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【第一章】
百合子「お兄様…」一方通行「……へ?」(1スレ目)
一方通行「百合子、コーヒー淹れてくれ」百合子「はいっお兄様♪」(2スレ目)
百合子「お兄様、ただいま戻りました♪」(3スレ目)
【前編】
【後編】
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(4スレ目)
【第二章】
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(第二章・クリスマス編)
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」(第二章・手のひら百合子編)
元スレ
百合子「お兄様、妹萌えってなんですか?」一方通行「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1296566372/
禁書「あくせられーた?」
百合子「え?…あ、インデックスさんこんにちは~♪」
禁書「わ、ゆりこだったんだね!どうしたの?今日は男の子みたいな格好だけど…」
百合子「あわわ、…へ、変ですかね?…ちょっと今日はボーイッシュにしてみたんです。…なんて、すっごく寒くてスカートじゃ冷えちゃいそうだったからなんですけどね。
それに、いつもスカートだから気分転換も兼ねて。えへへ~♪」クルクル
禁書「確かに今日は冷えるもんね。ほら、私も手袋とマフラー!とうまに買ってもらったんだ~♪」
百合子「わぁ、可愛い!このポイントのお花模様がインデックスさんらしくて素敵ですね♪」
禁書「うん!お気に入りなんだよ♪ ……それにしても…」ジッ
百合子「?」
禁書「やっぱりあくせられーたなんだねー…、こうやって格好が男の子みたいだと私でも間違えちゃうわけなんだよ!」
百合子「えへへー♪ それじゃぁ今度はお兄様と一緒の時にもこーいう格好して皆さんを驚かせちゃおうかなぁ~」
禁書「それ面白いかも!今度みんなと遊ぶ時にやってほしいんだよ!」
ソウイエバ カミドメハ?
キョウハ バッグニ ツケテルンデスヨ
・
・
・
禁書「それじゃあ、お腹もすいたしお家でご飯食べるから帰るね~」トテテ
百合子「はい、また今度皆さんで遊びましょう♪」
百合子「わ、もうお昼過ぎだ。…今日はお家には私だけだし…お昼ご飯どうしようかなぁ…。パン屋さんでパン買って…卵焼きとスープを作ろうかなぁ…」
結標「あ!一方通行!いいところにいたわ!」
百合子「え?」
結標「久しぶりね。今、暇?」
百合子「あっ、え…っと…?」
百合子(ど、どなたでしょうか?…お、お兄様のお知り合い?…あわわ、どうしよう間違われちゃった…)オロオロ
結標「それにしても…あなたと、こんなとこで会うなんてね。どう?最近は?…あぁ、こっちはまぁまぁってとこかしら。相変わらず暗部でうろうろしてるけど
前よりはそれなりにやりがいもあるかしらね。枷になるものもないし、血生臭くても役立てること出来てるって実感はあるわ」
百合子「…え…と…」
百合子(あわわ、どうしようどうしよう…!なんだか、とてもプライベートなことを話されてる気がするぅぅ!ど、どうしよう…)
結標「あ、あいつらもしぶとく生きてるわよ?…それにしてもあなたが真っ先に元いた世界に抜けていっちゃうなんて驚きだったけどね。
まぁ、それだけいっぱい代償も払ったんだし………って、聞いてるの?」
百合子「ひゃ、あ…う…」タジッ
結標「………?」
百合子(と、とりあえず…なんだか私が聞いちゃいけなさそうなシビアなお話してたし!私ってことをバラさないでお兄様ってことでごまかして、
私も聞いたこと全部忘れて、この場からダッシュで逃げよう!そうしよう!)グッ
百合子「…き、聞いてる、よ…」(声低めで)
結標「それならいいけど。で、お昼ご飯食べた?」
百合子「…?…まだで…、だ、だけどぉ…」
結標「それなら話が早いわ。あなたって普段すっごく暇そうだしさ、相変わらず偏った食生活でも送ってるんじゃないの?」クスクス
百合子「えっ、えっ…?」オロオロ
結標「と、言うワケでちょっと付き合ってもらうわよ!」
小萌先生のアパート前
トン
結標「はい、到着」
百合子(て、テレポートの能力者さん!?…あ、あわわわわわ、ど、どどどどうしよう!回避不可能でしたぁー…お兄様ぁ…百合子どうしたらいいですかぁー…)ウワァァン
結標「ちょっと料理の練習してたんだけど…あ、この一番奥ね」コツコツ
百合子「あぅ…」トテトテ
結標「あがってあがって。…はぁー、それにしてもあなたを見つけて助かったわ。あなたならいざとなってもなんとかなりそうだし?」
百合子「ぅ?」キョトン
***
結標「はい」
コトン
百合子「………」
(謎の物質Xがお皿の上に盛られている!)
百合子「あの…これは…」オロ
(百合子は混乱している!)
結標「………野菜、炒め…」ダラダラダラ
百合子「野菜、炒め…」
百合子(りょ、料理が不得意な人、なのかな…?) イタダキマス
ヒョイ パクッ
結標「!?…む、無理しなくていいわよ!?…いっそ、罵ってくれた方が…!」
百合子「……」ムグムグ
百合子「これ、…味付けは?」
結標「え?…塩コショウだけど…?」
百合子「お肉は最初に下味をつけて、もんでおくといいで…、い…いいんじゃ、ねぇの?」オロオロ
結標「え?」
百合子「あと、…野菜の大きさが殆ど均等になってるけど…キャベツはもう少し大きめに、人参はもっと薄くしないと火の通り加減が均等になりま…、ならねぇよ…」ボソボソ
結標「な、るほど…」
百合子「それから…、味付けは最初ににんにく、生姜を炒めて香りを出してからお肉を入れて…、お野菜を順番に入れて、醤油にオイスターソースに中華だしと…」
結標「あ、一方通行!」ガシッ
百合子「ひゃ!?」
百合子(あ、ど、どうしよう!つ、ついついお料理のやり方教えちゃったけど…、お、お兄様のキャラじゃないよね!?…そ、それにお兄様の口調難しいよぉ…!
バ、バレちゃったかな…!ど、どうしよう…!しょ、正直にお伝えしていっぱいごめんなさいしたら許してもらえるかな!?)アワワワ
結標「私に料理を教えてっ!!」
百合子「…………ふぇ?」
百合子「…なるほど…。その一緒に住んでる先生のためにも上達したいと…」
結標「そうなのよ。だいぶお世話になってるんだけど…私が暗部にいることも気付かないふりして、何も聞かずにずっとここにいさせてくれて…。
最近は私も時間に余裕が出来てきたから、その先生に恩返ししようかなって…。ほら、先生って結構忙しいじゃない?
だから、帰って来たときに温かいご飯が用意されてると…嬉しいかなぁーって…ここ最近自分で材料買って練習してるんだけど…」
百合子「………冷蔵庫、見せて…もらうぞ?」カパ
百合子(材料は…うん。残ってるものと、さっきこの人が買って来たもので練習と本番用に十分足りる…。……よし!)
百合子「じゃ、じゃあ…わ、…俺が、教えてやるから…ちゃんと、覚えて…その先生に作って、やれよ…?」モゴモゴ
結標「い、いいの!?…あ、ありがとう一方通行!あなたって案外優しいのね!?表で生活初めて丸くなったのかしら?」ルンルン
百合子(な、なんだかお兄様の評価ポイントもアップ?…よ、良かった…)ホッ
結標「それで、何作るの?」
百合子「…最初は、簡単なオムライスで」
***
ジュー
結標「昨日の残りの冷やごはんでもおいしく出来るの?」
百合子「チンすれば問題なし。それで、お酒を少し入れるとふっくらするから…」
結標「へぇ…、このくらい?」チョロリ
百合子「もう少し。あ、早くしないとフライパンの方焦げます!」アワワ
結標「きゃ、危ない危ない!」クルクル
百合子「炒めておくから、…えっと…今までの工程ちゃんとメモ、しとけよ…?」
結標「解ったわ。えっと、ご飯は……」メモメモ
百合子「このくらいまで炒まったら…」
結標「えっと、こまめに味見をすること…っと」
ワイワイ
15分後
結標「で、出来たぁー!」パァァァ
百合子「えへへ、お疲れ様ですー」ニパニパ
百合子(良かったぁ。この人、とっても飲み込み早いし、上手に出来たし…。これなら先生も喜んでくれるはず…!)
結標「それで………」
結標「あなた、誰?」
百合子「ぴっ!?」ドキッ
結標「口調も一方通行っぽくないし…、なんだかおかしいと思い始めてたんだけど…今の笑顔で確信したわ…。
あなた、一方通行じゃないわね!」
百合子「ひゃ、あわわわ!ご、ごめ…ご、ごごごごごめんにゃ、ごめんなさいっ!わ、私、あの…騙すつもりじゃなくて…えっと…」オロロロロロ
結標「………」ジッ
百合子「ふぇ…え…、あのっ…、騙す、つもりは…なくて…ごっ、ごめ…にゃ…さぃ…ふぇ……、っ…ご、ごめんなさぁぁーい…!」ウワァァァン
パシャッ
百合子「っく…?…ぇう?」グスッ
カチカチカチカチ・・・
結標「………………送信、っと」ピッ
百合子「……?」キョトン
結標「あ、いいのよ。怒ってるわけじゃないの。料理を教えてくれたし…なんとなくいい子って感じするし…あ、窓開けるからちょっとそこ退いてもらっていいかしら?」
百合子「はっ、はい…」イソイソ
カラカラ
結標「よいしょっと…。あ、そっちのテーブル少し端に寄せてちょうだい?…料理も。でないと数秒後にぐちゃぐちゃになるわ」
百合子「え?…え?」グイグイ
結標「あなたももう少し部屋の端っこに待機しててちょうだい………来るわよ?」
百合子「えっ?…な、何…が」
ヒュッ
ズシャァァァァーーーーッ
一方通行「百合子ォォォォォォおおおおおおおおお!!?」バッ
百合子「お、お兄様っ!!?」ビクッ
一方通行「結標ェェェ!!てめェこいつに何しやがった!?この俺を敵に回すとどうなるかよォく解ってンだろォがよォォォ!?」
結標「はいはい。やっぱ貴方の身内だったのね、この子」
百合子「お、お兄様…どうしてここに…!?」
一方通行「………どォいうことだ?こりゃァよォ…」キョロキョロ
結標「とりあえずこの家は土足厳禁。靴脱いでちょうだい」
***
結標「…と、いうわけでこの子に料理を教えてもらった、ってことよ」
百合子「は、はい!教えてました!」コクコク
一方通行「じゃァこのメールはなンなンだ!?なンでこいつが泣いてる画像が添付されて本文が
「こいつに見覚えがあるなら今すぐうちに来なさい。どうなっても知らないわよ?」なンだよ!!!」
結標「特に意味はないわ。まぁ、こんなに早く…、あんな形相でやってくるのはちょっと予想外だったけど。…ふぅん、あの一方通行がねぇ?」ニマニマ
百合子「お、お兄様…心配かけてごめんなさいっ!!わ、私は全然元気です!」オロオロ
一方通行「何もされてねェか?」
百合子「大丈夫です!この人はとてもいい人です!」コクコク
一方通行「そォか…」
結標「で、この子は誰?」
一方通行「………妹」
結標「………いたの?…初耳なんだけど…」
一方通行「そりゃァ言ってねェからなァ。つーか、俺が個人情報漏らしたことあったかよ?」
結標「いや、多少なりともあなたの情報探ってたことあったけど…妹がいるなんて情報は…」
一方通行「そりゃ、こっちに来たのは去年からだしなァ…。…な、百合子?」
百合子「えっ、あ…は、はい!去年の2月下旬から…学園都市に…来ました…。お、お兄様の…えっと…妹、の…百合子です」ペコリ
結標「ふぅん…。ま、いいわ。詮索しないであげる。私は結標淡希。あなたのお兄さんとは以前一緒に活動してた時期があるの。それにしても…瓜二つね…。雰囲気全く違うけど」
一方通行「双子だしな」
結標「異性双生児…?…一卵性かって思うくらいそっくりよね」
一方通行「二卵性でも一卵性でもお好きな可能性をお選びくださァい。ってワケで帰るぞ」グイッ
百合子「えっ、で…でもオムライス…あわわ…」ズルズル
結標「大丈夫よ。気にしないで。あと、ありがとう。今夜一人でやってみるから」ヒラヒラ
パタン
結標「…………………双子、ねぇ…?」クスクス
結標「ふふ、面白い情報は仕事仲間と共有しなきゃね…」
結標「………んむ。…なにこれおいしい!すっごくおいしいー!うわぁ、…おいしーぃ♪」キラキラ
***
グイグイグイ
百合子「お、お兄様……怒ってるんですか…?」
一方通行「…別に…」
百合子「………ごめんなさい…」シュン
一方通行「…俺は、お前と決定的に違う部分がある。…知ってるだろうけど…、本来ならこうやってお前や打ち止めたちと歩いてることがおかしいくらい…
…お前たち一般人と違う部分だ…」
百合子「…はい。なんとなく、掻い摘んで聞いた情報だけです。ですので、私は憶測することしか出来ませんし…、きっと…その何十倍もシビアだったと思います」
一方通行「………憶測なンかすンな。考えてもいいことねェぞ」
百合子「お兄様がそう仰るなら、そうします。…それに…」
一方通行「あン?」
百合子「その過程があったからこそ、今こうしてお兄様と一緒にいれるんだって…そう考えてますから…」ニコ
百合子「えへへ、…とは言っても…つらかったのはお兄様なのですが…」
一方通行「…………」スッ
ワシャワシャワシャ
百合子「ひゃわわわっ、やぁんっ」グシグシグシ
一方通行「ま、失ったものは戻らねェから割り切ってる。背負うべきもンも忘れやしねェ。…逃げたいとも思わない。…思えないっつーのが正解か…。
そンなかで俺が得たもンは「何かを得たいと思うこと」と「何かを守れると思うこと」と「守るべきもの」だ」
百合子「………あの、ですね…」オズオズ
一方通行「ン?」
百合子「わ、私は…私ですが…「お兄様」でもあります…。だから、その…つらいこととか…あったら…言ってください。
「お兄様」しか聞いてませんから…、独り言になります。言葉にして、感情を整理するのは精神的にも良いことですし…」モジモジ
一方通行「………」
百合子「お兄様、時々すごく…うなされてて、もちろん覚えてないと思うのですが…私をぎゅーって抱き締めるんです…」
一方通行「………マジかよ…」
百合子「わ、私はすごく嬉しいですよっ!?……で、でも…やっぱり何も出来ない自分がすごく悲しくて…ですね…。そ、相談…とまではいきませんが
愚痴を聞くくらいなら出来るので…、あまり一人で背負い過ぎないでほしいなぁー…って…」
一方通行「…」
百合子「………」モジモジ
一方通行「ごめンな」
百合子「…っ」フルフル
一方通行「俺の我がままだけどよォ、…お前は真っ白なままでいてほしいンだ。だから、やっぱ話すことは出来ねェ」
百合子「……」コクン
一方通行「けど、…まァ…俺が、弱ってたら…何も言わずに…手、握ってくれ。そンだけで十分だ」
百合子「…うなされた時は、私もぎゅってしてあげた方がいいですか?」
一方通行「…そ、…れは…無意識だから…、…あー…えー…、…………臨機応変に…」
百合子「臨機応変に…ぎゅってしますね」
一方通行「………よろしくお願いします…」
百合子「…あと…やっぱり、私がさっきの方と会うのは、好ましくないですか?」
一方通行「……俺も気持ちも解るだろ?」
百合子「えぇ」
一方通行「その範囲でなら止めやしねェよ」
百合子「!………えへへ♪」
一方通行「腹減ったな」
百合子「もぅ、折角オムライス作って食べるとこだったんですよ?」
一方通行「悪かったって。詫びにお前がこの前行きたがってた飯屋連れてってやっから」
百合子「はっ、この前テレビで見た牛たたき丼のお店ですか!?」ジュルリ
一方通行「俺、あれの大盛りな」
百合子「やったー!」
***
数日後
ピンポーン
百合子「…あれ?直接うちに…お隣さんかな?」トテテテ
カチャ
百合子「はーい」
結標「やっほぉ」
百合子「あ、えっと…結標…淡希さん…ですよね。…今、お兄様お出掛け中で…」
結標「ううん。あなたに会いに来たの。ごめんなさいね、アポなしで…。大丈夫?」
百合子「私…?…あ、えっと…大丈夫です。ちょうどお掃除も終わって休憩しようとしてたので…」
結標「よかった。…というわけで、あなたたちも顔見せなさいよ」
百合子「?」
海原「あ、どうも。一 方 通 行 さ ん の 友 人 の 海原光貴です」ニコニコ
土御門「どうもー。一 方 通 行 の お 友 達 の 土御門元春だにゃー」ニコニコ
百合子「わ、わわ…はっ、初めまして!ゆっ、百合子ですっ!」ペコッ
結標「ごめんね。大勢で押しかけて…。あ、これ、お土産のケーキ」
百合子「わわ、ご、ご丁寧にありがとうございますっ。あ、あの…どうぞお入りくださいっ!」パタパタ
土御門「想像以上に一方通行だ…」ポカーン
海原「そして想像以上に違和感がなかったですね…」ポカーン
結標「でしょ?…一方通行なのに、全く正反対。しかし、違和感皆無…。すごい現象よね…」
土御門「笑っちまうんじゃないかと思ってたが、そんなことなかったんだぜい…」
海原「自分もこのポーカーフェイスを保てるか心配でしたが…、杞憂でしたね」
百合子「ど、どうぞこちらにかけてくださいっ。お茶用意しますので!」
結標「わー。いい家に住んでるのねー」
海原「保護者さんが警備員もやってますし、それを考えたら見合う価値のある住居ですよね」
土御門「しっかしこのひとつ屋根の下で美人なお姉さん2人と打ち止めとこーんな可愛い妹ちゃんと住んでるなんて羨ましいにゃー」
百合子「み、皆さん紅茶でいいでしょうか?」アワワ
結標「お構いなく!」
海原「突然お邪魔したのはこちらですし、気にしなくていいですよ」
土御門「俺アイスレモンティーがいいですたっぐふ」ゴッ
結標「あらごめんなさい。足が滑っちゃった」
海原「全く。そんなんじゃモテませんよ?」
土御門「俺、舞夏がいるからいいもーん」
***
百合子「そうなんですか、皆さんお兄様の元仕事仲間さんなんですね」
土御門「あぁ、気を悪くしたらすまない。あまり表だって言えるようなことじゃないしなぁ」
百合子「いえ、皆さんの活動は私たちのためなんだって…解ってますから」ニコ
海原「しかし…、少しお話してて解りましたが…一方通行さんが溺愛するのも頷けますね」
結標「こんな可愛い子じゃ、そりゃ溺愛もするわよ。ね、百合子」
百合子「えっ?…えっ?」
土御門「いやー、俺らが知ってる一方通行と言えば究極のツンギレキャラだったからなー。口を開けば暴言暴言。突き刺さる言葉のナイフ!」
百合子「あはは、お兄様は確かにちょっと乱暴さんなとこありますからね。…でも、すごくすごく優しいんですよ?」
土御門「おー!その話その話!百合子ちゃんの前だとあいつはどんな感じなんだにゃー?」
海原「そう、それが一番聞きたくてですね」
百合子「お兄様ですか…?…んーと…すっごく優しくて…」
土御門「具体的に!」
百合子「はぅ!?…あわわ、…えっと…あっ!今朝一緒に寝てた時に私、」
「「「一緒に寝てた!!?」」」ガタッ
百合子「ぴっ!?」ビクッ
土御門「一緒にって…同じ布団に潜ってぇぇぇええええ!!!?」
海原「よ、よく一緒に寝てるんですか?」ヒクヒク
百合子「は、はいっ!最近はおやすみのちゅーしても」
「「「おやすみのちゅー!?」」」ガタッ
土御門「口かっ、口なのかー!?」ウグァァ
百合子「ほ、ほっぺです!」アワワ
土御門「ほっぺぇえええええーーーーーー!!!!!」ガンガンガンッ
海原「………許すまじ、第一位…自分だって…まだ……」ブツブツ
百合子「ふぇ、え?…わ、私…何かおかしなこと言っちゃいましたか…!?」オロオロオロ
結標「だ、大丈夫よ百合子…。ちょっと、私たちの知ってる一方通行とは別人すぎて情報の統合が済んでないだけで…あはは」ヒクヒク
土御門「ほ、他には…いや、…まさか一緒にお風呂入ってるなんて展開じゃ…」
百合子「あ、はい。お風呂でお兄様に髪の毛洗ってもらうの大好きなんですっ!」ニパ
土御門「ゴファ!!」ブシャッ
海原「つ、土御門さんが吐血!?…くっ、魔術を使い続けた反動が今ここで…!!?」
結標「あ、百合子。これはコントだから気にしないでね。紅茶、おかわりもらっていい?」
百合子「えっ、で、でも…」アワワワワ
***
トコトコ
一方通行「~♪」トコトコ
ピッ
キィ
パタン
一方通行「ただいまァ」
トコトコ
一方通行「おーい、百合子。これ、お前が探してた靴、他の店で同じもン見つけたから買って…」
土御門「おー、お兄様のおでましぜよ」
海原「お帰りなさいお兄さん」ニヤニヤ
結標「あら、お帰りお兄ちゃん」
百合子「お兄様っ、お帰りなさいっ」ニパ
一方通行「…………………」
一方通行「………」カチッ
シュバッ
土御門「おいおいおい、いきなり頭鷲掴みとかどうしたんだお兄ちゃん」
海原「そうですよ。やめてください剥がれますお兄さん」
一方通行「あっれェ?おっかしいなァ…。なァンか見覚えあるムカつく顔貼り付けた血の詰まったズタ袋が偉そうに鎮座してやがンなァ?」
土御門「久々の再会に喜んでくれるなんてセンパイ嬉し、ちょ、なんかミシミシ言ってるんだぜい!?」
海原「本当に手加減ないですね。笑顔取り繕うの必死なんですよ」
結標「ちゃんとメールで許可取ったじゃない。何怒ってるのよ」
一方通行「なンでこいつらまでいンだよ!つーか、土御門とはこの前会ったじゃねェかよ!何が久々の再会だクソッタレ!」
結標「今度、百合子に会いに行っていい?って聞いて、好きにしろって答えたのあなたじゃない」
一方通行「お前らが揃いも揃って動いた先にこいつがいたらっ…」
クイクイ
一方通行「あァ!?」
百合子「あ、あの…お兄様…。この人たちは…範囲を守って来て下さってます…から…」ギュ
一方通行「…………チッ。…おい、お前ら…」クルッ
海原「へぇ、可愛いショートブーツですね」コソコソ
結標「今期のトレンドね、可愛い。どこのブランドかしら?」コソコソ
土御門「お前ら、そんなことより注目すべきは一方通行がこの靴を選んで買って来たってことだぜい?」コソコソ
一方通行「おーまーえーらァァァァあああああああ!!!」ズァァァ
百合子「おっ、お兄様お家の中で羽出しちゃだめーっ」アワワワオロロロ
***
百合子「わぁあ!もう全部売り切れちゃったと思って諦めてたんです!お兄様、ありがとうございますっ」キラキラ
一方通行「サイズは?…一応「合わせた」からちょうどいいとは思うけどよォ…」
百合子「ぴったしです♪ えへへ、似合いますか?」クルクル
一方通行「いいンじゃねェの?」
結標「うん、可愛いわよ」
海原「「合わせた」ってもしかして自分で履いてサイズ確認したんですかね?」ヒソヒソ
土御門「にゃー…。マジもんのシスコンだにゃー…」ヒソヒソ
一方通行「おォっと、土御門くンと海原くンは、正座の足の上に炊飯器2つずつ乗せるンじゃ足りませんでしたかァ?
