【前編】 の続きです
・・・女伍長の私有車/某動物園に向けてドライブ中・・・
新隊員「あの橋渡ったら右側の車線に移ってください。」
女「わかった・・・ブツブツ」カクッ、ブォーン、グーン
新隊員「結構エンジンの音大きいんですね・・・」
女「古いminiだからね・・・ブツブツ」
新隊員「オートマのにしないんですか?」
女「この時代のminiにオートマ無いの・・・ブツブツ」
新隊員「ミニクーパーって・・・」
女「これクーパーじゃない。クーパーなんて邪道よ。」
新隊員「そうなんですか・・・。ご機嫌あまり良くないですね」
女「別に・・・ブツブツ」
新隊員「miniって僕たちがドライブ行くのにちょうどいい感じがしますよね・・・」
女「そうね、後ろに図体の大きいのが二人乗ってなければね・・・」
男「すみません・・・」
幼「あたしだってコアラ見たいんだもん」
女「二人で行けば良いじゃないの!」
幼「だって、女伍長と新隊員を・・・」
女「二人にしといたらなにするか判らないって言うんでしょ!」
幼「ピンポーン」
女「ピンポーンじゃないわよ!動物園でなにするって言うのよ!」
幼「さあ、油断もすきもないですからねえ・・・」
女「そこまで信用無いのね・・・」
幼「自分の胸に・・・・」
女「手を当てなくても信用無いのわかってるからいい。」
幼「残念。また何か聞けると思ったのに・・・」
女「大体なんで私がドライバーなのよ。普通男の人が二人いて、
後輩もいるんだから誰かしら運転できる人いそうなもんでしょう・・・ブツブツ」
幼「だってまだ自動車教習所の順番が回ってこないから。」
新隊員「ボクも・・・」
男「ペーパードライバーだし・・・」
女「小隊長・・・」
男「はい・・・」
女「教習所の入校枠、ちゃんと取ってきてくださいね。」
幼・新「そうだ、そうだ!」
女「私も彼氏の運転でドライブに行きたいので」
男「頑張ります・・・」
・・・某動物園到着・・・
女「コアラは・・・」
幼「一番奥のほうですね」
女「パンダは一番前にいたのに。サービス精神がたりないわ。」
新「粋じゃないって文句言ってた癖に」
女「だってまた、呼び出しがかかるかもしれないじゃない!」
男「まあ、とりあえず見に行こうよ・・・」
・・・コアラ舎・・・
幼「ご機嫌直してもらえました?」
女「ものすごく抱っこしたい・・・。」
幼「ついでに、コアラのぬいぐるみもプレゼントしますから。」
女「大きいほう?30センチのくらいの・・・?」
幼「いいですよ、ね?」
男「ね?って僕が?」
幼「ほかに誰が?」
男「そうだよね・・・・えーとこれで良いのかな。」
幼「私の分は?」
男「なんで幼馴染に!?」
幼「新隊員の彼女にプレゼントして、自分の彼女に無いっておかしいでしょ?」
男「そんなー!?」
女「幼馴染、小隊長をいじめちゃダメでしょう。」
幼「じゃ、ぬいぐるみいらないですか?」
女「いる。」
男「なんかだまされてる気がする・・・女伍長のが給料高いのに・・・」
女「小隊長」
男「何?」
女「騙されるのも男の甲斐性ですよ。」
・・・帰り道・車の中・・・
新「結局、夜までいましたね。」
女「ウォンバットがあんなもこもこしてて可愛いと思わなかったんだもん。」
新「もこもこしてればいいんですね・・・」
女「そういうわけじゃないんだけど」
幼「そういえば新隊員も、もこもこしてるもんね。」
新「してません!」
幼「ムチムチ?」
新「そんな太ってない・・・」
女「ハハハ、私より体脂肪率高いんだからダイエットしなさい。」
女「来る時はあんまり気にしてなかったけど、このあたりって
コンビナートが多いんだ・・・」
男「日本で一番大きい工業地帯だからね。」
女「建物が見えなくて、鉄塔の明かりだけが見えるから何かSFの世界みたい。」
男「港のほうの夜景が有名だけど、こっちのほうがきれいな気がするね。」
女「私の実家山の中だから、こんな景色見たことありませんでした。」
男「こっちのほうに演習場も無いから来ることないし・・・」
女「そういえば幼馴染と新隊員静かになりましたね。」
男「幼馴染は寝てるよ」
女「新隊員も・・・二人とも騒ぐだけ騒いで。子供みたい」
男「なんかで読んだんだけど、安心てね、両親の会話を聞きながら、
親が運転する車で寝ることなんだってさ」
女「じゃあ、私達がお父さんとお母さんですか?」
男「・・・そうかもね・・・。今日はデート邪魔してごめん。・・・幼馴染がどうしてもって
聞かなかったもんだから。」
女「・・・私も憎まれ口叩いてすみませんでした。本気で言ってた訳じゃないので
許してください。・・・それに、新隊員がほんとに楽しんでいたから・・・。」
男「・・・自分の子供も、この二人みたいに元気だといいな。」
女「子供の面倒見るの大変なんですよ。」
男「女伍長、子守得意そうだけどね。あ、もし疲れてるんなら運転代わろうか?」
女「ふふ、ペーパードライバーに首都高を運転なんかさせられません。」
男「難しいの?」
女「慣れないとどっちの車線走っていいかわからないから。」
男「そうか・・・」
女「それにマニュアル車運転したことないでしょ?」
男「うん」
女「小隊長も寝てていいですよ。」
男「でも・・・」
女「私の運転じゃ安心できませんか・・・?」
男「そういうわけじゃないけどさ、なんかもったいない気がして。」
女「そんな歌昔有ったな・・・。じゃあ、夜景でも楽しみながら帰りますか?」
男「うん」
女「また一緒に遊びに行きましょう。子供たちが喜んでくれるから。」
男「そうだね。」
女「でもこの子たち、こんな勉強しなくて試験大丈夫かしら・・・。」
・・・昇任試験合格発表後・・・
新「やっぱり駄目でしたね。」
幼「結局、あんまり勉強しなかったもんね。ま、次頑張ろう。」
新「はい。ただ、女伍長が凄い落ち込んじゃって・・・」
幼「前も結構悩んでたからね、っていうかさ、あんたがちゃんと勉強
しなかったからいけないんじゃないの!」
新「そのとおりです・・・シュン・・・でもですよ、男として我慢できると思いますか?」
幼「男じゃないもん」
新「じゃ、女としてでも良いですけど・・・」
幼「・・・・うーん、そう言われると・・・・」
新「こう言っちゃあなんですけど、幼馴染上等兵だって合格しなかったじゃないですか。
身に覚えありませんか?」
幼「・・・まあね・・・。あっ、なんでもないっ。」マッカッカ
新「ふーん。それはおいといて、とりあえずみんなで残念会を開きません?」
幼「そうね、女伍長にもう少し元気になって貰わないとね」
・・・と言うことでいつもの居酒屋・・・
新・幼「力不足で申し訳ありませんでした。」
女「そんなことないよ。私の教え方が悪かったのよ」
新・幼「次こそは頑張りますから、またお願いします」
女「でも、私が教えたんじゃ駄目な気がする・・・」
男「いや、次は幼馴染も一緒に面倒見てもらえないかな?」
女「そんな教え方うまいわけでもないし・・・」
男「3人でやったらもう少し勉強に集中できるんじゃないかな」
女「3人でやったらって・・・・・・あっ、幼馴染!」
幼「え、なんですか?」
女「小隊長に言ったでしょう!!」
幼「いや、あの、ねえ、男兄私何も言ってないよね」オネガイ
男「いや、あの、ねえ、何も聞いてないような気がする」アタフタ
女「小隊長・・・」
男「何かな?」アセアセ
女「どうせ嘘つくんならもう少しうまくできませんか?」
男「うん」アセアセ
女「それに恥ずかしいのはこっちの方なんですから、ピシッとしてください」
男「キヲツケマス」
新「でも幼馴染上等兵の方も大して変わりませんよね?」
幼「あっ、何言ってるのかな新隊員は・・・コラ逃げるな・・・」
新「女伍長助けて」
女「お・さ・な・な・じ・み・・・」
幼「は、はい・・・」チョクリツフドウ
女「自分は何もしてませんて顔してたでしょ!」
新「身に覚えがあるって言ってましたよね」
男「そういわれると」
幼「返す言葉もございません」
女「ま、事の成り行きを聞かせて貰いましょうか。
私のことだけ知られてたんじゃ不公平でしょ」
男「幼馴染、頼むよ・・・」
幼「こういう時すぐ逃げるんだから。えーと、前にエプロンの話聞いた日があったじゃないですか。
で、その日にですね、・・・アンナコトヤ・・・。で、この服買ってもらったんです。」
女「ふーん、私が真剣に悩んでるのをネタに二人で楽しんでたわけですね。」
男「そういうつもりは無かったんだけど、結果的には・・・」
女「幼馴染、もう叙〇苑行ったの?」
幼「まだですけど」
女「新隊員、小隊長が焼肉連れて行ってくれるって」
新隊員「ゴチになります!」
男「叙〇苑4人かぁ・・・。給料日のあとでいい?」
女「予定空けときますね」ニコ
男「キビシイなあ・・・」
女「・・・・・・あの、小隊長?」
男「なに?」
女「何かほかにもまだ心配事が?」
幼「え?」
男「・・・うーん・・・心配事ってわけじゃないんだけど」
幼・女・新「・・・・」
男「中隊長に来年の春異動って、ついさっき言われたんだ。」
幼「・・・女伍長なんでわかったんですか・・・?」
女「うーん、なんとなく」
幼「なんとなくか・・・」
新「それで、転出先は?」
男「東北方面軍」
女「他の方面軍ですか・・・」
幼「遠いな・・・」ポソ
女「それで、幼馴染も面倒見ろと?」
男「うん」
女「面倒見る事は問題ないですけれど。幼馴染は、どうするの?」
幼「どうするって言われても・・・。上等兵じゃ方面を越えた異動できないし、
まだ仕事やめたくないけど、男兄とはなれちゃうのも・・・
どうしていいかわからないです・・・」
女「小隊長は?」
男「それは来て欲しいけど、でも僕のために仕事やめろとまで言えないし」
女「つまり、離れたくは無いけど、仕事やめる決心もつかないってことですね」
男・幼 コクリ
女「だったら、結婚しちゃったらどうですか?」
男・幼「えっ?」
女「婚姻とか特殊な事情があれば上等兵だって方面越えて異動できるはずですよ、知らないんですか?」
男「え、そうなの?」
女「そうですっ。若い士官は物を知らないんだから。
ねえ小隊長、幼馴染と結婚する事に問題ないですよね?」
男「特には・・・」
女「幼馴染は?ずっと好きだったんだもんね。いいよね?」
幼「まあ、そうですねえ・・・。」
女「二人ともOKって事ですね?」
新隊員「じゃあ、これで婚約成立ですよね!?女伍長頑張った
甲斐がありましたね。」パチパチ
女「ね!」vサイン
新隊員「あれ、幼馴染上等兵なんで泣いてるんですか?マタニティーブルー?
・・・ガツン・・・女伍長痛いです」
女「それじゃ順番が狂っちゃうでしょ!マリッジブルー?」
男「それも早いと思うけど・・・」
幼「そうじゃない・・・」
女・新「?」
幼「だって、ちっともロマンティックじゃないんだもん!告白だって、
初体験だってみんななんかのはずみみたいになっちゃってさ。
そりゃぁ、私だって二十歳越えてますから世の中少しは知ってますよ!
