1 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:00:42 FYu8r4kR0


「なんだっけ、氷の女王?
……まったく面倒なあだ名つけられちゃったもんよ」

「笑わないし泣かない、あくびもしなけりゃトイレにもいかないだの
勝手に伝説作ってくれちゃって」

「おかげで人前で食事もできやしない」

「……」モグモグ

「ねえ、あんた2組よね?」

「旧棟の調理準備室……いつもここでご飯食べてるわけ?」

「……まあ」モグモグ

「こんな陰気なとこでお弁当食べておいしいわけ?」

「……ほっとけ」モグモグ

「理解に苦しむわ。教室で食べれば良いのに」


「さて、いただきます」パカッ

「……」モグモグ

元スレ
女「……無口キャラも疲れるわ」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1241611242/

4 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:02:51 FYu8r4kR0


「あ、何でここで食うんだよって、そう言いたそうね」

「……」ムシャムシャ

「さっきも言ったでしょ。
教室で食べるわけにはいかないの」

「……」ゴクゴク

「あんたはなんでこんなところで……」

「……ふー」

「! ちょ、ちょっとどこいくのよ」グイッ

「……教室」

「まちなさいよ、私がまだ食べてるじゃない」

「なんだそれ……」

「いいから。早く隣座りなさいよほら」ポンポン


(なにこいつ……)

6 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:06:06 FYu8r4kR0



……

「あら。お茶買うの忘れてたわ」

「あんたのお茶一口もらうわよ」

「……」

「ゴクゴク、ぷはー。うまー」

「ちょ、ちょっと///
間接キッスなんて中学生みたいなこと言わないでよ!?///」

「私は別に間接キッスくらい平気なんだから///
そりゃあ男の人とお付き合いしたことはないけど……」

「本や漫画やドラマでいろいろ見てきて……って
何言わせるのよばかっ////」

「……ほら、お茶返せよ」

「わ、わかってるわよ。……ん?
男ってきれいな手してるわね。指も細くて長い……」ニギニギ

「……」


(さっきオナニーしたばっかだって言ったら殺されるな)

8 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:08:58 FYu8r4kR0


「ふー、ごちそさまでした」

「……」

「ねえ、明日もここで食べるの? 」

「……多分」

「じゃあ、お昼休憩になったらここに集合ね! 」

「あと、私の素のこと、誰にも言っちゃだめだからね!」

「……」

「絶対きなさいよね!」

「……」

「ぜったいよ!」タッ


「……」

10 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:11:16 FYu8r4kR0


~翌朝~

「……ふぁーあ」

(zipスレに張り付いてたら結局徹夜してしまった……)

(ねみい……)

「……あ」

(アイツは確か昨日の……氷の……なんだっけ)


「……」

男子生徒A「おお、氷の女王だぞオイ」ヒソヒソ

男子生徒B「かわいいなー、お近づきになれないもんかね」

男子生徒C「あー、ムリムリ。喉凍ってて声出せないって聞いたぜ」ヒソヒソ


(なるほど、本当に そういう キャラなわけか……)

11 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:17:04 FYu8r4kR0


「……あ」

「……」

「……よう」

「!……」ペコッ


「……」


~昼休憩~

ガラガラッ

「あっ、ようやく来た!」

「……」

「ちょっと、何よそのげんなりした顔! 」

14 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:19:54 FYu8r4kR0


……

「ふう、ごちそうさまでした」

「……」

「ごちそうさまでした!」

「……ごちそうさまでした」

「よろしい」

「……」

「……なんで氷の女王なんてやってるんだ?」

「え?な、なによ急に」

「……素の方がなにかと得だろ……」

「……そうね。ねえ男。綾波レイって知ってる?」

「……?ああ」

「それよ」

15 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:22:12 FYu8r4kR0


「……」

「私ね、小学校のころいじめられてたの。
ウザいとかウザいとかウザいとか。ね」

(わかるきがする)

「で。中学からこっちにくることになって
それを機会に自分を変えたくて、思い切ってキャラ変えようって」

「当時好きだった男の子の好きなタイプが綾波で」

「で、ここまでズルズルきちゃってるってわけ」

「……安易だな」

「うるさいわね」

「……つか、なんで俺には本性を」

「あんた友達いないでしょ?だったらばらされる心配ないし。
それに……、」

「……?」


「……ぐー」

「……寝てる」

19 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:28:31 FYu8r4kR0


「ちょっと、おきなさいよー」ユサユサ

「……ムニャムニャ」

「……目の下にクマ……徹夜でもしたのかしら」

「……肌カサカサ……
そういえば昨日もコンビニ弁当だったわね……」

「……ご両親いないのかしら……」

「苦しいわよね……経済的に……
もしかして、深夜まで働いていたりするのかしら……」

「お弁当とか作ってあげたら……喜ぶかしら……」


「……」ギュッ

「それにしても……
なんかこの手握ってると落ち着くのよね……」ニギニギ

「ぐう……」

「……」ニギニギ

29 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:39:57 FYu8r4kR0


~放課後~

「……ん?」

(ああ、寝ちまってたのか……)

(腰と首とあと全身がいてえ……)

「……ん、」

「……すぴー」

「おい、……寝てやがる」

「……おい起きろよこら。えーっと名前なんだっけ
……綾波でいいか。偽綾波」

「……ぐう」

「早く起きて……早く手離してくれ偽綾波……」

「……むにゃ……だっこー」ギュッ

「!……うお」

36 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 21:52:55 FYu8r4kR0


「……」

「ぎゅー……ムニャムニャ」ギュッ

「……あ……」


(あばばばばばばばば、これなんてエロゲ?これなんてエロゲ?
おおお、すげえいいにおいがs……って何考えてんだ俺!」)


「お、おいこら!……起きろっておい!」

「……ん

……あら……?
なんでこんなに顔近……」


「!!!ちょっ!!な、なによこの状況!!///」バッ


「お、俺が聞きてーよ!」

「……も、もう……わけわかんない……///」

(うわあああ、真っ赤になってんじゃねえよへんな空気になんだろおお)

40 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:06:41 FYu8r4kR0

「……」

(……俺としたことが取り乱してしまった……
あれじきのシチュエロゲで何回も経験してんだろ……)

「……じょ、状況はわかったわ……
どうやら、私が悪かったみたいね……」

「……」

「……」

「……」

「謝らないわよ……だってわざとじゃないもの……」

「……いいよ別に」

「じゃあ俺は帰るから……」

「……ん」

「……どうしたのよ、帰らないの?」

「いや、帰りたいんだが……ドアが開かないんだ」


(それなんてエロゲ?)