じゃァ次は何を乗せよォかなァ…。あァ、この手頃なサイズのダンベルを…」ニタニタニタ
百合子「お兄様っ、いじわるはダメですよぅ!…あ、ほら!コーヒー淹れますから。今日は何がいいですか?」ニパ
一方通行「ブレンド」
百合子「はぁい。元春さん、光貴さんも飲みますか?」
一方通行「こいつらにはさっきの紅茶で十分だ。なァ、お前ら紅茶好きだもンなァ?」
土御門「えー。百合子ちゃん自分でブレンドしてんだろ?俺も飲みたいんだぜい」
海原「折角ですから話題の珈琲飲んでみたいですね」
一方通行「ダメだ。お前らはコンビニでクソまずい缶コーヒーでも買ってろ」
結標「察しなさいよ、あなたたち。一方通行は「俺以外の人間が百合子の淹れたコーヒー飲むなンて許さない」って言いたいのよ」
海原「あぁ、それは失礼しました。百合子さん、自分さっきの紅茶で十分ですよ」ニコニコ
土御門「俺も紅茶でOKだにゃー」
百合子「はいっ♪」パタパタ
一方通行「あ、あああああああああーーーーーッ!!!うっぜェェー!!!こいつらすっげェうぜェェ!!!」
海原「一緒に寝てる」ボソッ
一方通行「なっ!?」ビクッ
土御門「一緒に風呂入ってる」ボソッ
一方通行「…な、……な…///」カァァァ
結標「おやすみのちゅー」ボソッ
一方通行「うわァァァァァあああああああーーー!!!!!!///」ガタガタンッ
土御門「シスコン(笑)」
海原「ロリコンの上にシスコンとは、救いようがないですね(笑)」
結標「あなた、いつだったか私をショタコン呼ばわりしたわよね?(笑)」
一方通行「な、…にが、お望み、なンでしょォかねェェ!?///」
土御門「いやいやべっつにー。お前が平和に生活してるようでなによりだにゃー」
海原「そうそう。無粋な詮索はやめてください。自分らはあなたに約束しに来たんですよ」
一方通行「あァ?約束だァ?」
結標「「百合子を守る」って約束」
一方通行「!」
土御門「あの子、お前の体細胞クローンだろ?」
一方通行「…そうだ」
海原「学園都市が平和になったと言っても暗部が必要ということは少なからず悪意というのが存在するということです。
悪い人間が駆逐されても、新しい悪い人間はどんどん生まれますからね」
結標「たった一人だけ存在する第一位のクローン。しかも、その詳細データはすべて消されている。…まぁ、言わなくても解るわよね」
一方通行「…あいつ、狙われてンのか?」
土御門「いんや。全然。今のとこ超安全だな。自分から首突っ込まないかぎり。まぁ、打ち止めと同じだ」
海原「けれど、見る人から見れば魅力的な存在であることには変わりありません。ですから、百合子さんに危害が加わる様な目論見が出てきたら表に出る前に我々が叩き潰します」
結標「ま、私たちが見えないとこでボディガードしてあげるってこと」
一方通行「で、その条件の対価は?…俺に暗部に戻れってのか?」
結標「ボランティアよ。ボランティア。まぁ、私としては百合子に料理教えてほしいんだけど」
海原「あの一方通行さんが心酔する子ですよ?守らない道理もないです。まぁ、自分としては彼女の淹れた紅茶がとてもおいしかったのでたまに飲めたら嬉しいですね」
土御門「対価って言ったらまぁ、あれだにゃー…」
土御門「「絶対、こっちに戻ってくるな」」
一方通行「…………………ハッ。いつから暗部っつーのは生ぬるい集団になっちまったンだろォな。ったく。平和っつーのを体感しちまったぜ」
土御門「闇の一番深いとこってのはな、光の一番深いとこと一番近いんだぜい?」
一方通行「その瀬戸際で踏みとどまンのが暗部じゃねェのかよ」
海原「踏み出した人が良く言いますね」
結標「ダメダメ。今のあなたに闇を語るなんて、全然説得力ないわよ」クスクスクス
一方通行「あーはいはい。解ったよ。あいつを守ってやってくれ」
結標「もちろん。あなたと、あなたの周辺込みで守ってあげるわ」
海原「あなたの周辺はとても守り甲斐ありますからね」
土御門「お前はせーぜー平和ボケしろってな」
百合子「お待たせしました。あの、これ先日作ったクッキーです。よろしければどうぞ」
土御門「おっ、うまそーだにゃー!いっただっきまーす!」
結標「私もちょうだい」
海原「上品な味ですね。そこらの高級店よりもおいしいですよ」
ワイワイ
一方通行「……言われなくても、じゅーぶん平和な日常送ってンだっつの」ボソ
***
土御門「お邪魔しましたにゃー」
結標「百合子、それじゃ来週お願いね」
百合子「はい、火曜日の11時に駅前ですね。事前に家の調味料調べておいてください」
結標「おっけぃ」
海原「結標さんの料理スキルが上がるのはいいことですね。差し入れの期待も出来ますし」
百合子「光貴さんも、私の紅茶気に入ってくれてありがとうございます。お茶飲みたくなったらいつでも来て下さいね」
海原「えぇ、お兄さんの許可を取れたら毎日でも通いたいくらいですよ。許可さえ取れれば」
一方通行「出すか。さっさと目の前から消え失せろ」
百合子「もー、お兄様いじわるはダメですよぅ」プクー
一方通行「はいはい。ンじゃ、まァせーぜーくたばらねェよォに頑張れや。ほら、お前は先戻ってろ」ヒラヒラ
百合子「解りました。それでは皆さんお気をつけて下さいね」
パタン
土御門「一方通行。ちょいちょい」カムカム
一方通行「あ?」
ガシッ(肩組む)
土御門「まぁ、忠告は必要ないと思うが…。表ではお前がしっかり守れよ」ヒソヒソ
一方通行「必要ねェ忠告ドウモアリガトーゴザイマス」
土御門「相変わらず可愛くないなー、お前。…で、本題だ。これを聞くためにここに来たと言っても過言じゃねぇ」
一方通行「…なンだ?」
土御門「百合子ちゃんとはどこまで進んダファ!!!」ドガッ
一方通行「てめェと一緒にすンなァァァァァァ!!!」
土御門「おやすみのちゅーに一緒のバスタイム♪ なにもしないのは逆に失礼ってもんだぜい?
ほらほら、妹を愛でる妹萌えのセンパイに正直に言ってみろって。誰にも言わないから![ピーーーー]か?それともみさくらまでしたか?」ウリウリ
一方通行「するかァァァァ!!!!」
土御門「いやいや、お前も男だろ。ほら、風呂も一緒ってことはうっかり胸を触っちまうハプニングくらいあるはずにゃー。そしてふにふに揉んでしまい…」
一方通行「揉むほど胸ねェよ。柔らかさすらねェ断崖絶壁だ」
土御門「ってことはやっぱ触ったことあるんだな!!で、そのあとはどうした!もちろんちょっと頬を染めた妹に思わずむらっと来て押し倒」
ドゴッ
一方通行「おい、結標。お前の座標移動でこいつをごみ処理施設に行く収集車の中へ叩き込め」
結標「いやよ。めんどくさい」
一方通行「海原、お前のそのわけわかんねーもンでこいつ分解しろ」
海原「生ごみの処理は面倒なので適当に捨てておいてください」
パタン
一方通行「ったく…あのクソ野郎ォ…現世から消し去った方が世のためじゃねェのか?」トコトコ
一方通行「……百合子ォ?」キョロ
百合子「ちょ、ちょっと待ってくださぁーい…んしょ。んしょ…」
一方通行「……………なンか、イヤな予感が…」
トテテテテ
百合子「じゃーん!」(白バニーさん)
一方通行「土御門ォォォォォォォォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
百合子「ふぇっ?…どうして元春さんから貰ったって解ったんですか!?…す、すごい!」キラキラ
一方通行「あいつ次あったら覚えてろよ…ぶっ殺す…」ブツブツ
百合子「元春さんにお兄様はバニーさんが大好きだと教えてもらったので!」グッ
一方通行「………」
百合子「…あ、あれ…?…や、やっぱり私が着たんじゃ、ダメでしたかね…。真っ白になっちゃうから変かもって元春さんに言ったのですが「それがいい」って…」
一方通行「………まァ、俺はどっちかってーと黒……いや、そうじゃねェ!!!」
百合子「や、やっぱり似合いませんでしたか…?」オロロ
一方通行「…………」
百合子「む、胸…足りないから…?」スカスカ
ペタ
百合子「?」
一方通行「胸、なァ…」サワサワ
一方通行「こンな絶壁胸触ったって、何も感じねェっつの」
百合子「なぅ、な…絶壁じゃないですもん!ちょっとぺったんこなだけですもんっ!ちゃんと胸ありますもんっ///」ポカポカポカ
一方通行「いいやァ、ねェぞ。お前に胸は。男の俺と全く同じ感触だ」ケケケ
百合子「あぅっ!…お、お兄様なんだか意地悪ですぅーっ!!///」ポカポカポカ
一方通行「悪い悪い。機嫌なおせ」ナデナデ
ナデナデ
百合子「……えへへ///」フニャ
一方通行(一瞬でなおった…)
百合子「そ、それで…バニーさんは…やっぱり変でしたかね?」ショボン
一方通行「まァ、…いいンじゃねェの?…つーか、お前コスプレ好きだよな。メイドやらサンタやらハロウィンやら…」
百合子「だって、楽しいじゃないですか♪……それに…」
一方通行「ン?」
百合子「お兄様が喜んでくれるなら、私はどんなことでもしますよっ♪」ニパ
一方通行「…っ」キュン
一方通行(………あれ?)
百合子「よぉし、あと1時間したら打ち止めさんも帰ってくるし、そしたらお夕飯の買い物に…」パタパタ
一方通行(…………………………)
一方通行(…………………妹、萌え…?)ドキドキ
グループ編 終了
美琴「ふわぁぁぁぁぁーー!!可愛い!あ、これも…!これもっ…!!」キラキラ
黒子「全く、お姉様くらいですのよ。こんなキャラショップではしゃいでいるのは…」
百合子「でも、可愛いですよね。私はこのケロヨンっていう子が好きかなぁ…」
美琴「だよね!さすが百合子は話が解るわっ!…あ、ねぇねぇ、こっちとこの微妙にデザインが違うのがあるんだけど…どっちがいいかな?」キャッキャ
黒子「どちらも大して変わりませんの。…と、言いますか…両方買ってしまえばいいでしょうに」
美琴「解ってないわねー黒子?欲しいものを全部買うのは簡単だけど、こうやってあれこれ悩みながら買うのってすごく楽しいのよ?」
黒子「はいはい」
美琴「んぅーっ…、………よっし!これにする!決ーめたっ!お会計してくるねっ」
百合子「はい、私たちはお店の外で待ってますね」
***
美琴「♪」
百合子「ご満悦ですね。御坂さん」
美琴「うん。新しいゲコ太グッズ買えたからちょー嬉しいっ!」ニパ
黒子「そんな子どもっぽい趣味もほどほどにしてくださいまし」
美琴「うっ、うるさいわねぇ。黒子の趣味が大人っぽすぎるのよ!」
百合子「黒子さんのご趣味、ですか?」
黒子「えぇ、レディとして下着から美しいものにこだわっておりますの」
美琴「百合子も何度か見てると思うけど、黒子の下着とか寝巻ってすごいのよー。私はもう慣れちゃったけど、最初はびっくりしたわ」
百合子「確かに黒子さんってとっても上品な下着ですよね。前に御坂さんに連れて行ってもらった下着屋さん、素敵でした」
黒子「そういえば、百合子さんはご趣味とか…ないのですか?」
百合子「趣味…、お料理とか、お掃除とか…?」
美琴「それは家事じゃない?…うーん…何か自分が楽しむだけのこととか…」
百合子「私が…楽しむだけの…」
美琴「よく、お菓子とか作ってるけど、それもみんなにあげたりするためでしょ?」
黒子「自分のための時間、というのを作ってみてはいかがですか?」
百合子「そう、ですね…。…趣味、かぁ…」
美琴「あ、あったあった。福引会場。これ、さっきお茶したときのレシートでイケるんだよね?」
黒子「えぇ。一人一回ずつですの」
美琴「えーと、1等・ペアでヨーロッパ旅行。…2等・最新型の自転車…。3等・セブンスミストお買い物券3万円分…」
黒子「まぁ、はずれなしで他にもいろいろありますのでとりあえず引いてみましょう。ではわたくしから…」ピッ
ピピピピピ ピロリン
店員「7等は飴です」
黒子「ま、こんなものですわね。では、マスカットで」
美琴「だよね。じゃー私も」ピッ
ピピピピピ ピロリン
店員「飴です」
美琴「わーい、私レモン味」
百合子「私はピーチ味がいいなぁ。…えいっ」ピッ
ピピピピピ ピロリン
店員「あ、4等おめでとうございます。こちらからお選び下さい」
百合子「わぉ!なんか当たりましたー!」
美琴「なになに、何がもらえるの?」
黒子「色々選べますのね。えーと、子ども用のおもちゃに、果物詰め合わせ、フライパン…」
百合子「あ、それでは新しいフライパンにしま…」
美琴「ストーップ!」ズザーッ
百合子「ひゅい!?」
美琴「ほら、こっちに手作り趣味キットコーナーとかあるわよ?…どうせだったらこっちから選んでみたら?」
黒子「まぁ、色々ありますのね。手作りアクセサリーキット…、刺繍キット…フラワーアレンジメント…」
百合子「そうですね。どうせだからこっちから…」キョロキョロ
美琴「結構いろいろあるわね」
黒子「これだけあると逆に選ぶのも大変かもしれませんわね」
百合子「んーと…んーと………あ、これ、なんか可愛いです」ヒョイ
美琴「…アルバム?」
黒子「…スクラップブッキング…ですかね?」
美琴「何が入ってるキットなの?」
百合子「えっと…、アルバムノートと…シールと、マスキングテープと…ハサミに、スタンプ、色鉛筆…みたいです。これ年末年始に撮った写真を貼ってみようかな…」
美琴「あ、最近流行ってるわよね。写真とかいろいろペタペタ貼っていくやつだっけ?」
百合子「私、これにします。写真だけじゃなくて、お料理のレシピとかコーヒーのレシピにも使えそうですし!」
黒子「出来たら是非見せてくださいまし。百合子さんが作るアルバム、楽しみですの」
百合子「はい。打ち止めさんと一緒に作ってみます」
美琴「カラフルなマスキングテープって最近流行ってるよね。うちの学校でもノートにワンポイントとか使ってる子いるわ」
黒子「ペンに巻いてアレンジしてる人もいましたの」
百合子「へぇ、お洒落ですね。私も、要領が掴めてきたら色々買ってみようかな」
***
百合子「ただいま戻りましたー」
芳川「おかえり」
百合子「芳川さん、打ち止めさんはいますか?」
芳川「愛穂と買い物に行っちゃったわ。急用?」
百合子「いえ、さっき福引でスクラップブッキング、という入門キットみたいなものをいただいたので一緒にやってみようかなって」
芳川「あぁ、アルバム作るやつだったかしら?」
百合子「はい。クリスマスやお正月に撮った写真があったので、それで作ってみようと思って…」
芳川「ふふ、面白そうね。お夕飯食べたらやってみたら?」
百合子「そうします。そろそろお夕飯の支度もしなきゃ♪」
芳川「あ、そうだ。ついでにあの子も起こしてくれないかしら。私より、百合子ちゃんに起こしてもらった方がいいでしょ?」クスクス
一方通行「zzz」
百合子「あらら、またこたつで寝ちゃったんですね。お兄様ー、おにいさまー」ユサユサ
一方通行「…っン…」ノソノソ
百合子「そろそろ充電する時間じゃないですか?」
一方通行「………あっち…」指差し→
百合子「あ、あそこに充電器…。もぉ、あと少しでお夕飯ですから、その時はちゃんと起きてくださいね?」
一方通行「はーィ…」モソモソ
百合子「充電器挿しておきますから、ケーブルに絡まっちゃダメですよ?はい、右向いてください」
一方通行「んンー…」ゴロン
百合子「…よいしょ。…はい、完了」
芳川「あはは、兄妹というよりお母さんと子どもね。ふふ、…あはは。あー、面白いわ…」ケラケラ
百合子「でも、ここまで気を許してくれて本当に嬉しいです。この電極はお兄様の命綱なのに、こうやって触れてもリラックスしてくれてて…えへへ///」
芳川「最初はさすがに警戒してたものね。でも、あの子にしてはかなりあっさり信頼してたわよ。まぁ、百合子ちゃんが本当にいい子だから、すぐ解ったんでしょうね」
百合子「えへへ、照れちゃいます。…でも、お兄様は最初から優しかったんです。私がクローンで妹達さんのこと思い出しちゃったからなんだと思いますが…えへへ。
私の分の飲み物とか、気を使ってくれて…歩いてるときも、車道側を歩いてくれて…お話も静かに一生懸命聞いてくれて…」
芳川「そうそう。そういえば、百合子ちゃんが初めてうちに来た日ね。愛穂があの子に「百合子ちゃんを大事にしてあげなさい」って言ったの。そしたら、「解ってる」って
ちゃんと答えてたわ。あの子の言葉だから、生半可な気持ちの返事じゃない。現に、今も百合子ちゃんは幸せでしょ?」
百合子「はいっ!」
芳川「ふふ、百合子ちゃんの一番のいいところはその素直さね。さ、お夕飯の支度しましょう。手伝うわ」
百合子「ありがとうございます。今日は餃子を作るので、包むの一緒にやりましょう」
芳川「解ったわ。今日は焼くの?」
百合子「はい、焼き餃子です。水餃子も食べますか?」
芳川「さっぱりしたものもいいかもね」
百合子「では、ちょっと大目に作りますね。明日のお昼ご飯にも使えるし」
***
打ち止め「それでね、ヨミカワと歩いてたらミサカと同じくらいの背の子がねっ」キャッキャ
一方通行「わァったから、足ばたばたさせンな。振動がこっちまで伝わってくる。寝過ぎで頭痛ェンだよ…」
黄泉川「だから、毎日言ってるじゃんよ。「こたつは魔法使い」だって」モグモグ
打ち止め「だったらこの人完全に魔法にかかってるよってミサカはミサカはこたつ一体型一方通行の商標登録を希望してみたり!」モググ
芳川「百合子ちゃんが帰ってくる15分くらい前まで私もこの子と一緒にこたつで寝てたのよ。ホント、こたつに入るといつの間にか寝ちゃうわよね」モグモグ
百合子「私も、こたつ入るとうとうとしちゃいます。しかも、すっごく気持ちいいからなかなか抜け出せなくて…」モグモグ
一方通行「だよな。俺ァもうこたつのない冬は考えられねェわ」モグモグ
黄泉川「そういえば、百合子明々後日だっけ、病院の検査」モグ
百合子「はい、午前中から夕方までずっとです。メンテナンスみたいなものなので、特に心配ないと思いますが…」
一方通行「まァ、しっかり診てもらってこいよ」
打ち止め「ユリコはミサカたちよりリスクは少ないと言ってもミサカたちより数年前の技術だからねってミサカはミサカは念には念を押してみたり」
百合子「はい。じーっくり診てもらいます!」
芳川「そういえば、さっき夕食のあとに打ち止めと何か作るんじゃなかったかしら?」
打ち止め「ふぇ、なになになに?ってミサカはミサカは興味津々でヨシカワを見てみたり」
芳川「ユリコちゃんが福引で何か当てたみたいなのよ」
百合子「えっと、スクラップブッキング…という自分で写真とか貼ってアルバムを作るみたいなんです」
打ち止め「面白そう!!やりたいやりたい!ってミサカはミサカはバンザイして喜びを最大級に表現してみる!」
一方通行「だァから落ち着けこのクソガキィ!!」チョップ
打ち止め「あぅっ!」
黄泉川「アルバム作りかー。…そんじゃあのデジカメは百合子にあげるじゃんね」
百合子「えっ、え…!?…い、いいんですか!?」パァァ
黄泉川「もともと皆で使う用だったし、この家の中では百合子と打ち止めが一番よく使いそうだしね。じゃんじゃん撮るじゃん!」
百合子「わ、わぁ!ありがとうございます!!」
***
in こたつ
打ち止め「ミサカとー」
百合子「百合子のー」
打ち止め・百合子「「アルバム作りー!」」キャー!
