方通行「どこまで読んだ?」
百合子「探偵さんが4番街でお兄さんから悩み相談されるとこです」
一方通行「あー…あそこか。あの胡散臭かった親父が死んだあとな。まだ半分くらいだな」
百合子「そうですそうです。次はそのお父さんの隠れ家のあった郊外に行くんですよね。……はい、ご飯出来ましたよー」
AM11:00
一方通行「さっきの小説だけどよォ…、お前犯人誰だと思う?」
百合子「うーん…、兄妹さんの本当のお父さんが怪しいけど…私は妹さんが犯人かなぁーって思ってます」
一方通行「最初の連続殺人は? 妹アリバイあるだろ?」
百合子「最初の殺人事件は、実は全く関係なくて、もしくは妹さんと別に模倣した犯人がいる…!……なんちゃって」
一方通行「あーそれは俺も思ってた。妹だけじゃ体力的に無理な距離と大きさの死体もあったしな」
百合子「そうなんですよね。でも、それも引っかけかなぁ…。あとで少し続き読みますね」
一方通行「この手の小説はあンま読まねェけど結構面白ェな。少し手ェ出してみるか」
百合子「私、安楽椅子探偵ものが気になります」
一方通行「ジェーン・マープルがそんな感じじゃなかったか?」
百合子「アガサ・クリスティさんの本は有名ですし、一通り読みたいですね。お兄様はどんなジャンルが気になります?」
一方通行「本格派。けど、パズルミステリも面白そうだな」
百合子「図書館…、私のカード作ってもらえるかなぁ…」
一方通行「学生証がカード代わりだからな。俺は冊数制限ねェし、今度行くか」
百合子「は、はいっ!…えへへ、この間当麻さんに借りた漫画も面白かったし色々借りれるかな?」
一方通行「漫画は、置いてねェぞ」
百合子「うぇ…」
PM12:30
芳川「ただいま」
百合子「おかえりなさいませ。もうお昼ご飯出来ますよ」
芳川「焼うどん?」
百合子「はい。お野菜いっぱいです♪」
一方通行「…よォ」カチャカチャ
芳川「あら…ふふふ…」
一方通行「ンだよ…」
芳川「ううん。お箸とコップ並べてテーブルセッティングしてるキミが微笑ましくてね」
一方通行「言ってろ…」プイッ
百合子「はーい、お昼ご飯出来ましたよ~♪」
一方通行「こっちも用意出来たぞ」
芳川「お皿持っていくわよ」
百合子「ありがとうございます」
一方通行「これで全部か?」
百合子「はい。お待たせしました」
芳川「それじゃ」
一方通行「いただきまァす」
PM1:30
芳川「本屋巡りしてくるわね」
百合子「はい、お気をつけて」
一方通行「本屋?」
芳川「何か欲しいものある?」
一方通行「推理小説。ブームが来たっぽい」
芳川「ジャンルは? 指定がないなら勝手に選ぶけど」
一方通行「パズルミステリ」
芳川「黒後家蜘蛛の会シリーズはどう?」
一方通行「あれってパズルミステリだったか? 安楽椅子探偵系じゃね?」
芳川「ううん。両方だった気がするわ。ほら、専門家たちが頭を悩ませる会話を聞いてた給仕が解決するやつ」
一方通行「じゃーそれ。百合子は安楽椅子探偵ものが気になるっつってたしちょうどいいだろ」
芳川「あら、二人ともブーム来たの?」
百合子「お借りした推理小説読んでたら他も読んでみたくなったんです」
芳川「あぁ、百合子ちゃんが昨日お昼に読んでた本? たしか、兄妹二人とも犯人だったんだっけ?」
百合子「にゃ!? あっ、あー!!だ、ダメですぅ!!」アワアワアワ
一方通行「ばっ、こいつまだ読み終わってねェンだよ!!」
芳川「えっ、うそ…ご、ごめんなさいっ」アタフタ
百合子「はぅ…」ショボーン
PM2:00
百合子「お兄様、テーブルの下掃除機かけますのでちょっと動いてもらっていいですか?」シュゴー
一方通行「ン」
百合子「午前中に掃除機かけちゃうつもりだったのですが、お喋りしてたらすっかり忘れちゃいました」エヘヘ
一方通行「まぁ、さっきの芳川の件は…、まだトリックが暴かれてないから…気にすンな…」
百合子「私が早く読んでしまわないのがいけなかったんですよ。えへへ、でもどういうトリックなのかなぁ…」
一方通行「読んできゃまたヒント出てくるから…。ほら、掃除機かけていいぞ」
百合子「はーい」
一方通行「洗濯物取り込むか?」
百合子「あ、お願いしてもいいですか?」
一方通行「おう」
百合子「掃除機かけてお洗濯物畳んだらお茶にしましょう。ロールケーキあるので」
一方通行「今朝のローストした豆は?」
百合子「まだ残ってます。それでいいですか?」
一方通行「あァ。今回のはばっちりだったぜ」
百合子「えへへ///」
PM3:00
百合子「昨日買って来たロールケーキ、当たりでしたね♪」
一方通行「ホント、ロールケーキ流行ってるよな…」
百合子「お陰であちこちで色んなロールケーキ食べれていいですね。どこも力入れてるからおいしくて」
一方通行「前に学び舎の園の中で買って来たってゆーヤツが一番俺好みだったなァ」
百合子「ブルーベリーとかのベリー類が入ったのでしょうか? あれは甘さ控えめでお兄様好きそうかなぁって思ってました」
一方通行「今のロールケーキは生クリームばっかだろ。下手なもンは生クリームがきっついンだよなァ。いいのは食ってももたれねェンだけど」
百合子「そうなんですよね。あまり食べると生クリームがちょっとくどいかなって…」
一方通行「それなンだよな。お前が来るまで甘いもンなンて滅多に口にしなかったけどよォ、ここ一年弱ですっかり甘いものも舌肥えちまったわ。
お前がうまいもン作りすぎるからだな」
百合子「えへへ。お兄様も黄泉川さんのお家に来るまでは随分偏った生活してたみたいですが…、私がこのお家のキッチンを任されている以上は
健康でおいしいものをどんどん作っていきますからねっ?」ニパ
一方通行「期待してる」
百合子「…えへ///」テレテレ
一方通行「夕飯の買い出しはどうすンだ?」
百合子「打ち止めさんが病院終わるのが5時なので、その時間にお迎え行けるようにするから…4時には行きます。お夕飯はどうしようかな…」
一方通行「肉…」
百合子「昨日がハンバーグだったじゃないですかぁ。ダメです。今日はお肉は出しませんよぅ」
一方通行「肉…」
百合子「うーん…。トマト缶があったからトマトクリームのフェットチーネにしようかな…。あ、でもお昼も麺類だったしなぁ…」
一方通行「肉…」
PM4:30
一方通行「なァ、この牛肉すっげーうま」
百合子「ダメです。今日はフェットチーネです。トマト缶早く使わないと」ニコッ
一方通行「俺の好物は肉なンだけど…」
百合子「でしたら、何日か我慢をすればもっとおいしく感じますよ」ニコニコ
一方通行「わがまま言ってごめンなさい。だから明日は肉食わせて下さい」ペコリ
百合子「明日はお魚にします」
一方通行「うェ!?」バッ
百合子「ほら、今日はアジが安いですよ。明日はこれを南蛮漬けにして食べましょうね」ヒョイ スタスタ
一方通行「……」ショボン
百合子「明後日はお肉料理にしましょう。ですから、そんな悲しい顔しないでください」
一方通行「ステーキ」
百合子「唐揚げです」ニパ
一方通行「焼肉」
百合子「唐揚げです」
一方通行「ワカリマシタ」
百合子「解ればよろしい♪ 次はレタスを選びに行きますよー」トテトテ カラカラ
一方通行「……お前って結構頑固じゃね?」
百合子「それなら、お兄様と同じですね?」クスクス
一方通行「…俺の負けだ」ハァ
PM5:00
病院 ロビー
打ち止め「たっだいまーってミサカはミサカはユリコとあなたにぴったりくっついてみる♪」
百合子「お疲れ様です。どうでしたか?」
打ち止め「うん。ばっちりだよ。MNWの状態もいいし♪ ってミサカはミサカは本日のご報告♪」
一方通行「他のヤツらも平気か?」
打ち止め「うん。19090号がちょっぴり風邪気味ってくらいかな。熱もないからすぐ治るって」
百合子「最近は気温の変化が激しいですからね…、早く元気になってほしいです…」
一方通行「つーか打ち止めは風邪知らずだよな…。お前だけじゃねェの? この家で今だ風邪ひいてないのは」
打ち止め「ミサカは風の子元気の子!ってミサカはミサカは腰に手をあてて胸を張ってみる!」エッヘン
百合子「でもでも、油断大敵ですからね?」
打ち止め「うんっ。あなたもユリコも気を付けてね?ってミサカはミサカは身体の弱い二人も心配してみる」
一方通行「別に弱くねェし…」
打ち止め「えー、だってあなたって風邪ひくと」
一方通行「それはいいから受け付け呼ンでンぞ!早く行ってこい!!」アセアセ
打ち止め「あ、はいはーい!ってミサカはミサカは受け付けのお姉さんのとこに走ってみる」トテテテテ
百合子「お兄様は甘えんぼさんになりますよね」ニパ
一方通行「言うな…///」カァァ
PM6:30
百合子「エビフライ定食、食べましたか?」
打ち止め「食べた食べたー!おいしかったよー!サクサクっ、ふわっ!って感じなのってミサカはミサカはほっぺを押さえながらおいしさを表現してみる」
一方通行「わっかンね」
打ち止め「だから、サクサクっ、ふわっ!なの!ってミサカはミサカはソファでごろごろしてるあなたにもう一度説明してみる」
一方通行「全くもって想像出来ねェンだよ。もっと解りやすく表現してみろよ」
打ち止め「じゃぁ、じゃあ!昨日食べたハンバーグ!表現してみて!ってミサカはミサカはあなたに挑戦状を叩きつけてみたりッ!」
百合子「昨日のハンバーグ、お兄様すっごく喜んでくれて嬉しかったです」
一方通行「………もぐもぐ…、じゅわ…、とろとろ…、ごくン………」
打ち止め「…………………15点。ってミサカはミサカは予想以上にひどかったあなたの表現にそれでも点数を付けてみる…」
一方通行「いや、マジでそンなな感じだったっつーの!!食った瞬間の肉汁すごかっただろォが!ハンパねェっつの!お前にあの時の俺の喜びが解るか!?」
打ち止め「解るもん。だって、あなた「うまい。うまい」って小声で連呼しながら食べてたじゃない。ユリコがすっごくほっぺ赤くしてニマニマしてたもん。
ってミサカはミサカは昨日の黄泉川家の食卓を思い返してみたり」
一方通行「うっぐ…///」
百合子「えへへ///」テレテレ
一方通行「そ、それより話題はエビフライ定食だろォが!!明日俺も病院の帰りに食ってくるから場所教えろ!」アセアセ
打ち止め「病院から少し歩くけど、近くだよ。裏側にあるのってミサカはミサカは教えてみる。あとで地図描くね」
PM7:30
黄泉川「ただいまー…」
打ち止め「おかえりー!ってミサカはミサカはヨミカワに飛びついてみたり…ってなんだかしょんぼりしてる?
ってミサカはミサカはヨミカワから降りて首を傾げて尋ねてみる」
黄泉川「あははー…」
芳川・一方通行「「始末書」」
黄泉川「ぐ…。し、仕方ないじゃんね。…警備員のお仕事にトラブルと車の破損は必要じゃん…」
百合子「では、今日はお酒はストップですね。代わりにジャスミンティーを用意しますよ。集中力を高められるみたいです」
打ち止め「ヨミカワっ、がんばれ!ってミサカはミサカはヨミカワを応援してみたり!」
黄泉川「百合子と打ち止めだけじゃん、頼もしいのはー!!」ガバッ
一方通行「うっせェ。飯にすンぞ」スタスタ
芳川「愛穂が帰ってくるの待ってたのよ」スタスタ
黄泉川「この二人には愛がない…。や、家主は私じゃんよー!!」プンプン
百合子「えへへ、書類頑張って書けるようにお夕飯たくさん食べてくださいね。はい、出来上がりです!」
打ち止め「ミサカは運ぶーってミサカはミサカは盛り付け中のユリコを観察しながらお手伝い宣言!」
黄泉川「あー…おいしそうな香りがするじゃん。お腹すいたー」
百合子「はい、これで全部です。では…」
『いただきまーす!』
PM9:00
バシャバシャ
打ち止め「それで検査してる時に19090号がねー…ってミサカはミサカは今日のお話を暴露してみたり」
百合子「19090号さんは雑誌の情報に詳しいですよね。今流行してるお洋服とか教えてもらおうかな…」
打ち止め「19090号は恋愛コラムとか、占いが好きなんだよ。そっちも詳しいみたいってミサカはミサカはいつも新しい占いを追い求めてる19090号を思い返してみる」
百合子「はい、打ち止めさん。頭流しますよー。目、瞑ってて下さいねー」
バシャー
打ち止め「ありがとー。次はボディーソー…」
ガチャ
一方通行「ボディソープ切れてるらしいからこれ新しいのに取り替えろだと」
百合子「はい、ありがとうございます」
打ち止め「ひゃ、わ…きゃぁぁ!!な、なんであなたはノックもしないで平然と乙女だけのお風呂場に突撃するのー!ってミサカはミサカはユリコの後ろに隠れる!」サッ
一方通行「はァ? つーか、今更気にするかよ。何度お前らの平坦な身体見てると思ってンだ?」
打ち止め「へ、平坦!?」ガーン
百合子「平坦…」ペタペタ
打ち止め「ミ、ミサカももう子供じゃないもん!む、胸だって最近ちょっとあるし!ユリコよりぺったんこじゃないもん!!ってミサカはミサカは意地になってみる!」
百合子「にゃんと!?……で、でも言われてみれば…」ガーン サワサワツルペタツルペタ
一方通行「はいはい、悪ゥございましたァ」パタン
打ち止め「ムキー!!」
PM9:30
打ち止め「あの人にはデリカシーが無さすぎる!!ってミサカはミサカはテーブルをバン!としてこの怒りをぶつけてみる!!」
芳川「でも、あの子ってそんな感じじゃない? 今更よ」
黄泉川「んー…ここは…えーと…どこだったっけー…」
百合子「ふぁ、ファイトです黄泉川さん!」
打ち止め「ユリコは怒らないの!?ってミサカはミサカはいつも大人しいユリコに尋ねてみる!」
百合子「え、う…?」
芳川「あの子に裸見られて、ってこと」
百合子「私は、全然…。…だって、この身体はお兄様と同じ身体ですし…///」テレテレ
打ち止め「で、でも!平坦な身体はないと思うの!ってミサカはミサカはプンプン頭から湯気をあげてみたり!」プンプン
芳川「だったら、今からお風呂場に行ってあの子の身体を見てきて「………しょぼ」とか一言呟いて来たら?」クスクス
打ち止め「う、うー!!」
芳川「前は一緒にお風呂入ってたじゃない。今も仲良いのに」
打ち止め「ミ、ミサカだって…ちょっとは、気にするお年頃なのー!ってミサカはミサカはこのもどかしい気持ちをどこにぶつけていいのやら悩んでみるぅ!」
黄泉川「思春期じゃんねー。あ、百合子お茶おかわりちょうだい」
百合子「あ、はーい」パタパタ
打ち止め「あの人と一緒にいるって決めてるけど、やっぱりちょっと恥ずかしいとこもあるの。ってミサカはミサカは複雑な心境を吐露してみる」
黄泉川「それでいいじゃん。たくさんたくさん悩んで、ぶつかって転がって、納まりのいいとこ探して…んで、居心地のいい場所を見つけるじゃん」ポンポン
PM10:00
芳川「打ち止めは寝た?」
百合子「はい」
一方通行「思春期ねェ…。まァ、今までがくっつき過ぎだったンだ。あいつも少しは距離置いてもっと広く世界を見るべきだろォな」
黄泉川「それ、自分に言ってるじゃん?」ニヤニヤ
一方通行「はァ?」
芳川「どちらかというとキミの方が打ち止めにべったりよ。寂しくなるんじゃない?」クスクス
一方通行「ンなわけあるかっ!!」
黄泉川「その内、『あなたと洗濯物一緒にしたくない』とか『あなたもうお風呂入ったの?…じゃぁ、お湯捨てて張り直して』とか言われるかもじゃん」ケラケラ
百合子「し、思春期怖いですね!」ガクブル
一方通行「なンか地味に傷付くな…それ…」
黄泉川「とりあえず、打ち止めも子どもじゃなく女の子として見てあげるように!」
一方通行「はいはい」
百合子「打ち止めさんは誰よりもお兄様のことをよく理解していらっしゃるので、そこは心配しなくても大丈夫ですよ!」グッ
芳川「百合子ちゃんは不満ないの? さっきも言ってたけどデリカシーのなさには定評あるわよ、この子」
一方通行「おい」
百合子「人には長所と短所があって、私にもそれはあります。お兄様はちょっぴり不器用さんですけど…私はその全てをひっくるめても…えへへ。
お兄様が大好きですから。それに、こんなにすごいお兄様も短所がいくつかあって、それを見つけてあげるのもすごく楽しいです。
すごく、人間らしいじゃないですか…。お兄様の短所もとっても愛おしいんです」
黄泉川「愛されてるじゃん、一方通行」ニヤニヤ
一方通行「うっ、せェ…!///」プイッ
百合子「お肉が食べたいーってわがまま言ったり、苦手な食べ物がちょっと多かったり、朝は寝坊助さんだったり、ちょっと見栄っ張りだったり…甘えんぼなとこもあったり」クスクス
一方通行「やめろォォォ!!!///」
PM11:00
一方通行「…今日は早めに寝るか…。本は明日待合室で…ふァ…」フワー
コンコン
一方通行「…百合子か?」
キィ
百合子「えへへ。一緒に寝ていいですか?」
一方通行「ン」ポンポン
百合子「打ち止めさんは最近一人で寝るようになったので、お兄様寂しいかなーって」モソモソ
一方通行「別に寂しくねェっつの」
百合子「私はちょっと寂しいですけどね。こうやって、ちょっとずつ家族が変化していくのが…」
一方通行「………」
百合子「だから、私だけは変わらないでいようかな…って。こうやって、お兄様のお布団で一緒に寝るのも大好きですし…。
眠い目を擦って早起きして黄泉川さんのお弁当を作ったり、打ち止めさんとお喋りしたり、芳川さんと一緒にテレビ見たり…」
一方通行「何かを変えるっつーのはよォ、すっげー勇気いンだよな。ンで、変わらないままでいるっつーのもすっげー勇気がいると俺は…思う」
百合子「………」
一方通行「周りに流されないで、自分の筋を曲げないで…ってな。…俺は、今の状態で落ち着いてるから…もう、そうそう変わりはしないだろうな」
百合子「お兄様はたくさん勇気を出して、自分を変えていったんですもんね。私は、昔のお兄様は全然知らないのですが…。
でも、その時にお兄様と出会っても…きっと今みたいにたくさん愛してもらえたと思ってます」
一方通行「…そォだな。俺もそンな気がするわ」
百合子「えへへ、ではおやすみなさい」
一方通行「…おやすみ」
以上、百合子の1日でした。
in ファミレス
上条「百合子ちゃんってさぁ…、不得意なものとかねーの?」モグモグ
一方通行「はァ?」モグモグ
上条「料理も出来るし、菓子作りも完璧、コーヒー紅茶の淹れ方もうまいし、他にもなんでもそつなくこなすし何より性格がいい」
一方通行「はっ、あったりまえだろォが。あいつは俺だぜ?」
上条「いや、お前料理出来ないじゃねーか。裁縫も出来るんだっけ?」
一方通行「出来るンじゃね? ほら、冬場俺がしてたマフラーあっただろ。あれは百合子が作ってくれたもンだ」
上条「すっげー…。万能だよなぁ…」
一方通行「ふふン」
上条「やっぱ不得意なものないのかな?」
一方通行「なさそうだな…。あ、前にテディっつー映画を見たときはすごかったけどなァ…」
上条「あれって実はホラー映画だったんだろ?公開1週後のテレビCMのラストが怖すぎて苦情入りまくったって…、
インデックスもしばらくあのラスト数秒がトラウマなってたわ…」
一方通行「無理に見なくていいって言ったンだけど「初めて体験する映画だから最後まで観る」って聞かなくてよォ…。
結局あのテディのCMが放送中止になって差し替えられたあともCM流れなくなるまで怯えっぱなしだったぜ」
上条「不憫な…」
一方通行「珍しく夢でうなされてたからなァ…」
上条「でも、ホラー映画は大抵の人が怖いって」
一方通行「そりゃそうだな…。あ、虫苦手じゃね? 俺もだけど」
上条「いや、虫だって大抵の人が苦手だよ」
一方通行「だよな…」ホッ
上条「つーか、基本的にお前のスペックを少し劣るとはいえ備えてるわけだし、それに加えて家事スキルもあって性格もいい。完璧すぎだよなぁ…」
一方通行「…………お前なンかに百合子は絶対渡さねェぞ?」ギロリ
上条「そういう意味じゃねぇし!!」
一方通行「そもそも俺の不得意なもンが浮かばねェ」
上条「コミュ力」
一方通行「………」
上条「………」
一方通行「お前、やっぱ俺のこと嫌いだろ?」
上条「いやいやいや。お前、自分が過信してる程万能じゃないと思うぞ」ケタケタケタ
一方通行「コミュ力は前より付いてる方だと思うけどな…。そりゃ、百合子にゃ負けるけどよォ…。あいつ、近所付き合いもしっかりやってンのな。
黄泉川が忙しいから代わりに色々やってンだと…」
上条「学習装置が入ってる分、中身は一方通行より上なんだろうなー…」
一方通行「よくよく考えてみると、俺…能力以外のすべてが百合子より劣ってるかもなァ…」
上条「威厳ないなぁ…」
一方通行「ま、あいつがあいつならなンだっていいけど」
上条「いいですねぇ、その余裕のある発言…。うちも同居人が色々やってくれれば…」
一方通行「あいつ、百合子に教わって料理覚えてるンじゃねェの?」
上条「あ、それに関してはマジで百合子ちゃんGJ!って感じだよ。料理の手伝いは積極的にしてくれる」
一方通行「そりゃ、最初に比べたら驚くべき進化じゃねェか。高望みしてンなよ」
上条「いやいや、掃除洗濯は俺の仕事だし…」
一方通行「よっ、主夫」
***
美琴「百合子の不得意なもの?」
上条「昨日一方通行と話してたんだよ」
美琴「あんたらしょうもない会話してんのね…」
上条「まぁまぁ。しょうもない話を出来るくらい平和に打ち解けてるってことで!」