白馬の王子様が来ないことぐらい知ってますよ。だけどこんなドタバタ嫌だああ・・・!」
女「あ、ごめんなさい。つい勝手に盛り上がっちゃって・・・
そうだよね、女の子にとって一番大事なことだもんね。
小隊長今から何とかうまくいいムードに・・・・・・って無理ですよね。
あ、どうしよう・・・・・・・幼馴染、ゴメンね。」
幼「・・・でも、わかってるんです。この植物性プランクトンが
まともにプロポーズしてくれるはず無いって」
男「植物性プランクトン?」
幼「草食以下って事よ。」
男「・・・・」
幼「女伍長や新隊員がいろいろしてくれなかったらきっと何にも進まないって。」
幼「だから、感謝してます。本当にありがとうございました。」
女「ああ、良かったぁ。嫌だって言われるかと思った。でも、こうなったら今から忙しくなるわよ。
いろいろ手続きあるから」
幼「そうなんですか?」
女「役所に婚姻届けださなきゃいけないし、あ、保証人が必要だからね。私なってあげても良いけど。
あなたの異動の調整だってもう遅いぐらいだから急がないといけないし」
幼「知らなかった」
女「式はどうするの」
幼「それはしたいですけど」
女「そうよねえ・・・でも今からだと空いてる式場がね・・・・」
幼・女「アーデコーデ、アンナコトコンナコト、ウンヌンカンヌン」
新隊員「小隊長?」
男「なんだ?」
新隊員「影薄いですね」
男「いいんだよ、それで。いろいろ有難う」
新隊員「楽しんでただけですよ。それに一番得したのボクみたいだし。」
男「のろけてるの?」
新「いいえ、事実です。」
幼「ねえねえ、男兄。」ツンツン
男「なに?」
幼「結婚式ね、異動終わって落ち着いてからすることに決まったから。」
男「決まった・・・の?」
幼「うん、で、式は神前でやって、お色直し3回するの。ウェディングドレスと着物とカクテルドレス着て・・・
あ、新婚旅行は夏休みにくっつけて特別休暇とってアメリカの西海岸に行くからね。
あとラスベガスのショーも見に行くよ。」
女 ウンウン、ソレガイイ
新隊員コソコソ「この先大変そうですね?」
男コソコソ「不安になってきた」
幼「え?なに?」
男「すごくいいと思うよ。」
今日は「とりあえずここまで。
もうちょっと続きます。
・・・次の日の課業終了後・小隊長室・・・
女「お呼びですか?」
男「課業後にゴメン。ちょっと気になったことがあって。昨日は言わなかったけど女伍長も
何か心配事があるんじゃないの?」
女「・・・はぁ・・・。よく分かりましたね。まだ、誰にも言ってないのに・・・」
男「なんか昨日のはしゃぎ方が不自然だったから・・・」
女「・・・・・・・なんて言ったら良いのかな、パーティーが終わっちゃうって感じですね。」
男「パーティーが終わる?」
女「私、実家が東北の農家なんです。だけど、最近、親の身体の調子が悪くて。
で、帰ってこいと・・・」
男「ご兄弟は?」
女「妹が一人、ずいぶん前に結婚して関西にいます。」
男「そうか。すぐに帰らなくちゃいけないの?」
女「30までに帰ってこいって。」
男「え、そんな早く・・・」
女「うちの実家のあたりって、男の子が居ない家は大抵婿養子をとるんですよ。
30越えると婿の来手が減りますからね。」タメイキ
男「新隊員には?」
女「言わないつもりです。小隊長も秘密にしておいてくれますか」
男「だけど・・・・・・・」
女「パーティーは終わるんです・・・」
女 ・・・・・・パチ
男「なぜ電気を消したの?」
女「明るいと私事を話しづらいんです。」
男「暗い方が話しやすいのならそれでも良いけど。」
女「小隊長、うちの小隊に配属になったの1年半前でしたね。」
男「うん。」
女「私、小隊長のこと、チョット良いなって思ってたんです。」
男「・・・僕はそう思わなかった。」
女「・・・・」
男「すごく素敵な人だと思った。」
女「・・・分かってた・・・」
男「え?」
女「私はあなたたちみたいに子供じゃないから・・・」
男「・・・・・・」
女「あなたが今なにを考えているかを当てて見せましょうか?」
男「うん」
女「私のことを抱きたい・・・」
男「僕も、女伍長が何を考えてるか当てて見せようか」
女「うん」
男「でも、できるはずがない」
女「おしい。」
男「え?」
女「正解はね、”でも、できるはずがない。私がこうしなければ”」ハグ
男「エッ!?どうして?」オソルオソルハグ
女「私が言ったこと聞いてなかった?チョットいいなと思ったって。」
男「でも・・・」
女「私を見て。ただ抱きしめているだけなの?」ギュッ
男「でも・・・」
女「"でも"ばっかりね。素敵だと思ってくれてたんでしょ。それとも新隊員と関係を
持ったような女には興味なくなった・・・?」
男「・・・・・・」
男「・・・・そうか・・・・・」
女「そうかって?」
男「ずっと分からなかったんだ。なぜあんなに新隊員との事を幼馴染に話すのか。
考え無しにそんな話をする人じゃないのに。」
女「・・・」
男「僕が女伍長によそ見をしないように・・・」
女「馬鹿じゃないの?私はそんないい人じゃない。」
男「いい人?いや、幼馴染はいつも言ってた、天使か女神だって。」
女「ふーん、その女神が目の前でどうぞって言ってるのよ。」
男「その女神様が一番大事にしているのは僕じゃないってことぐらいはわかってる。
だから、女神様を汚すわけには行かないんだよ。」
女「ほんとにみんな馬鹿なんだから・・・私のこと何も知らないくせに・・・」
男「何も知らないよ。でも今は新隊員が可愛くて、いや好きでしょうがないことだけは
わかる」
女「・・・・・」
男「ならどうして?」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・」
女「・・・それは、私だって・・・」
女「私だってホントは一緒に来てって言いたい・・・言いたいけど・・・」
男「・・・・・・」
女「・・・・・・」
男「・・・そう言えば新隊員は何も考えず自分についてくる。それぐらいなら、
一緒に来てって言えなくなってしまう方がいい・・・」
女「・・・よく出来ました・・・。」
男「憧れの人のやることは、はっきり見えるんだ。」
女「ただ見てるだけ?」
男「・・・うん」
女「それで後悔しないの?」
男「たぶん、後悔するだろうな。どうしてあの時押し倒さなかったんだろうって。」
女「・・・・・・残念でした。せっかくのチャンスだったのに。でも今なら
まだ間に合うかも。誰もいないし」
男「そんなに僕を苦しめたい?出来ないってわかってるくせに。ずっと女神と思ってたけど、
悪魔だったんだ・・・」
女「やっとわかったの?」
男「うん」
女「だけど悪魔なら襲い掛かっても大丈夫って思わない?」
男「いや、たたりが怖い」
女「・・・・馬鹿、祟るのは神様よ・・・」
男「でも、もう少しこのまま抱きしめてても良いかな?これが最初で最後だと思ったら
離したくないんだ。」
女「私は最後じゃなくてもいいわ。」
男「え?」
女「幼馴染がOKしてくれたらね。」
男「・・・浮気したら包丁で刺すって・・・」
女「じゃあ、やっぱりこれが一生の思い出ね・・・」
男「そうだね」
女「もし、恋人役を幼馴染じゃなくて私に頼んでたらどうなったかな?」
男「部隊で人気の気立てのいい下士官と結ばれた幸せな士官」
女「年増の下士官に捕まった可哀相な士官かも」
男「どっちもあこがれ選択肢だ・・・」
女「・・・・意地悪・・・・ねえ、男?」
男「なに?」
女「たまには、私も泣いていい?」ギュッ
男「うん・・・・」
女「私、自分がわからない・・・」
・・・a few minutes later・・・
女「小隊長、私やっぱり新隊員に話します。」
男「うん、それがいい。もう、自分で自分の将来を考えられると思う。
この数ヶ月で彼はほんとに成長したよ。」
女「教官がよかったからだと思いませんか?」
男「うん、小隊長として本当に感謝している。」
女「小隊長として・・・ですか。なら男さんは?」
男「・・・・・・そんなに悔しいって言わせたい?」
女「フフ、悪魔ですからね。誘惑できなかったけど」
男「いや、あと10分こうしていたら絶対に襲いかかる」
女「じゃ、あと9分一緒にいてあげる。」
・・・9分後・・・
男「帰ろうか?」
女「そうですね。よく我慢できました。」
男「子ども扱いだね。」
女「今頃気がつきました?」
男「とてもかないません」
女「正門まで送ってあげます。迷子にならないように・・・」
男「こんな時間に二人で居たら噂にならないかな?」
女「私と小隊長だったらホテルから出るところでも見られないかぎり
誰も疑わないと思いますよ・・・」
男「それはそれで寂しいな・・・」
ガチャガチャ・・・遠ざかるグンクツノヒビキ
ゴトガタ、ギー
幼「雰囲気的には、小隊長みたいな感じかな・・・か。」
・・・数日後・女伍長の下宿でお勉強・・・
女「もう、大卒が農業高校卒より算数できないってどういうことよ?」
幼「だって最初から私立文系のつもりだったから高校の時数学の勉強まるで
しなかったし・・・」
女「これ数学じゃない、算数だよ。日本の教育はおかしい!」
幼「そんなこと言われても・・・文部大臣になり代って謝ります。」
女「文部科学大臣だからね、試験のとき間違えたらダメよ。そういえば、幼馴染、
最近面白い噂が広がってるのよ、知ってる?」
幼「え、どんな噂ですか?」
女「幼馴染と新隊員が付き合ってるんじゃないかって」
女「銃剣道も一緒に練習してたし、しょっちゅう二人で言い合いしてるのが
漫才みたいだって。なんか引っ込み思案だった新隊員が急に積極的になったし、
幼馴染が妙に色っぽくなったって評判でね。これは二人が付き合ってるに
違いないって」
幼「よりにもよって、なんであんなのと付き合わなきゃいけないんですか!」
女「私のカレをあんなのって・・・・」
幼「あっ、すみません。そういう意味じゃ」
女「もう!でね、そのせいか新隊員が最近人気出てきちゃってね。」
幼「あまり聞いた事ないですけど・・・。」
女「それは、あなたと付き合ってるかもしれないと思われてるからよ。」
幼「そうかなあ?」
女「ショタ好きの子とか、女装させたがってる子とかねらってるし。」
幼「あんまりいい趣味じゃないですよね。」
女「そういう子だけだったらいいんだけど。普通に好きって言う子もいるから、
少し不安になるんだよね・・・結構可愛い子も目を付け出してるみたいだし、
盗られちゃうんじゃないかなって」
幼「・・・・・・」
女「どうしたの?」
幼「・・・女伍長でも不安なんていわれたら・・・」
女「?」
幼「・・・」
女「なに?」
幼「・・・男兄・・・いえ、小隊長のことどう思っているんですか?」
女「・・・小隊長が何か話をした・・・わけないわね。見てたの・・・?」
幼「・・・はい・・・。あたしは、男兄も、女伍長も心配事があるなんてまるで
わからなかった。なのにお互い・・・。あたしが入り込む隙間なんて
ないんじゃないかなって。」
女「・・・」
幼「もし、女伍長が男兄のこと、まだ好きだったら・・・」
女「好きだったら?」
幼「あたしは・・・・・・」
女「別れても良い?」
幼「良く・・・良くはないけど・・・。でも、女伍長だったらきっと男兄幸せになれるし。」
女「じゃあ、あなたは男さんを幸せにしてあげる気はないの?」
幼「そうじゃないけど・・・幸せにはしてあげたいけど、あたし何もできないし。
男兄を女伍長と取り合いなんてしたくない。したって勝てっこない」
女「だったら別れなさい。男さんを不幸にするだけだから」
幼「・・・・・・」
女「だけど、私には新隊員がいるから。小隊長の取り合いなんかする気無いわ」
幼「でも男兄が一番好きなのは女伍長だし・・・」
女「何言ってるの!」バチーン
幼「あっ・・・」
女「あの人を信じられなかったら、あなたが信じられる人なんか
この先一人も現れない!」
幼「でも・・・」
女「見てたのならわかるでしょう、男さんは私に手を出さなかった。あなたは
私に勝ったの。それがわからない?」
幼「・・・」ポロポロ
女「もっと自分にも男さんにも自信を持ちなさい。私、誘って断られたの
初めてなんだから。」
幼「すみません。ホントはずっと黙ってようと思ってたんですけど、なんかどうしていいか
わからなくなっちゃって」ポロポロ
女「・・・・・・・いいの。あなたは何も悪くないの。悪いのは全部私。なのに叩いたりして
本当にごめんなさい。」
幼「そんなこと・・・」
女「私がいけないことしたの。許してくれる?」
幼「許すなんて・・・あたしずっと女伍長のこと・・・」
女「・・・・・・」
女「幼馴染、こっちにおいで、膝枕してあげようか」
幼「はい・・・」コロン
女「私、ホントにダメな人間なんだ・・・」
女「そんな・・・あたし、いつも・・・」
女「だけどね・・・何の心配もいらないわ、男さんなら・・・」
幼「はい・・・。」
女「本当にいい人よ、あなたと同じくらい・・・」
幼「あの・・・、ひとつ聞いてもいいですか?」
女「どうぞ」
幼「声を掛けて断られたの初めてって言ってましたけど・・・?」
女「そうね・・・遊び人と思われたくないから、誘ったの二人目ってことに
しといてもらえないかな。」ニコ
幼「一人目は銃剣道を教えてくれた人?」
女「やっぱり気がついた?この間しゃべりすぎちゃったと思ったんだ・・・」
幼「あたし女伍長のこともっと知りたい・・・」
女「・・・そうね。これは話す気はなかったけど・・・お詫びの代わりに教えてあげる。
でも二人だけの秘密にして、お願い。」
幼「・・・はい」
女「よくある話だけどね・・・」
・・・女の想い出・・・
女「銃剣道を教わり始めた年の競技会が終わってね、すごく不安に、というよりも
怖くなったの。もう私を守ってくれる人と会う理由がなくなるって・・・。それでお願いしたの、
競技会で頑張ったお祝いしてって。」
女「で、帰り道・・・、酔っ払ったフリをしてホテルに誘った・・・。ホテルにはつきあって
くれたけど、彼は何もしようとしなかった。私悔しくって。あのころの私って天狗になってた。
前にも少し言ったけど、学生時代も部隊に来てからも本当に数え切れないくらい
告白されたし・・・だから、付き合うのも、関係を持つのも相手にお願いされるものだって、
ずっと思ってた。なのに、この人は・・・私が誘ってあげてるのにって・・・本当にイヤな子・・・」
女「結構お酒も入ってたからできたんでしょうね、彼に言ったの ”私のこといらないんですか?
