【前編】 【中編】 の続き

539 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 05:36:44.09 0Qy0XG/a0 247/404

鹿目「次は貴方よ、巴マミ」

マミ「レガーレ!(拘束魔法)」


シュルシュルッ

グッ


ほむら「縛った!奴が未来の私自身だと言うのなら・・・
こうなってしまっては、拘束を破る手段は無いはず!」


ほむら「マミ!そのまま撃って!躊躇しちゃ駄目!」

ほむら「奴はまどか達だけじゃなく杏子も殺そうとしているわ!
守りたい者のためにも・・撃って!」


マミ「ええ、解ってるわ・・・自身の身を守るためにも・・・初めて
同じ魔法少女を手にかけるわ。」

マミ「私たちは・・・氷室さんと一緒に・・・私たちの未来を勝ち取るの。
だから・・・撃たせてもらうわ・・鹿目ほむらさん・・・」


鹿目「・・・」


サクッ サクッ サクッ


マミほむさや「!?」


マミ「た・・体内から無数のナイフが実体化して・・そのまま拘束を切り裂いた!?」

ほむら「バ・・・カな・・・これも未来の進んだ魔法だというの!?」


鹿目「魔法ではないわ。隠していただけ。今の私は服装のいたるところに圧縮した武器を隠し持っているの」

鹿目「これが未来の技術・・・盾に手を入れなくてもいいという点では、少女時代よりも優れているわよ」


マミ「ティロ!フィナ-」
鹿目「魔法少女同士の戦いでワザ名を叫ぶのはいただけないわ。」シュッ


マミ「!?消えた!」

鹿目「自分より圧倒的に速い相手なら簡単に対処されてしまう。」

(砲口に原寸化した鉄球を詰め込む鹿目)


鹿目「なにより、ハッキリ言ってダサイ」


ほむら「マミ、駄目!着火しては・・・!」


マミ「え・・・?」


カッ(暴発する砲台)



ドゴォォォォ!!

マミ「きゃああああああ!!」


キュゥべえ「契約するかい?美樹さやか」しれっ

ほむら鹿目「「インキュベーター!!」」

:OPスタート

540 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 05:57:18.19 0Qy0XG/a0 248/404

OPエンド

テロップ:第7曲:覚悟を決めたよ


さやか「キュ・・・キュゥべえ?」

キュゥべえ「契約するかと聞いているんだ、美樹さやか」

さやか「あ、あんた一体今までどこに居たのさ!?呼び出しても来なかったくせに!」

キュゥべえ「バイオリン仮面、氷室について調査していた」

キュゥべえ「そして、時空管理局まで動いてるとなれば・・・答えは容易に導き出せる」


キュゥべえ「だから、本来の行動をとってるまでさ、契約を必要としている子が居れば現れる。
ただそれだけだ」


鹿目「・・・魔女結界を張っているのだけれど・・・忍び込んでくるなんて、
この時代のあなたたちにそんな能力があったかしらね?」

キュゥべえ「この時代じゃありえない技術や魔術を持ち込んだのは
氷室と君が先じゃないか」


キュゥべえ「だから、ぼくもそういう対応をさせてもらった。
本来ぼくたちインキュベーターは魔女結界にも自由に入れる能力があるからね。」

キュゥべえ「不都合なら聞かれるまで不可能なフリをするまでの話。魔女自体が
ぼくたちがこの星に持ち込んだ物だから容易い」


マミさや「!?」


マミ「ちょ・・・ちょっとキュゥべえ!?何言ってるの・・・!?」

マミ「魔女を持ち込んだのが・・・あなた達ですって・・・?どういうことなの・・!?」


キュゥべえ「さて、どういう事だろうね。それよりも美樹さやかだ」


キュゥべえ「この状況を覆すには君が魔法少女になるしかないね。」


キュゥべえ「魔法少女の真相に近づいてもなお、君には守りたいものがあるのだろう?」


さやか「うん、そうだよ!あたしは・・・ほむら達を失いたくは無い!」

さやか「キュゥべえ!あたしは・・・魔法少女になる!覚悟を決めたよ!」


さやか「あたしの願いは・・・」

541 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 06:14:57.72 0Qy0XG/a0 249/404

さやか「強い魔法少女になりたい!ほむら達を守るための・・・強力な回復魔法の使い手になりたい!!」


マミほむ「!!」

ほむら「だ・・・駄目よ・・・魔法少女になるだけでなく・・・彼のための願いを・・・放棄しては・・・」


ほむら「その先には・・・絶望しかないないわ・・・絶望したら・・・あなたは・・・」

さやか「うん。わかってる・・・さっきの話でなんとなく・・・絶望した魔法少女がどうなるか・・わかったよ・・・」

さやか「そりゃ・・・こんな状況じゃなかったら・・・恭介のために願ってたと思うけど・・・」


さやか「それでも・・・なお助けたい人達がいるんだ・・・だから・・・」


キュゥべえ「上条恭介のために願いを使えば、並の魔法少女にしかならない君が・・・
戦闘力の底上げのため契約したいというのなら、僕も大歓迎さ」

キュゥべえ「強い魔法少女からは強い魔女が生まれる。
その時回収できるエネルギーは実に魅力的だからね」


マミ「・・!?キュゥべえ・・・?なにを・・・なにを言っているの?」


キュゥべえ「いいよ。その願い・・・聞き届ける。君を魔法少女に・・・」




ほむら「待ちなさい!さやか!鹿目ほむら!!こっちを見なさい!!」

542 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 06:26:28.62 0Qy0XG/a0 250/404

鹿目「!!」

さやか「!?」


キュゥべえ「こ・・これは・・・」


ほむら「そこから・・・2人とも余計なことをしないで・・・さもなければ・・・撃つわよ・・・」

鹿目「自分自身を?銃口を自分のこめかみに当てて・・・どういうつもり?
千切れそうな腕を即興で無理やり再生させて・・・自分を人質にできるとおもったの?」


ほむら「ええ・・・できるわよ・・・何故なら・・あなたは・・・未来の私だから・・・」

ほむら「ここで私が死ぬという事は・・・あなたの過去を無くすという事・・・
あなたを消滅させらると思うわ・・・」


鹿目「・・・本気で言ってるのかしら?いくつもの並行世界を行き来したあなたが・・・
本気でそれを思ってるのかしら?」


鹿目「過去の平行世界へ行くという事は・・・今ある世界を捨てるという事よ。
平行世界でまどかを救えても、あなたが元々いた世界のまどかが生き返ることは無いのよ」


鹿目「それと同じで、あなたがいまここで自殺しても未来の私が消えることはありえないわ。」


ほむら「いいえ・・・殺せるわ。」

543 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 06:36:34.94 0Qy0XG/a0 251/404

ほむら「魔法による時間遡行ではなく・・・タイムマシンでこの時代に来たと・・・
あなたはたしかに口にしたわ。時間操作の魔法も失ったと・・・」

鹿目「それが?」


ほむら「20年後の未来に・・・私は生きている・・・だから私だけは殺せないとも言った」

鹿目「そうね・・・」


ほむら「修正が利く今なら・・・この世界を別の時間軸として切り離さなくてもいいとも言った」

鹿目「だから?」


ほむら「ズレが少ない今・・・あなたがいた未来と・・・この過去は繋がっている・・・
だから・・・私を殺せば・・・あなたも死ぬのよ・・・」


鹿目「根拠は?私がいた未来とこの過去が、同じ世界だと思う根拠は?」


ほむら「バイオリン仮面・・・氷室と・・・上条恭介の関連性・・・!!」

544 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 06:53:52.23 0Qy0XG/a0 252/404

さやか「な・・・?ほむら!!一体どういうことさ・・・?」


ほむら「バイオリン仮面氷室は・・・バイオリンの名手・・・そして・・かつての上条恭介も・・・」

ほむら「氷室がこの時代に来た目的が・・・魔法少女だけでなく・・・上条恭介を絶望から救う事だとしたら・・・」


ほむら「自分がいた未来でも・・・そしてタイムマシンで戻る過去でも・・・
上条恭介は・・・バイオリニストでなければならない・・・」


ほむら「事実・・・氷室は上条恭介に・・・「自分が腕になる」と・・・上条恭介を救い出した」


ほむら「たまたま・・・タイムマシンで戻った時間軸で・・・上条恭介がギタリストだったという
マヌケな結果を・・・踏むわけにはいかない」


ほむら「でも・・・私の魔法では・・・それがありえた・・・
時間軸ごとに・・・ギタリストだったりバイオリニストであったりしたわ・・・」

ほむら「バイオリンでもギターでもない楽器の名手だったこともあった・・・」


ほむら「だから・・・私の魔法による時間遡行と・・・貴方達のタイムマシンは・・・
まったく別のものだと確信できる・・・」

ほむら「私の魔法は・・・今ある世界を放棄して・・・別の平行世界へと移動する物・・・
タイムマシンとは・・・同一の時間軸の過去と未来を・・・行き来するための物」


鹿目「・・・」




ほむら「違ったかしら?鹿目・・・ほむらさん・・・?」




545 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 07:24:18.78 0Qy0XG/a0 253/404

鹿目「ええ、正解よ。この時間と・・・私がいた未来は繋がっている」


鹿目「それでも・・・あなたが死ねば私も消滅するとは限らないわよ?」


ほむら「それでも・・・撃ってみせるわ・・・」

ほむら「あなたは断じて・・・私じゃない!!」


ほむら「決められた運命だからって・・・まどかを殺すの!?
私は・・・それに逆らい続けたんじゃないの・・・!?」


ほむら「あなたのような人間になるくらいなら・・・今ここで死んだほうがマシよ・・・」


鹿目「・・・」

スッ(懐に手を入れる)


ほむら「動かないで!!」


鹿目「戦意は無いわ・・・」


さやか「!?新しいサングラスを取り出した!?」

マミ「一体どうするつもり?」


鹿目「・・・」


鹿目のサングラス「ハイ、チーズ!」パシャッ





さやマミほむ「・・・」





546 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 07:48:21.04 0Qy0XG/a0 254/404

鹿目「・・・送信。」


さやか「は?」


鹿目「鹿目です。高町隊長をお願い。」

マミ「あのサングラスが・・・通信機器になっているの!?」


鹿目「隊長・・・過去の私・・・暁美ほむらに自分自身を人質に取られました。」


さやマミほむ「!?」


鹿目「ええ・・・うかつな事は・・・私から「暁美ほむら」とは名乗ってません。」

鹿目「奴らから先に・・・気付きました。その後開き直って「暁美ほむら」と名乗りましたが・・・」


鹿目「追い込みも・・・全力全開でかけています。送信画像をご覧ください。
手足が千切れかけても・・・最後まで諦めない連中です。これ以上干渉すれば・・・私自身の命が危ない」


鹿目「もうこの過去は・・・別の時間軸として切り離してしまった方が得策だと思いますが・・・」


鹿目「はい・・・この時間軸は私が生きてきた世界です。
できることなら・・・私に全権を指揮させていただきたいと・・・」


鹿目「ありがとうございます・・・」

ピッ(通信解除)


鹿目「あなた達の勝ちよ・・・暁美ほむら。別の未来へ歩ませてあげる。
自分達だけでどこまでやれるか、試してみなさい」




マミ「え・・・!?」


さやか「・・・鹿目ほむら・・・もしかしてアンタって・・・話がわかる人!?」


ほむら「・・・あなた・・・最初からそのつもりで・・・」


鹿目「なんのことかしら?私の正体にたどりついたのはあなた達の推理でしょう?」

547 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 08:08:54.60 0Qy0XG/a0 255/404

ほむら「私が・・・私自身を人質にとるため・・・ワザとヒントになるような事ばかりを・・・
言っていたように見えたのだけれど・・・」


鹿目「なんのことかしら?」


さやか「ち・・・近づくな!」

鹿目「あせらないで。治療してあげるのよ。このままだと失血で過去の自分が死ぬと言えば、
上も下も納得させられるわ」


鹿目「といっても・・・再構築のほうが早いかしらね・・・」

鹿目「暁美ほむら・・・ありったけの魔力で修復なさい。
穢れは・・・こちらが用意したグリーフシードを使わせてあげる」


ほむら「・・・助かるわね・・・う・・んっ・・・」


シュウウ・・・


さやか「すごい・・・千切れかけた手足が・・・再生していく・・・」

マミ「否が応でも・・・自分をゾンビだと認めざるを得ないわね・・・」


鹿目「では、グリーフシードを・・・」


シュウ・・・


キラッ


キュゥべえ「戦わないのかい?なら・・・美樹さやかの契約は取ることが出来なさそうだね。」


鹿目「使用済みグリーフシードでも食べてなさい」ポイッ

キュゥべえ「きゅっぷい」ゴックン


鹿目「ホムリリー・・・結界解除・・・」


しゅわ~



ほむら「魔女結界が・・・解けていく・・・」


マミ「ホムリリー・・・それが・・・魔女結界操作の呪文なの?」

鹿目「魔法少女によって呪文は異なるわ。」


鹿目「それぞれの内にある「絶望」と向き合うことがそれを可能とする。」


さやか「どこへ行くの?」


鹿目「言ったでしょ?あなた達で未来を掴み取りなさいとね。
修正が受け入れられないなら、管理局がワルプルギス討伐に力を貸すという話も無しよ」

鹿目「私は敵ではないけど味方でも無いの。できることならこの時代に干渉したくない」


鹿目「あなた達が氷室と呼んでる男に伝えておいて。鹿目ほむらが来たと・・・
近いうちに・・・審問をうけることになるとね。」

548 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 08:31:02.75 0Qy0XG/a0 256/404

さやか「・・・鹿目ほむら・・・」

マミ「行ってしまったわね・・・」


ほむら「なぜ・・・鹿目姓を名乗っていたのかしら・・・」

さやか「20年後の未来で・・・女の子同士で結婚が可能になるとか?」

ほむら「ま・・・まどかが・・・わたしの・・・お嫁さんに!?」ドキドキ

さやか「いや、お婿さんだろ。基本、夫の姓を名乗るものだから」


さやか「あっ!つーかあの未来のほむら!あたしを上条さやかとは呼ばなかった!
どういう事なの!!すぐ別れちゃうって事!?」ムキーッ


マミ「暁美さんがまんざらでも無いのはほっといて・・・
未来の世界で鹿目さん・・・紛らわしいわね・・・まどかさんは・・・死んでいるって・・・」

さやか「あ・・そっか・・・そういえばあたしも死んでるって言ってたっけ。
あたしもまどかも・・・結婚どころじゃないよね」


ほむら「なら・・・鹿目家の養子になったと考えていいでしょうね。それよりも・・・」



さやか「杏子!!杏子を助けに行かないと!!」


マミ「ちょっと待って・・・空が明るいわ・・・」

ほむら「・・・!?なんてこと?結界内で・・・8時間近く拘束されていたことになっている!!」


さやマミ「!?」


ほむら「おそらく・・・あの結界が本来とは違う時間の流れをしているという事・・・
一体何のために・・・そんな効果を・・・!?」


マミ「佐倉さんは・・・佐倉さんは・・・無事なの!?」オロオロ


さやか「電話!!氷室さんの電話を杏子が持ち出したはず!!かけて!いますぐかけて!!」


マミ「ぇえええ・・」バタバタ

さやか「いいよ!あたしが電話かけるよ!!」


プルルル・・・


???「もしもし?」

さやか「氷室さん!?」


恭介「いや・・・恭介だけど。さやかかい?」


さやか「!?」

549 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/26 08:48:59.55 0Qy0XG/a0 257/404

さやか「恭介!?なんで?なんで杏子が持ち出した氷室さんの電話を恭介が持ってるの!?」


恭介「一晩佐倉さんと一緒だったからね」

さやか「!?」


ほむら「な・・・!?」


マミ「あ・・・あわわわわ・・・さ・・・佐倉さんが・・・上条君と・・・」


さやか「ど・・・どういう事だああああ!?恭介!!きょきょきょ・・・杏子と・・・
一晩一緒だったって!?」


恭介「・・・?言葉どおりの意味だよ」


さやか「恭介・・・あんたまさか・・・まさか・・・杏子と・・・」


ほむら「落ち着いてさやか!今までのパターンを考えて!!」

ほむら「大体があなたの勘違いだったでしょう?杏子がそばにいるからといって、
いかがわしい行為に発展したとは限らないわ・・・」


ほむら「いい?落ち着くのよさやか。上条君・・・すぐそばに・・・杏子はいるかしら?」

恭介「いるよ。ぐっすり寝ている」


さやか「寝ている・・・だって!?フーッ!フーッ!フーッ!」

マミ「とりあえず・・・魔女にやられた線は消えたのね・・・」

さやか「魔女じゃなくて・・・恭介に・・」
ほむら「杏子がどういう状況で寝ているか・・・具体的に説明してもらえるかしら・・・?」

恭介「・・・えっと・・・」




恭介「服がところどころ裂けてるけど・・・(氷室さんの演奏で)心は満たされている・・・かな?」



556 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 10:06:04.67 oQld5Tmd0 258/404

マミさやほむ「・・・」




マミ「さ・・・佐倉さん・・・服を着たまま無理やりされて・・・快楽に目覚めたの・・・?
そ・・・そんな不潔な子だったなんて・・・」


ほむら「左手が使えない一般人に魔法少女がいいようにされてる時点で最初から
受け入れてるような物よ!」

ほむら「あ・・・」


さやか「ふふふ・・・あははは本当だ・・・救いが無いよ・・・」


さやか「でも・・・あと一回だけ恭介を信じてあげる・・・杏子の口からナニしてたか聞きたいな・・・」
ユラユラ

さやか「ねぇ恭介・・・杏子に代わってよ・・・でないとあたし・・・」


杏子「なんだよ・・・気持ちよく二度寝してたのに・・・」

恭介「さやかからだよ、電話に出てくれないか?」


恭介「よっぽど佐倉さんのことが心配なんだね。さやかにいい友達が出来て僕も嬉しい」

杏子「うるせ・・・///ほら、電話よこしな」


杏子「おっす、さやか何の用だい?」

さやか「あんた・・・恭介と一晩いっしょだったって本当?」

杏子「・・・本当だよ?」

さやか「・・・」プルプルプル


ほむら「大丈夫よさやか・・・まだ、あわてるような情報では・・・無いわ」

マミ「さ・・・佐倉さん!あ・・・あなたナニされたの!?ねぇ、無事だといってよ!ねえ!」


杏子(無事?・・・そっか、魔女と戦ってたんだっけあたし・・・)





杏子「ああ、問題ないぜ。(魔女が)生まれそうだったけど、多分大丈夫だと思う」




さやマミほむ「!?」




558 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 10:12:37.20 oQld5Tmd0 259/404


ほむら「・・・希望は・・・無いのね・・・」

マミ「佐倉さんの純潔が・・・しかも・・・つけないで、奪われるなんて・・・」

さやか「・・・杏子・・・今どこにいるか教えて・・・」


杏子「教会だよ」




ほむマミ「すでに将来を誓い合っとるーッ!!」




さやか「今すぐ・・・行くね・・・」ピッ

さやか「・・・」

マミ「・・・」

ほむら「・・・」


さやか「中に・・・誰も居ませんよ」
ほむら「それだけはやめなさい」

559 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 10:51:42.04 oQld5Tmd0 260/404

~佐倉杏会~

恭介「さやか達、なんだって?」

杏子「・・・こっちに来るんだって。学校はどうしたんだよ」


恭介「今週は土日休みだよ。やっぱりお互いに心配なんだね。微笑ましいよ」

杏子「・・・」

杏子「あのさ・・・恭介・・・」


杏子「もしも・・・さやかに会う前に・・・あたしと出会ってたらどうなってたかな?」

恭介「・・・?どういう意味だい?」

杏子「・・・わかりやすく言えば・・・さやかの代わりにあたしが幼馴染だったらって事」


恭介「・・・どうだろうね・・・さやかと同じように、好きになってたんじゃないかな・・・」

杏子「いい加減なやつだな・・・お前・・・さやかに言うぞ」


恭介「佐倉さんはさやかに通じる物があるからって意味だけどね」

恭介「さやかを好きだと自覚して初めて気付いた、僕の好みの話さ」


杏子「さやかより先に出会ってたら・・・あたしを好きになってたかも・・・か・・・」

杏子「なんか・・・ちょっぴり悔しいな・・・」


杏子「そんでもって・・・ちょっぴり嬉しい・・・」

杏子「最後はやっぱり・・・断られたような気がして・・・ちょっぴり悲しい・・・」




さやか「恭介ええええええええええええええええ!

杏子おおおおおおおおおおおおおおおお!!」バタン!!




560 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 11:11:18.24 oQld5Tmd0 261/404

杏子「チッ」


さやか「ああああ!明らかに今嫌な顔した!!イチャついてるんだから邪魔すんなって顔した!!」


さやか「ねええええ!!恭介!?本当にどういう事なの!?ああああ、あたしより先に杏子と・・・」


まどか「・・・さやかちゃん・・・?」

さやか「まどかまで!?」

氷室「うるさいな・・・徹夜だったんだから・・・寝かせてくれよ・・・」


さやか「ひむろおおおおおおっく!?」

さやか「人数どころか男も女も関係ないのか!!きょ・・・きょうすけ・・・あんたどこまで・・・」


さやか「どこまで見境無いのよ!このおおおおお!!なんで、あたしは先に御呼ばれされないの!?
なんでなのよ・・・もおおおおお!!」


恭介「ん。多分、さやかが考えるような事実は無いから・・・落ち着こうね?」


(マミとほむらも到着後、魔法少女のことは隠しつつ説明)


562 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 12:35:22.48 oQld5Tmd0 262/404

さやか「取り乱してすいませんでした・・・」

ほむら「まったくよ。そそっかしいったら無いわね」

マミ「年頃だから色々な物がいやらしく見えるし興味があるのは解るけれど
先輩として、落ち着き方を教えるべきでしょうか、美樹さん?」


さやか「アンタらも顔赤らめて恭介と杏子の発言を意味深に捉えてただろ!」


マミ「な・・・なんのことかしら?私は先輩として・・・男の子と一晩一緒だった
佐倉さんを心配しただけ・・・///」

ほむら「私は・・・上条君が・・・「杏子を満足させたぜ」って意味深に言うから・・///」


恭介「満足げに眠っているとはいったけどね。僕が満足させたとは言ってないよ」


杏子「・・・?まどか、こいつらがナニを勘違いしたかわかるかい?」

まどか「解るけど・・・口に出せないよ・・・こういうのは・・・杏子ちゃんが
自分で意味が解るようにならないと・・・///」


氷室「みんな、若いなぁ・・・思春期だなぁ・・・」

さやか「あんたのせいだよ!みんなアンタに感化されてるんだよ!」

まどか「さやかちゃんは前からちょっとエッチなとこあったけどね」

さやか「くぉの~!まどか、この!」ムニュムニュ

まどか「やだちょっと、さやかちゃん!そういう所がオヤジっぽいんだよ!やめて!」


さやか「恭介もフォロー入れてよ!さやかちゃんは純粋なんだってみんなの前で言ってよ!」

恭介「ごめん。ちょっと自信もてない」

さやか「恭介!?くぉの~!恭介、この!」

さやか「・・・あ」




杏子「男と女でそれをする場合、さやかはナニを触るんだい?(純)」

さやか「・・・///」

恭介「・・・///」


さやか「恭介・・・その・・ゴメン・・・」

恭介「恥じらいを感じて、手を止めただけさやかはまだ純粋だよ・・・
僕のほうこそ・・・煽るようなことしてゴメン・・・」


さやか「えっと・・・とりあえず今は・・・ぎゅっとするだけでいいかな?」

恭介「う・・うん///」

ぎゅっ


マミまどほむ「きゃああああ///だ・・大胆!」


杏子「あああああ!うぜえええ!!!超うぜええええええ!!!勝手にあたしの家に入ってきて
いちゃついてんじゃねええよおおおおお!!!」


杏子「大体お前ら、ナニしにきやがった!」


ほむら「そうだったわね・・・氷室、あなたに訪問者が来たのよ・・・」

563 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 13:27:13.18 oQld5Tmd0 263/404

~魔法少女の事情を知らない恭介はさやかと一緒(意味深)に帰宅(意味深)させ、
改めてほむらの話を聞く氷室~


氷室「そうか・・・鹿目ほむらさんが・・・この時代に・・・」

まどか「鹿目・・・?ほむらって・・・」

ほむら「そう、未来のわたしよ。なぜか鹿目姓を名乗ってるかは謎よ」


まどか「そ・・そうなんだ・・・」


まどか(・・・///ほむらちゃんと、家族になれたとしたら素敵だなってちょっと思っちゃった)



杏子「あたしは、氷室も未来人だって聞かされてなかったから新鮮だったな。
そういえば、変身してない時の特訓で出した縮小できる使い魔の動きを真似る人形も、
未来の技術って奴か。」


氷室「だとしたら・・・・お別れが近いかもしれない」


まどマミ杏ほむ「え?」




氷室「僕だってこの時代にずっと住んでいたいけどね・・・
ワルプルギスを倒した後に審問されるのなら多めに見られたかもしれないけど・・・
管理局が気付くのが少し早かった。」


氷室「鹿目ほむらさんは・・・基本的に話がわかる人だけど・・・
どうしても上の目をごまかすために・・・なにかしら行動をとる必要がある。」


氷室「管理局の調査が早かった。そして僕を見つけてしまった。
鹿目ほむらさんは不本意ながらも僕を取り締まろうとするだろう」


氷室「審問を受けると・・・ワルプルギスの夜までに戻れるかどうか解らなくなる。
開放されてもワルプルギスの夜討伐・・・つまり歴史的要因改変に手を貸すなと言われる可能性もある。」


氷室「かといって僕が審問を拒否すれば、鹿目ほむらさんの上の者が指揮を代わり、
強制的な「修正」の措置が下るだろう」


氷室「結局は鹿目ほむらさんの指揮にあるうちに、僕が出頭した方が良いのさ。
そして・・・その後はいつ帰ってこられるか・・・解らなくなるけどね・・・」


まどか「そんな・・・氷室さん・・・今までわたしたちによくしてくれたのに・・・」

氷室「恭介には・・・希望を与えるだけ与えて・・・逃げ出した事になるかもね・・・
いつ戻れるか解らないんじゃ、アイツの「腕」になれない・・・」



杏子「そんな事で落ち込むやわなタマじゃねーよ。恭介は。」



564 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/27 13:49:50.05 oQld5Tmd0 264/404

杏子「さやかがそばについている限り、絶対大丈夫だ。あたしが保証する」

氷室「・・・そうか」


杏子「あいつさ・・・ああ見えて結構根性ある気がするんだよね・・・
出会って間もないあたしのために一晩中看病してくれたりさ・・・///」


マミ(え・・・佐倉さん?)

