ほむら「朝ね…」
ほむら「布団から出たくない…」
ほむら「でもまどかに会いたい……」
ほむら「朝起きて、すぐまどかが隣にいたらどんなに素晴らしいだろう。」
ほむら「そして、ぎゅっと抱きしめて……おはようって」
ほむら「……」///
~1時間後~
ほむら「結局こんな時間までぼーっとしてしまったわ。」
ほむら「なんとか、合法的に朝起きてまどかにすぐに会える方法はないかしら…」
TV「今朝のニュースです。24歳無職の男が中学女性徒の家に押し入り……」
ほむら「……なんですってっ!?」
元スレ
ほむら「まどか……会いたい……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329304560/
~深夜2時 まどホーム前~
ほむら(わ、私は決して悪いことをしようとしているわけじゃない)
ほむら(暴漢がまどかの部屋に押し入ったりしたら、私がまどかを守らなきゃいけないもの)
ほむら(そ、それにいつQBに出し抜かれるわけにはいかないわ。)
これは(そういう正当な理由があるから、ただの夜這いではないわ)
ほむら「というわけで、さくっと忍び込みましょう。」
両足に力を込めて、2階のベランダの上に飛び乗る。
ほむら(まどかの部屋はこの先ね…)
ほむら(カギが掛かっていないようね)
ほむら(なんて無用心な……)
ほむら(待ってなさい、まどか…今行くわよ!)
扉を開ける前に、時間停止の魔法を使う。
ほむら(中の様子を確認してからでないと、怖くてとても入れないわ)
ほむら「時よ止まれ!」
ガチャッ!
早速まどかの部屋へ忍びこんだ。
視界を確保するための懐中電灯をつける。
すぐにドアを閉めると、まどかの姿を確認した。
ほむら「ベッドで横になっているみたいね」
まどかの部屋の外も念のため調べてみたが、家族が起きている様子もなかった。
ほむら(ここまで順調ね)
ベッドに向かってゆっくりと距離を詰める。
時間停止しているのでまどかが起きているかどうかが分からない。
寝息すら聞こえない。
時間停止が切れた瞬間、
「わ、ほむらちゃん、どうしてここに?」
などということも十分あり得る。
ほむら(そうなったら、目も当てられないわ…)
そんなことにならないため、慎重にことをすすめなければならない。
まどかにライトを当てる。
無邪気な寝顔。
まどか(……)
ほむら(ああ…今すぐ布団に潜り込みたいわ……)
ほむら(布団の中で、護衛をするというのもアリよね)
ほむら(ゴクリ……)
あと数秒しか魔法を維持できない。
もぐり込むなら今しかない…
ほむら(まどかの隣で寝れたのなら、私の人生もう何も怖くない)
ほむら(でも、まどかが起きだす可能性も捨て切れないし…)
そうなった場合、再び魔法で時間停止するだけの魔力はもう残っていない。
ほむら(逃げることができなかったときは、一生物の恥ね)
ほむら(ああ……どうすれば…)
シュワ……
ほむら「しまった…時間が……!」
時が再び動き出す。
私は慌てず、息を殺した。
ほむら「……」
まどか「Zzzzzzz……」
ほむら(寝てる…)
まどかの寝息が聞こえてきた。
ほむら(しまったわ。せっかくチャンスだったのに…)
ほむら(これだけぐっすり眠っているのなら、潜り込んでいても気付かれなかったわ)
ほむら(惜しいことを…)
ほむら(い、いやいや。惜しいってなんだ、惜しいって…)
ほむら(私の目的は、あくまでまどかの護衛だもの)
ほむら(チャンスとか、やましいこととか、微塵も、これっぽっちも思ってないわ)
私は音を立てないように、横になった。
まどか「クー……ん……う…」
ほむら(……かわいい)///
11月の夜だけに何もかぶらないと肌寒い。
それでも私の胸の中は春の息吹を感じているように温かかった。
目の前にまどかの寝顔がある。
まどか「スー…スー……ん……スー」
ほむら(まどか……)
