ちなつ「キスの練習したい……」
あかり「!?」
あかり「何度も言うけどやっぱりあかり、友達同士でそういうの、ダメだと思うからその……」
ちなつ「え?……ああ。あかりちゃんにはもう頼まないから安心して」
あかり「えっと、それって……?」
ちなつ「いやー、いくら私が鋼のメンタルしてるっていっても毎度全力疾走で逃げられるとさぁ」
ちなつ「ちょっとへこむよねぇ」
あかり「ぅ。あ、あの……、ごめんね?」
ちなつ「というわけであかりちゃんには金輪際頼まないから安心してね?」ニコッ
あかり「う、うん……」
ちなつ「というわけで、誰か練習OKしてくれそうな人いない?」
あかり「あかりに聞かれても……」
ちなつ「もうっ、ターゲットから外してあげたんだから、ちょっとは協力してよ」
あかり「……じゃ、じゃあ>>5とか?」
元スレ
ちなつ「キスの練習するわよっ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1360936381/
5 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/15 22:58:47.84 gGAIbLAq0 2/42あかね
あかり「……じゃ、じゃあお姉ちゃんとか?」
ちなつ「え……。お姉ちゃんて、あかりちゃんの?」
あかり「うん。自分の身内を褒めるのもなんなんだけど」
あかり「お姉ちゃん、もてもてらしくて、みんなから大人気みたいなの」
あかり「きっと素敵な恋愛とかいっぱいしてると思うんだよぉ」
ちなつ「そ、そうなんだ」
ちなつ(ちょっと苦手なんだよねぇ……、あかりちゃんのお姉ちゃん)
ちなつ(でも無理やり意見聞いといて却下もアレだしなぁ)
ちなつ「わかった!じゃあ今日の放課後あかりちゃんちに行くね?」
あかり「うん!」
~赤座家~
ちなつ「おじゃましまーす」
あかり「お姉ちゃんいるみたいだから呼んでくるね?お菓子食べて待ってて」
ちなつ「うん……」
ちなつ(うぅ、……ちょっと緊張してきた)
コンコン
あかり「お姉ちゃん、入っていい?」
あかね「あらあかり、おかえりなさい。今出るから」バタン
あかり「お姉ちゃん、いきなりなんだけどカクカクシカジカでちなつちゃんと」
あかり「え、えーっと、その、き、キス……の練習をしてほしいの」
あかね「……え?」
あかり「お願い!あかり、ちなつちゃんに『きっとお姉ちゃん素敵な恋愛してるから』
みたいなこと言っちゃって、期待させちゃったの……」
あかね「恋……愛……?私が……」
あかり「……?違うの?」キョトン
あかね(あかり一筋で恋愛なんてしたことないなんて言えない
あかね(い、いけないわ、このままだとあかりを失望させてしまう)
あかり「ね?いいでしょ?」
あかね「>>10」
10 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/15 23:12:06.61 iijxZeJd0 5/42しまくり
あかね「しまくりよ」
あかね「あかりの言うとおり、お姉ちゃん、素敵な恋愛をいくつもしてきたわ」
あかり「やっぱり!」パァ
あかね(あぁ、嬉しそう。あかりかわいいわあかり)
あかり「じゃあ、ちなつちゃんのキスの練習も大丈夫だよねっ?」
あかね「え……、そ、そうなるの?」
あかり「そうなるよぉ。ちなつちゃんもきっと経験値アップだよ!」
あかね「あ、あかりがそういうならきっとそうなのね!わかったわ、お姉ちゃんに任せなさい」
あかり「わーい」
――
―
あかり「おまたせー」
あかね「こんにちは、ちなつちゃん」
ちなつ「こ、こんにちは!あかりちゃんのお姉さん!」ビシッ
あかね「ふふっ、あかねでいいわよ?そんなに硬くならないで。ね?」ニコッ
ちなつ(あれ?なんか今までの印象と違う……?優しそうな微笑)
あかね「キスの練習をしたいそうね?まったくおませさんなのね、ちなつちゃんは」クスッ
ちなつ「い、いや、その、やっぱり練習は大事ですから!」
ちなつ「もちろん予習も復習もかかせませんよね!あはははは」
ちなつ(う……、テンパって何言ってるのか分からない……!)
