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726 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:42:34.98 29cPYilCo 426/574



21.バレンタインデー


February 14,Thursday 07:00

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-



チュンチュン



一方通行「…………朝か」

一方通行「…………」キョロキョロ

一方通行「…………」ボー

一方通行「…………」


一方通行「……どこだここは?」


禁書「……すぅ……すぅ……」

一方通行「…………」

禁書「……ん、……むにゃ……」

一方通行「……あァ、そォいや上条の部屋に泊まってたンだっけか」

一方通行「…………朝のコーヒー」ムクリ


ガチャ


一方通行「…………」カチャ

一方通行「…………」ズズズ

一方通行「……つゥか上条どこ行った?」

一方通行(見たところベッドの中はもぬけの殻。コタツの中にはシスター一人だけ)

一方通行(こンな時間にどっかに出かけるなンつゥことは恐らくねェだろ)


一方通行「……だったらどこに行きやがったンだァ? 三下様よォ」


禁書「……んっ、……あ、さ……?」

一方通行「……起きたか」

禁書「……あれ、あくせられーた……?」

一方通行「あン?」

禁書「……何でここにあくせられーたが ?」

一方通行「寝ぼけてンじゃねェよ。キチンと完全記憶能力活用しろコラ」

禁書「……そういえばここに泊まっていたんだっけ?」

一方通行「聞かなくてもわかンだろこの状況ォみりゃ」

禁書「…………」

一方通行「…………」

禁書「……おはようあくせられーた」

一方通行「……おォ」



727 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:43:32.72 29cPYilCo 427/574



禁書「ところで今何時かな?」

一方通行「あァ? 大体七時くれェだな」


ぐー


禁書「…………」

一方通行「…………」

禁書「おなか空いたんだよ」

一方通行「今度はキャラ崩壊しねェのかよ」

一方通行「……つゥかよォ、上条の野郎はどこに消えやがったンだ? シスターの暴食に耐えかねて、ついに夜逃げでもしたかァ?」

禁書「そ、そんなことないんだよ……たぶん」ボソッ

一方通行「ほォ、じゃあンなことねェっつゥ理由を言ってみやがれ」

禁書「んんと、たぶんとうまはここにいるから……」ガラッ

一方通行「……ハァ? 風呂場?」

禁書「とうまー! 朝だよー! 起きてー!」

一方通行「……何やってンだコイツ」

禁書「おなか空いたんだよー! だから朝ごはん作って欲しいかもー! とうまー!」

一方通行「ったく、こンなとこに三下がいるわけ──」


ガチャ


上条「……はいはい、わかったから静かにしてくれインデックス」

一方通行「」

上条「……ああ、一方通行。お前も起きてたのか」

一方通行「」

禁書「とうまー、おなか空いたー!」

上条「へいへい、何か残ってたっけなぁ……?」

一方通行「……オイ」

上条「ん?」

一方通行「何でオマエ風呂から出てきてンだ……?」

上条「何でって……風呂で寝てたからに決まってんだろ?」

一方通行「…………は? 今何つった?」

上条「だから風呂で寝てたっつったんだよ」

一方通行「風呂でってアレか? 浴槽の中で無様に毛布に包まってガタガタ震えながら寝てたっつゥことか?」

上条「言い方はムカつくがそういうことだな」

一方通行「…………」

上条「?」

一方通行「は?」


―――
――




728 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:44:06.93 29cPYilCo 428/574



同日 07:20

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-



禁書「――いっただきまーす!」


スフィンクス「にゃー」モグモグ

一方通行「……いただきまァす」

上条「おう、どんどん食えよ」

一方通行「…………」

上条「……どうした? 食わねえのか?」

一方通行「…………」



サラダ『盛られるぜー超盛られるぜー!』



一方通行(何で朝っぱらからグリーンマウンテンが出てきてンだよクソが)

禁書「とうまードレッシングー」

上条「ちょっと待ってろ……ほらっ、あんま使いすぎんなよ、特売じゃなかったら高いんだから」スッ

禁書「わかってるんだよ」ギュッ



ブパパパァ!!



禁書「……あ」

上条「あのーインデックスさん? 使いすぎんなって言ったそばから何盛大にぶちかましてくれちゃってんですか?」

禁書「ちょっと力加減を間違えたかも」

上条「不幸だ……」

一方通行「……オイ、さっさとこっちにもドレッシング寄越せ。かけまくってやらねェと食い切る自信がねェ」

禁書「はい」スッ

一方通行「って空っぽじゃねェかクソ野郎がァ!」

禁書「反省はしてるんだよ」



729 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:45:16.98 29cPYilCo 429/574



一方通行「……チッ、今はとにかく主食のパンだな」ガジッ

上条「ありゃ? ジャム塗らねえのか?」

一方通行「甘ったるいのは嫌いだ」

禁書「ええっー? こんなに美味しいのに……。人生の二割ぐらい損してるんだよ」

一方通行「ガキが人生語ってンじゃねェよ。まァ、俺はコーヒーがありゃ人生に不自由はねェ」

禁書「コーヒーじゃおなかは膨れないかも」

一方通行「コーヒーは空腹を凌ぐモンじゃねェよ。嗜好品だ嗜好品」

上条「……じゃあ結局お前はパンにジャム付けねえのか?」

一方通行「ああ」

上条「そうか。まあ上条さんもそっちの方が助かるけど……」

禁書「じゃあ私が代わりにあくせられーたの分二重に塗るんだよ!」ベチャベチャ

上条「無駄遣いしてんじゃねえよ! もったいないだろ!」

禁書「ええっー、もともと減る予定だったんだからいいと思うんだよ!」

上条「一方通行がいらないって言った時点でその予定はねえことになんだよ!」

一方通行「朝っぱらからうるせェンだよ。静かに食事もできねェのか馬鹿ども」ズズズ

上条「あ、すまねえ」

禁書「ご、ごめんなさい」

一方通行「チッ、わかりゃイインだよ。それじゃあ俺ァもォ食い終わったからごちそうさまさせてもらうぜ」ガタッ

上条「……一方通行」

一方通行「あン?」


上条「まだサラダ食ってねえじゃねえか」


一方通行「」


―――
――




730 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:45:57.19 29cPYilCo 430/574



同日 07:35

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-



禁書「――ごちそうさま!」



一方通行「……おェっぷ、死ぬ……うェ……」

上条「大丈夫か?」

一方通行「大丈夫なわけ、ねェだろォが……。調味料なしサラダ……ぐはっ」

上条「どんだけ野菜嫌いなんだよお前。今までよく生きてこられたな」

一方通行「ウチには何かしら調味料っつゥモンがある、多種類な。それをかけすぎることによってことで何とか凌いできたわけだ」

上条「あんまかけすぎんのは身体によくないぞ? 塩分とか取りすぎて」

一方通行「うるせェよ。そォいうわけで何もかけられてねェクソ野菜どもには耐性がねェンだよまったく」

禁書「好き嫌いはだめだと思うんだよ」

一方通行「大体オマエがドレッシングを全部ブチ込ンだのが元凶だろォが!」

禁書「野菜が嫌いなのは自分のせいだと思うんだよ」

上条「どうでもいいけどさっさと学校行く準備しろよ? せっかく早く起きれたんだから遅刻なんてしたくねえからな」

一方通行「……あァ、もォそンな時間か」

上条「まだ時間的には余裕があるけど、もしものことがあるからな」

一方通行「能力使えば関係ねェからゆっくりするわ」

上条「おのれレベル5め!」

一方通行「……まァ何つゥか面倒臭せェな」

上条「何がだ?」

一方通行「こォ朝起きると別のヤツの家でしたっつゥ状況だと学校とか行く気なくなる」

上条「うるせえよ、とっとと準備しやがれ」

一方通行「チッ、面倒臭せェ」



731 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:46:25.59 29cPYilCo 431/574




~身支度終了~




上条「……よし、じゃあそろそろ行くとしようぜ」

一方通行「面倒臭せェ」

禁書「とうま! 今日はあるばいとはあるのかな?」

上条「ああ。まあ一度ここには帰ってくる予定だから晩メシは心配しなくていいぞ?」

禁書「うん。わかった」

一方通行「今日の晩はバイトか。こンな平日までご苦労なこった」

上条「まあやらねえと生活していけねえからな」

一方通行「何つゥ人生ハードモードだ」

上条「別にそうでもねえだろ。この程度でハード言ってたら本当につらいヤツらに怒られちまうよ」

一方通行「ケッ……まァそォだな」

上条「ほいじゃインデックス。行ってくるよ」

禁書「いってらっしゃいとうま! あくせられーた!」

一方通行「俺は帰ってこねェがな」

上条「そうだ。昼メシは冷蔵庫にチャーハン置いてあるから、レンジで温めて食ってくれ」

禁書「了解なんだよ!」

一方通行「チャーハンを作れるだけの財力がオマエにあったのか」

上条「失礼な。それくらい上条さんのひもじいお財布の中身でも作ることできますよ……まあ、具はネギと卵だけだけどな……」

一方通行「悲しいチャーハンだな」



ガチャ



上条「あっ、もし出かけることがあったら、ちゃんと戸締りしとけよ」

禁書「もうとうま! そんなこと毎日毎日言われなくてもわかってるかも」

上条「わかった上で忘れそうだからこう何回も言ってんじゃねえか」

一方通行「まるで役に立たねェ完全記憶能力だな」


―――
――




732 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:46:59.86 29cPYilCo 432/574



同日 07:45

-とある高校学生寮・一年七組教室-



結標「…………」



シーン



結標(な、何か早く来過ぎちゃった……!?)

結標(い、いや、別にそんなに早すぎるってわけじゃないわよね? ぽつぽつと来てる人たちがいるもの)

結標(でもこのクラスの人たちは誰一人とも来てないわね……)


結標「…………とにかく。昨日の夜吹寄さんたちと考えた作戦を絶対に成功させなきゃいけないわね」

結標「一応、確認のために復習しておこうかしら。……ええっと――」



~回想~



ガチャ



結標「……ふぅ、さっぱりした。この短時間でお風呂に二回も入るとは思わなかったわ」

結標「まあ、お風呂入るの好きだからいいけど」

結標「ドライヤー、ドライヤーっと……」カチッ



ゴアアアアアアッ!!



結標「~~♪」



タラララララン♪ タラララララン♪



結標「? 電話? いや違うわ、チャットね」ピッ



吹寄『やっほー結標さん!』

姫神『……やっほ』




733 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:47:37.00 29cPYilCo 433/574



結標「どうしたの二人して?」

吹寄『ちょっと明日の打ち合わせをしたいと思ってね』

結標「明日の打ち合わせ?」

吹寄『そうそう。明日のバレンタインデーでチョコレートをどうやって渡すかの』

結標「……別に普通に渡せばいいんじゃないかしら?」

姫神『それは私も思った』

吹寄『普通って言うけどじゃあ例えば教室でみんながいる中で正々堂々正面から渡すの?』

結標「別にそれでも構わないけど」

姫神『同じく』

吹寄『……そんなんで向こうに想いが通じるとでも?』

姫神『どういうこと?』

吹寄『そういう渡し方だったら義理だと思われてもしょうがないってことよ?』

結標「なん……ですって?」

吹寄『そりゃそうでしょ。『あっ、バレンタインだからあげるー』みたいな風に捉えられてもおかしくなわよ』

姫神『……となると。一対一にどうにか持ち込むしかない』

結標「たしかにそうなるわね……」

吹寄『まあその一対一にする方法のは置いとくとして、あたしにちょっとした作戦があるんだけど』

結標「結構重要な方法を置いとくね……」

姫神『その作戦というものは何?』

吹寄「ちょっとしたドッキリみたいなものよ――」





結標「……たしか吹寄さんの義理クッキーを私たち三人からのプレゼントとして渡す」

結標「今年のバレンタインプレゼントはこれだけか、と油断させてからの本命の私たちのプレゼントをあとから渡す、だったかしらね?」

結標「……何というか、上条君には通じるかもしれないけどアイツには通じる気がしない作戦よね」

結標「まあ、何もせずにそのまま直接渡すよりはマシかもだけど……」

結標「…………」



734 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/07/28 23:48:24.46 29cPYilCo 434/574




ガララララッ



結標「!」


吹寄「おはよー! ……っと、早いわね結標さん」

姫神「おはよう」

結標「二人ともおはよう! 何か緊張しすぎて居ても立ってもいられなくて……」

吹寄「別にそこまで緊張する必要はないと思うけど? 必ず成功させなきゃいけないってわけじゃないし」

結標「そうは言われても、緊張するものはするわよ……」

吹寄「ま、でもそれだけ本気になれてるってことだからいいんじゃないかしら?」

姫神「うん。今は緊張してない私より遥かにマシ」

結標「えっ、緊張してないの姫神さん!?」

姫神「今はまだ。でも渡すときになったらどうなるかわからない」

結標「私渡すときになったら心臓爆破してるような気がするわ」

姫神「わかる」

吹寄「……はぁ、まあ緊張しとくのもいいけどどうやって一対一に持ち込むかも考えといた方がいいわよ? 昨日言ったように」

結標「うっ、すっかり忘れてたわ……」

姫神「…………」

吹寄「簡単な方法で行くなら呼び出しよね。ベタなところを言うなら校舎裏とか屋上とかにね」

結標「正直それができれば苦労しない、って言いたいわね」

吹寄「あはははっ、まあまだ時間はあるんだしじっくり作戦を練ればいいと思うわ」

結標「そうね。よし、じゃあ授業中にじっくり考え――」

吹寄「授業は真面目に聞いときなさい」


―――
――




744 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:12:04.33 rXGMadHpo 435/574



同日 07:50

-第七学区・通学路-


一方通行「…………はァ」

上条「どうした? そんなため息ついて」

一方通行「あァ? ああ、何か木曜日って異様にダルいなァって思ってな」

上条「あー、それ何となくわかるわ。まあでもあと今日明日と行けば休みじゃねえか」

一方通行「そォだな……」

上条「つーか、土御門のヤツどうしたんだろうな? いつもならこの時間はまだ部屋にいるはずなんだけど……」

一方通行「オマエがあまりに遅刻ばっかするから巻き込まれたくねェから先に出たンじゃねェか?」

上条「何つう薄情なヤツだ」

一方通行「とりあえず遅刻するからしないかの境界線をうろうろするのをやめろ」

上条「違うんですよ、いつも決まって目覚ましがセットされてなかったり、携帯のマナーモード切るの忘れてたりという不幸が……」

一方通行「ただの不注意だろォが。何でもかンでも右手のせいにしてンじゃねェ」

上条「うっ、いや俺だってそれくらいわかってるって……」

一方通行「つゥかよォ、オマエンとこには居候が一人いンじゃねェか。インデックスの野郎に起こしてもらやイイじゃねェか」

上条「うーん、たしかにそれを考えてたこともあったけどさ、あいつも別にそんなに起きるの早くねえからな」

一方通行「アイツは本当にシスターなのか?」

上条「まあ俺よりは余裕で早いけどな」

一方通行「残念ながらフォローになってねェ」

上条「というかお前って実は早起きだったんだな。正直びっくりしたよ」

一方通行「寝付きが悪かっただけだ。たまたまだたまたま」

上条「お前が起きてくれたおかげで俺は今日こうやって余裕を持って登校できるわけだしな」

一方通行「そォいや起こしに行った時思ったンだけどよォ、何で風呂場で寝てたンだオマエ?」

上条「えっ? いや、まあ何つうか……なあ?」

一方通行「…………ああ、そォか。思春期真っ盛りの上条クンは、インデックスと一緒に寝ると色々な意味で大変なことになるから、わざわざ風呂場なンかで寝てンのか」

上条「ま、まあそういうことだな」

一方通行「つまり上条クンはロリコンということですねわかります」

上条「はあっ!? おまっ、何言ってんだよ!?」

一方通行「だってそォいうことだろ? あンなガキと一緒の部屋で寝るだけでムラムラきて寝られねェくれェだからな」

上条「いやお前ガキとか言ってるけどあいつも俺たちとあんま歳離れてない女の子だぞ? 逆に一緒にいて意識しねえヤツいんのかよ?」

一方通行「何も同じベッドで仲良く寝るわけじゃねェンだからよォ。別に余裕だろ」

上条「それは単にお前が異常なだけだろ」

一方通行「これが超能力者(レベル5)と無能力者(レベル0)の違いっつゥことだな」

上条「関係ねえだろそれ」



745 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:12:32.24 rXGMadHpo 436/574



一方通行「……はァ、歩くの面倒臭せェ」ガチャリガチャリ

上条「やっぱ杖付きって大変なのか?」

一方通行「もォ慣れた。まァ面倒なのは変わりねェけどな」

上条「俺も松葉杖とかよく使ってたから何となくだけどわかる気がするなぁ……」

一方通行「ンなことわかられてもこっちが困ンだけどよォ」

上条「松葉杖突いてる時に料理するのって結構大変なんだぜ? 片方の手が使いにくいからな」

一方通行「知るか。何なら俺は杖で片腕奪われた上に能力なしで料理したことあるけどな」

上条「へー、器用なんだなー」

一方通行「いや、残念ながらその料理は悲惨な結果で終わっちまった。どっかの馬鹿のおかげでな」

上条「……ははっ、そいつが誰だかは聞かねえでおくよ」

一方通行「聞くまでもねェってヤツだ」

上条「そういや器用って言えば、清掃用のドラム型ロボットを乗りこなして移動をする器用な知り合いがいるんだぜ」

一方通行「は? 何だそりゃ? ンなヤツいンのかよ?」

上条「おうすげえぞ。この前人ごみの中を華麗に通り抜けていったのを見たけど、あれはマジでヤバかった」

一方通行「……オマエの周りにはどォしてそンな変なヤツばっか湧いてンだよ?」

上条「そうか? 別にそんな変じゃねえだろ」

一方通行「周りに変人が集まりすぎて感覚が麻痺しちまってンだろォな。学校じゃシスコン野郎とただの変態」

一方通行「学校から出りゃ暴食シスターに露出狂の女や自販機荒らし、そして今回のドラムロボ乗り」

上条「……言われてみればたしかに変だな。つーか露出狂って誰だよ?」

一方通行「冬休み明けの週にオマエが公園で一緒に歩いてたヤツだよ。ほら、ジーンズの裾が片足だけねェとかいう面白い格好してた女」

上条「……もしかしてそれ神裂のことか? まあたしかに変な格好だよなあいつ」

一方通行「変なことに首ばっか突っ込ンでるからンな変なヤツらに付きまとわれることになンじゃねェか?」

上条「そうかもしれねえな。でも俺はそいつらと出会えてよかったと思うよ。何だかんだあったけどお前ともな」

一方通行「……チッ、くだらねェ」

上条「そういやさっき言ったドラム型ロボの乗ってるヤツなんだけどさ」

一方通行「あン? そいつがどォかしたか?」

上条「そいつ、実はつちみ――」


??「あっ、いたいた。うーい、上条当麻ー」ウイーン



746 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:13:11.22 rXGMadHpo 437/574



一方通行「…………は?」

上条「おお、舞夏じゃねえか。よーっす」

舞夏「おはよー、今日は珍しく早起きなんだなー」ウイーン

一方通行(な、何モンだコイツ? 本当に掃除ロボを操ってやがる……どォいう仕組みだ?)

上条「おう、こいつのおかげでな」

舞夏「んー? おおー? おおおー?」ウイーン

一方通行「……ンだよ?」

舞夏「あなたはもしかして一方通行ではないかー?」

一方通行「何で俺の名前を知ってンだ?」

舞夏「兄貴からいろいろ聞いてるからなー。『クラスに白髪で赤目で杖を突いた面白いヤツが転校してきた』ってなー」

一方通行「兄貴だと? コイツは一体誰だ……?」

上条「ああこいつ、土御門舞夏っていうんだよ」

一方通行「土御門……オイ、何だかものスゲェ聞き覚えのある苗字なンだけどよォ……まさか」

上条「そう、そのまさかだ。土御門の妹、もとい義妹がこいつだよ」

舞夏「兄貴がお世話になってるぞー、いつも馬鹿に付き合ってくれてありがとなー」

一方通行「……あのクソ野郎の妹とは思えねェほどしっかりしてやがる。いや、たしかに血は繋がってはねェけどよ」

上条「ところで俺に何か用か? ただ挨拶しに来たってだけじゃなさそうだし」

舞夏「ふふふっ、バレンタインデーに女子が男子に話しかける用なんて一つしかないんじゃないかー?」ニヤッ

上条「ん? 別に一つではない気がするんだけど……ってバレンタイン?」


舞夏「じゃじゃーん、チョコレートだぞー」バッ


上条「へっ?」

舞夏「ありがたく受け取るといいと思うぞー」

上条「…………くれんの? それ?」

舞夏「あげなきゃ何のために私はこれを差し出したんだー? ほい、ちゃっちゃ受け取りなー」グイグイ

上条「お、おう。……な、何つうかありがとな」

一方通行(……シスターといい超電磁砲といい、さらに今回は土御門の義妹。……コイツは一体どこまで手を広げてやがンだ?)ジロ

上条「……あのー一方通行さん? 何でしょうかそのゴミを見るような目は?」

一方通行「別に何でもねェよ。単純にオマエの手がどこまで及んでンのか興味が湧いただけだ」

上条「?」



747 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:13:43.37 rXGMadHpo 438/574



舞夏「あははー、残念ながら私は兄貴一筋なんだぞー。というわけでほい」スッ

一方通行「…………何だそりゃ?」

舞夏「何ってさっきの流れ見てるからわかるだろー。チョコレートだぞー」

一方通行「何でそれを初対面の俺に渡してきやがるンだ? そォいうモンはいつも世話になってるよォなヤツに渡すモンだろ」

舞夏「兄貴といつも遊んでもらってるからなー、そのお礼だと思ってくれ。お歳暮みたいなもんだなー」

一方通行「……そォかよ。まァ、ありがたくねェけど受け取ってやるよ」スッ

上条「おまっ、せっかくものくれたんだから礼くらい言っとけよ」

一方通行「俺は甘ったるいモンが嫌いなンだよ。それにこンな大層なモンもらえるほどアイツとつるンでねェよ」

舞夏「おおっー、兄貴の言ったとおり本当にツンデレだー」

一方通行「は? 何言ってやがンだこのガキは」

舞夏「じゃあじゃあ私はもう行くぞー。勉強頑張れよー」ウイーン

一方通行「なっ、待ちやがれ! 俺はツンデレなンかじゃねェぞゴルァ!」

舞夏「ああ、そのチョコレート感想とか聞かせてもらえると嬉しいぞー」ウイーン

上条「おう、じゃあな舞夏ー」ノシ


一方通行「…………」

上条「…………」

一方通行「チッ、やっぱガキっつゥのはうっとォしくて敵わねェ」

上条「まあ別にいいじゃねえかあれくらい」

一方通行「とりあえず土御門はあとでシめる。ブチ殺し確定だあの野郎」

上条「つーかあれだな。不幸の塊の上条さんがチョコレートをこんな朝早くもらえるなんて、未だに信じられねえラッキーだ」

一方通行「……ちなみにその不幸な上条さンは去年はいくつもらったんだ?」

上条「えっ、去年? え、えーと……あんま覚えてねえなー、あはは」

一方通行「なるほど。数え切れねェほどもらったっつゥことか」

上条「い、いやそういうわけじゃねえけど」

一方通行「ケッ、まァ俺には関係のねェ話だな。行くぞ」ガチャリガチャリ

上条「お、おう……」


―――
――




748 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:14:15.63 rXGMadHpo 439/574



同日 08:10

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-


禁書「……むむむ」

スフィンクス「にゃー」トコトコ

禁書「……むむむむむ」

スフィンクス「にゃー?」

禁書「むむむー、やっぱり退屈なんだよ!」

スフィンクス「!?」ビクッ

禁書「お留守番歴は長いけどやっぱりこの退屈なのは慣れないんだよ」

禁書「ゲームもあらかたやったから飽きちゃったし、まんがも一回通り読んじゃったから全部一言一句覚えてるし」

スフィンクス「にゃー」

禁書「ああー! 暇なんだよスフィンクスー!」ゴロゴロ

スフィンクス「……にゃー」トテトテ

禁書「……うう、スフィンクスにまで見捨てられちゃった」

禁書「…………」グー

禁書「……何か暇過ぎておなかがすいた気がするんだよ」



ピンポーン!



