「ふふふ、完璧ですの」
私こと白井黒子は悟りました
百合的行為を仕掛けてもお姉様に好かれない
数千に及ぶ作戦の失敗から学びました
美琴「黒子、おはよ」
黒子「・・・・・・」
美琴「?」
ならば――
どうすれば黒子に振り向いてもらえるかを見つけ出しますの!
そしてお姉様の処女を頂きますの!!
元スレ
とあるレズの初恋目録
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312556857/
―――1日目―――
シンリャクシンリャクシンry
美琴「あ、メールだ」ピッ
黒子「・・・」パカッ
美琴「黒子ー、佐天さんたちから買い物に誘われたんだけどー」
黒子「存じておりますの、私にもメールが来ました」
美琴「じゃあ一緒に――」
黒子「だが断る」
美琴「なん・・・だと・・・?」
黒子「・・・・・・」
美琴(意外、いつもなら感極まって飛びついて来るのに)
この時の御坂美琴、一種の思考停止状態
レベル5:学園都市三位の実力者に隙が生まれる
だが、功を焦って胸やパンツの中に手を突っ込んではいけない
逆撃を被るだけならまだいい
この行為をしてしまうと一週間は無視されてしまう
美琴「じゃあ、私行くから~」パタパタ
黒子「いってらっしゃいまし」
美琴(・・・変な物でも食べたのかな?)
黒子「・・・・・・」
攻勢に出続けた結果戦果が反比例する
不意をついたスキンシップでは99.7%嫌われてしまう
レベル4のテレポーター白井黒子、あの一瞬で判断っ・・・!
黒子「私は数千の経験から最近学びましたの」
黒子「ですが、集めたデータだけでは何も変わりません」
黒子「一歩引いた間合いからお姉様を観察する」
黒子「私が周りにいないときのデータが必要ですの!」
そう、白井黒子は成長したっ!
自分の視点だけで敬愛する者を見ても全てが見えるわけでない
彼女は大能力者、空間移動を有している
人間の側面を知るための尾行・覗きには最高のスキル!
美琴「うわー!これカワイー!」
佐天「御坂さーん、またゲコ太グッツですか?」ニコニコ
美琴「えっへっへ~♪」
初春「シュエエアィサィwwwwww」
佐天「こら初春、はしゃぎ過ぎだってw」
黒子「ふむふむ」ソー
黒子「趣味の方は変わってないと」カキカキ
―――5日目―――
美琴「じゃ、約束の水族館ね」
打ち止め「いってきまーす!」ブンブン
一方通行「ふえェ~い」
美琴「見送りくらいしなさいよー」
一方通行「家から出ンのたァーるーい」
打ち止め「あの人最近ネトゲにハマってて――」
美琴「だらけた保護者ね」ヤレヤレ
黒子「あの子供、お姉様に似ている・・・」ソー
黒子「これは調べる必要がありますの!」
黒子「初春ー」
初春「こんな夜遅くになんですかぁ?」ファーア
黒子「ちょっと調べて欲しいことがあるのですけど」
初春「えー!私今から寝るつもりだったの――」
黒子「ふんりゃ!」カポッ (花を被せる)
初春「シュエエアィサィwwwwww」カタカタカタ
黒子「やはり花がないといつもの初春じゃありませんの」
―――10日目―――
美琴「黒子、映画でも見に行かない?」
黒子「・・・ええ」
美琴「レッツゴー!」
黒子(私の知らないお姉様・・・)
黒子(一歩離れるだけでこんなに知ることができるとは)
黒子「もうちょっとですのーーーー!!」
美琴「うわっ!急に大声出すな!!」ボカッ!
黒子「あん!久しぶりですのー♪」
「お、御坂じゃねーか」
美琴「へ?」
上条「よお、お前も飯か?」
美琴「アンタなんで――くぁwせdrftyぐhじこlp ///」
上条「なんでって、俺も飯(試食)食いにデパートに来て――」
美琴「一緒に!?一緒に食べたいって言うの!!」ガシッ!
