1 : 1[sage] - 2013/09/15 17:46:50.51 naaF0keR0 1/360

相棒×呪怨のクロスSSです。

需要が無いかもしれませんが興味を持たれた方はよろしければ読んでやってください。


元スレ
右京「呪怨?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379234810/

2 : 1[saga] - 2013/09/15 17:49:07.14 naaF0keR0 2/360

呪怨

強い恨みを抱いて死んだモノの呪い。

それは、死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、『業』となる。

その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。

3 : 1[saga] - 2013/09/15 17:49:40.12 naaF0keR0 3/360

第1話 剛雄

2008年


東京都練馬区某所にあるアパートで惨殺死体が発見された。


パシャッ  パシャッ


米沢たち鑑識が現場検証を行っている中、
現場に駆け付けた捜査一課の伊丹たちもこの光景に思わず吐き気を催すくらいであった。

芹沢「ウゲェ…酷い状態ですね、思わず吐きたくなりますよ。」

三浦「こんなところで吐くんじゃないぞ…刑事のゲロで現場荒らされたなんて話にも
ならないんだからな!」

伊丹「たくっ!何年刑事やってんだ!新米じゃねえだろ!」

三浦「だが確かにこいつぁ酷過ぎるな…なんだってんだ…」

芹沢「米沢さん…こんな状態の死体相手でも黙々と仕事してるんですね…」

米沢「まあプロですから、駅のホームで引かれた死体とかの方がもっと酷いですからな…」


5 : 1[saga] - 2013/09/15 17:50:22.29 naaF0keR0 4/360

ベテランの刑事でさえ目を覆いたくなる光景、それほどまでにこの殺害現場は凄惨な
光景に包まれていた。

伊丹「まぁ…俺もこんな惨殺死体の殺人現場は仕事でなけりゃ絶対に来たくはないがな。」

米沢「同感ですな、ですがその惨殺死体の殺人現場に好き好んで来る方もいらっしゃる
ようですよ。」

伊丹「そんなヤツいるわけ…あぁ!?」

亀山「ここが殺害現場ですか。」

右京「失礼しますよ。」

三浦「呼んでもいないのにまた来たか…」

伊丹「コラー!亀山係の特命!!いつもいつも勝手に来るんじゃねえ!お呼びじゃねえんだよ!」

亀山「誰が亀山係だ!ちゃんとなぁ…特命係の亀山さまと呼べ!」

伊丹「何気にさま付してんじゃねえよ!?」

芹沢「先輩もう特命係である事に違和感を感じなくなっちゃいましたね。」


6 : 1[saga] - 2013/09/15 17:52:42.53 naaF0keR0 5/360

三浦「たしかお宅ら先日瀬戸内米蔵先生を検挙して今日はその裏付けの調書を
取ってたんじゃないんですか?」

右京「えぇ、その調書の作業も終わって戻る最中にこちらで事件だと聞いたもので。」

亀山「大至急こっちに来てやったんだよ、感謝しろよこの野郎♪」

伊丹「うっせえ!早く帰れ!」

亀山と伊丹の毎度の漫才もようやく終わり右京は現場の状況について尋ねてみた。

右京「それで被害者の身元は?」

芹沢「殺されたのはこの家に住む『小林真奈美』さんですね、発見したのは近所の隣人です。
何か妙な音がしたのでこちらに来たら玄関から血だまりが溢れてたので通報したとの事です。
殺害方法は刃物による刺殺です、ちなみに妊娠中だったそうですよ…だからお腹の子も…」

伊丹「まったく胸糞悪くなる話だぜ!妊婦殺しただけじゃ飽き足らずお腹にいる
赤ん坊まで殺しやがって!!」

右京「お腹の中にいる赤ん坊まで?それは一体どういう意味ですか?」


7 : 1[saga] - 2013/09/15 17:53:24.43 naaF0keR0 6/360

米沢「それは…こういう事ですよ…」

米沢は右京の疑問を解決させるべく『あるモノ』が入ったビニール袋に指を指した。
しかし中に入っているモノが何かとはあまり告げたくはなかったからだ。

亀山「あの…中に何が入っているんですか?」

米沢「私も鑑識の仕事やってそこそこ経ちますが…あんなモノを見るのは初めてでした…」

右京「どうやら中身はトンデモないモノのようですね、ちょっと我々も拝見してみましょうか。」

だが中身を見た瞬間右京たちは驚愕する、なんとそこに入っていたのは…

亀山「ウゲッ!なんですかこれは!?」

伊丹「おい吐くんじゃねえぞ!こんあところで吐いたら現場からしょっ引くぞ!」


8 : 1[saga] - 2013/09/15 17:53:57.03 naaF0keR0 7/360

亀山「わかってらぁ!けどこいつは…」

右京「これは…胎児の死体ですね!しかもこの身体だとまだ出産時期ではありません。
まさか…」

米沢「ハイ、杉下警部のお察しの通り犯人は被害者のお腹の中にいる赤ん坊を
刃物で無理矢理切り開き取り出したのでしょうな…」

亀山「なんて酷い事を…犯人絶対に許せねえ!」

伊丹「お前に言われなくたってなぁ!俺たちが絶対に犯人捕まえてやらぁ!」

右京「ところで被害者は妊娠していたという事はご主人はどちらに?」


9 : 1[saga] - 2013/09/15 17:54:39.68 naaF0keR0 8/360

三浦「ご主人は小林俊介、小学校の教師です。
さっきから連絡してるんですが音沙汰無しなんですよ。
まったく女房と子供がこんな目に合ったってのにどこで何やってんだか…」

