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591 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:09:08 xy8dyyCY 526/584


―2012年/3月/21日/香川/ ――――――――――----

ガヤガヤガヤガヤ

ソレジャーネー!

バイバーイ!

オツカレー!

モブ女1「いやぁ~、楽しかったね~同窓会!久しぶりに皆と会えたし!」

モブ女2「この後、皆は2次会行くみたいだけど…良かったのモブ女1?行きたそうだったけど?」

モブ女3「モブ女2、元々同窓会の後、3人で集まろうって話だったし、モブ女1なんかにそんな気を遣わなくったっていいよ。」

モブ女1「ちょっとーモブ女3!それちょっとひどくなーい!?」

モブ女2「ふふ。」

モブ女1「…まー、私も2人に話があるし気にしなくていいよ!…2次会行きたいってのは本当だけど…てか、私よりもモブ女2の方が残りたいんじゃないの?だって2次会には…」

モブ女2「…いいの、気にしないで。…それよりもモブ女1も話があるの?モブ女3からは『今日のこと』で色々と話があるからってこと聞いてたけど…」

592 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:09:35 xy8dyyCY 527/584


モブ女1「そりゃあ~、2人にも今日、久しぶりに会ったんだし、私の海外放浪記についてた~んと聞いてもらおうと思って!」

モブ女2「わ~、楽しみ~」

モブ女1「でも、今から朝までどうする?どこか居酒屋でも行く? あ、でも明日朝から飛行機乗るし、これ以上お酒はまずいか。」

モブ女3「う~ん、そうね~…」

モブ女2「…あ、ねえ久しぶりにあのファミレスがあるしそこで話そうよ。」

モブ女3「…お、あそこね。あそこなら24時間営業だし、朝までゆっくり喋れるわね。」

モブ女1「おっけー、そんじゃ、行きますか、久しぶりに♪」


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593 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:10:22 xy8dyyCY 528/584


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店員「ご注文をお伺いします。」

モブ女1「二人ともホットコーヒーでいいよね~?」

モブ女2「うん。」

モブ女3「いいよ。」

モブ女1「それじゃあホットコーヒーを2つと、…え~っとストロベリーパフェとティラミスと…ミックスジュースで!」

モブ女3「わお。」

モブ女2「ちょっとモブ女1ちゃん、この時間帯にそんなにデザート食べたら太るよ?」

モブ女1「大丈夫大丈夫!それにさっきの飲み会でご飯全然食べれなかったからおなか減ってるんだよね~」

モブ女3「ふふ、相変わらずねモブ女1。」

モブ女2「ほんとだね。」

モブ女1「え~!? そう!? …あ、でも今日あんたたちのために『お遣い』をしてあげたんだからここは2人の驕りね♪」

594 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:10:45 xy8dyyCY 529/584


モブ女3「はいはい。分かってるわよ。」

モブ女2「ふふ、いくらでも食べていいよモブ女1ちゃん。」

モブ女1「やった~♪ それじゃ後でオムライスも食~べよ♪ ここのオムライスとろふわで美味しいんだよね~♪ 4年振りだな~♪」

モブ女3「お、オムライスって…」

モブ女2「そんなに食べてもそのスタイル維持出来てるんだから凄いよね、モブ女1ちゃん。」

モブ女1「まあ、その分運動もちゃんとしてるしね~。…でっと。」

モブ女2・3「?」

モブ女1「…『何から』話す?」

モブ女3「…そうね~、まあ『話す事』はいっぱいあるけど…」

モブ女2「モブ女1ちゃんは何から話したい?」

モブ女1「う~ん…そりゃやっぱり『今日のこと』を2人に色々聞きたいかな~? 私も何が何だが分かんなかったし。」

モブ女3「そりゃそうよね。それじゃあ、順を追って説明していきましょうか。ね、モブ女2?」

モブ女2「そうだね。」

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595 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:11:23 xy8dyyCY 530/584


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モブ女1「…なるほどね~。女ちゃんと男くんはどっちも鏡の世界のことを『ある程度』知っていて、そして北校舎とあのマンションのエレベーターの鏡が『魔法鏡』だってことがバレちゃったっていうわけね。」

モブ女3「そういうこと。てか、モブ女1、もうあそこは『北校舎』じゃないわよ。今は『旧校舎』って呼ばれてるのよ。」

モブ女1「へ?そうなの?4年前は『北校舎』って名前だったからそのまんまだと思ってたよ。」(>>3)

モブ女3「まあ、あんたは東京の大学に行ってからはこっちにあんまり帰って来なかったし知らないのも無理ないか。」

モブ女1「しかもその半分は海外に居たしね。 …で、話は戻るけど、エレベーターの鏡が『魔法鏡』だってことがバレたから私が『時間稼ぎに回された』ってことでいいのよね?」

モブ女3「ええ。あんたが時間稼ぎしてくれている間になんとかモブ女2が『色々』と対処してくれたから。」

モブ女2「もお~…モブ女3ちゃんはあたかも簡単に私が対処したみたいな言い方してるけど、こっちは本当に大変だったんだからね?」

モブ女1「へ?そうなの?」

モブ女3「ふふ、まあいいじゃない。『エレベーターじゃない方の鏡』は無事バレずに済んだから今回おおごとに発展しなかったわけだし。」

モブ女2「まあそうなんだけどさ…でも、あの『2時間』で鏡を取り替えたり、壁紙を『上から』貼ってもらったり、…あと『手回し』とかも本当に大変だったんだよ?」

モブ女3「ふふ、まあでもその手回しをした『エレベーター業者』も『壁紙内装業者』も『管理人』、そして『警察』までもがもともとあなたの『手中』なんだから、なんら問題は無いでしょ? …ね、『お嬢様』?」

596 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:12:12 xy8dyyCY 531/584


モブ女2「も~…モブ女3ちゃん、私の事、『お嬢様』って言わないでって何度も言ってるでしょ?」ムスー

モブ女1「あはは。でも、あんたらまだあのマンションの部屋使ってたの? もうとっくに飽きてやめてるもんだと思ってたよ。」

モブ女3「私も全くノータッチよ。やってるのは『この子』だけ。」

モブ女2「わ、私だってこの4年間はほとんど行ってなかったよ!…でも、今日は久しぶりに…」








モブ女2「…女兄くんが神戸から帰って来る日だったから。」

モブ女1「あ、そうか。あいつ大学入ってからすぐに神戸に引っ越してたんだっけ。」

モブ女3「ええ。」

597 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:13:03 xy8dyyCY 532/584


モブ女1「まあ、4年前は『何だか面白そう』だから一緒にあの部屋で覗いてたりしてたけど…一体『あれ』の何がいいのよ? 監視カメラとかじゃだめなの?」

モブ女2「…うん。監視カメラだと『斜め』からの角度からしか撮れないし…それに『画面越し』ってのがどうしても嫌で…」

モブ女1「はあ…そうですか…」

モブ女2「…うん。」

モブ女1「…ほんと…久しぶりに会ったけど相変わらずなのね。」

モブ女3「でしょ? まったく改善されてないでしょ?」





モブ女3「モブ女2の極度の『シャイさ』は。」

モブ女2「…///」

モブ女1「みたいね~。でも、5年前も私達ほんとビックリしたよね、この子から『女兄くんが好きなんだけど、恥ずかしすぎて直視出来ない。でも、どうしても女兄くんの顔を直接真っ正面から『生』で見たいから2人に強力して欲しい』って話を聞いたときは。」

モブ女3「ふふ、ほんとね。」

598 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:13:46 xy8dyyCY 533/584


モブ女2「も、も~、2人ともまだあの時の事覚えてるの!?///」

モブ女1「さすがにあれは忘れられないわよ。そしてあの後のあんたのすごい『行動力』もね。だって、マンションの1室を買って、そして色々改造しちゃうんですもの。」

モブ女2「ま、まあ、あのマンションももともと『私の家』が持っていた土地だったし…おじいちゃんに相談したら『あげる』って言われたから…。」

モブ女1「いや~、さすが『地主』はやることが違うわね~。」

モブ女3「まったくだわ。ここら一体の地域の土地を所有しているのはもちろんのこと警察や自治体までにも『多大な影響力』を持っているんだから。」

モブ女2「も~、それ以上は言わないで。」

モブ女1「でも、まあ『洗面所』の鏡を魔法鏡にしてそれを『裏』から覗けば、女兄くんの顔を魔法面から見れるっていうのはなんとなく分かるんだけど、何でエレベーターまで魔法鏡にしたんだっけ? あと、鏡越しでもやっぱり恥ずかしいんじゃないの?」

モブ女2「そ、それは…『洗面所の前』と『エレベーターの中』じゃ、また違った女兄くんの表情が見れるかな…って思って/// あと、鏡越しなら『私自身が見られている』っていうわけじゃないからなんとか大丈夫なの。」

モブ女1「…は、はあ…『違う表情』ねぇ…」

モブ女2「…うん。エレベーターの中って一応『密室』で、もしも他に誰も乗ってなかったら鏡の前でほとんどの人が油断して身だしなみとかをチェックするでしょ? だから、男くんも学校に行くときとかにエレベーターの中に入ってきてすぐに鏡があればそういう油断した顔やキメ顔でこっちを見てくれるかもって思って…///」

モブ女1「キメ顔って…ま、まああいつイケメンだしなぁ…あと、ちょっとナルシストな部分もあるかもしれないからエレベーターで一人きりになったらそういうこともするかもね。」

