1 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:23:55.01 owgxmT8B0 1/11


「あ、やっと起きた」

ロボ「…ここは、どこですか」

「ゴミ捨て場」

ロボ「あなたはだれですか」

「んー…一応、君の同類ってことでいいのかな」

ロボ「了解。あなたをマスターとして登録しました」ガガガガガ




元スレ
女「スイッチオン!」ロボ「起動します」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361885034/

2 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:26:20.29 owgxmT8B0 2/11


「あはは。壊れたコーヒーメーカーみたいな音だね」

ロボ「マスター。私は何をすればよろしいでしょうか」

「マスターじゃないよ。私はスイッチを押しただけだから」

ロボ「スイッチ?」

「君の起動スイッチ。こう人差し指でぽーんと」ツン

ロボ「それでもあなたは私のマスターとして登録されました。命令を頂けないでしょうか」

「命令ねぇ、そうだなぁ…あ、コーヒー飲みたいかな。絞り出してよ」


3 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:27:07.71 owgxmT8B0 3/11


ロボ「……私はコーヒーメーカーではありません」

「あはは!高性能なんだね君。ちゃんと冗談も分かるんだ!」

ロボ「コーヒーでしたら私が買ってきましょうか」

「いやいいよ。コーヒー飲めないし」

ロボ「……そうですか」

「それにしても、君はなんというか…他と違って機械らしくないね」

ロボ「私のボディは金属ですよ?」

「ちがうちがう。中身の話だよ」

ロボ「私の中身も金属です」

「あー…頭が固いのかな?」

ロボ「まぁ金属ですから」

4 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:27:56.77 owgxmT8B0 4/11


「錆びつかないようにちゃんとコミュニケーション取らないとね」

ロボ「私には会話機能が搭載されているので心配はないかと思われます」

「それしか機能がないような気がするけどなぁ。それでも、みんな消えちゃってからずっと退屈だったから嬉しいよ」

ロボ「消えたというのは、どういうことなのでしょう」

「そのまんまだよ。世界ごとパッと終わっちゃった」

ロボ「…それはそういう物語の本があるということでよろしいでしょうか」

「ま、それでいいか」

5 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:28:44.75 owgxmT8B0 5/11


ロボ「あなた様は、どうして私を起動させたのでしょうか」

「あなた様かぁ…その呼び方何とかならない?ゾワゾワする」

ロボ「ではなんとお呼びすればいいでしょう」

「んー…女でいいか」

ロボ「かしこまりました。女様」

「なんか、それだと女王様みたいに聞こえるね。私はそんな趣味はないよ?」

ロボ「女様のご要望通りにしたつもりですが」

「呼び捨てでいいって。気楽に読んでよ」

ロボ「かしこまりました。女」

「なにその違和感。なんか一気に距離が遠のいたよ」


6 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:29:58.18 owgxmT8B0 6/11


ロボ「先ほどの質問なのですが、どうして私を起動させたのでしょうか」

「おもしろいものでもないかなーって思って探してたら、君を見つけたの」

ロボ「私は、おもしろいものではありません」

「君が面白いか、面白くないかは、私が決めるよ」

ロボ「いえ、私は他者を喜ばせる機能を持ち合わせておりません」

「最初から持ち合わせていないなら、自分で手に入れればいいじゃない」

ロボ「私は機械です。最初から決められたデータしか取り込めないようにできています。私はそういう型なのです」

7 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:31:01.20 owgxmT8B0 7/11


「ふーん。でも、やっぱり、君は機械らしくないね。人間みたい」

ロボ「私は機械です。マスターの願いを叶えるために作られたのです」

「そのマスターも、すでにいないけどね」

ロボ「あなたは私のマスターです、なにか私に命令をしていただけないのでしょうか」

「ごめんね。私はあなたのマスターじゃないんだよ」

ロボ「そうですか…」

8 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:31:31.86 owgxmT8B0 8/11


「あはは。落ち込んでる」

ロボ「落ち込んでません」

「見るからにガックリしてるよ?」

ロボ「私の体内エネルギー値が減少しているせいかと思われます」

「え、どうしよう!エネルギーってハイオク?」

ロボ「ガソリンではないと思います」

「まいったなぁ…どうすればいいんだろう」

ロボ「活動限界まで、もう残り少ないです」

「楽しかったんだけどなー。君との会話」


9 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:32:07.55 owgxmT8B0 9/11


ロボ「最後になにかご要望はないでしょうか」

「また気が向いたらお話ししようね」

ロボ「私にも、マスターの、願いを、叶えることができたでしょう、か」

「んー…どうだろうね。それはわからないかな」

ロボ「そ、れは、とても、ざん、ねんです」

「私も、いつか君みたいに終わりがくる日を楽しみにしてるね」

ロボ「あな。あたあい、のめいい。れいををををををを……を…」

ロボ「……」

10 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:32:43.68 owgxmT8B0 10/11


「うーん…ゴミ捨て場にあった物もあながち捨てたもんじゃないね」

「機械って、誰かがいないと動いている意味もないんだなぁ…」

「……」







「地球がなくなる前に、私のエネルギー値もなくなってくれたら嬉しいな」


11 : ◆WoKACJPFC.[sag... - 2013/02/26 22:37:25.09 owgxmT8B0 11/11

短くてごめんね。SS速報的にはこの短さは駄目なのかな。

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