1 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:25:59 rzB4O/D2 1/107

「私の方が大好きだよ!」
ピトッ

「いやいやー、僕の方が大好きだよっ」
ぎゅっ

「わわっ!」

元スレ
幼馴染「男君、好き!」 男「僕、幼ちゃんの事大好き!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1362903959/

2 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:27:08 rzB4O/D2 2/107

「へへ…僕の勝ち?」

「…男君、ズルい!」
ぎゅうっ

「…でもやっぱり、私の方が好きだもん!」

「んー、じゃあさ」

「何?」

「同じで良いんじゃない?」

「同じ?」

3 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:27:48 rzB4O/D2 3/107

「僕は世界で一番幼ちゃんの事好きだよ?」

「私は宇宙一好きだもん!」

「って言ってたら、キリが無いからさー」

「お互い同じくらい好きって事で良いんじゃない?」

「…それもそうだね!男君と同じで良いやっ!」
ぎゅうっ

「…同じが良いや!」

4 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:28:40 rzB4O/D2 4/107

「男君ってあったかいねー」
ぎゅー

「幼ちゃんの方があったかいよー」
ぎゅうっ

「じゃあ、これも同じ?」

「うん、同じ!」

「えへへ…同じってなんだか、嬉しいね!」

「そうだね!」

5 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:29:39 rzB4O/D2 5/107

「そろそろ帰ろうか?」

「そうだねー」

「日が落ちるの早くなってきてるからね」

「最近、夜はちょっと冷えるよね」

「手を繋いでいれば、大丈夫だよ」
ぎゅっ

「そうだね。あったかいね」
ぎゅっ

6 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:30:51 rzB4O/D2 6/107

「そうそう、ちょっと早いけど、昨日おこたを出したよ」

「ホントに?」

「ウチの父さんが、今年は早めに出そうって言い出してね」

「まぁ父さんは今日から出張で、家に居ないんだけどね」

「…帰り、男君の家に行っても良い?」

「もちろん大歓迎だよ!」

「えへへー。私、男君のウチのおこた大好きー」

7 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:31:50 rzB4O/D2 7/107

「ウチのおこた、でっかいからねー」

「うん!ウチのは小さいから…」

「父さんのこだわりの一品だからね」

「長方形だから寝っ転がれるもんね」

「それじゃ、早く帰って、おこたに入ろう!」

「うん!」

8 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:32:30 rzB4O/D2 8/107



「あー、おこたって世界一幸せな電化製品じゃないかなー」

「世界一?」

「だって、こんなに…こんなに…」

「あったかヌクヌクで…」

「男君の傍に居られて…」
ピトッ

「これ以上の幸せって無いんじゃないかな?」

9 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:33:22 rzB4O/D2 9/107

「確かに超幸せだねー」

「まぁ、私は男君と一緒に居るだけで100%幸せなんだけどね」
ぎゅっ

「わっと…不意打ちズルいよ、幼ちゃん」

「えへへ、さっきのお返し!」
ぎゅーっ

10 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:34:07 rzB4O/D2 10/107

「お返しのお返しっ」
ぎゅぎゅー

「お返しのお返しのお返しーっ」
ぎゅーーーーっ

「ま、まいった!幼ちゃん、ギブアップ!」

「えっへっへ。私の勝ちねー」

「ふぅ…幼ちゃんには敵わないよ」

12 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:35:10 rzB4O/D2 11/107

「テレビでも見る?」

「んー…今、ニュースしかやってないよね?」

「じゃ、ゲームでもやる?」

「それじゃあ、久しぶりにオセロやらない?」

「うん!それじゃ部屋から取ってくるね」

「うん」

「…」

13 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:36:10 rzB4O/D2 12/107

「おこた、あったかいなー」

「やっぱり私、おこた好きだなー」

「ウチのおこたもこれくらい大きければなー」

「…」

「違うか」

「男君の家のおこただから、好きなんだ」

14 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:37:04 rzB4O/D2 13/107

「そっかそっか、うんうん」

「…」

「…」ソワソワ

「まだかなー?」

「はい、お待たせ、それじゃやろっか」

「待ってたよー。早くやろっ」

15 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:38:15 rzB4O/D2 14/107



「…男君、やっぱり強いね」

「4隅は取ったのに、負けちゃった…」

「幼ちゃん、もっと全体を見ないとね」

「隅を取る事に必死で…えへへ」

「もう一回やる?」

「うーん…ちょっと休憩しよー」

「オッケー」

16 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:39:43 rzB4O/D2 15/107

「ね、ミカンの皮むいても良い?」

「うん。幼ちゃん、ミカンの皮むき上手だよね」

「えへへ、褒めても、ミカンしか出ないよー」

「僕は白いのついたまま食べちゃうから」

「だから私が男君の分もむいてあげる!」

「よろしくお願いします!」

17 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:41:08 rzB4O/D2 16/107

15分経過

「…」ムキムキ

「幼ちゃん?むきおわったミカン食べて良い?」

「…」ムキムキ

(真剣にミカンの皮むいてる幼ちゃん、可愛いなぁ)

