part1 【前編】 【後編】 part2 【前編】 【後編】 の続きです
元スレ
一方通行「そンな実験で絶対能力者になれるわけねェだろ」part3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306251545/
登場人物紹介
・一方通行
主人公。夢見る童貞第一号。運命的な出会いを捜し求めて日々彷徨う。
最近やけにフラグが立っており、彼の家は半ばハーレムと化している。
が、好みではない、との理由でそれらを一蹴している。
爆発しろ。
・垣根帝督
サブ主人公。夢見る童貞第二号。
真面目な仕事モードの時は二枚目、普段は三枚目。つーか馬鹿。
最近は同じ超能力者の第四位、麦野沈利にご執心。
以下、一方通行宅に住んでいる面々。
・御坂美琴
自覚の無いストーカー。ついに一方通行の家に勝手に住み着く。
何だかんだあって何度も一方通行に命を助けられている為、フラグが立ちかけていたりいなかったり。
基本的に残念。
・結標淡希
ショタコンストーカー。一方通行にショタの可能性を垣間見て彼に付き纏う。
一方通行によく殴られたり埋められたり壁のシミにされたりしているが、いつの間にか再生している。
非常にアクティブな変態で積極的。
・番外個体
ヤンデレストーカー。比喩表現でなく一方通行を食べそうになった。
一方通行の為に作られた個体であり、結標と同じく非常に積極的。
何故か可愛いと評判。何故だろう?
・絹旗最愛
妹キャラ担当。一番の常識人。どこまで持つかな……
元はアイテムの構成員だったが、一方通行に「暗闇の五月計画」の被験者だと言ってしまった為、
彼に妹認定されて半ば拉致られるように彼の家に住まわされる事になる。
最初は嫌がっていたが、今は満更でもない様子。
す、ストーカーしかいねぇ……
童貞の歩んだ軌跡
・9月19日
大覇星祭。一方通行と垣根、御坂美鈴と知り合う。
一方通行を誘惑しようとしたオリアナ=トムソンを結標が撃破する。
一方通行と垣根、玉入れ合戦にこっそり参加し大暴れ、大覇星祭が中止になる。
・9月30日
一方通行、木原数多と遭遇するも、彼の事を完全に忘れていた。
キレた木原にボコられるも、極限状態で黒翼が発現、欲望のまま木原を犯そうとするも未遂に終わる。
・10月3日
垣根の所属する暗部組織『スクール』が学園都市上層部からスキルアウト討伐の依頼を受ける。
垣根とスキルアウトのリーダー駒場利徳が戦闘、圧倒的な力で垣根が駒場を叩きのめすも、
トドメは刺さず、駒場をスクールの隠れ家に匿う。
垣根、無能力者狩りを行っていた連中を殲滅する。
・同日
一方通行と垣根、酔っ払った御坂美鈴に絡まれる。
御坂美鈴、浜面仕上をはじめとするスキルアウトの集団に襲われる。
美鈴に助けを求められた垣根と一方通行がスキルアウトを潰す。
・10月7日
一方通行、御坂と結標が家に住み着く事を許容する。
結標の料理で死に掛ける。
・10月8日
一方通行と垣根、結標と料理の特訓をする。
・10月9日
『ピンセット』を巡って『アイテム』と『スクール』が戦闘を行う。
はずだったのだが、スクール側の参加者は垣根と一方通行。
一方通行、絹旗が『暗闇の五月計画』の被験者だとしり、彼女を引き取る。
垣根と麦野が交戦、始終垣根が圧倒するも、色々あって痛みわけ。
・10月10日
一方通行、猫を拾い妹達にプレゼントする。
・10月30日
天井亜雄復活。が、すぐに退場。
一方通行、番外個体の襲撃を受ける。
かなりいい感じになるも、ビックリするほどヤンデレだったので結局童貞は捨てれず
小ネタ放出
―垣根編
垣根「お邪魔しまーす」ガチャ
麦野「………は?」
垣根「よっす、結構いいとこ住んでんだなオマエ」
麦野「いや……え?」
垣根「ん、どうした麦野?女の子の日か?」
麦野「ぶち殺すぞ……じゃなくて、何でテメエがここにいるんだよ!?」
垣根「いちゃ悪いのか?」
麦野「悪いに決まってんだろ!!どうやって私の家を知った!!?」
垣根「あーほら、オマエんとこの金髪いるじゃん?」
麦野「……フレンダか?」
垣根「そうそう。この前偶々そいつ見かけてよ、とっ捕まえて教えて貰ったんだわ」
麦野「フレンダァァ……覚えてやがれぇ……」
垣根「まぁそう怒るなよ、アイツは俺たちのキューピッドなんだ」
麦野「意味がわからねぇ、死ね、帰れ」
垣根「俺の女になれよ、麦野(キリッ」
麦野「今更かっこつけてんじゃねぇぞ死ね」
垣根「何が不満だってんだテメエは!?」
麦野「テメエの存在そのものが不満だよこの馬鹿!!」
垣根「何故だ!!俺はオマエの事がこんなに好きなのに!!」
麦野「はぁ……一応聞いといてやるけど、オマエは私の何処がそんなに気に入ったんだよ」
垣根「何処……っつわれてもなぁ……初めて会った瞬間ビビッと来たんだよ。オマエ来なかった?」
麦野「殺意でバチバチキてたわ」
垣根「あーいきなりビーム撃ってきたもんなぁ、懐かしい」シミジミ
麦野「いつでも撃ってやるよクソ野郎」
垣根「それはあれか?いつでも俺の側にいてくれるっていう……」
麦野「さんにーいちドパーン!!」バシュン
垣根「ハハッ、無駄無駄!!」ファサ
麦野「マジでムカつくわ、何なのその翼?似合わないのよメルヘン野郎が」
垣根「え……似合わない?マジで?」
麦野「自覚ねぇのかよ!!」
垣根「だって翼生やすって男の子の夢じゃん……それが似合わないってマジ凹むんだけど……」
麦野「落ち込むなうざってぇ、つーかそんな夢持ってた男なんてオマエくらいだ、この童貞が」
垣根「言ってくれるじゃねぇか処女のくせに」
麦野「だだ、誰が……」
垣根「隠さなくていいだろ、俺とオマエの仲じゃねぇか」
麦野「敵同士だろうが!!マジでぶち殺すぞ!!!」
垣根「そういう強気な態度も好きだぜ?俺にそんな態度取れる女なんてそう多くはねぇからな」
麦野「あぁ?見下してんじゃねぇぞコラ」
垣根「あ、それと脚が好きです」
麦野「……はい?」
垣根「ちょっと太めのむちむちした脚が大好きです」
麦野「気持ち悪ぃ目で見てんじゃねぇ!!悪かったな脚太くて!!」
垣根「あぁ!?その太さが最高なんだろうが!!例えオマエでもオマエの脚を馬鹿にするのは許さねぇぞ!!」
麦野「意味がわかんねぇんだよ変態野郎がァァァ!!!」
垣根「わかれよ!!オマエの脚はすげぇんだって!!この前蹴られた時にちょっと新しい世界に入りかけたくらいだ!!
次は三角締めとかやってもらいたいです!!」
麦野「わかって堪るか変態がああああ!!!テメエ十分新しい世界に突っ込んでるだろ!!」
垣根「まぁそんだけ凄いのよオマエの脚。ホント絶妙なバランス」
麦野「ふぅん、そんなに私の脚が好きなら跪いてキスでもしてみる?」ニヤ
垣根「えっ」
麦野「それだけじゃつまんないか、丹念に舐めてもらおうかしら。ねぇ、格上の第二位様?」クスクス
垣根「……」
麦野「どうしちゃったのかにゃーん、俯いちゃって?プライドが傷ついちゃったぁ?」
垣根「……墓穴を掘ったな麦野」ジリッ
麦野「え?」
垣根「俺はやるぜ……一切の躊躇も後悔もなく、オマエの脚を舐め回すぞ」ジリジリ
麦野「なっ……だ、だからテメエにはプライドってもんがねぇのかよ!?」
垣根「前にも言ったはずだ!最大限の成果を得る為には、プライドなど邪魔なだけだと!!」ジリジリ
麦野「ま、待てそこで止まれ!!それ以上近付くなあああ!!」
垣根「断る!!俺は既に大義名分を得た!!他ならぬオマエが『舐めろ』と言ったのだからなぁ!!」
麦野「意味がわからねぇんだよおおお!!!」
垣根「あ、ストッキングは脱ぐなよ?そのままがいい、そのままが」
麦野「脱がないわよ馬鹿!!ていうかホントこっち来ないでよ!!」バシュンバシュン
垣根「無駄無駄無駄ぁ!!!」ファサ
麦野「う、うああああ!!!来るな!来るなぁぁぁ!!!」
垣根「強気な女の子が怯えてる姿ってどうしてこうそそるんだろうなぁ……一方通行は何でわからねぇんだ?」
麦野「死ねえええええ!!!!」シュッ
垣根「ハッ、また蹴りか!!甘ぇんだよ!!」ガシッ
麦野「!!?」
垣根「自分から脚を出してくれるとは好都合だ、さぁてそれじゃ……」
麦野「やだやだやだ!!やめて!やめてよぉ!!!」
垣根(やだ、可愛い……)スッ
麦野「お願いやめて、やめて……」
垣根(ウッ……)
麦野「うぅぅ……」グスン
垣根「麦野……」ギュッ
麦野「え?」
垣根「すまなかった。どうかしてたんだ、オマエを傷つけるような真似するなんて……」
麦野(何?雰囲気が変わった……?)