打ち止め「おー、これに貼っていくのね。ってミサカはミサカは手渡されたシートを眺めてみる」
百合子「ファイルになってるのでそれぞれ好きなように作ってみましょう。カッターを使う時は言ってくださいね」
打ち止め「はーい!ってミサカはミサカはお返事してみたり♪」
百合子「写真…、クリスマスのイルミネーション見に行った時ので作ってみようかな。…えへへ///」テレテレ
打ち止め「それじゃぁ、ミサカはあの人の寝顔を激写した写真を使ってって…あぁぁぁ!なんでミサカが狙いを定めた写真を奪うのってミサカはミサカは
あなたの突然の行動に憤慨してみたりっ!!」
一方通行「いつの間にこンな写真撮ってたンだ!!」
打ち止め「あなたがこたつで寝てた時。ってミサカはミサカはいつもの出来事を何気なく語ってみる」
百合子「あ、それは芳川さんが撮ってた写真ですね。お兄様、すっごく気持ちよさそうに寝てたから…」クスクス
一方通行「別に俺の寝顔なンざ丁寧に装飾する必要ねェだろ!…あァ、ほら!去年旅行行った写真でもまとめてろよ!」アセアセ
打ち止め「それもそうだねーってミサカはミサカはやる気を出してみる♪」
百合子「旅行の写真は、えっと…このファイルの中ですよ。はい、どうぞ」
打ち止め「わーい!…えっと、このシールとか使っていいんだよね?ってミサカはミサカはユリコに許可を取ってみたり」
百合子「OK!たくさん入ってるのでどんどん使ってください。あと、色紙とかもあるのでハサミで切って形を作ったりとかするみたいですね」
打ち止め「よぉーし!頑張るぞー!ってミサカはミサカは握り拳を掲げて高らかに宣言してみる!おー!」
百合子「おー!」
in テーブル
一方通行「やれやれ…」
黄泉川「一緒に作ればいいじゃん?」
一方通行「俺がやるかよ」
芳川「あら、なんだか不貞腐れた顔しながらコーヒー飲んでるからてっきり仲間はずれが寂しいのかと」
一方通行「うっせェ。…明々後日のこと考えてたんだよ」
黄泉川「あぁ。準備はばっちりじゃん。何を心配してるのさ」
一方通行「なァンかよォ…。俺たちが勝手に決めちまっていいのかってな…」
芳川「…誰かが決めないと、何も決まらないのよ。そういうもの、そういうもの」
一方通行「………」
黄泉川「何考え込んでるじゃん。ほら、男はもっとシャキっとするっ!」バンバン
一方通行「ぐっ、が!…いってェっつってンだろォが!」
黄泉川「あっはっはーもやしは大変じゃんね」
一方通行「もやし言うなァァ!!」
芳川「…キミって考え過ぎなのよね。頭がいいのも考え物ね」ハァ
一方通行「あァ?」
芳川「百合子ちゃんの反応はキミが一番解ってるでしょ?…だったら、それを信じなさい」ナデナデ
一方通行「……撫でンな…」ムスッ
黄泉川「そうそう。世界で一番百合子の気持ちが解るのは一方通行だけじゃん。マイナスのシュミレーションばっかしてないで百合子を信じろって」ナデナデ
ナデナデナデナデ
一方通行「…………」ムスッ
***
ペタペタ チョキチョキ
打ち止め「こんなもんかなーってミサカはミサカは達成感を感じてみたり」フィー
百合子「………えへへ///」ニマニマ
打ち止め「どうしたのー?ってミサカはミサカはニマニマしてる百合子の手元を覗き込んでみたり♪」
百合子「スノーフレーク型の立体シールがあったので…クリスマスツリーの下でお兄様と一緒に撮った写真を飾ってたんです///」ニマニマ
打ち止め「わぁ、すっごく綺麗に出来てるね!ってミサカはミサカは感動してみたり!」
百合子「この写真は素敵な思い出が詰まってるので、見てると思い出して…えへへ~///」テレテレ
打ち止め「あ、この写真撮ったあとにあの人のほっぺにちゅーしたんだよね?ってミサカはミサカは人差し指をぴっと立ててみたり」
百合子「はい♪ …えへへー、これでイルミネーションの写真は終わりっ。次は、お正月のかな…」
打ち止め「ミサカもお正月のやりたいなーってミサカはミサカはページ分担を提案してみる」
百合子「そうですね。では、写真は真ん中に置くので好きなもの選んでいきましょう」
打ち止め「りょーかーい!ってミサカはミサカはアルバム作りに夢中になってみたり♪」
百合子「面白いですよね。良かったぁ、このキットを選んで…。シールとかテープをもっと集めてみようかなぁ…」
打ち止め「今度一緒に買いに行こう~ってミサカはミサカはユリコに約束してみる」ニパ
百合子「はいっ」ニパ
コトン
一方通行「ほら、紅茶だ」
打ち止め「わ、ありがとーってミサカはミサカは感謝の気持ちを伝えてみたり」
百合子「ありがとうございますっ」
一方通行「ふゥン…。結構上手に出来てンじゃねェの?」ノソノソ(こたつin)
百合子「お兄様もやってみます?」
打ち止め「あなたのセンスを見てみたいかもってミサカはミサカは期待に満ちた目であなたを見てみる!」キラキラ
一方通行「………まァ、他にすることもねェし…。写真貼るくらいなら手伝うぜ」
打ち止め「あのね、こんな風にテープで装飾したりシール貼ったりチョキチョキしたりして作るのってミサカはミサカは得意げにミサカが作ったページを見せてみる!」
一方通行「お前の派手過ぎねェか?なンでもかンでも貼っ付けりゃいいってワケじゃねェだろ?」
打ち止め「にゃっ!?…な、ならあなたも作ってよ!ほら、写真に道具っ!ってミサカはミサカはちょっぴりムキになってみたりっ!」
百合子「打ち止めさんのページはとっても賑やかで明るくて私は好きですよ。見てて元気いっぱいって感じが伝わってきますもん♪」
30分後
黄泉川「どれどれ。子どもたちはどんな感じじゃんね」コソコソ
芳川「あんまり邪魔しちゃダメよ。なんだかんだ言いながら一方通行まで真剣になってるんだし…」クスクス
打ち止め「…んー…ここにこのシールを貼ったから…今度はこっちに…」ペタペタペタ
百合子「…ここを切り取って別の紙で色を変えて…」チョキチョキ
一方通行「…この角度で…いや、そうすっとなンかバランスが悪くなる気がすンな…、写真が派手だから装飾は控えて…」ブツブツ
コソコソ
芳川「どうだった?」
黄泉川「一方通行がっ、一方通行がすっごく真剣にっ…ぷははっ」バンバンバン
芳川「あの子って割とあーいうチマチマした作業好きよね」
黄泉川「あー、おかしい。個性出るじゃんね。打ち止めは自由に感性の赴くままにって。百合子は、控えめだけど上品な感じかな」
芳川「ホント、百合子ちゃんは万能ね。…なにか、こう…欠点とかないのかしら?」
黄泉川「料理も出来るし、手芸も出来る。面倒見は良くてよく気が利くし、金銭管理もばっちり。性格も穏やかで優しくて、だけどダメなことはちゃんとダメって言える。
…………恐ろしく万能なのに、それが全然嫌味じゃない…。完璧じゃんね。世の男が放っておかないじゃん」
芳川「あえて言えば、ブラコンってとこかしら」クスクス
黄泉川「それ言ったら一方通行は超シスコンじゃん」
芳川「相思相愛でいいじゃない。真ん中に打ち止めを入れてとても仲の良い兄と妹二人に見えるわよ」
黄泉川「そうだな。あいつらは仲の良い兄妹じゃんね」ニッ
一方通行「何、ニヤニヤしながらこっち見てンだよ」
芳川「あら、コーヒーのおかわり?」
一方通行「あいつが真剣で声かけにくいから作り置きのアイスコーヒー自分で注ぎに来たンだよ」
黄泉川「そーいう一方通行も随分真剣にやってるじゃんね」
一方通行「うっせェ」
トテトテ
一方通行「お前らもなンか飲むか?」モソモソ
打ち止め「ううん。大丈夫だよってミサカはミサカはお返事してみる」ペタペタ
百合子「で、きたー!」
一方通行「おー、お疲れェ」
百合子「ど、どうですか?…変じゃないかな…」
一方通行「ン?………いいンじゃね?写真も見やすいし、テーマに合ってると思うぞ」
打ち止め「ミサカも見るー!ってミサカはミサカはあなたの背中にぴったりくっつきながら覗き込んでみる」
黄泉川「おっ?百合子は完成したの?…どれどれ、見せてもらおうじゃんね」
芳川「私にも見せてちょうだい」
百合子「な、なんだか照れちゃいますね…///」ドキドキ
黄泉川「おー、百合子らしくていいじゃんね」
打ち止め「色合いが落ち着いてて優しい感じ!ってミサカはミサカはページを捲ってみたり」
芳川「そうね。上品な感じで私も好きよ」
百合子「えへへ///」テレテレ
打ち止め「ミサカももう少しで完成だよーってミサカはミサカは作業再開してみる」
百合子「お兄様はどうですか?」
一方通行「これでいい」ポイ
百合子「やっぱり男の人は色合いが大人しめなんですね。ふふ、人によって写真のイメージの捉え方が違うのかなぁ」
一方通行「着物の写真だから周りは抑えた方が写真が映えンだろ?主役は写真なンだからな」
打ち止め「ミサカは賑やかな方が好きだけどなーってミサカはミサカはシールをぺたぺた貼ってみたり」
黄泉川「個性個性。各々好きな解釈でやっていけばいいじゃん!」
打ち止め「はーい!ってミサカはミサカは先生らしいヨミカワに手を挙げてお返事してみる」
黄泉川「今までは先生らしくないって言いたいのかぁ?」
打ち止め「………まぁ、…あんまり…って、いたたたたたグリグリしちゃやだぁ~ってミサカはミサカはヨミカワから逃げてみたり」
芳川「はいはい二人ともハサミとか出てるんだから暴れないの」
***
3日後
病院
医者「じゃぁ昼食の時間だから休憩だね?」
百合子「はい。えっと、次は1時間後に4階でしたっけ?」
医者「担当が君の待機部屋に直接行くからそのままで大丈夫だよ。あぁ、その時間までに部屋に戻っておいてね?」
百合子「はい」
百合子「昼食は妹達さんが食堂に案内してくれるんだよね。えへへ、楽しみ♪」
19090号「百合子さん。とミサカは百合子さんに話しかけます」
百合子「あ、こんにちは。19090号さん」
19090号「百合子さんはすごいですよね。ミサカたちの見分けがつくのですから…とミサカは百合子さんに微笑みます」
百合子「うーん…。そうですね。でも、皆さんやっぱりどこか雰囲気が違うので。お兄様もしっかり皆さんの違い解ってますよ」
19090号「それは嬉しいです。ミサカたちはそれぞれの個性を大事にしていますので。とミサカはちょっぴり胸を張ってみます。
ではご飯食べに行きましょう。とミサカは百合子さんを案内します」
百合子「よろしくお願いします!えへへ、打ち止めさんもおいしいと言ってたし楽しみです」
13577号「百合子さん、19090号。こっちですとミサカは手を振ります」
御坂妹「出来れば外の庭で食べたかったのですがさすがにこの気温ではつらいですからね。とミサカは二人に席を譲ります」
百合子「こんにちは。えへへ、昼食お招きいただきありがとうございます」
10039号「いえいえ。一日中の検査は疲れますからね。午後もありますし、この時間くらいはのんびりしてください。とミサカはお冷を差し出します」
19090号「ここのランチセットはとてもおいしいんですよ。それにヘルシーだから…とミサカはオススメポイントをあげます」
御坂妹「19090号。ダイエットに励むのは構いませんが百合子さんはダイエットの必要がないくらい細いので大丈夫です。
ですからミサカにこのメニューの中で一番カロリーの低いものを教えなさい。さぁ!とミサカは19090号に迫ります」
13577号「19090号だけ抜け駆けは許しません。知っていますよ。最近新しいダイエット法を入手したと…とミサカも19090号の腕を掴み問いただします」
10039号「はっ!やはり腕も少し細くなっています!19090号はどこまで細くなるつもりですか!痩せればよいという世間の風潮はどうにかならないのですか!
とミサカは遣る瀬無い気持ちを世間にぶつけます!」
19090号「あわわわわあわわわわわ」ガクブルガクブル
百合子「えと…えと…、あ、あの…色々注文してみんなでちょっとづつ食べてみればいいんじゃないですか…?どれもヘルシーなんですよね…?」アセアセ
御坂妹「そ…それもそうですね。とミサカははっと我に返り冷静になります…」
百合子「でも、皆さんダイエットとか必要ないくらいほっそりしてると思うのですが…」
13577号「それを言ったら百合子さんの方がほっそりですよ。とミサカはすかさず突っ込みをいれます」
百合子「そうなんですよね。肌も白いからちょっと不健康さんに見えちゃうかも…。でも、お兄様とお揃いだから…えへへ///」テレテレ
10039号「百合子さんは見た目によらず結構食べる方ですよね。でも、全然太らないところを見ると…能力で何か!?とミサカは詮索を開始します」
百合子「えっ?…えと…何もしていないのですが…。と、とりあえず皆さんの食事を用意させてもらっているので家族の健康を考えたレシピにはしていますが…。
これと言って特別、自分だけ能力を使ったりとか…ダイエット食を使ってるとかは…ないですね。カロリーオフの調味料は使ってますけど…」
御坂妹「それを言ったらミサカたちは病院食という健康第一の食生活です。…何が問題なのでしょう。とミサカは自身の腹部と胸部を擦りながら悩みます」
19090号「それは…10032号たちがいつもケーキやクッキーを間食しているからでは…と、ミサカはこそこそと指摘し、あいたっ」ギュム
13577号「さぁ、何を食べましょうか。このパスタセットがおいしそうですねとミサカは目を輝かせます」
10039号「ミサカはこっちのチャーハンセットを食べたいです。とミサカはメニューを指さします。さぁ、百合子さんも選んでください」
百合子「ふぇっ?…え、えと…それでは、おうどんを…」
御坂妹「やはり和食が健康に…。ミサカはお蕎麦にします!とミサカは店員さんを呼びます」
19090号「ミ、ミサカまだ決めてません~~っ!とミサカは慌てて…あわ、店員さん来るのはや…!!」
***
1時間後
百合子「あっ、あと5分で待機部屋に戻らなきゃ!ごっ、ごめんなさい!またあとでよろしくお願いします!!」ペコッ
御坂妹「こちらこそ食事終わった後も長々とすみません!あっ、そこの右の廊下からショートカット出来ますよ!とミサカはジェスチャーを交えて知らせます」
百合子「あわわーっ!」パタパタ
看護師「一方通行君っ!病院の廊下は走っちゃダメだよぉ!」
百合子「あわわわっ!いっ、妹ですっ!ごめんなさーい!」
トタタタタ
看護師A「あー、あの子が噂の妹さんだったのね。そっくり…。あ、ミサカちゃんたちこんにちは」
19090号「こんにちは。とミサカは挨拶します」
10039号「彼女は今日検査で来ているのです。とミサカは説明します」
看護師A「そっかそっか。今日は彼女一人なの?」
13577号「はい。一方通行と上位個体・打ち止めは今日は自宅で百合子ちゃんの帰りを待っているんですよとミサカはこっそり教えてみます」
御坂妹「百合子さんは今日は一日中検査で忙しいですからね。一方通行たちも今日は忙しいんですよ。とミサカはちょっと含めた言い方をしてみます」
百合子「はふ…ふぅ…。全力歩き、結構きついかも…はぁはぁ…」
看護師B「うん。ぴったしの到着だよ」
百合子「わぁ!?…あ、あわわ!ごめんなさいお待たせしてしまって!」
看護師B「大丈夫。それより息切れしちゃって平気?」
百合子「えへへ、妹達さんとお話していたらあっという間に時間が過ぎちゃって…急いで…あ、歩いてきました!」ビシッ
看護師B「ふふ、女の子はお喋り好きだもんね。それじゃあ…まずは身体検査(システムスキャン)から受けてもらいます」
百合子「はいっ。わぁ、身体検査は初めてです」
看護師B「学生じゃないとやらないもんね。…えっと、午前中のうちに問診と血液検査、各種健康調査は出来てて解析中…。うん、それじゃあこっちに案内するね」
百合子「お願いします」
看護師B「えっと百合子ちゃんは自分の能力とレベルは把握してる?」
百合子「えっと、…お兄様…一方通行と同じで「ベクトル操作」でレベルは3くらいだと思います」
看護師B「ということは反射の設定とかしてるの?」
百合子「えっと、紫外線とか…生活補助程度で使っています。今のお兄様と同程度の反射ですね」
看護師B「そっか、あの子も肌弱いもんね。呼吸器系とかには?」
百合子「排気ガスや有害な空気、ウィルスは反射しています。でも、全てに対応出来る程ではないので食べ物から感染することはあると思います。
プールに行った翌日に熱出しちゃったり…とかあったので…。疲労してると演算も鈍っちゃうので…」
看護師B「ふむふむ。他に日常生活で能力を使う場面は?」
百合子「えっと…、極力使わないようにしているのですが…、すっごく重たい荷物を持ったときに持てるギリギリまで補助したり…、
お料理の準備してるときに、ほら、お肉叩いたりダシをこしたりするのに力を使う時あるじゃないですか…その時に使ったり…///」
看護師B「お兄ちゃんの能力を見るにもっとパワフルに使ってもいいんじゃないかな?荷物もうんと軽く出来るんじゃない?」
百合子「やろうと思えば出来るのですが…、お兄様が能力の使用に制限があって…いくら第一位でも普段はほぼ一般の人と変わらないくらいですから…。
私も…お兄様と同じところにいたいな…って///」テレテレ
看護師B「……ふふふっ、百合子ちゃんはお兄ちゃんが大好きなのね」
百合子「はいっ、大好きです!」ニパ
看護師B「話には聞いてたけど本当に可愛い子だねー。なんだか私まで嬉しくなっちゃう」
百合子「えへへ///」
医者「ほら、ちゃんと検査してあげるんだよ?」
看護師B「ひゃ、は、はい!」ビクッ
***
夕方
医者「お疲れ様。これで検査は全部終了。今のところ大きな問題もなく健康だね?…一週間後に詳しい検査結果を知らせるよ」
百合子「ありがとうございます」
医者「まぁ、健康と言っても能力で補助してる部分もあるし、クローンの身体にどんな変化が起きるかは解らないから、
これからは異変があればすぐ病院に来るんだよ?」
百合子「はい」
医者「彼も今日の検査を気にしていたからね。何度も「頼む」と言われたよ」
百合子「…お兄様…///」
医者「君も彼があまり無茶をしないようによく見守ってあげてね」
百合子「はい。先生、ありがとうございました。今後も…えと…お兄様と打ち止めさんをよろしくお願いいたします」ペコ
御坂妹「お疲れ様です。とミサカは椅子から立ち上がります」
百合子「10032号さん…。もしかして…私を待っていて…?」
御坂妹「上位個体から結果が気になると言われて…とミサカは今も騒がしい上位個体に頭を悩ませていることをさりげなく伝えます」
百合子「そうでしたか…。…えっと、今ネットワーク繋がっているのですか?」
御坂妹「はい。このまま映像を流しています。とミサカはケータイいらずなことを報告します」
百合子「えっと…では、なんだか度々ツールみたいな使い方をしてしまって申し訳ないのですが…えっと、検査結果は今のとこ特に問題なしでした。
えーと…これからお家に帰ります。…あ、何か買って行くものとかありますか?」
御坂妹「…検査結果の報告にみんな一安心しているみたいですね。それから、必要なものは今は特にないので真っ直ぐ帰っておいで、とのことです。
と、ミサカは百合子さんに掻い摘んで説明します」
百合子「えへへ、ありがとうございます。それでは、今日はお家に帰りますね。また今度遊びましょう。作ったアルバムも生で見せたいので!」
御坂妹「楽しみにしています。とミサカは百合子さんに手を振ります」
百合子「それではまた」ノシノシ
御坂妹「えぇ、良い一日を。とミサカは百合子さんに笑いかけます」ニコッ
百合子「?」
***
PM6時前
百合子「わーお月様綺麗…」
百合子「えへへ。今日は黄泉川さんがお夕飯作ってくれるから楽しみだなぁ。お昼は控えめにしたからお腹ペコペコ♪」
百合子「お夕飯はなぁにかなっ♪」トコトコ
トコトコ
カチャ
百合子「ただいま戻りましたー」パタン
百合子「………あれ?」
百合子「……皆さんお出掛け中…?」トコトコ
カチャ(in リビング)
百合子「た、ただいまぁ…?」オソルオソル
パッ
パン!!!
パパパーン!!!
「「ハッピーバースデー!百合子っ!!」」
百合子「…………………ふぇっ?」キョトン
打ち止め「ユリコおかえりーってミサカはミサカはとっておきのにこやかスマイルでユリコをお出迎えしてみる!」
禁書「おかえり!ほら、こっちこっち!」グイグイ
上条「おかえり。さささ!主役はそっち座って」
百合子「え…え?」オロオロ
美琴「はい、ここが誕生日席よ」
黒子「検査お疲れ様ですの」
黄泉川「あはは、やっぱり戸惑うじゃんね」
芳川「ほら、お兄ちゃん。説明」ポン
百合子「ふぇ?…あ…あの、お兄様…これは…?」アワアワ
一方通行「……あー…えーと…だな…。お前、誕生日って…ねェだろ」
百合子「は、はい」
一方通行「だから、…今日が誕生日だ」
百合子「???」キョトーン
美琴「ちょっと、そんな説明じゃ全く解らないじゃない。ほら、百合子の頭からすごい勢いで?マークが飛び出してるわよ」
一方通行「…えーと…、百合子…お前、今日が何の日か解るか?」
百合子「きょ、今日…?…えっと、JAXAがひまわり6号を打ち上げた日…?」
一方通行「それもそうだが違う」
百合子「後醍醐天皇が即位した日?」
一方通行「もっと最近の話題だ」
百合子「3DS発売日?」
一方通行「近すぎる。去年の今日だ。何があった?」
百合子「去年……の、今日…?」
百合子「……………??」???