美琴「でも、百合子の不得意なものは興味あるなぁ…。とりあえず勉強はどの分野でも出来るでしょ、あいつのスペック+学習装置の記録で」
上条「家事も万能だろ」
黒子「嫌いな食べ物もないと言いますしね」
美琴「うわっ、急に出てこないでよっ」
黒子「お姉様こそ、今日は黒子とこの春の終わりと初夏の到来を感じさせる季節の夕暮れの光を浴びながら仲睦ましく語り合い寮まで帰る約束をしたではありませんか!」
美琴「無駄に壮大にしないでちょうだい」
上条「悪かったな白井。偶然御坂と会ったから喋ってたんだ」
黒子「まぁ、お姉様と帰宅する権利があれば多少は目を瞑りますの。で、百合子さんのお話ですの?」
美琴「そうそう。あんたはよく百合子と二人で会ったりしてるけど、百合子の不得意なものとか知らない?」
黒子「うーん……。考えてみると…ない…ですの…」
上条「一方通行にも不得意なものはあるし、ないはずないと思うんだよなぁ…」
美琴「でも、百合子は一方通行だけど、あいつとは違うし…」
禁書「とーおーまー…?」ジロリ
上条「い、インデックス!? な、なんでここにいるんでせうか!?」
禁書「とうまの帰り遅いからこの前ゆりこに教えてもらった「じぃぴぃえす」っていう機能でご飯の催促しに来たんだよ!」プンプン
上条「げっ、俺の位置情報把握してるのかよ!!俺は浮気監視されてるダメ夫か!!」
禁書「とうまがいっつもふらふらどっかへ行っちゃうのがいけないかも!!」プンプン
美琴「それは納得かも…」
上条「なんですって!!?」ガーン
黒子「インデックスさんは百合子さんの不得意なものとかご存じありませんか?」
禁書「ゆりこの?」
美琴「万能な百合子でも不得意なものはあるだろうけど、それは何かって。気になってさ」
禁書「とうま、まだそんなこと言ってたの? 人の不得意を嬉々として探そうっていうのは関心出来ないんだよ」
上条「う…。それはその通りなんだけどさ…なんていうか、気になるんだよなぁ」
禁書「…でも、一緒に生活してる一方通行ですら不得意なものが解らないんでしょ?」
黒子「もしかして、百合子さん自身も気付いていない不得意なものが…?」
美琴「それはありそうね。生活するうえでは不要な不得意分野なんじゃないかしら…」
上条「それじゃあ探すのって無理なんじゃ…」
禁書「あくせられーたに頑張ってもらうしかないかも…」
上条「あれ、お前そういうのは関心しないって…」
禁書「ち、知的好奇心には敵わないん…だよ…」
***
数日後
一方通行「なァ」
百合子「はい?」
一方通行「お前、不得意分野とか…苦手なもンねェの?」
打ち止め「結局ストレートに聞くのね。ってミサカはミサカは悩んだ末のあなたの結論にやれやれと溜息をついてみる」
一方通行「うっせェ」
百合子「不得意…ですか?」
打ち止め「ユリコってなんでもこなしちゃうし、万能だなぁって思ったの。ってミサカはミサカは経緯を教えてみたり」
一方通行「三下が言い出したンだけど、なンか気になっちまって…」
百合子「お兄様の苦手なことや不得意なことは私も同じだと思いますが…」
一方通行「学習装置で補えてるだろ?」
打ち止め「この人家事は経験不足で出来ないだけだけど、ユリコはそれも出来るし…」
百合子「あ、怖い話は苦手です」
一方通行「それは大半の人がそうだ」
百合子「……は、恥ずかしがり…?」
一方通行・打ち止め「「それはない」ってミサカはミサカは即答速攻代否定!」
百合子「ふぇぇ…?」
百合子「うーん…うーん…。改めて聞かれても…ぱっと浮かびませんね…。逆に、得意なものもすぐ浮かびません…」
打ち止め「お料理、お掃除、お裁縫!ってミサカはミサカはすらすらあげてみる♪」
百合子「そ、それは得意というより生活上必要なことですし…!」アワワ
打ち止め「歌も上手だったよねってミサカはミサカは人差し指を立ててみたり」
百合子「ひゃ、あわわ? ど、どこで聞いてたんですかぁー!?///」アタフタ
打ち止め「この前お風呂で歌ってたのリビングまで聞こえてたーってミサカはミサカはニシシと笑ってみる」ニシシシシ
一方通行「一昨日俺がソファで昼寝してる後ろでアルバム作りながら歌ってたな。あの、飲料水のCMソング」
百合子「きゃぁぁぁーっ!わっ、忘れてくださいっ、忘れてー!!///」アタフタオロオロ
打ち止め「いっつも感じる、むっねのとっきめき、だぁいすきなぁ、あっなたにとっどけー♪」
百合子「にゃぁぁぁー!!!///」ジタバタジタバタ
一方通行「わったしがずっと、あなただっけをみィてーるー、おーえンしてね、すこし甘酸っぱいピンクグレープ、ミルトォ♪」
百合子「ぴゃぁぁぁー!!!///」カァァァ
芳川「ただいまー…って、あら? どうしたの百合子ちゃん。顔真っ赤よ?」
百合子「な、なんでもないですぅ…///」
芳川「あ、今コンビニでこれ買って来たの。百合子ちゃん気に入ってるみたいだし」つ【ピンクグレープミルト】
百合子「はぅっ!?///」ボンッ
***
一方通行「つーわけで、収穫0だ」
打ち止め「だねー。ユリコが恥ずかしがって歌口ずさまなくなったくらい。ってミサカはミサカはむしろマイナスになった事実を報告してみる」
美琴「へぇ、百合子って歌うまいんだ? 今度カラオケ行ってみようかなぁ…」
黒子「それより百合子さんの不得意探しですの。やっぱり自覚してる不得意ではないのですね…」
禁書「でも、それってほぼ完璧なんだよ」
打ち止め「完璧だけど、ユリコはそれが全然嫌味にならないし、欠点があってもユリコらしくていいよね。ってミサカはミサカはユリコの人柄の良さを感じてみたり」
上条「それじゃー見つけるのはかなり大変そうだな…」
美琴「まぁ、何も今すぐ見つける必要はないんだし…気長にいきましょうか」
一方通行「あいつはまだ体験したことがないものが多いからな」
打ち止め「もっともっと色んなことをやっていくうちにユリコも自分のことをよく解るようになるんじゃないかな
ってミサカはミサカはなんだかお母さんみたいな気持ちになってみる」
黒子「得意も不得意も受け入れることですの。自分の出来ること出来ないことをしっかり知るというのは、大事ですのよ」
美琴「あんたが時々無茶して怪我しまくるのは、出来ること出来ないこと把握してないってこと?」クスクス
黒子「まぁ。黒子は無茶はあまりしませんのよ? 無茶をするときは自分より大事なものを守るときですの」
禁書「それならとうまは無茶しまくりなんだよ。もっと大人しく落ち着いてほしいかもっ」プンプン
一方通行「こいつバカだもンな。仕方ねェよ」
禁書「…それなら、仕方ないかも…。ごめんね、とうま…」
上条「なにこれひどいっ!上条さん泣きますよ!!」ガーン
***
数週間後
昼下がり
一方通行「………ンァ? いつの間にか寝ちまったか…」ムクリ
百合子「ソファで寝ると身体が痛くなっちゃいますよぉ」
一方通行「そう言う割には起こさないよな…ふァ、あ…」
百合子「えへへ。お兄様の寝顔ってとっても可愛いからなんだか起こしにくくて…。だからこのテーブルは特等席です」ニパ
一方通行「その割に朝はしっかり起こすよな…」
百合子「でも、時々お兄様の「あと5分」攻撃に負けちゃいますよ」クスクス
一方通行「打ち止めは?」
百合子「芳川さんとお買い物に行きました」
一方通行「で、お前はアルバム作りか…」
百合子「新しいマスキングテープと、スタンプを買ったので。えへへ、完成ー☆」ジャーン
一方通行「GW中の写真か」パラパラ
百合子「はい。やっと全部アルバムに出来ました!」
一方通行「結構時間かけて作って…ン?」パラッ
http://up3.viploader.net/jiko/src/vljiko048752.jpg
一方通行「お、おい…百合子…」
百合子「はい?」
一方通行「これ、は…うさぎ…か?」
百合子「はいっ。ほんとはうさぎさんのスタンプとか貼りたかったのですが無かったので、絵を描いてみました」エッヘン
一方通行「いや…、お前…これ………え?」
百合子「?」ニコニコ
一方通行「………こっちの紙に…そうだな…猫描いてくれないか?」
百合子「猫ちゃん…」カキカキ
http://up3.viploader.net/jiko/src/vljiko048753.jpg
一方通行(こいつ、絵に対しての才能が皆無だッ!!!)カッ
百合子「結構上手に描けましたっ」フー
一方通行「いや…ある意味才能…か? 某画伯みてェな…」ブツブツ
百合子「??」
一方通行「ま、まァ…なかなかいいンじゃ、ねェの?」
百合子「あっ、お兄様も描いてみてくださいよっ。ほらほら、紙と色鉛筆ですっ」
一方通行「えっ?…あ…おゥ…」
一方通行(いや、俺はないだろ…。百合子の絵のカオス具合が解っているわけだし…猫の造形は簡単だしよォ…)カキカキ
http://up3.viploader.net/jiko/src/vljiko048754.jpg
一方通行「」
百合子「わぁっ、可愛いですねー!」キャッキャ
一方通行(どうして、こうなった!? いや、俺の絵のおかしい部分は俺自身よく解ってる…けど、なンでだ!?なンでこうなる!?)バッ カキカキ
http://up3.viploader.net/jiko/src/vljiko048755.jpg
一方通行「………」orz
百合子「小鳥さんの絵ですねっ。お兄様の描く絵って可愛いですー!」ニパニパ
一方通行「遺伝か…」ガクッ
百合子「こうやって見比べるとやっぱりお兄様の絵の方が上手ですね。えへへ…」
一方通行(百合子の不得意分野を見つけたはいいが…予想以上じゃねェかよ…。しかも、俺自身の不得意分野でもある…)ダラダラ
一方通行「百合子」
百合子「はぁい♪」クルッ
一方通行「俺以外のヤツに、お前と俺の描いた絵は…絶対見せるなよ?」
百合子「え?」
一方通行「打ち止めにも、黄泉川、芳川にもだ」
百合子「ど、どうしてですか?」オロオロ
一方通行「………人類には、早過ぎンだよ…」
百合子「………?」キョトン
一方通行(こいつの不得意は俺が墓場まで持って行くぞ…。俺の名誉のためにも…!)
お兄様は絵の壊滅的下手さに自覚がある画伯
百合子は絵の壊滅的下手さに自覚がない画伯
百合子の不得意を考えてたらこういう結論に至りました。
偉大なる小林ゆう画伯の足元にも及びませんがリスペクトさせていただきました。
AM9:00
百合子「あ」
打ち止め「どうしたの?ってミサカはミサカはびっくりしてるユリコに尋ねてみたり」
一方通行「打ち止めー!病院行くぞー!」
打ち止め「えっ、あ、ちょっと待ってぇー!ってミサカはミサカは慌ててみたり」
百合子「黄泉川さん…、お弁当忘れて行っちゃったみたいで…」
芳川「…どうせなら、百合子ちゃんが届けに行ってみればどうかしら? 学校の場所は解るでしょう」
百合子「わぉ…!そ、それは素敵です!!」
芳川「私たちはお昼には戻れないし、百合子ちゃんも学校でご飯食べれるかもよ?」クスクス
百合子「が、学食というやつですね!!!」キラキラ
芳川「ふふ、それじゃいってくるわね」
百合子「はいっ、みなさんお気をつけて!」
パタン
百合子「学校…!」キラキラ
***
AM11:30
百合子「はい、それでは、今からお家を出ますので…。はい、お昼までには到着します。はい、で入口で言えばいいんですね…はぁい」ピッ
百合子「…………えへへ///」フニャ
百合子「お弁当よーし!お財布よーし!ケータイよーし!ガスの元栓よーし!電気つけっぱなし、なーし!」ビシッ
百合子「いってきまーす!っと!」ワクワク
百合子「今日はお天気がすっごくいいからお散歩気分で行けるね。よし、自転車転ばないようにしないと!」カチャン
百合子「風も穏やかで気持ちいいー♪」キコキコ
百合子「ととと、お弁当ぐらぐら揺らしちゃだめだった…。今日は炒飯とお魚を揚げたのと、サラダとデザート♪」キコキコ
百合子「そういえば、この間雑誌で見たロコモコ、黄泉川さんがおいしそうって言ってたから明日のお弁当にしてみようかな」キコキコ
百合子「明日はみんなお家にいるからお昼ご飯に出来るし…」キコキコ
百合子「…ロコモコ……。………パッチョンボ~モ~イノイノイ チャカレタパットン パンコラケットント~ン♪」フンフン
百合子「……なんちゃって…///」キコキコキコキコ
***
AM12:15
百合子「えっと…今はまだ4時間目かな…」
百合子「んと…自転車はここに停めていいんだよね…えーと、前に来たときの入口で…」トコトコ
タタタタタタタ
百合子「わー、学生さんが走ってる。体育の時間かな?」ワクワク
タタタタタ
男子生徒1「女の子がいるぜ…」ヒソ
男子生徒2「制服じゃねぇな…。転校生か?」
男子生徒3「あんな目立ちそうな子、校内で見たことないぞ」ヒソヒソ
百合子「がんばれー」ニパ
男子生徒s「「「!!??///」」」
百合子「えへへ///」
男子生徒s「「「が、がんばりますッ!!」」」ダダダダダダダ
百合子「わー、すごーい」キャッキャ
百合子「おとと、入口はこっちだった…!」トテテテ
トコトコ
百合子「こ、こんにちはー…」
受け付け「はい、学生さんですか?」
百合子「え、えと…ここに勤めている黄泉川の家族です。お弁当を届けに…」
受け付け「あ、伺っていますよ。百合子さんですね。こちらの証明証を掛けていてください」
百合子「あ、ありがとうございます」
受け付け「スリッパはそこに。靴はそちらに。職員室はここを真っ直ぐ行った先の階段を上がって下さい」
百合子「はい。ありがとうございます」トテトテ
百合子「授業中だから静かに静かに…」トテトテ
百合子「……ここは、家庭科室…かな。お料理してるー♪」
百合子「お味噌汁作ってる…、あ、あわわ…そんなにお味噌入れたら…」ハワワ
百合子「ち、違う、しょ、職員室だよっ!」トテテ
職員室
ヒョコ
百合子「入って…いいのかな…?」オロオロ
黄泉川「ゆーりこっ♪」ポン
百合子「ふぎゃぁ!」ビクーッ
黄泉川「あっははは!背中ががら空きじゃんよ」
百合子「よ、黄泉川さん~っ!」プンプン
黄泉川「ごめんごめん。わざわざありがとじゃん。ほら、入って入って」
百合子「入っていいんですか?」
黄泉川「少し休んでいきなって。お昼も近いし、なんだったら友達と学食使ってもいいじゃん」
百合子「学食っ!!」キラキラ
黄泉川「おっ、学食に興味津々かな?」
百合子「わ、私、…学食でご飯食べてもいいんですか!?」キラキラキラ
黄泉川「もちろんもちろん。ほら、ここ座っていいよー」
百合子「黄泉川さんは今休憩中ですか?」
黄泉川「そゆこと。50分で4限終わるからそしたら上条のいる教室に連れて行ってやるよ」
百合子「わ、わぁ…!ありがとうございますっ」
黄泉川「百合子、お茶飲む? そこで入れておいで」
百合子「はーい」トテテ
先生「そのコップ使っていいよ」
百合子「ありがとうございます」
先生「この子ですか? 黄泉川先生の家族の…」
黄泉川「そ。可愛い可愛い同居人じゃんね。あと、この子の兄が一人と、このくらいのちまっこい子が一人。それと、昔馴染みの友人じゃん」
先生「しっかりした子みたいだし、黄泉川先生にはぴったりだと思いますよ」
黄泉川「ど、どういう意味じゃんよー!」
百合子「黄泉川さんはいつも私たちのためにお仕事いっぱい頑張ってくれてます!」グッ
黄泉川「ゆりこ~!」ムギュ ナデナデナデ
百合子「えへへ///」
先生「楽しそうねぇ。いいなぁ、賑やかで…。一人暮らしは寂しいなぁ」チラッ
黄泉川「百合子はやらないじゃんよ!」グイッ
百合子「わ、私は黄泉川家専属の家事担当ですっ!」キリッ
先生「あはは。小萌先生も今、居候ちゃんいるんだよね。前からいる子だっけ?」
黄泉川「そうそう」
百合子「……」ゴクゴク
百合子(緑茶、おいしい…)ホワーン
***
キーンコーンカーンコーン
黄泉川「よーっし、それじゃ行こうか」
百合子「はいっ」
ザワザワ
百合子「わ、学生さんいっぱい…、え?あわわ、みんな走ってる!?」
黄泉川「パン屋でパンを買うために…なんだけど…、こらー!廊下走るなーっ!」
女子生徒1「せんせー、その子誰ー? 転校生ー?」
黄泉川「うちの同居人ちゃん」
女子生徒2「へー。モデルみたい」
黄泉川「あはは。だってさ、百合子」
百合子「そ、そそそそそんなことな、ないですよぅ!///」アワアワ
黄泉川「んで、パン買うんじゃなかったのかい?」
女子生徒1「あ!そうだった!今日は限定パンあるからなんとしてもゲットしなきゃ!」
女子生徒2「せんせーばいばーい!」
黄泉川「だぁから走るなー!」
百合子「おいしいパンなんですか?」
黄泉川「おいしいよー。みんなお腹空かせてるし、個数限定もあるからついつい走っちゃうじゃん」
百合子「私も、スーパーでタイムセールって聞くとついつい足が速くなっちゃいますね。この前はお兄様置いてけぼりにしちゃって」
黄泉川「ぶはっ。スーパーでぽつんと一人でいる一方通行とか傑作じゃんね」ケタケタ
百合子「あはは。………あ、あの…黄泉川さん…///」モジッ
黄泉川「ん?」
百合子「な、なんだか…すっごく…生徒さんに見られてる気がして…ちょっと恥ずかしいです…///」
黄泉川「百合子は可愛いからなー」ニシシ
百合子「そ、そんなことないですぅ!」
黄泉川「着いた着いた。ここ。…おーい、上条いるかー?」
百合子in廊下待機
ザワザワ
ダレカナ
ミタコトナイネ
マタ カミジョウノ?
ジロジロ
百合子「……///」ニ、ニコ
キュン(廊下中から響く音)
上条「黄泉川先生? どうしました?」トコトコ
黄泉川「昼飯は?」
上条「今日はこれから学食ですけど?」
黄泉川「それは、ちょうどいいじゃん!ほらほら、こっちおいで」グイッ
上条「?」
ヒョコ
百合子「当麻さんっ、こんにちはっ///」ニパ
上条「ゆ、百合子ちゃんんんんんーーーーーーーー!!!?」
黄泉川「と、いうわけで百合子を頼んだじゃん。じゃ、百合子!今日は早めに帰るから!お弁当ありがとな~♪」トテトテ
上条「せ、先生ちょっとぉぉぉぉーー!!?………はっ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
マタ オンナノコ
カミジョウノ
カミジョウメ
カミジョウメ
カミジョウメ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
上条「せ、背中が突き刺さる視線で痛い…!」
百合子「あ、あの…ご、ご迷惑でしたかね…? せ、折角のお昼なのに…私お邪魔しちゃって…」ショボン
上条「あ、あー…そうじゃなぐぼぉぉおああああ!!!」ズドーンッ
百合子「とうましゃんが廊下の壁にっ!?」ビクッ
青髪ピアス「かぁぁ~みぃぃぃ~やぁぁぁ~ん…」ゴゴゴゴゴ
上条「あ、…青髪…ごふっ」
青髪ピアス「なんや!!なんでや!!なんでいつもカミやんなん!? こんな超絶アルビノ美少女までカミやん属性なん!? きー!!神様は不公平やないかー!!
ボクが何したん!? ボクぁ普通に好青年として生きているのに神様はどうしてボクにご褒美くれないん!!?」
上条「ぐ…」
土御門「全くだにゃー。カミやんは一人で全世界のありとあらゆる女の子にフラグ立てるつもりにゃー」
百合子「あ、元春さんっ!」
土御門「しーっ」
百合子「あ、あわわ、ごめんなさい(暗部のことは秘密でした…)」ムグ
青髪ピアス「!!? 土御門クゥン!?お前まで!!?」キュピーン
土御門「あー、ちょっとした知り合いぜよ」
百合子「はい、よく一緒にお茶を飲んでますっ」ニパ
青髪ピアス「こぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
土御門「あ、青ピが急に気を溜める呼吸法をし始めたぜよ!」アセアセ
上条「青髪、落ち着けって」
青髪ピアス「落ち着いてられるかいな!突然現れた清純・純真派で、アルビノの超絶美少女やで!? なんや、もう!神様が与えた奇跡やん!
解るかい、カミやん!この奇跡が!!萌えの形を凝縮したような女神がここにおるねんで!!?」
上条「あー、はいはい。落ち着かないと彼女が何も喋れないぞ」
百合子「ひゃ、あ…はい。えと…は、はじめ」
ゴスッ
百合子「と、とうましゃんが今度は地面に突っ伏したぁ!?」ガーン
吹寄「上条ぉ!? 貴様、部外者を連れ込んで何をしてるの!?」
姫神「上条くん。またなの?」
上条「ご、誤解だ…ぐっ、土御門、あとは任せた…」
百合子「とうまさーんっ!?」アワワワ
土御門「あっははは。カミやんは無実ぜよ。この子は黄泉川先生んとこの居候の子で今、黄泉川先生が連れてきたんだにゃー」
青髪ピアス「居候!? またなんという萌え属性!完璧や!この子は完璧な萌えキャラが具現化した存在に違いないで!!」
吹寄「うるさい黙れ。…で、なんで上条なのよ」
百合子「あ、あの…、私…当麻さんとお友達で…。あ、学校には、お弁当を届けに来て…、えっと、学食で食べておいでって言われて…
んと、んと…それで、当麻さんに案内してもらえって…///」モジモジ
キュン(クラス中から響く音)
吹寄「…また、上条ね…。全く!」
姫神「節操なし。」
上条「べ、別に俺は…」
土御門「大丈夫にゃー。この子は上条属性じゃないぜい。お兄ちゃんっ子ぜよ」
青髪ピアス「清純・純真派の居候系、アルビノ超絶美少女でお兄ちゃんっ子!!? あ、あかん…!ボクぁこんな子と出会えただけでもご褒美やで!
