本編
【第一部・前編】
【第一部・後編】
【第二部】
【最終章】
の番外編・後日談です。
前スレ
【番外編】
【番外編2】
の続きです。

864 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:49:05.71 mls9HG0ro 488/573

 杏子 「あけおめ、ことよろ」
 さやか「杏子、もっとちゃんと挨拶しなさいよ」
 杏子 「別にいーじゃん」
 マミさん「ほらほら、ケンカしないで。作者が交通事故に遭ったり、風邪引いて寝込んでたりで遅くなってしまったの。ごめんなさい」
 さやか「とりあえず、お正月編投下だよ」
 杏子 「Vガンダムの1話みたいに順序変えてクリスマス編とか投下予定だってさ。個別レスはあとからするってさ。じゃ投下開始」



865 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:50:11.52 mls9HG0ro 489/573

  まどか『うわあ……きれい……』
  芳文 (初日の出に照らされたまどかの笑顔が、とても輝いて見えるな)
  まどか『芳文さん、すごくきれいな光景だね』
  芳文 (そう言って笑うまどかの顔がすごく愛しい)

  まどか『芳文さんと一緒に初日の出見られてうれしいな』
  芳文 『俺もだよ。初日の出もきれいだけど……』
  まどか『?』

  芳文 『まどかのほうがもっときれいだよ』
  まどか『嬉しい……』

  芳文 『……まどか』
  芳文はそっと目を閉じたまどかに、優しくキスをしようとして、そして……。

  円華 「芳文、寝るならコタツじゃなくてお布団で寝なさい」

  十五年間毎日聞いてきた声の主に叩き起こされた。
  
  ――2012年1月1日 風見野市 陽だまり荘敷地内にある青樹家の居間にて

  芳文 「……んあ?」
  円華 「ほら、コタツで寝たら風邪を引くわよ」
  芳文 「……夢のまどかが鬼婆に化けた」
  円華 「誰が鬼婆よ」シャイニングフィンガー
  芳文 「あだだだだだだだっ!! 割れる割れるっ!!」

  円華 「新年早々、親にケンカ売るなんてお年玉いらないのかしら。この子は」
  芳文 「ごめんなさい。欲しいです」
  円華 「まったくもう……」
  芳文 「もう11時か……。年越しそば食ってテレビ見ててそのまま寝ちまったのか……。起こすならもっと早く起こしてくれればよかったのに」
  円華 「私も色々忙しかったのよ。それに2時頃に布団で寝なさいって声かけたわよ」
  芳文 「そうだっけ? まあどっちでもいいや」ゴロゴロ……

866 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:51:13.75 mls9HG0ro 490/573

  円華 「新年早々だらけてるわね」
  芳文 「正月くらいいいだろ。年末は餅つきとか大掃除とか色々あったんだし」
  円華 「まあ確かに去年はいつもよりも色々あったわね」
  芳文 「ああ」スッ
  円華 「こら」ペシッ
  芳文 「いてっ」
  円華 「人が剥いたみかんを取ろうとしない。食べるなら自分で剥きなさい」
  芳文 「剥くの面倒くさい」

  円華 「あなた、将来まどかちゃんに同じ事したら嫌われるわよ」
  芳文 「まどかにそんな事したりしない。それにまどかだったら喜んで剥いてくれそうだ」
  円華 「まああの子なら有り得る話だけど……」
  芳文 「だろ? 名前は同じでも誰かさんと違ってまどかは優しいんだ」
  円華 「お年玉」
  芳文 「ごめんなさい」
  円華 「まったく……」
  芳文 「そういや、父さん達は?」
  円華 「ダーリンならお母さん達と一緒に、陽だまり会館の方で宴会してるわよ」

  芳文 「またか。正月早々みんな暇だな」
  円華 「みんな生まれも育ちも風見野の人達ばかりだしね」
  芳文 「母さんが生まれる前からだっけ?」
  円華 「そうよ。お母さんのおじいさんの頃から続く我が家の風習」
  芳文 「金持ちの考える事はわからん」
  円華 「そんなにお金持ちって訳じゃないわよ。お母さんはこの陽だまり荘一帯の土地と建物を相続したけど、他の財産はおじさんやおばさんに分け与えられたから」

  陽だまり荘は学校のグラウンドほどの敷地内に、青樹家が暮らす一階建ての大きな一軒家、町内会の寄合に貸し出される事のある大きな一軒の平屋、そして十世帯が暮らすアパートがある。
  更に今は経営していないが、戦後に公衆浴場として開放していた大浴場が一軒ある。
  これらすべては大地主だった円華の曾祖父が近隣住民や就職のために上京してきた当時の青年たちの為に建てたものだった。
  当時最高の腕を持った職人が建て、近年リフォームもしてあるので、最新のマンションやアパートに比べて遜色ない物でもある。


867 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:52:34.53 mls9HG0ro 491/573

  芳文 「なんで家はこんなに人が集まるんだ?」
  円華 「お母さんのおじいさん、あなたのひいひいおじいさんがとても社交的で近隣の人達とすごく仲が良かったのよ。何かあればご近所で助け合ったりとかしてたみたいだし」
  芳文 「んでひいじいちゃんもばあちゃんも超社交的で、アパートの歴代住人達や風見野商店街の皆とも仲がいいんだっけ」
  円華 「そうよ。だからみんなお母さんを慕って集まってくるの。だから血の繋がりはないけれど、みんな親戚みたいな物ね」
  芳文 「……そんな超社交的なばあちゃんから生まれたのに、なんで母さんはこうなんだろうな」

  円華 「……どういう意味?」
  芳文 「みんなでわいわい集まるのが嫌でここに逃げてきたんだろ?」
  円華 「確かに知らない人達と騒いだり放したりするのは苦手だけどね。あの人達は別。物心つく前からの知り合い相手にそんな感情持つわけないでしょう」
  芳文 「そんなもんかね……。まあ俺も知らない相手と話したりするのは苦手だけどさ」
  円華 「私に似なくていい所まで似てしまうのは嫌ね」ハア……
  芳文 「俺、昔っから母さんに似てるって言われるけどさ。そんなに似てるか?」
  円華 「男の子は母親に似るって良く言うし、そうなんじゃない?」
  芳文 「そんなもんかね。……もし将来まどかとの間に息子が生まれたら、まどかそっくりの息子が生まれるんだろうか」

  そう言って芳文は男の子なまどかを想像してみる。

  芳文 「……アリだな。娘だったら」

  母親そっくりの娘を想像してしまう芳文。

  芳文 「……なんて不憫な娘なんだ!!」
  円華 「いきなりなんなの?」
  芳文 「男の子が母親に似るなら、女の子は父親に似るんだろ。つまり俺とまどかに娘が生まれたら、それは母さんに似る訳で……」
  芳文 「将来貧乳確定じゃないか!! 俺は大事な娘を貧乳好きのロリコンにくれてやるなんて耐えられない!!」

  円華 「……」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


868 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:55:19.05 mls9HG0ro 492/573

  円華 「まったく……。まどかちゃんはこんな馬鹿な子のどこがいいのかしら?」
  芳文 「愛息子を馬鹿な子呼ばわりはないだろ、マイマザー」
  円華 「口が減らないんだから……。さてと、そろそろ向こうの様子を見に行こうかしら。そろそろ来る頃だし」
  芳文 「まだ誰か来るのか?」
  円華 「ええ。メールでやりとりしてたら、実家に帰省予定だったけど、おじいさんが風邪引いて寝込んでるから取りやめになったんですって」
  芳文 「それで宴会に誘ったのか?」
  円華 「そうよ。する事がなくなったからか、二つ返事でこっちに来るって」

  芳文 「ふーん」
  円華 「それじゃ私は陽だまり会館の方へ行くから。あなたもお客様が来るのだからだらだらしてないで着替えくらいしときなさい」
  芳文 「気が向いたらな」
  円華 「……後悔しても知らないからね」
  芳文 「?」

  そう言って、円華は青樹家の居間を出て行った。

  芳文 「はあ、やれやれ。正月早々虐待されてひどい目に遭った。それにしても新年早々まどかの夢を見るとか。どんだけまどか命なんだ、俺」
  芳文 「……まどか、どうしてるかな。はあ、あと何年経ったらまどかと一緒に年越し出来るようになるんだろうな」ゴロゴロ……
  芳文 「メールでもしてみようかな。でも声が聞きたくなるの間違いないしな……。新年早々帰省先で長電話に付き合わせるのもあれだし……」
  芳文 「……はあ、まどかに会いたいなぁ」ウトウト……ゴロゴロ……

  まどか「芳文さん」

  芳文 「……おお、とうとう幻聴が聞こえ出したぞ。俺はもう駄目かもしれん。こりゃ、まどかがいない人生はもう考えられないな」

  まどか「え? えと……」

  芳文 「はあ、まどかに会いたいなあ……。まどかとずっと一緒にいたいなあ……」

  まどか「えと……わたしも芳文さんに会いたかったよ。その……わたしもずっと一緒にいたいなって」

  芳文 「うーむ。なんて都合のいい幻聴なんだ。まどかのかわいい声が鮮明に聞こえるぞ」

  まどか「え、えと、現実、だよ?」

  芳文 「え?」

  芳文が起き上がって背後に振り向くと、晴れ着を着たまどかが立っていた。
  頬を染めながら、芳文を見つめるまどかはとてもかわいらしかった。

  まどか「あけましておめでとうございます。今年もよろしくね、芳文さん」

  そう言って、まどかは芳文ににっこりと笑いかけるのだった。

869 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:57:09.48 mls9HG0ro 493/573

  ――大慌てで着替えて身だしなみを整えた芳文は、まどかと一緒に風見野神社へ初詣へ向かう道中、隣を歩くまどかに話しかける。

  芳文 「おじいさんが風邪で帰省が取りやめになっちゃったんだって?」
  まどか「うん。大分具合はよくなったけどね」
  芳文 「そっか。……おじいさんには悪いけど、まどかと二人で初詣に行けるのが嬉しい」
  まどか「もう、芳文さんたら」

  芳文 「……その晴れ着、良く似合ってるよ」
  まどか「本当?」
  芳文 「俺がまどかに嘘をつくわけがない。良く似合ってて可愛いよ」
  まどか「えへへ……。ありがとう。嬉しいな……」
  芳文 「それ、お母さんに買ってもらったの?」
  まどか「うん、ママからのクリスマスプレゼント」

  芳文 「そっか。でも正月しか着れないのはちょっともったいなくない?」
  まどか「一応あと何回かは着れるように少し大きいサイズなんだけどね。芳文さんに褒めてもらえたからもったいなくなんてないよ」
  芳文 「……そっか」
  まどか「うんっ」

  芳文 「……去年は色々あったな」
  まどか「そうだね。円華さん達も一緒のクリスマスパーティーに、芳文さんのおばあちゃんとおじいちゃん、陽だまり荘の人達や風見野商店街の人達、それにわたしの家族もみんなで集まった餅つき大会とか」

  芳文 「まどかのお母さん達もすぐに皆と仲良くなったしな。そういやいつの間にか、まどかの家族は家の親戚扱いでまどかは俺の嫁扱いされてたな……」
  まどか「わたしは嬉しかったよ」
  芳文 「そう言ってもらえると嬉しい。出来るだけ早くまどかの事、迎えに行けるよう頑張るから」
  まどか「うんっ」

870 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/03 15:59:35.97 mls9HG0ro 494/573

  まどかは花のような笑顔を見せて、芳文の腕に自分の腕を絡ませる。
  芳文はそんなまどかに微笑んで、一緒に歩きながら会話する。

  芳文 「今頃、みんな宴会で盛り上がってるんだろうな」
  まどか「ママなんかこっちにくるのすごく楽しみにしてたよ」
  芳文 「そっか。今日は餅つきの時みたいに泊まってくの?」
  まどか「多分。パパは遠慮すると思うけど多分ママや皆さんにお酒飲まされちゃうと思って、一応着替えとか車に乗せてきたよ」
  芳文 「まどかは良く気が利くな。将来いい奥さんになりそうだ」
  まどか「えへへ……」

  芳文 「そういや、さやかちゃん達とは会う予定無いのか?」
  まどか「とりあえず、三日に約束してるよ」
  芳文 「そっか。それじゃ今日明日とまどか分をチャージしとかないとな」
  まどか「もう、芳文さんたら……」

  そんな会話をしながら、やがて二人は神社に到着した。

  芳文 「人が大勢いるな。当然って言えば当然だけど。まどか、はぐれないように手を繋ごう」
  まどか「うんっ」ギュッ
  芳文 「しっかり握っててくれよ」
  まどか「うんっ。芳文さんも絶対離さないでね」
  芳文 「離すもんか」
  まどか「絶対だよ」
  芳文 「ああ、絶対に放さない」
  まどか「うんっ」

  芳文の自分の物よりも大きな暖かい手を小さな手で握りながら、まどかは思った。

  まどか(……この暖かくて優しい手、もう絶対に放さない)


                                                                                          おしまい



883 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:42:34.49 eMawxbHAo 495/573

 杏子「クリスマス編前編だよ」



884 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:43:05.12 eMawxbHAo 496/573

  ――2011年12月22日 見滝原中学校の2年生教室にて

  まどか「ようやく明日から冬休みだね。ほむらちゃんは冬休みにどこか行ったりするの?」
  ほむら「うん。年越しはおばあちゃんの家でするくらいかな」
  まどか「そうなんだ。わたしの家もおじいちゃんの家で年越しの予定なんだ」
  さやか「まどか達は帰省するんだね」
  ほむら「美樹さんはどこか行くんですか?」
  さやか「あたしんちの親戚はみんな見滝原だから、帰省とかした事ないんだよねー。だからちょっと帰省とかに憧れるんだよねー」
  ほむら「そうなんですか。私は正直言うと、帰省ラッシュに巻き込まれるのがちょっと嫌で……。おばあちゃん達に会えるのは嬉しいんですけど」
  まどか「その気持ちわかるよ。うちは弟がまだ小さいから、帰省ラッシュに巻き込まれると退屈でぐずるんだよね」

  杏子 「おーい、さやかー、まどかー、ほむらー」
  さやか「杏子、おっそーい」
  杏子 「悪い悪い。担任の話が長引いちまってさぁ」
  まどか「それじゃ、杏子ちゃんも来たし行こうか、ほむらちゃん」
  ほむら「うんっ」

          ひだまり☆まどっち ~仲良しグループのクリスマス~

  さやか「杏子。最初にクリスマスカードを調達しないといけないんだよね」
  杏子 「ああ。手伝ってもらって悪いな」
  まどか「気にしないで。友達だもん」
  杏子 「助かるよ。実家で配る分を沢山用意しないといけないからさ」
  ほむら「……実家?」首傾げ
  杏子 「ああ、ほむらには言ってなかったっけ? あたしは父さんの兄貴、つまり伯父さんの家から学校に通ってるんだよ」
  ほむら「そうなんですか?」

  杏子 「ああ。あたしの実家は風見野で教会やってるんだけどさ、昔ちょっとばかり家計が苦しくなってね。口減らしって言うとあれだけどさ、伯父さんがあたしの面倒見てくれる事になったんだよ」
  ほむら「え……そうだったんですか……」
  杏子 「そんな顔すんなって。友達だろ? 友達に隠し事したくないから話してんだからさ」
  ほむら「……はい」
  杏子 「まあ、そんで色々あったけどさ、今は実家の方も落ち着いてるんだ。けど伯父さん子供がいないんだよ。伯父さん夫婦はあたしの事を娘みたいに可愛がってくれてるしさ。それで伯父さんちにいる訳」
  ほむら「そうだったんですか」

  杏子 「ああ。それでもクリスマスとか実家が忙しい時は手伝いに行くんだけどね。あんた達が書くの手伝ってくれるカードは実家の教会に来てくれた子供達に配るんだよ」
  ほむら「それじゃ、心を込めて書かないといけませんね」
  杏子 「ああ。よろしく頼むよ」
  ほむら「はいっ」

885 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:44:19.63 eMawxbHAo 497/573

  ――そんなこんなでクリスマスカードを調達して店を出た4人は、仲良くおしゃべりをしながらクリスマス前の活気あふれる街並みを歩く。

  さやか「クリスマスカード書くのは良いけどさ、どこで書く?」
  杏子 「あたしんちって言いたい所だけど、これだけの人数が集まるにはあたしの部屋は狭すぎるしなぁ……。ファミレスとかどうだい?」
  まどか「でもこれだけの量を書くの結構時間かかりそうだよ。ファミレスにそんなに長くいたらお店に迷惑じゃないかな?」
  さやか「うーん。あたしんちって言いたい所だけど、今日は親がいるからなあ……」
  まどか「おばさん達がいると駄目なの?」
  さやか「いや、通知表見せたくないなって」
  まどか「……」

  さやか「まどかぁーっ!! なんでそこで目を逸らすかな!!」ベアハッグ
  まどか「きゃあぁぁぁっ!! さやかちゃんやめてぇぇぇ!!」
  さやか「自分は先輩のおかげで成績上がったからってぇぇぇ!!」
  杏子 「やめろって」ゴスッ
  さやか「いったあー!! 暴力反対!!」
  杏子 「さやかがまどかに八つ当たりするからだろ。まどかんちは駄目かい?」
  まどか「わたしは別にいいけど、タツヤがいるから構ってほしくて作業の邪魔しに来るかも……」
  さやか「ああ、たっくんまだ小さいからねぇ」

  ほむら「あの……私の家で良ければ」オズオズ
  杏子 「……いいのかい?」
  ほむら「はい。みんなお友達ですから」ニッコリ
  さやか「決まりだね!! ほむらんちへレッツゴー!!」
  まどか「さやかちゃんたら……。ほむらちゃん、本当にいいの?」
  ほむら「うん。こんなに大勢のお友達呼んだ事ないから、嬉しいし」
  さやか「んーっ!! 相変わらず可愛い事言うね、この子は!!」
  ほむら「きゃっ!?」
  さやか「まどかは先輩に取られちゃったし、これはもうほむらをあたしの嫁にするしかない!!」ダキッ
  ほむら「……え? ええー!?」

  杏子 「さやか、あんまりほむらをからかってやるなよ。ほむらが困ってるだろ」
  さやか「はいはい、わかりましたよ」
  杏子 「ったく……。ほら、そろそろ行こうぜ」
  まどか「うん」
  ほむら「はい。私に付いて来てください」


886 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:45:27.70 eMawxbHAo 498/573

  ――暁美家へ向かう途中、マックで昼食を取ってから商店街を歩く4人。

  さやか「せっかくほむらの家に行くんだから、マミさんと仁美も来れれば良かったのになあ」
  まどか「しょうがないよ。二人とも今日は用事があるって言うんだから」
  杏子 「まあ二人とも明日は大丈夫だって言うし、今日はしょうがないさ」
  ほむら「そうですね」

  芳文 「あ、まどか。それにさやかちゃん、杏子ちゃん、暁美さんも。4人揃ってどこか行くの?」
  まどか「あ、芳文さん」
  ほむら「こんにちは」
  杏子 「よっ」
  さやか「先輩、こんな所で一人でどうしたの?」

  芳文 「ああ、クリスマスの準備の買い出し。荷物持ちに母さんに引っ張り出されたんだ」
  まどか「そうなんだ。円華さんは?」
  芳文 「ちょっとそこの銀行に金を引き出しに行ってるよ」
  まどか「そう。わたし達はこれからほむらちゃんの家で、杏子ちゃんの実家の教会で配るクリスマスカードを書くの」
  芳文 「そっか。ほむホームでクリスマスカード作りか」
  まどか「ほむホーム?」
  芳文 「暁美ほむらちゃんこと、愛称ほむほむの家だからほむホーム」
  
  さ杏 『ぷっ……。ほ、ほむホームって……』ククク……
  ほむら「……」涙目
  芳文 「そんなにウケた? 箸が転がっても面白い年頃だからかな? ……ほむホーム」パナホームのCMのマネ
  さ杏 『ぷっ、あははははははははははははっ!!』
  ほむら「……」ウルウル……
  まどか「ほ、ほむらちゃん、泣かないで」
  ほむら「平気だよ……」
  まどか「もうっ!! 芳文さん、ほむらちゃんをいじめちゃ駄目だよ」
  芳文 「ええっ!? ごめん、暁美さん。悪気はなかったんだ。気を悪くしたなら謝るよ」
  ほむら「いえ、別に気にしてませんから……」
  芳文 「本当にごめん。なんていうか、ある人物になんとなく似てるからつい、余計な言葉が出てしまうんだ。これからは気をつけるよ」
  まどか「芳文さん、ほむらちゃんは繊細なんだから、もっと優しくしてあげてね」
  芳文 「ああ。わかったよ。まどか」

  そんなやりとりをしていると、一人の女性がやってきて声をかけてきた。


887 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:46:08.35 eMawxbHAo 499/573

  円華 「お待たせ。あら、まどかちゃん」
  まどか「こんにちは、円華さん」
  円華 「こんにちは」
  さやか「ねえ、まどか。この人が先輩のお母さんなの?」
  まどか「そうだよ。みんなにも紹介するね。こちらは芳文さんのお母さんで円華さん」
  円華 「……はじめまして。いつも芳文がお世話になってます」
  さやか「え、えと、はじめまして。あたし美樹さやかです。こちらこそ先輩にはお世話になってます」
  杏子 「佐倉杏子です。はじめまして」
  ほむら「えと……はじめまして、暁美ほむらです」

  さやか「先輩、先輩のお母さんってすごく若いね。それにすごい美人だし」肘でツンツン
  芳文 「美人って言われても。俺にとっちゃ見飽きた顔だし。それに若いって言うけどさ、こんな見た目でも今年35だよこのおばさん」
  円華 「私はまだまだ若い」シャイニングフィンガー
  芳文 「あだだだだだだだだだだだだだっ!! 割れる割れるっ!! ごめんなさい!!」
  さ杏ほ『』ポカーン
  芳文 「いてててて……家の外でまで虐待するなよ……」
  円華 「虐待じゃなくて躾。愛の鞭よ」
  まどか「あ、あはははは……」

  さやか「……うーん?」
  杏子 「さやか? どうしたんだ?」
  さやか「ほむら、ちょっと円華さんの隣に並んで」
  ほむら「え? は、はい」
  さやか「やっぱりそっくりだ!! ほむらと円華さんってそっくり!! 親子か姉妹で通用しそう!!」
  円まど(……そっくりと言われても。似てて当然だし)

  ほむら「えと、そんなに似てますか?」
  さやか「そっくりだって。ねえまどか、杏子」
  杏子 「確かに似てるな」
  まどか「う、うん」
  円華 「……私のお母さんとほむらちゃんのお婆さんがはとこ同士なのよ」
  ほむら「えっ? そうなんですか?」
  円華 「ええ。流石にもう親戚づきあいがないくらいだから、知らなくても当然なんでしょうけど」
  ほむら「私、全然知りませんでした」
  芳文 「俺も初耳だぞ」
  円華 「昔、親戚のお葬式で小さいほむらちゃんと会った事があるからね。まどかちゃんに聞いてた名前で思い出したのよ。遠縁の親戚だって」


888 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:47:20.87 eMawxbHAo 500/573

  芳文 「ふーん。ほむほむは俺の遠い親戚なのか」
  円華 「……ほむほむ?」
  芳文 「暁美さんの愛称。親戚なら名字呼びはおかしいだろ」
  円華 (……別世界の母親をほむほむ呼ばわり。いや、芳文はあくまで私の子なのだから、この世界の私は関係ないのだけど。なんだか腑に落ちないわ)
  ほむら「青樹先輩が私の親戚……。それで嫌な感じがしなかったんだ……」
  円華 「嫌な感じ?」
  ほむら「この間、学校の廊下で転びそうになったのを助けてもらったんです。私男の人苦手だから、触られたりするの嫌なんですけど、先輩に触れられても嫌じゃなかったから……」
  さやか「ああ、そういやさりげなく先輩がほむらの胸触った時の」
  芳文 「さやかちゃん誤解を招くような言い方はやめてくれよ。転びそうになったのを咄嗟に受け止めた時にたまたま掌が胸に当たっただけ!!」
  さやか「それでもしっかり触れてたじゃん」

  まどか「そんな事があったの?」
  さやか「まどかがたまたまいなかった時にね」
  芳文 「まどか!! 誤解だから!! 確かにほむほむの胸に触れたかもしれないけど、俺には胸に触れたなんて実感なかったから!!」
  ほむら「ええっ!?」
  芳文 「あ、いや、ほむほむの胸が小さくて胸に触った感触がしなかったとか、そういう意味じゃなくて」
  ほむら「……」
  芳文 「その、俺、実は巨乳派なんだ。ほら、うちの母さん胸小さいだろ。だから母性の象徴たる大きな胸に憧れがあるんだ。成長途中の慎ましい胸とかは俺の射程外だから、何も感じなかったって言うか……」
  ほむら「……」
  円華 「……」

