546 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:39:18.97 8vRc+h3Yo 1/38



  ――超番外編2 レベル4でパロディ学園モノ



元スレ
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」~その4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1323446036/

※関連記事
【本編シリーズ】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 【前編】 【後編】 【おまけ短編集】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その2号室 【前編】 【後編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その3号室 【本編】 【番外編】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その4号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その5号室
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その6号室 【前編】 【後編】 【幕間】
絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 その7号室
【番外編】
絹旗「……超暑いです」白井「沖縄ですし」 【前編】 【後編】
【アフター】(当SSシリーズ)
絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」
#0 プロローグ
#1 とある秋風の休日模様
#2 子どもができたら名前を考えないとね
#3 絹旗・白井のあの人はいま!
幕間1 婚后さん帰国の日&超番外編
#4 トライアングル△トーク
#5 新約・温泉に行こう
#6 きぬくろ七番勝負!(前編)
#6 きぬくろ七番勝負!(後編)
#7 はっちゃけ年末!

※注記
『絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」』は2013年10月時点で未完結です。

546 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:39:18.97 8vRc+h3Yo 1/38



  ――超番外編2 レベル4でパロディ学園モノ



547 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:40:41.27 8vRc+h3Yo 2/38


 ここは東京都西部に存在するとある中高一貫校。
偏差値60、生徒数およそ600、全クラス普通科共学。
つまるところ、公立で中高一貫ということを除いてしまえば、
特にこれといった取り柄もないありふれた学校の一つに過ぎない。

 あえて特色を挙げるとするならば、悪い噂はほとんど聞こえないということだろう。
思春期にありがちないじめや登校拒否といった問題は年間を通してほぼ発生していない。
これは常に生徒と向き合うことを怠らない名物教師陣の指導の賜物と言える。
ミニ教師、巨乳ジャージ教師、教師ゴリラと人材には事欠かない。

 さて、時期は5月下旬。柔らかな日差しが差し込む中庭、緩慢な放課後を
満喫する3人の小柄な女子生徒の姿があった。襟元に結ばれたリボンの色から
中等部一年生であることが窺える。その内の一人、黒髪のワルっぽい少女、
黒夜は少々不機嫌だった。


「だからさぁ……絹旗ちゃんはどうして、私が学校に来てる唯一無二の理由を奪ったんだよぉ」

「そんなこと言ったって、仕方ないじゃないですか。超早いもの勝ちですよ」

(まーた始まりましたの)


 怒りの矛先を向けられている亜麻色ヘアの大人しそうな少女、絹旗はと言えば、
先程から続く口撃をさらさらと受け流し続けている。それをツインテールの
上品そうな少女、白井が若干冷めた目で見ているという構図だ。

 彼女らの争いの原因と言うのは――


548 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:41:35.21 8vRc+h3Yo 3/38


絹旗 「大体、いつまでぐちぐち言ってるつもりですか。いい加減、超しつこいです」

黒夜 「絹旗ちゃんは分かってないんだよ。私はあの肉じゃがコロッケパンだけが楽しみで学校に来てんだぞ」

白井 「いや、あの、入学2か月弱でそれは少々悲しすぎますの」

絹旗 「じゃまた明日頑張りましょう、でいいじゃないですか」

黒夜 「……なんで、私の目前で最後の一つ取っちゃったの」

絹旗 「すぐ後ろに黒夜がいるなんて気づきませんでしたし」

白井 「売店は混んでおりますものね」

黒夜 「……美味しかった?」

絹旗 「超美味しかったです!」キラッ

黒夜 「……」

絹旗白井 「「?」」

黒夜 「うわぁぁぁん! 食い物の恨み、晴らさずにおくべきかぁぁぁ!!」ズガン

絹旗 「わ、あぶなっ!」

白井 (校内での喧嘩……はー、どうやら風紀委員として出番でしょうか)ハァ

   ※ジャッジメントではなく、ふうきいいん



549 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:42:37.12 8vRc+h3Yo 4/38


絹旗 「分かりました! 分かりましたから! 超ちょっと待ってください!」ゴソゴソ

黒夜白井 「「?」」

絹旗 「あ、あったあった。食べきれなくて、カバンに入れっぱなしだったのであげますよ」ハイ

白井 「きっ、絹旗さん! いくらなんでも」

黒夜 「ナメてンのかァァァァァ!!」フギャー

絹旗 「あれ? ダメですか?」

黒夜 「私に食べ残しを与えるのもムカつくし、肉じゃがコロッケパンを残したのもムカついた! 二重でムカついた!」ムキー

絹旗 「ダメだったみたいです」

白井 「それはそうでしょう。そもそも、暑くなり始めてるこの時期にカバンに入れっぱなしと言うのは……」

黒夜 「隙みっけ!」ザッ

絹旗 「あ」

黒夜 「くらえ、窒素爆槍ゼロ距離噴射!」ボシュン


<わあああああ!?