一方通行「………お前と、俺が初めて逢った日だ」
百合子「………あ……」
一方通行「………だから、今日が…お前の誕生日だ…///」
百合子「………お、誕生日…、私の………」
一方通行「お前の、だ」
百合子「……………」ポロポロポロ
一方通行「!!?」
百合子「ふ、ふぇ…うぇ…っく…ふぇ…」ポロポロポロ
一方通行「い、いやだったか!?…わ、悪い…俺が勝手に決めちまったから…!!」オロロロロロロロロ
百合子「えぐっ…ち、違ぁ…えぅ、うぇ…違っ、…ますぅ…」グシグシグシ
打ち止め「ユリコ、…喜んでくれた?ってミサカはミサカはユリコのお膝に手を乗せながら尋ねてみる」
百合子「っ!」コクコク
一方通行「………そ、そォか…」ホッ
黄泉川「だぁから言ったじゃんね。喜ぶって。…あはは、こいつが最初に提案してのに、ずーっと悩んでたじゃんよー」
百合子「えぅ…、ぉ、おにー、しゃまぁー…あり、ありがとぉー…ござい、ますぅー…。ふぇぇーん…!」エグエグ
一方通行「なっ、泣くな……。お、おい…」ナデナデナデ
百合子「お兄しゃま、大好きぃぃー!!」ギュゥゥゥゥ
一方通行「ォ、おォ、お!?…お、おォ、あ?…えァ?…あァ!?///」アタフタアタフタ
芳川「ふふ。ね、百合子ちゃん、お腹すいたでしょ?たくさんごちそう作ったのよ。みんなで食べましょう」
百合子「あ、あり…ありがとぉ、ございますっ!!…えへへ、…えへへへへへ///」
一方通行「俺らも準備で腹減ったからよォ…さっさと食おうぜ。主役がいねェと始められねェかンな」
禁書「あくせられーた。主役はもう一人いるんだよ?」
一方通行「へ?」
パパパパンッ
一方通行「…………?」ポカン
打ち止め「ハッピーバースデー一方通行っ♪ ってミサカはミサカはお祝いしてみる!」
一方通行「………は、ァ?」ポカーン
上条「なにポカンとした顔してるんだよ?」
一方通行「いや、…だって…今日誕生日なのはこいつで…」
美琴「何言ってるのよ。双子の百合子が誕生日なら必然的にあんたも今日が誕生日になるでしょ?」
打ち止め「あなた、自分の誕生日もないって言ってたじゃない。ってミサカはミサカはちょっと昔のお話を思い出してみたり」
芳川「今まで、誕生日を祝ってもらったこと、なかったんでしょう?」
一方通行「ねェ、けど…」
クイクイ
一方通行「ン…?」
百合子「あの、…えへへ…私はお兄様と一緒のお誕生日…嬉しいです///」ニコ
一方通行「………そォ、か…///」
百合子・一方通行「「…………///」」モジモジ
打ち止め「もぉー!二人とも照れてないでこっち向いて!ってミサカはミサカは二人の世界に入りかけてるあなたたちを呼び戻してみたり」
上条「と、いうわけで二人の誕生日祝うぞぉぉー!!」
禁書「おー!!! わ、私も今日はひ、控えめで食べるんだよ…!主役はゆりことあくせられーただもんね!」
美琴「キッチンお借りしたり、それぞれ持ち寄ったりでいっぱい作ったからどんどん食べてね!」
黒子「こちらは学び舎の園の中でもとても評判の高いお店で買ったものになりますの。お口に合えばよいのですが…」
黄泉川「みんな大好き煮込みハンバーグもあるじゃん」
芳川「今日は久々に炊飯器フル稼働だったわねぇ…」
百合子「えへへ、いただきまーす!」
一方通行「…いただき、…ます」
そんな感じで記念日が出来たよ。初めてのお誕生日編です。
あともう少しだけ続くんじゃよ。ではまた次回ノシ
***
美琴「ほら、百合子。このグラタン食べた?すっごくおいしいわよ」
百合子「あ、まだです」
美琴「お皿貸して。盛ってあげるわ」
百合子「ありがとうございます。えへへ、いただきまーす」モグモグ
上条「あ、それ俺が作ったグラタン。うまかったか?」
美琴「!!?」
百合子「はいっ、すっごくおいしいです!」ニパ
美琴「そ、そそそそうなの!?…あ、…えっと……あ、あんたにしては上手なんじゃない?///」
上条「そりゃお前がいつも食ってる高級料理には負けますよ」
禁書「お腹が空いた時はとうまの料理もすっごくおいしいんだよ?」
一方通行「そりゃ腹が減ってりゃなンでもうまく感じンだろォ?」
上条「お前は今料理人をバカにした!」
百合子「もう、お兄様また意地悪言って…。ほら、とってもおいしいですよ?…ちゃんと食べてから感想言いましょうね。はい、あーんして」
一方通行「あー……」ムグムグ
一方通行「……まァ、うまいンじゃね?」
上条「くっ、褒められたのにそこまでの過程に腹が立つ…!いいないいな!あーんとかいいな!ちくしょう!ちくしょう!」
打ち止め「はい、あーんしてってミサカはミサカは満面の笑みでヒーローさんにフォークを差し出してみる」
上条「打ち止め、…お前は本当にいい子だなぁ…。…あー…」
ゴッ
上条「ぐふっ」
一方通行「あー、悪ィ。手が滑って電極のスイッチ入ってさらに滑って肘ぶつかっちまったァ」トコトコ
打ち止め「ごめんね、この人ヤキモチやきさんなの。ってミサカはミサカはそんな子どもっぽいあの人の代わりにヒーローさんにフォローしてみる」ヒソヒソ
上条「こいつの独占欲は半端ないからなぁ」アハハ
打ち止め「今度は、ずっと優しく掴んでいられるようにってことだからね。ってミサカはミサカはにぱー☆と笑ってみたり」
一方通行「おい、打ち止め。これお前の好物だろ。俺の分もやるから食って肥えろや」
打ち止め「なにその皮肉に満ちた勧誘は!…っく、でもおいしそう…!食べるー!ってミサカはミサカは窓際にいるあなたに突撃してみる!」トタタタ
百合子「んむ、もぐ…。これは味付け、何を使ってるのかなぁ…」モグモグ
黄泉川「百合子百合子。ちょっとこっち来るじゃん」
百合子「はぁい」
トコトコ
百合子「はい。なんでしょうか?」
黄泉川「プレゼント。ちょっと早いけど大きいものだし先に渡しておくじゃんね」
芳川「私と愛穂からのプレゼントよ」
百合子「えっ…?…ぷれ、ぜんと…?…ふぇ、え!?」アタフタ
黄泉川「じゃーん!」
百合子「あわわわわ、あり、ありがとうございます!!わ、すっごく大きな箱ですね…」
禁書「ゆりこゆりこ、開けてみてー!」
打ち止め「ミサカも見てみたいー!ってミサカはミサカは期待のまなざしで箱を見てみたり!」
ガサガサ
百合子「……よいしょ…と…」パカ
美琴「何なに?おっきなぬいぐるみとか?」
黄泉川「ふっふっふー。もっと便利なものじゃん♪」
百合子「…自転車…?」
上条「おー!自転車かー!自転車あると買い物の時とか便利だぜ!」
芳川「いつも荷物持ちながら帰るの大変でしょ?…特に一人の時とか」
百合子「わ、私…こんな素敵なもの…貰ってしまって…いいんですか?」オロオロ
黄泉川「あげた側としては、素直に喜んでくれた方が嬉しいじゃんね?」ウィンク
百合子「………えへへ///」テレッ
美琴「それじゃあ、私たちもプレゼント。…はい、これは私から。あと、あんたにも」
百合子「ありがとうございますっ」
一方通行「はァ?」
美琴「受 け 取 る の !」グイッ
一方通行「……ちっ、…わァったよ…」
黒子「では、黒子からも。気に入っていただけると嬉しいのですが…」
打ち止め「ミサカからも二人にプレゼントーってミサカはミサカは二人にプレゼントを渡してみる!」
上条「これは俺とインデックスから」
禁書「とうまと頑張って選んだんだよ」
一方通行「…………………」キョトン
百合子「わぁぁー、わぁー!す、すごぉい!お誕生日っぽいですよお兄様っ!…えへへ、皆さん本当にありがとうございますっ!」ペコペコ
一方通行「……………」(手元を見てみんなを見て手元を見て百合子を見て)
美琴「プレゼント両手に抱えてフリーズしてる」クスクス
上条「どう反応していいか計算してるんだろうなぁ…」ニヤニヤ
黄泉川「写真撮っておくじゃん」パシャ
百合子「お兄様っ。「ありがとう」ってお礼言うんですよ?」ユサユサ
一方通行「あ、…あァ…?…あー…、…えー…………ありがとう………///」ボソッ
百合子「よく出来ましたぁ♪」ナデナデ
打ち止め「ねぇねぇ、ケーキも食べようってミサカはミサカはメインイベントにワクワクしてみたり!」
美琴「ふっふっふー。すーっごくおいしいケーキ屋さんでお願いしてきたケーキなのよ!」
禁書「ケーキっケーキっ!」ウキウキ
上条「控えめの約束はどうしたんですか?」
禁書「ひっ、控えめだもん!」アワワ
***
夜
百合子「ふわー…お腹いっぱい…」
芳川「お風呂入ってらっしゃい」
百合子「あ、私もお片付けします」
打ち止め「ううん。ミサカたちでやるから今日はゆっくりしててってミサカはミサカはお片付けしながらユリコを労ってみる」
黄泉川「一方通行ー…って寝ちゃってるじゃん」
打ち止め「今日一番張り切ってたもんね。ってミサカはミサカはユリコのプレゼントのぬいぐるみに囲まれて寝てるこの人の写真を撮ってみたり」パシャ
百合子「こんなにたくさん…素敵なプレゼントを貰えて…、こんなに素敵な人たちに囲まれて…お祝いしてもらって…すごく…すごく嬉しいです///」
芳川「それだけ百合子ちゃんとこの子に人望があるってことね。良いお友達がたくさんいるのね」
百合子「はいっ、皆さんすっごく優しくて良い人しかいません!」グッ
黄泉川「友達が多いのはいいことじゃん。百合子ならだれとでも仲良く出来るからたくさん友達を作るといいさ」
打ち止め「この人も生きてる世界がとても狭かったから…ユリコと一緒に世界を広げていってほしいなぁってミサカはミサカはお姉さんの立場で考えてみたり」
百合子「私に、…そんな大それたこと出来ません」
芳川「かしこまらなくていいのよ。世界、と言ってもいつもの百合子ちゃんでいいの。興味関心の強い百合子ちゃんの行動力はあの子に良い影響を与えてるんだから」
百合子「うぅん…?」
黄泉川「まぁ、百合子と打ち止めがいつも通りこいつを引っ張ってやればそれでいいってことじゃんね。ほらほら、早くお風呂入った入った」
百合子「ひゃ、は…はぁーい!」パタパタ
打ち止め「ほら、あなたも寝るならお布団入らなきゃダメだよーってミサカはミサカはソファで寝てるあなたを起こしてみたり」ペチペチ
一方通行「ンァ…?」ムニャ
打ち止め「今日はお疲れ様。ってミサカはミサカはあなたに頑張ったで賞のご褒美としてナデナデを贈ってみる」ナデナデ
一方通行「…つーかよォ…。アレはいつから考えてたンんだよ…」フワァ
芳川「アレ?……あぁ、キミの誕生日のこと?」
一方通行「あいつらもプレゼント準備してたってこたァ即興でもねェし…」
打ち止め「二週間前にあなたがユリコのお誕生日を作りたいって言った時からだよん♪ ってミサカはミサカは種明かししてみたり」
黄泉川「よくあるじゃん。サプライズを考えてる企画者にさらにサプライズ~って。それで、打ち止めから友達に連絡してもらって」
芳川「嬉しかったでしょ?…あなたが百合子ちゃんを祝ってあげたいっていうのは、喜んでほしいって気持ちから思い付いたことで、
それと同様に私たちもキミに喜んでほしかったのよ」
一方通行「………チッ///」プイッ
打ち止め「くふふー。あなたってばプレゼント貰った時ポカーンってしてたよねってミサカはミサカはMNWで映像を再生しながらニマニマしてみたりっ」
一方通行「うっせェ!あーもォ!風呂入ってくるっ!」カツカツカツ パタン
芳川「ふふ。今日の写真、さり気無くたくさん撮っておいたからあとで百合子ちゃんに渡してアルバムにしてもらいましょうね」クスクス
イソイソ
百合子「今日は楽しかったなぁ~♪」ヌギヌギ
百合子「妹達さんとお喋り出来たし、検査も良好だったし。お誕生日が出来て、お祝いしてもらったし…」ヌギヌギ
百合子「えへへ~///」ニヘラ
ガチャ
百合子「?」
一方通行「あ…」
百合子「あ、お兄様っ。起きましたか?」
一方通行「………あいつら、なンで何も言わねェンだよ…」ハァ
百合子「?」
一方通行「上がったら教えてくれ。次入るからよォ」
百合子「あれ?…一緒に入るんじゃないんですか?」キョトン
一方通行「………、……まァ、いいか」ハァ
百合子「えへへ、では先に入ってますね!」パタン
一方通行(…俺も拒否しなくなったなァ…)イソイソ
キィ
百合子「はふー…お風呂気持ちいぃ…///」ホンワカ
一方通行「おーおー、ダレた顔してやがンな」ケケケ
百合子「えへへ、お兄様と一緒にお風呂入れるから嬉しくって///」
一方通行「…お前は本当に」
一方通行(俺のこと、好きなンだな…)
百合子「お兄様…?」
一方通行「~~~ッ!!!///」
百合子「?」キョトン
一方通行「………と、隣入ンぞ!///」バシャ
百合子「ふぇ?…な、なんですかぁ?」アワワ
一方通行「うっせェ、あっち向いてろ///」プイッ
百合子「…?…??」
一方通行「………~っ///」バシャバシャバシャ
百合子「…………?」
一方通行「…………///」
百合子「…………」
一方通行「…………」(ちょっと自己嫌悪)
百合子「………あの、お兄様?」
一方通行「あ?」
チュ
百合子「えへへ///」ニパ
一方通行「………///」
百合子「お兄様は、その…私と一緒にいて…楽しいですか?///」
一方通行「は?」
百合子「私と一緒にいて…お兄様の世界が広がってるのかな…なんて…。私みたいなちっぽけなクローンが何かを出来るなんて…思えなくて…」
一方通行「………」
百合子「ちっぽけって、あのお兄様のことは関係なくてですね。お兄様は私なんかと比べられないくらいすごい人ですし、あの、えとそうじゃなくて…
私なんてまだ、意識を持って1年くらいですし…、誰よりも未熟で…。…そんな私がお兄様のようなとってもすごい人といて
…何か、良い影響なんて…ないよなぁ…って…思ってですね…」
一方通行「別に…俺はお前が思ってるよりずっとどうしようもなくダメ、っつーか…お前には悪いが、俺はどうしようもないクズだ。
汚れに汚れまくった化け物で、人間の黒いとこばっか見てきた。すごいのは、能力だけで俺自身の評価はどうしようもねェくらい低い」
百合子「……お兄様は、自己評価が低いんですっ」プンプン
一方通行「その言葉、そっくりそのままお前に返すぞ」
百合子「え?」
一方通行「まァ、お前の中で俺がすごいなら、それでいい。そンで、そのすごい俺はお前を必要としてンだ。それでいいだろ?」ナデナデ
百合子「……くっついていいですか?」
一方通行「あァ」
ピトッ
百合子「前より、自分に自信を持つようになったし、自分を大事にするようになりました。…お兄様は私をとても大事にしてくれてますし…、打ち止めさんも
黄泉川さんも芳川さんも、お友達も…みんな、私のこと大事にしてくれてます。…でも、それなのに、時々…自分の価値に、不安になります。
ひどいですよね。皆さんは私のことを想ってくれてるのに、私は不安になるなんて。…どうして、でしょうね。胸のここが、時々痛くなります…」
一方通行「そりゃ、お前が「人間」だからだろォが」
百合子「………そう、ですか?」
一方通行「そうなンだよ。人間っつーのはしょーもねェことでグダグダ考えて落ち込ンだり喜ンだりすンだ。俺だって、同じだ」
百合子「お兄様も…?」
一方通行「くっだらねェことで頭抱えたり、些細なことで内心はしゃいでたりすンだよ。だから安心しろ。そンで、不安になったらそのたびに
こォやって俺に尋ねりゃいい。お前が安心するまで何度でも言ってやる。「お前は必要だ」ってな」
百合子「………えへへ///」
一方通行「ンで、他に聞きてェことは?」
百合子「えっと…えっと…、いっぱいなでなでしてくださいっ♪」ニパ
一方通行「はいはい」ナデナデナデナデナデ
百合子「えへへ。お風呂あがったらいただいたプレゼントの写真を撮って、印刷して……明日はアルバム作りに使うシールを打ち止めさんと探しに行って…」
一方通行「ついでだから自転車乗ってみりゃいいンじゃね?」ナデナデ
百合子「そうですね。……あ!」
一方通行「あ?」
百合子「私…、自転車の乗り方知りません」
一方通行「へ?」
百合子「お兄様、教えてくれませんか?」
一方通行「あ、…あァ…。明日は無理だから、また今度にな…」オロオロ
初めてのお誕生日編 お終い
ピンポーン
上条「はいはーい、今出ますよーっと」
ガチャ
一方通行「よ」
キィ
ガッ(足を挟んだ音)
一方通行「って、おい!予想はしてたがマジでやられると少し傷付くぞクソッタレ!!」
上条「やだぁあ!!今日はインデックスもでかけてるから俺一人でベッドで昼寝を満喫するのぉぉ!!」ギギギギギ
一方通行「気持ち悪ィ口調で全力でドア閉めンじゃねェ!!いたっ、いたたたたたた!!!足潰れるッ!いたたたたたた!!!」
***
上条「…で、用件はなんだよ。お前から出向くんだからまた面倒なことなんだろうなぁ…」ハァ
一方通行「……お前、自転車持ってるか?」
上条「一応。あんま使わないけどな」
一方通行「……この前、百合子が誕生日で自転車貰ってただろ。で、あいつどうにも乗り方知らねェみたいでよォ…」
上条「あぁ、教えてやれってことか?…それならいいぜ。俺が教えてやるよ」
一方通行「だァれがお前なンかに百合子の講師頼むかよ。何されるか解らねェからな」ギロリ
上条「まぁ、…俺もまだ死にたくはないかな…」
上条「ん?じゃぁお前が教えてやればいいんじゃないか?」
一方通行「そうするつもりだ。っつーか、教えてくれって頼まれたしな」
上条「だったら………」
一方通行「…………………」(目逸らし)
上条「…………ははぁ~ん?」ニヤァ
一方通行「~~っぐ…!」プルプルプル
上条「 お 前 も 乗れないのかぁ~?」ニタニタ
一方通行「誰にも、言うンじゃ、ねェぞ…!!」プルプル
上条「うぇっへっへっへ。どぉーしよーっかなー♪」
カチッ
上条「ごめんなさい!レベル0風情が生意気言ってすみませんでした!!」ズザッ
一方通行「つーワケでだ…。俺に教えろ」
上条「はっ!仰せのとおりに!ですから電極のスイッチはお切りくださいっ!!」
一方通行「ふン」
上条「あっ、お兄様っ!麦茶でも飲みますか!?昨日特売で買ったクッキー食べますか!?うまいっすよ!」
一方通行「誰が、お前の、お兄様だァァ!!!」ダンッ
上条「うっせ!シスコン!もうお前はあれだ!軍曹じゃねぇ!シスコン大元帥っ!!」パキィン(幻想殺し)
一方通行「誰がシスコンだァァァァ!!!!!」ゴッ
上条「頭突き痛い!」
***
とある寮 駐輪場
一方通行「おー…自転車だ…」
上条「上条さんの愛チャリ【流星号】です。練習に使ってもいいけど壊すなよ?」
一方通行「壊したら買ってやる」ワクワク
上条「くっ、さり気無いセレブ発言。これだからレベル5は…!」グギギ
一方通行「でもよォ、たまに自転車乗ってるヤツ見かけるけど結構すいすい走ってるよな。ま、楽勝だな」
上条「とりあえず乗ってみろよ。お前は俺と身長同じくらいだしサドルも調整しなくていいだろ…。…ほいよ」カチャ
一方通行「どーも」
上条「ほら、杖持っててやる」
一方通行「ン。…あと、肩貸せ」グイッ
上条「とりあえずそこの木のとこまで走ってみろよ」
一方通行「これで、ペダル回して走りゃいいンだな…、よっ!」グッ
スイーッ
上条「おー、さすが。真っ直ぐ走れ…」
フラフラ
ガタッ
ズザーッ
上条「なかった。さすがもやし。運動神経悪そうだしな!あはははは!」ゲラゲラ
カラカラカラカラ・・・
一方通行「………………」(地面に突っ伏)
<アハハハハハハ!!
一方通行「~~~ッ!!!」ギリッ
カチッ
グイッ(自転車起こす)
ザッ(乗る)
スイーッ(華麗に走り出す)
上条「はいはいはい!!!そこっ!ズルしないっ!!!」
一方通行「えー?なンのことですかァ?一方通行よく解ンなァい」スーッ
上条「えいっ」ピトッ
一方通行「ゥおっ!?」グラッ ガタァァン!!
上条「救急箱持って来て正解だな。絆創膏はたっぷりあるから安心して転ぶがいい!」ニヤニヤ
一方通行「つーか自転車危な過ぎだろ…。あいつにどうやって練習させりゃいいンだ…?」
上条「まぁこういうのはコツを掴むまで乗るしかないからなぁ…。とりあえず、ペダル漕がずに足で押してみろよ」
一方通行「よく考えたら2足ですら歩けねェ俺に出来るかァ?…お、意外と歩けるな。3点で安定してンのか?」トコトコ フラフラ
上条「まぁそこはお前の努力で!」グッ
一方通行「講師が投げ出すンじゃねェよ」
上条「よっ!学園都市第一位!」
一方通行「うっぜェェー…。チッ、やってやる!やってやるよォォォォ!!!!」
***
3時間後
上条「休憩するかー?絆創膏貼り替えてやるぞー?」
一方通行「なァンか、イケそうな気ィすンだよなァ…」ボロボロ
上条「それ1時間前にも言ってたぜ?」
美琴「何してんの?」
上条「よ、御坂」
一方通行「!!?」ビックゥ
上条「どうした?珍しいな。この辺で会うなんて」
美琴「ちょ、ちょっと偶然寄ったスーパーであんたが高いって言ってた野菜が安売りしてたから教えてあげよっかなぁ~なんて…///」テレテレ
上条「なんだと!!?どこだ!?タイムセールか!!?品物は!?」ガタッ
美琴「ふぇっ、えっと…あんたがいつも行ってるとこで…1時間限定タイムセールで…、キャベツとか、あと卵も…。しょ、しょぉがないから私も付いて行…」オロオロ
上条「マジかよ!!ひゃっほー!最近キャベツ高かったからなぁ!って1時間ってことはあと20分しかねぇな!ちょっと行ってくる!!」
美琴「えっ、ちょっと…!」
一方通行「お、おい三下…!」
上条「あぁ、御坂!悪いけど一方通行に自転車の乗り方教えてやってくれ!じゃ!ちょっと行ってくる!!」ダダダダダダ
<今夜はお好み焼きだぁぁー!