上条「え、俺何も言ってな・・・うわああああ」ズルズル
黒子「」
黒子「ふっふっふ」プルプル
黒子「あんの類人猿!次会ったらぶっ殺して――あれ?」
黒子「今日はゲコ太の映画を見る予定でしたのに・・・」
黒子「まさか!完全に上条当麻>可愛い物になりましたの!?」
黒子「一体いつからですの!」カパッ
ユアッショーーーック
初春「あ、電話だ」ピッ
初春「はい、初春です」
黒子「初春!至急調べて欲しいことがありますの!!」
初春「ええ?何の用ですか白井さん」
黒子「急いでいますの!」
初春「私これから日光浴を――」
黒子「まず深呼吸」
初春「スーハースーハー」
黒子「頭にお花を載せて」
初春「うんしょ!」カポッ
初春「ターアィーサィwwww」カタカタカタ
黒子「さぁ、さっさと調べなさいな」
―――15日目―――
美琴「あいつと食事♪しょっくじ~したぁ~♪」
黒子「・・・・・・」
美琴「ん~?黒子どうした?」
黒子「別に・・・」
美琴「さwwwわwwwじwwwりwww」
黒子「・・・・・・」イラッ
私としたことが見逃していたっ・・・!
お姉様は既にあの猿人類にゾッコン
事態は最悪の方向に向かっている!!
ならば――
―――とある路地裏―――
黒子(観察対象をお姉様から上条当麻に変更!)フッ
初春「wwwwww」
黒子(初春に居場所を割り出してもらったし・・・・・・ってあら?)
チンピラA「おう兄ちゃん、舐めたことしてくれたな」
チンピラB「せっかく攫った女が逃げちまったじゃねーか」
チンピラC「落とし前はつけさせてもらうぜ」ゴキゴキ
上条「はあぁ・・・不幸だ・・・」
やれやれ、とんだ場面に遭遇してしまいました
どうやらチンピラ共から女性を逃がしたみたいですが
あの猿は相変わらずですの
相手は軽く見て50人を超えてる
知り合いでもない人間を護るためにいつも危険を冒して――
黒子(と、いけないいけない)
黒子(いくらあの猿でも、この人数差では助太刀しませんと)
黒子「ま、不本意ですが、ジャッチメントで――」
上条「先手必勝パーンチ!」ゴオッ!
チンピラ「ぶへぇ」
黒子「・・・は?」
時計の秒針が一つ進むと同時にチンピラが壁に叩きつけられる
上条「そげふ!そげふ!そげふーーーー!!」ブン!ブン!ブン!
チンピラ「ぎゃあああああ!!」
助けに入ろうとした瞬間、私の動きは止まっていた
不意をつかれたチンピラ共が次々に倒されていく
戦闘能力の差は誰が見ても明らかだった
黒子「す・・・凄い・・・」
初春がハッキングした資料
学園都市第一位に勝ったという記録は見ましたが
いくらあの右手があっても・・・と内心疑っていました
でも、この戦いぶりを見るとあながち嘘と思えな――
上条「これで半分か」ゼェゼェ
上条「残りを倒すには気合を入れ直さないとな!」
チンピラ「ひぃっ!」
上条(決まった!)
チンピラ「おりゃあああ!隙ありいいい!」バキィ
上条「ぐふっ、あっ・・・あれ?」
チンピラ「今だ!かかれええええええ!!」ドタドタドタ
上条「え、ちょっと待――ぎゃあああああ!!」
黒子「・・・・・・」ポカーン
黒子(・・・やっぱりただのアホですの)
一方的な闘いは、いつの間にか泥試合と化していた
黒子「ジャッジメントですの!醜い闘いは止めない!」
上条「し、白井?」ボロッ
チンピラD「あ?なんだこの女」
チンピラE「おい、油断するな、例のテレポーターだぞ」
チンピラF「余裕だよ、こっちにもレベル3が数人いるんだ」
黒子「ふむ、たしかに全員で一気に来られると圧倒的に不利ですわね」
上条「ここは逃げろーーーー!!」
黒子「初春!ソーラービーム!!」
初春「ターアィーサィwwww」ビー!