垣根「なぁ麦野、俺達は良く似てると思わねぇか?」
麦野「な、何が?(何か変な臭いが漂って……)」
垣根「レベル5として周囲から避けられ、恐れられ、期待され……偽者の自分を演じて来た」
麦野「……」
垣根「そうしなければ……仮面を被り、強い自分を演じなければ、生きられなかった
本当はガラス細工のように弱いのに、誰にもそれを見せる事は出来なかった
……他人を信用できず、本当の自分を晒そうと出来なかったのも弱さなんだろうな」
麦野「……(臭いが気になって何言ってるか全然耳に入って来ない……)」
垣根「そうした生き方が間違ってたとは思わねぇ、弱みを見せるとすぐに付け込まれるのが暗部って場所だ
でも、もういいんだ……」
麦野「え?(ていうか何で私はこいつに抱きしめられてんだ?)」
垣根「俺達は同じ弱さを持ってる、そんな二人しかいない時くらい、素の自分を曝け出してもいいんじゃねぇか?」
麦野「垣根……(何言って……ん?何か脚にねっとりしか感触が……)」
垣根「傷の舐めあいだって笑うか?それでも構わねぇ……俺はオマエを……」
麦野(何だろこのねちゃっとしたの……コイツのズボンから染みてきてる……?)
垣根「―――」
麦野(これってまさか、男の人の……)カタカタカタ
麦野「いやああああああ!!!!」ブン
垣根「ほわぁ!!?」キーン
麦野「あ……(い、今の感触って、また……)」
垣根「む、麦野……?何故このタイミングで俺の股間に膝を入れた……」プルプルプル
麦野「やだ、やだあああああ!!!」ゲシゲシ
垣根「ちょ、タイム!待って!!!麦野ぉぉぉぉ!!!!」
麦野「にゃあああああ!!!」ガンガンガン
垣根「ぐあああああ!!!!」
―――――――――――――――
―――――――――
――――
―フィアンマ編
フィアンマ「なんという、なんという失態だ……」
フィアンマ「この俺様とした事が……」
フィアンマ「こんな事があっていいのか!?」
フィアンマ「……まさか」
フィアンマ「まさか天使に穴が無いとはなぁ……ッッ」
ガブリエル「……?」
フィアンマ(表面はすべすべした布状のものに覆われている……
目や鼻、口は凹凸で表現されているだけで穴は開いていない)
フィアンマ(穴がなければほとんどの性行為は不可能……素股くらいはいけるか?
……いや、どちらにしろ童貞を捨てる事は出来んな)
フィアンマ「せっかく頑張って呼んだのに……」ジッ
ガブリエル「gmaci何svka」
フィアンマ「いや、何でもないぞガブちゃん。
俺様は紳士だからな、穴がないからといって追い出したりはしないさ」ハァ
ガブリエル「hjavn私mfakh帰sfjhla」
フィアンマ「まぁ待て、折角来たのだから紅茶くらい飲んで行ったらどうだ?
今俺様が最高の一杯を入れてやろう」
ガブリエル「mnhs茶skcjk」バンバン
フィアンマ「ハハッ、待ちきれないか?可愛いな、行動は
だが机を叩くのはやめろ、建物全体が揺れている、これでは紅茶を淹れる事が出来ん」
ガブリエル「sjkf謝罪 kdlhq」
フィアンマ「何、気にする事は無い。まだ人間の世界に来たばかりなのだからな
ゆっくりと慣れていけばいいさ……なぁ、ヴェントよ」
ヴェント「」
フィアンマ「どうしたヴェント、何を呆けている?貴様も俺様の淹れる紅茶が飲みたいのか?」
ガブリエル「jkahmc茶sjkjhkl急asfdihgak」
フィアンマ「そう急かすなガブちゃん、本物の紅茶というのは時間がかかるものなのだ」
ヴェント「いやいや!!何やってんのよアンタ!?ていうか何!?天使!?はぁ!?」
フィアンマ「やかましいぞ、大天使の一体くらいでそう騒ぐな」
ヴェント「騒ぐわよ!!何なんだ!?ホント何やってんだテメエは!?」
ガブリエル「sjha黄色macgvバナナskhyq」バンバン
ヴェント「痛い!痛い!!ちょっと、叩くのやめろ天使!!!」
フィアンマ「どうもオマエの姿を見てバナナが食べたくなったようだな」
ヴェント「あぁ!?誰がバナナだ!!!」
フィアンマ「俺様に言われても知らんよ、バナナを買ってきてやってくれないか?前方のバナナ」
ヴェント「ぶっ殺すぞテメエ!!!」
ガブリエル「shjkcバナナchlk食kdhjg」アーン
フィアンマ「いただきます、だそうだ」
ヴェント「ぎゃあああ待て待て!!!行くから!!行ってくるから!!」
フィアンマ「うむ、殊勝な心掛けだな。ところでガブちゃんよ」
ガブリエル「ckgv何mngs」
フィアンマ「オマエ目も口もちょっと凹んでるだけで穴がないんだが、人間界の物を食べられるのか?」
ガブリエル「………khssfht迂闊chklajga」
フィアンマ「だよな……」
ヴェント「もう何処からつっこめばいいかわかんないわよ……」
フィアンマ「だから、穴が無くてつっこめないから悩んでいるのだ!!」
ヴェント「知るかぁぁぁ!!!」
ガブリエル「hjskh帰mnhsj」
フィアンマ「まぁ待て、食べ物は無理でも飲み物はいけるかもしれんぞ?
オマエの体表は布っぽいから染み込んでいくかもしれん
ほれ、試してみろ」スッ
ガブリエル「fjaksdh謝々dahlgsh」グッ
バシャァ
ガブリエル「gcasjgkmn熱cnakhdagsjk!?」
ヴェント「思いっきり顔面から被ったぁぁ!?」
フィアンマ「ふむ、やはり無理だったか」
ヴェント「わかっててやらせたのかよ!?」
ガブリエル「……」プルプル
ヴェント「あぁもう何か怒ってる……?多分怒ってるんだよな、これ……ん、何だ?外が暗く……」
ガブリエル「cjkgkg夜kcghklg召喚dajgkfa cahljgfqj……」
ヴェント「」
フィアンマ「ほう、怒りのあまり天体制御で夜を呼んだか?とすると、この後は……」
ガブリエル「命令名『一掃』―――」
フィアンマ「やはりな、ガブちゃんめ、星を落とす気だ」
ヴェント「紅茶で火傷したくらいで国を滅ぼす気かああああ!!!!」
ガブリエル「――――投下」
ヴェント「うわああああああ!!!!」
フィアンマ「やれやれだな、全く」
※振ってきた炎の矢はフィアンマさんが何とかしました
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― 一方通行編
一方通行「それじゃ今から部屋割り決めンぞ」
御坂「増えたわねぇ、同居人」
結標「私とあっくんの愛の巣だったのに……」
絹旗「こんなに広いマンションなのに超部屋が足りなくなるとは……」
番外個体「別にミサカと第一位以外は追い出してもいいんじゃないかな?」
結標「一番の新入りが何言ってんのよ!足りないのは一部屋だけなんだからあなたが出てけばいいでしょう!?」
番外個体「露出狂のショタコンさんは黙っててもらえる?昨日警備員に捕まりそうになってたくせに」
結標「か、関係無いじゃない!!」
番外個体「あるよ、第一位に迷惑かけてんじゃん!」
一方通行「喧嘩してンじゃねェ、まとめて放り出すぞコラ」
番外個体「へぇ、ミサカの事放り出すんだぁ?……どうなるか、わかってるよね?」ジッ
一方通行「…………さっき結標が言った通り足りないのは一部屋だけだからなァ、
誰か二人が相部屋になればいいわけだ」
絹旗「超スルーしましたね、超ヘタレめ」
御坂(番外個体と結標さんが濃すぎて私と絹旗さんの影がどんどん薄くなっていく未来が見える……)
一方通行「でまァ、順当に考えてオマエら四人の内の二人が……」
番外個体「はいはーい!ミサカは第一位と一緒の部屋がいいでーす!」
結標「ちょっとずるいわよ!!あっくんは私と一緒に……」
御坂「何言ってんの二人とも!?許さないわよそんな事!!」
番外個体「はぁ?何でお姉様が反対するわけ?」
結標「……まさか、御坂さんもあっくんと同じ部屋が?」
御坂「そ、そんなわけないでしょ!?た、ただコイツが一線越えちゃマズい理由があるだけで……」
一方通行(なァンで俺はこンな居候どもの為に頭悩ませてンだろォなァ……)
絹旗「一方通行、お茶とか超飲みたくないですか?」
一方通行「ン、あァそォだな……確かにちょっと喉渇いてるわ」
絹旗「では超淹れて来てください、私の分も」
一方通行「この野郎……」
結標「ふん、私はあっくんの半パン姿を見た事があるのよ!それに何度も愛の鉄拳を喰らってるわ!!
あなたとは与えられた愛の数が違うのよ!!」
番外個体「ふーんだ!ミサカなんて第一位の血の味を知ってるんだからね!!