迷惑かけません!”って」
女「次の瞬間、私は押し倒された。”子供が生意気なこというんじゃない”って。でも、
まだ19歳の私からみても決してうまくはなかった。本当にマジメな人だったから、
私の方が経験してる人数は多いかもしれないとも思った。だけど、自分が本当に求めてる相手なら
上手い下手なんて関係ない、心も身体も満たされるんだってことがその時はじめて分かったの。」
女「それから毎週のように人目を忍んでホテルに行き、そして変わり映えのないセックスをした。
変わったことや刺激的なことは何も必要なかった。ただ私のことをみてくれるだけで嬉しかったの。」
女「彼が定年になるまでそんな関係が続いた。そんなことしていればいつか向こうの家庭を
壊してしまうかもしれないのに。でも私はその事に気がつかないふりをしてた。」
女「幸い誰にも知られることはなかった。でも、彼の退官パーティーでご家族にお会いしたとき、
この人達になんてことをしてしまったんだろうって自分自身が怖くなって・・・。
もう会っちゃいけないんだって・・・。そのすぐあともっとつらいことも有ったし・・・」
女「自分だけが薄汚れた人間のような気がずっとして・・・。だから、せめて人の迷惑に
ならない人間になろうって・・・それぐらいしか自分に出来るとむ・・・償いはないと思って
生きてきたの。」
女「幼馴染、あなたにも嫉妬してたんだよ。あなたが部隊に来たとき思ったの、
少女マンガの主人公みたいな子だなって。きれいでスタイルもいいし大学まで行かせてもらって。
天真爛漫で運動神経も良いのに、ドンくさくて何も出来ない・・・」
女「それに比べて自分は何なんだろうって。高校出たら働くしかなかったチビで、
やったことと言えばお世話になった人の家庭をトラブルに巻き込みかけたり・・・」
女「幼馴染が私のこと褒めてくれるたびに、私はそんな人間じゃないって苦しかったんだ。
だけど、あなたや新隊員と話しているとまだ何も知らなかった頃の自分に戻れる気がして・・・。
だからこの子達を裏切っちゃいけないって自分なりに頑張ってきたんだよ。
そこは認めてくれる?・・・ボロは出たかもしれないけど・・・・・・私、あなたたちに会えて
ほんとに良かった。」
・・・想い出終わり・・・・・
女「・・・さあ お話は終わりだ 寝てくれ」
幼「豚のまねですか?」
女「うん、似てた?」
幼「全然」
女「やっぱり才能ないのね・・・・」
幼「結構アニメ好きですよね。」
女「そんなことないよ。話題になったのちょっと見る程度。部隊に入ってからは
ほとんど見てないな」
幼「つまりそのとき付き合ってる人次第?」
女「ストレートに言わないで・・・」
幼「・・・ギリシャ神話読んだことあります?」
女「教養無いっていつも言ってるじゃない」
幼「ギリシャ神話に出てくる神様って、浮気したり、ヤキモチ焼いて人殺しちゃったり、
そうだ、セックスが好きで我慢できない女神様も・・・」
女「・・・」
幼「女神様ってそんな完璧な存在じゃないんですよ。」
女「どうして私を神様にしたがるのよ。ご利益もないのに・・・」
幼「ご利益?あたし、婚約者が出来ました。新隊員も信じてたら理想の彼女ができたみたいだし。
女伍長も信じたらご利益あるかもしれないですよ・・・」
女「どうしてあなた達ってそんなに馬鹿なの」ウル
幼「小隊長も、あたしの女神様を大事にしてくれたから、申し分ないお嫁さん手に入れたでしょ?」
女「・・・・・・」
幼「まあ、小隊長といっしょで、あたしも女伍長とこうして一緒にいたら襲いたくなるのを
我慢できる自信はないですけどね」ニコ
女「良いわよ、襲っても・・・」
幼「主人が申しましたとおり、女神様を汚せませんの」ニコ
女「ほんとにしょうがない子供達・・・。今日泊まっていくでしょ、こんな時間だから・・・。
布団敷くね。悪いけど小さいほうの布団に寝て」
幼「二組あるんですか、前一組しかなかったのに・・・」
女「うん、最近買ったの。」
幼「小さいほうが?」
女「私がいつも寝てる布団」
幼「大きいほうが?」
女「聞きたい?もしこっちで寝たいのならこっちでも良いけど」
幼「いいです。その布団で何してるか考えたらあまり中に入りたくない。」ゲンナリ
女「ひどい言われ方ね。」
幼「当然だと思うんですけど」
女「さてと、もう寝ましょ、明日算数の続きやるからね。」
幼「そんなぁ・・・。あ、思い出した。あたしも女の子達の間ではやってる噂聞いたんです。」
女「なに?」
幼「女伍長AV見るのが好きなんじゃないかって」
女「あ、あの娘達話しちゃったんだ。だからちゃんと片付けてって言ったのに・・・。
評判が悪くなる。好きで見てるわけじゃないのに・・・」
幼「大丈夫ですよ。みんな一緒に見たいって。女伍長にならあげてもいいってはしゃいでましたよ。」
女「私が何をもらうのよ。なんか変態と思われてるんじゃないかな・・・不安になってきた・・・」
幼「でも好きで見てるわけじゃないって嘘でしょ?」
女「一人では見ないもん。」
幼「だけど?」
女「・・・ためしに一度一緒に見ようって言われて。」
幼「見たら結構面白かった?」
女「うん。これだったら出来るかなあ、とか相談しながら見てると結構楽しいの。」
幼「あんなのまねしようと思うなんて十分変態です。ま、いまさら何してても驚きませんけどね。」
女「良かった・・・」
幼「良かったってほんとに何かしてるんですか!?」
女「た、大した事してないから。あ、でもね、大抵たいして気持ちよくないの、知ってた?」
幼「そんなことやらなくたってわかります。」
女「そうだよね・・・・」シュン
幼「寝ましょうか」
女「うん・・・」
・・・・その日の深夜・・・・
ノシッ
女「キャッ・・・・・・どうしたの、急に乗っかってきて!寝ぼけてるの?」
幼「我慢できませんでした」
女「え?漏らしちゃったの?」
幼「違います。さっき言いましたよね、襲っても良いって・・・」
女「・・・うん・・・」
幼「だから・・・・」
女「男さんは我慢したのに?」
幼「だって・・・」
女「・・・分かった・・・・・・」
幼「・・・・・・」
女「・・・・・・」
幼「・・・・・・」
女「で、どうしたいの?」
幼「どうしたら・・・?」
女「どうしたらって、なんかしたいことがあるから襲うんでしょ?」
幼「そうなんですけど・・・」
女「こうやって襲いなさいって私が言うのも変でしょう?」
幼「そこまで考えて無くって、つい衝動的に・・・」
女「だったら、とりあえず私の上から降りてくれる?重いの・・・」
幼「すみません」
女「そこに座って。」
幼「はい」
女「したいことに付き合ってあげるから。なにしたい?」
幼「なにって言われても・・・」
女「なんかあるでしょう。キスしたいとか、おっぱい揉んでみたいとか、縛ってみたいとか・・・」
幼「そんなことしてるんですか?」
女「まだしてないけど・・・」
幼「まだ?」
女「・・・だってこわ・・・良いの、私のことは!」
幼「ただくっついていたいって思っただけで・・・」
女「あなたね、考えなしに行動するのが悪いところよ」
幼「すみません・・・」
女「くっついていれば良いの?」
幼「はい・・・」
女「じゃあ、こっちの布団においで」
幼「はい・・・・あの・・・」
女「なに?」
幼「腕枕してもらっていいですか?」
女「あなたも・・・・」
幼「あなたもって?」
女「いるのよ、すぐに人の腕を枕にする人が・・・」
幼「一人しか思い当たりませんけど」
女「普通ね、男の人とか、体の大きい人がしてくれるものじゃないの・・・
なんで、チビの私がいつもいつも・・・ブツブツ」
幼「ダメですか・・・」
女「まあ、乗っかられるよりましだからいいけど・・・はいどうぞ・・・」
幼 コロ
幼「ああ、なるほど・・・」
女「何が・・・」
幼「新隊員が腕枕好きな理由・・・」
女「スベスベして気持ちいいって・・・」
幼「おっぱい見る特等席・・・」
女「それで・・・。あの子ったら。」
幼「パジャマはだけてもいいですか」
女「寒い・・・・」
幼「私だって見たい」
女「まあ、いいけどね・・・・」タメイキ
幼「じゃあ」ゴソゴソ
幼「ああ・・・」
女「なにその落胆の声は?」
幼「ブラジャーしてたんですか・・・」
女「同じこと言われた・・・」
幼「新隊員そんな事言ってるんですか、まったくスケベなんだから。」
女「あなたも一緒でしょ」
幼「そうかもしれませんけど。あのーできたら・・・」
女「はいはい、どうぞ」
幼「どうぞって、なんて言うかわかるんですか?」
女「ブラはずしたい言っていうんでしょ」
幼「なぜ・・・」
女「新隊員ということ同じだから・・・。」
幼「あんなのと一緒なんて・・・」
女「だから私の彼なんですけど・・・」
幼「すみません、つい・・・・。それはそうとして、そう言ってもらえるのなら」クイ、スゥ
女「どうせ、人の胸をいじりながら寝るんでしょ」
幼「もっとなんかしたほうがいいですか」
女「そんなわけないでしょ!」
幼「動揺してませんか?」
女「してません!胸ぐらいなら触ってもいいから早く寝てちょうだい!」
幼「はーい。ムニムニ、いい感触」
女「特別大きいわけでもないのに・・・・・・」
幼「男兄も胸がきれいだって」
女「自分の小隊員をそんな目で見ていたなんて、しょうがない人・・・」
幼「部下に手を出すような人ですから。」
女「周りに助けてもらってようやくだけどね・・・」
幼「お手数かけました。」
女「だけどね」
幼「はい?」
女「女の子が私の胸揉んで楽しい?お風呂でいつも見てるじゃない?」
幼「楽しいっていうか・・・安心できるって言うか・・・たぶん新隊員も同じですよ。」
女「どうして・・・こんな人間で安心なんかできるのかしら・・・。」
幼「持って生まれた人徳じゃないですか・・・」
女「人徳なんかないのに・・・・・・」
幼「?」
女「私、この間動物園に行ったとき、あなた達が子供で、・・・男さんが夫だったら
幸せだろうなって思った。新隊員も幼馴染も横にいるのに」
幼「・・・」
女「そんなこと考える自分が情けなくなって。そんな人間をあなたは信用できるの・・・」
幼「もう、まじめに考えすぎですよ。」
女「・・・」
幼「良いじゃないですか、いろんな人を好きになったりエッチな事したいと思ったって・・・」
女「そうなのかな・・・・・・」
幼「だからって、男兄あげませんけどね。」
女「さっきとずいぶん言うことが変わったのね・・・」
幼「女伍長の話聞いて自分の悩みなんてつまらない事だって吹っ切れたんです。」
女「少しは私も役にたつのね・・・」
幼「新隊員と夢でエッチしそうになったことだってありますよ。」
女「・・・そうなの・・・?」
幼「新隊員のあそこが蛇になってて噛みつかれるんです」
女「あなた普段何考えてるの?」
幼「いろんなこと。小隊長言ってたんですけど、新隊員のあれって大きいんですって。そうなんですか?」
女「まあ、そうかも・・・」
幼「何番目くらい?」
女「見較べた訳じゃないし・・・」
幼「じゃ、感触で・・・」
女「まあ、結構・・・」
幼「一番?」
女「・・・うーん・・・」
幼「相性が良いって言ってましたけど実は大きいからって事はないですか?」
女「そんなことはないと思・・・・。ねえ、私をホントにエッチ好きって事にしようとしてない?」
幼「そんなことないですよ。でも、こんな馬鹿話にした方が楽しくないですか?」
女「生意気なこと言って。一人しか知らないくせに・・・」
幼「だから教えてくださいよ。ね、先輩!」
女「ダメ、他人に教わるものじゃないわ。」
幼「いつも、あんまり良いって感じがしないんですけど、何がいけないんでしょう?」
女「最初のうちはそんなものよ」
幼「どうしたら良いんですか?」
女「そのうち良くなるわよ、心配要らないって。」
幼「かわいい後輩の悩み相談を雑に処理して・・・」
女「後輩の性教育は私の任務じゃありません!ただ、私に言えることがあるとすれば、
もっと男さんを好きになること。それだけ・・・」
幼「もっと、か・・・。これは、結構大変だな」
女「良い所いっぱい有るでしょ」
幼「これ以上良いとこ探すの大変ですよ、長い付き合いですから。・・・ねえ女伍長、
あたしもう大丈夫ですから言ってください。男兄のこと好き?」
女「・・・うん・・・」
幼「私の婚約者すごくいい人でしょ?」
女「うん。でも私の彼はもっといい人だから・・・」
幼「ね、言っちゃったらすっきりしたでしょ?もっと楽しむために生きたほうが
いいと思うんです。償いのためじゃなくて・・・」
女「ありがとう。急にはできないかもしれないけど、努力してみようかな。
なんか、今日はいろんな事幼馴染に教えてもらったね。」
幼「これでも、中学校の教員免許持ってますから」
女「凄いんだね。」
幼「見直してくれました?」
女「うん。なのに、どうしてあんなに算数ができないんでしょう?」
幼「いや、あの、それとこれとは・・・」
女「明日の朝、算数の続きやるからね。いい加減私の胸いじるのやめて寝なさい。」
幼「もうちょっと・・・」
女「ダメ、おっぱい揉まれてたら私だってもやもやして寝れないの。
ちょっと手貸して・・・モゾモゾ・・・ほらっ。」
幼「あっ・・・」
女「わかった?お・し・ま・い!」
幼「・・・はい・・・」
・・・時は流れて、3月下旬金曜の夜・送別会・・・・
幼「月曜日でお別れですね。」
女「転出行事午前中だったね。私も退官行事やってくれるんだって。定年でもないのに、
ありがたい話だよね」
幼「みんなが絶対やるって。中隊長も二つ返事だったんですよ。」
女「新隊員が花束渡してくれる係になったみたいね。」
幼「一番下っ端のしごとですからね。」
女「私って幸せ者だな・・・」
幼「ねえ、この後いつもの4人で飲みませんか?」
女「いいけど、男さんと二人じゃなくて良いの?」
幼「転勤したら、一緒に官舎住まいですから。」
女「そうか、籍入れるんだもんね。じゃ、どこ行こうか?」
幼「女伍長の下宿じゃダメですか?」
女「いいよ。でもお酒無いから買ってきて。後でお金渡すから。」
幼「わかりました。小隊長と新隊員には私から言っておきます。他の人に捕まっちゃダメですよ。
そのために今週はいろんな送別会セッティングしたんだから」
女「それで、このところ宴会漬けだったのね。そういうところは気が回るんだから・・・」
・・・宴会終了後・女伍長の下宿・・・
女「荷物片付け中なの忘れてた。ここで良いって言わなきゃよかった・・・。
まずい、下着くらいは隠さなきゃ・・・ゴソゴソ・・・よし、隠蔽終了!」
ピンポーン
女「ハーイ、ちょっと待ってて」
男「こんばんわ」
女「あ、小隊長、一番乗りですね」
男「お邪魔します。あ、引越し準備の真っ最中なんだね。」
女「飲む隙間くらいは有りますから大丈夫ですよ」
男「ゴメン、幼馴染が来たがって・・・」
女「どうしてこういう時ぐらい ”僕が来たかった”って言えないんでしょうね、まったく・・・」
男「そう言われてもさ・・・」
女「来たかったでしょ?」
男「まあ、ちょっとは・・・」
女「ちょっと?」
男「一度で良いから呼んで欲しかったです!もう許して・・・。」
女「まあ、これぐらいで勘弁してあげましょうか。でも、幼馴染と新隊員遅いですね?
