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百合子「お兄様…」一方通行「……へ?」(1スレ目)
一方通行「百合子、コーヒー淹れてくれ」百合子「はいっお兄様♪」(2スレ目)
百合子「お兄様、ただいま戻りました♪」(3スレ目)
【前編】
【後編】
ピピピピピピピピピピ ピッ
百合子「ふにゃ…う~ん…、今日は…御坂さんの寮にお邪魔するんだっけ…」モソモソ
百合子「………はふ…、皆さんの朝食用意して…お洗濯して…準備して…」モソモソ
百合子「ふぁぁ~…」クシクシ フニフニ
百合子「……?ふにふに…?」
百合子「はぅ!!?」
モニュモニュ フニフニ
百合子「お胸がある!!!」
元スレ
一方通行「こいつは俺のたった一人の大事な妹なンだよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294925844/
百合子「わっ、わ!なんでどうして!?私にお胸が出来てる!!すごいすごい!!きゃー!!」プルプル
百合子「動くと揺れるー!すごいすごい!!ふにふにしてるー!!」フニフニ
百合子「こ、これなら…これからはもっと可愛い下着付けられるし!お胸があるから身体のラインが出るようなタイトなお洋服も似合うかも!」キャッキャ
百合子「そうだっお兄様に見せなきゃ!!」パタタタ
一方通行「zzz」
百合子「お兄様ー!!」ダイブ
一方通行「ぐはっ」
百合子「お兄様お兄様!見てください!百合子、お胸が出来ましたよ!ほらほら!!見てください触って下さい!!」キラキラ
一方通行「胸…?」ボケー
百合子「はいっ!ほらほら、正真正銘私のお胸です!」ヌギッ
一方通行「………」
百合子 「えっへん!」ドヤッ
一方通行「……………」
百合子「♪」←誇らしげ
一方通行「俺、貧乳の方が好みだから」
百合子「!!?」ガーン
***
百合子「そ、そんにゃぁぁ~……、………ふぇ?………あれ?」
ノソノソ ムクッ
百合子「あれ…?………夢…?」
サワサワ ペタペタ
百合子「………お胸ない…」
百合子「(´・ω・`)」ショボーン
百合子「あぅぅ~…」
百合子「…………あれ?…今何時かな…?」
時計「9時」
百合子「きゃ、きゃぁぁぁぁ!!寝過ごしたぁぁ!!」アタフタ
***
打ち止め「ユリコ、ユリコ!ミサカたち、ご飯は自分でなんとかするから大丈夫だよ
ってミサカはミサカはくるくる目を回しながらスクランブルエッグ作ってるユリコを労わってみたり」
芳川「洗濯くらいなら私も出来るから大丈夫よ?」
百合子「あわわわ、じゃぁ、じゃぁこれだけ作るのであとはお願いしますー!えっと、パンはそこにあるし、サラダは冷蔵庫にあるしえっとえっと…
あとあと、お兄様が起きた時のコーヒーは冷蔵庫のここに入ってます!氷なしのアイスで出してあげてください!で、ではよろしくお願いします!
えっとえっと!!3時過ぎには帰ってきますので!!ひゃぅぅバスに遅れちゃう~~!!」パタパタ
打ち止め「あっ、ミサカは午後から調整でお夕飯までにはヨシカワと一緒に帰るから!ヨミカワもお夕飯には帰って来れるって!ってミサカは慌ただしく玄関を開けた百合子の背中に声をかけてみたり!」
百合子「は、はぁぁーい!あわわっ、あうっ」コケッ
打ち止め「気を付けてねー!ってミサカはミサカはユリコを心配してみたり……大丈夫かなぁ…」
芳川「とりあえず、朝食の支度は私がしておくからあなたはあの子起こしてきなさいな」
打ち止め「はぁ~いってミサカはミサカはあの人のお部屋に向かってみたり」トットコト
打ち止め「おーいおーい朝ごはんだよー!ってミサカはミサカはあなたのお部屋に元気よく入ってみる」
一方通行「………うーン…」モソモソ
打ち止め「ふわ、クーラー効かせ過ぎだよ!クーラー効かせてお布団被って寝てるって意味ない!ってミサカはミサカはあなたのお布団を思い切り剥いでみたり!」バサッ
一方通行「なァンだよォ…やァめろ……」グッタリ
打ち止め「あれれ?…なんだか声枯れてない?もしかしてクーラー効かせ過ぎて喉痛めちゃった?ってミサカはミサカはリモコンでクーラーの温度を調整してみる」
一方通行「あァァ…だるいィ…、なンかもォ起きたくねェ…俺の布団返せ…」
打ち止め「冷房病だね。こんなクーラー効かせた部屋にいるからだよってミサカはミサカはお母さんみたくダメな息子を叱ってみる!」メッ
一方通行「そォですね…おやすみ」モソモソ
打ち止め「あっ、もう!!聞く気0!?ってミサカはミサカは適当にあしらわれたのに憤慨してみる!」ベシベシベシ
一方通行「暑苦しいから寄ンな…」
打ち止め「もぉぉ~!!……って朝食はどうするの?あんまり食欲ない?ってミサカはミサカはちょっとは心配してるところをアピールしてみる」
一方通行「いらね」
打ち止め「はぁ…、ミサカとヨシカワはご飯食べたら調整行くから。あとユリコは今日は夕方ごろまでお出掛けでもういないよってミサカはミサカはあなたがお家に一人なのを教えてみる」
一方通行「寝てる」
打ち止め「………あなたって本当によく寝る割には全然背も伸びないよね。この間ヒーローさんと身長差出来てて牛乳飲んでたのはやめたのってミサカはミサカは呆れてみる」
一方通行「うるせェ…」
***
美琴「百合子ーこっちこっち!」ブンブン
百合子「ふあぁ、間に合いましたぁぁ…」クッタリ
美琴「あはは、そんなに急がなくても大丈夫よ?」
百合子「御坂さんの大事なお時間をこれ以上割くのは気が引けますし…」シュン
美琴「そんなに気にしないでいいからさ。…えっと、それじゃ学び舎の園を案内するわね」
百合子「はい、ありがとうございます♪」
美琴「その服初めて見た。可愛いわね♪どこで買ったの?」
百合子「あ、えっと…あの…先日…御坂さんと黒子さんが来たあとに…お兄様とお出掛けした第3学区で…///」
美琴「あぁ!あの時の!へー!あいつに見立ててもらって洋服買ってたのは黒子から聞いたけど…」
百合子「ふぇ?…あれ?…あの時御坂さんいらっしゃいましたっけ?…あれ?私言ったかな…??」キョトン
美琴「あっ、あー!気のせい!気のせいだったわ!!あいつとのお出掛け楽しかった?」
百合子「はぅっ///」ボンッ
美琴「あれれ~?赤くなってどうしたの~?お兄様と手とか繋いじゃったのかしら~?」ニマニマ
百合子「つな、つ、繋ぎましたけどっ…はうぅ…あの日はなんだかぼんやりとしか覚えてなくて…きゃ、きゃぁぁ///」カアァ
美琴(か、かわいいっ…)フルフル
百合子「や、やぁん!もぉ!御坂さん早く行きましょぉ~!!///」アワアワオロオロ
美琴「あはは、はーい!」
学び舎の園
百合子「わぁー…本当にここは外と設備や建築の雰囲気が違うんですねー!なんだか異国に来たみたいです♪」
美琴「普段はもっと学生が多いんだけど夏休みで他の学区にでかける場合が多いからね。今日は少ないわ」
百合子「あそこのお店はなんですか?」
美琴「あ、あそこ?…あはは、あんな外観だけど下着専門店なのよ。黒子お気に入りの…。行ってみる?」
百合子「はい!…あ、下着と言えば今日…目が覚めたらお胸が大きく、こう、もにゅもにゅって出来るくらい大きくなってる夢見たんですよ!」エアモニュモニュ
美琴「そのサイズから察するにDカップ…。いいわ、私も憧れる…」アハハ...
百合子「それで嬉しくてお兄様に見せに行ったんです」
美琴「行っちゃうのね。さすが百合子だわ」
百合子「そしたら…「貧乳の方が好みだ」って…それでショックを受けて目が覚めたら寝坊してました…」ショボン
美琴「貧乳っ、あはっ!あはは!!そんな感じするー!あいつ貧乳好きそぉー!あはは!!」
百合子「で、でも夢ですから!お兄様もしかしたらお胸の大きい女性の方が好きかもしれませんし!」アワワ
美琴「でもそしたら百合子は好みの対象からはずれちゃうじゃない?」アハハハ
百合子「あっ!……そ、そうでした…あわわ…複雑…」
美琴「とはいってもあいつは百合子だったらなんでも好きだと思うし、気にしなくていいんじゃない?…あ、そうそうここってかなり小さめサイズもあるから
可愛いのあるかもよ?可愛いデザインの探してるって言ってたよね?」
百合子「はい!可愛いの見つかるといいな~」
美琴「あ、ほら。これとか可愛いよ?レースフリフリで!」
百合子「わぁー!ここ、すごくたくさんのデザインあるんですね!今度からここに買いに来ようかなぁ…」
美琴「それなら私が招待するから来たい時は言って♪」
***
第7学区
常盤台中学学生寮
百合子「す、すごい……、こ、こここここが寮なんですか!?お城じゃないんですか!?」
美琴「あははは、それじゃぁ中はもっとびっくりするかもね。ほら、おいでおいで」カムカム
百合子「はぅあ~…、当麻さんの寮とか普通の寮はマンションみたいだから御坂さんの寮もそんな風だと思ってましたー…」
美琴「なぅ!?…あ、あ、ああああああいつの寮行ったの!?」ガシッ
百合子「えっ、あ…えっと…インデックスさんにお誘いいただきまして…スフィンクスちゃんを見に…」
美琴「入ったの!?部屋入ったの!?」ガクガク
百合子「はっ、はいっ…!あぶぶ…」ガクガク
美琴「あ、ああああいつは、いたの!?」ガクガクガクガク
百合子「ひゃ、は…はいっ…夕方に補習から戻られて…お夕飯作っていただいて…み、みしゃかさん…目、回りますぅ…」ガクガクガク
美琴「あいつの家であいつの手料理ぃぃいい!?」
百合子「はうぅ…」クルクル
美琴「わ、私…いまだにあいつの家…うぁぁぁぁあああ、へぶっ!!?」バシンッ
百合子「きゃっ!?」ビクッ
寮監「…やかましいぞ御坂。寮内ではあれほど静かにしろと…」パンパン
美琴「あぅ、ご、ごめんなさい…」ショボン
寮監「ん?」
百合子「!?」ビクッ
美琴「あ、彼女です。今日寮に招待した子は…。で、この人がこの寮の寮監よ」
寮監「そうか。常盤台中学学生寮へようこそ。ゆっくりしていってくれ」
百合子「はっ、はい!お邪魔致します」ペコッ
美琴「それじゃ、部屋行こっか?」
百合子「はーい♪寮監さん失礼いたします」ペコッ
寮監「あぁ。…そうだ、御坂。先ほど白井が部屋に戻っていたぞ」カツカツ
美琴「え?黒子が?」
カチャ
黒子「あぁぁ、もぉぉ~…時間がないのに、どこに行ったんですのぉ~」ガサガサ
美琴「ただいま。どうしたの黒子?朝早く出て行ったのに…」
黒子「あっ、お姉様!…そ、それが昨晩まとめていた書類データが入ったUSBが見つからなくって…。今日はあの書類が絶対必要ですのに…」オロオロ
美琴「あれ?それなら洗面台で見たわよ?」
黒子「えっ!?」
美琴「あんた朝に部屋出る直前、洗面台の前で髪型直してたでしょ?その時に置いて行ったんじゃない?」
黒子「あっ、ほ、本当ですわ!!よ、良かったぁぁぁー!!」
美琴「そんなに大事なUSBだったのね。普通に置いてあったから対して気にしてなかったんだけど…メールでもしてあげればよかったわ。ごめんね」
黒子「いえ、とんでもないです!これは黒子の失態ですので、お姉様はお気になさらず!では、もう時間もないのでこちらから失礼いたしますの!!」
百合子「あ、黒子さん!お疲れ様ですー!お気をつけて下さいねー!」
黒子「百合子さん!常盤台中学学生寮へようこそですの!すみません!おもてなしも何も出来なくて!それでは行って参りますわ!」ヒュンッ
美琴「まーったく、シーツくちゃくちゃにしちゃって…少し直すから百合子はそっちの椅子にかけてて。どっちでもいいわよ」
百合子「は、はい…お邪魔します~」トコトコ
美琴「すぐお茶用意するから…」パタパタ
百合子「お、お構いなく!!…それにしても…素敵なお部屋ですねー…家具もアンティーク調で揃えてあるし…」
美琴「そう?ありがとう。私もこの部屋は落ち着くし好きよ。まぁ、黒子がいると落ち着かないけど」アハハ
百合子「そういえば、黒子さんは夏休みだけど忙しそうですね。お夕飯の買い出しの時に時々お外で会いますよ。見回り中とかで」
美琴「あいつは真面目だからね。あ、そうだそうだ。百合子さ、こんなのいらない?」
百合子「……?紙袋?」キョトン
美琴「今日、寮を出る前に、たまにうちの寮で働いてるメイド見習いの子がいるんだけど、その子が置いて行ったのよ」
百合子「…お洋服ですか?」
美琴「なんでも色々なメイド服が入ってるみたい。その子のお兄さんが、大のメイド好きでね?