「…」ムキムキ

「ふぁぁ…」

(眠くなってきちゃったな…)

18 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:41:52 rzB4O/D2 17/107

30分経過

「ふぅ…我ながら良く出来た!」

「男君、ほら、3個もむけたよ!」

「…」スースー

「あっ…寝ちゃったのか…」

「…」ソワソワ

「じゃあ私も…」

19 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:42:44 rzB4O/D2 18/107

1時間経過

「…んぁ…寝てた…」

「…」スースー

「あ、幼ちゃんも寝てる…」

「もう…しばらくこのままでいいか…」

「…」スースー

20 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:43:30 rzB4O/D2 19/107

さらに1時間経過

男の母「…」

「こたつの上に綺麗にむかれたミカンが3個」

「そして腕枕して寝ている我が息子と、幼ちゃん」

「…ふふっ。幸せそうに寝ちゃって」

「起こしちゃうのは忍びないけど…」

「幼ちゃん、起きて」
ユサユサ

21 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:44:28 rzB4O/D2 20/107

「ん…」

「いらっしゃい、幼ちゃん」

「あ、おばさん、こんにちは…お邪魔してます」

「今から晩御飯の準備するんだけど」

「一緒にやる?」

「や、やりますっ!」

「う…ん」


「しーっ。起こさないようにね」

「はい」

22 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:45:09 rzB4O/D2 21/107



「そう、包丁を使う時は猫の手ね」

「はいっ」

「ゆっくりで良いからね」

「猫の手でゆっくり…」
サクッサクッ

「そうそう、上手よ」

「ありがとうございますっ」

23 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:46:11 rzB4O/D2 22/107

「絶対によそ見しちゃ駄目よ?」

「はいっ」
サクッサクッサクッ

「…ふぅ、切り終わりました」

「だいぶ上手になったわね」

「でもおばさんみたいにパパッとはまだ…」

「やり続けてれば、出来る様になるから」

「焦らずに、ね?」

「はい!」

24 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:47:07 rzB4O/D2 23/107



「男君、起きてー」
ユサユサ

「ん…お早う…幼ちゃん…あれ?今って朝?」

「違うよー、まだ夜だよ」

「おばさんが晩御飯だって」

「あー、晩御飯かー」

25 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:48:00 rzB4O/D2 24/107

「あ…ミカン、皮むいたままだったね」

「そう言えば、そうだったね」

「これは食後のデザートね!」

「うんっ!それじゃ御飯食べよう」

「美味しそうだったよ」

「この匂いは…ハンバーグ?」

「うん、多分そうだよ」

26 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:48:45 rzB4O/D2 25/107



「母さんが作ったハンバーグが世界一美味しいと思う」

「本当に美味しいよねっ」

男母「ふふっ、2人とも、どうもありがとう」

(私もお手伝いしたけど、これは内緒…)

(いつか、男君に手作りの料理を食べて貰って)

(『私が一人で作った!』って言って、ビックリさせたいから…)

(その時、男君は美味しいって言ってくれるかな…)

(言って貰えるように、頑張ろう!)