あかね「緊張してるのね。それじゃお姉さんからしてあげようかしら」
ちなつ「……!」ドキッ
ちなつ(ほ、ほんとに大人な感じ……。これならほんとに素敵なキスを教えてもらえるかも)
あかね(こんな感じなら恋愛経験豊富に見えるかしら……。どうしてこんなことに)
あかね「ほぉら、目を瞑って?」
ちなつ「あ!は、はいっ!閉じました!」
あかね「ふふっ、それじゃするわね?」
ちなつ(あかねさんの手がほっぺたに……、あったかい。ドキドキする)
チュ
あかね「はい、おしまい。どうだったかしら」
ちなつ「え、えっと、>>16」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/15 23:29:03.44 Q45dURmh0 8/42もっと!
ちなつ「え、えっと、もっと!」
あかね「え」
ちなつ「もっとしてください!さっきのじゃ唇が触れただけじゃないですか!!」
あかね「それはそうだけど……。中学生にはこれ以上はまだ早いわ、ね?あかり?」
あかり「……///」ドキドキ
あかね(……あかりが頬を赤く染めてこっちを見つめてる?)
あかね(私とちなつちゃんのキスを見てドキドキしてるの?)
あかね(あかりに……見られて……)ゾクッ
あかね(何今の……?悪寒?)
あかね(ううん、違うわ。……私のキスを見てあかりが興奮してる)
あかね(その事実に……、ちょっと快感のようなものを感じちゃった)
あかね「そんなに私とキスしたいの?」
ちなつ「……は、はぃ///」
あかね「ふふっ、かわいい。いいわ、ちなつちゃん。もっとしましょ?」
ちなつ「ほ、ほんとですか!?うれしい!!」
あかね(こんなに喜んじゃって。ほんと、かわいいわね。ちいさいともこさんみたい)
あかね(正直悪い気はしないわよね。でも、やっぱり私にはあかりしかいないの)
あかね(だからさっきのも、これからするのも、あくまで練習、ね?)
ちなつ「今度は、どんなキスしてくれるんですか?」
あかね「それはね……?」チラ
あかり「……///」ゴクリ
あかね(あかりったら興味津々ね、ふふ)
あかね(お姉ちゃんのキス、いっぱい見てね?)
あかね「してからの、お・た・の・し・みっ」
ちなつ「えぇ~、あかねさんのいじわる~」
あかね(さて、そうは言っても私もろくにキスなんてしたことないんだけれど)
あかね(次は>>24みたいなキスしてようかしら)
24 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/15 23:45:19.30 YSeIBVoq0 11/42口以外のところにする方向性のキス
あかね(次は、口以外のところにする方向性のキスをしてみようかしら)
ちなつ「……///」ドキドキ
あかね(ちゃんと目を瞑って待ってるわね。スムーズに出来そう)
あかね(まずはほっぺ)
チュ
ちなつ「ん……え、ほっp」
あかね(そのまま耳へ……)
ハム
ちなつ「んぁっ……え?え?」
あかね(耳たぶあまがみのあとは……)
ちなつ「あ、あのあかねs」
あかね(耳から首筋に舌を這わせながら……強めのキス)
チュウッ
ちなつ「んんんん……っ」ビクッ
あかね(かわいい声……。ふぅ、これくらいで十分かしら)
ちなつ「あ、あかねさぁん……///」ハァハァ
あかね「どうちなつちゃん?キスって言っても唇と唇でするだけじゃないのよ?」
ちなつ「はぁい……、べ、勉強になりましたぁ」ホワン
あかね(ちなつちゃんは満足してくれたみたいね)
あかね(はっ!いけない、夢中になっちゃったわ!)
あかね(あかりは?あかりはどんな顔してるのかしら!?)チラ
あかり「>>31」
31 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/15 23:59:51.90 YSeIBVoq0 14/42羅刹悪鬼、宛らまるで修羅畜生の如き顔
あかり「……」ゴゴゴゴゴ
あかね「!?」
あかね(え?なに?あかりの顔が……。まるでこれは……)
あかね(羅刹悪鬼、宛らまるで修羅畜生の如き顔!?)
あかね(これはどういう……?私に焼きもちやいてくれてたり?)
あかね(それともちょっとエッチだったから激怒してる?)
