翠星石「待てー!チビ苺ー!!」
雛苺「待てと言われて待つわけないのよー」
翠星石「あー!もう怒ったですぅ!スイドリー…」
JUM「おい、家の中で暴れるなよ」
翠星石「チビ人間までチビ苺の肩を持つですか!」
JUM「僕は暴れるなって言っただけだぞ」
翠星石「むー、待ちやがれですぅ!」
雛苺「嫌なのー」
元スレ
JUM「もっと素直に笑った方がいいぞ?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1249931450/
真紅「騒がしくて仕方が無いわ、JUM、二人を止めなさい」
JUM「僕がわざわざ止めなくてももうすぐ終わるだろ」
翠星石「追い詰めたですよ雛苺!」
雛苺「うゆ…」
翠星石「覚悟するですぅ!」ダッ
雛苺「嫌なの!」サッ
翠星石「きゅ…、急に避けるなでs」ガンッ
JUM「げっ…、本棚に思いっきりぶつかったぞ…」
真紅「翠星石、大丈夫?」
JUM「おい、翠星石、大丈夫なのか?」
翠星石「な…、何とか大丈夫ですぅ…、ん?」バサッ
翠星石「何ですかこれは?アル…」
JUM「ん、ああ、僕たちのアルバムだな」
翠星石「チビ人間のですか?ちょっと見せろですぅ」
JUM「別に構わないけど」
真紅「私も興味があるわね、見せてもらうわよ」
翠星石「これは…、チビ人間が本当にチビだった頃の写真ですね」
JUM「赤ちゃんのときとか、そういう風に言えよ…」
真紅「こっちは初めて歩いた記念みたいね」
雛苺「…………」ジー
翠星石「ん、何そんな遠くから見てるですか?雛苺もこっち来て見てみろですぅ」
雛苺「いいの?」
翠星石「ほら、これを見てみろですぅ、チビ人間が泣いているときの……、ププ」
JUM「笑うなよ…」
真紅「JUMにもこんな可愛らしいときがあったのね」
雛苺「美味しそうなケーキが写ってるのよー」
JUM「誕生日の時の写真だな、これは」
翠星石「こっちのは小学校の入学式のですね」
真紅「かなり面影があるわね」
JUM「まあ、そりゃな」
雛苺「楽しそうに笑ってるのよー」
翠星石「それで、これが小学校の卒業式ですね」
JUM「あ、ああ…」
翠星石「あれ、こっから先の写真は無いですね」
雛苺「本当だー」
JUM「…………」
真紅「…っ!翠星石、雛苺」
雛苺「なーにー?真紅」
翠星石「呼んだですか?あ……」
JUM「ど…、どうしたんだおまえら?」
翠星石「ご…、ごめんですぅ…」
JUM「いや…、翠星石が謝ることじゃないだろ」
JUM「じゃ…、じゃあもうしまうぞ」
雛苺「えー、まだ見たい…」グッ
翠星石「雛苺!」
雛苺「ムー、ムー」ジタバタ
JUM「い…、今紅茶煎れてくるからな」
真紅「………わかったわ」
翠星石「………」
雛苺「……?」
JUM「味はどうだ…?」
真紅「そうね……、まあまあよ…」
JUM「そうか…、それじゃあ僕は二階に居るからな…」
翠星石「わかったですぅ……」
真紅「………」
翠星石「………」
雛苺「なんで二人ともさっきから静かなの?」
翠星石「まったく…、これだからおめーはいつまでたってもチビ苺のままなんですぅ」
雛苺「うゆ…?」
真紅「少々酷なことをしてしまったわね…」
翠星石「ですね……」
雛苺「写真が無いことなら、撮ればいいのよー」
翠星石「翠星石が言いたいのはそういうことじゃねーですよ…」
真紅「雛苺も少しは察してあげなさい」
雛苺「分からないのよー……」
のり「ただいまー」
雛苺「あー、おかえりなのー!」
真紅「お帰りなさい…」
翠星石「おかえりですぅ…」
のり「はーい、お土産よー」
雛苺「わーい、ケーキだぁー」
のり「はい、二人も」