それに愛の鉄拳ならミサカも喰らったよ!大事なのは回数じゃなくて愛の深さでしょ!!」
御坂「流石についていけなくなって来たわね……」
絹旗「ついて行かないでください、超お願いですから」
一方通行「はァ、もォいい埒が開かねェから俺の独断で部屋割り決めるぞ」
結標「そうね、ここはあっくんに選んでもらいましょう!!」
番外個体「誰が第一位にふさわしいか?あひゃひゃひゃ!!わかりきったことじゃん、そんなの!」
御坂「……わ、私を選んだりしないでよ!?」ドキドキ
絹旗(この人達は一体何を超言ってるんでしょうか?)
一方通行「結標、番外個体、オマエら二人相部屋な」
結標「」
番外個体「」
御坂「……あ、そういう事か」
絹旗「そりゃそうでしょう、なんで『誰が一方通行と同じ部屋になるか』なんて流れになってたんですか……」
一方通行「そンじゃ番外個体は結標の部屋に移動、後は今まで通りでいいな」
絹旗「超了解です」
御坂「はーい」
結標「ちょ、ちょっと待ってあっくん!!」
番外個体「そうだよ第一位!!どうしてミサカがこんなショタコンと……」
一方通行「それじゃ解散な、俺はちょっと出かけてくるから」スタコラサッサ
結標「あっくぅぅぅぅん!!!」
番外個体「逃げるなああああ!!!」バチバチバチ
一方通行「うおォ!?躊躇無く電撃飛ばすンじゃねェ!!」
―その夜、就寝前
結標「……ねぇ」
番外個体「……話しかけないでよ」
結標「……聞きたい事があるんだけど、いい?」
番外個体「ちょっと、ミサカの言った事聞こえた?」
結標「あのさ、」
番外個体「人の話を……」
結標「あっくんの血って、どんな味がしたの?」
番外個体「え」
結標「甘かった?美味しかった?ねぇ、教えて?」
番外個体「……ただじゃ教えられないね」ククク
結標「相応の対価が必要って事?いいわ……これを見なさい」ピラ
番外個体「こ、これは……」
結標「そう、大覇星祭の時のあっくんの写真よ」
番外個体「……」ゴクリ
結標「私達、仲良くやれると思わない?」クス
番外個体「……そうだね、いがみ合うよりも情報を共有したほうがメリットが大きそうだ」ニィ
結標「まぁ、最終的にあっくんを貰うのは私だけど」
番外個体「フフン、どうかな。第一位はミサカを抱きしめてくれたんだよ?」
結標「ちょっとその時の感触詳しく」
番外個体「その前に……」スッ
結標「握手、ね……いいわ、正式に同盟を結びましょう」ギュ
番外個体「ライバル同士だね、ミサカ達は」ニタァ
結標「仲良くやりましょう?その時が来るまでは」クスクス
第一次変態ヤンデレ同盟、結成
11111号「クイズ、『一方通行に聞いてみよう!』のお時間です、とミサカはマイク片手に声高に宣言します」
11111号「これから一方通行に対し様々な質問を行いますので、
回答者の皆さんにはその答えを予想していただきます、とミサカは簡潔にルールを説明します」
11111号「回答者は以下のお三方、いずれ劣らず一方通行に詳しい方をお呼びしております
この機会に更に彼について詳しくなってください、とミサカは回答者の紹介を行います」
御坂「……いきなり呼ばれたと思ったら何これ、クイズ?」
垣根「つーかそんなに詳しい自信ねぇんだけど……知り合って一年経ってねぇぞ?」
結標「大事なのは期間じゃないわ、どれだけ濃密な時間を過ごしたかよ!」
11111号「更に正解数が最も多い方には、クイズの終了後に
何でも一つだけ、一方通行に好きな命令を下す権利が得られます
とミサカは豪華賞品を発表します」
御坂「な、なんでも……」
結標「一つだけ……好きな命令……?」ゴクリ
垣根「うわぁちょっとコイツら目ぇマジになったんだけど、俺帰ってもいいかな?」
11111号「ていとくんはあまりノリ気ではありませんね、賞品が気に入りませんか?
結構万能ですよあのモヤシ、万能ネギくらい、とミサカは万能ネギの素晴らしさを訴えます」
垣根「万能ネギ程度かよ!?いや友達に命令するってのもなぁ……
そもそも今でも頼み込めば結構何でも聞いてくれるし……」
御坂「何でも命令……ふ、フフフ……」ニヤニヤ
結標「私に種を植え付けなさい、とかアリなのよね?私が孕むまで××××……」ブツブツ
垣根「……事情が変わった、アイツを守る為にも絶対勝たなきゃならねぇなこりゃ」
11111号「やる気になっていただけたようで何よりです、とミサカは満足気に頷きます
ただ、そっちの二人は人選を誤ったような気がしないでもないですが……」
番外個体「ちょっとーどうしてミサカは出れないのよー!」
絹旗「あー、結標と超回答が被りそうだからでは?」
番外個体「私が一番第一位の事をよく知ってるよ!!」
絹旗「どうどう、超抑えてくださいミサワ」
番外個体「……ミサワって何さ?」
絹旗「番外個体(ミサカワースト)何て一々呼ぶの超めんどいですし、略して超ミサワです」
番外個体「うわ、ムカつくなぁこのガキ」
11111号「何やらギャラリーがうるさいですがそろそろ始めましょうか
ちなみに一方通行は別室で待機しており、こちらの姿も音声も見えておりませんので
吹っ掛けをしたりヒントを貰おうとしたりするのは無理です
とミサカはこのクイズが結構シビアである事をアピールします」
垣根「ノーヒントか、確かにシビアだぞこりゃ」
結標「余裕よ、余裕!あっくんの事でわからない事なんてないわ!」
御坂「どこから来てるのよ、その自信……」
垣根(ストーカー二人に比べると俺は少し不利か?……いや、一方通行の思考なら読めるはずだ……)
11111号「準備はよろしいですね?それでは、スタート!とミサカは合図を出します」
第一問、一方通行の好きな食べ物は?
御坂「ベタな質問から来たわね」
垣根「いきなりサービス問題か?」
結標「フフン、余裕ね」
垣根:肉
御坂:肉
結標:お姉ちゃんの手料理
垣根「好きな食べ物は肉、飲み物はコーヒー、これ以上ないくらい偏食家だしなアイツ」
御坂「そうよね、毎日毎日肉食べてるし、何で太らないのかわからないわ」
結標「ちょっと二人とも何書いてるのよ?私の手料理が一番に決まってるでしょ!」
垣根「その手料理で殺しかけといてよく言うわ」
【答え】
一方通行「肉」
垣根:正解
御坂:正解
結標:ハズレ
結標「どうしてよ!?」
垣根「そりゃそうだろ」
御坂「生肉でもモシャモシャ食べるもんね、アイツ」
第二問、最近最も腹が立ったことは?
垣根「ん、難しいな……アイツ何だかんだであんまり怒らねぇし」
御坂「そうよね、大声は出すけど……何だかんだで、や、やさしいのよね」
結標「フフフ、今度こそ楽勝ね」
垣根:コーヒーを頼んだのにココアが出てきた
御坂:結標さんが警備員に捕まりそうになった
結標:モブ警備員がお姉ちゃんを捕まえようとした
御坂「結標さん……」
結標「何よ、あの時のあっくん凄く怒ってたわよ?」
垣根「そりゃオマエに怒ってたんだろ、ていうか何で捕まりかけたんだ」
結標「小学生を……」
垣根「もういい、喋るな」
【答え】
一方通行「腹が立ったことねェ……強いて言えば、この前喫茶店でコーヒー頼んだのにココアが出てきた事か
もう常連で毎回コーヒー注文してるってのに、このミスは有り得ねェだろ」
垣根:正解
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
垣根「やっぱなぁ、地味に怒ってたもんあの時」
御坂「結標さんの暴走よりも店員のミスの方が腹立つの?心が広いんだか狭いんだか……」
結標「やっぱりあっくんはお姉ちゃんの事が大好きなのね!」
垣根「いや、もう無関心に近い心境なんだと思うぞ?」
第三問、ズバリ、好みのタイプは?
垣根「これまたサービス問題だな」
御坂「ムカつくけど、周知の事実よね」
結標「楽勝ね楽勝!」
御坂「結標さんの回答はもう読めたわ……」
垣根「オチ担当も良い所だな」
垣根:綾波レイ
御坂:物静かでショートカット
結標:お姉ちゃん
【答え】
一方通行「ンー、物静かで普段は控え目だけど芯が強くてェ、それでいて甘え上手で甘えさせるのも上手くて、
髪は短い方がいいな、そンで肌は色白だと嬉しいなァ、胸は……(略)」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
垣根「語りすぎだろ馬鹿が!!一言で済ませろよ!!!」
結標「そっかぁ、お姉ちゃんは髪が長いから……」
垣根「それ以外にも色々あるだろ!!」
御坂「わ、私はもう少し物静かにすれば……」
垣根「オマエもかよ!?……つーか五月蝿い自覚はあったんだな」
11111号「ていとくんはこう言う時は本当にマトモなつっこみ役ですね
とミサカは一方通行や麦野沈利といる時のギャップに戸惑います」
垣根「……麦野や一方通行と二人でいる時だけ、俺は本当の自分になれるんだ」フッ
11111号「あっちが素かよ、とミサカは頭を抱えて軽蔑の視線を送ります」ウワァ
垣根「ていうか何でオマエ麦野と俺が一緒にいる時の事知ってんの?」
11111号「細けぇこたぁいいんだよ、とミサカは黙秘します
それでは次の問題行きましょう」
第四問、女性と初めて会った時、何処を見る?