あかね(……まさかちなつちゃんがとろんとしちゃったから?)
あかね(わ、わからない。わからないわ!)
あかね(こんなあかり、見たこと無いもの!!)
あかね(あまりの迫力にいったいどうしたのかすら聞くに聞けないわ……)
ちなつ「ふぁぁ……、すごかったぁ……、ん?」
ちなつ「あれ、あかりちゃん、すごい顔してどうしたの?」
あかね(GJ!ナイスよちなつちゃん!)
あかり「>>36」
36 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 00:11:00.25 UG9LCFHf0 16/42これ以上我が最愛の姉上と接吻してはいかぬ、いかぬのだ…
あかり「もうこれ以上あかりの大好きなお姉ちゃんとキスとか、
え、エッチなことしちゃダメ!ダメなのぉ!!」
あかね「あ、あかり……!」ジーン
あかり「例えちなつちゃんでも、お姉ちゃんは渡さないんだからっ!」
あかね(感動してる場合じゃないわ、あかりを落ち着かせないと)
あかね「あかり、大丈夫よ?ほら、これはあくまで『練習』。『練習』なんだから、ね?」
あかり「で、でも、ちなつちゃん、すっごく気持ちよさそうだったもん!」
あかり「きっとお姉ちゃんのこと好きになっちゃったもん!」
あかり「ちなつちゃん相手じゃあかり……勝てないよぉ」グスッ
あかね「あかり……」
ちなつ「あかりちゃん……」
ちなつ「>>40」
40 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 00:18:58.84 O5A3pbzv0 18/42わたしは結衣先輩が好きだから大丈夫だよ
ちなつ「わたしは結衣先輩が好きだから大丈夫だよ」
あかり「ちなつちゃん……」グスン
ちなつ「ほら、かわいい顔が泣いてちゃ台無しだよ?」フキフキ
ちなつ「ほらっ、笑顔笑顔っ」ニコッ
あかり「あ……、うんっ!」ニコッ
あかね(なんていい子なのちなつちゃん……!)
あかね(明日ともこさんにランチご馳走してあげましょ)
あかね「ちなつちゃん、ありがとう。ちなつちゃんがあかりのお友達でいてくれて嬉しいわ」
ちなつ「い、いやぁ、あはは、照れちゃいますよ~///」
ちなつ「ってもうこんな時間。そろそろ帰ろっかな」
あかり「え?もう帰っちゃうの?」
あかね「そうよ、いっしょにお夕飯とかどう?」
ちなつ「嬉しいんですけど、ほら、あかりちゃん、
あんな気持ちの入った告白しちゃった後で図々しく残っていられませんて」
あかり「あ……!あかり、大好きだって言っちゃったんだ。うぅ///」
あかね「あ、あかり……///」
ちなつ「お邪魔虫は退散するから。後はうまくやるのよ?」ポン
あかり「え、あ、うん///」
ちなつ「あかねさん、すっごい勉強になりました!ありがとうございます!」ペコ
あかね「それはよかったわ。あれくらいならいつでも……」
ギュ
あかり「……」ジー
ちなつ「あはは。私はもう十分練習できましたから」
ちなつ「練習じゃないキス、いっぱいあかりちゃんにしてあげてくださいねっ」
あかり「……///」
あかね「ち、ちなつちゃんたら///」
ちなつ「えへへっ、それじゃおじゃましましたー」
――
―
ちなつ「はー、すごい勉強になったなぁ」
ちなつ「思い出すと鼻血がでそう……」
ちなつ「うーん、明日も練習しよっかな、どうしよっかなぁ」
ちなつ「……よしっ、>>47」
47 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 00:39:18.21 UTBuICBZ0 21/42結衣先輩で本番
ちなつ「……よしっ、結衣先輩で本番よ!」
ちなつ「あかりちゃんやあかねさんに負けてられないもんね!」
ちなつ「それにあかねさんにしてもらった感覚を忘れる前に実行しないと」
ちなつ「……」
ちなつ「でも本番て……」
ちなつ「どうやってそのシチュエーションにもっていけばいいんだろ」
ちなつ「……」
ちなつ「普通に考えるとまず告白……?」
ちなつ「でもNOだったら?」
ちなつ「じゃあ強引に?」