美琴「……………………こんな、はずじゃ…」ガクッ
一方通行「………まァ、元気出せ」
美琴「………で、あんたは自転車乗れなかったの?」
一方通行「クソ…!」プイッ
美琴「ということは、百合子も乗れない。…あぁ、自分が覚えて百合子に教えてあげようってことかしら?」ニマニマニマ
一方通行「うぐぐぐぐ…!!」プルプル
美琴「お兄ちゃんやっさしぃ~♪」ニマニマニマ
一方通行「ああああああああ!!!!!ぐあああああああ!!!!!!」
美琴「あっ、ハンドルから手離すと…」
一方通行「うォ!?」グラッ
ガシャーン カラカラカラ・・・
美琴「ちょ、ちょっと…大丈夫?…っていうか、あんたタダでさえバランス取れないんだから自転車なんて無理なんじゃ…」
一方通行「教える立場のヤツが乗れないって、バカにも程があンだろォが…」ムクッ フラフラ
美琴「それにしたって…」
一方通行「無様だろ?…好きなだけ笑えよ。お前には俺を殺す権利だってあるンだからよォ」(ポールに掴まって自転車に乗る)
美琴「………解ったわ。ほら、ハンドル押さえといてあげるから」
一方通行「はァ?」
美琴「だって、あいつにも「教えてやれ」って頼まれたし。殺す権利があるなら手伝う権利もあると思うの。…ほら、まずはバランス取る練習ね」
一方通行「…チッ」
美琴「で、私が倒れないように押さえておくからペダル漕いで、あそこの木まで…そうそうそう。真っ直ぐ前見て地面は見なくていいから」
一方通行「ーっ…!」プルプルプル
美琴「大丈夫大丈夫ちゃんと押さえてるから…そーそー。前だけ見て…」パッ
フラフラ
美琴(おー、出来てる出来てる。これならあと少し練習すれば乗れそうね)
一方通行「ーっと…。…これでいいンか?」
美琴「うん。出来てるじゃないあんた。…ね、途中から私手離してたの気付いた?」
一方通行「………は?」
美琴「ちょうど、あの場所から手離してたのよ」
一方通行「なンで…!?」
美琴「ちゃんと一人で乗れてたわ」
一方通行「マジか…」
美琴「スピード出してた方が安定するから、次はちょっとスピード上げて走ってみましょう」
一方通行「お、おォ…。お前教え方うまいな…」
美琴「あいつはどうだったの?」
一方通行「「気合で」「なんてゆーか、こう…風と一体になった感じで」とかだったな…意味解らなさすぎだろ…」
美琴「あー…まぁ、あいつは自分が自転車に乗れるようになった過程覚えてないもんね…」アハハ
一方通行「とりあえず感覚忘れねェうちにもう一回乗ってみるか…」グッ
美琴「あんたは下見る癖があるからなるべく前を真っ直ぐね」
一方通行「おー…」
フラフラ ガシャーン
美琴「だ、大丈夫?」トテテテ
一方通行「あァ…」
美琴「あんたがこんなにボロボロな姿って、あの時以来かも」クスクス
一方通行「…思い出して笑えるなンて、大したもンだな、お前」
美琴「思い出してむしゃくしゃして、あんたの腹でも蹴れば満足?…ほら、おでこに絆創膏貼ってあげるわ」ペタ ペシン
一方通行「痛っ…」
美琴「不思議よね。殺したい程、ううん。1万31回ズタズタに引き裂いて殺したかった相手に…今こうやって絆創膏貼ってるんだから…」アハハ
一方通行「…………」
美琴「でも、良かった。そんなことしなくて…って今は思えるわ」ポンポン
一方通行「…あっそ…」
美琴「大丈夫。私だけは絶対許さないから」
一方通行「そりゃ、どうも…」
美琴「……………」クスッ
バシンッ
美琴「はい!お喋りはここまで!!この私が講師するからにはビシバシ扱くからね!!ほら!立った立った!!!」バンバンバン
一方通行「痛ッ!!…だっ!…ぐ、がァァァ!!!なンで狙ったように傷口叩きやがンだこのクソアマァァ!!!」
ビリッ
一方通行「ぎゃっ!!?」バチン
美琴「はい、口答えしなーい」ニヤニヤ
一方通行「ク、ソがァ…!」ヨタヨタ
***
さらに1時間後
ノタ
上条「………!」ゴクッ
カラカラ
美琴「………!」ゴクッ
フラフラ ノタノタ
一方通行「………乗、れた…!?」
上条「乗れてる!!自転車乗れてるぞ一方通行!!」
美琴「やった!おめでとう!!一方通行!ちゃんと乗れてるわ!!」パチパチ
一方通行「ォ、…お…!!…やった…!!」キッ
上条「すげーな!!電極入れずに乗ってるだもんな!!やっぱりお前すごいや!!」
美琴「まだちょっとフラフラして危なっかしい部分はあるけど、ちゃんと乗れてたわ!」
一方通行「良かった………。これで、…あいつに教えてやれる…」ガクッ
上条「うぉ、大丈夫か?ほら、杖…」
一方通行「あァ…、ありがとうな、三下、超電磁砲…。助かった…」
上条「お前の努力の賜物だって!ハンデ抱えてるのによく頑張ったよ!」
美琴「さ、今日はもう完全下校時刻近いし帰りましょう。送って行くわ」
一方通行「おォ、さンきゅ…」
上条「気を付けてな!御坂も本当にありがとう!悪いな、遅くまで引き止めちまって」
美琴「う、ううん!き、気にしなくていいわよ!これくらいお安いご用よ!!」アハハハハハ
***
数日後
百合子「結構重装備なんですね。あわわ、黄泉川さんに借りたヘルメットがズレちゃう…」ヨイセヨイセ
一方通行「練習でめちゃめちゃ怪我するからな。打ち止め、救急箱の準備は?」
打ち止め「お任せくださいっ!ってミサカはミサカは救急箱を掲げてみる!!」
百合子「服も今日はジャージ…」
一方通行「素肌出してたら擦り傷だらけになるからな」
打ち止め「ちょっと過保護かも?ってミサカはミサカはニマニマしてみたり」
一方通行「うるせェ。とりあえず試しに漕いでみろ」
百合子「は、はい!…よいしょ。んしょ…」シャキーン
打ち止め「ユリコ頑張れー!ってミサカはミサカは手を振りながら応援してみる」
百合子「いっきまーす!」グッ
ノタ ノタノタ
グラッ
百合子「ひゃっ」
ガシャーン カラカラカラ
百合子「い、いたた…」
一方通行「大丈夫か?」
百合子「はい。思ったより難しいですね」
一方通行「乗り心地は解っただろ?…とりあえずバランスのコツを掴むまで俺が横で押さえててやるからな」
百合子「はいっ!お願いします!」
打ち止め「あなたのことだからユリコが怪我しないようにうまいことやると思ったんだけど…ってミサカはミサカは予想が外れたことに驚いてみたり」
一方通行「怪我はしないに越したことはねェけど、あンま温室で育てるわけにもいかねェだろォが」
打ち止め「そっかー。ユリコが怪我して大慌てで介抱するあなたを妹達は期待してたんだけどー…ってミサカはミサカは残念モードのMNWを励ましてみる」
一方通行「おい」
百合子「あわわ、わー…!」フラフラ
ガシャーン
一方通行「なっ!?俺が横で押さえてるって言っただろォが!なンで勝手に乗ったンだ!?」ダッ
百合子「ご、ごめんなさい。お兄様の迷惑にならないようにしようと思って…。あ…手のひら擦りむいちゃった…」
一方通行「絆創膏ォォォ!!!あー、もー!転ぶンなら俺の見てるとこで転べ!折角寸前でスイッチ入れて衝撃を緩和して………あ」ハッ
打ち止め「聞ーいちゃった♪ やっぱり何かしてたのねってミサカはミサカは過保護なあなたを見てクスクス笑ってみたり~♪」
百合子「お、お兄様?…私、これくらいの怪我なら大丈夫です。ですから…あの、私のせいでバッテリーを消費するのは…勿体無いですし…」
一方通行「…あとでうまく治してやる。…だから今は絆創膏な」ペタ
百合子「はぁい♪」
一方通行「そンじゃ、ハンドル押さえててやるからバランスを取れよ」グイッ
百合子「お、お願いします…」ノタノタ
一方通行「真っ直ぐ前見てろ。下見てると転ぶぞ」
百合子「ひゃい……」プルプル
ノタノタ ノタノタ
百合子「ふは…、結構しんどいかもです…」ハフー
一方通行「コツさえ掴ンじまえば、そのあとはびっくりするくれェ普通に乗れるようになるぜ?」
百合子「はい。頑張ります!」
一方通行「…まァ、お前も運動神経あンまねェもンな」
百合子「えへへ、お兄様とお揃いですから///」テレテレ
一方通行「一切褒めてねェぞ」
百合子「あのあの。お手本見せてほしいです!」
一方通行「!!………わ、かった…」
打ち止め「ファイトー!ってミサカはミサカは頑張り屋さんなあなたを応援してみる。あ、杖持っておくね」
一方通行「ン。頼ンだ」ノソノソ
百合子「えへへー///」ワクワクキラキラ
一方通行(えーと、真っ直ぐ前見て…落ち着け。兄ちゃンとして無様な姿は晒せねェぞ…)ドキドキ
トン
ノタノタ スィーッ
百合子「ほわぁぁぁー…!」キラキラ
一方通行「こ、こンな…感じだ…。なるべく、前を見て…」ドキドキ
百合子「お兄様すごいです!!やっぱりお兄様はすごいです!!よ、よぉーし!私も頑張ります!!」グッ
一方通行「お、おォ!がンばれ…!///」テレッ
百合子「お兄様!またサポートお願いします!!」キラキラ
***
2時間後
ノタ ノタノタ
百合子「はぅ……!」
ノタノタノタ キッ
クルッ
百合子「! !! !!!」キラキラキラキラ
一方通行「…乗れたよ、褒めて褒めて!っていうオーラが出まくってるンな」クスクス
打ち止め「きゃー!ユリコおめでとー!ってミサカはミサカはユリコのとこに走ってみる!」トタタタタ
百合子「み、見ました!?乗れてましたよね!?私、自転車乗れてましたよね!!」キラキラキラキラ
打ち止め「乗れてたー!!ってミサカはミサカはユリコを大絶賛してみたり!」パチパチパチパチ
百合子「お兄様!お兄様っ!!」キラキラキラキラ
一方通行「おめでとォ。ちゃンと乗れてたぞ。ほら、頭出せ。撫でてやンよ」
百合子「えへへー///」スッ
一方通行「よく出来ましたァ」ナデナデ
百合子「お兄様の教え方がすっごく上手だったからですよぅ。ずっとハンドル握っててくれたり、バッテリー消費してまで私を支えてくれて…///」テレテレ
打ち止め「ユリコっ、写真撮ってあげるね!ってミサカはミサカはユリコにカメラを向けてみる!はい、ちーず♪」スチャ
百合子「ピース!」ビシッ
一方通行「ま、これでお前の行動範囲が広まったってことだな。あンまはしゃぎ過ぎて遠くまで行ったりすンなよ?あと、近道と称して路地裏に入ったり
道路に飛び出したり、知らないとこに行ったり…、あと打ち止めと2人乗りとか無茶したり…」
百合子「もう、私そんなに子供じゃないですもんっ」プクー
打ち止め「ミサカだってそんなに子供じゃないもん!ってミサカはミサカはユリコと一緒に頬っぺた膨らませてみる!」プクー
***
数日後
百合子「あれからさらに練習してかなり上手になりました!!」
一方通行「おう。ついに実践の時だな…」
百合子「と、いうわけで今日は自転車でスーパーに買い出し行ってきます!!」ビシッ
一方通行「気を付けろよ。財布持ったか?怪我したとき用の絆創膏は持ったか?ケータイも持ってるよな?」ソワソワ
百合子「全部ばっちりです!あと、頑張れば血が出ても血流操作で応急処置は出来るので安心してください」
一方通行「怪我したらすぐ治してやっからちゃンと言えよ?」
百合子「はいっ!…それでは、…いってきます!」(`・ω・´)ゞ
一方通行「なンかあったらすぐ連絡入れろよ?」
百合子「もう、お兄様ったら…。いつもと同じでお買い物に行くだけですよぉ」クスクス
一方通行「そうなンだけどよォ…。ここ最近はずっとお前と一緒に買い物行ってたからなァ…」
ナデナデ
一方通行「ンァ?」
百合子「百合子はお兄様の妹です」ナデナデ
一方通行「そうだな。いってらっしゃい」
百合子「いってきまーす!」ノシノシ
***
お兄様サイド(inソファ)
チクタクチクタクチクタク
一方通行「…まだ5分…」
チクタクチクタクチクタク
一方通行「…まだ10分…」
チクタク
一方通行「………やべェな。一人は割と暇だ…。病院行ってる時以外はいつもあいつと買い物行ってたしなァ…」
一方通行「あいつ、今は一人で食材選ンでだよなァ…。いつもは一緒に選ンでたのになァ…」
一方通行「今日の夕飯、俺の好物入ってンかなァ…」
チクタクチクタクチクタク
ポテッ(ソファに寝転んだ)
一方通行「……………暇だ…」
一方通行「……あいつ、早く帰ってこねェかなァ…。コーヒー飲みてェ…」
一方通行「まだ、15分かよ…」
一方通行「俺も自転車もう少し練習してみるか…?…いや、うまく曲がれねェし…直線しか進めねェもンなァ…」
一方通行「百合子の練習ン時は、なンとかごまかしたけど…。百合子も元々スペックは高ェし、俺より自転車乗りこなしてるもンなァ…」
一方通行「むしろ足手まといだ…」チッ
一方通行「……暇だ…」
***
百合子サイド(inスーパー)
百合子「うん。いーっぱい練習しただけあって難なく到着出来たし!今日はおいしいものいっぱい作るぞー!」
百合子「えーっと…、今日は和食にしようかな。…お魚…あ、鮭を焼いたらいいかなぁ」
百合子「和食…うーん…チーズとかマヨネーズと一緒に焼いて洋風にしてもいいかなぁ…。どっちにしよう…」
百合子「はぅ…。いつもだったらお兄様と相談出来るのになぁ…」
百合子「………うん。和食にしよう。…お味噌汁に使うお豆腐と…ほかのおかずは何にしよう」
トコトコ
百合子「あ、炊き込みご飯にしようっと!えっと、たけのこたけのこ…。えへへ、お兄様はたけのこご飯好きだもんね」
百合子「おこげはみんなで半分こ~♪」
百合子「………はふ、もしかして…これから毎日一人でお買い物しなきゃダメなのかなぁ…」
百合子「ううん。黄泉川さん芳川さんからいただいた大事なプレゼントなんだからちゃんと使わないと…!」フルフル
百合子「でも、帰り道も一人でお喋り出来ずに帰らなきゃいけないんだよね…」
百合子「お兄様と一緒だと…楽しいんだよね…」
***
1時間後
百合子「ただいま戻りましたー」
一方通行「お、おおおおかえり…」ガタガタッ
百合子「えへへ、ちゃんと自転車に乗れたし荷物乗せてもフラフラしなかったですよ」
一方通行「そ…ォか…」ホッ
百合子「でも…あの…、やっぱり毎日自転車でお買い物はやめようかな…って。折角いただいた自転車なのですが…」ショボン
一方通行「……なンでだ?」
百合子「だって、自転車に乗ったらお兄様の隣で歩けないじゃないですか…。一人でお買い物に行って…一人で選んで…。
いつもお兄様と一緒にご飯のレシピを考えながら…お買い物するのが楽しくて…」
一方通行「………俺も、お前と買い物行ける方が…いいな」
百合子「え?」
一方通行「どーしよォもなく暇だしよォ、心配で仕方ねェからな。一緒に付いて行けば俺の好物も反映出来るし、一石二鳥だろ?
まァ、…簡単に言うとだ…。…お前と買い物するのは、結構好きだからよォ…///」
百合子「えへへ…お兄様も一緒だったんですね///」ニヘラ
一方通行「お前と同じだからな」ナデナデ
百合子「お兄様と一緒にスーパーまで行く時にお喋りしたり、カート押しながらあれがいいこれがいいってお喋りしたり…帰りも袋を持って一緒にお家に帰って…。
私、そういう毎日が好きなんです」
一方通行「まァ、俺がいないときは自転車有効利用してやれ。な?」
百合子「はいっ♪」
自転車編 おしまい
とある日の午後。
百合子「………むにゃ…」トロン
一方通行「起きたか?」
百合子「………あれ…。私、お昼寝しちゃってましたか…?」パチパチ
一方通行「おォ、人の膝の上でぐーすかアホ面下げて寝てたぞ」ククク
百合子「ひゃう!?…ごごご、ごめんなさい。重くなかったですか!?」ガバッ
一方通行「別に。ちょうど湯たんぽ代わりで良かったぜ」
百合子「えへへ、私もお兄様のお膝で寝れたから良い夢が見れた気がします」
一方通行「ふゥン?」
百合子「お兄様と手を繋いでお散歩してるような夢でした」
一方通行「……それは、いつもと変わらねェだろ…。…だったら、今から出掛けるか?昼過ぎたばっかだしよォ」
百合子「はっ、はい!もちろんです!!」
一方通行「ンじゃ、支度すっか」
百合子「えっへへー、お兄様とお出掛け♪」
一方通行「行きたい場所の指定はァ?」
百合子「うーんと…えーっと…あっ!水族館行きたいです!この間打ち止めさんが御坂さんと行って来たっていうとこで…」
一方通行「あァ…。じゃー行くか」
百合子「き、着替えます!おめかしします!ちょ、ちょっと待っててください!」ドタバタ
一方通行「そのままでもいいだろ?」
百合子「だって「デートは精一杯おめかしする!」って言うじゃないですかぁ。あ、こっちとこの服だとどれがいいですか?」
一方通行「………そっち」
百合子「下着は何色がいいですか!?」
一方通行「黒…って下着まで変えなくていいだろォが!…ってここで脱ぐなァァ!!」アタフタ
***
百合子「お兄様とこうやって二人きりで遊びに行くのってすっごく久しぶりな感じします」
一方通行「クリスマス辺りから行ってなかったかもなァ…」
百合子「でも、打ち止めさんと一緒の時が良かったでしょうか…」
一方通行「また一緒に行けばいいだろ。あいつも一回行ってるンだ。今日の話を土産にしてやれ」
百合子「はいっ。…では、今日はお兄様と二人っきりのデートですっ♪」ムギュッ
一方通行「解ったから、腕には引っ付くな。手なら繋いでいいから…」スッ
百合子「えへへ、お兄様は照れ屋さんですもんね」キュッ
一方通行「お前が羞恥心無くて、純真なだけだっつの…。ほら、チケット買うぞ。平日で人いねェから見放題だなァ」トコトコ
百合子「はーい!」
一方通行「学生2枚」
百合子「パンフレットいっぱい…」ガサゴソ
一方通行「ン。…ってなンで一瞬で両手が塞がンだよお前は」
百合子「チラシとかいっぱいあってどれも可愛かったので…」テヘ
一方通行「今はパンフだけにしとけ。ここは広いっていうし。…チラシは帰りだ」
百合子「そ、そうですね。手が塞がったらお兄様と手を繋げないですし…!」
一方通行「そうそう。お前は迷子になりやすいそうだし…」
百合子「ふわぁぁぁぁぁ薄暗くて綺麗ー!!!わー!!水槽あったー!!!綺麗ー!!!」トタタタタタ
一方通行「………」ガクッ
百合子「すごーい!中きれーい!わぁ、ライトも幻想的だし。このお魚さんは何かな?」キャッキャ
百合子「わわ、こっちもいっぱいいるー!」トテテテ
百合子「おー…!キンメダイ…。実はタイの仲間じゃないんだよね。…キンメダイ…。今度煮付けにしようかな…」
百合子「こっちはー…、わわ。なんだろうこれ…面白い形ー!」
百合子「お兄様、お兄様っ」クルッ
ポツン
百合子「……………あれ?」キョロキョロ
百合子「……あれ?」ヒクッ
百合子「い、入口から…もうこんなに離れちゃってたんだ…」アタフタ
百合子「お、お兄様っ?…おにいさまーっ」トコトコ
百合子「えっ、えっ…?」キョロキョロ
百合子「……………………」ポツン
百合子「おにぃ、さまぁー…?」ジワッ
百合子「おにー…しゃまぁ…」ウルウル
一方通行「だァァ!!泣くなっ!!」ペシッ
百合子「ひゃんっ」
一方通行「ったく、お前もまだまだガキだな。お前が展示に夢中な内に追い越して様子伺ってたんだよ。今度は迷子になるなよ?」ギュッ
百合子「あぅ…ごめんなさい…」ショボン
一方通行「ただでさえ薄暗いンだから足元も気を付けろ」
百合子「は、はいっ」
一方通行「しっかし水族館っつーのはこォいう作りになってンだなァ…」マジマジ
百合子「お兄様も水族館初めてですか?」
一方通行「こォいう娯楽系のもン自体ここ1~2年でようやく知ったからな…。はァー、これがオウムガイねェ…」
百合子「あっ、あっちの展示も面白そうですよ。ほら、ジオラマ風になってて…」
一方通行「うォ、なンだよすげェじゃねェか!」トコトコトコトコ
百合子「あっ、お兄様っ!置いてっちゃやですぅー!」トタタタ
一方通行「すげェな。学園都市にゃこンなそれっぽい自然は無かったけどよォ。やっぱ外出りゃこォいう場所もあンだよなァ」
百合子「去年の夏に行ったところは自然がいっぱいで不思議な時間でしたね。えへへ、また学園都市のお外に出てみたいなぁ…///」
一方通行「今度は旅館じゃなくて自分たちでペンションでも借りて、ってか?」
百合子「わぉぉ!アウトドアですね!私寝袋に入ってみたいです!!原っぱの真ん中でお星さま見ながら寝てみたいです!」
一方通行「ダァメだ。野外は危ねェ」
百合子「はぅ…。それじゃぁ、室内で寝袋します」タラコタラコ
一方通行「今年もどっか行くンかねェ?」
百合子「行きたいですね。こうやってお魚見てると私も釣りしてみたくなります」
一方通行「あのヌルヌル動く餌付けなきゃなンねェンだぞ?ハイリスクローリターンじゃねェか」
百合子「ひゃぁぁ、お、思い出しちゃいましたぁ!」アタフタ
一方通行「俺、数日後アレの夢見てうなされたンだよなァ…」
百合子「あっ、あそこにいるのってその時釣ったイワナじゃないですか?」
一方通行「だなァ。あれを海で釣るってンだから三下の不幸っぷりはすげェよなァ…」
百合子「ホントはこんな上流で泳いでいるんですね」
一方通行「こっちにゃカニがいるぜ。カニ」グイグイ
百合子「あっちにハゼがいますよ!」グイグイ
一方通行「先にカニが見てェ」グイグイ
百合子「ハゼ可愛いですよぅ」グイグイ
一方・百合「「…………」」ムムム
一方通行「手、離して好き放題見るか?」
百合子「お、お兄様と一緒じゃなきゃヤです!」
一方通行「解った。ハゼが最初な」
百合子「カニが最初でいいですよ」
一方・百合「「…………」」ムムム
一方・百合 フハッ
一方通行「ひゃは…あははは」ケタケタ
百合子「あはははっ」ケラケラ
一方通行「メンドイから通路の順番通り見ようぜ。あっち行ったりこっち行ったりうろちょろし過ぎだ、俺ら」
百合子「そうですね。ついつい目移りしちゃって…///」エヘヘ
一方通行「大体、展示が面白過ぎンだよ」
百合子「打ち止めさんが興奮気味にお話してくれましたけど、納得です!」キャッキャ
一方通行「確かにこりゃテンション上がるぜ」ウズウズ
***
巨大水槽
百合子「わぁ…、すごーい。何メートルくらいあるのかなぁ…」
一方通行「おー…、なかなかの迫力だなァ…」
百合子「私も培養器がこのくらい大きかったら泳げてたのかなぁ…」
一方通行「お前泳げねェだろ」
百合子「培養器の中だと呼吸、というか…酸素濃度の高い液体なので息苦しくないんです。それに、泳げなくても漂えます!」グッ
一方通行「お前だと千切れた海藻が漂ってる感じだな」ニシシ
百合子「あうぅー!」ポカポカ
一方通行「悪ィ悪ィ。ほら、腕組んでやるから機嫌なおせ」
百合子「お兄様、最近飴と鞭の使い方が上手になってますっ」プンプン ギュッ
一方通行「でもしっかり組むンだな、お前」
百合子「だって、そんなちょっぴり意地悪さんなお兄様も全部全部大好きですもんっ」ニパ
一方通行「そォか…///」プイッ
百合子「えへへ、お兄様だーい好きですっ♪」
一方通行「ほ、ほら…あっちのクラゲ見に行くぞっ///」アタフタ
百合子「はぁい♪」
***
トンネル水槽
一方通行「おー…」見上げ
百合子「わー…」見上げ
一方通行「人間の方が展示されてるみてェだなァ…」見上げ
百合子「あっちにおっきなカメが泳いでますねー」見上げながら歩く
ガッ
百合子「ひゃっ」
一方通行「うォ!?」
ビターン
百合子「いたたた…。ご、ごめんなさいお兄様…。…あっ、んっ///」ビクッ
一方通行「ンァ…?」(押し倒してる百合子の下を見て)
(ちょっとアレなとこに足が入ってて)
一方通行「…………うォあ!!?」ズザザーッ
百合子「ふぇ…?」
一方通行「……悪い…///」プイッ
百合子「わ、私こそ足元見てなくてごめんなさい!お兄様怪我してませんか?」オロオロ
一方通行「あー…クソッ。人いねェのに見られてるみてェだ…///」
百合子「お魚さんいっぱい見てますもんね」
一方通行「…………おい」
百合子「はい?…あぃたっ」デコピン
一方通行「………///」プイッ
百合子「ふぇ?…え?…な、なんですかぁ、急に…」オロオロ
一方通行「お前は純粋過ぎンだよ。…今のは悲鳴のひとつくらい上げて俺を突き飛ばす場面だってェの…」ナデナデ
百合子「お、お兄様を突き飛ばすなんて出来ませんよぅ!」
一方通行「男に押し倒されたら危機感感じろよ…」
百合子「…危険、なんですか?」
一方通行「色々な。お前が知らなくていい危険だ」
百合子「お兄様も、そんな危険なことするんですか?」
一方通行「さァな。俺も男だしするかもなァ?」
百合子「………お兄様なら、いいですよ?」ニパ
一方通行「」ピシッ
百合子「私、お兄様のこと大好きですし、信じてますから。危険なことでもお兄様なら大丈夫で、あぶ、あぶぶぶぶっ」鼻つまみ
一方通行「そーいう言葉は、俺にも、他のヤツにも言うンじゃねェぞ。絶対勘違いするからな…。あとあと面倒なことになンぞ」パッ
百合子「ぷはっ。…お兄様にも言っちゃダメなんですか?」
一方通行「俺には特にだ。そンな危ない壁越えさせンなよ」スタスタ
百合子「あっ、ま…待ってくださいーっ」トタトタトタ
一方通行「純粋過ぎンのも困りもンだなァ…。やれやれ、無垢な妹がいると兄ちゃンは大変だ…」ボソッ
***
百合子「ここは…えっと…ふれあい、コーナー…?」
一方通行「ふれあい…ってこたァ、触れンのか?」
百合子「わぁぁ!あっちの水槽になんかいますー!」
一方通行「ヒトデ…?」
百合子「ヒトデ…」
一方通行「…………お前、触るか?」
百合子「お、お先に…どうぞ…」
一方通行「…………同時に触らないか?」
百合子「…………わ、解りました…」
オソルオソル
一方通行「せーの、だぞ?」
百合子「せーの、です…」
一方通行「せーの!」
ピトピトッ
百合子「ぴゃっ!?………あ、思ったより…ヌルヌルじゃ、ない…?」サワサワ
一方通行「おォ、あ…?………い、意外と…イケる感触だったな…」ペタペタ
百合子「持てるかも…」ヒョイ
一方通行「俺も持てそうだ」ヒョイ
百合子「あ、写真撮ります。お兄様そのままで!」スチャ
一方通行「俺は撮らなくていいだろォが。貸せ。お前を撮ってやる」
百合子「だぁめです。お兄様の写真少ないんですもん。…はい、ちーず♪」
一方通行「………」ムッ
百合子「にぱっ☆」
一方通行「………」
百合子「にぱー☆」
一方通行「………に…」ヒクヒク
パシャ
百合子「えへへ、緊張しないでいつもみたいに自然に笑っていいんですよ?」
一方通行「いつも笑ってねェだろ…」
百合子「ううん。いつも優しく笑ってますよ。私は、そう感じます…」
一方通行「…………カメラ貸せ。撮ってやる」
百合子「はい。お願いします!」ニパ
パシャ
一方通行「ン。…お前は本当にいい笑顔すンなァ…」ニヘ
百合子「カメラ!!」バッ パシャ
一方通行「あ?」
百合子「えへっ。…ほら、お兄様の優しい笑顔です!」ピッ
一方通行「………もっと、凶悪な顔してンだろォが…。今のは気が緩んだだけでまぐれだ」ハァ
百合子「でも、私が笑えるってことはお兄様にも出来るんですよ?…ほら、もっと笑顔です!」フニフニ
一方通行「おまっ、ヒトデ触っひゃ手れ、しゃわンな!」バッ フニフニ
百合子「ひゃ、おにぃひゃまも、手がにゅれて、ちゅめたぁ…!」フニフニ
フニフニフニフニ
フニフニフニフニ
一方通行「…………何してンだ俺ら…」
百合子「笑顔のためのマッサージで、お兄様とふれあい中…?」
一方通行「魚とふれあおうぜ…」ガクッ
百合子「あっちにもお魚いますねー。…サメ?」
一方通行「サメ?サメとふれあえンのか?」
百合子「ちっちゃくて可愛いですね。このサメは温厚みたいです」
一方通行「ふゥン。強暴そうな外見の癖にな」
百合子「サメって温厚な子が多いみたいですよ。人食いザメって言われてる子は少数らしいです。怖いイメージばかり先行しちゃいますもんね」
一方通行「ンじゃ触ってみっか」サワサワ
百合子「私もー♪」サワサワ
一方通行「これがサメ肌ってヤツか…」サワサワ
百合子「本当に大人しいですね。そういえば、打ち止めさんは触れなかったって言ってましたよね」
一方通行「あいつら発電能力者だからなァ。ガラスはそういうのさえぎるけどさすがに直には触れねェンだろォな。
オリジナルなンか三下と来れねェな、きっと。あいつ漏電しまくるし」
百合子「えへへ。御坂さん、いつか当麻さんとちゃんとデート出来るといいですね」
***
帰り道
百合子「イルカも可愛かったですねー!平日はショーが見れないっていうのが残念でしたが…」
一方通行「まァ、それなりに楽しめたな。まだ時間もあるしそこらへんで軽く茶でも飲ン…」
百合子「………」キラキラ
【ケーキバイキング】
一方通行「………入るか?」
百合子「ふぇ、え!?…そ、そんにゃ、お、お夕飯もありますし…!」ジュルリ
一方通行「セーブして食えばいいだろォが。ほら、行くぞ」グイグイ
百合子「い、いいんですか!?…お、お兄様こういうところは苦手なんじゃ…」
一方通行「ちょうど甘いもン食いてェと思ってたンだよ」グイッ
百合子「えへへ///」
一方通行「好きなだけ選べ」
百合子「えっとえーっと!!そ、それでは、このイチゴのいっぱい乗ったケーキと、このタルトと、モンブランと…!!」ハフハフハフハフ!!