黒夜 「翔ぶがよい」フンス

白井 「あらら……」


550 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:43:40.36 8vRc+h3Yo 5/38


白井 「あの、黒夜さんの一撃は絹旗さんだからこそ耐えられたものかと思いますが」

黒夜 「分かってるよ。分かってるから遠慮なくブッ放したんじゃん」ケラケラ

白井 (頭痛がしてきましたの)


<ピシャーン


黒夜 「? 今なんか光った?」

白井 「絹旗さんが吹き飛ばされた方向ですが」

黒夜 「え、なんかマズかったかな」

白井 「とにかく参りましょう」タッ

 :
 :
 :

絹旗 「あぅ」プスプス

???? 「一体どういうつもりなの。いきなり後ろから体当たりするなんてさ」

?? 「びっくりしたよね。突然飛んできたから」

?? 「真紅のリボンってことは、中等部の一年よね。ちょっとは大目に見てあげなさいよ」


551 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:45:15.31 8vRc+h3Yo 6/38


黒夜 (おおい、大変だ! 絹旗ちゃんがヤンキー女に絡まれてるぞ!)ヒソヒソ

白井 (深翠のリボンということは、高等部の2年……わたくしたちからすれば、大先輩ですの)ヒソヒソ

黒夜 (ほら、風紀委員! 出番だぞ!)ヒソヒソ

白井 (まあ、行きますが……当事者として、黒夜さんも同行してくださいまし)ヒソヒソ

黒夜 (で、でも……なんかあの人たち怖そうだし。特にあの茶髪)ヒソヒソ

白井 (絹旗さんの名誉と安全のためでもありますの)ヒソヒソ

黒夜 (ぐぬぬ、分かったよ……)ヒソヒソ

白井 「あの、申し訳ございません」タタッ

黒夜 「わっ、わ、私の幼馴染に何してんだよ!」

番外個体 「あぁ?」ジロリ

黒夜 「」ビクッ

結標 「その腕章、風紀委員ね。ほら、これ以上騒ぎを大きくしない方がお互いのためだと思うけど?」

番外個体 「……仕方ないなぁ」ガシガシ

滝壺 「二人はこの子の友達?」

白井 「はい。あの、ご迷惑をお掛けしてしまったようで」ペコリ


552 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:46:25.34 8vRc+h3Yo 7/38


黒夜 「あのー……なんで絹旗ちゃんはコゲてんの?」

番外個体 「いやー。ついつい手が滑っちゃって」

黒夜 (手が滑ってなんでコゲるんだ!?)

滝壺 「文字通り、雷が落ちたんだよ」

白井 「差支え無ければ、何があったのか伺わせて頂きたいのですが」

結標 「私たちがここで喋ってたところにね、この子が後ろから突っ込んできたのよ」

番外個体 「で、私が薙ぎ倒されたってワケだ」

滝壺 「コントみたいだった」

番外個体 「ちょっとは心配してよ!?」

白井 「あぁ、それは……なんと言いますか……」

黒夜 「一言で言えば不幸、かな」

番外個体 「ホントにね」

絹旗 「いやいや、一番超不幸なのは私ですよ! 吹っ飛ばされた上に雷落とされたんですから!」

結標 「吹っ飛ばされた?」

滝壺 「どういうこと?」


553 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:47:23.72 8vRc+h3Yo 8/38


黒夜 「」ダラダラ

白井 「ええと、こちらで知っていることを説明させて頂きますと……」


~5分後~


真っ黒夜 「」プスプス

番外個体 「えっと……ゴメンね?」

絹旗 「いや、いいですよ。誤解は解けましたし」

結標 「だからもっと考えて行動すればいいのにさ」

番外個体 「ゴメン、ブチ切れてた」ニャハハ

白井 「まあ……今回ばかりは自業自得ですの」

白井 (それにしても、雷撃を放つ瞬間の凛々しきお姿)ハゥ

滝壺 「……ねえ、確認なんだけど。3人は中等部の一年なんだよね?」

絹旗 「はい、そうですが」

白井 「今年からお世話になっております」

滝壺 「ちょっと二人とも集合」


554 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:48:19.27 8vRc+h3Yo 9/38