その子にプレゼントしたらしいのよ。でも、その子はコスプレみたいなメイド服は大嫌いだから私のとこに持ってきたみたい。
でも、私も黒子もそーいうのは着ないし、そーいうおかしな服持ってると抜き打ち検査の時に困るのよね…。
サイズはフリーサイズみたいだし、入るなら百合子着ていいわよ?捨てちゃうのももったいないし…」
百合子「そういうことでしたら、いただいていきます。打ち止めさんもこーいうの着るの好きそうですし…」
美琴「メイド服着てご飯作って一方通行に振る舞ってみたら?喜ぶんじゃない?」アハハハ
百合子「………なるほど…!」キュピーン
美琴「メイド服って可愛いもんね。あーいうの着て奉仕されたら確かにどきっとしちゃうかも…。男ってメイド服好きだもんねぇ…」
百合子「御坂さんは当麻さんに着て見せないんですか?」
美琴「なっ、なんでそこであいつの名前が出てくるのっ!?わ、わわわたしは別にあいつに見せたいとかそんな…///」
百合子「『男ってメイド服好きだもんねぇ…』なんですよね?」ニコニコ
美琴「うっ、うぅ~~~!!///」アタフタ
百合子「えへへー、御坂さん顔赤いですよ~?」
美琴「なぅ、ゆ、百合子今日なんかいじわるだわっ///」
百合子「えへへ~?そぉですか~?」ニマニマ
***
3時過ぎ
キィ パタン
百合子「お兄様、ただいま戻りました♪」トコトコ
百合子「あれ?…お兄様、リビングにいない…お部屋かな?」
百合子「お兄様、ただいま戻りましたー…」ソーッ
一方通行「zzz…」スヤスヤ
百合子「お昼寝、かな?」パタン
百合子「おいしいマカロンを買ったので一緒にお茶しようと思ったんだけど…」
リビング
ガサガサ
百合子「わー、何着も入ってる…、本当にいただいちゃって良かったのかなぁ………、あれ?本も入ってる…」スッ
百合子「『あなたもすぐに完璧メイド☆一日で覚えるメイド作法マニュアル』…。あ、紙が挟んである…」ピラッ
百合子「『これを読んで実践すれば、古今東西どんなお兄ちゃんやお義兄ちゃんだってイチコロにゃー。さぁ、早くお兄ちゃんを喜ばせて欲しいんだぜい!』
………なるほど!世のお兄様方はメイドさんがお好きなんですね!よぉし!私もこれ読んでお兄様に喜んでもらおうっ!!」
百合子「……むむむっ……」←熟読中
30分後
百合子「よぉし!全部覚えたぁ!これで私もメイドさんです!早速着替えなきゃ!!…えっと、えっと…、これが可愛いかな?
露出高い方が喜ぶって本に書いてあったし…。さっそく袋を開けて…と、…わぁ!すっごく可愛い!フリフリ可愛いー!
ほぇ?…下着も入ってる…セットなのかな?…よぉし、着替えるぞぉ♪」ヌギヌギ
***
一方通行(あー…ダメだ…。頭痛がする…。さすがに寝過ぎたか?…っつってもだるいから起きたくねェし…)モソモソ
カチャ
トテテテテ
一方通行(足音…?…百合子が帰って来たのか…?……あー、しょォがねェ…起き)
百合子「お兄様ぁ~っ♪」ダイブ
ボスッ
一方通行「ぐふェっ」
百合子「あ、ま、間違えた!…えっと、ご主人様っ♪」ニパッ
一方通行「ゥぐ…」
百合子「ご主人様っ、お目覚めの時間ですよぉ♪早く起きてくださぁい♪」
一方通行(あァ?…何言ってやがンだこいつ…つーか…乗っかってンのか?布団被ってるから見えねェし…)
百合子「起きないとあなたのメイドがお目覚めのちゅーをしちゃいますよぉ~♪」ニパニパ
一方通行「なっ!!?」ガバッ
百合子「ひゃっ、わ、あわわ、わぁっ」グラッ パタパタ コテン
一方通行「い、いきなり何言ってやが………はァ!?///」ビクッ
百合子「あ、本当だ!すぐ起きてくれました!わぁい♪」(転んだまま)バンザイ
一方通行「おまっ、な、なんつー恰好してンだァァァ!!?」
百合子「メイドさんですっ♪」つttp://shop-emily.com/shopdetail/036000000011/order/ ←こんな感じの恰好
一方通行「そっちもそうだがそうじゃねェ!!そっ、その…、その丸見えになってる下着だッ!!!///」
百合子「これも含めてメイドさんです!」ドヤッ
一方通行「ンなどこぞのツインテジャッジメントが着てたイカれた水着みてェなパンツのどこがメイドなンだよッ!!つーかさっさと隠せェェ!///」
百合子「この下着もほら!このメイド服とお揃いで白のフリルがいっぱいで可愛いんですよ!紐の先にちっちゃいビーズも付いてるんです!」ホラホラ
一方通行「解った!解ったからスカート捲って見せてくるな!隠せ!!早く隠せ!!///」アタフタ
百合子「ぇう…こんなに可愛いのに…見えないのは勿体無いですね…」シュン
一方通行「…ンで、…なンでそンな愉快な服着てンだ?」
百合子「御坂さんからいただきました♪」
一方通行「オーケェ解った。あの超電磁砲にちょっくら制裁くらわせてくるわ」カチリ
百合子「ひゃっ、ダメですダメですよお兄さ、…あ!ご主人様っ!」キラキラ
一方通行「っ!?」ドキッ
百合子「あのですね、御坂さんももらい物だったんですよ。なんだか、メイドさんが大好きなお兄様を持つ妹さんが持ってきたみたいで…。
でも御坂さんは必要ないので私がいただいてきました………、…お兄様?」キョトン
一方通行(ご主人様で不覚にもドキッとしちまった…死にてェ…)ガックシ
百合子「あ、そうだ!あのですね、マカロン買って来たので一緒にお茶でもどうですか?」
一方通行「あァー…、悪いけどパスだ。なンっか調子悪くてなァ…、俺の分は打ち止めと食え」
百合子「そういえば、声が少し枯れてますものね。それに鼻声っぽいし…もしかして風邪ですか?」アワワ
一方通行「いや、どォやらこの間、超電磁砲に言われた通り「冷房病」らしいなァ」
百合子「もぉー、ですからクーラーは28度までって言ったじゃないですか!」プンプン
一方通行「暑っちィンだもン」
百合子「それで体調崩したら元も子もないですよ。…あ、冷房病には軽い運動がいいって言いますし…お散歩行きますか?」
一方通行「メンド…」
百合子「んー…あとは、えっと…確か、お風呂にゆっくり浸かるのもいいんでしたっけ…、すっきりしますし」
一方通行「…それもそォだな。…だるいからってさすがに寝過ぎか…。あァ、背中痛ェ…」バキバキ
百合子「あ、お洗濯もの取り込まないと!本読んでたらすっかり忘れてました!」パタパタ
一方通行「あ、あ、あァ~~…、なンだこのだるさ…。さすがにクーラー控えっか…」
一方通行「…………」
一方通行「…………百合子ォォォォォォ!!!お前その恰好のままベランダ出ンじゃねェェェ!!!」ドタタタタ
百合子「ふはー、やっぱり夏場は厚手のものも完璧に乾きますね~♪…むふぅ、お日様のにおいがする~」モフモフ
一方通行「おい、人の服に顔埋めンな」
百合子「えへっ♪ぬくぬくで気持ちいいですよ?お兄様もモフモフしますか?」
一方通行「しねェよ。ただでさえこの日差しがつらいってェのに…」
百合子「あっ、も、もぉー…、さっきからちゃんとご主人様って言わなきゃいけないのに…つい癖でお兄様って呼んでしまいます…」ジッ
一方通行「あン?」
百合子「ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様!」
一方通行「………早口言葉かなンかか?」
百合子「ご主人様って呼ぶのに慣れようと思って…ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人しゃまごひゅじんしゃまごひゅひんひゃま………あれ?」???
一方通行「…で、なンだ…。今日は一日メイドプレイでもするってェのか…?………はァァ…超電磁砲め…面倒なことしやがって…」
お隣さん「お兄さんはそーいうプレイがお好みなんだねー。ストイックな感じだったけど、実はアブノーマル?」
一方通行「……………………………」
百合子「あ、こんにちは!お洗濯ものの取り込みですか?」
お隣さん「ううん。窓開けて本読んでたらお兄さんが百合子ちゃんにご主人様ーって言わせてるのが聞こえたから覗きに来ちゃった☆」
一方通行「言わせてねェし!!!!こっ、こいつがどっからかこンなイカれた服調達して来て勝手にメイドごっこ始めただけだってェの!!!」
お隣さん「えー…お兄さんが調達してきて百合子ちゃんに着せてるんじゃないのぉ~?」ニヨニヨ
一方通行「いやいやいや、勘弁して下さいマジで。これ以上変な設定増えるとマジで困るンで…」
お隣さん「でも、百合子ちゃんその恰好も可愛いねー♪スカート摘まんでお兄さんに向かって「ご主人様」って言ってみて!」
一方通行「はァ!?」
百合子「ご主人様っ♪」ニパーッ
お隣さん「可愛い!!かーわーいーいー!!!ねっ、可愛いよねお兄さん!これで可愛くないなんて言わせないわよ!」グイグイ
一方通行「~~~~ッ!!!…ふ、風呂入ってくるッ!!!!!」バタバタ
お隣さん「照れちゃって、まぁ…。お兄さんもなかなか可愛いねー」
百合子「あうぅ…、行っちゃった…。どうやったらお兄様に喜んでもらえるのでしょうか…」ショボン
お隣さん「あれ?喜んでないの?こんなに可愛いのにね。きっと照れてるだけだよ~。男の子ってそういうもんよ」
百合子「そ、そうなんですか?…世のお兄様はメイドさんが好きだって書いてあったのですが…」
お隣さん「百合子ちゃんは普段からメイドさんみたいに働き者だからねー…。新鮮さがないのかなぁ…。…普段しないやり方でアピールとか?」
百合子「なるほど…、ど、どうすればいいのでしょうか…!」
お隣さん「そうだなぁ…、百合子ちゃんはいつもお兄さんにべったりだから…押してダメなら引いてみろ…とか?」
百合子「引いて…?」キョトン
***
一方通行「…ン、風呂入ったらだいぶ頭もすっきりしてきたな…。暑いからってシャワーだけで済ませないでこれからはちゃんと風呂浸かるかァ…」カツカツ
一方通行「あ、百合子…。アイスコーヒーもらっていいか?」
百合子「…ゃ、やぁーですっ!」プイッ
一方通行「へ?」
百合子「アイスコーヒーでしたら、えっと…冷蔵庫にあるので…ぉ、…ご主人様が自分で淹れてくださいっ」
一方通行(………?)
百合子「グラスは…えっと、手前の戸棚に入ってますし…!」プンッ
一方通行「あァ…解った…」
カチャ
一方通行「あー、えーっと…あァ、これか…」
百合子「………」ソワソワ
一方通行「でェ…俺のグラスは…と、…あン?…どこだ?」
百合子「………ぁぅ…」オロオロ
一方通行「なァ、手前ってどの辺だ?」
百合子「あ、えっと…そこの白…、あっ、…し、知りませんっ。ちゃんと自分で探してくださいっ」ツン
一方通行「…それもそォだな」
百合子(うぇぇーん…)グスン
***
一方通行「はァ…、やっぱお前の淹れたコーヒーはうめェな」
百合子「あ、ありがとうござ……はっ、ち、違いますっ!えっとえっと…べ、別に褒められても嬉しくないんですからねっ!」ツン
一方通行(今度は何入れ知恵されたンだか…)
一方通行「………………」
百合子「……………」ツンツン
一方通行「………なァ、百合子」
百合子「な、なんでしょうか…」
一方通行「あとで一緒に買い物行くか?」
百合子「も、もちろ…、にゃっ!…や、やぁーですっ!一人で出来ますもんっ」プン
一方通行「そォか…そりゃ悲しいなァ…」ショボーン
百合子(あうぅぅ~…お兄様が悲しんでるのにぃぃー…えぅ、百合子はとっても悪い子ですぅぅー)ウググ
一方通行「……………お前さァ…、その恰好…」
百合子「ひゃい!?」ビクッ
一方通行「可愛いぞ?」
百合子「ひゃ、あ、わわ…ほ、本当ですか?…えへへ…えへへー///」テレテレ
一方通行「………」
百合子「はっ!?…あぅ、か、可愛いなんて言われても…えっとその、百合子は騙されないんですからねっ!ち、ちっとも嬉しくないですもん!///」プンプン
一方通行「そのキャラ無理あンぞ?」
百合子「ふぇ、べ、別にキャラを作ってるとかそんなことないですよ!?…つ、ツンデレ系妹さんは好きな人多いと言われたからやってみたとかじゃないですよ!?」アワワワ
一方通行「どォ考えても無理して作ってンだろ…くは、ひゃはは!」ケラケラ
百合子「う、うー…笑っちゃダメですぅ~///」アワアワ
百合子「…や、やっぱり私には難しいです…。お兄様が困ってる顔は…見たくないですもん…」シュン
一方通行「俺もお前がいつも通りな方がいいけどな」
百合子「そ、そうですか?…えへへー…///」テレテレ
一方通行「ま、本気で俺のことが嫌なら遠慮なく言え。正直、俺ァお前と真逆で性格がひン曲がってンからなァ…。俺の態度で傷付けてたンなら謝るわ」
百合子「そんなことないです!…わ、私はちょっと不器用さんなお兄様が大好きです!…あとあと…、えへへ、性格が真逆なら…二人でバランス取れてますよね?///」ニヘ
一方通行「…………はっ、そりゃそォだな。お前に必要ない部分は俺が補っておいてやらァ。ンで、お前は俺に足りないとこを補え。それで十分だ」
百合子「はぁーい♪」
百合子「…………あれ、何か忘れてる、ような…?」
一方通行「?」
百合子「ご、ご主人様っ!…あわわ、わ、忘れたわけじゃないんですよ!そ、その呼び慣れてなくてついお兄様って…ですから、あぅぅ。
それに全然奉仕出来てないし…私、メイド失格ですぅ~」ウワァァン
一方通行「いや、俺は別に…」
百合子 ショボーン メソメソ
一方通行「…はァ、わァーったよ。今日は一日お前をメイドとして扱き使ってやンからしっかり自覚持て。そォだな…呼び方間違えるたびに…コーヒー砂糖なし一気飲み」
百合子「ひゃ、…が、頑張りますっ、お…ご主人様っ!」ビシッ
百合子「そ、そそそそれじゃぁご飯、作りましょうか?…あ、えっと…食欲はありますか?…さっきよりお元気そうですけど…」
