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254 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:29:25.10 Q4VGC6Ya0 204/341

―魔王の城・扉の前―

勇者「とうとう……俺たちはここまで来たんだ」

戦士「……ああ」

勇者「いろいろと、みんなそれぞれ自分たちの想いはあると思う」

魔法使い「……(あ、結局勇者がまとめてくれるのね)」

勇者「ここまでも、いろいろとあった」

北の勇者「……(いろいろって言いすぎじゃない?)」

勇者「でも、今は魔王を倒すことだけを考えよう!」

僧侶「はいっ!」

勇者「……『北の勇者』、行くぞっ!!!」チャキン

北の勇者「ふふっ、こんなの……僕だけでも良いのに」チャキン

ズバッ!ズババッ!ザンッ!!!
……ガラガラガラ、ズシィィィン

255 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:32:43.46 Q4VGC6Ya0 205/341

―魔王の城・入口―

ズシィィィン……

勇者「魔王城の扉斬り崩してやったぞ!」

北の勇者「滅ぼしに来たよ」

魔物の大群「がるるるるるる、ぐわぁぁぁぁ!」

魔法使い「今まで行ったどこの街よりも手厚い歓迎だねー」

魔物の大群「お前らが魔王様に逆らう勇者どもか!? 俺たちがここで殺してやる!」

戦士「入口からさっそくぞろぞろと……。こんなにいちゃあ魔物らだって動きにくいんじゃねえか?」

僧侶「す、凄い魔力の強い魔物たちですっ!」

北の勇者「綺麗に掃除しながら進んでやるさ」チャキッ

勇者「……みんな、戦闘開始だっ!!」チャキンッ

魔物のたいぐんがあらわれた!▽


256 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:35:40.08 Q4VGC6Ya0 206/341

戦士「おっらあ!!」ドシュッ!ザクッ!

魔物「ギャアアアアアアアアアアア!」ブシュウッ

魔法使い「おーら私に焼かれるのに順番待ちはしなくで良いぞ! まとめて灰だ! 業火魔法!」ゴオオオオ!

魔物「ウギャアアアアアアアア!」ゴオオオオ!

北の勇者「はっはっは! 魔物多すぎ! 剣振るだけで2、3体一気に切っちゃうよ!」ズバババッ!

魔物「グゲェェェェェェ!!」ザクッズバッザンッ!

勇者「物量戦ってやつか、奥が見えない! 雷撃魔法! おらあっ!」ピシャッ、バリバリィ! ズバッ!

魔物「グギャアアアアアアアアアアアア!」バリバリ!

魔物「キエェェェェェ!」ズッバァァァン!

北の勇者「獄炎魔法!」

魔法使い「獄炎魔法!」

ッゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

258 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:40:13.61 Q4VGC6Ya0 207/341

僧侶「けほっけほっ」

戦士「魔物の焦げる臭いくっせーなあ」

ゾロゾロゾロ

魔物「うがああああああああああああああ」

魔物「がるるるるるるる!!!」

魔物「お前らァ! ここで勇者どもを一気に叩き潰すぞォ!」

勇者「……ほ、本当に多いな」

魔法使い「おめえら数揃えるしか能ねえのかよああ!?」

北の勇者「簡単な話しだ、先に進めるようになるまで倒し続ければ良い」

魔法使い「消し飛ばす……爆雷魔法!!!」ッド……

ッカアアアアアアアアアアン!!!

259 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:42:56.39 Q4VGC6Ya0 208/341

ボトボトボトボトボト

北の勇者「おー強力」

勇者「ちょっと魔法使い! 少しはMPセーブしなよ!」

魔法使い「魔王城だぞ! んな舐めたことさすがにできないって!」

戦士「っぎゃああああああ! 肉片の雨だああああああああああ!!」

僧侶「ま、まだ増えます!」

ゾロゾロゾロ

魔物「グゲ……グゲグゲ」

魔物「この先へは一歩も進ませんぞ!」

戦士「こっの……魔王倒さなきゃいけねえのにこんな所で足踏みしてらんねえぞ」

勇者(このままじゃ消耗戦だ……どうしよう)

ピシャアアアアアッ!!! ゴロゴロゴロ! バリバリバリ!!!

魔物「グギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」バリバリバリ!

???「ふっふっふ……はーっはっはっはっはっはっは!!! 貴様ら先に着いていやがったのか!」

260 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:50:07.57 Q4VGC6Ya0 209/341

魔法使い「……この声は」イラッ

北の勇者「あー、そういや『勇者』は三人だけじゃなかったね」

戦士「あいつら……『貿易の街』で遊び呆けてたアホどもか」

僧侶「お久しぶりです!」

勇者「おお! 味方が増えた助かった! 『西の勇者』!(やっぱ苦手だなーあのノリ)」

西の勇者「『南の勇者』のいらんお節介でここまで安全に来れたがそれでも俺が一番遅れてしまってたのか……」

西の勇者「……否ッ!!! 俺だから遅れたんだ! 真の『英雄』とは雑魚な仲間のピンチに遅れてやってくるもの!」

魔法使い「うっわあのアホ勇者全っ然変わってねえ……うざいの全っ然変わってねえ。『北の勇者』もマシになったっつうのに」

北の勇者「褒め言葉として取っておくよ……」

西の勇者「『北の勇者』! 『東の勇者』とその仲間ども! 『真の勇者』の俺が来たからにはもう心配いらねえ!」

勇者「くっそ、魔物がまだ増える!」ズバッ!

北の勇者「少しでも攻撃の手を止めるとすぐ湧いてくるね!」ザシュッ!

西の勇者「俺様がさっさと魔王を倒して世界を平和に話し聞けええええええええええええええ!!!」

261 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:55:12.68 Q4VGC6Ya0 210/341

魔法使い♀「雷撃魔法! 爆裂魔法!」バリバリバリ! ドッパーン!

魔物「グギャアアアアアアアアアアア!」

魔法使い♀「久しぶり、『東の勇者』の魔法使い。少し見ない間に可愛くなった?」

魔法使い「あんたはちょっと痩せたんじゃない? 良かったわね魔王を倒す旅行で太らなくって」

魔法使い♀「……撤回、やっぱり相変わらず可愛くないわ」

魔法使い「あっはっはっは、おっぱいも痩せて小さくなったんじゃない?」

魔法使い♀「ほんっとに生意気ぃ! 極寒魔法!」ヒュオオオオオオ!

魔物「グ……エ……」カチコチッ

魔法使い「どうせならその脂肪私に渡せってんだよォ! 爆雷魔法!!!」ッド……

ッカアアアアアアアアアアン!!!パリィィィィィィン!

キラキラキラキラ

262 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 17:58:44.98 Q4VGC6Ya0 211/341

パラパラパラ……

戦士「……氷の雨だ」

魔法使い「これなら多少は綺麗でしょ?」

戦士「ん、ああ……そうだ、な(そうなのか?)」

僧侶♀「……回復」パアアア

戦士「お、ありがとう」

魔法使い♀「お前らの相手は私たちよ! くらえ業火魔法!!!」ゴオオオオ!

西の勇者「先に進むぞ『北の勇者』、『東の勇者』!」

勇者「えっ、良いのか!? あの二人残して!」

西の勇者「あいつらには俺の背中を預けてるんだよ! 『東の勇者』、お前の心配などいらん! い、ら、ん!!!」

勇者「でも……」

魔法使い「アホ勇者がそう言ってるんだからそうしましょうよ勇者」

勇者「……魔法使い」

魔法使い「……大丈夫、あいつら強いから。魔法使いの私が言うんだから勇者も信じてくれるでしょ?」

勇者「わ、わかった!」

263 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:01:06.75 Q4VGC6Ya0 212/341

魔法使い♀「業火魔法!!!」ゴオオオオオオオオオ!

魔物「ガアアアアアアアアアアアアア!」ゴオオオオ!

魔法使い♀「今です勇者様!」

西の勇者「恩に着るぞ魔法使い♀! さあ行くぞお前たち!」ダッダッダ

魔法使い「……イラつくのも面倒くせえなコイツ」タッタッタ

勇者「さっきの魔法使い♀さんの攻撃で前に進めるようになった!」タッタッタ

戦士「ぐずぐずしてたらまた湧いてくるなっ! さっさと進もう!」タッタッタ

北の勇者「僧侶さん、走れるかい?」タッタッタ

僧侶「魔物の死体で走りにくいけど……頑張ります!」タッタッタ

西の勇者「はっはっはっはっはっはっは! 俺に続けええええええええ!」ダッダッダ

北の勇者「『東の勇者』、内心ホッとしてるんじゃない?」タッタッタ

勇者「ん、え? な、なんのことかな?(良かったー、仕切ってくれる人が来て)」

西の勇者「ふっはーっはっはっは! 進め進めえええええええええええ」ダッダッダ

264 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:03:57.79 Q4VGC6Ya0 213/341

―魔王の城・巨大な廊下―

魔物「ここは通さねえぞっ!!」

西の勇者「せいっ!」ズバッ!

魔物「ぐうっぅ! おらぁ!」ザシュッ! ブンッ!

西の勇者「ぐぅっ……そんなのきかーん! とりゃあ!」ヒュンッ

魔物「グアアアア!!!」ブッシュウゥ!

勇者「進めど進めど魔物だらけだな」ザンッ!

魔物「ギャアアアアアアアアア!」ザクゥッ!

北の勇者「そりゃあ魔王の城だからね」ズバン!

魔物「ジェアアアアアアアアアア!!」ザシュッ!

僧侶「『西の勇者』さん、回復します!」パアアアア……

西の勇者「はっはっは、こんなのかすり傷だ! まあ一応礼を言っておくがな!ありがとう!」

265 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:06:33.10 Q4VGC6Ya0 214/341

戦士「うーん、じれってえなあ!」タッタッタ

勇者「あっ、おい戦士!」

西の勇者「コラァ! なんだあの戦士は!? 俺より先に一人で魔物の大群に突っ込むなぁぁぁ!」

僧侶「戦士さんが魔物の中に消えてっちゃいましたよ!」

西の勇者「あいつ何考えてるんだ!」

魔法使い「勇者!僧侶! ダッシュ!」タッタッタ

勇者「えっ!?」

北の勇者「このまま僕たちも突っ込もう!」タッタッタ

魔物「グエエエエエエエエエエエエエ!」ブシュウウウウ!

魔物「ッギャアアアアアアアアアア!」ザシュウウウ!

魔物「ッガガアアアアアアアアア!!!」ドシュゥゥ!

勇者「目の前の魔物たちが次々に倒れていく!? 戦士がやってるのか!?」

戦士「魔物の間を縫って進むのなんざ人ごみの中走るのと変わんねえ。俺がさっさとお前らの進む道切り開いてやるよ!」

266 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:08:03.26 Q4VGC6Ya0 215/341

魔物「ザアアアアアアアアアアン!!」ザックゥゥゥ!

魔物「ボッオオオオオオオオオオオオ!!」ズシュゥゥゥ!

魔物「ヌオオオオオオオオオオオオ!!」ブッシュゥゥゥ!

勇者「凄い! 戦士の姿は見えないけど目の前の魔物はどんどんやられていってる!」タッタッタ

西の勇者「はっはっは! なかなか優秀な仲間がいるじゃないか『東の勇者』!」タッタッタ

魔法使い「盗賊のキャリアはこんな所で役に立つのね」タッタッタ

僧侶「戦士さん足速すぎですよー!」タッタッタ

北の勇者「盗賊くんすっげー……」タッタッタ

魔物「ギャアアアアアアアアアアア!!」

魔物「ズオオオオオオオオオオオオ!!」

魔物「ノバアアアアアアアアアアア!!」

西の勇者「お前たち! あの戦士に続く俺に続けえええええええええええ!」

267 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:10:12.42 Q4VGC6Ya0 216/341

―魔王の城・巨大な階段の手前―

戦士「……はあ、はあ。あいつらちゃんと着いてきてんのか?」

ドッゴオオオオオオオオオオオオン!!! ガラガラガラガラガラ!!!

戦士「ッ!? なんだなんだなんだぁ!? 横の壁が吹っ飛んだぞ!?」

魔物「魔王様に仇名す輩はお前かァ!?」

戦士「でっけえ一つ目の巨人か……」

西の勇者「やっと追い付い……なんだこの魔物はあああああああああ!?」タッタッタ

戦士「お前らは先に行けっ! ……コイツは俺が面倒見てやる」

勇者「……戦士」

魔物「……一騎打ちか、良かろう。お前がたった一人で俺を楽しませてくれるのならな」

魔法使い「勇者、ここは戦士に任せましょう」

僧侶「……戦士さん、絶対勝って追いついて下さいよ!」

戦士「安心しな僧侶ちゃん。足の速さじゃこの中で俺が一番だ」

268 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:11:58.70 Q4VGC6Ya0 217/341

タッタッタッタッタ……

魔物「……」

戦士「良いのかよ、敵を先に行かせてよぉ」

魔物「一騎討ちを挑まれたら、それに応ずるのが俺だ」

戦士「そーかい。出来た人間みてえなこと言うじゃねえか魔物のくせに」

魔物「……それに」

戦士「……」

魔物「機動力さえ削げれば、残りのやつらは魔物の大軍にジワジワと消耗されていくからな」

戦士(それなりに頭使ってんじゃねえよ……。簡単に乗ったのもそれが目的か)

魔物「俺もさっさとお前を潰して、残りのやつらを殺しにいく」

戦士「なーらこんなお喋りしてる時間はお互いねえよなあ?」

魔物「……いざ!」ズシン

戦士「ぶっ倒す!」ダッ!

269 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:13:57.12 Q4VGC6Ya0 218/341

僧侶「回復魔法!」パアアアア……

北の勇者「ありがとう僧侶さん!」タッタッタ

魔法使い「おっらどきやがれ魔物ども! 獄炎魔法!」ッゴオオオオオオオオ!

西の勇者「どっわあ! おい『東の勇者』の魔法使い! 前には俺がいるんだぞ気をつけろ!」

魔法使い「うるせえアホ勇者!」ゴオオオオオオ!

勇者「っは! とうっ! 爆裂魔法!」ザクッ!ズバッ!ドパーン!

北の勇者「烈風魔法!」ザシュシュシュシュ!

西の勇者「お前らわざと俺のこと狙ってるだろおおおおおおおおお!?」

勇者「進もう!」タッタッタ

北の勇者「『西の勇者』、速く走らないと追い抜いちゃうよ」タッタッタ

魔法使い「おうら吹き飛べ爆裂魔法!」ドカカカカーン!

西の勇者「お前ら俺を無視して先行くなああああああ!」

僧侶「回復大丈夫ですか?」タッタッタ

西の勇者「はっはっは! 必要無いッ!!!」タッタッタ

270 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:16:51.53 Q4VGC6Ya0 219/341

勇者「それっ! とりゃっ!」ズバッ!ザシュッ!

魔物「ギギィィィィッ!」ザックゥ!

魔物「ギョアアアアアアアア!」ザンッ!

魔物「死ねえええええ!」ブンッ

西の勇者「危ないぞ『東の勇者』ッ!」ザシュッ!

勇者「あ、ありがとう『西の勇者』!」

西の勇者「なーに雑魚を守ってやるのが『真の勇者』の務めだ! はっはっは!」

魔物「じらあああああああああ!」ブオンッ!

西の勇者「あっ、しまっ……(笑ってて隙を見せてしまったァ!)」

北の勇者「それっ」ズバッ

魔物「ヤギャアアアアアアアアアアアア!」ブッシュゥゥゥ!

西の勇者「……ふっ、少しだけ油断してしまった。恩に着るぞ『北の勇者』」

北の勇者「なーに、雑魚を守って上げるのが『真の勇者』の務めだからね」

西の勇者「お前えええええええ!」

魔法使い「……こいつら」

271 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:19:04.90 Q4VGC6Ya0 220/341

―魔王の城・大広間―

西の勇者「はあ……はあ。うん? なんだここは、魔物がいねえじゃねえか!」

北の勇者「……はあ、疲れた。……だだっ広い広間だね」

勇者「……ッ!? 危ない!」

ドカカカカッ!

北の勇者「うおっと! 炎弾魔法!?」サッ

西の勇者「こしゃくな! 上からか!?」ヒョイッ

魔物「うけけけけっ! 魔王様の敵どもめ、ここから先は通さないぞ!」

勇者「翼の生えた猿だ!」

西の勇者「見りゃわかる!」

魔物「ここで全員くたばれっ! 炎弾魔法!」ボボボッ!

西の勇者「速いっ! そしてなんと強力なっ! ……だがそんな物打ち返してやる!」ガンッ!

北の勇者「ずいぶん器用なことするな。どれ僕も……」ガンッ!

勇者「うっわ二人ともやっちゃってるよ、おっら!」ガンッ!

魔物「うけけけけ! 当たらないよーん!」サッサッサ

272 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:20:41.53 Q4VGC6Ya0 221/341

西の勇者「ぬう……ちょこまか飛び回りやがって」

魔物「まとめて死ね! 轟雷魔法!!!」ピッシャアアアア!ゴロゴロ!