ちなつ「した後が怖い……」
ちなつ「ダメダメ!ネガティブな考えはどっかに飛ばさないと!」
ちなつ「深く考えてもしょうがないわ!」
ちなつ「>>51の作戦で行こう!」
51 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 00:50:17.98 UTBuICBZ0 23/42寝てるところを襲う
ちなつ「寝てるところを襲う作戦で行こう!」
ちなつ「恋愛は戦いよ!なりふりなんてかまってられないわ!」
ちなつ「……問題はどうやって寝込みに居合わせるか」
ちなつ「やっぱりお泊り、だよねー」
ちなつ「明日なんとかお泊りの約束して週末まで待つ?」
ちなつ「ノー!勢いは大事!今日実行するわ!」
ちなつ「……」
ちなつ「よし!今日は家族が急用で家を開けるのに鍵をもらい忘れたって設定にしよう!」
ちなつ「優しい結衣先輩ならきっと泊めてくれるはず……」
ちなつ「……」
ちなつ「良心がちょっと痛むわね」
ちなつ「あー!うだうだするな私!れっつ連絡!」ピッ
ちなつ「あ、結衣先輩ですか?実はカクカクシカジカで……」
――
―
ちなつ(というわけで無事お泊り成功)
結衣「大変だったね、寒かったでしょ?」
ちなつ「あ、はい。でも結衣先輩が受け入れてくれて助かりましたよ~」
結衣「あはは。私でよければいつでも頼ってよ」ニコ
ちなつ「はいっ!」
ちなつ(やっぱり良心が痛い……)
結衣「でもごめんね、急だったからおもてなしの用意とか全然できてなくて」
ちなつ「いえいえいえ!泊まらせていただけるだけで十分ですはい!」
結衣「そういってくれると助かるよ」
ちなつ(結衣先輩やっぱり優しい。素敵)
ちなつ(今日、あの唇を奪うのね……)
結衣「ん?私の顔に何かついてる?」
ちなつ「ちっちゃい虫がいたような気がしましたけど、気のせいでしたあははは」
ちなつ(ふー、あぶないあぶない。寝るまでおとなしくするべきかな)
ちなつ(どうするちなつ、>>56)
56 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 01:11:52.24 Gs4MHgNY0 26/42不気味なほど静かにする
ちなつ(不気味なほど静かにしてみよっか)
ちなつ(よく考えたら今まで押せ押せすぎたよね)
ちなつ(よし!静かに、おとなしく)
結衣「おまたせ、有り合わせで作ったオムライス」コト
ちなつ(きゃー!結衣先輩の手料理!!)
ちなつ「いっただっk……」
ちなつ「いただきます」
結衣「どうぞ」
ちなつ「……」モグモグ
結衣「中のチキンライスなんだけど、鶏肉がなかったから
ただのケチャップライスになっちゃった。ごめんね」
ちなつ「いえ」モグモグ
ちなつ(それはそれでレア!おいしいです結衣先輩!)
結衣「え、えっと」
ちなつ「はい」モグモグ
結衣「あー……なんでもない」
ちなつ「……」モグモグ
結衣「……」モグモグ
ちなつ「……」モグモグ
結衣「……」モグモグ
ちなつ「……」モグモグ
結衣「……」モグモグ
ちなつ「……」モグモグ
結衣「……」モグモグ
ちなつ(あれ?なんかこれ……、空気がちょっと……マズい?)
ちなつ(ど、どうしよう)
結衣「ちなつちゃん」
ちなつ(もしかしたら、怒っちゃった!?)
結衣「>>62」
62 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 01:29:36.51 5IgojgLiO 29/42泣き出す
結衣「……」グスッ
ちなつ「!?」
結衣「うっ、ううっ……」グスグス
ちなつ(ど、どういうことなの!?泣いてる……わよね?)
結衣「ごめんね……、せっかく頼ってきてくれたのに」ポロ
結衣「夕飯ひとつちゃんと作れなくて……、うぅ」ポロポロ
結衣「いいんだよ、おいしくないならそういってくれて」
結衣「そ、そのほうがさ、ほら、ぐすっ、嬉しいし……あはは」
結衣「そ、そうだ!今からコンビニにお弁当買いに行くから待ってて」グスッ
ちなつ(え!?そこまでしなくても!!)