3人 「「「」」」ヒソヒシゴニョゴニョ

絹旗 「……どうしたんですかね」

白井 「さあ……」

黒夜 「あいてて……」

結標 「うん、いいかもね」

滝壺 「だよね? 学年的にも人数的にもちょうどいいかも」

番外個体 「よし、3人! この後時間ある?」

絹旗 「ええ、まあ」

白井 「大丈夫ですが」

黒夜 「なんかあんの?」

結標 「ちょっと一緒に来なさい」

滝壺 「こっちこっち」

黒絹白 「「「?」」」

 :
 :
 :


555 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:49:22.53 8vRc+h3Yo 10/38


絹旗 「どこまで行くんでしょう」トテトテ

黒夜 「な、なあ……この展開って、アレじゃない?」トテトテ

白井 「アレと申しますと」コツコツ

黒夜 「人気のないところまで来たら、子分の屈強な男どもが現れて集団レ」

白井 「ないかと」

滝壺 「ほら、ついたよ」

絹旗 「ここは?」

番外個体 「元々は空き会議室。今は好きに使っていいって言われてるけどね」

結標 「さて、誰か来てるかしらね」コンコン


  ガチャ


海原 「チェックメイトですね」ニコニコ

婚后 「」ムムム...

滝壺 「ちょうど勝負がついたところ?」

海原 「おや、先輩方ですか。今、お茶を用意しますね」


556 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:50:36.87 8vRc+h3Yo 11/38


婚后 「あ、海原さん。ここはわたくしが」

結標 「いいわよ、やらせておけば」

番外個体 「おやおや、彼氏さんには厳しいんだなぁ」

結標 「学校内でカミングアウトするなっていつも言ってるでしょ!」ピコッ

番外個体 「いたっ」

滝壺 「年下彼、むしろ誇るべき」

結標 「滝壺さん!」

海原 「……おや。今日はいつもより多く用意しないといけないようですね」

絹旗 「あ、どうも」

白井 「どうぞ、お気遣いなく」

黒夜 (居づれぇ)

婚后 「こちらの方たちは?」

滝壺 「そこで拾ってきた」

黒夜 「で、ここは何の集まりなの? 部活?」

白井 「それはないかと」


557 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:52:08.16 8vRc+h3Yo 12/38


絹旗 「なんで超言い切れるんですか?」

白井 「部活動は中等部と高等部で完全に切り離されておりますもの」

黒夜 「そういや説明会でそんなこと言ってたな」

海原 「仰る通りです。ここは部活でもなんでもありません。あ、ちなみに僕は中等部2年の海原と申します」ペコリ

絹旗 「これは超ご丁寧に。私は絹旗っていいます。こっちの二人は合わせて白黒です」

黒夜白井 「「こら!」」

番外個体 「ご老公様みたいな自己紹介をどうも」ケラケラ

滝壺 「みつくにでももうちょっと丁寧だよ」

結標 「ほら、あと貴女だけよ」

婚后 「え? あっ、も、申し遅れまして。わたくしは中等部2年の婚后光子と申します」

白井 「わたくしは白井と申します」ペコリ

黒夜 「黒夜」

絹旗 「あれ? レクリエーションでやった"黒、夜、です"じゃないんですか?」

黒夜 「思い出させんなよぉぉぉ!!」

結標 (三瓶?)


558 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:53:16.75 8vRc+h3Yo 13/38


白井 「それで、ここはいったい」

海原 「はい、お茶をどうぞ」

白井 「あ、申し訳ございません」

黒夜 「」ズズ...