西の勇者「やっば……」

……ッパアアアア……ン

魔物「うけっ!? 俺の魔法が相殺された!?」

魔法使い「よーし、私の仕事見ぃつけた!」

勇者「魔法使いっ! 助かった!」

魔法使い「あんたらは先に進みな! こんな魔物にみんなで構ってる暇ないでしょ!」

勇者「……う、ええと」

北の勇者「お言葉に甘えてそうさせてもらうか」タッタッタ

西の勇者「一人で大丈夫なのか!? 『東の勇者』の魔法使い!?」

魔法使い「お前は自分の心配してろや!」

西の勇者「なんだと貴様ァ! 俺は最強の勇者だぞ!」

魔法使い「お前の相手は魔王だろっつってんだよ! 最強の勇者さんよ!」

西の勇者「……うん。ああ、はっはっは! そういうことかっ! そうだ、俺の相手は魔王だったな!」

273 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:22:03.84 Q4VGC6Ya0 222/341

僧侶「みなさん、ここは魔法使いさんを信じて先へ行きましょう!」タッタッタ

北の勇者「そうだね、ゆっくりしてる場合でもないし」タッタッタ

西の勇者「俺の相手は魔王だぁぁぁ!!!」タッタッタ

勇者「……魔法使い、すぐに追いついてくれよ!」タッタッタ

魔法使い「へいへい、こいつ倒したら休憩するつもりだったのになー」

魔物「行かせるかよっ! 雷弾ま……」

魔法使い「氷弾魔法ッ!」ヒョンヒョンヒョン!

魔物「うけっ!?」サッサッサ

タッタッタッタッタ……

魔物「くそっ!」

魔法使い「あんたの相手は私だよ、羽猿」

魔物「……うけけけけけっ! さっさとお前を殺してあいつらも俺の魔法で殺してやる!」バサッ!

魔法使い「良かった良かった、……こんな雑魚相手にするだけの楽な仕事でよォ!」ダッ!

274 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:23:34.80 Q4VGC6Ya0 223/341

勇者「……今思えば、魔法使い多分楽そうだからあそこに残ったよね」タッタッタ

僧侶「えっ! そんなことないですよぉ!」タッタッタ

北の勇者「いや、僕たち先に行かせた時の晴れやかな魔法使いさんの顔を僕は確かに見たよ」タッタッタ

僧侶「……」タッタッタ

勇者「いや、まあ、あそこで魔物足止めしてくれないと俺たちも先に進めなかったんだけどね」タッタッタ

僧侶「……魔法使いさんらしいかも」タッタッタ

西の勇者「そこをどけえええ! 魔物どもおおおおおお!」ズバンッ!ザクッ!

魔物「グォォォォォォォ!」ザックゥゥ!

北の勇者「それでも、命懸けの戦いになることは変わりないけどね」タッタッタ

勇者「……戦士も、魔法使いも、絶対勝って追いついてくれよ!」タッタッタ

北の勇者「……もちろん僕たちも、勝たないとね」タッタッタ

勇者「ああ!」

西の勇者「邪魔だ邪魔だ魔物どもおおおおおおお!」ザクザクザクッ!

275 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:25:08.87 Q4VGC6Ya0 224/341

―魔王の城・巨大な扉の前―

勇者「……はあ、はあ」

北の勇者「世界中の魔力の源が……この扉の向こうから感じられるね」

西の勇者「ハアハアハア……や、っと、ここまで、来たか」

僧侶「回復しましょうか、『西の勇者』さん?」

西の勇者「……っふ、はっはっはっはっは! ……頼む」

僧侶「先頭でずっと魔物と戦ってくれましたもんね。回復魔法!」パアアアア……

西の勇者「……ふんっ、ありがとう! と言ってやる。『東の勇者』の僧侶」

僧侶「いえいえ、これぐらいしかできませんから」

北の勇者「……覚悟は良いかい、みなさん」

勇者「うっわー、すげえ魔力。……こっわ、こっわ」

僧侶「……勇者さん、みんなで力を合わせて戦いましょう!」

西の勇者「はっはっはっはっは! お前たちは見物してるだけで良いんだぞ!? 俺様が倒してやる!」

ギギギィィィィィィィ……

276 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/19 18:26:46.98 Q4VGC6Ya0 225/341

ギギギギィィィィィ……バタン!

勇者「なんっつう魔力だよ……」

北の勇者「あの玉座に座ってるのが、この世界の魔力の源、魔物の王か。わかりやすいなあ」

西の勇者「ついに見つけたぞ魔王! 勇者である俺様が、お前を討伐しに来てやった!」

僧侶「……(1000年前の姿のまま、でも、確実に以前よりも力をつけてる!)」

魔王「……」

西の勇者「どうしたどうした! 黙ったままで俺様にビビったのかぁ!?」

魔王「……」チャキンッ、チャキンッ、スラァァ……

北の勇者「……二刀流かよ。ははっ、おっかねえ」

魔王「……始めよう」ギュンッ!!!

勇者「ッ!? 来るっ!!!」

魔王があらわれた!▽

283 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 20:07:49.25 V53b82sH0 226/341

ガガンッ! ギキンッ!

勇者「くっ! おわっ」ガキンギギンカァン!

魔王「……」ブンッ! ブオンッ!

勇者「んぐっ!(二刀流の上に速いし重いっ! ギリギリ攻撃捌くのがやっとだ!)」ガガンッ!

魔王「……」クルッ、ブンブンッ!

ガッガン!

勇者「ぐ、おっあ!」フラッ

魔王「……まずは一匹」ヒュッ

勇者「っち、体勢が……(やっべやられる!)」

タッタッタッタッタ!

西の勇者「一人に構ってる余裕はねえぞ魔王ぉぉぉ!」タンッ!

魔王「……」チラッ

西の勇者「二刀流で手が塞がってスキだらけだぞぉっ! 真っ二つになりやがれっ!」ヒュンッ!

魔王「……焦熱魔法」

284 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 20:15:39.11 V53b82sH0 227/341

西の勇者「んなっ!?(手をかざさずに魔法発動だと!?)」

魔王「……」ッゴオオオオオオオオオオオオオオオ!

西の勇者「くっそ……うぐっ」

北の勇者「極寒魔法!」ヒュオオオオオオオオオオ!

ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

ッゴオオオオオオオオオオ……オオオオオ……

西の勇者「がぁっ!」ドサァ! ズザザザザ!

魔王「……」

北の勇者「……危ない危ない、すんでで相殺できた。と言っても完全に威力を消せたわけじゃないけどさ」

西の勇者「助かった、『北の勇者』。魔王め、剣を両手に持ってるくせに魔法を……」

北の勇者「発動媒体を手ではなく……おそらく眼球か瞳にでもしたんだろう。そんなことが出来るのかよ魔王ってやつは」

魔王「……」

勇者「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」ブンッ!

285 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 20:21:02.17 V53b82sH0 228/341

西の勇者「……」

ガキンッガキンッ!

勇者「くっそ、全っ然こっちの攻撃が通る気がしない!」キンッキンッ!

魔王「……まとめて来い。三匹の勇者よ」ガギンッギィン!

勇者「っ!?(先に向こうがそれ言うのかよ!)」キギンッ!ガンッ!

北の勇者「くっそー、なんっつう余裕だ。事実僕たちの方に余裕ないんだけど……さっ!」ブンッ!

魔王「……」ギィィィン!

西の勇者「おのれ魔王、馬鹿にしやがって! ナメた口利いたこと後悔させてやるぞおおお!」ブンッ!

魔王「……」ガイィィン!

勇者「うっおおおおおおおおおおおお!」ヒュンッ!

北の勇者「っはああああああああああああ!」ブンッ!

西の勇者「らああああああああああああ!」ヒュッ!

ッギギィッキィィィン!

286 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 20:30:22.06 V53b82sH0 229/341

ガキンッギキンッキンキキン、カァァァンギッキン!!!

勇者「はぁっ、うっわうっわ、こっちは三人だぞ!?」ガキンッ!

北の勇者「なんつう身のこなしだよ。全部二つの剣だけで防いでる」ギンッ!

西の勇者「こっのおおおおお! 全く攻撃ができんんんんんんん!」ガッキィィィン!

魔王「……三匹だけじゃあ俺にダメージを与えることさえ叶わんのか?」ガガッキンッ!

勇者「……(魔王が喋り始めやがった!?)」ブンッ!

北の勇者「……」ブンッ!

魔王「失望したよ……こんなものなのか、1000年経ったこの世の勇者どもというやつは」ギギンッ!

西の勇者「……違う、三人じゃねえ!」サッ!

北の勇者「……ああ、そうとも」サッ!

勇者「……『南の勇者』もいる」ザッ!

西の勇者「俺たちはああああああああ、『四人』で戦ってんだよおおおおおおおおおおお!!!」

西の勇者・北の勇者・勇者「獄炎魔法!!!!」ッグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

287 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 21:08:38.10 V53b82sH0 230/341

―魔王の城・巨大な階段の手前―

魔物「どこにいる!! 隠れてないで正々堂々俺と戦えぇっ!!」ブオンブオン!

戦士「目の前にいるっつうの……しっかし」

魔物「姑息なまねしやがって! 姿を現せ!」ブオンブオン!

戦士「……ああしてでっけえ得物振り回されちゃあ近づくに近づけねえな」

魔物「卑怯な人間がぁ!!」ブオン!ドカッ! ガラガラッ!

戦士「うっげえ……床を棍棒で抉りやがった。あんなの一発でも食らったら終了じゃねえか」

魔物「さっさと姿を現しやがれぇ!」ブオンブオン!

戦士「このまま気配を消しててもラチがあかねえな。俺もさっさと勇者たちのあと追わねえと」

魔物「どこだっ! どこにいるっ!」ブオンブオン!

戦士「商人の野郎との戦いで身に付けた完全潜伏、一か八か試してみる価値はありそうだな!」スゥゥ……

288 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 21:30:01.71 V53b82sH0 231/341

魔物「むっ! そこかぁ! そこにいたのか人間!」ドシンドシンドシン!

戦士「っ! かかったか! 気配に強弱をつけてあいつをこっちに向かわせる!」スゥゥゥ……

タッタッタッタッタ!

魔物「ちっ! さっきまでここにいたはずなのにまた隠れやがったのか!?」ドシンドシン!

タッタッタッタッタ! シュタンッ!

戦士「そんでもって俺は完全に気配を消して、後ろから攻撃する! おっらぁぁ!」ブンッ!

魔物「なっ!?」

ザッ……クゥッ……

戦士「なんだこいつの肉!? かってえええええ!!」

魔物「ぐぅっ、このおおおおおおお!!!」バキッ!

戦士「ぐはあ!」ドカァッ! ズザザザザザ!

魔物「小賢しいまねを!」ドシンドシン!

戦士「くっ!」スゥゥゥゥ……

魔物「また消えやがった!」

289 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 21:46:46.81 V53b82sH0 232/341

戦士「なんだあの魔物……頑丈過ぎんだろ、首狙ったのに全然ナイフが通らねえじゃねえか」

魔物「どこだあ! どこにいった! 潰してやる!」ブオンブオン!

戦士「ぐぅっ……いてえ。反撃食らっちまったくっそ。攻撃してすぐ離脱ってのが簡単に出来るほど甘くはねえか」

魔物「隠れてないで姿を現せ人間!」ブオン!

戦士「……だからって、潜伏解いて一撃に全力込めるなんざ危険過ぎてできねえしな」

魔物「どこだああああああああああ!」ブオンブオン!

戦士「その上俺の全力であいつを仕留められるかもわからねえ」

魔物「どこにいるうううううううう!」ブオン! ドガッ! ガラガラガラ!

戦士「……また床抉りやがった。とりあえず薬草で回復して……ん?」モグモグモグ……カツン

戦士「これは……勇者が大好きなえーとなんだっけ。……『飛躍の仮面』じゃねえか。いつ見てもダセえな」

魔物「出てこないなら俺はこの通路を完全に潰すぞ! 瓦礫の下敷きになれ!」ドカッ! ガラガラガラ!

戦士「……ッ!? くっそおおおお……こんなダセえ仮面だが、今は時間がねえ!!」スッ

魔物「……見つけた!」

戦士「糞商人! お前の商品信じるぞ! ……『変身ッ!!!』。……へん、えっ!? はああああ!?」

290 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 22:05:29.29 V53b82sH0 233/341

―魔王の城・大広間―

魔物「うけけけけけ! 当たらないよーん!」バサバサバサ!

魔法使い「てんめええええええ! ちょこまか飛び回ってんじゃねえぞ猿がああああああ!」ゴオオオオオオオ!

魔物「死ねぇっ! 雷撃魔法!」ピシャァァ!

魔法使い「ちっ! 烈風魔法!」ヒュンッ!

バッチィィィン!

魔物「うけけけけ! 相殺されたか、炎弾魔法!」ボボボッ!

魔法使い「氷弾魔法!」ヒュヒュヒュッ!

ドッガガガァァ!

魔物「全部弾きやがった、うけけけけけけけ! 楽しいねー!」バサバサバサ!

魔法使い「楽しんでる暇なんざねえんだよ! 天井埋め尽くしてやる……獄・炎・魔法おおおお!!!」ッゴオオオオオオオオオ!!!

魔物「うけっ!? 巨大な魔力!?」

291 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 22:18:36.79 V53b82sH0 234/341

ッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

魔法使い「はっはっは! そのまま灰になって散れ!」

スタンッ!

魔法使い「ッ!? しまっ……(目の前に!?)」

魔物「巨大な魔法で俺を飲み込んだのは間違いだったな……」ザンッ!

魔法使い「ぐうっぅぅ!!」ザシュッ! ズザザザザザ!

魔物「うけけけけ! 魔法だけじゃないんだよ! 俺の爪で八つ裂きになりな!」

魔法使い「いってててて! 似合わねえ油断しちまった」

魔物「……ッ!?」

魔法使い「……ははは、驚いたかよ魔物? てめえらに馴染み深いドラゴンの鱗だぞおら?」

魔物「人間……お前何者だ!?」

魔法使い「何者かって? ……大嫌いな母親から、てめえらの親玉倒す願いを託された『人間』だよおおお!」

魔物「うけっ!?」バササッ!

魔法使い「今飛んだっておせえぞ!!! 焦熱魔法!!!」ッゴオオオオオオオオオオオ!!!

292 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/20 22:33:33.06 V53b82sH0 235/341

魔物「ぐわああああああああああああああ!」ッゴオオオオオオオオオオオ!!!

魔法使い「おっらああああああああああああ!」

魔物「……ぐぅぅぅ! 極寒魔法!!!」ヒュオオオオオオオオオ!!!

ッゴオオオオオオオオオオ……

魔法使い「……意外と頑丈じゃねえかあいつ」

魔物「はあ、はあ、はあ。うけけけけけけ! 相殺出来るのはお前だけじゃねえんだよ!」

魔法使い「魔法を使うだけあって、魔法にも耐性があんだな。……おい、糞犬、起きてるか」

ッブワァァァァァ! グオオオオオオ!

魔物「何ィ!? あ、あ、悪魔だとぉ!?」

悪魔「おい魔法使いおい魔法使い。珍しく気が合うじゃねえか、俺もちょうど『そう』思ってたとこなんだよ」

魔法使い「……そりゃあ良いな。初めてだ、お前と気が合うのはよ」

悪魔「なら、俺と魔法使いの初めて……祝うしかねえよなぁ」

魔法使い「……ああ、そうだなぁ。時間がねえんだ、さっさと盛大に祝っちまおうぜ」

魔物「うけけけけけけけけけ! 何をするか知らねえがさっさと殺してやるよ下等な人間!!」

魔法使い「……祝いの肴は喋んじゃねえよ。糞犬……『融合』だぁッ!!!」

294 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 12:00:16.26 KA3TavWb0 236/341

ッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

西の勇者「やったか!?」

北の勇者「それ言っちゃダメ!」

ッゴオオオオオオオオオオオオ……

魔王「……っぐ」

勇者「……おいおい、渾身の魔法だったのに」

北の勇者「……曲がりなりにも『勇者』三人分の獄炎魔法なのにさ、少し怯んだ程度なんて嫌になっちゃうね」

魔王「……『意志』の繋がりというやつか? 息の合った同時攻撃だな」

タッタッタッタッタッタッタ!

西の勇者「どりゃあああああああああああああ!」ブンッ!

北の勇者「……僕たちに休んでる暇なんて全然ないみたいだね」ヒュンッ!

勇者「少し怯ませるだけでも良い! 全力でほんの少しでも隙を作って全力でほんの少しでも攻撃を続けないと!」ブンッ!

295 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 15:52:05.26 KA3TavWb0 237/341

ガガキンッ!

魔王「……」キキンッ!

勇者「くっそ、さっきの魔法でダメージ食らってたのか!? 全然そんな気配無いぞ!?」キンッ!

北の勇者「顔に出してくれないってのは怖いね」ギィィン!

西の勇者「ッ! 隙ありっ!」ヒュンッ!

魔王「……轟雷魔法」ピシャァァァッ! バリバリバリッ!

西の勇者「ぐっ……ちくしょう!!」バチィィン! ズザザザザッ!

北の勇者「魔法もやられちゃ本当に攻め入る隙無しだね」

西の勇者「……ぐっ、魔王め」

北の勇者「爆裂魔法!」ッドパァァン!

魔王「……小賢しい」ッパァァン……

タッタッタッタッタ!

北の勇者「せいっ!」ヒュンッ!

魔王「……」ギイィィン!

296 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 16:17:48.30 KA3TavWb0 238/341

勇者「烈風魔法!」ヒュオン!

魔王「……烈風魔法」ッパァァァン!

勇者「真正面から弾き飛ばすって……んのっ!」ブンッ!

ガッキィィン!

北の勇者「どうすりゃ良い、少しでも魔王にダメージを……」ブンッ!