27 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:49:36 rzB4O/D2 26/107

男母「幼ちゃん、今日は泊まって行く?」

「えーっと…」

「泊まって行きなよ!明日お休みなんだし」

「それじゃ、お世話になります」

男母「それじゃ、男、お布団の準備よろしくね」

「速攻で準備するよ」

「私、一度家に帰って両親に言って来ます」

28 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:50:21 rzB4O/D2 27/107



「だからね…シチューは…御飯にかけて…食べるのが…」

「幼ちゃん、ひょっとしてもう眠い?」

「…うん、ちょっと眠いかも」

「じゃあ今日はもう寝ちゃおう」

「…そうだね」

「明日早起きして、どこかにお出掛けしようよ」

「お出掛け!?」

29 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:51:18 rzB4O/D2 28/107

「うん、せっかくのお休みだしね」

「賛成!賛成!」

「じゃ、決まりね!」

「そ、そうと決まれば、早く寝ようよ、男君っ!」

「うん。それじゃ、電気消すよー」
パチッ

「お休み、男君」

「お休み、幼ちゃん」

30 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:52:16 rzB4O/D2 29/107

「ね、明日、どこに行く?」

「うーん…いつもの公園とかじゃ代わり映えしないし」

「それじゃ隣町まで行かない?」

「良いね!それじゃ、映画でも観に行く?」

「映画!最近観に行ってないもんね!行こう行こう!」

「それじゃ、2人で映画に決定ね」

「そ、そうと決まれば、早く寝よう!」

「うん!」

31 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:53:01 rzB4O/D2 30/107



「…男君、寝た?」

「ううん、まだ寝てないよ」

「ね、明日、何観よっか?」

「うーん、一つ観たい映画があるんだけど…」

「私も!私も一つ、観たいのがあるんだよ」

「じゃあ同時に言ってみる?」

「うん!それじゃ、せーのでね」

32 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:53:51 rzB4O/D2 31/107

男・幼「せーのっ」

男・幼「ダイ・ハード4!」

男・幼「…」

「えへへ、同じだったね!」

「そうだね、やっぱり同じだと嬉しいね?」

「うん、嬉しい!」

「楽しみだね?」

「うんっ」

33 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:54:34 rzB4O/D2 32/107

「それじゃ、今度こそ寝ようかー」

「そうだね、寝ないとね」

男・幼「お休み」

男・幼「…」

「また同じだったね」

「嬉しいね!」

34 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:55:15 rzB4O/D2 33/107

「なんかテンション上がっちゃうね!」

「そうだね!」

「でもちゃんと寝ないと、明日のお出掛けが…」

「そ、そうだよね。早い時間からお出掛けしたいもんね」

「だから今度こそ、お休み」

「うん、お休みなさい」

「うん」

35 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:56:07 rzB4O/D2 34/107



深夜

「…う…ん」

「トイレ…」
フラフラ…

「…」スースー

36 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:56:45 rzB4O/D2 35/107



フラフラ
「…ちょっと寒い」
ゴソゴソ
ぎゅっ

「あったかい…」

「…」スースー

37 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:57:31 rzB4O/D2 36/107




「ん…ん?」

「…」スースー

「幼ちゃん、起きて、幼ちゃん」
ユサユサ

「ん…あー、お早う、男君…」

「幼ちゃん、また僕の布団に入ってるよ」

「あー…」ボー

38 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:58:03 rzB4O/D2 37/107

「あっ!」
バサッ

「私、また男君の布団に潜り込んじゃった…」

「ごめんね?」

「ううん。夜ちょっと寒かったし」

「幼ちゃんと一緒の布団で寝れて、あったかかったし」

「ね?」

「うん!」

39 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:58:46 rzB4O/D2 38/107



「それじゃ、行こう!」

「うんっ!映画楽しみっ!」

男母「気をつけて行って来なさいね」

男・幼「はい!」

男母「お昼御飯は外で食べて来なさいねー」

「了解ー」

40 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 17:59:39 rzB4O/D2 39/107