一方通行「軽くでいい。夕飯も近ェし。…あとよォ、お前その恰好はどうにかなンねェのか?動くたびにパンツがチラチラ見えるンだけど…」
百合子「あ、他にもメイドさんのお洋服入ってますよ…えっと、こういうロングスカートのとか」ガサガサ
一方通行「あー…そォいうのの方がまだいいわ。メイドやるンならそっちにしてくれ」
百合子「かしこまりました、ご主人様♪」ヌギヌギ
一方通行「目の前で着替えンなァァァ!!!」
テトテトテ
百合子「じゃーん!今度はロングスカートですよ~♪」
一方通行「あー…そっちの方がお前らしくていいンじゃねェの?」
百合子「本当ですか!?」パァァ
一方通行「さっきのは露出多いだけで製作者の下心が見え見えだったな…」
百合子「あれれ…、露出多い服の方が喜ぶって本に書いてあったのですが…、ぉ、ご主人様は露出があまりない方がお好きですか?」
一方通行「べっつに誰がどンか恰好してようがいいンだけどよォ…。お前が着ンならそーいう控えめな服装の方が好みだなァ…」
百合子「はひゅッ///」ポン
一方通行「ンァ?」
百合子「お、おおお兄様がそうおっしゃるなら私は………あ!」
一方通行「今なンとおっしゃいましたかねェ?」 ニヤー・・・
***
軽食&休憩中
一方通行「しっかし、まだ身体だるいなァ…」モグモグ
百合子「………一気、…一気…」ジーッ ←コップと睨めっこ
一方通行「…ま、最初はこンくらいにしといてやるよ」スッ ゴクン(半分飲んだ)
一方通行「ほらよ」コト
百合子「あ、ありがとうございます…、えへへこれくらいなら頑張って…!」
一方通行「そォいや、コーヒー飲むと胸育たねェみたいだな。研究で実証されたらしいぜ?」
百合子「!?」
一方通行「あー…、もォ少し早く起きて軽く運動すっかなァ…。でも、外あっちィし…」
百合子「お胸…、…コーヒー…」ダラダラ
一方通行(まァ、ガブガブ飲まなきゃいいみたいだけどな…面白ェからしばらく黙っておくか)
百合子「でもっ、ご、ご主人様のご命令は絶対です!私はご主人様のために飲みますー!」グィッ
一方通行「おォ、頑張れ」
百合子「んく…ん…ぷはっ……、あぅぅ…やっぱり私にはまだ苦いですぅ…。でも、香りや味は…私も好きです」
一方通行「そりゃ、俺が一番気に入ってるコーヒーだからな」
百合子「えへへ、頑張ってブレンドした甲斐がありました♪…今度はどんなブレンドしようかなー…、もっと飲んで味をしっかり覚えて…」
一方通行「胸はいいのか?」
百合子「はぅ!」ガーン
一方通行「ま、胸のあるなしなンて気にしないヤツは気にしねェしよォ」
百合子「ご、ご主人様はお胸の大きい方と小さい方どちらがお好きですか!?」ガタン
一方通行「へ?」
百合子「や、やっぱり…ぺったんこ…じゃ……、揉む楽しさがないって言いますし!やっぱりご主人様が揉めるくらいはあったほうが、いいですよね…」シュン
一方通行「いや待て。なンで俺が揉む前提なンだ?」
百合子「え?…男の方は女性のお胸を揉むのがお好きなのでは…?…あれれ?」キョトン
一方通行「…お前のその知識は学習装置か?それとも後から知った情報か?」
百合子「学習装置です」
一方通行「…………なンつーどォでもいい情報を…」ガックリ
百合子「学習装置に入っていたキャッチセールスの断り方はお留守番の時に重宝してますよ♪」
一方通行「はァァー…」
百合子「そ、それでご主人様はやっぱり大きいお胸をむにゅむにゅーって揉む方がいいのですかね?」エアムニュムニュ
一方通行「…つーかよ、女の価値なンて胸の大きさじゃ決まらねェだろ。そンなもンじゃなくて中身で勝負すりゃいいンだよ」
百合子「中身…、柔らかさとか?」サワサワ
一方通行「胸の中身じゃねェよ!性格とかだ!」
百合子「で、でも…女性はスタイルの良い方が優秀だって妹達さんも仰ってて…」
一方通行「俺はお前がお前ならそれでいい。胸がなかろうがお前だったらそれでいい。…解ったか?」
百合子「……………えへへ///」コクン
一方通行「…とはいっても…アレか。俺にも原因があるってことか?こりゃ…」モヤシ
百合子「?」
一方通行「遺伝子的な意味で」モヤシ
百合子「んー…、どうなんでしょうね。…でも、私はご主人様と一緒ならそれが嬉しいです」
一方通行「俺の能力で、なんとか…、いや…ベースになる脂肪分もねぇし…」モヤシ
百合子「やっぱり揉んでもらうしか!!」ガタン
一方通行「いや、揉まねェぞ」
百合子「それじゃ、私が揉みます!」ワキワキ
一方通行「は、はァァ!?」
百合子「とりゃー!」ガバッ
一方通行「ちょ、ま……、あ?」
百合子「なんちゃって☆…えへへ、身体がだるいって言ってたので肩もみですよ?」モミモミ
一方通行「あ、あァ…そりゃ、どォも…」
百合子「えへへ、だって今日はご奉仕するって言ったじゃないですか。…ホントはお食事も「あーん」ってしたかったのですが…」モミモミ
一方通行(あの時ンだけで十分だっつの!!)←百合子デレデレ編
百合子「…あれ?…ご主人様、肩こり気味ですか?」モミモミ
一方通行「そォだな…どっちかってーと…」ハフゥ
百合子「猫背だからですよぅ。直しましょー、ねっ」グギッ
一方通行「ぐがっ!?」
百合子「痩せた人もなりやすいし、それになで肩?…あとあと、運動不足もダメですし…。あ!ソファで寝ながら雑誌読むのダメですよ?」
一方通行「メンドくせェ…」
百合子「ほら、こうやって腕を上げてー」グイッ
一方通行「いだだだだだだだだだ」グギギギギ
百合子「……………うさぎ♪……なんちゃって…」←手のひらを頭の横に
一方通行「……百ゥ合ィ子ォォ…?」
百合子「ひゃ、じょ、冗談ですよぅ!?ちょ、ちょっと可愛いかなーなんて思ったからやっちゃったとかじゃないですよ!?
あ、ほ…ほら、こうやって腕を上げ下げするだけでも血流を良くしてですね…」
一方通行「あ。俺、血流操作出来るから自分でなンとか出来ンじゃね?」
百合子「はっ、その方法がありました!」ポム
一方通行「そんじゃ別に肩もみもマッサージも整体も…いらな……」
百合子「?」
一方通行「あー…、でも充電勿体ねェし無駄使いは出来ねェな」
百合子「そ、そうですか?」
一方通行「そォだよ。…だから、お前が俺に肩もみすりゃいいンだ。解ったか?」
百合子「あ……。…えへ、…えへへっ。…任せてくださいっ♪」ニコッ
一方通行「ン。任せた」
百合子「とんとんとん♪」トントントン
一方通行「しっかし、奉仕なァ…。お前はそれで楽しいのか?」
百合子「楽しいですよ?…んー…、やっぱり誰かのお役に立てるのは嬉しいです…。「人の笑顔だけで満たされる」って、定番ですけどね。
偽善だとは思います。でも、私が今こうやってここにいれるのはお兄様と皆さんのお陰ですし…。私の手の届く範囲でお礼したいんです」
一方通行「別に誰も偽善だなンて思ってねェよ」
百合子「ううん。たぶん、お役に立って喜ばれることで私は私の居場所を作ってるんだと思います。「良かった。まだここにいられる。いても大丈夫」って。
それで安心してるから…、結局は自分のためなんです。あ!でもでも、本当に毎日楽しいし、大変とかは思ってないですよ?」
一方通行「ま、お前がそれで満足してンなら俺も野暮なこたァ言わねェよ。俺は、そォいう気持ちはあンま解んねェからな。
お前が疲れてンのに習慣でやってるだけなら悪ィなァ…って思っただけだ」
百合子「自発的な行動なので、心配ご無用です♪」
一方通行「おォ。…ンじゃ次の命令だ」
百合子「はぁい♪」
一方通行「罰ゲーム2回目ェ」ニヤッ
百合子「…………はぅ!?」ガーン
***
ゴクゴクゴクッ
百合子「んぇ…、やっぱり苦い…。…ご、ご主人様…次は何をご所望でしょうか…!」プルプル
一方通行「んー…「休憩」」
百合子「え?」
一方通行「俺は一時間くらい横になりてェンだ…。だからお前は」
百合子「添い寝!添い寝すればいいンですねっ!」キラキラ
一方通行「いや、だから…その間お前は…自分のやりたいこととか、飯の用意とか…」
百合子「添い寝だったら私もちゃんと出来ますっ、えへへ…今度は罰ゲームなしで頑張るぞー」トコトコトコ
一方通行「………どうしてこうなった…」ポツーン
そして10分後。
百合子「…zzz…」スヤスヤ
一方通行「お前が先に寝てどうすンだよ…」クスクス
パサッ
一方通行「………ま、「休憩」にはなってるか…」ギシッ
ストン トコトコ パタン
百合子「むにゃ…」スヤスヤ
ピッピピッ トゥルル...
一方通行「………おォ、黄泉川、俺だ。今平気か?…ン、じゃァ手短に話す。「今日のメシは俺の奢りで外食」以上ォ!」ピッ
***
夕方・リビング
打ち止め「あなたから食事に誘うなんて珍しいねってミサカはミサカはソファでごろごろしてるあなたを観察してみる」
一方通行「手っ取り早いしいいだろ。そろそろ肉を大量に摂取したいなァって思ってたンですゥ」ゴロゴロ
芳川「素直に百合子ちゃんに負担かけたくないからって言えばいいのに…」
黄泉川「焼肉は大歓迎なんだけど、車かぁ…。一方通行の奢りでお酒飲み放題だと思ったじゃんよ」
一方通行「学生の奢りで酒飲み放題とか何言ってやがンだよセンセェ?」
黄泉川「人のお金で飲むお酒は格別じゃんね」
一方通行「そのまま溺れろ」
打ち止め「それにしても…あなたは具合悪かったんじゃないの?…平気なの?ってミサカはミサカはあなたの心配をしてみたり」
一方通行「だりィっつっても、動けねェワケじゃねェからな。頭痛とかそンなのは能力で緩和したけど…」
芳川「キミは夏場は暑いって言ってあまり外に出たがらないから…、運動不足はダメよ?」
打ち止め「ヨシカワ…。言いにくいけど…すっごく説得力ないかも…ってミサカはミサカは苦笑いでごまかしてみる…」
黄泉川「冷房病は生活習慣で改善出来るじゃんよ。今度うちの学校のグラウンドで走ってみたらいいじゃん」
一方通行「俺、杖。無理。走れない。ノーセンキュー」
ドタバタバタタタ
百合子「ねっ、寝過ごしたぁぁぁー!うわぁぁん、なんで一日に2回も寝過ごしちゃうんだろぉぉぉ、お、お夕飯、お夕飯の支度…っ」アワワワワワワワオロロロロロロ
一方通行「お前も随分よく寝るよなァ。まァ、俺と同じだからしょォがねェけど」
百合子「きゃぁぁ!皆さん帰ってたんですか!?…ど、どどどどどどうしよう!!あの、えっと…ご、ごめんなさいご飯すぐ用意するのでッ」アワアワオロオロアブアブ
打ち止め「そ、それは…大丈夫…なんだけど…」
黄泉川「………、どういうことじゃん?」
芳川「………二人で何してたの?」
一方通行「」
百合子「えっ、え?」
一方通行(やっべ…こいつがメイド服なの忘れてた…)ダラダラダラ
百合子「???」
打ち止め「ユリコの…その恰好は…メイドさん?ってミサカはミサカは開口したまま聞いてみる…」
百合子「あっ、は、…はい!今日は一日ご主人様にご奉仕するメイドさんなんですよっ♪」ニコッ
黄泉川・芳川・打ち止め「」
一方通行「」ダラダラダラ
黄泉川・芳川・打ち止め「……………」ジッ
一方通行「………お、俺は…」ダラダラダラ
黄泉川「あ、一方通行…、ついに百合子に対してイメクラ行為まで要求して…」
芳川「キミの百合子ちゃんに対する愛情ってその、なんていうか…服従させたい的な?…そういう部分も強かったのね…。
昔からキミは人と上手に関われなかったから…、その感情が歪曲して服従させて従わせたいという願望が…。
えぇ、解ってるわ…私とキミは付き合い長いもの…」
打ち止め「み、ミサカは…えっと…まだ、子どもだから…、あ、あなたのそういう不満を解消出来ないから…ユリコで…。
わ、解ってるよ!だ、大丈夫!ってミサカはミサカはあなたのことをちゃんと理解してることをアピールしてみる…」
百合子「いめくら?…ふくじゅー?…ふまん…?」キョトン
一方通行「…………………………あは」ヒクッ
***
高級焼肉屋にて
打ち止め「なぁんだ、それならそうと早く言ってくれればいいのにーってミサカはミサカは焼けたお肉を取ってみる!」
芳川「全くよね。前からキミたちの距離感って恋人にも似た近さがあったからついつい勘違いしちゃったわ。あ、このサーロインステーキもらうわね」
黄泉川「ま、仲良くて微笑ましいってね。でも、近親相姦は先生認めないじゃんよー」ケラケラ
一方通行「てめェら、今まで俺らの何を見てたンだっつの…。あ、その肉俺のだからな。俺の、…俺のだっつってンだろ芳川ァァァァァァ!!!!」ガタッ
芳川「あら、おいしい。やっぱたまには高いものも食べないとね。すみません、これもう1セットください」モグモグ
百合子「はふ、はふ…あちゅ…はむ…ムグ…んん~~~っ、おいひぃ…幸せ…」ホワーン
打ち止め「ユリコ、ユリコ、このお肉もすっごくおいしいよーってミサカはミサカはユリコに教えてみたり」
黄泉川「そーそー、たくさん食べるじゃんよー」ヒョイヒョイ
百合子「はーい♪…あ、ご主人様、お野菜も食べないとダメですよ?ほら、サンチュでくるくるって巻いて…どうぞ♪」アーン
一方通行「ン…」アー
黄泉川・芳川・打ち止め「…………」ニヤニヤ
一方通行「…………」
百合子「あれ?…食べないんですか?…お腹いっぱい?」
打ち止め「照れてるだけだよってミサカはミサカはニヤニヤしながらユリコに教えてみたり」ニマニマ
一方通行「てめェらがこっち見てくるからだろォが!!」
芳川「だって、面白いから…ねぇ?」
百合子「?」
黄泉川「ほら、百合子。今のうちにそれ食べさせてやるじゃんよ?」ニシシ
百合子「はっ、はい!…ご、ご主人様~」アーン
一方通行「あァもう!」パクッ
百合子「おいしいですか?」