大好きな人の寝息を、側で感じられる。
それだけで胸がいっぱいだった。
ほむら(今日はもうこれくらいで帰りましょう)
~朝~
いつもよりうんと眠い。
夜の外出をしたせいで睡眠時間が減っただけではない。
結局あの後、興奮して眠れなかったのだ。
目をつぶる度にまどかの顔が浮かんでくる。
ほむら(まどか……)
~学校~
学校への道をフラフラと歩く。
「おはよう、ほむらちゃん!」
後ろから聞きなれた声がして、ドキっとした。
ほむら「ま、まどか」///
まどか「ん?わたしの顔に何かついてる?」
ほむら「い、いえ…そうではなくて」///
まどか「なんだか、元気がないね…どうかしたの?」
ほむら「何でもないわ。」
無邪気な笑顔が眠気を吹き飛ばしていく。
ほむら「ちょっと遅くまで勉強してて」
まどか「そうなんだ。わたしはいっつも11時には寝ちゃうから、遅くまで勉強できないんだ」
ほむら「結構早いのね…ご家族も早いのかしら?」
まどか「うん。みんな12時には寝ちゃうかな?ほむらちゃんは?」
なるほど。それはいいことをきいた。
ほむら「そうね。私もだいたい12時ぐらいに寝るかしら…」
ほむら「昨日はかなり遅くまで起きてたのだけど」
ほむら(あなたの隣で…)
~ Front of Mado Home / AM1:00~
ほむら(今日は……まどかの布団に入って見張りをしましょう)///
ほむら(ほ、ほら……もう11月だし、私も風邪を引いてしまったらいけないものね。)
ほむら(べ、別にいやらしいことをする為にやるわけじゃないもの)
ほむら(私の目的はまどかの護衛)
ほむら(悪漢や、QBの魔の手から、まどかを守ること)
今日の作戦は、昨日と変えてみようと思う。
まどかの部屋に侵入する際、一切魔法を使用しない。
まどかと鉢合わせする危険が伴うが、
その代わり、もしまどかが起きだしたり、家族が来た際には時間を止めて安全に抜け出すことができる。
ほむら「それじゃ、早速いってみましょう」
昨日と同じ手口で侵入を試みる。
懐中電灯は目立つので今日は持ってきていない。
ほむら(よし、今日もまどかは寝ているわね…)
全身の神経を耳に集中させ、家族の誰かが寝静まっていることを確認した。
ほむら(よ、よし……ここまで順調ね)
ほむら(さ…寒いわね)
ほむら(こんなに寒かったら、毛布の1枚ぐらい欲しいものよね……)
ほむら(……///)チラッ
ほむら(ごめんね、まどか。絶対に起こさないから入れてちょうだい……)
まどかを起こさないように、まどかのベッドに入る。
ほむら(まどかには触れないように……)
そぉ~~
ほむら(よし、毛布の中に入れたわっ!?)
ほむら(な、なんだか順調過ぎて怖いわね……)
ほむら(ここで、今日はまどかを守りましょう)
ほむら(あぁ…ぬくぬくね)
まどかの体温のせいか、毛布があったかいのだ。
ほむら(まどか……)
目の前でまどかが寝ている。
私には時間停止魔法が使えてしまうのだ。
ほむら(時間を止めてしまえば…)
ほむら(はぁはぁ、すごくドキドキしてきたわ)
ほむら(この日のためだけに、時間ループしてきたと思えばつらいことなんてなかったわ)
ほむら(言ってみれば、神様が頑張った私に与えてくれたご褒美ってところかしら)
ほむら(けれど、私……そんなことをしていていいの?
ほむら(これじゃまどかを守る為に来たのに、ただの変態よね)
ほむら(で、でもちょっと触るぐらいなら不可抗力よ)
ほむら(肌が触れるとか、護衛にはつきものだものよね…)ウンウン
ほむら(たまたま。そう、たまたま手を伸ばしたら当たってしまったのよ)
ほむら(で…では早速…)
ほむら(この状態で触れる場所っていったら…)
頭
背中
そ、それから……
お尻…
お尻……!?
ほむら(いけない)
ほむら(……そんな、そんなのはダメよ……)
はぁ…はぁ……
ほむら(いくらなんでもやりすぎよ……ね?)