伊丹「もしかしたら旦那が犯人かもしれねえな、よし!旦那を探すぞ!」

三浦、芹沢「「了解!」」

伊丹たち捜査一課が犯人を旦那であると決めつけていたが、そんな伊丹たちは無視して
右京と亀山は現場検証を行っていた。


10 : 1[saga] - 2013/09/15 17:55:09.90 naaF0keR0 9/360

右京「おや、受話器が外れていますね。」

米沢「恐らく犯人と揉み合ってる最中に外れたのでは…」

右京「とりあえず通話記録を割り出してもらえますか。」

米沢「細かい事がなんとやらですな、わかりました!」

亀山「しかし被害者の女性を殺しただけじゃ飽き足らず、お腹の子供までこんな
惨たらしい目に合わすなんて…これは怨恨の線が濃いですね!」

右京「確かに僕も動機は怨恨だと思いますが…しかし問題は何故ここまで惨たらしく
殺したかですが…」

亀山「やはり伊丹たちが言うように旦那が殺したんでしょうか?」

右京「もしそうならわざわざ自宅に死体を残すと思いますか?
こんな家の中で殺せば一発で自分が犯人だと疑われてしまいますよ。」

亀山「それじゃあこれは他の第三者の犯行だと?けど誰が…」

右京「確かご主人は小学校の教師をなさってるとか、ちょっと職場に行ってみましょうか。」


11 : 1[saga] - 2013/09/15 17:56:01.03 naaF0keR0 10/360

~小学校~


さっそく右京たちは小林俊介が勤める小学校へと向かった。

校長「さっきも刑事さんたちにお話ししましたけど…あの強面の刑事さんに。」

亀山「すいませんねぇ、ヤツらとは部署が違うんで…」

右京「申し訳ありませんがもう一度お話を聞かせてもらえますか。」

校長「わかりました、けど小林先生の勤務態度に問題なんてなかったですよ。
まあ問題があったといえば児童の方なんですけど…」


12 : 1[saga] - 2013/09/15 17:56:43.60 naaF0keR0 11/360

右京「児童の方?」

校長「これはさっきの刑事さんたちには関係ないと思って話さなかった事なんですけど、
実は小林先生が受け持ったクラスにはひとりだけ不登校児がいましてね。
名前が『佐伯俊雄』という子なんですが…」