魔王「……」ガギッィィィン!!!

北の勇者「ぐうっ、しまった!」

魔王「……吹き飛べ、炎弾魔法」ボボボッ!

ドガッガガァ!

北の勇者「ぐっあああああ!」ザザッ!

勇者「『北の勇者』っ!」

魔王「……」ヒュンヒュンッ!

勇者「っち、仲間の心配もさせてくんないか!?」ガキイン!

297 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 16:30:16.99 KA3TavWb0 239/341

魔王「……焦熱魔法」ッゴオオオオオオオオオ!!

勇者「極寒魔法!!」ヒョオオオオオオオオオオ!!

ッゴオオオオオ……

魔王「……」ブオンッ!

勇者「っぐぅ!(やっとこさ相殺したって間髪入れずに斬撃か!)」キキンッ! ギィィン!

魔王「……」ヒュヒュンッ!

勇者「ぐぁ……」ギンッ! シュパッ!

魔王「……ここまで来るので相当消耗したようだな?」ヒュンッ!

勇者「おっわ!」カァァン!

魔王「……」ドゴォ!

勇者「ぐっふぅ……(蹴りって、んなのありかよ……)」ドサッ

魔王「……一匹目、串刺しになって死ね」グンッ!

グサッグサッ!

298 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 16:53:34.83 KA3TavWb0 240/341

魔王「……」

勇者「……ッ!? 『西の勇者』!? なんで!?」

西の勇者「がはぁっ。……ぐ、勘違いするな『東の勇者』、お前を助けたわけじゃない」ボタボタ……

勇者「……(あ、そうなんだ)」

魔王「……」

西の勇者「俺は、このタイミングを……ぐっ、待っていただけだ!」ガシッガシッ!

魔王「……ッ!」

西の勇者「ゴミを見るような目で魔法出しやがってえ!!! 腕を掴まれちゃあ逃げられんぞ魔王!!!」

魔王「……貴様も、『目』にしたのか」

西の勇者「お前に出来て俺に出来ないことはなあああああああああい!!!」

魔王「……これはまずいな」

勇者「ちょ、っと。俺もまずい!」

西の勇者「顔面に食らいなっ!!! 爆雷魔法おおおおおおおおおおおおお!!!」ッドカァァァァ

299 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 17:42:04.88 KA3TavWb0 241/341

ァァァァァァァン!!!

勇者「ぐっわぁ!」ゴロゴロゴロ!

勇者「至近距離にいた俺まで吹き飛ばされちゃったじゃんか!」ゼエゼエ

ガララ……パラ……パラ……

勇者「瓦礫と煙で『西の勇者』と魔王がどうなったか見えねえよ」ハアハア

ブンッ! ドザザザザァ!

勇者「……あれは、『西の勇者』っ!? 煙の中から投げ出された!?」

勇者「……ん? 投げ出された? ……もしかして」

ガラ……

魔王「……」

勇者「……えーっと。少しダメージ食らってるみたいだけど……ぴんぴんしてんじゃねえか」

魔王「……『勇者』を侮っていたな。俺を封印した『光の勇者』の子孫だけはある」

勇者「おいおいおい……しかもなんか魔力強くなってねえか!?」

魔王「……今宵は、『月の隠れる日』だったか」

300 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 18:07:18.88 KA3TavWb0 242/341

―魔王の城・巨大な階段の手前―

魔物「……」ポカーン

戦士「『デーン! ジャカジャカジャン!ジャカジャカジャン! ジャカジャカジャン!ジャカジャカジャン!』」

魔物「……」ポカーン

戦士「『空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! いや、戦士だ!』」

魔物「……」ポカーン

戦士「『説明しよう! 『東の勇者』PTが一人、元盗賊の戦士はピンチになった時!』」

魔物「……」ポカーン

戦士「『謎の商人から買い、勇者に託された『飛躍の仮面』をつけることによって超人的パワーを宿すのだ!!』」

魔物「……」ポカーン

戦士「『疾風のようにあらわれて、疾風のように去ってゆく!!』」

魔物「……」ポカーン

戦士「『その名もっ! 仮面ソルジャー!!!』」ビッシィィィィ!!!

魔物「……」ポッカーン……

戦士「うおおおおおおおおおおなんだこれえええええええ!!! 俺の口が勝手に喋りやがったあああああ!!!」

301 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 18:20:37.15 KA3TavWb0 243/341

魔物「……っは! しまった! 呆気に取られて攻撃できなかった!」

戦士「違う! 違うからな!! 俺が言ったんじゃないからな! なんか体が勝手に!」

魔物「なんだそのおかしな口上と決めポーズは……お前の趣味なのか!?」

戦士「ちっっっがああああああああああああう!!!」

魔物「仮面を被った途端おかしなことを言いやがって、気でも狂ったとしか思えんな」

戦士「だから違うっつってんだろおおおおおおおおおおおおお!」

魔物「……まあいい、死ねっ!」ブオンッ

戦士「よくねえよおおおお!!! っと、おっ?」ヒュンッ

魔物「なっ、速い!」スカッ

ザザッ

戦士「……体が軽い? これが『飛躍の仮面』の効果なのか!?」ササッ

魔物「隠れてたと思ったら妙な仮面をつけてちょこまか動き回りやがって!」ブオンッ!

戦士「素早さが格段に上がってる!」サッサッ

魔物「っちぃ!」スカッ

戦士「……これなら、あれを死ぬ気でやってみれっかも知れねえ!!」

302 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 18:25:10.72 KA3TavWb0 244/341

タッタッタッタッタ!

魔物「おうらぁぁ!!!」ブオンッ!

戦士「ぐぅっ……」ドガァッ!

魔物「今度は真正面から突っ込んで来るだけかァ!?」

戦士「いってえ! 棍棒の攻撃モロに食らっちまった……けど」スタン

魔物「ッ!? 俺の一撃を受けて立ち上がるのか!?」

戦士「耐えられる! 防御力も上がってるんだ!」タッタッタ!

魔物「また真正面から……いきなり仮面をつけ始めたかと思ったら、本当に気を狂わしたみたいだな!」ブンッ!

戦士「がぁっ!」ドガァッ! スタンッ!

魔物「っち、しぶとく立ち上がりやがって!」

戦士「俺はアイテム管理係なんだよぉ! 仮面つけるぐらい良いだろうがぁぁぁ!」タッタッタ

魔物「お前がそうして突っ込んでくるなら、死ぬまで叩き飛ばすまでだ!」ブオンッ!

戦士「ぐっがあ!」ドカッ!

303 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 19:50:36.93 KA3TavWb0 245/341

魔物「……愚かだな、勝ちを諦めたか?」

戦士「いっててて、けど耐えられる!」スタンッ!

魔物「……そうか、仮面をつけたことで能力が上がったというわけか」

戦士「勇者のやつはこいつの効果自体には興味なかったみてえだし、俺が使っても文句は言われねえだろう」

魔物「……忌々しい姿の仮面だなずいぶん」

戦士「うるせえっ! くっそダセえのなんざこっちだって承知だ!」タッタッタ!

魔物「しかし、お前はその仮面をつけ能力が上がったことで気配を隠せなくなっているな?」ニヤ

戦士「っち、バレてたか(言われなくったって俺もわかってらあ)」タッタッタ!

魔物「もう逃げられんぞ姑息な人間め!」ブオンッ!

戦士「ぐっ!!」ドカァッ! ズザザザ!

魔物「俺の首に傷をつけた恨み、存分にはらしてやる!」

戦士「……大丈夫、耐えられる! あとは『タイミング』だけだ!」タッタッタ

304 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 19:53:26.55 KA3TavWb0 246/341

魔物「どうした!? 素早くなったから真正面からでも攻撃をかわせるとでも思ったか!?」ブオンッ!

戦士「がっ!」ドカァッ! ズザザザザッ!

魔物「見くびるなよ人間。俺は強いぞ」

戦士「……いてて(確かに、相当素早さ上がった上で突っ込んでるのに、あの野郎それに合わせてぶっ叩いてきやがる)」

魔物「……なぜだろうな、その仮面を見ていると俺の中で怒りがこみ上げてくるようだ」

戦士「んなこた知るかよ!」タッタッタ

魔物「無様な自殺行為だな!」ブオンッ!

戦士「……今だ!」ピョンッ

魔物「ッ!? おらぁ!」ドガァッ!

戦士「がっはぁ!(ちっくしょう、タイミングずれたか!)」ズザザザザッ! スタンッ!

魔物「……ははは、そうか今宵は『その時』だったか!」

戦士「あとは……タイミングを合わせて、上がった攻撃力で首の傷に!」タッタッタ

魔物「死ねえええ!」ブオンッ!!!

戦士「ぐっがぁぁぁぁ!!!(んなっ!? あいつの攻撃力が跳ね上がった!?)」ドゴッ!ズッザザザッ!

魔物「……魔物のために、月が雲の仮面を被ったみたいだな」ニヤリ

305 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 19:56:47.15 KA3TavWb0 247/341

―魔王の城・大広間―

魔法使い「あー、あーあー、しっかし邪魔だなこの服は」ヌギヌギ

ピョコンッ、バサッ……ニョロッ

魔物「うけけけ……『融合』だと?(人間が編み出した黒魔術か。犬の耳に翼、蛇の尾……)」バサッバサッ

魔法使い「ここは広いから飛びがいがありそうだな。知ってるか魔物?前に『融合』した時は洞窟の中だったんだよ」ヒュンッ!

魔物「うけっ!? 速っ」バササッ!

魔法使い「狭くてまともに飛べやしなかったんだ」ッブオオオオオオオオオ!!!

魔物「うっぐぅぅ!(藍色の炎!? 口から吐き出しやがった!)」ブオオオオオオオオ!!! ヒュンッ!

魔法使い「俺の炎から抜け出すってことはお前強いんだな。ああ、そっかそっか強いんだったな」

魔物「その姿……その炎、お前『元天使』の『悪魔』か!?」バサッバサッ

魔法使い「天使でも悪魔でもねえよ。俺の世界で役職クビになっちまったってだけだ魔物」バサッ! ヒュオンッ!

魔物「ぐっ!」バササッ!

魔法使い「おっと、お前も速いな。ぶん殴ろうと思ったのに外しちまった」スカッ

魔物「うけけけけけけ! さっきは油断しちまったが、もうあの炎は食らわないぞ!」

306 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 20:00:20.43 KA3TavWb0 248/341

バサッバサッバサッ!

魔法使い「おい魔物、おい魔物。じゃあもう油断すんなよ?」……ヒュッ

魔物「っ!?(さらに速くな……)」

魔法使い「ほれ見ろ」バキィッ!

魔物「うぐぅ!」ドサッ!

ヒュンッ! スタッ

魔法使い「油断すんじゃねえって言ったろうが」ッブオオオオオオオオオオオオオ!!!

魔物「……ぐがぁぁぁ!!(今度は青色の炎!?)」

ズバズバズバッ! ザシュッドシュゥッ! ザンッ!

魔法使い「『切り刻む青い炎』だ。ははは、おい魔物、騙されたか? 熱いと思ったか?」

魔物「うぐぐぐぐ……極寒魔法!!!」ヒュオオオオオオオオオオオ!

魔法使い「おお……ヤバい、極寒魔法は俺には相性悪すぎだからな。私の耐性差し引いても相当痛い」バサッバサッ!

魔物「……うけっ、極寒魔法か!」

魔法使い「あー、そうか。弱点言っちまったら不利になるんじゃねえか。しまったなこりゃ」

307 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 20:05:23.59 KA3TavWb0 249/341

魔物「氷弾魔法!!!」ヒョンヒョンヒョン!

魔法使い「あいつ、ことごとく俺の嫌いな属性を……そうだった、俺が弱点言っちまったのか」サッサッサ!

ヒュオンッ!

魔物「うけっ! 引き裂かれろ!」バサッ! ブンッ!

魔法使い「速いな、やっぱりお前油断してたんだろ猿が」ズバッ!

バサバサッ!

魔法使い「いてててて、私の体あんまり傷つけて欲しくねえな」バサッバサッ

魔物「うけっ、『融合』して多少頑丈になったのか?」バサッバサッ

魔法使い「『藍の炎』と『青の炎』まともに食らってまだ口利けてるやつに言われたくねえよ。お前相当タフだな。見た目ヒョロいくせに」

魔物「うけっ」ヒュンッ!

魔法使い「『融合』解いたあとあんまり怒られたくねえんだよな。『体傷つけてんじゃねえよ』って」

魔物「極寒魔法!!」ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

魔法使い「ぐっぐぐぐぐぐ……! ……でも、お前強いしそんな舐めたこと言ってらんねえな」ガシッ!

魔物「うけっ!? 極寒魔法を真正面から受けた!?(コイツ、俺の手を掴みやがった!)」グググッ

魔法使い「どうせ『融合』してるんだ、『俺』の責任は半分なんだから良いよな、これぐらい」ッブオオオオオオオオオオオオオ!!!

308 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 20:10:25.01 KA3TavWb0 250/341

バチバチバチッ! ビリビリビリビリビリビリビリビリ!

魔物「ぐぎゃああああああああああああ!!(紫の炎!? 痺れ、っる!)」

魔法使い「『紫電の炎』だ。どうだカッコイイだろ? お気に入りなんだ、ぜ」フラッ

魔物「……ぐぅ、うけけ。少し痛かったが、お前の方が痛かったみたいだな!?」バサッバサッ

魔法使い「少しか……落ち込むこと言ってくれるじゃねえか。ぐっ、痛えなくそ」フラフラ

魔物「思った以上に極寒魔法が効いたか。バカみてえな戦い方しやがって! うけけけけけけ!」バサバサ

魔法使い「あー、あーそうか。こんな戦い方してっから、俺を地獄に還したいつってるのか。わかったし思い出した」

魔物「うけけけけ! さっきっから変な喋り方しやがって、でももうお喋りできないようにしてやるよ!」バサッ! ヒュンッ!

魔法使い「早く勇者の所に行かなきゃいけねえんだけどな。怒られたくねえしな」バサッ! ヒュンッ!

魔物「極寒魔法!」ヒュオオオオオオオオオオオオオ!!

魔法使い「あんまり無茶しねえように戦うしかねえか」ッブオオオオオオオオオオオオオ!!

ッオオオオオオオオオオオオオ!!

309 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/21 20:15:16.60 KA3TavWb0 251/341

ピキッ、ピシィ……パキパキ、ピシッパキッ!

魔物「俺の……極寒魔法が」バサッバサッ

魔法使い「驚いたか? 石になりゃそりゃ驚くよな。落ち込んだか? 全然俺に当たらなかったんだぜ」バサッバサッ

魔物「……うけっ! 今度は『石化させる緑の炎』か!?」

魔法使い「まあそんなとこだ。多分、本体のお前にまではこの炎の効果は効いてくんないだろうな。難儀なもんだ俺の実力も」

魔物「うけけけけ! それは安心したね!」バササッ! ヒュンッ!

魔法使い「ああ、まーたバラしちまった。いけねえいけねえ……ってうおっ」ドガァッ!

魔物「うっけけけけけけけけけけけけ!!!」ヒュンヒュンヒュンッ!!

ズバッ! ドカァッ! ザンッ! ドゴォ!

魔法使い「うっぐぐぐ……なんだあいつ。動きが、速くなってねえか? 攻撃力も」ドコッ、バキッ!

魔物「うけけけけけけけけ!!! 雲は俺たち魔物を祝福してるみたいだなっ!!!」

魔法使い「……なるほどな、今夜は魔物どもの魔力が湧く日だったか。こりゃあピンチだぞおい」

魔物「地上に来ても天から見放されるとは残念だったな悪魔!! 極寒魔法!!!」ヒュオオオオオオ!!!

318 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:18:50.70 5U91GPze0 252/341

勇者「『月の隠れる日』……『観光と貿易の街』の時にあったのが、今このタイミングでかよ!?」

魔王「……どうする? 一匹残された『勇者』よ。俺はさらに強くなったぞ?」チャキンッ

勇者「……」

魔王「……大人しく殺され、この世の支配を俺に任せるか?」

勇者「……いや(なんだろうな、『北の勇者』も『西の勇者』もやられたっつうのに)」チャキッ

魔王「……そうだ、そうしてもらわなくては。俺もその先にある支配のしがいがない」ニヤァ

勇者「っふ!!(妙に心は落ち着いてて、でも血は湧き上がるみたいに熱くなってる)」ダダッ!

魔王「全力で来い! そして全力で散れ! 俺のこの世の支配に華を添えろ『勇者』ァ!!!」ヒュオンッ!

ガッキィィィィィン!!!

勇者「はっ、はっ、はぁっ!!(魔力が、パワーが、スピードも上がってやがる!)」ヒュンッ

魔王「ふっふっふっふっふ! 希望を捨てないその姿、1000年前の忌まわしき『勇者』にそっくりだ!!」ギィンッ!

ガキンギギン! ズバッ!

勇者「ぐぅっ!(でも……すっげえ……めちゃくちゃ……)」ギンッ! キィィン!

魔王「はっはっは、はっはっはっはっは! 1000年待ちわびていたぞこの時を!」ガイィィン! キンッ!

勇者「めちゃくちゃ楽しい!!!」ヒュンッ!

319 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:25:22.62 5U91GPze0 253/341

ガキンッ! ザシュッ!

勇者「ぐっ! おらああああああああああ!!!」ブオンッ! ……ドクンドクン

魔王「ふっ!」ガキンッ!