  杏子 「……それ言ったら、まどかだってそんなに胸大きくないじゃん」
  芳文 「好きな子の胸は別だよ。それにまどかのお母さんは胸大きいからまどかも将来はきっと大きくなるはず」
  まどか「芳文さん。ママの事そういう目で見られるのはちょっと嫌かも」
  芳文 「誤解だよ!! 俺はまどコンだから!! 年上と貧乳は論外!! それにまどかは着痩せするんだし!!」
  さ杏ほ円『』
  まどか「……芳文さんのエッチ!!」
  芳文 「うわあぁぁぁぁぁぁっ!! つまらない失言でまどかに嫌われてしまったあぁぁぁぁぁぁっ!! 死にたい!!」電柱に頭打ち付け

  まどか「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!! 芳文さんやめて!! きらいになんてなってないから!!」
  芳文 「本当? よかった……」
  さ杏ほ円『』
  芳文 「……ふ。俺とした事が思わず取り乱してしまった。話を戻すけどほむほむ、すまなかったね」
  ほむら「……え?」
  芳文 「どうか誤解しないで欲しいんだけど、俺にとってはまどかがすべてだからさ。決して君に魅力がないという訳じゃないんだ」
  ほむら「は、はあ……」
  芳文 「君には君の魅力がある。だから自分にもっと自信を持っていいと思うよ」
  ほむら「えっ……?」

889 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:49:18.19 eMawxbHAo 501/573

  芳文 「たとえ今が小さくても、君にはまだ無限の可能性があるんだ。うちの母さんは19で俺を産んで35になった今でも絶壁だけど、君はまだ14才だし」
  ほむら「ええっ?」
  芳文 「もし仮に大きくならなくても大丈夫!! 総人口の約半分は男だから!! うちの親父みたいに小さいのが好きな男もいるさ!! 貧乳はステータスだ!! 希少価値だ!!」
  ほむら「……」涙目
  芳文 「うちの母さんを見なよ!! こんなに小さくても俺を産んで母乳で育てたんだ!! だからサイズは関係ない!!」
  ほむら「……」ウルウル……
  芳文 「あ、あと男に揉まれると大きくなるって言うの、アレ迷信だから。ソースはうちの母親。だから自分を大事にして心から愛してくれる相手を選ぶんだよ。これ、お兄さんからの助言」
  ほむら「……」ウルウル……

  円華 「……この馬鹿息子ぉぉぉぉぉぉっ!!」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  円華 「……ほむらちゃん。このお馬鹿にどんな制裁してほしい?」メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリ……
  ほむら「え? えと、もういいですから、私気にしてませんから、だから許してあげてください」
  円華 「……」パッ

  芳文 「あだだだだだだ……。畜生、ひどい目に遭った」
  円華 「まだ反省が足りない様ね」
  芳文 「ごめんなさい」
  ほむら「あ、あの、大丈夫ですか?」
  芳文 「ああ、大丈夫だよ。……ほむほむは優しいなあ。同じ顔してるのにうちの鬼婆とは大違いだ。同じ顔してるならほむほむが母親の方が良かったよ」
  ほむら「えぇぇっ!? え、えと、その……」
  円華 「誰が鬼婆よ」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  まどか(な、なんだかなあ……)

  さやか「……まどか、あんたあの人のどこがそんなにいいの?」
  まどか「えっ?」
  杏子 「あたしもさやかと同意見だ。あいつのどこがそんなにいいんだ?」
  まどか「だって、芳文さんは優しいし、強いし、頭良いし、頼りになるし、かっこいいし……」
  杏子 「……まあ確かに、概ねそのとうりなんだけどさ」
  さやか「でもああやって馬鹿やってるせいで、全部台無しな気がするよ……」
  まどか「そんな事ないもん」
  さやか「あんな風に馬鹿やらなきゃもっとモテるだろうに。色々と残念な先輩だよね、杏子」
  杏子 「だな」
  まどか「……いいの!! 芳文さんはわたしにだけモテればいいの!!」
  さ杏 『』
  まどか「……あ」
  さ杏 (まどかって結構、いや物凄く独占欲強いんだ……。知らなかった)


890 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:52:13.57 eMawxbHAo 502/573


  芳文 「いてててて……。これ以上みんなの前で虐待されてる所見せるのもなんだし。そろそろ行こうぜ」
  円華 「虐待じゃなくて躾よ」
  芳文 「可愛い息子に苦痛を与えるのは躾じゃなくて虐待だと思うんだ」
  円華 「口が減らないんだから……。いったい誰に似たのかしら」
  芳文 「今俺の目の前にいる、胸と度量がいつまで経っても成長しない、無駄に若作りのおばさん」
  円華 「……」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  さ杏ほ『』

  円華 「それじゃ私達はこれで。まどかちゃん、24日にね」
  まどか「はい。24日楽しみにしてますね」
  円華 「行くわよ、芳文」
  芳文 「ああ。それじゃみんな、またね」

  さやか「またね」
  杏子 「またな」
  ほむら「はい」
  まどか「芳文さん24日、忘れないでね」
  芳文 「忘れるもんか。またな、まどか」
  まどか「うんっ。またね」

  芳文達と別れた後、まどか達はほむらの家で外が真っ暗になるまで、仲良く談笑しながらクリスマスカードを書いたのだった。

  ――2011年12月23日 午後3時 カラオケルームにて

  まどか達は全員で集まって歌を歌ったり、ピザをを食べたりしながら女の子だけのクリスマスパーティーを満喫していた。
  マミ 「そろそろ時間だしプレゼント交換しましょうか」
  さやか「さんせーい」
  仁美 「そうですね。それじゃあプレゼント交換でお開きですね」
  杏子 「だな」
  まどか「それじゃ、最後に一曲クリスマスらしい歌をみんなで歌いながら、プレゼントを回そうよ」
  ほむら「うんっ」

  マミ 「それじゃ曲をかけるわね」ピッピッ

  ――クリスマスソングが流れる中、6人は楽しそうに笑顔で歌いながらプレゼントを回していく。
  やがて歌を歌い終えて、曲が終わるのと同時にプレゼントを回すのをやめる。


891 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/01/25 23:54:17.66 eMawxbHAo 503/573

  さやか「あたしのプレゼントはこれか。中身は赤い手袋だ」
  杏子 「あたしが用意した奴だ。あたしのは……青い手袋だ」
  さやか「あ、それあたしの」
  杏子 「なんだか取り換えっこしただけみたいだな」
  さやか「あははは。そうだね。でもあったかいよ。ありがと、杏子」
  杏子 「こっちこそ、ありがとな、さやか」

  仁美 「私のはブローチですわね」
  マミ 「私は髪飾りだわ」
  仁美 「私の用意した物は巴先輩の所に行ったんですのね」
  マミ 「志筑さんの所に行った物は私の用意した物なのよ」
  仁美 「そうなんですか? 可愛いブローチをありがとうございます」
  マミ 「喜んでもらえてよかったわ。この髪飾り、大切に使わせていただくわね」
  仁美 「はい。私も大切に致しますね」

  ほむら「私のは……まどかのプレゼントだね。あ、赤いリボンだ」
  まどか「わたしはほむらちゃんのプレゼントだね。中身は白いリボンだ」
  ほむら「誰に届いても良い物にしたつもりだけど、まどかにもらってもらえて嬉しいな」
  まどか「わたしもほむらちゃんと同じだよ。ほむらちゃんにもらってもらえて嬉しい」
  ほむら「えへへ……。大切にするね」
  まどか「わたしも大切にするからね。着けてみてもいい?」
  ほむら「うんっ」

  カラオケルームの据え付けの鏡を見ながら、まどかはほむらからもらった白いリボンをいつも着けてるリボンを外して着けてみる。
  まどか「どうかな?」
  ほむら「うんっ。すごく良く似合ってるよ」
  まどか「えへへ。ありがとう。ほむらちゃんも着けてみて」
  ほむら「う、うん。でも私、リボンなんて着けた事ないから……」
  まどか「じゃあ、わたしが着けてあげるね。ちょっと貸して」
  ほむら「う、うん」

  まどかはほむらから受け取った赤いリボンを手に、ほむらの長い黒髪をツインテールにして赤いリボンで結わえる。
  まどか「かんせーい。みんな見てみて。ほむらちゃんとわたし、お揃いだよー」
  杏子 「おっ。ほむらツインテール似合ってるじゃん」
  さやか「これは中々……。あたしの嫁はツインテールも似合うねぇ」
  仁美 「まあ、さやかさんたら。良くお似合いですよ」
  マミ 「ええ。似合ってるわよ、暁美さん」
  ほむら「あ、ありがとう……」

  まどか「よかったね、ほむらちゃん」
  ほむら「うんっ。私、みんなとお友達になれてよかった。こんなに嬉しいクリスマスパーティーなんて初めて」
  まどか「わたしも。ほむらちゃんに出会えて、みんなに出会えて本当に良かった。今年でみんなに会うのは今日が最後だけど、来年もみんなと仲良くしたいなって」

  さやか「まどか。そんなの当然っしょ」
  杏子 「まどか、あの馬鹿じゃあるまいし、あんま恥ずかしい事言うなよ。そんなの当然じゃん」
  仁美 「さやかさんと杏子さんの言うとうりですわ」
  マミ 「ふふっ。こんなに可愛い後輩たちに恵まれて、私は幸せよ」
  まどか「えへへ……」

  ほむら「あの……まどか」モジモジ
  まどか「なあに、ほむらちゃん」
  ほむら「その……来年も私と……仲良くしてください」
  まどか「勿論だよっ。わたし達はみんな、ずっとずーっと、友達だよっ」


                                                                                          おしまい



900 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/02/17 22:25:45.77 0PU2FYLXo 504/573

 杏子「作者の生存報告兼バレンタインネタだよ」



901 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/02/17 22:27:52.76 0PU2FYLXo 505/573

          まどか達のバレンタインの巻

  ――2月10日の昼休み。見滝原中学の教室にて。

  杏子 「そういやもうすぐバレンタインだな」
  さやか「杏子は誰かにあげるの?」
  杏子 「実家の親父と世話になってる伯父さんくらいかな。さやかは上条にやるんだろ?」
  さやか「うん。まあ一応ね」
  杏子 「ふーん」

  まどか「ほむらちゃんは誰かにあげるの?」
  ほむら「パパにあげようかなって」
  まどか「そうなんだ。わたしもパパとタツヤにあげるつもりなんだよ」
  さやか「先輩にはあげないの?」
  まどか「勿論あげるよ」
  さやか「ほう。やっぱり裸でリボンを体に巻いてハートチョコを胸に抱きながら『わたしも一緒に食べてね♪』ってするの?」
  ほむら「///」真っ赤

  まどか「そんな事しないよっ!! さやかちゃんのエッチ!!」
  杏子 「ほう……。さやかは上条にそういう事してやりたいんだな」
  さやか「なっ!? そんな訳ないでしょ!!」
  杏子 「慌てる所が怪しいな。そういう発想があったからさっきの発言が出てきたんだろ?」
  さやか「きょうこおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
  杏子 「おっと。鬼さん、こちらー」
  さやか「待てえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

  まどか「……もう。杏子ちゃんもさやかちゃんもしょうがないなあ」
  ほむら「まどかはやっぱり手作りにするの?」
  まどか「うん。今度の日曜日に円華さんに作り方教えてもらうんだ」
  ほむら「そうなんだ。私も手作りに挑戦してみようかな……」

  杏子 「あたたたた……さやかギブギブ!!」
  さやか「ほむら、だったらマミさんに教えてもらおうよ」コブラツイストを解きながら
  ほむら「え? でも迷惑じゃ……」
  さやか「だいじょーぶだいじょーぶ。ドーンと任せておきなさいって」
  杏子 「それ、マミさんのセリフだろ。つーか本人の承諾も得ずに勝手に安請け合いするなよ」
  さやか「大丈夫だって」

  ――その日の放課後。

  マミ 「いいわよ。私で良ければ喜んで教えてあげるわ」
  さやか「ね」
  杏子 「……はあ」

902 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/02/17 22:28:57.66 0PU2FYLXo 506/573

  ――2月12日天瀬家にて

  芳文 「……はあ、暇だな」
  天瀬 「わざわざ人の家に遊びに来といてヒマ発言かよ!!」
  芳文 「だってなあ。まどかとデートしようと思ったら用事があるって言うし、大事な客が来るから外に出かけろって母さんに家から追い出されるし。行く所がここしかなかったんだよ」
  天瀬 「お前も大概失礼な奴だな。幼稚園の頃はいっつも俺やマミちゃんの後を付いて回ってたくせに」
  芳文 「そんな昔の事は忘れた」
  天瀬 「あの頃はな、初めて見た時お前の事大人しくて可愛い女の子だと思ってたのに……。実は野郎で今はこんなだもんな」
  芳文 「……この野郎。俺の事そんな風に思ってやがったのか」
  天瀬 「うるせー。可愛い女の子が毎日二人で仲良くしてるからお近づきになろうとしたら、片方は男だったなんてベタなオチ提供しやがって!!」
  芳文 「そんなガキの頃から下心持ってたのかお前は!!」
  天瀬 「黙れリア充!! 自分だけちゃっかりまどかちゃんみたいないい子をゲットしやがって!! 現実に絶望して二次元に逃げた男の悲しみがお前なんかにわかってたまるか!!」号泣

  芳文 「……もういい。自分を傷つけるのはもうよせ」
  天瀬 「……ああ。なんか悲しくなってきた」
  芳文 「それにしても懐かしい名前が出てきたな。マミちゃんか。今頃どこで何してるんだろうな……」
  天瀬 「……本気で言ってるのか?」
  芳文 「何が?」
  天瀬 「毎日学校で会ってるだろう。それに進学先だってお前と同じじゃないか」
  芳文 「?」首傾げ
  天瀬 「……巴さんだよ。巴さんが昔お前といつも一緒に遊んでたマミちゃんだ」
  芳文 「……マジ?」
  天瀬 「気付いてなかったのかよ!!」
  芳文 「言われてみれば……」

  ――11年前。風見野幼稚園にて。母親と手を繋ぎながらお別れ。

  マミ 「芳君、バイバイ」
  芳文 「うん。バイバイ、マミちゃん」

  マミ 「ママ、あのね、今日芳君と一緒にお砂でお城作ったの」
  ママ 「そうなの? 上手に出来た?」
  マミ 「うんっ」

  芳文 「ねえ、ママ」
  円華 「なあに?」
  芳文 「マミちゃんのママはおっぱいすごく大きいのに、どうしてママはちっちゃいの?」
  円華 「……」ギュウゥゥゥ……
  芳文 「痛い痛い痛いっ!! うわーんっ!!」
  円華 「……はっ!? ごめんね芳君!! ママ芳君のおてて強く握りすぎちゃった!!」
  芳文 「うわーんっ!!」


903 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/02/17 22:31:46.81 0PU2FYLXo 507/573

  ――再び天瀬家にて。

  芳文 「言われてみれば!! 今の巴さんの胸はあの時のおばさんの胸に匹敵するサイズだ!! なんで気付かなかったんだろう」
  天瀬 「……」

  芳文 「いくら小さい頃の事とは言え、すっかり忘れてたなんて……。俺はなんて薄情な奴なんだ……」自己嫌悪
  天瀬 (それ以前の問題だと思うぞ……。胸のサイズで認識したなんて言ったら巴さん怒るだろうな……)

  芳文 「マミちゃ……巴さんは俺の事覚えてるのかな?」
  天瀬 「さあな。本人に聞いてみたらどうだ」
  芳文 「……そうだな。今度それとなく聞いてみよう」

  ――一方その頃。青樹家にて。

  まどか「円華さん、これでいいですか?」
  円華 「ええ。あとは隠し味を入れて、と」
  まどか「これですか?」
  円華 「それは駄目よ!!」
  まどか「ふぇっ!?」ビクッ
  円華 「ごめんなさい。それは大人向けの隠し味だから」
  まどか「そうなんですか?」
  円華 「ええ」

  まどか(ブランデーとかかな?)
  円華 (どうやら上手くごまかせたようね。ガラナチョコやその他諸々を使って私独自の技法で作った隠し味。その名もほむほむΣ。ただこの子達にはまだまだ早いしね)

  まどか「それにしても円華さんってすごいですね。まかさカカオ豆からチョコレートまで作っちゃうなんて!!」
  円華 「市販のチョコを湯煎して形を変えるだけなんて、誰でも出来るからね。滑らかな舌触りを出せるようになるまで苦労したわ」
  まどか「すごいなあ……。流石に本当の手作りチョコなんて、わたしの知り合いの中では誰も作れないですよ」
  円華 「まどかちゃんに私が長年の苦心の末編み出したこの製法、全部伝授してあげるからね」
  まどか「はいっ。よろしくお願いします。先生」

  ――2月14日。学校への登校時。

  芳文 「まどか、さやかちゃんおはよう」
  まどか「おはようね芳文さん」
  さやか「おはよ、先輩」

  芳文 「……」ソワソワ……
  さやか(まどか、先輩の様子気付いてる)ボソボソ
  まどか(うん)ボソボソ
  まどか「芳文さん。学校終わったら芳文さんの家に行ってもいい?」
  芳文 「ん? あ、ああ。勿論」
  まどか「渡したい物があるから、その時に……ね♪」
  芳文 「!! わかった!! 楽しみにしてるよ!!」

  さやか「あーあ。ほんと、先輩はまどかとの事となるとこれだから。……っと。先輩、これ」
  芳文 「何これ?」
  さやか「義理チョコだよ。この前のテストの時勉強教えてもらったお礼」
  芳文 「ありがとう。さやかちゃん」
  まどか「よかったね。芳文さん」
  芳文 「ああ。女の子から義理チョコもらったの初めてだから嬉しい」
  さやか「そうなの?」

  芳文 「うん。母さんや風見野の実家の知り合いとかからもらった事はあるけどね。女の子の友達からもらったのは初めてだよ」
  さやか「そっかー。あたしが初めてなんだ」
  まどか「……」ムッ
 芳文 「俺は幸せ者だよ。妹みたいに思ってる子から義理チョコもらっただけでなく、好きな子からも貰えるんだから」
  まどか「芳文さん……。うんっ!! 期待しててね!!」
  さやか「はあ、やれやれ。このバカっプルどもは。朝っぱらからお熱い事で……」


904 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/02/17 22:33:22.27 0PU2FYLXo 508/573

  ――その日の夕方。

  さやか「あのさ、恭介……」
  上条 「ん? なんだいさやか」
  さやか「これ、バレンタインのチョコ何だけど……」
  上条 「わあ、ありがとう。さやか」

  杏子 「父さん、コレ」
  杏子父「私にくれるのかい? ありがとう、杏子」

  ほむら「パパ、はい」
  ほむ父「ありがとう。ほむら」

  マミ 「パパ、どうぞ」
  マミ父「ありがとうマミ。食べるのがもったいないなあ」

  まどか「芳文さん、はい。バレンタインのチョコだよ」
  芳文 「ありがとう、まどか。すごく嬉しいよ」
  まどか「円華さんに作り方教えてもらったんだよ」
  芳文 「って事は手作りか。やばい。嬉しすぎて気絶しそう」
  まどか「もう、大げさだよー」

  円華 「ダーリン、はい。バレンタインのチョコ」
  博  「ありがとう。円華。しかしあれだな。いつも円華のくれるチョコは一際大きいな」
  円華 「私の愛が詰まってるもの」
  博  「そうか。ありがとう」
  円華 「うふふ……」
  博  (直径30センチ厚さ5センチって所か。これすぐ食わないとまずいよな。職場の女の子達からもらった義理チョコも円華見つかる前に処理しないとな……。見られたら嫉妬するしな)

  そんなこんなで、それぞれのバレンタインは終わりを告げたのだった。

  ――翌日。
  ――宇宙警察太陽系支部にて。

  博  「」
  ジョージ 「サンバード。また奥さんと子作りしてきたのか」
  博  「……ああ」
  ジョージ「また一晩で12Rもしたのか?」
  博  「……18Rだ」
  ジョージ「」

  博  「……」
  ジョージ「……その内本当に死ぬぞ。何故そんなになるまでするんだ」
  博  「13R目できつくなってきてな。後ろの方を責めたんだ」
  ジョージ「後ろ?」
  博  「ああ。嫁はそっちの方が感じるらしいんだ。だがそれが間違いだった。そっちに出したら赤ちゃん出来ないじゃない。本当は私との赤ちゃんいらないのねって泣かれた……」
  ジョージ「」

  博  「その後、なんとか宥めたんだが、無駄打ちした分取り戻すんだってそのまま18Rまでした訳だ……」
  ジョージ「」
  博  「嫁の事は愛してるけどな、ほぼ毎日12R以上するのはきつい……。肉体的に……」
  ジョージ「」
  博  「俺ももう年なんだろうな……」
  ジョージ(……年とかそう言う問題じゃあるまい)

  博  「……ああ、そろそろ新人共の訓練の時間だな」
  ジョージ「サンバード。今日はもう休め。今丁度こちらにルナティックセイバーが来てるから、新人の訓練は彼に頼もう」
  博  「ああ。社の奴が来てるのか。じゃあ安心だな。あとは社に任せよう……」
  ジョージ「サンバード?」
  博  「」
  ジョージ「サンバード!! しっかりしろサンバード!! 救護班!! 救護班はまだか!! サンバード!! しっかりするんだ!!」
  博  (じいさん、久しぶりだな。え? この前も会ったって? そんな細かい事どうでもいいじゃないか。せっかく会えたんだから)
  ジョージ「サンバードぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

  ――巴家にて。

  パパ 「マミ、もうあきらめたらどうだい? パパはも限界だよ……」
  マミ 「駄目なの!! 鹿目さんにもらったバレンタインチョコ、カカオ豆から作った本当の手作りなのよ!!」
  パパ 「個人でチョコを豆から作るのは難しいんだから、もうあきらめた方が」
  マミ 「駄目!! お菓子作りで負けたらみんな私に頼ってくれなくなるもん!! そんなの嫌!!」
  パパ 「マミ……」
  マミ 「美樹さんも佐倉さんも暁美さんも鹿目さんが青樹のおばさまに教えてもらって作ったチョコの方を喜んでたもん!! 打倒青樹円華!! 私絶対負けないんだから!!」
  パパ 「ママ、助けてくれ……」
  ママ 「マミの気が済むまで付き合ってあげて。パパがんばって」
  パパ 「もうチョコは食べたくない……」

                                                                                          おしまい



912 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:07:19.37 2DlFHXyVo 509/573

  ――2011年12月24日 PM1:00 鹿目家リビングにて。

 「タツヤ、お星さま付いた?」
 「ついたー」

  まどかが抱き上げていたタツヤを床に降ろして、優しい声で幼い弟に言う。
 「クリスマスツリーの飾りつけ、上手に出来たね」
 「うぇひひひ」
  嬉しそうに笑う弟の頭を撫でてやるまどか。
  そんな姉弟の微笑ましい光景を微笑ましく見守る鹿目夫妻。

 「まどか、そろそろ家出なくていいのか?」
  母親にそう声をかけられて、まどかは壁掛け時計の時間を見て慌てる。
 「えっ!? もうこんな時間なの!?」
 「前から芳文君と約束してるんだろ? 早く行きな」
 「う、うん。それじゃ行ってくるね」
 「暗くなる前に芳文君と一緒に帰ってくるんだよ」
 「はーい。それじゃいってきまーす」

  まどかは両親にそう言うと、コートを羽織りマフラーを巻いてから、ぱたぱたと音を立てながらリビングを出て行った。

 「ねーちゃおでかけするの?」
 「にーちゃとデートだってさ。夜のパーティーまでには帰ってくるよ」
  そう言って、詢子はタツヤの頭を撫でてやる。
 「ぱーてぃー。きゅーべーぱーてぃーだってー」
 「ミー」
  ホットカーペットの上で丸くなっているキュゥべえに嬉しそうに話しかけるタツヤ。
 「久々の休みだし、パーティーまでママと遊ぶか?」
 「うんっ」
  パーティーの為の料理を用意している夫のジャマにならぬよう、詢子は幼い息子の相手をしてやるのだった。

          ひだまり☆まどっち ~まどかのクリスマス~ 

  見滝原駅前の噴水の前で、芳文が缶のホットココアを飲みながら待っていると、まどかがぱたぱたと駆け寄ってきた。
 「芳文さん、お待たせーっ。ごめんなさい、待たせちゃったかな?」
 「そんなに待ってないから大丈夫だよ。それにまだ約束の時間の5分前だし」
  そう言って芳文は、噴水の側に建てられた街灯に据え付けられている時計に、視線をちらっと向ける。

 「ほんとだ。遅れちゃったかと思ってたよ」
 「慌てなくても俺はどこにもいかないよ。ちゃんとまどかが来るまで待ってるから」
 「ありがとう。芳文さん」
 「礼を言われるような事じゃないさ。それに待ってる時間ってのも結構楽しいんだから」
 「そうなの?」
 「ああ。今日はどんな格好で来るのかなって想像したり、これからどこに行こうか、とか考えてるから」
 「そうなんだ……」