右京「佐伯俊雄くんですか、何故その少年は不登校を?」

校長「クラス内ではイジメの問題はなかったそうです、何か問題があったとするなら
恐らく…家庭の問題でしょうな。」

亀山「家庭の問題?」

校長「こんな事大きな声では言えませんがね…俊雄くん…虐待に合ってる可能性が
あるんですわ…」

右京「児童虐待…ですか。」


13 : 1[saga] - 2013/09/15 17:57:20.61 naaF0keR0 12/360

亀山「そんな…大変じゃないですか!児童相談所には連絡したんですか!?」

校長「あんなところ…確たる証拠がなきゃろくに動いちゃくれませんよ…
それで先日小林先生が自宅訪問に行ったらしいんですが…」

右京「それでどうなりましたか?」

校長「実は…それ以来音沙汰が無いんですよ、まさか佐伯さんと何かトラブルがあったんじゃ…」

右京「なるほど、ところで…ひとつよろしいでしょうか?」

校長「何でしょうか?」

14 : 1[saga] - 2013/09/15 17:58:24.97 naaF0keR0 13/360

帰り道、車の中で右京と亀山は先ほどの話について検証をしてみた。


右京「…」

亀山「右京さん、さっきの話気になっているようですね。」

右京「佐伯俊雄という少年の自宅を訪問した後に小林俊介は行方不明になった。
もし彼が母子を殺害したのであればその直前にわざわざ自宅訪問すると思いますか?」

亀山「けど教え子の親が担任の教師に虐待を注意されたからってあんな惨殺をしますかね?
そんな事で怒り狂っていたとなればそいつは常軌を逸してますよ。」

右京「とりあえず佐伯俊雄少年の自宅に行ってみましょうか。」

亀山「うっす!」


15 : 1[saga] - 2013/09/15 17:58:57.43 naaF0keR0 14/360

~佐伯家~


右京と亀山は一応話を聞くために佐伯家にやって来ていたが…

亀山「佐伯さ~ん、いますか!警察ですよ!」



ドンドン  ドンドン



亀山は力強くドアをノックしたが誰も出る気配が無かった。

右京「亀山くん。」

亀山「何すか?今ドアをノックしてる最中なんですけど!」

右京「庭が荒れ放題ですねぇ…」

亀山「庭?…うわっ!雑草だらけッスね…」


16 : 1[saga] - 2013/09/15 18:00:00.21 naaF0keR0 15/360

そう…右京が指摘した通り佐伯家の庭は手付かずの状態であり、
木が一本生えている以外は雑草などが無造作に生い茂っていた。

亀山「勿体ないッスね、都内の庭付き一軒持ちなのにこんな荒れ放題にしちゃって…」

右京「そうですねぇ、おや?あれは…」

亀山「どうかしたんですか?」

右京「庭にある木の根元…何か掘られた跡がありますね。」

亀山「あ…本当だ、何でしょうね?」

右京「確かめてみましょうか。」

亀山「ちょっ!?右京さん…ここ私有地なんですよ!」

右京「細かい事が気になるもので…僕の悪い癖♪」

亀山「いいのかなぁ…」


17 : 1[saga] - 2013/09/15 18:01:09.06 naaF0keR0 16/360

亀山の心配を余所に右京はさっそくその木の根元を掘り返してみると…
そこには一冊のノートが埋められていた。
ノートには『川又伽椰子』という名前が書かれていてさっそくノートの中身を見たが
そこに書かれていたのは…

右京「この文章は…」

亀山「何が書かれていたんですか?」

右京「おやおや、キミも気になりますか?」

亀山「やっぱりこういうのはどうしてもねぇ、気になっちゃうじゃないですか!
それでなんて…」

右京「…これはどうやらその川又伽椰子さんの日記なんですけどねぇ…
彼女は我々が捜索中の小林俊介氏を愛していたようですよ。」

亀山「愛していた?どういう事ですか!」

右京は亀山にもその日記を見せるとそこには川又伽椰子の熱烈的な愛が綴られた
文章が載っていた。


18 : 1[saga] - 2013/09/15 18:01:36.03 naaF0keR0 17/360

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

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『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

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19 : 1[saga] - 2013/09/15 18:02:04.24 naaF0keR0 18/360

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

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20 : 1[saga] - 2013/09/15 18:02:31.85 naaF0keR0 19/360

『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』『小林君が好き!』

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21 : 以下、新鯖からお送りいたします[... - 2013/09/15 18:03:26.70 naaF0keR0 20/360

亀山「な…なんじゃこりゃ!?」

右京「どうやらこの川又伽椰子なる女性は小林俊介氏の事を熱愛していたようですよ。
これが相思相愛だったのか…それとも彼女の一方的な愛だったのかはわかりませんが…」

亀山「いや…こんな気持ち悪い文章書いてるんだから絶対後者に決まってますよ!」

右京と亀山が日記について言い合ってる直後であった、ある人物が二人に声を掛けてきた。


22 : 1[saga] - 2013/09/15 18:04:22.07 naaF0keR0 21/360

―「おいアンタら!ウチで何をしている!?」

亀山「へ?ウチ?」

―「そうだ!ここは俺のウチだ!お前ら何をしている!?」

右京「ひょっとして佐伯さんですか?失礼しました、我々は警察の者です。」

剛雄「警察だと?」

右京「ハイ、警視庁特命係の杉下と言います。」

亀山「同じく亀山です。」

剛雄「警察が何しに来た?」


23 : 1[saga] - 2013/09/15 18:05:07.53 naaF0keR0 22/360

右京は家主であるこの男に先日俊雄のクラスの担任である小林俊介が行方不明で
何か心当たりがないかと尋ねたが返ってきた返事はというと…

剛雄「フンッ!人さまの女房に手を出したヤツの事なんぞ知らん!」

亀山「手を出したってどういう事ですか?」

剛雄「アンタらもその日記を見たんだろ、ならわかるだろ!」

右京「ところで…ひとつお願いがあるのですが…俊雄くんと会わせてもらえますか?」

剛雄「俊雄は………病気だ!会う事は出来ない!」

亀山「あなたが虐待を行っているという話があるんですけどねぇ…」


24 : 1[saga] - 2013/09/15 18:05:48.66 naaF0keR0 23/360

剛雄「うるさい!アンタらは殺人事件の捜査で来たんだろ、早く帰れ!!」


バタンッ


亀山「あの…まだ話は終わってないんですよ!開けてください!」



ドンドンドン  ドンドンドン



亀山は再び力強くドアをノックするもののそれ以降佐伯剛雄が出て来る事は無かった。

右京「どの道我々は令状を得ているわけではありません、今日のところは帰りましょう。」

亀山「け…けど、あの親父絶対子供を虐待してますよ!このままにしておいていいんですか?」

右京「だからですよ、このまま僕たちが彼にストレスを与え続けていればその矛先は
誰に向かうと思いますか?」

亀山「はい…」

結局その日は大人しく引き下がるしかなかったが帰り際、
亀山は再度佐伯家を覗くと窓の外で白いワンピースを着た髪の長い女性が自分たちを見送っていた。


25 : 1[saga] - 2013/09/15 18:06:24.18 naaF0keR0 24/360

~花の里~


結局ろくな手掛かりも無しで二人はいつもの花の里で一息ついていた。


美和子「じゃあ何かね?虐待の可能性がありながらノコノコ帰ってきちゃったわけ?
情けないわねぇ…」

亀山「俺だってさぁ…踏み込みたいよ、けど無理なんだよしょうがねえだろ…」

右京「えぇ、令状もありませんからどうしようもありません。」

亀山「ところで話は戻しますけど小林俊介は何処へ行っちゃったんですかね?」


26 : 1[saga] - 2013/09/15 18:06:56.77 naaF0keR0 25/360

右京「そうですねぇ、妻と子供が殺されたという事は彼の身にも何か異変があったとみて
間違いないと思います、もしかしたら彼も既に…」

たまき「それにしてもお腹の中の子供まで恨むだなんて…まるで嫉妬のような感じがしますね。」

右京「嫉妬…ですか?」

たまき「ほら、推理小説とかでもあるじゃないですか。
無理矢理別れさせられた女性が嫉妬に悩んで相手の子供を殺しちゃうとか。
そういう時って憎んでる相手本人じゃなく本人の親しい人を殺した方が
余計苦しむんじゃないかって。」