垣根「さっきの『好みのタイプは?』と通じるもんがあるな」
御坂「こういうのって女からじゃイマイチわからないわよね……」
結標「はじめて会った時何処見てたかなぁ、あっくん」
垣根:髪型
御坂:全体
結標:お姉ちゃんに似てるかどうか
垣根「いい加減にしろ変態ショタコン女」
結標「何よ?今回は自信あるわよ」
御坂「むしろ結標さんに似てるのは避けるんじゃ……」
【答え】
一方通行「特に意識した事はねェな、重要なのは運命を感じるかどうかだし
あァ、でも結標に似た要素のある女は本能的に避けてる気がするわ」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:正解
垣根「……正解なのか?変態女の答えは」
御坂「酷くマイナス方向だけど一応正解なんじゃない……?」
結標「お姉ちゃんは一人だけでいいってことね、なるほど」
垣根「何が『なるほど』だ」
御坂「どんな生活してたらこんなにポジティブになるのよ……」
第5問、垣根、御坂、結標の三人のうち、抱くなら誰?
御坂「なな、何よその質問!?」
垣根「何で俺入ってんの?」
結標「簡単すぎてクイズになってないわよこれ」
番外個体「はぁ!?第一位はミサカの事しか抱かないから!!」
絹旗「だから超抑えてくださいよ!ただの超イフの話ですから!」
番外個体「じゃああなたは第一位が男を抱いてもいいって言うわけ!?」
絹旗「何で垣根が選ばれる前提なんですか!?そりゃ超イヤですけども!!」
垣根:第三位
御坂:結標さん
結標:私
垣根「流石に俺は無いだろうし、実質二択だろ」
御坂「結標さんの回答は予想通りだけど……凄い自信ねホント、普通これに自分は選べないわよ」
垣根「まぁスタイルはいいからな、実際」
結標「ダメよ?私はあっくん専用なんだから」クスクス
垣根「小学生に手ぇ出そうとしたショタコン女が何ほざいてやがる」
【答え】
一方通行「……選ばなきゃダメなのかァ?…………かk…いや、超電磁砲かな……」
垣根:正解
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
御坂「うええええええ!!!?」
垣根「……すげぇ苦渋の決断だったんだろうな、苦虫噛み潰したような面になってんぞ」
御坂「あ、明日からどんな顔してアイツと会えばいいのよ……」カー
結標「もう、あっくんったら照れ屋なんだから……」
垣根「……オマエ、泣いてるのか?」
結標「フフ、馬鹿言わないでよ……」グス
Q:ちなみに御坂を選んだ理由は?
一方通行「あァ?……アイツに目隠しして俺が音反射すりゃァ表面上はほとんど妹達と同じになるだろ?だからだ」
御坂「何なのよその理由はああああぁぁ!!!!」
垣根「想像以上にゲスな理由だったな、ビックリだぜ」
結標「ドンマイ御坂さん」ニコッ
垣根「いい笑顔してやがる」
第6問、家から追い出せるとしたら誰を追い出す?
垣根「黒い質問来たなオイ」
御坂「うわぁ、これ答え辛そう……ていうかこっちも回答し辛いわよ」
結標「私は除外だから……誰になるかしら?」
垣根:第三位とショタコン
御坂:絹旗さん以外全員
結標:誰も追い出さない
垣根「意外だな、オマエらの答え」
御坂「実際、アイツが自分の意思で家に連れて来たのって絹旗さんだけだしね……」
結標「あっくんは優しいからきっとこう答えるはずよ」
【答え】
一方通行「誰も追い出さねェよ……だってオマエ、アイツらほとンどストーカーだぞ?
それもフリーパス状態で俺の家に侵入出来るような連中ばっかなンだ
見えない何かに怯えるより目の届く範囲に置いといた方がなンぼか精神的に楽だわ」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:正解
結標「ほら優しい!!」
垣根「今の優しさ!?優しさなのか!?」
御坂「言われてみれば結標さんも番外個体もアイツのストーキングしてるし、追い出しても意味ないわね」
垣根「だから何でオマエは自分をカウントしねぇんだよ」
御坂「……?」
垣根「ダメだコイツ、早く何とかしないと……」
第7問、結標の良い所は?
垣根「そういう方向の質問で行くのか」
御坂「普段アイツが結標さんの事どう思ってるか知るチャンスね」
結標「大丈夫かなぁ、多すぎて上げ切れないんじゃ……」
垣根:露出度が高い
御坂:無い
結標:全て
結標「二人とも、ちょっと表に出ましょうか」
垣根「いや、これ位しか無いだろ」
御坂「……ごめん、思いつかなかった」
結標「ふん、いいわよ!あっくんさえ私の良さをわかっててくれれば……」
【答え】
一方通行「……………あー………掃除してくれる所、とか」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
垣根「すっげぇ必死に搾り出したな」
御坂「そんなに悩むなら素直に『無い』でいいのに」
結標「御坂さん、喧嘩なら買うわよ?」
第8問、垣根の良い所は?
垣根「俺の番か、何気に難しいな」
御坂「正直私から見ると良い所がさっぱり見つからないのよね」
結標「そうよね、あっくんは何処が良くて付き合ってるのかしら?」
垣根「酷いなオマエら」
結標「あ、でもあっくんをベッドの上でリードする野生的なイケメンお兄さんってポジションなら……」
垣根「おい、殺すぞ」
垣根:童貞な所
御坂:ノリが良い所
結標:顔が良い所
御坂「あんた何書いてんのよ……て言うか良い所なのそれ?」
垣根「まぁ付き合いが始まった切欠だしな」
御坂「結標さんも、それ男友達への評価じゃないでしょ……」
結標「そうかしら?顔が良いとそれだけで知り合いが増えると言うのは実証されてる事なのよ?」
垣根(……でも俺一方通行以外に友達いねぇんだよなぁ)
【答え】
一方通行「童t……いや、友達でいてくれる所だなァ、そンだけで十分だ」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
御坂「うわ、真顔で恥ずかしい事を……」
垣根「うわぁ今のは効いたわ……性別が違ってたら惚れてたかも知れねぇ」
結標「別に性別同じでも惚れていいんじゃない?渡すつもりはないけどね」
垣根「俺にそっちの趣味はねぇよ!」
第9問、御坂の良い所は?
御坂「うー、ついに私かぁ」
結標「これこそ『無い』んじゃないかしら?あっくん視点だと」
垣根「いや、アイツの視点で第三位を見た場合一つだけあるな」
御坂「一つ!?一つだけしかないの!?」
垣根「少なくとも俺は一つしか思いつかねぇ」
垣根:見た目
御坂:元気な所
結標:ツンデレ
御坂「だ、誰がツンデレよ!?あいつの事なんてなんとも……」
結標「テンプレ通りの反応ありがとう、ちょっと可愛くてムカつくわ」
垣根「段々スレてきてんなオマエ」
【答え】
一方通行「見た目だな、妹達に似てるし」
垣根:正解
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
垣根「な?」
御坂「私が似てるんじゃなくて妹達が私に似てんのよ!!!!」
結標「ようするに妹達に似てなかったら良い所なしって事ね、ドンマイ御坂さん」クスクス
御坂「うるさい!!」
第10問、恋人が出来たら何をしたい?
垣根「……一つしかねぇな」
結標「一つしかないわね」
御坂「え、そう?色々あるんじゃ……」
垣根「いや、まずはアレだろアレ」
結標「早くお姉ちゃんを受け入れてくれればいいのに」
垣根:セックス
御坂:デート
結標:セックス
御坂「二人とも何書いてんのよおおおお!!!!」
垣根「これしかねぇだろ、そもそも童貞捨てるのが至上の目的なんだからよ」
結標「お姉ちゃんはいつでもウェルカムなんだけどなー」
【答え】
一方通行「あァー……ンー……手とか、握って貰いたい……恋人握りってやつ……」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
11111号「うわぁキモい!とミサカは照れている様子の一方通行を罵倒します」
結標「何言ってるのかわいいじゃない!!……ごめんねあっくん、お姉ちゃん汚れてたわ……」
垣根「オマエが汚れてんのは今に始まったことじゃねぇが、
なんでこんな時に限ってピュアな回答してんだよコイツ……」
御坂「こ、恋人握りってあれよね、指と指絡ませて手を繋ぐっていう……」
垣根「何でオマエがドキドキしてんの?」
第11問、黒歴史を発表してください
垣根「どんだけ鬼畜な質問だよ、晒し者じゃねぇか」
御坂「黒歴史って、過去にやっちゃった恥ずかしい事とかよね?」
結標「あっくんの秘密かぁ、なんだろう」
11111号「ぶっちゃけ黒歴史が服来て歩いてるような男ですからね
とミサカは今回の問題が凄まじく難しい事をアピールします」
垣根:幻想御手(レベルアッパー)に手を出そうとした
御坂:無駄にかっこつけながらスキルアウトを撃退した
結標:番外個体を抱きしめた
番外個体「おいショタコン女ちょっとこっち来い」
結標「何よ!?あっくんは絶対後悔してるわよ!」
番外個体「そんなことない!!絶対にしてないもん!!優しく撫でてくれたし!!」
結標「ちょっと撫でられた時の感触詳しく教えなさい」
御坂「てかあいつレベルアッパーに手を出そうとしたの!?第一位なのに!?」
垣根「あぁほら、俺も一方通行も性的にはレベル0だろ?