真紅「私はいらないわ…」
翠星石「翠星石もいらないですぅ…」
のり「あ…、あらそう……、JUM君は二階よね?JUMくーん、ケーキ買って来たわよー」
JUM『いらねー…』
のり「わ…、わかったわー」
雛苺「ケーキケーキーー♪」
のり「みんなどうしちゃったのかしらね…?」
のり「ねえ、ひなちゃん、みんなどうしちゃったのかわかる?」
雛苺「ううん」
のり「そう…、二人とも、何で不機嫌なのかな?」
真紅「大丈夫、のりには関係の無いことよ…」
翠星石「気にするなですぅ…」
のり「まったく、そんなにふくれてると、写真に残しちゃうわよ?」パシャ
紅・翠「!?」
のり「あらー、随分綺麗に撮れてるわねー、さすが最新のデジタルカメラね」
雛苺「見せて見せてー」
のり「ほら、二人とも、何で拗ねてるのかわからないけど元気を出して、ね?」
真紅「そうね…、悲しさよりも大きい楽しさがあればいいのだわ」
翠星石「そうですよ…、無いなら撮ればいいんですぅ」
のり「二人ともどうしたの?」
翠星石「ちょっとこの何とかカメラを借りるですぅ!」バッ
のり「え…、い…いいけどどうしたの?」
翠星石「何でもねーですぅ」ダッ
真紅「そんなに急がなくても…、のり」
のり「なーに?」
真紅「…ありがとう」スッ
のり「……どういたしまして?」
翠星石「JUM、JUM!」
JUM「ん、どうし…、うわっ」パシャ
翠星石「さっきは悪かったですぅ、ごめんなさい」
真紅「あなたのことも考えずに…、ごめんなさい」
JUM「き…、気にしてないって」
翠星石「でも、翠星石たちなりに解決方法を考えたですぅ」
JUM「……?」
真紅「あなたには辛い過去がある、でも」
翠星石「それ以上に楽しいことで嫌なことを埋めちまえば大丈夫ですぅ!」
JUM「なにがだいじょう…、うわっ」パシャ
JUM「いきなり撮るのは止めろよ!」
翠星石「JUMは…」
JUM「…?」
翠星石「JUMは今、楽しいですか?」
JUM「突然なんだよ…」
翠星石「翠星石たちと一緒にいて楽しいですか?」
JUM「そりゃ……、つまらなくは無いけど…」
真紅「それなら今の時間をカメラに刻みましょう」
JUM「………」
翠星石「い…、嫌ならいいんですよ?嫌なら…」
JUM「………」
こいつらが…、僕のために…
JUM「そうだな……」スッ
翠星石「あ…、キャ!」パシャ
JUM「撮り方はこれで良いみたいだな」
真紅「………」
JUM「今の僕がいるのはおまえらが居るからだからな、それに家族みたいなものだろ?」
JUM「だったら同じアルバムに写真を入れようぜ」
翠星石「JUM……」
真紅「まったく、私は家族じゃなくて、あなたの…、っ!」パシャ
JUM「細かいことは言いっこ無しだ」
真紅「と…、撮るなら一言声をかけなさい!」
翠星石「そうですよ!」
JUM「なんだよ、おまえらだっていきなり撮ってきたじゃないか」
翠星石「そ…、それとこれとは話が別ですぅ!」
JUM「容量はまだあるみたいだな、姉ちゃんたちも撮りにいくか」
翠星石「話を聞きやがれですぅ!」
のり「あ、JUM君、下りてきたのね」
JUM「………」
のり「ケ…、ケーキはやっぱり食べな…キャッ!」パシャ
のり「いきなり何するのよー」
JUM「いいじゃないか、減るものじゃないしさ、雛苺」
雛苺「うゆ?」
JUM「口にクリームついてるぞ」
雛苺「ん、ありがとなのー」パシャ
JUM「よし撮れた、あとは…」
真紅「あとは?」
JUM「そうだな……、蒼星石たちも撮ってやるか」
翠星石「それはいいですね!」
JUM「よし、出かけてくる」
のり「あ、ちょっと待って」
JUM「?」
のり「JUM君…、その…」