絹旗 「で、私たちはなんで連れてこられたんですか?」

滝壺 「勧誘」

海原 「それにはまず、ここがなんなのかを説明しませんと」

結標 「この部屋でね、テスト前にはひたすら勉強したり、テスト終われば遊び呆けたり」

婚后 「何もなければお茶やチェスをゆるりと楽しんでいたりもしますわね」

番外個体 「何が目的かって言うと、学校生活をひたすらに楽しむこと。そんだけ」

絹旗 「……それって、ただ超好き勝手にやってるだけじゃ」

結標 「そうでもないわよ? 黄泉川先生とかシルバークロース先生に認められたサークルだもの」

白井 「えぇ!?」

黒夜 「シルクロってうちらの担任じゃんか……」

海原 「黄泉川先生曰く"たっぷり学んでたっぷり遊ぶことが学生の本分じゃん"と」


559 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:54:43.25 8vRc+h3Yo 14/38


滝壺 「この部屋を使えるのも、その先生のおかげ」

番外個体 「さて、ここまでで聞くけど。どう? 入ってみる?」バチィ バチバチッ バチンッ

結標 「なんで超帯電状態で聞くのよ」ピコッ

番外個体 「いて」

黒夜 「でもなんか面白そうだな」

絹旗 「ええ、確かに」

白井 「お、お二人とも……」

黒夜 「あれ? 白井ちゃんは乗り気じゃないの」

白井 「うーん……」

滝壺 「じゃ、気が変わらない内にこれに名前書いて」つ【入隊届】

絹旗黒夜 「「」」カキカキ

白井 「……このお二人を野放しにはできませんわね。ではわたくしも」

番外個体 「素直じゃないなぁ」ナデナデ

白井 「はぅ」

婚后 「これで正式加入ですわね」クスクス


560 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:56:04.67 8vRc+h3Yo 15/38


結標 「はい、確かに。歓迎するわよ、新人さんたち」

海原 「そういえば、あの話はしなくてよいのですか?」

黒絹白 「「「?」」」

滝壺 「そうだね、しないとダメだね」

番外個体 「あのね、さっき説明した通り、私たちは基本好き勝手やる集団なの」

絹旗 「ええ、まあ」

黒夜 「でも先生方には認めてもらってるんだろ?」

婚后 「実は、それはあくまで一定以上の成績をキープしているからなのです」

黒夜 「」

滝壺 「当然だよね。それがなければ、ただ遊んでるだけの集団だもん」

結標 「それ以前にね、私たちを快く思わない人たちがいるのよ」

白井 「それはいったい」

海原 「生徒会役員です」ニコニコ

番外個体 「そんなワケだからさ、生徒会からすっごい目の敵にされてんだよね」ニャハハ

白井 「」


561 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:58:07.43 8vRc+h3Yo 16/38


海原 「まあ、僕としても最近の生徒会のやり方には疑問を禁じえませんし。ここに身をおくのも悪くないですよ」

婚后 「今の生徒会長になってから、強権的な手法が目につくようになりましたものね」

黒夜 「あー、それは思った。なんで生徒会が地方行政並の権力持ってんだっての」

番外個体 「ほら、なんて言ったっけ? 生徒会長の」

結標 「あぁ、あのホストモドキ?」

滝壺 「全校成績が第二位の人だよね、確か」

番外個体 「あいつが表に裏にいろいろ動いてるみたいよ」

白井 「あの優しそうな生徒会長が……」

絹旗 「でも敵に回して大丈夫なんですか?」

海原 「表だって対決してるという訳ではないですよ。快く思われていない、という程度です」

絹旗 「超なるほど」フム

結標 「ま、約一名被害を被ってるけどね。しつこく言い寄られて」クスクス

番外個体 「彼女NTRで第一位涙目、って魂胆だよ。大体あいつ、本命は別にいるし」ケッ

婚后 「生徒会長様と第一位様の仲は険悪そのものですものね」

滝壺 「いい迷惑だよね、みさわも」

黒夜 (さらりとすごいことカミングアウトしなかったか?)


562 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 00:59:28.70 8vRc+h3Yo 17/38


結標 「そういう訳だから。気楽にね」

絹旗 「は、はあ」

黒夜 「生徒会との対立かぁ、学園生活っぽくていいじゃないか」

白井 「そうでしょうか」

滝壺 「さて、と。今日何するか決めようか」

海原 「それは決まっているのでは?」

婚后 「新人さんたちの歓迎会をいたしませんと」クスクス

結標 「じゃファミレスでも行く?」

番外個体 「カラオケでもおkだね」

滝壺 「とりあえず出よっか」

絹旗 「あ、待ってくださいよ」トテテテ

黒夜 「置いてかないでくれよ、先輩」トテテテ

白井 「流れで加入してしまいましたが……」

絹旗 「超楽しんだもん勝ちですよ」

黒夜 「そうそう。それに先輩方とのパイプもできるしさ」ニシシ


563 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 01:00:40.55 8vRc+h3Yo 18/38



~2週間後~


白井 「お姉様! いい加減制服を着崩すのはやめてくださいまし!」

番外個体 「えー、なんで? いいじゃん」サクサク

白井 「風紀委員として見過ごせませんの!」ムキー

海原 「また始まってしまいましたか」

婚后 「ええ、まったく。はい、王手ですわね」タンッ

海原 「え? あ、あれ?」

滝壺 「」スピー

絹旗 「」パラパラ...