「幼ちゃん、迷子にならないように、手を繋ごうよ」

「ふふっ。幼稚園児じゃないんだから」

「幼稚園児じゃないけど、繋ごうよ」

「うん」
ぎゅっ

「大人っぽく、腕を組んでみる?」

「うーん…それはちょっと恥ずかしいかも」

「そうだよね、私たちにはまだちょっと早いよね」

41 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:00:25 rzB4O/D2 40/107




「はーっ、映画面白かったね!」

「うんっ!観に来て良かったね!」

「今度DVDを見直そう!」

「私も思った!前のやつ見たくなっちゃった」

「そうだ!今日は男君が私の家にお泊りってどう?」

42 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:01:23 rzB4O/D2 41/107

「え?」

「お父さんがダイハードのDVD持ってるから」

「あ、そうか。おじさん持ってたよね」

「2人で見ようよ!」

「うん!1から3まで全部見よう!」

「やー!賛成ー!」

43 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:02:04 rzB4O/D2 42/107

「僕が幼ちゃんの家にお泊りは久しぶりだよねー」

「うん。去年の冬以来だよ」

「それじゃ、お昼御飯食べて、買い物して帰ろう」

「買い物?」

「映画のお供と言えば?」

「ポップコーン!」

「それとコーラを買って帰ろうよ」

「うんっ!」

44 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:02:39 rzB4O/D2 43/107

「お昼は何を食べようか?」

「えっと…スパゲティが食べたいかも」

「あ、確かここの駅ビルにあるよね」

「うん、美味しいってウチのお母さんが言ってたんだー」

「それじゃ、そこに行こう!」

「おー!」

45 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:03:37 rzB4O/D2 44/107



「このカルボナーラ美味しい!」

「こっちのキノコとベーコンの和風パスタも美味しいよ!」

男・幼「…」

「一口…」

「うんっ」
カチャカチャ

「はい、あーん」

46 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:04:34 rzB4O/D2 45/107

「あーんっと」
モグモグ
「ん!美味しい!」

「でしょ?ウチのお母さんのオススメなんだよ」

「それじゃお返し」
カチャカチャ

「はい、幼ちゃん」

「あーんっ」
モグモグ

47 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:05:20 rzB4O/D2 46/107

「カルボナーラも美味しいね!」

「うん!どっちも美味しいね」

男・幼「えへへ」

「もう一口欲しいなー」

「はい、喜んでー」
カチャカチャ
「はいっ」

「ぱくっと」
モグモグ

48 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:06:14 rzB4O/D2 47/107

「それじゃお返しー」
カチャカチャ

「ありがとっ」
モグモグ

男・幼「美味しいね」

男・幼「…」

「また同じだったね」

「嬉しいね!楽しいね!」

「うん!」

49 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:07:13 rzB4O/D2 48/107



「買い物は家の近くのコンビニで良いかな?」

「あ!買い物と言えば…」

「うん?」

「私ちょっと靴下を買いたいかも」

「それじゃ靴下屋さんに行こう」

「うん!」

50 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:07:53 rzB4O/D2 49/107

「付き合ってくれてありがとね」

「気にしないで。せっかく隣町まで来たんだし」

「ところで今日は幼ちゃんの靴下を買うの?」

「えへへ、実はお父さんのプレゼントなんだー」

「そっか、おじさんそろそろ誕生日だっけ?」

「うん。来週なんだー」

「何が欲しい?って聞いたら、靴下って」

51 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:08:42 rzB4O/D2 50/107

「僕もおじさんに何かプレゼントしようかな?」

「え?いいよいいよ」

「いつもお世話になってるし、感謝の気持ちだから」

「うーんと…ハンカチとかどうかな?」

「いいの?」

「うん、僕がそうしたいんだよ」

「ありがとね、男君っ」

52 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:09:45 rzB4O/D2 51/107



「良い買い物出来たねー」

「うん。お父さんも絶対喜ぶよ」

「そうだと嬉しいなー」

「今日って、すっごく素敵な休日だねっ」

「そうだねー」

「映画見て、食事して、買い物して…」

(あれ?これってデートじゃないかな?)

(…)

53 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:10:26 rzB4O/D2 52/107

「それじゃそろそろ帰ろうか」

「そ、そうだね。お菓子も買わなきゃだしね」

「ん?どうかした?」

「あの…男君、ちょっとお願いがあるんだけど」

「なになに?何でも聞くよ?」

「う、腕、組んでも良い?」

「ん?い、良いけど…どうしたの急に」

54 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:11:18 rzB4O/D2 53/107

「良く考えたら、2人だけでお出掛けって初めてじゃない?」

「そう…かな?」

「いつもは他の友達も一緒に遊ぶけど」

「今日のお出掛けはデートかな…と思って」

「デ、デート…そ、そうかな?」

「だから、その…ちょっと腕組んで歩いてみたいなーって」

「…ダメ?」

55 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:12:15 rzB4O/D2 54/107

「ぼ、僕は幼ちゃんのお願い事を断らないよ!」
ガシッ

「わわっ」

「こ、こんな感じかな?」

「う、うん…こんな感じ…」

男・幼「…」

「やっぱりちょっと照れるね」

「ちょこっとね」

56 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:13:01 rzB4O/D2 55/107

「でも…すっごくデートっぽくなったね!」

「うんっ」

「それじゃ、帰ろうかー」

「うんっ!」

(やっぱり男君は優しいなー)

(男君の隣り、居心地が良いなー)

(私、男君の事、大好きだなー)