亀山「……なぁ…たまきさんってたまに凄く恐い事言うよな…」

美和子「そうだよ、だから絶対たまきさんを怒らせちゃダメなんだからね!」

右京「なるほど、本人ではなくその親しい相手ですか…」


27 : 1[saga] - 2013/09/15 18:08:05.65 naaF0keR0 26/360

翌日…


~特命係~


翌日、亀山が特命係に出勤すると右京はある一冊のノートを読んでいた。

亀山「おはようございま~す!あれ?右京さん、今読んでるノートってもしかして…」

右京「えぇ、昨日佐伯家の木の根元に埋めてあったノートを持ってきたのですが。」

亀山「あのノート持ってきちゃったんですか!警察官がそんな事しちゃダメでしょ!」

右京「それはともかくこのノートを読んでみましたがとても興味深い事がわかりました。」

亀山「一体何がわかったんですか?」


28 : 1[saga] - 2013/09/15 18:09:30.33 naaF0keR0 27/360

右京「昨日、佐伯俊雄くんの小学校へ行った時に校長先生にお願いして
俊雄くんの家族構成の資料をお借りしたのですが
そのノートの持ち主である川又伽椰子なる女性は旧姓で現在は『佐伯伽椰子』という
名前だそうですよ。」

亀山「佐伯?…まさか昨日俺がベランダ越しで見た女性が…」

右京「そう、昨日お会いした佐伯剛雄の奥さんですよ。」

亀山「あの強面の…ていうかあの人薄幸そうな美人だったよな…
あんなおっさんに美人の奥さんは羨ましいわ…
ってそんな事じゃないですよね、その佐伯伽椰子がどうしたというんですか?」

右京「実は彼女、大学時代に小林俊介と同期だったようですよ。」

亀山「動機ってそれじゃあ二人は知り合いだったんですか!?」

右京「いえ、知っているのは佐伯伽椰子だけだったみたいですよ。
どうやら昨日キミの言った通り彼女の一方的な愛情のようみたいですねぇ。」


29 : 1[saga] - 2013/09/15 18:10:29.75 naaF0keR0 28/360

亀山「随分と二人の間柄に詳しいですけどそれってまさか全部ノートに載っている事
なんですか?」

右京「えぇ、このノートに事細かく載っています。
例えば見てください、ここです。」

亀山「え~と何々?」


98年 10月3日。
今日、小林クンと目があった♥♥♥♥
小林クンは又、いつもの本屋にきて、その時の事。私の予想した通りだ。 いつもの.…


亀山「何だこれ?書いてある事がほとんどストーキング行為じゃないですか!?
あんな美人な奥さんなのに性格がこんな残念だなんて…」

右京「彼女は引っ込み思案な性格だったようで学生時代は彼と一度も喋れなかったようですよ。」

亀山「ちょっと貸してみてもらえますか?うわっ!なんじゃこりゃ!?
小林俊介の詳細なプロフィール…ホクロの数…しかも数える時に天井裏に忍び込んでいた!?
…これは…なるほどこの事件全部謎が解けましたよ!」


30 : 1[saga] - 2013/09/15 18:11:12.36 naaF0keR0 29/360

右京「では参考がてらキミの推理を聞かせてもらえますか?」

それから亀山は珍しく自分の推理を右京に語り始めた。

亀山「つまりこういう事ですよ!
当時の川又伽椰子はずっと小林俊介に一目惚れしていた!!
しかし想いは果たせず伽椰子は佐伯剛雄となし崩し的に結婚…
だが伽椰子はそんな小林俊介への想いは忘れられなかった!
そして伽椰子は小林俊介への想いを果たそうとした、けどそれにはある障害があった!
それこそが小林俊介の妻真奈美!伽椰子は真奈美とお腹の子を惨殺した!
どうですかね?」