44 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:21:01 FYu8r4kR0


「……だめだ、あかねえ」ガタッガタッ

「どうやら……外から鍵をかけられたらしい」

「……どうすんのよ
ドアが開かないんじゃおうちに帰れないじゃない」

(……おうち……)

「窓から脱出するって言ったってここは3階……」

「旧棟の料理準備室なんてそうそう使うわけじゃないし
だいたい廊下にだって人なんてめったに通らないわよ」

「……」

「……こんなとこで死ぬなんていや……」

「おまえ……携帯もってないのか」

「し、失礼ね!携帯くらい持ってるわよ!ほら!」

「……」


「あ」


(アホだ……)

47 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:26:41 FYu8r4kR0


「そうよね、これで連絡とればいいのよね。
ま、まあ。そんなことわかってましたけどね!」

「おうおう、その意気で早く助けを呼べ」

「わかってるってば。えーっと……」

「?」

「……誰にかければいいわけ?」

「友達とか、誰でもいいんだよ」

「……」

「おいどうした、早く……」

「友達なんて……いないわよ……」

「……すまん」

「……」

52 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:41:21 FYu8r4kR0

「……いや気にするな!別に友達じゃなくていいんだ。
学校に連絡がとれりゃ。たとえば親とか……」

「そ、そうね、じゃあお母さんに……」

……

「――……うん、うん、じゃあね、うん、ごめんね」プチッ

「ふー、お母さんが今から学校に連絡してくれるって」

「そうか……ひとまず安心だな」

「……4件」

「え?」

「私のアドレス登録件数よ!悪い!? 」

「べ、別にわるかねーよ……」

「ふん……アンタは何件なわけ?」

「……6件」

「……」

「……」

57 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:54:11 FYu8r4kR0


「どうせ……」

「?」

「無料通話分限度ぎりぎりまであまってるわよ……
一番最近来たメールは12月に来た迷惑メールよ……」

「……」

「ちなみに着信履歴は母ばっかりよ……どうせ……」

「……ちょっと携帯かせ」

「……ふっ、笑いたいなら笑いなさいよほら」

「……」カチカチ

「ほれ」

「……?」

ピロロロロロ

「!……電話、誰から……男?」

62 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 22:56:36 FYu8r4kR0


「……あんたの名前、男って言うのね」

「……そこかよ」

「……ふん、あんたのアドレスなんて
登録されてもうれしくなんかないけど……」

「……消さないでおいてあげるわ///」

「おう」

「……驚いた」

「?」

「あんたって笑うのね」

「……うるせーな」

67 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 23:07:59 FYu8r4kR0


~翌朝・通学路~

(ふう……昨日は散々だった……)

(まだ学校に職員が残ってたからよかったものの)

(ん、……メールが来てる)


sub:おとこへげんきですか。いまめーるしてます

(カーチャン……)


(いやいや違うだろ……
これはひょっとしてネタでやってるのだろうか……)

ジリリリリリリ

「(うお、今度は電話かよ)……もしもし?」


『もしもし?おはよう男!メールみた?』

「……見たよ」

『そう!じゃあすぐ返してよね!』

「おう……またな」ピッ

78 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/06 23:28:54 FYu8r4kR0


(さて、メール返さねーとな……)

(元気だ。つーか漢字は変換しろ読みづらい、 と)


(って、女じゃねーか。道の真ん中に突っ立ってなにやってんだ)

(……まさか俺へのメール作ってるわけじゃねーだろうな……)


(まあいい、とりあえず声かけてみっか)

「おい、おんn……」


DQN生徒「おっはよー女ちゃん、何してんのメール?」

「!」


(……おいおい、変なのに絡まれてんじゃねーか)


DQN「俺にもアドおしえてよー、俺超すぐメール返すしww」

「……」オロオロ

97 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 00:04:36 lCdmuLNo0


DQN「つーか女ちゃんマジかわいいよねー
なんでしゃべんないの?もったいねーww
俺とおしゃべりしよーよwwwねえwwアドおしえt……」


「……そんなにアドが知りたきゃ俺の教えますよ」

「!……」

DQN「あ?なんだてめえどこの誰だよ。
超うけるおめーのアドとかいらねんだけど」

(一応同じクラスなんだがな)

「残念ですね。つーか女さん、遅刻しますよ」

「……あ、」

「よし、遅刻するからちょっと走りましょーか」

「! 」コクリ


DQN「あ、おいこらまてや!」

103 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 00:07:54 lCdmuLNo0


……

「はー、はー、なんとかまいたみたいだな」

「……」

「……しかし適当に走っちまった。
急がないとこれじゃ本当にちk……メール?」

sub:ありがとうたすかた

「……」

(……ああそうか、この辺まだうちの生徒いるもんな)

(おう、それより走らなきゃ間に合わないぞ と)

――はしりながらめーるできないなれてないから

(じゃあメールやめりゃあいいだろうに)

――118

(118……?ああ、 いや か)

106 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 00:10:58 lCdmuLNo0


(そうか。それより前電柱あるぞ、と)

「!!……?」キョロキョロ

(嘘だ、ちゃんと前向いてろ、と)

「……」

――いじわる


――あと、キョウおべんとうかっちゃだめだからね

(弁当……? なんだそりゃ、よくわからんが把握、と)


~朝・教室~


「……」ガラガラッ

女生徒「……あ、きたよ」ヒソヒソ

女生徒B「氷の女王様(笑)は重役出勤してもお咎めなしなんだねー」ヒソヒソ

110 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 00:14:26 lCdmuLNo0


ドンッ ぐしゃっ

女生徒A「あっ、ごめーんぶつかっちゃったー」クスクス

「……!!」

女生徒B「あーあ、荷物ぐちゃぐちゃー、もーAってばー
女さんかわいそー」クスクス

女生徒A「ごめんねー、あちゃー、このお弁当もぐちゃぐちゃだねー」

「……」

女生徒B「でも誰かにかってもらるんじゃなーい、女さん男ウケいいしw」

女生徒A「だよねー、なんせ氷の女王だもんねーww」

「……」


~昼・準備室~

ガラガラッ

「……」

(……女はまだ来てないのか)

155 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:05:43 lCdmuLNo0


(女がああ言ったから弁当も買ってねーし
空腹は我慢できるがすることがねーのはキツいな)

(……)

(PSPでも持ってこりゃよかったな)

(……)

(メールもきてねーし、電話でもしてみ……)

(いやいや、……別に約束してるわけじゃねーし
え?待ってたの とか言われたらいたたまれねーし)

(……ちくしょう、めんどくせえ)

(こういうのがめんどくせーから俺は一人でいるんだ)


「……はぁ」


(とりあえず、昼休憩が終わるまで待っててみるか……)

161 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:12:52 lCdmuLNo0


~放課後・準備室~


(結局来ませんでした……と)

(なんで俺は放課後まで待ってんだ……ちくしょう
馬鹿馬鹿しい、腹減った……なんだったんだよあれは)