結標 「絹旗さんは真剣に何読んでるの?……映画情報誌?」

絹旗 「ダメですねー、超不作です」

黒夜 「絹旗ちゃんを満足させるような映画が、そうそう雑誌に載ってくるかよ」クピクピ

結標 「どういうのが好みなの?」

絹旗 「んー……説明するより、これから一緒に観に行きませんか?」


564 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 01:02:12.03 8vRc+h3Yo 19/38


結標 「え? これから?」

絹旗 「超これからです」フンス

結標 「ま、いいわ。行きましょうか」

黒夜 (あーぁ、知ーらね)

絹旗 「黒夜はどうします?」

黒夜 「いや、私はいいわ」

絹旗 「じゃ行ってきますね」

結標 「みんなお先にね」


<バタン


黒夜 (つっまんねー映画を観ながら、絹旗ちゃんの映画論を聞かされるなんて罰ゲームだろ)

滝壺 「ダメだってば……はまづら……」ムニョムニョ

番外個体 「クーロちゃーん、なんかやろうぜ」

黒夜 「じゃ、ボンバーマンで。白井ちゃんもどうよ」

白井 「む……受けて立ちましょう。今日こそは負けませんの!」フンス

黒夜 「よーし、開始開始!」カチッ


565 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/05 01:02:50.49 8vRc+h3Yo 20/38


といったところで、今回はここまでです。
生徒会役員は一方さん以外のLEVEL5とその取り巻きをご想像ください。
次回も読みきりの超番外編です。

次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。


614 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:21:43.97 sjx8LX2Vo 21/38



  ――超番外編3 シスターズトーク



615 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:22:19.33 sjx8LX2Vo 22/38



~某日 第7学区 隠れ家的喫茶店~


ショチトル 「」フキフキ

ショチトル 「……くっ……グラスの曇りがとれない……」

ショチトル 「仕方ない。コレを使うか」

ショチトル 「漂白剤は嫌いなのだが……」ゴシゴシ


<カランカラン♪


ショチトル 「いらっしゃいませ……って」

フレ止め 「「」」ヒョコッ

ショチトル 「お前たち二人だけか? 珍しいな」

フレメア 「大体、入っても平気?」

ショチトル 「営業中だ、問題ない」

打ち止め 「お客さんがいないから準備中だと思っちゃった」

ショチトル 「この時間はいつもそうだ」


616 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:23:32.80 sjx8LX2Vo 23/38


フレメア 「あれ? ミサワのお姉ちゃんは?」

ショチトル 「郵便局に用事があるとかで、出かけてるぞ」フキフキ

打ち止め 「そっかー」

ショチトル 「戻るまで待つか?」

フレメア 「お姉ちゃんに用事があるんじゃなくて、喉が渇いたから来たの」

打ち止め 「そうそう」

ショチトル 「ではご注文を伺おう」

打ち止め 「なににしよっかなー」

フレメア 「メニュー、メニュー」

ショチトル (お金は……大丈夫か。最悪、マスターが払ってくれるよね)

打ち止め 「……コーヒー牛乳ない」

ショチトル 「必要とあらば作るぞ」

打ち止め 「ホント!?」キラキラ

ショチトル (マスターと顔そっくりなのに、表情でここまで印象が異なるのか)


617 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:24:54.82 sjx8LX2Vo 24/38


フレメア 「私オレンジ!」

ショチトル 「冷たいのと暖かいのがあるが」

フレメア 「え?」

ショチトル 「?」

フレメア 「……大体、冷たいの」

ショチトル 「了解した」カチャカチャ

 :
 :
 :

打ち止め 「でね、この間夜中に目が覚めて」

フレメア 「ふむん」

打ち止め 「お手洗いに行こうと思ったら、二人が」

フレメア 「……二人が?」

打ち止め 「二人で」

フレメア 「二人で?」

打ち止め 「ナイショ」

フレメア 「むう」


618 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:26:14.27 sjx8LX2Vo 25/38