神様ぁぁぁぁー!ありがとーーーーーー!!!」
姫神「上条属性じゃない…。それは安心した…。」ホッ
吹寄「黄泉川先生に頼まれてのことなのね。それなら早く案内してあげなさいよ!お昼休みはあと45分しかないじゃない!」
上条「言われなくても…、じゃ、行こうか百合子ちゃん」
百合子「は、はいっ」ペコッ
青髪ピアス「ボクももちろん行くで~」
土御門「俺も~」
トコトコトコ
百合子、ついに青ピの前に姿を現す。
というわけで「お弁当配達員百合子!編」です。タイトルは今考えた。
学校と言えばこの辺のキャラははずせないよね。
ではまた次回ノシ
***
トコトコトコ
青髪ピアス「へぇ~、名前は百合子ちゃん言うんやねー。あ、ボクのことは青髪ピアスでええよ~」ニコニコ
百合子「はい、よろしくお願いします。青髪ピアスさんっ」ニパ
青髪ピアス「…あかん…これはものすごい破壊力やで…。なんで、お前ら平然としてられるんや!?」クワッ
土御門「悪いことは言わない、青髪…」
上条「間違っても百合子ちゃんには手を出すなよ…?」
青髪ピアス「はぁぁ? なんや、ものすごい古武術完備か? それはそれで受けてみたいで」
上条・土御門『手を出したら最後、死ぬぞ?』ボソリ
青髪ピアス「…詳しく聞かせてもらおうか?」ガシッ ボソボソ
百合子「?」キョトン
上条「いいか? 百合子ちゃん自身はとてつもなくいい子だ。性格も問題ない。世界中の優しさを凝縮したような子だ。家事も完璧、文句なし」ボソボソ
青髪ピアス「問題ないやん」ボソボソ
土御門「問題は兄貴の方にゃー。百合子ちゃんそっくり、瓜二つの双子の兄貴なんだぜい」ボソボソ
青髪ピアス「なんやて!? 百合子ちゃんだけでも奇跡の存在なのにもう一人いるんか!!?」ボソボソ
上条「落ち着け。あぁ、確かに外見は百合子ちゃんと全く同じだけど…、問題は性格と実力だ」ボソボソ
土御門「お前が兄貴の立場になってみろ。あんな可愛い妹がいたらどうする?」ボソボソ
青髪ピアス「もちろん、毎日朝はおはようのちゅーから、一緒に食べさせっこの朝食、手作り愛妹お弁当を…」ボソボソ
上条「溺愛するに決まってるだろ? そんで、寄ってくる男は避けようと思うだろ?」ボソボソ
青髪ピアス「せやな…。独占したいでぇ、こんな可愛い妹いたら…!」ボソボソ
土御門「その兄貴はとんでもなく高位の能力者で、しかも、相当強暴な性格だとしたらどうする?」ボソボソ
青髪ピアス「お兄さんに妹さんとの交際を認めてもらうように菓子折り持って行って土下座やな」ボソボソ
上条「その瞬間、お前この世から消滅してるぞ。肉体も、魂も」ボソボソ
青髪ピアス「ははは、んなアホな」ボソボソ
上条・土御門「………………」
青髪ピアス「…マジなん?」ヒクッ
男子生徒4「え? 黄泉川先生と一緒に住んでるんですか?」
百合子「はい。去年からお世話になってて…」
男子生徒5「あ、あの…よければメールアドレスの交換を…」
百合子「メールですか?」
男子生徒6「一緒に写メを…」
百合子「写真…ですか?」キョトン
男子生徒7「お前ら抜け駆け禁止ぃ!!順番に並べぇぇー!」
百合子「ふぇ? すっごいいっぱい人がいるぅ!?」ガーン
女子生徒3「ねぇねぇ、その肌や髪の色って天然?」
百合子「は、はいっ。染めたりとかしてないです…」
女子生徒4「すっごく細いけどどんな風に維持してるの?」
百合子「と、特に何もしてないです。家族のために、栄養バランスを考えたご飯にしてるくらいで…。ケーキとか甘いものも大好きですし…」
上条「うわっ、百合子ちゃんの周りに人だかりっ!?」
土御門「下手したら俺らまであいつに殺されるにゃー!カミやんGO!!」
上条「死ぬのはいやだー!!」ダダダダダ
パシッ
百合子「あ、当麻さん。お話終わりましたか?」ニパ
上条「おう!早く行こうぜ!」タタタタタ
百合子「ひゃ、あわわわ…」コケッ
上条「危ないっ」ガバ
ドテン
上条「いてて、百合子ちゃん大丈夫か? ごめん、俺が無理に引っ張っちゃったから…」
百合子「私こそごめんなさい、足がもつれちゃって…」
(上条が尻もちをついて向かい合うように百合子が上条にくっついてる体勢)
ザワッ
百合子「?」
青髪ピアス「じゅ、純白…!!」
土御門「にゃー…」
百合子「あらら、スカートが捲れちゃってました…」サッサッ
上条「………この群衆全員、見ました?」ヒクッ
コクコク
上条「あはは…」
一方通行『いつぞやの続きをしようかァ…三下ァ!!!』
上条『あっ、一方通行!!これは事故だって!!話し合いで解決を!!!』
一方通行『ぎゃはははははははは!!!!』ゴォォォォォ
上条『……死んだ…』
上条「……………ゆ、百合子ちゃん…」
百合子「はいっ?」ニパ
上条「い、今の出来事は…お兄様には、ナイショにしててくれないか?」ダラダラダラダラ
百合子「え? は、はい…それは構いませんが…」
上条「よし!とにかく学食行くぞー!!!」ガバッ
百合子「わっ?」
青髪ピアス「お姫様だっこかいな!!それならボクがやるで!!カミやん!パス!」ダダダダダ
上条「ふっざけんな!お前なんかに百合子ちゃん任せられるか!!」ダダダダダ
土御門「とにかくさっさと食堂行くぜよ!」ダダダダダ
百合子「わ、…わー!すごーい!当麻さん力持ちなんですねー!」キャッキャ
上条「いやいやいや、百合子ちゃんが軽すぎるんだよ。上条さん抱えてびっくりしましたことよ!」
青髪ピアス「よしよし、学食到着。あー、やっぱ混んでるわー…」
土御門「俺、焼肉定食頼むぜよ。席は確保しておくにゃー」スタスタ
上条「ほいほい。任せましたよー」
百合子「わー、人いっぱい…!」キョロキョロ
青髪ピアス「百合子ちゃん、何食べたい?」
百合子「えっと、えっと…あ、ラーメン!ラーメン食べたいです!」チャリンチャリン ピッ ジコー
上条「んで、この食券をそこの麺類って書いてる看板の下のおばさんに渡してくるんだよ」
百合子「はーい」トテテ
上条「俺は、カレーかな」ピッ
青髪ピアス「ボクはチャーハン」ピッ
百合子「あ、あの…」
おばちゃん「はい、焼きそばお待ち!」
百合子「あのー…」
おばちゃん「はい、次は? はいはい、担担麺ね。担担麺ひとつ! はい、ミートソース待ってる子ー!」
百合子「あのぉ…」
おばちゃん「はい、次はうどんね。はい、おそば出来たよー!」
百合子「あうぅー…」オロオロ
雲川「おばちゃん、この子のオーダーも聞いてほしいんだけど」
おばちゃん「はいはい?」
雲川「ほら、早く食券渡さないとおばちゃんの気が反れちゃうけど? 早くご飯にありつきたいでしょう?」クスッ
百合子「はっ、はい!ら…ラーメンくださいっ!」バッ
おばちゃん「はい、ラーメンひとつ!!はい、担担麺出来たよー!」
百合子「ほっ…」
雲川「この学食のラーメンはおいしいって評判だから、君のお口に合うといいけど。それじゃ」スッ
百合子「あ、ありがとうございましたっ」
雲川「…」ヒラヒラ スタスタ
百合子「大人っぽい人…」
雲川「…」スタスタ バインバイン
百合子「……」ペタ
百合子「さ、さっき当麻さんたちと喋ってた女の子も…おっきかったなぁ…」ペタペタ サワサワ
百合子「…………」
おばちゃん「はいラーメンお待ちどうっ!」
百合子「ひゃ、はいっ!」ビクッ
おばちゃん「胸なんてすぐ大きくなるものだよー。はい、次の注文はー?」
百合子「はぅ…///」
上条「百合子ちゃん、注文出来た?」
百合子「あ、はい。親切な方に助けていただいて…じゃーん!」
上条「おっ、うまそうじゃん。この湯気と琥珀色のスープがまた食をそそるよなぁ」
青髪ピアス「席あっちやで~。百合子ちゃん、お盆重ない? ボクが持とうか?」
百合子「大丈夫ですよ。いつも買い物袋とか持ってて重たいものは慣れてますし」
土御門「こっちだぜい。はー腹減った…」
百合子「お待たせしてしまってすみません。なかなか注文出来なくて…」
上条「あー、こんなどたばたしたところ百合子ちゃんあんまり慣れてないもんな…ごめんな?」
百合子「そ、そんなことないですよっ。こういう雰囲気が初めてだったのでどうしていいのか解らなかったのですが、楽しいですっ!」グッ
青髪ピアス「百合子ちゃんは学校どこなん? 常盤台とかそういうお嬢様学校行ってそうなイメージやわ~」
百合子「えと…学校は…その…行ってないんです…」
上条「色々事情があるんだよな。なっ?」
青髪ピアス「ちょっと影のある要素まで完備かいな!良いで!良いで百合子ちゃん!!」
百合子「ふぇ? え…?」キョトン
土御門「さ、さー飯にするにゃー!」
上条「お、おう!そうだな!さっさと食べちまおう!」
百合子「はいっ。おいしいって聞いたので楽しみです」ニパ
青髪ピアス「ラーメンだけとあらへんよ。なんでもうまいで、ここの学食は!」
パン
『いただきまーす!』
百合子「はふ、はふー…」フーフー
百合子「んちゅ、あちゅっ…んむ…」ムグムグ
百合子「!!」パァァ
上条「相変わらず百合子ちゃんはおいしそうに食べるよなぁ~。見てて和むよ」
土御門「小動物って感じだにゃー」
青髪ピアス「いや、ここは一言で言うべきや…。『超可愛い』と!!」
百合子「えっ、えっ…?///」カァァ
上条「おいしい?」
百合子「あ、は…はい!すっごくおいしいです!スープもあっさりしてるのに、コクがあって、手間暇かけて作ってるのが解ります。
麺も程よい固さでもちもちしてておいしいです!」ニパー
上条「あはは、それはなによりです。他にも色々あるからまた機会があった時にでも食べてみてくれよ」
土御門「義妹弁当もうまいけど、やっぱり学食でわいわい食うのもいいもんだぜい」
青髪ピアス「食堂の醍醐味やね~。くっだらん会話しながら食べるご飯はうまいっ」
百合子「私も、みなさんと一緒にご飯食べれてすっごく嬉しいです!」
***
校舎出口
上条「さ、あと10分で授業だ」
土御門「次の授業は小萌先生だったかにゃー」
青髪ピアス「もちろん、課題は忘れてきたで~」
百合子「あの、見送りありがとうございます」ペコ
上条「気にしない気にしない。前に来たときと違って生徒がたくさんだったけど、楽しかった?」
百合子「はい。色々親切にしていただいたり、話しかけてもらえて楽しかったです」
土御門「いやー、しっかし食事中だってのにすごい人だかり出来てたなぁ…。百合子ちゃんも質問攻めで麺が伸びちまったんだぜい」アハハ
青髪ピアス「一躍この学校の有名人になったで百合子ちゃん!」
百合子「そ、そそそそんなことないですよ。ここの生徒さんじゃなくてお洋服も私服だったし…外見が珍しかっただけですよー」アワワ
土御門「いやいや、そこは百合子ちゃんに人柄のお陰ぜよ。あいつだったら誰も近寄らないはずにゃー」
百合子「うふふ、お兄様はちょっぴりムスッとしたお顔ですからね。でも、前よりニコニコしてくれてます」
青髪ピアス「あー、百合子ちゃんの兄ちゃんも気になるわー」
上条「お前、間違ってもあいつの前に出て行くなよ。速攻消されるからな…」
青髪ピアス「そこまで言われると逆に燃えるからええんやないか。要は百合子ちゃんのツンデレ版やろ? あー、たまらんわ~」
上条「なんでそんなにポジティブなんだよ…」
百合子「では、今日は本当にありがとうございました」
上条「あぁ。気を付けて帰ってくれよ」
百合子「はい。青髪ピアスさん、また一緒にお話ししましょう。とっても楽しかったです」
青髪ピアス「任せてや!出来るんなら今からまたお喋りしたいくらいやわ~」
土御門「そんじゃ、俺たちも授業あるから」
***
キコキコ
百合子「えへへ、とっても楽しかったなぁ。学校って素敵っ♪」
百合子「まだ2時前だし…、ちょっと回り道して帰ろうかな」キュッ
キコキコ
百合子「あっちの高台の見晴らしが好きなんだよね。御坂さんもよく来るし…」キコキコ
百合子「よーし!坂道、ゴーッ!!」キコキコキコキコキコ
百合子「…っく、…ひゃ…た。立ち漕ぎ…して…みょっ、っかにゃ…」キッコ・・・キッコ・・・キッコ・・・
百合子「はひ…っ、ふっ…もっ、…むりぃ…」ガタッ
百合子「っは…はぁ…はっ…はふ…」ゼーハーゼーハー
百合子「や、やっぱりこの坂はまだ…私には無理だった…かも…。ちょ、ちょっとは…能力で…補助してる、のにぃ…」ヒィヒィ
百合子「よ、よし…とりあえず…登らないと…」カラカラ
垣根「手伝うよ」スッ
百合子「ふぇ?」
垣根「やぁ」
百合子「あっ、帝督さんっ。こんにちはっ」ニパ
垣根「こんにちは。散歩?」
百合子「はい。この高台好きなんですよ。それで、今自転車で上ってたんですけど…」
垣根「あぁ、見てた見てた。三分の一くらいでバテちゃってたな」
百合子「はうっ!?///」
垣根「この坂道は結構長いから自転車は相当きついと思うぜ?」
百合子「そ、そうですよね…。私、あんまり体力ないみたいで…」ショボン
垣根「そりゃ、オリジナルがあれだから仕方ないさ」
百合子「私もお兄様も能力で補助が必要なところがあるから、やっぱりもともと体力はそんなにないんですかね。
でも私、お兄様より3回多く腕立て伏せ出来るんですよ!」エッヘン
垣根「トータルだと?」
百合子「えっと、膝ついた状態で12回です!」ドヤ!
垣根「それは…」アハハ・・・
百合子「きっと、毎日お掃除したりお買い物で出歩いているからですね。…とはいっても補助しているのですが…」
垣根「そーいや、百合子ちゃんも第一位と同じ能力だよな」
百合子「はい。レベルは3くらいですが…」
垣根「おっ、そりゃなかなかだな。…でも、百合子ちゃんがあいつみたいに解りやすく能力使ってるとこ見たこと無いけど…」
百合子「そうですね…。日常生活ではあまり使ってませんので…」
垣根「あいつみたいに制限ないんだしガンガン使っていいんじゃね?」
百合子「えへへ…、なるべくなら…お兄様と同じ状態でいたいかな…って。お兄様は能力に制限を受けていて思うままに能力を使えません。
それに、その時まで能力に頼りきりだったので…、なんていうか…今は人らしい生活を楽しんでいるんですよ。
ですから私も…出来る限りお兄様と同じ状態でいたいなぁ…なんて…えへへ///」
垣根「………」ナデナデ
百合子「?」
垣根「いや、百合子ちゃんは本当にすごいなーって思ってさ」
百合子「そ、そそそんなこと…。そ、それに、重たい荷物を持ったときとか…ちょっとズルしちゃいますし…///」
垣根「自分のスキルは大事にしなきゃダメだぜ?」
百合子「そうですね。お兄様からいただいたものですし…大事に大事に使っていきたいです」
垣根「………そうだな。そういえば百合子ちゃん今日は出掛けてたのか?」
百合子「はいっ。学校!学校行ってたんですよ、私!!」キラキラ
垣根「学校…?」
百合子「黄泉川さんがお弁当忘れちゃったので、届けてきたんです。それで、…えへへっ…学食!で!ご飯食べました!」エッヘン
垣根「おー…そりゃ、かなり目立っただろうなぁ…」
百合子「すごいんですよ!人がいっぱい、いーっぱいいて、食券をこう、ボタン押して買うんですよ。それで、おばさんに渡すのですが…
それが、至難の業なんです!積極的にやらないと全然渡せなくて…、私は親切な人に助けてもらって渡せたのですが…。
それから、すぐご飯出てくるんです!あ、私はラーメンを注文したのですが、早くておいしかったです!」キャッキャ
垣根「学食、かぁ…」
百合子「みんな親切で、色々話しかけてくれて…えへへ…学校って素敵なところですね」
垣根「そうだな」
百合子「そういえば、帝督さんは今日は学校は…?」キョトン
垣根「あー…、サボ…り?」
百合子「あらら…」
垣根「つーか、ほら…第一位と似たようなもんだよ。あんま学校行く必要ないしな…。もう、どんくらい学校行ってねぇかなぁ…」
百合子「お、お友達とか…会わないんですか?」
垣根「友達…友達なぁ…。いねぇなぁ…」
百合子「わ、私は…学校…楽しかったです…よ?」
垣根「………学校、…か…」
一方通行「百合子っ!」
百合子「あっ、お兄様っ?」
一方通行「お前、黄泉川ンとこ行ってたンじゃ…?」
百合子「お兄様は病院の帰りですか?」
一方通行「あ、あァ…ちょっと図書館寄って帰………じゃねェ!なンでお前がここにいンだよ!」
垣根「いや、この辺ぶらぶらしてたら坂を全力で上って途中でバテてる百合子ちゃんと会った」
百合子「あわわわ、ま、まだ私には強敵だった坂なんですぅー///」
一方通行「で、お前ここで何してたンだ?」
百合子「はい、学校から帰る途中だったんです。今日はお天気もいいのでこの高台まで寄り道してから帰ろうと思って」
一方通行「そ…ォか…。別にこいつと会う予定だったわけじゃないンだな…」ホッ
垣根「んじゃ、俺はそろそろ行くわ」
百合子「も、もう行っちゃうんですか…?」ショボン
垣根「んー、たまには学校行ってみようと思ってさ…。まだ時間も間に合うしな」
百合子「あ…」パァァ
一方通行「?」
垣根「んじゃ、またデートしようぜ百合子ちゃん。バイバイ」
百合子「はいっ、お気をつけて」ノシ
一方通行「!?」クワッ
百合子「えへへー///」ニマニマ
一方通行「で、デート…楽しみなのか…?」
百合子「あ、えっと…帝督さんが学校行くって言ってくれたのが嬉しくて…///」
一方通行「…そ、か…」
百合子「お兄様っ、図書館行くんですよねっ。私も一緒に行っていいですか?」
一方通行「え、…あ…構わねェけど…。弁当は届けられたンか?」
百合子「ばーっちり☆」ニパッ
一方通行「そりゃ、ご苦労さン」
百合子「学食で当麻さんたちとご飯食べたんですよ。元春さんも一緒です。あとあと、お友達増えました」
一方通行「ほォ…?」
百合子「青髪ピアスさんって方で、背がとっても大きいんですよ。それで、関西弁っていうのですかね。「なんでや~」とか言ってました!
それで、青髪ピアスさんはよく私を気にかけて下さって、沢山お話出来ました」
一方通行「ふゥン…?」
百合子「あと、ほら…学生さんじゃないからこの服で行ったので、目立っちゃって…。色んな学生さんに話しかけていただいて…えへへ///」
一方通行「そーか…」
百合子「食堂でラーメンを食べたのですが、おいしかったです。あのですね、食券が必要なんですよ!それで、おばさんにこう、さって渡さないと気付いてもらえなくて…」
一方通行「なァ、百合子…」
百合子「はいっ」
一方通行「お前、学校…通うか?」
百合子「……え?」
一方通行「いや、…やっぱこう…日中も家のことばかりさせてよォ…。俺や打ち止めと違って、お前は病院に通うことも少ねェし…。
もっと、…普通に学校通ったり…、友達作ってバカやったりとかよォ…したいンじゃねェかって…」
百合子「学校…」
一方通行「打ち止めと妹達には旅行後になンとかきちんとしたID発行させたけど、…お前はなンの計画の関係者でもねェから…発行出来なかった…。
けど、学校に通うことになればお前も学生になるからIDは発行出来るはずだ。そうすりゃ、学園都市で暮らすのがもっと便利に…」
百合子「や、やですっ!」
一方通行「はィ?」
百合子「だ、だって…、学校は…行ってみたい気持ちもありますけど…だって…だって…」
一方通行「?」
百合子「お兄様と一緒に過ごす時間、減っちゃうじゃないですか!」
一方通行「…………………あー…」
百合子「寝坊助さんなお兄様を起こしたり、一緒に昼食を食べたり、昼過ぎに一緒にソファでお話したり、一緒にお買い物したり…出来なくなっちゃいます…」
一方通行「………く、はははは。やっぱお前は俺だな…」ワシャワシャ
百合子「ぅひゃ…」
一方通行「俺も、まともに学校通ったことねェから普通の学生生活ってのには興味がある。けど、お前と全く同じ理由で行かねェンだよ。贅沢だな、俺ら」
百合子「お兄様も、同じだったんですね…」
一方通行「まともな学生生活も知らなけりゃまともな家族生活も知らねェからな。幸い学力や知識は俺もお前も申し分ねェほどある。だったら、選択するのは後者か」
百合子「学生生活は一生に一度だけ、この時にしか得られないものですが…私は、それを捨ててでも、お兄様、打ち止めさん、黄泉川さん、芳川さんと一緒に過ごしたいです」
一方通行「そりゃァ光栄だな」
百合子「それに、黄泉川家の家事が私のお仕事なんです。お食事の提供に、家族の健康管理も、私がしっかりやらないと!」グッ
一方通行「お前が学校行ったら、確かに負担増えそうだな…」
百合子「あ、いえ…私の負担は構わないのですが…。やっぱり、時間は限りあるから…わがままだけどお兄様たちと一緒にいたいし…、皆さんにはずっと元気でいてほしいので…」
一方通行「元気…ねェ…」
百合子「特にお兄様の以前の生活を聞いていたら、抜本的な生活改善が必要だと思いました!」
一方通行「…まァ、昔はいつ死ンでもいいか。とか思ってたからなァ…」
百合子「はう…」ウルッ
一方通行「昔はッ!!! 今は思ってねェから安心しろって!!」アタフタ
百合子「……私も…一分、一秒でも長くお兄様のお傍にいれるように頑張りますねっ。私たち、何だか病弱に見えるみたいなので、目指せ健康的な身体!ですっ♪」
一方通行「…あれか。お前って…世間一般じゃこーいうンだろォな。『癒し系』って…」
百合子「癒し系…ですか? 今日も、学校で話しかけていただいた方に「百合子ちゃんは癒し系だなぁ」って言われました」
一方通行「癒し系ってのもあるし、…なンつーか、見てて面白いよな。動きとか…」
百合子「動き!?」ガーン
一方通行「そういうリアクションとか、…お前は感情がストレートに顔や動きに出るから…面白ェと思う」
百合子「そ、そうなんですか…。知りませんでした…」ムムム・・・
一方通行「で、学校で話しかけられたって…どンな会話してたンだ?」
百合子「えっと「白いねー」とか「細いねー」とか「メールアドレス教えて」とか「一緒に写真撮って」とか…」
一方通行「ま、そンなもンか」
百合子「あ、あと…恥ずかしいのですが…「可愛いね」とか「綺麗だね」とか…い、言われて…///」カァァ
一方通行「………」ピクッ
百合子「あ、あと…「清純・純真派の居候系、アルビノ超絶美少女でお兄ちゃんっ子で影のある絶妙な萌えポイント完備」って言われました」ニパ
一方通行「…誰に言われた?」
百合子「先ほど、お話した青髪ピアスさんです。私の知らない言葉をたくさん知っていて、とっても賢い方なんだと思いますよ」
一方通行「何言ってたンだ?」
百合子「えっと、「百合子ちゃんは制服ならニーソも紺ハイも似合うと思うし、スカートはギリギリミニの絶対領域完備でも、膝上で清楚系も似合う。
また、その超絶儚い系の容姿なら甘々のロリ服もちょっと毒の効いたゴス系もいける。今度着て欲しい。そして、可愛い系ばかりだけかと思えば
逆に上品な服も似合うはず。女教師系のタイトスカートとかも絶対合う。他にも…」」
一方通行「もういい解った」
百合子「おー!さすがお兄様はこの言葉も知っているんですね。ニーソは解るのですが、紺ハイとか、絶対領域とか、ロリとか、ゴスとかは解らなくて…」
一方通行「違う。もうそいつと話すな。そいつはかなり危ねェヤツだ。近づくな」
百合子「え、えー!やっ、やですよぅ!青髪ピアスさんはお話上手で優しい人です!」
一方通行「そんな自分の趣味嗜好を押し付けるような変態さンといてはいけませン」
百合子「うー…」プクゥ
一方通行「な、何膨れてンだよ…。俺は、お前の身を案じてだな…」タジッ
百合子「膨れてないですもんっ。お兄様は青髪ピアスさんがいい人なのが解らないんですっ」プクー
一方通行「面と向かって、絶対領域だのロリ服着せたいだの言うヤツのどこがいい人なンだよ…。とンだ変態嗜好じゃねェか…」
百合子「お兄様、ロリ服って知ってるんですね!」キラキラ
一方通行「…………あれだ。お前がちびっこくなっちまった時に超電磁砲が着せてた服だ」
百合子「あっ、あのお人形さんみたいなお洋服のことでしたか!すごくかわいいお洋服ですよね。そっかー、あーいうのがロリ服っていうんですね…」
一方通行「いいか。俺が知ってるのは、そういう嗜好とかそういうンじゃなくて一般常識として知ってるだけだからな? 勘違いすンなよ!?」
百合子「また着てみようかなぁ…。で、でも…あんな可愛い服じゃ…むしろ洋服に着られちゃうかも…」
一方通行「…聞いてねェな…」ガクッ
百合子「お、お兄様は…あの、その…私が、ロリ服というのを着ても…似合うと思いますか?」
一方通行「………」
百合子『萌え萌えー、きゅんっ☆』← ひらひらした服を着た際の一方さんが持つイメージ
百合子「……お兄様?」キョトン
一方通行「…お前、細身だし…色白だし…確かに似合うかも…な…///」プイッ
百合子「…えへへっ。それでは、機会があったら着てみますっ」
一方通行「着るなら家ン中だけにしとけ。ほら、図書館行くぞ」スラスタ
百合子「あっ、はぁーい」カラカラ
一方通行「とりあえず、…そいつは一度絞めとかないとな…」ボソ
百合子「えっ?」
一方通行「なンでもねェよ。それより、図書館の帰りに夕飯の買い物もして行くか?」
百合子「そうですね。今日のお夕飯も考えないと。明日のお昼は決めてるんですが…」
一方通行「図書館で料理本とか読んでみるのもいいンじゃねェの?」
百合子「そっか、図書館ならどんな本でも置いてありますもんね。お菓子作りの本も探してみようかな」