一方通行「ンじゃ俺はこの抹茶のシフォンケーキ」
百合子「あぁん!こっちのチーズケーキもおいしそうですー!!」
一方通行「おー、食え食え」
百合子「で、でもお夕飯のためにセーブするので…この3つだけにします!!」グッ
一方通行「…じゃァ俺はチーズケーキも食うか」
百合子「!!」ピクッ
一方通行「半分こ。ってな?」
百合子「えへ、…えへへへ///」ニマニマ
一方通行「会計するから先に席取ってろ。あと、紅茶でいいか?」
百合子「はいっ」トタトタ
一方通行「…甘えられてンのか、俺が甘えてンのか…ってか?」
一方通行「毎日充実し過ぎだろォが…」ヤレヤレ
百合子「お兄様ぁ。ここです!」フリフリ
一方通行「窓際か…。人通り増えてきたな」
百合子「下校時刻ですからね。そろそろここも込み始めるかも…」
一方通行「ン。紅茶」カチャ
百合子「ありがとうございます。では、いただきまーす!!」パクッ
百合子「んん~~~っ///」キラキラキラ
一方通行「んむ…。うン、結構うめェな」モグ
百合子「いちご甘くておいしーぃ♪」
一方通行「ほら、チーズケーキも食え」スッ
百合子「あー、んっ♪」パクッ
一方通行「そォいや、前にお前の作ったレアチーズケーキうまかったな」
百合子「それじゃあ週末に作りますね。あ、お兄様もいちごのケーキどうぞ。はい、あーん」ニパニパ
一方通行「あー…」チラッ
上条 ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
一方通行「」ピシッ
百合子「わ、当麻さんだ!こんにちはー」ノシノシノシノシ
上条 ノシノシ
トコトコトコ
上条「やー、悪いなー。兄妹水入らずでデートしてるとこ邪魔してさー」ニヤニヤ
一方通行「とりあえず、消えろ」カチッ
上条「必殺・幻想殺し!」グッ
一方通行「あァ。すいませェン。手が滑って紅茶がァ」ガチャン
上条「ほぎゃぁぁぁぁ!!!紅茶あっつぅぅぅ!!!」ガタッ
グラッ
百合子「ひゃっ!?」バシャ(水かぶった)
一方通行「あ」
上条「あ」
百合子「あわわ…。…わ、私はお水なので大丈夫です!それより当麻さんヤケドは…」オロオロ
上条「だ、大丈夫だけど…百合子ちゃんの方が大丈夫じゃないというか…///」チラッチラッ
一方通行「ふンっ!!」ガゴン
上条「がふっ!!!」顔面がテーブルに
百合子「あ、あの…」オロオロ
一方通行「俺の上着羽織ってろ」スッ
百合子「い、いえ…私は大丈夫です。それより当麻さんが…」
一方通行「上も下もスケスケなンだよ!!隠せってェの!!///」
百合子「え?………ありゃま…?」スケスケ
一方通行「普段は色気ねェ癖に、こーいう状態になると色気が出るンだなァ?」バサッ
百合子「色気ありますか!?」ワクワク
一方通行「喜ぶな。ほら、タオル…」グシグシ
百合子「うひゃ、くすぐったいですっ」
一方通行「どォする?替えの服買って帰るか?それともこのまますぐ帰るか?」
百合子「今、体温は一定温度保つようにしたので大丈夫ですよ。まだケーキも残ってますし。当麻さんも一緒ですから」
一方通行「あァ、三下のこと忘れてた」グッ
上条「くっ、不幸だ…。折角一方通行の弱みを握ったと思ったのに…。圧倒的暴力でいつも負ける…。不幸だ…!」
百合子「あわわ、おでこ赤くなってますよ?…い、痛いの痛いのとんでけー!」クルクルー
上条(ぐっ!? 立ち上がり俺の前に乗り出した百合子ちゃんの濡れた服から可愛い下着がスケスケで…!!
はっ!!?…だ、ダメだ上条当麻!!今何か言ったり身体を動かせば一方通行にこの薔薇色の視界がバレてしまう!!
ここは、紳士らしくそっと目を閉じて今見た景色を思い返し…)チラッ
一方通行(か・べ・の・し・み・か・く・て・い・な☆)ニパッ
上条「………ははっ」ヒクッ
***
一方通行「はー、すっきりさっぱり」トコトコ
百合子「あれ?お兄様…当麻さんとお手洗い行ったのでは…?…当麻さんは…?」
一方通行「あァ、あいつならタイムセールだっつって裏から帰っていったぜ?」
百合子「あらら…そうでしたか。あまりお話出来なくて残念です。今日の水族館のお話したかったなぁ…」
一方通行「それより、ケーキ食おうぜ。軽く運動した後は糖分摂取だな」
百合子「運動…?…あれ?近くに救急車の音が…」
一方通行「さっき裏通りでケンカがあったらしいなァ。ったく、物騒な世の中だぜ。お前も気を付けろよ」ナデナデ
百合子「はっ、はい!…いざという時のためにすぐ能力展開出来るようにしなきゃっ!」グッ
一方通行「巻き込まれる前に俺が危険を排除するけどな…」モグモグ
百合子「お兄様が助けてくれるなら、安心ですね。…でも、自分で出来るようにしないと…お兄様にあまり負担かけたくないですし…」モグモグ
一方通行「そォかァ?…こーいうのは頼ってくれた方が嬉しいもンだぜ?………ま、頼るには器が足りないって意味なら納得だけどな」ケケケ
百合子「あぅっ、そういう意味じゃないですよぅ。もう、お兄様はすぐ自分を過小評価するんですから…」プクー
一方通行「はいはい。ほら、口開けろ」アーン
百合子「あー…、んぅ。…えへへ、それではさっきは出来なかったので私も、あーんっ♪」
一方通行「あー…」
ピタッ
美琴 ニヤニヤニヤニヤ
黒子 パシャパシャパシャ
一方通行「……………」カチッ
水族館編おしまい。
今日はあまり、気分が良くなかった。
何かに対して怒っていたわけでもなく、ただ…なんとなく。気分が良くなかった。
だからなのだろう。
そういう時に限って、事件は起こるんだ。
ドン
百合子「きゃっ」
垣根「……あぁ?」ドサドサッ
百合子「ご、ごめんなさい!あっ、本が…」バッ
垣根「…………」
垣根(女か。…なーんか気分良くねぇしこの女たぶらかして憂さ晴らしでもすっか)
百合子「本当にごめんなさい、私…よそ見しちゃってて…」ヨセヨセ
垣根「いやいや、俺の方こそごめんな。しっかし、こんな可愛い女の子に怪我させなくて良か…」スッ
垣根(白髪…、この肌の色……、いや…まさか…学園都市は広いしアルビノの一人や二人くらい…)
百合子「んしょ…、これで…全部ですかね?」ニパ
垣根「!!?」ビクッ
百合子「…?…どうされました?」キョトン
垣根(あ、一方通行!!?)
百合子「…もしもーし…?」ヒラヒラ
垣根(な、なんでこいつがこんなとこに!?…いや、それより女!?女装!?そーいう趣味!? いや、それにしたって、あいつだって俺のことは覚えてるはず。
なのに、顔を見てもノーリアクション!? why!?俺もしかして忘れられてる!? いやいや、あんな死闘繰り広げて忘れたってそりゃないぜ!
っていうか、顔はまんま一方通行だが雰囲気は全く違うし、プライドの強ぇあのクソ野郎がこんな穏やかな顔して接してくるなんてありえねぇ!!)
百合子「はっ、もしかしてぶつかったショックで何かストップしちゃいましたか!?…えっと、えっと、お熱は…」スッ ピトッ(手のひらをおでこに)
垣根「うぉ!?」ズザッ
百合子「ひゃっ」
垣根「………あ、あー…お嬢さん…、前にどこかで会ったことあるっけ…?」
百合子「えっ?…えと……ない、…と思いますが…」キョトン
垣根「そっ、そうだよなー!あはははは!」
垣根(他人の空似か!驚かせんなよちくしょうが!)
百合子「あの、…それでご本を…。ごめんなさい、傷とか付いてたら…」オズオズ
垣根「あ、あー…。心配しなくていいって。どーせ一度目に通したらもう読まねー本だし」
百合子「そ、そうですか…。良かった…」ホッ
垣根「俺の方こそぶつかって悪かったな。…そうだ、お詫びにお茶でもどう?奢るよ」
百合子「えっ、で…でも…」オロオロ
垣根「まぁまぁ、ほらあそこの有名店のケーキとかどう?」
百合子「で…でも、人いっぱい並んでますし…」
垣根「大丈夫大丈夫。奥にカフェコーナーがあって、そっちはすぐ入れるんだ」スッ(背中に手を回す)
百合子「あわわ…」オロオロ
垣根「女の子に本を拾わせちゃったし、紳士としてお詫びさせてほしいんだ」ニコッ
百合子「……そ、それでは…お言葉に甘えて…」モジモジ
垣根(どうせならこの一方通行似の女を憂さ晴らしにたっぷり弄んで、ボロ雑巾みてぇにして捨ててやる!)
***
夜
黄泉川宅
百合子「お兄様、デートって…具体的に何をすればいいんでしょうか?先日みたいにお兄様と一緒にお出掛けする感じでいいんですかね?
とりあえず、おめかしはするとして…」
一方通行「…………………………ごめン、もう一回言ってくれ。よく聞こえなかった」
百合子「デートって、何をすればいいんでしょうか?」
一方通行「デートだァァ!? 誰とだ!三下か!?あの一級フラグ建築士今度は何をしやがった!!」ダンッ
百合子「あっ、えっと…当麻さんではなくてですね…」
一方通行「あァ!?三下じゃねェだと!!? じゃァ………あ!」
百合子「う?」
一方通行「最近じゃ女友達同士でも「デート」だとか言うからなァ。超電磁砲やジャッジメントのヤツとどっか遊びに行くンだな?」
百合子「いえ、男性の方に「デートしよう」とお誘いを受けて…」
一方通行「!!!?」
百合子「私も最初は断ったのですが、どうしても…とお願いされて…。あと、行ってみたかった映画館に連れて行ってくれると…」
一方通行「……………どンなヤツだ?」
百合子「えっと…、今日お買い物してるときに道でぶつかってしまって…お詫びということでケーキ屋さんで一緒にお茶をして…。すごく優しい方でした」
一方通行「容姿は?」
百合子「んと…背が高くて、芸能人の方みたいにかっこいい人でした」
一方通行「名前は?」
百合子「名前………あ、…聞き忘れちゃいました…」
一方通行「で、次の会う予定の日は?」
百合子「明日の日曜日11時半に○○駅の時計台の下です」
一方通行「おーけェ。ちょうど俺も映画館に行きたかったとこだ」
百合子「わ、お兄様も一緒に行きますか?」
一方通行「別に「百合子一人で来い」とは言われてなかったよなァ?デートは仲いいヤツらがすることだし、俺と百合子が行ってもおかしくはねェよなァ?」
百合子「わぁい♪ お兄様と一緒に映画♪」ギュッ
***
日曜日
垣根「まだ来てねぇか」
垣根「とりあえず…、話してみたところ結構お嬢様っぽい感じだったし今回のデートで俺に慣れさせて…まぁ、次かその次くらいでキスくらい持っていけんだろ」
垣根「あーいうタイプは結構強引に行くと怖がるからな。時間をかけて俺に惚れさせて…。ま、今日は初期投資ってとこだな」
垣根「雰囲気良いホテルでも連れてきゃすぐヤれんだろ。で、今度は貢がせて適当に遊んで…ま、めんどくなったら路地裏にでも捨てりゃ俺より可愛がってもらえんだろぉよ!」ギャハハ
百合子「あ、いました。こんにちはー♪」トテテテ
垣根「お、来た来た。…やぁ、百合子ちゃん。こんにち…」クルッ
一方通行「………」ニヤァァァァ
垣根「わ」
垣根「わ、ぎゃぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!???????」
百合子「わっ?…ど、どうしましたか?」
垣根「なっ、…なん…なっ…!!?」
百合子「あ、こちらは私の…えと、兄です」ニパ
垣根「兄ぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!??????」
一方通行「どォもォォ…百合子の兄で、学園都市 第 一 位 の! 一方通行でェす。あれェ?どうしたンですかァ?顔色悪いですよォ? 第 二 位 の、垣根帝督くゥン?」ゴゴゴゴゴゴゴ
垣根「なんっで、この場面でテメェが出てくんだぁぁぁ!!!!!!!!他人の空似と無理やり思い込んだ俺に謝れぇぇぇ!!!!!」
一方通行「とりあえず、お前…地面と一体化すンのと、冷蔵庫になンのと、脳みそが分割されて愉快にプカプカ浮くのとどれがいい?」ニタリ
垣根「やめて!俺のトラウマ抉らないで!」
百合子「…も、もしかしてお二人とも…お知り合いですか?」
一方通行「………こいつは、ロクデナシの」
百合子「すごいですっ!」キラキラ
一方通行「はァ?」
百合子「偶然なのにこうやって引き寄せられるなんて、人の絆ってすごいんですね♪」ニパニパ
一方通行「…………」
垣根「…………この子、本当にお前の身内かよ…。すげぇ善人じゃねぇか…」
一方通行「そうだよ、俺たちみてェなクソッタレどもと違う善人中の善人だ。本来なら、お前や俺が会話することすら許されねェくらいの雲の上の存在だよ」チッ
垣根「くそっ、やりずらいな…」
一方通行「言っとくがこいつに手ェ出したら俺がもう一度殺してやる。今度こそ容赦なく、だ」
垣根「ハッ。そんなハイリスク背負うほど俺はバカじゃねーんだよ」
一方通行「だったらさっさとここから失せろ。そして二度と俺らの前に姿現すンじゃねェ」
垣根「ハイハイ。癪だが手を引いてやる。じゃぁな、クソムカつく第一位さんよ」クルッ
キュッ
百合子「あのっ」
垣根「…はぃ?」
百合子「お名前、教えてくださいっ」ニコッ
***
百合子「わぁ!すごーい、人がいっぱい!…お兄様、帝督さんっ、こっちですー!」ブンブン
一方通行「おォ、今行く」
垣根「すぐ行くよー」
「「………こいつを始末してからな」」ボソッ
一方通行「お前、さっさと理由付けて帰れ。手ェ引くンだろォが」
垣根「ばぁか。あんな喜んでるのに、ここで俺がいなくなったら百合子ちゃんが悲しむっつの。元々俺と百合子ちゃんのデートなんだし、お兄さんは帰ってくれませんー?」
一方通行「気安く 俺 の 妹の名前呼ばないでくれませンー?」
垣根「俺のとか、どんだけ独占欲強ぇんだよシスコンも第一位ってか?ぎゃははは!」
一方通行「街でぶつかった女をナンパするほど超絶暇を持て余してる第二位さンは…、おっと冷蔵庫さンでしたねェ」ニヤリ
垣根「ムカついた。…ムカつくぞテメェェェー!!!」
一方通行「それはこっちのセリフだァァァァー!!!」
ギュッ
一方通行・垣根「「!?」」
百合子「ほら、お二人ともっ。早く並ばないとチケット買えなくなっちゃいますよ?」ニパ
一方通行「そ、そォだな!初めての映画なンだしさっさと並ンじまおうな!」
垣根「だ、だな!ほらっ、百合子ちゃんはどの映画観たい?」
百合子「はいっ、あの映画、テレビのCM見て気になってたんです。可愛いくまのぬいぐるみと男の子の話で」
垣根「オーケーオーケー!じゃぁ、並ぼうか!」スッ(肩を抱こうとする)
バシッ
一方通行「……………」クワッ
垣根「………………」
スッ
バシッ
シュッ
バッ
シュシュシュッ
バシッベシッベチンッ
垣根「おい。何、超電磁砲と妹達みてぇなやりとりしてんだよ…つーかマジ痛ぇし…」ヒリヒリ
一方通行「気安く触れンな。百合子が穢れる」
垣根「穢れる(笑) おいおい、お前の妹ちゃんはそんなに聖女なのかよww百合子ちゃんまじ天使ってかww」ケラケラ
一方通行「…………」カチッ
百合子「お兄様、帝督さん…あの、チケットってどうやって買うんですか?…えへへ、初めてだから自分で買ってみたいんです…///」モジモジ
一方通行「どう買えばいいンだよていとくン。教えやがれよていとくン」スッ
垣根「普通に入口で映画のタイトルと希望枚数言えばいいんだよ」ニコッ
百合子「!」キラキラ
百合子「「テディ」1枚、く、ください!」
店員「学生証の提示お願いします」
百合子「ふぇ、え…!?」アタフタ
一方通行「俺も1枚。学生証は俺のでもいいか?こいつ同じ学校の妹なンで。今日忘れちまったンだよ」
店員「んー、まぁ証明なんで大丈夫です。はい、2枚です」
垣根「俺も同じの1枚。ほい、学生証」
店員「はい、どうぞ」
百合子「わぁぁー!」キラキラ
垣根「こーいうのはポップコーンなりジュースなり買ってみるのが一番なんだよなぁ」
一方通行「おー、良かったなー百合子。ていとくンが奢ってくれるってよォ」
百合子「わ、わ!ありがとうございます帝督さん!」ペコッ
垣根「おい第一位」
***
百合子「キャラメル味おいしいー♪」ムグムグ(真ん中)
一方通行「……………」ムスッ(右側)
垣根「俺の黒こしょう味食ってみる?結構スパイシーでイケるぜ?」(左側)
百合子「ありがとうございます。あ、それではキャラメル味もどうぞ」
垣根「お、ありがとガフッ」
一方通行「~♪」(後ろから杖で殴った)
垣根「こ、の…」
ビーーーー
百合子「はっ!?」
一方通行「おー、始まったぞォ。わァー楽しみィー」
百合子「えへへ、どんな映画なのかな♪」
垣根「そういえば、具体的なストーリーって一切告知されてないんだよな。男の子とくまのぬいぐるみが戯れてるだけで…」
百合子「なんだか、ファンタジーで可愛い雰囲気だったのでそういうお話だと思いますよ」
一方通行「百合子、俺にキャラメル味くれ」ムスッ
***
上映15分
『ジョンは本当にそのぬいぐるみが気に入ってるのね』
『もちろんだよママ!亡くなった叔父さんが最後に残してくれたプレゼントだもの!』
一方通行(退屈な話だなァ…。ありきたりの感動話ってとこか…ふわァ…)
『ふふ、はしゃぐのはいいけど、今日はもう寝なさいな』
『うん!さぁ、テディ一緒に寝よう!』
垣根(あー、なんか女子供の好きそうなメルヘン映画だよなぁ…。いや、どっちかってーとガキ向けか…)
『………zzz』
『………ジョン…ジョ、ン…』ガクッガクガクガク
百合子「ふぇ…?」ビクッ
『ジョ、ン…オィシソォ…ジョン!!!…ア、ハハハハハハハハハ!!!!』メゴォッ
一方通行・垣根「「!!?」」ビクゥ!