57 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:13:40 rzB4O/D2 56/107



「映画館ではキャラメルポップコーンだったから」

「買って帰るのは普通ので良いよね?」

「うん、普通のポップコーンとコーラで!」

「3まで全部見るなら、もうちょっとお菓子あった方が良いかな?」

「じゃあちょっと甘い物が良いなー」

「それじゃスプーンで食べるロールケーキにしよう」

「いいねいいね!美味しいもんね」

58 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:14:29 rzB4O/D2 57/107

「それじゃ会計してくるね」

「私、外で待ってるね」

「うん」


「はぁ…もう夕方か…楽しいと時間も早く感じるなー」

「ちょっぴり風が冷たいなぁ」
はーっ

「お待たせー…ん?手、どうしたの?」

「あ、ううん。何でもないよ」

「ちょっと冷えて来たね」
ぎゅっ

「あっ」

59 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:15:25 rzB4O/D2 58/107

「家までは手を繋いで帰ろうよ」

「その…今日はデートなんだから」

「私たち、デートじゃなくても普段から手は繋いでるけどね」

「それもそうだね、ふふっ」
ぎゅっ

「それじゃー、帰ってDVD観よー!」

「おー!」

60 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:16:09 rzB4O/D2 59/107



ダイ・ハード
「マクレーン!そいつがハンスだー!」

「騙されないでー!」


ダイ・ハード2
「マクレーン!そいつらも犯人だー!」

「気付いてー!」


ダイ・ハード3
「マクレーン!犯人の目的は金塊だー!」

「ゼウス、気をつけてー!」

61 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:16:44 rzB4O/D2 60/107



「はぁっ…面白かったねー」

「こうして見ると、ブルース・ウィリスって歳取ったよね」

「4では完全に坊主だったもんね」

「ふふふっ、やっぱり髪の毛気になるよね?」

「1ではふっさふさだもんね」

「でも、1が公開されたのって、私たちが生まれる前だよ」

62 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:17:24 rzB4O/D2 61/107

「なのにまだアクション映画に出続けてるって凄いよね!」

「そうだよね…僕もブルースみたいなおじさんになりたいなー」

「男君はきっとハゲないと思うなー」

「そうかな?」

「だって、男君のおじいちゃんもお父さんもハゲじゃないし」

「うーん…僕はハゲても良いんだけどね」

「まぁ、うん…」

(どんなおじさんになっても、きっと私は…)