JUM「なんだよ」
のり「い…、一緒に写ろ?」
JUM「嫌だ」
のり「………ガーン」
真紅「JUM…?」
JUM「冗談だよ、翠星石頼んだぞ」
翠星石「任せろですぅ!」
のり「い…、いいの…?」
JUM「姉ちゃん、ほら顔あげて」
のり「え、えぇ…」ぱしゃ
翠星石「んー…、のりがちょっと変な顔になってるですぅ」
JUM「もとからそんなもんだろ?」
のり「ひ…、ひどいわよ、JUM君…」
JUM「それじゃ行ってくる」
翠星石「行ってきますですぅ」
真紅「行ってくるわね」
雛苺「行ってらっしゃいなのー」
翠星石「チビ苺も行くに決まってるですぅ!」
雛苺「まだケーキ食べ終わってないの…」
翠星石「んなもん後でいいですぅ!」ぐいぐい
のり「みんなー、行ってらっしゃーい」
~蒼星石の家~
蒼星石「うん、面白そうだね」
おじじ「ワシらも入っていいのかの?」
JUM「はい、もちろんです」
翠星石「もちろん翠星石も入るですぅ」
おばば「じゃあ翠ちゃんと蒼ちゃんは真ん中ね」
おじじ「わざわざワシらのために…、すまないのぉ…」
JUM「いえ、気にしないで下さい、撮りますよー」パシャ
蒼星石「JUM君、撮れたー?」
JUM「あー…、翠星石、目つぶっちゃってるぞ」
翠星石「まったく、チビ人間はいつもタイミングが悪いですねぇ」
JUM「じゃあ、もう一枚撮りますよー」パシャ
おじじ「これでもうこの世に悔いなんてものは…」
蒼星石「マスター、そういうことは…」
おじじ「ふふ、冗談じゃ、まだまだ茶が飲み足らないわい」
おばば「現像できたら私たちにも焼き増しして一枚お願いしますね」
翠星石「おばばはわかってないですねぇ、あのデジタルカメラってのは……」
雛苺「みんな楽しそうに話してるのよー」
JUM「そうだな…、あの表情も撮っておくか」パシャ
真紅「盗撮は止めなさい」
JUM「盗撮って…、変な言い方は止めろよな」
JUM「次はどこに行く?」
翠星石「次っていっても、金糸雀か水銀燈しかいねーですけどね」
真紅「そうね…」
雛苺「あ、巴だー」
巴「あら、雛苺、それに桜田君たちも」
JUM「や…、やぁ、柏葉、何でこんなところに…?」
巴「帰り道だからよ、それより皆は何でここに?」
雛苺「今ねー、皆の写真を撮っているのよー」
JUM「か…、柏葉も雛苺と一緒にどうだ?」
巴「いいの?」
JUM「あ…、ああ、構わないよ」
雛苺「巴、笑ってー」
巴「ええ」
JUM「撮るぞー」パシャ
巴「桜田君、ちょっと見せて」スッ
JUM「…っ!」
巴「ふふっ、綺麗に撮れてるわね、腕がいいのかしらね?」
JUM「いや…、このカメラが高性能なんだ…いって!」ゲシ
翠星石「なーに鼻の下を伸ばしてるですか」
JUM「なっ…!んなわけねーだろ!」
巴「ふふっ、ありがとう、桜田君」
JUM「あ…、どういたしまして…」
翠「………」ツーン
~金糸雀の家~
金糸雀「か…、カナのローザミスティカを奪いに来たかしらー!?」
翠星石「チビカナのなんて奪っても強くなるどころか、弱くなるだけだからいらねーですぅ」
JUM「かくかくしかじか……、っていう理由でね」
金糸雀「なんだ、そうだったのね…、でもあいにくみっちゃんはまだ戻ってきてないかしら」
真紅「まあ、そのほうがいいかもしれないわね……」
翠星石「ちょっと同感ですぅ…」
雛苺「うゆ、何でー?」
JUM「まあ撮るぞ、並んで並んで」
金糸雀「綺麗に撮れてるかしらー」
真紅「そうね、それじゃあ次に行きましょう」
JUM「何をそんなに急ぐ必要があるんだ?」
真紅「嫌な予感がするのよ…」
JUM「…?」
カナー……
カナー……!
カナーーー!!!