  そう言って息を整えているまどかに芳文は飲みかけのココアを差し出す。
 「走ってきて喉渇いたろ。まだ8分目くらい残ってるから良かったら飲む?」
 「いいの? ありがとう芳文さん」
  まどかはそう言ってココアを受け取ると缶に口を付ける。
  まどかが口に含んだココアを飲み込んで、一息付いた所で芳文がまどかに話しかける。

 「そのコート、かわいいね。良く似合ってるよ」
 「あ、ありがとう……。この前、イオンに行った時に買ってもらった物なんだよ」
 「ああ、あの時のか」
 「うん。ところで芳文さんはいつもわたしより先に来て待っててくれるよね」
 「女の子を待たせるような奴は男じゃないって仕込まれてるから」
 「円華さんに?」
 「違うよ。ほら、夏休みに会った社のおじさんって覚えてる?」
 「うん」

913 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:07:57.20 2DlFHXyVo 510/573


 「8才の夏休みだったかな。俺、社のおじさんに剣道とかケンカの仕方とか教わったんだ」
 「そうなの?」
 「ああ。そん時に男の生き様みたいな物も教わったんだ」
 「そうなんだ……」
 「ああ。例えば男が泣いていいのは女の子にフラれた時と財布を落とした時だけだとか」
 「……え?」
 「社5つの誓いって言うんだ。ひとつ、男が泣いていいのは女の子にフラれた時とサイフを落とした時だけ!! ひとつ、女の子との約束は死んでも守れ!! ひとつ、女の子に対しては常に紳士であれ!!」
 「ひとつ、好きな子には常に全力で想いを伝える事!! ひとつ、絶対に好きな子を泣かせるな!! ってね」
 「あ、あははは……。女の子に対する事ばっかりだね……」
  まどかが大きな汗をかきながらそう答えると、芳文は苦笑いしながらまどかの言葉に返答する。

 「父さんに聞いたんだけど、昔っからあの人は強くて優しいんだけど女にモテなかったらしいからな。こんな誓いを作ってしまうほどに」
  芳文がそう答えたその時、芳文の頭の上にいきなり手が載せられて背後から声がかけられた。
 「モテなくて悪かったな」
  芳文がギギギ、と壊れたロボットのように背後に振り向くと、そこにはかつての世界での芳文の義父にして、博の親友の社がいた。
 「げっ!? おじさんなんで!?」
 「出張の帰り道だ。おまえの姿を見かけたから声をかけようとしたら……」
 「べ、別に悪口言ってたわけじゃ……」
  慌てて取り繕おうとする芳文に、社は真剣な表情でじっと芳文の目を見ながら口を開いた。

 「芳文」
 「は、はい」
 「男なら、姑息な真似をするんじゃない。堂々と胸を張れ。俺はそう教えたはずだよな?」
 「……はい」
  しゅんとなって俯く芳文。
 「わかればいいんだ」
  そう言って、優しい顔で芳文の頭を一度くしゃっと撫でてやるとまどかの方に向き直る。
 「君は確か、芳文の彼女の……」
 「鹿目まどかです。こんにちは」
  まどかが慌ててお辞儀をすると、社は優しく微笑んでまどかに声をかける。
 「礼儀正しいお嬢さんだ。芳文にはもったいないな」
  そう言って芳文をちらっと見て言葉を続ける。

 「ふむ。将来は美人になりそうだし、磨けば光るダイヤの原石って所だな。女の子を見る目はあったようだな、芳文よ」
 「~~っ!?」
  社の言葉にまどかが真っ赤になって俯く。
 「……おじさん、まどかを口説かないで欲しいんだけど」
 「何を言う。かわいい子に出会ったら、まず誉めろ。そう教えただろう」
  しれっと芳文にそう返す社。
 「親子ほど年の離れた女の子にもかよ!!」
 「男は基本、若い子が好きだからな。もう少しこの子の年齢が上なら俺と愛人契約しないか持ちかけるんだが」
 「おい、おっさん!!」
 「冗談だ」
 「真顔で言うなっ!! あんたが言うと冗談に聞こえない!!」

 「何をそんなにムキになっているんだ。カルシウムが足りないんじゃないか? 後で円華ちゃんに煮干しと牛乳を摂らせるように電話しておこう」
 「母さんの料理はいつも栄養考えて作られてるからいらんっ!!」
 「なんだ。まだママゴンなのか」
 「ママゴン?」
  まどかが効きなれない単語に小首を傾げる。
 「芳文が小さい頃、陽だまり荘に住んでたからこいつが赤ん坊の頃から知ってるんだよ。いつもママ、ママって母親にべったりでね。母親がちょっと離れただけでもまるで怪獣みたいにぎゃんぎゃん泣きわめくんだ」
 「だからママゴン、ですか?」
 「そういう事」
 「小さなガキの頃の話だろ!!」
 「博の奴に相談された事もあるぞ。母親と一緒に風呂に入るのをそろそろやめさせたいんだが、この年齢ならまだ普通なのかって」
 「それ以上言うんじゃねえ!!」
  芳文が口を塞ごうとすると、社は最小限の動きで飛びかかってきた芳文を躱して頭を押さえつける。
 「目上に対する口の利き方がなっていないな」


914 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:10:38.33 2DlFHXyVo 511/573

 「あんたが余計な事言うからだろうが!!」
 「やれやれ。つまらない事で激情するのは相変わらずだな。もう少しクールになれ」
 「人を怒らせたあんたが言うか!!」
 「さてと、仕返しも済んだしそろそろ勘弁してやるか」
  そう言って社は芳文の頭から手を離す。
 「さっきの俺の言葉根に持ってたのかよ!!」
 「そんなわけあるか。一々ガキの戯言なんぞに腹立てる訳ないだろう」
  しれっとそう返す社。

 「ぐ、ぐぬぬぬ……」
  良いようにあしらわれた悔しさに歯噛みする芳文。
 (す、すごい。あの芳文さんがきりきり舞いさせられてる……)
  前の世界で一度、この世界で一度しか会った事のない社と言う人物にまどかは驚愕する。

 「おっと、まどかちゃんすまなかったね。これから芳文とデートなのにジャマしちゃって」
 「い、いえ……そんな事は」
 「……そう思うなら、さっさと帰りゃいいのに」
  不機嫌そうに言う芳文の頭をくしゃっと撫でて社が言う。
 「つまらない事ですねるな。愛弟子よ」
 「別に拗ねてねえよ」
 「そうだ。コンドーム買ってやろうか? クリスマスに女の子とデートするなら必需品だろう? 中学生の小遣いじゃ高いしな。おじさんからのクリスマスプレゼントだ」
 「いらねえよ!! あんた俺の事なんだと思ってるんだよ!! 俺とまどかにはまだ早すぎんだろ!!」
 「それもそうだな」
  しれっとそう言う社に芳文が心底疲れたため息をひとつ付くと、まどかが芳文の袖を引いて尋ねる。

 「芳文さん、コンドームって何?」

 『……』
  まどかのその言葉に芳文と社の二人が黙り込む。
 「芳文」
 「何?」
 「ちょっと冗談が過ぎたようだ。すまなかった」
 「うん。もういいよ。おじさん」

 「え? え?」
  まどかだけが訳が分からず芳文と社を交互に見ながら困惑するのだった……。

          ☆

 「……さてと、そろそろ時間だから俺は行く」
 「ああ。餅つきは来るんだろ?」
 「ああ、嫁と娘も連れて行く予定だ。その時にまた稽古をつけてやる。どのくらい腕を上げたか見てやろう」
 「俺も以前とは違う。驚くなよ」
 「そいつは楽しみだ。じゃあまたな。まどかちゃん、芳文の事よろしく頼むよ」
 「はい。勿論です」
  まどかの返事に微笑んで、社は背を向けて人差し指と中指を立てた右手をぴっと振って去っていった。

 「はあ、やれやれ。とんだジャマが入ってしまったな。ごめんな、まどか」
 「ううん。芳文さんの事で知らなかった事がわかったから。気にしないで」
 「そう言ってくれると助かるよ。それじゃ行こうか」
 「うんっ」
  まどかが芳文の腕に自分の腕を絡める。芳文は少し驚いた顔をしたが、すぐに優しい顔でまどかに微笑むと二人仲良く歩き出す。

 「まどかってさ、結構積極的だよな」
 「えっ? そうかなあ?」

915 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:12:10.94 2DlFHXyVo 512/573


  クリスマスの喧騒に満ちた街並みの中を歩きながら、芳文はまどかに話しかける。
 「ああ。初めて会った時の印象と全然違うって言うかさ」
 「……」
  芳文の初めて会ったと言う言葉に、まどかは前の世界での出会いを思い出して口をつぐむ。
 「今だから言うけど、あの時初めて会ったまどかに結構電波っぽい事言っちゃったな、て思ってるんだ」
 「……」
 「初めて会った筈の泣いてる女の子相手にどこかで会った事がある気がする、とかさ。よくよく考えたら引かれそうなもんだよな」
 「……」
 「そんな事があった次の日に登校時にまどかにまた出会って、その時にさやかちゃんと志筑さんに出会って……」
 「……」

 「転入したクラスの同級生に巴さんと、ついでに幼馴染の天瀬がいて、巴さんはまどかの部活の部長で……」
 「……」
 「この辺の地理に疎い俺をまどかが案内してくれるって話が出て、放課後に杏子ちゃんも加えて案内してくれたよな」
 「……」
 「それから部活の帰りにまどかと一緒になったり、まどかが差し入れ持ってきてくれたり、色々あったよな」
 「……うん」

 「あの時さ、もしかして俺、この子に好かれてるのかなって思ってたんだ」
 「……うん」
 「覚えてる? まどかが俺に告白してくれた日の事」
 「……忘れる訳ないよ」
 「今でも鮮明に覚えてるよ。初めて会った時からずっと気になってた女の子に告白されて、すごく嬉しかったから」
 「……」 
 「初めて出会った時には、今こうしてまどかと恋人同士になって二人で腕組んで歩くなんて想像も出来なかった」
 「……」

 「ありがとう。まどか。俺の事好きになってくれて」
 「……芳文さん」
 「今日は目一杯二人で楽しもうな」
 「うんっ」
  芳文の笑顔にまどかはとても幸せそうな笑顔で答える。
  二人は暗くなるまでクリスマスの街を遊んで回ったのだった。

          ☆

 「ただいまー」
 「お邪魔します」
  デートを終えたまどかと芳文が鹿目家に帰ってくると、玄関に円華と博の履物が置かれていた。
 「二人ともおかえり」
  丁度廊下にいた知久が、帰ってきたまどか達にそう声をかけると、詢子がリビングから二人を呼ぶ。
 「ほら二人ともさっさとこっち来な。あんた達が帰ってくるの待ってたんだからな」
  早くパーティーを初めて酒を飲みたい詢子が二人を急かす。
  まどかと芳文はお互いの顔を見合わせて笑うとリビングに向かうのだった。


916 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:12:42.22 2DlFHXyVo 513/573

          ☆

 「君ーが笑ってくれるならー僕は悪にでもなるー♪」
  ttp://www.youtube.com/watch?v=Futv749kejQ&feature=related
  円華が中島みゆきの空と君のあいだにを歌い終えると、詢子と知久がパチパチと手を叩く。
 「円華さん、歌上手いね。思わず聞き惚れちゃったよ」
  詢子が円華の歌を褒めると、円華は恥ずかしそうに答える。
 「いえそんな……。詢子さんの歌には叶いませんよ」
  母親同士の会話を聞きながら、知久が博にビールを注いでやる。
 「すみません」
 「いえいえ」
  パーティーを開始して一時間後。博が同僚から借りてきたカラオケセットで、両親達は盛り上がっていた。

 「はい、芳文さん」
  知久の用意したオードブルをまどかが皿に盛り付けて芳文に手渡す。
 「ありがとう、まどか」
 「芳文さん、こっちのチキンは食べないの?」
 「ああ、それはいいや」
 「円華さんが用意してくれたチキンすごく美味しいのに」
 (……そりゃ、今朝まで生きてたからな)

  美味しそうにチキンを食べるまどかを見ながら、芳文は今朝の出来事を回想する。

 『母さん、この鶏どうしたんだよ』
 『知り合いに頼んで調達してきたのよ』
 『こいつ、生きてるんだけど』
 『そうね』
 『まさか、これを調理するつもりか?』
 『覚えておきなさい。命を頂くって、こういう事よ』

  ――コケエェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!

 (思い出したら気分が悪くなってきた……)

  気を紛らわそうと周囲を見ると、キュゥべえとエイミーが仲良くじゃれあってて、タツヤは博にもらったおみやげのグレートサンバードのおもちゃで遊んでいた。
  ちなみにこれは宇宙人の子供向けに大量生産されたおもちゃである。パトカーのミニカーが当たり前のように出回ってるのと同じで、サンバードの装備は玩具化されて当たり前のように宇宙中に流通している。
  本人と宇宙警察の監修が入った製品の試供品を博はタツヤにプレゼントしたのだった。

 「二人とも、そんな所で食ってばっかいないでこっち来て何か歌えー」
  酒に酔った詢子がマイク片手に二人を呼ぶ。
 「俺、歌下手だから……」
  芳文はそう言って歌うのを断ろうとするが、せっかくみんな盛り上がってるのを盛り下げるのもどうかと思い直して、マイクと曲目集を受け取る。
 「最初に言っておきます。俺は歌が下手なので、それなりに聞ける歌を歌います!!」
  そう宣言して、芳文はリモコンを操作する。
 「……行くぜ。曲名はSATSUGAI!!」
  ttp://www.youtube.com/watch?v=tGiK4SCya0M&feature=related

 「俺は地獄のテロリスト 昨日母さん犯したぜ 明日は父さん掘ってやる」

 『』

  まどかと両親達全員が絶句する。

 「俺にゃ父さん母さんいねえ それは俺が殺したから」

 『』

 「殺せ殺せ親など殺せ!!」

  芳文の熱唱が続く。

 「SATSUGAI SATSUGAIせよ!!」

  やがて演奏が終わると、芳文はやりきった男の顔で満足げに聴衆の顔を見る。

 「……」
  博がゆらりと立ち上がって、芳文を力強く抱きしめる。
 「……」
  円華がゆらりと立ち上がって、芳文の顔を掴む。

 『俺(私)達の子育てが疑われる様な歌を歌うんじゃないッ!!』

 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  ジーグブリーカーとシャイニングフィンガーで躾をされる芳文を見ながら、タツヤが笑顔で歌う。
 「ころせころせーおやなどころせー」
 「タツヤ!! そんな歌歌っちゃだめ!!」
  まどかが慌ててタツヤの口を塞ぐ。
 「……ぷ。あっはははははははは」
  詢子が愉快そうに笑い、知久も少し困った顔で笑うのだった。


917 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:14:22.74 2DlFHXyVo 514/573

          ☆

  タツヤと飼い猫2匹が眠ってしまい、両親達がすっかり出来上がった頃。まどかと芳文は二人でこっそりとリビングを抜け出して庭に出る。
 「やれやれ。みんな飲みすぎだって。なあ、まどか」
 「うん。でもママ達も円華さん達もすごく楽しそうだし」
 「……そうだな。昼間も言ったけど、まどかとこんな風にクリスマスを過ごせるなんて思いもしなかったよ」
 「……そうだね」
  芳文の言葉にまどかは前の世界での事を思い出す。芳文と二人で旅をしていた時はクリスマスどころじゃなかった事を。

 『……クリスマス、か』
 『……みんな幸せそうだね』
 『……いつか、みんなで笑いあいながらパーティーが出来るようにしてみせるから』
 『……うん』
 『この結界の魔女を倒したら、ケーキくらい買って食べようか』
 『……うん』
 『行こう、まどか』

 「……まどか?」
  芳文の声で我に返り、まどかは慌てて返事をする。
 「あ……。ごめんなさい、ちょっと考え事してて。……わたしもこんな風に過ごせるなんて思いもしなかったよ」
 「そうだな。あの時、部活帰りの公園でまどかにお嫁さんにしてくださいって告白されてなかったら今、こうしてなかったもんな」
 「あう……。恥ずかしいからあの時の事は言わないで欲しいな……」
 「ごめん。でもさ、あの時は本当に嬉しかったんだ。ずっと気になってた女の子に告白されたんだから」
 「あうう……」
  恥ずかしさのあまり、真っ赤になって俯いてしまうまどかに芳文は優しい顔で言葉を紡ぐ。
 「実はさ、あの時俺もまどかに告白しようと思ってたんだ」
 「……え?」
  芳文の言葉にまどかが顔を上げる。
 「結局、俺が口にするより早くまどかが勇気を振り絞ってくれたんだけどな」
  芳文がそう言って笑うと、まどかは前の世界で芳文に告白された時の事を思い出す。

 『俺は君の事が誰よりも好きだから』

  まどかは胸元に持ってきていた左手をきゅっと握ると、芳文の顔を見つめながら口を開いた。

 「……聞きたいな。芳文さんの告白」
  そう言って、じっと芳文の顔を見つめる。
 「……」
  芳文はまどかに近づいて優しく抱きしめると、まどかの両肩に手を置いてまどかの目を見つめながら口を開いた。

 「俺は君の事が誰よりも好きだ。初めて会った時からずっと。だからこれからも、ずっと俺の側にいて欲しい」
 「……はい」
  まどかは芳文の体に両手を回して抱きしめる。
  芳文もまた、まどかの小さな体を優しく抱きしめて、お互いの体温と胸の鼓動を確かめ合う。
 「……好きだ」
 「……わたしも大好き」
  お互いの気持ちを言葉にして、抱き合っていると二人はお互いの頬に冷たい感触を感じて視線を空に向ける。

 「……あ」
 「……ホワイトクリスマス、か」

  そう言って芳文が微笑むと、まどかもまた幸せそうに微笑む。
 「あ、そうだ」
  芳文はまどかを抱きしめたまま、スボンのポケットに右手を突っ込むと何かを取り出す。
 「芳文さん?」
 「じっとしてて」
  芳文はまどかの体に回していた左手をまどかの首元に持っていくと、右手に持っている物を半分左手に持ってまどかの喉元に当てて、そのまま首筋で持っていた物を固定する。
 「メリークリスマス。まどか」
  そう言って微笑む芳文からまどかが視線を自分の喉元に向けると、芳文の作った銀細工のペンダントが家から漏れる光に照らされて銀色に輝いていた。

 「ありがとう。芳文さん」
 「どういたしまして」
  ペンダントを愛しげに右手で握って礼を言うまどかに芳文は微笑みながら応える。

 「そろそろ家の中に戻ろうか。冷えてきたし風邪を引くといけない」
 「そうだね。わたしも芳文さんにプレゼントがあるんだ」
 「それは楽しみだ」
 「うんっ。いこっ芳文さん」
 「ああ」

  まどかと芳文はお互いの手を握り合いながら、暖かい家の中へと戻っていく。
  聖夜に降った雪は、いつまでもつまでも降り続けるのだった……。

                                                                                          おしまい



918 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/03/05 02:17:52.03 2DlFHXyVo 515/573

 杏子「クリスマス後編おしまい」
 杏子「芳文のイラスト上手いな。あの馬鹿にそっくりだ」
 杏子「残すところは円華おばさんの過去話だけだな。もしかしたらホワイトデーとかあるかも」
 杏子「それじゃまたなー」ノシ

928 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/04/23 00:12:26.38 F9a79dQbo 516/573

  ――2月初旬。鹿目家の洗面所にて。

  詢子 「最近どうよ?」
  まどか「今の所は上手く行ってるみたいだよ」

  ――見滝原中学まどか達のクラスにて。

  早乙女「カレーは甘口ですか!? 辛口ですか!?」
  まどか(先生、また上手く行かなかったんだ……)
  早乙女「はい、鹿目さん!! どっちですか!?」
  まどか「ええっ!? わたし!?」

  さやか「まどか、がんば」
  まどか「え、えと、どっちも違うと思います」
  早乙女「……え?」
  まどか「その、やっぱり好きな人の為に作ってあげるなら、わたしの好きな方じゃなくて、彼が喜んでくれる方を作りたいなって」
  早乙女「……」

  さやか「なんてかわいい事言うんだろう、この子ってば。こんな子を将来嫁に出来る先輩は幸せ者だね!!」
  まどか「さ、さやかちゃん、みんなの前でからかわないで……」

  男子A(鹿目ってあんなかわいかったっけ)
  男子B(うっうう……鹿目さん……)
  男子C(鹿目さんの彼氏が羨ましい……)
  ABC(おのれ!! 青樹芳文!! 爆発しろ!!)

  ――数時間後。芳文とマミのクラスにて。

  早乙女「カレーは甘口ですか!? 辛口ですか!?」
  芳文 (俺はどっちかって言うと甘口がいいな)
  早乙女「はい!! 社君!! あなたはどっちですか!?」
  芳文 「先生。そんなの、好きな相手が作ってくれた物なら、どっちでも最高のごちそうですよ」
  早乙女「……」
  芳文 「好きな子が自分の為に愛情込めて作ってくれるんですよ。例え三ッ星レストランの一流シェフが作った料理が相手でも、好きな子の作ってくれた物の方が一番ですよ」
  早乙女「……」
  芳文 「大体、好きな相手が作ってくれる物に文句を言うなんて、男として有り得ない。逆に自分の好みを一方的に押し付けるのも有り得ない」
  早乙女「……」

  芳文 「本当に好きな相手なら、相手の良い所も悪い所も全部ひっくるめて受け入れられるもんですよ。そんなくだらない事で喧嘩別れするって言うなら最初からその程度って事ですよ」
  早乙女「……」涙目
  マミ (うわあ……)
  天瀬 (おいおい……)
  芳文 「まあもっとも、まどかには悪い所なんてないけど。性格も容姿も全部ひっくるめてすべてが俺好みで俺の理想その物。そう考えると俺は実にいい彼女に恵まれたな」
  早乙女「……」
  マミ 「……」
  天瀬 「……」

  芳文 「一昨日なんて調理実習で作ったケーキを持ってきてくれて、上目遣いで『ど、どうかな?』なんて味の感想を尋ねてくるし!! 思わず萌え転がりそうになっちゃいましたよっと……」
  芳文 「いかんいかん。おもわずみんなの前で惚気話をしてしまった。話戻しますけど先生、そんなくだらない男ならゴミのように捨ててやればいいんですよ。もっといい男は他にごろごろしてますから」
  早乙女「……」
  芳文 「ただ、先生の年齢考えたらいい加減ある程度の妥協はした方が良いかもしれませんね。先生はうちの母さんやまどかのお母さんと同い年ですし」
  早乙女「……」プルプル・・・・・・
  芳文 「って余計なお世話でしたね。すみません。いつか先生にも白馬の王子様が現れるといいですね。人類の約半分は男ですし。きっと先生にもいい出会いがありますよ!!」
  早乙女「……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」ダッ
  芳文 「ああっ!? 早乙女先生!! 授業まだ終わってませんよ!! 早乙女先生カムバーック!!」

  芳文 「……いったいどうしたって言うんだろう。早乙女先生。アノ日辺りで情緒不安定なんだろうか」
  芳文 「なあみんな。早乙女先生いったいどうしたんだろうな?」首傾げ

  みんな「おまえ(あなた)のせい(でしょ)だろ!!」
  芳文 「えっ?」首傾げ 
  みんな「そこで不思議そうに首を傾げるな!!」

  ――その日の夜。とあるバーにて。

  早乙女「リア充なんてみんな別れてしまえばいいのよ!!」
  詢子 「和子、飲み過ぎだって」
  早乙女「マスターおかわり!!」
  詢子 (いったい、何があったって言うんだ?)