勇者「んにゃろっ!」ヒュンッ! ドクンドクン

魔王「はっ!」ギィィン!

勇者「っち、相変わらず全部防ぐなぁ!」ブンッ! ドクンッ!ドクンッ!

魔王「……っ!? ぐぅっ!」ガギィィッ!

ドクンッ!!!ドクンッ!!!

ッパアアアアアアアアアアアアアアアア!!!キラキラキラキラキラキラ!!!

勇者「うっわなんだ!? 剣がめちゃくちゃ光って!」

魔王「……その輝き!? 『光の剣』か!?」

タッタッタッタッタッタッタッタ!

北の勇者「……違うよ魔王、今はフライパンソードさ」ヒュオンッ!

魔王「なっ、にい!?」キッキィィィン!!

320 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:32:07.91 5U91GPze0 254/341

勇者「『北の勇者』!? 無事だったのか!?」

北の勇者「そりゃそうだよ、こっちには優秀な回復担当がいるじゃないか」

僧侶「『光の剣』じゃありませんっ! フライパンソードです!!」

勇者「そ、僧侶!」

北の勇者「僧侶さんが魔王に気付かれないように僕を回復してくれたんだ」

勇者「そ、僧侶! 『西の勇者』を頼む!」

僧侶「はいっ!」タッタッタ!

北の勇者「……『東の勇者』」

勇者「どうした『北の勇者』」

北の勇者「……こんな楽しい戦い、君の独り占めなんてずるいよ」チャキッ!

勇者「……いや、あんたらが勝手にやられただけで」チャキッ!

魔王「希望を捨てない『勇者』がここにも一匹……いや、だからこそ『勇者』なのかもな」

北の勇者「っはははははは!!! やっぱり『勇者』は……お、も、し、ろ、いね!!!」ダッ!

321 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:35:12.48 5U91GPze0 255/341

魔王「……この戦いの最中に『目』から魔法を発動するようになった『勇者』」ガキィィン!

北の勇者「おっらぁぁぁ!!!」ギッキィィィン!

魔王「圧倒的な実力で一度倒されたのに、再び立ち上がり面白いとのたまう『勇者』」ッキンッ!

勇者「どっらあああああ!!!」キラキラキラ、ギッキィィン!

魔王「俺を封印した『光の勇者』に匹敵しそうな程の輝きを放たせる『光の剣』を持った『勇者』」ギギンッ!

ガキンッ! キキキンッ! ズバッ! ドシュッ!

北の勇者「ぐぅっ!」

勇者「がぁっ!」

魔王「俺の城の城壁の一部を消し飛ばした『勇者』」ヒュンッヒュンッ!

勇者「くっ!」バッ!

北の勇者「っそ!」バッ!

ガキキンッ!

魔王「……四匹合わせたら、『光の勇者』以上だな。しかし……それよりも。爆裂魔法」ッドッカァァァン!

勇者「うおっ! ……しまった! 魔王の姿が見えない!」

魔王「もっと恐ろしい存在を先に消さなくてはな」ビュンッ!

322 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:40:13.29 5U91GPze0 256/341

勇者「やっと煙が晴れ……っ!? 魔王のやつまさか!?」

北の勇者「僧侶さん逃げてええええええ!!!」

タッタッタッタッタ!

僧侶「はっ、はっ、はっ!(早く『西の勇者』さんを回復しないと!)」タッタッタ

ギュンッ!

僧侶「っ!? 魔王!?」

魔王「見覚えのある顔だ……お前、まさか。1000年前、『光の勇者』と共にいた!?」

僧侶「……ただでさえ見分けのつかないだろう人間の顔を、しっかり覚えているんですね。魔王とはいえ嬉しいですよ」

魔王「なぜお前がここにっ!? いや……どうやって、どうしてお前はここにいるんだ!?」

僧侶「人間の愚かさが生み出した産物だったんですよ、私は」

魔王「そういうことか……聞いたことがあるぞ、『成功個体』の存在は! あの『勇者』を一瞬で回復させた驚異の力も頷ける」

タッタッタッタッタッタッタッタッタ!

勇者「僧侶から離れろおおおおおおおおおおお!!!」タッタッタ!

北の勇者「間に合うか……轟雷魔法!!!」ピシャァァァッ!

魔王「なおさら、一番に始末しないといけないな!」ヒュンッ!

ズバァァァッ!

323 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:45:24.35 5U91GPze0 257/341

僧侶「っぐう、うう……」ブッシュゥゥゥゥゥゥゥ!

ビリビリッ! バチバチバチ!

魔王「魔法を発動するのが遅かったな」ッパァァァン!

勇者「……血、嘘だろおい……僧侶、僧侶おおおおおおおおおおお!!!」

僧侶「……」バシャーン!

北の勇者「……魔王おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ヒュンッ!

ガキィィンッ!

魔王「怒りで強くはならんぞ」ブンッ!

ズバッ!

北の勇者「ぐっ! くそっ!くそっ!」ヒュンッ!

勇者「どうする!? ちょっと冷静になろう俺!」ブンッ!

ガキンッ!

魔王「ふっふっふ、徐々に疲れてきているようだな。特に回復していない『光の剣』持ちは。動きが鈍いぞ?」ズバッ!

勇者「ぐあああああ!(くっそ、結構ダメージ食らってたんだ!)」ブシュゥゥゥ!

ッパアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

魔王「ッ!?」

勇者「……えっ!? 傷が回復してる!?」スゥゥゥゥ……

僧侶「だから、フライパンソードなんですって!!!」

324 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:50:11.03 5U91GPze0 258/341

勇者「僧侶おおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

北の勇者「僧侶さんっ!?」

僧侶「心配してくれましたか!? 私はこの通りぴんぴんですよっ!」エッヘン!

魔王「……『成功個体』の最も恐るべき、『不死身』の自己回復か」

勇者「獄炎魔法!!!」ッグオオオオオオ!!!

北の勇者「焦熱魔法!!!」ッゴオオオオオオ!!!

魔王「ぐぅっ!」

勇者「僧侶! 今のうちに俺たちの後ろへ!」

僧侶「はっ、はい!」タッタッタ!

オオオオオオオオオオオオオオ……

魔王「……っく! 『成功個体』めえええ! 1000年たった今も俺の前に立ちはだかるか!」

僧侶「私は、お前を必ず倒す!!! それが勇者様の願いだから!!!」

325 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 13:55:51.61 5U91GPze0 259/341

勇者「僧侶、あんなにバッサリ斬られたのに大丈夫なのか!?」

僧侶「不死身舐めないで下さいっ! あのぐらいならさっさと回復できます!」

魔王「……どんなに身を引き裂かれようと潰されようと、そこに不死身の『意志』が残っている限りその『意志』は自己を回復し続ける」

北の勇者「……」

魔王「人間一匹分の命の回復なぞ、不死身の『成功個体』にとっては造作もなく回復できるのだろう」

僧侶「……」

魔王「恐ろしい化け物を作ったものだな、人間というやつらは」

勇者「僧侶は人間だっ!」ブンッ!

魔王「ならば、その人間自体が化け物なのかもな」キンッ! ザシュッ!

勇者「ぐぅっ! やっぱし魔王のやつ強くなってる!」ブンッ!

北の勇者「でも確実に僕たちの攻撃は通り始めてるぞ!」ブンッ!

魔王「っち!」ガキンキンッ!

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアア!

勇者「ありがとう僧侶!」

326 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:00:44.00 5U91GPze0 260/341

北の勇者「後ろで僧侶さんに回復してもらえるのは心強いけどっ!」ギィィンッ!

僧侶「早く『西の勇者』さんも回復してあげないと!」

西の勇者「……っはっはっは、っはっは!! 俺の回復は、あとで良いぞ!」

北の勇者「『西の勇者』、まだ大声出せるんだな。無駄にタフだなおい」ガキンッ!

魔王「っく!」キィィンッ!

西の勇者「魔王を押し始めている! 『東の勇者』の僧侶はそのまま後衛で戦闘に参加してろ!!! ぐっ……」

勇者「うずくまって……あいつかなり無理してるんじゃないか?」ブンッ!

魔王「……ぐっ!」ズバッ!

勇者「やっと攻撃が通った!」

西の勇者「はっはっはっはっは! その調子だ! 俺のカッコイイ犠牲を無駄にするなよ!!!」

勇者「やっぱあいつ全然元気そうだな」キンッ!

北の勇者「ほんの少しずつだけど、確実にあの爆雷魔法を食らってから弱ってきているね魔王は」ブンッ!

魔王「っぐ! 『光の剣』の攻撃はこれ以上受けるわけにはいかないな」ガキンッ!

勇者「『西の勇者』大活躍だったってことか! カッコイイよあんた!」

西の勇者「はっはっはっはっは! そうだろう! それが『真の勇者』である俺だ!! ……はぁ、はぁ」

327 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:10:19.30 5U91GPze0 261/341

―魔王の城・巨大な階段の手前―

戦士「つ、月が雲を……くそっ! こんな時に限って魔力の湧く日だってのかよ!」

魔物「くっくっく。理屈はどうあれ、遥か昔から俺たちの脅威と共に生きてきた人間たちには常識として知っていることだろう」

戦士「なんっつう間の悪ぃ日だ」

魔物「天は俺たちに勝ってほしいようだな」

戦士「ちくしょう……仮面つけて勝てる可能性が出てきたってのに」

魔物「ここで死ぬんだよ、お前は。そして世界は俺たち魔物の物になるんだっ!」ブオンッ!

戦士「っち!(スピードも上がってやがる!)」サッ!

魔物「相変わらずすばしっこいな、おらぁ!」ブオンッ!

戦士「ぐっ!(はっえぇ……食らう!)」

ドッガァァ!

戦士「ぐっはぁ!」ビュンッ!

魔物「そのまま壁に叩きつけられな」

ドゴォッ!

328 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:15:53.65 5U91GPze0 262/341

戦士「がはっ!(ダメだ、意識がぶっ飛ぶ……)」ズサッ

ドシンッドシンッ!

魔物「はっはっはっは! 潰れろ!」ブンッ!

戦士「ッ!?」バッ!

ドッガァァン! ガラガラガラ!

魔物「……間一髪で避けたか」

戦士「ハア……ハア……こんな所で死んでたまっかよ」

魔物「無駄だ、寿命が少しばかり延びただけだ」

戦士「……俺は、勇者の、仲間。『戦士』だ」ハアハア

魔物「仮面をつけて能力が上がろうが、同じように能力の上がった俺の一撃をそう何度も受けられまい」

戦士「……受けてやる、んでもって勝ってやる!」

魔物「ふっ、そんなぼろぼろの状態でか?」

戦士「勝ってやる! 勇者が魔王を倒した時に俺が横にいねえで何が『仲間』だ馬鹿野郎!!!」ダッ!

329 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:20:39.92 5U91GPze0 263/341

――『よお戦士。ギルドの仕事の方は順調なのか?』

――『ああ? うるせえよ馬鹿野郎。あんなのラクショーすぎて仕事になんねえんだよ』

――『仲間のやつらとまた喧嘩したんだってな。やめてくれよな、お前紹介したの俺なんだからよ』

――『あいつらがおっせえから一人で魔物片付けたんだ! よえーあいつらが悪い!』

――『お前よお戦士……作戦ってのがあんだろうが』

――『作戦なんて必要ねえよ、あんな仕事』

――『お前が一人突っ走ったら、仲間のやつらはそれをフォローしなくちゃいけなくなるんだぜ?』

――『……っち。うるせえよ馬鹿野郎』

――『そのフォローでいらん被害が出るんだぞ? それでも、仲間のやつらはお前のことを助けてるんだ』

――『あんな弱いやつら、邪魔なだけだ』

――『そいつらもお前のことをそう思ってるのかもな。でも助けるんだぜ? 大人だと思わねえか?』

――『ぐぅ……』

――『だーからお前はいつまでたっても友達できねえでこんな所に来るんだよ。仕事の邪魔だからさっさと消えろ馬鹿』

――『う、う、うるせー! 露天商の馬鹿!死ね!大っ嫌いだー!』

330 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:25:41.44 5U91GPze0 264/341

ポタ……ポタ……

戦士「……ハア、ハア」

魔物「……何度も何度も真正面から突っ込んでは俺の一撃を食らい続けているのに。なのになぜ」

戦士「……ッ!」ダッ!

ッタッタッタッタッタ!

魔物「なぜお前は立ち上がり向かってくるんだ!?」ブオンッ!

ドガァッ!

戦士「……ッ」ズザザザザ!

……スクッ

魔物「まだ、立ち上がるのか」

戦士「……俺が、いねえと。俺が、勇者に、力貸さねえと」

魔物「ふっ、その『勇者』どもも今頃は魔王様の手で殺されているはずだ」

戦士「俺が、行かねえと。仲間の、俺が、行かねえと」タッタッタ!

魔物「まだ向かってくるか。愚かな……」ブオンッ!

331 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:30:09.62 5U91GPze0 265/341

ドガッ!

戦士「……」ズザザザザッ!

魔物「俺の攻撃にここまで耐えたのは正直驚きだ、だが……もう終わりだな」ドシン……ドシン……

戦士「……決めつけんじゃねえよ、魔物」スクッ

魔物「しぶとい、本当にしぶといな」

戦士「……勇者、お前が買ってくれた、薬草。残り全部、使わして、もらうぞ」

魔物「そんな薬草程度で何が変わる? 無様に生き延びようとするな人間」ドシン……ドシン……

戦士「もが、もがが。へんふ、ふひにふくんへやっはほ」モグモグモグモグ

ゴクンッ!

魔物「……少し回復しようが、どうせあと一撃の命だろう」

戦士「その少しで良いんだよ魔物」ザッ!

魔物「……良いだろう。お前の最期、俺がこの手で終わらせてやる!」

332 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:35:19.49 5U91GPze0 266/341

戦士「うおおおおおおおおおお!!!(本当にこれが最後だ! これを外したら俺は死ぬ!)」タッタッタ!

魔物「馬鹿正直に真正面から向かってこようがそれは無謀なだけだぞ!」ドシンドシン!

戦士「頼むぜ、商人の斧!」スッ

魔物「今頃新しい武器を取り出そうが遅いんだよ!」ドシンドシン!

タッタッタ!

戦士「露天商の馬鹿野郎。帰ったらぜってえ言わせてやる! 『魔王を倒した勇者PTの偉大な戦士様』ってな!」タッタッタ!

魔物「終わりだっ! 死ねえええええ!!!」ブオンッ!

戦士「魔物おおおおお! 俺の馬鹿正直に『馬鹿正直』に付き合ってくれてありがとうよ!!!」ピョンッ、クルッ!

魔物「ッ!?(体を横に!?)」

戦士「お陰でタイミングもばっちり見切ったぜ馬鹿野郎!!!」スタンッ!

魔物「なにぃっ!?(横に振った俺の武器に、『着地』しただと!?)」

タッタッタッタッタッタッタ!

戦士「うっおおおおおおおおおおおおおおお!」ダダッ!

魔物「ぐっ! まずい!」

戦士「っらあああああああああああああああ!」ピョンッ!

グサァッ!

334 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:40:32.77 5U91GPze0 267/341

魔物「うぐっ、ぐああああああああああああ! 目があああああああああ!」ヨロヨロッ

戦士「すぐ楽にしてやるよ魔物!」クルンクルン

魔物「くそがっ! どこに行った!? 見えない!」

戦士「後ろだよ」チャキッ!

戦士「斧は重いが、攻撃力はある!」

魔物「……っくぅ」ヨロヨロ

戦士「最初に付けた首の傷、攻撃力の上がった今!」

魔物「くそお……!」

戦士「もらったあああああああああああああああああああああ!!!」

ズッバァァァァァン!

……スタッ

戦士「ハア、ハア、ハア。……快適ですかよ? 首だけのお空の旅はよお」

ドッゴォォォォォン! ゴロゴロ……

ブシュゥゥゥゥゥ! ドサァッ!

335 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:45:52.93 5U91GPze0 268/341

戦士「ハアッ、ハアッ……はあ」

戦士「勝った、どうにか……勝った」ヨロヨロッ、フラッ……

ダン!

戦士「……でも、まだ倒れちゃいけねえ。どんなにフラフラになろうが倒れちゃいけねえ」

戦士「勇者の所に行かねえと! きっと魔王と戦ってるはずだ! 俺はあいつを信じるぞ!」

フシュゥゥゥゥゥゥゥ……

戦士「……うぐっ、ち、力がなくな、って。元に戻っていく感覚。仮面の効果が切れたのか」

戦士「あ、危なかったな。もう少し遅かったら、攻撃する前に効果が切れる所だった」フラッ

戦士「はあ、良かった薬草も残しておいて。全部使っちまったが、お陰で命繋ぎとめることができた」

戦士「仮面の効果が切れちゃ、もうこれもつけてる意味ねえな」グイッ!

戦士「……」グイッ、グイッ!

戦士「ははは、嘘だろ? おい」グイグイ

戦士「……」グググ……イッ

戦士「仮面取れねえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」

336 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/23 14:55:15.08 5U91GPze0 269/341

―魔王の城・大広間―

ッブオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

魔物「っち、また石にしやがった! ……でも、うけけけけ! 爆裂魔法!」ドッガァァン!

バラバラバラ!

魔法使い「……くっ(石化させた極寒魔法を爆破して目隠しにしたか)」パラパラパラ

ヒュヒュヒュンッ! ドカカカカァッ!