みつ「カナ!それにみんなも!!」
金糸雀「みっちゃん!お帰りなさいかしらー」
JUM「し…、仕事じゃないんですか?」
みつ「みんなが居ると思って仕事を切り上げて来たのよ」
JUM「ちょ…、超能力…」
翠星石「それでいいんですか…?デカ人間…」
みつ「それでそれで?みんな何で集まってるの?ジュンジュンの持ってるカメラは?」
JUM「それは……」
真紅「………」ソーッ
雛苺「真紅ー、どこへ行くのー?」
真紅「ど…、どこへも行かないのだわ!」
翠星石「真紅ー、逃がしはしないですよー?」
真紅「逃げるだなんて…、失礼なことを言わないでちょうだい」
翠星石「そうですよねー、薔薇乙女が逃げるだなんて、そんなことするわけねーですよねぇ」
真紅「あ…、当たり前なのだわ……」グスッ
みつ「もちろんそれなら協力するわよー!」
JUM「いえ、別にわざわざそういうことをしなくても」
みつ「ついこの間仕上げたばっかりの服が沢山あるのよ!全部着てみてちょうだい!」
JUM「と…、止まらない…」
真紅「………」ゲッソリ
JUM「お…、おまえら大丈夫か…?」
翠星石「これが大丈夫に見えるですかー…?」
雛苺「ヒナも疲れたのー……」
JUM「少し休憩してくか?」
真紅「大丈夫よ…」
JUM「そうか…」
翠星石「次は水銀燈のとこですね…」
JUM「ん…、あれは…」
薔薇水晶「お使いの物は…、あと白菜としらたきだけ………、あ」
翠星石「薔薇水晶ですぅ」
薔薇水晶「………こんにちは」
JUM「こ…、こんにちは…」
翠星石「こんにちはですぅ…」
雛苺「こんにちはなのー」
薔薇水晶「……それでは」
真紅「あなたは何をしているの?」
薔薇水晶「お使い……、あなたがたは……?」
JUM「かくかくしかじかで……」
薔薇水晶「…………」ジー
JUM「う…、写るか…?」
薔薇水晶「……、いいのですか…?」キラキラ
JUM「も…、もちろんだよ」
雛苺「目が輝かしてるのー」
翠星石「そんなにカメラが珍しいんですかね…?」
JUM「じゃ…、じゃあ印刷したら送るから」
薔薇水晶「………ありがとうございます」
薔薇水晶「それでは………」
翠星石「また会おうですぅ」
雛苺「またねー」
真紅「さようなら」
JUM「一人でお使いできるのかな…?」
翠星石「チビ人間!薔薇水晶はやるときはやる子なんですよ!」
JUM「そうだよな」
薔薇水晶「………………」コケッ
JUM「あ、ころんだ」
薔薇水晶「…………」ウルッ
JUM「撮ってもいいと思う?」
真紅「止めておきなさい」
JUM「だよな…」
~病院~
めぐ「あら、こんにちは」
JUM「こんにちは」
真紅「こんにちは」
めぐ「今日はお揃いで何のよう?」
JUM「かくかくしかじかで…、水銀燈は居ますか?」
めぐ「そう…、思い出作りね…、私もそろそろ何か遺すものを決めなくちゃね…」
翠星石「なーに言ってるですか、おめーはまだまだ生きれる体ですよ」
めぐ「そう言ってくれると少し気が楽になるわね、えっと、天使さん……、水銀燈は多分そろそろ来ると思うわよ」
真紅「そう…、それならしばらく待たせて貰いましょう」
JUM「そうだな」
翠星石「…………」
JUM「ん、どうした翠星石?」
翠星石「ふっふーん、良いことを思いついたですぅ」
~数十分後~
水銀燈「…………」バサッ
めぐ「いらっしゃい」
水銀燈「…………」
めぐ「おいで、天使さん」
水銀燈「………ねぇ」
めぐ「なーに?」
水銀燈「歌…、お願いできるかしらぁ…?」
めぐ「ふふっ、お安い御用よ」
水銀燈「…………」スッ
めぐ「そんなに寄り添ってると歌いにくいわよ?」
水銀燈「…………」フルフル
めぐ「そばに居たいのね、わかったわ」
めぐ「~~~~♪」
水銀燈「…………」
めぐ「どうだった?」
水銀燈「よかったわよぉ…」
めぐ「そう、ありがとう」
水銀燈「…………」
めぐ「どうしたの?」
水銀燈「何でもないわぁ…」
めぐ「そう」
翠星石(水銀燈があんなに大人しいときなんて全然見ないですぅ)
真紅(そうね、あなたにしては良い作戦かもね)
雛苺(水銀燈が可愛く見えるのー)
JUM(でも、大丈夫なのか?)
翠星石(大丈夫ですよ、さぁ、シャッターチャンスですぅ…!)