右京「そうですねぇ、今の推理は…50点てところでしょうか。」

亀山「ご…50点!?今の推理ダメなんですか?」

右京「いえ、案外いいところまで突き詰めていると思いますよ。
まあそれはともかくとして僕は少し出かけます。」


31 : 1[saga] - 2013/09/15 18:12:08.43 naaF0keR0 30/360

亀山「どこへ行くんですか?」

右京「俊雄くんが生まれた産婦人科の病院です、僕の勘が正しければ恐らく…」

亀山「すいません、俺もちょっと…いいですか?」

右京「おや?キミはどちらへ?」

亀山「あぁ…パスポートを取りに…」

右京「そういえば亡くなった兼高公一さんの報告をしに行くために申請していたのですよね。」

亀山「すんません、仕事中なのに…」

右京「いえ、構いませんよ。」


32 : 1[saga] - 2013/09/15 18:13:14.84 naaF0keR0 31/360

それから数時間後…


亀山「すいません、待たせちゃって!そっちは何か収穫掴めましたか?」

右京「えぇ、恐らく確信に近付けたと思うのですが…」

亀山「へぇ…そうですか、しかし佐伯剛雄は女房の浮気を知ったから
子供を虐待してるんすかね?
まったく自分の子供をなんだと思っているんだか…生まれた時とか名前をちゃんと考えて
あげた時の事を忘れちゃうもんなのかな?」

右京「子供…名前…?『俊雄』、『俊介』『剛雄』…亀山くん!それですよ!!」

亀山「え…何がですか?」

右京「しかし困りましたね、現時点では証拠が何も無い…どうしたものだか…」



33 : 1[saga] - 2013/09/15 18:14:18.91 naaF0keR0 32/360

犯人が分かっても証拠が無い、悩んでいた右京と亀山の前にいつものあの男がやってくる。

角田「よっ、暇か?コーヒー貰いにきたよん♥
プハァーッ!やっぱりここで飲むコーヒーが一番だねぇ♪」

亀山「いや…コーヒーなんてどこで飲んでも一緒でしょ…」

角田「何言ってんの!ここで飲むのがいい…うん…これは…」

亀山「どうかしたんですか?」

角田「いや…この名前…こいつって確か……」

課長の思わぬ発見により事件はこの後急展開を迎える事になる。


34 : 1[saga] - 2013/09/15 18:14:47.79 naaF0keR0 33/360

~佐伯家~


ピンポ~ン


―「佐伯さん、業者の者ですけど開けてもらえますか?」

剛雄「業者だと?そんなモノは頼んでいないぞ!」

―「でもねぇ、ここだと言われてきたものでして…ちょっと玄関開けてもらえますか?」

佐伯剛雄は覚えのない業者の来訪に困惑したが、玄関越しでその連中が業者である事に
確認を取り玄関を開けようとした、だが…


35 : 1[saga] - 2013/09/15 18:15:32.28 naaF0keR0 34/360

大木「ハイ警察!」

小松「佐伯剛雄!匿名のタレコミがあったので捜査させてもらうぞ!」

剛雄「なっ!警察だと?お前ら騙しやがったな!?」

そう、先ほど剛雄が玄関越しで見た業者とは組対5課の大木と小松が変装した姿だった。

右京「騙すような真似をしてすみませんねぇ、しかしこちらも人の命が掛かってますので…
亀山くん!急いで家の中を調べてください、俊雄くんの保護を最優先で!」

亀山「了解!!」ダッ

剛雄「ま…待て!令状も無しで家の中入っていいと思ってんのか!?」


36 : 1[saga] - 2013/09/15 18:17:12.05 naaF0keR0 35/360

角田「匿名のタレコミがあるって言ったろ!
まあ匿名というよりも特命からのタレコミなんだけどな…
佐伯剛雄!城南金融の幹部で麻薬密売の噂のあるお前さんだ、簡単に捜査の令状が
降りたぞ!
おい、大木!小松!お前たちも亀ちゃんの手伝いに行ってやれ!」


大木、小松「「ウィーッス!!」」



剛雄「いい加減にしろ!こんなの不当捜査だ!何故俺がこんな目に合わなきゃ…」



自分は無罪だ、そう主張する剛雄だがそんな彼の主張に対し右京は怒りを露わにする。

右京「いい加減になさい!あなたは既にいくつもの罪を犯している!!
佐伯剛雄さん、率直に言います。
小林真奈美さんとそして体内にいる赤ん坊を殺害したのは…あなたですね!」

剛雄「な…何を下らん事を…何故俺がそんな女を殺さなければならない…」


37 : 1[saga] - 2013/09/15 18:18:13.54 naaF0keR0 36/360

右京「最初に僕がここに来た時あなたはこう仰った。
『アンタらは殺人事件の捜査で来たんだろ』と、しかしあの段階ではまだ事件の報道は
伏せられていたんですよ!」

剛雄「そ…そんなの偶然だ!そんな事で俺を犯人と決め付ける気か!?」

角田「そうだ…確かに確たる証拠は…」

角田がそう言った時だった、2階を探している大木と小松が玄関口の右京と角田にあることを告げた。

大木「課長!2階の部屋なんですけど一室だけ鍵の掛かっている部屋があるんですけど…」

角田「鍵の掛かっている部屋だと?」

右京「恐らくその部屋です、構いません!ドアを壊してもいいからその部屋に入ってください!」



38 : 1[saga] - 2013/09/15 18:18:43.10 naaF0keR0 37/360

小松「わかりました、行くぞ!」

大木「せーの!」


ドンッ!  ドンッ!