599 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:14:17 xy8dyyCY 534/584


モブ女3「あれ? モブ女1はエレベーター越しで女兄くんのこと見た事無かったっけ?」

モブ女1「うん。そもそも私は3回くらいしかあそこに行った事ないし。」

モブ女2「あれ?そうだっけ?」

モブ女1「うん。え~っと確か…私が行ったのは、一度バレかかった時と、あとの2回はいつだっけな…もう忘れちゃった。まあ、あんな『真っ黒』な部屋好き好んで行くような場所じゃないし。」

モブ女3「バレかかった時?」

モブ女2「モブ女3ちゃん、あの時だよ。1002号室が停電した時。」(>>580)

モブ女3「あ~、あの時ね。」

モブ女1「あの時はさすがにバレたかと思ったよね~、だって女兄くんの様子が明らかにおかしかったし。」

モブ女2「うん。まさか『向こう側』で停電が起きるなんて思ってもなかったし。停電によって向こうとこっち側の光量がほとんど同じになっちゃったからね…」

モブ女1「でも結局女兄くんにバレなかったよね? 何でだっけ?」

モブ女3「おそらくあの時女兄くんの携帯のライトの光を私達の『目』が反射したのよ。だから、女兄くんはその『目』に驚いたんだけど、『裏』に私達がいるってことまでは分からなかったんだと思う。」

モブ女1「あ、そうだったっけ。」

600 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:14:48 xy8dyyCY 535/584


モブ女2「も~、モブ女1ちゃん、さっきから色々と忘れすぎじゃない? あの時にも何で『バレなかった』のかってこととか3人で結構話し込んだじゃない?」

モブ女1「いや~、ごめんごめん。ほんと私最近物忘れが激しくて。」

モブ女3「モブ女1が物忘れが激しいのはずっと前からでしょモブ女2。」

モブ女1「ちょっと何よモブ女3!!そんなことないよ!!」

モブ女2「ふふ。そういえばそうだったね。しかもモブ女1ちゃん、自分が物忘れが昔からひどかったこと自体忘れちゃってるし。」

モブ女1「も~!!モブ女2まで…あ、そうだ。そろそろ私おなか減ったからさっき言ってたオムライス注文しても良い??2人は何か注文する??」

モブ女3「私はいいわ。」

モブ女2「私も。」

モブ女3「…! モブ女2、ちょっとここ電波悪いみたいだからちょっと外に出て一度『確認』してくるわ。」

モブ女2「あ、お願い。」

モブ女1「?」


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601 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:15:16 xy8dyyCY 536/584


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モブ女1「いや~、食った食った~♪」

モブ女2「モブ女1ちゃん。それ女の子が言う台詞じゃないよ。」

モブ女1「いいのよ、別に。…あ、というかさ、女ちゃんと男くんに旧校舎の鏡が魔法鏡だということがバレたってことはさっき聞いたけど、何で女ちゃんと男くんは今日、旧校舎に行ってたのよ?」

モブ女2「あ、そういえば言ってなかったね。あの2人が旧校舎に行ってたのは女ちゃんがオリジナル男くんを取り戻すためらしいよ。まあ、私もあくまでモブ女3ちゃんに聞いただけだけど。」

モブ女1「取り戻す?」

モブ女2「うん。実はオリジナルの男くんが昼までは裏々の世界にいて、それを旧校舎の鏡を使って入れ替わりを起こさせることによってオリジナルの男くんをこっちに戻したんだってさ。で、その後に偶然にその鏡が魔法鏡だってことがバレちゃったんだけどね。」

モブ女1「成る程ね~…でも、まだいまいち状況が分からないな~。」

モブ女2「そうだろうね。じゃあ、モブ女3ちゃんが外から帰ってくるまで、私がこの約1ヶ月間のあの2人の出来事を教えてあげる。」

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602 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:15:54 xy8dyyCY 537/584


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ズズズー

モブ女1「…ぷは~。 …成る程ね。1ヶ月前に女ちゃんは偶然にもあのエレベーターの中で入れ替わりを起こしてしまい、そして裏々の世界へと行ってしまった。そして、そこで自分のことを『オリジナル』と偽る裏々男と出会い、2人で表の世界に行こうとした。で、先週のホワイトデーの日に『無事』表の世界に来れた。そして、モブ女3がそれに協力してあげたということね。」

モブ女2「うん。」

モブ女1「でも、何でモブ女3は2人がそういった自体に気付く事が出来たの?」

モブ女2「実はね、ちょうど2月の29日はモブ女3ちゃんが裏々の世界にいる『週』だったのよ。」

モブ女1「あれ?『週』ってことは今年も『ローテーション制』にしてたの?」

モブ女2「うん。まあ、4年前はモブ女1ちゃんも居たから『3人』で回せてたんだけど、今年はモブ女1ちゃんは帰ってくる気配がなかったから、仕方なく『2人』で回してたの。」

モブ女1「そうだったんだ。…じゃあ、つまりモブ女3が裏々の世界に行く当番の『週』にそこであの2人と『偶然』にも遭遇して、2人に起きている事態を把握した…っていうわけだ。」

モブ女2「そういうこと。で、モブ女3ちゃんが2人に協力してあげるって申し出たわけ。」

モブ女1「へ~。でも、じゃあその時にモブ女3は自分がオリジナルだってことをあの2人に言ったわけだ?」

モブ女2「ううん。それは言わなかったの。言ったら言ったで『何でオリジナルのお姉さんが裏々の世界にいるんだ』って色々聞かれたら答えるのに面倒でしょ?」

モブ女1「まあ、確かに。『実験』のために来ているなんて言ってもポカーンってなるだけだろうしね。じゃあ、それを言わずに何とかやり過ごすことが出来たんだ。」

603 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:16:27 xy8dyyCY 538/584


モブ女2「うん。モブ女3ちゃんは『自分には主との連絡手段を持っている』って言うことによって『矛盾』をなくしたの。」(>>262)

モブ女1「…っぷ!あははは!『主との連絡手段』!?何それ!?そんなのないよね!?」

モブ女2「もちろん。まあ、でもあそこではそう言うことによって、モブ女3ちゃんが鏡の世界を行き来していることを上手く隠す事が出来たのよ。そして、そうやって女ちゃんや男くんに『自分たちがまだ知り得てないことをこの人は知っている』っていうことをアピールする事によってあの2人からの尊敬と信頼を得ることが出来たの。」

モブ女1「なるほどね~。嘘も方便とはこのことね~」

モブ女2「で、モブ女3ちゃんはその29日の夜に自分の家にある『魔法鏡』を使って戻ってきた。で、その後に私にはもちろんのこと鏡越しに『他の鏡の世界の自分』に状況を説明したの。」

モブ女1「ふむふむ。」

モブ女2「で、その後に私とモブ女3ちゃんで作戦を練って、そしてそれを『1週間後』に裏々のモブ女3ちゃんに言ってもらうように鏡越しで伝えたの。」

モブ女1「…じゃあ、女ちゃんと男くんがその1週間後に出会ったモブ女3はもうその時からは裏々のモブ女3に変わっていた…というわけだ。」

モブ女2「ええ。あの子もよくやってくれたんだよ。」

モブ女1「そっか。まあ『信頼関係』があるからこそ出来る手法ね。…でも『ローテーション制』の影響もあるか。」

モブ女2「…『ローテーション制』はもともと、『鏡の世界の住人に主導権が奪われないように3人のうち誰かが必ず表の世界に残っておき監視するため』のものだけど、まあでも今では私達は鏡の世界の住人ともかなり良好な関係を築けているから大丈夫だと思うけどね。」

モブ女1「まあ、私は今年入れ替わりしてないから良好な関係を築けているかどうか分からないけどねー。しっかし、4年前は『色々』と荒れたよねー。」

モブ女2「ふふ、そうだったね。ほんと今回の女ちゃんと裏々女ちゃんみたいな関係みたいなんもんだったもんね、私達と『向こうの私達』は。」

モブ女1「ほんとねー。まあ、後半からは仲良くなれたし、今では良い思い出だわ。」

604 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:17:00 xy8dyyCY 539/584


モブ女2「まあ、元はと言えば、モブ女1ちゃんが仕入れてきたあの噂がきっかけで鏡の世界のことを知ったんだよね。」(>>1)

モブ女1「…ああ~、そうだったかも~! で、あの後、早速あの北校舎…じゃなくて旧校舎の鏡のところに行ったら、モブ女2がすぐに『これ魔法鏡だよ』って言って見抜いたんだっけ。」

モブ女2「うん。あの部屋に行く前から1001号室で毎日のように魔法鏡を見てたからね。だからあの裏の部屋を見つけられたんだけど、あの部屋は私のおじいちゃんが作ったやつだったっていうオチも忘れちゃだめだよ。」

モブ女1「あはは、そうだったね。でも、何でおじいちゃんはそれまでその部屋があるってことをあんたに教えてくれなかったんだっけ?」

モブ女2「おじいちゃんもあんな部屋を作ったことを完全に忘れていたらしいの。まあ、作ったのは何十年も前だし。」

モブ女1「はは、そりゃ忘れても仕方ないね。…てか、あんたのおじいちゃん、亡くなられたんだっけ…」

モブ女2「…うん。1年前にね。」

モブ女1「そっか…ごめんね、私ずっと海外にいたからお葬式に行けなくて…」

モブ女2「ううん、いいのいいの。気にしないで。」

モブ女1「…そう。でも、また今度お仏壇に顔をあわせにいかせて。」

モブ女2「うん、いつでもいいからね。」

605 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:18:02 xy8dyyCY 540/584


モブ女1「ありがとう。…あ、話をまた戻すんだけど、先週の女ちゃんと裏々男くんの入れ替わりにはあんたも同席したの?」

モブ女2「ううん。私は行ってないよ。というか、私が行く意味はないし。」

モブ女1「そりゃそうか。あんた女ちゃんはおろそか男くんともほとんど面識ないもんね。」

モブ女2「うん。…でも、あの日の『作戦』のために私の家の『従者』に旧校舎の西階段を封鎖させたり、東側の階段のシチュエーションを整えてあげたりと、色々してあげたんだよ。モブ女3ちゃんが自分で用意したのは変な釣り竿もどきだけだったし。」(>>348)