めぐ「今日の天使さんは随分可愛いわね」
水銀燈「…っ!?い…、いきなりなによぉ…」
めぐ「ちょっとこっち向いて」
水銀燈「…………」ポッ
翠星石「今ですぅ!」パシャ
水銀燈「!?だ…、誰!?」
翠星石「水銀燈、なかなか可愛らしいとこがあるじゃねーですか」
水銀燈「翠星石……、それに真紅に雛苺……」
雛苺「いつもよりも可愛いのよー」
水銀燈「あなたたち、そんなにジャンクになりたいのかしらぁ…?」ゴゴゴ
めぐ「こら、水銀燈、ここは病院よ」
水銀燈「でも、めぐ……」
めぐ「みんなはあなたとの思い出を残したかっただけなのよ」
水銀燈「思い出…?」
真紅「ええ、そういうこと、アリスゲームなんて忘れてこういうことをするのも、悪くは無いんじゃないかしら?」
水銀燈「真紅……」
JUM「まあ、騙した…、というか、隠れて様子を見ていたのは謝るよ、ごめん」
めぐ「気にしなくていいのよ」
水銀燈「め…、めぐ!なんであなたが決めるのよぉ」
めぐ「あら、じゃあ駄目だった?いつも言ってるじゃない、みんなと仲良く…」
水銀燈「めぐ!シーッ、シーッ!!」
めぐ「ふふ、わかったわよ」
翠星石「それじゃあ改めて撮るですぅ」
JUM「よし、みんな、めぐさんの隣に立って」
水銀燈「…………」
真紅「水銀燈、どうしたの?」
水銀燈「ば…、馬鹿じゃないのぉ?」
翠星石「?」
水銀燈「私たちは敵どうしよぉ、それなのに仲良くなんてするわけ無いじゃない」
真紅「水銀燈……」
水銀燈「私は嫌よぉ、あなたたちだけで撮ってなさぁい」バサッ
雛苺「あ、行っちゃったのー……」
めぐ「………、ごめんなさいね」
JUM「いえ…、折角ですから、せめて真紅たちと一緒に写ってあげてください」
めぐ「そうさせてもらうわね」パシャ
JUM「それじゃあ…、失礼しました…」
めぐ「またいつか来てね」
雛苺「さようならなのー…」
真紅「さようなら…」
翠星石「翠星石が変なことを考えなければよかったですぅ」
JUM「そ…、そんなことは無いぞ、それに水銀燈の写真なら一枚撮れてるからな」
雛苺「ヒナは一緒に写りたかったのー…」
真紅「彼女ならそのうちわかってくれるわよ」
翠星石「そのうち…、っていつですか?」
真紅「…………」
翠星石「翠星石たちはもしかしたら明日にでも動かなくなるかもしれないですよ?」
翠星石「そしたらもう写真なんて撮ることも見ることも出来ないですよ?」
JUM「翠星石…」
翠星石「何が起こるかわからねーのに、いつかとか、そのうちとか言っていいんですか?」
JUM「翠星石!!」
翠星石「………っ!」
JUM「………、帰ろう」
翠星石「………グスッ」コクッ
JUM「ただいまー」
のり「お帰りなさい、どうだった?皆で写真撮れた?」
翠星石「………グスッ」
真紅「え…、ええ、撮れたわよ」
のり「良かったわね、思い出を残せるじゃない」
JUM「じゃ…、じゃあ僕は印刷の準備をしてくるよ」
真紅「私はくんくん探偵を見るのだわ…」
雛苺「ヒナも見るのー…」
翠星石「翠星石はいいですぅ…」
のり「……?」
翠星石「………、真紅、雛苺」
真紅「…何?」
雛苺「うゆ?」
翠星石「さっきはすまなかったですぅ…、ただ水銀燈と一緒に写真に写りたかったですから…」
真紅「わかってるわよ…」
JUM「さてと………」
JUM「まずこっちが僕で、真紅で、翠星石で…」
JUM「みんなで写ってるのはこっちで…、こっちは2枚っと…」
JUM「…………」
JUM「…………あれ?」
JUM「…………、そういえば忘れてたな」
真紅「今回は駄目だったけど、また明日行ってみましょう」
雛苺「諦めちゃ駄目なのよ!」
翠星石「そうですよね…、明日こそ一緒に写ってやるですぅ」
JUM「真紅、翠星石、雛苺」
真紅「どうしたの?JUM」
JUM「悪いけど、ちょっと来てくれ」
雛苺「どこにー?」
JUM「nのフィールドに」
雪「…………」
真紅「雪華綺晶…」
雪華綺晶「お久しぶりです…、お姉さま方……」
JUM「画像の整理をしてたら画面から出てきてな」
雪華綺晶「私も…、写りたかった…」
翠星石「すっかり忘れてたですぅ」