禁書「! お客さん!? もしかしてひょうかが遊びに来てくれたのかな!?」ガバッ

禁書「はいはーい! 今出るんだよ!」タッタッ



ガチャ



舞夏「おはよー」

禁書「あっ、まいかだ! おはようなんだよ!」

舞夏「んー? どうしたんだ? 何だかいつもよりテンション高くないかー?」

禁書「さっきまでものすごっく暇だったんだよ! だからまいかが遊びに来てくれて嬉しいんだよ!」

舞夏「へー、別に遊びにきたわけじゃないけどそこまで喜んでくれるのなら嬉しいぞ」

禁書「遊びに来てくれたんじゃないの? 何か違う用事かな? ちなみにとうまはもう学校行っちゃったよ?」

舞夏「上条当麻ならさっき会ったから知ってる。私がようがあるのはお前だぞインデックス」

禁書「うん? 私?」



749 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:14:42.79 rXGMadHpo 440/574



舞夏「はいこれ」スッ

禁書「おおっ! 何その高級感あふれる箱は!」ガシッ

舞夏「バレンタインチョコだぞー。お歳暮感覚でもらってくれー」

禁書「おせーぼ? 何それ?」

舞夏「いわゆるプレゼントだなー」

禁書「おおっー! これはあれだよね! 『ともちょこ』ってやつだね!」

舞夏「お歳暮知らないのにそういう文化は知ってるんだなー」

禁書「てれびで見たんだよ!」

舞夏「まあそういうことだから遠慮せず食べてくれー」


禁書「じゃあいただきます」バリッ

禁書「はぐっ」パクッ

禁書「もぐもぐ」


禁書「おいしいんだよ!」ペカー


舞夏「まさか玄関で接客しながら、しかもこんな時間に食べ出すとは思わなかったなー。でもおいしいって言ってもらえて何よりだぞー」

禁書「さっきから暇過ぎておなかが減っていたんだよ!」

舞夏「時間的にはさっき朝食を食べたばかりじゃないかー?」

禁書「細かいことはいいんだよ! それよりこのチョコほんとおいしいね! これは一体どこで売ってるのかな? 今度とうまに買ってきてもらうんだよ」

舞夏「ふふふっ、実は私が研究に研究を重ねたお手製の品なんだぞー、つまり非売品だなー」

禁書「ふーんまいかが作ったんだ。まいかは料理が上手だからおいしくて当然かも」モグモグ

舞夏「真のメイドさんはバレンタインチョコを美味しく作ることなんて造作もないんだぞー」

禁書「あれ? さっきけんきゅーにけんきゅーを重ねてとか言ってなかったっけ?」

舞夏「私はまだまだヒヨっ子メイドだからなー」

禁書「しかしほんとおいしいんだよこれ!」モグモグ

舞夏「全然話聞いてないなー、別にいいけど」

禁書「……ふぅ、ごちそうさま! そしておかわり!」

舞夏「お前にやるチョコレートはもう残ってないぞー。残念だったなー」

禁書「ううっ、ほんとに残念な気持ちを味わってる気分かも」



750 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:15:25.86 rXGMadHpo 441/574



舞夏「そーいえばお前は上条当麻に何かあげたのかー?」

禁書「何かって何かな?」

舞夏「何ってバレンタインプレゼントに決まってるだろー」

禁書「あげてないよ。というかそんなものを用意するお金がないかも」ドヤッ

舞夏「ドヤ顔言うようなことじゃないと思うぞー」

禁書「うーん、やっぱり何かあげたほうがいいのかな? 一応感謝の気持ちを伝える気ではいるんだけど」

舞夏「そうだなー、男ってのは形あるものがほしいもんだろうしなー」

禁書「そうなの?」

舞夏「放課後ぐらいの時間になったら外に出てみるといいぞー。目をギョロつかせてる男がたくさんいるからなー」

禁書「へー、よっぽどバレンタインのプレゼントが欲しいんだねー」

舞夏「上条当麻も一人の男だからなー、きっと同じくそういうのが欲しいと思うぞー」

舞夏(まあさっき渡した時のリアクションはちょっと微妙だった気がするけどなー)

禁書「ぐぬぬぬ、無一文には辛い話なんだよ」

舞夏「まあでも日頃の感謝を伝えるってのはいいことだと思うぞー」

禁書「むーどうしようかな……」

舞夏「じゃあ私はこれで帰るとするぞー。そろそろ時間だしなー」

禁書「えっ、帰っちゃうのまいか?」

舞夏「私はこれから研修だからなー。メイド見習いはいろいろ忙しいのだー」

禁書「そうなんだ。頑張ってねまいかー」

舞夏「それじゃーあでゅー」ウイーン

禁書「ばいばーい!」ノシ



ガチャ



禁書「…………はっ!」

禁書「また暇になっちゃったんだよ……」

スフィンクス「にゃおー」ゴロゴロ

禁書「しかしプレゼントかー。どうしようかなー? ねえスフィンクスー」ゴロゴロ

スフィンクス「にゃあ」ゴロゴロ


―――
――




751 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:15:53.57 rXGMadHpo 442/574



同日 08:20

-とある高校・昇降口-



ワイワイガヤガヤ



上条「……いやー何ごともなく無事学校にたどり着くことができたなーよかったよかった」

一方通行「嵐の前の静けさってヤツだな。これからどォなるかわかったモンじゃねェ」

上条「不吉なこと言うんじゃねえよ」

一方通行「用心しとけっつゥことだ」

上条「別にそこまでする必要はねえんじゃねえのか?」

一方通行「そォだな、俺もそォ思う。だが何が起こるかなンてわかンねェンだからよォ。ましてやオマエならな」

上条「まあそりゃそうだけどよ」

一方通行「ま、オマエがどォなろうと俺には関係ねェがな」

上条「さりげにひどいなお前」

一方通行「今さら何言ってンだこの三下は?」

上条「そういやバレンタインといえば」

一方通行「あァ? 唐突に話を変えやがるなァ、何だ?」

上条「漫画とかだったらサッカー部のエースのイケメン先輩とかの靴箱の中にはチョコレートがたくさん入ってた! っつーネタとかよくあるよな」

一方通行「あンま漫画読まねェから知らねェが、それがどォしたか?」

上条「実際にそんなことってあんのかな? 俺は見たことねえけど」

一方通行「知るか。そォいうモンはまともな学校生活を送ってきたヤツに聞け」

上条「学園都市第一位のレベル5っていわゆるそういうポジションだろ? そういうことなかったのかよ?」

一方通行「あるわけねェだろ。いつも言ってンだろォが俺はそンなモンに関われる環境になかったってな」

上条「でも今は違うだろ?」

一方通行「チッ。……で、その漫画のベタな展開がどォかしたのか?」

上条「いや、別にないならないでいいんだけどよ。たぶんそういうのはリアルじゃありえないってことだろうし」

一方通行「……つまりそォいうフリってことか?」

上条「? 何のことだ?」

一方通行「自分の靴箱には大量のチョコレートが眠っていますっつゥ」

上条「は? そんなわけねえだろ。残念ながら俺はサッカー部のエースでなければ誰もが憧れるような学校一のイケメンでもないんだぜ?」

一方通行「自分で言って悲しくねェのか?」

上条「…………言うな」



752 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:16:42.65 rXGMadHpo 443/574



一方通行「ケッ、くだらねェ」

上条「まあでも、男ならやっぱり少しは期待しちまうよな。そういう夢のような展開。なあ?」スッ

一方通行「俺にそォいう同意を求めるな。つゥか残念ながらそンな面白れェ展開あるわけねェだろォが」

一方通行(でも、コイツの場合そォいう展開がありそォなのが困るよなァ、本気で)

上条「そーだよな。ま、期待はしないで開けてみるよ」

一方通行「靴箱開けるだけでどンだけ時間かけてンだよ」ガチャ

上条「いざオープン!」ガチャ

上条「…………」



上条の靴箱『中に誰もいませんよ』



上条「……はぁ。やっぱお前の言う通りだな。そんな面白い展開あるわけねえよな」

一方通行「……そォだな」

上条「じゃ、さっさと教室行こうぜ? みんないるだろうし」

一方通行「……そォだな」

上条「……どうした一方通行? 何靴箱の前で立ち尽くしてんだよ」

一方通行「……なァ上条」

上条「ん?」

一方通行「さっき俺はこンな面白れェ展開ねェっつったよな」

上条「おう、それがどうかしたか?」

一方通行「……これ見てみろよ」

上条「あ、ああ…………いいっ!?」



一方通行の靴箱『異物感がしゅごいよぉぉぉっ!!』



一方通行「…………」

上条「す、すげえ……漫画ほどじゃないけど結構入ってるぞ、これ」

一方通行「……さっき面白れェ展開っつったけど訂正させてもうぞ」


一方通行「何一つ面白くもねェよ、このクソ展開」



―――
――




753 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:17:37.58 rXGMadHpo 444/574



同日 08:25

-とある高校・一年七組教室-


結標「…………遅いわね。上条君と一方通行」

吹寄「まさか上条の馬鹿に巻き込まれていまだにベッドの中、とかないわよね?」

姫神「それがありえるから困る」

結標「アイツも起こさない限り絶対起きない時あるから心配だわ……」

吹寄「まあ学校に来ないなんてことはさすがにないでしょ。普通の人なら起きるでしょうし」

結標「それで起きない可能性があるのが一方通行なんだけどね……あはは」

姫神「たぶん。いや絶対。学校には来るから大丈夫。心配はしないでいい」

結標「遅刻しないことは保証しないのね……」

吹寄「……しかし」



男子生徒A「…………」ギロッギロッ

男子生徒B「…………」ソワソワ

男子生徒C「…………」フンッフンッ



吹寄「……やっぱりこの日は男子どもの目の色が見てわかるくらい変わるわね」

姫神「それはしょうがない」

結標「これがリアルバレンタインの空気ってやつね。漫画でしか見たことないから初めてで新鮮ね」

吹寄「いつも馬鹿やってる人が今日に限って大人しかったりするのよね。反対にいつもよりテンションが高い人とかもいるし」

結標「何というかすごいわね」

吹寄「見てみなさい。あれがその中で一番バレンタインマジックの影響を受けてる馬鹿よ!」ビシッ



男子生徒D「ちっ、バレンタインとかくだらないぜ。なあ?」

男子生徒E「そうだな。バレンタインとか別に興味ねーし、チョコレートとかいらんし」

男子生徒F「お前もそう思うだろ? 青髪ピアス」



青ピ「~~♪ ん? 何か言った?」フッ




754 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:18:43.91 rXGMadHpo 445/574



吹寄「…………あれ? 何か予想と違う」

姫神「そわそわしてるというか。どちらかというと余裕があるように見える」

結標「そうね。まるで勝ち組のような表情をしてるわ」

吹寄「……まさかとは思うけど、もうすでに誰かにチョコもらっとかないわよね?」

姫神「そんなこと。果たしてありえるのか……」

結標「あはは、そうね……」



男子生徒E「おいおいどうした同士青髪ピアスよ? 何でそんな余裕綽々って感じの顔してんだ?」

男子生徒D「…………お前まさか」


青ピ「ふふふっ、せやで! ボクはすでにチョコレートをもらってるんやでぇ! 勝者の切符をこの手に収めてるんやでぇ!」ドヤァ


男子生徒F「何だとっ!? このッ……裏切りもんがあああああああああああああああああああああああああっ!!」

男子生徒D「おい青髪のゴミ野郎がチョコをゲットしやがったぞ!」

男子生徒B「ぶっ殺す!!」



青ピ「ふふははははははははははははっ!! 神ならぬ身にて天上の意思に辿り着いたボクに、キミらみたいな凡人が勝てるわけないやろ!!」



男子生徒A「容赦すんな殺っちまえ!!」

男子生徒F「死ね!」

男子生徒C「ついに一子相伝の暗殺拳を使う時が来たようだな……」



結標「……どうやらすでに誰かにもらっていたようね」

姫神「すごい調子の乗り様。あっ。一発でノックアウトされた」

吹寄「というかあの馬鹿にチョコレートあげたの誰よ? 下宿先のパン屋の店員さん?」

姫神「その辺りが妥当」

吹寄「しかしあの馬鹿者がもらう信じられないわね。実はコンビニとかで自分で買ったやつじゃないの?」

結標「ひどい言われようね彼。てかそれ悲しすぎるでしょ」

吹寄「……ん? もう一人機嫌の良さそうなやつがいるわよ」



土御門「――舞夏は俺の嫁、いや俺の女神か? いや違うな。舞夏は……まさしく俺の人生ッ!!」




755 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:19:27.69 rXGMadHpo 446/574



姫神「聞かなくても。あれは舞夏ちゃんからもらってる」

吹寄「うん、口走ってる戯言を聞けばわかるわ」

結標「……土御門君、ちょっといいかしら?」

土御門「うん? 何だ結標?」

結標「上条君がまだ来てないようなんだけど知らない?」

土御門「あー、カミやんな。最近はどうせ寝坊するだろうと思って勝手に学校行ってるから知らないにゃー」

結標「そう」

吹寄「それくらい待っときなさいよ。というか起こしなさいよ隣人なんだから」

土御門「いやー正直メンドイですたい。……というか姉さんはいるけど、アクセラちゃんが見かけないにゃー。どうかしたのか?」

結標「実はアイツ昨日上条君の家に泊まってたのよ」

土御門「な、何だってい!? まさか隣の部屋がそんなにオイシイことになってるとは知らんかったぜよ。くそう、からかいに行けばよかったにゃー」

吹寄「ま、そーいうわけで上条が来ないとアクセラも来ないってことになるわけ」

青ピ「…………何やー、エラく楽しそうに話しとるやん。ボクも混ぜてえや」ボロッ

結標「随分とボコボコにされたわね」

青ピ「いやーチョコレートもらったことが嬉しゅうてなぁ、つい」

土御門「へー、ピアスくんチョコレートもらったのかにゃー? よかったな」

青ピ「……まあでも、カミやん辺りが大量のチョコレートをカバンに詰め込んでおはようしてくる未来を想像すると、おちおち喜んではいられへんけどなー」



ガラララッ



上条「おし、余裕で間に合ったぜ」

土御門「おっ、噂をすればカミやんだぜい」

吹寄「余裕じゃないわよ。ギリギリよギリギリ」

結標「おはよー上条君!」

姫神「おはよう」

上条「おっす、どうしたんだみんなして集まって?」

吹寄「別に、いつもどおりの雑談よ」

青ピ「あれ? というかカミやん大量のチョコレートはどこなん?」

上条「んなもんあるわけねえだろうが。漫画じゃねえんだぞ」

土御門「まさかカミやんが全然もらえてないなんてな。今日は雪でも降るんじゃないかにゃー?」

姫神「別に季節的に降ってもおかしくはない」



756 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/04 22:19:58.43 rXGMadHpo 447/574



結標「で、上条君。一方通行はどこかしら?」キョロキョロ

上条「……あー、あいつちょっといろいろ苦戦してっからな。もう少しで来ると思うぞ」

吹寄「苦戦って……一体に何に対して苦戦してるのよ」

姫神「もしかして。上条君の不幸に巻き込まれてしまった?」

上条「そりゃないよ姫神さん。いくら何でも傷つきますよ上条さんでも」



上条「まあ一目見りゃすぐわかると思うぞ」



ガチャリ、ガチャリ。



結標「ん? この変な杖の音は……」

吹寄「どうやら来たようね」

青ピ「おっはよおおおう!! アクセラちゃ……ん?」



一方通行「クソがッ。鞄に全部入り切らねェじゃねェかクソったれ」←たくさんの箱を持ってる



土御門「は?」

姫神「え?」

吹寄「なっ?」

結標「」

上条「ははっ、すげえだろこれ?」


一方通行「チッ、……あァ? ンだァその幽霊でも見てるよォな目はァ?」


青ピ「…………な」





「「「何じゃそりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」」」





―――
――




772 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:36:51.60 gQYViCn7o 448/574



同日 08:50 ~一時間目・能力開発~

-とある高校・多目的教室-


男子生徒A「ぬおおおおおおおおおおおっ!!」グググ

男子生徒B「たあありゃああああああああっ!!」グググ

男子生徒C「まっがーれ」クイ


女教師「じゃあこのカードは?」スッ

女子生徒A「ええっと……〇ね!」

女子生徒B「ふふふっ、違うわ。これは……見えたっ! ☆ね!」

女教師「残念。□でした」


吹寄「……ふぅ、相変わらず能力なんて目覚める気配なんてないわね」

姫神「お疲れさま」

吹寄「あっ、そっちも終わったの?」

姫神「うん。相変わらず成果はない」

吹寄「あはは、しかし結標さんたちはすごいわよね。高位の能力者だから個別指導なんて」

姫神「私たちと違って。どんな能力かハッキリわかっているから」

吹寄「……ま、今はそんなどうでもいい話題は置いといて」

姫神「……」コクリ

吹寄「アクセラがあたしたちの予想以上にチョコレートをもらっていたことよね」

姫神「うん。まったく考えもしなかった」

吹寄「よくよく考えればレベル5の第一位でお金持ちでそこそこ顔がいいんだからおかしくはないわよね……ちょっと性格面がアレだけど」

姫神「でもほかのクラスや学年の人たちは。そういうところを全く知らない」

吹寄「つまりいわゆる白馬の王子様的な感じに見られてるって感じか……」

青ピ「せやなー、ほんま羨ましいでー」ウンウン

吹寄「ふん」ゴッ

青ピ「あいたっ!? 何やねんいきなり!」

吹寄「馬鹿がいきなり現れたらとりあえず迎撃するでしょ?」

青ピ「横暴やで! 暴力反対!」

姫神「無断で女子の中に割って入る。青髪君が悪いと思う」

青ピ「ええやん。ボクも混ぜてえや女子トーク」

吹寄「お前が混ざるだけで女子トークじゃなくなるでしょうが」



773 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:37:37.35 gQYViCn7o 449/574



姫神「……そういえば青髪君。さっきチョコもらったって言ってたよね?」

青ピ「そうなんよぉ、いやーボクもついに勝ち組になったんやでえ!」

吹寄「何だかすごくムカつくわね……で、誰にもらったのよそれ?」

青ピ「舞夏ちゃんやでえ」

吹寄「舞夏ちゃん……って土御門の妹の舞夏ちゃん?」

青ピ「せやでー、まさか通学路で待ち伏せまでしてくれてたなんて思わへんかったわ。いやーモテる男はつら――」



ガシッ



土御門「屋上へ行こうぜ……久しぶりに……切れちまったよ……」



青ピ「ちょ、土御門君……? この学校屋上開いてたっけ? いやまっ、やめっヘルプミー!!」ズザザザ

吹寄「……行っちゃったわね」

姫神「ご愁傷様」

吹寄「まあ舞夏ちゃんの本命は兄だろうから。青髪が哀れでしょうがないわね」

姫神「うん。そういうポジションだからしょうがない」

吹寄「しかしクラスメイトの目線から見ると、アクセラがあんなにチョコレートもらってるのに違和感があるわね」

姫神「どうして?」

吹寄「たしかに第一位だから人気あるのかもしれないわ。でもそれに反したマイナス点も結構知れ渡ってるはずよね」

姫神「……ああ。学内ラジオ」

吹寄「会話が全然いいようにできてなかったし、さらに言うなら授業中は大体寝てるっていうだらしない部分もアピールしちゃったわけだし」

姫神「……それはさほど問題ないのだと思う」

吹寄「えっ、何で?」

姫神「恋は盲目。という言葉があるぐらいだから。そういう部分は目に入らないのかも」

姫神「それに多少は欠点があったほうがいいのかもしれない。完璧超人には近寄り難いみたいに」

吹寄「うーん、そうなのかな? あたしは嫌よ、授業中に寝てるような馬鹿者は」

姫神「趣味嗜好は人それぞれ」

吹寄「……そうね。じゃあこれは許容したとしてもまだ疑問点があるのよね」

姫神「言ってみて」

吹寄「去年やったマラソン大会あるじゃない。その時にアクセラは結標さんをお姫様だっこをしながらゴールという、ものすごく恥ずかしいことがあったわよね?」

姫神「うん。あった。学校新聞にもでかでかと載ってた」

吹寄「あれって傍から見たら二人はそういう関係なんだなぁ、って見えるんじゃないかしら? 普通」

姫神「……うん。言われてみればそう」

吹寄「だったら普通はチョコレート渡したりなんかしないんじゃ……?」


土御門「にゃー、そいつは間違ってるぜい吹寄」



774 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:38:05.27 gQYViCn7o 450/574



吹寄「終わったのねおかえり」

姫神「青髪君は?」

土御門「あの勘違いクソ野郎にはアスファルトの染みになってもらったにゃー」

吹寄「ふーん。で、何が間違ってるっていうの?」

青ピ「ちょっとおおおおおおおおおおおおっ!! 何かリアクション薄ぅないいい!?」

吹寄「あっ、いたの青髪ピアス」

姫神「気付かなかった」

青ピ「酷いでみんなぁ! ボクの存在は永久に不滅なんやでえ!」

吹寄「……で、何が間違ってるっていうのよ土御門」

土御門「そうだにゃー、例えばだな」

青ピ「ちょ、スルーはやめてっ!」

姫神「青髪君。ちょっとうるさい」

青ピ「……あい」

土御門「まず一つ言っとくが、二人がそういう関係じゃないっていうのは結構知られてると思うぜい」

吹寄「どういうこと?」

土御門「お前らがさっき話してたラジオのことを思い出してみるんだな」

吹寄「ラジオ……って学内ラジオのことよね?」

姫神「アクセラ君が。望んでかは知らないけど。イメージダウンに努めていたあれ」

吹寄「あのラジオでそんな話してたっけ……?」

土御門「……よーく思い出してみるんだな。あのラジオのエンディングトークの会話の内容をな」

姫神「……ああ」

吹寄「それって……まさか……?」



部長『ところで一方通行君はバレンタインデーにチョコをもらう予定はあるのかなー?』

一方通行『……! ン、ンなモンねェ……と思う、そォ信じたい……』



土御門「そう。この返答でアクセラちゃんと結標はそういう関係じゃないって認識になるんじゃないかにゃー?」

吹寄「い、言われてみれば……」



775 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:39:17.16 gQYViCn7o 451/574



姫神「……でも。仮にだけど二人が付き合っていて。そういうのを隠していたとしたら。こういう嘘もつくんじゃないの?」

土御門「ま、そうだな。少しでも頭が回るヤツならそう考えるだろう。でも残念ながらバレンタインデーが近くて浮き足立ってる時期だぜい?」

吹寄「正常な判断ができない、ってこと?」

土御門「ああ。まあでも、気付いてても略奪愛上等みたいな考えを持ってるヤツには関係ない話だけどにゃー」

姫神「略奪愛……」

吹寄「何だか急にドロドロした話になったわね」

土御門「そういうわけで、アクセラちゃんにチョコ渡したヤツらは脳内お花畑のヤツらかNTR趣味のヤツらの二パターンだろうな」

吹寄「……もしかした純粋な気持ちで渡した人もいるかもしれないのにひどいこと言うわね」

土御門「で、いろいろ話を統合した結果、つまり何が言いたいかというと――」



青ピ「アクセラちゃん爆発しろ!」



土御門「というわけだにゃー」

吹寄「あー、そう」

青ピ「何か今日の吹寄さんいつもより冷たい気がするんやけど……」

吹寄「そう? いつもどおりでしょ」

姫神「……! そういえば。上条君へのチョコレートが少なかったのは。まさかのアクセラ君効果?」

土御門「それもあるだろうけど……まあでもカミやんも人気もんだからにゃー」

青ピ「みんなタイミングを計ってんやろうなー。だから靴箱なんていうベタなところに置かないんやろ」

土御門「姫神もカミやんに渡すんだったらよーく考えてから動いたほうがいいぜい。どうせ本命だろ?」

姫神「……う。うん」

青ピ「チッ、死ねカミやん」

吹寄「……で、その上条当麻が見えないようだけど、どこに行ったわけ?」

青ピ「ああカミやんなら別室に連れて行かれたで」

土御門「ある意味アクセラちゃんたちと同じ特別扱いだにゃー」

吹寄「こんな日まで大変ねほんと……」


―――
――




776 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:40:36.88 gQYViCn7o 452/574



同日 09:00

-ファミリーサイド・従犬部隊オフィス-



ガチャ



数多「あー、仕事するのだっる……」


ヴェーラ「おはようございます社長!」

ナンシー「おはようございます!」



数多「……あん? 何だお前らもう来てたのか。ついに仕事熱心な社畜になっちまったかぁ」



マイク「おはようございます!!」

デニス「おはようございますっ!!」

オーソン「はぁざいまっす!!」


数多「んだぁ? 今日はやけに集まるの早ぇなあ、何かあったか今日?」

円周「何って今日はバレンタインだよ数多おじちゃん」

数多「バレンタイン? あー、そーいやそんなもんあったわ。で、それがどーかしたかっつー話だけどな」

円周「相変わらずどうでもいいことにはとことん興味がないよね数多おじちゃん」

数多「しょうがねえだろ興味がねえんだからよ。もうもらえるかもらえないかドキドキワクワクしてる歳じゃねえんだからな」

ヴェーラ「社長! 少しよろしいでしょうか!」

数多「あぁ? 何だ」?」

ナンシー「あのぉ……これ! 受け取ってもらいたいんですが!」スッ

数多「……何だこりゃ?」スッ

ヴェーラ「今日がバレンタインというわけなのでチョコレートです。私とナンシーで作りました」

ナンシー「猟犬部隊が解体して路頭に迷った私たちを拾ってくださった社長への感謝の気持ちです!」

ヴェーラ「ちっぽけなものだと思いますが是非受け取ってください!」

数多「…………」

円周「よかったねー数多おじちゃん。今年のバレンタインチョコがお母さんだけ、って感じの悲惨な思いをせずに済んで」

数多「うるせえぞクソガキ。……まぁ、何つーか……ありがとよ」

ヴェーラ「ほかの皆さんの分もありますのでどうぞもらってやってください」




<っしゃああああああああああああああああああああああっ!! <いええええええええええええええええええい!! <キタコレ!!





