3 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:16:00.80 gSHi0Wqv0 1/276

◆◇教室◆◇

ガラガラ
「…………」

「……うわ」

「学校やめないのかな」

「あー、きもい」

「……」チラッ

「こ、こっちみたし」

「やだぁ」

元スレ
男「お、俺は幼馴染のことが好きだ!!」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1285492521/

4 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:17:01.34 gSHi0Wqv0 2/276

「……はぁ」

(寝たふりでもしておこう)

(あと二年の我慢だ)

(まぁ、二年以降生きても良いこと無いだろうけどな……)

「ほんと、気持ち悪。ね?」

幼1「……うん」

5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:18:14.91 gSHi0Wqv0 3/276

「私、危ない人むり。あーゆーのって危ない人に分類されるよね?」

幼1「あはは……」

「てかさー、辞めるように幼1から言ってみてよ?」

幼1「あ、でも…」

「……あ、そっか、話題にするのも嫌……だよね、ごめんごめん、あはは」

幼1「……うん」

6 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:19:01.08 gSHi0Wqv0 4/276

幼1「……」ぎゅっ

キーンコーンカーンコーン

「あっ、チャイム鳴っちゃったね、席に戻ろっかっ」

幼1「あの時……何で……」

「ん、どうかしたの?」

幼1「……! あ、ううんっ、何でもないよ、ごめんねっ」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:19:32.38 gSHi0Wqv0 5/276

「そう」
すたすた

幼1「……」ぎゅっ

(チャイム鳴ったみたいだな……)

(そろそろ寝たふりやめておくか)

ガラガラ
先生「よーし、みんな席につけー!」

8 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:20:08.32 gSHi0Wqv0 6/276

◇◆昼休み◇◆

「屋上! 参上!」

「あと半日! がんばるぞおおお!!」

幼2「ふふっ」

「!!」

(き、聞かれてた……。恥ずかしいな……)カァッ


9 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:21:38.84 gSHi0Wqv0 7/276

幼2「やぁ、また来てたのだな」

「幼2……。逆に同じことを言いたい」

「何でいつもここに来んの?」

幼2「私の勝手じゃないか?」

「……ま、まぁ、幼2がそれで良いなら」

10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:22:29.34 gSHi0Wqv0 8/276

幼2「私的には、君と二人で食べているところを他の人には見られたくないのだ
けどね」

「……」

「そう、かよ……」

幼2「……」ぐっ

幼2「まぁ、いい。食べようか、二人でランチを」

「ああ、うん」

11 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:23:08.42 gSHi0Wqv0 9/276

……
…………

幼2「また君はパンだったな」

「あー、まあ自分で作るのは面倒だからな……」

幼2「……」

幼2「じゃあ、夜はどうしてるんだ?」

12 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:23:55.28 gSHi0Wqv0 10/276

「夜は」

「夜は外食してるな。ファミレスとか」

「結構美味いし、種類も多いし」

幼2「そ、そうか」

幼2「ようし、久しぶりに、私が男のために晩御飯作ってあげようか?」

「幼なじみとして、か?」

幼2「それ以外に何があるのだ?」

13 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:24:38.77 gSHi0Wqv0 11/276

「いや……別に」

「でも、一人で家に来て……――もし、襲われたらどうする?」

幼2「いや、大丈夫。されたらされたときだ!」

幼2「今日は私が作る! もう決定した!」

「はいはい。よろしくお願いします」

「あー、もちろんだけど、幼2を襲ったりなんか絶対にしないから。安心しろ
……って言うまでもないよな、あはは……」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:25:33.19 gSHi0Wqv0 12/276

幼2「…………」
キーンコーンカーンコーン

幼2「予鈴か。じゃあ今日は買い物してから、家に向かうよ」

幼2「ちゃんと、家にいるんだぞ」
タッタッタッ

「……ああ」

「まだ幼なじみってことで良いんだよな……?」

「いや、まだ幼なじみ……なのか……」

「まぁ、たまには楽しみも欲しいよな」
すたすたすた

15 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:26:24.45 gSHi0Wqv0 13/276

◆◇教室◆◇

「あはは、それでね」

「いやっ、でもさー」

「うんうん」

幼1「ふふっ」

ガラガラ
「…………」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:26:56.66 gSHi0Wqv0 14/276

「うわ、入ってきたし」

「俺っちゴールドスプレー使ってんだけど!?」

「何言ってんのよ、もう、あははっ」

幼1「……」チラッ

「……」チラッ

19 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:32:06.06 gSHi0Wqv0 15/276

「……」

幼1「あ、う」

「どうしたんだ、幼1――って、男!!」

「何睨んでんだよ!?」

「てめ、こ○すぞ、コラ!?」


20 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:33:15.61 gSHi0Wqv0 16/276

幼1「もう席ついておこ」ふいっ

幼1「私は大丈夫だから……ね?」

「あ、ああ。また何かあったら俺に言えよ?」

「幼1もかわいそうだよね~、あんなキモいのに好かれちゃってさ」

「あー、ほんとに学校辞めてほしい。転校してほしいし」

21 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:35:29.03 gSHi0Wqv0 17/276

「でもコレひきとるとか転校先の学校が可哀相じゃん?」

「あんた優しいじゃん、あははっ」

ガラガラ
先生「おーし、席につけー、みんなー!」

ざわざわ

「…………」

(楽しいことなんてないな……)

(はぁ……)

22 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:36:11.32 gSHi0Wqv0 18/276

幼1「………………」

(ばーか、俺ばーか)

「はぁ」

(幼1が楽しそうにしてたら、それで良いんだ。うん、それで良い)

先生「ようし、じゃあ早速だがココを……男!」

23 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:39:55.59 gSHi0Wqv0 19/276

「!?」

先生「解いてみろ」

「それの値は(√6+√2)/4で、角は75°です」

先生「はい、じゃあ次は――」

(急に当てんなよ……。びっくりするなぁ、もう……)

「ミスればいいのに」

「ほんとにねぇ」

(こいつらガキか)


24 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:40:41.70 gSHi0Wqv0 20/276

……
…………

(終わった……一日一日が長く感じる……)

(今日は、うん、今日は幼2がくる)

「!?」

(掃除しなきゃじゃないか!!)

幼1「あー、数学がわからないよ。テストやばいかもしれない……」

25 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:42:07.44 gSHi0Wqv0 21/276

「……」

「幼1ちゃん、俺が教えてやるじゃん!!」

幼1「えっ、ほんとに?」

「うんうん! もちろんだってばよ!」

幼1「あー、でも、ごめんね。自分で頑張ってみようかな、あはは」

「……」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:46:13.01 gSHi0Wqv0 22/276

「あっはっはっ」

「振られてやがる、だっせえ、あはは」

「こ、こんにゃろ! るせーよう!!」

(前までは一番最初に俺にたよってたのになぁ)

(前って……どのくらい前だっけ……去年くらい?)


27 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:48:16.87 gSHi0Wqv0 23/276

◇◆男の家◇◆

「ただいまー」

「はい、お帰りー」

「よっと、片付けないとな」

「……せめて、リビングとキッチンぐらいわな……」

28 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:49:57.31 gSHi0Wqv0 24/276

「……ごくり」

「いや、もうこれ無理かもしれんね……」

「踏み場もないじょうたいだからな」

「はぁ。やっぱりほぼ一人暮らしはタイヘンだ……」

「よっこら、せ――」

30 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:56:20.87 gSHi0Wqv0 25/276

◆◇家の近所◆◇

幼2「♪~♪~」
すたすた

幼2「久しぶりだな、男の家に行くのは」

幼2「昔はよく3人で――」
すたすたすた

幼2「――……あっ」

31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 18:56:52.08 gSHi0Wqv0 26/276







すたすたすた
幼1「…………」

すたすた
幼1「っ!!」

34 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:06:18.29 gSHi0Wqv0 27/276

幼2「やぁ、今帰りかい?」

幼1「幼2ちゃん……」ギロッ

幼2「なぜ、君が睨むんだろうか」

幼1「――がいなかったらっ!」

幼2「っ!!」

36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:06:49.09 gSHi0Wqv0 28/276

幼2「むしろ、それを言いたいのは――」

幼2「……止めておこう」

幼2「近所の方に見られたらまずいからね」

幼1「……」

幼1「その袋……買い物?」

37 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:08:13.69 gSHi0Wqv0 29/276

幼2「これか?」ガサッ

幼2「これは晩の夕食だ」

幼1「まさか……」

幼2「……いや」フルフル

幼2「ところで、君は学校帰りみたいだけれど、遅くないか?」

幼1「それは、学校で勉強してたから……」

幼2「ふむ」

38 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:08:46.70 gSHi0Wqv0 30/276

幼2「苦手な数学か?」

幼1「……うん」

幼2「……」

幼1「ねぇ、家に帰らないの?」

幼2「君こそ先に帰れば良い」

39 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:11:41.06 gSHi0Wqv0 31/276

幼1「……それじゃあ」
すたすた
ガチャ





幼2「幼1が……わからない……」

幼2「…………」

幼2「男の家に、はやくいかないと、だな」

幼2「男……」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:12:15.52 gSHi0Wqv0 32/276

◆◇男家◆◇

幼2「おじゃまします」

「ちょっ、だめっ、勝手に入っ」

幼2「うっ……」

幼2「これは酷いな」

「みっ、みるな」

42 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:24:14.35 gSHi0Wqv0 33/276

幼2「夕食の前にしないといけないことがありそうだな、ふふっ、やれやれ」

幼2「ほら、片付け手伝うよ」

「あ、ああ。すまん」

幼2「まったく……」

「久しぶりだな、家に来たの」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:24:49.60 gSHi0Wqv0 34/276

