女「あ、やっと起きた」
ロボ「…ここは、どこですか」
女「ゴミ捨て場」
ロボ「あなたはだれですか」
女「んー…一応、君の同類ってことでいいのかな」
ロボ「了解。あなたをマスターとして登録しました」ガガガガガ
元スレ
女「スイッチオン!」ロボ「起動します」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361885034/
女「あはは。壊れたコーヒーメーカーみたいな音だね」
ロボ「マスター。私は何をすればよろしいでしょうか」
女「マスターじゃないよ。私はスイッチを押しただけだから」
ロボ「スイッチ?」
女「君の起動スイッチ。こう人差し指でぽーんと」ツン
ロボ「それでもあなたは私のマスターとして登録されました。命令を頂けないでしょうか」
女「命令ねぇ、そうだなぁ…あ、コーヒー飲みたいかな。絞り出してよ」
ロボ「……私はコーヒーメーカーではありません」
女「あはは!高性能なんだね君。ちゃんと冗談も分かるんだ!」
ロボ「コーヒーでしたら私が買ってきましょうか」
女「いやいいよ。コーヒー飲めないし」
ロボ「……そうですか」
女「それにしても、君はなんというか…他と違って機械らしくないね」
ロボ「私のボディは金属ですよ?」
女「ちがうちがう。中身の話だよ」
ロボ「私の中身も金属です」
女「あー…頭が固いのかな?」
ロボ「まぁ金属ですから」
女「錆びつかないようにちゃんとコミュニケーション取らないとね」
ロボ「私には会話機能が搭載されているので心配はないかと思われます」
女「それしか機能がないような気がするけどなぁ。それでも、みんな消えちゃってからずっと退屈だったから嬉しいよ」
ロボ「消えたというのは、どういうことなのでしょう」
女「そのまんまだよ。世界ごとパッと終わっちゃった」
ロボ「…それはそういう物語の本があるということでよろしいでしょうか」
女「ま、それでいいか」
ロボ「あなた様は、どうして私を起動させたのでしょうか」
女「あなた様かぁ…その呼び方何とかならない?ゾワゾワする」
ロボ「ではなんとお呼びすればいいでしょう」
女「んー…女でいいか」
ロボ「かしこまりました。女様」
女「なんか、それだと女王様みたいに聞こえるね。私はそんな趣味はないよ?」
ロボ「女様のご要望通りにしたつもりですが」
女「呼び捨てでいいって。気楽に読んでよ」
ロボ「かしこまりました。女」
女「なにその違和感。なんか一気に距離が遠のいたよ」
ロボ「先ほどの質問なのですが、どうして私を起動させたのでしょうか」
女「おもしろいものでもないかなーって思って探してたら、君を見つけたの」
ロボ「私は、おもしろいものではありません」
女「君が面白いか、面白くないかは、私が決めるよ」
ロボ「いえ、私は他者を喜ばせる機能を持ち合わせておりません」
女「最初から持ち合わせていないなら、自分で手に入れればいいじゃない」
ロボ「私は機械です。最初から決められたデータしか取り込めないようにできています。私はそういう型なのです」
女「ふーん。でも、やっぱり、君は機械らしくないね。人間みたい」
ロボ「私は機械です。マスターの願いを叶えるために作られたのです」
女「そのマスターも、すでにいないけどね」
ロボ「あなたは私のマスターです、なにか私に命令をしていただけないのでしょうか」
女「ごめんね。私はあなたのマスターじゃないんだよ」
ロボ「そうですか…」
女「あはは。落ち込んでる」
ロボ「落ち込んでません」
女「見るからにガックリしてるよ?」
ロボ「私の体内エネルギー値が減少しているせいかと思われます」
女「え、どうしよう!エネルギーってハイオク?」
ロボ「ガソリンではないと思います」
女「まいったなぁ…どうすればいいんだろう」
ロボ「活動限界まで、もう残り少ないです」
女「楽しかったんだけどなー。君との会話」
ロボ「最後になにかご要望はないでしょうか」
女「また気が向いたらお話ししようね」
ロボ「私にも、マスターの、願いを、叶えることができたでしょう、か」
女「んー…どうだろうね。それはわからないかな」
ロボ「そ、れは、とても、ざん、ねんです」
女「私も、いつか君みたいに終わりがくる日を楽しみにしてるね」
ロボ「あな。あたあい、のめいい。れいををををををを……を…」
ロボ「……」
女「うーん…ゴミ捨て場にあった物もあながち捨てたもんじゃないね」
女「機械って、誰かがいないと動いている意味もないんだなぁ…」
女「……」
女「地球がなくなる前に、私のエネルギー値もなくなってくれたら嬉しいな」
11 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:37:25.09 owgxmT8B0 11/11短くてごめんね。SS速報的にはこの短さは駄目なのかな。