(俺がいつもやってるギャルゲでは
あれは手作り弁当フラグだったはずなんだがな……)

「……はあ」


「……、メールだ」

sub:いまどこ

「……」

(お前に関係ないだろ、と送信)

「……はぁ」

(……ちっちゃいな、おれ)

173 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:20:58 lCdmuLNo0


~放課後・校門~

「さて、帰るか……あ、女。まだ帰ってなかったのか」

「と、あれはDQN……」


DQN「俺別に女ちゃんに怒ってるわけじゃないんだよ?
でもさー朝のあれはないっしょー。ねえ?」

「……」

DQN「あ、でも俺かわいい女の子には超やさしいし
今日の放課後付き合ってくれたら……」グイッ


(……はあ)

「あの……凍傷起こすんで触らないほうがいいですよ」

「! ……お」

DQN「あ?……おめー今朝の・やんのか?あ?」

「……はいはいワロスワロス……フルボッコにしt……

「!……」

174 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:23:33 lCdmuLNo0



……

「はあ……ぜえぜえ……ここまでくれば……」

「はー、はー……なによ逃げるってコマンドしかないわけ?」

「その通り……俺の攻撃力は2だ」

「じゃあ……喧嘩なんか売るんじゃないわよ……
胸倉つかまれたくらいで逃げ出しちゃってさ」

「……」

「……」

「お昼食べたわよね?」

「……あ、ああ、もちろん食べt……」ぐううううう


「……」

(かっこわりい……しにてえ……)

180 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:31:47 lCdmuLNo0


「もしかして、待ってたの?」

「……おう。ばかみたいに一人でな」

「ほんとに、お弁当買わないで?」

「……おうよ」

「……」

「……おい、なんで泣くんだよ」

「……ばかじゃないの……あんた」

「……」

「……」

「……誰かが見てるかもしれないぞ」

「……」

「いいのかよ
氷の女王がこんなに堂々と泣いて、喋って」

「うるさい……手」

185 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:36:16 lCdmuLNo0


「ん?」

「出しなさいよ、ほら」

「?……ん」

「……」ギュ

「……」

「……」ニギニギ

「……なにしてんだよ、恥ずかしい」

「うるさいわね……落ち着くのよあんたの手……」

「……そうか」

「……明日」

「ん?」

「お弁当、かわなくていいから」

196 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:55:46 lCdmuLNo0


「……俺を餓死させる気かそうか」

「ちがうわよ!……てあげるって言ってるの! 」

「?」

「……お、お弁当!つくってきてあげるっていってんの! 」

「! ……そうか」

「……そうよ。だから、朝も抜いてきなさい」

「なんでだ」

「お弁当をよりおいしく食べるためよ……いいわね!」

「……」


女生徒A「……チッ」

……

~夜・男自宅~

「澪は俺の嫁……スレッド作成と」

「……規制されているだと……」

202 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 01:59:46 lCdmuLNo0


「……」

「……コンビニでもいくか」


~コンビニ前~

店員「あざーしたー」

(ったく
リア充はレジにたたないでほしいぜなんか緊張するから……)


???「……あれ?もしかして男君?」

「む、」

「……?誰」

女生徒A「あはは、私の事しらない?女ちゃんの友達なんだけど」

「あ、しらないです」

女生徒A「そうだよねー、家このへんなの?」

「……」コクリ

女生徒A「えー、うっそまじでwwあたしもこのへんなんだよね!」

224 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 02:11:10 lCdmuLNo0


「そうっすか、じゃあお疲れ様で……」

女生徒A「ちょwちょっと待ってよ」

「……」

女生徒A「私ね、あの子にいろいろ相談受けてて……」

「……あの子?女さんのことすか」

女生徒A「そうそう。メールとかでもいろいろ話聞いてて
その事についてちょっと話したいの……」

「……いいっすよ、暇ですし」

女生徒A「ほんとに?ありがとー、じゃあそこの公園でゆっくり……」


……


~公園~

「それで、俺に話したいことって……」

女生徒A「まあまあ、そう硬くならないでさー。ゆっくり話そうよ」

246 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 02:24:05 lCdmuLNo0


女生徒A「男くんはさー、お休みの日t……」

「……わからんな」

女生徒A「へ?」

「何が目的?あんた女さんとどういう関係ですか?」

女生徒A「え、いや、やだな。最初に言ったじゃん友達だt……

「知ってます?
あいつの登録件数4件なんすよ……いや、今は5件ですけど」

女生徒A「よ……マジで?」

「マジです、ちなみに最近メール受信したのは12月
そんなだから、メールするのはなれてない」

「メールで悩み相談なんかできるスキルないっすよ、女には」

女生徒A「……」

「まああんたの目的は……検討ついてます」

女生徒A「……!」

「友達になりたいんでしょ?女と」

女生徒A「……、……はあ?」

279 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 02:51:32 lCdmuLNo0



「……そういうことはですね
俺通さないで直接女に言ってあげてください」

女生徒A「……」

「確かにちょっととっつきにくいっていうか
氷のなんたらでしたっけ……あれも別に本人が名乗ってる
わけじゃないですし……」

「話してみると結構」

女生徒A「わかってるわよ……そんなの……」

「……?」

女生徒A「昨日今日で女のこと知ったくせに……
知ったような事言われると、むかつく……」

女生徒A「女があんたになついてるのもあんたにだけ喋るのも
小学校で同級生だったのに女があたしを覚えてなかったのも
わけわかんない行動する自分も全部むかつく!!」

284 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 02:54:16 lCdmuLNo0


女生徒A「……ああもう何言ってんだよあたし。
もうやだ!」

「よくわかんないけど……女のこと、好いてくれてるんすね」

女生徒A「好……!別にそういうんじゃないし!
あんたなんなの!?ばっかじゃないの!?
大嫌いよあんな女!!」

「……」

女生徒A「ニ、ニヤけんな!キモい!むかつく!しね!」

「……」



その夜の帰り道、女に俺は長めのメールを打った。

要約して、お前の身近にいる誰かさんにすげー好かれてるぞ。
ってことを、すごーく遠回しに。


よかったな、女。近々友達が増えそうだぞ

287 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 02:56:25 lCdmuLNo0


~その夜・女自宅~

「……なによこのメール……」

「……これってつまり」

「男が私のこと好きってこと……?」

「う、うそでしょ!うそうそ!何かんがえてんのよわたし!」

「脳みそが春すぎるわ!ばかじゃないかしら私!しねばいいのに!」


「……男///」


「……メールの保護のしかた教えなさい……――送信と」

369 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 10:54:07 lCdmuLNo0


~翌朝・通学路~

(ふああ……今日も今日とてねみい……)

(……む、あれは……)

「……」テクテク


「女、おh……」

(……一応メールにするか。女おはよう相変わらず不機嫌そうで。と)

