1 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:36:27.51 khkSA9wY0 1/24

「あんた一人っ子だよね?」

「うん」

「なのに妹? それおかしくない?」

「そうなんだよね。変だよね」

「なんか理由あるの?」

「……雰囲気?」

「ごめん。意味分かんないわ」



元スレ
妹「私、妹な気がする」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1377585387/

2 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:37:04.38 khkSA9wY0 2/24

「朝起きるよね?」

「起きるね」

「部屋出るよね?」

「出るね」

「お兄ちゃんの部屋に起こしに行くよね?」

「だからあんた一人っ子だよね?」

「そうなんだよね。毎朝お兄ちゃんのお部屋が見つからないんだよね」

「あんた絶対病気だわ」

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:41:17.79 khkSA9wY0 3/24

「朝ご飯作るよね?」

「ん、まあ」

「二人分並べるよね?」

「ん?」

「お兄ちゃんが食べてくれないから泣きながら捨てるよね?」

「あー、うん。わかった。病院行こ? ね? 付き添ってあげるから」

「そういう話じゃないと思うんだけどなぁ」

「絶対にそういう話だからね?」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:44:26.75 khkSA9wY0 4/24

医者「正常です」

「やったね」


「おっかしいなー……」

「友達を気軽に病気扱いしちゃダメだよ」

「気軽に病院まで行っちゃうあんたもどうなの?」

「だって私まともだもん」

(絶対におかしいと思うけどなぁ……)

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:48:06.82 khkSA9wY0 5/24

「じゃあさ、そのお兄ちゃんってどんななの?」

「お兄ちゃんに何するつもりなの、この泥棒猫ッ!!」

「だからいないでしょ、兄貴なんてっ!?」

「……いるもん」

「いやだからね、あんたの想像する兄貴ってのがどういう人かって話」

「普通? ううん、ちょっとダメな人かな」

「ほう」

「普段はダメダメなんだけど、いざっていう時に頼りになって、時々優しくて……えへ、えへへへっ」 ニヘラッ

(この子、いつもはしっかりしてる子なんだけどなぁ……)

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:52:48.27 khkSA9wY0 6/24

「……」

「こんな所で立ち止まって、どうしたの?」

「感じる……」

「何を?」

「お兄ちゃんの波動を……」

(この子は何言ってんだ?)

「……そこっ!!」 ビシィ

「へっ?」

「えっ?」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 15:56:20.71 khkSA9wY0 7/24

「あ。……あー、ごめんなさい。何でもないんです」

「お兄ちゃん、だよね?」

「え? いや、俺一人っ子だけど?」

「お兄ちゃん……お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」

「え? えええ?」

(なんかこういうの、昔インターネットで見たなー。S県月宮? あ、その前に止めないと)

「ごめんなさい、この子少しおかしいんです。そこの病院出たばっかりで」

「あ。あー……あはは、そうなんだ」

「ちゃんと言っておくので。すみません」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:00:17.22 khkSA9wY0 8/24

「……お兄ちゃん、じゃないの?」 ジィッ

「うっ」

「お兄ちゃん……」

「こら、やめなって」

「お兄ちゃん……」

「あんた、いい加減に!」

「俺、お兄ちゃんだったかも」

「えっ?」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:04:17.45 khkSA9wY0 9/24

「俺、よくお兄ちゃんっぽいって言われるし……」

「それ今関係ないですよね?」

「それに、毎朝起こしに来てくれる妹がいたらなぁってよく思うし」

「ただの駄妄想ですよねそれ?」

「妹モノのエロゲも好きだし」

「ただの変態じゃん!」

「……妹、なのかな」

「うん……そうだよ、お兄ちゃん!」 ダキッ

「おーい」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:07:51.36 khkSA9wY0 10/24

「はい今日の反省会でーす。お前そこに正座な」

「?」

「何不思議そうな顔してんだボケ」

「友ちゃん、なんか怖いよ?」

「あんたの方が怖いわ……」

「えー。意味分かんないよ」

「あんたあれか、お兄ちゃんっぽい人の事をお兄ちゃんって呼んでいいとか言っちゃうアレか?」

「だってお兄ちゃんでしょ?」

「ちっげーよ! 赤の他人でおまけに変態だよ!」

「そういうダメな所もお兄ちゃんの可愛い所でしょ?」 キラッ

「理解のある妹風の笑顔やめろっての!」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:13:41.09 khkSA9wY0 11/24

(ダメだこいつ……部屋に連れ込まれてレイプとかされてメンヘラになってリスカ痕でズタボロのお薬漬けにならないと分からないんだ……)

「どうしたの、友ちゃん?」

(そうなる前に止めてやれるのは、私だけなんだ!)