モブ女1「あ、そうなの?」

モブ女2「うん。それにあの『作戦』には『女ちゃんのお母さん』が重要なキーパーソン(>>359)になっていたんだけど、お母さんをPTAに入れたのも、そしてあの会議に参席させたのも全部私の計らいだったんだから。」

モブ女1「へ?どういうこと?」



モブ女3「お~いこら、モブ女2。」

モブ女2「あ、おかえり、モブ女3ちゃん。遅かったね。」

モブ女3「…ったく。そんな言い方じゃまるで私があんたにそうさせたって言ってるみたいじゃない。女ちゃんのお母さんをPTA議員になるように『操作』したのも、旧校舎の取り壊し工事の会議をあの日に『した』のも、その会議に女ちゃんのお母さんを『参席』させるようにしたのも、元はと言えばみ~んな、あんたが『あの日にあのマンションの1001号室のセッティングをするため』でしょ?」

モブ女2「まあ、そうなんだけどね。」

モブ女1「…どういうこと?」

606 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:18:44 xy8dyyCY 541/584


モブ女3「女ちゃんのお母さんを家から外出させ、そして1001号室と1002号室の鏡を『また魔法鏡に戻そう』と思ったら、1002号室にも入っての作業必要になるでしょ?もちろんその作業をしようとおもったら1002号室を誰もいない状態にする必要があるしね。だから、わざわざあの日の女ちゃんのお母さんを外出させるためにあの会議をあの日にしたのよ。」

モブ女1「あ~、そういうことね。…あ、じゃああの日はモブ女2はあのマンションに居たわけ?」

モブ女2「うん。この3年半くらいは女兄くんは帰って来なかったから、あの洗面所の鏡は普通の鏡に戻してたんだけど、今日帰ってくる事だからその日に取り替え工事をしてたのよ。エレベーターの鏡はバレないだろうからずっとそのままにしておいたし、工事の必要はなかったんだけど。」

モブ女3「…で、そのことを私はもとから知ってて女ちゃんのお母さんが学校に来るって分かってたから、それを上手く利用させてもらったっていうわけ。まあ、もともとあの会議には私が出席する予定だったしね。『地主の現代表であるモブ女2お嬢様』の代わりにね。」

モブ女2「モブ女3ちゃん、一言多いよ。」

モブ女3「ふふ、ごめんごめん。」

モブ女1「ふ~ん。…あ、そういえばモブ女3、さっきまで何してたの?」

モブ女3「…私? 私はこれを聞いてたの?」ヒョイ

モブ女1「…? スマフォ? スマフォで音楽でも聞いてたの?」

モブ女3「違う違う。このスマフォでこのアプリを使ってたの。」ピッ

モブ女1「…? 何このアプリ?」

モブ女3「これ? これは『盗聴アプリ』よ。」

モブ女1「と、盗聴!?」

607 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:19:28 xy8dyyCY 542/584


モブ女3「ええ。ついさっきまでこのアプリに1時間ぐらいの録音が溜まってたからそれを受信するために外にでて、そしてそれを早送りで聞いてきたの。」

モブ女1「でも一体誰を盗聴してたのよ?」

モブ女3「そりゃもちろん男に決まってるじゃない。」

モブ女1「男くん?」

モブ女3「うん。さっきの先週の旧校舎での『作戦』のために実は男の携帯を拝借する機会があってね。で、その時に男の携帯に専用のソフトをあいつの携帯にインストールさせておいたの。そのソフトを入れておけば男の携帯が電源をつけている限り、男の携帯自体の集音マイクが周りの音を集音し、そして男の携帯から発せられる電波によってこのアプリにその集音された音情報を記録出来るというわけ。もちろん、そのソフトは携帯画面にアイコン等で表示されることなてないからバレることなんてほとんどあり得ないの。」

モブ女1「へぇ~、すごいわねそれ。もしかしてそれあんたの自作?」

モブ女3「ええ。このアプリもその専用ソフトもね。」

モブ女1「でも何のために?」

モブ女3「そりゃもちろん、男と女ちゃんの会話を聞くためよ。『さっき』もこれのおかげで色々と助かったんだから。ね、モブ女?」

モブ女2「うん。」

モブ女1「ん? さっき何かあったの?」

モブ女3「いやね、さっきの同窓会の最中に、男と女ちゃんがあのマンションの管理人と一悶着あってね。で、女ちゃんが警察に連絡しちゃったのよ。」

モブ女1「ほう。」

608 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:20:07 xy8dyyCY 543/584


モブ女3「で、警察があのマンションに来て、管理人と警察官が2人きりになるチャンスがあったから、そのタイミングで管理人のモブ女2に管理人の携帯に電話して、そしてその警察官と話してもらったのよ。」

モブ女2「まあ、『私の家』と警察は『仲が良い』からね。」

モブ女1「ほっほー、成る程ね。その『一悶着』をその盗聴器で聞けていたからこそ、そこにこっちから介入出来たわけね。…あ、てかそういえば同窓会の時にあんたら何度か抜けて電話とかしてたわね。」

モブ女3「そういうこと。」

モブ女2「で、モブ女3ちゃん。さっき聞いてきた録音の中に何か収穫でもあった?」

モブ女3「…いや、特に無かったわ。あの後は2人とも諦めてそれぞれの家に帰ったみたい。」

モブ女2「そっか。じゃあしばらくは大丈夫そうね。」

モブ女3「ええ。」

モブ女1「…でもモブ女3、あんたの専門って物理光学じゃなかったっけ?なのにこんなアプリさとか作れるの?」

モブ女3「こんなのちょっとした知識があれば簡単に作れるわよ。それに私、最初は物理光学が専門だったけど、今じゃ生体工学とかにも手を出してるしね。」

モブ女1「…いや、ちょっとした知識って…あんたと私を一緒にするんじゃないわよ。」

609 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:20:53 xy8dyyCY 544/584


モブ女3「何言ってんのよ。あんただって『語学』はピカイチじゃない? 今は何カ国語喋れるようになったのよ?」

モブ女1「今? え~っと今はだいたい12カ国語ぐらいなら…」

モブ女2「え~!すご~い!2年前の2倍じゃないモブ女1ちゃん!」

モブ女1「…!? で、でしょ~!?まあ、高校のときからこつこつ頑張ってきたからね~♪」ニヤニヤ

モブ女3「…ほめたらすぐに調子乗るのも相変わらずね。…で、モブ女1もそうだけど、モブ女2だって考古学と史学のスペシャリストなのよ。モブ女2が大学で書いた論文は軒並み受賞したし。」

モブ女2「た、たまたまだよ~、私の場合は。」

モブ女3「つまり、3人とも分野は違えど、そのそれぞれの分野に特化していて、それぞれが『素晴らしい個性』を持っている非常に良いバランスの3人だと思うわよ、私は。」

モブ女2「うん。私もそう思う。」

モブ女1「ま~、確かにね! …いや~、しかし、話は戻るけど、男くんも女ちゃんもほんとこっちに帰って来れてよかったわね。でも、モブ女3は先週こっちに来たのが裏々男だってことに気付いてなかったの?」

610 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:21:24 xy8dyyCY 545/584


モブ女3「いや、初めから怪しいなとは思っていたんだけどね。…ただ、確証が持てなかったからあんま手出しを出来なかったのよ。まあ、流石に今日、女ちゃんにヒントをあげたけど。」(>>397)

モブ女2「そうだね。あと1日遅れていたら鏡の世界に取り残されるところだったし。」

モブ女1「…? 何で今日?」

モブ女2「だって今日が鏡での入れ替わりが出来る最後の日だからね。」

モブ女1「え?うそ?」

モブ女2「うそなんかつかないよ。」

モブ女1「…え、でも4年前の最終日は…」








モブ女1「…たしか『4月5日』じゃなかった?」

611 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:22:00 xy8dyyCY 546/584


モブ女3「も~、モブ女1。日付は覚えてるくせに、『最終日の法則』は忘れたの?」

モブ女1「法則?」

モブ女3「もお、…モブ女2、一から説明してあげて。」

モブ女2「ふふ、了解。 入れ替わりは『閏年の旧暦の1月1日から2月29日までしか起こせない』っていうのが『最終日の法則』なの。思い出した?」

モブ女1「…! ああ~、確かに4年前にそんなこと言ってたような…」

モブ女2「今年2012年の『新暦』、つまり『グレゴリオ暦』での『3月21日』は、『旧暦』である『天保暦』に変換すると『2月29日』になるの。『2月29日』は『閏日』だよね?そもそも、閏年は閏日をもってその役目を終えるの。『29日』という余分な1日が終わった後の3月1日からは閏年じゃない年と全く同じ日数になる。つまり、その閏年としての役目が終える『2月29日』までが入れ替わりが出来る期間なのよ。ちなみによくカレンダーに載っている『旧暦』はこの『天保暦』のことだからね。」