「……! 」キョロキョロ

(お、こっちに気づいたみたいだな。
つーかいちいち立ち止まらんでもよかろうに……)

「……」ペコッ

「?……」ペコリ

(会釈か。やっぱ外じゃキャラは守るわけね)

「……」テクテク

――おはよう、あんたはあいわらずさえないわね

(……ほっとけ)

371 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 10:56:24 lCdmuLNo0


~昼・準備室~

ガラガラッ

「ういー」

「ようやく来たわね。遅かったじゃない」

「すまん、数学はいつも伸びてこm……ん、それは」

「なによ」

「いや、弁当……?」

「そうよ。ちゃーんと約束どおり作ってきてあげたのよ」

「……おお……すげ。お前が作ったの? 」

「ふふん、もちろん」

「あ、ありがとう。……すげーうれしい」

「……!///
うだうだ言ってないで早く食べちゃいなさいよね!」

375 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 10:59:07 lCdmuLNo0


……

「ふう、美味かった。ごちそうさま。」

「そう……よかった」

「それで……その、あ、あしたも……」

「? 」

「あ、あしたも……その、つくってきていいわけ?」

「え?いいっていうか、いいにきまってるけど
……え、マ、マジで?いいの?……」

「い、いいわよ!ひとつもふたつもかわんないし
どうしても、つくってきてほしいなら
しかたないわよ!作ってきてほしいんでしょ?」

「……欲しいです。はい」

「じゃ、じゃあ明日も朝、抜きなさいね!」

「……おう」


(?……なんでこいつ真っ赤なんだろうか)

379 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 11:06:44 lCdmuLNo0


……

「あ……私もう行かなきゃ」

「ん、もう行くのか。……まだ昼休憩結構あるぞ」

「うん、文化祭の打ち合わせがあるのよ」

「……打ち合わせ?なんで昼休憩に」

「それはアレよ……クラスの実行委員に選ばれちゃったからよ……」

「……マジか」

「ほら、私一言二言しか喋れないキャラ設定じゃない?
黙ってたら、あれよあれよといつのまにやら」

「……つくづく、損なキャラ設定だな」

「で、大丈夫なのか、できんの実行委員とか」

「実行委員くらい……大丈夫よ……」

(おいおい、大丈夫って顔してねーぞ……)

381 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 11:08:54 lCdmuLNo0


「で、クラスの実行委員ってもう一人いるだろ?
どんなやつなの、男?女?」

「……本当は男子女子各一人づつだったんだけど
なんだか知らないけど一人すごい実行委員になりたがってる子がいて」

「自分はお父さんっ子だから男気だけはあるつもり とか意味わかんないこと
言ってすんごい自推してくるから。先生も気迫に負けて

結局その子と二人でやることになったのよ」

(……まさか……アイツじゃあるまいな)

「よくわかんないけどさ、それってチャンスなんじゃねーの」

「え?」

「打ち合わせってその生徒と二人でやるんだろ?
俺のときみたいにさ、1:1なら素出しやすいだろ

まずその子と仲良くなって、そしたら徐々に変われるんじゃねーかな」

「!……それもそうね……」

「おー、がんばれ」

386 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 11:21:45 lCdmuLNo0


~昼・多目的室~

女生徒A「……」

女生徒A(……おそい)イライラ

女生徒A(タバコ教室に忘れてくるし……チッ
くそ、なんであたしこんな面倒くさいことしてんだ……

これじゃほんとに女を好きみたいじゃん……)

女生徒A(……///ばかばかしい!)ドンッ

「……!」ビクッ

女生徒A「! あ……!! ……い、いつからいたわけ……」

「……さっき」

女生徒A「……そ、そう、ま、まあ座りなよ、ほら」

「……」コクリ

女生徒A「……」

「……」


女生徒A(うわあああ、何緊張してんだよあたしは!)

390 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 11:24:54 lCdmuLNo0


女生徒A「えーっと、じゃあまずいろいろ決めちゃおう……」

女生徒「……」

女生徒A「まあ、って言っても出し物とかはみんなで決めるし
今決めることはそうないんだけど……

女生徒A「……女さん、やりたいものとかある?」

「……」

女生徒A「……」

「……かい」

女生徒A「え!?なんか言っ……」

「顔が……近……」

女生徒A「……!ご、ごめ」ばっ


「……」

女生徒A「……」

「……こういうの」

女生徒A「!え?」

392 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 11:31:46 lCdmuLNo0


「いや、……好きなの?……こういうの」

女生徒A「……へ、なんで」

「実行委員決めるとき……すごい……自薦してた……」

女生徒A「ああ……う、うん、まあね、す、好き!」

「……そう」

女生徒A「……」

女生徒A(笑った……)


女生徒A「……あ、あの」

「?」

女生徒A「ごめん……その、今までいろいろ
こないだも……お弁当、その……」

「……わざと?」

女生徒A「わ!わざとじゃないけど」

「……そう。なら、何度も……あやまることない……」

548 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 22:04:03 9psyFVXb0


女生徒A「女……」じーん

「? ……」

女生徒A「……」

「……」

女生徒A「……ね。女」

「?」

女生徒A「その、昔の友達と連絡とったりしてないわけ?
中学からなんでしょ、こっちに来たの」

「……しない」

「……いなかったから、友達」

女生徒A「……! ……そっか、そうなんだ。そう、だよね……」

女生徒A「……はは」

女生徒A「何を期待してたんだろ、あたしは……」


「……? 」

553 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 22:11:19 9psyFVXb0


~夜・コンビニ前~

(ふう、今週のToLOVEるはすばらしかった)

(ヤミは俺のよm……お、あの見覚えのある後姿は)


「……よう」

女生徒A「……!! げ」

(不快感が気持ちいいくらい露骨……!)