レベルアッパーでレベル上がるんじゃないかって真剣に議論した事があってだな」
御坂「やっぱ基本馬鹿ね、あんたら」
【答え】
一方通行「ハッ、黒歴史なンざねェよ、過去の全てが今の俺を作り出してンだ
俺の人生は明日に向かって『一方通行』だからなァ」ドヤ
Q:布束砥信にズボン脱ぎながら迫った事なんかも黒歴史じゃないんですか?
一方通行「うおォォォい!!!サラッと暴露してンじゃねェェェェェ!!!!!」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:ハズレ
御坂「うわ、そんな事やってたのアイツ……」
垣根「そうか、だからあの時ファミレスで俺に注意を……」
結標「ズボン脱ぎながら迫るのは流石にNGよね、お姉ちゃんが脱がす楽しみがなくなっちゃうじゃない」
垣根「つーか結局俺らの回答と合わせて黒歴史4つも暴露されてるじゃねぇか」
第12問、昨晩のオカズは何でしたか
御坂「だから何なのよその質問はあああああ!!!!」
垣根「落ち着け第三位、そんなに声を荒げる事じゃねぇだろ」
結標「この質問は私と御坂さんが有利ね、何せ同棲してるんだもの」
御坂「で、でも私そんな所見た事ないし……」
垣根「んー、まぁでもある程度はアイツの好みから推測出来るかな」
結標「そう?まぁわかりやすいもんね」
御坂「何で二人ともそんなに落ち着いてんのよ……」
垣根:ステーキ
御坂:ビデオ
結標:肉じゃが
御坂「えっ」
垣根「おやおやどうしたんだ第三位さん?一方通行にはビデオを見ながら白米を食う習慣でもあるのかな?」ニヤニヤ
結標「あらあらうふふ」クスクス
御坂「な、何よ!何よぉぉ!!」
【答え】
一方通行「晩飯のオカズ?あァー、確か肉じゃがだったかな……
結標の馬鹿が毎度毎度俺の皿に唾液飛ばそうとしやがるから料理に反射の膜張りながら食う習慣が出来たわ」
垣根:ハズレ
御坂:ハズレ
結標:当たり
御坂「うぅぅぅ……」
垣根「第三位、オマエは汚れてる」
御坂「ぅぅぅ……」
垣根「オマエは、汚れてる」
御坂「うるさあああああい!!!!」
結標「御坂さんみたいなタイプに限ってむっつりなのよね」クスクス
御坂「違う!そんな事ないから!!」
―――――――――――――――
―――――――――
――――
―で、
11111号「結果発表~、とミサカはネタが切れたので途中をザックリ省きます
こんな事ならスレで質問のネタでも募集しときゃよかったぜ!」
11111号「結果は以下のようになります!」
【1位】垣根
【2位】結標
【3位】御坂
11111号「というわけで1位はていとくんでした、おめでとうございます
とミサカは手をパチパチと叩いてお祝いします
あなたのお陰でこのスレが18禁にならずに済みました!」パチパチ
垣根「よっしゃああああ!!一方通行!オマエの貞操は守ったぜえええ!!!」
結標「ちくしょおおおおおおお!!!!!!」
御坂「ていうかクイズ難しすぎでしょ……ほとんど勘に頼るしかないじゃない……」
11111号「まぁ比較的常識人のお姉様には童貞モヤシの思考を読むのは難しかったかもしれませんね
とミサカはお姉様の肩にポンと手を置き慰めます」
番外個体「ふぅ、第二位が勝ってくれてよかったよ」
絹旗「確かに。一つ屋根の下で超爛れた関係なんぞ築かれたら超気まずくて仕方がありませんからね」
番外個体「第一位、質問攻めで疲れてるだろうなぁ、多分フラフラだよ。後でハグしてあげなきゃ」
絹旗「超トドメを刺すつもりですか?」
11111号「さぁそれではていとくん!一方通行に命令を下すのです!
とミサカは別室で待機している一方通行とマイクをつなげます」
垣根「あー……聞こえるか、一方通行」
一方通行「おォ、流石は垣根!オマエなら勝ってくれると信じてたぜェ!」
垣根「で、命令なんだが……んー………そうだ」
一方通行「なンでも来やがれ」
垣根「今度、女装してみてくれ」
一方通行「……え?」
御坂「……うわぁ」
結標「女装ショタ!!!」ピキーン
11111号「ていとくん……」
垣根「え、いや何この空気?俺はただ……」
一方通行「垣根ェ……オマエそンな目で……」
御坂「男同士で何考えてんのよ!!馬ッ鹿じゃないの!?」
結標「あっくんの女装!!あっくんの女装!!!いやっふうううう!!!」
垣根「ちょ、待て!!俺はただ仲の良い友達にちょっとしたイタズラ心でだなぁ!!!」
一方通行「やめろ垣根ェ!!それ以上の言い訳は聞くに堪えねェ!!
オマエは好きに命令すりゃいい、どォせ俺に拒む権利はねェンだちくしょォがァ!!!」
垣根「違ぇつってんだろうがあああああ!!!こんな賞品いらねえよちくしょおおおお!!!!」
グダグダのまま終了
「……ン……ふあァ…………ン?」
「……今何時だァ?」
早朝、日も昇りきらない内に何故か目が覚めてしまった一方通行は上半身を起こし、
大きく欠伸をしながら寝ぼけ眼を擦る。時刻はまだ午前4時前、
寝つきがいいはずの、というか反射の膜のお陰で常に快適な状態で睡眠を取れるはずの彼が
このように半端な時間に目を覚ますのは珍しい。
「…………なンだァ?」
二度寝をしようかとも思ったがどうにも妙な違和感を感じ、そんな気分にもなれない。
恐らくこんな時間に目が覚めてしまったのも、この妙な感覚のせいだろう。
さて一体この違和感の正体は何か、目を細めながらキョロキョロと部屋中を見回してみる。
申し訳程度の家具しか置かれていない、殺風景な彼の個室、探る場所などそう多くは無い。
彼はあっさりと、しかし意外なほど近くで、違和感の発生源を発見した。
「……はァ?」
全く予想外の光景に、それを確認した一方通行の口から間の抜けた声が漏れる。
彼の発見したもの、それは――
A:何故か自分と同じベッドで眠りこけている番外個体
B:床に腰を下ろしベッドに突っ伏すようにして眠っている御坂
C:床に転がっている絹旗
D:何かやってる結標
―――――――――――――――
―――――――――
――――
―パターンA
彼の発見したもの、それは何故か自分と同じベッドで眠りこけている番外個体の姿だった。
(何やってンだコイツ……)
暢気に寝息を立てている番外個体を、一方通行は怪訝な表情で眺める。
寝惚けて部屋を間違えたのか、或いはいつもの積極性を発揮してベッドに忍び込んで来たのか……
恐らくは後者だろう、と当たりをつけ、彼はハァと盛大に溜息を吐いた。
(……どォしたモンか)
ポリポリと頭を掻きながら思案する。もしベッドに潜り込んできたのが結標辺りだったら
迷わず叩き起こすか蹴り出すかしていただろう。下手したら分子レベルまで分解していたかもしれない。
しかし今彼の隣で幸せそうに眠っているのは、色々問題があるとは言え、妹達の一員であり、
それも彼の為にわざわざ新しく作られた個体なのだ。『あなたの為に生まれてきた』とまで言い切る彼女を
あまり邪険に扱うのは流石に気が引ける。
となると、優しく起こすか勝手に起きるのを待つか、だが
(まァ、もォ少しこのままにしとくか)
フッと軽く笑みを零すと、一方通行はそっと番外個体の髪を撫でる。
何故そのような行動に出てしまったのかは彼自身にもわからない。
ただ、一度は抱きしめ合い、愛の告白までし合った相手である。情もあれば負い目もあるのだ。
撫でられているのがわかるのか、番外個体はもぞもぞと布団に身を埋めながら弛緩した笑みを浮かべる。
その姿はやはり堪らなく可愛いと思う。もう一生寝てりゃいいのに、と思ってしまう程に。
酷いな全く。
(行き過ぎた性格さえなけりゃなァ……)
撫でる手は休めず、遠い目をしながら過去を思い返す。
電話してるだけでいきなり噛み付かれた、というか食われそうになった事、
そのまま電話を続けていたらお仕置きと言いつつ致死レベルの電撃を飛ばしてきた事、
更には正気を失いかけた目で四肢を落とそうとしてきた事、
自分と関わりのある女を消そうとしてきた事――
番外個体の行き過ぎた行動は数え上げればキリが無い。
それさえなければ今頃は……と一方通行は顔を顰め溜息を吐く。何だかんだで未練タラタラである。
(……いや待てよ、コイツの性格だいぶ大人しくなったよな)
ふと、最近の彼女の動向を思い返す。
『愛の鞭』『お仕置き』と称して一度ぶん殴ってからというもの、
彼女のヤンデレ具合は随分大人しくなったと思う。
先述したように、以前は電話で女性と話していただけで殺されそうになっていたが、
今は精々、ちょっと重めのヤキモチを妬く程度だ。
言動は過激だが、実際に他の女性に危害を加えようとしたりもしなくなった。
代わりに結標のような変態的行動が増えてしまったが……
……あ、彼の鉄拳制裁にはそういう効果が?