777 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:41:29.55 gQYViCn7o 453/574



数多「……ちっ、んなことでいちいちはしゃいでんじゃねーよ馬鹿どもが」

円周「もーそんなこと言ってー。いい歳いったおじちゃんがテレてるなんて面白い話だよねー」ニヤニヤ

打ち止め「そうだよねー、ってミサカはミサカは同意してみたり」ニヤニヤ

数多「……おい打ち止め。いつからここにいやがったんだ?」

打ち止め「ついさっきだよ。鍵が開いてたからいつでもウェルカム! ってことだと思って勝手に入ってきました! ってミサカはミサカは経緯を簡潔に説明してみたり」

円周「打ち止めちゃんが早めに来ることを見越してロックを解除しときました」ビシッ



ゴッ



打ち止め「そんなことより、はいキハラ!」スッ

数多「あん? ……何だぁ? またチョコレートかよクソッタレが」

打ち止め「ヨミカワとヨシカワからだよ。いつもお世話になってますー、って感じで渡してくれって言われましたー!」

数多「だったらいつもお世話になってますーって感じに渡せよ」

円周「おおっー、数多おじちゃんモテモテだねー」

数多「ちっ、くだらねえこと言ってねえで早くどっか行けクソガキども! 仕事の邪魔だ」


円周・打止『はーい!!』タッタッタ


数多「…………はぁ、面倒臭せぇ……ん?」

数多「そーいやあのガキども何でキッチンに行きやがったんだ?」

数多「何かロクでもねぇこと考えてんじゃねえだろうな?」スタスタ

数多「…………」スッ|д゚)


円周「――ふふふふふっ、いよいよ長年温めてきた計画を実行するときが来たよーだね」

打ち止め「実際は一週間前だけどここはツッコマないでおこう、ってミサカはミサカは口をチャックしてみたり」

円周「じゃあ始めようか打ち止めちゃん?」

打ち止め「うん!」




円周「これより『オペレーション・ハニーハニースウィートバレンタイン』を!!」

打ち止め「開始する!! ってミサカはミサカは高らかに宣言してみたり!」




数多「…………すっげえ不安なんだが」


―――
――




778 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:42:19.83 gQYViCn7o 454/574



同日 09:35 ~二時間目前休み時間~

-とある高校・一年七組教室-



吹寄「……さて、どうやら全員集合したようね」



上条「何だよ? 一時間目が終わってから全員集合って?」

一方通行(嫌な予感しかしねェ……)

青ピ「次も移動教室やから早めに頼むでー」

一方通行「オマエが言う台詞じゃねェだろそれ。クソ似合わねェよ」

青ピ「いつもはおちゃらけてるキャラが急に真面目になるとポイント高くなるんやでー」

上条「テメェが真面目になっても気味悪りぃだけだよ」

青ピ「ひどい!」


吹寄「………………」ピキピキ

結標「ふ、吹寄さん! 落ち着いて!」

姫神「冷静さを欠いたら負ける」

結標「何に!?」


土御門「……で、結局何の用だにゃー?」


吹寄「ええっと、今集まってもらったのはこれを渡すためよ」スッ

青ピ「えっ? 何それ?」

土御門「一見可愛くラッピングされたクッキーが入った小袋のように見えるんだが……?」

吹寄「見えるも何もその通りよ」

上条「は? 何でそんなもんを吹寄が俺たちに渡してくんだよ?」

吹寄「何でって、今日はバレンタインデーだからに決まってるじゃない」

土御門「……へー」

吹寄「……何よその目は?」

青ピ「どう見ますかつっちーさん」

土御門「これは何かのトラップだと推測しますぜカミやんさん」

上条「そ、そうだよな。あの吹寄がそんなバレンタインプレゼントなんて女子らしいもん渡してくるわけ――」



ゴッ! ガッ! バキッ!




779 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:43:04.89 gQYViCn7o 455/574



吹寄「貴様らの中であたしは一体どういう位置付けなのよ!!」

土御門「にゃー! これは罠にかかろうがかからまいが結果は一緒! すでに俺たちは吹寄の手の中で踊らされていたんだぜい!」

上条「くそっ! 俺たちはハメられたってのかよ!」

青ピ「吹寄制理……恐ろしい娘……!」

吹寄「ったく、バカのこと言ってないでさっさと受け取りなさいよ」スッ

上条「お、おう」

青ピ「あ、あざーす」

土御門「ごちになりまーす」


吹寄「あっ、ちなみにこれはあたしたち三人からよ? そこんとこ勘違いしないでちょうだいね」



パキッ!



青ピ「ん?」

一方通行「…………」ガタガタブルブル

青ピ「どーしたんやアクセラちゃん? そない固まったままクッキー握りしめてぇ。あんなにチョコもらったのにそんなに嬉しいんかいな?」

一方通行「い、いや、そォいうわけじゃねェよ……」



一方通行(こ、これかァあああああああああああッ!? 昨日俺を家から追い出してまで作り上げた化学兵器はァああああああああああああああああッ!?)



土御門「さて、小腹も空いたことだしちょっぴりいただくとするぜい」シュルル

一方通行「なっ!?」

青ピ「せやな。ボク今日朝メシ食べてへんかったからなぁ、いただくとしましょ」シュルル

一方通行「ちょまっ!?」

上条「おっ、何か食べる流れっぽいな。じゃあ俺も」シュルル

一方通行「ばっ!」



上条土御門青ピ『いただきまーす!』パクッ




780 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:43:56.57 gQYViCn7o 456/574



一方通行「あ…………」

上条「…………」モグモグ

青ピ「……うん、うん、美味美味」モグモグ

土御門「なかなかのお手前だにゃー」モグモグ

吹寄「…………ほっ」

一方通行「…………は? どォいうことだ?」パクッ

一方通行「…………」モグモグ

一方通行「……普通だ」

土御門「相変わらずアクセラちゃんは素直じゃないにゃー」

青ピ「恒例のツンデレレータさんやでー」


一方通行(普通過ぎるだろ!? 塩の配分が少し多めで甘さ控えめになっててむしろ好感を持てるぐらいにな!)

一方通行(見たところ他のクッキーも全部普通だ。オイオイおかしいだろ、結標が武力介入して無事に完成される食いモンなンざ存在しねェはずだろォが)

一方通行(いや、逆に考えろ。吹寄と姫神がいろいろサポートしてこれを完成させたとする、とするとアレだ。つまり、バレンタインの恐怖はもォ去ったということになる)

一方通行(こればかりはあの二人に感謝すべきだな……)パクッ

一方通行(…………いや、待てよ?)バッ


結標(……さすが吹寄さんね)

姫神(吹寄さんが美味しいものを作ってくることはわかってた。だけど私も負けない)


一方通行(……コイツらがまだチョコレートを隠し持ってるっつゥことはねェか?)モグモグ

一方通行(姫神は料理の腕に自信を持ってる。そンなヤツが他のヤツと合作クッキーを作って満足するか? しねェだろ)パクッ

一方通行(そォ考えると必然的に結標もチョコレートを用意してるだろォ。つゥか、じゃねェと俺が外泊した意味がまったくねェ)モグモグ

一方通行(クソっ、まだ恐怖は始まったばかりっつゥことかよクソったれが……)パクッ


上条「……いつまで食ってんだ一方通行? とっとと次の授業の教室行くぞ?」

一方通行「あ、あァ、済まねェすぐ行く」モグモグ


―――
――




781 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:44:29.76 gQYViCn7o 457/574



同日 10:00

-第七学区・とあるアパート-



浜面「……ごがぁ、すぴぃ……」Zzz



ピピピピピピッ! ピピピピピピッ!



浜面「ふがっ!?」バサッ



ピピピピピピッ! ピピピピピピッ!



浜面「何だぁ!? 電話ぁ!? こんな朝っぱらから誰だ?」スッ



『麦野沈利』



浜面「…………えー、何かすげえ嫌な予感がすんだけど」



ピピピピピピッ! ピピピピピピッ!



浜面「とりあえず出るか……」ピッ

浜面「もしもし?」


麦野『はーまーづーらー、電話に出るのがちょろーっと遅すぎるんじゃないかしらーん?』


浜面「はぁ? 別にいいだろ」

麦野『何言ってんだテメェ? 電話っつーのは2コール以内に出るのが常識でしょうが』

浜面「何でそんな会社のルールみたいなのをプライベートでもしなきゃいけねえんだよ」

麦野『社会人の常識よ? 仕事もプライベートも関係ないわ』

浜面「俺は一応学生だっつーの。学校には全然行ってねえけどな……」

麦野『中卒で働いてるヤツらは社会人だろ? つまりそーゆーこと』

浜面「へいへいわかりましたよ。で、何の用だよ? こっちは寝起きの頭だからあんまり難しいのは勘弁して欲しい」

麦野『もともとテメェの頭のスペックは低いでしょうが……へー、こんな時間までグースカ寝てるなんざいいご身分じゃないか』

浜面「昨日……つーか今日帰ったの朝の五時だぞ? 寝てなきゃやってらんねーよ」



782 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:45:02.19 gQYViCn7o 458/574



麦野『ま、んなことどーでもいいわ。おい浜面。今日昼の十二時にいつものファミレス集合な』

浜面「は? 今何て言った?」

麦野『だから今日の昼十二時にいつものファミレス集合って言ったのよ』

浜面「……ええと、今日ってたしか仕事はなかったんじゃねかったか? まさかまた急に仕事でも入ったのかよ?」

麦野『いーや、今日のアイテムは休業よ。つーか、もし今日あの女から電話きたらソッコー拒否するから』

浜面「だったら休ませてくれよ。久しぶりの休みなんだからゆっくりさせてくれ」

麦野『うん、それ無理』

浜面「何でだよ」

麦野『だってアンタはアイテムの下部組織、いわば私たちの手足同然の下っ端でしょ?』

浜面「……そうだけど」

麦野『そんなヤツに拒否権なんて初めから存在するわけないじゃない。違う?』

浜面「…………はぁ。わかったわかったよわかりました。行きゃいいんだろ行きゃあ」

麦野『遅刻なんてしたら拡散支援半導体(シリコンバーン)で拡散された粒機波形高速砲をひたすら避け続ける、リアル弾幕ゲーをしてもらうことになるから』

浜面「ははっ、初弾で蜂の巣になってる自信があるな……」

麦野『だいじょーぶ、もしものために漫画雑誌懐にしまわさせてやるから』

浜面「たしかに防弾チョッキの代わりになる展開よく見るけど、お前のビームの前じゃ何の意味もねえよ!」

麦野『そう? 友情、努力、勝利のパワーで案外どうにかなるかもよ?』

浜面「なるわけねーだろ。しかもそれジャンプ限定のパワーじゃねえか。マガジンとかじゃダメなパターンじゃねえか」

麦野『つまり何が言いたいかというと、きちんと遅れずに来いってことよ? わかった?』

浜面「はいはい」

麦野『じゃねー――ピッ』


浜面「……はぁ、くそっ、貴重な休日が……」

浜面「まあいいや。つーか今何時だ?」

浜面「……十時過ぎか。だったら少し仮眠の時間が取れるな」ゴロン

浜面「…………ごがぁ」Zzz


―――
――




783 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:45:39.57 gQYViCn7o 459/574



同日 10:30 ~三時間目前休み時間~

-とある高校・一年七組教室-


吹寄「……さて、あたしはもう渡したわけだから次はあなたたちの番ね」

姫神「うん。まかせて」

結標「……うう、何というか緊張するわね」

吹寄「まだ緊張するのは早いんじゃないかしら? というか二人は渡す手段考えた?」

姫神「だいたいは」

結標「私は、その……まだかな?」

吹寄「まあ、そんなに焦る必要はないけどそんなんじゃあっという間にバレンタイン終わっちゃうわよ?」

結標「それはわかってるけど、何というかこういう作戦を考える、みたいなのが苦手なのよね」

姫神「でも。だからと言って何も考えないと。取り返しのつかないことになってしまうかも」

結標「えっ? そ、そんな大げさな……」

吹寄「たしかにそうね。上条並に……というか現時点では上条よりモテるとわかった以上放置するのは危険そうね」

結標「くっ、というかチョコ渡してる人から見たらあんな変人のどこがいいのかしら?」

姫神「結標さん。それブーメラン」

吹寄「ま、見たところアクセラはクラス内では人気はないようね。やっぱりどういう人か知ってるからか。……まあその代わり」


青ピ「でさぁ、そのロボット娘の喋り方が可愛くてなぁ」

上条「へー」

女子生徒A「ねえねえ上条君?」

上条「はい?」

女子生徒A「この前は委員会の仕事手伝ってくれてありがとね。はいチョコあげる」

上条「お、おう。サンキューな」

女子生徒A「じゃねっ」タッタッタ

上条「……はぁ、別にいいのになお礼なんて。なあ?」


青ピ「青髪グレートスペシャルアームストロング腹パンッ!!」ゴッ


上条「ごふっ!! な、何しやがる!?」

青ピ「とりあえず死んどけカミやん。それが世界のためや」

上条「何でだよ!」

女子生徒B「あのー上条君?」

上条「あ、はい。何だ?」

女子生徒B「この前備品の買い出し付き合ってくれてありがとね。はいチョコどーぞ!」





青ピ「がああああああああああああああああああああああああああッ!! この世は理不尽やあああああああああああああああああああああああああッ!!」






784 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:46:36.83 gQYViCn7o 460/574



吹寄「…………こんな感じにクラス人気は上条の方があるようね」

結標「たしかこれで八個目だっけ? 吹寄さんの分を抜くと」

土御門「いーや、九個だぜい」

吹寄「ふん!」バッ

土御門「おっと危ない」サッ

吹寄「ちっ、青髪ピアスの馬鹿のようにはいかないか……」

土御門「にゃー、いきなり攻撃なんてひどいぜ吹寄ー」

吹寄「お前が唐突に現れるからでしょうが!」

姫神「……土御門君。九個目とはどういうこと?」

土御門「ここに来る前に舞夏が渡したらしい。さすが舞夏近所付き合いができるいい妹だにゃー」

吹寄「随分と余裕そうね。てっきりまたキレてるのかと思ったけど」

土御門「いやーよくよく考えたら俺と舞夏は絶対的な絆で結ばれてるからにゃー。いくらカミやんでもこれはどうしようもないぜよ」

姫神「それ。何てフラグ?」

結標「あ、でもそれじゃあもしかして……」

土御門「どうかしたかい姉さん」

結標「……一方通行も舞夏ちゃんにもらったんじゃないかしら?」

土御門「ふむ、言われてみればそうだな。今朝はカミやんと一緒に登校して来たみたいだし、心優しい女神舞夏が渡していてもおかしくはないな」

姫神「ライバルがふえるよ。やったね二人とも」

土御門「おいやめろ」

吹寄「絶対的な絆はどこいったのよ」

結標「ま、まあ大丈夫じゃない? た、たぶん二人とも初対面だろうし、か、上条君にも渡してるみたいだから義理だろうし」

吹寄「声が震えてるわよ」

土御門「だ、大丈夫だ! 俺と舞夏の愛のベクトルは! あの第一位のベクトル操作でも操ることはできないぜい!!」

結標「そ、そうよね! 頑張って土御門君!」

吹寄「土御門を応援する前にまず自分が頑張りなさいよ」

結標「……ううっ。ま、まだ刻が来てないのよ」

吹寄「そんな中二的なこと言われても」

姫神「……あ。そんなこと言ってる間に。アクセラ君に忍び寄る影が」

結標「えっ」



785 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:47:23.01 gQYViCn7o 461/574



一方通行(……クソっ、油断するンじゃねェぞ俺ェ。いつあの野郎が仕掛けてくるかわからねェ)

一方通行(いや、しかしもしアイツが渡してきたとして俺は断れるのか?)

一方通行(『そンな生ゴミを渡してきてンじゃねェ』っつって一蹴することが出来ンのか?)

一方通行(…………)


一方通行「…………だったら」ボソッ

女子生徒D「えっ? 何?」

一方通行「…………」

女子生徒D「…………」

一方通行「いや、逆にオマエが何だよ」

女子生徒D「え、ええっと、急に喋りだすから……その」

一方通行「あン? ……つゥかオマエ」

女子生徒D「な、何?」

一方通行「どっかで見たことある顔かと思えば、前ドッジボールしたときに敵チームにいた念動使いじゃねェか。同じクラスだったのかよ」

女子生徒D「体育って同じクラスでしか滅多にやらないよね!? というか私はクラスメイトとすら認識されてなかったの!?」

一方通行「で、何だよ念動使い。演算の簡略化はイイ加減やめたのか?」

女子生徒D「あっ、それについてなんだけどちゃんとやめて今はきっちり演算してるわよ」

一方通行「そォか。そりゃ何よりだ」

女子生徒D「おかげさまで最近は結構能力の調子がいいのよね。こりゃ二年生になる頃には異能力者(レベル2)になっちゃうかもね」

一方通行「そいつはよかったな」

女子生徒D「…………、それで何だけどね。私がここまで成長できたのはいわばアクセラ君のおかげってわけよ」

一方通行「ンなこたァねェよ。成長できたのはオマエの努力のおかげだ。俺はきっかけを与えたに過ぎねェ」

女子生徒D「でもそのきっかけがないと私は成長できなかったかもしれないわ」

一方通行「チッ……」

女子生徒D「だからそのお礼、って言ったらおかしいかもしれないけど、これを受け取って欲しいのよ」スッ

一方通行「……俺はこンなモンもらうために助言したわけじゃねェぞ」

女子生徒D「うん知ってるわ。別にそれいらなかったら捨ててくれても構わないわ」

一方通行「…………」

女子生徒D「じゃ、ありがとね」タッタッタ


一方通行「…………」

一方通行「チッ、くっだらねェ」



786 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/11 21:48:42.43 gQYViCn7o 462/574



結標「」

吹寄「な、何か漫画のヒロインからチョコをもらう主人公みたいだったわね……リアルで」

姫神「これは思わぬ伏兵。結標さんピンチ」

結標「ぎゃー! わ、わ、私も何かそういうシチュエーション考えたほうがいいのかしら!?」

吹寄「落ち着いて結標さん。大事なのは自分らしさよ!」

姫神「そんなこと言ったら。余計にハードルが上がるような気がするのは私だけ?」



キーンコーンカーンコーン



ガラララッ



家庭科教師「ちっ……。はーいみなさーん! 授業始めるから席着いてくださいねー!」


男子生徒A「(……おーおー家庭科の先生機嫌が悪そうだなー)」ボソッ

男子生徒B「(そりゃあれだろ。そろそろ行き遅れそうだからこういうきゃっきゃうふふしてるイベントにイラついてんだろうなー)」ボソッ


家庭科教師「そこっ! うるさいわよ! 私はまだまだ行き遅れないわようえーん!!」タッタッタ



ガララララッ!!



青ピ「あっ、せんせーどっか行ってしもーた」

土御門「……あーりゃりゃ。こりゃ今日の授業は中止かにゃー?」

吹寄「そういうわけにはいかないわ。ほらっ委員長。早く追いかけなさい」

青ピ「えっ、ボクッ?」

吹寄「お前以外に誰がいるのよ?」

青ピ「で、でも女子の方の委員長とかい――」

吹寄「いいから行きなさい」ゴキゴキ

青ピ「はい喜んでー! ちょっとフラグ立ててきますわー!」



ガラララッ



上条「相変わらず能天気だな」

一方通行「……はァ、そォだな」

上条「どうした一方通行? 元気がねえな」

一方通行「何でもねェよ面倒臭せェ」

上条「?」


―――
――




810 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/08/29 17:53:15.58 5BE/152Uo 463/574



同日 10:45

-ファミリーサイド・従犬部隊オフィス-


ヴェーラ「はい、こちら従犬部隊です」

マイク「そいじゃあ、第八学区の方へ配送の仕事に行ってきます!」

ナンシー「いってらっしゃいマイク!」


数多「…………暇だ」

数多「何か退屈だなぁと思ったら、そーいやガキどもがキッチンに引きこもってっからか」

数多「いつもは周りではしゃぎまわってやがるからな。ま、別にどーでもいいけどよ」



ピンポーン



数多「あ? 客か?」

ナンシー「私が出てきましょうか?」

数多「おお。頼んだぞ」

ナンシー「わかりました。ではいってきます」スタスタ

数多「…………しかし、客がわざわざ直接出向くなんざ珍しいな。犬っころが散歩しに来た時以来か」

数多「まあまたあんな鉄クズが出向いてくるとは思えねぇけど、まあどうでもいいわ」

ナンシー「社長!」スタスタ

数多「どうしたナンシー」

ナンシー「いえ、お呼びですよ社長。マンションのエントランスからです」

数多「はあ? お客様は誰だったんだ?」

ナンシー「女性だったんですけど……ちょっとわかりませんでした」

数多「特徴は?」

ナンシー「ええと、つばの広い帽子を目深にかぶってて顔はよくわかりませんでしたが、服装は何というかパジャマみたいな服でしたね」

数多「パジャマ……?」

ナンシー「はい。あとカメラの角度的に車椅子か何かを使ってる方というのはわかりましたよ」

数多「…………」

ナンシー「知り合いですか?」

数多「さあな。ま、とにかく行ってくらぁ」スタスタ

ナンシー「いってらっしゃいませ」



811 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 17:55:35.29 5BE/152Uo 464/574



数多「…………」ピッ


数多「あー、ただいま代わりました。社長の木原です」

女性『……あらあらすみません。わざわざ呼び出してしまって』

数多「いえいえ、大丈夫ですよ。何の御用でしょうか?」

女性『はい。実は私少し道に迷ってしまって……』

数多「たしかにこの辺りはちょっと道が複雑ですからねー。で、どこへ行きたいんですか?」

女性『ええと、第七学区の病院なんですけど』

数多「ああ、あのデカイ病院ですね? 大丈夫ですよ、すぐ部下に送らせます」

女性『あっ、その前に少しよろしいでしょうか?』

数多「はい?」

女性『私実はそこの病院に入院してて、病院から散歩感覚で街に出ていたら迷ってしまったんですよ』

女性『なので少しばかり疲れてしまったので……よかったら中で休ませていただけないでしょうか?』

数多「おーおー、そりゃ大変でしたでしょうなー。ここからだったら往復すりゃ軽くジョギングのコースになりますからなぁ」

女性『午前中なので寒さもあるので早く入れて欲しいです』

数多「はいはーい」

女性『…………』

数多「…………」

女性『……あの、早く玄関のロックを開けてもらえないでしょうか?』

数多「えっ? 何で?」

女性『あの、先ほど行った通り疲れているので少し休憩したいと……』

数多「あーそう」

女性『あーそう、って何ですか?』

数多「何つーか、正直に言わせてもらうが、俺は信用できねー人間をここに入れるほどお人好しじゃねーんだよ」

女性『信用出来ない? 私がでしょうか』

数多「ああ。テメェには不明瞭なところが腐るほどあるからな」

女性『そんなこと言われましても困ります。私のどの辺りが信用出来ないと?』

数多「そうだな。わかりやすいので言やあ何でこの会社に来たのかっつーことだな」

数多「普通に道に迷ったんならジャッジメントとかアンチスキルの詰め所に行きゃいいだろうが。こんなクソみてぇなところに来ずによ」

女性『あら? そうでしたか?』

数多「そりゃそうだろ。無償で丁寧に案内してくれる善人と端金をせびるゴミクズ、どっちを選ぶかなんて考えなくてもわかるよなぁ?」

女性『私はたまたまこの会社の看板を見かけたのでここに来ただけですよ。とくに意味なんてものはないんですよ』

数多「ほぉ、そりゃありがてえこったな」

女性『というわけで早く入れ――』

数多「断る」



812 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 17:56:43.14 5BE/152Uo 465/574



女性『……まだ信用をいただいていないということですね』

数多「当たり前だろうが。言っただろ? 腐るほど信用ならねー点があるってな」

女性『何でしょうか?』

数多「テメェがここに来るのは早すぎんだよ」

女性『……何を言ってるのかわからないですね』

数多「病院からここまでの距離、最短距離で動いても片道一時間弱かかる。ましてやそんな車椅子じゃあな」

女性『今は十一時前ですよ。あの病院の外出許可時間が九時からなので別におかしくはないでしょう』

数多「ああ、普通なおかしくはねえなぁ」

女性『それにこの車椅子は電動ですよ。普通に歩くよりはよっぽど速度がでます』

数多「そうか。そんな面白いモン持ってたらさぞ生活するのに苦労はしなさそうだな」

女性『楽しすぎない程度には調整していますよ。それよりいい加減入れてもらえないでしょうか?』

数多「いや待て。あれれー? おっかしいなー?」

女性『何を突然言い出しているのですか? おかしいところはないと思いますけど』

数多「そーいや、たしか今日は午後から医者の大半は外に出る日じゃねかったっけなー? だから検診は午前中に行うから実質自由時間は十時からとかじゃねかったかー?」

女性『あらあ?』

数多「こっちは何でも屋やってんだよ。学園都市内の病院のスケジュールや入院患者、全部把握ししとかなきゃいけねえよなぁ?」

女性『あらあら』

数多「あの病院にテメェみてえな野郎が入院してるなんざ情報一つもねえんだよ。だからとっとと帰れカス」

女性『…………ふふっ』

数多『あぁ?』









女性『ば・れ・て・し・ま・っ・て・は、仕方がありませーん!!』ギュイン









ピ――――ガチャン!