「……なにしてんすか、こんな時間に」

女生徒A「ばかじゃん。コンビニきたにきまってんじゃん」

「そんなこと言ってないです。つか、本当に家この辺なんですか」

女生徒A「なによ。どういう意味」

「いや、家近いとか嘘ついて俺を待ち伏せしてたのかな、と」

女生徒A「……なにその自意識過剰キモイ」

「うるせい」

554 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 22:14:08 9psyFVXb0


女生徒A「……あーあ、アンタみたいなのといるとこ見られたくないし
あたしはこれで。じゃーね」

「おい。待て」

女生徒A「ん」

「ほれ」ポイッ

女生徒A「……? チロルチョコ?」

「お前にやろう」

女生徒A「は!? な、なんで」

「お前は少し糖分をとったほうがいい」

女生徒A「なにそれ……どういう意味かわかんないけどむかつく!しね!」

「残念だが俺はあと100年は生きる。じゃーな」

女生徒A「……」


女生徒A「……お。男、まって」

女生徒A「……」

女生徒A「今度はほんとに、話……聞いて欲しいんだけど」

576 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 23:04:07 9psyFVXb0


~公園~

女生徒A「別に期待してたわけじゃねんだ。

私も別に女と親しかったわけじゃないし
同じクラスだったときも、あんま喋ったことなかったしね」

「ん」

女生徒A「もう男には話してんのかな。
小学校の時女、結構ひどいいじめにあってて

……聞いた話では
声出せなくなったの、そのショックから、とか」

「……!」

女生徒A「……そんな状態のまま小学校卒業することになって。
女は親の都合だかで別の中学にくることになるって聞いて」

女生徒A「このままじゃ連絡取れなくなるって思ったら、すごい焦った
わけわかんないまま、卒業式に声の出なくなった女にこえかけてた」

女生徒A「で、女ね、書いてくれた。メモ張に新しい住所」

「……」

女生徒A「ほんとわけわかんないけどさ、今思い返すと
あたしずっと女の事見てたんだよね」

581 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 23:18:11 9psyFVXb0


女生徒A「で、私と同じように女も私を特別に思ってるってずっと思ってた」

女生徒A「でも、高校でまた会って
……そうじゃなかったって知るんだけどね」

女生徒A「それで勝手に裏切られたって思って、そしたらすごいむかついて
……ひどいこと、いっぱいした」

「……」

女生徒A「なのにあの子、私に普通に笑いかけてくれて
喋ってくれて、私の悪意になんてぜんぜん気づいてなくて」

「……」

女生徒A「……」

「……俺はお前と比べて
いや、比べるまでもなく女のことなんにもしらない」

「けど、これだけはわかる。 あいつはもっと好かれるべきだ」

「もっと人の輪の中心にいるべき奴なんだ。俺なんかといるべきじゃない」

「……」

女生徒A「……」

591 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 23:44:08 9psyFVXb0


「……」

女生徒A「……」

女生徒A「共感してしまうのがまたむかつく……」

「……」

女生徒A「はああー、やだやだ。この陰気な空気」

「……うるせーな」

女生徒A「じゃああたしは帰るけど! 」

「……おう」

女生徒A「……」

女生徒A「……多分、女は声が出なくなったとか今孤立してるとか
そういうのがなくても
あんたには声かけてたと思うよ」

「!……そんなこと」

女生徒A「あんの!……じゃーな!」


「……おー、また明日な」

595 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 23:46:17 9psyFVXb0


~夜・自宅~

「ただいま」

(あ、携帯……置いてってたんだな)

(メール……)

――きょう久しぶりにひととはなしをしたわ!
見た目はこわいけどいいひとそうでよかった!

(……そうか、よかったな。女)

(まあ、女は根は明るいし、悪い奴じゃないし
これをきっかけにみんなの誤解もとけてすぐ……)


(……)ズキッ


(……ちくしょう、なんでこんな……なんなんだよこれ……)

610 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/07 23:55:03 9psyFVXb0



~翌朝・自宅~

(……学校いきたくねえ……)


「……む、電話」


『あ、もしもし男? 』

「……なに、どうした」


『ごめん、今日はお弁当作れそうにないわ!』

「……そうか」

『うん、文化祭のね……』

「すまん忙しいから。俺のことは気にすんな。じゃあな」

『え?なによそれおt……』

「……」プチッ


「……なにやってんだよ俺は……」

627 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 00:04:36 KjEzilTo0

「……今日はもうだめだ……頭がどうかしちまってる」

「……休もう」

「……」

ピロロロロ

「……」


「女から電話か……電源切ろう……」

「……」

ピロロロロロロ

「一回出たらきろう……」


「あい」

『もしもし男?あんた今どこ?
どうせ二度ねでもしたんでしょ?遅刻よ遅刻!」

「……」

647 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 00:47:52 KjEzilTo0

「や、俺今日休むわ……」

『は?なんでよ』

「なんでって……そりゃアレだよ……風邪だよ」

『ほ、ほんとなの?……熱はあるの?』

「……あー。うん、もう頭は痛いわ腹は痛いわ
もうあれだしぬんだわ俺。じゃーな」プチッ

「……」


(俺幼稚すぐるだろ……もういやだ死のう……
というかもう殺してくれ……)


(女、呆れただろうな、ざまあみろだ俺……)



「寝よう……」

648 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 00:50:06 KjEzilTo0



……

「……ふあああ……よく寝た……」

「って、もう6時か……あー、最近寝不足だったからな……」

「……メール来てら」

――あんただいじょうぶなの?

(……)

「もう学校終わった時間だろうし……電話しとくか」

ピロロロロロロ

「って、着信……?誰だ、知らない番号だ」ピッ

「もしm」

???『あのな男!あんたがサボるのは勝手だけど
女まで巻き込んでんじゃねーよ!』

「!なんだお前か……つかなんなんだよやぶからぼうに……」

664 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 01:17:44 KjEzilTo0


女生徒A『なんだってなんだよバーカ!
……つか、あんたの仕業じゃないわけ?』

「仕業ってなんだよ……状況がわからん」

女生徒A『女を通学路でみかけて
立ち止まってるから声かけようとしたら
すごい勢いで学校と逆方向に走り出したんだよ!』

「……はあ?なんだそ……」


「あ……」


「……まさかな……いや、まさか……」

女生徒A『あ?何あんたなんかしt プチッ

「だとしたらバカだ……バッカじゃねーの……
救えないバカだろ……」


「……俺」

667 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 01:20:23 KjEzilTo0


~夜・VIP駅前~


ピロロロロロ

「……はあ……」

「……あ、電話。……男」

「……」ピッ

『お前な、何してんだよ……』

「男!何回も電話したんだから!か、風邪は大丈夫なの?」

『それはすまん……で、お前は何してんだ。どこにいんだよ』

「どこって、い、家よ!テレビ見てるわよテレビ!」

「へえ、お前の家ってのは広い上に冬冷えそうだな」

「?……!! な……」

「な、なんであんた、だ、だって風邪……!
ええ?え?なんでいんのよ?え?なにこれ夢?」

「……お前こそ、なんでこんな時間に制服着替えもしないで
こんなとこにいんだよ」

669 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 01:28:17 KjEzilTo0


「あ、あたしはその、買い物に……」

「……風邪薬とポカリを?」

「あ!……こ、これはその、ちが……」

「……」

「……だって、しかたないじゃない。

……
あんたの家なんて知らないし
駅の近くだって言うからきたらわかるかと思ったらわかんないし……」

「おまえな……それだけの情報で来ようとしてたのかよ……」

「……うるさいわね!……あんたが、死ぬとかいうから
……勉強なんて手につくわけないじゃない……」

「……」

「……な、なによ、そんなじっと見ないでよ!私の顔になんか……」


「……お前さ、もう昼あそこに来るなよ」


「……え?」

684 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 01:43:46 KjEzilTo0


「な、なによそれ……」

「そんな……あんたに指図される筋合いはないわよ!」

「……」

「……なんなのよ」

「……」

「……私が何かしたなら謝るわよ」

「……」

「……なんとか言いなさいよ……わけわかんないわよ……」

「……」

「もういい……ほら。これ飲んで早く風邪治しなさいよね
……じゃあね」ダッ

「……あ」

「……」

「終わった……」


(……ああ……あああああ!!!)