2階から力強い物音が聞こえてきた、最早2階の鍵の掛かった部屋が破れるのも時間の問題であった。
剛雄はこの行為は違法だと主張し始めた。

剛雄「やめろ!これ以上やるなら弁護士を呼ぶぞ!」

右京「呼ぶならどうぞご自由に、しかしあなたが弁護士を呼んでいる間に彼らがドアを
こじ開ける方が早いと思いますがね!」

剛雄「クソッ!」


39 : 1[saga] - 2013/09/15 18:20:16.37 naaF0keR0 38/360

角田「なぁ…警部殿…一体2階に何があるんだい?」

右京「課長、このおウチですが車がありませんね。」

角田「車だと?」

右京「殺人が行われた場合、まず処置をしなければならないのは死体の始末です。
一人の人間の身体を処分するにしても安易に捨てるわけにもいかない…
まあこの場合一番無難なのは山奥の深くか、それとも海の中に捨てるのが一番でしょうが
それらを行えない場合どうするのでしょうかね?」

角田「そりゃ…自分の見える範囲に死体を…そうか!じゃあ2階には!?」

右京「えぇ、僕の考えが正しければ…」

そう右京が剛雄の前で推理を語っている最中に、2階で調べていた大木と小松が
あるモノを発見した。


40 : 1[saga] - 2013/09/15 18:21:26.79 naaF0keR0 39/360

大木「ありましたー!死体です!」

小松「男の死体と…それと女性のバラバラ死体ですよ!?」


角田「バラバラ死体だと!」

右京「それでは2階に行ってみましょうか、勿論佐伯剛雄さん…あなたも一緒に!」


そして右京と角田は剛雄を連れ2階の鍵の掛かった部屋に入った。
そこにあったのは小林俊介の死体と女性のバラバラ死体…
それに黒猫の死体までが放置されていた。

角田「うっぷ!酷い臭いだ…こりゃ恐らく死後数日は放置してやがったな…
一課の連中に連絡しておけ、さすがに俺たちだけじゃ手に負えん!」

大木「わかりました!」

右京「こちらの男性の死体は恐らく小林俊介で間違いないでしょう。
さて…問題なのはこちらの女性の死体です。
この女性は…あなたの奥さんである佐伯伽椰子さん…そうですね!」


41 : 1[saga] - 2013/09/15 18:21:58.63 naaF0keR0 40/360

剛雄は暫く沈黙した後にこう答えた。


剛雄「そうだ!俺が殺した!」


角田「な…何でだ!こんな美人な奥さんを殺す動機が何処にあるってんだ!?」

右京「それは…奥さんである伽椰子さんが愛した人がご主人である剛雄さんではなく、
こちらの小林俊介氏だからですよ!」

角田「じゃあ動機は…浮気か?」

右京「いえ、実際に小林氏と伽椰子さんはそんな関係ではなかったはずですよ。
それに浮気と言っても彼女の一方的なモノだったはずでしょうし。」

角田「それじゃ…何でこいつは殺したりなんか…」


42 : 1[saga] - 2013/09/15 18:22:28.47 naaF0keR0 41/360

右京「実は病院に行ってきましてね、俊雄くんが生まれた産婦人科の病院です。
そこである事が判明しました。」

角田「一体何がわかったんだ?」

右京「佐伯剛雄は…精子欠乏症なのですよ!」

角田「精子欠乏症って確か男が子供作れないってヤツだろ?
けどこいつには子供が…まさか!?」

右京「そう、佐伯剛雄が小林真奈美を惨殺した理由は…あなたは自分の息子である
俊雄くんが自分と血縁関係にないと疑ったからですね!」


43 : 1[saga] - 2013/09/15 18:23:26.13 naaF0keR0 42/360

剛雄「そうだ…俊雄が生まれてからその後も子供を作ろうとしたが…
ダメだったんだ…それで病院に行って検査してもらったら…俺は精子欠乏症だと診断された…
そしてアンタが昨日見つけた日記…アレを見て…俺は気付いたんだ!
小林って男と伽椰子が浮気をして出来たのが俊雄だってな!!」

角田「なるほど、自分の子供じゃないのに腹が立って相手の女房とその子供を殺したって訳か…」

剛雄「それに伽椰子は子供に『俊雄』なんてふざけた名前を付けやがって…」

角田「何で『俊雄』って名前がふざけた名前なんだよ?普通の名前じゃねえか!」


44 : 1[saga] - 2013/09/15 18:25:04.72 naaF0keR0 43/360

右京「なるほど、あなたもその事に気付いたようですね。
そうです、伽椰子さんは愛する人の名前を子供に付けたのですよ。
だからこそ小林俊介の『俊』の字を『俊雄』くんの『俊』の字として名付けたのでしょう。」

剛雄「そうさ…俺はそんな事も知らずに9年も俊雄を育てた…許せなかった!
あの女!俺がこんなにも愛していたのに!!」

右京「なるほど、伽椰子さんが異常なまでに小林俊介を愛していたようにあなたもまた、
伽椰子さんを異常なまでに愛していた…あなた方夫婦はある意味で似た者夫婦だったのですね。」