813 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 17:58:10.63 5BE/152Uo 466/574



数多「……電子キーをハッキングして開きがったか」

女性『と、いうわけで数多クーン! 私もここに入れてもらうことを『諦め』るので、あなたも私を追い返すことを『諦め』てくださーい!』

数多「はぁ、まあそう来るとは最初から思ってたけどな」

女性『おや? もしかして私が誰だかわかってましたかー?』

数多「そりゃそうだろ。だいたいこんなクソ寒い中パジャマだけで動きまわってるアホはテメェだけだろうが、木原病理」

病理『まあそんなことはどうでもいいんですよ。私にはまるで関係のない話ですからねー』

数多「帰れ」

病理『ではお邪魔しまーす!』



ギュイーン!!



数多「チッ、面倒臭せぇ……オイ円周!!」



ガラララ



円周「なにー? 今私は忙しいんだけど数多おじちゃん」

数多「お前アレだぁ、アレェ持ってこい!!」

円周「りょーかーい。ちょっくら取ってくるねー」テクテク

数多「…………」

円周「持ってきたよー」テクテク

数多「おお、それを今すぐ玄関前に仕掛けてこい。全部だ」

円周「はいはーい」テクテク

数多「…………」

ヴェーラ「あ、あのー社長?」

数多「何だ?」

ヴェーラ「私の目がおかしくなければアレって『地雷』ですよね?」

数多「そうだけど」

ヴェーラ「……あんなものこんな場所に仕掛けちゃ駄目じゃないですか」

数多「構わねーよ。建物自体に影響でねーように調整はしてる。この俺がな」

円周「数多おじちゃーん、五個全部仕掛けてきたよー。『木原』らしく踏んだ人は確実に木っ端微塵になるように配置したよー」ピーガガガ

数多「お疲れーぃ。もうキッチン戻ってもいいぞ」

円周「ところで何で突然地雷なんか仕掛けたの? 馬鹿なテロリストちゃんがまた懲りずに侵入しちゃった?」

数多「あー、テロリストちゃんだったらどれだけ楽だっただろうなー?」

円周「?」




ドガガガガガアアアアアアン!!





814 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 17:59:11.60 5BE/152Uo 467/574



ヴェーラ「!?」ビクッ

ナンシー「えっ、何っ!?」

円周「あっ、獲物が引っかかったみたいだよ」

数多「そうみてーだな」



ピンポーン、ピンポーン!



円周「あれれー? 何か生き残っちゃってるねー、あれれー?」

数多「チッ、やっぱあの程度じゃ死なねーか」

円周「誰なの?」

数多「ゴキブリ並みにうっとおしいクソ野郎だ」

打ち止め「エンシュウエンシュウ!!」ドタドタ

円周「どーしたの打ち止めちゃん? そんなに慌てちゃって」

打ち止め「さっきの爆発音は何!? ってミサカはミサカは突然の出来事に慌てふためいてみたり」

円周「ゴキブリ並みにうっとおしいクソ野郎がウチに来たらしーよ」

打ち止め「ゴキっ!?」



ピピピピピンポーン! ピピピピピンポーン!



数多「急にリズム刻み始めやがってんじゃねえよ、ムカつく野郎だぜ」

円周「何なら私が行ってこーか? 扉を開けた瞬間ゴキブリの解体ショーを開いてあげるよ」

打ち止め「うぇー気持ち悪ぅー、ってミサカはミサカはバラバラのGを想像して気分を悪くしてみたり」

数多「だったら想像すんなよ。つーかやめとけ円周。テメェが行っても解体ショーどころかテメェが活造りにされるだけだ」スタスタ

円周「あれ? 数多おじちゃん行くの? 活造りにされちゃうんじゃないの?」

数多「俺がそんなアホみてーな格好になるわけねえだろ」スタスタ



ピポッポッポポーン! ピポッポッポポーン!



数多「ったくうっせーんだよ! 今出るっつってんだろうが! つか、それどうやって鳴らしてんだよそれ」ガチャ





キュイ――――――――ン!





病理「それって『フリ』というやつですよねー?」カチカチ



815 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:00:36.07 5BE/152Uo 468/574



数多「あん?」

円周「あっ、病理おばさんだ!」

打ち止め「ぎゃあああああああっ!! 何かでっかい回転ノコギリが車椅子から生えてるぅぅぅ!?」

ナンシー「このままじゃ『社/長』にぃぃぃ!!」

ヴェーラ「社長逃げてええええええ!!」



病理「そんなに活造りになりたいのなら、お望み通り三枚におろして差し上げましょう!」カチ




キュイ――ガギッ、ガギギギギギギギギギ!!




病理「あらら? 動かない?」カチカチカチ

数多「知ってっか? 真剣白刃取りって別に両手使わなくたって出来るんだぜ?」


打ち止め「ノコギリを人差し指と親指でつまんで止めたっ!? ってミサカはミサカはまさかの光景に驚愕してみたり!」

円周「ふむふむ、マイクロマニュピレーターにはこーゆー使い方があるんだねぇ……」

ナンシー「さすが社長! 私たちにできない事を平然とやってのけるッ!」

ヴェーラ「別にそこにシビれたり、あこがれたりはしないけどね」


病理「……さすが数多クンですね。腐っても『木原』ですか」

数多「何の用だ病理? 用がねぇならさっさと帰りやがれ、この俺にぶっ潰される前にな」

円周「何か小物臭いよ数多おじちゃん」

数多「うるせぇよ!」

病理「久し振りですね円周ちゃん。相変わらずお元気そうで何よりです」

円周「うん! 久しぶり病理おばさん! 相変わらず滅茶苦茶だねー。その『Made_in_KIHARA.』の車椅子」

病理「『木原』は日々進化しているんですよー! そろそろこれにガトリングレールガンでも搭載してみましょうか?」

円周「それすごいね。きっとカッコよくなるよ!」


ナンシー「(……誰?)」ボソッ

ヴェーラ「(さあ? 社長や円周ちゃんと仲がいいみたいだからやっぱり『木原一族』の方じゃないかしら?)」ボソッ

ナンシー「(円周ちゃんはともかく、社長とは友好的には見えないんだけど……)」



816 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:01:31.12 5BE/152Uo 469/574



打ち止め「…………」

円周「あれ? どーしたの打ち止めちゃん? そんな黙りこくっちゃって珍しいね」

打ち止め「えっ? ええっと、あの、その」アセッ

病理「あらあら、こんなところに『最終信号』がいるとは。いつでも例の計画を遂行できるようにするための準備でしょうか?」

打ち止め(計画……!?)ビクッ

数多「んなわけねーだろ。何でも屋の仕事の一環として保育園の代わりやってるようなもんだ」

病理「ですよねー。どのみち彼女は自分でチカラを目覚めさせたらしいですし、今となればまったくもって必要のない計画ですし」

数多「どうでもいい。俺には関係のねえ話だ」

病理「まーそうですよね。上からのオーダーに答えられずに、こんなところまで左遷させられた数多クンには関係のない話ですよ」

数多「何だテメェ、喧嘩でも売りに来てんのか?」

病理「いえいえ、そんなつもりはありません。というかあなたに売るよりどっかの無能研究員に売ったほうが高く買ってくれますよ」

円周「……ところで病理おばさんは何しにここに来たの? ただ遊びに来たってわけじゃないよね」

病理「はい。……実はあるものを届けるためにここへ来たのですよ」

数多「あるものだぁ? 何だそりゃあ?」

病理「これですよ」スッ

数多「…………は? 何だよそれ?」

病理「何と言われましても困りますね。今日はバレンタインデー。つまりバレンタインチョコということになりまーす」

数多「……いや、だから何だよこれ?」

病理「だからバレンタインチョコレートですよ、聞こえませんでしたか? 難聴キャラを演じるような柄ではないとは思いますが」

数多「そーいうわけじゃねえよ。何でこんなもん渡してきやがるんだって聞いてんだよクソ野郎が」

病理「日本には親しい友人などに義理チョコを渡すという文化が浸透していまーす。つまりそういうことです」

数多「別に親しくねえだろ俺らぁ」

病理「同じ木原一族仲良くしましょー」

数多「木原一族はそういう集まりじゃーだろうが!」

円周「数多おじちゃんはやっぱりモテモテだねー。いやーめでたいめでたい!」



ゴッ!



数多「で、本当の狙いは何だ? つーかこん中に何が入ってやがる?」

病理「開けてみるとわかるかもしれませんね」



817 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:02:33.40 5BE/152Uo 470/574



数多「チッ……、あん?」ビリビリ

円周「おおっ、何という真っ白なチョコレート、まさしくホワイトチョコレートだね」

病理「頑張って作ってみました。思う存分味わってくださーい」

数多「食うわけね―だろ! てか、食いもんで遊んでんじゃねーよ! 何チョコレートに未元物質(ダークマター)混入させてやがんだよテメェ!」

病理「失礼ですね、混入などさせていませんよ。100%純粋な未元物質で出来たチョコレートですよ」

数多「第二位のチカラをそんなくだらねえもんに使ってんじゃねえ!」

円周「さすが病理おばさんだね。うんうん、『木原』はこうやってバレンタインチョコレートを作るんだね」ピーガガガ

数多「変なもん学習してんじゃねえよ円周ッ!」

病理「どうぞめ・し・あ・が・れ♡」

数多「語尾にハートマーク付けてんじゃねえ! 似合わねえんだよクソ気持ち悪りぃんだよ!」

病理「ひどい言われようですね。まぁしょうがないですかね。私も『諦め』のプロですから……」



病理「そのチョコレートを食べないという選択肢を選ぶことを諦めてもらいましょーか!」ガチャン



数多「うっせぇよ! 俺の全戦力投入してでもこのチョコを食うことを諦めさせてもらうぞゴルァ! つーかマジいらねそれ!」バキッボキッ




ゴキン! グァキン! ドドドドッ!! ズガァン!!




円周「うーむ、さすが『木原』同士の戦い。勉強になるなあ」

ナンシー「きゃあああああっ! オフィスがあああああああっ!」

ヴェーラ(これの後始末は全部私たちがやらされるんだろうな……)ハァ

打ち止め「…………」



~十分後~



病理「……さすが数多クン、やりますね。まさか私の搭載兵器全て破壊してしまうとは」

数多「チッ、当たり前だ。俺を誰だと思ってやがる」

ヴェーラ「しゃ、社長……」

数多「何だ?」



ボロボローン



ナンシー「これ、どうしましょうか?」

数多「あん? ああ、テメェらで適当にやっとけ」

ナンシー「は、はい……」

ヴェーラ(やっぱり……)ハァ



818 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:03:28.67 5BE/152Uo 471/574



病理「さて、私もそれなりに多忙なのでさっさと帰るとしましょうか」

円周「そうなの?」

病理「はい。最近第二位のチカラが著しく向上していっているので、それの研究に大忙しなのですよ。ちなみにこのチョコもそれによって生まれた副産物です」

数多「一体第二位の小僧はどこへ向かってやがんだ? メルヘンルートに向かってんですかお菓子の国でも収書すんのかよ?」

病理「でも着実にチカラは付けていっていますよ。あなたの大好きな一方通行を圧倒できるくらいには」ニヤリ

数多「だろうな。あのクソガキはウキウキワクワクのスクールライフっつー、温すぎて笑える生活送ってっからな」

病理「そうですねー、表の世界を生かされてる者と裏の世界を生きる者、どうやっても埋められない差というものがありますから」

数多「……何か勘違いしてねえかテメェ?」

病理「はい?」

数多「たしかに圧倒されるかもしれねーよあのクソガキじゃあなぁ……まぁでも最後に勝つのはあのガキだぜ? いやーマジでムカつくけどなぁ」ニヤァ

病理「…………ほう、なかなか面白いことを言いますね数多クンは」ニヤリ


数多「…………」ゴゴゴゴゴ

病理「…………」ゴゴゴゴゴ


ナンシー(……な、何かすごいプレッシャーを感じる)

ヴェーラ(き、気不味い……)

円周「うーん、まぁつまり何が言いたいかというと、数多おじちゃんはツン痛いっ!」ゴキン

数多「誰がツンデレだ。ブチ殺すぞクソガキが」

円周「えっー? だって普段は嫌ってるくせに『最後に勝つのはあのガキだぜ(キリ』とか言ってるんだよー? 百人が百人ツンデレ判定するよねー」

数多「よぉーし、今からお前はウサギのぬいぐるみだ。壁に打ち付けて動けなくしてから俺のストレス解消グッズにしてやるよ」ゴキゴキ

円周「『木原』的にはウサギは嫌だから逃げるぜい!」ダッ

数多「チッ、後で覚えとけよクソガキが」

病理「ふふふ、では私はお暇させていただきますね」ギュイン

数多「おう、さっさと消えろ。そして二度と俺の視界に入ってくんじゃねえ」

病理「あっ、あとあのチョコレートの感想絶対にくださいね? でないとこのマンションにミサイル撃ち込みますから」

数多「オイヴェーラ、アレ持ってこい! 先手必勝が正論だっつーことをここで証明させてやる!」

ヴェーラ「え、ええとアレとは携行型対戦車ミサイルでよろしいのでしょうか?」

数多「ったりめーだろうが! んなこともわからねえのか!」

ヴェーラ「た、ただいま!」ダッ

病理「ではではー、私はこれでー」



ギュイーン!!




819 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:04:03.99 5BE/152Uo 472/574



ヴェーラ「も、持ってきました!」ガチャ

数多「……おいおい遅せーんだよウスノロ! 射程から消えちまったじゃねえか!」

ヴェーラ「も、申し訳ありません!」

数多「チッ、だったらヴェーラ、ナンシー! 今から屋上に狙撃銃持って行ってあのゴミ狙撃してこい!」

ナンシー「え、ええっ!?」

ヴェーラ「無理です!」

数多「あぁ? つべこべ言わずさっさと行け! 言及すんぞコラ」



ナンシー「は、はいぃぃ!」ガチャリ

ヴェーラ「行ってまいります!」ガチャリ



円周「……そんなこと命令しちゃっていいの? もし本当に狙撃なんかしたらあの人たち確実に病理おばさんに殺されちゃうよ」

数多「その前にヤツを殺せば問題ねえ」

円周「無茶苦茶言うねー。まぁあの人たちが死んだところで私の『木原』的にはどうでもいいけど」

数多「チッ……」

円周「うーん、やっぱり数多おじちゃんは他の『木原』が来ると面白いよねー。ねぇ打ち止めちゃん」

打ち止め「…………」

円周「……打ち止めちゃん?」

打ち止め「え、あ、う、うんそだね」アセ

円周「どうしたの? 何だか病理おばさんが来た辺りから調子悪そうだね。もしかして病理おばさん嫌い?」

打ち止め「べ、別にそういうわけじゃないんだけど……でも」

円周「でも?」

打ち止め「何というか、あの人の雰囲気が何だか苦手かも。まるで初めてキハラと会ったときみたい萎縮しちゃった、ってミサカはミサカは正直に答えてみる」

円周「そりゃ『木原』だからしょうがないよねー。でもそれじゃあ数多おじちゃんが舐められてるってことになるねー、可哀想なおじちゃん」

数多「誰が可愛そうだって、可愛いうさぎちゃん?」ゴキゴキ

円周「おっふ……あ、数多おじちゃん……」


―――
――




820 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:04:55.81 5BE/152Uo 473/574



同日 11:30

-常盤台中学・とあるクラスの教室-


常盤台生A「御坂様、ぜひこれ受け取ってください!」

常盤台生B「御坂様のために心を込めて作りましたわ」

常盤台生C「これがわたくしの気持ちですわ!」



ワイワイガヤガヤ



美琴「あ、あはは、ありがとねー。あっ、じゃあこれ私からお返しよ」



常盤台生A「ありがとうございます御坂様!」

常盤台生B「ま、まさか御坂様からもらえるなんて……うれしいですわ」

常盤台生C「我が家の宝にしますわ!!」



キャーキャー



美琴(つ、疲れた……あとこのやり取りを何回すればいいのよ?)

美琴(私がレベル5だからっていちいち律儀にこんなもの渡してこなくてもいいのに、これだからお嬢様学校ってヤツは……)

美琴(別にもらえてうれしくないってわけじゃないからいいけど……)

美琴(……ま、そんなことより、どうやってチョコレート渡そうかなー、アイツに……)



ザワザワザワザワ



美琴「ん? 何か騒がしいわね、何かあったのかしら?」





食蜂「みぃーさぁーかぁーさぁーん♪」タッタッタ





美琴(げっ、今日一番エンカウントしたくないヤツとこんな早い時間帯から遭遇しちゃった! てか、向こうからエンカウントしに来やがった!)



821 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:06:12.34 5BE/152Uo 474/574



食蜂「んー? 何ぃー? その『今日一番エンカウントしたくないヤツと遭遇しちゃった!』みたいな顔はぁ?」

美琴「何で私の心読んでんのよ! アンタの能力って私には通用しなかったんじゃなかったっけ!?」

食蜂「通じないわよぉ、でも御坂さんの表情って結構わかりやすいからぁ、そういうの余裕でわかっちゃうんだゾ☆」

美琴「くっ、……で、わざわざ私のクラスまで来て何の用よ? まさかアンタまでチョコ渡しに来たとか言うんじゃないでしょうね?」

食蜂「あらぁ御坂さん、もしかして私のチョコレートが欲しいのぉ?」

美琴「いるか!」

食蜂「もぉーこれだからツンデレ力マックスの御坂さんはぁ、素直じゃないんだからぁ」

美琴「誰がツンデレよ! アンタいい加減にしないとそのムカつく顔電撃でぶっ飛ばすわよ!」

食蜂「いやぁー御坂さんがいじめてくるぅー、こわぁーい」



ざわ……ざわ……ざわ……ざわ



美琴「ッ!」

食蜂「うふふふ」ニヤニヤ

美琴「……じゃあバレンタイン関係の用じゃないのなら何の用なのよ?」

食蜂「あ、一応バレンタイン関係よ。世間話程度じゃ御坂さんにいつもみたいに邪険にされるだけだしぃ」

美琴「何だかそれだけ聞くと私がいつもは嫌なヤツ、って聞こえんだけど」

食蜂「事実じゃないのぉ?」

美琴「大体アンタのせいでしょうが!」

食蜂「責任転嫁はよくないと思うんだけどぉ」

美琴「アンタが元からそんなじゃなかったら、こっちもそれなりの対応するっつーの。勝手に責任転嫁とか言うな」

食蜂「ええっー? 私の人格全否定ぇー? ひっどぉーい!」プンスカ

美琴(う、うざい……! すっごく殴りたい……!)プルプル

食蜂「まぁ、そーゆーのは置いといて、本題に入りましょーか」

美琴「そうね。一刻も早く用を終わらせて、アンタに私の目の前から消えて欲しいし」

食蜂「ふふふっ、まだ休み時間は始まったばかりよ。のんびり行きましょ?」スッ

美琴「平然と私の席の前に座んじゃないわよ!」

食蜂「ところでぇ、今日はバレンタインじゃない?」

美琴「……唐突ね。それがどうかしたの?」

食蜂「バレンタインって今は友チョコやら逆チョコやらいろいろあるけどぉ、女性から男性に渡すってのが一般的じゃない?」

美琴「うーん、まあそうよね。ここにいたらそういうの忘れそうになるけど」

食蜂「嘘はダメよぉ御坂さん? さっきから乙女力全開の表情で窓の外眺めてたクセにぃ」

美琴「は、はあ!? 何を言ってんのよ、わけわかんないんだけど」アセ

食蜂「別に隠さなくてもいいのにぃ、可愛らしいラッピングよねぇこれ」ヒョイ

美琴「なっ、それ私のチョコレート! って何勝手に抜き出してんだお前はぁ!!」パシッ

食蜂「大切なモノなんだからちゃんと保管しとかないと駄目なんだゾ☆ 例えば金庫とか」

美琴「どこの世界に手作りチョコレートを金庫に隠す女子中学生がいるってのよ?」

食蜂「へー、これ手作りなんだぁー。へー」ニヤニヤ

美琴「ぐっ」



822 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:07:25.64 5BE/152Uo 475/574



食蜂「でぇでぇ、そのチョコは一体誰に渡すのぉ? 気になるから教えてぇ?」

美琴「嫌に決まってるじゃない! 何でアンタなんかに教えなきゃいけないのよ!」

食蜂「えぇー教えてよぉー、私たち友達でしょー?」

美琴「アンタと友達になった覚えこれっぽっちもないんだけど」

食蜂「おーしーえーてーよぉー、一体誰条さんなのぉ?」グイグイ

美琴「ちょ、ちょっとスカート引っ張んないでよ! ってアンタ絶対誰かわかってるでしょ!」

食蜂「さぁ? 何のことかしらぁ?」

美琴「とぼけんなコラァ! どこでその情報引っ張ってきやがった!」

食蜂「私の能力を使えばぁ、噂程度の手軽さで国家機密を知ることができるわけだしぃ」

美琴「アンタってヤツは……!」

食蜂「てゆーかぁ、そんなことしなくてもわかるわよぉ。大覇星祭のときのあの御坂さんの乙女顔を見れば……ってあら?」

美琴「アーンーターはぁー」バチバチ

食蜂「……というわけで頑張ってね御坂さぁ――ってにぎゃっ!? ちょ、そんな上条さん感覚で電撃撃たないで死んじゃう!」ドタドタ

美琴「うっさい死ねぇ!!」



バチィン!! バリリリッ!! ズガァン!!



教師「コラァ!! 何やっとるか御坂ぁ!!」



~その頃一年生のとある教室~



<バチィン!! バリリリッ!! ズガァン!! <コラァ!! <キャーキャー



湾内「あら? 何だか二年生方の教室のほうが騒がしいですわ」

泡浮「何かトラブルでしょうか? 婚后さんが巻き込まれていなければ良いのですが……」

黒子(……絶対お姉さまですわ)


―――
――




823 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:08:11.84 5BE/152Uo 476/574



同日 11:50

-第七学区・街頭-



キキィィィィ!! ギュオオオオオオオオオオン!!