一方通行「…おォ」モキュモキュ
打ち止め「ユリコ、ユリコ。ミサカも食べたい~ってミサカはミサカはあーんを希望してみる♪」
百合子「りょーかいです♪」アーン
打ち止め「あーんっ。んみゅ、む…おーいしー!ってミサカはミサカは頬っぺたおさえてみたり!」ホワホワ
百合子「えへへー。ご主人様に感謝ですね」
黄泉川「今日は一日「ご主人様」でやってくの?」
百合子「もちろんです!ご主人様の命令は絶対ですよ!お出掛けだからお洋服は変えましたけど、心はちゃんとメイドのままです!」グッ
芳川「キミも変な命令しちゃダメよ?…あ、そのお肉もーらいっ」ヒョイッ
一方通行「お前、俺をなンだと思ってンだよ…、ってああァァ!?てっめ、そりゃ俺が目の前でキープしてた肉じゃねーか!」
百合子「あわわっ、わ、私が同じお肉焼いてるのでそちらを食べてくださいー」オロオロ
一方通行「あー…いいってェの。足りなけりゃまた頼めばいいだけだ。…で、お前は何食いてェンだ?さっきから自分で注文してねェだろ?ン。メニュー」
百合子「あ、え…と…私は…皆さんと同じので…いいので…」
打ち止め「遠慮しなくて大丈夫だよー?ってミサカはミサカはメニューを開いてユリコに提示してみる。どうせお金払うのはこの人なんだし!って
ミサカはミサカは超お金持ちセレブ学生を指さしてみたり!」ビシッ
芳川「ホント、キミと一緒に桔梗の家に転がって良かったわ」ウマウマ
一方通行「お前ら黙れ。特に芳川」
黄泉川「百合子もじゃんじゃん食べるじゃんね!ほらほらこの超高い肉とか頼むといいじゃん」
百合子「ひゃ、そ、そんなに高いのは…わ、私には勿体ないので…!」オロロロロロロ
一方通行「別に構やしねェっての」
黄泉川「それじゃーお構いなく!この和牛サーロインステーキくださーい!」
芳川「私はイベリコ豚」
打ち止め「ミサカは地鶏ー!ってミサカはミサカはメニューを指さして店員さんにお伝えしてみる!」
一方通行「てめェらはちったァ遠慮しろォォォ!!」
百合子「あわわわ…」
一方通行「…じゃー、俺はこれ食うからお前も同じものだ。いいな?」
百合子「は、はいっ」ビクッ
一方通行「このセットふたつ」
打ち止め「あと、オレンジジューおかわりくーださい!ってミサカはミサカは挙手して宣言!」ビシッ
芳川「これも2セット」
一方通行「もォ勝手にしろッ」
***
一方通行「ン。適当に食え」ズイッ
百合子「わ、あ…あり…ありがとうございます…!」
一方通行「つーか、今日はお前の労いのつもりで来てンだからよォ。腹いっぱい食えよ」
打ち止め「そうそう。いっつもありがとうユリコ!ってミサカはミサカはユリコの身体に擦り寄ってみる」スリスリ
黄泉川「いっつも家事任せっぱなしだからな。今日は全部こいつに任せてぶわーっと食べるじゃん!」
芳川「百合子ちゃんはいっつもメイドみたいなものだし…、今日はこの子に奉仕させてもいいんじゃないかしら?」
百合子「はわわわわ、そ、そんな…!…わ、私は好きでやっていることですし…!ぜ、全然気にしないでください!」
一方通行「百合子」ヒョイッ
百合子「ひゃ、はい!?…んむっ?」クルッ パクッ
一方通行「こーいう時は「アリガトー」だの言って笑って食えばいいンだよ。おら、その皿貸せ。俺が焼いてやっから…」
百合子「そ、そそそんな…ダ、ダメですっ!も、もうお食事に誘っていただいたことだけで十分嬉しいのでそこまでは…」アワワオロロ
一方通行「………「俺の命令は絶対」…だったよなァ?」ニヤァ
百合子「はう!?」ビクッ
一方通行「…はいはい、俺の忠実で従順なメイドちゃンに新しい命令でェす。…皿よこせ。そしてお前はされるがままでいろ」ニヤァ
百合子「あぅぅ~!ず、ずるいですお兄様ぁ~っ」バタバタ
一方通行「おォ?…なンだァ罰ゲームも追加かァ?ぎゃははは!うおりゃ!お前の肉は全部この俺が焼いてやらァ!」ドサドサ
百合子「うわぁんっ!…そ、それじゃぁ私全然メイドさんじゃないですよぉー!だ、だめですってばぁ~…」オロオロ
黄泉川「百合子、百合子。やらせてやるじゃんよ。多少強引とはいえ、あいつはお前のために何かしてやりたいだけじゃん?」ヒソヒソ
芳川「あの子は、君から「ありがとう」って言葉を聞きたいだけなのよ?…ね?」ウィンク
百合子「あ、…ぅ…」
打ち止め「ミサカのお肉は焼けたかな?ってミサカはミサカは菜箸をカチカチしてるあなたに尋ねてみる」
一方通行「あァ?…まだじゃね?……、ほら、こっちならちょうど良さそうじゃね?よそってやっから皿貸せ」
打ち止め「わーい!今日のあなたはとびきり優しいね!もしかして冷房病って素直になる効果が?ってミサカはミサカは冷房病の新説を唱えてみたり!」
百合子「…………」
一方通行「ほら、食え」ズイッ
百合子「………えへへへっ…、ありがとうございます…」ニヘラ
一方通行「そォそォ。それでいいンだっつの…」ポンポン
打ち止め「ミサカのお皿にも入れてーってミサカはミサカはおねだりしてみる!」
一方通行「あー、ハイハイ。ほらよ」ヒョイヒョイ
打ち止め「わーい、ありがとー!ってミサカはミサカは笑顔であなたにお礼してみたり!」ニパッ
一方通行「…………ン…」
一方通行(…なンか、あいつの気持ちも解ったかも、な…)
***
翌日
打ち止め「もーお昼になっちゃうよー!ってミサカはミサカは健康宣言一日放棄のあなたを叱咤してみる!おーきーろー!」バシバシバシ
一方通行「うっせェ…、最初っからンな宣言してねェっつの…」モソモソ
打ち止め「でももう起きないとお昼ご飯の時間だよ!ってミサカはミサカはあなたのほっぺたをぐにぐに引っ張ってみたり」グニグニ
一方通行「ひゃ、め…ろっつってンだろォがクソガキィィィィ!!!」ガバッ
打ち止め「お、お寝坊さんなあなたが悪いんだからー!ってミサカはミサカはあなたから少し離れて警戒してみる!」フーッ
一方通行「昨日、あの後…お前までアホみたいな服着てはしゃぎまくるから眠れなかったンだよ…」フワァー
打ち止め「えへへー可愛かったでしょう?ってミサカはミサカはメイド服を気に入ったことをあなたに教えてみる♪」ニパー
一方通行「そこまではまだ良かったンだよ…。酔っぱらった黄泉川までもが着だすとか…あいつ年考えろよ…ありゃ悪夢だな…」
打ち止め「えー、すっごく似合ってて可愛かったけどなぁ…ってミサカはミサカは口元に指を添えて回想してみたり…」
一方通行「ンで、百合子は買い物かァ…?」
打ち止め「もう帰ってくるはずーって…」
タダイマモドリマシター
打ち止め「ナイスタイミング!ってミサカはミサカはユリコをお出迎えしに走ってみる!」パタタタ
打ち止め「ゆーりこっ!おっかえりー!ってミサカはミサカはユリコをお出迎え♪」
百合子「ただいまー♪お昼ご飯すぐ用意しますね!…あ、それと…お兄様は起きていらっしゃいますか?」
打ち止め「うん、起こしたよ!ってミサカはミサカは腕を組んで満足げにふんぞり返ってみる!」
百合子「よ、よぉし…!」グッ
打ち止め「??…何かあったの?ってミサカはミサカは緊張気味のユリコに首を傾げてみたり…」
百合子「ちょっと…お願いごとを…」ドキドキ
打ち止め「?」
キィ
百合子「お、お兄様…お、おはようございますー…」
一方通行「おォ…、どォした?」
百合子「あの、具合はどうですか?」
一方通行「あー…今日は平気だ」
百合子「そ、そうですか!…えへへ、良かった」
一方通行「ンで、何か用か?」
打ち止め「ユリコね、何かお願いごとがあるんだってってミサカはミサカはユリコの服の裾を摘んでみる」クイクイ
一方通行「あ?…新しい服が欲しいとか、か?」
百合子「え、えっと…そ、そうではなくてですね…ア、…ア…」オドオド
一方通行「ア?」
百合子「アルバイト!…して、…みよう…かな…なんて…思って…」シュン
一方通行「バイトォ!?…なっ、…え?…なン、で?…え?金?…あ?小遣い足りないってか!?それなら全然気にすることねェぞ!?」オロオロ
百合子「そ、そそそそうじゃないんです!…あの、…いっつもお世話になってるのに…私…家事くらいしか出来ないから…せ、生活費とかも…
働いて…少しでも負担を…と思って…、私…何も出来ていないので…」オロオロ
一方通行「…………」←ほぼ学生ニート
百合子「お昼から夕方くらい…なら…、週に2~3回くらいで…お夕飯の支度にも間に合うかなぁ…って…」
一方通行「お、お前の生活費なら…俺が十分負担出来るから…気にしなくて…」オロオロ
百合子「お、お兄様の負担になるのも…申し訳なくて…」シュン
打ち止め「でも、急にどうして?ってミサカはミサカはユリコと遊ぶ時間が減っちゃうのを寂しく思ってみたり…」
百合子「さっき、お買い物の帰りにアルバイト募集のチラシを渡されて…えっと…、なんだか私に来てほしいとお願いされてしまいまして…」オロオロ
一方通行「そのチラシ見せてみろ」
百合子「は、はい!」サッ
一方通行・打ち止め「…………メイド、喫茶?」
百合子「「看板になる子が欲しくて、君なら絶対一番人気になれるから!」って土下座までされてしまって…あの…」オロオロ
一方通行「……………………いや、確かにお前なら…その…やってけると…思うけど、よォ…」ダラダラダラ
百合子「…………」ショボン
一方通行「しっかし、メイド喫茶なァ…最近増えてるっつゥけど……場所は、第5学区……ン?」ピラッ
一方通行「………「オプションで、メイドと完全個室でのみさくらなサービスも可能」………は、ははは……下の方ですっげー小せェ文字で…」ワナワナ
百合子「???」キョトン
一方通行「ふンッ!」ビリビリビリッ
百合子「ひゃっ!?」ビクッ
一方通行「ぎゃははははははは!!!!おい、百合子!このチラシ配ってたヤツはどこにいやがる!?」ガタン
百合子「へっ、あ…えっと、いつも行ってるスーパーの帰り道の裏路地付近の…」アワワワ
一方通行「この一方通行の身内にこォンなふざけたチラシ渡すたァいい度胸じゃねェかァ!ぎゃはははは!!あァ、冷房病にゃ軽い運動がいいンだったなァ!
ちょっくら、「軽い」運動してくらァ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
打ち止め「ちょ、ちょっと!確かにユリコにこんなチラシ渡したのは怒られるべきだけどあなたが「おしおき」しちゃったら色々被害が大きすぎるかも!
ってミサカはミサカは立ち上がったあなたの腰にしがみ付いて制止してみるー!ビークール!」バタバタ
百合子「えっ、え!?…お、お兄様っ?…きゅ、急にどうされたんですかっ?…あわわわ、わ、私…何かお兄様に…」オロオロ
一方通行「………。はァァ…、…あのよォ…お前はまだバイトとかしなくていいっつの」ポンポン
百合子「………」シュン
一方通行「別に生活費に困ってるわけでもねェし、…まァ社会勉強っつーのは必要だとは思うけどよォ…。まだ、いいじゃねェか。…な?」
百合子「……は、ぃ…ごめんなさい…。…昨日、メイドさんごっこしてて…楽しかったので…こうやって人のお役に立てるなら…って」ショボン
一方通行「………あー…、まァ…お前の気持ちも解らないわけでもねェけど…。まだ、心配が多いっつーか…なんつーか…」ポリポリ
百合子「うぅ…」
一方通行「働きたいなら俺の下で働いてろ…。その方が俺も安心出来るし…」
百合子「………」コクン
一方通行「………あー…、くそ…。…つまり、こういうワケなンだよ!俺が起きた時も、帰ってきた時も家にお前がいなきゃ嫌なンだよ!///」
百合子「え…?///」
一方通行「だから…、この家で家事手伝いの仕事してりゃいいンだ!解ったか!///」
打ち止め「ミサカも帰って来たときにユリコが「おかえりー」って言ってくれないと寂しいよ~ってミサカはミサカはユリコの手を握ってみる」キュッ
百合子「えへへ…えへへへ…///」テレテレ
一方通行「家事手伝いだって立派な仕事だろォがよ…。この家ではお前しかその仕事出来ねェンだからよォ…頼りにしてンぞ」ポン
百合子「は、はぁい…♪」テレテレ
一方通行「ン。解りゃいい……、さってと…」スクッ
一方通行「百合子、コーヒー淹れてくれ」
百合子「…はいっ、お兄様っ♪」
EP1 →Happy pattern
とりあえずこのメイド編でこのSSの一区切りってことで。
まだこの話自体は続けるけど、その前にこのSS開始当初から予定してたED1とED1のおまけを明日投下します。
開始当初から半月くらい前までED1のこの終わらせ方が最善、俺の中でこれ以上の終わらせ方は浮かばなかったんだけど
色々考えて考えて考えた末にマルチエンディング形式っていうズルいやり方させてもらいます。
たぶん、それが俺にとっても、読んでくれてる人にとっても幸せな方法だと思うんで。
EDは全部で3つ。
ED1は当初考えてた終わり。
ED2はED1の終わりをなんとか変えようと苦肉の策で考えた終わり。
ED3は↑のメイド編からいつも通り続くいつも通りの日常なので終わりはまだなし。だからメイド編は「ED1」じゃなくて「EP1」。
ED1は最初の頃に書き終わってるから明日の夜くらいに一気に全部投下します。
ED2はこれから書き溜めるので、明日までに終わってればED1のあとにそのまま一緒に投下します。
そのあとはいつも通りの和みほのぼの系で普段のペースに戻りますぜー。
ED1ED2に関して「なんだか嫌な予感がするんだZE」と思った人、その勘はたぶん合ってると思うのでその場合無理に読む必要はないです。
その場合明日投下する俺のIDを消すとかうまくやってくれ!でも、それ以降はいつも通りに戻るから安心してネ☆
並行世界の色んなパターンのお話とか、そういうことさ!
じゃーまた明日ー!