ちなつ(結衣先輩って思っていたよりナイーブっていうか繊細だったんだ……)
ちなつ(バカバカバカ!なにやってるの私!優しい結衣先輩を泣かせて!)
ちなつ(なんとかフォローしないと)
ちなつ(よっし、ここは>>67よ!!)
67 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 01:44:34.01 UG9LCFHf0 31/42「こ、コンビニなんていらないですよ!結衣先輩のご飯が世界で一番おいしいです!!」っつってコンビニ燃やす
ちなつ(よっし、ここは結衣先輩の料理を褒めるわよ!!)
ちなつ「こ、コンビニなんていらないですよ!結衣先輩のご飯が世界で一番おいしいです!!」
結衣「え……?」
結衣「はは……、ちなつちゃんは優しいね。でもいいんだよ、本当のことを言ってくれれば」
ちなつ「嘘なんかじゃありません!!」
ちなつ「その証拠にコンビニ燃やして弁当なんか取るに足らないことを証明して見せます!」
結衣「そう、本当はちなつちゃんだってコンビニ燃やs……、え、ちょ、え?」
ちなつ「見ててください私のトゥルーハート!」
結衣「待って待って待ってー!!!」ガバッ
ちなつ「離してください結衣先輩!これくらいやらないと私の気持ちは分かってもらえないんです!」
結衣「わかった!わかったって!」ギュウ
ちなつ「……。本当ですか?」
結衣「うん。本当。私のご飯、世界で一番おいしいって思ってくれてるんでしょ?」
ちなつ「……はいっ!」
結衣「ふぅ、まったくちなつちゃんには驚かされるな。あはは」
ちなつ「あ、結衣先輩笑ってくれた。よかったぁ」
結衣「あぁ、ご、ごめんね?なんか最近涙もろくて……」
ちなつ「私……、結衣先輩を傷つけちゃったのかと思って……」グス
ちなつ「いつも私、うるさくて迷惑かけちゃってるかと思って」
ちなつ「せめて泊めてもらってる間くらいはおとなしくしようかと……」グスッ
結衣「ちなつちゃん……」
ちなつ「うわーん!ごめんなさーい!!」ブワッ
結衣「泣かないで、ね?」
結衣「私はぜんぜん大丈夫だから、ほら」
ちなつ「びえー!うわーん!」
結衣(困ったな……。でも私が泣き出したせいで心配させちゃったんだもんね)
結衣(なんとか安心させないと)
結衣「>>72」
72 : 以下、名無しにかわりましてVIP... - 2013/02/16 02:08:05.78 O5A3pbzv0 34/42安心して、わたしには京子がいるから
だからちなつちゃんは泣かないで
結衣「安心して、わたしには京子がいるから」
結衣「だからちなつちゃんは泣かないで」
ちなつ「ぐすっ……え?」
結衣「泣いたりしてみっともないところ見せちゃってほんとごめん」
結衣「いつもなら京子がいてくれて、心細い気持ちになったりしないんだけどさ」
結衣「今日はちょっと……、かっこいい先輩でいるの失敗しちゃった」
結衣「泣いちゃったのは私の問題でさ、ちなつちゃんのせいじゃないんだよ」
結衣「京子がいてくれないと弱い私がいけないんだ」
結衣「だから、ね?ちなつちゃんは責任を感じる必要なんて無いんだよ」
ちなつ「そう……なんですか。京子先輩がいないから……」
ちなつ「結衣先輩にとって、京子先輩は大切な人……なんですね?」
結衣「ここまでかっこ悪いところ見せちゃったんだから、取り繕っても仕方ないよね」
結衣「うん。京子は誰よりも大切な人。私の……好きな人」
ちなつ「……」
結衣「……ちなつちゃん?」
ちなつ「もーっ!びっくりさせないでくださいよー!」
ちなつ「びっくりしすぎて涙止まっちゃったじゃないですかー」
結衣「あ、ほんとだ!……よかったぁ」ホッ
結衣「安心したら恥ずかしくなってきたな……」
ちなつ「何がです?」