黒子「ふう、片付きましたの」パンパン
初春「あれ?ここ、どこですか?」キョロキョロ
黒子「今ので花が散ってしまいましたのね」
初春「白井さ~ん、私何してたんですか?」
黒子「用は済みましたからさっさと帰りなさいな」
初春「う~ん、釈然としませんが帰ります~」
黒子「さて、上条当麻」
黒子「あなたを研究させてもらいますの!」ビシィ!
黒子(そしてお姉様をオトす方法を・・・フヒヒ――)
し~ん・・・・・・
黒子「あら?いないですの」
※上条さんはチンピラと一緒に吹っ飛んでいきました
黒子「ま、今回は仕方ありませんの」
―――25日目―――
上条「明日でやっと退院・・・不幸だ・・・」シクシク
黒子「こんにちは、類人猿さん」シュン
上条「おわっ、白井!」
黒子「ご無事でなによりですわ」
上条「ひょっとして、見舞いに来てくれたのか?」
黒子「そんなところですの」ヒョイ
上条「おお!リンゴだ!」
黒子(ま、あれで死なれたら寝覚めが悪いですし)
上条「サンキューな」ムシャムシャ
黒子「・・・・・・」
黒子「あなたの口癖、不幸もいいとこですわね」
上条「ん?」
黒子「また人助けをして大怪我なんて」
上条「ははっ、まったくだよ」
黒子「いい加減にしてくださいましっ!」ドン!
上条「・・・・・・え?」
黒子「今日こそはっきりと・・・いえ、命令しますわ!」
黒子「一般人が事件に首を突っ込むな!ですの!!」
上条「は、はぁ・・・?」
黒子「あなたはお姉様みたいなレベル5ではありません」
黒子「第一、能力者ですらないのです!」
黒子「そのちっぽけな脳みそでも理解できるでしょうに・・・・・・」
上条「ちっぽけって・・・酷い、上条さんが気にしてることを」シクシク
黒子「真面目に聞けですの!!」
黒子「自分の力を過信するのはやめてくださいまし」
黒子「いくら喧嘩慣れしていても、異能を消す右手持っても――」
上条「俺はただの普通の人間、訓練すら受けてない一般人」
黒子「・・・・・・」
上条「正直言うと俺だって怖いさ」
上条「レベルとか関係なく、能力は俺にとって未知の世界だからな」
上条「目の前の相手が強力な能力者だったら・・・」
上条「そう考えると一瞬、震えることだってある」
上条「でも・・・さ、理屈じゃねえんだよなぁ」
黒子「え?」
黒子「でしたら、なんで人助けを?」
上条「・・・・・・」
黒子「あんな危険を冒してまで・・・」
上条「白井が、ジャッチメントにいる理由はなんだ?」
黒子「はい?」
上条「女だからとは言わないけどさ」
上条「まだ中学生、普通は遊び盛りってもんじゃないか?」
上条「でも俺には義務でやってる様に見えないんだよな」
黒子「私は――」
黒子(正義感・・・?当たり前だから・・・?)
黒子(なんでしょう、上手く言葉に出来ないですの)
黒子「ん―――・・・」
黒子「わかりませんの」
上条「白井だって、人のために危険な橋渡ったりするだろ?」
黒子「なんでか・・・わかりません・・・」
上条「俺もだよ」ニコッ
黒子「へ?」
上条「助ける理由なんて考えたことはない」
上条「ただ『危ない』って思ったから助けただけださ」
黒子「上条さん・・・」
上条「白井の目って綺麗だよな」
黒子「なっ!」
黒子「いっいいい、いきなりなにをっ・・・///」カアァ
上条「凛々しさの中に優しさが詰ってるというかさ」
上条「とても綺麗に見えるんだ」
上条「これで百合じゃなかったらモテるんじゃないのかw」
黒子「よっ、余計なお世話ですの!!」
上条「ははは、御坂のやつも大変だな」
黒子(う~、マトモに顔を見れないですの~///)
―――とある帰り道―――
黒子「あー、私としたことが」テクテク
黒子「お姉様ならいざ知らず・・・」
黒子(殿方の言葉に一喜一憂なんて///)
黒子「・・・・・・って、そんなことありませんの!」ブンブン
黒子「私はお姉様一筋!それがあんな猿なんかに!!」
黒子(あのジゴロテクは学ぶためのもの!)