魔法使い「ぐっ!」フラッ

魔物「うけけけけけけけ!」バサッバサッ!

魔法使い「ちっ、糞猿が。速さ使った氷弾魔法の空中包囲攻撃か、やんじゃねえか」バサッバサッ

魔物「極寒魔法!」ヒュオオオオオオオオオオオオオ!

魔法使い「だったら石にしねえで避けりゃ良いだけの話しだ」ヒュンッ!

ヒュンッ! ザクゥッ!

魔法使い「ぐあっ!」

魔物「うけけけけけけ! 夜の闇を照らす月が隠れ能力の上がった俺をナメるなよ!」バサッバサッ!

魔法使い「……確かに、速いな。攻撃力も、おまけに魔力も上がってやがる。小物みてえなセリフのクセによ」ヨロッ

344 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 12:51:31.93 4ANGiLUn0 270/341

ヒュンッ!ドカッ! ヒュンッ!ドカッ! ヒュオオオオオオオオオオオオ!!!

魔法使い「ぐっ……ちょこまか魔法撃ちやがって」

魔物「うけけけけけけけけけ! 俺の速さについてこれないだろう!」ヒュンヒュン

魔法使い「別に追いつけねえとは一言も言ってねえだろ」バサッバサッ

魔物「負け惜しみか!? 極寒魔法!」

魔法使い「だから負けたとも言ってねえだろうがって」ブオオオオオオオオオオオ!!!

パキ……ピキ……

魔物「うけけけけけっ! 馬鹿の一つ覚えみたいに石にしたって無駄だよ! 爆裂ま……」

ガシッ! ブオンッ!

魔法使い「さっきは不意突かれただけだばーか」

魔物「うけっ!(石化させた極寒魔法の塊を掴んでそのまま俺にっ!?)」

バッキィィィィン!!!

346 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 13:02:07.85 4ANGiLUn0 271/341

ガラガラガラッ!

魔物「う……げぇ」フラッ

ヒュオンッ!ドカァッ!

魔物「かはっ……」バササッ

魔法使い「自分の魔法でぶん殴られた気分はどうだよ? そんな痛くはねえはずだぜ脆いからな」ブオオオオオオオオオ!!!

ズバッ!ザシュッ!ザクザクザクザク!

魔物「うぎゃああああああああああ!」

魔法使い「はっはっは。いつになってもこっちの切り刻む青い炎は痛そうで嫌だな。俺の能力なんだけどよ」バサッ!

ヒュンッ、ドゴォォ!

魔物「ぐふっ!」ドカァッ!

魔法使い「お前があまりにも調子に乗ってるんでな、床に叩きつけてやったぞ。もう調子乗んなよ」

魔物「ぐぐぐ……」

348 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 13:06:30.47 4ANGiLUn0 272/341

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタ!

スタンッ!

魔法使い「さっさと終わらせんぞ、こっちだって魔王の死体の前で待ち合わせがあんだよ」

魔物「ご、極寒魔法!!!」ヒュオオオオオオオオオオオオ!

魔法使い「石化ばっかでも芸がねえな……跳ね返せっかな」ッブオオオオオオオオオオオ!

魔物「黄色い炎!? ……この冷気、『凍てつく炎』!?」

ヒュオオオオオオオ……ッブオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

魔物「俺の魔法が……跳ね返されっ、っがああああああああああああああ!!」

魔法使い「はっはっは、こうして実力で押し返すってのは良い気持ちだな。お前にゃわりぃが」

魔物「……っぐぅ」

魔法使い「お前が強くて久しぶりにヒヤッとした戦いだったよ。はっはっは!二つの意味でな」

魔物「……う、けけけけ。『魔女の子』……『悪魔』! 母親から捨てられた可哀想な子供」

魔法使い「……あ?」

349 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 17:19:14.75 4ANGiLUn0 273/341

魔物「うけけっ、聞いたことがあるぞ……人間の世界で子供に悪魔を召喚させた『魔女』の噂を」

ドクンッ、ガクガク……

魔法使い「……っち(一気に体が言う事きかなくなったな。『融合』が不安定になってやがる。動揺してんのか俺?)」

魔物「お前、さっき言ってたな。母親から魔王様を倒す願いを託されたとか」

魔法使い「……くそ(食らったダメージも相まってまともに『融合』状態保ってられねえ。『私』の方が拒絶を)」ガクガクガク

魔物「うけけけけ……可哀想な人間だよお前は。たったそれだけの為に、母親に『化け物』にされたんだからな」

魔法使い「たったそれだけ……? それはてめえら魔物側の裁量だろ(やべえな、口とは裏腹に心がざわついてやがる)」

魔物「……うぐっ、うけけけけ! そこまでしても魔王様を倒したいか」

魔法使い「……糞が。いよいよ死ぬって時に惑わしやがって(このままじゃ『分離』しちまう)」ガクガクガク

魔物「今まで生きてきた間、ずっと『悪魔』扱いされて悲惨な人生だったんだろうな」

魔法使い「……私は(くそ、早く留めを刺さねえと。体が、言う事きかねえ!)」

魔物「……うぐぅっ!」ズキンッ!

350 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/26 17:26:39.33 4ANGiLUn0 274/341

魔法使い「やっと効いてきたかよ……ったく、タフな野郎だお前は」

魔物「……うぐっ!(な、なんだ……体に力が入ら、ない? 俺もダメージを食らいすぎたってのか!?)」

魔法使い「……私は、そんな複雑な人間じゃねえよ糞猿。いつだってシンプルだ」

魔物「ぐぐぐ……なんだ、これは。体が痛む」

魔法使い「肝心な所はお喋り不足だったな。そりゃお前、毒だよ。『藍色の毒の炎』だ」

魔物「ぐっぐぅ……藍色の炎……ッ!(最初に食らった炎か!?)」

魔法使い「本当だったらあの瞬間、食らった時点で毒にやられて全身腐るはずだったんだぜ」

魔物「うぐぐぐぐ……」

魔法使い「毒が効いてくれるの待ってたら、珍しくピンチになっちまった……でも、もう終わりだ」

魔物「……ぐ、うけけけ。殺せよ、『悪魔』」

魔法使い「……。弱った今なら石化の炎も通用するはずだ。『融合』のタイムリミットも近いしさっさと終わらすぞ」ブオオオオオオオオオ!!!

パキッ……ピキッ……ピキン……

魔物「……」

魔法使い「『悪魔』がなんだろうが、母親がなんだろうが関係ない。今は勇者たちと、魔王を倒すってだけだ」

355 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/27 01:58:50.75 sbYHWa/Q0 275/341

魔物「……」ピキッ

魔法使い「……」

魔法使い「どうにか、間に合ったな……」

フシュゥゥゥゥゥゥゥ……

魔法使い「『融合』ももう限界だ、これ以上私の体に負担はかけられねえ」ヨロッ

シュゥゥゥゥゥゥゥ……

魔法使い「……爆裂魔法」ッドッカァァァァン!

ッパァァァァン! サラサラサラ……

悪魔「……お疲れさん、魔法使い」

魔法使い「……」

悪魔「おい魔法使い、俺にも言ってくれよ魔法使い。『お疲れさん』ってよ」

魔法使い「……お疲れ様、糞犬」

悪魔「はっはっは……ああ、疲れたな魔法使い」

魔法使い「あんたがいなきゃ、勝てなかったよ。ありがとう」

悪魔「魔法使いらしくねえこと言うじゃねえか。お前そんなに可愛いやつだったか?」

魔法使い「うるせえよ糞犬。私が素直に感謝してんだから素直にどういたしましてしろよ」

356 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/27 02:02:12.00 sbYHWa/Q0 276/341

悪魔「はっはっは、そうだな魔法使い。どういたしまして。大好きなお前の力になれて嬉しいよ俺は」

魔法使い「私は大嫌いだけどな」

悪魔「相思相愛は13年前から変わらねえな俺たち。なあ魔法使い?」

魔法使い「……うるせえ」

悪魔「俺たちの戦った魔物が消滅しなかったってことは、魔王はまだ生きてるんだろうな」

魔法使い「……」

悪魔「魔法使い、俺を還してくれんだろ? 魔王を倒してよ」

魔法使い「……」

悪魔「俺が大嫌いなんだろ? 何も迷うこたぁねえさ。平和の為になんざ言わねえ、勇者たちの為にとも言わねえ」

魔法使い「……うるせえ」

悪魔「自分の為に、魔王倒せよ。今更俺との別れに寂しがってんなよ」

魔法使い「うるせえよ、うるせえよ糞犬! ああ、魔王ぶっ倒してやるよ! お前地獄に還してやるよ!」

悪魔「……ああ、魔法使い。お前はそれで良い、それでこそ魔法使いだ」

魔法使い「……戦士は勝ったみたいね。さっきこの部屋を通過する気配を感じた」

悪魔「そうみてえだな。魔法使いもさっさと行かねえとな、倒せる相手も倒せなくなっちまうぜ。俺は疲れたから寝るけどよ」

魔法使い「私だって寝てえよ、無茶な戦いしやがって。でも、行くしかねえだろ。私が行ってやらねえと」

悪魔「あと一息、頑張れよ(今までずっと孤独で泣き虫だったお前を見てきたが、強くなったな……魔法使い)」ボシュゥゥゥゥ

361 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/28 00:29:31.42 qzMpelDg0 277/341

ガッガガギギン!! ガキンッ!! ギィィィン!!

魔王「……」ヒュンッ!

北の勇者「っく! 『東の勇者』!」キンッ!

勇者「うおらああああ!」ブオンッ!

魔王「……」ッキィィン!

北の勇者「焦熱魔法!!」ッゴオオオオオ!

魔王「……極寒魔法」ヒュオオオオオオオオオ!

ッゴオオオオ……

ボアッ! ブンッ!

勇者「っぐぅ!(相殺してる渦の中突っ込んでくるかよ!)」ガキンッ!

魔王「……」ヒュンヒュンッ!

北の勇者「はっはっはっはっは! 面白い、面白いね魔王!」ガガキンッ!

勇者「世界の命運賭けた戦い面白いってあんた……いや確かに楽しいけどさ!」ブンッ!

魔王「……」ギィィン!

364 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/28 23:28:53.54 qzMpelDg0 278/341

ザンッ!

北の勇者「ぐっ!」ヨロッ

僧侶「回復魔法!」パアアアアアア!

北の勇者「ありがとう僧侶さん!」ブンッ!

魔王「……」キンッ! ブオンッ!

ザクッ!

勇者「ぐわっ!」フラッ

僧侶「回復魔法!」パアアアアアアア!

勇者「あ、ありがとう!」ヒュンッ!

魔王「……っく、『成功個体』め!!」ガキンッ!

北の勇者・勇者「おらああああああ!!!」ヒュヒュンッ!

ギキィィィン!

魔王「……おのれ」フラッ

勇者「っ! よし! おっらあああああああああ!!!」ブオンッ!

365 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 00:22:03.14 E4DdSHEp0 279/341

ッガィィン!

魔王「……ぐぅ!」ヨロッ

北の勇者「くらえ魔王!」ヒュンッ!

魔王「轟雷魔法!」ッピシャアアア! バチバチバチッ!

勇者「させるか! 爆裂魔法!」ッパァァァン!

バチバチバパーン!!

魔王「……っく、弱い魔法で勇者一匹分の突破口を作ったか!」

北の勇者「ナイスフォロー『東の勇者』! おりゃあああああああああ!!!」

ズバッァァァァ!!!

魔王「っぐぅぅっ!!」ヨロッ

勇者「やっとまともに攻撃が通った!」

北の勇者「魔王に暇を与えるな! このまま一気にこっちのペースで押し切るんだ!」ブンッ!

魔王「……っ!」ガキンッ! ヨロッ

366 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 00:49:49.72 E4DdSHEp0 280/341

ガキンッ! ズバッ! ガガガッギィィィン! ザシュッ! ザクッ! ギキィィン!

勇者「おらあああああああああああああああああ!」ブンッ!

北の勇者「てやああああああああああああああ!」ヒュンッ!

ズバッ! ザクッ!

魔王「っぐぅ! ……おのれ!」ヒュヒュンッ!

ザシュッ! ズバッ!

勇者「ぐぁっ! おりゃあああああああああああ!」ブオンッ!

北の勇者「ぐっ! どりゃああああああああああああ!」ヒュオンッ!

魔王「おのれ勇者ああああああああああああああああああ!!!」ブンッ!ブンッ!

ズバッ! ザクッ! グサッ! ザシュッ! ズバッ! ズパンッ!

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアア!

ガキンッ!

勇者「っ!」バッ!

北の勇者「っふ!」バッ!

367 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 01:05:23.93 E4DdSHEp0 281/341

魔王「焦熱魔法!」ッゴオオオオオオオオオオオオ!

北の勇者・勇者「極寒魔法!」ッヒュオオオオオオオオオオ!

ッオオオオオオオオオオオオオ!!!

ギギィィン! キンッ! ガギンッ! ギキィィン!

僧侶「す、凄い。みんなあの渦の中で戦ってる……」

オオオオオオオオオオオオオ……

魔王「……っく!」ギリギリギリッ

勇者「……ぐぐぐぅ!」ギリギリギリッ

北の勇者「……あんだけ攻撃したってのに動きが鈍くならないって、魔王すげえな!」ギリギリギリッ

ッガガンッ!

魔王「っ!」ザザッ

勇者「っ! いやでも、少しずつ削ってる!」ザザッ!

北の勇者「そうだね。希望を捨てずに戦おう!」ザザッ

369 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 02:57:37.29 E4DdSHEp0 282/341

魔王「……」

勇者「……」グッ

北の勇者「……」ジャリッ

魔王「……忌まわしき『成功個体』がいるとはいえ、こうも俺を圧倒するとはな」

勇者「……あ、圧倒だってよ! 『北の勇者』!」

北の勇者「敵の言葉で喜ぶんじゃないよ『東の勇者』!  ……油断しちゃだめだ」チャキッ

魔王「……っふ」

勇者「……ごめんなさい(やっべ、『北の勇者』に怒られてビビった)」

魔王「……その、お前たち『勇者』から湧きあがる力。……『意志』、人間どもの世を平和にするという『意志』の強さか」

北の勇者「……『意志』か、そうだね」

僧侶「……」

北の勇者「でも、違うよ」

勇者「……ああ、違う。魔王、俺たちの持ってる『意志』はお前の期待するようなそれじゃねえと思う」

371 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 03:24:26.09 E4DdSHEp0 283/341

魔王「……ならば、お前たちの『意志』はなんだと言うんだ?」ニヤッ

北の勇者「ふふっ」ニヤッ

僧侶「……」

勇者「……その先に、人々が望む『平和』があるのかもしれない。人々が求める『幸せ』があるのかもしれない」

魔王「……ふふふ」

勇者「でも、『そこ』じゃねえらしい。俺たちの『意志』ってのは、そこに向かってるってわけじゃねえみたいなんだ」

北の勇者「はははっ」

魔王「っはっはっは!」

北の勇者・勇者「お前を倒す!」チャキンッ!

北の勇者「……どうにもそれが、僕たち『勇者』の宿命らしい。それを堪らなく成し遂げたい……だから宿命なんだろうね」

僧侶「……勇者様」

魔王「くっくっく……はっはっはっはっは!! いや、期待通りだ勇者ども! それでこそ『勇者』だ!」

勇者「……魔王の大笑い、頂きました」

魔王「俺はこの世を支配する! お前らは俺を倒す! 1000年前から変わらぬその『意志』と『意志』のぶつかり合い!」

魔王「……全く期待通りだ『勇者』ども。それでこそ俺が倒すべき『勇者』だ!!!」

372 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 03:38:29.97 E4DdSHEp0 284/341

北の勇者「……あーあ、あっはは。熱くなっちゃったよ魔王さん。やる気まんまんだ」

勇者「それは俺たちだって同じだろ」

ドクン、ドクン!

北の勇者「……ふふっ、そうだね」

魔王「……来い、対決だ」

ダダッ! ヒュンヒュンッ! ガキキィィン!

北の勇者・勇者「お前を倒す!!!」ギギィン!

魔王「この世を支配する!!!」ッガキキキンッ!

魔王・北の勇者・勇者「対決だあああああああああああああああああ!!!」ッギィィィン!!!

ギンッ! ズバッ! ズシュッ! キンッ!

ザクッ! グサッ! ザンッ! ガキィィン! ギキンッ!

勇者「おらあああああああああああああああああああ!!!」ブオンッ!

魔王「……」ッキィィン!

北の勇者「でりゃああああああああああああああ!!!」ヒュンッ!

魔王「っふ!」ッガィィン!

373 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 03:55:44.92 E4DdSHEp0 285/341

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアア!

勇者「ありがとう! っらああああああああああああ!」ブオンッ!

魔王「……っち! やっかいな回復だ!」ガキンッ!

北の勇者「てやああああ!」ヒュンッ!

魔王「一時的にでも、あの『成功個体』の行動を止めなくては」ガキンッ!

北の勇者「っぐ! っ!? まずい!」

魔王「爆雷魔法!」ッドォ……

……ッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

勇者「っぐっわあああ! こいつ足元に!」ズザザザザッ!

北の勇者「っく! 爆発で吹き飛ばして三人を散らばせるのが目的か! 僧侶さんが危ない!」

ギュオンッ!

僧侶「……うぐぅ!」ズザザザザッ

魔王「暫く消えていろ、焦熱魔法!」ッゴオオオオオオオオオオ!!!