ほむら(・・・落ちかけてるわね・・・)


氷室「・・・さやかが傍に居るから・・・か。人は・・・変われるもんだな・・・」

杏子「そ。だからさ、アンタは胸を張ってもとの時代に帰りなよ。」

杏子「そりゃ・・・一週間近く世話してくれた「パパ」だから・・・
寂しくないって事は・・・無いけど・・・」



ほむら(・・・こっちにも落ちかけてる・・・)


マミ(ま・・・まさか佐倉さんがライバルになるなんて・・・でも私も・・・
脈が無いってわかってながらも、氷室さんの事まだちょっと・・・素敵だなって思ってるのに・・・)


杏子「あんたからはすでに色々な事を教わってきた。だから・・・大丈夫。
3人もベテラン魔法少女が居ればワルプルギスなんて楽勝だって!」

杏子「それに・・・あたしは・・・あの力を・・・」


氷室「・・・!!まさか、取り戻せたのかい!?」


マミ「佐倉さん・・・取り戻せたってナニを?」


杏子「へへ、秘密だよ!近いうちにマミが驚くヤツを見せてやんよ!」


氷室「そうか・・・知らないうちに・・・君たちくらいの年齢の子は急に大人になる物なんだね・・・」


氷室「だとすれば・・・もう教えることも無いだろう・・・ワルプルギスの夜までに・・・
想定外の事が起こりえない限り・・・僕の役目は終わったといっていい」


氷室「だから・・・出頭する前に・・・改めて全てを話そうと思う。
20年後の未来までに起こった出来事・・・そして・・・20年後の魔法少女システムの事を」


氷室「さやかも踏まえた上で明日、ほむらさんの家に集合してくれ」


ほむら「!?待ちなさい、なぜ私の家なの?」

氷室「君からも告白すべき事があるだろう?魔法少女の真実を」


ほむら「・・・ついでに言ってしまえというわけね・・・いいわ。私の家に来て」

ほむら「あそこには・・・私が生きてきた様々な時間軸の資料が置いてある・・・
確かに説得性を持たせるのならあの家で一緒に見てもらったほうがてっとり早いでしょうね」


氷室「ありがとう。助かるよ。」


氷室「君が話してくれるのなら・・・僕も・・・そして「彼」も・・・話を理解させやすく出来るしね」


ほむら「・・・彼?」



568 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 08:49:27.79 CZiT/xQ40 265/404