一緒に来なかったんですか?」
男「買い物して行くから先に行ってって言われたんだけど。」
女「ああ、お酒頼んだんだっけ。」
男「でも新隊員は・・・迷子になったかな?」
女「そんな訳ないでしょう、何回も来てるんだから。」
男「そうか、初めて来たの僕だけか・・・」
女「ドキドキします?」
男「うん・・・。そうだけどさ、もう勘弁してくれるって言ったじゃん」
女「ご免なさい。つい小隊長見てるとからかいたくなって・・・」
男「月曜までは一応上司なんだから・・・」
女「月曜からは年下の男の子」
男「そりゃあそうだけどさ・・・」
女「お嫌ですか。だったら、月曜からは・・・」チラッ
男 ドキッ
女「ただの男と女・・・」
男「またそうやってからかうんだから・・・月曜からはただの男と部下の彼女!」
女「そうでしたね。」
女「あ、幼馴染からメール・・・」
女「・・・・・・」
男「目が点になってるけど・・・?」
女「見ますか・・・?」
男「えーと、”お供え物です、似て食おうと焼いて食おうと好きにしてください。
新隊員はこっちで預かっときます"・・・・・・ってどういう事?」
女「馬鹿なことして・・・・・・」
男「僕の方にもメール・・・エーと・・・うーん・・・」
女「見せて・・・"帰ってきても鍵開けないから、そっちに泊まって来て”・・・」
男「ひょっとしてさ・・・」
女「?」
男「ふられたのかな・・・」
女「はあ・・・、幼馴染も苦労するだろうな・・・」
男「どうして?」
女「どうしても。心配しなくていいですよ、嫌われたんじゃないことは、
私が保証します。」
男「でもさ・・・」
女「そうじゃないの。あの日にね・・・」
男「あの日って・・・えーと・・・いわゆる・・・」
女「なんか勘違いしてるでしょ。私が実家に帰らなきゃいけないって言った日。」
男「ああ、あの日・・・」
女「小隊長室のどこかに幼馴染居たみたい・・・」
男「それは・・・まずい・・・」
女「でもちゃんと我慢できたでしょ?」
男「そうだ。じゃ大丈夫かな?」
女「ただ、離したくないって言って抱きしめていたぐらいで・・・」
男「やっぱりまずい。」
女「私はもう許して貰ったけど、男さんはどうかな。」
男「一緒に謝ってくれない?女伍長がいえば言うこと聞いてくれると思うんだけど・・・」
女「幼馴染から見れば私、浮気相手よ。火に油を注ぐようなものじゃない。」
男「あ・・・・」
女「そんな馬鹿なこと言い出すなんて相当焦ってる?」
男「うん・・・。どうしよう、浮気したら包丁で刺すって言ってたし・・・」
女「だったら何でそんな事したの?」
男「何でって・・・つい出来心で・・・あっ、そもそも、女伍長から・・・」
女「そうだったかしら、覚えてないわ・・・・」
男「ひどすぎる!鬼!悪魔!」
女「なんてこと言うの。私ぐらい男さんに優しくしてあげた部下いないでしょう?
絶対私の方が幼馴染より優しくしてあげてると思うけど。」
男「そりゃあ、そうだけど・・・」
女「・・・ホント、男さんからかうの面白い。大丈夫よ。ちゃんと幼馴染にも納得して貰ったから。」
男「良かった。でもどうやって?」
女「内緒。」
男「内緒って?」
女「内緒って言ってるんだから言うわけ無いじゃない。ほら、秘密がある方がいい女に見えるでしょ?」
男「別に秘密が無くたって・・・」
女「それぐらいのこと半年前に言えたら一緒に農家やらないって誘ってたのにね。」
男「とりあえずほっとした・・・。」
女「でも、私達にどうして欲しいのかしら?確かに、まだ男さんの事好きって言ったけど」
男「たぶんね・・・」
女「・・・」
男「何にも考えてないと思うよ。」
女「え?」
男「僕たちがもやもやした気持ちを抱えてるのをずっと感じてたんだよ。」
女「・・・」
男「それをどうにかしなきゃって、それだけ考えて・・・」
女「確かに考え無しに動く子だけど・・・、新隊員は知ってたのかしら。」
男「他人に相談するような人じゃないから・・・」
女「じゃあ、向こうは・・・・・・」
男「きっと、新隊員が幼馴染を慰めてる頃じゃないかな。」
女「でしょうね・・・」
・・・同じ頃・男の官舎・・・
新「小隊長も女伍長も遅いですね?」
幼「うん・・・」
新「ひょっとして小隊長たち違うとこ行っちゃったのかな・・・」
幼「うん・・・」
新「うんって、間違って言っちゃったんですか?」
幼「ううん・・・」
新「どういうことですか?」
幼「怒らないで聞いてくれる?」
新「文句なんか言ったことないじゃないですか」
幼「いつも言ってる・・・」
新「そういえばそうだな・・・えーと事と次第によります。」
幼「小隊長と女伍長には場所を女伍長の下宿って言った。で、このメール送った。」
新「ふーん・・・。間違えたって言うわけじゃないんですね。」
幼「うん」
新「二人きりになって、ボクに告白したかった・・・?」
幼「ううん」
新「そこでボケ、カスって突っ込んでくれないと不安になるじゃないですか」
幼「ゴメン・・・」
新「だけど、こっちが理由じゃないとすれば、わざわざ小隊長達を二人にした・・・?」
幼「うん」
新「なんで?」
幼「・・・あの二人ってすごい惹かれあってるでしょ・・・」
新「うん・・・」
幼「でもあたし達がいるから結ばれない・・・」
新「そうかもしれないけど・・・」
幼「だから二人の時間を作ってあげなきゃって思って・・・」
新「じゃあ、小隊長を女伍長にあげちゃう気ですか?」
幼「ううん・・・」
新「最後に一回くらいは、我慢してあげようと思った・・・」
幼「ううん」
新「じゃあ、どうしようと思ったんですか?」
幼「分からないの・・・」
新「分からないって・・・?」
幼「どうして良いかわかんないの!ただこのまま別れさせちゃいけない気がして・・・」
新「・・・」
幼「ごめんなさい。新隊員にまで迷惑かけて・・・」
新「・・・そうですよ。ボクだって、もうすぐ女伍長とお別れなのに・・・」
幼「ホントにゴメン・・・」
新「でも・・・」
幼「・・・」
新「幼馴染上等兵が必要だと思ったんですよね・・・」
幼「うん」
新「じゃ、しょうがないか。」
幼「怒らない?」
新「幼馴染上等兵が暴走するとうまく転がる気がするから・・・」
幼「ほめてるの?」
新「もちろん。」
幼「ビミョウに嬉しくない・・・」
新「でも・・・」
幼「?」
新「一晩だけで納得できなかったら、ボクたち二人ともふられるってことですよね?」
幼「考えてなかった・・・」
新「どうします?」
幼「どうしますって言われても」
新「また、ボク彼女なしになっちゃう」
幼「・・・あたしに代わりになれって言うの・・・?」
新「代わりは無理ですね・・・」ジー
幼「どこ見てるのよ!」
新「おっぱい。」
幼「あんたにとって女の価値はおっぱいなの?!」
新「幼馴染上等兵は幼馴染上等兵です。女伍長の代わりじゃないです。」
幼「え?」
新「お姉ちゃんが出来たみたいでずっと楽しかった、ボク一人っ子だから。」
幼「こっち来て」ハグ
幼「あたしも弟ができたみたいな気がしてた、生意気な・・・。」
新「あっちは今頃どうなってるかなあ・・・?」
幼「どうって?」
新「二人っきりで一晩過ごすんですよね。」
幼「うん」
新「僕が言うのも変だとは思いますけど、もし何かあっても受け入れるしか・・・」
幼「なんかあるかな?」
新「健全な男女が一晩一緒に過ごせば何もないほうが不思議って言うか、
何もしないって失礼でしょう?」
幼「そうだよね・・・・」
新「・・・・・・・」
幼「・・・・・・・」
新「エーと・・・・・・・」
幼「べ、別に失礼じゃないからね・・・変な気を使わないでね。」
新「女伍長ならノってくれるのに・・・」
幼「それは付き合ってるからでしょ、一緒にしないで」
新「ケチ」
幼「ケチじゃないでしょ!」
新「だけど向こうは・・・」
幼「やっぱりなんかなっちゃうかな・・・?」
新「さあ・・・でも、女伍長意外と流されやすいからなぁ・・・信じるしかないですね・・・。」
幼「はぁ・・・布団敷こうか、新隊員そっちの部屋ね・・・」
新「え、そっちの部屋・・・?」
幼「当たり前でしょ、一緒に寝るわけ行かないじゃない」
新「・・・」ジー
幼「こっちの部屋に敷く?」
新 ウン
幼「何もしないって約束する?」
新 ウン
幼「絶対だよ」
新 ウン
幼「ダチョウ倶楽部のじゃないからね、ガチのやつだからね」
新「出川の・・・」
幼「殺されたい?」
新「やだ。」
幼「あんたのなんかでやられたら・・・そういえば・・・」
新「?」
幼「あのさ、新隊員のってそんなに大きいの?」
新「ボクのって?」
幼「ほらその、あれよ、あれ。」
新「ああ。どうなんだろう・・・他人のと較べた事ないし・・・」
幼「ちょっと見せてよ。」
新「嫌ですよ。」
幼「お姉さんに見せなさい。」
新「どこのお姉さんが弟のちんちん見ようとするんですか。」
幼「じゃあ、上官命令よ!」
新「セクハラだぁ!」
幼「小隊長にも、女伍長にも見せたんでしょ。あたしにも見せて!」
新「そんなむちゃくちゃな理屈無いでしょう!」
幼「いいから見せて!」ドタバタ
新「いやだ!」ドタバタ
ペロン
新「あっ」
幼「ああ・・・なるほど・・・良かった、これじゃなくて。」
新「ヒドイ・・・お嫁に行けない・・・」
幼「最初から行けないでしょうが。遅いからとりあえず寝ましょ。眠れる気はしないけど・・・」
新「あの、お願いが・・・」
幼「なに?」
新「手をつないで貰っていいですか?」
幼「いいけど・・・はい」ニギ
新「女伍長が言ってたんです。手をつないで居たら安心できるって。」
幼「そうね、なんかほっとするかも・・・でもいい大人が手をつないで寝るって変だよね。」
新「ボク未成年ですけど・・・」
幼「そういう意味じゃないの・・・」
新「じゃあ・・・」
幼「そういうことでもないの!」
新「思わせぶりなんだから・・・」
幼「ゴメンね」
新「月曜過ぎたら、ボクたちもう会うことないのかな?」
幼「あたしの結婚式来てくれないの?」
新「そうか、まだ会えますね。ボクの結婚式も・・・」
幼「うん」
新「二人してふられなければ・・・」
幼「あぁ・・・」
新「女伍長って、どうして僕と付き合ってくれたんだろう?」
幼「・・・たぶん頼りない人しか好きになれないの・・・」
新「小隊長も?」
幼「そう。」
新「なんでだろう。いくらでもいい人居ると思うんですけど。」
幼「半分お母さんなのよ、あの人は・・・。だから、放って置くことが
出来なくなっちゃうんだと思う。」
新「お母さんか・・・。小隊長と女伍長の結婚式になっちゃったら行きます?」
幼「悩むところだよね・・・って言うか呼ばれないと思うけど。」
新「そりゃそうですよね。」
幼「大丈夫かなあ・・・」
新「さあ・・・もしものときは責任とってください。」
幼「あたしでいい?」
新「ずっとボクのお姉ちゃんで居てほしい・・・」
幼「うん。」
新「近親相姦有りの・・・」
幼「馬鹿!」ガンッ
新「イタイ・・・何もそこまで強く・・・」
・・・場所は移って女伍長の下宿・・・
女「幼馴染がね、いろんな人を好きになったりエッチな事したいと思っても良いって。」
男「それは僕と抱き合ってるのを見た後?」
女「うん。」
男「それは僕と女伍長がエッチしても良いって意味かな?」
女「どうかな。でもそうなったら幼馴染泣くでしょうね・・・」
男「じゃあ、どうしたらいいんだろう?」
女「小隊長決めてください。」
男「年下の男の子とか言うくせに、こういう時だけさ・・・」
女「月曜まで上司だって言ったの小隊長でしょ?」
男「そんな事言ったって・・・じゃあ、僕がしようって言ったらするの?」