幼2「ん? 何か言ったか?」

「いや、何も。それとってくれ」

幼2「はい」

「ありがとう」

幼2「…………」





幼2「…………ああ、久しぶりだな。ふふっ」


44 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:26:55.31 gSHi0Wqv0 35/276

……
…………

「ふぅ」

「助かった、ありがとう」

幼2「本当やれやれ、だ」

幼2「日頃からやってないからこんなことになったんだ」

「……返す言葉もありません。すみません」


45 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 19:27:26.16 gSHi0Wqv0 36/276

幼2「ふふっ」

幼2「今からじゃあ、遅くなるけど、晩御飯つくるよ」

「ありがとう。何から何まで、ありがとう」

幼2「それは575?」

「あはは」

(今日は楽しいなぁ)

(久しぶりの一人じゃない晩御飯だ)


52 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:16:05.32 gSHi0Wqv0 37/276

……
…………

「ふぅ……」

「やっぱり、美味しかったよ」

幼2「ふふっ、やっぱりとは」

「ごちそうさま」

幼2「お粗末さま」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:16:35.94 gSHi0Wqv0 38/276

幼2「……」

「……?」

幼2「あのさ、男」

「んん、どうした?」

幼2「やっぱり男は、まだ……」


54 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:19:00.15 gSHi0Wqv0 39/276

幼2「いや、なんでもない」

「ちょっ、言いかけてやめんなよ。気になるってば」

幼2「ふふっ、絶対何も言わないよ」

「そーかよ……」

幼2「さて帰ろうかな」

「あ、おくってくよ。っても家は直ぐそばだけどな」

55 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:19:30.99 gSHi0Wqv0 40/276

幼2「いや、いらないよ」

幼2「二人でいるところを近所で見られたら、付き合ってるって誤解されてしま
うかもだからね」

幼2「ただでさえ、君の家を出入りしているのに……余計に酷くなる」

幼2「一人で大丈夫さ」

「ああ……そうか、気をつけてな」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:20:15.12 gSHi0Wqv0 41/276

幼2「あ、でも気持ちはありがたいよ」
すたすた

「うん」

幼2「お邪魔しました」
すたすたすた
ガチャ


「……」

「…………はぁ」

57 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:20:45.99 gSHi0Wqv0 42/276

◆◇学校◆◇

「……」

(またイヤな朝が始まる……)

「はぁ」
ガラガラ

「…………」

「…………ふふっ」
「クスクスクスクス」

58 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:21:18.54 gSHi0Wqv0 43/276

「クスクスクスクス」

「……?」

ガタッ
「っ!!」

(うわ……今日は机に落書きですか)

(毎度毎度、暇なんだな……)

59 : 伏線回収、もうちょっと先かな[] - 2010/09/26 20:25:03.65 gSHi0Wqv0 44/276

「ほらっ、みてよ幼1ちゃん」ニヤニヤ

幼1「…………あ、はは」

「あははっ」

「……」チラッ

幼1「……」

60 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:25:50.91 gSHi0Wqv0 45/276

(……幼1……)

(……はぁ)

(まぁ、仕方ない、よな)

(ていうか雑巾でとれんのかな? 確か外だよなー……)
すたすた

「あははっ」

「くすくすくす」

61 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:27:59.22 gSHi0Wqv0 46/276

幼1「…………」ぎゅっ

「あ、そだそだ、今日の英語大丈夫?」

「あ、やばい……。当たりそうなんだよねー」

「私もやろっと」

「そだ、幼1……幼1?」

幼1「…………」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:28:38.39 gSHi0Wqv0 47/276

幼1「…………」

「どうしたの?」

幼1「えっ、あっ、ううん!」

幼1「何でもないよ!」

「えー、へんなのー」

…………
……

64 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:51:39.24 gSHi0Wqv0 48/276

先生「こないだの模試の成績返すぞー」

ざわざわ

「私絶対やばいんだけど」

「いやもう模試とかうけたこと忘れてたわ、あはは」


「………」

先生「つぎ、男~」

65 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:52:19.24 gSHi0Wqv0 49/276

ガタッ
「……はい」

先生「ん、さすがだな」

「……」
すたすた

(合格判定は…………A!?)

(よし! これで……うん、これで……)

66 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:52:52.66 gSHi0Wqv0 50/276

幼1「わぁ、どうしよう……判定やばよぅ! C判……」

「えっ、偏差値いいじゃんっ」

「わっ、幼1ちゃん凄い大学志望するんだね~」

「ここは難しいよ、うん」

「頑張れ、頑張れ!」

67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:54:05.25 gSHi0Wqv0 51/276

◆◇屋上◆◇

「……ふぅ」

「この調子でいけば、いけるかも……だな」

「よしっ、頑張ろ!!」

ガチャ
幼2「ふふっ、何だか気合い入れてる見たいだけど」

「!!」

(き、聞かれてた……。恥ずかしいな……)カァッ



69 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:55:18.09 gSHi0Wqv0 52/276

幼2「どうかしたのかい?」

「やっぱり、今日も来たのか」

「もしかしてクラスに友達いない?」

幼2「ふふっ、君ではあるまいし」

「笑えない……」

70 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:55:49.05 gSHi0Wqv0 53/276

「じゃあ、何できたんだよ」

幼2「君がここから飛び降り自殺とかしないように見張るためだよ」

「へいへい」

幼2「ふふっ」

幼2「隣、いいかい?」

「ああ」
さっさっ

71 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:56:19.71 gSHi0Wqv0 54/276

「ここに座れよ」

すたっ
幼2「さっきは何を喜んでいたんだい?」

「えっ、あー、模試の結果」

幼2「ん、模試の結果で一喜一憂していてはダメだな」

幼2「どんと構えてないとね」

74 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:57:46.79 gSHi0Wqv0 55/276

「えらそうに……」

幼2「あははっ、私は偉いんだよ」

幼2「男……志望は――」

「うん、もちろん変えてない。模試にも第一志望しか書いてない」

幼2「そうか」

76 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 20:59:47.86 gSHi0Wqv0 56/276

幼2「まぁ、受験までこのまま勉強続けられると良いのだけどね、ふふっ」

「ああ、頑張るよ」

幼2「ん、ではそろそろ、昼食にしよう」

幼2「ふむ、喋り過ぎたようだ。時間がない」

「あー、ほんとだな」

幼2「いただきます」

「いただきますっ」

77 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 21:00:36.06 gSHi0Wqv0 57/276

「……」
もぐもぐ

幼2「ふふふっ」

「どうしたんだ?」

幼2「いや、何でもないよ。ふふっ」

「んー、ならいいけど」
もぐもぐ

78 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 21:01:57.87 gSHi0Wqv0 58/276

「あ、そうそう」

「なぁ、今日は――」

幼2「今日も晩御飯を作ってほしい……とかかな?」

「えっ、うん」

「もしよかったらお願いしたいんだけど……」

幼2「……」


79 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 21:04:04.05 gSHi0Wqv0 59/276

幼2「うーん」

幼2「ただの友達なのに、連日お邪魔するのはおかしいと思うのだけれど」

「……そ、そうか」

幼2「食べ終えたし、次の授業が移動教室だし」

幼2「うん、もう行くね」

「おう」

幼2「……」
すたすたすた

(あーっ、もうっ、くそ)

(俺のバーカバーカ)

90 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:03:37.96 gSHi0Wqv0 60/276

◆◇教室◆◇

「でね、二人でいたんだよっ」

「えっ、嘘!」

「わわっ、それって危ないんじゃあ……」

(なんか女子たち盛り上がっているな)
すたすた

「…………ふぅ」

(とりあえず、今日はもう残りの時間が少ない)

(がんばろう)

…………
……

91 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:04:08.69 gSHi0Wqv0 61/276

◆◇学校◆◇

「…………」

(よし、帰るか)

「おい、キモ男、お前教室掃除だろ、今日。帰んのかよ?」

「あ、すまん、忘れてた」

「ったく」

92 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:05:38.40 gSHi0Wqv0 62/276

「まぁいい、あとは全部まかせたわ!」

(こいつら……。箒出すだけ出して放置して帰るとか……)

(まぁ、仕方ないよな。一人でやるか)
サッサッ

(とりあえず、この箒を片付けないとだな)
サッサッ

「つか教室汚いな……これはヒドイ」

「いっっちょがんばりますか!」

93 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:07:13.40 gSHi0Wqv0 63/276

「~♪」

「むしろ一人のが掃除やりやすいしな!」
サッサッ

「ふんふんふん~♪」
サッサッサ

「次はこれを――」





ガラガラ
幼1「……」

94 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:08:22.59 gSHi0Wqv0 64/276

「……あ」

幼1「っ!!」

(うわぁ……きまずいな……)

「よお……」

幼1「う……うん」

「忘れ物?」

95 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:09:24.03 gSHi0Wqv0 65/276

幼1「えっ、べ、別にっ、違うもんっ」
スタスタッ

「……」

幼1「……」





「ふふっ」

幼1「うっ、笑わないでよお!」

「いや、あはは、すまん」

幼1「うー……」

「やっぱり幼1は変わってないよな」

96 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:11:09.95 gSHi0Wqv0 66/276

幼1「誰も変わってないよ。関係がかわっただけ」

「……」

「そっか」

幼1「……」

「話し掛けてごめん」

幼1「……ううん」

ガラガラ
「あっ、幼1! 待ってたん――」


98 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:12:30.74 gSHi0Wqv0 67/276

「――!?」

「ちょっと、幼1!! 大丈夫!? 何もされなかった!?」

幼1「えっ、あっ、うん」

幼1「大丈夫だ、よ、ほんとに」

「そう……」



「キモ男!!」ギロッ

「幼1に近づかないってことになってたんじゃないの!?」

99 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:14:02.31 gSHi0Wqv0 68/276