浜面「だぁああああああああっ!! くそう!! 寝坊しちまったっ!!」

浜面「まぁ一時間くらい仮眠すりゃいいだろ、って思ったらこれだよ! どうしてあそこで寝てしまったんだ俺ぇ!」

浜面「チクショー! この時間ならまだ間に合うはずだ! とっとと車(盗難)をかっ飛ばして間に合わせなきゃ俺の命が……ッ!?」



信号:赤



浜面「どぉォォォしてだァあああああああああああああああああああああああああッ!!」ガンガン


浜面「どぉしてそこで赤くなるんだ!! もっと青くなれよォ!!」

浜面「このままじゃ間に合うもんも間に合わなくなるじゃねえか!! ふざけんなっ!! マジでふざけんなっ!!」

浜面「あぁぁぁもうどうすんだよこれぇ!! あーあ間に合ってたのにぃーこのまま行ってたら間に合ってたのにぃー」

浜面「……かくなる上は信号無視を――はっ!?」



警備員A「はぁ、今日はいろいろと問題が多い日ですなぁ」テクテク

警備員B「いやーほんとですよねぇ、私本来今日は休日のはずだったんですけどなぁ、はははっ」テクテク



浜面「アンチスキルゥうううううう!! 何で今登場しちゃうの!? 何でこんなに間が悪いの!? もしかして俺ハメられてんの、みんな打ち合わせ済みなのぉ!?」

浜面「ぐぐぐぐっ、このままじゃ、このままじゃ……!」



麦野『遅刻なんてしたら拡散支援半導体(シリコンバーン)で拡散された粒機波形高速砲をひたすら避け続ける、リアル弾幕ゲーをしてもらうことになるから』



浜面「」ゾクッ

浜面「ヤバイよヤバイよヤバイよ! 俺の人生マジでジエンドじゃねえか! 俺の残機は一しかねえんだよクソッタレが!」

浜面「……はぁ、もうだめだぁ……おしまいだぁ……。俺の人生、これといって何もせずに終わっていくのかなぁ……ははっ」



信号:青(パッ



浜面「ってこんなことしてる場合じゃねえ!! このままじゃマジで麦野のディバイダー地獄だ!!」

浜面「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!! 間に合えぇ!! 間に合えええええええええええええええっ!!」



ブルルオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!



―――
――




824 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:08:58.37 5BE/152Uo 477/574



同日 同時

-第七学区・とあるファミレス-



ワイワイガヤガヤ



絹旗「時間が時間ですので超混み始めてきましたね」

フレンダ「フツーは学校とかで授業受けてる時間なんだけどねー」

絹旗「いるのは大学生や研究者、あとあからさまなヤツらくらいですね」

フレンダ「ま、こっちからしたら学校なんてまったく関係ない訳だけどね」

絹旗「大学生というのは超ラクそうで羨ましい限りです」

フレンダ「学校にも行かずに暗部生活をエンジョイしてる絹旗のセリフとは思えないねー」

絹旗「別にエンジョイなんてしてませんよ。私も彼、彼女らみたいに映画ばっか気楽に見まくれる生活を送ってみたいです」

フレンダ「それだけ聞くと大学生はいつも映画ばっか見てるアホのように聞こえるんだけど……」


滝壺「ただいまー」テクテク

麦野「この麦野様が直々に注いできてやったソフトドリンクよ。ありがたく飲みなさーい?」


フレンダ「ジャンケンで負けたクセに何でそんな偉そうなのさー」

麦野「あん? たしかアンタってオレンジジュース顔面ぶっかけコース希望だったかしら?」スッ

フレンダ「すみません、ありがたく飲まさせていただきます」ハハァー

滝壺「二人は何の話してたの?」

絹旗「大学生が超羨ましいって話をしてました」

麦野「何をどう持っていけばそんな話になるのよ?」

フレンダ「アレだよほら、平日のこの時間帯のファミレスのお客さんってだいたい大学生じゃん」

麦野「まあそうだろうな。高校以下は基本校内でメシ食うのが決まりだろうし」

滝壺「それで何できぬはたは羨ましいなんて思ったの?」

絹旗「気楽に映画鑑賞ができる生活に超憧れます!」キラキラ

麦野「それは大学生が羨ましいんじゃなくてニートが羨ましいの間違いだろ」

絹旗「そうなんですか? 大学生っていつも超遊んでるようなイメージがありますけど」

滝壺「きぬはた。大学生も学生、学生の本分は勉強だよ。別に遊びに行くためにいくところじゃないよ」

絹旗「へー、じゃあ何でこんな平日の昼間から遊んでる大学生を超よく見るのでしょうか? 彼らはいつ勉強してるのでしょうか?」

滝壺「……さあ? 私はまだ大学生じゃないからあまり詳しいことは知らない。たぶん、それぞれ勉強する時間が違うんじゃないかな?」

絹旗「ふーん、そうなんですか麦野?」

麦野「は? 何でそこで私に話を振るわけ?」

絹旗「えっ? だって麦野って大学生……ですよね?」



麦野「私はまだ一応高校生なんだけど」




825 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:10:55.69 5BE/152Uo 478/574



絹旗「へっ?」

フレンダ「ええっ!?」

滝壺「…………」


麦野「あぁ!? 何だテメェらそのリアクションはぁ!?」

絹旗「あ、いえ、すみません。麦野は正直もっと上かと超思ってました。こう……裏でタバコをすぱすぱ吸ってる感じな」 

フレンダ「いやー格好とかマジ大人っぽいというか何というか……ドレスとか着てワイングラス片手にパーティーとか行ってるイメージだった訳よ」

麦野「テメェら人を何だと思ってやがんだ。今本気で殺意が芽生えてんだけど……」プルプル

フレンダ「ぎゃあーっ! ゴメン麦野許してー!」ガタガタ

滝壺「大丈夫だよむぎの。私はわかってたから、麦野がまだ高校生ってこと」

絹旗「本当ですか? 実は内心大学生とかもっと上とか超思ってたんじゃないんですか滝壺さん?」

滝壺「…………思ってないよ」スー

絹旗「何ですかさっきの間はっ! あと目を超逸らさないでください!」

滝壺「……逸してないよ」スー

絹旗「だったらちゃんと私の目を見てくださいよ目を!」

麦野「テ・メ・ェ・ら」

三人『』ビクッ



麦野「そろそろオシオキ確定、する?」ニコッ



三人『』ガクガクブルブル

麦野「…………」ニコニコ

フレンダ「……そ、そうだ! は、浜面のヤツ何か遅くない?」

絹旗「た、たしかにそうですね。あの野郎こっちが超早く来てるってのに」

麦野「チッ、あんのバカ面が。予想してた通りやっぱり二度寝しやがったか」

滝壺「休日だからしょうがない」

フレンダ(な、何とか話がそれた……)ホッ

絹旗(助かりました……今だけは浜面に超感謝ですね)

フレンダ「結局、下っ端にやる休日なんてない訳よ」

麦野「……今時間は『11:59』か。こりゃシリコンバーン用意しとかなきゃいけないかな?」スッ

フレンダ「麦野。それやるとファミレス出禁ところの騒ぎじゃなくなるよ」

滝壺「……北北西から信号がきてる」



826 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:11:37.47 5BE/152Uo 479/574




<キキィィィィィ!! <ブオンブオンブオォォォン!!



絹旗「ん? 何ですかこの超うるさい音は? 車……?」

フレンダ「だんだん音がこっちに近づいてくる……ってことは」

麦野「アホ面か!」



<ギュイイイイイイン!! <キキィィィィィ!! <ガチャン



フレンダ「うわっ、すごっ。結構大型のワゴンなのに綺麗にドリフト駐車した!」

絹旗「そして素早く車から飛び出してこちらへ超走って向かってきてますね」

滝壺「時間は?」

麦野「…………」



<ピンポーン <イラッシャイマセオキャクサマ…ッテチョットオキャクサマッ!?



タタタタタタタタタキキィィ!!



浜面「よっしゃあああああああああっ!! こりゃギリギリセーフだろっ!?」



麦野「…………」

フレンダ「…………」

絹旗「…………」

滝壺「…………」

浜面「…………」

麦野「…………」ニコ





麦野「二十三秒遅刻だ。オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・よ♪」





827 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:12:37.39 5BE/152Uo 480/574



浜面「ちょっと待て麦野ォ! たかが二十三秒だろ? 大目に見てくれもいいだろ!」

麦野「浜面ァ、十二時までに来いっつったよなぁ? それを過ぎてるっつーのにそれで許してくれって面白いことを言うじゃない?」

浜面「いや、本当は間に合う予定だったんだぜ? 何つーか途中信号とかアンチスキルに邪魔されてさぁ」

麦野「言い訳するヤツほど見苦しいもんはねえよな?」

浜面「……そうだよな。わかってるよそれくらい……よし! ほいじゃあ男浜面! 潔くどんなバツでも受けてやるぜ!」

麦野「はいはーい」つシリコンバーン

浜面「スミマセン、やっぱ弾幕ゲーはやめてくれませんか」ドゲザ

絹旗「さっきの超男の宣言はどこにいったんですか?」

フレンダ「だっさ……さすが浜面って訳よ」

浜面「うるせぇぞお前ら! 正直俺はまだ死にたくねえんだよ! こんな特に何もなかった人生のまま幕を下ろしたくないんだよ!」

滝壺「大丈夫だよはまづら。そんな命乞いに必死なはまづらを私は応援する」

浜面「なんとでも言えっ! 俺は生きるッ!!」

麦野「ふーん、何浜面クン? 許して欲しいわけ?」

浜面「当たり前だろ! 俺はそんな死にたがり野郎じゃねえ! まだまだやりたいこととかいっぱいあるんだよ!」

麦野「……だったら許してあげないこともないわよ?」

浜面「本当かっ!? サンキューむぎ――」

滝壺(…………ん?)

麦野「ただし、一つ条件があるわ」

滝壺(これって……まさか……)

浜面「何だよ条件って」

滝壺「! しまっ」


麦野「浜面クンは今日一日私の奴隷な? それならこの遅刻は許してやるよ」


浜面「えっ、そんなことでいいの? よっしゃ、それぐらいなら別に構わないぜ」

麦野「はいそれじゃあけってー! つーわけで浜面、さっさとドリンクバー行って茶ぁ汲んで来い」

浜面「お、おう了解!」タッタッタ


麦野「…………滝壺」

滝壺「何?」

麦野「…………」フフン

滝壺「…………くっ」

絹旗「(……何か早くも超争奪戦が開催されてますね)」

フレンダ「(そだねー、しかし何で二人ともよりによって浜面なんだろうねー? あんなののどこがいいんだか)」

絹旗「(だいたいこういうのは自分でも超わかってないものですよ)」

フレンダ「(ふーん)」


麦野「…………」ゴゴゴゴゴ

滝壺「…………」ゴゴゴゴゴ


―――
――



828 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:13:20.24 5BE/152Uo 481/574



同日 12:20 ~昼休み~

-とある高校・一年七組教室-



キーンコーンカーンコーン



<よっしゃーメシだメシだー! <あー腹減ったー <今日は学食全品百円引きらしいぜー! <行こー行こー



一方通行「Zzz……おァ? いつの間にか昼休みか」

一方通行「さて、昼メシはどォすっかな……」

一方通行「…………」

一方通行「よし、面倒だ。寝よォ」ゴロン


青ピ「アっクセラちゃーん! ボクらぁと一緒に食堂行こーや!」


一方通行「あァ? うっとォしい、消えろ」

土御門「これが勝者の余裕ってヤツだろうにゃー。『負け組のテメェらとは一緒にメシも食いたくねェ』っつーことだろうぜい」

一方通行「ハァ? ワケのわからねェこと言ってンじゃねェ。大体本命一つもらってるオマエのほうがどちらかと言ったら勝ち組だろォが」

青ピ「ほぉ、それは俺も本命チョコ欲しいぃぃっ!! という意味で受け取っても構わないということですねわかります」

一方通行「どォしてそォなる。いらねェよそンなモン、興味ねェっつゥの」

青ピ「で、でたー! 自分はバレンタインなんて興味がねェって言ってるけどそれが逆に意識しちゃってるって意味してることをわかってないや――」

一方通行「長ェ」ゴッ

上条「なぁなぁ、そんなことより早く食堂行こうぜ? 早く行かねーと席埋まっちまうよ」

土御門「ふっ、これが勝者の余裕ってヤツだろうにゃ-。『チョコ食い過ぎてちょっと口がヤバイわー。早く安くなった学食で塩分摂りたいわー』っつーことだろうぜい」

上条「さっきと同じネタやってんじゃねえよ! つーかそんなこと一つも思ってねえし、チョコに飽きてもねえし!」

青ピ「ほぉ、カミやんはまだまだ女の子からのチョコをもらうことを望むと? 死ね」

上条「思ってねえよ! てか、ゴチャゴチャ言ってねえでさっさと行くぞ。ほら一方通行も」

一方通行「行かねェっつってンだろ。話ィちゃンと聞いとけよカスども」


―――
――




829 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:14:21.73 5BE/152Uo 482/574



同日 12:30

-とある高校・食堂-



ワイワイガヤガヤ



土御門「おーおー案の定いつもより1.5倍(当社比)ぐらいの人だかりだにゃー」

上条「くそっ、やっぱり出遅れてたか!」

土御門「百円引きの効果恐るべし、ってところだな」

青ピ「もうね、アホかと。馬鹿かと。お前らな、100円引き如きで普段来てない食堂に来てんじゃねーよ、ボケが」

上条「いや、それお前にも言えることだろ」

青ピ「お前らな、100円やるからその席空けろと。食堂ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ」

上条「どんだけ食堂で食いてんだよお前。別に食堂そんな殺伐としてねえし、あとそのキモい口調どうにかしろ」

青ピ「カミやんひどい!」

土御門「んー、こりゃおとなしく食堂じゃなくて購買のパンとかにしといたほうが無難かもしれないぜい」

青ピ「ええっー、今日はオムライスの気分で来たのにー! いつもならラーメンとかの気分なのにあえてオムライスの気分で来たのにー!」

上条「テメェはいっつもパンだろうが」

青ピ「いやー食堂って言ったらラーメンやろ? あの安っぽい麺つこうとるヤツ」

上条「知らねえよ。しかしどーしよーかなー、俺も百円引きの学食の予定だったから財布の中身も百円引きだったからなー」

土御門「もういっそのことカミやん、今までもらったバレンタインチョコ食べればいいんじゃないかにゃー。言うなら全部タダってわけだし」

上条「アホか。何が悲しくて昼メシにチョコレートなんて食わなきゃいけねえんだよ。まあたしかにチョコはサバイバルとかでも使えるくらいいいってのは聞いたことあるけど……」

青ピ「でもそんなことしたら見せつけられてる、って思われてクラスのみんなにボッコボコにされるわけやけどなー」

上条「その一言で余計に食いたくなくなったな」

土御門「ま、正直俺はパンでも何でもいいぜい。よぉーするに百円引き効果で手薄になってるから、購買へ仕掛けるほうが得策だってことにゃー!」ダッ

青ピ「そうか! 今ならあのジャイアントコロッケパンとかも売れ残ってる可能性が微粒子レベルで……!? よし、ボクも行くでえ!!」ダッ

上条「テメェはオムライスの気分じゃなかったのかよ! せめてタマゴ系のパンねらえよ!」



ワーワーギャーギャー




831 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:15:53.32 5BE/152Uo 483/574



上条「…………はあ」

上条「どうすかっかなー? 俺も購買で安いパンでも買って今日をしのぐかなー?」



トントン



上条「ん?」クル

雲川「ふふっ、こんにちは」

上条「あっ、雲川先輩こんちわっす」

雲川「こんなところで会うなんて珍しいけど。お前も百円引きに釣られた口か?」

上条「まあそんなとこっすね。先輩もですか?」

雲川「私がそんな安っぽい奴に見えるか?」

上条「見えないな。どちらかと言ったら百円引きに釣られた庶民どもを笑いに来た、ってところじゃないですかね?」

雲川「あながち間違いでもないけど。で、お前はその庶民どもと一緒に食券求めて行列を並ばないのかな?」

上条「最初はそのつもりだったけどこの通り出遅れちまったっつーわけですよ。そういうわけで今はガラ空きの購買狙いってわけだ」

雲川「懸命な判断だな。今並んだところでお前なら、自分の番になったとたん全品売り切れオア料理を買った瞬間昼休み終了のチャイムが鳴るなんて不幸は目に見えてるけど」

上条「そうっすねー、つーわけで俺そろそろ行くよ。このままじゃこの不幸でパンまで売り切れちまうかもしれませんから」

雲川「まぁ待ってくれ」

上条「何ですか? 俺に何か用でもあるんすか?」

雲川「そりゃ普通用がない人に話しかけたりはしないよ。……でもお前は別なんだけど」

上条「……つまり用があるのかないのかどっちだよ?」

雲川「今日は用があって話しかけたんだけど。まぁ長くはならないと思うから是非とも付き合って欲しい」

上条「いいっすよ。で、どんな用件ですか? 用具室に備品を運ぶの手伝ってくれとか言いやがったら、速攻購買へ逃げますよ」

雲川「私はそんなことは頼まないし、頼まれもしないよ。……そうだな、用というのはまあたぶんお前も察しているとは思うけど」

上条「?」

雲川「前言撤回。そういえばキミは上条当麻だったな。あまりの緊張にすっかり忘れてたけど」

上条「俺に用があんのに俺のことを忘れるってどんだけ緊張してんすか。つーか緊張するようなこと頼む気なのかアンタは!」

雲川「何しろこういう経験が皆無なのでな。知識はあっても経験がない、これほど歯痒いものもないんだけど」

上条「?」

雲川「い、いや待て。経験がない言っても全くというわけではないけど。ただそのときとは状況や思い入れが違うわけだ」

上条「……えっと」

雲川「そもそも相手がどうでもいいおっさんや親族だけだという時点で経験しようにも出来ないけど」



832 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/08/29 18:17:47.20 5BE/152Uo 484/574



上条「……ちょっと何言ってんのかわからないんだけど。要するに先輩は俺にどういう用なんだ?」

雲川「そ、そうだな。よくわからない言い訳をグダグダ言うより、さっさと実行したほうがお互いのためということになるけど」

上条「んと、まあそうですね。俺もそろそろパン買いたいし」

雲川「……それじゃあこれを受け取って欲しいんだけど。は、はい」スッ

上条「これって……もしかしてバレンタインの……?」

雲川「…………」コクリ

上条「あ、ありがとうございます。というか何で俺なんかに?」

雲川「こんなに日にこんなに心臓をフル稼働させてこんな手作りのチョコを渡す理由なんてそうはないだろ?」

上条「え、えっと……それってつまり――」

雲川「……おっと、今日はこれまでのようだけど。これ以上はキミに被害が出る」

上条「へっ?」

雲川「ま、と言ってもどの段階でここを立ち去ってもキミに及ぶ被害は対して変わらないようだけど」クスッ



青ピ「なーにやっとるかなーカーミやーん」ゴゴゴゴゴ

土御門「俺たちが目を離してる隙に随分とラッキーなイベントに巻き込まれてるじゃないかにゃー」ゴゴゴゴゴ



上条「げっ、青髪ピアスに土御門! いや、これは何つーかその……!」

土御門「あっ、制裁の前にカミやんに一つ言っとかないといけないことがあるんだけどさぁ」

上条「な、何でせうか?」

土御門「購買のパンなぜだか全部売り切れたぜい、コッペパンすら」

上条「……は?」

青ピ「おもろいこともあったもんやなー、というわけでカミやん? 覚悟はいい?」





上条「ふっ、不幸だァああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」





雲川「……ふふっ、やっぱりこの学校は刺激に溢れて面白いところだけど」


―――
――




847 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:07:10.08 sg/9aVlvo 485/574



同日 12:40 

-とある高校・一年七組教室-


吹寄「……さて、そろそろ半日が経つわけだけど……いい加減渡す算段は出来たかしら?」

結標「ううっ、じ、実はまだ一つも考えてないです、はい」

姫神「私はバッチリ出来た。あとは時を待つだけ」

吹寄「というわけで結標さん、いい加減覚悟決めなさい。いつ考えるにしても渡すの今日だということは変わりないんだから」

結標「そ、そうだけど、何というか……その、渡すシチュエーションを想像するだけで頭の中がグチャグチャになるっていうか……」

吹寄「どんだけ想像力豊かなのよ……」

姫神「たぶん。例の完璧なシーンを見てしまったせいだと思う。自分の中で勝手にハードルを上げてしまっているのかも」

吹寄「別に気にしなくてもいいのに……さっきも言った通り大事なのは自分らしさよ?」

結標「自分らしさって言われても……正直何が自分らしいかなんてわかんないわ」

姫神「自分らしさというのは。たぶんだけど。自然体っていう意味だと思う」

吹寄「そうよ。いつもどおり行けば大丈夫よ」

結標「いつもどおり……じゃあこんな感じかしら!?」



結標「へいへーいアクセラちゃーん! ちょろーっと私のチョコレート食べてみなーい?」アセアセ



結標「どうかしら!?」

吹寄「果てしなくキャラが違うんだけど! あなたはいつもそんなじゃないでしょ!?」

姫神「駄目。悩みすぎて頭がおかしなことになってる」

結標「違うのか……それなら」



結標「私のチョコを食えぇー!!」アセアセ



吹寄「だからキャラが違う! てかテンパり過ぎでしょいくらなんでも!」

姫神「これはひどい」



848 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:07:35.61 sg/9aVlvo 486/574




ワイワイガヤガヤ



一方通行「Zzz……あン? 何だか騒がしいな」ムクッ



結標「このチョコレート、普通なら980円のところ、私の愛と一緒にを付けまして……ゼロ円! ゼロ円です!」アセアセ



吹寄「お金取るつもりだったの!?」

姫神「自分らしさを見つける話から。だんだんボケてツッコミいれるコントみたくなってきてる気がする」



一方通行「…………何やってンだアイツら?」

青ピ「ただいまぁー! アクセラちゃーん!」

土御門「今日の昼メシは焼きそばパンだにゃー!」

上条「……不幸だ」ボロッ

一方通行「あァ? 何だァオマエら食堂でメシ食うとか言ってねかったか?」

土御門「にゃっはー、ちょっと出遅れちまって並ぶの面倒だったから購買で買ってきたにゃー」

青ピ「カミやんは安定の買えないという不幸で今日の昼食はなしなんやけどなー」

一方通行「コイツの不幸はそれだけじゃなさそォだな。その様子からすると」

青ピ「不幸? はっ! あんな美人の先輩にチョコもらうのが不幸とは面白すぎる冗談やでえ」

一方通行「美人の先輩? 誰だそりゃ?」

土御門「雲川先輩だにゃー、美人で巨乳で黒髪ロングが似合うクールでミステリアスな」

一方通行(雲川か……一体どォいうつもりだ?)

青ピ「で、アクセラちゃんはどーやったん?」

一方通行「どォって何がだ?」

青ピ「ボクらがおらん間新しいチョコは手に入ったんか? 死ね」

一方通行「オマエらが帰ってくるまで寝てたからンなモンもらってねェよ。オマエが死ね」

土御門「ま、つまり昼休みでの勝ち組はカミやんオンリーってことだにゃー」

上条「いや、そんなことより俺の昼メシをどうするかを話し合わねえか? マジで腹減ってきたんだけど」

一方通行「雲川からもらったチョコレートでも食ってろ」


―――
――




849 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:08:03.59 sg/9aVlvo 487/574



同日 13:30

-第七学区・とあるホテルの一室-



黒夜「……すぅ……すぅ」Zzz



カチッ、カチッ、カチッ



黒夜「…………むにゃ」Zzz



カチッ、カチッ、ピピピッ! ピピピッ!



目覚まし時計『クロにゃーん! 朝だよおき――』



ゴパァ!! ガシャン!!