モブ女1「ああ~、思い出した思い出した。だから、4年前と今年とじゃ『ズレる』のか。」

モブ女2「そういうことだね。4年前の2008年は『2月7日~4月5日』が『旧暦』の『1月1日~2月29日』にあたるの。でも、今年の2012年は『1月23日~3月21日』がそれにあたるわけ。よって2012年の『新暦』での入れ替わり可能期間は1月23日~3月21日になるの。そして、この期間に3年と10ヶ月分の多くの従者による遍路参りによって蓄積された『念力』が大窪寺から放出されるわけ。」

モブ女1「はいはい。成る程ね~。そのことって女ちゃんや男くんは知ってたの。」

モブ女2「う~ん、一応今年が3月21日までってことは知ってたんだよね、モブ女3ちゃん?」

モブ女3「うん。ただ、完全に違う『解釈』をしてたけど。」

モブ女1「違う『解釈』?」

612 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:22:28 xy8dyyCY 547/584


モブ女2「男くんは入れ替わりが出来るのが『3月21日』までなのは『空海の命日』だということ、そして、空海とも『一応』ゆかりのある八十八箇所目の寺の『大窪寺』での伝統的な春分祭の日というこれらの背景から3月21日を入れ替わりの期限の日と定義したみたいなの。」

モブ女1「成る程ね~。いや~、でも私からしたらそっちの方が『本当の理由』に感じるけどな~」

モブ女2「ふふ確かにそうね。でもこの『解釈自体』にも間違いがあるの。」

モブ女1「解釈自体に?」

モブ女2「うん。まず、空海の命日が『3月21日』なのは正解。でも、その3月21日は『空海が生きていたその時代の旧暦』、つまり『宣明暦』においての3月21日なの。」

モブ女1「宣明暦?」

モブ女2「ええ。そしてその『宣明暦』の3月21日を今現在の『新暦』に変換するとかなりずれることになるの。」

モブ女1「ほほ~。」

モブ女2「また、その春分祭が21日だからっていうのもあくまでこじつけにすぎないしね。」

モブ女1「なるほどね~。まあ、あくまで春分祭なだけで、空海とはあんまり関係無いもんね。」

モブ女2「そうだね。まあ、私ももし今年初めて鏡の入れ替わりについて知ったのだったら男くんみたいな勘違いをしてたかもしれない。まあ、私達のときは『4月5日』っていう中途半端な日だったからすぐに『旧暦』との関連性に気付く事が出来たけど。」

モブ女1「はは、私も勘違いするわそりゃ。」

613 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:23:05 xy8dyyCY 548/584


モブ女2「あと、女ちゃんが一度、『閏日』に裏の世界で『魔法鏡』を使って裏々の世界へ行くという出来事があって、あの2人はそれが『閏日には逆の力が働くから起こせたんだ』と思い込んでるみたいだけど、それもただの勘違い。今年の閏年は天保暦に変換したら『2月8日』で、全く関係のない日だからね。」(>>191)

モブ女1「あ、そんなこともあったんだ。でも4年前は私達期間中なら『いつでも』魔法鏡で『逆行』出来たもんね。」

モブ女2「うん。入れ替わりにとっての『閏日』というものは、その日『に』特別な力が働くんじゃなくて、その日『まで』力が働くという関係なの。だから、魔法鏡を使って『特権』での入れ替わりも期間中ならいつでも可能なんだよね。」

モブ女1「ふむふむ。…てか、モブ女2、さっきから『宣明暦』だとか『天保暦』だとか言ってたけど、…何だっけそれ?」

モブ女2「も~、モブ女1ちゃん、完全に忘れてるんだね…」

モブ女3「ふふ、頑張れ~モブ女2~♪」

モブ女2「…はあ。『宣明暦』っていうのは平安時代から江戸時代まで、『天保暦』は江戸時代末期から明治時代初期まで使われた『暦』よ。」

モブ女1「ふ~ん。…で、入れ替わりを起こせるのは『天保暦』での1月1日から2月29日なんだよね? そもそも何で『天保暦』と『入れ替わり』が関係あるの?『天保暦』って江戸時代に作られたんでししょ? 何で空海とかが生きてた時代の『宣明暦』じゃなくて『天保暦』なの?」

モブ女3「モブ女1にしたらいいところに目をつけたわね。」

モブ女2「ふふ、そうだね。…そう、確かにこの『天保暦』は江戸時代の暦。しかもこの暦って当時に30年くらいしか遣われなかったの。」

モブ女1「さ、30年!? 短っ!?」

614 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:23:44 xy8dyyCY 549/584


モブ女2「短いよね? じゃあ、何故入れ替わりが出来るのが『天保暦』での暦換算なのかってことなんだけど…理由は『暦としての完成度の高さ』、『日本人が作成した最期の暦』であること、そして『渋川景佑と伊能忠敬の関係』がその理由よ。」

モブ女1「…へ? 渋川…誰って?」

モブ女2「『渋川景佑』。…この『天保暦』は江戸時代の天文学者の渋川景佑という人物が作ったものなんだけど、西洋天文学の成果を取り入れて完成させた暦で、実施された太陰太陽暦としてはそれまでで最も精密なものであるとして評価されているの。」

モブ女1「はぁ…」

モブ女2「でも、この暦は結局30年後の明治初期にはグレゴリオ暦導入に伴い、使われなくなってしまったんだ。」

モブ女1「ふ~ん。何で使われなくなったの?完成度が高かったんでしょ?」

モブ女2「新暦導入の理由は当時参議であった大隈重信の回顧録『大隈伯昔日譚』に書かれているわ。それによれば、政府の財政状況が逼迫していたことがそもそもの原因みたい。旧暦のままでは明治6年は閏月があるため13か月となる。すると、月給制に移行したばかりの官吏への報酬を1年間に13回支給しなければならない。これに対して、新暦を導入してしまえば閏月はなくなり12か月分の支給ですむっていう感じで…」

モブ女1「ああ~!!もう分かった分かった!!あんた歴史の事になったら話が長くなるんだからほんとに…とにかく『色々』あってグレゴリオ暦に移行したから天保暦が『日本人が作成した最期の暦』ってことよね?」

モブ女3「ふふ。」

モブ女2「…なんだか納得いかないけど、…まあそういうことだね。とにかく『鏡の世界』は海外から来た『グレゴリオ暦』を受け入れなかったみたい。」

615 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:24:45 xy8dyyCY 550/584


モブ女1「…で、あと渋川なんちゃらとかと誰かの関係がとか言ってたけど…」

モブ女2「『渋川景佑』と『伊能忠敬』ね。渋川はともかく『伊能忠敬』はモブ女2ちゃんも知ってるんじゃないの?」

モブ女1「う~ん、名前は聞いた事があるような気がするんだけど…」

モブ女2「ほら、江戸時代に日本地図を初めて作った…」

モブ女1「…!! はいはい!日本地図を作った伊能忠敬ね!!思い出した思い出した!…でも、その渋川と伊能忠敬が何の関係があるの?」

モブ女2「モブ女1ちゃん、この伊能忠敬ってどうやって日本地図を作ったと思う?」

モブ女1「…? どうやったって…そりゃあ日本中を歩き回って測量?ってやつをすることによって作ったんじゃないの?」

モブ女2「うん、そうだね。でもその測量ってのはねすごい時間がかかるの。伊能忠敬もこれを短期間で日本地図を完成させたわけじゃなくて20年以上の長い年月をかけ、そして最終的には自分自身が生きているうちには完成させることは出来ずに弟子がその『大日本沿海輿地全図』を完成させたの。」

モブ女1「ふうん。」

モブ女2「そして、この長期間の測量調査は約20年間に第1次から第10次にかけて行われたんだけど…さあ、ここからが本題。」

モブ女1「…?」

モブ女2「この天保暦を作製した渋川景佑は実は、『天保暦』を作成する前に伊能忠敬の日本地図測量調査団に参加したことがあるの。」

モブ女1「…ほう。」

617 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:25:19 xy8dyyCY 551/584


モブ女2「そして、渋川は第5次調査に参加して当会や中国地方を廻ってその1回きりだと言われてるんだけど、実は第6次調査にも参加していたという説もあるの。」

モブ女1「…! その第6次では一体どこを…」

モブ女2「その第6次調査で回ったそれが…」







モブ女2「『四国』だったのよ。」

モブ女1「…! …なるほどね~。」

モブ女2「その第6次では主に四国と紀伊半島を廻ったわ。そのときに空海のゆかりの地でもある真言宗の総本山の金剛峰寺や、四国八十八箇所の各寺院に廻ったと伊能忠敬が残した日記に記されている。つまり、渋川景佑と四国八十八箇所や空海は意外にも繋がりがあるの。四国を『一周する事』の重要性はモブ女1ちゃんも分かってるでしょ?」

モブ女1「まあね。…つまりは、その『渋川景佑と伊能忠敬の関係性』ってやつと『暦としての完成度の高さ』、『日本人が作成した最期の暦』っていう要素が組み合わさった結果、『天保暦』と『入れ替わり』に『繋がり』出来たというわけね。いや~、さすが史学のスペシャリストだね。詳しく調べてらっしゃる。」