「ねぇ、先生を呼んできて、先生を!」

「う、うん、わかった!」

(あー……くそっ)

(ついてねぇな……。はぁ)

幼1「や、やめて!!」

「!?」

幼1「大丈夫だから!!」


100 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:15:30.92 gSHi0Wqv0 69/276

「えっ……幼1ちゃん?」

「ほんとに大丈夫なの?」

幼1「うん、ありがとう。ほんとに大丈夫」

幼1「あと今日のことは忘れて欲しいな」

「……」

「ま、まぁ……幼1が言うなら……」

「だよね……」

101 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:16:43.98 gSHi0Wqv0 70/276

幼1「ふふっ」ニコッ

「……ありがとう」ボソッ

「もう忘れ物はとったよね?」

「よし、帰ろう帰ろう!」

幼1「うんっ」
すたすた

ガラガラ






「…………」

103 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:19:36.03 gSHi0Wqv0 71/276

「ふぅ…………」

「たすかったけど」

「やっぱり今日のこれはマズイな」

「俺がもっと幼1を『避け』ないと、だな……」

「とりあえず、掃除しよ」


「――大丈夫♪」
「たまの失敗はスパイスかもね~♪」

104 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:21:34.57 gSHi0Wqv0 72/276

◆◇家の近所◆◇

幼2「……いや、うん。やっぱり……ふむ」

幼2「やっぱり、男にもああ強く言ってしまったし……」

幼2「今日は止めるべきなのだろうか……」



すたすた
幼1「あ」

幼2「っ!?」

108 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:25:00.41 gSHi0Wqv0 73/276

幼1「また会ったね」

幼2「そうだな」

幼2「今日も居残り勉強だったのかい?」

幼1「…………う、うん。まぁそんなところ、かな」

幼2「ん?」

幼1「そ、そんなことより、何であなたはそこにいるの?」

109 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 22:26:42.16 gSHi0Wqv0 74/276

幼1「男くんに用事でもあるの? それともおじさん?」

幼2「あ、いや。表札を見ていただけだよ」

幼1「あ、男くんならまだ帰ってないよ」

幼2「表札見ていただけだから、彼が中に居るかどうかなんて私には関係ないね」

幼1「ふーん」

幼1「……そう」

118 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:10:23.83 gSHi0Wqv0 75/276

幼2「…………」

幼1「今日久しぶりに男くんと話したよ」




幼2「えっ……幼2っ!! 君はっ!!」ギロッ

幼1「どうして幼2ちゃんが睨むの?」

幼1「いつも男くんのこと何でもないっていってるのにさっ!!」

119 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:10:55.64 gSHi0Wqv0 76/276

幼2「それはっ、私が彼の友人だからっ!」

幼2「君と彼が話するのは彼にとってツライと思ったからなん――」

幼1「っ!! 何も知らないのにっ、勝手に決めないでよっ!!!」

幼2「……っ」

幼1「こんなんだから、昔から幼2ちゃん嫌いだったの!!」
すたすたすた

120 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:11:26.64 gSHi0Wqv0 77/276

幼2「ふー」

幼2「嫌われていたのか……」
すたすた

幼2「ほんとうに私らしくないな。近所だと忘れて声を荒げるなんて」
すたすた

幼2「しかも内容がコレ、だからね……」

幼2「今日は男にも会いたくないな。もう帰ろう」
すたすた


121 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:11:59.85 gSHi0Wqv0 78/276

幼1『何も知らないのにっ、勝手に決めないでよっ!!!』

幼2「私が知らないことがあるのか……?」

幼2「ふぅ」

幼2「全く見当もつかないのだけれど」

幼2「やはり、私は蚊帳の外なわけだな……」


123 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:28:25.92 gSHi0Wqv0 79/276

1部完(笑)

125 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:29:45.72 gSHi0Wqv0 80/276

――――――1年前――――――

◆◇男家◆◇

ピーンポーン
「…………ぐうぐう」

ピーンポーン
「……んにゃ……すやすや」

……タッタッタッ

ガチャ
幼1「男くんっ!」

幼1「起きてよー! 朝だよ!」

126 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:30:34.48 gSHi0Wqv0 81/276

幼1「はやく支度して!」

「んー……んん?」

「あー、もうちょっと寝かせてほし……ぐぅ」

幼1「男くん!!」

どんっ
「!?」

127 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:31:05.93 gSHi0Wqv0 82/276

幼1「お、き、た?」

「お、おきました、はい」ブルブル

幼1「よろしい。じゃ、はやくご飯食べて、一緒にいこ?」

「はい」

…………
……

128 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:31:36.70 gSHi0Wqv0 83/276

「えと……」

幼1「んー? 何、男くん?」ニコニコ

「うん、コレはいったいな」

幼1「パンだよっ」

「ぱ、パン……?」

131 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:58:23.17 gSHi0Wqv0 84/276

幼1「うん! トーストだよ」

幼1「ほらほら、はやく食べて、食べて!」

「い、いただきます……」

もぐもぐ

(ま、まず……うぇ)

132 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/26 23:59:57.91 gSHi0Wqv0 85/276

「お……おいしい……なぁ……」

幼1「えへへ」ニコニコ

「ごぢぞま」

幼1「はい、じゃあ行きま――」

幼1「だめっ!! 男くんっ!」

133 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:01:17.41 mMJtJhFj0 86/276

「!?」

幼1「髪の毛はねてるよっ、ほらじっとしてて」

さっさっ
幼1「よしっ、これでいい」

幼1「さぁ行こう!」

「行ってきます……」


134 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:01:47.96 mMJtJhFj0 87/276

ガチャッ

幼2「やあ。おはよう」

幼1「おはよ」

「おう、おはよー、幼2」

幼2「ふふふっ、男、君はとても可愛いヘアピンをつけているのだね、ふふふっ


幼1「でしょ、でしょ、あはっ」ニコニコ

135 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:05:20.17 mMJtJhFj0 88/276

幼1「似合ってるよね、ねっ?」

幼1「私は可愛いと思うな、うん。可愛いっ」

幼2「ふふふっ、いや、何だろう……」

幼2「正直、気持ちわるいと感じてしまうのだけれど、ふふ」

「ガーン!!」

幼2「ふふふっ」

136 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:05:50.85 mMJtJhFj0 89/276

幼1「ええー? そうかなぁ。私は良いとおもうけ――」

「っ!」
バッ

「えっ、やっぱ、へんなの付けてたのかよ!?」

幼1「あーっ!!」

幼1「外しちゃったーっ!!」

137 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:08:23.71 mMJtJhFj0 90/276

「これは流石に……。男である男にはキツイわ……」

幼1「ええー……。似合ってたのに」

幼1「幼2ちゃんのせいだからねっ」

幼2「ふふっ、すまない。正直者なせいで、くくっ」

幼1「ほんとだよ」

138 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:11:11.45 mMJtJhFj0 91/276

「幼1、おいで」

幼1「はいっ!」

幼2「ふふっ、わんこのようだね、幼1は」

「目をつぶって、じっとしとけよ」

幼1「ん……」ドキドキ






「でこぴーん」
ペチッ

139 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:12:03.48 mMJtJhFj0 92/276

幼1「あぶっ」

「ばーか」ニヤニヤ

幼1「もう! 男くん!?」


幼2「……」

幼2「やれやれ、見てられない。私は先に行くよ」ふいっ
すたすたすた

「ちょっ、待てよ」
すたすた




幼1「…………」

140 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:16:02.20 mMJtJhFj0 93/276

◆◇廊下◆◇

「よし、じゃあな」

幼1「じゃあね!」

幼2「ああ」

「行くか」
すたすた

幼1「うんっ♪」
タッタッタッ

141 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:16:33.31 mMJtJhFj0 94/276

◆◇教室◆◇

「はよー」

幼1「おはよっ」

「うーっす」

「おはよー」

ガタッ
「あ、そうだ。幼1はちゃんと数学やってきたか?」

幼1「……えっ?」

「……えっ?」

142 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:17:05.91 mMJtJhFj0 95/276

幼1「男くん……教えてくださぃぃ……」

「はー、しゃあないなー。ほら、ノート開けろよ」

幼1「わっ、ありがとうっ、男くん」

「えっと、ここはな――」

幼1「えへへ」

143 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:18:21.48 mMJtJhFj0 96/276

「おい、こら」
コツン

幼1「イタッ」

「きいとんのか?」

幼1「あ、はい、すみません」

「続きだけど。ここは――」


…………
……

144 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:18:54.38 mMJtJhFj0 97/276

「昼休みだー、はぁ長かったー」

幼1「ご飯いっしょにたべよーっ」

「ああ、いいよ」

幼1「あ、あのね。私たちもうだいぶ一緒にいたよね」

「えっ? あ、うん?」

145 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:19:25.52 mMJtJhFj0 98/276

幼1「それでね、今日、大切な話があるんだけど」

幼1「放課後、ちょっと教室に残っててくれない、かなぁ?」ドキドキ

「んー? うん、わかった」

幼1「えへへ、お願いします」

「……ああ」

147 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 00:22:28.53 mMJtJhFj0 99/276

第2部の
    終
    わ
    り
   (笑)

190 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:33:36.26 mMJtJhFj0 100/276

「おまたせ……」

幼1「ううん、全然まってないよ!」

192 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:34:50.51 mMJtJhFj0 101/276

……
…………


「おまたせ……」

幼1「ううん、全然まってないよ!」

「話ってなに?」

幼1「え、えっとね」

幼1「その」

「ん?」

193 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:39:08.30 mMJtJhFj0 102/276