ED1 ある日突然悲劇が起きた場合。
御坂妹「おや、一方通行。こんにちはとミサカは至って普通の挨拶をします」
一方通行「お前は…10032号か」
御坂妹「えぇ。…今日は百合子さんと一緒ではないのですか?とミサカは肯定しつつ質問を返します」
一方通行「あいつなら買い物行ってンぞ。用があるならあいつの番号教えっけど?」
御坂妹「いえ、特に用はありません。最近は一緒にいる姿をよく見ていたので。とミサカはここ数か月を回想します」
一方通行「あいつが来てからもう半年くらいか。……やーだねェ、時間が経つのが早くてェ」
御坂妹「昨日もお姉様と上位個体と放課後遊んでいたようですね。とミサカは上位個体にクレープを自慢されたことを思い出します」
一方通行「ま、暇あったらあいつの相手してやってくれや」
御坂妹「それは、もちろん。妹達以外のクローン仲間ですし、ミサカ個人も彼女のことは好きです。とミサカは了承します」
一方通行「じゃ、俺は帰るンでェ」
御坂妹「はい、お気を付けて。とミサカは踵を返します」
女の子「ふぇぇ、うわぁぁん…」
一方通行(目が合っちまった…)ハァ
女の子「おに、おにいちゃ…ひぐっ…」
一方通行(くっそ、ロックオンされたか…)
一方通行「あァ?どォしたクソガキ…」
女の子「ひぅ、私、カバン置いて、お菓子取ろぉとしてたらね…のら犬がねっ…路地裏に、カバン持って行っちゃたのぉ…」
一方通行(やっぱ面倒なことになりそォだな…)
女の子「ひぐっ、…えっ、…」
一方通行(……あいつなら、ニコニコ笑って助けてやるンだろォな…)
一方通行「……おい、クソガキ。こっちの道でいいのかよ?」
女の子「う…うん…?でも、危ないから入っちゃダメって…」
一方通行「ま、この辺はスキルアウトの縄張りだしな…」
女の子「お兄ちゃん、…能力者なの?」
一方通行「まァな」
女の子「わ、私のカバン…探してくれるの…?」
一方通行「探して来てやっからここで大人しく待ってろ」
女の子「……私も…一緒に行っていい?」
一方通行「足手まといだクソガキ」
一方通行(………こっちの空気の方が馴染む…ってか。ハッ、結局俺の本質はこっち側ってことだなァ)トテトテ
女の子「おにいちゃ、…待って!」
一方通行「………待ってろっつったのが聞こえなかったのかよ」
女の子「だ、だって…私のカバン…どんなのか…伝えてなかったし…それに…」
一方通行「あァ?」
女の子「一人じゃ…なんだか怖くて…」
一方通行(………、ここで打ち止めの顔が浮かぶたァね。俺も丸くなった、か…)
女の子「……ごめん、なさい…」
一方通行「離れるンじゃねェぞ…」トテトテ
女の子「うん!」パタパタ
一方通行(………、やっぱ似合わねェな…)
***
一方通行「で、どォしてこォなンだよ」
女の子「疲れたよぅ…足痛いよぅ…」グスン
一方通行「チッ、これだからガキはよォ…ほら、背中乗れ」
女の子「わぁい!ありがとーお兄ちゃん…」ヨジヨジ
一方通行「表通りまで連れてってやっからカバンは風紀委員辺りに捜索願い出しとけ」
女の子「うぅー…」
一方通行「ちっ、奥まで入り過ぎたな…」
女の子「むぅ…そっち右だと思うの…さっき、そのバケツみたいなの見たし…」
一方通行「スキルアウトに出くわさないうちにさっさと帰ンぞ」
女の子「…お兄ちゃんは、なんの能力者なの?」
一方通行「なンでもいいだろ」
女の子「だって、路地裏すぐ入っちゃうってことは強い能力者なんでしょ?」
一方通行「それなりにな」
女の子「いいなぁ…」
一方通行「ふン、強くたっていいこたァねェよ」
女の子「でもでも、強かったらみんなを守ってあげられるよー」
一方通行「…………やり方次第、だろ…。間違えたら間違った方向行って取り返しつかなくなって行き場なくなってお終いだ」
女の子「ふぅん…」
女の子「自分のこと、よく解ってんじゃん一方通行」
ブチッ
一方通行「ッ!!?」
バタッ
女の子「よっと…」ストン
一方通行「……!?…?」
女の子「キャッハハハハハ!面白ぉい!あんた本当に首のソレで能力補ってたんだぁ?」
スキルアウト「うまくやったか?はははっ、あの一方通行が地べたに伏せてんぜ!?」
女の子「ガセネタかと思ってたからわざわざ疲労の大きいガキの身体使うの気が進まなかったけど、大収穫じゃないねぇ」
一方通行「…………」ギギギギッ
女の子「あらあら可哀想に。こーんな可愛い幼女に騙されちゃって…」
スキルアウト「今のうち腕縛っとけ」
バタバタバタ
一方通行「………ッ」
女の子「やぁだ、そんな可愛い顔で見ないでよ?ふふふ、肉体変化系の能力だと思った?残念。ま、簡単に言えば精神乗っ取り系よ。詳しくはナイショ。
こんくらいのガキならある程度支配出来ちゃうわけ。あぁ、心配しなくてもあと10分くらいがタイムリミットだからこの後公園辺りに返してくるわよ」
女の子「まさか、最強の能力者さんがこーんな典型的な罠に引っ掛かるなんてねぇ。ま、それなりに報酬もらえるし。いい仕事だったわ。ありがとね、第一位さん」
***
廃工場
カチッ
一方通行「ッ、う…てめェら…何が目的だよ」
スキルアウトA「へぇ、おっもしれぇ!こいつ、本当に首の機械で能力補ってんのか」
スキルアウトB「目的なんざ決まってんだろぉが。今まで散々痛めつけられたからその分お返ししてやろぉかってね」
スキルアウトC「第一位をぶっ潰して俺らの方がすげぇって見せつけてやんだよ」
女性「男ってほんと、つまんないことに全力かけてバカみたいね」
スキルアウトD「そのつまんねーことに協力したお前はなんなんだよ」
女性「べっつにー。第一位がどんな奴か気になったのと、あんたらにしちゃ珍しく報酬がはずんだだけよ」
スキルアウトE「半年前にどっかのスキルアウトが潰れたみたいでよ。そっからスキルアウト集団同士の覇権争いで潰し合い開始。
馬鹿どもは真っ向勝負で共倒れ…ははっ、流れが向いてんのかねぇ、俺たちに!」
ガッ
一方通行「ぐッ、ゥ……」
女性「あらら、可哀想に。細っこくて折れやすそうだし、すぐ壊れちゃうんじゃない?」
スキルアウトF「ケンカは慣れてるってぇの。加減くらいしなきゃ楽しくねぇだろ」
女性「綺麗な顔立ちだし、肌も綺麗だし。私だったら縛り付けて観賞するけどね」
スキルアウトE「そっちの方が趣味悪ぃよ、女ってマジ怖ぇわ」
ガッ バキッ
一方通行「あぐっ…かっ、は…ふざけン、なよ…てめェら…」
スキルアウトA「はっは!真剣だよー?真剣にお前を殴ってんだよ!」
バキッ
一方通行「ッ!」
一方通行(なンなンだろォな…)
一方通行(まァ、お似合いっちゃァお似合いだな…)
一方通行(あいつが来てからしばらく忘れてたけど、…いや、忘れたがってただけか…)
一方通行(俺は、こーいうとこにいるのが相応しいクズなンだったな…)
一方通行「か…はァ…、てめェら…、俺だけが、目的、なン、だよなァ?」
スキルアウトB「おぉー?そうだけど?てめぇ以外標的がどこにいるっつってんだ?」
一方通行(あいつらに…危害が及ぶことはない…か…)
スキルアウトC「なぁ?こいつの首の機械もう一回切っちまってもいいか?無抵抗な人間ぶん殴んのも楽しそうだしよぉ」
一方通行「なっ…!?や、め…!」
一方通行(思考が…!)
カチッ
女性「そーいえば、私以外にも堕ちた能力者って雇ってんでしょ?そいつらはいないの?」
スキルアウトE「他にやることあってな、下っ端どもに迎えに行かせてるけど…」
女性「色々忙しいのね。能力者狩るのって何が楽しいのかしら」
スキルアウトF「その能力者狩るのだって道具が必要だろ?今度の銃器はすげぇぜ?もう到着するは…」
ドゴォン!!
女性「なっ、何?外からじゃない?」
ドンッ バババババ ガゴォン
スキルアウトE「はっ、穏やかな音じゃねぇな…他のスキルアウトに武器狙われたか?」
スキルアウトA「なんだよ楽しくなってきたところで…」
スキルアウトF「お前ら一応武器構えとけ」
ドォォン ズガガガ メキッ
女性「全くもう。うるさいわね。じゃ、私はあんたらが遊んでる間にこの子で遊ぼうかしら」
一方通行「………」
女性「この機械切ってる方が可愛いじゃない。捨てられた人形みたいね」
スキルアウトB「こんな不気味な人形あってたまるかよ…、こいつぁ俺達のサンドバックなんだよ。余計なことすんなよ」
女性「壊さなきゃいいんでしょ?」
スキルアウトC「おい、それより外だ」
女性「うふふっ…血ぃ吐いちゃって可哀想に、…気持ちいい肌ね。痣とか出来ちゃってる。…解ってないわよねー男って」
女性「人間離れしたこの赤い目だとなおさら、綺麗ね。人工的なグラスアイみたいで、…きゃは」
女性「綺麗なまま愛でて心を壊していくのが楽しいじゃないね」
百合子「悪趣味ですね」
女性「!!?…な、何、この子っ!!?」ビクッ
スキルアウトD「なっ、何処から入った!?」
バタバタバタ
百合子「あわわ、…ここにも怖そうな人が…」オロオロ
スキルアウトE「こいつ…一方通行と、同じ…?」
百合子「あの、お兄様を返してくれませんか?」
スキルアウトF「……おい、一方通行に妹がいたなんて情報あったか?」
スキルアウトC「んなことどうだっていいだろ……情報なんていくらでも隠蔽歪曲できる、おい嬢ちゃんどっから入った…ここは嬢ちゃんが来るような場所じゃねぇぞ」
百合子「ひゃ…、あの、普通に表から御邪魔しましたが…」
女性「表って…今武器の奪い合いが…」
スキルアウトA「あの音なら能力者もいただろうな…」
百合子「あの…、それより、お兄様を返してください。こんなに怪我しちゃって…早く病院に連れて行きたいんです」
スキルアウトB「待て、こいつ一方通行の妹ってこたぁ能力者じゃねぇのか?」
百合子「妹ではないんですけど…、あの、銃とか危ないんでしまってくれませんか?意味ないですよ…?」
女性「何よ、この子…」
百合子「時間が、あまりないんです。…早くお兄様を返してください」
スキルアウトB「はっ、お嬢ちゃんよぉ!今どういう状況か解ってんのか?俺達が引き金引きゃぁお嬢ちゃんも兄貴もすぐ死ぬんだぜ?」
百合子「だから、危ないって言ってるじゃないですか…」
スキルアウトC「ちょ、…と、待て、…なんか…変じゃねぇか…?」
スキルアウトE「…何がだ…?」
シ…ン
スキルアウトC「お、おい…お嬢ちゃん、表から入って来たって言ったよなぁ…?」
百合子「はい」
スキルアウトC「…表では、今、密輸した武器や、呼びだした能力者が4~5人いたんだけどよぉ…」
百合子「ふぇ?8人でしたよ?」
女性「待って…この子…まさか…」
スキルアウトA「…能力者って…レベル3や4もいたはずじゃ………う、うわぁぁ!」ガチャッ
スキルアウトF「待て落ち着」
バンッ
百合子「!」
キィン
ボンッ
スキルアウトA「ぎゃ、ぎゃああああああああああ腕がっ、ぎゃああ!!!!???!??」バタッゴロゴロッ
スキルアウトC「!?なっ、この女、なにしやがった!!」
百合子「お兄様に当たったら、どうするんですか…!」
スキルアウトB「くそっ、撃て!一斉にだ!!」
バンバンバンバンバン
百合子「………、…お兄様に当たるかもしれないから、危ないって言ったのに…!」
キィィン
ドドドドドォォン
百合子「…………表の人たちも、急に撃ってきたり、能力使ってきたり…、私あんまり能力使いたくないんです…」
ギャァアアアア
グゥアアア
ウデガァ!!ヒィィィィ
百合子「……お兄様、…今解きますからね…」
シュルシュル
一方通行(百合、子……?)
百合子「……えへへ、…能力使ってるとこあまり見られたくないんです。だから、電極のスイッチはもうちょっと待って下さいね。
今はあまり説明に時間取るわけにはいかないので…。先にお兄様の自己治癒力を促して止血とか、痛み取りますので……」
女性「ね、ねぇ…あんた…表にはどんな能力者がいたのよ…武器だって…無能力者たちが能力者に対抗しうる武器よ…?」
百合子「………爆風とかでよく見えませんでした。でも、表にあった武器、全部使っちゃったみたいですよ。勿体ないですね」
女性「無傷…じゃない…!!何よ、あんた妹って言っても第一位の兄より上じゃないし、レベル5でもないんでしょ!?
レベル5にあんたみたいなヤツがいるなんて聞いたことないわよ!!それなのに、レベル3~4クラスの能力者たちと能力者用の武器相手に無傷なんて!!」
百合子「…お兄様、もうちょっと待ってくださいね」
女性「無視してんじゃないわよ!!なんなのよ、あんたのその能力!!!」
百合子「………あの、…女性がですね、そんなに声荒げるのは、あまり、えっと…品がないと思うんですよ」アワワ
女性「ふっ、ふざけんじゃないわよ小娘が!!!私がただガキを操るだけだと思ったら大間違いなんだから!!!」
チチッ
チッ
百合子「…ネズミ…?」
女性「ガキくらいの大きさだと憑依する形でないと操れないけど、脳が小さけりゃ小さいほど人形のように操れんのよ!!」
百合子「ネズミを操って私を齧らせるおつもりですか?私には効きませんよ?」
女性「このネズミ……体内に小さくて、でもすっごく強力な爆弾を仕込んでるの。スイッチはここ。ねぇ、この0距離の爆発はどうかしら?」
百合子「!おにぃさ…!」
女性「遅いッ!!」カチッ
ドゴォォオオオオン
女性「きゃっ…」バタン
女性「…きゃは…は…すっごい爆風…こんなに距離離れててもすっ転んじゃったわ…、きゃはは…これならあいつらも…」
ブワッ
百合子「………、……もう…時間が、ないんです…」
女性「……な…で…、平気、なの…よぉ…」
百合子「……もうやめてくれませんか?」
女性「なんでっ、あんたも…一方通行も無事なのよっ!?なんなのよ、なんなのよその能力!!」ガタガタガタ
ザワッ…ザザザ…
チッ
チチチ…
百合子「………」
女性「一匹とは言ってないわよ!きゃは、ははは…2~30匹近く操ってんのよ…きゃは…」ガタガタ
百合子「…お兄様、もう少し待ってくださいね。私、もう少し、頑張るので…」ギュッ
女性「きゃははははははははは!!!!!」
ボォォォオオオオオオン!!