雪華綺晶「いえ…、気にしていませんので………」
雛苺「…………」ブルブル
雪華綺晶「桃薔薇のお姉さま…、どうしましたか……?」
雛苺「な…、何でもないのよー…」
雪華綺晶「食べなんてしませんよ……」
JUM「ところで、いつ知ったんだ?僕たちが写真撮ってるってのを」
雪華綺晶「いつというより……、ずっと…?」
真紅「ずっと?」
雪華綺晶「nのフィールドの入り口は…、そこにもあった……」
JUM「このカメラに?」
雪華綺晶「そこで見てた………、全部……」
JUM「そうなのか」
雪華綺晶「黒薔薇のお姉さまのことも……」
翠星石「……っ!」
雛苺「水銀燈……」
雪華綺晶「………」
JUM「ま…、まぁ、撮ろう!並んで並んで」
雪華綺晶「ありがとうございます……」
JUM「これくらいなんてこと無いよ、撮った写真は持ってくればいい?」
雪華綺晶「お願いします……」
真紅「わかったわ」
翠星石「それじゃあ、翠星石たちはこれで…」
雪華綺晶「………待って」
JUM「どうした?」
雪華綺晶「………」スッ
?「…!?」サッ
雛苺「今何かの黒い影が見えたのよー」
翠星石「ラプラスですか?」
真紅「…………、ふふっ」
雪華綺晶「追えばわかります……」
雛苺「あっちに行ったのー!」
翠星石「チビ人間!真紅!雪華綺晶!早く追うですぅ!」
JUM「そ…、そんなに早く行くなよ!」
雪華綺晶「慌てなくても大丈夫………」
真紅「あの子もやっぱり素直じゃないわね…」
雛苺「苺わだちー!」シュッ
?「キャッ!」
翠星石「よっしゃー!捕まえたですぅ!って……」
雛苺「す…、水銀燈ー!」
水銀燈「は…、離しなさいよぉ!」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2009/08/11 08:56:38.52 QLO3I8W6O 44/63ん?雪華綺晶はカメラに写るのか?
>>62 え、写らないの?
まあ、気にしたら負けってことで!
………、ごめんなさい
翠星石「なんで水銀燈がここにいるですか?」
水銀燈「べ…、別に私がどこにいようと勝手じゃないの」
JUM「ハァ…、ハァ…、追いついた…、って、水銀燈じゃないか」
真紅「気づくのが遅いわよ、三人とも」
雪華綺晶「黒薔薇のお姉さま………」
水銀燈「な…、なんなのよぉ、言っておくけど写真には写らないわよ!」
翠星石「なんで写りたくないですか!」
水銀燈「さっきも言ったじゃなぁい、敵同士が何で写らなきゃいけないのよぉ!」
雛苺「でも、ヒナは水銀燈とも一緒に写りたいのよー…」
水銀燈「……、私には関係無いわぁ」
雪華綺晶「黒薔薇のお姉さま…、もう少し自分に素直になったらどうですか……?」
水銀燈「私はいつも自分に素直よ、いいから離しなさい!」
真紅「水銀燈……」
水銀燈「な…、何よ真紅…」
真紅「………………」
水銀燈「何か言いなさいよぉ…!」
真紅「これはある子が言った言葉だけど、私たちは明日も生きているなんて保障はどこにも無いのよ」
真紅「そう…、私たちは戦う運命を背負ってきた生まれてきたのかもしれない」
真紅「明日にはもしかしたらあなたが私たちの誰かのローザミスティカを奪っているかもしれない」
水銀燈「もしかしたらじゃなくて、本当に奪うわよぉ…!」
真紅「それが私たちの宿命だから仕方が無いこと…、でも!!」
真紅「戦う敵同士である前に…、私たちは姉妹よ……?姉妹らしくしましょうよ…」
水銀燈「…………」
雛苺「ねぇ、すいぎんとぉ~……」
水銀燈「…………わね」
翠星石「小さくて聞こえないですぅ」
水銀燈「……、しょうがないわねって言ったのよ!二度も言わせないで!」
雪華綺晶「黒薔薇のお姉さま…」
水銀燈「まったく、甘えん坊の妹を持つと本当に厄介だわ」
雛苺「水銀燈ー!」グスッ
水銀燈「ああもう、なんで泣いているのよぉ、まったく、一枚だけよ!人間!」
JUM「にんげ…、ああ、僕か」
水銀燈「撮るなら早く撮りなさぁい…」
JUM「あ…、ああ、そうだな、みんな並んで」
翠星石「わかったですぅ」
真紅「ふふっ……」