ッオオオオオオオオオオオオ!!!

374 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 04:11:39.35 E4DdSHEp0 286/341

僧侶「……あ……ア」ッゴオオオオオオオオオオオオオ!!!

タッタッタッタッタ!

勇者「僧侶に手ぇ出すなああああああああああああ!」ブオンッ!

ギィィンッ!

北の勇者「極寒魔法!」ヒュオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

魔王「っく、獄炎魔法!」ッゴアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

オオオオオオオオオオオオオオオ……

魔王「っは!」ヒュンヒュンッ!

ズバッズバッ!

勇者「ぐあっ!」ヨロッ

北の勇者「くそっ!」フラッ

ッパアアアアアアアアアアアアアアア!

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアアアアアア!

勇者「僧侶!」

北の勇者「なんて早い復活だ。そこから即座に僕たちの回復なんて」

僧侶「伊達に500年『成功個体』やってませんよ!」

378 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 17:37:15.58 E4DdSHEp0 287/341

ガキンッ! ギィィン! ズバッ!

魔王「……こしゃくな!」ブンッ!

勇者「うおっと」ギキンッ!

北の勇者「せいっ!」ヒュンッ!

魔王「……く」ガキンッ! ヒュヒュンッ!

ズババッ!

北の勇者「ぐぁっ!」

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアアア!

北の勇者「ありがとう僧侶さん! せりゃっ!」ブオンッ!

魔王「……」ギィィン! ……チラッ

北の勇者「っ! 危ない僧侶さん!(目線が僧侶さんへ! 魔王のやつまた僧侶さんに魔法を放つ気か!)」ザザッ!

魔王「……っふ」ババッ!

北の勇者「……しまっ(『目』はフェイント!? 発動媒体を『手』にしたのか!)」

魔王「轟雷魔法!!!」ッピシャアアアアアアアアア!!! バチバチバチバチバチィッ!!!

北の勇者「ぐああああああああああああああ!!!」バチバチバチバチバチ!!!

379 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 17:56:49.66 E4DdSHEp0 288/341

北の勇者「……ぐぅぅ」バタッ

勇者「『北の勇者』! くそっ!」ヒュンッ!

魔王「……」ガキンッ! チラッ、バッ!

勇者「くっそ、これじゃあ『手』からか『目』からかわからない!(俺に来るなら来い! ただ僧侶には攻撃させない!)」

僧侶「勇者さん! 私は攻撃を受けても復活するので気にしないで下さい! 戦いに集中して!」

勇者「そんなこと言われたって……(できるわけねえよ!)」

僧侶「回復ま……」

魔王「遅い! 爆雷魔法!」ッドォォ……

勇者「狙いは僧侶か!」ダダダッ! バッ!

ギュッ!

……ッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

僧侶「きゃぁっ!」ズザザザザッ!

勇者「っぐああああ!」ゴロゴロゴロッ!

380 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 18:15:22.76 E4DdSHEp0 289/341

勇者「っぐぐぐ……」ボロッ

僧侶「勇者さん! どうして私を庇ったんですか!?」

勇者「……俺の、勝手、だ」

ビュオンッ!

勇者「っ! やべっ」

僧侶「っ!」

魔王「喋っている暇はないぞ『光の剣』持ちの勇者……今度こそ串刺しだ」ブブンッ!

僧侶「このっ!」ザッ!

グサグサッ!

魔王「……『成功個体』め。的では飽き足らず自ら盾になったか」

僧侶「……がはぁっ」ビチャビチャッ

勇者「僧侶ォ!!!」ヨロッ

魔王「……このまま消し炭にしてやろう。どうせすぐに復活するのだろうがな」

僧侶「……っぐぅ。はあ、はあ……魔、王。油断、しましたね」ギュゥゥゥ!

魔王「……っく、離せ!」グイッ!

北の勇者「僧侶さん、君が痛みに代えて作ったこの一瞬。無駄にしないよ!」ブンッ!

381 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 19:01:59.34 E4DdSHEp0 290/341

魔王「……このおおおお!」ブンッ!

僧侶「っがぁ!」ドチャッ!

北の勇者「遅い!」

魔王「おのれ勇者あああああああああああああああああああ!!!」

ズッパァァァァン!!! ヒュルンヒュルン……ゴトッ

僧侶「ハア……ハア……か、いふく、まほ……う」ッパアアアアアアアアアア!

勇者「はあ、はあ……っは! やった、やった!!!」

僧侶「回復魔法!」パアアアアアアアアア!

勇者「ありがとう僧侶!」

北の勇者「ハア、ハア。轟雷魔法でやられたと思ったか魔王……油断したな。僕の根性ナメるなよ。首飛ばしてやった!」

魔王「……」ッブッシュゥゥゥゥゥゥゥ! ドチャッ!

僧侶「……倒したんですね、倒したんですね私たち!」

北の勇者「……ハア、ハア。はっげしい戦いだったな。僧侶さん、回復お願い……『西の勇者』にも」ニコッ

僧侶「はいっ!」タタタッ

382 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/03/29 19:28:51.95 E4DdSHEp0 291/341

グサグサッ!

僧侶「っな!?」

勇者「えっ!?」

北の勇者「……がはぁっ、な、に!?」ゴプッ

魔王「……」

「油断? それはお前たち、『勇者』の方だ」

バキッ、ゴキッ、ズリュッ! ズルルッ……ゴトン。バキベキ! ゴキッ……コキ。

魔王「……」ゴキッ! ブチブチッベキッ! ズリュッ!

勇者「……おい、おい。嘘だろそんな……そんなことって」

僧侶「あ……あ……」ガクガクガク

「首を刎ねただけで俺を倒したと思ったか?」

魔王「……」ブオンッ! ズプッ!

北の勇者「っがぁ!」ッドザァ!

ゴキゴキ、バキッベキッ……ゴキンッ!

魔王「……もう油断もできないぞ、『勇者』。そこにあるのは絶望だけだ」ドシンッ

勇者「あ、あいつ……第二形態になりやがった!?」

399 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/05 20:26:49.70 qvYk2mgx0 292/341

北の勇者「……ぐっ」

西の勇者「……」

魔王「……残るはお前一匹だけだ」

勇者「くっそ! やっと倒したと思ったのに、変身ってそんなのありか!?」

ズシン……ズシン……

魔王「その絶望に染まる顔……無理もない、二匹を犠牲にしてようやく倒した俺がこうして姿を変え復活したのだからな」

僧侶「ゆ、勇者さんっ!」

ズシン……ズシン……

勇者「……っく、僧侶は俺の後ろで回復を頼む!」

僧侶「はい!」

勇者「どうにかあいつの隙を作る、そしたら『北の勇者』たちの回復へ行ってくれ!」

僧侶「わかりました!」

魔王「……俺がそんな暇を与えると思うか?」

勇者「っどおああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

401 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/06 02:20:42.58 p1NGUnX+0 293/341

ビリビリッ!

僧侶「っひゃあ!」

魔王「……」

勇者「……よしっ! 気合入った! 勝負だ魔王!」ビュンッ!

魔王「面白い! これが最後の戦いだ!」ズシンッ!

ブオンッ!

勇者「……っぐ!(まともに受け止めたら吹っ飛ばされる! 攻撃を避けて隙を突く!)」サッ

魔王「ふんっ!」ブンッ!

ドガァァッ!

勇者「がっはぁ!(……速いっ!)」

ッブオオオオオオオオオオオオオオオオ!

勇者「やっば……(激しい炎!? くそ、防げない!)」

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアアアアアアア!

勇者「っ! 極寒魔法!」ッヒュオオオオオオオオオオオオオオ!

402 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/06 04:25:34.70 p1NGUnX+0 294/341

ッオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

勇者「ぐえっ」ズザザザザッ

僧侶「大丈夫ですか勇者さん!」

勇者「あ、ありがとう僧侶! 回復がなかったらブレスを防ぐ余裕もなかった」

ダッダッダ!

魔王「死ね!」グワッ!

勇者「うおっ!」サッ

ドッゴオオオオオオオオオオオオン! ガラガラガラ……

勇者「……床が拳で抉れた。俺、さっきあれ食らったのか」

ブオンッ!

勇者「ふぐっ!」ガキィィィッ!

魔王「……」ブオンッ!

勇者「は……や、い!」ギキィィン!

403 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/06 04:59:40.95 p1NGUnX+0 295/341

ガキィィン! ギャリンッ! ガイィィィン!

勇者「やっべえやっべえ、これ下手したら剣折れるぞ!」

魔王「っち、上手くいなして防いでいるか。だがそれもいつまで続くか」

ドガッ!

勇者「ぐっはぁ!」ザザッ!

魔王「俺の爪に引き裂かれろ!」ビュンッ!

ギャィィンッ! ズバァッ!

勇者「ぐぅっ! 防ぎきれなかった!」ヨロッ

僧侶「回復ま……」

ドゴォォッ!

僧侶「がはっ……」

魔王「そう何度も回復されては俺も困る。暫く黙っていろ」ヒュンッヒュンッ!

ズバズバッ! ブチブチブチブチ!

僧侶「……あっ、がぁっ!」

404 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/06 08:15:11.49 p1NGUnX+0 296/341

勇者「僧侶!」

ッブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

勇者「んぐっ!(輝く息!?)」

ッオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

勇者「獄炎魔法!!!」ッゴオオオオオオオオオオオオオオオ!

ヒュオンッ!

勇者「っ! 後ろか!」

魔王「遅い!」

ビュンッ!

勇者「ぐっ、んのおおお!」サッ、グサッ!

魔王「急所は外されたか、しかし……」ブオンッ!

ガキィィン!

勇者「っぐ……」フラッ

魔王「この状態にすれば、あとはお前を殺すだけだ」

406 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/07 04:40:20.68 hv7c8DzH0 297/341

僧侶「か、回復魔法……」パアアアアアアア!

勇者「ぐっ、僧侶! 大丈夫か!?」ガキィィンッ!

僧侶「はい! 私はすぐに復活できますから! 勇者さんの回復をしなきゃ!」

ヒュンッ! グサッ!

勇者「っ!!」

僧侶「あっ、ぐぅぅ……」

魔王「自己回復する段階で潰しておけば、勇者を回復されることもない」

ザクザクッグサッ!

勇者「僧侶おおおおおおおおおお!!!」ヒュンッ!

ガキンッ!

勇者「っくっそ!」

魔王「……そしてそれは、弱った残り一匹の勇者の前では……容易いことだ」

ブオンッ!

僧侶「……」グチャッ!

407 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/07 04:55:16.08 hv7c8DzH0 298/341

勇者「……僧侶っ!」

魔王「……今のお前と戦いながら、片手間に『成功個体』を殺し続けることなど造作もない」

勇者「どうする俺、どうする俺!(考えろ……考えろ!)」

魔王「絶望しろ……そして俺に倒されろ!」ギュンッ!

勇者「んのおおお! 飛んで避ける!!!」

ブオンッ!

勇者「ええい! 頼む成功してくれ! 爆裂魔法!」ッドッカァァァン!

ビュオォォォンッ!

魔王「ッ!? 飛んだ!?」

勇者「足が、あっちぃぃぃ!! ダメだこれ制御できない! 爆裂魔法!」クルンッ、ッドッカァァァン!

ギュンッ! スタッ!

魔王「くっ!」

勇者「後ろ取ったああああああああああああ!」ブンッ!

ズバッ!!!

408 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/07 05:01:52.51 hv7c8DzH0 299/341

魔王「ぐあっ! おのれええええ!」ブオンッ!

勇者「ぐっ!」ガッキィィン! フラッ

魔王「っらああああ!」ビュンッ!

勇者「っくぅ、ダメだよけきれねえ」サッ

ザクッ!

ズザザザザッ!

勇者「うぐぐぐぐ……あぶねえあぶねえ」ポタ……ポタ……

魔王「……発動媒体を『足』にしての高速飛行、か」ヨロッ

勇者「ぶっつけ本番でやるもんじゃねえや、足は火傷するし下手したらあのまま天井に激突してた所だ」フラッ

魔王「俺に一撃与える為に払った代償は大きかったようだな」

勇者「……そうしねえとお前を倒せねえ」ヨロッ

魔王「ふんっ」

グシャッ!

僧侶「がぁっ!」

409 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/07 05:15:45.01 hv7c8DzH0 300/341

勇者「……っぐ、僧侶!」フラフラ

魔王「いくら復活しようと無駄なこと……その度に俺はお前を殺し続ければ良い」

僧侶「……」

勇者「うぐぅ……(どうにか僧侶が復活する隙を作らないと!)」

魔王「勝負ありだ勇者、俺がこの世を支配する!」

僧侶「……ま、ほう」ッパアアアアアアアアアアア!

魔王「『成功個体』……この絶望の中よくぞ復活しようとするものだな」

勇者「っ!(ダメだ、このままじゃ僧侶は魔王にやられっぱなしだ!)」

タッタッタッタッタッタッタッタッタ!

魔王「大人しくしていろ」ブオンッ!

勇者「くそっ!」

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ! グサッ!

魔王「ッ!? ぐおおおおおおおおお! な、なんだァ!?」ヨロッ

勇者「……お? お、おお! おおお!!! 戦士!!!」

戦士「っしゃあああああああ!!! 魔王の片目潰したああああああああ!!!」

410 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/07 05:36:37.72 hv7c8DzH0 301/341

魔王「ぐぅぅぅぅ! おのれ、よくも俺の目を! 盗賊の潜伏術なんぞに!」

戦士「ナメんな! 盗賊王一家の超潜伏術だ!」

勇者「戦士……魔物倒したんだな!?」

戦士「おうよ! 魔法使いはまだ戦ってた! 俺は気付かれねえようにその中突っ切ったんだけどな」

勇者「……その、あの。その仮面」

戦士「でかい魔物倒すのに使わせてもらった……だけなら良いんだが、これ取れねえんだよ!」

勇者「うっわ、うっわなんだそれええええええええええええ! 俺の仮面がああああああ!!」

戦士「うっわは俺の方だ! 誰が好きでこんな仮面ずっと付けるっつうんだよ! ……とと」フラッ

勇者「せ、戦士……」ヨロッ

戦士「俺もここ来る前の戦いでボロボロでな。っつっても……」

北の勇者「……」

西の勇者「……」

勇者「……っぐぐぅ」フラフラ

戦士「……こっちはもっとひでえありさまなんじゃねえかよ」

僧侶「……か、いふく、まほう」ッパアアアアアアアアアアア!

戦士「魔王……僧侶ちゃんのことぐちゃぐちゃにしやがって!」ヨロッ

413 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/08 01:46:00.95 Q6xbM9By0 302/341

魔王「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」ビリビリビリッ!

勇者「っ!」

戦士「どわっ!」

魔王「よ、よくも俺の目を……おのれええええええええええええ!!!」

僧侶「戦士さん!」タッタッタ!

戦士「おお! 僧侶ちゃん復活! すげえな自分もソッコー回復出来るのか!」

魔王「何度立ち上がろうが同じことだ! 再び死ね!」ブオンッ!

僧侶「っ! うぅっ!」

勇者「僧侶!」

ダダダッ!

グサッ!

戦士「……がっはぁ」ボタボタボタ!

僧侶「せ、戦士さん!」

415 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:14:41.74 GQIlgMdn0 303/341

魔王「愚かな人間が……わざわざ死に急ぐような真似をするか!」

戦士「……ぐっ、そ、僧侶ちゃん。早く勇者の所へ!」ボタボタボタ

僧侶「……はい!」ダッ!

戦士「よし、それで良い」

魔王「っち、させるかぁ!」ブンッ、ズボッ!

戦士「ぐあぁっ!」ドチャッ!

タッタッタッタッタ!

僧侶「勇者さんっ!」タッタッタッタ!

勇者「……そ、僧侶」フラッ

ッブオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

僧侶「っきゃああああああ!」オオオオオオオオオ!!!

勇者「僧侶ぉ!」

僧侶「……熱、い」ドサッ

勇者「っく!」

魔王「俺の片目を奪った人間は後でゆっくり殺してくれる……生きていればの話しだがな」

416 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:27:55.52 GQIlgMdn0 304/341

戦士「ぐっ……っちくしょう(もう……体が、動かねえ)」ドクドク……

魔王「……そこで大人しく待っていろ人間。先ずはしぶとく立ち上がる『成功個体』と勇者の始末だ」

僧侶「……い、ふく……まほう」ッパアアアアアア!

魔王「っち」ブンッ!

グチャッ!

勇者「ッ!」

僧侶「……っぁがあ!」ピクッピクッ

勇者「……やめろ」

魔王「何度も復活させるわけにはいかん。片目を潰された今、俺もこれ以上勇者に回復されるのは面倒だからな」

勇者「やめろっ!」

僧侶「……ふく、まほ、う」ッパアアアアアアアアア!

グチャッ!

魔王「……ふん。死へ通ずる痛みと、文字通り『死』を何度も体に刻まれ……それでもなお立つというか」

勇者「やめろおおおおおおおおおおお!!!」

417 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:34:08.99 GQIlgMdn0 305/341

ガキンッ!

魔王「……そんな相手にぶつけるだけの怒りなんぞ、なんの意味も持たないのはわかっているはずだ」

勇者「わかってる……わかった上でブチ切れてんだよ!!!」ブンッ!

ギィィィン!

魔王「……」ブンッ!

ドガァッ!

勇者「ぐあっ」ザッ!