618 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:26:04 xy8dyyCY 552/584


モブ女2「あくまで今の説明は要所要所を搔い摘んだだけだから本当はもっと説明することがあるんだけどね。」

モブ女1「いや!もう十分!十分理解したよ!」ニコッ

モブ女2「そう?なら良いんだけどね?」

モブ女3「ふふ、モブ女1、笑ってるつもりかもしれないけど苦笑いになってるわよ、それ。」ボソッ

モブ女1「…! もう!モブ女1!余計な事言わなくていいの!」ボソッ

モブ女2「…?」

モブ女1「…ん、でもさ、そもそも男くんは入れ替わりが3月21日までだってことをどうやって知ったの?」

モブ女2「…!」




モブ女3「…それは、私のせいなの。」

619 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:26:44 xy8dyyCY 553/584


モブ女1「…? モブ女3が男くんにもしかして教えちゃったとか?」

モブ女3「そうではないんだけどね。実は半年前に男が私の京都の下宿に泊まりにきた事があってね(>>231)、その時に…」ガサゴソ

モブ女1「…?」

モブ女3「これを見られたの。」パサッ

モブ女1「…ん? …『鏡の世界でのルール(No.1)』と『鏡の世界でのルール(No.2)』…? え、これ思いっきり鏡の世界のルールが書かれてる紙じゃない!?」

モブ女3「そうなの。4年前に3人で纏めたやつのコピーなんだけどね。それを男に見られちゃったみたいなの。」

モブ女1「なるほど…男くんはこれを見たから鏡の世界のことを知る事が出来たのか。…ん、しかもこれの2枚目に『2012年の入れ替わりは3月21日まで』って書いてあるじゃない!?」

モブ女3「ええ。だから、男は『入れ替わりは3月21日』までだってことも知ってたのよ。」

モブ女1「そういうわけね…ん? でもさ、これって…」







モブ女1「…1枚足りなくない?」

620 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:27:15 xy8dyyCY 554/584


モブ女3「よく覚えてたわね、モブ女1。…そう、男に見られたのはあくまで『2枚』でこっちの…」ガサゴソ

パサッ

モブ女3「こっちの『鏡の世界でのルール(No.3)』の方は見られてないのよ。」

モブ女1「ん~、どれどれ。あ、こっちには『⑧合わせ鏡による入れ替わりには魔法鏡が必要』とかもちゃんと書いてあるわね。」

モブ女3「ええ。だから、あの2人は最初、魔法鏡の必要性などについてを知ってなかったのよ。」

モブ女2「『目線』とかについてもね。」

モブ女1「なるほど! でもこれを見られなくてラッキーだったわね。」

モブ女3「ん~、まあ…ね。」

モブ女2「…。」

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621 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:27:48 xy8dyyCY 555/584


―――――――――――――――――――――――----

モブ女1「…ふぅ。もうあらかた話し終わったかな?」

モブ女3「そうね。まあだいたいわ。」

モブ女2「うん。」

モブ女1「…あ、そうだそうだ。これを聞いてなかった。」

モブ女2・3「?」

モブ女1「…『実験』の方は上手くいったの?」

モブ女2・3「…!?」

モブ女3「それは…」

モブ女2「…。」

モブ女1「…あ、っていうかさ…」




モブ女1「あんたたち一体何の『実験』をしてたんだっけ?」

622 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:28:46 xy8dyyCY 556/584


モブ女3「…は?」

モブ女2「ちょ、ちょっとー!!それまで忘れてるの、モブ女1ちゃん!?」

モブ女1「いやぁ…ほんと!ほんとごめん!」

モブ女3「これに関しては4年前からはもちろんのこと、あんたが海外に行く2年前にも何回か話してたでしょ?」

モブ女1「ほんとゴメン!…うっすらとは覚えてはいるんだけど…」

モブ女2「…ってくも~、仕方ないんだから。…じゃあ、説明してあげる?」

モブ女3「そうね。」

モブ女1「さすが私の親友!よろしくお願いします!」

モブ女3「…ったく、ほんと調子いいんだから…それじゃあ説明するわよ。」

モブ女1「はい!」

モブ女3「私達が今、そしてこれからやろうとしていること…」





モブ女3「それは『Mirror RIM』、…これは覚えてる?」

623 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:29:22 xy8dyyCY 557/584


モブ女1「…『Mirror RIM』? …ああ~!!『Mirror RIM』って『palindrome』になってるやつね!」

モブ女3「…ん? ペリ何て?」

モブ女1「『palindrome』! 日本語で『回文』って意味よ。」

モブ女3「あ、成る程ね。てか、最初から『回文』って言いなさいよ。ここは日本なのよ?」

モブ女1「ごめんごめん。つい癖で。」

モブ女3「…で『Mirror RIM』の意味は覚えてる?」

モブ女1「いや~!『全く』!あっはっは!」

モブ女2「…モブ女1ちゃん、とうとう開き直っちゃったよ…」

モブ女3「はあ…ほんと調子いいんだから…とにかく説明するわよ。『Mirror』はそのまま『鏡』って意味。ここまでオッケー?」

モブ女1「Okay♪」

モブ女3「そして『RIM』とは“Reaction Injection Molding”の略称のこと。」

モブ女1「Reaction Injection Molding?」

624 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:30:05 xy8dyyCY 558/584


モブ女3「ええ。日本語で言ったら『反応射出成形』なんだけどね、その『反応射出成形』ってのは2種類以上の反応性に富む低分子・低粘度の原料を密閉金型中に同時注入して反応させる射出成形法のこと。この成形法の最も代表的な用途が自動車のバンパーとかを作る時とかなの。」

モブ女1「はあ…バンパーねぇ…」

モブ女3「まあ、もちろん私達はバンパーを作ろうとしているわけじゃなくて、『2種類の反応性・反発性に富む素材』を『1つの型』にぶち込んで、『新たなモノ』を成形させる。私はこの『成形法』に4年前に目を付け、『鏡』に応用しようと考え、そしてそのRIMっていう名称を拝借したの。」

モブ女1「…! あー!やっと思い出してきた!『鏡による2つの人格の混在を目指す』ってのが目的だったよね!?」

モブ女3「思い出した? そう、私たちは4年前に鏡の世界のことを知り、自分自身とは正反対の人格の『自分』がいることも知った。そして考えた…『もしも、表と裏の人間の意識・人格を一つの身体に混在させることが出来たらどうなるのか』…と。」

モブ女1・2「…。」

625 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:30:51 xy8dyyCY 559/584


モブ女3「ねえ、モブ女1。人の『人格』って体のどこに『在る』と思う?」

モブ女1「人格?… う~ん…『脳』…とか?」

モブ女3「その通り。人間の『人格』は『脳』に存在するの。そもそも『人格』や『性格』というものは『脳』に日々溜まっていく『経験』や親から授かった『DNA』の特性によって成り立っているの。まあ、そんな『脳』だけど、実はあまり『使われていない』のよ。モブ女1、人って毎日の生活の中で脳の何%を使用していると思う?」

モブ女1「何%? え~…30%とか?」

モブ女「ううん。もっと低いの。人間の脳は常に『10%』程度しか使われていないの。更に脳の寿命は180年とも言われているわ。まあ、『これら』に関しては諸説あるからはっきりと断言出来るわけじゃないけどね。…とにかく、私は何が言いたいのかというと『脳には多大な空き容量』があるということよ。」

モブ女1「空き容量…」

モブ女3「ええ。そして、もしこの余った容量に『もう一つの人格』を入れることが出来たらどうなると思う?」

モブ女1「…!」

モブ女3「二つの人格を混在させてもその使用率は最大でも20%程度で何ら人間活動に問題をきたすとは考えられない。ただ、2つの人格を混在させることによって脳細胞を2倍のスピードで酷使するんだからその脳の寿命は半分になる。でも、脳の寿命が半分になっても脳の寿命は180年から半分の90年になるだけ。人間90年も生きれれば十分でしょ?」

モブ女1「まあ、90年になったとしても平均寿命よりも一応上だしね。でも、そういった脳の寿命が半分になるという『デメリット』の一方で、1つの脳に人格を二つ混在させることには一体どんな『メリット』があるの?」

モブ女3「『核』はそこよ。私の想定では、脳に2つの人格を混在させることによって、『脳が不眠不休でも生きていける休息要らずの人間』と『他人よりも2倍近くの能力を常に出す事が出来る人間』が誕生するはずよ。」

モブ女1「…『休息要らず』と『2倍の力』…」

626 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:31:29 xy8dyyCY 560/584


モブ女3「前者の『休息要らずの人間』っていうのは、片方が『休む』、もしくは『睡眠する』間にもう片方が『活動』する、それを『サイクル』させることによって傍から見たら『休息要らずの人間』の完成するっていうわけ。まあ、これはいかに2つの人格同士が上手くスイッチできるかってところが鍵になるんだけど。」

モブ女1「なるほど。それで『不眠不休の休息要らずの人間』っていうわけね。」

モブ女3「そして後者の『他人よりも2倍近くの能力を常に出す事が出来る人間』っていうのは前者とは違って一緒に『活動』し、お互いの意識を集中させることによって本来は10%しか出せない力を20%…つまり2倍まで出せるということ。まあ、でもいくらなんでも2つの人格の意識を完全に集中させるのは正直難しいだろうから最高でも1.75倍くらいまでだろうけど、それでも十分でしょ?」

モブ女1「ふふ、十分ね。」

モブ女3「そして、そういった進化した人間を生み出すためには、自分の人格とは『正反対の性格』を持った『人格』が必要になるの。」

モブ女1「…で、そこで目をつけたのが『鏡の世界の住人の人格』…っていうことね。」

モブ女3「そういうこと。」

モブ女1「今、モブ女3は、そういった人間を生み出すためには自分の性格とは『正反対』の人格が必要って言ってたけど、それって『裏の世界』というか『偶数世界』の住人のこと?」

モブ女3「ええ。」

627 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:32:07 xy8dyyCY 561/584


モブ女1「でも、何で『偶数世界』じゃないとだめなの? 『奇数世界』の住人の方が自分の人格と近いから、『意識のスイッチ』とか『意識の集中』をしやすいと思うんだけど。」