黒子「あんなのでこの私が――」
「お腹減ったんだよ~」グデーン
黒子「・・・・・・なんか倒れてますの」
黒子「大丈夫ですか?」
禁書「う~、あなたからとーまの匂いがするかも」ムクッ
黒子(とーま?上条さんのお知り合いでしょうか?)
黒子「あの、『とーま』とは、上条さんのことでしょうか?」
禁書「うん、とーまとは一緒に暮らしてるんだよ」
黒子(!?)
黒子「そう・・・ですの・・・」
黒子(やっぱり、あの人には恋人がいたのですね)
黒子(・・・・・・そうですわ)
黒子(あんな素敵な人なら、恋人がいて当たり前ですの・・・)
黒子「私なんかじゃ――」
禁書「ん~?」
黒子「上条さんとお幸せにっ!」ダッ
禁書「へ?へ?」
禁書「ま、待っ・・・・・・う~ん」ドサッ
黒子「はへ?」
禁書「・・・・・・」
黒子「あなた大丈夫ですの!?いきなり倒れられて」
禁書「う~んそういえばお腹空いてたんだよ~」グデーン
黒子「は、はぁ・・・」
―――とある喫茶店―――
禁書「運んでもらって助かるんだよ」
黒子「いえそんな、なんでしたらご馳走しますの」
禁書「え?いいの!?」
黒子「私、それなりにお金持っていますので」
禁書「わ~い、久々に奢ってもらうんだよ~♪」
禁書「じゃあコレとアレとソレも――」
黒子(うふふ、微笑ましいですの)ニコッ
黒子「上条さんには奢ってもらわないのですか?」
禁書「ここずっと自分のお金だけで食べてる~」ピンポン
黒子(え?だって恋人同士じゃ?)
禁書「自分のご飯代は自分で稼がないとって思ったかも」
黒子(一緒に暮らしてるのに、上条さんって実は冷たいんですの?)ムカッ
黒子「失礼ですが、それは上条さんに言われてですの?」
禁書「ううん自分で、最近はイカ娘のモデルの仕事してるんだよ」
禁書「私の食欲って普通の人より少し多いみたい」
禁書「三回くらい1週間の欠食があって学んだんだよ」
黒子「そうなんですの?」
禁書「とーまは私の恩人だから」
禁書「負担は減らすようにしたいんだよ」
黒子(しっかりした方ですわ)
禁書「SSや平行世界じゃ私はニート役が多いから」
禁書「今回のでイメージアップするかも」
黒子(SS・・・?平行世界・・・?)
<オマタセシマシター
禁書「いただきまーす」
黒子「あなたは、上条さんの恋人ですの?」
禁書「ちがうよ~」バクバクムシャムシャ
黒子「恩人と言われましたが」
禁書「あ、自己紹介まだだったかも」
禁書「はい、これ読むんだよ」ドサッ
黒子「とある魔術の禁書目録?」
禁書「絶賛発売中なんだよ」ガツガツ
黒子「・・・なるほど、そういった事情でいらしたのですね」
禁書「たしかにとーまは好きだし感謝してるよ」ボリボリ
禁書「でも、私よりしっかりした人と一緒になって欲しいんだよ」ゴキュゴキュ
禁書「迷惑をかけた分、幸せになってほしいかも」ハムハム
黒子「イカデックスさん・・・」
禁書「ところで、くろこはなんでとーまのこと知ってたの?」
黒子「へっ・・・?」
禁書「・・・・・・」ジー
黒子「あっ、あの・・・その・・・///」カァ
禁書「ふむふむ分かったんだよ」
黒子「いえ!私はただ素敵な殿方だと――」
禁書「ここで会ったのも何かの縁かも」
禁書「くろこ!これ私の電話番号!」ピッ
黒子「え?あ、ありがとうございますの」
禁書「困ったことがあったら連絡するんだよ」
禁書「じゃあ今日はありがと~」タッタッタ
黒子「は、はいですの」
黒子(うふふ、イカデックスさんったら)
ウェイトレス「会計10万円となりますけど」
黒子「さっそく困った」
―――30日目―――
黒子「失礼しますの」ガチャ
上条「おお、白井」
黒子「きょ、今日は宜しくお願いしますの///」