黒夜「うっぜェ、誰だこンなところに騒音グッズ置きやがったヤツ」

黒夜「…………朝、いや昼か……」ムクリ

黒夜「…………」ボー

黒夜「……とりあえず、適当にコンビニにでも行って昼メシとするかねーと」スタッ



-第七学区・とあるコンビニ-



黒夜「さーて、何食べようかな……ん?」



『今日はバレンタインデー! 日頃の感謝を伝えよう!』



黒夜「……そーいや今日バレンタインだっけか」

黒夜「バレンタインなんざくっだらねー。何が楽しくて他人にチョコレートなんて渡さなきゃならねーんだ?」

黒夜「そもそもバレンタインなんていうお菓子会社の陰謀に乗るヤツなんて馬鹿しかいねーよ」

黒夜「…………」

黒夜「なぁに私は独り言呟いてんだアホ臭っ。今日は鶏肉の気分だからフライドチキンにしよ……って売り切れだとッ!? ふざけンな!」

黒夜「…………まぁ、たまにはフランクフルトでもいいか。フランクフルト一本」



<アリガトウゴザイマシター



黒夜「さて、適当にブラつきながら食いますかー」テクテク



ウイーン




850 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:08:41.86 sg/9aVlvo 488/574



-第七学区・街頭-


黒夜「あー、しっかし暇だなー」パクッ

黒夜「…………」モグモグゴクン

黒夜「何か知んねーけど今日はグループの仕事ないからなー」パクッ

黒夜「…………」モグモグゴクン

黒夜「……ま、別にその分私がラクできるからいいけ――」パクリ



番外個体「クーローにゃん♪」ガシッ

 

黒夜「もがっ!?」バチィ

番外個体「おっーと抵抗しても無駄だぜー? 既にクロにゃんのカラダのコントロールはミサカがいただいた! まぁ、もともとクロにゃんはミサカのモノだけどねー」バチバチ

黒夜「あがっ、ふぁっ、むがっー!」モガモガ

番外個体「んー? 何かなクロにゃ……っておおっー! 何かクロにゃんの口にぶっとい肉棒がッ!」

黒夜「あふっ、ふっ、ああぅ!」フガフガ

番外個体「コイツはエロいぜゴクリ……写真撮ってモザイク加工してネットに流出させるべきだね、うん」

黒夜「ふがぁー! ぐがぁー! ふぁえー!」

番外個体「えっ? なんだって? ミサカちゃんと日本語で喋ってくれないとわかんなーい」

黒夜「んんんんんんっ!! んんんんんんんんんんっ!!」

番外個体「もーちゃんと喋られないことぐらいわかってるからそんな怒んないでよー……って何でそんな涙目になってるわけさ?」

黒夜「…………」ブワッ

番外個体「えっ、まさかのマジ泣き!? どーしたのクロにゃん何があったの!? まさかどっかのロリコン豚野郎に犯されっちゃったの!? うまく歩けなくなってるの!?」

黒夜「うっ…‥うえっ……」

番外個体「と、とにかく一度公園のベンチ辺りで休もう! そうだとりあえずクロにゃんのカラダ解放しないと……!」ビリビリ

黒夜「…………!」




黒夜「おえええええええええッ!! 辛っええええええええええええええええええええええええええッ!!」ジタバタ




番外個体「…………え?」




851 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:09:52.11 sg/9aVlvo 489/574



-第七学区・とある公園-


番外個体「――ふむふむなるほどよーするに、フランクフルトに付いてたマスタードがずっとミサカのせいで固定された舌に当たってて涙目になってたわけかー」

黒夜「チッ、そういうわけだ。つまりアンタがいなきゃこんなことにはならなかったってことだな、詫びろ番外個体ォ」

番外個体「メンゴメンゴ、まさかこんな面白いことになるなんて思わなかったからさー、今度からはちゃんと確認してからカラダの制御奪うね☆」

黒夜「謝る気も反省する気も改める気もねーな。うっとおしいヤツ」

番外個体「ミサカは悪い子だからね。しょうがないしょうがない」

黒夜「しょうがなくねェよ! ぶっ殺すぞテメェ!!」

番外個体「そーいえばクロにゃん、たしか暇人だったよね? ミサカも暇だからちょっと遊ぼーよ」

黒夜「華麗にスルーしてくれてンじゃねェよ! てか誰が暇人だゴルァ!!」

番外個体「ええっー? だってこんな時間に野外で肉棒咥えてる人が暇じゃないわけがないじゃん」

黒夜「言い方もう少し考えろ! 何かそれじゃあ私が昼間っから発情してる雌豚みてえじゃねーか!」

番外個体「じゃあエロにゃんは暇じゃないってこと?」

黒夜「誰がエロにゃんだ! と・に・か・く、私は暇じゃない! アンタみたいなのと遊ぶ暇なんてないよ」


ボイスレコーダー『あー、しっかし暇だなー。何か知んねーけど今日はグループの仕事ないからなー』


黒夜「…………」

番外個体「…………」ニヤニヤ

黒夜「何が目的だテメェ」

番外個体「ミサカはクロにゃんと仲良くしたいだけだよ?」

黒夜「……チッ、わかったわかったよ。面倒臭せェけどアンタに付き合ってやるよ」

番外個体「わーい、まあもともとクロにゃんには選択肢なんてないんだけどわーい」

黒夜「で、何して遊ぶんだよ? 愉快に楽しく殺し合うか?」

番外個体「えー、そんなことしても面白くないじゃん。レベル99の勇者でスライムぷちぷち捻り潰すくらい」

黒夜「どォいう意味だ……それ?」イラッ

番外個体「そーいうわけでクロにゃんと戯れるのはまた別の機会にするよ」

黒夜「だったら何するつもりなんだよ? 面白くねェ提案だったら私はアジトに帰るぞ?」

番外個体「うーんそだねー、海原にイ・タ・ズ・ラ・するのはどう?」 

黒夜「……ほう、ソイツは実に面白そうな提案じゃねーか」ニヤッ

番外個体「でしょ?」ニヤニヤ

黒夜「内容はどうする? ゴキブリの大群でも頭からぶっかけるかぁ? それともアイツの持ち物の中に猫の死体でも入れるかぁ?」

番外個体「……………」ゴッ

黒夜「痛っ! 何しやがる!」

番外個体「別にぃー、何か無性に腹が立ったから殴っただけだよ」

黒夜「何つー理不尽な……」

番外個体「まぁそのイタズラの内容についてはもう考えてあるよ。せっかくだし今しかできないことをやろう」

黒夜「今しかできないこと? それはつまりどういうことだ?」

番外個体「もぉークロにゃんは鈍いなー。今日は二月十四日。つまりバレンタインデーを利用したイタズラにしようぜ!」

黒夜「ば、バレンタインデーだァ!? 何でここでそンな言葉が出てきやがンだ!?」

番外個体「一年に一回のイベントなわけだし、どーせだからいろいろこじつけたイタズラがいいじゃん」


852 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:10:25.11 sg/9aVlvo 490/574



黒夜「ケッ、だいたいバレンタインを利用してどんなことができるってんだよ。プレゼントの中に爆弾でも仕掛けんのか?」

番外個体「そーだ! ここはクロにゃんが一肌脱いで『私をタ・ベ・テ・♪』的なドッキリを……!」

黒夜「断る。得するのはその滑稽な光景を見て笑うアンタだけな上に、身を削るのは私だけだ」

番外個体「ほほぅ、つまりミサカも脱げばクロにゃんも脱ぐ、と?」

黒夜「そういう話をしてんじゃねえよ! つーか脱がねえよ!? どんな状況になってもな!」

番外個体「ちっ、じゃあクロにゃんがバレンタインにかこつけて海原に告白するというドッキリで――」

黒夜「だから何で私が必ず犠牲になってンだよ! ふざけンじゃねェぞ番外個体ォ!」

番外個体「クロにゃん。何かを得るためには何かを犠牲にしなきゃいけないんだよ」

黒夜「私は何も得られてねェンだけどォ!? オマエしか得してねェンだけどォ!?」

番外個体「もう、クロにゃんはわがままだにゃーん。何でもかんでも文句言ってー」

黒夜「アンタの言うことは全部私に被害がいってんだよ! 拒否して当たり前だろ!」

番外個体「しょうがないなー、だったら各自勝手にチョコ作って海原に渡そうぜ。それならクロにゃん損ないでしょ?」

黒夜「は、ハァ!? 何をどこでどォ妥協すればそォいう答えが出るンだ!?」

番外個体「んー、誰も犠牲ならないイタズラがお望みなんでしょクロにゃん的には」

黒夜「い、いやそれはそォだろォけど……やっぱオマエの考えがよくわかンねェよ」

番外個体「ま、そういうことだから。時間がないからこれからお別れだね。また時間は連絡するからそれまでに作っといてねー」

黒夜「は? や、だから何で作らなきゃいけね――」

番外個体「作ってなかったらオ・シ・オ・キ・だからねー。ほいじゃー、バイビー」タッタッタ

黒夜「オイふざけンな!! 待ちやがれ番外個体ォおおおおおおおおおおッ!! っていねえどこいったアイツゥ!!」

黒夜「……どうしよう、これってアレだよな? この私が海原なんつーナヨナヨ野郎なんかにバレンタインのチョコ渡さなきゃいけねえってことだよな?」

黒夜「…………面倒だからコンビニで適当にポッキーでも買って渡しゃいいだろ。ってそもそも買ってやる義理もねえんだけどさ」

黒夜「だいたいこれのどこがイタズラなんだ? まったくアイツの考えてることはわからないな」



ピピピピッ! ピピピピッ!



黒夜「あん? メール? 誰からだ……」ピッ


From:番外個体

Sub :そーいえば言い忘れてたけど

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コンビニとかで適当にポッキーとか買ってもダメだよ?

もしそんなことしたらクロにゃんの体中の穴という穴に

ポッキーぶっ刺しちゃうよ♪

だ・か・ら、手作り限定そいじゃーよろしくー(^^ゞ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


黒夜「」


―――
――




853 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:11:12.40 sg/9aVlvo 491/574



同日 14:40 ~七時間目前休み時間~

-とある高校・一年七組教室-



結標「決めたわっ! 私のチョコレートを渡すシチュエーション!!」バッ



吹寄「うん、と言ってももう七時間目よ? 後半戦の中でも終盤よ? 遅くないかしら?」

姫神「考えたと言っても。だんだんと選択肢が少なくなってきたから。仕方がなしに決めた感じがする」

結標「まだ何一つ発表していないのにひどい言われようね……」

吹寄「じゃあどういうシチュで渡すの? やっぱり無難に校舎裏とかそういう感じ?」

結標「いや違うわ。私がそんな安直な考えをするわけないじゃない」

吹寄「すごい自信ね。さっきの数学の授業で当てられてどこの問題を答えればいいのかわからなくて、開いてたページの問題をわざわざ全回答したかいはあったようね」

姫神「実は次のページのことを聞かれてて。結局怒られていたんだけどね」

結標「いやー、あははー」

吹寄「では、数学を犠牲に生み出した自信満々の作戦をどうぞ!」



結標「放課後の通学路で渡します!!」バン



吹寄「……あ、うん」

姫神「…………」

結標「あれ? 何この薄いリアクション!」

吹寄「いや、本当に苦肉の策で来るとは思わなくて……」

結標「く、苦肉じゃないわよ! 放課後の帰り道って結構いいと個人的に思うんだけど! 最初から最後まで同じ道だから事実上二人きりになりやすいだろうし!」

姫神「まあ。でも。普通の作戦には変わりない。私も人のことは言えないけど」

吹寄「ちなみに姫神さんはどうするの?」

姫神「放課後呼び出す→二人きり→渡す→終わり」

結標「何よ。姫神さんも私とあんま変わらないじゃない」

姫神「ふふっ。甘い。私は早い段階でこの作戦を立てていた。つまり何度もシミュレーションを脳内でしたということ……!」

結標「な、何だってー!?」

姫神「今さら決めたようなあなたとは経験の差が違いすぎる」フフン

結標「ぐぬぬ……言い返す言葉がないわ」

吹寄「いや、経験の差って両方まだ経験してないじゃない。差も何もあったもんじゃないわよ」

姫神「まあ。何回シミュレーターションしても。本番になったらあまり意味ないんだけどね……」ズーン

結標「それに関しては同意するわ……」ハァ

吹寄「……まあ、ここから先は頑張ってとしか言いようが無いわね」


―――
――




854 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:12:07.88 sg/9aVlvo 492/574



同日 15:00

-第七学区・とあるファミレス-


絹旗「――ということになって、最終的に主人公にお寿司にされちゃうって展開なんですよ!」

フレンダ「うわー、いかにもつまんなさそうな映画のことをよくそんな楽しそうに話せるよね」

絹旗「これだから素人は。批判というものはそれを超見てからしてください」

フレンダ「そんなもんで華の女子高生生活を無駄にしたくないって訳よ」

麦野「暗部にいる時点で華もクソもねーだろ」

絹旗「他にも最近見直した映画があるんですが、それではラスボスは豆にされて超倒されちゃってました」

フレンダ「何で結末から話しちゃうかなー? まずないだろうけどそれじゃあその布教活動に引っかかってくれる人いないよ?」

絹旗「すみません。ついつい超熱くなってしまいました。でもあのとき流れてたBGMは超本当に笑えましたよ」

滝壺「大丈夫。ツッコまれても話を続けるそんな一生懸命なきぬはたを私は応援してる」

浜面「あ、そーいや俺見たことあるかもしんねえな、その映画。結構前にしてた映画だよな?」

絹旗「おおっ! こんなところに同志がいましたか! 放映当時であのCGはなかなかだと超思いませんでしたか!?」バッ

浜面「そんな細かいところまで覚えてねえよ! それと見たことあるってだけで勝手に同志にすんな!」

麦野「浜面。肩もみ止まってんだけど」

浜面「いや、あのー麦野さん? そろそろ俺の手も疲れてきたというかー、喉も結構渇いてきたというかー」

麦野「あん? 奴隷のクセに何口出ししてんだ? つべこべ言わずに手ぇ動かす」

浜面「は、はいー!」モミモミ

絹旗「しかし浜面もすっかり下っ端、もとい奴隷が超板に付いてきましたね」

フレンダ「最初はスキルアウトの元リーダーうんぬんとか言ってたよねー? こっちからしたらだから何って話な訳だけど」

麦野「懐かしいねー。ま、板に付いてきたというよりはもともとそーゆーヤツだったってことじゃない? 浜面、私の鞄から携帯取って」

浜面「おい、普通に手に届く位置にあんじゃねえか! 自分で取れよ!」

麦野「一日奴隷」

浜面「へい……」スッ

滝壺「…………」ムス

フレンダ(……あからさまに滝壺の機嫌が悪い。隣に座ってるから余計に気不味いって訳よ)



ワイワイガヤガヤ



絹旗「……しかし、大学生というのはほんといつ超勉強してるんですかねー? さっきからずっと騒いでるじゃないですか」

麦野「今日は講義ってヤツがないんじゃない? それか卒業諦めてヤケになって遊んでる馬鹿ども」

浜面「ひでー言いようだな」

麦野「つまりアンタみたいなのをそのまま大学生に繰り上げただけのヤツらってことでしょ?」

浜面「うっせぇ! 学校なんて行かなくても生きていけんだよ!」

絹旗「……しかし卒業を諦める、ですか? あまり理解できない言葉ですね」

麦野「まだ中学生の絹旗ちゃんにはカンケーのない話よ」

フレンダ(……! そうだ! いいこと思いついたって訳よ!)



855 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:13:20.11 sg/9aVlvo 493/574



フレンダ「浜面浜面」

浜面「あんだよ?」


フレンダ「麦野って何歳に見える?」


絹旗「なっ!?」

滝壺「…………」

麦野「あぁ?」

フレンダ「……ふふふ」


フレンダ(悪いけど浜面には滝壺のためにここで華々しく散ってもらうって訳よ。というか正直麦野取られて悔しかったし)


浜面「……え、えっと、ええ?」

フレンダ「ほらほら早く答えて答えてー!」

麦野「フ・レ・ン・ダー」ゴゴゴ

フレンダ(ひっ!? 麦野からのプレッシャーがキツイ……! けれど耐えねば……)


浜面「ええっと……十八歳? 高三の」


麦野「!」

フレンダ「へっ?」

絹旗「うん?」

滝壺「…………」

浜面「……あれ? 何この雰囲気? 俺なんか変なこと言ったか?」

絹旗「いえ、別に間違ったことは言ってませんが……ただ」

浜面「ただ?」

絹旗「先ほど私含めて、ここにいる人たちが全員が麦野のことを超大学生くらいだと思っていた、という話で一悶着ありまして」

滝壺「ちょっと待ってきぬはた。私はむぎのが大学生くらいなんて一言も言ってない」

絹旗「まあ、そういうわけです。初見で麦野のことを見抜いた浜面は超変態というわけです」

浜面「何でだ! ……ってことはもし俺が変なこと言ってたら……」

絹旗「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い、されてましたね……」

浜面「……そうか」


浜面(あ、危ねえええええええええええええええええええええ!! 何の気もなく『ベテランOLさんに見えるッ!!』とか言わなくてよかったああああああああああああああああああ

あああッ!!)

浜面(前、たまたま麦野の学生証を見たことがあったのを覚えててマジでよかったああああああああああああああああああああああっ!!)


麦野「……浜面」

浜面「は、はひぃ!?」

麦野「アンタさっき喉乾いたとか言ってたわよね? この私が持ってきてあげようか? 何がいい?」

浜面「え、え、いやいいよ。それくらい自分で持ってくるって」

麦野「だったら私のあげようか? アンタ炭酸とか好きでしょ? ほらコーラよ、もちろん飲みかけだけどにゃーん♪」スッ

浜面「いやいやいやいやいいですよ!? そんな麦野様のお飲み物なんてワタクシめごときがモッタイナイでございますわよ!」



856 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:13:47.28 sg/9aVlvo 494/574



絹旗「……すごく機嫌が良さそうですね、麦野。語尾に超音符とか付けてそうです」

フレンダ「そ、そだね」

絹旗「ところでフレンダはなぜ一度踏んだ地雷をまた超踏みに行ったのですか? 私には理解できないのですが」

フレンダ「い、いやちょっとねーあははー」

フレンダ(まさか一発で当ててここまで麦野にデレさせるなんて……浜面仕上、恐ろしいコ!!)

滝壺「…………はぁ」ドヨーン

フレンダ(…………そして、さらに機嫌の悪くなる滝壺だった)


麦野「……さて、時間もいいぐらいだろうしそろそろ始めようかしら?」

絹旗「そうですね。小腹も超空いてきましたし」

滝壺「うん」

フレンダ「オッケー!」


浜面「ん? 何が始まるんだ……? つーか今日って何の集まりなんだ?」

麦野「何ってそれは浜面君一番わかってることじゃないかにゃーん?」

絹旗「二月十四日。つまり超バレンタインというわけです」

浜面「ば、バレンタイン? そ、そういやそうだったな。朝いろいろありすぎて頭から飛んでたぜ」

フレンダ「とか言って内心本当は期待してたんじゃない? いつもキモイことしか考えてないし」

浜面「別に考えてないよ!? つーか勝手にそんなこと決めつけてんじゃねえよ!」

滝壺「大丈夫だよはまづら。そんなはまづらを私は応援してる」

浜面「頼むから応援しないでくれ滝壺ー! ……って待てよ。バレンタインってことは今回の集まりはもしかしてわざわざ俺のために――」


麦野「んなわけねーだろうが、馬鹿かテメェは……あっ、そういや馬鹿だったな」

絹旗「これだから超浜面は……」ヤレヤレ

フレンダ「結局、そんなことしか考えられないよね浜面って……」

滝壺「大丈夫だよ。内心はまづらのこと馬鹿にしてるところもあるかもだけど、私ははまづらのこと応援してるから」


浜面「くそぅ……さすがの俺でもハートブレイク寸前だぞマジで」グスン

絹旗「ま、何も知らない浜面に超説明するならアイテムは毎年バレンタインデーはみんなで集まって、それぞれお菓子を持ち寄ってわいわいしよーって感じのイベントをするんですよ」

フレンダ「ちなみにそれは市販で売ってるヤツでもいいし、わざわざ手作りとかしてもどっちでもいいっていうルールなわけよ」

滝壺「ちなみにさっききぬはたは毎年と言ったけど、実際はまだこれ二回目だから」

絹旗「どうせこれから毎年恒例になってくるはずですから、別にいいではないですか」

麦野「つまりそーいうわけ。わかったかしら浜面?」

浜面「まーなんとなくわかったよ。よーするにいつも駄弁ってるときとあんま変わんねえってことだろ?」

麦野「まぁそうなるわね。持ってくるお菓子がバレンタインっぽいものに制限されてること以外は」

浜面「……ってことはお前ら全員チョコやら何やら持ってきてるってことか?」



857 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:14:14.42 sg/9aVlvo 495/574



絹旗「はい」ドサッ

フレンダ「当たり前って訳よ」バラバラ

滝壺「…………」カチャ

麦野「ほいっと」ガサガサ


浜面「……テメェらいい加減にここがファミレスだっつーことを理解しろよオイ!」


フレンダ「ええっー、正直それって今さらな話じゃん!」

絹旗「見てくださいよここの店員さんたち。もう慣れてるので私たちが超何をしようとノーリアクションですよ」

浜面「諦められてるだけじゃねえか! てか、お前らには居住性バツグンのアイテムのアジトがあんだろ! そこでやれよ!」

麦野「あん? 何でそんなとこまでわざわざ行かなきゃいけないわけ? ご飯食べるときくらいファミレスでいいだろ」

浜面「ドリンクバー以外全部持ち込みのくせに何でこんなにエラそうなんだよ……」


麦野「はいはーい! いちいちツッコまないと気が済まない浜面はほっといってさっさと始めちゃいましょう」


三人『わーわー!』

浜面「何これッ!? 俺が間違ってんの!? 俺が空気読めてないだけなの!? ねえ!」


絹旗「ではまず私から超行きましょう! 今回は私は皆さんで摘めるようにチョコチップクッキーを超作ってきました!」


フレンダ「おおっ! 絹旗今回は手作り? すごいじゃん!」

絹旗「私だって料理ぐらい超できるというところをそろそろアピールしなければならないと思いまして」

浜面「……しかし量が尋常じゃねえな。十人分ぐれーあるんじゃねえのか?」

絹旗「材料が余ってしまったので超もったいないから使い切ってしまいました」

浜面「にしたって限度があるだろ……」

麦野「まぁ別に食べきれなくてもクッキーだから、明日の明日で腐るみてーなことはないでしょ」

滝壺「……うん、美味しいよきぬはた」モグモグ

フレンダ「あっ、滝壺フライングってわけよ! 私も食べる!」バッ

絹旗「そんなに慌てなくても量だけはまだ超ありますよ」

浜面「……じゃ、じゃあ俺も……」

絹旗「えっ? 浜面超手なんか出して何をするつもりですか?」キョトン

浜面「何なのこれ! やっぱり俺だけ除け者にされんの!? 目の前で美味しそうにパクパク食べられてるのを黙って指くわてなきゃいけないの!?」

絹旗「嘘ですよ浜面。どうぞ食べてちゃってください」

浜面「い、いいのか……? じゃあいただきまーす!」パクッ

絹旗「…………」ワクワク

浜面「……おおっ! 普通にうまいな! 市販のヤツなんか目じゃねえくらい」

絹旗「そ、そうですか……それは超良かったです!」ニコッ

滝壺「…………」

フレンダ(ま、またプレッシャーが強くなった気がする……。まさか絹旗にまで……?)



858 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:14:58.27 sg/9aVlvo 496/574



麦野「えーと、じゃあ次は――」

滝壺「私の番だね」

浜面「滝壺か。一体何を持ってきたんだ? 楽しみだなー」

滝壺「……! 私は今日はこれを持ってきた」バッ

浜面「これって……カップケーキか? 滝壺らしいお菓子だな」

滝壺「いろいろとアレンジしやすくて便利だし、作るのも簡単だよ」

浜面「たしかにいろいろなのあって壮観だな。フルーツ埋め込んでるヤツとかいろいろ装飾されてるヤツとか」

フレンダ「た、滝壺まで手作りだと……? む、麦野はもちろん市販の何かだよね?」

麦野「あん? 私はこれ作ってきた。生チョコってヤツね」パカッ

フレンダ「」

浜面「すげえ! なんか高級っぽい!」

絹旗「生、って聞くと超難易度高そうに聞こえますね……」

麦野「別に大したことないわよ。溶かしていろいろ混ぜて固めただけよ」

フレンダ「な、何でみんなそんなマジで作ってきてんの……? 結局、これがバレンタインマジックってヤツな訳?」

滝壺「何言ってるのふれんだ? 別にそんな大したものじゃないよ」

麦野「そーそー。ま、せっかくだし久しぶりに菓子でも作ってみるかー、って感じのあれ。暇つぶしみたいなもんよ」

絹旗「そういえば二人の作ってきたものはそれぞれ超個装されてるようですね」

滝壺「うん、作ってるものがこれだからね」

麦野「絹旗みたいなお手軽お菓子じゃないから厳重に包装されるってことよ。ま、その分持ち運びとかには便利だと思うわよ」

滝壺「そういうわけだからみんなに配るね。はいはまづら」スッ

麦野「ほらっ、奴隷さん? せいぜい私の手作りチョコ食べて泣いて喜ぶことね」スッ

浜面「お、おうサンキューな二人とも」

滝壺「はい、きぬはたにふれんだ、むぎのも」スッ

麦野「別に不味かったら不味いって言ってもいいわよ? 生チョコなんて初めて作ったし」スッ

絹旗「ありがとうございます、麦野に滝壺さん!」

フレンダ「あ、ありがと……ん?」

浜面「しかし二人ともすげー作りこんでんな。こりゃ結構期待できそうだ!」

フレンダ(な、何か浜面の分だけやけに豪華なんだけど……?)