~さやかの部屋~

さやか「まずウチさぁ・・・両親でかけてるんだけど・・・お茶でも飲んでいかない?」

恭介「い・・頂いていこうかな・・・///」


~~~

さやか「お待たせ!アイスティーしか無かったけど、いいかな?」

恭介「あ・・・うん・・」

さやか「固くなってるよ、恭介?」

恭介「え・・いや・・そんな事は・・・」

恭介「あるかな・・・女の子の部屋に入るのは初めてで・・・緊張してる」


さやか「そっか・・・小さい頃からに付き合いだけど・・・恭介を入れたことなかったっけ」

さやか「初めてがあたしの部屋って、光栄だな~」


恭介「な・・・なんか今日は大胆だね・・・(セクシー、エロいっ)」

さやか「あたしの勘違いだから良かったけど・・・杏子や仁美に取られるのなら・・・あたし・・」

恭介「ささささ・・・さやか・・!?」


ほむら「・・・」


さやか「って、なんでほむらが!?」

ほむら「・・・続けて頂戴」

さやか「できるか!!」


ほむら「明日、重要な説明をするわ。私の家に集合して。氷室も全てを話すと言っているわ」

さやか「氷室さんが・・・?」


ほむら「今夜は楽しみなさい。伝えることは伝えたから、帰ってあげる」

さやか「・・・知人に知られた上でハメ外せるか!」



569 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 09:11:07.91 CZiT/xQ40 266/404

恭介「・・・明日は・・・氷室さんの所にいくんだね・・・」

さやか「・・・や、やきもち!?あのね・・・恭介、これは違うんだよ」


恭介「さやか・・・」



チュッ





さやか「・・・きょ・・きょうすけ・・・・///」


恭介「僕も同じ気持ちだよ・・・さやかを誰にも渡したくない・・・」

恭介「でも時々・・・僕よりもバイオリンを弾ける氷室さんの方が・・・
さやかにふさわしいんじゃないかって思うときがあるよ・・・」

恭介「この腕が動くのなら・・・氷室さんをいつか越えたいって思う。
師匠でもあり・・・ライバルなんだあの人は・・・」


恭介「さやかのためだけに・・・氷室さんよりも良い演奏を・・・聞かせてあげたい・・・」


さやか「恭介・・・」


ぎゅっ



さやか「いいよ・・・」

恭介「さ・・・や・・か・・?」


さやか「恭介が不安なら・・・あたしの全部・・・恭介にあげる」

さやか「二度とはなれない絆が欲しいのなら・・・あたし・・・」



~ほむほーむ~


ほむら「あなたが私の家に泊まりたいだなんて、珍しいわね」


杏子「・・・あんたが言ってたこと・・・信じる気になったんだ。」

杏子「否が応でも・・・自分の中の魔女が見えたんだ・・・昨日の戦いで・・・」

杏子「それよりも・・・マミたちより一足先に「資料」ってやつ見せてくれねーか?」


杏子「試してみたい新必殺技に多分必要な情報なんだ」

ほむら「しん・・・ひっさつわざ・・・?」プッ


杏子「なんだよ!悪いかよ!!」


ほむら「いいえ。やっぱり貴方達・・・師弟だと思うわ・・・」クスクス

570 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 10:40:09.55 CZiT/xQ40 267/404

まど家にはマミ、まどかでお泊り会をし、


翌日・・・ほむほーむ



ほむら「さやか・・・昨日はお楽しみだったかしら」


さやか「・・・あ・・うん・・・」

まどか「あれ・・・?」

マミ「真っ赤な顔して否定すると思ったら・・・」


さやか「心が通じ合ってる者同士だと・・・
案外いやらしい後味はない物だと思うよ、あたしは」


ほむら「!?何かを悟った!?ま・・・まさか本当に・・・」

杏子「なんの話しかわからねーけど、早く進めようぜ。」


氷室「まだだ・・・彼がまだ来ていない」

杏子「彼?」


キュゥべえ「待たせたね、氷室」ひょこっ

572 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 11:27:46.26 CZiT/xQ40 268/404

ほむら「・・・!?インキュベーター!!」


氷室「警戒しないでほむらさん・・・僕が呼んだんだ」

氷室「彼もいないと話が理解しづらい。これで全員だ。この7人で話し合いは行われる」


杏子「揃ったのなら、まず先に・・・あたしからマミに話をさせてくれるかい?」

マミ「なにかしら・・・?」


杏子「約束しただろ?無事帰ってこれたら・・・あたしの本当の気持ちをマミに伝えるって」


杏子「これが本当のあたしの気持ちってヤツさ」ガバッ


マミ「さ・・・佐倉さん!?腕を私の首のうしろに組んで、一体ナニを・・・!?」

杏子「マミさん、ずっとあたし・・・謝りたかったんだ」


まどさやほむ「!?」


杏子「あの時はごめんねマミさん・・・それから・・・」

杏子「マミさん・・・大好き。んっ・・・」チュッ




マミ「さ・・・佐倉さ・・・ん・・・!?」ぷしゅぅ・・・



ほむら「きょ・・杏子とマミが・・・!?」

さやか「キス・・・しちゃった・・・」


まどか「マ・・マミさん!気を確かに!女の子同士だからノーカンだよ!
わたしだってほむらちゃんと・・・」

ほむら「まどか!それは言わないで・・・!!」


マミ「あ・・・あうあぅ・・」パクパク


杏子「・・・///」



???「デレデレ杏子ちゃんかと思ったかい?」

マミ「・・!?」


573 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 11:38:23.47 CZiT/xQ40 269/404

もう一人の杏子「残念、そっちはニセモノでした!」


まどか「・・・あ!」

さやか「杏子が・・・もう一人!?」


氷室「幻惑の魔法・・・やはり復活していたんだね」


2人の杏子「一昨日の魔女戦で取り戻したんだ。
この魔法を使って、誰かを幸せにできるってもう一度信じたら、自然に力が漲った」

(手を取り合ってくるくると回る2人の杏子)


杏子「幻惑解除っと・・・」しゅう・・・

さやか(ん!?)


マミ「び・・・びっくりした・・・私にキスをした佐倉さんは・・・
ロッソ・ファンタズマの方だったのね・・・」

まどか「ロッソ・・・ファンタズマ?」

ほむら「つっこんでは駄目。あなたもあっち側に引き込まれるわ」


杏子「でも・・・謝りたかったって気持ちは本当だよ。」

574 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 12:39:09.71 CZiT/xQ40 270/404

杏子「マミの優しさに甘えて・・・何度もわがままを言って・・・
なのに最後には裏切ってあんたの傍から離れた」

杏子「心にも無いこと言って・・・あんたを・・・自分を傷つけた」

杏子「マミはどんな時でも味方でいてくれたのに・・・
お互い傷つかないために離れるしかないって思い込んでいた・・・」


杏子「・・・でももうそんなのはやめだ」

杏子「あたしは・・・あたしが願った奇跡を・・・自分で否定したりしない」


杏子「二度と家族を・・・失いたくない・・・」

マミ「え・・・」

杏子「あんたの事だよ・・・マミさん」


杏子「二回・・・あたしは絶望に飲まれかけたんだ・・・」


杏子「一度目は心中があった日・・・本当の家族とは違うけど・・・
姉のように優しくしてくれる人が居る・・・それがあたしの心を繋ぎとめてくれた」


杏子「二度目はおととい・・・あんた達は事情をしってたみたいだが・・・
虐待していた母親とその娘を助けちまった時・・・」

杏子「もう一度信じようとした物が崩れるとき・・・またマミの声を聞いた」


杏子「正義のためじゃなく・・・自分のために傍に居てくれって言葉が嬉しかった・・・」


マミ「佐倉さん・・・」


杏子「家族だけじゃない・・・友達の声も聞こえたっけ。
さやか・・・まどか・・・恭介・・・それに、氷室の声も」

ほむら「泊めてあげたのに・・・私は友達ではないのね・・」


杏子「・・・あの時の話だ。今は嫌いじゃないけど好きじゃないって所かな」


杏子「その声があたしを絶望から救い出した。だから
もう一度・・・あたしは家族を・・・友達を守るために戦うよ」

杏子「あたしにとってのマミは、姉さんなんだ。」


杏子「また・・・アンタの傍に・・・居させてくれねーかな?
今度は先輩後輩じゃなくて・・・家族としてお願いするよ」


マミ「佐倉さん・・・」ポロポロ


マミ「そんなこと・・・嬉しいに決まってるじゃない・・・
私だってずっと・・・あなたの事心配してたから・・・」


杏子「まだ嬉し泣きは早いぜ?マミに・・・見せたいものがあるんだ。
みんなも外に出てくれ」


~いったん外~

575 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 15:30:07.75 CZiT/xQ40 271/404

杏子「・・・せーのッ!!」


ズラーッ


まどか「!!今度は・・・杏子ちゃんだけでなく・・・大勢の魔法少女の幻影!?」

マミ「す・・・すごい・・・ロッソの時よりも・・・増えてる・・・
ざっと30はいるのかしら?」


さやか「マミさんとほむらの幻影が加わっただけじゃない!魔法少女姿のあたしとまどかもいるよ!」

ほむら「・・・今までのループで数えるほどしか出てこなかった魔法少女の幻影もいるわね・・・
昨日資料が見たいといったのはこういうわけだったのね」


杏子「・・・大体7種類くらいなら魔法少女の幻影を大量に並べられるようになった」

マミ「これはもう・・・ロッソ(赤)ではなく・・・虹ね。」


さやか「赤・・・青・・・ピンク・・・紫・・・黄色・・・黒・・白・・・緑・・・正確には8色だね。」

さやか「緑の魔法少女はゆまちゃんのイメージか・・・仁美でも良かったんじゃないの?」


杏子「だからさ・・・もうロッソ・ファンタズマじゃないだろ?」モジモジ


マミ「・・・?」

杏子「仲直りのしるしに・・・マミに・・・このワザの名前・・・つけてもらいたくてさ・・・
急遽新必殺技を考えてみました!」(屈託の無い笑顔)



マミ「あ・・あうっ」ズキューン




まどか「なにやら撃ち抜かれたような擬音が聞こえたよ!」


さやか「マミさん・・・これは完全に杏子に落ちたな・・・」



マミ(なによ・・・なによこの子・・・可愛すぎるわ・・!!)

マミ(わざわざ私に・・・必殺技の名前をつけてもらいたくて新しい事を考えるなんて・・・)


マミ(できない・・・この子と再び争うことなんて・・・わたしには出来ない・・・)

マミ(この子を憎むことなんてできない・・・
この子のためなら・・・正義も・・・世界も裏切ってみせる・・・)


ぎゅっ


杏子「マミ・・・さん・・・?」

576 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 15:56:55.85 CZiT/xQ40 272/404

マミ「もう二度と・・・あなたを離さない・・・!!」

マミ「もう二度と・・・あなたから離れない・・・!!」


マミ「無理に誰かの前でかっこつけたりもしない・・・今度はちゃんと・・・
お互いに足りないところを素直に認め合いましょう・・・」


杏子「マミ・・・」


マミ「「アルコバレーノ・ファンタズマ」・・・虹色の幻影・・・これが新しい必殺技名よ」


杏子「・・・相変わらずのセンスだな・・・」

マミ「気に入ったかしら?ちゃんと叫んでね。」

杏子「気に入る気に入らないよりも・・・確かな感情は・・・「懐かしい」かな・・・」

杏子「遠回りだったし・・・意地張ってばかりだったけど・・・
やっと・・・心安らぐ場所に来れた気がする・・・自分の居場所を見つけた気がする」


マミ「だとしたら・・・私が言えることは・・・これだけでいいわね・・・」

杏子「?」







マミ「お帰りなさい」








マミ「あなたはたった一人の・・・私の、最後の家族・・・」

577 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 16:24:42.90 CZiT/xQ40 273/404

杏子「・・・!!」


杏子「マミ・・・さん・・!」ポロッ

マミ「なぁに?」

杏子「マ・・・ミ・・さん!!」ポロポロ・・・

マミ「ちゃんと聞こえてるわよ?」

杏子「マミさん!!ごめんね・・・ごめんね・・・」ポロポロポロ


マミ「許すことなんか何も無い」

マミ「だって最初から恨んでないもの」



杏子「わああああああああああ!!」ボロボロ・・


杏子「会いたかった!ずっと・・・会いたかったのに・・・・」


杏子「こうしてまた・・・優しさに甘えたかった・・!!そばに居て欲しかった!!」


杏子「なのになんで・・なんであたしは・・・マミさんを傷つけて・・・なんで・・・!?」


マミ「気にしなくていいわ。私はとっくに気付いていたから・・・」


マミ「あなたがあの時の優しい佐倉さんのまま・・・何一つ変わって無かったって事にね」



杏子「大好きだよ、マミさん・・・もう絶対に・・あんたを一人にしたりはしないから・・・」


マミ「うん・・・うん・・・」ポロポロ・・・



さやか「杏子・・・良かったね・・・」グスッ

まどか「マミさん・・・本当に・・・もう一人ぼっちじゃないんだね・・・」


キュゥべえ「家族が増えるよ!やったねマミちゃん!」
さやか「おい、やめろ淫獣」


さやか「・・・」


ほむら「・・・」プルプル



さやか「あれれ、ほむら~もしかしてあんたも泣いてるの~?」

578 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 16:53:58.97 CZiT/xQ40 274/404

ほむら「泣くわよ!悪いかしら!?私だって・・・家族と会ってないもの・・・」

まどか「もう何年くらい・・・?」

ほむら「言わせないで!数えるのも諦めるほどよ!」


さやか「そっか・・・ほむらは累計で言えばもう相当長い間・・・家族に会ってないんだね・・・」


ほむら「ええ・・・でもいつか帰ってみせるわ・・・彼女達と違って・・・私は失ったわけではないもの」


さやか「それはそうと、泣いてるほむらって新鮮だね」

ほむら「・・・!!ほ、ほうっておいて頂戴・・・」


まどか「わたしと二人きりの時は良く泣くんだけどね」

ほむら「まどか!!」

さやか「ほほぅ・・・これは有力情報を・・・あたしもとうとう、嫁をほむらに任せるときが来たのかな?」


まどか「恭介君がいるのにナニ言ってるのよさやかちゃん・・・」

ほむら(!?お・・・女の子同士だというところにはツッコミを入れていない!?
この流れは・・・もしかして・・・)


ほむら「まどか・・・私・・・あなたが大好きよ」

さやか「うぉっ!ど直球で来た!?」


まどか「わたしもだよ。ほむらちゃん」

さやか「真芯で捉えた!?」


ほむら「ううん。友情じゃないわ。愛として貴方が好き」

さやか「変化球だよ!バッターまどか、どう出る!?」


まどか「それでもわたしは構わないよ」


さやか「打ったーッ!!ぐんぐん伸びて客席へーッ!!」




さやか「ほむらという名の打球、ほーむらんっ!!」


まどか「さやかちゃん、マジメな話するから黙っててね。
恭介君とイチャついてる時、同じことされたいのかな?」





さやか「・・・すいませんでしたぁッ!!」



579 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 18:02:02.88 CZiT/xQ40 275/404

まどか「ほむらちゃんが過去を繰り返してわたしを助けるために頑張ってたって聞いて・・・
すっごい胸が張り裂けそうになった。ほむらちゃんが生きてきた時間を解ってあげたくてもできないのが・・・
悔しかった」

まどか「でも・・・そんなわたしでもなにか出来ないかって思ったら応える事だと気付いたの」

まどか「だから・・・応えるよ。ほむらちゃんがわたしに抱いてる気持ちが友情でも愛情でも」


ほむら「まどか・・・!!」

まどか「でも・・・将来的にちゃんと男の人を好きになってくれたほうが、嬉しいかな」

ほむら「あ・・う・・・」グサッ


まどか「それまではずっと一緒!ちゃんとほむらちゃんに好きな人が出来るまで、傍に居てあげる」

ほむら「じゃ・・・じゃあ、私が永遠にまどか以外を好きにならないなら、ずっと傍に居てくれるの!?」

まどか「構わないけど・・・わたしたちまだ中学生だからね・・・移ろいやすいよ?」


まどか「ほむらちゃんだって心変わりする事があるかもしれない。
でも、それまでは一番大切な人になってあげる」

まどか「だから・・・ほむらちゃんも・・・自分を粗末にしちゃ駄目だよ?」


まどか「ワルプルギスの夜と刺し違えてでもっていうのは駄目だよ?」

まどか「ワルプルギスを倒せた後、絶望に負けるのも駄目」

まどか「わたしが無事でも・・・ほむらちゃんがいなくなったら悲しいよ・・・」


まどか「だから・・・魔法少女が・・・絶望に負けない世界を目指そうよ!
ほむらちゃんも、必死に運命に逆らってみようよ」


まどか(それでも・・・魔法少女が魔女になる結末を変えられないのなら・・・わたしは・・・)


まどか「この5人で・・・ちゃんと帰ろう。みんな無事で帰ろうよ」

まどか「約束・・・できるかな?ほむらちゃん?」


ほむら「約束するわ・・・自分自身も・・・あなたも・・・絶対に悲しませはしないから・・」


まどか「うん!」



まどほむ「イチャイチャ」マミ杏「イチャイチャ」


さやか「・・・」


580 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/28 18:03:00.71 CZiT/xQ40 276/404

氷室「もういいかな?君たち・・・ほむらさんの家に戻ろう・・・ただでさえ長引きそうな説明が・・・
後回しにされると・・・」


さやか「あたし帰っていい?あたしも恭介とイチャつきたい・・・」


氷室「唐突だけど、僕独身なんだよね・・・この光景はきつい・・・」

キュゥべえ「ナニをいってるんだい?僕たち3人いるから、後一組カップリングができるじゃないか」


さやか「あたしには恭介がいるから・・・」


キュゥべえ「なら僕と氷室か・・・」

氷室「キュゥべえ、こっちおいで」

キュゥべえ「きゅっぷい」ぴょん♪


氷室「あったかいね・・・」ぎゅっ






氷室「って誰得やねんッ」ガンッ



キュゥべえ「きゅううう・・・」ガンガンガンッ!



さやか「はやく戻ろうよ・・・人が集まってくるよ・・・」

585 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 16:11:36.91 lpADycan0 277/404

~ほむホーム~


ほむら「さて・・・マミには教えたけど・・・
まずは魔法少女の本体がソウルジェムという所からおさらいしようかしら?」


杏子「その必要は無いわ」ドヤッ

ほむら「誰の真似かしら?」イラッ


杏子「魔女にふいうちをくらって腹に穴が開いた。でも・・・
魔力を込めれば修復できた。自分が人間じゃないって思っちまったけどさ・・・」

杏子「それで・・・救える命があったんだ。だから・・・あたしはこの身体になったことを後悔してないよ」


ほむら「ソウルジェムが本体・・・なら・・・それが濁り切ったとき私たちはどうなると思う?」

ほむら「キュゥべえに聞いても、「魔法が使えなくなる」とか「魔法少女としての命を終える」
という漠然とした返答しかなかったでしょ?」


ほむら「とは言っても・・・もうマミ以外は気付いてるみたいだけど・・・」


マミ「何なの・・?ナニが・・どうなるって言うの・・・?」


ほむら「少女は成長すると女になる。それを魔法少女で当てはめてみなさい」



マミ「・・・魔女・・・?私たち・・・魔法少女の成長は・・・魔女としての転生って言いたいの?」



キュゥべえ「訂正するほど間違ってないね」


マミ「!!」

マミ「キュゥべえまで・・・そんな・・・」


マミ「私たち・・・魔法少女はいずれ魔女になる存在・・・そして・・・元々は仲間だった者達を・・・
食い物にして生きている存在・・・だと・・・言うの・・・」


ほむら「かつて私は・・・いくつもの並行世界をめぐり・・・あなた達が魔女になるところを何度も見てきた」


(スクリーンに投影される魔女画像)


ほむら「まどか」 Kriemhild_Gretchen 

ほむら「さやか」 Oktavia von Seckendorff 

ほむら「マミ」  Candeloro

ほむら「杏子」  Ophelia


マミ「あ・・・ああ・・」

さやか「・・・」

まどか「ひどい・・・」


マミ「キュゥべえ・・・あなたは一体何のために・・・こんな事を・・・」




586 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 16:25:21.12 lpADycan0 278/404

キュゥべえ「君たちが魔女を孵化するときに生じる莫大な感情エネルギーが欲しいんだ」

キュゥべえ「僕の正式名称はインキュベーター。
マミが好みそうな表現だと「孵卵器」にそのルビを書けばなんとなくわかるだろう」


キュゥべえ「魔女になって、宇宙のためのエネルギーに・・・なろっ♪(直球)」


マミ「・・・ソウルジェムが・・・ソウルジェムが魔女を産むのなら・・・」


ほむら(・・・!?マズイ・・!!アレが来る・・・!!)

シュイン(変身)


シュルシュルッ

杏子「お・・おいマミ・・・!?」


マミ「みんな死ぬしか・・・・」


マミ「・・・」




587 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 16:42:48.37 lpADycan0 279/404


杏子(仲直りのしるしに・・・マミに・・・このワザの名前・・・つけてもらいたくてさ・・・)

杏子(大好きだよ、マミさん・・・もう絶対に・・あんたを一人にしたりはしないから・・・)


マミ「うっ・・・うっ・・」

カラァン


シュルシュル(拘束解除)


マミ「撃てない・・・撃てるわけ無いじゃない!」


マミ「でも私・・・魔女になりたくない・・・魔女を倒したくない・・・魔法少女も・・殺せない・・・」


マミ「どうすればいいの・・・?どうすればよかったの・・・?」

マミ「あの時・・・素直に死んでれば・・・傷つかずに・・傷つけもせずに・・・済んだの・・・?」


杏子「それだけは絶対違う!!」

杏子「あたしとマミが出会ってなかったら・・・あたしはとっくに魔女になってたんだ!」

杏子「マミが・・・マミが死んでれば良かったなんて絶対無い!絶対みとめねー!!」

杏子「頼むよ・・・あたしのためにも・・・生きてくれ・・・傍に居てくれるって約束したじゃんか・・・」



マミ「佐倉さん・・・うっ・・うっ・・・」ぎゅっ


マミ「わああああ!!うわあああああああああああ!!」ポロポロ・・・・


588 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 17:40:19.45 lpADycan0 280/404

まどか(マミさん・・・)

まどか(やっぱり・・・魔女のいない世界を作るには・・・わたしが・・・)


ほむら「マミ・・・月並みな言い方しかできないけど・・・ワルプルギスの夜が現れれば・・・
数千人規模で被害が起こる。あなたが倒した魔女・・・元魔法少女達よりも多くの屍が積まれるわ」

ほむら「守るのよ・・・あなたによって救われた命・・・これからも・・・あなたによって救われる命・・・
私達が戦いをやめてしまえば・・・それが全て失われる」


ほむら「きっと魔女になった魔法少女達も・・・そんな事望んでないわ・・・」


氷室「人間の世界も・・・人間が人間を裁く。犯罪者になった人間は・・・罪を償う。」

氷室「魔女は・・・魔法少女によって倒されることが贖罪になるんだ・・・
それも・・・殺人犯相手なら・・・同情しちゃいけない・・・警察の立場なら人間だってそうする」


さやか「そうだよ!マミさんが助けてくれなかったら、あの時まどかとあたしだって、死んでたかもしれないんだ」

マミ「でも・・・私・・・ずっと・・正しいことをしてきたと思っていたのに・・・
いままで倒した魔女は・・・元々わたし達と同じ・・」


氷室「だったら・・・正義の味方じゃなくてもいいさ・・・」


マミ「え・・・?」


杏子「だな・・・マミは考えすぎるところがある。
正義の味方じゃなくていいって自分で言いだしたのはマミなのに・・・」

589 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 18:29:24.23 lpADycan0 281/404

杏子「目を背けたい真実があってもいい。自分の心をごまかしてもいい」

杏子「そんなもんで誰かが不幸になるのなら・・・正義なんていらねー。
あの親子を見てそう思った」

杏子「だからマミ・・・あたしからアンタに言える信仰はただ一つだけだ」

杏子「あたしが弟子だった時の約束・・・一緒にワルプルギスと戦おうって・・・覚えてるかい?」


杏子「それだけ信じろ。後のことは・・・後で考えろ」


杏子「交わした約束を守る。それだけでいい。だからあたしのためにも、一緒に戦ってくれ」

杏子「あたしはいつでも・・・あんたの傍に居るからさ・・・」


マミ「佐倉さん・・・」


氷室「珍しいことじゃないさ・・・大人になるまでに・・・
時には自分に嘘をついたり、卑怯な手段で正当化したりするのはね・・・」

氷室「かといって、そればかりに浸ってしまえば・・・死んだように生きる大人になるけどね・・・」


氷室「だから・・・死にながら生きる道を選んだ。僕たち魔法使いの身体も・・・
基本的には君たちと同じ抜け殻さ。」


氷室「たった一つ・・・守りたい物があった。僕はそれを取り戻すために・・・この時代に来た」

氷室「魔法少女と魔法使いは・・・大人でも子供でも無い存在かもしれない。
悪でも正義でもないかもしれない・・・
自分の純粋な願いのために・・・そのどちらにもなれるヤツが・・・生き延びる」


氷室「君が自分の生きる意味を見失いつつあるのなら
今は・・・さやか達のためにも・・・生き延びることだけでも考えて欲しい」


氷室「生きてさえいればきっと、生きることの意味を・・・見つけることが出来るから・・・」


マミ「氷室さん・・・」




ほむら「私も同じよ、マミ・・・」

590 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 19:15:38.13 lpADycan0 282/404

ほむら「まどかを救い出すために・・・何度も手を汚してきた。
魔女に襲われる人達を助けもしたけど・・・別の世界であなた達を犠牲にすることもしてきた」


ほむら「今の私は・・・救うべき相手がまどかからまどか達に代わっただけにすぎない」


ほむら「あなた達に危害を加える者がいるのなら・・・例えそれが元々魔法少女だった者でも戦う。それだけよ」


さやか「前も言ったけど、あたしは・・・恭介の傍にいる事が願いだったからね」

さやか「恭介が魔女に襲われたら・・・迷い無く契約すると思う。
相手が元々魔法少女だったとしても・・・戦うよ」


さやか「正義の味方になりたかったけど・・・本当の願いはそうじゃなかった・・・
だから・・・契約前に・・・恭介に気持ちを伝える事が大事だと気付けた」

さやか「もちろん、マミさんも今のアタシにとって大事な人。だから・・・絶対魔女になんかさせない」

さやか「だから今のあたしは・・・
恭介やマミさん達を守るためなら・・・ズルい事だってできちゃう・・・かな・・・
自分や他人を犠牲にしない範囲でなら・・・そうする」


まどか(自分の願い・・・自分の守りたいもの・・・)


まどか(わたしが・・・すべての魔女の消滅を願えば・・・魔法少女達に救いが生まれるかもしれないけど・・・)

まどか(それは・・・わたしが本当に望んでることなのかな・・・わたしを大切にしてくれる人達を・・・
置き去りにしてるだけじゃないかな・・・)


まどか(願えば・・・ほむらちゃん達とも離れ離れになる気がする・・・たとえ
魔女が生まれなくなった世界でも・・・ほむらちゃんを悲しませることになる・・・)


まどか(それが正しいかどうかじゃなくて・・・魔法少女の一人として・・・叶えたい願い・・・
みんなそれに真剣に向き合おうとしている)


まどか(わたし・・・また迷っちゃった・・・)



マミ「みんな・・・」



591 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 20:03:36.69 lpADycan0 283/404

マミ「ありがとう・・・もう大丈夫よ・・・」


マミ「そうね・・・私も正義の味方というよりは・・・
誰かと誰かの絆を繋ぎとめる・・・そんな魔法少女になりたかった・・・かもね・・・」

マミ「それでいて、自分も粗末にしたりしない。自分もひとりぼっちになっちゃいけない・・・」

マミ「それが私の・・・本当の願い・・・私は・・・あなた達を繋ぎとめる事が・・・できてたかしら?」

マミ「氷室さんが・・・全てリードしていた気もするけど・・・」


さやか「ナニいってるんですか!?マミさんがいなかったら
あたしもまどかも、杏子とこんなに早く友達になれてなかったって!」

まどか「きっとすれ違いや衝突があったかもしれない。すぐにわかりあえたのはマミさんのおかげですよ!」


ほむら「あなたがまどかとさやかに魔法少女のことをわかりやすく説明していなかったら・・・
私もただの電波さんとして認識されてたでしょうね。どうにも口下手で困っているのよ」


杏子「クラスのやつらも心配してたぜ?本当はマミの悩みとか聞いてやれる仲になりたいってな」

杏子「忘れるなよマミ。人と人を繋ぐってのはそういう事だ。自分が消えてもいいって思うのなら・・・
最初からそんな事望んじゃいけない。それは・・・責任をとっているようでただの逃げさ」


杏子「累計で言えばほむらだが・・・アンタはこの中で一番早く魔法少女になった」


杏子「アンタの優しさに魅かれてあたしたちは集まった。そしてこれからも・・・
それに救われる人達がいる。」



杏子「アンタがいなけりゃ・・・この5人は始まってもいなかったのさ」



杏子「折れそうなときは・・・いつでもあたしたちが背中を貸してやるからさ」



氷室「君たちくらいの年頃の子が・・・一生懸命自分で悩んで見つけた答え・・・
それはどんな物にも勝る宝石になる」


氷室「それが本当の意味でのソウルジェムかもしれない。
君たちの輝きや魂の在り方なんて・・・・誰かに決められるものじゃない、
自分で考え抜いて・・・手に入れる物なんだ」


マミ「そうよね・・・そうなんだよね・・・私・・・戦うわ・・・これからも・・・皆を繋ぐために・・・」


マミ「それを壊そうとするのなら・・・たとえ正義が相手でも戦える・・・そう気付けたから・・・」




氷室「答えを・・・自分で見つけ出したんだね・・・」




氷室「ならば、安心だ。ここで、嬉しい知らせを一つ伝えよう」





氷室「君たちは魔女にならずに済むかもしれない。」

593 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 20:15:03.37 lpADycan0 284/404

氷室「なぜなら20年後の魔法少女というのはそういう物だからだ。
魔女になる前に普通の人間に戻りたいのならば、戻ることが出来る」


マミ「え?」

杏子「・・・どういう事だよ・・・おい・・・」

ほむら「・・・それも・・・20年後の技術というわけ!?」


マミ「なら・・・どうして早く教えてくれなかったんですか?」


氷室「言っただろ?自分で答えを見つけ出して欲しかったってな。」

氷室「最初からこの情報を教えたら、君たちはただ浮かれる。自分や他人の大切さに気付かないまま
あっさりと戦死するだろうってね」




ほむら「それは・・・わかるかもね・・・」チラッ

マミ「なによ!私はどんなときでも油断なんかしないわよ!」




氷室「まずは順を追わせてもらう。この話には・・・インキュベーターも深く関わりがあるからね」

キュゥべえ「今こそ話そう・・・魔法使いのこと・・・これからの僕の対応を」

594 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 20:44:16.83 lpADycan0 285/404

氷室「まずは近いうちにおこる歴史からだ。」

氷室「僕が干渉しない本来の歴史では・・・ほむらさんを除く4人全ての魔法少女が死亡している」


氷室「だから・・・ワルプルギスの夜と戦ったのはほむらさん一人だけだ」

さやか「結果は?」

氷室「相打ち。そして・・・死亡したほむらさんを生き返らせるために鹿目さんが契約する」


まどか(やっぱり・・・あの時の夢と一緒・・・)


氷室「ワルプルギスの夜を倒したときのほむらさんの戦い方だけど・・・
君たちは彼女の武器がなにか知っているかい?」


マミ「・・・魔力で具現化した銃では無いの?」

ほむら「あれは・・・実物よ。他にもお菓子の魔女を倒した爆弾等も・・・軍の基地から拝借しているわ」


マミまどさやあん「!?」


氷室「派手すぎるワルプルギスとの死闘の果てに政府は気付いた。あちこちに散らばった兵器の残骸から・・・
「盗み出して」「なにか」と戦った「誰か」がいたことに」


氷室「調査をすすめるうちに政府は・・・魔法少女とインキュベーターの存在を突き止めた」

氷室「そして政府は・・・インキュベーターと積極的にコンタクトをとりはじめた」


氷室「いわゆる取引を人類とインキュベーターは交わすようになる。
絶望以外の感情エネルギーも差し出す代わりに・・・インキュベーターの技術を取り入れたいとね」


氷室「そうして・・・20年で急速に発展していったのが未来の地球なんだ。」


氷室「極一部の者はタイムマシンに乗ることも許された」


ほむら「・・・氷室・・・あなたは・・・やはりタイムマシンで・・・この時代に来たのね・・・」



氷室「その過程で魔法少女システムも改変されるようになる。世界が・・・魔法少女の存在を認識するように
なったからね・・・魔法少女の待遇を人間らしく作り変えるようにインキュベーターに交渉する」


キュゥべえ「とは言っても、元々僕たちのマニュアルにあるんだよ。
僕たちが干渉する星々で自分達の存在が広く世界に認識されたとき、その世界ではこうシステムを変えろってね」




595 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 21:15:42.81 lpADycan0 286/404

キュゥべえ「まずは本題の・・・魔法少女として契約してしまった後に人間に戻りたい時の措置だが・・・」


杏子「戻せるのかよ!?」

キュゥべえ「あくまで、僕たちと一つ上の交渉をしてる星に対する待遇だよ。
今の君たちでは本来「前例は無いね」ととぼけることしか許されてない事例さ」


キュゥべえ「僕たちの技術で確かに君たちを元の人間の身体に戻してあげることが出来る」


キュゥべえ「ただし、これを無差別に認めてしまうわけにはいかない。なぜなら魔女が孵化する時の絶望エネルギーも
ある程度回収しなければ、魔法少女を人間に戻すエネルギーの余裕も生まれないからね」


キュゥべえ「ある程度の魔法少女達はきちんと魔女にしなければいけない。かといってこちらが
還元希望者への対応を怠れば、魔法少女を志願する者も減ってしまう」

キュゥべえ「そこで、引退制を導入する。20歳以上の魔法少女は・・・いつでも魔法少女をやめることが
できるようになる。もちろんその際、元の身体にもどしてあげるよ」


マミほむあん「!!」


マミ「20歳まで生き延びれば・・・元の身体に戻れるの・・・?」


キュゥべえ「こうすれば、契約した魔法少女は必死で生き延びようとするだろう?
その結果20歳前に力尽きる者はより強力な魔女を生み出す。より大量のエネルギーを回収できる」


キュゥべえ「君たち人類にとっても得な取引だと思うけどね」


杏子「えげつねぇ・・・希望を与えてるようでえげつねーぞお前ら・・・」

杏子「結局差し引きゼロじゃねーか・・・人間に戻れる魔法少女がいる反面・・・
より強力な魔女がそこらへんに発生することになるんだからな・・・」


キュゥべえ「そしてもう一つ・・・君たちを元に戻す方法はあるけど・・・
君たちはその条件を満たしてないから話しても無駄だね」


杏子「なんだよ・・・教えろよ。おい、氷室。あんたは知ってるのか?」


氷室「知ってるけど、教えられないね・・・それを言ってしまえば、
鹿目さんやさやかが安易に契約する可能性があるから」


キュゥべえ「さて・・・魔法使いの正体についてだが・・・」

596 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 22:01:31.28 lpADycan0 287/404

キュゥべえ「これは・・・魔法少女に・・・
女性にだけ戦わせる事にその星の人々が責任の感じてしまうから生まれた措置なんだ」


キュゥべえ「男でも魔法少女と同じ力を持つことが出来る。こうすれば・・・
引退した魔法少女の穴を埋める意味でも魔女退治に効率がいい循環が生まれる」


キュゥべえ「もちろん、魔法使いも力尽くとき君たちの魔女にあたる「魔導帝(まどうてい)」という怪物を生み出す
その時のエネルギーも、きっちり頂いてるけどね」


キュゥべえ「わかりやすく言えば、僕たちと対等な(大嘘)交渉をしてる世界では
魔女と魔導帝を退治するのが・・・魔法少女と魔法使いの主な仕事なんだよ」


キュゥべえ「魔法使いに契約できる男性も限られたものにする。
30歳以上独身かつ「ある条件」を満たした者のみ、魔法使いの契約は許される」


杏子「ある条件?なんだよ氷室、教えろよ」

氷室「ごめん、それも勘弁してよ・・・女の子の前でそれバレるのは男にとって相当キツイ事なんだ・・・」


さやか「あっ・・・(察し)」


マミ「でもなんで・・・30歳男子なの?」

キュゥべえ「恋愛に発展させたくないからさ。同じ境遇で戦う歳が近い男女だと、
比較的カップルができやすくなってしまう。そうなったら・・・絶望せずに20まで生きる可能性が高くなる」


キュゥべえ「マミのノートにもあったじゃないか。同い年の魔法少年がマミを助けて
その後友達を経て恋愛に発展するストーリーが」

キュゥべえ「アレは僕たち搾取側からすれば、相当な赤字に該当する。だから・・・
男と女で契約できる条件を分けるべきなのさ」



599 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/29 22:21:29.81 lpADycan0 288/404

マミ「きゅきゅきゅきゅ・・・キュゥべえ!あ・・あれ・・見たの!?見られてたの!?
駄目よ!!その先は・・・言わないで・・・!!」


さやか「マ・・・マミさんの恋愛仮想ノート!?き・・・聞きたい!
キュゥべえ!その続きは?どんな感じの男の子がマミさんを助けるの?」


キュゥべえ「あ・・・あなたはクラス一モテるけどなぜか彼女が居ない○○君!?
あ・・・あなたも・・・魔女と戦う戦士だったの?」

キュゥべえ「そういう君は巴さん!?そうか・・・君みたいな素敵な子に友達も彼氏も居なかったのは、
僕と同じ使命を背負った戦士だったからなんだね?ずっと孤独に戦い続けたんだね」


キュゥべえ「僕・・・ずっと巴さんと話がしたいと思ってた・・・でも・・
魔法少年だから・・・使命のために生きる事がすべてだと思ってたから・・・」

キュゥべえ「私も・・・同じ境遇の仲間がいてくれて嬉しい。これからは一緒に・・・」


マミ「やめてええええええええええ!!!私を今魔女にさせるつもり!?
お願いキュゥべえ!そこから先は言わないでえええええ!!」


キュゥべえ「いくぞ!協力技「ティロ・マリターレ」!」

キュゥべえ「ちゅどーん」

キュゥべえ「ふぅ・・・マミ、やったね。息もばっちりだ」

キュゥべえ「でも・・・このワザ・・・ただ一緒に放出系魔法してるだけだよね?
そもそもティロ・マリターレってどういう意味なんだ?」

キュゥべえ「もう!ちゃんと勉強しなさいって言ったでしょ!」

キュゥべえ「やだよ、マミと一言でも多く話していたいんだ。だからマミから教えてくれないか?」

キュゥべえ「○○君のバカ・・・絶対私から言うもんですか・・・教えてなんかあげないんだから・・・」

キュゥべえ「結婚の祝砲って意味なんて・・・言えるわけないよね。かっこ心の声」



まどさや杏子ほむ「・・・///」かぁあああ・・・





マミ「あ・・あうああうあうあう・・・あうあう・・・」ぶしゅぅ・・・


マミ「いや・・・いやあああああああ!!!」


マミ「魔女になった私が見える・・・・!誰か・・・早くグリーフシードを!」




Candeloro デェン!(魔女文字)

604 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 07:12:39.91 OCI4f1dj0 289/404

さやか「マミさん!気をしっかり!ホラ、あたしも恥ずかしいテキストもって来たよ!」

さやか「絶対半分は女子会みたいなノリになるって解ってたから、持ってきたの!
ほら、幼稚園の頃と最近恭介に渡そうと思ったけど渡せなかったラブレター!」


杏子「マミ!あたしで良ければティロ・マリターレやってやるからさ!」


ほむら「ディスプレイを見なさい、メガネ三つ編みの頃の私よ!
この頃は私もあなたにあこがれて散々恥ずかしいことをしていたわ!」


まどか「マミさん!恥ずかしさも共有だよ!!わたしも新作ノート持ってきました!」



マミ「うっ・・うっ・・・」しゅうう・・


キュゥべえ「グリーフシードを一つ無駄に消化したね」

氷室「いや・・・これで耐性はついたさ」


キュゥべえ「まだまだノートはある。
マミを魔女にする頃合だと判断したら、また今みたいに読み上げさせてもらうさ」


氷室「相変わらず手段を選ばないんだね君たちは」

キュゥべえ「そのためなら感情をこもった読み上げさえ辞さない」


キュゥべえ「説明を続けさせてもらうよ」


キュゥべえ「魔法使いと魔法少女との最大の違いはかなえる願いだ」

キュゥべえ「魔法少女ほど素質が無いから、魔法使いの契約の願いは
全員「せめて魔法少女と同等に戦える力が欲しい」に固定される」


氷室「そうでなければ僕もとっくに、助けたかった大事な人を生き返らせる祈りをしている」

キュゥべえ「そして・・・魔法使いにおける「引退」は「卒業」といい代えることができる」


キュゥべえ「30歳以上かつ「ある条件」この「ある条件」を克服することを君たち
人類は「卒業」とよんでいる」

キュゥべえ「卒業することが魔法使いを元の人間に戻してあげられる条件だ」


さやか「・・・魔法少女システム関係ないよね、それ。
リアルの世界で頑張ることが引退条件ってえげつねーわ・・・」




606 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 07:55:55.21 OCI4f1dj0 290/404

氷室「君たちが・・・魔女にならずに・・・人間にも戻れる未来を手に入れる条件は、
ワルプルギスとひたすら派手に戦う事だ。」


氷室「目撃者が多ければ多いほど、僕がやってきた未来に早く近づけるからね」

キュゥべえ「だけど・・・僕はそれを快く思ってないよ」


マミ「え・・・?」


キュゥべえ「君たちをまだまだ家畜同然の扱いをしていたい。
地球から得られるエネルギーを独り占めしたい。」

キュゥべえ「それが君たちの言う、正しいかどうか関係無しに僕がやりとげたい事、
守りたい事なんだ」

キュゥべえ「だから・・・僕も未来を変えるために動くよ。
氷室がやって来た未来も・・・僕から言わせれば悲惨な結末だ。一方的に搾取できる相手が減るからね」


キュゥべえ「僕たちインキュベーターの勝利条件は・・・ワルプルギスの日・・・もしくは
それまでに君たちを全滅させる事だ。一般人になるべく知られずにね」


さやか「言い切ったな・・・」


キュゥべえ「だから僕はもうまどかもさやかも勧誘しないよ。
ワルプルギス相手に派手にやれる魔法少女が増えると不利だからね」


ほむら(・・・!?)



ほむら(あのインキュベーターが・・・さやかはまだしも・・・まどかとの契約を諦めた!?)


ほむら(長期的に見れば・・・このままの環境でエネルギーを独占するのが得策だと判断したのね・・・)


ほむら(ようやく・・・肩の荷がおりるのね・・・後はワルプルギスの夜さえ倒せれば・・・)


ほむら(まどかと・・・普通の人間として・・笑い合える未来が手に入る・・・)



まどか「でもなんで・・・その事を正直に話す気になったの?」

607 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 08:34:25.22 OCI4f1dj0 291/404

キュゥべえ「それが・・・僕と氷室との相互取引だからさ」

まどか「相互取引・・・?」


氷室「僕がやってきた未来の情報をインキュベーターに公開する
その代わりに僕の説明に説得力を持たせるためにインキュベーターからも
一つ上の領域の魔法少女システムを公開するとね」


キュゥべえ「君たちは僕を敵対視するだろうけど・・・基本的に
君たちの敵でも味方でも無いからね・・・」


キュゥべえ「使い終わったグリーフシードの回収および大人の下着の回収は
僕を頼らなければどうにもならないだろ?」


マミ「大人の・・・下着?」

氷室「僕たちはソウルジェムを・・・魔導帝を生み出すブリーフシードに変えないために・・・
女性の下着を使って穢れを取り除くんだ」


さやか(聞き間違い?グリーフじゃなくてブリーフって言った?)


氷室「そして、穢れを吸った女性の下着は・・・大人の下着へと変わる」

氷室「この黒い下着は・・・もともとそれぞれピンクと水色だったものだ」

スッ


さやか「あたしのブラ!」

まどか「わたしのも!」

ほむら(まどかの・・・黒ブラ!?)ドキドキ


氷室「こいつの回収だけは・・・インキュベーターを頼らなければいけない。」


ほむら「そ・・・そんな事しなくても・・・普通に下着として活用すればいいんじゃないかしら?」

氷室「・・・身につけた女性が魔女になる」


ほむら「そ・・そうなのね・・・」がっくり



氷室「でも・・・いいかもしれない。「自分の中の魔女」と向き合うために・・・
魔女結界展開呪文を身につけるために・・・」



氷室「今ここで・・・まど黒ブラを着けてみるかい?ほむらさん?」



まどか「えっ」


ほむら「ほむっ!?」

608 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 08:59:26.97 OCI4f1dj0 292/404

氷室「君たちは鹿目ほむらさんと戦ったんだろ?彼女も結界展開呪文を使ってきたはずさ」

氷室「絶望して、自分が魔女になる一歩寸前で自意識を戻す。それができた魔法少女は、
結界展開呪文を使えるようになるのさ」


杏子「じゃあ・・・あたしにも、魔女結界が使えるのか!?」

マミ「・・・さっき私も自分の中の魔女を見たわ・・・私にも使えるのね・・・」

マミ(ちょっとこういう能力って素敵かも・・・闇落ちを乗り越えた主人公が
その闇を操る能力なんて・・・)ワクワク



氷室「一般人を自分の魔女結界に隔離して守ることや、魔法少女同士戦わなければならなくなった時に
この魔法は便利だから是非覚えて欲しいんだけど・・・」


氷室「この家には資料が無い。自分が魔女になった姿は・・・ほむらさんだけは見ることが出来ない」

氷室「つまり・・・ほむらさんが自分の中の魔女を認識するためには、まど黒ブラを身につけるしかない」


氷室「やってみるかい?ほむらさん・・・より強く守るための力が必要ならば・・・
黒ブラの穢れで・・・魔女化寸前まで自分を追い込むしかない」


まどか「そんな!危険すぎるよ!ほむらちゃんが魔女になったらわたし・・・」


ほむら「いいえ、まどか。やらせて・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」


ほむら「もっと強くならないと・・・鹿目ほむらに・・・自分自身にも勝てなかったもの・・・」


ほむら「私は・・・自分自身に勝ちたい・・・そのためにも・・・」

ほむら「まどかを・・・守るためにも・・・私は・・・私は・・」


ほむら「自分の中の「魔女」を・・・克服してみせる!!」ガバッ




まどか「ほむらちゃん!」


まどか「・・・頑張って!自分に負けないで、ほむらちゃん!」


さやか「いや・・・顔にかぶる意味あったか?」





ほむら「フォオオオオオオオオオオオオオ!!!」


ビシッビシッ  ・・・ビキィッ・・・


609 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 10:43:04.09 OCI4f1dj0 293/404


ほむら「・・・ここが・・・私の中の・・・絶望・・・」

此岸の魔女「あなたは私」


Homulilly デェン!(魔女文字)


此岸の魔女「あなたがいくら頑張っても・・・あなたが友達になったまどかは戻らないわよ」

ほむら「わかっているわ・・・」


此岸の魔女「ならば何故・・・私を受け入れないの・・?楽になってしまえばいいのに・・・」

ほむら「好きだからよ・・・あの時のまどかも・・・今のまどかも・・・」


ほむら「さやかが教えてくれた・・・人を好きになるのに・・・
それを守りたいと思う気持ちに・・・理由なんかいらないって・・・だから・・・くじけない」


ほむら「何よりも今・・・絶望よりも・・・まどかの下着に包まれている・・・その幸福が私を満たすの・・・」



ほむら「さぁ・・・ホムリリー、私に力を貸しなさい」


ほむら「私は・・・例え魔女になろうと・・・悪になろうと・・変態になろうとも・・・」


ほむら「まどかを・・・守る!これからもずっと!!」



カッ




ほむら「ぶはあっ・・はぁっ・・・はぁっ・・はぁっ・・・」


まどか「ほむらちゃん!」

氷室「どうやら・・・乗り越えたようだね」

さやか「感動したいけど絵図のせいで出来ない・・・」



キュゥべえ「じゃあ、大人の下着を回収しよう」

キュゥべえ「きゅっぷい」あむあむ


杏子「え?背中じゃなくて口のほうで食うのかよ!?」


マミ「・・・キュゥべえが単なるド変態に見えるわ」




615 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 18:18:17.77 OCI4f1dj0 294/404

キュゥべえ「ワルプルギスまでのぼくの君たちに対する対応は、
グリーフシードの回収およびまどかとさやかの勧誘の一時停止だ」


キュゥべえ「そして、氷室がこの時間軸にいる場合に限り、
君たちには未来の対応と同じ事をさせてもらう」

キュゥべえ「つまり、黒下着の回収・・・及び魔法少女と魔法使いが人間に戻るための措置」


杏子「っつっても、20歳にならなきゃ、元に戻れないんだろ?
ワルプルギスまでの約一週間で歳をとれるわけねーじゃん」


マミ「そうね・・・知り合いに20歳魔法少女が居たら教えてあげるんだけど・・・」

さやか「マミさんのボディで20未満ってのもおかしな話ですけどね」


マミ「美樹さん・・・あなたと上条君のケーキ入刀の時は
ウェディング・スパークエッジと叫んでもらおうかしら?」


さやか「あ・・マジですいません、それだけは・・・」


キュゥべえ「ワルプルギスの後は通常営業に戻るよ。
だから、人間に戻る未来を勝ち取るためには、まずワルプルギスを倒さないとね」



氷室「全て・・・説明できたかな・・・そろそろ時間だ」


さやか「時間?」




鹿目(グラサン未来ほむ(グラほむ))「話はまとまったかしら・・・かみじょ・・・コホン、氷室」



ほむら「鹿目ほむら・・・!?」




617 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 18:43:15.86 OCI4f1dj0 295/404

まどか「この人が・・・未来のほむらちゃん・・?」

杏子「・・・確かに雰囲気は大人になったけど・・・」


鹿目「・・・何かしら?」スラーッ↓


ほむら「あなたは断じて私じゃない!20年後なら成長してもいい箇所が、成長してないじゃない!!」

鹿目「事実よ。受け入れなさい」



鹿目「20年後の私は既婚者で夫とちゃんと子作りにも励んでいるわ。
もちろん・・・胸も触らせてあげてる」

鹿目「それでも・・・何度やっても結果は変わらなかった。だから
好きな人にもまれれば大きくなるという話は都市伝説よ」


鹿目「ちょうどタイムリーな話題で中の人斉藤千和さんが結婚するらしいから、
私が彼と結婚したのも斉藤さんと同じ32歳、二年前という事にしましょう」



杏子「・・・まさか、あんたの夫って氷室じゃねーだろうな?」ギロッ

マミ「佐倉さん、違うわよ!氷室さん独身っていったじゃない!」


さやか(独身・・・そして・・・コホン、)


氷室「・・・出頭しなければならないようだね・・・」



一同「えっ・・・」


鹿目「ごめんなさい・・・あなた達のためになるべく引き伸ばす努力はしたわ・・・」


鹿目「早いと言われるのはわかっている・・・でも、管理局は・・・早急に氷室の身柄を確保しろと
発令をしたわ」


鹿目「あなた達・・・大人がいなくなるのは不安だろうと思うけど・・・氷室とお別れよ」


一同「!!」


マミ「そ・・・そんな・・・」

杏子「ウソ・・・だろ・・・」



鹿目「本来・・・氷室はいないはずの人間よ・・・あなた達だって氷室がいなければ・・・
ワルプルギスの夜は自分達だけで越えなきゃいけない問題のはず」


鹿目「勝ち取ってみなさい。大人の力に頼らずに・・・」

鹿目「私もかつて、あなた達だった・・・だからわかるの。あなた達子供が・・・一番何を嫌がるのかもね・・・」


鹿目「子供が一番嫌がること・・・それは・・・子供扱いされる事だと私は知っている」



鹿目「だから・・・お別れなのよ・・・一人前の大人として・・・信頼して、あなた達にこの時代を託すのよ」

618 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 19:07:23.92 OCI4f1dj0 296/404

氷室「ほむらさん・・・僕の心残りは、もう無いよ・・・この子達ならきっと・・・
僕たちが生きてきた未来よりも素敵な未来へと進んでいける」


さやか「氷室さん・・・」ポロッ


氷室「さやか、恭介に伝えてくれないか?約束をやぶってしまってすまないって」

氷室「でも・・・恭介の腕を治す技術はあと10年以内に必ず開発される。それだけは信じて欲しいと」

氷室「絶対に・・・自分もさやかも諦めるな・・・とね」


さやか「氷室さんッ!」ガバッ


氷室「それと・・・例の幼稚園の頃と最近書いた2通の恭介へのラブレター、
本人に渡してくれ・・・」

氷室「僕の生きてきた時代の恭介は、ひどく後悔していた。
さやかが死んだ後にそれを見つけて・・・
なんでさやかの気持ちに気付いてやれなかったんだろうって」


さやか「うん・・うん・・・渡すよ・・・何度でもあたしは・・・
恭介に大好きだっていってあげるんだ・・・」



まどか「氷室さん・・・」


氷室「鹿目さん・・・さやかの親友でいてくれて・・・ありがとう」

氷室「君に見せた夢の意図は・・・絶対に友達を悲しませる願いだけはしてはいけないという事だ」

氷室「これからも・・・さやかの・・・そしてほむらさん達の傍にいてあげてくれ・・・」

氷室「君は無力なんかじゃない・・・誰かの傍にいてあげること・・・それは誰にでも出来るようで
誰にでも出来ることじゃない」

氷室「君がいることで救われる人達がいる。それを忘れないで」


まどか「うん。解ってるよ・・・わたし、ほむらちゃん達と離れない。ずっと、手を繋いでいたい」ガバッ





620 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 19:42:11.87 OCI4f1dj0 297/404

マミ「氷室さん・・・私・・・氷室さんの事・・・」


氷室「そこから先は口に出してはいけないよ。君が余計に悲しくなるだけだ」

氷室「わかっていたさ・・・君の気持ちは・・・昔は僕は鈍感な男だったけどね」


氷室「今では鈍感なフリをしてかわす術を身につけた。大人ってズルいだろ?」

氷室「君はひとりぼっちなんかじゃない・・・
少しズルくなって使命も青春も楽しもうとする気概さえあれば、、なんでも手に入ったんだ」

氷室「僕の生きてきた時代では、巴さんが亡くなった後隠れファンの人達が嘆いているのも見てきた」


氷室「町のアイドルスカウトマンが何度か君に接触を試みようとしていた事も後からわかった」

氷室「家族も、友達も、恋人も・・・巴さんくらい素敵な人だったらこれから手に入れられる」

氷室「だから・・・巴さんにはズルさを身につけて欲しい。嫌なことに対する大人のかわし方を身につけて、
これからは一人ぼっちじゃない青春を楽しんで欲しい」


氷室「その過程で君は気付くはずさ。世界を広く見渡せば氷室よりも素敵な男性はいくらでもこの世に居るってね」

氷室「それでも、君の気持ちが変わらなかったときは・・・僕もきちんとした返事を出すよ」


マミ「氷室さん・・・私は・・・あなたにも・・・ひとりぼっちになって欲しくない・・・」ガバッ



杏子「ふん・・・」


氷室「杏子・・・すまなかったな・・・」

杏子「ナニがだよ?」

氷室「僕の計画では・・・本気でパパになるつもりだったんだ」

氷室「君をさやか達と同じ学校に通わせてやりたかった」


杏子「別にかまわねーよ。今はマミが家族になってくれるからな」


氷室「君がつく信仰(うそ)が僕は大好きだ。どんなに乱暴な言葉で隠そうが、君の優しさが隠しきれてない」

杏子「うるせーな・・・お前も恭介と同じ無自覚の恥ずかしいヤツだな・・・///」

氷室「これからも・・・素直な気持ちと優しい嘘を使い分けて誰かを幸せにしてやってくれ」

氷室「君の家族も・・・きっともう幸せな気持ちで見守ってるに違いないから・・・」


杏子「あたしは・・・もう自分の正義が信じ通せればそれでいいよ」


杏子「あたしの家族が自殺した理由は魔女の仕業だった」

杏子「あたしが逃がした使い魔はとっくに始末されたいた」

杏子「娘を虐待している母親はニセモノだった。それでいい」


杏子「最後に一言・・・あんたのことをパパって呼んでやる。でもこれを
本音と捉えるかは・・・完全にあんたの信仰だから・・・無理強いはしない」


ガバッ


杏子「色々ありがとな・・・パパ・・・感謝の気持ちは・・・
たとえ離れ離れになっても・・・変わらないから・・」

621 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/30 20:14:31.32 OCI4f1dj0 298/404

ほむら「氷室・・・」


氷室「・・・ほむらさん・・・実はね・・・さやか達を助けるというのは・・・
君との友情がなくなってしまうという事なんだ・・・」

ほむら「え・・・?」


鹿目「恋人同士ではないけど・・・未来で私と氷室は親友と呼べる間柄になっているの」

氷室「もしもう一度だけ過去に戻れたら、さやか達を救い出す方法等を色々話してるうちに仲良くなったんだ」

氷室「さやか達が無事ならば・・・この時代の僕は君とのつながりが無くなってしまうんだ」

氷室「それだけは悲しい。君と僕が親友同士でなくなった時間軸を作り出してしまったことが・・・悲しい」


ほむら「・・・さやか以外の子は基本苗字なのに・・・私を名前で呼んでいたのはそのためだったのね・・・」

ほむら「この時代のあなたがどこの誰かもわからないのに・・・対処しようが無いわね」


ほむら「でも・・・これだけは言える・・・」


ほむら「この時代のあなたじゃない「バイオリン仮面/氷室」と名乗る人物と・・・
鹿目ほむらとも違う「暁美ほむら」は・・・」ポロポロ・・・


ガバッ


ほむら「間違いなく・・・とてもよく似た志を持った・・・親友だった・・・戦友だったと・・・」


ポロポロ・・・



さやか「氷室さぁん・・・」

まどか「氷室さん・・・」

マミ「氷室さん・・・」

杏子「氷室・・・」

ほむら「うっ・・うっ・・・氷室・・・」



さやまどマミあんほむ「お別れなんていやだよ!!バイオリン仮面!!」




氷室「・・・まるでヒーローショーに参加してる男児だね・・・」


氷室「僕だって・・・この時代に戻りたい・・・でもどうなるか解らない・・・」


氷室「希望のある時間軸を作り出したとはいえ・・・僕は時空犯罪者だからね・・・」


氷室「最後に・・・みんな、大好きだよ・・・」


氷室「君たちは僕にとって・・・娘であり生徒だ」


氷室「バイオリンがなければ・・・僕は教師になりたいと願っただろうね」


鹿目「私もできるかぎり氷室の罪が軽くなるように努力してみるわ・・・
彼がこの時代に住めるようになれるように努力してみるつもり・・・」


鹿目「それでも・・・大人の世界にはどうしようもないこともあるから・・・」

632 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 10:18:36.57 8jBbelNQ0 299/404

~帰り道~

さやか「行っちゃったね、氷室さん」

杏子「そうだな・・・」


さやか「ところでさ杏子、あんたマミさんにキスした自分を幻術だっていったけどさ、」

さやか「アレって、キスしたほうが本物で後から現れた杏子が幻術でも、成り立つよね?」


杏子「!?」


杏子「ふっざけんな!///だ、だれが・・・マミにキスなんかしてやるんだ!!
お前の考えすぎだバーカ!!キスしたほうが幻術なんだよ!!」


さやか「あたし、二人の杏子がくるくる回ってるときニセモノだった方を良く見てたの。
見失わないように・・・そしたら、キスしてたほうが残って後から現れた本物だと思ってた杏子が消えたんだよ」


杏子「そ・・それはお前の・・見間違いだ・・・あたしはマミにキスなんかしてねー・・・・」


杏子「だいたい・・・口同士じゃなったし。ほっぺにはしたけど・・・だから親愛の一つだ」

杏子「まどかの母親も・・・タツヤのほっぺにしょっちゅうキスしてるっていってたから・・・」

杏子「仲のいい家族なら・・・それが普通なんだろ?今のあたしは・・・
別にマミの顔にキスくらいしてやってもいいと思うけど・・・」


さやか「そうやってごまかしてる時点でキスしてるんだけどなー。
幻だったらどこにキスしようが勝手じゃん・・・」


杏子「あ・・・」


杏子「もういいや・・・お前が信じるほうでいいよ。これも信仰だ。信じる信じないは勝手にやってくれ」



さやか「じゃあ、キスした方で!」

杏子「クッソうぜえ」


さやか「それはそうと、今日うち来る?氷室さん行っちゃったから明日からホテル借りるの苦労するよ?
保護者いないから」


杏子「いや・・・まとめて宿泊費払ったから後2日くらい使えるはずさ。
荷物もホテルに置きっぱなしだから整理のためにも今日はやめとく」


杏子「つーか、今日は恭介のとこ行かなくていいのかよ!」

さやか「あ・・・あの・・・ちょっと恥ずかしいんだよね・・・その・・・
顔を合わすと・・・火が出そうなくらい・・・」



さやか「しちゃったから・・・」



杏子「キスを・・・か。まったく・・・人の事キス魔みたいに言っといて・・・・」

633 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 10:42:08.97 8jBbelNQ0 300/404


杏子「じゃあ、あたしが行ってやるかな。っつーか寝床も恭介の家に泊まればよくね?」


さやか「は!?」



さやか「ななな・・・なんでそうなるのよ!」

杏子「さやかが行かねーんだろ?だったら恭介の家に行くのはあたしの勝手じゃねーか」


杏子「恭介のヤツ、さやかに会えない欲求不満をあたしにぶつけてくるかもな」ニヤニヤ

さやか「きょ・・・杏子!?あ・・あんたまさか・・・恭介のこと・・・」


杏子「だとしたらどうする?あたしが恭介の事好きで、さやかと付き合ってるとかキスした
とか関係無しにガンガン行くぜって宣言したら、あんたはどう出るんだい?」


さやか「ほ・・・本気なの・・・!?」

杏子「信仰だ。さやかにとってあたしが嘘ついてるか本音を言ってるか都合のいいほうを選べ」

杏子「そして、その判断が間違ってた時でも後悔しない様に行動してみな?
だとすれば今やるべきことは・・・わかるよな?」


さやか「・・・恭介の所に行く・・・」



杏子「よし、行ってこい。しっかりしやがれよお前ら・・・喧嘩したわけでもないのに
恥ずかしいからで会わないでどうすんだよ・・・」



さやか「ありがとね・・・杏子・・・」



杏子「あ?」

634 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 10:55:39.14 8jBbelNQ0 301/404

さやか「その信仰が嘘でも本当でも・・・あんたはあたしの心配をしてくれてる、
だからあたしの前で口に出して言ってくれたんだ」


杏子「さぁ・・・どうかな?」


さやか「毎日会ってるようで実はちょくちょく穴が開いてるんだよね・・・
今日だって氷室さんに会うっていったら寂しそうにしてたし・・・だから、今からでも恭介に会う」


杏子「それでいい。行ってやれ。」


さやか「じゃあね杏子!恭介が落ち着いたら、その時こそちゃんと家に招待するからさ!」


杏子「おう、楽しみにしてるぜ、しっかり恭介を離すんじゃねーぞ・・・」



杏子「・・・」




杏子「じゃないと・・・あたしも・・・諦めがつかないからさ・・・」





635 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 11:22:02.26 8jBbelNQ0 302/404

~上条邸~

さやか「・・・もうこの家から・・・バイオリンの音が聞こえることは無いんだね・・・
やっぱり・・・ちょっと寂しいな・・・」


(チャイム音)


上条父「はい」

さやか「あ・・・あの・・おじ様・・・美樹です・・・恭介君と話をさせてください・・・」


上条父「そんな頼み方じゃいやだよ」プツッ



さやか「は・・・!?」

(チャイム音)

上条父「はい」

さやか「えっと・・・おじ様・・・あたしなにか失礼なこと言いました?言葉遣い間違ってました?」


上条父「むしろなれなれしくして欲しいんだけどね」

さやか「え・・・?」




さやか「・・・おっさん?」




上条父「・・・」プツン




さやか「ああ、ごめんなさい!じゃあ・・・お兄さん!?」

上条父「お世辞を言えって意味じゃないんだよ」



さやか「(氷室さんと杏子の例があるから・・・)パパ・・・?」


上条父「近い!」



さやか「(ああ・・・そういう事か・・・)」


さやか「お・・・お義父さん・・・」


上条父「きたああああ!!ブッヒヒイイイイイイン!!!!」



さやか「義娘のさやかです・・・夫の恭介をお願いします・・・///」


上条父「ポウッ!」


上条父「恭介、さやかちゃんが来たよー。門を開けて迎えてあげなさい」ドバドバ



恭介「・・・///父さん・・・とりあえず、鼻血を拭こう・・・」

さやか「親公認の仲ってのも考えもんだね・・・」

638 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 16:36:12.44 8jBbelNQ0 303/404

~恭介の部屋~

恭介「・・・来てくれたんだ・・・」


さやか「・・・う・・ん・・・」


恭介「昨日・・・あ・・・あんな事しちゃった後だと・・ちょっと恥ずかしいね・・・」

さやか「恭介ってば・・・意外と強引なんだもん・・・」

恭介「無防備に男を部屋に上げるさやかが悪いよ・・・」


さやか「今日も・・・する?」

恭介「う・・・うん・・」


チュッ