水銀燈「撮れたわねぇ?じゃあ私は帰るわよぉ」
翠星石「ま…、待つですぅ」
水銀燈「…何よぉ」
翠星石「せ…、折角だから、一緒にご飯を食べるですぅ」
水銀燈「何で私があなた達と…」
雛苺「賛成なのー、水銀燈、早く行くのよー」
水銀燈「ちょっとぉ、なんで勝手に決めてるのよぉ」
真紅「あら、嫌なの?」
水銀燈「別に嫌じゃないけどぉ…、迷惑がかかるじゃないの…」
JUM「いや、大丈夫だと思うぞ、今日はカレーみたいだし」
水銀燈「ぐっ…」
翠星石「じゃあ断る理由なんてねーですね、行くですぅ!」
雪華綺晶「お姉さま方…、JUMさん…、またいつかお会いしましょう」
雛苺「ばいばーい」
翠星石「いつかじゃねーですぅ、絶対会うですよ」
JUM「それじゃあな、雪華綺晶」
水銀燈「まったく……」
JUM「改めてただいまー」
のり「あらみんな、どこへ行ってたの?」
翠星石「ちょっとわがままな姉を呼びに行ってたですぅ」
水銀燈「それってどういうことぉ…?」
JUM「な…、ケンカはよせよ!」
のり「あら、水銀燈ちゃんもご飯食べてくの?」
真紅「大変かもしれないけど、よろしくね、のり」
のり「じゃあもっと張り切っちゃうわ!」
ピンポーン
のり「あら、誰かしら…、誰かかわりに出てちょうだい」
翠星石「了解ですぅ」ガチャ
蒼星石「こんばんは、翠星石」
翠星石「蒼星石!それにおじじにおばば!」
おじじ「やあ、翠星石」
おばば「さっき来たときに渡すのを忘れてたのよ、はい、翠ちゃん、この前の旅行のお土産」
翠星石「んー…、何ですかこれは?」
蒼星石「羊羹だよ、写真のお礼も兼ねてね」
翠星石「羊羹ですか、翠星石は好きですよ!」
JUM「わざわざありがとうございます」
おじじ「いえいえ、気にしないでください」
巴「あのー…、すいません」
JUM「か…、柏葉、どうした?」
巴「桜田君、これ、今日でた宿題だけど渡すの忘れてて…」
JUM「ああ、わざわざありがとう」
金糸雀「…………」コソコソ
雛苺「かなりあー、何してるのー?」
金糸雀「……っ!?」ビクッ
JUM「金糸雀も来てるのか?」
金糸雀「か…、カナだけじゃ無いかしらー」
真紅「まさか…、みっちゃんさんも…?」
みつ「せいかーい!」
JUM「ど…、どこから入って来てるんですか!」
みつ「あーもう、真紅ちゃん可愛いわね~」スリスリ
真紅「熱い熱い!!と…、溶ける!」
JUM「その紙袋は?」
みつ「ああ、忘れてたわ、新しい衣装を見つけたから着てもらおうと思って来たのよ」
雛苺「金糸雀は何できたのー?」
金糸雀「み…、みっちゃんが心配だったからかしらー…」
薔薇水晶「…………」
翠星石「あ…、ち…、チビ人間!」
JUM「どうした…?あ…」
薔薇水晶「………」
JUM「………」
薔薇水晶「………出来た?」
JUM「しゃ…、写真?」
薔薇水晶「…………」コクッ
JUM「あー…、ごめん、まだなんだ」
薔薇水晶「……そうですか」
JUM「じゃあすぐ印刷するから待っててくれ」
薔薇水晶「わかりました……」チョコン
のり「あらあら、今日はお客さんが一杯ね」
翠星石「そうですねぇ」
水銀燈「あなた達のところはいつもこれくらい賑やかなのぉ?」
真紅「今日は特別ね」
翠星石「偶然にも翠星石たちが撮った人たちばっかり来てるですぅ」
水銀燈「あら、そうなのぉ…」
雛苺「じゃあめぐも来るかなー?」
水銀燈「それは無理よぉ、彼女、病気持ちだもの」
薔薇水晶「あ……」
真紅「どうしたのかしら?」
薔薇水晶「……忘れてました」
めぐ「こんばんは」
水銀燈「め…、めぐ!」
薔薇水晶「一人じゃ心細かったから……」
水銀燈「か…、体は大丈夫なのぉ?」
めぐ「ええ、大丈夫よ、なぜか体が軽いくらいなのよ」
翠星石「まさか…、薔薇水晶が…?」
薔薇水晶「………ブイ」
真紅「どうやってるの?」
薔薇水晶「内緒………」
雛苺「ご都合主義なのー」
薔薇水晶「シーッ…」
めぐ「結局あなたも写ったのね」
水銀燈「わ…、わがままな妹が泣いて頼むから仕方が無くよぉ…」
めぐ「ふふ、そういうことにしておいてあげるわ」