女「指揮官の決心ですからね。だけどそうしたら、男さんのことを軽蔑するかも・・・」
男「だよね。」
女「でも・・・」
男「?」
女「もし小隊長がしないって決心したら、私、きっと自分を軽蔑するようになる・・・」
男「なんで?」
女「どうして我慢できないのが自分だけだと思うの?」
男「えっ?」
女「鈍感!だけど・・・幼馴染を泣かすわけにいかないでしょ・・・。」
男「うん・・・」
女「あとはあなたの気持ちの問題。どうやって自分を納得させるか・・・」
男「・・・どうしたら・・・僕の気持ち・・・分かってもらいたい事・・・そうだ、よく映画なんかで、
降参するっていう時、足にキスしてるシーンがあるでしょ。」
女「うん、で?」
男「降参て言うか虜って言うか・・・それが僕の気持ちだから・・・」
女「変なこと考え付くのね・・・そんなことで納得できるのなら、私は良いけど。」
男「じゃあ・・・」スリ
女「・・・あ、やっぱり後にしない?」
男「なんで?」
女「せめてシャワー浴びてからのほうがいいかなあって」
男「必要ない・・・」
女「私があるの!」
男「?」
女「だって、今日仕事終わってそのまま宴会だったから・・・。私の半長靴、
古いタイプのだからそのう・・・結構・・・蒸れるから・・・」
男「別にかまわない・・・」
女「だから私がかまうの!どこに1日靴はいてた臭い嗅がれて平気な女がいるって言うのよ!
私が嫌がることするのと降参とじゃ話が合わないでしょ!」
男「そんな嫌?」
女「当たり前でしょ。どうしてあなたたち子供は人の嫌がることをしたがるの、まったく・・・」
男「じゃあ、待ってる・・・」
女「うん・・・・・・。あ、やっぱり一緒に・・・」
男「一緒に?」
女「うん、身体洗ってあげる」
男「でも・・・」
女「私も自分を納得させなきゃいけないの。私は降参した人を自分の好きに扱いたいの。」
男「裸で?」
女「服着てお風呂入るの?」
男「そうじゃないけど・・・」
女「でしょ。ちゃんときれいに洗ってあげる。」
男「子供じゃないんだから・・・」
女「え?私はそう思ってるんだけど。」
男「新隊員と一緒にしてない?」
女「私から見れば両方とも子供よ。あなたのほうが臆病なだけ・・・」
男「そう・・・かもね。」
女「じゃ、脱いで。」
男「ここで?」
女「ワンルームだもん。外がいい?」
男「いや。せめて後ろ向いててくれないかな?」
女「どうせすぐ見るのに・・・」
男「気持ちの問題。」
女「はいはい。分かりました。」
男 ゴソゴソ
女「お風呂場で待ってて。」
男「一緒に行かないの?」
女「ちょっと都合があるから。」
男「都合?」
女「いちいち興味を示さないで!幻滅したくないでしょ!」
男「幻滅って・・・?」
女「まったくもう・・・。冬だから少々手抜きすることがあるの!もうこれ以上言いません。」
男「?」
女「いいから先行ってて。はい、タオル。あと、ボタン押せば浴槽にお湯はいるから」
男「だったらお湯入れてから脱げば良かったじゃないか。」
女「ゴメンなさい。風邪ひかないように気をつけて・・・」
男「どうやって?」
女「気合い。」
男「・・・それか・・・。お風呂場ここだよね・・・」ガタガタ
女「行ったかな・・・。とりあえず目立たない程度に・・・乾いたままでカミソリ負けしないかな・・・」
・・・ちょっと後・お風呂場・・・
女「女伍長、入ります!」
男「な、なんだよ。びっくりするじゃないか」
女「職場のノリでやったら興奮しない?」
男「心臓に悪い・・・」
女「男さんの動揺した顔かわいい。」
男「もう・・・。あ、なんだ、バスタオルで隠してるじゃん。」ホッ
女「ご不満?」
男「僕の方は裸なのにさ、別に不満じゃないからそのままでいいけど。」
女「じゃ、とってくれる?」
男「と、取ってって、バ、バスタオルを?」
女「他に何かある?」
男「し、下に水着着て、からかおうとしてるんだよね?」
女「そうかもね。だったら大丈夫でしょ?」
男「ま、まあ、別にね・・・」パラッ
男「あっ」
女「どうしたの?」
男「だ、だって水着は・・・」
女「お風呂入るのよ?水着なんて着るわけ無いじゃない。」
男「そ、そうだよね。」
女「自分のタオル落としたの気がついてる?」
男「ワッ」
女「そんな悲鳴あげなくたって。襲おうとしている訳じゃないんだから」
男「そうだけど・・・」
女「ほら、後ろを向いて。背中流してあげる。」
男「はい・・・」
女「意外と筋肉あるのね。」コシコシ
男「そりゃあ、新隊員よりは・・・」
女「ねえ、男さん」コシコシ
男「何?」
女「私のことずっとエッチな目で見てなかった?」コシコシ
男「ゴホゴホ、な、何でそんな・・・」
女「私の裸、幼馴染から聞き出そうとしたでしょ?」コシコシ
男「いや、あの・・・」
女「しょうがないひと。」
男「ゴメンなさい。」
女「で、実物を見た感想は?」
男「感想って言われたって・・・」
女「幼馴染みたいにスタイル良くないでしょうけど」
男「そんなこと無い。凄くきれいだよ。」
女「お世辞でもうれしい。」
男「お世辞じゃない。」
女「ありがと。じゃ、こっち向いて、前洗うから。」
男「いや、いいよ。」
女「言うこと聞いてくれないの?」
男「そうじゃないけど・・・」
女「そんなこと言うんなら・・・」ピタッ
男「ダ、ダメだよ、そんなくっついたら・・・」オロオロ
女「私、手短いから、ピッタリくっつかないと届かない」
男「・・・」
女「・・・」
男「・・・」
女「どうして・・・」
男「・・・」
女「どうして、私こんな我慢しなきゃいけないんだろう・・・」
男「我慢・・・」
女「私、新隊員なしの生活なんて考えられない。だけど・・・」
男「・・・」
女「あなたにも居て欲しいの・・・」
女「さっき私嘘をついた・・・私、あなたのこと好きにしたいわけじゃない。」
男「・・・」
女「・・・私を見てほしいの!私で満足してほしいの・・・」
男「だけど・・・」
女「分かってる、私も幼馴染を泣かす気はない・・・けど・・・」ニギ
男「ウッ」
女「少しだけなら・・・我が儘言っても許されると思うの・・・ダメ?」
男「いや・・・でも・・・」
女「エッチな事したいと思っても良いって幼馴染言ってくれたし、こんな悪戯しかけたのも幼馴染だし・・・」
男「・・・」
女「男さんだって・・・」サワサワ
男「それは・・・」
女「お願い、私で満足してくれたって思いたいの。それだけで我慢する。だから手の中でなら・・・いいでしょ・・・」
・・・・・・・・・・・
女「良かった?」
男「うん」
女「疲れた?」
男「うん、口の中乾いちゃって、のどが痛い」
女「ハアハアしてたもんね・・・・・・。じゃあ、こっち向いて・・・・・・」チュ・・ウグ・・ムク・・ザラ・・ヌル・・ゴク
女「少しは痛みとれた?」
男「・・・う・・・ん」
女「大人のキスよ・・・」
男「大人の・・・」
女「・・・・・・」
男「なに?」
女「いいえ、あなたらしくて良いなって思って」
男「僕らしい?」
女「そう。さ、もう一回洗ってあげる。カサカサになっちゃうもんね」
男「ありがとう。でも、前は自分で洗うから・・・」
女「嫌だった?」コシコシ
男「胸がくっついてるのが気になって・・・乳首って意外と硬いんだね・・・」
女「そういう時もあるわ・・・そんなたいした胸じゃないの分かったでしょ。」
男「すごくきれいだよ。いつも見てるのより大きいし。」
女「そんなこと言って良いの?幼馴染に言いつけようかな」
男「それだけは勘弁して」
女「可哀想だから内緒にしてあげる。流すからね・・・。じゃあ、暖まって」
男「うん」チャプ
女「そんな一生懸命に隠さなくったっていいのに」
男「男にも都合があるんだ。」
女「だいたい見当つくけど・・・」
男「そう・・・」
女「ちょっと嬉しいかな。私の勝ち?」
男「だから、降参してるって言ったじゃないか」
女「フフッ。でも考えてみたら、新隊員とは一回も一緒にお風呂入ってないな。」
男「なんで?」
女「お風呂入るより前にあの子はいろいろしたがるから・・・終わったらすぐ寝ちゃうし」
男「新隊員とは風呂の前でもそういうことできるんだ・・・」
女「できるって言うか、やらされるって言うか。何でうらやましそうな顔するの?」
男「だってさ・・・」
女「どっちがって言うのと違うの。あなたには大人の女って思ってもらいたい。
だけどあの子には、子供に戻らせて欲しいって感じるの。」
男「そんなものかなあ。でも、考えてみれば立ち位置がそもそも違うんだよね」
女「そうね。較べるものじゃなかったかも」
男「そういえば新隊員はこれからどうするって言ってたの?とりあえず辞めないみたいだけど・・・」
女「下士官を目指しますって・・・」
男「そうなんだ・・・じゃあ、女伍長が辞めたら・・・」
女「下士官になったら転勤してお婿に来てくれるって・・・」
男「そうか・・・」
女「その目は "それじゃぁ、高齢出産になるだろう”って言ってる、セクハラよ。」キッ
男「そんなこと言ってないじゃん!」
女「半分冗談・・・」サビシイワライ
男「半分・・・」
女「うん・・・。下士官になるのにあと何年かかるんだろう。そしてそのときの私を好きって
言ってくれるのかなって・・・」
男「あいつは言うよ。絶対・・・」
女「ありがとう。ほんとに優しい人・・・」
男「ようやく気がついてくれた?」
女「気づいていなかったらここにいると思う?」
男「ごもっとも・・・」
女「そろそろあがる?」
男「うん」
女「お布団敷いといてね、部屋の隅においてあるから」
・・・お風呂上がり・・・
男「布団一組しかないけど・・・」
女「女一人の下宿よ、当然じゃない」コロン
男「そういう事じゃなくて・・・」
女「幼馴染も新隊員も一緒に寝たけど・・・」コッチコッチ
男「そりゃあ、あいつらはそれで良いだろうけど・・・」
女「私と一緒に寝るの怖い?」
男「夜中にいたずらされるとか思わないの?」
女「それが出来るくらいなら今まで何回もチャンスがあったでしょ。」
男「今まではそうかもしれないけど・・・」
女「いたずらするのは私の方かもしれないわ」
男「女伍長が・・・?」
女「だって、メール覚えてないの? ”お供え物です、似て食おうと焼いて食おうと好きにしてください。”って。
好きにされるちゃうのよ・・・」
男「さっき好きにしたい訳じゃないって・・・あ、思い出した。何でお風呂入ったか・・・」
女「理由なんか有った?」
男「きれいにしてからじゃないと、足にキスさせてくれないって」
女「そうだ・・・だけどまだそんな事したいの?私に降参してるの十分わかったけど。」
男「うん、したい・・・」
女「私どうしたらいい?」
男「そのまま寝ててくれれば・・・」
女「はい・・・」
男「でも、できたらパジャマはない方が・・・」
女「自分の彼女の方がよっぽどいいスタイルしてるのに、どうして私の脚なんか見たいのかしら・・・
まあいいけど・・・ゴソゴソ・・・はい」
男「ありがとう。子供みたいにかわいい足・・・」
女「間抜けの小足って言われてた。」
男「じゃあ良い?」
女「どうぞ。苦しゅう無いって言った方が良い?」
男「結構真面目にしようと思っているのに・・・」
女「ごめんなさい」
男 チュ
女「満足した?・・・まだ・・・?」
男 チュ、チュ・・・
女「最初言ってた場所と少し違ってきたんじゃない?」
男「やっぱりここも足だし・・・」チュ、チュ・・・・・・
女「そこは足じゃなくて、きゃく!”脚”よ。」
男「僕、理系だから漢字が苦手で・・・」
女「どうしてあなた達大卒は、理系だ文系だって言い訳するの!・・・もう明らかに太腿でしょ。」