ほむら(思い出しなさい、私。私の目的はまどかの護衛)
ほむら(まどかの安全と身を守ることよ)
ほむら(いやらしいことをするためではないわ)
ほむら(それに……まどかと同じベッドで寝られているのだしこれ以上は……)
ほむら(で…でも背中によりかかるぐらいなら…いいかしら?)ドキドキ
小さな曲線が私を誘惑する。
ほむら(ああ…触れたい…まどかのせなか)ホムホム…
ほむら(まどか……)
よじ…
ほむら(さ、触っちゃった…)///
ほむら(お願い、起きないで……)
まどか「ん…ん……」
ほむら(お願い!!)
まどか「ん~~…」
まどか「すー……すー……」
ほむら(よ、よし。起きなかったわ)
緊張が抜けると、幸福感だけが私を包み込んだ。
ほむら(ああ…ずっとこのままでいたい…)
ほむら(パジャマ越しにまどかの体温が伝わってきて温かいわ…)
ほむら(えへへ…あったかい…)
ほむら(それに……いい匂いがする)
ほむら(ねぇまどか、すりすりしたら起きるかしら?)
ほむら(うふふ……)
ほむら(起こさないように、そっとね…)
すり…………すり…………
ほむら(……)///
ほむら(こんなことやっておいてなんだけど、とても恥ずかしいわ)///
すり…………すり…………
ほむら(……)///
ほむら(まどかに甘える姿、誰にも見せられないわ…)///
ほむら(でも、もっと触ってみたい…)
ほむら(背中とか、頭をなでたら起きちゃうかしら?)
まどか「んっ…ん~~…」
ほむら(!?)
ほむら(起こしちゃった?)
い、いや違う。
ほむら(寝返りかしら?)
ほむら(と、とりあえず避けて顔に当たらないように…)
クルッ
ギュッ
ほむら「ひゃっ!?」
ほむら(せ、背中にまどかの腕が…)
ほむら(そんな、抱きしめられ…)
ほむら「寄せられたらむ……む」
ぷにっ……
ほむら「~~~~っ!?」
ほむら(まどかのむ…胸…)///
ほむら(か、顔にまどかの胸が!?)
ほむら(ちょ、ちょっと待ってまどか、私はそんな展開望んでいないわ!)
ほむら(そりゃあ、あなたの隣であなたの体温を感じながら眠りたいと思ったわ)
ほむら(あなたの側にいたいと思ったからよ)
ほむら(いろんな妄想はしたものの、決して。決して私はあなたに多くを望んだわけではないの!)
ほむら(キスなんてもってのほか。抱き合って眠るのも、正直恥ずかしいと思ってるんだからっ!)///
ほむら(わ、わかったかしら、まどか!)///
ほむら(わかったら、さっさとこの手を離しな……)
スリスリ…スリスリ……
ほむら(ちょ……まどか、顔…顔スリスリって…)///
ほむら(私を抱き枕か何かと勘違いしているの?)
ほむら(これは私の身体であって、抱きまくらではないのよ!)
ほむら(あなたは、毎晩使っている抱きまくらと、人の区別もできないの!?)
まどか「むにゃむにゃ……」
ほむら(ああ…どうしよう…)ホムー!
ほむら(このままじゃいろいろとまずいわ)アワアワ…
おもに私の心臓と、理性が……
まどか「ウェヒヒ……」
ほむら(笑ってる……のかしら?)ドキドキ
ほむら(どんな夢を見ているの?)
ほむら(……あ)ドキッ
ほむら(今更だけど大変なことに気付いたわ)アワワ
ほむら(このままじゃ、まどかが目を覚ましても私にはみえないじゃないの!)アセアセ
ほむら(私にはまどかの胸しか見えていないのよ)
ほむら(少なくともまどかの目が開いているかどうかを確認できるような体制じゃないと困るわ!)
ふに…ふに…
ほむら(……)///
ほむら(気持ちいい……)///
ほむら(息はできるのだけど、興奮して鼻息が心配ね)
ほむら(なんにしても、やはりこの状況はまずいわ)
ほむら(時間停止を使ってでも、切り抜けるべきかしら?)