(もォ少し様子見て、コイツの性格が更に改善されるよォなら……)
その時はそのままゴールしてもいいんじゃないかな、
そんな未来を想像しつつ、一方通行はニタリと笑みを浮かべる。
番外個体の髪を撫でていた手はいつの間にか彼女の頬に移動していた。
まるで愛撫するような優しい手つきに、番外個体は満足そうに口元を綻ばせ、
甘える子猫のようにごろごろと喉を鳴らし、彼の手に自分から擦り寄ってくる。
その様はやはりとても愛らしく、愛おしい。
(……そろそろ起こすか)
そろそろ二度寝がしたくなってきた一方通行は、そっと撫でていた手の動きを止める。
元々、寝すぎだと言いたくなるほど寝なければ満足しない男だ、昼寝をするのは確定事項とはいえ、
朝の4時に目を覚ましそのまま夜が明けるまで起き続けるなど考えられない。
些か名残惜しいモノを感じながら、一方通行はその手を引こうとする。が――
「ぐあァ!!?」
その瞬間、彼は顔を顰め、苦痛の声を上げる事となった。
一方通行の手が番外個体から離れようとしたその刹那、番外個体は夢現の中、彼の手に思い切り噛み付いたのだ。
それは言葉を満足に喋れない幼児が構って欲しさにやる可愛らしい癇癪のようなモノなのだが、
如何せん、彼女は力の弱い幼児ではない。元は戦闘用に作られたクローンであり、女とはいえ
その身体能力は細身の一方通行を遥かに凌駕する。
「がァァァ!!!離せェェェ!!!」
必死になって彼女の口から手を引き離そうとするが、やはり彼の素の力ではそれは出来そうも無い。
彼女を撫でる為に反射を切ってしまっていたのは完全な判断ミスだ。
と言うより、撫でると言う行為に出た事そのものが判断ミスだと言える。
一連の行為の結果、一方通行は一度は捨てた番外個体への執着や情を再度抱え込むハメになり、
その為、あまり無理に彼女を引き剥がすというのは非常にやりづらい。
下手な事をすれば彼女に怪我をさせてしまうかもしれないからだ。反射の膜を展開させるなど以ての外である。
反撃が出来ずに一方的に番外個体にやり込められていた最初の頃に逆戻りというわけだ。
「起きろ!起きて下さい!!」
「んうー……」
「ぐああァァァァ!!!」
何とか眠っている番外個体を起こそうと、空いている手で彼女の頬をぺしぺしと軽く叩いて見るが
どうにも逆効果だったようで、彼女はそれに刺激されたのか一層力強く彼の手に歯をつき立てる。
一刻も早く彼女を起こして噛み付くのを止めさせなければ、
このままでは一方通行の手がマミられるのは時間の問題だろう。
(落ち着け、この状況を打破するにはやっぱり能力に頼るしかねェ
そォだ、コイツの身体のベクトルを操作して口を開かせりゃいいンだ!よし……)
やるべき事の目算は立った。一方通行は空いている手を番外個体の頭に伸ばし、
その身体を操作しようと試みる。
「……ん?」
「ン?」
が、いざ操作しようとした丁度その時、不意に番外個体の目が開き、身体を起こす。
ぼんやりと寝惚けたような目をしており、依然彼の手を咥えたままではあるが、どうやら目を覚ましたようだ。
「チッ、操作する前に起きちまったか……まァいい、それならさっさと……」
「おいひい(美味しい)」
「ほああァァァ!!!?」
さっさと離せ、そういい切る前に番外個体はもしゃもしゃと彼の手を咀嚼し始める。
まさかの行動と更に強くなった痛みに、一方通行は目を見開き、素っ頓狂な声を上げる。
番外個体の行動は寝惚けているせいなのか、それとも素なのかはわからない。
わかっているのは一方通行の手が喰いちぎられるまでのリミットがぐっと短くなったという事くらいだ。
もはや、暢気に身体の操作などしている猶予などないほどに。
「クソがァァァァ!!!!」
こうなってしまっては、もはや仕方が無い。
一方通行は一瞬の躊躇の後、渾身のベクトルチョップを彼女の首筋に振り下ろす。
首に凄まじい衝撃を受けた番外個体はヒュッと口から短く息を吐くと、
ようやく一方通行の手を離し、がっくりと布団に突っ伏した。
「ハァ、ハァ……」
血と唾液でべったべたになった己の手を見つめながら、一方通行は肩で息をする。
そうして考える。やっぱりコイツは無いな、と。コイツとそういう関係になるといつか本当に喰われる、と。
こうして、あまりにも暗い未来を想像し、ゾクリと背に冷たいものを感じた一方通行は
再度、番外個体への執着を投げ捨てる事となった。
―――――――――――――――
―――――――――
――――
―パターンB
彼の発見したモノ、それは床に腰を下ろしベッドに突っ伏すようにして眠っている御坂の姿だった。
(……なンぞコレ)
一方通行の頭脳は酷く混乱する。
部屋に侵入してきたのが結標や番外個体ならまだ想定の範囲内であるが、
御坂がこんな所でこうなっているのは流石に予想外だ。
(寝惚けて部屋間違えたにしても不自然な体勢だなオイ)
まさか普段から横になるのではなく、ベッドに突っ伏して寝る癖があるわけでもあるまい。
とするとこの、「一方通行の寝顔を観察してる最中にうっかり寝落ちしました」というような体勢は一体何事だろうか。
(……まさか、今まで気付かなかっただけで毎晩寝てる所まで監視されてたンじゃねェだろォな)
そんな結論に行き着いた一方通行は、あまりの御坂の執念に全身から冷たい汗を流す。
いつの間にか好意を抱かれているとは夢にも思っていないようだ。
お互い第一印象が最悪だった上にしばらく敵対関係を続けていたというのに、よくここまでの関係を築けたものである。
と言っても、一方通行は「何か最近コイツ丸くなったな」程度にしか思っていないのだが。
一方通行(どォすっかなァ……)
すやすやと寝息を立てる御坂を尻目に、一方通行はさてどうしたものか、と思案する。
なんとなくだが、このまま起こすのはあまり良くない気がする。
かと言って、彼女の部屋まで眠った彼女を抱えて行こうとも思わない。
もし運んでいる最中に目を覚まされたり他の同居人に見られたらそれこそ修羅場が発生してしまうだろう。
となると、取るべき道は一つしかない。
一方通行(コイツが勝手に目ェ覚ますまで寝た振りでもしとくかァ)
ハァ、と溜息を吐き起こしていた上半身を再びベッドに埋める。
その選択は面倒ごとを避けるためのモノであるのは間違いないが、御坂の事を案じる優しさも多分に含まれている。
何だかんだで、御坂の遺伝子には甘いのだ。
本当に眠ってしまえばそれが一番なのだろうが、どうにも部屋に異物があると寝付きづらい。
やれやれ、と目を軽く閉じ御坂から身体を背けると、彼はのんびりと考え事を始めた。
一方通行(……あン時間違えてコイツに声かけなかったらどォなってたンだろォな)
ふと初めて出会った時の事を思い出す。
あの時声をかけなかったら、もう少し冷静に判断できていたら、一体どうなっていただろうか?
少なくとも妹達への告白が妨害される事はなかっただろう。
かと言って告白をOKする個体がいたかどうかは怪しいところだが。
あの時出会っていなければ、御坂は絶対能力進化の事など知らずに平和に生きていただろう。
自分の監視に時間を割くことも無ければ、残念な性格にもならずに済んだかもしれない。
そう思うと、一方通行はどうしても少しばかりの罪悪感を覚えてしまう。
彼女を歪めてしまったのは自分なのかもしれない、と。
一方通行(いや、遅かれ早かれ絶対能力進化の事は耳に入っただろォな)
学園都市には二万もの妹達が存在している。いずれその内の誰かとは出会ってしまうだろう。
『第三位のクローン人間が作られている』などという都市伝説まで流れているくらいだ。
一方通行自身とは出会わなくても、御坂は絶対能力進化に行き着いていたに違いない。
そうすると、どうなるか。
一方通行(……多分色々勘違いした挙句、よくわかンねェウニ頭を連れてきて
最終的に俺がブン殴られる事になったンだろォなァ)
何だか良く分からないが、何故かそういう結末が鮮やかに目に浮かぶ。
平行世界の自分でも見えているのだろうか。
とにかく、それが実際に起こり得る未来の光景だったとしたら、
あの時あそこで出会って絶対能力進化の事を説明できたのは、むしろ運が良かったのかもしれない。
「ん……」
「ン?」
背後で御坂が小さく声を上げながらもぞもぞと動いたのを感じ、一方通行はちらりとそちらに目をやる。
彼女は寒がっているのか、両手で己の肩を擦っているが、どうやら目が覚めたわけではないらしい。
季節はもう11月、布団なしで転寝するには少々厳しい時期だ。
「くしゅん!」
「……ったく」
くしゃみをし、身体を振るわせる御坂を見て、一方通行は身を起こし、やれやれと軽く首を振る。
彼は目の前で凍えている少女を放置して眠れるほど外道ではないし、
彼女を傷つけないという契約を妹達としているのだ。それ故、彼がこれから取るべき行動は決まっている。
「……オマエが風邪引いたりすると妹達が五月蝿ェからなァ……そンだけだ」
誰に聞かせるわけでもなく、一人言い訳染みたセリフを呟くと、
一方通行はベッドから起き上がり、そっと自分の布団を彼女に被せる。
人肌で暖められた布団が心地よいのか、御坂は「ふにゃ」とだらしない笑みを浮かべながら
ぎゅっと布団を握り締めると、震えるのを止め安らかな寝息を立て始めた。
「チッ、いい気なモンだなァ……」
布団を奪われる形と鳴った一方通行は、そんな彼女の様子をしばらく苦笑しながら見つめると、
彼女を起こさぬように静かに部屋から出て行った。
「はァ……ったく」
居間まで辿りつくと、一方通行は電気も付けぬまま冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、
一気にそれを喉へと流し込む。キンキンに冷えた苦味のある液体が、彼の脳を刺激し、
僅かに残っていた眠気を完全に取り去っていった。
もうこうなっては仕方が無い、部屋も布団も御坂に明け渡した以上、このまま大人しく夜明けを待つとしよう。
そう決意し、二本目のコーヒーを口にしたところで、彼はふと、あるモノに気付く。
(……なンかいる)
闇と同化する様に気配を殺しコーヒーを飲んでいる彼の目の前で
二つの人影がそろりそろりと忍び足で移動している。
目を凝らしてみると、どうやら結標と番外個体のようだ。
(……アイツら、何やって……!?)