上条「それは上条さんの台詞ですよ」
黒子「イカデックスさんの姿が見えないのですが?」
上条「ああ、あいつは急に仕事が入ったらしくてな」
黒子「へ?」
上条「すまないな、あいつから料理の約束を頼んだのに」
黒子「いえ、教えるのはいつでもできますし」
黒子(セッティングしてくれたのですね///)
上条「買ってきた材料無駄にしちまったな」
黒子「でっ、でしたら夕食分作っていってもいいですか?」
上条「え?」
黒子「上条さんがよければ・・・ですが・・・///」
上条「マジですか!もの凄く助かります!!」
黒子「~~~♪」トントントン
上条「何か手伝うことないか?」ソワソワ
黒子「いいえ、大人しくしていてくださいな」
上条「待つのは慣れなくてさ」
黒子「上条さんは料理当番ですものね」
上条「ああ、なんだか少し緊張するんだ」
黒子「あら?私の料理は不安でして?」クスッ
上条「滅相もないです!!」
黒子「ふふふ、楽しいです」
黒子「こうしてると新婚さん気分を味わっているみた――」ハッ
上条「・・・新婚?」
黒子「いっ、いえ!今のは忘れてくださ――」ツルッ
黒子「きゃああああああああ」
上条「危ない!」サッ
ドンガラガッシャーン!
上条「大丈夫か?白井」
黒子「イタタ、すみませんの」
黒子「上条さんの方は怪我などありませんか?」
上条「・・・・・・」
黒子「どこか痛めましたか!?」
上条「いや、怪我というよりだな」ポリポリ
黒子「はい」
上条「この体勢って、不味くないかな?」
・・・体勢?
私が転びそうになった
それを上条さんが受け止めて
そのまま倒れた
そして今の状況・・・
黒子(はたから見ると抱き合ってる様にしか見えませんの///)
黒子「ごっ、ごめんなさいですの!」パッ
上条「いやっ、俺の方こそ!」サッ
黒子「///」
上条(やべぇ・・・凄く柔らかかった・・・)ポー
上条(おまけにめちゃくちゃいい匂いが・・・って)
上条(相手は中学生だぞ!変な事考えてどうすんだ俺!)ポカポカ
上条「あー、悪いな白井」
黒子「・・・・・・」
上条「俺みたいなのに――」
黒子「・・・sン・・・なら」ポソッ
上条「・・・え?」
黒子「当麻さんなら・・・いいですの・・・///」
上条「ブーーーーーーー!!」←鼻血噴出す音
黒子(はっ!私ったらなんてことを――)
黒子「失礼しましたの!!」ダッタッタ
上条「ま、待ってくれ白井」ドクドク
―――とある公園―――
黒子「はぁ、はぁ、はぁ」ドキドキ
私は何を口走って――
目的はお姉様を攻略するためだったはず
でも上条当麻の事を考えると、えもいわれぬ感情が・・・
この気持ちは一体なんですの?
上条「おーい!どこだ白井ー!」
黒子(上条さん!追ってきてくれたんですの!?)
上条「うーん、このへんにいると思ったんだけどなぁ」
黒子「か、かみ――」
美琴「ちょっと、何大声出してんのよ」
上条「御坂?」
黒子(お姉様!?)コソッ
上条「ちょうど良かったぜ」
美琴(ちょうど良い?あたしに会えたことが?///)
上条「白井見なかったか?」
美琴「・・・・・・は?」
上条「いやおまえの後輩の白井、見なかったか?」
美琴「なんで今黒子の名前が出てくんの?」
上条「いやその・・・///」ポリポリ
美琴「・・・・・・」ガシッ
上条「うっ、なんだよいきなり襟首掴んで」
美琴「あんた、黒子に何かした?」
上条「何って・・・」
美琴「黒子を傷つけたなら、いくらアンタでも怒るわよ」
上条「いやそんなことしてねーよ!」
美琴「ならいいわ、ごめん」パッ
上条「御坂・・・」
美琴「黒子は大切な子だから、まっアンタも・・・だケ・・・d」ゴニョゴニョ
黒子(お姉様・・・!)