                                                                                          おしまい



929 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/04/23 00:16:49.25 F9a79dQbo 517/573

 杏子「保守の為の小ネタおしまい」
 杏子「マギカ・ブレードの絵かっこいいな。イメージとしてはそんな感じだよ。マギカ・シグヴァンを撃つ時は柄尻の花が開いて魔力の炎が噴き出すんだ」
 杏子「ちなみにこのSSのまどかの弓は変形ギミックがない。ハノカゲ版や初期イメージイラストの弓と同型だよ」

 杏子「円華おばさんの話は容量が大きいので、新スレ立ててやるってさ」
 杏子「このスレの残りはひだまりまどっちとかそう言うので埋めるって。それじゃまたなー」ノシ

934 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/15 00:58:44.00 J7TeY+hho 518/573

          魔法少女は変身すると背が伸びるの巻

  ――前の世界の夏休み。いつもの橋の下での戦闘訓練後の出来事。

  芳文 「今日はこのくらいにしておこうか」
  さやか「あーっ、疲れたー」変身解除
  まどか「わたしもも疲れたよー」変身解除

  芳文 「……」ジー

  まどか「芳文さん? わたし達の顔に何かついてる?」
  芳文 「いや、まどかと付き合うようになってから気付いたんだけどさ。まどかって変身すると背が伸びるんだなって」
  まどか「えっ? 本当に?」
  芳文 「ああ。さっきの訓練の時に気づいたんだ。変身すると背が伸びてる」
  まどか「そうなんだ……。気付かなかったよ」
  芳文 「さやかちゃんも背が伸びてるみたいだし。魔法少女は変身するとみんな背が伸びるのかな」
  さやか「そんな事言われても。あたしも言われるまで気付かなかったし……」

  芳文 「あと前から思ってたんだけど、変身する時にみんな裸になってるっぼいけど寒くない?」
  まどさや『芳文さん(先輩)のエッチ(スケベ)!!』
  芳文 「誤解だ!! それに体が光ってるから肝心な所は見えてないし!!」
  まどさや『……』ジー
  芳文 「……ごめん」

  マミ 「みんなお疲れ様」スタスタ
  杏子 「飲み物買ってきたぞー」
  さやか「やった。もうのどカラカラだったんだ。まどか、先輩なんてほっといて行こ」
  まどか「う、うん」
  芳文 「まどかー」半泣き
  まどか「……芳文さん。行こ」天使の微笑み
  芳文 「……ああ!!」

  ――みんなで日陰に座って休憩。

  さやか「マミさん、杏子。あたし達って変身すると背が伸びるって知ってた?」
  マミ 「そうなの?」
  杏子 「いや、知らねー」
  さやか「さっき先輩が気付いたんだよ。大方まどかと付き合い始めていちゃいちゃくっついてる事が多くなったから、気付いたんだろうけどね」
  まどか「さやかちゃーん、からかわないでよー」テレテレ
  芳文 「……ん? 変身して背が伸びるって事は……」マミの胸元に視線
  まどか「……芳文さん。いったいどこ見てるの」プクー
  芳文 「げ!? 誤解だから!! 背が伸びるって事は体重も増えるのかなって思っただけだから!!」

  マミ 「……社君。次は私の相手をしてもらおうかしら」立ち上がって変身
  芳文 「巴さん、なんで銃持ってるのかな?」冷や汗ダラダラ
  マミ 「本気でやった方が訓練になると思わない?」ニッコリ
  芳文 (ヤバイ。目が笑ってない。本気で俺を殺りに来てる目だ!!)
  マミ 「さあ、始めましょうか。いいダイエットになりそうね」ニッコリ

  芳文 「巴さん!! 巴さんは太ってなんかないから!!」
  マミ 「え?」
  芳文 「抱きしめたら折れそうな細い腰だし!! そんな均整の取れた抜群のプロポーションしてるのに、太ってるなんて思う訳ないじゃないか!!」
  マミ 「ちょ、やめてよ」アセアセ
  芳文 「おまえみたいな中学生がいてたまるか!! みたいな豊満なバストとかも変身するともっと大きくなってるのかなってちょっとだけ思ったけど。決して君の事をバカにしてなんかない!!」
  マミ 「……」ゴゴゴゴゴゴ……
  まどか「芳文さん」ゴゴゴゴゴゴ……
  芳文 「え? まどかまでなんで変身して弓持ってるんだ?」
  まどか「わたしとマミさんの訓練に付き合ってほしいな」
  芳文 「ちょ」
  マミ 「射撃型魔法少女コンビの訓練ね、鹿目さん。いくわよ」ジャキッ
  まどか「はい、マミさん」ジャキッ
  芳文 「ちよっ待っ……」

  ――どかーんっ!!

  ほむら「……我が子ながら馬鹿な子。いったい、誰に似たのかしら……」物陰から監視
  ほむら「……やっぱり、社さんの影響かしらね」社の事を思い出してため息

  ――その日の夜。ほむらのマンションにて。

  芳文 『おまえみたいな中学生がいてたまるか!! みたいな豊満なバストとかも変身するともっと大きくなってるのかなってちょっとだけ思ったけど。決して君の事をバカにしてなんかない!!』

  ほむら「……やっぱり変身しても背が伸びるだけ、か」ペタペタションボリ
  QB 「暁美ほむら。君は何故、変身した後わざわざ服を脱いで胸のサイズを測るなんて無駄な事をしているんだい?」
  ほむら「!?」
  QB 「ワルプルギスの夜の脅威も去った今、君には聞きたい事が。何故いきなり銃を向けるんだい?」
  ほむら「死になさい」
  QB 「僕はまだ死ぬわけにはいかないよ」スタコラサッサ
  ほむら「……世の中は理不尽だわ。一児の母である私より15の小娘の方が胸があるなんて……。ソウルジェムがなくて良かった」

                                                                                          おしまい



935 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/15 01:00:42.78 J7TeY+hho 519/573

 杏子「ほむ☆マギの書き溜めの入ってたUSBメモリが遊びに来てた甥っ子に折られたそうだ」
 杏子「近い内にスレ建てて書き直すってさ」

938 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:51:15.96 LEfdhjHmo 520/573

  まど神「突発的ネタシリーズ。博さんに全部打ち明けてたら編」

  ネオニトロ星人「ぐわははは!! 地球人共は皆殺しだぁ!!」
  マミ 「待ちなさい!!」
  杏子 「あたし達がいる限り!!」
  さやか「悪の栄える事はない!!」
  まどか「サンバードに代わって……おしおきだよ!!」

  指輪型の変身アイテムで変身!!

  マミ 「サンシャイン☆マギカ!!」 
  杏子 「クリムゾン☆マギカ!!」
  さやか「スプラッシュ☆マギカ!!」
  まどか「スターライト☆マギカ!!」
  全員 『勇者少女隊マギカ☆カルテット!! レディー・ゴー!! VSフィールド展開!!』
  周囲に被害を及ぼさないように戦闘用異空間を作り出す少女達。

  ネオニトロ星人「おのれこしゃくな!! 返り討ちにしてくれるわぁっ!!」目からビーム

  さやか「わあぁぁぁぁっ!!」
  杏子 「この野郎ーっ!!」
  ネオニトロ星人「ぐわははは!! その程度かあ!!」目からビーム
  マミ 「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
  まどか「マミさん!! 強い……このままじゃやられちゃうよ……」
  ネオニトロ星人「ぐわははは!! 死ねえ!!」目からビーム

  まどか(回避が間に合わない!!)
  ドカーン!!

  まどか「あ、あれ? 痛くない……」
  ?? 「諦めていけない。諦めたらそこで負けだ」まどかをお姫様抱っこしながら着地
  まどか「サン・セイバー様!!」
  ネオニトロ星人「おのれサン・セイバー!! またも我らの邪魔をするか!!」
  サン・セイバー「貴様ら悪をすべて滅ぼすまで、私は何度でも貴様等の悪事を阻み彼女達を守る壁となる!! 勇者特警サン・セイバー!! 正義の炎で悪を斬る!!」
  サン・セイバー「クリムゾン・マギカ!! スプラッシュ・マギカ!! 君達の力を私に!!」
  杏さや「はい!! サンセイバー様!! 受け止めて!! あたし達のマギ力(ぢから)!!」
  サン・セイバー「スプラッシュ・エッジ!! クリムゾン・ザンバー!! 受けよ秘剣!! 浄罪の旋律!!」二刀流による超神速の連撃

  ネオニトロ星人「ぐはあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  サン・セイバー「今だ!! サンシャイン・マギカ!! スターライト☆マギカ!!」
  マミまど『はい!!』
  マミ 「ボンバルダメント!!」
  まどか「シューティング・スター!!」

  ネオニトロ星人「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」大爆発

939 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:52:09.21 LEfdhjHmo 521/573

  まどか「やったあ!!」
  サン・セイバー「おのれえぇぇっ!! 握り潰してくれるわ!!」巨大化
  サン・セイバー「ぐうぅぅぅっ!!」
  まマ杏さ『サンセイバー様!!』
  サン・セイバー「ぐ……セイバー・ストラトス!!」
  蒼いスーパーカーが異次元空間から飛び出してきて体当たり。
  ネオニトロ星人「ぬうぅぅっ!?」

  サン・セイバー「融合合身!! セイバーン!!」
  スーパーカーが小型ロボになりサン・セイバーと融合。
  サン・セイバー「カイザービークル!!」
  スペースシップ後部に連結してるブースターが切り離されると同時に側面パネル展開。ドリルタンク、巨大クレーン車、潜水艦、巨大ブルドーザー、小型ジェット機が発進。
  サン・セイバー「奇跡合体!!」
  スペースシップがボディに変形、ドリルタンクが右腕、クレーンが左腕、潜水艦が右足、ブルドーザーが左足、セイバーンがボディ内部に収納、それを覆い隠すように小型ジェットが胸部に合体。

  サン・セイバー「スタートアップ!! ギャラクシーカイザー!!」
  合体を完了した戦闘巨神の胸部から照射された光に包まれ、まどか達がギャラクシーカイザーの胸部内の集合コクピットに収容される。
  サン・セイバー「行くぞ!! 皆、私に力を!!」
  みんな『はい!! サン・セイバー様!!』
  全員 『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』
  巨大ネオニトロ星人と組み合う物の、全員の想いの力が無限の出力を発揮する。簡単にネオニトロ星人の両拳を握り潰し、膝蹴りでどてっばらに大穴を開けるギャラクシーカイザー。
  ネオニトロ星人「ぐあぁぁぁぁぁっ!!」

  サン・セイバー「今だ!! スターライト!!」
  まどか「はい!! みんなの幸せを絶望に染めたりさせない!! 出でよ希望の光!! マギカ・ブレード!!」
  ギャラクシーカイザーの胸部から放たれた光が暗雲を引き裂いて、光り輝く黄金の大剣を降臨させる。
  まマ杏さ『ギャラクシー・シグヴァン!!』
  サンライズパースからの構えから、超光速低空飛行と共に必殺の一閃。
  サン・セイバー「はあぁぁぁぁぁっ!!」斬!!
  ネオニトロ星人「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  大爆発を背にマギカ・ブレードを振りまわした後、地面に突き立てるギャラクシーカイザー。爆発が完全に納まった後、まどか達を下ろしていずこかへと飛び去っていく。

  マミ 「みんな、お疲れ様」
  さやか「今日も勝てて良かったー」
  杏子 「被害もほとんど出なくて良かったな」
  まどか「うんっ。それにしてもサン・セイバー様っていったい誰なんだろうね?」
  マミ 「いつも私達がピンチの時に駆けつけてくれる正義のヒーロー。その正体は誰も知らないのよね」
  さやか「さやかちゃんの感だと素顔はきっと美形だと思うな。マスクの空いてる口元とかから見ると整った鼻筋してるし」
  杏子 「いつの間にそんな所観察したんだよ」
  さやか「この前危ない所をお姫様抱っこで助けてもらった時だよ」テレテレ

  杏子 「……何だよ。ちょっと前まで恭介恭介言ってたくせに」
  さやか「なによー。いつまでもうじうじ終わった恋を引きずったりするの、あたしのガラじゃないし」
  まどか「……もしかして、さやかちゃんサン・セイバー様の事好きになっちゃったの?」
  さやか「え!? あ、いや、その……いつも危ない時に助けに来てくれるし、恭介の事で自暴自棄になってたあたしを叱って抱きしめてくれたし……」
  杏子 (……恋する乙女の目してやがる)
  マミ (く……またライバルがひとり増えてしまったわ)
  まどか(そんなあ……。マミさんと杏子ちゃんだけじゃなくて、さやかちゃんまでなんて……)

940 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:53:01.19 LEfdhjHmo 522/573

  芳文 「あれ? みんなしてそんな所で何してるの?」
  まどか「あっ、報堂先輩」
  マミ 「芳君こそこんな時間にどうしたの?」
  芳文 「俺? 俺は本屋に行ってきた帰り」
  さやか「先輩の事だからエッチな本でも買いに行ってきたんでしょ」
  芳文 「すげえ!! さやかちゃんはエスパーだったのか!!」
  杏子 「図星かよ!!」

  マミ 「……芳君、あまりエッチなのはどうかと思うんだけどな」
  芳文 「何を言うんだ、マミ。男がエッチじゃないと人類は滅んでしまうだろう」
  マミ 「……はあ。小さい頃はあんなに素直で可愛かったのに。どうしてこんなになっちゃったのかしら」
  芳文 「酷い言われようだ。そっちこそ小さい頃はあんなにべったんこだったのに!?」
  マミ 「変な事言わないの」シャイニングフィンガー
  芳文 「あだだだだだだ!! 割れる割れる!!」
  マミ 「まったく、もう……」

  芳文 「畜生……いつから俺の幼馴染は家の母さんと同じ技で俺をいじめるようになっちまったんだろう……」
  まどか「あ、あの……大丈夫ですか?」
  芳文 「ああ、大丈夫だよ。まどかちゃんは優しいなあ。さすがこんな乱暴な子達と付き合っていけるだけの事はあるよ」
 
  さやか「誰が」さやパンチ
  杏子 「乱暴」抉るような肘
  マミ 「ですって?」円華直伝シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  まどか「あ、あははは……」引きつった愛想笑い

  それから。

  芳文 「それじゃみんなまた明日」
  マミ 「寄り道しないで帰るのよ」
  杏子 「マミさん、かーちゃんみたいだよ。またなー」
  さやか「バイバイ」
  まどか「さようなら」

  芳文 「……ふう。みんな怪我もしてなさそうだし、問題なしと。こちらサン・セイバー。任務完了」コールモード
  ジョージ「了解。ご苦労さん、サン・セイバー」
  芳文 「ご苦労さんじゃねえよ。あんたがあの子達と契約したせいで、俺がどれだけ苦労してると思ってるんだ」
  ジョージ「彼女達を助けるのが不服なのか? もしかして彼女達を嫌っているとか」
  芳文 「違う。なんでわざわざ俺みたいな勇者二世でもない、マミ達と契約したんだと咎めてるんだ」
  ジョージ「文句ならサンバードとルナティックセイバーに言ってくれ。彼らを見て彼女達は正義の味方に憧れたのだから」
  芳文 「あんたがあの子達をそそのかしたんだろうが」

  ジョージ「そんなに戦わせたくないなら、やめるように説得すればいい。こちらはお願いしてる立場だから彼女達に無理強いはしない」
  芳文 「チッ。マギ力(ぢから)をもっとも効率よく、強力に引き出せるのが思春期の少女だなんて、ふざけやがって」
  ジョージ「そんな事私に言われても困る」
  芳文 「……もういい。家に着いたから切るぞ」
  ジョージ「ああ。ゆっくり休んでくれ」

941 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:54:45.49 LEfdhjHmo 523/573

  芳文 「ただいま」
  円華 「おかえり、芳文」
  まどか「あ、芳君おかえりー」
  ほむら「やっと帰って来たわね。おかえり」
  マミ 「芳文君、疲れたでしょ」
  杏子 「毎日風見野から見滝原まで学校に通うなんてあんたも大変だよな」
  さやか「芳文君、学校生活はどう?」

  芳文 「まどか姉、ほむら母さん、マミ姉、杏子姉、さやか姉、こっちの世界に来てたの?」
  まどか「ウェヒヒヒ。わたし達の世界では久々の連休なんだよ」
  ほむら「それで博さんに誘われてこっちの世界に来たのよ」
  マミ 「たまには魔女も使い魔もいない世界でゆっくりしたいじゃない」
  杏子 「美味い物も食いたいしさ」
  さやか「そうそう。それにみんなかわいい芳君の顔を見たかったんだよ」
  芳文 「いい加減子ども扱いするのやめてくれよ」

  まどか「そうは言っても、わたし達にとってはほむらちゃんの愛息子だし。自分の子や親戚の子みたいな感じがするんだよ」
  ほむら「別世界の自分が産んだ子とは言え、あなたは私の血を引いてる可愛い息子だもの」
  マミ 「うふふ。久しぶりに抱っこしてあげましょうか?」
  杏子 「そしてそのまま喰っちまおうってか」
  マミ 「佐倉さん!! 貴女私を何だと思っているの!!」

  芳文 「……はあ」

  芳文 (ここにいるまどか姉、ほむら母さん、マミ姉、杏子姉、さやか姉は別の世界のまどかちゃん、母さん、マミ、杏子ちゃん、さやかちゃんだ)
  芳文 (何でも昔、インキュベーターとか言う悪徳異星人が魔女と呼ばれる化け物になる存在、魔法少女に言葉巧みに少女達を騙して仕立て上げてた世界があったらしい)
  芳文 (俺を産んだ母さんもその被害者で、別の世界のまどか姉を救おうと何度もタイムリープしてたらしい)
  芳文 (結局母さんは望みを果たせぬまま、まどか姉の魔法で記憶を失ってこの世界に飛ばされ、俺の父さんに拾われた)
  芳文 (その後、記憶喪失の母さんと父さんの間に愛が芽生え、俺が生まれた訳だ)

  芳文 (俺が3才の頃に記憶を取り戻した母さんは、俺と父さんを巻き込むまいと家を出て、一人でこの世界のまどかちゃんを救おうとしたらしい)
  芳文 (俺は寝てたから良く知らないが、父さんが無理矢理引き留めて抱きしめてやったら、母さんは耐えられなくなって全部父さんに話してしまったらしい)
  芳文 (この世界には魔法少女もインキュベーターも存在しないから、普通は笑い話なんだけど……)
  芳文 (実は父さんはこの世界を守る宇宙最強の勇者サンバードで、母さんを信じた)

  芳文 (結果、この世界に侵入していたインキュベーターは父さんと宇宙警察に駆逐され、父さんは母さんと一緒にインキュベーターがいた世界に飛んだ)
  芳文 (そこで父さんと母さんはまだ死んでしまう前のまどか姉達とこの世界に飛ばされる前の母さんを救ったわけだ)
  芳文 (俺が消えたりしないのは、過去に戻った時点で世界は分岐してしまう為、一度起こった出来事は決して覆らないからだそうだ)
  芳文 (その後、宇宙警察の科学力で普通の人間にもどったほむら母さん達は、今度は想いの力(マギ力)で戦う勇者少女隊となって、世界中に散らばってる魔女や使い魔を駆逐して回ってるらしい)
  芳文 (父さん直属の部下という事で、彼女達は俺が幼い頃からこっちのせかいにちょくちょく来ていた)
  芳文 (死んだばあちゃんが残したここ、陽だまり荘は彼女達や宇宙警察関係者が集まったり止まったりするのに最適な場所だったから)

942 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:56:43.75 LEfdhjHmo 524/573

  ほむら「芳文。どうかしたの?」
  芳文 「なんでもないよ、母さん。最初は母さんが二人もいて混乱したなって思ってさ」
  さやか「まあ確かにまったく同じ顔が二人もいればねえ」
  芳文 「母さん今いくつだっけ。確か今年24だっけ?」
  ほむら「そうよ」
  芳文 「母さんはまだ結婚しないの? 俺を産んだ方の母さんは18で結婚したのに」
  ほむら「……彼が忙しくてね」
  まどか「しょうがないよ。鎧吾(がいあ)君も忙しいもん」

  芳文 (鎧吾と言うのは勇者特警ガイアバロンこと春賀鎧吾だ。実は俺の父さんを倒す為に、別世界から赤ん坊の時にニトロ星人にさらわれてきた別世界の報堂博だ)
  芳文 (つまりほむら母さんと同じで俺にとっては別世界の父さんだ。昔父さんと激突したらしいが同じ素質を持ってても経験の差で父さんが勝った)
  芳文 (その後、超ロボット生命体のバロンとパートナーになり、巨大ロボガイアバロンの右腕になるガイアーに融合合身する勇者になった)
  芳文 (ちなみにバロンは左腕になる。普段は新幹線のぞみ号とひかり号に変形している。合体時は南海ラピートの化け物が頭部からつま先までを構成する。合体したガイアバロンはパワー&重火力型だ)

  芳文 「まどか姉達は? 良い人いないの?」
  まどか「それが意外と出会いがないんだよ……」
  さやか「宇宙警察所属の地球人ってすごく少ないしさ」
  杏子 「あたしはあんま興味ねーし」
  マミ 「どこかにいい人いないかしら……」
  まさマ『はあ……』

  芳文 (大変だな……)

  まどか「……こうなったら芳君に貰ってもらおうかな?」
  芳文 「おいおい……。姉ちゃん、からかわないでくれよ」
  マミ 「そうよ。芳文君の言うとうりよ鹿目さん。それにそんな事したら、こっちの世界のわたし達がかわいそうでしょ」
  芳文 「なんでさ!?」

  さやか「だってこっちのマミさんは芳君の幼馴染で、まどか達は妹分みたいなもんでしょ?」
  芳文 「まあ、そうだけどさ」
  杏子 「あいつらサン・セイバー様とか言ってあんたにメロメロじゃん。誰選ぶんだい?」
  芳文 「いやいやいや。あの子達が好きなのはサン・セイバーであって報堂芳文じゃないし。そもそも大人になったらどうなるか知ってる相手とくっつくとかありえないし」
 
  まどか「ひどい。芳君はわたし達の恋心を弄ぶんだね!!」
  芳文 「ちょ」
  さやか「むう。これはちょいとばかり教育が必要だね。杏子」
  杏子 「そうだな。その性根叩き直してやる」
  マミ 「そうね。乙女心のわからない男は嫌われるぞ」
  芳文 「母さん達見てないで助けてくれよ!!」

  円華 「私達の息子ってモテモテね、私」
  ほむら「そうね。やっぱりあの人の息子だからかしらね、私」

  芳文 「どうしてこうなるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

                                                                                            つづかない



943 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/17 00:58:37.75 LEfdhjHmo 525/573

 まど神「こんな世界もあるんだよ」
 まど神「ある意味ハーレム?」
 まど神「本編みたいに誰か一人と結ばれる世界もあるけどね……」

 まど神「……どうしたら芳君を私だけのものに出来るかな」虚ろな目

948 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/21 08:22:01.16 GCpuF68Do 526/573

 「これからも……の巻」

 まどか「みんなー!! おはよーっ!!」

 さやか「おはよーまどか」
 仁美 「おはようございます。まどかさん」
 杏子 「おはよ。朝っぱらから元気だね」
 マミ 「おはよう、鹿目さん」
 ほむら「おはよう」
 芳文 「おはよう。まどか」

 芳文 「みんな揃ったし、もうそろそろ用意しないとな」
 まどか「うんっ」

 携帯のワンセグ『3・2・1・ゼロ』

 金環日食用のサングラスで幻想的な光景を見るまどか達。

 さやか「わあ……」
 仁美 「きれいですね……」
 杏子 「ああ……」
 マミ 「本当。素敵な光景ね……」
 ほむら「本当に……。素敵……」

 まどか「……きれいだね、芳文さん」
 芳文 「……そうだな」
 まどか「……ありがとう。芳文さん」
 芳文 「……え?」
 まどか「一緒に金環日食見てくれて」
 芳文 「……どういたしまして」

 まどか(あなたがいてくれなかったら、きっとこんな日はこなかったから……)

 まどか(あなたに出会えたから。ずっと一緒にいてくれたから……。だからこうしてみんなと……あなたと一緒にいられる……)

 まどか(だから……ありがとう……)

 芳文 「そう言えばテレビで言ってたんだけどさ。今度の金環日食は29年後なんだってさ」
 まどか「そうなんだ」
 芳文 「29年後も一緒に金環日食を見ような、まどか」

 まどか「……うんっ」

                                                                            おしまい





949 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/21 08:26:55.61 GCpuF68Do 527/573

 まど神「寝起きの突発はミス多いね……」
 まど神「どうでもいいけど1の地域は曇ってて見えなかったよ」

 まど神「ところでさ。どんな手を使ったら芳君をモノに出来るかな……」
 まど神「やっぱ既成事実を作るしか……」虚ろな目

954 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/28 00:23:56.67 0QI9tojko 528/573

          やきもちまどかの巻

  ――3月上旬。青樹家玄関にて。

  まどか「こんにちは、円華さん」
  円華 「まどかちゃん。いらっしゃい」
  まどか「もしかしておでかけですか?」
  円華 「ちょっと実家の方に用事があってね。芳文なら居間でコタツに入ってるから」
  まどか「わかりました」
  円華 「すぐに帰ってくるつもりだけど、もし芳文にいたずらされそうになったら、コタツの上のリンゴと一緒に置いてある果物ナイフで刺してもいいからね」
  まどか「あ、あはは……。芳文さんああ見えて紳士ですから大丈夫ですよ。ちょっとエッチだけど」
  円華 「そのエッチな所が心配なのよ」
  まどか「うちのママはちょっとくらいエッチな男の子の方が健全でいいって言ってました」
  円華 「そういうものかしら。それじゃ行ってくるわ。ゆっくりしていってね」
  まどか「はい。いってらっしゃい」