男 ツーーー チューーー
女「キャッ。・・・あのね、そこはどう言い訳しても足じゃないでしょ・・・もうキスでもないし。何したいの?」
男「僕だって満足してもらいたい・・・」
女「パンツの上から吸い付かれたって満足できるわけないじゃない。パンツが濡れるだけよ。」
男「そうだけど・・・」
女「だったら・・・私のわがままを聞いてくれる?」
男「うん」
女「下着の上からじゃなくて・・・あの、ち、直接・・・」
男「うん」
女「許してもらえるかな、これくらいのわがまま・・・」
男「それは・・・僕のため・・・?」
女「・・・二人のため・・・」
男「ありがとう・・・」
・・・・・・・・・・・・・
女 ビク、ビクビク・・・ギュウッ
女「アッ、ハア・・・・・・・」パタッ
男「・・・・・・」
女「・・・・・・」
男「・・・・・・あの・・・」
女「うん・・・」
男「あの・・・」
女「フフ、下手よ・・・」
男「そうだよね・・・・・・」
女「でも、関係ないの。すごく良かった・・・」
男「本当?」
女「うん、同じこと幼馴染にもしてあげて。きっと喜んでくれると思う・・・」
男「なんかほっとした・・・・・・。しばらくこうしてて良いかな?」
女「こうしてって、私の脚を抱き枕みたいに抱え込んで・・・」
男「うん」
女「私のアソコを枕にして・・・」
男「うん、なんかぽかぽかして気持ち良い・・・」
女「いいけど・・・どうしてみんな私を枕にするの・・・」
・・・・・・・・・・・
女「もういい・・・?」
男「え?」
女「ちょっとこの体勢つらい・・・」
男「どこが?」
女「どこがって・・・ちょっと動くたびにアソコの骨がグリグリするし、そのう・・・」
男「そのう?」
女「・・・膀胱が圧迫されてトイレ行きたくなるの!ゴメン!」バタバタバタ
・・・・・・
女「ああ、すっきりした。ん、どうしたのキョトンとした顔して?」
男「いや、なんかイメージが・・・」
女「人間だもの、トイレぐらい行くでしょう?ま、イチゴしか出ないけど・・・」
男「いまどき中学生だってそんな事言わないよ・・・。そうじゃなくて、部隊ではいつも
冷静って言うか大人の女性にしか見えなかったから。」
女「それだけ我慢してたの・・・」
男「ゴメン、気がつかなくて」
女「その代わりって言ったらあれなんだけど・・・」
男「?」
女「腕枕してくれない?たまには私もして欲しい。」
男「良いよ、それぐらい。はい・・・」
女 コロ
女「重くない?
男「大丈夫だよ」
女「いつも重くって」
男「重い?」
女「うん。終わってボーっとしてるといつの間にか枕にされてる」
男「ハハハ、なんか想像出来るな。」
女「お宅の奥さんにもされたんですけど。」
男「え、そうなの?」
女「その分返してもらうから・・・」
男「うん。」
女「このまま、眠ってもいい?」
男「うん。」
女「手がしびれても我慢してね。」
男「うん」
女「また、いけないことしちゃった・・・」
男「でもあれぐらいなら・・・」
女「人に言えないでしょ?」
男「まあね・・・」
女「認めたくないものね、若さゆえの過ちって」
男「やっぱり過ちか・・・」
女「・・・・・・」
男「?」
女「ううん、そこがあなたの良いところ」
男「どこが?」
女「どこでもいいの。明日お昼までには、男さんの官舎に行きましょう」
男「女伍長も?」
女「うん、ちゃんと幼馴染に返さなきゃ」
男「僕が新隊員に返すんじゃなくて?」
女「そう。新隊員は絶対私のこと信用してくれるもの。」
男「絶対?」
女「と、思う・・・たぶん・・・」
男「ずいぶんトーンダウンしたね」
女「意地悪。だけどね・・・」
男「なに?」
女「もし幼馴染を泣かすようなことしたら私絶対に許さない。わかった?」
男「そんなことしないよ。だけど、僕が泣かされたときは?」
女「私が慰めてあげる・・・」
男「絶対?」
女「絶対よ。」
男「世の中に絶対はないって。」
女「あら、私がウソついたことあった?」
男「なんかのせりふだよね、それ。」
女「これは知ってるんだ・・・」
男「でも泣かせたら許さないって言うけどさ、今日の話したらたぶん泣くよね」
女「だから話ちゃダメよ。」
男「都合が良いんだから」
女「腕枕してくれたぐらいは言っても良いわ。」
女「あのね、私思ったの、やっぱり小隊長ってえらいなって。」
男「どうして?」
女「私だったら軽蔑されても、嫌われても、たとえ抵抗されても、しちゃったと思う。
あれだけじゃきっと我慢できなかった。」
男「臆病なだけだよ。それに、手でしてくれたし・・・・」
女「それでも。本当に幼馴染を大事にしてるんだなって。たぶん私のことも・・・」
男「・・・」
女「でも、それが本当に腹が立つの。どうして一緒に子供になってくれないんだろうって・・・」
男「ごめん」
女「ううん、あなたは何も悪くない。それにそういうあなたが本当に好き。」
男「・・・・・・」
女「ごめんなさい、困らすような事言って・・・。おやすみなさい。」
男「うん、お休み」
・・・翌日のお昼・男の官舎・・・
カチャカチャ
男「あれ、静かだな?」
女「どこか行ったのかしら?」
男「あ、いた。二人とも熟睡してる」
女「もう、こんな遅くまで・・・」
男「もうちょっと寝かせてあげようよ。」
女「?」
男「今ぐっすりって事はさ・・・」
女「ああ、そうね。夜寝れなかったんでしょうね。あ、手つないで寝てる。」
男「不安だったのかな。」
女「自分でしたのにね。さて、朝ごはん、じゃない昼ごはん作っとこうかな・・・。材料ある?」
男「たいした物はないと思うけど」
女「卵とハムしかない・・・。もうちょっとちゃんとした食生活してくださいね。幼馴染にも言っとかなきゃ。」
男「幼馴染も頑張ってるんだよ。インスタントラーメンに具を入れてくれるようになったし」
女「ずいぶん幼馴染には優しいのね。」
男「そういうわけじゃないけど・・・」
女「うらやましい。」
男「またそうやってからかう・・・」
・・・チョットアト・・・
幼「うーーん、あれ、男兄、おはよう・・・」
女「何寝ぼけてるの、もうお昼よ。さっさと起きなさい。」
幼「あ、女伍長なんでここに!」
女「あなたたち二人だったら引越し準備終わらないでしょう。だから来たの。」
幼「すみません。新隊員起きて。女伍長来てくれたよ。」
新「ん・・・・・・あ、女伍長!」
女「何、そんなお化けでも見るような顔して・・・」
新「あの、おはようございます」
女「おはよ。」
新「エーと、昨日は・・・」
女「下宿にいたよ。」
新「小隊長と?」
女「そうよ、だって小隊長、幼馴染に締め出されちゃったでしょ。」
新「で、その・・・」
女「なに?」
幼「つまりですね・・・その、何か・・・」
女「何かって?」
新「昨日何してたかなあ、なんて・・・」
女「聞きたいの?すべてを受け入れる自信ができたときか、別れても良いと思ったとき以外は
過去を聞かないでって言ったでしょ。どっち?」
新「過去って言ったって昨日じゃないですか。」
女「過去は過去でしょ。あんないたずらをする子供達には教えてあげない。」
新コソコソ「ねえ、どっちだと思います?」
幼コソコソ「あの思わせぶりな言い方はたぶんなにも無かった思うけど・・・」
新コソコソ「ですよね。」ホッ
幼コソコソ「でも、男兄が挙動不審なのよ・・・」
新コソコソ「まあでも・・・」
幼「ねえ?」
男「え、なに?」
幼「昨日どこで寝たの?」
男「だから、女伍長の部屋で・・・」
幼「あの部屋ワンルームだよね。」
男「そうだったかな・・・」
幼「一緒の部屋で寝たのよね・・・」
男「まあ、しょうがなく・・・」
女「え、しょうがなくだったんですか・・・」
男「いや、そんなこと無い。すごく嬉しかった。」
幼「ふーん、嬉しかったの・・・」
男「いや、嬉しかったって言うのとはちょっと違うんだけど・・・」
女「違ったんですか・・・私すごく嬉しかったのに・・・」
男「女伍長まで一緒になっていじめないでよ。」
女「ごめんなさい。つい楽しくって・・・。あのね、幼馴染。」
幼「はい」
女「正直に言うと、一緒の布団で寝ました。一組しか残ってなかったから。
でも小隊長は、あなたと違って夜中に私を襲うようなことをしませんでした。」
幼「アノトキハ、スミマセンデシタ・・・」
女「あなたにしてあげたことをしてもらったの」ホカニモアッタケド
幼「じゃあ、おっぱい揉んだの?」
男「そんなことしてない!ね、女伍長?」
女「うん、そんなことされてません。小隊長は胸にもあそこにも指一本触れてません。」ユビハ・・・
幼「じゃあ何を?」
女「一晩腕枕してあげたでしょ、忘れたの?ほんとに重かったんだから・・・」
幼「あたしまだ男兄に、腕枕してもらってない。」ブスッ
男「良いじゃん、女伍長にしてもらったんだから・・・」
幼「そういう問題じゃないの、なんで私が一番じゃないの!」
女「そこまで責任持てません。あとでゆっくり話し合ってくれる?」
幼「だって・・・」
女「腕枕ぐらいでがたがた言わないの。たいていの男の人なんかろくでもない店行って遊んでるんだから。
それに比べればよっぽどましでしょ?」
幼「そりゃあそうですけど。じゃ、新隊員もそういう店行ってるんですか?」
女「私の彼がそんなとこ行く訳無いでしょう。ね?」
新「うん。」
幼「都合が良いことを。そんなの分からないじゃないですか。」
新「だって去年まで高校生だし、部隊に来てすぐ女伍長と・・・ね?」
女「ね?って言われても恥ずかしいんだけど・・・」
新「そんなことより幼馴染上等兵、女伍長のおっぱい揉んだんですか?」
幼「まあ、成り行きで・・・」
女「成り行きで、人の身体をおもちゃにしないで欲しい・・・」
幼「すみません・・・」
新「あれボクのなんですから。」
幼「あんたの物はあたしの物。」
女「あなた達の物ってわけじゃ・・・」
新「ダメです。それに腕枕だってボクの指定席・・・」
女「ちょっと待って!」
新「え?」
女「腕枕してもらうのが気持ち良いのよくわかったから」
新「・・・」
女「次から、私がして貰う。いいでしょ?」
新「・・・はい。幼馴染上等兵のせいで・・・ブツブツ」
幼「ごめん。」
新「昨日だって、セクハラの上に暴行されたし。」
幼「そんなことしてないでしょ!」
新「パンツ脱がされた。」
幼「あっ、それは・・・」
女「セクハラね。」
新「殴られた。」
幼「あれはだって・・・」
女「パワハラね。ま、少なく見積もって停職5日って所かな。」
幼「そんなあ・・・」
女「かわいそうな新隊員。こっちにおいで」
新「はい」
女「怖かったでしょ、幼馴染にいじめられて・・・」ナデナデ
幼「それじゃ私まるで・・・男兄助けてよ・・・」
男「そう言われても・・・」
新ヒソヒソ「良いフォローだったでしょ?」
女ヒソヒソ「ありがとう、賢い子ね。好きよ。」ホッペニチュ
新ヒソヒソ「ボクのこと一人にしないよね?」
女ヒソヒソ「そんな事するわけ無いでしょ。一人にされるのが怖いのは私も一緒。
いつかあなたがいなくなるんじゃないかって・・・」
新「女伍長が・・・怖い・・・?」
女「私、あなた無しでいられないもの・・・心も身体も。」
新「身体も・・・?」
女「あなたのことを考えただけで、眠れないことだって」
新「ほんとう?」
女「あなたから見ればずっと年上だけど、でも、あの歌みたいにビキニは無理なんて言わない。
あなたがよろこんでくれるなら、私なんでもする。」
新「ホント?」
女「うん」
新「じゃあ、この間買っ・・・」
幼「ちょっと待った!」
女・新 ハッ
女「えーと、ずっと聞いてた・・・?」