~~~


恭介「そうか・・・氷室さんは急にもとの時代に帰ることになっちゃったんだ・・・」

さやか「あんまり驚かないんだね、氷室さんが未来人だって事に」


恭介「予想はしてたからね。色々不思議な人だったから・・・
彼の正体がどんな人でも驚きはしないよ」

さやか(魔法少女のことも・・・いつか恭介に話せば受け入れてくれるのかな・・・)


恭介「前もってわかってたら・・・今までのお礼に家に招待したのに・・」


さやか「やっぱり・・・自分の代わりにバイオリン弾いてくれる人がいなくなるって・・・
悔しい?」

恭介「それは・・・残念だとは思うけど・・・氷室さんばかりに依存してられないし・・・」


恭介「少し早い卒業が来たんだと思うよ・・・僕自身も油断してた。
氷室さんがいつまでも傍に居てくれるものだと思ってた」

恭介「でも・・・氷室さんに学んだことは・・・絶対に変わらないから・・・」


恭介「昨日まで当たり前だったものが無くなる事もある。
左手だったり・・・氷室さんだったり・・・それを学べた」


恭介「でも・・・さやかだけは絶対無くしたくない。そう自覚できたから・・・
当たり前にいてくれる君と・・・いつまでも一緒である当たり前を大事にしていたいから・・・」

さやか「恭介・・・」



恭介「僕は僕で新しくパートナーになるバイオリニストを探すよ・・・
見つからなかったら作曲家でも音楽講師でもなんでも目指すさ」

恭介「少し味気ないけど・・・新曲を聞くかい?パソコンにすでに打ち込んであるんだ」


さやか「うん!」


♪~♪~♪



639 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 17:19:19.36 8jBbelNQ0 304/404

さやか(機械に打ち込んだ音だけで・・・こういうのを作れる恭介は・・やっぱりすごいよ・・・)


恭介「今回のはどうだった?正直に言って欲しいな」

さやか「ちょっとだけ辛口で言うね・・・」


さやか「明らかに氷室さんの影響を受けてる曲が何曲かあるけど・・・
同時に恭介の曲の良さをなくしている気がする」


さやか「氷室さんを知らない人は、オリジナルだと思うけど・・・
わかる人にはわかっちゃうと思う・・・誰かの真似だって・・・」


さやか「恭介は氷室さんじゃないんだから、もっと自分らしいところで勝負したほうがいいよ」

さやか「氷室さんっぽくない曲は・・・普通に凄いと思うから・・・」


さやか(こんな所で・・・立ち止まらせるのが惜しいくらいに・・・)


恭介「・・・やっぱりわかっちゃうか・・・」

恭介「でも・・・氷室さんみたいな悲しい曲を作れる人にも・・・憧れてるんだ」


恭介「あの人は・・・絶対越えなきゃいけない目標だったから。
そしてこれからも・・・」


さやか「だったら、恭介らしさで越えよう!あたし、氷室さんの曲も好きだけど・・・
恭介の曲のほうがもっと好きだから!」


恭介「ありがとうさやか・・・でもしばらくは・・・氷室さんの影がちらつくと思う。
それほどまでに・・・彼は僕に影響を与えすぎた人だったから・・・」


さやか「心配要らないよ!あたしは、恭介の良さをいつまでも覚えてるから!
恭介が自分を見失いそうになる時も・・・いつでも傍に居るからね!」


氷室(あと10年もたてば・・・恭介の腕を治す医術がきっと開発される)


さやか「・・・」


さやか「恭介・・・あたしからもプレゼント。・・・この手紙・・・読んでみてくれない?」


恭介「2通?」



さやか「付き合った後でこういうのも照れくさいんだけどさ・・・
恭介に告白する前に渡せずにいたラブレターなんだ・・・」


さやか「一つは幼稚園のころ書いた物、もう一つは事故前に書いた物」


さやか「ちょっと変わった趣向なんだ。2つ一緒で・・・どっちかが欠けてもラブレターとして
成立しないんだ」


恭介「それは・・・意味深だね・・・
およそ10年後に書いた物と幼稚園の頃書いた物が・・・繋がった手紙だなんて・・・」


恭介「読むよ・・・音読してもいいかい?」

さやか「駄目!恥ずかしすぎるから!」

恭介「そういう反応されると、ますます声に出したくなる・・・さやか可愛いよ」

さやか「恭介の・・・いじわる・・・」

640 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 17:26:33.88 8jBbelNQ0 305/404

~恭介黙読中~

さやか(今度はどんな反応してくれるんだろうね、また感動で涙を流してくれるのかな?)

さやか(それとも感極まって一線を越えちゃったり!?あーん、もう恭介のえっちー♪)

さやか(改めて恭介のほうからもプロポーズされたり!?やっぱり何度言っても言われても良いもんだよねー)


恭介「さやか・・・」

さやか「なぁに?」






恭介「すごい、面白いよこれ」






さやか「は!?」

641 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 17:53:41.67 8jBbelNQ0 306/404

恭介「なるほど・・・2つで一つか・・・こういう見せ方もあるんだね・・・
いや・・・実に面白い」

さやか「えっ・・ちょっと・・・恭介?ねぇ?」


恭介「静かに!これがヒントになって、新しい曲が出来そうなんだ!」

恭介「これをこうして・・・あれをこうすれば・・・」


恭介「なんてことだ!また新しい見せ方の曲が出来てしまった!」


恭介「すごいよさやか!完璧じゃないか!まさかラブレターから新曲のヒントが
生み出せるなんて・・・予想以上だよ!」


恭介「ありがとうさやか!さっそく明日にでも聞かせてあげるからね!」


さやか「・・・」



さやか「恭介の・・・恭介の・・・」プルプル



さやか「大馬鹿やろおおおおおおおッ!」バチン


恭介「バッハ!」ドサッ




さやか「ちっとも変わってないじゃないアンタ!バイオリン弾いてた頃と!」

さやか(バイオリンが弾けない恭介はあたしだけを見てくれるって思ってたけど・・
全然違った!こいつなんにも変わっちゃいない!)


さやか「あたしの・・・あたしの恋心はね・・・新曲を生み出すための道具じゃないのよバカ!」

恭介「さやか・・・ナニを怒っているんだい?
君は自分が編み出したこの2通のラブレターの魅せ方の素晴らしさを自覚していないのかい?」


さやか「ちょっとそこに立って恭介・・・」


さやか「スパークエッジ!(チョップ)」


恭介「モーツァルト!」がくっ



さやか「うわああん!お義父さーん!お義母さーん!」ガチャッ



644 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 18:36:30.19 8jBbelNQ0 307/404

~夕食時~

さやか「・・・」むすっ


恭介父「それは恭介が悪い」

恭介母「悪いわね」


恭介「・・・ごめんなさい・・・」


さやか「いいよもう・・・恭介が無神経なのは今に始まったことじゃないから・・・」

さやか「待ってあげるから・・・」


さやか「恭介がちゃんと女心をわかるようになる時まで・・・待っててあげるから」


さやか「氷室さんのように・・・鈍感を装っててもちゃんと相手の気持ちに気付いてあげられる大人になるまで・・・」

恭介「氷室さんのように・・・か」


さやか(結局・・・長い道のりになるって事は・・・変わらないんだね・・・)

さやか(ちゃんと待っててあげる・・・そして・・・後押ししてあげる・・・)


さやか「でも結局は・・・恭介が好きって事だから・・・」

さやか「これから・・・喧嘩したときに思わず嫌いとかよそよそしくしちゃう事もあるかもしれないけど・・・」


さやか「それだけは変わらないから・・・あたしのこと・・・信じてね?」

さやか「これからも・・・ずっと好きだから・・」


恭介「あ・・うん・・///」


~~2日後~~


マミ「魔女結界を発見したわ」ワクワク

ほむら「よりによってこの日に・・・なのね・・・」


杏子「ちょーうぜえ・・・」



マミ「今日は皆で決めた必殺技を叫ぶ日よ!さぁ、張り切っていきましょう!」



645 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 19:19:52.06 8jBbelNQ0 308/404

~影の魔女結界~


ゆらゆら・・


影の魔女「・・・」


Elsamaria デェン!(魔女文字)


マミ「佐倉さん!」

杏子「あるこばれーの・・・」
マミ「もっと感情を込めて!!」


杏子「必殺!アルコバレーノ・ファンタズマ!!」


ズラーッ


さやか(幻影)「さぁ、魔法少女さやかちゃんの登場だよ!」

まどか(幻影)「わたしにまかせて!」


幼女の魔法少女(幻影)「キョーコを守る!」

黒い魔法少女(幻影)「愛は・・無限に有限だ!」

白い魔法少女(幻影)「救世を成し遂げます」


マミ「中和せよ!魔女結界!キャンデロロ!!」


じゅわ~


ほむら(魔女結界内で魔女結界呪文を使えば・・・相手の結界を相殺できる・・・
そしてさらに魔女結界呪文を使える魔法少女が居れば・・・)


ほむら「・・・侵食せよ」
マミ「暁美さん!」


ほむら「侵食せよ!魔女結界!ホムリリー!!」


グワッ


ほむら(敵の魔女を・・・自分の結界内にとりこむことも・・可能!)