女性「いやぁ…熱い…きゃははは…熱風……私の、皮膚も…きゃは…」ズルッ ズッ・・・
百合子「………もう、おしまいですよね?」
女性「痛いぃ、やだぁ…皮膚が…焼けて…あはっ…はっ…爪…剥がれて…」ゼェゼェ
百合子「………爆発のたびにお兄様に十分な酸素を送るのも、熱を反射するのも、結構能力使うんですよ…」
女性「死にそ…あぁ…うぁ…」
百合子「……お伝えしてませんでしたね。私の能力は「一方通行(アクセラレータ)」です」
女性「…………………」
***
百合子「………お兄様、ごめんなさい…時間無くなっちゃいました…。もう私じゃお兄様を病院には連れて行けなさそうで…ごめんなさい…」スッ
カチッ
一方通行「ッ…百合子…、お前、何を…」
フラッ
一方通行「百合子っ!?」ガバッ
百合子「身体、…あの、痛くないですか?…簡単な処置だけはしたので、早く、病院で、ちゃんと見てもらってくださいね…」ニコ・・・
一方通行「お前はっ、なンだ、よ…今の能力は…!?お前、レベル3だったンじゃ…」
百合子「えへへ、…実は嘘付いてたんです…ごめんなさい…」
一方通行「お前、…爆発の度に…反射の膜…いや、反射の空間を作ってた…だろ…?…どういうことだ…あんな芸当俺にだって、出来ねェぞ…」
百合子「…お兄様と、なんら変わりはないですよ。今のお兄様は、その、…電極で能力を補ってて、バッテリー切れがある…私も、そんな感じです」
一方通行「どういう…意味だ…」
百合子「容量制限、ってとこでしょうか…。私の能力には使用限度があるんです。例えば、一日中の紫外線の反射なら1。肌に触れる風を操るのは5。
以前のお兄様みたいに必要外の反射設定は10。とか…そんな風に…。元ある貯金を崩して能力を使ってる感じです」
一方通行「………それが、0になると…」
百合子「………はい。貯金=生命力に換算してください…。えへへ、死んじゃいます…。私の能力容量については研究所の人も知らないんです。
けれど、私は生まれたころから漠然と…自分の容量について感じていました。研究所の人に言えば、きっと私も量産型の使い捨ての戦争の道具に
なってしまいそうで…。えへへ、…怖かったんです…」
百合子「……実は、普段使ってる紫外線の反射程度の能力の使用で2年ちょっと持つかなぁ…ってくらいしか残量がなかったんです。
さっきの反射の空間は、…えへへ、実はキャパシティ越えです…。もう、いつ生命維持出来なくなっても、おかしくないんです」
一方通行「ふ、ざけンなよ…なンだよ…そりゃァ…なンで、俺なンか守ったンだよ…電極を入れりゃァ…俺は、…」
百合子「…私の我がままです。お兄様を守り通したかったんです。…あのですね。もう、最後だと思うんですよ…。お話、聞いてもらっても、いいですか?」
一方通行「………」
百合子「研究所から出たすぐの頃は、私、自分のこと時間制限付きの劣化クローンとしか思えなかったんですね。
…だから、自分が生きてることに価値が見いだせなかったんです。それで、スキルアウトさんに絡まれちゃった時に
『このまま思うがまま残量全ての能力を振るって死んじゃおう』って思ったんです。
でも、そこで聞いたのがお兄様の名前でした。そこは最初にお話しした通りなんですけど…。
えと、妹達は超電磁砲の御坂さんに受け入れられて守られて愛されてるって研究所でちょっと聞いたので…。
『それなら、私も、一方通行に愛して貰えるかも。劣化コピーでしかなく用済みになった私でも、オリジナルのお役に立てるかも。
短い余生を過ごすしかないなら、今ここで死ぬより、オリジナルといた方が幸せに過ごせて、最後も気持ちよく未練なく死ねる』って思ったんです」
一方通行「…………」
百合子「えへへ…。そうして、お兄様に接触しました。結果、すごく幸せでした。すごく楽しかったです」
一方通行「そう…かよ…」
百合子「でも、ですね…」
一方通行「?」
百合子「だんだん、怖くなってきちゃったんです…。こんなに幸せなのに、私は2年くらいで死んじゃうって。この場所から私だけがいなくなってしまう。
でも、そのことを言って、みなさんのお時間を私なんかに裂いていただくのは気が引けて…、言えませんでした。
だって、時間はこんなにも短くて、あっという間に過ぎてしまうから…勿体ないじゃないですか…。限りある時間、生きるなら、幸せを考えて
生きて行きたいじゃないですか…。えへへ…死ぬ時は、さりげなく、みなさんの元からいなくなって誰にも迷惑かけずに、死のうと思ってたのに…」
百合子「…あ、あの、私みたいな、お兄様のクローンは、もう生まれませんので、大丈夫です。軍用に再開発されることもないです。
お兄様のDNAマップや、私の記録、資料は、私が研究所に忍びこんで全て破棄しましたので…、覚えてますか?
最初の頃、調味料がなくなっちゃったので夜買いに行った時。あの時、初めて能力らしい能力を使ったんです。空を駆けて、ちょっと、気持ち良かった…です」
一方通行「………」
百合子「もう、私の、ことで、ご迷惑、や、心配は、かけない、と、思い、ます…」
一方通行「百合、子…?」
百合子「えへへ…打ち止めさんに、明日、おやつに、ホット、ケーキ焼く、約束、して、た、のに、守れ、な、く、て、ごめん、なさい、って、伝えて、くだ、さい。
あ、お夕飯…は、冷蔵庫に、ある、材料で…間に、合う、ので…」
一方通行「そうじゃ…、そうじゃないだろォがよォ!!!!!!」
百合子「ひゃ、わ…あわ、わ?」
一方通行「俺に伝言だァ?夕飯の心配だァ?そンなの、お前が作ればいいだろォがよ!!明日も、お前が打ち止めにホットケーキ作ってやりァいいだろォが!
あァ、今朝俺とも約束したよなァ?今日の食後にコーヒー淹れてくれるってよォ!?新しいコーヒー豆買いに行くって言ってたよなァ?」
百合子「ごめ、なさ…い」
一方通行「俺ァよォ!!口にしてなかったけどよ、楽しみにしてたンだよ!すっげェ、楽しみにしてたンだよォ!!!!
さっさと、病院行って、てめェ治して夕飯作って食って、コーヒー飲むからなァ!!!」グイッ
百合子「お兄、様…何を…」
一方通行「しばらく背負われてろ!すぐ病院連れていくンだよ!!病院行きゃァな、お前は絶対死なねェンだよ!」カチッ
ダンッ
百合子「………お兄様…」
一方通行「お前がいねェとなァ!!俺が嫌なンだよ!!」
百合子「えへへ…照れ、ちゃい、ます…」テレテレ
百合子「お兄様…大好き、です…」
***
病院
一方通行「おい!あいつはどこだよ!あの医者は!!?急患なンだよ!!」
医者「やれやれ、病院内では静かにしてほしいね?」
一方通行「こいつを、助けろ!!!…いや、助けてやってくれ!!頼む!!!!」
医者「この子は…、この子が例の…君たちが言ってたクローンの女の子だね…?」
一方通行「早く!!早く治して、助けてやってくれ!!こいつに必要なもンがありゃ俺が揃える!!!なンでもだ!!」
医者「落ち着きなさい、ほら、落ち着くんだ…どれ、見せてごらん」
一方通行「能力を生命力に変えて…さっき、自分のキャパ以上の能力を使って…!!」
医者「ふむ、…そうか…」
一方通行「あンたなら治せるだろ!!?早くっ…」
医者「この子は…」
医者「僕にも、治せない…」
ダンッ
医者「ぐっ…」
一方通行「てめェは冥土帰しだろォがよ!!治せない患者はいないンじゃねェのかよ!!!」
医者「…落ち着くんだ…」
一方通行「落ち着いてられるかってンだよォ!!っざけンじゃねェ!!どんな患者でも治せるンだろォが!!」
医者「僕は、生きている患者なら、誰だって治してみせる…」
一方通行「……!!……、ァあ…あ…」
医者「僕が治せないのは、唯一つ…、死んでしまった人だけなんだよ」
一方通行「…あ…、ゥあ……嘘だ……あァァ…うあ、あァ…やめ、…やめ…」
医者「彼女は、死んでいる」
***
数日後
第10学区
一方通行「…………」
一方通行「相変わらず、ここは空気が悪いな…」
一方通行「………こンなとこによォ…お前の墓なンて立てたくなかったンだけどな…」
一方通行「俺が、いつか学園都市から出たら、もうちっと綺麗な場所に連れていってやンよ」
一方通行「どこがいい?…あァ、海が見えるとことかどォだ?…お前すっげーはしゃぎまわってたもンな…」
御坂妹「………、…」
一方通行「…よォ」
御坂妹「同じクローンとして妹達代表で私が花を手向けに来ました、とミサカはしゃがみ込み百合子さんのお墓の前に花を添えます…。
と…、「鈴科」…百合子?ですか…?彼女に名字は無かったはずですが、とミサカは一方通行に聞きます」
一方通行「………」
御坂妹「羨ましいですね。…あれからミサカの知っている研究員全員に百合子さんのことを聞いたのですが、知ってる人間をようやく見つけまして。
とミサカは前置きをします」
一方通行「そォかよ」
御坂妹「彼女の名前、最初はなかったみたいなのです。試作品(サンプル)とかそういうミサカたちと同じ名前ですね。でも、ある研究員がlily00000と名前を付けたそうです。
彼女を生成した日の誕生花が百合、そして、一方通行自身が白い肌をしていたので…とミサカは説明します。
百合の花言葉は「威厳、純粋、貴重」あなたにも当てはまってると思いませんか?とミサカは一方通行の顔を見ます」
一方通行「どォだかな…」
御坂妹「研究所での彼女の呼び名はいつしか「lily00000」で統一されてました。ですので「百合子」という名前は彼女が研究所を出てから自分で付けたのだと思います。
とミサカは推測します」
一方通行「何が言いたいンだよ」
御坂妹「いえ、特には。ミサカたちは、自分から自分の名前を付けようという発想がなかったので、感心してしまいました。とミサカはクローンでありながら
人間らしい強さを持つ彼女を尊敬します」
一方通行「お前らもあいつも、なんで簡単に自分をクローンって言っちまうンかね。クローンなンかじゃねェンだよ…こいつは。そンでお前らも」
御坂妹「……?では、なんだと仰るのですか?とミサカは問いかけます」
一方通行「お前らは、超電磁砲の妹なンだろ」
一方通行「こいつは『鈴科百合子』っつー名前の、俺のたった一人の大事な妹なンだよ。血のつながった家族、なンだよ」
ED1 end
ED1 おまけ。 はじまりのお話。
2月のとある日・第二学区。
黒子「はぁ、全く…ようやく面倒な事件も収拾したというのに…結局先日の罰の講習でこんな時間…」ハァ
黒子「ま、明日からは少し羽を伸ばせそうでなにより…といったところかしら。うふふ、今夜は久々にお姉様と一緒に…あら?」
???「…………」スッ
黒子「あの目立つ白髪…、もしかして一方通行さん?…こんなところの路地裏で何を…」
黒子「………あの方のことですから、スキルアウトに絡まれても怪我はしないでしょうが…、スキルアウトの方が…」
黒子「…………ちょっと様子を見ておきましょうか…」
???「はぁぁ…学園都市って本当に広いです…。…でもここを通れば第七学区に行けるし…お兄様は第七学区にいらっしゃるみたいですし…」トコトコ
???「よぉーし!ふぁいとー、おー!」グッ
黒子「一方通行さん?」
???「きゃぁぁぁぁ!?」ビクッ
黒子「あ、…す…すみませんですの…驚かせるつもりは………え?」
???「ひゃ…あわわ…」ビクビク
黒子「…………ほ、本当に申し訳ないですの!ま、まさかあなたがそのような…えっと、じょ、女性の衣類を召して徘徊するご趣味をお持ちだとは…!