  ――青樹家の居間。

  まどか「芳文さん、こんにちは」
  芳文 「いらっしゃい。今日は授業早く終わったの?」
  まどか「うん。芳文さん達3年生が卒業して結構経つしね」
  芳文 「そっか。こっちは春休みが普段より長くて結構暇なんだ。今日は昼間に天瀬と遊びに行ってきたけど」
  まどか「そうなんだ。コタツの上に載ってるロボット買いに行ってきたの?」
  芳文 「ああ、これ? ジョーシンに寄ったらさ。決算かなんかで5000円のはずのスーパーロボット超合金が3260円になってたからさ」
  まどか「これ、何て言うロボットなの?」
  芳文 「創聖のアクエリオンって言うアニメの主役ロボで、ソーラーアクエリオンって言うんだ」
  まどか「そうなんだ。芳文さんって結構ロボットとか好きだよね」

  芳文 「正義の巨大ロボって男の子の憧れって言うか力の象徴みたいなもんだからね。そんなとこに立ってないでコタツ入りなよ。寒いだろ」
  まどか「うん。お邪魔しまーす。はあ……あったかいよぉ……」モゾモゾ
  芳文 「ワンピースの新刊出てたからついでに買ってきたんだけど読む?」
  まどか「うん。あ、でも芳文さんまだ読んでないんじゃないの?」
  芳文 「一応ジャンプのほうで毎週読んでるからさ。後でいいよ。まどかが読んでる間はアクエリオン弄ってるから」
  まどか「いいの? それじゃ読ませてもらうね」
  芳文 「ああ」

  芳文 「ふんふふふーん♪」アクエリオンOPの鼻歌
  まどか「……」ワンピース読書中

  ――さわっ。

  まどか「ひゃっ?」
  芳文 「ふんふふふーんふふ♪」

  ――さわさわっ。

  まどか「よ、芳文さん」
  芳文 「ん?」
  まどか「あ、あのね。その……わたし達まだ中学生だし……」
  芳文 「ん? まあ卒業はしたけど入学式まだだから俺も一応中学生だな」
  まどか「その……あんまりエッチなのはどうかなって……」


955 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/28 00:25:10.43 0QI9tojko 529/573

  芳文 「……」
  まどか「……」
  芳文 「……俺、そんなにエッチかな?」
  まどか「う、うん……。ちょっとだけ」
  芳文 「……ごめん。まどかに嫌われたくないからこれからは自重するよ」
  まどか「ありがとう。でもわたしが芳文さんの事嫌いになる事なんてないから」
  芳文 「ありがとう。これからも一緒にいるんだから何か気になる事があったら言って。出来るだけ直せるところは直すから」
  まどか「……ありがとう。芳文さん」

  芳文 「あ、リンゴ食べる? 食べるなら剥くけど」
  まどか「あ、わたしが剥くよ」
  芳文 「いいからいいから。長い人生まどかが風邪とか引いた時とかにリンゴ剥く機会もあるだろうし。練習がてら俺が剥くよ」
  まどか「う、うん。それじゃお言葉に甘えて」
  芳文 「本屋の紙袋を下に敷いてと。この上に剥いた皮を載せよう。手をウエットティッシュで拭いてと。さあ剥くぞ」シュルシュル……
  まどか「芳文さん皮剥くの上手だね」
  芳文 「そう? このままどこまで長く皮を剥けるか試してみるかな」

  ――さわっ。

  まどか「ひゃんっ!?」
  芳文 「うおっ!? いきなりなんだ!?」
  まどか「よ、芳文さん。言った側からどうしてエッチな事するの!?」
  芳文 「な、なんの事だよ!?」
  まどか「とぼけないでよ。さっきもわたしの太ももコタツの中で触って、今度は足のつ、つ、付け根を……」真っ赤
  芳文 「付け根……って!? 誤解だ!!」
  まどか「だってここにはわたし達しかいな……」

  ――にゃあーん。

  まどか「……へ?」
  エイミー 「にゃあ」コタツの中からコンニチハ
  まどか「エ、エイミー? もしかしてずっとコタツの中にいたの?」
  エイミー 「にゃ」
  芳文 「まどか」
  まどか「あ……」
  芳文 「もしかして、俺がまどかにいたずらしてたと思ってたのか?」
  まどか「え、えと、その……あはは……」

  芳文 「そうかそうか。俺はそんな風に思われてたんだな」
  まどか「だ、だって……」
  芳文 「なあ、まどか。おれはそんな姑息な真似はしない」ユラリ
  まどか「よ、芳文さん……」
  芳文 「まどかにエッチな事がしたくなったら、俺は正々堂々と押し倒す。こんな風にっ」ガバッ
  まどか「きゃっ!?」ドサッ
  芳文 「ふっふっふっ……」
  まどか「……えっ? えっ?」

956 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/28 00:26:33.61 0QI9tojko 530/573

  芳文 「さあまどか。俺の子供を産んでもらおうか」
  まどか「ええっ!?」(///)
  芳文 「……俺が一人前の男になってまどかを迎えに行ってからな」耳元で囁き

  まどか「~~っ!!」(///)
  芳文 「ふふん。本気で押し倒されたと思った?」ニヤリ

  円華 「ええ」

  芳文 「!?」ギョッ?
  まどか「ま、円華さん!?」
  芳文 「お、御早いおかえりで」

  円華 「忘れ物を取りに戻ってきただけよ。それと芳文」
  芳文 「は、はいっ」
  円華 「あなた達には10年早いわ!!」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  ――それから。

  芳文 「あだだだ……。畜生……。俺何も悪い事してないのに……」
  まどか「ご、ごめんなさい。芳文さん」
  芳文 「もういいよ。最初にエイミーがコタツの中にいるって言わなかった俺が悪いんだし」
  まどか「本当にごめんなさい……」
  芳文 「いいって。それよりいつまでもそんな申し訳なさそうな顔されてる方が辛いよ。俺はまどかの笑ってる顔の方が好きなんだからさ」
  まどか「……芳文さん」

  エイミー 「にゃあ」
  芳文 「にゃあじゃねえよ。おまえのせいだぞ」
  エイミー 「にゃあーん」
  芳文 「怒ってる俺のひざの上で丸くなりやがった。元野良とはいえフリーダムすぎだぞエイミー」
  エイミー 「にゃあん♪」
  芳文 「まったく。気の向くままに家の中や外を出歩いて、腹が減ったら戻ってきて好きな時に寝る。おまえはサザエさんちのタマかっつーの」

  まどか「……」スッ。ゴソゴソ……
  芳文 「ん? どうしたんだ? わざわざ俺の隣に入り直したりして」
  まどか「別に」
  芳文 「……もしかしてエイミーにやきもち焼いたとか?」
  まどか「そんなんじゃないもん。コタツに入ってない上半身が寒いからだもん」
  芳文 「しょうがないなあ。母さんが戻ってきて見られたらまた何言われるかわからないし。戻ってくるまでの間、静かにこうしてようか」
  まどか「……うん」

                                                                                     おしまい



957 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/05/28 00:29:32.08 0QI9tojko 531/573

  杏子「たまにはこんな話も……ね」
  杏子「じゃあなー」ノシ

959 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/17 19:50:11.43 AvelaUXfo 532/573

  まど神「突発的ネタ。博さんに全部打ち明けてたら編 ママと芳君みんな一緒にいたらの巻」

  ――陽だまり荘にある大浴場にて。

  大まど「んー。やっぱり大きなお風呂は気持ちいいね」5才の芳文抱っこして入浴
  大さや「こっちの世界での楽しみはやっぱこれだよねー」
  大マミ「そうね」
  大杏子「ただの昔ながらの銭湯なのになんで、こんなにいい湯なんだろうな?」
  ほむら「本当。いいお湯……」
  円華 「陽だまり荘の大浴場は薪で沸かしてるから。薪で沸かしたお湯はまろやかになるのよ」

  大まど「そうなんだ……。でも隊長に沸かしてもらうなんてちょっと悪い気もするなって」
  円華 「まどか、そんな事気にしなくていいわ。ダーリンも好きでやってくれてるんだから」
  大まど「う、うん」
  大さや「……それにしても、いつ聞いても違和感あるなあ。あのほむらが子持ちでしかも旦那の事ダーリンなんて呼んでる姿には」
  ほむら「私だってそう思うわ。いったいどこをどうしたらこの私がこんな風になるのかしら」
  円華 「あなたとは歩んできた人生が違うんだから当然よ。それに私はあなたと違って実の両親に愛されなかったから、あなた自身とは違うもの」
  ほむら「……そうね。色んな時間軸を渡り歩いたけど、パラレルワールドの自分と顔を突き合わせて、今こんな風にしてるなんて思いもしなかったわ」
  円華 「それは私も同じよ」

  芳文 「ぶーん♪」まどかのひざの上で船のおもちゃを湯船に浮かべてご満悦
  芳文 「あっお船ー」芳文の手から離れた船がマミの胸に当たって跳ね返る
  大マミ「はい、芳君」
  芳文 「……」ジー
  大マミ「どうしたの? 芳君」
  芳文 「おねーちゃんのおっぱいぷかぷかしてる」
  大さや「確かに。そこに気が付くとはちっちゃくても男の子だねえ!!」
  大マミ「もう!! 美樹さん!!」
  大さや「あははは。ごめんなさーい」ヘラヘラ

  芳文 「ねえママ」
  円華 「なあに?」
  芳文 「どうしてマミおねえちゃんたちのおっぱいは大きいの? お友達のマミちゃんはぺったんこなのに」

  大杏子「それってこっちの世界のマミの事だよな?」
  円華 「そうよ。この世界のマミは芳君と同い年なの」
  大さや「てゆーか芳君はマミちゃんのおっぱいなんていつ見たのかな?」
  芳文 「今日幼稚園でプールに入ったの」
  大まど「ああ、なるほど。5才なら男子も女子も一緒に着替えとかするよね」

  芳文 「ママ、なんで?」
  円華 「女の子はね、大人になると赤ちゃんが出来た時の為におっぱいが大きくなるの」
  芳文 「えっ?」首傾げ
  円華 「芳君?」
  芳文 「じゃあ、ほむらママはまだ子供なの?」首傾げ

960 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/17 19:50:38.29 AvelaUXfo 533/573

  ほむら「……」
  大さや「ぶふっ!!」
  大杏子「……子供って残酷だよな。ほむら、元気出しなよ」
  大まど「ほ、ほむらちゃん、大丈夫だよ。わたし達まだ成長するはずだもん!!」
  ほむら「……気にしてないわ」ワナワナ

  大さや「成長ねえ……」円華の方を見る
  大さや「絶望しかないじゃん」ボソッ
  円華 「……」シャイニングフィンガー
  大さや「あだだだだだだだっ!! ギブ!! ギブ!!」

  円華 「美樹さやか。あなたはどこの世界でも愚かね。良く見なさい」ザバァ
  円華 「今の私は24才。そして夫もいて子供もいるのよ」
  大さや「……マミさんを100マミ力(りょく)とするなら、ほむらが10マミ力(りょく)。んで円華さんは11マミ力(りょく)って所かな」
  円華 「……」
  大さや「10の力が11になってもあんま意味無いような」
  円華 「……」シャイニングフィンガー
  ほむら「……」シャイニングフィンガー
  大さや「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  大杏子「馬鹿な奴。いらんこと言うからだよ」

  芳文 「ねえママ」
  円華 「……なあに?」
  芳文 「ママも子供なの?」
  円華 「……」
  芳文 「大人になるとおっぱいおっきくなるんでしょ? ママのちっちゃいからママも子供なの?」
  円華 「……」ユラリ

  大マミ「ま、円華さん落ち着いて!!」
  大杏子「こんな小さなガキ相手に怒るなよ!!」

  芳文 「ふえ……なんでママ怒ってるの?」ジワッ
  大まど「よ、芳君もう上がろうか」アセアセ

  大さや「まあ確かにまだ子供かもね。割と短気だし。見た目と実年齢が釣り合ってないし。14才の時から顔も胸も度量も成長しないって」
  円華 「……」シャイニングフィンガー
  ほむら「……」シャイニングフィンガー
  大さや「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  ――ボイラー室にて。

  博  「女があれだけ集まるとかしましいなあ。いったい何を騒いでるんだか」

                                                                                           おしまい  



961 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/17 19:57:39.37 AvelaUXfo 534/573

 まど神「徳島県に人気?のママと芳君シリーズでした」
 まど神「最近気付いたんだけど、わたしが芳君をモノにするにはあっちのわたしにとりついて合体すればいいんだよ!!」
 まど神「そして芳君を誘惑して既成事実を作る!!」
 まど神「なんてったってあのほむらちゃんの子供だもん!! きっと概念くらい孕ませられるに違いないよ!!」

 まど神「ウェヒヒヒヒ!! 行くよわたしよ!! 念神合体!! GO!! まど神オーン!!」

 ほむら「やめなさい」ガシッ
 まど神「ほ、ほむらちゃん……」

 ほむら「ちょっと向こうでお話ししましょうか」
 まど神「ウェヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!?」ズルズル……

 ほむら「それじゃまた」

964 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/27 22:15:08.79 eOdqOv+Eo 535/573

  ――ある日の夜。青樹家にて。

  円華 「……」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  博  「なあ息子よ。何故いつもいつもいらん事を言うんだ?」
  芳文 「あだだだだ……。俺は本当の事しか言ってないし」
  円華 「まだ反省が足りない様ね」
  芳文 「ごめんなさい」

  博  「はあ……。俺の息子はなんでこんなに胸の大きさにこだわるんだ。いったい誰に似たんだか」
  芳文 「大きな胸は母性の象徴。それに憧れるのはおかしくないだろ」
  博  「……社の影響か。あいつも巨乳好きだしな」
  芳文 「父さんはロリコンで貧乳好きだからいいかもしれないけどさ」
  博  「誰がロリコンで貧乳好きだ!!」ジーグブリーカー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  博  「こんなに若々しくて美しい母親のどこに不満があるんだ。それに円華の胸は綺麗だろうが」
  芳文 「圧倒的にボリュームが足りないけどな」
  円華 「……」シャイニングフィンガー
  芳文 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  博  「いつまでもママおっぱいーって吸ってたのは誰だったかな」
  芳文 「そんな昔の事は忘れた。俺は未来に生きてるんだ」
  博  「……日に日に俺の息子が社に似てくる気がする」
  円華 「そうね。良くも悪くも社さんの影響が大きすぎる気がするわ」
  円華博『はあ……』

  芳文 「夫婦揃ってため息つかれるとか。社のおじさんも大概アレだな」

  円華博『あなた(おまえ)が言わないでっ(言うなっ)』
  芳文 「えっ!?」首傾げ

  円華博『はあ……。なんでこんな子になってしまったのか……』
  芳文 「酷い言われようだ。仮にもたったひとりの愛息子にその言い草はないと思うぞ」
  円華 「……良く言うわ」
  博  「口の減らない奴だ」

  芳文 「そういや思い出した。俺が大きな胸が好きな理由。それは小さい頃、母さんの胸が小さいせいで痛い思いをしたのが原因かもしれない」
  博  「何の事だ?」
  芳文 「いくつの時だったかな。父さんが仕事でいなくて。母さんが用事で二人揃って出かけてて、俺がばあちゃんに預けられてた時の話だ」


965 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/27 22:16:21.62 eOdqOv+Eo 536/573

  ――芳文3才のとある日曜日の夕方。

  円華 『ただいまー』
  芳文 『えーん、マーマー!!』トテトテトテトテッ
  円華 『芳君ただいま』しゃがみこみ
  芳文 『えーん!! マー!?』躓き

  ごっちーん。おもいっきり母親の胸部中央で顔面強打。

  円華 『うぐっ!?』
  芳文 『う……うわーん!!』

  梅子 『いったい何事だい。円華、なんで胸元押さえて蹲ってるんだい?』
  円華 『いたたた……』涙目
  芳文 『うわーん!!』

  ――回想終わり。

  芳文 「しゃがみこんで待ってる母さんの胸に駆け寄った時、躓いて母さんの胸で顔面を強打した事があるんだ」
  博  「……」
  円華 「……」

  芳文 「加減を知らない幼児って全力でぶつかってくだろ。母さんの胸がもっと大きければ。せめて、ブラした時普通に谷間が出来る程度に大きければ、俺はあの時泣かずに済んだのに」

  博  「……芳文。でかければいいってものでもないぞ。手のひらにすっぽり収まるサイズというのもそれはそれで趣があるんだ」
  芳文 「……」
  円華 「……」
  博  「それにあまりでかいと歳取って垂れた時見苦しいしな。それにな、小さな胸は感度が良いんだぞ」

  芳文 「母親の性感帯なんか知りたくねえよ!!」
  博  「おっとつい口が滑った。まあそれは置いておくとしてだ。普通は揉まれたり子供が出来たりすれば多少はでかくなるもんだ」
  円華 「……」ワナワナ
  博  「それなのにでかくならないと言うのはある意味希少だぞ。裏を返せば歳を取っても垂れる事のない美乳と言う事だからな」
  円華 「……」プルプル
  芳文 「……」

  博  「だから円華の胸は人に誇れる素晴らしい物だと俺は思うんだ」

  芳文 「あ、ああ。父さんがそう思うんならそれでいいと思うよ。それでも俺は大きい方が良いけどさ」汗

  円華 「あなた達、ちょっと表に出なさい」プツッ

  ――2日後。自宅のソファーに力なくもたれかかる父子の姿があった。

  博  「腹減った……」ゲッソリ
  芳文 「父さん早く風見野から母さん連れ戻してきてくれよ……。インスタントはどうも美味くないし……」グデーン
  博  「完全に拗ねてしまったからなあ……。どうしたものか……」
  芳文 「そんなもん無理矢理抱きしめて、耳元で愛の言葉でも囁いてやればいいだけの話。女なんざそれでイチコロだろ。女なんてチョロイもんだ」

  まどか「……ふーん。芳文さんってそんな風に思ってたんだ」
  芳文 「げっ!? まどか!! どうしてここに!? と言うかカギは!?」
  まどか「円華さんから預かった合鍵。……せっかくご飯作りに来たのに。なんか作る気なくなっちゃった」
  芳文 「まどか誤解だから!! チョロイ云々ってのはあくまで母さんの事だから!!」
  まどか「知らないもんっ!!」プイッタッタッタッ……
  芳文 「まどか待って!! 話を聞いてくれ!!」ダダダダ……

  博  「……だからおまえは一言多いんだ、息子よ。壁に耳あり障子に目ありってな。はあ……。円華を迎えに行くか」

  円華 「ただいま」
  博  「円華!! 帰ってきてくれたのか!!」
  円華 「いつまでも実家にいてお母さんに心配かける訳にも行かないでしょ」
  博  「そうか。その……すまなかった」
  円華 「もういいわ。ところでまどかちゃんが先に来てたはずだけど、来てないの?」
  博  「芳文の奴がいらん事を口走ってな。怒らせてしまったんだ」

  円華 「はあ……しょうがない子ね」
  博  「まあ二人ともこれから先ずっと一緒にいるならケンカする事もあるだろう。俺達は暖かく見守ってやるだけさ」
  円華 「そうね」

  芳文 「まどかお願いだから機嫌治してくれよ」ドゲザー
  まどか「ふんだ。芳文さんなんて知らないっ」プィッ

                                                                                           おしまい



966 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/06/27 22:22:46.43 eOdqOv+Eo 537/573

 まど神「以前、ですた君が言ってたあっちのわたしと芳君のケンカネタでした」
 まど神「そろそろ新スレ作らなきゃね。ほむ☆マギとひだまりとマミさんルートの。全部まとめてひとつのスレのほうがいいのかな?」
 まど神「いい加減ほむ☆マギ書かないと駄目だよね。書き貯め消されてショックだったとはいえ」
 まど神「とりあえず次の更新は次スレ立ててからね」

971 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:23:35.09 7Q35Ue+mo 538/573

          時にはケンカもするけれどの巻  

  ――2012年6月。見滝原駅前にて。

  中沢 「アニキ、お待たせ」
  恭介 「おはようございます、青樹先輩」
  芳文 「ああ、おはよう」
  中沢 「アニキ、上条はともかく俺が来てよかったの?」
  芳文 「ああ。構わない。入場券沢山あるから」

  さやか「おーい、せんぱーい!!」
  芳文 「女子組はさやかちゃんと杏子ちゃんが一番乗りか」
  恭介 「さやか、おはよう」
  さやか「おはよう、恭介。先輩もおはよう」
  芳文 「おはよう、さやかちゃん、杏子ちゃん」
  杏子 「おはよう。……そいつ誰?」
  さやか「中沢じゃん。なんでここにいるの?」

  芳文 「俺が誘ったんだよ」
  さやか「先輩、中沢と知り合いなの?」
  芳文 「家の母さんとこいつの母さんが幼馴染なんだよ。小さい頃に一緒に遊んだ事とかあってね。弟分みたいなもんなんだ」
  さやか「ふーん。そうだったんだ」
  芳文 「親父がもらってきた入場券沢山あるしさ、女の子ばっかの中に俺と上条二人だけってのもね……。暇そうだから誘ったんだよ」
  さやか「そっか」

  中沢 「……もしかして俺、お呼びでない?」ズーン
  恭介 「そんな落ち込まなくても。さやかは別に悪気があって言ったわけじゃないから」
  さやか「そうそう!! せっかくだから今日はみんなで盛り上がろうよ!!」
  恭介 「ははは……」
  芳文 「それは置いといて、天瀬の奴遅いな。巴さん達もまだ来ないし」

  天瀬 「すまん!! 遅れた!!」
  芳文 「おせーよ。また深夜アニメを見てたのか。録画して後から見ればいいだろ」
  天瀬 「何言ってるんだ。本放送を見ながらネットで実況したり議論したりするのが楽しいんじゃないか。それに巴さん達だってまだ来てないし」
  芳文 「馬鹿野郎。さやかちゃんと杏子ちゃんが来てるだろう。女の子より早く待ち合わせ場所に来るのが男の在り方だ」
  天瀬 「黙れリア充!! んなもんおまえとまどかちゃんの間だけでやってろよ」
  杏子 「あ、マミさん達が来た」

  マミ 「ごめんなさい。待たせちゃったかしら?」
  芳文 「おはよう。大丈夫だよ」
  ほむら「おはようございます」
  仁美 「おはようございます」
  芳文 「おはよう」

  まどか「……ふんだ」プイッ
  芳文 「……ふん」プイッ


972 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:25:32.59 7Q35Ue+mo 539/573

  さやか「……ん? 何この険悪な雰囲気」

  芳文 「さてと、みんな揃った事だしそろそろ出発しようか。楽しみだなあ、見滝原ラグーナシアアイランド!!」

  ――新規オープンした温水プール施設に移動途中。

  さやか「まどか、先輩とケンカでもしたの?」
  まどか「……別に」

  天瀬 「おい、まどかちゃんとケンカでもしたのか」
  芳文 「別にしてねえよ。生理でイライラしてるだけだろ」

  まどか「そんなんじゃないもん!! 芳文さんのばかぁっ!!」
  芳文 「人を馬鹿呼ばわりする方が馬鹿だろ。それに言っちゃ悪いけど俺の方が成績良いから」
  まどか「そういう事を言ってるんじゃないもんっ!!」
  芳文 「ああ。知ってるよ。勝手に盗み聞きして腹立ててるだけだもんな」
  まどか「うーっ」
  芳文 「……ふん」

  ほむら「ま、まどか落ち着いて」オロオロ
  天瀬 「おいおい、なんでこんな事になってんだよ」

  マミ 「いったい何があったの?」
  芳文 「勝手に家に上がって俺と親父の会話を聞いて腹立ててるだけだよ」
  まどか「ちゃんとチャイム鳴らしたし、声かけたもんっ!! 円華さんに合鍵預かったんだから勝手に上がったわけじゃないもんっ!!」
  芳文 「あー、はいはい。それでいつまでも腹立てて。面倒臭い」
  まどか「また面倒臭いって言った!!」
  芳文 「実際そうだろ。いつまでうだうだ引きずるんだよ」
  まどか「うーっ!!」
  芳文 「猫か、おまえは」

  杏子 「ちょっ、二人とも落ち着けって!!」

  ――前日の回想。

  芳文 「まどかお願いだから機嫌治してくれよ」ドゲザー
  まどか「ふんだ。芳文さんなんて知らないっ」プィッ
  芳文 「いったいどうすればいいんだ……。つーか今日のまどか、すごく面倒臭い。まるでうちの母さんみたいだ……」ボソッ
  まどか「わたし面倒臭くないもんっ!!」
  芳文 「……地獄耳かよ。うちの母さんじゃあるまいし」
  まどか「訂正して!! わたし面倒臭くないもん!!」

  芳文 (……よくよく考えれば、なんで俺こんなに責められなきゃいけないんだ?)