一方通行「冊数制限ねェけどあンま多いと持って帰ンのが辛いなァ…。ま、また来りゃいいか…」
百合子「お弁当の本もあるかなぁ…」
一方通行「今度病院行く時、俺にも弁当作ってくンね?」
百合子「お、お弁当ですか!!? よ、喜んでっ!」パァァ
一方通行「肉多めで」
百合子「バランスのいいお弁当にしますっ」ニパ
一方通行「うぐ…」
百合子「えへへ///」
懲りないお兄様のわがままっぷりとか、青ピがお兄様内危険人物上位になったりとか。
お弁当配達員百合子!編 おしまい
美琴「梅雨かぁ…」
百合子「この時期はお洗濯ものが心配ですよね。新しく買った傘と長靴の出番がたくさんあるのはいいのですけど…」
黒子「あぁ、また髪の毛が跳ねてしまってますの…。はぁ、毎年のこととはいえ、梅雨の季節はどうにもつらいですの…」
打ち止め「ミサカも梅雨は苦手だなぁ…。お外で遊べないし、じめじめしてるし…ってミサカはミサカは足をばたばたさせてみる」
美琴「そうよねぇ…最近ずっとファミレスでお喋りばっかだし…どっか行きたいなぁ…」
百合子「そういえば、セブンスミストで水着フェアやってますよね。今度行きませんか?」
黒子「それがいいですの!色々試着してあんなお姉様やこんなお姉様、をッ」バチッ
美琴「あー…なんかじめじめしててうまく操作出来ないわ…」
百合子「あわわ…黒子さん大丈夫ですか…?」オロオロ
打ち止め「あ!!室内プール行きたい!!ってミサカはミサカは提案してみる!!」
美琴「あ、それいいわね。どうする? 去年行ったとこに行く?」
打ち止め「ミサカ、もっと人がいるとこ行きたいなぁ~ってミサカはミサカは今CMでやってる室内プールを思い浮かべてみたり」
美琴「あ、あそこかー。第6学区で一番人気の……。………よし!週末行こう!!」
打ち止め「おー!!!ってミサカはミサカはお姉様の行動力にバンザイしてみる!」
百合子「週末…あわわ、それじゃぁ早く水着買いに行かないと…!」
美琴「明日!明日行きましょう!」
打ち止め「わーい!新しい水着ーってミサカはミサカは楽しいことがたくさん増えてはしゃいでみたり!!」キャッキャ
美琴「あいつらにもメール送ってー…、と!」メルメルメル
美琴「それじゃぁ、明日放課後セブンスミスト前に集合!」
百合子・打ち止め「「おー!!」」
黒子「……………」プスプス
***
百合子「というわけで週末はプールです!」
一方通行「唐突だな」
結標「いいじゃない。百合子はどんな水着買うの?」
百合子「去年はお兄様に可愛い水着を選んでもらったのですが…今年は…うーん…。何回か泳ぎたいので着回し出来そうなのを…」
海原「キャミソールやスカートが付いているセット水着もありますからね。バリエーションがあるといいですよね」
百合子「あとは、えへへ…。私、お胸もお尻もぺったんこだからカバー出来るものがあるといいです」
土御門「大丈夫にゃー。百合子はこいつと同じで華奢だけど、胸はいくらでも詰められッ!!」ゴスッ
一方通行「つーか、なンでお前ら堂々と人ン家でお茶会してンだよ!!」
海原「帰りに百合子さんに会ったので」
結標「お茶飲みたくて」
土御門「付いて来たにゃー」
百合子「あの、明日はお兄様は…」
一方通行「あー…俺は夕方までメンテだ」
百合子「そうですか…またお兄様に選んで欲しかったのですが…」
一方通行「お前の気に入ったのを買えばいいだろ?」
百合子「…はい」
土御門「あなた色に染まりたいっていう百合子ちゃんの願いくらい叶えてやればいいぜよ」
結標「大丈夫よ、百合子。迷ったらメール送ればいいじゃない」
海原「「お前はどんな水着だって似合うぜ」とか言えばいいんですよ」
一方通行「あーあーうるせー!!」
百合子「じゃ、じゃぁ…迷ったら…メールするので…選んでもらっていいですか?///」
一方通行「あァ」
百合子「えへへ。…明日が楽しみです。お兄様は新しいの買いますか?」
一方通行「去年のでいい。どうせあンま泳がねェしな」
結標「はーぁ、いいなぁ。プール。私も時間見つけていこうかしら」
百合子「淡希さんも一緒に行きますか?」
結標「あはは、ありがとう。でも、やめとくわ。歓迎されないから」
百合子「ふぇ?」
結標「ナイショ。昔ちょっとね」ウィンク
百合子「?」
一方通行「ま、色々あンだよ」
結標「あなたにはその一言で片づけて欲しくないけどね」
百合子「なんだか、皆さん色々複雑な事情があるんですね。詮索はしないので…」
土御門「それより、プールってどこに行くんだにゃー?」
百合子「はい、今CMでやってる第6学区のとこです。広くって、流れるプールとかー…スライダーとかー…」
海原「梅雨の季節で、じめじめしてるのに暑い日々が続いてますからね。結構人が多いかもしれませんね」
百合子「賑やかだといいですね。楽しそうです」
一方通行「去年は貸切だったしな」
百合子「あそこのプールもとっても楽しかったですね。おいしいご飯もいただけましたし」
結標「結構いろいろ遊び行ってるのね、あなたって」
土御門「いいこといいこと。こいつは遊びに関してはからっきしだったからなぁ~。たくさん遊んででかくなるんだぜい」
一方通行「お前は俺の親かよ…」
百合子「私もまだまだやりたいことや行ってみたい場所がたくさんあるので…えへへ、お兄様と一緒に色々遊んでいきたいです」
結標「もう少しすれば夏本番でお祭りあちこちでやるから行ってみれば?」
百合子「はいっ。浴衣も着たいです!」
土御門「いいなーいいなー。俺も遊びたいぜい遊びたいぜい」
百合子「元春さん、今度一緒に遊びに行きましょう!私、ゲームセンター行きたいですっ!」
一方通行「ンなとこ俺が連れて行ってやる」
土御門「えー…」
一方通行「文句あっか?」
海原「百合子さん、紅茶もう一杯いただいていいですか? とてもおいしかったので」
百合子「本当ですか? えへへ、お口にあって良かったです。ちょっと待ってくださいね。お湯沸かしますから…」パタパタ
結標「私もちょうだい」
トテテテ
結標「シスコン」
海原「シスコン」
土御門「シスコン」
一方通行「お前ら俺の神経逆なでして楽しいか?えェ?」
結標「楽しいに決まってるじゃない。あなたのその腑抜けた顔はとっても愉快だわ」
一方通行「腑抜けた、だと…?」イラッ
土御門「おっ、あの時の顔に戻ってきたにゃー」
百合子「あの、これ新しいお菓子です。食べてください」サッ
一方通行「こいつらにはあンま気遣いしなくていいぞ」ヘニャ
百合子「おいしいものはみんなで楽しく食べたいじゃないですかぁ。はい、お兄様が好きなビターチョコのケーキですよ」
一方通行「お、あのうまいヤツか。…いただき…」ハッ
結標「ほら、腑抜けた」
一方通行「ぐっ…///」プイッ
百合子「?」キョトン
土御門「いんや、一方通行は百合子ちゃんが大好きななーと思っただけにゃー」
百合子「はいっ。お兄様にはいーっぱい愛情貰ってます。私もお兄様がだーいすきですっ!」ニパ
一方通行「そ、そォ…か…///」
***
翌日
セブンスミスト前
禁書「また夏になってみんなと沢山遊べる日が来ると思うとワクワクするんだよ!」
百合子「ひと月とちょっと経てば夏休みに入りますもんね」
打ち止め「平日もいっぱい遊べるー!ってミサカはミサカは夏の到来を素直に喜んでみるっ」
美琴「その前に期末考査だけどね。ま、私たちは常日頃から勉強してるからそれほど苦でもないけど…」
黒子「インデックスさん家の家主さんはさぞげっそりするでしょうね」クスッ
百合子「試験前になると当麻さんがよく家に遊びくるので私は楽しいですよ」
美琴「一方通行も大変よね。あいつに勉強教えなきゃいけないんだから」
百合子「御坂さんも来ませんか? お兄様も教えるのがすごく上手なワケじゃないので、御坂さんもいると助かるかも」
美琴「い、いいのっ!?」
黒子「レベル5二人から勉強を教われる…。しかもお姉様に…、黒子も赤点取って…」ブツブツ
美琴「あんたは教えなくてもいつも完璧じゃない。ま、たまには頼ってくれてもいいけどさ…」
禁書「学園都市の勉強はわけのわからない単語ばかりでさっぱりなんだよ…」
打ち止め「でもシスターさんは記憶力が完璧だし、回転も速いからあの人にそっくりだと思うなぁってミサカはミサカは考えてみる」
美琴「分野が真逆だから仕方ないわよ。私だってそっちの単語はさっぱりだもん。それじゃ、立ち話しててもしょうがないし、行こっか」アハハ
百合子「いいのが見つかるといいですねー」
***
美琴「うーん…やっぱりここはもう少し大胆に行くべきかしら…」ジーッ
黒子「お姉様は控えめ過ぎますの。もっと、こう!大胆にッ!!」バッ
美琴「ちょっ、それ!!あんた向けじゃないのよ!!どうしてそんなふざけた水着ばっか見つけてくるわけっ!?///」
黒子「それはお姉様に相応しい水着を見つけるための目を持っているからですのっ。さぁ試着してみてくださいまし!」グイグイ
美琴「やっ、やだぁ!!」
黒子「購入しなくてもいいんですのよ!お姉様が試着した水着を黒子が購入しあ゛んっ」バチッ
美琴「そういうことかぁぁ!!!」
打ち止め「シスターさん、見てみてー!ってミサカはミサカは可愛い水着を見つけたことを得意げに自慢してみるっ」
禁書「わ、すっごく可愛いんだよっ。私もそれがいいかも…」
打ち止め「色違いサイズ違いあるからお揃いにしてみるのもいいよっ!ってミサカはミサカは素敵な提案をしてみたり!」
禁書「わー!そうするんだよ!試着しに行こうっ」
打ち止め「うんっ!」
百合子「うーん…。これも…可愛い…。こっちも可愛い…」
美琴「百合子ぉ…なんかいいのあったぁ…?」グテッ
百合子「どれも可愛くて…。でも…これ…前できゅっと寄せられるみたいなんですけど…私…寄りますかね…?」ショボン
美琴「無理に寄せなくてもいいと思うわよ。私だってあんまりないし…」ショボン
百合子「私、体に凹凸がないから…無理にカバーしようとすると不自然になっちゃいそうなんですよね。やっぱり去年と同じようなデザインがいいかな…」
美琴「去年のは可愛かったけど、今年はいっそ無理に隠さないでビキニにしてみたら?それも胸を隠すフリルなしで一本勝負っ!」
百合子「あう…。で、でもちょっと恥ずかしいかも…///」
美琴「大丈夫よ!百合子可愛いし綺麗なんだし!ほら、この赤のボーダーとか可愛いから!3点セットでワンピースにもなるし!」グイグイ
百合子「赤とか派手じゃないですかぁ…?///」
美琴「百合子は赤目なんだし、差し色で大丈夫っ!試着だけでもしてみなよっ」
百合子「わ、笑わないでくださいねっ…?」シャッ
美琴「……さて。百合子に言った手前私だけ胸をごまかすわけにもいかないわね…」
打ち止め「お姉様お姉様ってミサカはミサカは試着室前に立ってるお姉様にくっついてみるっ」ピトッ
美琴「わ、可愛い水着ね。打ち止め」
禁書「ふふん。お揃いなんだよ!」
美琴「へー、二人とも似合ってるじゃない。それで決めたの?」
打ち止め「うん。お姉様は決まった?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
美琴「私は今回は少し冒険してみようかな。あはは、百合子に隠さないで勝負しようって言っちゃったし」
百合子「み、御坂しゃん…///」コソッ
美琴「あ、着た? 見せて見せて~」
百合子「変、じゃない…ですか?」シャッ
美琴「可愛いー!」
打ち止め「本当だっ。ユリコそういうシンプルなのもすっごく似合うよねってミサカはミサカはもじもじしてるユリコに微笑んでみる」ニパ
禁書「変なところなんて全然ないんだよ。しいて言えばもっと背筋伸ばして胸を張ればいいと思う!」ニパ
百合子「ほ、本当ですか…?…えへへ///」
美琴「あんまり気になるようなら…ほら、このワンピースも着ればいいわよ」
百合子「でも、やっぱり…たまには私も大胆に…なってみようかな…って…///」
打ち止め「ユリコ…。いつも下着を買ったらあの人のお披露目したりしてるのに…今更大胆もないと思うなぁ~。
ってミサカはミサカはちょっぴし意地悪に言ってみたり」ニシシ
百合子「だっ、だって家族に見せるのと色んな人に見せるのは違いますよぅ!」
美琴「でも、百合子って裸でも全然恥ずかしがらないのに…」
百合子「そ、それは…裸んぼの身体はお兄様にいただいたものですから…大好きなんですけど…。お洋服着たりするのは…私のセンスですし…。
あまり自分に似合わないものを着るのは……、私は色んな服を着るのが好きですけれど…お兄様に見せるのも好きですけれど…。
不特定多数の人に見せて…お洋服に相応しくないと思われるのは…ちょっと恥ずかしいです…///」
禁書「でも、ゆりこってモデルさんみたいだからなんでも似合うと思うんだよ」
打ち止め「ねねね。今度あの人とお揃いの服着てみたら? 双子の特権だと思うの!ってミサカはミサカは力説してみる!」
百合子「お、お揃いは…素敵ですね…///」
黒子「お姉様っ、水着はもう決めてしまいましたの!?」トテテテ
美琴「うん。百合子と同じでちょっと露出多めのビキニにするわ。んで、これにするー」
黒子「そっ、それもステキですのっ!!」
百合子「黒子さんは決めました?」
黒子「いえ…、ちょっとお姉様の愛の鞭の余韻に浸っていたら…」
百合子「私と御坂さんはいつもと雰囲気を変えてみたんです。黒子さんもどうですか?」
美琴「あ、それいいわね。黒子っていつも露出多くてなんか大人っぽいものばかりだし…こういうのはどう?」フリフリ
黒子「で、でも…黒子は…」
百合子「黒子さんって可愛らしい方ですし、こういうフリルの多い服はあまり見たことないし…試しに、どうですか?」ニパ
禁書「年相応な服もいいと思うんだよ」
打ち止め「ミサカもお姉ちゃんがそういう可愛いお洋服着てるとこ見てみたいな~ってミサカはミサカはお願いしてみるっ」
黒子「はう…///」
美琴「ね、イメチェンだと思って着てみせてよっ」
黒子「お…お姉様がそこまで…言うなら…///」モジモジ シャッ
シャッ
黒子「わ、笑わないでくださいまし…///」ソワソワ
百合子「わ、笑いませんっ!すっごく、すっごく可愛いです!!」
禁書「そういう可愛い格好はあなたにとってすごく自然だと思うんだよ」
打ち止め「うん!ミサカもお姉ちゃんの新しい一面が見れて嬉しいなって!ミサカはミサカは喜んでみる」
黒子「…お、お姉様…」チラッ
美琴「うんっ。すっごく可愛いわっ」ニパ
黒子「………///」コクン・・・
というわけで、今年もやってきましたプール編スタートです。
雰囲気変えたくて百合子と美琴はちょっとセクシーな水着、黒子は可愛い系水着に。
各々脳内で着せてやってください。
ではまた次回ノシ
***
当日
禁書「わー人が多いんだよっ」
打ち止め「わーいわーい!こんな賑やかな場所って滅多に行かないから楽しみーってミサカはミサカは今からドキドキしてみる!」
上条「あんまりはしゃぎすぎて迷子になるなよ~?」
打ち止め「み、ミサカそんなに子供じゃないもんってミサカはミサカはほっぺを膨らませて抗議してみるっ」プクー
美琴「随分広いみたいね。一日で全部遊べるかしら」
黒子「こういうところはリピーターも必要ですからあえて一日で全部回り切れないくらい大きく色んな設備を作っているのかもしれませんの」
一方通行「つーかこの広さを一日で回ろうなンて体力あンのかよ…」
百合子「わっ、私この流れるプール行きたいですっ!!」
禁書「私もっ!入口はここなんだよ!!」ドタタタ
美琴「着替えてからーっ!!」
上条「はいはい、それじゃ出口で落ち合いましょー」
百合子「いってきまーす!」ノシノシ
一方通行「前見ろ前。ぶつか…」
百合子「へぶっ」ドン
一方通行「言わンこっちゃねェ…」
上条「しっかし、去年のプールもすごかったけど今年のもすごいなー」
一方通行「人多過ぎて楽しむもンも楽しめねェだろ…」
上条「バカだなぁ。こーいう賑わってるのも込みで楽しむんだよ」
一方通行「あァそうかよ」
上条「…なんだかんだ言いながらしっかり一緒に来てくれるんだから…お前もそれなりに楽しめよ」
一方通行「あいつらが行くからしょうがなくだっつの」
上条「またまた。いつまでもそーいうクールぶってるキャラは似合わねーぞっ!」
一方通行「あァ!? 俺がいつクールぶったってンだよ!」
上条「まぁまぁまぁ!!そ、そうだ!それより女性陣はどんな水着かなぁ~。なんて…」チラッ
一方通行「うわァ…」ドンビキ
上条「ちっ、違! 別にこの紳士上条当麻は女性陣の水着に期待してるなんてことじゃなくてですね!インデックスがいつもなら事前に見せてくれるのに
今回は「内緒なんだよっ☆」で見せないからちょっと気になっただけだって!」
一方通行「…あァ…。そういや百合子も見せなかったな…」
上条「へぇ? 百合子ちゃんって新しく買ったもの全部お前に見せてんだろ?」
一方通行「そォなンだよ。小物から下着までご丁寧に着用してな…」
上条「グギギギギ・・・羨ましい…」
一方通行「けど今回は打ち止めと一緒に「当日までのお楽しみ」だのなンだの言ってたな…。ま、あいつもようやく恥じらいっつーのを持ち始めたンだろ」ウンウン
上条「あー、なるほど。確かに百合子ちゃんは大胆だったりちょっと恥じらいがない部分があるもんな。兄貴としてはその方が安心っちゃ安心だな」
一方通行「まァな」
***
百合子「お兄様~っ」トテテテ
一方通行「のァ!!?///」
百合子「ごめんなさい、ちょっと結ぶのに手間取っちゃって…」エヘヘ
一方通行「おまっ…、少し…いや…露出…多く…ね?///」
百合子「へ…変…でしたか…?」ショボン
一方通行「い、いや…お前のことだからフリル多めで結構隠れてンので…しかも着まわすとか言ってたからワンピースとかスカートみたいな格好で来ると思ってたから…」
百合子「あ、ワンピースタイプもありますよ!でも…今日は…ちょっと…あまり身体のラインを隠さないで…大人っぽくしてみようかなって…///」
一方通行「………まァ…いいンじゃねェの…?///」
百合子「えへへ///」
打ち止め「見てみてー!ってミサカはミサカはユリコに見とれてるあなたの背中に貼りついてみるっ」ドン
一方通行「ぐふっ」
禁書「私たちはお揃いなんだよ!」(`・ω・´)/
打ち止め「仲良しお揃いなんだよ!ってミサカはミサカはシスターさんとポーズを取ってみる!」\(`・ω・´)
上条「おっ、二人とも可愛いじゃん!色違いかー!」
美琴「百合子っ、背中ほどけかけてるっ!」アセアセ
百合子「ふぇ?」スルッ
一方通行「ーっ!」ハシッ
上条「お…、御坂も白井も…なんか…お互いに雰囲気逆じゃないか?」
美琴「まっ、まぁ私だってレベル5だし…!それなりに威厳ある感じにしていかないとねっ!!///」
黒子「………///」モジッ
上条「白井はなんだか去年の御坂みたいな感じだな。前のお前の水着よりずっと似合ってると思うぜ」ニカッ
黒子「そ、…その褒め言葉は黒子には通用しませんの。わたくしを口説いてる暇がおありでしたらお姉様を褒めてさしあげれば?///」プイッ
上条「へ?」
美琴「くっ、黒子っ何言ってるのよ!///」
上条「御坂もよく似合ってんぞ。それにフリフリしたのってあんまお前っぽくないもんなっ」アハハッ
美琴「」ビシッ
一方通行「あいつはどうしたらあんなにフラグバッキバキに折れる発言が出来るンだろォな。正直理解に苦しむぜ」ムスビムスビ
百合子「ふぇ?」
打ち止め「あなたっ。ユリコの紐の結び目ぎゅーってほどけないようにしてねっ!ってミサカはミサカはユリコのピンチの回避をあなたに命じてみるっ」
一方通行「はいはいっ」カチッ ギュッ
禁書「あくせられーたのその能力の使い方はなんだかすっごく贅沢かも」
一方通行「俺も正直こンなことに使いたくねェよ。ン、これでいいか?」
百合子「このサイドも結んでもらっていいですか? お兄様にやってもらえばほどけないと思うので」
一方通行「あァ………ってパンツのサイドかよ!!?///」
***
流れるプール
百合子「わーい!何もしてないのに流れるー!」浮き輪装備
一方通行「やっぱこれが一番楽でいいな…」浮き輪装備
美琴「あんたたち前も流れるプールでプカプカ回ってたわよね」クスクス
打ち止め「ユリコは景色が回るのが楽しいし、あの人は何もしなくても遊べるから楽ちんなんだと思うなってミサカはミサカは考察してみる」
上条「一方通行の浮き輪をひっくり返したくなるな。あの優雅な浮き輪の使い方見てると」
黒子「それをやった瞬間周囲の人まで巻き込まれてこのプールが使用出来なくなるのでやめてくださいな」
禁書「ビーチボールで遊びながらくるくる回るんだよ」ポン
美琴「はい、パース」ポン
百合子「わー、私もやりたいですー!」バシャバシャ
打ち止め「それじゃ、ユリコにパース!ってミサカはミサカはトスしてみるっ」ポン
上条「あっ!百合子ちゃんっ、両手離したら…!」
百合子「あ」バンザイ
ズルッ バシャン
上条「落ちるよ…って遅かった…」
禁書「あわわー、ゆりこっ大丈夫っ!?」
一方通行「百合子っ!? だいじょっ、うォ…っと…ぐ…ぎゃァ!!?」グラグラ バシャン
打ち止め「あー…あなたまで…ってミサカはミサカは浮き輪の上でバランスを崩してひっくり返ってしまったあなたを哀れんでみたり…」
黒子「ほら、お二人とも。掴まってくださいな。一度端に寄りましょう」グイグイ
百合子「あっ、ありがとーございます黒子さんっ。はぅ…鼻に入りました…」グスン
一方通行「お、お前…さすが風紀委員はダテじゃ…ねェな…」ガクブル
黒子「もう少し水中になれた方がいいと思いますの。一人の時に溺れたらパニックになるだけですのよ?」
一方通行「あー…なンつーかひっくり返ンのがイヤなンだよ。投げ出される感じがよォ…。自由が効かないし、全身を拘束されてるみたいで…」
百合子「私は水中は嫌いじゃないのですが、息が出来なくなるのが怖いですねぇ…。培養器の中だとちゃんと呼吸出来るから余計に…」
黒子「とりあえず浮き輪から手を離さないようにしてくださいな。一方通行さんも浮き輪の上で寝ているとひっくり返りやすいので百合子さんみたいに
浮き輪を身体に通して遊んでくださいの」
百合子「はぁい!」
一方通行「…はァい…」
禁書「ほら、こうやって紐を手首に巻いとくといいかも。落っこちても冷静に、が大事なんだよ」
打ち止め「あなたって普段はそんなに落ち着いてるのにこういう時は子どもみたいになるよねってミサカはミサカはなんだか微笑ましくてニマニマしてみる」
一方通行「もとはと言えばお前らのせいだろォが!」
上条「まぁまぁ、楽しく遊ぼうぜ。ほら、お前もビーチボールで遊べって」ポン
一方通行「チッ…」ペシッ
百合子「わーい」ポン
美琴「ほら、まだスタートしたばかりだしここ一周が結構長いから早く進みましょう」
打ち止め「はーいっ!ってミサカはミサカはバタ足しながら人を掻き分けてお姉様のところまで泳いでみたりっ」バシャバシャ
***
波のプール
百合子「ふぅ…」バシャバシャトコトコ
一方通行「どうした?」←休憩
百合子「えっと、…ほら…あちこちでイルカさんとかバナナのおっきな浮き輪を持ってる人いるじゃないですか」
一方通行「いるなァ…」キョロ
百合子「さっき、持ってる人に聞いたら入口近くで貸出してるみたいで借りてきます」
一方通行「付いてこォか?」
百合子「ううん。大丈夫です。お兄様、あれから流れるプールでバタ足練習してて疲れてるみたいですし」
一方通行「迷子になるンじゃねェぞ?」
百合子「大丈夫ですよぅ!では、いってきまーす」
一方通行「おォ」
ペタペタペタ
百合子「えっと…入口は…」
百合子「あ、看板あった。えーと…現在地はここで…」
ウエーン ペタペタ
百合子「…?」
女の子「えぐっ…、せんせぇー…みんなぁー…」グスグス トコトコ
百合子「…どうしたの?」ニコッ
女の子「ふ…ぇ…っ…、あのね…、せんせーと…お友達と…遊んでてね…」グスッ
百合子「うん」
女の子「みんなで…遊んでたらね…、いつのまにか…みんな…いなくなってたの…」グスッ
百合子「そっか。はぐれちゃったんだね。どれくらい探してるの?」
女の子「じゅ、15分…くらい…」
百合子「気付いた時はどこにいたのかな?」
女の子「えっとね…乗り物とかあったとこ…」
百合子「乗り物……、…あ。ここの児童用遊具コーナーかな?」
女の子「あとね、おもちゃとかあったの…」
百合子「先生とお友達もキミを探してくれてるからお姉ちゃんと一緒にはぐれた場所まで行ってみようか?」
女の子「…うん」
百合子「よーし、それじゃ、お手手繋ごっか♪」
女の子「うんっ!」ギュッ
百合子「こうすればずっと一緒だよ~」
女の子「えへへ…。お姉ちゃんお姉ちゃん…」グイグイ
百合子「ん?」
女の子「ありがとー…」ニヘラ
百合子「一人ぼっちは、寂しいもんね」
女の子「うん」
百合子「そういえば、先生やお友達はどんな人なのかな?」
女の子「えっとね、先生は女の人と男の人でね、女の人は髪が長いのー。今日はこうやって頭の後ろで結んでたよ」
百合子「歩いている間に見つかるかもしれないから、探しながら行こうねっ」
女の子「うん。今日ね、先生がお弁当作ってくれたんだよ。だから、早くみんなのところに行って食べなきゃ…」