「わかった。……私があんたのお兄ちゃんになる」

「……友ちゃん、頭大丈夫?」

(あんたにだけは言われたくねーわ)

「あのね、女の子はお兄ちゃんにはなれないんだよ?」

「他人の時点でお兄ちゃんにはなれねーのな! なぁ!?」

33 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:16:56.51 khkSA9wY0 12/24

「というわけで、こいつが言っても聞かないんで勝負してくれませんか?」

「あれバトっちゃうの? 俺の兄力は53万ですよ?」

「ああこの人もウザい人か! 思わず声に出ちゃったわ!」

「友ちゃん、お兄ちゃんはちょっとダメな人なだけだよ」

「ごめんな、妹。いつもフォローばっかりさせて」

「いいんだよ、お兄ちゃん」 ニコッ

「あんたら昨日会ったばっかだろうが! ていうかツッコむの面倒臭い!」

「無駄に元気な子だなぁ」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:20:53.94 khkSA9wY0 13/24

「それで、兄勝負? 何するわけ?」

「……」

「何も考えてなかったでしょ」

「べ、別に? 考えてなかったわけじゃないですよ?」

「友ちゃん。素直に認めようよ」

「うっせーよ! あんたが変な事ばっか言うから私だっていっぱいいっぱいなんだよ!」

「あー。じゃあ、お互いに兄妹っぽく過ごして競ってみたら?」

「それ楽しそう!」

「あー、はい。じゃあそれで」

(なんかもう疲れた……)

「それじゃ会場に移動ね」

41 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:25:31.90 khkSA9wY0 14/24

「上がんないの?」

「……いや、ないですよ。マジで。未成年をアパートに連れ込むとか」

「え? あー、もしかして勘違いされてる? 俺、妹モノ以外はロリダメな人だから」

(そういう問題じゃねーよ)

「おじゃましまーす!」 スタスタ

「あんたも少しは警戒しろって」

「友ちゃんが気にしすぎなんだって」

「……あ?」 ゴスッッ

「痛っ!?」

「誰が名前で呼んでいいって言った?」

「ご、ごめんなさい……」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:28:09.81 khkSA9wY0 15/24

「この部屋、凄くいい……」

「はぁ? どこが?」

「二週間に一回くらいしか掃除してなさそうな汚い部屋、隠す気のないエッチな本の山、インドアなダメオタクな雰囲気……」

「誉めすぎだろ?」

「あー、もうそれでいいです」

「凄くいい……」

「私は嫌なので十分以内に片付けてください」

「はい!」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:30:46.59 khkSA9wY0 16/24

(友ちゃんに命令されると、こう、ムラムラする……これは恋?)

「お兄ちゃん」

「え?」

「私以外の女の子のこと、好きになったりしないよね……?」 ドロリッ

「え、ももも、もちろん! 俺が好きなのは妹とエロゲだけだよ!」

「友ちゃん」

「おっけー」 ポイッ

「俺の腐り姫がああああああああああああっ!!」

「はいはーい」 ポイポイッ

「ヨスガガガガガガ! 月姫ええええええええええええ!!」 ジョババババ

45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:34:22.94 khkSA9wY0 17/24

「加奈、さくらむすび、鬼哭街……ああああああ……」

「ごめんね、お兄ちゃん……」 ナデナデ

「う、うぅぅぅ……」 スリスリ

「なに妹の胸に顔押し付けてんだ」 グギッ

「ひっ!?」

「友ちゃん、こういうダメな所が逆に魅力なんだよ?」

「もうそういうのいいから。マジで」 イラッ

「……閃いた!」 ガバッ

「あ?」


「ここに全日本妹選手権を開催しまぶぅ」 ガクリッ

47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:37:32.30 khkSA9wY0 18/24

「こういうアレな人、意外に多いんだから。私も妹が心配なんだよ」

「殴らないでください……いや、むしろ殴って……ああ!」

「お兄ちゃん」 

「何?」

「私と友ちゃん、どっちがお姉さんなのかな?」

「双子設定で」

「あんたらは何を話してんだよッ!?」

49 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:42:50.39 khkSA9wY0 19/24