  芳文 「あのさあ、勝手に上がってきて盗み聞きしといて、なんでここまで責められないといけないの?」
  まどか「ちゃんとチャイム鳴らしたもん。それに玄関で上がる前に声だってかけたもん」
  芳文 「俺にも親父にも何も聞こえなかったけど」
  まどか「私が嘘ついてるとでも良いたいの?」
  芳文 「そう言う訳じゃないけどさ。一方的に俺ばっか責め立てられるのはどうなのかな」
  まどか「……開き直るんだね」
  芳文 「だからなんでそうなるんだよ。ああ、もう。なんで今日のまどかはこんな面倒臭いんだ」
  まどか「わたし面倒臭くなんてないもんっ!! 芳文さんのばかぁっ!!」
  芳文 「馬鹿はどっちだよ。わからず屋」
  まどか「っ!! もう知らないっ!!」

  ――回想終わり。

  芳文 「勝手に怒って勝手に拗ねてるだけだから、みんな気にしないで。それに前から約束してたんだから気にせず楽しもう」
  まどか「そうだね!! こんな人放っておいてみんなで楽しもうね!!」

  芳文 「……ふん」プィッ
  まどか「……ふんだ」プイッ

  普段のラブラブっぷりからは想像も出来ない二人のケンカに全員、顔を見合わせて困惑するだけだった……。

973 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:28:00.27 7Q35Ue+mo 540/573

  ――見滝原ラグーナシアアイランドのプール脇にて。

  芳文 「……」ムスッ
  天瀬 「なあ、いい加減まどかちゃんと仲直りしたらどうだ?」
  芳文 「俺は悪くない」
  中沢 「ここはアニキが折れた方がいいかと」
  芳文 「……覚えておけ。釣った魚に餌はいらねえ」
  恭介 「釣った魚って……」

  さやか「お待たせー」

  芳文 「おっ。さやかちゃんその水着良く似合ってるね」
  さやか「ホント? へへ、ありがとう」
  芳文 「うんうん。正にさやかわいい」
  さやか「あはは、何それ」

  中沢 「ちょっ、アニキ」手招き
  芳文 「なんだ?」
  中沢 「何自然に美樹くどいてんのさ?」
  芳文 「何言ってんだおまえは。俺に取っちゃさやかちゃんは妹みたいなもんだ。妹を褒めて何が悪い」
  恭介 「そうなんですか?」
  芳文 「ああ。心配しなくてもこっちもむこうもお互い異性として見てねえよ」
  中沢 「よかったな、上条」
  恭介 「何がさ?」
  中沢 「かーっ。これだからこいつは」

  芳文 「そういや前に中学の剣道部の後輩にさやかちゃんを紹介してくれって頼まれた事があったな」
  恭介 「えっ!?」
  中沢 「それでアニキどうしたの?」
  芳文 「直に告る勇気もない奴に可愛い妹分を任せられるか。好きなら自分で当たって砕けろって言ってやった」
  中沢 「ふーん。美樹って結構モテるんだよな」
  芳文 「みたいだな。意外とスタイルもいいし、顔だって悪くないし、それに性格も悪くないしな」
  恭介 (……確かに言われてみれば)

  さやか「男3人で固まって何ひそひそ話してんの!!」ドンッ!!
  芳中恭『うわあっ!?』バッシャーン!!
  さやか「あははははっ」

  まどか「杏子ちゃんの浮き輪おっきいね」
  杏子 「悪かったね、泳げなくて」
  まどか「そんなつもりで言ったわけじゃないよー」
  杏子 「あはは。冗談だって」
  仁美 「あらあら……」クスクス
  マミ 「暁美さんは泳ぎは得意なの?」
  ほむら「得意って程じゃないですけど、ちょっとくらいなら一応泳げます」
  まどか(こっちのほむらちゃんは泳げるんだ。円華さんはカナヅチなのに。やっぱり平行世界の同一人物でも多少は違いがあるんだね……)


974 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:30:16.20 7Q35Ue+mo 541/573

  杏子 「おーい、お待たせー」
  天瀬 「お、巴さん達が来たぞ」
  芳文 「これで全員揃ったね。みんな準備運動はしたの?」
  マミ 「まだよ」
  芳文 「そっか。じゃあ準備運動したらみんなで何かしよう」

  まどか「……わたし泳いでくる」
  ほむら「えっ? まどか」
  まどか「今は一緒にいたくないの」タッタッタッ……
  マミ 「あらあら……」
  芳文 「……」

  ――25メートルプールの中。

  まどか(芳文さんのばかばかばかっ!!)
  まどか(どうしてわかってくれないの!? あんなこと陰で言われてたら、わたしへの言葉もほんとは本心じゃなかったのかって思っちゃうよ!!)
  まどか(……否定して欲しかっのに)

  まどか(ほむらちゃん達、心配してるかな。そろそろ戻った方が良いかな……)

  ズキンっ!!

  まどか(足がっ!!)バシャバシャバシャ!!
  まどか(駄目……。息が……)

  ――バシャーンッ!!

  まどか(……芳、文、さん)

  まどか「げほっげほっ……!!」
  芳文 「まどか!! 大丈夫か!?」
  まどか「げほっ!! う、うん……」
  芳文 「ばかたれ!!」
  まどか「!?」ビクッ
  芳文 「準備運動もろくにせず一人で足の届かない所で泳ぐとか何を考えてるんだ!!」
  まどか「だ、だって……」
  芳文 「だってじゃない!!」
  まどか「っ!?」ビクッ

  芳文 「もしまどかの身に何かあったら、俺はどうしたらいいんだよ」ギュッ
  まどか「よ、芳文さん……」
  芳文 「この世界で一番大切な女の子を失ったら、俺の生きる意味がなくなってしまうじゃないか」
  まどか「!!」
  芳文 「頼むから心配かけないでくれ……」
  まどか「……ごめんなさい。ひっく……ごめ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

975 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:34:13.87 7Q35Ue+mo 542/573

  芳文 「ごめんな。俺が馬鹿だったよ。まどかは何も悪くないのにな。ホント、こんな馬鹿な彼氏でごめんな」
  まどか「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! ごめんなさい!! つまんない意地張ってごめんなさい!! これからはもっと素直になるから!! だからわたしの事嫌いにならないで!!」
  芳文 「嫌いになんか絶対なるもんか。前にも言ったろ。俺がまどかの事を好きで、まどかが俺の事を好きでいてくれる限り、俺達はずっと一緒だ」
  まどか「芳文さ……うわあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  芳文 「よしよし。俺達はずっと一緒だから。二人ともしわくちゃのじいさんばあさんになって天寿を全うするまで、ずっとな」
  まどか「ぐすっ、うんっ。うんっ」

  マミ 「雨降って地固まるってとこかしらね」
  さやか「やれやれ。困った親友と兄貴だよ」
  ほむら「二人が仲直りしてくれてよかったです」
  仁美 「やっぱりまどかさん達はケンカしてるよりも、仲睦まじくされてる方が良いですね」
  杏子 「そうだな。つまんない意地張ってケンカ別れなんて寂しいもんな」

  天瀬 「一時はどうなる事かと思ったが良かった良かった。青樹はどうでもいいがまどかちゃんがかわいそうだもんな」
  中沢 「違いないですね」
  恭介 「酷い言われようだなあ。青樹先輩。でもよかった」


  ――見滝原ラグーナシアアイランドでみんなで沢山遊んだ帰り道。

  ほむら「あっ結婚式やってます」
  さやか「ほんとだ。花嫁さんキレー」
  仁美 「本当に綺麗ですわ……」
  マミ 「本当。憧れちゃうなあ……」
  杏子 「そんなもんかね。役所に手続き出すだけでいいだろうに、わざわざ式上げるなんてご苦労なこった」
  さやか「もう杏子ったら夢がないんだから。花嫁さんって女の子の永遠の夢でしょ」
  杏子 「夢じゃ腹は膨れないし」
  さやか「もう。色気より食い気なんだから」

  恭介 (さやかの花嫁姿か……。いつか誰かの隣にウェディングトレスをきたさやかが立つのか……)
  中沢 「上条、どうかしたのか?」 
  恭介 「べっ別に何でもないよ」
  天瀬 「畜生。リア充爆発しろ……」ブツブツ……

  まどか「ねえ芳文さん。花嫁さん綺麗だね」
  芳文 「ああ。それにすごく幸せそうだ」
  まどか「……うん。そうだね」
  芳文 「なあ、まどか」
  まどか「なあに?」
  芳文 「いつか、俺がまどかのお父さんとお母さんに一人前の男になったって認めてもらえたらさ……」
  まどか「……うん」
  芳文 「俺の隣でウェディングトレス着てくれるかな?」

976 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/16 02:36:54.89 7Q35Ue+mo 543/573



  まどか「……うんっ」

                                                                                        おしまい



981 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/19 01:18:00.99 HtRzRryqo 544/573

埋めネタ        まどかと芳文のはじめてシリーズ

  ――まどか高校一年生のある日の出来事。

  さやか「体育の授業がマラソンなんてついてないなあ」
  ほむら「私走るの苦手だから辛いです」
  まどか「愚痴ったってしょうがないよ。二人ともがんばろ? さ、早く着替えないと授業に遅れちゃう」
  ほむら「……そうだね」
  さやか「あーあ、かったるいなぁ……」

  まどほむさや着替え中。

  まどか「あっ、ほむらちゃんのブラかわいい。どこで買ったの?」
  ほむら「この前、駅前に出来た新しいお店だよ」
  まどか「ああ、あそこかぁ」
  さやか「まーどか♪」
  まどか「きゃあ!?」
  さやか「おおっ!! まどかまた胸大きくなったんじゃないの!?」モミモミ
  まどか「ちょっと、さやかちゃんやめてよー!!」

  さやか「おおっ!? この吸いつくような触り心地といい形の良さといい、まさかあのまどかがこんなに育つなんて!! マミさんのにもけっして引けを取らない良い胸だあっ!!」
  まどか「あーん!! やめてよー!!」
  さやか「やっぱりアレか? 先輩に揉まれて大きくなったのかな?」
  まどか「そんな事されてないもん!!」
  さやか「あははは。ごめんごめん。先輩にそんな度胸ある訳ないもんね」

  一方その頃。二年の教室にて。

  芳文 「へっくしっ!!」
  マミ 「青樹君、風邪でも引いたの?」
  芳文 「いや、きっと誰かが俺の噂でもしてるんじゃないかな。ふっ。出来る男はつらいぜ」
  マミ (何言ってるんだろ。この人)

  そんなこんなで着替え終わって校庭に向かう途中のまどか達三人。

  さやか「それにしてもまどかも変わったよねー」
  ほむら「そうですね」
  まどか「わたしが?」
  さやか「背も伸びたし、髪だって長くなったし、胸だって大きくなったじゃん。それにいつの間にかツインテールにしなくなったし」
  まどか「だってもう高校生だもん。あの髪型はちょっと子供っぽいかなって。それに髪を伸ばせば少しくらい大人っぽく見えるかなって」

  今のまどかの容姿はかつて、別の平行世界ですべての魔女を滅ぼす概念となったまどかに酷似していた。
  違いがあるとするなら目の色と、円華の手料理をちょくちょく振る舞われたり、自分でも円華直伝の栄養満点の手料理を作って家族や芳文に振る舞ったりして、普通に成長して今の容姿になった事くらいである。
  白いリボンを左右側頭部に付けた少女は美しく成長し、今もまだ成長途中だった。

  さやか「恋する乙女は違うねー。ほんとに先輩とはまだ何もないの?」
  まどか「もう。わたし達まだ高校生だよ。さやかちゃんが考えてるような事はまだまだ早いよ」
  さやか「まどかは身持ち固いなあ」
  まどか「普通だよ」
  ほむら「」真っ赤

  まどか「ん……」
  ほむら「まどか、どうかしたの?」
  まどか「うん……。ちょっとブラがきつくって」
  さやか「駄目だよ、まどか。せっかくきれいな形に育ったんだから、ちゃんと今のサイズに合うブラつけないと!!」
  まどか「う、うん」

  さやか「よーし、今日の放課後、まどかの新しいブラ買いに行こう!!」
  まどか「ごめん、さやかちゃん。今日お金あんまり持ってないんだ」
  さやか「なんだ、残念」
  まどか「ごめんね」

982 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/19 01:19:51.19 HtRzRryqo 545/573

  キーンコーンカーンコーン。

  ほむら「あっ授業始まっちゃう!!」
  さやか「やばっ!! 二人とも急ごう!!」
  まどか「うんっ」

  まどか(うー、走ると胸が苦しいよぅ……)

  そんなこんなで放課後。

  芳文 「ただいま」
  円華 「おかえり。今日は早いのね」
  芳文 「明日からテスト週間だから」
  円華 「そう。実家からスイカが送られてきたから、まどかちゃんの所におすそ分けに持っていってくれる?」
  芳文 「しょうがないな。じゃちょっくら行ってくる」

  場面変わって鹿目家まどかの部屋。

  まどか「ふう、今日は疲れちゃったな」
  制服を脱ぎ捨てて、高校の入学祝に母親に買ってもらった鏡台の前に下着姿で立つまどか。

  まどか「パパにお金貰って新しいブラ買いに行こうかな……」
  そう呟いて、自分の胸を手で持ち上げてみる。すると突然自室のドアが勢いよく開かれた。

  タツヤ「ねーちゃーん、にいちゃんがきたよー」
  芳文 「ちょっノックもせずにいきなり開けたら……っ!?」
  五歳の弟が無邪気な笑顔でびっくりして固まっている姉に話しかける。
  まどか「」
  芳文 「」
  下着姿のまどかを見て、芳文が絶句して固まる。

  ――プチン。

  まどかの着けているブラのフロントホックが、実にタイミングよく壊れて弾け飛んだ。

  ぽよん。

  芳文「!?」

  16歳の少女の張りのある形の良い双乳が芳文の網膜に飛び込んで焼きつけられる。

  ブーッ!!

  芳文が勢いよく鼻血を吹き出して廊下に倒れた。

  まどか「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  愛娘の絶叫に驚いた父親が駆けつけた現場は、鼻血の海で痙攣する娘の恋人と、姉に怒られて号泣する幼い息子と、いつの間にか凹凸のある体に育ったパンツだけで半泣きになってる娘と言う地獄絵図だった……。

  以下、未来のまどかの独白。

  まどか「彼がわたしの胸を初めて見た時の事です。わたしの胸を初めて見た彼の表情は今まで見た中で最高にとびっきりの笑顔でした……」

                                                                                             おしまい



983 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/19 01:21:45.43 HtRzRryqo 546/573

 まど神「」
 まど神「う、埋めネタでした」

988 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/22 00:10:38.29 tDdlgtt1o 547/573

 埋めネタ
 まど神「マミさんルートとかの草案だって」

 魔法少女マミ☆マギカ~私の生きる意味~
 まどかルート2話からの派生ルート
 寂しそうに去っていくマミを追いかけて会話をする事で好感度が上がり、家まで送っていく事に。
 色々話をしながら歩いてる時、魔女の口づけを受けた暴漢に襲われてるまどかを見つけて、無事に救出。
 魔法少女になるのを諦めたまどかとマミのわだかまりが消え、今後は友達としてやっていく事に。
 芳文、まどかの代わりにマミのパートナーとして一緒に戦っていくと無自覚に口説いてしまう。
 元々の戦闘センスの高さから、どんどん強くなっていきマミが安心して背中を任せられる相棒に。
 おりきりによるまどか暗殺テロが発生。
 キリカVSマミ 芳文VSおりこ
 最終決戦はマミ、芳文、杏子、ほむらの4人でワルプルに挑む。

 魔法少女杏子☆マギカ~あたしの信じた物~
 杏子ルート。唯一の芳文が勇者特警になってるルート。
 かつて博に滅ぼされたはずのニトロ星人の生き残りとの戦いで、戦いに巻き込まれた芳文を庇って社が勝利こそするものの再起不能に。
 ルナティックセイバーとサンバードの力を受け継ぐものの、かつて義妹を救えなかった芳文は自分の生きる価値と意味を見いだせず思いの強さを力に変えるマギ力(ぢから)システムを使いこなせない。
 そんなある日、芳文は魔女の結界に囚われたまだ契約する前の杏子を助けようとする。
 通常攻撃が通用しない強力な魔女に苦戦する芳文。緊急避難場所として小型ロボのサブコクピットに収容した杏子がマギ力を発現させて魔女を撃退。
 杏子を協会に送り届けた時に佐倉父の説法に感動し、芳文はもう一度誰かの為にがんばろうと誓う。
 その後、まだスレてしまう前の杏子との交流や正義の味方としての在り方等イベント発生。
 ワタルと龍神丸、大地とグランゾートのような関係になるが徐々に関係も変化していく。
 魔女発生の裏側で暗躍するインキュベーター。そして佐倉杏子(35)
 芳文の母親になったほむらが過去に飛ばされた際、実は死んでおらず意識を失っていた杏子も過去に飛ばされていたのだった。
 正義の味方に憧れるまだ純粋な杏子と悪を演じる事で絶望を振り払ってきた杏子の対比。

 魔法少女さやか☆マギカ~あたしが望んだ未来~

 シャル戦でマミを救うべく行動を起こす芳文。
 マミを救うのには成功する物の、魔女はさやか達の方へと突っ込んでいく。
 なんとかさやかを突き飛ばすが芳文は片腕を失ってしまう。
 マミの治癒魔法では回復しきれず、失血死寸前に陥る芳文。
 さやかは咄嗟に契約してしまい、芳文の腕を治してしまう。
 最初の頃はコンビを組んで戦う事が出来るが、仁美の宣戦布告や魔法少女の真実など負のイベントが立て続けに起こりさやかが自暴自棄になる。
 さやかの武器をさやかの治した腕で使う事で、さやかの魔力を込めた斬撃が放て魔女を単独でも倒せるようになるルート。
 友達から八つ当たりの対象、そしてコンビ復活、俺に惚れさせてやるみたいな。様は上条からさやかを奪ってやるぜルート。

 まど神「あくまで草案ね」



989 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/22 19:53:12.53 tDdlgtt1o 548/573

 ――ある日の夕方。

 まどか「お風呂、お風呂っと」
 知久 「まどか。湯沸かし器の調子が悪いから、今日はお風呂入れないよ」
 まどか「えーっ!? そんなの困るよ」
 詢子 「じゃあ、銭湯にでも行くか」
 タツヤ「せんとう?」
 詢子 「そう。銭湯。今日はおっきな風呂に入りに行くよ」
 タツヤ「わーい」

 こうして、鹿目一家は銭湯に行く事になった。見滝原の近代化に抗うかのように、今も現役のまま経営している小さな銭湯にやってきた鹿目一家は、そこで偶然青樹一家と出会った。

 芳文 「あれ? まどかん家も銭湯に来たの?」
 まどか「うん。家のお風呂が壊れちゃって。芳文さんの家は?」
 芳文 「ああ。父さんがたまには広い湯船にゆっくり浸かりたいって言いだしてさ」
 まどか「そうなんだ。風見野のお婆さんの家には大きなお風呂があったもんね。そりゃあたまには、大きなお風呂に入りたくなるよね」

 両親達が挨拶や世間話しているのを尻目にまどかと芳文はそんな会話をする。

 博  「芳文、そろそろ入るぞ」
 芳文 「ああ。まどかまた後で」
 まどか「うん。また後でね」

 まどかと詢子、円華の3人は女風呂へと。芳文と博、知久とタツヤの4人は男湯へと入っていった。

 ――女湯の脱衣所。

 まどか「お客さん、全然いないね」
 詢子 「みんなスーパー銭湯とかに行くからな。こういう昔ながらの銭湯は近所のお年寄りとかがメイン層だから」
 円華 「人が少ないから貸切みたいですね」
 詢子 「そうですね。ゆっくり疲れが癒せそうです」

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「客が全然いないな。これで経営成り立つのかね……」
 博  「成り立つからやっているんだろう。人がいないならゆっくり湯船につかってられるからありがたい」
 知久 「タツヤ、ほらバンザイして」
 タツヤ「バンザーイ」

 全員が裸になって風呂の方へ向かおうとした所で、タツヤが無邪気な笑顔で言った。

 タツヤ「にーちゃ、おけけ生えてるー」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 まどか「」
 詢子 「タツヤったら、何を言ってるんだか……」
 円華 「人がいないとはいえ、向こうの話し声がこんなはっきり聞こえるって事は、こっちの話も聞こえるのね。話す内容に気をつけないと……」

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「……はははっ。たっくんもにーちゃやねーちゃと同じくらい大きくなれば生えてくるんだぞ」
 タツヤ「ねーちゃ、おけけないよ?」
 芳文 「……マヂで!?」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 まどか「た、た、タツヤ~っ!!」


990 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/22 19:54:14.22 tDdlgtt1o 549/573

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「なんてこった……。恋人のとんでもない秘密を知ってしまった……」
 芳文は両手で頭を抱えながら俯いて呟く。

 芳文 「やべえ……。生えてないまどかもありだと思っちまった……。俺は母さん似だと思ってたがこんなとこだけ父さん似だったなんて……」
 博  「どういう意味だ」
 芳文 「……俺はやっぱり、顔も胸も頭の中身も成長しない、7歳も年下の女と結婚したロリコンの父さんの子だったんだな」
 博  「……この糞ガキ」ワナワナ……
 芳文 「いくつの時だっけ。たしか母さんの毛がなかった時期があったような覚えがある。まさかこんな嗜好を受け継いでたなんて……」
 博  「」
 知久 (……うわあ)
 博  (こいつ、まさか2才の頃の事を覚えてるのか!?)

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 円華 「……」ワナワナ……
 詢子 (て、剃毛プレイとか……。博さん人の好さそうな顔してよくやるなあ……)

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「いや、そんな事はどうでもいい。問題はまどかだ。着痩せするから制服や私服だと気付かないけど、以前プールに行った時に出るべき所は出てたし……」
 芳文 「一応、第二次性徴来てるよな……。あ、まだ胸が膨らみ始める初期段階なのかも。いや、もしかしたら噂に聞く天然物のパイパンってやつなんだろうか」
 芳文 「……まどかだったら例えジャングルでもパイパンでも問題なく愛せるけど、もしもパイパンだったら将来まどかと結ばれる時になんて言ってやれば良いんだ」
 芳文 「まるで小さな子のアソコみたいでかわいいよ。とでも言ってあげればいいのか? いや、そんな事言われる方に取っちゃフォローにすらなってないかもしれない……」

 博  「」
 知久 「」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 円華 「」
 詢子 「」
 まどか「……」ワナワナ……

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「お父さん。こういう時いったいどうしたらいいんでしょうか?」
 知久 「えっ!?」
 芳文 「家の親父はロリコンなのでこういう事を相談できるのはお父さんだけなんです!!」
 博  「……」ワナワナ……
 芳文 「お父さんは料理も上手くてなんでもそつなくこなすタイプだから、きっと昔は女にモテたと思うんです」
 知久 「そ、それは……」
 芳文 「正直な所、あの男前な性格のお母さんなら、お父さんをモノにする為に逆レイプくらいやりかねないかな、と思っていた時期がありました」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 詢子 「あのガキ……」ワナワナ……

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「でも今、ここで裸の付き合いをしてみてわかりました。そんな事はあるはずがないと!!」
 知久 「え?」
 芳文 「そんな凶悪な相棒をぶら下げてるお父さんがお母さんに逆レイプなんてされるはずがない!!」
 知久 「」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 円華 「」
 詢子 「」
 まどか「……えっ? 相棒?」

 ――同刻。男湯の脱衣所。

 芳文 「お父さん!! 男として、人生の先輩として、コンプレックスを持ってる女の子にはどうしてあげればいいのか教えてください!!」
 知久 「え、えーと……。相手のありのままを素直に受け入れて愛してるって所をアピールすればいいんじゃないかな」
 芳文 「なるほど。じゃあ、もし将来まどかに生えてなかったら、こう言ってあげればいいんですね」

 芳文 「大丈夫だよ。まどか。たかが剃毛プレイが出来ないだけじゃないか」

 芳文 「こんな感じでどうでしょう?」ドヤァ

 博  「」
 知久 「」

 ――同刻。女湯の脱衣所。

 円華 「」
 詢子 「」
 まどか「」

991 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/22 19:55:58.38 tDdlgtt1o 550/573


 ――同刻。男湯の脱衣所。

 博  「……いい加減にしろ。馬鹿息子」神速の手刀
 芳文 「ぅっ」ガクリ

 ――数分後。

 博  「ふんっ」気付け
 芳文 「ん……あれ? 俺いったい……」
 博  「夏の暑さで風呂に入る前に倒れたんだ」
 芳文 「……そうだっけ?」
 博  「ああ」
 芳文 「……そっか。アレ夢だっのか……。はあ、水風呂にでも入って気分転換するかな」

 知久 (それで納得するのか君は!?)ガビーン!!