百合子「お弁当食べたらまた午後からいっぱい遊ばなきゃね!」
女の子「うんっ!あのね、さっきはちっちゃい滑り台してたから、今度はおっきな滑り台もしたいの」
百合子「お姉ちゃんもあとでおっきな滑り台やるよー!」
女の子「でも、一番大きいのはちょっと高くて怖いかも…」
百合子「先生やお友達と一緒に滑ればきっと怖くないよ。高いところは下を見ると怖いけど、遠くを見ると、普段見えない部分が見えて面白いんだよ」
女の子「お、落っこちないかな…?」
百合子「ううん。ほら、見えるかな…? 上の部分が透明だけど、ちゃんとパイプになってるでしょ? だいじょーぶっ♪」
女の子「えへへ。それじゃ、だいじょーぶだね」
百合子「私もね、最初は気付かないで落っこちたら怖いなぁって思ってたの。それを言ったらね、お兄様に笑われちゃった///」テヘ
女の子「おんなじー」ニパ
***
15分後
女の子「あっ、せんせー!」
百合子「見つかった?」
女の子「うんっ。せんせーっ!!」
先生「ちぃちゃん!良かった…!」
女の子「先生…あの、ごめんなさい…。私、めいわく…かけちゃったよね…」
先生「ううん。ちぃちゃんが元気ならそれでいいのよ」
女の子「あのね、お姉ちゃんが一緒に探してくれたの。お姉ちゃんありがとう!」
百合子「先生が見つかって良かったね。今度ははぐれちゃダメだよ?」
女の子「うんっ!」
先生「本当にありがとうございました。さ、みんな待ってるよ。戻りましょう」
女の子「はぁいっ♪ お姉ちゃんばいばーい!」
百合子「うん。ばいばいっ♪」ノシ
トコトコ
百合子「さ、私もイルカさん借りてみんなのところに戻らないと」ウキウキ
百合子「えっと…、ここは…」キョロ
ポツン
百合子「あれ…? どこだろ…?」キョトン
百合子「あ、あれれ? 室内プールなのにお外に出てるっ。はぅ、あ? 庭園ビーチ? ど、どどどどこだろここ…」アワアワ
百合子「地図…看板…ふぇぇ…。ケータイも持ってないし…お財布もなんにもないし…はぅぅ…」アタフタオロオロキョロキョロ
男1「どうしたのー? 迷った?」
百合子「えっ、あ…はい…。あの、看板ある場所ご存じないですか?」アタフタ
男2「いやー、ごめん。俺らも解んねーわ」
男3「一緒に探してあげよーか?」
百合子「い、いいんですか? で、でも…皆さんも遊んでて…」
男1「大丈夫大丈夫。困ってる女の子を放っておけないしさー」
百合子「…えへへ、ありがとうございます。よろしくお願いします」ペコリ
男2「そんじゃ、えーと…どの辺から来たの?」
百合子「はい、波のあるプールの方です」
男3「あー。それってこっちじゃなかったか?」
男1「じゃ行こうか」
百合子「はいっ」
男2「名前はー?」
百合子「百合子です」
男3「へー、すっげー女の子らしい名前でぴったしじゃね?」
百合子「えへへ///」テレテレ
男1「ここって広いからさぁー、すぐ迷うよなぁ」
百合子「そうですね。さっきも女の子が迷子になってて…一緒に探して歩いてたらいつの間にか道が解らなくなっちゃったんです」
男2「百合子ちゃん優しいんだなぁ~。それにめっちゃ可愛いしさー」
百合子「それを言ったら皆さんもお優しい方じゃないですか。…あれ? ここはどこですか?」
男3「確かこの南国風ビーチを通り抜けると近道だった気がするんだよなぁ~」ニヤニヤ
百合子「先ほどの庭園も綺麗でしたが、ここも異国情緒…って言うんでしょうか。色々楽しめていいですね。わ、ここにも流れるプールあるんですねー!」
10分後
男1「あれ~? なんかなかなか出口出なくね?」
男2「ちょっと疲れて来たしな。あそこにカフェあるし百合子ちゃん休憩しようよ」
百合子「えっ、で…でも…私…お財布もないですし…。もしかしたらみんな私がいないことに気付いてるかもしれないので…」
男3「大丈夫大丈夫。俺たちが奢るし、まだ時間もちょっとしか経ってないからさ。百合子ちゃんも遊んだり歩いたりで疲れただろ?」
百合子「えぅ…」
男1「あ、ほら!ちょうど席空いた!確保しないとすぐ座られるぜ!」グイ
百合子「あわわ…」
男2「俺買ってくるよ。百合子ちゃん何飲みたい?」
百合子「お、お紅茶でっ…」アワワ
***
男1「へー、百合子ちゃんって家事得意なんだー。そーゆー子ってすっげー尊敬するよなー」
百合子「いえ…。私が大事な人たちのために出来ることってこれくらいなので…。それに、みなさんが喜んでくれるから…私も嬉しいです」
男2「百合子ちゃんってさ、なんてゆーんだっけ? ほら、白い肌の子とかあるじゃん?」
百合子「…? あ、アルビノ…ってことですかね?」
男2「そうそれ!!俺見たの初めてだったんだよ。それで、結構目立つじゃん? だから、きょろきょろしててなんか困ってるのかな~ってすぐ気付いたんだ」
百合子「ふふ、私はずっとこの色なので自分では自然なのですが、やっぱり特徴的なのでよく言われます」
男3「あー悪ぃ悪ぃ、気にしてた?」
百合子「いえっ、そんなことないですよっ。私は自分のこの身体がとっても大好きなんですっ♪」ニパ
男3「俺も百合子ちゃんの身体結構好きだな~。細身でモデルみたいだもんなー可愛いしー?」ニヤニヤ
百合子「えへへ・・・、ちょっと照れちゃいます…///」テレテレ
男1「ねーねー、百合子ちゃんさー。メアドとか電話番号教えてよー。せっかく知り合いになれたんだしさ、プールで遊んだあとどっか4人で遊ばね?」ニヤニヤ
百合子「あ、で…でも今ケータイ持ってなくて…。一度みなさんのところへ戻らないと…。あと、遊び終わったらお夕飯の準備とかあるので…」
男2「えー、ちょっとくらいサボっても平気だって。百合子ちゃん第7学区住みだろ?
俺ら第5学区の大学通ってるから第5学区は詳しいんだ。こっから帰りで第5学区通るしそこで遊ぼうよ。第5学区楽しいぜー」
百合子「で、…でも…私がお夕飯作らないと…」オロ
ポン
百合子「え?」クルッ
上条「やっ!ようやく見つけた。さ、戻ろうぜ」ニカッ
百合子「当麻さんっ」パァ
男1「んだよお前。百合子ちゃんは今俺らとお茶飲んでんだけどぉ?」
上条「あーハイハイ。そーいうナンパはお引き取り下さい。百合子ちゃん行こう」グイッ
百合子「えっ? あ、でも…まだこの人たちにメールアドレスとか…」
男2「おいおいお前いきなり入って来てこっちに説明もなしかよ?」
男3「百合子ちゃんも困ってんじゃねぇか。なに?彼氏?」
上条「ハイハイ、彼氏だったらどーすんだよ。つーかお前ら、俺相手にしてる内にさっさと退散しねぇと大変なことになるぞ?
悪いことは言わないからさっさと百合子ちゃんから手ぇ引きなさいって」
男1「ぎゃはは!彼氏でもねーのに説教ですかぁ? 俺も悪いこと言わないから百合子ちゃんから手離せよ。言っとくけど、俺レベル3の水流操作だからさー?」
上条「はぁ…。これをあいつが見たらどんなことになるやら…。百合子ちゃん、あいつもみんな心配してるから早く戻ろうな」
百合子「は、はいっ。あの、みなさん…一緒に探してくれてありがとうございましたっ。えと、お茶もありがとうございますっ。それからそれから…、…きゃんっ?」グイッ
男2「百合子ちゃんは俺らと遊んでる方が楽しいよなぁ~?」ニヤニヤ
百合子「えと…えと…?」アタフタ
男3「彼氏でもねーやつに彼氏面されても迷惑なんだよ。ガキはさっさと帰れ!」
上条「あーもー…。……百合子ちゃん、おいでおいで」カムカム
百合子「はい?」トテテ
グイッ(腰に腕を回す)
上条「だから俺は百合子ちゃんの彼氏なんだよ!!交際1か月半ですッ!!」ドン
男たち「「「…………はい?」」」
百合子「……………?」キョトン
上条「だから俺には口出しする権利があるんだよ。俺の彼女に近寄るなってん、だ………後方2時の方角から殺気ッ!!?」サッ
ジュッ
上条「ぎゃーーー!!上条さんの毛先がちょっと焼けたぁぁ!?」
男3「うわっ、紙コップに穴が!? 焦げたあと…? お前、発火能力者?」
一方通行「ばァァァか。太陽光を集束させたンだよ。よくあンだろ、虫めがねや鏡やらで紙を燃したり…」ヒタヒタ・・・
百合子「あっ、お兄様!」ニパ
男1「兄ぃぃ!?」
一方通行「上条くゥン? なァに勝手に俺の妹の彼氏宣言してンのォ?」
上条「ちがっ、俺は百合子ちゃんをナンパしてたヤツらから百合子ちゃんを守るために…あぁぁぁぁぁなんかデジャヴゥゥゥゥゥ!!!!」
一方通行「じゃァその不自然に意図的に回した腕はなンなンだよォォォ!!!!」カチッ ザバッ
上条「おっ、お前さすがにシスコン過ぎんぞ!!百合子ちゃんが大事なのは解るけど過保護も良くながばぁああああ!!!すごい水圧ゥゥ!」ザバババ
一方通行「そのままミンチになりやがれクソ野郎ッ!!!」
上条「ナッ、ナンパしてたのはそっちだっつーの!!」
一方通行「あァ!?」ギロッ
男たち「「「!!」」」ビクッ
百合子「お、お兄様っ。この人たちは私が迷子になった時に一緒に探してくれて…今もお茶をいただいて…」
一方通行「つまり、探してやるという口実で百合子を連れまわし、茶飲みながら情報探ってたってワケか? どうせおかしなとこに連れ込む気だったんだろォが」
男たち「「「!!」」」ギクッ
百合子「お菓子なとこ…?」
一方通行「ぎゃはっ!!」ダンッ
ガタンッ(テーブルに飛び乗る)
一方通行「さァ、どォ料理しよォかねェ?」ニヤァァァ
男たち「「「!!?」」」ガクブル
上条「げほっ、待て待て落ち着けって!!」グイッ
一方通行「右手で掴むンじゃねェ!!こーいうクズどもには一度痛い目見せた方がいいンだっつの!!」
男1「にっ、逃げようぜ!!」
男2「なんかこいつ目がやべぇよ!!」
男3「走れっ!!」
ガタッ バタタタタタタ・・・
上条「…ふぅ…」パッ
一方通行「てンめェェェ!何邪魔してンだよォォ!!」
上条「冷静になれよ。たかがナンパの一つや二つくらい。百合子ちゃんもまだ何もされてないみたいだしさ。ちゃんと見つかったんだしそれでいいじゃないか」
一方通行「…ちっ。…行くぞ、百合子…」
百合子「えっ、あ…はい…。あの、でも…あの方たち…急に…、どうしたのでしょうか…? メールアドレスも教えてなかったし…」キョトン
上条「…ナンパされた自覚なかったんだな…」アハハ
百合子「…ナンパ…? 私がですか?」
上条「そーそー。百合子ちゃんナンパされてたんだよ。だから、あいつが怒ってたワケだ」
百合子「…あっ、あのお兄様っ!」
一方通行「なンだ…?」
百合子「ご…ごめんなさい…」
一方通行「お前が謝るのは違うだろォが」
百合子「私がぼんやりしてたから…。それに迷子になっちゃって…」
一方通行「…ま、付いて行かなかった俺も悪かったよ。なンつーか、お前迷子になりそうだなァ~とは思ってたしな…」ナデナデ
上条「それにしても随分離れたとこまで来てたんだなぁ。百合子ちゃん方向音痴でもないよな?」
百合子「えっと、迷子になってる女の子がいたので…引率の先生を一緒に探してたんです。それで、先生を見つけて別れて周りを見たら全然場所が解らなくて…。
それで、困ってたところを先ほどの方たちが一緒に探してくれると…。それで一緒に歩いててここで休憩してたんです」
一方通行「…そンな理由じゃますますお前が謝る理由なンかねェぞ。ほら、あいつらも待ってるしイルカ貰ってさっさと戻るぞ」
百合子「は、はいっ!そうだ、最初の目的はイルカさんでしたっ!」
上条「イルカは…えーとあっちだな。んじゃ、行こう」
百合子「はぁい♪」
***
昼食後
美琴「ぷはっ、それじゃぁ百合子は自分がナンパされた自覚がなかったんだぁ!あはは、百合子らしいー!」ケラケラ
百合子「やっぱり…ナ、ナンパだったんですか…?」
黒子「えぇ、どう見てもナンパの手口ですの」
百合子「でも…、一緒に探してくれるって…一緒に歩いて探してくださいましたし…」
禁書「だけど結局ゆりこがいたのは私たちと真逆の一番離れたとこだったんだよ」
百合子「あう…」
打ち止め「ユリコの世界はとっても真っ白で綺麗だけど…みんながそういう人たちばかりじゃないんだよ。ってミサカはミサカはユリコにアドバイスしてみる」
上条「そこが百合子ちゃんのいいとこだけど、少し警戒心持たないとそこで不貞腐れながらイルカとじゃれてる兄貴が可哀想だぜ?」
百合子「え?」クルッ
一方通行「……………」ムニムニ ムスッ
百合子「お兄様…?」
一方通行「ン、あ…? なンだ?」
百合子「あの…ごめんなさい…」シュン
一方通行「…何がだ?」
百合子「さっきの…あの、えと…ナンパの方たちに…んと…ナンパって全然気づかなくて…」
一方通行「まァ、…あンま心配かけさせンな。あと、いやだと思ったらきちンと断れ。そうしないと相手が調子に乗るからな。世の中善人ばかりじゃないンだぜ」
百合子「…はい」ションボリ
一方通行「…百合子」
百合子「はっ、はいっ!?」
一方通行「飯食い終わったしあっちのプール行こうぜ。イルカ、乗るンだろ?」
百合子「のっ、乗りますっ!」
一方通行「打ち止め、お前も遊ぶだろ。行くぞ」
打ち止め「うんっ!ってミサカはミサカはあなたとユリコのところへ小走りしてみるっ」トテテ
美琴「それじゃ、私たちも遊ぼっか」
黒子「ビーチボールをしましょう」
禁書「とうまっ、私もイルカ乗りたいかもっ!」
上条「はいはい。どーぞ」
禁書「えへへ、ありがとっ。ゆりこーっ、らすとおーだー!私も遊ぶんだよー!」トタタタ
打ち止め「わぁ、みんなで乗ろう乗ろう!!」
百合子「二人で乗れるみたいですね。打ち止めさん、前にどうぞ」パシャ
打ち止め「うんっ。ひ、ひっくり返らないよね?ってミサカはミサカはプール脇に置かれたイルカに恐る恐る乗ってみる…」ソロリソロリ
一方通行「押さえててやるから慌てンな」
打ち止め「あ、意外と安定してるかもってミサカはミサカはイルカに乗れたことに感動してみたりっ!」ニパ
百合子「よーし、私も…!」ソロソロ
シャキーン
百合子「わぁぁ!!どうですか!? かっこいいですか!?」プカプカ
一方通行「かっこいい…か?」
上条「インデックスも乗れたみたいだな」
禁書「ゆりこーらすとおーだー!見てみて!私も乗ったんだよ!」エッヘン
美琴「あはは、代わりに写真撮ってあげるわ」パシャ
黒子「ところでこれは…」
百合子「どうやって進むんですか…?」
一方通行・上条「「………」」
バシャバシャバシャ
禁書「わーいわーい!とうま早ぁい!!」キャッキャ
打ち止め「すごーいヒーローさん力持ちーっ!ってミサカはミサカはイルカ二つの紐を持って泳いでるヒーローさんにエールを送ってみるっ」
上条「はっはっはーこれくらいお安いご用だー」バシャバシャ
百合子「すごいですっ。水の上を走ってるみたいっ♪」
美琴「写真撮るからこっち向いてー」パシャパシャ
黒子「…なんだか、思ったより面白そうですの…」
美琴「子どもっぽいなんて思ってないでやってみればいいのよ。ね。子どもなんだから子どもらしく遊びましょう」
黒子「…は、はいですの…///」
一方通行「…………」ムーッ
美琴「あんたは泳ぐ練習から始めましょうね」
一方通行「そもそも浮かないンだよ…」
黒子「そういえば、体脂肪率の低い人は身体が水に浮かばないから泳げない…という話を聞いたことがありますの」
一方通行「じゃァどう足掻いても泳げねェな。もう、このスタイルで行くわ」
美琴「あんたの浮き輪姿は見てて面白いからそれでもいいけどね」
黒子「第一位ともあろう方が諦め早いですのよ」
一方通行「別に泳げなくても…それなりに楽しンではいるぜ。それに…」
美琴「それに?」
一方通行「泳げない仲間がいるしな…」
黒子「…ふふ」
美琴「あんたって本当に百合子大好きよね」
一方通行「そりゃ、妹分だしな…」
美琴「でも、さすがに溺愛しすぎじゃない? 時々こっちでも驚くわよ。色々と」
一方通行「家族を大事にするのは…普通だろォが?」
黒子「そりゃ、そうですが…」
一方通行「家族…、しかも…血縁なンて…あいつしかいねェし…、今まで家族の存在なンか感じたことなければ…兄妹なンて…未知の領域なンだよ…。
どうやって接すればいいかなンて…わっかンねェよ…」モゴモゴ
美琴「あー…なんだか色々ごめんなさい…。だからとにかく過保護になってるのね…。打ち止めにもライトなようで過保護だったりするし…」
一方通行「最初はよォ…、俺のクローンっつーことでどっかの暗部やら研究所やらから俺を殺すために送られてきた可能性もあって多少は警戒してたンだけどな…。
打ち止めもそうだが、あんなに懐かれると…ダメだな…。……あーあ、いつの間にこンなに腑抜けちまったンだが…学園都市第一位が笑わせらァ」
美琴「いいことじゃない。楽しいんでしょ?」
黒子「あなたが純粋に向けられる無償の好意や愛情に弱いことはみんな知っていますのよ」
一方通行「……………」
一方通行「……お前ら相手にくだらないこと話しちまったな…。忘れろ」
美琴「なぁんだ。そうやって内面話してくれるまで心許してくれてたと思ってたのにぃ」
黒子「ほーんと、がっかりですの。これだから殿方はダメですの。お姉様もよぉ~く解りましたね? ねっ? ですから黒子とふみゅっ」グニ
美琴「なん、で、そー、なる、わけぇ!」ホッペグニグニ
黒子「らってぇぇ~…!」
一方通行「はァ…。なァにが心許すだよ…」
美琴「…………」クスッ
打ち止め「ねぇ、あなたも遊ぼうよー!ってミサカはミサカはなんだかぷっくり膨れてるあなたに話しかけてみる。…どしたの?」
百合子「お兄様もイルカさん乗りましょうよっ。楽しいですよー!」
一方通行「あー…、…イルカは…乗らねェけど…」
上条「上条さん今テンション上がってるから乗るなら引っ張ってやるぜー」
禁書「私のイルカ、貸してあげるんだよ?」
美琴「乗ってきなさいよっ、くふっ、…ふふ、しゃ、写真撮ってあげる…からっぷふふふ」
一方通行「乗らねェっつってンだ…ろ…!?」
打ち止め・百合子「「……………」」(´・ω・`)
一方通行「……………っ」ダラダラダラ
黒子「えいっ」ピタッ ヒュン
一方通行「!?」パッ
『一方通行』
装備▼
イルカの乗り物▼
一方通行「なァァァァァァァァァァァァああああ!!?///」アタフタ
上条「よっしゃ、もう一周行くぞぉぉ!!」グイッ
打ち止め・百合子「「おーっ!」」
一方通行「ちょっ、待っ!?」オロオロ
上条「うぉぉー!」バシャバシャバシャ
一方通行「やめろォォォォ! 知らねェヤツにめっちゃ見られてるゥゥゥ!!!///」
美琴「ぶっ、ぎゃはははは!!!あははははは!!」カシャカシャカシャカシャ
黒子「あんなに真っ赤になってる一方通行さんは珍しいですの…」
禁書「とうまー!行けー!がんばれー!もっと早く泳ぐんだよー!」
一方通行「やめろ煽ンなァァァ!!止まれ三下ァァ!」
百合子「わぁあーい!とうまさんすごいですー!」
打ち止め「ヒーローさんかっこいいー!ってミサカはミサカは・・・って前見て前!!」
上条「へ?…うぷっ」バインッ
女性「きゃっ!? だ、大丈夫、キミ?」バインバイン
上条「ほぎゃあああ!!すっ、すみません綺麗なお姉さんッ!!///」
スミマセンスミマセン!! ペコペコ
キニシナクテイイノヨ バインバイン
美琴「……こ、これから…だもん…」ペタペタ
百合子「………おっきなお胸…」ペタペタ
***
夕方
美琴「はぁぁー、楽しかったぁ…。結構疲れたわね。今日はぐっすり眠れそうだわ」
打ち止め「はぅ…ミサカ…眠い…ってミサカはミサカは…あなたの服の裾を摘まんで…みる…」キュッ
一方通行「電車ン中で少し寝て…ン?」キュッ
百合子「………ふぇっ…? ね、ねてまひぇんよ…? ………ふにゃ………。………!? ね、ねてまひぇんっ」プルプルプル
禁書「とうま…手引っ張って…ほしいんだよ…」トボトボ
上条「あなたもですか…。はいはい。ちゃんと付いてこいよ」
美琴「みんなして…、帰りの体力くらいしっかり温存させないと!…ねぇ、黒…子?」
黒子「…………」ウトウト
美琴「……なんだ、あんたもなのね。ほら、手繋いであげるから早く寮に帰って寝ましょう」
黒子「ふぁい…です…の…」キュッ
一方通行「ンだよ、俺らは保護者か…。ほら、お前らももっとしっかり掴まれ。打ち止めは左だ。百合子は俺の杖のここ握ってろ」
上条「不満そうなこと言ってる割にテキパキ面倒見てるんだな」ニヤニヤ
美琴「でも、こうやって頼られると…なんだか嬉しいわよね」チラッ
黒子「はぅ…」目元コシコシ
美琴「えへへ・・・。…あ、今日は夕陽が綺麗ね。明日はまた天気崩れるみたいだし…、しっかり焼き付けておこうっと」
一方通行(……楽しい…か…)
一方通行「うン、悪くはねェな…やっぱり…」ボソ
というわけでプール編もとい黒子可愛いよ編お終い。
無駄に長引かせた割にオチ弱くてすいません。
黒子「全く、こんな大雨の中をパトロールなんてついてませんの…」
黒子「あら?」
パシャパシャパシャパシャ
百合子「あわわわわ…」トタタタタタ
黒子「百合子さん」
百合子「あっ、黒子さっ」ツルッ
ズベーッ
黒子「だ、大丈夫ですの!?」サッ
百合子「だ、だいじょーぶ、ですぅ…。あ、あぁー…お洋服が泥だらけ…」ヨタヨタ
黒子「と、とりあえず風紀委員の支部が近くですので雨宿りしてくださいな」ヒュン
パッ
百合子「わわ、ありがとうございますっ。でも…雨宿りしちゃっていいんですか? …風紀委員の支部って部外者は入っちゃダメなんじゃ…」
黒子「それが意外と部外者が入ってきたりするんですのよ」ハァ
カチャ
黒子「初春。タオルを貸してくださいな」
初春「あれれー?白井さーん、戻ってくるの早過ぎじゃないですかぁ? ほらほらー、雨の中のパトロールはあと1時間ですよ~?」ニヤニヤ
黒子「よっぽど!わたくしを!追い出したい!みたいようですのねぇ!?」グリグリ
初春「いたたたたた、…って、あれ? その方は?」
黒子「わたくしの友人ですの。傘を持っていないようなのでしばらく雨宿りさせようかと」
初春「そうでしたか。白井さんにもちゃんと友人がいるんでいたたたたたたた」グリグリ
百合子「お、お邪魔します…!…ご、ごめんなさい、お忙しいところ…。大人しくしていますので!」
初春「大丈夫ですよ。事件さえなければ暇なくらいなので。って、泥だらけじゃないですか!?」
黒子「とりあえず、彼女のことは任せましたわ。では、百合子さん一時間程で戻るのでそしたらマンションまで送りますの」
百合子「は、はい!いってらっしゃいませ!」
初春「あっ、ちょっと白井さん…!」
パタン
百合子「…………」
初春「……………と、とりあえず、タオルどうぞ…」
百合子「ありがとうございます」ニパ
初春(ふわぁー…、なんだか綺麗な人。アルビノの人かな? 背も高いし細くてモデルさんみたい…。でも、どこかで見たことあるような…)
百合子「あの…?」キョトン
初春「ぬふぁ!? …あ、ごごめんなさい!ちょっと珍しい容姿だったから…!」
百合子「あ、…えへへ…真っ白だからちょっと目立っちゃいますよね」
初春「ううん。そうじゃなくて、綺麗だなぁって思って…」
百合子「ありがとうございます。…えへへ、そう言われると嬉しいです///」テレテレ
初春「あ、自己紹介遅れました。私は初春飾利です」
百合子「私は百合子です。よろしくお願いします。飾利さん」ペコ
初春「わ、名前で呼ばれるなんて滅多にないからなんだか緊張しますね。あ、洋服どうします? このままだと風邪ひいちゃいますし…」
百合子「そうですね…。早く泥だけでも洗わないと取れなくなっちゃいそう…。洗面台とか貸していただけますか?」
初春「それならこっちに…って、わぁぁ!?」ビクッ
百合子「ふぇ?」ヌギヌギ
初春「木山さんじゃないんですから人前で脱がないでくださいー!」アタフタ
百合子「で、でもこうしないと洗えないし…」
初春「あっ、私の予備の制服あるからそれを着てください!!百合子さん細いから多分入ります!」
百合子「わ、ありがとうございますー♪」ヌギヌギ
初春「だから人前で脱いじゃダメですー!」アワワ
***
百合子「わーいセーラー服だぁ~♪」クルクル
初春「な、なんかすごく疲れた…」グタッ
百合子「えへへ、セーラー服着たのって培養器出た時以来だっ♪」
初春「?」
ピーッピーッ
百合子「ほぇ?」
初春「あ、ごめんなさい。ちょっと警備員からの呼び出しです。何か事件かな…。適当に寛いでてください」
百合子「はい。お手伝いできることあったら言って下さいね。お茶くみとかやりますので♪」
初春「ありがとうございます」
***
カタッ
カタカタカタカタカタカタ
初春「Y364から南西に向かって目標逃走中。恐らく地下街に逃げ込むと思われます。……了解です。最短ルートを割り出します」
カタカタカタタタタタ
百合子(飾利さんタイピングすごぉい…。お兄様より早いかも…)
百合子(これは、なんの計測機だろ…。この機械も…)
百合子「…ありゃ?」
百合子(机の下にゴミが落ちてる…拾わないと…)モソモソ
モソモソ
カチャ
佐天「おっじゃましまーす!………って、あれ?誰もいない?」
ソローッ
百合子(あ、消しゴムも落ちてる)←初春の制服
佐天(ふっふふー。初春ってば無防備にもお尻をこっちに向けちゃって…これは捲るしかないかなぁ~♪)ニヤニヤ
百合子(あと、少し…)
佐天「うーいーはーるぅーんっ♪」
バサァ!!