一度魔法を使うと3時間は魔力が回復しない。
ほむら(もし使うのであれば、まどかが違和感で起きだす可能性があるわ)
ほむら(護衛ができなくなってしまう……)
ほむら(それに…こんなチャンス、もといラッキーは今後あるのかしら?)
ほむら(今後忍び込んだとしても、まどかがこんな風に抱きしめてくれることなんて…)
ほむら(……離れたく……ない)
ほむら(せ、せめてまどかの顔が確認できれば…)
ほむら(なんとかやってみましょう)
顎を使って慎重に体制を立て直す。
ほむら(よいしょ、よいしょ……)
ほむら(ね、胸が当たる……)
ほむら(ふぅ~)
なんとかまどかの口元が確認できる位置まで移動できた。
ほむら(まどかの目は見れないけど、表情が少し見れる分安心ね)
ほむら(あとはまどかが目を覚まさないことを祈りながら、少しずつ角度を変えていけばいいかしら…)
まどか「スー…スー……」
ほむら「ひっ!?」
ほむら(まどかの寝息が、額に)///
ほむら(額に……かかってる……)///
ようやくおっぱいの魅惑から開放されたと思ったのに……
ほむら(まどか、あなたはどこまで私を苦しめるというのっ!?)
ほむら(いいこと! 私はあなたを守りにきた言わば、ナイト)
ほむら(決してあなたを襲いにきたわけではないの!)
ほむら(あなたの布団に勝手に入ったことは、悪かったと思ってるわ)
ほむら(でもね、私も風邪をひいたらあなたを守ることができないの)
ほむら(わかるかしら? 全ては正当な理由があって、この行為に及んでいるのよ)
チュ~
ほむら「っ~~~~~!!」///
ほむら(おでこ……キスされ……)
まどか「ウェヒヒwwww、ほむらちゃんは、えっちだよ~」
ほむら(どっちがよ!!!)
ほむら(ていうか、あなた、どんな夢みてんのよっ!!)
ほむら「も、もうダメ…」
ほむら(ダメ……もう、あなたを守れそうにないわ……)
ほむら(またね、まどか……)サッ
時を止め、私はまどかの家を去った。
~学校~
さやか「おっす、まどか」
まどか「おはよう、さやかちゃん」
さやか「転校生、まだ来てないみたいだね。いつも早いのに…」
まどか「本当。どうしたんだろうね?」
~ ほむホーム 深夜 ~
ほむら(3日も学校を休んでしまったわ……)
ほむら「それもこれも、全部私のせいね…」
ほむら「はぁ…明日こそはちゃんと学校に行かなくちゃ」
ほむら(別に、顔を見られた訳でもないのだものね……)
ほむら(まどかと普通に話せるといいのだけど…)
ほむら(あんなことされてしまっては…)
ほむら(……)///
ほむら(いけない、キスのこと思いだしてしまった)
ほむら(まどか……会いたい)
カサッ……
ほむら(何の音かしら?)
すた……すた……
すた……すた……すた……
ほむら(こっちに歩いてくる?)
ほむら(暗くてよくわからないわ……)
ほむら(泥棒?いや、もしかしてこれが噂の暴漢?)
ほむら(ふふふ……魔法少女の家に忍び込むなんていい度胸ね)
ほむら(返り討ちにしてやるわ)
ほむら(時よ止まれ!)
ザッ!!
ほむら(今のうちに電気をつけましょう。)
ベッドから乗り出して、電灯に手を伸ばす。
カチッ! パァ~
ほむら(さぁ、観念しなさい…って……)
ほむら(まどか?)
ほむら(……もしかして、お見舞い?)
ほむら(だとしても、こんな時間に来るのは不自然だわ)
ほむら(どういうこと?)
ほむら(……とりあえず、まどかの思う通りにしてみましょう)
ケシッ…
電灯を消して、何もなかったかのように布団に戻る。
そして、時が再び動き出した。
すた……すた……すた…………す。
ほむら(き、きた……)
ほむら(立ち止まって、何をしてるのかしら?)