上条「え?俺がなんだって?」
美琴「なんでもないわよ」
美琴「それよりなんで鼻血垂れ流してんのよ」
上条(そういや出っ放しだったな)クラッ
美琴「ほらハンカチ貸してあげる」スッ
上条「悪いな」フキフキ
美琴「まったく、ちゃんと返しなさいよ♪」
美琴「黒子まだ見つからないんでしょ」
美琴「ここにはいないみたいだし、あたしも探すわ」タッ
上条「いいのか?ありがとな御坂」
美琴「えへへ、いいのよ///」
黒子(・・・・・・)ズキッ
なぜでしょう
お姉様が私を大切と言ってくれた
本当に嬉しい
でも上条さんとお姉様
二人が一緒に話しているのを見ていると
今は自然と涙が出てくる
苦しくて 悲しくて 胸が切なくい
―――とある喫茶店―――
黒子「ああ、なんて恥ずかしいところを・・・」グデーン
禁書「気にしないんだよ」ガツガツ
禁書「人は誰もオサレしたくなる時期があるかも」
禁書「ちゅうにびょう、だっけ?」
黒子「うわあーーーーん」ジタバタ
禁書「ま、それでくろこは何を悩んでるのかな?」
黒子「・・・私は・・・お姉様が好きなのです」
禁書「ふむふむ」ムシャムシャ
黒子「でも一人の男性として、上条さんに恋しています」
禁書「うんうん」ゴクゴク
黒子「そしてお姉様も上条さんに恋しています」
禁書「むっ・・・」ピタッ
禁書「くろこ、まさか自分の恋を譲る気?」
黒子「・・・・・・」
禁書「答えて欲しいんだよ」
黒子「・・・私は舞い上がっていました」
黒子「上条さんと親しくなるにつれて――」
黒子「肝心のお姉様のキモチを忘れていました」
黒子「私は、二人とも大好きなんです」
禁書「だから身を引くつもり?」ガブガブ
黒子「・・・・・・」
禁書「あのさ、くろこ」モシャモシャ
黒子「はい・・・」
禁書「あなたの想いってその程度?」クチャクチャ
黒子「・・・え?」
禁書「好きな人が被って、気まずい関係になるかもしれない」モグモグ
禁書「でもくろこが憧れる『お姉様』ってさ」ハフハフ
禁書「それでくろこを嫌いになったりするかな?」ズズー
黒子「それは・・・」
『黒子を傷つけたなら、いくらアンタでも怒るわよ』
『黒子は大切な子だから――』
黒子(・・・・・・)
禁書「まあ、それはあなたの問題だけど」レロレロ
禁書「とーまのこと、軽い気持ちでなら私は許さないんだよ」バリボリ
黒子「・・・・・・」
禁書「私がなんて言ったか覚えてる?」ガツガツ
禁書「とーまは幸せになって欲しい」モグモグ
黒子「・・・覚えていますわ」
禁書「どっちつかずの恋なら諦めてもらうんだよ」ゴキュゴキュ
黒子「違います!私は本当にあの人を――」
禁書「本当に好きなら、結果関係なく想いを伝えるものじゃないかな?」ハムハム
黒子「それは・・・」
禁書「お姉様に嫌われたくない、振られるのが怖い」モシャモシャ
禁書「それだけならまだいいんだよ」ガブガブ
禁書「でも、想いを伝えないだけじゃなく最初から譲る気なら許さないよ」パクパク
黒子「・・・・・・」グスッ
禁書「恐れの方が大きい程度の恋心じゃ」ハフッハフッ
禁書「とーまを絶対に幸せにできないんだよ」ズズー
禁書「もう彼には近づかない方がいいかも」プハァ
黒子「うっ・・・うっ・・・」
禁書「それじゃ、ご馳走様」スタスタ
黒子「・・・待ってくださいまし!」
禁書「・・・・・・」
黒子「たしかに私は甘えていました」
黒子「現実が見えてきたら、問題から逃げようとし」
黒子「ぬるま湯の関係で濁そうかと卑怯なことが頭にありました」