百合子「ほぇ?」
佐天「………あれ? 初春にしては下着の趣味の傾向が…って、色白ッ!? …あれ? あれれ?」
モソモソ
百合子「ふわっ…、あれ? 風紀委員の方ですか?」ニパ
佐天(ま、間違えたぁぁ!!…えっ、じゃぁ初春は!?)チラッ
初春「ルート出ました。はい、そのまま真っ直ぐ行って、突き当りを右に…あ、ちょっと待って下さい。目標の予想ルートがズレました…はい…」ブツブツ
佐天「……………」ダラダラダラダラ
百合子「?」
佐天「ごっ、ごめんなさい!人違いでした!!」ペコッ
百合子「あ、飾利さんの制服着てたから…。飾利さんはあちらでお仕事中みたいですよ」ニコニコ
佐天「うぇ…? …あ、あの…スカート捲っちゃったのは…? …あ、あたし思いっきりパンツ見ちゃったんですけど…」アワアワ
百合子「え? …何がですか?」キョトン
佐天「い、いや…えっと、突然見ず知らずのあたしがスカート捲ってパンツ見ちゃって…その、恥ずかしかっただろうなぁ~って…、ごめんなさい…」
百合子「………? ………えっと、特に恥ずかしくもなんともないので大丈夫ですよ? 気にしないでください」ニパッ
佐天「えぇー…?」
百合子「あなたも風紀委員の方ですか? いつも治安維持活動ご苦労様です。よろしければお茶淹れましょうか?」
佐天「あっ。あたしは初春の友達で、風紀委員じゃないんです。佐天涙子です」
百合子「あっ、そうでしたか!ご、ごめんなさい早とちりしちゃって…。わ、私は百合子ですっ」
佐天「えへへ。部外者だけどよく遊びに来てるんですよ。あ、コンビニでお菓子買って来たので一緒にどうですか?」
百合子「わわ、ありがとうございます///」
ちょっと短いけど今日はここまで。
初春佐天編開始です。超電磁砲好きだから超電磁砲組+百合子を早く書きたい。が、この話ではやらないつもり。
ではまた次回ノシ
***
佐天「そっかぁ。白井さんと御坂さんが時々言ってた友達は百合子さんだったんですねぇ」
百合子「お二人のご友人の方とも仲良くなれて嬉しいです。えへへ、お友達増えたからお兄様にご報告しないと///」
佐天「双子のお兄さんがいるんですよね? えっへへー、どんな人ですか?」
初春「ふー、すみません百合子さん。急に席はずして…って佐天さん?」
佐天「おーっす!初春!お邪魔してるよーん♪」
百合子「お疲れ様です。お茶淹れますね」トコトコ
初春「あ、ありがとうございます」
佐天「ねーねー、初春。あの人が白井さんと御坂さんが言ってたお友達なんだねー」
初春「あぁ、なるほど。確かにお話の内容と雰囲気が合致しますね。白井さんも友人って言ってましたし」
百合子「はい、どうぞ」コトン
初春「すみません。部外者なのにお茶汲みさせちゃって…」
百合子「いえ、雨宿りさせてもらったうえに制服も貸していただいてるんですから、これくらいはさせてください」
佐天「それで、お兄さんはどんな人なんですか? 双子だから百合子さんに似て綺麗めなのかな?」
百合子「んとんと。すっごくかっこいいです!あと優しくって…えへへ///」テレテレ
佐天「百合子さんはブラコンなんですねー」アハハ
初春「もうっ、佐天さん!そんなこと言っちゃダメですってば!」アワアワ
百合子「ブラコン?」
佐天「自分のお兄さんや弟が大好きってことです。まぁ、あたしも弟のこと好きだから人のこと言えないかも…」
初春「佐天さんはぁ~。百合子さんみたいなこーんなお嬢様っぽい人に会って即日ブラコンなんてー…」
百合子「私、お兄様のことだーい好きですよ!ですから私、ブラコンですねっ」ニパ
佐天「うっ……、なんだか穢してしまったような罪悪感が…。お兄さんごめんなさい…!」ガクッ
百合子「?」キョトン
初春「そっ、それにしても百合子さんってすっごくお嬢様って感じですよね!御坂さんと白井さんのお友達だし、やっぱり常盤台の学生さんなんですか?」
百合子「あ、…えーっと…。私、学校は行っていなくて…」
佐天「え」
初春「わ、わぁぁ!ご、ごごごめんなさいっ、私無神経な質問しちゃって…!」
百合子「そんなことないですよっ。私こそ、ごめんなさい。なんていうか今は家事見習いー…みたいな、そういうことしてるんです」
初春「学園都市では珍しいですね。でも、学校行かなくても免除されているってことは結構高位の能力者さんなんですかね?」
百合子「そういえば、…お兄様は長点上機学園に籍を置いていると聞いたことがあります。お兄様も学校は行っていないんです」
佐天「長点上機!!?」
初春「って、あの!超名門エリート学校ですかっ!!?」
百合子「えっ、え…? そ、そんなすごい学校なんですか…!?」
佐天「す、すごいも何も学園都市5本指のひとつですよ!」
初春「大覇星祭では絶賛連覇中の優勝常連校です!!」
百合子「ほ、ほぇー…。そういえば去年の大覇星祭でも名前聞いたかも…」ポカン
佐天「そ、その長点上機にいながら行っていないお兄さん…。…な、何者…?」
初春「さぞセレブな方なんでしょうね~。百合子さんのお兄さんですし…」ホワーン
お兄さんイメージ
・セレブ
・学校に行かない余裕がある
・妹に慕われている
・かっこいい(妹談)
・優しい(妹談)
・双子
佐天「こう、百合子さんの色そのままに背を高くして穏やかそうな感じじゃないかな。「やぁ、百合子。今日もいい天気だね」とか言いながら爽やかスマイルしそうな」
初春「背景に花を背負ってそうですよね。かっこよくて優しくて…きっと双子じゃなかったらお似合いのカップルみたいな!セレブ兄妹ですよ!絶対!」
カチャ
黒子「はぁぁ、やっと終わりましたの…」
百合子「あ、黒子さんお疲れ様です!お茶、淹れますね!」トテテ
黒子「ありがとうございますの。…と、佐天さんもいらしていたんですのね」
佐天「白井さん白井さん、百合子さんのお兄さんってどんな人ですか!?」
黒子「へ?」
初春「やっぱり色白で背が高くてかっこよくて爽やかな笑顔で背景に花背負ってそうな優しいセレブですか!?」
黒子「……どなたが、ですの?」
佐天「百合子のお兄さんですって! 今、百合子さんから話を聞いてたらもう芸能人ばりの超イケメンとしか思えなくて!」
黒子「……………えーっと…」
黒子(まさにどうしてこうなった状態ですの…。背が高くてかっこよくて爽やか笑顔で背景に花背負ってる優しい一方通行さん? ありえませんの!)
黒子「ど、どうしてそのようなイメージを…?」
初春「だって、百合子さんが素敵なお兄さんのお話をしてくれたからですよ!もう百合子さんとかなり仲良くなりました!」
黒子「……あぁ…。そういうこと…」
百合子「黒子さん、どうぞ」コトン
黒子「あ、ありがとうございますの。申し訳ありません、風紀委員でもないのにお茶汲みなんてさせてしまって…」
百合子「そんなことないですよ。黒子さんは私を助けてくださいましたから、これくらいはさせてください」
初春「ほぁぁ…百合子さん…正統派のお嬢様っぽくて素敵ですねー…」ホンワカ
黒子「まぁ、確かに百合子さんのお話では納得ですの…。っていうか、初春? ここに正統派のお嬢様がいるのをお忘れではなくて?」
初春「えー、白井さんもお嬢様ですけど、やっぱり日頃の御坂さんに対する行動があぐぐぐぐぐぼ、ぼうりょくはんたいぃぃ」グリグリグリグリ
佐天「んで!やっぱり白井さんから見ても百合子さんのお兄さんはなかなか素敵ですか?」グイッ
黒子「……………まぁ、見た目の割に結構可愛らしいとこがあるとは思いますの…」
百合子「あ、確かにっ。今朝お兄様、眠かったのか朝ごはんを食べてて、お米をほっぺに付けてましたよ。えへへ、慌ててるところちょっと可愛かったです」
佐天「えー、そんなおっちょこちょいなとこもあるんだー。いつかお兄さん見せてください!」
初春「私もお兄さん見てみたいです!」セレブセレブ!!
百合子「では、お兄様にお話ししておきますね。でも…、あまり色んな人と積極的に関わるのが苦手な方なので、もしかしたらご期待に添えないかもです」
初春「いえ、私たちのわがままですから、その辺は気にしないでください!」
佐天「うん。そこまで無理強いは出来ないですし」
黒子「あら、もうこんな時間に…。百合子さんご自宅まで送りますの。優しいお兄さんも心配してるかもしれませんし」クスクス
百合子「あ、そうですね。えっと…制服は…」
初春「予備なのでそのまま着てていいですよ。また白井さんに会った時に渡してくれればいいです」
黒子「えぇ、それで構いませんの。セーラー服の百合子さんは珍しいですし、そのまま帰宅してみんなに見せてあげるといいですの」
百合子「そうですね!えへへ、それでは、お借りします。クリーニングに出してからになるので数日かかってもいいですかね?」
初春「そ、そんな!いいですよぅ!むしろ百合子さんが袖を通した制服がいいです!」
黒子「初春、ちょっと変態さんっぽいですのよ…」
初春「し、白井さんに変態って言われたー…」
佐天「いやぁ、あたしもその発言はどうかと思うよ」
百合子「? えっと、それでは、そのままのお返しで…いいんですかね? それだけも申し訳ないので何か手作りのお菓子もお渡ししますね」
初春「手作り!? 手作りですか!? うわぁ、百合子さん本当に私の理想のお嬢様ですよー!」キラキラ
黒子「はいはい、では行きましょう。百合子さん」
百合子「はいっ。では、飾利さん、涙子さん。今日はありがとうございました。とても楽しかったです。では、失礼いたします」ペコリ
カチャ
初春「百合子さん、素敵な人でしたね~」
佐天「でも、ちょっと変わってるとこもあったね」
初春「え? そうでしたか?」
佐天「私、初春と間違えて百合子さんのスカート捲っちゃったんだぁ…」
初春「なっ、なんてことしてるんですかぁ!佐天さん!」
佐天「でもね、「恥ずかしくないから気にしませんよ」って…」
初春「う、うぇぇ…?」
佐天「ちょっと、気になるなぁ…」
***
チャプチャプ
一方通行「友達、だァ?」ワシャワシャ
百合子「はいっ。今日お友達が増えたんですよ!」
一方通行「そうか…。…男か?」ワシャワシャ
百合子「いえ、御坂さんと黒子さんのご友人の方なんです。それで、風紀委員の支部でお話してて…」
一方通行「ふゥン…。…ン、流すぞ。目瞑ってろ」
バシャバシャ
百合子「ふわー…、ありがとうございます。あの、それでですね!」
一方通行「あン?」
百合子「お話色々してたら、お兄様にお会いしたいって…仰ってまして…」
一方通行「変わりもンだな。俺に会いたいだなンてよォ…」
百合子「ダメ、でしょうか…?」
一方通行「………まァ…、考えとく…。…お前の、友人…だしなァ…」
百合子「あの、嫌でしたら仰って下さいね。私、お兄様に無理はしてほしくないので…」
一方通行「嫌なワケねェっつの。つーか、俺がお前の兄貴なせいでお前が、その…嫌な思いしたら…なァってよォ…。俺、こンなあくどいヤツだしよォ…」
百合子「おっ、お兄様が私のお兄様じゃない方がやですぅ!!もっ、もぉ!どうしてお兄様はそんな悲しいこと言うんですかぁ!」プンプン
一方通行「えっ、あ!?」
百合子「わっ、私のお友達は…そんな失礼な人じゃないですぅぅ!」
一方通行「!!」
一方通行「あっ、あァ!そ、そそそうだな!悪かっ…ブッ」バシャッ
百合子「お兄様のおバカさんーっ!こ、こうしてやりますぅぅ!」バシャバシャ
一方通行「ぇぶっ、やめっ!シャワっ、ダイレクトっ!」アプアプ
キュッ
一方通行「っは、はァー…、ビビった…」ドキドキ
百合子「むぅー!」プクー
一方通行(こいつ、最近結構豪快になってきたな…。やべェ、俺に似てきてンじゃねェか…?)ドキドキガクブル
百合子「飾利さんと涙子さんはお兄様を嫌うような人じゃないですもんっ」プンプン
一方通行「悪かったって…。ただ、よォ…。お前も俺のこの面倒な性格知ってンだろ…。何かあってからじゃ取り返しが…まっ、待てシャワーこっち向けあぶぶぶ」バシャバシャ
百合子「お兄様は勘違いしてますっ!私が怒ってるのは、飾利さんと涙子さんのことだけじゃないです!」キュッ
一方通行「は…?」
ギュム
百合子「お兄様…、自分のことを…あまりいじめないでください…。私は…お兄様が大好きなのに…。お兄様はどうして自分を大事にしてくれないんですか…」
一方通行「…前よりは、大事にしてるぜ…。これは、長年滲み付いた性格なンだ。お前もあンま無茶言うなよ。あと、顔面に胸押し付けるな」
百合子「そ、それでも…、お兄様の口から…お兄様をいじめるようなこと…うぇ…」
一方通行「…はいはい。ったく、お前はどうしてそうも優しいンだよ」ヨシヨシ
百合子「わっ、私はおにーさまだから、ですぅ!」グスッ
一方通行「泣ァくな。泣き虫。俺はそンなに泣き虫じゃねェぞ?」ナデナデ
百合子「お兄様の分も…私が泣くんです…」
一方通行「それもお前に滲み付いた性格だな。俺はお前の泣いてる顔はあンま見たくねェぞ」ナデナデ
百合子「ぁう…」
一方通行「ぎゃはは。お互い様だな。ほら、看破されたからってむくれンな。撫でてやンねーぞ?」
百合子「むっ、むくれてないですぅ!」プクー
一方通行「お前解りやす過ぎだ。……ちゅーしてやンねーぞ?」
百合子「はう!?///」バッ
一方通行「じょーだンですゥ」
百合子「う、うぅぅぅー!///」ポカポカポカ
一方通行(やっべ、超楽しィ…)ニヤニヤ
百合子「お兄様のいじわるぅぅぅー!!///」ポカポカポカ
***
数日後
初春「百合子さーん!こっちですー!」ブンブン
百合子「おはようございます、飾利さんっ」ニパ
初春「えへへ、今日はわがまま聞いてもらっちゃってごめんなさい」
百合子「いえいえ。こちらこそ、今日はお兄様、病院に行ってて3時以降しか時間が取れないので…」
初春「気にしないでください。私は今日一日百合子さんと一緒に遊べるのが嬉しいです!」
百合子「私もですっ!」
百合子「…と、ところで涙子さんは…?」キョロ
初春「そろそろ来ると思」
佐天「おっはよー!」
バサバサァ!!
初春「………ひょぇあ!!!?///」
百合子「?」
佐天「おっ、初春は新しいパンツだー!百合子さんも上品で可愛いパンツですねー!ふわふわピンクー!」
初春「さっささささささ佐天しゃんっ!!? な、なんで百合子さんまで捲ってるんですかぁぁぁ!!!///」
佐天「おっ!自分が捲られたことに関してはノータッチ!成長したねぇ、初春っ♪」
初春「ゆ、百合子さんだって怒りますよっ!!ねっ、百合子さ…」
百合子「涙子さん、おはようございますっ」ペコ
初春「…………え?」
佐天「むむむ、大衆の前で捲ったのに無反応…!さすが百合子さん、手ごわいですね!」
初春「百合子さんん~!そこは怒るとこですよぉぉー!///」
百合子「えっ、え…?」キョトン
佐天「あはっ。それじゃーいっぱい遊びましょー!」
百合子「ぉ、おーっ!」(`・ω・´)ノ
初春「ふぇぇぇーん!」
佐天「そうそう、百合子さんを案内したいところがあるんですよ!」
百合子「わぁ、どんなところですか?」
佐天「それは行ってからのお楽しみですっ!最近うちの学校で流行ってるんですよ~!」
初春「あ、あのお店ですか?」
佐天「うん!」
百合子「な、なんだろ…!学生さんで今流行してるお店…!」ワクワク
佐天「最近出来たお店なんですよ。…あ、ここです!じゃじゃーん!」
百合子「ふおぉぉぉ!!」キラキラ
百合子「わぁ、外観から見て女の子向けのファンシーショップですか? 可愛いですね~」
初春「小学生から中学生くらいまでを対象にしてるんで、百合子さんはちょっと入りにくいかもしれませんね。…だ、大丈夫ですか?」
百合子「そんなことないですよ。えへへ、こういう可愛いお店好きです!」ニパ
佐天「ここって、文具とかがメインなんですけど、奥に…ほら」
百合子「わ、わぁぁ!!駄菓子屋さんですか!? す、すごぉい! こ、これもお菓子? これも!? わ、わぁぁこれって金平糖ですか!? 初めて見たー!
可愛いですー!本当にお星さまみたいー!!はっ、こ、これラムネ!ラムネですよね!ビー玉を押すやつっ!はぅ!これはなんだろ!!
お、お薬…じゃないし…? え、ちょ、チョコ!? わぁぁー! これ、このメダルもチョコなんですか? おぉぉぉー!!」キラキラキラキラ
初春「す、すごい楽しそう…!」
佐天「百合子さん、もしかして駄菓子って初めてですか? あまり食べたことなさそうな印象はあったんですけど…」
百合子「はっ、初めてです!お菓子って自分で作るのが殆どで…。あとは、クッキーとか焼き菓子を御坂さんや黒子さん、お友達の方がくださるものくらいなんです。
知識としてはあったのですが、学園都市ってこういうの売ってるところは全然ないじゃないですか。だから、えへへ…初めてですっ」ニパー
初春「やっぱりセレブな人は駄菓子を知らないんですね~///」ホワワン
佐天「気に入ってもらえて何よりです。今度御坂さんたちも連れてこようね、初春っ」
百合子「るっ、涙子さん!こ、こここれはなんですか!? これもお菓子なんですか!?」
佐天「あ、それはラムネですよー」
百合子「ラ、ラムネ? でも、シャラシャラって音が…」
初春「ラムネ菓子です。このくらいの固形のお菓子なんですよ」
百合子「ふぉぉぉお!!! ど、どれ買おうかなっ。これも…はう、これも…欲しいぃー!!あうぅ、お小遣いすぐ無くなっちゃいそうです…」
佐天「え? 百合子さんはお小遣い少ないんですか? そんなブランドのお洋服とか着てるのに…」
百合子「ふぇ? だって、お菓子こんなにたくさん買ったら結構いい値段になっちゃいません?」
初春「あはは。百合子さんが持ってるそのラムネ菓子は一個30円ですよ」
百合子「さっ、さんじゅーえんっ!? えっ、え…? じゃ、じゃぁ…これは?」つ[うまい棒]
佐天「それは10円ですね」
百合子「じゅーえんっ!!?」
<じゅ、じゅーえんで…10本買っても…100円…!
<はぅ!? これは5円っ!? か、価格破壊!
<わ、私が今カゴに入れてるの全部合わせても535円っ!? こんなにたくしゃん入ってるのに!!
<お土産!お土産いっぱい買っていかないとっ!!