691 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 02:02:45 KjEzilTo0


その日から、女からいつもしつこいくらいに来てた
メールや電話もパッタリと止んだ。


調理準備室にも、姿を見せなくなった。

そうなるともう顔を見ることもほとんどない。
もともと接点なんてないんだからこの形が当然だ。


わかっていたことだ。これでよかったんだ。
あいつが俺なんかと居ていいはずがない。

これでよかったんだ。こうするしかなかったんだ。
いずれこうなったんだ。

何度も何度も頭で反復して
どうにかなりそうな精神をなんとか抑えていた。


~夜・コンビニ前~

女生徒A「……」

「……」フイッ

女生徒A「……」

708 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 02:37:31 KjEzilTo0


女生徒A「はいにげなーい」ガシッ

「……なんだよ、離せよ」

女生徒A「そりゃこっちのセリフだっつの。
ったく、声くらいかけなさいよ」

女生徒A「こっちはあんたのこと待ってたんだから」

「……」

女生徒A「女ね、以前と比べると格段に喋るようになったよ」

「……」

女生徒A「きっとすぐ前みたいにいっぱい友達ができる。
あのこ自身何とかみんなに自分をわかってもらおうとしてる」

「……」ズキ

「……そうか。よかったな」

女生徒A「あんたのことだから、女にとってこうするのが一番良かったんだ」
とか思ってるんだろうね、どうせ」

「な……」

女生徒A「そんなもっともらしい言い訳して、結局逃げ出しただけじゃん」

711 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 02:43:20 KjEzilTo0


女生徒A「明るくなった女が、自分から離れるのが怖かったんでしょ?
それだったら自分からって」

女生徒A「それで女傷つけといて自分は身を引いたみたいな
お姫様助けて姿消す影のヒーロー気取ってんだ」



「ち……違う……俺は!」

「……おれは……」

女生徒A「……」

女生徒A「女はあんたのこと好きだよ」

「……」



「……は?」

723 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 02:59:07 KjEzilTo0


「……ちょっと待て、え?誰が、え?俺を?」

女生徒A「……あーあ、言っちゃった」

「いや言っちゃったってあんた……」

女生徒A「でももう関係ないよね。あんたは女を思って手を引くわけだから」

女生徒A「いいんじゃない。ほら、また今回みたいに
目閉じて耳ふさいで、頭の中で言い訳リピートさせてれば」


女生徒A「あんたにはそれしかできないよ。そうでしょ?」



その通り

俺はそれを聞いても何にもできないし、何もしない。

俺は逃げてばかりだから
俺の脳は、逃げ出す事の言い訳をすることに特化している

795 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:24:19 KjEzilTo0


~朝・校門~


「……」

「……あ」


「……」

「……」


「……」フイッ

「……」




声なんて、かけられるわけがない

798 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:27:09 KjEzilTo0


~昼・教室~


2組クラス委員・男「えーっと、じゃあ多数決の結果。うちのクラスは
プラネタリウムってことで」

2組クラス委員・女「じゃあ、詳しい情報はつぎの打ち合わせまでに
私たちなりに調べておくんで
2組一丸になっていいもの作りましょう!」

みんな「ざわ・・・・
ざわ・・・」

「……」

(プラネタリウムか……)

(まあぼっちの俺には関係ないけどな)

「……」

委員女「男くん!」

「! ……なんすか」

委員女「確か男くんってパソコン得意だよね?」

800 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:29:24 KjEzilTo0


「いやいや。と、得意でもねーですよ……」

委員女「またまたご謙遜をー。
でね、男君にちょっとばっか力を貸してほしいのだよ」

「俺? 」

委員女「そうそう。プラネタリウムのことなんだけどねー
実はまったくどうしたら良いかわかんない状況なのですよね」

委員女「インターネットでいろいろ調べられるみたいだけどさ
うちパソコンとかないし、あと資料とかもいろいろ
あつめておきたいし、チラシも作りたいのさー」

「……グーグルってとこで検索すると幸せになりますよ」

委員女「ぐーぐぐる?ぐるる?なにそれー」

「……」

委員女「よし決まり!じゃあ放課後パソコン室にくること!いじょ!」

「あ、おい……」

(うわああめんどくせええええええええ)

801 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:31:34 KjEzilTo0


~放課後・パソコン室~



委員女「おおおお!すっげーな男くん!ものの数秒でこんなに情報を!」

(……ググッただけやがな)

委員女「えーっと、ふむふむ、ほうほう、なるほど」

「……」

「……なんで俺なんですか」

委員女「へ?」

「いや、ほかにパソコン得意な奴くらいいるでしょ……
というか別に俺パソコン得意なわけでもないし」

委員女「あー、うん。別に深い意味があるわけじゃないんだけどね。
うん、正直言うと、喋ってみたかったんだよね、男くんと」

「……俺と?なぜ」

委員女「んー、なんとなく?」

「……」

804 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:35:43 KjEzilTo0


委員女「よーっし、資料は結構あつまったけど
こりゃ必要なものが結構ありそうだねー」

「そうっすね……」

委員女「よっし、明日は土曜日、善は急げとは言うし早速かい出しにいざいかん!
っと、男君明日暇?」

「え?……暇っすけど……」

委員女「じゃあ明日の10時にVIP駅前集合で!」

「……は?」

委員女「そんじゃー私は委員会あるから!ばいばーい!」


「……」

(なんでこんなことに……)

809 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:40:34 KjEzilTo0


~夜・自宅~

「……ただいま」

(……メールなし……っと、電話だ)


「!!女……? 」

(え?え?なんで?なんかあったか?いやなにもないよな!
なにもないなにもない。つか、早く出ないと切れちまう!あわわ!)