ショチトル (マスター、自重しろ……)

フレメア 「私も語っていい?」

打ち止め 「うん」

フレメア 「朝早く目が覚めたの」

打ち止め 「何時ごろ?」

フレメア 「大体、5時半。でもね。家に誰もいなかった」

打ち止め 「? なんで?」

フレメア 「分からない。その後、30分ぐらいして二人一緒に帰ってきたけど」

打ち止め 「それこそなんで?」

フレメア 「早朝ウォーキングだ、って言ってた」

打ち止め 「そっか。二人ともいつもジャージだもんね」

ショチトル (……違う想像をしてしまった私は、すでに毒されているのか)

ショチトル (自己嫌悪のあまり、頭痛がしそうだ)

フレメア 「ねー、お姉ちゃんも」

ショチトル 「?」


619 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:27:17.83 sjx8LX2Vo 26/38


フレメア 「らぶらぶな所を見せつけられることってある?」

ショチトル 「見せつける、という意図というか、本人たちに悪気はないのだろうが」

打ち止め 「うん」

ショチトル 「二人の世界に入ってしまえば、私は空気だ」

フレメア 「だよね」

打ち止め 「で、でも、ほら、空気ってことはないと困るって意味だよね?」

ショチトル 「……日本語の表現とは難しいな」

フレメア 「でもたまに気になる。私たちってどう思われてるんだろ?」

打ち止め 「……どうなんだろう」

ショチトル 「妹だろう、それ以上でもそれ以下でもない」

フレメア 「私も?」

ショチトル 「フレメアは……むしろ娘扱いされているようにも見えるが」

打ち止め 「滝壺お姉ちゃんって、母性があるもんね」

フレメア 「むう」

ショチトル 「居場所があるんだ。むしろ感謝するべきなのだろう」


620 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:28:14.51 sjx8LX2Vo 27/38



~しばらくして~


フレメア 「」ペラペラ...

打ち止め 「」パラ

ショチトル (さっきの話題にはもう飽きたのか。二人して真剣に読み物か)

ショチトル (……その4コマ雑誌、私まだ読んでないのに)

フレメア 「!」ピンポン

打ち止め 「何、今の音」

フレメア 「閃いた、にゃあ」

ショチトル 「何をだ?」

フレメア 「これ見て、これ」

ショチトル 「?」パラパラ

打ち止め 「何書いてあるの?」

フレメア 「大体、その一番右の場面」

ショチトル 「……これが?」


621 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:29:34.37 sjx8LX2Vo 28/38


打ち止め 「何書いてあーるーのー!」

ショチトル 「簡単に言えば、"私にカレができたらどうするぅ?"と妹に聞かれて
       大慌てする兄が滑稽に描かれている場面だ」

フレメア 「あ、今のセリフの言い方可愛かった」

打ち止め 「普段のお姉ちゃんっぽくなかったね」

ショチトル 「だっ、黙れ! それで、これを見て何を思いついたと言うんだ」

フレメア 「私たちもこれやってみる」

ショチ止め 「「えぇ?」」

フレメア 「それで反応を見るのだ」フンス

ショチトル 「……つらい現実が待っているかもしれないぞ?」

打ち止め 「た、例えば」

ショチトル 「好きにしろとか、自分には関係ないとか言われたらどうするんだ?」

フレメア 「それでも、気になる気持ちをこのままにしておくのはヤ」

打ち止め 「分からなくもないけど」

ショチトル 「何がそこまで駆り立てる?」


623 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:30:37.31 sjx8LX2Vo 29/38


フレメア 「大体、知りたいだけ。浜面が私のことをどう思ってるか」

ショチトル 「……分かった、私も乗ろう」

打ち止め 「じゃ私も!」

ショチトル 「では試してみて、互いに報告するという形でいいか?」

フレメア 「おk!」

打ち止め 「じゃあ、それはまた別の日に」

ショチトル 「……! この話はここまでだ」


<カランカラン♪


番外個体 「ただいまー、ってあら?」

フレ止め 「「おかえりー」」

ショチトル 「長引いたな」

番外個体 「参ったよ、混んでてさー」

打ち止め (善は急げ、さっそく今夜決行するのだ、ってミサカはミサカは決意を新たにしてみたり)