初春「ふふふ、百合子さん子どもみたいですねー」
佐天「よーしあたしたちもいっぱい買おー!百合子さーん!私のオススメはこれですよ~♪」
初春「あっ、私も買いますー!!」
百合子「わぁ、水あめだ!お菓子作りでしか使ったことないのですが、独特の食べ方があるんですよね?」
初春「そうです。割り箸使ってくるくる~って練って行くんですよ。ちょうど3色ありますし、あとで食べましょう」
佐天「このわたあめとかどうですか? 口の中でパチンパチンって弾けるんですよ」
百合子「わたあめが!?」ビックリ
***
佐天「あー、結構買っちゃったなぁ。明日学校にいくつか持って行こ~っと」
初春「私も風紀委員の支部に持って行きます。それにしても…」
百合子「えっ?」←両手いっぱいの袋
佐天「百合子さんかなり買い込みましたねー」
百合子「えへへ、しばらくは3時のおやつが駄菓子になりそうです///」テレテレ
初春「はっ、はにかんだ顔も可愛いです~///」ウットリ
佐天「あそこのベンチで水あめ食べてみます?」
百合子「はいっ!食べたいです!!」シュバッ
佐天「手、汚すとかなり悲惨なことになるので気を付けてくださいね~」
初春「この割り箸で、こうやって水あめを掬って…、こぼさないようにくるくる~って回すんです」
百合子「よいしょ…あわわ、あんまり掬えなかったです…ひゃ、あわわわ」クルクルクルクルクル
佐天「あとはひたすらひたすら練る!練って練って練りまくるんですよ~」クルクル
初春「そうするとだんだん色が白くなっていくんです。ん~、まだまだかな…?」クルクル
百合子「飾利さんのだいぶ色が変わってきましたね…。私は…まだまだ…」クルクル
佐天「結構時間かかるんですよね~。…でも、それが楽しいんですよ」クルクル
「「「……………………」」」クルクルクルクルクルクルクルクルクルクル
初春「出、来ましたー!」ジャーン
佐天「わ、綺麗だねー。私も、こんなもんかな? 百合子さんは…」チラッ
百合子「…………………」クルクルクルクルクルクルクルクル ←真剣
初春「は、話しかけにくいほど夢中になってます…。ど、どうしましょう、佐天さん」
佐天「でも、すごく楽しそうだからもう少し見守ろうよ」
百合子「…………………」クルクルクルクルクルクルクルクル
百合子「…………………あ、あの…?」
初春「はっ、はい!?」
百合子「色が、真っ白になってきました…」
佐天「それが食べごろですよ。こうやって、豪快に、あ~んっ」パクッ
初春「あ~、んっ」パクッ
百合子「あ、あ~ん…」パクリ
百合子「ん、んん~っ///」キラキラ
佐天「練ると口当たりが良くなっておいしさが増すんですよ。百合子さん、長い間練っていたからいい感じになってると思います」
初春「でも、早く食べたくてついついすぐ口に入れちゃうんですよね~」
百合子「優しい味ですね~。こういうのが昔ながらの味って、言うのかな?」ニパニパ マグマグ
初春「駄菓子ってそういうものですよ。だから、時々思い出してついつい買っちゃうんですよね」
佐天「百合子さん、ラムネ食べてみます?」シャラシャラ
百合子「はいっ!」
佐天「手、貸してください。………はいっ」パッパッ
百合子「可愛い」パクッ
百合子「ふわ、これもなんだか不思議な味。ソーダ味? ちょっと違うかも…」モグモグ
初春「あと、これもどうぞ」つわたあめ
百合子「いただきまーす」パクッ
百合子「んむ。甘くて、おいし…?」パチッ
パチンパチンパチンパチパチパチ
百合子「!!? ひょぁ!? あぶぶぶ、ふぇ? え!?」パチパチパチ
佐天「あはは、それが口の中で弾けるわたあめですよ。面白いでしょう?」
百合子「…!!………!!!」コクコクコク
初春「あとは、これが定番ですね。うまい棒。一本10円」
百合子「きょ、今日は濃厚な一日になりそうです!」ワクワク
***
佐天「あ、浴衣」
百合子「夏祭り、そろそろなんですよね」
初春「百合子さんも行かれます? よかったら一緒に!」
百合子「あ、…ご、ごめんなさい。私、夏祭りは家族で行こうねって約束したので。ちょうど、みんなその日は予定がないので」
佐天「わぁ、素敵!いいですね、学園都市で家族で過ごせるって」
百合子「家族、というか…居候なんです。でも、私にとっては唯一の家族なんです」エヘヘ
初春「大切に、しているんですね。…私、今年は家に帰れないのですが…、今日帰ったら電話しようかな」
佐天「私も、この前帰ったばかりだけど、えへ、電話しよう」
百合子「あの、夏祭りって、どんなことするんですか? 私、行ったこと無くて…」
初春「出店がいっぱいですよ!駄菓子風のお菓子とか、焼きそばとか、あとは、金魚すくいとか、射撃とか。この辺は外と変わりません」
佐天「夜は花火がどーん!って。近くで見ると迫力ありますよ」
百合子「花火、去年マンションから見ましたー!すっごく綺麗ですよね!今年はもっともっと近くで見たいですっ」ニパ
佐天「あ、去年の写真ケータイに残ってるかも…」ピピピ
初春「そういえば、お兄さんとの待ち合わせ場所、ここでしたっけ?」
百合子「はい。さっき病院出たと言っていたのであと少しで着くと思います」
佐天「あ、あったあった。これです。じゃーん」
百合子「わ、わぁ…おっきぃ…!」
佐天「すぐ近くで見ると音も身体に響いてくるんですよ」
初春「身体が振動するっていうか、心臓に届くっていうか…不思議な感覚です」
佐天「絶対感動します!楽しみにしててくださいね!」
百合子「はいっ」ニパ
pipipipipi
百合子「あ、はい。お兄様、そろそろ…あ、解りました。ではえっと、時計塔の下にいますから。はい、あ、いいえ、そんな。ゆっくりで大丈夫です」
pi
百合子「近くまで来てるみたいです」
初春「な、なんだか緊張してきちゃいました…」
佐天「ど、どうしよう。会いたいって言ったのに会話の種が浮かばないっ…」
初春「でも楽しみですね。どんな方なんでしょう…」
佐天「やっぱり…」
お兄様『あぁ、君たちが百合子の友人かな。ははは、百合子と同じで可愛いお嬢さんたちだね』爽やかイケメン
初春・佐天「「こんな感じなんだろうなぁ~///」」ホワーン
百合子「?」
一方通行「百合、子…」
百合子「お兄様っ!」パァ
初春「はっ!?」バッ
佐天「ついに登場!?」バッ
一方通行「…あ、…えーと…、い、妹が…、い、いつも…お世話に…なってますゥ…」ペコリ
初春(想像より、ちっちゃい!)ガーン
佐天(イケメンだけど想像よりちょっと怖いッ!)ガーン
百合子「お兄様、この方たちが飾利さんと、涙子さんです。御坂さんと白井さんのお友達で…」
一方通行「あいつらの、なァ…」
初春・佐天(でも、確かに百合子さんにそっくり!!)
一方通行「で、お前は何を買い込ンだンだ? 両手いっぱい袋握ってよォ。ほら、片方持ってやる」
百合子「ありがとうございますっ。えへへ、これは駄菓子ですよ。飾利さんと涙子さんに連れて行ってもらったんです」
一方通行「そォか…。楽しかったか?」
百合子「はいっ!帰ったらみんなで食べましょうね」ニパニパ
佐天(おぉぉ、確かに優しい…!ちょっと怖いけど!)
初春(シスコンっぽいですね…!)
百合子「飾利さん、涙子さん。こちら、私の兄です」
佐天「あっ、はい!はっ、初めまして!佐天涙子ですっ!今日は、私たちの我がままで、ごめんなさいっ」ペコッ
初春「初春飾利ですっ!初めまして!お忙しいところ、ありがとうございますっ」ペコッ
一方通行「いや…、こいつの…大事なダチ、だからな…。こっちこそ、百合子と仲良くしてくれて、感謝してる…///」テレッ
佐天(照れてる!)
初春(百合子さんそっくり!)
百合子「とりあえず、近くにある喫茶店で少し休憩しませんか? お兄様も、病院から歩いて疲れたでしょう?」
一方通行「あァ…」
佐天「お兄さん、身体悪いんですか?」
初春「ごめんなさい、無理させてしまって…」
一方通行「いや…、逆に動かねェと身体が鈍るしな…」
百合子「でも、無理はダメですからね?」
一方通行「はいはい」
***
一方通行「ほら、この甘い部分はやる」スッ
百合子「ありがとうございます。あー、んっ。んふぅ、おいひい…///」モグモグ
佐天(目の前が!)
初春(幸せ空間!)
一方通行「ン?」
佐天・初春「「!?」」ビクッ
一方通行「…遠慮しないで好きなだけ食っていいぜ。どうせ俺持ちだしな。ドリンクのおかわりは?」
佐天「あっ、いえ…そんな!申し訳ないですし…」
初春「百合子さんもお兄さんも気にせず入りましたが、ここって…結構高級なとこなんです…。これだけで充分幸せです!ケーキすっごくおいしいですし!!」
一方通行「遠慮しなくていいぞ。…あ、アイスティ二つ追加で」
店員「かしこまりました」
初春「あわわわわ、あっ、ありがとうございますっ」ペコペコ
佐天「本当にすみませんっ!」ペコペコ
一方通行「俺も少し腹減ってたからな、ちょうど良かったぜ」
百合子「お夕飯はちゃんと食べて下さいよ?」
一方通行「俺がいつお前の作った飯残したよ」ナデナデ
百合子「えへへ///」ニパニパ
初春「百合子さん、本当に料理がお上手ですよね!この間いただいたマフィンすっごくおいしかったです!お店で出せますよ!」
佐天「私も初春から貰ったんですけど、今度レシピ教えてください!すっごく、すごーくおいしかったです!!」
百合子「えっ、そ…そんな…、あわわ、あり、ありがとうございます…///」カァァ
一方通行「お前もう家で料理教室でもやった方が早ェンじゃねェの? いちいち出張して料理教えるより…」
百合子「そ、そうですかね…。でも、今度…淡希さんにも、インデックスさんにもお菓子作り教える約束したし…みんなでやった方が…」ムムム
一方通行「その方が、楽しいだろ? 百合子も」
百合子「…えへっ///」
佐天(すごい!!)
初春(どんな話題をふっても…)
佐天・初春(いちゃいちゃしてる!!)
佐天「お、お二人はとっても仲がいいんですね!」
百合子「はいっ、仲良しですっ。一緒にお風呂入、むぐ」
一方通行「ま、まァ!…家族、だし…な?」
百合子「むぐぅー!」
初春「……………」ホワーン
佐天「? どったのー、初春?」
初春「なんていうか…///」ポーッ
初春「お二人って恋人同士見たいですよねぇ…///」ウットリ
一方通行「なっ!?///」ガタッ
百合子「コイビト?」
佐天「うっ、初春っ!そりゃ私も思ったけどさすがにそれはっていうか初春戻って来て!脳内御花畑モードになってる!」ガクガク
一方通行「アッ、あの、なァ…!ど、どどどどう見てもッ、ただのっ、双子の兄妹にしか、見えねェ、だっ、だろォが!?///」アタフタ
佐天「お兄さん、声裏返ってます」
百合子「でも、それだけ仲良しに見えてるってことなんですよね? 素敵なことじゃないですか。私は、嬉しいですっ」ニパ
一方通行「う…」
百合子「えへへ」
一方通行「いや、でもな、いいか、兄妹でそういう関係はダメなンだ。いや、別に俺とお前がそういう関係ってワケじゃねェからな?
けどな、兄妹は兄妹なンだ。家族なンだ。だから、そういう関係はダメなンだ」
百合子「…お、お兄様…お話が難しくてよく、解らないです…?」???
佐天「お兄さん、百合子さんがポカンとしてます」
***
佐天「あの、本当に全部奢っていただいて…ありがとうございます」ペコッ
初春「ほ、本当に良かったんでしょうか…」ペコリ
一方通行「別に、気にすンな…。年下に金払わせるのもアレだしな…」プイッ
初春「お兄さんって「素直じゃない」って良く言われてますよね?」
一方通行「………ふン」プイッ
百合子「お兄様はちょっぴり不器用さんなんです。でも、今日はいつもより頑張ってますよね?」ニパ
一方通行「…お前の、…友達だからな…。失礼がねェよォにしてンだよ…」
百合子「えへへ、ありがとうございます///」
一方通行「ンじゃ、帰るか…」
佐天「百合子さん、お兄さん。今日はありがとうございました。楽しかったです」
初春「百合子さん、またメールしますねっ!」
百合子「はいっ!」
一方通行「………、こいつと…ずっと友達でいてやってくれ…。よろしくな…」
百合子「…お兄様…」
初春「もちろんですよ!百合子さんは私たちの大事なお友達です!」
佐天「ずっとずーっとお友達ですよ!…えへへ、こちらこそ、これからもよろしくお願いします」
百合子「あ、ありがとうございますっ!ここ、こここれからもよ、よろしくお願いしますッ!!」ペコペコ
佐天「はっ!」キュピーン
バサァ!!
百合子「ふぇ?」
初春「さっ、佐天さん!?」
百合子「あの、スカートをふわぁってするの、流行っているんですかね?」キョトン
初春「流行ってません!流行ってないから安心してください!佐天さんだけです!こんなことするの!」アタフタ
佐天「う、お兄さんの前でもノーリアクションっ…!百合子さん、手ごわい…!」ガクッ
一方通行「………………何を、…」
佐天「んえ? あ、あー…ごめんなさいお兄さん。で、でもお兄さんも百合子さんの可愛いパンツが見れて一石二鳥!ですよね…?」
一方通行「な、なななななな…!」ガタガタガタガタ
佐天「………ふむ」
バサァ!!
百合子「わお」
一方通行「ぎゃああああ!!!!」アタフタアタフタ サササッ
百合子「あ、ありがとうございますお兄様」
佐天「もういっちょ!」
バサァ!!
一方通行「させるかァァァァ!!!」バッ
佐天「ふふ、やりますねお兄さん…!」
一方通行「お前、何者だ…?」ジリッ
佐天「私はただの…」サッ
一方通行「!」ビクッ
佐天「捲り職人!!」
バサァ!!
一方通行「くっ、フェイントか…。なかなかやるな…」
百合子「おー!」パチパチ
初春「百合子さん百合子さんっ、そこは感心するとこじゃないですよぅ!!」
一方通行「一体…なんの目的で百合子のスカートを捲るんだ…?」ゴゴゴ
佐天「おもにリアクションですね。たとえば、こんな!!」
バサァ!!
初春「…え…。………わ、わぁぁぁぁっ!? さっ、佐天しゃんっ!!な、ななななんで私のスカート捲るんですかぁぁ!!」ポカポカ
一方通行「ハッ!だったら百合子はノーリアクションでつまらねェだろォが!こいつは全裸でも気にしないヤツなンだぜ?」
佐天「ふふふ、リアクションの収穫はありましたよ…。そう、お兄さん!あなたのリアクションです!」
一方通行「なン…だと…!?」ガーン
佐天「お兄さんのリアクションは初春に匹敵します! えいやー!」
バサァ!!
一方通行「ぐっ…!」ギュッ
初春「お兄さん頑張って耐えてます…」
バサバサバサバサ
百合子「ふ、あはは。なんだかこそばゆいですぅ」ケラケラ
バサバサバサ
一方通行「あああああ!やっぱダメだァァァァァ!!!!」ガシッ
百合子「お、お兄様。ふとももそんなに押さえたら歩けませんよぅ」
一方通行「これで捲れないだろォが!」
佐天「くっ、封じられた…!」
初春「佐天さぁん、あんまりお兄さん怒らせたらダメですよー。帰りましょー」
百合子「また遊んでくださいね。さ、お兄様帰りましょう。お夕飯の支度しなきゃ」
***
夕食後
打ち止め「わー!ってミサカはミサカはテーブルに並べられた駄菓子の大群に目をキラキラさせてみるっ!」
芳川「懐かしいわねー」
黄泉川「へぇ、このお菓子まだ現役だったのか」
百合子「いっぱい買って来たのでどんどん食べてください。私はこれが好きです」
一方通行「なンだ? わたあめ…?」
百合子「はい、あーんっ」
一方通行「ン。……うォ、甘。さすが砂糖のかたま…」パチン
パチパチパチパチパチン
一方通行「!? なっ、なンかあばれてんじょこれ!」アタフタ
百合子「これ、口の中でぱちぱち弾けるわたあめなんですよ。面白いですよね!」パクッ パチパチ
打ち止め「ミサカ、水あめ食べたいーってミサカはミサカは一つ手に取ってみる」
芳川「食べ方解る?」
百合子「くるくるって回すんですよ。真っ白になります!」
打ち止め「こんな感じかなーってミサカはミサカは完成が楽しみだったり」
黄泉川「それじゃ、私はこの長ーいゼリーでも…ん?」
一方通行「………」チュルチュル
黄泉川「意外とうまそうに食べるじゃん」
一方通行「安っぽい味だな…」チルチル
黄泉川「でも、嬉しそうじゃん」
一方通行「…………駄菓子食ったことないンだよ」
黄泉川「…あはは!まだまだ知らないことだらけじゃんね!やりたいことあったらなんでも言うじゃん!」バンバン
一方通行「っぐ、なンだよ!突然ッ!!」
黄泉川「次は夏祭り!出店はどんどん攻略していくじゃん!」
打ち止め「ミッ、ミサカ金魚すくいやりたい!あと、えっと、射的!ってミサカはミサカは便乗してみる!」
芳川「それじゃ、私はヨーヨーでも取ろうかしら」
黄泉川「百合子は? 一方通行は?」ワクワク
百合子「えっと、えっと…、出店って何があるんですか、お兄様?」
一方通行「………さァ?」
打ち止め「それじゃ全部!全部やろう!ってミサカはミサカはユリコとあなたの手をぎゅってしてみるっ」
百合子「は、はいっ!楽しみですっ!…ねっ、お兄様っ?」ニパ
一方通行「…そォだな」
初春佐天編おしまい。
夏祭り編
カラコロカラコロ
打ち止め「とんとんとんっ。ってミサカはミサカは軽やかに石段を登って下駄を鳴らしてみるっ」カラッコロッカラッコロッ
百合子「転ばないように気をつけて下さいねー」カラコロカラコロ
芳川「思ったより涼しくて助かったわね。夜風も気持ちいいし…」カラコロ
黄泉川「あんたも浴衣着れば良かったじゃん」カラコロ
一方通行「動きにくいだろォが」コツコツ
打ち止め「甚平でも良かったんじゃないかなってミサカはミサカは石段の上からあなたを見下ろしてみたり」
一方通行「俺はいいンだよ」
芳川「こんな可愛い女性陣の浴衣姿を見てるだけで満足、ね?」
一方通行「言ってろ」
黄泉川「おっ、さっそく出店の大軍がおでましじゃん!行くぞ、打ち止め!」
打ち止め「おー!ってミサカはミサカはヨミカワと出店に突撃してみるー!」カラコロカラコロ
百合子「わぁぁ、すごいすごいー!色んなお店がいっぱい!!」
芳川「二人でいってらっしゃいな」
百合子「はいっ。お兄様、一緒に見てくれますか?」
一方通行「あァ。一人でふらふらさせたらまた迷子になりそうだしな」
百合子「きょ、今日はちゃんとケータイも持ってますもんっ」
一方通行「水族館の時みたいにはしゃいで先に行くなよ?」
百合子「じゃ、じゃあお兄様と手繋いでますっ!」
一方通行「う…」
芳川「あら? 手を繋ぎたいからそういうこと言ったんじゃないの?」
一方通行「違ェ!」
百合子「えへへー」ギュッ
芳川「百合子ちゃん、この子と一緒でもちゃんと私たちの近くにいないとダメよ?」
百合子「はいっ!」
一方通行「で、どこ見たいんだ?」
百合子「ぜんぶっ!」
一方通行「そんじゃここからだな」
百合子「やきそば…」
一方通行「買うか?」
百合子「ううん。まだいいです。色々見てみたいので」
一方通行「次は、お好み焼き…か」
百合子「いっぱい作らないといけないからおっきな鉄板でやってるんですねぇ。私だと火傷しちゃいそう…」
一方通行「まだ、甘いもンとか食っとけばいいンじゃね? ほら、こういうのお前好きそうだし」
百合子「あんず、飴?」
一方通行「これ水あめと果物だろ? うまそうじゃね?」
百合子「お、おいしそうですね…、氷で冷やしてて…ひんやりしてておいしそう…」ジュルリ
一方通行「どれ食いたい?」
百合子「えっと、…それではやっぱりあんずで」
一方通行「ン。あンずとみかンの一つずつ」
百合子「お兄様も食べるんですか?」
一方通行「冷たくて良さそうだしな。ン、ども」
一方通行「ほれ」
百合子「わぁ、もなかのお皿に入ってて可愛いですね。あ、写真写真」
一方通行「撮ってやる」
百合子「はいっ、お願いします」ニパ
パシャ
百合子「えへへ、ではいただきまーす」ハムハム
一方通行「ン。…うまく食べねェと口の周り汚しそうだな…」
百合子「ふふふー、こんなことを見越して黄泉川さんがウェットティッシュを持たせてくれましたー!」
一方通行「なるほどな。って今はまだ出さなくていいってか水あめ零れる零れるッ!」アセアセ
百合子「おとととと!!」ペロ
ハムハム
ムグムグ
百合子「おいしーです。お兄様、ありがとうございますっ」ペロペロ
一方通行「みかン少しかじるか?」スッ
百合子「では、一口。はむ」パクリ
百合子「んん。おみかんの果汁が冷たくておいしいです。では、あんずもどうぞ」
一方通行「ン…」
百合子「髪の毛付いちゃいますよ」スッ
一方通行「あ、悪ィ…。はむ」パクリ
一方通行「んン。結構イケるな」
百合子「えへへー///」ニパニパ
打ち止め「相変わらずカップル顔負けのいちゃいちゃ具合だねーってミサカはミサカはニヤニヤしながらこっそり二人を眺めてみる」
黄泉川「見てるこっちが照れるじゃんー♪」ニヤニヤ
芳川「何をこそこそやってるのよあなたたちは…」
黄泉川「うちの子観察じゃんよ。ひひひ、こっそり写真撮るじゃんね」ピロリーンピロリーン
打ち止め「ミサカのケータイにも送って!ってミサカはミサカはケータイを握るヨミカワにお願いしてみるっ」グイグイ
芳川「そんなことしてるとあの子に怒られるわよ」
百合子「芳川さん芳川さん、それはなんですか?」カラコロ
芳川「これはさつまいものスティック菓子みたいよ。おいしそうだから買ってみたの。出来立てだからきっとおいしいわ。はい、どうぞ」
百合子「ありがとうございます。…あつつ…、はふ、むぐ…」ムグムグ
打ち止め「ミサカも食べたいーってミサカはミサカは手を伸ばしてみたりっ」
黄泉川「熱いから気を付けるじゃん」
打ち止め「わっ、熱…、はむっ…うふゅ、おいひぃ…ってミサカはミサカは…むぐ、もぐもぐ…」
一方通行「喋りながら食うな」
芳川「キミも食べる?」
百合子「ほくほくかりかりでおいしいですよー」
打ち止め「おいひーぃ!ってみしゃかはみしゃかはおくちをおさえながら…」
一方通行「だァから、無理して喋るなっての!…あァボロボロこぼしやがって…」フキフキ
打ち止め「えへへー」
一方通行「ンじゃ、一本貰うか…」
芳川「はい、あーん」
一方通行「………なンのつもりだ?」
芳川「あら、親切心よ。打ち止めや百合子ちゃんはOKで私はダメなの?」クスッ
一方通行「……」パクッ
一方通行「!? あっちゅ!」ガバッ
黄泉川「「あちゅい」言った!今、あちゅいって言ったじゃん!」ケラケラ
打ち止め「か、可愛い、よ…ってミサカはミサカは顔を逸らしながらあなたの「あっちゅ!」をMNWに流して笑いをこらえて、くふふ…///」プルプル
百合子「あちゅいですって、みんな言ってたじゃないですかー。ぅ、ふふ…あちゅい…」クスクス
一方通行「ゥ、ぐ…~~~~ッ!!!///」カァァ
芳川「…あちゅ…っ、くふ…」プルプル
一方通行「ぐ、あ…クソがァァァァァ!!!!///」
打ち止め「ほらほら、あつあつだよ~。あーん、あーんっ。ってミサカはミサカはあなたにさつまいもスティックを差し出してみる」
一方通行「やめろ追い打ちかけンな!めっちゃ湯気出てンじゃねェかよ!」
百合子「お兄様、あそこのたこ焼き食べましょう!すっごくおっきいですよ!」ワクワク
一方通行「お前らァァァァァ!!!」
芳川「あのチョコバナナとか面白い絵が撮れるんじゃない?」
黄泉川「そんなにあざといの狙わないでこーんなでっかいふわふわのわたあめ持たせるとギャップが面白いじゃん」
一方通行「そこも何気色悪ィ算段してやがンだァァ!!」
***
打ち止め「射的ー!ってミサカはミサカはときめきワードを見つけてすぐさま駆け出してみるっ!」
黄泉川「やる?」
打ち止め「うんっ!やりたかったの!ってミサカはミサカは両腕を上げて必死にアピールしてみる!」
黄泉川「そんじゃ、ほい」チャリチャリン
打ち止め「えへへー、あのケロヨンのぬいぐるみを落としたいなぁ~ってミサカはミサカは気合を入れておじちゃんにお金を渡してみるっ」
百合子「打ち止めさん、がんばれ~!」
打ち止め「………えいっ」グイッ
ポン
ヒョロリ
打ち止め「ま、曲がったぁ!ミサカ魔球投げちゃったの!?ってミサカはミサカは己の才能に驚くとともにはずしたことを悔やんでみる…」
芳川「こういうのは年代ものだから使っているうちに色々厄介になっていくものなのよ。…能力使用してもいいみたいだしなんか考えてみたら?」
打ち止め「え、えー…これはアナログすぎてミサカの能力じゃどうにもならないよーってミサカはミサカは嘆きながら2発目を打つために集中してみたり…」
ポン
ヒョロリ
打ち止め「う、うぅぅー…」
黄泉川「あっはっは。祭りの遊び屋なんてこんなもんじゃんね!これも社会勉強の一つじゃん」
ポン
ヒョロリ
打ち止め「ケロヨン~…ってミサカはミサカは名残惜しく手を伸ばして涙を呑んでみる…」
一方通行「しょうがねェなァ…。俺も一回」チャリン
芳川「あら、能力使うの?」
一方通行「ンなことしなくても取れるっつの」
百合子「お、お兄様頑張れーっ!」
打ち止め「でも、本当に狙いと外れちゃうよーってミサカはミサカはあなたに教えてみたり」
黄泉川「そんじゃお手並み拝見じゃんね」
ポン
ヒョロリ
百合子「あぅ…」
打ち止め「ね、難しいでしょ? ってミサカはミサカはかっこよく決めておいてはずしてしまった可愛いあなたを励ましてみる」
一方通行「ばァか。今ので軌道を見たんだよ。次は、…」
ポン
ペチン
コテン
打ち止め「!!」
一方通行「はずさねェ」
芳川「あら、かっこいい」
黄泉川「やるじゃーん」
一方通行「百合子はどれ欲しいンだ?」
百合子「え、…えっと…。では…あのうさぎさんのぬいぐるみを…」
一方通行「ン」
ポン
ペチン
コテン
百合子「す、すごーい!すごいですお兄様っ!能力使わなくても落とせちゃうなんて!尊敬しますっ!」キラキラキラキラ
打ち止め「すごいすごいすごーい!!ってミサカはミサカはあなたの腰にしがみ付いて感謝感激あめあらしー!」スリスリスリスリ
一方通行「あァ、はいはい」
芳川「キミって本当になんでもそつなくこなしちゃうのね」
黄泉川「本当、ただだらだら日々を過ごさせるには勿体無いじゃん」
一方通行「だらだら言うな」
百合子「打ち止めさん、金魚すくいありますよ!」
打ち止め「ホント!? やるーってミサカはミサカはユリコのお手手をぎゅっと握って引っ張ってみる!」
百合子「はい、行きましょう」カラコロカラコロ
【発電系能力者お断り】
打ち止め「うっ、うっ…ってミサカはミサカは膝をついて項垂れてみる…」ガクッ
百合子「お、お水を使っているし、生き物ですからね…」アセアセ
黄泉川「ゴム手袋でもしながらやってみるとか?」
芳川「でも、この子って電磁波を放っているから袋に入れて渡されても触れないんじゃないかしら?」
一方通行「動物好きには難儀な能力だな、相変わらず」
打ち止め「ふぇぇえん…ってミサカはミサカは優雅に泳ぐ可愛い金魚さんを遠くから眺めてハンカチを噛んでみたりぃ…」エグエグ
百合子「そ、それじゃあ私が金魚さん掬いますっ!それで、お小遣いで発電系能力者さん対策が取られたちっちゃな水槽買います!」
黄泉川「おっ、えらいじゃん百合子!生き物を飼って育てることも情操教育的にいいじゃんね。賛成!」
芳川「頑張ってね、百合子ちゃん。なるべくちっちゃい子を選ぶのがコツよ」
百合子「はいっ。おじさま、金魚すくい一回やらせてくださいっ」
百合子はポイをゲットした!