モブ女3「その通りだわ。…ただ、それだと問題があるの。」

モブ女1「問題?」

モブ女3「ええ。…それは『自身とほぼ同じ人格が混在することによって混乱する』ことよ。」

モブ女1「混乱?」

モブ女3「もしも全く同じ人格が1つの脳に在った場合、『今どっちが考えているのか』、『今どっちが体を動かしているのか』、そして『そもそもどっちか自分だったのか』ということが『あまりにも似すぎて』分からなくなってしまい混乱してしまう恐れがあるの。」

モブ女1「…なるほど。」

モブ女3「そして最悪、二つの人格が1つに『同化』してしまうことも考えられる。また、似たもの同士を一つに混在させることによってそれぞれの人格や肉体にストレスを与えてしまうこともね。だから自分の人格とは『逆』の人格の方がいいのよ。『表』と『裏』のように真逆の人格を混在させれば、自分自身がどっちなのかという区別は容易いし、同化することも前者と比べたら少ないだろうしね。」

モブ女1「だから『偶数世界』の住人の人格の方がいいのね。」

モブ女3「ええ。『N極』と『S極』が存在するから地球の『地磁気』が安定し成り立つように、『富裕層』と『貧民層』がいるからこそ『経済』が安定し成り立つように、『強者』と『弱者』がいるからこそ『社会』が安定し成り立つように…全ては『両極』のモノがあるからこそ『安定』するのよ。そして『Mirror RIM』もそれらと同じで、『表』と『裏』の人格を一緒に存在させることによって『脳』は安定するの。そもそも、『Mirror RIM』っていう名称自体も、『正しい方向』から読んでも、『反対の方向』からも読んでもその『意味』が成り立つ、そんな『正反対』で『両極』の要素を持つ、最高にピッタリな名前なのよ。」

628 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:32:55 xy8dyyCY 562/584


モブ女1「なるほどね…でも、そうやって人間を進化させることで、一体私達にはどんなメリットがあるのよ?」

モブ女3「それは、私達自身がそういった人間になれるのはもちろんのこと、そのやり方のサクセスケースを増やし、『Mirror RIM』をマニュアル化出来れば、それを欲しがる人が必ず現れるわ。」

モブ女1「…それを欲しがる人って誰よ?」

モブ女3「決まってるじゃない。『軍』よ、『軍』。」

モブ女1「…軍!?」

モブ女3「最近の軍もハイテク化が進んでるけど、『不眠不休でも大丈夫な人間』や『火事場の馬鹿力を出せる人間』を欲しがらないわけ無いでしょ。」

モブ女1「なるほどね…」

モブ女3「他には例えば、『スポーツ選手』等も手を欲しがるでしょうね。自身の脳の使用率が2倍になることで、スポーツでいい記録を残せたりするだろうし。しかも、たとえその『力』を怪しまれ検査されたところでドーピングとは違って何も証拠が残らない。脳を検査されたとしても検査時に片方の人格が『休み』に入ればバレることもないしね。」

モブ女3「すごいわねそれ…」

モブ女3「でしょ? まあ、私達がこれからしようとしている『Mirror RIM』ってのはそういうこと。…どう、思い出してくれた?」

629 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:33:41 xy8dyyCY 563/584


モブ女1「うん。だいたいわね。でもさ…そもそも『偶数世界』の住人は『主』になれないってルールがあるじゃない?…あ、ていうか今年はその『偶数世界の住人の人格をいかに表の世界に持ってくるか』ってことを実験してたんじゃないの?」

モブ女3・2「…!?」

モブ女3「…ええ、そうね。」

モブ女2「…。」

モブ女1「…あれ? もしかしてその感じだと…」



モブ女1「上手くいかなかった感じ…?」

モブ女3「…ええ。認めたくないけど、正直その通りよ。」

モブ女2「…。」

モブ女3「この4年間で私は物理光学と生体工学の方面から、いかに『偶数世界の住人の人格』を表の持って来させられるかということを色々と調べていたわ。そしてモブ女2は史学と考古学から過去にそういった『事例』が無かったか調べてもらって、その調査で集めた資料を元に交代で鏡の世界を行き来し、色々試したんだけど…」

モブ女2「…。」

630 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:35:45 xy8dyyCY 564/584


モブ女1「上手くいかなかった…と?」

モブ女3「…ええ。」

モブ女1「そっか…まあ、やっぱり鏡の世界のルールの壁は厚かったということね。…うん、仕方ない仕方ない!」

モブ女2「…仕方なくなんかない…。」

モブ女1「…?」

モブ女2「…本当は成功していたはずなの…でも…」

モブ女3「……。」

モブ女1「…でも?」

モブ女2「…モブ女3ちゃんが計画よりも早く入れ替わりを起こしちゃったから、最期まで実験が出来なかったの…。」

モブ女3「…。」

モブ女1「…? 『予定よりも早く入れ替わりをした』って、さっき言ってた男くんや女ちゃんのを助けるためにモブ女3が表の世界に戻ってきた時のこと?」(>>603)

モブ女2「…うん。あれのせいで実験のスケジュールが完全に狂ったの。しかも、モブ女ちゃん3はその後もずっと女ちゃんと男くんのことばっか気にかけるようになって『こっち』が疎かになっていた。しかも、その結果、女ちゃんを助けられたのはまあいいとして、裏々男をこっちに連れてきちゃったのは完全にモブ女3ちゃんの『ミス』だよね。」

モブ女3「…。」

631 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:36:31 xy8dyyCY 565/584


モブ女1「…!? ちょ、ちょっとモブ女2、何そんな怒ってるのよ。」

モブ女2「…別に怒ってなんかいないよ。」

モブ女1「…そう? 私には怒っているようにしか見えないけど… というか、何で『あんた』がそんなにその実験に固執してるのよ。そもそも、あんたらのそれぞれの目的は何なの? まさか『金』とか言うんじゃないわよね?」

モブ女3「ええ、もちろん。まあ、『お金』は目的ではないって言っても嘘になるわ。でも『お金』はあくまで副産物的なもんよ。それよりも私はもっと『色々』なことが知りたいの。そしてもっともっと興味関心を駆り立てられるようなことに突っ込んでいきたい。で、今現在、私が『突っ込んでみたい』と思っていることが『Mirror RIM』なだけ。」

モブ女1「…うん。予想通りというか、ほんとモブ女3らしい目的ね。…で、モブ女2は? あんたこそ『金』なんて言う筈が無いわよね? だってもう既にお金は腐る程もっているんだし。」

モブ女2「…私も最初はモブ女3ちゃんみたいに『興味』があったから取り組んでいたの。でも…」

モブ女1「…でも?」

632 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:37:04 xy8dyyCY 566/584


モブ女2「ある日、思いついちゃったのよ、『凄い事』を。」

モブ女1「凄い事…?」

モブ女2「…私が『Mirror RIM』によって実現したいこと、それは…」













モブ女2「…『女兄くんの人格と私の人格を一体化させること』なの。」

モブ女1「…は? 今、何て言った?」

633 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:37:49 xy8dyyCY 567/584


モブ女2「も~、だから、女兄くんの脳の中に私自身の人格を入れて、女兄くんと本当の意味で『一体化』したいの。それが私が『Mirror RIM』を取り組んでいる理由よ。」

モブ女1「…ごめん、あんたの言ってることさっぱり分かんないんですけど…モブ女3は知ってたの、そのこと?」

モブ女3「…一応ね。」

モブ女1「え…じゃあ、この子本気で言ってるの?」

モブ女3「みたいよ。」

モブ女1「あ~、やっぱり? …って、いやいやちょっと待ってよ!さっき話してた『Mirror RIM』ってのはそれぞれが『同じ肉体』を持っている正反対の2つの人格を1つまとめるって話だったでしょ!? でも、あんたと女兄くんは『肉体』が違うじゃない!」

モブ女2「そうだね。正直『DNA』の壁はあるかもしれないけど、でも要は『女兄くんの性格』と『私の性格』が『正反対』であれば可能性はなきにしもあらずでしょ?」

モブ女1「…!? そりゃ言ってることは分からなくはないけど…でも女兄くんの正反対の性格にあんたがなれるわけないじゃない!?」

634 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:38:23 xy8dyyCY 568/584


モブ女2「…ふふ。モブ女1ちゃん、今日の女兄くんと喋ってたよね?今日の女兄くん、以前に比べて『暗く』なかった?」

モブ女1「…!? …そういえば、確かに。」

モブ女2「一方で私の性格は昔よりも『明るく』なったと思わない?」

モブ女1「…!? それも言われてみれば…あんた以前はもっと暗かったもんね。…でも、そうだとしても…」

モブ女2「…それでね、実は私、モブ女1ちゃんに『言ってなかった事』があるの。」

モブ女1「…『言ってなかった事』?」

モブ女2「実は私…」










モブ女2「…この4年間、ずっと『裏の世界』にいたの。」

635 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:38:51 xy8dyyCY 569/584


モブ女1「…は? …え、何それ? 何の冗談?」

モブ女3「…。」

モブ女2「冗談なんかじゃないよ。本当に私、この4年間は『裏の世界』で過ごしていたのよ。」

モブ女1「…あんた、それ『マジ』で言ってるの?」

モブ女2「うん、『大マジ』だよ。」

モブ女1「…モブ女3は知ってたの?」

モブ女3「…私も2ヶ月前に知ったわ。」

モブ女1「そうなんだ…でも、確かに4年前の『最期の2週間』は誰も入れ替わりをしなかったはずじゃ…」

モブ女2「…ごめんね。実はこっそりと『最期の2週間』の間に合わせ鏡での入れ替わりと特権での入れ替わりで裏の世界に行ってたの。もちろん、『裏々の私』に強力してもらってね。」