まどか「……」
ほむら(……もしかして、私が寝ているかどうか、確認しているの?)
ほむら(なら、期待に答えてあげるわ)
ほむら「Zzzzzzzz」
まどか「ホッ……」
ほむら(どうやら上手くいったみたいね)
ほむら(それから、どうするのかしら?)
ほむら(なんだか、顔を近づけてくるようだけど…)
まどか「クンクン…クンクン……」
ほむら(匂いを嗅いでる?)
ほむら(な、何を…)
まどか「………この匂い」
まどか「……やっぱり、ほむらちゃんだったんだ」
ほむら(!?)
ほむら(そ、そんな……)
つまり、まどかは気づいていたのだ。
私がまどかの家に忍び込んでいたことを。
暗闇で確信が持てなかったまどかは、
私の家に来てそれを確かめに来たのだろう。
ほむら(終わった……)
ほむら(完全にまどかに嫌われたわ……)
ほむら(なんて終わり方だろう。)
ほむら(これまでのどんな終わり方よりひどい)
ほむら(こんなことなら、まどかの家に忍び込んだりするんじゃなかった……)
ほむら(いっそのこと、もう……
ほむら(時間を戻してしまおうかしら……)
ほむら(いや……せめて…)
ほむら(せめて侘びの言葉と、自分の気持ちを伝えてから…)
ほむら(それが今のまどかにできる精一杯の謝罪だわ)グスッ
まどか「ほむらちゃん、泣いてる……?」
ほむら(まどか……ごめんなさい……)
まどか「怖い夢、見てるのかな……」
ほむら(違うわ……そんなんじゃない)
ガサッ…ゴソッ……
背後で絹が擦れる音がした。
ほむら(えっ…)///
ほむら(まどか……一体何をしてるの?)//
ギュッ……
まどか「……もう大丈夫だよ」
ほむら(まど…か…?)
まどか「ほむらちゃんは、魔法少女だから、きっと私より辛いこといっぱいあるんだよね」
まどか「私の家に来てくれたのは、怖くて一人で眠れなかったからなのかな?」
まどか「えへへ、だったらうれしいな……」
まどか「苦しい時に、私を頼ってくれたんだよね。」
ほむら(まどか……)
まどか「部屋の鍵あけておいてよかったな……」
まどか「一瞬、泥棒さんが来たと思ってびっくりしたんだよ」
まどか「ずっと怖くて、目を閉じてたの」
まどか「でもその人は何も盗らないで、じっとしてて…」
まどか「ベッドの横でずっと私を見てた…」
ほむら(ごめんなさい…怖い思いをさせてしまって)
まどか「私はほむらちゃんのことが心配だよ」
まどか「ほむらちゃんが、どうして魔法少女をやっているのかわかんないけど」
まどか「なんだか、私のことばかり気にしてるみたいで…」
まどか「すごくうれしいのに、胸が苦しくなるときがあるんだ」
ほむら(私…あなたに心配してもらう資格なんてないのに……)
まどか「出会ったばかりなのに、不思議だね。」
まどか「なんだがほむらちゃんが、すごく特別な気がするの…」
まどか「だから……あんまり遠くに行かないでほしいな。」
ほむら(行ったりしない…)
ほむら(どこにも行ったりしないわ…)
ほむら(だからお願い……まどか)
ほむら(涙が止まるまで……もう少しだけ……ここにいて…)
おしまい
まどか「あとね……ほむらちゃん…」
まどか「最近、私寝不足なんだ…」
まどか「私、毎日待ってたんだよ……」
まどか「ほむらちゃんが来てくれるのを……」
ほむら(まどか?)