マミ「結界魔法:ホムリリー 本体:暁美ほむら
展開範囲B(スゴイ)外部からの防御力C(並)相手への攻撃性D(ニガテ)」


杏子「解説まで始める気かよ!!」

647 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 19:50:25.11 8jBbelNQ0 309/404

マミ「結界特有効果:有り」

マミ「未来からきた自分自身、鹿目ほむらの同一名の結界魔法からヒントを得た結界効果。
鹿目ほむらの物と同じく、時間の流れが異なる空間を作り出す。ただし性質は真逆」

マミ「結果外の時間1時間あたりが結界内の8時間に相当する。これにより、外の世界の時間を消費せずに
魔女討伐が可能になる。」


ほむら「他にも応用はあるけど・・・今はこれで十分よ・・・!」


杏子「いくぜマミ、ほむら、幻影ども!ワルプルギス戦を想定して、大技で決めるんだ!」


ほむら「ええ」(危険物第四類)

マミ「わかってるわ!」(無数のマスケット)


杏子「ふしゅぅ・・」(槍の巨大化)


さやか「大技っていっても、わかんないよ。こちとらまだ初心者なんだし」

杏子「うるせーな、じゃあとりあえずブッ叩いとけ!」


まどか「えっと・・その・・・パニエロケットでいいかな?」

ほむら「まどか・・・・可愛すぎるわ・・・」


杏子「おい、それ幻影だぞ」


幼女の魔法少女「・・・」(イメージが足りないので基礎的な打撃の構え)

白い魔法少女「・・・」(イメージが足りてないので基礎的な放出魔法の構え)

黒い魔法少女「・・・」(イメージが足りてないので基礎的な斬撃の構え)

648 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 20:07:09.11 8jBbelNQ0 310/404

影の魔女「・・・!?」

影の魔女「嘘やん・・・なんか知らないうちに・・・めっちゃ囲まれてるし・・・」

影の魔女「しかもめっちゃ力溜めてる・・・一人相手にここまでするの?」


影の魔女「嘘やん・・・リンチですやん。」

影の魔女「ワルプルギスさんの身体の一部になるスカウト、早めに判子押しとったらよかったなぁ・・・」



杏子「最後の審判!」

マミ「パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ!!」

ほむら「タンクローリーだッ!」

まどか「パニエロケット!」

さやか「未完成スパークエッジ!って、近接ワザの最中に撃つなよ!おっかねーなぁ!!」


幼女「打撃!」

「放出!」

「斬撃!」





ちゅどどどどどどどどどーん




649 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 20:23:52.67 8jBbelNQ0 311/404

ほむら「ホムリリー・・・結界解除・・・」

マミ「キャンデロロ・・・結界解除・・・」

杏子「あるこばれーのふぁんたずま・・・解除・・・」


しゅうう・・・

杏子「くぅ~疲れたなぁ、相当魔力の無駄遣いだったんじゃねーか?」


マミ「でも、相手はあのワルプルギスよ。一気に魔力を放出する感覚にだって慣れておかないといけないわ」

さやか「あたしも遠距離の必殺技とか、覚えたほうがいいのかな?」

ほむら「いいえ。ワルプルギスの夜まで時間が無いわ。長所である回復魔法と
唯一の高火力、スパークエッジの完成に力を注ぎなさい」


杏子「それじゃあらためて・・・」


杏子マミほむらさやか「お疲れ様でした!ワルプルギスの夜までよろしく!」





杏子「・・・・」





杏子「おい・・・・」

651 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 21:45:27.55 8jBbelNQ0 312/404

ほむら「なんでさやかが・・・」

マミ「幻惑じゃないの・・・?佐倉さん・・・」



さやか「やだなぁマミさん、本物のさやかちゃんですよ!
心境の変化ってヤツでして・・・」





杏子「な・・ナニを見てきたんだお前は!?なんで・・・なんで魔法少女になんかなりやがった!!」


杏子「魔法少女の肉体はどうなるか・・・ソウルジェムがにごりきったらどうなるか・・・
全部説明を聞いてきたはずだろ!?なんで・・・なんで契約しやがった!?」


さやか「見てきたからこそなろうと思ったんだよ。絶対に絶望に負けない自信があった。
20歳まで生き延びてやるって意地があったから・・・」

さやか「ほむらがやられた時から思ってたんだよね。皆が苦手な回復系の専門になりたいって」


さやか「あ、ちなみに強くなりたいって願っても神経にまで蝕んだ恭介の傷が治せる
程の魔法少女にはなれなかったみたい」

さやか「だから、本来の願いを叶えたよ。ちょっと初期状態じゃ弱いかもしれないけど・・・
ご指導よろしくね!先輩達!」


ほむら「さやか・・・まさか・・・そんな・・・」


ほむら「インキュベーター!!出てきなさい!これは・・・これはどういう事か説明して!!」



キュゥべえ「見ての通りだよ?美樹さやかは魔法少女になった。それだけさ」

652 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 22:10:30.53 8jBbelNQ0 313/404

ほむら「そこじゃ無いわ!あなた・・・まどかとさやかとは契約しないってたじゃない・・・
なぜ・・・なぜ、さやかが・・・?」

ほむら「まさか・・・貴方・・・嘘を吐く術を身につけたとでも言うの!?」


キュゥべえ「もう一度僕が言った言葉を復唱してごらん」


ほむら「あなたは・・・確かにこう言ったわ・・・」


ほむら「「まどかとさやかを勧誘しない」と・・・契約しても自分達が不利になるだけだからと!」


ほむら「ハッ!?」


キュゥべえ「うん。確かに「勧誘」はしてないね・・・」

キュゥべえ「さやか本人が希望したんだ。契約したいとね」


キュゥべえ「不利になる状況でも契約を拒否する権利が僕たちインキュベーターに無いだけさ」


キュゥべえ「「勧誘しない」という条件に「契約できない」という条件は含まれていないだろ?」


キュゥべえ「4人も魔法少女が居たんじゃワルプルギスはひとたまりも無いね・・・
これは・・・僕たちインキュベーターにとっては相当不利になった。」

キュゥべえ「「不利になった」だけで僕たちの行動は変わらない。
「不利にならないよう最大限努力する」とも言っていない。計算があるない関わらず
契約を必要としてる子は契約させる。それだけだ」


ほむら「そんな・・・そんな・・・」ドシャッ

マミ「美樹さん・・・」


さやか「やだなぁ、そんな顔しないでよ、マミさんもほむらも!」


さやか「今のあたしは、戦うことの恐怖よりみんなと同じ立場になれた喜びのほうが大きいんだから!」


杏子「ふっざけんじゃねえ!!」ガシッ


さやか「杏子・・・」


杏子「恭介の・・・腕を治したのか・・・」


さやか「そうだよ」


杏子「お前は・・・アイツの・・・アイツの何を見てきたんだよ・・・」



恭介(今ではこの動かない左手が、さやかとの絆だ)



杏子「バカヤロウ・・・・バカヤロウ・・・」


さやか「恭介ってば結局無神経で鈍感なところがあるからさ。」


さやか「だから、アイツが女心を解るときまで待ってやるって決めたんだ。
20歳くらいまで待ってやるくらいがちょうどいいって思ってさ」


ほむら(・・・氷室・・・戻ってきて・・・助けて・・・)

653 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/07/31 22:20:56.95 8jBbelNQ0 314/404

ほむら(私たち・・・大人になれた気がしていた・・・心を通じ合わせて・・・
何事にも立ち向かえるようになっていた気がしていた・・・)


ほむら(私には・・・この想定外の事態を・・・どう対処していいかわからない・・・)


ほむら(助けて氷室・・・私・・・わからないの・・・とても嫌な予感がするの・・・)

ほむら(どうしていいかわからない・・・誰か・・・助けて・・・)



~上条邸~


恭介「・・・」ぐっぐっ


恭介「なんで・・・」



恭介「おかしいな・・・なんで急に治るんだ・・・?」



恭介「あれだけ動くのを望んでたはずなのに・・・なんでだろう・・・」









恭介「冷めたい気がする・・・僕の左手」





~続く~




659 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/02 07:00:41.92 iBwX/ctf0 315/404

現在公開可能な情報

魔法使い

インキュベーターと魔法少女の概念が広く認知されてしまった星に対する措置
魔法少女と同等の力を持つ男性を指す。

魔導帝

魔法使いが絶望、または力尽きるとき変化する怪物。
魔女と同等の力を持つが、視覚的には魔女と見分けることが不可能。
倒してからでないと判別できない

ブリーフシード

魔法使いが力尽きるか、魔導帝を倒すと出現する、男版グリーフシード
魔法少女のソウルジェム浄化にも使えるが、元が男なので、
魔法少女達にとっては「お父さんと一緒のお風呂に入りたくない」のごとく、
敬遠されがちである。

男のソウルジェムは浄化できない。あくまで女性の下着のみが魔法使いの穢れを癒すのだ


魔女結界展開

「魔法少女は魔女になる」事を広く知れ渡った未来の世界では珍しくも無い魔法。
ただし絶望に負けない精神力が必要なので、未来の世界でもベテラン魔法少女しか使いこなせない。

魔女の結界を中和したり、魔女を自分の結界に取り込んだりと応用の幅が広い

鹿目ほむら、暁美ほむらのように結界特有の効果を持たせることも可能。


魔女を自分の結界に取り込む場合は
中和する魔法少女と侵食する魔法少女の二人必要だが、
大量の魔力を消費することによって一人でも中和、侵食が可能になる。

660 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/02 07:16:07.89 iBwX/ctf0 316/404

思春期パラメータ

まどか★★☆☆☆

さやか★★★★★(恭介が望むのならもうなんでも差し出せる)

マミ★★★☆☆

杏子★★★☆☆(恭介と接点をもったことで変化)

ほむら(覚醒前)★★★☆☆


ほむら(変態時)★★★★★(フォオオオオ!)


恭介★★★★☆(さやかの部屋に入ったとき思わず期待してしまった)


と、いうわけで二次創作特有の解釈「変態ほむら」登場回でした。
このSSではノーマルほむらから始まっているので
変態へと進化する過程はちゃんと伝わっていたでしょうか?

基本的に「まどかの下着を身につけなければノーほむ」なので
ほむらから変態的な力を出してストーリーをかき乱すような事は無いと思います。

あくまで異性間の恋愛でもありえる、「好きな人の身に着けてる下着に興味を持ってしまった」
程度だと思っていてください。

664 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:27:02.84 AQD9ssPs0 317/404

まどか「さやかちゃんが契約してからちょうど一週間が経とうとしていたその日、暴風とともにそれは現れました」

まどか「最大、最強の魔女」


まどか「あれが・・・ワルプルギスの夜・・・」


まどか「キュゥべえは不安を煽ってくるものだと思いましたが、」

キュゥべえ「まともにぶつかり合えばワルプルギスの夜は間違いなく倒される。4人の中の1人も欠ける事無く」


まどか「そう・・・断言しました」


まどか「だからこそ、色々な不安が拭えません」




665 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:27:45.03 AQD9ssPs0 318/404

~ワルプルギス出現10分前~


杏子「よく耐えたなさやか、この「一ヶ月」の修行であんたは飛躍的な上昇を見せた」

さやか「杏子・・・もう怒って無いんだね、あたしが勝手に契約したこと」

杏子「まぁ最初は絶対仲直りしてやんねーって思ったけど・・・なっちまったもんは仕方ないさ」


杏子「人のための祈りなんてくだらねーって前のあたしなら言ってたと思うけど・・・
もうあんたにあたしが願った奇跡も話しちまったからな」

杏子「恭介を守ることだけ、その事だけに好き勝手に生きるのなら安心だ。
魔法少女なんて正義の味方でもなんでも無いって事を理解してからの契約だったから、なんぼかマシさ」


マミ「美樹さん・・・あなたの伸び具合は佐倉さん同等の才能を感じるわ」

マミ「暁美さんが経験してきた時間軸では一週間ほどで戦死、魔女化していたけども・・・
単純に経験が足りなかっただけよ」


マミ「今の貴方は足手まといなんかじゃない。私たち以上に頼りになる一人前の魔法少女よ」


ほむら「結界魔法ホムリリー・・・時間の流れが外部よりも遅い空間・・・」


ほむら「その応用で私たちは外の世界の一週間を一ヶ月まで引き伸ばした」

ほむら「主な目的は結界内でさやかの特訓・・・それも・・・下手に新しい物を覚えさせずに
回復魔法とスパークエッジの完成に努めた」


ほむら「私たちが弱いせいでさやかに契約させてしまったものよ・・・
だから今度は全力でさやかを・・・守るわ」


さやか「ありがとほむら!でも、契約はあたしが自分の意思で決めたことだから!」

さやか「自分の身は自分で守るよ!そのために、一週間みっちり修行したんだから!」


ほむら(不安は杞憂だったのかしら)


マミ(この一週間で美樹さん・・・比べ物にならないくらい強くなったけど・・・)

マミ(途中、鬼気迫りすぎて怖いものがあった・・・ソウルジェムを限界まで濁らせて特訓を申し出たこともあった)


マミ(悪いことが起こる前触れで無ければいいのだけど・・・)


666 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:28:31.62 AQD9ssPs0 319/404

ほむら「来るわよ・・・」

















ワルプルギス「アハハハハ・・・ウフフフフ・・・」



???? デェン!(魔女文字)

♪OPスタート

667 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:30:57.97 AQD9ssPs0 320/404

♪OPエンド

テロップ:第8曲:苦しませる気なんてなかったのに



杏子「ワルプルギスの夜にも幻術は利くかな?」

ほむら「例外なく有効なはずよ」

マミ「元気良くお願いします♪」

さやか「あたしの分身、ちょっと胸増量で!」


杏子「見得はらなきゃいけないのはマミやさやかじゃなくてほむらだろ?」

ほむら「杏子・・・ワルプルギスより先に撃たれたい?」


杏子「はいはい。それじゃ・・・いっちょやったるか」


杏子「アルコバレーノ・ファンタズマ!!」


ズラーッ


ワルプルギス「アハハハハ・・・ハッ!?」


さやか「へいへい!敵さんびびってる!」

ほむら「浮かれないでさやか、まずは一気に魔力を放出せずに様子見で戦うの」


ほむら「ワルプルギスの夜の強さはループごとにバラつきがある。
幻惑に紛れて適当に応酬しながらそれを見極めるわ」


ほむら「まどか(素質:並)をやむなく加えて5人がかりでも勝てない時もあった。
もしヤツがそのループのワルプルギス並に強力ならば、作戦を変えるわ」


杏子「まぁ、コイツが過去最強のワルプルギスだとしても、あたしたちはやんなきゃいけないんだけど・・なっ」

ザシュッ

さやか「うおりゅあああああああ!」


ザシュッ


マミ「二人の斬撃が決まった!今よ!!」


ほむら「対戦車砲!」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」


ドッグォン!!!



668 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:32:09.74 AQD9ssPs0 321/404

ワルプルギス「アハハハ・・・アハハーッ!!」


(両手を振り回して分身たちを一掃するワルプルギス)


杏子「さて・・・ほむらの支持通り一発殴った後、退いて分身に相手させてるけど・・・
あの攻防でヤツの強さがわかったかい?」


ほむら「ええ」

ほむら「5人がかりで勝てないワルプルギスの戦闘力を6とするなら・・・
ヤツは2.5といったところね」


マミ「魔法少女3人でなんとか勝てるレベルという事は・・・」

さやか「さやかちゃんも加わってるから、確実に勝てる相手という事だね!」


ほむら「でも油断しないで。私たちの身体がもう死んでいるということは、
防御がおろそかになるという事・・・再構成に魔力を消費させない意味でも、
自分が壊れやすい人間の体の体(てい)で行くわよ」


さやか「なにかあったらあたしが回復してやんよ!」

杏子「今度は7割の力でやるぜ。一気に叩けるのならもうそのまま倒しちまおう」

ほむら「問題ないわ」


使い魔「キャハハハーッ」

杏子「ローザ(桃)・ファンタズマ!幻影ども!使い魔をひきつけろ!」


まどか達(幻影)「こっちだよ!」

使い魔「キャハーッ」フラフラ・・


杏子「幻影が使い魔を相手するから・・・本体に構わず突っ込んでいける・・・
氷室・・・あんたとの特訓、マジで役に立ったよ・・・」


杏子「最後の審判!」

マミ「ボンバルダメント!」

ほむら「タンクローリーだッ!!」


ドゴゴゴゴゴ・・・

669 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:33:28.91 AQD9ssPs0 322/404

ワルプルギス「アハハハ・・?ウ・・フフフ・・・!?」フラッ


ほむら「フラついてる!?や・・・やはり並のワルプルギス!これは・・・勝機だわ!」


さやか「悪いね先輩達!おいしいとこもらっちゃうよ!!」


さやか「これでとどめだあああ!!スパークエッ・・・」



キラッ





ヒュォオオオオオ・・・・





杏子「さやかああああああああああ!!」





マミ「体制を立て直して佐倉さん!次が来るわ!!」


ほむら「なんて・・・高圧力なレーザー・・・甘かった・・・相手はあくまで・・・」


ほむら「最強・・・ワルプルギスの夜・・・」




670 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:34:33.01 AQD9ssPs0 323/404





~さやかが吹っ飛ばされた先の瓦礫の山~


さやか「いててて・・・」


キュゥべえ「こっぴどくやられたようだね」

さやか「ん。まぁ油断してたことは認めるよ」


さやか「ところで、何しに来たの?」

キュゥべえ「君を魔女にしに来た」


671 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:35:40.45 AQD9ssPs0 324/404

さやか「直球だね。でもアンタの思い通りになんかさせないよ」


さやか「ちょっとそっちに千切れた足無い?こっちに放り投げて欲しいんだけど・・・」

キュゥべえ「これかい?」ポイッ


さやか「サンキュ。」


さやか「よっしゃくっついた、便利だね魔法少女」


さやか「じゃあねキュゥべえ、あたし戻らなきゃ(使命感)」

キュゥべえ「魔法少女の体にも随分吹っ切りがつけたようだね」


さやか「まぁ、杏子達と違ってあたしはわかってて契約したしね」

キュゥべえ「是非君に魔女になって欲しいんだけどな・・・」


さやか「なんで?」

キュゥべえ「このままだと君たちがワルプルギスに勝ってしまうからさ」


キュゥべえ「ワルプルギスは倒される。もはや嘘を吐くまでも無い。だから・・・」

キュゥべえ「ほむら達は誰一人魔女になることなく、ワルプルギスの日を迎えたと思いこんでいる」

キュゥべえ「だから今日なのさ。ワルプルギス当日に誰かが魔女になればほむらにとっても想定外を与えられる」


キュゥべえ「魔女になった君を助けようとして、ワルプルギスにやられる。それが理想の形だ」


さやか「それ、口に出しちゃう?勝てるってとこごまかせば焦って私たちが自滅する可能性もあるのに」




キュゥべえ「この緊迫した状況だとマミのノート読み上げも意味が無いだろうね」

キュゥべえ「だから魔女化させるなら君だ」


さやか「無駄だよ。あたしは全部わかってて契約したんだ。魔女にはならないよ」


キュゥべえ「そうかい?」






キュゥべえ「君は今・・・上条恭介と不仲なんじゃないのかい?」






さやか「・・・」




672 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:36:31.59 AQD9ssPs0 325/404

~避難所~



まどか「なんで・・・なんで・・・恭介君が・・・仁美ちゃんと一緒にいるの・・・?」



仁美「さやかさん・・・どちらへ行かれたのでしょう・・・」

恭介「さやかなら大丈夫だと思う・・・多分他の避難所で誰かを励ましてるに違いないよ」

仁美「思う・・・?多分・・・?随分とあやふやなことをおっしゃいますのね」

恭介「ちょっと色々あってね・・・さやかと顔をあわせづらいんだ・・・」

恭介「まともに話をしなくなって・・・3日ほど経つ」


まどか「恭介君!仁美ちゃん!」

恭介「・・・鹿目さん・・・」

仁美「まどかさん・・・」



まどか「ぐ・・・偶然だね!仁美ちゃんと恭介くんもこの避難所だったんだ!」

恭介「鹿目さん・・・さやかはどこに・・・」

恭介「いや・・・なんでもない」

まどか「恭介君・・・?」


仁美「なにかご用ですか?」

まどか「あのね・・・せっかく会えたんだし、避難所にいる間は3人一緒に行動しないかなって・・・」


恭介「僕は構わないよ」

仁美「私も・・・と言いたいところですが・・・まどかさん、家族の方達が心配するのでは?」


まどか「あ・・後でちゃんと連絡入れるよ!今は・・・」



タツヤ「うわあああああん、ねーちゃ、どこ~」



673 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:37:22.55 AQD9ssPs0 326/404

まどか「タツヤ!?」

知久「まどか、ここに居たのか。駄目じゃないか、タツヤを泣かせちゃ。
ホラ、ママの所へ戻ろう」


仁美「私たちの事は心配せずに戻ってください。タツヤ君を悲しませないで」


まどか「あ・・・あのね・・・仁美ちゃん・・・さやかちゃんは・・・」


仁美「2、3・・・質問したらもう私も家族の下へ戻ります・・・だから今は二人きりにさせて下さい」



まどか(仁美ちゃん・・・)

知久「さ、まどか。それぞれの事情があるんだから友達に迷惑をかけてはいけないよ。
僕達も戻らなきゃ」



まどか(氷室さん・・・)

まどか(とても・・・嫌な予感がするの・・・ワルプルギスの夜には・・・勝てるはずなのに・・・)


まどか(バイオリン仮面・・・助けて・・・)



674 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:38:00.81 AQD9ssPs0 327/404

~一週間前(影の魔女撃破日)~


さやか「恭介!」


恭介「さ・・やか・・・」

恭介「・・・動くんだ・・・何が起こったかわからないけど・・・僕の左手が・・」


さやか「良かった・・・本当に良かった・・・」

さやか「早速だけど弾いてみようよ、バイオリン!」


恭介「うん・・・」


♪~♪~♪


さやか「え・・・?」


さやか「きょ・・恭介?なんで・・・氷室さんの曲を・・・?」


恭介「やっぱり・・・彼には遠く及ばないや・・・」カタッ


さやか「恭介?な・・・なんでやめちゃうの?せっかく弾ける様になったのに・・・」


恭介「・・・すまないけどさやか・・・色々な事が起こりすぎて・・・頭の整理がつかないんだ」

恭介「今日はもう休むよ・・・君も帰ってくれないか?」


さやか「恭介・・・」


恭介「ゴメン・・・一人になりたいんだ・・・」



~帰路~


さやか「そうだよね・・・いきなり治ったんだから恭介だってとまどうよね・・・」


さやか「恭介・・・がんばってね・・・あんたはこんな所で10年もくすぶってちゃ駄目な
凄いヤツなんだから・・・」



675 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:38:44.21 AQD9ssPs0 328/404

2日目


~上条邸~

さやか「恭介ー。迎えに来たよー」

恭介父「さやかちゃん!?恭介ならもう出たよ?」


さやか「え・・・?」

恭介父「私はてっきり、さやかちゃんと待ち合わせるものだと思ってたけど・・・」



~音楽室~

♪~♪~♪


恭介「・・・」


さやか「恭介・・・また氷室さんの曲を弾いてる・・・」

さやか「でも・・・練習に熱が戻ってきたのは間違いないよね!
早朝で音楽室を借りるためにあたしより先に学校に行ったのなら、よしとするよ!」


ガララッ

さやか「がんばってるじゃん、恭介」


恭介「さやか!?」カラァン

さやか「ホラ、続けてよ!昨日は恭介がもうバイオリン弾く気が無いんじゃないかって心配したけどさ
自分からやりだすんだから、まだ情熱は失って無いって事だよね!」


恭介「出て行ってくれ」

さやか「恭介・・・?」


恭介「君に聞かれると・・・集中できない・・・」


さやか「・・・!?」


さやか「そっか・・・そうだよね・・・あたし・・・うるさかったよね・・・」


恭介「ゴメン・・・そういう意味じゃないんだ・・・」

恭介「僕も・・・奇跡が起こったのなら・・・もっと上手くならなくちゃって思うだけだから・・・」


恭介「さやかがそこにいると・・・弾けない理由があるんだ・・・だから・・・今はごめん・・・」


さやか「ううん!気にして無いよ!ごめんね恭介、練習の邪魔しちゃって!」



676 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:39:21.77 AQD9ssPs0 329/404

~教室~


まどか「さやかちゃん・・・泣いてるの・・・?」

さやか「違うよ、ただの寝不足」

仁美「寝不足!?ま・・・まさか恭介君と一夜を・・・」


さやか「そうなんだよ~。恭介のヤツ寝かせてくれなくてさ~」

さやか「ってなんでやねん!あたしたちはまだ中学生だよ!!」

まどか「さやかちゃん・・・?」


ガラガラッ


恭介「・・・」

さやか「恭介・・・」


中沢「あれ?バイオリン持ってる?上条?お前・・・左手の怪我・・・」

恭介「思ったより・・・大したこと無かったみたいなんだ・・・急に治った」


仁美「良かったですわねさやかさん!愛の力ですわ!完全に私が入り込む余地なんて無かったのですね!」

さやか「ああ・・うん・・・」

仁美「嬉しくありませんの?」


まどか「さやかちゃん・・・まさか・・・」


677 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:40:14.35 AQD9ssPs0 330/404