モブ女1「…!? じゃあ、この4年間、私達がモブ女2だと思っていたのは…裏々のモブ女2だったっていうこと?」

モブ女2「そういうことだね。」

モブ女1「…でも、何でそんなことを!?」

モブ女2「それはもちろん自分のこの性格を『裏の女兄くん』の性格に限りなく『近付けるため』よ。私自身が『裏の世界』に行けばそれが効率的に行えると思ってね。」

モブ女1「…!?」

モブ女3「…。」

636 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:39:33 xy8dyyCY 570/584


モブ女2「4年前の『最期の2週間』の前にはもう既に『Mirror RIM』の構想は固まっていたでしょ?だから、私もうその時から思い切って『裏の世界』に行って、で、あっちで『裏の女兄くん』を監視し、その情報を元に自分の性格を矯正しようと考えてたの。」

モブ女1「…『裏の女兄くん』を監視?」

モブ女3「…。」

モブ女2「ええ。まあ、女兄くんは大学1回生の途中から神戸に行っちゃったんだけど、『監視』は継続してたの。もちろん、それは『裏々の私』にやってもらってたんだけどね。でも、『裏々の私』が『表の女兄くん』を監視していれば、それに連動して『裏の世界』にいる私も『裏の世界』で『裏の女兄くん』を監視出来たってわけ。でも、裏の世界に行ってから『ある問題』が発生したの。」

モブ女1「…問題?」

モブ女2「思ってた以上に『裏の女兄くんの性格』と『私の性格』が離れていたの。だから、『表の女兄くん自身の性格』も『矯正』する必要があったの。」

モブ女1「…!? …『矯正』ってあんた何したのよ…?」

モブ女2「そんなたいしたことはしてないよ? ただ、女兄くんに群がってきた『糞ビッチ』どもを『駆除』して、ちょっと表の女兄くんにネガティブになってもらっただけ。まあ、もちろんそれは『裏々の私』に『駆除』してもらったんだけどね。」

モブ女1「…だから女兄くん、あんなに『暗く』なっていたのね。」

モブ女2「まあ、正直私はああした方が女兄くんにとって絶対に幸せだと思ったんだけどね。でも、その代わりにちゃんとご褒美もあげたんだよ? 『優良成績』と『一流企業の内定』っていうご褒美をね。」(>>581)

モブ女1「…あんた、知らない間に学校や企業にまで『圧力』かけてたの?」

モブ女2「『圧力』なんかじゃないよ~、ただ『援助』してあげただけ。」

モブ女1・3「…。」

637 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:40:03 xy8dyyCY 571/584


モブ女2「まあ、話が脱線しちゃったけどね、私は本当に女兄くんと1つになりたい。それも『付き合う』だとか『結婚』とかそんな『しょうもないカタチ』で1つになりたいんじゃなくて、『本当の意味』での『1つ』に私と女兄くんはなるべきだと思うの。それにね、私が女兄くんと1つになれれば、『内側』から監視出来るし、女兄君に変な虫が群がらないように見守ってあげられるんだよ?」

モブ女1「…………はぁ。」

モブ女1「…相変わらず『狂ってる』わね、あんた。私達じゃなかったらどん引きよ。いや、私達でも正直引くわ、それ。 ねえ?」

モブ女3「…そうね。」

モブ女2「うん、私もちゃんと自覚してるよ、それくらい。だから、この話は2人以外には誰にもしてないの。」

モブ女1「…てか、あんた女兄くんの一体何にそんな惹かれてるのよ?」

モブ女2「それを話しだしたらすごい時間がかかるけどいいの…?」

モブ女1「…!? …う~ん、そんじゃ、それはまた今度ゆっくり聞こう…かな?」

モブ女2「ふふ、それが正解だと思うよ。」

モブ女1「…てか、あんた女兄くんと『1つ』になるってことはどっちかがどっちかの肉体に入らないといけないわけでしょ? どうするのよそれ?」

モブ女2「それはもちろん私の人格を女兄くんの脳に入れるつもりよ。」

モブ女1「…じゃあ、あんたの『肉体』はどうするのよ?」

モブ女2「そんなの鏡の世界の誰かにあげるわよ。」

モブ女1「…!? いいの?それで?」

モブ女2「うん。」

638 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:40:36 xy8dyyCY 572/584


モブ女1「…あんた、そうとう『本気』なのね。」

モブ女2「…!? …当たり前だよ。何たって、そのためにこの『4年間』、暗くて自由の利かない『裏の世界』で過ごしたんだから。」

モブ女1・3「…。」

モブ女2「…私、今年に本当に賭けてたんだから。」

モブ女2「なのに…」







モブ女2「なのに…モブ女3ちゃんのせいで…」



モブ女3「…。」

639 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:41:37 xy8dyyCY 573/584


モブ女1「…!? こ、こらこら、またそんなふうに怒って~…」

モブ女2「…元はと言えば、モブ女3ちゃんが、半年前に男くんにあの鏡の世界のルールの紙を見られさえしなければこんなことにならなかったんじゃないの。」

モブ女3「…。」

モブ女2「そんなポカさえなければ、1001号室の鏡もバレることはなかったし、それに『実験』もスケジュール通り最期まで出来ていたはずなのに。」

モブ女3「…モブ女2、本当にごめんね。」

モブ女1「ほ、ほら~、モブ女3もこうやって謝ってるんだし、許してあげなよ!それにそもそもその『実験』が成功していたとは限らないでしょ!?『偶数の世界』の住人の人格は表の世界に持ってこれないっていうルールの壁は相当高いわけだし!」

モブ女2「…それは…そうなんだけどね…」

モブ女1「でしょ~!? それにモブ女3だってちゃんと謝ったことだし!モブ女3!もう一回くらい謝っときなさい!」

モブ女3「そうね…、モブ女2、本当にゴメンね…」

モブ女2「…確かに私もちょっと言い過ぎたかも…。でも、モブ女3ちゃん、本当に申し訳ないって思ってる?」

モブ女3「もちろん。」

640 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:42:05 xy8dyyCY 574/584


モブ女2「…それじゃあ…許してあげる」ニコッ

モブ女3「ありがとう、モブ女2。」ニコッ

モブ女1「オッケーイ!!これで仲直りね2人とも!!良かったわねモブ女3!」

モブ女3「ええ。」





















モブ女3(………な~んて、『申し訳ない』とか思ってるわけないでしょ? この…『雌豚』が。)

641 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:43:11 xy8dyyCY 575/584


モブ女3(………『女兄くんと1つになりたい~』? ふざけたこと言ってんじゃないわよこのカス。『狂ってる』にもほどがあるわ。)

モブ女3(…そもそも『半年前に私の下宿で男がルールの紙を見つけるようにした』のも、それによって『裏々男、そして裏々女ちゃんに自我を持たせるようにした』のも、『旧校舎の鏡が魔法鏡だと気付けるようにした』のも、そして『あのマンションの1001号室に誘導した』のも、それで『実験のスケジュールが滞るようにした』のもみ~んな『ワザと』に決まってるでしょ?)

モブ女3(そう…全てはあの2人が協力して鏡の世界の秘密に迫らせることによって、これからの『私の計画』のための『使える駒』へと成長させるための『布石』…)

モブ女3(…ここまでのプロセスで所々予定とは異なったことがいくつかあったけど、それでも、もともと決めていた獲得目標である『2人とも鏡の世界に行かせ、そこでの生活を経験させ、ちゃんと戻って来させること』と『1001号室にまで到達すること』は達成出来たから十分満足しているわ。)

モブ女3(…いかに、私があの子達を誘導していることをモブ女2に気付かれないようにするかが鍵だったけど今のところ順調ね。まあ、女ちゃんたちに一方的にヒントを与え続けていたらヤバかったかもしれないけど、ちゃんとモブ女1を使ってちゃんと『足止め』してみせたり、鏡の世界に関わるなっていう『無意味』なルールを約束させることでうまくカモフラージュできたしね。)

モブ女3(…まあ、あの『足止め』ももともとあの2人が管理人がいない時間帯にエレベーターに乗り込めるようにっていう『意図』もあったんだけど、おめでたいことにこの『馬鹿』はその『意図』には全く気付いてないし。)(>>493)

モブ女3(…それに鏡の世界に関わるなってルールも、それを破ったら何かペナルティがあるよっていうわけでもなかったから、予想通りあの2人は破ってくれたわ。そもそも、私はルールや約束の中でしか動けない人間が『大嫌い』だからね。ルールや約束を破ってでも『やらなければならないことがある』と考えた時、それを実行に移せる『駒』が私は欲しいの。)

モブ女3(…今回、そういった意味では…というか『嬉しい誤算』として挙げられるのが、『女ちゃんの予想以上の成長』ね。まさか、あの子にあんな爆発的な『強さ』と『行動力』、そしてあの『気付ける力』があるなんてね。あの子、これからも私の『誘導の仕方』次第でもっと成長する筈よ。)

モブ女3(…まあ、男も『私の弟』なだけあって『知識量』や『分析力』、『危機察知』には長けているけど、どうも他がいまイチなのよね。だから、正直、男よりも女ちゃんに今後期待しているわ。それに、女ちゃんは他の誰もが持っていない最高の『利用価値』を持っているしね…)

モブ女3(…『女兄くんの妹』という『血縁関係』をね。)

642 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:44:11 xy8dyyCY 576/584


モブ女3(…さっき盗聴アプリに残っていた録音を聞く限りじゃ、女ちゃんは私を疑っているみたいだったし、今後も接触を計って来るでしょう。まあ、しばらくは会えないだろうけど。というか男のやつ、携帯のパスワードのヒントに気付くのが遅すぎるのよ。しかも、そのパスワードの『意図』を勘違いしちゃってるし。まあ仕方ないか…あ、さっきの録音をモブ女2に聞かれる前にとっとと消しておかないとね。バレたら色々とヤバいし。)

モブ女3(…とまあ、女ちゃんを初めとする最高の『利用価値』を持った駒をいくつか用意した上で、私はこれから『復讐』を決行する。)

モブ女3(…そう、全ては4年前の『復讐』のため。結ばれるはずだった私と女兄くんの仲を引き裂いたこの雌豚へのね…『あんた』というとんでもない存在が女兄くんのことを好きになっていなければ今頃私達は…)

モブ女3(…もちろん、あんたに『女兄くんとの一体化』なんてさせないわ。むしろ、あんたが二度と女兄くんと関われないように、鏡の世界の『はるか奥底』に閉じ込めてやるんだから覚悟しておきなさいよ。)

モブ女3(ふふふふふ…。 ……ん?)