百合子「いざ、勝負ですー!」ソーッ
パチャ
一方通行「その紙の部分は全部水に付けた方がいいぞ。どう見てもその境界線でやぶれンだろ?」
百合子「あっ、そうですね」
スススー
ピョロリ
百合子「うー…」
打ち止め「頑張れユリコー!ってミサカはミサカはお邪魔にならないように小声でユリコを応援してみるっ」
黄泉川「焦んなくても大丈夫じゃん。百合子らしく丁寧に」
百合子「はい。………うー、えいっ」
ヒョロリ
百合子「はぅ…」ショボン
芳川「金魚を追いかけるんじゃなくて、金魚の行きそうなところに先まわりするの」
百合子「はい…。……よい、しょっ!」
ペリ
百合子「やぶけたぁ…」
打ち止め「まだ全部破けてないから大丈夫!ってミサカはミサカはユリコを励ましてみるっ!」
一方通行「まだまだこっからだ」
百合子「頑張りますっ…!」
ユラユラ
百合子「この子はちっちゃくてでも元気で、可愛いですね」
百合子「そーっと、そーっと…」
百合子「えいっ!」
ピョコン
ピチピチ
百合子「取れたぁ!」
一方通行「お椀!お椀に確保ォ!」
打ち止め「ここ、ここ入れてユリコー!ってミサカはミサカは感動してるユリコを急かしてみるぅ!!」
***
百合子「えへへー///」
ユラユラ
打ち止め「可愛いねーってミサカはミサカは金魚さんを眺めてみたり」
百合子「大事に育てましょうね」
打ち止め「まずは名前!ってミサカはミサカは張り切ってみる!」
百合子「名前…。うーん…」
一方通行「金太郎とかそンなンでいいンじゃね?」
打ち止め「いやっ、可愛くないっ!ってミサカはミサカは腕を組んで真剣に考えてみる…」
百合子「きんぎょ…きんぎょ…ごーるど、ふぃっしゅ…、…」ブツブツ
打ち止め「あ!こういうのはどう? ミサカとユリコの名前から一文字ずつ取るの!」
百合子「わ、それは素敵です!…えっと、えっと…それじゃあ…」
打ち止め「ユリコの「ゆ」とラストオーダーの「ら」で「ゆら」ちゃん! ってミサカはミサカは腰に手を当てて名付けてみる!」
百合子「おぉぉー! 金魚さんっぽくていいですね!ゆらゆら泳いでるような!」パチパチパチ
黄泉川「水槽は、そうだなぁ。…確か遅くまで開いてるペットショップがあったから…。うん、帰りに寄って行くじゃん!」
打ち止め「わぁい!ゆらちゃん、もーすぐおっきなお家飼ってあげるからね~ってミサカはミサカはちょっと離れつつゆらちゃんに話しかけてみる!」
百合子「二人のお小遣いで足りるといいですね~」
一方通行「ンなもン、俺が出してやるぞ?」
百合子「ダメですぅ。私と打ち止めさんのお小遣いでちょっとずつゆらちゃんお世話するんですからっ」
芳川「そうそう。なんでもかんでも買い与えればいいってものじゃないのよ」
一方通行「…わァったよ」
打ち止め「あなたも趣味とか持てばいいのに。ってミサカはミサカは無趣味なあなたに没頭できるものをオススメしてみる」
一方通行「…趣味、コーヒー」
百合子「利きコーヒー出来そうですね!」
一方通行「あァ、俺なら出来る気がするわ…」
黄泉川「コーヒー好きなのは結構だけど、飲み過ぎはダメじゃん?」
芳川「百合子ちゃんの淹れるコーヒーは本当においしいからついついいっぱい飲んじゃうのよねぇ…」
百合子「えへへ、嬉しいですけど褒めても一日多くても5杯までは変えませんからね~♪」
打ち止め「それでも十分多いと思うけど、この人って昔はガブガブお水代わりに飲んでたもんってミサカはミサカは
初めてその習慣を目の当たりにして戦慄したのを思い出してみるっ」
黄泉川「あれは黄泉川家の衝撃だったじゃんね…。あの頃から比べると今は本当に健康な食生活になってるじゃん」
打ち止め「ユリコのお陰だよーってミサカはミサカはこの人の食生活が改善されたことに感謝してみるっ」
黄泉川「私のご飯もよく食べてくれてたけど百合子のご飯はやっぱり食い付きがいいじゃん。ぴったしな味なんだろうな」
芳川「炊飯器ご飯じゃあねぇ…」
打ち止め「ミサカ、ヨミカワのご飯も大好きだよー!あの人も「意外とおいしい」って褒めてたし!
ってミサカはミサカはゆかたの裾をはたはたさせながらヨミカワに教えてみるっ」
一方通行「ンなこと教えなくていいンだっつの!」
***
芳川「そろそろ花火の時間ね。どこで見る?」
黄泉川「ふっふっふー。私がとっておきの場所を知ってるじゃんね。ほら、あそこの下に休憩スペースがあるじゃん?」
打ち止め「ホントだ。結構良さそうな場所なのに人が全然いないねってミサカはミサカは不思議に思ってみたり」
黄泉川「それがあそこまで行くのに苦労するじゃんね。裏手からぐるーって回らなきゃたどり着けないっていう…」
百合子「それでは、早めに行って場所を確保しちゃいましょう!花火、楽しみですっ」
一方通行「まだ歩くのかよ…」
芳川「明日は筋肉痛確実だわ…。まぁ、楽しいからいいのだけれど」
百合子「お兄様っ、私が能力でお兄様を抱っこして連れて行きましょうか!?」ドヤッ
一方通行「いや…さすがにそれは遠慮しておく…」
打ち止め「ミサカはまだまだ元気ー!ってミサカはミサカはヨミカワの指差す方に走ってみるっ!」トテテテ
百合子「あわわ、迷子なっちゃいますよぅ!」
黄泉川「はいはい、黄泉川家移動するじゃーん」
芳川「あ、たこ焼き買って行きましょう。見ながら食べるの。これおいしそうよ。ね? 一方通行」
一方通行「あァ、はいはい。買ってやればいいンだろォが」
黄泉川「お兄ちゃん太っ腹じゃーん。おじちゃーん、5人分!」
一方通行「おいコラ!」
***
黄泉川オススメ花火鑑賞スポットにて
打ち止め「……お手洗い行きたい…ってミサカはミサカは気まずそうにポツリと言ってみる…」
一方通行「……………。」
打ち止め「せめていつも通り「このクソガキが」って罵って欲しかったかも…ってミサカはミサカは心底呆れ顔のあなたにショックを受けてみたり…」
百合子「それじゃあ、一緒に行きましょう。まだ時間は30分くらいありますし、ジュースの空も捨てちゃいたいですし」
芳川「二人で大丈夫?」
黄泉川「私もついて行こうか?」
百合子「二人で大丈夫ですよ。場所は覚えてますし」
芳川「でも、ナンパとか多いし…」
一方通行「解った解った解りましたよォ!!俺が付いてけばいいンだろォが!」
打ち止め「で、でもあなたももうお疲れモードだし…」
一方通行「お前ら二人で人ごみ歩かせる方が心配だっつの。いいから行くならさっさと行くぞ」スタスタ
打ち止め「ああん、待って~ってミサカはミサカは相変わらずのツンデレさんなあなたに嬉しくてニマニマしちゃったり!」
百合子「えへへ、それでは行ってきまーす!」
黄泉川「うん、気を付けていってくるじゃん!」
打ち止め「早く早くーってミサカはミサカは二人を急かしてみるっ」
***
打ち止め「はふー。良かった、ここは混んでなくて。ってミサカはミサカはひっそり穴場なお手洗いスポットに感謝してみたりっ」
百合子「看板がすっごくちっちゃいですし、入口も見えにくいですよね。外はこんなに人がいるのに」
一方通行「おい、早く戻るぞ。もう5分くらいで始まっちまうンじゃねェの?」
打ち止め「あ!それじゃあショートカットー!ってミサカはミサカはヨミカワたちのいる方角を指さしてみたりっ」ビシッ
一方通行「この木が生い茂って足場の悪いところを俺に通れと?」
打ち止め「あなたは回り道!ってミサカはミサカはユリコを引っ張ってみる!ここからなら半分以下の時間で行けそうだよ!」
百合子「でも、そんなに足場も悪くないですし行けそうですね。ちょっと下り坂になってるけど、きつくないですし」
一方通行「マジかよ…。仕方ねェなァ…」
百合子「打ち止めさん、先に行っててください。打ち止めさんなら方角も解ると思いますし…」
打ち止め「い、いいの? ってミサカはミサカはユリコに尋ねてみる…」
百合子「花火、一番いいところで見たいですもんね。私はお兄様と一緒に行くので」
打ち止め「うん。ごめんね、ミサカのわがままに色々付き合わせちゃって…。ってミサカはミサカはぺこりと頭を下げてみる」
一方通行「いつものことだろォが。ほら、楽しみにしてたンだから怪我しねェよォに早く行け」
打ち止め「うん!」
トテテテ
一方通行「で、お前もここを突っ切って行きてェの?」
百合子「ぼ、冒険してるみたいで…!」ワクワク
一方通行「ンじゃ、行くか」ガサッ
百合子「あのあの、大変だったら私が頑張ってお兄様だっこしますので!」
一方通行「逆だ逆。面倒になったら俺がお前抱えて行く」
百合子「えへへー」ガサ
トコトコトコ
トコトコトコ
百合子「うん。緩やかだから歩きやすいです。えへへ、こうやって木に囲まれてる場所もそんなにないですから、楽しいです」
一方通行「花見の時以来か? こンな木が生い茂ってる場所歩くのは…」
百合子「そうですね。でも、夜のお外はまた違う意味でわくわくしちゃいます。私、夜はあまり外出しないのでなんだかちょっぴり悪いことしてるみたいで」
一方通行「なンだそりゃ」
百合子「今も、ショートカットと称して正規の道じゃないとこ通ってちょっと悪いことしちゃってますし」
一方通行「祭りの日はハメはずしやすいって言うしなァ…」
百合子「そうかもしれません。なんだか身体が高揚していて、非日常がとっても楽しいです。ゆらちゃんのお世話もしたいし、今日は夜更かししちゃいそうです」
一方通行「お前はいつも頑張り過ぎだからな、ちったァ遊びまくって疲れて寝ちまえ」
百合子「お兄様に起こしていただけるなら、それもいいかな、なんて…えへへ///」
一方通行「おい、よそ見してると…」
百合子「わぷっ!」ガササッ
よそ見をしていた百合子は、豪快に顔面から低い木の葉の中に突っ込んでいた。
しっかりしているようでどこか抜けている、と心の中で優しく笑うように努めた。
「葉っぱがぁぁー…」
「あー、もうこっち向け」
「なんだか目にゴミが入っちゃったみたいですぅ…」
顔中の葉やクズをはたはたと手で払う百合子の手首を握って静止させる。目を擦りそうだったしな。
月明かりが良い感じに百合子の顔を照らしているので、条件は良い。
「ここなら月明かりで見えるな…。前髪に葉がくっ付きまくってンぞ。取ってやるから目瞑ってろ」
「ごめんなさいぃー…」
大人しく手を下して目を閉じる百合子を確認してて腫れ物に触れるような気持ちで左手を伸ばす。
そうと頬に触れると少し赤みが差しているのと同じように温度もいつもより高かった。
「お前は大人しいのかお転婆なのかわっからねェなァ」
少し、俺の声が上ずっていた。何を緊張しているんだか。
「……………」
「……………」
お互いに無言で、俺は丁寧に、丁寧に百合子の顔に触れながら小さな葉くずを摘まんでは捨てて行く。
時々くすぐったそうに唇を動かす百合子を見ながら。
(…つーか、俺と同じ顔なンだよな…。俺と同じ顔でいつもニコニコ笑って、驚いて泣いて…。なンつーか、面白いヤツだよなァ…)
(………こーいうのが、可愛いってンだろォな…。…あー、クソ。なンか俺も気付かないうちに高揚してンのか? 妙に変な気分になりやがる…)
急に、自分自身の体温も上がっているような気がした。少しずつ、心音は早くなる。冷静にそれを把握しているのに、だんだん俺もぼーっとしてくる。
「お兄様…?」
「えっ、あ…? あ、悪ィ…。もう少し待て…まつ毛にも付いてる…。ンー…?」
あまり動かないように努めながらも、小さく唇を動かして俺を呼ぶ百合子に、はっと我に返る。
何をしているんだ俺は。
「なんだか、手がくすぐったいですっ…」
「動くな」
もぞもぞと動く百合子のまつげの先で葉くずが揺れる。思わず左手を伸ばし顎先と頬を押さえた。
「ぷにゅっ。…はう、ほっぺた押さえないでくだしゃいー。うまくしゃべれないれすぅ」
「だァから大人しくしてろ…。よく見えねェンだよ」
「ん…」
少し、上を向かせて月明かりに照らす。普段化粧っ気のない百合子も唇にグロスを塗っている。
しっとりとして、柔らかそうな唇。
(………なンつーか…、…なンか、俺…変かもしンねェ…)
(あ、口にも付けてやがる…)
そこで、なぜ手を伸ばさなかったのか、自分でもよく解らない。
そう、左手はこいつの顔を押さえていて塞がっていたから。
だから、何故か顔を近づけていた。
目を瞑っている百合子は何も気付かない。
俺だって、何を考えているのか解らない。
ヤバい。
あれ?
あと、1センチ。
ドーンッ!!!
百合子「花火っ!」パッ
ドーンドドン!!ひゅるるる…ドーン!!
百合子「す、すごぉぉぃ!おっきい!!わぁぁ、綺麗…!!」
一方通行「……………は…」ガクン
百合子「お、お兄様っ? どうしましたか!? つ、躓きましたか? お怪我ございませんか?」アワワワ
一方通行「…いや、なンつーか…マジすまねェ…」orz
百合子「?」
一方通行(今のはおかしい!!かなりおかしいぞ俺ェ!!あと1センチ、あと1センチ何か間違ってればかなり間違ったことになってやがった!!! 何してンだ俺!どうかしてた!!全部祭りのせいだ!祭りの雰囲気に中てられて突拍子もない行動に出ちまったンだ!)
一方通行「う…、うああああ!!!!」ガンガンガン
百合子「おっ、お兄様っ!? そんなに木に頭ぶつけると痛いですってば!」アタフタ
一方通行「いっそ、罵って嫌ってくれた方が…」
百合子「え、えぇー…? ど、どうしてですか? え? …え?」キョトン
一方通行「それも無理なンだろォけどな…」ハァ
百合子「???」
一方通行「いや、いい…。ほら、また花火上がるぞ」
百合子「おぉ!」
ひゅるるるる… ドーン
百合子「どーん!あはは!すっごい!おっきい!ふわぁ、心臓に響いてます!」
一方通行「………結構、明るいな」
百合子「綺麗ですよね。ふふ、早く皆さんのところへ行きましょう。特等席で見ないと」ギュッ
一方通行「………ン」ギュゥ
百合子「お兄様、ちょっと熱くなってますね。私も、ほっぺとかちょっと熱くなってます」
一方通行「そう、祭りの雰囲気に中てられただけだ。そう。だからな、こういうハレの日って言うのは浮足立ちやすくて色々普段やらねェよォな
突拍子もねェことが起こりやすいわけでな。そう普段の正常で冷静な俺だったらこういうことは絶対起きないわけだ」
百合子「え?…え…、あ…はい? お、お兄様さきほどからちょっと変ですよ?」
一方通行「俺もそう思う」
百合子(眠たいのかな?)
ガササ
打ち止め「わーい、ユリコっ。あなたっ! ほらほら、ここ座って!花火がよく見えるよ!」
芳川「杖なのに随分頑張ったわね。大丈夫だった?」
一方通行「コケそうになってもスイッチ入れりゃなンともねェからな」
黄泉川「明日は筋肉痛になったりしてっ」ケラケラ
一方通行(…否定出来ねェのが悔しい…)
百合子「花火、すごいです。空が一面光っていて…この、大きな音も怖くないし、身体に響いて心臓がどきどきします」
黄泉川「やっぱり、夏は花火じゃんね」
***
黄泉川家
打ち止め「わーい!ゆらちゃんゆらちゃんゆらちゃーん!ってミサカはミサカは水槽にべったりくっついてゆらちゃんを眺めてみるっ!」
百合子「水替えやお掃除は私がやりますので、打ち止めさんは毎日のご飯をお願いしますね。えっと、このくらいの量かな。一日2回です」
打ち止め「うん。すぐ餌やりはダメなんだよね? 少し新しいお家に慣らしてから…」
芳川「金魚を育てるのも結構大変なのねぇ。濾過にバクテリアも入れるとは知らなかったわ」
黄泉川「でも、結構長生きするってペットショップの兄ちゃんが言ってたし、こまめに面倒見て育ててやるじゃん」
百合子「はいっ。大事に大事にお世話しますっ」
打ち止め「ミサカも直接は触れないけど餌やりきちんとやりますっ!ってミサカはミサカはミサカに出来るお世話を一生懸命やることを宣言してみる!」
黄泉川「いい心意気だ。さ、二人とも風呂入ってくるじゃん。一方通行は一方通行で髪も乾かしてないのにそっちで寝ちゃってるし…」
一方通行「………」スヤスヤ
打ち止め「あはは、相変わらず寝顔は可愛いよね。ってミサカはミサカはクッションを抱きしめて寝てるこの人を観察してみたり」
百合子「疲れているみたいですし、もう少しここで寝せてあげましょう」
打ち止め「うん。ミサカも今日はいっぱい歩いてくたびれちゃった。ってミサカはミサカは少し身体を捻ってみる」トコトコ
百合子「お風呂でマッサージしましょう。明日筋肉痛にならないように」トコトコ
黄泉川「打ち止めと百合子はいつも動いてるからこのくらい平気じゃんね? 問題なのは、一方通行と…」
芳川「う…。今は来ていないわ」
黄泉川「筋肉痛が来る時間が遅くなれば遅くなるほど年取った証拠じゃんね」クスクス
芳川「わ、解ってるけれど、現実として突きつけられるのは結構応えるのよ…」
黄泉川「こいつは、もう身体痛くなってるはずじゃんね」ニシシ
ソー
フニフニ
黄泉川「ほっそいのになんでこんなに柔らかいんじゃんね。うりゃうりゃ」グニグニ
一方通行「ンっ、…ぐゥ……うー…」モゾモゾ
黄泉川「痛がってる痛がってる。明日は湿布を用意しておいてやるじゃん」
芳川「今日は二人につき合わせて全部回っていたものね。ふふ、昔だったら途中で逃げていたかもね。疲れた。休憩する。俺にも合わせろ、って」
黄泉川「こいつも、変わったじゃんね。…いんや、変わったんじゃなくて、ようやく自分を隠さないようになったのかな…」
芳川「そうね。元々持ってるのに、似合わないと思ってるのよ。けれどそんな心配はもういらない」
黄泉川「初めて会った時のギラッギラした感じはまだ残ってるけど、それは全部失わない方がいいじゃんね。この子たちのためにも。
私も頑張るけど、悔しいが力が足りなさすぎる。こいつだったら、きっと守り切れるじゃんね」
芳川「ちゃんと自分の力の正しい使い方、覚えてきてるのよ、見守りましょう」
黄泉川「ん。…さ、お風呂組が戻って来たらこの頼れるお兄ちゃんも向こうに運ぶじゃん。それまでは、大人しい顔でも見とくかね」ニッ
芳川「私、百合子ちゃんが作ってたゼリー食べようかしら」
黄泉川「あー、いいねいいね。風呂上りのデザート!二人が上がって来たら食べるじゃん」
芳川「どれが残ってたかしら…。先に選んじゃおう。えーと」トテトテ
黄泉川「あっ、抜け駆けは許さないじゃん!」パタパタ
一方通行(………好き勝手言いやがって…)モソ
一方通行「痛…」モソモソ
ここまで!夏祭り編終了です。お兄様筋肉痛ENDッ。
双子は離れ離れでお互い身内と知らない状態で出会うとすごく惹かれあうらしいと聞いたのでそんな感じで。
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