~昼休み~


ほむら「・・・というわけよまどか。さやかは魔法少女の契約を交わした」

杏子「・・・」

マミ「鹿目さん、なにも心配要らないわ!元々ワルプルギスは今の私たちなら勝てる相手ですし、
ちゃんと美樹さんは守る余裕はあるわ」

ほむら「私のせいよ。私が・・・頼りないところを見せたばっかりに・・・」


さやか「ほむら!それは違うよ!」

さやか「確かに氷室さんは10年後恭介の腕が治せるって言ったけど・・・
恭介は絶対に立ち止まっちゃいけない凄い才能の持ち主だって思ったから契約したの!」


ほむら「それでも・・・責任を感じずにはいられない・・」

ほむら「さやか・・・上条君との予定・・・なるべく早く切り上げてもらえるかしら?
放課後・・・特訓をしたいの。」


ほむら「少しズルい手だけど・・・時間をたっぷりつかってあなたを一人前にするわ」



678 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:41:25.17 AQD9ssPs0 331/404

~放課後~

恭介「ごめん、さやか・・・実はバイオリンの講師を待たせてるんだ。
今日はすぐにでも帰りたいから・・・別々に帰路についてくれるかい?」


さやか「なんだ、ちょうどよかったよ。あたしもほむら達にお茶会誘われてるんだ!」

さやか「頑張ってね恭介!あたし、いつまでも待っててあげるから!」


恭介「そうだね・・・しばらくデートはやめにしてバイオリンに集中させてくれると嬉しいかな」


679 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:42:25.90 AQD9ssPs0 332/404

恭介邸


恭介「香月先生・・・お願いします」

香月「怪我が治って一発目のレッスンだからね、まずは軽くいってみよう
はい。安部マリア、二人だけでやらないか♪」


♪~♪~♪

香月「恭介君?」


香月「それ・・・安部マリアじゃないよね」


恭介「・・・」

♪~♪~♪


香月「しかも・・・なによそれ?」


香月「どうみても病み上がりの人間が弾くものじゃないわ!その曲の楽譜はあるの!?
見せなさい!!」


香月「・・・なによコレ・・・」


恭介「香月先生・・・僕がそれを弾けるようになるまで・・・何年かかります?」


香月「正気の沙汰じゃないわよ!こんなもの・・・世界にいる誰も弾けないわよ!」

恭介「氷室っていうバイオリニストをご存知ですか?」


恭介「その人は・・・弾いて見せたんです。しかも・・・速度を崩さず・・・見事な音色で・・・」


恭介「教えてください香月先生・・・僕がそれを弾けるようになるまで・・何年かかりますか?」


香月「30年経っても無理ね。あたしが教えられることじゃないわ」


恭介「そうですか・・・だったら・・・」



680 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:43:26.16 AQD9ssPs0 333/404

~夕食時~

恭介父「恭介・・・香月先生にもう来なくてもいいと言ったのはどういう訳なんだ!?」


恭介「言葉の通りの意味だよ・・・僕の師匠は・・・後にも先にも氷室さんだけだった。
それを再確認できただけの話さ」

恭介「これからは僕1人で練習するよ・・・大人の教えなんていらない」


恭介父「恭介・・・感謝の気持ちを忘れた者は・・・何をやってもうまくいかないぞ・・・」


恭介「だったら!!氷室さんくらいうまい人を連れてきてよ!!」ガタッ


恭介父「恭介・・・」

恭介「手がかりは・・・僕の記憶だけなんだ!!録音した物じゃ・・・あの感動は出せない・・・!!」


恭介「香月先生も知らないっていってた!僕達があった特徴の・・・氷室というバイオリニストはいないって言ったんだ!」

恭介「氷室さんは・・・未来から来たバイオリニスト・・・だったらこの時代ではまだ僕と同じくらいの子供の可能性がある」


恭介「だから・・・越えなきゃ・・・スタートラインが同じ・・・今のうちにいっぱい練習しなきゃ・・・
あの曲を弾けるのは・・・氷室さんだけじゃないって・・・解らせなきゃ・・・」


恭介「20年後の未来人なのに・・・30年経っても無理だって言われたんだ・・・でも・・・諦めたくない・・・」


恭介「じゃないとさやかは・・・笑ってくれないよ・・・」


恭介「さやかが言ったんだ・・・氷室さんみたいな素敵な男性になってくれって・・・だから・・・越えなきゃ・・・」
フラフラ・・・


恭介父「恭介!待ちなさい!」



681 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:44:56.06 AQD9ssPs0 334/404

しゅわ~(結界解除)~


さやか「ぜぇっ、ぜぇっ」

さやか「8時間ぶっ続けって・・・新人いびり!?」

ほむら「外の時計を見なさい」


さやか「うおっ!?一時間しか経ってない!?」

ほむら「この調子でワルプルギスまでに徹底的にあなたを鍛えるわ」

ほむら「私の弱さがあなたを巻き込んでしまったのなら、
あたなたが一人前になるまで私が責任を取る」


マミ「そうね・・・私も協力するわ」

杏子「・・・」


さやか「あ・・・でもこの方法だと恭介の体感時間よりもあたしの方が
恭介に会えない時間が長く感じちゃうってことだよね・・・」


ほむら「会えるときに思いっきり甘えればいいじゃない。遠慮しない仲になったんだから」

さやか「そうでもないんだよね・・・恭介がバイオリンの練習に集中したいって言ったから」

ほむら「さやか・・・?」


さやか「大丈夫だよ、あたしは待つためにも契約したんだ」


682 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:45:57.94 AQD9ssPs0 335/404

~3日目~

恭介「ぐっ・・ふぅっ・・・」

ギギギ・・・

カラァン


さやか「恭介!!」

恭介「さやか・・・聞いていたのかい・・・
ごめんね・・・下手な演奏聞かせて・・・」


さやか「おじ様が恭介の様子がおかしいって言うから・・・無断で家に来ちゃった・・
不眠不休でバイオリンを弾いてるって・・・」


さやか「それよりなんで・・・なんで無理に氷室さんの曲を弾こうとするのさ!?」

さやか「恭介は恭介だよ!良い所がいっぱいあるのに・・・なんで氷室さんを追うようなことばっかり・・・」


恭介「バイオリンが弾けるようになってわかったんだ・・・僕と氷室さんの・・・決定的な才能の差に・・・」

さやか「え・・・?」



683 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:47:13.68 AQD9ssPs0 336/404

恭介「氷室さんほど・・・素晴らしい曲は書けない」

恭介「演奏者としても・・・彼より劣っている」

さやか「氷室さんの方が練習してきたんだから当然でしょ!!」

さやか「きっと恭介だって・・・氷室さんの年齢になる頃には・・・もっと素晴らしい奏者になってるはず・・・」


恭介「さやかにはわからないよ!!自分でも解るし・・・先生達にも言われたさ!」

恭介「氷室さんの楽譜を見せたんだ・・・そしたらこれを作れるのも弾けるのも・・・本当の天才だって」


恭介「彼の過去に何があったか知らないけど・・・よほどのことが無い限り僕に
あそこまで悲しさに訴える曲はできやしないって・・・」

恭介「30年経っても無理だって言われたよ・・・」


さやか「恭介・・・」

さやか「まだ復帰してから3日目じゃ・・・」
恭介「本当ははじめて氷室さんの演奏を聞いたときからわかっていた」


恭介「僕の手がたとえ治っても彼に勝てる日は来ないだろうって」

恭介「だから・・・治らない手にどこかほっとしていたんだ・・・
このままバイオリンが弾けないままなら・・・彼との差を感じなくて済むって」

恭介「作曲家になるのも・・・もし駄目な演奏をしたら奏者のせいにできるからって・・思ってたからかもしれない」

恭介「さやかは僕の曲がいいっていってくれたけど・・・それも怪しくなってきた・・・
今の僕の心で・・・僕らしさを取り戻したいい曲なんて・・・書けない」


さやか「恭介・・・」

684 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:48:08.64 AQD9ssPs0 337/404

恭介「動かなくなった手が・・・女神様が僕とさやかを繋ぐために与えてくれた希望にさえ感じていたのに・・・」

恭介「今では・・・動いた手が・・・魔女がもたらした絶望にさえ思えてくる・・・」


さやか「え・・・?」ピシッ


恭介「こんな挫折を味わうくらいなら・・・手なんて動かないほうが良かった!!」


さやか「きょ・・う・・・すけ・・・」ビシッパシッ


さやか「・・・」

さやか「あのね・・・恭介・・・」


さやか「あたし・・・恭介が落ち込んでるのは・・・一時的なものだと思ってるから・・・」

さやか「恭介くらいすごいヤツだったら・・・きっと簡単に乗り越えられると思ってるから・・・」


さやか「だから・・・しばらく恭介をそっとしておきたいの・・・
ほむら達と・・・やらなくちゃいけない事もできたし・・・」


恭介「さやか・・・」

恭介「そうだね・・・ごめん・・・僕がふがいないばかりに・・・」

恭介「今の僕がさやかと会っても・・・お互いに傷つけるだけだと思うから・・・」


恭介「しばらく一人になろう。今の僕たちに必要なのは・・・冷静に考える時間だと思うから・・・」



さやか「うん・・・」



685 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:48:51.06 AQD9ssPs0 338/404

ザーッ



恭介父「雨降ってるね・・・送っていこうか?」

さやか「構いません・・・一人で帰ります・・・」

恭介父「じゃあ傘を貸そう。次に来るときに返してくれたらいいさ」

さやか「それも結構です・・・」


さやか「次・・・いつ来れるかわかりませんから・・・」

恭介父「さやかちゃん!?さやかちゃん!?」


さやか「・・・」バシャバシャ



さやか「言えなかった!あたし・・・辛そうな恭介に「だったらバイオリン弾かなくていい」って言えなかった!」


さやか「だってあたしの願いを自分で否定することになっちゃうもん!言えるわけないじゃない・・・!」


さやか「恭介に限ってそんな事ないとおもってた!弾けるようになってから・・・絶望するなんて・・・」

さやか「氷室さんはあたしたちを助けもしたけど・・・恭介に越えられない壁を見せ付けもしたんだ・・・!」

さやか「バカだよあたし・・・ほむらが何度も教えてくれたのに・・・また同じ願いを叶えて・・・救いようが無いよ・・・!!」



686 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:49:26.05 AQD9ssPs0 339/404

~ワルプルギス前日~

ほむら「今日の訓練は終わりよさやか。いよいよ本番を残すのみとなったわ。」


さやか「うん・・・」


さやか(あたしの体感時間だと・・・学校以外では恭介と一ヶ月会ってないことになるんだ・・・)

さやか(会いたいよ・・・・恭介・・・)




687 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:50:08.55 AQD9ssPs0 340/404

~現在~


さやか「不仲なのは否定しないよ」

さやか「でもそれは男女が付き合っていく途中で一度や二度あるものだと思うから」

さやか「それをネタにあたしを魔女に煽ろうってのなら通用しない」


(着信音)


マミ「美樹さん!?無事なの?いまどこかしら?」

さやか「すいません、テレパシー圏外まですっ飛ばされちゃって・・・」

マミ「私達もダメージを受けたの・・・そこから回復できるかしら」

さやか「やってみます・・・」


さやか「はっ!!」


ポウッ(3つの回復波動)


さやか「いっけえええええええ!!」


キュイーン


さやか「マミさん!」


マミ「届いたわ!ありがとう!遠距離からでも回復できるようになったなんて、
あなたの回復の才能は本当に突出しているわ」

さやか「マミさんたちの指導のおかげです・・・あたしもそちらに戻りますから!!」

ピッ



688 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:50:42.09 AQD9ssPs0 341/404

キュゥべえ「マミたちは君と上条恭介の不仲を知らないようだね」

さやか「気を使わせるのも悪いから言って無いだけだよ」

さやか「お互い特訓に集中したいからしばらく
デートは中止ってお互いで決めたって言ったら納得してくれたし」


さやか「あたしは絶望しないよ。それじゃあねキュゥべえ」



キュゥべえ「絶望するのは君じゃない。上条恭介だ」



さやか「!?」



689 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:52:07.31 AQD9ssPs0 342/404

キュゥべえ「彼は氷室という壁を前に立ち止まっている」

キュゥべえ「越えなきゃいけないという使命感に押しつぶされてバイオリンを弾かなくなることもありえる」


キュゥべえ「それだけに依存していた人間がそれにおいてどうしようもない差を味わうとき
人は挫折し・・・絶望する」

キュゥべえ「上条恭介はこれからバイオリニストの道も諦めてただ何者にもなれずに無気力に生きていくのさ」


さやか「恭介は・・・恭介はそんなに弱い人間じゃない!」

さやか「あたしに誓ってくれたんだ!音楽は諦めても・・・
普通の仕事に就いて、あたしと平凡な家庭を築いていこうって」


キュゥべえ「それはあくまでバイオリンが弾けない場合さ」

キュゥべえ「今の彼は弾けるのに・・・氷室を越えられないから弾きたくないと思っている」

キュゥべえ「弾けるのに弾かない。その自己嫌悪が彼を絶望させる」


キュゥべえ「君だって・・・彼にもう弾かなくていいとは言わなかっただろ?」

キュゥべえ「君が押し付けたんだ。氷室より上手くなってくれって」


さやか「そんな・・・」



690 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:52:51.78 AQD9ssPs0 343/404

キュゥべえ「芸術の道において一度挫折した者が立ち直るのは困難だ」

キュゥべえ「自殺だってありえる。芸術の道を歩んできた者たちでそうなってしまったケースも珍しくない」


キュゥべえ「生きていたとしても・・・何事にも喜びを示さず無気力になるだろう」

キュゥべえ「音楽に関するもの全てが嫌になってるはずさ。今の彼は作曲家の道さえ諦めかけてる」


キュゥべえ「とどめをさしたのは君だ」



さやか「嘘よ・・・嘘よそんなこと・・・あたしは・・・あたしはただ・・・」


さやか「苦しませるつもりなんてなかったのに・・・」


キュゥべえ「今から見せる映像は僕たちインキュベーターによるシミュレーションだ」


キュゥべえ「上条恭介が沈む様をみせるのもいいけど・・・君にはこちらの方が効果的だろうね」


キュゥべえ「すなわち・・・手を治してない方の・・・幸せな未来を」



さやか「やめて・・・」



さやか「やめてえええええええええええええええええ!!」



カッ


691 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:53:52.99 AQD9ssPs0 344/404

恭介「さやか、やったよ。魔法少女あおい☆マギカのBGM作曲の依頼だ」

さやか「本当!?実はあたしも・・・そのアニメでエリってキャラの仕事とったんだよね」

恭介「本当かい?夫婦で仕事できるなんて・・・なんて幸せなんだ!」


さやか「少しずつ・・・恭介の仕事が認められてるんだね・・・あたし嬉しいよ・・・」

恭介「すまないさやか・・・僕が音楽の道を諦められないばかりに・・・君に声優の仕事をさせてしまって・・・」


さやか「声優はあたしが好きでなった仕事だよ!恭介は気にしないで!」

恭介「さやか・・・本当に感謝してる・・・君が支えてくれたから僕は・・・」

さやか「ねぇ恭介・・・今でも・・・左手治したいと思う?」


恭介「もう・・・そんな気はおきないよ」

恭介「氷室さんの言った通り医学は進歩した。バカ高い手術料も・・・父さんたちは出してくれるといっている」

恭介「でも・・・もういいんだ。僕たちの未来は・・・僕たち二人だけで作っていくんだって・・・
いつまでも氷室さんや・・・父さんたちに甘えるわけにはいかない、そう気付けたから」


恭介「変と思うかもしれないけど・・・嬉しいんだ・・・左手を失った代わりに得たもの全てが・・・」

恭介「この動かない左手が・・・引き合わせてくれた・・・バイオリンの仮面で取り繕ってた僕を・・・素直にさせてくれた」


恭介「この左手でも・・・さやかに触れて未来が変わったんだ。だから・・・治さないほうがいい」

恭介「感覚が無い左手だからこそ・・・唯一感じられるさやかの温度を大切にしたいと気付けたから」

恭介「さやかと僕の絆だよ。だから今は・・・高いお金を払ってまで治そうとは思わない」


さやか「恭介・・・」ぎゅっ

恭介「君さえ僕の味方なら・・・君さえ失わずにいれたら・・・
もうバイオリンの仮面なんて着ける必要ないんだ。ヒーローになんて・・・ならなくていい」


恭介「君一人だけは絶対まもり抜いて見せるから」


さやか「これからは・・あたし一人じゃないよ」

さやか「あたしね・・・子供が出来たの」


692 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:54:33.18 AQD9ssPs0 345/404

恭介「・・・!やったよさやか・・!!」

恭介「でも・・・幸せにしてあげられるかな・・・僕の仕事だって・・・いつ観衆に見捨てられるかわからないものだし・・・」


さやか「きっと大丈夫!これから恭介は認められていくよ!」

さやか「今までだって諦めずにいたからこそ、仕事が入るようになったんだから!」


恭介「女の子なら・・・恭子?」

さやか「それは、杏子が顔真っ赤にして怒りそうだから勘弁してあげてよ・・・」


恭介「ははっ・・そうだね。」

さやか「ふふっ・・・」




パキィィィィィン!!


693 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:55:20.20 AQD9ssPs0 346/404

さやか「あ・・・ああ・・・・」


さやか「あたしが・・・壊したの・・・?手を治したばっかりに・・・恭介に挫折を味あわせたの・・・?」

さやか「平凡だけど幸せになれる未来を・・・あたしが壊してしまったの・・・?」



キュゥべえ「魔女化寸前だ」

キュゥべえ「駄目押しにもう一つビジョンを。これはこれからすぐに起こりえる未来さ」



~~

仁美「私は・・・押し付けませんわ。あなたにバイオリンを・・・」

仁美「さやかさんと違って・・・あなたを好きになったきっかけはバイオリンではありませんもの」


恭介「志筑さん・・・」

仁美「もしも・・・私を選んでくださるのなら・・・手を握ってください」

仁美「でも忘れないで・・・私たちはさやかさんを裏切って・・・
もう二度と後戻りできなくなることに・・・」


恭介「もう僕は・・・弾かなくていいのかな・・」

仁美「はい・・・楽になさってください」


恭介「志筑さ・・・いや・・・」


恭介「仁美さん・・・」


仁美「恭介さん・・・///」


~~



ピシピシ・・・パリィ・・・

694 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:56:00.54 AQD9ssPs0 347/404

キュゥべえ「グリーフシード・・・生まれたね」


さやか「あたし・・・割り切ったつもりなのに・・・」

さやか「この体のこと・・・魔女になること・・・」


さやか「魔法少女は・・・正義の味方なんかじゃないこと・・・」

さやか「何が大切で・・・何を守りたったか・・・ちゃんとわかってたはずなのに・・・」

さやか「あたしは・・・恭介の味方でいさえすればいいって思ってたのに・・・」


さやか「恭介に与えた希望が・・・絶望になっちゃった・・・」

さやか「結局あたしは・・・恭介一人の味方にも・・・なれなかった・・・」


さやか「その傍も・・・仁美にとられちゃった・・・バイオリンなんて弾けなくていいって・・・
言ってあげられるだけの・・・自分の間違いを認める勇気が無かったから・・・」




さやか「あたしって・・・ほんとバカ・・・!」




グゴォオオオオオオオッ



695 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:56:34.71 AQD9ssPs0 348/404

~ワルプルギス地点~

ワルプルギス「アハハハ・・・!?ウフ・・?」ボロボロ・・・


杏子「自己修復が・・・間に合わなくなってるのか・・・」


杏子「いけるぞ!倒せる!やっぱり4人だと圧倒的だな!!」


マミ「美樹さんの回復が決め手だったわ!彼女いなければ3人でも勝てたかどうかわからなかった」


ほむら「長かった・・・ついに私は・・・まどかとの未来を・・・手に入れられるのね・・・」



杏子「最後だマミ!・・・協力ワザ・・・やってやるよ・・・」

マミ「佐倉さん・・・ティロ・マリターレよ・・・お願いできるかしら・・・」


ほむら「10連タンクローリー・・・スタンバイ!!」


杏子マミ「ティロ!マリター・・」



キュゴオオオオッ


ほむマミあん「!?」


696 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:57:17.72 AQD9ssPs0 349/404



杏子「な・・・なんだ・・・!?あの魔力の柱は・・・!?」


マミ「あそこは・・・美樹さんが飛ばされた方角!?
美樹さんが・・・新しく現れた魔女と戦っているとでもいうの?」


ほむら「そんな・・・ありえない・・・あの波動は・・・」


ほむら「なぜなの・・・上条恭介と両思いになった今・・・さやかが絶望することなんて・・・ありえないのに・・・」



マミ「!?」

杏子「どういう事だよ・・・おい・・・」




ほむら「美樹さやかが・・・魔女になった・・・」




697 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:58:03.83 AQD9ssPs0 350/404

~避難所~

恭介「さやかと向き合いたくないんだ・・・もう僕には・・・
さやかを笑顔にできる演奏は出来ないのに・・・」


恭介「でも・・・さやかと一緒にいると弾かなきゃって思ってしまう・・・
さやかが僕を好きになってくれたのは・・・バイオリンがきっかけだったから・・・」


仁美「私は・・・押し付けませんわ。あなたにバイオリンを・・・」

仁美「さやかさんと違って・・・あなたを好きになったきっかけはバイオリンではありませんもの」


恭介「志筑さん・・・」

仁美「もしも・・・私を選んでくださるのなら・・・手を握ってください」

仁美「でも忘れないで・・・私たちはさやかさんを裏切って・・・
もう二度と後戻りできなくなることに・・・」


恭介「もう僕は・・・弾かなくていいのかな・・」

仁美「はい・・・楽になさってください」


恭介「志筑さ・・・いや・・・」


恭介「仁美さん・・・」


仁美「恭介さん・・・///」








698 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 11:59:38.61 AQD9ssPs0 351/404



仁美「・・・?固い感触?きょ・・・恭介さん・・・ナニを握らせてるんでしょうか・・・」

仁美「い・・・意外に大胆な方でしたのね・・・恭介さん・・・」


仁美「!!」




???「恭介のナニでは無い!!」



バイオリン仮面「それは・・・私の社会の窓だ!!」


駄馬アアアアアアアン!!



仁美「きゃあああああああああああああああああああ!?」



恭介「うわあああああああああああああああ!!な・・・なんだお前は!?」



バイオリン仮面「私の名は・・・バイオリン仮面!!たった一人の少女を救うため
手段を選ばない悪の怪人!!」


恭介「バイオリン仮面!?どこかで聞いたような・・・それよりも・・・悪の怪人!?」


仁美「へ・・・変質者・・・!!」

仁美「け・・・警察・・・いえ・・・病院に連絡ですわ・・・!」

仁美「この暴風で来てくれるかどうかわかりませんですけど・・・」


仁美「もしもし?」


カッチコッチカッチコッチ


仁美「お・・・押し間違いでしょうか・・・119を押したのに・・・時報が・・・」

仁美「そもそも時報はこんな秒読み音でしたでしょうか・・・」


バイオリン仮面「君の電話ではない!」


バイオリン仮面「それは・・・私の股間から出したメトロノームだ!」


仁美「!!」


メトロノーム「カッチコッチカッチコッチ」


ほかほか


バイオリン仮面「生暖かいだろう?」



仁美「いやあああああああああ!!不潔ううううううううう!!」


バシン!


699 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/04 12:01:14.79 AQD9ssPs0 352/404

バイオリン仮面「恭介・・・仁美さんは私が頂く」バッ

恭介「!?」

仁美「ちょ・・ちょっと何腕を回してるんですか!?人を呼びますわよ!!」





バイオリン仮面「仁美さんを取り返したくは私と勝負だ!!」






~続く~





710 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/05 09:11:57.77 8NDELsOn0 353/404

BGM:オクタビアhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm15664431

銀河万丈「九曲!バイオリン仮面!!」

まどか「さやかちゃん、恭介君のところに帰るんでしょ!お願い目を覚まして!」

ほむら「ワルプルギスを倒す絶好の機会を逃すのよ?」

杏子「それでも・・・あたしは・・・アイツの友達だから・・・」

マミ「あの子を一人ぼっちにさせるなら・・・世界がワルプルギスに滅ぼされる方を選ぶわ」


さやか「誰なの・・・演奏を・・・邪魔しないで・・・!」

キュゥべえ「条件はそろった。ぼくの力が必要かい?」

仁美「恭介さん・・・そこまで・・・」


バイオリン仮面「大切なものを思い出せない限り私には勝てない」


銀河万丈「第9曲!」


恭介「僕がもう一度弾く理由」


銀河万丈「勃ちあがらなければ男じゃない!」

711 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/05 09:47:20.67 8NDELsOn0 354/404

~本編とは性質が異なる魔女~

魔女になる原因が違えば性質にもズレが生じる。
ここではさやかを含めた4人が仮に魔女になっていたらどのような性質を持っていたか検証しよう


杏子:Ophelia 自棄→虐待

幼女の母親の精神がそのまま杏子の精神を侵食。
彼女はもう誰にも期待する事無く、一方的に打ちのめすだろう


マミ:Candeloro ご招待→厨二病

理想のシチュエーションを夢見る心優しい魔女。結界にきたお客様に
使い魔といっしょに自らの活躍劇を演じてみせる。

使い魔:しょうねんさん

魔女のお気に入り。彼女のピンチにはいつも彼がかけつける

使い魔:あくやくさん

世界の平和を乱そうとする者たち・・・という設定。



ほむら:Homulilly 公式未発表→性欲

ほむらが変態というわけではない。黒下着で魔女化した者は例外なく
性欲の性質を持つ魔女になる。


さやか:Oktavia_Von_Seckendorff 恋慕→挫折

思い人の復帰を夢見ながらコンサートホールごと移動する魔女。

手下達の演奏で思い人を勇気付けようとするが・・・それがさらに追い詰めることになることを
彼女は知らない

使い魔:Holger

バイオリン仮面タイプの姿の物が追加。その者はただひたすら恭介型の使い魔を
勇気付けようとバイオリンを弾き続けるが・・・

恭介型のHolger;本編では微動だにしなかったのはさやかの気持ちに応えられない象徴だったが、
挫折の象徴の彼はOTLの姿勢のまま突っ伏して動かない。

傍らにあるバイオリンと弓を手に取る日は二度と来ない。

714 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/05 11:15:04.81 8NDELsOn0 355/404

思春期パラメータ

さやか★★☆☆☆
(恭介とあんなに心通じていたはずが・・・)

まどか★★☆☆☆

マミ★★★☆☆

ほむら★★★☆☆

杏子★★★☆☆
(とある人物への恋心を自覚しつつある?)