幼1「朝にもはなしたけど、私たち付き合いながいよね?」

「ん、ああ」

幼1「むかしのこと、覚えてる?」

「え……? む、昔?」


幼馴染『○○大学に入って学生結婚しよう!』

『大がく? 結婚?』

幼馴染『ああ、そうだ。結婚だ』


194 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:41:17.75 mMJtJhFj0 103/276

「えっと、昔のことは昔のこと、だろ?」

「あはは、あのときは子供だったんだし、別に――」

幼1「!!」




幼1「だ、だけどっ!!」

幼1「今でもそう思ってたらだめなのっ!!?」

195 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:43:45.13 mMJtJhFj0 104/276

「いや、別に……その、ごめん……」

幼1「もう、いい」

幼1「じゃあ、約束なんて抜きにして、改めて」

「え……」

幼1「あのね」







幼1「わ、私は幼馴染の男くんのことがすきなの!!」

196 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:46:00.11 mMJtJhFj0 105/276

「っ!!?」

「そ、それは……えっ……」

「じょ、じょうだんだろ?」

幼1「冗談じゃない!!」

幼1「私が好きでもない人の家に『幼馴染』って理由だけで」

幼1「男くんを起こしたり、ご飯作ったりすると思うの!?」

197 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:48:12.11 mMJtJhFj0 106/276

幼1「そんなのがあるわけないじゃん!」

「……幼1」

幼1「ずっと、高校生になったら付き合ってくれるって約束してたじゃん!」

「約束って……」

幼1「ひどいよ……」

「ごめん」

幼1「……」

198 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 18:50:01.22 mMJtJhFj0 107/276

「幼1はずっと……待っててくれたのか」

幼1「当然だよっ!」

「幼1……」

幼1「何度でも言うよ!」

幼1「男くんだいすき!! 大好きなのっ!!」

200 : yes kako dayo[] - 2010/09/27 19:04:54.64 mMJtJhFj0 108/276

「幼1……」

幼1「お願い、男くんも私を好きだって言って……?」

「……」

幼1「男くん」

「幼1のことは好きだけど、それは――」




幼1「もういいっ!!!!」

202 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 19:07:43.27 mMJtJhFj0 109/276

幼1「ほら、男くん、見て……?」
ガバッ

「ちょっ、幼1、なにしてっ!」

幼1「ちいさいころとは、もう全然ちがうでしょ? ふふふ」

幼1「おっぱい、幼2ちゃんよりおっきいんだよ」
むにゅん

「やめろよ、そんな……」ドキドキ

203 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 19:09:55.66 mMJtJhFj0 110/276

幼1「ほら、男くん、手をだしてよ」

「えっと……ダメだって……」

幼1「出してよ!!!」

「っ!!」ビクッ


幼1「ふふふっ、ね? 柔らかいよね?」

「あ、ああ……」

206 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 19:18:43.02 mMJtJhFj0 111/276

幼1「ココもね、私、いつも夜な夜な男君のこと考えて、いじってるんだ」

幼1「えへへ、変態さんでごめんね」

「……」

「やっぱり、こういうのは、止め――」






先生「お前ら、何をしているんだっ!!!!」

209 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 19:21:54.20 mMJtJhFj0 112/276

「!?」

幼1「キャッ!!」
ガバッ

「早く服着て……」ボソッ

(あー、やばい。どうしよう)

先生「お前ら!!! 不純異性交遊は停学になるってしってるだろう!?」

(幼1は守りたい……)

先生「何を考えてるんだ!!」

234 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:38:06.36 mMJtJhFj0 113/276

先生「どういうことなんだ!! 言いなさい!!」

「あー……」

幼1「……」

「……」

先生「停学に――」








「っち、ばれちまったなぁ……」

先生「!!」

236 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:40:53.71 mMJtJhFj0 114/276

先生「バレタ、とはどういうことなんだ?」

「そのまんまですよ、はぁ」

幼1「え……」

「俺が」

「俺が告白しても、なかなか良い返事を寄越さない幼1に我慢ができなくなって」

「無理やり犯して」

「自分のもんにしようとしたんですけどね、はぁ」

237 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:43:21.95 mMJtJhFj0 115/276

幼1「えっ、男く――」

(お前、なんも言うんじゃねえぞ?)

(功利主義的にこっちのほうが良いんだよ)

ぎゅっ
「……」ギロッ

幼1「ひっ」びくっ

先生「こら!! 目の前で乱暴をするんじゃない!!」

238 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:46:17.33 mMJtJhFj0 116/276

「あ、すみません」

幼1「……」

先生「おい、男。今ので事情説明は終わりなのか?」

「はい、以上です」

「あ、大丈夫です。どんな罰でも、すべて受けるつもりです」

239 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:50:14.98 mMJtJhFj0 117/276

先生「はぁ」

先生「この学校でも、かなり優秀な方なお前が……」

先生「なんでこんなバカなことを……ハァ」

「今思えば、本当にバカですよね」

幼1「……」

先生「とりあえず、幼1は帰ってくれるか。後で男と教頭で家に伺う」

幼1「……」こくん

241 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:57:32.39 mMJtJhFj0 118/276

◆◇教室◆◇

ガラガラ
「……」

(成績優秀で、授業態度や生活態度も良い)

(反省の色を見せたこと、学校も大ごとにしたくなかったこと)

(なにより、強姦された相手方が退学をさせないことを願ったこと)

(これで停学ですんだけど……)

黒板
『マジ○チ強姦魔の復活!? まじ死○よ!』

「まぁ、とうぜんか……」

242 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/27 23:59:08.35 mMJtJhFj0 119/276

――――――1年前終わり――――――

243 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:00:17.88 P/nm0LYx0 120/276

第3部の
    始
    ま
    り
   (笑)

246 : 1です。遅筆さーせん[] - 2010/09/28 00:05:09.37 P/nm0LYx0 121/276

――――――現在――――――
◆◇教室◆◇

ガラガラ
「……」

幼1「あ」

「……」
すたすた

幼1「……」チラッ

(昨日ちょっと話したからかな)

(幼1、こっち見てる……)

247 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:08:16.12 P/nm0LYx0 122/276

「ねぇねぇ、幼1ちゃーん」

幼1「うん? 何?」

「あのね、昨日のテレビでさ」

幼1「うんうん」

幼1「……」チラッ

「……」





(おい、こっちみんな)

252 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:22:09.68 P/nm0LYx0 123/276

◆◇屋上◆◇

「ふーっ」

「あいつ俺のことみすぎだっつーの」

「やっぱり、停学後くらいに明らかに避けないと、だな」

「まぁでもアレは幼1を酷く傷つけてしまうことになるからなぁ」

「はぁ」

「ごめんねさまああああああああああぁぁ!!」


幼2「酷く乱心しているようだね、ふふっ」

253 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:24:27.14 P/nm0LYx0 124/276

「また来たのか」

「もう日課になってきてるよな」

幼2「ふふっ、そうだね」

幼2「他の生徒たちにヘンに誤解されなければ良いのだけれど」

「……」

「そ、そーかよ……」

254 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:28:36.88 P/nm0LYx0 125/276

「また手の込んだ昼ごはんだな」

「見られるのは俺だけなんだし、もっとテキトーでもいいじゃん」

「なんでそんななんだ?」

幼2「そりゃあ、結婚したときのた――」

「ぷっ」

幼2「あー」かぁっ

幼2「あはは、いや何でもないよ」

255 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:31:11.32 P/nm0LYx0 126/276

幼2「で、でも笑うようなことではないと思うのだけれど?」

「あははっ、すまん」

幼2「謝罪できてない」

「ごめんって、あはは」

「幼2が結婚の話をするとは思わなかったからさ」

幼2「……」

256 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:33:08.38 P/nm0LYx0 127/276

幼2「君は、もしかして――」

「ん?」

幼2「いや、なんでもない」

幼2「今日はここまでにするか」

幼2「それじゃあ」
すたすた

「お、おい」


257 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:35:11.14 P/nm0LYx0 128/276

「どうしたんだよ、急に……」

幼2「……」

「……幼2?」

幼2「なんでもないよ」

「本当に?」

幼2「ああ、本当に」にこ




ガチャッ
幼2「ばーか」ぼそっ

259 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:36:40.44 P/nm0LYx0 129/276

DAIGO部
     お
     わ
     り

265 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:47:49.65 P/nm0LYx0 130/276

幼2「怒ってて、男に昨日の幼1との会話について訊くのをわすれていたな」

幼2「はぁ、どうも最近ついてないようだ……」







「……うん」

「あれは明らかに怒っていたな」

「笑顔なのに目が笑ってなかったもんな」

267 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:51:00.19 P/nm0LYx0 131/276

◆◇職員室◆◇

「……」

先生「じゃあ、この資料をよろしくな!」

「……」ギロッ

「……」じー

(他の先生たちの視線がいたいぜ!)