モブ女1「…。」ジーッ


モブ女3「…!?」

643 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:44:48 xy8dyyCY 577/584


モブ女3「…な、なに?」


モブ女1「…。」







モブ女1「……………………んふっ♪ べっつに~♪」



モブ女3「…!?」



モブ女2「ん? どうしたの?」

モブ女1「別に何にもないよ、ね~、モブ女3?」ニコッ

モブ女3「…。」

モブ女2「…?」

644 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:45:42 xy8dyyCY 578/584


モブ女1「いや~それにしても何と言うか……くくくっ…」

モブ女2・3「…?」



モブ女1「くくくくくく…あははははは!」

モブ女2「…ど、どうしたのモブ女1ちゃん? 急に笑い出して…?」

モブ女1「くくくくく…い、いやね…あなた達、思ってた通り面白いな~って思って。」

モブ女3(…!? …『あなた』達? …『思ってた通り』…?)

モブ女2「…? 私達、そんな面白いこと言ったっけ?」

モブ女1「いや、面白いっていうか、『刺激されっぱなし』なの、さっきから。」

モブ女2「…?」

モブ女3(…やっぱり『おかしい』わよ、今日のこの子。急に笑い出したり、色々忘れてたり…そもそも、いくらなんでも『忘れすぎて』いる。まるで脳内の記憶が欠…ら…k…)

モブ女3(…!? …まさか…いやでも、そんなことが…?)

モブ女3(…でも、待って…。さっきの『冷徹な笑い方』…どこかで…)

モブ女3(…!? …い、いや、でもやっぱり『それ』はありえないわ。だって、『さっき』までは間違いなくこの子は…)

645 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:47:35 xy8dyyCY 579/584


モブ女1「…くく。さすが、モブ女3ね。このたった10秒間でもうかなり『いいところ』まで気付いてるみたいね。」

モブ女3(…!? …『こいつ』…。)

モブ女2「ど、どういうこと?」

モブ女1「ふふ、心配しないでいいわよモブ女2。今からちゃんと『それ』についての説明をあなた達にとっての最高の『刺激』として提供してあげるから。」

モブ女3「…『刺激』?」

モブ女1「ええ。『私』ね、さっきから本当に2人には刺激されっぱなしなの。だから、そのお返しとして、今度は私からあなた達に『刺激』をあげようと思って。私が『南米』のとある国で遭遇した『ある現象』の話をね。」

モブ女3「南米…」

モブ女2「…ん? 南米って明日からの私達の海外旅行先なんじゃ…」

モブ女1「ええ。だから、今日あんた達にこれを話す必要があるの。それに夕方も言ったでしょ?私も今日2人に話す事があるって。」(>>591)

モブ女2「そういえば…」

モブ女3「…。」

モブ女1「そして、これからはこの『私』があなた達を『次のステージ』へと導いてあげる。」

モブ女3「次の…」

モブ女2「…ステージ?」

646 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:48:22 xy8dyyCY 580/584


モブ女1「ふふ…」





モブ女1「ねぇ…」



















モブ女1「くぐらせ鏡って知ってる?」

----―――――――――――――――――――【結】―

647 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:50:25 xy8dyyCY 581/584


―【鏡の世界でのルール(No.1)】―――――――――----

● 体について
① 体の自由はほとんど効かない。表の世界にいる『主』が絶対的な存在であり、その『主』の行動が鏡の世界の住人にも反映される。(>>57)
② 表の世界で『行動権』を持つ者を『主』、表の世界で生まれ育った者を『オリジナル』という。(>>81)
③ 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などの五感は働く。(>>93)
④ 鏡の世界では『考えること』と『喋ること』が出来る。(>>58)
⑤ 鏡やガラスといった光を反射させるもの(反射物)に表の世界の『主』が映っている場合は鏡の世界の住人は『喋ること』が出来なくなる。『考えること』は可。(>>59)
⑥ 『主』が反射物に映っている時は『主』の『喋る』内容が鏡の住人にも反映される。(>>59)
⑦ 飲食時は反射物に映っていない時でも、表の世界の『主』の口の動きと同化する。(>>93)
⑧ 反射物に、自分の像が映し出されるその5秒前に、脳に合図が走り、『喋ること』ができなくなる。ただし、これは自我を持った人間のみに起きる現象である。(>>60)

● 自我について
① 鏡の世界の人間が自我を持つためには、鏡の世界の人間自身が『鏡の世界の人間』だと自覚する必要がある。(>>76)
② 自我を持つことによって鏡の世界の住人は『考えること』と『喋ること』が出来るようになる。(>>76)
③ 自我を持った鏡の住人は、反射物に自身の姿が映る度に表の世界の『主』の記憶が共有されるようになる。ただし、オリジナルには共有されない。(>>161)
④ 鏡の世界の住人が自我を持つためには『他に自我を持った人間から鏡の世界についてを教えてもらう』もしくは『表の世界のオリジナルが鏡の世界のことの存在を知る』必要がある。(>>80)

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648 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:51:02 xy8dyyCY 582/584


―【鏡の世界でのルール(No.2)】――――――――----

● 鏡の世界の特徴について
① 鏡の世界は半永久的に存在する。(>>53)
② 鏡の世界は、裏の世界、裏々の世界、裏々々の世界と、表の世界から遠ざかっていくにつれて、明度が小さくなっていく。(>>54)
③ 表の世界を『1』として、裏々、裏々々々といった奇数番目の世界は、『奇数世界』と定義される。(>>159)
④ 裏の世界を『2』として、裏々々、裏々々々々といった偶数番目の世界は、『偶数世界』と定義され、これらの世界では、全てのモノが反転している。(>>159)
⑤ 偶数世界では、ほとんどの者が自我を持っており、その『性格』はオリジナルのものとは反転したものになっている。(>>159)
⑥ 偶数世界の鏡の住人が『主』になることは出来ない。(>>227)

● 入れ替わりについて
① オリジナルが表の世界以外にいる場合、反射物に対して念じれば、表の世界に近い層へと移動できる。(『特権』による入れ替わり)(>>124)
② 2枚での合わせ鏡の状態を創り出した時、表の世界と裏々の世界の人間が入れ替わりを起こすことが出来る。(合わせ鏡による入れ替わり)(>>48)
③ 入れ替わるのは、あくまで『意識』のみであり、肉体はそのままである。(>>49)
④ 入れ替わる時に、一瞬だがお互いにコミュニケーションが取れる。(>>218)
⑤ 入れ替わりは連続して行うことが出来ず、1週間のブランクを必要とする。(>>96)
⑥ 入れ替わりにはどちらかにその『意志』があることが必要となる。(>>51)
⑦ 入れ替わりは閏年の一時期に行える。(2012年は3月21日まで)(>>50)

----―――――――――――――――――――――――

649 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:52:22 xy8dyyCY 583/584


―【鏡の世界でのルール(No.3)】―――――――――――----

⑧ 合わせ鏡による入れ替わりには魔法鏡が必要になる。(>>469) ←New!!
⑨ さらに、合わせ鏡による入れ替わりの場合、この魔法鏡が『2枚目』に位置しなければならない。(>>426) ←New!!
⑩ 入れ替わる際は入れ替わる相手と『目を合わせる』ことが必要となる。(>>426) ←New!!
⑪ 魔法鏡と『特権』を組み合わせて、表の世界から逆方向の世界へと移動することも可能。(>>191) ←New!!

◆ 入れ替わりの時期に関する情報
① 入れ替わりの出来る時期は『旧暦』での『1月1日』から『2月29日』までであり、その時期に入れ替わりが行える。(>>611) ←New!!
② この場合での『旧暦』は『天保暦』のことである。(>>611) ←New!!
③ 『天保暦』が入れ替わりの時期の繋がりは『暦としての完成度の高さ』、『日本人が作成した最期の暦』であること、そして『渋川景佑と伊能忠敬の関係』によって成り立っている。(>>614) ←New!!
④ 『旧暦』の『天保暦』は渋川景佑によって作成されたものである。そしてこの渋川景佑は伊能忠敬と共に本地図測量調査団として第6次調査(四国調査)にも参加した。(>>617) ←New!!

In order to realize the M-RIM ...
----―――――――――――――――――――――――

650 : 以下、名無しが深夜にお送りします... - 2013/01/02 22:54:18 xy8dyyCY 584/584


ここまで読んでくれた人お疲れ様。
そして本当にありがとう。

Have A Happy New Year !!
今年もよろしくお願いします。

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