え、いえいえ…く、黒子は包容力はありますので、そ、そのような性癖をあなたがお持ちでもおほほほほ、よ、よくお似合いですのよ!」アワアワ
???「ふぇ…?」キョトン
黒子「く、黒子は何も見てませんのよ!あ、一方通行さんが女装趣味だなんて他言致しませんのでお気になさらずそれではごゆっくり…」スススッ
???「お、お兄様をご存じなのですか!?」ガシッ
黒子「え?」
***
黒子「なるほど、あなたは一方通行さんの体細胞クローンで一方通行さんとコンタクトを取りたい…と」
???「はい…」
黒子「…なぜ、見ず知らずのわたくしにそのような情報を喋ったのですか?」
???「え?…あ、あなたは…お兄様のご友人なので…」キョトン
黒子「もしかしたらそれが嘘かもしれませんのよ?」
???「にゃんと!?…わわわ、ど、どうしましょう…私…」オロオロ
黒子(なんだか…一方通行さんのクローンという割に…警戒心が全くないというか…。放っておけませんわね…)
黒子「ご安心ください。わたくしは確かに一方通行さんのお知り合いです。風紀委員の白井黒子と申します」ペコッ
???「あわわ、ご、ご丁寧にありがとうございます」ペコリ
黒子「えっと…それであなたは…」
???「え?…あ、えっと…えっと…えーっと…」オロオロ
黒子「?」
???「あっ、…ゆ、ゆり、こっ!…ゆゆゆ、百合子と呼んでくださいっ!」ペコリッ
黒子「えぇ、解りました。百合子さん、ですわね…」
百合子「………えへへ…///」テレッ
黒子「それで…、百合子さんは…一方通行さんのところへ向かっている途中だったと…」
百合子「はい!お兄様は第7学区に住んでいるらしいのでここの裏路地から抜け道があるんですよね?」
黒子「その情報はどこから?」
百合子「えっと…私、ほら…こんな外見じゃないですか。それで…お兄様に間違われてスキルアウトさんにたまに声をかけられるんです。その時に…」
黒子「………よく無事に切り抜けられましたね?…まぁ、一方通行さんのクローンということはそれなりに実力もありそうですし…」
百合子「ちょ、ちょこーっとだけですよ?…あまりお兄様の迷惑になってはいけないと思うので…ちょっとだけ…、前後の記憶をあいまいにする程度で…」アワワ
黒子「それならいいのですが…」
百合子「そ、それで…お兄様は…」
黒子「えぇ、それでしたら途中までご案内します…けど、その恰好では…感動の出会いにはなりませんのよ?」ウィンク
百合子「え?…あ…」ボロボロ
黒子「駅前にビジネスホテルがありますので、そこで一度服を洗濯してシャワーでも浴びましょう。わたくしも、教習の帰りで少しさっぱりしたいですし…」
百合子「あ、ありがとうございます!」ペコッ
黒子「それにしても…百合子さんはどのくらい一方通行さんを探していたのですか?」トコトコ
百合子「えっと…3日くらい…ですね。研究所を出た場所は…極秘なのでお話出来ないのですが…色々な学区をくるくる回って探してました。
あ、あんまり目立つとお兄様に迷惑かかっちゃうかな~って思ったのでひっそり探してました」トコトコ
黒子「3日…その間の生活は?」
百合子「えっと…人に見つからなさそうな廃ビルとかで休憩したり…。基本はお兄様を探して歩き回っていたので…」
黒子「食事は?」
百合子「研究所を出たときにちょっとだけお小遣いをマネーカードでいただいたので、それで…。でも、今朝で使い果たしちゃって…えへへ」
黒子「………そうですか。あ、ここですわ」
***
百合子「わー、シャワーだー!」
黒子「1時間ほどで制服も乾燥しますの。その間にお身体をよく洗ってくださいまし」
百合子「はいっ、何から何までありがとうございます。…えへへ、黒子さんにお会い出来て良かったです♪」グリッ ←蛇口捻った
バシャー
百合子「きゃうぅぅぅっ、つめたっ、あわわわわっ、きゃー!」ツルッ バタバタ
黒子「………」フゥ
黒子「それにしても…一方通行さんにもクローンがいたなんて…。まぁ、お姉様にいたということで、不自然さはありませんが…」
黒子「……とても愛らしい方ですし…、あの方ならまず拒絶はしないでしょう。まぁ、黒子は良い様になることを願うだけですの」
***
百合子「えへへ、黒子さん黒子さんっ、ちゃんと綺麗になりましたかね?」パタパタ
黒子「えぇ、ですがちゃんと身体を拭かないと風邪をひいてしまいますの」グイッ
百合子「わっ、わ…」オロオロ
黒子「こちらに掛けてくださいまし。黒子が髪を乾かして差し上げますの」ブォー ←ドライヤー
百合子「あ、ありがとうございますっ」ペコペコ
黒子「本当に、一方通行さんと外見は同じなのですね」
百合子「クローンですから。…えへへ、黒子さんはお兄様のことをよく知っているのですよね?」
黒子「まぁ、時々お会いするくらいですが…」
百合子「黒子さんから見てお兄様は、どんな方ですか?……研究所でも、お兄様のお話を少し聞いたのですが、…紙面上の出来事を淡々と聞いただけで…」
黒子「………、……。良い、方だと思いますのよ。…気難しい性格だとは思いますが、根は真面目な方だと…」
百合子「……えへへ///」ニコニコ
黒子「………」
百合子「…私、でも……受け入れて…もらえます、かね?」
黒子「…えぇ。あの方ならきっと…いえ…絶対に。…わたくしが保証しますの」
百合子「…ありがとうございます。…それなら、安心ですね」
黒子「自信を持ってくださいな。…はい、乾きましたの。あと、先ほど下でパンを買っておきましたので食べてくださいまし。
わたくしもシャワーを浴びたいので」
百合子「はい、ありがとうございます!えへへ、さらさらになった♪」
***
第7学区
百合子「この先のファミリーサイドというマンションの13階ですね。えっと黄泉川さんのお家…と」
黒子「えぇ、すみませんの。一緒に付いて行きたいのですが…門限が…。さすがにこれ以上は門限破りは出来なくて…」
百合子「ぜ、全然大丈夫です!…こ、こんなに色々お世話になって、これ以上ご迷惑になるわけには…!」アワワ
黒子「…落ち着いてきたら、ご連絡下さいな」
百合子「は、はい!もちろんです!お礼もしたいですし…!」ペコペコ
黒子「えぇ、それでは…お気をつけて」ペコッ
百合子「はい、黒子さんもお気をつけて」ペコリ
百合子「よぉし…あと少しで…お兄様に会える…!」グッ
トコトコ
トコトコ
百合子「お会いしたら、なんでご挨拶しよう…「不束者ですがよろしくお願いします」…かな。れ、練習しておこう…」
百合子「ふ、ふちゅちゅか…ふつちゅ、…ふつちゅかものですが…」ドキドキ ボソボソ
百合子「…ふ、ふつつかものですがー…、…………」
百合子「!!」ピクッ
百合子「私と…同じ…外見の…人…?」ドキン
百合子「今、向かいのコンビニに入って、いった…よね?」ドキ・・・ドキ・・・
百合子「お、お兄様…かな?」ドキドキ
トテテテテ
コンビニ前
ソーッ
百合子「……わ、私と同じ…顔…、肌の色も…髪の色も…」ドキドキ
百合子「ま、ちがいない…!…あの人が…私のオリジナル…!」ドキドキドキ
百合子「…制服も、うん。綺麗になってる!……よ、よぉし…!」グッ
ガーッ
イラッシャイマセー
百合子(…えっと…あ、いらっしゃいました…!)トコトコ
百合子(えっと…な、なんて言おうとしてたんだっけ…えっと…)スーハースーハー
百合子(…?缶コーヒーいっぱい買ってる…、お好きなのかな?)
百合子(えっと、えっと…話しかけるぞー、が、頑張れ私ー…!)ドキドキ
百合子「……………ぉ、……」ドキドキ
「お兄様…」
一方通行「…………………へ?」
カシャーン カラカラカラ
ED1 おまけ end
ED2 緩やかに起きた悲劇とその解決まで。
『ゆりこのにっき』
『○月○日
えっと、看護師のお姉さんに「入院中に日記でも付けてみたら?」とアドバイスしてもらったので、売店でノートを買ってみました。
日記とか、自分のことをまとめるのは初めてなので何を書けばいいのかよく解らないのですが…『日記』なのでその日の出来事を記せばいいのかな。
んーと…、今日はお夕飯を作っていたのですが急に目眩がして、次に目が覚めたらこの病室にいました。
打ち止めさん、黄泉川さん、芳川さんが心配そうに私を見てて最初は何が起きたのかよく解らなったのを覚えてます。
でも、すごく迷惑をかけてしまったのはよく解りました。私、悪い子だなぁ…。
お兄様は皆さんの分の飲み物を買いに行ってたみたいでその時はいなかったのですが、打ち止めさんがケータイに連絡してくれて、すぐに来てくれました。
電極のスイッチを入れて全力で走ってきてくれたみたいで、あの後看護師のお姉さんに怒られて…、あうぅ…私が悪いんですー…。
お医者さんは『疲労』って皆さんに伝えてくれました。でも、クローンなので調整をちゃんとやりたい、ということで1週間ほどメンテナンス入院、ということです。
結局皆さんが帰ったのは夜の10時過ぎになってしまいました。本当にごめんなさい。
皆さんが帰ったあとにお医者さんに『あとどれくらい生きれるか、解るかい?』と聞かれてびっくりしました。さすが、お兄様が信頼しているお医者さんです。
私は『たぶん、あと3ヶ月くらいです』と答えました。ここで倒れてしまうのは予想外でした。やっぱり2年近くの間、一度も調整しなかったのがダメだったようです。
とても素晴らしいお医者さんだとお伺いしていたので、病院に行くと私の能力のこととか、全部知られてしまう気がしたので今まで病院に行ったことはありませんでした。
詳しいことは明日聞くね。ということでお医者さんがお部屋を出たのがさっきでした。私も今日はもう眠いのでおやすみなさいです。
あ、皆さんお夕飯どうしたんだろう…。あ、明日の朝ごはん…!…あわわ、ど、どうしよう…!』
『○月△日
今日の面会時間は10時からだったのですが、10時ぴったりにお兄様と打ち止めさんが来てくれてびっくりしました。
と、いうことはお兄様今日は早起きさんだったのかな?もうだいぶ寒い時期になったのでお布団から出るのがつらいと仰っていたのですが…。
私は今日は朝6時半に起きました。私もお兄様と一緒でお寝坊さんなので看護師の方に起こしてもらいました。
鏡を見たら髪の毛がぼさぼさで恥ずかしかったですー…/// こ、今度からちゃんと早起きしてばっちりにしておかないと!
それから、体温を測ったり朝ごはんを食べたりしました。あ、御坂妹さんや病院にいらっしゃる妹達さんがご飯の時に遊びに来てくれて嬉しかったです。
でも、賑やかにしすぎちゃったみたいで看護師さんに怒られてしまいました。
それから、8時ごろにお医者さんが来てくれました。
お医者さんは妹達さんの治療もしていらっしゃるので独自の治療方法などを確立していらっしゃるみたいです。
だから、研究員さんに気付かれなかった私の能力のことも解ってしまったみたいです。すごいなぁ…。『だから、全部お見通しなんだよ。ちゃんとお話ししてほしいね?』
と言われてしまいました。あう、隠しきれないみたいです。私も全部お話しました。
私の能力の容量、つまり私の寿命ですね。私の資料は私自身が破棄してしまったのですが、その時目を通して覚えていたので一語一句間違いなくお伝えしました。
先生は『少しだけ時間をもらうね?』と言っていました。あと、お兄様たちにはまだナイショにしてくれるみたいです。
お兄様たちは面会時間最後までいてくれました。今日はこの後調整があるので、日記はここまでです。』
『○月□日
昨晩、お兄様たちが帰られたあと妹達さんが使っている培養器をお借りして暗室のそこでお休みしました。2年ぶりの培養器。気持ちよく休めました。
あのふわふわした感覚は好きです。でも、妹達さんからお借りして…大丈夫だったのかなぁ…。使う予定だった妹達さんがいらっしゃったら…あわわ…。
今日は面会時間が2時からだったので、それまで暗室にいました。日中の能力使用を少しでも控えるためです。でも、そのため暗室から出られないので少し暇でした。
暗室から出たら太陽がすごく眩しく感じました。やっぱり明るいところがいいなぁ。
お兄様と打ち止めさんと芳川さんが2時半ごろに来てくれました。なんだか、毎日毎日…私のせいで…申し訳ないです。でも嬉しいです。
芳川さんが本を色々持ってきてくれました。ちょっと難しめの研究書からファッション誌、小説です。
それから夕方に、美琴さん、黒子さん、当麻さん、インデックスさんが来てくれました!びっくりしましたー。あわわ、なんだか心配おかけして申し訳ありません。
御坂さんが焼き菓子、黒子さんが入院中のパジャマをくれました。お礼しないと…!何が良いでしょうか…。
そうそう、黒子さんからいただいたパジャマがすごく可愛くて、早速着替えようとしたら当麻さんが美琴さんに電気をバチバチって当てられてました。だ、大丈夫かな?
あと、お兄様に怒られてしまいました…。ぐすん…。
今日のお夕飯の煮物がとてもおいしかったです。味付けはすごくさっぱりしてるけど、何を使ってるのかなぁ…。明日聞いてみます。それでは、今日も培養器で休むので、また明日です。』
『○月×日
調整のお陰で、体調がとても良いです。ここ2週間くらい貧血気味だったのですがやっぱり予兆だったんですね。
でも、あと3ヶ月くらいで全部終わってしまうので…、あれれ? 今の治療ってもしかしてあまり意味がないんじゃ…。
ど、どうしよう!治療費とか、入院費とか色々負担がかかってしまうし…。と、とりあえず明日お医者さんに聞いてみます!
今日はお兄様が2時に来てくれました。ごめんなさい。って言うとお兄様は不機嫌になるので今日はありがとうございます。と言いました。
そしたら、優しく頭を撫でてくれました。えへへ~♪ 打ち止めさんは今日は調整だったので夕方に来てくれました。
そうそう、皆さんお夕飯は交代で作っているみたいです。今日はお兄様と打ち止めさんが担当みたいでお兄様は何を作ったらいいか悩んでいました。
なので、ハンバーグの作り方をお伝えしました。上手に作れたでしょうか…。ううん、お兄様は器用なので大丈夫だと思います。
あ、昨日の煮物についてなのですが看護師さんが調理師の方に聞いてくれました。でも、学園都市で開発した栄養調味料で一般には流通していないものみたいです。残念。
あ、クリスマスが近いとの話題が出ました。今年は何が欲しいんだ?とお兄様に聞かれました。でも、今の私は皆さんに迷惑かけてる悪い子なのでサンタさん来てくれない気がします。
お願いするだけしとけ。と言われたので今日お休みの時に考えておこうっと。でも、サンタさんにはお伝えしていないのに毎年私が希望していたものをくれます。
サンタさんは読心能力者なのかな?一日で世界中にプレゼントを配るし、空間移動能力も…?ま、まさか多重能力者…!?』
『○月☆日
今日はお医者さんに会えませんでした。急患さんらしいです。もう6時間くらい手術をしているみたいで、…無事成功しますように。
お兄様と打ち止めさんがうさぎさんのぬいぐるみをくれました。ぬいぐるみを探していたから遅くなったと言っていましたが、全然平気ですよ!
早速ぎゅーってして寝たいのですが、培養器の中には持って行けないので培養器の蓋に乗せて寝ようかなぁ。
昨日のハンバーグは上手に作れたみたいで、肉汁たっぷりで大好評だったようです。お兄様が嬉しそうにしていました。でも、やっぱり私の料理がいいって…えへへ。
それから今日は初春さんと佐天さんも来てくれて、病院の敷地内をお散歩し
あ、看護師さんに呼ばれました。まだ培養器のあるお部屋に行くには早い時間ですけど…? なんだろぉ。行ってきます』
『○月◎日
今日は色々あってちょっと日記はお休みします。明日はちゃんと書けるといいな。うさぎさん昨日持って行けなかったので今日は忘れないで持って行きます。』
『○月◇日
今日はお休みの時間までいっぱい時間があるので昨日の分もいっぱい日記書くぞぉ!