(今日は家に帰りたいけど)

「わかりました」

269 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 00:54:11.44 P/nm0LYx0 132/276

「失礼しました……」
ガラガラ


「あのクソ担任……」

「はぁ」
すたすた





幼1「あ……男くん、やっぱりまだ帰ってなかったんだ……」

271 : 何故かさるった。[] - 2010/09/28 01:00:12.91 P/nm0LYx0 133/276

◆◇教室◆◇

「今日も居残り、あーもーやだやだ」

「さっさと終わらせるか! よしっ!」





ガラガラ
幼1「……」

「…………」

(幼1……また来ちゃったのか)

322 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:24:48.14 P/nm0LYx0 134/276

「……」

幼1「ね、ねぇ男くん」

「……」
せっせっ

幼1「まだ残ってたんだね」

「……」
パチンパチン

幼1「……」

323 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:25:23.22 P/nm0LYx0 135/276

幼1「あっ、そうだ」

幼1「こないだの模試、どうだったの?」

「……」

幼1「私は悪かったんだよねー」

幼1「男くんは賢いからやっぱり、判定良かった?」



「……」
さっさっ

324 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:26:27.30 P/nm0LYx0 136/276

「……」

幼1「……」


……
…………

『みんな無事○○高校行けて良かった、良かった!』

幼2『ふふっ、本当だね』

幼1『ねね、男くん、大学は何処にいくの?』




325 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:27:29.53 P/nm0LYx0 137/276

幼1『また大学も一緒がいいなー』

『高校入学式すらまだなのに』

『気が早いな、幼1』

幼2『そうだね』



『俺は○○大学かな。あそこならエリートになれるからな!』

幼2『○○大学……ふふっ』


326 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:29:00.87 P/nm0LYx0 138/276

『……?』

幼2『私もそこへ行くつもりなんだ』

幼1『ええっ!? 幼2ちゃんも!?』

幼1『でも、そこは難しいよう……』

幼2『ふふっ、大丈夫さ。また男と私が勉強を教えてあげるよ』

幼1『ありがとーっ!』

328 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:29:43.00 P/nm0LYx0 139/276

……
…………

「……」

(懐かしいな)

幼1「……」

幼1「ね、男くん?」

「……」

幼1「やっぱり、まだ怒ってるんだね……」

331 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:30:43.76 P/nm0LYx0 140/276

「……」

幼1「……っ」

(もう……あとちょっとの我慢だ)

(そうしたら、みんなで大学に行って)

(みんなで勉強して、ご飯食べて)

(皆で――)





幼1「男くん!」




332 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:31:16.99 P/nm0LYx0 141/276

幼1「私の考えなしのせいで」

幼1「こんな風になって、本当ごめんね」


「……」

(もう何回謝るんだよ、昔のことを)

(許すもなにも、怒ってすらないのに)

(ああん! もう!)

333 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 18:32:30.75 P/nm0LYx0 142/276

幼1「じゃあ、私、もう行くね」

幼1「お仕事がんばってね」

幼1「……ば、ばいばい……」
ガラガラ



「……」
すっすっ

「今日も放課後遅くなりそうだ」

「……はぁ」

336 : あれれ、さるったよ。[] - 2010/09/28 19:01:01.63 P/nm0LYx0 143/276

「……」

(大丈夫だ。大丈夫)

(今回もこうやって無視し続けたら、また幼1が俺に話し掛けることもなくなる)

「……」

「でも、きついんだよなぁ、これが!」

(アイツももちろんだけど)




(俺もキツイ……)

337 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:01:35.17 P/nm0LYx0 144/276

◆◇家の近所◆◇

幼1「……」
すたすた

幼1「男くん……はぁ」
すたすた

幼1「あ」



幼2「……」
すたすた

339 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:05:20.91 P/nm0LYx0 145/276

幼2「……はぁ」
すたすた

幼2「あ、幼1」

幼2「やぁ」



幼1「……」

幼2「今日はいつもより元気がないようだけれど」

340 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:05:51.90 P/nm0LYx0 146/276

幼2「どうかしたのかい?」

幼1「幼2ちゃんには関係ない」

幼1「ほっといてよ」



幼2「ああ、そうかい」

幼1「……うん」


342 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:07:28.03 P/nm0LYx0 147/276

幼2「……」

幼1「そういう幼2ちゃんも何か落ちこんでるの?」

幼2「ああ、ちょっとね」



幼1「ま、どーでもいいけど」

幼2「……」

343 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:08:56.29 P/nm0LYx0 148/276

幼1「……」じー

幼2「……ん?」

幼1(相変わらず美人だな)

幼1(努力とか何もしてなさそうなのに)

幼1(長い黒髪だって凄いツヤがあるし……)

幼1(うらやましい)

幼1(本当に……ズルイ)

344 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:10:59.79 P/nm0LYx0 149/276

幼1「……」

幼2「……」じー

幼2(女の子らしいな)

幼2(幼1は可愛らしい感じだ。私にはこんな可愛さない)

幼2(こういうのが男は好きなのか)





幼2(うらやましいな……)

345 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:11:39.70 P/nm0LYx0 150/276

幼1(ていうか、幼2ちゃんに会わないように時間ずらしたのに)

幼2(それより)

幼2(彼女に会うのは気まずいから、会わないように時間をずらしたんだけどな)

幼1「……はぁ」

幼2「……」





幼1(何であっちゃうんだろ)

幼2(なぜ、また会ってしまうんだろうか)

348 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:37:10.66 P/nm0LYx0 151/276

幼1「じゃあ」

幼2「ああ」

幼2「あっ、幼1!」

幼1「……何?」

幼2「あー」

幼2「すまない。やっぱり何でもないよ」

幼1「あっそ」


349 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 19:38:00.51 P/nm0LYx0 152/276

幼2「私の知らないことって何なんだ?」

幼2「男にも聞けない」

幼2「幼1にも聞けない」

幼2「私はやっぱり蚊帳の外だもんな……」

幼2「はぁ」

360 : arbeitおわた[] - 2010/09/28 22:07:42.23 P/nm0LYx0 153/276

◆◇教室◆◇

(今日の幼2はどうだろうか)

(やっぱり、今日も……?)

(ふぅ、とりあえず入るか)

ガラガラ
「…………」

361 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:08:17.89 P/nm0LYx0 154/276

「また最悪な朝を迎えましたー」

「きゃいんっ! 今日は俺っちが侵されるぅ!?」

「あはははっ、やべぇよ、あははははっ」


「……」

(こいつら本当にバカだよな……)

367 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:27:51.97 P/nm0LYx0 155/276

幼1「それでね、テレビでは――」

(今日は大丈夫そうだな、うんうん)

「……」

(これで、また元通りだ……)

幼1「…………」



368 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:28:25.15 P/nm0LYx0 156/276

◆◇屋上◆◇

「あーっ」

「なんかせつねぇぇええ!!」

「俺から無視したけど」

「昔のことを思い出してしまったしなぁ」

「やっぱり、せつねぇぇええ!!」

369 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:28:57.75 P/nm0LYx0 157/276

幼2「私のことも……思い出してほしいものだね」ボソッ







幼2「やぁ、男、今日も元気だね」

「!!」


「お、おう、幼2」

371 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:33:49.95 P/nm0LYx0 158/276

「いつも後ろから急に声かけてくるけど」

「びっくりするからやめてくれ」

幼2「ふふっ、君が驚いている姿を見るのが好きだから」

幼2「それは遠慮ねがいたいね」

「趣味悪いぞ、おい」

幼2「そうかも知れないね」

372 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:36:52.37 P/nm0LYx0 159/276

「ま、飯でも食べようか?」

幼2「そうだね」


……
…………

「ふぅ」

幼2「……」

幼2「あのさ、男」

373 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:38:40.39 P/nm0LYx0 160/276

幼2「君に尋ねたいことがあるのだけれど……」

「……?」

「何? 答えられるものなら、何でもこい」

幼2「ふふっ、頼もしい」

幼2「……」

幼2「じゃあ聞くね」

375 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:40:39.43 P/nm0LYx0 161/276

幼2「幼1から先日、聞いたのだけれど――」

「よぅし、5時間目の用意するかなーっ!」

幼2「……う」

幼2「男……?」じーっ

「……あはは」

(ジト目で見んなよ)

376 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:44:43.55 P/nm0LYx0 162/276

幼2「……じゃあ、こうしよう」

幼2「私が知っている、君達の関係を聞いててくれ」

「いや、5時間目の用意を――」

幼2「男っ!」

「っ」

幼2「私も辛いんだ……」うるっ

381 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 22:59:41.59 P/nm0LYx0 163/276

幼2「お願いだから……」

幼2「私のわがままを聞いてほしいっ」うるうる

「……っ」

「うん、わかった」

「幼2が思うことを話してよ」

幼2「ああ」

幼2「君達の噂を聞いて、私は――――」

384 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 23:01:04.24 P/nm0LYx0 164/276

第六の章
     お
     わ
     り

393 : あああああああああああああ進まん... - 2010/09/28 23:52:47.59 P/nm0LYx0 165/276

――――――1年前――――――

◆◇教室◆◇

幼2「え、男が……停学になった……だって?」

「うん、そうなんだ」

幼2「理由を聞いてもいいかな?」

「えっとね、噂では」






「男くんが、幼1ちゃんに振られた腹いせに」

「レイプをしようとしたんだってさ」

394 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 23:54:38.18 P/nm0LYx0 166/276

幼2「そ、そんなの」

幼2「嘘……だよね?」

「どうやら、ほんとらしいよ」

「校長室で話してるのを聞いたって、3組の――」



幼2(なんで……)

幼2(なんで……なんで……)


395 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/28 23:57:40.94 P/nm0LYx0 167/276

幼2「……」

幼2「男は――」

幼2「男は、幼1のことが好きだった……?」

「ショックだよね~」

「幼馴染だもんね」

「その幼馴染のことを悪く言うようで申し訳ないけど」

「私、男くんはサイテー人間だと思う……」

幼2(男……幼1……)

397 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 00:01:41.86 KHjyQsb00 168/276

幼2「ちょっと、ごめん……」

幼2(幼1が男の好きだと私は思っていた)

幼2(彼女が起こす行動を客観的にみると、男のことが好き以外かんがえられない)

幼2(それなのに……)

幼2「なんで、幼1は男をふった?」

幼2「あの男がなぜ……幼1を襲おうとしたんだ……?」

399 : 明日、もしかしたら大学で書くかも... - 2010/09/29 00:10:00.06 KHjyQsb00 169/276

ガラガラッ
幼2「幼1!」

幼1「……」


「よっぽど怖かったんだね……」

「幼1ちゃん……」

「話しかけても、全然いつもとちがうもん」

「あの犯罪者が、なんで停学ですむんだよ……っ!」

幼2「……」

400 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 00:12:52.45 KHjyQsb00 170/276