のり「そうね、折角だから皆で写真を撮りましょうよ」
翠星石「お、それはいいですねぇ」
真紅「でもこの人数だと撮る場所が無いのじゃないかしら?」
のり「テーブルをどかせばみんな入れるわよ」
蒼星石「お手伝いしますよ」
雛苺「ヒナも手伝うのー」
のり「じゃあテーブルをこっちに寄せて…、あら?テレビに何か映ってるわ…」
水銀燈「き…、雪華綺晶…」
雪華綺晶「………」
真紅「あなたも写りたいのね」
雪華綺晶「………」コクッ
のり「それならテレビをこっち側にして……、みなさんここに並んでくださいな」
翠星石「チビ人間、準備できてるですか?」
JUM「いや、ちょっと待ってくれよ…、なかなかちょうど良い感じに……、よし出来た」
のり「JUM君は真ん中のここよ」
JUM「わかったわかった、それじゃあ行くよー」
パシャ
~夜~
翠星石「本当にいろんな写真を撮ったですねぇ」
JUM「薔薇水晶や雪華綺晶の写真まで撮るとは思わなかったよ」
真紅「水銀燈と一緒に撮れるとも思ってなかったわね」
雛苺「ヒナ、全部端っこなのー…」
翠星石「チビ苺は脇役だからしょうがねーですぅ」
雛苺「うー!ヒナも主役なのよ!」
のり「まーまー、ケンカしないの」
JUM「じゃあアルバムにいれて来るよ」
雛苺「アルバム…?」
翠星石「あー、写真撮るのが楽しくて、目的すっかり忘れてたですぅ」
JUM「…………」
真紅「そうね…、そうしてみると、少しJUMの写真が少ないわね」
JUM「え、結構あるじゃないか」
真紅「あなたの成長記録の一つでもあるのだから、もっと多い方がいいのだわ」
JUM「そういうものかな?」
翠星石「よし、それじゃあ翠星石が撮ってやるからチビ人間はこっち向けですぅ!」
雛苺「あー、ヒナも撮りたいのー」
翠星石「チビ苺が撮るとお化けも写るに決まってるですぅ、子どもがカメラを使うとお化けが集まってくるって…、まさかチビ苺は知らなかったですか?」
雛苺「し…、知ってるもん!ヒナは子どもじゃないもん!」
JUM「翠星石、あんまり雛苺をからかうな、2枚撮ればいいだろ?」
翠星石「ま、それもそうですね」
翠星石「それじゃあ、笑えですぅ~」
JUM「はいはい」パシャ
翠星石「なーんか変な顔ですねぇ…」
JUM「やっぱり作り笑顔にしか見えないな…」
雛苺「じゃあ次ヒナが撮るのー」
JUM「うまく調節しろよ?」
雛苺「わかってるのよー…、ウワッ!」ツルッ
翠星石「ぷっ、やっぱりおばか苺ですねぇ」
JUM「はは、大丈夫か?」
雛苺「いたたた…、あれ、撮れてるのよ?」
翠星石「どれどれ?」
JUM「おー…、自分で言うのもなんだけど、いい笑い顔になってるな」
雛苺「ヒナの勝ちー!」
翠星石「こ…、こんなの認めねーですぅ!」
翠星石「もう一枚撮るですぅ!」
雛苺「あー、翠星石ずるいのよー」
翠星石「ん…、あれ?動かないですぅ…」
JUM「壊れたのか…?なんだ、ただの電池切れだ」
翠星石「それなら早く新しい電池と交換するですぅ!」
JUM「駄目だ、もうおしまい」
翠星石「チビ人間のケチー!」
JUM「はいはい、何とでも言ってろ」
~深夜~
JUM「……、これが僕…、か」
JUM「昔の写真と比べると全然違うな」
JUM「身長とか…、表情とか……」
JUM「……………」
JUM「もう少し口が上がってたほうがいいかな?」ムニッ
真紅「…、何しているの?鏡なんて見ながら変な顔して」
JUM「し…、真紅!寝たんじゃなかったのか?」
真紅「ずっと後ろで本を読んでたじゃない」
JUM「そ…、そうか…」
真紅「あんまり変なことしてないで早く寝なさい、私はもう寝るわ」
JUM「あぁ…、お休み」
真紅「お休みなさい」
JUM「変なことねぇ…」
JUM「やっぱり無理に表情なんて作る必要はないのかな?」
JUM「…………」
JUM「…………雛苺の撮った僕は何か良い笑顔だよな」
JUM「…………」
JUM「そろそろ寝るか…」
JUM「…………」
JUM「なぁ、僕……」
JUM「もう少し自分に優しく…、というか」
JUM「もっと素直に笑った方がいいぞ?」
~完~
今年のローゼンssが欲しいなぁ