禁書「・・・・・・」
黒子「でも、目が覚めました」
黒子「私は・・・上条当麻さんが好きです!」
黒子「そしてお姉様も好きです!」
黒子「もうそのことから逃げません」
黒子「自分のキモチを二人に、正直に話します」
黒子「そして、自分の選択に後悔はせず」
黒子「胸を張って結果を受け入れます」
禁書「頑張るんだよ」ニコッ
<スタスタ
黒子(ありがとう、イカデックスさん)
ウェイトレス「あの、会計30万円ですが」
黒子「ちくしょう」
―――上条宅―――
上条「あーあ、白井結局見つからなかったな・・・」
禁書「おかえり」
上条「イカデックスか・・・」ボー
禁書「・・・・・・」
上条「・・・なんだ?」
禁書「くろこのこと、気になる?」
上条「どこにいるのか知ってるのか!?」ガシッ
禁書「教えてもいいけど、とーま次第なんだよ」
上条「はぁ?」
禁書「とーまはくろこのことどう思ってるの?」
上条「いや・・・かわいいなって・・・///」
禁書「じゃダメなんだよ」
上条「なんで!?」
上条「おいおいイカデックス、俺は真面目に――」
禁書「私も真面目なんだよ」
禁書「とーま、くろこが好きなの?」
上条「好きって・・・いいなぁとは思ってるけど」
禁書「とーまは自覚してる?」
禁書「自分がどれだけフラグをたててるか」
上条「フラグ?」
禁書「いろんな女性に言い寄られても、くろこを選べる?」
上条「いや言い寄られてなんか――」
禁書「選べる?」
上条「・・・・・・」
禁書「もうはっきりして欲しいんだよ」
禁書「それが、とーまのことを好きな人たちのためにもなるんだよ」
上条(まさか、おまえ俺のことを・・・)
禁書「聞かせて欲しいんだよ」
上条「・・・変な奴、初めはそう思ってた」
禁書「・・・・・・」
上条「でも今はそれだけじゃない」
上条「あいつはまだ小さいのに頑張り屋で」
上条「強くて、優しい心を持ってる」
上条「俺の近くにいることはなかったけど」
上条「今回のが切欠で、白井の色んなとこが見えることができた」
上条「考えてみれば、俺は最初から・・・」
上条「白井に、どこか惹かれてたのかもしれない」
禁書「うん・・・わかったよ」
禁書(これで、とーまも幸せに・・・)
禁書「今からこの場所に行って待ってるんだよ」ヒョイ
上条「ありがとう」
禁書「ねえ、とーま」
禁書「本当は私も貴方のこと」
上条「え?」
禁書「ずっと好きだったって言ったら・・・笑う?」
上条「イカデックス・・・」
禁書「ふふっ、冗談なんだよ」ニコッ
禁書「私は一度イギリスに戻るから」
上条「!?」
禁書「別に大した意味もないし、今生の別れってつもりもないんだよ」
禁書「今度会うときまでには子供の一人二人でも作って待ってて欲しいかも」
上条「まだ付き合ってすらねえよ!」
禁書「ま、落ち着いたら迎えに来て欲しいんだよ」
禁書「いってらっしゃい」
上条「ああ」
『・・・そっか、あんたもあいつのこと好きになっちゃったんだ』
『ん?なーに謝ってんのよ』
『そりゃ・・・私だってあいつのこと///』
『でもね黒子、それであんたを嫌いになるわけないじゃない』
『上条当麻が選んだ人なら私は納得する』
『そういう設定ならSSでもヤンデレールガンなんて呼ばれな――』ブツブツ
『あ、でも卑怯な手は許さないからね!』
黒子(お姉様、ありがとうございますの・・・)
自分の想いを伝えるために
終わりです
拙い短編でしたがご視聴ありがとうです