恭介★☆☆☆☆
(挫折のショックが下着のトラップを無効化)


仁美★★★★☆
(自分の時代がキマシタワーと自信をつける。
あくまで魔法少女が実在しない普通の日常ならそれも一つの戦略だが・・・)



716 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:15:50.38 X2hcwi5M0 356/404

杏子「さやかが・・・さやかが魔女になっちまったっていうのか!?」

ほむら「間違いないわ」

マミ「そんな・・・」


杏子「くっ・・・」

ほむら「どこへ行くの?」


杏子「決まってるだろ。さやかの所さ」

杏子「魔女になったヤツはどうやっても元に戻せない。
それがあんたの経験してきた現実だとおもうけどな・・・」


杏子「あたしは・・・やってもみないうちから諦めるなんてしたくない」


ほむら「・・・」


ワルプルギス「アハハ・・・ウフフ・・・」ボロボロ・・・


ほむら「ワルプルギスの夜を倒す絶好の機会を逃すのよ!?」



717 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:17:24.75 X2hcwi5M0 357/404

杏子「わかってる!それでも・・・アタシはあいつの友達だから・・・」

ほむら「だからこそ問うのよ!!あなたはとどめをさせなくても後悔しないのね?」

ほむら「私には・・・その覚悟があるわ・・・友達を・・・
さやかを救うために・・・ワルプルギスを見逃す覚悟が」


杏子「・・・ほむら・・・あんた・・・」


ほむら「いまここでワルプルギスへの攻撃を止めれば・・・やつは自己修復して
この町を跡形もなく吹き飛ばすかもしれない」

ほむら「この町の人々全てを犠牲にしてでもさやかを助けたい者だけ着いてきなさい。
私は・・・そうするから・・・」


杏子「今更・・・ナニ言ってんだよ・・・ほむら・・・」


杏子「とっくに結論は出てるだろ?あいつを救えなくて後悔するくらいなら・・・
悪にだってなる。世界を敵に回してもいい」


杏子「あたしは・・・ほむらを含めてもう・・・誰一人欠けても嫌だから・・・な
この中の誰が魔女になったとしても同じことをしてるぜ」


ほむら「杏子・・・」


マミ「私も同じよ・・・正義の魔法少女なんて・・・こっちから願い下げよ」


マミ「あの子をひとりぼっちにするくらいなら・・・ワルプルギスが世界を滅ぼす方を選ぶわ」


ほむら「二人とも・・・ありがとう・・・」



718 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:18:04.80 X2hcwi5M0 358/404

まどか「まって!わたしもついていくよ!」


ほむら「まどか・・・」


まどか「着いてくるななんて・・・言わせないんだから・・・
さやかちゃんは・・・私の・・大切な友達なんだから・・・」


ほむら「いいえ・・・むしろ着いてくるべきだわ・・・」


ほむら「今までの時間軸で何度もやって駄目だったけど・・・呼びかけるしかないから・・・」


ほむら「私たち全員で届けるのよ・・・さやかへの気持ちを・・・」


ほむら「それが無駄だとか正しいからとかじゃない・・・さやかを助けたいからそうする。ただそれだけなのよ」

ほむら「もしかしたら全員無駄死にするかもしれないけど・・・さやかを見捨て生きるより・・・マシだから・・・」



ほむら「さやかを助けるために・・・死ねるかしら?」

杏子「当たり前だ」

マミ「正義よりも世界よりも・・・大事なものが出来ちゃったから」

まどか「うん!わたしも・・・もう何が正しいかなんて関係ない!さやかちゃんを助けたい!」


ほむら「行きましょう。さやかの・・・私たちの大切な友達の下へ・・・」

ほむら「世界中の誰もが彼女を見捨てても・・・私たちだけは彼女の傍に居ましょう」


OPスタート


719 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:19:36.10 X2hcwi5M0 359/404

OPエンド


テロップ:第9曲:僕がもう一度弾く理由


キュゥべえ「以上が美樹さやかを魔女にした理由及び経緯だ」

杏子「テメェ・・・」ガシッ


ほむら「杏子、そいつに時間を割いては駄目。はやくさやかの結界へ行きましょう」

まどか「待って!キュゥべえも連れて行って!
どうしても駄目な場合は・・・わたしがさやかちゃんを元に戻す願いをするから!」


ほむら「まどか・・・」


まどか「もう・・・契約させないなんて・・・言わないよね?」

まどか「ほむらちゃんにとっても・・・さやかちゃんが大事な友達なら・・・わかるでしょ?」


ほむら「・・・」


ほむら「ええ。解ったわ。でも・・・私たちは全てのグリーフシードが
無くなるまで諦めないつもりだから・・・」

ほむら「あなたが契約するのは全てを出し切ったその後の最終手段と約束してくれるかしら?」


まどか「うん!」

ほむら「何も心配しなくていいわ・・・もし契約してしまっても・・20歳までわたしが必ず守るから・・・」



720 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:20:53.06 X2hcwi5M0 360/404

マミ「ここね・・・」


~人魚の魔女結界~


マミ「キャンデロロ・・・結界中和」


ほむら「ホムリリー・・・結界侵食」


まどか「わっ!?結界の風景が変わっていくよ!?」

ほむら「私の魔女結界でさやかの魔女結界を上書きしたの」


ほむら「この空間での8時間は外の世界でも1時間にしかならないから・・・」

ほむら「できるならワルプルギスが修復してるうちに、さやかを取り戻したい。そしてもう一度ワルプルギスに向かう」

ほむら(事実は・・・いくら時間が合っても絶望的だろうけど・・・)


さやか(誰・・・誰なの・・・?)

さやか(あたしたちの演奏を邪魔しないで・・・!折角・・・恭介が立ち直りかけてるのに・・・!!)


杏子「気付かれた!」


杏子「来るぞ!!」



人魚の魔女「グアアアアアアアアア!!」


Oktavia_Von_Seckendorff デェン!(魔女文字)



721 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:22:03.21 X2hcwi5M0 361/404

さやか(こいつらが・・・あたしの結界を上書きしたやつら・・・)

さやか(許せない・・・恭介を元気付けるために作った楽団員を・・・消しやがって・・!!)


メキッ


ほむら「!?」


マミ「きゃああっ!」

杏子「さやか!思い出せ!そいつはマミだぞ!!」


ほむら「・・・従来のさやかの魔女より・・・攻撃が強力になっている!?」


キュゥべえ「強い魔法少女からは強い魔女が生まれる。当然だよね」

キュゥべえ「君達の特訓はさやかを魔女としても完成させてしまったのさ」

キュゥべえ「殺すつもりでやっても勝てるかどうかわからない相手に・・・
せいぜい説得をこころみて自滅するがいい」


まどか「さやかちゃん!恭介君のところへ戻るんでしょ!お願い!目を覚まして!」


さやか(なんだかひときわ小さいのにひときわうるさい奴がいるね・・・)

さやか(こいつを先に・・・握りつぶそうか・・・)


グググ・・・


まどか「さ・・・さやかちゃん・・・」


ほむら「さやか!!」

ボゴォン!

722 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:23:00.17 X2hcwi5M0 362/404

ほむら「あなた・・・何をやっているの!?自分がなにをやっているかわかってるの!?」

ほむら「あなた・・・まどかとの出会いを話してくれたわよね・・・」

ほむら「いじめられてるまどかを・・・助けたって・・・そのまどかを今度はあなたが殺そうとしたのよ!」


ほむら「お願い・・・悔しいけど・・・まどかが失って一番悲しむ友人はあなたなのよ・・・
私は・・・まどかの一番大切な友人にはなれなかったから・・・」

ほむら「私がいくらまどかへの愛を募らせても・・・昔からの友人にはなれなかった・・・
あなたに嫉妬していたの。だから・・・これからも嫉妬させなさい。
私の方がまどかを思っていると・・・自覚していたいから・・・」


ほむら「戻ってきてさやか!!いつもあなたは・・・まどかを悲しませてばかりだったけど・・・
もう・・・そんなの構わないの・・・」



ほむら「あなたは・・・私にとっても大切な友達・・・また・・・まどかと
一緒に・・・登校しましょう・・・ループ中は気にも留めてなかった他愛の無い話が・・・
あなたが盛り上げてくれる話が・・・私は・・・嫌いじゃなかった・・・」


ほむら「一番最初の時間で・・・勉強についていけなかった私に・・・ノートを貸してくれたよね・・・」


ほむら「お礼くらい・・・言わせて・・・お願い・・・帰ってきて・・・まどかのヒーローであるあなたに・・」


ほむら「さやか!!」



723 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:23:56.02 X2hcwi5M0 363/404




さやか(腕・・・壊れちゃった・・・)

さやか(恭介と同じになれた・・・ははは・・・嬉しい)


さやか(と思ったら・・・生えてきた)


杏子「さ・・再生しやがった!!」

マミ「私たちが美樹さんを強くしたから・・・回復力が再構築レベルまで強化されているの?」


まどか「さやかちゃん!」

まどか「わたし・・・さやかちゃんに守られてばかりで・・
いつの間にかさやかちゃんの悩みを聞いてあげること・・・忘れてたよ・・」

まどか「ごめんね・・・わたしが頼りなかったから・・・恭介君と喧嘩していたこと・・・
わたしに話せなかったんだよね・・・ゴメンね・・・」


まどか「わたし・・・本当の意味でさやかちゃんと友達になりたい!これからもずっと!大切な友達でいたい!」

まどか「だから・・・わたしに話して・・!!これからは助けられた分だけ・・・さやかちゃんの悩みを聞いてあげたい!」


まどか「お願いさやかちゃん!正気に戻って!また・・・学校行こうよ・・・お泊り会しようよ・・・」

まどか「仁美ちゃんも・・・恭介くんも・・・パパもママもタツヤも・・・いつも元気をくれる笑顔のさやかちゃんが
大好きなんだよ!」

まどか「もう自分の事を無力だなんて思わない!さやかちゃんと嬉しいことも悲しいことも・・全部分け合いたい」


まどか「さやかちゃん!!」



724 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:25:21.50 X2hcwi5M0 364/404

マミ「頼りないというのなら・・・私は先輩失格だわ・・」

マミ「私・・・無理してカッコつけてた・・・お姉さんぶってた・・・
本当は・・・恋なんて頭の中でしかしたことなかった子供だったのに・・・」


マミ「氷室さんのこと・・・気になるって言ったら・・・恋の先輩としてアドバイスしてくれたのは貴方だったわ」


マミ「私はじめから・・・魔法少女の使命のせいにして・・・他人に心を開くのを恐れていた・・・
もっと友達だったり・・・恋人だったり・・・使命なんて放っておいて外と関わっていたら・・・
あなたの支えになれたかもしれないのに・・・」


マミ「だって今ハッキリわかったんだもの・・・魔法少女の使命より・・・あなたが・・・貴方達が大切だって・・・」


マミ「ごめんなさい・・・頼りない先輩で・・・ごめんなさい・・・」

マミ「だから貴方が・・・先輩というよりは私の事は友達だって言ってくれたときすごい嬉しかったの・・・」


マミ「これからも・・・頼りないところみせちゃうと思うけど・・・叱ったり叱られたり・・・対等な関係で居ましょう」

マミ「あなたを見習っていたい。氷室さんが好きになるのもわかる程に・・・あなたは眩しかった」

マミ「そこにはもう・・・先輩後輩なんてない・・・」


マミ「留年だってなんだってしてあげるわ・・・私の親友として・・・あなたに戻ってきてほしいの・・・」


マミ「美樹さん!」




725 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:26:06.35 X2hcwi5M0 365/404

杏子「よく聞けよさやか!!あたしはな・・・あたしはな・・・」



杏子「恭介の事が好きだ!!好きになっちまった!!」


杏子「惚れた相手に先に恋人がいようが構わないのがあたしの主義だ・・・」

杏子「だけどアイツは・・・アイツはなさやか・・・動かなくなった手さえ・・・
さやかと自分を繋ぐ絆だっていってくれたんだぞ・・・」


杏子「あんたが素直に願いが間違いだったって認めれば・・・またアイツはあんたの傍に来てくれる!
もうバイオリンを休めって言ってしまえば・・・アイツはアンタを守ることだけに生きてくれるはずさ!!」


杏子「あたしが・・・あたしが認めたんだ・・・恭介はな・・・恭介はな・・・
あんたが弱音を吐いたからってあんたの事嫌いになるような・・・そんな根性無しじゃねー!!」

杏子「この利己的なあたしが・・・初めて欲しい物を諦められたんだ・・・あんた達を見守っていたいって・・・
本気で思えたんだ・・・!!」

杏子「頼むよ・・・あいつの心意気に応えてやれよ・・・
バイオリンなんか関係無しに・・・好きだともう一度伝えてやれよ・・・」


杏子「あんたが恭介を諦めるってのなら・・・あたしも一緒にフラれてやる!」

杏子「だから戻って来い・・・友達だから・・・同じ男にフラれるのも悪くないって思ってるから・・・」


杏子「さやか!!」




726 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:26:35.49 X2hcwi5M0 366/404

さやか(うるさい・・・うるさい・・・あたしの楽団を返せ・・・)


さやか(恭介に聞かせるんだ・・・かつての恭介が追い求めていた音楽を・・・)

さやか(今は落ち込んでるけど・・・恭介はまた・・・弾いてくれる・・・)


さやか(だから・・・聞かせるんだ・・・!!)



さやか(そのためにも・・・こいつらを先に斬り捨てなきゃ・・・)


ドウッ


マミ「きゃあああ!!」

ほむら「あ・・ぐっ・・・」


杏子「マミ!ほむら!!」


まどか「さ・・・さやかちゃん・・・」


ほむら「諦めない・・・諦めない・・・諦めない・・・そして、もう繰り返さない・・・!!」

ほむら「この時間を生きていくって決めたの・・・」

ほむら「かつての私なら・・・美樹さやかと馴れあうなんて考えられなかった・・」


ほむら「でも・・・もう違う・・・!ここで出会ったさやかは・・・あなただけ・・・だから諦めない」

ほむら「今まで散々やって無駄だとしっている・・・でも・・・諦めたくない・・・」


ほむら「さやか・・・あなたは親友よ。あなたのこと・・・嫌いじゃないから・・・」


杏子「ほむら!まどかを守りながら休め!!」

マミ「鹿目さんを守る者と呼びかける者とで役割を分担しましょう!!」






727 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:27:14.29 X2hcwi5M0 367/404

~避難所~

恭介「しょ・・・勝負だって!?」

バイオリン仮面「君はさやかを裏切って仁美さんを選ぶんだろう?しかし私が先に頂くといっている」


バイオリン仮面「同じ女を取り合う男・・・これは勝負して決めるしかないだろう」

恭介「ナニをすればいいんだ・・・」


バイオリン仮面「決まっている。バイオリン対決さ」

恭介「!!」



728 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:28:06.33 X2hcwi5M0 368/404

恭介「冗談はよしてくれ・・・僕はもう・・・バイオリンを弾きたくない・・・」

バイオリン仮面「だが君はやるしかない」

バイオリン仮面「何故なら私が悪の怪人だからだ。このまま勝負を放棄することは
仁美さんを私の好きにさせることにつながる」


バイオリン仮面「さぁ仁美さん・・・私の社会の窓に手を入れてみて・・・
あったかくしてあげるよ・・・」


仁美「きゃあああああ!!!」

恭介「仁美さん!!」


恭介「くっ・・・他の大人を呼びに言ってる間に・・・仁美さんがナニかされてしまう・・・」

バイオリン仮面「大人がどうのこうのじゃない。自分の意思でどうするべきか決めろ」

恭介「いいよ・・・弾いてあげるよ・・・!!一度は挫折したけど・・・
そこらへんの大人に・・・氷室さんの曲を聞いてきた僕が負けるはずが無い!!」


バイオリン仮面「そうだ。それでいい。お互いにオリジナル曲を弾きあって勝敗を決める。いいね?」

恭介「優劣はどうやって決めるんだ?」


バイオリン仮面「ここは避難所だろう?審査員は腐るほどいるさ」

バイオリン仮面「3曲勝負だ。先に2曲より多くの観衆の心を掴んだものが勝ち。」

恭介「・・・構わないよ。はやくやろう」


バイオリン仮面「他の大人に助けを求めるようなら、仁美さんの一番大切なものが奪われると思ってくれたまえ」

恭介「卑劣な・・・」



729 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:28:40.15 X2hcwi5M0 369/404

~舞台裏~


仁美「離して下さい!離して!!」

バイオリン仮面「仁美さん・・・君と恭介が一緒になることが悪いんじゃない・・・」

バイオリン仮面「今のタイミングで君たちが結ばれると・・・きっとお互い後悔する。
傷つけあいながら生きていく。それが解っているから・・・」


仁美「わかっている!?なんでそんな事断言できるんですか!?」

バイオリン仮面「未来からやってきたんだ私は・・
さやか達より一足先に・・・君に私の素顔を見せよう」


仁美「あ・・あなたは・・・!!」


バイオリン仮面「これで納得してくれるかい・・・」

仁美「ええ・・・信じられませんけど・・・「あなた」なら納得ですわ・・・」


バイオリン仮面「最終的に恭介が君を選ぶことになっても構わない・・・」

バイオリン仮面「でも・・・その前にアイツに大切なものを思い出して欲しいから・・・」


バイオリン仮面「人質のフリをして・・・協力してくれ」


仁美「わかり・・・ましたわ・・・」




730 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:29:33.56 X2hcwi5M0 370/404

ホール


バイオリン仮面「えー・・・避難された皆様・・・退屈しのぎに・・・バイオリン対決を見ていってはいかがでしょうか?」


モブ「なんだなんだ・・?」

モブ「バイオリン対決!?」


タツヤ「あはは・・・!変なお面!」


バイオリン仮面「ルールは簡単。私とそこの少年が交互に弾きあいますので、より良い演奏をした者に
拍手をしてください。」

バイオリン仮面「拍手が多い方が勝ち。
5分程度の曲を3曲やらせていただきます。先に2曲先取した者の勝利」


バイオリン仮面「勝者にはそちらのお嬢様からキスのプレゼントが贈られます」


仁美「あはは・・・」


恭介「仁美さん?なぜ逃げないで・・・協力的に振舞ってるんだ!?」


仁美母「仁美・・・あんなところで何しているの?」



バイオリン仮面「では私から弾かせていただきます。」


♪~♪~♪


恭介「!?ちょっとまて・・・これは・・・氷室さんの曲じゃないか・・・!!」


731 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:30:10.90 X2hcwi5M0 371/404

恭介「・・・!?弾けている・・・!?現代のバイオリンの先生達が・・・本人以外演奏不可能と
言われた曲を・・・弾いている・・・!?」


恭介「まさか・・・この怪人の正体は・・・」


バイオリン仮面「ふぅ・・・」


モブ「す・・・すげええええええっ!!」


パチパチパチパチ!!

仁美「こ・・・これは・・・悲しい曲なのに・・圧巻ですわ・・・」


仁美「バイオリン奏者とは・・・こういうものでしたのね・・・」


恭介「お前・・・氷室さんと同じ・・・未来人だな?」


恭介「氷室さんがまだ曲を発表して無い過去にさかのぼって・・・自分がオリジナルだと
嘘をついて名声を得るために・・・」

バイオリン仮面「だとしたら?」


恭介「氷室さんの名誉のためにも・・・僕はもう一度弾く!」


バイオリン仮面「軽いね・・・それが君の弾く理由か?」


732 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:30:49.99 X2hcwi5M0 372/404

バイオリン仮面「大切なものを思い出さない限り私には勝てない」


恭介「黙れ!!」

♪~♪~♪


モブ「あれ・・・?また悲しい曲だぜ・・・」

モブ「仮面の男と似た感じの曲だな・・・」


モブ「うーん・・・可もなく不可もなくって感じだな・・・」


モブ「やっぱり子供とオトナの差なんてこんなもんじゃねーの?」


仁美「恭介さん・・・バイオリンに詳しくない私でもわかりますわ。
バイオリン仮面の演奏のほうが素敵です・・・」


パチパチパチ・・・・


恭介「な・・・!?」



733 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:31:30.87 X2hcwi5M0 373/404

バイオリン仮面「まずは私が一本先取だな」


恭介「なんで・・・怪人の演奏だって・・・人真似なのに・・・なんで・・・」


バイオリン仮面「さて・・・この時点でもう仁美さんの心は私に傾きかけているけど・・・」

バイオリン仮面「まだやるかい?また氷室の影を追った二番膳じの曲を弾くのかい?」


恭介「お前には関係ない・・・」

恭介「氷室さんに学んだこと全てぶつけてお前に勝つんだ・・・」


恭介「今度こそ観衆も仁美さんもわかってくれれるさ・・・完全な真似のお前より・・・
僕の曲のほうが氷室さんの意思に近いと・・・」


バイオリン仮面「やれやれ・・・我ながらここまでバカだったとはね・・」


734 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:32:04.35 X2hcwi5M0 374/404

♪~♪~♪

恭介「また・・・氷室さんの曲・・・」

パチパチパチパチパチ!!!


恭介「みんな騙されるな!あいつは・・・氷室さんが作った曲をそのままトレースしてるだけだ!」


恭介「・・・僕の実力が伴うか解らないけど・・・やるしかない・・・」

恭介「あいつと同じように・・・氷室さんの曲を・・・完全にそのまま弾く!」


♪~♪~♪


バイオリン仮面「・・・」

バイオリン仮面「ここまで自分が嫌いになりそうなのは初めてだよ・・・」


パチパチパチ・・・


恭介「!?」



735 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:32:50.09 X2hcwi5M0 375/404

恭介「・・・・」ずーん



バイオリン仮面「さ・・・仁美さん。私にキスの祝福を。もちろんほっぺたで構わない」



仁美「え・・・ええ///」


ちゅっ


恭介「仁美さん・・・」


モブ「・・・結局仮面の男のほうが二本ストレート取って終わりか」

モブ「もうちょっと粘ると思ったんだけど・・・まぁこんなもんだよな・・・」


モブ「あ~あ。彼女も取られちゃって・・・かわいそうに・・・」

モブ「まぁ、弾く理由が女の前でかっこつけたかったからじゃ、しょうがないよな」


736 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:33:47.04 X2hcwi5M0 376/404

恭介「違う・・・」


バイオリン仮面「恭介・・・今の君には負ける気がしないよ」

バイオリン仮面「私が弾く曲は・・・全て大切な人へと捧げるレクイエムだ」


バイオリン仮面「その人のためなら私は魂も肉体もなにもかも差し出せる。」

バイオリン仮面「観客や仁美さんや氷室の目ばかり気にしながら弾いてる君に勝ち目なんてあるはずない」

バイオリン仮面「大切なものなど・・・何一つない君に負けるはずがない」


恭介「違う!!」


恭介「僕にだって・・・僕にだって大切なものがある・・・!!」


恭介「観客や仁美さんや氷室さんのためなんかじゃない!!」


恭介「僕が・・・僕がバイオリンを弾いてきた理由は・・・!!」



737 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:34:35.06 X2hcwi5M0 377/404

恭介「・・・」スッ


♪~♪~♪


モブ「!?勝敗がもうついてるのに・・・弾き始めた・・・!?」

モブ「悲しい曲調じゃなくなったし・・・技量に合わせたペースの曲に変わってる!?」


仁美「恭介さん・・・そこまで・・・」

仁美「それほどまでに・・・」


モブ「仮面の男よりも腕が劣るし・・・曲の内容も詰めこんではいないけど・・・」


モブ「なにかが伝わる・・・一生懸命なにか大切なもののために必死で戦う・・・男の心意気が・・・」



恭介「はぁっ・・・はぁっ・・・はあっ・・・」


恭介「どうだ!バイオリン仮面!!僕は・・・僕はまだやれるぞ・・・!!」

恭介「観客も仁美さんも氷室さんの後釜も・・・全部お前にくれてやるよ・・!!」


恭介「でも・・・僕に大切なものが何一つ無いと言ったことだけは取り消させてもらう!」


恭介「誰のために根性を見せるか・・・思い出した・・・僕は・・・僕は・・・」


バイオリン仮面「・・・」

パチパチパチ・・・


738 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:35:21.94 X2hcwi5M0 378/404

恭介「!?敵から拍手が・・・」


仁美「・・・」

パチパチパチ


パチパチパチパチ!!