 ――それから。

 芳文 「はあ、さっぱりした」
 詢子 「そうかい」
 芳文 「あれ? お母さんどうしたんですか? そんな怖い顔して」
 詢子 「ちょっと、じっくり話し合おうか」ガシッ
 芳文 「えっ!? ちょっ……。まどか!! 母さん!! 助けてくれよ!!」
 円華 「丁度いい機会だからたっぷり叱ってもらいなさい」
 まどか「知らないもん」プイッ

 芳文 「ちょっ……耳引っ張らないで……ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

                                                                                             おしまい



992 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/08/22 19:59:02.27 tDdlgtt1o 551/573

 まど神「」
 まど神「え、えーと、わたしのその……成長はね……」
 まど神「言えないよ!! そんな事!!」

 まど神「次回は、まどか「きれいになりたい」の巻だよ」
 まど神「容量足りるかな……」



3 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/09/30 23:30:35.08 9inz+fwCo 552/573

          割れ鍋綴じ蓋の巻

  ――とある土曜日の昼時。

  芳文 「部活も終わったし、これからどうしようかな」
  通っている高校の剣道部での練習を終えて、家に帰る道すがら芳文がこれからどうしようか考えていた時だった。
  詢子 「おっ。芳文君じゃないか。部活の帰りかい?」
  仕事用のスーツ姿の詢子が芳文を見つけて声をかけてきた。

  芳文 「こんにちは、お母さん。土曜日なのに仕事ですか?」
  詢子 「ちょっとばかり忙しくてね。半日だけ休日出勤だったのさ」
  芳文 「大変ですね。それじゃ今帰る所ですか?」
  詢子 「そうだよ。芳文君は?」
  芳文 「俺も家に帰る途中です」
  詢子 「そっか。芳文君は昼飯もう食べたのかい?」
  芳文 「まだです」
  詢子 「なら一緒に昼飯でもどうだい? 一度娘の彼氏とサシで話もしてみたかったしね」
  芳文 「はい。それは構いませんけど……」
  詢子 「なんだい?」
  芳文 「お手柔らかにお願いします」
  詢子 「ははは。じゃああそこのファミレスにでも入ろうか」

  こうして芳文は詢子に連れられてファミレスに向かうのだった。

  ――一方その頃。

  まどか「円華さん、本当に買ってもらっちゃっていいんですか?」
  円華 「いいのよ。家に来た時にまどかちゃんが使う食器なんだから」
  まどか「ありがとうございます」
  円華 「どういたしまして。でも折角の土曜日なのに私に付き合ってていいの?」
  まどか「ほむらちゃん達とは学校でも会えますから」
  円華 「ありがとう。まどかちゃん」
  まどか「お礼を言うのはわたしの方です。いつも円華さんには良くしてもらって……」
  円華 「いいのよ。私が好きでしてる事だから」
  まどか「円華さん……」
  円華 「そろそろ休憩しましょうか。あそこのファミレスにでも入りましょう」
  まどか「はい」

  まどかと円華は仲良く二人で芳文達の入ったファミレスへと向かう。
  だが、まどか達は窓際の席に案内され、奥の席に座っている芳文達には気づく事はなかった。


4 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/09/30 23:31:06.62 9inz+fwCo 553/573

  ――場面は再び芳文達へと変わる。

  芳文と詢子はテーブルを挟んで対面しながら、ランチを食べて食後のコーヒーを飲みながら歓談していた。

  詢子 「そうかそうか。まどかはこんなにあんたに愛されて幸せ者だね」
  芳文 「まどかは俺のすべてですから」
  詢子 「本当にまどかは幸せ者だよ。それにしても芳文君、良くそんなセリフを恥ずかしげもなく言えるね」
  芳文 「俺の剣の師匠の教えですよ。俺は元々人付き合いとか得意な方じゃないですから。言うべき事を言わずに誤解されるのは避けたいですし」
  詢子 「なるほどね。ところでうちの娘のどこにそんなに惹かれたんだい?」
  芳文 「人を思いやれる優しい所とか、何事にも一生懸命だったりとか、ちっちゃくてかわいい所とか含めて全部です」
  詢子 「全部か……。そう言ってもらえると母親としては嬉しいんだけどね……ほら、まどかってぬいぐるみが好きだったりあの年にしては子供っぽい所があるじゃないか」

  ――一方その頃。まどかと円華の二人は。

  円華 「まどかちゃんは今の芳文の事も以前と同じくらい好き?」
  まどか「勿論です。前の世界での芳文さんも今の芳文さんも大好きです」
  円華 「そう。芳文は幸せ者ね」
  まどか「どうして急にそんな事を聞くんですか?」
  円華 「いえ。以前と育った環境が違うから……。前の世界のあの子より子供っぽいのが気になってね」

  まどか「まあ確かに、ガンダムとかロボットのおもちゃで喜んだりする今の芳文さんはちょっと子供っぽい所があるかなって思いますけど……」

  ――同刻。芳文は詢子に本音を口にする。

  芳文 「まあ確かにぬいぐるみを欲しがったり愛でたりする所はちょっと、子供っぽいかなとは思いますけど……」

  ――まどかと芳文はほぼ同じタイミングでそれぞれの母親に言った。

  まどか「それはそれでかわいいなって」
  芳文 「それはそれでかわいいなって」

  円華 「……そう。これからも芳文の事よろしくね」
  詢子 「……そうかい。これからもまどかの事、よろしく頼むよ」

  まどか「はいっ」
  芳文 「はいっ」


5 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/09/30 23:33:32.08 9inz+fwCo 554/573

  まどかと芳文は良い笑顔で頷くのだった。

  ――それから20分後。

  芳文 「ごちそうさまでした。お母さん」
  詢子 「いやいや。こっちこそ付き合ってくれてありがとう」

  ファミレスを出た芳文と詢子の姿を見つけたまどか達が側に寄ってきた。

  まどか「あっママ。それに芳文さんも」
  円華 「あら……。こんにちは」

  詢子 「こんにちは。円華さん。まどか、もしかして円華さんと一緒にこの店にいたのか?」
  まどか「うん。買い物の帰りに寄って、窓際の席に座ってたんだよ。ママ達は?」
  詢子 「仕事の帰りに部活帰りの芳文君に会って、一緒にランチを食べたんだ」
  円華 「芳文がお世話になったみたいで……。すみません」
  詢子 「いえいえ。こちらこそいつもまどかがお世話になって……」

  芳文 「まどか、これからどうするの? まだ母さんとどっか行くの?」
  まどか「えっと、買い物は午前中に済んだから芳文さんの家に戻る所だよ」
  芳文 「じゃあ、これからこのままどこかに行かないか?」
  まどか「え? でも荷物が……」
  芳文の提案に嬉しそうな顔をする物の、すぐにちょっと困った顔でうつむくまどか。

  円華 「荷物は私が持って帰るから、芳文とこのままデートに出かけてもいいのよ」
  詢子 「どうせ帰る途中だから、まどかの分はあたしが持っていってやるよ」
  そう言ってまどかの荷物を半ば強引に受け取る詢子。
  円華 「あ、荷物は私が……」
  詢子 「いいんですよ。気にしないでください。それに母親同士で話もしたいですし」
  円華 「すみません」

  まどか「ママ。ありがと」
  詢子 「ああ。二人とも暗くなる前に帰ってくるんだよ」
  まどか「うんっ」
  芳文 「はい。ちゃんと送っていきます。まどか行こうか」
  まどか「うんっ」
  まどかは嬉しそうに返事をすると、芳文の腕に自分の腕を絡める。
  芳文はまどかに優しく微笑むとまどかの歩幅にあわせてゆっくりと歩き出すのだった。

  詢子 「やれやれ。お互いの両親公認とは言え、あの子達ときたら……」
  二人の仲睦まじい様子に苦笑いをする詢子。
  円華 「割れ鍋に綴じ蓋とはよく言った物ですね」
  円華が詢子にそう言って微笑むと詢子もまた円華に微笑んで言うのだった。

  詢子 「違いないですね」

                                                                                             おしまい




6 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/09/30 23:37:13.41 9inz+fwCo 555/573

 まど神「とりあえず、ここまでだよ」
 まど神「今後の予定」

 まどか「きれいになりたい」
 まど神「わたしの最高のカキタレ」
 まどか「また、胸が大きくなった……」

 まど神「タイトルからしてろくでもない話の予感がするよ……」
 まど神「安価とかするかもしれないからその時はよろしくね」ノシ


13 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:35:22.67 r/X0P46jo 556/573

  ――旧姓、鹿目まどか(20)の朝は早い。

  爽やかな朝の陽ざしの中、小鳥達の囀る音色がまどかの意識を夢の世界から呼び覚ます。
 「ん……。朝……」
  8畳2間のアパートの一室で、眠りから目覚めたまどかは未だまどろみから覚めきらぬ視線で、自分の右隣に寝ている夫を見る。
  愛する妻の為に左腕を枕にしてやったまま、気持ち良さそうに寝ている夫を起こさぬよう、ベッドから抜け出す。
 「朝ごはん作らなきゃ。でもその前に……」
  裸で眠る夫に布団を掛け直してやり、まどかは生まれたままの姿でタンスから着替えを取り出してバスルームへと向かうのだった。

          ☆

 「ふう……」
  暖かいシャワーを頭から浴びてシャンプーを洗い流し、次は体を洗おうとした時だった。
  不意にガチャっと言う扉が開く音がして、まどかが振り返ると夫である芳君がバスルームの中に入ってきた。

 「おはよう、まどか」
 「お、おはよう、芳文さん」
  ごく自然な流れかのように堂々と入ってきた夫にまどかが朝の挨拶をすると、芳君はおもむろにボディソープを手に取り泡立たせ始める。
 「えっと、わたしシャワー浴びてたの気付かなかった?」
  まどかが困惑した表情で尋ねると、芳君は爽やかな笑顔で答える。
 「ははは。流石にそこまで寝ぼけちゃいないさ」
  そう言って、まどかの左腕を取るとボディソープを優しく刷り込むように塗り始める。
 「え? えっと……なにしてるの……?」
  突然の夫の行動に困惑しつつ尋ねると、彼は手を休める事無く言った。

 「いや、夜にいっぱいまどかの体を汚しちゃったからさ、洗ってあげようと思って」
  その言葉に昨夜の事を思い出したまどかは、慌てて彼の行動を止めようとする。
 「そ、そんなのいいよっ。自分で洗うからっ」
 「遠慮しなくていいんだよ。愛する奥さんをきれいに輝かせるのは夫の役目」
  そんな事を言いながら、まどかの左腋の下まで手を伸ばすと腋の下を擦り始める。
 「芳文さんくすぐったいよぅ……。それに、どうしてスポンジを使わないの?」
  新婚3か月目の新妻の疑問にキラリと歯を光らせて、爽やかな笑顔で芳君は答える。
 「何言ってるんだ。大切な奥さんの体をスポンジなんかで擦って傷つけたらどうするんだよ」
 「いや、スポンジで擦るくらいじゃ」
  まどかの言葉を言い終わらせない内に、芳君は言葉を続ける。
 「だから、俺の手で優しく洗ってあげるよ」
  そう言ってまどかの左胸に手を伸ばす。

  ふにゅん。

14 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:35:51.72 r/X0P46jo 557/573


 「きゃっ?」
  芳君の掌が、まどかの大きく張りのある形の良い乳房を優しく掴んで撫でる。撫でられた時に指と指の段差に乳首が引っかかって弾かれ、乳房がぷるんっと小さく揺れる。
 「ひゃんっ!! よ、芳文さん、駄目だよ」
  まどかがびくんっと体を震わせて窘めるが、芳君はお構いなしにボディソープまみれの手でまどかの乳房を撫で回す。
 「ああ、ごめんごめん。片方だけじゃなくてもう片方も洗わないとな」
  そう答えると右手でまどかの左の乳房を撫で回しながら、左手を右の乳房に這わせ始める。
 「んっ……やっ……。だ、だめだよ……こん、な……朝っぱらから、なんて……あんっ……」
  撫で回す動きから、まるで乳を搾り出そうとするかのような揉みし抱き方をする芳君は、いたずらっぽい表情でまどかの耳元に顔を寄せて囁く。
 「こらこら。俺は体を洗ってあげてるだけだよ?」
 「だ、だったら、もっと普通に洗って……ひゃうんっ!?」
  芳君がまどかの乳首を左右共に、親指と人差し指と中指の3本の指先で摘まんで、くりくりと擦り始める。

 「あっ!! ひゃうぅぅぅぅんっ!! だめぇっ!! 先っぽくりくりしないでぇっ……!!」
  既にまどかの色素の薄い綺麗な乳首は赤く充血して固くなっており、ピンっと尖ったその姿でまどかの性的興奮を芳君に伝えていた。
 「やれやれ。まどかは敏感だなあ。ちょっと感度が良すぎるんじゃないか? ただ洗ってるだけなのにさ」
 「こ、こんなの、洗ってるって、あふっ……言わないっ……よっ」
 「うーむ。どうやらここがまどかのスイッチで確定のようだな」
  そう言って親指の腹と人差し指の腹で左の乳首をきゅっと軽く押し潰しながら、乳房の奥へ押し込む。
 「はあぁぁぁぁぁぁぁんっ!?」
  まどかがびくびくっと体を震わせて、芳君の方へともたれかかってくる。
 「スイッチが入ったらー♪ 止まるー思考回路ー♪」
  脱力しているまどかを優しく受け止めながら、昨夜食後にケーブルテレビの再放送で見たテレビアニメ「神様ドォルズ」のEDテーマを口ずさむ芳君。
 「はあ……はあ……」
  シャワーのノズルを片手で取って、まどかと自分にかけてボディソープを洗い流すと、芳君は浴室の床に両足を投げ出す形で座り込み、自分の左の太ももの上にまどかが跨る形で座らせる。

 「まどかのあそこ、すごく熱いのが太ももに伝ってくるよ」
  芳君がそう言うと、まどかが顔を真っ赤にして文句を言おうとする。
 「んっ……」
  まどかが文句を言おうとする前に、芳君の口がまどかの口を塞ぐ。まどかの口内ににゅるんと自分の舌を差し入れ、まどかの舌に絡める。
  芳君に口内を舐めまわされ、舌を舌で巻き取られ、吸われる。
 「んうぅ……」
  まどかの見開かれていた両目が閉じられ、頬がほんのりと桜色に染まっていく。
 「ぷはぁ……」
  ようやく芳君が顔を離すと、芳君の口の中とまどかの差し出している舌を繋げていた唾液の糸が。ぷつりと切れてまどかの顎に垂れる。
  もにゅっ。ふにふにっ。

 「ひゃんっ!! ま、またおっぱいっ……!!」
  芳君の両手が再びまどかの双乳をこねくり始める。
 「それにしても、まどかの胸本当に大きくなったよな」
  そんな事を言いながら、乳首の先を人差し指の爪で軽く擦ってやる。
 「やっ……それ、だめぇ……っ」
 「高1の時にはもうけっこう大きかったし。これ、いまいくつあるんだ?」
 「そ、そんなの……ひゃうっ!!」
  言えない、と言おうとしたまどかの乳首をぺろりと舐める芳君。
 「俺、まどかの事が本当に好きで大切だからさ。まどかの事は全部知りたいな」
  芳君はそう言ってまどかの目をじっと見る。当然のように、乳房を攻めたてる手の動きは休めない。
  じーっと顔をまっすぐに見つめられ、観念したのかまどかははあはあ、と荒い息を吐きながら夫の疑問に答える。

15 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:36:24.48 r/X0P46jo 558/573

 「……は」
 「は?」
 「はちじゅう……ろく、センチ……」
  消え入りそうな小さな声で恥ずかしそうに答える新妻に、目を輝かせながら芳君は更に尋ねる。
 「86センチ!! それでカップは!?」
 「い、いー、だよ……」
 「86センチのEカップ!? ……最高だ!! まどか、君は最高の奥さんだよ!!」
  細身なのにボインに育った新妻のバストサイズを知り、歓喜の声を上げる芳君。
 「あう……」
  羞恥のあまり顔を真っ赤に染めるまどかの双乳を揉みし抱きながら、芳君は歓喜の声を上げる。
 「86センチのEカップ!! 86センチのEカップ!! これは俺だけのもんだ!!」
  超嬉しそうな表情で、まどかの右の乳房に吸い付くと、乳首をちゅうちゅうと音を立てて吸い始める。
 「きゃふぅっ!? そ、そんなに強く吸っちゃ駄目ぇ……っ」
  まどかの乳首に舌を絡め、時計回りに舐める。反時計回りに舐める。乳首の先端を舌で押し潰しながら、上に向かって舐めあげる。そのまま舌の先端の裏側で下に向かって舐める。

 「ひゃうぅぅぅんっ!! だ、だめぇ……。おっぱい、おかしくなっちゃうよぉ……」 
  左の乳房を右手で揉みし抱き、乳首を摘まんだりくりくりと軽く押し潰しながら擦りながら、乳房を吸う口を離してまどかに言う。
 「まどか、このままちょっと膝立ちになって」
  芳君の言葉にはあはあと喘ぎながら、まどかは素直に従う。
  芳君の両肩に両手をかけて、芳君の左太ももを跨ぐ形で膝立ちになったまどかの股間に、芳君は左手を這わせる。
  普段は固く閉じている年齢に似つかわしくない、まるで幼子のようなまどかのたてすじを、芳君は器用に左手の親指と薬指の先端で左右に割り、拡げる。
  まどかが快感に狂い分泌した愛の蜜によって、にちゃあ……と小さな音を立てて拡げられるまどかのたてすじ。
  芳君はせっかく拡げまどかの幼いたてすじが閉じてしまう前に、中指をまどかの膣口に差し入れる。
 「あっああぁ……っ」
  自分の指よりもはるかに太い中指を一気に指の根元まで挿入され、まどかはたまらず仰け反ってしまう。
  背中に回された芳君の右腕で押さえつけられたまま、乳を吸われ、膣内をぐちゅぐちゅに掻き回される。

 「あっ!! あっ!! んぁあんっ!! お、おかしくなっちゃ……うぅぅっ!!」
  ちゅぽんっと音を立てて、中指を引き抜くと、愛液でてらてらと光る中指の腹ですりすりとまどかの不浄の穴を撫で回す。
 「……やっ!! そこだめぇ!!」
  何をしようとしてるのか気付いたまどかが、抗議の声を上げた瞬間、愛液を纏った中指がずぶずぶとまどかの直腸へと侵入していく。
 「ひぃやあぁぁぁぁぁっ!! 抜いてっ!! 抜いてっ!! おしりはやだあぁぁぁっ!!」
  目に涙を浮かべながら、まどかは芳君に懇願する。
 「どうして抜くの? 俺はまどかにもっともっと気持ちよくなって欲しいのに」
 「だって、だって、そこおしりだよっ。汚いよぅっ!!」
 「俺のまどかに汚い所なんてあるもんか」
  そう言ってまどかの肛門に差し入れた中指を出し入れする芳君。


16 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:37:16.50 r/X0P46jo 559/573


 「やだあぁぁっ!! そこはやだあぁぁっ!!」
  中指を出し入れされる度に発生する、膣のそれとは違った感覚にまどかは泣きながら顔を振る。
  ちゅぷっ。
  中指を肛門の奥に埋め込みながら、親指を膣内に挿入する芳君。
 「ひぃやあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  親指と中指を前後左右にぐにぐにと動かして、まどかの膣内と直腸を掻き回す。
 「いやあぁぁぁぁぁぁぁんっ!! だめっ!! こんなのだめえぇぇぇぇぇっ!!」
  まどかが両手を突っ張って逃れようとするが、腰の裏に回された芳君の右腕が力強く抱きしめていて逃れられない。
 「はうぅぅぅぅぅんっ!! ひぃやぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  乳首を吸われ、舐め転がされ、歯で甘噛みされながら膣内と肛門を掻き回され、まどかは涙を流して涎を垂らしながら、絶頂に向けてよがり狂う。
  くにくにっ……かりっ。
  乳首を甘噛みしたまま、乳首を引っ張って顔を思い切り 乳房から引き離す。
  にゅぽんっ。ちゅぽんっ。ぴんっ。
  膣と肛門を一際強く掻き回した後、親指と中指を壁越しにくっつけようとする形のまままどかから引き抜き、そのまま親指のつま先でまどかのクリトリスを弾く。

 「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
  まどかが背をのけぞらせて絶頂に達する。
  ぷしゃあぁぁぁぁ……。
 「あ、あぁぁ……やだぁ……」
  まどかの股間から黄色い尿が噴き出して、芳君の左手と太ももに噴きかけられる。
 「ひう……。やだぁ……」
  おしっこを漏らしてしまい芳君に引っかけてしまった事に、まどかは背をのけぞらせたまま小さな声で嘆く。

 「暖かいよ。まどかのシャワー」
  芳君がまどかにそう言うと、まどかは勢いよく姿勢を正し、そのままぽかぽかと芳君の胸を叩く。
 「ばかばかばかっ!! やめてって言ったのに!!」
  そう叫ぶとまどかは小さな子供のように声を上げて泣き出してしまう。
 「ひぐっ……うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 「しまった!! やりすぎた!!」

 「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!!」
 「まどかごめん!! 俺が悪かった!!」
 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
 「ごめん!! 本当にごめん!! ちょっと調子に乗りすぎた!!」
  泣きじゃくるまどかを抱きしめて、必死に謝る芳君。まどかは抱きしめられたまましばらく泣き続ける。
 「ぐすっ……。もう、変な事しない……?」
  ひとしきり泣いて、まどかは鼻をすすりながら問いかける。
 「しないよ。もう二度とまどかが嫌がる事はしない」
 「ぐすっ……。約束だよ」
 「ああ。本当にごめん」
 「なら、許してあげる」
  そう言って芳君に微笑むまどか。
 「うっ」
  その微笑みにきゅんとした芳君はおちんちんを硬くしてしまう。

17 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:37:44.80 r/X0P46jo 560/573

 「あ……」
  結婚してからほぼ毎日愛されていても、未だに慣れない男根に気付いたまどかが赤くなる。
 「さ、さあ。体を洗って朝食にしよう」
  流石に今までのやりとりでまどかを求めるのはどうかと思ったのか、芳君は背を向けてシャワーを頭から浴び始める。
 「……芳文さん、その、そのままじゃ辛いよね……?」
  まどかが恥ずかしそうにそう言って、芳君の背中にぴとっと自分の胸を押し付ける。
 「いや、まあ……」
 「その……いいよ……」
  まどかが真っ赤になりながら、初めて芳君の硬くそそり立った男根に手を添える。
 「芳文さんに、抱いてほしいな……」
  消え入りそうな声で恥ずかしそうに言うまどか、芳君はとても愛しく思いまどかに優しくキスをする。
 「……ベッドに行こうか」
 「……うん」

          ☆

  バスタオルで体を拭いて、二人で廊下に出ると芳君はまどかをお姫様抱っこして寝室へと運ぶ。
  そしてベッドの側まで歩いていくその時、芳君は起きた時にベッドの下にはねのけたままにしていた掛布団に足を取られてしまった。
 「うわわわわっ!?」
 「きゃっ!!」
  転びそうになってもなお、まどかだけは怪我をさせまいとする芳君。無理矢理片足を前に出し母親のようなスタイリッシュなターンを決めてバランスを取る。
  その時だった。
  すぐ側にいてずっと事の経緯を見守っていたわたしと、芳君にお姫様抱っこされていたこの世界のわたしの頭がぶつかってしまったのは。

 「まどか。愛してるよ」
  気が付くと、わたしはベッドの上に生まれたままの姿で寝かされていた。
  愛の言葉を囁いて、芳君がわたしの首筋にキスをする。
 「んっ……」
  熱い口づけを首筋に受けて、思わず声が出てしまう。
  ちゅっ。ちゅっ。
  首筋から鎖骨、左胸、脇腹とキスをされる。
  もにゅっ。

 「あっ……」
  芳君の大きな掌がわたしの胸を優しく揉みしだく。
 「あっ、ぁぁぁぁんっ……」
  思わず声を上げてしまうと、今度は優しく乳首を吸われる。
 「……くすくす。芳文さんてほんとおっぱい好きだよね。まるで赤ちゃんみたい」
  わたしがそう言って笑うと、彼は乳首を軽く甘噛みしてから口を離して言う。
 「まどかのだから好きなんだよ」
  そう言って、また乳首を口に含んで舌と歯で愛撫しながら、吸ってない方の乳房をもにゅもにゅと揉み、乳首を摘まむ。
 「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁぁんっ……。そんな、おっぱいばっかり、だめぇ……」

 「じゃあ、今度はこっちかな」
  そう言って、おへそにちゅっとキスをしてから、芳君はわたしの両足を左右に割り拡げる。
 「あっ……やだぁ……」
  見られてる……。
  わたしの大切な所、芳君に見られちゃってるよぅ……。
 「もうこんなに濡れてるよ」
  そう言って、芳君はわたしの秘所を指で撫でてから愛液にまみれた指を見せてくる。
 「やだあぁぁあ……」
  あまりの恥ずかしさに涙目で首を振ると、芳君はわたしの愛液が染み出しているスリットを両手の人差し指と中指で拡げて、スリットの奥に隠れていた膣口にキスをする。
 「やっ!! そんなとこ舐めちゃ駄目だよ……」
  わたしの言葉を無視して、芳君はわたしの膣口に舌を差し入れ舐めまわす。
  チュパチュパレロレロ……っ。じゅるるるるっ。

18 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:38:34.36 r/X0P46jo 561/573

 「あひいぃぃぃぃぃぃぃんっ!! や、やあぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  散々、舐めまわして、吸いつくした後、膣口から舌を引き抜いてわたしの包皮に包まれたクレトリスを剥くとそのまま口付けて吸う。
 「あっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
  ぷしゃっぷしゃあぁぁぁぁぁぁっ……。
  あまりの快感に潮を吹いてしまうわたし。
  わたしの吹いた潮で口元をべたべたにした芳君が、手の甲で潮を拭いながらわたしの上に覆いかぶさる。
 「まどか。いい?」

 「うん……。きて……」
  芳君が硬くそそりたった男根をわたしの膣口にそえて、そしてそのまま挿入してきた。
 「んっ!! っはあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  芳君のおちんちんがわたしの胎内で熱く脈打ってるのがわかる。
 「動くよ」
 「んんんんっ!! はあうぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!」
  す、すごいっ!! これ、すごいよおぉぉぉぉぉぉぉっ!!
  ぱちゅんっぱちゅんっ!!
  肉と肉のぶつかる音が部屋中に鳴り響く。芳君が一突きする度に体中の全神経が桃色に染め上げられて甘い痺れを伴ってわたしを狂わせる。

 「ああぁぁぁぁぁぁぁんっ!! くはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! だめぇ!! こんなの、おかしくなっちゃうよおぉぉぉぉぉっ!!」
  わたしの産道が芳君の形になっちゃう!! 芳君の赤ちゃんを妊娠したくて子宮が下りてきてるぅ!!
 「はっああぁぁぁっ!! 当たる!! 芳文さんのおちんちん、わたしの奥にあたってるうぅぅぅぅぅっ!!」
  気持ちいい!! 気持ちいいよぉっ!! 芳君のおちんちん、まるでわたしの為にあつらえたかのようにフィットするよおっ!!
  ひやあぁぁぁぁぁんっ!! おっぱいモミモミしながら突いちゃだめぇ!!
 「ひゅうぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!! くはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! だめっ!! もうだめえぇぇぇぇっ!!」
  このおちんちんすごいよおっ!! 膣の入口やGスポット、子宮口までわたしが感じる所全部これ一本で的確に攻めてくるぅぅぅぅぅっ!!
  こんなすごいの知っちゃったら、もう魔女の触手も、モブ男の強姦チンポも、変態なほむらちゃんやガチレズマミさんの魔法で生やした偽物チンポなんかじゃ、我慢できなくなっちゃうぅぅぅぅっ!!