幼2「幼1……」

幼1「…………なに?」

幼2「話があるんだ、ついてきてくれないかい?」

幼1「……」こくん

…………
……



436 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:33:00.93 KHjyQsb00 171/276

幼1「……話って?」

幼2「……だいたい予想、ついてるんじゃないのか?」

幼1「……」

幼2「男のことなんだが」

幼1「……男くん……」ずきっ

437 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:33:33.67 KHjyQsb00 172/276

幼2「彼が君に告白したらしいね」

幼1「……」



幼2「……」

幼1「……」

幼2「もしかして」

幼2「もしかして、違うのかい……っ?」

438 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:34:16.42 KHjyQsb00 173/276

幼1「……ううん」

幼1「噂の通りだよ」

幼1「私、男くんに――」





幼1「告白されちゃった」

幼2「……っ!!」

幼1「あはは……でもさ、困っちゃうよね」

439 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:34:52.48 KHjyQsb00 174/276

幼1「だって、私にはそういう気が全然なかったんだもん」

幼2「君は……っ」

幼1「ん? どうしたの?」

幼2「い、いや……」


幼1「ふーん」

幼1「続けるね」

445 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:52:52.32 KHjyQsb00 175/276

幼1「私が男くんのために色々やったりしてたのを、勘違いしたんだろうな」

幼1「私が起こしたりしてたのは」

幼2「……」

幼1「おじさんにお願いされたからなのに」

幼1「でも、ちょっとやり過ぎてたかもだよね」

446 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:53:24.14 KHjyQsb00 176/276

幼2「…………」

幼1「これからは、控えとかないとだよね~」

幼2「……」

幼2「そうか」

幼2「彼が君を襲ったっていうのは――」

幼1「あっ、あれね」

447 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:53:54.95 KHjyQsb00 177/276

幼1「あれは、男くんが私に振られて凄いショック受けてたみたいだし」

幼1「私にも悪いところがあったからさ」

幼1「最後に私のこれ――」
ふに

幼1「揉ませてあげたの」

幼2「……それで?」

448 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:54:52.45 KHjyQsb00 178/276

幼1「うん、そしたら男くんは何だか興奮しちゃったみたいで」

幼1「嫌がる私に迫ろうとして――」

幼1「ってところで先生に助けてもらったの」

幼2「……っ」

幼1「ま、私も悪かったし、やっぱり腐っても幼なじみだから」

幼1「さすがに退学は酷いと思って、先生にお願いしたの」

幼2「……」

449 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 12:55:32.29 KHjyQsb00 179/276

幼2「そう」

幼1「これが話しの全容だよ」

幼2「うん、わかった。ありがとう」

幼1「ふふっ……っ」

幼1「っ……」

455 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:02:25.91 KHjyQsb00 180/276

幼2「ちょっとごめんね――」

パシンッ

幼1「……っ!」

幼2「……」

幼2「私は、君が嫌いになった」



456 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:03:05.80 KHjyQsb00 181/276

幼2「君が男に対して恋愛感情持たずに、あんなに尽くすから……っ」

幼1「……っぐ」ぽろ

幼1「ふぇ……っ」ぽろぽろ

幼1「痛いよ……グス、痛い……う」ぽろぽろぽろぽろ

幼2「…………」

457 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:04:09.21 KHjyQsb00 182/276

幼1「……ふぇ……」ぽろぽろ

幼1「幼2ちゃんは――」

幼1「幼2ちゃんは、いつも男くんしか助けないよね……っ!」ぽろぽろ

幼2「……っ!」

幼1「いつも男くんだけを支えて」

458 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:05:39.78 KHjyQsb00 183/276

幼1「私も幼なじみなのに……っ」ぽろぽろ

幼1「そういう中途半端な優しさしかない幼2ちゃんなのに」

幼1「男くんはそんな幼2ちゃんのことを――」ボソッ

幼2「ん?」

幼1「あのさ!」

幼1「幼2ちゃんが怒ってる理由ってさ!」

幼1「今まで、あんなふうに仲良くして、期待させといて、裏切ったからだよね?!」

459 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:06:41.91 KHjyQsb00 184/276

幼2「ああ、そういうことだね」

幼1「もしも」

幼1「私と男くんの立場が逆で、私が振られたら幼2ちゃんは――」

幼1「男くんを怒ってくれた!?」

幼2「……」

幼2「仮定の話はしなくても良いだろう」

460 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:09:27.67 KHjyQsb00 185/276

幼1「答えるのから逃げるんだ!!」

幼2「……っ」

幼1「知ってるよ?」

幼1「幼2ちゃんは、男くんには何もしないんだよね!?」

幼2「……いや、ちが――」

幼1「っ、やっぱり私も幼2ちゃんなんか嫌いっ!!」

461 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:10:20.58 KHjyQsb00 186/276

幼2「……っ!!」

幼2「ああ、そうか」

幼2「……っ、では、ね」

幼1「……」

幼2「話、教えてくれてありがとう」
すたすた

463 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:14:23.93 KHjyQsb00 187/276

幼1「あああぁっ!!」ぽろぽろ

幼1「……ふぇっ、ぐすっ……男くん……」ぽろぽろ

幼1「幼2ちゃんと喧嘩をしちゃったけど」ぽろぽろ

幼1「男、くん」

幼1「一応言われた通り……ちゃんと……ちゃんと話したよ……」ぽろぽろ

464 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 13:14:54.41 KHjyQsb00 188/276

幼1「これで良いんだよね?」ぽろぽろ

幼1「大好きで――」

幼1「大好きで、いつも私を助けてくれた、幼なじみの男くん……」

…………
……

526 : 幼1幼2とかややこしすぎうぜええ... - 2010/09/29 22:22:09.95 KHjyQsb00 189/276

――――――現在――――――

幼2「――と、彼女は言って、感情を抑え切れなくなった私は」

「……」

幼2「私は彼女にビンタをしてしまったんだ」

幼2「そして彼女を罵倒して私は帰った、というわけなのだけれど」

「……っ」

528 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:23:22.96 KHjyQsb00 190/276

(幼1……)

(幼2は幼1に同情してなかったのんだな)

(二人の関係もあれから――)

「……」

幼2「今でも彼女は許せない」

「……そう、なのか……」

531 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:33:44.61 KHjyQsb00 191/276

幼2「それで、君は――」





「幼2!!」

「約束は聞くだけだ」

「そうだろ?」

幼2「……」

幼2「ああ、そうだったね」

534 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:35:12.03 KHjyQsb00 192/276

幼2「まぁ、君に私がどう思っているのかを知ってもらえただけでも良い」


幼2「……っと、もうこんな時間なのか」

幼2「じゃあ戻るとしようか」

「……ああ、そうだな」

「はぁ……」

536 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:41:38.42 KHjyQsb00 193/276

(幼2には本当のことを――)

「いや、これでいいんだ」

「これでいい……の……か……?」



「ただ、あの告白された日から」

「……」




「あの日から、俺達はバラバラになる運命だったんだ」

537 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:44:23.66 KHjyQsb00 194/276

◆◇教室◆◇

「……」

(一番最低なのは)

(うん、俺……だよな)

「……」


「ガヤガヤ」

538 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:45:38.27 KHjyQsb00 195/276

幼1「……」チラッ

幼1「落ち込んでるみたい」ボソッ

幼1「男くん……」


「……」


幼1「……」

539 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:46:20.37 KHjyQsb00 196/276

幼1『ほらっ、元気だしてっ! ねっ?』

幼1『男くんなら何とかできるよっ!』

『何で言い切れるんだよー……』

幼1『だってさ、男くんは私の幼なじみなんだもん!!』

幼1『えへへ』



幼1(私はもう慰めることも励ますことも……できない……よね)ぽろ


540 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:47:00.70 KHjyQsb00 197/276

幼1「ぐす……っ」ぽろぽろ

幼1(授業中は我慢しなきゃっ……)

「……」

(……幼1……?)

(もしかして、泣いてる……?)

「……はぁ」




543 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:53:00.54 KHjyQsb00 198/276

◆◇家の近所◆◇

「……」

「もう限界なのかな」

「幼1……あと数年なんだけどな」

「……はぁ」
すたすた



545 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 22:57:02.30 KHjyQsb00 199/276













幼1「……」

幼1「……あっ」


549 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:07:57.40 KHjyQsb00 200/276

「…………」

幼1「あのね……男くん」

「……」

(家の前まで待っていたのか……幼2)

幼1「……男……くん……」


551 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:09:35.56 KHjyQsb00 201/276

(どうする……どうすれば……っく、話をするべきなのか?)

幼1「……」

(いや、しかし――)

幼1「ねぇ、男くん」

「……」

幼1「ねぇ」ぽろ

幼1「男くっ、ぐすっ」ぽろぽろ



552 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:10:13.09 KHjyQsb00 202/276

幼1「ふぇ……っ」ぽろぽろぽろぽろ

「っ!!」
ぎゅっ

幼1「お、男くっ、手てて手を握っ――」

「……っ!」
すたすたすた
ばたんっ


553 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:11:22.57 KHjyQsb00 203/276

幼1(えっ、何この状況……)

幼1(手を引っ張られて、男くんの家に入れられた!?)