「……」ピッ

『あ、……もしもし? 』

「も、もしもし?」

『え?……男?あ……』

(な、なんだよおおおお)

『……あれ、おかしいな。間違ったみたい……
ごめん。じゃ、おやす……』

「……ちょ、まっ……」

『え?』

811 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:42:43 KjEzilTo0


「い、いや……」

『そう……』

「……」

『……』

『切らないの?』

「そっちが切ったら切る」

『なによそれ。それは切るじゃなく切れるって言うのよ』

「はは……それはそうだ」

『……』

『……元気なの?』

「え?……あ、うん。そっちは?」

『まあまあ、ね』

「……」

『……』

814 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:45:04 KjEzilTo0


「ぶ……文化祭だけど」

(なにどもってんだ俺……)

『ん、』

「俺んとこはプラネタリウムやるんだ。おまえは?」

『そうなの……うちはまだ決まってないの
みんなが納得いくのって難しいわよね』

「……へえ、なんとか、やれてるんだな」

『うん、一緒に委員やってり子がはりきって
……いや、がんばってくれてるから』

「そうか……」

『……うん、じゃあ、そろそろ寝るから切るわね』

「あ、ああ。……あ、あのさ」

「来いよ、プラネタリウム」

『……え?』

817 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 10:52:20 KjEzilTo0


「っつってもまだどんなもんになるかわかんないんだけど
……よければ、その……」

『……』

『もちろんよ。
お粗末なプラネタリウムを笑いにいってやるわ』

「おうおう、見て泣くんじゃねーぞ」

『……覚悟してるわ。あんたも
うちのクラスまだ決まってないけど。うん、遊びにきなさい』

「……おう、じゃ、またな」

『ええ、……また』

「……」

「……」

『早く切りなさいよ』

「相手が切ったのを聞いてから切るのがマナーだろ」

『……ばっかじゃない。じゃあ先に切ってあげるわよ
じゃあね』ガチャッ

「……」

834 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 11:27:27 KjEzilTo0


~翌日・ホームセンターVIP~

委員女「ふうー、わかってはいたけど結構な荷物になったねー」

「……ですね」

委員女「これじゃ電車に乗るとか以前に駅まで運ぶのも一苦労だ

まあ、まだ当日まで時間あるし。
とりあえずコインロッカーとかに入れといちゃおうか」

「そうですね。えーっと、確かちょっと行ったとこにあった気が……」

委員女「あー、あったあった、でも結構あるなあ。
こりゃ骨がおれ……」

「……」ヒョイッ

委員女「え?あ、いいよ。私も持つよ」

「いやいや……俺が持ちたいんです」

委員女「ふ、ふーん……も、持ちたいならしかたないな!もたせてやらう」

「あざーす」

委員女「……///」

842 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 11:40:08 KjEzilTo0



……

~数日後・放課後教室~

委員女「よし、こんなもんでいいのかな?
……これがほんとにプラネタリウムみたいになるのかねー」

「一応書いたとおりにやったんで大丈夫でしょ……
というか、ほとんど俺ら二人でやってますよね……。
こういうのってみんなでやらないと意味ない気がするんですけど」

委員女「まあまあ、会場の配置とか装飾とか
文化祭まで日はない割りにまだまだやらなきゃいけないことはあるし

まずはテスト運転をしてみないとだね」

「……まあそれもそうっすけど」

委員女「でしょ?じゃあ電気を消して……スイッチオン!」


「……」

委員女「……オン!」

「……」

委員女「……」

846 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 11:45:58 KjEzilTo0


委員女「ねえねえ男君、どうかな、このプラネタリウム……
なかなか……いいかんじだと思わないかい……」

「そうですね……ただ出し物をプラネタリウムから真っ暗な部屋 とかに
変える必要がありそうですけど……」

委員女「……うがあー、どこが違うわけ?
ちゃんと書いてある通りにやったよね男君!」

「やりましたね……」

委員女「……」

「……」

委員女「……真っ暗だね」

「?……そうですね」

委員女「……」

「電気つけましょうk……」

委員女「まあまあ、もうちょっとこのまま話でもしましょうよ」

「……話?そうですね。怖い話でもしましょうか」

委員女「……はは、それもいいけども。……そうじゃなくて」

849 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 11:48:27 KjEzilTo0


委員女「……」

「?……」

委員女「……あのさ、ちょっとすごいこと言っていい?」

「……どうぞ」

委員女「……付き合わない?」

「……」

「……えーっと、誰と誰が?」

委員女「私と、君が」

「え?……ええ?……冗談……」

委員女「じゃないんだな。……これが」

「な、なぜ……」

委員女「なぜって……結構気が合うと思わないかい私たち」

「い、いや、……だからって付き合うって。そんな乱暴な……」

856 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 11:56:21 KjEzilTo0


委員女「まあまあ、返事は気長に待つよ。
ね、せいぜいゆっくり考えるがいいさ。はっはっは」

「……」

委員女「うん、一応私、結構本気だから」

「……お……おう」


「……」

(……へえ)


(ちょっとセロテープを借りにきてみれば……
男も……あんな顔してやる事やってんじゃない……
驚きすぎて思わず一階まで逃げてきちゃったわ……)

まったく、あんなのがすきなんて頭がおかしいのねあの子)
どうかしちゃってるわ)

(というか……迷うことなんかないのに……さっさと返事すればいいのに……)



「……っ」

919 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 15:43:50 KjEzilTo0


~文化祭当日・校門~

「……」

女生徒A「よっ、なにさこんなとこでボケっとして」

「……あ、おはよう。……」


女生徒A「?……なんかあった?顔色わりーけど」

「! ……大丈夫」

女生徒A「……そう?」

「それより……今日、がんばろう」

女生徒A「そだね。ギリギリまで決まらなくて
結局すんごいチープなモニュメント制作だけになっちゃったけど」

「……チープ……やっぱり」

女生徒A「ち、違う違う。そ、その、あれだ、良い意味でチープってか!」

「……」

「……そう」クス

女生徒A(な、なんか知らないけど微笑まれた…… )キュン

920 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 15:46:26 KjEzilTo0


~2組教室~

委員女「おいーっす男くん!早いね、一番乗りだ!」

「おうっす。……そうみたいっすね」

委員女「準備はもう昨日のうちに終わってんだから
こんなに早く来ることないんだけど」

委員女「男君もなんか早く来てる気がして
そしたらいてもたってもられなくなってね!」

委員女「それにしても、無事完成してよかっ……」

「……」

委員女「ん……男君?」

「……あ、すいません……なんの話でしたっけ」

委員女「……う、ううん、なんでもないさ!