 「っく!! まどか!! 出すぞ!!」
 「ああぁぁぁぁぁんっ!! 来て!! 芳文さんでわたしの中いっぱいにして!!」

  ぱちゅんぱちゅんぱちゅんっ!!
  わたしのおっぱいを両手で揉みながら、芳君の事の動きが絶頂に向けて一際早く動く。
 「まどか!! まどか!! うっ!!」
  どびゅるっ!! どくどくどくっ……!!

 「あっあああっ!! ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
  芳君のおちんちんがわたしの胎内でびくんびくんって震えてるぅ……。
  芳君の熱い精液がわたしを孕ませようとわたしの子宮の奥まで入ってくるよう……。

  にゅぽっ……。
  芳君のおちんちんが力強い射精を終えて、わたしの膣から引き抜かれる。
  わたしの膣口から、熱い精液がドロドロと溢れてくる……。
  こんなにいっぱい出されたら、絶対赤ちゃん出来ちゃうよね……。
 「まどか。すごくよかったよ」
  そう言って優しくキスしてくれる芳君にわたしは微笑んで、そしてそのまま意識を失って。
  幸せな気持ちで眠りに着くのだった……。


19 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:39:42.16 r/X0P46jo 562/573

          ☆

 『と、こんな感じで攻めようと思うんだけどどうかな?』
  わたしはまど界にある自室で、他のまどか達の意見を脳内で求める。
 『ティヒヒ。それはいい考えかもしれないね』
 『でもそんな上手く行くかなぁ。それに概念が妊娠できるの?』
 『何言ってるのわたし。あの〝ほむらちゃん〟の子供だよ? 概念くらい孕ませられるに違いないよ!!』
 『でもさ、仮に上手く行ったとして芳君のおちんちんでしかイケなくなっちゃったらどうするの?』
 『その時はまた芳君に抱かれてるわたしと合体すればいいよ』

 『……』
 『どうしたの? アニメ世界とハノカゲ世界とノベル世界とゲーム世界のわたし?』
 『……わたしね、薄い本の世界のあなた達と合体した事すごく後悔してるよ』
 『そんな事言ったってもう遅いよ? 例えどんなでもわたしはあなた。あなたはわたしだもん』
 『……』
 『どうせならみんなで幸せになろうよ。さあ、どうやったら芳君の赤ちゃんを作れるか考えよう!!』

 「またろくでもない事を考えているのね。まどか」

 「げーっ!! ほ、ほむらちゃん!!」

 「マミが新作ケーキを作ったって言うから呼びに来てみたら……。また一人で芳文相手のあらぬ妄想をしてたのね」
 「妄想なんかじゃないよっ!! 脳内まど会議だもんっ!!」
 「そう」
 「あれ? それだけなの?」
 「今ね、あなたにどんなお仕置きをしたら更生するか考えてたのよ」
 「ひいぃぃぃぃっ!!」
 「それじゃまどか。ちょっとお話ししましょうか」
 「ウェヒイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!」

          ☆

  ――旧姓、鹿目まどか(20)の朝は早い。
  短大に通いながら、勤めに行く夫の為の朝食と弁当を作る為、寝ている夫の腕枕から抜け出して着替える。

 「んっ……」

          まどか「また、胸が大きくなった……」

                                                                                             おしまい




20 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:41:00.35 r/X0P46jo 563/573

          おまけ

  ――まどか17才、芳文18才の年末。

 杏子 「さやか、なんだよそのへっぴり腰は」
 さやか「うっさいわね。こっちは餅つきなんて幼稚園の行事以来なんだからっ」
 マミ 「もう、ふたりともケンカしないの」
 ほむら「お、重いー」
 仁美 「暁美さん、無理しないでください」

 まどか「芳文さん、それじゃ次行くよ」
 芳文 「おう」

 ぺったんぺったん、こねこね、ぺったんぺったん、こねこね。

 さやか「うわー先輩とまどか息ぴったりじゃん」
 杏子 「まどかも手際が良いな」
 マミ 「阿吽の呼吸って奴ね」

 陽だまり荘での毎年年末恒例の大餅つき大会。3度目の参加になるまどかは芳文の祖母と母親に昔ながらのもち米の炊き方からこね方まで仕込まれ、芳文と共にたくさんの餅を手際よくついていた。
 割烹着をきた祖母と母が次々と炊き上がるもち米を運んだり、こねたりしてるのを尻目に芳文は完全に嫁扱いされているまどかと共に、今回招待した友人達と餅つきをするのだった。

 そして餅つきが終了し、マミ達が大浴場から出てきた所で、まどかと円華と梅子の作った料理に加え、商店街から参加している魚屋、酒屋、寿司屋といった食品関係者の持ち込んだ大量の酒とごちそうが並ぶ。
 祖父 「みなさんお疲れ様でした。それでは乾杯!!」
 青樹家の家長として芳文の祖父が挨拶をして、陽だまり会館にて恒例の大宴会が始まった。

 杏子 「うめえうめえ!!」
 さやか「杏子がっつきすぎだって」
 マミ 「あらあら」
 ほむら「はうう。腕が痛い……」
 仁美 「大丈夫ですか?」

 中沢 「この寿司うまいな」
 恭介 「この刺身も美味しいよ」

 まどか「芳文さん、お疲れ様」
 芳文 「まどかもお疲れ様。餅つきだけでなく料理まで作って疲れたろ?」
 まどか「大丈夫だよ。それにおばあさんに色々教えてもらったから為になったし」
 芳文 「そっか。あ、ジュースなくなったみたいだ」
 まどか「わたし持ってくるね」
 芳文 「いや、まどか疲れたろ。俺が取ってくるよ」
 まどか「ありがとう、芳文さん」


21 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:41:59.05 r/X0P46jo 564/573

 芳文はそう言って席を立つと、ぶどうの絵が描かれた外国のジュースを持ってくる。
 芳文 「まどか、グラス出して」
 まどか「ありがと」
 芳文はまどかにブドウジュースを注いでやると、自分のグラスにも注いでまどかと乾杯をして一口口に含む。
 芳文 「んっ!? まどか、これ酒だ。飲むな」
 まどか「えっ? ホントだ。お酒のにおいがする」
 詢子 「まどか。酒ならこっちに寄こしな」
 まどか「うん。はいママ」

 芳文 「はあ。すまん。まどか」
 まどか「気にしないで。わたしが飲み物持ってくるね」
 芳文 「ああ。頼むよ」

 さやか「なんかさ、まどかと先輩ってもう夫婦みたいだよね」
 一連のやりとりを見ていたさやかがにやにやと笑いながら言う。
 マミ 「そうね。餅つきの息もぴったりだったし」
 杏子 「もういっそ結婚しちゃえばいいんじゃない?」
 芳文 「俺が一人前の男になってまどかのお父さんとお母さんに認められたらね」
 二人の仲を茶化す友人達にそう言ってやると、美味い酒を沢山飲んで上機嫌の詢子が言う。

 詢子 「もうさ、いっその事あんた達婚約でもするかい?」
 円華 「それは素敵ですね」
 詢子に勧められた酒を飲んでほろ酔い気分の円華が同意する。
 詢子 「知久はどう?」
 知久 「そうだね。もう3年以上も交際してるし本人達が良ければ」
 円華 「ダーリンは?」
 博  「いいんじゃないか」

 詢子 「よーし。決まりだ。まどか、芳文君。婚約しな」
 まどか「もう、ママったら」
 芳文 「うーん。俺は最初からまどかを嫁にする気満々なんだが。……まどか、俺と婚約する?」
 まどか「……うん」
 芳文 「わかった。まどか。俺と結婚を前提に婚約してください」
 まどか「はい。喜んで」

 さやか「おお!! おめでとうまどか!!」
 杏子 「おめでとう、まどか」
 マミ 「おめでとう二人とも」
 ほむら「おめでとう」
 仁美 「おめでとうございます」
 中沢 「おめでとうアニキ、鹿目さん」
 恭介 「おめでとう」

 まどか「みんな、ありがとう」
 みんなの祝福にまどかは嬉しそうに答える。


22 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:42:42.97 r/X0P46jo 565/573

 詢子 「正式な婚約はまた後日という事で。今日は飲むぞー」
 円華 「芳文。婚約したからと言って調子に乗ったらだめよ」

 芳文 「ああ、わかってるよ。結婚するまでは母さんが心配してるような事はしねえよ」
 円華 「ならいいけど」
 芳文 「ちゃんと俺一人の力でまどかを幸せに出来るまでそういう事はしないって決めてるんだ」
 詢子 「芳文君は本当にまどかを大事にしてくれてるんだね。あたしの娘は幸せ者だ」
 芳文 「そう言ってもらえると光栄です。大丈夫。一人前になってお父さんとお母さんに認めてもらえるまではまどニーで我慢して見せますから」

 みんな『……は?』
 芳文以外の全員が突然出てきたまどニーと言う単語に首を捻る。

 詢子 「まどニーってなんだい?」
 芳文 「俺が世界で一番愛する少女鹿目まどかをおがすにして行う自慰行為です。まどかでオナニーだからまどニーと言います」ドャァ

 詢子 「」
 円華 「」
 知久 「」
 博  「」
 さやか「」
 杏子 「」
 マミ 「」
 ほむら「」
 仁美 「」
 中沢 「」
 恭介 「」

 芳文 「……うぃー。ひっく」

 みんな『酔っぱらってるー!?』ガビーン!!

 まどか「ねえ芳文さん。自慰とオナニーって何?」

 詢子 「」
 円華 「」
 知久 「」
 博  「」
 さやか「」
 杏子 「」
 マミ 「」
 ほむら「」
 仁美 「」
 中沢 「」
 恭介 「」

23 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:44:15.69 r/X0P46jo 566/573

 芳文 「……まどか。今から言う単語わかる? クンニ、フェラチオ、パイズリ」
 まどか「国? 世良千代? なにそれ。最後のはお菓子かなにか?」
 芳文 「じゃあ、セックスってなにするかわかる?」
 まどか「え? えっと……裸で抱きしめあって寝るんだよね。たしか」

 詢子 「」
 円華 「」
 知久 「」
 博  「」
 さやか「」
 杏子 「」
 マミ 「」
 ほむら「」
 仁美 「」
 中沢 「」
 恭介 「」

 芳文 「……お母さん、まどかのケータイとパソコンってペアレンタルコーントロールかかってますか?」
 詢子 「あ、ああ。一応かけてあるけど」
 芳文 「そうですか。なあまどか。まどかはどうせなら世界一幸せな花嫁になりたいか?」
 まどか「世界一? う、うん」
 芳文 「じゃあ、今のままのまどかでいてくれ」
 まどか「どういう事?」
 芳文 「花嫁修業の中には何も知らない純粋なままでいると言う物があるんだ」
 まどか「そうなの?」
 芳文 「ああ。俺の師匠が言っていた。何も知らない心の純粋な子を嫁に出来る男は最高に幸せなんだと。昔何も知らない女の子を嫁に出来た親友に自慢されたそうだ。」
 まどか「そうなんだ……」
 芳文 「何も知らない花嫁に花婿が色々教えてあげて、ちょうきょ……げふんげふん。自分色に染めてあげるのが男にとって最高の幸せなんだと」
 まどか「自分色に染めて……」

 みんな(今調教って言いかけた!?)

 芳文 「俺の師匠の親友は運良く何も知らない女の子を嫁にして、自分色に染め上げたらしい。それはとても幸運な事なんだと。普通の女の子はどこかでいらん事を覚えて純粋でなくなってしまうから」
 みんな「……」
 芳文 「まどか。どうかそのままの君でいてくれ」
 まどか「うん。わかった……」
 芳文 「それとさやかちゃんや志筑さん達辺りがまどかの知らない単語の事を教えようとしてきたら断る事。あと俺とどこまで行ったとか聞かれたらまだ早いと言うんだよ」
 まどか「どうして?」
 芳文 「あの子達はいい子なんだけど耳年増だから。まどかの花嫁修業に邪魔な知識を知ってるからだよ。あの子達が読んでそうな少女漫画とかティーンエンジャー向けの雑誌も見ちゃ駄目」
 さやか「……」ワナワナ……
 仁美 「……」ワナワナ……

24 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:45:38.62 r/X0P46jo 567/573

 まどか「難しい注文だね……」
 芳文 「だから花嫁修業なんだよ。まどか、どうか愛する君を俺色に染め上げさせてほしい」キリッ
 まどか「芳文さん……」ジーン

 みんな(それ感動するセリフじゃないから!!)

 まどか「うんっ。わたしがんばるっ。だから芳文さん。わたしがお嫁さんになれた時、おなにーとかふぇらちおとか、わたしの知らない事教えてねっ」天使の微笑み

 芳文 「ああ!! 任せてくれ!!」良い笑顔

 詢子 「」
 円華 「」
 知久 「」
 博  「」
 さやか「」
 杏子 「」
 マミ 「」
 ほむら「」
 仁美 「」
 中沢 「」
 恭介 「」

 ――それから。

 詢子 「うちの娘があそこまで子供だと思わなかった……」ズーン
 知久 「あの様子だと僕達が性教育しようとしても拒否されるだろうね。まあ一生添い遂げる相手とならいい……のかな……はは」

 円華 「ねえダーリン。ちょっと向こうでお話があるんだけど」
 博  「な、なにかな……」ビクビク

 芳文 「ぐうぐう……」
 まどか「餅つきで疲れちゃったのかな? うふふ」
 酔っぱらって寝てしまった芳文に膝枕をしてやって、幸せそうにしているまどかを見てさやか達は思うのだった。
 ああ、この男を愛せるのはまどかしかいないな、と。

                                                                                             おしまい



25 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/10/28 05:47:08.55 r/X0P46jo 568/573

 まど神「次回」

 まど神「わたしの、最高のカキタレ」

27 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2012/10/28 23:48:28.76 4aR7f1l50 569/573

乙ですたー!
いやいやいや。
”芳くん”つってる時点で何かおかしいと気付くべきだったんだ。
気付かなかったオレが愚かだったんだ……そうなんだ……

ところで、何となく疑問に思ったんだけど”この世界のまどか”による世界改変の時に、芳文の命と肉体を支えていた”まどかの魔力”
はどうなったんだろう?
何となく、”あの世界”に留まれなかったまどかの魔力が芳文と同じ姿の”中途半端なファウスト”としてクリームヒルトの代わりに
”円環の理”を守るため彼女に辿りつこうとして永遠に並行世界を彷徨ってたり……なんて考えちゃったもんで。


30 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/11/09 04:15:11.33 Zup/2euSo 570/573

まど神「>27 こんな感じ?」

「マミさんが死んで、さやかちゃんも杏子ちゃんも死んじゃって……」
「ワルプルギスの夜をやっつけるのと引き換えに、ほむらちゃんも死んじゃって……」
「わたしは結局何も出来ずにひとりだけ生き残って……」
「……ねえ、ほむらちゃん。どうしてわたしを守ってくれたの?」
「今でも思い出すんだ。あの時のほむらちゃんの嬉しそうな顔を……」
「わたしにはそんな価値なんてないのに……」

――あの日、わたしの生まれ育った街は廃墟と化した。
もう、あの街にわたしの友達はいない。わたしの生まれ育った家もない。わたしに残されたのは家族だけ。
ママの勤めていた見滝原の会社もなくなってしまい、ママは冬木市の系列会社へと異動になった。
住み慣れた見滝原を離れ、移り住んだこの街にわたしの友達はいない。
仁美ちゃんともさやかちゃんの件があって以来、ぎくしゃくしてしまい、もう連絡を取り合っていない。
わたしはひとりぼっちだった……。

友達と遊びに行くからと新しいクラスメイトに掃除当番を頼まれて、断りきれずに掃除をして帰る途中。
赤い槍を持った蒼い服の男性が一人の男子高校生を襲っているのを目撃した。
「ひっ……」
見滝原での経験で非日常には慣れたつもりだったのに。
目の前で起きている非日常にわたしは怯えて硬直してしまう。
早く逃げないと……。でも、襲われてる人を助けなきゃ……。でも、どうしたら・……。
硬直するわたしの視線と、槍を持った男の人の視線が合った。
「あ……」
体の震えが止まらない。体が動かない。
わたしが恐怖に震えて瞬きをした瞬間だった。

目の前に男の人がいつの間にか立っていた。
「ひっ……」
男の人は飄々とした口調で怯えるわたしに言った。
「悪いな。嬢ちゃん。見られたからには死んでもらわないとな」
男の人がそう言って赤い槍をわたしの胸に突き付けたその瞬間。
わたしと男の人の間に突然眩い光が発生し、高校生くらいの男の子が光の中から現れて槍を持った男の人の顔面を殴りつけた。

「……この子に手を出すな。三下」
どこかで見たような気がする懐かしい顔をした男の子が、わたしを背に庇うようにして男の人に言う。
「……ぺっ。てめえ、何者だ。人間じゃねえな? まさか他のサーヴァントか?」
「……サーヴァント? ……知った事か。この子に手を出すと言うなら、貴様を殺す」
「……おもしれえ。やれるものならやってみやがれ!!」

――これは、とある街で起こった魔術師達の戦いに巻き込まれた少女と、別の世界からやってきた人ではない少年の物語。

「俺は多分、平行世界の魔法少女鹿目まどかから切り離された魔力と、社芳文という存在の欠片が混ざり合った物何だと思う」

「……それじゃ、あなたは別の世界のほむらちゃんの子供なの?」

「聖杯戦争か。まどかとの契約に使えそうだね」

「なるほど。あの少女の願いを使えば、聖杯の力以上の奇跡を起こせるという事か」

                                                                          つづかない



36 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/12/29 19:08:51.65 Uf/ZeU+zo 571/573

 まど神「保守の小ネタだよ」



37 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/12/29 19:09:26.94 Uf/ZeU+zo 572/573

 ――ある日の青樹家。

 芳文「母さん、ちょっと相談があるんだけど」
 円華「何?」
 芳文「俺の小遣いなんだけどさ」
 円華「却下」

 芳文「最後まで聞きもせず却下かよ!!」
 円華「ちゃんと年齢に合った金額をあげてるでしょ」
 芳文「俺もう高校生だぜ? もうすこし値上げしてくれたっていいじゃないか」
 円華「だったら何かアルバイトでも始めたらいいじゃない」
 芳文「部活が忙しくてそんな暇ねえよ!! それにバイトなんか始めたらまどかとの時間が無くなってしまうじゃないか!!」

 円華「毎月のお小遣い3000円に加えて、まどかちゃんとの交際費として5000円も上げてるのに何が不満なの?」
 芳文「せめてあと2000円」
 円華「却下」
 芳文「取り付く島もなしかよ。もしかして父さんの給料少ないのか?」
 博 「失礼な奴だな。一応手取りで100万だ」

 芳文「そんなに!? 実は父さん高給取りだったんだな!!」
 博 「尊敬したか?」
 芳文「警察って給料いいんだな……。俺も警察に入ろうかな……」
 博 「……」

 芳文「母さん、そんなに毎月の収入があるんならさ、もう少し小遣いくれたっていいじゃん」
 円華「却下。子供にそんなに沢山お小遣いをあげる親はいないわ」
 芳文「……ケチ。父さん、父さんからも何とか言ってくれよ」
 博 「俺の稼いできた金は全部円華に預けてるからな。円華に言え」
 芳文「全部? それじゃ父さんの小遣いはどうしてるのさ?」

 博 「毎月円華からもらってるぞ」
 芳文「……ちなみにいくら」
 博 「3万円」
 芳文「100万稼いでたった3万って……」
 円華「ダーリンはタバコとか吸わないしそれで十分でしょ」

 芳文(ひ、ひでぇ……。父さん、母さんの尻におもいっきり敷かれてる……。俺は絶対こうはならないぞ……)

 ――そんなこんなで十数年後の世界。

 芳文 「なあまどか、ちょっと相談があるんだけどさ」
 まどか「なあに?」
 芳文 「俺の小遣い、もうちょっと上げて欲しいなって」
 まどか「駄目だよ。子供達の学費とかもし何か会った時の為に、少しでも貯金しないといけないんだから」
 芳文 「……ですよねー。はは、わかってたよ、うん。ちょっと言ってみただけ」

                                                                              おしまい



38 : ちり紙 ◆B/tbuP0Myc[... - 2012/12/29 19:30:55.01 Uf/ZeU+zo 573/573

 まど神「冬休みに入ったから、ようやくほむマギのほうも進められそうだって」
 まど神「あっち最優先だからこっちはしばらく後回し。もし見てみたいエピソードがあったら教えて欲しいな」
 まど神「需要がなければここ落ちるだけだしね」虚ろな目

 まど神「神奈川君が言ってた喋れない欠片芳君ネタとかその内やってみたいかも」
 まど神「実体化出来るほどの力がない欠片芳君が、その世界のわたしがゲーセンのファンシーリフターで間違えてゲットしたスーパーロボット超合金デモンベインに憑依」
 まど神「その名もデモンベイン・ファウスト」

 まど神「普段はゴールドライタンやミクロマンみたいに15センチのおもちゃの姿。戦う時は約15メートルに巨大化して、体内にわたしや他の魔法少女を収容」
 まど神「基本的に勝手に動いた戦うデモンベイン・ファウストに合わせて、魔法少女は中から魔法でサポートするんだよ」
 まど神「遠くの敵や逃げる敵には巨大マスケット、接近戦には巨大剣や巨大槍を出してあげるみたいな」

 まど神「憑依してるのがおもちゃで声帯がないから喋れないの」
 まど神「母親の別世界同一人物であるほむらちゃんやわたしとはコネクトと呼ばれるリンクが繋がった時、記憶や意識を共有出来るんだよ」

 まど神「ちなみにですた君が言ってるように、欠片芳君は芳君のバラバラになってしまった魂の欠片と真・魔法少女鹿目まどかの魔力が混ざり合った存在だから、スポーンみたいにパワーに限りがあるの」
 まど神「他にも幼児化してしまい、その世界のわたしのキスで青年の姿になれる欠片芳君とか、土曜日夜7時魔法美少女まどか☆マギカの世界で円環の騎士(えんかんのナイト)様と呼ばれる欠片芳君がいたり」
 まど神「なんてね(笑)」ノシ

※管理人注記
何となく中途半端ですが、この辺りでスレ落ちしましたので、当サイトにおきましてはこれで完結です。(もともと本編は終了しておりアフター、後日談・番外編が続いていた状態でした)
SS速報VIP以外の別のサイトに移転するとの話がありましたが、移転先不明です。

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