63 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:18:02 rzB4O/D2 62/107

幼の母「二人とも、そろそろ寝ないと明日きついんじゃない?」

「あ!もう11時…そろそろ寝ないと」

「それじゃ、部屋に行こうよ」

幼母「その前に、ちゃんと歯を磨いてからね?」

男・幼「はーい」

64 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:18:45 rzB4O/D2 63/107



「幼ちゃんの部屋で寝るの本当に久しぶりー」

「本当に1年ぶりくらいだよね」

「この布団の匂いも久しぶりー」クンクン

「幼ちゃんの家の匂いがする」

「男君の家のお布団も、男君の家の匂いがするよ」

「ウチの匂いはどんな匂いかなー?」
バフッ

65 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:19:38 rzB4O/D2 64/107

「わっ…幼ちゃん、いきなりダイブは危ないからやめてよー」

「えへへ。ごめんごめん」クンクン

「…自分の家の匂いはよく解んないやー」

「お日様の匂いだよ」

「干したお布団は全部お日様の匂いじゃない?」

「そうだけど…この布団は幼ちゃんの家の独特の匂いだよー」

「えっと…ひょとして臭い?」

「すっごく良い匂いだよ」

66 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:20:18 rzB4O/D2 65/107

「…良かった」

「それならもっとお泊りに来れば良いと思うよ?」

「うん、考えておくよ」

「それじゃ、そろそろ寝よっか」

「そうだね、明日学校だもんね」

「それじゃ、お休みなさい」

「お休み、幼ちゃん」

67 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:21:02 rzB4O/D2 66/107



深夜

「…」スースー

「…」
ゴソゴソ
ぎゅっ

「…やっぱりあったかい」

「…」スースー

68 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:21:41 rzB4O/D2 67/107



幼母「…この歳で同じ布団で寝るってどうなのかしら」

幼母「まぁ、幸せそうな顔で寝ちゃって」

幼母「…でもそろそろ起こさなきゃね」

幼母「ほら、二人とも、起きて」
ユサユサ

「…あ…お早うございます、おばさん」

「…」スースー

69 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:24:02 rzB4O/D2 68/107

「幼ちゃん、朝だよ、起きて」
ユサユサ

幼母「幼、ちゃんと起きなさい」

「…ん…あー、お早う、男君、お母さん」

幼母「また男君の布団に潜り込んで…」

「あったかいから…つい…」

幼母「とにかく、朝ごはん出来てるからね」

男・幼「はーい」

70 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:24:48 rzB4O/D2 69/107



「それじゃ、お母さん、行ってきまーす」

「お世話になりましたー」

幼母「行ってらっしゃい、二人とも、気をつけてね」

男・幼「はいっ」

71 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:25:52 rzB4O/D2 70/107

「今日の家庭科の時間、料理だよね」

「生姜焼きと豚汁だよね」

「生姜焼き…美味しいよねぇ」

「上手に作れればね」

「きっと美味しく出来るよ!」

「そう…かな?」

「絶対!大丈夫だよ!」

「わかった!私、頑張るよ!」

72 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:26:27 rzB4O/D2 71/107



「…」
サクッサクッ

女子A「わー、幼ちゃん、上手だねー」

女子B「私、上手に切れないんだけど…どうすれば良いの?」

「えっとね、左手は猫の手で、ゆっくり切るんだよ」

女子B「えっと…こう?」
サクッ

「そうそう、ゆっくりだよ」

女子B「うん!」

73 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:27:08 rzB4O/D2 72/107



「ん…」
モグモグ

「…どう?」

「美味しい!」

「本当に?」

男子A「確かに美味しいよな!これ」
モグモグ

男子B「そうだな!」
モグモグ

74 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:28:06 rzB4O/D2 73/107

女子B「幼ちゃんが凄く頑張ったんだよ」

女子A「凄く手際も良いし、幼ちゃん凄いよね」

女子B「教えるのも上手だしね」

「そ、そんな事無いよ」

男子B「サラダと豚汁は男が頑張ったんだぜ」

男子A「男、人参の皮剥くの上手だったし」

「ウチ、母さんが喫茶店の厨房で働いててさ」

「たまーに料理教えて貰ってるから」

75 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:28:41 rzB4O/D2 74/107

女子A「2人とも凄いねー」

「僕は凄くないけど、幼ちゃんは凄いね」

「料理、上手だったんだね」

「ふふっ、長いこと一緒に居るのに、知らなかったよ」

「えへへ…まぁ、女の子ですから、少しはね」

76 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:29:20 rzB4O/D2 75/107



男・幼「ご馳走様でした」

女子A・B「ご馳走様でした」

男子B「美味かったー」

男子A「あー、マジで幼ちゃんの作った生姜焼き美味しかった!」

男子A「おかわり欲しいくらい!」

女子A「残念ながら、おかわりはありません」

77 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:29:59 rzB4O/D2 76/107

男子A「こ、これ、幼ちゃんがお嫁さんになってくれたらー」

男子A「毎日食べられるのかなー」

「えっ?」

男子A「幼ちゃん、俺と結婚しない?」

「あ、あの…」

「…」

女子A「ちょっと!アンタ、空気読まなさすぎでしょ」

男子A「何だよ、良いだろ別に」

78 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:30:35 rzB4O/D2 77/107

「ご、ごめんね、男子A君」

「私、好きな人が居るから…」

男子A「…じ、冗談だよ、本気にしてばっかじゃねーの!」

「あぅ…」

女子B「男子A!今のは酷いよ!」

男子A「うっせー!」
タッタッタ

女子A「待ちなさい!後片付けまだでしょ!」

男子B「俺、捕まえてくる!」
タッタッタ

79 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:31:22 rzB4O/D2 78/107



担任「それでは皆さん、そろそろ後片付けに入って下さーい」

女子A「…あの2人、戻って来ないね」

「あの…女子Aちゃん、女子Bちゃん、お願いがあるの」

女子B「なぁに?」

「授業が終わる前に、あの2人を探してきて欲しいの」

「私、一応班長だし…このままだと2人が怒られちゃうし」

女子A「でも後片付けが…」

80 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:32:02 rzB4O/D2 79/107

「片付けは僕と幼ちゃんの2人でやっておくよ」

女子B「え?2人で大丈夫なの?」

「うん。私たち、後片付けは得意なタイプだから」

女子A「それじゃ、アイツらを探してくるね」

「お願いね」

女子A「まっかせといて!」
タッタッタ

81 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:32:45 rzB4O/D2 80/107

「それじゃ、ぱぱっと片付けちゃおうか、幼ちゃん」

「うん、やっちゃおう!」

「私が洗っちゃうから、男君は布巾で拭いてってね」

「了解!僕、食器拭くの得意だよ」

「それじゃ、行くよー」

「おー!」

82 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:33:34 rzB4O/D2 81/107

カチャカチャキュッキュッジャー
「はいっ、男君」

「はい」
キュッキュッカチャッ

「ふんふーふんふー♪」
カチャカチャ

「ふふっ。それって、あれだよね」
キュッキュッカチャッ

「ん?」

83 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:34:19 rzB4O/D2 82/107

「ダイ・ハードで使われてた曲」

「歓喜の歌だっけ?」

「曲名は知らないけど、そう」

「なんか、食器洗いしてると、自然と鼻歌が出ちゃうの」

「昨日聞いたから、耳に残っちゃって」

「あー、そう言う事あるよね」

「ふふふ、コレ、伝染るよ?」

「うん、もうすでに頭の中は歓喜の歌で一杯だよ」

84 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:35:02 rzB4O/D2 83/107

男・幼「~♪~~♪」

「こうしてると、後片付けも楽しいねっ」

「うん!」

「あ…男君、ちょっとだけしゃがんで」

「ん?これくらい?」

「そう…ちょっと動かないでね」


ちゅっ

「なっ…えっ?幼ちゃん?」

85 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:35:53 rzB4O/D2 84/107

「えっと…あごの所にご飯粒が付いてたんだけど」

「私、今両手が塞がってるから」

「口で取っちゃった」

「言ってくれたら、自分で取ったのに」

「私が取ってあげたかったの、えへへ」

「…嫌だった?」

「全然嫌じゃないけど、びっくりしちゃったよ」

86 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:37:48 rzB4O/D2 85/107

「…へへへ」

(あごだけど…ちゅーされちゃった…)

「…えへへ」

(勢いで、初めてちゅーしちゃった…あごだけど)