そして剛雄は泣き崩れる。
右京たち周囲の目も気にせず…それはまるで悔し涙を浮かべるように…


45 : 1[saga] - 2013/09/15 18:25:59.56 naaF0keR0 44/360

角田「そういえば亀山は何処にいったんだ?」

大木「確か1階の方を探してるはずですけど…」

右京「佐伯さん、まだあなたに聞かなければならない事があります!
俊雄くんはどうしましたか?僕の考えが正しければ恐らく俊雄くんは…」

剛雄「俊雄…俊雄は…いなくなった…」

角田「ハァ!?ふざけた事言ってんじゃねえぞ!小学生の子供がいなくなるわけねえだろ!
もしかして…お前もう殺しちまったんじゃねえのか?」


46 : 1[saga] - 2013/09/15 18:26:40.19 naaF0keR0 45/360

剛雄「本当なんだ…俺は伽椰子を殺した後に俊雄も殺そうとした。
その前に飼い猫のマーが邪魔で殺しちまったが…あいつは1階の押し入れにいると思って
開けてみた…だが…姿は見えなかった…
それから俺は家の中を隈なく探したが俊雄の姿は見つからなかった…
何処へ行ったのかなんて俺が訊きたいくらいだ!」

角田「まさか家から脱出したってのか?」

右京「しかし近隣の警察には家出少年の通報はありませんでした。
まだどこかに隠れているかもしれませんね、急いで手配をしま…」


ガタゴト  ガタゴト



右京が俊雄の捜索手配をしようとした時2階の屋根裏が騒がしくなってきた。
気になって屋根裏を覗いて調べるとそこにいたのは…


47 : 1[saga] - 2013/09/15 18:28:12.03 naaF0keR0 46/360

右京「亀山くん!何故1階の屋根裏を調べていたキミが2階の屋根裏にいるのですか?」

亀山「右京さん!よかった…まだ無事だったんですね!急いでここから逃げましょう!」

角田「な…何言ってんだよ?まだ現場検証とかちゃんとやらなきゃいけないんだぜ!」

亀山「そんな事してる暇は…あれ?その袋に入ってるのはもしかして佐伯伽椰子ですか?」

右京「えぇ、そうですがよくわかりましたねこちらの人物が佐伯伽椰子だと…」

亀山「なんてこった…じゃあ…クソッタレ!佐伯剛雄!お前の所為でなぁ…
大変な事になっちまったんだぞ!!」

角田「おいおい亀ちゃんなんだってんだよ?ちゃんとわかるように説明してくれよ!」

亀山「説明してる暇がありません!とにかく今すぐここから出るんです!
右京さん、俺の事信じてください!お願いします!!」



48 : 1[saga] - 2013/09/15 18:29:24.15 naaF0keR0 47/360

亀山はまるで切迫した事態かの如く右京たちに詰め寄り、右京は亀山の態度に只ならぬ
予感を感じていた。

右京「わかりました、キミの言う事を信じましょう。
課長、申し訳ありませんが亀山くんの言う通りここからすぐに出ましょう!」

角田「なんだかよくわからんが…わ…わかったよ!」

こうして全員亀山の言う事を信じて佐伯家を後にした。

何故かこの時亀山は佐伯伽椰子、それに小林俊介の死体をそのままにしろと言い、

その時点では遺体の回収は行われなかった。


49 : 1[saga] - 2013/09/15 18:31:22.51 naaF0keR0 48/360

それから本庁に戻った特命係は本部長に烈火の如く怒られ散々な目に合った。

彼らが怒られるのはいつもの事であるが、その理由が実は連絡を受けた捜査一課が改めて佐伯家を

現場検証に訪れた際に、小林俊介の死体しか見つからず佐伯伽椰子の死体は何処にも見当たらなかった。

それに捜索中の佐伯俊雄も…

その後捜査一課が血眼で家中を捜索したが結局俊雄少年と伽椰子の死体は発見する事が出来なかった…


50 : 1[saga] - 2013/09/15 18:31:56.80 naaF0keR0 49/360

~特命係~


二人は内村部長に散々絞られ部屋に戻ってきた、右京は再度亀山に佐伯家で何があったのか
尋ねたが亀山は何故かその事を言わなかった。

亀山「すみません…どうしても言えないんです…」

右京「そうですか、わかりました。どうしても言えない、つまり言えない事情があるなら
僕はこれ以上キミを言及する気はありません。」

亀山「…」


51 : 1[saga] - 2013/09/15 18:33:02.24 naaF0keR0 50/360

右京「ですが俊雄くんと伽椰子さんの死体行方以外にもひとつ不可解な事があります。
それは電話です。」

亀山「電話?」

右京「捕まった佐伯剛雄は小林真奈美を殺害直後に小林家の電話から
小林俊介の携帯に連絡をしていたそうですよ。
しかしここでひとつ疑問があります、小林俊介の死亡推定時刻はどうやら
その佐伯剛雄の連絡があった直後だそうです。
つまり佐伯剛雄が小林俊介を殺害するのは不可能、誰か他の人間に殺された
可能性があるのですが…」

亀山「たぶん…いや間違いなく佐伯伽椰子でしょうね。」

右京「なるほど佐伯伽椰子ですか。
確かに彼女には動機があるかもしれませんがそれもおかしい。
何故なら彼女は……佐伯剛雄が小林真奈美を殺す前に既に惨殺してたんですよ!」