番外個体 「どうしたの?」

打ち止め 「なんでもないよ!」


624 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:32:10.02 sjx8LX2Vo 30/38



~数日後 第7学区 とある公園~


フレメア 「」ハモハモ

打ち止め 「」ハモハモ

ショチトル 「なぜ私がクレープを奢る流れになっているんだ……」ハァ

フレメア 「お姉ちゃんはよかったの?」

ショチトル 「空腹ではないのでな」

打ち止め 「甘いものはお腹が空いたからといって食べるものではないと思うの」

ショチトル 「一理ある」

フレメア 「で、で。今日はあの話するんだよね?」

ショチトル 「ああ……」

打ち止め 「ちゃんと言ってみたんだよね」

ショチトル 「抜かりない」

フレメア 「じゃ私から発表、にゃあ」シュタッ

打ち止め 「どうぞどうぞ」


625 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:33:26.93 sjx8LX2Vo 31/38



 *** 回想 自宅 寝室にて ***


フレメア 「ねーねー」ポンポン

浜面 「お、なんだ?」

フレメア 「もし私に彼氏ができたら、浜面はどうする?」

浜面 「なっ、な、なぁにぃ!? やっちまっt……じゃなくて、どんな男だ!」

滝壺 「もしも、の話だよ」

フレメア 「そうそう」

浜面 「そ、そうだったな。ま、まあ、なんというかな、フレメアも可愛い顔してるし、もしかしたらってことも」

滝壺 「フレメアが選んだ人なんだしね。……でも、個人的にだけど、アドバイスするとはまづらみたいな人がいいかも」

浜面 「おいおい。照れるじゃねぇか」

フレメア 「……浜面みたいな人って?」

滝壺 「背が高くて優しくて強くて」

フレメア 「」ウトウト

滝壺 「格好良くて面白くて器用で」

フレメア 「」スピー


 *** ここまで ***



626 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:34:32.99 sjx8LX2Vo 32/38


フレメア 「最後まで聞けなかった、にゃあ……」シオシオ

ショチトル 「それは仕方が無いとも思う」

打ち止め 「本当に浜面のことが大好きなんだね」

ショチトル (少しだけ、滝壺さん補正が入っているような気もするが)

フレメア 「どう思う?」

打ち止め 「驚いてくれてるし、可愛い顔って言ってくれてるし」

ショチトル 「彼は嘘が下手だ。それは本心なのだろうな」

フレメア 「に、にゃあ」

打ち止め 「実際連れて来たら、すっごいさびしそうな顔するんだろうね」

ショチトル 「まるで父親だな」

フレメア 「……父親かあ」

打ち止め 「じゃ、次はお姉ちゃん」

ショチトル 「私か。……先に言っておくが、笑わないで聞いてほしい」

フレメア 「大体了解」

打ち止め 「約束」


627 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:35:45.20 sjx8LX2Vo 33/38



 *** 回想 自宅 リビングにて ***


ショチトル 「もし、もしもの話として聞いてほしい。私に恋人ができたら、二人はどう思う?」

エツァリ 「」ブーーーーッ ゲホッゲホッウェ

結標 「そうね、紹介はしてもらいたいかな」

ショチトル 「その上で見極めると?」

結標 「そこまで介入するつもりもないわよ。お兄ちゃんはどうだか分からないけどね?」クスクス

ショチトル 「」ジー...

エツァリ 「ま、まあ……その時が来てみないと、なんとも」

ショチトル 「曖昧だな」ハァ

結標 「でも、そうね……貴女、歳の割にしっかりしてるし」

ショチトル 「してるし?」

結標 「年下の子とか、相性がいいんじゃない?」

ショチトル 「今の私より年下だと、下手したら小学生になってしまうぞ」

結標 「いいんじゃない?」

ショチトル (いいのか)


 *** ここまで ***



628 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:36:55.91 sjx8LX2Vo 34/38


フレメア 「お兄ちゃんびっくりしすぎ」

打ち止め 「すっごい動揺してるよね」

ショチトル 「その動揺が何に由来するかが重要なのだがな」

フレメア 「……妹をとられた! とか?」

打ち止め 「……俺の妹なのに! とか?」

ショチトル 「結局、妹ポジションから抜け出せないままか」

打ち止め 「それにしても、お姉ちゃんより年下ってことは」

フレメア 「大体、私たちと同じぐらいの男の子?」

ショチトル 「……済まないが、自分がそういう相手と懇意になるというビジョンが全く浮かばない」

打ち止め 「でもそうしたら、淡希お姉ちゃん公認だよね?」

ショチトル 「義姉さんの性格上、余程変な相手じゃなければ口は出しそうにないが」

ショチトル (というか、私の好みはむしろ年上なんだけど……)