「……」

(はぁ……)

(限界だったのは、幼2だけじゃなかった……みたいだな)

(俺も、だった訳か)



555 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:12:43.56 KHjyQsb00 204/276

「幼1!」

幼1「は……はい……」

(名前を呼んだものの)

「……えっと」

幼1「……」ドキドキ

570 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:28:37.30 KHjyQsb00 205/276

「と、とりあえず、あがってく……?」

幼1「……」こくん

幼1「あの……あのね、男くん……」

「ん?」

幼1「その……手が……」ドキドキ


571 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:29:16.87 KHjyQsb00 206/276

「……っ!!」

「すっ、すまんっ」
ぱっ

幼1「……ううん」

「あはは……」

幼1「えへへ……」どきどき

572 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:30:46.80 KHjyQsb00 207/276

「……とりあえず、座ってくれ」

幼1(久しぶりだなぁ……。男くんの家は)

幼1「……」

幼1「あれ?」

「ん? どうした?」







幼1「すごく部屋が片付いてるね」

574 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/29 23:33:17.09 KHjyQsb00 208/276

第10章
    の
    終わり

658 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 21:33:22.08 yTmbvcyb0 209/276

「そ……そうか?」

幼1「え……えっと、一年前よりかはキレイになってるなぁって」

「あー、ああ! さ最近片付けたからな」

幼1「……そうなんだ」



「はい、お茶」

659 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 21:35:00.09 yTmbvcyb0 210/276

幼1「ありがとう」

「……」



幼1「……あのね」

幼1「こんなことになってさ」

幼1「男くん、私のこと嫌いだよね?」

661 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 21:37:15.06 yTmbvcyb0 211/276

「……っ」

「そっそんなこと――」

幼1「だって……私が話しかけても、無視するじゃん……!」

幼1「家に訪ねた時だっていつも居留守つかってるの」

幼1「私知ってるんだからね!!」

「……」


662 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 21:40:12.92 yTmbvcyb0 212/276

「でも、それは!!」

「それは最初に言っただろ?」



『幼1のためだから……俺に話しかけないでくれ……』

幼1『でもっ、私は――』

『だから、お前のためなんだって!』

幼1『私のためって……言ってるけど……私が望んでいるのは……』ボソッ

663 : ◆e2ghMW2xOg [] - 2010/09/30 21:44:51.89 yTmbvcyb0 213/276

『ん? とりあえず、そういうことだから……』

幼1『えっ……でもっ』
ぷっ……つーつーつー

幼1『どうしよう……私嫌われちゃった』

幼1『男くん……ぐすっ』ぽろぽろ


幼1「もういい」

幼1「今日ここで決着をつけよ」

「……ああ」

665 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 21:47:14.21 yTmbvcyb0 214/276

幼1「……ちゃんと答えてね?」

幼1「男くんは」

幼1「私のこと――」







ピーンポーン





幼2「……」

幼2「前に来た日から間隔を空けたし」

幼2「ヘンに勘繰られる事などないと良いのだけれど……」

667 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:00:09.55 yTmbvcyb0 215/276

ピーンポーン
「……誰だろう」

幼1「うー、こんなときに。空気読んでほしい」

幼1「セールスかな? それともお客さん?」

「ちょっとまってて」

「すぐ戻ってくるから」





668 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:02:40.21 yTmbvcyb0 216/276

「……誰だよ」
すたすた

「でも、これのおかげで緊張が緩和した」

「修羅場から一時避難できてよかったかも」
すたすた




幼2「……」

幼2「アレ? 遅いな」

幼2「今は確実に家にいるはずなのだけれど」

671 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:17:42.00 yTmbvcyb0 217/276

「はーい」
がちゃ

幼2「やぁ」

「――っ!?」


幼2「男。最近少しきまずかったけど、ここらで仲直りしないか?」

幼2「ご馳走をつくるよ」ニコッ
がさっ


672 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:21:16.65 yTmbvcyb0 218/276

(タイミング悪いな……)

「……」

幼2「……ん?」

幼2(男、なんだか気が進まなそうだね)

幼2「……っ」

幼2(でも、ここでひいたら――)








幼2「中へ入れてくれないかな?」

673 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:23:46.17 yTmbvcyb0 219/276

「……」

(どうする……)

幼2(……男)

幼2(やはりダメなのか)

(ああ、もう、レッセフェールっ!)

「入っていいよ」

「うん、ご馳走してもらおうかな」

674 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:28:35.60 yTmbvcyb0 220/276

幼2「ふふっ」

幼2「では、まかせてもらおうかな」
すたすた

「あはは……たのむよ」

幼2「おじゃましま――」




幼2「……」

幼2(……ローファー……)

675 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 22:30:52.88 yTmbvcyb0 221/276

幼2(そうか……)

幼2(気まずそうだったのも、全部……)

幼2(……こういうことだったのか)

幼2「……」

「……ん?」

「どうしたんだ、幼2?」

682 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:30:57.77 yTmbvcyb0 222/276

幼2「……」


幼2「ねぇ、男」

「ん?」

「どうした?」

幼2「君の家に入れてもらう前に聞くべきだったみたいだな」

「えっ……」


684 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:33:17.43 yTmbvcyb0 223/276

幼2「本当に私が入っても良かったのかい?」

(まさか、幼1がなかにいることを知ってる……?)

「……」

幼2「返事を聞かせてくれるかな?」

「……ああ。入ってかまわない」

幼2「ふふっ、そうか」


685 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:34:59.03 yTmbvcyb0 224/276

幼2「つまり、『その』つもりな訳だね」

「……話し合う。みんなで」

幼2「……」


「それより」

「気づいてたのか、幼1が来てることに」

幼2「ああ、ほら」





「あっ……!」


686 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:36:44.19 yTmbvcyb0 225/276

「あっちゃあ!」

幼2「彼女のローファー……えっと、靴が出ているからね」

(日本の文化ばんざい!!)

「あはは、流石幼2だな」

幼2「ふふっ、何をいまさら」

「あはは」

688 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:37:41.67 yTmbvcyb0 226/276

「とりあえず……」
すたすた


「できるだけ、家のモノを投げたりしないように気をつけてほしいな」

幼2「私はそんなことしないよ、ふふっ」

「俺もしないぞ」

幼2「だろうね、ふふっ」

690 : >>687次はNTRモノを書きた... - 2010/09/30 23:40:31.47 yTmbvcyb0 227/276

幼2「……」

「ここ。幼1が待ってる」
すたすた


「……」

(開口一番、幼1になんて言ったらいいのやら)

幼2「……?」


691 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:41:46.20 yTmbvcyb0 228/276

幼2「どうしたんだい? 立ち止まったりして」

「いや、何でもない」

「――よしっ、突撃だ……!」

ガチャッ

幼1「遅かったね、男く――」








幼1「…………幼2……ちゃん……」


692 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:42:55.77 yTmbvcyb0 229/276

幼2「やあ、あがらせて貰ったよ」

幼1「…………」

「…………」


(一年ぶりくらいになるのか?)

(三人で一緒に話すのは……)

(今日で最後になるかもしれないけどな)


693 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/09/30 23:43:50.25 yTmbvcyb0 230/276

「幼2の分のお茶も用意するわ」

幼2「ああ、ありがとう」

幼1「……」

「それと」

「その袋のものを冷蔵庫に移すから預かる」

幼1「……」


698 : さるううううううううう[] - 2010/10/01 00:01:02.42 q3I9wf360 231/276

幼2「ああ、そうだったね」

幼2「よろしく頼むよ」
がさっ

幼2「はい」

「さんきゅ」


幼1(なんで、幼2ちゃんとはこんなに自然に話して――)


「ちょっとまっててな」
すたすた
ガチャ


700 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:02:45.09 q3I9wf360 232/276

幼1「……」

幼2「……」

幼1「ねぇ……」

幼1「幼2ちゃんさ、これ忘れていったでしょ?」

幼2「……」

幼1「幼2ちゃんにしては珍しいよね」


701 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:03:18.45 q3I9wf360 233/276

幼2「……ヘアピン」

幼1「はい、どうぞ」

幼2「ありがとう」

幼1「……」

幼2「ふふっ、私としたことが」


702 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:04:49.07 q3I9wf360 234/276

幼2「忘れたことすら忘れていたよ」

幼1「……」

幼1「……ちがう」

幼1「わざと……忘れたんでしょ?」

幼2「何を言ってるんだい?」

幼1「とぼけるの?」



703 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:05:20.35 q3I9wf360 235/276

幼2「何を言ってるんだい?」

幼2「そうだとしてもだよ」

幼2「ピンを忘れることを手段とした目的が理解できない」

幼1「……わかるくせに」ギロッ

幼2「ふふっ」


704 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:05:51.67 q3I9wf360 236/276

ガチャッ
「――おまたせ」

(いきなり始まってんな)

「…………はい、とりあえずお茶……」

幼2「ああ、いただくよ」

「どうぞ……」


705 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 00:06:22.98 q3I9wf360 237/276

幼1「……」

「……」チラッチラッ

幼1「幼2ちゃんがいるけど、気にしないで話の続きをしよ」

「えっと、ああ」

幼2(続き……?)



788 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:47:16.89 q3I9wf360 238/276

幼1「ね、男くん」

幼1「私のこともう嫌いなの?」

幼2(その質問は……)

幼2(どういうことなんだ?)


「嫌いじゃないよ」

789 : arbeitでおそくなりますみま... - 2010/10/01 22:48:20.54 q3I9wf360 239/276

幼1「それは本当に……?」

「ああ」

幼1「じゃあ、何で私を無視してたのっ!?」

幼2「いや、無視してたなは君の方じゃ――」

「……」ふるふる



791 : arbeitでおそくなりますみま... - 2010/10/01 22:49:56.79 q3I9wf360 240/276

幼2「えっ?」

幼1「……」

幼2「今、否定した?」

「ああ。幼1は無視してない」



「俺が無視してたんだ」

幼2「!?」


793 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:50:53.16 q3I9wf360 241/276

幼2「どういうことなのかな?」

「幼2……」

「俺がなぜ」

「こんな行動をとってきたかを、幼1、幼2に説明するよ」

(みんな……仲直りするために……!)