魔王「もうお前も立っているのがやっとの状態のようだな……」

勇者「……獄炎魔法!」ッゴオオオオオオオオオオオオ!

魔王「っち!」ッブオオオオオオオオオオオオ!キラキラキラ!

ッオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

オオオオオオオ……ッゴァァ!

魔王「ッ!」

ッズバァ!

勇者「……お、お前も、片目が潰れて動きが鈍くなったんじゃないか」ヨロッ

418 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:37:49.30 GQIlgMdn0 306/341

魔王「このおおおお!」ブンッ!

勇者「っぐ!」ガキィィン! ヨロッ

ビュンッ! ドッゴォ!

勇者「っがっはぁ!」ズザザッ

魔王「らああああ!」ヒュンッ!

勇者「……っ!」ッキィン、ズバッ! ブシュウウウウ!

ブンッ!

魔王「っぬう!」ザシュッ! ブシュウウウウ!

ッズザザザザザッ!

魔王「……」ハアハア

勇者「……いてぇ」ハアハア

魔王「……もう今更、しぶといと言うのも間違っているのだろうな、互いに」ハアハア

勇者「わかってるじゃねえか、魔王。これは命を賭けた戦いだ、しぶといも何も……」

魔王「お前たちが死ぬか俺が死ぬか……」ダッ!

勇者「それが決まるまで、戦いは終わらない!」ダッ!

419 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:48:46.43 GQIlgMdn0 307/341

ブンッ!

勇者「っぐ!」ガキンッ!

ブオンッ!

魔王「っぬ!」ギキンッ!

ッブオオオオオオオオオオオオオオ!!!

勇者「くっそ、極寒魔法!」ッヒュオオオオオオオオオオオ!

ヒュオンッ!

勇者「っ!」

ガッキィィン!

魔王「……」ギリギリギリ……

勇者「っぐ、ぐぐぐ!(くそ、押し負ける!)」ギリギリギリッ!

魔王「……っふ」ニヤッ

勇者「っ!?(しまった! この状態はまずい!)」

ッブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

420 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 08:56:49.43 GQIlgMdn0 308/341

勇者「っぐあああああああああああああ!!!」オオオオオオオオオオ!!!

ッオオオオオオオオオオオオ……

勇者「……あ、が……あ」フラッフラッ

魔王「俺のブレスをまともに受けて倒れないとは……だが、これで終わりだ」ヒュンッ!

ガシッ!

魔王「っ! ……大した意志だ、まだまだ食らいつくか」

僧侶「させない! 絶対に勇者さんは殺させない!」

勇者「……そ……う、りょ」フラフラッ

ブンッ!

僧侶「っきゃ」ドサッ

ガシッ!

魔王「勇者はすでに虫の息……あとはお前を、復活する気力が失せるまで殺すだけだ」

僧侶「ううっ、いたっ、い」ジタバタ

グチュッ!

421 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 09:00:20.82 GQIlgMdn0 309/341

僧侶「……」ドサッ

魔王「簡単に潰れる頭だな。人間とは脆い生き物だ」

勇者「そ、うりょ」ヨロッ

僧侶「……」ッパアアアアアアアアアア!

魔王「……」

僧侶「……っは、はあ」

ブンッ!

グチャッ!

僧侶「っぎゃあ!」

ボキッ!

僧侶「……ッ!!!」

ボキッ!

僧侶「っううあああああああ!!!」

魔王「……」

勇者「……っぐ、そ、うりょ。や、めろ」ヨロッ

422 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 09:03:36.68 GQIlgMdn0 310/341

僧侶「っくぅ! 回復、魔法」ッパアアアアアアア!

グサッ! ズバッ!

僧侶「あっぐぁ……」

グチャッ!

僧侶「……」

勇者「や、めてくれ……僧侶」

僧侶「……」ッパアアアアアアアアア!

魔王「ふんっ!」ブンッ!

グチャッ!

僧侶「っがぁ! か、かいふく……まほう」ッパアアアアアアアア!

魔王「その気迫、畏怖すら感じるな……『化け物』と言われるだけはある」

僧侶「はあ、はあ、はあ……」

勇者「僧侶……もうやめろ。やめろ! 俺が頑張るからお前は……もう立ち上がるな!」フラフラ

僧侶「うるさいっ!!!!」

423 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/11 09:38:34.96 GQIlgMdn0 311/341

勇者「えっ、ええー!?」ヨロッ

僧侶「私は……私は約束したんです! 勇者様と! 『楽しく生きる』って!!!」ヨロッ

タッタッタッタッタッタッタ!

僧侶「勇者さんと、みんなと、魔王を倒して……勇者様が願った平和な世界で楽しく生きるって!!!」フラフラ……

タッタッタッタッタッタッタ!

勇者「僧侶……」フラッ

タッタッタッタッタッタッタ!

僧侶「もう死にたいなんて思わない! 辛くても、苦しくても、弱音なんて吐いてやらない!」

タッタッタッタッタッタッタ!

僧侶「……私は、楽しく生きてやるっ!!!!」

魔王「やかましい! 何度復活しようと俺はそれを叩き潰す!」ブオンッ!

タッタッタッタッタッタッタ……バッ!

魔王「ッ!? な、にィ!?」

魔法使い「よく言った僧侶!!!」ミュンミュンミュンミュンミュンミュンミュンミュン!

僧侶「ま、魔法使いさんっ!」

魔法使い「近づく私に気付いてくれなくて助かったよ。喰らいな魔王、MP全力投球魔法!!!」

ミュンミュンミュンミュンミュンミュンミュンッ……ッキュアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

434 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 06:11:31.98 O8/mZVlf0 312/341

魔王「っぐああああああああああああ!!!」

キュアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

戦士「……っへ、俺を、殺すの……後回しにしたのが、運のツキ、だった、な」ヨロッ

魔法使い「どりゃあああああああああああああ!!!」ミュンミュンミュンミュンミュンッ!

戦士「俺の潜伏術は、他のやつにも……してやれんだよ」

勇者「……ま、ほう、つかい」フラフラッ

ッキュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……

魔法使い「っはあ……はあ、はあ。うっ、ぐぐぐ……MP全部使い果たした。意識が吹っ飛びそ、う……」フラッ

バタッ

僧侶「魔法使いさんっ!?」

魔法使い「ぐっ……僧侶、あんたは早く、ボロッボロの勇者を回復に行きなさい!」

僧侶「っ! はい!」タッタッタッタッタ

魔法使い「……勝てよ勇者。私が前座担当してやったんだか、ら」

435 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 06:31:27.54 O8/mZVlf0 313/341

魔王「っおおおおおおおおおおおおおお!!!」フラッフラッ

シュゥゥゥゥゥゥ……

魔法使い「っち、ここに来るまでの戦いで多少消費したっつったって、私のMP全投入の魔法でまだ立ってるか」

僧侶「っはあ、はあ、はあ! 勇者さん、今、回復を!」タッタッタッタッタ!

魔王「させるかああああああああああああ!!!」ダッダッダッダッダ!

魔法使い「……体が、動かない。でもまあ、後は、『あいつら』に任せりゃ……良い、か」

勇者「うぐっ、僧侶っ。後ろ……危ない!」ヨロッ

魔王「死ねええええええええええええええええ!!!」ブオンッ!

僧侶「ッ!! うっ」

???「雷撃魔法!!!」ッバリバリバリィ!

魔王「んなっ!?」バチィィィン!

魔法使い「……っはは、遅いわよ。あんた、ら」

魔法使い♀「大丈夫ですか勇者様……ってキャアアアアアア!!! 隅っこで血だらけになってるうううう!!!」

436 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 06:51:02.19 O8/mZVlf0 314/341

魔法使い「どれだけ……ここ来るのに時間かけてんのよ、あんたらは」

魔法使い♀「城の魔物一手に引き受けた私らの身にもなりなさいよっ!」ボロッ

魔法使い「……ダメだ、疲れて喋る元気も出ない」

魔法使い♀「それよりもあっちで倒れてる勇者様はどうしたってのよおおおおおお!」

僧侶♀「……落ち着いて、落ち着いて」

魔王「っおのれえええええええ!!! 弱い人間が虫けらのように集まってェ!!!」

ッパアアアアアアアアアアアアアアア!!!

魔法使い「……おお、まっぶしー」

魔王「っぐ! しまった!」

……チャキンッ

勇者「……弱い? 魔王、それは間違いだ」ッパアアアアアアアアア!

ッダン!

魔王「っく! この輝きはっ!」

勇者「……人間は、俺たちは、強い!!!」

437 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 07:50:26.62 O8/mZVlf0 315/341

ッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! キラキラキラキラキラ!!!

戦士(……フライパンソードが、めちゃくちゃ光ってる)

魔法使い「……僧侶の口上に反応したって感じね、フライパンソード」

魔王「くそっ! この忌まわしい輝き! 積年の恨みが体を巡る!!!」

キラキラキラキラキラキラ!!!

勇者「すっげえ光ってる! 『楽しく生きろよ!!!』って文字も、いっそう輝いて……」

僧侶(勇者様……今まで、私たちを見守ってくれて、ありがとうございました)

僧侶「勇者さん……平和な世界を」

勇者「……ああ!」グッ!

僧侶「魔王を倒して、平和な世界を取り戻しましょう!」

勇者「ああ!」ダッ!

タッタッタッタッタッタッタッタ!

魔王「……来い勇者! 決着をつけよう!!!」

勇者「行くぞ魔王! これで最後だあああああああ!!!」

ガキンッ!!!

438 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 19:57:12.61 O8/mZVlf0 316/341

魔法使い「受け止めたっ!?」

グググッ!

魔王「う……おおおおおおおおおおおっ!!!」

勇者「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

ッパアアアアアアアアアアアアアアア!!! キラキラキラ!!!

戦士「……輝きが、増していく」

魔王「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」グググッ

勇者「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ギリギリギリ

僧侶「勇者さん……」

ピシィッ! パキパキッ! ビシィッ! ボロボロ……

魔王「ぬぐっ! 体が……崩れていく!?」

僧侶「勇者さん頑張ってええええええええええええ!!!」

キラキラキラキラキラ!!!

勇者「おおおおおおおおおおおおおおりゃあああああああああああああああ!!!」

ズッバァァァンッ!!!

439 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 20:27:34.49 O8/mZVlf0 317/341

魔王「……ぐ、あ、ああ」

キラキラキラキラキラ……

勇者「……」ハアハアハア

魔王「……負けた、のか。俺……は」

勇者「俺に聞くなよ。そう思うんなら、お前の負けだ」

魔王「……そ、うか。負けたのか」

勇者「……」

魔王「千年待った……その最後が俺の負けか。だが、不思議と清々しい」

勇者「……」

魔王「勇者ども……世界はお前たちにくれてやろう」

勇者「……」

魔王「魔物たちよ……申し訳なかった。俺と一緒に、少し……休んでくれ」

サァァァァァ……

勇者「……やった、やった!」

魔王をたおした!▽

勇者「魔王を倒したぞおおおおおおおおおおおおお!!!」

442 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 21:44:15.01 O8/mZVlf0 318/341

―鍛冶屋の家―

ッゴオオオオォォォ! パチパチパチ!

鍛冶屋「……」カァーン!カァーン!

ッパアアアアアアアアアアアア!!!

鍛冶屋「……? なんだ?」

ガチャッ

鍛冶屋「……外の様子が変わったな。空気が澄んでいく……?」

鍛冶屋「……ああ、そうか。はっははは!」グビッグビッ!

鍛冶屋「あいつら……やりやがったのか!」グビグビ

鍛冶屋「魔王を倒したんだな!」

鍛冶屋「……長かった、長かったなぁ」

鍛冶屋「だけど、お前の願いを叶えることができたぜ……勇者ぁ」

鍛冶屋「……っはは、礼の一つでももらえりゃ最高なんだがよ。そりゃしゃあねえな」グビグビ

445 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 21:50:35.78 O8/mZVlf0 319/341

―ギルドの街―

ッパアアアアアアアアアアアア!!!

テカり顔の商人「空が晴れていく……?」

強面の鍛冶屋「おお、商人さん。あんたも気付いたか?」

テカり顔の商人「ああ……これは、ガキの頃から世界を包んでいた嫌な気配が消えていく」

強面の鍛冶屋「……勇者さんたちが、やってくれたんだろうな」

テカり顔の商人「魔王を倒してくれたんだな」

強面の鍛冶屋「ああ!」

テカり顔の商人「ははは! 俺があの時あの姉ちゃんの地図を8万ゴールドで買ったお陰だな!」

強面の鍛冶屋「ああっ!? 俺が鍛冶屋ギルドの大切な剣売ったお陰だろ!」

テカり顔の商人「……ははは」

強面の鍛冶屋「ははははは!!」

テカり顔の商人「よっしゃ! 頑張って商売すっか! 目指すは『商人の街』だ!!!」

強面の鍛冶屋「俺も鍛冶屋の神様に負けねえような剣作ってやる! 平和になったからって俺らの忙しさは変わらねえ!」

446 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/14 21:53:38.67 O8/mZVlf0 320/341

―商人の街―

ッパアアアアアアアアアアアア!!!

旅の商人「おい! お前たち空見ろよ!」

旅の商人の仲間たち「うわぁ! 空に満ちてた黒い霧が晴れていってるぞ!!」

ワイワイガヤガヤ、スッゲーマブシイ! ワイワイガヤガヤ

旅の商人の仲間たち「これ、勇者様たちが魔王倒したからこうなったんかねぇ!?」

旅の商人「……ああ、違いねえ! 勇者様たち、魔王を倒してくれたんだ!」

旅の商人の仲間たち「あの時俺たちが売った薬草13枚が役に立ってくれたのかな!」

旅の商人「はっはっは! 俺らの薬草なんざ大した力にゃなってねえだろ! 勇者様たちが頑張って下さったんだよ!」

旅の商人の仲間たち「……ありがとう勇者様!」

旅の商人「ありがとう、世界を平和にしてくれて!」

448 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 01:38:58.65 1mQrsIIx0 321/341

―観光と貿易の街―

ッパアアアアアアアアアアアアア!!!

露天商「……(空が晴れわたってやがる)」

盗賊「おーい! ろてんしょー、遊びに来てやったぞー!」タッタッタ

露天商「まーたお前か糞ガキぃ! 宿屋の仕事はどうした!?」

盗賊「だって退屈なんだもん! 暇だからこっち来ちった!」

露天商「……暇ならサボって良いってわけじゃねえだろ、ったくこれだからこの兄妹どもは」ボリボリ

盗賊「それよりろてんしょー。なんかさっきから空気が吸いやすくなってないか? 『サワヤカ』っていうの?」

露天商「気付くのおせえよ糞ガキ」

盗賊「な、なんだとー! ろてんしょーのバカ!」

露天商「バカはおめーだ、お前のバカ兄貴は立派に仕事したってのに!」

盗賊「……?」

露天商「戦士の野郎ォ、魔王を倒しやがったぜ」

盗賊「えっ!? あ、兄貴がか!?」

露天商「……ああ、あいつらやりやがった。取り戻したんだ、おとぎ話にしか書かれねえ真の『平和』ってやつを」

449 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 02:12:33.67 1mQrsIIx0 322/341

―東の王国―

ッパアアアアアアアアアアアアア!!!

王様「いやー、しっかし俺たちの国は平和だねー。政治が楽ちん楽ちん……前も同じこと言ったような」

大臣「お、お、王様ぁぁぁ!!!」タッタッタ

王様「おーまえはそうやっていっつも忙しそうに走り回ってんなー大臣。何をそんな焦ることがある」

大臣「そ、そ、外を見てください! 空が……魔王の瘴気で満ちていた空が晴れ渡っています!」

王様「そんなの王の間でのんびり座ってたってわからぁ。いちいち報告しなくても良いよ大臣」

大臣「……さ、左様ですか」

王様「王様ナメるんじゃありません」

大臣「……も、申し訳ございません」

王様「……それに、まだ安心できないでしょ、俺たちは」

大臣「……?」

王様「勇者が無事に帰還してくんなきゃ! そこまでが『魔王討伐』だからな!」エッヘン!

450 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 02:22:04.71 1mQrsIIx0 323/341

―東の王国・街外れの家―

ッパアアアアアアアアアアアアアアア!!!

勇者母「……」

勇者母「空が……綺麗」

勇者母「うふふっ。勇者ったら、しっかりやってくれたのかしらね……魔王討伐」

勇者母「……ま、あの子が無事に帰ってくるって保証はないけど、私たちの息子だもんきっと大丈夫よ」

勇者母「……あなた、勇者は立派になりましたよ」

勇者母「……それにしても綺麗な空ねぇ」

勇者母「お洗濯張り切っちゃおっと!」

451 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 02:32:30.77 1mQrsIIx0 324/341

―魔王の間―

ッパアアアアアアアアアアアアア!!!

勇者「……ありがとう、『西の勇者』の人たち」

魔法使い♀「ふ、ふんっ! あそこであんたらが死んだら全滅だったから助けただけよ!」

僧侶♀「いぇーい」ビシッ!

勇者「……僧侶、みんなの回復を急いで頼む」

僧侶「はいっ!」タッタッタ

タッタッタッタッタ!