モブ「すげえええ!!すげーぞボウズ!!よく頑張った!!最高に元気が出る曲だったぜ!」

モブ「勝負に負けたけど気にするな!!最後に根性見せたな!!」


モブ「近い将来絶対プロになれよ!おれ、絶対見に行くから!!」



739 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:35:49.43 X2hcwi5M0 379/404

恭介「・・・これは・・・」


仁美「おみごとですわ。恭介さん」

バイオリン仮面「そうだ。それでいい。」



恭介「そっか・・・ただそれだけで良かったんだ・・・」

恭介「・・・バイオリン仮面・・・ありがとう・・・」


恭介「僕は・・・もう一度弾くよ・・・弾き続けるよ・・・」

恭介「そして・・・」


740 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:36:41.82 X2hcwi5M0 380/404

恭介「ごめん・・・「志筑さん」・・・僕・・・行かなきゃ・・・」

恭介「さやかに・・・謝らなくちゃいけないんだ・・・」


仁美「ええ。貴方が最後の曲を弾いたとき・・・わかってしまいましたから。」


バイオリン仮面「恭介・・・今さやかはとても大変な目にあっている」

バイオリン仮面「さやかがどんな状態だろうと・・・どんな姿だろうと・・・ちゃんと向き合う覚悟はあるか?」


恭介「あなたは・・・さやかが今どこにいるか知っているんですね・・・」

恭介「連れて行ってください。
謝るだけじゃない・・・今度は僕からも・・・伝えなきゃいけないことがありますから・・」


バイオリン仮面「よし、着いて来い。さやかの心に声を届けられるのは・・・君だけだから」


恭介父「恭介・・・」

恭介母「こんなに風が強いのに・・・どこへ行こうとしてるの?」


恭介「行かなきゃいけない所があるんだ・・・伝えなきゃいけない言葉があるんだ・・・
守らなくちゃいけない人がいるんだ・・・」


恭介「父さん母さん・・・ゴメン・・・僕は・・・行くよ・・・」

恭介「僕は・・・僕の家族を・・取り戻す!!」


741 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:37:29.03 X2hcwi5M0 381/404





恭介父「行って来い」



恭介父「義娘を・・・私たちの家族を・・・取り返して来い・・・!!」

恭介母「大人の顔つきになったわね恭介・・・」

恭介母「私たちが出来ることはもう・・・そっと背中を押してあげるだけだから・・・」





仁美「二度・・・あなたに惚れてしまいました」

仁美「あなたがなにかを決心して・・大人の顔になった時・・・不覚にも惚れ直してしまいました」

仁美「そして・・・二度失恋しました・・・」


仁美「その表情を向ける相手が・・・私じゃないって解ってしまったとき・・・
二度目の失恋をハッキリと感じてしまいました・・・」


仁美「さようなら・・・恭介さん・・・大好きでしたよ・・・」


仁美「うっ・・・うっ・・・」

仁美「うううううう!!うわあああああああん!!!」ポロポロポロ・・・・




742 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:38:00.98 X2hcwi5M0 382/404

~さやか魔女地点~


杏子「はあっ・・・はあっ・・・はあっ・・・」


マミ「グリーフシード・・・全て使ってしまったわね・・・」


ほむら「・・・結局・・・こうなるのね・・・魔女になった者を救う手立ては・・・無いのね・・・」


ほむら「4時間(外の世界では30分)ぶっ続けで説得しても・・・無駄だった・・・」


人魚の魔女「GAAAAAA!!!」


まどか「さやかちゃん・・・」


まどか「キュゥべえ・・・わたし・・・魔法少女になる・・・」


ほむら「さやかを元に戻すため・・・契約するのね・・・もう止めないわ」

ほむら「さやかもあなたも・・・絶対大人になるまで守るから・・・」


ほむら「人間のままとか・・・魔法少女であるとか・・・もう関係ないわ・・・」

ほむら「私はあなたに・・・まどかにそばにいて欲しいのだから・・・」


まどか「ごめんほむらちゃん・・・今から言う願いは・・・さやかちゃんのためだけじゃないよ・・・」


ほむら「!?」


743 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:38:33.24 X2hcwi5M0 383/404

まどか「氷室さんが来た未来の状況を聞いて・・・魔法少女が人間に戻れる可能性を持った
希望がある世界だとわたしは思った・・・」


まどか「でも・・・魔女が生まれる世界であることには・・・変わりないから・・・」


まどか「わたしは・・・魔法少女に最後まで笑顔で居て欲しい・・・だから・・・」




まどか「全ての魔女を・・・生まれる前に・・・消し去る!」


マミ「!?」


杏子「な・・・!?」


ほむら「まどか・・・!?やめて!!」


まどか「これが私の願い。さぁかなえてよ・・・!!インキュベ・・・」



744 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:39:09.21 X2hcwi5M0 384/404

ドカッ


まどか「ほむらちゃん・・・どうして・・・」

ほむら「そんな願いをすれば・・・あなたは・・・あなたという個体を保てなくなるわ・・・」


ほむら「お願いだから・・・それだけは・・・やめて・・・」

ほむら「魔法少女になってもいい・・・その理由が・・・さやかでも構わない・・・!!」


ほむら「でも・・・嫌・・・あなたが消えてしまう事だけは・・・絶対嫌だから・・・」


ドサッ



ほむら「ホムリリー・・・結界よ・・・まどかを守って・・」

シュウ・・・(結界に取り込まれるまどか)


じゅわ~


745 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:39:42.87 X2hcwi5M0 385/404

マミ「ホムリリーが鹿目さんを守っているから・・・美樹さんを覆っていた
結界が解除されていくわ・・・」

マミ「そして・・美樹さんの結界はキャンデロロが中和しているから・・・
結界ではなく外の世界がむき出しになったわけね・・・」


杏子「ワルプルギスの夜は・・・?」


ほむら「幸い・・・まだ修復中のようね・・・」


ほむら「さやかを諦めて・・ワルプルギスにとどめを刺すのなら・・・これが最後のチャンスよ」


ほむら「さやかを殺すつもりでやれば・・・まだチャンスはあるから・・」


杏子「だとしたら・・・その役割は・・・あたしだな・・」


ほむマミ「え?」

746 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:40:12.55 X2hcwi5M0 386/404

杏子「オフィーリア!結界侵食!!さやかとあたしを覆って、マミとほむらをはじき出せ!!」


バシッ


マミ「きゃっ!?」


ほむら「杏子!!」



杏子「悪いな・・・マミ、約束守れなくて・・・こっちで中和も侵食もやるから・・・
あんたの結界も解除させてもらったよ」


杏子「こいつだけは・・・あたしが片をつけなきゃいけない気がする・・・
同じように他人のために願ったこいつを・・・今でも間違い続けるこいつを・・・
放っておけない・・・」


マミ「佐倉さん!佐倉さん!?お願い!やめて!!私たちを・・・中に入らせて!!」


杏子「あたしがさやかを倒したら・・・あんた達はワルプルギスの夜にとどめを刺してくれ」


杏子「まどかは怒るかもしれないけど・・・あたしにはもうあんた達しか・・・守るものが無いから・・・」


マミ「佐倉さん・・・やめて・・・私の傍に居てくれるって言ったじゃない・・・」


マミ「杏子・・・」


747 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:40:58.28 X2hcwi5M0 387/404

さやか(また・・・誰かが私の結界を上書きした・・・なんなのよ・・このスクリーンは・・・)


さやか(これは・・・恭介と・・・あたし・・・?)


さやか(・・・そっか・・・あたし・・恭介と幸せな未来を・・・掴んだんだ・・・)


杏子「見えるかい?さやか・・・それがあたしの結界の効果さ」

杏子「せめて幸せな幻惑(ゆめ)を見させたまま・・・逝かせてやるよ・・・なぁに・・大丈夫さ」


杏子「一人ぼっちは・・・さみしいもんな・・・」



さやか(恭介・・・今あたし・・・最高に幸せだよ・・・)


杏子「数多くの幻に・・・あんたと恭介の幸せな未来を写してやる・・・」

杏子「だからさ・・・その中に一つくらい・・・あたしのわがままも紛れ込ませて欲しい」


杏子「勝手だよな・・・笑っちまうよな・・・あたしと恭介が・・・一緒にいる幻の未来なんて・・・」


杏子「あたしだけは・・・いつまでも一緒だ・・・さやか・・・」


杏子「・・・命を燃やしてあんたを連れて行くよ・・・贖罪の大火・・・!」



???「君は本当に・・・不肖の弟子だね・・・杏子・・・!!」


マミほむ「!?」


748 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/06 20:41:51.24 X2hcwi5M0 388/404

???「結界展開!!杏子の結界を解除せよ!!」


しゅう・・・


マミ「佐倉さんの結界が無効化されて・・・美樹さん本来の結界が・・・展開していく・・・」


杏子「お前は・・・!!」



ほむら「バイオリン仮面!!」

マミ「氷室さん!?」


バイオリン仮面「命を粗末にするなと・・・教えたはずだ・・・杏子・・!!」




人魚の魔女「GAAAAAAA!!」



恭介「・・・あれが・・さやかなんだね・・・」



杏子「恭介!?」


Aパート終了

751 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 06:53:54.95 WNku/A8i0 389/404


恭介「バイオリン仮面に全て聞いたよ・・・魔法少女のこと・・・さやかが願った奇跡も・・・」


恭介「僕が情けないばかりに・・・さやかを魔女にしてしまったんだね・・・」


バイオリン仮面「出て来い、インキュベーター!!」


キュゥべえ「やれやれ・・・」


キュゥべえ「確かに条件は揃った。僕の力が必要なのかい?」

杏子「なにをするつもりだ・・・?」


キュゥべえ「話したはずだよ。君たちを人間に戻す条件は・・・20歳を迎える他に・・・
もう一つあるとね・・・」

キュゥべえ「その条件がいまここに揃った。そしてそれは・・・例外的に魔女になった後でも有効だ」

キュゥべえ「バイオリン仮面がこの時代にいる限り未来の措置と同じ事をさせてもらう。
その約束も有効だし・・・」

杏子「!!さやかを・・・元に戻せるのか!?」


杏子「教えろキュゥべえ!ナニをどうすれば、さやかを元に戻せるんだ!?」



キュゥべえ「君たち人間の取引でもありえる事さ」



キュゥべえ「すなわち・・・奇跡の返品・・・・クーリングオフ」



マミほむ杏「!!」





キュゥべえ「一週間以内に返品してくれればさやかを元に戻してあげるよ」



752 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:05:39.76 WNku/A8i0 390/404

杏子「てめぇは・・・どこまで・・・どこまで腐ってやがるんだ・・・」

杏子「さやかが・・・さやかがそんな事望むはず無いだろ・・・
恭介の腕を・・・もう一度使えなくするって事だろ・・・」


恭介「キュゥべえが見えない僕に説明してくれ・・・どうすればさやかを救いだせるんだ・・・?」


バイオリン仮面「恭介・・・さやかが起こした奇跡を・・・さやかへ返すんだ・・・」

恭介「!!」

バイオリン仮面「もちろんそれは・・・君がまた演奏できなくなる事を意味する」


バイオリン仮面「できるかい?君はもう一度弾く理由を見つけ、そして勃ちあがった」


バイオリン仮面「バイオリンを弾く喜び、他人にそれが伝わる喜びを思い出したはずだ」

バイオリン仮面「それでもさやかを助けられるか!?バイオリンを捨てて、さやかを選べるか!?」


バイオリン仮面「下手をすれば返品手数料を取られて・・・10年後も手術不可能になるほど
左手がボロボロになるかもしれない」



恭介「さやか・・・」




人魚の魔女「GYAAAAA!!」



恭介「この腕が・・・二度と動かなくなる・・・・二度とバイオリンを弾けなくなる・・」


バイオリン仮面「そうだ」

753 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:11:40.40 WNku/A8i0 391/404

恭介「なんだ・・・「たったそれだけ」で・・・さやかを救い出せるんだね・・・」


マミ杏ほむ「!?」


恭介「魂を差し出すだとか・・・そういう物だとしても僕は選んださ」


恭介「いいよ・・・やってくれ・・・バイオイリン仮面・・・キュゥべえ・・・」


恭介「さやかを救い出す。この左手で済むなら安すぎる取引さ」


杏子「・・・恭介・・・」




754 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:19:25.80 WNku/A8i0 392/404

キュゥべえ「他人のために願った奇跡の場合・・・返品は両者の合意が必要だ」

キュゥべえ「上条恭介の意思は得られた。次は美樹さやかの意思だけど・・・」


キュゥべえ「魔女になってしまった者の意思は人間のそれとは違う。
同意を求めるのは・・・難しそうだね・・・」


杏子「ふざけんな!!」

杏子「だったら最初から魔女になったヤツが奇跡を返品するなんて無理じゃねーか!!」


杏子「てめぇはどこまで・・どこまで人を追い詰めれば気が済むんだ・・・」



バイオリン仮面「焦るな杏子・・・だから私がここに来た・・・これが・・・私の最後の演奏だ」


♪~♪~♪


人魚の魔女「GAAAAAAAAA!?・・・・」ピタッ


マミ「美樹さんの魔女の動きが・・・止まった!?」

ほむら「こ・・・これは・・・!?」





755 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:31:26.12 WNku/A8i0 393/404

バイオリン仮面「8曲!「エンゲージ」!!」


バイオリン仮面「魔女になってしまった者の・・・精神世界(アンダーワールド)への扉を開く演奏!!」

バイオリン仮面「この8曲が・・・この私バイオリン仮面の最後の能力・・・!」


人魚の魔女「・・・」


くぱぁ・・・



恭介「さやかへの穴が・・・開いた!?」


バイオリン仮面「そうだ。その先に・・・魔女ではない・・・さやかの純粋な意思がある・・・」

バイオリン仮面「恭介・・・お前が入れ・・・そして・・・さやかを説得するんだ・・・」


バイオリン仮面「二人の合意の下返品がされたとき・・・さやかは元に戻る」


恭介「さやか・・・」


バイオリン仮面「もう一度確認するぞ、インキュベーター!!」




756 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:41:06.29 WNku/A8i0 394/404

キュゥべえ「なんだい?」

バイオリン仮面「両者合意の下、美樹さやかに「上条恭介」が「一週間以内」に奇跡を返品すれば
たとえ魔女になった後でもさやかを元に戻す・・・そういう事だな!?」

キュゥべえ「そうだよ」


バイオリン仮面「それで・・・間違いないな・・・」

キュゥべえ「くどいね・・・二言は無いよ」


バイオリン仮面「この「一週間」とは・・・ほむらさんの結界内での時間を含まず・・・
いまこの地球での時間の数え方で・・・美樹さやかが契約してからの24×7時間以内という事で
間違いないな!?」


キュゥべえ「その解釈で間違ってない。でなければボクも「条件が揃った」とは言わない」


キュゥべえ「さやかの精神を説得するなら早くしたほうがいい。一週間ちょうどまで差し迫っているからね」


恭介「行ってくるよバイオリン仮面・・・この奥に・・・さやかがいるんだろ・・・?」






恭介「これがさやかの中・・・なんて・・・なんて暖かいんだ・・・」






さやか「恭介・・・?」

757 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 07:49:51.54 WNku/A8i0 395/404

恭介「やぁさやか・・・久しぶりだね・・・3日ぶりに君と話をするよ・・・」


さやか「あたしにとっては・・・一ヶ月くらいだけど・・・」


さやか「今更・・・何しに来たのさ・・・」

恭介「ん。」


恭介「スランプを抜け出したんだ・・・バイオリンが弾けるようになった」

さやか「そっか・・・良かったじゃん恭介・・・」


さやか「これで・・・あたしは迷いなく消えられるね。恭介・・・仁美と幸せにね!」


恭介「・・・君はここが現実では無い事に気づいているのか・・・」

758 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 08:06:21.87 WNku/A8i0 396/404

さやか「魔女になって・・・みんなを傷つけたこと・・・はっきり自覚できたよ・・・」

さやか「あたしはもう・・・みんなの下に戻れないんだね・・・」


恭介「戻れるさ」

恭介「僕が君に・・・君がくれた奇跡を返す。それだけで、君は戻ってこれるんだ」


さやか「駄目!それだけは駄目!」

さやか「せっかくバイオリンが弾けるようになったのに・・・また弾けなくなるなんて駄目!」


さやか「あたしの願いを無駄にしないで!!恭介は・・・恭介はこれから先
何人も幸せに出来る演奏が出来るの!」


さやか「恭介を想って・・・消えるの。恭介の幸せを想って消えるの。
あたし一人の犠牲で・・・恭介のバイオリンが聞ける人が増えるのなら・・・それでいいの」


さやか「素敵でしょ?あたし・・・人魚姫になれたんだよ・・・王子様の幸せのために・・泡になるの」


恭介「さやかなら・・・強情張ってそう言うと思ってたよ・・・」


恭介「いいよ・・・さやかが自分の事を人魚姫だと思っているのなら・・・」







恭介「まずは・・・そのふざけた幻想をぶち壊す!!」

759 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 08:12:36.26 WNku/A8i0 397/404

恭介「さやか!!」


さやか「なによ!?大声出さないで!」


恭介「そもそも、お姫様って柄じゃないよね?さやかは」


さやか「は!?」

760 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 08:28:22.84 WNku/A8i0 398/404

恭介「どちらかという王子様だって何回も言ったはずだ」

さやか「ふっざけんな!!乙女が好きな人を想いながら消える瞬間に・・・
なんて無神経な事言ってんのよアンタは!!」


恭介「いつも男子を屈服させてたじゃないか」

恭介「王子様じゃないのなら姉御だ」


恭介「誰彼かまわず尻を叩いてきたじゃないか」


さやか「それは・・・恭介に守られてた園児時代からの反動っていうか・・・
まあ、やりすぎたってのは否めないけど・・・」


恭介「そうだよ。人魚姫なんかじゃない。これからも頼れる人として・・・
誰かを励まし続けるさやかでいてくれなきゃ」


恭介「元気をくれる元気なさやかが一番さ。
お姫様って柄じゃない」



恭介「お姫様ってそれ、どちらかというと志筑さんのイメージだし」




さやか「うぉい!?」


さやか「いや、それで合ってるよ!人魚姫はあたしで王子様を寝取る隣国のお姫様は仁美!!
その配役で間違いないよ!」


恭介「お姫様にも人魚姫にもなれないよさやかは」


恭介「あの世界観で言ったら、城の女剣士じゃないかな。
ベルセルクという作品を知ってるのならそれのキャスカだ」



さやか「それはそれでかっこいいけど!!せめて消える瞬間は夢を見させてよ!」

762 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 09:04:07.38 WNku/A8i0 399/404

さやか「あんたがあたしの事どう思おうが勝手だけどさ・・・バイオリン弾けるようになったんでしょ?」

さやか「だったら・・・続けなきゃ・・・」


恭介「僕がもう一度弾く理由・・・それも結局はさやかがいなきゃ意味が無い」


さやか「え・・・?」


恭介「言っただろ?幼稚園の頃からずっとさやかを好きだったって・・・
あの時泣いてたさやかの笑顔を取り戻すために・・・僕は弾いてきたんだ」


恭介「さやかが聞いてくれないのなら・・・弾く意味なんて無いさ・・・」

恭介「だから・・・手を取ってよさやか・・・君が帰ってこないのなら・・・
左手なんていくら動いても・・・意味が無いよ・・・」


さやか「ありがとう恭介・・・すごく嬉しいよ・・・」

さやか「だからこそ・・・さよならだよ・・・
恭介のその気持ちだけで・・・あたしは何もかも差し出せるから・・・」


さやか「似合う似合わないの問題じゃないよ・・・あたしは・・・人魚姫になる」

さやか「恭介は・・・弾きつづけて・・・大丈夫だよ・・・きっと・・・
天国だろうと地獄だろうと・・・あたしの心にそれは届くよ・・・」


恭介「まだ・・・わかってないのか君は・・・・」


さやか「わからないのは恭介の方だよ!なんで・・・なんでバイオリンを捨てようとするのさ!!
もっと大勢の人に聞いてもらいたい!王子様の夢の後押しをしてあげたい!その女心がなんでわからないの!!」








恭介「僕だって素敵な王子様なんかじゃない!!」




763 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 09:20:12.94 WNku/A8i0 400/404

さやか「きょ・・・きょうすけ・・・!?」


恭介「さやかの下着に!!さやかの家に入ったあの日に!!さやかの胸や尻や太ももに欲情していた
ただの一般男子中学生なんだよ僕は!!」


さやか「なななな・・・ナニ言ってんのよ!!身体が目当てだから戻って来いって言いたいの!!
最低ねアンタ!!仁美にヤらせてもらえば済む話じゃない!!」


恭介「いいや、さやかの方がスタイルいいね、断言できる」


恭介「バイオリン一筋だった僕を男として目覚めさせたその身体でしか・・・僕を満足させることは出来ない!!」


さやか「だったらさっさと一線越えちゃえば良かったでしょ!部屋に呼んだあの日だって!!
キスだけで帰るなんてこの根性無し!!そのくせ頭の中エロイことばっかりだったなんて!!」


さやか「あんたなんて王子様でもなんでも無いわよ!エロいくせにヘタレの根性無し!
さっさとバイオリンと結婚してろ!!」


恭介「そうだよ!僕は・・・僕は王子様なんかじゃない!!」









恭介「だからさやか!!君だって人魚姫になる必要なんか無い!!」



764 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 09:38:28.25 WNku/A8i0 401/404

さやか「!!」


さやか「恭介・・・」ポロ・・・



ぐにゃ・・・


マミ「!?美樹さんの魔女が苦しんでいるわ・・・」


キュゥべえ「一週間の期限が迫っているのさ。はやく精神世界を抜けないと・・
上条恭介は完全に美樹さやかの魔女に取り込まれてしまう」


杏子「さやかのヤツが・・・返品を拒否してるのか・・・!?」

ほむら「さやか・・・」


ゴゴゴゴゴゴ・・・・・


恭介「精神世界が崩れ始めた・・・早く・・・早く左手を握ってくれさやか!!」


さやか「恭介・・・あたし・・・あたし・・・」

さやか「人魚姫じゃないのなら・・・あたしは一体・・・」


恭介「まだ意地を張っているのかい・・・さやか・・・」


恭介「動く左手でも・・・さやかに触れられないのなら・・・意味が無いんだ・・・」


恭介「もっとハッキリ言ってあげる・・・今僕が触れたいのはバイオリンじゃない・・・
さやかの胸中だ。もちろん・・・心情という意味とおっぱいという意味の両方だ」


さやか「恭介・・・あたし・・・あたし・・・」ピキピキ・・・


恭介「僕が王子様で無いのなら・・・君だって人魚姫になる必要なんか無い」


恭介「魔法少女にだってなる必要は無い!でも・・・
将来的に結婚したら・・・そういう衣装着てくれたら嬉しい」


さやか「結婚・・・」ピシピシピシ・・・・



恭介「君を神話や・・・アニメの登場人物になんかにさせやしない!!」







恭介「ただ僕一人の!上条恭介にとって一人だけの!!」








恭介「ただの・・・平凡な奥さんでいてくれ!!」





766 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 09:48:45.55 WNku/A8i0 402/404


さやか「恭介!!」ポロポロポロ・・・


恭介「今聞きたいのは・・・バイオリンの音色じゃない!さやかの本音だ!!」


恭介「目指しているのは栄光のある未来じゃない!!どんなに困難でも二人より添える未来だ!」


恭介「さやか!君を愛してる!!君が欲しい!!」




恭介「左手なんかいらない!!僕はさやかを・・・」


恭介「僕にとっての全てを・・・救いたい!!」





恭介「これが僕の祈り!僕の願い!!」


恭介「こんな僕でもまだ好きでいてくれるのなら・・・応えてよ!!」








恭介「さやか!!」

767 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 09:58:12.50 WNku/A8i0 403/404

さやか「きょ・・・恭介・・・」ポロポロポロ・・・


さやか「あたしは・・・あたしは・・・あたしも・・・」


さやか「恭介が欲しい!!たくさん子供が欲しい!!恭介と一緒に・・・家庭を築きたい!!」


さやか「バイオリンなんて関係ない・・・あたしは・・・あたしは・・・」




さやか「恭介が好き!!」



さやか「仁美にも誰にも渡したくない!!これからも・・・ずっとずっと一緒にいたい!!」



恭介「さやか!!」



さやか「恭介!!」



ガシッ




外部


ピカアアアアアッ


ほむら「さやかの魔女が・・・光を!?」


キュゥべえ「返品が完了したんだ。まもなく美樹さやかは人間に戻る」


杏子「やった・・・やったぞ・・・やっぱりお前・・・根性あるよ・・・恭介・・・」


マミ「美樹さん・・・」




恭介「さやか・・・」


さやか「恭介・・・」


????「恭介の左手と思った?」

768 : ◆Q9mKomrfWbxO[s... - 2013/08/07 10:13:16.46 WNku/A8i0 404/404

バイオリン仮面「残念!!それは、私の左腕だ!!」


さやか「!?バ・・・バイオリン仮面!?」


バイオリン仮面「よく叫んだな恭介!!僕は・・・僕は嬉しいよ・・・」


バイオリン仮面「左手なんかいらない、さやかを助けたい」


バイオリン仮面「僕は・・・僕はその一言を聞くためだけに・・・」


バイオリン仮面「この時代にやってきたのかもしれない・・・」



グゴゴゴゴゴ・・・


恭介「マ・・・マスクがやぶれて・・・さやかのパンティが!?」


恭介「さらにその下の素顔は・・・ひ・・・氷室さん!?」



さやか「いや・・・違う・・・そんな・・・あなたは・・・あなたは・・・」


恭介「君のその顔は・・・」





さやか恭介「「恭介!?」」




未来恭介「その通り。20年後の未来からきた上条恭介・・・それが・・・
バイオリン仮面氷室の正体だ・・・」


未来恭介「20年間・・・君がくれた奇跡を・・・返すときが来たんだよ。さやか・・・」



さやか「恭介!そんな・・・バイオリン仮面が・・・恭介・・・!?」


恭介「氷室さんも・・・君だったのか・・・」


未来恭介「今こそ話そう。20年間かけて初めて気付いた・・・僕の素直な気持ちを・・・
鈍感すぎる男が・・・30を越えて初めて愛の告白をするんだ・・・」






~続く~


【 さやか「終曲!!バイオリン仮面!」 】に続く。

記事をツイートする 記事をはてブする