亀山「…」


52 : 1[saga] - 2013/09/15 18:34:02.90 naaF0keR0 51/360

この時亀山は驚かなかった、それどころか『ああ、やっぱり』という表情を浮かべていた。
そんな亀山に対して右京は再度尋ねる。

右京「つまりキミが昨日見た佐伯伽椰子は既に死んでいたはず…なのですが…
本当に彼女は佐伯伽椰子だったのですか?」

亀山「それは…間違いないはずですよ…恐らくね…右京さんまた佐伯家に行く気ですよね…
行くのやめてもらえますか…」

右京「はぃ?」

―「あら、なんだか亀山さんにしては随分と消極的な発言ですね。」

亀山「あなたは…小野田官房長!」

右京「どうしてこちらへ?」

小野田「お前たちのためにわざわざ来たんですよ、まったく犯人逮捕出来たとはいえ
死体の消失、おまけに少年の行方不明、内村さんがクビだと言っても仕方ありませんね。」


53 : 1[saga] - 2013/09/15 18:34:47.08 naaF0keR0 52/360

亀山「迷惑かけてすんません…」

小野田「そう思うなら事情くらい聞きたいのですがね、亀山さん。」

亀山「本当に言えないんです、けど右京さん…あの家に行くのは本当にやめてください。
恐らく何年か後でまたあの家で何か事件が起こるはずです、それまで絶対にあの家には
近付かないでください!」

亀山は何故か佐伯家に近付くなという警告を右京に伝える。
しかしさすがの右京もいくら亀山の言う事とはいえその理由もわからず仕舞いでは
安易に従う事が出来なかった。

右京「キミの話はどうも肝心な部分が抜けています、それでは従う事は出来ませんね。」

小野田「せめて理由を言ってほしいですね。まだ佐伯俊雄少年が生存している可能性も
ありますから捜索を止めるわけにはいかないんですよ。」


54 : 1[saga] - 2013/09/15 18:35:27.24 naaF0keR0 53/360

亀山「危険…だからです、これから先あの家は恐らく近付いただけでやばい事が起こるはずです!
俺も詳しい事は言えないんです!いえ…言っちゃいけないんです。
それに俊雄くんはもう『この世にはいません、あの子はあの世の住人になったんですから!』」

亀山の話はどうも支離滅裂な話でさすがの右京と小野田も付いていけなかった。
しかしあの亀山がここまで言うのなら何かあると思い右京はそれ以上の事を聞かなかった。

右京「わかりました、キミがそこまで言うのなら僕はもう何も言いません。
僕はもう帰ります。」

亀山「本当にすいません!けど右京さん、これだけは絶対に覚えててください。
今、佐伯家に行ってもどうしようもありません…
けど数年後…事件が起きた時…その時は…必ずなんとかなるはずですから!」

小野田「なんとも的を得ない話ですね、お偉方は納得出来ませんよ…」

亀山「あ、小野田さん。ちょっとお話があるんですけど…」

小野田「?」


55 : 1[saga] - 2013/09/15 18:36:10.04 naaF0keR0 54/360

その夜、とある回転寿司屋で…

右京「亀山くんと何を話していたのですか?」

小野田「実は亀山くんから口止めされてるんですけど…まあいいでしょう。
なんかね…僕あと少ししたら死ぬかもって話らしいの、さすがに何の話だか
わからないから本気に出来ないんだけどね。」

右京「死んでしまうとはまた物騒な話ですね、どういう訳で死ぬのですか?」

小野田「さてね、それ以上の事は教えてくれませんでしたから。
それと亀山さん…近々ねぇ…いや僕から言うのはやめておきます、この事は亀山さんが
直接言った方が良いのでしょうね。」

右京「そうですか、ところで…お皿は戻さないでください。」


56 : 1[saga] - 2013/09/15 18:37:39.59 naaF0keR0 55/360

その夜、警視庁の拘置所にて…
剛雄は身柄を拘束されてこの拘置所の独房に入っていた、そんな時であった。




ガサガサ      ガサガサ


ゴソゴソ      ゴソゴソ



剛雄「何だ?この物音は?」


57 : 1[saga] - 2013/09/15 18:38:36.07 naaF0keR0 56/360

気になった剛雄は音のした方を見るとそこには白いビニール袋があった。
鉄格子の隙間からそのビニールを取ろうとした剛雄だったが…




剛雄「「ギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」」




その後駆けつけた係の者たちが剛雄の独房を見るとそこにあったのは…


ポタッ      


        ポタッ
    
               ポタッ


血だまりと化した佐伯剛雄の死体があった、状況から察するにこの死は事故死として警察は判断。

結局この事件は犯人の佐伯剛雄の死亡という形で幕を閉じた。



58 : 1[saga] - 2013/09/15 18:39:40.99 naaF0keR0 57/360

この事件から暫くして都内で小菅彬によるウイルス騒動の事件が発生し、

その事件を解決した直後亀山薫は警視庁を辞職、亡き友人の志を受け継ぐためにサルウィンへと渡った。

2年後、亀山の言う通り小野田公顕は警視庁の幹部職員に逆恨みの形で刺されて死亡。

尚、現在でも佐伯俊雄の捜索は続けられているが………未だに発見されてはいない。

それから時は流れる…


第2話に続きます

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