幼1「……うん」


794 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:53:49.40 q3I9wf360 242/276

「俺は幼1に去年のあの事件の日……告白された」

幼2「……っ!?」

幼1「……」

幼2「それは本当なのかい?」

幼1「……」こくん


795 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:55:38.24 q3I9wf360 243/276

「でも、たまたま通り掛かった先生に不純異性交遊と疑われて」

「二人とも停学になりそうだった所を、嘘をついて俺が庇ったんだ」

幼2「……そんな……」

幼2「じゃあ、本当は……」

幼2「男は強姦もしてなかった」



幼2「告白もしなかった……?」


797 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:56:58.77 q3I9wf360 244/276

「ああ。告白されたのは俺だ」

幼2「……幼1」

幼1「……」


幼2「これが……真実だったのか」

幼2「幼1、本当にすまない!」

幼1「…………うん」

798 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:57:31.48 q3I9wf360 245/276

「幼1のおじさんとおばさんが俺を助けてくれたことと」

「日頃の態度とかで、たった一週間の停学ですんだんだけどな」


「ただ、二人とも知ってるように、あんな嘘をついたから」

「俺と幼1が一緒にいれなくなったんだ」

幼1「……」


800 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 22:58:45.36 q3I9wf360 246/276

幼1「……」

「それで、俺は幼1とは話せない」

「話し掛けてくる幼1を無視せざるを得なくなったんだ」

幼2「二人の真実が本当はこうだったなんて」

幼1「……」



幼1「男くん」

802 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:00:41.09 q3I9wf360 247/276

幼1「でもさっ、この辺なら話し掛けても大丈夫じゃなかったの?」

幼1「家の近所とかならさ!」

幼2「……」

幼1「男くんは何で無視したの!?」

「…………」



幼2「ねぇ! どうしてなの!?」

「ごめん」



805 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:01:56.60 q3I9wf360 248/276

「俺は幼1をフッタのに」

「それでも尚、今までと変わらずに話するなんて」

「幼1に申し訳ないと感じたから……」

「幼2に話せなかったのも同じ理由なんだ」

幼1「……」


806 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:04:04.68 q3I9wf360 249/276

幼2「話せなかったことって」

幼2「事件の日の真実のことかい?」

「ああ」

幼1「……」

幼2「そうか……」

810 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:09:00.66 q3I9wf360 250/276

幼1「……」

幼1「やっぱり、私の告白が皆の関係を壊しちゃったんだね」

「……」

幼1「そして、何より男くんには」

幼1「私の軽はずみな行動で――」

812 : 900までに終わる気がする……[... - 2010/10/01 23:11:03.39 q3I9wf360 251/276

幼2「いや!」

幼2「それでも」


幼2「私は……っ」

幼2「私は、本当のことを知らずに……知らずに、幼1に……」

幼2「幼1に酷いことを言っていたんだ……っ」ぎゅっ

幼2「くっ……すまない、幼1……本当にすまない……っ」


816 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:24:46.74 q3I9wf360 252/276

「いや、俺が言わなかったから、だよ」

「俺も……ごめん」

幼1「私……が……」

幼2「……私が」

「…………」

「……」





幼1「ふふっ、みんな、それぞれ自分が悪いと思ったんだね」



821 : >>818orzまたやってもた。... - 2010/10/01 23:30:02.01 q3I9wf360 253/276

「……」

「みんなが良かったらなんだけど」

「仲直りしたい」

幼2「……」

幼2「私もしたいな」

幼1「良いのなら……男くん……」





「じゃあ、決まりだな!」

822 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:30:46.98 q3I9wf360 254/276

幼2「ふふっ」

幼1「じゃあ幼なじみーずの復活――」

幼1「の前に……」

幼1「男くん!」

幼1「私はまだ諦めてないからねっ!」


823 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:31:45.51 q3I9wf360 255/276

幼2「っ!?」


幼1「ちいさいころから大好きだったんだもん」

幼1「簡単には諦められないっ」

幼1「……幼2ちゃんにも負けないんだもんっ」

「……あはは」

幼2「……」

829 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:36:49.86 q3I9wf360 256/276

「……あはは」

「えっと……」

「ま、まぁ、みんなでご飯にしようか!」

「色々と他の問題とかを棚上げしてるけど、とりあえずは」

「みんなの仲直りを祝して!」

831 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:38:05.61 q3I9wf360 257/276

…………
……


幼2「お邪魔しました」

幼1「お邪魔しましたー」

「送らなくて本当に大丈夫か?」

幼1「あははっ」

幼1「二人だから大丈夫だよ」


832 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:39:15.37 q3I9wf360 258/276

幼1「それよりこんな近いんだから」

幼1「それに、二人だけの話があるの……」ぼそっ

「……っ」

幼2「……ん?」


「あー、わかった!」



833 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:40:02.88 q3I9wf360 259/276

「それじゃあ気をつけてな!」

幼1「うんっ、ばいばい」

幼2「では、また明日」

…………
……

835 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:42:13.74 q3I9wf360 260/276

◇◆家の近所◇◆

幼1「……幼2ちゃん、ちょっと話そっか?」

幼2「えっ?」

…………
……



837 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:42:46.70 q3I9wf360 261/276

…………
……

◆◇幼2の家◆◇

幼2「よかった」

幼2「本当に良かった」

幼2「三人のわだかまりも無くなって」


838 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/01 23:48:03.71 q3I9wf360 262/276

幼2「……」

幼2「……次の問題は」

幼2「告白……か……」

幼2「どうしようかな」



840 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:05:31.72 jBscXfSH0 263/276

……
…………


幼1『幼1ちゃんは告白しなくてもいいの?』

幼2『何を言ってるんだい?』

幼2『私と男はただの友達なのだから――』

幼1『そんなふうにごまかさないで!』



841 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:06:38.79 jBscXfSH0 264/276

幼1『もうお互いに誤解しあうのは……』ぎゅっ

幼2『そうだな』

幼2『すまない、正直になるよ』

幼2『わ、私は幼馴染の男のことが好きだ!!』

幼2『……っ』カァッ


842 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:07:45.22 jBscXfSH0 265/276

幼1『ふふっ、やっぱり!』

幼2『くっ……恥ずかしい……』

幼1『ううん、そんなことないよ』

幼1『男くんだもん、好きになるのは仕方ないよ』

幼1『じゃあさ、告白しちゃいなよっ』

幼1『私もしたんだよっ?』


843 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:08:16.48 jBscXfSH0 266/276

幼2『いきなり……でも……そんな……』

幼1『しなさい!』

幼2『いや、こんな女のことを好きになってなんて……くれないさ……』

幼1『もう! それでも告白しなさいっ!』

幼2『……っ』

幼2『考えておくよ』

幼1『よろしい!』


858 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:42:12.03 jBscXfSH0 267/276

幼1『ううん、そんなことないよ』

幼1『男くんだもん、好きになるのは仕方ないよ』

幼1『じゃあさ、告白しちゃいなよっ』

幼1『私もしたんだよっ?』

幼2『いきなり……でも……そんな……』

860 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:43:36.87 jBscXfSH0 268/276

幼1『しなさい!』

幼2『いや、こんな女のことを好きになってなんて……くれないさ……』

幼1『もう! それでも告白しなさいっ!』

幼2『……っ』

幼2『考えておくよ』

幼1『よろしい!』



862 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:45:06.37 jBscXfSH0 269/276

幼2「やっぱり告白なんて――」

幼2「……っ」カァッ

幼2「うぅ……私には敷居が高すぎる……」

幼2「でも」

幼2「幼1だってしたんだ、私も頑張らなければ、な」




863 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:45:58.04 jBscXfSH0 270/276

◆◇教室◆◇

「……」ちらっ

幼1「……」にこっ

幼1(男くんの本当の気持ちがわかったから)

幼1(大丈夫。つらくない)


864 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:46:52.45 jBscXfSH0 271/276

幼1(それより、幼2ちゃんは告白できるのかな?)

幼1(頑張れ)

「……」

(あれから、なんだか精神的にスッキリしたな)

(良かった)

(……本当に)



865 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:49:30.00 jBscXfSH0 272/276

◆◇屋上◆◇

「……ふぅ」

「ほんと、この一年は長かったけど……」

「片付いて本当に良かった!!」

ガチャ
幼2「ふふっ、そうだね」


「よお、幼2」

「やっぱりまた来たんだな」

867 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:55:58.21 jBscXfSH0 273/276

幼2「ああ、今日は大切なはなしがあってね」

「ん?」

幼2「覚えてるかな、昔のこと――」



幼2『○○大学に入って学生結婚しよう!』

『大がく? 結婚?』

幼2『ああ、そうだ。結婚だ』



「……えっ」

「それって、幼1と俺がした約束なんじゃ――」

幼2「……」ふるふる

幼2「私とした約束だ」

869 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 00:59:56.43 jBscXfSH0 274/276

「……」

幼2「過去の約束を果たしたい」

幼2「結婚のために私は、いろいろ勉強してきたんだ」

幼2「じゃあ、言うよ」


幼2「わ、私は幼馴染の――」


「!!」

「まってくれ!」

873 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 01:04:03.30 jBscXfSH0 275/276

「俺に言わせてくれ」

「もともと、幼1のことが解決したらいうつもりだった」

「いや、その前から――」

「告白される前から言うつもりだった」





「お、俺は」

「お、俺は幼馴染2のことが好きだ!!」

876 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2010/10/02 01:05:07.17 jBscXfSH0 276/276

   お     わ     り

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