結衣「いや、自分の気持ち、誰かに話したのって初めてでさ、はは」
ちなつ「……どうして話してくれたんですか?」
結衣「うーん、そうだなぁ……」
結衣「やっぱり私のご飯が一番だって言って暴走しかけたの見たからかな」
ちなつ「え……なぜ?引くならともかく」
結衣「うん。あんな情けない姿見せたのにさ、呆れるでも軽蔑するでもなく、
一生懸命になってくれてるちなつちゃんを見てたら……」
結衣「この子になら素の自分を見せてもいいのかなって思えた……のかな?」
ちなつ「……そう、ですか」
ちなつ「えへへ、嬉しいですっ!」
結衣「でもこのことは誰にもナイショだからねっ?」
ちなつ「……。京子先輩にもですか?」
結衣「ちょっ、一番話しちゃいけない相手だよー!」
ちなつ「えー。そーなんですかー?どーしよっかなー?」
結衣「ち、ちなつちゃぁん」
ちなつ「えへっ、冗談です☆」
結衣「冗談……はぁ」
結衣「もうっ、ちなつちゃんっ」
ちなつ「ごめんなさーい」
結衣「ふふっ」
ちなつ「あははっ」
結衣「なんか、この少しの時間で今までよりずっとちなつちゃんに近づけた気がするなぁ」
ちなつ「……」
ちなつ「そうですね」ニコッ
――
―
結衣「それじゃ電気消すね」
ちなつ「お願いしまーす」
ピッ
結衣「それじゃおやすみ」
ちなつ「おやすみなさい、結衣先輩」
――
―
ちなつ(今日はいろいろあったなぁ)
ちなつ(あかねさんとキスの練習でめろめろになったと思ったら)
ちなつ(あかりちゃんが愛の告白してあかねさんとラブラブに……)
ちなつ(その上こうやって結衣先輩のおうちにお泊り)
ちなつ(結衣先輩があんなに泣き虫だったなんて……)
ちなつ(たくさん結衣先輩こと見てきたと思ってたけど、まだ知らないことがたくさんあるんだなぁ)
ちなつ(……)
ちなつ(京子先輩のことが好き……だったこととか)
ちなつ(……)
ちなつ(結衣先輩はもう寝たかな?)
ちなつ「ゆいせんぱーい」
ちなつ「……」
ちなつ「……」
ちなつ「……」
ちなつ(寝たみたいね)
ちなつ(……)
ちなつ(……)
ちなつ(……)
ちなつ(……よし)
ゴソ
ちなつ(結衣先輩……)
ちなつ(やっぱり綺麗だなぁ)
ちなつ(……)
ちなつ(ねえ結衣先輩……)
ちなつ(私、結衣先輩のこと)
ちなつ(好きだったんですよ?)
ちなつ(好きで好きで)
ちなつ(大好きで……)
ちなつ(……)
ちなつ(でも……、私じゃ結衣先輩の泣き虫さんを抑えることは出来ないみたいです)
ちなつ(しかたないので。ほんっとーにしかたないので)
ちなつ(結衣先輩のとなりは、京子先輩に譲ってあげます)
ちなつ(だから……そのかわり私に一つください)
ちなつ(……)
ちなつ(……)
チュ
ちなつ(……)
ちなつ(さよなら、私の初恋……)
――
―
結衣「ちなつちゃーん!お・き・ろー!」
ちなつ「むにゃ……」
結衣「とりゃっ」ガバッ
ちなつ「ひぇっ」
ちなつ「さ、さぶっ!ひどいです結衣先輩!」
結衣「おねぼうさんがいけないんだよ?」
ちなつ「うぅ~。なんか私の扱い悪くなってません?」
結衣「そう?」
ちなつ「そうです~!」
ちなつ「……まぁ、その遠慮が抜けたのが嬉しくもあるんですけどね」
結衣「なにか言ったー?」
ちなつ「なんでもありませーん!」
結衣「気になるよー。なにー?」
ちなつ「あははっ、教えませーん!」
――こうして夢にまで見た本番のキスとともに
私の恋はひとつの区切りを迎えました
でも結衣先輩のかわいい、か~わいい後輩のポジションは
ちゃんと確保できたみたいだからいいよね?
このくらいじゃチーナはめげないんだからっ
結衣先輩にもあかりちゃんにも負けてられないしね!
ちなつ「さってとー、次の恋に備えてキスの練習したいなー!」
おわり
しかし結衣さん若干はっちゃけてないかw