えっと…、とは言いつつ(書きつつ?)も…何からどうやって書けばいいかな…。とりあえず、一昨日の呼び出しのことから。
嫌な予感が的中しちゃいました。
私、延命出来るそうです。お医者さんは冥土帰しと呼ばれるお医者さんでどんな患者さんでも必ず救っているとても素晴らしいお医者さんです。
お兄様の能力補助をしている装置も、このお医者さんが開発されてお兄様の生命線となっています。
それで、私の延命手段なのですが………。
その、お兄様の電極装置に接続して私の能力、生命力を充電する…という感じみたいです。
つまり、お兄様が充電電池みたいな役割になるそうです…。
なんとなく、私も…。自分がもし、助かるとしたら…同じ能力で遺伝子構造も脳波も同じお兄様に補助してもらうこと…じゃないかなって思ってました。
私はお医者さんに抗議しました。そんなの嫌です。これ以上お兄様にご迷惑をかけるなら、このままの寿命を全うします。って。
そしたら、えっと…すごくびっくりしたのですが…何故だか、お兄様がお部屋の奥にいて……
………
はぅ。ちょっと落ち着くためにうさぎさんをぎゅってしてました。
お兄様は一昨日、お医者さんからお話を聞いていたようで…。一昨日、遅くなったのは実はお話を聞いていたからみたいです。
それで、途中で急患さんが入ってしまって…。夜、打ち止めさんを先に送ってまた病院に戻って来ていたようです。
えっと…それで、あまりにも突然で私…お恥ずかしながら気が動転しちゃって…ちょっと錯乱してそのまま気絶して培養器に運んでもらってお休みしました。
翌朝、えっと…何時くらいだったかなぁ…。忘れちゃったのですが…目が覚めたら私の培養器に凭れ掛かってお兄様が寝てて…
私が培養器の中からコンコンって叩いたらすぐに起きてくれて…。
「おはよ」って。笑ってくれて…。
「そんな死に急ぐな。お前がいない方が俺にとっちゃ迷惑なんだよ。家帰ると、打ち止めも黄泉川も芳川も『百合子がいないと寂しい』
『百合子が退院したら一度全員で旅行に行きたい』とか、そーいう話ばっかなんだ。旅行はもう決めたから今更変更出来ない。
だから、これ以上俺らに迷惑かけないためにも、さっさと退院しよう」
って…。
私がいない方が皆さんに迷惑がかかる…って、…。私、そのような考え方…したことなかったのでびっくりして…。
私はいないと、…ダメ…みたいです。
あわわ、いつの間にか今日だけで日記3ページ目になっちゃった…。
えっと…、それから…培養器から出してもらって…お兄様がぎゅーって抱き締めてくれて…あんな風に抱き締めてもらったの…初めてで…。
培養器から出たばかりだったので私濡れてたのにお兄様は気にしないでしばらく私のこと抱き締めてくれて、いっぱい撫でてくれました。
後で気付いたのですが、…お兄様、少し泣いてたみたいで…。私のせい…じゃなくて…私のために泣いてくれたってことで…。えっと…。
そのことをお兄様に尋ねたら「お前がいないと俺は毎日こうなるかもしれないけど、それでいいのかよ?」って。
私は、お兄様のクローンではなくて、お兄様の妹だから…って。…妹…。クローンじゃないって…。妹?
『同じ親から生まれた子のうち、年下の女の子』…私は…お兄様のご両親さんを知りませんし、私はそのご両親さんから生まれていないし…。
でも、とにかく私はお兄様の妹だそうです。
それで、お兄様は私がいない方が迷惑だし、いないと悲しいって。それじゃぁ、私は延命しないとダメなんですよね。
でも、延命すると今度は私の身体の寿命が尽きるまでお兄様から能力を充電させてもらう、というご迷惑をおかけすることになります。
それって、お兄様の枷になってしまいます。お兄様の電極での能力補助はお兄様にとっての命綱。それを、お借りしてしまうんです。
「構わない」って…。お兄様は笑顔で答えてくれました。
………ですから…私は…。少し考えて…「ごめんなさい」ではなくて「ありがとうございます」って答えました。
生きてて、迷惑をかけるなら…生きてて、その感謝をしろ。って仰ってました。
私には、まだ少し難しいけど。でも、私はまだお兄様と一緒にいたいって、心のどこかで思ってました。
自分を、大事にしてみようと思います。』
『○月∇日
昨日の日記、全部書ききらない内に眠くなってきちゃったので培養器のお部屋に行っちゃいました。うさぎさんも一緒に。
えっと、延命措置をすることを決めたのであれからお医者さんにお伝えしたり、説明を受けたり打ち止めさん黄泉川さん芳川さんにも報告しました。
手術…は明後日で、お兄様から私へ能力を充電する装置を付けるみたいです。なんと、その装置はもう完成しているみたいです!すごい!
あとあと、びっくりなのはそれがお兄様の付けている電極装置と見た目が一緒!おそろいですっ♪ えっへん♪
お兄様が電極をフル充電して、それから私に接続して私が充電…。と、いう感じです。それで、私は3日持つのかな。
お兄様の電極も改良されているので今では一度の充電で4日くらいは日常生活出来るんです。科学の進歩!
それで、今日は美琴さん、黒子さん、当麻さん、インデックスさんにもお話しました。まだずっといられるんだねって。
美琴さんとインデックスさんにぎゅーってしてもらいました。えへへ。喜んでもらえてうれしいです。
当麻さんが「ますます見分けがつかなくなるなー」って心配してました。でも、私は髪飾りしてますよぅ?
退院したらまたみんなで遊園地に行く約束をしました。クリスマスの時期だからきっとイルミネーションが綺麗なんだろうなぁ~。
でも、その前にそろそろ期末試験があるので当麻さんは頭を抱えてました。が、がんばれー!』
『△月○日
今日は、面会時間が10時からで、黒子さんが風紀委員の仕事の前に来てくれて「手術も勝負なので、勝負下着を買ってきました」と下着をプレゼントしてくれました。
黒子さんはいつもとても大人っぽいお上品な下着なのでちょっと憧れていたのですが、念願叶って私もゲットです!
ワインレッドのちょっぴりセクシーな下着の上下セットで、これは、ガーターベルト?っていうやつかな。オーバーニーを止めるんですよね。これで寒くても大丈夫?
でも、パンツの後ろがほとんど紐みたいなレースなのでちょっと落ち着かないかも。
黒子さんがお帰りになった後でレクチャーしてもらった着方を実践して明日に備えていたらお兄様が来てくれました。
これで着方合ってるか確認してほしかったのですが、お兄様はバタバタって病室から出て行ってしまいました。私、慌てて扉を開けたらお兄様はさらに慌てて私を病室に押し戻して
その時にお兄様の杖が扉に引っかかってしまって倒れちゃって。…床暖房入ってるのですがやっぱり冬の床は冷たかったですー。
それで、美琴さんと当麻さんも一緒に来て下さってて。病室に来てくれました。倒れたままなのですが、ちゃんとご挨拶しないとと思ったのですが、お二人ともお顔を真っ赤にして
病室から駆け出して行ってしまいました。……忘れ物があったのでしょうか?
そのあとお兄様にちゃんと見てほしかったのですが、お布団でくるくる巻かれて着替えろ。と言われちゃいました。
勝負下着は勝負の時じゃないと着ちゃダメなのかな?
今日は病院食ではなく、外出届を出して皆さんで近くのファミリーレストランでいっぱい食べました。楽しかったー!
明日は手術です。今日もうさぎちゃんと一緒に培養器でお休みします。おやすみなさい。』
『△月△日
☆これから手術です。勝負下着もばっちりです!うさぎちゃんも持ち込んでいいとお医者さんが言ってくれたので一緒に行ってきます。
・まだ、ますいがきいてて ちょっと字が ふにゃふにや です でもばっちり☆ おやすみ なさぃ』
『△月□日
えへへーえへへー。お兄様とお揃いなので、鏡を見るとお兄様がいるみたいで嬉しいです!
今日はリハビリです。電極の調子もばっちりで能力もちょっぴりくらいは無茶しても平気みたいです。
なので、能力リハビリ室でお兄様みたいに能力を使ってみました。こういう使い方初めてだったのですが、やっぱりベクトル操作ってすごい!
でも、ちょっと加減が解らなくて指でちょんと叩いたつもりが鉄パイプをばっきり折ってしまって横でリハビリしてた小さい女の子を驚かせてしまいました。
あと、後ろで見てたお兄様もびっくりしてました。…そ、そういえば能力らしい能力ってお兄様の前で使ったこと殆どなかったです。
夕方ごろちょっぴり頭痛がしたのですが、お医者さん曰く「一週間くらいで馴染むからそれまで我慢してね」とのことです。お薬飲んだら楽になりました。
お兄様も電極を付けたあとは少し頭痛がしたと言っていました。えへへ、おそろい♪
今日のご飯は病室でお兄様と打ち止めさんと一緒に食べました。打ち止めさんがリンゴを剥いてくれたのですが、指を切っちゃって…。
傷が浅くて良かったです。お兄様が絆創膏を買って貼ってあげてました。
それでは、培養器のお部屋に行くので今日はここまでです。明日は充電のテストです。おやすみなさい』
『△月×日
雨です。学生さんは今日から期末試験なので、病院に来るお見舞いの人も今日は少ないです。みんなテストがんばれー!
今日は看護師のお姉さんがちっちゃいお花のピンをくれたのでうさぎちゃんに付けてあげました。おそろい!
お昼からお兄様と打ち止めさん、芳川さんが来てくれました。
充電のテストは私の病室でやりました。
お兄様もお医者さんから私の電極に対応した新しいものに変えてて、それを繋ぎました。なんだかふわふわした感じがして、培養器の中にいるような心地よさ。
2時間ほどの充電はちょっぴり退屈なので、お昼寝しちゃいました。そのあと、お兄様は電極のバッテリーが少な目になるのでもう一度充電です。
あぅぅー…。お兄様が充電している間、健康状態のチェックです。こちらも問題なし。完璧です☆
これで退院の目途も立ちました。退院後も私は2週間に一度調整。と、ひと月に一度電極のメンテナンスで通院とのことです。
夕方お兄様の充電も終わったので病院内の喫茶店でお話してました。退院してから作るお料理のお話とかしてました。クリスマスも近いから作るケーキ、考えないと。
そういえば、喫茶店でお兄様がコーヒーじゃなくてお紅茶飲んでたんです。コーヒーは飲まないのですか?と聞いたら、私が退院するまでコーヒー断ちしてるそうです。
あわわわわ!は、早く退院しないと!
で、では今日はちょっと時間がないのでこの辺で。おやすみなさい。』
『△月☆日
今日も病院は人が少な目。冬の寒さも相まって、なんだか寂しいですね。
お兄様と打ち止めさんはお昼前に来てくれてご飯を一緒に食べました。そういえば、お兄様いつもより食欲なかったけど大丈夫かな?
試験と学期末なので黄泉川さんがとても忙しいみたいです。あまり顔出せなくてごめんね。と電話いただきましたが、生徒さん第一です!
私は大丈夫ですよー! 今日はお昼からインデックスさんが来てくれました。当麻さんが試験で忙しいのでとっても退屈だと仰ってました。
そうですよね。試験前もそうだし試験始まっちゃうと学生さんは大忙しですもん。試験期間中はインデックスさんがよくお家に遊びに来てくれて
楽しいので、私は好きなんですけど…。あと、スーパーのセールも人が少なくなるし…。でも学生さんは大変ですよね。ごめんなさい。
明後日は退院です。試験が終わった後なので皆さんお迎えに来てくれるみたいです。ありがとうございます!
退院してそのまま地下街で遊ぶ予定です!楽しみです♪
それでは、おやすみなさーい』
『△月◎日
えっと…。お兄様が午前中から来てくれたのですが…お昼ご飯食べた後に…病院の廊下で倒れて…。
熱があったみたいです。………。
あっ、えっと。ちょっと疲労とか、ストレスからくる風邪みたいですぐに点滴とかしてもらって診察してもらって、すぐ治るとのことで早めにお家に帰りました。
打ち止めさんから聞いたのですが、私の手術が終わった後からちょっと体調を崩されていたみたいです。手術が無事終わって安心したら気が抜けた、とのことで…。
それでも私のために病院に毎日顔を出してくれて…。ご、ごめ ううん。ありがとうございます!本当にありがとうございますっ!!
お兄様、今日はいっぱい寝て明日も来るって言ってくださったので私も楽しみに待っています!…で、でも…無茶は…やぁですよー!
はう…、でもすごく…びっくりしました。び、びっくりどころじゃないです!心臓止まるかと思いましたぁ!うぅー、あの時廊下で看護師さんたちがバタバタした時のこと
思い出すと心臓がぎゅってなります。……あ、明日…お兄様にお会いしたら「めっ!」ってします。ご自身の体調が一番なんですっ!
……あれ…? もしかしてこれはお兄様…が私に迷惑をかけてしまった。ということでしょうか?
だから…私の時も…? あれれ…。なんだか、うまく文字に出来ないのですが、なんだか心がすっきりしました。
皆さんも…私が倒れた時、こんな気持ちになったのかな…? あ、時間です。おやすみなさい。』
『△月◇日
退院の日です。今、朝食を食べて時間が空いたので日記書いてます。この後、空き時間があるのでお世話になった看護師さんや他の患者さんたちにご挨拶に行きます。
ほわー…。それにしても…私、あと3ヶ月過ぎてもまだ生きていられるんですね。不思議。春のお話とか、夏の予定とか、今から話してても変じゃなくなるんですね。
あ、お兄様がお見えになりました。あれ?早い
充電なう。です。お兄様も今日は体調ばっちりみたいです!すぐ治って良かったです。
あ、日記です。毎日付けてたんですよー! お兄様も書きますか?
筆談する必要ねェだろ。
そ、それもそうですね…。でも、日記はずっと残るものなのでこれも記録ってことで…
って、ノートこっちに寄せてくンなよ。
えへへー、でも、ちゃんと書いてくれてるじゃないですかー。
まァ、退屈しのぎにゃなンだろ。
ろ…ロイコ化合物!
しりとりしてンじゃねェ!!
あう…。
しっかし、日記なァ。結構書いてンだな。って、俺見てもいいのか?
大丈夫ですよー。
まァ、その内読ませてもらうわ。そろそろ充電終わるし
あ、ぴったし。終わりました。ありがとうございます。では、お兄様が充電している間に退院手続きやご挨拶に行ってきますね!
おォ。
それでは、行ってきます!
退院おめでとォ。これからもよろしく頼むぜ。』
ED2 end
356 : 以下、三日目金曜東Rブロック59... - 2010/11/17 00:08:43.93 J1MEJN60 135/135
ED1はある日突然日常ががらりと変わってしまったという話。ひぐらしのなく頃にみたいな。
日常が一瞬でぐにゃりとねじ曲がってしまう話。
今までの話はこのED1の前提で伏線を張ったりしてました。解りやすいのは髪飾りを買ってもらう時に百合子が「時間はいくらでもある」という言葉に慌ててたのとか。
ED2は「ここまで書いててラストがED1って今まで読んでくれた人にものすごく失礼じゃね?」とだいぶ前から悩み初めて半月前に思いついたED。
今まで通り突然の悲劇もなく2年ほど経過した場合の話。
時間制限があるからそれをどうやって回避するか悩んで、思いついたのが
「もう全部お兄様とお揃いでいいじゃん」で。
とりあえずこれで一区切りです。
これからは第二章みたいな感じでいつも通りの話に戻ります。
たぶん、能力制限もない「悲劇なんて何もない幸せな世界」の話になります。
あーーー!これで当初から抱えてたもやもやも晴れた!!このED1が誰にも言えなくてかなり悶々としてたんだ!
やっふぅううううー!!!
【 第二章 】に続きます
しかし黄泉川のメイド姿見てみたかった