一方通行に見られているとは露知らず、二人は物音が立たないようゆっくりと一方通行の部屋のドアを開け、
これまた音を殺しながら部屋の中に消えていった。そう、彼女達二人は結託し夜這いを試みようとしているのである。
が、残念な事に今部屋の中にいるのは布団に包まった御坂だけ。一方通行はのんびりとコーヒーを飲んでいる。
勿論そんな事を知らない彼女達は、早朝の薄暗さも手伝って布団の中にいるのを一方通行だと誤認してしまうだろう。
結果、どうなるか。
「いやあああああ!!!!」
「ぎゃああああ!!!!」
「うえええええ!!!?」
三者三様、様々な悲鳴のコーラスが一方通行の部屋から鳴り響く。
一方通行はその悲鳴と、響いてくる電撃の音を聞き流しつつ、
明日は部屋の大掃除だな、と独りごちると三本目のコーヒーに手を伸ばした。
―――――――――――――――
―――――――――
――――
―パターンC
彼の発見したモノ、それは床に倒れ伏す彼の妹(仮)、絹旗の姿であった。
「き、絹旗!?」
何故この部屋にいるのか、何故そんな所に転がっているのか、理由はわからないが、
尋常な状況でない事は確かだ。一方通行は布団を跳ねどけると、慌てて彼女の元へ駆け寄った。
「絹旗!おい絹旗!!」
「んう……くー……」
「……あァ?」
絹旗を抱き起こし、彼は必死に声をかける。が、返ってきたのは忌々しいほどに安らかな寝息と
天使のように無邪気な寝顔だけだった。ようするにただ寝ていただけである。
全く人騒がせな、と安堵の息を吐き、一方通行は額の汗を拭う。
大方寝惚けて部屋を間違えてしまい、その上布団に辿り着く前に力尽きて寝てしまったのだろう。
ちょっと無理があるがそのくらいしか考えられない。
「ったく、仕方ねェガキだ」
放置しておくわけにはいかない。風邪でも引いてしまっては一大事だ。
このまま彼女の部屋まで運び寝かしつけてやるのが兄として取るべき正しい行動だろう。
手のかかる妹だ、と苦笑いしつつ、一方通行は反射を切り、丁重に絹旗を抱き上げた。
勿論お姫様抱っこである。
モヤシボディな彼では小柄な絹旗を持ち上げるのすら一苦労だったが、
彼の兄としてのプライドが、こんな事まで能力に頼ってしまうのは許さなかった。
妹の一人や二人、生身で支えきれないで何が兄か!
(……明日は筋肉痛だなァ)
何とも情けない兄であった。
「んん……むふぅ……」
「ン?」
目を覚ましかけているのだろうか、抱えられた絹旗は何やらもぞもぞと身を捩っている。
そりゃまぁ大声で呼びかけられたり持ち上げられたりすれば普通は目を覚ますだろう。
今まで目を覚まさなかったのも、偏に彼女の寝つきが恐ろしく良かった事と、
『窒素装甲』の自動防御に彼女が安心しきっている為である。
反射の膜がありながら何故か異様に敏感な一方通行とは大違いだ。
「ん……あ、え?」
「おォ、目ェ覚めたか」
「え?え?」
「どォした?」
抱き上げられた体勢のまま、絹旗はゆるゆると覚醒し、間近にある一方通行の顔を見つめ静止する。
彼女にとって今の状況は全てが予想外である。何故なら彼女は床で寝転がっていたという記憶もなければ
間違えて一方通行の部屋に入ったという意識も無かったのだ。
絹旗にはごく普通に、いつも通り、自分の部屋の自分のベッドで眠っていた、という記憶しか存在しない。
それがこの状況、どのような行動を取るかは火を見るよりも明らかである。
「ひいいいいい!!!!」
「ぐはァァァ!!!?」
シュッと突き出された絹旗の右拳が、一直線に一方通行の鼻っ柱に突き刺さる。
下手なプライドで能力を切っていた一方通行は全くの無防備であった。
生身の拳だったから良かったものの、もし窒素装甲の力でブン殴られていたら即死していた可能性すらある。
突然の攻撃に一方通行は抱えていた絹旗を落とし、自分の顔面を押さえながらよろよろと後退した。
「な、何しやがンだテメエ!!!」
「それは超こっちのセリフです!!何ですか!?超襲う気ですか!?
溢れ出た肉欲の赴くままに私の魅力的な肢体を超喰らい尽くす気ですか!?」
「何言ってンだオマエ!?俺はただ……」
「ただ、何ですか!?部屋にまで超連れ込んで……言い逃れが出来る状況だと思ってるんですか!?」
「話聞けェ!!オマエが勝手に俺の部屋で寝てたから運ぼうとしてたンだよォ!!!」
「はぁ?何ですかその言い訳、もっとマシな言い訳を超考えてくださいよ!!」
互いの主張は「勝手に部屋の床で寝てた」「いや有り得ない」の平行線を辿る。
全面的に一方通行が正しいのだが、流石に中々その主張を鵜呑みにする事は出来まい。
どちらも一歩も譲らぬこの状況、打破するには第三者の意見が必要だろう。
「ちょっと、こんな時間に何騒いでんのよ……」
一方通行と絹旗の起こす喧騒に叩き起こされ、御坂が不機嫌な顔で目を擦りながら抗議しにくる。
彼女の介入は果たして吉と出るか凶と出るか……
「超聞いてください御坂!一方通行が私を超襲おうと眠っている私を部屋に超引きずり込んだんです!!」
「はぁ!!?それ本当なの!?……ちょっと一方通行!!あんた何やってんのよ!!!」
「だから違ェつってンだろォォォォォ!!!!」
凶と出ました。
その後、口論は日が昇るまで続き、更には結標と番外個体まで加わって
一方通行に対する大糾弾会へと発展する事になる。女の団結力とは恐ろしいものだ。
そして彼は誓う。今後、例え部屋に妙な気配を感じても二度と反応してやるものか、と。
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―パターンD
彼の発見したモノ、それはベッドの隣に設置されているタンスの前で如何わしい動きをしている結標の姿だった。
何をやっているのかは知らない。想像したくもない。ただ、下着を閉まっている引き出しが開かれ、
その前で結標が息を荒げながらもぞもぞ動いているという事実だけがある。
よほど集中しているのだろう、一方通行が起きたのにも、
いつの間にか彼が背後に迫っている事にすら、彼女は気付いていない。
「ihbf殺wq」
「え?」
ようやく彼女が振り返ったとき、その目に映ったのは、宵闇よりも暗い漆黒が全てを薙ぎ払って行く光景だけだった。
しかしその光景の意味を理解するよりも先に、彼女の意識は寸断される事となる。
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―朝
「あれー、結標さん何処行っちゃったんだろう?一方通行、知らない?