僧侶「魔法使いさん! 大丈夫ですか!?」

魔法使い「あー、私はMP使い切っただけだから後回しで良いわよ。と言ってもボロボロなのは変わりないけど……それより」

戦士「……」

北の勇者「……」

西の勇者「……」

魔法使い「あっちで倒れてる血だらけの男たちを先に回復してあげて」

452 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 03:42:06.91 1mQrsIIx0 325/341

西の勇者「んなっはっはっはっは!! 俺の活躍で無事魔王を倒したな!!」

魔法使い♀「さっすが勇者様ぁ! やっぱり他の勇者たちとは違いますね!」

北の勇者「まあ、実際一人でも欠けてたら魔王倒せなかったわけだしね」

勇者「そうだな」

西の勇者「はっはっはっはっは!! 俺こそが『真の勇者』だァ!! お前ら俺を讃えろー!!」

魔法使い「……」

勇者「……魔法使い?」

魔法使い「ん、いや、なんでもない。気にしないで」

勇者「……ああ、そう」

魔法使い(……魔王を倒したけど、結局私の中の悪魔は地獄へ還らなかった、か)

僧侶「回復魔法!」ッパアアアアアアアア!

戦士「……おお、体が楽になった。ありがとう僧侶ちゃん!」

僧侶「いえいえ、戦士さんも助けてくれてありがとうございます!」

西の勇者「ふっふっふ! 無事全員生存だな! これも俺のお陰っ! よしお前たち……帰るぞ!!!」

魔法使い「みんなー、さっさとここから出ちゃいましょー」スタスタ

勇者「行こうか戦士、僧侶も足元気をつけてね」スタスタ

北の勇者「『西の勇者』も早く行かないとみんなに置いてかれちゃうよ?」スタスタ

西の勇者「コラァ! お前ら俺を無視して先に帰ろうとするなぁぁぁ!!!」

453 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 03:59:05.04 1mQrsIIx0 326/341

―魔王の城・外―

ッパアアアアアアアアアアアアアア!!!

戦士「おーおー!」

魔法使い「空が……なんというか、優しい光で満たされてる」

勇者「……倒したんだな、俺たち」

僧侶「ふふっ、今さら実感してるんですか勇者さん」

勇者「し、しょうがないだろっ! さっきまでいっぱいいっぱいだったんだからっ!」

魔法使い♀「当たり前のことでしょうけど、こんな綺麗な空気……初めて」

僧侶♀「……平和」

北の勇者「これが『平和な世界』ってやつか。まあ、その夜明けに過ぎないんだろうけどね……それよりも」ジッ

西の勇者「俺にふさわしい輝いた空だァ!! これからの世界の平和は俺が築いてやる!! ……それよりもだ」ジッ

勇者「……ああ、それよりも」ジッ

戦士「……? ……ふぇっ?」

北の勇者・西の勇者・勇者「その仮面俺にくれ!!!」

454 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 04:18:04.94 1mQrsIIx0 327/341

戦士「ちょ、おい、ちょっとお前ら待て! 待てえええええ!!!」

魔法使い「……呆れた、ったくこの大馬鹿とアホと変態の勇者どもは」

僧侶「ゆ、勇者さん……」

魔法使い♀「ちょっと勇者様ぁ!? なんですか!? こんなダサい悪趣味な仮面が欲しいんですか!?」

僧侶♀「……糞だせぇ」

戦士「うるせえぞお前らっ! 俺のこと指さしてダセぇって言うんじゃねえ! この仮面がダセぇんだっ!!」

西の勇者「ダサいとはなんと美的センスの無いやつらだ! 見損なったぞお前たち!」

北の勇者「君たちにはわからないのか!? この洗練されたフォルム! イカしたフェイス!」

勇者「ちょっと待てお前ら! これは俺が100万Gで買った仮面だぞ! これは俺の物だっ!」

北の勇者「はーんそうかい! なら実力行使だ! ちょうど『東の勇者』とは決着つけたいと思ってたんだ!」

西の勇者「たかだか100万Gで偉そうに言うな『東の勇者』!! なら俺がその2倍の金で買い取ってやる!!」

バチバチバチ……

戦士「お前ら俺を巡って喧嘩するんじゃねえよ!!!」

魔法使い「いや、あんたのことじゃねえから」

僧侶「勇者さん……」ウルウル

455 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 04:28:22.12 1mQrsIIx0 328/341

戦士「取れねえんだよこの仮面! 『呪い』みてえなのがかかってて取れないの!」

北の勇者「……は?」

西の勇者「ハァ?」

勇者「はああああああああああああああああ!?」

戦士「はああああああああああああああああ!? じゃねえよ! さっき言ったろ大馬鹿勇者!!!」

勇者「……っは! そういえばそうだった!」

戦士「勇者のバカ!」

魔法使い「……魔王倒した英雄がこんなやつらなんて」ハア

僧侶「勇者さん……」

勇者「……うーん、そうだな」

シーン……

勇者「……戦士」

北の勇者・西の勇者・勇者「一緒に国に帰ろう!」

戦士「ふざけんなあああああああああああああああああああああ!!!」

魔法使い「……なんだこれ」

456 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 16:50:37.90 1mQrsIIx0 329/341

西の勇者「仕方ない! 行くぞお前たち!」ザッ

勇者「お、おいどこ行くんだ『西の勇者』」

西の勇者「どこへ行くも何も、帰るに決まっているだろう俺の国へ」スタスタスタ

勇者「……ああ、そうか」

西の勇者「魔王を倒した今、いつまでもここにいたって無駄だからな!」

魔法使い♀「待って下さい勇者様ぁー」タッタッタ

西の勇者「『西の王国』も英雄の帰還を今か今かと待ちわびているだろう! 急がなくてはなァ!!」

僧侶♀「……ばいばーい」

勇者「あ、はい。さようなら」

西の勇者「いずれ仮面が取れたら俺にくれ。『東の勇者』の戦士よ!」スタスタスタ

戦士「……考えとくわ」

西の勇者「はっはっはっはっは!! ……さらばだ! 『北の勇者』、『東の勇者』!! また会おう!!」

北の勇者「ははっ、じゃあねー」

勇者「うん、また……な(もう会いたくねえー)」

スタスタスタスタスタ……

457 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 17:06:06.93 1mQrsIIx0 330/341

北の勇者「さあて、んじゃあ僕もそろそろ行こうかな」ザッ

勇者「……そっか」

北の勇者「ふふふっ、今度はお互い最高の状態で戦おうよ」

勇者「……まだ言ってるのか」

北の勇者「『東の勇者』だって僕に勝ち逃げされるのは嫌でしょ?」

勇者「まあ、な」

北の勇者「どうせ近々再開することになるよ多分。……その時に決着をつけよう」

勇者「……お、おう」

北の勇者「仮面が取れたら僕にちょうだいね戦士くん」スタスタ

戦士「……か、考えとくわ」

北の勇者「魔法使いさんともまた戦いたいなぁ」スタスタ

魔法使い「えー、めんどくせー」

北の勇者「……僧侶さん。本当に申し訳なかった」

僧侶「……ふふっ、許してあげますよ。約束守ってくれたんですもんっ!」

北の勇者「……ありがとう」ホッ

458 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 19:09:40.58 1mQrsIIx0 331/341

スタスタスタスタスタ……

勇者「……」

僧侶「……行っちゃいましたね」

魔法使い「……」チラッ

戦士「……?」

魔法使い「……」

戦士「な、なんだよ」

魔法使い「……ぶふぅっ!」

戦士「あっ、てめえ! 俺の顔見て笑ってんじゃねえよ!」

魔法使い「だって……ふふっ、だってダサいんだもんっ」ケラケラケラ

戦士「ぐぬぅ……」

勇者「……(カッコイイのに)」

戦士「……けっ!」ザッ

459 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 19:30:33.08 1mQrsIIx0 332/341

勇者「……戦士も、行くのか?」

戦士「……ああ、親父の財宝は見つけられたし、勇者の手伝いもできたからな」

僧侶「い、一緒に露天商さんのいる所まで帰りましょうよ! 『東の王国』のご近所ですし!」

戦士「まずはこの仮面取らねえと……あのバカに合わす顔がねえよ」

魔法使い「……文字通り合わす顔がないってわけね、ふふっ」

僧侶(……勇者様、どうせならもっとマシな『呪い』にしてくれれば良かったのに)

戦士「だからなぁ……俺はここから、商人の野郎が手に入れたっつう南の小さな島を目指そうと思う」

僧侶「勇者様の、降臨の地……」

戦士「この仮面を取る手掛かりがあるかもしれねえしな」

勇者「仮面取れたら俺にくれよ戦士! ……いや、返してくれよ!」

戦士「……お、覚えとくわ」

魔法使い「ま、せいぜい仮面被った奇妙な死体にならないことね」

戦士「死んでたまるか! ぜってえ取ってやるこんな仮面!」

勇者「……(カッコイイのに)」

460 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 19:44:17.56 1mQrsIIx0 333/341

戦士「……あっ」

勇者「ん? どうした戦士?」

戦士「……忘れるとこだった」ガサゴソガサ

ピラッ

勇者「なんだ……この紙の束? ん? ……えっ!?」

僧侶「これって……」

魔法使い「……『不死の研究』の資料!?」

戦士「これも、親父の財宝の所に一緒に落ちてたんだ……」

僧侶「……」

戦士「言い訳にしかならねえが、魔王を倒す前にみんなに余計な問題持たせるのはダメだと思って……黙ってた。すまん」

魔法使い「……」

戦士「実際、『こいつ』を見た時の……僧侶ちゃんを見るのが怖かったってのもあるけどよ」

僧侶「だ、大丈夫ですよ戦士さんっ! 気にしないでください」ニコッ

戦士「……ありがとう」

ペラッ、ペラッ

勇者「……『不死の研究』資料、これで終わりっぽいけどまだ紙が余ってるな」ペラッ

戦士「……」

勇者「……な、なんだよこれ。『元の人間に戻す研究』!?」

461 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 20:01:37.76 1mQrsIIx0 334/341

僧侶「……」

勇者「……えっと、なんだこれ?」

魔法使い「自分たちがやっている『不死身の人間作り』の研究を肯定、『正義』とするためか……」

勇者「……んえ?」

戦士「……そういうことなんだろうな」

勇者「え、え?」

魔法使い「『不死の研究』は世の為人の為だと自分たちに言い聞かせ、保険、逃げ道のためのこっちの研究を『悪』として隠ぺいしたのね」

僧侶「……」

勇者「……ああ、な、なんとなくわかった気がする」

戦士「とんでもねえ奴らだ。最後まで自分たちの行いは正しいと思いたかったんだろうな」

僧侶「……でも、これが本当なら、私は普通の人間に戻れるってことですよね」

勇者「……僧侶」

462 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 21:12:33.16 1mQrsIIx0 335/341

僧侶「やったじゃないですか!! 私ももう寂しい思いしなくて済みます!!」

勇者「……はは、そうだな」

魔法使い「……単純に、僧侶が元に戻れる可能性があるってことを喜びましょう」

戦士「元気だな僧侶ちゃん。今までも俺たちはその元気に救われてきたんだ」

僧侶「はいっ! みなさん暗く考え過ぎですよぉ! 喜んでください!」

ザッ

勇者「戦士……」

戦士「思い残すことはもうねえな。俺は自分の旅を続けるよ」

勇者「……また、会えるよな?」

戦士「こうして平和になったんだ。会おうと思えばいつでも会えらあ。その時はちゃんと素顔で再会してやる」スタスタスタ

魔法使い「……」

僧侶「……さようなら、戦士さん」グスンッ

勇者「じゃあ、またな」

魔法使い「……あんたの顔忘れないように努力しとくわね」

戦士「……短い間だったか楽しかったぜ、仲間……ってかお前らだったからなんだろうがな。ありがとう」

スタスタスタスタスタ……

463 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 21:26:50.07 1mQrsIIx0 336/341

魔法使い「……」

勇者「……」

僧侶「……」

勇者「……最初は、この三人から始まったんだよな」

魔法使い「女の子二人に挟まれてドギマギしてた頃が懐かしいわねぇ」

勇者「うぐっ……慣れたから良いだろもう」

魔法使い「そのくせ私が酒場の屋根にいた時はしっかりパンツ見てたくせに」

勇者「えっ! あれバレてたのか!?」

僧侶「ちょ、ちょ、ちょっとどういうことですか勇者さん!?」

勇者「ななななんでもない! 僧侶は気にするな!」

僧侶「気になりますよっ!」

魔法使い「うっひひひ……あそこで勇者が普通に仲間作ってたら、私はここにはいなかったわ」

勇者「……多分、そんなことになったら魔王倒せてなかったよ」

魔法使い「勇者が人と接するの苦手だったお陰、ってね」

勇者「皮肉な話しだなぁ……別に良いけどさ」

464 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 22:06:13.46 1mQrsIIx0 337/341

魔法使い「それじゃあ私も、っと」ザッ

勇者「あれ? 魔法使いは俺たちと一緒に『東の王国』に帰るんじゃないのか?」

魔法使い「一度故郷に戻ろうと思う。……あそこには私用で来てただけ、王国からの報酬にも興味ないし」

勇者「そう、なんだ」

魔法使い「『東の王国』に行く必要もないからね、ここで勇者と僧侶とはお別れよ」

勇者「寂しくなるな……」

魔法使い「ふふっ、そう言ってくれると嬉しいわ」

僧侶「……魔法使いさん」

魔法使い「……」

僧侶「あの……」

魔法使い「……魔王倒したけど、結局私の中の悪魔は還らなかったわ」

僧侶「そう、だったんですか……」

465 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 22:21:32.08 1mQrsIIx0 338/341

勇者「……(魔王倒した、悪魔還らなかった? ……ん? どゆこと?)」

僧侶「これから魔法使いさんは、どうするんですか?」

魔法使い「故郷に戻って、それから……また『こいつ』を還す方法を探してみる」

勇者「んーっと……」

僧侶「他に方法があるんですか?」

魔法使い「……一応、『還す』ってわけではないけど、『悪魔』を体から分離させる方法は仮定の域を出ないけどあるわ」

僧侶「……そうですか」

勇者「えっと、どんなの?」

魔法使い「要は、『悪魔』がこの世界に存在しているという矛盾を解消させれば良いんだけど……」

勇者「ふ、へぇ……なるほど(全然わからねえ)」

魔法使い「……じゃあね」ザッ、スタスタスタ……

勇者「おう、元気でな魔法使い」

僧侶「また必ず会いましょうね!」

魔法使い「……ええ。あんたらとの旅、とっても楽しかったよ(もしかしたら、次に会う時は……)」

スタスタスタスタスタ……

魔法使い(勇者……あなたの敵として会うことになるかもね……)

467 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 22:36:43.06 1mQrsIIx0 339/341

勇者「……じゃあ」

僧侶「……私たちも」

勇者「帰りますか! 『東の王国』へ!」

僧侶「そうですね! またみなさんと会えたら良いなー」

勇者「そうだな、戦士も魔法使いも、またみんなで集まって平和な中で楽しく話したいね」

僧侶「『北の勇者』さんと『西の勇者』さんはどうするんですかぁ?」

勇者「……えー、あいつらはいいよ」

僧侶「……ふふっ」

勇者「母さんに会ってそれから王様の所に報告かな……いや、先に王様のとこが良いか」

僧侶「私は勇者母さんの所でお茶飲んでるんで勇者さん王様の所行って来てくださいっ!」

勇者「一人で行かせる気かよ僧侶ぉ!? 一緒に報告行こうよー!」

僧侶「そういえば魔法使いさんのパンツ見てたってなんだったんですかぁ?」ニコッ

勇者「よし……僧侶は母さんとゆっくりお話ししててくれ。俺は一人で報告行くから」

僧侶「……うふふ」

468 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 22:55:30.30 1mQrsIIx0 340/341

勇者「あんまり素直に喜べるもんじゃないけど……でも、良かったな僧侶」

僧侶「……? 何がですか?」

勇者「その体、戻す方法が見つかって」

僧侶「……はい」

勇者「だけどその前に……俺も不死身の体になろうと思う。どうなるかわからないけどさ」

僧侶「……はい。は、えっ……ええっ!?」

勇者「驚いたか?」

僧侶「驚きますよ!!! なんでそんなこと!?」

勇者「この資料にさ、戻すのには途方もない時間をかけるかもしれないって書いてあったんだ」

僧侶「……でも」

勇者「俺は、僧侶とずっと一緒にいたい。僧侶と幸せになりたい。この研究資料使って、俺も不死身になろうと思う」

僧侶「でもっ!」

勇者「俺が言うんだからそういうことにしろ!」ビシッ!

僧侶「ふぅぁっ!? ふぁいっ!」ビクッ

勇者「はははっ! ビシッと言ってやったぞ僧侶! 絶対、一緒に楽しく生きてやるからな、俺は」

僧侶「もうっ! 勇者さんったら! ……ありがとう、ございます」

勇者「……帰ろうか」

僧侶「……はい」

469 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2013/04/15 23:12:45.83 1mQrsIIx0 341/341

…時は少し流れて…

―東の王国―

「早く起きてくださーい! 起きてー! おーきーろー!!」

「……ちょっと、あとちょっと」

「今日は王様の近衛兵面接の日ですよ! 早く起きないと遅刻しますよっ!!」

「……。……ッハアァァ!! そうだったああああああ!!」

「もうっ! 早くごはん食べて身だしなみ整えてください!」

ドタドタバタバタ!!!

「行ってきます!!!」

「行ってらっしゃーい! 面接頑張ってくださいねー!」


――
「……っく」

「……あなたは、私たちの期待に足りうる人材ですか?」

「……はい!」

「……」

勇者「期待以上の仕事を必ず約束します!」



おしまい

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