絹旗「二人とも超美味しいですよ! さすがですね!」


麦野「別にぃー、こんなん適当に作ってりゃできるっての」ゴゴゴゴゴ

滝壺「うん。所詮は普通の料理の延長。普通にしていれば何の問題もない」ゴゴゴゴゴ


フレンダ(……見えないところで戦ってるんだろうなこの二人は……)

絹旗「ちなみにフレンダは何を持ってきたんですか?」

フレンダ「ん? すぎのこ村のファミリーパック」

絹旗「何できのこでもたけのこでもないあえてそれを超選んだんですか! てかそんなものよく売ってましたね!?」


―――
――




859 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:15:27.73 sg/9aVlvo 497/574



同日 15:15

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-


禁書「…………」モグモグ


テレビ『さて、来週の超機動少女カナミンは?』


禁書「…………」モシャモシャ


テレビ『魔女狩り十字軍の手によって悪者になっちゃったイソギンチャクさんに翻弄されるカナミン!』


禁書「…………」ゴクゴク


テレビ『お願い、負けないでカナミン! あなたが今ここで倒れたら、あの子やみんなとの約束はどうなっちゃうの?』


禁書「…………」ボー


テレビ『魔力はまだ残ってる。ここを耐えれば、魔女狩り十字軍に勝てるんだから!』


禁書「…………」ナデナデ

スフィンクス「にゃぉぉ」


テレビ『――次回『カナミン死す』。デュエルス――』


禁書「…………よし!」スタッ


テレビ『この番組はごらんのスポンサーの提供でお送りしました』


禁書「行こ、スフィンクス!」スッ

スフィンクス「にゃー?」



タッタッタ、ガチャリ!



―――
――




860 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:17:17.70 sg/9aVlvo 498/574



同日 15:30

-ファミリーサイド・従犬部隊オフィス-


数多「……あー、しかし暇だわー何もすることないわー」

ヴェーラ「社長、お茶です」コトン

数多「おっ、サンキュー」スッ

ヴェーラ「いえ」

数多「……ぷはぁ、しっかしマジで暇だわー。一方通行にボコされたヤツが腹いせに俺んところに仇討頼まねぇかなー? そしたらちっとは暇つぶしになんだろうになー」



タッタッタッ、ガラララッ!



円周「話は聞かせてもらった! 数多おじちゃんは滅亡する!」


数多「あん? するわけねーだろ。つーか、こっちにバタバタ走ってきやがって何か用かクソガキども」

打ち止め「ふふふ、聞いて驚くことなかれ! ついに例のモノが完成したのだ! ってミサカはミサカは誇らしげにピースサインを出してみたり!」

数多「例のモン? あぁ、キッチンに二人で篭って作ってたモンのことか」

円周「そう。甘いモノ大好き甘いモノは別腹な女の子のために私たちが最強のチョコレートを開発する計画……」


円周・打止『それが『オペレーション・ハニーハニースウィートバレンタイン』!!』


数多「どうでもいいけどちゃんと後片付けしろよ。使う前より美しくってなぁ」

打ち止め「もう! どうしてキハラはそんなリアクション薄いの? もっとミサカたちに興味を持とうよ、ってミサカはミサカは不満をぶちまけてみたり」

円周「そうだよ数多おじちゃん。何か何でもかんでも興味ないって言ってる最近の若者みたくなってるよオッサンなのに……」

数多「誰がオッサンだ。大体よぉ、何が『オペレーション・ハニーハニースウィートバレンタイン』だ。バレンタインっつーのは誰かしらに送りモンをするもんだろうが」

数多「それなのにお前らときたら……女のためとかほざきながら結局は自分らのことしか考えてねえわけだ。言うなら自分へのご褒美とか言って鞄とかアクセサリーとか買って自己満足

する行き遅れ共と同じ発想なわけだ」

ヴェーラ「うっ」ズキ

ナンシー「ぐはっ」ズキ

円周「そんなこと言われても私たち子どもだからわかんないよー。若干二名ほどダメージを受けてるみたいだけど」

打ち止め「まあ変な屁理屈言ってる暇があったらこのプロジェクトによって作られたスーパーチョコレートを食ってみろって話だよ、ってミサカはミサカはガラステーブルの上にチョコ

レートを広げてみたり」パラパラ

数多「変なモンテーブルに広げんなクソガキ……うおっ、何だこのクソ甘い香りィ!?」

円周「私たちが研究開発したスーパーデリシャスチョコレートですけど何か?」

数多「そんな産廃取り出してきてんじゃねえよ。今すぐ三角コーナーへぶち込んでこい」

打ち止め「ええっー? 少しくらい食べてくれたっていいのにー、ってミサカはミサカは憤りを感じてみたり」プンスカ

円周「しょうがないよ打ち止めちゃん。こんな冴えないオッサンじゃこのスーパーデリシャスミラクルチョコレートなんて高尚すぎて口に入れることすら許されないんだよ」

数多「あぁん? 逆だろ逆。テメェらのゴミが格下、俺が格上オッケェー?」

円周「まーまー、そういう御託はいいから早く食べてよ。このスーパーデリシャスミラクルスペシャルチョコレートを」

打ち止め「そうだよ。いちいち文句ばっかり言ってもしかして反抗期抜けてない? ってミサカはミサカは少し心配になってみたり」

円周「いまさらだねー、こんな自己主張の激しい格好をした人が反抗期はおろか中二病さえ抜けてないわけないよ」

数多「冴えないオッサンって言ったり自己主張の激しい格好した人と言ったり、支離滅裂になってんぞクソガキが」



861 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:17:48.67 sg/9aVlvo 499/574




ガラララッ



オーソン「ただ今戻りましたー! ……はぁ、疲れたー」スタスタ


ヴェーラ「おかえりなさいオーソン」

円周「おかえりー。疲れてるなら甘いモノを取るといいよ、はい」スッ

オーソン「おっ、あざーす。さすが円周さんだ気が利きますねー」

円周「でしょー」

数多「おい、ちょっと待てオーソン」

オーソン「じゃあ遠慮無くいただきまーす!」パクッ

打ち止め「…………」ワクワク

円周「わくわく」



オーソン「……うん、うん、結構甘いけどおいし――ごっ!?」ガクッ



ヴェーラ「ッ!?」

ナンシー「オーソン!?」

オーソン「」チーン

ナンシー「オーソンに一体何が……!?」

数多「……オイクソガキ。これに何入れやがった?」

円周「別にぃー、ただの甘味料だよー」

数多「その甘味料、正式名称で言ってみろ」

円周「『AMA5UG12-AR0TA』」

数多「何だそのあからさまに危険な臭いがプンプンする薬品名は!?」

円周「そんな危ない麻薬とかじゃないよ? あくまで合法のものだよ」

オーソン「…………うっ」ビクッ

ナンシー「オーソン! 気がついたのね!?」

オーソン「……すぎ……わろ……」ブツブツ

ヴェーラ「えっ、何て?」



オーソン「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」



ヴェーラ「」

ナンシー「」

円周「ねっ? 普通の甘味料でしょ?」

数多「何が普通だぶっ殺すぞテメェ」



862 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:18:17.53 sg/9aVlvo 500/574



数多「大体よぉ、テメェら味見っつーモンはしたのか? まさか料理オンチ特有のぶっつけ本番でチョコレート公開してるわけじゃねーよな?」

円周「やだなー当たり前だよー。ちゃんと味見はしたよー打ち止めちゃんが」

数多「結局お前はやってねえのかよ!」

ヴェーラ「……ってことは打ち止めちゃんは……?」

打ち止め「…………」

ナンシー「…………」

数多「…………」


打ち止め「うんうんそうだね、甘いモノって最高だよね、ってミサカはミサカはこの甘さに確かな確証を得てみたり」トローン


数多「チクショウ、この部屋唯一の表の住人このザマだと? ふざけんな!」

円周「というわけで数多おじちゃんもスーパーデリシャスミラクルスペシャルヘブンズチョコレートを食べて幸せになろうよ?」

数多「いらねえよそんな幸せェ! てかさっきからチョコレートの前の枕詞増えすぎだろ! 最後のヘブンズとかあからさまに狙ってんだろこれ!」

打ち止め「甘いよー美味しいよー幸せになるよー、ってミサカはミサカは怪しい宗教風にチョコレートを勧めてみたり」トローン

数多「怪しい宗教風っつーか宗教だろこれ!」

オーソン「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

マイク「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

デニス「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

数多「なっ、マイクにデニス……いつの間に帰って……てかこんなもんに入信しやがった!」

ナンシー「……何かこのチョコ食べてしまったほうがこの場をラクに過ごせるんじゃないかと思えてきたわ」

ヴェーラ「早まってはダメよナンシー!」



ワイワイガヤガヤ



数多「……もう面倒臭せぇ、あーもしもしぃ?」ピッ

数多「今すぐに来い。今すぐだ! わかったな!」ピッ

ナンシー「だ、誰を呼んだのですか? アンチスキルですか?」

数多「んなモンじゃねーよ。大体そんなヤツら呼んだところでこの状況を解決することはできねえだろ」

ヴェーラ「じゃあ一体誰を……?」

数多「……そーだな。言うなら催眠のプロっつーところか?」

ナンシー「催眠の……」

ヴェーラ「プロ……?」


~5分後~


数多「…………そろそろか」

ヴェーラ「まだ五分しか経ってませ――」



パリーン!!



ナンシー「何っ!? いきなりベランダの窓ガラスが割れた!?」



863 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:19:01.52 sg/9aVlvo 501/574



数多「やっと来やがったか。遅せぇぞ木原乱数」




乱数「はいはぁーい!! あまりにもカオスすぎてカミサマもサジを投げそうな状況でぇ、この木原乱数ちゃんが豪快かつ華麗に参上でぇーっす!!」




ナンシー「ま、また『木原一族』の方が!?」

ヴェーラ「今日はよく来るわね……」

乱数「あーれれぇー? 何ですかこの反応ぅ? せっかくこの俺が来てやったんだから盛り上がって欲しーぃんですけど」

数多「そりゃそーだろ。散々待たせた上にこんなしょーもねぇ登場の仕方をしやがったら、そういうリアクションにもなんだろ」

乱数「数多先輩ちぃーっす! ひでー言いようですなぁ、こちとら二十三学区から飛ばしてやってきたんだぜ? むしろ褒めてくれもいいと思うんですけど」

数多「俺なら三分もありゃ来れるけどなぁ残念! テメェじゃあカップ麺が伸びちまうぜー?」

乱数「最近のカップ麺はそんな早く伸びねえっつーの。で、わざわざこの俺を呼び出すなんてどーいう用件?」

数多「コイツを見ろ」スッ

乱数「あん?」ジロッ


オーソン「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

マイク「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

デニス「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ!」

打ち止め「ぐへへへへへへへ。ぐふふふふふふふふふふ」トローン

円周「あっ、乱数おじさんだやっほーい!」ノシ


乱数「……何だこりゃ? 未知のウイルスにでも集団感染したかぁ? つか、約一名平常運転のアホがいんだけど」

数多「あー、アイツは違う。ただの首謀者だ」

乱数「そもそも俺は従犬部隊とかいう糞会社のボロオフィスに来たはずなんだけどなぁー。別にキチガイ隔離用の病棟に来たつもりねーのに」

数多「お前後で潰すわ。いいからこれをどうにかしろ、お前そういうの得意だろ」

乱数「たしかに乱数ちゃんからしたらぁ、そういう集団催眠的なモンは得意中の得意ですけど」

数多「じゃあやれ」

乱数「でもそぉいうのはタダでいかねーっつーか、頼みごとするってんならそれなりの対価っつーもんが必要じゃね?」

数多「ったくしょうがねえなぁ、何が望みだ?」

乱数「そーですなぁ、あそこでヘブン状態になってる『最終信号(ラストオーダー)』を一日貸してくんね? 一度ミサカネットワークってのを調べてみたかったんだよね」

数多「断る。あれは人様のモンだ俺のモンじゃねえ」

円周「『木原』的にはお前の物は俺の物、俺の物も俺の物って感じじゃないのー?」

数多「いつから『木原』ってのはそんなジャイアニズムに溢れるクズ野郎に成り下がったんだ? あと平然と会話に入ってくんな首謀者」

乱数「ま、あながちジャイアニズムってのは間違いじゃなくね? 科学は全て木原の物! つまり現代社会は全て木原の物ぅー! ってな感じで」

数多「チッ、テメェらがどう言おうがそこのクソガキはナシだ」

乱数「つまんねー。じゃあ第一位とか貸してくれよ」

数多「いいよ」

乱数「いいのかよ!!」ケラケラ

円周「こんなにあっさり売られるアクセラお兄ちゃんって……」



864 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:19:30.70 sg/9aVlvo 502/574



乱数「さーて、じゃあさっさとこのバイオハザードの原因探ってサクっと解決しますかぁーっ」

数多「探るも何もそこに落ちてるチョコレートが原因だ。さらに言うなら犯人はお前の隣にいるクソガキ」

円周「どうもー犯人でーす」

乱数「おいおい何なんですかこれぇ? 推理ゲームが始まったと思ったらいきなり凶器と犯人登場キャラに教えられたんですけどぉ? 犯人いきなり自白しやがったんですけどぉ?」

数多「ゲームと現実を一緒くたにするなっつーことだろ」

乱数「世の中をゲーム感覚で動かしてるヤツだっているってのになー。まあ別にぃ、この事件の全貌なんて初めからわかってましたけどぉー」

数多「前置きはいいからさっさとやれ。尺稼ぎなんてつまんねー真似すんなよ」

乱数「まーまー、ただ推理を聞いて驚くだけのエクストラキャラは黙ってろって。さて、まずこのチョコレートに入ってる成分の中に『AMA5UG12-AROTA』というものです



乱数「これは甘いものを接収すると発生する脳内麻薬を強制的に分泌、よぉするに甘党の『甘いものがないと生きていけない』という状況を無理やり引き起こす薬品なんだよ」

ヴェーラ「そ、そんなものがあったのね……」

ナンシー「でもその言葉の通りならこの状況はおかしくない? だって甘党の人って結構いるけどここまで変な人たちじゃないじゃない」

乱数「そおぅ、そこっ! コイツはもともと家族で食卓を囲む一家団欒、っていうのを人工的に再現できないかって研究の一環として生まれたもんだ」

乱数「そん中でこれのターゲットは『甘いもの大嫌い! 顔も見たくない! ノースイーツ、スペシャルライフ!』って感じのアンチ甘党なヤツなわけ」

乱数「コイツを体内に摂取するだけで一時的にだけどどんなヤツでもノースイーツ、ノーライフの甘党にできるってことだ」

乱数「ま、逆に甘党のヤツや普通に甘いモン食えるヤツがこれを摂取したら効果が強すぎて、こんなキチガイアイドルファンみてーなヤツらが生まれるってわけだ」

ナンシー「なるほど、ようするにすごい薬なのね!」

ヴェーラ「ナンシー……何か小学生並みの感想になってるわよ」

円周「じゃあじゃあ、薬の効果はわかったんだけどこれの治し方はどーするのー? それ聞く限り時間が経つのを待つしかないよーだけど」

数多「何で犯人自ら解決方法聞いてんだよオイ」

乱数「なーに簡単な話だ! 所詮アイツラは舌から感じる『甘い』という情報に踊らせられてるに過ぎねえ。だったらその『甘い』という情報を弄ってやれば面白れぇーことが起きるわ

けだよな?」カチッ

ナンシー「うん? 何それ試験官?」

数多「ナンシー下がってろ」

ナンシー「えっ」


オーソン「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘すぎワロタ! 甘すぎワ――ヴェオエエエエエエエエエエエ!! 辛れええええええええええええっ!?」ジタバタ

マイク「( ゚∀゚)o彡甘すぎワロタ! 甘す――ぎゃああああああああああああああああッ!! ベロがっ! ベロがああああああああああっ!!」ジタバタ

デニス「( ゚∀゚)o彡甘――くねえええええええええ!! いやぁだあああああああああああ!! やめてぇえええええええええええええええええええ!!」ジタバタ

打ち止め「あぎゃー! 今まで味わったことのない辛味があああああああっ!! ってミサカはミサカはおばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」ジタバタ


乱数「味覚から得られる『甘い』という情報を全部『辛い』に変換する化学物質。『TUR4R3-T4K4R4』」

ヴェーラ「ひっ、一体何が起こってるの!?」

乱数「さっき言った通りだ同じことは二度も言わねーぜぇ? あとこれはカビに乗せて空気中にばら撒いてるから俺より前に行かないほうがいいかもよ? ここ一週間飲まず食わずで生

活してたっつーなら別だけど」

数多「へー、お前こんなことできたんだな。専門は喜怒哀楽の感情だけだと思ってたが」

乱数「何言ってんだ先輩? 食い物の好き嫌いも感情の一種だろぅ? いつも寡黙なクールキャラが好きな食べ物を目の前にしたときにいきなりハシャギだすみてーな感じに」

乱数「それに本当に美味いモン食ったら自然と笑みが溢れるとかよく言うだろ? あれだって『旨い』と脳内が認識して喜びにつながるわけだからな」

円周「ふむふむ、勉強になりますなー」



865 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:19:58.19 sg/9aVlvo 503/574



数多「……つーか乱数、一つ疑問があんだけよぉ?」

乱数「何だぁ? 気が向いたら答えてやるよ」

数多「何でこの症状見ただけで薬品名わかったんだお前? こんな症状になるヤクなんて思い当たるだけ何百とあるぞ?」

数多「それにソッコーでこれに対する薬品も懐から出しやがって、初めからわかってここに来たようにしか思えねえよなぁ?」

乱数「そりゃまぁな。これ円周にあげたの俺だし。バレンタインデーに使うからちょーだーい、とか言ってきたからつい」

数多「……オイオイオイ、探偵が犯人と共犯なんて斬新すぎる推理ゲームじゃねえかこれぇ?」

乱数「いやいや共犯なんて濡れ衣にもほどがあるぜぇ? 俺はこんなことするなんて知らなかったわけだからな」

数多「つまりテメェがこんなモン円周に渡さなきゃこんな面倒臭いかつ面白くねぇ状況にならなかったってわけだよな?」

乱数「イエス! 簡単に正解を求められる問題だったな、『1+1』のほうがまだ考えること多いんじゃねーかなぁーっ?」

数多「つまり報酬のクソガキはなしってことになるな」

乱数「何でだよ! こんなの絶対おかしいよ! ノーギャラとか今どきのブラック企業とかでもさすがにやってねえぞ!」

数多「これを認めたらテメーが報酬目当てで好き放題いろいろ仕掛けてくるっつー無限ループが発生しちまうだろ? だから無理」

乱数「チッ、バレたか……」

数多「そーいうわけでとっとと帰れ! あとカビの掃除もしとけよな」

円周「そーだそーだー帰れ帰れー」

数多「……ところで何でお前ここにいんの?」

円周「ん? 何でこの建物の中にいるかって話かな? それならここに住んでるからとしか……」

数多「いや、何でカビの効力のない安全地帯にいるのかって話だよ」

円周「それは私が悪くないからだよー。だって私は純粋に甘くて美味しいチョコレートを作ろうと――」

数多「…………」ドン

円周「えっ、ちょまっ――辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い!!」

乱数「ま、俺の用はすんだよーだしぃ帰るとするわ。あっ、あとこの辛い地獄は数分で回復するから安心しな。カビもそろそろ自然消滅する時間だしよ」

数多「つべこべ言わずとっとと帰れ」

ナンシー「ちょ、ちょっと社長いくらなんでもひどすぎませんか?」

数多「相手は『木原』だぞ? これくらい当然だろ」

乱数「ひっでー先輩だな。ほいじゃあさいならー!」ケラケラ

ヴェーラ「ありがとうございました!」

ナンシー「……しかし割れたガラス掃除大変そうねー」

乱数「あっ、言い忘れてたけどあのガラス割れてねえから!」

ナンシー「えっ? いやそんなことはないはず……だってさっきそこのガラスが割れて――ない!?」

ヴェーラ「そんな! たしかに割れてたはずなのに!」

乱数「ああ、あれ俺のカビを使ったパフォーマンスだからぁっ!! つまり全部ゲ・ン・カ・ク・お疲れ様でしたぁーっと!!」

ナンシー「えっ、えええええええええええええええええっ!?」

ヴェーラ「うるさいわよナンシー」

数多「つーかお前らあんなのに引っかかってたのかよ。空気の流れの変化からカビが侵入してきてることぐらい気付けよ」

ヴェーラ「いや、普通に考えて無理です」


―――
――




866 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:20:32.54 sg/9aVlvo 504/574



同日 15:45 ~帰りHR~

-とある高校・一年七組教室-



小萌「――というわけなので今から勉強を頑張ってください。以上で連絡は終わりなのですが……」



ドン!



小萌「今日はバレンタインデーだということなので先生から皆さんにプレゼントがあるのですよー!」



男子生徒A「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

男子生徒B「女神だ! 女神がここにいた!」

男子生徒C「生きててよかったああああっ!!」


女子生徒A「ちょっと男子うるさいわよ!」

小萌「まぁまぁ、皆さんというのはもちろん女の子たちの分もありますよー」

女子生徒B「まじ? やった!」


青ピ「さすが小萌センセやでーヒャッホーイ!!」

土御門「しかもあれは見たところ全て手作り! やっぱり最高の先生だにゃー!」

上条「マジでかすげえな小萌先生!」


吹寄「……ったく、いちいち反応が過剰なのよね馬鹿っていうヤツらは」

姫神「…………」ソワソワ

吹寄「ん? どしたの姫神さん? そんなそわそわして……あっ、そういえばもうすぐ時間か」

姫神「うん……心臓がやばい」ドキドキ


一方通行「……ケッ、月詠の野郎もよくやるモンだ」

結標「そそそそうね」

一方通行「あン? 声震わせてどォした?」

結標「い、いえ何でもないわ!」

一方通行「ハァ?」

結標(ほほほほ本当にヤバイわ! なんか知らないけどあっという間に放課後じゃない! まさかこんなに早く仕掛けてくるとは思わなかった!)


小萌「それじゃあ配りますので前の人から順番に受け取りに来てくださーい!」



ワイワイガヤガヤ




867 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:21:11.61 sg/9aVlvo 505/574



小萌「――というわけでホームルームを終わります。皆さんさようならなのですよー」


青ピ「おっ、何やこれ? 耳の形をしたチョコ……? いやよく見たらピアスしとるなこの耳」

土御門「俺のはグラサン型だぜよ。よーするに生徒一人ひとりの特徴を表してるんじゃないかにゃー?」

吹寄「あたしのはパーカー? ああ、大覇星祭の実行委員をしていたときのやつね?」

姫神「私は十字架。このペンダントのことかな?」スッ

結標「私のはこの懐中電灯の形をしてるわ。しかしすごい再現度だわ……」

一方通行「それぞれの特徴を出してるっつゥなら何で俺のチョコはホワイトチョコでギザギザの線を書いただけなンだよ。杖とかチョーカーとかもっとあっただろォが手抜きかよ」

結標「合ってるじゃない。いつもそんな感じの服着てるし」

土御門「しかしすごい先生だにゃー。こんなのを一人で全部用意したのか」

姫神「ほんと。さすが小萌先生。生徒思いのいい先生」

吹寄「そういえば上条当麻。あなたのチョコレートは何の形だったの?」

青ピ「カミやんのことやから右手とかか? それかまさかのツンツンヘアーのウニ型チョコとかか」ケラケラ

上条「それならまだわかりやすかったんだけどな。なぜだかハートの形をしたチョコなんだよな。これは一体俺の何を表してるってんだ?」

結標「こ、これって……まさか」

吹寄「たぶんそのまさかね、何となく予想はついてたけど」

姫神「おのれ小萌先生……やってくれる」ボソッ

上条「へっ? な、何だよ女子連中そのリアクションは?」

青ピ「カーミやーん。とりあえずBO・KO・BO・KOの準備はできとるかいな」ゴキゴキ

土御門「おーいみんなー! カミやんが小萌先生からハート型のチョコレートもらってるぜい!」


男子生徒D「あ゛ぁん!? 何だと!?」

男子生徒E「我らが女神小萌先生からハート型のチョコ、だと?」

男子生徒F「ちくしょおおおおっ!! 俺数学の円周率が得意って言ってたから『π』の形になっててちょっと興奮してたのが何か惨めに肝心じゃねえかゴルァ!!」


上条「えっ? えっ? 何この雰囲気?」


男子生徒G「黙れ! 今日は祝日となるだろう……上条死亡記念日だ!!」

男子生徒H「俺の拳が光って汗ばむ! お前を殴れと超泣き叫ぶ!!」

男子生徒I「きえええええええええええええええええええええええええええい!!」



ズドッ!! ゴシャ!! ズガン!! ドガァ!!