まどか「なのに、ほむらちゃんたら、あれから一回も来てくれなくなっちゃったんだもん…」
まどか「私、何時まで待ってればいいのかな?」
ほむら(まどか……)
まどか「ごめんね……」
まどか「私が、あんなことしちゃったから…」
まどか「きっとびっくりしちゃったんだよね……」
ほむら(あの日もずっと、起きてたの?)///
ほむら(てことは、あのすりすりしたのも…いや、死にたい)////
まどか「でもね、ほむらちゃん…」
まどか「私…すごく嬉しかったの」
まどか「ほむらちゃんが前から、私を気にしてくれてくれてること知ってて…」
まどか「もしかしてたら、窓を開けておいたら、ほむらちゃんが来てくれるんじゃないかって…」
まどか「そしたら、本当にほむらちゃんが来てくれたの。」
まどか「サンタさんも、もう信じてないのにね……」
まどか「初めて来てくれた日は、泥棒さんかと思ったんだけど…」
まどか「ほむらちゃんがじっとしてるから、きっとほむらちゃんだって…」
まどか「寒そうだから、一緒に寝ようよ…って」
まどか「声をかけようか、ずっと悩んでたんだよ…」
まどか「覚悟が決まった頃には、ほむらちゃんはいなくって…」
まどか「……寒かったよね?ごめんね」
ギュッ
背中に柔らかい膨らみを感じる
ほむら(ど、どうしよう…起きてるってすごく言いづらい雰囲気になってしまったわ)///
まどか「次の日、ほむらちゃんが私のベッドに入ってきたよね」
ほむら(ドキッ)///
まどか「私ね、すごくドキドキしたんだ……」
まどか「もしかしたら、ほむらちゃんが私をって…少し思って…」
まどか「なんかすごいことされちゃうのかなって」///
まどか「こ、こんなこと考えちゃう、私はえっちなのかなって思ったんだけど」///
まどか「すごくドキドキして…」
まどか「ちょっとだけ、そういう想像しちゃった…」///
まどか「ほむらちゃんが、そういうつもりじゃないってことは、わかってたんだけどね」///
まどか「でも、ほむらちゃんが私の背中に寄りかかってきて…」
まどか「あの時ほむらちゃんはどういうつもりだったのかな?」
まどか「やっぱり、寂しかったから?寒かったから?」
まどか「それとも……」
まどか「私だったから……?」////
ほむら(そんなの決まってるわ!まどか!)
ほむら(ああ、喋りたい!喋りたいわ!!)
まどか「私はね、まだ自分の気持がよくわからないの…」
まどか「でもね、なんだか子供みたいに甘えてくるほむらちゃんがすごく可愛くって…」
ほむら(ひ、ひぃ~~~)///
まどか「それがすごく嬉しくって…」
まどか「自分でもよくわからないうちに、ほむらちゃんのこと抱きしめてた…」
ほむら(…まどか)
まどか「嫌……だったんだよね?」
まどか「……だから、魔法使って逃げちゃったんだもんね」
ほむら(……まどか?)
まどか「自分でもやり過ぎたかもって……」
まどか「………」
まどか「ごめんなさい」
まどか「もうあんなことしません…」
まどか「抱きしめるのも、これで最後にします」
まどか「だから……お願い…」
まどか「ほむらちゃん、私のこと嫌いにならないで…」グスッ
背中からまどかの温もりが伝わってくる。
嬉しい……
こんなに想われて、こんなにまどかに想われて…
時間を繰り返す度に、私たちの心は離れてしまった。
離れてしまった。
なのに…
ほむら(こんなことって…あるんだ……)
私は無言でまどかの手を握った。
まどか「……ほむ……ら……ちゃん?」
結局ダメだった。
まどかがいるうちに、涙を止めようとしていたのに…
全然ダメ。
あふれてくる…
嬉しくて。
本当に嬉しくて。
まどか「…また泣いてるの?」
まどかは、私が起きていると知ってもさして驚いた素振りは見せなかった。
ほむら(途中から気づいていたの?)
それとも、最初から聴かせるつもりで話していたのだろうか?
まどかは、なんて強い子なんだろう。
出会った時から、私がずっと憧れだった。
でも、私はダメ……
こんな時に何を話していいか、言葉がみつからない…
ほむら(それでもどうかずっと私と……)
私は、強く、強く、まどかの手を握る両手に、祈りを込めた。
「どうか朝、目が覚めたら、まどかがそこにいますように」
と。
いつの間にか、私たちは目を腫らし、眠りについていた。
おしまい