「…片付け、続けようか」

「そ、そうだね」




男子A「………」

87 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:39:23 rzB4O/D2 86/107



次の日の朝

「おはようー」

「おはよう、男子B君」

男子B「男、幼ちゃん、おはよう」

男子B「ところで…昨日、2人でちゅーしたのか?」

「え?」

男子B「なんか男子Aがみんなに言いふらしてるぞ」

男子B「で?マジなんかー?」

88 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:40:40 rzB4O/D2 87/107

「ちゅーしたって言うか…その…」

男子A「してただろ!家庭科の時間!」

「あ、男子A…おはよう」

男子A「誤魔化されないぞ!俺、見てたし!」

「えっと…幼ちゃんが僕に付いてたご飯粒を取ってくれたんだけど…」

男子A「口でだろ!ちゅーしてただろ!」

「えっと…」

89 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:41:37 rzB4O/D2 88/107

「あの…私がやった事だから…男君を責めないで…」

女子A「男子A!なんでアンタがそんな事言うのよ!」

女子B「そうよ!別に良いでしょ!」

女子A「好きな人とちゅーするくらい普通でしょ!」

男子A「う…なんだよっ!俺が悪いみたいに言うなっ!」

男子A「悪いのはちゅーしてた男と幼ちゃんだろ!」


担任「ちょっと、何の騒ぎなの?」

90 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:42:34 rzB4O/D2 89/107

男子A「あ!先生!昨日、男君と幼さんがちゅーしてました!」

女子B「好きな人とちゅーして何が悪いの!?」

男子A「汚いだろ!」

女子B「なんで汚いのよ!意味解んない!」

男子A「他人のつばは汚いって家の母さんが言ってたぞ!」

女子A「そんな訳ないでしょ!ばっかじゃないの!」

男・幼「…」

男子A「先生!こんなの良いんですか?」

91 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:43:52 rzB4O/D2 90/107

担任「幼さんと男君、放課後職員室に来なさい」

「…」

担任「ちゅーした事は別にして、ちょっと話しがあるから」

担任「ちゃんと職員室に来てね?」

男・幼「…はい」

担任「みんな、この件はこれでおしまい!」

担任「騒がないようにね。男子A君も」

男子A「……」

担任「ね?」

男子A「…はい」

92 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:44:42 rzB4O/D2 91/107



放課後

「先生に怒られちゃう…かな?」

「手を握っていれば、大丈夫だよ」
ぎゅっ

「そ、そうだね」
ぎゅっ

「じゃあ行こう!」

「うんっ!」
ガラッ

93 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:45:30 rzB4O/D2 92/107

「先生、来ました」

担任「うん、ちょっとこっちに…」

「あの…すみませんでした、先生」

「私があんな事したせいで…」

「悪いのは私なんで、男君を叱らないで下さい」

「幼ちゃんは、僕のあごに付いてたご飯粒を取ってくれただけです」

「僕が悪いんで、幼ちゃんを叱らないで下さい」

94 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:46:16 rzB4O/D2 93/107

担任「…まずはその繋いでいる手を放しなさい」

男・幼「…」
パッ

担任「男の子と女の子が、そんなにベタベタしてちゃいけません」

担任「もうそんな年でも無いでしょう?」

「でも先生、好きな人同士は一緒に居るものですよね?」

「そうです!ウチのお母さんも言ってました!」

「僕、幼ちゃんの事が大好きなんで、ずっと一緒に居たいです!」

「私もです!それは駄目な事なんですか?」

95 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:47:15 rzB4O/D2 94/107

担任「人の事を好きになるのは悪い事じゃないわ」

担任「とっても素晴らしい事よ」

担任「でも今日みたいな事があったら困るでしょう?」

担任「あなたたちはベタベタし過ぎなの」

担任「何でも、やりすぎはいけない事なの」

男・幼「…」ショボン

担任(とは言え、助け舟も出さないと…)