打ち止め 「じゃあ、最後は私?」

フレメア 「語って語って」

打ち止め 「あの日の夜、早速決行したんだけど……」


629 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:38:25.24 sjx8LX2Vo 35/38



 *** 回想 自宅 夕食時 ***


打ち止め 「もしミサカが彼氏連れてくるとしたら、どんな人がいい? ってミサカはミサカは爆弾発言してみたり」

一方通行 「」ガタンガタッゴロロン

番外個体 「椅子ごとコケるほど驚くことかい。三枝師匠かっての」ガタ

打ち止め 「も、もしも、もしもの話だから、ってミサカはミサカは慌ててフォローしてみたり」アワワ

番外個体 「もしもじゃなくてもねぇ、近い将来にそうなることもあるかもしれないし」

一方通行 「……あ、あァ。で、どンなヤツだったら、って話だったか」

打ち止め 「うん、どんな人だったら二人にも認めてもらえるのかなぁ、ってミサカはミサカは素朴な疑問をぶつけてみたり」

番外個体 「別に私が認める認めないって気にすることもないと思うけど」

打ち止め 「そーれーでーもー」

番外個体 「じゃ、この人より頭いい人がいいかな」

打ち止め 「」

一方通行 (もし俺になンかあった場合に……こいつらを護れるぐれェのヤツじゃなきゃダメだ)

一方通行 (つゥことはだ、最低限……)

一方通行 「ワーストより強いヤツ、だな」

打ち止め 「」


 *** ここまで ***



630 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:39:44.74 sjx8LX2Vo 36/38


ショチトル 「マスターより強くて、且つ白い人より頭がいい人? そんな男がこの世にいるのか?」

フレメア 「大体、それじゃ生涯独身……」

打ち止め 「むむむ……あの人より頭がいい人って、世界中でも数えるぐらいしかいないかも……」

ショチトル 「まあ、それはともかくとして。椅子ごと転ぶ程度には驚いてくれたか」

打ち止め 「それはむしろ私がびっくりした」

フレメア 「全員そうだけど、すごくびっくりしてくれてるよね」

ショチトル 「それはそうだろう。何の前フリもなしにこんな話をしたのだから」

打ち止め 「でもよかったよね。関係ねぇ、って言われなくて」

フレメア 「うん、まだ望みはあるかも」

ショチトル 「望み?」

フレメア 「浜面を振り向かせてみせる」フンス

打ち止め 「あー……」

ショチトル 「そうか、フレメアにはそういう野心が」

フレメア 「あれれ? 二人にはないの?」

打ち止め 「んー」


631 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:40:53.56 sjx8LX2Vo 37/38


ショチトル 「私たちはある共通点を持っているんだ」

フレメア 「?」

打ち止め 「ある意味、フラれちゃってるんだよね」

フレメア 「」ガボーン

ショチトル 「その上、告白を後押しするような発言もしている」

フレメア 「そ、そうだったの!?」

ショチトル 「だが後悔はしていない。むしろ、後悔せずにすむよう行動した結果だからな」

打ち止め 「それに、まだ愛人枠っていう道が」

ショチトル 「こら」

フレメア 「……でも、私は負けない、にゃあ」

ショチトル 「その心意気は買おう」

フレメア 「何年かしたら、浜面が大好きなバニーで迫っちゃうもん」

打ち止め 「それが似合う体型になってればいいんだけど」

フレメア 「な、なってるもん」

ショチトル 「数年後に期待だな」クスクス


632 : ◆8GNB4AEvC.[sag... - 2012/01/09 03:41:35.05 sjx8LX2Vo 38/38


といったところで、超番外編3はここまでです。
フレメアの意外な野心が明らかになりました。

さて、次回からは#8に入りたいと思っています。
メンバー全員で事件に挑んだり壁を乗り越える話です。
内容が内容なだけに、ほのぼの成分は少々薄まりますが、
お付き合い頂ければ幸いです。

次回投下は3日以内の予定です。
お付き合い頂き、ありがとうございました。


続きます

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