幼「 ”あなた無しでいられない”ぐらいからハッキリと。内緒話になってません・・・」
女「そう・・・」マッカッカ
幼「そうやっていつもイチャイチャと・・・」
女「いつもじゃないけど」
幼「どれくらい?」
女「週に一度くらい・・・」
幼「外泊できるのは?」
女「週に一度」
幼「日本では昔からそれをいつもと言うんです!で、なに買ったんですか?」
女「別に、たいしたもんじゃないけど・・・」
幼 ジト
女「あのスーパーとかに置いてある通販の本に載ってたのを少しだけ・・・」
幼「後ろの方のページにのってる奴ですか?」
女「うん」
幼「少しって事は一つじゃないんですよね?」
女「まあそういうことに・・・」
幼「あの外人さんが来てる、あそこもスケスケのとか・・・」
女「・・・うん」
幼「ヒモだけのとか・・・」
女「・・・う・・・ん」
幼「イルカのマッサージ器とか・・・」
女「・・・」
幼「使ってるんですか?」
女「イルカさんはまだ使ってない・・・。下着は、ちょっとだけ・・・でも、縫製が雑でちくちくするし、
変なところ食い込むし。あ、もし、いるのならあげるけど・・・」
幼「いりません。」
女「幼馴染私と違ってスタイル良いから似合うかも・・・」
幼「いりません。」
女「そう・・・」
幼「あんなの誰が買うんだろうと思ってたけど、まさかこんな近くにいたとは・・・」
女「だって新隊員が欲しいって・・・」
新「えっ、ボクのせいにするんですか!?自分だってノリノリだったくせに。」
女「ど、どうしてそういうことを言うの・・・。彼女のピンチなんだから助けてくれたって良いじゃない・・・」
男「あの、片付け始めても良いかな?もし帰ってやることがあるなら、それでも良いけど・・・」
女「小隊長まで私のこと、そういう目で見るんですか・・・」ウラミガマシイメ
男「僕はそういう意味で言ってる訳じゃ無いよ。女伍長だって引っ越しじゃん。」
幼「自分にやましいところがそう感じるんですよ。」ニヤッ
女「別にやましくない・・・けど、小隊長と幼馴染に任せといたら終わらなそうだから、手伝っていきます。」
男「ありがとう。じゃあ始めようか。新隊員、自分の服持って帰れよ。」
新「はーい」
女「これ新隊員の服なの?」
新「女装大会用に高校生のとき買ったんです。やっぱり勝とうと思うと衣装が大事なんで一式そろえたんです。
それぐらいしか取り柄がなかったから勝ちたくって。」
幼「そういえば、女伍長見たこと無いんですよね。新隊員ちょっと着てみない?」
新「いいですよ。でも、ちょっと筋肉ついちゃったからな・・・」
女「ダメ!」
新「え?」
女「幼馴染、小隊長に女装させたい?嫌でしょ?」
幼「まあ、そうですけどね。でも可愛いんですよ、妬いちゃうぐらい。」
新「自信あるけど、女伍長が嫌ならもうしない。」
幼「だったらこれ、あたしもらっても良い?趣味良いじゃない。」
新「良いけど、サイズ、って言うかバランスが良くないと思いますよ。僕より15センチぐらい背が高いでしょ。」
幼「そういわれれば・・・。」
女「じゃ、私もらっても良い?」
新「あ、女伍長ならいいかも」
女「下着もある。結構かわいいじゃない。これもくれる?」
新「それはサイズが・・・」
女「え?」
新「幼馴染上等兵ならちょうどいいくらい・・・」
女「そうなの?ちょっと幼馴染・・・」
幼「何ですか?」
女「ヒップ何センチ?」
幼「ヒソヒソ」
女「あ、そうなの・・・そんな小さいんだ・・・」
幼「はい・・・って言うかちょっと待って。何であたしの下着のサイズ知ってるの?」
新「だって前からこの部屋に置いて有るじゃないですか。」
幼「見たの?」
新「はい」
幼「変態!他人の下着あさるなんて・・・」
新「他人のパンツ脱がすような人に変態なんて言われたくない!」
幼「別にあんたのなんか見て興奮するわけじゃない!」
新「ボクだってあんな色気のないパンツで興奮なんかしません!」
幼「どんなの履こうと勝手でしょ!」
新「小隊長がかわいそうじゃないですか、あんなのばっかりだったら!」
男「僕は別にどんなパンツでも・・・」
新「少しは女伍長見習ったらいいじゃないですか!」
女「いや、あの、私を巻き込まないで・・・」
幼「だからってあんたのお古なんかなんで履かなきゃいけないのよ!」
新「結構高いんですから、これ。」
幼・新「ハアハア、ゼイゼイ」ニラミアイ
幼「・・・しょうがないから、預っといてあげる。」ハグ
新「ブラジャーもサイズぴったりですから・・・」
幼「そのうち殺すからね。それまで元気にしてるのよ・・・」ギュウ
男「あのさ、彼氏の前で堂々と他の男と抱き合うってどうなんだろう?」
幼「この子は特別、弟だもん」
女「弟ね・・・じゃ、彼女の前で他の女と抱き合ってる弟さんとしっかりお手伝いして頂戴・・・」
新ヒソヒソ「ヤバイです。幼馴染上等兵・・・」
幼ヒソヒソ「え?」
新ヒソヒソ「女伍長のあの眼つき、間違いなく怒ってる時の目です。」
幼ヒソヒソ「あ、目が青光りしてる・・・」
新ヒソヒソ「どうしましょう?」
幼ヒソヒソ「どうしましょうって、とりあえず離れたほうがいいよね・・・」
女「いつまで抱き合ってる気なの!ごちゃごちゃ言ってないでさっさと手伝いなさい!」ビシッ
新・幼「ハイッ!!」チョクリツフドウ
・・・二日後の月曜日・駐屯地・中隊転出行事・・・
司会「・・・最後に、幼馴染上等兵は、在職2年、給養係を担当。次の部隊は東北方面軍。
なお本日付で、男小隊長と入籍予定」
雑魚の皆さん「ザワザワ・・・おめでとう・・・小隊長ずるい・・・・・・部下に手を出して良いのか・・・
お子さんの予定は・・・」
鬼の先任「静かにしろ!」
雑魚の皆さん「・・・・・・」
司会「続いて、退官者の紹介をします。退官者は登壇してください。」
司会「女伍長は、家業を継がれると言うことで、本日付をもって退官されることとなりました。
女伍長は中隊で11年勤務され、その間文書係、給養係、訓練係、、小隊通信手を歴任されました。」
雑魚のみなさん「ザワザワ・・・辞めちゃうのか・・・え、11年てことは・・・24,5だと思ってた・・・
続けてればいいのに・・・昔はとんがった子だったけど大人になったなあ・・・結構行ってたんだ、知らなかった・・・・・・
そういえば俺が部隊に来たときもう下士官だった・・・」
司会「在職間の功績に感謝いたしまして花束の贈呈を実施いたします。贈呈者前へ」
新「ハイ!・・・・・・今までご苦労さまでした。今後の活躍とご家族皆様のご健勝をお祈りします。」
女「ありがとうございます。新隊員ちょっとこっち来て・・・」
新「え、何ですか?あ、ここじゃ、マズ・・・」
女 チューーー
雑魚の皆さん「あ・・・・・・」
幼「やっちゃった・・・」
雑魚の皆さん シーン
鬼の先任「女!おまえ仮にも軍人が公の場でそんな事して許されると思ってるのか!」
女「もう私民間人ですよ。残念でした!」ベー
鬼の先任「・・・確かにおまえは民間人かもしれん。しかし新隊員はちがう・・・」
女・新「あ・・・・・・」
鬼の先任「俺が許す。おまえら、やっていい・・・」
雑魚の皆さん「テメーいつの間に・・・死ね・・・他に余ってるのいるだろう・・・殺してやる・・・
やって良いことと悪いことの区別もつかねーのか・・・あいてが女伍長なら無理かな・・・
神も仏もあるものか・・・外出禁止だ・・・たとえ国連事務総長が許してもこの俺は許さねー・・・
礼文に転属したいんだな・・・月夜の晩ばかりじゃないんだぜ・・・新隊員ならいけるかと思ったのに・・・
ゴン・・・ドカ・・・ボカスカ・・・ガツン・・・」
新「どうしてボクがこんな目に。助けて・・・」
幼「なんであんな事を・・・?」
女「軍隊生活に区切りをつけたかったの。それに今まで隠してたけど、私にだってちゃんと彼がいるんだって
見せびらかしたかったんだもん。」
幼「だからって、あれじゃ新隊員が・・・」
男「だいじょうぶかな?」
女「私の彼はそんなにヤワじゃない・・・と思います・・・」
幼「と思いますって・・・みんなに知られたら殺されるって言ったじゃないですか・・・」
女「ほんとねえ。」
幼「ほんとねえ、じゃないですよ!助けてあげないと・・・」
女「こうしてみんな強くなっていくのよ、大丈夫・・・たぶん。」
幼「たぶんでしょ・・・」
男「やっぱり女伍長怖い・・・」
司会「いろいろありましたが、以上をもちまして転出者、退官者紹介行事を終了します。
各小隊解散!」
♪ああ 日本のどこかに私を待ってる人がいる いい日旅立ち 夕焼を探しに・・・
・・・3年後・野外入浴所・・・
入浴支援隊A曹長「幼馴染伍長、よその隊の仕事って慣れないから大変でしょう?」
幼「いえ、大丈夫ですよ。みんなにありがとうって言ってもらえるからやりがいもあるし。」
入A曹長「女風呂には女の子にいてもらわないといけないんだけど、これだけ長い災害派遣だから、
うちの女子隊員がみんなへたばっちゃって・・・」
幼「いえ、本当に勉強になります。補給隊で野外入浴所作ってるのは知っていたけど、
こんな大変だって知らなかったし・・・。それに体力だけは自信有りますから。
これでも、前の連隊では持続走の選手だったんですよ。」
A曹長「そう言ってくれると助かるよ。旦那さん士官なんだって?」
幼「はい、ずっと司令部に詰めっきりです。だからちょうど良いんですよ・・・」
幼(だけど、男兄に会いたいな。もう2ヶ月会ってない・・・。ちょっとでも会えたら元気出るのに・・・)
入浴支援隊B女性軍曹「幼馴染伍長、赤ちゃんの世話お願い。お母さんがお風呂は入れないから・・・」
幼「ハーイ、今行きます」
B軍曹「おしめしてあげてね。あたし、加熱器の温度調節してくるから・・・」
幼「はい、え、あ・・・どうしよう。おしめってどうしたらいいの?ね、お願い、泣かないで。
ああ、もう誰か助けて・・・」
?「相変わらず家事何にも出来ないのね。これも教えてあげなきゃダメ?」
幼「だって、あたし、まだお母さんになったこと無・・・・・あっ」
?「入浴支援隊にただいま着隊致しました!」
幼「あっ女伍長!予備役も派遣されたんですね!」
女「伍長じゃなくて軍曹よ、予備役になるとき特別昇任したから。ほら、赤ちゃん早くしてあげないと可哀想でしょ。
タオルで包んで、はじっこ握らせてあげるの。ほら、シッカロールはたいて・・・」
・・・チョットヒトイキ・・・
幼「どれくらいいるんですか?」
女「1週間だって。」
幼「それだけですか、もっと一緒に働けるかと思ったのに・・・」
女「こっちはもっと長くても良いんだけど、お上が決めたことだからね。どう、忙しい?」
幼「今はまだ良いですけどね。夕方、子供達がまとまって来るときなんか大騒ぎですよ。
もみくちゃにされるし、色気づいた子なんか胸さわってくるし・・・」
女「さわるほど大きく無いのにね。」
幼「これで満足してくれてる人もいるんですけど・・・」
女「ごめん。で・・・」
幼「だけど、みんな家を流されたり、中には親御さんが・・・」
女「そうなの・・・」
幼「夜、テントに来て泊まっていく子も結構いるんですよ。あたしたちの仕事が終わる1時くらいまで待っててくれたり、
掃除手伝ってくれたりして。だから怒るに怒れなくて。」
女「幼馴染もずいぶん大人になったのね。そういえば自分の子供はまだ?」
幼「まだコウノトリさんは来てくれませんね。女神様にお願いしたら授かるかしら?」
女「もう、まだそんなこと言ってるの?」
幼「今でも、あたしの目標と憧れは女伍長ですから。」
女「女神様は、自分の旦那と子供の世話で手一杯です。もっと、ちゃんとした人を目標にしなさい。」