部屋にもいないし、番外個体も絹旗さんも見てないって言うのよ」
「……さァな、ただ今回は戻ってくるのにかなり時間がかかるだろォよ」
「ふぅん?」
(……げェ)
ある日の朝、目を覚まし自室から出てきた一方通行は、盛大に顔を顰め、小さく舌打ちをした。
普段、彼は誰よりも早く目覚め、玄関前の不審人物を掃除し、
コーヒーを一杯飲んだ後、自室に戻り二度寝をする、という日常を送っている。
ところが現在、居間へと移動した彼の目に、優雅にコーヒーを啜っている先客の姿が映っていた。
(あァクソ、今日はイヤな一日になりそォだぜ……)
ハァ、と溜息を吐き、心の中で思い切り毒づく。
早朝の爽やかな気持ちを台無しにするその先客、ご存知、結標淡希である。
彼女は一方通行に背を向ける形でコーヒーを飲んでいる為、未だ彼に気付いていないが、
このまま玄関まで移動しようとすれば確実に気付かれるだろうし、
気付かれてしまうと朝っぱらから非常に面倒な事になるのは目に見えている。
(……玄関掃除サボって二度寝すっか)
別に結標の事が嫌いなわけではないが、朝っぱら「お姉ちゃん」だの「あっくん」だの
大声で騒がれるのは流石に勘弁してもらいたい。
毎度毎度あっさりいなしているように見えるが実は意外と体力精神力を消耗しているのだ。
早朝、食事も取っていない内から相手にしていては流石に身が持たない。
そんなわけで、彼は日課の玄関掃除を中止し、部屋に引き返すという選択肢を選ぶ事にした。
「……あら?」
「げっ」
が、彼が部屋に戻ろうとしたその瞬間、ほんの僅かの差で結標に気付かれてしまう。なんたる不覚か。
だがこうなっては仕方が無い。部屋に逃げ込んでも追ってくるだろうし、
もはや腹を括って彼女の相手をするしかないだろう。
一方通行は目覚めたばかりで覚醒しきっていない頭脳と身体に鞭打ち、彼女の相手をする覚悟を固めた。
「おはよう一方通行、随分早いのね?」
「……へ?」
結標の第一声に、一方通行はポカンと口を開け、呆けたような声を漏らす。
奇声を上げながら向かってくる結標をカウンターで切って落とす、それが彼の考えていたシナリオだった。
しかし、当の結標は声を荒げる事も飛び掛ってくる事も無く、ただ静かに微笑みながら朝の挨拶をするだけで
そこに何時もの変態っぷりなど微塵も見えない。これは一体どういうことなのか。
また、おかしな点はそれだけではない。
(あ、一方通行……?コイツ、今俺の事を一方通行と呼ンだか!?)
そう、普段彼の事を「あっくん」というナメた呼び方しかしない彼女が、ごく普通に「一方通行」と呼んだのだ。
これを異常事態と呼ばずしてなんと呼ぼう。そんな日頃の結標の態度からは考えられない異常な光景に、
一方通行は目を見開き、ひたすら困惑しながらその場に立ち尽くした。
「寝惚けてるの?顔でも洗って来たら?その間にコーヒー淹れて上げるから」
「あ、あァ……」
そんな彼の様子を寝惚けていると判断したのか、結標は苦笑いをしながら彼に顔を洗いに行くよう促す。
半分思考停止状態だった一方通行は素直にそれに従い、よろよろとした足取りで洗面所へと向かった。
(……何が起きてる?何を企ンでる?)
バシャバシャと冷たい水で顔を洗いながら、一方通行は全力で脳を回転させる。
先程の、まるで出来の悪い弟を可愛がる姉のような慈愛に満ちた対応、普段の結標からは考えられない。
本来の彼らの関係は、行き過ぎたブラコン姉とそれを割と本気で煩わしがる弟、というような構図のはずだ。
それが一体何故、どこで何が狂ってこんな事になってしまっているのだろうか。
(そもそも、あれ本当に結標か?)
タオルで顔を拭いながら、一方通行は最も根本的な部分に疑いを向けることにした。
そう、そもそも先程の女性が結標ではなく他の女性だったなら、悩むことなど一切ないのだ。
結標じゃなかったら誰なんだ、と聞かれると答えに窮してしまうが、
それでも結標があんな反応をする事の方が彼には信じられない。
(多分寝惚けてたンだな、きっとそォだ)
そんな風に自分を納得させ、サッパリとした気分で居間へと引き返す。
が――
「お帰りなさい、目は覚めた?」
「……あァ」
そこで待っていたのはやっぱり何処からどう見ても結標であった。
淡い期待をバッサリと切り捨てられ愕然とする一方通行だったが、そんな彼を尻目に、
結標は微笑みながら、彼が普段使っているコーヒーカップにドリップしたばかりのホットコーヒーを注ぎ始める。
香ばしいコーヒーの香りが部屋中に充満し、カフェイン中毒の気がある一方通行の鼻腔を擽る。
普段の彼ならテンションが上がる所だが、その大好きなコーヒーの香りを持ってしても拭いきれない、
無視できない違和感が、彼の意識を支配していた。
「はいどうぞ……どうしたの?私の顔に何かついてる?」
「……オマエ、誰だ?」
一方通行に見つめられている事に気付き、結標はコーヒーカップを差し出しながら首を傾げる。
その彼女に、一方通行は真っ向から率直な疑問をぶつけた。
結標が騒がしくないというのは彼的にはむしろ望む所のはずなのだが、
ここまで日頃の彼女と違うというのは流石に気味が悪い。
別人かと疑いたくなるのも仕方のない事だ。
「ちょっとちょっと、同棲し始めてからもう一ヶ月は経ってるわよ?そういう冗談はやめてくれない?」
まったくもう、と苦笑いをしつつ、彼女はあくまでも自分は結標だ、と言い張っている。
実際、見た目も服装も結標そのもので、一方通行が愛用しているコーヒーカップまで知っているのだから
彼女本人に間違いないと思って良いだろう。
そもそも一部の人間しか入る事の出来ない一方通行の家にいる時点で、
何者かが結標に変装しているという可能性は極めて低い。
ただ、それでもやはり本人だとは信じられないほど、性格が変わってしまっている。
「ホントに、結標なンだな?」
「しつこいわよ、他に誰に見えるのかしら?」
「いや……ならいいンだが……」
それならいい、と言いつつも、一方通行はどうしても漠然とした不満を拭えなかった。
結標が大人しくなる事、常識的な行動を取ってくれる事、それは普段から彼が切望していた事であり、
つまり今の状況は彼の念願が叶ったモノに違いないのだ。
暴走気味のスキンシップを強要しなくなったからといって、
別に一方通行に興味が無くなったというわけではないだろう。
彼女の淹れたコーヒーはぽかぽかと真心で暖かく、彼女の視線には類を見ないほどの親愛が込められている。
だと言うのに、何故こんなにつまらないのだろう、何故こんなに物足りないのだろう。
一方通行は自分で自分の事がわからなくなり始めていた。
(まさか俺は、望ンでたってのかァ?普段のコイツの反応を……そンな馬鹿な……)
無言でコーヒーを啜りつつ、自分の内から湧き上がってきた衝動を必死に否定する。
しかしどれだけ否定しても、今の状況を物足りない、退屈だと感じている自分が確かに存在している。
結標は既に彼から視線を外し、鼻歌交じりに朝食の準備に取り掛かっていた。
その姿は理想の嫁、理想の姉と呼べるかもしれない。
しかし、その極めて理想的な姿が、一方通行にはどうしようもなくそっけないものに感じられ、
彼をどうしようもなく物悲しい気分にさせる。
(……もォ『あっくん』とは呼ばれねェのか)
そう思うだけで酷く寂しい気持ちになり、胸が締め付けられるような不快感を覚える。
認めよう、彼は望んでいるのだ。あの馬鹿らしくも愛おしい、人間的にダメダメな結標の姿を。
彼女の無償の愛と、鬱陶しいほどのスキンシップを。
しかしもう遅い、どういう理屈かはわからないが、結標は今や完璧にマトモな人間になってしまった。
もうあの日々は戻らないのかもしれない。だが彼は諦めたくなかった。本来の結標を取り戻したかった。
それ故、最後の希望を込め、一方通行はある言葉を口にする。
「……お姉ちゃン」
「……!」
朝食の準備をしていた結標の手がピタリと止まり、彼女は驚いたような顔をして一方通行の方へと向き直る。
しばし無言で見つめ合っていた二人だったが、やがて結標は眉を八の字にし、
困ったような笑みを浮かべ、ゆっくりと口を開いた。
「もう……本当に甘えんぼね、『あっくん』は」
「!!」
「あっくん」、その言葉を聞いた一方通行の顔がパッと明るくなり、彼はすがるように結標へと近寄る。
結標はそんな彼を、苦笑しながらも嬉しそうに自分の胸へと迎え入れると、慈しむ様にぎゅっと彼を抱きしめた。
時間を忘れ抱き合う二人。そして――
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結標「そんな流れになる事を夢見て、あっくんよりも早起きして居間に陣取っている私です」
結標「シミュレーションは完璧ね、あっくんが可愛すぎて思わず白米をお茶碗10杯も食べてしまったわ……」
結標「……まぁコーヒーの淹れ方なんて知らないんだけどね」
結標「缶コーヒーでも構わないわよね、うん」
結標「さぁ、後はあっくんが目を覚ますのを待つだけ……フフ、胸が高鳴るわ」
一方通行「ふあァ……眠ィ……ン?」ガチャ
結標(きたきたきたああああ!!!
さぁ、素っ気無い態度を取って普段のお姉ちゃんのありがたみを理解させる作戦スタートよ!!)
一方通行「なンだ早ェな、もォ起きてたのかよ」
結標「(行くわよ、クールに!!)あら、おはよう一方通……あく、せら……あ……」
一方通行「ン?」
結標(……無理や、我慢でけへん)
結標「あっくうううううううん!!!!」ガバッ
一方通行「うおォォ!?朝っぱらからなンだテメエ!!!」ベチーン!!
結標「ぐふぅ!!」ビターン
一方通行「ったく、オマエはホントいい加減に……」
結標「まだまだあああ!!!今日のお姉ちゃんは一味違うわよおおおお!!!!」ヒュンッ
一方通行「座標移動か!?って、朝からホント何やってンだオマエはァァァァ!!!」
結標「このままあっくんの部屋に飛び込み!あっくんの温もりが残っている布団を頂く!!」
一方通行「待てコラァァァァァ!!!!」
part3【後編】の続きです