結標「……な、何かいつもの展開になったわね」

一方通行「くっだらねェ。帰る……」ガチャリガチャリ

結標「ちょ、ちょっと待って!」

一方通行「あン?」クルッ

結標「あの、えと……い、一緒に帰らない?」

一方通行「……別に構わねェが。つゥか同じところ住ンでンだから帰る道は同じだろォが。いちいち確認取ることじゃねェぞ」

結標「ご、ごめんなさい。ささっ、早く帰りましょ!」アセッ

一方通行「……あァ」ガチャリガチャリ



868 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:21:44.34 sg/9aVlvo 506/574



上条「」ピクピク


男子生徒J「ふぅ、スッキリした」

男子生徒K「裏切りモンはほっといて帰ろうぜー」



ワイワイガヤガヤ



上条「……チクショウ。上条さんが一体何をしたっていうんだ」ボロッ

姫神「上条君」

上条「何ですか姫神さん。この理不尽な暴力に屈してしまった上条さんに何か用ですか?」

姫神「理不尽かどうかは知らないけど。そんなに卑屈にならないほうがいい」


土御門「よっと、そろそろ俺らも帰るとしようぜい」

青ピ「おーいカミやーん! 帰ろ――ってあれおかしいなー足を動かしてるつもりなのに全然前に進まない」

土御門「奇遇だにゃーピアス君。実は俺もなんだ」

吹寄「ちょっと二人とも。こっち来なさい」グイグイ

青ピ「えっ何吹寄さん? もしかして告白!? 校舎裏とかでボクに告白するん!?」 

土御門「残念ながら吹寄、俺に舞夏という最高の妹がー」



ゴッ!!



吹寄「馬鹿言ってないできびきび歩く!」

土御門青ピ『……ふぁい』


上条「……何やってんだアイツら?」

姫神「吹寄さん。ナイスアシスト」ボソッ

上条「ん? 何か言ったか?」

姫神「何でもない。それより話がある。ちょっと来てもらえない?」

上条「話? 別にいいけど、ここじゃ駄目なのか?」

姫神「駄目。二人きりが好ましい」

上条「そーか。じゃあ行こうぜ」

姫神「うん」



吹寄(…………頑張ってね、二人とも!!)


青ピ「……で、ボクらは一体どこへ連れて行かれとん?」

土御門「さあな。もしかしたら吹寄のことだから裏の人身売買のオークション会場――」

吹寄「そんなとこ連れて行くか!!」


―――
――




869 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:22:13.07 sg/9aVlvo 507/574



同日 16:00

-ファミリーサイド・従犬部隊オフィス-


円周「――というわけで『オペレーション・ハニーハニースウィートバレンタイン』はどーでしたか数多おじちゃん!」


数多「うっとおしかった。どうでもいいからさっさとキッチン掃除しろ。チョコとか砂糖とかでぐちゃぐちゃにしやがって」

円周「はーい」ゴシゴシ

打ち止め「というかエンシュウひどいよー! ミサカには記憶ないけど変な薬盛ったんだよね? ってミサカはミサカは頬をふくらませながら問い詰めてみたり」プンプン

円周「ごめんねー打ち止めちゃん。甘いもの大好きの幼女が食べたらどーなるのか気になってたんだよねー」

打ち止め「まったく! 他の個体からの話だと少しの間ミサカネットワーク上から上位個体のミサカが消えてみたいなんだよ」

円周「そりゃ大変だったねー。よく崩壊しなかったねネットワーク」

打ち止め「ま、でもエンシュウのおかげであの人に渡すチョコレートが完成したからね、許そう! ってミサカはミサカは寛大な心の片鱗を見せてみせてみる!」

円周「さすが打ち止めちゃんちょろい! もとい心が広い!」

数多「ツッコミどころがありすぎるが……オイ打ち止め」

打ち止め「何?」

数多「そのクソガキに渡すチョコっつーのは例の薬物が入ったモンじゃねーのかよ?」

打ち止め「違うよ。これはれっきとした普通のチョコだよ、ってミサカはミサカは保証してみる。ちゃんと味見もしたし、ってミサカはミサカはさらに裏付けてみたり」

数多「……どういうことか解せねーな。ようするにお前らが言う『オペレーション・ハニーハニースウィートバレンタイン』って何なんだ?」

打ち止め「おいしいバレンタインチョコレートを作ろうって計画だよ。予想外に早くチョコが完成しちゃったから暇だー、って言いながらエンシュウが変なことを始めちゃったけど」

数多「つまりあれかぁ? 最初は世界一のチョコレート職人に俺はなる! って感じだったけど後半は円周が『木原』的に場をかき回したと?」

円周「私だって『木原』だからねー。これくらい当然だよ」

数多「……はぁ、それで? お前は何かそれで得られたもんがあったのかよ?」

円周「んー何だろ? 出る杭は叩かれるってことかな?」

数多「そりゃ上出来だな」

打ち止め「というわけではいキハラ! ってミサカはミサカは両手大の箱を手渡ししてみたり」スッ

数多「あん? 何だそりゃ? 淡希おねーちゃん辺りからのお歳暮チョコレートか?」

打ち止め「違うよ。ミサカが作ったチョコレートだよ! つまり手作りバレンタインプレゼントってことになるね、ってミサカはミサカはにっこり笑顔を浮かべてみたり」ニコッ

数多「嫌な笑顔だな。是非とも受け取りたくなくなる」

打ち止め「お願いキハラ。もらって? ってミサカはミサカは小動物的なうるうる目で上目遣いになってみたり」ウルウル

数多「そんな手が通じるのはクソガキだけだぜ?」

打ち止め「…………」ウルウル

数多「…………」

打ち止め「…………」ウルウル

数多「チッ、しょうがねーな。これ以上やってもうっとーしぃだけだ。受け取ってやるよ」スッ

打ち止め「わーいありがとキハラー! ってミサカはミサカは喜びを体で表現してみたり!」フリフリ

円周「相変わらずのツンデレおじちゃんだねー。結局受け取っちゃうんだよねー」

数多「誰がツンデレだ。そろそろテメェに木原神拳最終奥義を使う時が来そうだな」

円周「それは一度見てみたいけどここは勘弁願うほうが正しい選択だよね」



870 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:22:57.90 sg/9aVlvo 508/574



打ち止め「き、キハラ!」

数多「何だよ」

打ち止め「べ、別に今すぐ食べて感想を聞かせて欲しいとか思ってないんだからね、ってミサカはミサカはキハラに対抗して安易なツンデレキャラを演じてみたり」

数多「よーする食えってことだろ?」パカッ

打ち止め「そうなんだからね! ってミサカはミサカはツンデレキャラのまま頷いてみたり」

数多「わぁーったからそのムカつくキャラやめろ」パクッ

打ち止め「…………」ワクワク

数多「…………何つーか、イラつく甘さだな」モグモグ

打ち止め「ええっ!?」

数多「例えるならホワイトチョコにメープルシロップ練り込んで、その上に砂糖まぶしたあとにホイップクリームでトッピングした感じに」

打ち止め「な、なぜミサカの使った材料がわかったし、ってミサカはミサカは驚愕してみたり!」

数多「本当に入ってたのかよ」

打ち止め「で? で? おいしかったのおいしくなかったの? ってミサカはミサカは運命の二択を挙げてみたり」

数多「マズイ」

打ち止め「ぎゃー! ソッコーで辛口コメントが来たー! ってミサカはミサカは精神的大ダメージを負ってみたりー!」

円周「さすが数多おじちゃん! 幼女が相手でも容赦がない!」

数多「甘党の連中が食ったら知らねーけど一般人の目線から見たらマズイ。残念ながら俺の口には合わねえな」

打ち止め「ううっ……って待てよ? キハラがこのリアクションならあの人なら……!?」

数多「三角コーナーに即投げ込むレベルだろ」

打ち止め「ナンテコッタイ! そんなところまで計算してなかった……ってミサカはミサカは自分の欲望に溺れたことを後悔してみたり」

円周「世の中には当たって砕けろという言葉がある。あとはわかるよね?」

打ち止め「も、もしかしたら甘すぎて一周回っておいしく感じてもらえる可能性が……!」

数多「ねーよ」

打ち止め「ううっ」


円周「ところで私からも数多おじちゃんへバレンタインチョコレートがあるんだけど?」スッ

数多「それはポリバケツさんの口に入れてやれ。喜んで食べてもらえるぞ」


―――
――




871 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:23:30.08 sg/9aVlvo 509/574



同日 16:10 ~放課後~

-とある高校・四階~屋上の間の階段-


姫神「…………」テクテク

上条「……おい姫神、一体どこまで連れて行くつもりだよ」

姫神「……この辺でいいか」

上条「この階段ってたしか屋上に繋がるやつだっけか、屋上にでも行くのか? たしかこの学校は基本開放してねかった気がするけど」

姫神「別に屋上なんかにいくつもりなんてない。ここで十分」

上条「そうか。で、話ってなんだよ? こんな人目のつかないところに呼ぶっつーことは大事な話なんだろ?」

姫神「うん。私にとってとても大事な話……」

上条「何か深刻そうな表情だな。まさかまた事件か何かに巻き込まれたんじゃねえだろうな!?」

姫神「それはない。あなたじゃないのだから」

上条「何か俺がいつも変な事件に巻き込まれてるみてえな言い方だな」

姫神「事実なのだからしょうがない」

上条「まあたしかにそうだけど……でも最近はマシになってきたほうだぞ、起きてもせいぜい路地裏の喧嘩レベルだし」

姫神「なぜあなたはそんなに首を突っ込みたがるのか……」

上条「別に突っ込みたくて突っ込んでるわけじゃねえよ。何ていうか気付いたら突っ込んでたというか」

姫神「見守る側からすると。よく怪我をしているのを見るととても心配になる」

上条「ああ、それについては悪いとは思ってるよ。でもさ、それで救われる人がいるってんなら俺はそれでもいいと思ってるぜ」

姫神「それであなたが傷つくのなら。元もこうもないと思う」

上条「ははっ、たしかにそうだよな。インデックスのやつにもよくそう言われて怒られるよ」ハハッ

姫神「…………」

上条「……あれ? 何でそんなむすっとした表情をしていらっしゃるのですか姫神さん?」

姫神「何でもない。それより話が逸れた。もとに戻す」

上条「お、おう……」

姫神「今日。ここに連れてきたのは。上条君。あなたに渡すものがあるから」

上条「渡すもの? 何だよこの前貸した漫画か? 別にまだいいのに」

姫神「違う。それに漫画はもう返した。面白かったよ」

上条「あれ? そうだったっけ……あー、何か返してもらったような気がしてきた」



872 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:24:13.24 sg/9aVlvo 510/574



姫神「私が渡したいものは。……これ」スッ

上条「えっ? これって……?」

姫神「うん。バレンタインのチョコレート」

上条「へっ、あれ? 何で? たしかお前らって吹寄たちと一緒に作ったの渡してこなかったっけ?」

姫神「あれはフェイク。本当は吹寄さんだけが作った義理。私と結標さんはまた別にチョコレートを作っていた」

上条(マジかよ……ひょっとすると一方通行危ねえんじゃねえか?)

姫神「そういうわけで。こっちが本命。受け取って欲しい」

上条「あ、ああ。ありがとうございます」

姫神「…………」フゥ

上条「というか何でそんなフェイクとかまどろっこしいことしたんだ? 別に普通に渡してくりゃいいのに」

姫神「吹寄さんの提案。今みたいに上条君を驚かせるための。サプライズみたいなもの」

上条「たしかに驚いた……まさか姫神こんなもんくれるとは思いもしなかったな」

姫神「それ……ほんとに?」

上条「? おう」

姫神「……そう。だろうね」ハァ

上条「よくわかんねえけど何か残念な目で見られてるような気がするんだが……」

姫神「ほんと。あなたは残念な人」

上条「ぐっ、正直過ぎじゃないですか姫神さーん!」

姫神「ふふふ。冗談。半分くらいは」

上条「つまり半分はそう思ってるってことかよ!」

姫神「それは……どうかな」

上条「おのれ……意味深なセリフを吐きおって……ってやべっ! もうこんな時間か!」

姫神「どうかしたの?」

上条「いや今日バイトがあってさ、だから早めに帰ってインデックスのメシ作ってやらねえといけねえんだよ」

姫神「…………」

上条「あれ? 何かまた不機嫌そうな顔をしてないですか姫神さん?」

姫神「別に。ならとっとと行くといい。シスターがあなたを待ってる」

上条「お、おう! じゃ、また明日な姫神! チョコありがとなっ!」タッタッタ


姫神「…………ふぅ。すっごく緊張した」

姫神「やはり。最大の壁はあのシスターってことか」

姫神「まあでも。負けるつもりなんて。少しもないから……!」


―――
――




873 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:25:12.80 sg/9aVlvo 511/574



同日 16:20

-第七学区・街頭-


結標(……さて、姫神さんはうまくいったのかしら? まあ姫神さんは私と違ってしっかりしてるし大丈夫だろう)

結標(そう。問題なのは姫神さんと違ってしっかりしていないこの私よね? だって――)


一方通行「……ふァー、眠みィ」ガチャリガチャリ


結標(どうやって話の展開を持っていけばいいのかさっぱりわからないいいいいいいいいいいいいいいいっ!!)

結標(あれ? 普段ってどうやって会話してたのだっけ? 何だかそれすらわからなくなってきたわ!)

結標(そんなんじゃ絶対本命チョコを渡すの流れを作るのなんて絶対無理じゃない!)


一方通行「……あン? どォした? そンな険しい顔してよォ?」

結標「あっ、えっ、やっな、何でもないわよあははははっ」アセッ

一方通行「……そォいやァよォ、今日のオマエらからのバレンタインのクッキー、味はなかなか良かったと思うぞ」

結標「そ、そう、そうよね。さ、さすが吹寄さんだわ!」

一方通行「ハァ? 吹寄?」

結標「あっと、違う、吹寄さんたち、よ! 二人が料理が上手なおかげであんなにおいしいものが出来たってわけよ」アセッ

一方通行「へー」


結標(あ、危なかったわ……危うくこのサプライズがバレちゃうところだったわ)

結標(というか何よコイツ? いきなりクッキーのこと褒めるなんて似合わないことして……!)


一方通行(……今のリアクションからして、あのクッキーは吹寄オンリーで作ったのは確定だな。そもそもあのクッキー内に異物が混入してねェ時点でわかってたことだが)

一方通行(つまり、コイツ製作の本命チョコレートはまだ手の中に残ってるっつゥことになるな。おそらく食った瞬間天使化しちまうかもしれねェくれェの兵器が)

一方通行(……そォなるわけにはいかねェな。絶対ェ回避してやるよ。俺の持てるチカラ全てフルに使ってでもな)


結標「……ええと一方通行? その、話があるんだけど――」

一方通行「あっ」

結標「な、何どうしたの!?」

一方通行「そォいや買った缶コーヒー全部上条ン家置いてきてたの忘れてたな。ま、イイか全部アイツらにくれてやるか」

結標「そ、そうなんだ……じゃなくて、えっと話が――」

一方通行「しゃーねェな。ちょっとコンビニ寄ってコーヒー買って来る」ガチャリガチャリ

結標「えっ、えっ、ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 私も行くわ!」


一方通行(……へっ、楽勝なンだよ格下が。こォいう風に徹底的に話を逸らせて逃げ切ってやるぜ……このクソみてェなバレンタインデーからよォ!)


―――
――




874 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:25:44.73 sg/9aVlvo 512/574



同日 16:30

-第七学区・とあるファミレス-



初春「――御坂さん! 白井さん!」

佐天「ハッピーバレンタイン!! あたしたちのチョコレート受け取ってください!!」



美琴「あはは、ありがとう二人とも」

黒子「ありがたく受け取らせていただきますわ」

美琴「じゃあこっちからもお返しよ、初春さんに佐天さん」

黒子「遠慮無く受け取りなさいな」

佐天「おおっー! さすが白井さん! 高級感が半端ないですね!」

黒子「そんな大したものではありませんの。気にせずお召し上がりくださいな」

初春「こ、これはあの店のチョコレート……! ありがとうございます白井さん!」

黒子「大げさな……しかしわたくしのだけじゃなくちゃんとお姉様のにもリアクションしなさいな。お姉様お手製ですのよ?」

佐天「まぁ、御坂さんのは昨日一緒に作ったのでどんなのか大体わかりますし」

初春「ですねー」

黒子「は? お、お姉様? これは一体どういうことでしょうか……?」

美琴「いや、寮で私がチョコの手作りとかはちょっとマズイじゃない? だからまた佐天さんの部屋にみんなで集まって一緒に作ってたのよ」

黒子「聞いてませんよそんな話!! な、なぜ黒子もお誘いしてくれませんでしたの!?」

初春「だって白井さんは昨日ジャッジメントの仕事で忙しかったじゃないですか」

佐天「そーゆーわけで無理に誘って仕事の邪魔をしてはいけないということなので、ここはそっとしておくことにしたわけですよ」

黒子「ぐぬぬぬぬ、わたくしがいないところでそんな楽しいイベントがあったなんて……というかなぜ初春だけ昨日は非番でしたの?」

初春「そんなの決まってるじゃないですか。バレンタイン前日ですよ? 一ヶ月前から調整してちょうど今日明日が非番になるようにしたんですよ」

黒子「おのれ初春のくせにいいぃぃ!」グギギギ

美琴「まあいいじゃない別に。お菓子作りぐらいまた今度付き合ってあげるわよ」

黒子「本当ですかお姉様!? では、では、今度わたくしと二人きりで愛を育むお菓子作りを……!」

美琴「はいはい四人でねー」

黒子「ひどいですわお姉様! そうやって黒子をまた弄んで!」

美琴「弄ぶ気もアンタと愛を育む気もさらさらないんだけど」



875 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:27:08.11 sg/9aVlvo 513/574



佐天「さて、いつもの世間話からここで御坂さんのバレンタイン大作戦の話にシフトするわけですけど」

美琴「えっ、どうしてそうなるの?」

佐天「せっかくバレンタインなんですし、そういう話もしたくなりますよ。どうせ渡すんでしょ? 上条さんに」

美琴「えっ、ええっと……ま、まあ」

初春「ですよねー。作ってたチョコレートの中に明らかに力の入ったのがありましたし」

佐天「御坂さん! バレンタインのチカラは大きいですよ! ここで一気に決めてしまいましょう!」

美琴「き、決めるって……別にアイツはそんなんじゃ」

佐天「もう御坂さん! そんなんじゃ一生思いなんて伝わったりしないですよ!」

初春「そうですよ! たしかにツンデレは需要は多いかもしれませんが、結局は素直にならないと駄目なんですから!! デレなきゃいけないですから!!」

美琴「つ、ツンデレなんかじゃないわよ!」カァ

佐天(相変わらずのツンデレかわいいのー)ニヤニヤ

黒子「…………」ズズズ

初春「……あれ? 白井さん、珍しく上条さん関係の話で突っかかってきませんね。どうかしたんですか?」

黒子「ふん、黒子はもう大人になりましたの。あんな類人猿に右往左往される女じゃないんですの」

初春「ようするにやっと諦めた、ということですねわかります」

黒子「諦めてませんの!! ……わたくしはお姉様が類人猿に愛想を尽かし戻ってくるのを待つことにしましたの。待てる女はいい女ですのよ」

佐天「で、御坂さん? どういうプランで行くんですか? やっぱり無難に『チョコを渡す→告白』みたいな感じですか?」

美琴「こ、ここ告白ぅ!? し、しないわよ告白なんて!」

佐天「あれ? ここで決めるんじゃなかったんですか?」

美琴「佐天さんが勝手に言っただけじゃない。そ、それにさっき言った通りそんな関係じゃないし」

佐天「でもあげるんでしょ? チョコレート」

美琴「それは……うん、そ、そうだけど」

佐天「じゃあ何で上条さんにあげるんですか? チョコレート」

美琴「そ、それは、あ、アレよ! 義理よ義理! どうせアイツのことだから誰にももらえなくて涙ぐんでるだろうから、かわいそうだから私が仕方がなく恵んであげるのよ」

佐天「あれ? 前はアイツの周りにはいつも女の子がいる、とか言っていたような……」

初春「というより御坂さん。そんな仕方がなく渡す相手のチョコレートを何であんな本気な感じで作ったんですか?」

美琴「べ、別にそんな本気で作ってたわけじゃ……」

佐天「うっそだー! あんなに丁寧にデコレーションまでして、厳重かつかわいくラッピングしてたのにー?」

美琴「うっ、ちょ、ちょっとトイ――」

佐天「逃がしませんよ御坂さん!! いい加減に白状したらどーですかい!!」

美琴「ひっ、何か佐天さんいつもとキャラ違う……というか何を白状しろって言うのよ!」

佐天「そのチョコレートは本命なんだろ? そうなんだろう? こっちはネタが上がってんだよいい加減にしろぃ!!」

美琴「佐天さんが怖いわ! う、初春さん!」

初春「たまにはいいんじゃないですか? 一皮むけるチャンスですよ!」キラキラ

美琴「い、いらないわよそんなチャンス! く、黒子!? ちょっと助けてよ黒子!」

黒子「……お姉様」

美琴「な、何よ?」

黒子「わたくしは正直お姉様が腐れ類人猿をお慕いしているなどと絶対に認めたくありませんの。しかしこれだけは言わせて欲しいですの」



876 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:27:45.19 sg/9aVlvo 514/574




黒子「常盤台のエース御坂美琴がそんなんでどうするんですのおおおおおおお!!」ドン



美琴「!?」ビクッ

佐天「おおっ!」

初春「なぜだか知りませんけど白井さんがこっち側に来た! これで勝つる!」

黒子「わたくしの尊敬するお姉様はそんなグダグダと言い訳をしてるような人ではありませんの!! もっとドッシリ構えてズバズバとモノ言うのが黒子のお姉様ですわ!!」

美琴「…………」

黒子「さあおっしゃってくださいお姉様! どうしたいんですか!? 上条当麻のことをどう思ってらっしゃるのですか!?」

美琴「わ、私は……」

初春「さあもう一息ですよ!」

佐天「頑張れ御坂さん!」



美琴「わ、私はアイツに、私のチョコレートを受け取ってもらいたい……! そ、そして……アイツに想いを伝えたい……!」



佐天「よし言った!」

初春「御坂さんが完全に私たちに心を開いてくれました!」

美琴「ちょ、ちょっとリアクション大げさすぎない?」アセッ

黒子「ふふっ、よく言えましたのお姉様。それでこそ御坂美琴ですの」

美琴「……ありがとね黒子」

黒子「これで安心して……ごぱぁ!!」

美琴「黒子!?」

佐天「わっ、白井さん大丈夫ですか!?」

黒子「だ、大丈夫心配ご無用ですの……敵に塩を送るなんて柄じゃないことしてしまったので、体に負担がごふっ!!」

初春「し、白井さん! 無茶するからー」

美琴「……黒子。私、頑張るね!」

黒子「ふふっ……ご武運おぶぁ!!」


佐天初春『白井さん!!』



―――
――




877 : ◆ZS3MUpa49nlt[s... - 2013/09/29 22:28:19.19 sg/9aVlvo 515/574



同日 16:40

-とある高校男子寮・上条当麻の部屋-



ガチャリ



上条「ただいまー、ってありゃ? インデックスのやついねえのか?」

上条「つーかまた鍵閉めずに出かけやがったなあんにゃろう!」

上条「……さて、たしかバイトは五時半からだっけ? だったら適当にすぐ作れるもん二つくらい作れるか」


上条「えっと冷蔵庫には何が残ってんだ」ガチャ

上条「…………そうだなー、モヤシ残ってっからモヤシ炒めは確定。おっ、ウインナーの残りが奥から出てきた。コイツをモヤシ炒めと混ぜるか……」

上条「あとは安かったから買い溜めてたうどんでも湯がいとくか。あっ、そういやあいついなかったんだっけな……」

上条「ま、冷やして隣に麺つゆでも置いてざるうどんにでもしとけばいいか……」

上条「そんで学校行く前に準備してた炊飯器をスイッチオン。あらかじめ炊いとくと勝手に食いやがるやつがいるからなーははっ」

上条「よし、そいじゃあ上条さんの十五分クッキングのスタートだ」



~十五分後~



上条「よっと、ざるうどん完成っと……」

上条「こんだけ作りゃ頭蓋骨噛み砕かれることはねーだろさすがに」

上条「おっ、もうこんな時間か。軽く走っていきゃ余裕で間に合うか」

上条「そうだ書き置きしとかなきゃな。ええっと『レンジで温めんのはモヤシ炒めだけだ!! うどんは違うぞ!!』っと」カキカキ

上条「えーあとは鍵か。どうせアイツ持って出てないだろうな……。持ってたら普通閉めてくし」

上条「しょうがねー、いつもどおりポストの中入れとけばわかんだろ。仮にも完全記憶能力保持者なんだからな」

上条「おし、それじゃあいってきまーす、って誰もいねえのに何言ってんだろうな俺」



ガチャリ



―――
――




パート【5】に続きます

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