『オグッ、ア、・・・ガ・・・テ、ディ・・・!!』メキッバキッ ゴキゴキ
一方通行(ちょ、え!?テディ怖ェェえ!?なンだなンだよ!!ホラー映画かよッ!!ガキ泣くンじゃ…はっ!?)バッ
百合子「((((゚д゚;))))!!?!?!!??」ガクブルガクブルガクブル
一方通行「ゆっ、百合子、大丈夫か!?すっげー震えてンぞ!?」ヒソヒソ
百合子「ジョンが…、テディが…・・・あぅ…あうぅ…」ガクブル
垣根「百合子ちゃんっ!映画館出るか?無理しなくていいぜ!?」アタフタ
百合子「はじっ、初めての映画…全部…見ます…えぐっ」プルプル
一方通行「手、手繋いでろ!なっ?…あ、あと怖かったら目閉じてろ!」アタフタ
百合子「ひゃいぃー…」ギューッ
垣根「ほ、ほら、こっちも繋いでていいよ百合子ちゃん」アタフタ
『アヒャ、アヒャハヒャ、ジョン、オイシカッター…デモ、マダ…オナカ、スク、ヨ・・・』ゾルッゾルッゾルッ
百合子「ぴっ!?」ビクンッ
一方通行「だっ、大丈夫だ、ほら、俺がついてるからな!」サスサスサス
垣根「俺もそばにいるから大丈夫だぞ百合子ちゃん!」ナデナデナデ
『あら、ジョン?…寝つけなかっ・・・』クルッ
『ケキャキャキャキャキャーーー!!!』ガブッ ブシャッ ブンッ ベチッ
一方通行「テディやりすぎだァァァァ!!!」
垣根「なんで年齢制限付いてねぇんだぁぁぁー!!!」
『きゃぁああああああ!!!あっ、あぁー!助けてぇ!!だっ、誰かっ、ご、ふっ…』バキッベキベキ ブチッ
百合子「((((((((゚Д゚;))))))))」ガクガクブルブルガタガタブルブル
***
2時間後
百合子「…………」ギューーーーーッ(全力で一方さんに抱き着いてる)
一方通行「ゆ、百合子…、だ、大丈夫か?…ほ、ほら、顔上げろって…」オロオロ
百合子「ふぇ、え……」エグエグ ウルウル
一方通行「あー…目腫れちまったなァ…、ちょっと目瞑ってろ」カチッ
百合子「にゃぃ…」
ナデナデ
一方通行「よし。腫れ取ったぞ。まだつらいとこあるか?」
百合子「マ、マークが…テディに…食べられちゃったとこ…」ガクブル
一方通行「そ、そうだな。あれは悲しかったな。結局マークはテディを見捨てちまったからな…。心通じ合えたと思ったのにな」ナデナデ
一方通行(おいっ、お前が映画なンて誘うからこンなことになったンだぞ!!責任取って百合子を笑わせろよ!!)
垣根(はぁぁ!?そりゃ誘ったのは俺だけど選んだのは百合子ちゃ…)
一方通行(あァ!!?)ギロッ
垣根「か、垣根帝督、一発芸しまーす…」
百合子「ふぇ…?」グスッ
垣根「垣根エンジェル!!」ブワサァァ!!
キラキラ
パタパタ
一方通行「うわァ…」
百合子「……………わ、わぁぁ!!綺麗っ!!!」パァァ
一方通行「嘘ォ!?」
百合子「す、すごぉい!!帝督さんすごいです!!」パチパチパチ
垣根「そ、そうか…?///」テレッ
百合子「帝督さんは天使になれる能力者さんなんですか!?す、素敵です!!」
垣根「いや、そういうワケじゃないんだけど…。…あ、それなら百合子ちゃんちょっと後ろ向いてくれないか?」
百合子「はい?」クルッ
一方通行「気安くこいつに触るンじゃねェよ…」ムスッ
垣根「はいはい。本当に天使になっちゃう俺よりメルヘンなお兄さんっ」スッ
フワッ
百合子「………?」
一方通行「!!?///」ピクッ
垣根「百合子ちゃん、鏡見てみ?」
百合子「かが…み――…、……わ、わぁぁ私にも帝督さんと同じ羽が生えてるっ!?」フワフワ
垣根「俺の能力は噛み砕いて言えばこの世界に存在しない物質を作るっていう能力なんだよ」
一方通行「ワケわかンねェ能力ゥ…」ムカムカ
百合子「お兄様っ!見てください!本物、本物の羽ですよ!!ど、どうですか!?///」キャッキャ
一方通行「………別に…。似合ってンじゃねェの?」ムーッ
百合子「…?…お兄様…?」キョトン
一方通行「なンでもねェよ。つーか、それ付けて歩くのか?」
百合子「あっ、それもそうですね…。でも、どうしよう…。折角付けていただいたのに…」
垣根「それなら、羽根一つだけアクセサリーにしてやるよ」パッ
百合子「わ、わぁ!髪飾りに羽根が生えた♪ すごいですね!手品みたい!」
一方通行「………」イライラ
百合子「お兄様お兄様っ。ほら、ふわふわの羽根がすっごく可愛いです!」ニパ
一方通行「………ン。そォ、だな…」ナデナデ
百合子「えへへ///」
一方通行「…………」ムスッ ナデナデ
垣根(こいつ………)
百合子「帝督さんっ。次はどこに行くんですか?」ワクワク
垣根「あっ?…えーと…ゲーセン。定番だろ?」
百合子「あ、あのすごい音がするところですか…?」
垣根「苦手だったかな?」
一方通行「前に連れて行ってもらったことあったけど、音がうるせーンだよ。地下街だろ?」
垣根「あー、そっちはダメか…。…だったら、そこまでうるさくなくて百合子ちゃんが気に入りそうなところに行くか…」
百合子「ご、ごめんなさい…。なんだかご迷惑ばかりおかけして…」シュン
一方通行「お前が気にすることねェよ。こいつの提案が自分善がりなだけだ」ヨシヨシ
垣根「おい」
百合子「あ、あの…気に入りそう…というのは…どういう…?」
垣根「それは、まー…着いてのお楽しみだなっ」ニッ
***
ゲームセンター
百合子「わぁー…ぬいぐるみがいっぱい…!!」キラキラ
垣根「ここはクレーンゲームが多いから女子高生とかに人気なんだよ。百合子ちゃんぬいぐるみ好きそうだしさ」
百合子「は、はいっ!好きです!!…わぁぁー、すごーい!私、クレーンゲームってやったことなかったんです!」
垣根「俺が奢るから好きなだけ遊びな。ほら、小銭」ジャラジャラ
百合子「わわわ、そんな!悪いですよ!…わ、私お小遣いもらってるのでそれでやります!あ、両替機…!」トテトテ
一方通行「お、俺がゲーム用の金や、る………」←カードしか入ってない
垣根「おやおや、第一位様は現金を持たない主義で?」ニヤニヤ
一方通行「ぐっ…、あ、生憎第二位とは違って汚く金をばら撒かない主義でねェ?」ギギギ
垣根「ムカついた。それ言ったらテメェは金自体がどろっどろに汚れてんだろぉが?」ハッ
一方通行「おいおい、俺より暗部に長くいたお前にそれ言えンのかァ?…つーかよォ、お前は金で女と遊ぶくらいだろォが?
ハン、女くらい金じゃなくて実力でゲットしてみろってンだ。…あァ、それが出来ないからお金ばら撒いてるンでしたねェ?」ニヤッ
垣根「あぁ?…実力で欲しい程の女がいねぇだけだっつの。適当にちゃらちゃら遊んでー?夜は適当にホテル行ってー?
あとは後腐れなく捨てられる女ってのが便利なんだよなー。あー、第一位様はそこんとこわっかんねぇかー。『童貞』だしなぁ?」
一方通行「なっ!?だっ、誰が童貞だァァ!!勝手に決めつけてンじゃねェぞ格下ァァ!!」
垣根「お前のコミュ力の無さくらい知ってんだよ。昔は毎日研究所に入り浸るか自宅と研究所の往復ばっかだろぉ?しかもお前みたいな無愛想で人を寄せ付けない
悪人面で女が寄ってくるわけねぇだろ。しかも、こんな細くてひょろっひょろのもやしボディで女が抱けるかっつの!」ギャハハハ
一方通行「もやし言うンじゃねェェェ!!!…だっ、大体女なンかめンどくさいだけだろォが!何考えてるか解ンねェし!」
垣根「その発言するってこたぁやっぱ童貞か」プププー
一方通行「フザけンなァァ!!決めつけてンじゃねェぞゴルァ!!」
垣根「童貞じゃないなら誰とヤってンだよ。………え、まさか打ち止めと?…うわー…幼女に手ェ出したのが第一位とかレベル5の面汚しだろ…うわー…」
一方通行「手ェ出すかァァァ!!!!つーかガキなンか興味ねェよ!!」ダンダンダン
垣根「は?…じゃぁ…まさかお前…百合子ちゃんに…?」ドン引き
一方通行「なっ!?///」ボンッ
垣根「えっ?なんだよ、その反応…?…え、まさかガチで…」スススッ(←遠ざかる距離)
一方通行「するかァァ!!もっとありえねェよ!!お前どンだけ俺を異常性倒錯者に仕立てあげてェンだよっ!!!///」
垣根「あー…じゃぁやっぱ童貞じゃねぇかよ」
一方通行「ゥぐ…。…あァ、もう…変な疑惑かけられンだったら童貞の方がまだマシだ…」ガクッ
百合子「おにーさまっ♪ …あれ?…どうしたんですか?」オロオロ
一方通行「なンつーか、男としてのプライドを少し傷つけられたわ…」
百合子「?」
垣根「百合子ちゃん、クレーンゲームのやり方は解るかな?」
百合子「いいえ、お金を入れてクレーンを動かして景品を取る。ということは解るのですが…具体的には…」
垣根「それじゃー俺が見本見せてやるよ。ほら、何か気になる景品とかあるか?」
百合子「んと…」キョロキョロ
一方通行「あれとかお前好みじゃね?」
百合子「わっ、白いウサギさんですね!帝督さん、これが気になります!」
垣根「おっけー。では、まずお金をいれます」チャリチャリン
百合子「ふむふむ!」キラキラ ワクワク
垣根「このボタンで横移動、こっちで縦移動な。ものによってはボタン離したら固定されちまうのもあるから気を付けてくれ」
百合子「ふぉぉ…!」ベッタリ
垣根「で、うまく掴める位置に持っていって…」ポチッ
百合子「わぁぁ…!!」ベター
一方通行「百合子、ガラスにへばり付くな。すっげー不細工になってンぞ」
百合子「でもでも!すごいですよ!…ふぉ、ふぉぉぉ!!持ちあがってるぅぅぅ!!」キラキラキラ
カタン
垣根「はい、どうぞ」
百合子「い、いただいて…いいんですか?」
垣根「もちろん。百合子ちゃんのために取ったんだしな」
百合子「あ、ありがとうございますっ!!大事にしますっ!」ニパ
一方通行「…………金、下ろしてくる」ムスッ
***
垣根「そうそう。で、思ったよりアームは弱いから上手に脇に滑らせて…」
百合子「この辺、かなっ?」ポチッ
ミョーンミョーン スルッ
百合子「あーん…」ションボリ
垣根「本当はこうやってこまめに位置をズラして落としていくもんだって」
百合子「でも、さっきよりちょっと前に進みましたね。あと2~3回くらいすれば落ちるかもです!」
垣根「そうだな。ほら、今ので背中が出たから後ろから押す感じでやれば…」
一方通行「百合子」
百合子「ふぇ?…わっ」ドサッ
一方通行「やる」
百合子「こ、これ全部お兄様が取ったんですか!?」(10個くらいのぬいぐるみ)
一方通行「おォ。俺が全部取った」
百合子「わぁ!やっぱりお兄様はすごいですっ!!あ、ありがとうございます!!えへへ、今日はこのぬいぐるみさんたちと一緒に寝ようっと♪」キラキラ
一方通行「………///」テレッ
ガシッ
垣根「おーい、第一位」
垣根「お前、能力使っただろ」ニコニコ ボソッ
一方通行「な、なンのことかなァ…」プイッ
垣根「能力使用禁止って張り紙も書いてあるだろぉが!常識知らずめ!」
一方通行「お前が常識語るンじゃねェよ。常識の通用しない第二位さンー?」
垣根「だったらお前は常識知らずの世間知らずだ!」
一方通行「能力なンざ使ってなンぼだろォが!!」
百合子「お、お兄様…能力使ってぬいぐるみさん取ったんですか?」オロ・・・
一方通行「え…あ…。…えーと…」
百合子「あの、…それはダメって書いてありますし…。ズルしちゃダメだと思います…」シュン
一方通行「ァ…う…」モゴモゴ
百合子「残念ですが、このぬいぐるみさんは店員さんにお返ししましょう。それで、また能力を使わないで取りましょう。ねっ?」
一方通行「………悪、かった…」ショボン
垣根「あー、その…なんだ…?…俺が、全部取ってやるよ…」
百合子「はい、ありがとうございます。…えへへ、帝督さんは本当にお優しいんですね///」ニコ
垣根「ははは、まぁな」
一方通行「…………なンだよ…」ボソッ
トテトテテ
百合子「店員さんにお返ししてきました。取りやすいようにセッティングしてくれるみたいなので練習しながら取りましょうっ♪」
垣根「お、そりゃありがたいな。ほら、お前も教えてやるからこっち来い」
百合子「帝督さん、教え方すごく上手なのですぐ取れるようになると思いますよ」グイグイ
パシッ
百合子「え…?」
一方通行「………俺、先帰るわ…」クルッ
百合子「お兄様…?」キュッ(袖の裾掴む)
バッ
百合子「いたっ…」
一方通行「元々はお前とそいつのデートだろォが。俺は最初っから邪魔だったンだよ。せェぜェそいつと仲良く遊ぶこった」スタスタ
百合子「ま、待ってくださいお兄」
一方通行「付いてくンなッ!!!」
百合子「っ」ビク
カツカツカツカツ
百合子「………おにい、さま…?」
垣根(ガキかよ…)ハァ
垣根「あ、あー…、百合子ちゃん?」ポン
ポロ
ポタポタポタポタ
百合子「お兄様ぁ…」グスッ
垣根「うぉ!?」
百合子「おにい、さま…お兄様ぁ…ふぇ、えっ…えぐっ、…わ、わた…私っ…、お兄様に…ふぇ、ふぇぇぇええーんっ…!」グスグスッ
垣根「と、とりあえず奥のベンチに行こう、なっ?」アセアセ
***
垣根「百合子ちゃん、何飲みたい?」
百合子「あの、…そのお紅茶で…っ」メソメソ
垣根「午後ティーのミルク?」
百合子「はい…」
ピッ
ガタン
垣根「まぁ、落ち着けって…」ポンポン
百合子「ごめんなさい…。帝督さんは関係ないのにご迷惑おかけしてしまって…」グスッ
垣根「あー…、えーっと…たぶん、俺も関係あるわ…」ポリポリ
百合子「どうして…ですか?…お兄様が怒ったのはきっと…私が、お兄様の気持ちも解らずに取ってくれた景品たちを全部返してしまったからで…」
垣根「いや、それは百合子ちゃんが正しいよ。そうじゃなくて、百合子ちゃんが俺と仲良くしてたから…あいつはそれが嫌だったんだろーな…」
百合子「でも…他の人と仲良くしてても…お兄様はあんなに怒りませんよ…?」
垣根「あー、それは相手が友達だったからじゃねぇの?」
百合子「帝督さんはお友達じゃないんですか…?」
垣根「あっははは。…そうだな、友達なんかじゃねぇな。……殺し合いするくらいの仲だな」
百合子「………帝督さんも…、暗部の方なんですか?」
垣根「ん。俺は現役。…暗部の存在は知ってるのかな?」
百合子「ちょっとだけです。…お兄様は私に、そういう闇の部分は見てほしくないと思ってるので、私もあまり知ろうとも思いません」
垣根「それは、懸命な判断だな。俺も百合子ちゃんには学園都市の暗い部分とか世の中の暗い部分は知らないでいてほしいと思う」
百合子「えへへ…、帝督さんもそう仰るのでしたら私はこのままでいます。そうやって、みなさんに大事にしていただけるのは、嬉しいですし…」
垣根「で、話を戻すと…俺は第一位とは友達じゃなくてもっとこう、殺伐とした間柄なんだよ。だから、そんな俺と百合子ちゃんが仲良くしてるのが
気に入らないんだろうな。俺みたいなヤツに百合子ちゃんを取られるのがいやなんだ。嫉妬してんだよ」
百合子「…私は…ずっとお兄様のお傍にいたいです。…お兄様と一緒にいたいです。…そう思っていても、ダメなんですかね…」
垣根「あいつがガキなんだよ。…それに比べて百合子ちゃんは偉いよな。内面の包容力が違うっつーか…」
百合子「…嫉妬する感情が欠落してるのかもしれませんね…。お兄様は「人間」ですから…」
垣根「そうか?…あいつよりずっと大人だと思うけどな。あいつの溺愛ぶりを見るからに百合子ちゃんに手をあげたことなんかなさそうだし…。
それで、急に声を荒げられて、こんなに百合子ちゃんは傷付いてるのに、それでもあいつの傍にいたいって思うのはすげーよ」
百合子「私には、お兄様しかいませんから…。お兄様に…嫌われてしまったら…私に存在価値はありません。
お兄様が私なんかと一緒にいたいと、そう思ってくださっている間だけ私は生きていられるんです…」
垣根「………あのさ、…ちょっと引っかかってたんだけどな…。百合子ちゃんて…あいつの…」
百合子「はい…。お兄様の、体細胞クローンです」
垣根「やっぱな」
百合子「お兄様は私を「妹」として、一人の「人間」として見てくださって…それだけで…クローンの身には勿体無いくらい愛していただきました…」
垣根「…百合子ちゃんさ、自覚が足りないんだな」
百合子「自覚、ですか?」
垣根「あの第一位がこんだけ溺愛してるヤツなんて他に最終信号、…打ち止めっつった方がいいか。まぁ、打ち止めくらいしかいないぜ。
百合子ちゃんも、あいつの不器用具合はよく解ってるだろ?…だからさ、そんだけ百合子ちゃんはすごいんだよ」
百合子「??? …私、すごいんですか…?」
垣根「おー、すごいすごい!何よりあの複雑怪奇な第一位のことを信じてんのがすごい!」
百合子「……///」テレッ
垣根「だから、百合子ちゃんはもっと自分のすごさを解るべきなんだよ。あの第一位があんなに嫉妬するくらい愛されてるんだぜ?」
百合子「嫉妬…って愛なんですか?」
垣根「愛だね。百合子ちゃんを取られたくない。つまり、百合子ちゃんをずっと傍に置いておきたいっていうことだからさ」
百合子「私、お兄様に…嫌われてませんか…?」
垣根「ないないない」
百合子「でも、さっき…怒られて…」
垣根「あれは、八つ当たりだろうな。今頃あいつも反省してるだろうよ。その時は許してやればいいさ」
百合子「そっか…」トロン
垣根(って、第一位をフォローしまくんぞ俺…。…何してんだか…。まぁ、なんとなくこの子が悲しい顔してるのを見たくないっつーか…)
コテン (垣根の身体に身を預ける百合子)
垣根「んぉ?」
百合子「あ、…ごめんなさい…なんだか、ちょっと落ち着いたら、眠くなっちゃって…。えへへ、昨日来ていくお洋服ずっと選んでたから…」ウトウト
垣根「寝てな。寝不足は美容の敵だ」
百合子「ふふ、そうですね。……でも、お兄様にお会いしないと…。お兄様に信じてもらえない行動をした私が悪いんです。
だから、ごめんなさいして…ずっとお兄様のお傍にいると伝えて…お兄様を安心させてあげないといけないんです…」
垣根「………正直、羨ましいって思っちまったよ」
百合子「え?」
垣根「俺ってさ、普段から人を信じないし、人を利用することしか考えてないからさ…。百合子ちゃんと第一位が正直羨ましい。ムカつくけどな。
力の差も、順位も、…何一つ俺はあいつを越えられてないっつーのが…さ」
百合子「帝督さんは…なんだかお兄様に似ていますね。大丈夫ですよ。帝督さんが素敵な人だということ…私が知っていますから。
安心してください。私で良ければ帝督さんが必要と思った時、お傍にいますよ」ニコ
垣根「………/// ゆ、百合子ちゃんは寝てな!その間に俺が第一位を呼んでくるからさ!///」アタフタ
***
カツカツカツ・・・
カツ・・・
ゴンッ!! (壁に頭をぶつける)
一方通行「あァァァァァァーーーーーーー!!!!!!!!うあァァああああああああーーーーーー!!!!」
ガンゴンガンガンガンガンゴン!!!
一方通行(やべェ。最高にヤバすぎンだろォ…!!)
百合子『いたっ…』
一方通行『付いてくンなッ!!!』
百合子『っ』ビク
一方通行「あああああああああーーーーーーーー!!!!!」ガンガンガンガン
一方通行(なンであそこで百合子に当たっちまうンだよ俺のクソッタレがァァ!!!あいつは誰にでも優しい善人だから、誰にでも平等に優しいから…!!)
一方通行「………………」
一方通行「……くそっ、俺は特別扱いでも望ンでンのかよ…。あいつと一緒にいられるだけでも幸運なのによォ…」クククッ
一方通行「大体、あの野郎が…百合子に慣れなれしくしてンのが…」イライラ
一方通行「何がクレーンゲームだよ。…どうせ、俺は普通の遊びなンか知らねェよ…」ムカムカ
コツン
一方通行「はァ…。…あいつ、今頃泣いてるかもな…。…俺が、泣かせたンだよな…」ショボン
一方通行「そもそもあいつがことあるごとに百合子に触れて…、百合子も心許しまくってて…あンな…楽しそうに…」ムカムカムカ
ガンッ!!!
男子学生「ひっ!?」ビクッ
一方通行「あァ?」ギロッ
男子学生「えっ、え…えー…えっと…」ビクビク
一方通行「なァに見てンだよ三下ァァ!!!」
男子学生「ひぃぃぃ!!?」ガクブル
一方通行「俺さァ、今すっげェムシャクシャしてンの。解るゥ?」ヒタヒタヒタ・・・
男子学生「す、すいませんすいませんすいません!!!」
一方通行「だったら今すぐ消え失せ」
ドガッ
ズザーッ
男子学生「あ…、え…?」ポカン
美琴「ったく、結局変わらないのね。あんたのこと、過大評価してたのかしら?」フゥ
一方通行「うっぐ…、脇腹に飛び蹴りたァ…いい度胸じゃねェか…!」ズキズキズキ
美琴「ほら、今のうちにこいつから離れなさい。私は知り合いだから大丈夫。通報もしなくていいからね」ヒラヒラ
男子学生「ひゃ、ひゃっはい!!?」ダダダダダダ
ダダダダダダタタタタタタ...