幼「嫌です。それより、女伍長、じゃない軍曹、私の結婚式の後、全然連絡くれなかったじゃないですか。どうしちゃったんですか?」
女「結婚式の後すぐに新隊員が昇任試験受かったでしょ。」
幼「あたしより先に受かっちゃうんだもん。驚きました。」
女「それは幸せな新婚生活に浮かれてた人とは違うんじゃない?」
幼「そこまで言わなくたって・・・」
女「で、私の実家に来てくれたの、うちの親に会いたいって言って・・・」
・・・東北にある女(元)伍長の実家の客間・まだ宵の口・・・
女スー「まだ起きてる?」
新「あっ女伍長。」
女「もう伍長じゃないってば。どう疲れた?」
新「むちゃくちゃ緊張した。あれで大丈夫でした?」
女「ばっちりよ。お母さんも可愛い可愛いってすっかり気に入ったみたいよ。
ほら、うち男の子いなかったでしょ。私は、どっかに行っても良いからあなた置いてけって。」
新「良かった。」ホッ
女「でもね、私があなたをだまして連れてきたんじゃないかって心配してるのよ。
やっぱりあなたが若いから。」
新「みんな女伍長に憧れてたのに・・・」
女「新隊員からお母さんに言っといてよ、ちゃんと仕事してたし、そこそこモテてたって。
私、うちでは信用ないの。だけどあなたのお母さんに会ったらなんていわれるんだろう。
うちの親だって私の事信じてくれないのに・・・」
新「心配ないですよ。うちの親ボクのことずっと放りっぱなしだったし、それに女伍・・・さんのこと
悪く言う人にあったことないもの、大丈夫。」
女「だと良いけど・・・私、新隊員のことだましてないよね?」
新「ボクをだましたんですか?」
女「だましてない。」
新「じゃ、だまされてない。」
女「・・・ありがとう。あ、私たちが喋ってるのわかった?なまってるから驚いたでしょ?」
新「女・・・さん、普段方言出ないから、ちょっとびっくりしちゃった。
ボクに話しかけてくれるときはわかるんだけど、二人で早口で話してるときは良くわからない。」
女「ごめんね、ゆっくり喋るように言っとく」
新「大丈夫です、大体わかるから。そう言えばむせんがどうとかって何の事なんですか?」
女「・・・まあ、元気な女の子だったって事。気にしないで。」
新「ふーん、こっちではそう言うんですか。あの、女・・さん」
女「なに?」
新「まだ自分の部屋があるんですか?」
女「あるけど・・・ここにいたほうが良い?」
新「うん、だって会うの二ヶ月ぶりじゃないですか・・・」
女「本当に試験勉強よく頑張ったね。」
新「だから・・・・・・ね?」
女「うん・・・。」
・・・・・・アンナコトヤコンナコト
新「あっ」
女「どうしたの?」
新「持って来てない・・・」
女「持って来てないって?」
新「あれ・・・」
女「あれって、あの・・・あれ?」
新「うん・・・持ってません?」
女「使うことないもの」
新「いつも下宿に置いてあったじゃないですか?」
女「だってあなた持ってきてくれないし、何かあったら迷惑がかかると思ったから・・・」
新「じゃあ、駄目ですね・・・。久しぶりだったのに・・・」
女・新「・・・・・・」
女「・・・・・・ねえ、新隊員、最後ちょっとだけイクの我慢できる?」
新「たぶん、ちょっとぐらいなら。」
女「ほら、あの一緒に見たビデオみたいに、あの瞬間だけ外に出せば・・・」
新「良いんですか?」
女「うん、試験頑張ったご褒美・・・だけど、ちゃんと外にしてね。お願いよ。」
新「・・・はい・・・でも・・・はい・・・。」
・・・・・・
新「もう限界です!」
女「あとちょっと!」
新「脚でお尻を押さえ込まないで・・・いっちゃう。ダメだってば!」
女「あ、もう少しだけ、私も・・・あっ、うっ・・・」ビク、ビクビク・・・クタッ
女「はあ、ハア・・・・・・・」
新「あの・・・」
女「まだ離れちゃイヤ・・・」ギュッ
新「はい。」
女「出ちゃったね・・・」
新「出ちゃったねって・・・」
女「だんだん小さくなってきた・・・私この感じ好き・・・」
新「・・・」チュルン
女「押し出しちゃった・・・」
新「あの、中に・・・」
女「だって我慢できなかったんだもん、久しぶりじゃない・・・」
新「あのですね・・・」
女「なに?」
新「もし赤ちゃんできたら・・・」
女「できたら・・・?」
新「産んでくれますか?」
女「それって・・・・・・プロポーズ・・・・・・って思っていい?」
新「うん。」
女「ありがとう。でも・・・」
新「でも?」
女「あの、誤解されたくないんだけど・・・」
新「なんですか?」
女「あの、結婚してもらいたくて、中だった訳じゃないから・・・」
新「そんなの分かってますよ。いつもと一緒だもん」
女「え、あのいつもと一緒って・・・・?」
新「イク前必ずボクの事押さえつけるんですよ、気がついてなかったんですか?」
女「そうだったの・・・ハズカシイ・・・」
新「女さん脚の力強いから動けないんです。イッた後もしばらく離してくれないし。
だから、きっと今日もそうなるだろうなって・・・。」
女「じゃあ、最初からそのつもりだった…の?」
新「そのつもりって言うか、節目になるかなとは・・・。」
女「私何も考えてなかった・・・。いつの間にか私より大人になったんだね・・・」
新「そんなことないです。」
女「なんかほっとしちゃった。」
新「ほっとした?」
女「うん。なんだかんだ言ってね、あなたを大人の男にしなきゃ、助けてあげなきゃって、ずっと思ってたの。」
新「すみません。」
女「ううん。だけど、これからはあなたに守ってもらえると思ったらなんか、肩の荷が下りたって言うか・・・ね。」
新「頼りないかもしれないけど・・・」
女「そんなことない。今までだってほんとはあなたを頼りにしてた・・・」
新「じゃあ、ちゃんと答えてください。もし赤ちゃんができたら、産んでくれますか?」
女「はい。あなたの赤ちゃんを産ませてください。・・・だけど・・・」
新「だけど?」
女「子供に説明できないね。お父さんがどうやってプロポーズしたか・・・」
新「子供には内緒ですね・・・。明日も朝寝坊できないから、そろそろ・・・」
女「その前にね、プロポーズの記念にもう一回しよ・・・・・・」
新「え?」
女「私、たった今から自分に素直に生きるって決めたの。もう大人のふりするのやめる、
あなたが守ってくれるから。だから私がいけないことしたら叱って・・・」
新「じゃあ、もう遅いから今日は・・・」
女「ヤダ。だってさっきは途中でやめなきゃいけないって思ってたから集中できなかったの。
産んでも良いって言ってくれるんなら落ち着いて出来るし、それにこの子も私と同じ意見みたいよ。」ツンツン
新「駄目です、突っついちゃ。もう、何が叱ってですか、言うこと聞いてくれないくせに。
お母さんになるかもしれないんですよ。」
女「お母さんになったらしばらく出来ないじゃない。だからお・と・う・さ・ん、ね?」
新「ね?じゃないですよ、もう。部隊で見てた女伍長とほんとに同じ人なのかな・・・・・・」
女「生意気な。最初は私が手伝ってあげなかったらちゃんと入れられなかったクセして・・・」
新「初めてだったんだからしょうがないじゃないですか。今はちゃんとできるし。
それになんだかんだ言って最初の時からボクより先にイっちゃったじゃないですか。」
女「・・・だって・・・、だってすごく良いんだもの・・・。それなのに我慢してたのよ。あなたにのめり込んじゃいけない、
邪魔になっちゃいけないって。だから、一回だって私からしようって言わなかったでしょ・・・
あなたに負けて結局しちゃうことが多かったけど・・・」
新「我慢なんかしなくて良かったのに。」
女「だから我慢しないの。」
新「そうじゃなくって・・・」
女「嫌?したくない?」
新「したいけど・・・」
女「この子も明るいとこ嫌だって」ツンツン
新「だからダメだって言ってるのに。もう、許さないから・・・」ガヴァ
女「あ、そんないきなり・・・あ、あぁ・・・私の・・・」
・・・またしても入浴所・・・
女「だけど、まさか、本当に1回で出来ちゃうとは・・・」
幼「2回でしょ。」
女「いじめないでよ・・・」
幼「なにも進歩してませんね。」
女「あんまり急で結婚式の準備も出来なかったし、準備できる頃にはおなか目立っちゃうし・・・」
幼「もったいない、何回もできる事じゃないのに。でも最近は子供出来てから式って人も結構いるから
したほうが良いですよ。」
女「私もウェディングドレス着たいな。親にも見せたいし。でも、32にもなって子連れで式ってかっこ悪くない?」
幼「かっこ悪くはないと思いますけど、あのころ部隊にいた女子は突っ込むでしょうね、
言ってることとやってることが違うって。」
女「だよね。避妊だけはちゃんとしなさいって結構厳しく指導したもんね。会わせる顔がないわ。」
幼「式やる時はみんな来るって言ってましたからね。覚悟してください。」
女「怖い、どうしよう・・・で、新隊員も、幼馴染に教えたら怒られるっておびえるものだから、連絡しそびれて・・・」
幼「当然、百叩きです。」
女「一応新隊員の方が先に下士官になったんだから彼の方が先任なのよ。」
幼「関係有りません、どんなに偉くなろうがあたしにとっては弟分です。」
女「でしょうね・・・で、とりあえず籍だけ入れたんだけど。ほら名札見て・・・」
幼「あ、新隊員の苗字になってる!婿養子じゃなかったんですか?」
女「新隊員は婿養子で良いって言ってくれたの。だけど、私どうしても新隊員の苗字になりたくて。
親はいい顔しなかったけど、言うこと聞いてくれなかったら家出するって騒いで・・・」
幼「子供と変わらないじゃないですか。ずっとしっかりした人だと思ってたのに。」
女「大人でいるのはやめたの・・・って言っても、もう良い大人なんだけどね。」
幼「新隊員は元気ですか?」
女「良いお父さんしてるわよ。娘には、幼馴染みたいにまっすぐ育ってほしいんだって。」
幼「こんな人間になったら苦労するのに・・・」
女「お父さんはね、幼馴染のこと好きなのよ。」
幼「・・・お父さんって呼んでるんですね、あの子の事・・・」
女「うん。安心して我儘言えるんだ・・・」
幼「聞いてくれるんですか?」
女「ううん、いつも怒られるの。・・・妬ける?」
幼「少し・・・」
女「お互い様よ。」
B軍曹「お話中のところ悪いんだけど、もうじきいつもの台風の時間が来るわよ。準備して。」
幼「了解!」
女「台風?」
幼「子供達が来るんですよ。ほら・・・」
子供A「こんにちは。」
幼「今日は、ちゃんと静かにはいるのよ、分かった?。」
子供B「はーい。あ、おねーさんが増えてる。」
女「ね、幼馴染、聞いた?おねーさんだって!」
幼「そんなことで喜ばないでください。」
子供C「あ、指輪してる。結婚してるの?」
女「もうお母さんだよ。」
子供C「背の高いお姉さんは?」
幼「お嫁さんには行ったけど、まだ子供は居ないの。」
子供B「だから、おっぱい小さいんだね。」
女「そうね、赤ちゃん出来ると大きくなるのにね。」
幼「コラー、悪ガキども、そんな事言ってるとお嫁さん来てくれないぞ!」
子供達「あ、またペチャパイが怒った!」スタコラ・・・
女「ハハハ・・・」
幼「もう、チビ共が!女軍曹何笑ってるんですか!一緒になってふざけないでくださいよ。」
女「ごめん。ねえ、幼馴染。」
幼「なんですか?」
女「子供の作り方も教えてあげようか?」
幼「子供の作り方ぐらいちゃんと知ってます!!!あ・・・」
入浴支援隊の皆さん「・・・・・・」
A曹長「あの、あまり刺激の強い発言は・・・」
女・幼「スミマセン、キヲツケマス・・・」
お わ り