「だから友ちゃんのツンデレと妹ちゃんのデレデレを合わせると最強に見えるだろ!?」

「妹、お願いだから真面目に聞いてくれる?」

「え、俺は?」

「私はずっと真面目だよ?」

「……本当に危ないって。知らない人をお兄ちゃんなんて言って付いて行ってさ、大変な事になってからじゃ遅いんだよ?」

「心配してくれるのは嬉しいけどね、あのね、友ちゃん。……気付いてる?」

「何?」

「私達って別に、友達でもなんでもないんだよ?」

「……えっ?」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:44:27.82 khkSA9wY0 20/24

「どういうこと、妹ちゃん?」

「ちょ、ちょっと、急に変なこと言わないでよ!」

「変じゃないよ。私達、昨日病院の待合室で少し話しただけでしょ?」

「何言ってんの?」

「凄く馴れ馴れしく色々聞いて来て、友達みたいな感じで話しかけてくるから合わせてたけど……」

「友ちゃんと私は、昨日が初対面だよ?」

「……で、でも、私は、妹の友達で、あれ……あれ……?」


「友ちゃん。初対面の人は、友達じゃないんだよ」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:49:32.75 khkSA9wY0 21/24

「……私、妹の友達じゃ、ないの……?」

「あれ……じゃ、私、誰……なんだろ……」

「さあ?」

「ね、ねえ、私、妹の友達でしょ? 本当はそうなんでしょ?」

「違うよ? 友達っぽい人は友達じゃないんだよ?」

「ち、違わないよ! 友達だよ! 友達なんだよ!」

「……困った人だね、友ちゃんは」

「や、やめてよ、そんな変な人を見るみたいに見ないでっ!!」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:52:45.49 khkSA9wY0 22/24

「私……誰……誰……誰……」 ブツブツ

「……」

「どうしよっか?」

「まあ、分かるだろ? 俺はお前のお兄ちゃんなんだから」

「えへへ、私、お兄ちゃんの優しい所大好き!」

「やめろよ、照れるだろ」

「えへへへ」

「……ぁ……ぅぅ……」 ブツブツ

67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 16:59:57.46 khkSA9wY0 23/24

(どうも最近、調子がおかしい)

(いや別に、どうというほどでもないのだけれど)

(何かこう、生活に欠けるものがあるというか)

(ふと、いつもの生活に何かが欠けている気がする)

(小うるさい阿呆達が……)


「お姉ちゃん!」

「……ん? 誰だ、君は?」

長妹「私はね、妹だよ!」

「私は一人っ子なのだが」

「姉さん」

「……まさか、君も?」

次妹「そうよ」

「で、俺がまあ、あんたの弟ってことになるのかな」

70 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/08/27(火) 17:07:51.66 khkSA9wY0 24/24

「……参ったね。そう言われるとそんな気がしてくる」

「だろ?」

長妹「これからどうする?」

次妹「兄さんと姉さんが決めてよ」

「突然そう言われてもね……」

「そうだなぁ、今度は母さんと父さんを捜しに行こうか」

「私の両親は健在なのだが」

長妹「その人達は違うよ」

次妹「違うわね」

「そうか。そういうものか。……奇妙だね、どうにも」

「気にする事はねえよ。お姉ちゃんっぽいあんたは、間違いなくお姉ちゃんなんだよ」

長妹「楽しいね、次妹ちゃん!」

次妹「そうね、お姉ちゃん」


幼馴染(どうしてだろう。私、あの人達と子供の頃から一緒にいたような……) ジィッ

続かない。

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