美琴「で、何一般人に八つ当たりしてんのよ。らしくないわね」
一方通行「うっせェよ。お前もさっさと目の前から消えろ…」プイッ
美琴「あらら、ご機嫌斜め? どうしたのよ。ついに百合子に愛想尽かされた?」プププ
一方通行「……………」orz
美琴「え?…なに…?図星?」
一方通行「正直、嫌われててもおかしくねェよなァ…アハハハハハ」カタカタカタ
美琴「いや、…え?…意味解らないんだけど…」
一方通行「おい笑えよォ、超電磁砲。あははははは、俺って最ッ低だよなァ…あはははは………はァ…」ガクッ
美琴「いやいや、百合子があんたのこと嫌いになるなんて、ないないない。ありえない。あんたが実験を再開させるとか言い出すよりありえない」
一方通行「そう言い切れるか?ホントにか?」
美琴「あんたはどう思うのよ?百合子があんたに「嫌い」って言うと思う?」
一方通行「嫌い………」
百合子『お兄様のバカぁ!大嫌いですっ!!もう、私の目の前に現れないでくださいっ!!』
百合子『私、これからは帝督さんと一緒に生活するんです。これからは二人で素敵な家庭を築いていきます』
一方通行「うぎゃァァァァァァァァァーーーーーー!!!!!」ガンガンガンガンガン ←顔ドラム
美琴「ちょ、ちょっと…!落ち着きなさいってば」ヨシヨシヨシ
一方通行「垣根殺す。絶対殺す…!」
美琴「あんたって本当に百合子大好きよね。で、垣根って第二位の垣根帝督?そいつがどうしたの?」
一方通行「あいつが…、百合子をデートに誘いやがって…。百合子に手を出さねェように俺も行って今日一日3人で遊ンでたンだよ」
美琴「へぇ?」
美琴「それで嫉妬してイライラしてたんだ?」
一方通行「しっ…!?…俺が? 誰に? 嫉妬?」
美琴「だから、百合子と遊んでる垣根帝督に対して嫉妬してるんでしょ。そんなにイライラしてるんだもの」
一方通行「……………」
美琴「でも、手の早いあんたが垣根帝督とケンカしてないだけ成長よね。我慢しなさいよ。百合子はあんた以外の人のとこ行かないんだから」
一方通行「…………ケンカ…ねェ…」ハハハ
美琴「あー…もうすでにしたあと?」
一方通行「…………なンつーか…百合子がよォ…。………あいつにニコニコしてンの見てたら…ムカついて…」ボソボソ
美琴「…………あんた…まさか、百合子に当たったの…?」
一方通行「………」コクン
美琴「……サイテー…」
一方通行「知ってる…。痛いほど知ってる…」
美琴「だったら、今すぐに百合子のところへ行って謝って来なさいよ」
一方通行「…ンで、二度と近寄るなって言われたら?」
美琴「怖いの?」
一方通行「怖いに決まってンだろォが…クソッ」
美琴「そっかそっか。怖いもの知らずの第一位が一番怖いのは百合子かぁ」ウフフ
一方通行「お前も知ってンだろ。あいつ、怒るとめちゃくちゃ怖ェぞ…!」クワッ
美琴「それってあんたが怒られるようなことばっかするからでしょ。で、あんたは怒られるのが怖いの?嫌われるのが怖いの?」
一方通行「…嫌われンの…」
美琴「百合子のこと信じてるんじゃないの?嘘だったの?」
一方通行「……嘘じゃ、ねェけどよォ…」
美琴「あー、もー!なんか煮え切らない!とにかく、百合子の傍にいてやりなさいっ!」
一方通行「えー…」
美琴「あんたさぁ、気付いてる?…今、百合子と垣根帝督は二人っきりよ?」
一方通行「!!?」ガタッ
美琴「百合子に当たったってことは百合子は今、ものすごく傷付いてる。泣いてるかもしれない。そこにいるのは垣根帝督なのよ?」
一方通行「ぎゃああああああ!!!!!」
美琴「事の深刻さに気付いたなら早く百合子のとこに行ってちゃんと謝って謝って謝ってきなさい!」ベシッ
一方通行「なンて、謝りゃいいンだよ…」オロオロ
美琴「自分で考えなさい。ほら!さっさと行けッ!」ビリッ
一方通行「痛ッ!ンだよこの暴力女ッ!!お前そンなンだから三下にも「あーこいつ俺のこと嫌いなンだなァ」としか思われねェンだぞ!」
美琴「なっ!? うっ、うっさいわね!今はそれどころじゃないでしょぉ!!さっさと行け女泣かせ!バカ!もやしぃ!!///」アタフタ
一方通行「もやし言うなァァァ!!!」
トタタタタ
美琴「…………だ、だって…どうやって接したらいいか…まだよく解らないんだもんっ…///」
***
ゲームセンター
一方通行「はっ…はァ……はァー…、いねェし…」ゼーハーゼーハー
一方通行「あのっ…、俺と同じ顔したこンくらいのスカート穿いてた子と、ホスト気取りのちゃらちゃらした気持ち悪ィ男知りませンー?」
店員「はぁ…、少し前まであそこのベンチに座ってましたが…男性の方が女性の方を抱っこして出ていきましたよ」
一方通行「抱っこォォ!?」
店員「女性の方は寝ていたようで…男性が連れて行きました」
一方通行「ど、どこに!?」
店員「す、すみません、そこまでは………お客様?」
一方通行「くか、…く……」カタカタ
店員「!?」ビクッ
一方通行「ぎゃはははははははは!!!やりやがったなあのクソ野郎がァァァァ!!!!!殺す!!ぜってェ殺すっ!!」
pipipipipipi
一方通行「電話……百合子からか!?…も、もしもし!!?」
垣根『よー、第一位』
一方通行「 死 ね 」
垣根『まぁまぁ。今えーっと、●●ホテルの入口にいっから。早く来ないとディナータイム始まっちまうぜー?』
ツーツーツー
一方通行「ホテルだァ?…ディナータイムだァ?……飯にはまだまだ早い時間……はっ!?」
(官能的なBGMと色合いでお楽しみください)
百合子『やっ、帝督さん…ダメですっ…』
垣根『大丈夫だよ、優しくするからさ』ギシッ
百合子「ほ、本当ですか?」
垣根『だから、俺に身をゆだねてごらん…』キリッ
百合子『は、はい…///』ウットリ
一方通行「…………」ブッチン
店員「あの、お、…お客様…?」
ゴウッ
店員「わぷっ」
店員「………あれ…?消えた…?」
***
●●ホテル前
垣根「さーて、そろそろ来るこ」
一方通行「垣根ェェェェァァァァあああああああああああああ!!!!!!!!」ゴォッ
垣根「おいおい、どっから持ってきたそのトラック?そんな上空から投げて大丈夫かよ?」クククッ
一方通行「黙れッ!!」ブンッ
垣根「お前も無意味だって解ってんだろ?」バサッ
ドゴォォォォン!!!
垣根「ったく、ホテルの前にこんな粗大ごみ作りやがって。ちゃんと片付けろよ」
スタッ
カツカツカツ
ガッ(襟元掴んだ)
一方通行「百合子に何をした!?」
垣根「…くっはは!」ケラケラ
一方通行「何したっつってンだよ!!!!」
垣根「何もしてねぇよ。疲れて寝ちまったからホテルで休ませてるだけだっつの」
一方通行「ディ、ディナータイムってのは…?」
垣根「ホテルのディナーのビュッフェ。なんか休憩だけのつもりだったんだけど休憩だけじゃ貸してくれなくて一泊にしたら付いてた。
ま、適当に食って帰っていいぜ? ここ、高級ホテルだし味はなかなかのもんだぜ? あ、これルームキーな」チャラ
一方通行「え?…あ…?」
垣根「で、お前百合子ちゃんに誠心誠意こめて頭下げんだよな?」
一方通行「………」コクン
垣根「あんないい子あんま泣かせんじゃねーぞムカつき野郎」
一方通行「うるせェ…」プイッ
垣根「まー泣かせまくったら俺が横から奪ってやるけどな。実力で」
一方通行「………は、…はァァ!!? おま、それ、どういう――!?」バッ
バサバサバサ
一方通行「…………ふ、フッザケンなァァァァァ!!!!!お前なンかに百合子は絶対ェ渡さねェ!!!!!」
バサバサバサ・・・
一方通行「…はァ…?…なンなンだ…あいつ…?ワケわかンねェ…」テクテク
inホテル
一方通行「…6401…、ここか…」
ピッ
一方通行「…………」コンコン
コンコン
キィ
一方通行「ゆ…ゆりこォ…?」ドキドキ
トテトテ
一方通行「ゆーりこォ…?」ドキドキ
トテトテ
ト
一方通行「ンァ?」
百合子「zzz」
一方通行「そ、そうか…寝てたンだっけか…」ホッ
百合子「むにゃ…」
一方通行「またこりゃすごい豪華なベッドで寝てやがンな」ククク
百合子「zzz」
ギシッ
一方通行「まだ、起きるンじゃねェぞ…」スッ
百合子「ふぁ?」パチッ
一方通行「!」ピタッ
百合子「………おにぃ、さまぁ…?」トローン
一方通行「あ、あー…えーっと…」
百合子「えへへー、おにぃさまだぁー」ギューッ
一方通行「ちょ、お…!」
ドサッ
百合子「起きたら、おにーさまのお顔が目の前で、幸せー…」ムニャムニャ
一方通行「………じゃなくて!!」ガバッ
百合子「ふぇ…?」キョトン
一方通行「………あの、…その…なンだ…なンつーか…、悪かった…」ゴニョゴニョ
百合子「…?」ウトウト
一方通行「だから…えーっと………。………って、おい!二度寝すンな!」
百合子「ひゃいっ、あ、ね、寝てましぇんよ!」アセアセ
一方通行「お前も寝起き弱いからなァ…」ナデナデ
百合子「えへへ、お兄様と一緒ですから…///」
一方通行「そォだな………!」ハッ
百合子「……………」
一方通行「……………」
百合子「………」シュン
一方通行(やべェ気まずい。何か、言わねェと…とりあえず謝って…)
一方通行・百合子「「あ、あの…ごめン」なさい」
一方通行・百合子「「え?」」
一方通行・百合子「「あ、お先にどうぞ」」
一方通行・百合子「「……………」」シーン
一方通行(やべェェェェ!!!!超!!気まずいッ!!いや、謝れ!俺!!)
一方通行「百合子ッ!」グイッ
百合子「ひゃっ、はひゃい、ひゃ、はいっ!!?」ビクッ
一方通行「ごめン!!俺が悪かった!!本当にすまなかった!!もうあンな態度は絶対取らねェ!もうお前をあンな風に突き離さない!絶対にだ!」
百合子「えっ…えと…、あの…謝るのは私の方です…。ずっとお兄様のお傍にいると誓ったのに、お兄様を不安にさせてしまうようなことをして…」
一方通行「いや、悪いのは全部俺だし…」
百合子「違います。私です…」
一方通行・百合子「「???」」キョトン
一方通行「いや、俺が…その、お前が垣根と仲良さそうにしてンの見てたらなンつーか、ムカムカして…つい、お前に当たっちまったから…」
百合子「そういう風に、お兄様に感じさせてしまったということは私が日頃からお兄様に感謝していて、ずっとお兄様のお傍にいるという態度が
足りなかったからです。ですから、全ての原因は私にあります。それに、せっかくお兄様が取ってくださったぬいぐるみを全部店員さんに
返してしまって…。お兄様の気持ちを無下にしてしまって…私、私…お兄様にっ、ふぇ…なんて謝っていいか…ひっく…」ポタポタポタ
一方通行「な、泣くなっ!!」
百合子「だってぇぇ~…」グスグス
一方通行「お前はどォして俺を庇いたがンだよ。…たまにゃ誰かに押し付けてもいいだろォが。どンだけ背負いたがンだよ。
それは、全然優しさでもなンでもねェぞ。相手をダメにしていってンぞ…」ヨシヨシ
百合子「だって…突き詰めればお兄様を疑心暗鬼にさせてしまったのは私ですし…」
一方通行「お前に非はねェだろ。俺が勝手に思い込ンで勝手に突っ走って自爆しただけの話で、それにお前を巻き込ンだ。…だから、悪いのは俺だ」
百合子「ぉ、お兄様だって…、お兄様だって!いつも自分で背負い過ぎですっ!やです!お兄様にこれ以上辛いこと背負ってほしくありません!!
だったら、私が身代わりになります!」
一方通行「………はァ…。お前なァ…」ナデナデ
百合子「むぅ…!」プクー
一方通行「俺とお前は同じだ。だったら、今のセリフを全部俺視点に変えてみろ。俺だってそう思ってンだよ」
百合子「………」
一方通行「考えてみたら、それってあンまお互い信じてねェよな。つーか、片方だけ不幸になるシナリオっておかしいだろ?
お前はそれで満足か? …俺はいやだ。お前が不幸になれば俺は悲しい。俺が不幸になったらお前は悲しい。俺らってこういう風に出来てンだよ。
お前は俺の隣、真横にいる。前でも後ろでもなく、真横だ。遠慮のいらない対等な立場なンだよ」
百合子「…私、真横にいていいんですか?」
一方通行「バカ。当たり前だろォが。今更何言ってンだ」
百合子「………なんだか、私…。えへへ、おばかさんでした。私も、一人で思い込んで一人で走って…」
一方通行「お前が間違ってたら俺が正して、俺が間違ってたらお前が正す。ンで、二人とも間違ってたら別の誰かに正してもらう。それだけで気が楽になンね?」
百合子「そうですね、えへへ///」
一方通行「ンで、俺は謝るぞ」
百合子「では…私は許します。実は、ちょっぴり怖かったです…」
一方通行「本当、すいませンでしたァ!」
百合子「………あ! ではでは、ひとつ私の我がまま聞いてください!」
一方通行「お? いいぜ?なンでも聞いてすぐ叶えてやらァ」
百合子「お兄様から、私のほっぺにちゅーしてくださいっ♪」ニパッ
一方通行「!!?///」ガタッ
百合子「ちっちゃくなった時に「考えとく」と言って結局していただけなかったので!」
一方通行「あは、はははははそンなはなしもあったなあー」カタカタ
百合子「楽しみにしてたんですよぅ!」プンプン
一方通行「今、じゃなきゃ…ダメか?」
百合子「すぐ叶えていただけるんですよね?」ニパー
一方通行「わ、かった…」
百合子「やったぁ!」(一方さんの真正面で正座待機)
一方通行「…………」(何故かつられて正座)
百合子「えへへ、お兄様にちゅーしていただける…///」テレテレ
一方通行「…………!」ギギギギギ
ガシッ(百合子の肩を掴む)
グググググ(顔を近づける)
百合子「ん……」スッ
一方通行(目ェ閉じンなァァ! いや、閉じててくれた方がいいンか!? つーか、えっ、え!? なンだなンですかこの雰囲気!!)
一方通行(頬だし!!頬だっつの!! 何阿呆なこと考えてンだ俺は!!)
百合子「ぉにぃ、さまぁ…」
一方通行「ちょ、ちょっと待ってくれ!」アタフタ
百合子「えへへ、ずっと待ちますよぅ///」
一方通行(つーか、百合子からはよくされてるから俺がしても全くおかしくはねェよな!挨拶的なもンだ!そうだ、外国じゃ挨拶じゃねェか!
変に意識すっから緊張すンだよ!いや、意識って別に変な意味じゃねェし!日本の文化的にゃちょっとズレてっけど世界じゃ標準だし!
普通だし!全ッ然普通だし!!つーか、これ前から約束だし!約束は守るべきだしな!そォいうことだよ!さっとやれば終わる話だ!!)
ガバッ
チュ
ズザーッ!!
百合子「わぁぁ!ありがとうございますお兄様!」パチッ
百合子「………お、お兄様? どうしてベッドの下で正座して、えっ? 瞬間移動!?」
一方通行「おォォォォォァァァァァァあああああ!!!!!///」←頭抱え
百合子「だ、だだだ大丈夫ですか?」アタフタ
一方通行「大丈夫…だ…。……で、…さっきので…良かった…か?///」
百合子「は、はい!!もちろんです!!すっごくすっごく嬉しかったです!!えへへ~、左ほっぺがぬくぬくしてる感じがします♪」サスサス
一方通行「それなら、いい…///」
ぅちゅ
一方通行「!!?///」ボン
百合子「お返しです♪」
一方通行「……あ、あァ…さンきゅ…///」
一方通行(さすがにこいつみたいに自然には出来ねェな…)
一方通行「飯、食って帰るか…。なンかホテルのディナーをビュッフェで食えるらしいし…うまいもン食ってこうぜ?」
百合子「そ、そういえばここはどこですか!!? 帝督さんは!? 私、泣いたら疲れが出てきちゃって…ちょっぴり寝ちゃって…!!」アワワ
一方通行「あァ、ここはホテルで、お前が寝ちまったから休憩させようとしてここに連れてきたらしいぜ。ンで、あいつはさっき帰って行った」
百合子「あわわわ、帝督さんにお礼をしないと…!」
一方通行「………なァ、百合子ォ」ギュ
百合子「はい?…わわ、お兄様どうされました、きゅ、急に抱き着いて…な、なんだか緊張しちゃいます///」
一方通行「お前が一番好きなのって誰だ?」
百合子「お兄様です」
一方通行「…ンじゃ、俺より好きなヤツが出来たら俺の傍じゃなくて…俺より好きなヤツの傍にいたいと思うか?」
百合子「??? …んと、質問の意味がよく解らないのですが…、…お兄様より好きな人は出来ませんから、お兄様のお傍から離れることはないですよ?」
一方通行「ホントか?」
百合子「だって、私はお兄様が一番好きですから。こうして、お兄様と触れていることが何よりも幸せで肌を重ねることが何よりの喜びです。
これ以上の幸せは、私には考えられません。そして、この幸せはお兄様にしか感じません」
一方通行「………お前、結構三下と似てるよな…///」テレ
百合子「ふぇ?当麻さんにですか?…え…?」キョトン
一方通行「なっ、なンでもねェ。…が、…その、ありがとうよ。お陰でお前の言う「不安」は全部吹き飛ンだわ」
百合子「それは、良かったです!…えへへ、私と同じ幸せを、お兄様も感じてくれていたらいいなぁ」
チュッ
百合子「はぅ」
一方通行「今のは、サービスだ///」プイッ
百合子「えへへー///」
一方通行「めっ、飯ィ!!さっさと食って帰ンぞォォ!!」ガバッ
百合子「は、はい!あ、髪の毛ぐしゃぐしゃしてます、ちょ、ちょっと待って下さいお兄様ぁ!」アタフタ
一方通行「あー…?…だったらこの辺にアメニティで…あったあった。ほら、ここ座れ。梳いてやるから」カムカム
百合子「お願いしますっ」チョコン
一方通行「そォいや、お前…あいつに何もされてねェよな…?」
百合子「帝督さんですか?……んと、私が泣いちゃって落ち込んでたのですが、一生懸命励ましてくれました。
お兄様は、帝督さんのこと、その…お苦手のようですが……、とてもお優しい人でしたよ?」
一方通行「………まァ、あいつはまだ人間味がある方っちゃーある方だしなァ…。善人には多少はいい顔してンじゃねェの?」サラサラ
百合子「でも、今日は中途半端なお別れになってしまったので…」
一方通行「あー…まァ…、俺にも非はあるけど…」
百合子「今日はメールアドレスの交換をしたので、夜にメールしていいですか?」
一方通行「メールくらいなら…」
百合子「えへへ、またお友達が増えて嬉しいです。ずーっとずーっと、お友達でいられるといいなぁ」ニコニコ
一方通行「…やっぱそれほど心配しなくてもいいのか?」ボソ
百合子「え? 何か言いましたか?」
一方通行「独り言」
一方通行(あいつがどう足掻いても、俺が百合子ン中の第一位なのには変わりねェ。あとは、俺がどンだけ余裕を持てるかだな…)
百合子「ホテルのビュッフェかぁ…。おいしい食べ物いっぱいなんだろうなぁ。えへへ、食べ過ぎちゃうかも♪」
一方通行「つーか行動に移す前からフられてンだよな…。くはは、良い様だぜ」
百合子「?」
一方通行「なンでもねェよ。ほら、出来たぞ」ナデナデ
百合子「ありがとうございます。では!ご飯!!楽しみです!!」ワクワク
一方通行「わぁーったわぁーった。ンじゃ、行くか」トコトコ
百合子「どんなものがあるんですかねぇ」トコトコ
一方通行「そりゃ、なンでもあるンじゃね?和食、洋食、中華にデザート・フルーツ各種」
百合子「おいしいお肉料理いっぱいあるといいですねっ。あ、でも!ちゃんとお野菜食べないとダメですよ!」
一方通行「はいはい」
垣根とデート編 おしまい
***
数日後
黄泉川家
一方通行「ふァ、あー…あ…」ムニャ
芳川「あら、大きいあくび」クスクス
一方通行「うっせェ」
芳川「そろそろ打ち止めと百合子ちゃんがお買い物から帰ってくる時間かしら。ちょうど、3時過ぎだしお茶を用意してあげましょうか」
一方通行「あいつが昨日作ったケーキが残ってンだろ。レアチーズの。あれ食おうぜ」
芳川「あぁ、おいしかったわね。ホテルで食べたレアチーズケーキに挑戦してたんだったかしら?」
一方通行「俺的にゃ、百合子が作った方が断然うまいけどなァ…」
芳川「あら、そういうのは本人の前で言ってあげなきゃ」
ガチャ
芳川「帰ってきたわ」
百合子「ただいまもどりました。…あ、芳川さんお茶ですか? 私が淹れるのでいいですよ。お客さんも来たのでみんなでお茶にしましょう」
一方通行「客?」
トタトタトタ
垣根「お邪魔しまーす」
打ち止め「ただいまー!ってミサカはミサカはお兄ちゃんに肩車されながらリビングに堂々登場してみる!」
一方通行「」
芳川「いらっしゃい。百合子ちゃんのお友達?」
百合子「はい、先日遊んでいただいた垣根帝督さんです」
垣根「垣根帝督でーす。いやー、綺麗な方ですね。百合子ちゃんのお姉さんですか?」ニコニコ
打ち止め「お兄ちゃん違うよ。ヨシカワは、元研究者さんなのってミサカはミサカはお兄ちゃんに教えてみたり」
芳川「ふふ、掴みはばっちりじゃない?」
垣根「ははは!とてもお若くて美人なので勘違いしちまったなぁ!ほら、打ち止め降ろすから掴まってろー」
打ち止め「わーいわーい!」
一方通行「ちょっと…、待っ…」ガタガタガタガタ
垣根「………」チラッ
ニヤァ
一方通行「!!?」ビクッ
百合子「帝督さん、何飲みますか?」
垣根「百合子ちゃんと同じものでいいよ」
打ち止め「あれ?…あなたどうしたの?ってミサカはミサカはソファの上で固まってるあなたに尋ねてみたり」
一方通行「打ち止め、…お前…あいつのこと知らねェのか?」
打ち止め「?? あいつってお兄ちゃん? さっき、お買い物してたら偶然会って、ミサカも仲良くしてもらったの。
ってミサカはミサカはあなたに先ほどの出来事を簡潔にまとめて伝えてみる」
一方通行(そうか、打ち止めはあいつと直接の面識はなかったンだっけか…)
百合子「お兄様、お兄様も一緒にお茶しましょう」ニコ
一方通行「………俺、コーヒー。むしろ俺だけコーヒーで」
百合子「コーヒーですね。今日は何にしますか?」
一方通行「あー…えーと、なンでもいい」
百合子「では、ケーキもあるのでちょっと苦めに作ります」トテトテ
垣根「よぉ、第一位」ニヤニヤ
一方通行「何しに来やがった…!」
垣根「百合子ちゃんにお茶のお誘いを受けたから来たんだよぉ~? 客として来たんだよぉ~?」ニヤニヤ
一方通行「お前…この間帰り際に…実力でっつってたけど…」
垣根「おう。実力で手に入れるためにちょっとずつ親密になっていこう作戦中だ」
一方通行「は…はッ!ざ、残念だったなァ!あいつは俺のことが一番好きで俺以上に好きになるヤツなンていないって言いきったぜ?
可哀想ですねェ? 告白する前から玉砕してンのによォ?」
垣根「おー、だから周りから懐柔して行くんだよ。家族とも仲良くなれば色々と便利だろ?」ニヤッ
一方通行「!!?」
垣根「まずは、打ち止めと芳川さん。掴みはばっちりだろ? 打ち止めには「優しいお兄ちゃん」と思われているようだし。
芳川さんにはまず「子煩悩なイケメン」程度な印象は与えてんだろ。どうだぁ? 俺の完璧なイメージ戦略はよぉ!」
一方通行「お前…俺のテリトリーにまでズカズカ入ってくンじゃねェよ!」
垣根「俺に常識は通用しねぇ」
一方通行「今ここで言うかそのセリフゥ!!つーか、お前自身に常識が通じねェのかよ!」
垣根「と、いうわけで…よろしく頼むぜ。 将 来 の お 義 兄 さ ん ? 」ニマァ
一方通行「くたばれ三下ァァァァァ!!!!!」
百合子「お兄様っ、お家の中では羽出しちゃダメって言ったじゃないですかー!」プンプン
垣根とデート編後日談 おしまい
6スレ目 ⇒ 【 百合子「おにいさまといっしょ!」一方通行「…いっしょ」 】 に続きます
これで作中時間では1年経過だけど、投下間隔でも1年経過してるんだね。
それがこのペースで読めるんだから凄く嬉しい。