96 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:47:49 rzB4O/D2 95/107

担任「だからね、2人とも」

男・幼「はい…」

担任「んー、そうね」

担任「20歳まで、ベタベタするの我慢しなさい」

「20歳まで?」

「そ、それまで男君としゃべっちゃダメなんですか?」

97 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:49:38 rzB4O/D2 96/107

担任「そうでは無いわ」

担任「ただ、今までみたいにずーっとベッタリするのは禁止」

「ベッタリしなければ、男君と一緒に居ていいんですね?」

担任「そうね。一緒に居る事は悪くないし、駄目じゃないわ」

担任「高校も卒業して、20歳になってからなら」

担任「誰にも何も言われないと思うわ」

担任「20歳になれば、自分達の意思で結婚も出来るしね」

「結婚…」

98 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:50:13 rzB4O/D2 97/107

「…わかりました!そうします!」

「幼ちゃん…良いの?」

「私、男君の事、本当に本当に好きだから」

「明日から20歳になるまで絶対に我慢する!」

「幼ちゃんがそう言うなら、僕も…我慢する」

担任「うん、解ってくれたみたいで、先生も嬉しいわ」

担任「それじゃ、気をつけて帰りなさい」

男・幼「はい!」

99 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:50:44 rzB4O/D2 98/107



「明日から、ベタベタしないって事は…」

「今日はセーフだよね?」

「先生も見てないし、セーフだよ!」

「手、繋いでも良い?」

「もちろん!」
ぎゅっ

100 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:51:33 rzB4O/D2 99/107

「男君の手、やっぱりあったかいね」
ぎゅっ

「幼ちゃんの手もね」
ぎゅうっ

男・幼「…」

「ベタベタしないってどうすれば良いんだろ…」

「こうやって手を繋ぐのも、ダメ…なんだろうね」

「…うん」

101 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:52:20 rzB4O/D2 100/107

「でも、一緒に居るのはダメじゃないから」

「僕はいつでも幼ちゃんの隣りに居るからね!」

「うん!」

「20歳って随分先の事だけど…」

「20歳になったら…その時は…ね」

「うん!」

「…取り敢えず、明日からはベタベタしないって、約束ね!」

「うん!約束!」

102 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:52:50 rzB4O/D2 101/107



「…と言う訳なんだけど」

幼の姉「ふむふむ」

「私、明日からどうすれば良いと思う?」

「うーん…無視…は違うよね」

「男君の事、無視なんて出来ないよぉ…」

103 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:53:32 rzB4O/D2 102/107

「一緒に居て、ベッタリしない…」

「そだ!いっそ、ツンツンしてみるって言うのはどうかな?」

「ツンツン?」

「そう。幼ちゃんが男君の傍を離れるなんて出来ないんだから」

「ツンとした態度で接してみるの」

「例えばどんな?」

「そうねぇ、例えば…」

104 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:54:16 rzB4O/D2 103/107



次の日の朝

「さ、さっさと起きなさいよ、男っ」
ユサユサ

「ん…あ、幼ちゃん、お早うー」

「起こしてくれてありがとう」

「べ、別にお礼なんていいわよ」

「おばさんに頼まれて、仕方なく起こしに来たんだから」

「幼ちゃん?」

105 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:55:26 rzB4O/D2 104/107

「今日から私、男君の事、男…って呼び捨てにするから!」

「えっ?どうしたの?」

「うぅ…その…ベッタリしない様にする為に…」

「なるほど、そっか、わかったよ、幼ちゃん」

「私の事も、幼って呼び捨てにして!」

「え?僕も?」

「呼び方から変えて行った方が…」

106 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:56:35 rzB4O/D2 105/107

「…その…大人っぽくした方が良いかなって…」

「解ったよ、お、幼………ちゃん」

男・幼「…」

「と、とにかく今日からは、私ツンツンした態度で男君とお話しするからね!」

「でもずっと男君の傍に居るからね?いい?」

(男君って呼んだ事に気付いてない幼ちゃん、可愛いなぁ)

(僕、やっぱり幼ちゃんの事、大好きだなぁ)

(幼ちゃんがやりたいようにやって、僕はそれに付き合おうっと)

ツン幼「わ、解ったの?」

「うん、解ったよ、幼………ちゃん」

107 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 18:59:32 rzB4O/D2 106/107



保育園の頃から仲良しで、いつも隣りに居るのが当たり前で、お互いいつまでも一緒に居ると思ってたけど、小5の頃、ベタベタがあまりにも度が過ぎている事を担任に怒られてしまい、20歳になったら結婚する約束をして、距離を置く為にツンツンした態度を取るようになったけど、高校3年の夏、ついに我慢出来なくなって男女として付き合う事になったけど、今度は男の事が好き過ぎて、軽くヤンでしまったりしたけど、男の優しさと真剣さで、更に男の事を好きになってデレデレした態度に戻り、お互いの両親を説得して男の18歳の誕生日に結婚する事になり、それを証明する為、クラス全員の前でキスしたら、担任に見られてしまい、停学3日というペナルティを食らってしまいちょっと凹んだが、もう誰はばかる事無く男とラブラブ出来る事に気付き、テンションが最っ高にハイになっちゃったスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルデレデレになった幼馴染「と言う事が、小5の時にあってね」

幼友「前置き長いし!」

ハイデレ幼「あなたが聞きたいって言ったんじゃないの」



おわり

108 : ◆L0dG93FE2w[sa... - 2013/03/10 19:01:03 rzB4O/D2 107/107

これで終わりです
最後まで読んで貰えたら嬉しいです

このSSは
ツン幼馴染「はぁ?」男「いや、だから…」
http://blog.livedoor.jp/ayamevip/archives/11558015.html

デレた幼馴染「男、大好きよ」 男「うん」
http://blog.livedoor.jp/ayamevip/archives/22752561.html
の、前日談でした

甘甘のやつを書こうと試みたんですが、ちょっと…
やっぱ師匠には敵わないっす

次のスレは
幼馴染「バレンタインのお返しに」
ってタイトルで立てると思います
けど、ホワイトデーには間に合わないかも

では。

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