……じゃあ私、ちょっとほかのクラスを偵察にいってまいります!」

「あ、じゃあ俺も……」

委員女「いやいやいやー、一人で平気!……じゃーねー!」

「……いってらっしゃい」

922 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 15:53:47 KjEzilTo0


(結局、あれから女の連絡は無し……)

(……だからって俺から電話なんてできるわけもない)

(来るかな……プラネタリウム)

(……来るわけねーよな)


「はぁ……」

???「大きなため息だな」

「!!……
なんだ、お前か……」

女生徒A「ふん、誰だと思ったか知らないけど
そんなガッカリした顔されると超むかつくわ」

「……なんなんすか。いちいち構ってくれなくていいっすよ」

女生徒A「まあまあそういわずに。こないだは私も言いすぎたって。
それにさ、女が保健室で寝てるしタバコはなくなっちゃうしで退屈なんだよね」

「……保健室?何、アイツどうか……」

女生徒A「気になるなら直接見に行けば?」

「……」

924 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 16:00:47 KjEzilTo0


女生徒A「……」

「……」

女生徒A「……ああもう!」バシッ

「いって……!なにす……」

女生徒A「もうしらん!いつまでもいじけてろバーカ!」

(……ガチでいてえ……)

(……なんつー力だ……背骨折れただろ……)


(……保健室……か)

926 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 16:04:37 KjEzilTo0


~保健室~

「……」ゴクリ

「しつれいしまーす……。お……女?いるか?」

「……」

「……」

「なんだ……寝てんのか……」

「……ぐう」

「せっかくの文化祭だってのに……」

「こいつ……こんなに肌白かったっけ……」

「……」ムニャムニャ

「……」ナデナデ


「……」


ああ

やっぱ俺、女の事好きだわ

927 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 16:11:45 KjEzilTo0


「……」ナデナデ

「……ん」

「おう、起きたか」ナデナデ

「……男。?……」

「……お、男!なんでここにいるのよ
そしてなにナデナデしてんのよ……」

「いやならやめる」

「……い、やじゃないけど……」

「そうか。……大丈夫か、体調は」

「……大丈夫よ、ちょっと貧血気味なだけ」

「男、戻らなくて良いの?」

「いいよ」

「……そう」

928 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 16:15:39 KjEzilTo0



「ね、……あんたと会ったのあのときが最初じゃなかったのよ」

「ん?」

「どうせ覚えてないんでしょ。

入学式の日、校内図書いた紙無くして教室どっちに行ったらいいかわかんなくて
うろちょろしてるあたしに、あんた声かけてきたのよ」

「……俺が?」

「顔が青いけど、大丈夫かってそれだけ。……それで、声出してみたの
大丈夫だって。……驚いた。すんなり声が出たから」

「……あ、私ね、声が出せなくて」

「知ってる」

「……うん」
嬉しかった。ほかの人とは相変わらずだめだったから
……余計、喋れる人が見つかった。また喋りたいってずっと思ってた」

「だから、あのお昼休憩のとき旧棟に入ってくあんたを見つけたとき
私、無意識にあんたについていって……」

「そうか、そうだったのか……」

930 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 16:29:44 KjEzilTo0

「……でも、いけないんだよね。あんたに依存してちゃ。
ってあの時、あんたに突き放されてようやく気づいた」

「……頑張ってたみたいだな」

「……うん、頑張った。だからもう平気」

「あんたがいなくても。もう平気だから」

「……」

「……ね、一日ここにいるつもり?
私はもういいから、早く戻りなさいよ」

「……」

「……」

「……ここ数日で
お前に話したいことが山のようにたまってんだ……だから、来い」

「え?」

「プラネタリウム。待ってるから。倒れたとしてもこい
吐血しても足折れてもこい。電話してくりゃ俺がおぶってってやる
だからこい。絶対こい」

「……男」

「……」

940 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:13:36 KjEzilTo0


~教室前~

委員女「あ、まったくどこいってたんだー。さがしたぞう」

「あ、すいません。ちょっと……」

委員女「むー?もしかして想い人かね?」

「……」

委員女「否定、しないか……そっか。
ああもーやだな、そういう事は早めにいってくれないと」

「……ごめん」

委員女「えー、やだな。なんで謝るのさ。
あ、こないだ言ったのあれ冗談だからさ!」

「……」

委員女「……冗談だって。だから、気にしない気にしない!」

「……ほんとに、ごめん」

委員女「だから謝らな……」

委員女「――……、……ん」

「……」

948 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:40:48 KjEzilTo0



~夜・教室~


「……」

(こねえ……)

(みんなに無理行って片付けしないでおいてもらったのはいいが)

(……まあ、何時まででも待つけどね)

「……ふああぁぁー……」

「ぎんば……」

「!!! うお……びっくりした……いつのまに」

「男って奥歯銀歯だったのね……」

「……」

「……そ、そんなことより、来てくれて、その……」

「ふん、別にあんたに会いに来たわけじゃないわよ。
プラネタリウムみにきただけ」

949 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:43:27 KjEzilTo0


「そうか。で、どうですか」

「……しょっぱい」

「……ぐ」

「まあでも……きれいだわ……」

「……おう」

「……」

「で、話ってなによ」

「……お、おう。俺……」


「……ん。覚悟はできてるわ……」

(……覚悟?)

951 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:45:52 KjEzilTo0


「何の覚悟か知らんが……

…………俺は、お、お前の事が


……す、きっつーか……」


「……」

「……え?」

「……えって」

「ええ、いや違うでしょ、え、ええ、うそ、うそだ。うそでしょ?」

「…………」

「え、あ、ごめん、違う、そうじゃないのよ。
そうじゃなくて、予想してたのと違って」

「……予想ってなんだよ」

「か、彼女ができたぜヤッホーって」

「なんでだよ……」

952 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:49:04 KjEzilTo0


「だって、あ、あんた告白されてたじゃない」

「……見てたのか」

「……」

「……はああぁぁあー……」

「せっかくの一世一代の告白を……違うでしょって……」

「う、うるさいわね!謝ってるじゃない!」

「……いいけど……いいけどさ……」

「……」

「……」ギュッ

「!……な」

「……わ………」


「わ、私も、あんたのこと好きよ。

……はい!これでいいでしょ!///」

956 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:54:21 KjEzilTo0


「……いい」

「いいけど、……なんで後ろから抱きつかれながら……」

「う……うるさいわね……!顔、見られたくないの!」

「……見たいんですけど」

「……いや!///」

「あ」

「……なによ」

「そうだ……お前にお願いが2つあるんだが」

「!……うん」ドキドキ

「実は、もうみんな帰っちゃったからここ
俺一人で片付けなきゃ行けないんだよね」

「それを、手伝ってほしいっていうのと」


「……はあ?」

960 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:57:05 KjEzilTo0


「明日、女の弁当がどうしても食べたいんですけど」

「……なによそれ」

「あのタイミングでお願いとか言うから無駄にドキドキしちゃったじゃない」

「……タイミング考えなさいよ」


「?……なに怒って」

「私はもう帰るから、ここはあんたが一人で片付けなさいよね!」

「え、ちょ、」

「じゃあね!ばーか」

「ちょっ、おい、お……!」


「うわあ……本当に帰りやがった……」

「……はぁ、うわ、この機材なんなんだよ重ッ……」


「ちくしょうこんなの一人で運べるわけ……

……あ、メール」

961 : 以下、名無しにかわりまし... - 2009/05/08 17:59:14 KjEzilTo0




sub:あしたのひるはせいぜいお腹へらしてなさいよね


本文:
それと、お昼食べるもっといい場所さがしとくこと!

いいわね?



おしまい

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